(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】通信方法、並びにコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20241112BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20241112BHJP
H04W 28/02 20090101ALI20241112BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W4/029
H04W28/02
H04B7/06 860
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530498
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2022127117
(87)【国際公開番号】W WO2023093417
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111396726.8
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ニー,ゥルイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ガーンホワ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,チエン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067HH21
5K067JJ53
(57)【要約】
本発明の実施形態は、通信方法及び装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体を開示する。方法は、環境コントローラが位置情報及び状態パターンを制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信することを含む。制御ボードは、位置情報及び状態パターンに基づき制御ボードの位置及び状態を調整する。本発明の実施形態で、周囲空間の伝搬環境は、通信システムのスループットを向上させるために、制御ボードの位置及び状態を調整することによって最適化され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取ることと、
前記位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することと、
状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスから受け取ることと、
前記状態パターンに基づき前記制御ボードの状態を調整することと
を有する方法。
【請求項2】
前記した、前記位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは、
前記回転情報に基づき前記制御ボードの空間方向を調整すること、及び/又は前記動き情報に基づき前記制御ボードの空間位置を調整することを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、エネルギ保持値及び吸収効率を前記アクセスネットワークデバイスへ送信することを更に有する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを前記アクセスネットワークデバイスから受け取ることを更に有する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
通信方法であって、
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取ることであり、前記位置情報は回転情報及び/又は動き情報を含む、ことと、
前記位置情報を前記制御ボードへ送信することと、
前記制御ボードの状態パターンを前記環境コントローラから受け取ることであり、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと、
前記状態パターンを前記制御ボードへ送信することと
を有する方法。
【請求項6】
前記方法は、前記制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を前記環境コントローラへ送信することを更に有する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを前記環境コントローラから受け取ることを更に有する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を前記制御ボードから受け取ることを更に有する、
請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを前記制御ボードへ送信することを更に有する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
3次元空間マップと、前記制御ボードの前記位置情報及び前記状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定することであり、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、ことと、
前記チャネル品質に基づきリソースを前記端末デバイスに割り当てることと、
前記リソースに関する情報を前記端末デバイスへ送信することと
を更に有する、
請求項5乃至9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記3次元空間マップと、前記制御ボードの前記位置情報及び前記状態パターンに基づき、前記端末デバイスの前記チャネル品質を決定することと、
前記チャネル品質に基づき伝送電力を決定することと、
前記伝送電力を前記端末デバイスへ送信することと
を更に有する、
請求項5乃至10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
通信方法であって、
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信することであり、前記位置情報は回転情報及び/又は動き情報を含む、ことと、
前記制御ボードの状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスへ送信することであり、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと
を有する方法。
【請求項13】
前記方法は、前記制御ボードの前記位置情報を決定することを更にする、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記した、前記制御ボードの前記位置情報を決定することは、
3次元空間マップに基づき前記制御ボードの前記位置情報を決定することを有し、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、前記アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記した、前記制御ボードの前記位置情報を決定することは、
3次元空間マップと、前記制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、前記制御ボードの前記位置情報を決定することを有し、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、前記アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を前記アクセスネットワークデバイスから受け取ることを更に有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを前記アクセスネットワークデバイスへ送信することを更に有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することを更に有する、
請求項12乃至17のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記した、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することは、
前記3次元空間マップ及び前記制御ボードの前記位置情報に基づき前記制御ボードの前記状態パターンを決定することを有する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記した、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することは、
前記3次元空間マップと、前記制御ボードの前記位置情報と、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率とに基づき、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することを有する、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記回転情報は回転方向及び回転角度を含む、
請求項1乃至20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記動き情報は運動方向及び移動距離を含む、
請求項1乃至21のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、前記アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が増幅された後に反射又は伝送される状態であり、前記パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である、
請求項5乃至22のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取るよう構成される受信ユニットと、
前記位置情報に基づき制御ボードの位置を調整するよう構成される調整ユニットと、を有し、
前記受信ユニットは、状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスから受け取るよう更に構成され、
前記調整ユニットは、前記状態パターンに基づき前記制御ボードの状態を調整するよう更に構成される、
通信装置。
【請求項25】
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取るよう構成され、前記位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、受信ユニットと、
前記位置情報を前記制御ボードへ送信するよう構成される送信ユニットと、を有し、
前記受信ユニットは、前記制御ボードの状態パターンを前記環境コントローラから受け取るよう更に構成され、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態であり、
前記送信ユニットは、前記状態パターンを前記制御ボードへ送信するよう更に構成される、
通信装置。
【請求項26】
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成され、前記位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、送信ユニットを有し、
前記送信ユニットは、前記制御ボードの状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスへ送信するよう更に構成され、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、
通信装置。
【請求項27】
プロセッサ及びメモリを有し、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して、請求項1乃至23のうちいずれか一項に記載の方法を実施する、
通信装置。
【請求項28】
トランシーバを更に有し、前記トランシーバは、前記通信装置以外の他の通信装置から情報を受け取り、前記通信装置以外の前記他の通信装置へ情報を出力するよう構成される、
請求項27に記載の通信装置。
【請求項29】
コンピュータプログラム又はコンピュータ命令を記憶し、
前記コンピュータプログラム又は前記コンピュータ命令が実行されるとき、請求項1乃至23のうちいずれか一項に記載の方法が実施される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
コンピュータプログラムコードを有し、
前記コンピュータプログラムコードが実行されるとき、請求項1乃至23のうちいずれか一項に記載の方法が実施される、
コンピュータプログラム製品。
【請求項31】
制御ボード、アクセスネットワークデバイス、及び環境コントローラを有し、
前記制御ボードは、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成され、
前記アクセスネットワークデバイスは、請求項5乃至11のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成され、
前記環境コントローラは、請求項12乃至23のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成される、
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に、特に、通信方法及び装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
再構成可能なインテリジェントサーフェス(reconfigurable intelligent surface,RIS)技術は、材料表面単位の誘電率を変化させるために使用され得る再構成可能なアンテナ技術である。RIS技術において、空間次元内で電磁波を制御することは、異なる状態間の切替制御に基づき実施でき、つまり、電磁波の方向、振幅、位相、などを制御することは、材料表面単位の誘電率を変化させることで実行される。ワイヤレス電力伝送(wireless power transfer,WPT)技術は、電磁波により非接触のエネルギ伝送及び充電を実施するために使用される無線技術である。スマート無線環境(smart radio environment,SRE)は、RIS及びWPTなどの技術を使用することによって手動で制御される無線電磁波伝搬環境(チャネル)である。SRE技術は、ワイヤレス通信システムのスループット性能を向上させるために、従来の無線チャネル上でマルチパス伝搬、ドップラー拡散、などによって引き起こされる影響を軽減することができる。
【0003】
しかし、RISを使用することによってSREを実施する過程で、端末デバイスとRISとの間のチャネル状態情報(channel state information,CSI)、及びRISとアクセスネットワークデバイスとの間のCSIが測定される必要がある。端末デバイスとRISとの間のCSI、及びRISとアクセスネットワークデバイスとの間のCSIを測定するのに必要なシステムオーバーヘッドは高いので、通信システムのスループットを低下させる。従って、通信システムのスループットを改善する方法が非常に重要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、通信システムのスループットを改善するための通信方法及び装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体を開示する。
【0005】
第1の態様に従って、通信方法が開示される。通信方法は、制御ボードに適用されてよく、あるいは、制御ボード内のモジュール(例えば、チップ)に適用されてもよい。通信方法が制御ボードに適用される例が、記載のために以下では使用される。通信方法は:
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取ることと、
位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することと、
状態パターンをアクセスネットワークデバイスから受け取ることと、
状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整することと
を含む。
【0006】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、アクセスネットワークデバイスから位置情報及び状態パターンを受信し得る。次いで、制御ボードは、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整し、かつ、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化し、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の平均伝送品質を改善し、かつ、通信システムのスループットを改善することできる。
【0007】
可能な実施において、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転情報に基づき制御ボードの空間方向を調整すること、及び/又は動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0008】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、回転情報及び/又は動き情報をアクセスネットワークデバイスから受け取ることができ、次いで、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、回転情報に基づき制御ボードの空間方向(角度)を調整すること及び/又は動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整することができる。
【0009】
可能な実施において、回転情報は、回転方向及び回転角度を含み、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することを含む。
【0010】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、アクセスネットワークデバイスから回転情報を受け取ることができ、次いで、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することができる。
【0011】
可能な実施において、回転情報は回転角度を含み、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することを含む。
【0012】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、回転方向を前もって指定できる。アクセスネットワークデバイスから回転情報を受け取った後、制御ボードは、回転角度及び指定された回転方向に基づき制御ボードの空間方向(角度)を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化することができる。
【0013】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含み、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0014】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、アクセスネットワークデバイスから動き情報を受け取ることができ、次いで、制御ボードは、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化することができる。
【0015】
可能な実施において、動き情報は移動距離を含み、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0016】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、運動方向を前もって指定し得る。アクセスネットワークデバイスから動き情報を受け取った後、制御ボードは、移動距離及び指定された運動方向に基づき制御ボードの空間位置を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化することができる。
【0017】
可能な実施において、方法は、エネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信することを更に含み得る。
【0018】
本発明のこの実施形態で、制御ボードは、エネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ直接送信してよく、あるいは、エネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ固定周期で送信してもよく、それにより、アクセスネットワークデバイスは制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得することができる。
【0019】
可能な実施において、方法は:
エネルギ保持値及び吸収効率を要求するために使用される第1リクエストをアクセスネットワークデバイスから受け取ることを更に含み得る。
【0020】
本発明のこの実施形態で、制御ボードはアクセスネットワークデバイスから第1リクエストを受け取ることができ、次いで、制御ボードはエネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信してよく、それにより、アクセスネットワークデバイスは制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得することができる。制御ボードは、第1リクエストを受け取った場合にのみエネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークへ送信し得るので、エネルギ保持値及び吸収効率を送信する回数を減らすことができ、制御ボードの平均電力消費量は減る。
【0021】
第2の態様に従って、通信方法が開示される。通信方法は、アクセスネットワークデバイスに適用されてよく、あるいは、アクセスネットワークデバイス内のモジュール(例えば、チップ)に適用されてもよい。通信方法がアクセスネットワークデバイスに適用される例が、記載のために以下では使用される。通信方法は:
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取ることであり、位置情報は回転情報及び/又は動き情報を含む、ことと、
位置情報を制御ボードへ送信することと、
制御ボードの状態パターンを環境コントローラから受け取ることであり、状態パターンは状態情報を含み、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと、
状態パターンを制御ボードへ送信することと
を含み得る。
【0022】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、環境コントローラから制御ボードの位置情報及び状態パターンを受け取ることができ、次いで、アクセスネットワークデバイスは、位置情報及び状態パターンを制御ボードへ送信することができ、それにより、制御ボードは、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整し、かつ、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化し、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の平均伝送品質を改善し、かつ、通信システムのスループットを改善することできる。
【0023】
可能な実施において、回転情報は回転方向及び回転角度を含む。
【0024】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスによって制御ボードへ送られた回転情報は、回転方向及び回転角度を含んでよく、それにより、制御ボードが回転情報を受け取った後、制御ボードは、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することができる。
【0025】
可能な実施において、回転情報は回転角度を含む。
【0026】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含む。
【0027】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスによって制御ボードへ送られた動き情報は運動方向及び移動距離を含んでよく、それにより、制御ボードが動き情報を受け取った後、制御ボードは、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することができる。
【0028】
可能な実施において、動き情報は移動距離を含む。
【0029】
可能な実施において、方法は:
制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信することを更に含み得る。
【0030】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ直接送信してよく、あるいは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ固定周期で送信してもよく、それにより、環境コントローラは制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得することができる。
【0031】
可能な実施において、方法は:
制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを環境コントローラから受け取ることを更に含み得る。
【0032】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、環境コントローラから第2リクエストを受け取ることができ、次いで、アクセスネットワークは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信してよく、それにより、環境コントローラは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得することができる。アクセスネットワークデバイスは、第2リクエストを受け取った場合にのみ制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信し得るので、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を送信する回数を減らすことができ、アクセスネットワークデバイスの平均電力消費量は減る。
【0033】
可能な実施において、方法は:
エネルギ保持値及び吸収効率を制御ボードから受け取ることを更に含み得る。
【0034】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは最初に、制御ボードからエネルギ保持値及び吸収効率を受け取ることができ、次いで、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信してよく、それにより、環境コントローラは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を使用することができる。
【0035】
可能な実施において、方法は:
制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを制御ボードへ送信することを更に含み得る。
【0036】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために第1リクエストを制御ボードへ送信し得る。制御ボードは、第1リクエストを受け取った場合にのみエネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信し得るので、エネルギ保持値及び吸収効率を送信する回数を減らすことができ、制御ボードの平均電力消費量は減ることが分かる。
【0037】
可能な実施において、方法は:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定することであり、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、ことと、
チャネル品質に基づきリソースを端末デバイスに割り当てることと、
リソースに関する情報を端末デバイスへ送信することと
を更に含み得る。
【0038】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定することができ、アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質に基づきリソースを端末デバイスに割り当てることができ、次いで、アクセスネットワークデバイスは、対応するリソースでデータを送信するよう端末デバイスに指示するために、リソースに関する情報を端末デバイスへ送信し得る。良いチャネル品質は、低いビットエラー率をもたらし、悪いチャネル品質は高いビットエラー率をもたらす。従って、アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質が良い端末デバイスに大量のリソースを割り当ててよく、それにより、通信システムの平均ビットエラー率を下げることができ、通信システムのリソース利用を改善することができる。加えて、アクセスネットワークデバイスは更に、チャネル品質に基づきリソースを端末デバイスに割り当てることによって、異なるユーザ間の干渉を減らすことができる。
【0039】
可能な実施において、方法は:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定することと、
チャネル品質に基づき伝送電力を決定することと、
伝送電力を端末デバイスへ送信することと
を更に含み得る。
【0040】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定することができ、アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質に基づき端末デバイスの伝送電力を決定することができ、次いで、アクセスネットワークデバイスは、伝送電力を端末デバイスへ送信し得る。アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質に基づき端末デバイスのための適切な伝送電力を決定することができるので、端末デバイスの過度に低い伝送電力は回避でき、端末デバイスの信号対雑音比を改善し、ビットエラー率を低下させることができることが分かる。加えて、端末デバイスの過度に高い伝送電力は回避でき、端末デバイスの平均電力消費量は減り、端末デバイスのバッテリ使用期間は延び、他の端末デバイスへの干渉は減る。
