(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】交流発電機の監視方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H02P 9/00 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
H02P9/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527715
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 MY2022050105
(87)【国際公開番号】W WO2023085920
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】PI2021006766
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】512172040
【氏名又は名称】ペトロリアム ナショナル ブルハド (ペトロナス)
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥル ハリム、サルメイ ビン
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥル ラーマン、アブドゥル ラザック ビン
(72)【発明者】
【氏名】ハミド、モハメド ナジム ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワルア マトラー、アブドゥル ラーマン ビン
(72)【発明者】
【氏名】アブ ヒュライラー、アブ ザール ビン
【テーマコード(参考)】
5H590
【Fターム(参考)】
5H590AA08
5H590AB03
5H590BB07
5H590CA08
5H590CA09
5H590CA23
5H590EB25
5H590GB05
5H590HA04
5H590HA06
5H590HB04
5H590JB06
5H590KK05
5H590KK06
(57)【要約】
【課題】交流発電機を監視するための方法およびシステムが開示されている。
【解決手段】交流発電機を監視する方法は、交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、推定された予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、推定された等価開回路電圧と交流発電機の回転子における測定された励磁電流とを使用して、交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、特性試験曲線を使用して交流発電機の回転子の状態を評価することと、を含む。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流発電機を監視する方法であって、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、
該交流発電機出力データから該交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
推定された該予測励磁電流から該交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、
推定された該等価開回路電圧と該交流発電機の該回転子における測定された該励磁電流とを使用して、該交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、
該特性試験曲線を使用して該交流発電機の該回転子の状態を評価することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、前記交流発電機出力データから前記交流発電機の前記回転子における励磁電流を推定することは、該第1の特性基準曲線を使用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記交流発電機についての前記第1の特性基準曲線はV曲線である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
第2の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、推定された前記回転子における前記励磁電流を使用して等価開回路電圧を推定することは、該第2の特性基準曲線を使用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第2の特性基準曲線は、無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記特性試験曲線は、無負荷飽和特性試験曲線または開回路特性試験曲線である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
交流発電機を監視する方法であって、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することであって、該交流発電機出力データは該交流発電機の回転子における測定された励磁電流を含む、交流発電機出力データを受信することと、
該交流発電機出力データから該交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
