(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】人の屈折値の進行に関するデータを判定するためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241112BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024527065
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022080784
(87)【国際公開番号】W WO2023079062
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/128940
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507062222
【氏名又は名称】カール ツァイス ヴィジョン インターナショナル ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】524167898
【氏名又は名称】カール ツァイス シャンハイ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS SHANGHAI CO. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100230514
【氏名又は名称】泉 卓也
(72)【発明者】
【氏名】マリア ホセ バラッサ ベルナル
(72)【発明者】
【氏名】アーネ オーレンドルフ
(72)【発明者】
【氏名】パブロ サンツ ディエス
(72)【発明者】
【氏名】シエンツァイ フォン
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート ヴァール
(72)【発明者】
【氏名】ティーモ クラッツァー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
本発明は、人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するための処理デバイス(120)、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラム並びに屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのシステム、コンピュータ実施方法(210)及びコンピュータプログラムに関する。ここで、処理デバイス(120)は、- 人に関するデータであって、・人の屈折状態(320)と、・人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、・人に関する少なくとも1つのリスク要因とを含むデータを受信すること、- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定することを行うように構成され、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、人に関するデータと、人の屈折値の進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む。処理デバイス(120)、システム(110)、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムを使用することにより、近視発症及び近視進行(114)の両方の予測が改善され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するための処理デバイス(120)であって、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、判定すること
を行うように構成される処理デバイス(120)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、
- 前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
- 前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含むことを特徴とする処理デバイス(120)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリスク要因は、
・前記人の少なくとも一方の親の屈折状態(322)、
・前記人の行動に関する少なくとも1つのパラメータ
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項1に記載の処理デバイス(120)。
【請求項3】
前記人の前記行動に関する前記少なくとも1つのパラメータは、
・前記人によって近視作業に費やされた第1の時間量(324)、
・前記人によって屋外で費やされた第2の時間量(326)
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項2に記載の処理デバイス(120)。
【請求項4】
前記人に関する前記データは、少なくとも1つのタイプの近視治療(328)をさらに含み、前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)は、
・コンタクトレンズ又は眼鏡レンズから選択される光学レンズ、
・ある用量の薬物、
・屈折矯正手術
の少なくとも1つの適用から選択され、前記屈折状態(320)は、
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値、
・前記少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値
の少なくとも1つから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項5】
前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項6】
- 前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用する第1の線形予測モデルであり、
- 前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)への合計データ入力は、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含み、前記第1の量は、30%~70%であり、及び前記第2の量は、30%~70%であり、前記第1の量と前記第2の量とは、合計で100%になる、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項8】
・複数のさらなる人と比較した前記人のランキング(334)、
・前記人の近視のリスク(338)、
・前記人の高近視のリスク(340)
の少なくとも1つを判定するようにさらに構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項9】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのシステム(110)であって、
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の前記人に関するデータを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェース(116)、
- 処理デバイス(120)であって、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含み、少なくとも1つの出力インターフェース(122)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関するデータを提供するように構成される、判定すること
を行うように構成される処理デバイス(120)
を含むシステム(110)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、
- 前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
- 前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含むことを特徴とするシステム(110)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの出力インターフェースは、
・前記屈折値に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)であって、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに関して提供される少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)、
・前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)の実施を考慮した前記人の屈折値の修正された進行(350)
の少なくとも1つをさらに提供するようにさらに構成される、請求項9に記載のシステム(110)。
【請求項11】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法であって、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信するステップ、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、ステップ
を含むコンピュータ実施方法において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、
- 前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
- 前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含むことを特徴とするコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することは、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法(210)であって、
- 少なくとも1つの入力インターフェース(116)を使用することにより、方法請求項11又は12に記載の前記人に関するデータを受信するステップ、
- 少なくとも1つの処理デバイス(120)を使用することにより、方法請求項11又は12に記載の人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェース(122)を使用することにより、前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを提供するステップ
を含むコンピュータ実施方法(210)。
【請求項14】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行される場合、前記コンピュータに、方法請求項11~13のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つのステップを実施させる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するための処理デバイス(120)であって、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、判定すること
を行うように構成される処理デバイス(120)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を生成することを特徴とする処理デバイス(120)。
【請求項16】
前記少なくとも1つのリスク要因は、
・前記人の少なくとも一方の親の屈折状態(322)、
・前記人の行動に関する少なくとも1つのパラメータ
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項15に記載の処理デバイス(120)。
【請求項17】
前記人の前記行動に関する前記少なくとも1つのパラメータは、
・前記人によって近視作業に費やされた第1の時間量(324)、
・前記人によって屋外で費やされた第2の時間量(326)
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項16に記載の処理デバイス(120)。
【請求項18】
前記人に関する前記データは、少なくとも1つのタイプの近視治療(328)をさらに含み、前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)は、
・コンタクトレンズ又は眼鏡レンズから選択される光学レンズ、
・ある用量の薬物、
・屈折矯正手術
の少なくとも1つの適用から選択され、前記屈折状態(320)は、
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値、
・前記少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値
の少なくとも1つから選択される、請求項15~17のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項19】
前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項15~18のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項20】
○前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
○前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含む、請求項19に記載の処理デバイス(120)。
【請求項21】
○前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用する第1の線形予測モデルであり、
○前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルである、請求項20に記載の処理デバイス(120)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)への合計データ入力は、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含み、前記第1の量は、30%~70%であり、及び前記第2の量は、30%~70%であり、前記第1の量と前記第2の量とは、合計で100%になる、請求項20又は21に記載の処理デバイス(120)。
【請求項23】
・複数のさらなる人と比較した前記人のランキング(334)、
・前記人の近視のリスク(338)、
・前記人の高近視のリスク(340)
の少なくとも1つを判定するようにさらに構成される、請求項15~22のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項24】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのシステム(110)であって、
- 請求項1~23のいずれか一項に記載の前記人に関するデータを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェース(116)、
- 処理デバイス(120)であって、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、判定すること
を行うように構成される処理デバイス(120)、
- 前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関するデータを提供するように構成された少なくとも1つの出力インターフェース(122)
を含むシステム(110)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を生成することを特徴とするシステム(110)。
【請求項25】
前記少なくとも1つの出力インターフェースは、
・前記屈折値に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)であって、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに関して提供される少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)、
・前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)の実施を考慮した前記人の屈折値の修正された進行(350)
の少なくとも1つをさらに提供するようにさらに構成される、請求項24に記載のシステム(110)。
【請求項26】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法であって、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信するステップ、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用して、前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、ステップ
を含むコンピュータ実施方法において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を生成することを特徴とするコンピュータ実施方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することは、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法(210)であって、
- 少なくとも1つの入力インターフェース(116)を使用することにより、方法請求項26又は27に記載の前記人に関するデータを受信するステップ、
