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特表2024-543060ジェリーロール型の電極組立体のタブのフォーミング装置、及びこれを用いたフォーミング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ジェリーロール型の電極組立体のタブのフォーミング装置、及びこれを用いたフォーミング方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20241112BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20241112BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20241112BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20241112BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/538
H01M10/04 W
H01M10/0587
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527411
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2022017692
(87)【国際公開番号】W WO2023085828
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0155211
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0033336
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スノ・イ
(72)【発明者】
【氏名】キュヒュン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジンハク・コン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ジュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ウォン・イム
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA10
5H028BB04
5H028BB07
5H028BB17
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC08
5H028EE01
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL11
5H029AL12
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029CJ03
5H029CJ30
5H029DJ05
5H029EJ01
5H029HJ00
5H029HJ03
5H029HJ12
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043EA07
5H043EA38
5H043EA60
5H043HA02E
5H043HA05E
5H043HA36E
5H043HA39E
5H043JA06E
5H043KA06E
5H043LA03E
5H043LA21E
5H043LA23E
5H043LA33E
(57)【要約】
本発明は、ジェリーロール型の電極組立体の軸方向端部に露出している電極タブの部分を半径方向に折り曲げるためのフォーミング装置、及びそのフォーミング方法に関する。前記フォーミング装置は、前記電極タブを折り曲げるフォーミングジグと、折り曲げられた電極タブをさらに平坦化する平坦化ジグと、を含んでいてもよい。前記フォーミングジグは、プレフォーミングの周面と曲げ誘導面とを含む。前記プレフォーミングの周面は、前記基端部から加圧方向に延在した先端部に行くほど、内径が拡大する形を有する。前記曲げ誘導面は、前記プレフォーミングの周面の基端部に連結されて、半径方向の内側に延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、分離膜及び第2電極を積層して、中心軸(Y)の周りに巻き取ったジェリーロール型の電極組立体(10)の第1電極が、分離膜よりもさらに軸方向端部に延在して露出した電極タブ(11)を半径方向に折り曲げて平坦化するフォーミング装置であって、
前記フォーミング装置は、前記電極タブ(11)を折り曲げるフォーミングジグ(30)を含み、
前記フォーミングジグ(30)は、
基端部から加圧方向(D)に延在した先端部に行くほど、内径が拡大する形状を有するプレフォーミングの周面(31)と、
前記プレフォーミングの前記周面(31)の基端部から半径方向の内側に延在する曲げ誘導面(35)であって、半径方向の内側に行くほど、前記加圧方向(D)の反対方向に傾いた形状を有する曲げ誘導面35と、
を含み、
前記プレフォーミングの前記周面(31)の先端部の内径(E)は、前記電極タブ(11)の最外殻半径(q)より大きく、
前記プレフォーミングの前記周面(31)の基端部の内径(C)は、前記電極タブ(11)の前記最外殻半径(q)より小さい、
フォーミング装置。
【請求項2】
前記プレフォーミングの前記周面(31)が前記加圧方向(D)に対してなすテーパ角(B)は、10度以上且つ30度以下である、
請求項1に記載のフォーミング装置。
【請求項3】
前記テーパ角(B)は、18度以上且つ22度以下である、
請求項2に記載のフォーミング装置。
【請求項4】
前記曲げ誘導面(35)が、前記電極組立体(10)の前記中心軸(Y)に垂直な平面に対してなす傾斜角(A)は、5度以上且つ20度以下である、
請求項1に記載のフォーミング装置。
【請求項5】
前記傾斜角(A)は、8度以上且つ13度以下である、
請求項4に記載のフォーミング装置。
【請求項6】
