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特表2024-543051治療の超解像試験のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】治療の超解像試験のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/02 20060101AFI20241112BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 11/16 20060101ALN20241112BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20241112BHJP
   C07K 16/46 20060101ALN20241112BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20241112BHJP
   A61K 39/395 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
C12Q1/02 ZNA
G01N33/53 Y
C12N11/16
C07K16/00
C07K16/46
A61P35/00
A61K39/395 E
A61K39/395 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527125
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 US2022048753
(87)【国際公開番号】W WO2023081243
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,253
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/371,355
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】524170164
【氏名又は名称】トレアドール セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲノ,ジャンマリー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッヒ,クラウス
【テーマコード(参考)】
4B033
4B063
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B033NA16
4B033NC13
4B033NG05
4B033NH10
4B033NK10
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QR48
4B063QS32
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX01
4C085AA13
4C085BB31
4C085CC22
4C085EE01
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA50
(57)【要約】
本明細書には、超解像顕微鏡法を用いて、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞からの細胞特性のデータベースを生成する方法が開示される。本明細書にはまた、抗体系治療をデザインし、かつ超解像顕微鏡法の使用によって治療介入用に癌標的を同定する方法も開示される。超解像顕微鏡法を用いて細胞試料および組織試料を特徴解析する方法も開示される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞からの細胞特性を含むデータベースを生成する方法であって、超解像顕微鏡を用いて抗体と接触した試料を画像化する工程と、前記試料中の細胞の少なくとも1つの細胞特性を含むデータベースを生成する工程と、前記少なくとも1つの細胞特性が前記疾患状態の細胞または前記非疾患状態の細胞を示すかどうかを判定する工程とを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの細胞特性が細胞外分子の画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの細胞特性が細胞外分子の強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数の細胞特性が、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記2つ以上の細胞外分子が同じ標的または異なる標的のものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの細胞特性が、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記個々の細胞外分子または前記対となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記個々の細胞外分子または前記対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートルの距離内にある、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記個々の細胞外分子または前記対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの細胞特性が、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記個々の細胞外分子、前記対となる細胞外分子、または前記三つ組となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記個々の細胞外分子、前記対となる細胞外分子、または前記三つ組となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記対、前記三つ組、前記四つ組、前記五つ組、または前記より高次のクラスタが、互いに隣接しているか、または接触している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記対、前記三つ組、前記四つ組、前記五つ組、または前記より高次のクラスタが、同じまたは異なる細胞外分子を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記移動が細胞外表面への内在化または移動である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の内在化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの細胞特性が細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記細胞外分子が、表1に列挙される細胞外分子である、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの細胞特性が、組織中の細胞に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つの細胞特性が、癌中または正常組織上の細胞に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つの細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの細胞特性が、腫瘍微小環境中の細胞に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記腫瘍微小環境中の細胞が、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記腫瘍微小環境中の細胞が、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つの細胞特性が、癌細胞または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つの細胞特性が、正常細胞の存在を予測する、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つの細胞特性が、組織中の同じ細胞に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの細胞特性が、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの細胞特性が、前記少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つの細胞特性が、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記疾患状態が、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記組織構造が、上皮、管、または血管を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の発現の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の酵素活性の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の組織局在化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
前記組織局在化が、疾患組織または腫瘍微小環境を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記組織局在化が、癌構造または腫瘍微小環境を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記細胞外分子が、前記抗体との接触時に内在化する、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
異なる試料が共通の細胞特性について評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項58】
異なる試料が異なる細胞特性について評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項59】
画像中の造影剤の強度に基づき前記少なくとも1つの細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
前記少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
前記少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
前記超解像顕微鏡が確定的超解像顕微鏡を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
前記超解像顕微鏡が、誘導放出抑制(STED)顕微鏡または基底状態抑制(GSD)顕微鏡である、請求項1に記載の方法。
【請求項64】
前記超解像顕微鏡が確率的超解像顕微鏡を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項65】
前記超解像顕微鏡がMINFLUX顕微鏡である、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
前記超解像顕微鏡が確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である、請求項1に記載の方法。
【請求項67】
前記画像化する工程が、1つまたは複数のリガンド、治療薬、または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
前記細胞が固定細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
前記細胞が組織中に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項70】
前記細胞が生組織中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項71】
前記細胞が生細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記細胞が哺乳動物細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
前記疾患状態の細胞が腫瘍細胞株に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
正常状態の細胞が、正常細胞株に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
前記細胞が、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
前記組織マイクロアレイ、前記カバースリップ、前記フローセル、前記チップ、または前記マイクロ流体チャンバが、凍結組織を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記組織マイクロアレイ、前記カバースリップ、前記フローセル、前記チップ、または前記マイクロ流体チャンバが、生組織を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記組織マイクロアレイ、前記カバースリップ、前記フローセル、前記チップ、または前記マイクロ流体チャンバが、固定組織を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記組織マイクロアレイ、前記カバースリップ、前記フローセル、前記チップ、または前記マイクロ流体チャンバが、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記抗体が、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項81】
前記抗体が二特異性抗体である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記抗体が多特異性抗体である、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項84】
前記抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項85】
前記抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記抗体が免疫細胞エンゲージャである、請求項80に記載の方法。
【請求項87】
前記抗体がエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項88】
抗体系治療が、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである、請求項80に記載の方法。
【請求項89】
前記抗体がワクチン内にある、請求項80に記載の方法。
【請求項90】
前記抗体が、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである、請求項80に記載の方法。
【請求項91】
前記抗体が一本鎖ポリペプチドを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項92】
前記抗体がホモ二量体を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項93】
前記抗体がヘテロ二量体を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項94】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項95】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項96】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項97】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項98】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項99】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項100】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項101】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項102】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項103】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項104】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項105】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項106】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項107】
画像化された細胞特性の前記データベースが、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項108】
画像化された細胞特性の前記データベースが単分子解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項109】
画像化された細胞特性の前記データベースが単一フルオロフォア解像度で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項110】
画像化された細胞特性の前記データベースが、高スループット形式で画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項111】
前記高スループット形式が少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記高スループット形式が少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記高スループット形式が少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
前記高スループット形式が少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項115】
前記高スループット形式が、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項116】
複数の細胞特性が略同時に画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項117】
複数の細胞特性が連続的に画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項118】
複数の細胞特性が略同時の画像であり、残りが連続的に画像化される、請求項1に記載の方法。
【請求項119】
前記複数の細胞特性が複数の細胞の表面上にある、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記細胞特性の画像化が約5分未満で完了する、請求項1に記載の方法。
【請求項121】
画像化された細胞特性の前記データベースを画像化することが、自動的に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項122】
前記細胞外分子が、膜結合タンパク質、膜に結合したリガンド、または膜タンパク質に結合したタンパク質もしくはリガンドである、請求項2に記載の方法。
【請求項123】
前記細胞外分子が、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年11月3日出願の米国仮特許出願第63/275,253号、および2022年8月12日出願の米国仮特許出願第63/371,355号に基づく利益を主張し、これらの仮特許出願はその全体を参照することで援用される。
【発明の概要】
【0002】
本明細書には、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞からの細胞特性を含むデータベースを生成する方法であって、超解像顕微鏡を用いて抗体と接触した試料を画像化する工程と、試料中の細胞の少なくとも1つの細胞特性を含むデータベースを生成する工程と、少なくとも1つの細胞特性が疾患状態の細胞または非疾患状態の細胞を示すかどうかを判定する工程とを含む、方法が開示される。
【0003】
一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の画像を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の強度を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む。一部の実施形態では、2つ以上の細胞外分子は、同じ標的または異なる標的のものである。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組の細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、同じまたは異なる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む。一部の実施形態では、移動は、細胞外表面への内在化または移動である。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の内在化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む。
【0004】
一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、表1に列挙される細胞外分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、組織中の細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、癌中または正常組織上の細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、組織中の同じ細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する。一部の実施形態では、疾患状態は、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む。一部の実施形態では、組織構造は、上皮、管、または血管を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の発現の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の酵素活性の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の組織局在化を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、疾患組織または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、癌構造または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は抗体との接触時に内在化する。一部の実施形態では、異なる試料が共通の細胞特性について評価される。一部の実施形態では、異なる試料が異なる細胞特性について評価される。一部の実施形態では、本方法は、画像中の造影剤の強度に基づき少なくとも1つの細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される。
【0005】
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確定的超解像顕微鏡を含む。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡または基底状態抑制(GSD)顕微鏡である。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確率的超解像顕微鏡を含む。一部の実施形態では、超解像顕微鏡はMINFLUX顕微鏡である。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である。一部の実施形態では、画像化する工程は、1つまたは複数のリガンド、治療薬、または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む。
【0006】
一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は組織中に固定される。一部の実施形態では、細胞は生組織中にある。一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。一部の実施形態では、正常状態の細胞は、正常細胞株に由来する。一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、凍結組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、生組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、固定組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、レーザーマイクロダイセクション(laser microdissection)プロセスによって形成される。
【0007】
一部の実施形態では、抗体は、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む。一部の実施形態では、抗体は二特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は多特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は免疫細胞エンゲージャである。一部の実施形態では、抗体はエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである。一部の実施形態では、抗体はワクチン内にある。一部の実施形態では、抗体は翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである。一部の実施形態では、抗体は一本鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体はホモ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体はヘテロ二量体を含む。
【0008】
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約100ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、単分子解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、単一フルオロフォア解像度で画像化される。
【0009】
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、高スループット形式で画像化される。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、高スループット形式は、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性が連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化され、残りが連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性は、複数の細胞の表面上にある。一部の実施形態では、細胞特性の画像化は、約5分未満で完了する。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースを画像化することは、自動的に行われる。
【0010】
一部の実施形態では、細胞外分子は、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである。一部の実施形態では、細胞外分子は、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される。
【0011】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照によって援用されると示されたのと同程度に、参照によって本明細書に援用される。参照によって援用される刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する場合、本明細書は、そのようなあらゆる矛盾する題材に取って代わり、および/またはそれよりも優先されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に明記される。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面(本明細書では「図(Figure)」および「図(FIG.)」とも称する)を参照することによってより良く理解されるであろう。
【0013】
図1】本明細書で提供される方法を実装するようにプログラムまたはその他の方法で構成される、コンピュータシステムを示す図である。
図2】細胞表面に結合する1つまたは複数の結合分子(例えば、VHH)に関する空間的に局在化されたKが単一分子追跡(SMT)実験から導出され、次いで、画像データベース内の細胞特性と一致させられる、本開示の用途の一例を示す図である。
図3】標識された抗TROP2 VHH結合剤1(TROP2_1)で染色されたA549細胞の誘導放出抑制(STED)画像を示す図であり、画像は34.68×17.04マイクロメートル(μm)(1734×852ピクセル)であり、解像度は20ナノメートル(nm)/ピクセルである。
図4】標識されたTROP2_1で染色されたA549細胞のSTED画像を示す図であり、画像は34.68×17.04μm(1734×852ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。
図5A】標識されたTROP2_1で染色されたSKBR3細胞を示す図であり、画像は34.60×43.06μm(1730×2153ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。
図5B】標識された抗HER2 VHH結合剤3(HER2_3)で染色されたSKBR3細胞を示す図であり、画像は34.60×43.06μm(1730×2153ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。
図6A】標識されたTROP2_1で染色されたMCF7細胞を示す図であり、画像は63.86×58.30μm(3193×2915ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。
図6B】標識されたHER2_3で染色されたMCF7細胞を示す図であり、画像は63.86×58.30μm(3193×2915ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の様々な実施形態が本明細書に示され、記載されているが、そのような実施形態は単なる例として提供されることが当業者には明白であろう。本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換が当業者に想到され得る。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する種々の代案が採用され得ることを理解されたい。
【0015】
「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、または「以上(greater than or equal to)」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値より前にある場合は常に、「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、または「以上(greater than or equal to)」という用語は、一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、1、2、または3以上は、1以上、2以上、または3以上と同等である。
【0016】
「以下(no more than)」、「未満(less than)」、または「以下(less than or equal to)」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値より前にある場合は常に、「以下(no more than)」、「未満(less than)」、または「以下(less than or equal to)」という用語は、一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、3、2、または1以下は、3以下、2以下、または1以下と同等である。
【0017】
本明細書中の特定の発明実施形態は、数値範囲を企図する。範囲が存在するとき、範囲はその範囲の終点を含む。さらに、あらゆる部分範囲およびその範囲内の値は、あたかも明示的に書き出されたかのように存在する。「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、特定の値の許容誤差範囲内を意味する場合があり、これは、その値がどのように測定または判定されるかに、例えば、測定システムの制限に部分的に依拠する。例えば、「約」は、当該技術分野での慣例に従い、1または1を超える標準偏差内を意味する場合がある。代替的に、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味する場合がある。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載される場合、別段の定めのない限り、特定の値に対する許容可能誤差範囲内を意味する「約」という用語が想定され得る。
【0018】
定義
本明細書中で使用される場合、「個体」、「患者」、または「対象」という用語は、記載される組成物および方法が処置に有用である少なくとも1つの疾患を有すると診断されたか、それに罹患している疑いがあるか、またはそれを発症するリスクがある個体を指す。特定の実施形態では、個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、アルパカ、またはヤクである。特定の実施形態では、個体はヒトである。
【0019】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小の長さには限定されない。提供されたポリペプチド、抗体鎖、および他のペプチド、例えばリンカーおよび結合ペプチドを含むポリペプチドは、天然および/または非天然のアミノ酸残基を含んだアミノ酸残基を含み得る。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化などを含む。一部の態様では、ポリペプチドは、タンパク質が所望の活性を維持する限り、自然または天然の配列に対する修飾を含有し得る。これらの修飾は、部位特異的突然変異誘発を介するなど意図的であり得るか、またはタンパク質を産生する宿主の突然変異、もしくはPCR増幅に起因するエラーによるなど偶発的であり得る。
【0020】
参照ポリペプチド配列に対する配列同一性パーセント(%)は、配列同一性の一部としていかなる保存的置換も考慮せず、配列をアライメントして必要に応じてギャップを導入することで最大の配列同一性パーセントを達成した後、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の百分率である。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のアライメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用する公知の様々な方法で達成することができる。比較される配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するのに必要なアルゴリズムを含め、配列をアライメントするのに適切なパラメータを決定することができる。しかし、本明細書中の目的では、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して生成される。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって作製され、ソースコードは、ワシントンD.C.、20559の米国著作権局にユーザ文書とともに提出されており、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2プログラムは、カリフォルニア州サウスサンフランシスコのGenentech,Inc.から公的に入手可能であるか、またはソースコードからコンパイルされてもよい。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIX(登録商標)V4.0Dを含むUNIX(登録商標)オペレーティングシステムでの使用のためにコンパイルしなければならない。すべての配列比較パラメータはALIGN-2プログラムによって設定され、変動しない。
【0021】
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に使用される状況では、所与のアミノ酸配列Aの、所与のアミノ酸配列Bに対するアミノ酸配列同一性%(代替的に、所与のアミノ酸配列Bに対する特定のアミノ酸配列同一性%を有するか、またはそれを含む所与のアミノ酸配列Aと称され得る)は、100×分数X/Yのように算出され、式中、Xは、AおよびBのプログラムのアライメントにおける配列アライメントプログラムALIGN-2によって同一の一致としてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと同等でない場合、Bに対するAのアミノ酸配列同一性%は、Aに対するBのアミノ酸配列同一性%と同等でないことが理解されるであろう。別段の定めのない限り、本明細書で使用されるすべてのアミノ酸配列同一性%値は、直前の段落に記載したようにALIGN-2コンピュータプログラムを使用して得られる。
【0022】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるポリペプチドのアミノ酸配列バリアントが企図される。バリアントは、典型的には1つまたは複数の置換、欠失、付加、および/または挿入において、本明細書に具体的に開示されるポリペプチドとは異なる。そのようなバリアントは、天然に生じ得るか、または例えば、本発明の上記ポリペプチド配列のうち1つもしくは複数を修飾し、本明細書に記載されるポリペプチドの1つもしくは複数の生体活性を評価し、および/もしくは多数の公知の技法のうちいずれかを使用することによって合成的に生成され得る。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生体特性を改善することが望ましい場合もある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって調製され得る。かかる修飾として、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基の欠失および/または挿入および/または置換が挙げられる。最終構築物に到達するために欠失、挿入、および置換のあらゆる組合せが行われ得るが、最終構築物は所望の特徴、例えば抗原結合を有することを前提とする。
【0023】
一部の実施形態では、「抗原結合ドメイン」または「抗原相互作用ドメイン」は、抗原結合特性を有する免疫グロブリン誘導体、すなわち、抗原結合部位を含有する免疫グロブリンポリペプチドまたはそのフラグメントを指す。場合により、結合ドメインは、抗体またはそのフラグメントの可変ドメインを含む。各抗原結合ドメインは、抗体、すなわち免疫グロブリンによって形成され、可変重鎖ドメイン(VH)および抗体可変軽鎖ドメイン(VL)は同じエピトープに結合するが、可変重鎖ドメイン(VH)は、3つの重鎖相補性決定領域(CDR)であるCDR1、CDR2、およびCDR3を含み、可変軽鎖ドメイン(VL)は、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR)であるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む。一部の例では、本明細書中の一部の実施形態による結合ドメインは、免疫グロブリン定常ドメインを欠いている。一部の例では、抗原結合部位を形成する可変軽鎖および重鎖ドメインは、例えばペプチドリンカーによって互いに共有結合的に連結されるか、または他の例では、可変軽鎖および重鎖ドメインは、互いに非共有結合的に会合して抗原結合部位を形成する。結合ドメインおよび相互作用ドメインはまた、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、一本鎖Fv、タンデム一本鎖Fv((scFv)2)、二特異的T細胞エンゲージャ(BiTE(登録商標))、二重親和性再標的化抗体(DART(商標))、ダイアボディ、DuoBody(登録商標)IgG分子、単一ドメイン抗体(例えば、VHH)、TriTacなどを含む、抗体フラグメントまたは抗体誘導体を指す。さらに特定の例では、結合ドメインは多価であり、すなわち、1つまたは複数の抗原に対して2つ、3つ、またはそれより多くの結合部位を有する。
【0024】
