(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】クラッシャーバケット
(51)【国際特許分類】
B02C 1/04 20060101AFI20241112BHJP
E02F 3/40 20060101ALI20241112BHJP
B02C 1/02 20060101ALI20241112BHJP
E02F 3/36 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B02C1/04
E02F3/40 B
B02C1/02 B
E02F3/36 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529507
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 IB2022059278
(87)【国際公開番号】W WO2023089389
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】102021000029111
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513010701
【氏名又は名称】メッカニカ・ブレガンゼセ・エス.ピー.エー.・イン・フォルマ・アブレヴィアータ・エムビー・エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アッゾリン,ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】アッゾリン,ギード
【テーマコード(参考)】
2D012
4D063
【Fターム(参考)】
2D012GB00
4D063AA09
4D063AA18
4D063GA10
4D063GD12
(57)【要約】
クラッシャーバケット(1)は、フレーム(2)と、フレーム(2)に受容される移動可能なジョー(10)および固定されているジョー(11)を含む破砕要素(10、11)と、材料の出口(8)におけるジョー(10、11)の間の距離(D)を変更することができる調整装置(41)と、を備える。調整装置(41)は、互いに反対側にある第1の端部(23)および第2の端部(24)を含むストラット(22)を備える。第1の端部(23)および第2の端部(24)は、フレーム(2)内に画定された第1の座部(25)、および移動可能なジョー(10)内に画定された第2の座部(26)内にそれぞれ受容される。調整装置(41)は、フレームの側壁(3)に形成された第1の開口部(42)を介して第1の座部(25)とストラットの第1の端部(23)との間に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得る1つまたは複数のスペーサ(40)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッシャーバケット(1)であって、
フレーム(2)と、
前記フレーム(2)内に受容される移動可能なジョー(10)および固定されているジョー(11)を含む破砕要素(10、11)と、
材料の出口(8)において前記ジョー(10、11)の間の距離(D)を変更することができる調整装置(41)と、
を備え、
前記調整装置(41)は、
互いに反対側にある第1の端部(23)および第2の端部(24)を有するストラット(22)であって、前記第1の端部(23)および前記第2の端部(24)は、前記フレーム(2)上に画定された第1の座部(25)内、および前記移動可能なジョー(10)上に画定された第2の座部(26)内にそれぞれ受容される、ストラット(22)と、
前記フレームの側壁(3)に形成された第1の開口部(42)を介して、前記第1の座部(25)と前記ストラットの前記第1の端部(23)との間に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得る1つまたは複数のスペーサ(40)と、
を含み、
前記フレーム(2)は、前記スペーサ(40)を静止状態で受容するように構成された第3の座部(43)を備え、静止状態の前記スペーサ(40)は、前記側壁(3)に形成された第2の開口部(44)を介して、前記第3の座部(43)に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得ることを特徴とする、
クラッシャーバケット(1)。
【請求項2】
前記第1の開口部(42)および前記第2の開口部(44)を少なくとも部分的に、好ましくは同時に閉鎖するように構成された取り外し可能なカバー(45)を備える、請求項1に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項3】
前記フレーム(2)は、互いに反対側にある2つの側壁(3)と、前記出口(8)に隣接して前記側壁(3)を互いに接続する後壁(9)と、前記後壁(9)に固定された複数の補強プレート(46)と、を備え、前記補強プレート(46)は、互いに対して、且つ前記第2の開口部(44)に対して整列されている複数の第3の開口部(47)をそれぞれ有し、前記第3の開口部(47)のセットは、前記第3の座部(43)を画定する、請求項1または2に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項4】
前記補強プレート(46)は、実質的に互いに平行であり、且つ/または前記側壁(3)に対して実質的に平行である、請求項3に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項5】
前記出口(8)に向けられた側の前記第1の座部(25)は、第1の封じ込めフランク(25’)によって横方向に画定されており、前記補強プレート(46)の各々は、前記後壁(9)および前記第1の座部の前記第1の封じ込めフランク(25’)に接続され、これにより、前記後壁(9)は、前記第1の座部の前記第1の封じ込めフランク(25’)に固定される、請求項3または4に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項6】
前記補強プレート(46)は、前記後壁(9)および/または前記第1の座部の前記第1の封じ込めフランク(25’)に対して実質的に垂直である、請求項3~5のいずれか1項に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項7】
前記第3の開口部(47)の各々は、互いに反対側にある2つの端部(47’、47’’)の間で長手方向に延在し、前記スペーサ(40)は、前記2つの端部(47’、47’’)の間で積み重なっているか、積み重ねることが可能である、請求項3~6のいずれか1項に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項8】
前記スペーサ(40)を互いに反対側にある前記2つの端部(47’、47’’)に当接させてそこに保持することができるブロック装置(48)を備える、請求項7に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項9】
前記ブロック装置(48)は、前記スペーサ(40)を支持することができる移動可能な支持体(49)と、前記移動可能な支持体(49)を互いに反対側にある前記2つの端部(47’、47’’)の一方に向けて付勢することができる付勢部材(50)と、を備える、請求項8に記載のクラッシャーバケット(1)。