該交流発電機の該回転子における該予測励磁電流を該交流発電機の該回転子における該測定された励磁電流と比較することによって該交流発電機の該回転子の状態を評価することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記交流発電機の前記回転子における前記予測励磁電流を前記交流発電機の前記回転子における前記測定された励磁電流と比較することは、前記予測励磁電流と前記測定された励磁電流との間の偏差を算出することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、前記交流発電機出力データから前記交流発電機の前記回転子における励磁電流を推定することは、前記特性基準曲線を使用することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記交流発電機についての前記第1の特性基準曲線はV曲線である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記交流発電機の前記回転子の状態を示すグラフを生成することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記交流発電機の前記回転子の前記状態を示す前記グラフは、ある期間にわたる結果を示す、請求項11記載の方法。
【請求項13】
プロセッサ上で実行されるとき、該プロセッサに請求項1記載の方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を記憶する、コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
プロセッサおよびデータ記憶装置を備える交流発電機監視システムであって、該データ記憶装置は、該プロセッサに、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、
該交流発電機出力データから該交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
推定された該予測励磁電流から該交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、
推定された該等価開回路電圧と該交流発電機の該回転子における測定された該励磁電流とを使用して、該交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、
該特性試験曲線を使用して該交流発電機の該回転子の状態を評価することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令を記憶する、交流発電機監視システム。
【請求項15】
前記データ記憶装置は、前記プロセッサに、前記交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることと、該第1の特性基準曲線を使用して前記交流発電機出力データから前記交流発電機の前記回転子における励磁電流を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、請求項14記載の交流発電機監視システム。
【請求項16】
前記交流発電機についての前記第1の特性基準曲線はV曲線である、請求項15記載の交流発電機監視システム。
【請求項17】
前記データ記憶装置は、前記プロセッサに、第2の特性基準曲線をルックアップすることと、該第2の特性基準曲線を使用して、推定された前記回転子における前記励磁電流を使用して等価開回路電圧を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、請求項14記載の交流発電機監視システム。
【請求項18】
前記第2の特性基準曲線は、無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線である、請求項17記載の交流発電機監視システム。
【請求項19】
前記特性試験曲線は、無負荷飽和特性試験曲線または開回路特性試験曲線である、請求項14記載の交流発電機監視システム。
【請求項20】
プロセッサおよびデータ記憶装置を備える交流発電機監視システムであって、該データ記憶装置は、該プロセッサに、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することであって、該交流発電機出力データは該交流発電機の回転子における測定された励磁電流を含む、交流発電機出力データを受信することと、
該交流発電機出力データから該交流発電機の該回転子における予測励磁電流を推定することと、
該交流発電機の該回転子における該予測励磁電流を該交流発電機の該回転子における該測定された励磁電流と比較することによって該交流発電機の該回転子の状態を評価することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令を記憶する、交流発電機監視システム。
【請求項21】
前記データ記憶装置は、前記プロセッサに、前記予測励磁電流と前記測定された励磁電流との間の偏差を算出することによって、前記交流発電機の前記回転子における前記予測励磁電流を前記交流発電機の前記回転子における前記測定された励磁電流と比較させるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、請求項20記載の交流発電機監視システム。
【請求項22】
前記データ記憶装置は、前記プロセッサに、前記交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることと、該特性基準曲線を使用して前記交流発電機出力データから前記交流発電機の前記回転子における励磁電流を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、請求項20記載の交流発電機監視システム。
【請求項23】
前記交流発電機についての前記第1の特性基準曲線はV曲線である、請求項22記載の交流発電機監視システム。
【請求項24】
前記データ記憶装置は、前記プロセッサに、前記交流発電機の前記回転子の前記状態を示すグラフを生成させるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、請求項14記載の交流発電機監視システム。
【請求項25】
