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特表2024-543037疎水性特性のための表面処理用の微粒子シリカシリレートキット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】疎水性特性のための表面処理用の微粒子シリカシリレートキット
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20241112BHJP
   A63B 71/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
C09K3/14 540D
A63B71/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526727
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022078454
(87)【国際公開番号】W WO2023081581
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】17/932,710
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/810,356
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2022/073334
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/263,484
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/264,674
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523275558
【氏名又は名称】チョークレス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ピッドハーニー ジェイムス エム.
(57)【要約】
本発明は、表面に対して疎水性特性を与えるための、表面、例えば、使用者の皮膚表面など、の処理のための方法、及びキットを提供する。疎水性を与えるための表面への処理は、水性溶液、例えば、水、毒性スラリー、コンクリート、酸、及び塩基などの影響から用具、人材、及び動物を保護する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性処理用のキットであって、
第1の平均サイズの第1の複数のシリカシリレート粒子、
第2の平均サイズの第2の複数のシリカシリレート粒子、及び
第3の平均サイズの第3の複数のシリカシリレート粒子、
を含み、
前記第1の平均サイズは、前記第2の平均サイズより大きく、
前記第2の平均サイズは、前記第3の平均サイズより大きく、及び
前記第1の複数のシリカシリレート粒子は、前記キットにおけるシリカシリレートの体積の少なくとも約20%を表す、
キット。
【請求項2】
請求項1に記載のキットであって、前記第1の平均サイズは、約1mmから4mmである、
キット。
【請求項3】
請求項2に記載のキットであって、前記第2の平均サイズは、約1mmから3mmである、
キット。
【請求項4】
請求項2に記載のキットであって、前記第2の平均サイズは、約0.5mmから1mmである、
キット。
【請求項5】
請求項2に記載のキットであって、前記第2の平均サイズは、約0.4mmから0.6mmである、
キット。
【請求項6】
請求項5に記載のキットであって、前記第3の平均サイズは、約100μm未満である、
キット。
【請求項7】
請求項6に記載のキットであって、前記第3の平均サイズは、約1μmから100μmである、
キット。
【請求項8】
請求項7に記載のキットであって、前記第3の平均サイズは、約10μmから30μmである、
キット。
【請求項9】
請求項8に記載のキットであって、前記複数のシリカシリレート粒子は、メッシュ容器の外表面を皮膚表面にこすりつけることによって使用者の皮膚へのシリカシリレートの塗布を可能にするのに適している多孔質のメッシュ容器内に含まれる、
キット。
【請求項10】
請求項1に記載のキットであって、前記シリカシリレート粒子は、複数の開口部を含む蓋を有する容器内に含まれる、
キット。
【請求項11】
請求項10に記載のキットであって、前記蓋における前記開口部は、前記第2の平均サイズより大きい、及び前記第3の平均サイズより小さい直径を含む、
キット。
【請求項12】
請求項10に記載のキットであって、前記キットは更に、第4の平均サイズを含む第4の複数の粒子を含み、
前記第4の平均サイズは、前記第3の平均サイズより大きく、及び
前記蓋における前記開口部は、前記第4の平均サイズより小さい直径を含む、
キット。
【請求項13】
請求項10に記載のキットであって、前記蓋における前記開口部は、前記第1の平均サイズより小さい、及び前記第3の平均サイズより大きい直径を含む、
キット。
【請求項14】
請求項12に記載のキットであって、前記容器が振とうされる場合、シリカシリレートの粒子を破砕するように構成される前記容器内に破砕要素を更に含む、
キット。
【請求項15】
シリカシリレートを用いて皮膚表面を処理するための方法であって、
第1の複数のシリカシリレートの粒子を表面にこすりつけること、ここで、前記第1の複数の粒子は第1の平均サイズを含み、
第2の複数のシリカシリレートの粒子を表面にこすりつけること、ここで、前記第2の複数の粒子は第2の平均サイズを含み、及び
第3の複数のシリカシリレートの粒子を表面にこすりつけること、ここで、前記第3の複数の粒子は第3の平均サイズを含み、
前記処理は、前記表面に対して水性物質の接着を妨げるために疎水性特性を含む前記表面を結果的にもたらす、
方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記第1の複数の粒子、前記第2の複数の粒子、及び前記第3の複数の粒子をこすりつけることは、同時に起こる、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記表面は、皮膚の表皮層を含む、
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記第1の複数の粒子、前記第2の複数の粒子、及び前記第3の複数の粒子をこすりつけることは、前記皮膚の表皮層の空洞にシリカシリレートを満たすのに役立つ、
方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記第1の複数の粒子、前記第2の複数の粒子、及び前記第3の複数の粒子を多孔質の柔軟な容器内に置くこと、を含み、
前記置くステップは、前記こすりつけるステップの前に起こる、
方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記第1の複数の粒子、前記第2の複数の粒子、及び前記第3の複数の粒子を容器内に置くステップを含み、
前記容器は、複数の吐出口を含む蓋を含み、及び
前記容器が振とうされる場合、前記容器は、シリカシリレートの粒子を破砕するように構成される破砕要素を更に含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年9月16日に出願された「スポーツボールに物質を塗布するための装置及び方法(Devices And Methods For Applying A Substance To A Sports Ball)」と題する米国特許出願番号第17/932,710号の一部継続出願であり、この出願は、2021年9月17日に出願された「ボールの表面などの固体表面に粒子状物質を塗布するためのシステム及び方法、並びに関連文献(Systems And Methods For Applying Particulate Material To Solid Surfaces, Such As Surfaces Of Balls, And Related Articles」と題する米国仮特許出願番号第63/245,742号;2021年10月5日に出願された「スポーツボールへのエアロゲルの均一な塗布のための装置及び方法(Devices And Methods For Uniform Application Of Aerogel To Sports Balls)」と題する米国仮特許出願第63/262,117号;2021年10月18日に出願された「スポーツボールへのエアロゲルの均一な塗布のための装置及び方法(Devices And Methods For Uniform Application Of Aerogel To Sports Balls)」と題する米国仮特許出願第63/262,654号;2021年11月3日に出願された「スポーツボールへの物質の均一な塗布のための装置及び方法(Devices And Methods For Uniform Application Of A Substance To A Sports Ball)」と題する米国仮特許出願第63/263,484号、及び2021年11月30日に出願された「スポーツボールへのエアロゲルの均一な塗布のための装置及び方法(Devices And Methods For Uniform Application Of Aerogel To A Sports Ball)」と題する米国仮特許出願第63/264,674号の利益を主張する。更に、本出願は、2022年9月16日に出願された「スポーツボールに物質を塗布するための装置及び方法(Devices And Methods For Applying A Substance To A Sports Ball」と題する米国特許出願第17/932,710号の一部継続出願であり、この出願は、2022年7月1日に出願された「グリップ向上のための粒子状エアロゲル材料(Particulate Aerogel Material For Grip Enhancement)」と題する米国特許出願第17/810,356号の一部継続出願であり、この出願は、2021年7月1日に出願された「グリップ向上のための粒子状エアロゲル材料(Particulate Aerogel Material For Grip Enhancement)」と題する米国仮出願第63/217,686号の利益を主張する。更に、本出願は、2022年9月16日に出願された「スポーツボールに物質を塗布するための装置及び方法(Devices And Methods For Applying A Substance To A Sports Ball)」と題する米国特許出願第17/932,710号の一部継続出願であり、この出願は、2022年7月1日に出願されたPCT出願第PCT/US22/73334号の一部継続出願であり、この出願は2021年7月1日に出願された「グリップ向上のための粒子状エアロゲル材料(Particulate Aerogel Material For Grip Enhancement)」と題する米国仮出願第63/217,686号の利益を主張する。前述の出願の全内容を、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
【0002】
グリップ向上のための粒子状エアロゲル材料及び関連するシステム及び方法の概要を説明する。
[概要]
【0003】
グリップ向上のための粒子状エアロゲル材料及び関連するシステム及び方法の概要を説明する。ある実施形態は、人の皮膚と、粒子状エアロゲル材料層と、固体表面と、を備える界面に関する。このような界面を作る方法、粒子状エアロゲル材料の包装、及びその応用(グリップ向上を含む)も説明する。本開示の主題は、場合によっては、相互関連製品、特定の課題に対する代替解決策、並びに/又は、1つ以上のシステム及び/若しくは物品の異なる複数の用途を含む。
【0004】
いくつかの実施形態において、方法が提供される。当該方法は、いくつかの実施形態において、人の皮膚と、粒子状エアロゲル材料と、固体表面との間に直接接触及び/又は間接的な固体接触を確立することを備え、粒子状エアロゲル材料は人の皮膚と固体表面との間にある。
【0005】
ある実施形態において、物品が提供される。いくつかの実施形態において、物品は、可撓性容器と、容器内の粒子状エアロゲル材料と、を備える。いくつかの実施形態において、容器の少なくとも一部の境界は、多孔性で、可撓性容器に力が加わると、粒子状エアロゲルが多孔性の境界を通り抜けて運ばれることを可能にする。
【0006】
ある実施形態において、物品は、容器と、容器内の粒子状エアロゲル材料と、を備え、容器は、疎水性のエアロゲル材料が通り抜けて運ばれ得る複数の開口を備える。
【0007】
いくつかの実施形態において、物品は、繊維マトリックスと、繊維マトリックスに付随する粒子状エアロゲル材料と、を備え、繊維マトリックス及び粒子状エアロゲル材料の組み合わせは、シートの形態である。
【0008】
いくつかの実施形態において、物品は、容器と、容器内の複数のシートと、を備え、各シートは、繊維マトリックスと、繊維マトリックスに付随する粒子状エアロゲル材料と、を備える。
【0009】
ある実施形態において、材料が提供される。いくつかの実施形態において、材料は、液体と、液体内で分散した粒子状エアロゲル材料と、を備える。
【0010】
ある実施形態において、キットが提供される。いくつかの実施形態において、キットは、液体と、粒子状エアロゲル材料と、を備え、液体と粒子状エアロゲル材料とが混合される場合、粒子状エアロゲル材料と液体とは、人の皮膚と固体表面との間の摩擦を向上する組み合わせを形成する。
【0011】
ある実施形態において、組み合わせが提供される。組み合わせは、いくつかの実施形態において、人の皮膚と、人の皮膚と接触する粒子状エアロゲル材料と、粒子状エアロゲル材料と接触する固体表面と、を備える。
【0012】
本発明のある実施形態の一態様は、表面にシリカシリレートを塗布して、疎水性のレベルを有する表面特性を増強するためのキットを提供することである。物体、武器、器具、スポーツボールの表面に疎水性の特性を増強することが所望され得る。さらに、ある実施形態において、人又は動物の皮膚の表皮表面を疎水性特性で増強することが所望され得る。皮膚は、通常、半透膜であり、半透膜は、水などの液体、及び化学物質の移動を可能にし、水性物質の皮膚への付着を促進することができる。有毒化学物質を含む環境で作業する場合、皮膚を介する化学物質の移動は、健康被害を起こす可能性がある。疎水性特性の増強は、表皮表面への水性物質の付着を防ぐのに役立つ。このことは、表面の細孔が水性物質で満たされることになるのを防ぐことができるので、表皮表面の向上した清浄度を提供することもできる。
【0013】
本明細書において言及される「水性物質」とは、任意の水ベースの溶液、混合物、スラリーを指し、土壌、泥、体液、酸、塩基、塗料、流体コーティング、試薬又は粒子を含む液体、又は水若しくは水ベースの成分を含む他の混合物を含むが限定されない。疎水性コーティングの利点は、用品の寿命を長くし、及び操作を可能にし、並びに管理された清浄度及び人の保護を可能にする。
【0014】
本明細書に記載されるキットは、使用者が、制御され、及び含まれる方法でシリカシリレートを表面に塗布することを可能にする。ある実施形態は、例えば、バッグなどのシリカシリレート粒子が配置される多孔質メッシュ容器の使用を含む。代替実施形態は、シリカシリレート粒子が配置される容器を備え、容器は、表面に塗布するために制御された量のシリカシリレートを移動させるのに適している複数の開口部を備える蓋をさらに備える。更なる実施形態において、シリカシリレートは、蓋を備える容器内に含まれ、ここで、蓋は、シリカシリレートの粒子よりも小さい開口部を備え、ここで、蓋の開口部を通って移動するのに十分に小さい粒子を生成するために、シリカシリレートを最初に破砕しなければならない。
【0015】
本発明のある実施形態の一態様は、処理用に表面に適用するための複数のシリカシリレート粒子を提供することであり、ここで、粒子は複数の異なるサイズを含み、ここで、粒子のサイズは、特定の表面への適用に適している。例えば、皮膚に適用する場合、直径4mmから直径1nmまでの範囲の複数の粒子サイズを提供することが所望され得る。
【0016】
本発明の一態様は、シリルシリレートを分配する場合、容器の蓋の開口部の詰まりを防止することである。開口部の詰まりは、シリカシリレートの粒子が十分に小さく、複数の粒子が分配開口部を同時に通過することができる場合に起こる可能性がある。ある実施形態において、分配開口部は、シリカシリレートの粒子より小さく、ここで、開口部を通り抜けるために、シリカシリレートの粒子を破砕してより小さなシリカシリレートの粒子を生成しなければならない。ある実施形態は、破砕要素と結論付ける。破砕要素は、シリカシリレート粒子と共に容器内に含まれるように構成され、ここで、容器の振動又は他の動きによって、破砕要素はシリカシリレートの粒子と衝突してより小さな粒子を生成させる。
【0017】
本開示の他の利点及び新規の特徴は、添付の図と共に考慮する場合、以下に述べる本開示の各種の非限定的な実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書と、参照により援用する文書に矛盾する開示及び/又は整合しない開示がある場合、本明細書が優先されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の非限定的な実施形態を添付の図と共に説明するが、これらの図は概略図であり、特に明記しない限り正確な縮尺を意図するものではない。図中、図示された同一又はほぼ同一の構成要素にはそれぞれ、通常1つの番号を付す。明確にするため、当業者が本開示を理解するのに図示が不要な場合、各図において全ての構成要素に符号を付すものではなく、本開示の各実施形態の全ての構成要素に符号を付すものでもない。
図1】ある実施形態に係るエアロゲル粒子の拡大図を示す。
図2】ある実施形態に係る様々なサイズ及び形状の粒子状エアロゲル材料を示す。
図3】ある実施形態に係る粒子状エアロゲル材料を含む多孔性の可撓性容器を示す。
図4】ある実施形態に係る粒子状エアロゲル材料を含み、複数の開口を有する着脱可能な蓋を備える容器を示す。
図5】ある実施形態に係る繊維マトリックス及び付随する粒子状エアロゲル材料の組み合わせを備えるシートを示す。
図6図5の繊維シートのロールを示し、シートはミシン目を備える。
図7】ある実施形態に係る図5の繊維シートを備えた容器を示す。
図8A】ある実施形態に係る、少なくとも表面積の一部を覆う粒子状エアロゲル材料層を備えた人の手を示す。
図8B】ある実施形態に係る、固体表面と接触している、図8Aの粒子状エアロゲル材料層を備えた手を示す。
図8C】ある実施形態に係る、例えば岩などの物体に接触している、図8Aの粒子状エアロゲル材料層を備えた手を示す。
図8D】ある実施形態に係る、例えばボールなどの物体と接触している、図8Aの粒子状エアロゲル材料層を備えた手を示す。
図8E】ある実施形態に係る、例えば把持部などの物体と接触している、図8Aの粒子状エアロゲル材料層を備えた手を示す。
図9】ある実施形態に係る、少なくとも表面積の一部を覆う粒子状エアロゲル材料層を備えた人の足を示す。
図10A】ある実施形態に係る、人の皮膚上の粒子状エアロゲル材料層を示す。
図10B】ある実施形態に係る、人の皮膚と表面との間の粒子状エアロゲル材料層を示す。
図10C】ある実施形態に係る、表面の上の粒子状エアロゲル材料層を示す。
図10D】ある実施形態に係る、人の皮膚と表面との両方に設けられ、互いに接近する粒子状エアロゲル材料層を示す。
図10E】ある実施形態に係る、人の皮膚と間接的に固体接触する粒子状エアロゲル材料層を示す。
図10F】ある実施形態に係る、固体の表面と間接的に固体接触する粒子状エアロゲル材料層を示す。
図11】ある実施形態に係る、少なくとも外部表面積の一部を覆う粒子状エアロゲル材料層を備えた手袋を示す。
図12】ある実施形態に係る、少なくとも外部表面積の一部を覆う粒子状エアロゲル材料層を備えたボールを示す。
図13】ある実施形態に係る、液体中に分散する粒子状エアロゲル材料を備えた液体を示す。
図14】ある実施形態に係る、当該表面積の少なくとも一部を覆う粒子状エアロゲル材料の層を備える人間の手を示す。
図15】ある実施形態における人間の皮膚の表面の縮尺されたトポグラフィー図、及びシリカシリレート粒子の人間の皮膚との相互作用を示す。
図16】ある実施形態における異なる平均サイズのシリカシリレート粒子の相対サイズにおける代表的な図を示す。
図17A図17Aは、シリカシリレート粒子の分配のための蓋を備えた容器を含む、シリカシリレートを用いた表面処理のためのキットを示す。
図17B図17Bは、シリカシリレート粒子の分配のための蓋を備えた容器を含む、シリカシリレートを用いた表面処理のためのキットを示し、ここで、容器の側面は内側に押しつぶされるように構成される。
図17C図17Cは、シリカシリレートを用いた表面処理のためのキットを示し、分配開口部を通過できるように大きなシリカシリレート粒子を破砕するためのキットに含まれる破砕要素を含む。
【発明を実施するための形態】
【0019】
グリップは、人と固体表面との自然な相互作用である。例えば人は、物体を掴まなければならない場合がある。また他の例において、人は一時的に表面を掴まなければならない場合がある。グリップは、汗、天然油の分泌、皮膚及び/又は掴む又は掴まれた表面の滑らかさ、並びに環境による水分/油分により、妨げられることが多い。このため、グリップを高めるには、人の皮膚と固体表面との間の摩擦を向上させることが望ましい。本開示は、人のグリップに有用な方法及び材料を提供する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料を人の皮膚に塗布することにより、固体表面に対するグリップが向上する。他の例において、掴まれる固体表面に粒子状エアロゲル材料を塗布することにより、グリップが向上する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料を手袋、履物、又は他の衣類の外面に塗布することにより、グリップが向上する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料により、向上した摩擦性、吸収性、制汗性、テクスチャー特性又は表面積に係る特性がもたらされる。
【0020】
発明者は、粒子状エアロゲル材料を人の皮膚に塗布すると、その人の皮膚と固体表面との間のグリップが向上するという予期せぬ結果を観察した。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間に界面を形成する。