【請求項10】
前記付勢部材(50)は、前記第3の開口部(47)の長手方向の伸びに沿って前記移動可能な支持体(49)と前記後壁(9)との間に延在するねじ付き接続要素(51)を備える、請求項9に記載のクラッシャーバケット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたクラッシャーバケットに関し、より詳細には、不活性材料の破砕や、廃棄物、および一般に以下でがれき類(gravel)とも呼ぶ解体資材の処理のための、添付の特許請求の範囲に記載の主請求項の前文によるクラッシャーバケットに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の技術分野において、がれき類を収集するように構成された外部フレームを備え、その内側に収集した材料のための破砕要素が取り付けられているバケットが知られている。
【0003】
なお、本明細書において、「バケット」という用語は、一般に、作業機械のアームの自由端に設けられそこに係合することを意図されている部材を示すことに留意されたい。
【0004】
先行技術によるクラッシャーバケットの一例が、同じ出願人名義の欧州特許第1532321号に記載されている。
【0005】
この例では、フレームに設けられた破砕要素は、互いに対向する1対のジョー(jaw)を備える。ジョーの一方は、ジョーの間に存在する材料を圧縮して破砕するために、他方のジョーに対して移動可能になっている。
【0006】
特に、バケットは、バケットのベース上に配置され、且つ破砕作業中にフレームに対して固定された第1のジョーと、回転可能な偏心しているシャフトに固定された移動可能な第2のジョーと、を備える。このように、移動可能なジョーは、固定されているジョーに対して揺動運動を行い、2つのジョーの間に介在する材料の破砕をもたらす。
【0007】
この既知のバケットにおいて、移動可能なジョーとフレームとの間に適切なスペーサを挿入することで、固定されているジョーと移動可能なジョーとの間の全体的な距離を調整することができる。移動可能なジョーとフレームとの間に介在させるスペーサの数を増減させることで、がれき類の排出部の範囲を調整することができ、ひいては破砕されたがれき類のサイズを調整することができる。
【0008】
上述した文献に記載のクラッシャーバケットには、従来から知られていたバケットと比較して、間違いなく実質的な進歩が見られる。しかしながら、その性能レベルを制限する多くの欠点にも遭遇してきた。
【0009】
実際、がれき類の排出部の範囲を調整できるようにするためには、通常、建設現場にスペーサのパックを持参する必要がある。これはかなり重量があり、かさばるので、搬送が困難である。そのため、調整のために利用可能なスペーサの数が限られることになるのが実情である。
【0010】
さらに、スペーサが使用されていないときは、スペーサを見つけるためのダウンタイムを設ける必要がある。これは、バケットの生産性に明らかに悪影響を与え、スペーサが散乱してしまうという現実的な危険性もある。この場合、適切なスペーサがないために調整を行うことができず、重大な技術的問題が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、引用された先行技術を参照して上述した欠点の1つまたは複数を少なくとも部分的に克服するように構造的および機能的に構成されたクラッシャーバケットを提供することである。
【0012】
このような問題をふまえて、本発明の目的は、破砕された材料の寸法を実用的且つ効率的に調整可能なクラッシャーバケットを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、破砕される材料の抵抗によってもたらされる負荷に耐えることができるクラッシャーバケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この問題は、移動可能なジョーおよび固定されているジョーを含む破砕要素が受容されるフレームを備えるクラッシャーバケットによって解決され、上記の目的は本発明によって達成される。
【0015】
有利には、バケットは、材料の出口における移動可能なジョーと固定されているジョーとの間の距離を変更することができる調整装置をさらに備える。
【0016】
好ましい実施形態において、調整装置は、フレームと移動可能なジョーとの間に介在するストラットを備える。より詳細には、ストラットは、互いに反対側にある第1の端部および第2の端部を有する。これらの端部は、フレーム内に画定された第1の座部内、および移動可能なジョー内に画定された第2の座部内にそれぞれ受容される。好ましくは、第1の座部および第2の座部は、材料の出口に隣接するフレームおよび移動可能なジョーの一部内にそれぞれ画定される。
【0017】
さらに好ましくは、調整装置は、第1の座部とストラットの第1の端部との間に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得る1つまたは複数のスペーサを備える。この挿入は、例えば、フレームの側壁に形成された第1の開口部、好ましくは貫通開口部を介して行われ得る。
【0018】
さらに、有利には、フレームは、静止状態でスペーサを受容するように構成された第3の座部を備える。
【0019】
別の有利な特徴によれば、静止状態のスペーサは、第2の開口部、好ましくは貫通開口部を介して第3の座部に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得る。第2の開口部は、例えば、フレームの側壁、特に第1の開口部が形成されているのと同じ側壁に形成される。
【0020】
このように、第3の座部により、常に利用可能で容易にアクセス可能な静止状態のスペーサのストックを、バケットに直接格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的に例示された好適な実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
【
図1】本発明によるクラッシャーバケットの正面斜視図である。
【
図3】
図1に示すバケットの断面図であり、
図1および
図2に示されていない、作業機械のアームの自由端にバケットを係合するためのアタッチメントが示されている。
【
図5】
図4に示す細部の斜視図であり、通常見ることができない構成要素を説明するために、一部の構成要素が省略されている。
【
図6】
図4に示す細部の斜視図であり、通常見ることができない構成要素を説明するために、一部の構成要素が省略されている。
【
図7】
図4に示す細部の斜視図であり、通常見ることができない構成要素を説明するために、一部の構成要素が省略されている。
【
図9】
図1に示すバケットの断面の斜視図であり、通常見ることができない構成要素を説明するために、一部の構成要素が省略されている。
【
図10】
図1に示すバケットの断面の斜視図であり、通常見ることができない構成要素を説明するために、一部の構成要素が省略されている。
【
図11】
図4に示す細部の図であり、一部の構成要素が異なる動作構成で配置されている。
【
図14】
図3に示すバケットのジョーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、
