(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】浮体式風力タービンシステムと方法
(51)【国際特許分類】
F03D 13/25 20160101AFI20241112BHJP
B63B 22/20 20060101ALI20241112BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20241112BHJP
B63B 75/00 20200101ALI20241112BHJP
B63B 77/10 20200101ALI20241112BHJP
【FI】
F03D13/25
B63B22/20
B63B35/00 T
B63B75/00
B63B77/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527083
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022079338
(87)【国際公開番号】W WO2023081849
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524168862
【氏名又は名称】アイキドー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カナー, サム
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ビンビン
(72)【発明者】
【氏名】リーブス, ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB77
3H178BB90
3H178CC22
3H178DD61X
3H178DD67X
(57)【要約】
本開示は、一態様では、輸送中に、風力タービンを横向姿勢に連結させることにより、これらの港にアクセスするためのシステム及び方法を提供する。障害物を通り過ぎて、より深い水域に位置すると、タービンを建て起こして直立の構成にすることができる。システムは、第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の外側柱であって、複数の外側柱が、中心軸Yを取り囲み、中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、複数の外側柱、を含む、船体アセンブリを備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含むタワーであって、前記タワーが中心軸Yを有する、前記タワーと、
船体アセンブリであって、
中央柱の上部で前記タワーのベースに結合される前記中央柱であって、前記中央柱が、前記中心軸Yと一致する中心柱軸を有する、前記中央柱と、
複数の外側柱であって、3つ以下の外側柱を含み、第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含み、前記複数の外側柱が、前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置され、それぞれの隣接する外側柱が、前記中心軸Yの周りに互いに120°離れており、前記中心軸Yと一致する3つの対称面を画定し得る、前記複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結し、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱のそれぞれの上端から延びる少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結し、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱のそれぞれの下端から延びる少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結し、それぞれの上部トラス部材と下部トラス部材との間に対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を備え、
前記船体アセンブリが、前記第1の上部トラス部材、前記第2の上部トラス部材、及び前記第3の上部トラス部材が、第1の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ前記第1の下部トラス部材、前記第2の下部トラス部材、及び前記第3の下部トラス部材が、前記第1の共通平面に平行で前記中心軸Yに垂直な第2の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ前記3つの外側柱が互いに平行なそれぞれの外側柱中心軸を有する伸長構成をとるように構成されており、
前記船体アセンブリが、前記伸長構成から折り畳み構成をとるように構成されており、前記3つの外側柱のうちの1つまたは2つが、前記タワーに向かって、その近くまで、上方に折り畳まれるように構成され、前記3つの外側柱のうちの他の1つまたは2つの柱が、前記中央柱のベースの下方に、その近くまで、折り畳まれるように構成されている、
前記船体アセンブリと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記中央柱及び前記3つの外側柱は、前記船体アセンブリのバラストとして機能する水で満たされるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、水域の表面上で前記水域内に浮いた直立構成をとるように構成され、前記船体アセンブリは前記伸長構成にあり、前記タワーは前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記3つの外側柱と前記中央柱とは部分的に前記水域内に沈み、前記システムは、前記少なくとも3つの外側柱と前記中央柱との浮力に基づいて前記水域内に浮いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記直立構成の前記システムは、8~12mの港喫水許容値及び50~70mのエアドラフト許容値に違反するが、前記折り畳まれた水平構成の前記システムは、前記8~12mの港喫水許容値にも、前記50~70mの港エアドラフト許容値にも違反しない、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
船体アセンブリであって、
中心軸Yを有する中央柱と、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、前記中心軸Yの周りで前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を備える、システム。
【請求項6】
タービンを含む前記船体アセンブリから延びるタワーをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記船体アセンブリが、3つ以下の外側柱を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記船体アセンブリが、前記第1の上部トラス部材、前記第2の上部トラス部材、及び前記第3の上部トラス部材が、第1の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ前記第1の下部トラス部材、前記第2の下部トラス部材、及び前記第3の下部トラス部材が、前記第1の共通平面に平行で前記中心軸Yに垂直な第2の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延びる伸長構成をとるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記船体アセンブリは、前記複数の外側柱のうちの1つまたは2つが上方に折り畳まれるように構成され、前記複数の外側柱のうちの他の1つまたは2つの柱が下方に折り畳まれるように構成された折り畳み構成をとるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
船体アセンブリであって、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、中心軸Yを取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記複数の外側柱、を含む、前記船体アセンブリを備える、システム。
【請求項11】
前記中心軸Yに沿って延びる中心柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記中心軸Yに沿って延びる中心柱と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記中心軸Yに沿って延びる中心柱と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、をさらに備える、請求項10のシステム。
【請求項14】
前記船体アセンブリから延びるタワーをさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記船体アセンブリが、3つ以下の外側柱を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の外側柱は、前記船体アセンブリのバラストとして機能する水で満たされるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記船体アセンブリは、前記複数の外側柱のうちの1つまたは2つが上方に折り畳まれるように構成され、前記複数の外側柱のうちの他の1つまたは2つの柱が下方に折り畳まれるように構成された折り畳み構成をとるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記船体アセンブリが、複数の上部トラス部材が、第1の共通平面内で、中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ複数の下部トラス部材が、前記第1の共通平面に平行で前記中心軸Yに垂直な第2の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延びる伸長構成をとるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、水域の表面上で前記水域内に浮いた直立構成をとるように構成され、前記船体アセンブリは前記伸長構成にあり、前記船体アセンブリに結合されたタワーが前記水域の前記表面上に垂直に延び、前記複数の外側柱が少なくとも部分的に前記水域内に沈み、前記システムが、少なくとも前記複数の外側支柱の浮力に基づいて前記水域内に浮く、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記直立構成の前記システムは、港喫水許容値50~70mに違反するが、折り畳まれた構成の前記システムは、前記港喫水許容値50~70mに違反しない、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
水域に浮かぶダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される8°~10°の平均ヒール角を受動的に取ることであって、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、前記取ることと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角が8°及び10°と等しいか、または8°~10°の範囲内であると仮定して、重力に垂直な水平軸から最大ロータミスアライメントが-1°~-7°の範囲で動作することと、を含み、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、
前記タワーであって、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rの周りを回転するように構成され、前記複数のブレードが、前記ロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを有し、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに垂直な軸に対するロータ軸Rの角度によって定義される静的傾斜角を有し、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、3°~7°の静的傾斜角を有し、その結果、前記ロータ軸Rが、垂直位置で3°~7°のミスアライメントを有する、前記タワーと、
船体アセンブリであって、
中央柱の上部で前記タワーのベースに結合される前記中央柱であって、前記中央柱が、前記中心軸Yと一致する中心柱軸を有する、前記中央柱と、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む、少なくとも3つの複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、前記中心軸Yの周りで前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記少なくとも3つの複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を含む、前記船体アセンブリと、を備え、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記水域の底部に結合されることなく、前記水域の表面上で、前記水域内に受動的に浮かぶ直立構成を取るように構成され、前記タワーが、前記3つの外側柱及び前記中央柱が部分的に前記水域内に沈んだ状態で前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記少なくとも3つの外側柱及び前記中央柱の浮力に基づいて前記水域内に浮かぶ、前記方法。
【請求項22】
ロータの傾斜角が変更されるように構成されている、請求項21に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項23】
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、ティータードダウンウィンド型浮体式風力タービンとして動作するように構成され、ロータの傾斜角を変更できるようにするティータードハブを備える、請求項22に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項24】
前記中央柱及び前記3つの外側柱は、前記船体アセンブリのバラストとして機能する水で満たされるように構成される、請求項21に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項25】
ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
水域に浮かぶダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される8°~10°の平均ヒール角を受動的に取ることであって、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、前記取ることと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角が8°及び10°と等しいか、または8°~10°の範囲内であると仮定して、重力に垂直な水平軸から最大ロータミスアライメントが-1°~-7°の範囲で動作することと、を含み、
前記タワーが、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rの周りを回転するように構成され、前記複数のブレードが、前記ロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを有し、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに垂直な軸に対するロータ軸Rの角度によって定義されるロータ傾斜角を有し、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、3°~7°の静的傾斜角を有し、その結果、前記ロータ軸Rが、垂直位置で3°~7°のミスアライメントを有する、前記方法。
【請求項26】
請求項25に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、
船体アセンブリであって、
中央柱の上部で前記タワーのベースに結合される前記中央柱であって、前記中央柱が、前記中心軸Yと一致する中心柱軸を有する、前記中央柱と、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む、少なくとも3つの複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、前記中心軸Yの周りで前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記少なくとも3つの複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を備える船体アセンブリを備える、前記方法。
【請求項27】
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、前記水域の底部に結合されることなく、前記水域の表面上で、前記水域内に浮かぶ直立構成を取るように構成され、前記タワーは、複数の外側柱が前記水域内に沈んだ状態で前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、少なくとも前記複数の外側柱の浮力に基づいて前記水域内に浮かぶ、請求項25に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項28】
ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、ある範囲内の平均ヒール角を取って水域に浮かぶことであって、前記平均ヒール角が、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される、前記浮かぶことと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角を仮定しながら、重力に垂直な水平軸から最大のロータミスアライメントで動作することと、を含み、
前記タワーが、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rを中心に回転するように構成され、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに対する垂直軸に対するロータ軸Rの角度によって定義されるロータ傾斜角を有する、前記方法。