特定の実施形態では、抗原結合ドメインまたは抗原相互作用ドメインは、抗体の相補性決定領域に由来する配列を含む。「超可変領域」または「HVR」と同義である「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、抗原特異性および/または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の非連続配列を指すことが当該技術分野で公知である。一般に、各重鎖可変領域には3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)があり、各軽鎖可変領域には3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)がある。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが当該技術分野で公知である。一般に、各全長重鎖可変領域には4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)があり、各全長軽鎖可変領域には4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)がある。所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabatら(1991)による「Sequences of Proteins of Immunological Interest」,第5版,Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」ナンバリング)、Al-Lazikaniら(1997)によるJMB 273,927-948(「Chothia」ナンバリングスキーム)、MacCallumらによるJ.Mol.Biol.262:732-745(1996),「Antibody-antigen interactions:Contact analysis and binding site topography」,J.Mol.Biol.262,732~745頁(「Contact」ナンバリングスキーム)、Lefranc MPらによる「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains」,Dev Comp Immunol,2003 Jan;27(1):55~77頁(「IMGT」ナンバリングスキーム)、Honegger AおよびPluckthun Aによる「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains:an automatic modeling and analysis tool」,J Mol Biol,2001 Jun 8;309(3):657~70(「Aho」ナンバリングスキーム)、ならびにWhitelegg NRおよびRees ARによる「WAM:an improved algorithm for modelling antibodies on the WEB」,Protein Eng.2000 Dec;13(12):819~24頁(「AbM」ナンバリングスキーム)に記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのうちいずれかを用いて容易に決定することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体のCDRは、kabat、Chothia、IMGT、Aho、AbM、またはそれらの組合せから選択される方法によって定義することができる。
【0025】
所与のCDRまたはFRの境界は、同定に使用されるスキームに応じて変動し得る。例えば、Kabatスキームは構造アライメントに基づくが、Chothiaスキームは構造情報に基づく。KabatスキームとChothiaスキーム両方のナンバリングは、最も一般的な抗体領域配列長に基づき、挿入は挿入文字、例えば「30a」によって提供され、欠失は一部の抗体に現れる。2つのスキームは、異なる位置に特定の挿入および欠失(「インデル」)を配し、差次的なナンバリングをもたらす。Contactスキームは、複雑な結晶構造の分析に基づき、多くの点でChothiaナンバリングスキームに類似している。
【0026】
特定の実施形態では、抗原結合ドメインまたは抗原相互作用ドメインは、抗体の相補性決定領域に由来する配列を含む。「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体の抗原への結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。自然の抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVHおよびVL)は、全体的に同様の構造を呈し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、KindtらによるKuby Immunology,第6版,W.H.Freeman and Co.,91頁(2007)を参照)。単一のVHまたはVLドメインは、抗原結合特異性を付与するのに充分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体由来のVHまたはVLドメインを使用して単離されることで、それぞれ相補的なVLまたはVHドメインのライブラリをスクリーニングし得る(例えば、PortolanoらによるJ.Immunol.150:880~887頁(1993)、ClarksonらによるNature 352:624~628頁(1991)を参照)。
【0027】
特定の実施形態では、抗原結合ドメインまたは抗原相互作用ドメインは、「ヒト化」される。「ヒト化」ポリペプチドまたは抗体は、すべてまたは略すべてのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、すべてまたは略すべてのFRアミノ酸残基がヒトFRに由来するものである。ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を任意選択で含み得る。非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、典型的にはヒトに対する免疫原性を低下させると同時に親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持するために、ヒト化を経た非ヒト抗体のバリアントを指す。一部の実施形態では、ヒト化抗体内の一部のFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)に由来する対応の残基で置換される。
【0028】
提供されるポリペプチドおよび抗体の中には、ヒト抗体がある。「ヒト抗体」は、ヒト抗体ライブラリを含むヒト抗体レパートリまたは他のヒト抗体をコードする配列を利用する、ヒトもしくはヒト細胞、または非ヒトソースによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。この用語は、すべてまたは略すべてのCDRが非ヒトであるものなど、非ヒト抗原結合領域を含む非ヒト抗体のヒト化形態を除外する。本開示の方法およびシステムは、抗体系治療として本明細書に記載されるが、一部の実施形態では、非治療抗体または抗体誘導体(例えば、抗体の部分)と細胞との相互作用を画像化するために使用される。例えば、フルオロフォアは、VHHドメインに結合され、細胞の表面特性および細胞特性をマッピングするために使用される。この例では、表面特性および細胞特性は、疾患細胞と正常細胞との間で比較される。
【0029】
フルオロフォアまたは造影剤の非限定的な例として、KK114(Abberior STAR REDとしても知られる)、Abberior STAR ORANGE、SYBR green、SYBR blue、DAPI、ヨウ化プロピジウム、Hoeste、SYBR gold、臭化エチジウム、アクリジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリフラビン、フルオロクマリン(fluorcoumanin)、エリプチシン、ダウノマイシン、クロロキン、ジスタマイシンD、クロモマイシン、ホミジウム、ミトラマイシン、ルテニウムポリピリジル、アントラマイシン、フェナントリジンおよびアクリジン、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、ジヒドロエチジウム、エチジウムホモ二量体-1および2、エチジウムモノアジド、およびACMA、Hoechst 33258、Hoechst 33342、Hoechst 34580、DAPI、アクリジンオレンジ、7-AAD、アクチノマイシンD、LDS751、ヒドロキシスチルバミジン、SYTOX Blue、SYTOX Green、SYTOX Orange、POPO-1、POPO-3、YOYO-1、YOYO-3、TOTO-1、TOTO-3、JOJO-1、LOLO-1、BOBO-1、BOBO-3、PO-PRO-1、PO-PRO-3、BO-PRO-1、BO-PRO-3、TO-PRO-1、TO-PRO-3、TO-PRO-5、JO-PRO-1、LO-PRO-1、YO-PRO-1、YO-PRO-3、PicoGreen、OliGreen、RiboGreen、SYBR Gold、SYBR Green I、SYBR Green II、SYBR DX、SYTO-40、-41、-42、-43、-44、-45(青色)、SYTO-13、-16、-24、-21、-23、-12、-11、-20、-22、-15、-14、-25(緑色)、SYTO-81、-80、-82、-83、-84、-85(橙色)、SYTO-64、-17、-59、-61、-62、-60、-63(赤色)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、ローダミン、テトラメチルローダミン、R-フィコエリスリン、Cy-2、Cy-3、Cy-3.5、Cy-5、Cy5.5、Cy-7、Texas Red、Phar-Red、アロフィコシアニン(APC)、Sybr Green I、Sybr Green II、Sybr Gold、CellTracker Green、7-AAD、エチジウムホモ二量体I、エチジウムホモ二量体II、エチジウムホモ二量体III、臭化エチジウム、ウンベリフェロン、エオシン、緑色蛍光タンパク質、エリスロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイエロー、カスケードブルー、オレゴングリーン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、ユーロピウムおよびテルビウムを含むものなどの蛍光ランタニド錯体、カルボキシテトラクロロフルオレセイン、5および/または6-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(または6-)ヨードアセトアミドフルオレセイン、5-{[2(および3)-5-(アセチルメルカプト)-スクシニル]アミノ}フルオレセイン(SAMSA-フルオレセイン)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、5および/または6カルボキシローダミン(ROX)、7-アミノ-メチル-クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸(AMCA)、BODIPYフルオロフォア、8-メトキシピレン-1,3,6-トリスルホン酸トリナトリウム塩、3,6-ジスルホネート-4-アミノ-ナフタルイミド、フィコビリタンパク質、AlexaFluor 350、405、430、488、532、546、555、568、594、610、633、635、647、660、680、700、750、および790色素、DyLight 350、405、488、550、594、633、650、680、755、および800色素、量子ドット、あるいは他のフルオロフォアが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書に記載のポリペプチドは、核酸によってコードされ得る。核酸は、2つ以上のヌクレオチド塩基を含むポリヌクレオチドの一種である。特定の実施形態では、核酸は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを細胞に導入するために使用できるベクターの成分である。本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、連結されている別の核酸を輸送可能である核酸分子を指す。ベクターの一種は、宿主細胞の染色体DNAに組み込まれ得るゲノム組込みベクターまたは「組込みベクター」である。別の種類のベクターは、「エピソーム」ベクター、例えば、染色体外複製が可能な核酸である。動作可能に連結される遺伝子の発現を誘導可能なベクターは、本明細書中で「発現ベクター」と称される。好適なベクターは、プラスミド、細菌人工染色体、酵母人工染色体、ウイルスベクターなどを含む。発現ベクター中、転写の制御に使用するためのプロモータ、エンハンサ、ポリアデニル化シグナルなどの調節要素は、哺乳動物、微生物、ウイルス、または昆虫の遺伝子に由来し得る。通常は複製起点によって付与される宿主内での複製能、および形質転換体の認識を容易にする選択遺伝子が、さらに組み込まれてもよい。レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスなどのウイルス由来のベクターが採用されてもよい。染色体位置への組込みのためにプラスミドベクターを線状化することができる。ベクターは、ゲノム中の部位の定義された位置または制限されたセットへの部位特異的な組込み(例えば、AttP-AttB組換え)を導く配列を含むことができる。さらにベクターは、転位因子に由来する配列を含むことができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「相同的」、「相同性」、または「相同性パーセント」という用語は、参照配列に対するアミノ酸配列または核酸配列を記載するために本明細書で使用されるとき、KarlinおよびAltschul(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264~2268頁,1990、改訂版のProc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873~5877頁)によって記載される公式を使用して決定することができる。このような公式は、Altschulら(J.Mol.Biol.215:403~410頁,1990)のベーシックローカルアライメント検索ツール(BLAST)プログラムに組み込まれる。配列の相同性パーセントは、本出願の出願日時点で最新版のBLASTを用いて決定することができる。
【0032】
本明細書に記載されるポリペプチドをコードする核酸は、感染、トランスフェクト、形質転換、またはその他の方法で好適な細胞を核酸に対し遺伝子導入するために使用することができるため、商業的または治療的な使用のためのポリペプチドの産生が可能になる。大規模細胞培養物から抗体またはポリペプチドを産生するための標準的な細胞株および方法は、当該技術分野で公知である。例えば、Liらによる「Cell culture processs for monoclonal antibody production」Mabs.2010 Sep-Oct;2(5):466~477頁を参照されたい。特定の実施形態では、細胞は真核細胞である。特定の実施形態では、真核細胞は哺乳動物細胞である。特定の実施形態では、哺乳動物細胞は、ポリペプチドまたは抗体を産生するのに有用な細胞株であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞、NS0マウス骨髄腫細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞である。特定の実施形態では、抗体をコードする核酸は、ポリペプチドまたは抗体の産生に有用な細胞のゲノム座位に組み込まれる。特定の実施形態では、本明細書には、抗体の産生および分泌を可能にするのに充分なin vitroの条件下で、抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する工程を含む、抗体を作製する方法が記載される。
【0033】
本明細書に記載の方法およびシステムは、一部の実施形態では、疾患状態の分化、治療デザイン、および治療標的の同定における使用について記載されるが、本明細書に記載の方法およびシステムは、種々の用途に使用することができる。例えば、本明細書に記載のデータベース、方法、およびシステムは、患者選択(例えば、癌の種類または試験群の選択)に使用することができる。別の例では、本明細書に記載のデータベース、方法、およびシステムは、併用療法選択(例えば、薬剤の組合せの選択)に使用することができる。別の例では、本明細書に記載のデータベース、方法、およびシステムは、創薬(例えば、新規標的または治療用化合物の発見)に使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の複数の細胞外受容体は、複数の同じ細胞外受容体である。一部の実施形態では、本明細書に記載の複数の細胞外受容体は、複数の異なる細胞外受容体である。別の例では、本明細書に記載のデータベース、方法、およびシステムは、異なる用途に再利用できる治療薬を決定(例えば、治療薬が承認された用途とは異なる用途で使用することを承認された治療薬の生存率の決定)する際に使用することができる。
【0034】
本開示のデータベース、方法、およびシステムは、抗体フラグメントまたは誘導体に関して本明細書に記載されているが、試料に対する完全抗体の効果を試験するために使用することができる。例えば、抗体は試料に接触させることができ、試料の細胞特性はデータベースに記録することができる。抗体の例として、IgA、IgD、IgE、IgG、IgM、IgT/Z、IgY、IgWなどが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、抗体は、CAR T細胞に関連する抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗体-薬物コンジュゲートである。一部の実施形態では、抗体の代わりにリボ核酸(RNA)アプタマーが使用される。一部の実施形態では、抗体の代わりに天然の受容体またはリガンドが使用される。
【0035】
本明細書で使用される場合、分子シグネチャまたは分子フィンガープリントは、少なくとも1つの細胞特性で構成される細胞表面上の1つの細胞外分子の構成または状態のすべてまたは一部として定義される。本明細書で使用される場合、細胞シグネチャまたは細胞フィンガープリントは、少なくとも1つの細胞特性で構成される細胞表面上の2つ以上の細胞外分子の構成または状態のすべてまたは一部として定義される。本明細書で使用される場合、組織シグネチャまたは組織フィンガープリントは、組織または試料中の2つ以上の細胞(または細胞の集合体)の表面上の分子シグネチャもしくはフィンガープリントまたは細胞シグネチャもしくはフィンガープリントとして定義される。
【0036】
細胞特性を含むデータベースを生成する方法
癌細胞は、形態学的および機能的に正常細胞とは異なり、異なる細胞シグナル伝達経路が作動する。細胞外受容体は、細胞シグナル伝達の最中に脂質ラフトでクラスタ化し(または異なる形で異なるように見える)、細胞内部のシグナルを増幅し得る。細胞外受容体の特定の特徴は、癌細胞と正常細胞との間で異なり得る。本開示の一態様では、高コンテンツの正常/癌細胞(組織)データベースを構築するために、大規模(scale)での超解像顕微鏡法(SRM)および公知の癌抗原に対する薬学的に関連する結合剤が使用される。これは、治療戦略に直接変換可能であってもよく、試験および開発の全体で使用され得る。データベースは、単特異的、二特異的、および多特異的治療のための標的選択および検証(ならびに新たな標的の発見)、薬物デザインおよび検証、臨床試験のための併用療法の選択、臨床試験のための癌適応症の選択、ならびに臨床試験のための患者選択のために使用され得る。特性は、その特性が存在するかどうかに関して特徴付けられ、存在する場合、その位置、最近傍、内在化の有無などが判定される。
【0037】
一部の実施形態では、本開示は、様々な異なる用途で使用できる細胞相互作用のデータベースを提供する。一部の実施形態では、データベースは、治療(例えば、抗体系治療、小分子治療など)と疾患細胞および健常細胞の両方との相互作用に関する新たな情報を提供する。一部の実施形態では、後に情報は、異なる種類の細胞をより良好に標的とすることで、スクリーニングされた治療の有効性を改善するために使用することができる。一部の実施形態では、データベースの情報は、疾患細胞および非疾患細胞における特性を特徴解析し、続いて疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞に関する情報を提供するパターンを解釈するために使用することができる。一部の実施形態では、データベースの情報は、標的選択、薬物デザイン、主要候補および開発候補の選択、臨床試験のための患者選択、および/または適応症選択に使用される。
【0038】
本開示の別の態様では、T細胞エンゲージャ(TCE)または他の結合分子(例えば、抗体系治療)の、細胞表面に対する空間的に局在化された親和性(K)は、単一分子追跡(SMT)実験によって導き出され、データベース中の細胞の細胞特性と一致することで、データベース中の細胞表面に対する二次元(2D)Kプロファイルを作り出す(図2を参照)。SMTは、TCEを含む結合分子のオン速度(kon)およびオフ速度(koff)の測定を可能にする。これは、細胞(例えば、癌細胞または他の細胞)の表面上の結合分子またはTCEの空間的に局在化された親和性(K=koff/kon)の判定を可能にする。結合分子またはTCEが重鎖上に反復する単一可変ドメイン(VHH)および/または細胞表面上で異なる標的に結合する2つ以上の異なるVHHを含む場合、それらの標的がクラスタ化して多量体を形成する場合にアビディティ効果が存在する。したがって、結合分子/TCEによって認識される構造を形成するように標的がクラスタ化する場合は常に、細胞上のその位置により高度の親和性(より低いK)が存在する。特殊なKパターンを使用し、それをSRM画像に観察される細胞の細胞表面標的パターン(細胞特性)に適合させると、結合分子/TCEの存在下で別個の細胞/組織のSRM画像を記録することによって、別個の細胞または組織の表面に対する結合分子/TCEの結合挙動を予測することができ、標的提示/細胞特性は両細胞/組織において略同じであると仮定する。この戦略は、例えば、正常または癌の細胞または組織に対する結合分子/TCEの結合挙動を予測するのに有益であり得る。
【0039】
本明細書には、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞からの細胞特性を含むデータベースを生成する方法であって、超解像顕微鏡を用いて抗体と接触した試料を画像化する工程と、試料中の細胞の少なくとも1つの細胞特性を含むデータベースを生成する工程と、少なくとも1つの細胞特性が疾患状態の細胞または非疾患状態の細胞を示すかどうかを判定する工程とを含む、方法が開示される。
【0040】
細胞特性
一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の画像を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の強度を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む。一部の実施形態では、2つ以上の細胞外分子は、同じ標的または異なる標的のものである。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組の細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、同じまたは異なる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む。一部の実施形態では、移動は、細胞外表面への内在化または移動である。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の内在化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、表1に列挙される細胞外分子である。
【0041】
【表1-1】
【0042】
【表1-2】
【0043】
【表1-3】
【0044】
【表1-4】
【0045】
【表1-5】
【0046】
【表1-6】
【0047】
【表1-7】
【0048】
【表1-8】
【0049】
【表1-9】
【0050】
【表1-10】
【0051】
【表1-11】
【0052】
【表1-12】
【0053】
一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、組織中の細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、癌中または正常組織上の細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、組織中の同じ細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する。一部の実施形態では、疾患状態は、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む。一部の実施形態では、組織構造は、上皮、管、または血管を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の発現の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の酵素活性の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の組織局在化を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、疾患組織または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、癌構造または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は抗体との接触時に内在化する。一部の実施形態では、異なる試料が共通の細胞特性について評価される。一部の実施形態では、異なる試料が異なる細胞特性について評価される。一部の実施形態では、本方法は、画像中の造影剤の強度に基づき少なくとも1つの細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される。
【0054】
超解像顕微鏡
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確定的超解像顕微鏡を含む。一部の実施形態では、確定的超解像顕微鏡法は、光構造化を使用して、試料の回折限界未満の空間情報を判定する。例えば、確定的超解像顕微鏡は、空乏リング(depletion ring)を使用して顕微鏡の励起スポットを精緻化することができる。いくつかの実施形態では、超解像顕微鏡は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡、基底状態抑制(GSD)顕微鏡、飽和構造化照明顕微鏡法(SSIM)、超分解能直交確定的画像化(SODI)などである。一部の実施形態では、超解像顕微鏡はMINFLUX顕微鏡である。例えば、超解像技術は、Abberior Instrumentsによって開発されたMINFLUX技術であり得る。MINFLUXは、プロービングドーナツ形励起ビーム(probing donut-shaped excitation beam)を用いて個々の切替え可能なフルオロフォアを局在化することによって、1~3ナノメートル(nm)の範囲の解像度を提供することができる超解像蛍光顕微鏡法である(例えば、Gwoschらによる「MINFLUX nanoscopy delivers 3D multicolor nanometer resolution in cells」,Nature Methods,vol.17,217~220頁,February 2020を参照)。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、確率的超解像技術を使用する(例えば、確率的超解像顕微鏡である)。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、偶然を使用して、(例えば、領域内の1つのエミッタのみが確率的に活性化されるようなフラックスを提供することによって)エミッタの局在化を改善する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、直接確率的光学再構成顕微鏡法(dSTORM)、光活性化局在化顕微鏡法(PALM)、蛍光光活性化局在化顕微鏡法(FPALM)、スペクトル精密距離顕微鏡法(spectral precision distance microscopy;SPDM)、局在化顕微鏡法(例えば、単分子局在顕微鏡法(SMLM))、三次元での極低温光学局在化(COLD)、DNA-PAINTなどである。一部の実施形態では、Jungmannら(米国特許第10,294,510号明細書および欧州特許第3027773号明細書)に記載される超解像顕微鏡法または多重化方法が使用される。一部の実施形態では、画像化は、抗体系治療または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む。
【0055】
細胞外タンパク質を定量化するために、観察された蛍光強度は、抗体に結合した単一のフルオロフォアの固有の分子輝度を用いて正規化され得る。これは、DNAの二本鎖を単一のフルオロフォアで標識し、これらを低濃度で画像化に使用されるカバースリップの小領域に付着させることで、単一の分子が適切に間隔を空けられるのを確実にすることによって行うことができる。画像化の最中、画像は、細胞を画像化するために使用されるものと同一のパラメータを使用して小領域において取得され、この領域からの単一分子強度は、細胞の残りの画像で取得される強度を較正するために使用される。
【0056】
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、試料の時系列画像を撮影するように構成することができる。例えば、試料を抗体と接触させ、経時的に画像化することで、細胞特性の時系列を得ることができる。この例では、細胞特性の時間分解データにより、治療の作用機序のほか有効性に関するさらなるデータが得られる。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最低で約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、50,000ミリ秒以上の期間にわたり追跡することを含む。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最大で約50,000、10,000、5,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、10、5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001ミリ秒以下の期間にわたり追跡することを含む。
【0057】
細胞/組織マイクロアレイ
一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は組織中に固定される。一部の実施形態では、細胞は生組織中にある。一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。一部の実施形態では、正常状態の細胞は、正常細胞株に由来する。一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、凍結組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、生組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、固定組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。
【0058】
抗体
一部の実施形態では、抗体は、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む。一部の実施形態では、抗体は二特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は多特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は免疫細胞エンゲージャである。一部の実施形態では、抗体はエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである。一部の実施形態では、抗体はワクチン内にある。一部の実施形態では、抗体は翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである。一部の実施形態では、抗体は一本鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体はホモ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体はヘテロ二量体を含む。
【0059】
解像度
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、超解像顕微鏡の解像度以上(例えば、程度の)で画像化される。例えば、5ナノメートルの解像度限界を有する超解像顕微鏡は、最大5ナノメートルの解像度で試料を画像化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最低で約250、225、200、175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ナノメートル以下の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250ナノメートル以上の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、先行する値のいずれか2つによって定められる範囲である。例えば一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、1~50ナノメートルである。
【0060】
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約100ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、単分子解像度で画像化される。一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、単一フルオロフォア解像度で画像化される。
【0061】
高スループット形式
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、高スループット形式で画像化される。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、高スループット形式は、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性が連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化され、残りが連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性は、複数の細胞の表面上にある。一部の実施形態では、細胞特性の画像化は、5分未満で完了する。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースを画像化することは、自動的に行われる。
【0062】
細胞外分子
一部の実施形態では、細胞外分子は、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである。一部の実施形態では、細胞外分子は、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される。
【0063】
試料
一部の実施形態では、試料は、同じソース(例えば、患者)または異なるソースに由来する第2の試料と共通する細胞特性を有するかどうかを判定するために試験することができる。一部の実施形態では、評価は、遺伝子検査(例えば、核酸検出または配列決定)、タンパク質検査(例えば、所定のタンパク質の有無の同定)、サイズ検査(例えば、試料中に存在する細胞のサイズ分布の決定)、標識検査(例えば、細胞上での1つまたは複数の標識の有無の判定)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、試料は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメン(例えば、抗体系治療レジメン、小分子系治療レジメン、生物学系レジメンなど)の投与後に評価される。例えば、レジメンの効果、および試料に完全な特徴解析を行う価値があるかどうかを判定するために、試料を治療レジメンと接触させ、その後に評価することができる。一部の実施形態では、試料は、天然リガンドまたは天然に生じる薬剤もしくは補因子の投与後に評価される。一部の実施形態では、試料の事前評価は、関心対象の特性(例えば、治療レジメンの影響またはその欠如)を示さない試料の完全な特徴解析を低減し、時間および資源の浪費を削減することができる。
【0064】
一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。例えば細胞は、生きた生物から集め、集められたものとして使用することができる。別の例では、細胞は、維持された細胞株から得ることができる。一部の実施形態では、細胞は真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、哺乳動物細胞は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、アルパカ、ヤク、ラクダ、またはヒトに由来する。一部の実施形態では、細胞は非生細胞を含む。特定の実施形態では、非生細胞は死細胞である。一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、固定細胞は、本明細書の他の場所で記載されるように固定される。
【0065】
一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。腫瘍細胞株の例には、3T3細胞、A549細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞、および例えばMilliporeSigmaやThermoFischerなど細胞株の商業的供給業者から入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ上で画像化される。例えば細胞は、組織マイクロアレイの一部であり、そのようなものとして画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、単一の物体内に包含される複数の組織試料を含む。一部の実施形態では、複数の組織試料は、複数の異なる組織試料である。一部の実施形態では、組織マイクロアレイの使用は、各組織型を個々にスクリーニングするよりも短い時間で、様々な異なる組織型のスクリーニングを可能にする。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、凍結組織(例えば、凍結によって現在または以前から保存されている組織)、生組織(例えば、現在生きている組織)、固定組織(例えば、マトリックス中に固定されるか、またはその他の方法で(例えば、アルデヒド、アルコール、酸化剤などの使用によって)保存された組織)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、ニードルコアリング(needle-coring)プロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、マイクロトームプロセスによって形成される。
【0067】
抗体系治療をデザインする方法
本明細書には、抗体系治療をデザインする方法であって、超解像顕微鏡を用いて治療介入用に細胞上の細胞外分子を画像化する工程と、画像化された細胞外分子の細胞特性を特徴解析する工程と、細胞特性の特徴解析に基づく抗体フォーマットをデザインする工程とを含む、方法が開示される。
【0068】
細胞特性
一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の画像を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の強度を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む。一部の実施形態では、2つ以上の細胞外分子は、同じ標的または異なる標的のものである。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組の細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、同じまたは異なる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の移動を含む。一部の実施形態では、移動は、細胞外表面への内在化または移動である。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の内在化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つの細胞受容体の移動を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、表1に列挙される細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、組織中の細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、癌中または正常組織上の細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される。一部の実施形態では、細胞特性は、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、細胞特性は、正常細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、細胞特性は、組織中の同じ細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある。一部の実施形態では、細胞特性は、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する。一部の実施形態では、疾患状態は、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の発現の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の酵素活性の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の組織局在化を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、疾患組織構造または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、癌構造または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、抗体系治療との接触時にシグナル伝達を行う。一部の実施形態では、異なる試料が共通の細胞特性について評価される。一部の実施形態では、異なる試料が異なる細胞特性について評価される。一部の実施形態では、本方法は、画像中の造影剤の強度に基づき細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つの治療薬または治療レジメンの投与後に評価される。