- 少なくとも1つの処理デバイス(120)を使用することにより、方法請求項26又は27に記載の人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェース(122)を使用することにより、前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを提供するステップ
を含むコンピュータ実施方法(210)。
【請求項29】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行される場合、前記コンピュータに、方法請求項26~28のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つのステップを実施させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための処理デバイス、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラム並びに屈折値の進行に関するデータを提供するためのシステム、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Pascolini D.&Mariotti S.P,Global estimates of visual impairment:2010,Br J Ophthalmol 2012;96:614e618.doi:10.1136/bjophthalmol-2011-300539は、不均一な分布を特徴とする世界的な健康及び社会経済問題として視覚障害を記載している。視力障害の主な原因は、補正されていない屈折異常であり、原因の43%をカバーしている。予防策が登場したにもかかわらず、状況は、過去10年間でそれほど変化しておらず、補正されていない屈折異常は、依然として地球の様々な地域における視覚障害の主な原因のリストに現れている。
【0003】
Grzybowski A.らのA review on the epidemiology of myopia in school children worldwide,BMC Ophthalmology(2020)20:27は、アジア諸国で60%の近視有病率を指摘しており、東アジア諸国は、73%のさらに高い有病率を示す。さらに、この研究は、欧州の国々では40%の近視有病率、北米の子供では42%の近視有病率を示している。対照的に、アフリカ及び南アメリカの国々は、10%未満の近視有病率を示している。
【0004】
Dong L.らのPrevalence and time trends of myopia in children and adolescents in China,Retina 40(3);2019,pp-399-411は、中国の子供及び青年における有病率及び近視の傾向に関する最近のメタ分析を記載しており、近視の有病率が30年で84%に達し得ると推定している。
【0005】
近視及び高度近視の視覚的及び病理学的結果を考慮すると、この問題に早期に対処することが重要である。近視などの屈折異常を矯正するための標準的な方法は、眼鏡、コンタクトレンズ又は屈折矯正手術である。しかしながら、世界中の屈折異常に関する現在の推定及び予測された推定に基づくと、これらの方法は、異常を補正するのみであり、さらなる進行を低減するのに十分でない可能性がある。
【0006】
これらの言及された補正方法に加えて、Walline J.J.らのInterventions to slow progression of myopia in children,2020,Cochrane Database Syst Rev.1:CD004916;https://doi.org/10.1002/14651858.CD004916.pub4は、様々な解決策が近視進行の速度を遅らせるか又は停止させることに成功したことが証明されていることを示している。例としては、異なる用量のアトロピンの実施、眼鏡レンズ、具体的には二焦点眼鏡、累進屈折力レンズ、周辺焦点ぼけ又は焦点ぼけが組み込まれた複数セグメントレンズの使用、多焦点コンタクトレンズの使用及び角膜矯正治療の使用が挙げられる。
【0007】
あるタイプの近視治療がその人に適用され得るか否かは、主にその人が近視を発症するリスク及び近視が進行するリスクに依存する。Morgan I.G.らのIMI Risk Factors for Myopia,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.2021;62(5):3は、近視コミュニティが、このリスクに影響を及ぼし得る重要なパラメータがどのようなものであるかを理解するために、過去数十年にわたって多くの努力を投資したことを報告している。近視の発症及び進行に影響を及ぼす多数の変数が示唆されているが、それらの一握りのみが頻繁に挙げられる。これらのパラメータの中には、民族性、行動及び親の近視がある。
【0008】
https://bhvi.org/myopia-calculator-resources/を介して利用可能なMyopia Calculatorは、人に関するデータを使用することによって人の屈折値の進行を予測するためのオンラインソフトウェアを提供し、データは、人の年齢、民族性及び屈折異常並びに人に適用される推奨される近視治療を含む。これに基づいて、ソフトウェアは、単一のビジョンの眼鏡レンズなどの標準的な補正手順と比較した近視の進行の減少率の予測値及び推奨される近視治療が直ちに開始されるか否かの人の屈折異常の経過の予測値を計算する。
【0009】
https://myopiacare.com/myappia-myocalc/を介して利用可能なMyAppiaは、年齢、人の眼の等価球面度数を含む人の屈折状態及び人に適用される1つ又は複数の推奨される近視治療を含む、人に関するデータを使用することにより、人の屈折値の進行を予測するためのさらなるオンラインソフトウェアを提供する。これに基づいて、ソフトウェアは、人に適用される推奨されるタイプの近視治療の1つ又は複数に基づいて、近視の進行の減少率及び人の屈折異常の経過の予測値の両方を計算する。
【0010】
米国特許出願公開第2018/160894A1号明細書は、眼患者の眼の状態の進行を予測するための方法、システム及びコンピュータプログラム製品を開示している。患者が眼医者を訪れると、患者又は保護者は、現在の眼の状態及び将来の眼の状態の進行の予測に関心を持つ可能性がある。本発明の態様は、検査後のいくつかの異なる検査後時間における患者、例えば子供の眼の状態の進行を予測するために使用することができる。経時的な患者の眼の状態の進行の予測を使用して、眼医者が治療計画を調整し、且つ/又は患者のその後の検査スケジュールを調整することを支援し得る。
【0011】
国際公開第2020/083382A1号パンフレットは、近視の発症及び進行の診断を実行するためのシステム、方法、装置及び媒体を開示している。機械学習アルゴリズムは、予測を生成するために関連する特徴の自動分析を可能にする。適切な治療を特定し、治療の有効性を予測するために機械学習アルゴリズムを組み込んだ治療方法も開示される。
【0012】
国際公開第2020/126513A1号パンフレットは、少なくとも1人の人の少なくとも1つの視覚関連パラメータの経時的な進展を予測するための予測モデルを構築するための方法を開示しており、この方法は、個人のグループの少なくとも1人のメンバーについての第1の所定のタイプの少なくとも1つのパラメータの経時的な反復測定にそれぞれ対応する連続値を取得することと、個人のグループのメンバーの視覚関連パラメータの経時的な進展を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって予測モデルを構築することであって、連続値の少なくとも一部を、個人のグループのメンバーの視覚関連パラメータの経時的な取得された進展と関連付けることを含み、関連付けることは、第1の所定のタイプのパラメータの同じ1つに関連付けられた連続値の少なくとも一部を一緒に処理することを含む、構築することとを含む。予測モデルは、一緒に処理された値の各々に異なって依存する。
【0013】
国際公開第2020/126514A1号パンフレットは、少なくとも1人の人の少なくとも1つの視覚関連パラメータの経時的な進展を予測するための方法を開示しており、この方法は、人についての第1の所定のタイプの少なくとも1つのパラメータの経時的な反復測定にそれぞれ対応する、人に関する連続値を取得することと、少なくとも1つのプロセッサにより、個人のグループに関連付けられた予測モデルを使用することにより、人の取得された連続値から人の視覚関連パラメータの経時的な進展を予測することであって、予測することは、人の連続値の少なくとも一部を人の視覚関連パラメータの経時的な予測された進展と関連付けることを含み、関連付けることは、第1の所定のタイプの同じパラメータに関連付けられた連続値を一緒に処理することを含む、予測することとを含む。予測される進展は、一緒に処理された値の各々に異なって依存する。
【0014】
米国特許出願公開第2021/145271A1号明細書は、予測計算及び矯正視力シミュレーションを使用して、矯正レンズに対する患者の処方を判定するためのシステム及び方法を開示している。合わせて、これらの技術は、フォロプター検査のデジタル代替物として機能し、したがって視力検査に関連するコスト、時間及びヒューマンエラーを低減する。年齢、性別、自動屈折器読み取り値及び環境要因に基づいて患者特有のモデルが計算され、視覚シミュレーションツールに供給される。このシミュレーションから、アイケア専門家は、患者の矯正レンズ処方を判定することができる。
【0015】
中国特許出願公開第104751611A号明細書は、近視を予防及び制御するための方法、デバイス及び機器を開示している。この方法は、ユーザの視力影響因子のデータ情報を取得することと、ユーザの状態を使用して眼を反映するパラメータ値を取得するために、ユーザの視力影響因子のデータ情報を処理することと、パラメータ値が予め設定された閾値条件を満たすときにアラームを生成することとを含む。
【0016】
中国特許出願公開第106980748A号明細書は、十代の若者の屈折の成長を監視するためのビッグデータフィッティングに基づく方法及びシステムを開示している。本方法は、多因子動的屈折値のビッグデータモデルを構築することと、多因子動的屈折値のビッグデータモデルを、テスターの裸眼視検出値に応じたテスターの基本情報と組み合わせて利用することにより、テスターの動的屈折値を当てはめ、テスターの視力不良の理由を取得し、テスターが深い屈折成長モニタリングを受ける必要がある場合、ビッグデータモデルを利用することにより、テスターの静的屈折値を当てはめ、長期モニタリングを行うこととを含む。
【0017】
中国特許出願公開第107358036A号明細書は、子供の近視リスクを予測するための方法、装置及びシステムを開示している。本方法は、現在の検出データ及びユーザの視覚の生理学的指標値を取得するステップと、現在の検出データ及び/又は生理学的指標値に従い、視覚予測モデルを用いてユーザの近視リスクを予測するステップとを含む。この方法によれば、現在の検出データ及びユーザの視力の生理学的指標値を取得し、現在の検出データ及び/又は生理学的指標値に従って視力予測モデルを採用することにより、ユーザの近視リスクを予測することができ、その結果、ユーザ及びユーザの親は、ユーザの近視リスクを適時に理解し、近視を事前に予防又は治療することができる。
【0018】
中国特許出願公開第110288266A号明細書は、近視リスク評価方法及びシステムを開示している。この方法は、近視リスク評価対象の近視リスク要因の要因データを取得するステップであって、近視リスク要因が少なくとも1つの要因を含む、取得するステップと、割り当て結果を取得するために、要因データに従って各近視リスク要因を割り当てるステップと、すべての近視リスク要因の割り当て結果に従い、近視リスク指数を得るために計算するステップと、近視リスク評価指標に従って近視リスク評価対象の近視リスク結果を取得するステップとを含む。
【0019】
中国特許出願公開第110299204A号明細書は、近視予防及び制御効果予測の方法及びシステムを開示している。この方法は、近視予防制御対象の近視リスク指標値及び近視予防制御指標値を取得するステップであって、近視リスク指標値は、近視予防制御対象の近視のリスクの程度を示すために使用され、近視予防制御指標値は、近視予防制御対象の近視予防制御戦略の予防制御強度を示すために使用される、取得するステップと、近視リスク指標値及び近視予防制御指標値に応じて、近視予防制御効率値を取得するために計算を実施するステップと、近視予防制御効率値に応じて、近視予防制御対象の近視予防制御効果を取得するための予測を実施するステップとを含む。
【0020】
中国特許出願公開第112289446A号明細書は、若年性近視を予測するためのコンピュータシステムを開示している。コンピュータシステムは、データベースデバイスと、データ入力デバイスと、近視予測デバイスと、予測結果出力デバイスとを含む。近視予測デバイスは、データベースデバイスとデータ入力デバイスとにそれぞれ接続され、データベースデバイス内のデータベースの特性データに基づくツリー回帰アルゴリズムを利用することによって予測モデルを生成し、患者の特性データに基づく予測モデルを利用して予測球面レンズ度数を出力し、さらに予測結果出力デバイスを介して予測結果を出力する。
【0021】
韓国特許出願公開第2021 0088654A号明細書及び米国出願公開特許第2022/0028552A1号明細書は、少なくとも1人の人の少なくとも1つの視覚関連パラメータの経時的な進展を予測するための予測モデルを構築するための方法を開示しており、この方法は、個人のグループの少なくとも1人のメンバーについての第1の所定のタイプの少なくとも1つのパラメータの経時的な反復測定にそれぞれ対応する連続値を取得することと、個人のグループのメンバーの視覚関連パラメータの経時的な進展を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって予測モデルを構築することであって、連続値の少なくとも一部を、個人のグループのメンバーの視覚関連パラメータの経時的な取得された進展と関連付けることを含み、関連付けることは、第1の所定のタイプのパラメータの同じ1つに関連付けられた連続値の少なくとも一部を一緒に処理することを含む、構築することとを含む。予測モデルは、一緒に処理された値の各々に異なって依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、特に韓国特許出願公開第2021 0088654A号明細書及び米国出願公開特許第2022/0028552A1号明細書に関し、本発明の目的は、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための処理デバイス、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラム並びに屈折値の進行に関するデータを提供するためのシステム、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムを提供することであり、これにより少なくとも部分的に従来技術の制限を克服する。
【0023】
本発明の特定の目的は、近視発症及び近視進行の両方の予測を改善することができ、眼鏡技師、検眼士若しくは眼医者などのアイケア専門家又は例えば近視の対象となる人又は関係者、特にその人の親若しくはその人を介護する看護師などの最終消費者によってより信頼性の高い方法で使用することができる処理デバイス、システム、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この問題は、独立請求項の特徴を有する、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための処理デバイス、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラム並びに屈折値の進行に関するデータを提供するためのシステム、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムによって解決される。単独で又は任意の自由な組み合わせで実施することができる好ましい実施形態は、従属請求項及び以下の説明に列挙されている。
【0025】
第1の態様において、本発明は、人の屈折値の進行に関するデータを判定する処理デバイスに関する。本発明によれば、処理デバイスは、
- 人に関するデータであって、
・人の屈折状態と、
・人の年齢、性別及び民族性と、
・人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信すること、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを使用して、人の屈折値の進行に関するデータを判定することであって、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、人に関するデータと、人の屈折値の進行との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデルを含む、判定すること
を行うように構成される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「処理」という用語又はその任意の文法的変形は、人の屈折値の進行に関する所望のデータがさらなる処理のために少なくとも1つの出力ファイルによって提供されるように、少なくとも1つの入力ファイルによって受信されたデータに少なくとも1つのアルゴリズムを適用することを指す。一般に使用されるように、「データ」という用語は、少なくとも1つのファイル、具体的には少なくとも1つの入力ファイル又は少なくとも1つの出力ファイルに含まれる少なくとも1つの情報片を指す。特に本発明に関して、少なくとも1つの入力ファイルに含まれる少なくとも1つの情報片は、人に関連し得、少なくとも1つの出力ファイルに含まれる少なくとも1つの情報片は、人の屈折値の進行に関連し得る。少なくとも1つのアルゴリズムは、所定のスキームに従って少なくとも1つの入力ファイルからのデータを使用することにより、人に関するデータから人の屈折値の進行に関するデータを判定するように構成され得、より詳細に後述するように人工知能、特に少なくとも1つの機械学習アルゴリズムも適用され得る。
【0027】