【請求項29】
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項30】
前記平均ヒール角が5°及び15°であるか、または5°~15°である、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項31】
前記最大ロータミスアライメントが1°~13°である、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項32】
前記ロータ傾斜角が、1°及び10°であるか、または1°~10°である、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項33】
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の少なくとも3つの外側柱を含む船体アセンブリを備える、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項34】
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、前記水域の底部に結合されることなく、前記水域の表面上で、前記水域内に浮かぶ直立構成を取るように構成され、前記タワーは、複数の柱が前記水域内に沈んだ状態で前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、少なくとも前記複数の柱の浮力に基づいて前記水域内に浮かぶ、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項35】
前記平均ヒール角が1°及び20°であるか、または1°~20°である、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項36】
前記最大ロータミスアライメントが2°~20°である、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項37】
前記ロータの傾斜角が変更されるように構成されている、請求項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項38】
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、ティータード浮体式風力タービンとして動作するように構成され、前記ロータの傾斜角を変更できるようにするティータードハブを備える、請求項37に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
【請求項39】
ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
水域に浮かぶダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される14°~16°の平均ヒール角を受動的に取ることであって、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、前記取ることと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角が14°及び16°と等しいか、または14°~16°の範囲内であると仮定して、重力に垂直な水平軸から最大ロータミスアライメントが-1°~1°の範囲で動作することと、を含み、
前記タワーが、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rの周りを回転するように構成され、前記複数のブレードが、前記ロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを有し、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに垂直な軸に対するロータ軸Rの角度によって定義されるロータ傾斜角を有し、前記ロータ傾斜角が3°~7°であり、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、3°~7°の静的傾斜角を有し、その結果、前記ロータ軸Rが、垂直位置で3°~7°のミスアライメントを有する、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、代理人整理番号0105198-037PROを付した「SELF-UPENDING FLOATING WIND PLATFORM SYSTEMS AND METHODS」と題する2021年11月5日に提出された米国仮出願第63/276,082号の通常出願であり、この米国仮出願の利益を主張するものである。この米国仮出願を、全体として参照により、あらゆる目的において、本明細書に援用する。
【0002】
本出願は、代理人整理番号0105198-038PROを付した「DOWNWIND FLOATING WIND TURBINE AND ITS CONTROL SYSTEM」と題する2021年11月5日に提出された米国仮出願第63/276,086号の通常出願であり、この米国仮出願の利益を主張するものである。この米国仮出願を、全体として参照により、あらゆる目的において、本明細書に援用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
浮体式風力タービンのいくつかの実施形態を洋上に配備することが着床式風力タービンよりも優れている点の1つは、そのような浮体式風力タービンは、陸上でクレーンと機械を使用して組み立て、試運転し、その後サイトまで曳航できることである。しかし、世界中の多くの港へのアクセスは、構造物が海面からそびえ立つ高さ(「エアドラフト」と呼ばれる)を制限する場合がある橋またはその他の障害物(例えば、空港規制)によって妨げられることがある。世界の既存のインフラの多くは、船舶クラス(例えば、PANAMAX、CHINAMAXなど)を標準化した世界的な海運業界によって推進されてきた。いくつかの例では、エアドラフト許容値は、50~70mになり得る。風力タービンの中には、ハブの高さが100メートルを超えるものもあり、多くの大規模な港または造船所に入ることができなくなる。
【0004】
本開示は、一態様では、輸送中に、風力タービンを横向姿勢に連結させることにより、これらの港にアクセスするためのシステム及び方法を提供する。障害物を通り過ぎて、より深い水域に位置すると、タービンを建て起こして直立の構成にすることができる。さらに、多くの港では喫水制限が低く設定されていることがあり、その喫水制限は7m~8mであり得る。風力タービンを横向姿勢で輸送することにより、様々な実施形態において喫水を低減させることができる。
【0005】
本明細書で説明するいくつかの例のもう1つの利点は、極値風または障害事象において風力タービン及び浮揚船体構造にかかる負荷を低減させることができることである。いくつかの実施形態では、タービンタワーは、強風によって、またはモータ、アクチュエータなどの組み込みによって、横向(またはほぼ横向)の姿勢に連結させられ得る。タービンがこのような位置にある場合、タービン及び浮揚船体にかかる負荷を低減させることができる。いくつかの例では、タービンの障害事象中、タービンからの力が船体に直接伝達されない場合がある。代わりに、さまざまな実施形態では、タービン下部構造の粘性減衰によってエネルギーを消散させる場合がある。
【0006】
現在の風力タービンは、陸上及び固定式の洋上風力プラットフォームでは堅牢であり得るが、浮体式プラットフォームで使用する場合は、通常、複雑な制御システムまたは大型のプラットフォームが必要になる。これらのプラットフォーム制御システムは、設置にコストがかかり、定期的なメンテナンスが必要なため、保守及び運転が困難である。一部の風力タービンでは、動作中のブレードの先端とタワーとの間の空間距離を増やすために、ロータが4~8度だけ上向きに傾けられている。風力タービンの主軸は、ロータからのトルクを伝達するために、発電機またはギアボックスからハブまであるため、水平に対するこの角度はシャフト軸と呼ばれる。
【0007】
本開示の様々な実施形態で説明される風力タービンには、ダウンウィンド型タービンが含まれ、このダウンウィンド型タービンでは、動作中のブレードの先端とタワーとの間の空間距離を増やすために、ロータが水平から4~8度上向きに配向されている。さまざまな例の風力タービンは、風から電力を生成するために推力を発生させる。推力によりプラットフォームに転倒モーメントが発生し得、それによりプラットフォームに平均ヒール角が生じ得る。ここで、ヒール角は、風の方向におけるプラットフォームの平均ピッチ角であり得る。
【0008】
浮体式風力プラットフォームのいくつかの例では、ターゲット設計ヒール角は、プラットフォームがタービンの定格推力を受けたときのプラットフォームのヒール角である。一般的に、定格推力は、運転中のタービンにかかる最大平均推力である。プラットフォームの設計ヒール角は、プラットフォーム及び係留システムの復元力によって決まり得る。復元力は、プラットフォームの重心と浮力、水面慣性モーメント面積、及び係留システムによる復元力の関数となり得る。一般に、プラットフォームの静水圧剛性を高めると、システムのコストもしくは複雑さ、またはその両方が増す可能性がある。例えば、従来の半潜水型浮体式風力プラットフォームの場合、柱の間隔を広げるか、柱のサイズを大きくするか、またはその両方を行うことで静水圧剛性を高めることができる。アクティブプラットフォーム制御システムを備えていない風力プラットフォームは、設計ヒール角を4~5度に設定できるため、最大のロータミスアライメントずれは水平から8~13度になる。さまざまな実施形態では、タービンの出力はロータの掃引面積の関数である。掃引面積は、タービンの傾斜角の関数として、傾斜角(gamma)の余弦の関数として減少する。数学的には、
【0009】
P=.5*rho*Cp*A*cos(gamma)*V^3
【0010】
ここで、rhoは空気密度、Cpは出力係数、Aはブレードの掃引面積、gammaはタービンの傾斜角、Vは風速である。
【0011】
一部の実施形態には、平均ヒール角で受動的に動作する浮体式のダウンウィンド型固定ハブタービンが含まれる。例えば、動力を生み出すためにスラストを発生させ、そのようなスラストによって、プラットフォームが風の方向に傾斜し得る(傾き得る)。例えば、平均ヒール角が10度の浮体式風力タービンを設計することにより、さまざまな実施形態において、陸上のものなど、垂直に向けられたアップウィンド型タービンと同じロータミスアライメント(+/-5度)が生じる。例えば、平均ヒール角が15度のプラットフォームを設計することにより、ヒール角が5度の浮体式プラットフォーム上のアップウィンド型タービンと同じロータミスアライメントが生じる。
【0012】
一部の実施形態には、平均ヒール角で受動的に動作する浮体式のダウンウィンド型ティータードタービンが含まれる。例えば、さまざまな実施形態において、平均ヒール角が15度である浮体式風力タービンを設計することにより、垂直に向けられたアップウィンド型タービンよりもロータミスアライメントが小さくなり得る(例えば、0度対+5度)。
【0013】
アクティブプラットフォーム制御システムを備えた一部の風力プラットフォームでは、設計ヒール角を5~8度に設定できるため、タワーを垂直に保ち、最大のロータミスアライメントを4~8度に維持することができる。一部の風力タービンには、より大きなアクティブ制御システムが搭載されている場合があり、それによって傾斜角が大きくなり、ロータミスアライメントが0度になる可能性がある。しかし、風力タービンシステムのいくつかの例における前述の障害及び欠陥を克服するために、改良された浮体式専用風力タービン及びその制御方法が必要とされている。
【0014】
さまざまな実施形態において、ある傾斜角で動作する、角度調節可能なダウンウィンド型浮体式風力タービンの利点は、浮体式風力タービンによって生成される後流を押し下げ、複数の浮体式風力タービンがアレイ、グループ、またはファーム状に配置されている下流の浮体式風力タービンへの影響を低減させることができることである。さまざまな実施形態では、これにより、より多くの浮体式風力タービンを所与のエリアに詰め込むことが可能になり得、このことは浮体式風力タービンのオペレータやその他の利害関係者(漁業など)にとって大きな関心事となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1a】浮体式風力タービンの実施形態例の第1の側面図である。
【0016】
【
図1b】
図1aの浮体式風力タービンの実施形態例の第2の側面図である。
【0017】
【
図2a】浮体式風力タービンの別の実施形態例の第1の側面図である。
【0018】
【
図2b】
図1aの浮体式風力タービンの実施形態例の第2の側面図である。
【0019】
【
図3】浮体式風力タービンの船体及びタワーのさらなる実施形態例の斜視図である。
【0020】
【
図4】ほぼ水平な構成または非垂直構成の浮体式風力タービンの側面図である。
【0021】
【
図5】実施形態による格納式ラムを備えた連結型タグバージの側面図である。
【0022】
【
図6】実施形態による剛性アーム一点係留(SPM)ブイシステムの上面斜視図である。
【0023】
【
図7】3枚のタービンブレードを備えた風力タービンを含むナセルの斜視図である。
【0024】
【
図8】直立した(例えば、動作可能な)構成における自立型浮体式風力タービンの実施形態例を示す。
【0025】
【
図9】
図8の浮体式風力タービンの下部を拡大した図である。
【0026】
【
図10】折り畳まれた(例えば、輸送)構成における自立型浮体式風力タービンの実施形態例を示す。
【0027】
【
図11】建て起こし動作中の自立型浮体式風力プラットフォームの実施形態例を示す。
【0028】
【
図12】3本の外側柱を有する浮体式風力タービンの別の実施形態例を示す。
【0029】
【
図13a】タワーの中心軸Yがヒール角0°であり、ロータ傾斜角が5°であるアップウィンド型浮体式風力タービンの例を示す。
【0030】
【
図13b】ヒール角10°である
図13aのアップウィンド型浮体式風力タービンを示す。
【0031】
【
図14a】タワーの中心軸Yがヒール角0°であり、ロータ傾斜角が5°であるダウンウィンド型浮体式風力タービンの例を示す。
【0032】
【
図14b】ヒール角10°である
図14aのダウンウィンド型浮体式風力タービンを示す。
【0033】
【
図15】ティータードロータを備えたダウンウィンド型浮体式風力タービンの例を示す。
【0034】
【
図16】風力タービンコントローラの方法のブロック図である。
【0035】
【
図17a】静的傾斜角が5°、ヒール角が0°の静的条件下でのダウンウィンド型浮体式風力タービンの実施形態例を示し、この例では、傾斜角が0°の場合と比較して、年間発電量(AEP)が0.4%減少する。
【0036】
【
図17b】静的傾斜角が5°、ヒール角が10°、したがって-5°のロータミスアライメントを生じさせる定格スラスト条件下でのパッシブダウンウィンド型浮体式風力タービンの実施形態例を示し、この例では、ロータミスアライメントが0°の場合と比較して、AEPが0.4%減少する。
【0037】
【
図18a】静的傾斜角が5°、ヒール角が0°の静的条件下でのアップウィンド型浮体式風力タービンの実施形態例を示し、この例では、傾斜角が0°の場合と比較して、AEPが0.4%減少する。
【0038】
【
図18b】静的傾斜角が5°、ヒール角が5°、したがって10°のロータミスアライメントを生じさせる定格スラスト条件下でのパッシブアップウィンド型浮体式風力タービンの実施形態例を示し、この例では、ロータミスアライメントが0°の場合と比較して、許容可能な1.5%のAEPの減少を引き起こす。
【0039】
【
図18c】静的傾斜角が5°、ヒール角が10°、したがって15°のロータミスアライメントを生じさせる定格スラスト条件下でのパッシブアップウィンド型浮体式風力タービンの実施形態例を示し、この例では、ロータミスアライメントが0°の場合と比較して、許容できない3.4%のAEPの減少を引き起こす。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面は縮尺通りに描かれておらず、同様の構造または機能の要素は概して、図面全体を通して例示目的のために同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。また、図面は、好ましい実施形態の説明を容易にすることのみを目的としていることにも留意されたい。図面は、説明された実施形態のあらゆる側面を例示するものではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【0041】
以下では、いくつかの実施形態に従って、タワー及び支持船体プラットフォームを含む、より軽量でより安価な浮体式風力タービンを設計するために使用できる例示的なシステム及び方法について説明する。例えば、様々な実施形態は、以下の1つ以上を含む浮体式風力タービンを含み得る。
【0042】
(1)1枚、2枚または3枚のブレードを有する風力タービン(例えば、水平軸:アップウィンド型またはダウンウィンド型のロータ、または垂直軸)。
【0043】
(2)複数の浮力アセンブリ(例えば4つのアセンブリ)から構成されるプラットフォーム。例えば、いくつかの実施形態では、アセンブリは、ピンベアリングまたは他の適切な要素によって接続された部材を使用する4バーリンク機構を含むことができる。いくつかの例のアセンブリは、主要な浮力部材(例えば柱)を含む。一実施形態では、各アセンブリは中央の柱に接続される。
【0044】
(3)各アセンブリのための可動トラス部材であって、各アセンブリが、上記トラス部材の位置に応じて再構成することができるような、可動トラス部材。さまざまな例において、トラス部材が接続されると、アセンブリの最終的な位置が決定される。一実施形態では、アセンブリの最終位置は、柱が垂直に向くような位置である。
【0045】
一実施形態は、プラットフォームを
図8に示すように設計することができる。このような設計は、以下の要素の1つ以上を含むか、本質的にそれらから構成されるか、またはそれらから構成され得るが、実施形態によっては、そのような要素の1つ以上が特に存在しない。
【0046】
(a)不定量の質量を有し得る複数の浮力柱(部分的または完全に満たされたバラストタンクなど)。
【0047】
(b)複数の独立したアセンブリであって、水平部材(例えば、
図8の上部トラス部材及び下部トラス部材)が中央の柱と浮力構造(例えば、外側の柱)とで4バーリンク機構を形成するような、アセンブリ。いくつかの例では、各構造部材はピンベアリングによって接続され得る。
【0048】
(c)1本以上のピン留め構造用の斜め横梁。