【0069】
超解像顕微鏡法
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確定的超解像顕微鏡を含む。一部の実施形態では、確定的超解像顕微鏡法は、光構造化を使用して、試料の回折限界未満の空間情報を判定する。例えば、確定的超解像顕微鏡は、空乏リングを使用して顕微鏡の励起スポットを精緻化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡、基底状態抑制(GSD)顕微鏡、飽和構造化照明顕微鏡法(SSIM)、超分解能直交確定的画像化(SODI)などである。一部の実施形態では、超解像顕微鏡はMINFLUX顕微鏡である。例えば、超解像技術は、Abberior Instrumentsによって開発されたMINFLUX技術であり得る。MINFLUXは、プロービングドーナツ形励起ビームを用いて個々の切替え可能なフルオロフォアを局在化することによって、1~3ナノメートル(nm)の範囲の解像度を提供することができる超解像蛍光顕微鏡法である(例えば、Gwoschらによる「MINFLUX nanoscopy delivers 3D multicolor nanometer resolution in cells」,Nature Methods,vol.17,217~220頁,February 2020を参照)。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、確率的超解像技術を使用する(例えば、確率的超解像顕微鏡である)。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、偶然を使用して、(例えば、領域内の1つのエミッタのみが確率的に活性化されるようなフラックスを提供することによって)エミッタの局在化を改善する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、直接確率的光学再構成顕微鏡法(dSTORM)、光活性化局在化顕微鏡法(PALM)、蛍光光活性化局在化顕微鏡法(FPALM)、スペクトル精密距離顕微鏡法(spectral precision distance microscopy;SPDM)、局在化顕微鏡法(例えば、単分子局在顕微鏡法(SMLM))、三次元での極低温光学局在化(COLD)、DNA-PAINTなどである。一部の実施形態では、Jungmannら(米国特許第10,294,510号明細書および欧州特許第3027773号明細書)に記載される超解像顕微鏡法または多重化方法が使用される。一部の実施形態では、画像化は、抗体系治療または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む。
【0070】
細胞外タンパク質を定量化するために、観察された蛍光強度は、抗体に結合した単一のフルオロフォアの固有の分子輝度を用いて正規化され得る。これは、DNAの二本鎖を単一のフルオロフォアで標識し、これらを低濃度で画像化に使用されるカバースリップの小領域に付着させることで、単一の分子が適切に間隔を空けられるのを確実にすることによって行うことができる。画像化の最中、画像は、細胞を画像化するために使用されるものと同一のパラメータを使用して小領域において取得され、この領域からの単一分子強度は、細胞の残りの画像で取得される強度を較正するために使用される。
【0071】
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、試料の時系列画像を撮影するように構成することができる。例えば、試料を抗体系治療と接触させ、経時的に画像化することで、細胞特性の時系列を得ることができる。この例では、細胞特性の時間分解データにより、治療の作用機序のほか有効性に関するさらなるデータが得られる。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最低で約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、50,000ミリ秒以上の期間にわたり追跡することを含む。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最大で約50,000、10,000、5,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、10、5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001ミリ秒以下の期間にわたり追跡することを含む。
【0072】
細胞/組織マイクロアレイ
一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は組織中に固定される。一部の実施形態では、細胞は生組織中にある。一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、凍結組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、生組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、固定組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。
【0073】
抗体
一部の実施形態では、抗体は、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、二特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体系治療は、多特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体系治療は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、免疫細胞エンゲージャである。一部の実施形態では、抗体系治療は、エフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである。一部の実施形態では、抗体系治療は、ワクチン内にある。一部の実施形態では、抗体系治療は、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである。一部の実施形態では、抗体系治療は、一本鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、ホモ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、ヘテロ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、ピコモル~ナノモルの濃度で存在する。一部の実施形態では、抗体系治療は、ピコモル以下の濃度で存在する。
【0074】
解像度
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、超解像顕微鏡の解像度以上(例えば、程度の)で画像化される。例えば、5ナノメートルの解像度限界を有する超解像顕微鏡は、最大5ナノメートルの解像度で試料を画像化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最低で約250、225、200、175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ナノメートル以下の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250ナノメートル以上の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、先行する値のいずれか2つによって定められる範囲である。例えば一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、1~50ナノメートルである。
【0075】
一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約100ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、単分子解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性は、単一フルオロフォア解像度で画像化される。
【0076】
高スループット形式
一部の実施形態では、細胞特性は、高スループット形式で画像化される。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、高スループット形式は、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性が連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化され、残りが連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性は、複数の細胞の表面上にある。一部の実施形態では、細胞特性の画像化は、約5分未満で完了する。一部の実施形態では、細胞特性の画像化は、自動的に行われる。
【0077】
細胞外分子
一部の実施形態では、細胞外分子は、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである。一部の実施形態では、細胞外分子は、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される。
【0078】
試料
一部の実施形態では、試料は、同じソース(例えば、患者)または異なるソースに由来する第2の試料と共通する細胞特性を有するかどうかを判定するために試験することができる。一部の実施形態では、評価は、遺伝子検査(例えば、核酸検出または配列決定)、タンパク質検査(例えば、所定のタンパク質の有無の同定)、サイズ検査(例えば、試料中に存在する細胞のサイズ分布の決定)、標識検査(例えば、細胞上での1つまたは複数の標識の有無の判定)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、試料は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメン(例えば、抗体系治療レジメン、小分子系治療レジメン、生物学系レジメンなど)の投与後に評価される。例えば、レジメンの効果、および試料に完全な特徴解析を行う価値があるかどうかを判定するために、試料を治療レジメンと接触させ、その後に評価することができる。一部の実施形態では、試料は、天然リガンドまたは天然に生じる薬剤もしくは補因子の投与後に評価される。一部の実施形態では、試料の事前評価は、関心対象の特性(例えば、治療レジメンの影響またはその欠如)を示さない試料の完全な特徴解析を低減し、時間および資源の浪費を削減することができる。
【0079】
一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。例えば細胞は、生きた生物から集め、集められたものとして使用することができる。別の例では、細胞は、維持された細胞株から得ることができる。一部の実施形態では、細胞は真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、哺乳動物細胞は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、アルパカ、ヤク、ラクダ、またはヒトに由来する。一部の実施形態では、細胞は非生細胞を含む。特定の実施形態では、非生細胞は死細胞である。一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、固定細胞は、本明細書の他の場所で記載されるように固定される。
【0080】
一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。腫瘍細胞株の例には、3T3細胞、A549細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞、および例えばMilliporeSigmaやThermoFischerなど細胞株の商業的供給業者から入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ上で画像化される。例えば細胞は、組織マイクロアレイの一部であり、そのようなものとして画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、単一の物体内に包含される複数の組織試料を含む。一部の実施形態では、複数の組織試料は、複数の異なる組織試料である。一部の実施形態では、組織マイクロアレイの使用は、各組織型を個々にスクリーニングするよりも短い時間で、様々な異なる組織型のスクリーニングを可能にする。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、凍結組織(例えば、凍結によって現在または以前から保存されている組織)、生組織(例えば、現在生きている組織)、固定組織(例えば、マトリックス中に固定されるか、またはその他の方法で(例えば、アルデヒド、アルコール、酸化剤などの使用によって)保存された組織)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、ニードルコアリングプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、マイクロトームプロセスによって形成される。
【0082】
治療デザイン
一態様では、本開示は、抗体系治療をデザインする方法であって、治療介入のために細胞上の細胞表面受容体を画像化する工程と、画像化された細胞表面受容体の細胞特性を特徴解析する工程と、細胞特性の特徴解析に基づく抗体フォーマットを同定する工程とを含む方法を提供する。
【0083】
特定の実施形態では、本明細書には、癌または腫瘍の治療に有用な抗体が開示される。一部の実施形態では、抗体系治療は、免疫学的疾患、神経学的疾患、抗ウイルス性疾患、心血管疾患、および/または自己免疫疾患の処置に有用である。処置は、処置される疾病を改善または軽快することに努める方法を指す。癌に関する処置には、腫瘍体積の減少、腫瘍体積の増殖の減少、無増悪生存期間の増加、または全体的な平均余命が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、処置は、処置される癌の寛解を達成する。特定の実施形態では、処置は、過去に処置された癌または腫瘍の再発または進行を防止することを意図した予防投与または維持投与としての使用を包含する。細菌性またはウイルス性疾患の処置における処置として、発熱、悪心、下痢、嘔吐、咽頭炎、咳、鼻水、および/または発疹の軽減など、ウイルス性または細菌性疾患に関連する1つまたは複数の症状の軽減が挙げられるが、これらに限定されない。細菌性またはウイルス性疾患の処置は、体内のウイルスまたは細菌の全体的なレベルを低下させ、個体が他者を感染させ得る期間を縮小し、または全体的な疾患もしくは回復時間を短縮することができる。自己免疫疾患または炎症性疾患の処置には、全体もしくは自己の抗体レベルの低下、または全体もしくは自己の免疫応答の低下が挙げられるが、これらに限定されない。処置はまた、過剰な抗体または細胞性免疫応答に関連する自己免疫疾患の特定の症状と関連し得る。線維性疾患の処置は、線維性組織の出現または組織内のコラーゲン沈着を低減するか遅延し得る。心血管疾患の処置は、血液を圧送する能力によって示されるように、血圧の低下、アテローム性動脈硬化病変の低減、または心機能の増加を含む、心血管の健康の徴候を増加させ得る。当業者であれば、施される処置に対してすべての個体が等しくまたは全く応答するわけではないが、これらの個体は治療対象と考慮されることを理解する。
【0084】
特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、ウイルス感染症の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、細菌感染症の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、固形腫瘍癌の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、血液癌の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、炎症性疾病の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、自己免疫性疾患の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、心血管疾患の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、線維性疾患の処置に使用するためのものである。
【0085】
本明細書に記載の一本鎖ポリペプチド分子は、薬剤としての使用のために企図される。投与は、種々の方法によって、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、病巣内、局所、または皮内の投与によって行われる。一部の実施形態では、投与経路は、治療の種類および医薬組成物に含まれる化合物の種類に依拠する。投薬レジメンは、主治医および他の臨床的要因によって決定される。患者1名に対する投与量は、患者の大きさ、体表面積、年齢、性別、投与される特定の化合物、投与の時間および経路、治療の種類、全身の健康、ならびに同時投与される他の薬物を含む、多くの要因に依拠する。
【0086】
「有効用量」は、疾患の経過および重症度に影響を及ぼし、そのような病状の低減または寛解をもたらすのに十分な有効成分量を指す。例えば、AMLなどのCD33癌を処置かつ/または予防するのに有用な「有効用量」は、公知の方法を用いて決定してもよい。最大耐用量(MTD)および最大応答用量(MRD)は、確立された動物およびヒトに対する実験プロトコルのほか、本明細書に記載の例によって決定することができる。
【0087】
一部の実施形態では、本明細書中のポリペプチドの投与は、医師によって決定かつ企図される用量レベルで行われる。特定の治療用途では、ポリペプチドは、癌の症状を治癒または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、既に癌に罹患している患者に投与される。この使用に有効な量は、癌の重症度および経過、治療歴、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依拠する。治療有効量は、実施例に記載されるものなどの用量漸増臨床試験を含むがこれに限定されない方法によって、任意選択で決定される。
【0088】
治療的介入用に癌標的を同定する方法
本明細書には、治療介入用に癌標的を同定する方法であって、超解像顕微鏡を用いて抗体に接触した複数の細胞外分子の細胞特性を画像化することで細胞特性のデータベースを生成する工程と、抗体に接触したときに少なくとも1つの癌標的細胞特性を含む細胞外分子を治療的介入用の癌標的として選択する工程とを含む、方法が開示される。
【0089】
細胞特性
一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の画像を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の強度を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む。一部の実施形態では、2つ以上の細胞外分子は、同じ標的または異なる標的のものである。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある。一部の実施形態では、細胞特性は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組の細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、同じまたは異なる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の移動を含む。一部の実施形態では、移動は、細胞外表面への内在化または移動である。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の内在化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つの細胞受容体の移動を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む。一部の実施形態では、細胞外受容体は、表1に列挙される細胞外受容体を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、組織中の細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、癌中または正常組織上の細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、腫瘍微小環境中の細胞に存在する。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される。一部の実施形態では、細胞特性は、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、細胞特性は、正常細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、細胞特性は、組織中の同じ細胞に存在する。一部の実施形態では、細胞特性は、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある。一部の実施形態では、細胞特性は、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する。一部の実施形態では、疾患状態は、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の発現の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外分子の酵素活性の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、細胞外受容体の組織局在化を含む。一部の実施形態では、組織局在化は、癌構造または腫瘍微小環境を含む。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つの細胞外受容体の局在化を含む。一部の実施形態では、細胞外受容体は、抗体との接触時にシグナル伝達を行う。一部の実施形態では、異なる試料が共通の細胞特性について評価される。一部の実施形態では、異なる試料が異なる細胞特性について評価される。一部の実施形態では、本方法は、画像中の造影剤の強度に基づき細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される。一部の実施形態では、細胞特性は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される。一部の実施形態では、疾患状態の細胞に存在し、非疾患状態の細胞に存在しない細胞特性は、引き続き抗体系治療の開発に使用される。
【0090】
超解像顕微鏡
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確定的超解像顕微鏡を含む。一部の実施形態では、確定的超解像顕微鏡法は、光構造化を使用して、試料の回折限界未満の空間情報を判定する。例えば、確定的超解像顕微鏡は、空乏リングを使用して顕微鏡の励起スポットを精緻化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡、基底状態抑制(GSD)顕微鏡、飽和構造化照明顕微鏡法(SSIM)、超分解能直交確定的画像化(SODI)などである。一部の実施形態では、超解像顕微鏡はMINFLUX顕微鏡である。例えば、超解像技術は、Abberior Instrumentsによって開発されたMINFLUX技術であり得る。MINFLUXは、プロービングドーナツ形励起ビームを用いて個々の切替え可能なフルオロフォアを局在化することによって、1~3ナノメートル(nm)の範囲の解像度を提供することができる超解像蛍光顕微鏡法である(例えば、Gwoschらによる「MINFLUX nanoscopy delivers 3D multicolor nanometer resolution in cells」,Nature Methods,vol.17,217~220頁,February 2020を参照)。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、確率的超解像技術を使用する(例えば、確率的超解像顕微鏡である)。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、偶然を使用して、(例えば、領域内の1つのエミッタのみが確率的に活性化されるようなフラックスを提供することによって)エミッタの局在化を改善する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、直接確率的光学再構成顕微鏡法(dSTORM)、光活性化局在化顕微鏡法(PALM)、蛍光光活性化局在化顕微鏡法(FPALM)、スペクトル精密距離顕微鏡法(spectral precision distance microscopy;SPDM)、局在化顕微鏡法(例えば、単分子局在顕微鏡法(SMLM))、三次元での極低温光学局在化(COLD)、DNA-PAINTなどである。一部の実施形態では、Jungmannら(米国特許第10,294,510号明細書および欧州特許第3027773号明細書)に記載される超解像顕微鏡法または多重化方法が使用される。一部の実施形態では、画像化する工程は、1つまたは複数のリガンド、治療薬、または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む。
【0091】
細胞外タンパク質を定量化するために、観察された蛍光強度は、抗体に結合した単一のフルオロフォアの固有の分子輝度を用いて正規化され得る。これは、DNAの二本鎖を単一のフルオロフォアで標識し、これらを低濃度で画像化に使用されるカバースリップの小領域に付着させることで、単一の分子が適切に間隔を空けられるのを確実にすることによって行うことができる。画像化の最中、画像は、細胞を画像化するために使用されるものと同一のパラメータを使用して小領域において取得され、この領域からの単一分子強度は、細胞の残りの画像で取得される強度を較正するために使用される。
【0092】
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、試料の時系列画像を撮影するように構成することができる。例えば、試料を抗体と接触させ、経時的に画像化することで、細胞特性の時系列を得ることができる。この例では、細胞特性の時間分解データにより、治療の作用機序のほか有効性に関するさらなるデータが得られる。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最低で約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、50,000ミリ秒以上の期間にわたり追跡することを含む。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最大で約50,000、10,000、5,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、10、5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001ミリ秒以下の期間にわたり追跡することを含む。
【0093】
細胞/組織マイクロアレイ
一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は組織中に固定される。一部の実施形態では、細胞は生組織中にある。一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は、腫瘍細胞株に由来する。一部の実施形態では、細胞は、正常細胞株に由来する。一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、凍結組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、生組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、固定組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。
【0094】
抗体
一部の実施形態では、抗体は、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む。一部の実施形態では、抗体は二特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は多特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は免疫細胞エンゲージャである。一部の実施形態では、抗体はエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである。一部の実施形態では、抗体はワクチン内にある。一部の実施形態では、抗体は翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである。一部の実施形態では、抗体は一本鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体はホモ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体はヘテロ二量体を含む。
【0095】
解像度
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、超解像顕微鏡の解像度以上(例えば、程度の)で画像化される。例えば、5ナノメートルの解像度限界を有する超解像顕微鏡は、最大5ナノメートルの解像度で試料を画像化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最低で約250、225、200、175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ナノメートル以下の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250ナノメートル以上の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、先行する値のいずれか2つによって定められる範囲である。例えば一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、1~50ナノメートルである。
【0096】
一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約100ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、単分子解像度で画像化される。一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、単一フルオロフォア解像度で画像化される。
【0097】
高スループット形式
一部の実施形態では、細胞特性のデータベースは、高スループット形式で画像化される。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、高スループット形式は、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性が連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性がほぼ同時に画像化され、残りが連続的に画像化される。一部の実施形態では、複数の細胞特性は、複数の細胞の表面上にある。一部の実施形態では、細胞特性の画像化は、自動的に行われる。
【0098】
細胞外分子
一部の実施形態では、細胞外分子は、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである。一部の実施形態では、細胞外分子は、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される。一部の実施形態では、選択された細胞外分子は、疾患状態の細胞に存在し、非疾患状態の細胞に存在しない。
【0099】
試料
一部の実施形態では、試料は、同じソース(例えば、患者)または異なるソースに由来する第2の試料と共通する細胞特性を有するかどうかを判定するために試験することができる。一部の実施形態では、評価は、遺伝子検査(例えば、核酸検出または配列決定)、タンパク質検査(例えば、所定のタンパク質の有無の同定)、サイズ検査(例えば、試料中に存在する細胞のサイズ分布の決定)、標識検査(例えば、細胞上での1つまたは複数の標識の有無の判定)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、試料は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメン(例えば、抗体系治療レジメン、小分子系治療レジメン、生物学系レジメンなど)の投与後に評価される。例えば、レジメンの効果、および試料に完全な特徴解析を行う価値があるかどうかを判定するために、試料を治療レジメンと接触させ、その後に評価することができる。一部の実施形態では、試料は、天然リガンドまたは天然に生じる薬剤もしくは補因子の投与後に評価される。一部の実施形態では、試料の事前評価は、関心対象の特性(例えば、治療レジメンの影響またはその欠如)を示さない試料の完全な特徴解析を低減し、時間および資源の浪費を削減することができる。
【0100】
一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。例えば細胞は、生きた生物から集め、集められたものとして使用することができる。別の例では、細胞は、維持された細胞株から得ることができる。一部の実施形態では、細胞は真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、哺乳動物細胞は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、アルパカ、ヤク、ラクダ、またはヒトに由来する。一部の実施形態では、細胞は非生細胞を含む。特定の実施形態では、非生細胞は死細胞である。一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、固定細胞は、本明細書の他の場所で記載されるように固定される。
【0101】
一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。腫瘍細胞株の例には、3T3細胞、A549細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞、および例えばMilliporeSigmaやThermoFischerなど細胞株の商業的供給業者から入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ上で画像化される。例えば細胞は、組織マイクロアレイの一部であり、そのようなものとして画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、単一の物体内に包含される複数の組織試料を含む。一部の実施形態では、複数の組織試料は、複数の異なる組織試料である。一部の実施形態では、組織マイクロアレイの使用は、各組織型を個々にスクリーニングするよりも短い時間で、様々な異なる組織型のスクリーニングを可能にする。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、凍結組織(例えば、凍結によって現在または以前から保存されている組織)、生組織(例えば、現在生きている組織)、固定組織(例えば、マトリックス中に固定されるか、またはその他の方法で(例えば、アルデヒド、アルコール、酸化剤などの使用によって)保存された組織)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、ニードルコアリングプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、マイクロトームプロセスによって形成される。
【0103】
治療デザイン
一態様では、本開示は、抗体系治療をデザインする方法であって、治療介入のために細胞上の細胞表面受容体を画像化する工程と、画像化された細胞表面受容体の細胞特性を特徴解析する工程と、細胞特性の特徴解析に基づく抗体フォーマットを同定する工程とを含む方法を提供する。
【0104】
特定の実施形態では、本明細書には、癌または腫瘍の治療に有用な抗体が開示される。一部の実施形態では、抗体系治療は、免疫学的疾患、神経学的疾患、抗ウイルス性疾患、心血管疾患、および/または自己免疫疾患の処置に有用である。処置は、処置される疾病を改善または軽快することに努める方法を指す。癌に関する処置には、腫瘍体積の減少、腫瘍体積の増殖の減少、無増悪生存期間の増加、または全体的な平均余命が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、処置は、処置される癌の寛解を達成する。特定の実施形態では、処置は、過去に処置された癌または腫瘍の再発または進行を防止することを意図した予防投与または維持投与としての使用を包含する。細菌性またはウイルス性疾患の処置における処置として、発熱、悪心、下痢、嘔吐、咽頭炎、咳、鼻水、および/または発疹の軽減など、ウイルス性または細菌性疾患に関連する1つまたは複数の症状の軽減が挙げられるが、これらに限定されない。細菌性またはウイルス性疾患の処置は、体内のウイルスまたは細菌の全体的なレベルを低下させ、個体が他者を感染させ得る期間を縮小し、または全体的な疾患もしくは回復時間を短縮することができる。自己免疫疾患または炎症性疾患の処置には、全体もしくは自己の抗体レベルの低下、または全体もしくは自己の免疫応答の低下が挙げられるが、これらに限定されない。処置はまた、過剰な抗体または細胞性免疫応答に関連する自己免疫疾患の特定の症状と関連し得る。線維性疾患の処置は、線維性組織の出現または組織内のコラーゲン沈着を低減するか遅延し得る。心血管疾患の処置は、血液を圧送する能力によって示されるように、血圧の低下、アテローム性動脈硬化病変の低減、または心機能の増加を含む、心血管の健康の徴候を増加させ得る。当業者であれば、施される処置に対してすべての個体が等しくまたは全く応答するわけではないが、これらの個体は治療対象と考慮されることを理解する。
【0105】
特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、ウイルス感染症の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、細菌感染症の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、固形腫瘍癌の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、血液癌の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、炎症性疾病の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、自己免疫性疾患の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、心血管疾患の処置に使用するためのものである。特定の実施形態では、一本鎖ポリペプチドは、線維性疾患の処置に使用するためのものである。
【0106】
本明細書に記載の一本鎖ポリペプチド分子は、薬剤としての使用のために企図される。投与は、種々の方法によって、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、病巣内、局所、または皮内の投与によって行われる。一部の実施形態では、投与経路は、治療の種類および医薬組成物に含まれる化合物の種類に依拠する。投薬レジメンは、主治医および他の臨床的要因によって決定される。患者1名に対する投与量は、患者の大きさ、体表面積、年齢、性別、投与される特定の化合物、投与の時間および経路、治療の種類、全身の健康、ならびに同時投与される他の薬物を含む、多くの要因に依拠する。
【0107】
「有効用量」は、疾患の経過および重症度に影響を及ぼし、そのような病状の低減または寛解をもたらすのに十分な有効成分量を指す。例えば、AMLなどのCD33癌を処置かつ/または予防するのに有用な「有効用量」は、公知の方法を用いて決定してもよい。最大耐用量(MTD)および最大応答用量(MRD)は、確立された動物およびヒトに対する実験プロトコルのほか、本明細書に記載の例によって決定することができる。
【0108】
一部の実施形態では、本明細書中のポリペプチドの投与は、医師によって決定かつ企図される用量レベルで行われる。特定の治療用途では、ポリペプチドは、癌の症状を治癒または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、既に癌に罹患している患者に投与される。この使用に有効な量は、癌の重症度および経過、治療歴、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依拠する。治療有効量は、実施例に記載されるものなどの用量漸増臨床試験を含むがこれに限定されない方法によって、任意選択で決定される。
【0109】
疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを生成する方法
本明細書には、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを生成する方法であって、細胞を抗体と接触させた後、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞から選択された細胞を超解像顕微鏡法によって画像化することで細胞の1つまたは複数の細胞特性の画像を提供する工程と、データベースに細胞の1つまたは複数の細胞特性を保存する工程と、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞から選択された1つまたは複数の追加の細胞の画像化および保存を繰り返すことで疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを生成する工程とを含む、方法が開示される。
