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特表2024-543039化粧品適用のための方法および組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】化粧品適用のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/64 20060101AFI20241112BHJP
   A61K 38/07 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20241112BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20241112BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20241112BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241112BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241112BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 8/14 20060101ALI20241112BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241112BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241112BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20241112BHJP
   C07K 5/10 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A61K8/64
A61K38/07 ZNA
A61K38/08
A61K9/107
A61K9/127
A61P17/00
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/24
A61K47/14
A61K47/28
A61K47/10
A61K47/08
A61K47/22
A61K47/18
A61K9/10
A61K8/06
A61K8/14
A61Q19/00
A61Q19/08
A61K8/55
A61K8/60
A61K8/68
A61K8/37
C07K7/06
C07K5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526772
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 US2022048780
(87)【国際公開番号】W WO2023081259
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,878
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/406,873
(32)【優先日】2022-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】523367495
【氏名又は名称】ジーエルオー ファーマ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラブ,ロバート エー.
(72)【発明者】
【氏名】フォルドバリ,マリアンナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076AA19
4C076AA22
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD07
4C076DD38
4C076DD45
4C076DD45N
4C076DD46
4C076DD52
4C076DD59
4C076DD60
4C076DD60N
4C076DD63
4C076DD63H
4C076DD69
4C076DD69H
4C076DD70
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE37
4C076FF11
4C076GG41
4C083AA082
4C083AB051
4C083AC072
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC401
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC482
4C083AC641
4C083AC661
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD152
4C083AD282
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD391
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD491
4C083AD492
4C083AD571
4C083AD572
4C083AD612
4C083BB04
4C083BB06
4C083BB11
4C083BB33
4C083BB48
4C083BB51
4C083CC01
4C083CC02
4C083DD33
4C083DD39
4C083DD45
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE13
4C083FF05
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA16
4C084BA17
4C084CA59
4C084DC50
4C084MA02
4C084MA05
4C084MA22
4C084MA23
4C084MA24
4C084MA63
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA892
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA13
4H045BA14
4H045BA15
4H045BA50
4H045EA15
4H045EA20
4H045FA10
(57)【要約】
本発明は、化粧品活性を有するヒアルロン酸およびペプチドなどのアニオン性ポリマーを含む化粧剤の送達のための製剤を含む組成物に関し、かつその製剤の使用方法に関する。これらは、例えば、しわを含む望ましくない皮膚の特徴を予防またはその外観を改善する化粧品および医薬品において有用である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、
(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと
を含む、脂質小胞組成物であって、
前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドを含み、
前記1つ以上のペプチドがアミノ酸配列:
Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8
を含み、
ここで、
Xaa1は存在しないか、またはAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa2は存在しないか、またはAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa3は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa4は存在しないか、またはAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa5は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa6は存在しないか、またはAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa7は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、またはValの誘導体から選択され、
Xaa8は、Ala、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValの誘導体から選択される、脂質小胞組成物。
【請求項2】
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、
(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと
を含む、脂質小胞組成物であって、
前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドを含み、
前記1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つに対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む、脂質小胞組成物。
【請求項3】
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、
(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと
を含む、脂質小胞組成物であって、
前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドおよびアニオン性ポリマー材料を含み、
前記1つ以上のペプチドが、アミノ酸配列:
Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8
を含み、
ここで、
Xaa1は存在しないか、またはAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa2は存在しないか、またはAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa3は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa4は存在しないか、またはAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa5は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa6は存在しないか、またはAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
Xaa7は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、またはValの誘導体から選択され、
Xaa8は、Ala、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValの誘導体から選択される、脂質小胞組成物。
【請求項4】
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、
(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと
を含む、脂質小胞組成物であって、
前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドおよびアニオン性ポリマー材料を含み、
前記1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つに対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む、脂質小胞組成物。
【請求項5】
前記1つ以上のペプチドが、前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される、請求項1~4のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項6】
前記1つ以上のペプチドが非修飾である、請求項1~5のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項7】
前記1つ以上のペプチドが、約0.001mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項8】
前記1つ以上のペプチドが、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらの組合せを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項9】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む、請求項1または3に記載の脂質小胞組成物。
【請求項10】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項11】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項12】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号31、36、または37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項13】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号31のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項14】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号36のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項15】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項16】
前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、アニオン性ポリマー材料をさらに含む、請求項1または2に記載の脂質小胞組成物。
【請求項17】
アニオン性ポリマー材料が、前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される、請求項1~16のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項18】
アニオン性ポリマー材料がアニオン性多糖類を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項19】
アニオン性ポリマーが、前記脂質小胞組成物の約0.05mg/mL~約10mg/mLの量で存在する、請求項1~16に記載の脂質小胞組成物。
【請求項20】
アニオン性多糖類が、ヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項21】
前記アニオン性ポリマー材料が、約5kDa~約500kDaの分子量を有する、請求項16~20のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項22】
前記アニオン性ポリマー材料が、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含み、各アニオン性ポリマー材料が異なる分子量を有する、請求項16~21のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項23】
前記第1のアニオン性ポリマー材料および前記第2のアニオン性ポリマー材料が同じ材料である、請求項22に記載の脂質小胞組成物。
【請求項24】
前記第1のアニオン性ポリマー材料が、最大で約75kDaの分子量を有し、前記第2のアニオン性ポリマー材料が、約75kDaより大きな分子量を有する、請求項22または23に記載の脂質小胞組成物。
【請求項25】
前記第1のアニオン性ポリマー材料が、約5kDa~約50kDaの分子量を有し、前記第2のアニオン性ポリマー材料が、約100kDa~約500kDaの分子量を有する、請求項22~24のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項26】
小胞形成脂質が、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項27】
前記小胞形成脂質がリン脂質を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項28】
前記脂質小胞組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量の小胞形成脂質を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項29】
前記水中油型エマルジョンが油成分中にトリグリセリドを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項30】
前記トリグリセリドが中鎖トリグリセリドを含む、請求項29に記載の脂質小胞組成物。
【請求項31】
前記トリグリセリドが、前記脂質小胞組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する、請求項29または30に記載の脂質小胞組成物。
【請求項32】
前記脂質小胞組成物がステロールを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項33】
前記ステロールが、前記脂質小胞組成物の約1%~約5%(w/w)の量で存在する、請求項32に記載の脂質小胞組成物。
【請求項34】
前記脂質小胞組成物がプロピレングリコールを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項35】
前記プロピレングリコールが、前記脂質小胞組成物の約1%~約25%(w/w)の量で存在する、請求項34に記載の脂質小胞組成物。
【請求項36】
1つ以上の粘度増強剤を含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項37】
1つ以上の粘度増強剤が、前記脂質小胞組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項1~36のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項38】
1つ以上の浸透促進剤をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項39】
前記1つ以上の浸透促進剤が、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む、請求項38に記載の脂質小胞組成物。
【請求項40】
前記非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の前記組合せが、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ソルビタンエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにそれらの組合せから選択される、請求項39に記載の脂質小胞組成物。
【請求項41】
前記脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルが、C-C22脂肪族アルコールおよび約2~約8個のエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール基を含む、請求項40に記載の脂質小胞組成物。
【請求項42】
前記脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルが、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む、請求項40または41に記載の脂質小胞組成物。
【請求項43】
前記ソルビタンエステルが、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項44】
前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルが、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む、請求項40~43のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項45】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項40~44のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項46】
前記非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の前記組合せが、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有する、請求項39~45のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項47】
前記非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の前記組合せが、前記脂質小胞組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項39~45のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項48】
少なくとも1つの非イオン界面活性剤が水中油型エマルジョン中に存在する、請求項39~47のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項49】
少なくとも1つの非イオン界面活性剤が脂質二重層中に存在する、請求項39~48のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項50】
前記1つ以上の浸透促進剤が、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せを含む、請求項39~49のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項51】
前記1つ以上の浸透促進剤が、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリソルベートの組合せを含む、請求項38~49のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項52】
前記1つ以上の浸透促進剤が、モノラウロイルリシンもしくはジパルミトイルリシン、またはそれらの組合せを含む、請求項38~49のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項53】
前記脂質小胞組成物がカチオン性界面活性剤を含む、請求項1~52のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項54】
前記カチオン性界面活性剤がモノカチオン性界面活性剤である、請求項53に記載の脂質小胞組成物。
【請求項55】
前記カチオン性界面活性剤が、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルを含む、請求項53または54に記載の脂質小胞組成物。
【請求項56】
前記カチオン性界面活性剤が、前記脂質小胞組成物の約1%~約20%(w/w)の量で存在する、請求項53~55のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項57】
前記カチオン性界面活性剤が、前記脂質小胞組成物の約1%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項53~55のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項58】
カチオン性浸透促進剤がジカチオン性浸透促進剤を含む、請求項53に記載の脂質小胞組成物。
【請求項59】
前記ジカチオン性浸透促進剤がジェミニ型カチオン性界面活性剤である、請求項58に記載の脂質小胞組成物。
【請求項60】
前記カチオン性浸透促進剤がカチオン性ポリマーを含む、請求項58または59に記載の脂質小胞組成物。
【請求項61】
前記カチオン性浸透促進剤が、前記脂質小胞組成物の約0.01%~約1%(w/w)の量で存在する、請求項58~60のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項62】
前記浸透促進剤が、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステルを含む、請求項38~61のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項63】
エステルが、C-Cアルキルエステルまたはベンジルエステルである、請求項62に記載の脂質小胞組成物。
【請求項64】
前記浸透促進剤が、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む、請求項62または63に記載の脂質小胞組成物。
【請求項65】
1つ以上の追加の薬剤をさらに含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項66】
前記追加の薬剤が、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む、請求項65に記載の脂質小胞組成物。
【請求項67】
前記脂質小胞組成物が、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される、請求項1~66のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項68】
前記脂質小胞組成物が、対象の皮膚の特定の層にアニオン性ポリマーを送達するために製剤化される、請求項1~67のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項69】
前記脂質小胞組成物が、対象の皮膚の特定の層に1つ以上のペプチドを送達するために製剤化される、請求項1~68のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項70】
前記脂質小胞組成物が、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される、請求項1~69のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物。
【請求項71】
a)水中油型エマルジョンの油成分と前記水中油型エマルジョンの水性成分とを混合することによって1つ以上のペプチドを含む前記水中油型エマルジョンを調製する工程であって、前記水中油型エマルジョンの前記油成分および/または前記水性成分が1つ以上の界面活性剤を含む、工程と、
b)水以外の許容可能な溶媒中で小胞形成脂質を可溶化する工程と、
c)前記水中油型エマルジョンを、可溶化された前記小胞形成脂質に添加する工程と、
d)前記水中油型エマルジョンと前記可溶化された小胞形成脂質とを、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞、および前記脂質小胞中に封入された水中油型エマルジョンを形成するのに効果的な混合条件下で混合する工程と
を含む、請求項1~70のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物を調製する方法。
【請求項72】
(a)がアニオン性ポリマー材料をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
対象の皮膚表面より下に化粧剤を送達することによって1つ以上の美容効果をもたらす方法であって、請求項1~72のいずれか一項に記載の脂質小胞組成物を前記皮膚表面に適用する工程を含む、方法。
【請求項74】
前記化粧剤がアニオン性ポリマー材料である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記化粧剤が前記対象の真皮に送達される、請求項73または74に記載の方法。
【請求項76】
前記化粧剤が1つ以上のペプチドである、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記1つ以上の美容効果が、1つ以上の皮膚のしわの予防またはその外観の一時的な改善を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記1つ以上の皮膚のしわが、皺眉筋および/もしくは鼻根筋の活動に関連した中等度~重度の眉間の線、眼輪筋の活動に関連した中等度~重度の外眼角の線(カラスの足跡線)、または前頭筋の活動に関連した中等度~重度の額の線を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
配列番号37のアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物。
【請求項80】
1つ以上の追加の薬剤をさらに含む、請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
前記1つ以上の追加の薬剤が、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
前記1つ以上の追加の薬剤がアニオン性ポリマー材料を含む、請求項80または81に記載の組成物。
【請求項83】
前記組成物が、対象の皮膚の特定の層に1つ以上のペプチドを送達するために製剤化される、請求項79~82のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項84】
前記組成物が、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される、請求項79~83のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項85】
前記組成物が、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される、請求項79~84のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2022年9月15日出願の米国仮特許出願第63/406,873および2021年11月4日出願の米国仮特許出願第63/75,878の利益を主張するものであり、これらはその全体において参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ある種の化粧剤は、望ましくは皮膚の表面より下に送達される。しわの予防、低減、または排除を含む、様々な美容目的および医薬目的のためのそのような化粧剤の送達の改善された方法および組成物のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、化粧剤を送達するための組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物は、局所適用時に皮膚の表面より下に送達することを可能にする化粧剤の脂質小胞製剤である。いくつかの実施形態では、化粧剤は、ヒアルロン酸などのアニオン性ポリマー材料や、対象の唇、顔、眼の周囲、もしくは首の皮膚、または上記のすべてといった皮膚の外観に有益であるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、化粧剤は、表皮、真皮、皮下組織、もしくは筋組織などの皮膚または周囲組織の好ましい、または予め選択された層に送達される。
【0004】
一態様では、(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンとを含む、脂質小胞組成物が本明細書に提供され、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドおよびアニオン性を含み、1つ以上のペプチドが、アミノ酸配列:Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8を含み、Xaa1は存在しないか、またはAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa2は存在しないか、またはAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa3は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa4は存在しないか、またはAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa5は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa6は存在しないか、またはAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa7は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、またはValの誘導体から選択され、Xaa8は、Ala、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValの誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.1mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号30のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号38のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せは、アニオン性ポリマー材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、アニオン性多糖類を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、組成物の約0.01mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性多糖類は、ヒアルロン酸またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含み、アニオン性ポリマー材料のそれぞれは、異なる分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料は同じ材料である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で75kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaより大きい分子重量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約50kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約100kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質はリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量の小胞形成脂質を含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョンは、油成分中にトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、組成物の約1%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は1つ以上の粘度増強剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粘度増強剤は、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、C-C22脂肪族アルコールおよび約2~約8のエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール基を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)プレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)プレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、水中油型エマルジョン中に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、脂質二重層中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリソルベートの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、モノラウロイルリシンもしくはジパルミトイルリシン、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、組成物はカチオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はモノカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はジカチオン性浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、ジカチオン性浸透促進剤はジェミニ型カチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はカチオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤は、組成物の約0.01%~約1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステル
を含む。いくつかの実施形態では、エステルは、C1-6アルキルエステルまたはベンジルエステルである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、アニオン性ポリマーを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のペプチドを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される。
【0005】
一態様では、(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンとを含む、脂質小胞組成物が本明細書に提供され、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドを含み、1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つに対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.1mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列をそれぞれ有する、少なくとも2つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列をそれぞれ有する、少なくとも2つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号30のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号38のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せは、アニオン性ポリマー材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、アニオン性多糖類を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、組成物の約0.1mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性多糖類は、ヒアルロン酸またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含み、アニオン性ポリマー材料のそれぞれは、異なる分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料は同じ材料である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で約75kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaより大きい分子重量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約50kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約100kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質はリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量の小胞形成脂質を含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョンは、油成分中にトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、組成物の約1%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は1つ以上の粘度増強剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粘度増強剤は、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、C-C22脂肪族アルコールおよび約2~約8のエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール基を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、水中油型エマルジョン中に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、脂質二重層中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリソルベートの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、モノラウロイルリシンもしくはジパルミトイルリシン、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、組成物はカチオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はモノカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はジカチオン性浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、ジカチオン性浸透促進剤はジェミニ型カチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤は、カチオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤は、組成物の約0.01%~約1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、エステルは、C-Cアルキルエステルまたはベンジルエステルである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、アニオン性ポリマーを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のペプチドを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される。
【0006】
一態様では、配列番号37のアミノ酸配列を含むペプチドを含む組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤はアニオン性ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒアルロン酸を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のペプチドを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される。
【0007】
一態様では、(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンとを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供され、前記脂質二重層、前記水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドおよびアニオン性ポリマー材料を含み、前記1つ以上のペプチドが、アミノ酸配列:Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8を含み、Xaa1は存在しないか、またはAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa2は存在しないか、またはAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa3は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa4は存在しないか、またはAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa5は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa6は存在しないか、またはAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、Xaa7は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、またはValの誘導体から選択され、Xaa8は、Ala、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValの誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.1mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列をそれぞれ有する、少なくとも2つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列をそれぞれ有する、少なくとも2つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号30のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号38のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、アニオン性多糖類を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、組成物の約0.1mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性多糖類は、ヒアルロン酸またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含み、アニオン性ポリマー材料のそれぞれは、異なる分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料は同じ材料である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で約75kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaより大きい分子重量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約50kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約100kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質はリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量の小胞形成脂質を含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョンは、油成分中にトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、組成物の約1%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は1つ以上の粘度増強剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粘度増強剤は、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、C-C22脂肪族アルコールおよび約2~約8のエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール基を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、水中油型エマルジョン中に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、脂質二重層中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリソルベートの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、モノラウロイルリシンもしくはジパルミトイルリシン、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、組成物はカチオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はモノカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はジカチ