【0049】
(d)横梁の端部が中央の柱/タワーを通過できるようにする機構。
【0050】
一実施形態は、プラットフォームの傾斜角を最適化するために使用できるタービン制御システムを備えた浮体式ダウンウィンド型タービンを含むか、本質的にそれで構成されるか、またはそれで構成される。
【0051】
別の実施形態は、ティータードハブを備えた浮体式ダウンウィンド型タービンと、ロータのティータ角及びプラットフォームの傾斜角を最適化するために使用できるタービン制御システムとを備え、本質的にそれらから構成され、またはそれらから構成される。
【0052】
いくつかのそのような実施形態では、プラットフォームが風の方向に受動的にピッチングまたは傾斜することができるので、プラットフォーム上にアクティブな制御システムが存在しない。しかし、さまざまな例では、ロータ面を水平に揃えたままにできるため、タービンは最大出力を生成することができる。
【0053】
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bを参照すると、浮体式風力タービン100の2つの実施形態例100A、100Bが、それぞれ
図1a及び
図1b、ならびに
図2a及び
図2bに示されている。浮体式風力タービン100は、軸Yに沿って延びるタワーシャフト112を有するタワー本体110を備えて示される。タワー本体110は、さらに、タワーシャフト112の下端にタワーベース114を備え、タワー本体110の末端下端にキールプレート116が配置されている。1つまたは複数のフィン118がキールプレート116とタワーベース114との間に延在して、キールプレート116とタワーベース114との間の結合を強化すること、及び/またはタワー110の回転、移動、またはピッチを抑えることができる。
【0054】
タワー本体110の上端に、ナセル170が配置可能である。ナセル170は、様々な適切な方法で構成することができ、
図7の例に示すように、ハブ172を備え、ハブ172から複数のブレード174が延びる風力タービン700を含む、様々な適切な要素を含むことができる。さらなる実施形態は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、16、24、36、48など、任意の適切な複数のブレード174を含むことができる。いくつかの実施形態では、風力タービン700は、アップウィンド型またはダウンウィンド型のロータを備えた水平軸で動作することができ、または垂直軸で動作することができる。
【0055】
さまざまな実施形態は、任意の適切なタービン要素を含むことができるため、
図7の例は限定的なものとして解釈されるべきではない。さらに、本明細書のさまざまな実施形態は風力タービンに関連しているが、さらなる実施形態が、灯台、橋、通信アレイ、気象観測所、観測所、兵器取り付け台などを含むさまざまな適切な目的のために採用できることは明らかである。
【0056】
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bに戻ると、浮体式風力タービン100は、一対のベース要素132と一対の支持アーキテクチャ134とを含む船体130を備え、これらのベース要素132及び支持アーキテクチャ134は、間隔を空けて配置され、1つ以上のバー136を介して互いに結合されていることがさらに示される。
図1b及び
図2bの例に示すように、一対のベース要素132A、132B、一対の支持アーキテクチャ134A、134B、及び1つ以上のバーは、船体キャビティ138を画定し得る。
【0057】
ピッチプレート140が、支持アーキテクチャ134A、134Bの間に延在し、ピッチシャフト142を介して船体130に回転可能に結合され得、それによってピッチプレート140が軸Xを中心に回転できるようにする。タワーシャフト112及び/またはタワーベース114は、ピッチプレート140を貫通して延び、ピッチプレート140に結合することができ、それによってピッチプレート140を介してタワー110が軸Xを中心に回転できるようにし得る。さまざまな実施形態では、タワー110の軸Yは、軸Xに対して垂直であり、及び/または軸Xと一致している場合がある。
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bの例(及び同様に本明細書でより詳細に説明されている
図3の例)に示されているように、ピッチプレート140を介したタワー110のこのような回転は、タワーベース114及び/またはキールプレート116が船体キャビティ138内で、本明細書に説明されている様々な構成にまで、スイングまたはピッチングすることを可能にし得る。
【0058】
さらに、タワー110は、ヨーベアリング144を介してピッチプレート140に結合することができ、これにより、タワーシャフト112及び/またはタワーベース114がタワー110の軸Yを中心に回転できるようにし得る。いくつかの実施形態では、軸Yを中心にタワー110を回転させることは、ナセル170を、タワー110に関連する風力タービン700が最大量のエネルギーを生成する角度、ブレード174の構造的完全性を損なうことなく最大量のエネルギーを生成する角度、ブレード174を風による損傷から保護する角度など、所望の方向または最適な方向に配置するために、望ましい場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、ナセル170は、ヨーベアリング144に加えて、またはその代わりに、タワー110の上部に回転可能に結合することができる。いくつかの実施形態(例えば、ダウンウィンド型タービンの実施形態)では、中心軸Yの周りでタワー110のヨー回転を能動的に駆動するヨーモータまたはアクチュエータが存在する場合、または存在しない場合がある。いくつかの例では、風力タービンの風向計が風下にあってもよく、ヨーベアリング144が、船体130に対するタワー110の受動的な回転を可能にすることができる。別の実施形態では、円錐ベアリングによってタワー110の自由なヨー運動が可能になってもよく、一方で(例えば、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bに示すように)船体130を分割することができる。
【0059】
アップウィンド型タービンの実施形態では、ヨーベアリング144は、ナセル170内のヨーコントローラの必要性に取って代わることができる。このような実施形態の1つでは、ナセル170が風上を向くように、モータがヨーベアリング144を駆動することができる。この構成では、いくつかの例では、浮体式風力タービン100のベアリングまたは他の要素への軸外負荷を最小限に抑えるために、ピッチシャフト142の軸Xが入射風の方向に対して垂直であることが望ましい場合がある。
【0060】
浮体式風力タービン100は、水域102の表面101上に浮かんで配置されるように構成することができ、浮体式風力タービン100の一部は水域102内に配置され、浮体式風力タービン100の一部は水域102の上方103に配置される。例えば、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bの実施形態100A、100Bでは、ナセル170、タワーシャフト112、ピッチプレート140、ピッチシャフト142、ヨーベアリング144、及び軸Xが、水域102の表面101の上方103に配置されている様子が示されている。タワーベース114及び支持アーキテクチャ134の一部は、部分的に水域102の上方103にあり、かつ水域102内にあるように示されている。船体130のベース要素132とタワー110のキールプレート116とは、水域102の表面101の下にあることが示されている。浮体式風力タービン100は、海洋、湖、川、人工水域などを含む任意の適切な水域または流体内に配置することができる。
【0061】
さらなる実施形態は、浮体式風力タービン100のさまざまな要素を、浮体式風力タービン100が浮いている水域102の表面101に対してさまざまな適切な位置に配置されるように構成することができるため、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bの例は限定的なものとして解釈されるべきではない。さらに、本明細書で説明するように、浮体式風力タービン100の浮力は、さまざまな実施形態で変更することができ、これにより、特定の時点でどの要素が水域102の上方103にあるか、または水域102内にあるかを変化させることができる。いくつかの実施形態では、タワー110の回転に対する抵抗または回転の減衰をもたらすために、タワーベース114の少なくとも一部及びキールプレート116などの要素を水域102内に配置することが望ましい場合がある。
【0062】
例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のフィン118は、回転軸Xに平行な平面を有し、この平面は、表面領域を提供することができ、この表面領域は、そのような表面領域と、タワー110のフィン118が回転する水102との間の摩擦に基づいて、タワー110の回転に対する抵抗または回転の減衰をもたらす。さらに、いくつかの実施形態では、ピッチプレート140、ピッチシャフト142、及び/またはヨーベアリング144などの要素を水102の表面101より上に配置して、そのような要素への水の浸入、腐食などを防止または軽減することが望ましい場合がある。
【0063】
様々な実施形態において、浮体式風力タービン100を水面102の表面101上の位置に固定するか、または実質的に固定することが望ましい場合がある。例えば、浮体式風力タービン100が漂流するのを防止し、または浮体式風力タービン100が(例えば、風力発電所内の)別の浮体式風力タービン100、礁、海岸、岩、崖などの望ましくない物体に接触するのを防止することが望ましい場合がある。
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bの例を含む様々な実施形態では、1本以上の係留索150を浮体式風力タービン100に結合して、浮体式風力タービン100を所定の位置に固定するか、または実質的に固定することができる。例えば、このような1本以上の係留索150は、支持アーキテクチャ134(
図1a及び
図1b参照)、ベース要素(複数可)132(
図2a及び
図2b参照)など、船体130上の様々な適切な位置に結合することができる。いくつかの例では、係留索150は、海底、湖底、河床などの重りまたはアンカーに結合することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100は、浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)などのタレットシステムまたは一点係留ブイに接続できる。このような係留ブイシステム600の例を
図6に示す。いくつかの実施形態では、このようなタレットシステムは、風上方向に回転するように駆動すること、または受動的に風下方向に風向計を動かすようにすることができる。
【0065】
さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100は(例えば、
図7の例に示すように、風力タービン700を回転させる風を介して)電力を生成することができ、生成された電力は1つ以上の電気ケーブル155を介してさまざまな場所に伝送することができ、さまざまな実施形態において、電気ケーブル155は、
図1a及び
図1bに示すように、キールプレート116の底部から延びることができる。例えば、いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100によって生成された電力は、陸上、バッテリーステーション、別の浮体式風力タービン100、水上電力消費者(例えば、浮体式住宅、船舶、ステーションなど)に送信することができる。さらに、いくつかの実施形態では、1本以上の電気ケーブル155は、浮体式風力タービン100に電力を供給するように構成することができ、その電力は、陸上、バッテリーステーション、別の浮体式風力タービン100などから受け取ることができる。
【0066】
図3を参照すると、浮体式風力タービン100のさらなる実施形態100Cの一部が示されており、これは、ピッチシャフト142を介して船体130に回転可能に結合されたタワー110を含む。この実施形態例100Cでは、船体130は、タワー110を囲む1つ以上のフロータモジュール334と、フロータモジュール334間に延びる1つ以上のコネクタ336とを含むことができる。いくつかの例では、コネクタ336は、船体130を強化するヒンジ接続部を備えるが、本明細書で説明するように、タワー110が倒れることを可能にし得る。
【0067】
船体130の上端にヨーユニット344が配置され得、一対のピッチユニットがヨーユニット344に配置され、このピッチユニットは、ピッチシャフト142を保持し、ピッチシャフト142を介してタワー110を回転させることを可能にし得る。フロータモジュール334、コネクタ336、及びヨーユニット344は、船体キャビティ338を画定することができ、タワー110が、そのキャビティを通って延在し、ピッチシャフト142を介してピッチングまたは回転することができる。ヨーユニット344は、タワー110が中心軸(例えば、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bに示す軸Y)を中心に回転できるように回転するように構成され得る。船体130は、本明細書で説明するように、係留索150を浮体式風力タービン100に結合して固定できるようにする1つ以上のフェアリーダ350をさらに備えることができる。
【0068】
さまざまな実施形態において、ヨーユニット344のベースは、浮体式風力タービン100のタワー110の90度のピッチ回転を可能にし得る「C」字型に設計された浮体を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ336をヒンジ式にすることができ、コネクタ336が開いているときにタワー110を連結させることができるようにし得、コネクタ336が閉じているときに船体130の構造全体にわたって荷重を伝達することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、ピッチベアリングをタワー110上に配置することが可能であり、ピッチシャフト142は、タワー110を浮揚船体130から切り離すことができる格納式ラムを備えることが可能である。様々な例において、このようなアセンブリは、
図5に示すように、連結型タグバージ500で使用され得る。別の実施形態では、タワー110は、滑節を介して船体130に接続され得る。いくつかの例では、タービンを倒すために、内部ケーブルに張力をかけることができる。このような実施形態の1つでは、浮揚船体130を、より構造的に効率的なトロイダル形状にすることができる。
【0070】
本明細書で論じられているように、様々な実施形態において、ピッチシャフト142などにより、浮体式風力タービン100のタワー110は、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bに示すように垂直またはほぼ垂直の構成(例えば、発電用)、あるいは
図4に示すように水平またはほぼ水平の構成(例えば、設置、輸送、負荷軽減用)をとることが可能になり得る。例えば、
図4は、タワー110の中心軸Yがほぼ水平の構成にあり、軸Y1に沿って配置されている浮体式風力タービン100の実施形態100Aを示し、タワー110の中心軸Yが軸Y2に沿って配置される垂直またはほぼ垂直の構成をとるために、タワー110が、ピッチシャフト142の周りで角度θだけピッチングするように構成されている。さまざまな実施形態において、構成または軸Y2は、重力、浮体式風力タービン100が浮いている水域102の表面101の平面W、浮体式風力タービン100の主水平軸などに対して垂直またはほぼ垂直であることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100を、垂直またはほぼ垂直の構成から(例えば、軸Y2から)、正及び/または負の45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、90°、95°、100°、105°、110°、115°、120°、125°、130°、135°などを含む任意の適切な角度θだけピッチングまたは回転するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態は、垂直またはほぼ垂直の構成から一方向にのみ回転するように構成することができ、あるいは垂直またはほぼ垂直の構成から両方向に回転またはピッチングするように構成することができる。いくつかの実施形態では、両方向の最大回転は、同じであってもよく、または異なっていてもよい(例えば、上記の例示値のいずれか)。いくつかの実施形態では、タワー110は、ピッチングまたは回転して、タワー110、ナセル170、またはナセル170の風力タービンが水102の中に延びること、あるいは水102の表面101に接触することを防止する状態になるように構成することができるが、いくつかの実施形態では、タワー110、ナセル170、及び/またはナセル170の風力タービンが水102の中に延び、または水102の表面101に接触するように構成することができる。
【0072】
さまざまな実施形態において、タワー110の回転またはピッチは、波、風、嵐などのあおりを受けて、船体130が水102の表面101で回転、ピッチング、または移動する能力に基づいて構成され得る。いくつかの例では、船体130が水102の表面101で回転、ピッチング、または移動したとしても、タワー110を垂直またはほぼ垂直の構成に維持できるように、タワー110の向きを船体130に対してアクティブに制御することができる。例えば、タワー110及び/または船体130の向きを、所望の垂直またはほぼ垂直の構成を基準にして監視し、決定することができ、モータ、アクチュエータなどにより、水102の表面101での船体130の回転、ピッチング、または移動にかかわらず、タワー110の向きを所望の垂直またはほぼ垂直の構成に向けて能動的に変化させることができる。
【0073】
浮体式風力タービン100を動作させる方法の一実施形態は、タワー110及び/または船体130の向きを決定することと、タワー110及び/または船体130の決定された向きに少なくとも部分的に基づいて、タワー110が垂直またはほぼ垂直の構成ではない向きにあるか、垂直またはほぼ垂直の構成の誤差範囲内にあるかを判定することと、タワー110を(例えば、ピッチシャフト142を中心に)作動させて、タワー110を所望の垂直またはほぼ垂直の構成に向けて、あるいは所望の垂直またはほぼ垂直の構成の誤差範囲内に移動させることと、を含み得る。いくつかの実施形態では、このような方法は、リアルタイム、ほぼリアルタイム、または0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、3.0、4.0、5.0、10.0秒ごとなどに実行することができる。