【0021】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間、及び/又は人の皮膚が(直接的に又は間接的な固体接触で)接触する材料の表面と固体表面との間の摩擦係数を上昇させる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、粒子状エアロゲル材料が存在しない場合の摩擦係数と比較して、人の皮膚と固体表面との間の摩擦係数を、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%上昇させる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、粒子状エアロゲル材料が存在しない場合の摩擦係数と比較して、人の皮膚に(直接的、又は間接的な固体接触で)接触する表面(例えば、手に装着した手袋の外面)と固体表面との間の摩擦係数を、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%上昇させる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、制汗機能を提供する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚の孔を塞ぐことにより、及び/又は人の皮膚から分泌された汗を吸収することにより、制汗機能を提供する。いくつかの実施形態において、人の皮膚に見られる天然油は、粒子状エアロゲル材料により少なくとも部分的に吸収され、その結果、粒子状エアロゲル材料が皮膚に密着する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は水をはじき、人の皮膚の上で、及び/又は人の皮膚が(直接的、又は、間接的な固体接触で)接触する材料の表面と固体表面との間で、撥水層又は防水層として作用する。
【0022】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、高表面積を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、少なくとも100m/g、少なくとも200m/g、少なくとも300m/g、少なくとも400m/g、少なくとも500m/g、少なくとも600m/g、少なくとも700m/g、少なくとも800m/g、少なくとも900m/g、少なくとも1,000m/g、少なくとも1,100m/g又は少なくとも1,200m/gの表面積を示す。いくつかの実施形態において、人の皮膚と接触する粒子状エアロゲル材料が存在することで、グリップに利用可能な表面積が増加する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は高い表面粗さを有するため、人の皮膚の表面に質感を増加させる。いくつかの実施形態において、これらの機能、及び/又はこれらの機能の組み合わせにより、人の皮膚と固体表面との間のグリップ向上、及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間のグリップ向上がもたらされる。
【0023】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、高多孔質構造を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、0.05g/cm以上、1g/cm以上、2g/cm以上、3g/cm以上、4g/cm以上又は5g/cm以下のBJH細孔容積を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、小さい孔径を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、10nm未満、20nm未満、30nm未満、40nm未満、50nm未満、60nm未満、70nm未満、80nm未満、90nm未満、100nm未満、500nm未満、1μm未満、10μm未満、100μm未満、又は1mm未満のBJH平均細孔幅を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の細孔容積が高いため、良好な吸着が得られる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の孔径が小さいため、人の皮膚に見られる天然油及び/又は汗により、効率的な毛管現象によって湿らされる。
【0024】
グリップを改善するために今般存在する解決策としては、チョーク、制汗剤、及び手袋がある。チョークは、一時的なグリップ向上をもたらす。しかし、チョークは発汗を防止せず、汚れる上に表面に跡が残り、高多孔性ではなく、親水性であるため簡単に洗い落とされる。制汗剤は人の皮膚からの発汗抑制に役立つが、皮膚の表面積を増加させることはなく、すでに存在する水分を除去することもない。手袋及び他種の衣料品は、グリップの改善に役立つが、全ての用途に適しているわけでも、又は許容されているわけでもない。手袋はまた、器用さが損なわれることにより、又は把持した物体の直径が増加することにより、所望の動きを妨げ得る。手袋が許容される状況においてさえ、湿気が妨げになり得、及び/又は、滑らかな表面に対してはグリップが効かないことがあり得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料が人の皮膚と固体表面との間にある場合に、人の皮膚と、粒子状エアロゲル材料と、固体表面との間で直接接触及び/又は間接的な固体接触を確立すると、人の皮膚と固体表面との間の摩擦が増加する。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、人の皮膚と固体表面との間の表面積を増加させることと、人の皮膚に存在し得る油又は汗を吸収することと、の両方により、粒子状エアロゲル材料が人の皮膚と固体表面との間との摩擦を増加させると考えられる。いくつかの実施形態において、人の皮膚は足(例えば、足の裏)にある。いくつかの実施形態において、人の皮膚は手(例えば手のひら及び/又は手の指の内側の面など、手の内側)にある。いくつかの実施形態において、人の皮膚は腕にある。いくつかの実施形態において、人の皮膚は脚にある。いくつかの実施形態において、人の皮膚は胴にある。いくつかの実施形態において、人の皮膚は顔にある。他の実施態様において、人の皮膚は背中にある。
【0026】
いくつかの実施形態において、(例えば、人の皮膚と粒子状エアロゲル材料との間に直接接触又は間接的な固体接触を確立するために)人の皮膚が、まず粒子状エアロゲル材料に接触し、次に、(例えば、固体表面と粒子状エアロゲル材料との間に直接的又は間接的な固体接触を確立するために)人の皮膚と接触する粒子状エアロゲル材料が固体表面に接触する。
【0027】
いくつかの実施形態において、(例えば、固体表面と粒子状エアロゲル材料との間に直接的又は間接的な固体接触を確立するために)固体表面がまず粒子状エアロゲル材料に接触し、次に、(例えば、人の皮膚と粒子状エアロゲル材料の間に直接接触又は間接的な固体接触を確立するために)人の皮膚が、固体表面と接触する粒子状エアロゲル材料に接触する。
【0028】
いくつかの実施形態において、人の皮膚は、粒子状エアロゲル材料と直接接触する。いくつかの実施形態において、人の皮膚は、人の皮膚と粒子状エアロゲルとの間に固体材料(例えば、固体層)がない状態で、粒子状エアロゲル材料に接触している。例えば、図10Aにおいて、粒子状エアロゲル材料4は、人の皮膚18と直接接触する。
【0029】
いくつかの実施形態において、人の皮膚は、粒子状エアロゲル材料と間接的に固体接触する。2つの固体の間に1つ以上の固体材料があり、第1の固体から第2の固体へと、固体材料のみを通過する少なくとも1つの経路をたどることができる場合、その2つの固体は「間接的に固体接触」すると言う。一例として、手袋をはめて粒子状エアロゲル材料を手袋の外表面に塗布する場合、手から手袋(固体)を介して粒子状エアロゲル材料へと経路をたどることができるため、手と粒子状エアロゲル材料とは間接的に固体接触すると言えるだろう。2つの固体が互いに直接、物理的に接触する場合、それら2つの固体は「直接接触」すると言う。一例として、図10Eにおいて、固体層22が人の皮膚18と粒子状エアロゲル材料4とに直接接触するので、粒子状エアロゲル材料4は人の皮膚18と間接的に固体接触する。
【0030】
例えば、2つの物体の界面の一部に1つ又は複数の介在固体材料があり、2つの物体の界面の他の一部が直接接触する場合、2つの物体は互いに直接接触し、かつ互いに間接的に固体接触し得る。
【0031】
人の皮膚と粒子状エアロゲルとが間接的に固体接触するいくつかの実施形態において、人の皮膚と粒子状エアロゲルとの間の材料は、層の形態である。例えば、図10Eにおいて、層22は、人の皮膚18と粒子状エアロゲル材料4との間に存在する。いくつかの実施形態において、層の厚さは、5mm未満、4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、500μm未満、又は250μm未満である。いくつかの実施形態において、人の皮膚と粒子状エアロゲル材料との間の層は、衣料品を備える。衣料品は、例えば、手袋、靴下、靴、ブレース、シングレット、又はレオタードでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、固体表面は、粒子状エアロゲル材料と直接接触する。いくつかの実施形態において、固体表面は、固体表面と粒子状エアロゲルとの間に固体材料(例えば、固体層)がない状態で、粒子状エアロゲル材料に接触している。例えば、図10Cにおいて、固体14の上面は、粒子状エアロゲル材料4と直接接触する。
【0033】
いくつかの実施形態において、固体表面は、粒子状エアロゲル材料と間接的に固体接触する。一例として、図10Fにおいて、固体層22が人の皮膚18と固体14の上面とに直接接触するので、粒子状エアロゲル材料4は、固体14の上面と間接的に固体接触する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料と固体表面とが間接的に固体接触し、粒子状エアロゲル材料と固体表面との間の材料は、層の形態である。例えば、図10Fにおいて、層22は、固体13の上面と粒子状エアロゲル材料4との間に存在する。いくつかの実施形態において、層の厚さは、5mm未満、4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、500μm未満、又は250μm未満である。
【0034】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、平均最大断面寸法を有する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の平均最大断面寸法は、1cm以下である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の平均最大断面寸法は、50nm以上、1cm以下である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲルの平均最大断面寸法は、50nm以上、100nm以上、250nm以上、500nm以上、1μm以上、10μm以上、25μm以上、50μm以上、100μm以上、250μm以上、500μm以上、1mm以上、又は1cm以上である。平均最大断面寸法は、数平均とし、顕微鏡法を用いて測定され得る。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の平均最大断面寸法は、粒子状エアロゲル材料の代表試料をスライド又は他の適切な分析基盤に配置し、(例えば、画像キャプチャハードウェア及びソフトウェアを使用して適切な拡大倍率で粒子状エアロゲル材料試料の画像をキャプチャして)粒子を撮像し、(例えば、画像処理ソフトウェアを使用して試料に存在するそれぞれ個々の粒子の最大断面寸法を求め、)各粒子の最も大きい断面寸法を決定することにより測定し得る。好適な拡大装置としては、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡(SEM)が挙げられる。そして、すべての個々の粒子の最大断面寸法を平均して、試料の平均最大断面寸法を求める。
【0035】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%は、1cm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%(又は少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%、又は少なくとも95vol%)は50nm以上、0.1mm以上、0.7mm以上、1mm以上、及び/又は1cm以下、3mm以下、又は1.2mm以下である最大断面寸法を有する粒子で構成される。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%、又は少なくとも95vol%は、1cm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%は、50nm以上1cm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%、又は少なくとも95vol%は、50nm以上1cm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%又は少なくとも95vol%は、0.1mm以上1.2mm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%又は少なくとも95vol%は、1mm以上3mm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50%は、0.7mm以上1.2mm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%又は少なくとも95vol%は、0.7mm以上1.2mm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%又は少なくとも95vol%は、0.1mm以上4mm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%(又は少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%又は少なくとも95vol%)は、50nm以上、0.1mm以上、0.7mm以上、1mm以上、並びに/又は、1cm以下、3mm以下、若しくは1.2mm以下のISO 13320-1の断面寸法を有する粒子で構成される。本明細書で用いられる「ISO 13320-1の断面寸法」は、ISO規格13320-1に従ってレーザー回折で測定された場合の粒子状エアロゲルの最大断面寸法を指す。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%、少なくとも60vol%、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも90vol%又は少なくとも95vol%は、0.7mm以上1.2mm以下のISO 13320-1の断面寸法を有する粒子で構成される。
【0037】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、無機酸化物エアロゲルを備える。いくつかの実施形態において、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも99wt%、少なくとも99.9wt%又は少なくとも99.99wt%の粒子状エアロゲル材料は、無機酸化物エアロゲルで構成される。いくつかの実施形態において、無機酸化物エアロゲルは、シリコン、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ニオブ、タンタル、鉄、バナジウム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、及び/又はエルビウムの酸化物を備える。いくつかの好ましい実施形態において、無機酸化物エアロゲルは、シリカエアロゲル(例えば、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも99wt%、少なくとも99.9wt%又は少なくとも99.99wt%の量)を備える。更なる好ましい実施形態において、無機酸化物エアロゲルは、トリメチルシリル化されたシリカエアロゲル(例えば、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも99wt%、少なくとも99.9wt%又は少なくとも99.99wt%の量)を備える。
【0038】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、内部比表面積を示してもよい。本明細書で使用する場合、内部表面積と比表面積とは同じ意味を有し、同じ現象を記述する。本明細書で記載する場合、これらの値をBET表面積と称してもよい。粒子状エアロゲル材料の内部比表面積は、窒素吸着ポロシメトリを使用し、ブルナウアー・エメット・テラー(BET)モデルを使用した表面積値を導くことで、求めることができる。例えば、窒素収着ポロシメトリは、Micromeritics社のTristarII3020表面積・多孔質分析装置を用いて行うことができる。ポロシメトリ分析の前に、試験片を~100トルの真空状態に24時間置き、試験片の孔から吸着水又は他の溶媒を除去してもよい。ポロシメータは、分圧の関数として吸着又は脱着した分析ガスの量を示す吸着等温線及び脱着等温線を提供可能である。比表面積は、表面積を測定する際に通常使用される範囲において、BET方法を用いて吸着等温線から算出してもよい。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料のBET表面積は、5m/g以上、50m/g以上、100m/g以上、200m/g以上、300m/g以上、400m/g以上、500m/g以上、600m/g以上、700m/g以上、800m/g以上、1,000m/g以上、2,000m/g以上、3,000m/g以上、並びに/又は、1,500m/g以下若しくは4,000m/g以下である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料のBET表面積は、5m/g以上4,000m/g以下である。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料のBET表面積は、100m/g以上1,500m/g以下である。エアロゲルのBET表面積の値は、これらの範囲外であってもよい。いくつかの好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、200m/gより大きいBET表面積を示す。更なる好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、500m/gより大きいBET表面積を示す。
【0039】
粒子状エアロゲル材料は、いくつかの様々な適切な細孔構造を有し得る。細孔幅の分布、細孔面積の分布、及び平均細孔径は、細孔幅及び細孔面積の分布を測定する際に通常再使用される範囲においてバレット・ジョイナー・ハレンダ(BJH)方法を用いた窒素脱着等温線から算出されてもよい。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、100μ以下、10μ以下、1μ以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、50nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下及び/又は10nm以下の細孔を備える。いくつかの実施形態において、エアロゲルは、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、50nm以上、100nm以上、250nm以上、500nm以上、1μ以上、10μ以上、及び/又は100μ以上の細孔を備える。平均細孔幅、例えば、平均細孔径(円筒細孔の場合)は、細孔幅=4×(総比容積)/(比表面積)で算出してもよく、総比容積及び比表面積も、脱着等温線のBJH分析を使用して算出されてもよい。いくつかの実施形態において、平均細孔幅は、10nm以下、20nm以下、30nm以下、40nm以下、50nm以下、60nm以下、70nm以下、80nm以下、90nm以下、100nm以下、500nm以下、1μm以下、10μm以下、100μm以下又は1mm以下である。特定の好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の平均細孔幅は、50nm以下である。いくつかの好ましい実施形態において、粒子状エアロゲル材料の平均細孔幅は、20nm以下である。
【0040】
いくつかの実施形態において、エアロゲルの細孔幅分布は、単峰型でもよい(すなわち、単一の最大値を示してもよい)。いくつかの実施形態において、細孔幅分布の最大値は、10nm以下、20nm以下、30nm以下、40nm以下、50nm以下、60nm以下、70nm以下、80nm以下、90nm以下、100nm以下、500nm以下、1μm以下、10μm、100μm以下、又は1mm以下で見られる。いくつかの実施形態において、エアロゲルは、単峰型の細孔径分布を備える。
【0041】
いくつかの実施形態において、エアロゲルの細孔幅分布は、二峰型、又は少なくとも二峰型でもよい。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は、2つの異なった細孔群を有し得る。すなわち、境界となる特定の細孔幅より小さい平均細孔径を有するものと、境界となる特定の細孔幅より大きい平均細孔径を有するものとを有することができる。いくつかの実施形態において、境界となる特定の細孔幅は、10nm以下、20nm以下、30nm以下、40nm以下、50nm以下、60nm以下、70nm以下、80nm以下、90nm以下、100nm以下、500nm以下、1μm以下、10μm以下、100μm以下、又は1mm以下である。いくつかの実施形態において、エアロゲルは、二峰型細孔径分布を備える。