オン性浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、ジカチオン性浸透促進剤はジェミニ型カチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はカチオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤は、組成物の約0.01%~約1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、エステルは、C1-6アルキルエステルまたはベンジルエステルである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、アニオン性ポリマーを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のペプチドを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される。
【0008】
一態様では、(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞と、(b)前記脂質小胞中に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンとを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供され、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せが、1つ以上のペプチドおよびアニオン性ポリマー材料を含み、1つ以上のペプチドが、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.1mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せである。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列をそれぞれ有する、少なくとも2つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列をそれぞれ有する、少なくとも2つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号30のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号38のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列に対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、アニオン性多糖類を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、組成物の約0.1mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性多糖類は、ヒアルロン酸またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含み、アニオン性ポリマー材料のそれぞれは、異なる分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料は同じ材料である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で約75kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaより大きい分子重量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約50kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約100kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質はリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量の小胞形成脂質を含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョンは、油成分中にトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、組成物の約1%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は1つ以上の粘度増強剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粘度増強剤は、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、C-C22脂肪族アルコールおよび約2~約8のエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール基を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、水中油型エマルジョン中に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン界面活性剤は、脂質二重層中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリソルベートの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、モノラウロイルリシンもしくはジパルミトイルリシン、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、組成物はカチオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はモノカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はジカチオン性浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、ジカチオン性浸透促進剤はジェミニ型カチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤はカチオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性浸透促進剤は、組成物の約0.01%~約1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、エステルは、C-Cアルキルエステルまたはベンジルエステルである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗菌剤、生物学的抽出物、またはそれらのあらゆる組合せのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚への局所適用のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、アニオン性ポリマーを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のペプチドを対象の皮膚の特定の層に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される。
【0009】
いくつかの態様では、a)水中油型エマルジョンの油成分と水中油型エマルジョンの水性成分とを混合することによって1つ以上のペプチドを含む水中油型エマルジョンを調製する工程であって、水中油型エマルジョンの油成分および/または水性成分が1つ以上の界面活性剤を含む、工程と、b)水以外の許容可能な溶媒中で小胞形成脂質を可溶化する工程と、c)水中油型エマルジョンを、可溶化された小胞形成脂質に添加する工程と、d)水中エマルジョン型エマルジョンと可溶化された小胞形成脂質とを、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞、および脂質小胞中に封入された水中油型エマルジョンを形成するのに効果的な混合条件下で混合する工程とを含む、脂質小胞組成物を調製する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、a)はアニオン性ポリマー材料をさらに含む。
【0010】
本明細書に提供される1つの態様において、肌表面に本明細書に提供される脂質小胞組成物を適用することを含む対象の肌表面より下の化粧用剤を運ぶことによって、1つ以上の化粧用の効果をもたらす方法がある。いくつかの実施形態では、局所用組成物は対象の真皮に投与される。いくつかの実施形態では、局所用組成物は対象の表皮に投与される。いくつかの実施形態において、化粧用剤は対象の脂肪組織を含む接触する筋肉または皮下組織に配達される。1つ以上の美容効果は、1つ以上の皮膚のしわの予防または外観の一時的な改善を含む、またはに記載の実施形態。1つ以上の皮膚のしわは、皺眉筋および/または鼻根筋の活動に関連した中等度~重度の眉間の線、眼輪筋の活動に関連した中等度~重度の外眼角の線(カラスの足跡線(crow’s feet lines))、あるいは前頭筋の活動に関連した中等度~重度の前頭部の線を含む。
【0011】
参照による援用
本明細書で言及される刊行物、特許、および特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により援用されるように具体的かつ個々に示されるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲とともに説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される実施形態を明記する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られる。
【0013】
図1A】マルチソーム製剤F1、F2、およびF3の物理化学的特徴付けを示す。図1Aは、ローダミンレッドで標識されたHA250Kおよび緑色FITC-HA10Kを含有するマルチソーム製剤F1(上部)、F2(中央)、およびF3(下部)の共焦点顕微鏡画像を示し、FIトレース図は、小胞中で2つの標識の同時局在化を示す。
図1B】マルチソーム製剤F1、F2、およびF3の物理化学的特徴付けを示す。図1Bは、マルチソーム製剤F1(上部)、F2(中央)、およびF3(下部)の光学顕微鏡画像を示す。
図1C】マルチソーム製剤F1、F2、およびF3の物理化学的特徴付けを示す。図1Cは、マルチソーム製剤F1(上部)、F2(中央)、およびF3(下部)の粒径分布を示す。図には、強度によるサイズ分布が標識されている。x軸は、10倍の増分で標識された0.1~10000のサイズ(dnm)である。F1(上部)のY軸は、0~20まで5の増分で標識された強度(パーセント)を示す。F2(中央)のY軸は、0~30まで10の増分で標識された強度(パーセント)を示す。F3(下部)のY軸は、0~12まで2の増分で標識された強度(パーセント)を示す。
図2】カチオン性マルチソーム製剤を適用されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像を示す。カチオン性マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。F1(上部)のFIトレース図については、X軸は0~300000まで50000の増分で標識された距離(nm)であり、Y軸は、0~66まで、最大で60の10の増分で標識された強度である。F2(中央)のFIトレース図については、X軸は0~198107まで、最大で180000の20000の増分で標識された距離(nm)であり、Y軸は、0~90まで、10の増分で標識された強度である。F3(下部)のFIトレース図については、X軸は0~375190まで、最大で350000の50000の増分で標識された距離(nm)であり、Y軸は、0~65まで、最大で65の10の増分で標識された強度である。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。
図3A】マルチソーム製剤を適用されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。示されたX軸は距離(nm)であり、Y軸はFIトレース図中の強度である。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図3Aは、E1(F4HA250+10 1mg)、E4(F4HA250+50 1mg)、E7(F3-2HA250+50 1.5mg)、およびE10(F1-F6-COSM6BN-HA250+50 1.5mg)についての結果を上から下へ示す。
図3B】マルチソーム製剤を適用されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。示されたX軸は距離(nm)であり、Y軸はFIトレース図中の強度である。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図3Bは、E2(F4HA250+10 1.5mg)、E5(F4HA250+50 1.5mg)、E8(F1-F6-COSM6-HA250+10 1.5mg)、およびE11(Gel-HA250+50 1.5mg)についての結果を上から下へ示す。
図3C】マルチソーム製剤を適用されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。示されたX軸は距離(nm)であり、Y軸はFIトレース図中の強度である。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図3Cは、E3(COSMF4HA250+10 1.5mg)、E6(COSMF4HA250+50 1.5mg)、E9(F1-F6-COSM6-HA250+50 1.5mg)、およびE12(Gel-HA250+10 1.5mg)についての結果を上から下へ示す。
図4A】マルチソーム製剤を適用されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。示されたX軸は距離(nm)であり、Y軸はFIトレース図中の強度である。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図4Aは、G1(F1-F5-COSM4-HA250+10)、G2(F1-F5-COSM4+HA250+10+BN)、G3(F1-F6-COSM5-HA250+10)、およびG4(F1-F6-COSM5-HA250+10+BN)についての結果を上から下へと示す。
図4B】マルチソーム製剤を適用されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。示されたX軸は距離(nm)であり、Y軸はFIトレース図中の強度である。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図4Bは、G5(F1-F5-COSM4-HA250+50)、G6(F1-F5-COSM4+HA250+50+BN)、G7(F1-F6-COSM5-HA250+50)、およびG8(F1-F6-COSM5-HA250+50+BN)についての結果を上から下へと示す。
図5】本明細書に提供される脂質小胞の調製のために例示的な図によるワークフローを示す。
図6】本明細書に提供されるヒアルロン酸(HA)を含有する脂質小胞の調製のための例示的なワークフローを示す。
図7A】様々なHA+機能性成分パック(FIP)を含有するマルチソーム製剤の物理化学的特徴付けを示す。図7Aは、マルチソーム製剤および蛍光強度(FI)トレース図の共焦点顕微鏡画像(パネルA)およびマルチソーム製剤の光学顕微鏡画像(パネルB)を示す。FIトレース図において、x軸は、5の増分における0~50の距離(μm)であり、Y軸は、50の増分において示される0~250の強度である。
図7B】様々なHA+機能性成分パック(FIP)を含有するマルチソーム製剤の物理化学的特徴付けを示す。図7Bは、さらなるマルチソーム製剤およびFIトレース図の共焦点顕微鏡画像(パネルA)および対応するマルチソームの光学顕微鏡画像(パネルB)を示す。F5P2.6-F6COSM5V2-H6+P2(上部)についてのFIトレース図において、軸は5の増分における0~55の距離(μm)であり、Y軸は、50の増分で0~250を示す強度である。F1-F6-COSM5V2-H6+P2(下部)についてのFIトレース図において、軸は20の増分で0~約130の距離(μm)であり、Y軸は、50の増分で0~250を示す強度である。
図7C】様々なHA+機能性成分パック(FIP)を含有するマルチソーム製剤の物理化学的特徴付けを示す。図7Cは、選択されたマルチソーム製剤およびFIトレース図の共焦点顕微鏡画像(パネルA)ならびに様々なバッチサイズの選択された製剤の光学顕微鏡画像(パネルB)を示す。FIトレース図において、x軸は、5000の増分における0~約35000の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~57の強度を示す。
図7D】様々なHA+機能性成分パック(FIP)を含有するマルチソーム製剤の物理化学的特徴付けを示す。図7Dは、別の選択されたマルチソーム製剤およびFIトレース図の共焦点顕微鏡画像(パネルA)ならびに製剤への追加成分の混合の前後の選択された製剤の光学顕微鏡画像製剤(パネルB)を示す。FIトレース図において、x軸は、2000の増分における0~約12000の距離(nm)であり、Y軸は、20の増分における0~170の強度を示す。図7A~7DのパネルA中の共焦点顕微鏡画像は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA10Kを含み、FIトレース図は、小胞内での2つの標識の共局在化を示す。
図8A】HA +FIP製剤:HA5-1および5-2を有し、2つの異なるHA250/50比率で、2つの製剤、F5P2.6-F6COSM5V2-HA5-1+P2(図8A)およびF1-F6COSM5V2-H5-1+P2(図8B)で処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図8AのFIトレース図において、x軸は、20000の増分における0~133123の距離(nm)であり、HA5-1(上部)については、Y軸は、10の増分における0~109の強度であり、一方でHA5-2(下部)については、X軸は20000の増分における0~120000の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~80の強度である。
図8B】HA +FIP製剤:HA5-1および5-2を有し、2つの異なるHA250/50比率で、2つの製剤、F5P2.6-F6COSM5V2-HA5-1+P2(図8A)およびF1-F6COSM5V2-H5-1+P2(図8B)で処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。図8BのFIトレース図において、x軸は、20000の増分における0~112730の距離(nm)であり、HA5-1(上部)については、Y軸は、10の増分における0~99の強度であり、一方でHA5-2(下部)については、X軸は10000の増分における0~100000の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~97の強度である。
図9】3つの異なるHA+FIP製剤:HA5-1+P2(上部)、HA6+P2(中央)、およびHA8+P2(下部)を有する製剤F5P2.6-F6COSM5V2で処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。HA5-1+P2(上部)のFIトレース図については、X軸は20000の増分における0~133123の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~109の強度である。HA6+P2(中央)のFIトレース図については、X軸は20000の増分における0~130138の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~70の強度である。HA8+P2(下部)のFIトレース図については、X軸は20000の増分における0~118512の距離(nm)であり、Y軸は、2の増分における0~23の強度である。
図10】プロピレングリコール(上部)またはブチレングリコール(下部)のいずれかで製剤化された製剤F5P2.6-F6COSM5V2で処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。プロピレングリコールで製剤化されたF5P2.6-F6COSM5V2(上部)のFIトレース図については、X軸は20000の増分における0~133123の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~109の強度である。ブチレングリコールで製剤化されたF5P2.6-F6COSM5V2(下部)のFIについては、X軸は20000の増分における0~120000の距離(nm)であり、Y軸は、2の増分における0~17の強度である。
図11A】製剤F1-F6COSM5NC-HA4-2Pで処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。測定は12の異なる領域で示され、図11Aは領域1、4、7、および10を示し、図11Bは領域2、5、8、および11を示し、図11Cは領域3、6、9、および12を示す(上から下へ)。FIトレース図のそれぞれについては、X軸は距離(nm)であり、Y軸は強度である。図11Aでは、領域1については、X軸は、10000の増分で0~80000超と示され、Y軸は、20の増分で0~120と示され、領域4については、X軸は、20000の増分で0~140000超と示され、Y軸は、10の増分で0~100と示され、領域7については、X軸は、20000の増分で0~100000超と示され、Y軸は、20の増分で0~120と示され、領域10については、X軸は、20000の増分で0~120000超と示され、Y軸は、5の増分で0~50と示される。
図11B】製剤F1-F6COSM5NC-HA4-2Pで処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。測定は12の異なる領域で示され、図11Aは領域1、4、7、および10を示し、図11Bは領域2、5、8、および11を示し、図11Cは領域3、6、9、および12を示す(上から下へ)。FIトレース図のそれぞれについては、X軸は距離(nm)であり、Y軸は強度である。図11Bでは、領域2については、X軸は、20000の増分で0~120000超と示され、Y軸は、10の増分で0~110と示され、領域5については、X軸は、20000の増分で0~120000超と示され、Y軸は、10の増分で0~75と示され、領域8については、X軸は、20000の増分で0~約100000と示され、Y軸は、20の増分で0~170と示され、領域11については、X軸は、20000の増分で0~150000超と示され、Y軸は、10の増分で0~60と示される。
図11C】製剤F1-F6COSM5NC-HA4-2Pで処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。マルチソーム製剤は、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。測定は12の異なる領域で示され、図11Aは領域1、4、7、および10を示し、図11Bは領域2、5、8、および11を示し、図11Cは領域3、6、9、および12を示す(上から下へ)。FIトレース図のそれぞれについては、X軸は距離(nm)であり、Y軸は強度である。図11Cでは、領域3については、X軸は、20000の増分で0~120000超と示され、Y軸は、50の増分で0~250超と示され、領域6については、X軸は、20000の増分で0~140000超と示され、Y軸は、10の増分で0~90超と示され、領域9については、X軸は、10000の増分で0~100000超と示され、Y軸は、5の増分で0~55と示され、領域12については、X軸は、20000の増分で0~120000超と示され、Y軸は、10の増分で0~80と示される。
図12】対照製剤としてゲル製剤(非小胞製剤)で処置されたヒト皮膚の共焦点顕微鏡画像およびFIトレース図を示す。ゲルは、ローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kを用いて調製された。FIトレース図は、皮膚の表面から真皮上部までの皮膚層におけるローダミン赤色標識HA250Kおよび緑色のFITC-HA10KまたはFITC-HA50Kのレベルを示す。各顕微鏡写真には、トレース方向の平面が示されている。測定は、2つの異なる領域で示される。領域1(上部)のFIトレース図については、X軸は20000の増分における0~140000の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~80の強度である。領域2(下部)のFIトレース図については、X軸は20000の増分における0~112386の距離(nm)であり、Y軸は、10の増分における0~80の強度である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
本明細書で使用されるとき、「含む(comprise)」という用語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変化形は、任意の詳述された特徴を含むことを示すものであるが、任意の他の特徴を除外することを意味するものではない。したがって、本明細書で使用されるとき、「含む(comprising)」という用語は包括的であり、追加の詳述されていない特徴を除外するものではない。本明細書で提供される組成物および方法のいずれかのいくつかの実施形態では、「含む」は、「本質的に~からなる(consisting essentially of)」または「~からなる(consisting of)」と置き換えられてもよい。「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という語句は、指定された特性や、本発明の特徴や機能に実質的に影響を与えない特性を要求するために使用される。本明細書に使用されるとき、「なる」という用語は詳述される特徴のみの存在を示すために使用される。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、別段の指定がない限り、以下の用語は下記の意味を持つ。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、酸塩および塩基付加塩の両方を含む。本明細書に記載される化合物のうちのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩は、すべての薬学的に適切な塩形態を包含することを意図している。本明細書に記載される化合物の好ましい薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩および薬学的に許容可能な塩基付加塩である。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「非修飾ペプチド」という用語は、追加の官能基を含むように末端修飾されていないペプチドを指す。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オクタノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ビオチノイル基、エライドイル基、オレオイル基、またはリポイル基などの経皮浸透を増強する官能基を含むように修飾されていない。いくつかの実施形態では、ペプチドはオレアノール酸を含むように修飾されていない。
【0018】
本明細書で使用されるように、「処置」もしくは「処置すること」、または「緩和すること」または「寛解させること」は交換可能に使用される。こうした用語は、治療上の利点および/または予防上の利点を含むがこれらに限定されない有益な結果または望ましい結果を得るための手法を指す。「治療上の利点」は、処置されている基礎疾患の根絶または寛解を意味する。同様に、治療上の利点は、患者がまだ基礎疾患に罹っているにもかかわらず、改善が患者で観察されるように、基礎疾患に関連する生理的な症状の1つ以上の根絶または寛解により達成される。予防上の利点については、組成物は、実施形態によっては、特定の疾患を発症するリスクのある患者に、または、たとえ疾患の診断がなされていなくても、この疾患の生理的な症状の1つ以上を報告している患者に投与される。
【0019】
本明細書で使用されるとき、「保存的置換」は、1つのアミノ酸の、サイズ、電荷、および極性などの類似した特性を有する別のアミノ酸との交換を意味する。置換は、自然発生するか、または修飾(例えば、非天然アミノ酸)の場合がある。保存的置換で交換することができる非限定的な例としては、大きな疎水性物質(バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、メチオニン)、小さい非極性(アラニン、グリシン)、極性(セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、システイン、ヒスチジン)、正電荷(リジン、アルギニン)、負電荷(グルタミン酸、アスパラギン酸)の群が挙げられる。
【0020】
%が構成成分の量を指すために本明細書で使用される場合、別段の定めがない限り、%は%w/wであることが意図される。
【0021】
「浸透促進剤(penetration enhancing agents)」および「浸透促進剤(penetration enhancers)」という用語は、本明細書で交換可能に使用される。本明細書で使用されるとき、これは、対象の皮膚の1つ以上の層を通る1つ以上の有効成分(例えば、ヒアルロン酸または1つ以上のペプチドなどのアニオン性ポリマー材料)の浸透を促進するか、または向上させる1つ以上の成分を指す。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、例えば、約10以下の親水性-親油性バランス(HLB)を有する非イオン界面活性剤、カチオン性基、またはテルペン、アルカロイド、サリチル酸誘導体、ニコチン酸誘導体などの別の薬剤、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む、界面活性剤である。
【0022】
本明細書で使用される用語「マルチソーム」は、1つ以上の浸透促進剤を含む(二相性脂質小胞などの)脂質小胞を指し、好ましい実施形態では、相乗的に作用する複数の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、マルチソームは、その中心のコアコンパートメントが、水性連続相および分散した疎水性、親水性、または油相から構成される水中油型エマルジョンによって占有される小胞を含む。一実施形態では、脂質小胞の隣接する二重層の間の空間も、エマルジョンによって占有され得る。
【0023】
本明細書で使用される用語「脂質小胞組成物」は、1つ以上の脂質小胞(例えば、マルチソーム脂質小胞、脂質二重層小胞など)を含む組成物を指す。脂質小胞組成物が、1つ以上の追加の構成成分(例えば、本明細書に提供されるアニオン性ポリマー材料または1つ以上のペプチド)を「含む」と記載される場合、本組成物は、組成物内に任意の方法で追加の構成成分を含むこと(例えば、脂質小胞内にカプセル化されたものなど)が意図される。例えば、アニオン性ポリマー材料を含む脂質小胞組成物は、脂質小胞組成物の脂質二重層内にカプセル化されたアニオン性ポリマー材料を含む場合がある。
【0024】
本明細書で使用される用語「エマルジョン」は、2つの非混和性物質の混合物を指す。
【0025】
本明細書で使用される用語「二重層」は、疎水性尾部が内部表面上にあり、および極性頭部基が外部表面上にある、2つの分子層に配置された両親媒性の脂質分子から構成される構造を指す。
【0026】
本明細書で使用される「局所投与」または「局所送達」という用語は、皮膚および/または粘膜への化合物または複数の化合物を含む組成物の投与による化合物の皮内、経皮、および/または経粘膜送達を意味する。
【0027】
本明細書で使用される用語「ジェミニ型界面活性剤」は、複数の疎水性尾部を含有し、各疎水性尾部が親水性頭部を有し、疎水性尾部または親水性頭部がスペーサー部分によって互いに結合されている、界面活性剤分子を指す。疎水性尾部は同一であっても異なっていてもよい。同様に、親水性頭部は同一であっても異なっていてもよい。親水性頭部は、アニオン性、カチオン性、または中性であり得る。
【0028】
用語「HLB」または「親水性-親油性バランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance)」値は、Griffin,J.Soc.Cosm.Chem.,vol.5,249(1954)による標準HLBを指し、これは界面活性剤の親水性および親油性の程度を示す。
【0029】
皮内送達のためのヒアルロン酸などのアニオン性ポリマー材料の脂質小胞組成物
一態様では、アニオン性ポリマー材料を含む脂質小胞組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、それぞれが小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞を含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、脂質小胞中に封入された水中油型エマルジョンを含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョンは、1つ以上の界面活性剤によって安定化される。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒアルロン酸である。
【0030】
アニオン性ポリマー材料
いくつかの態様では、本明細書で提供される脂質小胞組成物は、アニオン性ポリマー材料を含む。アニオン性ポリマー材料は、望ましくは、対象の皮膚表面の下への送達に適合するものである。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、皮膚表面の下に送達された後にボリューマイザー(volumizer)またはフィラーとして作用するものである。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、皮膚の陥凹を修正するか、または顔のボリュームを回復するために、皮膚の別の層(例えば、表皮)のためのサポートとして作用する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は架橋されていない。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は架橋される(例えば、Hyacross(商標)TL100などの架橋ヒアルロン酸)。
【0031】
いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、アニオン性多糖類を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性多糖類は非硫酸化グリコサミノグリカンである。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は天然に存在する物質である。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料はヒトにおいて天然に存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒトの結合組織または上皮組織内で天然に存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒアルロン酸またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0032】
いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸の薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、またはそれらのあらゆる組合せである。いくつかの実施形態では、塩はナトリウム塩である。
【0033】
いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、分子量は重量平均分子量である。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約10kDa、約5kDa~約20kDa、約5kDa~約50kDa、約5kDa~約100kDa、約5kDa~約200kDa、約5kDa~約250kDa、約5kDa~約300kDa、約5kDa~約400kDa、約5kDa~約500kDa、約10kDa~約20kDa、約10kDa~約50kDa、約10kDa~約100kDa、約10kDa~約200kDa、約10kDa~約250kDa、約10kDa~約300kDa、約10kDa~約400kDa、約10kDa~約500kDa、約20kDa~約50kDa、約20kDa~約100kDa、約20kDa~約200kDa、約20kDa~約250kDa、約20kDa~約300kDa、約20kDa~約400kDa、約20kDa~約500kDa、約50kDa~約100kDa、約50kDa~約200kDa、約50kDa~約250kDa、約50kDa~約300kDa、約50kDa~約400kDa、約50kDa~約500kDa、約100kDa~約200kDa、約100kDa~約250kDa、約100kDa~約300kDa、約100kDa~約400kDa、約100kDa~約500kDa、約200kDa~約250kDa、約200kDa~約300kDa、約200kDa~約400kDa、約200kDa~約500kDa、約250kDa~約300kDa、約250kDa~約400kDa、約250kDa~約500kDa、約300kDa~約400kDa、約300kDa~約500kDa、または約400kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約5kDa、約10kDa、約20kDa、約50kDa、約100kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、約400kDa、または約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、少なくとも約5kDa、約10kDa、約20kDa、約50kDa、約100kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、または約400kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、最大で約10kDa、約20kDa、約50kDa、約100kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、約400kDa、または約500kDaの分子量を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01wt%~約1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01wt%~約0.02wt%、約0.01wt%~約0.05wt%、約0.01wt%~約0.08wt%、約0.01wt%~約0.1wt%、約0.01wt%~約0.15wt%、約0.01wt%~約0.2wt%、約0.01wt%~約0.25wt%、約0.01wt%~約0.3wt%、約0.01wt%~約0.4wt%、約0.01wt%~約0.5wt%、約0.01wt%~約1wt%、約0.02wt%~約0.05wt%、約0.02wt%~約0.08wt%、約0.02wt%~約0.1wt%、約0.02wt%~約0.15wt%、約0.02wt%~約0.2wt%、約0.02wt%~約0.25wt%、約0.02wt%~約0.3wt%、約0.02wt%~約0.4wt%、約0.02wt%~約0.5wt%、約0.02wt%~約1wt%、約0.05wt%~約0.08wt%、約0.05wt%~約0.1wt%、約0.05wt%~約0.15wt%、約0.05wt%~約0.2wt%、約0.05wt%~約0.25wt%、約0.05wt%~約0.3wt%、約0.05wt%~約0.4wt%、約0.05wt%~約0.5wt%、約0.05wt%~約1wt%、約0.08wt%~約0.1wt%、約0.08wt%~約0.15wt%、約0.08wt%~約0.2wt%、約0.08wt%~約0.25wt%、約0.08wt%~約0.3wt%、約0.08wt%~約0.4wt%、約0.08wt%~約0.5wt%、約0.08wt%~約1wt%、約0.1wt%~約0.15wt%、約0.1wt%~約0.2wt%、約0.1wt%~約0.25wt%、約0.1wt%~約0.3wt%、約0.1wt%~約0.4wt%、約0.1wt%~約0.5wt%、約0.1wt%~約1wt%、約0.15wt%~約0.2wt%、約0.15wt%~約0.25wt%、約0.15wt%~約0.3wt%、約0.15wt%~約0.4wt%、約0.15wt%~約0.5wt%、約0.15wt%~約1wt%、約0.2wt%~約0.25wt%、約0.2wt%~約0.3wt%、約0.2wt%~約0.4wt%、約0.2wt%~約0.5wt%、約0.2wt%~約1wt%、約0.25wt%~約0.3wt%、約0.25wt%~約0.4wt%、約0.25wt%~約0.5wt%、約0.25wt%~約1wt%、約0.3wt%~約0.4wt%、約0.3wt%~約0.5wt%、約0.3wt%~約1wt%、約0.4wt%~約0.5wt%、約0.4wt%~約1wt%、または約0.5wt%~約1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01wt%、約0.02wt%、約0.05wt%、約0.08wt%、約0.1wt%、約0.15wt%、約0.2wt%、約0.25wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、約0.5wt%、または1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、少なくとも約0.01wt%、約0.02wt%、約0.05wt%、約0.08wt%、約0.1wt%、約0.15wt%、約0.2wt%、約0.25wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、または約0.5wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、最大で約0.02wt%、約0.05wt%、約0.08wt%、約0.1wt%、約0.15wt%、約0.2wt%、約0.25wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、約0.5wt%、または1wt%の量で存在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマーは、異なる種類である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料のそれぞれは、異なる種類のアニオン性多糖類である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料は同じ種類である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料のそれぞれは、アニオン性多糖類である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマーのそれぞれは、ヒアルロン酸である。
【0036】
第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料が同じ種類である場合、アニオン性ポリマー材料のそれぞれは異なる分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で約75kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaより大きい分子重量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で約75kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaより大きい分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマーは、50kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムを含み、第2のアニオン性ポリマーは、250kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムを含む。
【0037】
脂質小胞が第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料を含む場合、各構成成分は異なる量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマー材料は、ほぼ同じ量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される比率には重量比が含まれる。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性材料と第2のアニオン性材料との比率は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、3:2、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、または1:10である。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性材料および第2のアニオン性材料の重量比は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、3:2、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、または1:10である。いくつかの実施形態では、それぞれ50kDaおよび250kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムを含む第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマーは、約1:2の比率で存在する。場合によっては、250kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムは0.1wt%で存在し、50kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムは0.05wt%で存在する。いくつかの実施形態では、それぞれ50kDaおよび250kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムを含む第1のアニオン性ポリマー材料および第2のアニオン性ポリマーは、約1:1の比率で存在する。場合によっては、250kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムは0.1wt%で存在し、50kDaの分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムは0.1wt%で存在する。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマーおよび第2のアニオン性ポリマーの組合せは、約0.01wt%~約1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、その組合せは、約0.01wt%~約0.02wt%、約0.01wt%~約0.05wt%、約0.01wt%~約0.08wt%、約0.01wt%~約0.1wt%、約0.01wt%~約0.15wt%、約0.01wt%~約0.2wt%、約0.01wt%~約0.25wt%、約0.01wt%~約0.3wt%、約0.01wt%~約0.4wt%、約0.01wt%~約0.5wt%、約0.01wt%~約1wt%、約0.02wt%~約0.05wt%、約0.02wt%~約0.08wt%、約0.02wt%~約0.1wt%、約0.02wt%~約0.15wt%、約0.02wt%~約0.2wt%、約0.02wt%~約0.25wt%、約0.02wt%~約0.3wt%、約0.02wt%~約0.4wt%、約0.02wt%~約0.5wt%、約0.02wt%~約1wt%、約0.05wt%~約0.08wt%、約0.05wt%~約0.1wt%、約0.05wt%~約0.15wt%、約0.05wt%~約0.2wt%、約0.05wt%~約0.25wt%、約0.05wt%~約0.3wt%、約0.05wt%~約0.4wt%、約0.05wt%~約0.5wt%、約0.05wt%~約1wt%、約0.08wt%~約0.1wt%、約0.08wt%~約0.15wt%、約0.08wt%~約0.2wt%、約0.08wt%~約0.25wt%、約0.08wt%~約0.3wt%、約0.08wt%~約0.4wt%、約0.08wt%~約0.5wt%、約0.08wt%~約1wt%、約0.1wt%~約0.15wt%、約0.1wt%~約0.2wt%、約0.1wt%~約0.25wt%、約0.1wt%~約0.3wt%、約0.1wt%~約0.4wt%、約0.1wt%~約0.5wt%、約0.1wt%~約1wt%、約0.15wt%~約0.2wt%、約0.15wt%~約0.25wt%、約0.15wt%~約0.3wt%、約0.15wt%~約0.4wt%、約0.15wt%~約0.5wt%、約0.15wt%~約1wt%、約0.2wt%~約0.25wt%、約0.2wt%~約0.3wt%、約0.2wt%~約0.4wt%、約0.2wt%~約0.5wt%、約0.2wt%~約1wt%、約0.25wt%~約0.3wt%、約0.25wt%~約0.4wt%、約0.25wt%~約0.5wt%、約0.25wt%~約1wt%、約0.3wt%~約0.4wt%、約0.3wt%~約0.5wt%、約0.3wt%~約1wt%、約0.4wt%~約0.5wt%、約0.4wt%~約1wt%、または約0.5wt%~約1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、その組合せは、約0.01wt%、約0.02wt%、約0.05wt%、約0.08wt%、約0.1wt%、約0.15wt%、約0.2wt%、約0.25wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、約0.5wt%、または1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、その組合せは、少なくとも約0.01wt%、約0.02wt%、約0.05wt%、約0.08wt%、約0.1wt%、約0.15wt%、約0.2wt%、約0.25wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、または約0.5wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、その組合せは、最大で約0.02wt%、約0.05wt%、約0.08wt%、約0.1wt%、約0.15wt%、約0.2wt%、約0.25wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、約0.5wt%、または1wt%の量で存在する。例えば、第1のアニオン性ポリマーは約0.1wt%の量で存在してもよく、第2のアニオン性ポリマーは約0.05wt%の量で存在してもよい。さらなる例として、第2のアニオン性ポリマーは約0.1wt%の量で存在してもよく、第1のアニオン性ポリマーは約0.05wt%の量で存在してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、組成物は、第1、第2、および第3のアニオン性ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、同じタイプのもの(例えば、ヒアルロン酸の3つの異なる分子量)であり得る。いくつかの実施形態では、3つのアニオン性ポリマー材料のうち2つが同じタイプである。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料のそれぞれが異なるタイプである。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料、第2のアニオン性ポリマー材料、第3のアニオン性ポリマー材料、またはそれらのあらゆる組合せは架橋されない。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料、第2のアニオン性ポリマー材料、またはその両方は架橋されない。いくつかの実施形態では、第3のアニオン性ポリマー材料は架橋される。いくつかの実施形態では、第3のアニオン性ポリマー材料はヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマーを含む。ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマーは、水および/またはペンチレングリコールなどの1つ以上の溶媒を含む組成物中にあってもよい。いくつかの実施形態では、架橋ポリマーはゲル形態にある。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約5kDa~約20kDaの分子量を有し、第2のアニオン性ポリマーは、約20kDa~約75kDaの分子量を有し、第3のアニオン性ポリマー材料は、約75kDaを超える分子量を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、3つのアニオン性ポリマー材料のそれぞれは、およそ同じ量で存在する。いくつかの実施形態では、3つのアニオン性ポリマー材料のそれぞれは、およそ異なる量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料、第2のアニオン性ポリマー材料、第3のアニオン性ポリマー材料、またはそれらのあらゆる組合せは、それぞれ約0.1mg/g~約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料、第2のアニオン性ポリマー材料、第3のアニオン性ポリマー材料、またはそれらのあらゆる組合せは、それぞれ約0.01%~約1%の量で存在する。
