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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/864 20060101AFI20241112BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241112BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20241112BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20241112BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241112BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20241112BHJP
   C07K 14/015 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
C12N15/864 100Z
C12N15/12 ZNA
C12N7/01
C12N15/63 Z
C12N15/86 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/11 Z
A61K35/76
A61K48/00
A61P21/02
C07K14/015
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531048
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 US2022080315
(87)【国際公開番号】W WO2023097214
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/282,246
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/341,650
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507088266
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
【住所又は居所原語表記】50 Washington Street,Westborough,MA 01581,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,グァンピン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,チン
(72)【発明者】
【氏名】マー,ホン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA13
4C084MA56
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA07
4C084NA14
4C084ZA23
4C084ZA94
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087MA56
4C087MA65
4C087MA66
4C087NA07
4C087NA14
4C087ZA23
4C087ZA94
4H045AA10
4H045AA30
4H045CA01
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示の側面は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するための組成物および方法に関する。本開示は部分的に、SMN1をコードする単離された核酸およびベクター(例として、rAAVベクターなどのウイルスベクター)に基づく。いくつかの態様において、SMN1の発現は、天然のSMN1プロモーターまたはそのバリアントによって駆動される。いくつかの態様において、本開示の単離された核酸およびベクターは、以前に記載されたSMNをコードするベクターと比べて、低減した毒性および/または増加した導入遺伝子発現を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結された内在性SMN1プロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター。
【請求項2】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号1で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む、請求項1に記載のrAAVベクター。
【請求項3】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号1で表される配列を含むかまたはそれからなる、請求項1または2に記載のrAAVベクター。
【請求項4】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号2で表される核酸配列を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項5】
ヒトSMN1が、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項6】
内在性SMN1プロモーターが、ヒトSMN1プロモーターである、請求項1~5のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項7】
内在性SMN1プロモーターが、配列番号4または5で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項8】
内在性SMN1プロモーターが、配列番号4で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項9】
内在性SMN1プロモーターが、配列番号5で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項10】
1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項11】
1つ以上のmiR-122結合部位が、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列と3’ ITRとの間に配置される、請求項10に記載のrAAVベクター。
【請求項12】
AAV ITRの少なくとも1つが、AAV2 ITRである、請求項1~11のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項13】
AAV ITRの少なくとも1つが、変異型ITR(mTR)である、請求項1~12のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のrAAVベクターを含む、ベクター。
【請求項15】
ベクターが、プラスミドまたはバキュロウイルスベクターである、請求項14に記載のベクター。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のrAAVベクター、または請求項14もしくは15に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項17】
配列番号1または配列番号6~11のいずれか1つで表される核酸配列を含む、単離された核酸。
【請求項18】
核酸配列に作動可能に連結された内在性SMN1プロモーターをさらに含む、請求項17に記載の単離された核酸。
【請求項19】
内在性SMN1プロモーターが、ヒトSMN1プロモーターであり、任意にここで、SMN1プロモーターが、配列番号4または5で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項18に記載の単離された核酸。
【請求項20】
以下を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV):
(i)ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結された内在性SMN1プロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター;および
(ii)少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質。
【請求項21】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号1で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む、請求項20に記載のrAAV。
【請求項22】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号1で表される配列を含むかまたはそれからなる、請求項20または21に記載のrAAV。
【請求項23】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号2で表される核酸配列を含まない、請求項20~22のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項24】
ヒトSMN1が、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含む、請求項20~23のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項25】
内在性SMN1プロモーターが、ヒトSMN1プロモーターである、請求項20~24のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項26】
内在性SMN1プロモーターが、配列番号4または5で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む、請求項20~25のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項27】
内在性SMN1プロモーターが、配列番号4で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項20~26のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項28】
内在性SMN1プロモーターが、配列番号5で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項20~26のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項29】
1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む、請求項20~28のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項30】
1つ以上のmiR-122結合部位が、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列と3’ ITRとの間に配置される、請求項29に記載のrAAV。
【請求項31】
AAV ITRの少なくとも1つが、AAV2 ITRである、請求項20~30のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項32】
AAV ITRの少なくとも1つが、変異型ITR(mTR)である、請求項20~31のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項33】
rAAVが、自己相補的AAV(scAAV)である、請求項20~32のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項34】
少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質が、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、もしくはAAV9カプシドタンパク質、またはそのバリアントである、請求項20~33のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項35】
少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質が、AAV9カプシドタンパク質である、請求項20~34のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載のrAAVベクターまたはrAAV、および薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項37】
導入遺伝子を細胞に送達するための方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載のrAAVベクター、請求項20~35のいずれか一項に記載のrAAV、または請求項36に記載の医薬組成物を、細胞に投与することを含む、前記方法。
【請求項38】
細胞が哺乳動物細胞である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
細胞がヒト細胞である、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
細胞が対象内にある、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
対象が、脊髄性筋萎縮症(SMA)を有するか、または有すると疑われる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
対象における脊髄性筋萎縮症(SMA)を予防または処置するための方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載のrAAVベクター、請求項20~35のいずれか一項に記載のrAAV、または請求項36に記載の医薬組成物を、対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項43】
対象が哺乳動物である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
対象がヒトである、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
対象が、SMN1遺伝子に1つ以上の変異を有する、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
投与することが、全身注射または局所注射を含む、請求項42~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
全身注射が、静脈内注射を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
投与することが、対象の中枢神経系(CNS)への注射を含む、請求項42~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
投与が、野生型SMN1コード配列に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むrAAVの対象への投与と比べて、対象における後根神経節(DRG)毒性の量の低減をもたらす、請求項42~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
投与が、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの対象への投与と比べて、対象における肝臓毒性の低減をもたらす、請求項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
投与が、SMAに関連する合併症の低減をもたらす、請求項42~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
投与が、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの対象への投与と比べて、対象における生存率の改善をもたらす、請求項42~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
SMAの合併症が、肺感染症、脊椎変形(例として、脊柱側湾症、股関節亜脱臼/脱臼)、関節拘縮、または呼吸不全を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター。
【請求項55】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号1で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む、請求項54に記載のrAAVベクター。
【請求項56】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号1で表される配列を含むかまたはそれからなる、請求項54または55に記載のrAAVベクター。
【請求項57】
コドン最適化された核酸配列が、配列番号2で表される核酸配列を含まない、請求項54~56のいずれか一項に記載のrAAVベクター。.
【請求項58】
ヒトSMN1が、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含む、請求項54~57のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項59】
プロモーターが、CB6プロモーターである、請求項54~58のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項60】
rAAVベクターが、CMVエンハンサーをさらに含む、請求項54~59のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項61】
1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む、請求項54~60のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項62】
1つ以上のmiR-122結合部位が、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列と3’ ITRとの間に配置される、請求項61に記載のrAAVベクター。
【請求項63】
AAV ITRの少なくとも1つが、AAV2 ITRである、請求項54~62のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項64】
AAV ITRの少なくとも1つが、変異型ITR(mTR)である、請求項54~63のいずれか一項に記載のrAAVベクター。
【請求項65】
請求項54~64のいずれか一項に記載のrAAVベクターを含む、ベクター。
【請求項66】
ベクターが、プラスミドまたはバキュロウイルスベクターである、請求項65に記載のベクター。
【請求項67】
請求項54~64のいずれか一項に記載のrAAVベクター、または請求項65もしくは66に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項68】
以下を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV):
(a) (i)5’ ITR;
(ii)配列番号5のヌクレオチド配列を含むヒトの短鎖SMNプロモーター;
(iii)配列番号1で表されるSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列;
(iv)ポリAテール;および
(v)3’ ITR
を含む、自己相補的rAAVゲノム:;ならびに
(b)AAV9カプシドタンパク質。
【請求項69】
ポリAテールが、ウサギグロビンポリAまたはBGHポリAテールである、請求項68に記載のrAAV。
【請求項70】
1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む、請求項68または69に記載のrAAV。
【請求項71】
以下を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV):
(i)請求項54~65のいずれか一項に記載の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター、および
(ii)少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質。
【請求項72】
rAAVが、自己相補的AAV(scAAV)である、請求項71に記載のrAAV。
【請求項73】
少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質が、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、もしくはAAV9カプシドタンパク質、またはそのバリアントである、請求項71または72に記載のrAAV。
