IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッドの特許一覧

<>
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図1
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図2
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図3
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図4
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図5A
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図5B
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図5C
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図6
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図7
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図8
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図9
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図10
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図11
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図12
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図13
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図14
  • 特表-動的車両データ抽出サービス 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】動的車両データ抽出サービス
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20241112BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20241112BHJP
【FI】
G08G1/09 F
H04W4/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529955
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022080006
(87)【国際公開番号】W WO2023097157
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】17/537,320
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/283,964
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/548,392
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】507303550
【氏名又は名称】アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】オンティ・シュリニバサン,ラグラム
(72)【発明者】
【氏名】サオ,シューシュン
(72)【発明者】
【氏名】ザマルカス,アシマキス
(72)【発明者】
【氏名】ジレット,ドン・マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ラムナニ,ブシャン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】スタドラー,フロリアン・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】アレクシウク,マイケル・アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ロー,アイヴァン
【テーマコード(参考)】
5H181
5K067
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF10
5H181MB01
5H181MC22
5K067AA13
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE16
5K067FF03
(57)【要約】
1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むシステムは、車両情報抽出サービスを実装する。車両情報抽出サービスは、冗長データの収集のインスタンスを減少することで、顧客が車両から抽出される関連車両センサ情報の量を最適化することを可能にする。車両情報抽出サービスでは、追加的に、または代替的に、顧客が車両群のモデルを維持し、特定の区画内の群の車両数を判定して、センサデータを除外するデータ減少係数を計算できるようになる。車両情報抽出サービスは、車両スキームを使用して地理的領域内の車両に減少係数を伝達し、車両が特定のタイプのセンサデータを送信する確率を車両に示す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報抽出サービスを実装するためのシステムであって、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスであって、
前記車両情報抽出サービスの顧客から、車両群から1つまたは複数の種類の車両情報を抽出する要求を受信し、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信し、前記1つまたは複数の車両情報パケットのそれぞれが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含み、
前記区画のそれぞれにある車両のそれぞれの総数を判定し、
前記区画のそれぞれにある車両の前記それぞれの総数に基づいて、前記区画の前記それぞれにある車両に適用される1つまたは複数のデータ減少係数を判定し、前記1つまたは複数のデータ減少係数は、所与のそれぞれの区画にある前記群の所与の車両が、前記所与のそれぞれの区画の前記群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有する確率を含み、
1つまたは複数の車両スキームパケットを、前記群の前記車両の1つまたは複数に送信し、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される1つまたは複数の区画に対する1つまたは複数の対応するデータ減少係数とを含み、
前記1つまたは複数のデータ減少係数に従って、前記1つまたは複数の区画のそれぞれに位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信するように構成された前記コンピューティングデバイス、を含む、前記システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
前記受信した車両情報に基づいて、所与の区画にある車両の車両環境を推論し、前記車両環境は、機械学習アルゴリズムを介して識別された車両検出物体を含み、
前記データ減少係数は、それぞれの区画の推論された車両環境に基づいてさらに判定されるようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
機械学習アルゴリズムを使用して、前記検出された物体を静止物体、半静止物体、または動的物体として分類するようにさらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
減衰関数に従う前記推論された車両環境を修正し、
前記データ減少係数は、前記それぞれの減衰関数によって修正された前記推論された車両環境に基づいて判定されるようにさらに構成される、請求項2または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記区画は、前記受信した1つまたは複数の車両情報パケットに示される前記それぞれの車両のそれぞれの位置に基づいて判定され、
時間的近接性は、その中で前記それぞれの車両が互いに近接して位置している、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
方法であって、
車両群から抽出される1つまたは複数の種類の車両情報の要求を受信することと、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信することであって、前記1つまたは複数の車両情報パケットのそれぞれが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含む、前記受信することと、
前記それぞれの区画の所与のものにある車両の総数を判定することと、
前記所与の区画の車両の総数に基づいて、前記区画の前記所与のものにある車両に適用されるデータ減少係数を判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に1つまたは複数の車両スキームパケットを送信することであって、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、前記所与の区画に適用される前記対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、
前記データ減少係数に従って、前記所与の区画に位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信することと、を含む、前記方法。
【請求項7】
前記区画は、前記受信した1つまたは複数の車両情報パケットに示される前記それぞれの車両のそれぞれの位置に基づいて判定され、
時間的近接性は、その中で前記それぞれの車両が互いに近接して位置している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記群の前記車両のうちの第2の車両によってもたらされる別の車両情報パケットを受信することであって、前記他の車両情報パケットは、前記第2の車両が前記所与の区画に含まれる1つまたは複数の基準を満たすために少なくとも部分的にもたらされる、前記受信することと、
前記所与の区画に前記第2の車両を含んでいることに基づいて、前記所与の区画にある前記群の前記車両の前記総数を更新することと、
前記所与の区画にある車両の前記第2の総数がモデル更新閾値レベルを超えない場合、前記所与の区画に対して以前に判定された前記データ減少係数を前記第2の車両に送信することと、をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記モデル更新閾値を超える前記所与の区画にある前記車両の総数の更新バージョンに基づいて、前記所与の区画にある車両に適用される第2のデータ減少係数を判定することであって、前記第2のデータ減少係数は、前記所与の区画にある前記群の前記車両のうちのそれぞれのものが、前記所与の区画にある前記群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有することになる第2の確率を含む、前記判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に他の車両スキームパケットを送信することであって、前記他の車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される対応する第2のデータ減少係数とを含む、前記送信することと、をさらに含む、請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記車両群は、情報抽出のためのデータ減少設定を選択した車両を含む、請求項6から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記所与の区画に含まれる前記群及び第2の群の車両の総数に基づいて、第2の車両群のそれぞれの車両に適用される第2のデータ減少係数を判定することであって、前記第2のデータ減少係数は、前記所与の区画にある前記第2の群の所与の車両は、前記所与の区画に含まれる前記第1の群または前記第2の群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有することになる第2の確率を含む、前記判定することと、
前記所与の区画にある前記第2群の前記車両に1つまたは複数の第2の車両スキームパケットを送信することであって、前記第2の車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される第2の対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、をさらに含む、請求項6から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記車両群から抽出される前記1つまたは複数の種類の車両情報は、
カメラデータ、
LiDarデータ、
電子制御ユニット(ECU)データ、または
合成センサデータ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項6から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の車両スキームパケットは、車両情報が送信されるネットワーク接続の帯域幅が帯域幅閾値を満たさない期間中に前記車両情報を車両データストレージに記憶するように前記車両に命令し、
前記車両スキームパケットは、前記データ減少係数に従って減少された前記車両情報の減少バージョンを記憶するように前記車両に命令する、請求項6から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の車両スキームパケットは、車両情報が送信されるネットワーク接続の帯域幅が帯域幅閾値を満たさない期間中に前記車両情報を車両データストレージに記憶するように前記車両に命令し、
前記車両スキームパケットは、前記データ減少係数を適用せずに前記車両情報を記憶するように前記車両に命令し、
前記データ減少係数は、前記ネットワーク接続が前記帯域幅閾値を満たすという判定に応答して、前記記憶された車両情報を送信する準備をするときに適用される、請求項6から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記車両の前記群は、異なる車載通信アーキテクチャを有する車両を含み、前記車両群から抽出されるべき1つまたは複数の種類の車両情報の前記要求は、前記異なる車載通信アーキテクチャに対して異なるようにフォーマットされる、請求項6から14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動車、トラック、オートバイなどの現代の車両は、多くの場合、電子センサを搭載して製造されており、そのような電子センサからの入力を受信し、車両または車両に実装されたシステムに対して実行される様々な制御動作を判定する制御アルゴリズムでプログラムされたコンピュータシステムを含んでいる。一部の車両は、70個ものそのような電子制御ユニット(ECU)、及び20~30個のセンサモダリティなどを含み得る。さらに、現代の車両は、以前の車両よりも多くのデータを生成するセンサへの依存度が高まっている。例えば、自律走行車、半自律走行車、または自動運転車には、複数のカメラ、レーダー、LIDARセンサ、音声マイクなどが含まれ得る。このようなセンサは、1時間あたり5~10テラバイトなどの大量のデータなどを生成し得る。このような大量のデータをデータ分析のために別のサービスに送信すると、重大な問題が生じる。
【0002】
さらに、車両情報は、復号する必要がある形式、またはアクセスするために車両固有の構成情報を必要とする形式であり得る。例えば、車両が通信するフォーマットは車両メーカーに固有である場合があり、それらのメーカーの構成に応じて異なる車載通信フォーマットの復号が必要になる場合がある。さらに、異なる信号形式を利用する不均一な車両の群では、異なる信号形式と車載構成を考慮せずにデータを収集する共通の方法を群に使用することはできない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】いくつかの実施形態による、異なる車載通信信号構成のための複数のデコーダルールを車両モデル構成に関連付けることにより、異なるセンサ信号フォーマットの車両を単一の車両群で構成し、データ収集と分析に使用できるようにし、及び/または、群の区画、区画内の車両の数、及び以前に収集された車両情報に基づいて決定された車両環境にある物体についての推論に基づいて、各車両から情報を抽出することを可能にする車両情報抽出サービスを示す。
図2】いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービス、その様々な部分、及び車両に特有の車載通信信号構成から車両モデル構成を分離する対話のより詳細な図を示す。
図3】いくつかの実施形態による、車両信号カタログを使用し、不均一な車両モデルの群にわたる共通のデータ収集スキームを使用してデータを収集する際に統一された信号表現を使用できるようにする階層ツリー構造を有する例示的な車両モデル構成のグラフィックな図を示す。
図4】いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービスのためのサービスユーザインターフェースのデザイナーキャンバス及び管理コンソールのより詳細な図を示す。
図5A】いくつかの実施形態による、動的車両データ抽出サービスを使用してデータ減少係数を判定し、群の車両から抽出された情報に適用され、動的車両データ抽出サービスは、車両環境、車両の動き、及び様々な区画による様々な時点での車両密度の変化に基づいて抽出されるデータの量を最適化する、車両群のより詳細な図を示す。
図5B】いくつかの実施形態による、車両移動パターンの類似性に基づいて複数の不均一区画の動的データ減少を適用する、動的車両データ抽出サービスを示す。
図5C】いくつかの実施形態による、車両環境または他の環境的要因に基づいて、互いに重なり、標高が異なる領域の複数の不均一な区画に対して動的データ削減を適用し、重複する区画が判定される動的車両データ抽出サービスを示す。
図6】いくつかの実施形態による、車両データ抽出サービスの様々なコンポーネント、車両の動きとコンポーネントの相互作用、及びデータ抽出のそれぞれの確率に対する車両の動きの影響を示す論理ブロック図を示す。
図7】いくつかの実施形態による、ある区画から別の区画への車両の移行に関して車両情報抽出サービスによって実行される動作のフローチャートを示し、データ抽出のための更新された確率及び/またはデータ減少係数が送信されるべきかどうかを判定するための動作を示す。