【0110】
一部の実施形態では、上記方法は、データベースに保存された疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の1つまたは複数の細胞特性同士の差異を判定する工程と、データベースに保存された疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の1つまたは複数の細胞特性同士の差異に基づき疾患状態の細胞を標的とする治療戦略を開発する工程とをさらに含む。一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、癌疾患状態の細胞、免疫学的疾患状態の細胞、神経学的疾患状態の細胞、抗ウイルス疾患状態の細胞、心血管疾患状態の細胞、または自己免疫疾患状態の細胞を含む。一部の実施形態では、抗体は細胞表面上の抗原に結合し、抗原は疾患に関連付けられる。一部の実施形態では、抗体は、造影剤に関連付けられる。一部の実施形態では、抗体は、造影剤に直接関連付けられる。一部の実施形態では、抗体は、造影剤に間接的に関連付けられる。一部の実施形態では、上記方法は、データベースに保存された、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の1つまたは複数の細胞特性間の差異を判定する工程をさらに含む。
【0111】
局在化されたK
一部の実施形態では、上記方法は、抗体の結合に関する局所親和性(K)を判定して、データベースに保存された細胞の1つまたは複数の細胞特性に相関させる工程と、Kd、およびKとデータベース内の細胞の1つまたは複数の細胞特性との相関を保存する工程とをさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、単一分子の追跡によって、局在化されたKを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、第2の細胞に対する抗体の結合に関する局在化されたKを、細胞の1つまたは複数の細胞特性と第2の細胞の1つまたは複数の細胞特性との類似性に基づき予測する工程をさらに含む。
【0112】
細胞特性
一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の画像を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の強度を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む。一部の実施形態では、2つ以上の細胞外分子は、同じ標的または異なる標的のものである。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組の細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、同じまたは異なる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む。一部の実施形態では、移動は、細胞外表面への内在化または移動である。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の内在化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、表1に列挙される細胞外分子である。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、組織中の細胞に存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、癌中または正常組織上の細胞に存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞表面上の抗原のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、オリゴマー化状態は、二量体、三量体、四量体、五量体、およびそれより多くの数の状態のオリゴマーから選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞表面上の抗原のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の相互作用を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の組織局在化を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、表1に列挙される細胞外分子から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞受容体の移動を含む。一部の実施形態では、本方法は、画像中の造影剤の強度に基づき1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。
【0113】
抗体
一部の実施形態では、抗体は、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む。一部の実施形態では、抗体は二特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は多特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は免疫細胞エンゲージャである。一部の実施形態では、抗体はエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである。一部の実施形態では、抗体はワクチン内にある。一部の実施形態では、抗体は翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである。一部の実施形態では、抗体は一本鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体はホモ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体はヘテロ二量体を含む。
【0114】
超解像顕微鏡
一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡法を含む。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は、基底状態抑制(GSD)顕微鏡法、飽和構造化照明顕微鏡法(SSIM)、超分解能直交確定的画像化(SODI)などを含む。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は、MINFLUX顕微鏡法を含む。例えば、確定的超解像技術は、Abberior Instrumentsによって開発されたMINFLUX技術であり得る。MINFLUXは、プロービングドーナツ形励起ビームを用いて個々の切替え可能なフルオロフォアを局在化することによって、1~3ナノメートル(nm)の範囲の解像度を提供することができる超解像蛍光顕微鏡法である(例えば、Gwoschらによる「MINFLUX nanoscopy delivers 3D multicolor nanometer resolution in cells」,Nature Methods,vol.17,217~220頁,February 2020を参照)。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、確率的超解像技術を使用する(例えば、確率的超解像顕微鏡である)。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、偶然を使用して、(例えば、領域内の1つのエミッタのみが確率的に活性化されるようなフラックスを提供することによって)エミッタの局在化を改善する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡法を含む。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、直接確率的光学再構成顕微鏡法(dSTORM)、光活性化局在化顕微鏡法(PALM)、蛍光光活性化局在化顕微鏡法(FPALM)、スペクトル精密距離顕微鏡法(spectral precision distance microscopy;SPDM)、局在化顕微鏡法(例えば、単分子局在顕微鏡法(SMLM))、三次元での極低温光学局在化(COLD)、DNA-PAINTなどである。一部の実施形態では、Jungmannら(米国特許第10,294,510号明細書および欧州特許第3027773号明細書)に記載される超解像顕微鏡法または多重化方法が使用される。一部の実施形態では、画像化は、細胞の細胞外分子を一定期間にわたって追跡することを含む。
【0115】
細胞外タンパク質を定量化するために、観察された蛍光強度は、抗体に結合した単一のフルオロフォアの固有の分子輝度を用いて正規化され得る。これは、DNAの二本鎖を単一のフルオロフォアで標識し、これらを低濃度で画像化に使用されるカバースリップの小領域に付着させることで、単一の分子が適切に間隔を空けられるのを確実にすることによって行うことができる。画像化の最中、画像は、細胞を画像化するために使用されるものと同一のパラメータを使用して小領域において取得され、この領域からの単一分子強度は、細胞の残りの画像で取得される強度を較正するために使用される。
【0116】
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、試料の時系列画像を撮影するように構成することができる。例えば、試料を抗体系治療と接触させ、経時的に画像化することで、細胞特性の時系列を得ることができる。この例では、細胞特性の時間分解データにより、治療の作用機序のほか有効性に関するさらなるデータが得られる。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最低で約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、50,000ミリ秒以上の期間にわたり追跡することを含む。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最大で約50,000、10,000、5,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、10、5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001ミリ秒以下の期間にわたり追跡することを含む。
【0117】
細胞/組織マイクロアレイ
一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は組織中に固定される。一部の実施形態では、細胞は生組織中にある。一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。一部の実施形態では、正常状態の細胞は、正常細胞株に由来する。一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、凍結組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、生組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、固定組織を含む。
【0118】
解像度
一部の実施形態では、画像化は、超解像顕微鏡の解像度以上(例えば、程度の)で行われる。例えば、5ナノメートルの解像度限界を有する超解像顕微鏡は、最大5ナノメートルの解像度で試料を画像化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最低で約250、225、200、175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ナノメートル以下の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250ナノメートル以上の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、先行する値のいずれか2つによって定められる範囲である。例えば一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、1~50ナノメートルである。
【0119】
一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約100ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約50ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約40ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約30ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約20ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約10ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約5ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約2ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約1ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、単分子解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、単一フルオロフォア解像度で行われる。
【0120】
高スループット形式
一部の実施形態では、画像化は、高スループット形式で行われる。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、高スループット形式は、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む。
【0121】
細胞外分子
一部の実施形態では、細胞外分子は、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである。一部の実施形態では、細胞外分子は、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される。
【0122】
試料
一部の実施形態では、試料は、同じソース(例えば、患者)または異なるソースに由来する第2の試料と共通する細胞特性を有するかどうかを判定するために試験することができる。一部の実施形態では、評価は、遺伝子検査(例えば、核酸検出または配列決定)、タンパク質検査(例えば、所定のタンパク質の有無の同定)、サイズ検査(例えば、試料中に存在する細胞のサイズ分布の決定)、標識検査(例えば、細胞上での1つまたは複数の標識の有無の判定)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、試料は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメン(例えば、抗体系治療レジメン、小分子系治療レジメン、生物学系レジメンなど)の投与後に評価される。例えば、レジメンの効果、および試料に完全な特徴解析を行う価値があるかどうかを判定するために、試料を治療レジメンと接触させ、その後に評価することができる。一部の実施形態では、試料は、天然リガンドまたは天然に生じる薬剤もしくは補因子の投与後に評価される。一部の実施形態では、試料の事前評価は、関心対象の特性(例えば、治療レジメンの影響またはその欠如)を示さない試料の完全な特徴解析を低減し、時間および資源の浪費を削減することができる。
【0123】
一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。例えば細胞は、生きた生物から集め、集められたものとして使用することができる。別の例では、細胞は、維持された細胞株から得ることができる。一部の実施形態では、細胞は真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、哺乳動物細胞は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、アルパカ、ヤク、ラクダ、またはヒトに由来する。一部の実施形態では、細胞は非生細胞を含む。特定の実施形態では、非生細胞は死細胞である。一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、固定細胞は、本明細書の他の場所で記載されるように固定される。
【0124】
一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。腫瘍細胞株の例には、3T3細胞、A549細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞、および例えばMilliporeSigmaやThermoFischerなど細胞株の商業的供給業者から入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ上で画像化される。例えば細胞は、組織マイクロアレイの一部であり、そのようなものとして画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、単一の物体内に包含される複数の組織試料を含む。一部の実施形態では、複数の組織試料は、複数の異なる組織試料である。一部の実施形態では、組織マイクロアレイの使用は、各組織型を個々にスクリーニングするよりも短い時間で、様々な異なる組織型のスクリーニングを可能にする。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、凍結組織(例えば、凍結によって現在または以前から保存されている組織)、生組織(例えば、現在生きている組織)、固定組織(例えば、マトリックス中に固定されるか、またはその他の方法で(例えば、アルデヒド、アルコール、酸化剤などの使用によって)保存された組織)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、ニードルコアリングプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、マイクロトームプロセスによって形成される。
【0126】
細胞試料または組織試料を特徴解析する方法
本明細書には、細胞試料または組織試料を特徴解析する方法であって、細胞試料または組織試料を、細胞試料または組織試料上で少なくとも1つの細胞外分子に結合するとともに超解像度顕微鏡法によって検出可能な造影剤と関連付けられる抗体と接触させる工程と、細胞試料または組織試料を抗体と接触させた後に超解像度顕微鏡法によって細胞試料または組織試料を画像化することで細胞試料または組織試料の細胞表面上の少なくとも1つの細胞外分子の画像を提供する工程と、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の画像に基づき細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程とを含む、方法が開示される。
【0127】
一部の実施形態では、上記方法は、i)細胞試料または組織試料を、それぞれが造影剤と関連付けられる複数の抗体と接触させることによって、およびii)細胞試料または組織試料を複数の抗体のそれぞれと接触させた後に超解像度顕微鏡法により細胞試料または組織試料を画像化することによって、細胞試料または組織試料の多重化画像を提供する工程をさらに含み、かつ、多重化画像に基づき細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。
【0128】
一部の実施形態では、造影剤はフルオロフォアである。一部の実施形態では、造影剤は、フルオロフォアに直接または間接的に結合される。一部の実施形態では、上記方法は、少なくとも1つの細胞外分子の二次元もしくは三次元座標、または画像中の造影剤の強度に基づき、1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、画像中の造影剤の強度に基づき1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの治療薬または治療レジメンの投与後に評価される。
【0129】
一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが1つまたは複数の適応症について癌細胞株上で一致するかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが1つまたは複数の適応症について癌細胞株に固有であるかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが非疾患状態の細胞上で一致するかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが癌細胞および非疾患状態の細胞上で異なるかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが癌細胞および非疾患状態の細胞上で同じであるかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが癌細胞上で一致するかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが1つまたは複数の適応症において患者間の癌細胞上で一致するかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが臨床毒性を予測するかを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、画像に基づき抗体の結合形態を検出する工程をさらに含む。
【0130】
細胞特性
一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子のクラスタ化を含む。一部の実施形態では、クラスタ化された細胞外分子は機能性であり、かつシグナル伝達、内在化、運動、および/または酵素活性に関与する。一部の実施形態では、クラスタ化された細胞外分子は非機能性であり、かつ凝集しているかまたは内在化もしくは脱落することができない。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の単一の細胞外分子に関連する。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の細胞外分子対に関連する。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の三つ組の細胞外分子、四つ組の細胞外分子、五つ組の細胞外分子、またはより高次の他の細胞外分子クラスタに関連する。一部の実施形態では、単一の細胞外分子、細胞外分子対、三つ組の細胞外分子、四つ組の細胞外分子、五つ組の細胞外分子、またはより高次の他の細胞外分子クラスタは、1つまたは複数の他のタンパク質を含む。一部の実施形態では、細胞外分子対、三つ組の細胞外分子、四つ組の細胞外分子、五つ組の細胞外分子、またはより高次の他の細胞外分子クラスタは、それぞれ単一の細胞外分子または複数の細胞外分子で構成される。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、多数の細胞外分子の1つまたは複数の細胞特性を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の存在を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の不在を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の豊富さを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の分布を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の密度を含む。
【0131】
一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子のオリゴマー状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子のヘテロマー状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の1つまたは複数の最近傍物質(nearest neighbors)を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の最近傍物質は、タンパク質、細胞外受容体、抗原、炭水化物、および脂質から選択される一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、単一の細胞外分子の別個の分子間の距離を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の対の細胞外分子間のペアワイズ距離を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の三つ組、細胞外分子の四つ組、細胞外分子の五つ組、または他のより高次の細胞外分子クラスタの細胞外分子間のペアワイズ距離を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の側方、前方、または前面の移動を含む。
【0132】
一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、同じ細胞上および/または異なる細胞間に1つまたは複数の細胞特性を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子と、別個の細胞上の1つまたは複数の細胞外タンパク質との細胞間相互作用を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子と、別個の細胞上の1つまたは複数の細胞外タンパク質との細胞間相互作用の不在を含む。一部の実施形態では、細胞間相互作用は、別個の細胞上の2つ以上の細胞外タンパク質のオリゴマーまたはクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞内相互作用は、腫瘍細胞-腫瘍細胞相互作用、腫瘍細胞-腫瘍微小環境細胞相互作用、および腫瘍微小環境細胞-腫瘍微小環境細胞相互作用から選択される。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される。一部の実施形態では、腫瘍微小環境中の細胞は、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される。
【0133】
一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、正常細胞の存在を予測する。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、シグナル伝達事象を示す。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、分子シグネチャ、細胞シグネチャ、または組織試料シグネチャを定める。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の画像を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の二次元または三次元座標を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の強度を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む。一部の実施形態では、2つ以上の細胞外分子は、同じ細胞外分子または異なる細胞外分子のものである。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々のまたは対となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組の細胞外分子は、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子は、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに隣接しているか、または接触している。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、同じまたは異なる細胞外分子を含む。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタは、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む。
【0134】
一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む。一部の実施形態では、移動は、細胞外表面への内在化または移動である。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞特性は、少なくとも1つの細胞外分子の内在化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子のクラスタ化状態を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の細胞特性は、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む。一部の実施形態では、細胞外分子は、表1に列挙される細胞外分子である。
【0135】
一部の実施形態では、上記方法は、疾患状態の細胞または非疾患状態の細胞を含む1つまたは複数の追加の細胞試料または組織試料に対して本方法を繰り返す工程と、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを提供するために細胞試料または組織試料のそれぞれの1つまたは複数の細胞特性をデータベースに保存する工程とをさらに含む。
【0136】
局在化されたK
一部の実施形態では、上記方法は、抗体の結合に関する局所親和性(K)を、データベースに保存された細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性に相関させる工程と、Kとデータベース内の細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性との相関を保存する工程とをさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、単一分子の追跡によって、局在化されたKを判定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、上記方法は、第2の細胞試料または組織試料に対する抗体の結合に関する局在化されたKを、細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性と第2の細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性との類似性に基づき予測する工程をさらに含む。
【0137】
抗体
一部の実施形態では、抗体は、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む。一部の実施形態では、抗体は二特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は多特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む。一部の実施形態では、抗体は免疫細胞エンゲージャである。一部の実施形態では、抗体はエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む。一部の実施形態では、抗体系治療は、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである。一部の実施形態では、抗体はワクチン内にある。一部の実施形態では、抗体は翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである。一部の実施形態では、抗体は一本鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体はホモ二量体を含む。一部の実施形態では、抗体はヘテロ二量体を含む。
【0138】
超解像顕微鏡
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は確定的超解像顕微鏡である。一部の実施形態では、確定的超解像顕微鏡法は、光構造化を使用して、試料の回折限界未満の空間情報を判定する。例えば、確定的超解像顕微鏡は、空乏リングを使用して顕微鏡の励起スポットを精緻化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡法を含む。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は、基底状態抑制(GSD)顕微鏡法を含む。一部の実施形態では、確定的超解像技術は、飽和構造化照明顕微鏡法(SSIM)、超分解能直交確定的画像化(SODI)などである。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は、MINFLUX顕微鏡法を含む。例えば、確定的超解像技術は、Abberior Instrumentsによって開発されたMINFLUX技術であり得る。MINFLUXは、プロービングドーナツ形励起ビームを用いて個々の切替え可能なフルオロフォアを局在化することによって、1~3ナノメートル(nm)の範囲の解像度を提供することができる超解像蛍光顕微鏡法である(例えば、Gwoschらによる「MINFLUX nanoscopy delivers 3D multicolor nanometer resolution in cells」,Nature Methods,vol.17,217~220頁,February 2020を参照)。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、確率的超解像技術を使用する(例えば、確率的超解像顕微鏡である)。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、偶然を使用して、(例えば、領域内の1つのエミッタのみが確率的に活性化されるようなフラックスを提供することによって)エミッタの局在化を改善する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡法は確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡法を含む。一部の実施形態では、確率的超解像技術は、直接確率的光学再構成顕微鏡法(dSTORM)、光活性化局在化顕微鏡法(PALM)、蛍光光活性化局在化顕微鏡法(FPALM)、スペクトル精密距離顕微鏡法(spectral precision distance microscopy;SPDM)、局在化顕微鏡法(例えば、単分子局在顕微鏡法(SMLM))、三次元での極低温光学局在化(COLD)、DNA-PAINTなどである。一部の実施形態では、Jungmannら(米国特許第10,294,510号明細書および欧州特許第3027773号明細書)に記載される超解像顕微鏡法または多重化方法が使用される。
【0139】
細胞外タンパク質を定量化するために、観察された蛍光強度は、抗体に結合した単一のフルオロフォアの固有の分子輝度を用いて正規化され得る。これは、DNAの二本鎖を単一のフルオロフォアで標識し、これらを低濃度で画像化に使用されるカバースリップの小領域に付着させることで、単一の分子が適切に間隔を空けられるのを確実にすることによって行うことができる。画像化の最中、画像は、細胞を画像化するために使用されるものと同一のパラメータを使用して小領域において取得され、この領域からの単一分子強度は、細胞の残りの画像で取得される強度を較正するために使用される。
【0140】
一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、試料の時系列画像を撮影するように構成することができる。例えば、試料を抗体系治療と接触させ、経時的に画像化することで、細胞特性の時系列を得ることができる。この例では、細胞特性の時間分解データにより、治療の作用機序のほか有効性に関するさらなるデータが得られる。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最低で約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、50,000ミリ秒以上の期間にわたり追跡することを含む。一部の実施形態では、画像化は、治療薬、細胞特性、または細胞表面受容体を、最大で約50,000、10,000、5,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、10、5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001ミリ秒以下の期間にわたり追跡することを含む。
【0141】
細胞/組織マイクロアレイ
一部の実施形態では、細胞または組織は、固定細胞を含む。一部の実施形態では、細胞または組織は、生細胞を含む。一部の実施形態では、細胞または組織は、哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞または組織を画像化することは、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で細胞を画像化することを含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、凍結組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、生組織を含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバは、固定組織を含む。
【0142】
解像度
一部の実施形態では、画像化された細胞特性のデータベースは、超解像顕微鏡の解像度以上(例えば、程度の)で画像化される。例えば、5ナノメートルの解像度限界を有する超解像顕微鏡は、最大5ナノメートルの解像度で試料を画像化することができる。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最低で約250、225、200、175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ナノメートル以下の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250ナノメートル以上の解像度を有する。一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、先行する値のいずれか2つによって定められる範囲である。例えば一部の実施形態では、超解像顕微鏡の解像度は、1~50ナノメートルである。
【0143】
一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約100ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約50ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約40ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約30ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約20ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約10ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約5ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約2ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、少なくとも約1ナノメートルの解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、単分子解像度で行われる。一部の実施形態では、画像化は、単一フルオロフォア解像度で行われる。
【0144】
高スループット形式
一部の実施形態では、画像化は、高スループット形式で行われる。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、抗スループット形式は、少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む。一部の実施形態では、高スループット形式は、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む。
【0145】
細胞外分子
一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞外分子は、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞外分子は、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、および構造タンパク質から選択される。
【0146】
試料
一部の実施形態では、試料は、同じソース(例えば、患者)または異なるソースに由来する第2の試料と共通する細胞特性を有するかどうかを判定するために試験することができる。一部の実施形態では、評価は、遺伝子検査(例えば、核酸検出または配列決定)、タンパク質検査(例えば、所定のタンパク質の有無の同定)、サイズ検査(例えば、試料中に存在する細胞のサイズ分布の決定)、標識検査(例えば、細胞上での1つまたは複数の標識の有無の判定)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、試料は、少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメン(例えば、抗体系治療レジメン、小分子系治療レジメン、生物学系レジメンなど)の投与後に評価される。例えば、レジメンの効果、および試料に完全な特徴解析を行う価値があるかどうかを判定するために、試料を治療レジメンと接触させ、その後に評価することができる。一部の実施形態では、試料は、天然リガンドまたは天然に生じる薬剤もしくは補因子の投与後に評価される。一部の実施形態では、試料の事前評価は、関心対象の特性(例えば、治療レジメンの影響またはその欠如)を示さない試料の完全な特徴解析を低減し、時間および資源の浪費を削減することができる。