前記先端部の前記内径(E)は、前記電極組立体10の半径よりも1.5mm~0.5mm小さい、
請求項1に記載のフォーミング装置。
【請求項7】
前記プレフォーミングの前記周面(31)と前記曲げ誘導面(35)との間には、先端部のガイド面(33)が設けられており、
前記先端部のガイド面(33)は、所定の曲率半径(R)を備える曲面状である、
請求項1~6のいずれか一項に記載のフォーミング装置。
【請求項8】
前記曲率半径(R)は、1mm以上且つ3mm以下である、
請求項7に記載のフォーミング装置。
【請求項9】
前記曲げ誘導面(35)の半径方向の内側端部には、平坦面(37)が設けられている、
請求項1に記載のフォーミング装置。
【請求項10】
前記フォーミングジグ(30)の前記プレフォーミングの前記周面(31)と前記曲げ誘導面(35)は、スチール材質を含む、
請求項1に記載のフォーミング装置。
【請求項11】
前記加圧方向(D)に面する平坦な加圧面(53)を含む平坦化ジグ(50)を更に含む、
請求項1に記載のフォーミング装置。
【請求項12】
請求項11のフォーミング装置を用いた前記電極組立体(10)の前記電極タブ(11)のフォーミング方法であって、
前記中心軸(Y)と平行な前記加圧方向(D)において前記フォーミングジグ(30)を相対的に移動させて、前記電極組立体(10)の前記電極タブ(11)を半径方向の内側に折り曲げる段階と、
前記中心軸(Y)と平行な前記加圧方向(D)において前記平坦化ジグ(50)を相対的に移動させて、前記電極組立体(10)の折り曲げられた電極タブ(11)を加圧して平坦化する段階と、
を含む、
フォーミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年11月11日付け韓国特許出願第10-2021-0155211号並びに2022年3月17日付け韓国特許出願第10-2022-0033336号に基づく優先権の利益を主張し、同韓国特許出願の文献に開示のすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ジェリーロール型の電極組立体のタブのフォーミング装置、及びこれを用いたフォーミング方法に関し、より詳細は、電極組立体の軸方向端部に露出している電極タブの部分を半径方向に折り曲げるためのフォーミング装置、及びそのフォーミング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、バッテリパックの高エネルギー密度の具現かつ製造コストの節減のため、二次電池(バッテリセル)のサイズを大きくする方向への開発が行われている。
【0004】
従来の円筒型の二次電池は、ジェリーロールと外部端子とを繋ぐタブをジェリーロールのホイルに溶接して連結する構造を有することが一般的であった。しかし、こうした構造の円筒型の二次電池は、電流の経路(path)が限定的であり、ジェリーロール自体の抵抗が非常に高くなるしかなかった。また、ジェリーロールと外部端子とを繋ぐタブの個数を増やして、抵抗を下げる方式を試みたが、このように、タブの個数を増やすだけでは、所望の水準に抵抗を下げて、電流の経路(path)を十分確保するのに限界があった。
【0005】
このように、二次電池に印加する電流が増加するにつれて、前記抵抗を下げるために、ジェリーロールの軸方向端部に露出する無地部を半径方向に折り曲げて扁平にした状態で、集電板によって溶接などの方式で連結し、前記集電板を外部端子と連結する新しいジェリーロール構造の開発が行われている。
【0006】
こうした構造の電極組立体を生産するためには、電極組立体の軸方向の両端に無地部を露出させて、これを半径方向に折り曲げる加工工程が必要である。これらの折り曲げ工程は、通常、フォーミングジグを用いて行われる。
【0007】
従来は、アイリスシャッター方式のジグを用いて、軸方向に真っ直ぐ延在している無地部の端部を半径方向に傾くように集める1次加工を行い、次いで、電極組立体の軸に対応する回転軸を基準に回転するジグを用いて、半径方向に傾いている無地部をもう少し集めて押さえる2次加工を行い、最後に、平坦なジグを用いて、傾いている電極を最大限に平坦に押さえる3次加工を行った。
【0008】
ここで、無地部の端部を半径方向に傾くように集める1次加工を行うことなく、前記2次加工を行うと、無地部が崩れる座屈現象を避けることができなかった。このため、先に無地部の端部を半径方向に集める1次加工が必須であった。
【0009】
また、2次加工を行うことに際しても、ジグを回転させない、かつ、無地部を押さえると、ジグと無地部の端部との摩擦力によって依然として無地部が崩れる座屈現象が発生していた。このため、2次加工を行うことに際しても、ジグを回転させつつ無地部を押さえる過程が必須であった。
【0010】
このように、従来のジェリーロール型の電極組立体の無地部の折り曲げフォーミング加工工程は、段階が多大であり、各段階で要求される設備も複雑な構造を有する必要があった。
【0011】
こうした多段階の加工工程と複雑な工程設備は、加工サイクルを減らして、設備の大きさを減らすのに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した問題点を考慮して案出したものであって、ジェリーロール型の電極組立体の軸方向端部に露出した無地部を半径方向に折り曲げて平坦化する加工段階の数を減らすことができ、各加工段階の加工方法を単純化することができるタブのフォーミング装置、及びこれを用いたフォーミング方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、ジグの回転動作がなくても、タブのフォーミングを容易に行えるフォーミングジグの形を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、無地部の端部を半径方向に集めるとともに押さえる加工を、1つのフォーミングジグで具現できるジグの形を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、1つのフォーミングジグでもタブの座屈現象なしにタブの曲げ加工を相当な水準まで行い、加工段階を減らしたタブのフォーミング装置、及びこれを用いたフォーミング方法を提供することを目的とする。