図8】いくつかの実施形態による、地図を地理的領域に分割し、複数の区画の境界を描画し、境界の解像度を変更して、領域ごとに粒度及び/または車両数を変えることができるようにする車両データ抽出サービスで使用される例示的な地図を示す。
図9】いくつかの実施形態による、地図をグリッド化された領域に分割し、領域の境界を定義する、車両データ抽出サービスのサンプル地図の解像度を変更した場合の影響を示す。
図10】いくつかの実施形態による、車両のバスを介して車両情報を通信するために異なるレベルで使用されるプロトコルの例示的なネットワークスタックの車載通信構成のより詳細な図を示す。
図11】いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービスによって展開されるソフトウェアアプリケーションによるデータ抽出について監視され得る複数の異なるバスを備える例示的な車両を示す。
図12】いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービスによって展開されるアプリケーションによって使用され得るストレージバッファのより詳細な図を示し、ストレージバッファは、1つ以上のトリガ基準が満たされた場合、データ減少係数を適用し、抽出に適格な1つ以上の先行の瞬間からのデータを記憶する。
図13】いくつかの実施形態による、とりわけ、区画基準及び区画の車両群の数に基づいて、群の車両から抽出されるある量の情報に対しデータ減少を適用する、車両情報抽出サービスによって実行される動作のフローチャートを示す。
図14】いくつかの実施形態による、車両群に対して統一モデルを生成することを可能にし、車載通信構成のばらつきを自動的に考慮して、モデル内で指定された要求された情報を不均一車両群から収集できるようにする、車両情報抽出サービスにおけるモデリングシステムを実装するためのフローチャートを示す。
図15】は、いくつかの実施形態による、本明細書で説明される技術の一部またはすべてを実装する例示的なコンピュータシステムを示すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
いくつかの実施形態及び例示の図面の例として実施形態が本明細書中に記載されているが、当業者は、実施形態が、記載された実施形態または図面に限定されないことを認識するであろう。それらについての図面及び詳細な説明は、実施形態を特定の開示される形式に限定することを意図しておらず、逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲によって定義される趣旨及び範囲内にあるすべての修正物、均等物、及び代替物をカバーすることである。本明細書で使用される見出しは、構成のみを目的としており、説明及び請求項の範囲を限定するために使用されることを意味しない。本出願の全体を通じて使用されるように、用語「~し得る、~する場合がある」は、必須という意味ではなく(すなわち、必要であることを意味する)、許容的な意味(すなわち、~する見込みを有することを意味する)において使用される。同様に、用語「含む(include)」、「含む(including)」、及び「含む(includes)」は、限定しないが、~を含むことを意味する。
【0005】
本明細書で説明されるシステム及び方法は、車両情報抽出サービスを実装する技術、及び車両情報抽出サービスによって生成されたソフトウェアパッケージを使用して車載データの監視及び抽出を実装する技術を含む。自動車、トラック、オートバイなどの現代の車両が高度化するにつれて、これらは車両の燃費向上から人工知能(AI)を使用した高度な自動化の程度の上昇までの様々な用途に利用される電子センサがますます搭載されるようなってきている。車両は、各新たな車両の世代が、指数関数的により多くのデータを生成しており、機械的に相互に差別化され始めているだけでなく、ソフトウェアによってもいっそう差別化されるようになっている。さらに、自動車業界で最も急速に成長しているトレンドは、自律走行車(AV)、先進運転支援システム(ADAS)、及び電気自動車の技術に関与することが多く、これらの技術はすべて、1時間あたり2テラバイト(TB)を超えるデータを頻繁に生成する様々なセンサを採用している。さらに、ますます頼りにされてきているタイプのセンサは、大量のデータを生成することが多い。例えば、現代の車両は複数の高解像度カメラにますます依存するようになり、1台の高解像度カメラで3,500メガビット/秒を超える速度でデータを生成できる。ブロードバンドセルラネットワークの第5世代(5G)技術標準などの無線技術の進歩にも関わらず、増加する数のセンサを各々搭載して存在している多大な数の車両について鑑みると、車両データを転送するための帯域幅は、重大な制限を生み出している。さらに、収穫逓減の法則は、多くの場合、このような大規模なデータの収集にあてはまり、収集されたセンサ情報の追加のバイトの価値が前のバイトよりも低くなる場合がある-車両からリモートサービスに情報を転送するのに費用的に障壁がある車両において、その価値の減少は直接無駄につながる。しかし、運用するだけでなく、車両モデルの構築と改善を継続するために、車両データを継続的に収集する必要がある場合がある。ただし、付随する冗長なデータを減少すると、収集した車両データの輸送及び/または記憶のコストが減少される。車両は静止しておらず、頻繁に位置を変更するため、単一の車両エッジデバイスでのデータ転送の最適化は十分でない場合があり、車両群レベルでの最適化が必要になる場合がある。
【0006】
収集されたデータは個々の車両から収集されたものではなく、車両群全体から収集されたものであると考えることによって、車両群のエッジデバイスでのデータ収集の最適化を実現し得る。現実の世界では、車両は隊列や波で移動することが多く、構造化され変化しない環境の多くの態様と相互作用し、その結果、車両(隊列や波など)由来のセンサが頻繁に冗長であるデータを取得することになる。いくつかの実施形態では、車両の隊列または波は、共通の特徴を共有する車両を指し得る。例えば、朝のラッシュアワー中に、高速道路で同じ方向に向かう、一連の車線を走行する一連の車両が、車両の隊列として一緒に移動する場合がある。別の例として、赤信号が青に変わるのに応じて停止している位置から加速する一連の車両が、車両の波として一緒に移動する場合がある。車両の隊列または波の一部とみなした場合、車両から収集されるセンサデータの多くのセットは冗長であると推定され得て、また冗長なデータ収集を回避するために、この車両センサデータのかなりの量がデータ処理サービスへの送信から省かれる場合がある。このデータの減少により、収集した車両情報を報告するために車両が使用するネットワークの帯域幅に掛かる負荷が軽減され得、センサデータの記憶と処理に必要なリソースが減少され得る。例えば、同じ地理的位置及び期間で、またはその周辺における車両の隊列または波は、それぞれ温度センサで同様の温度を検出する。温度データは冗長であると想定され得、データ抽出サービスは、温度データを送信するために、隊列または波の車両のサブセットのみを必要とする場合がある。この車両データ収集の最適化は、様々なECUセンサ、画像センサなどの他の種類のセンサに拡張され得る。いくつかの実施形態では、データ収集が適用される車両群は、顧客によって指定され得、不均一な種類の車両を含み得る。いくつかの実施形態では、群は、「製造元」、「モデル」などの車両に関連付けられた基準に基づいて定義され得る。いくつかの実施形態では、より多くの製造元またはモデルが群に追加または削除されると、群のメンバーが調整され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、車両の地理的位置は、様々な方法で判定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、全地球測位システム(GPS)が使用されてもよく、全地球測位衛星システム(GNSS)が使用されてもよい。また、いくつかの実施形態では、車両は、コンピュータビジョン、LIDAR、車両オドメトリなどを使用するなど、ローカルセンサ及び/またはアルゴリズムを使用して、その位置を判定または更新し得る。いくつかの実施形態では、開示されたシステムは、特定の位置の正確さを必要とせずに、適切に機能し得る。例えば、区画は、他の車両や対象物との相対的な位置に基づいて形成され得、車両の位置情報を提供するシステムによって実際の位置の精度が達成されない場合でも、適切に機能する。
【0008】
例えば、道路に沿って移動する車両の隊列または波は、多くの同じまたは類似した環境の対象に遭遇する場合があり、その結果、冗長とみなされ得る写真が取得され得る。さらに、同様の移動パターンを示す、または同様の環境要因に遭遇したいずれかの車両は、多数の冗長なデータを返すと想定され得る。車両情報抽出サービスは、環境に関する推論を行い、車両の特定の区画にある車両が冗長データを返す可能性を計算するために、車両群によって取得された画像またはその他の情報を含む、様々なソースからの集約されたデータを使用する場合がある。返される冗長データの数を減らすために、車両群のモデルを生成し、その区画の車両群の車両の密度を取得して減少係数を判定し得る。この減少係数は、車両スキームパケットを使用して車両に伝達され得る。車両スキームパケットは、所与の車両に、その所与の車両が特定の種類のセンサデータを送信する確率を示し得る。所定の種類のセンサデータが送信される減少係数/確率は、所与の車両の様々なタイプのセンサ間、及び/または異なる群に属する異なる車両間で異なる場合がある。いくつかの実施形態では、動的データ抽出サービスの顧客は、顧客が運転または管理する車両群からデータを収集することを望む場合がある。また、いくつかの実施形態では、車両群は異なる区画に属してもよく、これは、いくつかの実施形態では、動的データ減少及び/または車両データ抽出サービスに参加している群のそれぞれの車両及び/または他の群の他の車両の隊列状または波状の挙動に基づいて判定されてもよい。
【0009】
様々な車載通信フォーマットで構成された車両群のデータのモデリング、収集、記憶を可能にする車両データ抽出サービスにより、データ収集のさらなる柔軟性と機能が有効になり得る。顧客群から車両データを抽出する際の1つの問題は、車両データの収集、モデル生成、及び分析に障壁を生み出す、異なる車載通信フォーマットを有する車両の異なるモデルから発生する。例えば、ある車両では、車両のエンジンコントロールユニット(ECU)がコネクテッドエリアネットワーク(CAN)バスを介して接続されている車両モデルで速度情報を利用できる場合があるが、別の車両では、速度情報は、ECUはイーサネット経由で接続されている別のモデルで利用できる場合がある。いくつかの実施形態では、個々の車両に特有の車載通信信号構成から車両モデル構成を分離する、開示されている車両データ抽出サービスは、この問題を克服する。
【0010】
さらに、車両モデル構成を個々の車両に特有の車載通信信号構成から分離することで、様々なユーザがモデルの様々な部分を独立して作業できるようになり、不均一車両モデル群全体で統一された信号表現を使用できるようになる。例えば、モデル構成で表される車両の信号フォーマットと、各タイプの車両のデコーダルールで表される車載通信信号構成を分離することで、車両モデルに関係なく単一の解析アプリケーションを使用してもよく、これは様々なデコーダルールを有する場合がある。本明細書で使用される「デコーダルール」は、信号の復号に関与する任意の規則を含み、「復号ルール」及び/または「信号復号ルール」と互換的に使用され得る。さらに、車両からデータをいつどのように収集するかに関するルールを定義するデータ収集構成を適用するために実行される単一のワークフローは、そのようなサービス内の不均一な車両モデル群全体で実行され得る。
【0011】
図1は、いくつかの実施形態による、異なる車載通信信号構成を有する複数のデコーダルールを車両モデル構成に関連付けることにより、異なるセンサ信号フォーマットの車両を単一の車両群で構成し、データ収集と分析に使用できるようにし、及び/または、群の区画、区画内の車両の数、及び車両環境の推論に基づいた推論に基づいて、各車両から情報を抽出することを可能にする車両情報抽出サービスを示す。区画、車両数、及び/または車両環境に基づく抽出により、収集されたデータに動的データの減少を適用することが可能になり得、冗長なデータ収集が減少されるようにする。
【0012】
システム100は、車両142、143、及び144に接続された車両情報抽出サービス102及びネットワーク116を含む。車両142、143、及び144は、単一群に含まれ得るが、これらは不均一な車両信号フォーマットを使用して構成される。いくつかの実施形態では、ネットワーク116は任意の数の車両に接続されてもよく、車両群の異種性は、異なる相手先商標製造業者(OEM)に属する車両から生じ得る。他の実施形態では、車両は均一な車両信号フォーマットを有し得る。さらに、顧客122a~122nは、ネットワーク116を介して車両情報抽出サービスに接続されている。いくつかの実施形態では、顧客122a~122nは、車両サプライヤまたは車両コンポーネントサプライヤ(例えば、車両相手先商標製造業者(OEM)及び/または列1、列2、または列3の部品のサプライヤ)であり得る。ネットワーク116は、車両情報抽出サービス102をホストするサービスプロバイダネットワークへの直接接続の接続、またはインターネット接続などのプライベートネットワークまたはパブリックネットワークであってもよい。さらに、ネットワーク116は、セルラネットワーク、Wi-Fiネットワーク、またはその他の無線ネットワークなどの無線ネットワークであってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービス102は、図3でさらに説明するように、制御プレーン104、データストレージ114、及びデータプレーン112を含み得る。制御プレーン104により、顧客122a、122nは車両を登録し、車両をモデル化し、単一の車両または車両群にわたるデータ収集ワークフローを管理できるようになる。データプレーン112は、生の車両データの取り込み、データの復号、及び車両データの記憶及び/または取得のための処理パイプラインとして機能する。いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービス102の様々なコンポーネントは、サブシステムのスケーラビリティ及びスループット要件を独立して管理するために、分散型及び/または分離型フォーマットを有する様々なサブシステムにさらに分割され得る。データプレーン112はさらに、制御プレーン104によって維持される様々な車両のモデル構成及びデコーダルールなどの構成を使用して、車両142、143、144から取得された抽出車両データ148を復号及び強化し得る。いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービス102及びその中の様々なサブシステムは、停電または処理上のエラーからの回復などの事象において、データプレーン112が突然のトラフィックのバーストによって制御プレーン104を圧倒することを防ぐために、分離され、異なる環境で維持され得る。顧客122a、122nは、抽出サービス要求118、120を通じて制御プレーン104と対話して、車両モデリング、車両センサテスト、車両資産登録、車両群定義、及びデータ収集スキーム管理を実行する。
【0014】
いくつかの実施形態では、制御プレーン104は、抽出サービス要求118を実行するための車両識別レジストリ110、データ収集スキームコントローラ108、及びサービスユーザインターフェース106を含む場合がある。サービスユーザインターフェース106には、図4でさらに説明するように、デザイナーキャンバスと管理コンソールが含まれ得る。いくつかの実施形態では、顧客は、顧客(例えば、車両サプライヤ及び/または車両コンポーネントサプライヤ)が設計したコンポーネントからバスを介して車両の情報を通信するために使用される独自のプロトコルと符号化形式を記述した辞書ファイル、及び/または関連する独自のアクセス資格情報ファイルを提供し得る。例えば、顧客122a、122nは、生の車両データを物理的な測定値に復号するために使用されるデコーダルールを含む抽出サービス要求118、120を提示してもよく、例えば、CANデータベース(CAN DBC)は、車両のCANバスフレームからの生のデータをエンジン速度、レーダー振幅などの物理的な信号に復号するために使用できる。いくつかの実施形態では、抽出サービス要求118、120には、車両群からデータを収集するためのルールを定義するデータ収集スキームが含まれ得る。データ収集スキームは、車両センサ情報の抽出基準(本明細書では「データ抽出基準」とも呼ばれる)を示し、図5A図5Cでさらに説明されるように、冗長データの減少を通じてデータ減少及び/または収集の最適化を管理するルールを定義し得る。なお、デコーダルール及び抽出基準を含むデータ収集スキームが、同じシステムの一部として図1に示されている。しかし、いくつかの実施形態では、デコーダルールとデータ収集スキームは別々に使用されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、制御プレーン104の車両識別レジストリ110は、群の中の車両の識別のレジストリを管理するための作成、読み取り、更新、及び削除(CRUD)アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を設けてもよい。車両識別レジストリ110は、車両の識別(車両ID)をキーとして、車両の製造元、車両のモデル、及び他の車両の属性のタプルを、位置、構築日、エンジンのタイプ、燃料のタイプなどの値として有するキー値のレコードを記憶し得る。モデリングサービスを使用して生成された車両モデルはまた、同様のタプル形式で関連付けてもよい。車両識別レジストリ110は、車両識別証明書のローテーション及び失効を容易にするだけでなく、所有権の変更を容易にし得る。他の実施形態では、顧客122a、122nは、自身の認証局(CA)を使用して群の車両142、143、144に搭乗し、車両識別証明書のローテーション及び失効を管理してもよい。いくつかの実施形態では、制御プレーン104、110は、顧客のCAによって署名された証明書を認証し得る。車両識別レジストリ110はさらに、顧客122a、122nによって与えられた群ルールによって指定されるような様々な基準に基づいて車両を群にグループ化することを容易にし得る。群ルールでは、車両群を共にグループ化するために、任意の数及び/または車両の属性の組み合わせを使用してもよい。例えば、群ルールでは、都市または州などの特定の地理的領域内のすべての車両の群を作成したり、特定の車両製造元やモデルを対象とした群を生成したりし得る。車両識別レジストリ110は、群の車両が追加、削除、または更新されるときに、様々な群のすべての状態を維持する。
【0016】