【0041】
いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約1.25mg/mL、約0.01mg/mL~約1.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1.75mg/mL、約0.01mg/mL~約2mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約1.25mg/mL、約0.05mg/mL~約1.5mg/mL、約0.05mg/mL~1.75mg/mL、約0.05mg/mL~約2mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約1.25mg/mL、約0.1mg/mL~約1.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1.75mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約1.25mg/mL、約0.5mg/mL~約1.5mg/mL、約0.5mg/mL~約1.75mg/mL、約0.5mg/mL~約2mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~1.25mg/mL、約1mg/mL~約1.5mg/mL、約1mg/mL~約1.75mg/mL、約1mg/ml~約2mg/ml、約1mg/ml~約5mg/ml、約1mg/ml~約10mg/ml、約1.25mg/ml~約1.5mg/ml、約1.25mg/ml~約1.75mg/ml、約1.25mg/ml~約2mg/ml、約1.25mg/ml~約5mg/ml、約1.25mg/ml~約10mg/ml、約1.5mg/ml~約1.75mg/ml、約1.5mg/ml~約2mg/ml、約1.5mg/ml~約5mg/ml、約1.5mg/ml~約10mg/ml、約1.75mg/ml~約2mg/ml、約1.75mg/ml~約5mg/ml、約1.75mg/mL~約10mg/mL、約2mg/mL~5mg/mL、約2mg/mL~約10mg/mL、または約5mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.25mg/mL、約1.5mg/mL、約1.75mg/mL、約2mg/mL、約5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、少なくとも約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.25mg/mL、約1.5mg/mL、約1.75mg/mL、約2mg/mL、または約5mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、最大で約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.25mg/mL、約1.5mg/mL、約1.75mg/mL、約2mg/mL、約5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。
【0042】
いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/g~約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/g~約0.05mg/g、0.01mg/g~約0.1mg/g、約0.01mg/g~約0.5mg/g、約0.01mg/g~約1mg/g、約0.01mg/g~約2.5mg/g、約0.01mg/g~約5mg/g、約0.01mg/g~約7.5mg/g、約0.01mg/g~約10mg/g、約0.05mg/g~約0.1mg/g、約0.05mg/g~約0.5mg/g、約0.05mg/g~約1mg/g、約0.05mg/g~約2.5mg/g、約0.05mg/g~約5mg/g、約0.05mg/g~約7.5mg/g、約0.05mg/g~約10mg/g、約0.1mg/g~約0.5mg/g、約0.1mg/g~約1mg/g、約0.1mg/g~約2.5mg/g、約0.1mg/g~約5mg/g、約0.1mg/g~約7.5mg/g、約0.1mg/g~約10mg/g、約0.5mg/g~約1mg/g、約0.5mg/g~約2.5mg/g、約0.5mg/g~約5mg/g、約0.5mg/g~約7.5mg/g、約0.5mg/g~約10mg/g、約1mg/g~約2.5mg/g、約1mg/g~約5mg/g、約1mg/g~約7.5mg/g、約1mg/g~約10mg/g、約2.5mg/g~約5mg/g、約2.5mg/g~約7.5mg/g、約2.5mg/g~約10mg/g、約5mg/g~7.5mg/g、約5mg/g~約10mg/g、または約7.5mg/g~約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/g、約0.05mg/g、約0.1mg/g、約0.5mg/g、約1mg/g、約2.5mg/g、約5mg/g、約7.5mg/g、または約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、少なくとも約0.01mg/g、約0.05mg/g、約0.1mg/g、約0.5mg/g、約1mg/g、約2.5mg/g、約5mg/g、または約7.5mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、最大で約0.05mg/g、約0.1mg/g、約0.5mg/g、約1mg/g、約2.5mg/g、約5mg/g、約7.5mg/g、または約10mg/gの量で存在する。一例として、生成物100g当たり、アニオン性ポリマー材料は約1mg~約1000mgの量で存在する。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、約0.01mg/g~約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、約0.01mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、約0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約2.5mg/mL、 約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約7.5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約2.5mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約7.5mg/mL、約0.05mg/mL~10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2.5mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約7.5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約2.5mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約7.5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約2.5mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約7.5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約2.5mg/mL~約5mg/mL約2.5mg/mL~約7.5mg/mL、約2.5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約7.5mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、または約7.5mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、少なくとも約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、または約7.5mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、最大で約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。一例として、生成物100g当たり、第1のアニオン性ポリマー材料と第2のアニオン性ポリマー材料との組合せは、約1mg~約1000mgの量で存在する。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/g~約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約2.5mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約7.5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約2.5mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約7.5mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2.5mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約7.5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約2.5mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約7.5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約2.5mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約7.5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約2.5mg/mL~約5mg/mL約2.5mg/mL~約7.5mg/mL、約2.5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約7.5mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、または約7.5mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、少なくとも約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、または約7.5mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のアニオン性ポリマー材料は、最大で約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第2のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/g~約10mg/gの量で存在する。いくつかの実施形態では、第2のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約2.5mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約7.5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約2.5mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約7.5mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2.5mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約7.5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約2.5mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約7.5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約2.5mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約7.5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約2.5mg/mL~約5mg/mL約2.5mg/mL~約7.5mg/mL、約2.5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約7.5mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、または約7.5mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第2のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第2のアニオン性ポリマー材料は、少なくとも約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、または約7.5mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第2のアニオン性ポリマー材料は、最大で約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの例では、第1のアニオン性ポリマーは0.25mg/gの量で存在し、第2のアニオン性ポリマーは約0.5mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第1のアニオン性ポリマーは0.5mg/gの量で存在し、第2のアニオン性ポリマーは約1mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第1のアニオン性ポリマーは0.5mg/gの量で存在し、第2のアニオン性ポリマーは約0.5mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第1のアニオン性ポリマーは1mg/gの量で存在し、第2のアニオン性ポリマーは約1mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第1のアニオン性ポリマーは1mg/gの量で存在し、第2のアニオン性ポリマーは約2mg/gの量で存在する。いくつかの例では、生成物100g当たり、第1のアニオン性ポリマー材料は約1mg~約500mgの量で存在する。いくつかの例では、生成物100g当たり、第2のアニオン性ポリマー材料は約5mg~約1000mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.01mg/g~約10mg/gの量で存在する第3のアニオン性ポリマー材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約2.5mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約7.5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約2.5mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約7.5mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2.5mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約7.5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約2.5mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約7.5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約2.5mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約7.5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約2.5mg/mL~約5mg/mL約2.5mg/mL~約7.5mg/mL、約2.5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約7.5mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、または約7.5mg/mL~約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第3のアニオン性ポリマー材料は、約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第3のアニオン性ポリマー材料は、少なくとも約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、または約7.5mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、第3のアニオン性ポリマー材料は、最大で約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mL、約7.5mg/mL、または約10mg/mLの量で存在する。いくつかの例では、第3のアニオン性ポリマーは、約0.1mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第3のアニオン性ポリマーは、約0.2mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第3のアニオン性ポリマーは、約0.5mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第3のアニオン性ポリマーは、約1mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第3のアニオン性ポリマーは、約2mg/gの量で存在する。いくつかの例では、第3のアニオン性ポリマーは、約5mg/gの量で存在する。いくつかの例では、生成物100g当たり、第3のアニオン性ポリマー材料は約1mg~500mgの量で存在する。
【0045】
小胞形成脂質
いくつかの実施形態では、小胞組成物は1つ以上の小胞形成脂質を含む。小胞形成脂質は、水中油型エマルジョンの一部をカプセル化するために作用する。いくつかの実施形態では、これにより、水中油型エマルジョンがある期間の間安定した状態を保つことが可能になる。
【0046】
小胞形成脂質は、そのような目的に好適な任意の脂質であり得る。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、脂質の組合せを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、小胞形成脂質はリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は天然に存在するか、半合成されるか、または合成的に調製されるか、あるいはそれらの混合である。一実施形態では、リン脂質は、脂肪酸およびリン酸の1つまたは2つの(等しいまたは異なる)残基を有するグリセロールの1つ以上のエステル類であり、ここで、リン酸残基は、例えば、コリン(ホスファチジルコリン(PC))、セリン(ホスファチジルセリン(PS))、グリセロール(ホスファチジルグリセロール(PG))、エタノールアミン(ホスファチジルエタノールアミン(PE))、またはイノシトール(ホスファチジルイノシトール)などの親水基に順番に結合される。1つのみの脂肪酸の残基を有するリン脂質のエステル類は、当該技術分野において、リン脂質の「リゾ」形態、または「リゾリン脂質」と通常称される。通常、リン脂質中に存在する脂肪酸残基は、典型的には12~24個の炭素原子、または14~22個の炭素原子を含有している長鎖脂肪族酸であり、脂肪族鎖は1つ以上の不飽和を含有し得るか、または完全に飽和される。リン脂質に含まれる適切な脂肪酸の例は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸である。ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸などの飽和脂肪酸が使用され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、リン脂質は、1つ以上の天然リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、1つ以上の半合成リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、半合成リン脂質は、天然に存在するレシチンの部分的にまたは完全に水素化された誘導体である。いくつかの実施形態では、リン脂質は、ホスファチジルコリン、エチルホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、またはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルを含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は水素化ホスファチジルコリン(例えばSunlipon 90H)を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、例えば、ジラウロイル-ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル-ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル-ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル-ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル-ホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイル-ホスファチジルコリン(DOPC)、1,2ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(エチル-DSPC)、ジペンタデカノイル-ホスファチジルコリン(DPDPC)、1-ミリストイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(MPPC)、1-パルミトイル-2-ミリストイル-ホスファチジルコリン(PMPC)、1-パルミトイル-2-ステアロイル-ホスファチジルコリン(PSPC)、1-ステアロイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(SPPC)、1-パルミトイル-2-オレイルホスファチジルコリン(POPC)、1-オレイル-2-パルミトイル基-ホスファチジルコリン(OPPC)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(DLPG)およびそのアルカリ金属塩、ジアラキドイルホスファチジルグリセロールl(DAPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩、ジオレオイル-ホスファチジルグリセロール(DOPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン(DAPE)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(DPSP)、ならびにジステアロイルスフィンゴミエリン(DSSP)、ジラウロイル-ホスファチジルイノシトール(DLPI)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(DAPI)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジオレオイル-ホスファチジルイノシトール(DOPI)である。
【0049】
いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約0.5%~約12%、約0.5%~約15%、約0.5%~約20%、約0.5%~約25%、約2%~約5%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約25%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約5%~約20%約5%~約25%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約8%~約25%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約12%~約15%、約12%~約20%、約12%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の少なくとも約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、または約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の最大で2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%(w/w)の量で存在する。
【0050】
いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約5%~約15%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約11%、約5%~約12%、約5%~約13%、約5%~約14%、約5%~約15%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約11%、約8%~約12%、約8%~約13%、約8%~約14%、約8%~約15%、約9%~約10%、約9%~約11%、約9%~約12%、約9%~約13%、約9%~約14%、約9%~約15%、約10%~約11%、約10%~約12%、約10%~約13%、約10%~約14%、約10%~約15%、約11%~約12%、約11%~約13%、約11%~約14%、約11%~約15%、約12%~約13%、約12%~約14%、約12%~約15%、約13%~約14%、約13%~約15%、または約14%~約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の少なくとも約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、または約14%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の最大で8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%(w/w)の量で存在する。
【0051】
いくつかの実施形態では、組成物は短鎖ポリオールを含む。いくつかの実施形態では、短鎖ポリオールは、生じる脂質小胞の安定性を増強するように作用する。いくつかの実施形態では、短鎖ポリオールは、2つまたは3つのアルコール基を含むC-Cポリオールである。いくつかの実施形態では、短鎖ポリオールはプロピレングリコールである。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物はブタンジオール(例えば、2,3ブタンジオール)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、プロピレングリコール、ブタンジオール、またはその両方を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約0.5%~約12%、約0.5%~約15%、約0.5%~約20%、約0.5%~約25%、約2%~約5%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約25%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約5%~約20%約5%~約25%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約8%~約25%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約12%~約15%、約12%~約20%、約12%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約10.5%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、少なくとも約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、最大で2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約1%~約2%、約1%~約4%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約4%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約6%~約8%、約6%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、少なくとも約1%、約2%、約4%、約6%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、最大で2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは小胞形成脂質とほぼ同一の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物中のプロピレングリコールの小胞形成脂質に対する比率は、約2:1~1:2(w/w)である。
【0053】
いくつかの実施形態では、ブタンジオール(例えば、2,3-ブタンジオール)は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約0.5%~約12%、約0.5%~約15%、約0.5%~約20%、約0.5%~約25%、約2%~約5%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約25%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約5%~約20%約5%~約25%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約8%~約25%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約12%~約15%、約12%~約20%、約12%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約10.5%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、少なくとも約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、最大で約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約1%~約2%、約1%~約4%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約4%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約6%~約8%、約6%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、少なくとも約1%、約2%、約4%、約6%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、最大で約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは小胞形成脂質とほぼ同一の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物中のブタンジオールと小胞形成脂質との比率は、約2:1~1:2(w/w)である。いくつかの実施形態では、、ブタンジオールを含む組成物において、ブタンジオールとプロピレングリコールとの比率は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、またはは12:1である。
【0054】
油相
本明細書に提供される脂質小胞組成物は、水中油型エマルジョンを含む。油成分は、材料が作用温度(例えば室温)で液体であり、かつ水と混和しないように選択される。
【0055】
任意の好適な油が油相として使用され得る。いくつかの実施形態では、油は、天然に存在する油を含む。いくつかの実施形態では、天然に存在する油は、1つ以上の植物または植物の一部(例えば、種子または木の実)に由来する。いくつかの実施形態では、油は、オリーブ油、植物油、ヒマワリ油、または他の同様の植物由来の油などの天然に存在する油である。
【0056】
いくつかの実施形態では、油相は、植物油、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド、シリコーン流体、鉱油、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0057】
いくつかの実施形態では、油は、ジメチコンなどのシリコン油または誘導体を含む。いくつかの実施形態では、シリコン油はシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、シロキサンポリマーはC-C置換基を含む。いくつかの実施形態では、シロキサンはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。いくつかの実施形態では、シリコン油はポリメチルシルセスキオキサン(例えば、Botanisil(商標)SP-360)である。いくつかの実施形態では、油は、より小さな構成成分としてシリコン油(例えばジメチコン)を含む混合物である。いくつかの実施形態では、油は、ジメチコン(例えば、LexFeel(商標)N350 MB)の代わりとして自然に存在する皮膚軟化剤を含む混合物である。いくつかの実施形態では、シリコン油は、生じる組成物の感触を良くするために、または保湿剤として組み込まれる。いくつかの実施形態では、油は、組成物の最大で約5%、最大で約4%、最大で約3%、最大で約2%、または最大で約1%(w/w)の量でシリコン油を含む。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.1%~約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.1%~約0.5%、0.1%~約0.7%、0.1%~約1%、0.1%~約1.5%、0.15%~約2%、0.5%~約0.7%、0.5%~約1%、0.5%~約1.5%、0.5%~約2%、0.7%~約1%、0.7%~約1.5%、0.7%~約2%、1%~約1.5%、または1%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、シリコン油は、組成物の約0.1%、0.5%、0.6%、0.7%、1%、1.5%、または2%の量で存在する。
【0058】
いくつかの実施形態では、油は、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約20%~約、25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約25%~約30%、約25%~約35%、または約30%~約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、または約30%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、最大で約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約5%~約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約11%、約5%~約12%、約5%~約13%、約5%~約14%、約5%~約15%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約11%、約8%~約12%、約8%~約13%、約8%~約14%、約8%~約15%、約9%~約10%、約9%~約11%、約9%~約12%、約9%~約13%、約9%~約14%、約9%~約15%、約10%~約11%、約10%~約12%、約10%~約13%、約10%~約14%、約10%~約15%、約11%~約12%、約11%~約13%、約11%~約14%、約11%~約15%、約12%~約13%、約12%~約14%、約12%~約15%、約13%~約14%、約13%~約15%、または約14%~約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、または約14%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、最大で約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%の量で存在する。
【0059】
いくつかの実施形態では、油は、1つ以上のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態では、中鎖トリグリセリドは、C-C12の鎖長を有する脂肪酸エステルを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約25%~約30%、約25%~約35%、または約30%~約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、少なくとも約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、または約30%の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、最大で約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。
【0061】
いくつかの実施形態では、脂質小胞および/または組成物の脂質小胞部分の油相は、ステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールは天然由来のステロールである。いくつかの実施形態では、ステロールは合成ステロールである。いくつかの実施形態では、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、コレステロールは、植物由来のコレステロールであってもよい。いくつかの実施形態では、コレステロールは、合成コレステロールであってもよい。いくつかの実施形態では、植物由来のコレステロールは、コレスト-5-エン-3-オール(例えば、PhytoChol(登録商標)、SyntheChol(登録商標)、Avanti#700100)、もしくは他の任意の植物由来のコレステロール、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、ステロールは、フィトステロールまたはその誘導体であってもよい。いくつかの実施形態では、フィトステロールまたはその誘導体は、フィトステロールMM、Advasterol(商標)90IPもしくは95IP F、NETステロール-ISO、キャノーラステロール、シトステロール700095、ラノステロール-95、ブラシカステロール、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.8%、約0.2%~約1%、約0.2%~約2%、約0.2%~約3%、約0.2%~約4%、約0.2%~約5%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約2%、約0.8%~約3%、約0.8%~約4%、約0.8%~約5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、または約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、最大で約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約4%、約1.5%~約5%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2.5%~約3%、約2.5%~約4%、約2.5%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の少なくとも約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、または約4%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の最大で1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%(w/w)の量で存在する。
【0063】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、個体の皮膚に適用されると、皮膚の1つ以上の層を通るアニオン性ポリマー材料の浸透の量が増加するように作用する。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、個体の皮膚に適用されると、皮膚の1つ以上の層を通る1つ以上のペプチドの浸透の量が増加するように作用する。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の1つ以上の浸透促進剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の1つ以上の浸透促進剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が5%超、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の1つ以上の浸透促進剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。
【0065】
いくつかの実施形態では、約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が5%超、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の約10のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。
【0066】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、組成物の水中油型エマルジョンに含まれている。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、組成物の脂質二重層に含まれている。
【0067】
様々な種類の使用され得る浸透促進剤が存在する。いくつかの実施形態では、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはそれらの組合せを含む浸透促進剤である。いくつかの実施形態では、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはそれらの組合せは、浸透促進剤ではない。
【0068】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む。幾つかの実施形態では、浸透促進剤は、単一の非イオン界面活性剤である。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、少なくとも2、3、または4つ以上の非イオン界面活性剤の組合せである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、2つの非イオン界面活性剤の組合せである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、3つの非イオン界面活性剤の組合せである。
【0069】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにそれらの組合せから選択される。
【0070】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールのポリエチレングリコール(PEG)エーテルを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約2~約8個のPEG基およびC12-C22脂肪族アルコールを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノールを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、super refined Brij(登録商標)O2またはその誘導体である。
【0071】
いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、組成物の約0.5%~約10%、約0.5%~約5%、約0.5%~約4%、または約0.05%~約3%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.2%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、最大で0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0072】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はソルビタンエステルを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは脂肪酸エステルである。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはC12-C22脂肪酸エステルである。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノラウレートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノパルミテートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノステアレートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノオレエートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタントリオレエートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンセスキオレエートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンイソステアレートを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、組成物の最大で約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、約0.5%~約5%、約0.5%~約4%、または約0.5%~約3%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、約0.5%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、最大で0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0074】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート20である。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、組成物の水相に添加される。
【0075】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、最大で約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、組成物の約0.5%~約5%、約0.5%~約4%、または約0.5%~約3%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.5%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.8%、約0.2%~約1%、約0.2%~約1.2%、約0.2%~約1.5%、約0.2%~約2%、約0.2%~約2.5%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.2%、0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、少なくとも約0.2%、0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、最大で約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0076】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、ポリエチレングリコール(PEG)脂肪酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、脂肪酸エステルを形成するために各末端ヒドロキシル基に付加されたC-C22脂肪酸を含む約2~8個のサブユニットのPEG鎖である。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルはPEG-4ジラウレートである。
【0077】
いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、組成物の最大で約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、約0.5%~約5%、約0.5%~約4%、または約0.5%~約3%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪エステルは、約0.5%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪エステルは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪エステルは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪エステルは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪エステルは、最大で0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0078】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有している。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はモノステアリン酸グリセリル(例えば、Cithrol GMS40)を含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はオレイルアルコール(例えば、Lipocol O-95)を含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はポリオキシエチレンオレイルエーテル(例えば、Oleth-2)を含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はモノカプリル酸プロピレングリコール(例えば、Capryol(登録商標)90)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は複数の非イオン界面活性剤を含み、それぞれは約10以下のHLBを有している。いくつかの実施形態では、10以下のHLBを有する非イオン界面活性剤は、以下の表1またはそのあらゆる組合せから選択される。
【0079】
【表1】
【0080】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、約10以上の疎水性-親油性バランス(HLB)を有する。いくつかの実施形態では、組成物は複数の非イオン界面活性剤を含み、それぞれが約10以上のHLBを有する。
【0081】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.5%~約6%、約0.5%~約7%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約10%、約1.5%~約2%、約1.5%~約3%、約1.5%~約4%、約1.5%~約5%、約1.5%~約6%、約1.5%~約7%、約1.5%~約8%、約1.5%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.6%(例えば、0.54%~約0.66%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.7%(例えば、0.63%~約0.77%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、少なくとも約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、最大で0.7%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%の量で存在する。
【0082】
いくつかの実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョン、脂質二重層、またはその両方に非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョン中に非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、脂質二重層中に非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョンおよび脂質二重層に非イオン界面活性剤を含み、2つ以上の異なる非イオン界面活性剤を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、エステルは、C-Cアルキルエステルまたはベンジルエステルである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、組成物の約0.1%、0.5%、1%、2%、または3%(w/w)までの量で存在するニコチン酸エステルである。いくつかの実施形態では、ニコチン酸エステルは、約0.1%~約3%、約0.1%~約2%、約0.1%~約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ニコチン酸ベンジルは、約0.5%の量で存在する。
【0084】
カチオン性界面活性剤
いくつかの実施形態では、組成物はイオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、イオン界面活性剤はカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、モノカチオン性界面活性剤、ジカチオン性界面活性剤、またはポリカチオン性界面活性剤である。
【0085】
いくつかの実施形態では、モノカチオン性界面活性剤は、本明細書で提供される最終の脂質小胞組成物の形成前に(例えば、脂質形成小胞を添加する前に)サブミクロンエマルジョンを形成するために組成物中で使用される。いくつかの実施形態では、モノカチオン性界面活性剤は正味のモノカチオン性である(例えば、それぞれが単一のカチオン官能性を有する2つの側鎖を含むリン酸であり、リン酸アニオンによって部分的に中和される)。
【0086】
いくつかの実施形態では、モノカチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルである。脂肪アミド由来のプロピレングリコール-二アンモニウムリン酸エステルは、第四級アンモニウム基に連結した少なくとも1つのプロピレングリコールホスホエステルを含むリン脂質であり、これは次に脂肪酸アミドと連結する。脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルの1つの非限定的な例は、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸である。異なる脂肪酸アミド基が結合した同様の化合物も知られている。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール-二アンモニウムリン酸エステルは、以下の構造を有する:
【0087】
【化1】
(式中、nは1~3の整数であり、mは0~2の整数であり、mとnの合計は3であり、Xは、プロトン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムから選択されるカチオンであり、Rは、C-C30脂肪酸のアシル基である)。
【0088】
いくつかの実施形態では、脂肪酸はC12-C24脂肪酸エステルである。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、リノール酸である。いくつかの実施形態では、モノカチオン性浸透促進剤は、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸(例えば、Arlasilk(商標)PTM、Arlasilk(商標)EFA)である。
【0089】
いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、組成物の約1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約1%~約12%、約1%~約15%、約1%~約20%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約3%~約12%、約3%~約15%、約3%~約20%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約4%~約12%、約4%~約15%、約4%~約20%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約12%約5%~約15%、約5%~約20%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約6%~約12%、約6%~約15%、約6%~約20%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約7%~約12%、約7%~約15%、約7%~約20%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約9%~約10%、約9%~約12%、約9%~約15%、約9%~約20%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約12%~約15%、約12%~約20%、または約15%~約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール-ジアンモニウムリン酸エステルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約9%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール-ジアンモニウムリン酸エステルは、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約9%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール-ジアンモニウムリン酸エステルは、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約9%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。
【0090】
いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はジカチオン性浸透促進剤である。いくつかの実施形態では、ジカチオン性界面活性剤はジェミニ型界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、式A-N(R)-B-N(R)-Cによって表される2つの第四級アミンを含む界面活性剤であり、式中、AおよびCのそれぞれは独立して、任意選択で置換されたC-C24アルキル基であり、Rはそれぞれ独立して、任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、およびBは、任意選択で置換されたC-C10アルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、AおよびCのそれぞれは、C-C24飽和または不飽和炭化水素である。いくつかの実施形態では、AおよびCのそれぞれは、C-C24飽和炭化水素である。いくつかの実施形態では、各Rはメチルである。いくつかの実施形態では、Bは飽和C-C10アルキレン鎖である。場合によっては、ジェミニ型界面活性剤は、命名法X-Y-Zに従い、式中、X、Y、およびZのそれぞれは、各置換基の炭素原子の数を表す整数であり、Yは、2つの第四級アミンの間のスペーサーである。したがって、例えば、12-3-12ジェミニ型界面活性剤は、式CH(CH11-[N(CH]-(CH-[N(CH]-(CH11CHを有する。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、10-2-10、12-2-12、14-2-14、10-3-10、12-3-12、14-3-14、10-4-10、12-4-12、または14-4-14のジェミニ型界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、12-3-12ジェミニ型界面活性剤である。
【0091】
いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、組成物の約0.1%~約1.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.9%、約0.1%~約1%、約0.1%~約1.2%、約0.1%~約1.5%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.7%、約0.2%~約0.9%、約0.2%~約1%、約0.2%~約1.2%、約0.2%~約1.5%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.7%、約0.3%~約0.9%、約0.3%~約1%、約0.3%~約1.2%、約0.3%~約1.5%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.9%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.7%~約0.9%、約0.7%~約1%、約0.7%~約1.2%、約0.7%~約1.5%、約0.9%~約1%、約0.9%~約1.2%、約0.9%~約1.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、または約1.2%~約1.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約0.9%、約1%、約1.2%、または約1.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約0.9%、約1%、または約1.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ジェミニ型界面活性剤は、最大で約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約0.9%、約1%、約1.2%、または約1.5%の量で存在する。
【0092】
いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はポリカチオン性基である。いくつかの実施形態では、ポリカチオン性基は、ポリマーの各モノマーが荷電基(例えば、アミノ基)を含むポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリカチオン性基はポリリジンである。いくつかの実施形態では、ポリカチオン性基はポリアルギニンである。
【0093】
いくつかの実施形態では、ポリリジンは、約1kDa~約10kDa、約1kDa~約5kDa、または約3kDa~約5kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリリジンは、組成物の約0.01%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約1%、約0.05%~約0.5%、または約0.05%~約0.2%(w/w)の量で存在する。
【0094】
追加の構成成分
いくつかの実施形態では、小胞組成物は追加の構成成分を含む。いくつかの実施形態では、これらの追加の構成成分は、アニオン性ポリマー材料の送達を劇的に変更せずに、小胞の1つ以上の特性を改善する。
【0095】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は、1つ以上の粘度増強剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、小胞組成物の安定性および/または使用者の感触の改善のために組成物の粘度を高める。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、界面活性剤としてさらに作用する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールはC-C20脂肪族アルコールである。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールはセチルアルコールである。いくつかの実施形態では、ワックスは天然または合成のワックスである。いくつかの実施形態では、ワックスはミツロウである。いくつかの実施形態では、ワックスは合成ミツロウである。いくつかの実施形態では、合成ミツロウはsyncrowax(商標)BB4である。いくつかの実施形態では、合成ミツロウは非動物由来のミツロウである。いくつかの実施形態では、非動物由来のミツロウはsyncrowax(商標)SB1である。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪酸エステルはモノエステルである。いくつかの実施形態では、モノエステルはC-C24脂肪酸のエステルである。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪酸エステルは、モノステアリン酸グリセロールである。
【0096】
いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、組成物の約0.1%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、約0.1%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約1%、約0.3%~約1%、約0.3%~約2%、約0.3%~約3%、約0.3%~約4%、約0.3%~約5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約1%~約1%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約1%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、少なくとも約0.1%、約0.3%、約0.5%、約1%、約1%、約2%、約3%、または約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、最大で約0.3%、約0.5%、約1%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、最大で約2%の量の脂肪族アルコール、最大で約2%の量のワックス、および最大で約5%の量のグリセロールの脂肪酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.1~約1.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.4%(例えば、0.36%~約0.44%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.6%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.1%~約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.2%(例えば、約0.18%~約0.22%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.3%(例えば、約0.27%~約0.33%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約0.5%~約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約0.8%(例えば、0.72%~約0.88%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約0.9%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約1.2%の量で存在する。
【0097】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は増粘剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は保湿剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は皮膚軟化剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は湿潤剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は香料(例えば、Mentha piperita)をさらに含む。いくつかの実施形態では、香料(例えば、Mentha piperita)は、約0.01%~約0.1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、香料(例えば、Mentha piperita)は、約0.05%の量で存在する。
【0098】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は抗菌剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、抗菌剤はパラベンエステルである。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、メチルパラベンもしくはプロピルパラベン、またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、組成物の最大で約1%、最大で約0.9%、最大で約0.8%、最大で約0.7%、最大で約0.6%、最大で約0.5%、最大で約0.4%、最大で約0.3%、最大で約0.2%(w/w)の量で存在する。
【0099】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は増粘剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、増粘剤は不活性なポリマー材料である。いくつかの実施形態では、増粘剤は、シロキサンポリマーである。いくつかの実施形態では、増粘剤は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。いくつかの実施形態では、PDMSは、最大で約5%、最大で約4%、最大で約3%、最大で約2%、または最大で約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PDMSは、組成物の約0.1%~約2%(w/w)の量で存在する。
【0100】
いくつかの実施形態では、組成物は湿潤剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物はグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約0.5%~約25%、約0.5%~約20%、約0.5%~約15%、または約0.5%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約1%~約2%、約1%~約4%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約4%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約6%~約8%、約6%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、少なくとも約1%、約2%、約4%、約6%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、組成物の最大で約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%(w/w)の量で存在する。
【0101】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は防腐剤を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、Euxyl(登録商標)PE9010またはSpectrastat(登録商標)などの化粧品用の防腐剤である。いくつかの実施形態では、防腐剤は、フェノキシエタノール/エチルヘキシルグリセリン混合物を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、カプリルヒドロキサム酸、カプリリルグリコール、およびグリセリンの配合を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、組成物の最大で約2%、最大で約1.5%、または最大で約1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、防腐剤は、約0.1%~約2%、約0.1%~約1.5%、または約0.1%~約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、防腐剤は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、または2%の量で存在する。
【0102】
いくつかの実施形態では、組成物は、しわを滑らかにすることなどの皮膚の所望の変化を促進するための材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、炭水化物またはその許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物は、単糖類、二糖類、または多糖類である。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、N-アセチル-α-D-グルコサミン6-リン酸二ナトリウム塩(NovHyal(商標))を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物は、異性化糖(saccharide isomerate)(例えば、Hyanify(商標))を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%~約0.5%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.5%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.5%、約0.3%~約0.4%、約0.3%~約0.5%、または約0.4%~約0.5%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%、約0.2%、0.3%、0.4%、または0.5%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、少なくとも約0.1%、約0.2%、0.3%、0.4%、または0.5%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、最大で約0.1%、約0.2%、0.3%、0.4%、または0.5%の量で組成物中に存在する。
【0103】
いくつかの実施形態では、組成物はアミノ酸のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、アミノ酸の高分子量(MW)ポリマー、アミノ酸の低MWポリマー、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーはポリグルタミン酸を含む。場合によっては、ポリグルタミン酸は、低MWポリグルタミン酸(例えば、Hyafactor(商標)PGA LM)、高MWポリグルタミン酸(例えば、Hyafactor(商標)PGA HM)、またはその両方を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、アミノ酸の高MWポリマーとアミノ酸の低MWポリマーとの比率は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、3:2、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、または1:10である。
【0105】
いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、少なくとも約0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、最大で約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。
【0106】
いくつかの実施形態では、高MWポリマーおよび低MWポリマーの組合せは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、組合せは、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、組合せは、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、組合せは、少なくとも約0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、組合せは、最大で約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。
【0107】
いくつかの実施形態では、アミノ酸の高MWポリマーは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、高MWポリマーは、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、高MWポリマーは、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、高MWポリマーは、少なくとも約0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、高MWポリマーは、最大で約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸の低MWポリマーは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸の低MWポリマーは、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸の低MWポリマーは、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸の低MWポリマーは、少なくとも約0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸の低MWポリマーは、最大で約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.01%の量で存在し、低MWポリマーは約0.01%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.02%の量で存在し、低MWポリマーは約0.01%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.05%の量で存在し、低MWポリマーは約0.025%の量で存在する。いくつかの実施形態では、高MWポリマーは、約0.05%の量で存在する。いくつかの実施形態では、低MWポリマーは、約0.05%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.05%の量で存在し、低MWポリマーは約0.05%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.1%の量で存在し、低MWポリマーは約0.1%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.2%の量で存在し、低MWポリマーは約0.1%の量で存在する。いくつかの例では、高MWポリマーは約0.2%の量で存在し、低MWポリマーは約0.2%の量で存在する。
【0108】
いくつかの実施形態では、組成物はコラーゲンをさらに含む。場合によっては、コラーゲンはヒトコラーゲンまたヴィーガンヒトコラーゲン(例えば、HumaColl21(登録商標))である。場合によっては、分子量は、約15kDa、18kDa、20kDa、25kDa、または30kDaである。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、少なくとも約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、最大で約0.2%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。
【0109】
いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の1つ以上の部分のくすみを減らすことなどの皮膚の所望の変化を促進するための材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、材料は、1つ以上の生物学的抽出物を含む。1つ以上の生物学的抽出物は、それぞれまたは全体で、約0.01%~約0.2%の量で存在してもよい。いくつかの実例では、1つ以上の生物学的抽出物は、約0.01%~約0.02%、約0.01%~約0.04%、約0.01%~約0.06%、約0.01%~約0.08%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.12%、約0.01%~約0.14%、約0.01%~約0.16%、約0.01%~約0.18%、約0.01%~約0.2%、約0.02%~約0.04%、約0.02%~約0.06%、約0.02%~約0.08%、約0.02%~約0.1%、約0.02%~約0.12%、約0.02%~約0.14%、約0.02%~約0.16%、約0.02%~約0.18%、約0.02%~約0.2%、約0.04%~約0.06%、約0.04%~約0.08%、約0.04%~約0.1%、約0.04%~約0.12%、約0.04%~約0.14%、約0.04%~約0.16%、約0.04%~約0.18%、約0.04%~約0.2%、約0.06%~約0.08%、約0.06%~約0.1%、約0.06%~約0.12%、約0.06%~約0.14%、約0.06%~約0.16%、約0.06%~約0.18%、約0.06%~約0.2%、約0.08%~約0.1%、約0.08%~約0.12%、約0.08%~約0.14%、約0.08%~約0.16%、約0.08%~約0.18%、約0.08%~約0.2%、約0.1%~約0.12%、約0.1%~約0.14%、約0.1%~約0.16%、約0.1%~約0.18%、約0.1%~約0.2%、約0.12%~約0.14%、約0.12%~約0.16%、約0.12%~約0.18%、約0.12%~約0.2%、約0.14%~約0.16%、約0.14%~約0.18%、約0.14%~約0.2%、約0.16%~約0.18%、約0.16%~約0.2%、または約0.18%~約0.2%の量で存在する場合がある。いくつかの実例では、1つ以上の生物学的抽出物は、それぞれまたは全体で、約0.01%、約0.02%、約0.04%、約0.06%、約0.08%、約0.1%、約0.12%、約0.14%、約0.16%、約0.18%、または約0.2%の量で存在する場合がある。いくつかの実例では、1つ以上の生物学的抽出物は、それぞれまたは全体で、少なくとも約0.01%、約0.02%、約0.04%、約0.06%、約0.08%、約0.1%、約0.12%、約0.14%、約0.16%、または約0.18%の量で存在する場合がある。いくつかの実例では、1つ以上の生物学的抽出物は、それぞれまたは全体で、最大で約0.02%、約0.04%、約0.06%、約0.08%、約0.1%、約0.12%、約0.14%、約0.16%、約0.18%、または約0.2%の量で存在する場合がある。
【0110】
いくつかの実施形態では、1つ以上の生物学的抽出物は、天然抽出物または合成抽出物である。いくつかの実施形態では、1つ以上の生物学的抽出物は炭水化物を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物はフコイダンを含む。生物学的抽出物の例には、藻類抽出物、海洋抽出物、バイオテクノロジー抽出物、根の抽出物、または花の抽出物(例えば、Seanactiv、Shadownyl Clear、Eyedeline、Eye’fective、Meiview、Rootness Awakeなど)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例では、花の抽出物は、マツリカ(Jasminum Sambac)花抽出物(例えば、ジャスミン花抽出物)を含む。いくつかの例では、花の抽出物は、セイヨウサンザシ(Crataegus Monogyna)花抽出物(例えば、サンザシ花抽出物)を含む。いくつかの例では、抽出物は細菌の発酵によって得られる。一例として、バチルス発酵は枯草菌(Bacillus subtilis)の発酵によって得られる場合がある。いくつかの例では、根の抽出物はヒルガオ科(Convolvulaceae)に属する植物由来である。一例として、根の抽出物はサツマイモ(Ipomoea batatas)の根から得られる場合がある。藻類抽出物、海洋抽出物、バイオテクノロジー抽出物、根の抽出物、または花の抽出物のそれぞれは、製剤に添加される生物学的抽出物の組成物中に約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、または0.08%の量で存在する場合がある。本明細書に提供される製剤に添加される生物学的抽出物の組成物は、水、プロパンジオール、キサンタンガム、硫酸ナトリウム、グリセリン、カプリル酸グリセリル、もしくは他の好適な溶媒、またはそれらのあらゆる組合せをさらに含む場合がある。
【0111】
いくつかの実施形態では、追加の構成成分は、1つ以上のビタミンまたはその誘導体を含む場合がある。場合によっては、皮膚または表皮に適用されると、1つ以上のビタミンまたはその誘導体は、1つ以上の所望の効果(例えば、滑らかにする、調子を整える、保湿する、明るくする、ざ瘡、湿疹、しわを減らすなど)をもたらす場合がある。いくつかの実例では、追加の構成成分は、ビタミンB、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンA(レチノール)、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンF、ビタミンK、またはそれらの任意の誘導体を含み得る。いくつかの例では、追加の構成成分はビタミンB3(ナイアシン)を含む場合がある。いくつかの実例では、ビタミンB3誘導体はナイアシンアミドを含む場合がある。いくつかの例では、追加の構成成分はプロビタミンB5(パンテノール)を含む場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上のビタミンまたはその誘導体は、約0.1%~約4%(w/w)の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のビタミンまたはその誘導体は、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.8、%、約0.1%~約1%、約0.1%~約1.2%、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約3%、約0.1%~約3.5%、約0.1%~約4%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.8%、約0.2%~約1%、約0.2%~約1.2%、約0.2%~約1.5%、約0.2%~約2%、約0.2%~約2.5%、約0.2%~約3%、約0.2%~約3.5%、約0.2%~約4%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.8%、約0.3%~約1%、約0.3%~約1.2%、約0.3%~約1.5%、約0.3%~約2%、約0.3%~約2.5%、約0.3%~約3%、約0.3%~約3.5%、約0.3%~約4%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約4%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約0.8%~約3%、約0.8%~約3.5%、約0.8%~約4%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約3.5%、約1%~約4%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.2%~約3%、約1.2%~約3.5%、約1.2%~約4%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約4%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約3.5%、約2%~約4%、約2.5%~約3%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約4%、約3%~約3.5%、約3%~約4%、または約3.5%~約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のビタミンまたはその誘導体は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、約2.05%、約2.5%、約3%、約3.5%、または約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のビタミンまたはその誘導体は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、または約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のビタミンまたはその誘導体は、最大で約0.2%、約0.3%、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、または約4%の量で存在する。
【0112】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物中の追加の構成成分は、酸化防止剤を含み得る。場合によっては、酸化防止剤は、ビタミンCまたはその誘導体であってもよい。いくつかの実例では、酸化防止剤は、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸レチニル、リン酸アミノプロピルアスコルビル(K3 Vita-C)、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、アスコルビルメチルシラノールペクチネート(アスコルボシランSP)、またはそれらの組合せを含む場合がある。いくつかの実施形態では、ビタミンCまたはその誘導体などの酸化防止剤は、さらにコラーゲン合成を助ける場合がある。いくつかの実施形態では、追加の構成成分はレゾルシノール(例えば、4-ブチルレゾルシノール)を含み得る。いくつかの実施形態では、酸化防止剤は、約0.005%~約1%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、酸化防止剤は、約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.02%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.07%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.3%、約0.005%~約0.5%、約0.005%~約0.8%、約0.005%~約1%、約0.01%~約0.02%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.07%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.3%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.8%、約0.01%~約1%、約0.02%~約0.05%、約0.02%~約0.07%、約0.02%~約0.1%、約0.02%~約0.3%、約0.02%~約0.5%、約0.02%~約0.8%、約0.02%~約1%、約0.05%~約0.07%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.3%、約0.05%~約0.5%、約0.05%~約0.8%、約0.05%~約1%、約0.07%~約0.1%、約0.07%~約0.3%、約0.07%~約0.5%、約0.07%~約0.8%、約0.07%~約1%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約1%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.8%、約0.3%~約1%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、または約0.8%~約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、酸化防止剤は、約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.07%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.51%、約0.8%、または約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、酸化防止剤は、少なくとも約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.07%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約%、0.8%、または約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、酸化防止剤は、最大で約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.07%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約%、0.8%、または約1%の量で存在する。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物は、ジメチコンなどのシリコン油または誘導体を含む。いくつかの実施形態では、シリコン油はシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、シロキサンポリマーはC-C置換基を含む。いくつかの実施形態では、シロキサンはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。いくつかの実施形態では、シリコン油はポリメチルシルセスキオキサン(例えば、Botanisil(商標)SP-360)である。いくつかの実施形態では、油は、より小さな構成成分としてシリコン油(例えばジメチコン)を含む混合物である。いくつかの実施形態では、シリコン油は、生じる組成物の感触を良くするために、または保湿剤として組み込まれる。いくつかの実施形態では、油は、最大で約5%、最大で約4%、最大で約3%、最大で約2%、または最大で約1%の量のシリコン油を含む。いくつかの実施形態では、シリコン油は、組成物の約0.1%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.1%~約0.5%、0.1%~約0.7%、0.1%~約1%、0.1%~約1.5%、0.15%~約2%、0.5%~約0.7%、0.5%~約1%、0.5%~約1.5%、0.5%~約2%、0.7%~約1%、0.7%~約1.5%、0.7%~約2%、1%~約1.5%、または1%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、シリコン油は、組成物の約0.1%、0.5%、0.6%、0.7%、1%、1.5%、または2%の量で存在する。