【0016】
本発明の技術的課題は、以上に言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施例によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが容易に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決するために本発明のタブのフォーミング装置は、所定の幅を有し、巻き取り方向に長く延在した形状を有する第1電極、分離膜及び第2電極を、第1電極、分離膜、第2電極及び分離膜の順に積層した後、中心軸の周りに巻き取ったジェリーロール型の電極組立体に用いることができる。
【0018】
前記電極組立体は、第1電極が分離膜よりもさらに軸方向端部に延在して露出した電極タブを備えることができる。
【0019】
前記電極タブは、電極組立体のコアから外周側にらせん(spiral)状に配置されていてもよい。
【0020】
前記電極タブは、巻き取り方向に沿って間隔を空けて切欠きが行われた切欠きタブの形であるか、切欠きが行われていない連続的な形であってもよい。
【0021】
前記電極タブは、コアから外周側に行くほど、軸方向に突出した高さが漸進的にまたは段階的に増加した形であってもよい。
【0022】
前記電極タブは、コアから所定の位置までは存在しないか、折り曲げられないように短く突出した形に存在し、当該位置から外周まで存在する形であってもよい。
【0023】
前記電極タブは、電極組立体の最後の1回ターンには存在しなくてもよい。
【0024】
前記タブのフォーミング装置は、前記電極タブを半径方向に折り曲げて平坦化するために用いることができる。
【0025】
前記タブのフォーミング装置によって前記電極タブを折り曲げかつ平坦化すると、電極組立体の軸方向端部における前記電極タブは、軸方向に複数個の層に重なる形に加工することができる。
【0026】
このように平坦化した電極タブ上には、集電板が溶接などの方式で電気的に連結することができる。
【0027】
前記フォーミング装置は、前記電極タブを折り曲げるフォーミングジグと、折り曲げられた電極タブをさらに平坦化する平坦化ジグと、を含んでいてもよい。
【0028】
前記フォーミングジグと平坦化ジグは、スチール材質を含んでいてもよい。少なくとも前記フォーミングジグと平坦化ジグは、前記電極タブと接する面がスチール材質を含んでいてもよい。
【0029】
前記フォーミングジグは、プレフォーミングの周面と曲げ誘導面とを含む。
【0030】
前記プレフォーミングの周面は、前記基端部から先端部に行くほど、内径が拡大する形状を有する。先端部は、基端部よりもさらに加圧方向側に位置する。
【0031】
前記プレフォーミングの周面の先端部の内径は、前記電極タブの最外殻半径より大きく、前記プレフォーミングの周面の基端部の内径は、前記電極タブの最外殻半径より小さい。
【0032】
前記基端部の内径は、前記電極組立体の半径よりも1.5mm~0.5mm小さくてもよい。前記基端部の内径は、前記電極組立体の半径よりも約1.0mm位さらに小さくてもよい。
【0033】
前記プレフォーミングの周面が加圧方向に対してなすテーパ角は、10度以上且つ30度以下であってもよい。より具体的には、前記テーパ角は、18度以上且つ22度以下であってもよい。前記テーパ角は、約19度位であってもよい。
【0034】
前記曲げ誘導面は、前記プレフォーミングの周面の基端部に連結されて、半径方向の内側に延在する。
【0035】
前記曲げ誘導面は、半径方向の内側に行くほど、加圧方向の反対方向に傾いた形状を有する。
【0036】
前記曲げ誘導面が前記電極組立体の中心軸に垂直な平面に対してなす傾斜角は、5度以上且つ20度以下であってもよい。より具体的には、前記傾斜角は、8度以上且つ13度以下であってもよい。前記傾斜角は、約10度位であってもよい。
【0037】
前記プレフォーミングの周面と曲げ誘導面との間には、先端部のガイド面を設けることができる。
【0038】
前記先端部のガイド面は、所定の曲率半径を備える曲面状であってもよい。
【0039】
前記曲率半径は、1mm以上且つ3mm以下であってもよい。より具体的には、前記曲率半径は、約2mm位であってもよい。
【0040】
前記曲げ誘導面の半径方向の内側端部には、平坦面を設けることができる。
【0041】
前記フォーミングジグのプレフォーミングの周面と曲げ誘導面は、スチール材質を含んでいてもよい。
【0042】
前記フォーミングジグの先端部のガイド面と平坦面もスチール材質を含んでいてもよい。
【0043】
前記平坦化ジグは、加圧方向に面する平坦な加圧面を含んでいてもよい。
【0044】
本発明は、また、前記フォーミング装置を用いた電極組立体の電極タブのフォーミング方法を提供する。
【0045】
前記電極タブのフォーミング方法は、先にフォーミングジグを適用する段階と、その次に、平坦化ジグを適用する段階との2つの段階からなってもよい。
【0046】
第1段階は、中心軸に平行な加圧方向において前記フォーミングジグを相対的に移動させて、前記電極組立体の電極タブを半径方向の内側に折り曲げる段階であってもよい。
【0047】
第2段階は、中心軸に平行な加圧方向において前記平坦化ジグを相対的に移動させて、前記電極組立体の折り曲げた電極タブを加圧して平坦化する段階であってもよい。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、ジェリーロール型の電極組立体の電極タブを半径方向に折り曲げ且つ平坦化する加工工程を2つの段階に単純化することができる。
【0049】
本発明によれば、加工工程の単純化により、加工設備を小型化及び単純化することができ、加工サイクルを減らして、生産性を向上させることができる。
【0050】
本発明によれば、電極タブの加工過程で、電極タブの座屈が起こる現象を防止して、不良率を大きく下げることができる。
