(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】バッテリー製造方法およびバッテリー製造システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241112BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527653
(86)(22)【出願日】2023-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2023013366
(87)【国際公開番号】W WO2024090776
(87)【国際公開日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0139553
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0112586
(32)【優先日】2023-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジ・ジョ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウィ・デ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ソク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ミン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ソル・ヒ・キム
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC03
(57)【要約】
本開示に係るバッテリー製造方法は、バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する段階と、上記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、上記仮想IDをシフト(shift)する段階と、上記シフトされた仮想IDと上記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する段階と、上記バッテリーセルに対するセルIDを抽出する段階と、上記セルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを上記セルIDとマッチングして上位制御システムに伝送する段階と、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する段階と、
前記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、前記仮想IDをシフトする段階と、
前記シフトされた仮想IDと前記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する段階と、
前記バッテリーセルに対するセルIDを抽出する段階と、
前記セルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを前記セルIDとマッチングして上位制御システムに伝送する段階と、を含む、バッテリー製造方法。
【請求項2】
前記仮想IDを生成する段階の後に、前記バッテリーセルに対して実行中の工程を示す工程段階情報を前記仮想IDとマッチングする段階をさらに含む、請求項1に記載のバッテリー製造方法。
【請求項3】
前記仮想IDをシフトする段階は、
前記バッテリーセルに対して実行中の工程が変更された場合に、前記仮想IDとマッチングされた工程段階情報を変更する段階を含む、請求項2に記載のバッテリー製造方法。
【請求項4】
前記工程データは、前記バッテリーセルに対する工程の作業結果および/またはテスト結果を含む、請求項1に記載のバッテリー製造方法。
【請求項5】
前記バッテリーセルに対するセルIDを抽出する段階は、
前記バッテリーセルに付着されたバーコード形態のセルIDをリードする段階を含む、請求項1に記載のバッテリー製造方法。
【請求項6】
前記セルIDとマッチングされる工程データは、前記バッテリーセルに対して行われた各工程で時系列的に収集された工程データである、請求項1~5のいずれか一項に記載のバッテリー製造方法。
【請求項7】
前記バッテリーセルに対する工程は、NDD工程および/またはラミネーション工程を含む、請求項1に記載のバッテリー製造方法。
【請求項8】
バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する仮想ID生成部と、
前記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、前記仮想IDをシフトする仮想ID管理部と、
前記シフトされた仮想IDと前記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する工程データ収集部と、
前記バッテリーセルから抽出されたセルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを前記セルIDとマッチングして工程情報を生成する主制御部と、を含む、バッテリー製造システム。
【請求項9】
前記仮想ID管理部は、前記仮想IDが生成された後に、前記バッテリーセルに対して実行中の工程を示す工程段階情報を前記仮想IDとマッチングする、請求項8に記載のバッテリー製造システム。
【請求項10】
前記仮想ID管理部は、
前記バッテリーセルに対して実行中の工程が変更された場合に、前記仮想IDとマッチングされた工程段階情報を変更する、請求項9に記載のバッテリー製造システム。
【請求項11】
前記工程データは、前記バッテリーセルに対する工程の作業結果および/またはテスト結果を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載のバッテリー製造システム。