図1および
図2を参照すると、本発明によるクラッシャーバケットが参照符号1によって全体として示されている。
【0023】
好ましくは、バケット1は、互いに反対側にある2つの側壁3を含む外部フレーム2を備える。
【0024】
さらに、好ましくは、フレームの上壁4および下壁5が設けられる。上壁4および下壁5は、互いに反対側にあり、側壁3の間、特に側壁の一方から他方へ延在する。
【0025】
なお、地面から材料を収集するステップ間のバケットの位置に関連して、上部配置および下部配置が定義されることに留意されたい。
【0026】
図3に示す例を参照すると、フレームの上壁4には、作業機械(図示せず)のアームの自由端にバケットを係合させるためのアタッチメント6が設けられる。
【0027】
フレーム2内には、がれき類または典型的には石であるその他の破砕対象の材料を投入するための入口7と、破砕作業後の処理済み材料を排出するための反対側の出口8とが画定される。
【0028】
材料の流れ方向Fは、入口7から出口8に向けて定義されている。
【0029】
好ましくは、フレームの側壁3、上壁4、および/または下壁5は、流れ方向Fに実質的に沿って伸びている。
【0030】
さらに、フレーム2は、出口8に隣接して側壁3を互いに接続する後壁9を備えてもよい。
【0031】
好ましくは、フレームの側壁3、上壁4、下壁5、および/または後壁9は、フレームの外壁を形成する。
【0032】
フレーム2の内側には、がれき類のための破砕要素が取り付けられている。破砕要素は、移動可能なジョー10と、その反対側にある、フレームに固定接合された固定されているジョー11と、を備える。
【0033】
移動可能なジョー10は、フレームの上壁4に隣接して配置され得る。固定されているジョー11は、フレームの下壁5に隣接して配置され得る。
【0034】
好ましくは、バケットの内側、より詳細にはジョー10と11との間には、フレームの側壁3によって横方向に区切られた破砕領域12が画定される。
【0035】
好ましい実施形態によれば、ジョー10および11には、破砕運動を容易にするための溝付きプレート13、14がそれぞれ固定される。
【0036】
ジョー10および11において、互いに反対側に前方部分10a、11aおよび後方部分10b、11bがそれぞれ画定されている。ジョーの前方部分10a、11aは入口7に配置され、後方部分10b、11bは出口8に配置される。ジョーの前方部分10a、11a間の距離は、バケットに投入され得るがれき類の最大寸法を定義し、典型的には、出口8におけるがれき類の所望の最大寸法と相関する後方部分10b、11b間の距離Dよりも大きい。有利には、後方部分10b、11b間の距離Dは、後述するように調整可能であり得る。
【0037】
さらに、バケット1は、移動可能なジョー10が、適切な軌道に沿って、固定されているジョー11から離れるように、または固定されているジョー11に向けて移動するように移動可能なジョー10に作用する移動装置15を備える。これにより、ジョーの間に存在する材料を破砕することができる。
【0038】
より詳細には、移動装置15は、移動可能なジョー10に、固定されているジョー11に対する回転運動と並進運動とを組み合わせた運動を提供することができる。この運動の第1の成分は、固定されているジョー11から離れるおよびそれに向かう方向であり、第2の成分は、材料の流れ方向Fと実質的に平行な方向である。
【0039】
この特定の運動は、後述するように移動可能なジョーの前方部分10aにおける偏心している接続部16と、移動可能なジョーの後方部分10bにおけるストラット型の第2の接続部17と、を備える移動装置15によって得ることができる。
【0040】
さらに、移動装置15は、フレーム2の内側で受容されるモータ18を備えてもよい。一実施形態において、モータ18は、場合によっては変速機(図示せず)によって、シャフト19の回転を制御する。
【0041】
好ましくは、シャフト19は、偏心している。一実施形態において、シャフト19は、中央部分20と、中央部分に対して偏心している2つの端部部分(図示せず)と、を備える。好ましくは、端部部分は、フレームの側壁3上で支持される。好ましくは、移動可能なジョー10は、中央部分20で支持される。中央部分20には、1つまたは複数のベアリング(図示せず)が適用され得る。ベアリングの外面には、移動可能なジョーの前方部分10aにしっかりと接続される金属管21が固定され得る。
【0042】
上述したシステムは、移動可能なジョー10とシャフト19との間に、偏心している接続部16を構成している。当然のことながら、機能的に類似し、同様の運動を生じさせる、あるいは同様の効果を有する他の構造が設けられてもよい。
【0043】
図4に示す例を参照すると、移動可能なジョーの第2の接続部17は、ストラット22を備える。
【0044】
一実施形態において、ストラット22は、互いに反対側にある第1の端部23と第2の端部24との間で長手方向に延在する。これらは、好ましくは、フレーム内に画定された第1の座部25、および移動可能なジョー内に画定された第2の座部26に受容される。
【0045】
より好ましくは、ストラット22は、互いに反対側にある2つの端部23、24において、第1の座部25および第2の座部26の両方と連結するように係合している。これにより、ストラットは、限定された範囲ではあるが、フレームおよび移動可能なジョーに対して揺動することができる。したがって、好ましい実施形態において、ストラット22は、第1の座部25と第2の座部26との間に介在して保持される。
【0046】
好ましくは、第1の座部25および第2の座部26は、材料の出口8に隣接して配置される。特に、第2の座部26は、移動可能なジョーの後方部分10b上に画定される。
【0047】
さらに、一部の実施形態において、移動可能なジョーの第2の接続部17は、ロッド27を備える。その第1の端部28は、フレームに接続され、反対側にある第2の端部29は、移動可能なジョーに接続される。これにより、ストラット22は、移動可能なジョーの移動中に第1の座部25と第2の座部26との間で保持される。
【0048】
このために、移動可能なジョー10とフレーム2との間には、移動可能なジョーをストラット22に対して付勢することができる弾性手段が設けられ得る。本実施形態において、弾性手段は、好ましくは圧縮に伴って働くように構成されたばね30を備える。
【0049】
ロッドの第1の端部28は、ばね30によってフレーム2に接続され得る。その第1の端部31は、ロッドの第1の端部28に接続され、反対側にある第2の端部32は、フレームに固定接合されたクロス部材33に接続される。
【0050】
好ましくは、ばね30に均質に負荷が加えられるように、ロッド27およびストラット22は、互いに対して実質的に平行である。
【0051】
一実施形態において、第1の座部25および第2の座部26でそれぞれ受容されるストラットの端部23、24は、それぞれの接触線を中心とした揺動を容易にするために丸みを帯びている。より詳細には、ストラットの端部23、24は、丸みを帯びたエッジを有する実質的に正方形のプロファイルを有し、第1の座部25および第2の座部26は、好ましくはストラットの端部の寸法に対してより大きな寸法の正方形のプロファイルを有する。これにより、連結要素間に存在する遊びは、必要とされる揺動を可能にするのに十分となる。そのため、接触面間の摩擦がなく、むしろそれぞれの座部のベース上でのストラットの端部の転がり作用があるため、この連結の潤滑作業を回避することができる。