【0051】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】無地部と有地部とを備える第1電極の第1実施例の平面図である。
図2】ジェリーロール型の電極組立体に巻き取るため電極と分離膜の積層状態を示した側面図である。
図3】ジェリーロール型の電極組立体の軸方向の両端部に露出した電極部位を電極タブとし、これを半径方向に折り曲げて、集電板を積層する過程を示した正面図である。
図4】無地部と有地部とを備える第1電極の第2実施例の平面図である。
図5図4の電極を適用したジェリーロール型の電極組立体を示した正面図である。
図6】電極組立体及び前記電極組立体の軸方向端部に設けられた電極タブを折り曲げるためフォーミング装置のフォーミングジグを示した図である。
図7図6のフォーミングジグの平面図である。
図8図6のフォーミングジグを断面に示した図である。
図9図8のフォーミングジグで電極組立体を加圧して、プレフォーミングの周面に電極タブが接触して、折り曲げし始める状態を示した図である。
図10図9における加工をさらに行い、電極タブの折り曲げが先端部のガイド面によってさらに行われ、電極タブが先端部のガイド面に接し始める状態を示した図である。
図11】あらゆる巻回ターンの電極タブが先端部のガイド面によって加圧されて、半径方向の内側に折り曲げられた状態を示した図である。
図12】フォーミングジグを用いた折り曲げ工程が行われた電極組立体の電極タブに、フォーミング装置の平坦化ジグを用いるための状態を示した図である。
図13図12の平坦化ジグを用いて折り曲げられた電極タブを平坦化する加工過程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたって、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施例を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0054】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を示すために使われるものの、これら構成要素は、これら用語によって制限されないことは勿論である。これら用語は、単に一構成要素を他の構成要素と区別するために使うものであり、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0055】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0056】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0057】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、或いは接続されてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解しなければならない。
【0058】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上白らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載した複数の構成要素、或いは複数のステップを必ずしも全て含むものであると解釈されてはならず、そのうち、一部の構成要素又は一部のステップは含まれなくてもよく、或いはさらなる構成要素又はステップを更に含んでいてもよいと解釈しなければならない。
【0059】
全明細書における「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上且つD以下であることを意味する。
【0060】
説明の便宜上、本明細書におけるジェリーロール状に巻き取られる電極組立体の巻取軸の長さ方向に沿う方向を軸方向(Y)と称する。そして、前記巻取軸を囲む方向を円周方向または周方向(X)と称する。すると、円周方向と周方向は、巻き取り方向に対応すると言える。そして、前記巻取軸に近くなるか巻取軸から遠くなる方向を半径方向または放射方向(Z)と称する。これらのうち特に、巻取軸に近くなる方向を求心方向、巻取軸から遠くなる方向を遠心方向と称する。
【0061】
以下では、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0062】
[電極組立体]
以下では、図1図5を参照して、本発明によるフォーミング装置が用いられる電極組立体の実施例を説明する。但し、本発明のフォーミング装置は、必ずしも以下で説明する構造の電極組立体のみに適用すべきものではない。
【0063】
本発明のフォーミング装置が適用される電極組立体10は、幅方向(Y)に所定の幅を有し、長さ方向(X)に長く延在したシート状の第1電極15と分離膜16と第2電極17を、第1電極15、分離膜16、第2電極17及び分離膜16の順に少なくとも1回積層し、巻取軸(Y)を中心に巻き取って形成される。
【0064】
前記第1電極15及び/または第2電極17は、金属ホイルに活物質がコートされた形に製作される。前記第1電極15及び/または第2電極17は、金属ホイルに活物質がコートされた有地部領域と、活物質がコートされておらず、金属ホイルの表面が露出する無地部領域とを含む。第1電極15の幅方向(Y)、つまり軸方向(Y)の一側端部には、活物質がコートされていない無地部領域である、第1電極タブ11領域が存在する。そして(または)、第2電極17の幅方向(Y)、つまり軸方向(Y)の他側端部には、活物質がコートされていない無地部領域である、第2電極タブ12領域が存在する。前記電極タブは、電極組立体10が収容される電池缶(不図示)に備えられる電極端子と集電板を介して電気的に連結することができる。
【0065】
ジェリーロール状に電極組立体10を巻き取るために前記第1電極15、分離膜16、第2電極17及び分離膜16を積層するにあたっては、前記第1電極タブ11と第2電極タブ12とがそれぞれ分離膜16の幅方向(Y)、つまり軸方向(Y)の一側端部と他側端部にそれぞれさらに露出(突出)するように積層する。そして、このように積層して形成された積層体を、Y軸を中心にX軸方向に巻き取らせることによって電極組立体10を製造することができる。