いくつかの実施形態では、データ収集スキームコントローラ108は、顧客122a、122nが、単一の車両または車両群に対するデータ収集スキームを定義及び管理し、様々な車両データが車載コンピューティングデバイス(複数可)150から送信される条件を管理できるようにし得る。データ収集スキームコントローラ108は、車両142、143、144が、それらの様々なセンサによって収集された様々な情報をいつ、どこに、どのように送信するかを判定するために使用する規則を定義する車両構成146を含むデータ収集スキームパケットを生成する。次に、データ収集スキームコントローラ108は、車両のモデル構成に対してスキームを検証し、顧客が定義した優先順位に基づいてスキーム間の競合を解決する。車両スキームが群に適用されると判定された場合、データ収集スキームコントローラ108は、車両通信インターフェース180と連携して、指定された車両群にスキームを適用し得る。いくつかの実施形態では、冗長データを減少するためのデータ減少係数の詳細は、顧客122a、122nによって判定され、データ収集スキームコントローラ108を使用して車両スキームに適用される場合がある。いくつかの実施形態では、データ収集スキームコントローラ108は、速度制御を適用して、伝播速度の増加によるエラーなく群全体にスキームを安全に伝播させる。エラーは、車載コンピューティングデバイス(複数可)150によって公開されるヘルスメトリックを監視することによって、及び/または車両142、143、144と車両通信インターフェース180との間のアクティブな車両接続を監視することによって、検出され得る。いくつかの実施形態では、データ収集スキームは、車両のエンジンタイプ及び他の車両モデルパラメータ/属性などの車両の属性に基づいて、車載コンピューティングデバイス(複数可)150でデータをフィルタリングする(例えば、データ減少を実行する)ためのカスタマイズされたルールを定義し得る。いくつかの実施形態では、車両スキームパケットは、1つまたは複数のセンサデータが送信される頻度(例えば、5分ごと)、スケジュールまたは期間(例えば、現在時刻から20分)、及びトリガ事象(例えば、車両の閾値のブレーキ速度、または車両の車線からの逸脱)をさらに指定し得る。いくつかの実施形態では、トリガ事象は心拍であり、データ伝播は一定のリズムで継続的に行われる場合がある。
【0017】
いくつかの実施形態では、デコーダルールは、車両スキームパケットを介して、及び/または別個のマニフェスト/構成を介して車両に送信され得る。デコーダルールは、プロトコル名、バス規格(例えば、CANバス規格)、センサが多重化されているメッセージのメッセージID、スケール、オフセットなど、センサデータの復号に必要なパラメータをもたらす。
【0018】
いくつかの実施形態では、デコーダルールは、クラウドベースの実装などの遠隔地で必要な信号を復号するために車両情報抽出サービス102によって使用される場合がある。他の実施形態では、デコーダルールは、車両情報抽出サービス102ではなく、車両(または他の車両エッジデバイス)の車載コンピューティングデバイス150において適用されて、復号された信号を車両情報抽出サービス102に送信し得る。いくつかの実施形態では、所望の車両群は異種タイプの車両を含み得、モデル構成は複数のデコーダルールを含み得る(復号のルールが異種タイプごとに異なる場合)。例えば、デコーダルールA162、デコーダルールB163、及びデコーダルールC164は、異なる信号セマンティクスを有するそれぞれの車両142、143、144に送信され得る。いくつかの実施形態では、デコーダルールの各セットは、モデル構成のすべての信号に対して復号ルールをもたらす。モデル構成及びデコーダルールは、複数のデコーダルール(例えば、デコーダルールA162、デコーダルールB163、及びデコーダルールC164)が単一のモデル構成に関連付けられ得る、1対多の関係を有し得る。この1対多の関係により、車載ネットワークトポロジ及び/または所与の車両群で使用されているテクノロジーに関係なく、同じ信号セマンティクスをデータ収集と分析に使用できるようになる。
【0019】
いくつかの実施形態では、データ収集スキームコントローラ108は信号カタログを管理し得る。信号カタログは、OEMが車両またはセンサの複数のモデルにわたって使用する信号属性を含む場合がある。信号カタログは、車両信号仕様(VSS)命名ガイドに従ってもよく、有資格の名(例えば、Vehicle.Powertrain.CombustionEngine.FuelType)を使用してアクセスできる場合がある。信号カタログの信号ごとに1つの固有のパスが存在してもよく、いくつかの実施形態では、データ収集スキームコントローラ108が固有の信号IDを信号に割り当ててもよい。データプレーン104のデータ収集スキームコントローラ108は、信号IDが信号カタログ全体にわたって一意であることを保証し得る。いくつかの実施形態では、顧客122a、122nは複数の信号カタログを作成してもよい。複数の信号カタログには、様々なタイプの車両をモデル化するために使用され得る信号属性が含まれ得る。例えば、乗用車用のカタログ、トラック用のカタログ、オートバイ用のカタログなどを生成してもよい。同じ車両タイプの信号カタログは、その車両タイプのすべての信号を表す単一のカタログを有し得るが、いくつかの実施形態では、複数の信号カタログが、同じ車両タイプの信号の異なるサブセットを表すために使用され得る。本明細書で使用される「サブセット」という用語は、1つの車両タイプの属性に限定されず、任意の数のタイプの属性の1つ、すべて、または任意の数を含み得る。さらに、本明細書で使用される場合、「サブセット」には、所与の車両タイプのすべての属性、または所与の車両タイプの利用可能な属性の一部のみが含まれ得る。図2でさらに説明するように、データプレーン104のデータ収集スキームコントローラ108は、信号カタログ及びデコーダルールを使用して車両モデル構成を管理し、車両データ抽出サービス102の統一された信号表現を可能にして、群内の不均一な車両からデータを抽出するときに、同じデータ収集スキームを適用するワークフローを介して群内の不均一な車両にわたってデータを収集することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、データプレーン112は、車両142、143、144からの生データの受信と、車両の状態及び車両がデータストレージ114に対して属する車両区画などの様々な種類の車両情報の配信を管理し、情報は、車両状態テーブル186及び車両区分テーブル182にそれぞれ記憶され得る。車載コンピューティングデバイス(複数可)150は、クライアント証明書認証(例えば、X.509証明書)及び車両が車両識別レジストリ110を介して登録されたときに取得される秘密鍵を介して、データプレーン112を使用して車両情報抽出サービス102との接続を認証し得る。いくつかの実施形態では、データプレーン112には、車両142、143、144などの各車両との安全な接続を確立してソフトウェアパッケージ146を送信し、抽出された車両データ148を受信するように構成された車両通信インターフェース180が含まれる。いくつかの実施形態では、抽出生データエンジン184は、抽出された車両データ148を、車両情報抽出サービス102をまた実装するプロバイダネットワークによってもたらされるストレージサービスのストレージアカウントなど、顧客122a、122nの別個のストレージアカウントに記憶させてもよい。例えば、顧客は、車両情報抽出サービスももたらすサービスプロバイダネットワークによって提供される様々なサービスのアカウントを有する場合がある。したがって、顧客は、物体ベースのストレージサービス、アーカイブデータストレージサービス、機械学習サービスなどのサービスプロバイダネットワークの特定のサービスを使用して、抽出された車両情報をアカウントに配信するかどうかを指定してもよい。データプレーン112の車両区画エンジン188は、車両群からの位置情報及び/または他のセンサ情報を利用して、各車両が群のどの区画に関連付けられているかを判定し得る。車両区画エンジン188は、群が置かれている環境を記述する任意の数のタイプの情報を利用して、冗長なデータ収集をもたらすと想定され得る同様の車両移動パターンまたは同様の環境要因を判定/推論し得る。このようなタイプの情報は、群を分割するために使用される場合がある。いくつかの実施形態では、地理的位置及び/または他の要因に基づいて区画を判定されてもよい。いくつかの実施形態では、区画は、2次元要素を使用して判定されてもよく、2次元は、車両の空間的近接性及び空間的近接性の時間的近接性である。もっとわかりやすく言うと、車両が互いに接近したのはどれくらい最近、あるいはどれくらいの期間であったかである。例えば、区画AとBは、特定の時間枠内の地理的な近接性に基づいて判定される場合がある。
【0021】
いくつかの実施形態では、群の区画は、環境に関して行われた様々な推論への近さに基づいて判定され得る。例えば、車両区画エンジン188は、意味論的に識別された物体192が何らかの頻度で環境内に存在するという判定を行うために、車両142、143、144から集約されたデータを使用し得る。識別された物体192への近接性及び/または識別された物体192の発生頻度、ならびに他の車両に対する位置及び時間の近接性の変数に基づいて、車両143は区画Cに割り当てられる場合がある。いくつかの実施形態では、車両は、群の複数の区画の一部であり得る。例えば、車両143は、区画Cだけでなく区画Aの一部であってもよい。次いで、データ収集確率エンジン190は、車両スキームパケットを通じて特定の地域の車両に通信するための適切なデータ減少係数を判定し得る。データ収集確率エンジン190は、環境から得られる様々な他の推論を使用して、所与の区画の車両が冗長データを返す見込みがある可能性を計算し得る。いくつかの実施形態では、推論は、機械学習技術を使用して識別された車両検出対象のリストから引き出された推論、静止、半静止、または動的としての検出対象の分類、事故の存在などを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、モデルはデータ抽出サービスのサービス側で生成され得る。このモデルは、時間的近接性、例えば、どれくらい早く所与の車両が特定の対象に遭遇する見込みがあるか、ということと共に、一般的な車両挙動(隊列や波での移動など)を示す所与の車両または車両タイプが対象に遭遇する確率はどれくらいかというモデルと共に、車両からデータが収集/抽出される環境における特定のタイプの対象の発生頻度をモデル化し得る。これらのモデルパラメータに基づいて、データ抽出サービスのサービス側は、それぞれの区画に属する車両に適用されるデータ減少係数を生成し得る。いくつかの実施形態では、区画は単に地理的領域に対応し得るだけである。しかしながら、同じ実施形態または他の実施形態では、区画は空間次元と時間次元の両方に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、区画は他の要因に基づいて判定されてもよい。例えば、互いに地理的に近く、時間的にも近く、周囲の車両の速度範囲と重なる速度で走行するなどの共通の車両挙動を示す一連の車両を、共通の区画にグループ化してもよい。例えば、そのような区画は、州間高速道路を同時に同じ速度で互いに近接して走行する車両のグループに似ている場合がある。いくつかの実施形態では、車両挙動の変化に基づいて区画を動的に更新してもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、車両を共通の区画にグループ化するために使用される共通の車両挙動は、出発地-目的地(OD)行列推定プロセスを使用して判定され得る。例えば、そのような推定プロセスは、同じ目的地に向かって、または同じ出発地と目的地の間を移動する車両のグループを識別し、そのような車両をグループにグループ化して、区画を形成するために使用し得る。いくつかの実施形態では、データ抽出サービスは、点のセット間の車両の出発地目的地フローを推定し、データ減少確率をグループ化された車両に送信してもよく、データ減少確率は、車両の推定軌道に基づいて、及び本明細書で説明される他の要因、例えば区画内の車両密度や、車両が判定された軌道に従って走行する環境における対象物体の蔓延などと共に、判定される。いくつかの実施形態では、車両データ抽出サービスのサービス側で維持されている現在更新されたモデルが、車両群に送信されるスキームパケットを生成するために使用されたモデルの以前のバージョンと、1つ以上の閾値量を超えて異なる場合、更新されたモデルに従ってデータ減少パラメータを反映するスキームパケットを車両に対して発行してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービス102のデータプレーン112は、抽出された車両データ148に対して実行される分析及び/または視覚化をさらに調整し得る。例えば、抽出された車両データは、顧客に通知されるアラームのアラームトリガと比較され得る。また、抽出された車両情報は、顧客に提示するためにチャート、グラフ、またはその他のユーザインターフェースツールなどの視覚的なグラフィックスに編成され得る。いくつかの実施形態では、抽出された車両情報は、人工知能(AI)モデルを訓練するために使用されてもよいし、車両の設定を最適化するために機械学習ツールに与えられてもよい。認証されると、車両142、143、144は、様々なパブリッシュサブスクライブネットワークプロトコルまたは他のネットワークプロトコル、例えばMQTTプロトコルを使用して、車両情報抽出サービス102にデータを送信し、メッセージを転送し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のビデオ/オーディオセンサ132を使用して取得されたビデオフレームは、H.264とも呼ばれるアドバンストビデオコーディングなどの符号化されたビデオフォーマットを使用して送信され得る。いくつかの実施形態では、車載コンピューティングデバイス(複数可)150は、様々なセンサデータをアップロードするために一時的な認証情報を取得し得る。データプレーン112は、抽出された生の車両データ148を直接取り込み、その後、抽出された生のデータエンジン184が車両モデル構成を使用して、抽出された生のデータを物理テレメトリメッセージに復号し得る。いくつかの実施形態では、抽出された生の車両データは、ビデオフレーム、画像、レーダー振幅、温度データ、エンジン速度、及び車両に関する他の情報などのデータを含むバイナリリソースであってもよい。いくつかの実施形態では、復号されたテレメトリデータは、車両の属性で強化され、データストレージ114の時系列データベースに公開されてもよい。車両の属性を関連付けることによって車両データを強化すると、ユーザは車両及び/または対象の事象の属性を使用して車両データをクエリできるようになる。いくつかの実施形態では、固有の物体URLを車両データを含むレコードに関連付けて、時系列データベースに公開することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、車載コンピューティングデバイス150は、車両126用のゲートウェイを実装してもよく、さもなければ、車両通信バス138などの車両の1つまたは複数のバスを介して送信されるデータにアクセスできる車両126のコンポーネントであってもよい。いくつかの実施形態では、車両のバスは、電子制御ユニット128(ECU#1)及び電子制御ユニット130(ECU#2)などの車両の複数のコンポーネントから送信されたマルチキャスト車両情報を送信し得る。さらに、物理センサ136及び音響/視覚センサ132などの他のコンポーネントは、車両通信バス138を介して車両情報を通信し得る。群の車両142、143、144は、車両の位置を取得できる1つまたは複数の位置センサ131を含み得る。いくつかの実施形態では、位置センサは、セルラ、無線パッシブ、衛星、及び他のタイプのGPSシステムを使用する全地球測位システム(GPS)であってもよい。位置センサ131は、車両が現在位置する領域を判定するために車載コンピューティングデバイス150の位置モジュール154によってさらに処理される位置情報を取得し得る。この位置情報及び/または他のセンサ情報は、車両が群のどの区画に該当するかを判定するために使用され得る。車両スキームパッケージ146は、車両142を制御し、そのデータを送信する条件を判定するために、車載コンピューティングデバイス150で実行されるソフトウェアアプリケーション152によって使用され得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアアプリケーション152は、バイナリファイルストレージ154にアクセスして、車両通信バス138を介して送信される車両情報にアクセスし得る。いくつかの実施形態では、車両バスを介した車両通信は、ソフトウェアアプリケーション152によって符号化し得、バイナリファイルストレージのバイナリファイル及び/または構成ファイルを使用して、符号化された車両通信を介して送信された車両情報を復号し得る。バス交通復号及びトリガ監視モジュール156はさらに、バス交通などの車両情報及び/または視覚データまたは音声データなどの他の車両情報をストレージバッファ158に記憶させてもよい。図12でさらに詳細に説明するように、ストレージバッファは、過去の複数の先行する瞬間の符号化及び/または復号された車両情報及び他の関連する車両データを記憶し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアアプリケーション152によってもたらされるトリガ監視160は、バストラフィックを監視して、車両スキームパケットによってもたらされるデータ抽出の1つ以上のトリガ基準が満たされているかどうかを判断して、トリガ基準が満たされているかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、車両スキームパケットは、そのようなトリガ基準の1つとして、新しい区画及び/または地理的領域への移動の検出をもたらし得る。例えば、図1では、車両142の領域Aから領域Bへの移動は、トリガ基準を満たし得る。ソフトウェアアプリケーション152には、さらに、車両スキームパケットから1つ以上のデータ減少係数を取得して、トリガ事象後に抽出のために特定のセンサデータを取得/収集するべき割合を判定するデータ減少係数アプリケーション156が含まれ得る。例えば、データ減少係数アプリケーション156がデータ減少係数を取り込み、トリガの履行時に送信される温度センサデータのパーセンテージが50%であると判定した場合、群によって送信される温度センサデータは、例えば、温度データの送信頻度を減らすことにより、効果的に半分に減少される。いくつかの実施形態では、位置モジュール154は、位置センサ131を使用して車両142の位置を判定し得る。トリガ基準が満たされた場合、車載コンピューティングデバイス150のパケット生成モジュールは、生の抽出された車両データ148として車両情報抽出サービス102に送り返される1つ以上のパケットを生成し得る。
【0026】
データプレーン112は、抽出された生の車両データ148を直接取り込み、その後、抽出された生のデータエンジン184が車両モデル構成を使用して、抽出された生のデータを物理テレメトリメッセージに復号し得る。いくつかの実施形態では、抽出された生の車両データは、ビデオフレーム、画像、レーダー振幅、温度データ、エンジン速度、運転手のパフォーマンス、及び/または車両に関する他の情報などのデータを含むバイナリリソースであってもよい。いくつかの実施形態では、復号されたテレメトリデータは、車両の属性で強化され、データストレージ114の時系列データベースに公開されてもよい。車両データを強化すると、ユーザは車両及び/または対象の事象の属性を使用して車両データをクエリできるようになる場合がある。いくつかの実施形態では、固有の物体URLを車両データを含むレコードに関連付けて、時系列データベースに公開することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、サービスユーザインターフェース104には、図2でさらに説明するように、デザイナーキャンバスと管理コンソールが含まれ得る。いくつかの実施形態では、顧客は、顧客(例えば、車両サプライヤ及び/または車両コンポーネントサプライヤ)が設計したコンポーネントからバスを介して車両の情報を通信するために使用される独自のプロトコルと符号化形式を記述した辞書ファイル、及び/または関連する独自のアクセス資格情報ファイルをもたらし得る。例えば、顧客122aは、車両サプライヤ辞書ファイルと、車両サプライヤ辞書に従ってフォーマットされた車両情報のデータ抽出基準とを含むサービス要求118をもたらす。さらに、顧客122nは、別個のコンポーネントサプライヤ辞書ファイルと、コンポーネントサプライヤ辞書に従ってフォーマットされた車両情報のデータ抽出基準とを含む提起120をもたらし得る。図1では、辞書ファイルとデータ抽出基準が同じ提起の一部として示されていることに留意されたい。ただし、いくつかの実施形態で、データ抽出基準と辞書ファイルは別々に送信される場合がある。