【0042】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、0.05cm/g以上5cm/g以下のBJH細孔容積を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、0.05g/cm以上、1g/cm以上、2g/cm以上、3g/cm以上、4g/cm以上及び/又は5g/cm以下のBJH細孔容積を示す。
【0043】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、1秒以上、1分以上、15分以上、30分以上、1時間以上、4時間以上又は8時間以上、皮膚に存在してもよい。いくつかの実施形態において、活発な運動の後、付着した粒子状エアロゲル材料の1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は95%以上が、人の皮膚の上に残ってもよい。いくつかの実施形態において、活発な運動は、15分を超えて継続する身体活動であって、その間の当該身体活動中に、心拍数が1分につき少なくとも120拍まで増加する身体活動として記述されてもよい。いくつかの実施形態において、人の皮膚に塗布された粒子状エアロゲル材料を5分間水没させた後、付着した粒子状エアロゲル材料の1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は95%以上が人の皮膚の上に残ってもよい。いくつかの実施形態において、人の皮膚に塗布された粒子状エアロゲル材料が固体表面に接触した後、付着した粒子状エアロゲル材料の1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は95%以上が人の皮膚の上に残ってもよい。人の皮膚に残っている付着した粒子状エアロゲル材料の割合は、塗布された人の皮膚を目視、光学顕微鏡法、又は定性接触分析により決定し得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人に対し非毒性である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人に対し非発癌性である。
【0045】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、非マーキング性である。粒子状エアロゲル材料が固体表面に接触した後に、目視で観察できる永続的な材料堆積物を残さない場合、粒子状エアロゲル材料は非マーキング性であると考えられる。
【0046】
エアロゲルは、ナノ構造体を相互に接続した多孔質の三次元網目構造を備える、低密度の固体材料の一種である。エアロゲルは通常、多様な望ましい材料特性、特に高比表面積、低嵩密度、低熱伝導率及び/又は低誘電率を含む、材料特性を示す。エアロゲルは通常、ゾル・ゲル過程で生成される。つまり、このような過程において、溶液中でモノマーを反応させ、液体中にナノ粒子を分散させたゾルと称するものを形成する。あるいは、溶液中にナノ粒子を分散させてゾルを形成することが可能で、第二段階において又は第一段階と同時に、粒子がゲルを形成する。当該ゲルの間隙流体は、実質的な高密度化を避けるような方法で抽出され、高多孔質の固体(エアロゲル)が残る。無機酸化物エアロゲルは一般的に、もともと親水性で、水分を吸収する親水性表面機能を有する。あるいは、無機酸化物エアロゲル材料は、ゲル段階のゲル又は乾燥したエアロゲルを反応性疎水物質と反応させることにより、疎水性にすることができる。疎水物質は一般的に、ゲル又はエアロゲルの骨格に並ぶ表面官能基の組成を変えることにより、ゲル又はエアロゲルに疎水性を付与するために用いられる反応性化学剤である。ゲルは、疎水物質を備える溶液に浸すことにより、疎水物質と反応させることができる。エアロゲルは、疎水物質を含む蒸気をエアロゲルの細孔に流すことにより、疎水物質と反応させることができる。いくつかの実施形態において、疎水物質は、有機シランを備えてもよい。いくつかの好ましい実施形態において、疎水物質は、ヘキサメチルジシロキサンを備える。いくつかの好ましい実施形態において、疎水物質は、ヘキサメチルジシランを備える。いくつかの実施形態において、疎水性粒子状エアロゲル材料は、トリメチルシリル化されたシリカエアロゲルを備える。
【0047】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、まず大きなエアロゲルのモノリスを製造し、続いてモノリスを粒子状物質にすることで形成できる。本開示に係る使用可能なエアロゲル、及びその製造方法は、2019年11月26日に発行され、2017年2月23日にUS2017/0050990として公開された米国特許第10,487,095号と、2019年5月28日に発行され、2012年6月21日にUS2012/0152846として公開された米国特許第10,301,445号と、2019年10月15日に発行され、2018年6月14日にUS2018/0162736として公開された米国特許第10,442,693号と、2011年10月13日に公開された米国特許出願公開第2011/0250428号と、2004年7月20日に発行された米国特許第6,764,667号と、2020年11月3日に発行され、2019年11月28日にUS2019/0359787として公開された米国特許第10,822,466号と、に記載されている。これらは、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に援用される。
【0048】
化合物の「分配係数」(P)は、n-オクタン-1-オールと水の混合物における平衡状態での化合物の濃度比である。化合物の「LogP」は化合物の分配係数の対数(ログ)である。化合物のLogPは、下記の方程式により求められる。
【0049】
LogP=Log((混合物のn-オクタン-1-オール相における化合物の濃度)/(混合物の水相における化合物の濃度))
【0050】
これは例えば、化合物がn-オクタン-1-オール及び水においてイオン化されない場合の式である。LogPは、約25℃及び約1気圧で求められてもよい。LogP値が高いほど、疎水性が高いことを示唆し得る。いくつかの実施形態において、疎水物質は1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上又は4以上のLogPを有し得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、無機酸化物エアロゲルを好適な疎水物質と反応させると、エアロゲルのLogPが増加する。いくつかの実施形態において、無機酸化物エアロゲルを好適な疎水物質と反応させると、反応後のエアロゲルのLogPは、0.5ポイント以上、1ポイント以上、1.5ポイント以上、2ポイント以上、2.5ポイント以上又は3ポイント以上増加する。いくつかの実施形態において、反応後の無機酸化物エアロゲルのLogPは、1以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上、又は4以上である。
【0052】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるエアロゲルは、1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上又は4以上のLogPを有し得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、疎水性を示してもよい。疎水性という用語は、材料と水との間に引力が存在しない、及び/又は部分的に存在しないことを意味する。いくつかの実施形態において、バルク材料の疎水性とは、表面に適用する場合の当該性質を意味する。ある実施形態において、ざらつきのある表面の見かけの疎水性は、バルク材料の化学的疎水性より高くてもよい。
【0054】
粒子状エアロゲル材料の疎水性は、液体水の取り込みで表すことができる。液体水の取り込みという用語は、液状の水と接触することにより、水を吸収、吸着、又は保持する、材料又は組成物の能力を意味する。液体水の取り込みは、いくつかの方法で表すことができる。例えば、粒子状エアロゲル材料の開口細孔容積又はエンベロープ容積の割合又は百分率として、又は、濡れていない粒子状エアロゲル材料の質量に対する割合又は百分率として、表すことができる。報告された液体水の取り込みは、特定の条件下で行われる測定であると理解される。異なる粒子状エアロゲル材料よりも優れた、又は改良された液体水の取り込みを有する粒子状エアロゲル材料は、液体水の取り込みが少ないと理解される。
【0055】
いくつかの実施形態において、ASTM規格C1763に従い測定する場合、粒子状エアロゲル材料は、液体水と接触する前の粒子状エアロゲル材料の重量に対し、100wt%未満、80wt%未満、70wt%未満、60wt%未満、50wt%未満、40wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、10wt%未満、5wt%未満、4wt%未満、3wt%未満、2wt%未満、1wt%未満又は0.1wt%未満の液体水の取り込みを有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、EN規格1609に従い測定する場合に、粒子状エアロゲル材料は、液体水と接触する前の粒子状エアロゲル材料の重量に対し、100wt%未満、80wt%未満、70wt%未満、60wt%未満、50wt%未満、40wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、10wt%未満、5wt%未満、4wt%未満、3wt%未満、2wt%未満、1wt%未満又は0.1wt%未満の液体水の取り込みを有する。
【0057】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料を25℃で24時間、水中に沈めると、粒子状エアロゲル材料は、水中に沈める前の粒子状エアロゲル材料の乾燥質量の30%未満の水量を外側境界内に取り込む。
【0058】
粒子状エアロゲル材料の疎水性は、水接触角で表すことができる。水接触角という用語は、粒子状エアロゲル材料でできた表面と接触する1滴の水の平衡接触角を意味する。接触角は、以下の通り求めることができる。外径2cm、内径1cmのポリカーボネート環状体であって、高さ2cm、片方の端部をポリカーボネート平板で塞いだ、深さ2cmのウェルを準備する。粒子状エアロゲル材料をウェルの上部に加える。次に、ポリカーボネートシリンダを10回ほど軽くたたき、粒子状エアロゲル材料を安定させる。粒子状エアロゲル材料をさらに追加し、ポリカーボネートシリンダ内の微粒子の高さがウェルの上部と同一又はウェルの上部を超えるまでこの過程を繰り返す。金属製の実験用ヘラでウェルの上部全体をならし、余剰材料を取り除いて試験領域を確実に平坦にする。次に、パスツールピペットで脱イオン水を一滴、粒子状エアロゲル材料の中心の頂上に置く。次に、液滴の側面から水滴の写真を撮る。次に、液滴の画像を、画像処理ソフトウェアを使用して処理し、液滴とウェル中の微粒子の上面との接触角を測定する。接触角は液滴の嵩により測定される。いくつかの実施形態において、エアロゲル粒子の平均最大断面寸法が2μm以上40μm以下となるように、微粒子は試験の前に圧砕又は粉砕される。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、いくつかの実施例において、粒径が小さいと、粒子状エアロゲル材料がより密接して充填され、接触角測定に対する組織表面効果が低減すると考えられる。いかなる特別な理論にも束縛されることを望むものではないが、第2の粒子状エアロゲル材料よりも高い水接触角を示す粒子状エアロゲルは、第2の粒子状エアロゲル材料と比べて優れた又は改良された疎水性を有し得ると考えられる。いくつかの実施形態において、この方法により粒子状エアロゲル材料を試験する場合、少なくとも1つの温度及び気圧の周囲空気において、水接触角は90°超、100°超、110°超、120°超、130°超、140°超、150°超、160°超、170°超、又は170°と180°の間でもよい。いくつかの実施形態において、この方法により粒子状エアロゲル材料を試験する場合、1気圧及び25℃の周囲空気において、水接触角は90°超、100°超、110°超、120°超、130°超、140°超、150°超、160°超、170°超、又は170°と180°の間でもよい。いくつかの好ましい実施形態において、本明細書に記載の試験に従って測定される場合、粒子状エアロゲル材料は、1気圧及び25℃の周囲空気環境において、90°超の水接触角を示す。
【0059】
粒子状エアロゲル材料の疎水性は、水蒸気の取り込みで表すことができる。水蒸気の取り込みという用語は、材料又は組成物が蒸気状態の水との接触により水を吸収、吸着、又は保持する能力を意味する。水蒸気の取り込みは、水蒸気への露出前の粒子状エアロゲル材料の質量に対し、保持された水の割合又は百分率で表すことができる。報告された水蒸気の取り込みは、特定の条件下で行われる測定であると理解される。異なる粒子状エアロゲル材料よりも優れた、又は改良された水蒸気の取り込みを有する粒子状エアロゲル材料は、水蒸気の収着又は保持が少ないと理解される。いくつかの実施形態において、ASTM規格C1104に従い測定される場合、水の取り込みは、水蒸気への露出前の粒子状エアロゲル材料の重量に対し、100wt%未満、80wt%未満、70wt%未満、60wt%未満、50wt%未満、40wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、10wt%未満、5wt%未満、4wt%未満、3wt%未満、2wt%未満、1wt%未満又は0.1wt%未満であってもよい。
【0060】
粒子状エアロゲル材料の疎水性は、水に沈めた後の、保持された内部表面積で表すことができる。粒子状エアロゲル材料を脱イオン水へ沈めた後、完全に乾燥させ、本明細書において概要を説明する通り窒素収着ポロシメトリを行い、材料の残留する内部表面積を測定する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、水に沈める前の同じ粒子状エアロゲル材料の内部表面積の5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超又は95%超を保持する。
【0061】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、635nmで5%以上の光透過率を示す。
【0062】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、比較的高い光透過率を示してもよい。いくつかの実施形態において、ASTM規格E424に従い試験する場合、粒子状エアロゲル材料は5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は95%以上の光透過率を示す。いくつかの好ましい実施形態において、ASTM E424に従い試験する場合、粒子状エアロゲル材料は89%/cm以上の光透過率を示す。
【0063】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚からの天然油を直ちに吸収する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚から分泌される天然油を吸収する粒子状エアロゲル材料の能力測定の代用検査として用いられ得る鉱油の取り込みを示す。鉱油の取り込みという用語は、鉱油と接触することで材料又は組成物が鉱油を吸収、吸着、又は、保持する能力を意味する。鉱油の取り込みは、濡れていない粒子状エアロゲル材料の質量に対する割合又は百分率として表すことができる。本明細書に記載する鉱油の取り込みは、Sigma Aldrich社のCAS番号8012-95-1鉱油を使用して測定される。異なる粒子状エアロゲル材料と比較して優れた、又は改良された鉱油の取り込みを有する粒子状エアロゲル材料は、より高い鉱油の取り込みを有すると理解される。いくつかの実施形態において、鉱油の取り込みは、鉱油に沈める前の粒子状エアロゲル材料の重量に対し、0.1wt%以上、1wt%以上、2wt%以上、3wt%以上、4wt%以上、5wt%以上、10wt%以上、20wt%以上、30wt%以上、40wt%以上、50wt%以上、60wt%以上、70wt%以上、80wt%以上、100wt%以上、200wt%以上、300wt%以上、500wt%以上、又は1,000wt%以上であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料を25℃で24時間、鉱油に沈めると、粒子状エアロゲル材料は、鉱油に沈める直前の粒子状エアロゲル材料の乾燥質量の20%以上の鉱油を微粒子の外側境界の中に取り込む。
【0065】
いくつかの実施形態において、1N/cm未満の圧力を受けると、粒子状エアロゲル材料は破砕する。いくつかの実施形態において、10kPa以下、20kPa以下、50kPa以下、100kPa以下、又は200kPa以下の圧力を受けると、粒子状エアロゲル材料は破砕する。粒子状エアロゲル材料が破砕する圧力は、下記に従い測定できる。外径2cm、内径1cmの光学的に透明なポリカーボネート環状体であって、高さ2cm、片方の端部をポリカーボネート平板で塞いだ、深さ2cmのウェルで、ウェルの深さ1cmに対応する外部表面側にレベル・マークを有するものを準備する。粒子状エアロゲル材料を、ウェルのレベルラインまで加える。次に、ポリカーボネートウェルを10回ほど軽くたたき、粒子状エアロゲル材料を安定させる。粒子状エアロゲル材料をさらに追加し、ポリカーボネートウェルにおいて微粒子の高さがちょうど1cmの深さのレベル・マークに到達するまで、この過程を繰り返す。次に、ポリカーボネート環を、万能材料試験器(例えば、Instron3366)上の圧縮盤の間の中央に置く。直径0.9cm、高さ2cmのポリカーボネートロッドをポリカーボネート環のウェルのエアロゲルの上にそっと配置する。次に、圧縮盤を1mm/sの速度で圧縮し、シリンダが発揮する200kPa圧力に相当する0.64Nの力に達するまで、又は、2cmのロッドを押し込めなくなるまで力を変位の関数として記録する。次に、圧縮盤をスタート位置に戻し、エアロゲルの体積にかかる外部負荷を除去する。試験の前後で目視観察を行い、200kPaの以下の応力でウェル内の少なくとも1つの粒子が2つ以上に割れる場合、材料は粉砕可能であるとする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実験により、200kPaの応力が印加された後、5%超の量の粒子の体積に永続的な圧縮の軸方向の撓みがあるとうような、ウェル内の粒子状エアロゲル材料の体積に永続的な圧縮が生じる。いくつかの実施形態において、1N/cm未満の圧力を受けると、粒子状エアロゲル材料は破砕する。
【0066】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、いくつかの実施形態において、粉砕可能な粒子状エアロゲル材料は、グリップを向上する(例えば、人の皮膚と固体表面との間の摩擦を増加させる)ために有利であってもよい。なぜなら、エアロゲル粒子が人の皮膚及び/又は固体表面上に、より容易に分散及び/又は保持され得るためである。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、平均的な力を有する女性が最小の力で砕くことができる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、平均未満の力を有する女性が砕くことができる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、平均的な力を有する男性が砕くことができる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、平均未満の力を有する男性が砕くことができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲルが人の皮膚と固体表面との間に存在する場合、粒子状エアロゲルが存在しない以外同一の条件である場合と比べて、人の皮膚と固体表面との間の摩擦が大きい。
【0068】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は握持可能な物体の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は把持部の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は握持部の一部である。いくつかの実施形態において、握持部及び/又は把持部は、人の手に少なくとも部分的に合致する輪郭を備えてもよい。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、革で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、木で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、ポリマー(例えば、合成皮革、軟質ポリウレタン又は他のポリマー)で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、金属で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、発泡材で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、象牙で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、布で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、セラミックで構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、複合材料で構成される。いくつかの実施形態において、(例えば、握持部及び/又は把持部の)固体表面は、地質物質で構成される。