【請求項12】
前記セルIDとマッチングされる工程データは、前記バッテリーセルに対して行われた各工程で時系列的に収集された工程データである、請求項8に記載のバッテリー製造システム。
【請求項13】
前記バッテリーセルに対する工程は、NDD工程および/またはラミネーション工程を含む、請求項8に記載のバッテリー製造システム。
【請求項14】
前記工程情報を上位制御システムに伝送する通信部をさらに含む、請求項8に記載のバッテリー製造システム。
【請求項15】
請求項1に記載のバッテリー製造方法または請求項8に記載のバッテリー製造システムにより製造され、前記仮想IDとそれに対応するセルIDを有する、バッテリーセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された実施形態は、電力を貯蔵するバッテリーを生産するためのバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムに関するものである。
【0002】
本出願は、2022年10月26日付の韓国特許出願第10-2022-0139553号、2023年8月28日付の韓国特許出願第10-2023-0112586号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。二次電池は、充電および放電が可能な電池であって、従来のNi/Cdバッテリー、Ni/MHバッテリーなどと最近のリチウムイオンバッテリーをいずれも含み得る。リチウムイオンバッテリーは従来のNi/Cdバッテリー、Ni/MHバッテリーなどに比べてエネルギー密度がはるかに高いという長所がある。また、リチウムイオンバッテリーは小型、軽量に製作し得ることから、移動機器の電源として用いられ、近年では電気自動車の電源へと使用範囲が拡張され、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を集めている。
【0004】
バッテリーの製造工程は、予め定められた工程順序に従って時系列的に進行され、各工程ごとにバッテリーに対応して収集される工程データは、上位制御器に時系列的に報告され得る。上位制御器は、報告された工程データを分析して当該バッテリーの品質を予測したり、品質低下の原因を分析したりし得る。このような分析の正確性のためには、バッテリーと工程データとの間の整合性が保障されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に開示された実施形態の一つの目的は、上位制御器に報告される工程データとバッテリーとの間の整合性を保障し得るバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムを提供することにある。
【0006】
本明細書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されない別の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るバッテリー製造方法は、バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する段階と、上記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、上記仮想IDをシフト(shift)する段階と、上記シフトされた仮想IDと上記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する段階と、上記バッテリーセルに対するセルIDを抽出する段階と、上記セルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを上記セルIDとマッチングして上位制御システムに伝送する段階と、を含み得る。
【0008】
一実施形態により、上記仮想IDを生成する段階の後に、上記バッテリーセルに対して実行中の工程を示す工程段階情報を上記仮想IDとマッチングする段階をさらに含み得る。
【0009】
一実施形態により、上記仮想IDをシフトする段階は、上記バッテリーセルに対して実行中の工程が変更された場合に、上記仮想IDとマッチングされた工程段階情報を変更する段階を含み得る。
【0010】
一実施形態により、上記工程データは、上記バッテリーセルに対する工程の作業結果および/またはテスト結果を含み得る。
【0011】
一実施形態により、上記バッテリーセルに対するセルIDを抽出する段階は、上記バッテリーセルに付着されたバーコード形態のセルIDをリードする段階を含み得る。
【0012】
一実施形態により、上記セルIDとマッチングされる工程データは、上記バッテリーセルに対して行われた各工程で時系列的に収集された工程データであり得る。
【0013】
一実施形態により、上記バッテリーセルに対する工程は、NDD工程および/またはラミネーション工程を含み得る。
【0014】
本発明の一実施形態に係るバッテリー製造システムは、バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する仮想ID生成部と、上記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、上記仮想IDをシフト(shift)する仮想ID管理部と、上記シフトされた仮想IDと上記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する工程データ収集部と、上記バッテリーセルから抽出されたセルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを上記セルIDとマッチングして工程情報を生成する主制御部と、を含み得る。
【発明の効果】
【0015】
本明細書に開示された一実施形態に係るバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムによると、工程データとバッテリーとの間の正確なマッチングによってバッテリーの品質分析の信頼性を高めることができる。