前記交流発電機の前記回転子の前記状態を示す前記グラフは、ある期間にわたる結果を示す、請求項24記載の交流発電機監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交流発電機を監視するための方法およびシステムに関し、とりわけ、交流発電機の回転子巻線の状態を評価するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電機は一般的に、回転運動を生成するエンジンまたはタービンなどの機械部品、および、回転運動を交流の形態の電気エネルギーに変換する交流発電機として既知の電気部品といった2つの主要部品を備える。
【0003】
交流発電機は、固定子と呼ばれる鉄芯において固定されている巻線のセットに対して移動する回転子と呼ばれる回転磁石を備える。回転子は典型的には、回転子における巻線に電流が加えられると磁界を誘導する鉄の周りに巻線のセットを備える。
【0004】
交流発電機の故障のおよそ35パーセントが回転子で生じる障害によって引き起こされることが推定される。したがって、性能の低下を引き起こし得る障害を特定するために交流発電機における回転子の状態を監視することは重要である。しかしながら、交流発電機の動作中、回転子は動いているため、回転子の状態を該回転子が動作している間に監視するための装置を設置することは不可能である。したがって、交流発電機を非稼働にして回転子の状態の物理検査を行うことが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、交流発電機を監視する方法が提供される。方法は、交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、推定された予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、推定された等価開回路電圧と交流発電機の回転子における測定された励磁電流とを使用して、交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、特性試験曲線を使用して交流発電機の回転子の状態を評価することと、を含む。
【0006】
交流発電機出力データを使用して交流発電機の回転子における予測励磁電流を判断することによって、交流発電機が稼働中に交流発電機の性能を評価することができる。
【0007】
一実施形態では、方法は、交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することは、第1の特性基準曲線を使用することを含む。交流発電機についての第1の特性基準曲線はV曲線であってよい。
【0008】
一実施形態では、方法は、交流発電機についての第2の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、第2の特性曲線を使用して、回転子における予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧が推定される。
【0009】
交流発電機についての第2の特性曲線は、無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線であってよい。
【0010】
本開示の第2の態様によれば、交流発電機を監視する方法が提供される。方法は、交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することであって、交流発電機出力データは交流発電機の回転子における測定された励磁電流を含む、交流発電機出力データを受信することと、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較することによって交流発電機の回転子の状態を評価することと、を含む。
【0011】
一実施形態では、交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較することは、予測励磁電流と測定された励磁電流との間の偏差を算出することを含む。
【0012】
一実施形態では、方法は、交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することは、特性基準曲線を使用することを含む。第1の特性基準曲線はV曲線であってよい。
【0013】
第1の態様および第2の態様の両方の実施形態は、交流発電機の回転子の状態を示すグラフを生成することをさらに含み得る。グラフは、ある期間にわたる交流発電機の回転子の状態を示し得る。
【0014】
本開示の第3の態様によれば、プロセッサ上で実行されるとき、プロセッサに上記に示されるような方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体が提供される。
【0015】
本開示の第4の態様によれば、交流発電機監視システムが提供される。交流発電機監視システムは、プロセッサおよびデータ記憶装置を備え、該データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、推定された予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、推定された等価開回路電圧と交流発電機の回転子における測定された励磁電流とを使用して、交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、特性試験曲線を使用して交流発電機の回転子の状態を評価することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令を記憶する。
【0016】
一実施形態では、データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることと、第1の特性基準曲線を使用して交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する。第1の特性基準曲線はV曲線であってよい。
【0017】