【0041】
可能な実施において、吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が、増幅された後に反射又は伝送される状態であり、パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。
【0042】
本発明のこの実施形態で、アクセスネットワークデバイスは、状態パターンを制御ボードへ送信してよく、それにより、制御ボードは制御ボードの状態を調整することができ、制御ボードは3つの状態:吸収及びエネルギ保持状態と、アクティブフォワーディング状態と、パッシブフォワーディング状態との間で切り替えられ得る。制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、制御ボードは、制御ボードの回路を使用して、周囲環境内の電磁波からエネルギを吸収し、エネルギを電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることができる。制御ボードがアクティブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードは、制御ボードのローカルバッテリのエネルギを使用して、入射した電磁波を増幅し、次いで、増幅された電磁波を反射又は伝送することができる。制御ボードがパッシブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードは、如何なる処理も行わずに、入射した電磁波を直接反射又は伝送することができる。制御ボードは、吸収及びエネルギ保持状態と、アクティブフォワーディング状態と、パッシブフォワーディング状態との間で切り替えられるよう制御されるので、吸収及びエネルギ保持状態にある制御ボードによって蓄えられたエネルギは、アクティブフォワーディング状態で使用でき、アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの入射した電磁波は、アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの信号対雑音比を改善するよう増幅され得ることが分かる。
【0043】
第3の態様に従って、通信方法が開示される。通信方法は、環境コントローラに適用されてよく、あるいは、環境コントローラ内のモジュール(例えば、チップ)に適用されてもよい。通信方法が環境コントローラに適用される例が、記載のために以下では使用される。通信方法は:
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信することであり、位置情報は回転情報及び/又は動き情報を含む、ことと、
制御ボードの状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信することであり、状態パターンは状態情報を含み、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと
を含み得る。
【0044】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、制御ボードの位置情報及び状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信することができ、次いで、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードの位置情報及び状態パターンを制御ボードへ送信し、それにより、制御ボードは、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整し、かつ、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化し、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の平均伝送品質を改善し、かつ、通信システムのスループットを改善することできる。
【0045】
可能な実施において、方法は:
制御ボードの位置情報を決定することを更に含み得る。
【0046】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは最初に、制御ボードの位置情報を決定し得るので、環境コントローラは、位置情報を制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信することができる。
【0047】
可能な実施において、制御ボードの位置情報を決定することは:
3次元空間マップに基づき制御ボードの位置情報を決定することを含み、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む。
【0048】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とに基づき、制御ボードの最適なデプロイ位置の位置情報を決定し、次いで、位置情報を制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信し得るので、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化し、かつ、通信システムのスループットを改善するために、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することができる。
【0049】
可能な実施において、制御ボードの位置情報を決定することは:
3次元空間マップと、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの位置情報を決定することを含み、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む。
【0050】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、3次元空間マップと、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの最適なデプロイ位置の位置情報を決定し、次いで、位置情報を制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信し得るので、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することができる。加えて、環境コントローラは、位置情報を決定するときに制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を考慮するので、環境コントローラは、制御ボードの吸収及びエネルギ保持状態を改善するために、制御ボードが周囲環境から電磁波エネルギを吸収するのを助ける位置を決定し得る。
【0051】
可能な実施において、方法は:
アクセスネットワークデバイスから制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を受け取ることを更に含み得る。
【0052】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは最初に、アクセスネットワークデバイスからエネルギ保持値及び吸収効率を受け取ることができ、それにより、環境コントローラは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を使用することによって制御ボードの位置情報を決定することができる。
【0053】
可能な実施において、方法は:
制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために使用される第2リクエストをアクセスネットワークデバイスへ送信することを更に含み得る。
【0054】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、第2リクエストをアクセスネットワークデバイスへ送信することができ、次いで、環境コントローラは、アクセスネットワークデバイスから制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を受け取ることができる。環境コントローラは、第2リクエストをアクセスネットワークデバイスへ送ることによって、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を即時にかつ都合よく取得し得ることが分かる。加えて、アクセスネットワークデバイスは、第2リクエストを受け取った場合にのみエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信し得るので、エネルギ保持値及び吸収効率を送信する回数を減らすことができ、アクセスネットワークデバイスの平均電力消費量は減る。
【0055】
可能な実施において、方法は:
制御ボードの状態パターンを決定することを更に含み得る。
【0056】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは最初に、制御ボードの状態パターンを決定し得るので、環境コントローラは、状態パターンを制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信することができる。
【0057】
可能な実施において、制御ボードの状態パターンを決定することは:
3次元空間マップ及び制御ボードの位置情報に基づき、制御ボードの状態パターンを決定することを含む。
【0058】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、3次元空間マップ及び制御ボードの位置情報に基づき、制御ボードの最適な状態パターンを決定し、状態パターンを制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信し得るので、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整することができる。
【0059】
可能な実施において、制御ボードの状態パターンを決定することは:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報と、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの状態パターンを決定することを含む。
【0060】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、3次元空間マップと、制御ボードの位置情報と、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの最適な状態パターンを決定し、次いで、状態パターンを制御ボードへアクセスネットワークデバイスを介して送信し得るので、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整することができる。加えて、環境コントローラは、状態パターンを決定するときに制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を考慮するので、制御ボードが状態パターンに基づき制御ボードの状態をアクティブフォワーディング状態に調整するときに制御ボードのエネルギ保持値が0である場合は回避でき、端末デバイスの信号対雑音比は成功裏に改善される。
【0061】
可能な実施において、回転情報は回転方向及び回転角度を含む。
【0062】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラによってアクセスネットワークデバイスを介して制御ボードへ送られた回転情報は、回転方向及び回転角度を含んでよく、それにより、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することができる。
【0063】
可能な実施において、回転情報は回転角度を含む。
【0064】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含む。
【0065】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラによってアクセスネットワークデバイスを介して制御ボードへ送られた動き情報は運動方向及び移動距離を含んでよく、それにより、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化するために、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することができる。
【0066】
可能な実施において、動き情報は移動距離を含む。
【0067】
可能な実施において、吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が、増幅された後に反射又は伝送される状態であり、パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。
【0068】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信してよく、次いで、アクセスネットワークデバイスは、状態パターンを制御ボードへ送信してよく、それにより、制御ボードは制御ボードの状態を調整することができ、制御ボードは3つの状態:吸収及びエネルギ保持状態と、アクティブフォワーディング状態と、パッシブフォワーディング状態との間で切り替えられ得る。制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、制御ボードは、制御ボードの回路を使用して、周囲環境内の電磁波からエネルギを吸収し、エネルギを電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることができる。制御ボードがアクティブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードは、制御ボードのローカルバッテリのエネルギを使用して、入射した電磁波を増幅し、次いで、増幅された電磁波を反射又は伝送することができる。制御ボードがパッシブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードは、如何なる処理も行わずに、入射した電磁波を直接反射又は伝送することができる。制御ボードは、吸収及びエネルギ保持状態と、アクティブフォワーディング状態と、パッシブフォワーディング状態との間で切り替えられるよう制御されるので、吸収及びエネルギ保持状態にある制御ボードによって蓄えられたエネルギは、アクティブフォワーディング状態で使用でき、アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの入射した電磁波は、アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの信号対雑音比を改善するよう増幅され得ることが分かる。
【0069】
第4の態様に従って、通信装置が開示される。通信装置は、制御ボード又は制御ボード内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。通信装置は:
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取るよう構成される受信ユニットと、
位置情報に基づき制御ボードの位置を調整するよう構成される調整ユニットと、含んでよく、
受信ユニットは、状態パターンをアクセスネットワークデバイスから受け取るよう更に構成され、
調整ユニットは、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整するよう更に構成される。
【0070】
可能な実施において、調整ユニットが位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転情報に基づき制御ボードの空間方向を調整すること、及び/又は動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0071】
可能な実施において、回転情報は、回転方向及び回転角度を含み、調整ユニットが位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することを含む。
【0072】
可能な実施において、回転情報は回転角度を含み、調整ユニットが位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することを含む。
【0073】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含み、調整ユニットが位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0074】
可能な実施において、動き情報は移動距離を含み、調整ユニットが位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0075】
可能な実施において、装置は:
エネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成される送信ユニットを更に含み得る。
【0076】
可能な実施において、受信ユニットは、エネルギ保持値及び吸収効率を要求するために使用される第1リクエストをアクセスネットワークデバイスから受け取るよう更に構成される。
【0077】
第5の態様に従って、通信装置が開示される。通信装置は、アクセスネットワークデバイス又はアクセスネットワークデバイス内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。通信装置は:
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取るよう構成され、位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、受信ユニットと、
位置情報を制御ボードへ送信するよう構成される送信ユニットと、を含んでよく、
受信ユニットは、制御ボードの状態パターンを環境コントローラから受け取るよう更に構成され、状態パターンは状態情報を含み、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態であり、
送信ユニットは、状態パターンを制御ボードへ送信するよう更に構成される。
【0078】
可能な実施において、回転情報は回転方向及び回転角度を含む。
【0079】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含む。
【0080】
可能な実施において、送信ユニットは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信するよう更に構成される。
【0081】
可能な実施において、受信ユニットは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを環境コントローラから受け取るよう更に構成される。
【0082】
可能な実施において、受信ユニットは、エネルギ保持値及び吸収効率を制御ボードから受け取るよう更に構成される。
【0083】
可能な実施において、送信ユニットは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを制御ボードへ送信するよう更に構成される。
【0084】
可能な実施において、通信装置は:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定するよう構成され、3次元空間マップが、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、決定ユニットと、
チャネル品質に基づきリソースを端末デバイスに割り当てるよう構成される割り当てユニットと、を更に含んでもよく、
送信ユニットは、リソースに関する情報を端末デバイスへ送信するよう更に構成される。
【0085】
可能な実施において、決定ユニットは、3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定するよう更に構成され、
決定ユニットは、チャネル品質に基づき伝送電力を決定するよう更に構成され、
送信ユニットは、伝送電力を端末デバイスへ送信するよう更に構成される。
【0086】
可能な実施において、吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が、増幅された後に反射又は伝送される状態であり、パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。
【0087】
第6の態様に従って、通信装置が開示される。通信装置は、環境コントローラ又は環境コントローラ内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。通信装置は:
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成され、位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、送信ユニットを含んでよく、
送信ユニットは、制御ボードの状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信するよう更に構成され、状態パターンは状態情報を含み、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である。
【0088】
可能な実施において、回転情報は回転方向及び回転角度を含む。
【0089】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含む。
【0090】
可能な実施において、通信装置は:
制御ボードの位置情報を決定するよう構成される決定ユニットを更に含み得る。
【0091】
可能な実施において、決定ユニットが制御ボードの位置情報を決定することは:
3次元空間マップに基づき制御ボードの位置情報を決定することを含み、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む。
【0092】
可能な実施において、決定ユニットが制御ボードの位置情報を決定することは:
3次元空間マップと、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの位置情報を決定することを含み、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む。
【0093】
可能な実施において、通信装置は:
アクセスネットワークデバイスから制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を受け取るよう構成される受信ユニットを更に含み得る。
【0094】
可能な実施において、送信ユニットは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために使用される第2リクエストをアクセスネットワークデバイスへ送信するよう更に構成される。
【0095】
可能な実施において、決定ユニットは、制御ボードの状態パターンを決定するよう更に構成される。
【0096】
可能な実施において、決定ユニットが制御ボードの状態パターンを決定することは:
3次元空間マップ及び制御ボードの位置情報に基づき、制御ボードの状態パターンを決定することを含む。
【0097】
可能な実施において、決定ユニットが制御ボードの状態パターンを決定することは:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報と、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの状態パターンを決定することを含む。
【0098】
可能な実施において、吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が、増幅された後に反射又は伝送される状態であり、パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。
【0099】
第7の態様に従って、通信装置が開示される。通信装置は、制御ボード又は制御ボード内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。通信装置は、プロセッサ、メモリ、及びトランシーバを含み得る。トランシーバは、通信装置以外の他の通信装置から情報を受信し、かつ、通信装置以外の他の通信装置へ情報を出力するよう構成される。プロセッサがメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行するとき、プロセッサは、第1の態様又は第1の態様の実施のうちのいずれか1つに従う通信方法を実行することができる。
【0100】
第8の態様に従って、通信装置が開示される。通信装置は、アクセスネットワークデバイス又はアクセスネットワークデバイス内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。通信装置は、プロセッサ、メモリ、及びトランシーバを含み得る。トランシーバは、通信装置以外の他の通信装置から情報を受信し、かつ、通信装置以外の他の通信装置へ情報を出力するよう構成される。プロセッサがメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行するとき、プロセッサは、第2の態様又は第2の態様の実施のうちのいずれか1つに従う通信方法を実行することができる。
【0101】
第9の態様に従って、通信装置が開示される。通信装置は、環境コントローラ又は環境コントローラ内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。通信装置は、プロセッサ、メモリ、及びトランシーバを含み得る。トランシーバは、通信装置以外の他の通信装置から情報を受信し、かつ、通信装置以外の他の通信装置へ情報を出力するよう構成される。プロセッサがメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行するとき、プロセッサは、第3の態様又は第3の態様の実施のうちのいずれか1つに従う通信方法を実行することができる。
【0102】
第10の態様に従って、通信システムが開示される。通信システムは、第7の態様の通信装置と、第8の態様の通信装置と、第9の態様の通信装置とを含む。
【0103】
第11の態様に従って、コンピュータ可読記憶媒体が開示される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラム又はコンピュータ命令を記憶している。コンピュータプログラム又はコンピュータ命令が実行されるとき、上記の態様に従う通信方法は実行される。
【0104】
第12の態様に従って、チップが開示され、メモリに記憶されているプログラムを実行するよう構成されるプロセッサを含む。プログラムが実行されるとき、チップは、上記の方法を実行することができる。
【0105】
可能な実施において、メモリは、チップの外に位置する。
【0106】
第13の態様に従って、コンピュータプログラム製品が開示される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードが実行されるとき、上記の通信方法は実行される。
【0107】
本発明の実施形態における技術的解決法についてより明りょうに記載するために、以下は、実施形態を記載する際に使用される添付の図面について簡潔に説明する。以下の説明における添付の図面は単に本発明のいくつかの実施形態を示しており、当業者は創造的労力なしで依然としてこれらの添付の図面から他の図面を考え付くことができる、ことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【
図1】本発明の実施形態に従うネットワークアーキテクチャの模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に従うシナリオの模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に従う通信方法の略フローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に従う、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の通信の模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に従う位置調整要求シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に従う、エネルギ保持値及び吸収効率のクエリ要求シグナリング及びクエリ応答シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に従う位置調整確認シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
【
図8】本発明の実施形態に従う、制御ボードが異なる状態にあるときの入射波及び反射/伝送波の模式図である。
【
図9】本発明の実施形態に従う状態パターン要求シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
【
図10】本発明の実施形態に従う他のシナリオの模式図である。
【
図11】本発明の実施形態に従う時間-周波数リソース及び伝送電力割り当ての模式図である。
【
図12】本発明の実施形態に従う更に別のシナリオの模式図である。
【
図13】本発明の実施形態に従う時間領域インパルス応答の模式図である。
【
図14】本発明の実施形態に従う時間-周波数リソース割り当ての模式図である。
【
図15】本発明の実施形態に従う、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスと制御ボードとの間のシグナリング交換の模式図である。
【
図16】本発明の実施形態に従う状態パターン確認シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
【
図17】本発明の実施形態に従う制御ボードの位置及び状態の調整のフローチャートである。
【
図18】本発明の実施形態に従う通信装置の構造の模式図である。
【
図19】本発明の実施形態に従う他の通信装置の構造の模式図である。
【
図20】本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