一般に使用されるように、「処理デバイス」という用語は、好ましくは、少なくとも1つの入力インターフェースによって処理デバイスに提供され得る、少なくとも1つの入力ファイルから受信した人に関するデータから人の屈折値の進行に関するデータを判定し、特に以下でより詳細に説明するシステムを使用することにより、さらなる処理のために、好ましくは少なくとも1つの出力インターフェースにより、人の屈折値の進行に関するデータを提供するように指定された装置を指す。具体的には、処理デバイスは、集積回路、特に特定用途向け集積回路(ASIC)又はデジタル処理デバイス、特にデジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の少なくとも1つ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、コンピュータ又は電子通信ユニット、具体的にはスマートフォン、タブレット、携帯情報端末又はラップトップの少なくとも1つを含むことができる。さらなる構成要素、特にデータ取得ユニット、前処理ユニット又はデータ記憶ユニットの少なくとも1つが実現可能であり得る。処理デバイスは、好ましくは、少なくとも1つのコンピュータプログラム、特に人の屈折値の進行に関するデータを判定するための少なくとも1つのアルゴリズムを実行するように構成されたコンピュータプログラムコードの少なくとも1つの行を実行するように構成され得、データの処理は、連続的又は並列的な方法の少なくとも1つで実行され得る。
【0028】
本発明によれば、処理デバイスは、少なくとも1つの入力ファイルから受信され得る人に関するデータから、人の屈折値の進行に関するデータを判定するように構成される。一般的に使用される場合、「判定」という用語又はその任意の文法的変形は、典型的には、「データ」と示される代表的な結果を生成する処理を指す。特に本発明に関して、このようにして生成されたデータは、人の少なくとも1つの眼の屈折値の予測に関する情報片を含む。「人」という用語の代わりに、「ユーザ」、「患者」、「個人」又は「着用者」などの他の用語が適用され得る。
【0029】
上記のように、人に関するデータは、人の屈折状態を含む。好ましくは、人の屈折状態に関するデータは、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値を含むことができる。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの眼」という用語は、人の片眼又は両眼を指す。一般に使用されるように、「屈折値」という用語は、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折異常に対応し、これは特に、少なくとも1つの光学レンズ、具体的には少なくとも1つの眼鏡レンズ又は少なくとも1つのコンタクトレンズを製造するために使用することができ、その各々は、屈折値に基づいて、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折異常を補正することができる屈折度数を示す。さらに一般的に使用されるように、「屈折値の進行」という用語は、ある期間にわたる人の少なくとも一方の眼の屈折値の時間的変化、特に減少、特に単調減少の予測を指す。本明細書で「規格」と呼ばれる、規格ISO 13666:2019セクション3.5.2に基づいて、「眼鏡レンズ」という用語は、人の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの屈折異常を補正するために使用される光学レンズを指し、光学レンズは人の眼の前に担持され、それにより人の眼との直接接触を回避する。したがって、「コンタクトレンズ」という用語は、人の眼と直接接触して装着された人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折異常を補正するために使用される光学レンズを指す。さらに、「眼鏡」という用語は、2つの個々の眼鏡レンズと眼鏡フレームとを含む要素を指し、各眼鏡レンズは、人によって選択された眼鏡フレームによって受けられるように準備される。
【0030】
本発明に関して、少なくとも1つの屈折値は、特に球体の値、好ましくはさらに人の少なくとも1つの眼の接眼レンズの円柱の値から選択され得る。規格、セクション3.12.2で定義されているように、用語「球面度数」は、通常「球面」又は「sph」と略され、球面度数レンズの背面頂点度数の値を指す。規格、セクション3.13.7で定義されているように、用語「円柱」は、通常、「円柱」又は「cyl」と略され、参照のために選択された主子午線の度数を他の主な度数から減算した、主な度数間の代数差を指す。
【0031】
代替的又は追加的に、人の屈折状態に関するデータは、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値であり得るか又はそれを含み得る。一般に使用されるように、「生体計測値」という用語は、3次元空間における人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの特徴の少なくとも1つの延長に関する測定値を指し、したがって典型的には空間的延長を示す値及びメートルなどの対応する単位を使用して示すことができる。本発明に関して、生体計測値は、特に人の少なくとも1つの眼の軸方向の長さと角膜曲率半径との両方を含むことができ、前房深度又は接眼レンズ厚さは、生体計測値の少なくとも1つとしてさらに使用され得る。しかしながら、少なくとも1つの異なる生体計測値を選択することも可能であり得る。さらに、当業者は、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値が、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値と密接に関連していることを知っている。実際には、少なくとも1つの生体計測値に関連する第1の値を、少なくとも1つの屈折値に関連する第2の値に又はその逆に変換するために適用することができる既知の関係が存在する。したがって、人の少なくとも1つの屈折値と、人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値との両方が、人の「屈折状態」という用語によって扱われる。
【0032】
さらに一般的に使用される場合、「屈折度数」又は単に「度数」という用語は、規格、セクション3.1.10に定義されているように、屈折によって入射波面の曲率又は方向の少なくとも1つを変化させるためのレンズとしての、具体的には眼鏡レンズ又はコンタクトレンズの容量を指す。さらに本明細書で使用する場合、「近視」という用語は、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が-0.5dpt未満の値であると推定される、人の屈折状態に関する。さらに一般的に使用される場合、「高近視」という用語は、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が-6.0dpt未満の値であると推定される、人の屈折状態を指す。さらに一般的に使用されるように、「近視の進行」という用語は、ある期間にわたる人の少なくとも一方の眼の屈折度数の時間的変化、特に減少、特に単調減少の予測を指す。ここで、予測の期間は、数年、好ましくは1年から12年、より好ましくは2年から10年、特に4年から8年をカバーすることができる。しかしながら、異なる期間を使用することも可能であり得る。さらに本明細書で使用する場合、「近視発症」という用語は、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が-0.5dptを超える値から-0.5dptを下回る値に減少する近視進行中の時点を指す。
【0033】
上記のように、人に関するデータは、個人データ、すなわち人の年齢、性別及び民族性をさらに含む。一般的に使用されるように、「年齢」という用語は、人の誕生日からの時間を指し、好ましくは年で示され得る。本発明は、特に4歳~24歳、特に5歳~20歳の子供、少年又は若年成人である人に適用可能であり得る。しかしながら、本発明は、異なる年齢の人にも適用可能である。さらに一般的に使用されるように、「性別」という用語は、「女性」及び「男性」という用語に対する人の識別を指すが、非バイナリ識別も可能であり得る。さらに一般的に使用される場合、「民族性」という用語は、特定の集団への人の割り当てを指す。理論に束縛されることを望まないが、上記参照のMorgan I.G.らは、一方では人の性別及び民族性と、他方では近視進行との間の証拠及び因果関係が弱い又は一貫していないことを要約しているが、それでも、国際公開第2020/083382A1号パンフレットに表されているように、訓練された機械学習アルゴリズムは、混合集団訓練セットを使用して訓練された機械学習アルゴリズムと比較して、特定の性別又は集団の少なくとも1つに属する人のより正確な予測を生成することができる。
【0034】
本発明によれば、人に関するデータは、人に関するリスク要因の少なくとも1つを含む。一般に使用されるように、「リスク要因」という用語は、人の少なくとも一方の眼における近視進行を増加若しくは減少させ、且つ/又は近視発症時点を増加若しくは減少させることが実証された、人に関する状態又は過程の少なくとも1つの値を指す。理論に束縛されることを望まないが、上記参照のMorgan I.G.らによれば、リスク要因は、近視治療を設計するのに有用であり得、好ましくは、一方では、特に状態又はプロセスとの関連を使用することによる、想定されるリスク要因及び観察された近視治療と、他方では定義された集団の断面データ又は好ましくは長手方向データを使用して実証することができる近視進行と、の間の定義されたメカニズムに関連する因果関係を実証することによって行われるように選択され得る。異なるタイプのデータの定義について、以下の説明を参照することができる。
【0035】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つのリスク要因は、人の少なくとも1人の親の屈折状態に関するデータから選択され得る。「屈折状態」という用語について、必要な変更を加えて人の少なくとも1人の親に適用可能な上記の定義を参照することができる。上記参照のMorgan I.G.らによれば、一方では人の少なくとも1人の親の屈折状態と他方では近視進行との間の証拠及び因果関係は、子供を近視にしやすい遺伝的変異体の継承又は近視性生活様式に基づいているかどうかの議論にかかわらず、強い。
【0036】
代替的又は追加的に、少なくとも1つのリスク要因は、人の行動に関する少なくとも1つのパラメータに関するデータから選択され得る。一般に使用されるように、「行動」という用語は、人の少なくとも一方の眼が光放射の曝露を受ける人の反復活動を指す。さらに一般的に使用される場合、「光放射」という用語は、そのように示された「光波長範囲」を定義する、380nm~780nmの波長を有する電磁波を指し、隣接する波長範囲、特に「長い紫外波長範囲」として示される100nm~380nm未満の波長範囲からの放射及び/又は「近赤外波長範囲」として示される780nm~1.5μmを超える波長範囲からの放射も本発明の目的のために考慮することができる。理論に束縛されることを望まないが、上記参照のMorgan I.G.らは、一方では人の行動と他方では近視進行との間の証拠及び因果関係が強く、特に光放射の少なくとも1つのパラメータ、特に人の少なくとも1つの眼に入射する光放射の強度、スペクトル分布及び持続時間に関連する光放射の少なくとも1つのパラメータに依存して原因となることを示している。
【0037】
本発明によれば、人の行動に関する少なくとも1つのパラメータは、
・人によって近視作業に費やされた第1の時間量、
・人によって屋外で費やされた第2の時間量
の少なくとも1つに関するデータから選択される。
【0038】
一般的に使用されるように、「近視作業」という用語は、人の眼が近点に適応するように、人の眼から離れて配置された物体に人の眼を向けることに専念する人の第1のタイプの反復活動を指す。一般に使用されるように、「適応する」という用語又はその任意の文法的変形は、近点と遠点との間で人の眼の前に位置する物体を結像するときに、人の眼の網膜面に対する人の眼の屈折を調整することに関する。「遠点」という用語は、適応させることなしでの人の眼の屈折方向の終点に関するものであり、「近点」という用語は、人の眼の網膜面上で物体を依然として鮮明に結像することができる人の眼の前の最小距離を示す点を指し、近点は、特に人の年齢に応じた個々の量である。ここで、特に角膜上の人の眼の固定位置、例えば観察可能な角膜反射の位置は、人の眼までの近点の距離を測定するための基準点として機能することができる。実際には、人の近視動作の対象は、特に文字オブジェクト又は移動通信デバイスであり得る。本明細書で使用される場合、「文字オブジェクト」という用語は、特に本、パンフレット又は新聞から選択される印刷情報を含む種類のオブジェクトを指す。さらに、「モバイル通信デバイス」という用語は、電子的に駆動される画面を使用することによって情報を提示するように構成された少なくとも1つの電子デバイスを指し、電子的に駆動される画面は、人が携行することができ、したがって、人と一緒に移動することができ、特にスマートフォン、ノートブック、携帯情報端末又はラップトップから選択される。しかしながら、さらなる種類の物体も実現可能であり得る。
【0039】
さらに一般的に使用されるように、「屋外で過ごした時間」という用語は、特に保育園若しくは学校の間若しくは後、週末又は休暇中、屋外で建物の外で人によって行われる人の第2のタイプの反復活動を指す。上述したように、人の少なくとも一方の眼に入射する光放射の強度は、人によって屋外で費やされた第2の時間量中に大幅に増加させることができる。理論に拘束されることを望まないが、上記参照のMorgan I.G.らは、屋外で過ごした時間と近視進行の減少との間の関連性が強く、一貫して観察されることを示しているが、屋外で過ごした時間の増加が近視進行を減少させるだけでなく、近視の発症も減少させるかどうかについて議論が存在する。
【0040】
さらに一般的に使用される「時間量」という用語は、特に1日当たりの時間数又は1週間当たりの時間数で示される人の平均占有を使用することにより、人のそれぞれの反復活動が行われる期間を指す。時間量を判定する目的で、休暇に外で定期的に過ごした期間を使用することができる。しかしながら、好ましくはさらに、休暇中に外部で過ごした期間を追加することによってこの値を修正することが実現可能であり、それにより学校の時間又は保育園の時間の年間継続時間と比較した休暇の年間継続時間を考慮に入れることができる。
【0041】
好ましい実施形態では、人に関するデータは、人に適用される少なくとも1つのタイプの近視治療をさらに含み得る。一般に使用されるように、「近視治療の種類」という用語は、人の少なくとも一方の眼における近視進行の減少又は近視発症の遅延の少なくとも1つを行うように構成された少なくとも1種類の予防的介入を指す。特に、近視治療のタイプは、人の少なくとも1つの眼への光学レンズの少なくとも1つの適用を含み得る。ここで、光学レンズの少なくとも1つは、好ましくは、眼鏡レンズ又はコンタクトレンズから選択され得る。特にある種の近視において、眼鏡レンズは、特に二焦点レンズ、累進屈折力レンズ、周辺焦点ぼけレンズ又は焦点ぼけが組み込まれた複数セグメントレンズから選択され得る一方、コンタクトレンズは、好ましくは、多焦点コンタクトレンズ又はオルソケラトロジックレンズから選択され得る。規格、セクション3.7.3に定義されているように、「二焦点レンズ」という用語は、2つの部分を有する特定のタイプの眼鏡レンズを指し、各部分は屈折度数に関して異なる値を有する。同様に、「累進屈折力レンズ」という用語は、規格、セクション3.7.7-8に定義されているように、レンズの表面にわたって不連続性なしに屈折度数の滑らかな変化を有する別のタイプの眼鏡レンズを指す。さらに、「周辺焦点ぼけレンズ」という用語は、レンズの中心光学ゾーンから周辺への光学的度数の変化を有し、それによって網膜の偏心領域に周辺焦点ぼけが誘発される、別のタイプの眼鏡レンズを指す。さらに、「焦点ぼけが組み込まれた複数セグメントレンズ」という用語は、距離屈折異常を補正するための中央光学ゾーンと、中央光学ゾーンと比較して異なる屈折度数を有するセグメントを含むことができる環状多焦点ゾーンとを含む、別のタイプの眼鏡レンズを指す。さらに、「オルソケラトロジックレンズ」という用語は、人の少なくとも1つの眼の屈折度数を変えるために角膜を一時的に再成形するように構成されたガス透過性コンタクトレンズを指す。しかしながら、他のタイプの眼鏡レンズ又はコンタクトレンズを使用することも可能であり得る。
【0042】
代替的又は追加的に、近視治療のタイプは、ある用量の薬物、具体的にはある用量のアトロピン又は屈折矯正手術の少なくとも1つの適用から選択され得る。しかしながら、薬物又は屈折矯正手術の少なくとも1つを適用することは、現在の屈折異常を矯正するのみであり、さらなる近視進行を軽減するのに十分ではない場合がある。
【0043】
さらに、本発明によれば、処理デバイスは、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを判定するようにさらに構成される。一般に使用されるように、「機械学習」という用語は、分類又は回帰の少なくとも1つのためのモデルを自動的に生成するために人工知能を適用するプロセスを指す。ここで、多数の訓練データセットに基づいて所望のモデルを生成するように構成された少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを、好ましくは使用することができる。さらに一般的に使用されるように、「訓練」という用語は、複数の訓練データセットを提供し、それらを特定の方法ステップによって実行することにより、訓練フェーズ中に所望のデータを判定する方法ステップの性能が改善されることを示す。本明細書では、訓練目的に使用される各訓練データセットは、人の屈折値の進行に関するデータなどの予想されるデータセットに似ているが、既知のデータを含む。このため、特定の方法ステップは、特定の訓練データセットを用いて実行され、このようにして得られたコンテンツの結果は、特定の訓練データセットからの既知のデータに調整される。本明細書では、特定の方法ステップの実行中に達成される結果の近似を改善するために、具体的には、特定の方法ステップを実行することによって得られるデータと各訓練データセットに含まれる既知のデータとの間の偏差が閾値を下回り得るまで特定の方法ステップの訓練を繰り返すことにより、訓練フェーズ中に複数の訓練データセットが反復的に適用される。訓練フェーズ後、特定の方法ステップを実行することによって得られたデータは、訓練フェーズ中に達成されたのと同じ方法で既知のデータに近似すると合理的に予想することができる。このようにして、訓練フェーズ中により正確なデータの判定を得ることができる。したがって、訓練フェーズ後、特定の方法ステップの所望の性能を取得することができる。