【0052】
当然のことながら、ストラットの端部23、24は、半球状の形態を有することもできる。
【0053】
図5に示す実施形態を参照すると、ストラットの2つの座部25および26の各々は、例えば、U字断面または正方形の断面を有する溝の形態であり、これは、互いに反対側にあるそれぞれの1対の封じ込めフランク25’、25’’および26’、26’’によって横方向に画定され、ベース上では、それぞれのクロス部材35および36によって画定されている。
【0054】
特に、第1の座部25は、出口8に向けられた側に第1の封じ込めフランク25’を有し、出口の反対側に第2の封じ込めフランク25’’を有する。
【0055】
また、好ましくは、第2の座部26は、出口8に向けられた側に第1の封じ込めフランク26’を有し、出口の反対側に第2の封じ込めフランク26’’を有する。
【0056】
換言すると、第1の座部25および第2の座部26を参照すると、第1の封じ込めフランク25’、26’は、材料の流れ方向Fに関して、それぞれの第2の封じ込めフランク25’’、26’’の下流側に配置される。
【0057】
したがって、封じ込めフランク25’、25’’、26’、26’’は、移動可能なジョーの移動中に、入口7または出口8に向かうストラットのそれぞれの端部23、24の動きを封じ込めるように有利に構成される。
【0058】
好ましい実施形態において、封じ込めフランク25’、25’’、26’、26’’および/またはストラットの座部のベースクロス部材35、36は、フレームの側壁3の間に延在し、側壁3に対して実質的に垂直な平面内に配置される。
【0059】
一部の実施形態において、第2の座部26の封じ込めフランク26’、26’’は、それぞれのクロス部材36と共に、構造的にモノリシックな単一ピースを形成する。好ましくは、封じ込めフランク26’、26’’は、クロス部材36と共に、実質的にC字形状の断面を有する構造を形成する。座部26は、C字のアーム間に画定される。このように、第2の座部26は、破砕作業中にストラット22によって伝達される負荷により耐えることができる。
【0060】
一部の実施形態において、バケット1は、移動可能なジョーの移動中に第2の座部26の内側でストラットの第2の端部24を保持することができる停止装置34を備える。
【0061】
好ましくは、停止装置34は、第2の座部の第1の封じ込めフランク26’上に取り外し可能に固定されているか、そこに取り外し可能に固定され得る。
【0062】
このように、停止装置34を取り外すことで、バケットの組み立て中またはメンテナンス中に、出口8を介してストラット22の挿入/取り外しが可能になる。
【0063】
さらに好ましくは、停止装置34は、第2の座部の第1の封じ込めフランク26’を第2の座部26のベースから離れるように延在するように構成される。これにより、移動可能なジョーの移動中にストラット22が第2の座部から誤って離れるのを防止することができる。
【0064】
好ましくは、停止装置34は、ストラット22の揺動を妨げないように、第2の座部26の内側に突出しない。
【0065】
一実施形態において、停止装置34は、例えば、長方形の断面を有する小幅板(batten)37を備える。小幅板37は、ストラットを介して伝達される力に耐えるような寸法を有する。
【0066】
小幅板37は、移動可能なジョーの互いに反対側にある長手方向部材38の間に延在することができ、好ましくはボルト接続によって、第2の座部の第1の封じ込めフランク26’に固定され得る。
【0067】
一部の実施形態において、耐摩耗性材料、より詳細には高強度鋼から形成された別の小幅板39は、第2の座部のベースを保護するために、ストラットの第2の端部24と第2の座部26のベースとの間に介在する。
【0068】
好ましい実施形態において、ストラット22とフレーム2との間、より詳細にはストラットの第1の端部23と第1の座部25との間に1つまたは複数のスペーサ40を介在させることで、ジョーの後方部分10b、11bの間の距離Dを調整して、処理された材料の最終的なサイズを変更することができる。
【0069】
なお、本明細書において、「スペーサ」という用語は、ストラットの第1の端部23を、第1の座部25のベースから適切な間隔を保つように構成されたシム(shim)を指すことに留意されたい。スペーサ40は、好ましくは金属材料、より詳細には鋼から形成され、ストラット22を介して伝達される力に耐えるような寸法を有する。一実施形態において、スペーサ40は、好ましくは長方形の断面を有する小幅板の形態である。
【0070】
そのため、スペーサ40とストラット40は、出口8の部分の範囲に対する調整装置41を構成する。ストラット22とフレーム2との間に配置されるスペーサ40の数を増減することで、特に出口8におけるジョーの間の距離Dを変更することができる。いずれの場合も、スペーサ40の数を増やす代わりに、異なる寸法を有するスペーサを使用することもできることは明らかである。
【0071】
図8に示す実施形態を参照すると、フレームの側壁3上、好ましくは第1の座部25において、第1の座部に対するスペーサ40の挿入/取り外しのための第1の開口部42が画定されている。
【0072】
1つまたは複数のスペーサ40が静止状態、すなわち第1の座部25で使用されていないときは、それらをフレームに格納することができる。
【0073】
このために、フレーム2は、スペーサ40を静止状態で受容するように構成された第3の座部43を備える。好ましくは、第3の座部43は、第1の座部25および/または移動可能なジョーの後方部分10bに隣接している。
【0074】
一実施形態において、静止状態のスペーサ40は、フレームの側壁3に形成された第2の開口部44を介して第3の座部43に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得る。
【0075】
このように、第3の座部43により、常に利用可能で容易にアクセス可能なスペーサ40のストックを、バケット内に直接格納することができる。
【0076】
便宜上、第1の開口部42および第2の開口部44は、好ましくは同じ側壁3に形成される。より詳細には、第1の開口部42および第2の開口部44は、同一平面内に位置しており、互いに隣接している。これにより、作業者は、バケットの周りを移動することなく、第1の開口部と第2の開口部との間でスペーサ40を容易に移送させることができる。
【0077】
一部の実施形態において、第1の開口部42および第2の開口部44を閉鎖するように構成された取り外し可能なカバー45が設けられる。これにより、埃の侵入やスペーサの意図しない排出を防止することができる。
【0078】
カバー45は、フレームの側壁3に取り外し可能に、例えばボルト接続によって固定され得る。
【0079】
さらに、カバー45は、第1の開口部42および第2の開口部44を同時に閉鎖するように構成され得る。これは利便性のためだけではない。このようにすることで、2つの開口部の一方が誤って開いたままになり、スペーサが意図せずに排出される危険性がなくなることから、安全性のためでもあるといえる。
【0080】
図5および
図6に示す実施形態を参照すると、スペーサ40を受容するための第3の座部43は、カバー45に加えてフレームの後壁9によって保護される。
【0081】
