(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】機械式血液ポンプの心臓回復評価及び支援のための活動追跡及び生理学的検知のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 60/17 20210101AFI20241112BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20241112BHJP
A61M 60/31 20210101ALI20241112BHJP
【FI】
A61M60/17
A61M60/216
A61M60/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528503
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 US2022050194
(87)【国際公開番号】W WO2023091541
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シップ,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD08
4C077HH13
(57)【要約】
対象での使用時に機械式血液ポンプを支援及び監視するためのシステム及び方法が開示される。システムは、(i)機械式血液ポンプと、(ii)対象の移動及び生理学的状態を検出するように構成されたセンサと、(iii)1つ又は複数のプロセッサとを含む。1つ又は複数のプロセッサは、例えば、(i)1つ又は複数のセンサから入力を受信するステップと、(ii)入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定するステップと、(iii)入力並びに判定された活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方に基づいて、心臓の回復を表す値を判定するステップと、(iv)判定及び/又は受信された入力に基づいて応答を生成するステップとを介して、血液ポンプによって提供される支援の調整を可能にするように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象での使用時に機械式血液ポンプを監視及び支援するためのシステムであって、
機械式血液ポンプと、
前記対象の移動及び生理学的状態を検出するように構成された1つ又は複数のセンサと、
1つ又は複数のプロセッサであって、
前記1つ又は複数のセンサから入力を受信することと、
前記受信された入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定することと、
前記入力並びに前記活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方に基づいて、心臓の回復を表す第1の値を判定することと、
前記第1の値、前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力又はそれらの組合せに基づいて応答を生成することと
を行うように構成された1つ又は複数のプロセッサと
を含むシステム。
【請求項2】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記機械式血液ポンプに動作可能に結合された第1のプロセッサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は複数のプロセッサは、ネットワークを介して前記第1のプロセッサに動作可能に結合された第2のプロセッサを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
応答を生成することは、心臓の回復を表す前記判定された値に基づいて、前記血液ポンプの流量の調整を引き起こすことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
応答を生成することは、心臓の回復を表す前記判定された値、前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力又はそれらの組合せに基づいて警告を生成することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記警告は、前記対象と関連付けられた装置上のプロセッサに送信される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記警告は、医療従事者と関連付けられた装置上のプロセッサに送信される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記警告は、緊急サービス要員に送信される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記警告は、所定の人又は人々のグループに送信される、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
警告を生成することは、前記第1の値、前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力又はそれらの組合せに基づいて、潜在的な問題を識別することを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記警告は、前記潜在的な問題を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記警告は、前記対象の位置を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記受信された入力に基づいて位置を判定し、及び前記位置を保存するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記保存された位置は、臨床医及び/又は研究者によってアクセスされるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記機械式血液ポンプは、対象の心臓の室内に挿入される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、心拍センサ及び圧力センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のセンサは、前記機械式血液ポンプ内又は前記機械式血液ポンプ上のセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のセンサは、前記対象に動作可能に結合されたパッチ内又はパッチ上のセンサをさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ又は複数のセンサは、前記対象に動作可能に結合されたウェアラブル装置内のセンサをさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記活動タイプを判定することは、対象が特定の活動に携わっているかどうかを判定することを含み、前記特定の活動は、歩くこと、座ること、立つこと、横になること、及び横になっていることから上体を起こすことに変化することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
機械学習アルゴリズムは、前記活動タイプ及び前記活動強度を判定するために使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記応答は、支援のレベルを調整することを含み、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記支援のレベルを調整することに応答して、心臓回復のパラメータを監視するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記1つ又は複数のプロセッサは、心臓回復の前記監視されたパラメータに基づいて、第2の応答を生成するようにさらに構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第2の応答を生成することは、心臓回復の前記監視されたパラメータに基づいて、前記血液ポンプの流量を調整することを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
対象での使用時に機械式血液ポンプを監視及び支援する方法であって、
1つ又は複数のセンサから入力を受信することと、
前記受信された入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定することと、
前記受信された入力並びに前記判定された活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方に基づいて、心臓の回復を表す第1の値を判定することと、
前記第1の値、前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力又はそれらの組合せに基づいて応答を生成することと
を含む方法。
【請求項26】
応答を生成することは、心臓の回復を表す前記判定された値に基づいて、前記血液ポンプの流量の調整を引き起こすことを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