【0044】
人の屈折値の進行に関する所望のデータを判定するために本明細書で使用される機械学習アルゴリズムは、人に関するデータと人の屈折値の進行との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデルを含む。好ましくは、1つ又は複数のモデルは、線形予測モデル、具体的にはサポートベクター回帰(SVR)又はガウス過程回帰(GPR)の少なくとも1つから選択され得る。しかしながら、1つ又は複数のさらなるタイプのモデルを使用することも実現可能であり得る。
【0045】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、長手方向データを使用する第1の予測モデル及び断面データを使用する第2の予測モデルを適用することを含むことができる。本明細書で一般的に使用される場合、「第1の」又は「第2の」という用語は、順序又は時系列を指定することなく、且つその要素の他の要素が存在し得る可能性を排除することなく、要素の説明と見なされる。さらに一般的に使用されるように、「長手方向データ」という用語は、特定の人に関する複数の第1のデータ片を指し、「断面データ」という用語は、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含む。一例として、長手方向データは、ある期間にわたって同じ人に関する複数の屈折値、具体的には球の値を指し、それにより、特定の人の年齢の上昇にわたって屈折値の進行を提供する。これとは対照的に、断面データは、同じ年齢、好ましくは同じ性別及び同じ民族性の少なくとも1つを有する複数の異なる人について、同じ屈折値、具体的には球の値に関連する。
【0046】
この特に好ましい実施形態では、長手方向データを使用する第1の予測モデルは、好ましくは、サポートベクター回帰(SVR)を使用する第1の線形予測モデルであり得、断面データを使用する第2の予測モデルは、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであり得る。一般に使用されるように、「サポートベクター回帰」又は「SVR」という用語は、カーネル関数に依存するノンパラメトリック技法としての分類及び回帰のための機械学習ツールを指す。さらに一般的に使用されるように、「ガウス過程回帰」又は「GPR」という用語は、予測のためにノンパラメトリックカーネルベースの確率モデルを使用する機械学習ツールを指す。
【0047】
特定の実施形態では、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムへの合計データ入力は、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含むことができ、第1の量のデータと第2の量のデータとの両方は、人の屈折値の進行に関する所望のデータを判定するために使用される。好ましくは、全データ入力は、第1の量が30%~70%、好ましくは50%~70%であり得、一方で第2の量が30%~70%、好ましくは30%~50%であり得、第1の量と第2の量とが合計で100%になるような方法で分配され得る。しかしながら、異なる種類の分布を使用することも可能であり得る。
【0048】
さらなる特定の実施形態では、機械学習アルゴリズムは、組み合わせることができる少なくとも2つの異なる予測モデルを使用することを含むことができる。ここで、第1の予測モデルは、中間予測データ、具体的には、人に関するデータと角膜曲率半径データで割られた軸方向の長さの比との間の関係を生成することができ、中間予測データ、具体的には、角膜曲率半径データで割られた軸方向の長さの比は、好ましくは、特に屈折度数の予測のために、第2の予測モデルへの入力として使用することができる。しかしながら、さらなるタイプの中間予測データを使用することも実現可能であり得る。
【0049】
さらなる特定の実施形態では、処理デバイスは、少なくとも1つのさらなるデータ片を、人の屈折値の進行に関するデータとして判定するようにさらに構成され得る。ここで、少なくとも1つのさらなるデータ片は、好ましくは、
- 複数のさらなる人と比較した人のランキング、
- 人の近視のリスク、
- 人の高近視のリスク
の少なくとも1つから選択され得る。
【0050】
一般に使用されるように、用語「ランキング」又はその任意の文法的変形は、特定の人の結果を、同じ種類のデータが判定された複数の別の人の結果と比較することを指す。特に、ランキングによって達成される結果は、さらなる人、具体的には同じ年齢の人、好ましくは同じ性別及び同じ民族性を有する少なくとも1つの人に対する特定の人の位置を示す数又は優先的には割合によって示すことができる。
【0051】
さらに本明細書で使用される場合、「近視のリスク」という用語は、屈折値の進行の過程の間に近視発症の値を取得することにより、人が近視を発症する第1の確率を指す。特に、近視のリスクは、リストから選択された修飾語によって示すことができ、リスト内の各項目は、特定の近視状態を指す。具体的には、修飾語は「高」及び「低」から選択することができ、「高」という用語は、予測に従い、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が屈折値の進行の過程に沿って-0.5dpt未満の値をとることを示すことができ、「低」という用語は、予測に従い、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が屈折値の進行の過程に沿って-0.5dpt以上のままであることを示すことができる。
【0052】
同様に、「高近視のリスク」という用語は、屈折値の進行の過程で高近視値として定義される屈折値を取得することにより、人が高近視を発症するさらなる確率を指す。特に、高近視のリスクは、さらなるリストから選択されるさらなる修飾語によって示すことができ、さらなるリストの各項目は、特定の高近視状態を指す。具体的には、修飾語は「高」及び「低」から選択することができ、「高」という用語は、予測に従い、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が屈折値の進行の過程に沿って-6.0dpt未満の値をとることを示すことができ、「低」という用語は、予測に従い、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が屈折値の進行の過程に沿って-6.0dpt以上のままであることを示すことができる。
【0053】
さらなる態様では、本発明は、屈折値の進行に関するデータを提供するためのシステムに関する。一般に使用されるように、「システム」という用語は、各々が特定のタスクを実行するように構成された少なくとも2つの構成要素の組み合わせを指すが、少なくとも2つの構成要素は、所望のタスクを達成するために互いに協働及び/又は相互作用することができる。
【0054】
本発明によれば、システムは、
- 本明細書の他の箇所に記載のように、人に関するデータを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェースと、
- 本明細書の他の箇所に記載されているような処理デバイスと、
- 人の屈折値の進行に関するデータを提供するように構成された少なくとも1つの出力インターフェースと
を含む。
【0055】
処理デバイスに関して、本明細書全体を通してその説明を参照することができる。
【0056】
さらに、処理デバイスは、好ましくは、少なくとも1つの入力インターフェースと少なくとも1つの出力インターフェースとの両方との通信を提供するように構成された少なくとも1つの通信インターフェースを含み得る。一般に使用されるように、「通信インターフェース」という用語は、データの送信のために指定されている送信チャネルを指す。好ましくは、通信インターフェースは、少なくとも1つの入力インターフェースから処理デバイスに又は処理デバイスから少なくとも1つの出力インターフェースに少なくとも1つのデータ片を単一の方向に転送するように構成された一方向性インターフェースとして配置され得る。代わりに、通信インターフェースは、入力インターフェースと出力インターフェースとの両方を含み得る通信ユニットから処理デバイスに又はその逆に少なくとも1つのデータ片を2つの方向の一方に転送するように構成された双方向インターフェースとして配置され得る。データ送信の目的のために、通信インターフェースは、有線要素又は無線要素の少なくとも1つを含み得、無線要素は、Wi-Fi又はBluetoothなどの少なくとも1つの無線通信プロトコルを使用して動作するように構成され得る。特に好ましい実施形態では、通信は、暗号化されたデータ転送又は暗号化されたデータ交換であり得るか又はそれを含み得る。しかしながら、さらなる種類の通信インターフェースも実現可能であり得る。
【0057】
一般に使用されるように、「入力インターフェース」という用語は、少なくとも1つのデータ片、具体的には上記又は下記により詳細に記載されるような人に関するデータを受信するように構成された装置を指す。この目的のために、データは、好ましくは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を使用することによって入力ファイル又は入力データとしての少なくとも1つの形態で提供され、人の屈折値の進行に関する所望のデータを判定するために処理デバイスに転送され得る。一般に使用されるように、「グラフィカルユーザインターフェース」又は「GUI」という用語は、ユーザとのグラフィック機能を使用した相互作用から所望の個人データを受信するように構成される入力インターフェースのタイプを指す。ここで、ユーザは、アイケア専門家、具体的には眼鏡技師、検眼士若しくは眼科医の少なくとも1つから選択され得るか;又は近視の患者若しくは関係者、特にその人の親若しくはその人を介護する看護師であり得る。グラフィック機能を使用した相互作用は、画面上のグラフィカルアイコンをユーザに提示することと、ユーザの反応を記録することと、ユーザの反応を評価することによって所望の入力データを判定することとを含むことができる。この目的のために、少なくとも1つのデータ片、特に人に関するデータの入力へのアクセスを提供するように構成された少なくとも1つのタッチスクリーンが使用され得る。しかしながら、所望の入力データを取得するために処理デバイスによって処理される入力ファイルを生成するように構成されたカメラ又はスキャナの少なくとも1つなどの他のデバイスも実現可能であり得る。
【0058】
さらに一般的に使用されるように、「出力インターフェース」という用語は、少なくとも1つのさらなるデータ片、特に人の屈折値の進行に関する所望のデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供するように構成されたさらなる装置を指す。本明細書では、処理デバイスは、好ましくは、出力ファイルに含まれるデータをユーザに表示する同じ又は異なるグラフィカルユーザインターフェースを使用することにより、特にグラフィカルユーザインターフェース、好ましくは入力インターフェースに使用されるのと同じグラフィカルユーザインターフェースを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを提供するように構成され得る。上述のように、ユーザは、アイケア専門家、例えば眼鏡技師、検眼士若しくは眼科医の少なくとも1つから選択され得るか、又は近視の患者若しくは関係者、特にその人の親若しくはその人を介護する看護師であり得る。代替的又は追加的に、処理デバイスは、好ましくは、構造化出力ファイルの形態において、人の屈折値の進行に関するデータを少なくとも1つの出力インターフェースに提供するように構成され得る。一般的に使用されるように、「構造化出力ファイル」という用語は、特に受信者、具体的には少なくともアイケア専門家のオフィス若しくは作業所又は病院内のデータ処理システムによる出力ファイルのさらなる処理を容易にするために、データ片が所定の配置に従うファイルを指す。さらに、少なくとも1つの追加の出力インターフェースが実現可能であり得、具体的には、受信された少なくとも1つのさらなるデータ片、具体的には、処理デバイスによって判定された人の屈折値の進行に関するデータを、さらなる受信者、特に出力データのコピーを記憶するように構成され得る少なくとも1つのデータ記憶ユニット、出力データを印刷するように構成されたプリンタ又は場合によりそれぞれ異なるフォーマットの出力データを読み取るように構成されたマイクロフォンに提供するように構成された少なくとも1つのさらなる種類の出力インターフェースが実現可能であり得る。しかしながら、さらなる種類の出力インターフェースも実現可能であり得る。
【0059】
特に好ましい実施形態では、システムは、少なくとも1つの移動通信デバイスを含み得るか、又は少なくとも1つの移動通信デバイスを使用することによって実施され得る。一般に使用されるように、「移動通信デバイス」という用語は、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末又はラップトップの少なくとも1つを指し、これらは、人が携行することができ、したがって人と一緒に移動することができる。しかしながら、さらなる種類の移動通信デバイスも考えられ得る。一般に、少なくとも1つの移動通信デバイスは、少なくとも1つの入力インターフェース、少なくとも1つの処理デバイス及び少なくとも1つの出力インターフェースを含み得る。少なくとも1つのモバイル通信デバイス上で動作するモバイルオペレーティングシステムは、グラフィカルユーザインターフェースなどのソフトウェア、マルチメディア機能及びインターネット又はWi-Fi若しくはBluetoothなどの少なくとも1つの無線通信プロトコルなどの通信設備の使用を容易にするように構成することができる。本明細書では、移動通信デバイスは、具体的には、ユーザが知っている入力データを自己入力するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースを適用することにより、ユーザから所望の入力データを収集するのに特に有用であり得る。
【0060】
一般的に使用されるように、「提供する」という用語又はその任意の文法的変形は、人の屈折値の進行に関するデータに関する予測を、より詳細に上記及び下記の少なくとも1つの出力インターフェースなどの少なくとも1つの出力インターフェースに転送することを指す。本明細書で使用される場合、「予測」という用語は、数年、好ましくは1年~12年、より好ましくは2年~10年、特に4年~8年をカバーし得る、将来の期間にわたる人の屈折値の進行に関するデータの予後を指す。しかしながら、異なる期間を使用することも可能であり得る。
【0061】
さらに、少なくとも1つの出力インターフェースは、少なくとも1つのタイプの近視治療を考慮に入れた人の屈折値及び/又は屈折値の修正された進行に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照を促進するようにさらに構成され得る。一般に使用されるように、「パーセンタイル参照」という用語は、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに基づいて値を提供することを指す。典型的には、同じ年齢を有する複数の人に関する97番目目のパーセンタイル、50番目のパーセンタイル及び3番目のパーセンタイルが提供され得る。本明細書では、97番目のパーセンタイル、50番目のパーセンタイル及び3番目のパーセンタイルは、関連する曲線が、それぞれパーセンタイルが基づく集団の97%、50%又は3%をカバーすることを示す。しかしながら、代替的又は追加的に、1番目のパーセンタイル、2番目のパーセンタイル、5番目のパーセンタイル、95番目のパーセンタイル、98番目のパーセンタイル又は99番目のパーセンタイルの少なくとも1つなどの少なくとも1つの他のパーセンタイルを使用することも可能であり得る。
【0062】
さらに本明細書で使用される場合、「修正された進行」という用語は、より詳細に上述した少なくとも1つのタイプの近視治療の実施が考慮された、人の屈折値の変化した過程を指す。一例として、以下に示す図面を参照することができる。
【0063】
さらなる態様では、本発明は、人の屈折値の進行に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法に関する。ここで、本方法は、
- 人に関するデータであって、
・人の屈折状態と、
・人の年齢、性別及び民族性と、
・人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信するステップ、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを使用して、人の屈折値の進行に関するデータを判定するステップであって、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、人に関するデータと、人の屈折値の進行との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデルを含む、ステップ
を含む。
【0064】
さらなる態様では、本発明は、人の屈折値の進行に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法であって、
- 少なくとも1つの入力インターフェースを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための方法による人に関するデータを受信するステップ、
- 上記又は下記の少なくとも1つの処理デバイスを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための方法による人の屈折値の進行に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェースを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを提供するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0065】