【0066】
本発明に適用される電極組立体10は、ジェリーロール型であってもよい。この場合、前記電極組立体10の外周面上には、電池缶との絶縁のためさらなる分離膜を備えることもできる。
【0067】
前記第1電極15は、第1電極集電体(金属ホイル)と、第1電極集電体の一面または両面上に塗布された第1電極活物質151とを含む。前記第1電極集電体の幅方向(Y)の一側端部には、第1電極活物質が塗布されていない無地部が存在する。前記無地部は、第1電極タブ11としての働きをする。前記第1電極タブ11は、電極組立体10の高さ方向(Y)の上部に備えられる。
【0068】
前記第2電極は、第2電極集電体(金属ホイル)と、第2電極集電体の一面または両面上に塗布された第2電極活物質とを含む。前記第2電極集電体の幅方向(Y)の他側端部には、第2電極活物質が塗布されていない無地部が存在する。前記無地部は、第2電極タブ12としての働きをする。前記第2電極タブ12は、電極組立体10の高さ方向の下部に備えられる。
【0069】
前記第1電極タブ11と前記第2電極タブ12は、例えば、正極タブと負極タブ、またはその逆であってもよい。
【0070】
本発明において、正極板にコートされる正極活物質と、負極板にコートされる負極活物質は、当業界における公知の活物質であれば制限なく用いることができる。
【0071】
一例では、正極活物質は、一般化学式A[A]O2+z(Aは、Li、Na及びKのうち少なくとも1つ以上の元素を含み;Mは、Ni、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru及びCrから選択された少なくとも1つ以上の元素を含み;0≦x、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;x、y、z及びMに含まれた成分の化学量論係数は、化合物が電気的中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含んでいてもよい。
【0072】
他の例では、正極活物質は、US6,677,082、US6,680,143等に開示のアルカリ金属化合物xLiM-(1-x)Li(Mは、平均酸化状態の3を有する少なくとも1つ以上の元素を含み;Mは、平均酸化状態の4を有する少なくとも1つ以上の元素を含み;0≦x≦1)であってもよい。
【0073】
さらに他の例では、正極活物質は、一般化学式Li Fe1-x 1-y 4-z(Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも1つ以上の元素を含み;Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V及びSから選択された少なくとも1つ以上の元素を含み;Mは、Fを選択的に含むハロゲン族元素を含み;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;a、x、y、z、M、M及びMに含まれた成分の化学量論係数は、化合物が電気的中性を維持するように選択される)、または、Li(PO[Mは、Ti、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも1つの元素を含み]で表されるリチウム金属フォスフェートであってもよい。
【0074】
好ましくは、正極活物質は、1次粒子及び/または1次粒子が凝集した2次粒子を含んでいてもよい。
【0075】
一例では、負極活物質は、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、錫または錫化合物などを用いることができる。電位が2V未満のTiO、SnOといった金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材では、低結晶炭素、高結晶性炭素などをいずれも用いることができる。
【0076】
分離膜は、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのような、ポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを単独またはこれらを積層して用いることができる。他の例示では、分離膜は、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス纎維、ポリエチレンテレフタレート纎維などからなる不織布を用いることができる。
【0077】
分離膜の少なくとも一方の表面には、無機物粒子のコーティング層を含んでいてもよい。また、分離膜自体が無機物粒子のコーティング層からなることも可能である。コーティング層を構成する粒子は、隣接した粒子間の間にインタースティシャルボリューム(interstitial volume)が存在するように、バインダーと結合した構造を有していてもよい。
【0078】
無機物粒子は、誘電率が5以上の無機物からなってもよい。非制限的な例示として、前記無機物粒子は、Pb(Zr,Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)OPbTiO(PMN-PT)、BaTiO、hafnia(HfO)、SrTiO、TiO、Al、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO及びYからなる群から選択された少なくとも1つ以上の物質を含んでいてもよい。
【0079】
前記第1電極タブ11と第2電極タブ12には、それぞれ集電板21,22が電気的に連結することができる。第1電極タブ11と第2電極タブ12は、図3に示したように、半径方向に折り曲げられた状態で、第1集電板21及び第2集電板22とそれぞれ溶接などの方式で結合されていてもよい。
【0080】
本発明のフォーミング装置は、前記第1電極タブ11と第2電極タブ12を半径方向に折り曲げるための加工装置である。
【0081】