応答を生成することは、心臓の回復を表す前記判定された値、前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力又はそれらの組合せに基づいて警告を生成することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記警告は、前記対象と関連付けられた装置上のプロセッサに送信される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記警告は、医療従事者と関連付けられた装置上のプロセッサに送信される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記警告は、緊急サービス要員に送信される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記警告は、所定の人又は人々のグループに送信される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
警告を生成することは、前記第1の値、前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力又はそれらの組合せに基づいて、潜在的な問題を識別することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記警告は、前記潜在的な問題を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記警告は、前記対象の位置を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記受信された入力に基づいて位置を判定し、及び前記位置を保存することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記保存された位置は、臨床医及び/又は研究者によってアクセスされるように構成される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記機械式血液ポンプは、対象の心臓の室内に挿入される、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
前記1つ又は複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、心拍センサ及び圧力センサを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項39】
前記1つ又は複数のセンサは、前記機械式血液ポンプ内又は前記機械式血液ポンプ上のセンサを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ又は複数のセンサは、前記対象に動作可能に結合されたパッチ内又はパッチ上のセンサをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ又は複数のセンサは、前記対象に動作可能に結合されたウェアラブル装置内のセンサをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項42】
前記活動タイプを判定することは、対象が特定の活動に携わっているかどうかを判定することを含み、前記特定の活動は、歩くこと、座ること、立つこと、横になること、及び横になっていることから上体を起こすことに変化することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項43】
機械学習アルゴリズムは、前記活動タイプ及び前記活動強度を判定するために使用される、請求項25に記載の方法。
【請求項44】
支援のレベルを調整し、及び前記調整するステップに応答して、心臓回復のパラメータを監視することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項45】
心臓回復の前記監視されたパラメータに基づいて、第2の応答を生成することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
第2の応答を生成する前記ステップは、心臓回復の前記監視されたパラメータに基づいて、前記血液ポンプの流量を調整することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
対象での使用時に機械式血液ポンプを監視及び支援するためのシステムであって、
機械式血液ポンプと、
前記対象の移動及び生理学的状態を検出するように構成された1つ又は複数のセンサと、
1つ又は複数のプロセッサであって、
前記1つ又は複数のセンサから入力を受信すること、
前記受信された入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定すること、
前記活動タイプ、活動強度、前記受信された入力及び/又はそれらの組合せに基づいて応答を生成すること
を行うように構成された1つ又は複数のプロセッサと
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/280,327号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、心臓治療から回復している対象のための支援システムに関し、特に、対象の回復の追跡を補助するために、血液ポンプからの信号及び他の構成要素からの信号からのデータを組み込むためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 過去に損傷した人間の心臓の回復を可能にするために、人工ポンプなどの機械式循環支援装置によって心臓の拍動が支援され得る。血管内血液ポンプは、血行力学的支援を提供し、心臓の回復を促進することができる。血管内血液ポンプは、循環器疾患を有する対象に補足的な心臓支援を提供するために、例えば心臓内に挿入されて、自己心臓と並行して心拍出量を補足することができる。そのような装置の例は、IMPELLA(登録商標)ファミリーの装置(Abiomed, Inc., Danvers Mass.)である。
【0004】
[0004] 現在、装置が送達しなければならない支援の量又は心臓補助装置の使用を終了するべき時点を判定することは、臨床医にとって困難である。したがって、臨床医は、定性的な判断と、流体で満たしたカテーテルを使用して心臓内又は血管内の圧力を測定することなどの心機能の間接的な推定とに依存する傾向がある。そのような定性的な判断は、間欠的、間接的及び非一貫的であり、リアルタイムに行うことができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005] 先行技術の様々な欠点は、開示されるシステム及び技術によって以下で対処される。例えば、開示されるシステム及び方法は、回復の連続的な評価を提供して、継続的にリモートベースで臨床的洞察を監督医に提供することができる。そのような技術は、機械的サーキュレータサポート(MCS)装置の結果として、例えばより活動的になっている対象における生活の質及び部分的な心不全分類の継続的な定性的測定も提供し得る。
【0006】
[0006] 対象とともに使用するための機械式血液ポンプの支援調整のためのシステムが開示される。システムは、(i)機械式血液ポンプと、(ii)対象の移動及び生理学的状態を検出するように構成された1つ又は複数のセンサと、(iii)1つ又は複数のプロセッサとを含み得る。1つ又は複数のプロセッサは、例えば、血液ポンプによって提供される支援の調整を可能にすること又は医療関係者を潜在的な問題に導くことなど、受信されたデータに基づいて応答を生成するように構成され得る。これは、以下を含むいくつかのステップを介して行われ得る:(i)1つ又は複数のセンサから入力を受信するステップ、(ii)入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定するステップ、(iii)入力並びに判定された活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方に基づいて、心臓の回復を表す第1の値を判定するステップ、(iv)第1の値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて応答を生成するステップ。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、機械式血液ポンプに動作可能に結合された第1のプロセッサを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、ネットワークを介して第1のプロセッサに動作可能に結合された第2のプロセッサを含み得る。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、応答を生成することは、心臓の回復を表す判定された値に基づいて、血液ポンプの流量の調整を引き起こすことを含み得る。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、応答を生成することは、例えば、心臓の回復を表す判定された値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて警告を生成することを含み得る。いくつかの実施形態では、警告は、対象と関連付けられた装置上のプロセッサ、医療従事者と関連付けられた装置上のプロセッサ及び/又は緊急サービス要員に送信され得る。いくつかの実施形態では、警告は、所定の人又は人々のグループに送信され得る。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、警告を生成することは、第1の値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて、潜在的な問題を識別することを含み得る。いくつかの実施形態では、(1人又は複数の個人に送信され得る)警告は、潜在的な問題を含み得る。いくつかの実施形態では、警告は、対象の位置を含み得る。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、受信された入力に基づいて位置を判定し、及び位置を保存するようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態では、保存された位置は、臨床医及び/又は研究者によってアクセスされるように構成され得る。