【0074】
タワー110が水平、ほぼ水平、または非垂直の構成をとるように構成された浮体式風力タービン100は、浮体式風力タービン100の設置、浮体式風力タービン100の組み立て、浮体式風力タービン100の輸送、浮体式風力タービン100の保守、浮体式風力タービン100の負荷軽減などの作業に望ましい場合がある。例えば、
図4は、浮体式風力タービン100の船体130に曳航索410が連結され、これを使用して浮体式風力タービン100を移動させることができる実施形態の例を示す。
【0075】
さらに、いくつかの例では、風またはその他の気象条件により、浮体式風力タービン100の要素(例えば、ブレード174、タワーシャフト112など)が損傷する可能性があると判断された場合、タワー110を自動または手動で水平、ほぼ水平、または非垂直の構成に下げて、浮体式風力タービン100を損傷から保護することができる。例えば、浮体式風力タービン100の動作方法は、風または気象条件が安全閾値を超えているか、または超えることが予測されるかを判定し、そうである場合は、浮体式風力タービン100を保護するためにタワー110を水平、ほぼ水平、または非垂直の構成に下げることを含み得る。このような判定は、浮体式風力タービン100、別の浮体式風力タービン100に設けられた1つ以上の気象センサ、風センサ、またはその他のセンサにより、気象観測所により、陸上のデバイスなどにより、行われ得る。いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100のコンピューティングデバイスは、ローカルデータ及び/またはリモートデータに基づいてこのような判定を行うことができ、ユーザ入力なしでタワー110を自動的に下げること、ユーザに危険を警告すること、及びタワー110などを下げる命令を受信することができる。いくつかの例では、タワー110の下降は、モータまたは他のアクチュエータによって実行することができ、いくつかの例では、タワー110は、ロックされた構成からロック解除された構成に変更され、これにより、タワー110がそれ自体の重量で落下または下降することが可能になり得る。
【0076】
さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100の各部分は、可変量の質量またはバラストを有するか、または含むように構成することができる。いくつかの実施形態では、タワーベース114の一部またはピッチシャフト142の下のタワー100の部分は、質量またはバラストが追加され、またはそこから除去されるように構成できる。例えば、様々な実施形態において、タワーベース114及び/またはキールプレート116は、バラスト材料(例えば、砂、重り、水など)を導入しまたは除去することができるキャビティを備えることができる。さらなる実施形態では、バラストまたは質量(例えば、重り、土嚢、水袋など)を、タワーベース114及び/またはキールプレート116に結合すること、またはタワーベース114及び/またはキールプレート116から取り除くことができる。
【0077】
このようなバラスト材料の追加により、様々な例において、例えば、
図3に示すように、第1のより高い重心CG1からより低い重心CG2に下げるなど、タワー110の重心を下げることができる。様々な実施形態では、このようなバラスト材料の追加により、タワー110の重心をピッチシャフト142の上からピッチシャフト142の下まで下げることができ(例えば、
図3を参照)、これにより、タワー110が、水平、ほぼ水平、または非垂直の構成(例えば、
図4を参照)から、垂直または実質的に垂直の構成(例えば、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bを参照)へと立ち上がり、または立ち上がりやすくすることができる。さらなる実施形態では、バラストを追加することで、タワー110の重心を、ピッチシャフト142の上の第1の位置から、ピッチシャフト142の上の第2の位置まで下げることができ、またはタワー110の重心を、ピッチシャフト142の下の第1の位置から、ピッチシャフト142の下の第2の位置まで下げることができる。
【0078】
単一の浮体式風力タービン100または複数の浮体式風力タービン100のアレイは、さまざまな部分が陸上及び/または水域102で行われる、さまざまな適切な方法で、製造、直立化、または配置を行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、船体130及びタワー110の製造及び/または組み立て中に、タワー110は立向き姿勢または横向姿勢のいずれかにあり得る。一実施形態では、ナセル170、風力タービン700、及び/またはブレード174は、横向姿勢または実質的に横向姿勢でタワー110と結合され得る。いくつかの例におけるこのような実施形態では、より小型で入手しやすいクレーンを使用して、風力タービン700のナセル170及び/またはブレード174とともにタワー110またはその部分を持ち上げることができる。いくつかの例では、ナセル170、風力タービン700、ブレード174などの設置前、設置中、または設置直後に、タワーベース114にバラスト(例えば、固体または液体のバラスト)を加えて、そのような要素の重量をバランスさせることができる。一実施形態では、固体バラストは電池の形態をとることができる。いくつかの実施形態では、タワー110、ナセル170などに追加の要素が設置されるにつれて、バラストを段階的に加えることができる。
【0079】
一実施形態では、加えられるバラストの量は、タワー110(ナセル170、風力タービン700などを含む)の垂直重心がピッチ軸Xに位置するか、または実質的にピッチ軸Xに位置するように、計算することができる(例えば、
図1b及び
図2bを参照)。このような実施形態では(摩擦がない場合)、タービン700、タワー110などの重量によって船体130に転倒モーメントが生じることはない。このような実施形態は、浮体式風力タービン100を横向、ほぼ横向の姿勢、または非立向き姿勢に保つために必要な保持力を低減させることができ、また、タワー110を船体130に対して(例えば、立向き姿勢またはほぼ立向き姿勢へ、または立向き姿勢から)回転させるために必要な力も低減させることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、タワー110が陸上または陸上付近で船体130に(例えば、ピッチシャフト142を介して)一体化されると、さまざまな例において、組み立てられた浮体式風力タービン100は、港から浮体式風力タービン100が設置される水域102上の場所まで曳航され得る。多くの港では、前述のように喫水またはエアドラフトの制限があり、これは水面101から、船舶、船舶上の貨物、または船舶に牽引されている貨物の最高点までの距離であり得る。喫水制限は、7m、8m、9m、10m、12m以下などであり得る。エアドラフト制限は、35m、40m、45m、50m、55m、60m、70m、75m、80m、85m、90m以下などであり得る。これらの障害物または制限が解消されると、プラットフォームを、より大きなドラフト、またはより大きなエアドラフト、またはより大きなドラフト及びより大きなエアドラフトの両方を持つように、再構成することができる。
【0081】
一実施形態では、タワーベース114及び/またはキールプレート116は、港から離れた場所で(例えば、港の障害物及び/または制限が解消された後)砂、砂利、土などで充填することができる。これは、このような材料が、容易に入手可能な低コストの固体バラストの選択肢である可能性があるためである。さらに、保守作業のために港または陸地に戻り、タワー110を下げることが必要である場合または望ましい場合、必要に応じて、環境に害を与えることなく、このようなバラスト材料を単に海底に落とすだけでよく、これにより、タワー110を下げるか、またはより容易に下げることが可能になり得る。保守作業後、浮体式風力タービン100が再設置されるか、または水域102上の新しい場所に設置されるとき、本明細書で説明するように、タワー110を上昇させるか、またはタワー110の上昇を容易にするために、新しいバラストをタワー110に再度加えることができる(例えば、タワーピッチモータは、十分な量のバラストを加えないとタワーを上昇させることができない可能性がある)。
【0082】
さまざまな実施形態では、追加のバラストが加えられると、タワー110の垂直重心がピッチ軸Xより下に下がり得る(例えば
図3参照)。その結果、風力タービンタワー110が、立ち上がって、立向き姿勢またはほぼ立向き姿勢になり得る。その後、浮体式風力タービン100は、(例えば、曳航索410を介して)洋上の風力発電所サイトまで曳航されるので、(例えば、係留索150、電気ケーブル155などを含む係留及び/またはケーブルシステムに接続されて)設置され得る。別の実施形態では、浮体式風力タービン100は、タワー110を(例えば、
図4に示すように)横向姿勢、ほぼ横向姿勢、または非立向き姿勢にして曳航することができて、タワー110及び関連要素にかかる抗力を低減させることができるようにする。このような実施形態では、タービンを倒すことは、(例えば、バラスト、ピッチモータ、クレーンなどを追加することによって)風力発電所サイトで行われ得る。
【0083】
さまざまな例において、船体130がケーブル及び/または係留システムに接続された後に、タービン700を稼働させることができる。アップウィンド型水平軸風力タービンを備える一実施形態では、タワー110の水平重心は、ナセル170のハブ172に向かって配置される。静的転倒モーメントが発生し、タービン700が風に向かって傾く可能性がある。いくつかの例では、風に対する最適な静的傾斜角度は、5~15度、7~13度、9~11度、4~17度、3~19度、2~20度などの範囲であり得る。特定の低風速の場合、タービン700の傾斜角は、さまざまな実施形態においてナセル170の傾斜角を相殺することができるため、タービン700の傾斜によって発電量が増加する可能性がある。より風速が速い場合、いくつかの例では、タービン700が風の方向から外れて傾くことがある。
【0084】
いくつかの実施形態では、フィン118をタワー110のベース114及び/またはキールプレート116に追加して、傾斜タワー110の粘性減衰効果を高めることができる。緊急停止の場合、または推力に劇的な変化が生じるその他の事象の場合、浮体式風力タービン100は、大きな動的傾斜運動を示す可能性がある。フィン118は、いくつかの例では、動的な傾斜運動からのエネルギーを周囲の流体102に放散し、それによって船体130に伝達される荷重を軽減することができる。
【0085】
前述のように、浮体式風力タービン100を保守、廃止などのために港に戻す場合、キールプレート116及び/またはタワーベース114内のバラスト及び/またはそれらの上にあるバラストを除去することができる。これにより、浮体式風力タービン100の喫水が低減され得、喫水制限のある港に入港することが可能になる。さらに、垂直重心が(例えば、バラストの追加または除去に基づいて)ピッチ軸Xと一致するか、またはピッチ軸Xに近い場合、さまざまな例において、大型タグボートを必要とせずにタワー110を横向姿勢へ移行させることができる。
【0086】
したがって、少なくとも1つの浮体式風力タービン100を設置する方法は、以下の1つ以上のステップを含むことができ、そのステップは、浮体式風力タービン100のタワー110及び船体130の少なくとも一部を組み立てることから開始し、次にタワー110を船体130に(例えば、ピッチシャフト142を介して)結合することを含むことができる。このような組み立ての一部または全部は、港または海岸線を含む陸上で、あるいは港または海岸線から離れた陸上で、行われ得る。例えば、タワー110と船体130(またはその一部)とは、別々の部品として港または海岸線に輸送され、タワー110と船体130(またはその一部)とが組み立てられて、完全なまたは実質的に完成した浮体式風力タービン100が形成され得る。
【0087】
このような完全なまたは実質的に完成した浮体式風力タービン100は、組み立て中及び/または港または海岸線から浮体式風力タービン100が設置されることになる所望の場所までの行程の一部の間において、タワー110を水平またはほぼ水平の構成にすることができる。可能な場合または望ましい場合には、浮体式風力タービン100を、タワー110が水平またはほぼ水平の構成にある状態から、タワー110が垂直またはほぼ垂直の構成にある直立構成に変換することができる。
【0088】
例えば、本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、タワー110を建てる際には、タワー110の重心を変更するために、タワー110の一部の中及び/または上にバラストを追加することを含み、これにより、タワー110が自立することができ、またはピッチアクチュエータ、クレーンなどによってタワー110を直立させることが可能になり得る。さまざまな実施形態において、このような方法またはその一部は、浮体式風力タービン100を廃止、修理、下降、または移動して、風または天候などによって引き起こされる可能性のある損傷を防止する必要がある場合に、逆に実行することができる。
【0089】
図8~
図11を参照すると、浮体式風力タービン100の別の実施形態100Dが示されており、この実施形態は、中央柱840と、中央柱840に、それぞれの1つ以上の上部トラス部材860、それぞれの1つ以上の下部トラス部材870、及びそれぞれの1つ以上の横梁880を介して結合された複数の外側柱850とを含む船体アセンブリ830に結合されたタワー110を備える。簡略化のため、ナセル、ロータ、タービンなどの要素はこれらの図には示されていないことに留意されたい。
【0090】
タワー110は、中心軸Yを有するタワーシャフト112を備え、中心柱840は、中心軸Yを共有しながらタワーシャフト112の下端に配置され得る。
図8及び9の例に示すように、浮体式風力タービン100は、上部及び下部のトラス部材860、870及び横梁880を介して中心柱840から等距離に間隔を置いて配置された4つの外側柱850A、850B、850C、850Dを備え得る。さまざまな実施形態において、外側柱850は、タワー110の中心軸Y及び中央柱840と平行なそれぞれ別々の中心軸を持つことができる。さまざまな実施形態において、外側柱850及び/または中央柱840は、本明細書で説明するように、空気及び/または水などの流体を保持するように構成されたバラストタンクを含むことができる。
【0091】
さらに、4つの外側柱850A、850B、850C、850Dは、中央柱840の周りに等間隔に配置され得、それぞれの隣接する外側柱850は、中心軸Yの周りに互いに90°離れている。例えば、第1の外側柱及び第3の外側柱850A、850Cは、中心軸Yと一致する第1の共通平面内に配置することができる。第2の外側柱及び第4の外側柱850B、850Dは、中心軸Yと一致し、第1の外側柱及び第3の外側柱850A、850Cの第1の共通平面に垂直な第2の共通平面内に配置することができる。
【0092】
また、様々な実施形態では、4つの外側柱850A、850B、850C、850Dは、4つの外側柱850A、850B、850C、850Dの底部が第3の共通平面内に配置され、4つの外側柱850A、850B、850C、850Dの上部が、第3の共通平面と平行であり、中心軸Yに垂直である第4の共通平面内に配置されるように、等しい長さにすることができる。いくつかの実施形態では(例えば、10~15MWのタービン700)、浮体式風力タービンは、180~230mのロータ直径を有することができる。様々な例において、タワー110は、100~150メートルの高さを有し得る。さまざまな実施形態において、柱840、850は、8~12mの直径を有し得る。いくつかの例では、外側柱850は、中央柱840から40~50メートル離れている場合がある(例えば、上部及び/または下部のトラス部材860、870の長さは40~50メートルであり得る)。いくつかの例では、柱の高さは30~40メートルになり得る。さまざまな実施形態において、柱840、850は15~25mの運転喫水を有し得る。
【0093】
図8~
図11の浮体式風力タービン100の実施形態例100Dに示すように、各外側柱850は、一対の上部トラス部材860を介して中央柱840に連結することができる。例えば、
図9に示すように、第1の外側柱850Aは、第1の上部トラス部材及び第2の上部トラス部材860A1、860A2を介して中央柱840に結合することができる。様々な実施形態において、上部トラス部材860の対は、それぞれの外側柱850の上端から、上部トラス部材860の対間の距離が中央柱840に向かって増加する角度で延びることができる。例えば、このような角度は、2°、4°、6°、8°、10°、12°、14°、16°、18°、20°、22°、24°、26°などであり、また、このような値の間の範囲も含む。さまざまな実施形態において、上部トラス部材860は、中心軸Yに垂直な共通平面内で中央柱840に向かって延びるように構成することができる。
【0094】
様々な実施形態において、上部トラス部材860は、
図8~
図11の浮体式風力タービン100の実施形態例100Dに示されるように円筒形のバーであってもよいが、さらなる実施形態において、上部トラス部材860は、Iビーム、ボックストラスなどの任意の適切な形状であってもよい。さらに、さまざまな実施形態では、各外側柱850に関連付けられた上部トラス部材860の数は、1、2、3、4、5、10、25、100などの任意の適切な数にすることができる。また、上部トラス部材860には、プレート、通路などのさまざまな構造を関連付けることができる。
【0095】
図8~
図11の浮体式風力タービン100の実施形態例100Dに示すように、各外側柱850は、下部トラス部材870を介して中央柱840に連結することができる。例えば、
図9に示すように、第1の外側柱850Aは、第1の下部トラス部材870Aを介して中央柱840に連結され得、第2の外側柱850Bは、第2の下部トラス部材870Bを介して中央柱840に連結され得、第3の外側柱850Cは、第3の下部トラス部材870Cを介して中央柱840に連結され得、第4の外側柱850Dは、第4の下部トラス部材870Dを介して中央柱840に連結され得る。
【0096】
様々な実施形態において、下部トラス部材870は、プレート及び/または1つ以上のバーなどの様々な適切な構造を含むことができる(例えば、一対の下部トラスバー874を覆う下部トラスプレート872を示す
図9及び