前記フォーミング装置を適用することができる第1電極タブ11と第2電極タブ12の形は、前述した構造に限定されない。図1に示した第1電極タブ11は、巻き取り方向(長さ方向)(X)に第1電極タブ11が連続的に延在した形を有する。しかし、前記第1電極タブ11は、巻き取り方向(長さ方向)(X)に不連続的な形を有していてもよい。
【0082】
図4を参照すると、前記第1電極15に設けられた第1電極タブ11は、長さ方向に沿って所定の間隔を空けて、軸方向(高さ方向)(Y)に切り取られた形であってもよい。こうした切り取りラインによって前記第1電極タブ11は、複数個の切欠きタブ111が長さ方向に沿って配列された形を有していてもよい。
【0083】
前記切り取りラインによって形成される切欠きタブ111の形状は、図示のように、等辺台形や長方形であってもよく、ほかにも、半円形、半楕円形など、様々な異なる形状を有していてもよい。そして、この種々の形状の切欠きタブ111が共に使用されてもよく、切欠きタブ111の幅と高さ、切欠きタブ111の間の間隔なども一定であるだけでなく、所定の規則下で変化し得る。
【0084】
また、図4及び図5に示したように、切欠きタブ111は、コア付近の所定の区間(B1)では省略することもでき、切欠きタブ111が設けられた区間(B2)内において、切欠きタブ111は、コアから外周側に行くほど、軸方向に突出した高さが漸進的にまたは段階的に増加した形を有していてもよい。前記切欠きタブ111は、最後の1回のターン区間(B3)では、加工の便宜性などのため削除することもできる。
【0085】
上述したように、電極タブ11を切欠きタブ111の形に形成すると、電極タブ11を半径方向に折り曲げるとき、前記切欠きタブ111の下端部が折り曲げられていてもよい。
【0086】
参考までに、上記図4の場合、無地部と有地部との境界部に絶縁コーティング19がさらに行われた形が例示される。これは、電極タブ11の下端部の強度を補強して、電極タブ11の折り曲げ加工過程で、切欠きタブ111の下端部の折り曲げを導き、折り曲げられた電極タブ11が他の極性の電極17と接触して短絡が生じる現象を防止する。
【0087】
前記電極組立体10が収容される電池缶を含む円筒型のバッテリセルは、例えば、フォームファクタの比(円筒型のバッテリセルの直径を高さで除した値、つまり高さ(H)に対する直径(Φ)の比と定義される)が約0.4より大きい円筒型のバッテリセルであってもよい。
【0088】
ここで、フォームファクタの比とは、円筒型のバッテリセルの直径及び高さを示す値を意味する。本発明の一実施例による円筒型のバッテリセルは、例えば、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セルであってもよい。フォームファクタを示す数値において、前の2個の数字は、セルの直径を示し、その次の2個の数字は、セルの高さを示し、最後の数字0は、セルの断面が円形であることを示す。
【0089】
本発明の一実施例によるバッテリセルは、略円柱型のセルであって、その直径が約46mmであり、その高さは、約110mmであり、フォームファクタの比は、0.418である、円筒型のバッテリセルであってもよい。
【0090】
他の実施例によるバッテリセルは、略円柱型のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは、約75mmであり、フォームファクタの比は、0.640である、円筒型のバッテリセルであってもよい。
【0091】
さらに他の実施例によるバッテリセルは、略円柱型のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは、約110mmであり、フォームファクタの比は、0.418である、円筒型のバッテリセルであってもよい。
【0092】
さらに他の実施例によるバッテリセルは、略円柱型のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは、約80mmであり、フォームファクタの比は、0.600である、円筒型のバッテリセルであってもよい。
【0093】
さらに他の実施例によるバッテリセルは、略円柱型のセルであって、その直径が約46mmであり、その高さは、約80mmであり、フォームファクタの比は、0.575である、円筒型のバッテリセルであってもよい。
【0094】
従来は、フォームファクタの比が約0.4 以下のバッテリセルが用いられていた。すなわち、従来は、例えば、18650セル、21700セルなどを用いていた。18650セルの場合、その直径が約18mmであり、その高さは、約65mmであり、フォームファクタの比は、0.277である。21700セルの場合、その直径が約21mmであり、その高さは、約70mmであり、フォームファクタの比は、0.300である。
【0095】
[フォーミング装置]
以下では、図6図13を参照して、本発明によるフォーミング装置の実施例を説明する。
【0096】
前記フォーミング装置は、前記電極組立体の軸方向端部にある電極タブを半径方向に折り曲げるフォーミングジグ30(図6図11参照)と、折り曲げられた電極タブをさらに平坦化する平坦化ジグ50(図12及び図13参照)と、を含んでいてもよい。フォーミングジグ30と平坦化ジグ50は、スチール材質で製作することができる。
【0097】
フォーミングジグ30は、軸方向に真っ直ぐ延在しており、らせん状に配置されている電極タブ11を座屈現象なしに半径方向の内側に折り曲げるために使用される。そして、前記平坦化ジグ50は、一応、折り曲げられた電極タブ11を軸方向に垂直な平面に平坦化するために使用される。
【0098】
前記フォーミングジグ30は、前記電極タブ11と接触する所定の溝乃至コップ状の内面を備える。前記フォーミングジグ30は、コップの底中央に相当する平坦面37と、前記平坦面37の半径方向の外側周における所定の傾斜角(A)を有して、遠心方向に延在する曲げ誘導面35と、前記曲げ誘導面35の半径方向の外側周に設けられた先端部のガイド面33と、前記先端部のガイド面33の半径方向の外側周に連結されて、コップの側壁をなすプレフォーミングの周面31と、を含む。
