(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】操作されたセスキテルペンシンターゼ
(51)【国際特許分類】
C12N 1/19 20060101AFI20241112BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20241112BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20241112BHJP
C12P 7/22 20060101ALI20241112BHJP
C12N 9/88 20060101ALI20241112BHJP
C12N 15/60 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/16 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20241112BHJP
C12N 1/14 20060101ALI20241112BHJP
C12N 5/02 20060101ALI20241112BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
C12N1/19
C12N1/15 ZNA
C12N1/21
C12N5/10
C12P7/22
C12N9/88
C12N15/60
C12N1/16 D
C12N1/20 A
C12N1/14 C
C12N5/02
C12N15/09 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531183
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022080127
(87)【国際公開番号】W WO2023097167
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516286741
【氏名又は名称】ギンゴー バイオワークス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】ブーチャー,ジェフリー イアン
(72)【発明者】
【氏名】カーリン,ディラン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フォルミギエリ,チンツィア
(72)【発明者】
【氏名】グリーンハーゲン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,ジェイド
(72)【発明者】
【氏名】マー,スコット
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B064AB07
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
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4B065CA51
(57)【要約】
この開示では、操作されたセスキテルペンシンターゼ、操作されたセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞、およびアルファ-グアイエンを作製するための方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にある、宿主細胞。
【請求項2】
セスキテルペンシンターゼの配列が、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項3】
セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、
(i)アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;
(ii)アミノ酸置換のうちの少なくとも1つは、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある、宿主細胞。
【請求項4】
セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%が、アルファ-グアイエンである、請求項1から3のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項5】
宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項4に記載の宿主細胞。
【請求項6】
セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にあり、宿主細胞は、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、宿主細胞。
【請求項7】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号1と比べて、4、5、6、7、8、9、または9個より多くのアミノ酸置換を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項8】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1の72位に対応する位置におけるイソロイシン(I)残基;
b)配列番号1の122位に対応する位置におけるアスパラギン(N)残基;
c)配列番号1の124位に対応する位置におけるセリン(S)残基;
d)配列番号1の153位に対応する位置におけるS残基;
e)配列番号1の191位に対応する位置におけるN残基;
f)配列番号1の201位に対応する位置におけるI残基;
g)配列番号1の205位に対応する位置におけるグルタミン酸(E)残基;
h)配列番号1の274位に対応する位置におけるS残基;
i)配列番号1の275位に対応する位置におけるグリシン(G)残基;
j)配列番号1の289位に対応する位置におけるヒスチジン(H)残基;
k)配列番号1の290位に対応する位置におけるリジン(K)残基;
l)配列番号1の291位に対応する位置におけるバリン(V)残基;
m)配列番号1の292位に対応する位置におけるフェニルアラニン(F)またはメチオニン(M)残基;
n)配列番号1の293位に対応する位置におけるグルタミン(Q)、I、またはN残基;
o)配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;
p)配列番号1の301位に対応する位置におけるS残基;
q)配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;
r)配列番号1の368位に対応する位置におけるシステイン(C)残基;
s)配列番号1の398位に対応する位置におけるC残基;
t)配列番号1の404位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;
u)配列番号1の406位に対応する位置におけるロイシン(L)残基;
v)配列番号1の407位に対応する位置におけるG残基;
w)配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;
x)配列番号1の480位に対応する位置におけるI残基;
y)配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;
z)配列番号1の507位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;
aa)配列番号1の509位に対応する位置におけるアラニン(A)残基;
bb)配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;
cc)配列番号1の526位に対応する位置におけるF残基;
dd)配列番号1の533位に対応する位置におけるN残基;または
ee)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項9】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1の72位に対応する位置におけるI残基;
b)配列番号1の122位に対応する位置におけるN残基;
c)配列番号1の124位に対応する位置におけるS残基;
d)配列番号1の153位に対応する位置におけるS残基;
e)配列番号1の191位に対応する位置におけるN残基;
f)配列番号1の201位に対応する位置におけるI残基;
g)配列番号1の205位に対応する位置におけるE残基;
h)配列番号1の274位に対応する位置におけるS残基;
i)配列番号1の275位に対応する位置におけるG残基;
j)配列番号1の289位に対応する位置におけるL、T、S、H、MまたはD残基;
k)配列番号1の290位に対応する位置におけるK残基;
l)配列番号1の291位に対応する位置におけるF、L、T、VまたはC残基;
m)配列番号1の292位に対応する位置におけるA、Q、C、Y、H、E、F、M、W、TまたはF残基;
n)配列番号1の293位に対応する位置におけるL、V、T、Y、C、F、W、Q、I、N、またはM残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるE、D、N、W、G、VまたはI残基;
o)配列番号1の301位に対応する位置におけるS残基;
p)配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;
q)配列番号1の368位に対応する位置におけるC残基;
r)配列番号1の398位に対応する位置におけるC残基;
s)配列番号1の404位に対応する位置におけるW残基;
t)配列番号1の406位に対応する位置におけるL、N、W、またはT残基;
u)配列番号1の407位に対応する位置におけるG残基;
v)配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;
w)配列番号1の480位に対応する位置におけるI残基;
x)配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;
y)配列番号1の507位に対応する位置におけるW残基;
z)配列番号1の509位に対応する位置におけるA残基;
aa)配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;
bb)配列番号1の526位に対応する位置におけるF残基;
cc)配列番号1の533位に対応する位置におけるN残基;または
dd)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項10】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号1と比べて以下のアミノ酸置換:
a)N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
b)N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
c)N289H、F406L、F512L、D191N、およびA205E;
d)I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;
e)N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
f)N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
g)V292F、G293Q、K404W、およびF406L;
h)N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;
i)V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512L;
j)N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;
k)V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;
l)N289H、V292M、G293I、F406L、F512L、およびM480I;
m)N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406L;
n)V292F、G293Q、T295V、F406L、およびF512L;
o)V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
p)I291V、V292F、G293I、K404W、F406L、およびI507W;
q)V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;
r)N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I507W、およびF512L;
s)N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
t)N289H、V292F、G293Q、T295V、F406L、I407G、およびF512L;
u)N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、およびF406L;
v)N289H、V292F、G293Q、F406L、I507W、およびF512L;
w)I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;
x)N289H、V292F、G293N、K404W、F406L、I507W、およびF512L;
y)N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512L;
z)N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512L;
aa)I291V、V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512L;
bb)I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I407G、およびF512L;
cc)N289H、V292F、T295V、F406L、およびF512L;
dd)N289H、V292F、K404W、F406L、およびF512L;
ee)V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512L;
ff)N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512L;
gg)N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、およびF512L;
hh)N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、およびI507W;
ii)N289H、V292F、G293I、F406L、I407G、I507W、およびF512L;
jj)N289H、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびI507W;
kk)I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、I507W、およびF512L;
ll)S122N、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
mm)P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
nn)T153S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、K404W、F406L、およびF512L
oo)P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406L;
pp)R290K、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;
qq)N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;
rr)N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;
ss)T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512L;
tt)T72I、N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512L;
uu)T72I、N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、Y442L、I507W、およびF512L;
vv)P124S、V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;
ww)N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;
xx)N289H、F406L、F512L、およびT295V;
yy)N289H、F406L、F512L、T295V、およびG274S;
zz)N289H、F406L、F512L、T295V、およびV201I;または
aaa)N289H、F406L、F512L、T295V、およびI398C
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項11】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号3~39または77~92のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項12】
a)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号3の配列を含み;
b)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号4の配列を含み;
c)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、D191N、およびA205Eを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号5の配列を含み;
d)配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号6の配列を含み;
e)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号7の配列を含み;
f)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号8の配列を含み;
g)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号9の配列を含み;
h)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号10の配列を含み;
i)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号11の配列を含み;
j)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号12の配列を含み;
k)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号13の配列を含み;
l)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292M、G293I、F406L、F512L、およびM480Iを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号14の配列を含み;
m)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号15の配列を含み;
n)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号16の配列を含み;
o)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号17の配列を含み;
p)配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293I、K404W、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号18の配列を含み;
q)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号19の配列を含み;
r)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号20の配列を含み;
s)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号21の配列を含み;
t)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号22の配列を含み;
u)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号23の配列を含み;
v)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号24の配列を含み;
w)配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号25の配列を含み;
x)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号26の配列を含み;
y)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号27の配列を含み;
z)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号28の配列を含み;
aa)配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号29の配列を含み;
bb)配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号30の配列を含み;
cc)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号31の配列を含み;
dd)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号32の配列を含み;
ee)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号33の配列を含み;
ff)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号34の配列を含み;
gg)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号35の配列を含み;
hh)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号36の配列を含み;
ii)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号37の配列を含み;
jj)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号38の配列を含み;
kk)配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号39の配列を含み;
ll)配列番号1と比べて、アミノ酸置換S122N、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号84の配列を含み;
mm)配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号80の配列を含み;
nn)配列番号1と比べて、アミノ酸置換T153S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号82の配列を含み;
oo)配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号81の配列を含み;
pp)配列番号1と比べて、アミノ酸置換R290K、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号83の配列を含み;
qq)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号78の配列を含み;
rr)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号77の配列を含み;
ss)配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号79の配列を含み;
tt)配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号88の配列を含み;
uu)配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、Y442L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号86の配列を含み;
vv)配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号85の配列を含み;
ww)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号87の配列を含み;
xx)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、およびT295Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号89の配列を含み;
yy)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびG274Sを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号90の配列を含み;
zz)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびV201Iを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号91の配列を含み;または
aaa)配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびI398Cを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号92の配列を含む、請求項10または11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
異種核酸が、配列番号40~76または93~109のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項14】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号1における294、296、297、403、444、515、および/または525位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項15】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1の294位に対応する位置におけるL、C、Y、V、A、もしくはS残基;
b)配列番号1の296位に対応する位置におけるL、A、プロリン(P)、Y、N、FもしくはR残基;
c)配列番号1の297位に対応する位置におけるE、Y、I、リジン(K)、M、もしくはH残基;
d)配列番号1の403位に対応する位置におけるM、Q、N、S、T、A、E、H、C、もしくはV残基;
e)配列番号1の444位に対応する位置におけるAもしくはN残基;
f)配列番号1の515位に対応する位置におけるH、A、E、もしくはQ残基;
g)配列番号1の525位に対応する位置におけるH、C、L、もしくはN残基;または
h)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項14に記載の宿主細胞。
【請求項16】
配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞より多くのアルファ-グアイエンを生産することが可能である、請求項1から15のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項17】
デルタ-グアイエンより多くのアルファ-グアイエンを生産する、請求項1から16のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項18】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1と比べた活性部位の第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換は、配列番号1の295、291、406、512、および/または519位に対応する位置にあり、第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換はそれぞれ、配列番号1における295、291、406、512、および/または519位におけるアミノ酸の側鎖より小さい側鎖を有する残基を含むか;
b)配列番号1と比べた活性部位の第2の領域におけるアミノ酸置換を含み、第2の領域におけるアミノ酸置換は、配列番号1の292位に対応し、第2の領域におけるアミノ酸置換は、配列番号1における292位のアミノ酸の側鎖より大きい側鎖を含むか;または
c)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項19】
(a)における側鎖が、疎水性である、請求項18に記載の宿主細胞。
【請求項20】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;
b)配列番号1の291位に対応する位置におけるC残基;
c)配列番号1の406位に対応する位置におけるL残基;
d)配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;
e)配列番号1の292位に対応する位置におけるF残基;または
f)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項18または19に記載の宿主細胞。
【請求項21】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号1における294、296、297、403、444、515、および/または525位に対応する1つまたは複数の位置に、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項22】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1の289位に対応する位置におけるL、T、S、D、もしくはM残基;
b)配列番号1の291位に対応する位置におけるF、L、T、もしくはC残基;
c)配列番号1の292位に対応する位置におけるA、Q、C、Y、H、E、F、T、もしくはW残基;
d)配列番号1の293位に対応する位置におけるL、V、T、Y、C、F、W、もしくはM残基;
e)配列番号1の294位に対応する位置におけるL、C、Y、V、A、もしくはS残基;
f)配列番号1の295位に対応する位置におけるE、D、N、W、G、もしくはI残基;
g)配列番号1の296位に対応する位置におけるL、A、P、Y、N、アルギニン(R)、もしくはF残基;
h)配列番号1の297位に対応する位置におけるE、Y、I、K、M、もしくはH残基;
i)配列番号1の403位に対応する位置におけるM、Q、N、V、C、H、E、A、T、もしくはS残基;
j)配列番号1の406位に対応する位置におけるL、T、W、もしくはN残基;
k)配列番号1の444位に対応する位置におけるAもしくはN残基;
l)配列番号1の515位に対応する位置におけるH、A、E、もしくはQ残基;
m)配列番号1の525位に対応する位置におけるH、C、L、もしくはN残基;または
n)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項21に記載の宿主細胞。
【請求項23】
セスキテルペンシンターゼが、
a)配列番号1の289位に対応する位置におけるQ、C、V、F、A、I、H、G、W、またはY残基;
b)配列番号1の291位に対応する位置におけるV、M、またはA残基;
c)配列番号1の292位に対応する位置におけるI、M、S、L、G、またはN残基;
d)配列番号1の293位に対応する位置におけるI、Q、S、N、またはE残基;
e)配列番号1の295位に対応する位置におけるL、V、A、またはS残基;
f)配列番号1の296位に対応する位置におけるKまたはQ残基;
g)配列番号1の297位に対応する位置におけるTまたはA残基;
h)配列番号1の403位に対応する位置におけるP、F、I、L、G、またはD残基;
i)配列番号1の406位に対応する位置におけるG、S、A、I、Y、M、H、V、Q、またはC残基;
j)配列番号1の444位に対応する位置におけるH残基;
k)配列番号1の515位に対応する位置におけるM、C、F、G、N、S、またはI残基;または
l)それらのいずれかの組合せ
を含まない、請求項22に記載の宿主細胞。
【請求項24】
天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項25】
セスキテルペンシンターゼの配列が、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項24に記載の天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項26】
天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み:
(i)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;
(ii)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項27】
天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にあり、セスキテルペンシンターゼは、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、セスキテルペンシンターゼによって生産されたセスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項28】
セスキテルペンシンターゼのアミノ酸配列が、配列番号3~39または77~92のいずれか1つと少なくとも90%同一である、請求項24から27のいずれか一項に記載の天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項29】
セスキテルペンシンターゼをコードする天然に存在しない核酸であって、天然に存在しない核酸は、配列番号40~76または93~109と少なくとも90%同一な配列を含む、天然に存在しない核酸。
【請求項30】
セスキテルペンを生産する方法であって、培養培地中で、FPP基質の存在下で、請求項1から23のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養すること、および適宜、宿主細胞および/または培養培地からセスキテルペンを単離または回収することを含む方法。