【0114】
いくつかの実施形態では、組成物は皮膚軟化剤を含む。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤はカプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリド(例えば、Labrafac CC)を含む。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約8%~約9%、約8%~約10%、または約9%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、約1%、約2%、約3%、約3.5%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、少なくとも約1%、約2%、約3%、約3.5%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、、または約9%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、最大で約2%、約3%、約3.5%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%の量で存在する。
【0115】
いくつかの実施形態では、追加の構成成分は精製水を含む。いくつかの実施形態では、精製水は、約50%~80%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約65%、約50%~約70%、約50%~約75%、約50%~約80%、約55%~約60%、約55%~約65%、約55%~約70%、約55%~約75%、約55%~約80%、約60%~約65%、約60%~約70%、約60%~約75%、約60%~約80%、約65%~約70%、約65%~約75%、約65%~約80%、約70%~約75%、約70%~約80%、または約75%~約80%の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または約75%の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、最大で55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の量で存在する。
【0116】
アニオン性ポリマー材料の送達のための例示的な組成物
アニオン性ポリマー材料の送達のための例示的な組成物が以下に提供される。下記の実施形態は、本明細書で提供される他の成分(ingredient)または構成成分(component)のいずれかをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、他の成分または構成成分は本明細書に提供される1つ以上のペプチドであってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドはジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、またはそれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。
【0117】
ヒアルロン酸組成物1:一態様では、
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞であって、小胞形成脂質が、約5%~約20%の量で存在する、脂質小胞と、
(b)脂質小胞中に封入され、かつ1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンであって、1つ以上の界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む、水中油型エマルジョンと、
(c)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.01mg/mL~約10mg/mLの量のヒアルロン酸と、
(d)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量の1つ以上のペプチドと
を含む脂質小胞組成物が本明細書に提供される。
【0118】
いくつかの実施形態では、油成分は、約2.5%~約20%の量で存在する。
【0119】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、ヒアルロン酸を約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、約0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約1.25mg/mL、約0.01mg/mL~約1.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1.75mg/mL、約0.01mg/mL~約2mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約1.25mg/mL、約0.1mg/mL~約1.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1.75mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約1mg/mL~約1.5mg/mL、約1mg/mL~約1.75mg/mL、約1mg/mL~約2mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、ヒアルロン酸を約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.25mg/mL、約1.5mg/mL、約1.75mg/mL、約2mg/mL、約5mg/mL、または約10mg/mLの量で含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または約5mg/mLの量で含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、粘度増強剤を約0.5%~約5%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、非イオン界面活性剤を約0.1%~約3%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールのPEGエーテルである。
【0123】
いくつかの実施形態では、(d)の1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態中で、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルである。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約10%の量で存在する。
【0125】
ヒアルロン酸組成物2:一態様では、
(a)小胞形成脂質を含む脂質二重層をそれぞれが含む脂質小胞であって、小胞形成脂質は、約2%~約20%の量で存在する、脂質小胞と、

(b)脂質小胞中に封入され、かつ1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと、
(c)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.01mg/mL~約10mg/mLの量のヒアルロン酸であって、
組成物が、
約0.01%~約0.5%の量のジェミニ型界面活性剤および
約0.1%~約2%の量のポリソルベートをさらに含む、ヒアルロン酸と、
(d)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量の1つ以上のペプチドとを含む、脂質小胞組成物が本明細書に提供される。
【0126】
いくつかの実施形態では、油成分は、約2.5%~約20%の量で存在する。
【0127】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、ヒアルロン酸を約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、約0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約1.25mg/mL、約0.01mg/mL~約1.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1.75mg/mL、約0.01mg/mL~約2mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約1.25mg/mL、約0.1mg/mL~約1.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1.75mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約1mg/mL~約1.5mg/mL、約1mg/mL~約1.75mg/mL、約1mg/mL~約2mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、ヒアルロン酸を約0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.25mg/mL、約1.5mg/mL、約1.75mg/mL、約2mg/mL、約5mg/mL、または約10mg/mLの量で含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または約5mg/mLの量で含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、粘度増強剤を約0.5%~約5%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、(d)の1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態中で、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31、36、または37のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80である。
【0132】
皮内送達のための1つ以上のペプチドの脂質小胞組成物
一態様では、1つ以上のペプチドを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、またはそれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、それぞれが小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞を含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、脂質小胞中に封入された水中油型エマルジョンを含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョンは、1つ以上の界面活性剤によって安定化される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される。いくつかの実施形態では、脂質小胞は、他の成分または構成成分をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、他の成分または構成成分はアニオン性ポリマー材料であってもよい。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される場合がある。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒアルロン酸である。
【0133】
一態様では、本開示は、生物学的活性を提供し得る1つ以上のペプチドを含む脂質小胞組成物に関する。生物学的活性を提供し得るペプチドは、生物活性ペプチドと称することができる。いくつかの実施形態では、生物活性ペプチドは、細胞増殖、炎症、血管形成、メラニン形成、細胞外マトリックス合成などの調節を含むがこれらに限定されないスキンケアに関連する生物学的プロセスにおいて役割を果たす場合がある。参照によりその全体が本明細書に援用される、Falla,et.al.,2009,“Cosmeceuticals and peptides,”Clinics in Dermatology 27:485-494を参照されたい。
【0134】
脂質小胞組成物中のペプチド
本開示は、1つ以上のペプチドを含む脂質小胞組成物を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、1つ以上のテトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらの組合せは、アニオン性ポリマー材料(例えば、ヒアルロン酸)を含む脂質小胞組成物にある場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、金属に対して高い親和性を示し、複合体を形成する場合がある。いくつかの実施形態では、金属は銅であってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される脂質小胞組成物中の1つ以上のペプチドは、所望の特性、または当該技術分野で既知のペプチドと比べて改善した特性を有する。そのような特性としては、例えば、薬物動態特性(吸収、バイオアベイラビリティ、分布、代謝、および排泄を含むがこれらに限定されない)、薬力学特性(受容体結合の特徴、例えば、結合半減期、受容体後効果、および化学的相互作用を含むがこれらに限定されない)、増強された活性(例えば、IC50によって表される)、安定性(例えば、半減期によって表される)、可溶性(例えば、製剤中)、または浸透性(例えば、1つ以上のペプチドを含有する製剤による皮膚の浸透性)が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のペプチドを含有する脂質小胞製剤は、所望の特性、または当該技術分野で既知の製剤と比べて改善した特性を有する。いくつかの実施形態では、本開示の製剤の所望の特性または改善した特性は、本明細書の別の箇所で記載されるような適用、例えば、皮膚のしわの減少またはその外観を改善するための使用について製剤の利用に関する特性である。
【0136】
ペプチド
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1つ以上のペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドはテトラペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドはペンタペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドはヘキサペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドはペンタペプチドおよびヘキサペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つに対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つに対して1、2、または3、4のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1、2、または3つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つに対して同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0137】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号13に対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、Xaa1-Xaa3と定義されたアミノ酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号13に対して1つまたは2つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは2つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号13の同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0138】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21に対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、Xaa1-Xaa5と定義されたアミノ酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21に対して1つまたは2つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは2つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21の同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31に対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、Xaa1-Xaa5と定義されたアミノ酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31に対して1つまたは2つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは2つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号31の同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0140】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36に対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、Xaa1-Xaa6と定義されたアミノ酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36に対して1、2、または3つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1、2、または3つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号36の同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0141】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37に対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、Xaa1-Xaa6と定義されたアミノ酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37に対して1、2、または3つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1、2、または3つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37の同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0142】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37に対して1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、Xaa1-Xaa6と定義されたアミノ酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40に対して1、2、または3つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1、2、または3つのアミノ酸置換のうち少なくとも1つは、保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号40の同一の配列からなるアミノ酸配列を有する。
【0143】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、最大で約8つのアミノ酸、最大で約7つのアミノ酸、最大で6つのアミノ酸、最大で5つのアミノ酸、最大で4つのアミノ酸、最大で3つのアミノ酸、または最大で2つのアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、最大で約1500Da、最大で約1100Da、最大で約950Da、最大で約800Da、最大で約650Da、最大で約500Da、最大で約350Da、または最大で約250Daの分子量を有する。
【0144】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1つ以上のペプチドは、2~8個の残基を有する。いくつかの実施形態では、脂質小胞の1つ以上のペプチドは、以下のアミノ酸配列:
【0145】
Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8を含み、ここで、
【0146】
Xaa1は存在しないか、またはAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、もしくはIleの誘導体から選択され、
【0147】
Xaa2は存在しないか、またはAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、もしくはIleの誘導体から選択され、
【0148】
Xaa3は存在しないか、またはAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、もしくはIleの誘導体から選択され、
【0149】
Xaa4は存在しないか、またはAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、もしくはIleの誘導体から選択され、
【0150】
Xaa5は存在しないか、またはAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、もしくはIleの誘導体から選択され、Xaa6は存在しないか、またはAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、もしくはIleの誘導体から選択され、
【0151】
Xaa7は、Ala、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、またはIleの誘導体から選択され、
【0152】
Xaa8は、Ala、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、Ile、およびAla、Gly、Gln、Glu、Val、Leu、Cys、Met、Sec、Ser、Thr、Tyr、Trp、Arg、Asn、Asp、His、Pro、Phe、Lys、またはIleの誘導体から選択され、
【0153】
N末端は非修飾であり、かつ
【0154】
C末端は非修飾である。
【0155】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1つ以上のペプチドは、2~8個の残基を有する。いくつかの実施形態では、脂質小胞の1つ以上のペプチドは、アミノ酸配列:
【0156】
Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8を含み、ここで、
【0157】
Xaa1は存在しないか、またはAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
【0158】
Xaa2は存在しないか、またはAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Gly、Ile、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
【0159】
Xaa3は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Phe、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
【0160】
Xaa4は存在しないか、またはAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、Val、およびAla、Arg、Glu、Gly、Lys、Pro、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
【0161】
Xaa5は存在しないか、またはAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Gln、Gly、Lys、Leu、Met、Pro、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
【0162】
Xaa6は存在しないか、またはAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asp、Gln、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、もしくはValの誘導体から選択され、
【0163】
Xaa7は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、Val、およびAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Thr、Tyr、またはValの誘導体から選択され、
【0164】
Xaa8は、Ala、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、およびAla、Arg、Cys、Glu、Gly、His、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValの誘導体から選択され、
【0165】
N末端は非修飾であり、かつ
【0166】
C末端は非修飾である。
【0167】
本開示の1つ以上のペプチドの非限定的な例は、表2に示される。
【0168】
【表2-1】
【0169】
【表2-2】
【0170】
表で他に示されない限り、表2に列挙されるペプチドは、すべてのL-アミノ酸またはすべてのD-アミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、表2に列挙されるペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、表2に列挙されるペプチドは、合成ヒトペプチド(例えば、sh-ポリペプチド)である。いくつかの実施形態では、表2に列挙されるペプチドは、組換えヒトペプチド(例えば、rh-ポリペプチド)である。いくつかの実施形態では、表2に列挙されるペプチドは、対イオン(例えば、酢酸)を含む。いくつかの実施形態では、表2に列挙されるペプチドは、アセチル基(例えば、Ac)で修飾される。
【0171】
アミノ酸誘導体
本開示は、表2に列挙されたものなどの、本開示の1つ以上のペプチドの任意のアミノ酸の任意のアミノ酸誘導体または類似体の使用を意図する。いくつかの実施形態では、アミノ酸修飾は、任意の既知の方法を用いて化学的になすことができる。選択的なタンパク質修飾は、例えば、参照により本明細書に援用される、Spicer and Davis,2014,“Selective chemical protein modification,”Nature Communications 5: 4740による文献に記載されている。
【0172】
いくつかの実施形態では、アミノ酸誘導体は非標準アミノ酸である。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、α位に(S)配置を有する。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、α位に(R)配置を有する。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸はαアミノ酸である。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸はβアミノ酸またはγ-アミノ酸(例えばβ‐アラニン)である。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、芳香族側鎖アミノ酸、非芳香族側鎖アミノ酸、脂肪族側鎖アミノ酸、側鎖アミドアミノ酸、側鎖エステルアミノ酸、ヘテロ芳香族側鎖アミノ酸、側鎖チオールアミノ酸、βアミノ酸、および骨格修飾アミノ酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、またはフェニルアラニンの誘導体である。いくつかの実施形態では、アミノ酸の誘導体は、アミノ酸のエステル、アミド、ジスルフィド、カルバメート、尿素、リン酸、エーテルを含む。いくつかの実施形態では、非芳香族側鎖アミノ酸は、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、プロリン、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、またはロイシンの誘導体である。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジビン酸、β-アラニン、β-アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、ピペリジン酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、2,4-ジアミノ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルグリシン、サルコシン、n-メチルイソロイシン、6-N-メチルリシン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシン、およびオルニチンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸はプロリン誘導体である。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、3-フルオロプロリン、4-フルオロプロリン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、3-アミノプロリン、4-アミノプロリン、3,4-デヒドロプロリン、アジリジン-2-カルボン酸、アゼチジン-2-カルボン酸、ピペコリン酸、4-オキサ-プロリン、3-チアプロリン、または4-チアプロリンである。いくつかの実施形態では、非イオンアミノ酸は脂質を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のペプチドは、例えば、当業者に公知であり、文献または本明細書に記載されている1つ以上のアミノ酸誘導体または類似体を含む。いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のペプチドは、2、3、4、5、6、7、8、2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、または2~8個のアミノ酸誘導体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。
【0174】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のペプチドに存在する各アミノ酸誘導体は、例えば、本明細書に記載されるまたは当該技術分野で知られており、公開された文献に記載される非標準アミノ酸から選択される、芳香族側鎖アミノ酸、非芳香族側鎖アミノ酸、脂肪族側鎖アミノ酸、側鎖アミドアミノ酸、側鎖エステルアミノ酸、ヘテロ芳香族側鎖アミノ酸、側鎖チオールアミノ酸、βアミノ酸、および骨格修飾アミノ酸からなる群から独立して選択される非標準アミノ酸である。
【0175】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、D-アミノ酸配置を有する1つ以上のアミノ酸を含み、ペプチド中の残りのアミノ酸はL-アミノ酸配置を有する。
【0176】
いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸はプロリン誘導体である。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、ピロリジン環上の1つ以上の置換を含む。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、ピロリジン環上の1つ以上の置換を含み、置換は、ハロゲン、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシル、アルキル(メチル、エチル)、チオール、またはアルキルチオを含む。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、ピロリジン環上の1つ以上の置換を含み、置換は、ハロゲン、またはアルキル(メチル、エチル)を含む。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、ピロリジン環上の1つ以上の置換を含み、置換は、ハロゲンを含む。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、ピロリジン環上の1つ以上の置換を含み、置換は、アルコキシ、ヒドロキシル、アミノを含む。いくつかの実施形態では、プロリン誘導体は、ピロリジン環上の1つ以上の置換を含み、置換は、ハロゲン、アルコキシ、アルキル(メチル、エチル)、チオール、またはアルキルチオを含む。
【0177】
組成物中のペプチドの濃度
組成物は、1つ以上のペプチドを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、表2で提供される1つ以上のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.01mg/mL~約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.005mg/mL~約0.05mg/mL、0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約2mg/mL、約0.01mg/mL~約3mg/mL、約0.01mg/mL~約4mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.01mg/mL~約20mg/mL、約0.01mg/mL~約50mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約2mg/mL、約0.05mg/mL~約3mg/mL、約0.05mg/mL~約4mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、約0.01mg/mL~約20mg/mL、0.05mg/mL~約50mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約2mg/mL、約0.5mg/mL~約3mg/mL、約0.5mg/mL~約4mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約20mg/mL、約0.5mg/mL~約50mg/mL、約1mg/mL~約2mg/mL、約1mg/mL~約3mg/mL、約1mg/mL~約4mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約20mg/mL、約1mg/mL~約50mg/mL、約2mg/mL~約3mg/mL、約2mg/mL~約4mg/mL、約2mg/mL~約5mg/mL、約2mg/mL~約10mg/mL、約2mg/mL~約20mg/mL、約2mg/mL~約50mg/mL、約3mg/mL~約4mg/mL、約3mg/mL~約5mg/mL、約3mg/mL~約10mg/mL、約3mg/mL~約20mg/mL、約3mg/mL~約50mg/mL、約4mg/mL~約5mg/mL、約4mg/mL~約10mg/mL、約4mg/mL~約20mg/mL、約4mg/mL~約50mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約20mg/mL、約5mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約20mg/mL、約10mg/mL~約50mg/mL、または約20mg/mL~約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.005mg/mL、0.01mg/mL、0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、少なくとも約0.005mg/mL、0.01mg/mL、0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、または約20mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、最大で約0.01mg/mL、0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または約5mg/mLの量で組成物中に存在する。
【0178】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、約0.001mg/mL~約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、約0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約2mg/mL、約0.01mg/mL~約3mg/mL、約0.01mg/mL~約4mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、約0.01mg/mL~約20mg/mL、約0.01mg/mL~約50mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約2mg/mL、約0.05mg/mL~約3mg/mL、約0.05mg/mL~約4mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、約0.01mg/mL~約20mg/mL、約0.05mg/mL~約50mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mL、約0.5mg/mL~約1mg/mL、約0.5mg/mL~約2mg/mL、約0.5mg/mL~約3mg/mL、約0.5mg/mL~約4mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約20mg/mL、約0.5mg/mL~約50mg/mL、約1mg/mL~約2mg/mL、約1mg/mL~約3mg/mL、約1mg/mL~約4mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約20mg/mL、約1mg/mL~約50mg/mL、約2mg/mL~約3mg/mL、約2mg/mL~約4mg/mL、約2mg/mL~約5mg/mL、約2mg/mL~約10mg/mL、約2mg/mL~約20mg/mL、約2mg/mL~約50mg/mL、約3mg/mL~約4mg/mL、約3mg/mL~約5mg/mL、約3mg/mL~約10mg/mL、約3mg/mL~約20mg/mL、約3mg/mL~約50mg/mL、約4mg/mL~約5mg/mL、約4mg/mL~約10mg/mL、約4mg/mL~約20mg/mL、約4mg/mL~約50mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約20mg/mL、約5mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約20mg/mL、約10mg/mL~約50mg/mL、または約20mg/mL~約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.001mg/mL、0.002mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.05mg/mL、0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、少なくとも約0.001mg/mL、0.002mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、または約20mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、最大で約0.002mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、約0.001mg/mL、0.002mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または5mg/mLの量で組成物中に存在する。
【0179】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.005%~約0.2%の総量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.15%、約0.005%~約0.2%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.02%~約0.03%、約0.02%~約0.05%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の総量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、約0.01%、約0.02%、約0.021%、約0.022%、約0.023%、約0.024%、約0.025%、約0.026%、約0.028%、約0.03%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の総量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、少なくとも約0.005%、0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の総量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、最大で約0.01%、0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の総量で小胞組成物中に存在する。
【0180】
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、約0.001%~約0.2%の量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、約0.001%~約0.002%、約0.001%~約0.005%、約0.001%~約0.01%、約0.001%~約0.05%、約0.001%~約0.1%、約0.001%~約0.15%、約0.001%~約0.2%、約0.002%~約0.005%、約0.002%~約0.01%、約0.002%~約0.05%、約0.002%~約0.1%、約0.002%~約0.15%、約0.002%~約0.2%、約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.15%、約0.005%~約0.2%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、約0.001%、0.002%、0.005%、0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、少なくとも約0.001%、0.002%、0.005%、0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で小胞組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれは、最大で約0.002%、0.005%、0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で小胞組成物中に存在する。
【0181】
小胞形成脂質
いくつかの実施形態では、小胞組成物は1つ以上の小胞形成脂質を含む。小胞形成脂質は、水中油型エマルジョンの一部をカプセル化するために作用する。いくつかの実施形態では、これにより、水中油型エマルジョンがある期間の間安定した状態を保つことが可能になる。
【0182】
小胞形成脂質は、そのような目的に好適な任意の脂質であり得る。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、リン脂質、糖脂質、レシチン、セラミド、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルディオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、脂質の組合せを含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、小胞形成脂質はリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は天然に存在するか、半合成されるか、または合成的に調製されるか、あるいはそれらの混合である。一実施形態では、リン脂質は、脂肪酸およびリン酸の1つまたは2つの(等しいまたは異なる)残基を有するグリセロールの1つ以上のエステル類であり、ここで、リン酸残基は、例えば、コリン(ホスファチジルコリン(PC))、セリン(ホスファチジルセリン(PS))、グリセロール(ホスファチジルグリセロール(PG))、エタノールアミン(ホスファチジルエタノールアミン(PE))、またはイノシトール(ホスファチジルイノシトール)などの親水基に順番に結合される。1つのみの脂肪酸の残基を有するリン脂質のエステル類は、当該技術分野において、リン脂質の「リゾ」形態、または「リゾリン脂質」と通常称される。通常、リン脂質中に存在する脂肪酸残基は、典型的には12~24個の炭素原子、または14~22個の炭素原子を含有している長鎖脂肪族酸であり、脂肪族鎖は1つ以上の不飽和を含有し得るか、または完全に飽和される。リン脂質に含まれる適切な脂肪酸の例は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸である。ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸などの飽和脂肪酸が使用され得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、リン脂質は、1つ以上の天然リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、1つ以上の半合成リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、半合成リン脂質は、天然に存在するレシチンの部分的にまたは完全に水素化された誘導体である。いくつかの実施形態では、リン脂質は、ホスファチジルコリン、エチルホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、またはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルを含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は水素化ホスファチジルコリン(例えばSunlipon 90H)を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、例えば、ジラウロイル-ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル-ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル-ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル-ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル-ホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイル-ホスファチジルコリン(DOPC)、1,2ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(エチル-DSPC)、ジペンタデカノイル-ホスファチジルコリン(DPDPC)、1-ミリストイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(MPPC)、1-パルミトイル-2-ミリストイル-ホスファチジルコリン(PMPC)、1-パルミトイル-2-ステアロイル-ホスファチジルコリン(PSPC)、1-ステアロイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(SPPC)、1-パルミトイル-2-オレイルホスファチジルコリン(POPC)、1-オレイル-2-パルミトイル基-ホスファチジルコリン(OPPC)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(DLPG)およびそのアルカリ金属塩、ジアラキドイルホスファチジルグリセロールl(DAPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩、ジオレオイル-ホスファチジルグリセロール(DOPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン(DAPE)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(DPSP)、ならびにジステアロイルスフィンゴミエリン(DSSP)、ジラウロイル-ホスファチジルイノシトール(DLPI)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(DAPI)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジオレオイル-ホスファチジルイノシトール(DOPI)である。