【0099】
前記フォーミングジグ30をひっくり返したコップと比較すると、前記平坦面37と曲げ誘導面35は、コップの底部分に相当し、前記プレフォーミングの周面31は、コップの側面に相当し、前記先端部のガイド面33は、前記コップの底と側面との連結部位乃至コーナ部位に相当すると言える。
【0100】
フォーミングジグ30における電極タブ11を加工する部位は、前記電極タブ11と接触する前記フォーミングジグ30の内面である。よって、前記フォーミングジグ30の外観の形状は、図示とは異なるものであってもよい。
【0101】
前記プレフォーミングの周面31は、前記先端部のガイド面33と連結される基端部から加圧方向に延在する。前記プレフォーミングの周面31の延在方向の末端は、先端部をなす。前記プレフォーミングの周面31は、基端部から先端部に行くほど、内径が拡大する形を有する。
【0102】
前記プレフォーミングの周面31の先端部の内径(E)は、らせん状に配置された前記電極タブ11の最外殻半径(q)より大きく、前記プレフォーミングの周面31の基端部の内径(C)は、前記電極タブ11の最外殻半径(q)より小さい。
【0103】
前記フォーミングジグ30の中心は、前記電極組立体10の中心軸(Y)と整列した状態で、前記電極組立体10の第1電極タブ11に近付くことができる。前記第1電極タブ11は、前記電極組立体10の軸方向の一側端部における軸方向にさらに延在して、らせん状に配置されていてもよい。したがって、らせん状に配置された前記第1電極タブ11の外周側の最後のターンに配置された部分は、図9に示したように、フォーミングジグ30と最も先に接することができ、前記フォーミングジグ30のプレフォーミングの周面31に最も先に接することができる。
【0104】
前記プレフォーミングの周面31が加圧方向(D)に対してなすテーパ角(B)は、10度以上且つ30度以下であってもよい。前記テーパ角(B)が10度未満になると、プレフォーミングの周面31は、電極タブ11が半径方向の内側に自然に曲がるように導くことができなかった状態で、電極タブ11の先端部(最上端)が曲げ誘導面35に接して、電極タブ11が座屈する現象が発生する。また、前記テーパ角(B)が30度を超えると、プレフォーミングの周面31は、電極タブ11が半径方向の内側に自然に曲がるようにすることができず、電極タブ11を加圧方向(D)に押さえてしまう作用が起こり始めて、電極タブ11が座屈する現象が発生する。
【0105】
より具体的には、前記テーパ角(B)は、18度以上且つ22度以下であってもよい。前記テーパ角(B)が10度以上18度未満であると、プレフォーミングの周面31は、電極タブ11が半径方向の内側に自然に曲がるように導く作用は起こるものの、その作用の程度が不足であり得る。また、前記テーパ角(B)が22度超且つ30度以下であると、プレフォーミングの周面31は、電極タブ11が半径方向の内側に曲がるように導く作用が、必要な程度よりもさらに過度に起こり得る。
【0106】
最も好ましくは、前記テーパ角は、約19度位であってもよい。
【0107】
前記電極組立体10の巻き取りの1ターンが占める半径方向(Z)の長さを鑑み、かつ、外周側の最後の巻き取りターンで電極タブ11を削除することができる状況を鑑みると、前記基端部の内径(C)は、前記電極組立体の半径よりも1.5mm~0.5mm小さくてもよい。好ましくは、前記基端部の内径(C)は、前記電極組立体10の半径(r)よりも約1.0mm位さらに小さくてもよい。
【0108】
一例では、前記電極組立体10の半径(r)は、約22mmであっもてよく、前記基端部の内径(C)は、約21.38mm位であってもよい。
【0109】
前記プレフォーミングの周面31の基端部には、先端部のガイド面33が連結される。図10に示したように、先端部のガイド面33は、前記プレフォーミングの周面31によって半径方向の内側に緩やかに折り曲げし始める前記電極タブ11の先端部(上端部)が、確実に半径方向の内側に転向するように案内しながらも、前記プレフォーミングの周面31に比べて、曲げ誘導面35の加圧方向(D)に対してなすテーパ角が急に大きくなることによって、電極タブ11が加圧方向(D)に過度に力を受けて、予期せぬ方向に座屈しないようにする。
【0110】
このために前記先端部のガイド面33は、柔らかい曲面を有していてもよく、前記曲面の曲率半径(R)は、1mm以上且つ3mm以下であってもよい。前記曲率半径(R)が1mm未満であると、電極タブ11は、半径方向の内側に十分転向しない状態で、電極タブ11の先端部に加圧方向(D)に大きな力が作用して、電極タブ11が予期せぬ座屈し得る。他方、前記曲率半径(R)が3mmを超えると、電極タブ11の先端部が確実に半径方向の内側に転向するように案内する効果が減り、フォーミングジグ30の1回加工で電極タブ11の確実な折り曲げ加工を達成しにくい。
【0111】
好ましくは、前記先端部のガイド面33の曲率半径(R)は、約2mm位であってもよい。
【0112】
前記曲げ誘導面35は、前記先端部のガイド面33を介してプレフォーミングの周面31の基端部に連結される。すなわち、前記曲げ誘導面35は、前記先端部のガイド面33から半径方向の内側に延在する。
【0113】
前記曲げ誘導面35は、半径方向の内側に行くほど、加圧方向(D)の反対方向に傾いた形を有する。すなわち、前記曲げ誘導面35は、中心に行くほど、その高さが徐々に高くなる形であってもよい。前記プレフォーミングの周面31によって半径方向の内側への折り曲げが導かれて、前記先端部のガイド面33によって先端部が確実に半径方向の内側に転向された電極タブ11の先端部は、それよりも1ターンが内側に隣合う電極タブ11の先端部の外側面を半径方向の内側に押さえるようになり、半径方向の内側に隣合う電極タブ11に折り曲げ変形を伝える。
【0114】
前記曲げ誘導面35は、求心側に隣合うターンの電極タブ11に折り曲げ変形を伝播する遠心側の電極タブ11を加圧方向(D)に押さえて、さらに折り曲げられるようにする。そして、折り曲げ変形が伝達された求心側の電極タブ11の先端部は、一応、遠心側の電極タブ11によって折り曲げ変形が伝播された後に、前記曲げ誘導面35に接して、その折り曲げがさらに行われる。