本発明による方法を実施するための様々な実施形態を考えることができる。第1の実施形態によれば、すべての方法ステップは、コンピュータ、特にスタンドアロンコンピュータ又は電子通信ユニット、特にスマートフォン、タブレット、携帯情報端末又はラップトップなどの単一の処理デバイスを使用して実行することができる。この実施形態では、単一の処理デバイスは、本発明による方法の少なくとも1つで使用されるように、少なくとも1つのコンピュータプログラム、特に少なくとも1つのアルゴリズムを実行するように構成されたコンピュータプログラムコードの少なくとも1行を排他的に実行するように構成され得る。ここで、単一の処理デバイス上で実行されるコンピュータプログラムは、コンピュータに本発明による方法の少なくとも1つを実行させるすべての命令を含むことができる。代替的又は追加的に、少なくとも1つの方法ステップは、少なくとも1つの方法ステップを実行するときにユーザの現場に位置しない、特にサーバ又はクラウドコンピュータの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの遠隔処理デバイスを使用することによって実行することができる。このさらなる実施形態では、コンピュータプログラムは、少なくとも1つの方法ステップを実行するために少なくとも1つの遠隔処理デバイスによって実行される少なくとも1つの遠隔部分を含むことができる。さらに、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムの少なくとも1つの遠隔部分との間でデータを転送及び/又は受信するように構成された少なくとも1つのインターフェースを含み得る。
【0066】
本発明による上述の方法は、コンピュータ実施方法である。一般に使用されるように、「コンピュータ実施方法」という用語は、少なくとも1つのプログラマブルデバイス、特に移動通信デバイスからのプログラマブルデバイスを含む方法を指す。しかしながら、さらなる種類のプログラマブルデバイスも実現可能であり得る。本明細書では、少なくとも1つのプログラマブルデバイスは、特に処理デバイスを含むか又は処理デバイスにアクセスすることができ、方法の特徴の少なくとも1つは、少なくとも1つのコンピュータプログラムを使用して実行される。本発明によれば、コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルデバイス上に提供され得るか、又は少なくとも1つの移動通信デバイスは、社内ネットワーク又はインターネットなどのネットワークを介してコンピュータプログラムにアクセスすることができる。
【0067】
さらなる態様では、本発明は、命令を含むコンピュータプログラムに関し、この命令は、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに、前述の方法の実施形態のいずれか1つによる方法を実行させる。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読非一時的データキャリアに格納され得る。したがって、具体的には、上記の方法ステップのいずれか1つは、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行することができる。
【0068】
さらなる態様では、本発明は、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されるときに本発明による方法を実行するためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品に関する。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアに格納され得る。
【0069】
さらなる態様では、本発明は、格納されたデータ構造を有するデータキャリアに関し、データキャリアは、コンピュータ又はコンピュータネットワークのワーキングメモリ又はメインメモリにロードするなど、コンピュータ又はコンピュータネットワークにロードした後、本明細書に開示された実施形態の1つ又は複数による方法のいずれか1つを実行することができる。
【0070】
さらなる態様では、本発明は、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に開示された実施形態の1つ又は複数による方法を実行するために、機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品に関する。本明細書で使用される場合、「コンピュータプログラム製品」という用語は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙フォーマットなどの任意のフォーマットにおいて又はコンピュータ可読データキャリア上に存在し得る。具体的には、コンピュータプログラム製品は、インターネットなどのデータネットワークを介して配布することができる。
【0071】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に開示される実施形態の1つ又は複数による方法のいずれか1つを実行するための、コンピュータシステム又はコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号に関する。
【0072】
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1つの眼鏡レンズを製造するための方法に関する。したがって、少なくとも1つの眼鏡レンズの製造は、特に処理デバイスを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための方法によって判定された屈折値に関するデータを採用する少なくとも1つの製造デバイスを使用することにより、少なくとも1つのレンズブランクを処理することを含み、データは、本明細書の他の箇所に記載されているように、人の屈折値の進行に関するデータを提供するための方法を使用することによって少なくとも1つの製造デバイスに転送される。
【0073】
本明細書に記載の方法及びコンピュータプログラムに関するさらなる詳細について、本明細書全体を通して説明を参照することができる。
【0074】
従来技術に関して、本発明によるデバイス、システム、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムは、利点を示す。特に、本発明によるデバイス、システム、コンピュータ実施方法及びコンピュータプログラムは、近視発症及び近視進行の両方の予測を改善することができる。ここで、好ましくは、アルゴリズムのために選択され得る入力データは、通常、アイケア専門家、具体的には眼鏡技師、検眼士若しくは眼科医又は近視の患者若しくは関係者、特にその人の親若しくはその人を介護する看護師によってアクセスされ得る典型的な入力データである。結果として、本発明は、アルゴリズムの柔軟な適用を提供し、人の片眼又は両眼の屈折異常の進行に関して正確な予測でアイケア専門家又は最終消費者を支援することができる。ここで、予測は、近視進行と近視発症との両方の予防戦略を確立することを可能にすることができる。
【0075】
本明細書で使用される場合、「有する」、「含む」若しくは「包含する」という用語又はそれらの任意の文法的変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴に加えて、この文脈に記載されたエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ又は複数のさらなる特徴が存在する状況との両方を指すことができる。一例として、「AはBを有する」、「AはBを含む」及び「AはBを包含する」という表現は、Bに加えて他の要素がAに存在しない状況(すなわちAが専ら且つ排他的にBからなる状況)と、Bに加えて、要素C、要素C及びD又はさらなる要素などの1つ又は複数のさらなる要素がエンティティAに存在する状況との両方を指し得る。
【0076】
さらに本明細書で使用される場合、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より具体的には」という用語又は同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意選択の特徴と共に使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意選択の特徴であり、いずれの方法でも特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替的な特徴を使用することによって実行することができる。同様に、「本発明の一実施形態では」又は同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限なく、本発明の範囲に関する制限なく且つこのようにして導入された特徴を本発明の他の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なく、任意選択の特徴であることが意図されている。
【0077】
要約すると、以下の実施形態が本発明の範囲内で特に好ましい。
【0078】
実施形態1:人の屈折値の進行に関するデータを判定するための処理デバイスであって、
- 人に関するデータであって、
・人の屈折状態と、
・人の年齢、性別及び民族性と、
・人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信すること、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを使用して、人の屈折値の進行に関するデータを判定することであって、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、人に関するデータと、人の屈折値の進行との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデルを含む、判定すること
を行うように構成される処理デバイス。
【0079】
実施形態2:少なくとも1つのリスク要因が、人の少なくとも一方の眼における近視進行又は近視発症時点の少なくとも1つを増加又は減少させることが実証された人に関する状態又は過程の少なくとも1つを参照する値である、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0080】
実施形態3:少なくとも1つのリスク要因が、
・人の少なくとも一方の親の屈折状態、又は
・人の行動に関する少なくとも1つのパラメータ
の少なくとも1つに関するデータから選択される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0081】
実施形態4:人の行動に関する少なくとも1つのパラメータが、
・人によって近視作業に費やされた第1の時間量、又は
・人によって屋外で費やされた第2の時間量
の少なくとも1つに関するデータから選択される、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0082】
実施形態5:第1の時間量が、人が近視作業を繰り返し行う第1の持続時間である、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0083】
実施形態6:近視作業が、人の眼が近点に適応するように、人の眼からある距離に配置された物体に人の眼を向けることに専念する人の第1のタイプの反復活動を指す、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0084】
実施形態7:第2の時間量が、人が屋外で時間を過ごす第2の持続時間である、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0085】
実施形態8:屋外で過ごした時間が、特に保育園若しくは学校の間若しくは前、週末又は休暇中、屋外で建物の外で人によって行われる人の第2のタイプの反復活動を指す、先行する4つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0086】
実施形態9:人の第2のタイプの反復活動が、人によって保育園若しくは学校後、週末又は休暇中に行われる、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0087】
実施形態10:第1の時間量又は第2の時間量の少なくとも一方が、1日当たりの時間数又は1週間当たりの時間数で示される人が従事している平均の活動を使用して示される、先行する6つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0088】
実施形態11:屈折状態が、
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値、又は
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値
の少なくとも1つから選択される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0089】
実施形態12:少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値が、少なくとも1つの眼の接眼レンズの球に関する値から選択される、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0090】
実施形態13:少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値が、さらに、少なくとも1つの眼の接眼レンズの円柱に関する値から選択される、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0091】
実施形態14:少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値が、3次元空間における少なくとも1つの眼の少なくとも1つの特徴の少なくとも1つの拡大に関する測定値である、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0092】
実施形態15:少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値が、少なくとも1つの眼の軸方向の長さ及び角膜曲率半径を含む、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0093】
実施形態16:人の少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値が、少なくとも1つの眼の前房深度又は接眼レンズの厚さの少なくとも1つをさらに含む、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0094】
実施形態17:人に関するデータが、少なくとも1つのタイプの近視治療をさらに含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0095】
実施形態18:少なくとも1つのタイプの近視治療が、
・コンタクトレンズ又は眼鏡レンズから選択される光学レンズ、
・ある用量の薬物、又は
・屈折矯正手術
の少なくとも1つの適用から選択される、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0096】
実施形態19:コンタクトレンズが、多焦点コンタクトレンズから選択される、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0097】
実施形態20:眼鏡レンズが、二焦点レンズ、累進屈折力レンズ、周辺焦点ぼけレンズ又は焦点ぼけが組み込まれた複数セグメントレンズから選択される、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0098】
実施形態21:少なくとも1つの機械学習アルゴリズムが、第1の予測モデル及び第2の予測モデルを使用することを含み、第1の予測モデルが中間予測データを生成し、中間予測データが第2の予測モデルの入力として使用される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0099】
実施形態22:第1の予測モデルが、人に関するデータと人の屈折値の進行との関係を生成する、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0100】
実施形態23:第1の予測モデルが、人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を生成する、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0101】
実施形態24:第1の予測モデルによって生成された関係が、第2の予測モデルへの入力として使用される、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0102】
実施形態25:角膜曲率半径データで割られた軸方向の長さの比が、第2の予測モデルへの入力として使用される、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0103】
実施形態26:5つの先行する実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイスであって、
〇第1の予測モデルが長手方向データを使用し、長手方向データが、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
〇第2の予測モデルが、断面データを使用し、断面データが、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含む、デバイス。
【0104】