【0028】
顧客122a及び122nから受信した辞書ファイル及び関連するアクセス資格証明ファイルは、制限付きアクセス辞書及び資格証明ストレージ106に記憶され得る。顧客122aの辞書ファイル/関連するアクセス資格証明ファイル、及び顧客122nの辞書ファイル/関連するアクセス資格証明ファイルは、それぞれ、アクセスが制限された別個の物理的または論理的コンテナに記憶され得る。例えば、顧客122nは顧客122aの辞書ファイルを表示できず、資格情報ファイルにアクセスできない場合があり、その逆も同様である。
【0029】
図2は、いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービス、その様々な部分、及び車両に特有の車載通信信号構成から車両モデル構成を分離する対話のより詳細な図を示す。
【0030】
図2において、顧客122は、車両群のモデルを作成するために抽出サービス要求118をサービスユーザインターフェース106に送信してもよい。抽出サービス要求118は、データ収集スキームコントローラ108が信号カタログを生成するための情報を含む。信号カタログは、OEMが車両またはセンサの全モデルにわたって使用する信号属性すべてを含み得る。いくつかの実施形態では、信号カタログは信号のサブセットを含み得、そのサブセットは、様々な車両タイプの1つまたは複数の信号属性を任意の組み合わせで含み得る。図1で説明したように、信号カタログは車両信号仕様(VSS)命名ガイドに従ってもよく、有資格の名を使用してのみアクセスできる場合がある。いくつかの実施形態では、信号カタログの信号ごとに1つのみの固有のパスが存在してもよく、いくつかの実施形態では、データ収集スキームコントローラ108が固有の信号IDを信号に割り当ててもよい。データプレーン104のデータ収集スキームコントローラ108は、信号IDが信号カタログ全体にわたって一意であることを保証し得る。いくつかの実施形態では、顧客122は、異なるタイプの車両をモデル化し得る信号属性を含み得る複数の信号カタログをいずれか作成し得る。
【0031】
信号カタログが生成されると、データ収集スキームコントローラ108は、抽出サービス要求118から得られた情報を使用してモデル構成を生成し得る。モデル構成は、その特定の車両モデルに適用できる信号カタログから選択された信号の集合であり得る。例えば、抽出サービス112に、クルーズコントロール用のブランチ、内燃機関用のブランチ、及び電気エンジン用のブランチで編成されたサンプル信号カタログを与えてもよい。クルーズコントロールを備えているが内燃機関を使用する車両のモデル構成を生成する場合、その構成にはクルーズコントロールブランチと内燃機関ブランチのみが含まれ、電気エンジン用のブランチは含まれない。電気エンジンとクルーズコントロールを有する別の車両モデルの場合、モデル構成にはクルーズコントロールブランチとバッテリーブランチが含まれる。いくつかの実施形態では、モデル構成は、信号カタログのすべての信号から作成され得る。いくつかの実施形態では、信号カタログにデコーダルールがない信号が存在する場合、それらの信号はモデル構成を除外しそれから除外される。車両モデル構成には、信号カタログで定義された信号のみを含み得る。図3は、車両モデル構成をさらに示す。
【0032】
モデル構成が作成された後、モデル構成のすべての車両センサに対するデコーダルール(例えば、デコーダマニフェストまたは他の構成)が、抽出サービス要求118に対して取得され得る。デコーダルールは、車載通信ネットワークの信号を復号するためのルールを指定し、モデル構成にリストされているセンサから顧客がデータを収集できるようにし得る。例えば、デコーダルールには、特定の車両モデルのCAN DBC、車載信号フォーマットを復号するための追加のプロトコル固有情報(例えば、CAN DBCをもたらす信号のチャネルID)、及びモデル構成でもたらされた信号名に対してCAN DBCにて与えられる信号名をマッピングするマッピングファイルが含まれ得る。いくつかの実施形態では、モデル構成で定義された信号名が与えられると、デコーダルールは、プロトコル名(例えば、CAN)、メッセージID(センサが多重化されるメッセージに対する)、スケール、オフセットなどを含む、センサを介して収集された情報を復号するために必要なパラメータをもたらし得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、デコーダルールは、クラウドベースの位置などの遠隔で、必要な信号を復号するために車両情報抽出サービス102によって使用される場合がある。他の実施形態では、デコーダルールは、車両(または他の車両エッジデバイス)のソフトウェアアプリケーション152に送信され、ソフトウェアアプリケーションによって、復号された信号を車両情報抽出サービス102に送信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、異種のタイプの車両が存在する場合があり、復号のためのルールが車両タイプ間で異なる場合、モデル構成は複数のデコーダルールを含む場合がある。いくつかの実施形態では、デコーダルールの各セットは、モデル構成のすべての信号に対して復号ルールをもたらす。モデル構成及びデコーダルールは、複数のデコーダルールが単一のモデル構成に関連付けられ得る、1対多の関係を有し得る。この1対多の関係により、車載ネットワークトポロジ及び/または車両で使用されているテクノロジーに関係なく、同じ信号セマンティクスをデータ収集と分析に使用できるようになる。さらに、この1対多の関係により、異なる信号形式を使用する不均一車両群全体でのデータ収集が可能になる。モデル構成内のすべての信号に対してデコーダルールによって復号ルールがもたらされると、データ収集スキームコントローラ108はデコーダルールを生成し、モデル構成をアクティブとしてマークする。
【0034】
いくつかの実施形態では、車両ソフトウェアアプリケーション152及びそのゲートウェイ201にアクセスできる仮想プライベートクラウド(VPC)またはオンプレミスネットワークにおける顧客ネットワークは、OEM群プロビジョニング管理208を通じて秘密鍵及びクライアント証明書(例えば、X.509証明書)を展開する。群インベントリエンジン206はさらに、配備された秘密鍵及び証明書を取得し、車両の寸法、秘密鍵、及び証明書を車両識別レジストリ110と同期させ得る。次に、サービスユーザインターフェース106は、モデル化される車両を、この車両が関連付けられるモデル構成と、登録される車両が関連付けられるデコーダルールとを識別することによって登録する。サービスユーザインターフェース106は、車両モデル構成(例えば、車両識別番号(VIN)、モデル、年式、色など)に存在する静的な属性の値を提示する。
【0035】
車両識別レジストリ110は、ある共通の車両の属性に基づいて共に集められた車両の集合またはグループとして群を生成し得る。群は、特定の年またはある範囲の年に製造された車両、赤色を有する車両、車両の燃料の種類などの様々な車両の属性に基づいて生成され得る。顧客122は、信号カタログで利用可能な属性に基づく群を作成するようにサービスユーザインターフェース106を介して命令してもよい。いくつかの実施形態では、群の作成には、群を作成するための複数の属性に基づく群作成クエリまたはフィルタリングアクティビティが含まれ得る。群が作成されると、顧客122は群を使用して、様々なデータ収集スキームを適用する様々なワークフローを実行し得る。いくつかの実施形態では、車両識別レジストリ110は、車両の集合(共通の車両の属性に基づいて共に集められる)が変化するにつれて、顧客の命令なしに群を自動的に維持及び更新し得る。いくつかの実施形態では、新しい車両が登録されると、車両識別レジストリ110は、識別された共通の車両の属性に基づいて、新しい車両を1つ以上の群または車両の区画に、自動的に追加し得る。
【0036】
データ収集スキームコントローラ108は、車両から収集するデータ、データを収集するタイミング、及びデータを車両通信インターフェース180に公開するべき頻度を車両に命令する様々なデータ収集スキームまたは構成、ならびに、同じ地域の車両の総数に基づいて、群内の車両が一定の割合の時間のみを送信するように制限するデータ減少係数を含む様々な他のパラメータを顧客から受信し得る。いくつかの実施形態では、車両区画エンジン188は、特定の区画内の車両がデータを送信することを制限するデータ収集確率エンジン190を使用して、データ減少係数を判定し得る。データ収集スキームを作成するとき、OEMまたは顧客122は、収集したい信号のサブセットを信号カタログから指定することができる。いくつかの実施形態では、顧客122は、データ収集スキームが送信される車両IDまたは群IDのいずれかを指定し得る。車両通信インターフェース180は、データ収集スキームを受信し、これを選択された車両または群に送信する。
【0037】
いくつかの実施形態では、データ収集スキームに従って車両の様々なセンサからデータが収集されると、結果として得られる生データストリームが車両通信インターフェース180に送信され、抽出された生データエンジン184を使用して生データが復号される。いくつかの実施形態では、抽出された生データエンジン184は、車両モデル構成を使用して、抽出された生データを物理テレメトリメッセージに復号してもよく、これは、サービスユーザインターフェース106を使用して顧客がアクセス可能であり得る。他の実施形態では、収集されたデータは、デコーダルールを使用して車両(または他の車両エッジデバイス)によって復号された物理テレメトリメッセージであってもよい。いくつかの実施形態では、抽出された生のデータストリームは、ビデオフレーム、画像、レーダー振幅、温度データ、エンジン速度、運転手のパフォーマンス、及び車両に関する他の情報などのデータを含むバイナリリソースであってもよい。いくつかの実施形態では、復号されたテレメトリデータ(車両情報抽出サービス102または車両のソフトウェアアプリケーション152によってデコーダルールを使用して復号された)は、車両の属性で強化され、分析のためにデータストレージの時系列データベースに公開され得る。
【0038】
図3は、いくつかの実施形態による、車両信号カタログを使用し、不均一な車両モデルの群にわたる共通のデータ収集スキームを使用してデータを収集する際に統一された信号表現を使用できるようにする階層ツリー構造を有する例示的な車両モデル構成のグラフィックな図を示す。
【0039】
車両モデル構成300は、車両の属性、センサ、アクチュエータ、及びそれらの関係のシリアル化されたデジタル形式をもたらす。車両モデル構成300は、最新の車両ネットワークシステムのドメインベースのフォーマットを反映する階層モデルとして、ECUとセンサとの間の関係を表すために必要なフォーマットをもたらす。例えば、モデル構成300は、信号カタログの信号タイプのすべてまたはサブセットを含む。信号カタログによってもたらされる信号は、モデル構成300に示されているように階層構造で配置され得、属性、ブランチ、センサ、及びアクチュエータなどの様々な信号タイプを含め得る。モデル構成により、図2で説明した群ルールに基づく群の作成を容易にする「VIN」306、「モデル」308、及び「ブランド」330などのECU及びドメインへの静的属性の付加が可能になる。
【0040】
いくつかの実施形態では、車両モデル構成は、自動車オープンシステムフォーマット(AUTOSAR)XML構成ファイル、またはArXML、CAN DBC、またはフィールドバス交換フォーマット(FibEx)ファイルから自動的に生成されてもよく、OEMまたは設計者によって手動で作成されてもよい。それは、作成後にさらに操作及び更新することができる。いくつかの実施形態では、モデルマニフェストはVSSフォーマットを利用してもよい。車両モデル構成300は、最新の車両ネットワークシステムのドメインベースのフォーマットを反映する階層モデルとして、ECUとセンサとの間の関係を表すために必要なフォーマットをもたらし得る。例えば、車両モデル構成300の「Drivetrain.Transmission.Speed(ドライブトレーン.送信.速度)」のクエリ352は、「drivetrain(ドライブトレーン)」332及び「transmission(送信)」334の下にある信号「speed(速度)」336の関連するタイプの「sensor(センサ)」を返す。これにより、顧客は人間が判読できるデータ交換及びセンサのアラームルールの定義に必要なセンサの単位及びデータタイプを指定できる。
【0041】
図4は、いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービスのためのサービスユーザインターフェースのデザイナーキャンバス及び管理コンソールのより詳細な図を示す。
【0042】
いくつかの実施形態では、サービスユーザインターフェース108などの車両情報抽出サービスのサービスユーザインターフェースには、デザイナーキャンバス402などのデザイナーキャンバスと、管理コンソール410などの管理コンソールが含まれ得る。いくつかの実施形態では、デザイナーキャンバスは、車両サプライヤまたは車両コンポーネントサプライヤのエンジニアなどの顧客エンジニアが、実世界の車両から抽出されたデータを含むデジタルツインを閲覧できるようにし得る。デザイナーキャンバスを使用することはまた、エンジニアが、監視/抽出されるデータの種類、及び/または区画内の車両の数に基づくデータ減少係数を含むデータ抽出のトリガ基準を変更できるようにし得る。いくつかの実施形態では、デザイナーキャンバスは、顧客エンジニアが、各エンジニアが車両情報抽出サービスに関するアカウントまたは資格情報を有することを要求せずに、自分自身の企業資格情報(例えば、企業顧客からエンジニアに発行された資格情報)を使用してウェブアプリケーションにログインできるようにし得る。ウェブアプリケーションを使用すると、顧客のエンジニアは車両データにアクセスし、視覚化し、監視できる場合がある。デザイナーキャンバスはまた、顧客がカスタムレポートまたは分析を構築する、または車両データを既存のソフトウェア環境に組み込むことを可能にし得る。いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービスによって提供されるウェブアプリケーションは、事前に構成されていてもよいし、顧客がウェブアプリケーション用のコードを生成する必要なく簡単に構成可能であってもよい。いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービス用の管理コンソールは、追加の機能を提供する場合があり、さらに、顧客が独自の辞書へのアクセスをもたらす、追加のデジタルツインを作成するなど、車両情報抽出サービスを用いて顧客のアカウントを管理できるようにしてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、デザイナーキャンバス402などのデザイナーキャンバスは、デジタルツインユーザインターフェース404、群ユーザインターフェース406、及び車両スキームユーザインターフェース408を含む。デジタルツインユーザインターフェース404は、顧客のエンジニアが、所与の実世界の車両のデジタルツインを閲覧し、対話することを可能にし得、デジタルツインは、実世界の車両から抽出されたほぼリアルタイムの車両情報を含む。群ユーザインターフェース406により、顧客のエンジニアは、車両のクラス(または群)を表すデジタルツインを閲覧し、インターフェースすることが可能になり得る。群デジタルツインには、群に対する群の定義に一致する車両クラスのほぼリアルタイムの状態を表す集約データが含まれ得る。群デジタルツインは、様々なOEMに属する車両のツインを含む場合があり、異なる車載フォーマットを有し得る。デジタル群ツインは、車両デコーダルールと車両モデル構成を使用して、様々な車載フォーマットを均一な車両信号フォーマットを使用して単一の群に組み合わせることで生成され得る。さらに、デジタルツインユーザインターフェース404及び群ユーザインターフェース406により、顧客のエンジニアは、実際の車両または実際の車両群から抽出された履歴データを表示して対話できるようになり得る。いくつかの実施形態では、現実世界の車両が構築される前に、デザイナーキャンバス402を使用して車両用のデジタルツインを作成してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、デザイナーキャンバス402は、車両スキームユーザインターフェース408などの車両スキームユーザインターフェースを含み得る。車両スキームユーザインターフェース408により、顧客のエンジニアは、車両または車両群から抽出される車両情報のタイプ、及び車両情報を抽出するためのトリガ基準をもたらす/変更することができるようになり得る。例えば、特定のシステムのトラブルシューティングを行う場合、エンジニアは車両スキームを介したデータ抽出を変更して、トラブルシューティングを必要とするシステムのサブコンポーネントからのデータなど、付加的な抽出する車両情報の種類を含めてもよい。車両スキームユーザインターフェース408は、車両モデル構成及び車両のそれぞれのデコーダルールを判定するために技術者によって使用され得る。
【0045】
管理コンソール410は、請求書、連絡先情報などの顧客のアカウントを管理するために使用され得るデータ抽出サービスアカウント管理412を含む。さらに、管理コンソール410は、車両インターフェース414及び群デジタルツインインターフェース416用のデジタルツインを含む。顧客はこれらのインターフェースを使用して、個々の車両または車両群に対して追加のデジタルツインを作成することを承認でし得る。いくつかの実施形態では、デザイナーキャンバス402でのプロンプトが、顧客による承認のために要求をキューに入れることを引き起こし得、承認によってデジタルツインインターフェース414または群デジタルツインインターフェース416が追加のデジタルツインを作成することになる。管理コンソール410は、生成されたバイナリファイルを監視対象の車両に展開させ得る管理コンソール410の展開インターフェース418を含む。いくつかの実施形態では、管理コンソール410などの管理コンソールは、抽出された車両情報を受信して閲覧するための監視インターフェース420をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、監視インターフェースは、抽出された車両情報で特定の閾値が満たされた場合にトリガされるアラームなどの監視パラメータの指定も可能にし得る。いくつかの実施形態では、バイナリファイルは、車両情報抽出サービス102によって生成され、顧客の車両に展開するために顧客に提示され得る。
【0046】