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、機械式血液ポンプは、対象の心臓の室内に挿入され得る。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、心拍センサ及び圧力センサを含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、機械式血液ポンプ内又は機械式血液ポンプ上に配設されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、センサは、対象に動作可能に結合されたパッチ内又はパッチ上に配設されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、センサは、対象に動作可能に結合されたウェアラブル装置内又はウェアラブル装置上に配設されたセンサを含む。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、活動タイプを判定することは、対象が特定の活動に携わっているかどうかを判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、特定の活動は、歩くこと、座ること、立つこと、横になること、及び横になっていることから上体を起こすことに変化することを含み得る。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、活動タイプ及び活動強度を判定するために使用される。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、対象での使用時に機械式血液ポンプを監視及び支援する方法が提供され得る。
【0016】
[0016] 方法は、(i)1つ又は複数のセンサから入力を受信することと、(ii)入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定することと、(iii)入力並びに判定された活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方に基づいて、心臓の回復を表す第1の値を判定することと、(iv)第1の値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて応答を生成することとを含み得る。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、方法は、応答を生成することを含み得、心臓の回復を表す判定された値に基づいて、血液ポンプの流量の調整を引き起こすことを含む。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、方法は、応答を生成することを含み得、心臓の回復を表す判定された値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて警告を生成することを含む。いくつかの実施形態では、警告は、対象と関連付けられた装置上のプロセッサ、医療従事者と関連付けられた装置上のプロセッサ及び/又は緊急サービス要員に送信され得る。いくつかの実施形態では、警告は、所定の人又は人々のグループに送信され得る。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、警告を生成することは、第1の値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて、潜在的な問題を識別することを含み得る。いくつかの実施形態では、(1人又は複数の個人に送信され得る)警告は、潜在的な問題を含み得る。いくつかの実施形態では、警告は、対象の位置を含み得る。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態では、方法は、受信された入力に基づいて位置を判定し、及び位置を保存することを含み得る。いくつかの実施形態では、保存された位置は、臨床医及び/又は研究者によってアクセスされるように構成され得る。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、機械式血液ポンプは、対象の心臓の室内に挿入され得る。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、心拍センサ及び圧力センサを含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、機械式血液ポンプ内又は機械式血液ポンプ上に配設されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、センサは、対象に動作可能に結合されたパッチ内又はパッチ上に配設されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、センサは、対象に動作可能に結合されたウェアラブル装置内又はウェアラブル装置上に配設されたセンサを含む。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態では、活動タイプを判定することは、対象が特定の活動に携わっているかどうかを判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、特定の活動は、歩くこと、座ること、立つこと、横になること、及び横になっていることから上体を起こすことに変化することを含み得る。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、活動タイプ及び活動強度を判定するために使用される。
【0024】
図面の簡単な説明
[0024] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、上記の本発明の概要及び下記の実施形態の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0025]機械式血液ポンプの支援を調整するためのシステムの1つの実施形態の説明図である。
【
図2】[0026]心臓内に位置する血管内心臓ポンプシステムの1つの実施形態の説明図である。
【
図3】[0027]血液ポンプの実施形態の断面側面図である。
【
図4】[0028]開示される方法の実施形態のフローチャートである。
【
図5】[0029]開示される方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
[0030] 以下の説明及び図面は、単に本発明の原理を示すものである。したがって、当業者であれば、本明細書に明示的に記載も提示もされていないが、本発明の原理を具現化し、その範囲内に含まれる様々な配置を案出できるであろうことが理解されるであろう。さらに、本明細書に列挙されるすべての例は、主に、本発明の原理及び当技術分野の推進に本発明者が寄与する概念を読者が理解することを促進する例示的な目的のためにのみ明示的に意図され、そのような具体的に列挙される例及び条件に限定するものではないと解釈されたい。さらに、本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、別段の指示がない限り、非排他的な又は(例えば、「又はさもなければ」又は「又は代替として」)を指す。いくつかの実施形態は、新しい実施形態を形成するために1つ又は複数の他の実施形態と組み合わせることもできるため、本明細書に記載される様々な実施形態は、必ずしも互いに排他的ではない。
【0027】
[0031] 本出願の多くの革新的な教示について、特に本明細書で好ましい例示的な実施形態を参照して記載される。しかしながら、この種類の実施形態は、本明細書における革新的な教示の多くの有利な使用のわずかな例のみを提供することが理解されるべきである。一般に、本出願の本明細書で行われる記述は、必ずしも様々な特許請求される本発明のいずれかを限定するものでない。さらに、いくつかの記述は、いくつかの発明的特徴に適用されるが、他の特徴に適用されないことがある。
【0028】
[0032] 本発明者らは、心機能の推定に役立つリアルタイムの定量的、連続的、直接的な測定を提供することができる支援装置から得ることができる多くの利益があることを認識した。
【0029】
[0033] 従来、左室圧(LVP)は、バルーンを含む肺カテーテルを肺動脈の分枝内に挿入して行われる肺動脈楔入圧(PAWP)又は肺毛細血管楔入圧(PCWP)の測定によって推定されている。肺動脈カテーテルは、間欠的、間接的及び非一貫的であり、その結果、対象が必要とする心臓支援のレベルに関して臨床的判断を行うために臨床医が信頼して使用することができない不正確なデータをもたらすため、PAWP及びPCWPは、心臓の健康状態についての有効な測定値ではないことがある。
【0030】
[0034] さらに、そのような定性的な測定及び定期的な判断は、対象によって能動的に行われる活動に基づく、支援レベルに対するリアルタイムの変更を提供することができない。例えば、対象は、対象が座っているとき、対象が腹臥位から座位に移動するとき、対象が立ち上がろうとするとき、歩こうとするときなどに異なるレベルの支援を必要とし得る。
【0031】
[0035] 現在、回復は、所定のフォローアップ間隔で臨床環境においてのみ評価されている。例えば、歩行試験及び駆出率のようなものは、通常、所定の時点での評価に対して使用される。さらに、装置支援調整のための既存の生理学的制御は、主に学問的及び臨床前に行われてきた。これらのシステムは、通常、生理学的モデル(すなわち空気室)の生成及び活動レベルの類似としてのHRの評価に依存する。本発明者らは、活動の、心臓の回復としての直接的な測定がなく、特定の生理学的応答が中程度の心機能による高い強度又は中程度の強度による不良な心機能の結果であるかどうかが不明であることを理解した。
【0032】