【
図21】本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
【
図22】本発明の実施形態に従うアナログ回路の模式図である。
【
図23】本発明の実施形態に従う制御ボードの状態切り替えの模式図である。
【
図24】本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
【
図25】本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
【
図26】本発明の実施形態に従う通信システムの構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0109】
本発明の実施形態は、通信システムのスループットを改善するための、通信方法及び装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体を開示する。以下は、本願の実施形態における添付の図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決法を明りょうかつ完全に記載する。
【0110】
記載されている実施形態は本願の実施形態の一部であって全てではない、ことは明らかである。本明細書で言及されている「実施形態」は、実施形態を参照して記載される特定の特徴、構造、又は特性がこの実施形態の応用の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書中の様々な箇所に現れている当該語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではなく、他の実施形態から排他的な独立した又は任意の実施形態ではない。本明細書中で記載されている実施形態は他の実施形態と組み合わされてもよい、ことが当業者によって明示的かつ暗黙的に理解され得る。創造的労力なしで本願の実施形態に基づき当業者によって取得される全ての他の実施形態は、本願の保護範囲内に入るべきである。
【0111】
本願の明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、異なるオブジェクトどうしを区別するよう意図されるが、特定の順を示すものではない。加えて、「含む」や「持っている」という用語、及びそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーするよう意図される。例えば、一連のステップ又はユニットが含まれ、あるいは、任意に、挙げられていないステップ又はユニットが更に含まれ、あるいは、任意に、これらのプロセス、方法、製品、又はデバイスの他の内在するステップ又はユニットが更に含まれる。
【0112】
添付の図面は、本願に関係がある全てではなく一部の内容のみを示す。例示的な実施形態がより詳細に議論される前に、いくつかの例示的な実施形態は、フローチャートとして記載される処理又は方法として記載されることが述べられるべきである。フローチャートは動作(又はステップ)を順次処理として記載するが、動作の多くは平行して、同時に、又は一斉に実施され得る。加えて、動作の順序は並べ替えられてもよい。処理は、動作が完了するときに終了し得るが、添付の図面に含まれていない追加のステップも有してもよい。処理は、方法、機能、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム、などに対応し得る。
【0113】
本明細書で使用されている「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、及び「ユニット」という用語は、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアを示す。例えば、ユニットは、プロセッサで実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラムであってよいがこれらに限られず、及び/又は2つ以上のコンピュータ間に分布し得る。加えて、これらのユニットは、様々なデータ構造を記憶している様々なコンピュータ可読媒体によって実行されてもよい。例えば、ユニットは、ローカル及び/又はリモートプロセスを使用することによって、かつ、1つ以上のデータパケット(例えば、ローカルシステムや分散システム内で、及び/又は信号を使用することで他のシステムとやり取りするインターネットなどのネットワークにわたって、他のユニットとやりとりする第2ユニットからのデータ)を持った信号に基づき、互いに通信し得る。
【0114】
以下は最初に、本発明の実施形態をより良く理解するために、本発明の実施形態で使用されるネットワークアーキテクチャについて記載する。
【0115】
図1は、本発明の実施形態に従うネットワークアーキテクチャの模式図である。
図1に示されるように、ネットワークアーキテクチャは、アクセスネットワークデバイス、環境コントローラ、及び制御ボードを含み得る。アクセスネットワークデバイスは、1つ以上のアクセスネットワークデバイス(
図1では、1つのアクセスネットワークデバイスが示されている)を含んでよく、環境コントローラは、1つ以上の環境コントローラ(
図1では、1つの環境コントローラが示されている)を含んでよく、制御ボードは、1つ以上の制御ボード(
図1では、1つの制御ボードが示されている)を含んでよい。
【0116】
環境コントローラ、アクセスネットワークデバイス、及び制御ボードのうちのいずれか2つは互いに通信でき、つまり、環境コントローラ、アクセスネットワークデバイス、及び制御うちのいずれか2つは互いに相互接続され得、通信方式は無線通信又は有線通信であってよい。アクセスネットワークデバイスは、光ファイバインターフェースを通じて互いに通信してよく、あるいは、Xnインターフェースを通じて互いに通信してもよい。アクセスネットワークデバイス及び環境コントローラは、エアインターフェース(例えば、Uuインターフェース)を通じて互いに通信でき、アクセスネットワークデバイス及び制御ボードも、エアインターフェースを通じて互いに通信できる。環境コントローラ及び制御ボードは、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)を通じて互いに通信できる。上記の通信方式に加えて、環境コントローラ、アクセスネットワークデバイス、及び制御ボードのうちのいずれか2つは更に、ブルートゥース(Bluetooth)、超広帯域(ultra-wideband,UWB)、長距離無線(long range radio,LoRa)、又は狭帯域インターネット・オブ・シングス(narrowband internet of things,NB-IoT)などの方式で互いに通信してもよい。
【0117】
なお、
図1に示されているネットワークアーキテクチャは1つ以上の端末デバイスを更に含んでもよく、端末デバイスはアクセスネットワークデバイス、環境コントローラ、及び制御ボードと通信し得る。通信方式は無線通信又は有線通信であってよい。端末デバイスとアクセスネットワークデバイス、環境コントローラ、及び制御ボードとの間の通信に使用される無線通信規格は、第2世代(2nd generation,2G)モバイル通信技術、第3世代(3rd generation,3G)モバイル通信技術、第4世代(4th generation,4G)モバイル通信技術、第5世代(5th generation,5G)モバイル通信技術、WLAN/ワイヤレス・フィデリティ(wireless fidelity,Wi-Fi)、ブルートゥース、UWB、LoRa、NB-IoT、又は上記の1つ以上の無線通信規格の組み合わせであってよい。
【0118】
端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の通信には、アップリンク通信(つまり、端末デバイスからアクセスネットワークデバイスへの通信)及びダウンリンク通信(つまり、アクセスネットワークデバイスから端末デバイスへの通信)が含まれる。アップリンク通信では、端末デバイスは、アップリンク信号をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成され、アクセスネットワークデバイスは、アップリンク信号を端末デバイスから受信するよう構成される。ダウンリンク通信デバイス、アクセスネットワークデバイスは、ダウンリンク信号を端末デバイスへ送信するよう構成され、端末デバイスは、ダウンリンク信号をアクセスネットワークデバイスから受信するよう構成される。アップリンク通信に対応するリンクはアップリンクであり、ダウンリンクに通信に対応するリンクはダウンリンクである。
【0119】
なお、
図1に示されているネットワークアーキテクチャは、図示されているアクセスネットワークデバイス、制御ボード、及び環境コントローラのみを含むことに限定されない。
【0120】
図1に示されているネットワークアーキテクチャは、記載のための例に過ぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0121】
端末デバイスは、ユーザ装置(user equipment,UE)、モバイル局(mobile station,MS)、モバイル端末(mobile terminal,MT)などとも呼ばれることがあり、音声及び/又はデータコネクティビティをユーザに提供するデバイスである。端末デバイスは、手持ち式端末、ノートブックコンピュータ、加入者ユニット(subscribe unit)、携帯電話機(cellular phone)、スマートフォン(smartphone)、ワイヤレスデータカード、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)コンピュータ、タブレットコンピュータ、ワイヤレスモデム(modem)、手持ち式(handheld)デバイス、ラップトップコンピュータ(laptop computer)、コードレス電話機(cordless phone)、ワイヤレスローカルループ(wireless local loop,WLL)局、マシンタイプ通信(machine type communication,MTC)端末、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートバンド、又はペドメータ)、車載デバイス(例えば、自動車、自転車、電気車両、飛行機、船、列車、又は高速鉄道)、仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、拡張現実(augmented reality,AR)デバイス、産業制御(industrial control)における無線端末、スマートホームデバイス(例えば、冷蔵庫、テレビ、空調機、又は電気メータ)、インテリジェントロボット、ワークショップ設備、自動運転(self driving)における無線端末、遠隔医療手術(remote medical surgery)における無線端末、スマートグリッド(smart grid)における無線端末、輸送安全(transportation safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末、飛行デバイス(例えば、インテリジェントロボット、熱気球、無人空中輸送手段、又は飛行機)、あるいは、ネットワークにアクセスできる他のデバイスであってよい。
【0122】
アクセスネットワークデバイスは、ラジオアクセスネットワークデバイスを含んでよく、ラジオアクセスネットワークデバイスは、ラジオアクセスネットワークにデプロイされ、端末デバイスに無線通信機能を提供する装置である。ラジオアクセスネットワーク(radio access network,RAN)デバイスは、様々な形態の基地局(base station,BS)、例えば、マクロ基地局、ミクロ基地局(スモールセルとも呼ばれる)、中継局、又はアクセスポイントを含み得る。異なるラジオアクセス技術を使用するシステムでは、ラジオアクセスネットワークデバイスの名称は異なることがあり、例えば、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(global system for mobile communications,GSM)又は符号分割多重アクセス(code division multiple access,CDMA)ネットワークでのベーストランシーバ局(base transceiver station,BTS)、広帯域符号分割多重アクセス(wideband code division multiple access,WCDMA)でのNB(NodeB)、及びロング・ターム・エボリューション(long term evolution,LTE)でのeNB又はeNodeB(evolved NodeB)がある。代替的に、ラジオアクセスネットワークデバイスは、クラウドラジオアクセスネットワーク(cloud radio access network,CRAN)シナリオでのラジオコントローラであってもよい。代替的に、ラジオアクセスネットワークデバイスは、将来のネットワーク(例えば、6G)での基地局デバイス、又は将来の進化した公衆地上移動体網(public land mobile network,PLMN)でのラジオアクセスネットワークデバイスであってもよい。代替的に、ラジオアクセスネットワークデバイスは、送信及び受信ポイント(transmission and reception point,TRP)であってもよい。
【0123】
制御ボードは、電磁パネル(electromagnetic panel,EP)とも呼ばれることがあり、電磁波の方向、振幅、位相などを制御(変更)することができるデバイスである。制御ボードは、トランシーバ及び1つ以上のメタマテリアルユニットを含み得る。トランシーバは通信機能を提供することができ、各メタマテリアルユニットは、電磁波の方向、振幅、位相などを制御するために、位相シフト回路と、振幅変調回路と、吸収及びエネルギ保持回路とを含み得る。
【0124】
環境コントローラは、計算機能を備えたデバイスである。環境コントローラは、数値計算を実行することができ、あるいは、論理計算を実行することができ、あるいは、記憶機能を備えることができる。環境コントローラは、大量のデータを自動的にかつ高速で処理するために、前もってセットされたプログラムに基づき動作し得る。環境コントローラは、マイクロコンピュータ、スーパーコンピュータ、埋め込みコンピュータなどであってよく、あるいは、計算機能を備えた他のデバイスであってもよい。
【0125】
なお、本発明のこの実施形態で、環境コントローラのデータ処理は、アクセスネットワークデバイスによって実行されてもよい。従って、環境コントローラは、アクセスネットワークデバイス内のモジュールであってもよい。
【0126】
以下は最初に、本発明の実施形態についてより良く理解するために、本発明の実施形態の適用シナリオについて記載する。
【0127】
図2は、本発明の実施形態に従うシナリオの模式図である。
図2に示されているシナリオは、インダストリー4.0における自動化工場の適応シナリオであり得る。シナリオは、1つ以上のアクセスネットワークデバイスと、複数の異なる端末デバイス、例えば、1つ以上の産業ロボット201、1つ以上の自動誘導車両(automated guided vehicle,AGV)202、1つ以上の監視カメラ203、1つ以上のノートブックコンピュータ204、1つ以上の制御ボード205、1つ以上のアクセスネットワークデバイス206、及び1つ以上のスマートフォン207とを含み得る。上記のデバイスに加えて、シナリオは、環境コントローラ、倉庫入荷物のためのインターネット・オブ・シングス(internet of things,IoT)デバイス、ウェアラブルデバイス、パトロールロボット、タブレットコンピュータなどを更に含んでもよい。
【0128】
異なるタイプの端末デバイスは、ネットワークレート、レイテンシ、信頼性、接続の数、などに関して異なる要件を有し、また、サービス品質(quality of service,QoS)に関して異なる要件を有する場合がある。通常、倉庫入荷物のためのIoTデバイスは、多数の接続を有し、ネットワークレートに関して一般的な要件を有し、電力消費には敏感であるがレイテンシには鈍感である。通常、AGVデバイスはしばしば移動し、連続的なカバレッジを必要とし、ネットワークレートに関して一般的な要件を有し、レイテンシに敏感である。通常、監視カメラは固定状態にあり、ネットワークレートに関して高い要件を有する。これは、データのアップロート及び記憶を助け、特定の通信信頼性を必要とする。通常、産業ロボット(産業ロボットのアーム)は固定されており、ネットワークレートに関して一般的な要件を有し、レイテンシに敏感であり、通信信頼性に関する高い要求を持っている。通常、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、などは頻繁には移動せず、ネットワークレート及び通信信頼性に関して一般的な要件を有する。
【0129】
加えて、
図2に示されているシナリオでは、異なる期間内に、異なるタイプの端末デバイスの通信サービスには特定の規則がある。
【0130】
例えば、機械デバイスの制御センサ、工業用コンベヤベルト上のセンサ、コンテナ支持体状の無線周波数識別(radio frequency identification,RFID)センサ、などによって実行されるデータ収集のためのスモールデータパケットサービスは、毎秒又は数秒ごとに一度起こり得る。監視カメラの高精細データサービスは10分ごとに一度起こり得る。すなわち、リアルタイムで捕捉されるビデオデータは最初にローカルストレージに格納され得、次いで、データは、データバックアップのために10分ごとに一度アップロードされる。
【0131】
図2に示されているシナリオでは、様々な端末デバイスの通信サービスの規則は、産業制御プログラムを使用することによってカウント又は予測されてよく、次いで、様々な端末デバイスの通信サービスタイプ(例えば、センサによって実行されるデータ収集のためのスモールデータパケットサービス、ロボットの制御シグナリングサービス、及びカメラの高精細データサービス)及び対応する通信サービスデータが取得され得る。通信サービスデータは、端末デバイスの通信サービスの発生頻度を含んでもよく、例えば、1時間ごとに1度、1分ごとに一度、1秒ごとに1度、又は連続的に発生する。加えて、通信サービスデータは、端末デバイスの各サービスの存続時間及び伝送データの量のサイズを更に含んでもよい。加えて、
図2に示されている自動化工場のシナリオでは、様々な端末デバイスの通信サービスは、毎日又は毎時周期的にかつ繰り返し起こり得る。従って、端末デバイスの通信サービスのその後の規則は、以前の事前データ(つまり、既知のデータ)に基づき予測され得る。
【0132】
なお、
図2に示されているシナリオは、図示されている産業ロボット、自動誘導車両、監視カメラ、ノートブックコンピュータ、制御ボード、などしか含まないことに限定されない。
【0133】
図2に示されているシナリオは、記載のための例に過ぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0134】
以下は最初に、本発明の実施形態についてより良く理解するために、本発明の実施形態における従来技術について記載する。
【0135】
通信技術の継続的発展及び様々な新しい通信サービスモードの新興により、無線通信システムに対する性能要求はますます高くなっている。例えば、スマートファクトリ(smart factory,SF)は、スマートファクトリ内の異なる端末デバイスの通信要件を満足する必要があり、高い信頼性及び膨大な接続という課題に直面している。従って、対応する対策が、無線通信システムのスループットを増大させかつ通信信頼性を高めるためにとられる必要がある。
【0136】
再構成可能なインテリジェントサーフェス(reconfigurable intelligent surface,RIS)技術は、材料表面単位の誘電率を変化させるために使用され得る再構成可能なアンテナ技術である。RIS技術において、空間次元内で電磁波を制御することは、異なる状態間の切替制御に基づき実施でき、つまり、電磁波の方向、振幅、位相、などを制御することは、材料表面単位の誘電率を変化させることで実行される。加えて、RIS技術には、低コスト、低電力消費、及び低オーバーヘッドという利点がある。
【0137】
ワイヤレス電力伝送(wireless power transfer,WPT)技術は、電磁波により非接触のエネルギ伝送及び充電を実施するために使用される無線技術である。WPT技術は、近距離誘導結合WPT、遠距離マイクロ波WPT、レーザービームWPTなどに大まかに分類され得る。
【0138】
スマート無線環境(smart radio environment,SRE)は、RIS及びWPTなどの技術を使用することによって手動で制御される無線電磁波伝搬環境(チャネル)である。SRE技術は、アクセスネットワークデバイスと端末デバイスとの間の伝搬環境を変化させて、伝搬環境が理想的な状態に達するようにすることができる。これは、従来の無線チャネル上でマルチパス伝搬、ドップラー拡散、などによって引き起こされる影響を軽減し、信号フェーディング及び障害物遮蔽などの問題を有効に解決することができ、データ伝送効率を向上させて、ワイヤレス通信システムのスループット性能を向上させることができる。
【0139】
現在、RISを使用することによってSREを実施する過程で、信号伝搬環境を正確に変化させるためには、端末デバイスとRISとの間の瞬間的又は統計的なチャネル状態情報(channel state information,CSI)、及びRISとアクセスネットワークデバイスとの間の瞬間的又は統計的なCSIが通常は測定される必要がある。端末デバイスとRISとの間のCSI、及びRISとアクセスネットワークデバイスとの間のCSIを測定するのに必要なシステムオーバーヘッドは高く、それによって、通信システムのスループットは低下する。従って、通信システムのスループットを改善する方法が非常に重要である。
【0140】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図3は、本発明の実施形態に従う通信方法の模式図である。
図3に示されているように、通信方法は次のステップを含み得る。
【0141】
301.環境コントローラは、制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信する。
【0142】
相応して、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードの位置情報を環境コントローラから受信してよく、位置情報は回転情報しか含まなくてもよく、あるいは、動き情報しか含まなくてもよく、あるいは、動き情報及び回転情報の両方を含み得る。回転情報は回転角度しか含まなくてもよく、あるいは、回転方向及び回転角度の両方を含んでもよい。動き情報は移動距離しか含まなくてもよく、あるいは、運動方向及び移動距離の両方を含んでもよい。
【0143】
図2に示されているインダストリー4.0のシナリオでは、空間は広く、環境は複雑である。従って、各屋内端末デバイスの通信品質は効率的に測定され得ず、端末デバイスのハイブリッドサービスの通信要件は満足され得ない。従って、本発明のこの実施形態で、制御ボードは、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化し、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の平均伝送品質を改善し、無線通信システムの平均スループットを改善するように制御され得る。「伝搬環境」は、環境コントローラ、アクセスネットワークデバイス、制御ボード、端末デバイスが位置している物理空間環境、例えば、工場の作業場、オフィス、又は会議室として理解され得る。
【0144】
環境コントローラは最初に、制御ボードの位置情報を決定し、次いで、制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信し得る。
【0145】
環境コントローラは、3次元空間マップに基づき制御ボードの位置情報を決定し得る。3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含み得る。
【0146】
建物構造情報は、自動化工場の工場建物の建物構造、例えば、工場建物の長さ、幅及び高さ、壁、床、及び天井の材料情報及び厚さ情報、建物位置、建物材料、並びに工場建物内の耐荷重柱及び装飾柱の厚さ情報などの情報を含み得る。次いで、環境コントローラは、建物構造情報に基づき空間座標系を確立し得る。例えば、環境コントローラは、工場建物の右下隅を空間座標系の原点(0,0,0)として使用して、3次元空間座標系を確立し得る。従って、環境コントローラは、座標系に基づき、工場建物内のデバイス、耐荷重柱、などの3次元座標を決定し得る。
【0147】
静止デバイスの位置情報及び材料情報は、工場建物内の機械デバイス、工業用コンベヤベルト、コンテナ支持体、ロボットアーム、及び工業用カメラなどの静止デバイスの設置場所を含み得る。構造材料情報は、デバイスの幾何サイズ及び形状(例えば、長さ、幅、及び高さ、並びに長方形/円形/不規則形状)を含んでよく、更には、デバイスの材料情報(例えば、スチール、アルミニウム合金、プラスチック、ガラス、紙、皮、及びカーボンファイバ)及びデバイスの表面粗さの程度(例えば、ミラー面は滑らか、一般的に滑らか、一般的に粗い、及び非常に粗い)を含んでもよい。
【0148】
静止デバイスの通信サービスモデル情報は、機械デバイス、工業用コンベヤベルト上のセンサ、コンテナ支持体上のRFID、ロボットアームの通信デバイス、及び工業用カメラの通信デバイスなどのデバイスの通信サービスモデルを含んでもよい。通信サービスモデルは、具体的に、各デバイスのサービスタイプ(例えば、センサデータ収集のためのスモールパケットサービス、ロボットの制御シグナリングサービス、及びカメラの高精細データサービス)及びサービスデータを含み得る。サービスデータは、端末デバイスの通信サービスの発生頻度を含んでもよく、例えば、1時間ごとに1度、1分ごとに一度、1秒ごとに1度、又は連続的に発生する。加えて、サービスデータは、端末デバイスの各サービスの存続時間及び伝送データの量のサイズを更に含んでもよい。加えて、
図2に示されている自動化工場のシナリオでは、様々な端末デバイスの通信サービスは、毎日又は毎時周期的にかつ繰り返し起こり得る。従って、端末デバイスの通信サービスのその後の規則は、以前の事前データ(つまり、既知のデータ)に基づき予測され得る。
【0149】
アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報は、工場建物内の1つ以上のアクセスネットワークデバイスのアンテナのデプロイ位置、アンテナの仕様情報、及びアクセスネットワークデバイスの伝送電力などの情報を含んでよい。アクセスネットワークデバイスのカバレッジエリア距離及び異なる範囲のカバレッジ強さは、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報に基づき取得され得る。
【0150】
建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、静止デバイスの通信サービスモデル情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報などの事前情報は、前もって環境コントローラに入力されてもよく、環境コントローラは、事前情報をローカルで記憶し得る。
図2に示されている自動化工場内の工場建物、機械デバイス、工業用コンベヤベルト、及び貨物ロボットなどのアセットは、1つ以上の企業に属し得る、ことが理解され得る。1つ以上の企業は、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、静止デバイスの通信サービスモデル情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報などの事前情報を取得してよく、そして、情報を前もって環境コントローラに入力し得る。
【0151】
制御ボードの空間位置(つまり、地理的位置)は固定であってよい。この場合、制御ボードがデプロイされた後、制御ボードの空間位置は固定され、制御ボードはあちこちに動くことができず、角度又は方向によってのみ回転できる。
【0152】
制御ボードの空間位置は、代替的に、変更され得る。この場合に、制御ボードは、スライディングトラック上にデプロイされ得る。制御ボードがデプロイされた後、制御ボードは、角度又は方向によって回転してよく、あるいは、スライディングトラックを通って移動してもよい。
【0153】
必要とされる制御ボードの数は、端末デバイスの通信サービス及び通信要件により変化し得る。端末デバイスの通信サービスがスモールデータパケットサービスであり、端末デバイスが通信レート、レイテンシ、などに関して高い要件を持っていない場合、伝搬環境を制御するために必要とされる制御ボードの数は少数であってよい。相応して、端末デバイスの通信サービスがラージデータパケットサービスであり、端末デバイスが通信レート、レイテンシ、などに関して高い要件を持っている場合、伝搬環境を制御するために必要とされる制御ボードの数は多くなる。
【0154】
全ての制御ボードのうちの一部しかデプロイされる必要がないとき、環境コントローラは、デプロイされた制御ボードのうちの一部を選択し、次いで、選択された制御ボードの位置情報を決定し得る。環境コントローラは、他の選択されていない制御ボードの状態を吸収及びエネルギ保持(変更)状態として決定し得る。吸収及びエネルギ保持状態は簡潔にC状態とも呼ばれることがあり、吸収した電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態である。制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にある場合に、制御ボードは、制御ボードの回路を使用して、周囲環境内の電磁波からエネルギを吸収し、エネルギを電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることができる。
【0155】
環境コントローラは、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、静止デバイスの通信サービスモデル情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報などの情報に基づき、制御ボードを選択し得る。
【0156】
制御ボードの空間位置が固定される場合、N個の制御ボードがデプロイされ、N個の制御ボードはN個の空間位置に対応し、あるいは、制御ボードの空間位置が変化する場合、Q個の制御ボードがデプロイされ、Q個の制御ボードは移動を通じてN個の空間位置のうちのいずれか1つに位置し得るが、一度に1つの空間位置に1つの制御ボードしか存在することができない、と仮定される。2つの場合におけるN個の空間位置は同じであっても又は異なってもよい。選択される必要がある制御ボードの数はMであってよい。N、Q、及びMは、1以上の整数であり、M≦Q≦Nである。