図10を参照)。いくつかの実施形態では、一対の下部トラスバー874がそれぞれの外側柱850の下端から延びる場合、このような下部トラスバーは、一対の上部トラス部材860間の距離が中央柱840に向かって増加する角度で延びることができる。例えば、このような角度は、2°、4°、6°、8°、10°、12°、14°、16°、18°、20°、22°、24°、26°などであり、また、このような値の間の範囲も含む。いくつかの例では、このような角度は上部トラス部材860と同じになる場合がある。さまざまな実施形態では、下部トラス部材870は、中心軸Yに垂直な共通平面内で中央柱840に向かって延びるように構成することができ、いくつかの例では、このような共通平面は上部トラス部材860の共通平面と平行であってもよい。
【0097】
さまざまな実施形態では、下部トラスバー874は円筒形のバーであることができるが、さらなる実施形態では、そのような下部トラスバー874または下部トラス部材870は、Iビーム、ボックストラスなどの任意の適切な形状であることができる。さらに、さまざまな実施形態では、各外側柱850に関連付けられた下部トラスバー874または下部トラス部材870の数は、1、2、3、4、5、10、25、100などの任意の適切な数にすることができる。
【0098】
図8~
図11の浮体式風力タービン100の実施形態例100Dに示すように、横梁880は、それぞれの外側柱850と中央柱840との間に、それぞれの外側柱850の下端から中央柱840の上端のそれぞれの位置まで延びることができる。しかし、さらなる実施形態では、横梁880は、それぞれの外側柱850と中央柱840との間に、それぞれの外側柱850の上端から中央柱840の下端のそれぞれの位置まで延びることができる。
【0099】
例えば、
図9に示すように、第1の外側柱850Aは第1の横梁880Aを介して中央柱840に連結され得、第2の外側柱850Bは第2の横梁880Bを介して中央柱840に連結され得、第3の外側柱850Cは第3の横梁880Cを介して中央柱840に連結され得、第4の外側柱850Dは第4の横梁880Dを介して中央柱840に連結され得る。
【0100】
さらに、4つの横梁880A、880B、880C、880Dは、中央柱840の周りに等間隔に配置され得、それぞれの隣接する横梁880は、中心軸Yの周りに互いに90°離れている。例えば、第1の横梁及び第3の横梁880A、880Cは、中心軸Yと一致する第1の共通平面内に配置することができる。第2の横梁及び第4の横梁880B、880Dは、中心軸Yと一致し、第1の横梁及び第3の横梁880A、880Cの第1の共通平面に垂直な第2の共通平面内に配置することができる。
【0101】
さまざまな実施形態では、横梁880は円筒形のバーであり得るが、さらなる実施形態では、このような横梁880は、Iビーム、ボックストラスなどの任意の適切な形状であることができる。さらに、さまざまな実施形態では、各外側柱850に関連付けられた横梁880の数は、1、2、3、4、5、10、25、100などの任意の適切な数にすることができる。
【0102】
さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100は、
図8及び
図9に示すような直立構成と、
図10に示すような折り畳み構成との間で構成を変更するように動作可能であり得る。例えば、外側柱850を、中央柱840に個別に移動可能に連結して、外側柱850をタワー本体110に対して上方及び/または下方に折り畳むことができるようにするので、外側柱850を中心軸Yに近づけて引き込み、船体アセンブリ830の最大寸法を縮小することができ、したがって、本明細書で説明するいくつかの例において、浮体式風力タービン100の輸送に望ましい場合がある。
【0103】
例えば、
図10に示すように、隣接する外側柱850B、850Cの第1の対は、タワー本体110に対して下方に折り畳まれるように構成することができ、したがって、外側柱850は中心軸Yに近づくように引き込まれ、その結果、この外側柱850B、850Cの対は、中央柱840の底部より完全にまたは少なくとも部分的に下方に配置される。隣接する外側柱850A、850Dの第2の対は、タワー本体110に対して上方に折り畳まれるように構成することができ、したがって、外側柱850は中心軸Yに近づくように引き込まれ、その結果、この外側柱850A、850Dの対は、タワー本体110のタワーシャフト112の周囲で中央柱840の上部より完全にまたは少なくとも部分的に上方に配置される。
【0104】
図10の例に示すように、様々な実施形態では、外側柱850のそれぞれの主軸は、
図10の折り畳み構成において、及び/または外側柱850が直立構成から折り畳み構成まで上方または下方に折り畳まれるプロセス中に、中心軸Yと平行のままであり得る。いくつかの実施形態では、このような折り畳みは、外側柱850と中央柱840との間の1つ以上の回転可能な結合、及び/または外側柱850と中央柱840との間の1つ以上の並進回転結合に基づくことができる。
【0105】
例えば、上部トラス部材860及び下部トラス部材870のそれぞれの端部は、それぞれの外側柱850及び中央柱840に回転可能に結合することができ、これにより、外側柱850を回転可能に上及び/または下に折り畳むことができる。さらに、中央柱840に回転可能に結合された横梁880の端部は、中央柱840及び/またはタワー本体110のタワーシャフト112の長さに沿って上下に移動するように構成することができ、それぞれの外側柱850に結合した横梁880の反対側の端部は、それぞれの外側柱850に回転可能に結合することができ、外側柱850が回転可能に上及び/または下に折り畳まれるときに横梁880が中央柱840及び/またはタワーシャフト112に向かって折り畳まれるようにすることができる。
【0106】
例えば、
図9及び
図10を参照すると、隣接する外側柱850B、850Cの第1の対は、タワー本体110に対して下方に回転可能に折り畳まれるように構成することができ、中央柱840に結合された横梁880B、880Cの反対側の端部は、それぞれの横梁下部トラック820を介して中央柱840の面に沿って下方に移動し、第2の横梁及び第3の横梁880B、880Cの端部の回転可能な結合に基づいて、横梁880B、880Cが中央柱840に向かって折り畳まれ、
図10の折り畳まれた構成になる。(第2の横梁880Bの下部トラック820Bは
図9に示されている)。したがって、隣接する外側柱850B、850Cの第1の対は、中心軸Yに近づくように折り畳まれ、したがって、この外側柱850B、850Cの対は、中央柱840の底部より完全にまたは少なくとも部分的に下方に配置される。
【0107】
隣接する外側柱850A、850Dの第2の対は、中央柱840に結合された横梁880A、880Dの反対側の端部が、それぞれの横梁上部トラック810A、810Bを介してタワー本体110のタワーシャフト112の面に沿って上方に移動し、第1の横梁及び第4の横梁880A、880Dの端部の回転可能な結合に基づいて、横梁880A、880Dがタワー本体110に向かって折り畳まれ、
図10の折り畳まれた構成になるように、タワー本体110に対して回転可能に折り畳まれるように構成され得る。したがって、隣接する第2の外側柱850A、850Dの対は、中心軸Yに近い方向に上方に折り畳まれ、したがって、この第2の外側柱850A、850Dの対は、タワー本体110のタワーシャフト112の近くで、かつその周囲にある中央柱840の上部より完全にまたは少なくとも部分的に上に配置される。
【0108】
外側柱850を、直立構成から折り畳み構成に(及びその逆)折り畳むことは、さまざまな適切な方法で実行できる。例えば、いくつかの実施形態では、横梁の上部及び下部トラック810、820内の横梁880の並進結合は、本明細書で説明されているように、中央柱840及び/または外側柱850の浮力に基づくことができ、及び/またはモータ付き(例えば、流体、電気、または燃料駆動式)にすることができ、これにより、横梁の上部及び下部トラック810、820内での上及び下への動きが可能になり、外側柱850を上及び/または下にモータで作動させることができる。したがって、さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100を、直立した/伸長した構成と折り畳んだ構成との間で構成することは、横梁上部トラック810及び下部トラック820内の横梁880の受動的な並進運動及び/または動力による並進運動に基づいて、モータ駆動式にすることができる。
【0109】
さらなる実施形態では、横梁880の並進運動は、ユーザがクランクを回転させたり、またはその他の方法で外部から機械的な力を加えたりすることによって、機械的に行うことができる。さらなる実施形態では、浮体式風力タービン100の他の部分、例えばケーブル、ウインチ、回転可能なカップリング上のモータなどが、外側柱850を作動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、外側柱850の作動は、クレーンなどの外部装置によって実行することができる。いくつかの実施形態では、外側柱850の作動は、中央柱840及び/または1つ以上の外側柱850に導入されるか、または中央柱840及び/または1つ以上の外側柱850から除去されるバラスト及び/または空気に基づくなど、重力または浮力に基づいて実行され得る。
【0110】
図8~
図11に示すようないくつかの実施形態では、外側柱850は、直立構成から折り畳み構成に、上または下に折り畳まれるようにのみ構成されている。例えば、所定の外側柱850は、横梁上部トラック810または横梁下部トラック820とのみ関連付けられる場合があり、これにより、所定の外側柱850は、直立構成から折り畳み構成に上または下に折り畳むことのみが操作可能になる場合がある。
図8~
図11の例では、浮体式風力タービン100には、2つの横梁上部トラック810及び2つの横梁下部トラック820のみがあり、これにより、第1の外側柱の対850B、850Cは下向きにのみ折り畳まれるように構成され、第2の外側柱の対850A、850Dは上向きにのみ折り畳まれるように構成されることになる。
【0111】
ただし、いくつかの実施形態では、外側柱850の1つ以上を双方向に折り畳めるように構成することができ、例えば、上部及び下部の横梁トラック810、820の両方を備えることができる。また、いくつかの実施形態では、外側柱850のそれぞれを個別に作動させることができ、または常にグループとして作動するように構成することができる。例えば、第1の外側柱の対850B、850Cを、グループとして共に作動するように構成することができ、第2の外側柱の対850A、850Dを、グループとして共に作動するように構成することができ、4つの外側柱850A、850B、850C、850Dのすべてを、グループとして共に作動するように構成することができる、などである。
【0112】
さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100は、組み立て及び/または分解のために部品として構成することができ、これは、本明細書で説明するように輸送に望ましい場合がある。例えば、上部トラス部材860、下部トラス部材870、及び/または横梁880は、このような要素を中央柱840及び/または外側柱850と容易に結合及び分離できるようにする結合部(例えば、ピン、ボルトなどによる)を有することができ、これにより、上部トラス部材860、下部トラス部材870、及び/または横梁880は中央柱840及び/または外側柱850から分離可能となり得、外側柱850及びこのような要素を互いに、及び中央柱840から分離することが可能になり得る。いくつかの実施形態では、中央柱840はタワー110から分離することができる。さらに、さまざまな実施形態では、ナセル170、ブレード174、ロータなどの要素は、互いに、及び/またはタワー100から分解できるように構成できる。例えば、様々な実施形態において、そのようなカップリングの1つ以上は、溶接または他の一体型カップリングの代わりに非永久的なカップリングであってもよい。
【0113】
単一の浮体式風力タービン100または複数の浮体式風力タービン100のアレイは、さまざまな部分が陸上及び/または水域102で行われる、さまざまな適切な方法で、製造、直立化、または配置を行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、タワー110、ナセル170、ブレード174、中央柱840、外側柱850、上部トラス部材860、下部トラス部材870、及び/または横梁880などの要素を別々に製造し、分解された状態、部分的に組み立てられた状態、または完全に組み立てられた状態で製造場所から水域102の港、ドック、またはその他の場所まで輸送することができる。
【0114】
例えば、
図8~
図11を例証として使用すると、いくつかの実施形態では、船体アセンブリ830は完全に組み立てられ(タワー110と結合されていてもいなくてもよい)、折り畳み構成で水域102に輸送され得る(例えば、
図10を参照)。いくつかの例では、中央柱840、外側柱850、上部トラス部材860、下部トラス部材870、及び/または横梁880は別々に製造され、分解されたセットで水域に輸送され、水域102で組み立てられ得る。様々な実施形態では、折り畳み構成において、外側柱850が折り畳まれ過ぎたり、または望ましくない動きをしたりする代わりに、タワー110に係合することができるように、タワー110が折り畳み構成で存在することが必要になる場合がある。
【0115】
いくつかの実施形態では、タワー110が陸上または陸上付近で船体アセンブリ830に一体化されると、さまざまな例において、組み立てられた浮体式風力タービン100は、港から浮体式風力タービン100が設置される水域102上の場所まで曳航され得る。多くの港では、前述のように喫水またはエアドラフトの制限があり、これは水面101から、船舶、船舶上の貨物、または船舶に牽引されている貨物の最高点までの距離であり得る。喫水制限は、7m、8m、9m、10m、12m以下などであり得る。エアドラフト制限は、35m、40m、45m、50m、55m、60m、70m、75m、80m、85m、90m以下などであり得る。これらの障害物または制限が解消されると、浮体式風力タービン100を、より大きなドラフト、またはより大きなエアドラフト、またはより大きなドラフト及びより大きなエアドラフトの両方を持つように、再構成することができる。例えば、浮体式風力タービン100は、折り畳み構成から直立構成に構成することができ、折り畳み構成は障害物または制限(例えば、喫水制限)に準拠しまたは互換性があるが、直立構成は障害物及び制限の一方または両方に準拠せずまたは互換性がない。
【0116】
図8~
図11を例に挙げると、さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100を建て起こすプロセスは、1つ以上の前部フロート(例えば、第1の外側柱及び第4の外側柱850A、850D)及び/または中央柱840にバラスト(例えば、浮体式風力タービン100が配置されている水域102からの水)を充填することによって、1つ以上の前部フロート(例えば、第1の外側柱及び第4の外側柱850A、850D)を水域102内に沈めて伸長構成(例えば、
図11に示すように)に達することを含み得る。そうすることで、横梁880は、それぞれの上部トラック810に沿って移動することができ、所定の位置に(例えば一時的に)固定され得る。
【0117】
さまざまな実施形態では、浮体式風力タービン100を水線下の水域102に沈めると(例えば、1つ以上の柱840、850にバラストを充填することに基づく)、1つ以上の後部フロート(例えば、第2の柱及び第3の柱850B、850C)が、折り畳み構成(例えば、
図10に示す)から伸長構成(例えば、
図11に示す)に移行し得る。例えば、浮体式風力タービン100が水域102内で十分な高さまで沈められている場合、1つ以上の後部タンク(例えば、第2の柱及び第3の柱850B、850C)の浮力により、
図11に示すように、そのような後部タンクの横梁880が下部トラック820を通過して伸長位置に到達し得る。
【0118】
横梁880は、所定の位置に(例えば、一時的に)固定することができ、浮体式風力タービン100は、前部フロート(複数可)(例えば、第1の柱及び第4の柱850A、850D)及び/または中央柱840を(例えば、部分的に)排気し、後部フロート(複数可)(例えば、第2の柱及び第3の柱850B、850C)を部分的に満たすことによって、さまざまな実施形態において直立構成に建て起こすことができる。バラストの変化によって大きな直立モーメントが発生し、浮体式風力タービン100及びタービン700が
図11に示す構成から直立し、
図8に示すような動作可能な直立構成に達し得る。一部の実施形態では、横梁880にピンを挿入して横梁が移動しないようにすることで、横梁880を所定の位置に固定できる。いくつかの例では、このようなピンの挿入は、支援船のオペレータなどによって遠隔的にトリガーされてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、外側柱850を1つずつ伸長させることができる。さらに、いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100は、柱850にバラストが挿入され、及び/または柱850からバラストが除去されることに基づいて(例えば、主軸Yを中心に)回転することができるため、外側柱850を1本ずつ順番に延長することが容易になるという点で望ましい場合がある。例えば、第1の折り畳まれた下向きの外側柱850は、この第1の折り畳まれた外側柱850にバラストが加えられて沈み、伸びることに基づいて、伸びることができる。1つまたは複数の外側柱850の浮力を変化させると、浮体式風力タービン100が回転し、折り畳まれた第2の外側柱850が下向きになり、折り畳まれた第2の外側柱850が下方に沈み、伸びることができる。さらに折り畳まれた柱850も同様の方法で順次伸びることができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、このような動作可能な直立構成において、下部トラス部材870は、水102の表面101の下の水域102内に完全に沈めることができ、中央及び外側の柱840、850は、下部が水面101の下の水102の中に沈められ、上部が水面101の上の水102から出た状態で、部分的に水102の中に沈めることができ、上部トラス部材860は、水102の水面101の上に位置することができ、タワー110は、水102の水面101の上に位置することができる。様々な実施形態において、中央柱840及び外側柱850の水102の表面101の上または下の高さは、中央柱840及び外側柱850のバラストタンク内のバラスト及び/または空気の量に基づいて変更することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、外側柱850の一部または全部を、折り畳み構成(例えば、
図10)から伸長構成(例えば、