[0036] 他の利益の中でもとりわけ、開示されるシステム及び方法は、そのような欠点を軽減することができる。
【0033】
[0037] 本明細書に記載のシステム、方法及び装置の全体的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態が記載される。本明細書に記載される実施形態及び特徴は、特に経皮的血液ポンプシステムに関連する使用に対して記載されるが、以下で概説されるすべての構成要素及び他の特徴は、任意の好適な方法で互いに組み合わされ得、外科的切開を使用して埋め込まれる心臓補助装置などを含む他のタイプの心臓治療及び心臓補助装置に適応及び適用され得ることが理解されるであろう。開示されるシステム及び方法は、対象の身体活動に対応し、対象の生活の質を改善するために、それ自体又は血液ポンプによって提供される支援を調整するための他のデータシステムとともに使用され得る。
【0034】
[0038] 様々なシステムが
図1に関して記載され得る。
図1では、機械式循環支援装置(例えば、血液ポンプ)の支援を調整するためのシステムの実施形態100は、対象110に対して参照され得る。システムは、機械式血液ポンプ120を含み得る。血液ポンプは、カテーテル121又はカテーテル121内に取り付けられ得、対象、例えば対象の心臓(図示せず)に埋め込み可能又は挿入可能であり得る。血液ポンプは、血管系の1つの部分から別の部分に血液を移動させるために、ブレードを有して構成されるモータ及びロータを含み得る。
【0035】
[0039]
図2を参照すると、そのような構成の実施形態が詳述されている。心臓補助装置、例えば血管内血液ポンプ200は、対象の血管内、例えば心臓202内に位置付けられ得る。
図2では、左心室203、大動脈204及び大動脈弁205が参照される。血管内血液ポンプ200は、カテーテル206、モータ208、ポンプ出口210、カニューレ211、ポンプ入口214及び圧力センサ212を含み得る。
【0036】
[0040] モータは、ロータ(
図2に示されない)を回転させるように構成され得、それにより、血液は、ポンプ入口214からカニューレ211を通してポンプ出口210に流れる。モータの位置決めは、変わり得る。いくつかの実施形態では、モータは、可撓性ドライブシャフト、駆動ケーブル又は流体的結合などの細長い機械的伝達要素を介してロータに結合され得る。いくつかの実施形態では、モータは、ロータの近位のポンプハウジング内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、モータは、ポンプハウジングの近位に位置付けられ得る。モータは、いくつかの実施形態では、体外にも位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、モータは、その近位端でカテーテルに、及びその遠位端でカニューレに動作可能に結合され得る。
【0037】
[0041] いくつかの実施形態では、カニューレは、大動脈弁にわたって位置付けられ得、それにより、ポンプ入口は、対象の身体の第1の領域(例えば、左心室)内に位置し得、ポンプ出口は、対象の身体の第2の領域(例えば、大動脈)内に位置し得る。本例の構成は、心拍出量を支援するために、血管内心臓ポンプシステムが左心室から大動脈に血液を送り出すことを可能にする。いくつかの実施形態では、血管内心臓ポンプシステムは、心臓の自己心拍出量と並行して左心室から大動脈に血液を送り出し得る。
【0038】
[0042] 健康な心臓を通る血流は、通常、約5リットル/分である。いくつかの実施形態では、血管内心臓ポンプシステムを通る血流は、健康な心臓と比較して同様の流量であるように調整され得る。他の実施形態では、血管内心臓ポンプシステムを通る血液は、健康な心臓と比較して異なる流量であるように調整され得る。例えば、いくつかの実施形態では、血管内心臓ポンプシステムを通る流量は、0.5リットル/分、1リットル/分、1.5リットル/分、2リットル/分、2.5リットル/分、3リットル/分、3.5リットル/分、4リットル/分、4.5リットル/分、5リットル/分、5リットル/分より多い流量又は任意の他の好適な流量であり得る。
【0039】
[0043] 血管内心臓ポンプシステムのモータは、任意の数の方法で変更することができる。例えば、モータは、電気モータであり得る。いくつかの実施形態では、モータは、左心室から大動脈に血液を送り出すために一定の回転速度で動作され得る。モータにかかる負荷は、心臓の心臓周期の異なるステージ間で変化するため、モータを一定の速度で動作させるには、一般にモータに変化する量の電流を供給する必要がある。例えば、血液ポンプを通る大動脈への血液の質量流量が増加するとき(例えば、心収縮中)、モータの動作に必要な電流が増加する。いくつかの実施形態では、モータ電流のこの変化は、心機能を特徴付けることを促進するために使用され得る。モータ電流を使用した質量流量の検出は、例えば、左心室から大動脈への血流の自然の方向に位置合わせされたモータの位置によって容易にされ得る。
【0040】
[0044] モータ電流を使用した質量流量の検出は、モータのサイズが小さいこと及び/又はトルクが低いことによっても容易にされ得る。いくつかの実施形態では、モータは、例えば、約4mmの直径を有し得るが、ロータ-モータ集合体が十分に小さく、十分に低いトルクを有し、ポンプにわたる生理学的圧力勾配の変化に迅速及び容易に反応できるように位置付けられることを条件として、任意の好適なモータ直径が使用され得る。いくつかの実装形態では、モータの直径は、4mm未満であり得る。いくつかの実装形態では、モータの直径は、3.5mm未満であり得る。
【0041】
[0045] いくつかの実装形態では、モータに送達される電力など、電流以外の1つ又は複数のモータパラメータが測定される。いくつかの実装形態では、モータは、一定の速度で動作し得る。いくつかの実装形態では、モータの速度は、自己心機能を探るために、(例えば、デルタ関数、階段関数、シヌソイド関数及び/又はランプ関数として)経時的に変化し得る。いくつかの実施形態では、経時的な変化は、一定であり得(例えば、単純な正弦波的変化)、及び/又はデルタ、階段若しくはランプは、規則的な変化を含み得る(例えば、5秒ごとの固定された1000rpmの変化若しくは1分以上5000rpmずつ回転速度を増加させる一定のランプ)。いくつかの実施形態では、経時的な変化は、一定でなくてもよく(例えば、第1の周波数から第2の周波数に定期的に変化し得る正弦波的変化)、及び/又はデルタ、階段若しくはランプは、不規則変化を含み得る(例えば、5秒後に1000rpmの第1の変化、次いで3秒後に400rpmの変化)。
【0042】
[0046] 血管内心臓ポンプシステムの圧力センサ212は、モータ上又はポンプの流出部、すなわちポンプ出口210など、ポンプ上の様々な位置に配設され得る。圧力センサをポンプ出口に配置することにより、血管内血液ポンプシステムが大動脈弁にわたって位置付けられたとき、圧力センサが真の大動脈圧(AoP)を測定することを可能にし得る。ある実装形態では、血管内心臓ポンプの圧力センサは、カニューレ上、カテーテル上又は任意の他の好適な位置に配設され得る。
【0043】
[0047] いくつかの実施形態では、圧力センサは、血管内心臓ポンプシステムが心臓内に適切に位置付けられたときに大動脈の血圧を検出し得る。血圧情報は、血管内心臓ポンプシステムを心臓内に適切に置くために使用され得る。例えば、圧力センサは、ポンプ出口が大動脈弁を通過して左心室に入ったかどうかを検出するために使用され得、その場合、血液は、左心室から大動脈まで輸送されるのではなく、左心室内で循環されるのみになる。
【0044】
[0048] いくつかの実装形態では、圧力センサは、流体で満たされたチューブ、差圧センサ、液圧センサ、圧電抵抗式ストレインゲージ、光学干渉式センサ若しくは他の光学式センサ、MEMS圧電センサ又は任意の他の好適なセンサであり得る。
【0045】
[0049] 血管内心臓ポンプは、経皮的挿入などの様々な方法で心臓に挿入され得る。例えば、血管内心臓ポンプは、大腿動脈(図示せず)を通り、大動脈を通り、大動脈弁にわたって左心室に挿入され得る。ある実装形態では、血管内心臓ポンプシステムは、心臓(例えば、対象の心臓の室)に外科的に挿入され得る。いくつかの実装形態では、血管内心臓ポンプ又は右心のために適合された類似のシステムが右心に挿入され得る。例えば、
図2に示される血管内心臓ポンプに類似の右心ポンプが大腿静脈を通して下大静脈に挿入され、右心房及び右心室をバイパスして肺動脈内まで延在し得る。代わりに、右心ポンプは、内頚静脈及び上大静脈を通して挿入することができ、及び左心ポンプは、腋窩動脈を通して挿入することができる。
【0046】
[0050] ある実装形態では、血管内心臓ポンプは、心臓の外側の血管系内(例えば、大動脈内)での動作のために位置付けられ得る。低侵襲的に血管系内に存在することにより、血管内心臓ポンプシステムは、自己心機能の特性決定を可能にするのに十分な感度を有する。
【0047】
[0051]
図3を参照すると、いくつかの実施形態による血液ポンプ200の実施形態の断面図が示されている。血液ポンプ200は、上記のようなロータ311と、(例えば、ポンプモータであり得、及び固定子を含み得る)電気駆動ユニット350とを含み得る。血液ポンプは、血流入口214及び血流出口210を有するポンプケーシング302を含み得る。血液ポンプは、カテーテルポンプとも呼ばれる血管内ポンプとして設計され得、カテーテル206によって患者の血管内に配置され得る。いくつかの実施形態では、血流入口214は、使用中、大動脈弁などの心臓弁を通して置かれ得る可撓性カニューレ211の端部にあり得る。血流出口210は、ポンプケーシングの側面に位置し得、大動脈などの心臓の血管内に置かれ得る。血液ポンプは、カテーテルを通して延在する送電線346と電気的に接続され得る。送電線は、例えば、電気駆動ユニット350によって血液ポンプを駆動するために血液ポンプに電力を供給し、及び/又は血液ポンプ内若しくは血液ポンプ上のセンサと通信するために使用され得る。