【請求項74】
少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質が、AAV9カプシドタンパク質である、請求項71~73のいずれか一項に記載のrAAV。
【請求項75】
対象における脊髄性筋萎縮症(SMA)を予防または処置するための方法であって、請求項54~64のいずれか一項に記載のrAAVベクター、または請求項71~74のいずれか一項に記載のrAAVを、対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項76】
対象が哺乳動物である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
対象がヒトである、請求項75または76に記載の方法。
【請求項78】
対象が、SMN1遺伝子に1つ以上の変異を有する、請求項75~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
投与することが、全身注射または局所注射を含む、請求項75~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
全身注射が、静脈内注射を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
投与することが、対象の中枢神経系(CNS)への注射を含む、請求項75~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
投与が、野生型SMN1コード配列に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むrAAVの対象への投与と比べて、対象における後根神経節(DRG)毒性の量の低減をもたらす、請求項75~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
投与が、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの投与と比べて、対象における肝臓毒性の低減をもたらす、請求項75~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
投与が、SMAに関連する合併症の低減をもたらす、請求項75~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
投与が、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの対象への投与と比べて、対象における生存率の改善をもたらす、請求項74~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
SMAの合併症が、肺感染症、脊椎変形(例として、脊柱側湾症、股関節亜脱臼/脱臼)、関節拘縮、または呼吸不全を含む、請求項84に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35 U.S.C. § 119 (e)に基づき、2022年5月13日提出の「脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療」と題された米国仮出願第63/341,650号、および2021年11月23日提出の「脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療」と題された米国仮出願第63/282,246号の出願日の利益を主張する;それぞれの内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子配列表の参照
電子配列表の内容(U012070171WO00-SEQ-LJG.xml;サイズ:48,435バイト;および作成日:2022年11月18日)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
背景
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、運動ニューロン1(SMN1)遺伝子の生存機能の喪失によって引き起こされる神経筋疾患であり、運動ニューロンの変性および進行性の筋力低下を特徴とする。SMAは新生児のおよそ11,000人に1人の割合で発症し、依然として乳児死亡の主な遺伝的原因となっている。過去10年、この壊滅的な疾患を処置するための2つの大きな進歩が、ヒト患者のSMNタンパク質を増加することによって達成された。1つ目は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であるヌシネルセンおよびリスジプラム(risdiplam)であり、既存のSMN2 pre-mRNAのスプライシングを修飾する。2つ目は、自己相補的アデノ随伴ウイルス9(scAAV9)媒介性のSMN1遺伝子置き換えである、ゾルゲンスマである。
【発明の開示】
【0004】
概要
本開示の側面は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するための組成物および方法に関する。本開示は部分的に、SMN1をコードする単離された核酸およびベクター(例として、rAAVベクターなどのウイルスベクター)に基づく。いくつかの態様において、SMN1発現は、天然のSMN1プロモーターまたはそのバリアントによって駆動される。いくつかの態様において、本開示の単離された核酸およびベクターは、以前に記載されたSMNをコードするベクターと比べて、低減した毒性および/または増加した導入遺伝子発現を有する。
【0005】
したがって、いくつかの側面において、本開示は、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結された内在性SMN1プロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターを提供する。いくつかの態様において、コドン最適化された核酸配列は、配列番号1で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む。いくつかの態様において、コドン最適化された核酸配列は、配列番号1で表される配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの態様において、コドン最適化された核酸配列は、配列番号2で表される核酸配列を含まない。いくつかの態様において、ヒトSMN1は、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含む。
【0006】
いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、ヒトSMN1プロモーターである。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号4または5で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号4で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号5で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる。
【0007】
いくつかの態様において、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターは、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含み、ここで該プロモーターは、構成的プロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターはCB6プロモーターである。いくつかの態様において、rAAVベクターは、CMVエンハンサーをさらに含む。
【0008】
いくつかの態様において、rAAVベクターは、1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む。いくつかの態様において、1つ以上のmiR-122結合部位は、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列と3’ ITRとの間に配置される。いくつかの態様において、rAAVベクターは、配列番号9~11と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一の核酸配列を含む。
【0009】
いくつかの態様において、少なくとも1つのAAV ITRは、AAV2 ITRである。いくつかの態様において、少なくとも1つのAAV ITRは、変異型ITR(mTR)である。
いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載のrAAVベクターを含むベクターを提供する。いくつかの態様において、ベクターは、プラスミドまたはバキュロウイルスベクターである。
いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載のrAAVベクターまたは本明細書に記載のベクターを含む、細胞を提供する。いくつかの態様において、細胞は、原核細胞または真核細胞である。いくつかの態様において、細胞は、哺乳動物細胞、細菌性細胞、または昆虫細胞(例として、SF9細胞)である。
【0010】
いくつかの側面において、本開示は、配列番号1、配列番号6、または配列番号7のいずれか1つで表される核酸配列を含む、単離された核酸を提供する。
いくつかの態様において、単離された核酸は、核酸配列に作動可能に連結された内在性SMN1プロモーターをさらに含む。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、ヒトSMN1プロモーターである。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号4または5で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる。
【0011】
いくつかの側面において、本開示は、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結された内在性SMN1プロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター;および、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質、を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を提供する。
【0012】
いくつかの態様において、コドン最適化された核酸配列は、配列番号1で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む。いくつかの態様において、コドン最適化された核酸配列は、配列番号1で表される配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの態様において、コドン最適化された核酸配列は、配列番号2で表される核酸配列を含まない。いくつかの態様において、ヒトSMN1は、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含む。
【0013】
いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、ヒトSMN1プロモーターである。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号4または5で表される核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号4で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの態様において、内在性SMN1プロモーターは、配列番号5で表される核酸配列を含むかまたはそれからなる。
【0014】
いくつかの態様において、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターは、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含み、かつアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の脇に配置された、導入遺伝子を含み、ここで該プロモーターは、構成的プロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターはCB6プロモーターである。いくつかの態様において、rAAVベクターは、CMVエンハンサーをさらに含む。
【0015】
いくつかの態様において、rAAVベクターは、1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む。いくつかの態様において、1つ以上のmiR-122結合部位は、ヒトSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列と3’ ITRとの間に配置される。いくつかの態様において、rAAVベクターは、配列番号9~11と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一の核酸配列を含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのAAV ITRは、AAV2 ITRである。いくつかの態様において、少なくとも1つのAAV ITRは、変異型ITR(mTR)である。いくつかの態様において、rAAVは、自己相補的なAAV(scAAV)である。
【0016】
いくつかの態様において、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質は、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、もしくはAAV9カプシドタンパク質、またはそのバリアントである。いくつかの態様において、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質は、AAV9カプシドタンパク質である。
いくつかの側面において、本開示は、以下を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を提供する:(a) (i)5’ ITR;(ii)配列番号5のヌクレオチド配列を含むヒト短鎖(short)SMNプロモーター;(iii)配列番号1で表されるSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列;(iv)ポリAテール;および(v)3’ ITR、を含む、自己相補的なrAAVゲノム;ならびに(b)AAV9カプシドタンパク質。いくつかの態様において、ポリAテールは、ウサギグロビンポリAまたはBGHポリAテールである。いくつかの態様において、rAAVは、1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む。
【0017】
いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載のrAAVベクターまたはrAAVおよび、薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
いくつかの側面において、本開示は、導入遺伝子を細胞に送達する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載のrAAVベクター、rAAV、または医薬組成物を細胞に投与することを含む。
いくつかの態様において、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの態様において、細胞はヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は対象中にある。いくつかの態様において、対象は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を有するかまたは有すると疑われる。
【0018】
いくつかの側面において、本開示は、対象における脊髄性筋萎縮症(SMA)を予防または処置するための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載のrAAVベクター、rAAV、または医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの態様において、対象は哺乳動物である。いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、対象は、SMN1遺伝子に1つ以上の変異を有する。
いくつかの態様において、投与することは、全身注射または局所注射を含む。いくつかの態様において、全身注射は静脈内注射を含む。いくつかの態様において、投与することは、対象の中枢神経系(CNS)への注射を含む。
【0019】
いくつかの態様において、投与は、野生型SMN1をコードするrAAVの対象への投与と比べて、対象における後根神経節(DRG)毒性の量の低減をもたらす。いくつかの態様において、投与は、野生型SMN1コード配列に作動可能に連結されたconstativeなプロモーターを含むrAAVの対象への投与と比べて、対象における後根神経節(DRG)毒性の量の低減をもたらす。
いくつかの態様において、投与は、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの対象への投与と比べて、対象における肝臓毒性の低減をもたらす。
【0020】
いくつかの態様において、投与は、SMAに関連する合併症の低減をもたらす。いくつかの態様において、SMAの合併症は、肺感染症、脊椎変形(例として、脊柱側湾症、股関節亜脱臼/脱臼)、関節拘縮、または呼吸不全を含む。
いくつかの態様において、投与は、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの対象への投与と比べて、対象における改善された生存率をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本開示のSMN1をコードするベクターの概略図を示す。「scAAV-CB6-opt-SMN1」は、CB6プロモーターおよびコドン最適化されたSMN1コード配列を有する、自己相補的AAV(scAAV)ベクターである。「SMNlp-SMN1」は、2.0kbの内在性ヒトSMN1プロモーターおよびコドン最適化されたSMN1コード配列(CDS)を有する、一本鎖AAVゲノムである。「ssAAV-opt-SMN1(MBL)」は、2.0kbの内在性ヒトSMN1プロモーター、合成MBLイントロン、およびコドン最適化されたSMN1コード配列(CDS)を有する、一本鎖AAVゲノムである。「SMNsp-SMN1」は、0.9kbの内在性ヒトSMN1プロモーターおよびコドン最適化されたSMN1 CDSを有する、自己相補的AAVベクターである。「ゾルゲンスマ」は、CMVエンハンサー/ニワトリベータアクチンプロモーターおよび野生型ヒトSMN1 CDSを有する、自己相補的AAVベクターである。
【0022】
図2A-2F】図2A~2Fは、ssAAV9.opt-SMN1およびゾルゲンスマの、SMNΔ7マウスにおける代表的なデータを示す。図2Aは、ゾルゲンスマ(2xE14ゲノムコピー(GC)/kg)またはSMNp-SMN1 rAAVの3つの用量(2xE14ゲノムコピー(GC)/kg、6.8xE13 GCS/kg、または3.4xE13 GCS/kg)で処置されたSMNΔ7マウスの生存曲線を示す;ssAAV9.opt-SMN1の同一または1/3用量での処置は、ゾルゲンスマで処置されたマウスよりもより高い生存率を示す。図2Bおよび2Cは、ssAAV9.opt-SMN1処置のマウスが、ゾルゲンスマ処置マウスと比較して同様の体重増加を示すことを表わす、代表的なデータ示す。図2Dは、SMNΔ7マウスにおけるscAAV9.opt-SMN1およびゾルゲンスマの生存曲線を示す;ssAAV9.opt-SMN1の同一または1/3用量での処置は、ゾルゲンスマで処置されたマウスよりも高い生存率を示す。図2Eおよび2Fは、ssAAV9.opt-SMN1処置のマウスが、ゾルゲンスマ処置マウスと比較して同様の体重増加を示すことを表わす、代表的なデータ示す。
【0023】
図3A-3B】図3A~3Bは、scAAV9.opt-SMN1で処置されたSMNΔ7マウスの、代表的な行動アッセイデータを示す。図3Aは、scAAV9.opt-SMN1で処置された動物が、投与後5日から自身で回復できることを示す。図3Bは、処置されたすべての動物が、ロータロッド試験で測定したように機能的筋肉を有することを示す、代表的なデータ示す。