好ましくは、後壁9は、第1の座部の底部クロス部材35から出口8に向けて延在し、フレーム2の外壁を形成する。後壁9には、破砕作業中に材料によってもたらされる負荷に耐えるようにフレーム2の剛性強化に寄与する複数の補強プレート46が固定され得る。
【0082】
好ましくは、補強プレート46の各々は、後壁9と、ストラットの第1の座部の第1の封じ込めフランク25’とに接続される。これにより、後壁9は、第1の封じ込めフランク25’に固定される。
【0083】
さらに好ましくは、補強プレート46は、互いに対しておよび/またはフレームの側壁3に対して実質的に平行であり、フレームの後壁9および/または第1の座部の第1の封じ込めフランク25’に対して実質的に垂直である。
【0084】
補強プレート46は、スペーサを受容するための第3の座部43を概ね画定する第3の開口部47をそれぞれ有してもよい。このために、好ましくは、第3の開口部47は、互いに対して整列されている。さらに好ましくは、第3の開口部47は、第2の開口部44に対して整列されている。これにより、第2の開口部を介した第3の座部43に対するスペーサの挿入/取り外しが容易になる。
【0085】
当然のことながら、第1の開口部42、第2の開口部44、および/または第3の開口部47は、好ましくは貫通開口部である。さらに、好ましくは、積み重なっているスペーサ40のパックの挿入を容易にするために、実質的に長方形の形状を有する。
【0086】
図4に示す実施形態を参照すると、第3の開口部47は、特に幅Wおよび高さHを有する。
【0087】
好ましくは、第3の開口部の幅Wは、スペーサ40の幅よりも大きい。これにより、スペーサに対して横方向に存在する遊びは、スペーサが第3の座部43内で滑動するのに十分となる。
【0088】
より好ましくは、第3の開口部47の各々は、第3の開口部の上端部47’と反対側にある下端部47’’との間の高さHにわたって長手方向に延在する。
【0089】
スペーサ40は、上端部47’と下端部47’’との間で積み重なっていることができる。
【0090】
一実施形態において、上端部47’は、フレームの後壁9に向けられており、下端部47’’は、その反対側、より詳細には移動可能なジョー10に向けられている。
【0091】
図6に示す実施形態を参照すると、バケット1は、スペーサ40を第3の開口部の2つの端部47’、47’’の一方(本実施形態では上端部47’)に当接させてそこに保持することができるブロック装置48を備える。
【0092】
好ましくは、ブロック装置48は、スペーサ40を支持することができる移動可能な支持体49と、移動可能な支持体49を第3の開口部の2つの端部47’、47’’の一方に向けて付勢することができる付勢部材50と、を備える。
【0093】
本実施形態において、付勢部材50は、移動可能な支持体49を第3の開口部の上端部47’に向けて付勢するように構成される。そのため、好ましくは、スペーサ40は、移動可能な支持体49と上端部47’との間に挿入される。
【0094】
付勢部材50に作用することで、第3の開口部47の高さHにわたって、移動可能な支持体49の位置を調整することができる。これにより、移動可能な支持体49と上端部47’との間に挿入されたスペーサ40のパックの全高に応じて、移動可能な支持体49を第3の開口部の上端部47’に向けてあるいは第3の開口部の上端部47’から離れるように移動させることができる。
【0095】
したがって、付勢部材50は、好ましくは調整可能であり、第3の開口部47の高さHにわたって移動可能な支持体49とフレームの後壁9との間に延在する1つまたは複数(例えば4つ)のねじ付き接続要素51を備えることができる。
【0096】
ねじ付き接続要素51の挿入のために、後壁9に貫通孔83が設けられてもよい。
【0097】
図6に示す実施形態を参照すると、ねじ付き接続要素51は、貫通孔83に移動可能に挿入され、移動可能な支持体49に形成されたそれぞれのねじ付き孔84にねじ込み動作を伴って係合する。
【0098】
したがって、ねじ付き接続要素51のねじ込み/取り外しを行うことで、第3の開口部の端部47’、47’’間の移動可能な支持体49の位置を調整することができる。
【0099】
なお、上述した実施形態において、ねじ付き接続要素51は、好ましくは移動可能な支持体49と後壁9との間のロッドとして機能することに留意されたい。
【0100】
また、当然のことながら、ねじ付き接続要素51は、移動可能な支持体49および/またはスペーサ40を、後壁9に対して反対方向に、すなわち第3の開口部の下端部47’’に向けて付勢するために圧縮を伴って作用することができる。この場合、スペーサは、移動可能な支持体49と下端部47’’との間に挿入されるのが好ましい。
【0101】
いずれにしても、ねじ付き接続要素51は、使用されているときにフレーム2の剛性強化にも寄与することに留意されたい。
図7に示す実施形態を参照すると、バケット1は、プロファイル部材52、より詳細にはL字断面を有するプロファイル部材52を備える。ここで、第1の側部53および第2の側部54が特定される。
【0102】
好ましくは、第1の側部53および第2の側部54は、互いに対して実質的に垂直である。なお、より一般的には、第1の側部53と第2の側部54との間に80°~100°の角度があることに留意されたい。
【0103】
一実施形態において、プロファイル部材の2つの側部53、54の各々は、実質的に平坦である。
【0104】
プロファイル部材52は、第1の開口部42を介して第1の座部25に取り外し可能に挿入され得る。
【0105】
第1の側部53は、第1の座部の底部クロス部材35とストラットの第1の端部23との間に介在しているか、好ましくは介在され得る。
【0106】
場合によっては、1つまたは複数のスペーサ40は、第1の座部の底部クロス部材35とプロファイル部材の第1の側部53との間に取り外し可能に挿入されているか、取り外し可能に挿入され得る。
【0107】
したがって、非常に好ましい実施形態において、第1の側部53は、第1の座部25に挿入される1つまたは複数のスペーサ40とストラットの第1の端部23との間に介在しているか、介在され得る。
【0108】
より好ましくは、プロファイル部材52は、第2の側部54が第1の座部の第1の封じ込めフランク25’に向けられ、且つ移動可能なジョー10に向けて伸びるように方向付けられているか、方向付けられるように構成される。
【0109】
これにより、有利には、第2の側部54は、移動可能なジョーの移動中にストラットの第1の端部23を横方向に保持するように構成される。
【0110】
当然のことながら、第1の座部25に挿入されるスペーサ40がない場合、プロファイル部材の第1の側部53は、第1の座部25のベースとストラットの第1の端部23との間に介在することができる。
【0111】
一部の変形例において、プロファイル部材の第1の側部53および第2の側部54は、実質的に同一である。
【0112】
そのため、プロファイル部材52は、完全に反転可能である。これにより、誤った位置決めを防止することができ、2つの側部の一方に局所的な摩耗が生じた場合にプロファイル部材52を反転させることができる。
【0113】
これに関して、プロファイル部材52は、好ましくは耐摩耗性材料、より詳細には高強度鋼から形成されることに留意されたい。
【0114】