一実施形態では、データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機についての第2の特性基準曲線をルックアップすることと、第2の特性基準曲線を使用して回転子における予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する。第2の特性基準曲線は、無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線であってよい。
【0018】
本開示の第5の態様によれば、交流発電機監視システムが提供される。交流発電機監視システムは、プロセッサおよびデータ記憶装置を備え、該データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することであって、交流発電機出力データは交流発電機の回転子における測定された励磁電流を含む、交流発電機出力データを受信することと、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較することによって交流発電機の回転子の状態を評価することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令を記憶する。
【0019】
一実施形態では、データ記憶装置は、プロセッサに、予測励磁電流と測定された励磁電流との間の偏差を算出することによって、交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較させるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する。
【0020】
一実施形態では、データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることと、特性基準曲線を使用して交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する。第1の特性基準曲線はV曲線であってよい。
【0021】
第4の態様および第5の態様の両方の実施形態において、データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機の回転子の状態を示すグラフを生成させるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する。グラフは、ある期間にわたる交流発電機の回転子の状態を示し得る。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、以下の条項に示される。
【0023】
1.交流発電機を監視する方法であって、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、
交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
推定された予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、
推定された等価開回路電圧と交流発電機の回転子における測定された励磁電流とを使用して、交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、
特性試験曲線を使用して交流発電機の回転子の状態を評価することと、を含む、方法。
【0024】
2.交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することは、第1の特性基準曲線を使用することを含む、条項1に記載の方法。
【0025】
3.交流発電機についての第1の特性基準曲線はV曲線である、条項2に記載の方法。
【0026】
4.第2の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、回転子における推定された励磁電流を使用して等価開回路電圧を推定することは、第2の特性基準曲線を使用することを含む、先行するいずれかの条項に記載の方法。
【0027】
5.第2の特性基準曲線は、無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線である、条項4に記載の方法。
【0028】
6.特性試験曲線は、無負荷飽和特性試験曲線または開回路特性試験曲線である、先行するいずれかの条項に記載の方法。
【0029】
7.交流発電機を監視する方法であって、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することであって、交流発電機出力データは交流発電機の回転子における測定された励磁電流を含む、交流発電機出力データを受信することと、
交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較することによって交流発電機の回転子の状態を評価することと、を含む、方法。
【0030】
8.交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較することは、予測励磁電流と測定された励磁電流との間の偏差を算出することを含む、条項7に記載の方法。
【0031】
9.交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることをさらに含み、交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することは、特性基準曲線を使用することを含む、条項7または条項8に記載の方法。
【0032】
10.交流発電機についての第1の特性基準曲線はV曲線である、条項9に記載の方法。
【0033】
11.交流発電機の回転子の状態を示すグラフを生成することをさらに含む、先行するいずれかの条項に記載の方法。
【0034】
12.交流発電機の回転子の状態を示すグラフはある期間にわたる結果を示す、条項11に記載の方法。
【0035】
13.プロセッサ上で実行されるとき、プロセッサに条項1~12のいずれか1つに記載の方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を記憶する、コンピュータ可読媒体。
【0036】