管理コンソール410は、抽出された車両情報に対して実行される分析を定義するための分析インターフェース424を含み、顧客が分析、アラーム、通知パラメータなどを指定できるようにする顧客APIインターフェース426を含む。さらに、管理コンソール410は、抽出された車両情報において特定のアラーム閾値が満たされた場合に顧客に通知を発行するように構成された顧客通信インターフェース422を含む。いくつかの実施形態では、管理コンソール410は、許可及び役割インターフェース432をさらに含み、これにより、顧客は、異なるタイプまたはクラスのユーザ(車両情報抽出サービスの顧客である車両サプライヤまたは車両コンポーネントサプライヤの従業員であり得る)に対するアクセスの役割を定義することができるようにし得る。例えば、一部のユーザには、事前に構成された車両情報抽出構成の使用を許可するのみという役割を割り当ててもよい一方、他のユーザには、車両の特定のコンポーネントの動作をより深くまで調べるなど、新しい車両情報抽出構成の開発を可能にする役割を割り当ててもよい。
【0047】
管理コンソール410には、車両群の区画を判定するために使用してもよい領域境界及び領域境界の解像度を判定する領域インターフェース434が含まれている。図8でさらに説明するように、領域インターフェース434は、領域の境界の解像度を変更するだけでなく、領域の境界を定義する領域固有の識別子を有するグリッド領域に地図を分割するために顧客によって使用され得る。さらに、管理コンソール410は、意味論上インデックス付けされたアイテムのタイプを定義する意味論的にインデックス付けされたアイテムインターフェース436を含む。顧客は、意味論的にインデックス付けされたアイテムインターフェース436を使用して、静止物体(例えば、信号機や道路標識)、半静止物体(例えば、変化する可能性があるが頻度が低い物体、例えば、車線閉鎖、一時的な物体(例えば、自転車や他の車両)、または1つ以上の特定の物体のその他いずれかの分類など検出された視覚対象の分類を識別し得る。いくつかの実施形態では、インデックス付きアイテムインターフェース436は、車両が冗長なデータであることによってデータが返される冗長データである可能性を判定するために使用され得る、移動パターンまたは群の他の環境要因に関する推論を行うために使用される場合がある。インデックス付きアイテムインターフェース436は、車両群によって取得された画像または他の情報を含む、様々なソースから集約されたデータを使用してもよい。いくつかの実施形態では、管理コンソールは、抽出される車両情報の確率を提示するために顧客によって使用されるデータ減少係数インターフェース438を含み得る。例えば、エンジニアは、領域内の車両の数が100~200台の範囲の場合、静止物体の周囲の車両の区画に対する静止物体のデータ抽出の確率を0.5に指定してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、車両データ抽出サービスは、結果として得られる区画が、その区画に含まれる少なくとも閾値の数の車両を有するように区画の定義を制限してもよいことに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、車両データ抽出サービスは、少なくとも特定の数の車両を含むように区画を制限してもよい。したがって、車両の匿名性が維持される。例えば、所与の区画内の車両の数が十分に大きい場合、例えば20台の車両であれば、収集された車両情報は十分に匿名になる。したがって、顧客によって区画の定義が提出され、その結果、最小閾値を下回る車両で構成される区画パーティションが生じたら、車両データ抽出サービスによって動的データ減少が無効になり得る。さらに、いくつかの実施形態では、所与の区画に少なくとも閾値の数の車両が含まれていない場合、送信確率の更新が車両群に送信されるのを無効にし得る。いくつかの実施形態では、上述したような20台の車両、または例えば5~10台の車両などの他の閾値など、様々な閾値が使用され得る。さらに、サービスのクラウド側では、個々の車両を個人的に特定する情報が収集されないか、または収集された場合でもデータ収集の結果に含まれないようにフィルタリングされる場合がある。
【0049】
図5A図5Cは、いくつかの実施形態による、動的車両データ抽出サービスを使用してデータ減少係数を判定し、車両の動きによる様々な時点での車両密度の変化に基づいて抽出されるデータの量を最適化する、車両群のより詳細な図を示す。
【0050】
図5Aで、車両群は様々な区画に配置され得る。図8でさらに説明するように、区画A及びBは、様々な地理的領域に基づいて構成され得る。しかし、以下でさらに説明するように、いくつかの実施形態では、区画は、地理的境界によって制限されない不規則な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、所与の地理的領域は複数の区画を含み得る。
【0051】
図5Aに示すように、区画A及びBに関連付けられた領域(すなわち、「区画A」及び「区画B」)は、車両データ抽出サービス及びその境界を含む区画の性質の変化によってサイズが拡大またはサイズが縮小され得、車両に伝達され得る。いくつかの実施形態では、車両環境に関して行われた特定の推論への近接性に基づいて、複数の区画を描画し得る。例えば、区画Cは、静止物体508から一定距離離れた近くの車両を囲み得る。いくつかの実施形態では、区画情報は、車両情報抽出サービスの車両通信インターフェースを通じて通信され得る。車両データ減少サービスは、情報識別子を含む対応する区画情報を含む1つ以上の区画情報テーブルを維持する場合がある。図5Aでは、ある区画から別の区画への境界の交差は地理的な位置に基づいており、車両が区画の境界を越えているかどうかを判定する際に、識別された物体への近接性、車両速度、またはその他などの車両の様々な変化が考慮され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、車両環境は、例えば地理的マップのオーバーレイとして表してもよく、オーバーレイは、以前に収集された車両情報に基づいて車両環境内で識別される対象を含む。例えば、車両環境にどのような物体が含まれているかについての推論は、車両または同様の車両環境または位置にある他の車両から収集された情報から導き出してもよい。いくつかの実施形態では、特定のタイプの物体の普及度は、別のタイプの物体の可能な普及度についての洞察をもたらし得る。したがって、いくつかの実施形態では、動的データ減少に使用される確率は、車両環境から引き出された推論にさらに基づいてもよい。
【0053】
では、区画Aと区画Bに特定の数の車両群が存在し得る場合、車両1 502、車両2 504、及び車両3 506は、車両データ抽出サービスにデータを送信する同じ車両群にあり、図1で説明したように、異なるOEMを有する様々なモデルが含まれ得る。Tでは、区画Aと区画Bの車両の数はそれぞれ12台と3台である。車両データ抽出サービスは、区画/区画内の車両に対するデータ減少係数/選択センサ情報を返す確率に関する情報を含む1つまたは複数のテーブル508を維持し得る。各区画は、サービスによるデータの減少に使用されるモデルが更新されるような車両数の十分な変化が発生した場合、区画内の車両数に基づいて変化する特定のデータ減少係数/確率を受信する車両を含み得る。例えば、区画内の車両の数が増加すると、区画内の車両が集中して送信される冗長データの数が増加し得る。区画内の車両の数が増えると、選択したセンサデータが送信される確率が増加し得る。一方、区画内の車両の数が減少すると、その区画内での車両の集中が減少し得るため、分析に十分なデータを収集するために、選択されたセンサデータが抽出される確率を高める必要がある場合がある。さらに、データ減少係数/確率は、車両情報抽出サービスによって環境に関して行われた様々な推論の存在に基づいてもよい。例えば、車両データ抽出サービスは、群の車両によって検出された画像、静止物体508、動的物体510の存在、及び区画に関して行われた他の推論などの環境情報に基づいて、車両が存在する区画にある対象物の集まりついて推論してもよい。これらの推論は、データ減少係数を判定するために使用されてもよい。例えば、区画A付近の動的物体510の総数、または区画B内の静止物体の数に基づいて、データ減少係数を区画ごとに変更してもよい。車両の移動パターンまたは地域内の信号機の数などの他の推論、または車両環境に関するその他の様々な推論を使用して、特定の種類のセンサデータのデータ減少係数を判定してもよい。いくつかの実施形態では、動的物体510または他の物体の存在など、区画に関して行われた推論は、物体が区画内に存在する可能性がある寿命と、経時的なデータ減少係数減衰に対する物体の影響とを有する減衰関数によって修正され得る。例えば、動的物体510は、Tに存在する場合があるが、Tでは削除され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、確率は、車両の数、区画の車両密度、または様々な推論の変化に基づいて動的に変化し得る。いくつかの実施形態では、データ係数の更新は、区画内の車両の総数が特定の閾値車両数を超えた後にのみ、特定の区画の車両に送信され得る。車両の閾値数は、区画、群、センサデータのタイプなどの要因に基づいて変化し得る。データ減少係数テーブル508は、車両に更新を送信するために必要なサンプル閾値範囲を示す。図5は、区画内の車両数が0~5台の範囲の場合、区画Bの選択データのデータ抽出確率が0.5、区画内の車両数が10~15台の範囲である場合、区画Aの選択データのデータ抽出確率が0.3であることを示している。いくつかの実施形態では、ある範囲の車両に対して設定された確率の代わりに、その確率は、その区画内の車両の数に基づいて異なり得る。Tでは、車両1 502と車両2 504が区画Aから区画Bへ移動する様子が示されており、Tで2台の車両が区画の境界を越えると、車両は位置情報または他の関連センサ情報を車両データ抽出サービスに送信し得る。いくつかの実施形態では、車両は、車両の位置に加えて、区画情報を識別する情報を送信し得る。
【0055】
では、区画Aと区画Bの車両の数はそれぞれ10台と5台であり、車両データ抽出サービスは1つまたは複数の区画情報テーブルを更新し、その結果として各区画A及びBのTでの車両数が変化し得る。区画内の車両の数が更新の送信に必要な閾値量を超えない場合、車両の数の変化によって群内のセンサデータ抽出の確率の更新がトリガされない場合がある。例として図5Aにおいて、区画内の車両数が動的データ減少の最小閾値(1より大きい)から5台までの範囲であるとき、区画Bの群の車両の総数が範囲内に留まっているので、区画Bの選択データのデータ抽出の確率は0.5であり、確率は同じままである。実際の実施態様では、車両の数は、数百台、数千台、数万台など、はるかに多くなる場合があることに留意されたい。ただし、説明を簡単にするために、図5A~5Cでは、より少数の車両が使用されている。同様に、区画Aの選択データのデータ抽出確率は、区画内の車両数が10~15台の範囲であるため、0.3のままである。Tでは、車両3が区画Aから区画Bへ移動する様子が示されており、T2で車両が区画の境界を越えると、車両3 506は位置情報または他のセンサ情報を車両データ抽出サービスに送信し得る。いくつかの実施形態では、車両は、車両の位置に加えて、区画情報を識別する情報を送信し得る。
【0056】
では、区画Aと区画Bの車両の数はそれぞれ9台と6台であり、車両データ抽出サービスは1つまたは複数の区画情報テーブルを更新し、その結果として各区画A及びBのTでの車両数が変化し得る。区画A及び区画Bの両方におけるTにおける車両の数のこの変化により、両方の区画が閾値量を超えた。例えば、図5Aでは、区画Bの車両数が6~10の範囲内にあるため、区画Bの選択データのデータ抽出確率は0.4である。これは、5の範囲までのデータ減少で車両の総数が最小値であったTからの変化である。区画Aでは、車両の総数が9台に減少し、10~15台から5~9台の閾値範囲を超えている。したがって、区画Aのデータ抽出確率は0.4に増加する。いくつかの実施形態では、区画内のセンサデータのデータ抽出の確率に変化がある場合、新しい車両スキームがその区画内の群内の車両に送信され得る。例えば、Tの区画Aの群のすべての車両は、センサデータのデータ抽出の新しいデータ減少係数/確率を区画Aの各車両に通信する新しい車両スキームを受信する。
【0057】
図5Bは、いくつかの実施形態による、動的車両データ抽出サービスを使用して、車両移動パターンの類似性に基づいて複数の不均一区画を使用して抽出されたデータの量を最適化する車両を示す。例えば、車両3 506と車両4 514は、同じ方向に移動し得るか、または同様の移動パターンで移動し得(例えば、同様の速度で移動している、識別された物体によって移動しているなど)、同じ区画、区画Dに配置され得る。対照的に、車両5 516は、反対方向に走行し得る、及び/または異なる移動パターンで移動し得、区画Eに配置され得る。図8にさらに示すように、区画A及びBは、様々な地理的領域に基づいて構成され得るが、区画D及びEは、環境情報及び環境に関して行われた様々な推論に基づき得る。区画のいずれかに関連付けられた領域は、車両データ抽出サービスに応じてサイズが拡大または縮小され得、境界を含む区画の性質の変化が車両に伝達され得る。いくつかの実施形態では、車両環境に関して行われた特定の推論への近接性に基づいて、複数の区画を描画してもよい。
【0058】
図5Cは、いくつかの実施形態による、動的車両データ抽出サービスを使用して、車両環境または他の環境的要因に基づいて、重複する領域内であるが異なる区画の複数の不均一区画を使用して抽出されたデータの量を最適化する車両を示す。例えば、車両6 520と車両7 522は同じ方向に移動している場合があり、同じ地理的領域にある場合もあるが、異なるレベルにあり得る。例えば、車両6 520は上層(高架)を移動している場合があり、対して車両7 522は橋の下層(地下道)を移動している場合があるため、区画F及び区画Gなどの異なる区画に配置され得る。2台の車両が似ている方向や地理的位置を有している場合でも、これらは環境の違いまたは速度の違いなどの他の要因により、異なる区画に配置され得る。いくつかの実施形態では、地下道などの特別な関心のある環境は、別個の区画とみなされ得る。
【0059】
図6は、いくつかの実施形態による、車両データ抽出サービスの様々なコンポーネント、車両の動きとコンポーネントの相互作用、及びデータ抽出の確率に対する車両の動きの影響を示す論理ブロック図を示す。
【0060】
この例では、車両群のうちの車両126が、車両126の位置を識別する位置データ605を送信している。いくつかの実施形態では、位置データ605は、車両抽出サービスによって定義された区画境界の交差などのトリガ事象を通じて車両データ抽出サービスに送信されている場合がある。いくつかの実施形態では、位置データは、車両が存在する区画を指定する一意の区画識別子をさらに含み得る。位置データ605に区画識別子が指定されていない場合、車両抽出サービス102は、位置データ605に基づいて区画識別子を判定し、その情報を区画情報テーブル603に送信し、位置データ605で識別された区画に関連する車両情報を追加する。いくつかの実施形態では、抽出された生データエンジン184は、さらに、車両区画テーブル182を変更して、車両126が位置していると識別された以前の区画から、識別された車両を削除し、車両の現在の位置と一致させる。
【0061】
車両データ抽出サービスの車両区画エンジン188は、車両区画テーブル182と対話して、テーブルに対してさらなるクエリ及び編集を行い得る。いくつかの実施形態では、車両区画エンジン188は、対応する区画内の車両の総数を増やすよう車両区画エンジン188に指示する車両群の区画に関する車両の追加/削除608をリッスンする。車両区画エンジン188は、それぞれの区画内の車両の総数を判定し、それらを車両区画テーブル182内に記憶し得る。いくつかの実施形態では、車両区画テーブル182は、それぞれの区画内の車両の総数に関する情報を維持し得る。図5A図5Cで論じたように、区画内の車両の総数が閾値範囲を超えて変化する場合、その区画に対して新たなデータ抽出確率/新たなデータ減少係数が判定される。いくつかの実施形態では、車両区画エンジン188は、更新614をリッスンし、車両が区画に出入りするときに区画内の車両の総数が増加/減少したと判定し得、それにおいて増加/減少は閾値範囲を超えている。これに応じて、車両区画エンジン188は、車両状態テーブル186内に新しいエントリを作成するか、または既存のエントリを更新して、変更618後に車両が有するべきデータ抽出のそれぞれの確率を記憶し得る。いくつかの実施形態では、車両区画エンジン188は、車両区画テーブル182のクエリ616を実行して、区画内のすべての車両を識別し、新しい確率を送信し得る。次に、車両状態テーブル186は、データ抽出の新しい確率またはデータ減少係数を群内の関連する車両に送信するために車両通信インターフェース180によって使用され得る。いくつかの実施形態では、群に属し、データ抽出の確率が変更された区画内のすべての車両に、更新された確率及び/またはデータ減少係数を有する新しい車両スキーマを送信してもよい。
【0062】
図7は、いくつかの実施形態による、ある区画から別の区画への1つまたは複数の車両の移行に関して車両情報抽出サービスによって実行される動作のフローチャートを示し、データ抽出のための更新された確率及び/またはデータ減少係数が送信されるべきかどうかを判定するための動作を示す。
【0063】
ブロック702で、デフォルトのデータ減少スキームが区画の群内の車両に送信される。データ減少スキームには、信号データを収集するように車両に命令する情報と、そのような収集をトリガする事象を車両に命令する情報が含まれ得る。データ減少スキームはさらに、データ重複レベルに基づくデータ減少ドキュメントを含み得、データ重複レベルはデータ減少方法の確率を判定するために使用される。
【0064】
ブロック704で、車両情報抽出サービスは、区画G1に存在すると予測される車両、及び/または区画G0から出て区画G1に参加すると予測される車両の位置情報を受信する。車両情報抽出サービスは、図1で論じたように、位置情報を受信し、GPS情報に基づいて位置予測を判定してもよい。いくつかの実施形態では、位置情報は、位置情報だけでなく区画識別情報も識別し得る。位置情報には、以前の位置の区画情報がさらに含まれ得る。
【0065】
ブロック706では、車両情報抽出サービスは区画G1のカウントを更新し、区画G0のカウントを減らす。ブロック708で、車両情報抽出サービスは、区画G0内のデータ減少係数が更新されるようにデータ減少モデルの更新がトリガされたかどうか判定する。ブロック712では、車両情報抽出サービスは、区画G1内の車両に適用されるデータ減少係数が更新されるようにモデル変更がトリガされたかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、トリガに達したかどうかをチェックする2つのブロック(708及び712)が同時に実行されてもよい。ブロック710で、トリガが満たされると、区画G0のすべての車両の減少係数が減少する。同様に、ブロック714で、他のトリガが満たされた場合、区画G1内のすべての車両のデータ減少係数が増加する。
【0066】
図8は、いくつかの実施形態による、地図をグリッド化された地理的領域に分割し、複数の区画の境界を描画し、境界の解像度を変更できるようにする車両データ抽出サービスで使用される例示的な地図を示す。
【0067】