【0147】
一部の実施形態では、細胞は生細胞を含む。例えば細胞は、生きた生物から集め、集められたものとして使用することができる。別の例では、細胞は、維持された細胞株から得ることができる。一部の実施形態では、細胞は真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、哺乳動物細胞は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、アルパカ、ヤク、ラクダ、またはヒトに由来する。一部の実施形態では、細胞は非生細胞を含む。特定の実施形態では、非生細胞は死細胞である。一部の実施形態では、細胞は固定細胞を含む。一部の実施形態では、固定細胞は、本明細書の他の場所で記載されるように固定される。
【0148】
一部の実施形態では、疾患状態の細胞は、腫瘍細胞株に由来する。腫瘍細胞株の例には、3T3細胞、A549細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞、および例えばMilliporeSigmaやThermoFischerなど細胞株の商業的供給業者から入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0149】
一部の実施形態では、細胞は、組織マイクロアレイ上で画像化される。例えば細胞は、組織マイクロアレイの一部であり、そのようなものとして画像化される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、単一の物体内に包含される複数の組織試料を含む。一部の実施形態では、複数の組織試料は、複数の異なる組織試料である。一部の実施形態では、組織マイクロアレイの使用は、各組織型を個々にスクリーニングするよりも短い時間で、様々な異なる組織型のスクリーニングを可能にする。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、凍結組織(例えば、凍結によって現在または以前から保存されている組織)、生組織(例えば、現在生きている組織)、固定組織(例えば、マトリックス中に固定されるか、またはその他の方法で(例えば、アルデヒド、アルコール、酸化剤などの使用によって)保存された組織)などのうち1つまたは複数、あるいはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、ニードルコアリングプロセスによって形成される。一部の実施形態では、組織マイクロアレイは、マイクロトームプロセスによって形成される。
【0150】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。一部の実施形態では、本開示のコンピュータシステムは、Imagejまたは他の同様の画像処理プログラムでスクリプトを実施し得る。図1は、超解像顕微鏡に指示するようにプログラムまたはその他の方法で構成されたコンピュータシステム(101)を示す。コンピュータシステム(101)は、例えば、顕微鏡の動作および顕微鏡が取得したデータの分析など、本開示の様々な態様を調節することができる。コンピュータシステム(101)は、ユーザの電子デバイス、または電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムとすることができる。電子デバイスは、モバイル電子デバイスとすることができる。
【0151】
コンピュータシステム(101)は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理用に複数のプロセッサとすることができる中央処理ユニット(CPU、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」でもある)(105)を備える。コンピュータシステム(101)はまた、メモリまたはメモリ位置(110)(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置(115)(例えば、ハードディスク)、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース(120)(例えば、ネットワークアダプタ)、ならびにキャッシュ、他のメモリ、データ記憶部、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス(125)も備える。メモリ(110)、記憶装置(115)、インターフェース(120)、および周辺デバイス(125)は、マザーボードなどの通信バス(実線)を経由してCPU(105)と通信する。記憶装置(115)は、データを記憶するためのデータ記憶装置(すなわちデータリポジトリ)とすることができる。コンピュータシステム(101)は、通信インターフェース(120)の補助によってコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)(130)に動作可能に結合することができる。ネットワーク(130)は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットとすることができる。ネットワーク(130)は、場合により電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク(130)は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能し得る1つまたは複数のコンピュータサーバを備えることができる。ネットワーク(130)は、場合によりコンピュータシステム(101)の補助によってピアツーピアネットワークを実装することができ、それにより、クライアントまたはサーバとして挙動するようにデバイスをコンピュータシステム(101)に結合することを可能にし得る。
【0152】
CPU(105)は、プログラムまたはソフトウェア内で具体化できる一連の機械可読命令を実行することができる。この命令は、メモリ(110)などのメモリ位置に記憶され得る。命令はCPU(105)に向けることができ、その後に、CPU(105)が本開示の方法を実施するようにプログラムまたはその他の方法で構成することができる。CPU(105)によって実行される動作の例には、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを挙げることができる。
【0153】
CPU(105)は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム(101)の1つまたは複数の他のコンポーネントを回路に備えることができる。場合により、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0154】
記憶装置(115)は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶装置(115)は、ユーザデータ、例えば、ユーザの嗜好性およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム(101)は、場合により、イントラネットまたはインターネットを経由してコンピュータシステム(101)と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム(101)の外部にある1つまたは複数の追加のデータ記憶装置を備えることができる。
【0155】
コンピュータシステム(101)は、ネットワーク(130)を経由して1つまたは複数の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム(101)は、ユーザの遠隔コンピュータシステムと通信することができる。遠隔コンピュータシステムの例として、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートもしくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末が挙げられる。ユーザは、ネットワーク(130)を経由してコンピュータシステム(101)にアクセスすることができる。例えば、コンピュータは、クラウド(例えば、リモート)コンピューティングリソースに画像処理プログラムを実行するよう指示する。本例では、クラウドコンピューティングリソースは、画像の処理速度を改善するために1つまたは複数のGPUを含む。
【0156】
本明細書に記載される方法は、例えば、メモリ(110)または電子記憶装置(115)などの、コンピュータシステム(101)の電子記憶場所に記憶されたマシン(例えば、コンピュータプロセッサ)によって実施することができる。機械実行可能コードまたは機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供することができる。使用中、コードはプロセッサ(105)によって実行することができる。場合により、コードは、記憶装置(115)から検索され、プロセッサ(105)が容易にアクセスできるようにメモリ(110)に記憶することができる。一部の状況では、電子記憶装置(115)は排除することができ、機械実行可能命令はメモリ(110)に記憶される。
【0157】
コードは、事前にコンパイルされるとともに、コードを実行するように適合されたプロセッサを有するマシンとともに使用するように構成され得るか、または実行時にコンパイルすることができる。コードは、事前コンパイルまたはアズコンパイル(as-compiled)された形でコードの実行を可能とするように選択できるプログラミング言語で供給することができる。コードは、事前にコンパイルされたライブラリを含むことができる。例えばコードは、コンパイルされたライブラリを利用するように構成されたスクリプト言語を含むことができる。
【0158】
コンピュータシステム(101)など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具体化することができる。本技術の様々な態様は、典型的には機械可読媒体の一種で実行または具体化される、機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連データの形にある「製品」または「製造品」と考慮され得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置に記憶することができる。「記憶」型媒体として、コンピュータやプロセッサなどの有形メモリのいずれかまたはすべて、あるいは、種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールを挙げることができ、これにより、ソフトウェアプラミングにおいてどの時間にも非一時的な記憶を提供することができる。ソフトウェアのすべてまたは一部は、インターネットまたは他の様々な電気通信ネットワークを経由して常に通信され得る。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへの、ソフトウェアのローディングを可能にし得る。このため、ソフトウェア要素を伴うことがある別の種類の媒体は、有線および光回線(optical landline)ネットワークを経由して、および様々なエアリンクを上で、ローカルデバイス間の物理インターフェースにわたって使用されるものなどの、光波、電波、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンクなど、そのような波を運ぶ物理要素も、ソフトウェアを伴う媒体としてみなされ得る。本明細書で使用される場合、非一時的な有形「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。
【0159】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理伝送媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態を呈してもよい。不揮発性記憶媒体には、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するのに使用され得るあらゆるコンピュータにおける記憶装置のうちいずれかなどの光ディスクまたは磁気ディスクが挙げられる。揮発性記憶媒体には、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリが挙げられる。具体的な伝送媒体には、同軸ケーブル、銅線、およびコンピュータシステム内のバスを含むワイヤを備えた光ファイバが挙げられる。搬送波伝送媒体は、電気信号もしくは電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの音響波もしくは光波の形態を呈してもよい。それゆえ、コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他のあらゆる磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、他のあらゆる光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、他のあらゆるメモリチップもしくはカートリッジ、データまたは命令を運ぶ搬送波、そのような搬送波を運ぶケーブルおしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取り得る他のあらゆる媒体が挙げられる。これらコンピュータ可読媒体の形態の多くは、実行のためにプロセッサに1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを伝えることに関与し得る。
【0160】
コンピュータシステム(101)は、例えば、超解像顕微鏡の視野をプレビューするためのユーザインターフェース(UI)(140)を備えた電子ディスプレイ(135)を備えるか、またはそれと通信することができる。UIの例には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
本開示の方法およびシステムは、1つまたは複数のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央処理装置(105)による実行時にソフトウェアによって実施することができる。このアルゴリズムは、例えば、画像中の細胞特性を識別することができる。
【0162】
実施形態
実施形態1は、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞からの細胞特性を含むデータベースを生成する方法であって、超解像顕微鏡を用いて抗体と接触した試料を画像化する工程と、試料中の細胞の少なくとも1つの細胞特性を含むデータベースを生成する工程と、少なくとも1つの細胞特性が疾患状態の細胞または非疾患状態の細胞を示すかどうかを判定する工程とを含む、方法を含む。
【0163】
実施形態2は、少なくとも1つの細胞特性が細胞外分子の画像を含む、実施形態1に記載の方法を含む。
【0164】
実施形態3は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む、実施形態1または2に記載の方法を含む。
【0165】
実施形態4は、少なくとも1つの細胞特性が細胞外分子の強度を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0166】
実施形態5は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0167】
実施形態6は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0168】
実施形態7は、少なくとも1つの細胞特性が、2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0169】
実施形態8は、2つ以上の細胞外分子が同じ標的または異なる標的のものである、実施形態7に記載の方法を含む。
【0170】
実施形態9は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0171】
実施形態10は、少なくとも1つの細胞特性が、2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0172】
実施形態11は、少なくとも1つの細胞特性が、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0173】
実施形態12は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態11に記載の方法を含む。
【0174】
実施形態13は、個々のまたは対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートルの距離内にある、実施形態11または12に記載の方法を含む。
【0175】
実施形態14は、個々のまたは対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある、実施形態11または12に記載の方法を含む。
【0176】
実施形態15は、少なくとも1つの細胞特性が、個々の細胞外分子、または対もしくは三つ組となる細胞外分子を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0177】
実施形態16は、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態15に記載の方法を含む。
【0178】
実施形態17は、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある、実施形態15に記載の方法を含む。
【0179】
実施形態18は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0180】
実施形態19は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態18に記載の方法を含む。
【0181】
実施形態20は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、同じまたは異なる分子を含む、実施形態18に記載の方法を含む。
【0182】
実施形態21は、少なくとも1つの細胞特性が、2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0183】
実施形態22は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の移動を含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0184】
実施形態23は、移動が細胞外表面への内在化または移動である、実施形態22に記載の方法を含む。
【0185】
実施形態24は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の内在化を含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0186】
実施形態25は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子間の二次元または三次元座標の変化を含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0187】
実施形態26は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子間の二次元または三次元座標の変化を含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0188】
実施形態27は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子間のクラスタ化の変化を含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0189】
実施形態28は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0190】
実施形態29は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化状態を含む、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0191】
実施形態30は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0192】
実施形態31は、細胞外分子が、表1に列挙される細胞外分子である、実施形態2~30のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0193】
実施形態32は、少なくとも1つの細胞特性が組織中の細胞に存在する、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0194】
実施形態33は、少なくとも1つの細胞特性が、癌中または正常組織上の細胞に存在する、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0195】
実施形態34は、少なくとも1つの細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0196】
実施形態35は、少なくとも1つの細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0197】
実施形態36は、少なくとも1つの細胞特性が、腫瘍微小環境中の細胞に存在する、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0198】
実施形態37は、腫瘍微小環境中の細胞が、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される、実施形態35または36に記載の方法を含む。
【0199】
実施形態38は、腫瘍微小環境中の細胞が、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される、実施形態35または36に記載の方法を含む。
【0200】
実施形態39は、少なくとも1つの細胞特性が、癌細胞または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0201】
実施形態40は、少なくとも1つの細胞特性が正常細胞の存在を予測する、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0202】
実施形態41は、少なくとも1つの細胞特性が組織中の同じ細胞に存在する、実施形態1~40のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0203】
実施形態42は、少なくとも1つの細胞特性が、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する、実施形態1~40のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0204】
実施形態43は、少なくとも1つの細胞特性が、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある、実施形態42に記載の方法を含む。
【0205】
実施形態44は、少なくとも1つの細胞特性が、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する、実施形態1~43のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0206】
実施形態45は、疾患状態が、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む、実施形態44に記載の方法を含む。
【0207】
実施形態46は、組織構造が上皮、管、または血管を含む、実施形態44または45に記載の方法を含む。
【0208】
実施形態47は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の発現の変化を含む、実施形態1~46のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0209】
実施形態48は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0210】
実施形態49は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の酵素活性の変化を含む、実施形態1~48のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0211】
実施形態50は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0212】
実施形態51は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0213】
実施形態52は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0214】
実施形態53は、少なくとも1つの細胞特性が、細胞外分子の組織局在化を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0215】
実施形態54は、組織局在化が、疾患組織または腫瘍微小環境を含む、実施形態53に記載の方法を含む。
【0216】
実施形態55は、組織局在化が、癌構造または腫瘍微小環境を含む、実施形態53に記載の方法を含む。
【0217】
実施形態56は、細胞外分子が抗体との接触時に内在化する、実施形態2~31、47~49、および53のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0218】
実施形態57は、異なる試料が共通の細胞特性について評価される、実施形態1~56のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0219】
実施形態58は、異なる試料が異なる細胞特性について評価される、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0220】
実施形態59は、画像中の造影剤の強度に基づき少なくとも1つの細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態1~58のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0221】
実施形態60は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0222】
実施形態61は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0223】
実施形態62は、超解像顕微鏡が確定的超解像顕微鏡を含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0224】
実施形態63は、超解像顕微鏡が、誘導放出抑制(STED)顕微鏡または基底状態抑制(GSD)顕微鏡である、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0225】
実施形態64は、超解像顕微鏡が確率的超解像顕微鏡を含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0226】
実施形態65は、超解像顕微鏡がMINFLUX顕微鏡である、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0227】
実施形態66は、超解像顕微鏡が確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0228】
実施形態67は、画像化する工程が、1つ以上のリガンド、治療薬、または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0229】
実施形態68は、細胞が固定細胞を含む、実施形態1~67のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0230】
実施形態69は、細胞が組織内に固定される、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0231】
実施形態70は、細胞が生組織内にある、実施形態1~69のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0232】
実施形態71は、細胞が生細胞を含む、実施形態1~70のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0233】
実施形態72は、細胞が哺乳動物細胞を含む、実施形態1~71のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0234】
実施形態73は、疾患状態の細胞が、腫瘍細胞株に由来する、実施形態1~72のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0235】
実施形態74は、正常状態の細胞が、正常細胞株に由来する、実施形態44に記載の方法を含む。
【0236】
実施形態75は、細胞が、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される、実施形態1~74のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0237】
実施形態76は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、凍結組織を含む、実施形態75に記載の方法を含む。
【0238】
実施形態77は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、生組織を含む、実施形態75に記載の方法を含む。
【0239】
実施形態78は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、固定組織を含む、実施形態75に記載の方法を含む。
【0240】
実施形態79は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される、実施形態75に記載の方法を含む。
【0241】
実施形態80は、抗体が、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む、実施形態1~79のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0242】
実施形態81は、抗体が二特異性抗体を含む、実施形態1~80のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0243】
実施形態82は、抗体が多特異性抗体である、実施形態1~80のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0244】
実施形態83は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む、実施形態1~82のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0245】
実施形態84は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む、実施形態1~82のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0246】
実施形態85は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む、実施形態1~82のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0247】
実施形態86は、抗体が免疫細胞エンゲージャである、実施形態1~85のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0248】
実施形態87は、抗体がエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む、実施形態1~85のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0249】
実施形態88は、抗体系治療が、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである、実施形態1~85のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0250】
実施形態89は、抗体がワクチン内にある、実施形態1~88のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0251】
実施形態90は、抗体が、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである、実施形態1~89のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0252】
実施形態91は、抗体が一本鎖ポリペプチドを含む、実施形態1~89のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0253】
実施形態92は、抗体がホモ二量体を含む、実施形態1~91のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0254】
実施形態93は、抗体がヘテロ二量体を含む、実施形態1~91のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0255】
実施形態94は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0256】
実施形態95は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0257】
実施形態96は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0258】
実施形態97は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0259】
実施形態98は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0260】
実施形態99は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0261】
実施形態100は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0262】
実施形態101は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0263】
実施形態102は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0264】
実施形態103は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0265】
実施形態104は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0266】
実施形態105は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0267】
実施形態106は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0268】
実施形態107は、画像化された細胞特性のデータベースが、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0269】
実施形態108は、画像化された細胞特性のデータベースが単分子解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0270】
実施形態109は、画像化された細胞特性のデータベースが、単一フルオロフォア解像度で画像化される、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0271】
実施形態110は、画像化された細胞特性のデータベースが、高スループット形式で画像化される、実施形態1~109のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0272】
実施形態111は、高スループット形式が少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む、実施形態110に記載の方法を含む。
【0273】
実施形態112は、高スループット形式が少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む、実施形態110に記載の方法を含む。
【0274】
実施形態113は、高スループット形式が少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む、実施形態110に記載の方法を含む。
【0275】
実施形態114は、高スループット形式が少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む、実施形態110に記載の方法を含む。
【0276】
実施形態115は、高スループット形式が、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む、実施形態110に記載の方法を含む。
【0277】
実施形態116は、複数の細胞特性が略同時に画像化される、実施形態1~115のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0278】
実施形態117は、複数の細胞特性が連続的に画像化される、実施形態1~115のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0279】
実施形態118は、複数の細胞特性が略同時の画像であり、残りが連続的に画像化される、実施形態1~115のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0280】
実施形態119は、複数の細胞特性が複数の細胞の表面上にある、実施形態116~118のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0281】
実施形態120は、細胞特性の画像化が約5分未満で完了する、実施形態1~119のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0282】
実施形態121は、画像化された細胞特性のデータベースを画像化することが自動的に行われる、実施形態1~120のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0283】
実施形態122は、細胞外分子が、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである、実施形態2~121のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0284】
実施形態123は、細胞外分子が、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される、実施形態2~121のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0285】
実施形態124は、抗体系治療をデザインする方法であって、超解像顕微鏡を用いて治療介入用に細胞上の細胞外分子を画像化する工程と、画像化された細胞外分子の細胞特性を特徴解析する工程と、細胞特性の特徴解析に基づく抗体フォーマットをデザインする工程とを含む、方法を含む。
【0286】
実施形態125は、細胞特性が細胞外分子の画像を含む、実施形態124に記載の方法を含む。
【0287】
実施形態126は、細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む、実施形態124または125に記載の方法を含む。
【0288】
実施形態127は、細胞特性が細胞外分子の強度を含む、実施形態124~126のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0289】
実施形態128は、細胞特性が、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、実施形態124~127のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0290】
実施形態129は、細胞特性が、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む、実施形態124~128のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0291】
実施形態130は、細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む、実施形態124~129のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0292】
実施形態131は、2つ以上の細胞外分子が同じ標的または異なる標的のものである、実施形態130に記載の方法を含む。
【0293】
実施形態132は、細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む、実施形態124~131のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0294】
実施形態133は、細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む、実施形態124~132のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0295】
実施形態134は、細胞特性が、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む、実施形態124~133のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0296】