14.プロセッサおよびデータ記憶装置を備える交流発電機監視システムであって、該データ記憶装置は、プロセッサに、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することと、
交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
推定された予測励磁電流から交流発電機の等価開回路電圧を推定することと、
推定された等価開回路電圧と交流発電機の回転子における測定された励磁電流とを使用して、交流発電機についての特性試験曲線をグラフ化することと、
特性試験曲線を使用して交流発電機の回転子の状態を評価することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令を記憶する、交流発電機監視システム。
【0037】
15.データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることと、第1の特性基準曲線を使用して交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、条項14に記載の交流発電機監視システム。
【0038】
16.交流発電機についての第1の特性基準曲線はV曲線である、条項15に記載の交流発電機監視システム。
【0039】
17.データ記憶装置は、プロセッサに、第2の特性基準曲線をルックアップすることと、第2の特性基準曲線を使用して、推定された回転子における励磁電流を使用して等価開回路電圧を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、条項14~16のいずれか1つに記載の交流発電機監視システム。
【0040】
18.第2の特性基準曲線は、無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線である、条項17に記載の交流発電機監視システム。
【0041】
19.特性試験曲線は、無負荷飽和特性試験曲線または開回路特性試験曲線である、条項14~18のいずれか1つに記載の交流発電機監視システム。
【0042】
20.プロセッサおよびデータ記憶装置を備える交流発電機監視システムであって、該データ記憶装置は、プロセッサに、
交流発電機の電気出力を示す交流発電機出力データを受信することであって、交流発電機出力データは交流発電機の回転子における測定された励磁電流を含む、交流発電機出力データを受信することと、
交流発電機出力データから交流発電機の回転子における予測励磁電流を推定することと、
交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較することによって交流発電機の回転子の状態を評価することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令を記憶する、交流発電機監視システム。
【0043】
21.データ記憶装置は、プロセッサに、予測励磁電流と測定された励磁電流との間の偏差を算出することによって、交流発電機の回転子における予測励磁電流を交流発電機の回転子における測定された励磁電流と比較させるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、条項20に記載の交流発電機監視システム。
【0044】
22.データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機についての第1の特性基準曲線をルックアップすることと、特性基準曲線を使用して交流発電機出力データから交流発電機の回転子における励磁電流を推定することと、を行わせるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、条項20または21に記載の交流発電機監視システム。
【0045】
23.交流発電機についての第1の特性基準曲線はV曲線である、条項22に記載の交流発電機監視システム。
【0046】
24.データ記憶装置は、プロセッサに、交流発電機の回転子の状態を示すグラフを生成させるように動作可能なコンピュータ・プログラム命令をさらに記憶する、条項14~23のいずれか1つに記載の交流発電機監視システム。
【0047】
25.交流発電機の回転子の状態を示すグラフは、ある期間にわたる結果を示す、条項24に記載の交流発電機監視システム。
【0048】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】交流発電機を含む発電機に結合された本発明の一実施形態による交流発電機監視システムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による交流発電機監視システムを示すブロック図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による交流発電機を監視する方法を示すフローチャートである。
【
図3B】本発明の一実施形態による交流発電機を監視する方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態による方法における予測されるDC励磁電流の推定を示すV曲線を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による方法における等価開回路特性電圧の推定を示す開回路特性曲線を示す図である。
【
図6A】本発明の一実施形態による、算出された電流動作パラメータを示す交流発電機についての開回路特性曲線を示す図である。
【
図6B】本発明の一実施形態による、算出された経時的な動作パラメータを示す交流発電機についての開回路特性曲線を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、算出された動作パラメータおよび測定された動作パラメータを示す交流発電機についてのV曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、交流発電機を含む発電機に結合された本発明の一実施形態による交流発電機監視システムを示すブロック図である。