プロファイル部材52の第2の側部54は、第1の座部の第1の封じ込めフランク25’とストラットの第1の端部23との間に好ましくは介在しているか、介在され得る。したがって、有利には、第1の座部の第1の封じ込めフランク25’は、プロファイル部材の第2の側部54に少なくとも部分的に当接するように構成される。
【0115】
図11~
図13に示す実施形態を参照すると、プロファイル部材の第2の側部54は、第1の座部の第1の封じ込めフランク25’から、移動可能なジョー10に向けて突出するように構成される。これにより、第1の座部の底部クロス部材35とプロファイル部材の第1の側部53との間に挿入されるスペーサ40の数に応じて、移動可能なジョーの移動中にストラットの第1の端部23を保持することができる。
【0116】
より詳細には、スペーサ40がない場合、あるいは第1の座部の底部クロス部材35とプロファイル部材の第1の側部53との間に介在するスペーサの数が少ない場合、第2の側部54は、第1の座部25の内側に完全に収容される。第1の座部の底部クロス部材35とプロファイル部材の第1の側部53との間に介在するスペーサ40の数を増大させることで、プロファイル部材52は、第2の側部54が第1の座部の第1の封じ込めフランク25’から、移動可能なジョーに向けて突出し始めるまで、第1の座部の底部クロス部材から離れるように徐々に移動する。
【0117】
このように、プロファイル部材52は、多数のスペーサが第1の座部に挿入されたとき、すなわち、微細な材料の破砕を実施するように移動可能なジョーが調整されたときに、ストラットの第1の端部23が第1の座部25から離れるのを防止する。
【0118】
バケット1を組み立てるには、ストラット22を、材料の出口8を通過させて第1の座部25に挿入する必要がある。
【0119】
このために、
図7に示す例を参照すると、第1の座部の第1の封じ込めフランク25’は、移動可能なジョー10に向けられた側において、第1の座部の封じ込めフランク25’と25’’との間にストラット22の挿入を可能にする凹部55を有する。
【0120】
さらに、凹部55は、移動可能なジョーの移動中に出口8に向けてストラット22がより大きく揺動することを可能にする。
【0121】
図12および
図13に示す実施形態を参照すると、プロファイル部材の第2の側部54は、第1の座部の底部クロス部材35とプロファイル部材の第1の側部53との間に挿入されたスペーサ40の数に応じて、凹部55から、移動可能なジョーに向けて突出するように構成される。
【0122】
好ましくは、凹部55は、移動可能なジョー10から離れる方向にテーパ状になっている。これにより、第2の側部54が凹部から突出したときに、プロファイル部材52の少なくとも長手方向端部が保持される。
【0123】
正確には、保持作用を可能にするために、プロファイル部材52および凹部55は、好ましくは第1の長さL1および第2の長さL2にそれぞれわたってフレームの側壁3の間に長手方向に伸びている。ここで、第1の長さL1は、第2の長さL2を上回る。
【0124】
さらに好ましくは、ストラットの第1の端部23は、プロファイル部材の第1の長さL1よりも短い第3の長さL3にわたってフレームの側壁3の間に長手方向に伸びている。
【0125】
上述したように、
図3に示す実施形態を参照すると、バケット1は、破砕要素を作動させることができるモータ18を備える。好ましくは油圧モータであるモータ18は、保護ケーシング56内に少なくとも部分的に受容される。
【0126】
さらに、一実施形態において、ケーシング56は、モータ18を作動させるための油圧回路(図示せず)を少なくとも部分的に受容する。
【0127】
ケーシング56は、フレーム2内で少なくとも部分的に囲まれている。好ましい実施形態において、ケーシング56は、フレームの側壁3によって横方向に画定され、より好ましくは、移動可能なジョー10に対向するケーシングの下壁58、および下壁58の反対側にあるケーシングの上壁59によってさらに区切られている。
【0128】
好ましくは、ケーシングの下壁58および上壁59は、フレームの側壁3の間、特に側壁3の一方から他方へ延在する。
【0129】
ケーシングの上壁59は、例えばボルト接続によって、好ましくは取り外し可能にフレームの上壁4に接続され得る。
【0130】
したがって、ケーシングの上壁59は、フレームの上壁4が作業機械のアームの自由端に係合するときに、バケットの重量に耐えるのに寄与する。
【0131】
好ましくは、フレームの上壁4に対する接続領域においてケーシングの上壁59を補強するために、ケーシングの上壁59は、フレームの側壁3の間に延在する補強クロス部材60を備える。
【0132】
ケーシング56は、出口8に向かう領域R1と、材料の流れ方向Fに関して出口8とは反対側の位置に配置された領域R2と、を画定する。
【0133】
好ましくは、バケット1は、出口8とは反対側の位置に配置された領域R2において、ケーシング56の内側に配置された複数の第1の補強プレート61を備える。
【0134】
有利には、第1の補強プレート61は、ケーシングの下壁58および上壁59に接続される。これにより、ケーシングの下壁58は、ケーシングの上壁59に固定される。
【0135】
このようにして、第1の補強プレート61は、破砕される材料の抵抗によってもたらされる負荷の、一方の壁から他方の壁への吸収および分配に寄与する。
【0136】
さらに、フレームの上壁4が作業機械のアームの自由端に係合するときに、第1の補強プレート61は、バケットの重量に耐えるのに寄与する。
【0137】
このために、好ましくは、第1の補強プレート61は、存在するアタッチメント6の位置に対応する位置で、ケーシングの上壁59に接続される。
【0138】
例えば、バケットの中心面に関して対称に配置された2つのアタッチメント6と、それぞれのアタッチメントに配置された2つの第1の補強プレート61とが設けられてもよい。
【0139】
図10に示す実施形態を参照すると、第1の補強プレート61は、互いに平行であり、且つ/またはフレームの側壁3と平行であり、且つ/またはケーシングの下壁58および上壁59に対して垂直である。
【0140】
好ましくは、ケーシングの上壁59により大きな剛性を与えるために、第1の補強プレート61は、補強クロス部材60に接続される。これにより、補強クロス部材60は、ケーシングの下壁58に固定される。
【0141】
一部の実施形態において、フレーム2は、例えば
図9の実施形態に示すように、出口8に向けられた領域R1において、ケーシング56に対して外側に配置された複数の第2の補強プレート62を備える。
【0142】
有利には、第2の補強プレート62は、ケーシングの下壁58および第1の座部の第2の封じ込めフランク25’’に接続される。これにより、ケーシングの下壁58は、第1の座部の第2の封じ込めフランク25’’に固定される。
【0143】
また、好ましくは、第1の座部の第2の封じ込めフランク25’’は、第1の座部の底部クロス部材35に固定される。
【0144】
好ましくは、ケーシング56およびフレーム2により大きな剛性を与えるために、第2の補強プレート62は、互いに平行であり、ケーシングの下壁58および/または第1の座部の第2の封じ込めフランク25’’に対して垂直である。
【0145】
好ましい実施形態において、2つの第1の補強プレート61が設けられ、より好ましくは、4つの第2の補強プレート62が設けられる。当然のことながら、異なる数の第1の補強プレート61および/または第2の補強プレート62を設けることもできる。