【請求項31】
セスキテルペンが、アルファ-グアイエンである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
セスキテルペンが、アシフィレンである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの少なくとも50%が、アルファ-グアイエンである、請求項30または31に記載の方法。
【請求項34】
宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
アルファ-グアイエンが、培養培地から回収される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
アシフィレンが、培養培地から回収される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
アルファ-グアイエンを含む組成物を得ることをさらに含む、請求項30から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
アシフィレンを含む組成物を得ることをさらに含む、請求項30から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
請求項1から23のいずれか一項に記載の宿主細胞または請求項30から37のいずれか一項に記載の方法から入手可能なセスキテルペン。
【請求項40】
セスキテルペンが、アルファ-グアイエンである、請求項39に記載のセスキテルペン。
【請求項41】
セスキテルペンが、アシフィレンである、請求項39に記載のセスキテルペン。
【請求項42】
請求項39から41のいずれか一項に記載のセスキテルペンを含む培養培地。
【請求項43】
請求項39から41のいずれか一項に記載のセスキテルペンを含む組成物。
【請求項44】
セスキテルペンが、アルファ-グアイエンである、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
セスキテルペンが、アシフィレンである、請求項43に記載の組成物。
【請求項46】
(a)セスキテルペンの少なくとも50%がアルファ-グアイエンである、セスキテルペン、ならびに(b)発酵培地、細胞培養上清および/または疎水性オーバーレイを含む1つまたは複数の追加の成分を含む組成物。
【請求項47】
セスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
アルファ-グアイエンが、微生物宿主細胞を使用して生産される、請求項46に記載の組成物。
【請求項49】
アルファ-グアイエンが、インビトロまたはインビボの系を使用して生産される、請求項46または48に記載の組成物。
【請求項50】
セスキテルペンの約50%~約90%が、アルファ-グアイエンである、請求項46から49のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
デルタ-グアイエンをさらに含む、請求項46から50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
アシフィレンをさらに含む、請求項46から51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
セスキテルペンの約50%~約10%が、アルファ-グアイエンである、請求項51に記載の組成物。
【請求項54】
1種または複数の非テルペン成分または1種または複数の追加のテルペン成分をさらに含む、請求項46から53のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
1種または複数の非テルペン成分が、FPPを含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
1種または複数の追加のテルペン成分が、GCによって決定される場合、デルタ-グアイエン、ベータ-グアイエン、ガンマグアイエン、ゲルマクレンA、アシフィレン、および/またはアルファ-フムレンを含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項57】
請求項46から56のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にある、方法。
【請求項58】
セスキテルペンシンターゼの配列が、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
請求項46から56のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、
(i)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;
(ii)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある、方法。
【請求項60】
請求項46から56のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にある、方法。
【請求項61】
セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にある、宿主細胞。
【請求項62】
セスキテルペンシンターゼの配列が、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項61に記載の宿主細胞。
【請求項63】
セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、
(i)アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にあり;
(ii)アミノ酸置換のうちの少なくとも1つは、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置にある、宿主細胞。
【請求項64】
セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、請求項61から63のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項65】
宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項61から64のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項66】
セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、134、147、188、201、212、217、224、252、255、289、290、291、292、293、295、346、381、390、404、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、515、516、519、または542位に対応する位置にあり、宿主細胞は、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、宿主細胞。
【請求項67】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号1と比べて、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または27個より多くのアミノ酸置換を含む、請求項61から66のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項68】
セスキテルペンシンターゼが、
(a)配列番号1の23位に対応する位置におけるアスパラギン酸(D)残基;
(b)配列番号1の44位に対応する位置におけるバリン(V)残基;
(c)配列番号1の72位に対応する位置におけるイソロイシン(I)残基;
(d)配列番号1の86位に対応する位置におけるグルタミン酸(E)残基;
(e)配列番号1の111位に対応する位置におけるロイシン(L)残基;
(f)配列番号1の118位に対応する位置におけるグルタミン(Q)残基;
(g)配列番号1の134位に対応する位置におけるD残基;
(h)配列番号1の147位に対応する位置におけるV残基;
(i)配列番号1の147位に対応する位置におけるL残基;
(j)配列番号1の188位に対応する位置におけるQ残基;
(k)配列番号1の201位に対応する位置におけるセリン(S)残基;
(l)配列番号1の212位に対応する位置におけるフェニルアラニン(F)残基;
(m)配列番号1の217位に対応する位置におけるE残基;
(n)配列番号1の224位に対応する位置におけるL残基;
(o)配列番号1の252位に対応する位置におけるL残基;
(p)配列番号1の255位に対応する位置におけるアラニン(A)残基;
(q)配列番号1の289位に対応する位置におけるリジン(K)残基;
(r)配列番号1の290位に対応する位置におけるヒスチジン(H)残基;
(s)配列番号1の291位に対応する位置におけるV残基;
(t)配列番号1の292位に対応する位置におけるシステイン(C)残基;
(u)配列番号1の292位に対応する位置におけるF残基;
(v)配列番号1の293位に対応する位置におけるアスパラギン(N)残基;
(w)配列番号1の293位に対応する位置におけるQ残基;
(x)配列番号1の295位に対応する位置におけるI残基;
(y)配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;
(z)配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;
(aa)配列番号1の381位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;
(bb)配列番号1の390位に対応する位置におけるF残基;
(cc)配列番号1の404位に対応する位置におけるW残基;
(dd)配列番号1の406位に対応する位置におけるL残基;
(ee)配列番号1の419位に対応する位置におけるS残基;
(ff)配列番号1の433位に対応する位置におけるI残基;
(gg)配列番号1の433位に対応する位置におけるL残基;
(hh)配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;
(ii)配列番号1の443位に対応する位置におけるW残基;
(jj)配列番号1の443位に対応する位置におけるスレオニン(T)残基;
(kk)配列番号1の444位に対応する位置におけるN残基;
(ll)配列番号1の448位に対応する位置におけるG残基;
(mm)配列番号1の458位に対応する位置におけるL残基;
(nn)配列番号1の458位に対応する位置におけるV残基;
(oo)配列番号1の467位に対応する位置におけるK残基;
(pp)配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;
(qq)配列番号1の499位に対応する位置におけるN残基;
(rr)配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;
(ss)配列番号1の515位に対応する位置におけるメチオニン(M)残基;
(tt)配列番号1の516位に対応する位置におけるA残基;
(uu)配列番号1の516位に対応する位置におけるV残基;
(vv)配列番号1の519位に対応する位置におけるL残基;
(ww)配列番号1の542位に対応する位置におけるV残基;または
(xx)それらのいずれかの組合せ
を含む、請求項61から67のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項69】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号1と比べて以下のアミノ酸置換:
(a)T72I、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、T494E、およびF512L;
(b)L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;
(c)L44V、T72I、T86E、G118Q、T134D、W147L、Q212F、Q217E、S224L、F252L、P255A、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、Y390F、K404W、F406L、L419S、Y442L、T458V、R467K、F512L、およびR542V;
(d)T23D、L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;
(e)V201S、N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、Y381W、K404W、F406L、T494E、およびF512L;
(f)V201S、V292C、T295I、およびD444N;
(g)V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;
(h)L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;
(i)L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516A;
(j)L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、I443W、およびD444N;
(k)L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびM519L;
(l)W147V、C188Q、V201S、S224L、V292C、T295I、およびD444N;
(m)L44V、T72I、V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、T448G、およびM519L;
(n)L44V、T72I、V111L、V201S、V292C、T295I、V433I、I443T、D444N、T448G、D499N、およびL516V;
(o)L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、L516V、およびM519L;
(p)L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、V515M、およびL516V;
(q)V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516V;
(r)V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;
(s)V201S、V292C、T295I、D444N、T458L、およびL516A;
(t)V201S、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516V;
(u)V201S、V292C、T295I、V433I、D444N、およびL516V;または
(v)V201S、V292C、T295I、V433L、D444N、およびL516V
を含む、請求項61から68のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項70】
セスキテルペンシンターゼが、配列番号110~131のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む、請求項61から69のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項71】
(a)配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号110の配列を含み;
(b)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号111の配列を含み;
(c)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、T86E、G118Q、T134D、W147L、Q212F、Q217E、S224L、F252L、P255A、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、Y390F、K404W、F406L、L419S、Y442L、T458V、R467K、F512L、およびR542Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号112の配列を含み;
(d)配列番号1と比べて、アミノ酸置換T23D、L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号113の配列を含み;
(e)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、Y381W、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号114の配列を含み;
(f)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号115の配列を含み;
(g)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号116の配列を含み;
(h)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号117の配列を含み;
(i)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Aを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号118の配列を含み;
(j)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、I443W、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号119の配列を含み;
(k)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号120の配列を含み;
(l)配列番号1と比べて、アミノ酸置換W147V、C188Q、V201S、S224L、V292C、T295I、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号121の配列を含み;
(m)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、T448G、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号122の配列を含み;
(n)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V111L、V201S、V292C、T295I、V433I、I443T、D444N、T448G、D499N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号123の配列を含み;
(o)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、L516V、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号124の配列を含み;
(p)配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、V515M、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号125の配列を含み;
(q)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号126の配列を含み;
(r)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号127の配列を含み;
(s)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、T458L、およびL516Aを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号128の配列を含み;
(t)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号129の配列を含み;
(u)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、V433I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号130の配列を含み;または
(v)配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、V433L、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼが、配列番号131の配列を含む、請求項60または70に記載の宿主細胞。
【請求項72】
異種核酸が、配列番号133~154のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む、請求項61から71のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項73】
宿主細胞が、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞より多くのアルファ-グアイエンを生産することが可能である、請求項61から72のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項74】
宿主細胞が、デルタ-グアイエンより多くのアルファ-グアイエンを生産する、請求項61から73のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項75】
宿主細胞が、デルタ-グアイエンより多くのアシフィレンを生産する、請求項61から74のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項76】
天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項77】
セスキテルペンシンターゼの配列が、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項76に記載の天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項78】
天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、
(i)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にあり;
(ii)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項79】
天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、134、147、188、201、212、217、224、252、255、289、290、291、292、293、295、346、381、390、404、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、515、516、519、または542位に対応する位置にあり、セスキテルペンシンターゼは、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、セスキテルペンシンターゼによって生産されたセスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項80】
セスキテルペンシンターゼのアミノ酸配列が、配列番号110~131のいずれか1つと少なくとも90%同一である、請求項76から79のいずれか一項に記載の天然に存在しないセスキテルペンシンターゼ。
【請求項81】
セスキテルペンシンターゼをコードする天然に存在しない核酸であって、天然に存在しない核酸は、配列番号133~154と少なくとも90%同一な配列を含む、天然に存在しない核酸。
【請求項82】
セスキテルペンを生産する方法であって、培養培地中で、FPP基質の存在下で、請求項61から75のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養すること、および適宜、宿主細胞および/または培養培地からセスキテルペンを単離または回収することを含む方法。
【請求項83】
セスキテルペンが、アルファ-グアイエンである、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
セスキテルペンが、アシフィレンである、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの50%が、アルファ-グアイエンである、請求項82または83に記載の方法。
【請求項86】
宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項82から84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
アルファ-グアイエンが、培養培地から回収される、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
アシフィレンが、培養培地から回収される、請求項82から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
アルファ-グアイエンを含む組成物を得ることをさらに含む、請求項82から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
アシフィレンを含む組成物を得ることをさらに含む、請求項82から89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
請求項61から74のいずれか一項に記載の宿主細胞から、または請求項82から90のいずれか一項に記載の方法から入手可能なセスキテルペン。
【請求項92】
アルファ-グアイエンである、請求項91に記載のセスキテルペン。
【請求項93】
アシフィレンである、請求項91に記載のセスキテルペン。
【請求項94】
請求項91または請求項92に記載のセスキテルペンを含む培養培地。
【請求項95】
請求項91または92に記載のセスキテルペンを含む組成物。
【請求項96】
セスキテルペンが、アルファ-グアイエンである、請求項95に記載の組成物。
【請求項97】
セスキテルペンが、アシフィレンである、請求項95に記載の組成物。
【請求項98】
(a)セスキテルペンの少なくとも50%がアルファ-グアイエンである、セスキテルペン、ならびに(b)発酵培地、細胞培養上清および/または疎水性オーバーレイを含む1つまたは複数の追加の成分を含む組成物。
【請求項99】
セスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
アルファ-グアイエンが、微生物宿主細胞を使用して生産される、請求項98に記載の組成物。
【請求項101】
アルファ-グアイエンが、インビトロまたはインビボの系を使用して生産される、請求項98または100に記載の組成物。
【請求項102】
セスキテルペンの約50%~約90%が、アルファ-グアイエンである、請求項98から101のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項103】
デルタ-グアイエンをさらに含む、請求項98から102のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項104】
アシフィレンをさらに含む、請求項98から102のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項105】
セスキテルペンの約50%~約10%が、アルファ-グアイエンである、請求項103に記載の組成物。
【請求項106】
セスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである、請求項105に記載の組成物。
【請求項107】
1種または複数の非テルペン成分または1種または複数の追加のテルペン成分をさらに含む、請求項98から105のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項108】
1種または複数の非テルペン成分が、FPPを含む、請求項107に記載の組成物。
【請求項109】
1種または複数の追加のテルペン成分が、GCによって決定される場合、デルタ-グアイエン、ベータ-グアイエン、ガンマグアイエン、ゲルマクレンA、アシフィレン、および/またはアルファ-フムレンを含む、請求項107に記載の組成物。
【請求項110】
請求項98から109のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、448、515、および/または542位に対応する位置にある、方法。
【請求項111】
セスキテルペンシンターゼの配列が、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
請求項98から109のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、
(i)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にあり;
(ii)少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置にある、方法。
【請求項113】
請求項98から109のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、134、147、188、201、212、217、224、252、255、289、290、291、292、293、295、346、381、390、404、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、515、516、519、または542位に対応する位置にある、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、合衆国法典第35巻119条(e)に基づき、2021年11月24日に出願された、タイトル「操作されたセスキテルペンシンターゼ」の米国仮出願第63/283,194号、および2021年12月2日に出願された、タイトル「操作されたセスキテルペンシンターゼ」の米国仮出願第63/285,468号の利益を主張し、これらそれぞれの全体の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
電子配列表への参照
電子配列表の内容物(G091970079WO00-SEQ-KVC.xml;サイズ:300,953バイト;および作成日:202
2年11月15日)は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0003】
発明の分野
本開示は、セスキテルペンシンターゼ、セスキテルペンシンターゼを含む宿主細胞、およびセスキテルペンを作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
テルペンは、5つの炭素のビルディングブロックから構築された多様なクラスの有機化合物であり、少なくとも400種の別個の構造的なファミリーを包含する。構造的に多様なので、テルペンは、フェロモン、抗酸化剤、および抗微生物剤として作用することなど非常に多くの役割を有する。モノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、およびトリテルペン(C30)が、テルペンの大部分を構成している。グアイエンは、3つのイソプレン単位から形成されるセスキテルペンの1つのタイプであり、これは、分子式C15H24を有することが多く、その例としては、アルファ-グアイエン、デルタ-グアイエン(アルファ-ブルネセン)、アシフィレン(aciphyllene)、ベータ-グアイエン、ガンマ-グアイエンおよびガンマ-グルジュネンなどの化合物が挙げられ、これらは全て、グアイアンセスキテルペン骨格を有する。グアイエンは、芳香剤や矯味矯臭剤の生産における状況などの非常に多くの状況で使用されてきた。グアイエンは植物から抽出可能であるが、これらの植物の多くが絶滅危惧種であるために、これらの資源は限定的である。さらに、セスキテルペン異性体の多種多様さは、天然に存在する源からの高収率での抽出を妨げることが多く、一方でグアイエンの構造的な複雑さはデノボの化学合成を制限することが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にある、宿主細胞に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0006】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある、宿主細胞に関する。
【0007】
一部の実施態様において、宿主細胞は、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも15%は、アシフィレンである。
【0008】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にあり、宿主細胞は、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、宿主細胞に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて、4、5、6、7、8、9、または9個より多くのアミノ酸置換を含む。