【0016】
その他に、本明細書により直接的または間接的に把握される多様な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本明細書に開示された一実施形態に係るバッテリー製造システムおよび上位制御システムのブロック図である。
【
図2】
図1のバッテリー製造システムで行われる工程順序を概略的に示す図面である。
【
図3】
図1のバッテリー製造システムを制御する工程コントローラの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のバッテリー製造システムで収集される工程データの処理方法を説明するための図面である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るバッテリーの製造方法を示すフローチャートである。
【
図6】本明細書に開示された一実施形態に係るバッテリー製造システムの動作方法を行うためのコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係るバッテリー製造方法は、バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する段階と、上記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、上記仮想IDをシフト(shift)する段階と、上記シフトされた仮想IDと上記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する段階と、上記バッテリーセルに対するセルIDを抽出する段階と、上記セルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを上記セルIDとマッチングして上位制御システムに伝送する段階と、を含み得る。
【0019】
本発明の一実施形態に係るバッテリー製造システムは、バッテリーセルに対応する仮想IDを生成する仮想ID生成部と、上記バッテリーセルに対する工程の進行に応じて、上記仮想IDをシフト(shift)する仮想ID管理部と、上記シフトされた仮想IDと上記バッテリーセルに対して生成された工程データをマッチングして保存する工程データ収集部と、上記バッテリーセルから抽出されたセルIDに対応する仮想IDとマッチングされた工程データを上記セルIDとマッチングして工程情報を生成する主制御部と、を含み得る。
【0020】
以下、本明細書に開示された実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。また、本明細書に開示された実施形態の説明において、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0021】
本明細書に開示された実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用し得る。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、特に定義されない限り、技術的または科学的用語を含むここで使用されるすべての用語は、本明細書に開示された実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0022】
図1は、本明細書に開示された一実施形態に係るバッテリー製造システムおよび上位制御システムのブロック図である。
【0023】
図1を参照すると、バッテリー製造システム100と上位制御システム50が図示されている。
【0024】
バッテリー製造システム100は、電力を貯蔵し得るバッテリーを製造するための工程システムであり得る。例えば、バッテリーはバッテリーパック(battery pack)の形態で製造され得、バッテリーパックはバッテリーの正極と負極を作る電極工程、バッテリーの形態(例えば、円筒型、角型、パウチ型)に応じて極板を積み重ねて電解質を注入して密封する組立工程、組み立てられたバッテリーを電気エネルギーを用いて活性化する活性化工程、およびバッテリーセルをモジュール化してパック単位で製造するパック工程を経て製造され得る。本開示では、バッテリー製造システム100が組立工程中のNND(Notching AND Dryer)工程および/またはラミネーション(lamination)工程を行う工程システムであることを前提に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0025】
上位制御システム50は、バッテリー製造システム100からバッテリー製造システム100が行うバッテリー製造工程をモニタリングし得る工程データの報告を受け、工程データに基づいてバッテリーの品質低下原因を分析し得る。このために、上位制御システム50は、バッテリー製造システム100と通信してデータを送受信し得る。ここで、工程データは、バッテリー製造システム100が行う各工程におけるバッテリーの作業結果および/またはテスト結果を含み得る。一実施形態により、上位制御システム50は、ECS(Edge Computer System)システムおよび/またはEDC(Equipment Data Collection)システムであり得る。
【0026】
図2は、
図1のバッテリー製造システムで行われる工程順序を概略的に示す図面である。
図3は、
図1のバッテリー製造システムを制御する工程コントローラの構成を示すブロック図である。
図4は、
図1のバッテリー製造システムで収集される工程データの処理方法を説明するための図面である。
【0027】
図2~
図4を参照すると、
図2にはバッテリー製造システム100で行われる工程順序が概略的に図示されており、
図3にはバッテリー製造システム100が行う工程を制御し得る工程コントローラ200の構成が図示されている。工程コントローラ200は、バッテリー製造システム100の内部に含まれる構成であり得るが、本発明の範囲はこれに限定されず、工程コントローラ200の少なくとも一部はバッテリー製造システム100の外部に位置することもできる。