図1に示されるように、発電機10は、エンジンまたはタービンなどの機械部品12を含む。機械部品12は、機械部品12を交流発電機20に結合するシャフト14を駆動する。交流発電機20は、シャフト14に結合される回転子22と、固定子24とを備える。シャフト14が回転するとき、回転子22は固定子24に対して回転する。固定子24は、鉄芯、およびコイル巻線のセットを含む。回転子22は鉄芯の周りにコイル巻線のセットを備える。磁界を生じさせる電機子電流を回転子22におけるコイル巻線に加え、回転子22の回転によって、交流を生成する起電力が固定子24のコイルにおいて生成される。
【0051】
交流は発電機の電気出力30を形成する。交流発電機監視システム100は、交流発電機20の有効電力、電流出力、および力率など、電気出力30の指示を含む出力データ32を受信する。交流発電機監視システム100は、出力データ32を使用して、出力データ32に基づく予測励磁電流を判断し、この予測励磁電流を使用して、交流発電機監視システム100は、回転子22に適用されるいずれの追加のセンサまたは装置も必要なく、または物理検査のために発電機10を非稼働にする必要なく、回転子22の状態を稼働中に評価できるようにする。
【0052】
図2は、本発明の一実施形態による交流発電機監視システムを示す。交流発電機監視システム100は、本発明の実施形態による地理データ処理方法を実施するコンピュータ・プログラム・モジュールを記憶するメモリを有するコンピュータ・システムである。
【0053】
交流発電機監視システム100は、プロセッサ110、ワーキング・メモリ112、入力インターフェース114、ユーザ・インターフェース116、出力インターフェース118、プログラム・ストレージ120、およびデータ・ストレージ140を備える。プロセッサ110は、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)チップとして実装されてよい。プログラム・ストレージ120は、コンピュータ・プログラム・モジュールを記憶するハード・ディスク・ドライブなどの不揮発性記憶装置である。コンピュータ・プログラム・モジュールは、ワーキング・メモリ112にロードされてプロセッサ110によって実行される。入力インターフェース114は、交流発電機からの出力データなどのデータを交流発電機監視システム100が受信できるようにするインターフェースである。入力インターフェース114は、Wi-FiまたはBluetoothインターフェースなどの無線ネットワーク・インターフェースであってよく、代替的には、有線インターフェースであってよい。ユーザ・インターフェース116によって、交流発電機監視システム100のユーザは交流発電機からの出力データなどのデータを入力することができ、かつユーザ・インターフェース116は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースとして実装され得る。出力インターフェース118は、データを出力し、かつディスプレイまたはデータ・インターフェースとして実装されてよい。
【0054】
プログラム・ストレージ120は、特性曲線ルックアップ・モジュール122、DC励磁電流推定モジュール124、開回路特性(OCC)電圧ルックアップ・モジュール126、交流発電機状態評価モジュール128、およびグラフ生成モジュール130を記憶する。コンピュータ・プログラム・モジュールによって、プロセッサ110は、以下により詳細に説明される様々なデータ処理を実行する。プログラム・ストレージ120は、状況に応じて、コンピュータ可読記憶媒体および/または非一時的コンピュータ可読媒体と称され得る。
図2に図示されるように、コンピュータ・プログラム・モジュールは、交流発電機監視システム100によって実装される各々の機能を実行する別個のモジュールである。これらのモジュール間の境界は例示に過ぎず、代替的な実施形態では、モジュールをマージする、または代替的にはモジュールの機能を分解する場合があることが理解されるであろう。例えば、本明細書に論じられるモジュールは、複数のコンピュータ・プロセスとして、オプションとして複数のコンピュータ上で実行されるサブ・モジュールに分解され得る。さらに、代替的な実施形態では、特定のモジュールまたはサブ・モジュールの複数のインスタンスを組み合わせてよい。コンピュータ・プログラム・モジュールのソフトウェア実装形態について本明細書に説明されているが、これらは代替的には、ソフトウェアに実装されるものと等価の機能を実装する回路網を含む1つまたは複数のハードウェア・モジュール(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイまたは特定用途向け集積回路など)として実装されてよいことも理解されるであろう。
【0055】
交流発電機監視システム100はコンピュータに関連して説明されているが、交流発電機監視システム100が、互いに通信してタスクを実行するために協働する2つ以上のコンピュータによって形成され得ることは理解されるべきである。例えば、限定はされないが、あるアプリケーションは、このアプリケーションの命令の並行処理および/または並列処理を可能にするようにパーティション分割され得る。代替的には、アプリケーションによって処理されるデータは、2つ以上のコンピュータによって設定されたデータの種々の部分の並行処理および/または並列処理を可能にするようにパーティション分割され得る。一実施形態では、仮想化ソフトウェアは、交流発電機監視システム100によって用いられて、交流発電機監視システム100におけるいくつかのコンピュータに直接バインドされていないいくつかのサーバの機能を提供し得る。一実施形態では、上に論じられた機能は、アプリケーション、および/またはクラウド・コンピューティング環境におけるアプリケーションを実行することによって提供され得る。クラウド・コンピューティングは、動的にスケーラブルなコンピューティング・リソースを使用してネットワーク接続を介してコンピューティング・サービスを提供することを含み得る。クラウド・コンピューティング環境は、企業によって確立され得る、および/またはサード・パーティのプロバイダから必要に応じて賃借され得る。