【0009】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の72位に対応する位置におけるイソロイシン(I)残基;配列番号1の122位に対応する位置におけるアスパラギン(N)残基;配列番号1の124位に対応する位置におけるセリン(S)残基;配列番号1の153位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の191位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の201位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の205位に対応する位置におけるグルタミン酸(E)残基;配列番号1の274位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の275位に対応する位置におけるグリシン(G)残基;配列番号1の289位に対応する位置におけるヒスチジン(H)残基;配列番号1の290位に対応する位置におけるリジン(K)残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるバリン(V)残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるフェニルアラニン(F)またはメチオニン(M)残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるグルタミン(Q)、I、またはN残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の301位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の368位に対応する位置におけるシステイン(C)残基;配列番号1の398位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の404位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるロイシン(L)残基;配列番号1の407位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の480位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の507位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;配列番号1の509位に対応する位置におけるアラニン(A)残基;配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の526位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の533位に対応する位置におけるN残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0010】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の72位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の122位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の124位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の153位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の191位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の201位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の205位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の274位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の275位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の289位に対応する位置におけるL、T、S、H、MまたはD残基;配列番号1の290位に対応する位置におけるK残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるF、L、T、VまたはC残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるA、Q、C、Y、H、E、F、M、W、TまたはF残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるL、V、T、Y、C、F、W、Q、I、N、またはM残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるE、D、N、W、G、VまたはI残基;配列番号1の301位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の368位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の398位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の404位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるL、N、W、またはT残基;配列番号1の407位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の480位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の507位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の509位に対応する位置におけるA残基;配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の526位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の533位に対応する位置におけるN残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0011】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて以下のアミノ酸置換:N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、F406L、F512L、D191N、およびA205E;I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512L;V292F、G293Q、K404W、およびF406L;N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292M、G293I、F406L、F512L、およびM480I;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406L;V292F、G293Q、T295V、F406L、およびF512L;V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;I291V、V292F、G293I、K404W、F406L、およびI507W;V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I507W、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、V292F、G293Q、T295V、F406L、I407G、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、およびF406L;N289H、V292F、G293Q、F406L、I507W、およびF512L;I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、G293N、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512L;I291V、V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512L;I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I407G、およびF512L;N289H、V292F、T295V、F406L、およびF512L;N289H、V292F、K404W、F406L、およびF512L;V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、およびI507W;N289H、V292F、G293I、F406L、I407G、I507W、およびF512L;N289H、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびI507W;I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、I507W、およびF512L;S122N、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;T153S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、K404W、F406L、およびF512L;P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406L;R290K、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512L;T72I、N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512L;T72I、N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、Y442L、I507W、およびF512L;P124S、V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;N289H、F406L、F512L、およびT295V;N289H、F406L、F512L、T295V、およびG274S;N289H、F406L、F512L、T295V、およびV201I;またはN289H、F406L、F512L、T295V、およびI398Cを含む。
【0012】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39または77~92のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む。
【0013】
一部の実施態様において、配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号3の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号4の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、D191N、およびA205Eを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号5の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号6の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号7の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号8の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号9の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号10の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号11の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号12の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号13の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292M、G293I、F406L、F512L、およびM480Iを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号14の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号15の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号16の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号17の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293I、K404W、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号18の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号19の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号20の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号21の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号22の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号23の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号24の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号25の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号26の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号27の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号28の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号29の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号30の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号31の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号32の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号33の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号34の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号35の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号36の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号37の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号38の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号39の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換S122N、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号84の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号80の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T153S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号82の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号81の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換R290K、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号83の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号78の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号77の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号79の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号88の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、Y442L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号86の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号85の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号87の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、およびT295Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号89の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびG274Sを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号90の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびV201Iを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号91の配列を含み;または配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびI398Cを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号92の配列を含む。
【0014】
一部の実施態様において、異種核酸は、配列番号40~76または93~109のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む。
【0015】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1における294、296、297、403、444、515、および/または525位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0016】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の294位に対応する位置におけるL、C、Y、V、A、またはS残基;配列番号1の296位に対応する位置におけるL、A、プロリン(P)、Y、N、FまたはR残基;配列番号1の297位に対応する位置におけるE、Y、I、リジン(K)、M、またはH残基;配列番号1の403位に対応する位置におけるM、Q、N、S、T、A、E、H、C、またはV残基;配列番号1の444位に対応する位置におけるAまたはN残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるH、A、E、またはQ残基;配列番号1の525位に対応する位置におけるH、C、L、またはN残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0017】
一部の実施態様において、宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞より多くのアルファ-グアイエンを生産することが可能である。一部の実施態様において、宿主細胞は、デルタ-グアイエンより多くのアルファ-グアイエンを生産する。
【0018】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、(a)配列番号1と比べた活性部位の第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換は、配列番号1の295、291、406、512、および/または519位に対応する位置にあり、第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換はそれぞれ、配列番号1における295、291、406、512、および/または519位におけるアミノ酸の側鎖より小さい側鎖を有する残基を含むか;(b)配列番号1と比べた活性部位の第2の領域におけるアミノ酸置換を含み、第2の領域におけるアミノ酸置換は、配列番号1の292位に対応し、第2の領域におけるアミノ酸置換は、配列番号1における292位のアミノ酸の側鎖より大きい側鎖を含むか;または(c)それらのいずれかの組合せを含む。一部の実施態様において、(a)における側鎖は、疎水性である。
【0019】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるF残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0020】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1における294、296、297、403、444、515、および/または525位に対応する1つまたは複数の位置に、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む。
【0021】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の289位に対応する位置におけるL、T、S、D、またはM残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるF、L、T、またはC残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるA、Q、C、Y、H、E、F、T、またはW残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるL、V、T、Y、C、F、W、またはM残基;配列番号1の294位に対応する位置におけるL、C、Y、V、A、またはS残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるE、D、N、W、G、またはI残基;配列番号1の296位に対応する位置におけるL、A、P、Y、N、アルギニン(R)、またはF残基;配列番号1の297位に対応する位置におけるE、Y、I、K、M、またはH残基;配列番号1の403位に対応する位置におけるM、Q、N、V、C、H、E、A、T、またはS残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるL、T、W、またはN残基;配列番号1の444位に対応する位置におけるAまたはN残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるH、A、E、またはQ残基;配列番号1の525位に対応する位置におけるH、C、L、またはN残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0022】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の289位に対応する位置におけるQ、C、V、F、A、I、H、G、W、またはY残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるV、M、またはA残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるI、M、S、L、G、またはN残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるI、Q、S、N、またはE残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるL、V、A、またはS残基;配列番号1の296位に対応する位置におけるKまたはQ残基;配列番号1の297位に対応する位置におけるTまたはA残基;配列番号1の403位に対応する位置におけるP、F、I、L、G、またはD残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるG、S、A、I、Y、M、H、V、Q、またはC残基;配列番号1の444位に対応する位置におけるH残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるM、C、F、G、N、S、またはI残基;またはそれらのいずれかの組合せを含まない。
【0023】
本開示のさらなる態様は、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼに関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0024】
本開示のさらなる態様は、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼに関する。
【0025】
本開示のさらなる態様は、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にあり、セスキテルペンシンターゼは、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、セスキテルペンシンターゼによって生産されたセスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼに関する。
【0026】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼのアミノ酸配列は、配列番号3~39または77~92のいずれか1つと少なくとも90%同一である。
【0027】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする天然に存在しない核酸であって、天然に存在しない核酸は、配列番号40~76または93~109と少なくとも90%同一な配列を含む、天然に存在しない核酸に関する。
【0028】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンを生産する方法であって、培養培地中で、FPP基質の存在下で、本開示に関連する宿主細胞を培養すること、および適宜、宿主細胞および/または培養培地からセスキテルペンを単離または回収することを含む方法に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アシフィレンである。
【0029】
一部の実施態様において、宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの少なくとも50%が、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンは、培養培地から回収される。一部の実施態様において、アシフィレンは、培養培地から回収される。一部の実施態様において、方法は、アルファ-グアイエンを含む組成物を得ることをさらに含む。一部の実施態様において、方法は、アシフィレンを含む組成物を得ることをさらに含む。
【0030】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する宿主細胞および/または本開示に関連する方法から入手可能なセスキテルペンに関する。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アシフィレンである。
【0031】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連するセスキテルペンを含む培養培地に関する。
【0032】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連するセスキテルペンを含む組成物に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アシフィレンである。
【0033】
本開示のさらなる態様は、(a)セスキテルペンの少なくとも50%がアルファ-グアイエンである、セスキテルペン、ならびに(b)発酵培地、細胞培養上清および/または疎水性オーバーレイを含む1つまたは複数の追加の成分を含む組成物に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンの少なくとも15%は、アシフィレンである。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンは、微生物宿主細胞を使用して生産される。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンは、インビトロ(in-vitro)またはインビボ(in-vivo)の系を使用して生産される。一部の実施態様において、セスキテルペンの約50%~約90%は、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、組成物は、デルタ-グアイエンをさらに含む。一部の実施態様において、組成物は、アシフィレンをさらに含む。一部の実施態様において、セスキテルペンの約50%~約10%は、アルファ-グアイエンである。
【0034】
一部の実施態様において、組成物は、1種もしくは複数の非テルペン成分または1種もしくは複数の追加のテルペン成分をさらに含む。一部の実施態様において、1種または複数の非テルペン成分は、FPPを含む。一部の実施態様において、1種または複数の追加のテルペン成分は、GCによって決定される場合、デルタ-グアイエン、ベータ-グアイエン、ガンマグアイエン、ゲルマクレンA、アシフィレン、および/またはアルファ-フムレンを含む。
【0035】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にある、方法に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0036】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある、方法に関する。
【0037】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にある、方法に関する。
【0038】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にある、宿主細胞に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0039】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にあり;アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置にある、宿主細胞に関する。一部の実施態様において、宿主細胞は、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも15%は、アシフィレンである。
【0040】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、134、147、188、201、212、217、224、252、255、289、290、291、292、293、295、346、381、390、404、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、515、516、519、542位に対応する位置にあり、宿主細胞は、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、宿主細胞によって生産された総セスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、宿主細胞に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または27個より多くのアミノ酸置換を含む。
【0041】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の23位に対応する位置におけるアスパラギン酸(D)残基;配列番号1の44位に対応する位置におけるバリン(V)残基;配列番号1の72位に対応する位置におけるイソロイシン(I)残基;配列番号1の86位に対応する位置におけるグルタミン酸(E)残基;配列番号1の111位に対応する位置におけるロイシン(L)残基;配列番号1の118位に対応する位置におけるグルタミン(Q)残基;配列番号1の134位に対応する位置におけるD残基;配列番号1の147位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の147位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の188位に対応する位置におけるQ残基;配列番号1の201位に対応する位置におけるセリン(S)残基;配列番号1の212位に対応する位置におけるフェニルアラニン(F)残基;配列番号1の217位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の224位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の252位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の255位に対応する位置におけるアラニン(A)残基;配列番号1の289位に対応する位置におけるリジン(K)残基;配列番号1の290位に対応する位置におけるヒスチジン(H)残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるシステイン(C)残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるアスパラギン(N)残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるQ残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の381位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;配列番号1の390位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の404位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の419位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の433位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の433位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の443位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の443位に対応する位置におけるスレオニン(T)残基;配列番号1の444位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の448位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の458位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の458位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の467位に対応する位置におけるK残基;配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の499位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるメチオニン(M)残基;配列番号1の516位に対応する位置におけるA残基;配列番号1の516位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の519位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の542位に対応する位置におけるV残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0042】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて以下のアミノ酸置換:T72I、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、T494E、およびF512L;L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;L44V、T72I、T86E、G118Q、T134D、W147L、Q212F、Q217E、S224L、F252L、P255A、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、Y390F、K404W、F406L、L419S、Y442L、T458V、R467K、F512L、およびR542V;T23D、L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;V201S、N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、Y381W、K404W、F406L、T494E、およびF512L;V201S、V292C、T295I、およびD444N;V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516A;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、I443W、およびD444N;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびM519L;W147V、C188Q、V201S、S224L、V292C、T295I、およびD444N;L44V、T72I、V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、T448G、およびM519L;L44V、T72I、V111L、V201S、V292C、T295I、V433I、I443T、D444N、T448G、D499N、およびL516V;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、L516V、およびM519L;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、V515M、およびL516V;V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516V;V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;V201S、V292C、T295I、D444N、T458L、およびL516A;V201S、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516V;V201S、V292C、T295I、V433I、D444N、およびL516V;またはV201S、V292C、T295I、V433L、D444N、およびL516Vを含む。