【0048】
[0052] 血液ポンプが、長期的な用途、すなわち血液ポンプが数週間又はさらに数か月間にわたって患者に埋め込まれ得る状況で使用されることが意図される場合、電力は、バッテリによって供給され得る。これにより、患者がケーブルによって基地局に接続されないため、患者を移動可能にすることができる。バッテリは、患者が持ち運ぶことができ、例えば無線で血液ポンプに電気エネルギを供給し得る。
【0049】
[0053] 血液は、血流入口214と血流出口210とを接続する通路344に沿って搬送され得る(血液の流れは、矢印で示される)。上記のようなロータ311(インペラとも呼ばれる)は、通路344に沿って血液を搬送するために設けられ得る。いくつかの実施形態では、ロータは、第1の軸受331及び第2の軸受332によってポンプケーシング302内の回転軸305の周りで回転可能であるように取り付けられ得る。回転軸305は、ロータ311の長手方向軸に沿うものであり得る。両方の軸受331、332は、本実施形態では、接触型軸受であり得る。しかしながら、軸受331、332の少なくとも1つは、磁気軸受又は流体軸受などの非接触型軸受であり得る。第1の軸受331は、回転運動及びある程度のピボット運動を可能にする球面軸受面を有するピボット軸受であり得る。ピン333が設けられ得、軸受面の1つを形成する。第2の軸受332は、ロータの回転を安定させるために支持部材313内に配設され得、支持部材は、血流のための少なくとも1つの開口314を有する。ブレード315は、ロータが回転すると血液を搬送するためにロータ上に設けられ得る。ロータの回転は、ロータ311の近位端で磁石321に磁気的に結合され得る駆動ユニット350によって引き起こされ得る。
【0050】
[0054] 図示された血液ポンプは、流れの主要な方向が軸方向である混合型の血液ポンプであることが理解されるであろう。血液ポンプは、ロータ、特にブレードの配置に応じて、純粋に軸方向の血液ポンプでもあり得ることが理解されるであろう。
【0051】
[0055] 当業者は、前記血管内血液ポンプロータと磁気的に相互作用可能であるように電気駆動ユニットを構成する方法を認識するであろう。いくつかの実施形態では、電気駆動ユニットは、ロータに隣接しているが、ロータと物理的に離れているように構成されなければならない。
【0052】
[0056] 血液ポンプは、1つ又は複数のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、単一のセンサが組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、複数のセンサが含まれ得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサは、機械式血液ポンプ内又は機械式血液ポンプ上のセンサを含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサがポンプ出口に位置付けられ得る。
図3では、圧力センサ212は、ポンプ出口210の近くでポンプケーシング302の外側表面361上に位置付けられるように示されている。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ360は、ポンプケーシング内に存在し得る。
図3では、センサは、管腔362を通して信号を介して通信するように構成されるように示されている。
図3では、管腔は、カテーテル及びポンプケーシングの外部にあるように示されているが、いくつかの実施形態では、管腔は、ポンプケーシング及び/又はカテーテルの一部又は全部の内部にあり得る。
【0053】
[0057]
図3では、第2のセンサ360も参照される。いくつかの実施形態では、第2のセンサは、例えば、電気駆動ユニットの近位端352に結合され得、ポンプケーシング内に位置付けられ得る。第2のセンサは、送電線346を介して通信し得る。理解されるように、センサは、例えば、プリント回路基板(図示せず)及びセンサが必要とするいくつか又はすべての回路も含み得る。
【0054】
[0058]
図1を再び参照すると、血液ポンプは、1つ又は複数のプロセッサ122によって動作可能に制御され得、1つ又は複数のプロセッサ122は、有線及び/又は無線通信インタフェース、1つ又は複数のセンサ、メモリ、非一時的コンピュータ可読記憶媒体などの1つ又は複数の他の構成要素123と動作可能に通信し得る。1つ又は複数のプロセッサは、任意選択的に、ハウジング125内に位置し得る。ハウジングは、カテーテルに動作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、カテーテル121に直接的に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、カテーテルに間接的に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、取り外し可能であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、ハウジング内の内部構成要素へのアクセスを可能にするドア、ポート又はハッチを有し得る。
【0055】
[0059]
図1に示されるシステム100では、血液ポンプは、1つ又は複数のプロセッサと動作可能に通信するように構成され得る。1つ又は複数のプロセッサは、任意選択的なハウジング内に1つ又は複数のプロセッサ122を含み得、及び/又は(ここでは対象の手首に装着されて示されている)別個の制御装置130内又はコンピュータ、モバイル機器若しくは遠隔サーバ160などの遠隔位置に存在する1つ又は複数のプロセッサであり得る。制御装置の位置は、理解されるように、他の実施形態では変更され得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御装置は、数例を挙げれば、手首、腕、脚、(例えば、ベルト上を含む)腰の周り及び/又は首の周りに装着され得る。いくつかの実施形態では、制御装置は、対象に装着されなくてもよいが、代わりに移動可能なカート、車椅子及び/又は別の装置(例えば、移動可能な装置)などの別の好適な装置上にあり得る。いくつかの実施形態では、制御装置は、携帯電話又はタブレットであり得る。
【0056】
[0060]
図1では、制御装置130は、1つ又は複数のプロセッサ131と、有線及び/又は無線通信インタフェース、センサ、メモリ及び/又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体などの1つ又は複数の他の構成要素132とを含む別個のウェアラブル装置として示されている。いくつかの実施形態では、制御装置の1つ又は複数のプロセッサ131は、有線又は無線のいずれかで血液ポンプと動作可能に通信し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ131は、例えば、ウェアラブル装置140(例えば、時計、リングなど)及び/又は基板150(例えば、パッチを含む他のセンサなどの他のセンサ又装置とも動作可能に通信し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、遠隔サーバ160と動作可能に通信し得る。いくつかの実施形態では、遠隔サーバは、代替の又は追加のアプローチとして、血液ポンプと直接通信し得る。構成要素間のすべてのそのような通信は、独立して有線又は無線通信であり得、独立して双方向又は一方向であり得る。
【0057】
[0061] いくつかの実施形態では、制御装置内の1つ又は複数のプロセッサは、ネットワーク上で遠隔装置(例えば、遠隔サーバ、ラップトップ、タブレット又はモバイル機器)上の1つ又は複数のプロセッサと通信し得る。
【0058】
[0062] 本明細書に記載のシステムは、複数のセンサを含み得、そのそれぞれは、以下の2つのタイプの情報の少なくとも1つを提供するように構成され得る:(i)患者の身体の動き若しくは位置に関する情報又は他の非心臓関連情報、及び(ii)心機能の回復に関する情報。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、ポンプ内又はポンプ上のセンサを含み、対象に動作可能に結合されたウェアラブル装置内又はウェアラブル装置上のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、ポンプ内又はポンプ上のセンサを含み、対象に動作可能に結合されたパッチ内又はパッチ上のセンサを含み得る。
【0059】
[0063] いくつかの実施形態では、身体の動き又は位置に関する情報は、1つ又は複数の単軸若しくは多軸ジャイロスコープ及び/又は加速度計で捕捉され得る。いくつかの実施形態では、システムは、身体の異なる部分に2つ以上のこれらのセンサを含み得る。例えば、
図1の実施形態は、対象の第1の先端上の少なくとも1つのセンサ(例えば、手首に装着された装置の他の構成要素132の1つがセンサである)並びに対象の第2の先端上の少なくとも1つのセンサ(例えば、対象の足及び/又は脚に取り付けられたウェアラブル装置140(又は基板)に動作可能に結合されたセンサ145)を利用し得る。
【0060】
[0064] いくつかの実施形態では、ジャイロスコープ及び加速度計の他に、他のタイプのセンサが適宜利用され得る。いくつかの実施形態では、複数の生理学的パラメータが判定される。いくつかの実施形態では、SpO2、脈拍数及び/又は駆出時間などの複数の生理学的パラメータは、センサを介して直接又はセンサデータから導かれて監視され得る。いくつかの実施形態では、心機能の回復に関連する情報は、心拍数、血中酸素飽和度(SpO2)、圧力(例えば、血圧、左室圧、左室拡張末期圧など)又は流量若しくは速度(例えば、静脈内での血液の容積流量若しくは血液の速度など)を捕捉するように構成された1つ又は複数のセンサによって捕捉され得る。いくつかの実施形態では、環境センサが組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、センサデータは、温度及び/又は湿度データを含み得る。