【0069】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は楽器の一部(例えば、楽器の把持部及び/又は握持部)である。いくつかの実施形態において、楽器はギターである。いくつかの実施形態において、楽器はピアノである。いくつかの実施形態において、楽器はバイオリンである。いくつかの実施形態において、楽器はビオラである。いくつかの実施形態において、楽器はチェロである。いくつかの実施形態において、楽器はベースである。いくつかの実施形態において、楽器はオルガンである。いくつかの実施形態において、楽器はショルダーキーボードである。いくつかの実施形態において、楽器はアコーディオンである。いくつかの実施形態において、楽器はキーボードである。いくつかの実施形態において、楽器はコンサティーナである。いくつかの実施形態において、楽器はウクレレである。いくつかの実施形態において、楽器はメロディカである。いくつかの実施形態において、楽器はリュートである。いくつかの実施形態において、楽器はハーモニカである。いくつかの実施形態において、楽器はリコーダーである。いくつかの実施形態において、楽器はバグパイプである。いくつかの実施形態において、楽器はチューバである。いくつかの実施形態において、楽器はトランペットである。いくつかの実施形態において、楽器はフレンチホルンである。いくつかの実施形態において、楽器はトロンボーンである。いくつかの実施形態において、楽器はサクソフォーンである。いくつかの実施形態において、楽器はクラリネットである。いくつかの実施形態において、楽器はオーボエである。いくつかの実施形態において、楽器はフルートである。いくつかの実施形態において、楽器はスーザフォーンである。いくつかの実施形態において、楽器はフリューゲルホルンである。いくつかの実施形態において、楽器はコルネットである。いくつかの実施形態において、楽器はユーフォニアムである。いくつかの実施形態において、楽器はベルである。
【0070】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は楽器付属品の一部(例えば、楽器付属品の把持部及び/又は握持部)である。いくつかの実施形態において、楽器附属品はギターピックである。いくつかの実施形態において、楽器附属品はドラムスティックである。いくつかの実施形態において、楽器附属品はバイオリン弓である。いくつかの実施形態において、楽器附属品はビオラ弓である。いくつかの実施形態において、楽器附属品はチェロ弓である。いくつかの実施形態において、楽器附属品はバス弓である。いくつかの実施形態において、楽器附属品はシロフォンマレットである。いくつかの実施形態において、楽器附属品は指揮棒である。
【0071】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はスポーツ用品の一部(例えば、スポーツ用品の把持部及び/又は握持部)である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は野球バットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は野球グローブである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はテニスラケットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はバドミントンラケットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はラケットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はゴルフクラブである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はダーツである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は矢である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は弓である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は旗竿である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はパドルである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はポールである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はマストである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はフリスビーである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はハンマーである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はオールである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は鞭である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は投げ縄である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は剣である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は投げ槍である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は砲丸である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は円盤である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はフォイルである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はサーベルである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はエペである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はラクロススティックである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はホッケースティックである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はフィールドホッケースティックである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はパラセールである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はウェークボードである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はパドルボードである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はスカッシュラケットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はハイアライ・セスタである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はカーリングブルームである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はカーリングストーンである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はハーリングスティックである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はクリケットバットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はスキーポールである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はポンポンである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はボクシンググローブである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は馬の手綱である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は釣り竿である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は漁網である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はスノーモビルである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はプールキューである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はそりである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はエアホッケー・パックである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は卓球パドルである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はスケートボードである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はポロマレットである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品は稽古着である。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はウェットスーツである。いくつかの実施形態において、スポーツ用品はソフトボールバットである。
【0072】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はボールの一部である。いくつかの実施形態において、ボールは、野球ボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、バスケットボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、サッカーボール/フットボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ラグビーボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ソフトボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ラケットボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ドッジボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、バレーボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、テザーボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、キックボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ウィッフルボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ラクロスボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、スカッシュボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ハンドボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、スパルディーンである。いくつかの実施形態において、ボールは、ジャグリングボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、クリケットボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ボウリングボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ゴルフボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、水球ボールである。いくつかの実施形態において、ボールは、ピックルボールである。
【0073】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はハンドルバーの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーは自転車の一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはオートバイの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーは電動自転車の一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはキックボードの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーは電動スクーターの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはダートバイクの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはモトクロスバイクの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはマウンテンバイクの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはスノーモビルの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはジェットスキーの一部である。いくつかの実施形態において、ハンドルバーはグライダーの一部である。
【0074】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はステアリングホイールの一部である。いくつかの実施形態において、ステアリングホイールは、車の一部である。いくつかの実施形態において、ステアリングホイールは、トラックの一部である。いくつかの実施形態において、ステアリングホイールは、四輪車の一部である。いくつかの実施形態において、ステアリングホイールは、モンスタートラックの一部である。いくつかの実施形態において、ステアリングホイールは、ボートの一部である。
【0075】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は岩の一部である。いくつかの実施形態において、岩は、合成岩である。いくつかの実施形態において、岩は、天然岩である。いくつかの実施形態において、岩は、山、又は山の一部である。
【0076】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はマットの一部である。いくつかの実施形態において、マットはレスリングマットである。いくつかの実施形態において、マットは体操マットである。
【0077】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は道具の一部(例えば、道具の握持部及び/又は把持部)である。いくつかの実施形態において、道具は、パワードリルである。いくつかの実施形態において、道具は、スクリュードライバーである。いくつかの実施形態において、道具は、レンチである。いくつかの実施形態において、道具は、ハンマーである。いくつかの実施形態において、道具は、バールである。いくつかの実施形態において、道具は、のこぎりである。いくつかの実施形態において、道具は、シャベルである。いくつかの実施形態において、道具は、くま手である。いくつかの実施形態において、道具は、鍬(くわ)である。いくつかの実施形態において、道具は、鋤(すき)である。いくつかの実施形態において、道具は、つるはしである。
【0078】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はビデオゲームコントローラの一部(例えば、ビデオゲームコントローラの握持部及び/又は把持部)である。いくつかの実施形態において、ビデオゲームコントローラは、マウスである。いくつかの実施形態において、ビデオゲームコントローラは、キーボードである。いくつかの実施形態において、ビデオゲームコントローラは、ジョイスティックである。いくつかの実施形態において、ビデオゲームコントローラは、ビデオゲームコンソールコントローラである。いくつかの実施形態において、ビデオゲームコントローラは、ビデオゲームコンソールである。
【0079】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は銃の一部(例えば、銃の握持部及び/又は把持部)である。いくつかの実施形態において、銃はハンドガンである。いくつかの実施形態において、銃はライフルである。いくつかの実施形態において、銃はマシンガンである。いくつかの実施形態において、銃は自動小銃である。いくつかの実施形態において、銃は半自動小銃である。いくつかの実施形態において、銃はリボルバーである。いくつかの実施形態において、銃はショットガンである。
【0080】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はウェートリフティング用具の一部(例えば、ウェートリフティング用具の握持部及び/又は把持部)である。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、バーベルである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、ダンベルである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、ケトルベルである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、懸垂バーである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、アトラスストーンである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、サンドバッグである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、ヨークである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、ファーマーズウォークハンドルである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、カーペットスレッドである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、ログバーである。いくつかの実施形態において、ウェートリフティング用具は、EZカールバーである。
【0081】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は体操用具の一部(例えば、体操用具の握持部及び/又は把持部)である。いくつかの実施形態において、体操用具は段違い平行棒である。いくつかの実施形態において、体操用具は平行棒である。いくつかの実施形態において、体操用具はリングである。いくつかの実施形態において、体操用具は平均台である。いくつかの実施形態において、体操用具は空中ブランコである。いくつかの実施形態において、体操用具はバトンである。いくつかの実施形態において、体操用具はトランポリンである。いくつかの実施形態において、体操用具は跳馬である。いくつかの実施形態において、体操用具は鞍馬である。いくつかの実施形態において、体操用具は鉄棒である。いくつかの実施形態において、体操用具はフロアマットである。
【0082】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はドアノブの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はヘルメットの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は他の人の皮膚の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はヘリコプターの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はロープの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面ははしごの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はカメラの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は木片の一部である。
【0083】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は金属片の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はトーチの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はプラスチック片の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はセラミック片の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は複合材料の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は靴の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は手袋の一部(例えば、手袋の内部)である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は靴下の一部である。