【0043】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号110~131のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む。
【0044】
一部の実施態様において、配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号110の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号111の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、T86E、G118Q、T134D、W147L、Q212F、Q217E、S224L、F252L、P255A、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、Y390F、K404W、F406L、L419S、Y442L、T458V、R467K、F512L、およびR542Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号112の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T23D、L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号113の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、Y381W、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号114の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号115の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号116の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号117の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Aを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号118の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、I443W、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号119の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号120の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換W147V、C188Q、V201S、S224L、V292C、T295I、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号121の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、T448G、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号122の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V111L、V201S、V292C、T295I、V433I、I443T、D444N、T448G、D499N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号123の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、L516V、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号124の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、V515M、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号125の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号126の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号127の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、T458L、およびL516Aを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号128の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号129の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、V433I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号130の配列を含み;または配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、V433L、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号131の配列を含む。
【0045】
一部の実施態様において、異種核酸は、配列番号133~154のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む。
【0046】
一部の実施態様において、宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞より多くのアルファ-グアイエンを生産することが可能である。一部の実施態様において、宿主細胞は、デルタ-グアイエンより多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、宿主細胞は、デルタ-グアイエンより多くのアシフィレンを生産する。
【0047】
本開示のさらなる態様は、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼに関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0048】
本開示のさらなる態様は、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にあり;少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置にある、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼに関する。
【0049】
本開示のさらなる態様は、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼであって、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、134、147、188、201、212、217、224、252、255、289、290、291、292、293、295、346、381、390、404、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、515、516、519、または542位に対応する位置にあり、セスキテルペンシンターゼは、セスキテルペン生成物を生産することが可能であり、セスキテルペンシンターゼによって生産されたセスキテルペン生成物の少なくとも50%は、アルファ-グアイエンである、天然に存在しないセスキテルペンシンターゼに関する。
【0050】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼのアミノ酸配列は、配列番号110~131のいずれか1つと少なくとも90%同一である。
【0051】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンシンターゼをコードする天然に存在しない核酸であって、配列番号133~154のいずれか1つと少なくとも90%同一な配列を含む、天然に存在しない核酸に関する。
【0052】
本開示のさらなる態様は、セスキテルペンを生産する方法であって、培養培地中で、FPP基質の存在下で、本開示に関連する宿主細胞を培養すること、および適宜、宿主細胞および/または培養培地からセスキテルペンを単離または回収することを含む方法に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アシフィレンである。一部の実施態様において、宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの50%が、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、宿主細胞または培養培地から単離または回収されたセスキテルペンの少なくとも15%が、アシフィレンである。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンは、培養培地から回収される。一部の実施態様において、アシフィレンは、培養培地から回収される。一部の実施態様において、方法は、アルファ-グアイエンを含む組成物を得ることをさらに含む。一部の実施態様において、方法は、アシフィレンを含む組成物を得ることをさらに含む。
【0053】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する宿主細胞または本開示に関連する方法から入手可能なセスキテルペンに関する。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アシフィレンである。
【0054】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連するセスキテルペンを含む培養培地に関する。
【0055】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連するセスキテルペンを含む組成物に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンは、アシフィレンである。
【0056】
本開示のさらなる態様は、(a)セスキテルペンの少なくとも50%がアルファ-グアイエンである、セスキテルペン、ならびに(b)発酵培地、細胞培養上清および/または疎水性オーバーレイを含む1つまたは複数の追加の成分を含む組成物に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンの少なくとも15%は、アシフィレンである。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンは、微生物宿主細胞を使用して生産される。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンは、インビトロまたはインビボの系を使用して生産される。一部の実施態様において、セスキテルペンの約50%~約90%は、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、組成物は、デルタ-グアイエンをさらに含む。一部の実施態様において、組成物は、アシフィレンをさらに含む。一部の実施態様において、セスキテルペンの約50%~約10%は、アルファ-グアイエンである。一部の実施態様において、セスキテルペンの少なくとも15%は、アシフィレンである。
【0057】
一部の実施態様において、組成物は、1種もしくは複数の非テルペン成分または1種もしくは複数の追加のテルペン成分をさらに含む。一部の実施態様において、1種または複数の非テルペン成分は、FPPを含む。一部の実施態様において、1種または複数の追加のテルペン成分は、GCによって決定される場合、デルタ-グアイエン、ベータ-グアイエン、ガンマグアイエン、ゲルマクレンA、アシフィレン、および/またはアルファ-フムレンを含む。
【0058】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、212、217、293、295、404、448、515、および/または542位に対応する位置にある、方法に関する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0059】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における44、212、217、293、295、404、515、および/または542位に対応する位置にあり;少なくとも1つのアミノ酸置換は、配列番号1における23、72、86、111、118、134、147、188、201、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、516、および/または519位に対応する位置にある、方法に関する。
【0060】
本開示のさらなる態様は、本開示に関連する組成物を作製する方法であって、セスキテルペンシンターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養することを含み、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含み、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、134、147、188、201、212、217、224、252、255、289、290、291、292、293、295、346、381、390、404、406、419、433、442、443、444、448、458、467、494、499、512、515、516、519、または542位に対応する位置にある、方法に関する。
【0061】
この開示に記載される組成物および方法の限定のそれぞれは、様々な記載された実施態様を包含し得る。それゆえに、いずれか1つの要素または要素の組合せを含む本発明の限定のそれぞれが本発明の各態様に含まれ得ることが予想される。本発明の開示は、その適用において、以下の説明に記載される、または図面で例示される構築の詳細や成分の配置に限定されない。
【0062】
添付の図面は、所定の尺度で描かれることは意図されていない。図面は単なる例示にすぎず、本開示の実用可能性にとって必ずしも必要ではない。わかりやすくするために、全ての図面において全ての成分が標識されるわけではない。図面において、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、A.クラッスナ(A.crassna)からのデルタ-グアイエンシンターゼ2によって生産されたセスキテルペンのプロファイルを描写する。A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2のタンパク質配列は、UniProtKB受託番号D0VMR7で入手可能であり、この開示において配列番号1として提供される。
【
図2】
図2は、実施例1に記載されるデルタ-グアイエンシンターゼ2(配列番号1)と比べてアミノ酸置換を含むセスキテルペンシンターゼを含むS.セレビジエ(S.cerevisiae)株のスクリーニングからの結果を描写する。GFPを発現する株を、陰性対照として使用した。「WT D0VMR7」として標識されたデルタ-グアイエンシンターゼ2(配列番号1)を発現する株を、陽性対照として使用した。グラフ上に、総セスキテルペン生成物に対するアルファ-グアイエンのパーセンテージが陽性対照のそれより高かった株が示される。
【
図3】
図3は、実施例2に記載されるデルタ-グアイエンシンターゼ2(配列番号1)と比べてアミノ酸置換を含むセスキテルペンシンターゼを含むS.セレビジエ株のスクリーニングからの結果を描写する。二次スクリーニングからの結果が示される。「WT D0VMR7」として標識されたデルタ-グアイエンシンターゼ2(配列番号1)を発現する株を、陽性対照として使用した。
【
図4】
図4は、実施例3に記載されるデルタ-グアイエンシンターゼ2(配列番号1)と比べてアミノ酸置換を含むセスキテルペンシンターゼを含むS.セレビジエ株のスクリーニングからの結果を描写する。二次スクリーニングからの結果が示される。「WT D0VMR7」として標識されたデルタ-グアイエンシンターゼ2(配列番号1)を発現する株を、陽性対照として使用した。
【発明を実施するための形態】
【0064】
グアイエンなどのセスキテルペンは、芳香剤やフレーバー産業で広く使用されているが、天然源からのセスキテルペンの精製およびデノボの化学合成は、高い生産コストおよび/または低い収量になることが多い。この開示は、少なくとも部分的に、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(配列番号1)におけるアミノ酸置換が、総セスキテルペン生成物に対するアルファ-グアイエン生産の増加、または配列番号1の野生型デルタ-グアイエンシンターゼの生産に対するアルファ-グアイエン生産の増加をもたらすことができるという予想外の発見を前提とする。したがって、この開示は、一部の態様において、アルファ-グアイエン生産の増加のために操作された酵素、操作された酵素を発現する宿主細胞、およびこのような酵素や宿主細胞を使用してアルファ-グアイエンを生産するための方法を提供する。
【0065】
テルペン
この開示で使用される場合、別段の指定がない限り、テルペンは、イソプレン(すなわち、C5H8)単位を含む不飽和炭化水素化合物およびその誘導体である。用語「イソプレノイド」、「テルペン」、および「テルペノイド」は、本出願において同義的に使用される。例えば、テルペンは、分子式(C5H8)n(式中、nは、イソプレンサブユニットの数を表す)を有する純粋な炭化水素を含む。テルペンはまた、含酸素化合物(テルペノイドと称されることが多い)も含む。テルペンは構造的に多様な化合物であり、例えば、環状(例えば、単環式、多環式、同素環式および複素環式化合物)であってもよいし、または非環状(例えば、直鎖状および分岐状化合物)であってもよい。一部の実施態様において、テルペンは、芳香化合物であり得る。この開示で使用される場合、芳香化合物は、特徴的な香りを有する化合物を指す。当業界において公知のあらゆる方法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)(例えば、ガスクロマトグラフィーと質量分析との組合せ(GC/MS)またはガスクロマトグラフィーと水素炎イオン化検出器との組合せ(GC/FID))などを使用して、目的のテルペンを同定することができる。
【0066】
テルペンの非限定的な例としては、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セスタテルペン、トリテルペン、およびテトラテルペンが挙げられる。モノテルペンは、10個の炭素を含む。モノテルペンの非限定的な例としては、これらに限定されないが、ミルセン、メタノール、カルボン、ヒノキチオール、リナロール、リモネン、サビネン、ツジェン、カレン、ボルネオール、オイカリプトールおよびカンフェンが挙げられる。セスキテルペンは、15個の炭素を含む。この開示で使用される場合、セスキテルペンとしては、セスキテルペン炭化水素およびセスキテルペンアルコール(セスキテルペノール)が挙げられる。セスキテルペンの非限定的な例としては、これらに限定されないが、デルタ-カジネン、エピクベノール、タウ-カジノール、アルファ-カジノール、ガンマ-セリネン、10-エピ-ガンマ-オイデスモール、ガンマ-オイデスモール、アルファ/ベータ-オイデスモール、ジュニパーカンファー、7-エピ-アルファ-オイデスモール、クリプトメリジオール異性体1、クリプトメリジオール異性体2、クリプトメリジオール異性体3、フムレン、アルファ-グアイエン、デルタ-グアイエン(アルファ-ブルネセン)、アシフィレン、ベータ-グアイエン、ガンマ-グアイエン、およびガンマ-グルジュネン、ジンギベレン、ベータ-ビサボレン、ベータ-ファルネセン、ベータ-セスキフェランドレン、クベノール、アルファ-ビサボロール、アルファ-クルクメン、trans-ネロリドール、ガンマ、ビサボレン、ベータ-カリオフィレン、trans-セスキサビネン水和物、デルタ-エレメン、cis-オイデスム-6-エン-11-オール、ダウセン、イソダウセン、trans-ベルガモテン、アルファ-ジンギベレン、セスキサビネン水和物、ならびに8-イソプロペニル-1,5-ジメチル-1,5-シクロデカジエンが挙げられる。グアイエンは、3つのイソプレン単位から形成され、多くの場合に分子式C15H24を有するセスキテルペンの1つのタイプであり、その例としては、アルファ-グアイエン、デルタ-グアイエン(アルファ-ブルネセン)、アシフィレン、ベータ-グアイエン、ガンマ-グアイエンおよびガンマ-グルジュネンなどの化合物が挙げられ、これらは全て、グアイアンセスキテルペン骨格を有する。ジテルペンは、20個の炭素を含む。ジテルペンの非限定的な例としては、これらに限定されないが、センブレンおよびスクラレオールが挙げられる。セスタテルペンは、25個の炭素を含む。セスタテルペンの非限定的な例は、ゲラニルファルネソールである。トリテルペンは、30個の炭素を含む。トリテルペンの非限定的な例としては、スクアレン、ポリポダテトラエン、マラバリカン(malabaricane)、ラノスタン、ククルビタシン、ホパン、オレアナン、およびウルソール酸が挙げられる。テトラテルペンは、40個の炭素を含む。テトラテルペンの非限定的な例としては、カロチノイド、例えば、キサントフイルおよびカロチンが挙げられる。例えば、WO2019/161141も参照されたい。一部の実施態様において、イソプレノイドは、カンナビノイドである。例えば、WO2020/176547を参照されたい。
【0067】
テルペンシンターゼ
この開示で使用される場合、「テルペンシンターゼ」は、適宜基質としてプレニル二リン酸を使用して、テルペンを生産することが可能なタンパク質を指す。少なくとも2つのタイプのテルペンシンターゼ、すなわち、典型的なテルペンシンターゼ、およびイソプレニル二リン酸シンターゼ型のテルペンシンターゼが特徴付けられている。典型的なテルペンシンターゼは、原核生物(例えば、細菌)および真核生物(例えば、植物、真菌およびアメーバ)で見出され、一方でイソプレニル二リン酸シンターゼ型のテルペンシンターゼは、昆虫で見出されている(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、Chen et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2016;113(43):12132-12137を参照)。典型的なテルペンシンターゼにおいて、アスパラギン酸リッチな「DDxx(x)D/E」モチーフおよび「NDxxSxxxD/E」モチーフなどの数々の高度に保存された構造的なモチーフが報告されており、これらはどちらも基質結合の調整に関与していた(例えば、それぞれの内容が参照によりその全体が本明細書に組み入れられるStarks et al., Science. 1997 Sep 19;277(5333):1815-20;およびChristianson et al., Curr Opin Chem Biol. 2008 Apr;12(2):141-50を参照)。また例えばWO2019/161141およびWO2020/176547も参照されたい。
【0068】
テルペンシンターゼは、それが生産するテルペンのタイプによって分類することができる。テルペンシンターゼとしては、例えば、モノテルペンシンターゼ、ジテルペンシンターゼ、およびセスキテルペンシンターゼを挙げることができる。モノテルペンシンターゼおよびセスキテルペンシンターゼの特定の非限定的な例は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられるDegenhardt et al., Phytochemistry. 2009 Oct-Nov;70(15-16):1621-37に見出すことができる。
【0069】
モノテルペンシンターゼは、炭素数10のモノテルペンの形成を触媒する。一般的に、モノテルペンシンターゼは、基質としてゲラニル二リン酸(GPP)を使用する。モノテルペンシンターゼの非限定的な例としては、ミルセンシンターゼ(UniProtKb受託番号O24474)、(R)-リモネンシンターゼ(UniprotKB受託番号Q2XSC6)、(E)-ベータ-オシメンシンターゼ(UniProtKB受託番号Q5CD81)およびリモネンシンターゼ(UniProtKB受託番号Q9FV72)が挙げられる。
【0070】
ジテルペンシンターゼは、炭素数20のジテルペンの形成を触媒する。一般的に、ジテルペンシンターゼは、基質としてゲラニルゲラニル二リン酸を使用する。ジテルペンシンターゼの非限定的な例としては、cis-アビエノールシンターゼ(UniProtKB受託番号H8ZM73)、スクラレオールシンターゼ(UniProtKB受託番号K4HYB0)およびアビエタジエンシンターゼ(UniProtKB受託番号Q38710)が挙げられる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられるGong et al., Nat Prod Bioprospect. 2014;4(2):59-72を参照されたい。
【0071】
セスキテルペンシンターゼは、炭素数15のセスキテルペンの形成を触媒する。一般的に、セスキテルペンシンターゼは、ファルネシル二リン酸(FDP)をセスキテルペンに変換する。セスキテルペンシンターゼの非限定的な例としては、(+)-デルタ-カジネンシンターゼ(UniProtKB受託番号Q9SAN0)、UniProtKB受託番号A0A067FTE8、ベータ-オイデスモールシンターゼ(UniProtKB受託番号B1B1U4)、(+)-デルタ-カジネンシンターゼアイソザイムXC14(UniProtKB受託番号Q39760)、(+)-デルタ-カジネンシンターゼアイソザイムXC1(UniProtKB受託番号Q39761)、(+)-デルタ-カジネンシンターゼアイソザイムA(UniProtKB受託番号Q43714)、セスキテルペンシンターゼ2(UniProtKB受託番号Q9FQ26)、推定のデルタ-グアイエンシンターゼ(UniProtKB受託番号A0A0A0QUT9)、デルタ-グアイエンシンターゼ1(UniProtKB受託番号D0VMR6)、アルファ-ジンギベレンシンターゼ(UniProtKB受託番号Q5SBP4)、(Z)-ガンマ-ビサボレンシンターゼ1(UniProtKB受託番号Q9T0J9)、A0A067D5M4、デルタ-エレメンシンターゼ(UniProtKB受託番号A0A097ZIE0)、ShoBecSQTS1、A0A068UHT0、テルペンシンターゼ(UniProtKB受託番号G5CV47)、A0A068VE40およびA0A068VI46が挙げられる。
【0072】
本開示はまた、多官能性の(例えば、1種より多くのセスキテルペンを生産することが可能な)セスキテルペンシンターゼも包含する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、デルタ-カジネンおよびアルファ-カジノールを生産することが可能である。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、デルタ-カジネン、タウ-カジノール、およびアルファ-カジノールを生産することが可能である。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、アルファ-グアイエンおよびデルタ-グアイエンを生産することが可能である。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、ベータ-カリオフィレンおよびフムレンを生産することが可能である。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、アルファ-グアイエン、デルタ-グアイエン、ベータ-エレメン、ネオインテルメディオール(neointermediol)、および/またはフムレンを生産することが可能である。ベータ-エレメンはさらに、WO2005/052163に記載されており、それから参照により組み入れられる。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、アシフィレンを生産することが可能である。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、アルファ-グアイエンおよびアシフィレンを生産することが可能である。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼによって生産される最も豊富なセスキテルペンは、アルファ-グアイエンであり、セスキテルペンシンターゼによって生産される2番目に豊富なセスキテルペンは、アシフィレンである。
【0073】
本開示はまた、セスキテルペンシンターゼの断片も包含する。この開示で使用される場合、セスキテルペンシンターゼの断片は、セスキテルペンシンターゼの全長分子より小さい部分を指す。本開示のセスキテルペンシンターゼの断片としては、酵素の生物学的に活性な部分、例えば触媒ドメインを挙げることができる。セスキテルペンシンターゼの機能的な断片は、全長セスキテルペンシンターゼと同じタイプの活性を有するセスキテルペンシンターゼの断片を指すが、断片の活性のレベルは、全長セスキテルペンシンターゼの活性のレベルと比較して変化してもよい。
【0074】
アルファ-グアイエンの生産
グアイエンは、分子式C15H24を有するセスキテルペンである。グアイエンの非限定的な例としては、アルファ-グアイエン(α-グアイエン;CASレジストリ番号3691-12-1)、ベータ-グアイエン(β-グアイエン;CASレジストリ番号88-84-6)、アルファ-ブルネセン[デルタ-グアイエン(δ-グアイエン;CASレジストリ番号3691-11-0)としても公知]、ガンマグアイエン(γ-グアイエン;CASレジストリ番号145267-53-4)、アシフィレン(CASレジストリ番号87745-31-1)およびガンマ-グルジュネン(γ-グルジュネン;CASレジストリ番号22567-17-5)が挙げられる。
【0075】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼは、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質である。A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質のアミノ酸配列は、UniProtKB受託番号D0VMR7により入手可能であり、これは、本明細書では配列番号1として提供される:
MSSAKLGSASEDVSRRDANYHPTVWGDFFLTHSSNFLENNDSILEKHEELKQEVRNLLVV
ETSDLPSKIQLTDEIIRLGVGYHFETEIKAQLEKLHDHQLHLNFDLLTTSVWFRLLRGHG
FSIPSDVFKRFKNTKGEFETEDARTLWCLYEATHLRVDGEDILEEAIQFSRKRLEALLPK
LSFPLSECVRDALHIPYHRNVQRLAARQYIPQYDAEQTKIESLSLFAKIDFNMLQALHQS
ELREASRWWKEFDFPSKLPYARDRIAEGYYWMMGAHFEPKFSLSRKFLNRIVGITSLIDD
TYDVYGTLEEVTLFTEAVERWDIEAVKDIPKYMQVIYIGMLGIFEDFKDNLINARGKDYC
IDYAIEVFKEIVRSYQREAEYFHTGYVPSYDEYMENSIISGGYKMFIILMLIGRGEFELK
ETLDWASTIPEMVKASSLIARYIDDLQTYKAEEERGETVSAVRCYMREFGVSEEQACKKM
REMIEIEWKRLNKTTLEADEISSSVVIPSLNFTRVLEVMYDKGDGYSDSQGVTKDRIAAL
LRHAIEI(配列番号1)
【0076】
配列番号1をコードする核酸配列の非限定的な例は、本明細書では配列番号2として提供される。
atgtcttcagctaaactgggaagtgcctccgaggacgtttctcgtcgggatgcaaattacca
ccctactgtatggggtgatttctttttgacgcatagctccaacttcctcgaaaacaatgact
cgatccttgaaaagcacgaagaattgaagcaggaagtgaggaacctattagtcgttgaaaca
tctgacttgccatctaaaattcaattgaccgatgagataattagattgggtgttggctatca
ttttgaaactgaaatcaaggctcaattagaaaagttgcacgaccaccaattgcatttaaact
tcgatcttttgaccacttcggtctggttcagacttttgcgaggtcacggtttttccattcca
tcagatgtttttaagagattcaaaaacaccaagggtgaatttgagactgaagacgcgagaac