図8において、地図が特定の境界を有する区画に分割されているグリッドシステムが実装されている地理的領域802が示されている。緯度と経度は1つの点を表すが、地図を分割するグリッドシステムにより、状況によっては区画に対応し得る領域を記述することが可能になり得る。領域は、文字のブロックと識別子の長さを利用するジオコードシステムを通じてそれぞれの地域を定義する一意の識別子によって識別及び編成され得る。一部の区画は地理的領域の境界に対応する場合があるが、他の区画は地理的領域の境界内に収まる場合がある。区画は、図示されている地図グリッドのような平行四辺形でなくてもよいが、不均一な境界を有する場合がある。
【0068】
例えば、図8は、識別子「A2B2」を使用する低解像度識別子804によって識別される地理的領域802を示す。図8はさらに、「A1B2C1」、「A1B2C2」、及び「A1B2C…」などの高解像度識別子806を使用して、地理的領域802が6つのサブ区画にさらに細分化されていることを示す。各区画には、その親からの同じ文字列で始まり、別の文字で終わる新しい識別子が割り当てられ、これにより、車両がマップの境界領域内にあるかどうかをクエリする効率的な方法がもたらされる。区画またはサブ区画のそれぞれは、車両群またはその他のソースから取得された情報の様々なインスタンスを整理するために使用され得、区画に関する様々な推論を編成するために使用され得る。例えば、区画「A1B2C3」は、区画「A1B2C5」と比較して、特定のマイル数の主要高速道路があり、特定の割合でより多くのマイルの高速道路を有すると推論され得る。他の実施形態では、機械学習技術を使用して特定の物体を検出及び分類し、区画内の特定の数の一時停止標識を判定し得る。区画から行われる様々な推論のうちの1つまたは複数は、車両データ抽出サービスに冗長データの可能性を通知し得、データ減少係数を判定するために使用され得る。
【0069】
図5A図5Cで論じたように、一実施形態では、群の車両は位置データを車両データ抽出サービスに送信してもよく、その時点で車両データ抽出サービスは車両が属する区画を識別し、閾値が満たされている場合には、影響を受ける区画内の車両群に、データ減少係数を含む新しい車両スキームを送信し得る。いくつかの実施形態では、車両は、車両が特定の解像度で区画境界を横切るときにのみ位置情報及び/または区画情報を送信するように構成される。例えば、車両が識別子804で識別される低解像度領域などの低解像度領域にバインドされるように設定されている場合、車両区画が「A1B2C1」から「A1B2C2」に変更されても、データの送信はトリガされない。しかし、車両が識別子806で識別される高解像度領域など、より高い解像度でバインドされるように設定されている場合、「A1B2C1」から「A1B2C2」へのこの境界を越えると、車両は位置情報を車両データ抽出サービスに送信するようにトリガされる。いくつかの実施形態では、区画が描画され得る位置は、車両情報抽出サービスによって行われる様々な推論によって判定され得る。例えば、区画A1B2C6をさらにサブ区画に分割してもよい。いくつかの実施形態では、収集された様々な車両環境情報に基づいて他の区画が生成され得、地理的領域区画の複数の境界内に含まれ得る。区画は、図示されている地図グリッドのような平行四辺形でなくてもよいが、不均一な境界を有する場合がある。例えば、区画「A1B2C7」808は、複数の極の地理的区画に及ぶ不均一な境界を有し得る。いくつかの実施形態では、区画は、特定の方向に移動する車両、または橋などの特定の物理的環境を移動する車両などの車両環境要因に基づき得る。区画「A1B2C8」及び「A1B2C9」は、2つの異なる橋に及ぶ区画を示している。
【0070】
他の実施形態では、グリッド化された区画に依存しない、マップ区画のジオコーディングの他のシステムを使用してもよく、例えば、区画境界を識別するためにゾーン改善計画(ZIP)コードまたは拡張ZIP+4コードを使用するか、区画の代わりに正確なGPS情報を利用する操作コストを減少するその他の近接エリアアプローチを使用してもよい。
【0071】
図9は、いくつかの実施形態による、地図をグリッド化された区画に分割し、区画の境界を定義する、車両データ抽出サービスのサンプル地図の解像度を変更した場合の影響を示す。
【0072】
図9は、それぞれが区画に分割された地理マップを示し、精度は車両データ抽出サービスによって設定され、車両が位置データを車両抽出サービスに送信するトリガとして機能する区画境界を判定する。例えば、車両が最初に区画「A1B2C5」704に位置していた状態で、車両の区画の精度が6文字702に設定されていた場合、車両が区画「A1B2C5」704から隣接する区画「A1B2C6」710に移動する際、小さい区画の外での移動が検出されると、位置情報の送信がトリガされる。車両の初期の緯度/経度722から車両の現在の緯度/経度724への変化が検出されると、車両は位置情報を車両データ抽出サービスに送信するようトリガされる。他の実施形態では、区画「A1B2C5」の車両は、地下道への進入、識別された物体の特定の近接性への進入、車両の事故の検出など、様々な車両状態の変化に基づいて、非均一区画「A1B2C7」に移行する場合がある。
【0073】
いくつかの実施形態では、区画境界を判定する精度を変更してもよい。例えば、初期の精度は、6文字711にして区画「A21B2C5」に相関させ得、区画識別子が6文字の識別子によって特徴付けられるようにする。区画精度の閾値が6文字から5文字712に変更されると、車両の位置に関連付けられた現在の区画714「A1B2C」が同じ精度で識別されることになる。いくつかの実施形態では、使用される車両の区画の精度は、車両の識別情報、群、センサデータのタイプなどの様々な要因に基づいて異なる場合があり、車両データ抽出サービスへの位置データの送信をトリガする際にすべてが均一の精度を使用しなくてもよい。異なる精度に移行すると、区画「A1B2C7」及び「A1B2C9」などの高解像度の特定の区画が考慮されなくなる場合がある。
【0074】
図10は、いくつかの実施形態による、車両のバスを介して車両情報を通信するために異なるレベルで使用されるプロトコルのネットワークスタックのより詳細な図を示す。
【0075】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアアプリケーション152は、車両の通信バスを介して送信される通信へのアクセス及び復号を可能にする車両のネットワークスタックの複数の層を含み得る。例えば、車載コンピューティングデバイスのバイナリファイルストレージに含まれるバイナリファイルは、車両ハードウェア層1010で使用されるアクセス資格情報、プロトコル、及び/またはアドレスを示し得る。さらに、バイナリファイルは、車両ファームウェア層1008及び/または車載ハイパーバイザー層1006で使用されるアクセス資格情報、プロトコル、またはポートを示し得る。さらに、バイナリファイルは、バス層1004で使用されるバスプロトコルと、層1002で使用される顧客の独自のプロトコル及びアクセス資格情報を示し得る。車両情報監視及び抽出ソフトウェアアプリケーション152は、これらの定義を使用し、バイナリファイルに含まれる認証情報にアクセスして、符号化された車両通信バス1108を介して送信されたメッセージにアクセスして復号し得る。生データを送信するために、ソフトウェアアプリケーション152は、車両情報抽出サービスの制御プレーンからの車両識別レジストリからの車両識別証明書を備えてもよい。ソフトウェアアプリケーション152は、デコーダルールに記載されている復号のルールを使用して、通信バスを介して送信された通信を復号し得る。いくつかの実施形態では、デコーダルールは、異なるモデルの車両間及び/または異なるOEMの車両間で異なる。
【0076】
図11は、いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービスによって展開されるソフトウェアアプリケーションによるデータ抽出について監視され得る複数の異なるバスを備える例示的な車両を示す。
【0077】
いくつかの実施形態では、車両1126などの車両は、ゲートウェイ202に接続された複数のバスを含み得る。例えば、車両1126は、CANバス#1(1104)、CANバス#2(1106)、イーサネット/IPバス1108、ローカル相互接続(LIN)バス1110、及びFlexRayバス1112に接続されるゲートウェイ202を含む。図11に示されるように、異なる種類の車両情報が、異なるタイプのバスを介して送信され得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアアプリケーション152は、車両モジュール構成からの様々な車両の属性をそれぞれの車載通信信号に復号するためのデコーダルールまたはデコーダ構成をもたらし得る。例えば、様々なCANバス、イーサネット/IPバス、LINなどからの生の車両データを、車両データ抽出サービスに送信し得るエンジン速度、レーダー振幅などの物理信号に復号するために使用され得るデコーダルールがある。
【0078】
図12は、いくつかの実施形態による、車両情報抽出サービスによって展開されるアプリケーションによって使用され得るストレージバッファのより詳細な図を示し、ストレージバッファは、1つ以上のトリガ基準が満たされた場合、データ減少係数を適用し、抽出に適格な1つ以上の先行の瞬間からのデータを記憶する。
【0079】
図12に示すように、いくつかの実施形態では、ストレージバッファ158は、複数のタイプのデータを複数のバッファに記憶し得る。例えば、ストレージバッファ158は、時間で同期された復号センサバッファ1202、他のデータバッファ1(1204)、及び他のデータバッファN(1206)を含む。現在のデータは時刻Nに記憶され得る。次の瞬間のデータは時刻N-1に記憶され、次の瞬間が到来すると時刻Nになり、以前に時刻Nに記憶されたデータが時刻N+1になる。いくつかの実施形態では、ストレージバッファ158は、任意の瞬間数(例えば、N+X、ここでXはバッファリングされる瞬間数である)のデータを記憶し得る。また、いくつかの実施形態では、Xは、ある種類の車両情報が他の種類の車両情報よりも長期間バッファされるように、異なる種類の車両情報に対して異なり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、ストレージバッファ1202に記憶されるときに、グローバルタイムスタンプが車両情報に適用されてもよい。また、いくつかの実施形態では、ストレージバッファ1202に記憶されたデータのペイロードは、データを含むメッセージが符号化された車両通信バス138に送信されたときのタイムスタンプなど、車両の他のコンポーネントによって生成された記憶データに関連付けられたタイムスタンプ、または物理センサ136などによってデータが感知された時刻を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、データは、それに関連付けられた複数のタイムスタンプ、例えば物理センサ136でデータが感知されたときのペイロードタイムスタンプ、データが符号化された車両通信バス138に送信されたときの別のペイロードタイムスタンプ、及びデータがストレージバッファ158で受信されたときの別のタイムスタンプなどを有し得る。いくつかの実施形態では、ストレージバッファ158に記憶されたデータは、より多くの、またはより少ないタイムスタンプとともに記憶され得る。このようなタイムスタンプにより、例えばソフトウェアアプリケーション152、または車両情報抽出サービス102の抽出されたデータ分析及び視覚化モジュール114によって、車両内の一連の事象の正確な形式を再現できるようになり得る。いくつかの実施形態では、データ減少係数アプリケーション156は、データがストレージバッファ158に記憶された後、データを選択し、フィルタリング除去し得る。例えば、データ減少係数アプリケーション156は、データ減少係数を適用し、フィルタリングされる温度データの割合が50%であると判定し、そのデータ減少係数を使用して、特定の時間枠内にバッファに記憶されるデータの約半分を削除する。他の実施形態では、データのフィルタリングは、データがバッファに記憶される前に行われ、温度データの例では、センサデータの50%が記憶されない。他の実施形態では、すべてのデータが記憶バッファに記憶されるが、フィルタリングは、このデータを車両データ抽出サービスに送信するときにのみ行われ、データの半分だけが送信される。
【0081】
図13は、いくつかの実施形態による、とりわけ、区画基準及び区画の車両群の車両の数に基づいて、車両から抽出されるある量の情報を最適化する、車両情報抽出サービスによって実行される動作のフローチャートを示す。
【0082】
ブロック1302で、車両情報抽出サービスは、車両群から抽出される1つまたは複数の種類の車両情報の要求を車両情報抽出サービスの顧客から受信する。
【0083】
ブロック1304で、車両情報抽出サービスは、群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信し、1つまたは複数の車両情報パケットの各々が、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含んでいる。
【0084】
ブロック1306では、車両情報抽出サービスが、区画のそれぞれに位置している群の車両の総数を判定する。
【0085】
ブロック1308で、車両情報抽出サービスは、各区画の中のそれぞれの車両の総数に基づいて、各区画の車両に適用される1つまたは複数のデータ減少係数を判定し、1つまたは複数のデータ減少係数は、所与のそれぞれの区画の中の群の所与の車両が、所与のそれぞれの区画の群の他の車両と比較して、冗長ではない車両情報を有する確率を含む。
【0086】
ブロック1310では、車両情報抽出サービスが、1つ以上の車両スキーマパケットを、それぞれの1つ以上の区画の群の車両に送信する。いくつかの実施形態では、車両スキーマパケットは、抽出されるべき要求された1つまたは複数の種類の車両情報及び適用される対応するデータ減少係数を識別する情報を含み得る。
【0087】
ブロック1312で、車両情報抽出サービスは、データ減少係数に従って、所与の区画に位置する車両群の一部のみから、要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信する。
【0088】
図14は、いくつかの実施形態による、車両群に対して統一モデルを生成することを可能にし、車載通信構成のばらつきを自動的に考慮して、モデル内で指定された要求された情報を不均一車両群から収集できるようにする、車両情報抽出サービスにおけるモデリングシステムを実装するためのフローチャートを示す。
【0089】
ブロック1402で、車両情報抽出サービスは、異なる車載通信信号構成またはフォーマットを使用して複数のタイプの車両から車両信号情報を収集するための復号パラメータ及び/または車載通信信号構成及びフォーマットをデコーダマニフェストに投入する。復号パラメータ及び/または車載通信信号の構成及び形式は、車両OEM、列1サプライヤ、またはその他の部品のサプライヤからの車両情報抽出サービスによって改訂される場合がある。いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービスの顧客であるOEMは、車両抽出サービスのオンボーディングの一部としてそのような情報をもたらし得る。いくつかの実施形態では、そのような情報は車両情報抽出サービスによって記憶され、車両情報抽出サービスの顧客は復号パラメータ及び/または車載通信信号の構成及びフォーマットの詳細にアクセスできなくなる。
【0090】
ブロック1404では、車両情報抽出サービスは、異なる車載通信信号構成または形式を含む車両群から収集される車両情報のモデルを生成するためのインターフェースをもたらす。例えば、車両情報抽出サービスの顧客は、インターフェースを使用して、異なる車載通信構成を有する車両群からのデータ収集モデルを指定してもよい。
【0091】
ブロック1406で、車両情報抽出サービスは、顧客からインターフェースで受信した入力に基づいて、群から抽出される車両情報の信号属性を含む車両モデル構成を生成する。
【0092】
ブロック1408で、車両情報抽出サービスは、各車載通信構成に特有の信号復号ルールを群の車両に送信し、車両に特有の信号復号ルールは、車両モデル及びデコーダマニフェストに基づいて選択される。
【0093】
ブロック1410で、車両情報抽出サービスは、車両情報抽出サービスの顧客から受信した第2の要求に従ってデータ収集スキームを群の各車両に送信し、データ収集スキームは車両センサ情報のデータ抽出基準を含み、車両モデルの信号属性を使用して車両センサ情報を識別する。
【0094】
ブロック1412で、車両情報抽出サービスは、信号復号ルールを使用して復号されたデータ収集スキームに従って各車両から抽出された車両データを群の各車両から受信する。
【0095】
図14には具体的に示されていないが、いくつかの実施形態では、車両情報抽出サービスは、図13に関して説明したように、群から要求された車両情報を収集するときにデータ減少係数をさらに適用し得る。
例示的なコンピュータシステム
【0096】
様々なコンピュータシステムのいずれも、車両情報抽出サービス、車両情報抽出サービスから車両に展開されるソフトウェアアプリケーション/パッケージ、車両抽出サービスを実装するプロバイダネットワーク、車両またはデバイスのオペレーティングシステム、または上述の図のその他いずれかのコンポーネントに関連するプロセスを実装するように構成され得る。例えば、図15は、いくつかの実施形態による、本明細書で説明される技術の一部またはすべてを実装する例示的なコンピュータシステムを示すブロック図を示す。様々な実施形態において、車両情報抽出サービス、展開されたソフトウェアパッケージ、車両情報抽出サービス及び他のクラウドサービスを実装するプロバイダネットワーク、車両もしくはデバイスのオペレーティングシステム、または上記の図1~14のいずれかの他のコンポーネントは、それぞれ、図15に示されるような1つまたは複数のコンピュータシステム1500を含み得る。
【0097】
示される実施形態では、コンピュータシステム1500は、入力/出力(I/O)インターフェース1530を介してシステムメモリ1520に接続された1つ以上のプロセッサ1510を含む。コンピュータシステム1500はさらに、I/Oインターフェース1530に接続されたネットワークインターフェース1540を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、エンタープライズロジックまたはダウンロード可能なアプリケーションを実装するサーバを例示し得るが、他の実施形態では、サーバは、コンピュータシステム1500よりも多い、少ない、または異なる要素を含み得る。
【0098】
様々な実施形態では、コンピューティングデバイス1500は、1つのプロセッサを含むユニプロセッサシステム、またはいくつかのプロセッサ1510A~1510N(例えば、2つ、4つ、8つ、または別の好適な数)を含むマルチプロセッサシステムであってもよい。プロセッサ1510A~1510Nは、命令を実行可能な任意の好適なプロセッサであり得る。例えば、様々な実施形態では、プロセッサ1510A~1510Nは、様々な命令集合フォーマット(ISA)、例えばx86、PowerPC、SPARC、もしくはMIPS‐ISA、または任意の他の好適なISAなどのうちのいずれかを実施するプロセッサであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1510A~1510Nは、グラフィックス処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの特殊なプロセッサを含み得る。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ1510A~1510Nのそれぞれは、一般に、ただし必ずではなく、同じISAを実装し得る。