【0028】
工程コントローラ200は、主制御部210と、仮想ID生成部220と、仮想ID管理部230と、工程データ収集部240と、セルID収集部250と、通信部260と、を含み得る。一実施形態により、工程コントローラ200はPLC(Programmable Logic Controller)であり得る。
【0029】
主制御部210は、工程コントローラ200の全般的な動作を制御し得、特に各バッテリーセルCLに対する工程順序、現在の状態などの工程の全体的な流れを制御し得る。以下の説明で特に言及されない限り、工程コントローラ200の動作は、主制御部210によって行われる動作であり得る。工程コントローラ200の残りの構成の動作は、以下の
図2の説明で後述する。
【0030】
図2に図示されたように、バッテリー製造システム100は工程ライン(process line;PL)を含み得、各工程は工程ラインPL上で順次的に行われ得る。すなわち、バッテリーセルCLが工程ラインPLに投入されると、開始工程PR0から第1~第n(nは2以上の整数)工程PR1~PRnが順次的に行われ得、仕上げ工程としてバーコード工程PRbが行われ得る。バッテリーセルCLは、電極、分離膜および電解液が特定の形態(円筒型、角型、パウチ型など)に完全に組み立てられた形態であってもよく、完全に組み立てられる前に一部の構成(例えば、電極および分離膜)のみを含む状態であってもよいが、本開示では、完全に組み立てられる前の状態もバッテリーセルCLに含まれる概念として説明する。
【0031】
開始工程PR0において、バッテリーセルCLに対して第1~第n工程PR1~PRnの準備のための工程(例えば、クリーニング)が行われ得、仮想ID生成部220はバッテリーセルCLに対応する仮想ID(VID)を生成し得る。仮想ID(VID)は、バッテリーセルCLを識別するための情報であって、例えば、バッテリーセルCLが工程ラインPLに投入された時刻を用いて生成され得るが、本発明の範囲はこれに限定されない。仮想ID生成部220は、バッテリーセルCLに対応して生成された仮想ID(VID)を仮想ID管理部230に提供し得る。仮想ID管理部230は、最初に受信した仮想ID(VID)を開始工程PR0を示す工程段階情報とマッチングして保存し得る。工程段階情報は、仮想ID(VID)に該当するバッテリーセルCLに対して現在行われる工程が全体工程のうちどの工程であるかを示す情報であり得る。
【0032】
開始工程PR0が完了すると、バッテリーセルCLは第1工程PR1のために移動し得、バッテリーセルCLの移動と同期化されて仮想ID管理部230はバッテリーセルCLの仮想ID(VID)も第1工程PR1にシフト(shift)し得る。ここで、シフトするという意味は、仮想ID(VID)にマッチングされた開始工程PR0の工程段階情報を第1工程PR1の工程段階情報で代替して保存することを意味し得る。すなわち、このようなシフトの目的は、バッテリーセルCLの仮想ID(VID)に対応する工程段階情報をバッテリーセルCLに対して実行中の工程に一致させるようにするためである。
【0033】
第1工程PR1を行う工程設備(図示せず)は、第1工程PR1の実行中にバッテリーセルCLに対する作業結果および/またはテスト結果を含む工程データPD1を生成し得る。工程データ収集部240は、第1工程PR1を行う工程設備(図示せず)から受信した工程データPD1を仮想ID管理部230に保存された情報を参照して仮想ID(VID)とマッチングして保存し得る。すなわち、工程データ収集部240は、第1工程PR1を行う工程設備(図示せず)から受信した工程データPD1を受信すると、仮想ID管理部230から第1工程PR1の工程段階情報とマッチングされた仮想ID(VID)が提供され得、仮想ID(VID)と工程データPD1をマッチングして保存し得る。
【0034】
第1工程PR1が完了すると、バッテリーセルCLは第2工程PR2のために移動し得、バッテリーセルCLの移動と同期化されて仮想ID管理部230はバッテリーセルCLの仮想ID(VID)も第2工程PR2にシフトし得る。
【0035】
その後の第2工程を行う工程設備(図示せず)は、第2工程PR2の実行中にバッテリーセルCLに対する作業結果および/またはテスト結果を含む工程データPD2を生成し得る。工程データ収集部240は、第2工程PR2を行う工程設備(図示せず)から受信した工程データPD2を仮想ID管理部230に保存された情報を参照して仮想ID(VID)とマッチングして保存し得る。すなわち、工程データ収集部240は、第2工程PR2を行う工程設備(図示せず)から受信した工程データPD2を受信すると、仮想ID管理部230から第2工程PR2の工程段階情報とマッチングされた仮想ID(VID)が提供され得、仮想ID(VID)と工程データPD2をマッチングして保存し得る。
【0036】
すなわち、仮想ID管理部230のシフト動作および工程データ収集部240の工程データ保存動作は、第n工程PRnが完了するまで第1~第n工程PR1~PRnのそれぞれに対して順次的に行われ得る。
【0037】
図4の(a)に示されたように、第n工程PRnが完了すると、工程データ収集部240には、バッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnのそれぞれが仮想ID(VID)とマッチングされて保存され得る。
【0038】
第n工程PRnが完了すると、バッテリーセルCLはバーコード工程PRbのために移動し得、バッテリーセルCLの移動と同期化されて仮想ID管理部230はバッテリーセルCLの仮想ID(VID)もバーコード工程PRbにシフトし得る。
【0039】