【0061】
[0065] 様々なセンサタイプが適宜利用され得る。いくつかの実施形態では、基板150に取り付けられ得る歪みセンサ155は、対象が体を曲げているときの検出を促進するために、例えば対象の腹の部位で利用され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の加速度計は、ポンプに結合され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の加速度計は、ユーザに結合されたウェアラブル装置及び/又はパッチに結合され得る。いくつかの実施形態では、センサは、複数の目的のために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、光学式センサは、振動センサとして使用され得る。
【0062】
[0066] いくつかの実施形態では、システムは、携帯電話、ラップトップ若しくはタブレット又は(例えば、スケール、温度計などを含む)医療装置などの1つ若しくは複数の遠隔装置170、180(
図1を参照されたい)を含み得る。
【0063】
[0067] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、患者の身体内又は身体上のセンサが提供できるものを上回る他の情報を必要とし得る。いくつかの実施形態では、例えば、(1つ又は複数の遠隔装置170、180などの)遠隔装置は、特に数分、数時間又は数日にわたって大きく変化できなくてもよいデータについて、そのような情報を提供することが可能であり得る。例えば、1つ又は複数のプロセッサは、対象の身長及び/又は体重も必要とし得る。対象の身長は、一度測定され、例えば電話、タブレット、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータなどのリモートコンピューティング装置であり得る遠隔装置170からのデータパケットとして1つ又は複数のプロセッサに別々に伝送され得、コンピューティング装置に関連するユーザ(例えば、開業医などの第1のユーザ175)は、情報(ここでは対象の身長)を装置に入力し、次いで、その情報は、制御装置及び/又は遠隔サーバに伝送される。
【0064】
[0068] 同様に、対象の体重は、低い頻度に基づいて(例えば、毎日、毎週など)監視され得、同じように1つ又は複数のプロセッサに提供され得る。代わりに、1つ又は複数のプロセッサは、適切な装置からこの追加データの一部又は全部、例えば(ここではスケールとして示される)遠隔装置180のセンサから体重を自動的に受信し得る。
【0065】
[0069] いくつかの実施形態では、構成要素は、所望の結果に基づいて様々な方法で利用され得る。
図4に関して、方法の実施形態が提供され得る。方法400は、本明細書に開示されるものなどの1つ又は複数のセンサから入力を受信すること410を含み得る。
【0066】
[0070] いくつかの実施形態では、方法は、受信された入力を前処理すること415を含み得る。いくつかの実施形態では、これは、すべての受信データにタイムスタンプ付けして保存すること416を含み得る。
【0067】
[0071] いくつかの実施形態では、これは、受信データから1つ又は複数の特徴を抽出すること417を含み得る。例えば、「歩容」特徴は、加速度計データから抽出され得る。いくつかの実施形態では、この抽出プロセスは、周波数領域などの異なる領域へのセンサデータの変換を必要とし得る。いくつかの実施形態では、抽出プロセスは、ローパスフィルタなどのフィルタがセンサデータ又は変換されたデータに適用されることを必要とし得る。「歩容」特徴は、例えば、最大1Hz、最大2Hz、最大3Hz、最大4Hz又は最大5Hzの卓越振動数として現れ得る。
【0068】
[0072] いくつかの実施形態では、方法は、受信された入力に基づいて、活動タイプ、活動強度又は活動タイプ及び強度の両方を判定すること420を含み得る。より詳細には、様々なセンサで提供されたデータを含む受信データを使用して、1つ又は複数のプロセッサは、ある期間にわたって収集されたセンサ読み取り値に基づいて、いずれの活動が起こっているかを分類又は判定することができる。いくつかの実施形態では、身体の動き又は位置に関連するセンサのみがこの分類のために利用され得る。いくつかの実施形態では、活動タイプを判定することは、歩くこと、座ること、立つこと、横になること、及び/又は横になっていることから上体を起こすことに変化することなど、特定の活動に対象が携わっているかどうかを判定することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、前腕のセンサ及び下腿の上のセンサからジャイロスコープ及び加速度計のデータを受信して、対象が走っているか、歩いているか、座っているか、上体を起こそうとしているか、立っているか又は横になっているかを判定するように訓練され得る。
【0069】
[0073] アルゴリズムは、任意の時点で活動タイプを判定し得、規則的な間隔及び/又は不規則な間隔で追加の判定を行い得る。いくつかの実施形態では、分類器は、活動タイプを連続的に判定し得る。いくつかの実施形態では、分類器は、30秒ごと又は1分ごとなど、定期的に活動タイプを判定する。
【0070】
[0074] いくつかの実施形態では、分類器は、いずれのタイプの活動が現在対象によって行われているか判定するとき、現時点(t)の前の直近の時間期間(tp)に取得されたセンサデータからのデータのみ考慮し得る(例えば、ここで、t-tpは、≦1分、≦2分又は≦5分である)。
【0071】
[0075] いくつかの実施形態では、分類器がデータを考慮する時間期間は、分類器が活動タイプを判定しようとする時間の間隔より大きくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、分類器は、前の5分のセンサデータに基づいて、対象がいずれの活動を行っているかを30秒ごとに判定するように構成され得る。
【0072】
[0076] いくつかの実施形態では、方法は、判定された活動タイプにタイムスタンプ付けして保存すること421を含み得る。分類器は、このタイムスタンプ付けされた活動タイプ情報も利用し得る。
【0073】
[0077] いくつかの実施形態では、タイムスタンプ付けされた活動タイプ情報は、特定の活動のタイミング又は順番に起こり得る活動の群を予測するために使用され得る。
【0074】
[0078] 当技術分野で知られている多くのタイプのアルゴリズム及び/又は分類器がある。任意の適切なアルゴリズム又は分類器は、これらの判定/分類ステップのために利用され得る。いくつかの実施形態では、k最近傍(KNN)アルゴリズムのような教師あり機械学習アルゴリズムが利用され得る。
【0075】
[0079] いくつかの実施形態では、行われている正確な活動を判定することを必要としないこともある。すなわち、対象が歯磨きをしているか又はシャワーを浴びているかどうかを判定することを常に必要としなくてもよい。代わりに、活動を一般的なタイプ又はカテゴリとして単に分類することのみ必要であり得る。いくつかの実施形態では、対象の胸の大体の向き(例えば、略垂直、略水平又は寄りかかっている)を知ることのみ必要であり得る。他の実施形態では、心臓上の予想されるストレスレベルによって活動を分類又はカテゴリ化することが有用であり得る。すなわち、特定のタイプの位置又は動きは、所定の回復レベルにおける所定の対象について、「低」ストレス、他の「中」ストレス及びさらに他の「高ストレス」と考えられる。
【0076】
[0080] いくつかの実施形態では、活動又は活動の分類は、移動の速度又は比率に基づき得る。例えば、対象が座位にあるように検出されたが、通常の歩いているペースに類似の比率で移動している場合、アルゴリズムは、対象が車椅子で押されていると判定し得る。対象が座っているように検出されたが、腕が規則的なパターンで移動し、及び対象の身体が遅いペースで移動している場合、アルゴリズムは、対象が車椅子で自らを移動させていると判定し得る。
【0077】
[0081] 活動のタイプに加えて又はタイプに代わるものとして、活動の強度が判定され得る。
【0078】
[0082] 活動の強度は、生理学的センサに基づき得、単独で又は動きセンサ及び/又は判定された活動のタイプと組み合わせて実行される。例えば、いくつかの実施形態では、心拍センサは、心拍数ゾーンを判定するために対象の年齢とともに使用され得る。例えば、HRMAX=220-年齢(又は205.8-(0.685×年齢)若しくは他の適切な相関関係)として推定される最大心拍数(HRMAX)により、いくつかの実施形態では、強度は、HRMAXのパーセンテージであり得る。他の実施形態では、強度は、記述する範囲であり得る。「低」強度は、HRMAXの<50%であり得、「中」強度は、HRMAXの50~85%であり得、「高」強度は、HRMAXの>85%であり得る。
【0079】
[0083] さらに他の実施形態は、活動が起こっている間のSpO2の変化に部分的に基づいて強度を判定し得る。例えば、上体を起こすことで対象が苦しそうに息をしている場合、SpO2の読み取り値は、それをSpO2の低下として反映する。このような例では、低下がより大きいほど、活動がより激しい。
【0080】
[0084] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、センサデータを収集して、活動の強度を分類するために、訓練された機械学習アルゴリズムで構成され得る。
【0081】
[0085] いくつかの実施形態では、活動のタイプ及び強度は、実質的に同時に判定される。例えば、訓練された機械学習アルゴリズムは、人が低強度の歩行又は高強度の歩行を行っていることを示しているとき、センサデータを分類するために利用することができる。
【0082】