【0099】
システムメモリ1520は、プロセッサ(複数可)1510A~1510Nによってアクセス可能なプログラム命令及びデータを記憶するように構成され得る。様々な実施形態では、システムメモリ1520は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同時性動的RAM(SDRAM)、非揮発性/フラッシュタイプのメモリまたは任意の他のタイプのメモリなどの任意の好適なメモリ技術を使用して実装されてもよい。示される実施形態では、前述の方法、技術、及びデータなどの1つまたは複数の所望の機能を実施するプログラム命令及びデータは、システムメモリ1520内にコード(すなわち、プログラム命令)1525及びデータ1535として記憶されることが示される。
【0100】
一実施形態では、I/Oインターフェース1530は、プロセッサ1510A~1510Nと、システムメモリ1520と、ネットワークインターフェース1540または他の周辺インターフェースを含むデバイス内の任意の周辺デバイスとの間のI/Oトラフィックを調整するように構成され得る。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース1530は、1つのコンポーネント(例えばシステムメモリ1520)からのデータ信号を、別のコンポーネント(例えばプロセッサ1510)が使用するのに好適な形式に変換するために、任意の必要なプロトコル変換、タイミング変換、または他のデータ変換を実行し得る。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース1530は、例えば周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス規格または汎用シリアルバス(USB)規格の変形など、様々なタイプの周辺バスを介して取り付けられるデバイスのサポートを含み得る。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース1530は、車載CANバス経由で接続されたデバイスのサポートを含み得る。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース1530の機能は、例えばノースブリッジ及びサウスブリッジなどの2つ以上の別個のコンポーネントに分割されてもよい。また、いくつかの実施形態では、システムメモリ1520へのインターフェースなどのI/Oインターフェース1530の機能の一部またはすべては、プロセッサ1510A~1510Nに直接組み込まれてもよい。
【0101】
ネットワークインターフェース1540は、データが、コンピューティングデバイス1500と、ネットワークまたはネットワーク(複数)1550に関連付けられる他のデバイス1560の間で交換されることを可能にするように構成され得る。様々な実施形態では、ネットワークインターフェース1540は、例えばイーサネットネットワークのタイプ、セルラネットワーク、Bluetoothネットワーク、Wi-Fiネットワーク、超広帯域ネットワークなどの任意の好適な有線または無線一般データネットワークを介した通信をサポートし得る。さらに、ネットワークインターフェース1540は、アナログ音声ネットワークまたはデジタルファイバ通信ネットワークなどの電気通信/テレフォニネットワークを介した、ファイバチャネルSANなどのストレージエリアネットワークを介した、または任意の他の適切なタイプのネットワーク及び/またはプロトコルを介した通信をサポートし得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、システムメモリ1520は、対応する方法、システム、及び装置の実施形態を実装するための上述されるようなプログラム命令及びデータを記憶するように構成されたコンピュータ可読(すなわち、コンピュータアクセス可能な)媒体の一実施形態であってもよい。しかし、別の実施形態では、プログラム命令及び/またはデータは、異なる種類のコンピュータ可読媒体で受信、送信、または記憶され得る。一般的に言えば、コンピュータ可読媒体は、I/Oインターフェース1530を介してコンピューティングデバイス1500に連結される、磁気媒体または光媒体、例えば、ディスクまたはDVD/CDなどの非一時的記憶媒体またはメモリ媒体を含み得る。1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体はまた、システムメモリ1520または別のタイプのメモリとして、コンピューティングデバイス1500のいくつかの実施形態に含まれても良い、RAM(例えば、SDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどの任意の揮発性または非揮発性媒体を含んでも良い。さらに、コンピュータ可読媒体は、ネットワークインターフェース1540を介して実装され得るような、ネットワーク及び/または無線リンクなどの通信媒体を介して伝送される伝送媒体または電気信号、電磁信号、もしくはデジタル信号などの信号を含み得る。図15に示されるような複数のコンピューティングデバイスのうちの一部またはすべては、様々な実施形態では、記載される機能性を実装するために使用され得て、例えば、様々な異なるデバイス及びサーバ上で実行するソフトウェアコンポーネントが、機能性をもたらすために協働し得る。いくつかの実施形態では、説明した機能の一部は、ストレージデバイス、ネットワークデバイス、または様々な種類のコンピュータシステムを使用して実装される場合がある。「コンピューティングデバイス」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくともすべてのこれらのタイプのデバイスを指し、これらのタイプのデバイスに限定されない。
【0103】
本開示の実施形態は、以下の条項を鑑みて説明することができる。
【0104】
条項1.車両情報抽出サービスを実装するためのシステムであって、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスであって、
前記車両情報抽出サービスの顧客から、車両群から1つまたは複数の種類の車両情報を抽出する要求を受信し、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信し、前記1つまたは複数の車両情報パケットのそれぞれが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含み、
前記区画のそれぞれにある車両のそれぞれの総数を判定し、
前記区画のそれぞれにある車両の前記それぞれの総数に基づいて、前記区画の前記それぞれにある車両に適用される1つまたは複数のデータ減少係数を判定し、前記1つまたは複数のデータ減少係数は、所与のそれぞれの区画にある前記群の所与の車両が、前記所与のそれぞれの区画の前記群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有する確率を含み、
1つまたは複数の車両スキームパケットを、前記群の前記車両の1つまたは複数に送信し、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される1つまたは複数の区画に対する1つまたは複数の対応するデータ減少係数とを含み、
前記1つまたは複数のデータ減少係数に従って、前記1つまたは複数の区画のそれぞれに位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信するように構成された前記コンピューティングデバイス、を含む、前記システム。
【0105】
条項2.前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
前記受信した車両情報に基づいて、所与の区画にある車両の車両環境を推論し、前記車両環境は、機械学習アルゴリズムを介して識別された車両検出物体を含み、
前記データ減少係数は、それぞれの区画の推論された車両環境に基づいてさらに判定されるようにさらに構成される、条項1に記載のシステム。
【0106】
条項3.前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
機械学習アルゴリズムを使用して、前記検出された物体を静止物体、半静止物体、または動的物体として分類するようにさらに構成される、条項2に記載のシステム。
【0107】
条項4.前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
減衰関数に従う前記推論された車両環境を修正し、
前記データ減少係数は、前記それぞれの減衰関数によって修正された前記推論された車両環境に基づいて判定されるようにさらに構成される、条項2または条項3に記載のシステム。
【0108】
条項5.前記区画は、前記受信した1つまたは複数の車両情報パケットに示される前記それぞれの車両のそれぞれの位置に基づいて判定され、
時間的近接性は、その中で前記それぞれの車両が互いに近接して位置している、条項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【0109】
条項6.方法であって、
車両群から抽出される1つまたは複数の種類の車両情報の要求を受信することと、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信することであって、前記1つまたは複数の車両情報パケットのそれぞれが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含む、前記受信することと、
前記それぞれの区画の所与のものにある車両の総数を判定することと、
前記所与の区画の車両の総数に基づいて、前記区画の前記所与のものにある車両に適用されるデータ減少係数を判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に1つまたは複数の車両スキームパケットを送信することであって、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、前記所与の区画に適用される前記対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、
前記データ減少係数に従って、前記所与の区画に位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信することと、を含む、前記方法。
【0110】
条項7.前記所与の区画のための前記受信した車両情報に基づいて、前記所与の区画にある車両の車両環境を推論することであって、前記車両環境は、機械学習アルゴリズムを介して識別された車両検出物体を含む、前記推論すること、をさらに含み、
前記データ減少係数は、前記所与の区画の前記推論された車両環境に基づいてさらに判定される、条項6に記載の方法。
【0111】
条項8.前記車両検出物体を静止物体、半静止物体、または動的物体として分類すること、をさらに含み、
前記データ減少係数が、前記所与の区画の前記推論された車両環境の物体が静止物体、半静止物体、または動的物体であるかどうかに基づいてさらに判定される、条項7に記載の方法。
【0112】
条項9.静止物体、半静止物体、または動的物体のそれぞれの減衰関数による前記推論された車両環境を修正すること、をさらに含み、
前記データ減少係数はさらに、静止物体、半静止物体、または動的物体の前記それぞれの減衰関数により修正された前記推論された車両環境にさらに基づいている、条項7または8に記載の方法。
【0113】
条項10. 前記区画は、前記受信した1つまたは複数の車両情報パケットに示される前記それぞれの車両のそれぞれの位置に基づいて判定され、
時間的近接性は、その中で前記それぞれの車両が互いに近接して位置している、条項6から9のいずれか1項に記載の方法。
【0114】
条項11.前記群の前記車両のうちの第2の車両によってもたらされる別の車両情報パケットを受信することであって、前記他の車両情報パケットは、前記第2の車両が前記所与の区画に含まれる1つまたは複数の基準を満たすために少なくとも部分的にもたらされる、前記受信することと、
前記所与の区画に前記第2の車両を含んでいることに基づいて、前記所与の区画にある前記群の前記車両の前記総数を更新することと、
前記所与の区画にある車両の前記第2の総数がモデル更新閾値レベルを超えない場合、前記所与の区画に対して以前に判定された前記データ減少係数を前記第2の車両に送信することと、をさらに含む、条項6から9のいずれか1項に記載の方法。
【0115】
条項12.前記モデル更新閾値を超える前記所与の区画にある前記車両の総数の更新バージョンに基づいて、前記所与の区画にある車両に適用される第2のデータ減少係数を判定することであって、前記第2のデータ減少係数は、前記所与の区画にある前記群の前記車両のうちのそれぞれのものが、前記所与の区画にある前記群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有することになる第2の確率を含む、前記判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に他の車両スキームパケットを送信することであって、前記他の車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される対応する第2のデータ減少係数とを含む、前記送信することと、をさらに含む、条項6から11のいずれか1項に記載の方法。
【0116】
条項13.前記車両群は、情報抽出のためのデータ減少設定を選択した車両を含む、条項6から12のいずれか1項に記載の方法。
【0117】
条項14.前記所与の区画に含まれる前記群及び前記第2の群の車両の総数に基づいて、第2の車両群のそれぞれの車両に適用される第2のデータ減少係数を判定することであって、前記第2のデータ減少係数は、前記所与の区画にある前記第2の群の所与の車両は、前記所与の区画に含まれる前記第1の群または前記第2の群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有することになる第2の確率を含む、前記判定することと、
前記所与の区画にある前記第2群の前記車両に1つまたは複数の第2の車両スキームパケットを送信することであって、前記第2の車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される第2の対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、をさらに含む、条項6から13のいずれか1項に記載の方法。
【0118】
条項15.前記車両群から抽出される前記1つまたは複数の種類の車両情報は、
カメラデータ、
LiDarデータ、
電子制御ユニット(ECU)データ、または
合成センサデータ、のうちの1つまたは複数を含む、条項6から14のいずれか1項に記載の方法。
【0119】
条項16.前記1つまたは複数の車両スキームパケットは、車両情報が送信されるネットワーク接続の帯域幅が帯域幅閾値を満たさない期間中に前記車両情報を車両データストレージに記憶するように前記車両に命令し、
前記車両スキームパケットは、前記データ減少係数に従って減少された前記車両情報の減少バージョンを記憶するように前記車両に命令する、条項6から15のいずれか1項に記載の方法。
【0120】
条項17.前記1つまたは複数の車両スキームパケットは、車両情報が送信されるネットワーク接続の帯域幅が帯域幅閾値を満たさない期間中に前記車両情報を車両データストレージに記憶するように前記車両に命令し、
前記車両スキームパケットは、前記データ減少係数を適用せずに前記車両情報を記憶するように前記車両に命令し、
前記データ減少係数は、前記ネットワーク接続が前記帯域幅閾値を満たすという判定に応答して、前記記憶された車両情報を送信する準備をするときに適用される、条項6から15のいずれか1項に記載の方法。
【0121】
条項18.前記群の前記車両は、異なる車載通信アーキテクチャを有する車両を含み、前記車両群から抽出されるべき1つまたは複数の種類の車両情報の前記要求は、前記異なる車載通信アーキテクチャに対して異なるようにフォーマットされる、条項6から17のいずれか1項に記載の方法。
【0122】
条項19.1つまたは複数のコンピューティング車両でまたは間で実行されるとき、前記1つまたは複数のコンピューティング車両に、
車両群から抽出される1つまたは複数の種類の車両情報の要求を受信することと、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信することであって、前記それぞれの車両情報パケットが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含む、前記受信することと、
前記それぞれの区画の1つまたは複数にあるそれぞれの車両の総数を判定することと、
前記所与の区画の前記車両の総数に基づいて、前記区画の所与のものにある車両に適用されるデータ減少係数を判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に1つまたは複数の車両スキームパケットを送信することであって、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、
前記データ減少係数に従って、前記所与の区画に位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信することと、を実装する車両情報抽出サービスを実装するようにさせるプログラム命令を記憶する、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0123】
条項20.前記1つまたは複数のプロセッサでまたは間で実行されるとき、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記所与の区画のための受信された車両情報に基づいて、前記所与の区画の車両の車両環境を推論させ、前記受信された車両環境は、機械学習アルゴリズムによって識別された車両検出物体を含み、前記データ減少係数は、前記車両環境に基づいてさらに判定されることを実装するようにさせるさらなるプログラム命令を記憶する、条項19に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータアクセス可能な記憶媒体。
【0124】
条項21.車両情報抽出サービスを実装するためのシステムであって、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスであって、
前記車両情報抽出サービスの顧客から受信した第1の要求に従って、複数の信号属性のうちの信号属性のサブセットを編成する車両モデルを生成し、
前記車両モデルの信号属性を車載通信信号に復号するための複数の信号復号ルールのうちのそれぞれの信号復号ルールを車両群の車両に送信し、
前記車両情報抽出サービスの顧客から受信した第2の要求に従ってデータ収集スキームを前記群の前記それぞれの車両に送信し、前記データ収集スキームは車両センサ情報のデータ抽出基準を含み、前記車両モデルの前記信号属性の前記サブセットを使用して前記車両センサ情報を識別し、