図4A-4B】図4A~4Bは、代表的な毒物学的データを示す。図4Aは、高レベルのSMN1過剰発現が肝臓細胞に毒性であることを示す、組織学的データ示す。手短に言えば、AAVベクターを5E+11 GC/マウスで、顔面静脈を介して動物にP0で注射した。肝臓を、注射後8日目に採取した。肝臓障害は、AAVsc-CB6-PI-SMN1(6/6匹の動物)およびゾルゲンスマ(4/7匹の動物)ベクターの処置群で観察されたが、対照の空のAAV9(0/8匹の動物)またはssAAV9-opt-SMN1(0/8)ベクターの処置群では観察されなかった。図4Bは、代表的なアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)アッセイの試験結果を示す。
【0024】
図5図5は、SMN1をコードするベクターの推奨発現レベルを示す概略図を示す。
図6A-6D】図6A~6Dは、ゾルゲンスマ、SMNp-SMN1 rAAV、またはSMNsp-SMN1 rAAVで処置されたSMNΔ7マウスの代表的なデータ示す。図6Aは、ゾルゲンスマ(5xE11ゲノムコピー(GC))またはSMNp-SMN1 rAAVの2つの用量(5xE11 GCまたは1.67xE11 GC)で処置されたSMNΔ7マウスの、生存曲線を示す。図6Bは、ゾルゲンスマ(5xE11 GC)またはSMNp-SMN1 rAAVの2つの用量(5xE11 GCまたは1.67xE11 GC)で処置されたSMNΔ7マウスの、体重増加を示す。図6Cは、ゾルゲンスマ(5xE11 GC)またはSMNsp-SMN1 rAAVの3つの用量(5xE11 GC、1.67xE11 GC、または0.8xE11 GC)で処置されたSMNΔ7マウスの、生存曲線を示す。図6Dは、ゾルゲンスマ(5xE11 GC)またはSMNsp-SMN1 rAAVの2つの用量(5xE11 GCまたは1.67xE11 GC)で処置されたSMNΔ7マウスの、体重増加を示す。未処置の対照動物もまた各図に示されている。
【0025】
図7A-7D】図7A~7Dは、rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN1が、肝臓におけるhSMN1の過剰発現に起因して肝臓毒性を誘発したことを示す。図7Aは、rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN1処置を顔面静脈注射により受けたマウスが、黄色の皮膚を示したことを示す。図7Bは、肝臓毒性が、rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN1を投与されたマウスにおいて、肝臓組織学により観察されたことを示す。図7Cは、rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN処置後に肝臓毒性を有した動物の数を、参照ベクターおよび未処置の対照(UC)と比較して示す。図7Dは、rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN、参照ベクター、または未処置対照で処置されたマウスの肝臓における、SMN1発現を示す。
【0026】
図8A-8C】図8A~8Cは、miR-122結合部位をCMVen/CB-co-hSMNベクターに組み込むと、肝臓でのSMN1発現が抑制され、それによって肝臓毒性が低減することを示す。図8Aは、miR-122結合部位がある場合とない場合のAAVベクターを示す。図8Bは、CMVen/CB-co-hSMNベクター(CB6-PI-opt hSMN1-miR-122 BS)にmiR-122結合部位を組み込みと、肝臓におけるSMN1発現が抑制されたことを示す。図8Cは、scAAV9-CB6-PI-opt hSMN1-miR-122 BSで処置されたマウスが、rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN1で処置されたマウスと比較して、肝臓毒性を有しなかったことを示す。
【0027】
図9A-9L】図9A~9Lは、第2世代AAV(AAVsc-SMNp-co-hSMN1)が、SMA動物モデルにおける改善された治療成果をもたらしたことを示す。図9Aは、AAVsc-SMNp-co-hSMN1が、rAAV9sc-CMVEN/CB6-co-hSMN1と比較して、Neuro-2a細胞においてより高い発現効率をもたらしたことを示す。図9Bは、AAVsc-SMNp-co-hSMN1を用いて顔面静脈注射によりマウスを処置する実験設計を示し、マウスは、処置後毎日モニタリングした。図9Cは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1で処置されたマウスが、参照ベクター群よりも体重が増加したことを示す。図9Dは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1ベクターの投与が、SMAマウスの寿命を有意に改善したことを示す。図9Eは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1処置のSMAマウスが、生後5か月で健康であったことを示す。図9Fは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1で処置されたSMAマウスが、参照マウスよりも早く自身で回復できたことを示す。図9Gは、腹横筋(TVA)の代表的な画像であり、神経筋接合部(NMJ)の神経支配の回復に対する処置効果を示す。図9Hは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1処置マウスの神経筋接合部の構造が、野生型マウスの構造に近い状態で、参照処置されたSMAマウスよりもより良好に回復したことを示す。図9Iは、SMAマウスにおける合併症の1つとして、耳壊死のさまざまな段階を示す。図9Jは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1による処置が、SMAマウスにおける合併症(例として耳壊死)を緩和したことを示す。図9K~9Lは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1が、末梢組織以外の中枢神経系で優先的に発現することを示す、免疫ブロットアッセイを示す。このベクターの発現パターンは、健康な対照動物と同様にSMNの自然分布に近い。
【0028】
図10図10は、処置されていない(NT)か、ベンチマークベクター(BMK)で処置されたか、またはscAAV9-SMNsp-hSMN1で処置されたSMAマウスの代表的な生存曲線を示す;scAAV9-SMNsp-hSMN1で処置されたマウスは、未処置のマウスまたはBMK処置マウスよりも高い生存率を有する。
【0029】
詳細な説明
本開示の側面は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するための組成物および方法に関する。本開示は部分的に、SMN1をコードする単離された核酸およびベクター(例として、rAAVベクターなどのウイルスベクター)に基づく。いくつかの態様において、SMN1発現は、天然のSMN1プロモーターまたはそのバリアントによって駆動される。いくつかの態様において、本開示の単離された核酸およびベクターは、以前に記載されたSMNをコードするベクターと比べて、低減した毒性および/または増加した導入遺伝子発現、および/または低減したオフターゲット組織発現を有する。
【0030】
運動ニューロン1(SMN1)の生存
本開示の側面は、運動ニューロン1(SMN1)タンパク質の生存をコードする組成物(例として、単離された核酸、rAAVベクターなどのベクター、rAAV等)に関する。SMN1タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)の集合を触媒する複合体の構成要素であり、細胞のpre-mRNAのスプライシングにおいて重要な役割を果たす。SMN1およびSMN2の変異は、運動ニューロンの喪失および進行性の筋肉の消耗をもたらす重度の神経筋障害である、脊髄性筋萎縮症(SMA)に関連する。脊髄性筋萎縮症(SMA)は、運動ニューロンの喪失および進行性の筋肉の消耗をもたらす、希少な神経筋障害である。これは通常、乳児期または幼児期に診断され、未処置のまま放置すると乳児死亡の最も一般的な遺伝的原因となる。また、後年に発症し、その後より軽度の疾患の経過を有することもある。共通の特色は随意筋の進行性の衰弱であり、腕、脚、および呼吸筋が最初に影響を受ける。SMA患者は合併症を発症し得、関連する問題としては、頭部の制御不良、嚥下困難、肺感染症、脊椎変形(例として、側弯症、股関節亜脱臼/脱臼)、関節拘縮、および呼吸不全などが含まれる。
【0031】
発病年齢および症状の重症度は、脊髄性筋萎縮症をさまざまなタイプに分類する既存の分類の基礎を形成する。
脊髄性筋萎縮症は、運動ニューロンの生存に必要なタンパク質であるSMNをコードする、SMN1遺伝子の異常(変異)が原因である。脊髄内でのこれらのニューロンの喪失は、脳と骨格筋の間のシグナリングを妨げる。別の遺伝子であるSMN2は、通常、SMN2のコピーが多いほど疾患の経過が穏やかになるため、疾患修飾遺伝子と考えられる。SMAの診断は症状に基づいて行われ、遺伝子検査によって確認される。
【0032】
疾患の自然経過における転帰としては、最も急性の場合での生後数週間以内の死亡から、長期型SMAの正常な平均余命まで、さまざまである。
疾患の遺伝的原因を標的とする薬には、ヌシネルセン、リスジプラム(risdiplam)、および遺伝子治療薬オナセムノゲン・アベパルボベクが含まれる。対症療法には、理学療法、作業療法、呼吸補助、栄養補助、整形外科的介入、および移動補助が含まれる。
【0033】
ヒトにおいてSMN1は、例えばNCBI参照配列番号NM_000344、NM_001297715およびNM_022874で表されるSMN1遺伝子によってコードされる。いくつかの態様において、SMN1タンパク質は、NCBI参照配列番号NP_059107、NP_075013、NP_075014、NP_075015、NP_000335のいずれかで表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、SMN1タンパク質は、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、SMN1タンパク質は、配列番号3で表されるアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含む。
【0034】
いくつかの側面において、本開示は、SMN1タンパク質をコードするコドン最適化された(例として、ヒト細胞における発現の増加、毒性の低減、免疫原性の低下などに最適化された)核酸配列を含む、単離された核酸に関する。いくつかの態様において、SMN1タンパク質をコードする単離された核酸は、配列番号1で表される核酸配列と少なくとも70%、75%、80%、90%、95%、または99%同一の核酸配列を含む。いくつかの態様において、SMN1タンパク質をコードする単離された核酸は、配列番号1で表される核酸配列を含む。いくつかの態様においてSMN1タンパク質をコードする単離された核酸は、配列番号1で表される核酸配列からなる。
【0035】
いくつかの態様において、SMN1タンパク質をコードする単離された核酸は、野生型SMN1をコードする核酸配列、例えば配列番号2で表される核酸配列に対して、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、25、50、100、150、200、250、またはそれより多く)のヌクレオチド置換、挿入、欠失、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0036】
「核酸」配列とは、DNAまたはRNA配列を指す。いくつかの態様において、本開示のタンパク質および核酸は、単離されている。本明細書に使用されるとき、用語「単離された」とは、人工的に生成されたものを意味する。本明細書に使用されるとき、核酸に関して用語「単離された」とは、以下を意味する:(i)例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってin vitroで増幅されたもの;(ii)クローニングによって組換え的に生成されたもの;(iii)切断およびゲル分離などによって精製されたもの;または(iv)例えば化学合成によって合成されたもの。単離された核酸とは、当該技術分野において周知である組換えDNA技法によって容易に操作できる核酸である。したがって、5'および3'制限部位が既知であるベクターに含有されたヌクレオチド配列、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー配列が開示されているヌクレオチド配列は、単離されたと見なされるが、しかし天然宿主中に天然の状態で存在する核酸配列は、単離されたと見なされない。単離された核酸は、実質的に精製され得るが、そうする必要はない。例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター内で単離された核酸は、それが存在する細胞内の材料のごく一部しか占めていない可能性があるという点で、純粋ではない。しかしながらかかる核酸は、用語が本明細書で使用される場合、当業者に知られている標準的な技法によって容易に操作できるため、単離されている。タンパク質またはペプチドに関して本明細書に使用される場合、用語「単離された」は、その天然の環境から単離されたか、または人工的に生成された(例として、化学合成、組換えDNA技術等によって)タンパク質またはペプチドを指す。
【0037】
本開示の単離された核酸は、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(rAAVベクター)であってもよい。いくつかの態様において、本開示に記載される単離された核酸は、第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)逆位末端反復(ITR)またはそのバリアントを含む領域(例として、第1の領域)を含む。単離された核酸(例として、組換えrAAVベクター)は、カプシドタンパク質中にパッケージングされ、対象に投与され、および/または選択された標的細胞に送達されてもよい。「組換えAAV(rAAV)ベクター」は、典型的には、最小限でも、導入遺伝子およびその調節配列、ならびに5'および3'AAV逆方向末端反復(ITR)で構成される。導入遺伝子は、本開示の他の箇所に記載される通り、例えばタンパク質および/または発現制御配列(例として、ポリAテール)をコードする領域を含み得る。
【0038】
一般にITR配列は、約145bp長である。好ましくは、ITRをコードする配列の実質的に全体が分子中で使用されるが、これらの配列のある程度の軽微な改変は許容される。これらのITR配列を改変する能力は、当技術分野の範囲内である。(例えば、"Molecular Cloning. A Laboratory Manual", 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1989);およびK. Fisher et al., J Virol., 70:520 532 (1996)を参照)。本開示で使用されるかかる分子の例は、導入遺伝子を含有する「シス作用性」プラスミドであり、ここで選択された導入遺伝子配列および関連する調節要素は、5'および3'AAV ITR配列の脇に配置されている。AAV ITR配列は、現在同定されている哺乳動物のAAV型を包含する、任意の既知のAAVから得てもよい。いくつかの態様において、単離された核酸はさらに、第2のAAV ITRを含む領域(例として、第2の領域、第3の領域、第4の領域等)を含む。いくつかの態様において、導入遺伝子をコードする単離された核酸は、AAV ITRの脇に配置されている(例として、5'-ITR-導入遺伝子-ITR-3'の配向で)。いくつかの態様において、AAV ITRは、AAV2 ITRである。いくつかの態様において、少なくとも1つのAAV ITRはトランケートされたAAV ITR(例として、mTRとも呼ばれる変異型ITR)であり、例えばMcCarty (2008) Molecular Therapy 16(10): 1648-1656に記載されているようなΔITRである。
【0039】
組換えAAVベクターについて上記で同定された主要な要素に加えて、ベクターは、本開示により生成されたベクターでトランスフェクトされた細胞、またはウイルスに感染した細胞における転写、翻訳および/または発現を可能にする様式で、導入遺伝子の要素と作動可能に連結された従来の制御要素も包含する。本明細書に使用されるとき、「作動可能に連結された」配列は、目的の遺伝子に連続した発現制御配列および、目的の遺伝子を制御するためにトランスまたはある距離で作用する発現制御配列の両方を包含する。発現制御配列には、適切な転写開始配列、終結配列、プロモーター配列およびエンハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化(ポリA)シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を増強する配列(例として、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;ならびに、必要に応じて、コードされた産物の分泌を増強する配列を包含する。天然、構成的、誘導性および/または組織特異的であるプロモーターを包含する多数の発現制御配列が、当技術分野で既知であり、利用され得る。
【0040】
本明細書に使用されるとき、核酸配列(例として、コード配列)および調節配列が、核酸配列の発現または転写を調節配列の影響または制御下に置くような方法で共有結合されている場合、「作動可能に」連結されていると言われる。核酸配列が、機能性タンパク質に翻訳されることが望まれる場合、5'調節配列中のプロモーターの誘導がコード配列の転写をもたらし、かつ、2つのDNA配列間の連結の性質が、(1)フレームシフト変異の導入をもたらさない、(2)プロモーター領域がコード配列の転写を指示する能力を妨害しない、または(3)対応するRNA転写物がタンパク質に翻訳される能力を妨害しない場合、2つのDNA配列は作動可能に連結されていると言われる。したがって、プロモーター領域が、得られた転写物が所望のタンパク質またはポリペプチドに翻訳される可能性があるようにそのDNA配列の転写を達成することができる場合には、プロモーター領域は核酸配列に作動可能に連結されているであろう。同様に、2つ以上のコード領域は、それらが、共通のプロモーターからのそれらの転写がフレーム内で翻訳された2つ以上のタンパク質の発現をもたらすように連結されている場合、作動可能に連結されている。いくつかの態様において、作動可能に連結されたコード配列は、融合タンパク質を生じる。
【0041】
導入遺伝子(例として、SMN1タンパク質をコードする導入遺伝子等)を含む領域は、少なくとも1つの導入遺伝子、選択可能なマーカータンパク質、またはレポータータンパク質の発現を可能にするであろう単離された核酸の、任意の適切な位置に配置することができる。
導入遺伝子が複数の導入遺伝子産物(例として、SMN1タンパク質および別のタンパク質または干渉核酸)をコードする場合、各遺伝子産物は、導入遺伝子内の任意の適切な位置に配置され得ることが理解されるべきである。例えば、第1のポリペプチドをコードする核酸は、導入遺伝子のイントロンに位置することができ、第2のポリペプチドをコードする核酸配列は、別の非翻訳領域(例として、タンパク質コード配列の最後のコドンと導入遺伝子のポリAシグナルの第1塩基との間)に位置することができる。
【0042】
「プロモーター」は、遺伝子の特異的転写を開始するのに必要な細胞の合成機構または導入された合成機構によって認識される、DNA配列をいう。「動作可能に連結された」、「動作可能に配置された」、「制御下にある」または「転写制御下にある」という語句は、RNAポリメラーゼの開始および遺伝子の発現を制御するために、プロモーターが核酸に対して正しい場所および配向にあることを意味する。
【0043】
タンパク質をコードする核酸の場合、ポリアデニル化配列は、一般に、導入遺伝子配列の後および3'AAV ITR配列の前に挿入される。本開示において有用なrAAV構築物はまた、望ましくはプロモーター/エンハンサー配列と導入遺伝子との間に位置する、イントロンを含有し得る。1つの可能なイントロン配列はSV-40に由来し、SV-40 Tイントロン配列と呼ばれる。いくつかの態様において、イントロンは、非天然のイントロンまたは合成イントロン(例として、MBLイントロン)である。使用され得る別のベクター要素は、内部リボソーム進入部位(IRES)である。IRES配列は、単一の遺伝子転写物から2つ以上のポリペプチドを産生するために使用される。IRES配列は、2つ以上のポリペプチド鎖を含有するタンパク質を産生するために使用されるであろう。これらおよび他の一般的なベクター要素の選択は慣用のものであり、多くのそのような配列が入手可能である[例として、Sambrook et al.、およびそこに引用されている参考文献、例えば、3.18 3.26および16.17 16.27頁、ならびにAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,New York,1989を参照されたい]。いくつかの態様において、口蹄疫ウイルス2A配列はポリタンパク質に包含され、これは、ポリタンパク質の切断を媒介することが示されている小ペプチド(およそ18アミノ酸長)である(Ryan, M D et al., EMBO,1994; 4:928-933; Mattion, N M et al., J Virology, November 1996; p.8124-8127; Furler, S et al., Gene Therapy,2001;8:864-873;およびHalpin, C et al., The Plant Journal,1999;4:453-459)。2A配列の切断活性は、プラスミドおよび遺伝子治療ベクター(AAVおよびレトロウイルス)を包含する人工系において、以前に実証されている(Ryan, M D et al., EMBO,1994;4:928-933; Mattion, N M et al., J Virology, November 1996;p.8124-8127; Furler, S et al., Gene Therapy,2001;8:864-873;およびHalpin, C et al., The Plant Journal,1999;4:453-459; de Felipe, P et al., Gene Therapy,1999;6:198-208; de Felipe, P et al., Human Gene Therapy,2000;11:1921-1931.;および Klump, H et al., Gene Therapy,2001;8:811-817)。