図11)に移行することは、完全に浮力及び/または重力に基づいて行うことができる。例えば、上部トラス部材860、下部トラス部材870、及び/または横梁880のモータ駆動またはその他の能動的な動力による作動は、なくてよい。言い換えれば、いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100の構成を、折り畳み構成と伸長構成との間で変更することは、中央柱840及び/または外側柱850から導入または除去されるバラストまたは空気に基づいて、実質的にまたは完全に行うことができる。
【0122】
一実施形態では、バラストポンプは浮体式風力タービン100上に配置され、バラストタンク(例えば、中央柱840及び/または外側柱850)の充填を実行するために遠隔操作することができる。別の実施形態では、バラストタンク(例えば、中央柱840及び/または外側柱850のバラストタンク)は、遠隔操作車両(ROV)またはダイバーを介して、柱のバルブを開くことによって充填される。別の実施形態では、バラストタンクは、ボート、船舶などの支援船舶に搭載されたバラストポンプにホースを介して接続される。このような実施形態では、同じポンプを逆に作動させることにより、このようなバラストタンクの充填及び排出を行うことができる。
【0123】
さまざまな例において、浮体式風力タービン100が直立され、電気ケーブルシステム155及び/または係留システム150に接続された後、タービン700を浮体式風力タービン100に取り付けるために試運転することができる。ただし、一部の実施形態では、タービン700は陸上に設置することができ、または設置場所まで水上輸送中に設置することができ、浮体式風力タービン100が直立するときにタービン700が存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、建て起こし操作は、ナセル170及びブレード174が予め取り付けられた状態で実行することができ、または建て起こし操作は、ナセル170及びブレード174が予め取り付けられることなく、そのような要素が建て起こし操作の後に追加される状態で実行することができる。いくつかの実施形態は、水平方向に事前組み立て可能なナセル170及びブレード174が含まれる場合がある。
【0124】
前述のように、浮体式風力タービン100が保守、廃止などのために港に戻る場合、このような設置または直立化の方法は、一部または全部を逆にすることができる。これにより、浮体式風力タービン100の喫水が低減され得、喫水制限のある港に入港すること、または浅瀬にアクセスすることが可能になる。さらに、タワー110は、垂直重心がタワー軸Xと一致するか、またはそれに近い場合、さまざまな例において、大型タグボートを必要とせずに横向姿勢に移行できる。いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100は、陸上への輸送または陸上からの輸送のために、バージ(例えば、潜水バージ)に積み込むことができる。
【0125】
したがって、少なくとも1つの浮体式風力タービン100を設置する方法は、以下の1つ以上のステップを含むことができ、そのステップは、タワー110及び船体アセンブリ830の一部を組み立てることから始まり、次にタワー110を船体アセンブリ830に結合することを含むことができる。このような組み立ての一部または全部は、港または海岸線を含む陸上で、あるいは港または海岸線から離れた陸上で、行われ得る。例えば、タワー110と船体アセンブリ830(またはその一部)とは、別々の部品として港または海岸線に輸送され、タワー110と船体アセンブリ830(またはその一部)とが組み立てられて、完全なまたは実質的に完成した浮体式風力タービン100が形成され得る。一実施形態例では、タワー110及び船体アセンブリ830のそれぞれを並行して組み立てることができる。例えば、外側柱850は、タワー110の組み立て時に、下部トラス部材860及び上部トラス部材870、ならびに横梁880に取り付けることができる。
【0126】
一実施形態では、タワー110の下部セクションとタワーベースとが結合される。中央タワー110は、一時的なサポートを使用して地面から持ち上げることができて、前部フロート(例えば、第1の外側柱及び第4の外側柱850A、850D)を下部に接続できるようにする。例えば、2つの前部フロートは、中央柱840に(例えば、ピンベアリングを介して)接続することができる。2つの後方フロート(例えば、第2の外側柱及び第3の外側柱850B、850C)は、中央柱840に(例えば、ピンベアリングを介して)接続することができる。ナセル、ロータなどのタワーの残りのセクションは、タワーシャフト112に取り付けることができる。
【0127】
このような完全なまたは実質的に完成した浮体式風力タービン100は、組み立て中及び/または港または海岸線から浮体式風力タービン100が設置されることになる所望の場所までの行程の一部の間において、タワー110を水平またはほぼ水平の構成にすることができる。一実施形態では、タービンは横向姿勢でタワーベースと結合することができる。このような実施形態では、より小型で、より入手しやすいクレーン(例えば、ガントリークレーン)を使用して、タワーセクション、ナセル、及びブレードを持ち上げることができる。タービンの設置前、設置中、または設置直後に、中央柱または外側柱840、850に固体バラストを加えて、構造物の重心を下げることができる。一実施形態では、固体バラストは電池の形態をとることができる。
【0128】
別の実施形態では、プラットフォームは、タービンの抗力を低減することができるように、タービンが横向姿勢の状態で曳航することができる。このような実施形態の1つでは、タービンの建て起こしは、風力発電所サイトで行われ得る。例えば、可能な場合または望ましい場合には、浮体式風力タービン100を、タワー110が水平またはほぼ水平の構成にある状態から、タワー110が垂直またはほぼ垂直の構成にある直立構成に変換することができるので、浮体式風力タービン100を、係留及び配線システムに接続することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、タービンがタワー110に一体化されると、さまざまな例において浮体式風力タービン100を港から曳航することができる。前述のように、多くの港では、喫水またはエアドラフトの制限がある。一実施形態では、完全に組み立てられた浮体式風力タービン100を、バージで輸送することができる。別の実施形態では、完全に組み立てられた浮体式風力タービン100を、(例えば、
図10に示すような折り畳まれた形態で)水中に直接滑り込ませ、曳航索410によって牽引することができる。別の実施形態では、浮体式風力タービン100は乾ドック内で組み立てられ得、組み立てプロセスが完了した後に乾ドックに水が満たされ得る。次に、組み立てられた浮体式風力タービン100は、港から洋上の場所(例えば、風力発電所サイト)まで曳航され得る。これは、いくつかの例では、標準的なタグボートによって行われ得る。浮体式風力タービン100は、いくつかの例では、港湾施設で一般的に使用される自走式モジュール輸送機などの車両によって輸送され得る。このようにして、完全に組み立てられた浮体式風力タービン100を、沖合輸送用のバージに積み込むことができる。
【0130】
さまざまな実施形態では、港の障害物、制限、または浅瀬が解消されると、浮体式風力タービン100を建て起こすことができる。例えば、浮体式風力タービン100は、
図10に示すように、中央柱または外側柱840、850にバラスト(水など)がないか、または実質的にない状態で、折り畳まれた構成で曳航索410を介して港から曳航することができる。
【0131】
浮体式風力タービン100は、第1のセットの1つ以上の柱850(例えば、第1の外側柱及び第4の外側柱850A、850D)及び/または中央柱840にバラスト(例えば、水)を充填することにより、折り畳まれた構成(例えば、
図10に示す)から建て起こされて、第1のセットの1つ以上の柱850の浮力が変化し、その結果、第1のセットの1つ以上の柱850が水域102内に沈み、伸長構成(例えば、
図11に示す)に達する。さまざまな実施形態では、このような構成の変更には、第1のセットの1つまたは複数の柱850の横梁880が、それぞれの上部トラック810に沿って並進運動することが含まれ得る。
【0132】
様々な実施形態では、
図11の例に示すように、1本以上の柱850の第1のセットの伸長には、1本以上の柱850の第1のセットが水102内に部分的に浸漬された状態から完全に水102内に浸漬された状態になることが含まれ得、かつ中央柱840が水102内に部分的に浸漬された状態から完全に水102内に浸漬された状態になることが含まれ得る。
【0133】
さまざまな実施形態では、1つまたは複数の柱850の第2のセット(例えば、第2及び第3の柱850B、850C)は、折り畳まれた構成(例えば、
図10に示す)から伸長構成(例えば、
図11に示す)に移行することができる。例えば、
図11に示すように、第2のセットの1つ以上の柱850の浮力により、第2のセットの1つ以上の柱850の横梁880が下部のトラック820に沿って並進運動し、伸長位置に到達し得る。いくつかの実施形態では、第2のセットの1つ以上の柱850は、第2のセットの1つ以上の柱850が折り畳まれた構成から伸長した構成に移行する間、第2のセットの1つ以上の柱850の一部が水102内に配置され、第2のセットの1つ以上の柱850の一部が水から出たままの状態で、水域102の表面101上に浮かんだままになることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、1つ以上の柱850の第1のセットの伸長と1つ以上の柱850の第2のセットの伸長とは、同時に発生してもよいし、任意の適切な順序で順次発生してもよい。いくつかの実施形態では、第1のセットの1つ以上の柱850及び中央柱840が水域102に沈むと、第2のセットの1つ以上の柱850の浮力に基づいて、第2のセットの1つ以上の柱850が水域102の表面101に浮かんだままになり、第2のセットの1つ以上の柱850の伸長を引き起こし得る。
【0135】
浮体式風力タービン100は、さまざまな実施形態において、第1のセットの1つ以上の柱850及び/または中央柱840からバラストを除去することによって、直立した構成に建て起こすことができる。さらに、いくつかの例では、このような建て起こし中に、1つ以上の柱850の第2のセットが少なくとも部分的にバラストで満たされ得る。1本以上の柱850の第1のセット及び/または第2のセットのバラストのこのような変化により、直立モーメントが生成され、浮体式風力タービン100が
図11に示す構成から直立し、
図8に示すような動作可能な直立構成に達し得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、1つ以上の柱850の第1のセット及び第2のセットは、1つ以上の柱850の第1のセット及び第2のセットの等しい浮力を生成するために同じ量のバラストで充填され得るか、または1つ以上の柱850の第1のセット及び第2のセットのバラストは、1つ以上の柱850の第1のセット及び第2のセットの等しい浮力を生成するように他の方法で構成され得る(例えば、異なる重量を有する柱に対して異なる量のバラストを充填する)。
【0137】
浮体式風力タービン100のさまざまな例には、4つの外側柱850A、850B、850C、850Dが含まれ得るが、さらなる実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、16、25、100を含む、本明細書で説明する任意の適切な数の柱850が含まれ得る。例えば、
図12は、3つの外側柱850A、850B、850Cを有する浮体式風力タービン100の実施形態例を示す。
【0138】
この例では、3つの外側柱850A、850B、850Cが中央柱840の周りに等間隔で配置されており、それぞれの隣接する外側柱850は、中心軸Yの周りに互いに120°離れており、中心軸Yと一致する3つの対称面を画定し得る。4つの外側柱850を持つ実施形態の説明は、いくつかの例に従って、他の数の外側柱850(例えば、3つ)を持つ実施形態にも同様に適用できることは明らかである。
【0139】
さらに、
図12に示すような3つの外側柱850A、850B、850C(または他の数の外側柱850)を有する浮体式風力タービン100の実施形態100Dは、本明細書の他の実施形態例で説明されているように、折り畳むことができ、または別の方法で、折り畳まれた、伸長された、及び/または直立させた構成をとることができる。
図12を例に挙げると、外側の3つの柱850A、850B、850Cのうちの1つまたは2つの柱850は、(例えば、
図10に示す第1の柱及び第4の柱850A、850Dのように)上方に折り畳むように構成することができ、外側の3つの柱850A、850B、850Cのうちの他の1つまたは2つの柱850は、(例えば、
図10に示す第2及び第3の柱850B、850Cのように)下方に折り畳むように構成することができる。同様に、それぞれの柱850へのバラストの導入及び/または除去により、1つ以上の柱850の前後のセットが伸長及び/または収縮し、本明細書で説明するように浮体式風力タービン100が建て起こされ、または下降させられ得る。外側柱850は、本明細書で説明するようにトラック810、820を介して移動するように構成することができ、またはそのようなトラック810、820がなくてもよい。トラック810、820が存在しないいくつかの実施形態では、上部トラス部材860及び/または下部トラス部材870の剛性により、展開プロセス中に柱850の位置合わせをアライメントを維持できる。いくつかの例では、横梁880の端部は、横梁880を制御された方法で最終位置に導く、ウインチラインに取り付けられ得る。横梁880が最終位置に到達すると、ピンを横梁880に挿入して横梁880を所定の位置に固定することができる。
【0140】
また、
図12の例に示すように、浮体式風力タービン100は、1つ以上のはしご892、1つ以上の外側柱プラットフォーム894、1つ以上の通路896、及び1つ以上の中央柱プラットフォーム898などを含むことができる様々なアクセス要素890を備えることができる。例えば、浮体式風力タービン100が水域102に浮いているとき、ボートまたは船舶が浮体式風力タービン100にドッキングし、人間のオペレータが外側柱850の1つにあるはしご892を登って、外側柱プラットフォーム894に到達し、歩道896を横切って中央柱プラットフォーム898に到達することができる。さまざまな例において、タワー110には、保守、修理などの目的で人間のオペレータがアクセスできる浮体式風力タービン100の要素が収容されることがある。さらに、さまざまな例において、タワー本体112内にはしごが設けられることがあり、これにより、オペレータはタービン700の要素の保守、修理などのためにナセル170まで登ることができる。
【0141】
さらに、さまざまな実施形態は、中央の柱840から放射状に伸びる複数の外側柱850を含むことができるが、他の実施形態では、中央柱840が存在しない任意の適切な構成の柱840、850を含むことができる。例えば、外側柱850のセットは、中央柱を持たずに、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形などの配置にすることができる。さらに、本明細書で例示するさまざまな実施形態には、中央柱840から延びるタワー110が含まれるが、さらなる実施形態では、1つ以上のタワー110が1つ以上の外側柱850から延びる場合があり、中央柱840が存在する実施形態も含まれる。
【0142】
一実施形態は、浮体式風力タービン100またはその一部の傾斜角を最適化するために使用できるタービン制御システムを備えた、ダウンウィンド型及び/またはアップウィンド型浮体式風力タービン100を含むか、本質的にそれから構成されるか、またはそれから構成される。別の実施形態は、ティータハブと、ロータのティータ角、及び浮体式風力タービン100またはその一部の傾斜角を最適化するために使用できるタービン制御システムとを備えた、ダウンウィンド型及び/またはアップウィンド型浮体式風力タービン100を含むか、本質的にそれから構成されるか、またはそれから構成される。
【0143】
いくつかのそのような実施形態では、浮体式風力タービン100が風の方向に受動的にピッチングできるようにすることができるため、浮体式風力プラットフォーム上に能動的な制御システムは存在しない。しかしながら、様々な例において、浮体式風力タービン100のロータ面が水平に揃ったままであることができるため、風力タービン700は最大電力を生成することができる。
【0144】
図13a、
図13b、
図14a、
図14b、
図15を参照すると、船体アセンブリ830上に配置されたタワー110と、タワー110のタワー本体112の上部に配置された風力タービン700とを含む浮体式風力タービン100の様々な実施形態が示されている。風力タービン700は、ハブ172を備えたナセル170と、ハブ172から延びる複数のブレード174とを備える。タワー110は、中心軸Yを持つことができる。ハブ172とブレード174とはロータ軸Rを中心に回転することができ、ブレード174はロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを持つ。
【0145】
さまざまな実施形態において、ハブ172及び対応するロータ軸Rは、タワー110の中心軸Yが完全に垂直である(つまり、中心軸Yが重力軸と平行である)ときに、ロータ軸Rと水平軸H(つまり、重力に垂直な軸)との差によって定義されるロータ傾斜角を持つことができる。例えば、
図13aは、タワー110の中心軸Yがヒール角0°(すなわち、中心軸Yが重力軸と平行)であり、水平軸Hがタワー110の中心軸Yに垂直である例を示している。この例では、ロータ軸Rは水平軸Hから5°離れており、
図13aの例のロータ傾斜角度は5°と定義される。いくつかの実施形態では、ロータ傾斜角は、中心軸Yとブレード平面Bとの間の角度の差に基づいて定義され得る。
【0146】
図13bを参照すると、
図13aの浮体式風力タービン100は、ヒール角が10°であることが示されている(すなわち、
図13aに示すように、タワー110の中心軸Yは、真の垂直から10°である)。ここで、ヒール角10°とロータ傾斜角5°とを加えると、この例ではロータ軸Rが水平軸Hから15°離れていることを意味する。さまざまな実施形態では、ロータ軸Rを水平軸Hと平行にすること(例えば、0°のミスアライメント)が、(例えば、このような構成では、ブレード174による掃引面積を最大化できるため)風力タービン700の最適な構成であると考えられ得る。したがって、このような実施形態では、ロータ軸Rが水平軸Hから15°離れていることは、ロータ軸Rが最適な構成から15°ずれていると考えられ得る。
【0147】