[0086] いくつかの実施形態では、方法は、受信された入力並びに判定された活動タイプ及び/又は強度に基づいて、所定の活動タイプ及び/又は強度に対して異常であることを示す動きがあるかどうか判定すること425を含み得る。例えば、全体的な活動タイプが「横になることから上体を起こすことに位置を変えること」であるように判定され、センサも血液ポンプの急激な下向き加速を示す場合、対象の胸がベッドから上がるとき、任意の加速は、上向きであろうと予想されるため、方法は、異常行動の兆候を検出し得る。代わりに、この例では、急激な下向き加速は、対象が落下した兆候であり得る。いくつかの実施形態では、このステップは、検出される異常な動きのタイプに関する判定を行うことを含み得る(例えば、落下又は滑り、ポンプ配置の変化など)。
【0083】
[0087] いくつかの実施形態では、方法は、受信された入力並びに判定された活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方に基づいて、心臓の回復を表す値を判定すること430を含み得る。すなわち、異なる活動タイプ、強度及び期間下での生理学的反応の一時的評価は、心血管の回復のインジケータとして使用され得る。
【0084】
[0088] 1つの実施形態では、方法は、特定の活動が実行されている間の経時的な又は特定の活動が実行された後の心拍数並びに左室拡張期充満圧及び/又は収縮期圧勾配などの心血管関連圧力における1つ又は複数の傾向を判定すること431を含み得る。このような実施形態では、心臓回復値を判定すること430は、そのような判定された傾向にさらに基づき得る。
【0085】
[0089] いくつかの実施形態では、方法は、心臓の回復を表す値に基づいて、活動タイプ、強度又はその両方が望ましいかどうかを判定すること435を含み得る。例えば、手術の直後に、対象は、おそらく廊下を駆け降りているべきでないであろうことが理解され、それらが行われた場合、医師は、その事実を知るべきである。別の例では、回復している対象が高強度で走っているが、対象の心臓回復値が低い場合、現在の心臓回復値の場合の強度が望ましくないという判定があり得る。この判定は、例えば、データベース上に保存された曲線又は特定の活動に対して定義された式などに基づき得る。例えば、1つ又は複数の所定の活動に対する式を含み得る、この判定を行う1つ又は複数のプロセッサに動作可能に結合されたデータベースである。そのような式は、心臓回復が特定の値未満(例えば、0.5より小さい回復)である場合、0(すなわち活動が望ましくない)の望ましい最大強度を定義し得、次いで心臓回復値が(例えば、ここでは0.5から1に)増加するとき、0から1まで直線的に(又は非直線的に)増加する定義された望ましい最大強度である。
【0086】
[0090] いくつかの実施形態では、方法は、応答を生成すること440も含み得る。いくつかの実施形態では、生成される応答は、心臓の回復を表す値、判定された活動、判定された強度及び/又は受信された入力に基づき得る。いくつかの実施形態では、生成される応答は、判定された問題に基づき得る。いくつかの実施形態では、問題は、例えば、判定された異常な動き又は活動が本明細書に開示される心臓の回復の場合に望ましくないという判定であり得る。
【0087】
[0091] いくつかの実施形態では、応答を生成することは、血液ポンプの流量の調整を引き起こすこと441を含み得、それは、例えば、心臓の回復を表す判定された値に基づき得る。
【0088】
[0092] 例えば、心臓回復パラメータが判定されると、パラメータは、血液ポンプの流量の調整が必要であるかどうか、並びに必要に応じて、どの程度の量、どのような変化率及び/又はどの程度の長さであるかを判定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、心臓回復パラメータは、0~1の値である(0は、ゼロ回復であり、1は、完全又は十分な回復である)。1つの実施形態では、システムは、k(1-心臓回復パラメータ)としてモータ速度の増加を計算し、ここで、kは、活動タイプ及び強度に基づく重み係数である。
【0089】
[0093] いくつかの実施形態では、調整は、ときに患者の心臓回復レベル自体に関係し得、調整は、ときに心臓回復レベル及び他の因子に関係し得、及び一部の調整は、心臓回復レベルにまったく関係しなくてもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、1つ若しくは複数の生理学的パラメータ(例えば、血圧及び/又は心拍数)、及び/又は活動タイプ、及び/又は強度に基づいて、追加の支援が必要であるかどうかを単に検出し得る。
【0090】
[0094] いくつかの実施形態では、システムによって提供される支援値を設定することが有利であり得る2つ以上の領域があり得る。例えば、少なくとも2つの支援レベルを有することが有用であり得、第1のレベルは、心臓回復に基づく安静時支援であり、第2のレベルは、活動強度、タイプ及び心臓回復に基づく能動的な支援である。
【0091】
[0095] 一例として、患者にポンプで提供されている支援のレベルを徐々に低下させる努力の一部として調整が行われ得る。これは、回復のために心臓を「訓練する」ための技術と考えることができ、自己心臓が不足を補い、時間が経つにつれてより強固になることができるようにゆっくりと支援の量を減少させ得る。いくつかの実施形態では、これは、経時的に装置によって提供される支援のベースラインレベル(例えば、最小ポンプ速度)を調整することにより、そのような調整中に心臓を監視するために行われ得る。いくつかの実施形態では、調整は、心臓がどのように経時的に回復しているかに基づき得る(例えば、心臓回復の顕著な改善が認識されたときに患者支援のレベルを低下させ続ける。いくつかの実施形態では、支援のレベルは、回復のレベルが0から100%に変化すると、連続した下り勾配で提供され得る。いくつかの実施形態では、心臓回復パラメータは、0~1の値であり得る(0は、ゼロ回復であり、1は、完全又は十分な回復である)。いくつかの実施形態では、勾配は、直線状であり得る。他の実施形態では、勾配は、非直線状であり得る。1つの実施形態では、システムは、b=m+z(1-心臓回復パラメータ)としてベースライン支援モータ速度(b)を計算し得、ここで、mは、所定の最小モータ速度であり、zは、所定のスケーリング因子である。ここで、明らかに、速度の調整は、心臓回復パラメータの変化のz倍であり得る。いくつかの実施形態では、支援のレベルは、0から100%に回復のレベルが変化したときの複数のステップ変更として提供され得る。1つの実施形態では、システムは、m+z(回復が<25%のとき)、m+0.67z(回復が<50%のとき)、m+0.33z(回復が<75%のとき)及びm(回復が≧75%のとき)としてベースライン支援モータ速度を設定し得る。このような実施形態では、ステップ調整は、判定された回復が変化したときに行われ得る。
【0092】
[0096] 別の例として、任意選択的に、上記のベースライン支援調整に加えて、調整は、追加の又は代替的な回復メトリックを提供するために行われ得る。例えば、病院環境において、血液ポンプを使用している患者は、6分の歩行試験を実行するように依頼され得、血液ポンプは、可能な最も低い支援レベルまで低下され、患者の心臓支援は、患者が歩いたときに測定され、患者が歩く距離は、回復に関連するメトリックとして使用される。ここで、速度の調節又は調整は、6分の歩行試験に対する代替案を提供するために行われ得る。例えば、1つの実施形態では、生理学的パラメータは、患者が、元々、患者の支援のベースラインレベルであり得る目標活動(例えば、ウォーキング、安静にすること又はさらに横になること)を実行している間、速度の変化の前後に監視され得る。このような例では、生理学的パラメータの差は、次に、回復値を判定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、変更後の生理学的パラメータの変化率は、回復率を判定するときにも考慮される。いくつかの実施形態では、最大の差が考慮される。いくつかの実施形態では、最小の差が考慮される。例えば、変更後のある時点でシステムが心拍数を測定し、心拍数が変更前心拍数より最初に20bpm速いが、最終的に心拍数が変更前心拍数まで落ちる場合、それは、20bpmの最大差及びゼロの最小差であろう。いくつかの実施形態では、モータ速度の単一の階段状変化での減少が試験のために使用され、その後、速度は、その元のレベルに戻るように増加される。いくつかの実施形態では、減少は、その元の設定から減少されたレベルへの連続変化であり、次いで元の設定に戻る。ベースライン設定からの速度の最大の減少は、固定量であり得るか又はベースライン速度のパーセンテージであり得る。例えば、1つの実施形態では、システムは、患者が歩いている間に血圧及び心拍数を監視し得る。次いで、システムは、そのベースライン支援速度(b)から、bの80%である減少した速度(r)まで速度を落とし得、血圧及び心拍数を監視し続ける。
【0093】
[0097] 別の例として、任意選択的に、継続的なベースライン支援調整に加えて、調整は、深刻な状態の患者の支援を「増大させる」ように行われ得る。すなわち、いくつかの実施形態では、支援を徐々に停止するために心臓を「訓練している」としても、(例えば、改善された生活の質のための及び/又は心臓回復を促進するために)いくつかの活動を実行しているとき、その同じ患者に対して追加の支援を得ることを望むことが有利であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、患者が一続きの階段の歩いて上ろうとしていると判定し得る。この例では、システムは、判定された活動に基づいて支援の短い「増大」を提供し得る。理解されるように、いくつかの実施形態では、判定される「増大」は、(例えば、患者が階段を歩いて上っているときの、1つ又は複数のセンサから受信された入力に基づく心臓回復を表す値並びに活動タイプ、強度又はタイプ及び強度の両方を判定する、本明細書に記載の方法に基づいて判定され得る。
【0094】