実施形態27:長手方向データが、ある期間にわたって同じ人に関する複数の屈折値を指す、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0105】
実施形態28:長手方向データが、同一人の年齢の増加に伴う屈折値の進行を提供する、先行する実施形態に記載の処理デバイス。
【0106】
実施形態29:断面データが、同じ年齢を有する複数の異なる人の同じ屈折値に関連する、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0107】
実施形態30:第1の予測モデルが、サポートベクター回帰(SVR)を使用する第1の線形予測モデルである、先行する4つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0108】
実施形態31:第2の予測モデルが、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルである、先行する5つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0109】
実施形態32:少なくとも1つの機械学習アルゴリズムへの合計データ入力が、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含む、先行する6つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0110】
実施形態33:第1の量が30%~70%である、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0111】
実施形態34:第2の量が30%~70%である、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0112】
実施形態35:第1の量と第2の量とを合計すると、100%になる、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0113】
実施形態36:
・複数のさらなる人と比較した人のランキング、
・人の近視のリスク、
・人の高近視のリスク
の少なくとも1つを判定するようにさらに構成される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0114】
実施形態37:ランキングが、人の結果と、同じ種類のデータが判定された複数の別の人の結果とを比較することを指す、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0115】
実施形態38:近視のリスクが、屈折値の進行の過程で近視発症の値を取得することにより、人が近視を発症する確率を指す、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0116】
実施形態39:近視が、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が-0.5dpt未満の値であると推定される、人の屈折状態に関する、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0117】
実施形態40:近視発症に関する値が、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が-0.5dptを超える値から-0.5dptを下回る値に減少する近視進行中の時点である、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0118】
実施形態41:高近視のリスクが、屈折値の進行の過程で高近視値として定義される屈折値を取得することにより、人が高近視を発症するさらなる確率を指す、先行する5つの実施形態のいずれか1つに記載の処理デバイス。
【0119】
実施形態42:高近視が、人の少なくとも一方の眼の屈折度数が-6.0dpt未満の値であると推定される、人の屈折状態を指す、前述の実施形態に記載の処理デバイス。
【0120】
実施形態43:人の屈折値の進行に関するデータを提供するためのシステムであって、
- 前述の実施形態の1つに記載の人に関するデータを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェースと、
- 先行する実施形態の1つによる処理デバイスと、
- 人の屈折値の進行に関するデータを提供するように構成された少なくとも1つの出力インターフェースと
を含むシステム。
【0121】
実施形態44:少なくとも1つの出力インターフェースが、
〇屈折値に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照、
〇少なくとも1つのタイプの近視治療の実施を考慮した人の屈折値の修正された進行
の少なくとも1つをさらに提供するようにさらに構成される、前述の実施形態に記載のシステム。
【0122】
実施形態45:入力インターフェース及び出力インターフェースの少なくとも1つとして指定されるグラフィカルユーザインターフェースを含む、先行する実施形態に記載のシステム。
【0123】
実施形態46:少なくとも1つのパーセンタイル参照が、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに提供される、先行するシステムの実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
【0124】
実施形態47:少なくとも1つのパーセンタイル参照が、
- 1番目のパーセンタイル、2番目のパーセンタイル、3番目のパーセンタイル、5番目のパーセンタイル、
- 50番目のパーセンタイル、及び
- 95番目のパーセンタイル、97番目のパーセンタイル、98番目のパーセンタイル又は99番目のパーセンタイルの少なくとも1つ
の少なくとも1つを含む、先行するシステムの実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
【0125】
実施形態48:修正された進行が、少なくとも1つのタイプの近視治療の実施を考慮した人の屈折値の変化した過程を指す、先行するシステムの実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
【0126】
実施形態49:人の屈折値の進行に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法であって、
- 人に関するデータであって、
・人の屈折状態と、
・人の年齢、性別及び民族性と、
・人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを受信するステップ、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを使用して、人の屈折値の進行に関するデータを判定するステップであって、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、人に関するデータと、人の屈折値の進行との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデルを含む、ステップ
を含むコンピュータ実施方法。
【0127】
実施形態50:少なくとも1つの機械学習アルゴリズムが、第1の予測モデル及び第2の予測モデルを使用することを含み、第1の予測モデルが中間予測データを生成し、中間予測データが第2の予測モデルの入力として使用される、前述の実施形態に記載の方法。
【0128】
実施形態51:前述の実施形態による方法であって、
〇第1の予測モデルが長手方向データを使用し、長手方向データが、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
〇第2の予測モデルが、断面データを使用し、断面データが、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含む、方法。
【0129】
実施形態52:人の屈折値の進行に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法であって、
- 少なくとも1つの入力インターフェースを使用することにより、先行する方法請求項のいずれか1つに記載の人に関するデータを受信するステップ、
- 少なくとも1つの処理デバイスを使用することにより、先行する方法請求項のいずれか1つに記載の人の屈折値の進行に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェースを使用することにより、人の屈折値の進行に関するデータを提供するステップ
を含むコンピュータ実施方法。
【0130】
実施形態53:命令を含むコンピュータプログラムであって、命令が、プログラムがコンピュータによって実行される場合、コンピュータに、先行する方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法を実施させる、コンピュータプログラム。
【0131】
実施形態54:少なくとも1つの眼鏡レンズを製造するための方法であって、少なくとも1つの眼鏡レンズを製造することが、人の屈折値の進行に関するデータを判定するための方法を参照して前述の実施形態のいずれか1つによる人の屈折値の進行に関するデータを判定するための方法によって判定された屈折値に関するデータを使用することによって少なくとも1つのレンズブランクを処理することを含む、方法。
【0132】
本発明のさらなる任意選択の特徴及び実施形態は、好ましくは従属請求項と共に、好ましい実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。その中で、それぞれの任意選択の特徴は、当業者が認識するように、孤立した方法において且つ任意の実行可能な組み合わせで実施され得る。しかしながら、本発明の範囲は、好ましい実施形態に限定されないことがここで強調される。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【
図1】本発明による、屈折値の進行に関するデータを提供するためのシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図2】本発明による、人の屈折値の進行に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法の例示的な実施形態を示す。
【
図3】入力インターフェース及び出力インターフェースとして指定されたグラフィカルユーザインターフェースの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0134】
図1は、本発明による人の屈折値の進行114に関する予測を含む出力データ112を提供するためのシステム110の例示的な実施形態を示す。ここで、人は、4歳~24歳、特に5歳~20歳の子供、少年又は若年成人であり得る。しかしながら、異なる年齢を有する人に本発明を適用することも可能であり得る。予測は、期間、特に年数、好ましくは1年~12年、より好ましくは2年~10年、特に4年~8年をカバーすることができる。しかしながら、異なる期間を使用することも可能であり得る。
【0135】
予測は、特に人の片眼又は両眼における近視進行及び/又は近視発症の予測として使用され得る。ここで、近視進行とは、上記のように、ある期間にわたって人の片眼又は両眼の屈折度数の減少、特に単調減少を示す。さらに、近視は、-0.5dpt未満の屈折度数を有する人の片眼又は両眼の屈折状態を表すのに対して、高近視は、-6.0dpt未満の屈折度数を有する人の片眼又は両眼の屈折状態を表す。さらに、近視発症とは、近視進行中、人の片眼又は両眼の屈折度数が-0.5dptを超える値から-0.5dptを下回る値まで低下した時点をいう。
【0136】
図1に概略的に示すように、システム110は、人に関する入力データ118を受信するように構成された入力インターフェース116と、人の屈折値の進行114に関する出力データ112を判定するように構成された処理デバイス120と、人の屈折値の進行114に関する出力データ112を1人又は複数の受信者124に提供するように構成された出力インターフェース122とを少なくとも含む。1人又は複数の受信者124は、眼鏡技師、検眼士若しくは眼科医などのアイケア専門家又は近視の患者若しくは関係者、特にその人の親若しくはその人を介護する看護師などの最終消費者であり得る。
【0137】
入力インターフェース116は、好ましくは入力ファイルの形態で入力データ118を受け取るように構成される。特に、入力データ118を取得するために、入力インターフェース116は、好ましくは、キーボード、タッチスクリーン及び/又はマイクロフォンを使用することなどにより、1人又は複数の受信者124が所望の入力データ118を入力することを可能にすることなどにより、所望の入力データ118を取り出すように構成され得るグラフィカルユーザインターフェース126として実施され得る。しかしながら、さらなる可能性も考えられる。グラフィカルユーザインターフェース126の好ましい例を、以下の
図3に示す。
【0138】
さらに、処理デバイス120は、好ましくは、構造化出力ファイルの形態の出力データ112を出力インターフェース122に提供するように構成することができる。この目的のために、出力データ112は、スクリーン、プリンタ及び/又はスピーカを使用することによって1人又は複数の受信者124に提供することができる。好ましくは、出力インターフェース122は、所望の出力データ112を1人又は複数の受信者124に提供するようにさらに構成され得る同じグラフィカルユーザインターフェース126を使用して実施することができる。しかしながら、異なるグラフィカルユーザインターフェースを使用することも実現可能であり得る。
【0139】
第1の通信インターフェース128は、入力インターフェース116と処理デバイス120との間の通信を提供するように構成することができ、一方、第2の通信インターフェース130は、処理デバイス120と出力インターフェース122との間の通信を提供するように構成することができる。
図1に概略的に示すように、各通信インターフェース128、130は、好ましくは暗号化されたデータ転送を介して、有線要素及び/又は無線方式で示された単一方向にそれぞれのデータ片を転送するように構成され得る単一方向インターフェースとして実施され得る。しかしながら、さらなる種類の通信インターフェースも実現可能であり得る。
【0140】
本発明によれば、処理デバイス120は、人に関する入力データ118を受信するように構成され、入力データ118は、
・人の屈折状態と、
・人の年齢、性別及び民族性と、
・人に関する1つ又は複数のリスク要因と
を含む。さらに、入力データ118は、1つ又は複数のデータ項目、好ましくは人に適用される1つ又は複数のタイプの近視治療を含むことができる。
【0141】
さらに、処理デバイス120は、人に関する入力データ118と人の屈折値の進行114に関する出力データ112との間の関係を判定するための1つ又は複数の予測モデル134を含むより多くの機械学習アルゴリズム132により、人の屈折値の進行114に関する出力データ112を判定するように構成される。上記及び下記により詳細に説明するように、入力データ118として、人の屈折状態、年齢、性別及び民族性に加えて、人に関する1つ若しくは複数のリスク要因及び/又は人に適用される1つ若しくは複数のタイプの近視治療を使用することにより、処理デバイス120を使用して判定される人の屈折値の進行114の判定が大幅に改善される。
【0142】
図1にさらに概略的に示すように、機械学習アルゴリズム132は、好ましくは、入力データ118として長手方向データを使用する第1の予測モデル136と、入力データ118として断面データを使用する第2の予測モデル138とを使用することができる。異なるタイプの予測モデル136、138及び異なる種類のデータに関するさらなる詳細について、以下の説明を参照することができる。
【0143】
図2は、本発明による人の屈折値の進行114に関する出力データ112を提供するためのコンピュータ実施方法210の例示的な実施形態を示す。
【0144】
受信ステップ212において、人に関する入力データ118は、グラフィカルユーザインターフェース126を使用する受信者などにより、入力インターフェース116によって受信される。しかしながら、さらなる可能性も考えられる。ここで、入力データ118は、好ましくは、入力行列xの形態でコンパイルされ、処理デバイス120に転送され得る。例として、入力行列xは、
- 人の現在の屈折状態を示す値、好ましくは人の両眼の球面値、
- 人の年齢を示す値、
- 人の性別を示す数、
- 人の民族性を示す数、
- 人の両親の現在の屈折状態を示す値、好ましくは人の両親の両眼の球面値、
- 人によって近視作業に費やされた第1の時間量を示す値、
- 人によって屋外で費やされた第2の時間量を示す値、及び
- 人に施される近視治療のタイプとして、特定のコンタクトレンズ又は特定の眼鏡レンズから選択される光学レンズのタイプを示す数
のエントリを含むことができる。
【0145】
代替的又は追加的に、入力行列xは、他の又はさらなるエントリを含み得るが、本発明による最小数のエントリが含まれる限りにおいてである。
【0146】
判定ステップ214において、人の屈折値の進行114に関する出力データ112が入力データ118から判定される。ここでは、好ましくは入力行列xの形態でコンパイルされ、特に第1の通信インターフェース128を介して処理デバイス120に転送される入力データ118が使用される。この目的のために、人に関する入力データ118と人の屈折値の進行114に関する出力データ112との間の関係を判定するための1つ又は複数の予測モデル134を含む機械学習アルゴリズム132が使用される。上述したように、機械学習アルゴリズム132は、好ましくは、長手方向データを入力データ118として採用する第1の予測モデル136と、断面データを入力データ118として採用する第2の予測モデル138とを使用することができる。
【0147】
特に好ましい実施形態では、判定ステップ214は、第1の予測ステップ216を含むことができ、この中で、機械学習アルゴリズム132は、第1の予測モデル136を使用して、具体的にはサポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、角膜曲率半径データで割られた軸方向の長さの比Rを予測することができる。この目的のために、式(1)