実施形態135は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態134に記載の方法を含む。
【0297】
実施形態136は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートルの距離内にある、実施形態134または135に記載の方法を含む。
【0298】
実施形態137は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある、実施形態134または135に記載の方法を含む。
【0299】
実施形態138は、細胞特性が、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子を含む、実施形態124~133のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0300】
実施形態139は、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態138に記載の方法を含む。
【0301】
実施形態140は、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある、実施形態138に記載の方法を含む。
【0302】
実施形態141は、細胞特性が、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む、実施形態124~133のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0303】
実施形態142は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態141に記載の方法を含む。
【0304】
実施形態143は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、同じまたは異なる細胞外分子を含む、実施形態141に記載の方法を含む。
【0305】
実施形態144は、細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む、実施形態124~143のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0306】
実施形態145は、細胞特性が細胞外分子の移動を含む、実施形態124~144のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0307】
実施形態146は、移動が細胞外表面への内在化または移動である、実施形態145に記載の方法を含む。
【0308】
実施形態147は、細胞特性が細胞外分子の内在化を含む、実施形態124~146のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0309】
実施形態148は、細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む、実施形態124~147のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0310】
実施形態149は、細胞特性が細胞外分子のクラスタ化の変化を含む、実施形態124~148のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0311】
実施形態150は、細胞特性が細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む、実施形態124~149のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0312】
実施形態151は、細胞特性が少なくとも1つの細胞受容体の移動を含む、実施形態124~150のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0313】
実施形態152は、細胞特性が細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、実施形態124~151のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0314】
実施形態153は、細胞特性が細胞外分子のクラスタ化状態を含む、実施形態124~152のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0315】
実施形態154は、細胞特性が、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む、実施形態124~153のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0316】
実施形態155は、細胞外分子が、表1に列挙される細胞外分子を含む、実施形態124~154のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0317】
実施形態156は、細胞特性が組織中の細胞に存在する、実施形態124~155のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0318】
実施形態157は、細胞特性が、癌中または正常組織上の細胞に存在する、実施形態124~156のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0319】
実施形態158は、細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する、実施形態124~156のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0320】
実施形態159は、細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する、実施形態124~156のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0321】
実施形態160は、細胞特性が腫瘍微小環境中の細胞に存在する、実施形態124~156のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0322】
実施形態161は、腫瘍微小環境中の細胞が、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される、実施形態159または160に記載の方法を含む。
【0323】
実施形態162は、腫瘍微小環境中の細胞が、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される、実施形態159または160に記載の方法を含む。
【0324】
実施形態163は、細胞特性が、癌細胞または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する、実施形態124~162のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0325】
実施形態164は、細胞特性が正常細胞の存在を予測する、実施形態124~162のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0326】
実施形態165は、細胞特性が組織中の細胞に存在する、実施形態124~164のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0327】
実施形態166は、細胞特性が、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する、実施形態124~164のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0328】
実施形態167は、細胞特性が、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある、実施形態166に記載の方法を含む。
【0329】
実施形態168は、細胞特性が、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する、実施形態124~167のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0330】
実施形態169は、疾患状態が、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む、実施形態168に記載の方法を含む。
【0331】
実施形態170は、細胞特性が細胞外分子の発現の変化を含む、実施形態124~169のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0332】
実施形態171は、細胞特性が細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む、実施形態124~170のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0333】
実施形態172は、細胞特性が細胞外分子の酵素活性の変化を含む、実施形態124~171のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0334】
実施形態173は、細胞特性が、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む、実施形態124~172のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0335】
実施形態174は、細胞特性が、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む、実施形態124~173のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0336】
実施形態175は、細胞特性が、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む、実施形態124~174のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0337】
実施形態176は、細胞特性が細胞外分子の組織局在化を含む、実施形態124~175のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0338】
実施形態177は、組織局在化が、疾患組織構造または微小環境を含む、実施形態176に記載の方法を含む。
【0339】
実施形態178は、組織局在化が、癌構造または腫瘍微小環境を含む、実施形態176に記載の方法を含む。
【0340】
実施形態179は、細胞外分子が抗体系治療との接触時にシグナル伝達を行う、実施形態124~178のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0341】
実施形態180は、異なる試料が共通の細胞特性について評価される、実施形態124~179のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0342】
実施形態181は、異なる試料が異なる細胞特性について評価される、実施形態124~180のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0343】
実施形態182は、画像中の造影剤の強度に基づき細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態124~181のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0344】
実施形態183は、細胞特性が少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される、実施形態124~182のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0345】
実施形態184は、細胞特性が少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される、実施形態124~183のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0346】
実施形態185は、超解像顕微鏡が確定的超解像顕微鏡を含む、実施形態124~184のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0347】
実施形態186は、超解像顕微鏡が、誘導放出抑制(STED)顕微鏡または基底状態抑制(GSD)顕微鏡である、実施形態124~184のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0348】
実施形態187は、超解像顕微鏡が確率的超解像顕微鏡を含む、実施形態124~184のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0349】
実施形態188は、超解像顕微鏡がMINFLUX顕微鏡である、実施形態124~184のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0350】
実施形態189は、超解像顕微鏡が確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である、実施形態124~184のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0351】
実施形態190は、画像化する工程が、抗体系治療または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む、実施形態124~189のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0352】
実施形態191は、細胞が固定細胞を含む、実施形態124~190のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0353】
実施形態192は、細胞が組織内に固定される、実施形態124~191のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0354】
実施形態193は、細胞が生組織内にある、実施形態124~190のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0355】
実施形態194は、細胞が生細胞を含む、実施形態124~190のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0356】
実施形態195は、細胞が哺乳動物細胞を含む、実施形態124~194のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0357】
実施形態196は、細胞が、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される、実施形態124~195のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0358】
実施形態197は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、凍結組織を含む、実施形態196に記載の方法を含む。
【0359】
実施形態198は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、生組織を含む、実施形態196に記載の方法を含む。
【0360】
実施形態199は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、固定組織を含む、実施形態196に記載の方法を含む。
【0361】
実施形態200は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される、実施形態196に記載の方法を含む。
【0362】
実施形態201は、抗体系治療が、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む、実施形態124~200のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0363】
実施形態202は、抗体系治療が二特異性抗体である、実施形態124~201のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0364】
実施形態203は、抗体系治療が多特異性抗体である、実施形態124~201のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0365】
実施形態204は、抗体系治療が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む、実施形態124~203のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0366】
実施形態205は、抗体系治療が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む、実施形態124~203のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0367】
実施形態206は、抗体系治療が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む、実施形態124~203のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0368】
実施形態207は、抗体系治療が免疫細胞エンゲージャである、実施形態124~206のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0369】
実施形態208は、抗体系治療がエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む、実施形態124~206のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0370】
実施形態209は、抗体系治療が、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである、実施形態124~206のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0371】
実施形態210は、抗体系治療がワクチン内にある、実施形態124~209のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0372】
実施形態211は、抗体系治療が、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである、実施形態124~210のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0373】
実施形態212は、抗体系治療が一本鎖ポリペプチドを含む、実施形態124~210のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0374】
実施形態213は、抗体系治療がホモ二量体を含む、実施形態124~212のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0375】
実施形態214は、抗体系治療がヘテロ二量体を含む、実施形態124~212のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0376】
実施形態215は、細胞特性が、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0377】
実施形態216は、細胞特性が、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0378】
実施形態217は、細胞特性が、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0379】
実施形態218は、細胞特性が、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0380】
実施形態219は、細胞特性が、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0381】
実施形態220は、細胞特性が、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0382】
実施形態221は、細胞特性が、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0383】
実施形態222は、細胞特性が、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0384】
実施形態223は、細胞特性が、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0385】
実施形態224は、細胞特性が、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0386】
実施形態225は、細胞特性が、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0387】
実施形態226は、細胞特性が、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0388】
実施形態227は、細胞特性が、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0389】
実施形態228は、細胞特性が、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0390】
実施形態229は、細胞特性が単分子解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0391】
実施形態230は、細胞特性が、単一フルオロフォア解像度で画像化される、実施形態124~214のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0392】
実施形態231は、細胞特性が抗スループット形式で画像化される、実施形態124~230のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0393】
実施形態232は、高スループット形式が少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む、実施形態231に記載の方法を含む。
【0394】
実施形態233は、高スループット形式が少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む、実施形態231に記載の方法を含む。
【0395】
実施形態234は、高スループット形式が少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む、実施形態231に記載の方法を含む。
【0396】
実施形態235は、高スループット形式が少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む、実施形態231に記載の方法を含む。
【0397】
実施形態236は、高スループット形式が、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む、実施形態231に記載の方法を含む。
【0398】
実施形態237は、複数の細胞特性が略同時に画像化される、実施形態124~236のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0399】
実施形態238は、複数の細胞特性が連続的に画像化される、実施形態124~236のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0400】
実施形態239は、複数の細胞特性が略同時に画像化され、残りが連続的に画像化される、実施形態124~236のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0401】
実施形態240は、複数の細胞特性が複数の細胞の表面上にある、実施形態237~239のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0402】
実施形態241は、細胞特性の画像化が約5分未満で完了する、実施形態124~240のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0403】
実施形態242は、細胞特性の画像化が自動的に行われる、実施形態124~241のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0404】
実施形態243は、細胞外分子が、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである、実施形態124~242のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0405】
実施形態244は、細胞外分子が、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される、実施形態124~242のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0406】
実施形態245は、治療介入用に癌標的を同定する方法であって、超解像顕微鏡を用いて抗体に接触した複数の細胞外分子の細胞特性を画像化することで細胞特性のデータベースを生成する工程と、抗体に接触したときに少なくとも1つの癌標的細胞特性を含む細胞外分子を治療的介入用の癌標的として選択する工程とを含む、方法を含む。
【0407】
実施形態246は、細胞特性が細胞外分子の画像を含む、実施形態245に記載の方法を含む。
【0408】
実施形態247は、細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標を含む、実施形態245または246に記載の方法を含む。
【0409】
実施形態248は、細胞特性が細胞外分子の強度を含む、実施形態245~247のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0410】
実施形態249は、細胞特性が、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、実施形態245~248のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0411】
実施形態250は、細胞特性が、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む、実施形態245~249のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0412】
実施形態251は、細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む、実施形態245~250のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0413】
実施形態252は、2つ以上の細胞外分子が同じ標的または異なる標的のものである、実施形態251に記載の方法を含む。
【0414】
実施形態253は、細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む、実施形態245~252のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0415】
実施形態254は、細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む、実施形態245~253のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0416】
実施形態255は、細胞特性が、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む、実施形態245~254のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0417】
実施形態256は、個々のまたは対となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態255に記載の方法を含む。
【0418】
実施形態257は、個々のまたは対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートルの距離内にある、実施形態255または256に記載の方法を含む。
【0419】
実施形態258は、個々のまたは対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある、実施形態255または256に記載の方法を含む。
【0420】
実施形態259は、細胞特性が、個々の細胞外分子、対となる細胞外分子、または三つ組となる細胞外分子を含む、実施形態245~258のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0421】
実施形態260は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態259に記載の方法を含む。
【0422】
実施形態261は、個々の、対となる、または三つ組となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある、実施形態259に記載の方法を含む。
【0423】
実施形態262は、細胞特性が、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む、実施形態245~261のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0424】
実施形態263は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態262に記載の方法を含む。
【0425】
実施形態264は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、同じまたは異なる分子を含む、実施形態262に記載の方法を含む。
【0426】
実施形態265は、細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む、実施形態245~264のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0427】
実施形態266は、細胞特性が細胞外分子の移動を含む、実施形態245~265のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0428】
実施形態267は、移動が細胞外表面への内在化または移動である、実施形態266に記載の方法を含む。
【0429】
実施形態268は、細胞特性が細胞外分子の内在化を含む、実施形態245~267のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0430】
実施形態269は、細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む、実施形態245~268のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0431】
実施形態270は、細胞特性が細胞外分子のクラスタ化の変化を含む、実施形態245~269のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0432】
実施形態271は、細胞特性が細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む、実施形態245~270のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0433】
実施形態272は、細胞特性が少なくとも1つの細胞受容体の移動を含む、実施形態245~271のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0434】
実施形態273は、細胞特性が細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、実施形態245~272のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0435】
実施形態274は、細胞特性が細胞外分子のクラスタ化状態を含む、実施形態245~273のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0436】
実施形態275は、細胞特性が、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む、実施形態245~274のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0437】
実施形態276は、細胞外受容体が、表1に列挙される細胞外受容体を含む、実施形態245~275のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0438】
実施形態277は、細胞特性が組織中の細胞に存在する、実施形態245~276のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0439】
実施形態278は、細胞特性が、癌中または正常組織上の細胞に存在する、実施形態245~277のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0440】
実施形態279は、細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または正常細胞と癌細胞の両方に存在する、実施形態245~278のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0441】
実施形態280は、細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する、実施形態245~279のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0442】
実施形態281は、細胞特性が、正常細胞、癌細胞、または腫瘍微小環境中の細胞に存在する、実施形態245~280のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0443】
実施形態282は、腫瘍微小環境中の細胞が、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される、実施形態280または281に記載の方法を含む。
【0444】
実施形態283は、腫瘍微小環境中の細胞が、間質細胞、上皮細胞、または脂肪細胞から選択される、実施形態280または281に記載の方法を含む。
【0445】
実施形態284は、細胞特性が、癌細胞または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する、実施形態245~283のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0446】
実施形態285は、細胞特性が正常細胞の存在を予測する、実施形態245~283のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0447】
実施形態286は、細胞特性が組織中の同じ細胞に存在する、実施形態245~285のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0448】
実施形態287は、細胞特性が、組織中の少なくとも2つの異なる細胞に存在する、実施形態245~285のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0449】
実施形態288は、細胞特性が、少なくとも2つの異なる細胞の距離内または細胞距離間にある、実施形態245~287のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0450】
実施形態289は、細胞特性が、正常状態または疾患状態にある組織構造に存在する、実施形態245~288のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0451】
実施形態290は、疾患状態が、癌疾患状態、免疫学的疾患状態、神経学的疾患状態、抗ウイルス疾患状態、心血管疾患状態、または自己免疫疾患状態を含む、実施形態289に記載の方法を含む。
【0452】
実施形態291は、細胞特性が細胞外分子の発現の変化を含む、実施形態245~290のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0453】
実施形態292は、細胞特性が細胞外分子のグリコシル化パターンの変化を含む、実施形態245~291のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0454】
実施形態293は、細胞特性が細胞外分子の酵素活性の変化を含む、実施形態245~292のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0455】
実施形態294は、細胞特性が、細胞内または細胞間コミュニケーションの変化を含む、実施形態245~293のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0456】
実施形態295は、細胞特性が、細胞内または細胞間でのシグナル伝達またはコミュニケーションの変化を含む、実施形態245~293のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0457】
実施形態296は、細胞特性が、細胞の接着、力学、または移動の変化を含む、実施形態245~295のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0458】
実施形態297は、細胞特性が細胞外受容体の組織局在化を含む、実施形態245~296のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0459】
実施形態298は、組織局在化が、癌構造または腫瘍微小環境を含む、実施形態297に記載の方法を含む。
【0460】
実施形態299は、細胞特性が少なくとも1つの細胞外受容体の内在化を含む、実施形態245~298のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0461】
実施形態300は、細胞外受容体が抗体との接触時にシグナル伝達を行う、実施形態245~299のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0462】
実施形態301は、異なる試料が共通の細胞特性について評価される、実施形態245~300のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0463】
実施形態302は、異なる試料が異なる細胞特性について評価される、実施形態245~301のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0464】
実施形態303は、画像中の造影剤の強度に基づき細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態245~302のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0465】
実施形態304は、細胞特性が少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される、実施形態245~303のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0466】
実施形態305は、細胞特性が少なくとも1つの治療薬または少なくとも1つの治療レジメンの投与後に評価される、実施形態245~304のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0467】
実施形態306は、超解像顕微鏡が確定的超解像顕微鏡を含む、実施形態245~305のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0468】
実施形態307は、超解像顕微鏡が、誘導放出抑制(STED)顕微鏡または基底状態抑制(GSD)顕微鏡である、実施形態245~305のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0469】
実施形態308は、STED顕微鏡がMINFLUX顕微鏡である、実施形態307に記載の方法を含む。
【0470】
実施形態309は、超解像顕微鏡が確率的超解像顕微鏡を含む、実施形態245~305のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0471】
実施形態310は、超解像顕微鏡が確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡である、実施形態245~305のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0472】
実施形態311は、画像化する工程が、1つ以上のリガンド、治療薬、または細胞表面受容体を一定期間にわたって追跡することを含む、実施形態245~310のいずれか1つに記載の方法。
【0473】
実施形態312は、細胞が固定細胞を含む、実施形態245~311のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0474】
実施形態313は、細胞が組織内に固定される、実施形態245~311のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0475】
実施形態314は、細胞が生組織内にある、実施形態245~311のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0476】