【0185】
いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約0.5%~約12%、約0.5%~約15%、約0.5%~約20%、約0.5%~約25%、約2%~約5%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約25%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約5%~約20%約5%~約25%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約8%~約25%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約12%~約15%、約12%~約20%、約12%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の少なくとも約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、または約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の最大で2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%(w/w)の量で存在する。
【0186】
いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約5%~約15%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約11%、約5%~約12%、約5%~約13%、約5%~約14%、約5%~約15%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約11%、約8%~約12%、約8%~約13%、約8%~約14%、約8%~約15%、約9%~約10%、約9%~約11%、約9%~約12%、約9%~約13%、約9%~約14%、約9%~約15%、約10%~約11%、約10%~約12%、約10%~約13%、約10%~約14%、約10%~約15%、約11%~約12%、約11%~約13%、約11%~約14%、約11%~約15%、約12%~約13%、約12%~約14%、約12%~約15%、約13%~約14%、約13%~約15%、または約14%~約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の少なくとも約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、または約14%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、小胞形成脂質は、組成物の最大で8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%(w/w)の量で存在する。
【0187】
いくつかの実施形態では、組成物は短鎖ポリオールを含む。いくつかの実施形態では、短鎖ポリオールは、生じる脂質小胞の安定性を増強するように作用する。いくつかの実施形態では、短鎖ポリオールは、2つまたは3つのアルコール基を含むC-Cポリオールである。いくつかの実施形態では、短鎖ポリオールはプロピレングリコールである。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物はブタンジオールを含む。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは1,3-ブタンジオールである。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは2,3-ブタンジオールである。いくつかの実施形態では、組成物はプロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、2,3ブタンジオール)、またはその両方を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約0.5%~約12%、約0.5%~約15%、約0.5%~約20%、約0.5%~約25%、約2%~約5%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約25%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約5%~約20%約5%~約25%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約8%~約25%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約12%~約15%、約12%~約20%、約12%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約10.5%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、少なくとも約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、最大で2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約1%~約2%、約1%~約4%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約4%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約6%~約8%、約6%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、少なくとも約1%、約2%、約4%、約6%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、最大で2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは小胞形成脂質とほぼ同一の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物中のプロピレングリコールの小胞形成脂質に対する比率は、約2:1~1:2(w/w)である。
【0189】
いくつかの実施形態では、ブタンジオール(例えば、2,3-ブタンジオール)は、組成物の約0.5%~約25%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約0.5%~約12%、約0.5%~約15%、約0.5%~約20%、約0.5%~約25%、約2%~約5%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約25%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約5%~約20%約5%~約25%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約20%、約8%~約25%、約10%~約12%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約12%~約15%、約12%~約20%、約12%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約10.5%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、少なくとも約0.5%、約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、最大で約2%、約5%、約8%、約10%、約12%、約15%、約20%、または約25%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約1%~約2%、約1%~約4%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約4%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約6%~約8%、約6%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、少なくとも約1%、約2%、約4%、約6%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、最大で約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは小胞形成脂質とほぼ同一の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物中のブタンジオールと小胞形成脂質との比率は、約2:1~1:2(w/w)である。
【0190】
いくつかの実施形態では、脂質小胞および/または組成物の脂質小胞部分の油相は、ステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールは天然由来のステロールである。いくつかの実施形態では、ステロールは合成ステロールである。いくつかの実施形態では、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、コレステロールは、植物由来のコレステロールであってもよい。いくつかの実施形態では、コレステロールは、合成コレステロールであってもよい。いくつかの実施形態では、植物由来のコレステロールは、コレスト-5-エン-3-オール(例えば、PhytoChol(登録商標)、SyntheChol(登録商標)、Avanti#700100)、もしくは他の任意の植物由来のコレステロール、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、ステロールは、フィトステロールまたはその誘導体であってもよい。いくつかの実施形態では、フィトステロールまたはその誘導体は、フィトステロールMM、Advasterol(商標)90IPもしくは95IP F、NETステロール-ISO、キャノーラステロール、シトステロール700095、ラノステロール-95、ブラシカステロール、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。
【0191】
いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.8%、約0.2%~約1%、約0.2%~約2%、約0.2%~約3%、約0.2%~約4%、約0.2%~約5%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約2%、約0.8%~約3%、約0.8%~約4%、約0.8%~約5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、または約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、最大で約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約4%、約1.5%~約5%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2.5%~約3%、約2.5%~約4%、約2.5%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の少なくとも約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、または約4%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の最大で1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%(w/w)の量で存在する。
【0192】
油相
本明細書に提供される脂質小胞組成物は、水中油型エマルジョンを含む。油成分は、材料が作用温度(例えば室温)で液体であり、かつ水と混和しないように選択される。
【0193】
任意の好適な油が油相として使用され得る。いくつかの実施形態では、油は、天然に存在する油を含む。いくつかの実施形態では、天然に存在する油は、1つ以上の植物または植物の一部(例えば、種子または木の実)に由来する。いくつかの実施形態では、油は、オリーブ油、植物油、ヒマワリ油、または他の同様の植物由来の油などの天然に存在する油である。
【0194】
いくつかの実施形態では、油相は、植物油、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド、シリコーン流体、鉱油、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、油相は皮膚軟化剤を含む。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤はカプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリド(例えば、Labrafac CC)を含む。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤は、油溶性の植物抽出物、精油、植物油、植物性バター、またはそれらのあらゆる組合せなどの天然の油溶性皮膚軟化剤を含む。いくつかの実施形態では、天然の油溶性皮膚軟化剤は、ヒマワリ由来の油を含む。いくつかの実施形態では、天然の油溶性皮膚軟化剤は、アボカド由来の油を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、油は、ジメチコンなどのシリコン油または誘導体を含む。いくつかの実施形態では、シリコン油はシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、シロキサンポリマーはC-C置換基を含む。いくつかの実施形態では、シロキサンはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。いくつかの実施形態では、シリコン油はポリメチルシルセスキオキサン(例えば、Botanisil(商標)SP-360)である。いくつかの実施形態では、油は、より小さな構成成分としてシリコン油(例えばジメチコン)を含む混合物である。いくつかの実施形態では、シリコン油は、生じる組成物の感触を良くするために、または保湿剤として組み込まれる。いくつかの実施形態では、油は、最大で約5%、最大で約4%、最大で約3%、最大で約2%、または最大で約1%の量のシリコン油を含む。いくつかの実施形態では、シリコン油は、組成物の約0.1%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.1%~約0.5%、0.1%~約0.7%、0.1%~約1%、0.1%~約1.5%、0.15%~約2%、0.5%~約0.7%、0.5%~約1%、0.5%~約1.5%、0.5%~約2%、0.7%~約1%、0.7%~約1.5%、0.7%~約2%、1%~約1.5%、または1%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、シリコン油は、組成物の約0.1%、0.5%、0.6%、0.7%、1%、1.5%、または2%の量で存在する。
【0196】
いくつかの実施では、油は、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約20%~約、25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約25%~約30%、約25%~約35%、または約30%~約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、または約30%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、最大で約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約5%~約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約11%、約5%~約12%、約5%~約13%、約5%~約14%、約5%~約15%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約11%、約8%~約12%、約8%~約13%、約8%~約14%、約8%~約15%、約9%~約10%、約9%~約11%、約9%~約12%、約9%~約13%、約9%~約14%、約9%~約15%、約10%~約11%、約10%~約12%、約10%~約13%、約10%~約14%、約10%~約15%、約11%~約12%、約11%~約13%、約11%~約14%、約11%~約15%、約12%~約13%、約12%~約14%、約12%~約15%、約13%~約14%、約13%~約15%、または約14%~約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも約5%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、または約14%の量で存在する。いくつかの実施形態では、油は、最大で約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%の量で存在する。
【0197】
いくつかの実施形態では、油は、1つ以上のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態では、中鎖トリグリセリドは、C6-C12の鎖長を有する脂肪酸エステルを含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、組成物の約1%~約35%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約20%~約、25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約25%~約30%、約25%~約35%、または約30%~約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、少なくとも約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、または約30%の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、最大で約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の量で存在する。
【0199】
いくつかの実施形態では、脂質小胞および/または組成物の脂質小胞部分の油相は、ステロールを含む。いくつかの実施形態では、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、コレステロールは、植物由来のコレステロールであってもよい。いくつかの実施形態では、植物由来のコレステロールは、PhytoChol(登録商標)、SyntheChol(登録商標)、もしくは他の任意の植物由来のコレステロール(例えば、Avanti#700100)、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、ステロールは、フィトステロールまたはその誘導体であってもよい。いくつかの実施形態では、フィトステロールまたはその誘導体は、フィトステロールMM、Advasterol(商標)90IPもしくは95IP F、NETステロール-ISO、キャノーラステロール、シトステロール700095、ラノステロール-95、ブラシカステロール、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.8%、約0.2%~約1%、約0.2%~約2%、約0.2%~約3%、約0.2%~約4%、約0.2%~約5%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約2%、約0.8%~約3%、約0.8%~約4%、約0.8%~約5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、または約4%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、最大で約0.2%、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約4%、約1.5%~約5%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2.5%~約3%、約2.5%~約4%、約2.5%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または約4%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の少なくとも約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、または約4%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ステロールは、組成物の最大で約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%(w/w)の量で存在する。
【0201】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上の浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、個体の皮膚に適用されると、皮膚の1つ以上の層を通るアニオン性ポリマー材料の浸透の量が増加するように作用する。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、個体の皮膚に適用されると、皮膚の1つ以上の層を通る1つ以上のペプチドの浸透の量が増加するように作用する。
【0202】
いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の1つ以上の浸透促進剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の1つ以上の浸透促進剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が5%超、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の1つ以上の浸透促進剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。
【0203】
いくつかの実施形態では、約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が5%超、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。いくつかの実施形態では、約10以下のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含む組成物は、皮膚試料または個体の皮膚に適用されると、他の約10のHLB値を有する1つ以上の非イオン界面活性剤を含まない同じまたは類似の組成物が、類似のもしくは同じ皮膚試料または個体の皮膚の皮膚の1つ以上の層に適用された場合と比較して、皮膚の1つ以上の層を通る浸透が約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、または200%増加する。
【0204】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、組成物の水中油型エマルジョンに含まれている。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、組成物の脂質二重層に含まれている。
【0205】
様々な種類の使用され得る浸透促進剤が存在する。いくつかの実施形態では、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはそれらの組合せを含む浸透促進剤である。いくつかの実施形態では、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはそれらの組合せは、浸透促進剤ではない。
【0206】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せを含む。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、単一の非イオン界面活性剤である。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、少なくとも2、3、または4つ以上の非イオン界面活性剤の組合せである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、2つの非イオン界面活性剤の組合せである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、3つの非イオン界面活性剤の組合せである。
【0207】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ステアリン酸グリセロール、ならびにそれらの組合せから選択される。
【0208】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルおよびソルビタンエステルの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルおよびポリソルベートの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルおよびソルビタンエステルの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルおよびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリソルベートの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ソルビタンエステル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ポリソルベート、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルの組合せである。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、ポリソルベート、およびステアリン酸グリセロールの組合せである。
【0209】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよびソルビタンエステルを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の組合せは、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリソルベート、およびソルビタンエステルの組合せである。
【0210】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールのポリエチレングリコール(PEG)エーテルを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約2~約8個のPEG基およびC12-C22脂肪族アルコールを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、ジエチレングリコールヘキサデシルエーテル、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル、もしくはポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルは、2-(2-オクタデカオキシエトキシ)エタノールを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、super refined Brij(登録商標)O2またはその誘導体である。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、組成物の水相に添加される。
【0211】
いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.2%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、最大で0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0212】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はソルビタンエステルを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは脂肪酸エステルである。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはC12-C22脂肪酸エステルである。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、もしくはソルビタンイソステアレート、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノラウレートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノパルミテートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノステアレートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンモノオレエートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタントリオレエートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンセスキオレエートを含む。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルはソルビタンイソステアレートを含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、組成物の約0.5%~約2.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ソルビタンエステルは、最大で0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0214】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート20である。
【0215】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、組成物の約0.5%~約2.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、最大で約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0216】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、ポリエチレングリコール(PEG)脂肪酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、脂肪酸エステルを形成するために各末端ヒドロキシル基に付着したC-C22脂肪酸を含む約2~8個のサブユニットのPEG鎖である。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、PEG-8ジラウレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ジステアレート、PEG-8ジステアレート、PEG-7グリセリルココエート、およびPEG-20アーモンドグリセリド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルはPEG-4ジラウレートである。
【0217】
いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、組成物の約0.5%~約2.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.8%~約1%、約0.8%~約1.2%、約0.8%~約1.5%、約0.8%~約2%、約0.8%~約2.5%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、約1.2%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、または約2%~約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪エステルは、少なくとも約0.5%、約0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、最大で0.8%、約1%、約1.2%、約1.5%、約2%、または約2.5%の量で存在する。
【0218】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、約10以下の疎水性-親油性バランス(HLB)を有している。いくつかの実施形態では、組成物は複数の非イオン界面活性剤を含み、それぞれは約10以下のHLBを有している。いくつかの実施形態では、10以下のHLBを有する非イオン界面活性剤は、表1またはそのあらゆる組合せから選択される。
【0219】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.5%~約6%、約0.5%~約7%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約10%、約1.5%~約2%、約1.5%~約3%、約1.5%~約4%、約1.5%~約5%、約1.5%~約6%、約1.5%~約7%、約1.5%~約8%、約1.5%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約1%、1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.6%(例えば、0.54%~約0.66%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、約0.7%(例えば、0.63%~約0.77%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、少なくとも約0.5%、約0.7%、約1%、1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤の組合せは、最大で0.7%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%の量で存在する。
【0220】
いくつかの実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョン、脂質二重層、またはその両方に非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョン中に非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、脂質二重層中に非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョンおよび脂質二重層に非イオン界面活性剤を含み、ここで、組成物は、2つ以上の異なる非イオン界面活性剤を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸エステルまたはニコチン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、エステルは、C-Cアルキルエステルまたはベンジルエステルである。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は血管拡張薬であってもよい。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、サリチル酸メチルまたはニコチン酸ベンジルを含む。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、組成物の約0.1%、0.5%、1%、2%、または3%(w/w)までの量で存在するニコチン酸エステルである。いくつかの実施形態では、ニコチン酸エステルは、約0.1%~約3%、約0.1%~約2%、約0.1%~約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ニコチン酸ベンジルは、約0.5%の量で存在する。
【0222】
いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、脂肪酸アシル化アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、脂肪酸アシル化アミノ酸はリジンである。いくつかの実施形態では、リジンは、脂肪酸でモノアシル化される。いくつかの実施形態では、浸透促進剤はモノラウリルリジンである。いくつかの実施形態では、リジンはジアシル化される。いくつかの実施形態では、浸透促進剤はジパルミトイルリジンである。いくつかの実施形態では、脂肪アシル化アミノ酸は、組成物の最大で約1%、最大で約2%、最大で約3%、最大で約4%、または最大で約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アシル化アミノ酸は、約0.1%~約5%、約0.1%~約4%、約0.1%~約3%、、約0.1%~約2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約3%、約0.5%~約2%、約1%~約5%、約1%~約4%、約1%~約3%、約1%~約2%、または約1.5%~約2.5%の量で存在する。
【0223】
カチオン性界面活性剤
いくつかの実施形態では、組成物はカチオン性界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、油中水型エマルジョン(例えば、脂質小胞形成の前のサブミクロンエマルジョンの段階で)を安定化させるために使用される。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤はモノカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、モノカチオン性界面活性剤は正味のモノカチオン性である(例えば、単一のカチオン性の機能性をそれぞれが有する2つの側鎖を含むリン酸であり、リン酸アニオンによって部分的に中和される)。
【0224】
いくつかの実施形態では、モノカチオン性界面活性剤は、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルである。いくつかの実施形態では、モノカチオン性界面活性剤は、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリホスフェート(例えば、Arlasilk(商標)PTM、Arlasilk(商標)EFA)である。
【0225】
いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、組成物の約1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約1%~約11%、約1%~約12%、約1%~約13%、約1%~約14%、約1%~約15%、約1%~約16%、約1%~約17%、約1%~約18%、約1%~約19%、約1%~約20%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約2%~約11%、約2%~約12%、約2%~約13%、約2%~約14%、約2%~約15%、約2%~約16%、約2%~約17%、約2%~約18%、約2%~約19%、約2%~約20%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約3%~約11%、約3%~約12%、約3%~約13%、約3%~約14%、約3%~約15%、約3%~約16%、約3%~約17%、約3%~約18%、約3%~約19%、約3%~約20%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約4%~約11%、約4%~約12%、約4%~約13%、約4%~約14%、約4%~約15%、約4%~約16%、約4%~約17%、約4%~約18%、約4%~約19%、約4%~約20%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約11%、約5%~約12%、約5%~約13%、約5%~約14%、約5%~約15%、約5%~約16%、約5%~約17%、約5%~約18%、約5%~約19%、約5%~約20%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約6%~約11%、約6%~約12%、約6%~約13%、約6%~約14%、約6%~約15%、約6%~約16%、約6%~約17%、約6%~約18%、約6%~約19%、約6%~約20%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約7%~約11%、約7%~約12%約7%~約13%、約7%~約14%、約7%~約15%、約7%~約16%、約7%~約17%、約7%~約18%、約7%~約19%、約7%~約20%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約11%、約8%~約12%、約8%~約13%、約8%~約14%、約8%~約15%、約8%~約16%、約8%~約17%、約8%~約18%、約8%~約19%、約8%~約20%、約9%~約10%、約9%~約11%、約9%~約12%、約9%~約13%、約9%~約14%、約9%~約15%、約9%~約16%、約9%~約17%、約9%~約18%、約9%~約19%、約9%~約20%、約10%~約11%、約10%~約12%、約10%~約13%、約10%~約14%、約10%~約15%、約10%~約16%、約10%~約17%、約10%~約18%、約10%~約19%、約10%~約20%、約11%~約12%、約11%~約13%、約11%~約14%、約11%~約15%、約11%~約16%、約11%~約17%、約11%~約18%、約11%~約19%、約11%~約20%、約12%~約13%、約12%~約14%、約12%~約15%、約12%~約16%、約12%~約17%、約12%~約18%、約12%~約19%、約12%~約20%、約13%~約14%、約13%~約15%、約13%~約16%、約13%~約17%、約13%~約18%、約13%~約19%、約13%~約20%、約14%~約15%、約14%~約16%、約14%~約17%、約14%~約18%、約14%~約19%、約14%~約20%、約15%~約16%、約15%~約17%、約15%~約18%、約15%~約19%、約15%~約20%、約16%~約17%、約16%~約18%、約16%~約19%、約16%~約20%、約17%~約18%、約17%~約19%、約17%~約20%、約18%~約19%、約18%~約20%、または約19%~約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、組成物の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20% (w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルは、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%の量で存在する。
【0226】
追加の成分
いくつかの実施形態では、小胞組成物は追加の構成成分を含む。いくつかの実施形態では、これらの追加の構成成分は、アニオン性ポリマー材料、ペプチド、またはそれらの組合せの送達を劇的に変更せずに、小胞の1つ以上の特性を改善する。
【0227】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は、1つ以上の粘度増強剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、小胞組成物の安定性および/または使用者の感触の改善のために組成物の粘度を高める。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、界面活性剤としてさらに作用する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールはC-C20脂肪族アルコールである。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールはセチルアルコール(例えば、Crodacol C95)である。いくつかの実施形態では、ワックスは天然または合成のワックスである。いくつかの実施形態では、ワックスはミツロウである。いくつかの実施形態では、ワックスは合成ミツロウである。いくつかの実施形態では、合成ミツロウはsyncrowax(商標)BB4である。いくつかの実施形態では、合成ミツロウは非動物由来のミツロウである。いくつかの実施形態では、非動物由来のミツロウはsyncrowax(商標)SB1である。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪酸エステルはモノエステルである。いくつかの実施形態では、モノエステルはC-C24脂肪酸のエステルである。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪酸エステルは、モノステアリン酸グリセロールである。
【0228】
いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、組成物の約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、組成物の約0.5%~約5%、約0.5%~約5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約3%、または約0.5%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、最大で約2%の量の脂肪族アルコール、最大で約2%の量のワックス、および最大で約5%の量のグリセロールの脂肪酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.1~約1.5%の量で存在する。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.4%(例えば、0.36%~約0.44%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.1%~約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.2%(例えば、約0.18%~約0.22%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.3%(例えば、約0.27%~約0.33%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約0.5%~約2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約0.8%(例えば、0.72%~約0.88%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールの脂肪エステルは、約0.9%の量で存在する。