【0157】
環境コントローラは最初に、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、静止デバイスの通信サービスモデル情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報などの情報に基づき、M個の空間位置を選択し、次いで、M個の制御ボードを選択し得る。
【0158】
環境コントローラがN個の空間位置からM個の空間位置を選択するCN
M個の場合がある。環境コントローラは、各場合においてM個の空間位置に制御ボードが存在し、他のN-M個の空間位置には制御ボードがない、と仮定し得る。次いで、環境コントローラは、各場合においてアクセスネットワークデバイスと端末デバイスとの間の平均スループット又は平均通信品質などのインジケータを決定し得る。次いで、環境コントローラは、平均スループット又は平均通信品質などのインジケータが最良である場合に、M個の空間位置を目標位置として決定し得る。環境コントローラによって決定された平均スループット又は平均通信品質などのインジケータはある期間内にあってもよい、ことが理解され得る。従って、取得された目標位置は、ある期間内の目標位置であることができる。
【0159】
制御ボードが同時に異なる空間方向及び異なる状態にあるとき、制御ボードは、周囲空間の伝搬環境への異なる変化を引き起こし得る。その結果、端末デバイス及びアクセスネットワークデバイスの伝送パス及び伝送損失は異なる可能性があり、端末デバイス及びアクセスネットワークデバイスによって受信される信号の電力は変化する可能性がある。従って、目標位置が決定される場合に、各場合においてM個の空間位置にある制御ボードはパッシブフォワーディング状態にあり、制御ボードの空間方向は全て壁と垂直な方向である、と仮定され得る。パッシブフォワーディング(passive transmission)状態は、簡潔にP状態とも呼ばれ、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。制御ボードがパッシブフォワーディング状態にある場合、制御ボードは、如何なる処理も行わずに、入射した電磁波を直接反射又は伝送し得る。この場合に、制御ボードは、周囲環境からエネルギを吸収したり、ローカルバッテリのエネルギを外部に解放したりしない。
【0160】
環境コントローラは、式(1):
【数1】
を使用することによって、N個の空間位置からM個の空間位置を選択し得る。
【0161】
Lは空間位置セットであり、CN
M個の場合(値)を有してよく、L={L1,・・・,Lm,・・・,LM}と表記され得、このとき、Lm=(xm,ym,zm)かつ1≦m≦Mである。xm、ym、zmは夫々、m次空間位置のx軸、y軸及びz軸の座標位置、つまり、3次元空間マップに基づき決定された座標位置を表す。バーRsumは、時間の平均合計レート(average sum-rate)を表すことができ、bit/s(bit/s)の単位であってよい。Tは、時間窓の長さを表すことができ、秒(s)の単位であってよい。Kは、アクティブなサービスユーザの数を表すことができ、あるいは、通信サービス(アップリンク通信サービス又はダウンリンク通信サービス)を持った端末の数として理解され得、3次元空間マップに含まれている通信サービスモデル情報に基づき取得され得るか、あるいは、モデル予測により取得され得る。rank(Ωk(t))は、瞬間tでの角度領域マルチパス上のk番目のユーザのランク(rank)の数を表すことができ、あるいは、瞬間tでのk番目の端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の信号伝送パスの数として理解され得る(アクセスネットワーク及び端末デバイスの伝送パスは同じであってよい)。γk,i(t)は、瞬間tでのi番目の角度領域内のk番目のユーザの信号対雑音比を表すことができ、あるいは、瞬間tでi番目の伝送パス上でk番目の端末デバイスによって受信される、アクセスネットワークデバイスからの信号の信号対雑音比、又は瞬間tでi番目の伝送パス上でアクセスネットワークデバイスによって受信される、k番目の端末デバイスからの信号の信号対雑音比として理解され得る。
【0162】
空間位置セットはM個の要素を含み、M個の要素はN個の空間位置から選択され、全部でCN
M個の空間位置セットが存在する。環境コントローラは、各空間位置セットでバーRsumを計算し得る。maxは、CNM個の空間セット内でバーRsumが最大となる空間位置セットを選択することを指す。
【0163】
Shannonの公式に従って、チャネル帯域幅Wが1であると仮定すると、上記の式の中のlog
2(1+γ
k,i(t))は、瞬間tでのi番目の伝送パス上のk番目の端末デバイスの通信レート(チャネル容量)として理解され得る。
【数2】
は、瞬間tでのrank(Ω
k(t))個の伝送パス上でのk番目の端末デバイスの通信レートの和として理解され得る。
【数3】
は、瞬間tでの全てのK個の端末デバイスの通信レートの和の累算として理解され得る。
【数4】
は、積分が期間Tに対して行われることを示す。期間T内の各瞬間での全てのK個の端末デバイスの通信レートの和の累算は、積分を使用することによって取得され得、次いで、和は、当該期間の平均値バーR
sumを取得するためにTで割られる。
【0164】
当該期間(T)にアクセスネットワークデバイスによって端末デバイスへ送信された信号のみが考慮される、つまり、ダウンリンク通信のみが考慮される場合、バーR
sumは、ある期間における、
図2に示されている自動化工場の工場建物内の全ての端末デバイスの平均ダウンリンク通信レートを表し得る。従って、式(1)を使用することによって取得されたM個の空間位置(目標位置)は、平均ダウンリンク通信レートが最大である、つまり、平均ダウンリンクスループットが最大であるM個の空間位置であることができる。同様に、ある期間(T)に端末デバイスによってアクセスネットワークデバイスへ送信された信号のみが考慮される、つまり、アップリンク通信のみが考慮される場合、式(1)を使用することによって取得される目標位置は、当該期間内の平均アップリンク通信レートが最大である、つまり、平均アップリンクスループットが最大であるM個の空間位置であることができる。当該期間(T)における、端末デバイスによってアクセスネットワークデバイスへ送信された信号、及びアクセスネットワークデバイスによって端末デバイスへ送信された信号が考慮される、つまり、アップリンク通信及びダウンリンク通信の両方が考慮される場合、式(1)を使用することによって取得される目標位置は、当該期間内の全体の平均アップリンク及びダウンリンク通信レートが最大である、つまり、通信システムの平均アップリンク及びダウンリンクスループットが最大であるM個の空間位置であることができる。
【0165】
式(1)内の時間窓の長さTは、実際の状況に基づき選択されてよく、例えば、10秒、1分、又は10分であってよい。
【0166】
環境コントローラは期間(T)内の通信サービスデータ(つまり、サービスタイプ及びサービスデータ)を知っている必要があるので、環境コントローラは、どの端末デバイスが各瞬間に通信サービスを有しているかを決定することができ、上記の式中のKを決定することができる。従って、環境コントローラは最初に、期間(T)内の通信サービスデータを決定してよい。
【0167】
環境コントローラは、静止デバイスの通信サービスモデル情報に基づき期間(T)内の通信サービスデータを決定し得る。例えば、環境コントローラは、通信サービスモデル情報に基づき、第1期間(例えば、8:10~8:15)内の端末デバイスの通信サービスと、第2期間(例えば、8:15~8:25)内の端末デバイスの通信サービスとを決定し得る。端末デバイスがロボットである場合、通信サービスはロボットの制御シグナリングサービスを含み得る。制御シグナリングサービスは、第1期間では5秒ごとに一度起こり、毎回1秒続く。制御シグナリングサービスは、第2期間では10秒ごとに一度起こり、毎回1秒続く。
【0168】
環境コントローラは、静止デバイスの通信サービスモデル情報に基づき期間(T)内の通信サービスデータを直接決定し得る。
図2に示されている自動化工場のシナリオでは、様々な端末デバイスの通信サービスは、毎日又は毎時周期的にかつ繰り返し起こり得る。従って、環境コントローラは、以前のサービスタイプ及びサービスデータに基づき将来の期間における端末デバイスのサービスタイプ及びサービスデータを直接決定し得る。例えば、端末デバイスは、毎日同じサービスタイプ及び同じサービスデータを有し得る。従って、環境コントローラは、本日8:10~8:15までの端末デバイスのサービスタイプ及びサービスデータを、翌日8:10~8:15までの端末デバイスサービスタイプ及びサービスデータとして決定し得る。
【0169】
環境コントローラはまた、静止デバイスの通信サービスモデル情報に基づきモデルを確立し、モデルに基づき期間(T)内の通信サービスデータを決定し得る。具体的に、環境コントローラは、端末デバイスのサービスタイプ及びサービスデータを決定するために、将来の期間における端末デバイスの通信サービスの規則を予測するよう端末デバイスの一部又は全ての以前の事前データ(つまり、既知のサービスタイプ及びサービスデータ情報)に基づきモデルを確立し得る。例えば、環境コントローラは、次の期間における端末デバイスのサービスタイプ及びサービスデータを予測するようニューラルネットワークモデル又は他の機械学習モデルを確立し得る。モデルの訓練サンプルは、端末デバイスの以前の事前データ(つまり、端末デバイスの既知のサービスタイプ及びサービスデータ)であってよい。モデルの入力は、現在の期間(8:10~8:15)内の端末デバイスのサービスタイプ及びサービスデータに関する情報であってよく、モデルの出力は、次の期間(8:15~1:20)内の端末デバイスのサービスタイプ及びサービスデータに関する情報であってよい。
【0170】
各瞬間に通信サービスを有する端末デバイスを決定した後、環境コントローラは、各瞬間に通信サービスを有する端末デバイスの伝送パスの数(つまり、rank(Ωk(t)))と、各伝送パスに対応する信号対雑音比(つまり、γk,i(t))とを決定し得る。
【0171】
環境コントローラは、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報に基づきrank(Ωk(t))を決定し得る。具体的に、環境コントローラは、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報に基づきアクセスネットワークデバイスの空間位置を決定することができ、また、静止デバイスの位置情報に基づき端末デバイスの空間位置を決定することができる。加えて、環境コントローラは、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報に基づき、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイスへ送信された信号が端末デバイスに達することができるための伝送パス(伝搬経路)を決定することができ、また、伝送パスの数(つまり、rank(Ωk(t)))を決定するために、端末デバイスによってアクセスネットワークデバイスへ送信された信号がアクセスネットワークデバイスに達することができるための伝送パスを決定し得る。例えば、環境コントローラは、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報などの情報に基づき、アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの信号をシミュレーションすることによって伝送パスを決定し得る。周囲伝搬環境が変更されないままであるとき、端末デバイスがアクセスネットワークデバイスへ信号を送信するための伝送パスは、アクセスネットワークデバイスが端末デバイスへ信号を送信するための伝送パスと同じであることができる。周囲伝搬環境が変化する(例えば、制御ボードの空間位置が変化する)場合には、端末デバイスがアクセスネットワークデバイスへ信号を送信するための伝送パスは、アクセスネットワークデバイスが端末デバイスへ信号を送信するための伝送パスとは異なり得る。
【0172】
環境コントローラは、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報に基づき、γk,i(t)を決定し得る。具体的に、環境コントローラは、建物構造情報、静止デバイスの位置情報及び材料情報、並びにアクセスネットワークデバイスのデプロイ情報に基づき伝送損失を決定し、伝送損失に基づきγk,i(t)を決定し得る。環境コントローラは、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイスへ各伝送パス上で送信された信号の伝送損失(つまり、ダウンリンク損失)を決定することができ、あるいは、端末デバイスによってアクセスネットワークデバイスへ各伝送パス上で送信された信号の伝送損失(つまり、アップリンク損失)を決定することができる。伝送損失は、自由空間伝搬損失、反射損失、伝送損失、などを含み得る。電磁波信号の自由空間伝搬損失、反射損失、伝送損失、などは、電磁波信号の周波数とともに変化する。電磁波の周波数が高くなるほど、波長はより短くなり、自由空間伝搬損失はより高くなる。電磁波の周波数が低いほど、波長はより長くなり、自由空間伝搬損失はより低くなる。加えて、ガラス、紙、皮、カーボンファイバ、石膏ボード、及びレンガ壁などの異なる材料での信号の反射及び伝送は、損失の程度が異なる。例えば、2.4GHz信号が石膏ボードを通過した後、信号は3dBだけ低下する可能性があり、つまり、信号は3dBだけ減衰する。他の例として、2.4GHz信号がレンガ壁を通過した後、信号は12dBだけ低下する可能性があり、つまり、信号は12dBだけ減衰する。
【0173】
以下は、本発明の実施形態において伝送損失を決定する方法について記載する。
【0174】
環境コントローラは、アクセスネットワークデバイスと端末デバイスとの間の空間距離を決定し、空間距離に基づき伝送損失を決定し得る。具体的に、送信器(transmitter,TX)及び受信器(receiver,RX)の3次元空間座標は(x
1,y
1,z
1)及び(x
2,y
2,z
2)として夫々表記され得る。次いで、TXとRXとの間の空間距離d
3Dが、式(2)を使用することによって、TX及びRXの3次元空間座標に基づき決定され得る。TXは、信号を送信するデバイスとして理解され得、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスであってよい。RXは、送信器によって送信された信号を受信するデバイスとして理解され得、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスであってよい。
【数5】
【0175】
1m≦d3D≦150mの場合に、環境コントローラは、PLLOS及びPLNLOSとして夫々表記され、単位がデシベル(dB)であるライン・オブ・サイト(line-of-sight,LOS)及び非ライン・オブ・サイト(non-line-of-sight,NLOS)に基づき、TXからRXへの大規模パス伝送損失(path loss,PL)を分類し得る。LOSは、TX及びRXの3次元空間座標の2つの点が接続され、接続線の真ん中に障害物がないときに存在する接続線パスとして理解され得る。一方、NLOSは、接続線の真ん中に障害物があるときに存在するパスとして理解され得る。d3D≧150mの場合に、環境コントローラは、d3D=150mに基づきTXからRXへの大規模パス伝送損失を計算し得る。
【0176】
環境コントローラは、式(3)、式(4)及び式(5)を使用することによって送信器から受信器への伝送パス上の伝送損失を計算し得る:
PLOS=32.4+17.3log10(d3D)+20log10(fc) (3)
PNLOS=max(PLOS,PL’NLOS) (4)
PL’NLOS=32.4+31.9log10(d3D)+20log10(fc) (5)
【0177】
式(3)は、ライン・オブ・サイト伝送損失を計算するために使用されてよく、式(3)、式(4)及び式(5)は、非ライン・オブ・サイト伝送損失を計算するために組み合わされ得る。上記の式中のfcは、搬送波周波数(つまり、アクセスネットワークデバイスの搬送波周波数)であることができ、GHzの単位である。演算子max(a,b)は、aとbとの間の大きい方の値を選択するために使用され、例えば、max(10,5)=10である。
【0178】
環境コントローラは、伝送損失に基づき端末デバイスの信号対雑音比γk,i(t)を決定し得る。アクセスネットワークデバイスの伝送電力、端末デバイスの伝送電力、及び信号伝送プロセスにおけるノイズが一定であると仮定すると、環境コントローラは、端末デバイス及びアクセスネットワークデバイスによって受信された信号の信号対雑音比(signal-to-noise ratio,SNR)を決定し得る。例えば、アクセスネットワークデバイスの伝送電力は40dBmであってよく、ノイズ電力は-30dBmであってよく、信号は伝送プロセスにおいて10dBだけ減衰する。従って、端末デバイスの受信電力は30dBmであることができ、端末デバイスによって受信された信号の信号対雑音比は60dBであることができる。
【0179】
例えば、
図4は、本発明の実施形態に従う、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の通信の模式図である。
図4に示されているように、Mが3であると仮定すると、選択されたM個の空間位置は、空間位置1,空間位置4、及び空間位置Nであってよい。この場合に、バーR
sumは、式(1)を使用することによって計算され得る。この場合に、つまり、空間位置1、空間位置4、及び空間位置4にのみ制御ボード(P状態)がある場合に、環境コントローラは、3次元空間マップに基づき、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス1へ送信された信号がΩ
1,1、Ω
1,2及びΩ
1,3を通って端末デバイス1に達し、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス2へ送信された信号がΩ
2,1及びΩ
2,2を通って端末デバイス2に達することを決定し得る。同様に、伝搬環境が変更されないままであるとき、端末デバイスによってアクセスネットワークデバイスへ送信された信号も、同じパスを通ってアクセスネットワークに達し得る。環境コントローラはまた、アクセスネットワークデバイスから端末デバイス1への全てのパスΩ
1,1、Ω
1,2及びΩ
1,3での損失と、アクセスネットワークデバイスから端末デバイス2への両方のパスΩ
2,1及びΩ
2,2での損失とを決定し得る。加えて、アクセスネットワークデバイスの伝送電力及び端末デバイスの伝送電力が一定であり、伝送パス上のノイズ電力も一定であるとき、環境コントローラは、各パスで端末デバイス1及び端末デバイス2によって受信される信号の信号対雑音比を決定し得る。環境コントローラはまた、アクセスネットワークデバイスと端末デバイス1及び端末デバイス2の夫々との間の通信サービスデータを決定することもでき、それにより、期間内のバーR
sumは式(1)に従って決定され得る。代替的に、環境コントローラは、異なるM個の空間位置を選択肢、バーR
sumを計算し、次いで、最大のバーR
sumに対応する空間位置を目標位置として決定し得る。
図4に示されている、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の通信は、記載のための例に過ぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0180】
式(1)は、典型的な組み合わせ最適化問題であり、交互乗数法(alternating direction method of multiplier,ADMM)又は他の方法を使用することによって解くことができる。ADMMは、分離可能な凸最適化問題を解決することができる方法であり、元の問題の目的関数をいくつかの解くことができるサブ問題に等しく分解し、それから全てのサブ問題を並行して解き、最終的にサブ問題の解を統合して元の問題の大域的な解を求めることができる。
【0181】
環境コントローラはまた、式(1)の様々な変形を使用することによって、N個の空間位置からM個の空間位置を選択し得る、ことが理解され得る。例えば、γi,k(t)は、伝送損失に関する他の関数、例えば、伝送損失の逆数に関する関数で置換されてもよい。式(1)は、記載のための例に過ぎず、同等の機能を実装できる他の式が使用されてもよい。これはここで限定されない。
【0182】
M個の空間位置(つまり、目標位置)を選択した後、環境コントローラはM個の制御ボードを更に選択し得る。選択されたM個の制御ボードは、選択されたM個の空間位置と一対一の対応にある。制御ボードの空間位置が固定であるとき、環境コントローラは、目標位置にあるM個の制御ボードを選択でき、M個の制御ボードは、M個の制御ボードの空間位置に対応する。制御ボードの空間位置が変化するとき、環境コントローラは、エネルギ保持値が大きいM個の制御ボードを選択でき、あるいは、ランダムにM個の制御ボードを選択できる。この場合に、M個の制御ボードとM個の空間位置との間の対応は、エネルギ保持値が大きい制御ボードが、M個の空間位置のうちの、アクセスネットワークデバイスから遠い空間位置に対応してよく、エネルギ保持値が小さい制御ボードが、M個の空間位置のうちの、アクセスネットワークデバイスに近い空間位置に対応してよい、というものであることができる。
【0183】
環境コントローラは、選択されたM個の制御ボードに対応する空間位置に基づき動き情報を決定し得る。制御ボードの空間位置が変化するとき、環境コントローラは、選択されたM個の制御ボードに対応する空間位置に基づき動き情報を決定し得る。1つの場合に、動き情報には、運動方向及び移動距離が含まれ得る。動き情報は、特定の絶対空間位置(例えば、3次元空間座標)であってよい。この場合に、環境コントローラは、制御ボードに対応する空間位置を動き情報として直接決定し得る。動き情報は、代替的に、制御ボードの現在の空間位置に対する特定の運動方向及び特定の移動距離であってもよい。例えば、運動方向は、右に動くことであってよく、移動距離は、10メートルであってよい。この場合に、環境コントローラは、制御ボードの現在の空間位置に基づき動き情報を決定し得る。他の場合に、動き情報には、移動距離しか含まれなくてもよい。この場合に、制御ボードは、デフォルトの運動方向(例えば、右に動く、又は左に動く)を前もって指定してよく、環境コントローラはまた、制御ボードの現在の空間位置に基づき動き情報を決定し得る。動き情報を決定した後、環境コントローラは、位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信してもよく、位置情報は動き情報を含み得る。環境コントローラは、3次元空間マップに基づき動き情報を決定し得る、ことが分かる。
【0184】
位置情報を送信する場合に、環境コントローラは、制御ボードの識別情報、例えば、制御ボードの識別子(identifier,ID)を送信してもよく、制御ボードのIDは制御ボードの位置情報と一対一の対応にある。例えば、全ての制御ボードは0から番号付けされ得る。
【0185】
環境コントローラは、3次元空間マップに基づき開店情報を決定し得る。具体的に、環境コントローラが3次元空間マップに基づき制御ボードを選択した後、環境コントローラは更に、選択された制御ボードの空間方向を決定してよく、次いで、環境コントローラは、空間方向に基づき回転情報を決定し得る。
【0186】
環境コントローラは3次元空間マップに基づき制御ボードの空間方向を決定し得る。M個の制御ボードを選択した後、環境コントローラは、M個の制御ボードが対応する空間位置で異なる空間方向にある場合に、アクセスネットワークデバイスと端末デバイスとの間の平均通信品質又は平均スループットなどのインジケータを決定でき、次いで、目標方向として、平均通信品質又は平均スループットなどのインジケータが最良であるM個の空間方向を決定し得る。制御ボードのS個の空間方向(姿勢)が存在する可能性があると仮定される。従って、SM個の異なる空間方向組み合わせが存在する可能性がある。空間方向は、制御ボードの異なる角度に対応する。制御ボードの異なる空間方向は、制御ボードの異なる角度に対応する。
【0187】
例えば、環境コントローラは、式(1)を使用することによって、M個の制御ボードが異なる空間方向にあるときのバーRsumを別々に計算でき、環境コントローラは、SM個の結果バーRsumを取得し得る。次いで、環境コントローラは、目標方向として、最大のバーRsumに対応する制御ボードのM個の空間方向を決定し得る。
【0188】
環境コントローラはまた、
(外1)
(つまり、m番目の空間位置での制御ボードの空間方向)が式(1)のL内のL
mに加えられる、つまり、
【数6】
である、という条件で、M個の空間位置及びM個の空間位置での制御ボードの空間方向を決定し得る。
(外2)
は、m番目の空間位置での制御ボードの空間方向、つまり、制御ボードの向きを表す。この場合に、環境コントローラの計算量は大きくなり、C
N
M・S
MにおいてバーR
sumを計算する必要がある。しかし、環境コントローラは制御ボードの空間位置及び空間方向の両方を考慮し、多くの場合にバーR
sumを計算するので、環境コントローラは、より正確な結果を得ることができる。
【0189】
環境コントローラは、制御ボードの空間方向に基づき回転情報を決定し得る。1つの場合に、回転情報には、回転方向及び回転角度が含まれ得る。この場合に、回転情報は、制御ボードが空間方向に対して調整される必要がある特定の回転方向及び特定の回転角度であってよい。例えば、回転方向は時計回りであり、回転角度は90°である。環境コントローラは、制御ボードの現在の空間方向に基づき回転情報を決定し得る。回転情報は、代替的に、
(外3)
、つまり、制御ボードの空間方向(目標向き)であってもよい。空間方向は、制御ボードが水平方向において時計回りに回転する空間方向であってよく、あるいは、制御ボードが水平方向において反時計回りに回転する空間方向であってもよい。例えば、
(外4)
は、制御ボードが水平方向において90°だけ時計回りに回転する空間方向を表すことができる。この場合に、環境コントローラは、制御ボードの対応する角度を回転情報として直接決定し得る。他の場合に、回転情報には、代替的に、回転角度しか含まれなくてもよい。この場合に、制御ボードは、前もってデフォルトの回転方向(反時計回り又は時計回り)を有してもよく、環境コントローラはまた、制御ボードの現在の空間方向に基づき回転情報を決定し得る。回転情報を決定した後、環境コントローラは、位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信してもよく、位置情報は回転情報を含み得る。
【0190】
なお、環境コントローラは、制御ボードの以前の空間位置及び以前の空間方向に関する情報をローカルで記憶してもよい。
【0191】
制御ボードの空間位置が固定である場合、環境コントローラによってアクセスネットワークデバイスへ送信される位置情報には、回転情報しか含まれなくてもよい、ことが理解され得る。制御ボードの空間位置が変化する場合、環境コントローラによってアクセスネットワークデバイスへ送信される位置情報には、動き情報若しくは回転情報しか含まれなくてもよく、あるいは、動き情報及び回転情報の両方が含まれてもよい。制御ボードの目標位置が制御ボードの現在の空間位置と同じであるとき、制御ボードは、制御ボードの空間位置を調整する必要がなく、位置情報には、回転情報しか含まれなくてもよい。上記の2つの場合に、同じ最終的な効果を達成することでき、つまり、通信システムの同じ性能(例えば、同じスループット)を向上させることができる。
【0192】
環境コントローラは、3次元空間マップのみを使用して位置情報を決定する。しかし、実際の応用では、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率は、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスからの距離に応じて変化し得る。例えば、アクセスネットワークデバイスにより近い制御ボードは、通常は、より高い吸収及びエネルギ保持効率を有し、アクセスネットワークデバイスからより遠い制御ボードは、通常は、より低い吸収及びエネルギ保持効率を有する。従って、制御ボードの位置情報を決定する場合に、環境コントローラは、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率並びにエネルギ保持値を考慮し得る。
【0193】
環境コントローラは、3次元空間マップと、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの位置情報を決定し得る。吸収及びエネルギ保持効率は、吸収効率とも呼ばれ得る。
【0194】
異なる空間位置にある制御ボードの異なる吸収及びエネルギ保持効率を考慮すると、式(1)は改善され得る。制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率は、アクセスネットワークデバイスと制御ボードとの間の距離に関係があり得るので、バイアス項が式(1)に加えられてもよく、バイアス項は、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率の関数であってよい。例えば、詳細については、式(6)を参照されたい:
【数7】
【0195】
(外5)
は、選択されたM個の空間位置のうちのj番目の空間位置での制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率を表すことができ、例えば、30%又は50%であってよく、aは重み係数であってよく、aの異なる値は、実際の状況に基づき選択でき、例えば、0.5及び0.9であってよい。
【0196】
選択されたM個の空間位置にある制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率がより高い場合に、
(外6)
の結果はより大きいので、バーR
sumの結果はより大きい、ことが分かる。このように、式(6)を使用することによって最終的に決定されたM個の空間位置は、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率が高い空間位置の方にバイアスをかけられ、これにより、制御ボードのエネルギ保持を助けることができる。
【0197】
更に、M個の空間位置の選択中、制御ボードのエネルギ保持値が更に考慮され得る。制御ボードのエネルギ保持値がより大きい場合、それは、制御ボードがより多くのエネルギを保持することを示す。この場合に、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率はそれほど考慮されなくてもよい。制御ボードのエネルギ保持値がより小さい場合、それは、制御ボードの保持されているエネルギが不十分であり得ることを示す。この場合に、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率は、より考慮される必要がある。従って、式(6)は相応して改善され得る。例えば、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率c