attatggtgtttgtacgaagccacccatcttagagttgacggggaggatatcctagaagagg
ctatacaattctctcgtaagagattggaagctctgttacccaaattgagcttcccattgtcc
gaatgcgtcagagatgctctgcatattccttaccacagaaatgtacaaagattggccgctag
acaatatatcccacaatacgatgctgaacagactaagattgaatctctatctttattcgcca
agatcgactttaacatgttgcaagctttgcaccaaagtgaactgagagaagcctcacgctggt
ggaaagaatttgacttcccatccaagttaccttacgcaagggatagaattgctgaaggttatt
actggatgatgggtgctcattttgaaccgaagttctctttgtctcgtaagttcttgaatagaa
ttgtcggtatcacttcgttaattgatgacacgtatgatgtttacgggacccttgaagaggtga
cactattcactgaagcggtcgaacgttgggacattgaggcagttaaagatatcccaaagtaca
tgcaagtcatctacatcggtatgttgggtatctttgaagactttaaagataacttaattaatg
ctcgaggtaaagattactgtatcgactatgctattgaagtctttaaggaaattgttcgttcct
atcaaagagaagctgaatatttccacaccggctacgttccaagttacgatgaatacatggaga
atagtataatatctggaggttacaagatgttcattattcttatgttgattggtagaggggaat
ttgaattgaaggaaacactagactgggcctcaactattcctgaaatggttaaggctagttctc
tcattgctagatacatcgacgatctccagacctataaggcagaggaggaaagaggtgaaactg
tatcagctgttagatgttacatgagagaatttggtgtgtctgaggaacaagcttgcaagaaaa
tgcgtgaaatgatcgaaattgaatggaagcgattgaacaagacgactttggaggcagacgaaa
tatcctccagtgttgtaataccatctctcaacttcaccagagttttggaagtcatgtatgaca
aaggtgatggttactctgattctcaaggtgtcacaaaggatagaatcgccgctttacttagac
acgcaattgaaatc(配列番号2)
【0077】
セスキテルペンシンターゼの他の非限定的な例としては、UniProt受託番号D0VMR6、UniProt受託番号D0VMR8、およびUniProt受託番号Q49SP3に関連するものが挙げられる。
【0078】
セスキテルペンシンターゼは、配列番号1またはその保存的に置換されたバージョンと、少なくとも50%(例えば、その間にある全ての値を含めて、少なくとも55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%より多く)同一な配列を含んでいてもよい。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1またはその保存的に置換されたバージョンを含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1またはその保存的に置換されたバージョンからなるかまたはそれから本質的になる。
【0079】
アルファグアイエンの生産増加のためのセスキテルペンシンターゼ変異体
グアイエンを生産する天然に存在するセスキテルペンシンターゼは、一般的に、異なるセスキテルペン生成物の混合物を生産する。例えば、実施例1で示されるように、宿主細胞におけるA.クラッスナからの天然に存在するデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(配列番号1)の発現は、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用して決定される場合、約14.6%のアルファ-グアイエンを含むセスキテルペン生成物の混合物の生産をもたらした(表4)。
【0080】
セスキテルペンシンターゼによって生産された様々なグアイエン生成物の量または比率に影響を与えることができることが有利であると予想される。特に、芳香剤や香味料にとってのアルファ-グアイエンの重要性を考慮すれば、他のセスキテルペン生成物と比べて増加した量のアルファ-グアイエンまたは増加した量のアルファ-グアイエンの生産を可能にすることが有利であると予想される。本開示の態様は、対照セスキテルペンシンターゼによって生産されたものと比較して、総セスキテルペン生成物に対する増加した量のアルファ-グアイエン、または増加した比率のアルファ-グアイエンを生産する合成セスキテルペンシンターゼの驚くべき同定に関する。一部の実施態様において、対照セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の配列を含む。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼは、1種または複数の他のセスキテルペン生成物、例えばデルタ-グアイエンより多くのアルファ-グアイエンを生産する。実施例1~3で示されるように、驚くべきことに、配列番号1と比べてアミノ酸置換を含む変異体セスキテルペンシンターゼが、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼと比較して、総セスキテルペン生成物に対する増加したパーセンテージのアルファ-グアイエンを生産したこと(表4、6および7)が見出された。
【0081】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、1つまたは複数のアミノ酸置換は、配列番号1における23、44、72、86、111、118、122、124、134、147、153、188、191、201、205、212、217、224、252、255、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、381、390、398、404、406、407、419、433、442、443、448、458、467、480、494、499、507、509、512、516、519、526、533、および/または542位に対応する1つまたは複数の位置にある。
【0082】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における44、122、212、217、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、533、および/または542位に対応する位置にある。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1における23、72、86、111、118、124、134、147、153、188、191、201、205、224、252、255、289、290、291、292、346、381、390、406、419、433、442、443、448、458、467、480、494、499、509、512、516、519、および/または526位に対応する位置に少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む。
【0083】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、
(i)アミノ酸置換の少なくとも1つは、配列番号1における122、274、275、293、295、301、368、398、404、407、507、515、525、および/または533位に対応する位置にあり;
(ii)アミノ酸置換のうちの少なくとも1つは、配列番号1における72、124、153、191、201、205、289、290、291、292、346、406、442、480、494、509、512、および/または526位に対応する位置にある。
【0084】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼの配列は、配列番号1と比べて2つまたはそれより多くのアミノ酸置換を含み、2つまたはそれより多くのアミノ酸置換は、配列番号1における72、122、124、153、191、201、205、274、275、289、290、291、292、293、295、301、346、368、398、404、406、407、442、480、494、507、509、512、526および/または533位に対応する位置にある。
【0085】
1つまたは複数のアミノ酸置換は、この開示において、配列番号1の配列に対して記載されているが、本開示は、他のセスキテルペンシンターゼ配列における対応する残基における同じ1つまたは複数の置換を包含することが理解されるものとする。当業者であれば、異なるセスキテルペンシンターゼにおけるどの1つまたは複数の残基が、配列番号1の配列におけるいずれか1つまたは複数の残基に対応するかを決定することができるであろう。本出願で使用される場合、第1の配列と第2の配列とを当業界において公知のアミノ酸配列アライメントツールを使用してアライメントしたときに、第1の配列における残基が、第2の配列における残基のカウンターパートとなる位置にある場合、第1の配列における残基(例えば核酸残基またはアミノ酸残基)は、第2の配列における位置または残基(例えば核酸残基またはアミノ酸残基)に対応すると称される。
【0086】
例えば、配列番号1は、アミノ酸292位にバリン(V)残基を有する。一部のセスキテルペンシンターゼは、対応する位置にV残基の代わりにイソロイシン(I)残基を有する。配列番号1におけるアミノ酸292に対応する位置にI残基を有するセスキテルペンシンターゼにおいて、その位置に対して本明細書で開示されるアミノ酸置換は、それでもなお適用できることが理解されるものとする。同様に、配列番号1は、アミノ酸296位にセリン(S)残基を有する。一部のセスキテルペンシンターゼは、対応する位置に、S残基の代わりにプロリン(P)残基を有する。配列番号1におけるアミノ酸296に対応する位置にP残基を有するセスキテルペンシンターゼにおいて、その位置に関する本明細書で開示されるアミノ酸置換(ただしSからPへの置換を除く)は、それでもなお適用できることが理解されるものとする。
【0087】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の23位に対応する位置におけるアスパラギン酸(D)残基;配列番号1の44位に対応する位置におけるバリン(V)残基;配列番号1の72位に対応する位置におけるイソロイシン(I)残基;配列番号1の86位に対応する位置におけるグルタミン酸(E)残基;配列番号1の111位に対応する位置におけるロイシン(L)残基;配列番号1の118位に対応する位置におけるグルタミン(Q)残基;配列番号1の122位に対応する位置におけるアスパラギン(N)残基;配列番号1の124位に対応する位置におけるセリン(S)残基;配列番号1の134位に対応する位置におけるD残基;配列番号1の147位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の147位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の153位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の188位に対応する位置におけるQ残基;配列番号1の191位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の201位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の201位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の205位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の212位に対応する位置におけるフェニルアラニン(F)残基;配列番号1の217位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の224位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の252位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の255位に対応する位置におけるアラニン(A)残基;配列番号1の274位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の275位に対応する位置におけるグリシン(G)残基;配列番号1の289位に対応する位置におけるリジン(K)残基;配列番号1の289位に対応する位置におけるヒスチジン(H)残基;配列番号1の290位に対応する位置におけるH残基;配列番号1の290位に対応する位置におけるK残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるFまたはメチオニン(M)残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるシステイン(C)残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるQ、I、またはN残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の301位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の368位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の381位に対応する位置におけるトリプトファン(W)残基;配列番号1の390位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の398位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の404位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の407位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の419位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の433位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の433位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の443位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の443位に対応する位置におけるスレオニン(T)残基;配列番号1の444位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の448位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の458位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の458位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の467位に対応する位置におけるK残基;配列番号1の480位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の499位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の507位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の509位に対応する位置におけるA残基;配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるM残基;配列番号1の516位に対応する位置におけるA残基;配列番号1の516位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の519位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の526位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の533位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の542位に対応する位置におけるV残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0088】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1の23位に対応する位置におけるD残基;配列番号1の44位に対応する位置におけるV残基;配列番号1の72位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の86位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の111位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の118位に対応する位置におけるQ残基;配列番号1の122位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の124位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の134位に対応する位置におけるD残基;配列番号1の147位に対応する位置におけるVまたはL残基;配列番号1の153位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の188位に対応する位置におけるQ残基;配列番号1の191位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の201位に対応する位置におけるIまたはS残基;配列番号1の205位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の212位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の217位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の224位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の252位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の255位に対応する位置におけるA残基;配列番号1の274位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の275位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の289位に対応する位置におけるL、T、S、H、M、KまたはD残基;配列番号1の290位に対応する位置におけるKまたはH残基;配列番号1の291位に対応する位置におけるF、L、T、VまたはC残基;配列番号1の292位に対応する位置におけるA、Q、C、Y、H、E、F、M、W、TまたはF残基;配列番号1の293位に対応する位置におけるL、V、T、Y、C、F、W、Q、I、N、またはM残基;配列番号1の295位に対応する位置におけるE、D、N、W、G、VまたはI残基;配列番号1の301位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の346位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の368位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の381位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の390位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の398位に対応する位置におけるC残基;配列番号1の404位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の406位に対応する位置におけるL、N、W、またはT残基;配列番号1の407位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の419位に対応する位置におけるS残基;配列番号1の433位に対応する位置におけるIまたはL残基;配列番号1の442位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の443位に対応する位置におけるWまたはT残基;配列番号1の444位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の448位に対応する位置におけるG残基;配列番号1の458位に対応する位置におけるLまたはV残基;配列番号1の467位に対応する位置におけるK残基;配列番号1の480位に対応する位置におけるI残基;配列番号1の494位に対応する位置におけるE残基;配列番号1の499位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の507位に対応する位置におけるW残基;配列番号1の509位に対応する位置におけるA残基;配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるM残基;配列番号1の516位に対応する位置におけるAまたはV残基;配列番号1の519位に対応する位置におけるL残基;配列番号1の526位に対応する位置におけるF残基;配列番号1の533位に対応する位置におけるN残基;配列番号1の542位に対応する位置におけるV残基;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0089】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて以下のアミノ酸置換:N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、F406L、F512L、D191N、およびA205E;I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512L;V292F、G293Q、K404W、およびF406L;N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292M、G293I、F406L、F512L、およびM480I;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406L;V292F、G293Q、T295V、F406L、およびF512L;V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;I291V、V292F、G293I、K404W、F406L、およびI507W;V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512L;N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I507W、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、V292F、G293Q、T295V、F406L、I407G、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、およびF406L;N289H、V292F、G293Q、F406L、I507W、およびF512L;I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、G293N、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512L;I291V、V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512L;I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I407G、およびF512L;N289H、V292F、T295V、F406L、およびF512L;N289H、V292F、K404W、F406L、およびF512L;V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、およびI507W;N289H、V292F、G293I、F406L、I407G、I507W、およびF512L;N289H、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびI507W;I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、I507W、およびF512L;S122N、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512L;T153S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、K404W、F406L、およびF512L;P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406L;R290K、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512L;N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;V292F、G293Q、およびK404W;T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512L;T72I、N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512L;T72I、N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、Y442L、I507W、およびF512L;A275G、G293W、I294V、T295W、T301S、F368C、S509A、F512L、Y526F、およびT533N;P124S、V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512L;N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;N289H、F406L、F512L、およびT295V;N289H、F406L、F512L、T295V、およびG274S;N289H、F406L、F512L、T295V、およびV201I;N289H、F406L、F512L、T295V、およびI398C;T72I、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、T494E、およびF512L;L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;L44V、T72I、T86E、G118Q、T134D、W147L、Q212F、Q217E、S224L、F252L、P255A、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、Y390F、K404W、F406L、L419S、Y442L、T458V、R467K、F512L、およびR542V;T23D、L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512L;V201S、N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、Y381W、K404W、F406L、T494E、およびF512L;V201S、V292C、T295I、およびD444N;V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516A;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、I443W、およびD444N;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびM519L;W147V、C188Q、V201S、S224L、V292C、T295I、およびD444N;L44V、T72I、V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、T448G、およびM519L;L44V、T72I、V111L、V201S、V292C、T295I、V433I、I443T、D444N、T448G、D499N、およびL516V;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、L516V、およびM519L;L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、V515M、およびL516V;V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516V;V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516V;V201S、V292C、T295I、D444N、T458L、およびL516A;V201S、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516V;V201S、V292C、T295I、V433I、D444N、およびL516V;またはV201S、V292C、T295I、V433L、D444N、およびL516Vを含む。
【0090】
一部の実施態様において、配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号3の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号4の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、D191N、およびA205Eを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号5の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号6の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号7の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号8の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号9の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号10の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号11の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号12の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号13の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292M、G293I、F406L、F512L、およびM480Iを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号14の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号15の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293Q、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号16の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号17の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293I、K404W、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号18の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号19の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号20の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号21の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、T295V、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号22の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号23の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号24の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号25の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号26の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号27の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号28の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号29の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、I407G、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号30の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号31の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号32の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V292F、G293N、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号33の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号34の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293I、T295V、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号35の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号36の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293I、F406L、I407G、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号37の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびI507Wを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号38の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換I291V、V292F、G293Q、T295V、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号39の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換S122N、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号84の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号80の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T153S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号82の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、およびF406Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号81の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換R290K、V292F、T295V、K404W、F406L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号83の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号78の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、G293N、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号77の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号79の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号88の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、V292F、G293I、T295V、F406L、I407G、Y442L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号86の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換P124S、V292F、T295V、K404W、F406L、I507W、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号85の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、V292F、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号87の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、およびT295Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号89の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびG274Sを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号90の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびV201Iを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号91の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換N289H、F406L、F512L、T295V、およびI398Cを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号92の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T72I、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号110の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号111の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、T86E、G118Q、T134D、W147L、Q212F、Q217E、S224L、F252L、P255A、N289H、R290K、I291V、V292F、G293Q、T295V、D346E、Y390F、K404W、F406L、