【数1】
を使用することができ、式中、
- Rは、上述したように所与の入力行列xについて予測された角膜曲率半径データで割られた軸方向の長さの比であり、
- Nは、訓練されたサポートベクターの総数であり、各サポートベクターは、行列x
n及びこのベクトルのラグランジュ乗数α
n及びα
n
*を含み、
- G(xn,x)は、第1の予測モデル136に適用されるカーネル関数であり、カーネル関数は、線形関数又は非線形関数から選択することができ、
- bは、サポートベクター訓練プロセスの間に判定及び貯蔵されるバイアス値である。
【0148】
さらに、この特に好ましい実施形態では、判定ステップ214は、第2の予測ステップ218を含むことができ、この中で、機械学習アルゴリズム132は、第2の予測モデル138を使用して、具体的には、以下の式(2)に従ってガウス過程回帰(GPR)を使用することにより、人の屈折値の進行114を予測することができる。
g=K(y,y’)*A(式2)
式中、
- yは、GPRに関する入力ベクトルであり、入力ベクトルは、入力行列xに対応するが、人の現在の屈折状態を示す値、好ましくは、人の両目に関する球面値が、式1に従って先行する第1の予測モデル136を使用することによって中間予測データとして得られた角膜曲率半径データで割られた軸方向の長さの比Rで置き換えられ、
- y’は、ガウス過程回帰の訓練されたアクティブセットベクトルであり、
- Aは、訓練されたアクティブセットベクトルの各々に関する重みのベクトルであり、
*は、内積計算を示し、
- K(y,y’)は、ガウス過程回帰に使用されるカーネルであり、その目的のために様々な関数を使用することができ、好ましくは式(3)によるRational Quadratic Kernelを使用することができる。
【数2】
式中、σ
f、σ
l及びαは、Rational Quadratic Kernelのパラメータであり、すべて訓練プロセスにおいて計算及び貯蔵される。
【0149】
さらに、判定ステップ214は、入力行列xに含まれるような1つ又は複数のリスク要因、具体的には、
- 人の両親の現在の屈折状態を示す値、好ましくは人の両親の両眼の球面値、
- 人によって近視作業に費やされた第1の時間量を示す値、
- 人によって屋外で費やされた第2の時間量を示す値
を考慮するように指定することができるリスク考慮ステップ220を含むことができる。
【0150】
さらに、判定ステップ214は、近視治療考慮ステップ222を含むことができ、これは、入力行列xに含まれるような1つ又は複数のタイプの近視治療、具体的には、
- 人に施される近視治療のタイプとして、特定のコンタクトレンズ又は特定の眼鏡レンズから選択される光学レンズのタイプを示す数
を考慮するために指定され得る。
【0151】
提供ステップ224において、屈折値に関するデータ112は、出力インターフェース122において、特にさらなる処理のために使用することにより、より詳細に上述したように、特にグラフィカルユーザインターフェース126を介して、1人又は複数の受信者124に提供される。
【0152】
図3は、ここでは入力インターフェース116と出力インターフェース122との両方として指定されているグラフィカルユーザインターフェース310の例示的な実施形態を示す。
【0153】
したがって、グラフィカルユーザインターフェース310は、人に関する入力データ118を受信するように構成された入力インターフェース116として設計された第1のパーティション312を有する。ここで、入力データ118、具体的には年齢314;性別316;民族性318;屈折状態320、特に屈折度数;少なくとも一方の親、特に近視の複数の親の屈折状態322;近視作業に費やされる第1の時間量324;人によって屋外で費やされた第2の時間量326;及び提案された近視治療328は、入力インターフェース116に入力されるように調整することができる。
【0154】
グラフィカルユーザインターフェース310にさらに含まれる判定ボタン330が押された後、グラフィカルユーザインターフェース310の第2のパーティション332は、人の屈折値の進行114に関する出力データ112、特にランキング334、一般的な近視状態336、近視のリスク338及び送達される高近視のリスク340を、人の年齢314の関数としての人の屈折値の進行114の達成された予測を示す
図342と共に提示する。ここで、提案された近視治療328とは別に、上記の入力データ118が考慮されている。ここで、ランキング334は、同じ年齢の他の人と比較した人の位置を示すことができる。一般的な近視状態336は、人の屈折値の進行114の予測が、近視なし(「良」)、近視(「中」)又は高近視(「悪」)を予測するかどうかに応じて、修飾語「良」、「中」又は「悪」から選択することができる。近視のリスク338及び高近視のリスク340の値は、より詳細に上述したような方法で判定される。
【0155】
図3にさらに示されるように、グラフィカルユーザインターフェース310の第2のパーティション332に示される
図342は、加えて、同じ年齢314を有する複数の人についての97番目のパーセンタイル、50番目のパーセンタイル及び3番目のパーセンタイルを表す基準曲線344、346、348並びに入力インターフェース116に入力される提案された近視治療328によって影響される人の屈折値の修正された進行350を提示する。
【0156】
加えて、機械学習132及び中国の子供のために取得された入力データ118の大きいセットを使用して、年齢314の関数としての球面度数の予測のためのアルゴリズムを開発することができることを実証する、本発明者らによる研究が行われた。許容可能な性能を示していたアルゴリズムでは、サポートベクター回帰(SVR)及びガウス過程回帰(GPR)をそれぞれ第1の及び第2の予測モデル136、138として使用した。性能評価は、予測と測定された真のデータとの間の許容可能な相関値、0.25dptをはるかに下回るバイアス値及び近視を発症するリスクがある小児と進行するリスクがある小児との区別を容易に可能にし得る一致の限界を実証した。
【符号の説明】
【0157】
110 システム
112 出力データ
114 人の屈折値の進行
116 入力インターフェース
118 入力データ
120 処理デバイス
122 出力インターフェース
124 受信者
126 グラフィカルユーザインターフェース
128 第1の通信インターフェース
130 第2の通信インターフェース
132 機械学習アルゴリズム
134 予測モデル
136 第1の予測モデル
138 第2の予測モデル
210 人の屈折値の進行に関する出力データを提供するためのコンピュータ実施方法
212 受信ステップ
214 判定ステップ
216 第1の予測ステップ
218 第2の予測ステップ
220 リスク考慮ステップ
222 近視治療検討ステップ
224 提供ステップ
310 グラフィカルユーザインターフェース
312 第1のパーティション
314 年齢
316 性別
318 民族性
320 人の屈折状態
322 人の少なくとも一方の親の屈折状態
324 近方視作業に費やされる第1の時間量
326 人によって屋外で費やされた第2の時間量
328 近視治療(のタイプ)
330 判定ボタン
332 第2のパーティション
334 ランキング
336 一般的な近視状態
338 近視のリスク
340 高近視のリスク
342 図
344 97番目のパーセンタイル
346 50番目のパーセンタイル
348 3番目のパーセンタイル
350 人の屈折値の修正された進行
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するための処理デバイス(120)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記処理デバイス(120)は、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、提供すること
を行うように構成される、処理デバイス(120)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記判定ステップ(214)の第1の予測ステップ(216)において、前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を含む中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用され、前記判定ステップ(214)の第2の予測ステップ(218)において、前記第2の予測モデル(138)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)を予測し、前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであることを特徴とする処理デバイス(120)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリスク要因は、
・前記人の少なくとも一方の親の屈折状態(322)、
・前記人の行動に関する少なくとも1つのパラメータ
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項1に記載の処理デバイス(120)。
【請求項3】
前記人の前記行動に関する前記少なくとも1つのパラメータは、
・前記人によって近視作業に費やされた第1の時間量(324)、
・前記人によって屋外で費やされた第2の時間量(326)
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項2に記載の処理デバイス(120)。
【請求項4】
前記人に関する前記データは、少なくとも1つのタイプの近視治療(328)をさらに含み、前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)は、
・コンタクトレンズ又は眼鏡レンズから選択される光学レンズ、
・ある用量の薬物、
・屈折矯正手術
の少なくとも1つの適用から選択され、前記屈折状態(320)は、
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値、
・前記少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値
の少なくとも1つから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項5】
○前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
○前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)への合計データ入力は、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含み、前記第1の量は、30%~70%であり、及び前記第2の量は、30%~70%であり、前記第1の量と前記第2の量とは、合計で100%になる、請求項5に記載の処理デバイス(120)。
【請求項7】
・複数のさらなる人と比較した前記人のランキング(334)、
・前記人の近視のリスク(338)、
・前記人の高近視のリスク(340)
の少なくとも1つを判定するようにさらに構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項8】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのシステム(110)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記システムは、
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の人に関するデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェース(116)、
- 処理デバイス(120)であって、
○前記人に関する前記データを含む前記少なくとも1つの入力ファイルを受信することであって、前記データは、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含む、受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、提供すること
を行うように構成される処理デバイス(120)、
- 前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関するデータを提供するように構成された少なくとも1つの出力インターフェース(122)
を含む、システム(110)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記判定ステップ(214)の第1の予測ステップ(216)において、前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を含む中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用され、前記判定ステップ(214)の第2の予測ステップ(218)において、前記第2の予測モデル(138)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)を予測し、前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであることを特徴とするシステム(110)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの出力インターフェースは、
・前記屈折値に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)であって、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに関して提供される少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)、
・前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)の実施を考慮した前記人の屈折値の修正された進行(350)
の少なくとも1つをさらに提供するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム(110)。
【請求項10】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記方法は、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するステップ、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供するステップであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、ステップ
を含む、コンピュータ実施方法において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記判定ステップ(214)の第1の予測ステップ(216)において、前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を含む中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用され、前記判定ステップ(214)の第2の予測ステップ(218)において、前記第2の予測モデル(138)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)を予測し、前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであることを特徴とするコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することは、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法(210)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記方法(210)は、
- 少なくとも1つの入力インターフェース(116)を使用することにより、方法請求項10又は11に記載の前記人に関するデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するステップ、
- 少なくとも1つの処理デバイス(120)を使用することにより、方法請求項10又は11に記載の人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェース(122)を使用することにより、前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを提供するステップ
を含む、コンピュータ実施方法(210)。
【請求項13】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行される場合、前記コンピュータに、方法請求項10~12のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つのステップを実施させる、コンピュータプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するための処理デバイス(120)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記処理デバイス(120)は、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、提供すること
を行うように構成される、処理デバイス(120)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記判定ステップ(214)の第1の予測ステップ(216)において、前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を含む中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用され、前記判定ステップ(214)の第2の予測ステップ(218)において、前記第2の予測モデル(138)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)を予測し、前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであることを特徴とする処理デバイス(120)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリスク要因は、