【0044】
構成的プロモーターの例は、限定することなく、レトロウイルスラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター(任意にRSVエンハンサーを有する)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(任意にCMVエンハンサーを有する)[例として、Boshart et al., Cell, 41:521-530(1985)を参照されたい]、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸還元酵素プロモーター、β-アクチンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーターおよびEF1αプロモーター[Invitrogen]を包含する。いくつかの態様において、プロモーターは、RNA pol IIプロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、U6またはH1などのRNA pol IIIプロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、RNA pol IIプロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、U1aプロモーターを含む。
【0045】
誘導性プロモーターは、遺伝子発現の調節を可能にし、外因的に供給される化合物、温度などの環境因子、または特定の生理学的状態、例として、急性期、細胞の特定の分化状態の存在によって、あるいは、複製細胞のみにおいて、調節され得る。誘導性プロモーターおよび誘導系は、限定するものではないが、Invitrogen、ClontechおよびAriadを包含する様々な商業的供給源から利用可能である。多くの他のシステムが記載されており、当業者によって容易に選択され得る。外因的に供給されるプロモーターによって調節される誘導性プロモーターの例は、以下を包含する:亜鉛誘導性ヒツジメタロチオニン(MT)プロモーター、デキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、T7ポリメラーゼプロモーター系(WO 98/10088);エクジソン昆虫プロモーター(No et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:3346-3351 (1996))、テトラサイクリン抑制系(Gossen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:5547-5551 (1992))、テトラサイクリン誘導系(Gossen et al., Science, 268:1766-1769 (1995)、またHarvey et al., Curr. Opin. Chem. Biol., 2:512-518 (1998)も参照)、RU486誘導系(Wang et al., Nat. Biotech., 15:239-243 (1997)およびWang et al., Gene Ther., 4:432-441 (1997))、およびラパマイシン誘導系(Magari et al., J. Clin. Invest., 100:2865-2872 (1997))。この文脈において有用であり得るさらに他の種類の誘導性プロモーターは、特定の生理学的状態、例えば温度、急性期、細胞の特定の分化状態によって、または複製細胞のみにおいて、調節されるものである。
【0046】
本開示の側面は、天然プロモーターに作動可能に連結されたSMN1をコードする核酸配列(例として、SMN1をコードするコドン最適化された核酸配列)を含む、単離された核酸およびrAAVベクターに関する。いくつかの態様において、天然プロモーターは、ヒトSMN1プロモーターまたはそのバリアントを含む。いくつかの態様において、ヒトSMN1プロモーターは、配列番号4で表される核酸配列を含む。いくつかの態様において、プロモーターは、配列番号5で表される核酸配列を含むヒトSMN1プロモーターの一部を含む(すなわち、短鎖hSMN1プロモーター)。いくつかの態様において、ヒトSMN1プロモーターまたはそのバリアントは、配列番号4または配列番号5で表される核酸配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一の核酸配列を含む。ヒトSMN1プロモーターは当該技術分野において一般に知られており、例えば、Echaniz-Laguna et al., Am. J. Hum. Genet. 64:1365-1370, 1999に記載されている。導入遺伝子の発現が天然の発現を模倣することが望ましい場合(例として、適切な細胞型において生理学的レベルのhSMN1発現を発現する)、天然プロモーターが好ましい場合がある。天然プロモーターは、導入遺伝子の発現が時間的もしくは発生的に、または組織特異的に、または特異的な転写刺激に応答して調節されなければならない場合に使用され得る。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、本明細書に記載の単離された核酸およびrAAVベクターにおけるヒトSMN1プロモーターの使用は、ベクターからのヒトSMN1タンパク質の発現を調節し、対象における毒性、例えば後根神経節(DRG)毒性または肝臓毒性を、他のプロモーター、例えば、CMVプロモーター、チキンベータアクチン(CBA)プロモーター、CB6プロモーターなどを含む、単離された核酸およびrAAVベクターからのヒトSMN1タンパク質の発現と比べて、低減する。さらなる態様において、エンハンサー要素、ポリアデニル化部位、および/またはKozakコンセンサス配列などの他の天然の発現制御要素を使用して、天然の発現を模倣することもできる。
【0047】
いくつかの態様において、調節配列は、組織特異的な遺伝子発現能力を付与する。いくつかのケースにおいて、組織特異的調節配列は、組織特異的な様式で転写を誘導する組織特異的転写因子に結合する。かかる組織特異的調節配列(例として、プロモーター、エンハンサー等)は、当該技術分野において周知である。例示的な組織特異的調節配列には、限定はされないが、以下の組織特異的プロモーターが含まれる:レチノスキシン近位プロモーター、光受容体間レチノイド結合タンパク質エンハンサー(RS/IRBPa)、ロドプシンキナーゼ(RK)、肝臓特異的チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、インスリンプロモーター、グルカゴンプロモーター、ソマトスタチンプロモーター、膵臓ポリペプチド(PPY)プロモーター、シナプシン1(Syn)プロモーター、クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、哺乳動物デスミン(DES)プロモーター、α-ミオシン重鎖(α-MHC)プロモーター、または心臓トロポニンT(cTnT)プロモーター。他の例示のモーターは、中でも当業者に明らかである以下を包含する:ベータアクチンプロモーター、B型肝炎ウイルスコアプロモーター、Sandig et al., Gene Ther., 3:1002-9 (1996);アルファフェトプロテイン(AFP)プロモーター、Arbuthnot et al., Hum. Gene Ther., 7:1503-14 (1996))、骨オステオカルシンプロモーター(Stein et al., Mol. Biol. Rep., 24:185-96 (1997));骨シアロタンパク質プロモーター(Chen et al., J. Bone Miner. Res., 11:654-64 (1996))、CD2プロモーター(Hansal et al., J. Immunol., 161:1063-8 (1998));免疫グロブリン重鎖プロモーター、T細胞受容体α鎖プロモーター、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーターなどのニューロン(Andersen et al., Cell. Mol. Neurobiol., 13:503-15 (1993))、ニューロフィラメント軽鎖遺伝子プロモーター(Piccioli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:5611-5 (1991))、およびニューロン特異的vgf遺伝子プロモーター(Piccioli et al., Neuron, 15:373-84 (1995))。
【0048】
いくつかの態様において、プロモーターは、一定の組織における導入遺伝子発現を優先的に駆動する。いくつかの態様において、本開示は、導入遺伝子に作動可能に連結された組織特異的プロモーターを含む核酸を提供する。本明細書に使用されるとき、「組織特異的プロモーター」とは、特定の細胞型における遺伝子発現を他の細胞型と比べて優先的に調節する(例として、駆動または上方制御する)プロモーターを指す。細胞型特異的プロモーターは、中枢神経系(CNS)細胞、肝臓細胞(例として、肝細胞)、心臓細胞、筋細胞等の任意の細胞型に特異的であり得る。いくつかの態様において、組織特異的プロモーターは、筋組織または細胞に特異的なプロモーターである。CNS特異的プロモーターの例には、限定はされないが、シナプシン(Syn)、GFAP、Ca 2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(hCAMKII)などが含まれる。
【0049】
いくつかの側面において、本開示は、1つ以上のmiRNA結合部位をコードする導入遺伝子を含む、単離された核酸に関する。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、miRNA結合部位を遺伝子発現構築物に組み込むことで、対応するmiRNAが発現される細胞および組織において、導入遺伝子発現の調節(例として、導入遺伝子発現の阻害)が可能になる。いくつかの態様において、1つ以上のmiRNA結合部位を導入導入遺伝子に組み込むことで、細胞型特異的な様式での導入遺伝子発現の脱標的が可能になる。いくつかの態様において、1つ以上のmiRNA結合部位は、導入遺伝子の3'非翻訳領域(3'UTR)に、例えば、本明細書に記載の1つ以上の補体制御タンパク質をコードする核酸配列の最後のコドンとポリA配列との間に、位置される。
いくつかの態様において、本明細書に記載のrAAVベクターは、配列番号6~8と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一の核酸配列を含む。
【0050】
いくつかの態様において、導入遺伝子の発現は肝臓における導入遺伝子の過剰発現を引き起こし、肝臓毒性を生じる(例として、Hinderer et al., Severe Toxicity in Nonhuman Primates and Piglets Following High-Dose Intravenous Administration of an Adeno-Associated Virus Vector Expressing Human SMN, Volume: 29 Issue 3, 285-298: March 1, 2018を参照)。いくつかの態様において、肝臓毒性を低減するために、AAVベクターは、肝臓細胞からの導入遺伝子の発現を脱標的する1つ以上(例として、1、2、3、4、5、またはそれより多く)のmiRNA結合部位を含む導入遺伝子を含む。例えば、いくつかの態様において、導入遺伝子は1つ以上のmiR-122結合部位を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載のrAAVベクターは、1つ以上のmiR-122結合部位を含む。いくつかの態様において、miR-122結合部位を含むrAAVベクターは、配列番号9~11と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一の核酸配列を含む。
【0051】
いくつかの態様において、導入遺伝子は、免疫細胞(例として、マクロファージ、樹状突起などの抗原提示細胞(APC))からの導入遺伝子の発現を脱標的する、1つ以上(例として、1、2、3、4、5、またはそれより多く)のmiRNA結合部位を含む。免疫関連miRNAのmiRNA結合部位を組み込むことで、導入遺伝子(例として、1つ以上の阻害性核酸)発現が抗原提示細胞から脱標的され、その結果、例えばUS 2018/0066279(その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、導入遺伝子産物に対して対象で生じる免疫応答(細胞および/または体液性の)を、低減または排除し得る。
【0052】
本明細書に使用されるとき、「免疫関連miRNA」は、抗原提示細胞(APC)などの免疫系の細胞で優先的に発現するmiRNAである。いくつかの態様において、免疫関連miRNAは、非免疫細胞(例として、HeLa細胞、HEK293細胞、間葉系細胞などの対照細胞)と比較して、免疫細胞において少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍高い発現レベルを示す、免疫細胞で発現するmiRNAである。いくつかの態様において、免疫系関連miRNAが発現する免疫系の細胞(免疫細胞)は、B細胞、T細胞、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、γδT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、血管内皮細胞、または他の免疫細胞である。いくつかの態様において、免疫系細胞は、以下のマーカーの1つ以上を発現するB細胞である:B220、BLAST-2(EBVCS)、Bu-1、CD19、CD20(L26)、CD22、CD24、CD27、CD57、CD72、CD79a、CD79b、CD86、chB6、D8/17、FMC7、L26、M17、MUM-1、Pax-5(BSAP)、およびPC47H。いくつかの態様において、免疫系細胞は、以下のマーカーの1つ以上を発現するT細胞である:ART2、CD1a、CD1d、CD11b(Mac-1)、CD134(OX40)、CD150、CD2、CD25(インターロイキン2受容体アルファ)、CD3、CD38、CD4、CD45RO、CD5、CD7、CD72、CD8、CRTAM、FOXP3、FT2、GPCA、HLA-DR、HML-1、HT23A、Leu-22、Ly-2、Ly-m22、MICG、MRC OX 8、MRC OX-22、OX40、PD-1(プログラム死-1)、RT6、TCR(T細胞受容体)、Thy-1(CD90)、TSA-2(胸腺共通Ag-2)。いくつかの態様において、免疫関連miRNAは、以下から選択される:miR-15a、miR-16-1、miR-17、miR-18a、miR-19a、miR-19b-1、miR-20a、miR-20a、miR-21、miR-29a/b/c、miR-30b、miR-31、miR-34a、miR-92a-1、miR-106a、miR-125a/b、miR-142-3p、miR-146a、miR-150、miR-155、miR-181a、miR-223およびmiR-424、miR-221、miR-222、let-7i、miR-148、およびmiR-152。いくつかの態様において、本明細書に記載の導入遺伝子は、miR-142に対する1つ以上の結合部位を含む。
【0053】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)
いくつかの側面において、本開示は、単離されたアデノ随伴ウイルス(AAVs)を提供する。本明細書に使用されるとき、AAVに関して、用語「単離された」とは、人工的に生成されたかまたは得られたAAVを指す。単離されたAAVは、組換え法を用いて生成することができる。かかるAAVは、本明細書では「組換えAAV」と呼ばれる。組換えAAV(rAAV)は好ましくは組織特異的標的化機能を有し、こうして、rAAVの導入遺伝子が1つ以上の予め決められた組織(例として、筋組織、眼組織、ニューロン等)に特異的に送達される。AAVカプシドは、これらの組織特異的標的化機能(例として、組織指向性)を決定する上で重要な要素である。したがって、標的にされる組織に適したカプシドを有するrAAVを選択することができる。
【0054】
いくつかの態様において、本開示のrAAVは、配列番号1、6、または7で表されるヌクレオチド配列を含むか、または配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。いくつかの態様において、本開示のrAAVは、配列番号1、6~11で表されるヌクレオチド配列と99%同一、95%同一、90%同一、85%同一、80%同一、75%同一、70%同一、65%同一、60%同一、55%同一、または50%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0055】
いくつかの側面において、本開示は、以下を含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を提供する:(a) (i)5’ ITR;(ii)配列番号5のヌクレオチド配列を含むヒト短鎖SMNプロモーター;(iii)配列番号1で表されるSMN1をコードするコドン最適化された核酸配列;(iv)ポリAテール;および(v)3’ ITR、を含む自己相補的なrAAVゲノム;ならびに、(b)AAV9カプシドタンパク質。いくつかの態様において、ポリAテールは、ウサギグロビンポリAまたはBGHポリAテールである。いくつかの態様において、rAAVは、1つ以上のmiR-122結合部位をさらに含む。
【0056】
所望のカプシドタンパク質を有する組換えAAVを得るための方法は、当該技術分野において周知である。(例えば、US 2003/0138772を参照、それらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。典型的には、方法は、AAVカプシドタンパク質;機能性rep遺伝子;AAV逆位末端反復(ITR)および導入遺伝子から構成される組換えAAVベクター;ならびに組換えAAVベクターのAAVカプシドタンパク質へのパッケージングを可能にするのに十分なヘルパー機能、をコードする核酸配列を含有する宿主細胞を培養することを伴う。いくつかの態様において、カプシドタンパク質は、AAVのキャップ遺伝子によってコードされる構造タンパク質である。いくつかの態様において、AAVは、3つのカプシドタンパク質である、ビリオンタンパク質1~3(VP1、VP2およびVP3と名付けられている)を含み、それらは全て、選択的スプライシングを介して単一のcap遺伝子から転写される。いくつかの態様において、VP1、VP2およびVP3の分子量はそれぞれ、約87kDa、約72kDaおよび約62kDaである。いくつかの態様において、翻訳時に、カプシドタンパク質は、ウイルスゲノムの周りに球状の60量体タンパク質殻を形成する。いくつかの態様において、カプシドタンパク質の機能は、ウイルスのゲノムを保護し、ゲノムを送達し、宿主と相互作用することである。いくつかの側面において、カプシドタンパク質は、ウイルスゲノムを組織特異的に宿主に送達する。
【0057】
いくつかの態様において、AAVカプシドタンパク質は、中枢神経系(CNS)組織に対する指向性を有する。いくつかの態様において、AAVカプシドタンパク質は、神経細胞型、星状細胞、オリゴデンドロサイト、グリア細胞などを標的とする。いくつかの態様において、AAVカプシドタンパク質は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV.PHP-eB、AAVrh39、AAVrh43、および上記のいずれかのバリアントからなる群から選択されるAAV血清型である。いくつかの態様において、rAAVは、AAV9カプシドタンパク質を含む。
【0058】