L419S、Y442L、T458V、R467K、F512L、およびR542Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号112の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換T23D、L44V、T72I、N289H、I291V、V292F、G293Q、T295V、K404W、F406L、Y442L、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号113の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、N289H、I291V、V292F、G293N、T295V、Y381W、K404W、F406L、T494E、およびF512Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号114の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号115の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号116の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号117の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Aを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号118の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、I443W、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号119の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号120の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換W147V、C188Q、V201S、S224L、V292C、T295I、およびD444Nを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号121の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、T448G、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号122の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V111L、V201S、V292C、T295I、V433I、I443T、D444N、T448G、D499N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号123の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、L516V、およびM519Lを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号124の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換L44V、T72I、V201S、V292C、T295I、D444N、V515M、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号125の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V111L、V201S、S224L、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号126の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号127の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、D444N、T458L、およびL516Aを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号128の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、I443T、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号129の配列を含み;配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、V433I、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号130の配列を含み;または配列番号1と比べて、アミノ酸置換V201S、V292C、T295I、V433L、D444N、およびL516Vを含むセスキテルペンシンターゼは、配列番号131の配列を含む。
【0091】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号1と比べて1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含み、その1つまたは複数のアミノ酸置換は、配列番号1における294、296、297、403、444、515、および/または525位に対応する1つまたは複数の位置にある。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、
・配列番号1の294位に対応する位置におけるL、C、Y、V、A、またはS残基;
・配列番号1の296位に対応する位置におけるL、A、プロリン(P)、Y、N、FまたはR残基;
・配列番号1の297位に対応する位置におけるE、Y、I、リジン(K)、M、またはH残基;
・配列番号1の403位に対応する位置におけるM、Q、N、S、T、A、E、H、C、またはV残基;
・配列番号1の444位に対応する位置におけるAまたはN残基;配列番号1の515位に対応する位置におけるH、A、E、またはQ残基;
・配列番号1の525位に対応する位置におけるH、C、L、またはN残基;またはそれらのいずれかの組合せ
を含む。
【0092】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、
・配列番号1の289位に対応する位置におけるQ、C、V、F、A、I、H、G、W、またはY残基;
・配列番号1の291位に対応する位置におけるV、M、またはA残基;
・配列番号1の292位に対応する位置におけるI、M、S、L、G、またはN残基;
・配列番号1の293位に対応する位置におけるI、Q、S、N、またはE残基;
・配列番号1の295位に対応する位置におけるL、V、A、またはS残基;
・配列番号1の296位に対応する位置におけるKまたはQ残基;
・配列番号1の297位に対応する位置におけるTまたはA残基;
・配列番号1の403位に対応する位置におけるP、F、I、L、G、またはD残基;
・配列番号1の406位に対応する位置におけるG、S、A、I、Y、M、H、V、Q、またはC残基;
・配列番号1の444位に対応する位置におけるH残基;
・配列番号1の515位に対応する位置におけるM、C、F、G、N、S、またはI残基;またはそれらのいずれかの組合せ
を含まない。
【0093】
表1は、本開示に関連する配列番号1におけるアミノ酸置換の例を提供する。
【0094】
【0095】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39、77~92または110~131またはその保存的に置換された変異体のいずれか1つと、少なくとも50%(例えば、その間にある全ての値を含めて、少なくとも55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%より多く)同一な配列を含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39、77~92または110~131またはその保存的に置換されたバージョンのいずれか1つの配列を含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39、77~92もしくは110~131またはその保存的に置換された変異体の配列のいずれか1つからなるかまたはそれから本質的になる。
【0096】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、アルファ-グアイエンおよび/またはデルタ-グアイエンを含む1種または複数のセスキテルペンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアルファ-グアイエンを生産するか、またはGCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、100%のアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、配列番号1の野生型酵素または野生型酵素を発現する宿主細胞によって生産されたものより、少なくとも前記の列挙されたパーセンテージ多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、少なくとも50%のアルファ-グアイエンを生産するか、またはGCによって決定される場合、配列番号1の野生型酵素または野生型酵素を発現する宿主細胞によって生産されたものより、少なくとも50%多くのアルファ-グアイエンを生産する。
【0097】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%または70%のデルタ-グアイエンを生産するか、またはGCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、100%のデルタ-グアイエンを生産する。
【0098】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、デルタ-グアイエンより多くのアルファ-グアイエンを生産する。例えば、一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、デルタ-グアイエンより、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、または500%多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、デルタ-グアイエンより、少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍多くのアルファ-グアイエンを生産する。
【0099】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%または70%のアシフィレンを生産するか、またはGCによって決定される場合、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして、100%のアシフィレンを生産する。
【0100】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、アシフィレンより多くのアルファ-グアイエンを生産する。例えば、一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、アシフィレンより、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、または500%多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、アシフィレンより少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍多くのアルファ-グアイエンを生産する。
【0101】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の野生型酵素または野生型酵素を発現する宿主細胞によって生産されたものより多くのアルファ-グアイエンを生産する。例えば、一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、配列番号1の野生型酵素または野生型酵素を発現する宿主細胞によって生産されたものより、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、または500%多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、GCによって決定される場合、配列番号1の野生型酵素または野生型酵素を発現する宿主細胞によって生産されたものより、少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍多くのアルファ-グアイエンを生産する。
【0102】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより高い、アルファ-グアイエンのデルタ-グアイエンに対する比率を生じる。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして少ないデルタ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより多くのアシフィレンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより多くのアルファ-グアイエンおよびアシフィレンを生産する。
【0103】
例えば、一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、または500%多くのアルファ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、または500%少ないデルタ-グアイエンを生産する。一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞は、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼまたは配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたものより、総セスキテルペン生成物のパーセンテージとして少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、または500%多くのアルファ-グアイエンを生産する。
【0104】
一部の実施態様において、サンプル内の総セスキテルペン生成物を測定することができ、サンプル中の総セスキテルペン生成物の量に対するアルファ-グアイエンまたはデルタ-グアイエンの量を計算できることが理解されるものとする。一部の実施態様において、サンプル内の総セスキテルペン生成物を測定することができ、サンプル中の総セスキテルペン生成物の量に対するアルファ-グアイエンまたはアシフィレンの量を計算できることが理解されるものとする。他の実施態様において、サンプル中のセスキテルペン生成物全量より少ない量が測定される場合がある。例えば、一部の実施態様において、サンプル中のアルファ-グアイエンおよびデルタ-グアイエンの量のみが測定されてもよい。一部の実施態様において、サンプル中のアルファ-グアイエンおよびアシフィレンの量のみが測定されてもよい。このような実施態様において、サンプル中のアルファ-グアイエンおよびデルタ-グアイエンの合わせた量に対するアルファ-グアイエンの量、またはサンプル中のデルタ-グアイエンの量に対するアルファ-グアイエンの量を計算してもよい。
【0105】
一部の実施態様において、本開示に関連する宿主細胞、細胞培養、または酵素によって生産されたアルファ-グアイエンの量は、少なくとも1g/Lである。一部の実施態様において、本開示に関連する宿主細胞、細胞培養、または酵素によって生産されたアルファ-グアイエンの量は、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5または5.0g/Lである。
【0106】
一部の実施態様において、本開示に関連する宿主細胞、細胞培養、または酵素によって生産されたアシフィレンの量は、少なくとも1g/Lである。一部の実施態様において、本開示に関連する宿主細胞、細胞培養、または酵素によって生産されたアルファ-グアイエンの量は、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5または5.0g/Lである。
【0107】
セスキテルペンの質量は、当業界において公知のあらゆる方法によって決定することができる。一部の実施態様において、セスキテルペンの質量は、GCMSによって決定される。
【0108】
一部の実施態様において、アミノ酸置換は、セスキテルペンシンターゼの活性部位における残基またはその近くの残基に導入される。活性部位における突然変異またはその近くの突然変異は、酵素の構造的なコンフォメーションまたは触媒活性を変化させて、酵素が、ある生成物を別の生成物よりも生産するように偏らせることができる。一部の実施態様において、アミノ酸置換は、活性部位において、またはその近くにおいて、親水性(極性)アミノ酸残基をもたらす。「親水性残基」は、この開示で使用される場合、水分子を引き付ける正電荷を有するアミノ酸を指す。一部の実施態様において、アミノ酸置換は、活性部位において、またはその近くにおいて、疎水性(非極性)アミノ酸残基をもたらす。「疎水性残基」は、この開示で使用される場合、水分子をはじく非極性アミノ酸を指す。一部の実施態様において、アミノ酸置換は、カチオン-双極子の相互作用の調整を助けて反応特異性に影響を与えることができる活性部位において、またはその近くにおいて、芳香族アミノ酸残基の導入をもたらす。芳香族アミノ酸残基の例としては、チロシン、トリプトファン、およびフェニルアラニンが挙げられる。
【0109】
いかなる理論にも縛られることは望まないが、セスキテルペンシンターゼの活性部位ポケットの形状は、セスキテルペンシンターゼによって生産される異なる生成物の比率に影響を与える可能性がある。A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)によって触媒される反応において、最終的な工程は、生成物としてデルタ-グアイエンを生じるプロデルタ炭素、または生成物としてアルファ-グアイエンを生じるプロアルファ炭素のいずれかからのプロトン引き抜きを含む。一部の実施態様において、変異体セスキテルペンシンターゼは、増加した量のアルファ-グアイエンを生産することができ、これは、セスキテルペンシンターゼの基質結合様式を変化させて、触媒残基Tyr-520からのプロアルファ炭素へのより簡単なアクセスを可能にすることに少なくとも部分的に起因する。
【0110】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼは、(a)配列番号1と比べた活性部位の第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換は、配列番号1の295、291、406、512、および/または519位に対応する位置にあり、第1の領域における1つまたは複数のアミノ酸置換はそれぞれ、配列番号1における295、291、406、512、および/または519位におけるアミノ酸の側鎖より小さい側鎖を有する残基を含むか;(b)配列番号1と比べた活性部位の第2の領域におけるアミノ酸置換を含み、第2の領域におけるアミノ酸置換は、配列番号1の292位に対応し、第2の領域におけるアミノ酸置換は、配列番号1における292位のアミノ酸の側鎖より大きい側鎖を含むか;またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0111】
一部の実施態様において、(a)における側鎖は、疎水性である。一部の実施態様において、(a)におけるより小さい側鎖を有するアミノ酸残基は、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、およびバリン(V)からなる群から選択される。一部の実施態様において、(b)におけるより大きい側鎖を有するアミノ酸残基は、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)からなる群から選択される。
【0112】
一部の実施態様において、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼは、
・配列番号1の295位に対応する位置におけるV残基;
・配列番号1の291位に対応する位置におけるC残基;
・配列番号1の406位に対応する位置におけるL残基;
・配列番号1の512位に対応する位置におけるL残基;
・配列番号1の292位に対応する位置におけるF残基;またはそれらのいずれかの組合せ
を含む。
【0113】
変異体
本開示の態様は、本開示に関連する組換えポリペプチド、例えばセスキテルペンシンターゼのいずれかをコードするポリヌクレオチドに関する。本出願に記載されるポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の変異体も本開示に包含される。「変異体」ポリヌクレオチドは、この開示で使用される場合、核酸配列が、参照ポリヌクレオチドの核酸配列とは核酸配列における1つまたは複数の変化によって異なるポリヌクレオチドを指す。「変異体」ポリペプチドは、この開示で使用される場合、アミノ酸配列が、参照ポリペプチドのアミノ酸配列とはアミノ酸配列における1つまたは複数の変化によって異なるポリペプチドを指す。
【0114】
変異体ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、合成によって構築することができる。典型的には、変異体の由来となるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、野生型ポリヌクレオチド、野生型ポリペプチド、または野生型ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドドメインである。しかしながら、本開示における使用に適した変異体はまた、野生型ポリヌクレオチド、野生型ポリペプチド、または野生型ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドドメインのホモログ、オーソログ、またはパラログ由来であってもよいし、または合成ポリヌクレオチドまたはポリペプチド由来であってもよい。核酸および/またはアミノ酸配列における変化としては、置換、挿入、欠失、N末端の短縮化、C末端の短縮化、N末端への付加、C末端への付加、またはこれらの変化のあらゆる組合せを挙げることができ、これらは、1つまたは複数の位置に存在していてもよい。
【0115】
変異体は、参照配列と、その間にある全ての値を含めて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有していてもよい。
【0116】
用語「配列同一性」は、別段の規定がない限り、当業界で公知のように、配列比較(アライメント)によって決定される場合の、2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列間の関係を指す。一部の実施態様において、配列同一性は、配列の全長にわたり決定され、一方で他の実施態様において、配列同一性は、配列のある領域にわたり決定される。
【0117】
同一性はまた、一連の2つまたはそれより多くの残基(例えば、核酸またはアミノ酸残基)間の一致の数によって決定される、2つの配列間の配列関連性の程度を指す場合もある。同一性は、特定の数学モデル、アルゴリズム、またはコンピュータープログラムによって割り当てられたギャップアライメント(存在する場合)を含む2つまたはそれより多くの配列間の同一な一致のパーセントを評価する。
【0118】
関連するポリペプチドまたは核酸配列の同一性は、当業者公知の方法のいずれかによって容易に計算できる。2つの配列(例えば、核酸またはアミノ酸配列)の「パーセント同一性」は、例えば、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-77, 1993に記載の通りに改変された、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68, 1990のアルゴリズムを使用して決定することができる。このようなアルゴリズムは、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990のNBLAST(登録商標)およびXBLAST(登録商標)プログラム(バージョン2.0)に取り入れられている。BLAST(登録商標)タンパク質サーチは、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るために、例えば、XBLASTプログラム、スコア=50、語長=3を用いて実行することができる。2つの配列間にギャップが存在する場合、Gapped BLAST(登録商標)が、例えば、Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25(17):3389-3402, 1997に記載されたように利用され得る。BLAST(登録商標)およびGapped BLAST(登録商標)プログラムを利用する場合、それぞれのプログラム[例えば、XBLAST(登録商標)およびNBLAST(登録商標)]のデフォルトパラメーターを使用してもよいし、または当業者が理解していると予想される通りにパラメーターを適切に調整してもよい。
【0119】
使用することができる別のローカルアライメント技術は、例えば、スミス-ウォーターマンアルゴリズム(Smith, T.F. & Waterman, M.S. (1981) "Identification of common molecular subsequences." J. Mol. Biol. 147:195-197)に基づく。使用することができる一般的なグローバルアライメント技術は、例えば、ニードルマン-ブンシュアルゴリズム(Needleman, S.B. & Wunsch, C.D. (1970) "A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins." J. Mol. Biol. 48:443-453)であり、これは、動的プログラミングに基づく。
【0120】
つい最近になって、ニードルマン-ブンシュアルゴリズムなどの他の最適グローバルアライメント方法より速く核酸およびアミノ酸配列のグローバルアライメントを生産すると評判の高速最適グローバル配列アライメントアルゴリズム(Fast Optimal Global Sequence Alignment Algorithm:FOGSAA)が開発された。一部の実施態様において、2つのポリペプチドの同一性は、2つのアミノ酸配列をアライメントし、同一なアミノ酸の数を計算し、アミノ酸配列の一方の長さで分割することによって決定される。一部の実施態様において、2つの核酸の同一性は、2つのヌクレオチド配列をアライメントし、同一なヌクレオチドの数を計算し、核酸の一方の長さで割ることによって決定される。
【0121】
複数の配列のアライメントの場合、Clustal Omega(Sievers et al., Mol Syst Biol. 2011 Oct 11;7:539)などのコンピュータープログラムを使用してもよい。
【0122】
好ましい実施態様において、核酸またはアミノ酸配列などの配列は、配列同一性が、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-77, 1993に記載の通りに改変された、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68, 1990のアルゴリズム[例えば、BLAST(登録商標)、NBLAST(登録商標)、XBLAST(登録商標)またはGapped BLAST(登録商標)プログラムであり、それぞれのプログラムのデフォルトパラメーターが使用される]を使用して決定される場合、本出願で開示される、および/または特許請求の範囲で列挙される配列などの参照配列に対して、特定されたパーセント同一性を有することが見出されている。
【0123】
一部の実施態様において、核酸またはアミノ酸配列などの配列は、配列同一性が、スミス-ウォーターマンアルゴリズム(Smith, T.F. & Waterman, M.S. (1981) "Identification of common molecular subsequences." J. Mol. Biol. 147:195-197)またはニードルマン-ブンシュアルゴリズム(Needleman-Wunsch algorithm (Needleman, S.B. & Wunsch, C.D. (1970) "A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins." J. Mol. Biol. 48:443-453)を使用して決定される場合、本出願で開示される、および/または特許請求の範囲で列挙される配列などの参照配列に対して、特定されたパーセント同一性を有することが見出されている。
【0124】
一部の実施態様において、核酸またはアミノ酸配列などの配列は、配列同一性が高速最適グローバル配列アライメントアルゴリズム(FOGSAA)を使用して決定される場合、本出願で開示される、および/または特許請求の範囲で列挙される配列などの参照配列に対して、特定されたパーセント同一性を有することが見出されている。
【0125】
一部の実施態様において、核酸またはアミノ酸配列などの配列は、配列同一性がClustal Omega(Sievers et al., Mol Syst Biol. 2011 Oct 11;7:539)を使用して決定される場合、本出願で開示される、および/または特許請求の範囲で列挙される配列などの参照配列に対して、特定されたパーセント同一性を有することが見出されている。
【0126】
本出願で開示されるセスキテルペンシンターゼおよび他のあらゆるタンパク質の機能的な変異体も本開示に包含される。この開示で使用される場合、セスキテルペンシンターゼの機能的な変異体は、参照セスキテルペンシンターゼの配列と異なる配列を有するが、参照セスキテルペンシンターゼの少なくとも1種の活性を部分的または完全に維持するセスキテルペンシンターゼを指す。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの機能的な変異体は、参照セスキテルペンシンターゼの1種または複数の活性を強化する。例えば、機能的な変異体は、同じ基質の1つまたは複数(例えば、ファルネシル二リン酸、またはその前駆体)と結合することができるか、または同じ生成物の1種または複数(例えば、アルファ-グアイエン)を生産することができる。