・前記人の少なくとも一方の親の屈折状態(322)、
・前記人の行動に関する少なくとも1つのパラメータ
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項1に記載の処理デバイス(120)。
【請求項3】
前記人の前記行動に関する前記少なくとも1つのパラメータは、
・前記人によって近視作業に費やされた第1の時間量(324)、
・前記人によって屋外で費やされた第2の時間量(326)
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項2に記載の処理デバイス(120)。
【請求項4】
前記人に関する前記データは、少なくとも1つのタイプの近視治療(328)をさらに含み、前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)は、
・コンタクトレンズ又は眼鏡レンズから選択される光学レンズ、
・ある用量の薬物、
・屈折矯正手術
の少なくとも1つの適用から選択され、前記屈折状態(320)は、
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値、
・前記少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値
の少なくとも1つから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項5】
○前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
○前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)への合計データ入力は、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含み、前記第1の量は、30%~70%であり、及び前記第2の量は、30%~70%であり、前記第1の量と前記第2の量とは、合計で100%になる、請求項5に記載の処理デバイス(120)。
【請求項7】
・複数のさらなる人と比較した前記人のランキング(334)、
・前記人の近視のリスク(338)、
・前記人の高近視のリスク(340)
の少なくとも1つを判定するようにさらに構成される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項8】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのシステム(110)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記システムは、
- 請求項1~
3のいずれか一項に記載の人に関するデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェース(116)、
- 処理デバイス(120)であって、
○前記人に関する前記データを含む前記少なくとも1つの入力ファイルを受信することであって、前記データは、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含む、受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、提供すること
を行うように構成される処理デバイス(120)、
- 前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関するデータを提供するように構成された少なくとも1つの出力インターフェース(122)
を含む、システム(110)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記判定ステップ(214)の第1の予測ステップ(216)において、前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を含む中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用され、前記判定ステップ(214)の第2の予測ステップ(218)において、前記第2の予測モデル(138)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)を予測し、前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであることを特徴とするシステム(110)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの出力インターフェースは、
・前記屈折値に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)であって、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに関して提供される少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)、
・前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)の実施を考慮した前記人の屈折値の修正された進行(350)
の少なくとも1つをさらに提供するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム(110)。
【請求項10】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記方法は、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するステップ、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供するステップであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、ステップ
を含む、コンピュータ実施方法において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記判定ステップ(214)の第1の予測ステップ(216)において、前記第1の予測モデル(136)は、サポートベクター回帰(SVR)を使用することにより、前記人の角膜曲率半径で割られた軸方向の長さの比を含む中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用され、前記判定ステップ(214)の第2の予測ステップ(218)において、前記第2の予測モデル(138)は、前記人の前記屈折値の前記進行(114)を予測し、前記第2の予測モデル(138)は、ガウス過程回帰(GPR)を使用する第2の線形予測モデルであることを特徴とするコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することは、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法(210)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記方法(210)は、
- 少なくとも1つの入力インターフェース(116)を使用することにより、請求項10又は11に記載の前記人に関するデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するステップ、
- 少なくとも1つの処理デバイス(120)を使用することにより、請求項10又は11に記載の人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェース(122)を使用することにより、前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを提供するステップ
を含む、コンピュータ実施方法(210)。
【請求項13】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行される場合、前記コンピュータに、請求項10
又は11のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つのステップを実施させる、コンピュータプログラム。
【請求項14】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するための処理デバイス(120)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記処理デバイス(120)は、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、提供すること
を行うように構成される、処理デバイス(120)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、
○
前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
○
前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含むことを特徴とする処理デバイス(120)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのリスク要因は、
・前記人の少なくとも一方の親の屈折状態(322)、
・前記人の行動に関する少なくとも1つのパラメータ
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求項14に記載の処理デバイス(120)。
【請求項16】
前記人の前記行動に関する前記少なくとも1つのパラメータは、
・前記人によって近視作業に費やされた第1の時間量(324)、
・前記人によって屋外で費やされた第2の時間量(326)
の少なくとも1つに関するデータから選択される、請求
項15に記載の処理デバイス(120)。
【請求項17】
前記人に関する前記データは、少なくとも1つのタイプの近視治療(328)をさらに含み、前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)は、
・コンタクトレンズ又は眼鏡レンズから選択される光学レンズ、
・ある用量の薬物、
・屈折矯正手術
の少なくとも1つの適用から選択され、前記屈折状態(320)は、
・少なくとも1つの眼の少なくとも1つの屈折値、
・前記少なくとも1つの眼の少なくとも1つの生体計測値
の少なくとも1つから選択される、請求項14~16のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)への合計データ入力は、第1の量の長手方向データ入力及び第2の量の断面データ入力を含み、前記第1の量は、30%~70%であり、及び前記第2の量は、30%~70%であり、前記第1の量と前記第2の量とは、合計で100%になる、請求項14~
16のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項19】
・複数のさらなる人と比較した前記人のランキング(334)、
・前記人の近視のリスク(338)、
・前記人の高近視のリスク(340)
の少なくとも1つを判定するようにさらに構成される、請求項14~16のいずれか一項に記載の処理デバイス(120)。
【請求項20】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのシステム(110)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記システムは、
- 請求項14~
16のいずれか一項に記載の人に関するデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するように構成された少なくとも1つの入力インターフェース(116)、
- 処理デバイス(120)であって、
○前記人に関する前記データを含む前記少なくとも1つの入力ファイルを受信することであって、前記データは、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含む、受信すること、
○少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供することであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、提供すること
を行うように構成される処理デバイス(120)、
- 前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関するデータを提供するように構成された少なくとも1つの出力インターフェース(122)
を含む、システム(110)において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、
○
前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
○
前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含むことを特徴とするシステム(110)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの出力インターフェースは、
・前記屈折値に関する少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)であって、年齢の範囲をカバーする集団ベースのデータに関して提供される少なくとも1つのパーセンタイル参照(344、346、348)、
・前記少なくとも1つのタイプの近視治療(328)の実施を考慮した前記人の屈折値の修正された進行(350)
の少なくとも1つをさらに提供するようにさらに構成される、請求項20に記載のシステム(110)。
【請求項22】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するためのコンピュータ実施方法であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記方法は、
○人に関するデータであって、
・前記人の屈折状態(320)と、
・前記人の年齢(314)、性別(316)及び民族性(318)と、
・前記人に関する少なくとも1つのリスク要因と
を含むデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するステップ、
- 少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することによって判定された前記人の屈折値の進行(114)に関するデータを含む少なくとも1つの出力ファイルを提供するステップであって、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、判定ステップ(214)において、前記少なくとも1つの入力ファイルからの前記データを使用することにより、前記人に関する前記データから前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを判定するように構成され、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、前記人に関する前記データと、前記人の前記屈折値の前記進行(114)との間の関係を判定するための少なくとも1つの予測モデル(134)を含む、ステップ
を含む、コンピュータ実施方法において、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)は、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、
○
前記第1の予測モデル(136)は、長手方向データを使用し、前記長手方向データは、特定の人に関する複数の第1のデータ片を含み、
○
前記第2の予測モデル(138)は、断面データを使用し、前記断面データは、複数の異なる人に関する少なくとも1つの第2のデータ片を含むことを特徴とするコンピュータ実施方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(132)を使用することは、第1の予測モデル(136)及び第2の予測モデル(138)を使用することを含み、前記第1の予測モデル(136)は、中間予測データを生成し、前記中間予測データは、前記第2の予測モデル(138)の入力として使用される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
人の屈折値の進行(114)に関するデータを提供するためのコンピュータ実施方法(210)であって、前記屈折値の前記進行(114)は、ある期間にわたる前記人の少なくとも1つの眼の前記屈折値の時間的変化の予測であり、前記方法(210)は、
- 少なくとも1つの入力インターフェース(116)を使用することにより、請求項22又は23に記載の前記人に関するデータを含む少なくとも1つの入力ファイルを受信するステップ、
- 少なくとも1つの処理デバイス(120)を使用することにより、請求項22又は23に記載の人の屈折値の進行(114)に関するデータを判定するステップ、
- 少なくとも1つの出力インターフェース(122)を使用することにより、前記人の前記屈折値の前記進行(114)に関する前記データを提供するステップ
を含むコンピュータ実施方法(210)。
【請求項25】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行される場合、前記コンピュータに、請求項22
又は23のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つのステップを実施させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】