【0084】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はチェーンの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はマイクロホンの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はダンボール箱の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は発泡スチロール箱の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は冷却器の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は傘の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はスマートフォンの一部である。
【0085】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はコンピュータの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はタブレットの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は家具の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はドアの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はビデオカメラの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はブームマイクの一部である。
【0086】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はスイッチの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はパラシュートの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は熱気球の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は刀の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はヌンチャクの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は釵(さい)の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は手裏剣の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はテーザー銃の一部である。
【0087】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はスプレー缶の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はメガホンの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は面の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は壁の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は窓の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はブーツの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は松葉杖の一部である。
【0088】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は歩行器の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は杖の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はバックパックの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はショッピングバッグの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はディスクの一部である。
【0089】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はトレイの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は他の人間の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は動物の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は車椅子の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はノブの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面はボタンの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は方向パッドの一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は床の一部である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の皮膚と固体表面との間(及び/又は人の皮膚が接触する材料の表面と固体表面との間)に摩擦を増加させるために用いられる。この固体表面は地面又は床の一部である。
【0090】
いくつかの実施形態において、物品は、可撓性容器と当該容器内の粒子状エアロゲル材料とを備える。いくつかの実施形態において、可撓性容器は布、紙、プラスチック、若しくはゴム、又はそれらの組み合わせを備える。ある実施形態において、容器の少なくとも一部の境界は、多孔性で、可撓性容器に力が加わると、粒子状エアロゲルが多孔性の境界を通り抜けて運ばれることを可能にする。いくつかの実施形態において、可撓性容器に力を加えることは、容器を絞ることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器に力を加えることは、容器を転がすことを含んでもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器に力を加えることは、容器を踏むことを含んでもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器に力を加えることは、容器を潰すことを含んでもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、可撓性容器に力を加えることで、容器の内部で粒子状エアロゲル材料が砕かれ、新規のより小さい粒子が容器の少なくとも一部の境界を通り抜けて運ばれ得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、可撓性容器は、5,000cm以下、2,000cm以下、1,000cm以下又は500cm以下の容量を有する。いくつかの実施形態において、容器は、少なくとも0.1cm、少なくとも0.5cm又は少なくとも1cmの容量を有する。いくつかの実施形態において、可撓性容器は、平均サイズのアメリカ人男性の手に容器が快適に保持されるような容量を有する。いくつかの実施形態において、容器が平均サイズのアメリカ人男性の掌に快適に適合する性能があると、容器の使用や持ち運びが楽になる。
【0093】
いくつかの実施形態において、可撓性容器は、100N/cmの圧力が容器に加わると、容器が少なくとも100cmの足跡を占めるような容量である。いくつかの実施形態において、可撓性容器は踏むことができ、アメリカ人男性の平均的な足の表面積を覆うような容量である。いくつかの実施形態において、容器が平均的なアメリカ人男性の足の表面積を覆う寸法であることにより、容器を踏んだ後に足に粒子状エアロゲル材料を塗布しやすい。
【0094】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は容器内で保持され、容器は、粒子状エアロゲル材料が通り抜けて運ばれ得る複数の開口を備える。いくつかの実施形態において、容器における複数の開口は、1つの開口を備えてもよい。いくつかの実施形態において、容器の複数の開口は、1つより多い開口を備えてもよい。いくつかの実施形態において、複数の開口は、容器の1つの境界に位置する。いくつかの実施形態において、複数の開口は、容器の1つより多い境界に位置する。いくつかの他の実施形態において、開口は、粒子状エアロゲル材料の最大断面寸法の分布の5%超、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超を妨げず運ぶことができるほどに十分大きい。いくつかの好ましい実施形態において、開口は、粒子状エアロゲル材料の最大断面寸法の分布の95%超を妨げず運ぶことができるほどに十分大きい。
【0095】
いくつかの実施形態において、複数の開口は、容器の残りの部分から着脱可能である蓋にある。いくつかの実施形態において、蓋は容器に対しネジ式である。いくつかの実施形態において、蓋は容器に対しスナップ式である。いくつかの実施形態において、容器は、1つより多い蓋を有する。いくつかの実施形態において、容器は、複数の開口を有する1つより多い蓋を有する。いくつかの実施形態において、複数の開口は、1より多い開口、2より多い開口、3より多い開口、4より多い開口、5より多い開口、10より多い開口、20より多い開口、30より多い開口、40より多い開口、50より多い開口、100より多い開口、200より多い開口、300より多い開口、400より多い開口、500より多い開口、1,000より多い開口、2,000より多い開口、3,000より多い開口、4,000より多い、5,000より多い開口、又は10,000より多い開口を意味する。いくつかの実施形態において、開口の密度は少なくとも1/cm、少なくとも2/cm、少なくとも5/cm、少なくとも10/cm、少なくとも50/cm又はそれ以上である。
【0096】
いくつかの実施形態において、開口は、容器の壁にある。いくつかの実施形態において、容器の壁を刺す、破る、又は裂くことにより、容器に開口が形成される。
【0097】
いくつかの実施形態において、容器が逆さにされると、(例えば、重力により)粒子状エアロゲル材料は容器を出ることができる。いくつかの実施形態において、容器が逆さにされると、粒子状エアロゲル材料は、容器の開口から自由に流れ出ることができる。いくつかの他の実施形態において、容器が逆さにされると、粒子状エアロゲルは、自由に容器の開口から流れ出ることはできない。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、他の物体を用いて容器から取り出すことができる。いくつかの実施形態において、当該物体は、スプーンを備える。いくつかの他の実施形態において、当該物体は、ブラシを備える。
【0098】
いくつかの実施形態において、比較的小さな力が容器に加わると、疎水性の粒子状エアロゲル材料は容器を出ることができる。いくつかの実施形態において、100N/cm未満の圧力が容器に加わると、粒子状エアロゲル材料は容器を出ることができる。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器を振ることを含む。いくつかの他の実施形態において、容器に力を加えることは、容器を絞ることを含む。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器を打つことを含む。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器を踏むことを含む。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器を摩擦することを含む。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器を曲げることを含む。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器を転がすことを含む。いくつかの実施形態において、容器に力を加えることは、容器の開口のより近くに粒子状エアロゲル材料を移動させるように、栓又はプランジャーを圧迫することを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、液体内で分散することができる。いくつかの実施形態において、液体に粒子状エアロゲル材料を分散させることにより、液体に粒子状エアロゲル材料を分散しない場合と比べて、粒子状エアロゲル材料を人の皮膚に均一に塗布することが容易となる。いくつかの実施形態において、液体は、ローションである。いくつかの実施形態において、ローションは、人の皮膚に吸収されやすく、粒子状エアロゲル材料層を残す。いくつかの実施形態において、液体は、ペーストである。いくつかの実施形態において、液体は、揮発性が高い。いくつかの実施形態において、揮発性の高い液体は、すばやく人の皮膚から蒸発して、粒子状エアロゲル材料層を残す。いくつかの実施形態において、液体は、STP(すなわち、1大気圧及び25℃)で、少なくとも0.025atmの蒸気圧を有する。いくつかの実施形態において、液体は、STPで0.025atm超、0.03atm超、0.04atm超、0.05atm超、0.06atm超、0.07atm超、0.08atm超、0.09atm超、又は0.1atm超の蒸気圧を有する。いくつかの実施形態において、高揮発性の液体は、エタノール、アセトン、水又はイソプロパノールを備える。
【0100】
いくつかの実施形態において、キットが提供される。本明細書で用いられる「キット」とは通常、本明細書に開示する構成要素及び/若しくは、例えば前述したような、本明細書に開示する実施形態と関連した他の構成要素の1つ以上を含むパッケージ又は組立品を指す。いくつかの実施形態において、キットはあらゆる形態の説明書を含んでもよく、当該説明書は、本明細書に記載した実施形態の構成要素と関連すると当業者が認識できる方法で、キットの構成要素に関連して提供されるものである。例えば、説明書は、構成要素の使用、変更、組立、保管又は梱包のための説明を含んでもよい。ある実施形態において、説明書は、キットの構成要素と関連して使う組成物(例えば、粒子状エアロゲル材料、任意の液体など)を混合、希釈、保存、管理及び/又は、調製するための説明を含む。場合によって、説明書は、構成要素又は関連する組成物を例えば、把持部へ塗布するといった特別な使用のための説明を含んでもよい。説明書は、このような説明を含む好適な手段であると当業者が認識できるいかなる形態で提供されてもよく、例えば書面又は印刷物、口頭、可聴式(例えば電話)、デジタル、光学、視覚(例えばビデオテープ、DVDなど)、電子通信(インターネット、又はウェブベースの通信を含む)といった方法で提供されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、キットは液体と、粒子状エアロゲル材料を備え、液体と粒子状エアロゲル材料とを混合すると、粒子状エアロゲル材料と液体とは、人の皮膚と固体表面との間に摩擦を向上する組み合わせを形成する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル要素及び液体要素は、2つの異なる個別容器内に保持される。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料と液体要素は、同じ容器内で保持されるが、2つの成分を隔てる物理的な障壁を有する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料と液体との間の物理的な障壁は壊すことが可能で、容器を振ることでこれらの要素を混合できる。いくつかの実施形態において、液体要素は、ローションである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、ローションである。いくつかの実施形態において、ローションは、人の皮膚に吸収されやすく、粒子状エアロゲル材料層を残す。いくつかの実施形態において、液体要素はペーストである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、ペーストである。いくつかの実施形態において、液体要素は、高揮発性である。いくつかの実施形態において、液体は、STPで少なくとも0.025atmの蒸気圧を有する。いくつかの実施形態において、液体は、STPで0.025atm以上、0.03atm以上、0.04atm以上、0.05atm以上、0.06atm以上、0.07atm以上、0.08atm以上、0.09atm以上又は0.1atm以上の蒸気圧を有する。いくつかの実施形態において、高揮発性液体は、すばやく人の皮膚から蒸発して、粒子状エアロゲル材料層を残す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲルと液体との組み合わせは、ローションである。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲルと液体との組み合わせは、ペーストである。
【0102】
いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料から液体を隔離することでキットの貯蔵寿命が増加する。いくつかの実施形態において、エンドユーザーは、液体と粒子状エアロゲル材料の比を制御することが可能である。
【0103】
いくつかの実施形態において、組み合わせが提供される。いくつかの実施形態において、組み合わせは、人の皮膚と、人の皮膚に接触する粒子状エアロゲル材料と、粒子状エアロゲル材料に接触する固体表面と、を備える。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、層の一部である。いくつかの実施形態において、層の厚さは、50nm以上1mm以下である。
【0104】
いくつかの実施形態において、物品が提供される。いくつかの実施形態において、物品は繊維マトリックスと繊維マトリックスに付随する粒子状エアロゲル材料とを備え、繊維マトリックスとエアロゲル材料との組み合わせはシートの形態である。本明細書において、「シート」は、厚さ寸法、厚さ寸法に直交する第1の寸法(例えば、長さ寸法)、厚さ寸法及び第1の寸法に直交する第2の寸法(例えば、深さ寸法)を有するフォームファクターであり、第1の寸法及び第2の寸法のそれぞれが厚さ寸法より少なくとも10倍大きい。いくつかの実施形態において、第1の寸法及び第2の寸法は、厚さ寸法より少なくとも100倍、少なくとも1,000倍、又は少なくとも10,000倍大きい。厚さに平行な角度から見ると、シートは、略四角形、略円形、又は他の形状といった様々な好適な形状を有することができる。いくつかの実施形態において、シートはロール状である。いくつかの実施形態において、ロールは、シートの部分と部分の間に、ミシン目を備える。いくつかの実施形態において、ミシン目により、シートの使い捨て部分1枚をロールから簡単に切り離せる。いくつかの実施形態において、シートは、使い捨てである。更なる実施形態において、シートは、再使用可能である。いくつかの実施形態において、10枚以上の使い捨て部分、20枚以上の使い捨て部分、30枚以上の使い捨て部分、40枚以上の使い捨て部分、50枚以上使い捨て部分又は100枚以上の使い捨て部分を提供するような方法で、シートにミシン目が設けられる。
【0105】
いくつかの実施形態において、物品が提供される。いくつかの実施形態において、物品は、容器と、容器内の複数のシートとを備える。各シートは、繊維マトリックスと繊維マトリックスに付随する粒子状エアロゲル材料とを備える。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、繊維マトリックスのバルク内に存在する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、繊維マトリックスの少なくとも1つの外表面に存在する。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、繊維マトリックスのバルク内及び繊維マトリックスの少なくとも1つの外表面に存在する。いくつかの実施形態において、シートの少なくとも1つの寸法は、100μm以上1mm以下である。いくつかの実施形態において、容器は、1枚以上のシート、5枚以上のシート、10枚以上のシート、20枚以上のシート、30枚以上のシート、40枚以上のシート、50枚以上のシート又は100枚以上のシートを備える。
【0106】
図1は、ある実施形態に係る、エアロゲル粒子の拡大図を示す。概略図は、第1の孔2及び第2の孔3を示すエアロゲル粒子1を示す。いくつかの実施形態において、エアロゲル粒子は、無機酸化物エアロゲルを備える。ある実施形態において、無機酸化物エアロゲルは、シリコン、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ニオブ、タンタル、鉄、バナジウム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、及び/又はエルビウムの酸化物を備える。いくつかの好ましい実施形態において、無機酸化物エアロゲルは、シリカを備える。更なる好ましい実施形態において、シリカは、疎水性シリカを備える。
【0107】
図2は、ある実施形態に係る、様々なサイズ及び形状の粒子状エアロゲル材料4を示す。
【0108】
図3は、ある実施形態に係る、粒子状エアロゲル材料4を備える多孔性の可撓性容器5を示す。いくつかの実施形態において、可撓性容器は、多孔性であり、可撓性容器に力が加わると、粒子状エアロゲルが多孔性の境界の少なくとも一部を通り抜けて運ばれることを可能にする。ある実施形態において、可撓性容器に力を加えることで、可撓性容器内で粒子状エアロゲル材料が砕かれ、新規のより小さいエアロゲル材料が可撓性容器の少なくとも一部の多孔性の境界を出ることができる。
【0109】
図4は、ある実施形態に係る、粒子状エアロゲル材料4と、粒子状エアロゲル材料が通り抜けて運ばれ得る複数の開口8を有する着脱可能な蓋7と、を備える容器6を示す。ある実施形態において、容器が逆さにされると、粒子状エアロゲル材料が複数の開口を出ることができる。ある実施形態において、容器に力が加わると、粒子状エアロゲル材料が複数の開口を出ることができる。