いくつかの態様において、rAAVベクターまたはrAAV粒子は、機能的末端解離部位(TRS)を欠く変異型ITRを含む。「末端解離部位の欠如」という用語は、ITRの末端解離部位(TRS)の機能を破壊する変異(例として、非同義変異またはミスセンス変異などのセンス変異)を含むAAV ITR、または機能的TRS(例として、ΔTRS ITR)をコードする核酸配列を欠くトランケートされたAAV ITRを指すことができる。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、機能的TRSを欠くITRを含むrAAVベクターは、例えばMcCarthy (2008) Molecular Therapy 16(10):1648-1656に記載されているように、自己相補的なrAAVベクター(scAAVまたはscrAAVベクター)を生成する。
【0059】
rAAVベクターをAAVカプシドにパッケージングするために宿主細胞内で培養される構成要素は、宿主細胞にトランスで提供されてもよい。代替的に、必要な構成要素(例として、組換えAAVベクター、rep配列、cap配列、および/またはヘルパー機能)のいずれか1つ以上は、当業者に既知の方法を使用して、必要な構成要素の1つ以上を含有するように操作された安定(stable)宿主細胞によって提供されることもある。最も適切には、そのような安定宿主細胞は、誘導性プロモーターの制御下で必要な構成要素を含有するであろう。しかしながら、必要な構成要素は、構成的プロモーターの制御下にあってもよい。適切な誘導性プロモーターおよび構成的プロモーターの例は、導入遺伝子と共に使用するのに適切な調節要素の考察において、本明細書に提供される。さらに別の代替では、選択された安定宿主細胞は、構成的プロモーターの制御下にある選択された構成要素および1つ以上の誘導性プロモーターの制御下にある他の選択された構成要素を含有してもよい。例えば、293細胞(これは構成的プロモーターの制御下でE1ヘルパー機能を含有する)に由来するが、誘導性プロモーターの制御下でrepおよび/またはcapタンパク質を含有する、安定宿主細胞が生成され得る。さらに他の安定宿主細胞は、当業者によって生成され得る。
【0060】
いくつかの態様において、本開示は、導入遺伝子(例として、SMN1)をコードするコドン最適化されたコード配列を含む核酸を含有する宿主細胞に関する。「宿主細胞」は、目的の物質を担持する、または担持することが可能である任意の細胞をいう。多くの場合、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの態様において、宿主細胞はニューロンである。宿主細胞は、AAVヘルパー構築物、AAVミニ遺伝子プラスミド、補助機能ベクター、または組換えAAVの産生に関連する他の導入DNAの、レシピエントとして使用され得る。この用語は、トランスフェクトされた元の細胞の子孫を包含する。したがって、本明細書に使用されるとき、「宿主細胞」は、外因性DNA配列をトランスフェクトされた細胞をいう場合もある。単一の親細胞の子孫は、天然、偶発的、または意図的な変異のために、元の親と、形態またはゲノムもしくは全DNA相補体とは、必ずしも完全に同一でない場合があることが理解される。いくつかの態様において、宿主細胞は、哺乳動物細胞、酵母細胞、細菌細胞、昆虫細胞、植物細胞、または真菌細胞である。いくつかの態様において、宿主細胞は中枢神経系細胞、例えばニューロンまたはグリア細胞である。
【0061】
本開示のrAAVを産生するのに有用な組換えAAVベクター、rep配列、cap配列、およびヘルパー機能は、任意の適切な遺伝子要素(ベクター)を使用してパッケージング宿主細胞に送達されてもよい。選択された遺伝子要素は、本明細書に記載のものを包含する任意の適切な方法によって送達され得る。本開示の任意の態様を構築するために使用される方法は、核酸操作の当業者に既知であり、遺伝子工学、組換え工学、および合成技法を包含する。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.を参照されたい。同様に、rAAVビリオンを生成する方法もよく知られており、適切な方法の選択は開示の制限ではない。例えば、K. Fisher et al., J. Virol., 70:520-532 (1993)、および米国特許第5,478,745号を参照されたい。
【0062】
いくつかの態様において、組換えAAVは、トリプルトランスフェクション法(米国特許第6,001,650号に詳細に記載されている)を使用して産生され得る。典型的には、組換えAAVは、AAV粒子中にパッケージングされる(ITR要素の脇に配置される導入遺伝子を含む)AAVベクター、AAVヘルパー機能ベクター、および補助機能ベクターを宿主細胞にトランスフェクトすることによって産生される。AAVヘルパー機能ベクターは、増殖性AAVの複製およびカプシド形成のためにトランスで機能する「AAVヘルパー機能」配列(例として、repおよびcap)をコードする。好ましくは、AAVヘルパー機能ベクターは、任意の検出可能な野生型AAVビリオン(例として、機能性repおよびcap遺伝子を含有するAAVビリオン)を生成することなく、効率的なAAVベクター産生をサポートする。本開示での使用に適切なベクターの非限定的な例は、米国特許第6,001,650号に記載されているpHLP19および米国特許第6,156,303号に記載されているpRep6cap6ベクターを包含し、両方の全体が参照により本明細書に組み込まれる。補助機能ベクターは、AAVが複製について依存する非AAV由来のウイルス機能および/または細胞機能(例として、「補助機能」)のためのヌクレオチド配列をコードする。補助機能は、限定するものではないが、AAV遺伝子転写の活性化、段階特異的AAV mRNAスプライシング、AAV DNA複製、cap発現産物の合成、およびAAVカプシド集合に関与する部分を包含する、AAV複製に必要な機能を包含する。ウイルスに基づく補助機能は、アデノウイルス、(単純ヘルペスウイルス1型以外の)ヘルペスウイルス、およびワクシニアウイルスなどの既知のヘルパーウイルスのいずれかに由来し得る。
【0063】
いくつかの側面において、本開示は、トランスフェクトされた宿主細胞を提供する。「トランスフェクション」という用語は、細胞による外来DNAの取り込みを指す場合に使用され、細胞は、外来性DNAが細胞膜の内部に導入された場合に「トランスフェクト」されている。多数のトランスフェクション技法が当技術分野において一般的に知られている。例えば、Graham et al. (1973) Virology, 52:456、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning, a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York、Davis et al. (1986) Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier、およびChu et al. (1981) Gene 13:197を参照されたい。かかる技法は、ヌクレオチド組み込みベクターおよび他の核酸分子などの1つ以上の外因性核酸を適切な宿主細胞に導入するために使用することができる。
【0064】
本明細書に使用されるとき、「組換え細胞」という用語は、生物学的に活性なポリペプチドの転写またはRNAなどの生物学的に活性な核酸の産生をもたらすDNAセグメントなどの、外因性DNAセグメントが導入された細胞をいう。
本明細書に使用されるとき、「ベクター」という用語は、適切な制御要素と会合した場合に複製が可能であり、細胞間で遺伝子配列を導入することができる、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、人工染色体、ウイルス、ビリオン等などの、任意の遺伝子要素を包含する。いくつかの態様において、ベクターは、rAAVベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどのウイルスベクターである。したがって、この用語は、クローニングおよび発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターを包含する。いくつかの態様において、ベクターはバキュロウイルスベクターを含み、これは特定の昆虫細胞(例えば、SF9細胞)においてウイルス粒子を産生するのに有用である。いくつかの態様において、有用なベクターは、転写される核酸セグメントがプロモーターの転写制御下に位置するベクターであることが企図される。
【0065】
導入遺伝子の組織への送達
本開示の単離された核酸、rAAV、および組成物は、当該技術分野において知られている任意の適切な方法に従って、組成物として対象に送達されてもよい。例えば、好ましくは生理学的に適合する担体(例えば組成物中)に懸濁されたrAAVを、対象、すなわち宿主動物、例えばヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ウマ、ウシ(cow)、ヤギ、ブタ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、シチメンチョウ、または非ヒト霊長類(例えば、マカク)に投与することができる。いくつかの態様において、宿主動物はヒトを包含しない。いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0066】
rAAVの送達は、例えば、筋肉内注射または対象の筋組織もしくは細胞への注入によるものであり得る。本明細書に使用されるとき、「筋組織」とは、対象の骨格筋、平滑筋、または心筋に由来する、またはそれらに含有される、任意の組織を指す。筋組織の非限定例としては、骨格筋、平滑筋、心筋、筋細胞、筋節、筋原線維などを包含する。
【0067】
血流への投与は、静脈、動脈、または任意の他の血管導管への注射によるものであり得る。いくつかの態様において、rAAVは、外科技術において周知の技法である分離式肢灌流(isolated limb perfusion)によって血流中に投与され、この方法は、当業者がrAAVビリオンの投与前に、肢を全身循環から単離することを本質的に可能にする。米国特許第6,177,403号に記載されている分離式肢灌流技法の変形はまた、筋細胞または組織への形質導入を潜在的に増強するために、分離された肢の血管系にビリオンを投与するために当業者によって使用され得る。
【0068】
本開示の側面は、カプシドタンパク質および導入遺伝子をコードする核酸を含む組換えAAVを含む組成物に関し、ここで導入遺伝子は、SMN1タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列を含む。いくつかの態様において、核酸は、AAV ITRをさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、薬学的に許容し得る担体をさらに含む。
本開示の組成物は、rAAVを、単独で、または1つ以上の他のウイルス(例として、1つ以上の異なる導入遺伝子を有しコードする第2のrAAV)と組み合わせて、含み得る。いくつかの態様において、組成物は、それぞれが1つ以上の異なる導入遺伝子を有する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多くのrAAVを含む。
【0069】
適切な担体は、rAAVが向けられる適応症を考慮して当業者によって容易に選択され得る。例えば、1つの適切な担体は生理食塩水を包含し、これは様々な緩衝液(例として、リン酸緩衝生理食塩水)と共に製剤化され得る。他の例示的な担体は、滅菌生理食塩水、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストラン、寒天、ペクチン、落花生油、ゴマ油および水を包含する。担体の選択は、本開示を限定するものではない。
【0070】
任意に、本開示の組成物は、rAAVおよび担体に加えて、防腐剤または化学安定剤などの他の慣用の医薬成分を含有し得る。適切な例示的な防腐剤は、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、没食子酸プロピル、パラベン、エチルバニリン、グリセリン、フェノールおよびパラクロロフェノール、およびPluronic(登録商標)F-68などのポロキサマー(非イオン性界面活性剤)を包含する。適切な化学安定剤は、ゼラチンおよびアルブミンを包含する。
【0071】
rAAVは、所望の組織の細胞をトランスフェクトし、過度の弊害なしに十分なレベルの遺伝子導入および発現を提供するのに十分な量で投与される。慣用のおよび薬学的に許容し得る投与経路は、選択された臓器への直接送達(例として、肝臓への門脈内送達)、眼内注射、網膜下注射、経口、吸入(鼻腔内および気管内送達を包含する)、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腫瘍内、および他の非経口投与経路を包含するが、これらに限定されない。所望に応じて、投与経路は組み合わされてもよい。
【0072】
特定の「治療効果」を達成するために必要なrAAVビリオンの用量、例として、体重1キログラム当たりのゲノムコピー(GC/kg)での用量の単位は、限定されるものではないが、rAAVビリオンの投与経路、治療効果を達成するために必要な遺伝子またはRNA発現のレベル、処置されている特定の疾患または障害、および遺伝子またはRNA産物の安定性を包含する、いくつかの因子に基づいて変動するであろう。当業者は、上述の因子、ならびに当該技術分野において周知である他の因子に基づいて、特定の疾患または障害を有する患者を処置するためのrAAVビリオンの用量範囲を、容易に決定し得る。いくつかの態様において、本明細書に記載のrAAVを、約109~1016個のゲノムコピーを含有する約1 mlから約100 mlの範囲の用量で、対象に投与する。いくつかのケースにおいて、約1011~1013のrAAVゲノムコピーの投薬量を投与する。
【0073】
rAAVの有効量は、動物を標的にして感染させ、目的の組織を標的にするのに十分な量である。いくつかの態様において、有効量のrAAVが、変性疾患の前症状段階において対象に投与される。いくつかの態様において、変性疾患の1つ以上の徴候または症状を示した後に、対象にrAAVまたは組成物が投与される。
【0074】
rAAVの有効量もまた、投与モードに依存し得る。例えば、筋肉内投与または皮下注射によって筋組織(例えば、筋細胞)を標的にする場合、いくつかのケースにおいて、別の方法(例えば、全身投与、局所投与など)で筋組織を標的にするのとは異なる用量(例えば、高用量または低用量)が、必要になることもある。いくつかの態様において、特定の血清型(例えば、AAV2、AAV6、AAV9など)を有するrAAVの筋肉内注射(IM)が、筋細胞の効率的な形質導入を仲介する。したがって、いくつかの態様において、注射は筋肉内注射(IM)である。いくつかの態様において、注射は全身投与(例えば、静脈内注射)である。いくつかのケースにおいては、rAAVを複数回投与する。いくつかの態様において、投与は全身投与である。いくつかの態様において、全身投与は静脈内投与を含む。いくつかの態様において、投与は、例えば脳内注射、髄腔内注射、頭蓋内注射などによる、中枢神経系への局所投与である。
【0075】
いくつかの態様において、rAAV組成物は、特に高いrAAV濃度が存在する場合(例として、約1013GC/mL以上)、組成物中のAAV粒子の凝集が低減するように製剤化される。rAAVの凝集を低減する方法は当該技術分野において周知であり、例えば、界面活性剤の添加、pH調整、塩濃度調整等を包含する。(例として、その内容が参照により本明細書に組み込まれるWright et al., Molecular Therapy (2005) 12, 171-178を参照されたい。)
薬学的に許容し得る賦形剤および担体溶液の製剤化は、様々な処置レジメンにおいて本明細書に記載の特定の組成物を使用するための適切な投薬および処置レジメンの開発と同様に、当業者に周知である。
【0076】
典型的には、これらの製剤は、少なくとも約0.1%の活性化合物を含有してもよいが、もちろん、活性成分の割合は変化してもよく、便宜上、製剤全体の重量または体積の約1または2%~約70%または80%以上である場合もある。当然のことながら、各治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、化合物の任意の所与の単位用量で適切な投薬量が得られるように調製され得る。可溶性、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与経路、産物の貯蔵寿命などの因子、ならびに他の薬理学的留意事項は、かかる医薬製剤を調製する当業者によって企図され、そのため様々な投薬量および処置レジメンが所望され得る。
【0077】
特定の状況では、本明細書において開示される適切に製剤化された医薬組成物中のrAAVベースの治療用構築物は、眼内、網膜下、皮下、膵臓内、鼻腔内、非経口、静脈内、筋肉内、髄腔内、経口、腹腔内、または吸入のいずれかで送達することが望ましいであろう。いくつかの態様において、米国特許第5,543,158号;同第5,641,515号および同第5,399,363号(それぞれ、その全体が参照により本明細書に具体的に組み込まれる)に記載の通りの投与モダリティを、rAAVを送達するために使用してもよい。いくつかの態様において、好ましい投与モードは門脈注射によるものである。
【0078】
注射使用に適した医薬形態は、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射用溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末を包含する。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物中、ならびに油中で調製され得る。保管および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含有する。多くの場合、形態は、滅菌されており、容易にシリンジが使用可能である程度に流動性である。これは、製造および保管の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例として、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、および/または植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。微生物作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを包含することが好ましいであろう。注射用組成物の長期にわたる吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの、組成物における使用によってもたらされ得る。
【0079】
注射用水溶液の投与のために、例えば、溶液は、必要に応じて適切に緩衝化されてもよく、液体希釈剤は、まず十分な生理食塩水またはグルコースで等張性にする。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適切である。これに関連して、使用され得る滅菌水性媒体は当業者に既知であろう。例えば、1回の投薬量は1mlの等張性NaCl溶液に溶解して、1000mlの皮下点滴液に添加するか、または提案された点滴部位に注射されてもよい(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences 15th Edition, 1035-1038および1570-1580頁を参照されたい)。投薬量のいくらかの変動は、宿主の状態に応じて必然的に生じるであろう。投与の責任者は、いずれにせよ、個々の宿主に適した用量を決定するであろう。
【0080】
滅菌注射用溶液は、必要な量の活性rAAVを、必要に応じて、本明細書において列挙される様々な他の成分と共に適切な溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって、調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌された活性成分を、基礎分散媒および上に列挙されたものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって、調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分に加えて任意の追加の所望の成分の粉末を、先に滅菌濾過されたその溶液から生じる、真空乾燥および凍結乾燥技法である。
【0081】
本明細書に開示されるrAAV組成物は、中性または塩形態で製剤化されてもよい。薬学的に許容し得る塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)を包含し、これは、例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸等の有機酸で形成される。遊離カルボキシル基で形成された塩はまた、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、および、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカイン等の有機塩基に由来し得る。製剤化の際、溶液は、投薬量製剤と適合する様式で、治療上有効であるような量で投与されるであろう。製剤は、注射用溶液、薬物放出カプセル等などの様々な剤形で容易に投与される。
【0082】