しかし、さらなる実施形態では、風向、風向角度などに基づいて、任意の適切な軸をロータ軸Rの最適な軸として定義することができる。いくつかの例では、ロータ軸Rのこのような最適な軸は、変化する環境条件(例えば、風向、風の角度など)に基づいて変化する可能性があり、または環境条件が変化しても同じままである可能性がある。
【0148】
さまざまな実施形態において、ロータ軸Rのこのようなミスアライメントは、さまざまな理由から望ましいか、または許容できる場合があるが、エネルギー生産量の減少、例えば年間発電量(AEP)の減少などの犠牲を伴う可能性がある。いくつかの実施形態では、AEPの減少は許容可能と見なされる場合もあれば、許容不可能と見なされる場合もある。例えば、いくつかの実施形態では、AEPの減少が0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%以下などであれば許容可能とみなすことができる。いくつかの実施形態では、AEPの減少が1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、4%、4.5%、5%以上などであれば許容不可能とみなすことができる。したがって、浮体式風力タービン100のさまざまな実施形態は、許容可能と見なされる、または許容不可能と見なされない最適値と比較して発電量の低下(例えば、AEPの低下)を引き起こすロータのミスアライメントを生じさせるロータ傾斜角を伴う平均ヒール角で動作するように構成され得る。
【0149】
いくつかの様々な実施形態の浮体式風力タービン100には、ダウンウィンド型タービン700が含まれ、動作中にブレードの先端とタワーシャフト112との間の空間距離を増やすために、ロータが水平Hから4°~8°上向きに向けられている。さまざまな例の浮体式風力タービン100は、風から電力を生成するために推力を発生させる。推力により浮体式風力タービン100の転倒モーメントが発生し得、その結果、浮体式風力タービン100に平均ヒール角が生じ得る。いくつかの例では、平均ヒール角は、風の方向における浮体式風力タービン100の平均ピッチ角となり得る。いくつかの実施形態では、平均ヒール角は、0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°など、またはそのような例示的な値の間の範囲であり得る。
【0150】
浮体式風力タービン100のいくつかの例では、ターゲット設計ヒール角は、プラットフォームがタービンの定格推力を受けたときのプラットフォームのヒール角である。定格推力は、運転中のタービンにかかる最大平均推力であり得る。プラットフォームの設計ヒール角は、プラットフォームの静水圧剛性に依存し得る。静水圧剛性は、プラットフォームの重心と浮力、水面慣性モーメント面積、及び係留システムによる復元力の関数となり得る。いくつかの例では、浮体式風力タービン100の静水圧剛性を高めると、システムのコストまたは複雑さ、あるいはその両方が増加する可能性がある。例えば、一部の半潜水型浮体式風力タービン100では、柱840、850の間隔を広げるか、柱840、850のサイズを大きくするか、またはその両方を行うことによって、静水圧剛性を高めることができる。
【0151】
アクティブ制御システムを備えていない実施形態の浮体式風力タービン100は、設計ヒール角を4~5度に設定できるため、最大ロータミスアライメントは水平軸Hから8~13度になる。アクティブプラットフォーム制御システムを備えた浮体式風力タービン100の中には、設計ヒール角を5~8度に設定できるため、タワー110は垂直のままであり得、最大ロータミスアライメントは4~8度に維持され得る。一部の風力タービンには、より大きなアクティブ制御システムが搭載されている場合があり、それによって傾斜角が大きくなり、ロータミスアライメントが0度になる可能性がある。いくつかの実施形態では、浮体式風力タービンは、ロータミスアライメントが、-20°、-19°、-18°、-17°、-16°、-15°、-14°、-13°、-12°、-11°、-10°、-9°、-8°、-7°、-6°、-5°、-4°、-3°、-2°、-1°、0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°など、またはそのような例の値の間の範囲で動作するように構成され得る。
【0152】
様々な実施形態において、ある傾斜角で動作する浮体式風力タービン100の利点は、浮体式風力タービン100によって生成された後流を水域102に追い込むことができ、複数の浮体式風力タービン100がアレイ、グループ、またはファームに配置されている下流の浮体式風力タービン100への影響を低減できることである。様々な実施形態において、これにより、より多くの浮体式風力タービン100を所与のエリア内にグループ化することが可能となり得、したがって浮体式風力タービン100のオペレータにとって望ましいものとなり得る。
【0153】
さまざまな実施形態では、浮体式風力タービン100の設計ヒール角を10~15度まで増加させることができ、これにより、いくつかの例では、はるかに小型の浮体式風力タービン100及び/またはより単純な係留システムなどが可能になり得る。いくつかの実施形態では、ロータの傾斜角が水平軸Hより5度上である場合、浮体式風力タービン100は、浮体式風力タービン100の定格スラストの影響を受けて傾斜する可能性がある。タービンの設計ヒール角が10度の場合、さまざまな実施形態では、ロータのミスアライメントは水平からわずか5度だけ下になり、これは、0度の傾斜角(例えば、垂直に向けられた傾斜角)を持つ従来の風力タービンと同じ程度のずれになり得る。
【0154】
さまざまな例には、5°のロータ傾斜角が含まれ得るが、さらなる実施形態では、-10°、-9°、-8°、-7°、-6°、-5°、-4°、-3°、-2°、-1°、0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°など、このような例の値の間の範囲を含むさまざまな他のロータ傾斜角を規定できる。いくつかの実施形態では、ロータ傾斜角は、ナセル170、ハブ172などの物理的位置など、風力タービン700のさまざまな部分によって規定され得る。いくつかの実施形態では、ロータの傾斜角は、風力タービン700の物理的構成に基づいて固定することができ、またはいくつかの実施形態では変更可能であってもよい(例えば、ロータの傾斜角を変更するためにナセル170をモータ駆動で傾斜させる)。
【0155】
さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100は、船体アセンブリ830の重量またはバランス(例えば、柱840、850内のバラストの量に基づく)、船体アセンブリ830、タワー110、及び/または風力タービン700のさまざまな部分の重量、予測または実際の風速及び/または風向などに基づいて、傾斜角または動作角(例えば、中心軸Yの真の垂直に対する角度)を持つように構成し得、またはそのように配置され得る。例えば、様々な実施形態において、浮体式風力タービン100にかかる風力によって、浮体式風力タービンが傾斜する可能性がある。さらに、さまざまな例において、水域102の風、波、または潮汐作用により、浮体式風力タービン100が水域102内で揺れたり、または別の形で移動する場合がある。したがって、浮体式風力タービン100は、ヒール角の範囲内で動作するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100は、-20°、-19°、-18°、-17°、-16°、-15°、-14°、-13°、-12°、-11°、-10°、-9°、-8°、-7°、-6°、-5°、-4°、-3°、-2°、-1°、0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°など、またはそのような例の値の間の範囲の角度をなすように構成することができる。
【0156】
さらに、浮体式風力タービン100は、アップウィンド型及び/またはダウンウィンド型で動作するように構成できる。アップウィンド型動作の例を
図13a及び
図13bに示す。ここでは、風の方向はハブ172とブレード174の前面に向かい、その後ナセル170上に移動する。対照的に、
図14a、
図14b、及び
図15は、風の方向がハブ172及びブレード174の背面に向かい、風がナセル170の後方に向かうダウンウィンド型動作の例を示す。
【0157】
例えば、
図14a及び
図14bは、ロータ平面Rがシャフト軸Yに対する垂線から5°離れており、ロータ傾斜角が5°である例を示している。
図14bに示すように、浮体式風力タービンが(例えば、風、バランスなどに基づいて)10°の角度をなすと、ロータ軸Rが水平軸Hから-5°の角度をなす可能性がある。別の実施形態では、設計ヒール角は20度であり得、ロータ平面Rとシャフト軸Yとの間に10度のミスアライメントが生じる。
【0158】
いくつかの例では、さまざまな実施形態のダウンウィンド型のティータード浮体式風力タービン100により、プラットフォーム設計者は、ロータのミスアライメントを0度に維持しながら、さらに大きな設計ヒール角を実現できる。ティータード浮体式風力タービン100のいくつかの例では、ロータ軸Rが主軸軸Yに対して垂直な角度からずれている可能性がある。例えば、
図15はそのような例を示す。この例に示すように、プラットフォームは15°の設計ヒール角を持つことができるが、ダウンウィンド型タービンと、ロータ軸Rに対するハブの移動とを可能にするティータードハブ1500の付加効果により、入射風に対するロータミスアライメントは0度になる。このように、さまざまな例で、固定ハブのダウンウィンド型風力タービンを使用する場合よりも、プラットフォーム及び係留システムのコスト及び複雑さをさらに軽減できる。
【0159】
さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100は、ブレードピッチコントローラ、ナセルヨー制御、発電機トルク制御などのさまざまな適切な制御システムを備えることができる。さまざまな実施形態において、浮体式風力タービン100は、プロセッサと、プロセッサによって実行されるとさまざまな方法を実行する命令を格納するメモリとを含むコンピューティングシステムを含むことができる。さまざまな実施形態において、このようなコンピューティングシステムは、1つ以上の加速度計、温度センサ、水センサ、湿度センサ、磁場センサ、ジャイロスコープ、圧力センサ、トルクセンサ、光センサ、雨量計、風速センサ、電流センサ、深度センサ、GPSユニットなどのさまざまな適切なセンサからデータを取得できる。例えば、このようなセンサからのセンサデータを使用して、浮体式風力タービン100の位置、傾斜角、向き、速度、発電量、タービン速度、水域内の深さ、その他の状態または構成を判定できる。さらに、いくつかの例では、そのようなセンサからのセンサデータを使用して、気温、水温、水の塩分濃度、風速、風向、波の高さ、波の方向、降水量などの環境条件を判定できる。さまざまな例としては、浮体式風力タービン100からの電力生産を最適化するために、ブレード174のブレードピッチを制御するシステム及び方法が挙げられる。
【0160】
浮体式風力タービン100は動的な波荷重の影響を受けるため、さまざまな実施形態では、浮体式風力タービン100は動的なピッチ運動を受ける可能性がある。浮体式風力タービン100のピッチ運動の大きさは、これらの環境力の変動の大きさ、ならびに浮体式風力タービン100のピッチ剛性、減衰などの特性に関係する可能性がある。いくつかの実施形態では、浮体式風力タービン100は、振幅が最大5°の動的ピッチ運動を示すことができる。例えば、設計平均ヒール角が15度の浮体式風力タービン100の場合、プラットフォームは垂直から10~20度傾く可能性がある。浮体式風力タービン100が前後に傾くと、ブレード174上の相対風速が変化する可能性がある。ブレードピッチが調整されない場合、いくつかの例では、浮体式風力タービン100の動作が不安定になる可能性がある。
【0161】
いくつかの例では、発電機によって吸収される電力は、ロータ上の相対速度の3乗に比例する可能性がある。プラットフォームの正弦波運動をステップ曲線として近似すると、相対速度が一定値∇Vだけ増加または減少し、さまざまな実施形態では、1サイクルで生成される電力を増やすことができる。数学的には、固定タービンによって生成される電力は、入射風速V∞:の3乗に比例し得る。
P∞∝V3
∞
【0162】
数学的には、前後に揺れる風力タービンによって生成される電力は、タービンと風との相対風速Vrelの3乗に比例し得る。
【0163】
Penh∝V3
rel=0.5*(V∞,-∇V)3+0.5*(V∞,+∇V)3=P∞+3V∞∇V2
【0164】
増強された電力は、プラットフォームのピッチ速度の二乗にハブの高さを乗じた値であり得る∇V2に比例し得る。いくつかの例では、瞬間的な電力増強は小さい。しかしながら、浮体式風力タービン100の耐用年数にわたって、増強される電力は大幅に増加する可能性がある。
【0165】
さまざまな実施形態においてこの電力増強を達成するためには、浮体式風力タービン100によって吸収される推力は、浮体式風力タービン100の1ピッチングサイクルにわたって比較的一定に保たれなければならない。浮体式風力タービン100のピッチの自然周期は、いくつかの例では一般に20~30秒であり得る。
【0166】
風力タービン制御装置方法1600の一実施形態を
図16に示す。コントローラの目的は、浮体式風力タービン100の位置、速度、加速度、ならびに入射風速及び方向を測定または決定することにより、入射風に対するロータの速度を決定することであり得る。次に、ブレードピッチコントローラを作動させて、ロータのスラストが比較的一定に保たれるようにし得る。
【0167】
さまざまな実施形態におけるこのような風力タービン制御システムの副次的な利点は、推力の変動の振幅を最小限に抑えることができ、その結果、タービン700及び船体アセンブリ830などの疲労損傷が軽減されることである。推力の変動により、タワー110のベースに曲げモーメントが発生し得、それが船体アセンブリ830に伝達され得る。推力の振幅の変動を低減することにより、様々な例において浮体式風力タービン100に生じる疲労損傷が低減される。
【0168】
例えば、
図16を参照すると、1610で、浮体式風力タービン100の位置及び/または向きが測定または決定され、これには、ピッチ、ロール、及びヨーの動き、ならびに速度、加速度などが含まれ得る。さまざまな例において、このような測定または判定は、本明細書で説明するように、センサから取得されたセンサデータに基づくことができる。1620では、入射風速、入射風向などが測定または決定されるが、これらは、本明細書で説明したように、センサから取得されたセンサデータに基づくことができる。
【0169】
1630では、風向に沿った回転運動、速度、及び加速度を順に決定でき、1640では、時間範囲(例えば、20~30秒)にわたる風向に沿った回転運動、速度、及び加速度を順に予測または決定できる。1650では、コントローラの時間範囲にわたってスラストの変化を最小限に抑え、及び/または電力生産を最大化するためにブレードピッチ角(複数可)を決定でき、1660では、ブレードピッチシステムを作動させて、1650での決定に従って、1つまたは複数のブレード174の構成を変更できる。
【0170】
本開示の実施形態は、以下の条項を鑑みて説明することができる。
1.ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含むタワーであって、前記タワーが中心軸Yを有する、前記タワーと、
船体アセンブリであって、
中央柱の上部で前記タワーのベースに結合される前記中央柱であって、前記中央柱が、前記中心軸Yと一致する中心柱軸を有する、前記中央柱と、
複数の外側柱であって、3つ以下の外側柱を含み、第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含み、前記複数の外側柱が、前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置され、それぞれの隣接する外側柱が、前記中心軸Yの周りに互いに120°離れており、前記中心軸Yと一致する3つの対称面を画定し得る、前記複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結し、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱のそれぞれの上端から延びる少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結し、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱のそれぞれの下端から延びる少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結し、それぞれの上部トラス部材と下部トラス部材との間に対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を備え、
前記船体アセンブリが、前記第1の上部トラス部材、前記第2の上部トラス部材、及び前記第3の上部トラス部材が、第1の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ前記第1の下部トラス部材、前記第2の下部トラス部材、及び前記第3の下部トラス部材が、前記第1の共通平面に平行で前記中心軸Yに垂直な第2の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ前記3つの外側柱が互いに平行なそれぞれの外側柱中心軸を有する伸長構成をとるように構成されており、
前記船体アセンブリが、前記伸長構成から折り畳み構成をとるように構成されており、前記3つの外側柱のうちの1つまたは2つが、前記タワーに向かって、その近くまで、上方に折り畳まれるように構成され、前記3つの外側柱のうちの他の1つまたは2つの柱が、前記中央柱のベースの下方に、その近くまで、折り畳まれるように構成されている、
前記船体アセンブリと、
を備える、システム。
2.前記中央柱及び前記3つの外側柱は、前記船体アセンブリのバラストとして機能する水で満たされるように構成されている、条項1に記載のシステム。
3.前記システムは、水域の表面上で前記水域内に浮いた直立構成をとるように構成され、前記船体アセンブリは前記伸長構成にあり、前記タワーは前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記3つの外側柱と前記中央柱とは部分的に前記水域内に沈み、前記システムは、前記少なくとも3つの外側柱と前記中央柱との浮力に基づいて前記水域内に浮いている、条項1または条項2に記載のシステム。
4.前記直立構成の前記システムは、8~12mの港喫水許容値及び50~70mのエアドラフト許容値に違反するが、前記折り畳まれた水平構成の前記システムは、前記8~12mの港喫水許容値にも、前記50~70mの港エアドラフト許容値にも違反しない、条項3に記載のシステム。