【0229】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は増粘剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は保湿剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は皮膚軟化剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は湿潤剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞組成物は香料(例えば、Mentha piperita)をさらに含む。いくつかの実施形態では、香料(例えば、Mentha piperita)は、約0.01%~約0.1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、香料(例えば、Mentha piperita)は、約0.05%の量で存在する。
【0230】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は湿潤剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物はグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、グリセロールは、組成物の約0.5%~約25%、約0.5%~約20%、約0.5%~約15%、または約0.5%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約1%~約2%、約1%~約4%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約4%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約6%~約8%、約6%~約10%、または約8%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、少なくとも約1%、約2%、約4%、約6%、または約8%の量で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールは、最大で2%、約4%、約6%、約8%、または約10%の量で存在する。
【0231】
いくつかの実施形態では、小胞組成物は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、防腐剤はパラベンエステルである。いくつかの実施形態では、防腐剤は、メチルパラベンもしくはプロピルパラベンまたはその組合せである。いくつかの実施形態では、防腐剤は、Euxyl(登録商標)PE9010またはSpectrastat(登録商標)などの化粧品用の防腐剤である。いくつかの実施形態では、防腐剤は、フェノキシエタノール/エチルヘキシルグリセリン混合物を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、カプリルヒドロキサム酸、カプリリルグリコール、およびグリセリンの配合を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、組成物の最大で約1%、最大で約0.9%、最大で約0.8%、最大で約0.7%、最大で約0.6%、最大で約0.5%、最大で約0.4%、最大で約0.3%、最大で約0.2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、防腐剤は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、または1.5%の量で存在する。
【0232】
いくつかの実施形態では、組成物は、しわを滑らかにすることなどの皮膚の所望の変化を促進するための材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物は、単糖類、二糖類、または多糖類である。いくつかの実施形態では、炭水化物またはその許容可能な塩は、リン酸グルコサミンを含む。いくつかの実施形態では、リン酸グルコサミンは、アセチルN-アセチル-α-D-グルコサミン6-リン酸二ナトリウム塩(NovHyal(商標))などのジナトリウムアセチルリン酸グルコサミンを含む。いくつかの実施形態では、炭水化物は、異性化糖(例えば、Hyanify(商標))を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩類は、液体形態である。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩類は、ゲル形態である。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩類は、固体形態である。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%~約1%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.5、%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約0.9%、約0.1%~約1%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.6%、約0.2%~約0.7%、約0.2%~約0.8%、約0.2%~約0.9%約0.2%~約1%、約0.3%~約0.4%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.6%、約0.3%~約0.7%、約0.3%~約0.8%、約0.3%~約0.9%、約0.3%~約1%、約0.4%~約0.5%、約0.4%~約0.6%、約0.4%~約0.7%、約0.4%~約0.8%、約0.4%~約0.9%、約0.4%~約1%、約0.5%~約0.6%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.8%約0.5%~約0.9%約0.5%~約1%、約0.6%~約0.7%、約0.6%~約0.8%、約0.6%~約0.9%、約0.6%~約1%、約0.7%~約0.8%、約0.7%~約0.9%、約0.7%~約1%、約0.8%~約0.9%、約0.8%~約1%、または約0.9%~約1%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約%、0.9%、または約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、または約0.9%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、最大で約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約%、0.9%、または約1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、%、0.9%、および1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、少なくとも約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、%、0.9%、および1%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の炭水化物またはその許容可能な塩は、最大で約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、%、0.9%、および1%の量で存在する。
【0233】
いくつかの実施形態では、組成物はアミノ酸のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、アミノ酸の高MWおよび低MWポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーはポリグルタミン酸を含む。場合によっては、ポリグルタミン酸は、低MWポリグルタミン酸(例えば、Hyfactor(商標)PGA LM)および/または高MWポリグルタミン酸(例えば、Hyfactor(商標)PGA HM)を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、少なくとも約0.01%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸のポリマーは、最大で約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。
【0234】
いくつかの実施形態では、組成物はコラーゲンをさらに含む。いくつかの実施形態では、コラーゲンはヒトコラーゲンである。場合によっては、コラーゲンはヴィーガンヒトコラーゲン(例えば、HumaColl21(登録商標))である。いくつかの実施形態では、コラーゲンは固体形態にある。いくつかの実施形態では、コラーゲンはゲル形態にある。いくつかの実施形態では、コラーゲンは液体形態にある。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.01%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.01%~約0.02%、約0.01%~約0.03%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.2%、約0.02%~約0.03%、約0.02%~約0.05%、約0.02%~約0.1%、約0.02%~約0.15%、約0.02%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、または約0.15%~約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、少なくとも約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.1%、または約0.15%の量で存在する。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、最大で約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、または約0.2%の量で存在する。
【0235】
いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の1つ以上の部分のくすみを減らすことなどの皮膚の所望の変化を促進するための材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、材料は、1つ以上の生物学的抽出物を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の生物学的抽出物は、天然抽出物または合成抽出物である。いくつかの実施形態では、1つ以上の生物学的抽出物は炭水化物を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物はフコイダンを含む。生物学的抽出物の例には、藻類抽出物、海洋、バイオテクノロジー抽出物、の抽出物、または花の抽出物(例えば、Seanactiv、Shadownyl Clear、Eyedeline、Eye’fective、またはMeiview)が含まれるが、これらに限定されない。
【0236】
いくつかの実施形態では、追加の構成成分は精製水を含む。いくつかの実施形態では、精製水は、約50%~80%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約65%、約50%~約70%、約50%~約75%、約50%~約80%、約55%~約60%、約55%~約65%、約55%~約70%、約55%~約75%、約55%~約80%、約60%~約65%、約60%~約70%、約60%~約75%、約60%~約80%、約65%~約70%、約65%~約75%、約65%~約80%、約70%~約75%、約70%~約80%、または約75%~約80%の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または約75%の量で存在する。いくつかの実施形態では、精製水は、最大で約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の量で存在する。
【0237】
非修飾ペプチドの送達のための例示的な組成物
1つ以上のペプチドの送達のための例示的な組成物が以下に提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、例示的な組成物は、1、2、3、4、5、6、7、または8つのペプチドを送達する。下記の実施形態は、本明細書に提供されるものなどの他の成分または構成成分をさらに含む場合がある。いくつかの実施形態では、他の成分または構成成分はアニオン性ポリマー材料であってもよい。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒアルロン酸であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸は、脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入される場合がある。
【0238】
ペプチド組成物1:一態様では、
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞であって、小胞形成脂質が、約5%~約20%の量で存在する、脂質小胞と、
(b)脂質小胞に封入され、1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと、
(c)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量の1つ以上のペプチドとを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供され、組成物は、
約1%~約10%の量の脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステルおよび
約0.1%~約3%の量の非イオン界面活性剤をさらに含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、油成分は、約2.5%~約20%の量で存在する。
【0240】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または約5mg/mLの量で含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、(c)の1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列をそれぞれが有する少なくとも2、3、4、5、または6つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、組成物は、約0.5%~約3%の量の脂肪アシル化アミノ酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、脂肪アシル化アミノ酸は、モノラウリルリジンである。
【0243】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、粘度増強剤を約0.5%~約5%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールのPEGエーテルを含む。
【0245】
ペプチド組成物2:一態様では、
(a)小胞形成脂質を含む脂質二重層をそれぞれが含む脂質小胞であって、小胞形成脂質が、約2%~約20%の量で存在する、脂質小胞と、
(b)脂質小胞に封入され、かつ1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと、
(c)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量の1つ以上のペプチドとを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供され、組成物は、
約0.1%~約2%の量のPEG脂肪酸エステル、
約0.5%~約3%の量のポリソルベート、および
約0.1%~約2%の量のソルビン酸エステルをさらに含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、油成分は、約2.5%~約20%の量で存在する。
【0247】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または約5mg/mLの量で含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、(c)の1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列をそれぞれが有する少なくとも2、3、4、5、または6つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、粘度増強剤を約0.5%~約5%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、PEG脂肪酸エステルは、PEG4ジラウレートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態では、ソルビン酸エステルは、ソルビタンパルミテートである。
【0251】
ペプチド組成物3:一態様では、
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞であって、小胞形成脂質が、約5%~約20%の量で存在する、脂質小胞と、
(b)脂質小胞に封入され、かつ1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと、
(c)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量の1つ以上のペプチドとを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供され、組成物は、
約1%~約10%の量の脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステル、
約0.1%~約3%の量の脂肪族アルコールのPEGエーテル、
約0.5%~約3%の量のポリソルベート、および
約0.1%~約2%の量のソルビン酸エステルをさらに含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、油成分は、約2.5%~約20%の量で存在する。
【0253】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約2mg/mL、約0.1mg/mL~約3mg/mL、約0.1mg/mL~約4mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、または約50mg/mLの量で含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、または約5mg/mLの量で含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、(c)の1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列をそれぞれが有する少なくとも2、3、4、5、または6つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、粘度増強剤を約0.5%~約5%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態では、ソルビン酸エステルは、ソルビタンパルミテートである。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、ジエチレングリコールモノオレイルエーテルである。
【0257】
ペプチド組成物4:一態様では、
(a)それぞれが、小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞であって、小胞形成脂質が約5%~約20%の量で存在する、脂質小胞と、
(b)脂質小胞に封入され、かつ1つ以上の界面活性剤によって安定化された水中油型エマルジョンと、
(c)脂質二重層、水中油型エマルジョン、またはそれらの組合せに封入された、約0.001%~約0.05%の量の1つ以上のペプチドとを含む脂質小胞組成物が本明細書に提供され、組成物は、
約1%~約20%の量の脂肪アミド由来のプロピレングリコール二アンモニウムリン酸エステル、
約0.5%~約2%の量の脂肪族アルコールのPEGエーテル、
約0.4%~約1%の量のポリソルベート、および
約0.5%~約2%の量のステアリン酸グリセリルをさらに含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを含み、1つ以上のペプチドのそれぞれの量は、約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.08mg/mL、または約1mg/mLである。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、1つ以上のペプチドを約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.08mg/mL、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、または約0.5mg/mLの総量で含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、(c)の1つ以上のペプチドは、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはそれらのあらゆる組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列をそれぞれが有する少なくとも2、3、4、5、または6つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列をそれぞれが有する少なくとも2、3、4、5、または6つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、24、31、36、37、39、または40のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、配列番号21~40のいずれか1つのアミノ酸配列を有する1、2、3、4、5、または6つのペプチドを含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、粘度増強剤を約0.5%~約10%の量でさらに含む。いくつかの実施形態では、粘度増強剤は、脂肪族アルコール、ワックス、グリセロールの脂肪酸エステル、またはそれらのあらゆる組合せのうちの1つ以上を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態では、ステアリン酸グリセリルは、モノステアリン酸グリセリルである。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、ジエチレングリコールモノオレイルエーテルである。
【0262】
本明細書で提供される脂質小胞組成物の使用方法
本明細書に提供される脂質小胞組成物は、皮膚のしわ、皮膚の弛緩、皺眉筋および/または鼻根筋の活動に関連した中等度~重度の眉間の線、眼輪筋の活動に関連した中等度~重度の外眼角の線(カラスの足跡線(crow’s feet lines))、および前頭筋の活動に関連した中等度~重度の前頭部の線のうちの1つ以上の予防または外観の一次的な改善を含むがこれらに限定されない徴候のための、対象における美容的使用のために企図される。
【0263】
本明細書に提供される脂質小胞組成物は、1つ以上の皮膚のしわ、例えば、顔のしわ、皮膚の弛緩、皺眉筋および/または鼻根筋の活性に関連した中等度~重度の眉間のしわ、眼輪筋の活性に関連した中等度~重度の外眼角部のしわ(カラスの足跡線)、および前頭筋の活性に関連した中等度~重度の前頭部のしわの予防または外観の一時的な改善を含むがこれらに限定されない徴候のための、対象における薬学的使用のために企図される。
【0264】
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。具体的な実施形態では、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、任意の年齢の小児または成人の対象である。
【0265】
化粧料組成物または医薬組成物の使用方法
【0266】
薬学的な実施形態を実施形態では、本開示は、1つ以上のペプチドまたはヒアルロン酸などのアニオン性ポリマー材料を含む化粧料組成物または医薬組成物の使用方法にも関する。いくつかの実施形態では、本開示は、対象の皮膚に有効量の化粧品組成物または医薬組成物を適用する工程を含む、対象において1つ以上の皮膚、例えば、顔または頚部のしわ、皮膚の弛緩、皺眉筋および/または鼻根筋の活性に関連した中等度~重度の眉間のしわ、眼輪筋の活性に関連した中等度~重度の外眼角部のしわ(カラスの足跡線)、および前頭筋の活性に関連した中等度~重度の前頭部のしわを予防またはその外観を一時的に改善するための化粧料組成物または医薬組成物の使用方法に関する。
【0267】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象に局所的に適用される。本明細書で言及されるような局所適用は、1つ以上の表面、例えば、ケラチン組織上への適用を指すことができる。いくつかの実施形態では、局所用組成物は対象の皮膚に適用される。いくつかの実施形態では、皮膚は対象の顔の皮膚である。いくつかの実施形態では、皮膚は対象の頚部を含む。いくつかの実施形態では、皮膚は対象の眼の周囲の皮膚を含む。局所適用は所望の領域への直接適用に関する場合がある。局所的な化粧料組成物または医薬組成物または調製物は、液体またはエアゾールの組成物として存在する場合、例えば、注ぐこと、垂らすこと、あるいは噴霧することによって適用可能であり、軟膏、ローション剤、クリーム、ゲル、または同様な組成物の場合は、のばすこと、すり込むこと、塗ることなどによって適用可能であり、粉末の場合は振りかけることで適用可能であり、あるいは他の任意の適切な手段によって適用可能である。
【0268】
いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は局所投与に好適な形態に製剤化される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンとして製剤化される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、クリームとして製剤化される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、ローション剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、懸濁液として製剤化される。
【0269】
いくつかの実施形態では、局所組成物は、有効量の脂質小胞組成物とともに対象または対象の皮膚に1回以上、例えば、1日に1~3回、1週間に1~21回、1日1回、1日2回、または1日3回適用される。いくつかの実施形態では、局所組成物は、有効量の脂質小胞組成物とともに対象または対象の皮膚に1週間に約1回~1週間に約12回適用される。いくつかの実施形態では、局所組成物は、有効量の脂質小胞組成物とともに対象または対象の皮膚に少なくとも1週間に約1回適用される。いくつかの実施形態では、局所組成物は、有効量の脂質小胞組成物とともに対象または対象の皮膚に最大で1週間に約12回適用される。いくつかの実施形態では、局所組成物は、有効量の脂質小胞組成物とともに対象または対象の皮膚に1週間に約1回~1週間に約2回、1週間に約1回~当たり約3回、1週間に約1回~1週間に約4回、1週間に1回~1週間に約5回、1週間に約1回~1週間に約6回、1週間に約1回~1週間に約7回、1週間に約1回~1週間に約8回、1週間に約1回~1週間に約9回、1週間に約1回~1週間に約10回、1週間に約1回~1週間に約11回、1週間に約1回~1週間に約12回、1週間に約2回~1週間に約3回、1週間に約2回~1週間に約4回、1週間に約2回~1週間に約5回、1週間に約2回~1週間に約6回、1週間に約2回~1週間に約7回、1週間に約2回~1週間に約8回、1週間に約2回~1週間に約9回、1週間に約2回~1週間に約10回、1週間に約2回~1週間に約11回、1週間に約2回~1週間に約12回、1週間に約3回~1週間に約4回、1週間に約3回~1週間に約5回、1週間に約3回~1週間に約6回、1週間に約3回~1週間に約7回、1週間に約3回~1週間に約8回、1週間に約3回~1週間に約9回、1週間に約3回~1週間に約10回、1週間に約3回~1週間に約11回、1週間に約3回~1週間に約12回、1週間に約4回~1週間に約5回、1週間に約4回~1週間に約6回、1週間に約4回~1週間に約7回、1週間に約4回~1週間に約8回、1週間に約4回~1週間に約9回、1週間に約4回~1週間に約10回、1週間に約4回~1週間に約11回、1週間に約4回~1週間に約12回、1週間に約5回~1週間に約6回、1週間に約5回~1週間に約7回、1週間に約5回~1週間に約8回、1週間に約5回~1週間に約9回、1週間に約5回~1週間に約10回、1週間に約5回~1週間に約11回、1週間に約5回~1週間に約12回、1週間に約6回~1週間に約7回、1週間に約6回~1週間に約8回、1週間に約6回~1週間に約9回、1週間に約6回~1週間に約10回、1週間に約6回~1週間に約11回、1週間に約6回~1週間に約12回、1週間に約7回~1週間に約8回、1週間に約7回~1週間に約9回、1週間に約7回~1週間に約10回、1週間に約7回~1週間に約11回、1週間に約7回~1週間に約12回、1週間に約8回~1週間に約9回、1週間に約8回~1週間に約10回、1週間に約8回~1週間に約11回、1週間に約8回~1週間に約12回、1週間に約9回~1週間に約10回、1週間に約9回~1週間に約11回、1週間に約9回~1週間に約12回、1週間に約10回~1週間に約11回、1週間に約10回~1週間に約12回、または1週間に約11回~1週間に約12回適用される。いくつかの実施形態では、局所組成物は、有効量の脂質小胞組成物とともに対象または対象の皮膚に1週間に約1回、1週間に約2回、1週間に3回、1週間に約4回、1週間に約5回、1週間に約6回、1週間に約7回、1週間に約8回、1週間に約9回、1週間に約10回、1週間に約11回、1週間に約12回、1週間に約13回、または1週間に約14回適用される。
【0270】
いくつかの実施形態では、本開示の脂質小胞組成物の1つ以上の層は、所与の時間に対象の皮膚に適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の先の層が対象の皮膚に十分に吸収された後、次の層が適用され得る。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象の皮膚に十分に吸収されるのに数秒(例えば、1秒、2秒、3秒、5秒、10秒、15秒、30秒など)かかる場合がある。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1、2、3、4、5、6、または7つの層は、所与の時間に対象の皮膚に適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象の皮膚に1日1回以上(例えば、1日1~3回、1日1回、1日2回、1日3回など)適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象の皮膚に1週間に1回以上(例えば、1週間に1~21回、1週間に1~14回、1週間に1~7回など)適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象の皮膚に毎日適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1つ以上の層は、対象の皮膚に1日1回、1日以上適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の2つ以上の層は、対象の皮膚に1日1回、1日以上適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の3つ以上の層は、対象の皮膚に1日1回、1日以上適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1つ以上の層は、対象の皮膚に1日2回、1日以上適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の2つ以上の層は、対象の皮膚に1日2回、1日以上適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の3つ以上の層は、対象の皮膚に1日2回、1日以上適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象の皮膚に少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、1か月間、2か月間、3か月間、6か月間、1年間適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物は、対象の皮膚に1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、6か月、9か月、または1年以上の間適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の1つ以上の層は、対象の皮膚に1日2回、数日間適用され、その後は1日3回適用される。いくつかの実施形態では、脂質小胞組成物の5つの層は、対象の皮膚に1日2回(例えば、朝と夜)、5日間適用され、その後、脂質小胞組成物の1~3つの層は、対象の皮膚に1日3回(例えば、朝、正午、および夜)適用される。
【0271】
いくつかの実施形態では、本開示の脂質小胞組成物は、顔または頸部の1つ以上の皮膚のしわ、例えば、皮膚の弛緩、皺眉筋および/または鼻根筋の活性に関連した中等度~重度の眉間のしわ、眼輪筋の活性に関連した中等度~重度の外眼角部のしわ(カラスの足跡線)、および前頭筋の活性に関連した中等度~重度の前頭部のしわを含むがこれらに限定されない皮膚の予防または外観の一時的な改善を含むが、これらに限定されない徴候のために対象の皮膚に適用される。
【0272】
いくつかの実施形態では、本開示の脂質小胞組成物は、顔の皮膚の外観の一時的な改善を含むがこれらに限定されない徴候のために対象に適用される。いくつかの実施形態では、本開示の脂質小胞組成物は、日焼け止め、保湿剤、顔用クリーム(例えば、BBクリーム、CCクリーム、夜用クリームなど)、ミスト、ファンデーション、コンシーラー、ハイライト化粧品、プライマーなどを含むがこれらに限定されない他のスキンケア製品と共に使用される。
【0273】
いくつかの実施形態では、本開示の局所組成物は、対象が自分で適用する。いくつかの実施形態では、本開示の局所組成物は、対象が自分で適用しない。いくつかの実施形態では、局所組成物は局所用化粧料組成物である。
【0274】
本明細書に提供される脂質小胞組成物を作製する方法
さらに、脂質小胞組成物を作製する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、上記に記載されるような本開示の組成物は、水中油型エマルジョンの油成分と水中油型エマルジョンの水性成分とを混合することによって調製され、水中油型エマルジョンの成分またはエマルジョン成分のいずれかは、水中油型エマルジョンの油成分の成分との乳化のための1つ以上の界面活性剤を含む。一実施形態では、界面活性剤は、水性成分と混合され、エマルジョンの形成のために油に添加される。その後、水中油型エマルジョンは、可溶性された小胞を形成脂質、および添加される場合は、脂質小胞(例えばマルチソーム)を形成するのに有効な混合条件下の他の脂質成分と混合される。
【0275】
いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤および1つ以上の化合物(例えば、アニオン性ポリマー材料、1つ以上のペプチドなど)は、水中油型エマルジョンの油成分、水中油型エマルジョンの水性成分、またはその両方に添加される。あるいは、またはそれに加えて、1つ以上の浸透促進剤および/または1つ以上の化合物は、脂質成分に添加することができる。
【0276】
一態様では、a)水中エマルジョン型エマルジョンの油成分と水中油型エマルジョンの水性成分とを混合することによって、有効成分を含む水中油型エマルジョンを調製する工程と、b)水以外の許容可能な溶剤中で小胞形成脂質を可溶化する工程と、c)前記水中油型エマルジョンを、可溶化された前記小胞形成脂質に添加する工程と、d)小胞形成脂質を含む脂質二重層を含む脂質小胞、および前記脂質小胞中に封入された水中エマルジョン型エマルジョンを形成するのに効果的な混合条件下で、前記水中油型エマルジョンと前記可溶化された小胞形成脂質とを混合する工程とを含む、本明細書で提供される脂質小胞組成物を調製する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、有効成分は、本明細書に提供される1つ以上のペプチドである。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは非修飾である。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号1~51のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、30、35、36、37、38、または39のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号21、30、35、36、37、38、または39のいずれか1つのアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のつのアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の配列相同性のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは、配列番号37のアミノ酸に対して同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、有効成分は、本明細書に提供されるアニオン性ポリマー材料である。いくつかの実施形態では、脂質小胞は、1つ以上の有効成分を含む場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上の有効成分は、1つ以上のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の有効成分は、アニオン性ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の有効成分は、1つ以上のペプチドおよびアニオン性ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマー材料は、ヒアルロン酸である。
【0277】
いくつかの実施形態では、上記方法は、本明細書に提供される1つ以上の追加の構成成分(例えば、浸透促進剤、粘度増強剤など)を添加する工程をさらに含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、工程a)の水中油型小胞の油成分と水中油型エマルジョンの油成分とを混合する工程、および/または工程e)の混合条件は、均質化または乳化などの撹拌を使用すること、もしくは撹拌を伴わないマイクロエマルジョン技術を含む。一実施形態では、混合することは高圧均質化を含む。高圧均質化は、脂質小胞の組成物の比較的正確なコントロールを提供する。高圧均質化は、剪断に耐性を示す小分子、ペプチド、またはタンパク質に対して好適である。一実施形態では、形成される組成物は、本明細書に記載される脂質小胞組成物のうちのいずれか1つである。
【0279】
いくつかの実施形態では、他の脂質成分はいずれか1つの工程で添加される。
【実施例
【0280】
実施例1.ヒアルロン酸のマルチソーム脂質小胞組成物の調製
3つの異なる分子量のヒアルロン酸である250K、50K、および10K(Creative PEGWorks、チャペルヒル、ノースカロライナ州)を用いて、1mg/mLまたは1.5mg/mLの濃度のいずれかで、複数の/相乗的な浸透促進剤を有する二相性小胞(マルチソーム)を製剤化した。製剤開発では非標識HAを使用した。拡散セルの実験では、小胞を標識HA(ローダミン-HA250K、FITC-HA50K、およびFITC-HA-10、K;Creative PEGWorks)で調製した。
【0281】
マルチソーム調製の基本手順は以下のとおりであった。
【0282】
1)油相成分および水相成分を、別々のビーカー内に量り分けた。
【0283】
2)両方のビーカーを約70℃に加熱することで、成分すべてを完全に溶解して、取り込んだ。
【0284】
3)へらを用いて激しく攪拌しながら水相を油に添加して、o/w粗エマルジョンを形成することで、約70℃の水浴中で均質の乳状溶液を効果的に得た(約2~6分)。溶液の温度は約55~65℃であった。
【0285】
4)Z5モジュールを備えたLV1マイクロフルイダイザーまたはNano DeBeeホモジナイザーを使用して、製剤を約20,000psiで3回バッチ処理した。
【0286】
小胞形成のための手順(全ての製剤に適用可能):
【0287】
1)脂質相成分を、20mLのガラスバイアルに量り入れた。
【0288】
2)バイアルを水浴中で約70℃に加熱することで、成分すべてを完全に溶解して、取り込んだ。
【0289】
3)溶液の温度が約60℃になるまで、約10~20分間激しく攪拌しながら、水相(系A)を液相に添加した。
【0290】
場合によっては、均一なクリーム状のローション剤が生じるまで、混合物を8~10サイクルにわたり、5秒間のボルテックスと5秒間の加熱を断続的に行った。
【0291】
このプロセスの図による表現を図5に示す。この例示的なプロセスのフローチャートを図6に示す。
【0292】
実験全体にわたって使用される様々な脂質相を以下の表Aに記載し、水相を以下の表Bに記載する。
【0293】
【表3】
【0294】
【表4-1】
【0295】
【表4-2】
【0296】
実施例2.分析方法および特性付けの方法
以下の方法を使用して、以下の実施例に記載される製剤、ならびに製剤の性能の特徴付けを行った。
【0297】
物理化学的な特性付け-官能的観察、光学顕微鏡検査法、および共焦点顕微鏡検査法(Zeiss710共焦点レーザー顕微鏡(CLSM))を実行し、製剤の特徴付けを行った。FITC(495/525)およびローダミン(570/590)にアルゴンレーザー488およびHeNeレーザー543ラインを使用したZeiss LSM710CLSMと、Plan-Apochromat 20x/0.80乾燥対物レンズまたは63x/1.40油浸対物レンズのいずれかとを使用して、製剤の共焦点顕微鏡画像を得た。選択された事例に対して光学ズーム選択を適用した。レーザー強度、ピンホール、およびゲイン設定を試料セット間で一定に保つことで、試料間の相対的な蛍光強度測定の比較が可能になった。Zen2009ソフトウェアを使用して、画像を捕捉し処理した。
【0298】
動的光散乱(DLS)を使用して粒子の流体力学的直径を測定するNano ZS Zetasizer(Malvern Instruments、ウスターシャー、英国)を使用して、サイズ(流体力学的直径)、多分散指数、およびゼータ(ζ)電位の測定を製剤に対して実行した。製剤のアリコートを水で20倍希釈し、100μLおよび1000μLの各製剤を、それぞれサイズおよびゼータ電位の測定のために調製した。測定を3回実行した。
【0299】
In vitro拡散セル試験-ロイヤル大学病院、サスカチュワン大学(サスカトゥーン、サスカチュワン州、カナダ)において選択的乳房形成手術を受ける女性ドナーから、全層ヒト乳房皮膚を得た。サスカチュワン大学のヒト試験倫理委員会から、皮膚採取のための承認を得た。皮膚を術後2時間以内に採取して皮下脂肪を切り取り、使用まで-20℃で保管した。9mmのオリフィス直径(0.63cm)を有するインライン型Bronaughフロースルー拡散セルを、遮水セルウォーマー(PermeGear,Inc.、ヘラータウン、ペンシルバニア州)に搭載し、32℃の一定温度に設定した。予め切断した1cm2皮膚切片を、角質層側を上向きにして拡散セルに配置した。37℃の灌流緩衝液(0.05%Naアジドを含む100mMリン酸緩衝液)を、蠕動ポンプを使用して1mL/hの速度で、拡散セルの下半分に循環させた。皮膚の表面に製剤0.1mLを投薬した。24時間のインキュベーション後、皮膚試料をセルから取り除き、洗浄して、分析のために処理した。
【0300】
皮膚分析-拡散セルから皮膚試料を取り除いた後、初めに、皮膚表面に残存する製剤を取り除いた。各皮膚試料を、洗浄プロトコルおよびテープストリッピングプロトコルに供し、残余の結合したクリーム(bound cream)および角質層を次のように取り除いた:皮膚試料を水10mLで3回洗浄し、キムワイプで軽く叩いて水気を取り、半分に分割した。一方の皮膚には、テープストリッピングを2回行い(表面に結合した製剤を除去)、ドライアイス上でOCTコンパウンドに包埋し、凍結切除した。凍結切片を共焦点顕微鏡によって検査した。
【0301】
皮膚試料を、ライカCM1850クライオスタットを用いて10μmの切片へと凍結切片化した。スライド上の切片は無染色のままにした。FITC(495/525)およびローダミン(570/590)用のアルゴンレーザー488とHeNeレーザー543ラインとを使用したZeiss LSM710CLSM、ならびにPlan-Apochromatアポクロマート20x/0.80乾燥対物レンズまたは63x/1.40油浸対物レンズのいずれかを使用して、皮膚切片の共焦点顕微鏡画像を得た。選択された事例において光学ズーム選択を適用した。レーザー強度、ピンホール、およびゲイン設定を試料セット間で一定に保つことで、異なる適用間の相対的な蛍光強度測定の比較が可能になった。Zen2009ソフトウェアを使用して、画像を捕捉し処理した。
【0302】
「無適用」皮膚試料を使用してゲインおよびピンホールの設定を確認し、ノイズおよび自家蛍光バックグラウンドを排除してから、後の適用試料の分析を行った。
【0303】
実施例3.カチオン性浸透促進剤の評価
HA250K+HA10Kの組合せ1mg/mLを製剤化するための第1の方策は、それらをマルチソーム、すなわち次世代の二相性小胞(相乗的浸透型(synergistic enhancer type))に、モノカチオン性、ジカチオン性、またはポリカチオン性のビルディングブロックを用いて取り込むことで、皮膚層への負電荷を帯びたヒアルロン酸のカプセル化および送達を増強することである。これらの製剤の成分を、以下の表Cに示す。
【0304】
【表5】
【0305】
製剤におけるRho-HA250K(赤)およびFITC-HA10K(緑)蛍光の分布を示す、マルチソームに関する共焦点顕微鏡試験を使用して、小胞中のHAカプセル化を分析した(図1Aの画像)。これらの試料中のHAの最終濃度は1mg/mLであった。共焦点顕微鏡によるプロファイルトレーシングにより、製剤F1、F2、およびF3について赤色Rho-HA250Kおよび緑色FITC-HA10Kと小胞との関連性を確認した(図1A、トレース)。選択された面に沿って小胞をトレースする蛍光強度(FI)の曲線は、赤色および緑色蛍光の共局在化を示すことから、2つの異なる分子量のHAの共カプセル化が認められる。光学顕微鏡により撮影された製剤の画像は、各型の製剤についてマルチソーム(次世代の二相性小胞)の形成を示していた(図1B)。系A(サブミクロンエマルジョン成分および二相性小胞)に対しZetasizer試験を実行した(図1C)。これらの製剤は多分散性であり、全体として0.3~10μmの間の範囲の小胞サイズを有することが示された。Zetasizerデータは、顕微鏡観察による一貫した結果を示す(図1B)。これはマルチソームに特有である。F1、F2、およびF3のゼータ電位は、それぞれ+33.6±0.6、+13.0±0.71、および-5.78±0.31であった。後続の実施例に記載される他の製剤では、同様のデータを観察した(データは示さず)。
【0306】
マルチソーム製剤の物理化学的特性を、色、粘稠性、および均質性について評価した。製剤はすべて、局所適用に好適なローション剤またはクリームの粘稠性であった。製剤は、4℃で3か月を超える保管の間、分離、沈殿、または他の安定性に係る問題の徴候を示すことなく、物理的に安定していた。顕微鏡観察により、マルチソームは保管時に無傷のままであり、かつ均一に分布したことを確認した。同様の観察を、後続の実施例に記載される他の製剤に対して行った(データは示さず)。
【0307】
蛍光標識されたHAを含有する局所用製剤を拡散セル中でin vitroで適用したヒト皮膚試料の凍結切片を、蛍光タンパク質の存在について評価した。3つのカチオン性小胞ビルディングブロックを利用する3つの基本的な小胞製剤(表C)を用いた場合の、(負電荷を帯びた)HA化合物の送達増強を示す。
【0308】
これらの試験により、3つのカチオン性製剤すべてがHA送達を増加させたことを認めた(表D、図2)。増強の順序は、ジカチオン性製剤、モノカチオン性製剤、ポリカチオン性製剤の順であった。
【0309】
【表6】
【0310】
実施例4.ヒアルロン酸濃度および追加の化粧品成分の存在の評価
次に、基本的な小胞製剤におけるHA濃度の効果を評価した。この効果を評価するべく、1mg/mLおよび1.5mg/mLの250kDaおよび10kDaのヒアルロン酸(組み合わせたHAの総重量、各分子量の質量は同等)、ならびに1mg/mLおよび1.5mg/mLの250kDaおよび50kDaヒアルロン酸(組み合わせたHAの総重量、各分子量の質量は同等)を、表Eで提供される製剤中で調製した。さらに、1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ゲルから作製した、表Eの製剤E11およびE12によるHAの溶液またはゲル製剤を調製した。
【0311】
【表7】
【0312】
実施例2に提供されるヒト皮膚への投与後、以下の表Fで示される結果を得た。製剤E1対E2および製剤E4対E5の比較(表F、図3A~3C)により示されるように、総濃度1mg/mL~1.5mg/mLのHA250/10KまたはHA250/50Kの小胞製剤の濃度の増加は、送達を増加させ、特にHA250K成分の増加から明白である。化粧小胞製剤を得るためのさらなる最適化により、これらの変化は送達に影響しなかったことが認められ、製剤E2対E3およびE5対E6を参照されたい(表F、図3A~3C)。