【0110】
図5は、ある実施形態に係る、繊維マトリックス10と、付随する粒子状エアロゲル材料4との組み合わせを備えるシート9を示す。粒子状エアロゲル材料は繊維マトリックス10のバルク内に存在し、シート9の少なくとも1つの寸法は100μm以上1mm以下である。
【0111】
図6は、上述した繊維シート10のミシン目付きシートが連続したロール11を示す。
【0112】
図7は、ある実施形態に係る上述した繊維シート10を含有する容器12を表す。各シートは粒子状エアロゲル材料4を備える。
【0113】
図8Aは、ある実施形態に係る、少なくとも一部分の表面積を覆う粒子状エアロゲル材料4の層を備えた人の手13を示す。平均的な層の厚さは50nm以上1mm以下である。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の手の内部表面積の少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%又は全てを覆うことができる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の手の内部表面積の少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%又は全てにわたり共形コーティングを形成することができる。
【0114】
図8Bは、ある実施形態に係る、固体表面14と接触する、前述の粒子状エアロゲル材料層を備えた手13を示す。固体表面は、ドアノブ、ヘルメット、他の人の皮膚、ヘリコプター、ロープ、はしご、カメラ、木、金属、トーチ、プラスチック、セラミック、複合材料、靴、手袋、靴下、チェーン、マイクロホン、ダンボール箱、発泡スチロール箱、冷却器、傘、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、家具、ドア、面、壁、窓、方向パッド、床又は地面の一部であり得る。
【0115】
図8Cは、ある実施形態に係る、物体と接触する前述の粒子状エアロゲル材料層を備えた手13を示す。各種物体は、岩などの握持可能な物体15の部分であり得る。
【0116】
図8Dは、ある実施形態に係る、物体と接触する前述の粒子状エアロゲル材料層を備えた手13を示す。各種物体は、ボールなどの握持可能な物体16の部分であり得る。
【0117】
図8Eは、ある実施形態に係る、物体と接触する前述の粒子状エアロゲル材料層を備えた手13を示す。各種物体は、握持可能な物体17の部分、例えば把持部、握持部、楽器又はその附属品、スポーツ用品、ハンドルバー、ステアリングホイール、道具、ビデオゲームコントローラ、銃、ウェートリフティング用具、体操用具、ビデオカメラ、ブームマイク、スイッチ、パラシュート、熱気球、刀、ヌンチャク、釵(さい)、手裏剣、テーザー銃、スプレー缶、メガホン、ブーツ、松葉杖、歩行器、杖、バックパック、ショッピングバッグ、ディスク、トレイ、他の人間、動物、車椅子、ノブ又はボタンの部分である。いくつかの実施形態において、手は、物体の一部の外周の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%以上にわたり延在することができる。例えば、図8Eにおいて、手11は、図8Eに示される把持部の中間部分の外周の約100%に延在する。
【0118】
図9は、ある実施形態に係る、少なくとも一部分の表面積を覆う粒子状エアロゲル材料4の層を備える人の足18を示す。平均的な層の厚さは50nm以上1mm以下である。右側の図は、ある実施形態に係る、マット等の表面14と接触する、前述のエアロゲル層を備えた足を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の足の裏の少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%又は全ての表面積を覆うことができる。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル材料は、人の足の裏の表面積の少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%又は全てにわたり共形コーティングを形成することができる。
【0119】
図10A-10Fは、ある実施形態に係る、人の皮膚19と、粒子状エアロゲル材料4と、固体表面14との間の様々な接触の様態を示す。いくつかの実施形態において、粒子状エアロゲル4が人の皮膚と固体表面との間に存在する場合、粒子状エアロゲルが存在しない以外同一の条件である場合と比べて、人の皮膚19と固体表面14との間の摩擦が大きい。
【0120】
図10Aは、ある実施形態に係る、人の皮膚29と直接接触する粒子状エアロゲル材料4の層を示す。
【0121】
図10Bは、ある実施形態に係る、人の皮膚29と固体の14表面との両方に直接接触する粒子状エアロゲル材料4の層を表し、粒子状エアロゲル材料が、人の皮膚19と固体14の表面との間に位置する状態を示す。
【0122】
図10Cは、ある実施形態に係る、固体14の表面と直接接触する粒子状エアロゲル材料4の層を示す。
【0123】
図10Dは、ある実施形態に係る、固体14の表面と人の皮膚29の上にあり、互いと接触する粒子状エアロゲル材料4の層を示す。
【0124】
図10Eは、ある実施形態に係る、人の皮膚29と間接的に固体接触する粒子状エアロゲル材料4の層を示し、層22が粒子状エアロゲル材料4と人の皮膚29との間にある状態を示す。
【0125】
図10Fは、ある実施形態による、固体14の表面と間接的に固体接触する粒子状エアロゲル材料4の層を示し、層22が粒子状エアロゲル材料4と固体14との間にある状態を示す。
【0126】
図11は、ある実施形態に係る、外部表面積の少なくとも一部分を覆う粒子状エアロゲル材料4の層を備える手袋20を示す。
【0127】
図12は、ある実施形態に係る、少なくとも外部表面積の一部を覆う粒子状エアロゲル材料4の層を備えるボール21を示す。
【0128】
図13は、ある実施形態に係る、液体中に分散された粒子状エアロゲル材料4を備える液体22を示す。液体は、ローション又はペーストであり得、STPで少なくとも0.025atmの蒸気圧を有し、人の皮膚に塗布される場合に粒子状エアロゲル材料層を残す。
【0129】
ある実施形態において、例えば図14に示されるように、人間の皮膚などの皮膚1100は、トポグラフィーで不均一であり、及び通常は、約0.2mmほどの深さであり得る隙間を含む。図15に示されるように、皮膚の表面は、皮膚表面上の水性物質の付着を増加させる表面粗さに等しいトポグラフィーを有する。したがって、本発明は、シリカシリレート粒子1000を使用者の皮膚表面1100に塗布し、シリカシリレートが所望の不均一表面の全トポグラフィーに実質的に塗布されることを保証するためのキット及び方法を提供する。
【0130】
図15図16に示されるように、例えば、本明細書に記載されるようなある実施形態のシリカシリレート粒子サイズは、皮膚1100を治療するのに適しており、ここで、シリカシリレート粒子1000は、人間の皮膚1100で明らかにされるような隙間1110、及び他の開口部、しわ(creases)、しわ(wrinkles)、及び表面粗さを埋めるようにサイズ指定される。ある実施形態において、人間の皮膚を治療するために、第1の平均サイズ1010、第2の平均サイズ1020、及び第3の平均サイズ1030を含む複数のシリカシリレート粒子1000を提供する。約0.1mm未満であるシリカシリレート粒子の第3の平均サイズ1030は、皮膚の表面における最小の隙間1110及びトポグラフィー特徴を埋めるのに適している。皮膚表面の隙間1110、ひだ、及びしわ(wrinkles)は、通常、深さが最大約0.2mm、及び幅が最大約0.1mmである。第3の粒子1030は、これらの最小の隙間1110に入り、疎水性特性を提供して、水性物質の皮膚への付着を防止するように構成される。シリカシリレート粒子の第2の平均サイズ1020は、ある実施形態において約1mmから3mmであり、ある実施形態において約0.1mmから2mmであることが所望されてもよく、より大きな縮尺で、及びより多くの表面積を有する皮膚のトポグラフィーに入り、及び疎水性特性を提供するように構成される。例えば、第3の平均サイズのシリカシリレート粒子1030が入り、及び満たされている隙間1110は、より浅いがより広範な外側部分1120を有し得る。したがって、第2の平均サイズ1020のシリカシリレート粒子は、第3の平均サイズ1030のシリカシリレート粒子を被覆することを提供する。ある実施形態において、第1の平均サイズ1010は、第2の平均サイズのシリカシリレート粒子を被覆し、皮膚のより滑らかな部分を覆うことによって皮膚のより広範な被覆を提供するために、皮膚の表面用の一般的な局所被覆材を提供する。さらに、第1の平均サイズ1010のシリカシリレート粒子は、図15の左側に示されるように、ラビング塗布中に第2の平均サイズ1020及び第3の平均サイズ1030のシリカシリレート粒子を隙間に押し込むために使用される。ある実施形態において、皮膚1100でのシリカシリレート粒子1000のこすりつけは、シリカシリレート粒子1000をより小さい粒子に砕き、ここで、シリカシリレート粒子の第1の平均サイズ1010は、更に、第2の平均サイズ1020及び第3の平均サイズ1030のシリカシリレート粒子を生成する。さらに、ある実施形態において、皮膚でのシリカシリレート粒子1000のこすりつけは、シリカシリレート粒子1000をより小さい粒子に砕き、ここで、シリカシリレート粒子の第2の平均サイズ1020は更に、第3の平均サイズのシリカシリレート粒子1030を生成する。
【0131】
本発明のある実施形態は、表面の増強のために、例えば、シリカシリレートを用いて表面を処理する場合の図16図17Cに示されるキット1200を含む。シリカシリレートを用いての表面の増強は、処理された表面に疎水性特性を与える効果を含む。キット1200は、処理される表面のトポグラフィーに塗布される複数のシリカシリレート1000の粒子を含む。ある実施形態におけるキットは、約1μmから約4mmの間の範囲のシリカシリレートの粒子を含む。
【0132】
ある実施形態において、シリカシリレートを用いた表面処理のためのキットは、第1の平均サイズ1010を含むシリカシリレートの第1の複数の粒子1011、及び第2の平均サイズ1020を含むシリカシリレートの第2の複数の粒子1021を含み、ここで、第1の平均サイズ1010は、第2の平均サイズ1020より大きい。ある実施形態において、第1の複数のシリカシリレート粒子1011は、第2の平均サイズのシリカシリレート粒子及び滑らかな皮膚表面に対するドレッシング効果に十分な粒子を提供するために、キット1200の内容物の少なくとも約10~50体積%を含む。ある実施形態において、第1の複数のシリカシリレート粒子1011は、第2の平均サイズのシリカシリレート粒子及び滑らかな皮膚表面に対するドレッシング効果に十分な粒子を提供するために、キット1200の内容物の少なくとも約50体積%より多く含む。ある実施形態において、粒子の第1の平均サイズ1010は約1mmから4mmであり、一方、第2の平均サイズ1020のシリカシリレート粒子は約2mm未満であり、及びより好ましくは約1mm未満であることが所望され得る。
【0133】
ある実施形態において、シリカシリレートを用いた表面処理のためのキット1200は、第1の平均サイズ1010を含む第1の複数のシリカシリレート粒子1011、第2の平均サイズ1020を含む第2の複数のシリカシリレート粒子1021、及び第3の平均サイズ1030を含む第3の複数のシリカシリレート粒子1031を含む。ある実施形態において、第1の平均サイズ1010は、第2の平均サイズ1020より大きく、及び第2の平均サイズ1020は、第3の平均サイズ1030より大きい。本明細書に開示される平均サイズは、球形粒子の直径1050、又は非球形粒子の直径で最大寸法1055を指す。
【0134】
ある実施形態において、第1の複数のシリカシリレート粒子1011は、2mmを超えるサイズの粒子を含み、一方、ある実施形態において、粒子が約1mmから約4mmの範囲のサイズであることが所望され得る。第1の複数のシリカシリレート粒子1011は、約2mmから約4mmの第1の平均サイズ1010を有する。ある実施形態において、第2の複数のシリカシリレート粒子1021は、約0.01mmから約3mmの範囲のサイズの粒子を含む。ある実施形態において、第2の複数のシリカシリレート粒子1021は、約1mmから3mmの第2の平均サイズ1020を有する。ある実施形態において、第2の複数のシリカシリレート粒子1021が、約0.5mmから約1mmの第2の平均サイズ1020の粒子を含むことが所望され得る。さらに、ある実施形態において、第2の複数のシリカシリレート粒子1021が、約0.4mmから約0.6mmの第2の平均サイズ1020の粒子を含むことが所望され得る。
【0135】
ある実施形態において、第3の複数のシリカシリレート粒子1031は、約100μm未満のサイズの粒子を含む。ある実施形態において、第3の複数のシリカシリレート粒子1031は、約100μm未満の第3の平均サイズ1030を有する。ある実施形態において、第3の複数のシリカシリレート粒子1031は、約1μmから約100μmの第3の平均サイズ1030を有することが更に所望され得る。更なる実施形態において、第3の複数のシリカシリレート粒子1031は、約10μmから約30μmの第3の平均サイズ1031を有することが所望され得る。
【0136】
ある実施形態において、シリカシリレート粒子は、例えば図3に見られるような柔軟な容器メッシュバック5などの多孔質の柔軟な容器内に配置される。メッシュバッグの多孔質特性は、シリカシリレート粒子1000を通過するのに適しており、ここで、使用者は、柔軟な容器5の表面を表面上でこすりつけることによって、シリカシリレートを皮膚などの表面に塗布することができる。
【0137】
本発明のある実施形態において、シリカシリレート粒子は、蓋1310を有する容器1300内に配置され、ここで、蓋は分配開口部1320を備える。ある実施形態における分配開口部1320は、第3の平均サイズ1030より大きいが、第1の平均サイズより小さい直径1330を有するように構成される。更に、ある実施形態において、分配開口部は、第1の平均サイズ1010より小さいが、第2の平均サイズ1020より大きい直径1330を有するように構成される。
【0138】
ある実施形態において、蓋の分配開口部より大きいシリカシリレート粒子を有することが所望されてもよく、ここで、シリカシリレート粒子は、分配前に、より小さな粒子に破砕しなければならない。本発明のある実施形態は、第4の複数のシリカシリレート粒子1041を更に含み、ここで、第4の平均サイズ1040は、第1の平均サイズ1010より大きく、及びここで、分配開口部1320は、第4の平均サイズ1040より小さい直径1330を有する。
【0139】
本発明のある実施形態において、容器は、容器中に保持された複数のシリカシリレート粒子を含み、ここで、シリカシリレート粒子1000の少なくとも一部のサイズは、容器の分配開口1330の直径よりも大きいサイズである。容器1300は、更に、シリカシリレート粒子を破砕し、引き裂き、又はその他の方法で崩壊させて、分配用のより小さな粒子を生成するための機構を備える。ある実施形態において、シリカシリレート粒子に圧力を加えて粒子を崩壊させるために絞られ得る柔軟な態様の容器1350を備える。ある実施形態において、容器は、容器中に配置された破砕要素1360を備え、ここで、破砕要素は、容器内に保持されたシリカシリレート粒子に衝撃を与え、及び破砕するのに適しており、そのことによって、その後、分配開口部を通って分配されることができるより小さなシリカシリレート粒子を生成する。開示される破砕要素1360は、大理石、ボールベアリング、石、金属片、セラミック片、又はシリカシリレート1000よりも高い密度を有する他の物体を含むことができる。ある実施形態において、容器は、引き裂く、又は破砕する(grinding)要素を含み、ここで、容器の蓋は、容器と関連して回転し、ここで、蓋の要素及び容器の要素は、相互作用してシリカシリレート粒子をより小さな粒子にせん断し、又は引き裂く。
【実施例
【0140】
以下の実施例は、本発明のある実施形態を例示することを目的とするものであって、本発明の全範囲を例証するものではない。
<実施例1:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、運動選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0141】
被験者は完全な直立姿勢で、片手にウエイトを持ち、腕を真っ直ぐ伸ばして体と平行にした状態で、疲労によりウエイトを持っていられないと感じるまで立つよう依頼された。被験者は、身長68インチ、体重100kgの中程度のスポーツマン体型の35歳の男性であった。ウエイトは凹凸のあるステンレス鋼を備えた90ポンドのダンベルであった。
【0142】
被験者は、上記の試験を実行するよう依頼された。最初にダンベルを拾い上げてからダンベルを落とさざるを得ないまでの時間をストップウォッチで測定し、記録した。次に被験者は、60分間の休憩を与えられた。
【0143】
60分間休憩した後、10mLの粒子状エアロゲル材料を被験者の手に注いだ。粒子状エアロゲル材料は、粒子の少なくとも50%が0.7mmから1.2mmの最大断面寸法を有するような粒度分布を示した。粒子状エアロゲル材料は、トリメチルシリル化されたシリカエアロゲルを備えた。次に被験者は、手のひらを開いて両手をこすり合わせ、粒子状エアロゲル材料が手の少なくとも一部の皮膚を覆うようにした。次に被験者は、最初の試験で使用したのと同じ手で上記の試験を繰り返すよう依頼された。最初にダンベルを拾い上げてからダンベルを落とさざるを得ないまでの時間をストップウォッチで測定し、記録した。
【0144】
粒子状エアロゲル材料を用いなかった最初の試験において記録された時間は、59秒であった。粒子状エアロゲル材料を塗布した後、2回目の試験で記録された時間は77秒であった。
<実施例2:多孔質で可撓性のある袋を絞ることによる、運動選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0145】
被験者は、実施例1にて説明したものと同じ試験を行った。実施例1に記載した方法で粒子状エアロゲル材料を塗布するのではなく、被験者は、粒子状エアロゲル材料で満たされた可撓性のある多孔質の袋を絞った。それにより粒子状エアロゲル材料は袋の多孔面を通り抜けて被験者の手の上に押し出された。他の全ての試験条件及び結果は、同一であった。
<実施例3:粒子状エアロゲル材料を備えた繊維シートを両手にこすりつけることによる、運動選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0146】
被験者は、実施例1にて説明したものと同じ試験を行った。実施例1に記載した方法で粒子状エアロゲル材料を塗布するのではなく、被験者は、粒子状エアロゲル材料を備えた繊維シートを用いて両手をこすり合わせた。他の全ての試験条件及び結果は、同一であった。
<実施例4:穴の開いた蓋を有する瓶から粒子状エアロゲル材料を塗布することによる、運動選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0147】
被験者は、実施例1にて説明したものと同じ試験を行った。粒子状エアロゲル材料を彼の手に塗布するのではなく、被験者は、穴の開いた蓋を有する瓶を使用して手の上に粒子状エアロゲル材料をふりかけた。他の全ての試験条件及び結果は、同一であった。
<実施例5:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、重量挙げ選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0148】
重量挙げ選手は、トレーニングの間、彼らの手にチョークを塗布する回数を数えて記録するよう依頼された。トレーニングは、5セットで構成された。各セットは、5回の繰り返しで構成された。各繰り返しは、145kgを1回デッドリフトすることで構成された。重量挙げ選手は、最高のパフォーマンス達成を実感するために、各セットの前にチョークを手に塗ると報告した。
【0149】
重量挙げ選手は、異なる日に同じトレーニングを繰り返すよう依頼された。2日目にトレーニングを始める前に、重量挙げ選手は、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、手に粒子状エアロゲル材料を塗布した。2日目に彼女は、チョークを全く塗布しなかった。この技術を用いる場合、重量挙げ選手は、同じレベルのパフォーマンスを達成するために、トレーニング中に二度しか粒子状エアロゲル材料を手に塗布する必要がなかった(トレーニング開始時に1回と、さらにもう1回)ことを報告した。
<実施例6:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、運動選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0150】
運動選手は、両手を懸垂姿勢(すなわち、肩幅で順手にて、腕を完全に伸ばした状態)で懸垂バーをつかむよう依頼された。運動選手は、この姿勢で、懸垂バーをつかんでいられなくなるまで、懸垂バーにぶら下がるよう依頼された。彼女は、32秒間のこの姿勢を持続したと報告した。選手は1時間休憩するよう依頼され、その後、実施例1で概要を説明した粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して粒子状エアロゲル材料を塗布し、試験を繰り返すよう依頼された。運動選手はこの場合、40秒間、姿勢を持続したと報告した。
<実施例7:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、運動選手の手へのトリメチルシリル化されたアルミナエアロゲル粒子を備える粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0151】
被験者は、実施例1にて説明したものと同じ試験を行った。粒子状エアロゲル材料は、トリメチルシリル化されたシリカエアロゲルではなく、トリメチルシリル化されたアルミナエアロゲルで構成された。他の全ての試験条件及び結果は、同一であった。