【0146】
好ましくは、第1の補強プレート61および/または第2の補強プレート62は、バケットの中心面に関して対称に配置される。さらに好ましくは、第1の補強プレート61および第2の補強プレート62は、互いに対して千鳥状に配置される。
【0147】
一部の実施形態において、複数の第2の補強プレート62は、2つの外部プレート63(本実施形態では実質的に三角形の形態)と、外部プレート63の間に介在する2つの内部プレート64と、を備える。好ましくは、第1の補強プレート61は、外部プレート63と内部プレート64との間のそれぞれの平面内に配置される。
【0148】
図11に示す実施形態を参照すると、移動可能なジョー10の反対側にある内部プレート64は、ばねの第2の端部32が接続されるクロス部材33に固定される。好ましくは、このクロス部材33は、全体により大きな剛性を与えるために、外部プレート63の一方から他方へ延在する。
【0149】
好ましくは、ばね30によって伝達される負荷に耐えるために、内部プレート64は、外部プレート63の厚さよりも大きい厚さを有する。
【0150】
図3に示す実施形態を参照すると、バケットは、フレームの側壁3の間で長手方向に延在する第1のプレート65および第2のプレート66を備える。
【0151】
第1のプレート65は、好ましくは材料の流れ方向Fに関して移動可能なジョー10の上流側に配置され、好ましくはフレーム2の外壁を形成する。さらに、一実施形態において、第1のプレート65は、入口7のエッジの一部を画定する。
【0152】
好ましくは、第2のプレート66は、第1のプレート65から、移動可能なジョー10に向けて伸びている。これにより、材料を入口7から破砕領域12に向かわせることができ、材料の破砕を最適化するのに寄与する。
【0153】
第1のプレート65および第2のプレート66は、移動可能なジョー10とフレームの上壁4との間に破砕される材料が意図せずに入り込むことを防止する。
【0154】
さらに、好ましくは、バケット1は、第1のプレート65および第2のプレート66に接続された複数(例えば4つ)の第3のプレート67を備える。これにより、第1のプレート65は、第2のプレート66に固定される。
【0155】
なお、第3のプレート67は、材料の衝撃によってもたらされる負荷の、第1のプレートと第2のプレートとの間の吸収および分配に寄与することに留意されたい。
【0156】
さらに、フレームの上壁4が作業機械のアームの自由端に係合するときに、第3のプレート67は、バケットの重量に耐えるのに寄与する。
【0157】
好ましくは、第3のプレート67は、流れ方向Fに関して第1のプレート65の下流側に配置される。
【0158】
好ましくは、第1のプレート65および第2のプレート66により大きな剛性を与えるために、第3のプレート67は、第1のプレートおよび/または第2のプレートに対して垂直であり、互いに平行である。
【0159】
フレームの上壁4および下壁5には、入口7にそれぞれ向かう側において上部エッジ68および下部エッジ69が画定される。
【0160】
好ましくは、第1のプレート65は、上部エッジ68から下部エッジ69に向けて伸びている。
【0161】
さらに好ましくは、第3のプレート67は、第1のプレート65および第2のプレート66からフレームの上壁4に向けて伸びている。
【0162】
一部の実施形態において、移動可能なジョー10から離れる方向にテーパ状になっている前部エッジ70は、第1のプレート65および第2のプレート66に向けられた側において第3のプレート67の各々の上で特定される。第1のプレート65および第2のプレート66は、第3のプレートの前部エッジ70に固定され得る。
【0163】
図9および
図10に示す実施形態を参照すると、上部エッジ68に沿ってフレームの側壁3の間、特に側壁3の一方から他方へ延在する上部クロス部材71が設けられる。有利には、フレームの上壁4は、例えばボルト接続によって、好ましくは取り外し可能に上部クロス部材71にしっかりと接続される。
【0164】
なお、上部クロス部材71は、場合によっては補強クロス部材60と共に、フレームの上壁4が作業機械のアームの自由端に係合するときに、バケットの重量に耐えるのに寄与することに留意されたい。
【0165】
好ましくは、第1のプレート65は、上部エッジ68に向けられた側において、例えば溶接によって、上部クロス部材71にしっかりと接続される。
【0166】
一部の実施形態において、第1のプレート65は、フレーム2の内側にそれを封入するように上部クロス部材71に置かれている。
【0167】
好ましくは、第3のプレート67の各々は、上部クロス部材71から第1のプレート65および第2のプレート66まで延在する。これにより、上部クロス部材は、第1および第2のプレートに固定される。
【0168】
一部の実施形態において、フレームの側壁3の間(特に側壁3の一方から他方へ)に延在し、好ましくは第2のプレート66にしっかりと接続される下部クロス部材72が設けられる。
【0169】
好ましい実施形態において、下部クロス部材72は、第2プレート66からフレームの上壁4に向けて長手方向に、特に第2プレート66に対して垂直な方向に伸びている断面を有する。このように、下部クロス部材72は、第2のプレートにより大きな剛性を与える。
【0170】
有利には、第3のプレート67の各々は、上部クロス部材71から下部クロス部材72に延在する。これにより、上部クロス部材は、下部クロス部材に固定される。このように、上部クロス部材71および下部クロス部材72は、負荷に対する応答の間、互いに固定接合される。
【0171】
いずれの場合も、好ましくは、少なくともバケットの中心面において、上部クロス部材71は、下部クロス部材72の断面に対してより大きな断面(例えば、面積および/または厚さ)を有する。これにより、フレームの上壁4が作業機械のアームの自由端に係合するときに、バケットの重量に耐えることができる。
【0172】
一部の実施形態において、第1のプレート65は、側壁3の一方から他方へ長手方向に延在する。また、一部の実施形態において、第2のプレート66は、側壁3の一方から他方へ長手方向に延在する。しかしながら、好ましくは、第2のプレート66は、それぞれの接続プレート79によって側壁3に接続される。
【0173】
より詳細には、好ましくは、第2のプレート66は、それぞれ反対側にあるフレームの側壁3に向けられた、互いに反対側にある2つの長手方向端部82を有し、2つの接続プレート79は、第2のプレートの互いに反対側にある長手方向端部82からフレームの側壁3にそれぞれ伸びている。これにより、互いに反対側にある長手方向端部82は、側壁3に固定される。さらに好ましくは、接続プレート79は、第1のプレート65および第2のプレート66から離れる方向に分散するそれぞれの位置平面を有する。実際、この形状は、硬い材料に対する衝撃やその破砕によってもたらされる負荷に対抗するようにフレーム2の剛性強化に寄与する。
【0174】
さらに、接続プレート79は、入口7から破砕領域12に向かう材料の流れの最適化に寄与する。これにより、第2のプレート66と側壁3との間の交差部に、例えばアスファルト材料のなどの残留物が残ることを防止することができる。このために、好ましくは、接続プレート79は、材料の流れ方向Fに沿って、入口7から、移動可能なジョー10に向けて長手方向に伸びている。
【0175】