【0056】
交流発電機監視システム100は、交流発電機特性曲線ストレージ140に結合される。交流発電機特性曲線ストレージは、交流発電機に対する、電機子電流と界磁電流との間の関係を示す、V曲線および無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線、ならびに交流発電機に対する開回路特性電圧曲線などの特性曲線を記憶するデータベースである。交流発電機特性曲線ストレージ140に記憶された特性曲線は、製造または組み立て後の試験が行われるときに個々の交流発電機の特性を示し得る。
【0057】
図3Aおよび
図3Bは、本発明の一実施形態による交流発電機を監視する方法を示すフローチャートである。
図3Aに示される方法300、および
図3Bに示される方法350は、
図2に示される交流発電機監視システム100によって実行される。
【0058】
図3Aは、交流発電機についての特性試験曲線が生成される交流発電機を監視する方法を示す。
【0059】
ステップ302において、交流発電機監視システム100は、交流発電機出力データを受信する。交流発電機出力データは、交流発電機20の瞬時出力、例えば、交流発電機20の有効電力、出力電流、および/または力率の指示を含む。交流発電機出力データは、交流発電機の実際の出力電圧および測定された励磁電流の指示も含む。交流発電機出力データは、交流発電機監視システム100の入力インターフェース114を通して、例えば、交流発電機20の制御モジュールにリンクされたネットワーク接続を介して受信され得る。代替的には、交流発電機出力データは、ユーザによって交流発電機監視システム100のユーザ・インターフェース116に入力されてよい。ユーザは、交流発電機20上の制御モジュールのディスプレイから交流発電機出力データを読み取り、かつこのデータをユーザ・インターフェース116に入力し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、交流発電機出力データをモバイル・デバイスに入力してネットワーク接続を介して交流発電機監視システム100に送信してよい。交流発電機出力データは、関係する交流発電機の指示、例えば、交流発電機のタグ番号またはシリアル番号と共に交流発電機監視システム100に提供され得る。さらに、交流発電機出力データは、出力データが取り込まれた、時間およびデータを示すタイム・スタンプと共に交流発電機監視システム100に提供され得る。
【0060】
ステップ304において、特性曲線ルックアップ・モジュール122は、交流発電機監視システム100のプロセッサ110によって実行されて、交流発電機特性曲線ストレージ140における交流発電機についての特性曲線をルックアップする。特性曲線は、交流発電機の指示を使用してルックアップされてよい。交流発電機特性曲線ストレージ140に記憶された特性曲線は、V曲線および開回路特性(OCC)電圧曲線を含む。特性曲線は、特定の交流発電機に特有であり得、上記のように、製造されるまたは最初に試験されるときに交流発電機の特性を示し得る。
【0061】
ステップ306において、DC励磁電流励磁モジュール124は、交流発電機監視システム100のプロセッサ110によって実行されて、交流発電機出力データに基づいて交流発電機における励磁電流を推定する。
【0062】
図4は、本発明の一実施形態による方法における予測されるDC励磁電流の推定を示すV曲線である。
図4に示されるように、V曲線400は、種々の電力出力410に対する電機子電流と界磁電流との間の関係を示す。電機子電流は固定子における電流であり、界磁電流は回転子における電流である。
図4は、0、0.25、0.5、0.75、および1の電力出力を示す。
図4は、種々の遅れ力率または進み力率も示す。0.8の進み力率の曲線422、力率1の複合曲線420、および0.8の遅れ力率の曲線424が
図4に示されている。
【0063】
界磁電流は、
図4に示されるV曲線からの外挿によって推定可能である。交流発電機出力データは交流発電機の電力出力、力率、および/または出力電流の指示を含むため、交流発電機出力データは、予測されるDC励磁電流に対応する界磁電流を推定するためにV曲線と組み合わせて使用可能である。交流発電機の出力電流は電機子電流に対応し、これを力率および電力出力と組み合わせて使用して、界磁電流または予測励磁電流が推定可能である。
【0064】
ここで
図3Aに戻ると、ステップ308において、OCC電圧推定モジュール126は、交流発電機監視システム100のプロセッサ110によって実行されて、等価開回路特性(OCC)電圧を、ステップ306において判断された予測されるDC励磁電流を使用して推定する。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態による方法における等価開回路特性電圧の推定を示す開回路特性曲線である。
図5に示されるように、開回路特性曲線は、交流発電機に対するDC励磁電流と開回路電圧との間の関係を示す。
【0066】
ステップ306において判断された予測励磁電流を使用して、開回路特性曲線から等価開回路特性電圧が推定可能である。
図5に示されるように、DC励磁電流が値xを有する場合、等価開回路電圧はyのように推定可能である。
【0067】
再び
図3Aに戻ると、ステップ310において、グラフ生成モジュール130は、プロセッサ110によって実行されて、特性試験曲線を生成することによって交流発電機の状態を評価する。ステップ310は、交流発電機20の瞬時出力の指示を含む交流発電機出力データから得られた測定された励磁電流を使用する交流発電機の等価無負荷飽和特性試験または開回路特性試験、および、交流発電機特性曲線ストレージ140に記憶された交流発電機の無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線に対してステップ308において推定された交流発電機の等価開回路電圧をグラフ化することで構成されてよい。