バーコード工程PRbにおいて、バッテリーセルCLに対して仕上げのための工程(例えば、クリーニング)が行われ得、バーコードリーダー(図示せず)は、バッテリーセルCLに付着されたバーコード形態のセルID(CID)をリード(read)し得る。本開示では、セルID(CID)がバーコード形式でバッテリーセルCLに付着されることが例示されるが、本発明の範囲はこれに限定されず、他の形式(例えば、QRコード、識別番号など)でバッテリーセルCLに付着され得、この場合、バーコードリーダー(図示せず)は、他の形式のセルID(CID)をリードし得る装置で代替され得る。
【0040】
一方、バーコード形態のセルID(CID)は、第1~第n工程PR1~PRnのうちいずれか一つの工程の実行中にバッテリーセルCLに付着され得る。ここで、バーコード形態のセルID(CID)は、バッテリーセルCLに直接付着されてもよく、他の実施形態によりバッテリーセルCLを運ぶ装置に付着されてもよい。
【0041】
バーコードリーダー(図示せず)は、バッテリーセルCLに付着されたバーコード形態のセルID(CID)をリードしてセルID(CID)を抽出し得、抽出されたセルID(CID)をセルID収集部250に伝達し得る。
【0042】
セルID収集部250は、セルID(CID)を受信すると、仮想ID管理部230に保存された情報を参照してバーコード工程PRbの工程段階情報とマッチングされた仮想ID(VID)を抽出し、抽出された仮想ID(VID)とセルID(CID)を主制御部210に伝達し得る。
【0043】
主制御部210は、セルID収集部250から仮想ID(VID)とセルID(CID)を受信すると、工程データ収集部240から仮想ID(VID)にマッチングされたバッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnが提供され、バッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnとセルID(CID)をマッチングして、バッテリーセルCLに対する工程情報PIを生成し得る。
【0044】
すなわち、
図4の(a)において、工程データ収集部240は、バッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnのそれぞれを仮想ID(VID)とマッチングして保存し得、主制御部210は、セルID(CID)と共に受信した仮想ID(VID)にマッチングされたバッテリーセルCLに対して行われた各工程で時系列的に収集された工程データPD1~PDnを工程データ収集部240から提供され、
図4の(b)に図示されたように、バッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnとセルID(CID)をマッチングして、バッテリーセルCLに対する工程情報PIを生成し得る。
【0045】
通信部260は、工程コントローラ200と上位制御システム50との間の有線通信チャネルおよび/または無線通信チャネルを確立し、確立された通信チャネルを介して上位制御システム50とデータを送受信し得る。例えば、通信部260は、少なくとも1つの無線アクセス技術(radio access technology、RAT)に基づいて他の装置とデータを送受信し得る。通信部260は、バッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnとセルID(CID)とを含む工程情報PIを上位制御システム50に伝送(または報告)し得る。
【0046】
本開示によると、工程コントローラ200は、バッテリーセルCLに対して仮想ID(VID)を付与して管理し、各工程が完了するたびに工程データPD1~PDnを仮想ID(VID)とマッチングして臨時保存し、バッテリーセルCLのセルID(CID)とマッチングされる仮想ID(VID)を介してバッテリーセルCLに対応する工程データPD1~PDnを抽出して工程情報PIを生成することにより、工程データPD1~PDnとバッテリーセルCLとの間の整合性を確保し得る。整合性が確保された工程情報PIは上位制御システム50に伝達され得、上位制御システム50はセルID(CID)を照会してバッテリーセルCLに正確にマッチングされる工程データPD1~PDnを検索し得るので、バッテリーセルCLに対する品質関連分析の正確性を高めることができる。
【0047】
もし、仮想ID(VID)を利用せずに工程データPD1~PDnを時系列的に上位制御システム50に報告した後に、上位制御システム50が各工程が完了した時間などからバッテリーセルCLに該当する工程データPD1~PDnを推定する方式を用いる場合には、工程データPD1~PDnに対する前処理に多くの時間とリソースが消耗され、データ間の整合性が低下するおそれがある。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態に係るバッテリーの製造方法を示すフローチャートである。
【0049】
図5を参照すると、開始工程PR0において、仮想ID生成部220は、バッテリーセルCLに対応する仮想ID(VID)を生成し得る。仮想ID生成部220は、バッテリーセルCLに対応して生成された仮想ID(VID)を仮想ID管理部230に提供し、仮想ID管理部230は、最初に受信した仮想ID(VID)を開始工程PR0の工程段階情報とマッチングして保存し得る(S10)。
【0050】
開始工程PR0が完了すると、バッテリーセルCLは第1工程PR1のために移動し得、バッテリーセルCLの移動と同期化されて仮想ID管理部230はバッテリーセルCLの仮想ID(VID)も第1工程PR1にシフトし得る(S20)。すなわち、仮想ID管理部230は、バッテリーセルCLの仮想ID(VID)とマッチングされた工程段階情報がバッテリーセルCLに対して実行中の工程を示し得るように工程段階情報を設定し得る。
【0051】
第1工程PR1を行う工程設備(図示せず)は、第1工程PR1の実行中にバッテリーセルCLに対する工程データPD1を生成し得、工程データ収集部240は、第1工程PR1を行う工程設備(図示せず)から受信した工程データPD1を仮想ID管理部230に保存された情報を参照して、第1工程PR1の工程段階情報に対応する仮想ID(VID)とマッチングして保存し得る(S30)。
【0052】