実施形態315は、細胞が生細胞を含む、実施形態245~311のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0477】
実施形態316は、細胞が哺乳動物細胞を含む、実施形態245~315のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0478】
実施形態317は、細胞が腫瘍細胞株に由来する、実施形態245~316のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0479】
実施形態318は、細胞が正常細胞株に由来する、実施形態245~316のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0480】
実施形態319は、細胞が、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される、実施形態245~318のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0481】
実施形態320は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、凍結組織を含む、実施形態319に記載の方法を含む。
【0482】
実施形態321は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、生組織を含む、実施形態319に記載の方法を含む。
【0483】
実施形態322は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、固定組織を含む、実施形態319に記載の方法を含む。
【0484】
実施形態323は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、レーザーマイクロダイセクションプロセスによって形成される、実施形態319に記載の方法を含む。
【0485】
実施形態324は、抗体が、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む、実施形態245~323のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0486】
実施形態325は、抗体が二特異性抗体である、実施形態245~324のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0487】
実施形態326は、抗体が多特異性抗体である、実施形態245~324のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0488】
実施形態327は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む、実施形態245~326のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0489】
実施形態328は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む、実施形態245~326のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0490】
実施形態329は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む、実施形態245~326のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0491】
実施形態330は、抗体が免疫細胞エンゲージャである、実施形態245~329のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0492】
実施形態331は、抗体がエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む、実施形態245~329のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0493】
実施形態332は、抗体が、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである、実施形態245~329のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0494】
実施形態333は、抗体がワクチン内にある、実施形態245~329のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0495】
実施形態334は、抗体が、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである、実施形態245~333のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0496】
実施形態335は、抗体が一本鎖ポリペプチドを含む、実施形態245~334のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0497】
実施形態336は、抗体がホモ二量体を含む、実施形態245~335のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0498】
実施形態337は、抗体がヘテロ二量体を含む、実施形態245~335のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0499】
実施形態338は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約50ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0500】
実施形態339は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約40ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0501】
実施形態340は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約30ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0502】
実施形態341は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約20ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0503】
実施形態342は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約10ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0504】
実施形態343は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約9ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0505】
実施形態344は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約8ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0506】
実施形態345は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約7ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0507】
実施形態346は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約6ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0508】
実施形態347は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約5ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0509】
実施形態348は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約4ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0510】
実施形態349は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約3ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0511】
実施形態350は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約2ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0512】
実施形態351は、細胞特性のデータベースが、少なくとも約1ナノメートルの解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0513】
実施形態352は、細胞特性のデータベースが単分子解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0514】
実施形態353は、細胞特性のデータベースが、単一フルオロフォア解像度で画像化される、実施形態245~337のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0515】
実施形態354は、細胞特性のデータベースが抗スループット形式で画像化される、実施形態245~353のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0516】
実施形態355は、高スループット形式が少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む、実施形態354に記載の方法を含む。
【0517】
実施形態356は、高スループット形式が少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む、実施形態354に記載の方法を含む。
【0518】
実施形態357は、高スループット形式が少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む、実施形態354に記載の方法を含む。
【0519】
実施形態358は、高スループット形式が少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む、実施形態354に記載の方法を含む。
【0520】
実施形態359は、高スループット形式が、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む、実施形態354に記載の方法を含む。
【0521】
実施形態360は、複数の細胞特性が略同時に画像化される、実施形態245~359のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0522】
実施形態361は、複数の細胞特性が連続的に画像化される、実施形態245~359のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0523】
実施形態362は、複数の細胞特性が略同時に画像化され、残りが連続的に画像化される、実施形態245~359のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0524】
実施形態363は、複数の細胞特性が複数の細胞の表面上にある、実施形態360~362のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0525】
実施形態364は、細胞特性の画像化が自動的に行われる、実施形態245~363のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0526】
実施形態365は、細胞外分子が、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである、実施形態245~364のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0527】
実施形態366は、細胞外分子が、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される、実施形態245~364のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0528】
実施形態367は、選択された細胞外分子が疾患状態の細胞中に存在し、非疾患状態の細胞中には存在しない、実施形態245~366のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0529】
実施形態368は、疾患状態の細胞に存在するが非疾患状態細胞には存在しない細胞特性は、後に抗体系治療の開発に使用される、実施形態245~366のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0530】
実施形態369は、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを生成する方法であって、細胞を抗体と接触させた後、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞から選択された細胞を超解像顕微鏡法によって画像化することで細胞の1つまたは複数の細胞特性の画像を提供する工程と、データベースに細胞の1つまたは複数の細胞特性を保存する工程と、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞から選択された1つまたは複数の追加の細胞の画像化および保存を繰り返すことで疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを生成する工程とを含む、方法を含む。
【0531】
実施形態370は、疾患状態の細胞が、癌疾患状態の細胞、免疫学的疾患状態の細胞、神経学的疾患状態の細胞、抗ウイルス疾患状態の細胞、心血管疾患状態の細胞、または自己免疫疾患状態の細胞を含む、実施形態369に記載の方法を含む。
【0532】
実施形態371は、抗体が細胞の表面上で抗原に結合し、抗原が疾患に関連付けられる、実施形態369または370に記載の方法を含む。
【0533】
実施形態372は、抗体が造影剤と関連付けられる、実施形態369~371のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0534】
実施形態373は、抗体が造影剤と直接関連付けられる、実施形態369~372のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0535】
実施形態374は、抗体が造影剤と間接的に関連付けられる、実施形態369~372のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0536】
実施形態375は、データベースに保存された疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の1つまたは複数の細胞特性同士の差異を判定する工程と、データベースに保存された疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の1つまたは複数の細胞特性同士の差異に基づき疾患状態の細胞を標的とする治療戦略を開発する工程とをさらに含む、実施形態369~374のうちのいずれか1つに記載の方法を含む。
【0537】
実施形態376は、抗体の結合に関する局所親和性(K)を判定し、データベースに保存された細胞の1つまたは複数の細胞特性に相関させる工程と、K、およびKとデータベース内の細胞の1つまたは複数の細胞特性との相関を保存する工程とをさらに含む、実施形態369~375のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0538】
実施形態377は、局在化されたKを単一の分子の追跡によって判定する工程をさらに含む、実施形態376に記載の方法を含む。
【0539】
実施形態378は、第2の細胞に対する抗体の結合に関する局在化されたKを、細胞の1つまたは複数の細胞特性と第2の細胞の1つまたは複数の細胞特性との類似性に基づき予測する工程をさらに含む、実施形態376または377に記載の方法を含む。
【0540】
実施形態379は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子の画像を含む、実施形態369~378のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0541】
実施形態380は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子の二次元または三次元座標を含む、実施形態369~379のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0542】
実施形態381は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子の強度を含む、実施形態369~380のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0543】
実施形態382は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、実施形態369~381のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0544】
実施形態383は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む、実施形態369~382のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0545】
実施形態384は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む、実施形態369~382のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0546】
実施形態385は、2つ以上の細胞外分子が同じ標的または異なる標的のものである、実施形態384に記載の方法を含む。
【0547】
実施形態386は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む、実施形態369~385のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0548】
実施形態387は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む、実施形態369~386のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0549】
実施形態388は、1つまたは複数の細胞特性が、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む、実施形態369~387のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0550】
実施形態389は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態388に記載の方法を含む。
【0551】
実施形態390は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートルの距離内にある、実施形態388または389に記載の方法を含む。
【0552】
実施形態391は、個々のまたは対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある、実施形態388または389に記載の方法を含む。
【0553】
実施形態392は、1つまたは複数の細胞特性が、個々の細胞外分子、または対となるかもしくは三つ組となる細胞外分子を含む、実施形態369~391のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0554】
実施形態393は、個々の細胞外分子、または対となるかもしくは三つ組となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態392に記載の方法を含む。
【0555】
実施形態394は、個々の細胞外分子、または対となるかもしくは三つ組となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある、実施形態392に記載の方法を含む。
【0556】
実施形態395は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む、実施形態369~394のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0557】
実施形態396は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態395に記載の方法を含む。
【0558】
実施形態397は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、同じまたは異なる細胞外分子を含む、実施形態395に記載の方法を含む。
【0559】
実施形態398は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む、実施形態369~397のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0560】
実施形態399は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む、実施形態369~398のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0561】
実施形態400は、移動が細胞外表面への内在化または移動である、実施形態399に記載の方法を含む。
【0562】
実施形態401は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の内在化を含む、実施形態369~400のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0563】
実施形態402は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む、実施形態369~401のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0564】
実施形態403は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む、実施形態369~402のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0565】
実施形態404は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む、実施形態369~403のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0566】
実施形態405は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、実施形態369~404のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0567】
実施形態406は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化状態を含む、実施形態369~405のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0568】
実施形態407は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む、実施形態369~406のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0569】
実施形態408は、細胞外分子が、表1に列挙される細胞外分子である、実施形態379~407のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0570】
実施形態409は、1つまたは複数の細胞特性が組織中の細胞に存在する、実施形態369~408のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0571】
実施形態410は、1つまたは複数の細胞特性が、癌中または正常組織上の細胞に存在する、実施形態369~409のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0572】
実施形態411は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、実施形態369~410のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0573】
実施形態412は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞の表面上の抗原のオリゴマー化状態を含む、実施形態371~411のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0574】
実施形態413は、オリゴマー化状態が、二量体、三量体、四量体、五量体、およびそれよりも高い状態のオリゴマーから選択される、実施形態411または412に記載の方法を含む。
【0575】
実施形態414は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の相互作用を含む、実施形態369~413のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0576】
実施形態415は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子の組織局在化を含む、実施形態369~414のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0577】
実施形態416は、組織局在化が、疾患組織または腫瘍微小環境を含む、実施形態415に記載の方法を含む。
【0578】
実施形態417は、組織局在化が、癌構造または腫瘍微小環境を含む、実施形態415に記載の方法を含む。
【0579】
実施形態418は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞受容体の移動を含む、実施形態369~417のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0580】
実施形態419は、画像中の造影剤の強度に基づき1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態372~418のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0581】
実施形態420は、抗体が、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む、実施形態369~419のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0582】
実施形態421は、抗体が二特異性抗体である、実施形態369~420のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0583】
実施形態422は、抗体が多特異性抗体である、実施形態369~420のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0584】
実施形態423は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む、実施形態369~422のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0585】
実施形態424は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む、実施形態369~422のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0586】
実施形態425は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む、実施形態369~422のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0587】
実施形態426は、抗体が免疫細胞エンゲージャである、実施形態369~425のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0588】
実施形態427は、抗体がエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む、実施形態369~425のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0589】
実施形態428は、抗体が、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである、実施形態369~425のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0590】
実施形態429は、抗体がワクチン内にある、実施形態369~428のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0591】
実施形態430は、抗体が、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである、実施形態369~429のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0592】
実施形態431は、抗体が一本鎖ポリペプチドを含む、実施形態369~430のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0593】
実施形態432は、抗体がホモ二量体を含む、実施形態369~431のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0594】
実施形態433は、抗体がヘテロ二量体を含む、実施形態369~432のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0595】
実施形態434は、超解像顕微鏡法が、誘導放出抑制(STED)顕微鏡法である、実施形態369~433のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0596】
実施形態435は、超解像顕微鏡法が、基底状態抑制(GSD)顕微鏡法である、実施形態369~433のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0597】
実施形態436は、超解像顕微鏡法が確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡法である、実施形態369~433のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0598】
実施形態437は、超解像顕微鏡法がMINFLUX顕微鏡法を含む、実施形態369~433のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0599】
実施形態438は、画像化することが、細胞の細胞外分子を一定期間にわたって追跡することを含む、実施形態369~437のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0600】
実施形態439は、細胞が固定細胞を含む、実施形態369~438のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0601】
実施形態440は、細胞が組織内に固定される、実施形態369~438のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0602】
実施形態441は、細胞が生組織内にある、実施形態369~438のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0603】
実施形態442は、細胞が生細胞を含む、実施形態369~438のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0604】
実施形態443は、細胞が哺乳動物細胞を含む、実施形態369~442のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0605】
実施形態444は、疾患状態の細胞が、腫瘍細胞株に由来する、実施形態369~443のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0606】
実施形態445は、疾患状態の細胞が、正常細胞株に由来する、実施形態369~444のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0607】
実施形態446は、細胞が、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で画像化される、実施形態369~445のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0608】
実施形態447は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、凍結組織を含む、実施形態446に記載の方法を含む。
【0609】
実施形態448は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、生組織を含む、実施形態446に記載の方法を含む。
【0610】
実施形態449は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、固定組織を含む、実施形態446に記載の方法を含む。
【0611】
実施形態450は、画像化が、少なくとも約50ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0612】
実施形態451は、画像化が、少なくとも約40ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0613】
実施形態452は、画像化が、少なくとも約30ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0614】
実施形態453は、画像化が、少なくとも約20ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0615】
実施形態454は、画像化が、少なくとも約10ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0616】
実施形態455は、画像化が、少なくとも約5ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0617】
実施形態456は、画像化が、少なくとも約2ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0618】
実施形態457は、画像化が、少なくとも約1ナノメートルの解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0619】
実施形態458は、画像化が単分子解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0620】
実施形態459は、画像化が単一フルオロフォア解像度で行われる、実施形態369~449のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0621】
実施形態460は、画像化が抗スループット形式で行われる、実施形態369~459のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0622】
実施形態461は、高スループット形式が少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む、実施形態460に記載の方法を含む。
【0623】
実施形態462は、高スループット形式が少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む、実施形態460に記載の方法を含む。
【0624】
実施形態463は、高スループット形式が少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む、実施形態460に記載の方法を含む。
【0625】
実施形態464は、高スループット形式が少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む、実施形態460に記載の方法を含む。
【0626】
実施形態465は、高スループット形式が、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む、実施形態460に記載の方法を含む。
【0627】
実施形態466は、細胞外分子が、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである、実施形態379~465のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0628】
実施形態467は、細胞外分子が、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、構造タンパク質、および膜タンパク質に結合したタンパク質またはリガンドから選択される、実施形態379~465のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0629】
実施形態468は、細胞試料または組織試料を特徴解析する方法であって、細胞試料または組織試料を、細胞試料または組織試料上で少なくとも1つの細胞外分子に結合するとともに超解像度顕微鏡法によって検出可能な造影剤と関連付けられる抗体と接触させる工程と、細胞試料または組織試料を抗体と接触させた後に超解像度顕微鏡法によって細胞試料または組織試料を画像化することで細胞試料または組織試料の細胞表面上の少なくとも1つの細胞外分子の画像を提供する工程と、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の画像に基づき細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程とを含む、方法を含む。
【0630】
実施形態469は、i)細胞試料または組織試料を、それぞれが造影剤と関連付けられる複数の抗体と接触させることによって、およびii)細胞試料または組織試料を複数の抗体のそれぞれと接触させた後に超解像度顕微鏡法により細胞試料または組織試料を画像化することによって、細胞試料または組織試料の多重化画像を提供する工程をさらに含み、かつ、多重化画像に基づき細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態468に記載の方法を含む。
【0631】
実施形態470は、撮像剤がフルオロフォアである、実施形態468または469に記載の方法を含む。
【0632】
実施形態471は、造影剤がフルオロフォアに直接または間接的に結合される、実施形態468~470のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0633】
実施形態472は、少なくとも1つの細胞外分子の二次元もしくは三次元座標、または画像中の造影剤の強度に基づき、1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態372~418のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0634】
実施形態473は、画像中の造影剤の強度に基づき1つまたは複数の細胞特性を特徴解析する工程をさらに含む、実施形態468~472のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0635】
実施形態474は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つのリガンドの投与後に評価される、実施形態468~473のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0636】
実施形態475は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも1つの治療薬または治療レジメンの投与後に評価される、実施形態468~474のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0637】
実施形態476は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子のクラスタ化を含む、実施形態468~475のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0638】
実施形態477は、クラスタ化された細胞外分子が、機能性であり、かつシグナル伝達、内在化、運動、および/または酵素活性に関与する、実施形態476に記載の方法を含む。
【0639】
実施形態478は、クラスタ化された細胞外分子が、非機能性であり、かつ凝集しているかまたは内在化もしくは脱落することができない、実施形態476に記載の方法を含む。
【0640】
実施形態479は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の単一の細胞外分子に関連する、実施形態468~478のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0641】