5.船体アセンブリであって、
中心軸Yを有する中央柱と、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、前記中心軸Yの周りで前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を含む、前記船体アセンブリ、を備える、システム。
6.タービンを含む前記船体アセンブリから延びるタワーをさらに備える、条項5に記載のシステム。
7.前記船体アセンブリが、3つ以下の外側柱を含む、条項5または条項6に記載のシステム。
8.前記船体アセンブリが、前記第1の上部トラス部材、前記第2の上部トラス部材、及び前記第3の上部トラス部材が、第1の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ前記第1の下部トラス部材、前記第2の下部トラス部材、及び前記第3の下部トラス部材が、前記第1の共通平面に平行で前記中心軸Yに垂直な第2の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延びる伸長構成をとるように構成されている、条項5~7のいずれかに記載のシステム。
9.前記船体アセンブリは、前記複数の外側柱のうちの1つまたは2つが上方に折り畳まれるように構成され、前記複数の外側柱のうちの他の1つまたは2つの柱が下方に折り畳まれるように構成された折り畳み構成をとるように構成されている、条項5~8のいずれかに記載のシステム。
10.船体アセンブリであって、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、中心軸Yを取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記複数の外側柱、を含む、前記船体アセンブリを備える、システム。
11.前記中心軸Yに沿って延びる中心柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、をさらに備える、条項10に記載のシステム。
12.前記中心軸Yに沿って延びる中心柱と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、をさらに備える、条項10または条項11に記載のシステム。
13.前記中心軸Yに沿って延びる中心柱と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、をさらに備える、条項10~12のいずれかに記載のシステム。
14.前記船体アセンブリから延びるタワーをさらに備える、条項10~13のいずれかに記載のシステム。
15.前記船体アセンブリが、3つ以下の外側柱を含む、条項10~14のいずれかに記載のシステム。
16.前記複数の外側柱は、前記船体アセンブリのバラストとして機能する水で満たされるように構成されている、条項10~15のいずれかに記載のシステム。
17.前記船体アセンブリは、前記複数の外側柱のうちの1つまたは2つが上方に折り畳まれるように構成され、前記複数の外側柱のうちの他の1つまたは2つの柱が下方に折り畳まれるように構成された折り畳み構成をとるように構成されている、条項10~16のいずれかに記載のシステム。
18.前記船体アセンブリが、複数の上部トラス部材が、第1の共通平面内で、中央柱とそれぞれの外側柱との間に延び、かつ複数の下部トラス部材が、前記第1の共通平面に平行で前記中心軸Yに垂直な第2の共通平面内で、前記中央柱とそれぞれの外側柱との間に延びる伸長構成をとるように構成されている、条項10~17のいずれかに記載のシステム。
19.前記システムは、水域の表面上で前記水域内に浮いた直立構成をとるように構成され、前記船体アセンブリは前記伸長構成にあり、前記船体アセンブリに結合されたタワーが前記水域の前記表面上に垂直に延び、前記複数の外側柱が少なくとも部分的に前記水域内に沈み、前記システムが、少なくとも前記複数の外側支柱の浮力に基づいて前記水域内に浮く、条項18に記載のシステム。
20.前記直立構成の前記システムは、港喫水許容値50~70mに違反するが、折り畳まれた構成の前記システムは、前記港喫水許容値50~70mに違反しない、条項19に記載のシステム。
21.ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
水域に浮かぶダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される8°~10°の平均ヒール角を受動的に取ることであって、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、前記取ることと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角が8°及び10°と等しいか、または8°~10°の範囲内であると仮定して、重力に垂直な水平軸から最大ロータミスアライメントが-1°~-7°の範囲で動作することと、を含み、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、
前記タワーであって、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rの周りを回転するように構成され、前記複数のブレードが、前記ロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを有し、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに垂直な軸に対するロータ軸Rの角度によって定義される静的傾斜角を有し、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、3°~7°の静的傾斜角を有し、その結果、前記ロータ軸Rが、垂直位置で3°~7°のミスアライメントを有する、前記タワーと、
船体アセンブリであって、
中央柱の上部で前記タワーのベースに結合される前記中央柱であって、前記中央柱が、前記中心軸Yと一致する中心柱軸を有する、前記中央柱と、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む、少なくとも3つの複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、前記中心軸Yの周りで前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記少なくとも3つの複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、を含む、前記船体アセンブリと、を備え、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記水域の底部に結合されることなく、前記水域の表面上で、前記水域内に受動的に浮かぶ直立構成を取るように構成され、前記タワーが、前記3つの外側柱及び前記中央柱が部分的に前記水域内に沈んだ状態で前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記少なくとも3つの外側柱及び前記中央柱の浮力に基づいて前記水域内に浮かぶ、前記方法。
22.ロータの傾斜角が変更されるように構成されている、条項21に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
23.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、ティータードダウンウィンド型浮体式風力タービンとして動作するように構成され、ロータの傾斜角を変更できるようにするティータードハブを備える、条項22に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
24.前記中央柱及び前記3つの外側柱は、前記船体アセンブリのバラストとして機能する水で満たされるように構成される、条項21~23のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
25.ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
水域に浮かぶダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される8°~10°の平均ヒール角を受動的に取ることと、
ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取り、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角が8°及び10°と等しいか、または8°~10°の範囲内であると仮定して、重力に垂直な水平軸から最大ロータミスアライメントが-1°~-7°の範囲で動作することと、を含み、
前記タワーが、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rの周りを回転するように構成され、前記複数のブレードが、前記ロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを有し、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに垂直な軸に対するロータ軸Rの角度によって定義されるロータ傾斜角を有し、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、3°~7°の静的傾斜角を有し、その結果、前記ロータ軸Rが、垂直位置で3°~7°のミスアライメントを有する、前記方法。
26.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、
船体アセンブリであって、
中央柱の上部で前記タワーのベースに結合される前記中央柱であって、前記中央柱が、前記中心軸Yと一致する中心柱軸を有する、前記中央柱と、
第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む、少なくとも3つの複数の外側柱であって、前記複数の外側柱が、前記中心軸Yの周りで前記中心柱を取り囲み、前記中心柱の周りに等間隔を置いて配置されている、前記少なくとも3つの複数の外側柱と、
複数の上部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の上部トラス部材、第2の上部トラス部材、及び第3の上部トラス部材を含む、前記複数の上部トラス部材と、
複数の下部トラス部材であって、前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱を前記中央柱にそれぞれ連結する、少なくとも第1の下部トラス部材、第2の下部トラス部材、及び第3の下部トラス部材を含む、前記複数の下部トラス部材と、
少なくとも第1の横梁、第2の横梁、及び第3の横梁を含む複数の横梁であって、それぞれ前記第1の外側柱、前記第2の外側柱、及び前記第3の外側柱と前記中央柱とを結合して、それらの間で対角線状に延びる、前記複数の横梁と、をさらに備える、条項25に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
27.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、前記水域の底部に結合されることなく、前記水域の表面上で、前記水域内に浮かぶ直立構成を取るように構成され、前記タワーは、複数の外側柱が前記水域内に沈んだ状態で前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、少なくとも前記複数の外側柱の浮力に基づいて前記水域内に浮かぶ、条項25または条項26に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
28.ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、ある範囲内の平均ヒール角を取って水域に浮かぶことであって、前記平均ヒール角が、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される、前記浮かぶことと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角を仮定しながら、重力に垂直な水平軸から最大のロータミスアライメントで動作することと、を含み、
前記タワーが、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rを中心に回転するように構成され、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに対する垂直軸に対するロータ軸Rの角度によって定義されるロータ傾斜角を有する、前記方法。
29.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、条項28に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
30.前記平均ヒール角が5°及び15°であるか、または5°~15°である、条項28または条項29に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
31.前記最大ロータミスアライメントが1°~13°である、条項28~30のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
32.前記ロータ傾斜角が、1°及び10°であるか、または1°~10°である、条項28~31のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
33.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、第1の外側柱、第2の外側柱、及び第3の外側柱を含む複数の少なくとも3つの外側柱を含む船体アセンブリを備える、条項28~32のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
34.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、前記水域の底部に結合されることなく、前記水域の表面上で、前記水域内に浮かぶ直立構成を取るように構成され、前記タワーは、複数の柱が前記水域内に沈んだ状態で前記水域の前記表面より上に垂直に延び、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、少なくとも前記複数の柱の浮力に基づいて前記水域内に浮かぶ、条項28~33のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
35.前記平均ヒール角が1°及び20°であるか、または1°~20°である、条項28~34のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
36.前記最大ロータミスアライメントが2°~20°である、条項28~35のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
37.前記ロータの傾斜角が変更されるように構成されている、条項28~36のいずれかに記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
38.前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンは、ティータード浮体式風力タービンとして動作するように構成され、前記ロータの傾斜角を変更できるようにするティータードハブを備える、条項37に記載のダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法。
39.ダウンウィンド型浮体式風力タービンを動作させる方法であって、
水域に浮かぶダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンのタワーの中心軸Yの風向における平均ピッチ角によって定義される14°~16°の平均ヒール角を受動的に取ることであって、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記風によって発生する力から前記平均ヒール角を受動的に取る、前記取ることと、
前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、前記平均ヒール角が14°及び16°と等しいか、または14°~16°の範囲内であると仮定して、重力に垂直な水平軸から最大ロータミスアライメントが-1°~1°の範囲で動作することと、を含み、
前記タワーが、ナセルと、ハブと、前記ハブから延びる複数のブレードとを備えたタービンを含み、前記複数のブレードが、ロータ軸Rの周りを回転するように構成され、前記複数のブレードが、前記ロータ軸Rに垂直なブレード平面Bを有し、前記ロータ軸Rが、前記中心軸Yに垂直な軸に対するロータ軸Rの角度によって定義されるロータ傾斜角を有し、前記ロータ傾斜角が3°~7°であり、前記ダウンウィンド型浮体式風力タービンが、3°~7°の静的傾斜角を有し、その結果、前記ロータ軸Rが、垂直位置で3°~7°のミスアライメントを有する、前記方法。
【0171】
説明された実施形態は、様々な修正及び代替形態の影響を受けやすく、その特定の例は、図面に例として示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかし、説明された実施形態は、開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、反対に、本開示は、すべての修正、均等物、及び代替物を網羅するものであることを理解されたい。さらに、特定の実施形態の要素は、その実施形態例にのみ適用可能であると解釈されるべきではなく、したがって、ある実施形態例の要素は他の実施形態にも適用可能である。さらに、実施形態例で具体的に示される要素は、そのような要素を含む、本質的にそのような要素からなる、またはそのような要素からなる実施形態をカバーするものと解釈されるべきであり、またはそのような要素は、さらなる実施形態には明示的に存在しない可能性がある。したがって、ある例に存在する要素の記載は、そのような要素が明示的に存在しないいくつかの実施形態を支持するものと解釈されるべきである。さらに、「浮かぶ」などの用語の使用は、特定の要素またはシステムが現在浮遊していることを示すものとして解釈されるべきではなく、そのような要素が流体内で浮かぶように構成されていること、構成可能であること、または浮かぶことが可能であることを示すものとして解釈されるべきである。
【国際調査報告】