<実施例8:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、ゴルファーの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0152】
ゴルファーは、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して彼の両手に粒子状エアロゲル材料を塗布し、ゴルフを18ホール行った。ゴルファーは、ゴルフ中、通常であれば利き手ではない方の手にグローブを着用するが、この試験の間、グローブを着用しなかったと報告した。ゴルファーは、粒子状エアロゲル材料を使用しない場合よりも、両手の発汗が減少したと報告した。ゴルファーは、グローブを着用するときに実感するのと同等のグリップであったと報告した。さらに、ゴルファーは、グローブを着用する場合より、器用さと感触(すなわち、ボール打撃時の微妙な触覚フィードバック)が良好であったと報告した。
<実施例9:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、パドルテニスプレーヤーの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0153】
実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、パドルテニスプレーヤーは、試合前に両手に粒子状エアロゲル材料を塗布した。試合後、パドルテニスプレーヤーは、試合中、両手が通常よりも格段に汗ばむことがなかったと報告した。パドルテニスプレーヤーは、パドルに対するグリップが大幅に向上したと述べた。さらに、パドルテニスプレーヤーは、頻繁に粒子状エアロゲル材料を塗り直す必要がなく、最大でも各セット間に塗布する頻度であったと報告した。
<実施例10:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、テニスプレーヤーの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0154】
競技リーグでプレーしている、プロではない女性テニスプレーヤーの両手に、試合の前に、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、粒子状エアロゲル材料を塗布した。試合の後、テニスプレーヤーは、試合中、両手が通常よりも格段に汗ばむことがなかったと報告した。テニスプレーヤーは、ラケットに対するグリップが大幅に向上したと述べた。さらに、テニスプレーヤーは、頻繁に粒子状エアロゲル材料を塗り直す必要がなく、最大でも各セット間に塗布する頻度であったと報告した。
<実施例11:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、歌手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0155】
歌手は、コンサートの前に、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、粒子状エアロゲル材料を彼女の両手に塗布した。歌手は、パフォーマンスの間、マイクロホンに対するより良好なグリップを維持することが可能であったと報告した。彼女は、汗を拭きとるための休憩の回数が少しであったと報告した。
<実施例12:両手に粒子状エアロゲル材料をこりつけることによる、ギタープレーヤーの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0156】
エレキギタープレーヤーは、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、彼の両手に粒子状エアロゲル材料を塗布した。ギタープレーヤーは通常、ギターネックやギターピックに対するより確実なグリップを維持するために、演奏の前に同様の方法で両手にチョークを塗布したが、その代わりに粒子状エアロゲル材料を使用すると、両手の乾きを維持でき、より長く良好なグリップが可能であったと報告した。さらにまた、粒子状エアロゲル材料は、チョークで通常起こるような、手から落ちて弦及びピックアップを詰まらせるようなことがなかったと報告した。
<実施例13:粒子状エアロゲル材料をこすりつけることによる、ドラマーのドラムスティックへの粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0157】
ドラマーはパフォーマンスの前に、粒子状エアロゲル材料を彼の手に注ぎ、その材料の中を通るようにドラムスティックを引くことで、粒子状エアロゲル材料をスティックに塗布した。ドラマーは、パフォーマンスの間、両手がより乾燥しており、その結果、ドラムスティック落とすことがほとんどなかったと報告した。
<実施例14:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、米陸軍特殊部隊山岳チーム隊員の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0158】
米陸軍特殊部隊山岳チームの隊員は、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、演習訓練の前に粒子状エアロゲル材料を両手に塗布した。彼は、銃、ロープ、及び岩盤面に対するグリップが向上したと報告した。彼は、より少ない材料を使用して、塗り直しの頻度が低い一方で、同じ効果が達成できたため、チョークより粒子状エアロゲル材料を好むと報告した。
<実施例15:粒子状エアロゲル材料こすりつけることによる、野球ボールへの粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0159】
野球チームのピッチャーは、試合の前に、粒子状エアロゲル材料を彼の手に注ぎ、ボールを力強く手でこすり表面全体にコーティングした後、きれいなタオルで余剰分を取り除き、新品未使用の野球ボールに粒子状エアロゲル材料を塗布した。ピッチャーは、ボールが手の中で柔らかく乾燥している感じがし、交換までこの感覚が長く続いたと報告した。ピッチャーは、ボールの「新品の」外観がより長く保たれ、ボールが濡れた草に接触したあと、粒子状エアロゲル材料を塗布していない場合よりもより乾燥している感じがしたと報告した。さらに、粒子状エアロゲル材料を塗布した後は、投球がより安定したと報告した。
<実施例16:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、野球のキャッチャーの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0160】
野球チームのキャッチャーは、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、ゲームの前に、粒子状エアロゲル材料を彼の両手に塗布した。彼は、実施例15のピッチャーと同じ印象を報告した。
<実施例17:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、バスケットボール選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0161】
バスケットボール選手は、試合の前に、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、粒子状エアロゲル材料を彼女の両手に塗布した。彼女は、手がいつもより汗ばむことが少なく、ドリブル、パス、シュートの際にグリップが向上したと報告した。
<実施例18:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、アメリカンフットボールプレーヤーの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0162】
アメリカンフットボールのワイドレシーバーは、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、ゲームの前に、粒子状エアロゲル材料を彼の両手に塗布した。彼は、パスをよりうまく受け取ることができ、走っている間のボールへのグリップが向上したと報告した。
<実施例19:粒子状エアロゲル材料をこすりつけることによる、フットボールへの粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0163】
アメリカンフットボールチームのクォーターバックは、練習の前に、実施例15の方法に従って使用していたボールに粒子状エアロゲル材料を塗布した。彼は、ボールに対するグリップが向上し、投球がより安定したと報告した。
<実施例20:粒子状エアロゲル材料をこすりつけることによる、体操選手の足への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0164】
跳馬の試合に参加している男性の体操選手は、競技の前に10mLの粒子状エアロゲル材料を手に注ぎ、粒子状エアロゲル材料を両足のそれぞれの裏にこすりつけることにより、粒子状エアロゲル材料を両足へ塗布した。彼は、高さと着地が向上し、回転もより安定したと報告した。
<実施例21:粒子状エアロゲル材料を備えた多孔質で可撓性のある袋を踏むことによる、体操選手の足への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0165】
跳馬の試合に参加している男性の体操選手は、競技の前に粒子状エアロゲル材料を備えた多孔質で可撓性のある袋を繰り返し踏むことにより、粒子状エアロゲル材料を足に塗布した。彼は、高さと着地が向上し、回転もより安定したと報告した。
<実施例22:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、体操選手の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0166】
段違い平行棒の試合で競技する女性の体操選手は、競技の前に、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、粒子状エアロゲル材料を両手に塗布した。彼女は、演技の間、バーに対するグリップが向上したと報告した。
<実施例23:粒子状エアロゲル材料を両手にこすりつけることによる、大工の手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
【0167】
大工は、木造住宅建設の仕事前に、実施例1の粒子状エアロゲル材料及び方法を使用して、両手に粒子状エアロゲル材料を塗布した。彼女は、ハンマー及び他の手工具に対するグリップが向上したと報告した。その結果、効率が上昇し、道具を落として道具を傷付けたり、道具の落下による怪我を破損したりすることが減少したと報告した。
<実施例24:少なくとも3つの異なる粒子サイズの粒子状エアロゲル材料をこすりつけることによる、トレジャーハンターの手への粒子状エアロゲル材料の塗布>
トレジャーハンターは、第1の平均サイズの第1の複数のシリカシリレート粒子、第2の平均サイズの第2の複数のシリカシリレート粒子、及び第3の平均サイズの第3の複数のシリカシリレート粒子を含むキットから粒子状エアロゲル材料を彼の手に塗布した。その後、トレジャーハンターは、泥だらけの物質の中から遺物を捜し始めた。彼は、泥だらけの物質の中から捜しているときに、泥だらけの物質が彼の手から落ちる傾向があると報告した。トレジャーハンターは、このことは泥だらけの物質の中の遺物を感じる触覚能力を向上させ、滑りにくくなり採掘ツールを握る能力を向上させ、及びその後の手をきれいにするために必要な時間が短縮されたと報告した。
[発明を実施するための形態]
【0168】
以下、本明細書にて開示される発明の実施形態の例の概要を説明する。以下は、本発明のある実施形態を例示することを目的とするものであって、本発明の全範囲を例示するものではない。
【0169】
いくつかの態様において、方法が提供される。いくつかの実施形態において、方法は、人の皮膚と、粒子状エアロゲル材料と、固体表面との間に直接接触及び/又は間接的な固体接触を確立することを備え、粒子状エアロゲル材料は人の皮膚と固体表面との間にある[実施形態1]。
【0170】
実施形態1の例において、粒子状エアロゲル材料は、疎水性である[実施形態2]。
【0171】
実施形態1及び2のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、確立することは、人の皮膚と粒子状エアロゲル材料との間に直接接触又は間接的な固体接触を確立することと、続いて、人の皮膚と直接接触又は間接的な固体接触の状態の粒子状エアロゲル材料と固体表面との間に直接接触又は間接的な固体接触を確立すること、とを備える[実施形態3]。
【0172】
実施形態1及び2のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、確立することは、固体表面と粒子状エアロゲル材料との間に直接接触又は間接的な固体接触を確立することと、続いて、固体表面と直接接触又は間接的な固体接触の状態の粒子状エアロゲル材料と人の皮膚との間に直接接触又は間接的な固体接触を確立すること、とを備える[実施形態4]。
【0173】
実施形態1から4のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、人の皮膚は、粒子状エアロゲル材料と直接接触する[実施形態5]。
【0174】
実施形態1から4のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、人の皮膚は、粒子状エアロゲル材料と間接的に固体接触する[実施形態6]。
【0175】
実施形態6のいくつかの例において、衣料品物品は、人の皮膚と粒子状エアロゲル材料との間に位置する[実施形態7]。
【0176】
実施形態1から7のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料の平均最大断面寸法は、1cm以下である[実施形態8]。
【0177】
実施形態1から7のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料の平均最大断面寸法は、50nm以上1cm以下である[実施形態9]。
【0178】
実施形態1から9のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%は、1cm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される[実施形態10]。
【0179】
実施形態1から9のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料の少なくとも50vol%は、50nm以上1cm以下の最大断面寸法を有する粒子で構成される[実施形態11]。
【0180】
実施形態1から11のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、無機酸化物エアロゲルを備える[実施形態12]。
【0181】
実施形態12のいくつかの例において、無機酸化物エアロゲルは、シリコン、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ニオブ、タンタル、鉄、バナジウム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、及び/又はエルビウムの酸化物を備える[実施形態13]。
【0182】
実施形態12のいくつかの例において、無機酸化物エアロゲルは、シリコンの酸化物を備える[実施形態14]。
【0183】
実施形態1から14のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、5m/g以上4,000m/g以下のBET表面積を示す[実施形態15]。
【0184】
実施形態1から15のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料を25℃で24時間、水中に沈めると、粒子状エアロゲル材料は、水中に沈める直前の粒子状エアロゲル材料の乾燥質量の30%以下の水量を外側境界内に取り込む[実施形態16]。
【0185】
実施形態1から16のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、635nmで、5%以上の光透過率を示す[実施形態17]。
【0186】
実施形態1から17のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料を25℃で24時間、油の中に沈めると、粒子状エアロゲル材料は、油に沈める直前の粒子状エアロゲル材料の乾燥質量の20%以上の油量を外側境界内に取り込む[実施形態18]。
【0187】
実施形態1から18のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、1N/cm未満の圧力を受けると、粒子状エアロゲル材料は破砕する[実施形態19]。
【0188】
実施形態1から19のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、0.05g/cm以上、5g/cm以下のBJH細孔容積を示す[実施形態20]。
【0189】
実施形態1から20のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲルが人の皮膚と固体表面との間に存在する場合、粒子状エアロゲルが存在しない以外同一の条件である場合と比べて、人の皮膚と固体表面との間の摩擦が大きい[実施形態21]。
【0190】
実施形態1から21のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、握持可能な物体の一部である[実施形態22]。
【0191】
実施形態1から21のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、把持部の一部である[実施形態23]。
【0192】
実施形態1から21のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、握持部の一部である[実施形態24]。
【0193】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、楽器の一部である[実施形態25]。
【0194】
実施形態25のいくつかの例において、楽器は、ギター、ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロ、ベース、オルガン、ショルダーキーボード、アコーディオン、キーボード、コンサティーナ、ウクレレ、メロディカ、リュート、ハーモニカ、リコーダー、バグパイプ、チューバ、トランペット、フレンチホルン、トロンボーン、サクソフォーン、クラリネット、オーボエ、フルート、スーザフォーン、フリューゲルホルン、コルネット、ユーフォニューム又はベルである[実施形態26]。
【0195】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、楽器附属品の一部である[実施形態27]。
【0196】
実施形態27のいくつかの例において、楽器附属品は、ギターピック、ドラムスティック、バイオリン弓、ビオラ弓、チェロ弓、バス弓、シロフォンマレット又は指揮棒である[実施形態28]。
【0197】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、スポーツ用品の一部である[実施形態29]
【0198】
実施形態29のいくつかの例において、スポーツ用品は、野球バット、野球グローブ、ラケット(例えば、テニスラケット、バドミントンラケット)、ゴルフクラブ、ダーツ、矢、弓、ポール(例えば、旗竿)、パドル、マスト、フリスビー、ハンマー、オール、鞭、投げ縄、剣、投げ槍、砲丸、円盤、フォイル、サーベル、エペ、ラクロススティック、ホッケースティック、フィールドホッケースティック、パラセール、ウェークボード、パドルボード、スカッシュラケット、ハイアライ・セスタ、カーリングブルーム、カーリングストーン、ハーリングスティック、クリケットバット、スキーポール、ポンポン、ボクシンググローブ、馬の手綱、釣り竿、漁網、ジェットスキー、スノーモビル、プールキュー、そり、エアホッケー・パック、卓球パドル、スケートボード、ポロマレット、ウェットスーツ又はソフトボールバットである[実施形態30]。
【0199】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ボールの一部である[実施形態31]。
【0200】
実施形態31のいくつかの例において、ボールは、野球ボール、バスケットボール、サッカーボール/フットボール、ラグビーボール、ソフトボール、ラケットボール、ドッジボール、バレーボール、テザーボール、キックボール、ウィッフルボール、ラクロスボール、スカッシュボール、ハンドボール、スパルディーン、ジャグリングボール、クリケットボール、ボウリングボール、ゴルフボール、水球ボール又はピックルボールである[実施形態32]。
【0201】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ハンドルバーの一部である[実施形態33]。
【0202】
実施形態33のいくつかの例において、ハンドルバーは、自転車(例えば、電動自転車)、オートバイ、スクーター(例えば、電動スクーター)、ダートバイク、モトクロスバイク、マウンテンバイク、スノーモビル、ジェットスキー又はグライダーの一部である[実施形態34]。
【0203】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ハンドルの一部である[実施形態35]。
【0204】
実施形態35のいくつかの例において、ハンドルは、車、トラック、四輪車、モンスタートラック又はボートの一部である[実施形態36]。
【0205】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、岩の一部である[実施形態37]。
【0206】
実施形態37のいくつかの例において、岩は、合成岩又は天然岩(例えば、山)である[実施形態38]。
【0207】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、マットの一部である[実施形態39]。
【0208】
実施形態39のいくつかの例において、マットは、レスリングマット又は体操マットである[実施形態40]。