[0098] いくつかの実施形態では、システムは、判定された活動タイプに基づいて、ベースライン支援モータ速度に対する所定の調整(増加)を行い得る(例えば、モータ速度=b+y、ここで、yは、活動タイプに基づく速度調整である)。いくつかの実施形態では、yは、所定の固定値であり得る(例えば、+5,000rpm)。いくつかの実施形態では、yは、ベースラインモータ速度に基づき得る(例えば、ベースラインモータ速度の+5%)。
【0095】
[0099] さらに他の実施形態では、活動の強度のレベルにのみ基づいて調整が行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、回復中の患者が歩いていると判定され得、歩いている間、強度は、「高」強度から「中」強度に変わったと判定される。この例では、システムは、強度の減少に基づいて固定量(例えば、-5000rpm)又は相対量(例えば、ベースライン速度の-15%)だけ速度を減少させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、変化は、階段状変化であり得るか、又は現在の速度から調整された速度への連続変化であり得る。
【0096】
[0100] さらに他の実施形態では、生理学的パラメータにのみ基づいて調整が行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、回復レベルに関係なく、支援の変更が何かの理由(例えば、あまりに高い又はあまりに低い血圧など)のために必要であると判定され得る。いくつかの実施形態では、システムは、様々なセンサから受信された入力に基づいて速度を増加又は減少させるように構成され得る。
【0097】
[0101] いくつかの実施形態では、応答を生成することは、所定の活動について異常な移動が検出されたとき、及び/又は所定の活動及び/又は強度が心臓回復の所定の程度に好ましくないと判定された場合、警告を生成すること442を含み得る。いくつかの実施形態では、警告は、所定の人又は人々のグループに送信され得る。いくつかの実施形態では、警告は、対象と関連付けられた装置上のプロセッサに送信され得る。いくつかの実施形態では、警告は、医療従事者と関連付けられた装置上のプロセッサに送信され得る。いくつかの実施形態では、警告は、緊急サービス要員に送信され得る。
【0098】
[0102] いくつかの実施形態では、これは、医療従事者(例えば、医師、看護師など)のために視覚的及び/又は聴覚的警告を生成することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御装置は、警告をユーザ175(例えば、医療従事者)と関連付けられた遠隔装置170に送信し得、それは、遠隔装置がユーザに視覚的及び/又は聴覚的警告を提供するようにし得る。いくつかの実施形態では、制御装置は、スピーカ又はディスプレイ(例えば、
図1の他の構成要素132を参照されたい)を含み得る。そのようなスピーカ又はディスプレイは、対象に視覚的及び/又は聴覚的警告を発することができる。いくつかの実施形態では、そのような警告は、注意を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような警告は、取るべき行動を含み得る。
【0099】
[0103] いくつかの実施形態では、制御装置は、(例えば、GPSチップから、無線信号の三角測量からなど)位置を受信又は判定するように構成され得、警告は、その位置を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、医療従事者(例えば、対象の医師)は、患者の特定の位置(例えば、座標)又は概略的な位置(自宅、病院など)を示す警告を受信し得、注意を含み得(例えば、「対象がおそらく落下を体験した」)、及び/又は取るべき行動を含み得る(例えば、「対象の状況を確認する」、「状況を確認するために対象に連絡する」又は「パッチを胸に再固定する」)。
【0100】
[0104] いくつかの実施形態では、警告及び/又は注意は、警告が受信されたこと及び/又は行動が行われたことを示すために、ユーザ及び/又は対象(必要に応じて)からのフィードバックを受信することを少なくとも1つのプロセッサに要求し得る。
【0101】
[0105] いくつかの実施形態では、制御装置は、マイクロホン(例えば、
図1の他の構成要素132を参照されたい)を含み得る。スピーカ及びマイクロホンにより、1つ又は複数のプロセッサ(及び/又は1人又は複数の医療従事者)は、対象と通信し得、それは、任意の回復及び/又は応答行動の一部として使用され得る。理解されるように、いくつかの実施形態では、制御装置は、遠隔サーバ及び/又はユーザとの無線通信の手段、例えばインターネット上の手段及び/又はセルラデータを使用した手段を含み得る。
【0102】
[0106]
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、方法500は、アクセサリ(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップなどモバイル機器、時計若しくはリング又はパッチなどのウェアラブル)と制御装置とを対にすること510を含み得る。これは、任意の適切な通信プロトコルで行われ得る。いくつかの実施形態では、これは、例えば、Bluetooth、WIFI、TCP/IPなどの標準的な通信プロトコルを使用して通信することを含み得る。
【0103】
[0107] 次いで、制御装置は、例えば、データを受信すること410と、受信されたデータに基づいて、本明細書に開示されるように判定を行うこと(例えば、判定420及び判定430)とを含む、本明細書に開示される方法400によって説明されるような対にされた装置からのデータを使用し得る。その方法の一部として、本明細書に開示されるように、問題は、受信データに基づいて検出され得、警告は、それらの検出された問題に基づいて生成され得る442。
【0104】
[0108] 本明細書に開示されるように、問題は、例えば、異常な動きが検出されること又は対象が所定の心臓回復値のために望ましくないことがある特定の行動を行うことを含み得る。警告を生成する前に、方法は、警告で使用される位置及び/又は誰が警告を受信しなければならないかを判定すること520を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、例えば、(対象又は医療従事者などの)ユーザによって入力されたデータを受信すること521を含み得る。データは、誰に警告し得るかに関連する情報を含み得る(例えば、緊急連絡、医師、緊急医療サービスなど)。いくつかの実施形態では、データは、ユーザがどこにいるか又はどのような位置データが利用できるかに関連する情報を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、特定の位置(例えば、自宅の住所、病院若しくは回復センタの部屋など)を入力し得、無線位置検出が使用され得ることを示し得、及び/又はGPS(若しくは他の位置センサ)データが使用され得ることを示し得る。そのような情報は、遠隔サーバ上又は制御装置上などの例えばデータベースに保存され得る。
【0105】
[0109] いくつかの実施形態では、方法は、現在の位置を確認すること522を含み得る。いくつかの実施形態では、これは、GPSデータ又は他の位置関連データ(例えば、無線信号強度)を受信することを含み得、そのデータを特定の位置又は特定領域に変換することを含み得る。
【0106】
[0110] いくつかの実施形態では、方法は、1つ又は複数のプロセッサがこの情報を受信し、及び次いで警告を生成すること442を含み得る。
【0107】
[0111] いくつかの実施形態では、警告を生成することは、第1の値、活動タイプ、活動強度、受信された入力又はそれらの組合せに基づいて、潜在的な問題を確認することを含み得る。1つ又は複数の訓練された機械学習アルゴリズム又は参照表は、潜在的な問題を確認するために使用され得る。
【0108】
[0112] いくつかの実施形態では、警告を生成することは、例えば、ユーザなどによって構成された情報に基づいて、誰に通知すべきかを判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、誰に通知すべきかを判定することは、判定された問題及び各カテゴリが識別すべき人々の異なるグループを示すことができるカテゴリに潜在的な問題を分類する表のデータ及び/又はそのような通知の緊急性に基づき得る。例えば、その対象が通常より早く回復しているなど、問題が前向きなものである場合、電子メールを対象の医師に送信し得る警告が生成され得る。逆に、問題が、対象が落下して、現在応答しないことである場合、緊急サービスに連絡し得る。
【0109】
[0113] いくつかの実施形態では、方法は、警告及び応答並びに警報又は応答を生成するために使用された受信データを保存すること530を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような保存データは、ユーザ識別可能なデータを除去するために、好ましくない部分が削除され得る。いくつかの実施形態では、そのような保存することは、血液ポンプ挿入されたおよその時間から警告の時間までの時間を保存することを含む。
【0110】
[0114] いくつかの実施形態では、例えば、臨床上又は安全上の理由のため、方法は、血液ポンプが使用中の時間の一部又は全部について1人又は複数の対象の位置データを監視及び/又は保存すること540を含み得る。いくつかの実施形態では、保存された位置は、臨床医及び/又は研究者によってアクセスされるように構成される。いくつかの実施形態では、保存された位置は、医師によってアクセスされるように構成される。当業者は、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識するか、又はルーチンにすぎない実験を使用して確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【国際調査報告】