本明細書に使用されるとき、「担体」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、緩衝液、担体溶液、懸濁液、コロイド等を包含する。医薬活性物質のためのかかる媒体および薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。補助活性成分もまた、組成物に組み込まれ得る。「薬学的に許容し得る」という語句は、宿主に投与した場合にアレルギー反応または類似の有害反応を生じさせない分子実体および組成物を指す。
【0083】
リポソーム、ナノカプセル、微粒子、ミクロスフェア、脂質粒子、ベシクル等などの送達ビヒクルが、本開示の組成物を適切な宿主細胞に導入するために使用され得る。特に、rAAVベクターにより送達される導入遺伝子は、脂質粒子、リポソーム、ベシクル、ナノスフェア、またはナノ粒子等のいずれかに封入されて、送達のために製剤化され得る。
【0084】
かかる製剤は、本明細書に開示の核酸またはrAAV構築物の薬学的に許容し得る製剤の導入に好ましい場合がある。リポソームの形成および使用は、一般に当業者に既知である。最近、改善された血清安定性および循環半減時間を有するリポソームが開発された(米国特許第5,741,516号)。さらに、潜在的な薬物担体としてのリポソームおよびリポソーム様調製物の様々な方法が記載されている(米国特許第5,567,434号;同第5,552,157号;同第5,565,213号;同第5,738,868号および同第5,795,587号)。
【0085】
リポソームは、他の手順によるトランスフェクションに対して通常抵抗性である多数の細胞型で使用され、成功してきた。さらに、リポソームは、ウイルスに基づく送達系に典型的であるDNAの長さの制約がない。リポソームは、遺伝子、薬物、放射線治療剤、ウイルス、転写因子およびアロステリックエフェクターを様々な培養細胞株および動物に導入するために、効果的に使用されてきた。さらに、リポソーム媒介性薬物送達の有効性を調べるいくつかの成功した臨床試験が完了している。
【0086】
リポソームは、水性媒体中に分散されているリン脂質から形成され、自然発生的に多層同心二重層ベシクル(多層ベシクル(MLV)とも称される)を形成する。MLVは一般に、25nm~4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、コアに水溶液を含有する、200~500Aの範囲の直径を有する小型単層ベシクル(SUV)の形成をもたらす。
代替的に、rAAVのナノカプセル製剤を使用してもよい。ナノカプセルは一般に、安定かつ再現性のある方法で物質を捕捉することができる。細胞内ポリマー過負荷による副作用を回避するために、そのような超微粒子(約0.1μmのサイズ)は、in vivoで分解され得るポリマーを使用して設計されるべきである。これらの要件を満たす生分解性ポリアルキル-シアノアクリラートナノ粒子が、使用のために企図される。
【0087】
上記の送達方法に加えて、rAAV組成物を宿主に送達する代替方法として以下の技法も企図される。ソノフォレーシス(すなわち、超音波)は、循環系へのおよび循環系を通る薬物透過の速度および有効性を増強するための装置として使用され、米国特許第5,656,016号に記載されている。企図される他の薬物送達代替物は、骨内注射(米国特許第5,779,708号)、マイクロチップデバイス(米国特許第5,797,898号)、眼科用製剤(Bourlais et al.,1998)、経皮マトリックス(米国特許第5,770,219および同第5,783,208号)およびフィードバック制御送達(米国特許第5,697,899号)である。
【0088】
治療方法
本開示の側面は、特定の神経疾患および/または神経筋疾患、例えば脊髄性筋萎縮症(SMA)を予防または処置するための、組成物および方法に関する。本開示は、一部において、SMN1タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列を含む単離された核酸、rAAVなどに基づく。いくつかの態様において、rAAVベクターは、例えば配列番4または5に記載されているような、天然(例えば、ヒト)のSMN1プロモーターを含む。
【0089】
本開示は、一部において、本明細書に記載のrAAVおよびベクターを用いてSMN1タンパク質発現を増加させることに基づいており、これにより、対象における毒性が低減する(例えば、これまでに使用されたrAAV-SMN1ベクター(例として、ゾルゲンスマ)を投与された対象と比較して)。いくつかの態様において、毒性の低減は、肝臓毒性の低減である。いくつかの態様において、毒性の低減は、後根神経節(DRG)毒性の低減である。対象における毒性の低減の量は異なり得る。いくつかの態様において、毒性は、2倍~5倍、3倍~10倍、5倍~20倍、10倍~50倍、30倍~80倍、または50倍~100倍低減する(例えば、これまでに使用されたrAAV-SMN1ベクターを投与された対象と比較して)。いくつかの態様において、毒性は100倍より多く低減する(例えば、これまでに使用された rAAV-SMN1ベクター、例えばゾルゲンスマを投与された対象と比較して)。対象における毒性を測定する方法は知られており、細胞毒性の測定(例として、細胞死)、肝臓毒性の測定(例として、ALTアッセイによる)などがある。
【0090】
いくつかの態様において、投与は、SMAに関連する合併症の低減をもたらす。いくつかの態様において、SMAの合併症は、肺感染症、脊椎変形(例として、脊柱側湾症、股関節亜脱臼/脱臼)、関節拘縮、または呼吸不全を含む。
いくつかの態様において、投与は、ヒトSMN1をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターを含むAAVベクターの対象への投与と比べて、対象における改善された生存率をもたらす。いくつかの態様において、対象の生存率は、これまでに使用されたrAAV-SMN1ベクター(例えば、ゾルゲンスマ)を投与された対象と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%増加する。本開示では、生存率を測定する任意の好適な既知の方法を使用することができる。
【0091】
いくつかの態様において、対象は、哺乳動物対象、例えばヒト対象である。いくつかの態様において、対象は、SMN1またはSMN2遺伝子に1つ以上の変異、例えば、対象の細胞における機能的SMN1タンパク質の減少(または欠如)をもたらす1つ以上の変異を有することを特徴とする。SMN1変異の例は、例えばWirth, Hum Mutat. 2000; 15(3): 228-37により記載されている。いくつかの態様において、対象は、その細胞内で機能的SMN1タンパク質が減少している(または全くない)。いくつかの態様において、対象は、非ヒト哺乳動物、例えばマウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ラクダ、ラマ、または非ヒト霊長類である。
【0092】
いくつかの態様において、本明細書に記載の単離された核酸、rAAV、または組成物を細胞または対象に投与すると、細胞または対象におけるSMN1発現が、対照の対象と比較して2倍~100倍(例として、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、75倍、100倍等)増加する。本明細書に使用されるとき、「対照」の対象は、本明細書に記載の単離された核酸、rAAV、または組成物を投与されていない対象を指す。いくつかの態様において、対照の対象は、本明細書に記載の単離された核酸、rAAV、または組成物を投与される同じ対象(例として、投与前)である。
【0093】
いくつかの側面において、本開示は、対象におけるSMAを処置するための方法に関し、該方法は、本明細書に記載の単離された核酸、rAAV、または医薬組成物を対象に投与することを含む。
本明細書に使用されるとき、「予防する」という用語は、異常なSMN1活性に関連する症状または疾患を有していないが、異常なSMN1活性に関連する疾患への素因を有する対象に対して、異常なSMN1活性に関連する疾患の1つ以上の症状の発現を停止または遅延させることを目的として、SMN1タンパク質をコードする導入遺伝子を含む組成物を適用または投与することを指す。いくつかの態様において、疾患はSMAである。いくつかの態様において、「予防する」はまた、本明細書に記載の異常なSMN1活性に関連する合併症(例として、SMA)の発症を、停止または遅延させることも指す。
【0094】
本明細書に使用されるとき、「処置する」という用語は、異常なSMN1活性に関連する症状または疾患を有していないが、異常なSMN1活性に関連する疾患への素因を有する対象に対して、異常なSMN1活性に関連する障害、疾患の症状、または疾患に対する素因を、治す、治癒する、緩和する、軽減する、変更する、治療する、向上する、改善する、または影響を及ぼすことを目的として、SMN1タンパク質をコードする導入遺伝子を含む組成物を適用または投与することを指す。いくつかの態様において、疾患はSMAである。いくつかの態様において、「処置する」はまた、本明細書に記載の、異常なSMN1活性に関連する合併症(例として、SMA)を、治す、治癒する、緩和する、軽減する、変更する、治療する、向上する、改善する、または影響を及ぼすことも指す。
【0095】
異常なSMN1活性に関連する疾患の緩和には、疾患の発症または進行を遅らせること、または疾患の重症度を低減することも含まれる。病気を緩和することは必ずしも根治の効果を必要としない。そこで用いられる場合、疾患(SMAなどの、異常なSMN1活性に関連する疾患など)の発症を「遅らせる」ことは、疾患の進行を遅延する、阻止する、遅くさせる、遅滞させる、安定化する、および/または延期することを意味する。この遅延は、疾患の履歴および/または処置されている個体に応じて、さまざまな長さの期間に及び得る。疾患の発症を「遅延」または緩和する方法、または疾患の発病を遅らせる方法とは、方法を使用しない場合と比較して、特定の時間枠内で疾患の1つ以上の症状を発症する確率を低減する、および/または、一定の時間枠内で症状の程度を低減する方法である。このような比較は、統計的に有意な結果をもたらすのに充分な数の対象を用いた臨床研究に基づく。
【0096】
疾患の「発症」または「進行」とは、疾患の初期兆候および/またはそれに続く進行を意味する。疾患の発症は、当該技術分野において知られているような標準的な臨床技法を用いて検出可能であり評価することができる。しかしながら、発症とは、検出不能であり得る進行をも指す。本開示の目的上、発症または進行とは、症状の生物学的な経過を指す。「発症」には、発生、再発、および発病が含まれる。本明細書に使用されるとき、異常なSMN1活性または血管新生に関連する疾患の「発病」または「発生」には、初期の発病および/または再発が含まれる。
【0097】
本明細書に記載の組成物は、対象(例として、ヒトなどの哺乳動物対象)の1つ以上の標的細胞に投与する(または導入遺伝子が発現される)ことができる。いくつかの態様において、組成物(例として、単離された核酸、rAAV等)は、対象の中枢神経系(CNS)の細胞に投与される。CNS細胞の例には、これらに限定されないが、ニューロン、星状細胞、グリア細胞などが含まれる。
【0098】
キットおよび関連組成物
本明細書に記載の薬剤は、いくつかの態様において、治療、診断または研究用途での使用を容易にするために、医薬キットまたは診断キットまたは研究キットに組み立てられてもよい。キットは、本開示の構成要素および取扱説明書を収容する、1つ以上の容器を包含し得る。具体的には、かかるキットは、1つ以上の薬剤を、これらの薬剤の意図される用途および適切な使用を記載する取扱説明書と併せて、包含し得る。ある態様において、キット中の薬剤は、特定の用途および薬剤の投与方法に好適な医薬製剤および投薬量であり得る。研究目的のキットは、様々な実験を行うために適した濃度または量の構成要素を含有し得る。
【0099】
キットは、本明細書に記載の方法の研究者による使用を容易にするように設計されてもよく、多くの形態をとり得る。キットの各組成物は、適用可能な場合、液体形態(例として、溶液)で、または固体形態(例として、乾燥粉末)で提供されてもよい。あるケースにおいて、組成物のいくつかは、例えば、キットに提供されてもされなくてもよい、適切な溶媒または他の種(例えば、水または細胞培養培地)の添加によって(例として、活性な形態に)構成可能であるか、またはそうでなければ加工可能であってもよい。本明細書に使用されるとき、「取扱説明書」は、指示および/または促進の構成要素を定義し得るものであって、典型的には、本開示のパッケージ上にまたはこれに関連する書面の取扱説明書を伴い得る。取扱説明書はまた、取扱説明書がキットに関連付けられるべきであることを使用者が明確に認識するように任意の方法で提供される、任意の口頭でのまたは電子的説明書、例えば、視聴覚的(例として、ビデオテープ、DVD等)、インターネット、および/またはウェブベースの通信等を包含し得る。書面の取扱説明書は、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態であってもよく、この取扱説明書はまた、動物投与のための製造、使用または販売の機関による承認を反映することもできる。
【0100】
キットは、本明細書に記載の構成要素の任意の1つ以上を、1つ以上の容器に含有してもよい。一例として、一態様では、キットは、キットの1つ以上の構成要素を混合するため、および/または試料を単離および混合して対象に適用するための取扱説明書を包含し得る。キットは、本明細書に記載の薬剤を収容する容器を包含し得る。薬剤は、液体、ゲルまたは固体(粉末)の形態であってもよい。薬剤は、滅菌して調製され、シリンジにパッケージされ、および冷蔵されて輸送されてもよい。代替的に、これは、バイアルまたは保管のための他の容器に収納されてもよい。第2の容器は、滅菌して調製された他の薬剤を有していてもよい。代替的に、キットは、予め混合され、シリンジ、バイアル、管、または他の容器中で輸送される、活性薬剤を包含し得る。キットは、特に特定の体細胞動物モデルを産生するためのキットの場合に、シリンジ、局所適用装置、または静脈内針管およびバッグなどの動物に薬剤を投与するのに必要な構成要素の1つ以上または全部を有していてもよい。
【0101】
キットは、パウチ、1以上の管、容器、箱、またはバッグ内に緩く梱包された付属物とともに、ブリスターパウチ(blister pouch)、収縮包装パウチ、真空シール可能なパウチ、シール可能な熱成形トレイ、または類似のパウチもしくはトレイ形態などの、様々な形態を有し得る。キットは、付属物が加えられた後に滅菌されてもよく、これによって容器中の個々の付属物が別様に開封されることを可能にする。キットは、放射線滅菌、加熱滅菌、または当該技術分野において既知の他の滅菌方法などの、任意の適切な滅菌技法を使用して滅菌することができる。キットはまた、特定の用途に応じて、他の構成要素、例えば、容器、細胞培地、塩、緩衝液、試薬、シリンジ、針、消毒剤を適用または除去するためのガーゼなどの布地、使い捨て手袋、投与前の薬剤のための支持体等を包含し得る。
【0102】
キットに含まれる取扱説明書には、本明細書に記載のAAVベクターを構築する方法が含まれ得る。加えて、本開示のキットは、取扱説明書、陰性および/または陽性対照、容器、試料用の希釈剤および緩衝液、試料調製チューブ、ならびに配列比較のための印刷または電子的参照AAV配列表を包含し得る。
【実施例
【0103】
例1
2歳未満の個人へのゾルゲンスマの静脈内投与は、1型SMAの乳児において有意な臨床的有益性を示しているが、ほとんどの患者で肝臓トランスアミナーゼの急激な上昇が観察された。AAV9様SMNベクターの全身投与は、大型動物において後根神経節(DRG)の神経変性および炎症などの毒性を誘発することが観察されている。マウスモデルにおける長期にわたるAAV9を介したSMN過剰発現は、用量依存性の遅発性運動機能障害を誘発することが観察されている。つまるところ、AAVによってもたらされる生理学的レベルを超えたSMN1発現は、AAVベースのSMA遺伝子治療の、安全上の懸念事項となり得る。
【0104】
この例では、潜在的な安全上の懸念に対処するために、AAV-SMN1ベクターを改変することについて説明する。まず、患者に送達されるベクター用量を減らすために、SMN1コード配列(CDS)をコドン最適化してSMN1発現を最大化した。次に、内在性SMN1プロモーターを使用して患者におけるAAVベースのSMN1発現を駆動し、安全性プロファイルを増加させた。図1は、本開示のSMN1をコードするベクターの概略図を示す。「scAAV-CB6-opt-SMN1」は、CB6プロモーターおよびコドン最適化されたSMN1コード配列を有する、自己相補的AAV(scAAV)ベクターである。「SMNp-SMN1」は、2.0kbの内在性ヒトSMN1プロモーターおよびコドン最適化されたSMN1コード配列(CDS)を有する、一本鎖AAVゲノムである。「ssAAV-opt-SMN1(MBL)」は、2.0kbの内在性ヒトSMN1プロモーター、合成MBLイントロン、およびコドン最適化されたSMN1コード配列(CDS)を有する、一本鎖AAVゲノムである。「SMNsp-SMN1」は、0.9kbの内在性ヒトSMN1プロモーターおよびコドン最適化されたSMN1 CDSを有する、自己相補的AAVベクターである。「ゾルゲンスマ」は、CMVエンハンサー/ニワトリベータアクチンプロモーターおよび野生型ヒトSMN1 CDSを有する、自己相補的AAVベクターである。
【0105】
SMN1をコードするrAAVベクターの発現を、in vivoで調べた。図2A~2Fは、ssAAV9.opt-SMN1およびゾルゲンスマの、SMNΔ7マウスにおける代表的なデータを示す。図2Aは、ゾルゲンスマ(2xE14ゲノムコピー(GC)/kg)またはSMNp-SMN1 rAAVの3つの用量(2xE14ゲノムコピー(GC)/kg、6.8xE13 GCS/kg、または3.4xE13 GCS/kg)で処置されたSMNΔ7マウスの生存曲線を示す;ssAAV9.opt-SMN1の同一または1/3用量での処置は、ゾルゲンスマで処置されたマウスよりもより高い生存率を示す。図2Bおよび2Cは、ssAAV9.opt-SMN1処置のマウスが、ゾルゲンスマ処置マウスと比較して同様の体重増加を示すことを表わす、代表的なデータ示す。図2Dは、SMNΔ7マウスにおけるscAAV9.opt-SMN1およびゾルゲンスマの生存曲線を示す;ssAAV9.opt-SMN1の同一または1/3用量での処置は、ゾルゲンスマで処置されたマウスよりも高い生存率を示す。図2Eおよび2Fは、ssAAV9.opt-SMN1処置のマウスが、ゾルゲンスマ処置マウスと比較して同様の体重増加を示すことを表わす、代表的なデータ示す。
【0106】
図3A~3Bは、scAAV9.opt-SMN1で処置されたSMNΔ7マウスの、代表的な行動アッセイデータを示す。図3Aは、scAAV9.opt-SMN1で処置された動物が、投与後5日から自身で回復できることを示す。図3Bは、処置されたすべての動物が、ロータロッド試験で測定したように機能的筋肉を有することを示す、代表的なデータ示す。
【0107】
図4A~4Bは、代表的な毒物学的データを示す。図4Aは、高レベルのSMN1過剰発現が肝臓細胞に毒性であることを示す、組織学的データ示す。手短に言えば、AAVベクターを5E+11 GC/マウスで、顔面静脈を介して動物にP0で注射した。肝臓を、注射後8日目に採取した。肝臓障害は、AAVsc-CB6-PI-SMN1(6/6匹の動物)およびゾルゲンスマ(4/7匹の動物)ベクターの処置群で観察されたが、対照の空のAAV9(0/8匹の動物)またはssAAV9-opt-SMN1(0/8)ベクターの処置群では観察されなかった。図4Bは、代表的なアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)アッセイの試験結果を示す。
【0108】
図5は、SMN1をコードするベクターの推奨発現レベルを示す、概略図を示す。手短に言えば、本開示に記載のSMN1をコードするベクターは、対象に肝臓毒性を引き起こし得る、筋肉または非標的器官での過剰発現なしに、中枢神経系(CNS)組織におけるSMN1の高レベルの発現を可能にする。
【0109】
図1に記載の3つの改善されたSMN1をコードするrAAVベクターを、AAV9カプシド中にパッケージングした。次いで、rAAVをSMNΔ7マウススにP1で注射し、マウスの体重および生存をモニターした。改変されたAAV-SMN1ベクター(例として、SMNp-SMN1およびSMNsp-SMN1)はどちらも、生存においてゾルゲンスマよりも優れている。改変されたベクターの3分の1の用量(ゾルゲンスマと比べて)(例として、マウスあたり1.67xE11ゲノムコピー(GC))は、マウスあたり5xE11 GCでのゾルゲンスマよりも効率的に寿命を延ばすことが観察された(図6Aおよび6C)。図6Bは、5xE11 GCのSMNP-SMN1で処置されたSMNΔ7マウスが、ゾルゲンスマで処置されたマウスよりも17日目以降に重量が増加し、および、SMNp-SMN1の1.67xE11 GCの用量が、ゾルゲンスマ群と比較して、55日目に同様の重量を達成させたことを示す。SMNsp-SMN1ベクターの2つの異なる用量(5xE11 GCおよび1.67xE11 GC)で処置されたマウスもまた、5xE11 GC用量のゾルゲンスマ群と比較して、約23日目から成長の優位性を示した(図6D).