【0068】
等価無負荷飽和特性プロットまたは開回路特性プロットと交流発電機の無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線との間のグラフによる偏差が見られ得る。例えば、正常な交流発電機上で、等価無負荷飽和特性プロットまたは開回路特性プロットは交流発電機の無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線上にあるべきであることが予測される。しかしながら、機械は、等価無負荷飽和特性プロットまたは開回路特性プロットが無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線の下に位置する場合、性能が劣っているまたは劣化していると見なされる可能性がある。等価無負荷飽和特性プロットまたは開回路特性プロットが無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線からかなり下に位置する場合、機械は故障していると見なされる可能性があり、機械をさらに動作させるとさらなる損傷がもたらされることになる。
【0069】
ステップ310において、グラフ生成モジュール130は、交流発電機監視システム100のプロセッサ110によって実行されて、評価の結果を示すグラフを生成する。グラフは、経時的に推定された等価無負荷飽和特性プロットまたは開回路特性プロット、または算出された予測されるDC励磁電流および経時的に測定されたDC励磁電流を示すグラフを含み得る。
【0070】
代替的には、グラフは、交流発電機の特性曲線上でグラフ化された算出済みの動作パラメータを示し得る。そのようなグラフの例は
図6Aおよび
図6Bに示されている。
【0071】
図6Aは、本発明の一実施形態による、算出された電流動作パラメータを示す交流発電機の無負荷飽和特性曲線または開回路特性曲線であり、
図6Bは、本発明の一実施形態による、算出された電流動作パラメータを示す交流発電機のV曲線である。
【0072】
図6Aに示されるように、算出された等価開回路電圧は測定されたDC励磁電流に対してグラフ化される。プロットは、交流発電機特性曲線ストレージ140に記憶された特性曲線610を示す。特性曲線610に対して、算出された等価開回路電圧および測定されたDC励磁電流に対応する点620が示される。さらに、特性曲線610からのパーセント偏差を表す破線630もプロット上に示されている。破線630は、特性曲線610からの5%または10%の偏差を表し得る。
【0073】
図6Bは、本発明の一実施形態による、算出された経時的な動作パラメータを示す交流発電機についての開回路特性である。
図6Aと同様に、プロットは、交流発電機特性曲線ストレージ140に記憶された特性曲線650を示す。特性曲線650に対して、算出された等価開回路電圧および測定されたDC励磁電流に対応する複数の点660が示されている。複数の点660から傾向線662が判断される。
図6Aと同様に、プロットは、特性曲線670からのパーセンテージ偏差を示す破線も含む。
【0074】
ここで
図3Aに戻ると、ステップ312において、ステップ312で生成されたグラフが、交流発電機監視システム100の出力インターフェース118によって出力される。このステップは、ディスプレイ上のグラフをユーザに対して表示すること、またはグラフをユーザ・デバイスに送ってユーザに対して表示することを含んでよい。
【0075】
ステップ310において生成されたグラフは、複数の測定を使用して生成されてよい。いくつかの実施形態において、そのようなグラフは、例えば、励磁電流および測定されたDC励磁電流の変動、および/または経時的な偏差を示すように、時間軸に対してグラフ化され得る。
【0076】
図3Bは、予測励磁電流が測定された励磁電流と比較される、交流発電機を監視する方法を示す。
【0077】
図3Bに示されるステップ352、354、および356は、
図3Aに示されるステップ302、304、および306に対応し、これらのステップにおいて実行される処理は
図3Aを参照して上述されている。
【0078】
ステップ358において、交流発電機状態評価モジュール128は、交流発電機監視システム100のプロセッサ110によって実行されて、ステップ356において算出された予測励磁電流を、交流発電機出力データの一部としてステップ352において受信された測定された励磁電流と比較する。算出された予測されるDC励磁電流と測定されたDC励磁電流との間の偏差が算出され得る。この偏差はパーセンテージで判断され得る。偏差はある閾値と比較されてよく、パーセンテージ偏差に基づくさらなる動作が推奨され得る。例えば、5%未満の偏差はさらなる動作が推奨されないわずかな偏差と見なされ得、5%~10%の偏差は大きな偏差と見なされ得、さらなる検査が推奨される場合があり、例えば、物理検査がスケジュールされ得る。10%を上回る偏差は交流発電機の潜在的な故障と見なされ得、交流発電機は停止され得る。
【0079】
ステップ360において、グラフ生成モジュール130は、交流発電機監視システム100のプロセッサ110によって実行されて、偏差を示すグラフを生成する。
【0080】
図7は、算出された励磁電流値および測定された励磁電流値を示す交流発電機についてのV曲線である。測定値710は交流発電機出力データからの値に対応し、算出値720はステップ356において算出された値である。
【0081】
ここで
図3Bに戻ると、ステップ362において、ステップ360において生成されたグラフは交流発電機監視システム100の出力インターフェース118によって出力される。このステップは、ディスプレイ上のグラフをユーザに対して表示すること、またはグラフをユーザ・デバイスに送ってユーザに対して表示することを含んでよい。
【0082】
前述の説明では例示的な実施形態について説明されているが、実施形態の多くの変形が本発明の範囲および趣旨の範囲内でなされ得ることは、当業者には理解されるであろう。
【国際調査報告】