工程データの収集が完了し得る第n工程PRnが完了する前には(S40のいいえ)、S20段階およびS30段階が繰り返し行われ得る。
【0053】
工程データの収集が完了し得る第n工程PRnが完了すると(S40のはい)、バッテリーセルCLはバーコード工程PRbのために移動し得、バッテリーセルCLの移動と同期化されて仮想ID管理部230はバッテリーセルCLの仮想ID(VID)もバーコード工程PRbにシフトし得る。
【0054】
バーコード工程PRbにおいて、バーコードリーダー(図示せず)は、バッテリーセルCLに付着されたバーコード形態のセルID(CID)をリードしてセルID(CID)を抽出し得、抽出されたセルID(CID)をセルID収集部250に伝達し得る。
【0055】
セルID収集部250は、セルID(CID)を受信すると、仮想ID管理部230に保存された情報を参照して、バーコード工程PRbの工程段階情報とマッチングされた仮想ID(VID)を抽出し、抽出された仮想ID(VID)とセルID(CID)をマッチングして主制御部210に伝達し得る(S50)。
【0056】
主制御部210は、セルID収集部250から仮想ID(VID)とセルID(CID)を受信すると、工程データ収集部240から仮想ID(VID)にマッチングされたバッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnが提供され、バッテリーセルCLに対する工程データPD1~PDnとセルID(CID)をマッチングしてバッテリーセルCLに対する工程情報PIを生成し、生成された工程情報PIを上位制御システム50に伝送し得る(S60)。
【0057】
本開示では、1つのバッテリーセルCLを中心にバッテリー製造方法を説明したが、バッテリー製造システム100は、複数のバッテリーセルに対する工程を同時に進行し得、複数のバッテリーセルのそれぞれ対して本開示で説明されたバッテリーの製造方法が適用され得る。もちろん、この場合、複数のバッテリーセルは、異なる仮想ID(VID)とセルID(CID)を有し得る。
【0058】
図6は、本明細書に開示された一実施形態に係るバッテリー製造システムの動作方法を行うためのコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0059】
図6を参照すると、本明細書に開示された一実施形態に係るコンピューティングシステム1000は、MCU1010と、メモリ1020と、入出力I/F1030と、通信I/F1040とを含み得る。
【0060】
一実施形態によると、コンピューティングシステム1000は、上述したバッテリー製造システム100、または工程コントローラ200(以下「当該装置」という)の動作を行うためのシステムであり得る。
【0061】
MCU1010は、メモリ1020に保存されている各種プログラムを実行するプロセッサであり得る。
【0062】
例えば、MCU1010は、工程コントローラ200の動作を行うのに必要な各種データおよび/または信号を処理するプロセッサであり得る。
【0063】
メモリ1020は、当該装置を管理および制御するのに必要な各種プログラムおよび/またはデータを保存し得る。メモリ1020は、必要に応じて複数個設けられ得る。
【0064】
メモリ1020は揮発性メモリであってもよく、非揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリとしてのメモリ1020としては、RAM、DRAM、SRAMなどが使用され得る。非揮発性メモリとしてのメモリ1020としては、ROM、PROM、EAROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどが使用され得る。上記列挙したメモリ1020の例は単なる例示であり、これらの例に限定されるものではない。
【0065】
入出力I/F1030は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)とディスプレイ(図示せず)などの出力装置とMCU1010との間を連結してデータを送受信し得るようにするインターフェースを提供し得る。
【0066】
通信I/F1040は、サーバを含む外部構成と各種データを送受信し得る構成であって、有線または無線通信を支援し得る各種装置であり得る。
【0067】
このように、本明細書に開示された一実施形態に係るコンピュータプログラムは、メモリ1020に記録され、MCU1010によって実行および処理されることによって、上記
図1~
図5の各動作を行うモジュールとして具現されることもできる。
【0068】
以上の説明は、本明細書に開示された技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本明細書に開示された実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本明細書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能である。
【0069】
したがって、本明細書に開示された実施形態は、本明細書に開示された技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本明細書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本明細書に開示された技術思想の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本明細書の権利範囲に含まれるものとして解釈される。
【符号の説明】
【0070】
50 上位制御システム
100 バッテリー製造システム
200 工程コントローラ
210 主制御部
220 仮想ID生成部
230 仮想ID管理部
240 工程データ収集部
250 セルID収集部
260 通信部
1000 コンピューティングシステム
1010 MCU
1020 メモリ
1030 入出力I/F
1040 通信I/F
【国際調査報告】