【0110】
例2
CMVen/CBプロモーター(CMVen/CB-co-hSMN1、配列番号8)の下にhSMN1(co-hSMN1)のコドン最適化配列を有するAAVベクターが、肝臓毒性を誘発するかどうかを試験するために、AAVベクターをAAV9カプシド中にパッケージングし(rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN1)、rAAVを生後1日目のSMNdelta7マウスに、3.3 x10e14 GCs/kgで顔面静脈注射により投与した。処置されたすべての動物(n = 6)は、未処置のSMAマウスよりも早く死亡した。ベクターで処置された動物では、注射後8日目に皮膚黄変および肝細胞の損傷が見られた(図7A-7C)。SMN1の過剰発現が肝臓において確認された(図7D)。
【0111】
さらに、肝臓でのSMN発現の抑制が肝臓損傷を緩和するかどうかを試験した。rAAVを肝臓から脱標的するために、miR-122結合部位をCMVen/CB-co-hSMN1(CB6-Pi-opt hSMN1-miR-122 BS;配列番号9)中に改変し、AAV9カプシド中にパッケージングした(scAAV9-CB6-PI-opt hSMN1-miR-122 BS) (図8A)。rAAV9sc-CMVen/CB-co-hSMN1およびscAAV9-CB6-PI-opt hSMN1-miR-122 BSを、それぞれ生後1日のSMNdelta7マウスに注射した。SMN1の肝臓発現および肝臓毒性を評価した。その結果、AAV構築物中のmiR-122結合部位を利用することにより、SMNの発現が肝臓から抑制されたことが示され(図8B)、肝臓毒性は、scAAV9-CB6-PI-opt hSMN1-miR-122 BSで処置されたマウスでは観察されなかった(図8C)。
【0112】
さらに、hSMN1発現の生理学的レベルを、適切な細胞型において低い有効用量のrAAVで回復させることで、肝臓毒性を低減できる可能性がある。生理学的に調節されたhSMN1の発現を達成するために、内在性の短鎖hSMN1プロモーター(配列番号5)からco-hSMN1を発現する第2世代(2nd gen)のscAAV9が設計された(SMN1sp-co-SMN1(図9D、9Eおよび9JではSMN1p-co-SMN1と呼ぶ);配列番号7)。scAAV9-CMVen/CB-opt-hSMN1を、陽性対照として使用した。Neuro-2A細胞にSMN1p-co-SMN1またはCMVen/CB-opt-hSMN1をトランスフェクトし、SMN1発現を評価した。その結果、内在性SMNプロモーターを用いた第2世代構築物は、Neuro-2A細胞でより高い発現効率を示したことがわかる(図9A)。
【0113】
次に、SMN1p-co-hSMN1(配列番号7)をAAV9カプシド中にパッケージングし(scAAV9-SMNp-co-hSMN1)、新生仔SMAマウスに顔面静脈注射により注射した(図9B)。参照ベクターとしてゾルゲンスマ(登録商標)で使用されているものと同じ発現カセットを担持するscAAV9-CMVen/CB-hSMN1を有するSMAマウスの別の群。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1ベクターまたは参照ベクターを、SMAマウスに顔面静脈を介してP0で注射し、サイドバイサイドの動物実験をセットアップした。マウスの体重(図9C)および生存率(図9D)を、毎日モニターした。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1で処置したマウスは、参照ベクター群よりも体重が増加した。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1ベクターの投与により、SMAマウスの寿命が有意に改善された。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1で処置した動物は、生後5か月で健康であった(図9E)。マウスの筋肉機能も評価した。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1による処置は、参照群よりも筋肉機能の回復が良好であった。グリッドテストデータは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1で処置したSMAマウスが、参照マウスよりも早く自身で回復できたことを示す(図9F)。P0での処置が若年(P12)動物の神経筋接合部(NMJ)に及ぼす影響も評価した。腹横筋(TVA)の代表的な画像は、NMJの神経支配の回復に対する処置効果を示す(図9G)。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1処置マウスの神経筋接合部の構造は、野生型マウスの構造に近い状態で、かつ参照処置されたSMAマウスよりもより良好に回復した(図9H)。
【0114】
さらに、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1による処置は、SMAマウスの合併症を緩和した。耳の壊死は、この動物モデルで通常見られる合併症の1つである。この合併症の重症度を、さまざまな疾患レベルに分類した(図9I)。AAVsc-SMNsp-co-hSMN1で処置した動物は、参照動物よりも重症度が低かった(図9J)。高齢の動物ほど症状は重度である。データは、AAVsc-SMNp-co-hSMN1処置動物では90日間、参照処置動物では60日間から収集した。
【0115】
AAVsc-SMNsp-co-hSMN1をSMAマウスに投与したところ、健康なキャリア動物同様の臓器/組織の発現パターンが達成された。免疫ブロットアッセイは、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1が、末梢組織以外の中枢神経系で優先的に発現することを示した。このベクターの発現パターンは、健康な対照動物と同様にSMNの自然分布に近い。(図9K-9L)。
【0116】
さらに、AAVsc-SMNsp-co-hSMN1またはベンチマークrAAV(BMK)を投与されたSMAマウスの生存を、P5でモニタリングした。scAAV9-SMNsp-hSMN1(7E+11 vg/マウス)ベクターの投与は、SMAマウスに注射後90日まで50%の生存率をもたらしたが、ベンチマークrAAVを投与されたSMAマウスのいずれもが、注射後30日経過して生存しなかった(図10)。
【0117】
代表的配列
>コドン最適化されたヒトSMN1核酸配列(配列番号1)
ATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGA
【0118】
>野生型SMN1核酸配列(配列番号2)
ATGGCGATGAGCAGCGGCGGCAGTGGTGGCGGCGTCCCGGAGCAGGAGGATTCCGTGCTGTTCCGGCGCGGCACAGGCCAGAGCGATGATTCTGACATTTGGGATGATACAGCACTGATAAAAGCATATGATAAAGCTGTGGCTTCATTTAAGCATGCTCTAAAGAATGGTGACATTTGTGAAACTTCGGGTAAACCAAAAACCACACCTAAAAGAAAACCTGCTAAGAAGAATAAAAGCCAAAAGAAGAATACTGCAGCTTCCTTACAACAGTGGAAAGTTGGGGACAAATGTTCTGCCATTTGGTCAGAAGACGGTTGCATTTACCCAGCTACCATTGCTTCAATTGATTTTAAGAGAGAAACCTGTGTTGTGGTTTACACTGGATATGGAAATAGAGAGGAGCAAAATCTGTCCGATCTACTTTCCCCAATCTGTGAAGTAGCTAATAATATAGAACAGAATGCTCAAGAGAATGAAAATGAAAGCCAAGTTTCAACAGATGAAAGTGAGAACTCCAGGTCTCCTGGAAATAAATCAGATAACATCAAGCCCAAATCTGCTCCATGGAACTCTTTTCTCCCTCCACCACCCCCCATGCCAGGGCCAAGACTGGGACCAGGAAAGCCAGGTCTAAAATTCAATGGCCCACCACCGCCACCGCCACCACCACCACCCCACTTACTATCATGCTGGCTGCCTCCATTTCCTTCTGGACCACCAATAATTCCCCCACCACCTCCCATATGTCCAGATTCTCTTGATGATGCTGATGCTTTGGGAAGTATGTTAATTTCATGGTACATGAGTGGCTATCATACTGGCTATTATATGGGTTTTAGACAAAATCAAAAAGAAGGAAGGTGCTCACATTCCTTAAATTAA
【0119】
>SMN1アミノ酸配列(配列番号3)
MAMSSGGSGGGVPEQEDSVLFRRGTGQSDDSDIWDDTALIKAYDKAVASFKHALKNGDICETSGKPKTTPKRKPAKKNKSQKKNTAASLQQWKVGDKCSAIWSEDGCIYPATIASIDFKRETCVVVYTGYGNREEQNLSDLLSPICEVANNIEQNAQENENESQVSTDESENSRSPGNKSDNIKPKSAPWNSFLPPPPPMPGPRLGPGKPGLKFNGPPPPPPPPPPHLLSCWLPPFPSGPPIIPPPPPICPDSLDDADALGSMLISWYMSGYHTGYYMGFRQNQKEGRCSHSLN
【0120】
>SMN1長鎖(long)プロモーター核酸配列(配列番号4)
tcgaagctttataaaaacatacttttttttttacttttttttttttttctgagacacagcctcactctgtcgcccaggctggagtgcaggttttcatgtttatctgtgagatgtacctttggcacattactttcctgacatgagatttaaatttttttttttatcttgtgacaatttaacttttttgacacataaaaattgtacatatttatttgtttgagatggagtcgcactctgtcactcaggctggagtgcagtggcgtgatcttggctcactgcaacctccgcctcccgagttcaagtgattctcctggctcagcctcccaagcagctgtcattacaggcctgcaccaccacacccggctgattttgtatttttaggagaaacagggtttcaccatgttgggccaggctggtcttgaagtcctgacctcaagtgatccacccaccttggcctcccaaagtgctgggattataggcatgagccaccgtaccagacccctaaaaattgtatatatttaaggtgtaccatttgatgtttagatatacattgtgaaatgattacattccacatattacctctacagagttaccatttttgtacacttggtcaacatcatcccattctccccttcctccacagatatttcttgtatactatatagaagccaagggtattttgggggaagagctcaaagttcctttcgtggagttaaaaatatatatatactatgtacatataagccatttagcaaccctagatgcttaataaagaatactggaggcccggtgtggtggctcacacctgtaatcccagcactttgggaggccgaggcggtcggattacgaggtcaggagttcaagaccagcctggccaacatggtgaaaccccatctttactaaaaatacaaaaattagccgggtgtggtggtgggcgcctgtaatcccagctactcggggggctgaggcagaattgcttgaacctgggaggcagaggttgcagtgagctgagatcacgccactgcattccagcctgggtgacagagcaatattctgtcgcaaaaaaaaaaagaatactggaggctgggcgaggtggctcacacctgtaatcccagcattttgggatgccagaggcgggcggaatntcttgagctcaggagttcgagaccagcctacacaatatgctccaaacgccgcttntacaaaacatacagaaactacccgggtgtggtggcgnncccctgtggtcctagatacttgggaggttgaggcgggaggatcgcttgagctcgggaggtcgaggctgcaatgagccgagatggtgccactgcattctgacgacagagcgagattccgtttcaaaacaaacaacaaataaggttgggggatcaaatatcttctagtgtttaaggatctgccttccttcctgcccccatgtttgtctttccttgtttgtctttatatagatcaagcaggttttaaattcctagtaggagcttacatttacttttccaagggggagggggaataaatatctacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacactggagttcgagacgaggcctaagcaacatgccgaaaccccgtctctactaaatacaaaaaatagctgagcttggtggcgcacgcctatagtcctagctactggggaggctgaggtgggaggatcgcttgagcccaagaagtcgaggctgcagtgagccgagatcgcgccgctgcactccagcctgagcgacagggcgaggctctgtctcaaaacaaacaaacaaaaaaaaaaaggaaaggaaatataacacagtgaaatgaaaggattgagagaaatgaaaaatatacacgccacaaatgtgggagggcgataaccactcgtagaaagcgtgagaagttactacaagcggtcctcccgggcaccgtactgttccgctcccagaagccccgggcgccggaagtcgtcactcttaagaagggacggggccccacgctgcgcacccgcgggtttgct
【0121】
>SMN1短鎖プロモーター核酸配列(配列番号5)
ggatgccagaggcgggcggaatntcttgagctcaggagttcgagaccagcctacacaatatgctccaaacgccgcttntacaaaacatacagaaactacccgggtgtggtggcgnncccctgtggtcctagatacttgggaggttgaggcgggaggatcgcttgagctcgggaggtcgaggctgcaatgagccgagatggtgccactgcattctgacgacagagcgagattccgtttcaaaacaaacaacaaataaggttgggggatcaaatatcttctagtgtttaaggatctgccttccttcctgcccccatgtttgtctttccttgtttgtctttatatagatcaagcaggttttaaattcctagtaggagcttacatttacttttccaagggggagggggaataaatatctacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacactggagttcgagacgaggcctaagcaacatgccgaaaccccgtctctactaaatacaaaaaatagctgagcttggtggcgcacgcctatagtcctagctactggggaggctgaggtgggaggatcgcttgagcccaagaagtcgaggctgcagtgagccgagatcgcgccgctgcactccagcctgagcgacagggcgaggctctgtctcaaaacaaacaaacaaaaaaaaaaaggaaaggaaatataacacagtgaaatgaaaggattgagagaaatgaaaaatatacacgccacaaatgtgggagggcgataaccactcgtagaaagcgtgagaagttactacaagcggtcctcccgggcaccgtactgttccgctcccagaagccccgggcgccggaagtcgtcactcttaagaagggacggggccccacgctgcgcacccgcgggtttgc
【0122】
>SMNlp-co-SMN1 rAAVベクター核酸配列(配列番号6)
gctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtggccaactccatcactaggggttccttgtagttaatgattaacccgccatgctacttatctaccagggtaatggggatcctctagaactatagctagtcgacattgattattgactagttcgaagctttataaaaacatacttttttttttacttttttttttttttctgagacacagcctcactctgtcgcccaggctggagtgcaggttttcatgtttatctgtgagatgtacctttggcacattactttcctgacatgagatttaaatttttttttttatcttgtgacaatttaacttttttgacacataaaaattgtacatatttatttgtttgagatggagtcgcactctgtcactcaggctggagtgcagtggcgtgatcttggctcactgcaacctccgcctcccgagttcaagtgattctcctggctcagcctcccaagcagctgtcattacaggcctgcaccaccacacccggctgattttgtatttttaggagaaacagggtttcaccatgttgggccaggctggtcttgaagtcctgacctcaagtgatccacccaccttggcctcccaaagtgctgggattataggcatgagccaccgtaccagacccctaaaaattgtatatatttaaggtgtaccatttgatgtttagatatacattgtgaaatgattacattccacatattacctctacagagttaccatttttgtacacttggtcaacatcatcccattctccccttcctccacagatatttcttgtatactatatagaagccaagggtattttgggggaagagctcaaagttcctttcgtggagttaaaaatatatatatactatgtacatataagccatttagcaaccctagatgcttaataaagaatactggaggcccggtgtggtggctcacacctgtaatcccagcactttgggaggccgaggcggtcggattacgaggtcaggagttcaagaccagcctggccaacatggtgaaaccccatctttactaaaaatacaaaaattagccgggtgtggtggtgggcgcctgtaatcccagctactcggggggctgaggcagaattgcttgaacctgggaggcagaggttgcagtgagctgagatcacgccactgcattccagcctgggtgacagagcaatattctgtcgcaaaaaaaaaaagaatactggaggctgggcgaggtggctcacacctgtaatcccagcattttgggatgccagaggcgggcggaatatcttgagctcaggagttcgagaccagcctacacaatatgctccaaacgccgcttCtacaaaacatacagaaactacccgggtgtggtggcgtgcccctgtggtcctagatacttgggaggttgaggcgggaggatcgcttgagctcgggaggtcgaggctgcaatgagccgagatggtgccactgcattctgacgacagagcgagattccgtttcaaaacaaacaacaaataaggttgggggatcaaatatcttctagtgtttaaggatctgccttccttcctgcccccatgtttgtctttccttgtttgtctttatatagatcaagcaggttttaaattcctagtaggagcttacatttacttttccaagggggagggggaataaatatctacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacactggagttcgagacgaggcctaagcaacatgccgaaaccccgtctctactaaatacaaaaaatagctgagcttggtggcgcacgcctatagtcctagctactggggaggctgaggtgggaggatcgcttgagcccaagaagtcgaggctgcagtgagccgagatcgcgccgctgcactccagcctgagcgacagggcgaggctctgtctcaaaacaaacaaacaaaaaaaaaaaggaaaggaaatataacacagtgaaatgaaaggattgagagaaatgaaaaatatacacgccacaaatgtgggagggcgataaccactcgtagaaagcgtgagaagttactacaagcggtcctcccgggcaccgtactgttccgctcccagaagccccgggcgccggaagtcgtcactcttaagaagggacggggccccacgctgcgcacccgcgggtttgctATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGAgcggccgcaagcttcctgaggatccgatctttttccctctgccaaaaattatggggacatcatgaagccccttgagcatctgacttctggctaataaaggaaatttattttcattgcaatagtgtgttggaattttttgtgtctctcactcggaagcaattcgttgatctgaatttcgaccacccataatacccattaccctggtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgcttacaatttaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgattgaacaagatggattgcacgcaggttctccggccgcttgggtggagaggctattcggctatgactgggcacaacagacaatcggctgctctgatgccgccgtgttccggctgtcagcgcaggggcgcccggttctttttgtcaagaccgacctgtccggtgccctgaatgaactgcaagacgaggcagcgcggctatcgtggctggccacgacgggcgttccttgcgcagctgtgctcgacgttgtcactgaagcgggaagggactggctgctattgggcgaagtgccggggcaggatctcctgtcatctcaccttgctcctgccgagaaagtatccatcatggctgatgcaatgcggcggctgcatacgcttgatccggctacctgcccattcgaccaccaagcgaaacatcgcatcgagcgagcacgtactcggatggaagccggtcttgtcgatcaggatgatctggacgaagagcatcaggggctcgcgccagccgaactgttcgccaggctcaaggcgagcatgcccgacggcgaggatctcgtcgtgacccatggcgatgcctgcttgccgaatatcatggtggaaaatggccgcttttctggattcatcgactgtggccggctgggtgtggcggaccgctatcaggacatagcgttggctacccgtgatattgctgaagagcttggcggcgaatggg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【0123】