jは重みb
jを乗じられ、重みは制御ボードのエネルギ保持値に関係がある。より大きいエネルギ保持値は、より小さい重みを示すことができ、より小さいエネルギ保持値は、より大きい重みを示すことができる。詳細については、式(7)を参照されたい。
【数8】
【0198】
bjは、1と制御ボードのエネルギ保持値のパーセンテージとの間の差(つまり、1からエネルギ保持値をマイナスしたもの)であってよい。制御ボードは、選択されたM個の空間位置のうちのj番目の空間位置に対応する制御ボードであってよい。従って、bjは、0以上1以下である。エネルギ保持値は30%又は50%であることができる。
【0199】
式(7)において、異なる位置での制御ボードのエネルギ保持値並びに制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率は包括的に考慮され得る、ことが分かる。従って、最終的に決定されたM個の空間位置は、制御ボードの平均吸収及びエネルギ保持効率を改善し得る。
【0200】
環境コントローラはまた、式(6)及び式(7)の様々な変形を使用することによって、N個の空間位置からM個の空間位置を選択し得る、ことが理解され得る。例えば、式(6)の
(外7)
は、M個の空間位置とアクセスネットワークデバイスとの間の距離の関数で置換されてもよく、例えば、
(外8)
で置換されてもよく、d
jは、選択されたM個の空間位置のうちのj番目の空間位置からアクセスネットワークデバイスまでの距離を表すことができ、メートル(m)の単位であってよい。選択されたM個の空間位置がアクセスネットワークデバイスからより遠い場合に、M個の空間位置とアクセスネットワークデバイスとの間の距離の和はより大きい、ことが分かる。従って、
(外9)
の結果はより大きいので、バーR
sumの結果はより小さい。従って、式(6)を使用することによって最終的に決定されたM個の空間位置は、アクセスネットワークデバイスに近い空間位置の方にバイアスをかけられる。式(6)及び式(7)は、記載のための例にすぎず、同等の機能を実装することができる他の式が使用されてもよい。これはここで限定されない。
【0201】
環境コントローラは、アクセスネットワークデバイスから制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を受け取り得る。1つの場合に、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ能動的に送信し得る。相応して、環境コントローラは、アクセスネットワークデバイスから制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を受信し得る。エネルギ保持値は、制御ボードのエネルギ保持値パーセンテージ(例えば、30%又は60%)であってよく、あるいは、制御ボードの特定のエネルギ保持値(例えば、100ミリアンペア時(mAh))であってよい。吸収効率は、制御ボードによる電磁波エネルギの吸収及びエネルギの電気エネルギへの変換の効率(例えば、50%又は80%)であってよく、制御ボードと電磁波を伝送するデバイス(例えば、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイス)との間の距離に関係がある関数であってよい。他の場合に、環境コントローラは、第2リクエストをアクセスネットワークデバイスへ送信することによって、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得してもよい。相応して、アクセスネットワークデバイスは、環境コントローラから第2リクエストを受信することができ、次いで、アクセスネットワークデバイスは、第2リクエストに基づき、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信し得る。
【0202】
302.アクセスネットワークデバイスは、制御ボードの位置情報を制御ボードへ送信する。
【0203】
アクセスネットワークデバイスが環境コントローラから制御ボードの位置情報を受け取った後、アクセスネットワークデバイスは位置情報を制御ボードへ送信し得る。
【0204】
アクセスネットワークデバイスは、位置調整要求シグナリング(Request,REQ)を使用することによって、位置情報を制御ボードへ送信してよい。位置調整REQは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、制御ボードの識別子(EP-ID)、制御ボードの回転情報、制御ボードの動き情報、及びCRCキャラクタを含み得る。
【0205】
制御ボードの空間位置が固定であるとき、位置情報は回転情報しか含まれなくてもよい、ことが理解され得る。従って、位置調整REQは回転情報しか含まれなくてもよい。制御ボードの空間位置が変化するとき、位置情報は動き情報又は回転情報しか含まれなくてもよく、あるいは、動き情報及び回転情報の両方を含んでもよい。従って、位置調整REQは、動き情報又は回転情報しか含まなくてもよく、あるいは、動き情報及び回転情報の両方を含んでもよい。
【0206】
位置調整REQのフレームフォーマットを統一するために、位置調整REQは動き情報及び回転情報を含み得る。ただし、位置情報が動き情報又は回転情報を含まない場合、位置調整REQ内の動き情報及び回転情報の値はヌル(NULL)にセットされてもよい。環境コントローラはまた、位置調整REQを使用することによって、位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信してもよい。
【0207】
図5は、本発明の実施形態に従う位置調整要求シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
図5に示されているように、位置調整要求シグナリング(タイプ1)は、アクセスネットワークデバイスID、制御ボードID、目標位置(つまり、制御ボードに対応する空間位置)、目標向き(つまり、制御ボードに対応する角度)、及びCRCキャラクタを含むことができ、また、位置調整要求シグナリング(タイプ2)は、アクセスネットワークデバイスID、制御ボードID、運動方向及び移動距離、回転方向及び回転角度、並びにCRCキャラクタを含むことができる。
図5に示されているフレームフォーマットは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解され得る。
【0208】
アクセスネットワークデバイスは、制御ボードからエネルギ保持値及び吸収効率を受信し得る。1つの場合に、制御ボードは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を直接アクセスネットワークデバイスへ送信し得る。相応して、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードからエネルギ保持値及び吸収効率を受信し得る。
【0209】
他の場合に、アクセスネットワークデバイスは、第1リクエストを制御ボードへ送信することによって、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得してもよい。相応して、制御ボードは、アクセスネットワークデバイスから第1リクエストを受信することができ、次いで、制御ボードは、第1リクエストに基づき、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信し得る。
【0210】
第1リクエストは、エネルギ保持値クエリシグナリング(check,CEK)を含んでよく、エネルギ保持CEKは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、制御ボードの識別子(EP-ID)、クエリタイプ、及び巡回冗長検査(cyclic redundancy check,CRC)キャラクタを含み得る。相応して、制御ボードは、アクセスネットワークデバイスからエネルギ保持値クエリシグナリングCEKを受信することができ、次いで、制御ボードは、エネルギ保持値応答シグナリング(response,RSP)をアクセスネットワークデバイスへ送信(フィードバック)してよく、エネルギ保持値RSPは、制御ボードのローカルバッテリの現在のエネルギ保持値情報を運ぶことができ、エネルギ保持値RSPは、制御ボードの識別子(EP-ID)、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、クエリタイプ、クエリ値、及びCRCキャラクタを含み得る。
【0211】
第1リクエストは吸収効率クエリシグナリング(CEK)も含むことができ、吸収効率CEKは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、制御ボードの識別子(EP-ID)、クエリタイプ、及びCRCキャラクタを含み得る。相応して、制御ボードは、アクセスネットワークデバイスから吸収効率CEKを受信することができ、次いで、制御ボードは、吸収効率応答シグナリング(RSP)をアクセスネットワークデバイスへ送信(フィードバック)してよく、吸収効率RSPは、制御ボードの吸収効率と、制御ボードから電磁波を伝送するデバイスまでの間の距離との間の関係を運ぶことができ、また、前の期間に制御ボードによって平均吸収電磁波をローカルバッテリの電気エネルギに変換した効率情報も運ぶことができる。吸収効率RSPは、制御ボードの識別子(EP-ID)、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、クエリタイプ、クエリ値、及びCRCキャラクタを含み得る。
【0212】
エネルギ保持値クエリ要求(シグナリング)及び吸収効率クエリ要求(シグナリング)は別々に送信されてもよく、すなわち、環境コントローラは、毎回、エネルギ保持値又は吸収効率のみをクエリし得る、ことが理解され得る。エネルギ保持値クエリシグナリング及び吸収効率クエリシグナリングは、統一されたフレームフォーマットを使用し得る。BS-IDは、アクセスネットワークデバイスを一意に識別でき、公衆地上移動体網(public land mobile network,PLMN)符号などを含む識別子であってよい。クエリタイプは、エネルギ保持値又は吸収効率などのタイプであってよく、具体的に、特定の値であることができる。例えば、値「1」は、エネルギ保持値がクエリされていることを示すことができ、値「2」は、吸収効率がクエリされていることを示すことができる。巡回冗長検査キャラクタは、データ伝送の際に起こるエラーを検出又はチェックするために使用され得る。クエリ値は、特定のクエリタイプに対応する値であってよい。例えば、クエリタイプが吸収効率であるとき、対応するクエリ値は制御ボードの吸収効率である。クエリタイプがエネルギ保持値であるとき、対応するクエリ値は制御ボードのエネルギ保持値である。
【0213】
図6は、本発明の実施形態に従う、エネルギ保持値及び吸収効率のクエリ要求シグナリング及びクエリ応答シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
図6に示されているように、クエリ要求シグナリングは、アクセスネットワークデバイスID、制御ボードID、クエリタイプ、及びCRCキャラクタを含み得る。クエリ応答シグナリングは、アクセスネットワークデバイスID、制御ボードID、クエリタイプ、クエリ値、及びCRCキャラクタを含み得る。
図6に示されているフレームフォーマットは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない。
【0214】
制御ボードからエネルギ保持値及び吸収効率を受け取った後、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信し得る。1つの場合に、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を直接環境コントローラへ送信し得る。例えば、アクセスネットワークデバイスは、固定周期(例えば、10秒又は30秒)で環境コントローラへ制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を送信してよい。他の場合に、環境コントローラから第2リクエストを受け取った後、アクセスネットワークデバイスは、第2リクエストに基づき、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信してもよい。
【0215】
303.制御ボードは、位置情報に基づき位置を調整する。
【0216】
アクセスネットワークデバイスから位置情報を受け取った後、制御ボードは、位置情報に基づき、制御ボードの位置を調整し得る。
【0217】
制御ボードは、アクセスネットワークデバイスからの位置調整REQを使用することによって、位置情報を受信でき、位置調整REQは、制御ボードの識別子(例えば、EP-ID)、制御ボードの回転情報、制御ボードの動き情報、などを含み得る。制御ボードは、制御ボードの識別子に基づき、位置調整REQが制御ボードへ送信されているかどうかを決定し得る。位置調整REQが制御ボードへ送信されていることを制御ボードが決定すると、制御ボードは、位置調整REQに含まれている回転情報及び/又は動き情報に基づき、制御ボードの位置を調整し得る。
【0218】
回転情報がNULLでないとき、制御ボードは、回転情報に基づき制御ボードの空間方向を調整し得る。回転情報が回転方向及び回転角度を含む場合に、制御ボードは、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整し得る。
【0219】
1つの場合に、回転情報は、回転方向及び回転角度を暗黙的に含み得る。この場合に、回転情報は、
(外10)
、つまり、制御ボードの空間方向(目標向き)であってよく、
(外11)
は、水平方向に基づいた角度値であってよい。回転方向は、デフォルトで時計回り又は反時計回りであってよく、つまり、回転方向は前もって指定されてよい。例えば、90°は、制御ボードが時計回りに水平方向で90°回転する角度を表すことができ、あるいは、制御ボードが反時計回りに水平方向で90°回転する角度を表すことができる。制御ボードは、
(外12)
に基づき、制御ボードが時計回り又は反時計回りに回転する必要がある特定の角度を決定し得る。例えば、制御ボードの現在の空間方向は50°の時計回り方向であり、回転情報は90°である。回転方向がデフォルトで時計回りであると仮定すると、制御ボードは、回転情報に対応する空間方向に調整するために、40°だけ時計回りに回転する必要がある。制御ボードによる空間方向の調整は、制御ボードのメタマテリアルパネルの向き(つまり、姿勢)を調整することである。
【0220】
他の場合に、回転情報は、回転方向及び回転角度を明示的に含んでもよい。この場合に、制御ボードは、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を直接調整し得る。例えば、回転方向は時計回りであり、回転角度は90°である。制御ボードは、対応する空間方向に調整するために、回転情報に基づき90°時計回りに直接回転し得る。
【0221】
回転情報が回転角度しか含まない場合、制御ボードは、回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整し得る。この場合に、制御ボードは、予めデフォルトの回転方向(反時計回り又は時計回り)を有し得る。例えば、制御ボードのデフォルトの回転方向は時計回りである。回転角度が90°であるとき、制御ボードは、対応する空間方向に調整するために、90°だけ時計回りに直接回転し得る。
【0222】
動き情報がNULLでないとき、制御ボードは、動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整し得る。動き情報が運動方向及び移動距離を含む場合に、制御ボードは、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間方向を調整し得る。
【0223】
1つの場合に、動き情報は、運動方向及び移動距離を暗黙的に含み得る。この場合に、動き情報は、絶対目標空間位置(例えば、3次元空間座標)であってよい。制御ボードは、制御ボードの現在位置の3次元空間座標と、目標空間位置の3次元空間座標とに基づき、運動方向及び移動距離を決定し得る。例えば、目標空間位置の3次元空間座標は(0,1,2)であり、制御ボードの現在位置の3次元空間座標は(0,0,2)である。制御ボードは、制御ボードが制御ボードの前方に1メートル動く必要があることを決定し得る。制御ボードは、スライディングガイドレールにより動き得る。
【0224】
他の場合に、動き情報は、代替的に、運動方向及び移動距離を明示的に含んでもよい。この場合に、制御ボードは、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を直接調整し得る。例えば、運動方向が右に移動であり、移動距離が10メートルである場合に、制御ボードは、対応する空間位置に調整するために、10メートル右に直接動き得る。
【0225】
動き情報が移動距離しか含まない場合、制御ボードは、移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整し得る。この場合に、制御ボードは予めデフォルトの運動方向(例えば、右に移動又は左に移動)を有し得る。例えば、制御ボードのデフォルトの運動方向は左に移動である。移動距離が8メートルであるとき、制御ボードは、対応する空間位置に調整するために、8メートル左に直接動き得る。
【0226】
制御ボードが調整を完了した後、制御ボードは、位置調整確認シグナリング(acknowledge,ACK)をアクセスネットワークデバイスへ送信し得る。位置調整ACKは、制御ボードの識別子(EP-ID)、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、調整が成功したかどうかを示すフラグ(Flag)、及びCRCキャラクタを含み得る。フラグが真である場合、それは、制御ボードが位置の調整に成功したことを示す。フラグが偽である場合、それは、制御ボードが位置の調整に失敗したことを示す。フラグが偽であるとき、位置調整ACKは、制御ボードの現在位置情報(例えば、制御ボードの空間位置及び空間方向)を更に含み得る。制御ボードから位置調整ACKを受け取った後、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードの位置調整ACKを環境コントローラへ送信し得るので、環境コントローラは、制御ボードの位置を要約して記録することができる。環境コントローラは、全ての制御ボードの現在の空間位置情報及び現在の空間方向情報並びに過去の空間位置情報及び過去の空間方向情報をローカルで記憶し得る。位置の調整は、空間位置の調整であってよく、あるいは、空間方向の調整であってよく、あるいは、空間方向及び空間位置の調整であってよい。
【0227】
図7は、本発明の実施形態に従う位置調整確認シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
図7に示されているように、制御ボードが位置の調整に成功した場合、位置調整確認シグナリングは、アクセスネットワークデバイスID、制御ボードID、フラグ(Flag)、及びCRCキャラクタを含み得る。制御ボードが位置の調整に失敗した場合、位置調整確認シグナリングは、アクセスネットワークデバイスID、制御ボードID、フラグ(Flag)、現在の位置(つまり、現在の空間位置)、現在の向き(つまり、現在の角度)、及びCRCキャラクタを含み得る。
図7に示されているフレームフォーマットは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない。
【0228】
アクセスネットワークデバイスは、端末デバイスのサービス品質(quality of service,QoS)をモニタし、QoSに基づき次の伝搬環境制御(つまり、制御ボードの位置を制御すること)を動的にトリガし得る。例えば、端末デバイスのQoSが低いことをアクセスネットワークデバイスが検出するとき、つまり、端末デバイスの通信品質が悪いとき、アクセスネットワークデバイスは位置調整要求を環境コントローラに送信し得る。アクセスネットワークデバイスから位置調整要求を受け取った後、環境コントローラは、制御ボードの位置情報を決定し直し、次いで、位置情報をアクセスネットワークデバイスに送信し得る。アクセスネットワークデバイスが環境コントローラから位置情報を受け取った後、アクセスネットワークデバイスは位置調整REQを制御ボードに送信し得る。次いで、制御ボードがアクセスネットワークデバイスによって送信された位置調整REQを受け取った後、制御ボードは、タイムリな方法で制御ボードの位置(空間位置及び空間方向)を調整して、制御ボードの周囲空間の伝搬環境を最適化し、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の平均伝送品質を改善し、通信システムのスループットを向上させることができる。
【0229】
304.環境コントローラは、制御ボードの状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信する。
【0230】
相応して、アクセスネットワークデバイスは、環境コントローラから制御ボードの状態パターンを受信し得る。
【0231】
状態パターンは状態情報を含むことができ、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態であってよい。アクティブフォワーディング(active transmission)状態は、簡潔にA状態とも呼ばれることがあり、入射した電磁波が増幅された後に反射又は伝送される状態である。制御ボードがアクティブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードのローカルバッテリのエネルギは、入射した電磁波を増幅するために使用されてよく、次いで、増幅された電磁波は反射又は伝送される。
【0232】
図8は、本発明の実施形態に従う、制御ボードが異なる状態にあるときの入射波及び反射/伝送波の模式図である。
図8に示されているように、制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、制御ボードの蓄えられているエネルギは増える。この場合に、制御ボードは、入射した電磁波の能力を吸収し、入射した電磁波を電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることができる。従って、この場合には、対応する反射/伝送波は存在しない。制御ボードがパッシブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードの蓄えられているエネルギは不変なままである。この場合に、制御ボードは、入射した電磁波を受動的に反射又は伝送するだけであり、周囲環境からエネルギを吸収したり、ローカルバッテリのエネルギを外に解放したりしない。制御ボードがアクティブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードの蓄えられているエネルギは減る(電力は低下する)。制御ボードは、ローカルバッテリのエネルギを使用して、入射した電磁波を増幅し、次いで、増幅した電磁波を反射又は伝送し得る。ただし、増幅した電磁波は、入射した電磁波より振幅が小さいか、あるいは、入射した電磁波よりも大きい振幅を有する場合があり、対応する増幅倍数に関係がある。アクティブフォワーディング状態での反射/伝送波は、パッシブフォワーディング状態での反射/伝送波よりも大きい振幅を有する。
図8に示されている入射波及び反射/伝送波は記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0233】
環境コントローラは、最初に、制御ボードの状態パターンを決定してよく、次いで、制御ボードの状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信してよい。
【0234】
位置情報を決定した後、環境コントローラは、位置情報に対応する制御ボードの状態パターンを決定し得る。環境コントローラは、3次元空間マップ及び制御ボードの位置情報に基づき制御ボードの状態パターンを決定し得る。アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの伝送パス及び伝送損失は、制御ボードの位置情報に応じて変化し得る。従って、環境コントローラは、最初に、制御ボードの位置情報を決定し得る。環境コントローラが制御ボードの位置情報を決定した後、制御ボードの位置(空間位置及び空間方向)は固定状態にあってよい。この場合に、制御ボードが異なる状態にあるとき、制御ボードは、周囲空間の伝搬環境への異なる変化を引き起こす。アクセスネットワークデバイスによって端末デバイスへ送信された信号は、異なるパスを通って端末デバイスに達することができ、端末デバイスによって受信された信号は、異なる電力を有し得る。
【0235】
例えば、
図4に示されているように、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス1(ロボットアーム)に伝送される無線電磁波信号から3つのパスが存在してよく、Ω
1,1は、アクセスネットワークデバイスから端末デバイス1へのライン・オブ・サイト(LOS)であり、Ω
1,2は、アクセスネットワークデバイスから制御ボード4によって反射された後の端末デバイス1への非ライン・オブ・サイト(NLOS)であり、Ω
1,3は、アクセスネットワークデバイスから制御ボード1によって反射された後の端末デバイス1への非ライン・オブ・サイト(NLOS)である。なお、制御ボード4が吸収及びエネルギ保持状態(C状態)にある場合に、このパスΩ
1,2上の信号は端末デバイス1には届かず、制御ボードによって吸収され、電気エネルギに変換され、ローカルバッテリに蓄えられる。制御ボード4がパッシブ又はアクティブフォワーディング状態(P状態又はA状態)にある場合に、このパスΩ
1,2上の信号は端末デバイス1に届くが、パッシブフォワーディング状態はアクティブフォワーディング状態よりも大きい損失(より深刻な減衰)を有する。従って、端末デバイス1に届く信号の強さは異なる。アクティブフォワーディング状態での信号強度は、より高い(受信電力は、より高い)。同様に、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス2(携帯電話)へ伝送される無線電磁波信号から2つのパスが存在してよく、Ω
2,1は、アクセスネットワークデバイスから端末デバイス2へのライン・オブ・サイトであり、Ω
2,2は、アクセスネットワークデバイスから制御ボードNによって反射された後の端末デバイス2への非ライン・オブ・サイトである。制御ボードNが別々にC状態、P状態、及びA状態にある場合、このパスΩ
2,1上の端末デバイス2に届く信号も異なり得る。
【0236】
制御ボードは、1つの瞬間に上記の3つの状態のうちのいずれか1つにあることができる。制御ボードの状態パターンの時間粒度はΔtであると仮定すると、期間Tには(3(T/Δt))M個の場合が存在し得る。環境コントローラは、各場合においてアクセスネットワークデバイスと端末デバイスとの間の平均通信品質又は平均スループットなどのインジケータを決定し得る。次いで、環境コントローラは、目標状態パターンとして、平均通信品質又は平均スループットなどのインジケータが最良である場合におけるM個の状態パターンを決定し得る。
【0237】
環境コントローラは、式(8)を使用することによって、(3
(T/Δt))
M個の場合の中で目標状態パターンを決定し得る:
【数9】
【0238】
上記の式中のSは、状態パターンセットであり、(3(T/Δt))M個の場合(値)を有し、S={S1,・・・,SM}と表記でき、ここで、Sm=[・・・,Cm(t1),Pm(t2),Am(t3),・・・]、1≦m≦M、かつ0≦t1<t2<t3≦Tである。状態パターンセットはM個の要素を含み、M個の要素のうちの1つは、期間T内の制御ボードのT/Δt個の状態であり、各状態は、3つの状態のうちのいずれか1つであってよい。従って、全部で(3(T/Δt))M個の状態パターンセットがある。式(8)は式(1)に類似している。詳細については、ステップ301の関連する説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。バーRsumが最大であるM個の状態パターン、つまり、選択されたM個の制御ボードの状態パターンは、式(8)を使用することによって決定され得、M個の状態パターンは、通信システムの平均スループットを最大化し得る、ことが分かる。
【0239】
環境コントローラが制御ボードの状態パターンを決定した後、環境コントローラは状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信し得る。状態パターンの開始時間はt0であってよく、時間粒度はΔtであってよく、状態パターンはSと表現されてよく、状態パターンは状態パターンシーケンスとも呼ばれ得る。
【0240】
具体的に,状態パターンは3つ状態:A状態、P状態、及びC状態を含むシーケンス、例えば、{AAAAAPPC}であってよく、あるいは、簡単なシーケンス形式、例えば、{C5P2A1}であってよく、あるいは、具体的な状態パターンインデックス{インデックス}であってもよい。
【0241】
例えば、状態パターンS={AAAAAPPC}は、瞬間t0から瞬間t0+5Δtまでは制御ボードがA状態にあり、瞬間t0+5Δtから瞬間t0+7Δtまでは制御ボードがP状態にあり、瞬間t0+7Δtから瞬間t0+8Δtまでは制御ボードがC状態にあり、制御ボードはt0+8Δtの後の瞬間に上記の状態パターンを周期的に繰り返し得る、ことを示すことができる。状態パターンS={AAAAAPPC}は、圧縮された表現S={C5P2A1}としても表現でき、文字C/P/Aは制御ボードの状態を表し、文字に続く数字は、状態が続く時間粒度の数を表す。状態パターンはS={インデックス}であり、インデックス(Index)は、標準プロトコルを使用することによって受信エンド及び送信エンド(つまり、環境コントローラ及びアクセスネットワークデバイス)によって事前に合意された周知の状態パターンを表す。例えば、インデックス「1」はS={AAAAAPPC}を表し得る。
【0242】
状態パターンを送信するとき、環境コントローラは、制御ボードの識別情報、例えば、制御ボードのIDも送信し得る。制御ボードのIDは、制御ボードの状態パターンと一対一の対応にある。
【0243】
状態パターンを決定するとき、環境コントローラは、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を考慮しない。従って、決定された状態パターンが利用不可能である場合が存在する可能性がある。