【0127】
機能的な変異体を含む変異体配列は、相同配列であってもよい。相同配列としては、これらに限定されないが、パラロガスな配列、オーソロガスな配列、または収束進化から生じる配列が挙げられる。パラロガスな配列は、種のゲノム内における遺伝子の重複から生じ、一方でオーソロガスな配列は、分種化の事象の後に分岐する。2つの異なる種は、独立して進化した可能性があるが、それらはそれぞれ、収束進化の結果として、他の種からの配列との特定のパーセント同一性を共有する配列を含む可能性がある。参照セスキテルペンシンターゼの機能的なホモログは、この開示で使用される場合、参照セスキテルペンシンターゼの少なくとも1種の活性を部分的または完全に維持する。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼの機能的なホモログは、参照セスキテルペンシンターゼの1種または複数の活性を強化する。例えば、機能的なホモログは、同じ基質の1つまたは複数(例えば、ファルネシル二リン酸、またはそれらの前駆体)と結合することができるか、または同じ生成物の1種または複数(例えば、アルファ-グアイエン)を生産することができる。
【0128】
機能的な変異体は、天然に存在する配列の変異体であってもよい。機能的な変異体はまた、ポリペプチドのコード配列の部位特異的変異誘発を介して、または異なる天然に存在するポリペプチドのコード配列からのドメインを組み合わせること(「ドメインスワッピング」)によっても作り出すことができる。この開示に記載される機能的な変異体をコードする遺伝子を改変するための技術は当業界において公知であり、その例としては、とりわけ、指向性進化技術、部位特異的変異誘発技術およびランダム変異誘発技術が挙げられ、このような技術は、例えば、ポリペプチドの比活性を増加させたり、基質特異性を変更したり、発現レベルを変更したり、細胞内の位置を変更したり、または所望の方式でポリペプチド:ポリペプチド相互作用を改変したりするのに有用であり得る。
【0129】
変異体およびホモログは、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列アライメントの分析によって同定することができる。例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列のデータベースにクエリーを実行することにより、誘導体ポリペプチドなどをコードするポリヌクレオチド配列の変異体およびホモログを同定することができる。
【0130】
機能的な変異体または機能的なホモログを同定するために、および/または2つのポリヌクレオチド配列間の相同性の尺度として、ハイブリダイゼーションも使用することができる。本出願で開示されるポリペプチドのいずれか、またはそれらの部分をコードするポリヌクレオチド配列は、標準的なハイブリダイゼーション技術に従って、ハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる。試験源(例えば、哺乳類細胞)からのDNAまたはRNAへのプローブのハイブリダイゼーションは、試験源における関連するDNAまたはRNAの存在を示す。ハイブリダイゼーション条件は当業者に公知であり、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y., 6.3.1-6.3.6, 1991に見出すことができる。一部の実施態様において、中程度のハイブリダイゼーション条件は、30℃での2×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中のハイブリダイゼーション、それに続く50℃、1×SSC、0.1% SDSでの洗浄を含む。一部の実施態様において、高度にストリンジェントな条件は、45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中のハイブリダイゼーション、それに続く65℃、0.2×SSC、0.1% SDSでの洗浄を含む。
【0131】
機能的な変異体または機能的なホモログを同定するための配列分析はまた、参照配列として関連するアミノ酸配列を使用する、重複のないデータベースのBLAST、レシプロカルBLAST、またはPSI-BLAST分析を含んでいてもよい。アミノ酸配列は、一部の場合において、ポリヌクレオチド配列から推測される。一部の実施態様において、40%より大きい配列同一性を有するポリペプチドを、本開示による使用のための適性に関するさらなる評価のための候補として同定することができる。アミノ酸配列類似性は、保存的アミノ酸置換を可能にし、例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基で置換すること、またはある極性残基を別の極性残基で置換することを可能にする。必要に応じて、さらに評価しようとする候補の数を制限するために、このような候補の手作業での検査を行ってもよい。手作業での検査は、例えば保存された機能性ドメインを有するようにみえる候補を選択することによって実行することができる。
【0132】
一部の実施態様において、ポリペプチド変異体(例えば、セスキテルペンシンターゼ変異体または本開示に関連するあらゆるタンパク質の変異体)は、参照ポリペプチド(例えば、参照セスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するあらゆるタンパク質)と二次構造(例えば、アルファへリックス、ベータシート)を共有するドメインを含む。一部の実施態様において、ポリペプチド変異体(例えば、セスキテルペンシンターゼ変異体または本開示に関連するあらゆるタンパク質の変異体)は、参照ポリペプチド(例えば、参照セスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するあらゆるタンパク質)と三次構造を共有する。一部の実施態様において、参照ポリペプチドは、配列番号1の配列を含むセスキテルペンシンターゼである。非限定的な例として、変異体ポリペプチドは、参照ポリペプチドと比較して、低い一次配列同一性(例えば、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満の配列同一性)を有していてもよいが、1つまたは複数の二次構造(例えば、これらに限定されないが、ループ、アルファヘリックス、またはベータシートなどを共有するか、または参照ポリペプチドと同じ三次構造を有する。例えば、ループは、ベータシートとアルファへリックスとの間、2つのアルファヘリックスの間、または2つのベータシートの間に配置されていてもよい。相同性モデリングは、2つまたはそれより多くの三次構造を比較するのに使用することができる。
【0133】
突然変異は、当業者に公知の様々な方法によってヌクレオチド配列に作製することができる。例えば、突然変異は、PCR-定方向突然変異によって、Kunkelの方法(Kunkel, Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A. 82: 488-492, 1985)による部位特異的変異誘発によって、ポリペプチドをコードする遺伝子の化学合成によって、遺伝子編集ツールによって、または挿入、例えばタグ(例えば、HISタグまたはGFPタグ)の挿入によって作製することができる。突然変異としては、例えば、当業界において公知のあらゆる方法によって生成された、置換、欠失、付加、挿入、および転座を挙げることができる。突然変異を生産するための方法は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, J. Sambrook, et al., eds., Fourth Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 2012、またはCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubel, et al., eds., John Wiley & Sons, Inc., New York, 2010などの参考文献に見出すことができる。
【0134】
一部の実施態様において、変異体を生産するための方法としては、巡回置換が挙げられる(Yu and Lutz, Trends Biotechnol. 2011 Jan;29(1):18-25)。巡回置換において、ポリペプチドの線形一次配列は、環状化することができ(例えば、配列のN末端およびC末端の端部を接続させることによって)、ポリペプチドは、異なる位置で切断することができる(「破壊することができる」)。したがって、新しいポリペプチドの線形一次配列は、線形配列アライメント方法(例えば、Clustal OmegaまたはBLAST)によって決定される場合、低い配列同一性(例えば、その間にある全ての値を含めて、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満)を有していてもよい。しかしながら、2つのタンパク質の位相幾何学的な分析は、2つのポリペプチドの三次構造が類似しているかまたは類似していないかを解明する可能性がある。特定の理論に縛られることはないが、参照ポリペプチドの巡回置換を介して作り出された、参照ポリペプチドと類似の三次構造を有する変異体ポリペプチドは、類似の機能的な特徴(例えば、酵素活性、酵素反応速度論、基質特異性または生成物の特異性)を共有し得る。一部の場合において、巡回置換は、二次構造、三次構造または四次構造を変化させ、異なる機能的な特徴(例えば、増加もしくは減少した酵素活性、異なる基質特異性、または異なる生成物の特異性)を有するタンパク質を生産する可能性がある。例えば、Yu and Lutz, Trends Biotechnol. 2011 Jan;29(1):18-25を参照されたい。
【0135】
巡回置換を受けたタンパク質において、タンパク質の直鎖状アミノ酸配列は、巡回置換を受けていない参照タンパク質とは異なると予想されることが理解されるものとする。しかしながら、当業者であれば、例えば配列をアライメントし、保存されたモチーフを検出することによって、および/または例えば相同性モデリングによりタンパク質の構造または予測された構造を比較することによって、巡回置換を受けたタンパク質におけるどの残基が、巡回置換を受けていない参照タンパク質における残基に対応するかを決定することができるであろう。
【0136】
一部の実施態様において、目的の配列と本出願に記載される参照配列との間のパーセント同一性を決定するアルゴリズムは、配列間の巡回置換の存在を説明する。巡回置換の存在は、例えば、RASPODOM(Weiner et al., Bioinformatics. 2005 Apr 1;21(7):932-7)などの当業界において公知のあらゆる方法を使用して検出することができる。一部の実施態様において、巡回置換の存在は、目的の配列と本出願に記載される配列との間のパーセント同一性の計算の前に補正される(例えば、少なくとも1つの配列中のドメインが再配列される)。本出願の特許請求の範囲は、配列の起こり得る巡回置換を考慮に入れた後に参照配列に対するパーセント同一性が計算される配列を包含すると理解されるものとする。
【0137】
機能的な変異体または機能的なホモログは、当業界において公知のあらゆる方法を使用して同定することができる。例えば、上述したKarlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68, 1990のアルゴリズムは、公知の機能を有する相同なタンパク質を同定するのに使用することができる。
【0138】
推定の機能的な変異体または機能的なホモログもまた、機能的に注釈が付けられたドメインを有するポリペプチドをサーチすることによって同定することができる。Pfam(Sonnhammer et al., Proteins. 1997 Jul;28(3):405-20)などのデータベースが、特定のドメインを有するポリペプチドを同定するのに使用することができる。
【0139】
相同性モデリングも、機能に影響を及ぼすことなく突然変異を受けることができるアミノ酸残基を同定するのに使用することができる。このような方法の非限定的な例としては、位置特異的重み行列(PSSM)やエネルギー最小化プロトコールの使用を挙げることができる。例えば、Stormo et al., Nucleic Acids Res. 1982 May 11;10(9):2997-3011を参照されたい。
【0140】
PSSMは、野生型と単一点突然変異体との差を決定するロゼッタ(Rosetta)のエネルギー関数の計算と対になっていてもよい。特定の理論に縛られることはないが、安定化する可能性がある突然変異は、タンパク質工学(例えば、機能的なホモログの生産)にとって望ましい。一部の実施態様において、安定化する可能性がある突然変異は、-0.1未満(例えば、-0.2未満、-0.3未満、-0.35未満、-0.4未満、-0.45未満、-0.5未満、-0.55未満、-0.6未満、-0.65未満、-0.7未満、-0.75未満、-0.8未満、-0.85未満、-0.9未満、-0.95未満、または-1.0未満)のロゼッタエネルギー単位(R.e.u.)のΔΔGcalc値を有する。例えば、Goldenzweig et al., Mol Cell. 2016 Jul 21;63(2):337-346. doi: 10.1016/j.molcel.2016.06.012を参照されたい。
【0141】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼのコード配列または本開示に関連するあらゆるタンパク質のコード配列は、参照コード配列に対応する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個または100個より多くの位置に突然変異を含む。一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼのコード配列または本開示に関連するあらゆるタンパク質のコード配列は、参照コード配列と比べて、コード配列の、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個またはそれより多くのコドンに突然変異を含む。当業者によって理解されると予想される通り、コドン内の突然変異は、遺伝子コードの縮重のために、コドンによってコードされるアミノ酸を変化させる場合もあるし、または変化させない場合もある。一部の実施態様において、コード配列における1つまたは複数の突然変異は、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と比べて、コード配列のアミノ酸配列を変化させない。
【0142】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼ配列または本開示に関連する他の組換えタンパク質配列における1つまたは複数の突然変異は、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と比べて、ポリペプチドのアミノ酸配列を変化させる。一部の実施態様において、1つまたは複数の突然変異は、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と比べて、組換えポリペプチドのアミノ酸配列を変化させ、参照ポリペプチドと比べてポリペプチドの活性を変化させる(強化または低減する)。
【0143】
酵素および/または酵素変異体の活性を決定および定量化するためのアッセイが本明細書に記載され、当業界において公知である。一例として、酵素および/または酵素変異体の活性は、精製した酵素もしくは酵素変異体、または酵素もしくは酵素変異体を生産する宿主細胞もしくは完全な組換え宿主生物からの抽出物を、適切な基質と適切な条件下でインキュベートすること、および反応生成物の分析を行うこと[例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)またはHPLC分析によって]によって決定することができる。酵素および/または酵素変異体の活性のアッセイならびに反応生成物の分析に関するさらなる詳細は、実施例で提供される。これらのアッセイは、組換え宿主細胞で酵素変異体を生産することを含む。
【0144】
本出願に記載される酵素のいずれかの活性は、比活性を含めて、当業界において公知の方法を使用して測定することができる。非限定的な例として、酵素の活性は、その基質特異性、生産された生成物、生産された生成物の濃度、またはそれらのいずれかの組合せを測定することによって決定することができる。
【0145】
用語「活性」は、この開示で使用される場合、基質と反応して標的生成物を供給する酵素の能力を意味する。酵素の活性は、1種または複数の標的生成物の増加、1種または複数の基質(ならびに出発材料)の減少を測定することを介した、またはこれらのパラメーターの組合せを時間の関数として測定することを介した活性試験で決定することができる。酵素の「比活性」は、本出願で使用される場合、単位時間当たりの酵素の所与の量(例えば、濃度)に対する生産された特定の生成物の量(例えば、濃度)を指す。
【0146】
「生物学的活性」は、この開示で使用される場合、ポリペプチドが示す可能性があるあらゆる活性を指し、その例としては、これらに限定されないが、酵素活性;別の化合物への結合活性(例えば、別のポリペプチドへの結合、特に受容体への結合、または核酸への結合);阻害活性(例えば、酵素阻害活性);活性化する活性(例えば、酵素を活性化する活性);または毒作用が挙げられる。一部の実施態様において、機能的な変異体ポリペプチドは、親または参照ポリペプチドの活性の少なくとも10%の程度の関連する活性を示す。
【0147】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素(例えば、野生型酵素または参照酵素変異体)より優れた収量を生じる。用語「収量」は、この開示で使用される場合、供給材料1グラム当たりの回収可能な生成物のグラムを指す(これは、モル変換率のパーセントとして計算することができる)。
【0148】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素(例えば、野生型酵素または参照酵素変異体)と比べて改変された(例えば、増加した)生産性を示す。
【0149】
この開示で使用される場合、変異体セスキテルペンシンターゼの「生産性」は、参照または親酵素(例えば、野生型酵素または参照酵素変異体)による所望の生成物の生産と比べた、変異体セスキテルペンシンターゼによる所望の生成物の生産における増加倍率を指す。例えば、所望の生成物がアルファ-グアイエンである場合、変異体セスキテルペンシンターゼの生産性は、参照または親酵素(例えば、野生型酵素または参照酵素変異体)によるアルファ-グアイエンの生産と比べた、変異体セスキテルペンシンターゼによるアルファ-グアイエンの生産における増加倍率を指す。
【0150】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素より優れた標的収量を示す。用語「標的収量」は、供給材料1グラム当たりの回収可能な生成物のグラムを指す(これは、モル変換率のパーセントとして計算することができる)。
【0151】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素と比べて改変された(例えば、増加した)標的生産性を示す。用語「標的生産性」は、生物変換反応時間(すなわち、基質を添加した後の時間)1時間当たりの、発酵容量1リットル当たりの、グラムでの回収可能な標的生成物の量を指す。
【0152】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素と比べて改変された標的収量指数を示す。用語「標的収量指数」は、培養培地中の、得られた生成物濃度と、変異体/誘導体(例えば、精製した酵素、または所望の酵素を発現する組換え宿主細胞からの抽出物)の濃度との比率を指す。
【0153】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素(例えば、配列番号1、3~39、77~92または110~131のいずれか1つ)と比べた酵素活性における改変された(例えば、増加した)倍率を示す。一部の実施態様において、活性の増加は、少なくとも2、3、4、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100倍または100より大きい倍率である。
【0154】
一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の機能的な変異体は、参照または親酵素と比べて改変された(例えば、増加した)標的生産性を示す。用語「標的生産性」は、生物変換反応時間(すなわち、基質を添加した後の時間)1時間当たりの、発酵容量1リットル当たりの、グラムでの回収可能な標的生成物の量を指す。
【0155】
当業者は、組換えポリペプチドをコードする配列における突然変異は、前述のポリペプチドの機能的に同等な変異体、例えばポリペプチドの活性を保持する変異体を提供するような保存的アミノ酸置換をもたらす可能性があることを理解しているであろう。本出願で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸置換がなされているタンパク質の相対的な電荷もしくはサイズの特徴または機能的な活性を変化させないアミノ酸置換を指す。
【0156】
したがって、用語「保存的置換」は、この開示で使用される場合、アミノ酸が、以下に示す6つの標準的なアミノ酸グループの同じグループ内に列挙された別のアミノ酸によって交換されていることを意味する。
【0157】
(1)疎水性(非極性):Met、Ala、Val、Leu、Ile、Gly、Pro、Trp、Phe;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;Asn、Gln、Tyr;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0158】
例えば、AspのGluでの交換は、改変されたポリペプチドにおいて1つの負電荷を保持する。加えて、グリシンおよびプロリンは、アルファ-ヘリックスを崩壊させるそれらの能力に基づき互いに置換されてもよい。上記の6つのグループ内の一部の好ましい保存的置換は、以下のサブグループ:(i)Ala、Val、LeuおよびIle;(ii)SerおよびThr;(ii)AsnおよびGln;(iv)LysおよびArg;ならびに(v)TyrおよびPhe内での交換である。熟練した科学者は、公知の遺伝子コード、ならびに組換えおよび合成DNA技術を考量すれば、保存的に置換されたアミノ酸変異体をコードするポリヌクレオチド配列を容易に構築することができる。
【0159】
「非保存的置換」または「非保存的アミノ酸交換」は、本明細書で使用される場合、アミノ酸が、上記で示したような6つの標準的なアミノ酸グループ(1)~(6)の異なるグループに列挙された別のアミノ酸によって交換されていることと定義される。一部の実施態様において、本開示に関連する酵素の変異体は、変異体の生物学的機能を変化させる非保存的置換を使用して調製される。
【0160】
参照しやすくするために、IUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨された1文字アミノ酸記号は、以下のように示される。参照の目的のために、3文字コードも提供される。
【0161】
【0162】
アミノ酸置換などのアミノ酸の変更は、組換え遺伝子技術の公知のプロトコールを使用して導入されてもよく、このような組換え遺伝子技術としては、このような変化を配列に導入して変異体/誘導体酵素を生じさせるのに使用することができるPCR、遺伝子クローニング、cDNAの部位特異的変異誘発、宿主細胞のトランスフェクション、およびインビトロにおける転写などが挙げられる。アミノ酸の変更を含有する変異体は、機能的な活性に関してスクリーニングすることができる。一部の場合において、アミノ酸は、そのR基によって特徴付けられる(例えば、表3を参照)。例えば、アミノ酸は、非極性脂肪族R基、正電荷を有するR基、負電荷を有するR基、非極性芳香族R基、または極性非荷電性R基を含んでいてもよい。非極性脂肪族R基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、メチオニン、およびイソロイシンが挙げられる。正電荷を有するR基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、リジン、アルギニン、およびヒスチジンが挙げられる。負電荷を有するR基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。非極性芳香族R基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンが挙げられる。極性非荷電性R基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、セリン、スレオニン、システイン、プロリン、アスパラギン、およびグルタミンが挙げられる。
【0163】
ポリペプチドの機能的に同等な変異体の非限定的な例は、本出願で開示されるタンパク質のアミノ酸配列における保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。アミノ酸の保存的置換としては、以下のグループ:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D内のアミノ酸間でなされる置換が挙げられる。保存的アミノ酸置換の追加の非限定的な例は、表3に提供される。
【0164】
一部の実施態様において、変異体ポリペプチドを調製する場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または20個より多くの残基が変化していてもよい。一部の実施態様において、アミノ酸は、保存的アミノ酸置換で置き換えられる。
【0165】
【0166】
本開示の一部の実施態様において、タンパク質における特定の位置におけるアミノ酸は、異なる分子量を有するアミノ酸で置き換えられていてもよい。例えば、一部の実施態様において、タンパク質における特定の位置におけるアミノ酸は、「より大きい」アミノ酸で置き換えられていてもよく、より大きいアミノ酸は、より大きい分子量を有するアミノ酸を指す。他の実施態様において、タンパク質における特定の位置におけるアミノ酸は、「より小さい」アミノ酸で置き換えられていてもよく、より小さいアミノ酸は、より小さい分子量を有するアミノ酸を指す。分子量に基づき、最小から最大にランク付けしたアミノ酸は、以下:G、A、S、P、V、T、C、I、L、N、D、E、K、Q、M、H、F、R、Y、およびWの通りである。
【0167】
所望の特性および/または活性を有する組換えポリペプチド変異体を生産するポリペプチドのアミノ酸配列におけるアミノ酸置換は、ポリペプチドのコード配列の変更によってなされ得る。同様に、ポリペプチドの機能的に同等な変異体を生産するためのポリペプチドのアミノ酸配列における保存的アミノ酸置換は、典型的には、組換えポリペプチド(例えば、セスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連する他のあらゆるタンパク質)のコード配列の変更によってなされる。
【0168】
宿主細胞における核酸の発現
本開示の態様は、タンパク質、機能的な改変およびそれらの変異体をコードする遺伝子の組換え発現、加えてそれに関連する使用に関する。例えば、本出願に記載される方法は、アルファ-グアイエンを生産するのに使用することができる。
【0169】
遺伝子を含むポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドに関する用語「異種」は、用語「外因性」および用語「組換え」と同義的に使用され、生物系に人工的に供給されたポリヌクレオチド;生物系内で改変されたポリヌクレオチド;またはその発現もしくは調節が生物系内で操作されたポリヌクレオチドを指す。宿主細胞に導入されるかまたは宿主細胞中で発現される異種ポリヌクレオチドは、宿主細胞と異なる生物もしくは種に由来するポリヌクレオチドであってもよいし、または合成ポリヌクレオチドであってもよいし、または宿主細胞と同じ生物もしくは種において内因的にも発現されるポリヌクレオチドであってもよい。例えば、宿主細胞中で内因的に発現されるポリヌクレオチドは、宿主細胞中に天然に存在しない場合;宿主細胞中で安定してまたは一時的にのいずれかで組換え発現される場合;宿主細胞内で改変されている場合;宿主細胞内で選択的に編集される場合;宿主細胞内で天然に存在するコピー数と異なるコピー数で発現される場合;または例えばポリヌクレオチドの発現を制御する調節領域を操作することによって、宿主細胞内で非天然的な方式で発現される場合、それは異種とみなされる場合がある。一部の実施態様において、異種ポリヌクレオチドは、宿主細胞中で内因的に発現されるポリヌクレオチドであるが、その発現は、ポリヌクレオチドの発現を天然に調節しないプロモーターによって駆動される。他の実施態様において、異種ポリヌクレオチドは、宿主細胞中で内因的に発現されるポリヌクレオチドであり、その発現は、ポリヌクレオチドの発現を天然に調節するプロモーターによって駆動されるが、プロモーターまたは別の調節領域が改変されている。一部の実施態様において、プロモーターは、組換えによって活性化されるかまたは抑制される。例えば、遺伝子編集ベースの技術は、内因性プロモーターなどのプロモーターからの内因性ポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドの発現を調節するのに使用することができる。例えば、Chavez et al., Nat Methods. 2016 Jul; 13(7): 563-567を参照されたい。異種ポリヌクレオチドは、野生型配列、または参照ポリヌクレオチド配列と比較した場合の突然変異配列を含んでいてもよい。
【0170】
組換えポリペプチドのいずれか、例えばセスキテルペンシンターゼ、または本開示に関連するいかなるタンパク質をコードする核酸も、当業界において公知のいかなる方法を介して、いかなる適切なベクターに取り込まれていてもよい。例えば、ベクターは、発現ベクターであってもよく、その例としては、これらに限定されないが、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルスベクター)、一過性発現に好適なあらゆるベクター、構成的発現に好適なあらゆるベクター、または誘導性発現に好適なあらゆるベクター(例えば、ガラクトース誘導性またはドキシサイクリン誘導性ベクター)が挙げられる。
【0171】
一部の実施態様において、ベクターは、細胞中で自律的に複製する。ベクターは、制限エンドヌクレアーゼによって切断される1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位を含有していてもよく、それにより、本出願に記載される遺伝子を含有する核酸を挿入したり、ライゲートしたりして細胞中で複製可能な組換えベクターを生産することができる。ベクターは、DNAまたはRNAで構成されていてもよい。クローニングベクターとしては、これらに限定されないが、プラスミド、フォスミド、ファージミド、ウイルスゲノムおよび人工染色体が挙げられる。用語「発現ベクター」または「発現コンストラクト」は、本出願で使用される場合、酵母細胞などの宿主細胞における特定の核酸の転写を許容する一連の特定の核酸エレメントを用いて、組換えにより、または合成的に生成された核酸コンストラクトを指す。一部の実施態様において、本出願に記載される遺伝子の核酸配列は、調節配列に作動可能に接続するように、一部の実施態様においてRNA転写物として発現されるように、クローニングベクターに挿入される。一部の実施態様において、ベクターは、組換えベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞を同定するための1つまたは複数のマーカー、例えば選択可能マーカーを含有する。一部の実施態様において、本出願に記載される遺伝子の核酸配列は、コドン最適化される。コドン最適化は、遺伝子産物の生産を、コドン最適化されていない参照配列に対して、その間にある全ての値を含めて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%増加させることができる。
【0172】
コード配列および調節配列は、コード配列および調節配列が共有結合で連結されており、コード配列の発現または転写が調節配列の影響または制御下である場合、「作動可能に接続した」または「作動可能に連結した」と言われる。コード配列が機能性タンパク質に翻訳されることになる場合において、5’調節配列におけるプロモーターの誘導がコード配列の転写を許容する場合、さらに、コード配列と調節配列との連結の性質が、(1)フレームシフト突然変異の導入を引き起こさないか、(2)コード配列の転写を指示するプロモーター領域の能力に干渉しないか、または(3)対応するRNA転写のタンパク質に翻訳される能力に干渉しない場合、コード配列および調節配列は作動可能に接続または連結したと言われる。
【0173】
一部の実施態様において、本出願に記載されるタンパク質のいずれかをコードする核酸は、調節配列(例えば、エンハンサー配列)の制御下である。一部の実施態様において、核酸は、プロモーターの制御下で発現される。プロモーターは、天然のプロモーターであってもよく、例えば、その内因性コンテクスト中の遺伝子のプロモーターであってもよく、これは遺伝子の発現の正常な調節を提供する。代替として、プロモーターは、遺伝子の天然のプロモーターと異なるプロモーターであってもよく、例えば、プロモーターは、その内因性コンテクスト中の遺伝子のプロモーターと異なる。
【0174】
一部の実施態様において、プロモーターは、真核生物プロモーターである。真核生物プロモーターの非限定的な例としては、当業者に公知であると予想されるように、TDH3、PGK1、PKC1、PDC1、TEF1、TEF2、RPL18B、SSA1、TDH2、PYK1、TPI1GAL1、GAL10、GAL7、GAL3、GAL2、MET3、MET25、HXT3、HXT7、ACT1、ADH1、ADH2、CUP1-1、ENO2、およびSOD1が挙げられる(例えば、Addgeneウェブサイト:blog.addgene.org/plasmids-101-the-promoter-regionを参照)。一部の実施態様において、プロモーターは、原核生物プロモーター(例えば、バクテリオファージまたは細菌プロモーター)である。バクテリオファージプロモーターの非限定的な例としては、Pls1con、T3、T7、SP6、およびPLが挙げられる。細菌プロモーターの非限定的な例としては、Pbad、PmgrB、Ptrc2、Plac/ara、Ptac、およびPmが挙げられる。
【0175】