>SMN1sp-co-SMN1 rAAVベクター核酸配列(配列番号7)
ctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtgtagccatgctctaggaagatcaattcggtacaattcacgcgtggatgccagaggcgggcggaatAtcttgagctcaggagttcgagaccagcctacacaatatgctccaaacgccgcttCtacaaaacatacagaaactacccgggtgtggtggcgTGcccctgtggtcctagatacttgggaggttgaggcgggaggatcgcttgagctcgggaggtcgaggctgcaatgagccgagatggtgccactgcattctgacgacagagcgagattccgtttcaaaacaaacaacaaataaggttgggggatcaaatatcttctagtgtttaaggatctgccttccttcctgcccccatgtttgtctttccttgtttgtctttatatagatcaagcaggttttaaattcctagtaggagcttacatttacttttccaagggggagggggaataaatatctacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacactggagttcgagacgaggcctaagcaacatgccgaaaccccgtctctactaaatacaaaaaatagctgagcttggtggcgcacgcctatagtcctagctactggggaggctgaggtgggaggatcgcttgagcccaagaagtcgaggctgcagtgagccgagatcgcgccgctgcactccagcctgagcgacagggcgaggctctgtctcaaaacaaacaaacaaaaaaaaaaaggaaaggaaatataacacagtgaaatgaaaggattgagagaaatgaaaaatatacacgccacaaatgtgggagggcgataaccactcgtagaaagcgtgagaagttactacaagcggtcctcccgggcaccgtactgttccgctcccagaagccccgggcgccggaagtcgtcactcttaagaagggacggggccccacgctgcgcacccgcgggtttgctATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGAgcggccgcaagcttatcgataccgtcgactagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcctaggtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgcttacaatttaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtgggtctcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgttcttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggc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【0124】
>CMVen/CB-co-hSMN1 rAAVベクター核酸配列(配列番号8)
ctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtgtagccatgctctaggaagatcaattcaattcacgcgtcgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggaGtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatgtcgaggccacgttctgcttcactctccccatctcccccccctccccacccccaattttgtatttatttattttttaattattttgtgcagcgatgggggcggggggggggggcgcgcgccaggcggggcggggcggggcgaggggcggggcggggcgaggcggagaggtgcggcggcagccaatcagagcggcgcgctccgaaagtttccttttatggcgaggcggcggcggcggcggccctataaaaagcgaagcgcgcggcgggcgggagcaagctctagcctcgagaattcaccggtgccaccATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGAgccaagcttcctgaggatccgatctttttccctctgccaaaaattatggggacatcatgaagccccttgagcatctgacttctggctaataaaggaaatttattttcattgcaatagtgtgttggaattttttgtgtctctcactcggcctaggtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgcttacaatttaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtgggtctcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgttcttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggcacgacaggtttcccgactggaaagcgggcagtgagcgcaacgcaattaatgtgagttagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggaaacagctatgaccatgattacgccagatttaattaaggccttaattagg
【0125】
>CMVen/CB-co-hSMN1_miR122_BS rAAVベクター核酸配列(配列番号9)
ctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtgtagccatgctctaggaagatcaattcaattcacgcgtcgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggaGtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatgtcgaggccacgttctgcttcactctccccatctcccccccctccccacccccaattttgtatttatttattttttaattattttgtgcagcgatgggggcggggggggggggcgcgcgccaggcggggcggggcggggcgaggggcggggcggggcgaggcggagaggtgcggcggcagccaatcagagcggcgcgctccgaaagtttccttttatggcgaggcggcggcggcggcggccctataaaaagcgaagcgcgcggcgggcgggagcaagctctagcctcgagaattcaccggtgccaccATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGAgcGGCCacaaacaccattgtcacactccaacaaacaccattgtcacactccaacaaacaccattgtcacactccaagcttcctgaggatccgatctttttccctctgccaaaaattatggggacatcatgaagccccttgagcatctgacttctggctaataaaggaaatttattttcattgcaatagtgtgttggaattttttgtgtctctcactcggcctaggtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgcttacaatttaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtgggtctcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgttcttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggcacgacaggtttcccgactggaaagcgggcagtgagcgcaacgcaattaatgtgagttagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggaaacagctatgaccatgattacgccagatttaattaaggccttaattagg
【0126】
>SMNlp-co-SMN1_miR122_BS rAAV ベクター核酸配列(配列番号10)
gctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtggccaactccatcactaggggttccttgtagttaatgattaacccgccatgctacttatctaccagggtaatggggatcctctagaactatagctagtcgacattgattattgactagttcgaagctttataaaaacatacttttttttttacttttttttttttttctgagacacagcctcactctgtcgcccaggctggagtgcaggttttcatgtttatctgtgagatgtacctttggcacattactttcctgacatgagatttaaatttttttttttatcttgtgacaatttaacttttttgacacataaaaattgtacatatttatttgtttgagatggagtcgcactctgtcactcaggctggagtgcagtggcgtgatcttggctcactgcaacctccgcctcccgagttcaagtgattctcctggctcagcctcccaagcagctgtcattacaggcctgcaccaccacacccggctgattttgtatttttaggagaaacagggtttcaccatgttgggccaggctggtcttgaagtcctgacctcaagtgatccacccaccttggcctcccaaagtgctgggattataggcatgagccaccgtaccagacccctaaaaattgtatatatttaaggtgtaccatttgatgtttagatatacattgtgaaatgattacattccacatattacctctacagagttaccatttttgtacacttggtcaacatcatcccattctccccttcctccacagatatttcttgtatactatatagaagccaagggtattttgggggaagagctcaaagttcctttcgtggagttaaaaatatatatatactatgtacatataagccatttagcaaccctagatgcttaataaagaatactggaggcccggtgtggtggctcacacctgtaatcccagcactttgggaggccgaggcggtcggattacgaggtcaggagttcaagaccagcctggccaacatggtgaaaccccatctttactaaaaatacaaaaattagccgggtgtggtggtgggcgcctgtaatcccagctactcggggggctgaggcagaattgcttgaacctgggaggcagaggttgcagtgagctgagatcacgccactgcattccagcctgggtgacagagcaatattctgtcgcaaaaaaaaaaagaatactggaggctgggcgaggtggctcacacctgtaatcccagcattttgggatgccagaggcgggcggaatAtcttgagctcaggagttcgagaccagcctacacaatatgctccaaacgccgcttCtacaaaacatacagaaactacccgggtgtggtggcgTGcccctgtggtcctagatacttgggaggttgaggcgggaggatcgcttgagctcgggaggtcgaggctgcaatgagccgagatggtgccactgcattctgacgacagagcgagattccgtttcaaaacaaacaacaaataaggttgggggatcaaatatcttctagtgtttaaggatctgccttccttcctgcccccatgtttgtctttccttgtttgtctttatatagatcaagcaggttttaaattcctagtaggagcttacatttacttttccaagggggagggggaataaatatctacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacactggagttcgagacgaggcctaagcaacatgccgaaaccccgtctctactaaatacaaaaaatagctgagcttggtggcgcacgcctatagtcctagctactggggaggctgaggtgggaggatcgcttgagcccaagaagtcgaggctgcagtgagccgagatcgcgccgctgcactccagcctgagcgacagggcgaggctctgtctcaaaacaaacaaacaaaaaaaaaaaggaaaggaaatataacacagtgaaatgaaaggattgagagaaatgaaaaatatacacgccacaaatgtgggagggcgataaccactcgtagaaagcgtgagaagttactacaagcggtcctcccgggcaccgtactgttccgctcccagaagccccgggcgccggaagtcgtcactcttaagaagggacggggccccacgctgcgcacccgcgggtttgctATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGAgcGGCCacaaacaccattgtcacactccaacaaacaccattgtcacactccaacaaacaccattgtcacactccaAGCTTCCtgaggatccgatctttttccctctgccaaaaattatggggacatcatgaagccccttgagcatctgacttctggctaataaaggaaatttattttcattgcaatagtgtgttggaattttttgtgtctctcactcggaagcaattcgttgatctgaatttcgaccacccataatacccattaccctggtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgcttacaatttaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgattgaacaagatggattgcacgcaggttctccggccgcttgggtggagaggctattcggctatgactgggcacaacagacaatcggctgctctgatgccgccgtgttccggctgtcagcgcaggggcgcccggttctttttgtcaagaccgacctgtccggtgccctgaatgaactgcaagacgaggcagcgcggctatcgtggctggccacgacgggcgttccttgcgcagctgtgctcgacgttgtcactgaagcgggaagggactggctgctattgggcgaagtgccggggcaggatctcctgtcatctcaccttgctcctgccgagaaagtatccatcatggctgatgcaatgcggcggctgcatacgcttgatccggctacctgcccattcgaccaccaagcgaaacatcgcatcgagcgagcacgtactcggatggaagccggtcttgtcgatcaggatgatctggacgaagagcatcaggggctcgcgccagccgaactgttcgccaggctcaaggcgagcatgcccgacggcgaggatctcgtcgtgacccatggcgatgcctgcttgccgaatatcatggtggaaaatggccgcttttctggattcatcgactgtggccggctgggtgtggcggaccgctatcaggacatagcgttggctacccgtgatattgctgaagagcttggcggcgaatgggctgaccgcttcctcgtgctttacggtatcgccgctcccgattcgcagcgcatcgccttctatcgccttcttgacgagttcttctgataactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgttcttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggcacgacaggtttcccgactggaaagcgggcagtgagcgcaacgcaattaatgtgagttagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggaaacagctatgaccatgattacgccagatttaattaaggccttaattag
【0127】
> SMNsp-co-SMN1_miR122_BS rAAVベクター核酸配列(配列番号11)
ctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtgtagccatgctctaggaagatcaattcggtacaattcacgcgtggatgccagaggcgggcggaatAtcttgagctcaggagttcgagaccagcctacacaatatgctccaaacgccgcttCtacaaaacatacagaaactacccgggtgtggtggcgTGcccctgtggtcctagatacttgggaggttgaggcgggaggatcgcttgagctcgggaggtcgaggctgcaatgagccgagatggtgccactgcattctgacgacagagcgagattccgtttcaaaacaaacaacaaataaggttgggggatcaaatatcttctagtgtttaaggatctgccttccttcctgcccccatgtttgtctttccttgtttgtctttatatagatcaagcaggttttaaattcctagtaggagcttacatttacttttccaagggggagggggaataaatatctacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacactggagttcgagacgaggcctaagcaacatgccgaaaccccgtctctactaaatacaaaaaatagctgagcttggtggcgcacgcctatagtcctagctactggggaggctgaggtgggaggatcgcttgagcccaagaagtcgaggctgcagtgagccgagatcgcgccgctgcactccagcctgagcgacagggcgaggctctgtctcaaaacaaacaaacaaaaaaaaaaaggaaaggaaatataacacagtgaaatgaaaggattgagagaaatgaaaaatatacacgccacaaatgtgggagggcgataaccactcgtagaaagcgtgagaagttactacaagcggtcctcccgggcaccgtactgttccgctcccagaagccccgggcgccggaagtcgtcactcttaagaagggacggggccccacgctgcgcacccgcgggtttgctATGGCCATGAGCAGCGGCGGCAGTGGCGGCGGCGTGCCCGAGCAGGAGGATTCTGTGCTGTTCCGGAGAGGAACAGGCCAGAGCGATGACTCCGATATCTGGGACGACACAGCCCTTATCAAGGCCTACGACAAGGCCGTGGCCAGCTTTAAGCACGCCCTGAAGAATGGCGATATCTGCGAGACAAGCGGAAAGCCTAAGACCACCCCTAAAAGAAAGCCCGCCAAGAAAAACAAGTCCCAGAAAAAAAACACCGCCGCTAGCCTGCAGCAGTGGAAGGTGGGCGACAAATGCAGCGCCATCTGGTCCGAGGACGGCTGCATCTACCCTGCTACCATCGCCAGCATCGACTTCAAGCGGGAAACCTGCGTGGTGGTCTACACAGGCTATGGCAATAGGGAGGAACAAAATCTCTCTGATCTGCTGTCTCCTATTTGTGAAGTGGCTAACAACATCGAGCAGAACGCCCAGGAAAATGAGAACGAAAGCCAAGTGTCCACCGACGAGAGCGAGAACAGCAGAAGCCCTGGAAACAAGTCTGACAACATCAAGCCCAAGTCTGCCCCTTGGAACAGCTTCCTGCCCCCTCCTCCTCCAATGCCTGGCCCCAGACTGGGCCCCGGCAAGCCTGGCCTGAAGTTCAACGGCCCTCCTCCACCCCCTCCTCCTCCACCTCCCCATCTGCTGAGCTGCTGGCTGCCTCCTTTTCCCAGCGGCCCCCCTATCATCCCCCCACCACCTCCTATCTGTCCCGACAGCCTGGACGACGCCGATGCTCTGGGATCCATGCTGATCAGCTGGTACATGTCTGGCTACCACACCGGCTACTACATGGGCTTCCGGCAGAACCAGAAGGAAGGAAGATGCAGCCACAGCCTGAACTGAgcGGCCacaaacaccattgtcacactccaacaaacaccattgtcacactccaacaaacaccattgtcacactccaagcttatcgataccgtcgactagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatAGCCtaggtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgcttacaatttaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtgggtctcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgttcttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaag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図1
図2A
図2B-2C】
図2D-2E】
図2F
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A-7B】
図7C-7D】
図8A-8C】
図9A-9C】
図9D-9E】
図9F-9G】
図9H-9I】
図9J-9K】
図9L
図10
【配列表】
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【国際調査報告】