【0313】
製剤E7、E8、E9、およびE10の比較(表F、図3A~3C)により、これらの組成物は他の製剤と比較して送達の増強を達成しなかったことが示される。製剤E7およびE10(表7、図3A~3C)では、ポリカチオン性およびモノカチオン性の薬剤をともに使用する方策は、モノカチオン性薬剤単独での使用と比較して送達が減少した。HA250/10Kまたは250/50Kが「遊離」(カプセル化されていない)形態で取り込まれたゲル製剤(表F、図3A~3Cの製剤E11およびE12)は、非常に低い/ごくわずかな送達レベルを示した。
【0314】
すべての多相性小胞製剤では、溶液またはゲル製剤のHAと比較して送達が増強された。多相性小胞の製剤設計の差から、HA送達は調節可能であることが示された。
【0315】
【表8】
【0316】
さらに、Lipovol GBT(トリベヘニン)またはニコチン酸ベンジルを含んだ製剤を含む、さらなる化粧品特性を有するマルチソーム組成物を評価した。250/10kDaおよび250/50kDaの組合せ分子量を有するヒアルロン酸について、これらの成分の経皮浸透に対する効果を評価した。試験した製剤は、以下の表Gに示す。
【0317】
【表9】
【0318】
実施例2において提供されるようなヒト皮膚への投与により、以下の表Hで示される結果を得た。
【0319】
【表10】
【0320】
薬用化粧品効果のために添加した成分を有する組成物の送達効率の比較により、トリベヘニンおよびニコチン酸ベンジル(BN)が送達に影響を及ぼすことが示された。例えば、HA250/10K製剤の送達について、G1対G2(表H)ならびに製剤G3およびG4(表Hおよび図4A~4B)は、Tの有無に関わらずBNが送達を増強したことを示す。
【0321】
製剤G5およびG7(表H)ならびに製剤G6およびG8(表Hおよび図4A~4B)を比較すると、トリベヘニン単独(BNなし)の有無は送達に影響を及ぼさなかったが、トリベヘニンが存在しないとき、BNは送達を増強したことを示すことから、トリベヘニンがBN増強送達の効果を阻害することを意味し得る。トリベヘニンがない状態で、BNが送達を増加させることを示す製剤G7およびG8(表Hおよび図4A~4B)を比較する場合でもこれは顕著である。
【0322】
製剤G4およびG8(表Hおよび図4A~4B)を比較すると、トリベヘニンを使用せずにBNを使用することが、HA250/10Kまたは250/50Kの組合せの両方を送達するのに好ましい製剤であり、全体的に200%の効率増加を伴うことに留意されたい。
【0323】
試験したが、HA250/50Kを送達するのにあまり有効でないことが見出された別の製剤組成物は、リン脂質成分を別のタイプのリン脂質で置き換えた場合の製剤G9(表H)であった。さらに、脂質相成分の濃度の増加、ならびに250kDa、50kDa、および10kDa MWそれぞれのヒアルロン酸(製剤G10;表H)の包含も有効性が低いことを見出した。例えば、表HのG10ならびに表FのE2およびE5を比較されたい。
【0324】
さらに、同じ全体組成を有する等価な製剤の異なるセットからの2つの異なるHA mwtの組合せ250/10Kまたは250/50Kの送達において、実質的な差はなかった。例えば、G13対G5およびG3対G7を参照されたい。
【0325】
表FおよびHにおいて、Ch1/Ch2蛍光値の比率もまた、様々な製剤を適用した皮膚試料について示す。類似の比は、FITC-HA10またはFITC-HA50KおよびRho-HA250Kの送達が、マルチソーム製剤中のこれら2つの活性物質の元の比率に類似しており、すなわち、それらが同時に同程度送達されることを示す。より低い比率は、HA250K成分の送達がより小さなポリマーと比較してさらに増強されることを示す。
【0326】
実施例5.1つ以上のペプチドの浸透を促進するマルチソーム製剤の評価
この作業の目的は、次世代二相性小胞製剤(マルチソーム)における1つ以上のペプチドの皮膚浸透特性を調査することである。本明細書中に提供されるペプチドの全て(例えば、配列番号1~51)は、脂質小胞送達組成物を製剤化する目的で、同様の特性(例えば、同様のサイズ、立体配座、電荷など)を有する。
【0327】
異なる製剤を有するマルチソーム型小胞を、約2mg/mLの負荷濃度で1つ以上のペプチドを用いて調製する。製剤を物理化学的特性について特性付けをした。
【0328】
多相性小胞製剤を用いてin vitro拡散セル試験を行い、研究所での質量分析によるさらなる分析のために経皮画分を収集する。
【0329】
全体として、結果は、1つ以上の好適なペプチドを含有する多相性小胞クリーム製剤が、皮内/経皮送達のために調製され得ることを示す。
【0330】
これらの実験の具体的な目的は、開発された様々な製剤からの1つ以上のペプチドの皮膚送達を評価することである。具体的な目的を達成するための工程を、以下のとおりである:1)ヒト皮膚を介した1つ以上のペプチドの取込みを、およびヒト皮膚を拡散セル(例えば、Bronaugh型インライン拡散セル)を用いて実験において評価する。1つ以上のペプチドを含有する製剤を皮膚試料に適用し、皮膚を通る浸透を質量分析によって経皮画分において評価する、2)参照として溶液中の1つ以上のペプチドの遊離ペプチドを比較のために使用し、ブランクビヒクルを対照として使用する、3)経皮断片を分析のために定期的に収集する、4)画分をプールして濾過(例えばポール濾過)によって濃縮し、研究所での分析のために輸送する。
【0331】
材料および方法
製剤:複数の/相乗的な浸透促進剤を有する二相性小胞(マルチソーム)-異なる小胞を製剤化し、さらなる試験を行うために選択製剤を選択する。製剤開発のために、配列番号21~39を含む1つ以上のペプチドを使用する。拡散セル実験については、ペプチドを含まないマルチソーム、および1つ以上のペプチドを含むマルチソームを使用する。製剤のpHは6.0~7.0である。
【0332】
物理化学的特徴付け-製剤を特徴付けるために、有機受容観察、光学顕微鏡法および共焦点顕微鏡法を実施する。
【0333】
動的光散乱(DLS)機器、例えば、Zetasizer NanoZS(Malvern Instruments、ウースタシャー、英国)を使用して、サイズ(流体力学的直径)、多分散指数、およびゼータ(ζ)電位の測定を、非標識ペプチドで調製した製剤に対して実行する。80μL製剤のアリコートを粒径分布について評価し、続いてゼータ電位測定のために水で10×希釈する。測定を3回実行する。
【0334】
In vitro拡散セル試験-承認された販売業者から全層ヒト乳房皮膚を得る。得られた皮膚試料は、使用まで約20℃で保管する。
【0335】
in vitroでの切除したヒト皮膚への製剤からのペプチド吸収を、拡散セル、例えば、約0.6cmの露出表面積を有する直径9mmのBronaugh型テフロンフロースルー拡散セル(PermeGear,Inc.、ヘラータウン、ペンシルバニア州)を使用して評価する。循環水浴ヒーターによって、セルホルダーを約32℃で維持する。灌流流体、例えば、37℃に維持した0.05%アジ化ナトリウムを含む脱気リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液pH7.2を流速1mL/hで拡散セル内で使用する。皮膚試料を冷凍庫から取り出し、約1cm×1cmの正方形片に切断し、表皮を上にして拡散セルに取り付ける。1つ以上のペプチドを含むマルチソーム製剤または対照ブランク製剤を皮膚にt=0で適用し、セルをテフロンキャップで覆って閉塞させる。適用を定期的に実施し、プログラムされた画分収集器を用いて経皮画分を組織培養チューブに収集する。
【0336】
経皮画分分析-24時間の分析のために、経皮断片を定期的に、例えば、24時間にわたり1時間毎に収集する。分析のために試料を研究所に送る。
【0337】
拡散セル試験の皮膚試料を通常のプロトコルによって洗浄して、残余の結合したクリームを取り除き、すなわち、皮膚試料を拡散セルから取り出し、水で洗浄した後、キムワイプで軽く叩いて水気を取る。洗浄した皮膚ディスクを約-20℃で保管する。
【0338】
結果および検討
マルチソーム製剤の最適化および特徴付け
製剤はすべて、局所適用に好適なローション剤またはクリームの粘稠性である。製剤は、4℃での1か月を超える保管の間、分離、沈殿、または他の安定性の問題の徴候を示すことなく、物理的に安定である。
【0339】
光学顕微鏡画像で示されるように、これらの製剤は幅広い小胞サイズの多分散性であることが認められる。顕微鏡観察により、1つ以上のペプチド含有製剤およびブランク(ペプチドなし)製剤について、典型的な二相性小胞形態を有するマルチソームの形成および製剤全体にわたる小胞の均一な分布を確認した。
【0340】
1つ以上のペプチド含有製剤のそれぞれは、それらのそれぞれのブランク製剤と比較してサイズ分布に関して類似していたが、全体的に、ブランク製剤は、ペプチド製剤と比較してサイズ分布がより狭い。Zetasizerデータは、マルチソームに特有の、顕微鏡観察と一致する結果を示す。
【0341】
脂質小胞製剤を1つ以上のペプチドで調製し、皮膚試料に適用する。各製剤のブランクバージョンを対照として調製し、水中の1つ以上のペプチドの溶液を追加の対照として調製する。各製剤を3回試験し、ブランク製剤、いずれの製剤も適用されていない皮膚、および遊離の非封入ペプチドとしての1つ以上のペプチドの溶液を、分析のためのバックグラウンド画分(background fractions)に使用する。
【0342】
拡散セル試験-ペプチドの経皮送達
この試験では、研究所での質量分析によるさらなる分析のために、経皮画分を収集した。拡散セル中で適用された直径皮膚ディスクを通して送達された1つ以上のペプチドの総量(Qt(24時間))および各製剤の送達速度を測定する。
【0343】
これらの試験により、マルチソーム製剤の全てが、1つ以上のペプチドをヒト皮膚内に深く送達し、ヒト皮膚を通してin vitroで送達することが認められる。
【0344】
これらの試験により、マルチソーム製剤中の1つ以上のペプチドが、マルチソーム製剤中にないペプチドまたは例えばパルミトイルを含むように末端修飾されたペプチドと比較して、in vitroでヒト皮膚内およびヒト皮膚を通してより深く送達されることがさらに認められる。
【0345】
実施例6.顔への適用についてプラセボと比較したペプチドの安全性および有効性の評価
本開示の1つ以上のペプチドの脂質小胞製剤を、ランダム化二重盲検のヒト臨床試験におけるプラセボと比較した顔のしわ(皮膚のしわ)および眉間のしわの顔への適用についての安全性および有効性について試験する。ある量の1つ以上のペプチドまたはプラセボ(ブランク脂質小胞)を、1日目に対象の両側の前頭部および眉間のしわ領域に対して適用した。
【0346】
主要転帰:最大眉上げ時の前頭部のしわにおける写真数値化ガイド(FWS)を用いた顔のしわスケール(Facial Wrinkle Scale)の治験責任医師評価によるスコアなしまたは軽度のスコアを達成する参加者の割合。
【0347】
30日目に、写真数値化ガイドを用いた4段階の顔のしわスケール(FWS):0=なし、1=軽度、2=中等度、または3=重度、を使用して、対象の最大眉上げ時の前頭部のしわの程度を評価する。スコアなしまたは軽度の参加者のパーセンテージを判定する。
【0348】
主要転帰:最大眉上げ時の前頭部のしわにおける写真数値化ガイド(FWS)を用いた顔のしわスケール(FWS)の対象評価による、スコアなしまたは軽度のスコアを達成する参加者の割合。
【0349】
また、30日目に、対象は、写真数値化ガイドを用いた4段階の顔のしわスケール(FWS):0=なし、1=軽度、2=中等度、または3=重度、を使用して、最大眉上げ時の前頭部のしわの程度を評価し、スコアなしまたは軽度の参加者のパーセンテージを判定する。
【0350】
副次的転帰:前頭部のしわの外観の満足度の対象評価(参加者評価)による、満足または非常に満足を達成する参加者の割合。
【0351】
30日目に、参加者は、5段階スケール:1=非常に不満、2=不満、3=どちらでもない、4=満足、または5=非常に満足、を使用して、自身の前頭部のしわ領域の外観に対する全体的な満足度を評価する。満足または非常に満足と評価した参加者のパーセンテージを判定する。
【0352】
副次的転帰:安静時の前頭部のしわにおける治験責任医師評価FWSによる、ベースラインからの=1グレード改善を伴う参加者の割合。
【0353】
ベースライン時および30日目に、治験責任医師は、4段階のFWS:0=なし、1=軽度、2=中等度、または3=重度、を使用して、安静時の対象の前頭部のしわの程度を評価する。ベースラインからの=1グレード改善を伴う参加者のパーセンテージを判定する。
【0354】
副次的転帰:安静時の前頭部のしわにおける対象評価FWSによるベースラインからの=1グレード改善を伴う参加者の割合。ベースライン時および30日目に、参加者は、4段階のFWS:0=なし、1=軽度、2=中等度、または3=重度、を使用して、安静時の自身の前頭部のしわの程度を評価する。ベースラインからの=1グレード改善を伴う参加者のパーセンテージを判定する。
【0355】
実施例7.脂質小胞製剤の開発
複数の/相乗的な浸透促進剤を有する二相性小胞(マルチソーム)を、異なるヒアルロン酸(250Kおよび50K)ならびに様々な他の高分子量機能性成分およびペプチドと共に製剤化した。本開示で提供されるものなどの追加の成分も添加した。製剤開発のために、非標識HAを使用した。拡散セルの実験のために、小胞を蛍光標識HA(Creative PEGWorksによるローダミンHA250KおよびFITC-HA50K)で調製した。
【0356】
マルチソーム調製のための基本手順は、実施例1で提供される手順に従った。小胞製剤のための基本手順は、実施例1で提供される手順に従った。ここで、水相(系A)を迅速な添加で一度に液相に添加した。バッチサイズに応じて、均一なクリーム状のローション剤が生じるまで、混合物を8~10サイクルにわたり5秒間のボルテックスと5秒間の加熱を断続的に行うか、またはプロペラミキサーを用いて高速で10~20分間混合し、続いて生成物が室温に冷却するまで低速混合した。
【0357】
ヒアルロン酸(HA)を有する様々な機能的成分の組合せ/パック(FIP)(HA+FIP)を設計した。いくつかの実施形態では、HAは、高分子量および低分子量のHAを有するHA溶液を含む。いくつかの実施形態では、HA溶液は、HA250およびHA50を含む。いくつかの実施形態では、HA250/50の重量比は、2:1または1:1であった。いくつかの実施形態では、HA250/50を含むHA溶液は、約1mg/g~約3mg/gの総量で存在した。いくつかの実施形態では、HA250/50を含むHA溶液は、約1mg/g~約1.5mg/g、約1mg/g~約2mg/g、約1mg/g~約2.5mg/g、約1mg/g~約3mg/g、約1.5mg/g~約2mg/g、約1.5mg/g~約2.5mg/g、約1.5mg/g~約3mg/g、約2mg/g~約2.5mg/g、約2mg/g~約3mg/g、または約2.5mg/g~約3mg/gの総量で存在した。いくつかの実施形態では、HA250/50を含むHA溶液は、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、または約3mg/mLの総量で存在した。いくつかの実施形態では、HA250は、約0.5mg/g~約1.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA250は、約0.5mg/g~約1mg/g、約0.5mg/g~約1.5mg/g、または約1mg/g~約1.5mg/gの総量で存在した。いくつかの実施形態では、HA250は、約0.5mg/g、約1mg/g、または約1.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA50は、約0.5mg/g~約1.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA50は、約0.5mg/g~約1mg/g、約0.5mg/g~約1.5mg/g、または約1mg/g~約1.5mg/gの総量で存在した。いくつかの実施形態では、HA50は、約0.5mg/g、約1mg/g、または約1.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態において、FIP+HAは低MWポリグルタミン酸、高MWポリグルタミン酸、またはその両方(例えば、Hyafactor(商標)PGA)をさらに含んだ。いくつかの実施形態では、低MWポリグルタミン酸、高MWポリグルタミン酸、またはその両方は、約0.5mg/g~約1.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、低MWポリグルタミン酸、高MWポリグルタミン酸、またはその両方は、約0.5mg/g~約1mg/g、約0.5mg/g~約1.5mg/g、または約1mg/g~約1.5mg/gの総量で存在した。いくつかの実施形態では、低MWポリグルタミン酸、高MWポリグルタミン酸、またはその両方は、約0.5mg/g、約1mg/g、または約1.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、FIP+HAは、グルコサミンリン酸(例えばNovHyal(商標))を含む炭水化物またはその許容可能な塩をさらに含んだ。いくつかの実施形態では、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩は、液体形態で存在した。いくつかの実施形態では、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩は、約1mg/g~約3mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩は、約1mg/g~約2mg/g、約1mg/g~約3mg/g、または約2mg/g~約3mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩は、約1mg/g、約2mg/g、約3mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA+FIPは架橋HA(例えば、Hyacross(商標))をさらに含む。いくつかの実施形態では、架橋HAは、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマーを含む。いくつかの実施形態では、架橋HAを含む添加剤は水をさらに含む。いくつかの実施形態では、架橋HAを含む添加剤はペンチレングリコールをさらに含む。いくつかの実施形態では、架橋HAはゲルとして存在した。いくつかの実施形態では、架橋HAは、約0.05mg/g~約5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、架橋HAは、約0.05mg/g~約0.1mg/g、0.05mg/g~約0.2mg/g、約0.05mg/g~約0.5mg/g、約0.05mg/g~約1mg/g、約0.05mg/g~約5mg/g、約0.1mg/g~約0.2mg/g、約0.1mg/g~約0.5mg/g、約0.1mg/g~約1mg/g、約0.1mg/g~約5mg/g、約0.2mg/g~約0.5mg/g、約0.2mg/g~約1mg/g、約0.2mg/g~約5mg/g、約0.5mg/g~約1mg/g、約0.5mg/g~約5mg/g、または約1mg/gから約5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、架橋HAは、約0.05mg/g、約0.1mg/g、約0.2mg/g、約0.5mg/g、約1mg/g、または約5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA+FIPは異性化糖(例えば、Hyanify(商標))をさらに含む。いくつかの実施形態では、異性化糖は、約1mg/g~約10mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、異性化糖は、約1mg/g~約5mg/g、約1mg/g~約10mg/g、または約5mg/g~約10mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、異性化糖は、約1mg/g、約5mg/g、または約10mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA+FIPはコラーゲンをさらに含んだ。いくつかの実施形態では、コラーゲンはヒトコラーゲンであった。いくつかの実施形態では、コラーゲンはヴィーガンコラーゲン(例えば、HumaColl21(登録商標))であった。いくつかの実施形態では、コラーゲンは粉末形態にあった。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.1mg/g~約0.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.1mg/g~約0.2mg/g、約0.1mg/g~約0.5mg/g、または約0.2mg/g~約0.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、約0.1mg/g、約0.2mg/g、または約0.5mg/gの量で存在した。いくつかの実施形態では、HA+FIPは、HA250/50と、低MWポリグルタミン酸と、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩とを含むHA溶液を含む。いくつかの実施形態では、HA+FIPは、HA250/50、低MWポリグルタミン酸、高MWポリグルタミン酸、架橋HA、および異性化糖を含むHA溶液を含む。いくつかの実施形態では、HA+FIPは、HA250/50と、低MWポリグルタミン酸と、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩と、コラーゲンとを含むHA溶液を含む。いくつかの実例では、HA250/50は比率が1:1であった。いくつかの実例では、HA250/50は比率が2:1であった。いくつかの実施形態では、HA+FIPは、HA250/50と、低MWポリグルタミン酸と、高MWポリグルタミン酸と、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩と、コラーゲンとを含むHA溶液を含む。いくつかの実施形態では、HA+FIPは、HA250/50と、低MWポリグルタミン酸と、高MWポリグルタミン酸と、グルコサミンリン酸を含む炭水化物またはその許容可能な塩と、架橋HAと、コラーゲンとを含むHA溶液を含む。非標識および蛍光標識の製剤を含む、異なるHA250/50比率を評価した。これらのFIPを有する製剤を小胞形成について評価し、最初にペプチドなしで、次いで配列番号1~51の1つ以上などのペプチドを有する様々なFIPのカプセル化も製剤に含めた。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドは末端修飾されなかった。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドを、0.001~0.1mg/mLの量で添加した。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドを、約0.001mg/mL~約0.005mg/mL、約0.001mg/mL~約0.01mg/mL、約0.001mg/mL~約0.02mg/mL、約0.001mg/mL~約0.05mg/mL、約0.001mg/mL~約0.08mg/mL、約0.001mg/mL~約0.1mg/mL、約0.005mg/mL~約0.01mg/mL、約0.005mg/mL~約0.02mg/mL、約0.005mg/mL~約0.05mg/mL、約0.005mg/mL~約0.08mg/mL、約0.005mg/mL~約0.1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.02mg/mL、約0.01mg/mL~約0.05mg/mL、約0.01mg/mL~約0.08mg/mL、約0.01mg/mL~約0.1mg/mL、約0.02mg/mL~約0.05mg/mL、約0.02mg/mL~約0.08mg/mL、約0.02mg/mL~約0.1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.08mg/mL、約0.05mg/mL~約0.1mg/mL、約0.08mg/mL~約0.1mg/mLの量で添加した。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドを、約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.08mg/mL、または約1mg/mLの量で添加した。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドのそれぞれを、約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.08mg/mL、または約1mg/mLの量で添加した。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチドを、約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.05mg/mL、約0.08mg/mL、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、または約0.5mg/mLの総量で添加した。
【0358】
様々な水相(系A)を設計してHA+FIP製剤の調製に使用した。いくつかの実施形態では、水相はカプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリド(例えば、Labrafac(商標)CC)を含んでいた。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、約1%~約10%の量で存在する。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、約1%~約2%、約1%~約5%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約5%、約2%~約8%、約5%~約10%、約2%~約8%、約5%~約10%、または約8%~約10%の量で存在した。いくつかの実施形態では、カプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリドは、約1%、約2%、約5%、約8%、または約10%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相はモノステアリン酸グリセリル(例えば、モノステアリン酸グリセリルNE)を含んでいた。いくつかの実施形態では、モノステアリン酸グリセリルは、約0.5%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、モノステアリン酸グリセリルは、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約1%~約1.2%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1.2%~約1.5%、約1.2%~約2%、または約1.5%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、モノステアリン酸グリセリルは、約0.5%、約1%、約1.2%、約1.5%、または約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相は脂肪族アルコールを含んでいた。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールはセチルアルコールであった。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.1%~約1%の量で存在した。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約1%、約0.5%~約0.6%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約1%、約0.6%~約0.7%、約0.6%~約1%、または約0.7%~約1%の量で存在した。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールは、約0.1%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、または約1%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相はワックスを含んでいた。いくつかの実施形態では、ワックスはミツロウ(例えば、HumaColl21(商標))BB4であった。いくつかの実施形態では、ワックスはヴィーガンワックス(例えば、SynchrowaxSB1(商標))であった。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.1%~約0.6%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.6%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.6%、約0.3%~約0.4%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.6%、約0.4%~約0.5%、約0.4%~約0.6%、または約0.5%~約0.6%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ワックスは、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、または約0.6%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相はシリコン油を含んでいた。いくつかの実施形態では、シリコン油はジメチコン(例えば、ジメチコン200CST)であった。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.5%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約1%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、シリコン油は、約0.5%、約1%、または約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相は、脂肪族アルコールのPEGエーテルを含んでいた。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル(例えば、super refined Brij(登録商標)O2)であった。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約1%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールのPEGエーテルは、約0.5%、約1%、または約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相はカチオン性界面活性剤を含んでいた。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸(例えば、Arlasilk(商標)EFA)を含んでいた。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約20%の量で存在した。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約20%、約5%~約10%、約5%~約20%、または約10%~約20%の量で存在した。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約1%、約5、約%、約10%、または20%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相は防腐剤(例えば、Spectrastat)を含んでいた。いくつかの実施形態では、防腐剤は、カプリルヒドロキサム酸/カプリリルグリコールを含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、約1%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、防腐剤は、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1.5%~約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、防腐剤は、約1%、約1.5%、または約2%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相はポリソルベートを含んでいた。いくつかの実施形態では、ポリソルベートはポリソルベート80(例えば、Tween80)であった。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.5%~約1%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.8%~約1%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、約0.5%、約0.8%、または約1%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相はビタミンを含んでいた。いくつかの実施形態では、ビタミンはナイアシンアミドであった。いくつかの実施形態では、ビタミンはビタミンC誘導体(例えば、K3 Vita-C)であった。いくつかの実施形態では、ビタミンは、約0.5%~約4%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ビタミンは、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約3.2%、約0.5%~約4%、約0.8%~約1%、約0.8%~約2%、約0.8%~約3%、約0.8%~約3.2%、約0.8%~約4%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約3.2%、約1%~約4%、約2%~約3%、約2%~約3.2%、約2%~約4%、約3%~約3.2%、約3%~約4%、または約3.2%~約4%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ビタミンは、約0.5%、約0.8%、約1%、約2%、約3%、約3.2%、または約4%の量で存在した。いくつかの実施形態では、水相は精製水を含んでいた。いくつかの実施形態では、水相はカプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、脂肪族アルコール、ミツロウ、シリコン油、脂肪族アルコールのPEGエーテル、カチオン性界面活性剤、防腐剤、および精製水を含んでいた。いくつかの実施形態では、水相はカプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、脂肪族アルコール、ヴィーガンミツロウ、シリコン油、脂肪族アルコールのPEGエーテル、ポリソルベート、カチオン性界面活性剤、防腐剤、および精製水を含んでいた。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤の濃度を倍にした。いくつかの実施形態では、水相はカプリル酸および/またはカプリン酸トリグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、脂肪族アルコール、ヴィーガンミツロウ、シリコン油、脂肪族アルコールのPEGエーテル、ポリソルベート、カチオン性界面活性剤、ビタミン、防腐剤、および精製水を含んでいた。いくつかの実施形態では、ビタミンは2つのビタミンを含んでいた。
【0359】
様々なリン脂質相を設計してHA+FIP製剤の調製に使用した。植物ステロールおよびコレステロール、2,3-ブタンジオールおよびプロピレングリコールのバリエーションならびにリン脂質濃度のバリエーションを設計した。いくつかの実施形態では、リン脂質相はリン脂質を含んでいた。いくつかの実施形態では、リン脂質は水素化ホスファチジルコリン(例えばSunlipon(登録商標)90H)であった。いくつかの実施形態では、リン脂質は、約5%~約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、リン脂質は、約5%~約7%、約5%~約10%、約5%~約10.5%、約5%~約12%、約7%~約10%、約7%~約10.5%、約7%~約12%、約10%~約10.5%、約10%~約12%、または約10.5%~約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、リン脂質は、約5%、約7%、約10%、約10.5%、または約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、リン脂質相はステロールを含んでいた。いくつかの実施形態では、ステロールはコレステロールを含んでいた。いくつかの実施形態では、ステロールはヴィーガンステロール(例えば、フィトステロールMM)であった。いくつかの実施形態では、ステロールは、約1%~約3%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ステロールは、約1%~約1.5%、約1%~約1.7%、約1%~約2%、約1%~約2.4%、約1%~約2.6%、約1%~約3%、約1.5%~約1.7%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.4%、約1.5%~約2.6%、約1.5%~約3%、約1.7%~約2%、約1.7%~約2.4%、約1.7%~約2.6%、約1.7%~約3%、約2%~約2.4%、約2%~約2.6%、約2%~約3%、約2.4%~約2.6%、約2.4%~約3%、または約2.6%~約3%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ステロールは、約1%、約1.5%、約1.7%、約1.73%、約2%、約2.4%、約2.6%、または約3%の量で存在した。いくつかの実施形態では、リン脂質相はプロピレングリコールを含んでいた。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約5%~約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約5%~約7%、約5%~約10%、約5%~約10.5%、約5%~約12%、約7%~約10%、約7%~約10.5%、約7%~約12%、約10%~約10.5%、約10%~約12%、または約10.5%~約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、約5%、約7%、約10%、約10.5%、または約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、リン脂質相はブタンジオールを含んでいた。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは2,3-ブタンジオール(例えば、GreenDiol(商標))であった。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約5%~約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約5%~約7%、約5%~約10%、約5%~約10.5%、約5%~約12%、約7%~約10%、約7%~約10.5%、約7%~約12%、約10%~約10.5%、約10%~約12%、または約10.5%~約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、ブタンジオールは、約5%、約7%、約10%、約10.5%、または約12%の量で存在した。いくつかの実施形態では、リン脂質相は、リン脂質、ヴィーガンステロール、およびプロピレングリコールを含んでいた。いくつかの実施形態では、リン脂質相は、リン脂質、ヴィーガンステロール、および2,3-ブテンジオールを含んでいた。いくつかの実施形態では、リン脂質相は、リン脂質、コレステロール、およびプロピレングリコールを含んでいた。いくつかの実施形態では、リン脂質相は、同じ量のリン脂質、ステロール、プロピレングリコール、ブタンジオール、またはそれらのあらゆる組合せを含んでいた。
【0360】
リン脂質相、水相(系A)、およびHA+FIP製剤の様々な組合せを調製した。実験で調製した様々な組合せは表Iで提供される。
【0361】
【表11-1】
【0362】
【表11-2】
【0363】
表Iは、調製し、かつ化粧用特性、FIPのカプセル化、およびin vitroのヒト皮膚内へのHA250/50成分の送達について評価した様々な非蛍光性および蛍光性の製剤の組成物を示す。
【0364】
製剤の特徴付け
【0365】
製剤の特徴付けおよび分析の方法は、生理化学的特徴付け、in vitroの拡散セル試験、および皮膚分析を含む、実施例2で概説された方法に従った。目的は、HAおよび他の機能性成分の様々な組合せならびに数をカプセル化し、マルチソームへの充填に限界があるかどうかを決定し、好適な化粧品のための様々な組合せの可能性を評価することであった。
【0366】
製剤中のRho-HA250K(赤色)およびFITC-HA50K(緑色)蛍光の分布を示すマルチソームの共焦点顕微鏡試験を用いて、小胞中のHAカプセル化を分析し、量が増加する他の機能的成分の存在がカプセル化の比率に影響を及ぼすかどうかを決定した。共焦点顕微鏡プロファイルトレースにより、小胞との赤色Rho-HA250Kおよび緑色FITC-HA50Kの関連付けを確認した(図7A~7CのパネルA)。選択された面に沿った小胞をトレースする蛍光強度(FI)の曲線は、赤色および緑色蛍光の共局在化を示し、これは2つの異なる分子量のHA(HA250KおよびHA50K)の共カプセル化を示す。図7Dは、製剤の非カプセル化HA+FIPプロファイルの参照としてHA+FIP HA4+P2と予備形成された二相性小胞の単純な混合を示す。
【0367】
共焦点顕微鏡蛍光トレース図の隣に各製剤についての光学顕微鏡画像を示す(図7A~7DのパネルB)。これらの画像は、各タイプの製剤のマルチソーム(次世代二相性小胞)の形成を示す。F1-F6COSM5NCが選択された場合では、製剤のスケーラビリティは、様々なバッチサイズ(0.5g、5g、100g、5000g)で示される(図7C)。
【0368】
製剤中で使用される各系A(サブミクロンのエマルジョン構成成分)についてのZetasizer測定を定期的に実施し、およそ400nm未満の平均粒度範囲を確認した。マルチソーム製剤の物理化学的特性を、色、粘稠性、および均質性、ならびに二相性小胞形成について評価した。製剤はすべて、局所適用に好適なローション剤またはクリームの粘稠性であった。概して、製剤は、4℃および室温での3か月を超える保管の間、分離、沈殿、または他の安定性問題の徴候を示すことなく、物理的に安定であった。顕微鏡観察により、マルチソームが保管中無傷のままであり、かつ均一に分布したことを確認した。
【0369】
送達の特徴付け
【0370】
蛍光標識されたHA250/50Kを含有する局所用製剤を用いて拡散セル中でin vitroで処置したヒト皮膚試料の凍結切片を、蛍光タンパク質の存在について評価した。(負に荷電した)HA化合物の送達の増強は、様々な製剤について示される。これらの試験により、全体として多相性小胞が有意な量のHA+FIPをヒト皮膚内に送達することが認められた。送達効率のいくつかの態様を評価した。
【0371】
最初に、HA250/50濃度の効果を評価した。1.5mg/g(HA250/50 1/0.5mg/g)から2mg/g(HA250/50 1/1mg/g)小胞製剤へのHA250/50K総濃度の増加は、フィトステロールおよびコレステロール含有製剤の両方についてHAの送達を増加させた(図8A~8B)。製剤を含有するそれぞれのコレステロールは、製剤を含有するフィトステロールと比較して、HAの両方の比率について増加した送達を示した。
【0372】
FIPの数の増加は、HA5-1+P2、HA6+P2、およびHA8+P2をカプセル化するF5P2.5-F6COSM5V2製剤での処置後の皮膚における蛍光強度を比較することから明らかなように、個々のHAの送達効率を減少させた(図9)。おそらく、増加するFIPの数に比例的なカプセル化が、全体的に各個別成分の量の低下につながっているためである。
【0373】
図10は、プロピレングリコール(上部)または2,3-ブテンジオール(GreenDiol(商標))(下部)のいずれかを用いてマルチソームを製剤化する効果を示す。その製剤は、1/0.5mg/gのHA250/50を有するF5P2.6-F6COSM5V2であった。図10は、2,3-ブテンジオール含有製剤がHA送達を減少させたことを示す。
【0374】
HA+FIPカプセル化およびマルチソーム組成物の最適化後、追加のビタミン成分を含有する製剤F1-F6COSM5NC-HA4-2P(HA250/50 1/0.5mg/gを有する)を開発し、評価した。この製剤は、表面から表皮上層までの皮膚の様々な層を通して一貫して高いHA+FIP送達を示した(図11A~11C)。
【0375】
参照として、ゲル製剤(非小胞対照)も、HA250/50送達についてin vitroで試験した。ゲル製剤は、「遊離」形態のHA+FIP HA5-2(HA250/50 1/1mg/g)を含んでいた。この製剤は、非常に低い~無視できる送達レベルを示し、図12において皮膚の2つの異なる領域に示されている。
【0376】
表Jでは、選択された製剤で処置した皮膚試料について、Rho-HA250およびFITC-HA50の平均蛍光強度(FI)ならびに比率が示されている。HA+FIP HA2+P2と小胞(非カプセル化)との物理的混合に基づく元の比(CH1/CH2比10/80)は0.125であった。製剤中の元の比率と同様の比率は、Rho-HA250KおよびFITC-HA50Kのおおよその同時送達を示す。より低い比率は、HA250K成分の送達がさらに増強されることを示す。
【0377】
多相性小胞製剤はすべて、ゲル製剤中のHAと比較して、送達を増強した。多相性小胞の製剤設計の差異は、HA送達が調節可能であることを示した。
【0378】
【表12】
【0379】
実施例8.皮膚の領域への適用のための脂質小胞製剤開発
実施例7で概して例示される製剤は、眼の周囲の皮膚への適用のために開発される。製剤は、表2から1つ以上のペプチドを含み、それぞれの量は製剤の約0.001%~約0.01%である。いくつかの例では、製剤は表2から4つのペプチドを含む。いくつかの例では、製剤は表2から5つのペプチドを含む。いくつかの例では、製剤は、ブタンジオール、またはプロピレングリコールもしくはブタンジオールの組合せを含む。いくつかの例では、製剤は、防腐剤(例えば、カプリルヒドロキサム酸/カプリリルグリコール)を製剤の約0.4%~約0.6%の量で含む。いくつかの例では、製剤は、本明細書で提供される1つ以上の生物学的抽出物(例えば、花の抽出物、根の抽出物、発酵した細菌からの抽出物など)をさらに含む。いくつかの例では、製剤は、少なくとも1つの生物学的抽出物を含む。いくつかの例では、製剤は、2つの生物学的抽出物を含む。いくつかの例では、製剤は、1つ以上の生物学的抽出物を製剤の約0.02%~0.016%の量で含む。
【0380】
いくつかの実例では、実施例7で概して例示される製剤は、頸部の皮膚への適用のためにさらに開発される。いくつかの例では、製剤は、表2から1つ以上のペプチドを含み、それぞれの量は製剤の約0.001%~約0.01%である。
【0381】
実施例9:皮膚への脂質小胞の適用
実施例7で概して例示される製剤は、個体の皮膚に適用される。製剤は、水(aqua/water/eau)、プロピレングリコール、水素化レシチン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、コレステロール、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸、ナイアシンアミド、ジメチコン、ポリソルベート80、オレス-2、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、リン酸アスコルビルアミノプロピル、ポリグルタミン酸ナトリウム、ステアリン酸グリセリル、セチルアルコール、ペンタペプチド-4、sh-ヘキサペプチド-9 SPアセタート、アセチルグルコサミンリン酸ジナトリウム、グリセリン、合成ミツロウ、酢酸トコフェリル、カプリリルグリコール、およびカプリルヒドロキサム酸を含む。
【0382】
製剤は、毎日朝および午後に個体の皮膚に適用される。いくつかの例では、製剤は、例えば洗浄剤を使用して個体の皮膚を清潔にした後に、適用される。いくつかの例では、製剤は、例えば保湿剤を使用して個体の皮膚を保湿する前に、適用される。
【0383】
製剤の適用前の約30分後、製剤が適用された皮膚は、より潤い、保湿され、滑らかになり、柔らかく、またはそれらのあらゆる組合せの感触がする。1日2回の製剤の皮膚への適用の2週間後、製剤が適用された皮膚は、より潤い、かつ/または柔らかく感じられ、皮膚は、より若々しく見え、かつ/または顔のボリュームが回復され、皮膚の質感は、より滑らかに見え、かつ/または滑らかに感じられ、皮膚の線は、減少し、かつ/または滑らかになり、皮膚はより健康に見え、かつ/またはより若返る、あるいはそれらのあらゆる組合せである。いくつかの例では、製剤は、製剤が適用された皮膚に潤いを与え、目に見えるようにボリュームを回復し、形成し、かつ/または保湿する。
【0384】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態は例としてのみ提供されることが当業者には明らかであろう。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者の心に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその同等物の範囲内の方法および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
【配列表】
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【国際調査報告】