【0244】
例えば、環境コントローラによって決定された状態パターンはS={AAAAAPPC}である。この場合に、制御ボードは長期間A状態にあり、これにより、制御ボードの電力消費量は高くなるが、制御ボードの電力は不十分である可能性がある。従って、特定の瞬間に、制御ボードは、A状態にあるときに使用される十分な電力を有さない場合がある。その結果、制御ボードは、入射した電磁波を有効にかつ能動的に転送することができない。制御ボードのバッテリのエネルギ保持値は状態パターン内のA状態の有効な継続時間を制限する、ことが分かる。相応して、S={CCCCCPAC}の場合に、制御ボードは、長期間吸収及びエネルギ保持状態(C状態)にあり、制御ボードは、長期間周囲電磁波のエネルギを吸収し、吸収したエネルギを電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることができる。なお、制御ボードが最初に高い電力を有する場合には、制御ボードは、非常に短い期間でローカルバッテリのエネルギ保持値の上限に達し得る。この場合に、制御ボードは、電磁波のエネルギを引き続き吸収し、次いで、エネルギを電気エネルギに変換するが、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることはできず、電気エネルギの無駄を生じさせる。
【0245】
上記の場合を回避するために、環境コントローラは、状態パターンを決定するときにエネルギ保持値及び吸収効率を考慮してもよく、すなわち、環境コントローラは、3次元空間マップ、制御ボードの位置情報、並びに制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率に基づき、制御ボードの状態パターンを決定し得る。
【0246】
具体的に、式(8)は改善され得、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率に関する関数が式(8)に加えられる。例えば、制限機能が加えられてもよく、いくつかの場合は、制限機能、すなわち、利用不可能な状態パターンが除外される場合を使用することによって、(3(T/Δt))M個の場合から除外され得る。制御ボードの状態パターンはS={AAAAAPPC}であり、時間粒度Δtは5秒であり、状態パターンは8Δt内の制御ボードの状態を含み、1つの位置での制御ボードの吸収効率は50%であり、制御ボードのエネルギ保持値は20%であり、制御ボードの全バッテリ容量は100ミリアンペア時(mAh)である、と仮定される。制御ボードは、制御ボードが5秒間A状態にあるときに1mAhを消費し、制御ボードが5秒間C状態にあるときに1mAhのエネルギを蓄え得る。従って、制御ボードは4秒ごとに全部で4mAhを消費することになり、状態パターンが4周期繰り返した後、制御ボードのエネルギ保持値は0になる。従って、5回目の周期の開始時、制御ボードは、A状態にある場合に使用される電力を有さず、その結果、入射した電磁波を有効にかつ能動的に転送することができない。
【0247】
環境コントローラは、制御ボードが、状態パターンを使用するときに、入射した電磁波を有効にかつ能動的に転送することができることを保証するために、いくつかの利用不可能な状態パターンを計算により決定し得る。
【0248】
環境コントローラは、制御ボードの位置及び制御ボードの状態パターンの両方を決定することができる、ことが理解され得る。環境コントローラは、制御ボードのM個の位置の組Lと、M個の位置での制御ボードの状態Sとを考慮することができ、つまり、式(1)と式(8)とを組み合わせることができる。詳細については、式(9)を参照されたい。
【数10】
【0249】
上記の式中のL及びSは結合されている。Lが空間位置のみを含み、空間方向を含まない場合、全部でCN
M・(3(T/Δt))M個の場合が存在する。Lが空間位置及び空間方向の両方を含む場合、全部でCN
M・SM・(3(T/Δt))M個の場合が存在する。バーRsumが最大であるM個の位置、及び各位置での制御ボードの状態パターンが、式(9)を使用することによって決定され得る、ことが理解され得る。
【0250】
制御ボードの空間位置及び制御ボードの状態パターンを別々に決定する場合に、環境コントローラは、CN
M+(3(T/Δt))M個の場合を検討する必要があり、つまり、CN
M+(3(T/Δt))M個の結果バーRsumを計算する必要がある。制御ボードの空間位置及び状態パターンの両方を決定する場合に、環境コントローラは、CN
M・(3(T/Δt))M個の場合を検討する必要がある。制御ボードの位置(空間位置及び空間方向)及び制御ボードの状態パターンを別々に決定する場合に、環境コントローラは、CN
M・SM+(3(T/Δt))M個の場合を検討する必要がある。制御ボードの位置及び状態パターンの両方を決定する場合に、環境コントローラは、CN
M・SM・(3(T/Δt))M個の場合を検討する必要がある。環境コントローラは各場合において異なる計算量を有する可能性がある、ことが分かる。制御ボードの位置及び状態パターンの両方を決定する場合に、環境コントローラは大きい計算量を有する可能性があるが、この場合に、より多くの場合においてバーRsumを考慮し得る。従って、環境コントローラは、より正確な結果(位置及び状態パターン)を取得することができる。
【0251】
環境コントローラは、制御ボードの位置情報及び状態パターンの両方をアクセスネットワークデバイスへ送信し得る、ことが理解され得る。
【0252】
305.アクセスネットワークデバイスは、制御ボードの状態パターンを制御ボードへ送信する。
【0253】
アクセスネットワークデバイスが環境コントローラから制御ボードの状態パターンを受け取った後、アクセスネットワークデバイスは状態パターンを制御ボードへ送信し得る。
【0254】
アクセスネットワークデバイスは、状態パターン要求シグナリング(Request、REQ)を使用することによって、位置情報を制御ボードへ送信し得る。状態パターンREQは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、制御ボードの識別子(EP-ID)、開始時間t0、時間粒度Δt、状態パターンシーケンス、及びCRCキャラクタを含み得る。
図9は、本発明の実施形態に従う状態パターン要求シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
図9に示されているフレームフォーマットは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解され得る。
【0255】
アクセスネットワークデバイスが位置情報及び状態パターンを制御ボードへ送信した後、制御ボードは、相応して、位置情報及び状態パターンに基づき、制御ボードの位置及び状態パターンを調整(設定)し得る。従って、伝送損失(例えば、大規模パス伝送損失の平均値)が予想され得る無線伝搬環境は、アクセスネットワークデバイスが端末デバイスのチャネル品質を決定することができるように、特定の空間範囲及び特定の期間において構成され得る。
【0256】
アクセスネットワークデバイスは、3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定し得る。次いで、アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質に基づき端末デバイスにリソースを割り当てることができ、次いで、リソースに関する情報を端末デバイスへ送信し得る。チャネル品質は、信号対雑音比であってよく、あるいは、伝送損失、基準信号受信電力(reference signal receiver power,RSRP)などであってよい。アクセスネットワークデバイスによって端末デバイスに割り当てられたリソースは、アップリンクリソース及び/又はダウンリンクリソースを含み得る。
【0257】
アクセスネットワークデバイスは、ある期間における端末デバイスの平均通信品質を決定することができ、例えば、式(1)のγk,i(t)を決定し得る。次いで、アクセスネットワークデバイスは、rank(Ωk(t))個の伝送パスの平均信号対雑音比を端末デバイスの平均通信品質として使用し得る。γk,i(t)を決定する方法については、上記の関連する記載を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0258】
アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質に基づきリソースを端末デバイスに割り当て得る。チャネル品質が良い場合、つまり、信号対雑音比が高い場合、望んでいる信号に対する雑音の干渉は低い。従って、通信ビット誤り率は低く、通信受信器は、通信送信器によって送信されたデータを有効に受信することができる。チャネル品質が悪い場合、通信ビット誤り率は高く、通信受信器は、送信器によって送信されたデータを有効に受信することができない。従って、アクセスネットワークデバイスは、信号品質が良い端末デバイス(例えば、信号対雑音比が特定の閾値よりも大きい端末デバイス)に大量のリソースを割り当て、信号品質が悪い端末デバイス(例えば、信号対雑音比が特定の閾値よりも小さい端末デバイス)に少量のリソースを割り当てて、リソースの無駄を回避し、リソース利用を改善することができる。
【0259】
アクセスネットワークデバイスは、時間-周波数リソース割り当てコマンドシグナリング(command,CMD)を使用することによって、リソースに関する情報を端末デバイスへ送信し得る。シグナリングは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、端末デバイスの識別子(UE-ID)、時間-周波数リソースブロック識別子(resource block ID,RB-ID)、及びCRCキャラクタを含み得る。端末デバイスの識別子は、アクセスネットワークデバイスにおいて端末デバイスへアクセスネットワークデバイスによって割り当てられた一意の識別子であってよく、時間-周波数リソースブロック識別子は、端末デバイスに割り当てられている時間-周波数リソースを一意に識別し得る。時間-周波数リソースブロック識別子は、特定の時間領域リソース及び特定の周波数領域リソース(例えば、サブキャリア)であってよく、あるいは、時間領域リソース及び周波数領域リソースに対応するインデックスであってよい。端末デバイスがアクセスネットワークデバイスから時間-周波数リソース割り当てCMDを受け取った後、端末デバイスは、時間-周波数リソース割り当て確認シグナリング(acknowledgement,ACK)をアクセスネットワークデバイスへ送信してもよく、シグナリングは、端末デバイスの識別子(UE-ID)、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、時間-周波数リソースの設定に成功したかどうかを示すフラグ(Flag)、及びCRCキャラクタを含み得る。フラグが真である場合、それは、端末デバイスが時間-周波数リソースの設定に成功したことを示す。フラグが偽である場合、それは、端末デバイスが時間-周波数リソースの設定に失敗したことを示す。アップリンクリソース割り当て又はダウンリンクリソース割り当てのフレームフォーマットは、既存の標準規格で定義されている時間-周波数リソース割り当てフレームフォーマットであってよい。
【0260】
アクセスネットワークデバイスは、チャネル品質に基づき伝送電力を更に決定することができ、伝送電力は、アクセスネットワークデバイスの伝送電力と、端末デバイスの伝送電力とを含み得る。
【0261】
チャネル品質が良い場合、つまり、信号対雑音比が高い場合、望んでいる信号に対する雑音の干渉は低い。従って、アクセスネットワークデバイスは、低い伝送電力で端末デバイスへ信号を送信でき、低い伝送電力を端末デバイスに指示できるので、アクセスネットワークデバイス及び端末デバイスの平均電力消費は削減され得る。チャネル品質が悪い場合、通信ビット誤り率は高くなる。従って、アクセスネットワークデバイスは、高い伝送電力で端末デバイスへ信号を送信することになり、高い伝送電力を端末デバイスに指示することになるので、ビット誤り率を下げることができ、通信システムの平均スループットは改善され得る。
【0262】
例えば、アクセスネットワークデバイスは、伝送損失に基づきアクセスネットワークデバイスの伝送電力及び端末デバイスの伝送電力を決定し得る。例えば、アクセスネットワークデバイスの伝送電力が決定される。端末デバイスの受信器感度(最小受信電力)は-100dBmであり、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイスに送信された信号は伝送過程で45dBだけ減衰する可能性があり、特定の減衰マージン(例えば、10dB)が考慮され得るので、より大きい伝送損失が許容できる、と仮定される。従って、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイスに送信された信号の最小伝送電力は-45dBmになる。相応して、アクセスネットワークデバイスは、アクセスネットワークデバイスの受信器感度に基づき端末デバイスの伝送電力を決定することもできる。
【0263】
アクセスネットワークデバイスは、伝送電力割り当てコマンドシグナリング(command,CMD)を使用することによって、端末デバイスの伝送電力に関する情報を端末デバイスへ送信してよく、シグナリングは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、端末デバイスの識別子(UE-ID)、電力レベル識別子(power level ID,PL-ID)、及びCRCキャラクタを含み得る。PL-IDは、特定の電力値(例えば、-20dBm)であってよく、あるいは、電力インデックス(例えば、「01」)であってよい。電力インデックスは特定の電力値に対応し得る。例えば、「01」に対応する電力値は-25dBmであってよい。端末デバイスがアクセスネットワークデバイスから伝送電力割り当てCMDを受け取った後、端末デバイスは、伝送電力割り当て確認シグナリング(acknowledgement,ACK)をアクセスネットワークデバイスへ送信してもよく、シグナリングは、端末デバイスの識別子(UE-ID)、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、電力の設定に成功したかどうかを示すフラグ(Flag)、及びCRCキャラクタを含み得る。フラグが真である場合、それは、端末デバイスが電力の設定に成功したことを示す。フラグが偽である場合、それは、端末デバイスが電力の設定に失敗したことを示す。ダウンリンク電力割り当てのフレームフォーマットは、既存の標準規格で定義されている時間-周波数リソース割り当てフレームフォーマットであってよい。
【0264】
制御ボードの状態パターンは本発明のこの実施形態で設定されるので、アクセスネットワークデバイスの伝送電力及び端末デバイスの伝送電力を決定するときに、アクセスネットワークデバイスは、制御ボードのエネルギ保持値並びに吸収及びエネルギ保持効率を更に考慮して、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率を改善し得る。例えば、制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、アクセスネットワークデバイスは、高い伝送電力で端末デバイスへ信号を送信してよく、それにより、制御ボードは、周囲環境からより多くの電磁波エネルギを吸収することができ、より多くのエネルギを電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルで蓄えて、制御ボードの吸収及びエネルギ保持効率を向上させることができる。
【0265】
例えば、
図10は、本発明の実施形態に従う他のシナリオの模式図である。
図10に示されているように、アクセスネットワークデバイスのカバレッジエリアは、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の距離に基づき、近いエリア、中間のエリア、及び遠いエリアに分けられ、アクセスネットワークデバイスの近いエリアには端末デバイス1及び制御ボード1含まれ、中間のエリアには端末デバイス2及び制御ボード2が含まれ、遠いエリアには端末デバイス3及び制御ボード3が含まれる。制御ボード1の状態パターンは{CCCAACCCAA}と設定され、制御ボード2の状態パターンは{CCCSACCCSA}と設定され、制御ボード3の状態パターンは{CCCCCCCSSA}と設定される。
【0266】
入射した電磁波に対して制御ボードによって実行される反射又は伝送は、拡散反射又は拡散透過であってよい。拡散反射は、制御ボード上の入射した電磁波が全ての方向でおおよそ等しいエネルギを持った反射信号を有することを可能にすることができ、拡散透過は、制御ボード上の入射した電磁波が全ての方向でおおよそ等しいエネルギを持った透過信号を有することを可能にすることができる。
【0267】
異なる期間では、制御ボード1、制御ボード2及び制御ボード3の総合的な効果の下で、異なる影響がアクセスネットワークデバイスと端末デバイスとの間の通信で引き起こされる可能性がある、ことが分かる。制御ボードの状態パターンの1つの状態継続期間は1スロットである、と仮定される。
【0268】
制御ボード1、制御ボード2、及び制御ボード3は、スロット1~3において全てC状態にある。この場合に、制御ボードは、入射した電磁波を吸収し得る。従って、スロット1~3では、平均して、アクセスネットワークデバイスのカバレッジエリア全体がエネルギ弱化状態にある。言い換えれば、この場合に、アクセスネットワークデバイスから端末デバイスによって受信される信号の電力は、相応して、受動反射状態で制御ボードによって受信される信号の電力と比較して低下する。なお、端末デバイス1とアクセスネットワークデバイスとの間の距離は短いので、端末デバイス1の元の無線受信電力は高い。従って、アクセスネットワークデバイスによって送信されて端末デバイス1によって受信される信号の信号対雑音比は高い。このようにして、スロット1~3は、アクセスネットワークデバイスとの通信のために端末デバイス1に割り当てられ得る。
【0269】
スロット4~8では、制御ボード1は最初の2つのスロットでA状態にあり、最後の3つのスロットでC状態にあり、制御ボード2はスロット4でS状態にあり、スロット5でA状態にあり、スロット6~8でC状態にあり、制御ボード3はスロット4~7でC状態にあり、スロット8でS状態にある。従って、スロット4~8では、平均して、アクセスネットワークデバイスのカバレッジエリア全体はエネルギ不変状態にある。言い換えれば、この場合に、アクセスネットワークデバイスから端末デバイスによって受信される信号の電力は基本的に、受動反射状態で制御ボードによって受信される信号の電力と同じである。端末デバイス2とアクセスネットワークデバイスとの間の距離は中程度であるから、端末デバイス2の元の無線受信電力は端末デバイス1のそれよりも低く、端末デバイス3のそれよりも高い。従って、アクセスネットワークデバイスによって送信されて端末デバイス2によって受信される信号の信号対雑音比は、端末デバイス1のそれよりも低く、端末デバイス3のそれよりも高い。このようにして、スロット4~8は、アクセスネットワークデバイスとの通信のために端末デバイス2に割り当てられ得る。
【0270】
制御ボード1はスロット9及び10でA状態にあり、制御ボード2はスロット9でS状態にあり、スロット10でA状態にあり、制御ボード3はスロット9でS状態にあり、スロット10でA状態にある。従って、スロット9及び10では、平均して、アクセスネットワークデバイスのカバレッジエリア全体はエネルギ増強状態にある。言い換えれば、この場合に、アクセスネットワークデバイスから端末デバイスによって受信される信号の電力は、相応して、受動反射状態で制御ボードによって受信される信号の電力と比較して増大する。端末デバイス3とアクセスネットワークデバイスとの間の距離は長いので、端末デバイス3の元の無線受信電力は低い。従って、アクセスネットワークデバイスによって送信されて端末デバイス3によって受信される信号の信号対雑音比は低い。このようにして、スロット9及び10は、アクセスネットワークデバイスとの通信のために端末デバイス3に割り当てられ得る。
【0271】
上記の時間-周波数リソース割り当て方法は、次のように理解され得る:制御ボードは、近いエリア内の端末デバイスの無線電磁波エネルギを吸収し、無線電磁波エネルギをローカルバッテリの電気エネルギに変換し、次いで、制御ボードは、ローカルバッテリの能力を消費して、遠いエリア内の端末デバイスの通信を支援し、アクセスネットワークデバイスのエッジエリア内の端末デバイスの通信能力(信号対雑音比)を増強し、無線通信システム全体の平均スループットを改善する。
図10に示されているシナリオは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0272】
図10に示されている伝搬環境について、時間-周波数リソース及び伝送電力のグループを端末デバイス1、端末デバイス2、及び端末デバイス3に割り当てる解決法の効果は、
図11に示されている。
図11は、本発明の実施形態に従う時間-周波数リソース及び伝送電力の割り当ての模式図である。
図11に示されているように、時間領域リソース割り当ての最小単位は2スロットであってよく、2スロットには14個のシンボルが含まれてよく、周波数領域リソース割り当ての最小単位はリソースブロック(resource block,RB)であってよく、RBは周波数における12の連続したサブキャリアを指し得る。アクセスネットワークデバイスは、スロット1及び2の3つのスロットRBを端末デバイス1に割り当ててよく、スロット5及び6の3つのRBを端末デバイス2に割り当ててよく、スロット7及び8の1つのRBを端末デバイス2に割り当ててよく、スロット7及び8の1つのRBを端末デバイス3に割り当ててよく、スロット9及び10の3つのRBを端末デバイス3に割り当ててよい。また、アクセスネットワークデバイスは更に、時間-周波数リソースに対応する伝送電力を端末デバイスに割り当ててもよい。例えば、端末デバイス1の伝送電力はP1であってよく、端末デバイス2の伝送電力P2であってよく、端末デバイスの伝送電力はP3であってよい。端末デバイスは、異なる時間-周波数リソースで異なる伝送電力を使用し得る。P1、P2、及びP3は、アクセスネットワークデバイスによって決定され得る。詳細については、上記の関連する記載を参照されたい。
【0273】
図11に示されている時間-周波数リソース割り当て及び伝送電力割り当ては記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0274】
図12は、本発明の実施形態に従う更に別のシナリオの模式図である。
図12に示されているシナリオは、アクセスネットワークデバイス、端末デバイス1、端末デバイス2、及び制御ボードを含み得る。アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス1に送信された信号は、制御ボード1によって反射された後に端末デバイス1又は端末デバイス2に達し得る。アクセスネットワークデバイスから制御ボードへの伝搬経路はP1と表記され、制御ボードから端末デバイス1への伝搬経路はP2と表記され、制御ボードから端末デバイス2への伝搬経路はP3と表記され、アクセスネットワークデバイスから端末デバイス1への伝搬経路(LOS)はP4と表記され、アクセスネットワークデバイスから端末デバイス2への伝搬経路(LOS)はP5と表記される。光の速度はcによって表すことができ、メートル毎秒(m/s)の単位であることができ、伝搬経路Pnの長さ距離はシンボル|Pn|によって表すことができ、メートルの単位であることができ、パスPn上の伝搬遅延はシンボルτ
n=|Pn|/cによって表すことができ、秒の単位であることができる。
【0275】
制御ボードは受動反射状態又は能動反射状態にある、と仮定される。瞬間t0で、アクセスネットワークデバイスは信号XAを端末デバイス1へ送信し、XAは、経路P4及びP1+P4を通って端末デバイス1に達し得る。瞬間t0+τ4及び瞬間t0+τ1+τ2で、端末デバイス1は同じ情報を持った2つの信号XAを別々に受信し得る。無線通信のブロードキャスト効果により、信号XAは、経路P5及びP1+P3を取って端末デバイス2によっても受信(リッスン)され得る。言い換えれば、瞬間t0+τ5及び瞬間t0+τ1+τ3で、端末デバイス2は同じ情報を持った2つの信号XAを別々に受信し得る。瞬間t1=t0+ΔTで、Δtは信号XAの連続送信時間を表し、アクセスネットワークデバイスは信号XBを端末デバイス2へ送信し得る。同様に、端末2は瞬間t1+τ5及び瞬間t1+τ1+τ3で信号XBを受信でき、端末デバイス1も瞬間t1+τ4及び瞬間t1+τ1+τ2で信号XBを受信できる。
【0276】
t1+τ5とt0+τ1+τ3との間の時間インターバルがΔTよりも大きくない場合、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス1へ送信された信号は、アクセスネットワークデバイスによって端末デバイス2へ送信された信号との干渉を引き起こす、ことが分かる。言い換えれば、端末デバイス2は信号XA及び信号XBの両方を受信し得る。従って、2つの信号は、干渉を生じるよう重ね合わされ、2つの信号の周波数が同じである場合、端末デバイスは、2つの信号を有効に区別することができない。しかし、制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、制御ボードは、経路P1を通るアクセスネットワークデバイスの信号を吸収し、信号を制御ボードのローカルバッテリの電気エネルギに変換し得る。従って、端末デバイス1によって端末デバイス2に引き起こされる干渉は低減され得る。
【0277】
図13は、本発明の実施形態に従う時間領域インパルス応答の模式図である。
図13に示されているように、制御不能の伝搬環境では、マルチユーザ信号エイリアシングが端末デバイス1及び端末デバイス2の時間領域インパルス応答に対して生成される。制御可能な伝搬環境では、状態切替が適切な時間インターバルでC状態と、P状態と、A状態との間で制御ボードに対して実行される。このように、制御ボードは、元の反射経路のエネルギの吸収することができ、エネルギを制御ボードのローカルバッテリの電気エネルギに変換して、時間領域でのマルチユーザ信号エイリアシングを低減し又は除去さえする。
【0278】
時間-周波数リソースを端末デバイスに割り当てるとき、アクセスネットワークデバイスは制御ボードの状態パターンを考慮し得る、ことが分かる。制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、同じ周波数、異なる時間のリソース(つまり、同じ周波数領域リソース及び異なる時間領域リソース)が異なる端末デバイスに割り当てられ、同じ周波数、異なる時間の端末デバイス間のクロストークは、制御ボードを使用することによって低減される。
図14は、本発明の実施形態に従う時間-周波数リソース割り当ての模式図である。
図14に示されているように、時間領域リソース割り当ての最小単位は1スロットであってよく、1スロットには14個のシンボルが含まれてよく、周波数領域リソース割り当ての最小単位はRBであってよい。アクセスネットワークデバイスは、スロット1及び2の3つのスロットRBを端末デバイス1に割り当ててよく、スロット3及び4の3つのRBを端末デバイス2に割り当ててよい。端末デバイスがリソース上でアクセスネットワークデバイスへ信号を送信するか、又は端末デバイスがリソース上でアクセスネットワークデバイスから信号を受信し、信号が制御ボードに達するとき、信号は制御ボードによって吸収され得るので、端末デバイス間の信号エイリアシングは低減又は除去でき、端末デバイスの信号対干渉及び雑音比(signal to interference plus noise,SINR)は改善され得る。
図11に示されているシナリオ及び
図14に示されている時間-周波数リソース割り当ては記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0279】
アクセスネットワークデバイスは、制御ボードの位置情報及び状態パターンの両方を制御ボードへ送信し得る、ことが理解され得る。代替的に、アクセスネットワークデバイスは、リソースに関する情報及び伝送電力の両方を端末デバイスへ送信し得る。
【0280】
図15は、本発明の実施形態に従う、端末デバイスと、アクセスネットワークデバイスと、制御ボードとの間のシグナリング交換の模式図である。
図15に示されているように、アクセスネットワークデバイスは、位置を調整するよう制御ボードに要求し得る。最初に、アクセスネットワークデバイスは位置調整REQを制御ボードへ送信し得る。次いで、制御ボードは、位置調整REQに基づき制御ボードの位置を調整し得る。制御ボードの位置が調整された後、制御ボードは位置調整ACKを基地局へフィードバックし得る。
【0281】
アクセスネットワークデバイスは、状態パターンを設定するよう制御ボードに要求し得る。最初に、アクセスネットワークデバイスは状態パターンREQを制御ボードへ送信し得る。次いで、制御ボードは、状態パターンREQに基づき制御ボードの状態を調整し得る、つまり、制御ボードのメタマテリアルパネルが全体としてC状態と、P状態と、A状態との間で規則的に切り替わることを可能にする。制御ボードの状態パターンが設定された後、制御ボードは状態パターンACKをアクセスネットワークデバイスへフィードバックし得る。
【0282】
アクセスネットワークデバイスは時間-周波数リソース及び伝送電力を端末デバイスに割り当て得る。最初に、アクセスネットワークデバイスは時間-周波数リソース割り当てCMDを端末デバイスへ送信してよく、端末デバイスは時間-周波数リソース割り当てACKをアクセスネットワークデバイスへフィードバックしてよい。次いで、アクセスネットワークデバイスはエネルギ保持値CEKを制御ボードへ送信してよく、制御ボードはエネルギ保持値RSPをアクセスネットワークデバイスへフィードバックしてよく、エネルギ保持値RSPは、制御ボードのローカルバッテリの現在のエネルギ保持値の情報を運び得る。次に、アクセスネットワークデバイスは伝送電力割り当てCMDを端末デバイスへ送信してよく、端末デバイスは伝送電力割り当てACKをアクセスネットワークデバイスへフィードバックしてよい。最後に、アクセスネットワークデバイスは吸収効率CEK(周期タイマ又は非周期イベントによってトリガされ得る)を制御ボードへ送信してよく、制御ボードは、吸収効率RSPをアクセスネットワークデバイスへフィードバックしてよい。
【0283】
図15に示されているフローチャートは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。4組のシグナリング、つまり、時間-周波数リソース割り当て(CMD/ACK)、エネルギ保持値(CEK/RSP)、伝送電力割り当て(CMD/ACK)、及び吸収効率(CEK/RSP)の順序は固定されず、システムの実際の状況に基づき柔軟に調整されてよい。