【0115】
こうした作用が円滑に行われるようにするために、前記曲げ誘導面35が前記電極組立体10の中心軸(Y)に垂直な平面に対してなす傾斜角(A)は、5度以上且つ20度以下であってもよい。前記傾斜角(A)が5度未満であると、それ自体で扁平な形状に近くて、電極タブ11の座屈を引き起こすだけでなく、隣合う電極タブ11から折り曲げ変形が伝播される前に、求心側の電極タブ11が先に曲げ誘導面35に接するようになり、座屈が発生し得る。また、前記傾斜角(A)が20度を超えると、求心側に配置された電極タブ11を加圧するストロークが足りなくて、前記フォーミングジグ30による加圧だけでは、求心側に配置された電極タブ11の確実な折り曲げ加工を達成しにくい。
【0116】
好ましくは、前記傾斜角(A)は、8度以上且つ13度以下であってもよい。前記傾斜角が5度以上8度未満であると、隣合う電極タブ11から折り曲げ変形が伝播される前に、求心側の電極タブ11が先に曲げ誘導面35に接する現象は防止できるものの、求心側の電極タブ11が遠心側の電極タブ11によって十分折り曲げられていない状態で、傾斜角が大きくない曲げ誘導面35に接するようになり、電極タブ11の座屈が発生する余地を完全に排除することは難しい。また、前記傾斜角が13度超且つ20度以下であると、隣合う電極タブ11から折り曲げ変形が伝播される前に、求心側の電極タブ11が先に曲げ誘導面35に接する現象は、確かに防止できるものの、曲げ誘導面35が電極タブ11の曲げを導く作用は、やや足りないことがある。
【0117】
さらに好ましくは、前記傾斜角(A)は、約10度位であってもよい。
【0118】
前記曲げ誘導面35の半径方向の内側には、円形の平坦面37がさらに設けられていてもよい。前記平坦面37は、例えば、図5及び図6に示したように、電極組立体10のコア側の一部の区間(B1)に折り曲げを要する電極タブ11が省略されるか削除された場合、または、図3に示したように、コア側に電極タブ11が省略されていない形であっても、巻取孔(H1)の内径が大きくて、電極組立体10の半径方向の中心の所定の領域に電極タブ11が存在しない場合に適用することができる。
【0119】
前記平坦面37は、それ以上半径方向の内側に隣合う電極タブに折り曲げを伝播する必要のない、電極組立体10のコア側に配置された電極タブ11の折り曲げを十分導くことができる。
【0120】
本発明によれば、前記フォーミングジグ30を用いる1つの段階の加工だけで、電極タブ11の折り曲げを十分導くことができる。これによって、本発明のフォーミング装置は、さらなるフォーミングジグなしに、すぐ次の段階で平坦化ジグ50を用いることができる。
【0121】
図12図13を参照すると、前記平坦化ジグ50は、ジグボディ52と、前記ジグボディ52の外側周面から加圧方向に延在した周りガイド51を含んでいてもよい。周りガイド51の内周面は、前記電極タブ11の折り曲げかつ平坦化加工に直接に関与するものではない。
【0122】
前記平坦化ジグ50のジグボディ52は、加圧方向(D)を視る平坦な加圧面53を含んでいてもよい。前記加圧面53は、前記周りガイド51の半径方向の内側に配置されていてもよい。
【0123】
図12に示したように、前記フォーミングジグ30によって折り曲げ加工された電極組立体10の電極タブ11は、扁平な前記加圧面53が加圧方向(D)に押さえても、座屈が起こらないほど、半径方向の内側に十分曲げられた状態である。
【0124】
これによって、前記フォーミングジグ30を用いた後、すぐに平坦化ジグ50を用いて電極タブ11を平坦化することができる。前記平坦化ジグ50は、中心軸(Y)と平行な加圧方向(D)に前記電極タブ11を押さえて、前記電極タブ11を平坦化する。すると、十分な数の電極タブが重畳することで、電極タブに集電板を溶接するに十分な強度を確保できるようになる。
【0125】
このように、本発明によれば、フォーミングジグ30と平坦化ジグ50とを用いて、加圧方向に電極タブを押さえる2つの段階の折り曲げ加工だけで、電極タブを半径方向の内側に確実に折り曲げて平坦に加工することができる。
【0126】
前述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならず、本発明の範囲は、前述した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示される。そして、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲はもちろん、その等価概念から想到するあらゆる変更及び変形可能な形態は、本発明の範囲に含まれると解釈しなければならない。
【0127】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施例と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者によって様々な変形が行われることは自らかである。なお、本発明の実施例を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0128】
10 電極組立体
r 半径
11 電極タブ(第1電極タブ)
q 最外殻半径
111 切欠きタブ
12 電極タブ(第2電極タブ)
15 第1電極
151 第1電極活物質
16 分離膜
17 第2電極
19 絶縁コーティング
H1 巻き取り孔(中空部)
X 長さ方向、周方向、巻き取り方向
Y 幅方向、巻取軸、軸方向、中心軸、高さ方向
Z 半径方向、法線方向
21 集電板(第1集電板)
22 集電板(第2集電板)
30 フォーミングジグ
31 プレフォーミングの周面
B テーパ角
C 基端部の内径
E 先端部の内径
33 先端部のガイド面
R 曲率半径
35 曲げ誘導面
A 傾斜角
37 平坦面
50 平坦化ジグ
51 周りガイド
52 ジグボディ
53 加圧面
D 加圧方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】