【0209】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、道具の一部である[実施形態41]。
【0210】
実施形態41のいくつかの例において、道具は、パワードリル、スクリュードライバー、レンチ、ハンマー、バール、のこぎり、シャベル、くま手、鍬(くわ)、鋤(すき)又はつるはしである[実施形態42]。
【0211】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ビデオゲームコントローラの一部である[実施形態43]。
【0212】
実施形態43のいくつかの例において、ビデオゲームコントローラは、マウス、キーボード、ジョイスティック、ビデオゲームコンソールコントローラ又はビデオゲームコンソールである[実施形態44]。
【0213】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、銃の一部である[実施形態45]。
【0214】
実施形態45のいくつかの例において、銃は、ハンドガン、ライフル、マシンガン、自動小銃、半自動小銃、リボルバー又はショットガンである[実施形態46]。
【0215】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ウェートリフティング用具の一部である[実施形態47]。
【0216】
実施形態47のいくつかの例において、ウェートリフティング用具は、バーベル、ダンベル、ケトルベル、懸垂バー、アトラスストーン、サンドバッグ、ヨーク、ファーマーズウォークハンドル、カーペットスレッド、ログバー又はEZ-カールバーである[実施形態48]
【0217】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、体操用具の一部である[実施形態49]。
【0218】
実施形態49のいくつかの例において、体操用具は、段違い平行棒、平行棒、リング、平均台、空中ブランコ、バトン、トランポリン、跳馬、鞍馬又は水平バーである[実施形態50]。
【0219】
実施形態1から24のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ドアノブ、ヘルメット、他の人の皮膚、ヘリコプター、ロープ、はしご、カメラ、木、金属、トーチ、プラスチック、セラミック、複合材料、靴、手袋、靴下、チェーン、マイクロホン、ダンボール箱、発泡スチロール箱、冷却器、傘、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、家具、ドア、ビデオカメラ、ブームマイク、スイッチ、パラシュート、熱気球、刀、ヌンチャク、釵(さい)、手裏剣、テーザー銃、スプレー缶、メガホン、面、壁、窓、ブーツ、松葉杖、歩行器、杖、バックパック、ショッピングバッグ、ディスク、トレイ、他の人間、動物、車椅子、ノブ、ボタン、方向パッド、床又は地面の一部である[実施形態51]。
【0220】
実施形態1から51のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、人の皮膚ではない[実施形態52]。
【0221】
いくつかの態様において、物品又はキットは、設けられている。いくつかの実施形態において、物品又はキットは、可撓性容器と、容器内の粒子状エアロゲル材料と、を備え、容器の少なくとも一部の境界は多孔性で、可撓性容器に力が加わると、粒子上エアロゲルが多孔性の境界を通り抜けて運ばれ得る[実施形態53]
【0222】
実施形態53のいくつかの例において、可撓性容器は、5,000cm以下、2,000cm以下又は1,000cm以下の容量を有する[実施形態54]。
【0223】
実施形態53のいくつかの例において、100N/cmの圧力が容器に加わると、容器が少なくとも100cmの足跡を占めるように、可撓性容器は容量を有する[実施形態55]。
【0224】
いくつかの実施形態において、物品又はキットは、容器と、容器内の粒子状エアロゲル材料と、を備え、容器は、疎水性の粒子状エアロゲル材料が通り抜けて運ばれ得る複数の開口を備える[実施形態56]。
【0225】
実施形態56のいくつかの例において、開口の複数は、容器の残りの部分から着脱可能である蓋にある[実施形態57]。
【0226】
実施形態56のいくつかの例において、開口の複数は、容器の壁にある[実施形態58]。
【0227】
実施形態56のいくつかの例において、容器が逆さにされると、粒子状エアロゲル材料は容器を出ることができる[実施形態59]。
【0228】
実施形態53から59のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、100N/cm未満の圧力が容器に加わると、粒子状エアロゲル材料は容器を出ることができる[実施形態60]。
【0229】
いくつかの態様において、材料が提供される。いくつかの実施形態において、材料は、液体と、液体内で分散した粒子状エアロゲル材料と、を備える[実施形態61]。
【0230】
実施形態61のいくつかの例において、材料は、ローションである[実施形態62]。
【0231】
実施形態61のいくつかの例において、材料は、ペーストである[実施形態63]。
【0232】
実施形態61のいくつかの例において、液体は、STPで、少なくとも0.025atmの蒸気圧を有する[実施形態64]。
【0233】
いくつかの態様において、物品又はキットが提供される。いくつかの実施形態において、物品又はキットは、液体と、粒子状エアロゲル材料と、を備え、液体及び粒子状エアロゲル材料が混合される場合、粒子状エアロゲル材料及び液体は人の皮膚と固体表面との間の摩擦を向上する組み合わせを形成する[実施形態65]。
【0234】
実施形態65のいくつかの例において、組み合わせは、ローションである[実施形態66]。
【0235】
実施形態65のいくつかの例において、組み合わせは、ペーストである[実施形態67]。
【0236】
実施形態65のいくつかの例において、液体は、STPで、少なくとも0.025atmの蒸気圧を有する[実施形態68]。
【0237】
いくつかの実施形態において、組み合わせは、人の皮膚と、人の皮膚と接触する粒子状エアロゲル材料と、粒子状エアロゲル材料と接触する固体表面と、を備える[実施形態69]。
【0238】
実施形態69のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、層の一部である[実施形態70]。
【0239】
実施形態70のいくつかの例において、平均的な層の厚さは、50nm以上1mm以下である[実施形態71]。
【0240】
いくつかの態様において、物品又はキットが提供される。いくつかの実施形態において、物品は、繊維マトリックスと、繊維マトリックスに付随する粒子状エアロゲル材料と、を備え、繊維マトリックス及び粒子状エアロゲル材料の組み合わせは、シートの形態である[実施形態72]。
【0241】
実施形態72のいくつかの例において、シートは、ロールの形態である[実施形態73]。
【0242】
実施形態73のいくつかの例において、ロールは、シートの部分と部分の間に、ミシン目を備える[実施形態74]。
【0243】
いくつかの態様において、物品又はキットが提供される。いくつかの実施形態において、物品又はキットは、容器と、容器内の複数のシートと、を備え、各シートは、繊維マトリックスと、繊維マトリックスに付随する粒子状エアロゲル材料と、を備える[実施形態75]。
【0244】
実施形態75のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、繊維マトリックスのバルク内で存在する[実施形態76]。
【0245】
実施形態75のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、繊維マトリックスの少なくとも1つの外表面に存在する[実施形態77]。
【0246】
実施形態75のいくつかの例において、シートの少なくとも1つの寸法は、100μm以上1mm以下である[実施形態78]。
【0247】
実施形態53から78のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、粒子状エアロゲル材料は、無機酸化物エアロゲルを備える[実施形態79]。
【0248】
実施形態79のいくつかの例において、無機酸化物エアロゲルは、シリコン、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ニオブ、タンタル、鉄、バナジウム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、及び/又はエルビウムの酸化物を備える[実施形態80]。
【0249】
実施形態65から80のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、握持可能な物体の一部である[実施形態81]
【0250】
実施形態65から81のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、把持部の一部である[実施形態82]。
【0251】
実施形態65から82のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、握持部の一部である[実施形態83]。
【0252】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、楽器の一部である[実施形態84]。
【0253】
実施形態84のいくつかの例において、楽器は、ギター、ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロ、ベース、オルガン、ショルダーキーボード、アコーディオン、キーボード、コンサティーナ、ウクレレ、メロディカ、リュート、ハーモニカ、リコーダー、バグパイプ、チューバ、トランペット、フレンチホルン、トロンボーン、サクソフォーン、クラリネット、オーボエ、フルート、スーザフォーン、フリューゲルホルン、コルネット、ユーフォニューム又はベルである[実施形態85]。
【0254】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、楽器附属品の一部である[実施形態86]。
【0255】
実施形態86のいくつかの例において、楽器附属品は、ギターピック、ドラムスティック、バイオリン弓、ビオラ弓、チェロ弓、バス弓、シロフォンマレット又は指揮棒である[実施形態87]。
【0256】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、スポーツ用品の一部である[実施形態88]。
【0257】
実施形態88のいくつかの例において、スポーツ用品は、野球バット、野球グローブ、テニスラケット、バドミントンラケット、ラケット、ゴルフクラブ、ダーツ、矢、弓、旗竿、パドル、ポール、マスト、フリスビー、ハンマー、オール、鞭、投げ縄、剣、投げ槍、砲丸、円盤、フォイル、サーベル、エペ、ラクロススティック、ホッケースティック、フィールドホッケースティック、パラセール、ウェークボード、パドルボード、スカッシュラケット、ハイアライ・セスタ、カーリングブルーム、カーリングストーン、ハーリングスティック、クリケットバット、スキーポール、ポンポン、ボクシンググローブ、馬の手綱、釣り竿、漁網、ジェットスキー、スノーモビル、プールキュー、そり、エアホッケー・パック、卓球パドル、スケートボード、ポロマレット、稽古着、ウェットスーツ又はソフトボールバットである[実施形態89]。
【0258】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ボールの一部である[実施形態90]。
【0259】
実施形態90のいくつかの例において、ボールは、野球ボール、バスケットボール、サッカーボール/フットボール、ラグビーボール、ソフトボール、ラケットボール、ドッジボール、バレーボール、テザーボール、キックボール、ウィッフルボール、ラクロスボール、スカッシュボール、ハンドボール、スパルディーン、ジャグリングボール、クリケットボール、ボウリングボール、ゴルフボール、水球ボール又はピックルボールである[実施形態91]。
【0260】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ハンドルバーの一部である[実施形態92]。
【0261】
実施形態92の例において、ハンドルバーは、自転車、オートバイ、電動自転車、スクーター(例えば、キックボード、電気スクーター)、ダートバイク、モトクロスバイク、マウンテンバイク、スノーモビル、ジェットスキー又はグライダーの一部である[実施形態93]。
【0262】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ステアリングホイールの一部である[実施形態94]。
【0263】
実施形態94のいくつかの例において、ハンドルは、車、トラック、四輪車、モンスタートラック又はボートの一部である[実施形態95]。
【0264】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、岩の一部である[実施形態96]。
【0265】
実施形態96のいくつかの例において、岩は、合成岩又は天然岩(例えば、山)である[実施形態97]。
【0266】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、マットの一部である[実施形態98]。
【0267】
実施形態98のいくつかの例において、マットは、レスリングマット又は体操マットである[実施形態99]。
【0268】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、道具の一部である[実施形態100]。
【0269】
実施形態100のいくつかの例において、道具は、パワードリル、スクリュードライバー、レンチ、ハンマー、バール、のこぎり、シャベル、くま手、鍬(くわ)、鋤(すき)又はつるはしである[実施形態101]。
【0270】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ビデオゲームコントローラの一部である[実施形態102]。
【0271】
実施形態102のいくつかの例において、ビデオゲームコントローラは、マウス、キーボード、ジョイスティック、ビデオゲームコンソールコントローラ又はビデオゲームコンソールである[実施形態103]。
【0272】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、銃の一部である[実施形態104]。
【0273】
実施形態104のいくつかの例において、銃は、ハンドガン、ライフル、マシンガン、自動小銃、半自動小銃、リボルバー又はショットガンである[実施形態105]。
【0274】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ウェートリフティング用具の一部である[実施形態106]。
【0275】
実施形態106のいくつかの例において、ウェートリフティング用具は、バーベル、ダンベル、ケトルベル、懸垂バー、アトラスストーン、サンドバッグ、ヨーク、ファーマーズウォークハンドル、カーペットスレッド、ログバー又はEZ-カールバーである[実施形態107]。
【0276】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は体操用具の一部である[実施形態108]。
【0277】
実施形態108のいくつかの例において、体操用具は、段違い平行棒、平行棒、リング、平均台、空中ブランコ、バトン、トランポリン、跳馬、鞍馬又は水平バーである[実施形態109]。
【0278】
実施形態65から83のいずれか1つの実施形態のいくつかの例において、固体表面は、ドアノブ、ヘルメット、他の人の皮膚、ヘリコプター、ロープ、はしご、カメラ、木、金属、トーチ、プラスチック、セラミック、複合材料、靴、手袋、靴下、チェーン、マイクロホン、ダンボール箱、発泡スチロール箱、冷却器、傘、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、家具、ドア、ビデオカメラ、ブームマイク、スイッチ、パラシュート、熱気球、刀、ヌンチャク、釵(さい)、手裏剣、テーザー銃、スプレー缶、メガホン、面、壁、窓、ブーツ、松葉杖、歩行器、杖、バックパック、ショッピングバッグ、ディスク、トレイ、他の人間、動物、車椅子、ノブ、ボタン、又は方向パッドの一部である[実施形態110]。
【0279】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書において図と共に説明してきたが、当業者であれば、これらの機能を実施し、本明細書に記載の結果や1つ以上の利点を得るための各種の他の手段及び/又は構造を容易に考案するであろう。そのような変形及び/又は変更も、本発明の範囲内であると考えられる。さらに一般的には、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料及び構成は例示であり、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示を用いた特定の用途により異なることを容易に理解するであろう。当業者であれば、日常の実験だけで、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に相当する多くの等価物を認識又は確認することができるであろう。従って、前述の実施形態は例示としてのみ示され、添付の請求の範囲及びその等価物の範囲内において、本発明は具体的に記載及び請求されたもの以外に実施されてもよいと理解されるべきである。本発明は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料及び/又は方法に関するものである。加えて、このような特徴、システム、物品、材料及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料及び/又は方法のいかなる組み合わせも本発明の範囲内に含まれる。
【0280】
本明細書及び請求項において使用される不定冠詞「a」及び「an」は、特段の記載がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0281】
本明細書及び請求項において使用される「及び/又は」という語句は、接続された要素の「どちらか、又は両方」を意味すると理解されるべきである。すなわち、ある場合には共に存在し、他の場合には別々に存在する要素であると理解されるべきである。特段の記載がない限り、「及び/又は」節で具体的に特定された要素以外の他の要素が任意に存在してもよく、具体的に特定された要素に関連するか否かは問わない。従って、非限定的な実施例として、「備える(comprising)」等のオープンエンドの言語と共に使用される場合、「A及び/又はB」は、一実施形態において、Bを含まないA(B以外の要素を任意に含む)と、他の実施形態において、Aを含まないB(A以外の要素を任意に含む)と、さらに他の実施形態において、A及びB(他の要素を任意に含む)と、などを指すことができる。
【0282】
本明細書及び請求項において、「又は」は上記に定義した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リストの項目を区切る場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的であると解釈されるべきである。すなわち、要素の数又はリスト、そして任意にリストにない追加項目のうち、少なくとも1つのみならず、1つ以上も含む、と解釈さるべきである。それとは反対に明確に記載された用語、例えば「~のうち1つのみ」又は「~のうち正確に1つ」、又は請求項で用いられる「~から成る」といった用語のみが、要素の数又はリストのうち正確に1つを含むことを意味する。一般的に、本明細書で用いられる「又は」という用語は、例えば「いずれか」「~のうちの1つ」「~のうちの1つのみ」「~のうち正確に1つ」等の排他的な用語が先行する場合、排他的な選択肢(すなわち、「一方か他方であって両方ではない」)のみを指すものとして解釈されるべきである。請求項において使用される場合、「実質的に~から成る」は、特許法の分野で用いられる通常の意味を有するものとする。
【0283】
1つ以上の要素のリストに関連して「少なくとも1つ」という語句は、本明細書及び請求項において使用される場合、要素のリストのうち1つ又は複数の任意の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきである。これは、要素リストのうち、具体的に列挙されたそれぞれ及び全ての要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素リストのうち、任意の組み合わせを除外するものではないと理解されるべきである。この定義により、「少なくとも1つ」の語句が参照する要素のリスト内に具体的に記載された要素以外の要素が任意に存在してもよく、具体的に特定された要素に関連するか否かは問わない。従って、非限定的な例として、「少なくとも1つのA及びB」(又は、同等に、「少なくとも1つのA又はB」、又は、同等に「少なくとも1つのA及び/又はB」)は、一実施形態において、少なくとも1つの、任意に1つ以上のAと存在しないB(及び任意にB以外の要素を含む)である場合と、他の実施形態において、少なくとも1つの、任意に1つ以上のBと存在しないA(及び任意にA以外の要素を含む)である場合と、さらに他の実施形態において、少なくとも1つの、任意に1つ以上のAと、少なくとも1つの、任意に1つ以上のB(及び任意に他の要素を含む)である場合、などを指すことができる。
【0284】
請求項と、上記明細書において、「~を備える」、「~を含む」、「~を担持する」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」、「~を保持する」等の移行句は、オープンエンド、すなわち、包含するが限定されない、という意味であると理解されるべきである。米国特許庁の米国特許審査便覧(2111.03)に規定する通り、「~から成る」及び「実質的に~から成る」といった移行句のみそれぞれ、クローズドエンド又はセミクローズドエンドであるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
【図
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
【国際調査報告】