図9に示す実施形態を参照すると、接続プレート79の位置平面の間に20°~120°の範囲の角度Aが形成される。より詳細には、角度Aは、40°~100°の範囲、好ましくは50°~90°の範囲である。このように、接続プレート79の位置は、フレームの上壁4が作業機械のアームの自由端に係合するときに、接続プレート79もバケットの重量に耐えるのに寄与するようになっている。
【0176】
さらに、本実施形態において、より大きな剛性を確保するために、接続プレート79は、下部クロス部材72の互いに反対側にある長手方向端部にそれぞれ固定される。
【0177】
図14および
図15に示す実施形態を参照すると、一部の実施形態において、移動可能なジョー10は、フレームワーク73を備える。フレームワーク73は、材料の流れ方向Fに延在する1対の長手方向部材38を含み、好ましくはバケット1の中心面に関して対称に配置される。
【0178】
さらに、移動可能なジョーのフレームワーク73は、互いに平行であり、1つの長手方向部材38から別の長手方向部材38へそれぞれ延在する複数のクロス部材75を備えてもよい。
【0179】
好ましくは、移動可能なジョーの複数のクロス部材75は、第1のクロス部材76と、材料の流れ方向Fに関して第1のクロス部材の下流側に配置された第2のクロス部材77と、を備える。
【0180】
さらに好ましくは、第2のクロス部材77は、第1のクロス部材76の断面に対してより大きな断面(例えば、面積および/または厚さt2)を有する。好ましい実施形態において、第2のクロス部材77の断面は、第1のクロス部材76の断面の厚さt1の少なくとも2倍の厚さt2を有する。
【0181】
なお、本明細書において、「断面」という用語は、第1のクロス部材76および/または第2のクロス部材77の場合、好ましくは例えば長方形の断面を意味することに留意されたい。好ましくは、それぞれの断面の厚さt1、t2は、流れ方向Fおよび/または入口7から出口8に向かう移動可能なジョー10の長手方向の伸びにおいて測定される。
【0182】
なお、この構造により、移動可能なジョーのフレームワーク73において、流れ方向Fの剛性が増大し、ジョーの間に介在する破砕領域12と、移動可能なジョーの後方部分10bを含む第2の接続部17との両方において、移動可能なジョーの抵抗が増大することに留意されたい。
【0183】
上述したように、移動可能なジョー10は、シャフトの中央部分20が受容される金属管21を備えてもよい。
【0184】
好ましい実施形態において、金属管21は、長手方向部材38に固定され、流れ方向Fに関して第1のクロス部材76の上流側に配置される。
【0185】
さらに、移動可能なジョー10は、金属管21および第1のクロス部材76に接続された第1の補強プレート78を備えてもよい。これにより、金属管は、第1のクロス部材に固定される。一実施形態において、第1の補強プレート78は、バケット1の中心面内に延在する。
【0186】
また、一部の実施形態において、移動可能なジョーの複数のクロス部材75は、流れ方向Fに関して第2のクロス部材77の下流側に配置された第3のクロス部材36を備える。
【0187】
好ましくは、第3のクロス部材36は、第2のクロス部材77の断面に対してより大きな断面(例えば、面積および/または厚さt3)を有する。好ましい実施形態において、第3のクロス部材36の断面は、第2のクロス部材77の断面の厚さt2の少なくとも2倍の厚さt3を有する。なお、好ましくは、それぞれの断面の厚さt2、t3は、流れ方向Fおよび/または入口7から出口8に向かう移動可能なジョー10の長手方向の伸びにおいて測定されることに留意されたい。
【0188】
一部の実施形態において、第2の座部26が第1の座部25に向けられることを確実にするために、第3のクロス部材36、およびより詳細にはそれぞれの封じ込めフランク26’、26’’は、第1のクロス部材76および/または第2のクロス部材77の位置平面に対して傾斜した平面内に配置される。
図7の実施形態に示すように、この場合、一般に、厚さt3は、第3のクロス部材36および/またはそれぞれの封じ込めフランク26’、26’’の位置平面に対して横方向に測定され得る。
【0189】
このように、第1のクロス部材76、第2のクロス部材77、および第3のクロス部材36は、流れ方向F、特に移動可能なジョーがストラット22によって伝達された負荷をより多く受ける後方部分10bに向けて徐々に増加する剛性を、移動可能なジョー10に与える。
【0190】
正確には、ストラットによって伝達される負荷に対抗するために、ストラットの第2の座部26は、好ましくは第3のクロス部材36上に形成される。したがって、好ましい実施形態において、第3のクロス部材36は、第2の座部の封じ込めフランク26’、26’’を備え、有利には、ストラットを介して伝達される力に耐えるような寸法を有する。さらに有利には、封じ込めフランク26’、26’’は、第3のクロス部材36が構造的にモノリシックであるように、単一ピースから形成される。
【0191】
一部の実施形態において、移動可能なジョー10は、第2のクロス部材77から第2の座部の第2の封じ込めフランク26’’に流れ方向Fに沿って延在する1対の第2の補強プレート80を備える。これにより、第2のクロス部材は、第2の座部の第2の封じ込めフランクに固定される。
【0192】
第2の補強プレート80は、好ましくは長手方向部材38の間に介在し、さらに好ましくは、バケット1の中心面に関して対称に配置される。
【0193】
第2の補強プレート80は、ストラット22によってもたらされる負荷および粉砕される材料の抵抗の、第2のクロス部材から第3のクロス部材への、あるいはその逆の吸収および分配に寄与する。
【0194】
さらに、一実施形態において、第2の補強プレート80は、移動可能なジョー10とロッド27とを接続させる。実際、ロッドの第2の端部29は、第2の補強プレート80の間に介在することができ、ヒンジ接続によってそれに接続することができる。好ましくは、このヒンジ接続を可能にするために、第2の補強プレート80には孔が開けられる。
【0195】
上述したように、移動可能なジョー10は、破砕作業を容易にすることができる溝付きプレート13を備えてもよい。
【0196】
溝付きプレート13は、ロック小幅板81によって移動可能なジョーのフレームワーク73に取り外し可能に固定され得る。ロック小幅板81は、流れ方向Fに関して移動可能なジョーの複数のクロス部材75の下流側でフレームワーク73にボルト接続され得る。これにより、出口8における移動可能なジョーの剛性が増大する。
【0197】
一実施形態において、溝付きプレート13は、移動可能なジョーのフレームワーク73に向けられた複数の補強リブ74を有する。リブ74は、材料の流れ方向Fに対して平行および/または横方向に延在することができる。
【0198】
これにより、本発明は、上述した目的を達成し、さらに、破砕したがれき類の寸法を調整する能力、およびバケットの生産能力の大幅な増加など、上述した先行技術に対してより多くの利点をもたらす。
【0199】
さらに、その構造的特徴の結果として、バケットは、破砕作業中に材料によってもたらされる負荷に対して特に耐性がある。
【0200】
得られる別の重要な利点として、本発明によるフレームおよび破砕要素がより大きな剛性を有するので、本発明によるバケットで消費される電力が従来のバケットで消費される電力よりも小さいことが挙げられる。これは、処理時間の短縮と騒音排出の低減につながる。
【国際調査報告】