【0284】
306.制御ボードは状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整する。
【0285】
アクセスネットワークデバイスから状態パターンを受け取った後、制御ボードは状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整し得る。
【0286】
制御ボードは、アクセスネットワークデバイスからの状態パターンREQを使用することによって、状態パターンを受信し得る。状態パターンREQは、制御ボードの識別子(例えば、EP-ID)、開始時間t0、時間粒度Δt、状態パターンシーケンス、などを含み得る。制御ボードは、制御ボードの識別子に基づき、状態パターンREQが制御ボードへ送信されるかどうかを決定し得る。
【0287】
状態パターンREQが制御ボードへ送信されることを制御ボードが決定するとき、制御ボードは、開始時間t0、時間粒度Δt、及び状態パターンシーケンスを決定し得る。
【0288】
制御ボードは、状態パターンシーケンスを設定してよく、次いで、状態パターンシーケンスに基づき制御ボードの状態を調整してよい。例えば、状態パターンシーケンスは{AAAAAPPC}である。制御ボードは、瞬間t0から瞬間t0+5Δtまで制御ボードの状態をA状態に調整してよく、制御ボードは、瞬間t0+5Δtから瞬間t0+7Δtまで制御ボードの状態をP状態に調整してよく、制御ボードは、瞬間t0+7Δtから瞬間t0+8Δtまで制御ボードの状態をC状態に調整してよい。t0+8Δtの後の瞬間に、制御ボードは、新しい状態パターンが受け取られるまで、上記の状態パターンを周期的に繰り返し得る。
【0289】
制御ボードが状態パターンを設定した後、制御ボードは状態パターン応答シグナリング(ACK)をアクセスネットワークデバイスへ送信(フィードバック)してよく、シグナリングは、制御ボードの識別子(EP-ID)、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、状態パターンの設定に成功したかどうかを示すフラグ(Flag)、及びCRCキャラクタを含み得る。フラグが真である場合、それは、制御ボードの状態パターンが設定に成功したことを示す。フラグが偽である場合、それは、制御ボードの状態パターンが設定に失敗したことを示す。
図16は、本発明の実施形態に従う状態パターン確認シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
図16に示されているフレームフォーマットは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。相応して、アクセスネットワークデバイスは制御ボードから状態パターンACKを受信でき、次いで、制御ボードの状態パターンACKを環境根ローラへ送信できるので、環境コントーラは制御ボードの状態パターンを要約して記録することができる。環境コントローラは、全ての制御ボードの現在の状態パターンに関する情報及び過去の状態パターンに関する情報をローカルで記憶し得る、ことが分かる。
【0290】
図17は、本発明の実施形態に従う制御ボードの位置及び状態の調整のフローチャートである。
図17に示されているように、制御ボードは設定シグナリング(つまり、上記の位置調整REQ)に基づき位置を調整でき、制御シグナリング(つまり、上記の状態パターンREQ)に基づきパッシブフォワーディング状態と、アクティブフォワーディング状態と、吸収及びエネルギ保持状態との間の状態切替を実行し得る。次いで、制御ボードは、端末デバイスの通信を支援するように特定の伝搬環境を形成し、通信システムの平均スループットを改善し得る。次いで、新しい設定シグナリングを受信するとき、環境コントローラは制御ボードの位置及び状態パターンを再調整し得る。
図16に示されているフローチャートは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【0291】
本発明のこの実施形態で、環境コントローラは、計算により制御ボードの位置情報及び状態パターンを決定し、次いで、アクセスネットワークデバイスは、位置情報及び状態パターンを制御ボードへ送信し、それにより、制御ボードは制御ボードの位置及び状態を調整する。位置情報及び状態パターンを決定するとき、環境コントローラは、通信システムの平均通信レート及び平均スループットなどのインジケータを最大にすることを考える。従って、制御ボードによって最適化された伝搬環境は、通信システムの平均スループットを最大にし得る。
【0292】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図18は、本発明の実施形態に従う通信装置の構造の模式図である。通信装置は制御ボード又は制御ボード内のモジュールであってよい。
図18に示されているように、通信装置は:
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取るよう構成される受信ユニット1801と、
位置情報に基づき制御ボードの位置を調整するよう構成される調整ユニット1802と、含んでよく、
受信ユニット1801は、状態パターンをアクセスネットワークデバイスから受け取るよう更に構成され、
調整ユニット1802は、状態パターンに基づき制御ボードの状態を調整するよう更に構成される。
【0293】
実施形態において、調整ユニット1802が位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転情報に基づき制御ボードの空間方向を調整すること、及び/又は動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0294】
実施形態において、回転情報は、回転方向及び回転角度を含み、調整ユニット1802が位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することを含む。
【0295】
実施形態において、回転情報は回転角度を含み、調整ユニット1802が位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整することを含む。
【0296】
実施形態において、動き情報は運動方向及び移動距離を含み、調整ユニット1802が位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0297】
実施形態において、動き情報は移動距離を含み、調整ユニット1802が位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは:
移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整することを含む。
【0298】
実施形態において、通信装置は:
エネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成される送信ユニット1803を更に含み得る。
【0299】
実施形態において、受信ユニット1801は、エネルギ保持値及び吸収効率を要求するために使用される第1リクエストをアクセスネットワークデバイスから受け取るよう更に構成される。
【0300】
受信ユニット1801、調整ユニット1802、及び送信ユニット1803のより詳細な説明については、
図3に示されている方法の実施形態における制御ボードの関連する記載を直接参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0301】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図19は、本発明の実施形態に従う他の通信装置の構造の模式図である。通信装置は、アクセスネットワークデバイス又はアクセスネットワークデバイス内のモジュールであってよい。
図19に示されているように、通信装置は:
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取るよう構成され、位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、受信ユニット1901と、
位置情報を制御ボードへ送信するよう構成される送信ユニット1902と、を含んでよく、
受信ユニット1901は、制御ボードの状態パターンを環境コントローラから受け取るよう更に構成され、状態パターンは状態情報を含み、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態であり、
送信ユニット1902は、状態パターンを制御ボードへ送信するよう更に構成される。
【0302】
実施形態において、回転情報は回転方向及び回転角度を含む。
【0303】
実施形態において、回転情報は回転角度を含む。
【0304】
実施形態において、動き情報は運動方向及び移動距離を含む。
【0305】
実施形態において、動き情報は移動距離を含む。
【0306】
実施形態において、送信ユニット1902は、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を環境コントローラへ送信するよう更に構成される。
【0307】
実施形態において、受信ユニット1901は、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを環境コントローラから受け取るよう更に構成される。
【0308】
実施形態において、受信ユニット1901は、エネルギ保持値及び吸収効率を制御ボードから受け取るよう更に構成される。
【0309】
実施形態において、送信ユニット1902は、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを制御ボードへ送信するよう更に構成される。
【0310】
実施形態において、通信装置は:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定するよう構成され、3次元空間マップが、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、決定ユニット1903と、
チャネル品質に基づきリソースを端末デバイスに割り当てるよう構成される割り当てユニット1904と、を更に含んでもよく、
送信ユニット1902は、リソースに関する情報を端末デバイスへ送信するよう更に構成される。
【0311】
実施形態において、決定ユニット1903は、3次元空間マップと、制御ボードの位置情報及び状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定するよう更に構成され、
決定ユニット1903は、チャネル品質に基づき伝送電力を決定するよう更に構成され、
送信ユニット1902は、伝送電力を端末デバイスへ送信するよう更に構成される。
【0312】
実施形態において、吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が、増幅された後に反射又は伝送される状態であり、パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。
【0313】
受信ユニット1901、送信ユニット1902、決定ユニット1903、及び割り当てユニット1904のより詳細な説明については、
図3に示されている方法の実施形態におけるアクセスネットワークデバイスの関連する記載を直接参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0314】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図20は、本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。通信装置は、環境コントローラ又は環境コントローラ内のモジュールであってよい。
図20に示されているように、通信装置は:
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成され、位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、送信ユニット2001を含んでよく、
送信ユニット2001は、制御ボードの状態パターンをアクセスネットワークデバイスへ送信するよう更に構成され、状態パターンは状態情報を含み、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である。
【0315】
実施形態において、回転情報は回転方向及び回転角度を含む。
【0316】
実施形態において、回転情報は回転角度を含む。
【0317】
実施形態において、動き情報は運動方向及び移動距離を含む。
【0318】
実施形態において、動き情報は移動距離を含む。
【0319】
実施形態において、通信装置は:
制御ボードの位置情報を決定するよう構成される決定ユニット2002を更に含み得る。
【0320】
実施形態において、決定ユニット2002が制御ボードの位置情報を決定することは:
3次元空間マップに基づき制御ボードの位置情報を決定することを含み、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む。
【0321】
実施形態において、決定ユニット2002が制御ボードの位置情報を決定することは:
3次元空間マップと、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの位置情報を決定することを含み、3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む。
【0322】
実施形態において、通信装置は:
アクセスネットワークデバイスから制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を受け取るよう構成される受信ユニット2003を更に含み得る。
【0323】
実施形態において、送信ユニット2001は、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得するために使用される第2リクエストをアクセスネットワークデバイスへ送信するよう更に構成される。
【0324】
実施形態において、決定ユニット2002は、制御ボードの状態パターンを決定するよう更に構成される。
【0325】
実施形態において、決定ユニット2002が制御ボードの状態パターンを決定することは:
3次元空間マップ及び制御ボードの位置情報に基づき、制御ボードの状態パターンを決定することを含む。
【0326】
実施形態において、決定ユニット2002が制御ボードの状態パターンを決定することは:
3次元空間マップと、制御ボードの位置情報と、制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、制御ボードの状態パターンを決定することを含む。
【0327】
実施形態において、吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が、増幅された後に反射又は伝送される状態であり、パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。
【0328】
送信ユニット2001、決定ユニット2002、及び受信ユニット2003のより詳細な説明については、
図3に示されている方法の実施形態における環境コントローラの関連する記載を直接参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0329】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図21は、本発明の実施形態に従う他の通信装置の構造の模式図である。通信装置は制御装置であってよい。
図21に示されているように、通信装置は、複数のメタマテリアルユニット2101を含む制御ボード2102と、スライディングトラック2103と、メタマテリアルユニット2101に対応するアナログ回路と、無線トランシーバ2104とを含み得る。
【0330】
制御ボード2102上のメタマテリアルユニット2101の数は適用シナリオに応じて様々であることができ、メタマテリアルユニット2101は、制御ボードの角度又は方向が変化し得るように回転され得る。スライディングトラック2103は、制御ボードの空間位置移動を実現するために、モータ及び機械ギアを含み得る。無線トランシーバ2104はバッテリ、クロック、及び状態コントローラを含んでよく、無線トランシーバは他の通信デバイス(アクセスネットワークデバイス又は環境コントローラ)と通信するよう構成され得る。状態コントローラは、メタマテリアルユニット2101が3つの状態、つまり、パッシブフォワーディング状態(P状態)と、アクティブフォワーディング状態(A状態)と、吸収及びエネルギ保持状態(C状態)との間で切り替えられるように、制御ボード2102上のメタマテリアルユニット2101の状態を制御するよう構成され得る。メタマテリアルユニットに対応するアナログ回路は、位相シフト回路(phase-shift circuit)、振幅変調回路(amplitude modulation module)、吸収及びエネルギ保持回路(absorption and energy storage module)、並びに状態スイッチK1及びL2を含み得る。各メタマテリアルユニットは対応するアナログ回路を有することができ、メタマテリアルユニットに対応するアナログ回路は同じであってよい。K1及びK2は物理スイッチ又は仮想スイッチであってよい。
【0331】
図22は、本発明の実施形態に従うアナログ回路の模式図である。
図22に示されているように、アナログ回路は、吸収及びエネルギ保持回路と、位相シフト回路と、振幅変調回路とを含み得る。振幅変調回路は位相シフト回路と吸収及びエネルギ保持回路との夫々に電気的に接続されている。位相シフト回路は、可変コンデンサC1、抵抗R1、及びインダクタL1を含み得る。入射した電磁波の位相は、可変コンデンサC1の容量変化を制御することによって異なるように変更され得る。振幅変調回路は、抵抗R2、抵抗R2、抵抗R4、及び演算増幅器(つまり、オペアンプ)を含み得る。振幅変調回路は、入射した電磁波を増幅して転送し得る。吸収及びエネルギ保持回路は、コンデンサC2、ダイオードD1、ダイオードD2、及びコンデンサC3を含み得る。吸収及びエネルギ保持回路は、入射した電磁波を吸収し、入射した電磁波を電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄え得る。制御ボード2102上の全てのメタマテリアルユニット2101の状態は一様に調整され得、つまり、メタマテリアルユニット2101はC状態、P状態、及びA状態の間の切替のプロセスを一様に実行し得る、ことが留意されるべきである。従って、制御ボードの処理複雑性及び平均システム電力消費は低減され得る。
【0332】
制御ボードは、制御ボードのスイッチK1及びK2を異なる期間において調整してよく、それにより、メタマテリアルユニット2102は全体としてC状態、P状態、及びA状態の間で規則的に変化する。K1及びK2は上向きであり、それにより、制御ボードは吸収及びエネルギ保持状態にあることができ、K1は下向きかつK2は上向きであり、それにより、制御ボードはパッシブフォワーディング状態にあることができ、K1は下向きかつK2は上向きであり、それにより、制御ボードはアクティブフォワーディング状態にあることができる。K1又はK2が上向き又は下向きであることは、物理的にオン/オフ状態を指さず、仮想的に状態切替を指す。
図23は、本発明の実施形態に従う制御ボードの状態切替の模式図である。
図23に示されているように、制御ボードは、スイッチK1及びK2を調整することによって、制御ボードの状態を変化させ得る。
【0333】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図24は、本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
図24に示されているように、通信装置は、プロセッサ2401、メモリ2402、トランシーバ2403、及びバス2404を含み得る。メモリ2402は独立して存在してよく、バス2404を通じてプロセッサ2401に接続され得る。代替的に、メモリ2402はプロセッサ2401と一体化されてもよい。バス2404は、これらのコンポーネントの間の接続を実装するよう構成される。ある場合に、
図15に示されているように、トランシーバ2403は、送信器24031、受信器24032、及びアンテナ24033を含み得る。他の場合に、トランシーバ2403は、送信器(つまり、出力インターフェース)及び受信器(つまり、入力インターフェース)を含み得る。送信器は、送信機及びアンテナを含んでよく、受信器は、受信機及びアンテナを含んでよい。
【0334】
実施形態において、通信装置は、制御ボード又は制御ボード内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。メモリ2402に記憶されているコンピュータプログラムが実行されるとき、プロセッサ2401は、上記の実施形態で実行される動作を実行するように受信ユニット1801及び送信ユニット1803を制御するよう構成される。プロセッサ2401は、調整ユニット1802によって実行される動作を実行するよう更に構成される。トランシーバ2403は、上記の実施形態で送信ユニット1803及び受信ユニット1801によって実行される動作を実行するよう構成される。制御ボード又は制御ボード内のモジュールは、
図3の方法の実施形態で制御ボードによって実行される方法を実行するよう更に構成されてよい。詳細はここで再び記載されない。
【0335】
実施形態において、通信装置は、アクセスネットワークデバイス又はアクセスネットワークデバイス内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。メモリ2402に記憶されているコンピュータプログラムが実行されるとき、プロセッサ2401は、上記の実施形態で実行される動作を実行するように受信ユニット1901及び送信ユニット1902を制御するよう構成される。プロセッサ2401は、決定ユニット1903及び割り当てユニット1904によって実行される動作を実行するよう更に構成される。トランシーバ2403は、上記の実施形態で受信ユニット1901及び送信ユニット1902によって実行される動作を実行するよう構成される。アクセスネットワークデバイス又はアクセスネットワークデバイス内のモジュールは、
図3の方法の実施形態でアクセスネットワークデバイスによって実行される方法を実行するよう更に構成されてよい。詳細はここで再び記載されない。
【0336】
実施形態において、通信装置は、環境コントローラ又は環境コントローラ内のモジュール(例えば、チップ)であってよい。メモリ2402に記憶されているコンピュータプログラムが実行されるとき、プロセッサ2401は、上記の実施形態で実行される動作を実行するように送信ユニット2001及び受信ユニット2003を制御するよう構成される。プロセッサ2401は、決定ユニット2002によって実行される動作を実行するよう更に構成される。トランシーバ2403は、上記の実施形態で送信ユニット2001及び受信ユニット2003によって実行される動作を実行するよう構成される。環境コントローラ又は環境コントローラ内のモジュールは、
図3の方法の実施形態で環境コントローラによって実行される方法を実行するよう更に構成されてよい。詳細はここで再び記載されない。
【0337】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図25は、本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
図25に示されているように、通信装置は、入力インターフェース2501、ロジック回路2502、及び出力インターフェース2503を含み得る。入力インターフェース2501はロジック回路2502を通じて出力インターフェース2503へ接続されている。入力インターフェース2501は他の通信装置から情報を受信するよう構成され、出力インターフェース2503は情報を他の通信装置へ出力、スケジューリング、又は送信するよう構成される。ロジック回路2502は、入力インターフェース2501及び出力インターフェース2503の動作以外の他の動作を実行するよう、例えば、上記の実施形態でプロセッサ2401によって実装される機能を実装するよう構成される。通信装置は、制御ボード又は制御ボード内のモジュールであってよく、あるいは、アクセスネットワークデバイス又はアクセスネットワークデバイス内のモジュールであってよく、あるいは、環境コントローラ又は環境コントローラ内のモジュールであってよい。入力インターフェース2501、ロジック回路2502、及び出力インターフェース2503のより詳細な説明については、上記の方法の実施形態における制御ボード、アクセスネットワークデバイス、又は環境コントローラの関連する記載を直接参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0338】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図26は、本発明の実施形態に従う通信システムの構造の模式図である。
図26に示されているように、通信システムは、制御ボード2601、アクセスネットワークデバイス2602、及び環境コントローラ2603を含み得る。詳細な説明については、
図3に示されている通信方法を参照されたい。
【0339】
本発明の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を更に開示する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、命令が実行されると、上記の方法の実施形態の方法が実行される。
【0340】
本発明の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を更に開示する。命令が実行されると、上記の方法の実施形態の方法が実行される。
【0341】
上記の具体的な実施では、本願の目的、技術的解決法、及び有利な効果が更に詳細に記載されている。上記の記載は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を制限する意図はない、ことが理解されるべきである。本願の技術的解決法に基づき行われる如何なる変更、均等置換、改善なども、本願の保護範囲内に入るべきである。
【0342】
本願は、2021年11月23日に中国国家知識産権局に出願された、発明の名称が「COMMUNICATION METHOD AND APPARATUS, AND COMPUTER-READABLE STORAGE MEDIUM」である中国特許出願第202111396726.8号の優先権を主張するものであり、先の中国特許出願は、その全文を参照により本願に援用される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取ることと、
前記位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することと、
状態情報を含む状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスから受け取ること
であり、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと、
前記状態パターンに基づき前記制御ボードの状態を調整することと
を有する方法。
【請求項2】
前記した、前記位置情報に基づき制御ボードの位置を調整することは、
前記回転情報に基づき前記制御ボードの空間方向を調整すること、及び/又は前記動き情報に基づき前記制御ボードの空間位置を調整することを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、エネルギ保持値及び吸収効率を前記アクセスネットワークデバイスへ送信することを更に有する、
請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを前記アクセスネットワークデバイスから受け取ることを更に有する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
通信方法であって、
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取ることであり、前記位置情報は回転情報及び/又は動き情報を含む、ことと、
前記位置情報を前記制御ボードへ送信することと、
前記制御ボードの状態パターンを前記環境コントローラから受け取ることであり、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと、
前記状態パターンを前記制御ボードへ送信することと
を有する方法。
【請求項6】
前記方法は、前記制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を前記環境コントローラへ送信することを更に有する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを前記環境コントローラから受け取ることを更に有する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を前記制御ボードから受け取ることを更に有する、
請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を要求するために使用される第1リクエストを前記制御ボードへ送信することを更に有する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
3次元空間マップと、前記制御ボードの前記位置情報及び前記状態パターンとに基づき、端末デバイスのチャネル品質を決定することであり、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、ことと、
前記チャネル品質に基づきリソースを前記端末デバイスに割り当てることと、
前記リソースに関する情報を前記端末デバイスへ送信することと
を更に有する、
請求項
5に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記3次元空間マップと、前記制御ボードの前記位置情報及び前記状態パターンに基づき、前記端末デバイスの前記チャネル品質を決定することと、
前記チャネル品質に基づき伝送電力を決定することと、
前記伝送電力を前記端末デバイスへ送信することと
を更に有する、
請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
通信方法であって、
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信することであり、前記位置情報は回転情報及び/又は動き情報を含む、ことと、