前記信号復号ルールを使用して復号された前記データ収集スキームに従って前記それぞれの車両から抽出された車両データを前記群の前記それぞれの車両から受信するように構成される、前記コンピューティングデバイス、を含む、前記システム。
【0125】
条項22.前記車両群は、異なる車載通信信号構成を有する車両を含み、前記群の車両へそれぞれの信号復号ルールを送信することは、前記異なる車載通信信号構成のいずれを前記車両のうちのそれぞれのものが使用するかに基づいている、条項21に記載のシステム。
【0126】
条項23.前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
複数の車両の製造業者またはサプライヤから複数のセンサのうちのそれぞれのものの前記信号属性を受信し、前記複数の車両は、異なる車載通信信号構成を有する車両を含み、
前記信号属性を統合された信号表現に編成する信号カタログを生成し、前記車両モデルの信号構成は前記信号カタログに基づくようにさらに構成される、条項21または条項22に記載のシステム。
【0127】
条項24.前記車両モデルの前記信号構成は、車両固有の信号名を前記信号カタログの前記それぞれの信号属性にマッピングするための復号ルールが前記信号カタログに存在しない信号を省く、条項23に記載のシステム。
【0128】
条項25.前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
前記製造業者または前記サプライヤから、複数の信号属性名のうちのそれぞれのものに対応する前記信号カタログの前記信号属性に対応する信号を復号するための複数のセンサ固有の信号復号ルールを受信し、前記センサ固有の信号復号ルールによって、前記群の前記車両のそれぞれの車載通信信号フォーマットに従ってフォーマットされた信号復号が可能になるようにさらに構成される、条項24に記載のシステム。
【0129】
条項26.方法であって、
車両群の複数の信号属性のうちの信号属性のサブセットを編成する車両モデルを生成することと、
前記車両モデルに含まれる信号属性を復号するための複数の信号復号ルールのそれぞれの信号復号ルールを前記群の車両に送信することであって、前記送信された復号ルールが車載通信信号の復号を可能にする、前記送信することと、
データ収集スキームを前記群の前記それぞれの車両に送信することであって、前記データ収集スキームは車両センサ情報のデータ抽出基準を含み、前記車両モデルの前記信号属性のサブセットを使用して前記車両センサ情報を識別する、前記送信することと、
前記送信された信号復号ルールを使用して復号された前記データ収集スキームに従って前記それぞれの車両から抽出された車両データを前記群の前記それぞれの車両から受信することと、を含む、前記方法。
【0130】
条項27.前記車両群は、異なる車載通信信号構成を有する車両を含み、前記群の車両へそれぞれの信号復号ルールを送信することは、前記異なる車載通信信号構成のいずれを前記車両のうちのそれぞれのものが使用するかに基づいている、条項26に記載の方法。
【0131】
条項28.複数の車両の製造業者またはサプライヤから複数のセンサのうちのそれぞれのものの前記信号属性を受信することであって、前記複数の車両は、異なる車載通信信号構成を有する車両を含む、前記受信することと、
前記信号属性を統合された信号表現に編成する信号カタログを生成することであって、前記車両モデルの信号構成は前記信号カタログに基づく、前記生成することと、をさらに含む、条項27に記載の方法。
【0132】
条項29.前記車両モデルの前記信号構成は、車両固有の信号名を前記信号カタログの前記それぞれの信号属性にマッピングするための復号ルールが前記信号カタログに存在しない信号を省く、条項27に記載の方法。
【0133】
条項30. 車両製造業者またはサプライヤから、複数の信号属性名のうちのそれぞれのものに対応する前記信号カタログの前記信号属性に対応する信号を復号するための複数のセンサ固有の信号復号ルールを受信することであって、前記センサ固有の信号復号ルールによって、前記群の前記車両のそれぞれの車載通信信号フォーマットに従ってフォーマットされた信号復号が可能になる、前記受信することをさらに含む、条項26に記載の方法。
【0134】
条項31.前記信号復号ルールを使用して前記それぞれの車両から抽出された前記車両データを復号することであって、前記受信された車両データはバイナリリソースからセンサ信号値に復号される、前記復号すること、をさらに含む、条項26から30のいずれか1項に記載の方法。
【0135】
条項32.前記センサ信号値を、前記車両データが抽出された前記車両の1つまたは複数の車両の属性と関連付けることと、
前記センサ信号値を時系列データベースに公開することと、をさらに含む、条項31に記載の方法。
【0136】
条項33.前記車両センサ情報は、
カメラデータ、
LiDarデータ、
電子制御ユニット(ECU)データ、または
合成センサデータ、のうちの1つまたは複数を含む、条項26から32のいずれか1項に記載の方法。
【0137】
条項34.前記信号属性は、固有の車両ID、車両ブランド、車両の車体タイプ、及び車両のエンジンモデルを含む、特定の車両に関連付けられた静的特性を含む、条項26から33のいずれか1項に記載の方法。
【0138】
条項35.前記データ収集スキームは、データ減少係数に対応して抽出される前記車両センサ情報を識別する情報をさらに含み、前記データ減少係数は、所与の地理的領域の車両の集合車両の総数に基づき、前記車両の集合の車両環境の推論に基づいており、前記抽出されたデータは前記車両の集合の一部からのみ抽出される、条項26から34のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
条項36.1つまたは複数のコンピューティング車両でまたは間で実行されるとき、前記1つまたは複数のコンピューティング車両に、
複数の信号属性のうちの信号属性のサブセットを編成する車両モデルを生成し、
前記車両モデルの信号属性を車載通信信号に復号するための複数の信号復号ルールのうちのそれぞれの信号復号ルールを車両群の車両に送信し、
データ収集スキームを前記群の前記それぞれの車両に送信し、前記データ収集スキームは車両センサ情報のデータ抽出基準を含み、前記車両モデルの前記信号属性のサブセットを使用して前記車両センサ情報を識別し、
前記信号復号ルールを使用して復号された前記データ収集スキームに従って前記それぞれの車両から抽出された車両データを前記群の前記それぞれの車両から受信すること、を実装する車両情報抽出サービスを実装させるプログラム命令を記憶する、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0140】
条項37.前記命令が前記1つまたは複数のプロセッサでまたは間で実行されるとき、前記命令が前記車両情報抽出サービスに、さらに、
前記信号復号ルールを使用して前記群の前記それぞれの車両から抽出された前記車両データを復号し、前記受信された車両データは車載フォーマットからセンサ信号値に復号されること、を実装させる、条項36に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0141】
条項38.前記命令が前記1つまたは複数のプロセッサでまたは間で実行されるとき、前記命令が前記車両情報抽出サービスに、さらに、
所与のセンサ信号値を、前記車両データが抽出された前記車両の1つまたは複数の車両の属性と関連付け、
前記センサ信号値を時系列データベースに公開すること、を実装させる、条項37に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0142】
条項39.前記車両センサ情報は、
カメラデータ、
LiDarデータ、
電子制御ユニット(ECU)データ、または
合成センサデータのうちの1つまたは複数を含む、条項36から38のいずれか1項に記載の1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0143】
条項40.前記信号属性は、固有の車両ID、車両ブランド、車両の車体タイプ、または車両のエンジンモデルを含む、特定の車両に関連付けられた静的特性を含む、条項36から39のいずれか1項に記載の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0144】
本明細書で図に例示され、説明される様々な方法は、方法の説明的な実施形態を表す。本方法は、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせで手動で実装され得る。どの方法の順序を変更してもよく、様々な要素の追加、並べ替え、結合、省略、変更などを行ってもよい。例えば、一実施形態では、方法は、プロセッサに結合されたコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令を実行するプロセッサを含むコンピュータシステムによって実施され得る。プログラム命令は、本明細書で説明される機能(例えば、データ転送ツール、様々なサービス、データベース、デバイス及び/または他の通信デバイスの機能など)を実装するように構成され得る。
【0145】
本開示の利点を有する当業者に明白であるように、種々の変形及び変更を行ってもよい。すべてのそのような変形及び変更を含むことを意図しており、したがって、上記説明が限定的な意味ではなく、例示的であると考えるべきである。
【0146】
様々な実施形態は、命令の受信、送信、もしくは格納、及び/またはコンピュータアクセス可能媒体に関する前述の説明に従って実行されたデータをさらに含み得る。概して、コンピュータアクセス可能媒体は、磁気メディアまたは光学式メディア、例えば、ディスクまたはDVD/CD-ROM、RAM(例えばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどの揮発性メディアもしくは非揮発性メディア等の記憶メディアまたはメメモリメディアと、ネットワーク及び/または無線リンク等の通信媒体を介して伝えられる電気信号、電磁信号、またはデジタル信号等の送信メディアまたは送信信号と、を含んでも良い。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報抽出サービスを実装するためのシステムであって、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスであって、
前記車両情報抽出サービスの顧客から、車両群から1つまたは複数の種類の車両情報を抽出する要求を受信し、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信し、前記1つまたは複数の車両情報パケットのそれぞれが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含み、
前記区画のそれぞれにある車両のそれぞれの総数を判定し、
前記区画のそれぞれにある車両の前記それぞれの総数に基づいて、前記区画の前記それぞれにある車両に適用される1つまたは複数のデータ減少係数を判定し、前記1つまたは複数のデータ減少係数は、所与のそれぞれの区画にある前記群の所与の車両が、前記所与のそれぞれの区画の前記群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有する確率を含み、
1つまたは複数の車両スキームパケットを、前記群の前記車両の1つまたは複数に送信し、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される1つまたは複数の区画に対する1つまたは複数の対応するデータ減少係数とを含み、
前記1つまたは複数のデータ減少係数に従って、前記1つまたは複数の区画のそれぞれに位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信するように構成された前記コンピューティングデバイス、を含む、前記システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
前記受信した車両情報に基づいて、所与の区画にある車両の車両環境を推論し、前記車両環境は、機械学習アルゴリズムを介して識別された車両検出物体を含み、
前記データ減少係数は、それぞれの区画の推論された車両環境に基づいてさらに判定されるようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
機械学習アルゴリズムを使用して、前記検出された物体を静止物体、半静止物体、または動的物体として分類するようにさらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、
減衰関数に従う前記推論された車両環境を修正し、
前記データ減少係数は、前記それぞれの減衰関数によって修正された前記推論された車両環境に基づいて判定されるようにさらに構成される、請求項2または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記区画は、前記受信した1つまたは複数の車両情報パケットに示される前記それぞれの車両のそれぞれの位置に基づいて判定され、
時間的近接性は、その中で前記それぞれの車両が互いに近接して位置している、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
方法であって、
車両群から抽出される1つまたは複数の種類の車両情報の要求を受信することと、
前記群のそれぞれの車両によってもたらされる1つまたは複数の車両情報パケットを受信することであって、前記1つまたは複数の車両情報パケットのそれぞれが、それぞれの区画を識別するために使用される情報を含む、前記受信することと、
前記それぞれの区画の所与のものにある車両の総数を判定することと、
前記所与の区画の車両の総数に基づいて、前記区画の前記所与のものにある車両に適用されるデータ減少係数を判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に1つまたは複数の車両スキームパケットを送信することであって、前記車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、前記所与の区画に適用される前記対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、
前記データ減少係数に従って、前記所与の区画に位置する前記群の前記車両の一部のみから、前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を受信することと、を含む、前記方法。
【請求項7】
前記区画は、前記受信した1つまたは複数の車両情報パケットに示される前記それぞれの車両のそれぞれの位置に基づいて判定され、
時間的近接性は、その中で前記それぞれの車両が互いに近接して位置している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記群の前記車両のうちの第2の車両によってもたらされる別の車両情報パケットを受信することであって、前記他の車両情報パケットは、前記第2の車両が前記所与の区画に含まれる1つまたは複数の基準を満たすために少なくとも部分的にもたらされる、前記受信することと、
前記所与の区画に前記第2の車両を含んでいることに基づいて、前記所与の区画にある前記群の前記車両の前記総数を更新することと、
前記所与の区画にある車両の前記第2の総数がモデル更新閾値レベルを超えない場合、前記所与の区画に対して以前に判定された前記データ減少係数を前記第2の車両に送信することと、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モデル更新閾値を超える前記所与の区画にある前記車両の総数の更新バージョンに基づいて、前記所与の区画にある車両に適用される第2のデータ減少係数を判定することであって、前記第2のデータ減少係数は、前記所与の区画にある前記群の前記車両のうちのそれぞれのものが、前記所与の区画にある前記群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有することになる第2の確率を含む、前記判定することと、
前記所与の区画にある前記群の前記車両に他の車両スキームパケットを送信することであって、前記他の車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される対応する第2のデータ減少係数とを含む、前記送信することと、をさらに含む、請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記車両群は、情報抽出のためのデータ減少設定を選択した車両を含む、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記所与の区画に含まれる前記群及び第2の群の車両の総数に基づいて、第2の車両群のそれぞれの車両に適用される第2のデータ減少係数を判定することであって、前記第2のデータ減少係数は、前記所与の区画にある前記第2の群の所与の車両は、前記所与の区画に含まれる前記第1の群または前記第2の群の前記車両の他のものと比較して、冗長ではない車両情報を有することになる第2の確率を含む、前記判定することと、
前記所与の区画にある前記第2群の前記車両に1つまたは複数の第2の車両スキームパケットを送信することであって、前記第2の車両スキームパケットは、抽出されるべき前記要求された1つまたは複数の種類の車両情報を識別する情報と、適用される第2の対応するデータ減少係数とを含む、前記送信することと、をさらに含む、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記車両群から抽出される前記1つまたは複数の種類の車両情報は、
カメラデータ、
LiDarデータ、
電子制御ユニット(ECU)データ、または
合成センサデータ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の車両スキームパケットは、車両情報が送信されるネットワーク接続の帯域幅が帯域幅閾値を満たさない期間中に前記車両情報を車両データストレージに記憶するように前記車両に命令し、
前記車両スキームパケットは、前記データ減少係数に従って減少された前記車両情報の減少バージョンを記憶するように前記車両に命令する、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の車両スキームパケットは、車両情報が送信されるネットワーク接続の帯域幅が帯域幅閾値を満たさない期間中に前記車両情報を車両データストレージに記憶するように前記車両に命令し、
前記車両スキームパケットは、前記データ減少係数を適用せずに前記車両情報を記憶するように前記車両に命令し、
前記データ減少係数は、前記ネットワーク接続が前記帯域幅閾値を満たすという判定に応答して、前記記憶された車両情報を送信する準備をするときに適用される、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記車両の前記群は、異なる車載通信アーキテクチャを有する車両を含み、前記車両群から抽出されるべき1つまたは複数の種類の車両情報の前記要求は、前記異なる車載通信アーキテクチャに対して異なるようにフォーマットされる、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】