実施形態480は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の細胞外分子の対に関連する、実施形態468~478のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0642】
実施形態481は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の細胞外分子の三つ組、細胞外分子の四つ組、細胞外分子の五つ組、または他のより高次の細胞外分子クラスタに関連する、実施形態468~478のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0643】
実施形態482は、単一の細胞外分子、細胞外分子の対、細胞外分子の三つ組、細胞外分子の四つ組、細胞外分子の五つ組、または他のより高次の細胞外分子クラスタが、1つまたは複数の他のタンパク質を含む、実施形態479~481のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0644】
実施形態483は、細胞外分子の対、細胞外分子の三つ組、細胞外分子の四つ組、細胞外分子の五つ組、または他のより高次の細胞外分子クラスタが、それぞれ単一の細胞外分子または複数の細胞外分子で構成される、実施形態480~482のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0645】
実施形態484は、1つ以上の細胞特性が、複数の細胞外分子の1つまたは複数の細胞特性を含む、実施形態468~483のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0646】
実施形態485は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の存在を含む、実施形態468~484のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0647】
実施形態486は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の不在を含む、実施形態468~484のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0648】
実施形態487は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の豊富さを含む、実施形態468~486のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0649】
実施形態488は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の分布を含む、実施形態468~487のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0650】
実施形態489は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞試料または組織試料上の少なくとも1つの細胞外分子の密度を含む、実施形態468~488のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0651】
実施形態490は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子のオリゴマー状態を含む、実施形態468~489のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0652】
実施形態491は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子のヘテロマー状態を含む、実施形態468~490のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0653】
実施形態492は、1つまたは複数の細胞特性が、少なくとも1つの細胞外分子の1つまたは複数の最近傍物質を含む、実施形態468~491のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0654】
実施形態493は、1つまたは複数の最近傍物質が、タンパク質、細胞外受容体、抗原、炭水化物、および脂質から選択される、実施形態492に記載の方法を含む。
【0655】
実施形態494は、1つまたは複数の細胞特性が、単一の細胞外分子の別個の分子間の距離を含む、実施形態479~493のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0656】
実施形態495は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の対の細胞外分子間のペアワイズ距離を含む、実施形態480~494のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0657】
実施形態496は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の三つ組、細胞外分子の四つ組、細胞外分子の五つ組、または他のより多くの細胞外分子のクラスタの細胞外分子間のペアワイズ距離を含む、実施形態481~495のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0658】
実施形態497は、1つまたは複数の細胞特性が、少なくとも1つの細胞外分子の側方、前方、または前面の移動を含む、実施形態468~496のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0659】
実施形態498は、1つまたは複数の細胞特性が、同じ細胞上および/または異なる細胞間に1つまたは複数の細胞特性を含む、実施形態468~497のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0660】
実施形態499は、1つまたは複数の細胞特性が、少なくとも1つの細胞外分子と、別個の細胞上の1つまたは複数の細胞外タンパク質との細胞間相互作用を含む、実施形態468~498のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0661】
実施形態500は、1つまたは複数の細胞特性が、少なくとも1つの細胞外分子と、別個の細胞上の1つまたは複数の細胞外タンパク質との細胞間相互作用の不在を含む、実施形態468~498のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0662】
実施形態501は、細胞間相互作用が、別個の細胞上の2つ以上の細胞外タンパク質のオリゴマーまたはクラスタを含む、実施形態499または500に記載の方法を含む。
【0663】
実施形態502は、細胞内相互作用が、腫瘍細胞-腫瘍細胞相互作用、腫瘍細胞-腫瘍微小環境細胞相互作用、および腫瘍微小環境細胞-腫瘍微小環境細胞相互作用から選択される、実施形態499~501のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0664】
実施形態503は、腫瘍微小環境中の細胞が、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される、実施形態502に記載の方法を含む。
【0665】
実施形態504は、腫瘍微小環境中の細胞が、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、骨髄系細胞、線維芽細胞、および周皮細胞から選択される、実施形態503に記載の方法を含む。
【0666】
実施形態505は、1つまたは複数の細胞特性が、癌細胞または腫瘍微小環境中の細胞の存在を予測する、実施形態468~504のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0667】
実施形態506は、1つまたは複数の細胞特性が正常細胞の存在を予測する、実施形態468~504のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0668】
実施形態507は、1つまたは複数の細胞特性がシグナル伝達事象を示す、実施形態468~506のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0669】
実施形態508は、1つまたは複数の細胞特性が、分子シグネチャ、細胞シグネチャ、または組織試料シグネチャを定める、実施形態468~507のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0670】
実施形態509は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の画像を含む、実施形態468~508のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0671】
実施形態510は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の二次元または三次元座標を含む、実施形態468~509のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0672】
実施形態511は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の強度を含む、実施形態468~510のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0673】
実施形態512は、1つまたは複数の細胞特性が、少なくとも1つの細胞外分子の位置の分子フィンガープリント、分子シグネチャ、もしくはマップのすべてまたは一部を含む、実施形態468~511のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0674】
実施形態513は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞または組織上の細胞外分子の概略的または局所的表現のすべてまたは一部を含む、実施形態468~512のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0675】
実施形態514は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の近接性を含む、実施形態468~513のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0676】
実施形態515は、2つ以上の細胞外分子が同じ細胞外分子または異なる細胞外分子のものである、実施形態514に記載の方法を含む。
【0677】
実施形態516は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の相互作用を含む、実施形態468~515のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0678】
実施形態517は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の1つの距離または複数の距離を含む、実施形態468~516のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0679】
実施形態518は、1つまたは複数の細胞特性が、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子を含む、実施形態468~517のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0680】
実施形態519は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態518に記載の方法を含む。
【0681】
実施形態520は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートルの距離内にある、実施形態518に記載の方法を含む。
【0682】
実施形態521は、個々の細胞外分子または対となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離にある、実施形態518に記載の方法を含む。
【0683】
実施形態522は、1つまたは複数の細胞特性が、個々の細胞外分子、または対となるかもしくは三つ組となる細胞外分子を含む、実施形態468~521のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0684】
実施形態523は、個々の細胞外分子、または対となるかもしくは三つ組となる細胞外分子が、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態522に記載の方法を含む。
【0685】
実施形態524は、個々の細胞外分子、または対となるかもしくは三つ組となる細胞外分子が、互いに約1ナノメートル~約100ナノメートルの距離内にある、実施形態522に記載の方法を含む。
【0686】
実施形態525は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタを含む、実施形態468~524のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0687】
実施形態526は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、互いに隣接しているか、または接触している、実施形態525に記載の方法を含む。
【0688】
実施形態527は、細胞外分子の対、三つ組、四つ組、五つ組、またはより高次のクラスタが、同じまたは異なる分子を含む、実施形態525に記載の方法を含む。
【0689】
実施形態528は、1つまたは複数の細胞特性が2つ以上の細胞外分子間の幾何学的関係を含む、実施形態468~527のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0690】
実施形態529は、1つまたは複数の細胞特性が少なくとも1つの細胞外分子の移動を含む、実施形態468~528のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0691】
実施形態530は、移動が細胞外表面への内在化または移動である、実施形態529に記載の方法を含む。
【0692】
実施形態531は、少なくとも1つの細胞特性が少なくとも2つの細胞外分子の内在化を含む、実施形態468~530のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0693】
実施形態532は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子の二次元または三次元座標の変化を含む、実施形態468~531のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0694】
実施形態533は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化の変化を含む、実施形態468~532のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0695】
実施形態534は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子のクラスタ形成の変化を含む、実施形態468~533のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0696】
実施形態535は、1つまたは複数の細胞特性が細胞外分子のオリゴマー化状態を含む、実施形態468~534のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0697】
実施形態536は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子のクラスタ化状態を含む、実施形態468~535のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0698】
実施形態537は、1つまたは複数の細胞特性が、細胞外分子とともにクラスタ化を行うタンパク質の名称を含む、実施形態468~536のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0699】
実施形態538は、少なくとも1つの細胞外分子が、表1に列挙される細胞外分子である、実施形態468~537のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0700】
実施形態539は、疾患状態の細胞または非疾患状態の細胞を含む1つまたは複数の追加の細胞試料または組織試料に対して上記方法を繰り返す工程と、疾患状態の細胞および非疾患状態の細胞の細胞特性のデータベースを提供するために細胞試料または組織試料のそれぞれの1つまたは複数の細胞特性をデータベースに保存する工程とをさらに含む、実施形態468~538のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0701】
実施形態540は、抗体の結合に関する局所親和性(K)を、データベースに保存された細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性に相関させる工程と、Kとデータベース内の細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性との相関を保存する工程とをさらに含む、実施形態468~539のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0702】
実施形態541は、局在化されたKを単一の分子の追跡によって判定する工程をさらに含む、実施形態540に記載の方法を含む。
【0703】
実施形態542は、第2の細胞試料または組織試料に対する抗体の結合に関する局在化されたKを、細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性と第2の細胞試料または組織試料の1つまたは複数の細胞特性との類似性に基づき予測する工程をさらに含む、実施形態540または541に記載の方法を含む。
【0704】
実施形態543は、抗体が、一本鎖可変フラグメント(scFv)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体の可変ドメイン(VHH)、合成由来のVHH、マウスに作り出された単一ドメイン抗体、サメ抗体、抗原結合フラグメント(Fab)、モノクローナル抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体、ダイアボディ、およびscFv-Fcから選択される抗体を含む、実施形態468~542のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0705】
実施形態544は、抗体が二特異性抗体である、実施形態468~543のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0706】
実施形態545は、抗体が多特異性抗体である、実施形態468~543のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0707】
実施形態546は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHHドメインを含む、実施形態468~545のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0708】
実施形態547は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVLドメインを含む、実施形態468~546のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0709】
実施形態548は、抗体が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ以上のVHドメインを含む、実施形態468~547のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0710】
実施形態549は、抗体が免疫細胞エンゲージャである、実施形態468~548のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0711】
実施形態550は、抗体がエフェクタドメイン(例えば、CD3またはCD16A)を含む、実施形態468~548のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0712】
実施形態551は、抗体系治療が、CAR-T細胞、骨髄系細胞、NK細胞、または他の細胞系治療に対するものである、実施形態468~548のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0713】
実施形態552は、抗体がワクチン内にある、実施形態468~551のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0714】
実施形態553は、抗体が、翻訳された1つの核酸ストランドまたは複数の核酸ストランドである、実施形態468~552のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0715】
実施形態554は、抗体が一本鎖ポリペプチドを含む、実施形態468~553のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0716】
実施形態555は、抗体がホモ二量体を含む、実施形態468~554のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0717】
実施形態556は、抗体がヘテロ二量体を含む、実施形態468~555のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0718】
実施形態557は、超解像顕微鏡法が、誘導放出抑制(STED)顕微鏡法である、実施形態468~556のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0719】
実施形態558は、超解像顕微鏡法が、基底状態抑制(GSD)顕微鏡法である、実施形態468~556のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0720】
実施形態559は、超解像顕微鏡法が確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)顕微鏡法である、実施形態468~556のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0721】
実施形態560は、超解像顕微鏡法がMINFLUX顕微鏡法を含む、実施形態468~556のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0722】
実施形態561は、細胞試料または組織試料が固定細胞を含む、実施形態468~560のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0723】
実施形態562は、細胞試料または組織試料が生細胞を含む、実施形態468~560のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0724】
実施形態563は、細胞試料または組織試料が哺乳動物細胞を含む、実施形態468~562のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0725】
実施形態564は、細胞試料または組織試料を画像化する工程が、組織、マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバ上で細胞を画像化することを含む、実施形態468~563のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0726】
実施形態565は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、凍結組織を含む、実施形態564に記載の方法を含む。
【0727】
実施形態566は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、生組織を含む、実施形態564に記載の方法を含む。
【0728】
実施形態567は、組織マイクロアレイ、カバースリップ、フローセル、チップ、またはマイクロ流体チャンバが、固定組織を含む、実施形態565に記載の方法を含む。
【0729】
実施形態568は、画像化が、少なくとも約100ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0730】
実施形態569は、画像化が、少なくとも約50ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0731】
実施形態570は、画像化が、少なくとも約40ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0732】
実施形態571は、画像化が、少なくとも約30ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0733】
実施形態572は、画像化が、少なくとも約20ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0734】
実施形態573は、画像化が、少なくとも約10ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0735】
実施形態574は、画像化が、少なくとも約5ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0736】
実施形態575は、画像化が、少なくとも約2ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0737】
実施形態576は、画像化が、少なくとも約1ナノメートルの解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0738】
実施形態577は、画像化が単分子解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0739】
実施形態578は、画像化が単一フルオロフォア解像度で行われる、実施形態468~567のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0740】
実施形態579は、画像化が抗スループット形式で行われる、実施形態468~578のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0741】
実施形態580は、高スループット形式が少なくとも1つの96ウェルプレートの使用を含む、実施形態579に記載の方法を含む。
【0742】
実施形態581は、高スループット形式が少なくとも1つの192ウェルプレートの使用を含む、実施形態579に記載の方法を含む。
【0743】
実施形態582は、高スループット形式が少なくとも1つの384ウェルプレートの使用を含む、実施形態579に記載の方法を含む。
【0744】
実施形態583は、高スループット形式が少なくとも1つの1536ウェルプレートの使用を含む、実施形態579に記載の方法を含む。
【0745】
実施形態584は、高スループット形式が、スライド、カバースリップ、または、複数のチャネルを収容するフローセルの使用を含む、実施形態579に記載の方法を含む。
【0746】
実施形態585は、少なくとも1つの細胞外分子が、膜結合タンパク質、または膜に結合したリガンドである、実施形態468~584のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0747】
実施形態566は、少なくとも1つの細胞外分子が、タンパク質リガンド、糖、脂質、リガンド、細胞外受容体、膜結合タンパク質、可溶性タンパク質、および構造タンパク質から選択される、実施形態468~585のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0748】
実施形態587は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが1つまたは複数の適応症について癌細胞株上で一致するかを判定する工程をさらに含む、実施形態468~586のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0749】
実施形態588は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが1つまたは複数の適応症について癌細胞株に固有であるかを判定する工程をさらに含む、実施形態468~587のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0750】
実施形態589は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが非疾患状態の細胞上で一致するかを判定する工程をさらに含む、実施形態468~588のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0751】
実施形態590は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが癌細胞および非疾患状態の細胞上で相違するかを判定する工程をさらに含む、実施形態468~589のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0752】
実施形態591は、1つまたは複数の細胞特性のうちどれが臨床毒性を予測するかを判定する工程をさらに含む、実施形態468~590のいずれか1つに記載の方法を含む。
【0753】
実施形態592は、画像に基づき少なくとも1つの細胞外分子に対する抗体の結合様式を検出する工程をさらに含む、実施形態468~591のいずれか1つに記載の方法を含む。
【実施例
【0754】
実施例1:抗体配列
本開示の代表的なVHH抗体配列を、表2に列挙する。
【0755】
【表2】
【0756】
VHH抗体は、リンカー配列を介してKK114で蛍光標識した。KK114の励起波長は630~650ナノメートル、抑制波長(depletion wavelengths)は約750~800nmである。
【0757】
実施例2:蛍光標識抗体で染色された細胞のSTEDイメージング
抗体で染色された細胞を用いたSTEDイメージング実験を、Abberior STED器具(model STEDYCON)を用いて行った。STEDおよび共焦点イメージングでは、640ナノメートル(nm)の励起レーザを使用し、その減衰を0.9に設定した。STEDイメージングでは、775nmのレーザを誘導抑制に使用した。画像は、アバランシェフォトダイオード(APD)検出器、40mmのピンホールサイズ、675nmに設定した発光検出波長、および60倍率の対物レンズを用いたラインアキュムレーション(line accumulation)によって、画像をピクセルごとに16ビットで取得した。倒立顕微鏡上、Z軸を調整することにより、焦点面を接着細胞の溶媒側の膜と位置合わせした。細胞をコーススキャン共焦点イメージングによって同定し、関心領域として選択し、キューに入れた。各関心領域を共焦点モードおよびSTEDモードで画像化し、2つの画像を得た。
【0758】
図3は、標識された抗TROP2 VHH結合剤1(TROP2_1)で染色されたA549細胞のSTED画像を示す図であり、画像は34.68×17.04マイクロメートル(μm)(1734×852ピクセル)であり、解像度は20ナノメートル(nm)/ピクセルである。図4は、標識されたTROP2_1で染色されたA549細胞のSTED画像を示す図であり、画像は34.68×17.04μm(1734×852ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。660nmの発光、20%の出力に設定した640nmの励起レーザ、5%の出力に設定した775nmのSTED抑制レーザを用いて、画像を取得した。50例の取得を蓄積した。ピンホールは1.0AUに設定し、5マイクロ秒(μsec)の滞留時間を用いた。
【0759】
図5A図5Bは、標識されたTROP2_1(図5A)および標識された抗HER2 VHH結合剤3(HER2_3)(図5B)で染色されたSKBR3細胞を示す図であり、画像は34.60×43.06μm(1730×2153ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。ピンホールは1.0AUに設定し、滞留時間は5μsecとした。660nmの発光、20%の出力に設定した640nmの励起レーザ、5%の出力に設定した775nmのSTED抑制レーザを用いて、TROP2の画像を取得し、25例の取得を蓄積した。616nmの発光、20%の出力に設定した561nmの励起レーザ、5%の出力に設定した775nmのSTED抑制レーザを用いて、HER2の画像を取得し、25例の取得を蓄積した。
【0760】
図6A図6Bは、標識されたTROP2_1(図6A)および標識されたHER2_3(図6B)で染色されたMCF7細胞を示す図であり、画像は63.86×58.30μm(3193×2915ピクセル)であり、解像度は20nm/ピクセルである。ピンホールは1.0AUに設定し、滞留時間は5μsecとした。660nmの発光、20%の出力に設定した640nmの励起レーザ、5%の出力に設定した775nmのSTED抑制レーザを用いて、TROP2の画像を取得し、25例の取得を蓄積した。616nmの発光、20%の出力に設定した561nmの励起レーザ、10%の出力に設定した775nmのSTED抑制レーザを用いて、HER2の画像を取得し、25例の取得を蓄積した。
【0761】
実施例3:解像度を増加させるための例示的な混合実験
抗体(例えば、VHH)を、2つ別々のカップリング反応において赤色および橙色のフルオロフォア(例えば、K114およびAbberior STAR ORANGE)を用いて特定の標的に標識する。赤色および橙色の標識抗体を1:1の比で混合し、細胞/組織の染色に使用する。続いて細胞/組織を固定し、カバースリップを顕微鏡スライドに載せる。2つの色を使用して超解像顕微鏡法画像を記録、すなわち、赤色画像と橙色画像を生成して、画像を重ね合わせる。重ね合わせたSRM画像では、単量体は赤色または橙色で、相対強度が1であり、二量体は、強度2の赤色、強度2の橙色のいずれかであるか、またはそれぞれ強度1の赤色および橙色のシグナルを示す。観察された二量体の頻度は、赤色:橙色:赤色+橙色で1:1:2となる。三量体の色の分布は、次のとおりになる:4つの異なる色シグネチャで頻度分布が1:1:3:3である、赤色(強度3)|橙色(強度3)|赤色(強度2)+橙色(強度1)|赤色(強度1)+橙色(強度2)。四量体はより複雑となり得る。シグナル強度およびシグナルの分布に応じて、観察されたピークを単量体、二量体、四量体、またはそれより数が上の多量体のいずれかに適合させることができる。
【0762】
実施例4:正常細胞株および癌細胞株の特徴解析
正常細胞株と癌細胞株との差異および類似性を判定する。タンパク質構成、タンパク質間相互作用、分子複合体、および分子シグネチャが、モデル系(細胞株)に対する治療戦略(例えば、標的発見、薬物デザインなど)に直接変換されるかどうかを確認する。さらに、これらの特性が臨床毒性を予測できるかどうかを判定する。
【0763】
30個のVHHを、固定癌細胞株および正常細胞株上の癌タンパク質に多重化する。肺癌細胞、大腸癌細胞、乳癌細胞、および前立腺癌細胞を含む4つの異なる癌適応症を使用し、適応症ごとに8つの癌細胞株を使用する。正常な結腸組織、肺組織、乳房組織、および前立腺組織のほか、癌臨床試験において公知である抗体薬物に対する毒性部位(例えば、皮膚組織、眼組織、心臓組織、胃腸組織)を含め、可能な限り多くの正常細胞株を使用する。対照には、市販/開発段階の抗体、異なるタンパク質標的結合剤、非結合剤、染色濃度および手順、試料洗浄手順、固定剤の量および固定手順、ならびに多重化後の試料の完全性が含まれる。考慮事項には、ナノボディ選択、多重化におけるナノボディ干渉、およびオリゴマータンパク質状態が含まれる。
【0764】
実施例5:薬物デザインおよび主要な開発候補の選択(細胞)
その細胞コンテキストにおけるタンパク質構造を理解することで、薬物デザインおよび主要な開発候補選択が導かれ得る。異なる抗体フォーマットが癌細胞および正常細胞の表面上に異なる結合様式を有するかどうかを判定する。さらに、公知の薬物が、癌患者で毒性が観察される癌細胞および正常細胞上の同じ特性に結合するかどうかを判定する。特定の二特異性抗体フォーマットにより癌細胞と正常細胞を鑑別できるかどうかを判定する。
【0765】
異なる濃度の3つの抗体薬物、それらの対応する標的VHH、および主要な候補を、癌細胞株および正常細胞株上で滴定する。肺癌、大腸癌、乳癌、および前立腺癌を含む4つの異なる癌適応症を使用する。適応症ごとに8つの癌細胞株を使用する。正常な結腸組織、肺組織、乳房組織、および前立腺組織のほか、癌臨床試験において公知である抗体薬物に対する毒性部位(例えば、皮膚、眼、心臓、胃/大腸)を含め、可能な限り多くの正常細胞株を使用する。考慮事項には、抗体結合検出モードに対する抗体の飽和、および一部のタンパク質標的に対するリガンド結合の役割が含まれる。
【0766】
実施例6:症例研究-急性骨髄性白血病(AML)臨床試験におけるアビディティ/薬物選択性
AMV564は、一価のAMG330の二価で親和性成熟されたものである。両T細胞エンゲージャは、CD33、すなわち、白血病芽球、骨髄由来抑制細胞(MDSC)、および正常骨髄細胞(単球、マクロファージ、好中球)上で発現される骨髄細胞系列マーカを標的とする。CD33発現のレベルが様々であるHL60細胞およびKG1a細胞を潜在的に死滅させる能力に基づき、AMV564を臨床試験に選択した。AMV564前臨床プログラムにおける一部の主要な候補は、KG1a細胞に対する死滅活性が弱かった。AMG330ではなくAMV564が、AML臨床試験において白血病芽球およびMDSCに対して高度に選択的である。
【0767】
HL60およびKG1aの癌細胞株、ならびに正常骨髄細胞/細胞株を特徴解析する。異なる濃度のAMV564および関連抗体(すなわち、KG1a細胞に結合しない)、AMG330、CD33 VHH、および特定のCD33標的化抗体を、癌細胞株および正常細胞株上で滴定する。CD33標的がHL60、KG1a、MDSC上で提示されるか、正常骨髄細胞上で提示されるかにおける違いにより、AMV564およびAMG330の臨床における薬物選択性が予測されるかどうかを判定する。考慮事項には、重要な骨髄細胞型(例えば、好中球)へのアクセス、および臨床安全性データとの相関が含まれる。
【0768】
実施例7:正常組織および癌組織および/または播種性細胞の特徴解析
腫瘍生検、レーザ顕微解剖、または他の組織モデルからの組織試料または播種性細胞を使用することを除き、実施例4と同様の試験を行う。正常組織および癌組織および/または播種性細胞を特徴解析する。差異と類似性を判定する。タンパク質構成、タンパク質間相互作用、分子複合体、および分子シグネチャが、組織および/または播種性細胞に対する治療戦略(例えば、標的発見、薬物デザイン)に直接変換されるかどうかを確認する。さらに、これらの特性が臨床毒性を予測できるかどうかを判定する。考慮事項には、組織(すなわち、単細胞、単分子)のプロファイリング、組織不均質性、腫瘍微小環境の影響、過去の薬物処置、腫瘍微小環境中の細胞型の同定、分析ツール(位置、細胞型、隣接する細胞型、異なる細胞上で相互作用する分子を捕捉し、細胞膜の同定能を有する)、タンパク質へのリガンド結合の影響、ならびに細胞および組織データの比較を含む分析が含まれる。
【0769】
実施例8:薬物デザインおよび主要な開発候補の選択(組織試料または播種性細胞)
腫瘍生検、レーザ顕微解剖、または他の組織モデル試料からの組織試料または播種性細胞を使用することを除き、実施例5と同様の試験を行う。異なる抗体フォーマットが癌組織および正常組織または播種性細胞の表面上に異なる結合様式を有するかどうかを判定する。さらに、公知の薬物が、癌患者で毒性が観察される正常細胞または播種性細胞の同じ特性に結合するかどうかを判定する。特定の二特異性抗体フォーマットにより癌組織と正常組織または播種性細胞を鑑別できるかどうかを判定する。考慮事項には、組織不均質性、腫瘍微小環境の影響、過去の薬物処置、腫瘍微小環境中の細胞型の同定、分析ツール(位置、細胞型、隣接する細胞型、異なる細胞上で相互作用する分子を捕捉し、細胞膜の同定能を有する)、タンパク質へのリガンド結合の影響、ならびに細胞および組織データの比較を含む分析が含まれる。
【0770】
実施例4~8と同様の追加の試験では、生細胞または生組織を組み込んでもよい。さらに、追加の調査は、内在化および細胞表面運動を含む単一分子追跡のほか、細胞株または組織試料におけるリガンドとの結合の試験を含み得る。
【0771】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されているが、そのような実施形態は単なる例として提供されることが当業者には明白であろう。本発明は、本明細書中で提供される具体例によって限定されることは意図されていない。本発明は前述の明細書を参照しつつ説明されているが、本明細書中の実施形態の説明および例示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換が当業者に想到されるであろう。さらに、本発明のすべての態様は、種々の条件および変数に依拠する、本明細書に明記される特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことを理解されたい。本発明の実施において、本明細書に記載の本発明の実施形態に対する種々の代案が採用され得ることを理解されたい。そのため、本発明は、そのような代替物、改変例、変形例、または等価物も包含するものとすることが企図される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これら特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの等価物が特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
【配列表】
2024543051000001.xml
【国際調査報告】