前記制御ボードの状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスへ送信することであり、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、ことと
を有する方法。
【請求項13】
前記方法は、前記制御ボードの前記位置情報を決定することを更にする、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記した、前記制御ボードの前記位置情報を決定することは、
3次元空間マップに基づき前記制御ボードの前記位置情報を決定することを有し、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、前記アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記した、前記制御ボードの前記位置情報を決定することは、
3次元空間マップと、前記制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率とに基づき、前記制御ボードの前記位置情報を決定することを有し、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、前記アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を前記アクセスネットワークデバイスから受け取ることを更に有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記制御ボードの前記エネルギ保持値及び前記吸収効率を取得するために使用される第2リクエストを前記アクセスネットワークデバイスへ送信することを更に有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することを更に有する、
請求項
12に記載の方法。
【請求項19】
前記した、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することは、
3次元空間マップ及び前記制御ボードの前記位置情報に基づき前記制御ボードの前記状態パターンを決定することを有
し、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、前記アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記した、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することは、
3次元空間マップと、前記制御ボードの前記位置情報と、前記制御ボード
のエネルギ保持値及
び吸収効率とに基づき、前記制御ボードの前記状態パターンを決定することを有
し、前記3次元空間マップは、建物構造情報と、静止デバイスの位置情報及び材料情報と、前記静止デバイスの通信サービスモデル情報と、前記アクセスネットワークデバイスのデプロイ情報とを含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記回転情報は回転方向及び回転角度を含む、
請求項1乃至20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記動き情報は運動方向及び移動距離を含む、
請求項1乃至
20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記吸収及びエネルギ保持状態は、吸収された電磁波が電気エネルギに変換されて保持される状態であり、前記アクティブフォワーディング状態は、入射した電磁波が増幅された後に反射又は伝送される状態であり、前記パッシブフォワーディング状態は、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である、
請求項
1乃至
20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
回転情報及び/又は動き情報を含む位置情報をアクセスネットワークデバイスから受け取るよう構成される受信ユニットと、
前記位置情報に基づき制御ボードの位置を調整するよう構成される調整ユニットと、を有し、
前記受信ユニットは、状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスから受け取るよう更に構成され、
前記調整ユニットは、前記状態パターンに基づき前記制御ボードの状態を調整するよう更に構成される、
通信装置。
【請求項25】
制御ボードの位置情報を環境コントローラから受け取るよう構成され、前記位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、受信ユニットと、
前記位置情報を前記制御ボードへ送信するよう構成される送信ユニットと、を有し、
前記受信ユニットは、前記制御ボードの状態パターンを前記環境コントローラから受け取るよう更に構成され、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態であり、
前記送信ユニットは、前記状態パターンを前記制御ボードへ送信するよう更に構成される、
通信装置。
【請求項26】
制御ボードの位置情報をアクセスネットワークデバイスへ送信するよう構成され、前記位置情報が回転情報及び/又は動き情報を含む、送信ユニットを有し、
前記送信ユニットは、前記制御ボードの状態パターンを前記アクセスネットワークデバイスへ送信するよう更に構成され、前記状態パターンは状態情報を含み、前記状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態である、
通信装置。
【請求項27】
プロセッサ及びメモリを有し、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して、請求項1乃至
20のうちいずれか一項に記載の方法を実施する、
通信装置。
【請求項28】
トランシーバを更に有し、前記トランシーバは、前記通信装置以外の他の通信装置から情報を受け取り、前記通信装置以外の前記他の通信装置へ情報を出力するよう構成される、
請求項27に記載の通信装置。
【請求項29】
コンピュータプログラム又はコンピュータ命令を記憶し、
前記コンピュータプログラム又は前記コンピュータ命令が実行されるとき、請求項1乃至
20のうちいずれか一項に記載の方法が実施される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
コンピュータプログラムコードを有し、
前記コンピュータプログラムコードが実行されるとき、請求項1乃至
20のうちいずれか一項に記載の方法が実施される、
コンピュータプログラム製品。
【請求項31】
制御ボード、アクセスネットワークデバイス、及び環境コントローラを有し、
前記制御ボードは、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成され、
前記アクセスネットワークデバイスは、請求項5乃至11のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成され、
前記環境コントローラは、請求項12乃至
20のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成される、
通信システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明のこの実施形態で、制御ボードはアクセスネットワークデバイスから第1リクエストを受け取ることができ、次いで、制御ボードはエネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信してよく、それにより、アクセスネットワークデバイスは制御ボードのエネルギ保持値及び吸収効率を取得することができる。制御ボードは、第1リクエストを受け取った場合にのみエネルギ保持値及び吸収効率をアクセスネットワークデバイスへ送信し得るので、エネルギ保持値及び吸収効率を送信する回数を減らすことができ、制御ボードの平均電力消費量は減る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
可能な実施において、調整ユニットは、回転情報に基づき制御ボードの空間方向を調整するよう、及び/又は動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整するよう構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
可能な実施において、回転情報は、回転方向及び回転角度を含み、調整ユニットは、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整するよう構成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
可能な実施において、回転情報は回転角度を含み、調整ユニットは、回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整するよう構成される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
可能な実施において、動き情報は運動方向及び移動距離を含み、調整ユニットは、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整するよう構成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
可能な実施において、動き情報は移動距離を含み、調整ユニットは、移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整するよう構成される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
本発明の実施形態は、通信システムのスループットを改善するための、通信方法及び装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体を開示する。以下は、本願の実施形態における添付の図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決法を明りょうに記載する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
異なるタイプの端末デバイスは、ネットワークレート、レイテンシ、信頼性、接続の数、などに関して異なる要件を有し、また、サービス品質(quality of service,QoS)に関して異なる要件を有する場合がある。通常、倉庫入荷物のためのIoTデバイスは、多数の接続を有し、ネットワークレートに関して一般的な要件を有し、電力消費には敏感であるがレイテンシには鈍感である。通常、AGVはしばしば移動し、連続的なカバレッジを必要とし、ネットワークレートに関して一般的な要件を有し、レイテンシに敏感である。通常、監視カメラは固定状態にあり、ネットワークレートに関して高い要件を有する。これは、データのアップロート及び記憶を助け、特定の通信信頼性を必要とする。通常、産業ロボット(産業ロボットのアーム)は固定されており、ネットワークレートに関して一般的な要件を有し、レイテンシに敏感であり、通信信頼性に関する高い要求を持っている。通常、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、などは頻繁には移動せず、ネットワークレート及び通信信頼性に関して一般的な要件を有する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0159
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0159】
制御ボードが同時に異なる空間方向及び異なる状態にあるとき、制御ボードは、周囲空間の伝搬環境への異なる変化を引き起こし得る。その結果、端末デバイス及びアクセスネットワークデバイスの伝送パス及び伝送損失は異なる可能性があり、端末デバイス及びアクセスネットワークデバイスによって受信される信号の電力は変化する可能性がある。従って、目標位置が決定される場合に、各場合においてM個の空間位置にある制御ボードはパッシブフォワーディング状態にあり、制御ボードの空間方向は全て壁と垂直な方向である、と仮定され得る。パッシブフォワーディング(passive forwarding)状態は、簡潔にP状態とも呼ばれ、入射した電磁波が反射又は伝送される状態である。制御ボードがパッシブフォワーディング状態にある場合、制御ボードは、如何なる処理も行わずに、入射した電磁波を直接反射又は伝送し得る。この場合に、制御ボードは、周囲環境からエネルギを吸収したり、ローカルバッテリのエネルギを外部に解放したりしない。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0163
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0163】
Shannonの公式に従って、チャネル帯域幅Wが1であると仮定すると、上記の式の中のlog
2(1+γ
k,i(t))は、瞬間tでのi番目の伝送パス上のk番目の端末デバイスの通信レート(チャネル容量)として理解され得る。
【数2】
は、瞬間tでのrank(Ω
k(t))個の伝送パス上でのk番目の端末デバイスの通信レートの和として理解され得る。
【数3】
は、瞬間tでの全てのK個の端末デバイスの通信レートの
和として理解され得る。
【数4】
は、積分が期間Tに対して行われることを示す。期間T内の各瞬間での全てのK個の端末デバイスの通信レートの
和は、積分を使用することによって取得され得、次いで、和は、当該期間の平均値バーR
sumを取得するためにTで割られる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0219
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0219】
1つの場合に、回転情報は、回転方向及び回転角度を暗黙的に含み得る。この場合に、回転情報は、
(外10)
、つまり、制御ボードの空間方向(目標向き)であってよく、
(外11)
は、水平方向に基づいた角度値であってよい。回転方向は、デフォルトで時計回り又は反時計回りであってよく、つまり、回転方向は前もって指定されてよい。例えば、90°は、制御ボードが時計回りに水平方向で90°回転する角度を表すことができ、あるいは、制御ボードが反時計回りに水平方向で90°回転する角度を表すことができる。制御ボードは、
(外12)
に基づき、制御ボードが時計回り又は反時計回りに回転する必要がある特定の角度を決定し得る。例えば、制御ボードの現在の空間方向は50°の時計回り方向であり、回転
角度は90°である。回転方向がデフォルトで時計回りであると仮定すると、制御ボードは、回転情報に対応する空間方向に調整するために、40°だけ時計回りに回転する必要がある。制御ボードによる空間方向の調整は、制御ボードのメタマテリアルパネルの向き(つまり、姿勢)を調整することである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0222
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0222】
動き情報がNULLでないとき、制御ボードは、動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整し得る。動き情報が運動方向及び移動距離を含む場合に、制御ボードは、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整し得る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0231
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0231】
状態パターンは状態情報を含むことができ、状態情報に対応する状態は、吸収及びエネルギ保持状態、アクティブフォワーディング状態、又はパッシブフォワーディング状態であってよい。アクティブフォワーディング(active forwarding)状態は、簡潔にA状態とも呼ばれることがあり、入射した電磁波が増幅された後に反射又は伝送される状態である。制御ボードがアクティブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードのローカルバッテリのエネルギは、入射した電磁波を増幅するために使用されてよく、次いで、増幅された電磁波は反射又は伝送される。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0232
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0232】
図8は、本発明の実施形態に従う、制御ボードが異なる状態にあるときの入射波及び反射/伝送波の模式図である。
図8に示されているように、制御ボードが吸収及びエネルギ保持状態にあるとき、制御ボードの蓄えられているエネルギは増える。この場合に、制御ボードは、入射した電磁
波を吸収し、入射した電磁波を電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄えることができる。従って、この場合には、対応する反射/伝送波は存在しない。制御ボードがパッシブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードの蓄えられているエネルギは不変なままである。この場合に、制御ボードは、入射した電磁波を受動的に反射又は伝送するだけであり、周囲環境からエネルギを吸収したり、ローカルバッテリのエネルギを外に解放したりしない。制御ボードがアクティブフォワーディング状態にあるとき、制御ボードの蓄えられているエネルギは減る(電力は低下する)。制御ボードは、ローカルバッテリのエネルギを使用して、入射した電磁波を増幅し、次いで、増幅した電磁波を反射又は伝送し得る。ただし、増幅した電磁波は、入射した電磁波より振幅が小さいか、あるいは、入射した電磁波よりも大きい振幅を有する場合があり、対応する増幅倍数に関係がある。アクティブフォワーディング状態での反射/伝送波は、パッシブフォワーディング状態での反射/伝送波よりも大きい振幅を有する。
図8に示されている入射波及び反射/伝送波は記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0240
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0240】
具体的に,状態パターンは3つ状態:A状態、P状態、及びC状態を含むシーケンス、例えば、{AAAAAPPC}であってよく、あるいは、簡単なシーケンス形式、例えば、{A5P2C1}であってよく、あるいは、具体的な状態パターンインデックス{インデックス}であってもよい。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0241
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0241】
例えば、状態パターンS={AAAAAPPC}は、瞬間t0から瞬間t0+5Δtまでは制御ボードがA状態にあり、瞬間t0+5Δtから瞬間t0+7Δtまでは制御ボードがP状態にあり、瞬間t0+7Δtから瞬間t0+8Δtまでは制御ボードがC状態にあり、制御ボードはt0+8Δtの後の瞬間に上記の状態パターンを周期的に繰り返し得る、ことを示すことができる。状態パターンS={AAAAAPPC}は、圧縮された表現S={A5P2C1}としても表現でき、文字C/P/Aは制御ボードの状態を表し、文字に続く数字は、状態が続く時間粒度の数を表す。状態パターンはS={インデックス}であり、インデックス(Index)は、標準プロトコルを使用することによって受信エンド及び送信エンド(つまり、環境コントローラ及びアクセスネットワークデバイス)によって事前に合意された周知の状態パターンを表す。例えば、インデックス「1」はS={AAAAAPPC}を表し得る。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0254
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0254】
アクセスネットワークデバイスは、状態パターン要求シグナリング(Request、REQ)を使用することによって、
状態パターンを制御ボードへ送信し得る。状態パターンREQは、アクセスネットワークデバイスの識別子(BS-ID)、制御ボードの識別子(EP-ID)、開始時間t0、時間粒度Δt、状態パターンシーケンス、及びCRCキャラクタを含み得る。
図9は、本発明の実施形態に従う状態パターン要求シグナリングのフレームフォーマットの模式図である。
図9に示されているフレームフォーマットは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解され得る。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0255
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0255】
アクセスネットワークデバイスが位置情報及び状態パターンを制御ボードへ送信した後、制御ボードは、相応して、位置情報及び状態パターンに基づき、制御ボードの位置及び状態を調整(設定)し得る。従って、伝送損失(例えば、大規模パス伝送損失の平均値)が予想され得る無線伝搬環境は、アクセスネットワークデバイスが端末デバイスのチャネル品質を決定することができるように、特定の空間範囲及び特定の期間において構成され得る。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0265
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0265】
例えば、
図10は、本発明の実施形態に従う他のシナリオの模式図である。
図10に示されているように、アクセスネットワークデバイスのカバレッジエリアは、端末デバイスとアクセスネットワークデバイスとの間の距離に基づき、近いエリア、中間のエリア、及び遠いエリアに分けられ、アクセスネットワークデバイスの近いエリアには端末デバイス1及び制御ボード1含まれ、中間のエリアには端末デバイス2及び制御ボード2が含まれ、遠いエリアには端末デバイス3及び制御ボード3が含まれる。制御ボード1の状態パターンは{CCCAACCCAA}と設定され、制御ボード2の状態パターンは{CCC
PACCC
PA}と設定され、制御ボード3の状態パターンは{CCCCCCC
PPA}と設定される。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0271
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0271】
上記の時間-周波数リソース割り当て方法は、次のように理解され得る:制御ボードは、近いエリア内の端末デバイスの無線電磁波エネルギを吸収し、無線電磁波エネルギをローカルバッテリの電気エネルギに変換し、次いで、制御ボードは、ローカルバッテ
リを消費して、遠いエリア内の端末デバイスの通信を支援し、アクセスネットワークデバイスのエッジエリア内の端末デバイスの通信能力(信号対雑音比)を増強し、無線通信システム全体の平均スループットを改善する。
図10に示されているシナリオは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0290
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0290】
図17は、本発明の実施形態に従う制御ボードの位置及び状態の調整のフローチャートである。
図17に示されているように、制御ボードは設定シグナリング(つまり、上記の位置調整REQ)に基づき位置を調整でき、制御シグナリング(つまり、上記の状態パターンREQ)に基づきパッシブフォワーディング状態と、アクティブフォワーディング状態と、吸収及びエネルギ保持状態との間の状態切替を実行し得る。次いで、制御ボードは、端末デバイスの通信を支援するように特定の伝搬環境を形成し、通信システムの平均スループットを改善し得る。次いで、新しい設定シグナリングを受信するとき、環境コントローラは制御ボードの位置及び状態パターンを再調整し得る。
図17に示されているフローチャートは記載のための例にすぎず、それに対する限定を構成するものではない、ことが理解されるべきである。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0293
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0293】
実施形態において、調整ユニット1802は、回転情報に基づき制御ボードの空間方向を調整するよう、及び/又は動き情報に基づき制御ボードの空間位置を調整するよう構成される。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0294
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0294】
実施形態において、回転情報は、回転方向及び回転角度を含み、調整ユニット1802は、回転方向及び回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整するよう構成される。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0295
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0295】
実施形態において、回転情報は回転角度を含み、調整ユニット1802は、回転角度に基づき制御ボードの空間方向を調整するよう構成される。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0296
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0296】
実施形態において、動き情報は運動方向及び移動距離を含み、調整ユニット1802は、運動方向及び移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整するよう構成される。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0297
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0297】
実施形態において、動き情報は移動距離を含み、調整ユニット1802は、移動距離に基づき制御ボードの空間位置を調整するよう構成される。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0331
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0331】
図22は、本発明の実施形態に従うアナログ回路の模式図である。
図22に示されているように、アナログ回路は、吸収及びエネルギ保持回路と、位相シフト回路と、振幅変調回路とを含み得る。振幅変調回路は位相シフト回路と吸収及びエネルギ保持回路との夫々に電気的に接続されている。位相シフト回路は、可変コンデンサC1、抵抗R1、及びインダクタL1を含み得る。入射した電磁波の位相は、可変コンデンサC1の容量変化を制御することによって異なるように変更され得る。振幅変調回路は、抵抗R2、抵抗R2、抵抗R4、及び演算増幅器(
OP)を含み得る。振幅変調回路は、入射した電磁波を増幅して転送し得る。吸収及びエネルギ保持回路は、コンデンサC2、ダイオードD1、ダイオードD2、及びコンデンサC3を含み得る。吸収及びエネルギ保持回路は、入射した電磁波を吸収し、入射した電磁波を電気エネルギに変換し、電気エネルギをローカルバッテリに蓄え得る。制御ボード2102上の全てのメタマテリアルユニット2101の状態は一様に調整され得、つまり、メタマテリアルユニット2101はC状態、P状態、及びA状態の間の切替のプロセスを一様に実行し得る、ことが留意されるべきである。従って、制御ボードの処理複雑性及び平均システム電力消費は低減され得る。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0332
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0332】
制御ボードは、制御ボードのスイッチK1及びK2を異なる期間において調整してよく、それにより、メタマテリアルユニット
2101は全体としてC状態、P状態、及びA状態の間で規則的に変化する。K1及びK2は上向きであり、それにより、制御ボードは吸収及びエネルギ保持状態にあることができ、K1は下向きかつK2は上向きであり、それにより、制御ボードはパッシブフォワーディング状態にあることができ、K1は
上向きかつK2は
下向きであり、それにより、制御ボードはアクティブフォワーディング状態にあることができる。K1又はK2が上向き又は下向きであることは、物理的にオン/オフ状態を指さず、仮想的に状態切替を指す。
図23は、本発明の実施形態に従う制御ボードの状態切替の模式図である。
図23に示されているように、制御ボードは、スイッチK1及びK2を調整することによって、制御ボードの状態を変化させ得る。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0333
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0333】
上記のネットワークアーキテクチャに基づき、
図24は、本発明の実施形態に従う更に別の通信装置の構造の模式図である。
図24に示されているように、通信装置は、プロセッサ2401、メモリ2402、トランシーバ2403、及びバス2404を含み得る。メモリ2402は独立して存在してよく、バス2404を通じてプロセッサ2401に接続され得る。代替的に、メモリ2402はプロセッサ2401と一体化されてもよい。バス2404は、これらのコンポーネントの間の接続を実装するよう構成される。ある場合に、図
24に示されているように、トランシーバ2403は、送信器24031、受信器24032、及びアンテナ24033を含み得る。他の場合に、トランシーバ2403は、送信器(つまり、出力インターフェース)及び受信器(つまり、入力インターフェース)を含み得る。送信器は、送信機及びアンテナを含んでよく、受信器は、受信機及びアンテナを含んでよい。
【手続補正31】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】