一部の実施態様において、プロモーターは、誘導性プロモーターである。本出願で使用される場合、「誘導性プロモーター」は、分子の存在または非存在によって制御されるプロモーターである。誘導性プロモーターの非限定的な例としては、化学的に調節されるプロモーターおよび物理的に調節されるプロモーターが挙げられる。化学的に調節されるプロモーターの場合、転写活性は、1種または複数の化合物、例えばアルコール、テトラサイクリン、ガラクトース、ステロイド、金属、または他の化合物によって調節され得る。物理的に調節されるプロモーターの場合、転写活性は、光または温度などの現象によって調節され得る。テトラサイクリンによって調節されるプロモーターの非限定的な例としては、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)応答性プロモーターおよび他のテトラサイクリン応答性プロモーター系[例えば、テトラサイクリンリプレッサータンパク質(tetR)、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)およびテトラサイクリントランス活性化因子融合タンパク質(tTA)]が挙げられる。ステロイドによって調節されるプロモーターの非限定的な例としては、ラットグルココルチコイド受容体ベースのプロモーター、ヒトエストロゲン受容体、ガエクジソン受容体、およびステロイド/レチノイド/甲状腺受容体スーパーファミリーからのプロモーターが挙げられる。金属によって調節されるプロモーターの非限定的な例としては、メタロチオネイン(金属イオンと結合しそれを封鎖するタンパク質)遺伝子由来のプロモーターが挙げられる。病因によって調節されるプロモーターの非限定的な例としては、サリチル酸、エチレンまたはベンゾチアジアゾール(BTH)により誘導されるプロモーターが挙げられる。温度/熱誘導性プロモーターの非限定的な例としては、熱ショックプロモーターが挙げられる。光によって調節されるプロモーターの非限定的な例としては、植物細胞からの光応答性プロモーターが挙げられる。特定の実施態様において、誘導性プロモーターは、ガラクトース誘導性プロモーターである。一部の実施態様において、誘導性プロモーターは、1つまたは複数の生理学的条件(例えば、pH、温度、放射線、浸透圧、生理食塩水濃度勾配、細胞表面結合、または1種または複数の外因性または固有の誘導物質の濃度)によって誘導される。外因性のインデューサーまたは誘導物質の非限定的な例としては、アミノ酸およびアミノ酸アナログ、糖および多糖、核酸、タンパク質転写活性化因子およびリプレッサー、サイトカイン、毒素、石油ベースの化合物、金属を含有する化合物、塩、イオン、酵素基質アナログ、ホルモンまたはそれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0176】
一部の実施態様において、プロモーターは、構成的プロモーターである。「構成的プロモーター」は、本出願で使用される場合、遺伝子の連続的な転写を可能にする調節されていないプロモーターを指す。構成的プロモーターの非限定的な例としては、TDH3、PGK1、PKC1、PDC1、TEF1、TEF2、RPL18B、SSA1、TDH2、PYK1、TPI1、HXT3、HXT7、ACT1、ADH1、ADH2、ENO2、およびSOD1が挙げられる。
【0177】
当業者に公知の他の誘導性プロモーターまたは構成的プロモーターも予期される。
【0178】
遺伝子発現に必要な調節配列は、種または細胞型間で変化している可能性があるが、一般的に、必要に応じて、それぞれ例えばTATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列など転写および翻訳の開始に関与する5’非転写および5’非翻訳配列を含む。特に、このような5’非転写調節配列は、作動可能に接続した遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を含むプロモーター領域を含むと予想される。調節配列はまた、エンハンサー配列または上流アクチベーター配列を含んでいてもよい。ベクターは、5’リーダーまたはシグナル配列を含み得る。調節配列はまた、ターミネーター配列を含んでいてもよい。一部の実施態様において、ターミネーター配列は、転写中、DNAに遺伝子の終結をもたらす。宿主細胞において本出願に記載される1種または複数の遺伝子の発現を誘導するのに好適な1つまたは複数の適切なベクターの選択および設計は、当業者の能力および裁量の範囲内である。
【0179】
発現に必要なエレメントを含有する発現ベクターは、商業的に入手可能であり、当業者に公知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2012を参照)。
【0180】
一部の実施態様において、組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドの宿主細胞への導入は、ポリヌクレオチドのゲノム組込みをもたらす。一部の実施態様において、宿主細胞は、そのゲノム中に、その間のあらゆる値を含めて、本出願に記載される組換えポリペプチドのいずれかをコードするポリヌクレオチド配列などのポリヌクレオチド配列の、少なくとも1コピー、少なくとも2コピー、少なくとも3コピー、少なくとも4コピー、少なくとも5コピー、少なくとも6コピー、少なくとも7コピー、少なくとも8コピー、少なくとも9コピー、少なくとも10コピー、少なくとも11コピー、少なくとも12コピー、少なくとも13コピー、少なくとも14コピー、少なくとも15コピー、少なくとも16コピー、少なくとも17コピー、少なくとも18コピー、少なくとも19コピー、少なくとも20コピー、少なくとも21コピー、少なくとも22コピー、少なくとも23コピー、少なくとも24コピー、少なくとも25コピー、少なくとも26コピー、少なくとも27コピー、少なくとも28コピー、少なくとも29コピー、少なくとも30コピー、少なくとも31コピー、少なくとも32コピー、少なくとも33コピー、少なくとも34コピー、少なくとも35コピー、少なくとも36コピー、少なくとも37コピー、少なくとも38コピー、少なくとも39コピー、少なくとも40コピー、少なくとも41コピー、少なくとも42コピー、少なくとも43コピー、少なくとも44コピー、少なくとも45コピー、少なくとも46コピー、少なくとも47コピー、少なくとも48コピー、少なくとも49コピー、少なくとも50コピー、少なくとも60コピー、少なくとも70コピー、少なくとも80コピー、少なくとも90コピー、少なくとも100コピー、またはそれより多くのコピーを含む。前記コピーは、本開示の組換え宿主細胞の、同じ遺伝子座に挿入されてもよいし、または異なる遺伝子座に挿入されてもよい。
【0181】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40~76、93~109または133~154のいずれか1つと、少なくとも50%(例えば、その間にある全ての値を含めて、少なくとも55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%より多く)同一な配列を含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40~76、93~109または133~154のいずれか1つを含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40~76、93~109、133~154のいずれか1つからなるかまたはそれから本質的になる。
【0182】
宿主細胞
本開示のタンパク質のいずれかは、宿主細胞において発現させることができる。用語「宿主細胞」は、本出願で使用される場合、ポリヌクレオチド、例えばアルファ-グアイエンおよびそれらの前駆体の生産で使用されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現させるのに使用できる細胞を指す。
【0183】
真核細胞または原核細胞を含むあらゆる好適な宿主細胞が、本出願で開示されるセスキテルペンシンターゼ、および他のタンパク質を含む組換えポリペプチドのいずれかを発現させるのに使用することができる。好適な宿主細胞としては、これらに限定されないが、真菌細胞(例えば、酵母細胞)、細菌細胞[例えば、大腸菌(E.coli)細胞]、藻類細胞、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳類細胞を含む動物細胞が挙げられる。
【0184】
好適な酵母宿主細胞としては、これらに限定されないが、カンジダ属、ハンセヌラ属、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピキア属、クルイベロマイセス属、およびヤロウイア属が挙げられる。一部の実施態様において、酵母細胞は、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・カールスベルゲンシス(Saccaromyces carlsbergensis)、サッカロミセス・ディアスタティカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コダマエ(Pichia kodamae)、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・オプンティアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・シュードパストリス(Pichia pseudopastoris)、ピキア・メンブラニファシエンス(Pichia membranifaciens)、コマガタエラ・シュードパストリス(Komagataella pseudopastoris)、コマガタエラ・パストリス(Komagataella pastoris)、コマガタエラ・クルツマニイ(Komagataella kurtzmanii)、コマガタエラ・モンダヴィオルム(Komagataella mondaviorum)、ピキア・サーモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・クエルクム(Pichia quercuum)、ピキア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア・アンガスタ(Pichia angusta)、コマガタエラ・ファフィイ(Komagataella phaffii)、コマガタエラ・パストリス(Komagataella pastoris)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ボイディニイ(Candida boidinii)またはヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)である。一部の実施態様において、酵母株は、産業用の倍数体酵母株である。真菌細胞の他の非限定的な例としては、アスペルギルス属種、ペニシリウム属種、フザリウム属種、クモノスカビ属種、アクレモニウム属種、アカパンカビ属種、ソルダリア属種、マグナポルテ属種、カワリミズカビ属種、クロボキン属種、ボトリチス属種、およびトリコデルマ属種から得られた細胞が挙げられる。
【0185】
一部の実施態様において、宿主細胞は、サッカロミセス属の細胞、例えばS.セレビジエ細胞である。
【0186】
特定の実施態様において、宿主細胞は、藻類細胞であり、例えば、クラミドモナス属[例えば、コナミドリムシ(C.reinhardtii)]およびフォルミジウム属(P.sp.ATCC29409)である。
【0187】
他の実施態様において、宿主細胞は、原核細胞である。好適な原核細胞としては、グラム陽性、グラム陰性、およびグラム不定細菌細胞が挙げられる。宿主細胞は、これらに限定されないが、アグロバクテリウム属、アリシクロバチルス属、アナベナ属、アナシスティス属、アシネトバクター属、アシドテルムス属(Acidothermus)、アルトロバクター属、アゾバクター属(Azobacter)、バチルス属、ビフィドバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、ブチリビブリオ属、ブフネラ属、カンペストリス属(Campestris)、カンピロバクター属(Camplyobacter)、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、クロマチウム属、コプロコッカス属、エシェリキア属、エンテロコッカス属、エンテロバクター属、エルウィニア属、フゾバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、フランキセラ属、フラボバクテリウム属、ゲオバチルス属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、乳酸桿菌属、乳酸球菌属、イリオバクター属(Ilyobacter)、ミクロコッカス属、ミクロバクテリウム属、メソリゾビウム属、メチロバクテリウム属、メチロバクテリウム属、マイコバクテリウム属、ナイセリア属、パントエア属、シュードモナス属、プロクロロコッカス属、ロドバクター属、ロドシュードモナス属、ロドシュードモナス属、ロゼブリア属、ロドスピリルム属、ロドコッカス属、セネデスムス属、ストレプトマイセス属、連鎖球菌属、シネコッカス属(Synecoccus)、サッカロモノスポラ属、サッカロポリスポラ属、スタフィロコッカス属、セラチア属、サルモネラ属、シゲラ属、サーモアナエロバクテリウム属、トロフェリマ属、ツラレンシス属、テメキュラ属、サーモシネココッカス属、サーモコッカス属、ウレアプラズマ属、キサントモナス属、キシレラ属、エルシニア属、およびジモモナス属の種であってもよい。
【0188】
一部の実施態様において、細菌の宿主細胞は、アグロバクテリウム属種[例えば、A.ラジオバクター(A.radiobacter)、A.リゾゲネス(A.rhizogenes)、A.ルビ(A.rubi)]、アルトロバクター属種[例えば、A.アウレッセンス(A.aurescens)、A.シトレウス(A.citreus)、A.グロブフォルミス(A.globformis)、A.ヒドロカルボグルタミカス(A.hydrocarboglutamicus)、A.マイソレンス(A.mysorens)、A.ニコチアナエ(A.nicotianae)、A.パラフィネウス(A.paraffineus)、A.プロトフォニアエ(A.protophonniae)、A.ロゼオパラフィヌス(A.roseoparaffinus)、A.スルフレウス(A.sulfureus)、A.ウレアファシエンス(A.ureafaciens)]、またはバチルス属種[例えば、B.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)、炭疽菌(B.anthracis)、B.メガテリウム(B.megaterium)、枯草菌(B.subtilis)、B.レンタス(B.lentus)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.プミルス(B.pumilus)、B.ロータス(B.lautus)、B.コアグランス(B.coagulans)、B.ブレビス(B.brevis)、B.フィルムス(B.firmus)、B.アルカオフィウス(B.alkaophius)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.クラウジイ(B.clausii)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、B.ハロデュランス(B.halodurans)およびB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)]の宿主細胞である。特定の実施態様において、宿主細胞は、産業用のバチルス株であり、その例としては、これらに限定されないが、枯草菌、B.プミルス、B.リケニフォルミス、B.メガテリウム、B.クラウジイ、B.ステアロサーモフィラスおよびB.アミロリケファシエンスが挙げられる。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のクロストリジウム属種[例えば、C.アセトブチリクム(C.acetobutylicum)、破傷風菌E88(C.tetani E88)、C.リツセブレンセ(C.lituseburense)、C.サッカロブチリカム(C.saccharobutylicum)、ウェルシュ菌(C.perfringens)、C.ベイジェリンキ(C.beijerinckii)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のコリネバクテリウム属種[例えば、C.グルタミクム(C.glutamicum)、C.アセトアシドフィラム(C.acetoacidophilum)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のエシェリキア属種(例えば、大腸菌)である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のエルウィニア属種[例えば、E.ウレドボラ(E.uredovora)、軟腐病菌(E.carotovora)、E.アナナス(E.ananas)、E.ヘルビコラ(E.herbicola)、E.プンクタタ(E.punctata)、E.テレウス(E.terreus)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のパントエア属種[例えば、P.シトレア(P.citrea)、P.アグロメランス(P.agglomerans)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のシュードモナス属種[例えば、P.プチダ(P.putida)、緑膿菌(P.aeruginosa)、P.メバロニイ(P.mevalonii)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用の連鎖球菌属種[例えば、S.エキシミレス(S.equisimiles)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.ウベリス(S.uberis)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のストレプトマイセス属種[例えば、S.アンボファシエンス(S.ambofaciens)、S.アクロモゲネス(S.achromogenes)、S.アベルミティリス(S.avermitilis)、S.セリカラー(S.coelicolor)、S.オーレオファシエンス(S.aureofaciens)、S.アウレウス(S.aureus)、S.フンギシディカス(S.fungicidicus)、S.グリセウス(S.griseus)、S.リビダンス(S.lividans)]である。一部の実施態様において、宿主細胞は、産業用のジモモナス属種[例えば、Z.モビリス(Z.mobilis)、Z.リポリチカ(Z.lipolytica)]である。
【0189】
本開示また、様々な動物細胞型との使用にも好適であり、例えば哺乳類細胞、例えば、ヒト(例えば293、HeLa、WI38、PER.C6およびBowes黒色腫細胞など)、マウス(例えば3T3、NS0、NS1、Sp2/0など)、ハムスター(CHO、BHK)、サル(COS、FRhL、Vero)、およびハイブリドーマ細胞株などとの使用にも好適である。
【0190】
本開示はまた、様々な植物細胞型との使用にも好適である。
【0191】
様々な実施態様において、原核性および真核性の株の両方を含む本開示の実施で使用できる株は、多数の微生物保存機関、例えばAmerican Type Culture Collection(ATCC)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH(DSM)、Centraalbureau Voor Schimmelcultures(CBS)、およびAgricultural Research Service Patent Culture Collection、Northern Regional Research Center(NRRL)から一般にむけて容易に入手可能になっている。
【0192】
用語「細胞」は、本出願で使用される場合、単一の細胞または細胞の集団、例えば同じ細胞株または株に属する細胞の集団を指す場合もある。単数形の用語「細胞」の使用は、細胞の集団ではなく単一の細胞を明示的に指すと解釈されるべきではない。
【0193】
本出願に記載される組換えポリペプチドのいずれかをコードするベクターは、当業界において公知のあらゆる方法を使用して、好適な宿主細胞に導入することができる。例えば、酵母形質転換プロトコールの非限定的な例は、参照によりその全体が組み入れられる、Gietz et al., Yeast transformation can be conducted by the LiAc/SS Carrier DNA/PEG method. Methods Mol Biol. 2006;313:107-20に記載されている。宿主細胞は、当業者が理解していると予想される通りに、あらゆる好適な条件下で培養することができる。例えば、当業界において公知のあらゆる培地、温度、およびインキュベーション条件を使用することができる。誘導性ベクターを有する宿主細胞の場合、細胞は、発現を促進するための適切な誘導性因子と共に培養してもよい。
【0194】
本出願で開示される細胞はいずれも、核酸の接触および/または組込みの前、その間、および/またはその後に、あらゆるタイプ(リッチまたは最小)およびあらゆる組成を有する培地中で培養することができる。用語「培地」は、培養培地または栽培培地または発酵培地を同義的に指す。典型的には、培養培地は、細胞の維持および/または増殖に必須の、またはそれに有益な成分、例えば炭素源または炭素基質、窒素源、例えば、ペプトン、酵母抽出物、肉抽出物、麦芽抽出物、尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウム;リン源、例えば、リン酸一カリウムまたはリン酸二カリウム;微量元素(例えば、金属塩)、例えばマグネシウム塩、コバルト塩および/またはマンガン塩;加えて、増殖因子、例えばアミノ酸、ビタミン、成長促進物質などを含む。用語「炭素源」または「炭素基質」または「炭素源」は、本開示によれば、細胞の正常な増殖を支持するために当業者によって使用できる炭素のあらゆる源を意味し、その例としては、ヘキソース(例えばグルコース、ガラクトースまたはラクトース)、ペントース、単糖、オリゴ糖、二糖(例えばスクロース、セロビオースまたはマルトース)、糖蜜、デンプンまたはその誘導体、セルロース、ヘミセルロースおよびそれらの組合せが挙げられる。
【0195】
培養の条件または培養プロセスは、当業者が理解していると予想される通りに慣例的な実験を介して最適化することができる。一部の実施態様において、選択された培地は、様々な成分が補充される。一部の実施態様において、補充された成分の濃度および量は、最適化される。一部の実施態様において、培地および増殖条件(例えば、pH、温度など)の他の態様は、慣例的な実験を介して最適化される。一部の実施態様において、1種または複数の補充された成分を培地に補充する頻度、および細胞を培養する時間が最適化される。
【0196】
本出願に記載される細胞の培養は、当業界で公知であり当業界において使用される培養容器中で実行することができる。一部の実施態様において、細胞を培養するために、通気される反応容器(例えば、撹拌タンクリアクター)が使用される。一部の実施態様において、細胞を培養するために、バイオリアクターまたは発酵槽が使用される。したがって、一部の実施態様において、発酵中の細胞が使用される。用語「バイオリアクター」および「発酵槽」は、本出願で使用される場合、同義的に使用され、生物、生物の一部、または精製したタンパク質を含む生物学的、生化学的および/または化学的な反応が起こる囲い、または部分的な囲いを指す。「ラージスケールのバイオリアクター」または「工業スケールのバイオリアクター」は、商業的または準商業的な規模で生成物を生成するのに使用されるバイオリアクターである。ラージスケールのバイオリアクターは、典型的には、数リットル、数百リットル、数千リットルの範囲の、またはそれより多くの体積を有する。
【0197】
バイオリアクターの非限定的な例としては、撹拌タンク発酵槽、回転する混合デバイスによってかき混ぜられるバイオリアクター、ケモスタット、振盪するデバイスによってかき混ぜられるバイオリアクター、エアリフト型発酵槽、充てん床リアクター、固定床リアクター、流動床バイオリアクター、波によって誘発されるかき混ぜを採用するバイオリアクター、遠心バイオリアクター、ローラーボトル、および中空繊維バイオリアクター、ローラー装置(例えば卓上型、カート搭載型、および/または自動化された種類)、垂直にスタックされたプレート、スピナーフラスコ、撹拌または揺動フラスコ、振盪マルチウェルプレート、MDボトル、T-フラスコ、Rouxボトル、複数表面を有する組織培養プロパゲーター、改造された発酵槽、およびコーティングされたビーズ(例えば、細胞の付着を防止するために、血清タンパク質、ニトロセルロース、またはカルボキシメチルセルロースでコーティングされたビーズ)が挙げられる。
【0198】
一部の実施態様において、バイオリアクターとしては、細胞(例えば、酵母細胞)が動く液体および/または気泡と接触する細胞培養システムが挙げられる。一部の実施態様において、細胞または細胞培養物は、懸濁液の形態で増殖される。他の実施態様において、細胞または細胞培養は、固相担体に付着される。担体システムの非限定的な例としては、マイクロキャリアー(例えば、多孔質または非多孔質であってもよい、ポリマー球体、マイクロビーズ、およびマイクロディスク)、特定の化学基(例えば、第三級アミン基)で荷電された架橋ビーズ(例えば、デキストラン)、非多孔質ポリマー繊維にトラップされた細胞を含む2Dマイクロキャリアー、3D担体(例えば、担体繊維、中空繊維、マルチカートリッジリアクター、および多孔質繊維を含んでいてもよい半透膜)、低いイオン交換能力を有するマイクロキャリアー、カプセル化細胞(encapsulation cell)、キャピラリー、および凝集体が挙げられる。一部の実施態様において、担体は、デキストラン、ゼラチン、ガラス、またはセルロースなどの材料から製作される。
【0199】
一部の実施態様において、工業スケールのプロセスは、連続、半連続または非連続モードで操作される。操作モードの非限定的な例は、バッチ、流加培養、拡張されたバッチ、繰り返しのバッチ、引き出し/補充、回転壁、スピニングフラスコ、および/または操作の灌流モードである。一部の実施態様において、バイオリアクターは、基質ストック、例えば炭水化物源の連続的もしくは半連続的な補充、および/またはバイオリアクターからの生成物の連続的もしくは半連続的な分離を可能にする。
【0200】
一部の実施態様において、バイオリアクターまたは発酵槽は、反応パラメーターを測定および/または調整するための、センサーおよび/または制御システムを含む。反応パラメーターの非限定的な例としては、生物学的なパラメーター(例えば、増殖速度、細胞のサイズ、細胞数、細胞密度、細胞型、または細胞の状況など)、化学的なパラメーター(例えば、pH、酸化還元電位、反応基質および/または生成物の濃度、溶解ガスの濃度、例えば酸素濃度およびCO2濃度、栄養素の濃度、代謝産物の濃度、オリゴペプチドの濃度、アミノ酸の濃度、ビタミンの濃度、ホルモンの濃度、添加剤の濃度、血清濃度、イオン強度、イオンの濃度、相対湿度、モル濃度、浸透圧モル濃度、他の化学物質の濃度、例えば緩衝剤、アジュバント、または反応副産物の濃度)、物理的な/機械的なパラメーター(例えば、密度、伝導率、かき混ぜの程度、圧力、および流速、剪断応力、剪断速度、粘度、色、濁度、光吸収、混合速度、変換率、加えて、熱力学的なパラメーター、例えば温度、光の強度/品質など)が挙げられる。本出願に記載されるパラメーターを測定するためのセンサーは関連する機械的および電子的技術における当業者に周知である。本出願に記載されるセンサーからの入力に基づいてバイオリアクターにおけるパラメーターを調整するための制御システムは、バイオリアクター工学の当業者に周知である。
【0201】
一部の実施態様において、本方法は、バッチ発酵(例えば、振盪フラスコ発酵)を含む。バッチ発酵(例えば、振盪フラスコ発酵)のための一般的な要件としては、酸素およびグルコースのレベルが挙げられる。例えば、バッチ発酵(例えば、振盪フラスコ発酵)は、酸素やグルコースが制限される場合があり、したがって一部の実施態様において、よく設計された流加培養発酵で性能を発揮する株の能力は過小評価される。また、最終産物(例えば、アルファ-グアイエン)は、溶解性、毒性、細胞性の蓄積および分泌に関して基質(例えば、ファルネシル二リン酸)とはある程度の差を示す可能性もあり、一部の実施態様において、異なる発酵動態を有する可能性がある。
【0202】
本開示の態様は、この開示に記載される1つまたは複数の突然変異をセスキテルペンシンターゼに導入することによりセスキテルペンシンターゼ活性を増加させることによって、宿主細胞における目的の化合物、例えばアルファ-グアイエンの生産を増加させる方法を提供する。本出願に記載される方法は、宿主細胞、細胞溶解物または単離した組換えポリペプチド(例えば、セスキテルペンシンターゼ、および本開示に関連する他のあらゆるタンパク質)を使用するアルファ-グアイエンの生産を包含する。
【0203】
本出願で開示される組換え細胞のいずれかによって生産されたアルファ-グアイエンは、当業界において公知のあらゆる方法を使用して同定したり抽出したりすることができる。目的の化合物の同定および/または定量のための方法の非限定的な例は、GC(例えば、GC-MS、GC-FID)である。
【0204】
組成物
本開示のさらなる態様は、アルファ-グアイエンを含有する組成物に関する。本開示に関連する宿主細胞の培養は、アルファ-グアイエンなどのセスキテルペン生成物を含む組成物をもたらすことができる。一部の実施態様において、本開示に関連する宿主細胞を培養することにより得られた組成物は、組成物中の総セスキテルペン生成物の少なくとも20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%がアルファ-グアイエンである組成物をもたらす。
【0205】
一部の実施態様において、本開示に関連する宿主細胞を培養することにより得られた組成物は、組成物中の総セスキテルペン生成物の約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%または50%がデルタ-グアイエンである組成物をもたらす。
【0206】
本開示に関連する組成物は、当業者が理解していると予想されるような追加の成分をさらに含んでいてもよい。例えば、ことが理解されるものとする一部の実施態様において、アルファ-グアイエンを含む組成物は、細胞培養の発酵ブロスまたは細胞培養上清を含んでいてもよい。他の実施態様において、組成物は、細胞培養の発酵ブロスまたは細胞培養上清から精製された形態でアルファ-グアイエンを含んでいてもよい。
【0207】
アルファ-グアイエンのデルタ-グアイエンに対する比率は、例えば、約60:40~約99:1の範囲であり得る。例えば、アルファ-グアイエンのデルタ-グアイエンに対する重量比は、約65:35~約99:1、約70:30~約99:1、約75:25~約99:1、約80:20~約99:1、約85:15~約99:1、約90:10~約99:1、または約95:5~約99:1の範囲であり得る。例えば、アルファ-グアイエンのデルタ-グアイエンに対する重量比は、約65:35~約98:2、約70:30~約97:3、約75:25~約96:4、約80:20~約95:5、または約85:15~約90:10の範囲であり得る。
【0208】
一部の実施態様において、本発明に関連する細胞は、有機溶媒オーバーレイの存在下で培養される。有機溶媒オーバーレイは、この開示で使用される場合、細胞培養サンプルに添加される1種または複数の有機溶媒を含む層を指す。有機溶媒オーバーレイは、部分的または完全に細胞培養サンプルを覆っていてもよい。有機溶媒オーバーレイの使用は、生成物濃度の増加によって引き起こされる宿主細胞の毒性を低減または軽減することを助けることができる。一部の実施態様において、アルファ-グアイエンを含む組成物は、有機溶媒オーバーレイの1種または複数の成分(例えば、ドデカン)をさらに含む。
【0209】
本出願において使用される表現および用語は、説明の目的のためであり、限定としてみなされるべきではない。本出願における「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する」、「含有する」、「含む(involving)」、および/またはそれらのバリエーションなどの用語の使用は、その後に列挙された項目およびそれらの均等物に加えて、追加の項目を包含することを意味する。
【0210】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これらは決してさらなる限定として解釈されるべきではない。本出願にわたり引用された参考文書(例えば参考文献、発行された特許、公開された特許出願、および同時係属中の特許出願)の全ての内容全体が、これにより明示的に、参照により組み入れられる。
【実施例】
【0211】
[実施例1]
増加したアルファ-グアイエンを生産する変異体セスキテルペンシンターゼの同定
この実施例は、A.クラッスナからの親デルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)によって生産されたものと比べて増加した量のアルファ-グアイエンを生産することが可能な変異体セスキテルペンシンターゼの同定を説明する。
【0212】
推定のセスキテルペンシンターゼのメタゲノムライブラリーは、公共のデータベースおよび個人的な配列データベースから入手された。酵母のためのコドン最適化の後、ハイスループットGC-MSアッセイを使用して、配列をアルファ-グアイエン生産に関してスクリーニングした。同定のための認証されたアルファ-グアイエン標準を利用するGC-MSを介して検出されたセスキテルペンシンターゼ生成物に抽出イオンクロマトグラム(EIC)m/z断片を使用して決定した場合、設計および試験されたおよそ500種のセスキテルペンシンターゼのうち、15%を超える量で生じたアルファ-グアイエンはなかった。
【0213】
メタゲノムスクリーニングは、アルファ-グアイエン生産の増加を示す推定のセスキテルペンシンターゼをまったく同定しなかったため、増加した量のアルファ-グアイエンを生産することが可能なセスキテルペンシンターゼを同定するための第2のアプローチを追求した。このアプローチは、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)の配列変異体を生成することを含む。
【0214】
変異体セスキテルペンシンターゼをPCR変異誘発によって生成し、GAL1プロモーターとターミネーターとを端部に有する酵母発現ベクターで合成した。変異体セスキテルペンシンターゼDNAコード配列を含有するプラスミドを、酵素の性能のインビボにおける評価のためのスクリーニング株に形質転換した。スクリーニング株を、スクリーニングされている酵素の基質として役立つより高濃度のファルネシル二リン酸(FPP)を発現するように操作した。スクリーニング株がガラクトースを利用できる場合、スクリーニング株内において、セスキテルペンシンターゼはFPPを変換する。GAL1プロモーターはガラクトースに応答することができ、ガラクトースの存在下で変異体酵素発現を誘導する。ガラクトースへの十分な曝露の後、株を回収し、有機溶媒に曝露し、これを反応生成物を単離するために使用した。反応生成物が単離されたら、これをGCによって分析して、反応生成物の混合物中の生成物の相対的な発生量、比率、および同一性を決定した。
【0215】
表4および
図2は、生産されたアルファ-グアイエンのパーセントに基づいてGC-MSスクリーニングから同定された上位の性能を示す変異体セスキテルペンシンターゼを示す。GC-MSアッセイを、Thermo ISQ GC-MSで、40~350m/zの質量走査範囲および250℃に設定されたイオン源を用いて実行した。前部の入口を250℃に設定し、1.5mL/分のHeのフローおよび4のスプリットフロー比率を用いた。GCの昇温を、80℃から200℃まで7.5℃/分の速度で開始し、続いてもう1回20℃の速度で最終的な保持温度280℃まで昇温した。報告されたピーク検出、スペクトル/生成物の同定、およびピーク面積に関して、Mzmine2およびthermo xcaliburソフトウェアを利用した。
【0216】
アルファ-グアイエンのパーセント(%)およびデルタ-グアイエンのパーセント(%)の値は、アッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルの評価された生成物のパーセント量を表す。検出された各セスキテルペンのパーセンテージを、最も類似したピーク面積応答(認証されたセスキテルペン標準およびNISTスペクトルライブラリーに基づき)を有するm/z断片に基づく抽出イオンクロマトグラム(EIC)ピーク面積を使用して計算した。例えば、WT(配列番号1と比べて突然変異なし)は、アルファ-グアイエンのパーセントの計算に関して、アルファ-グアイエン(105m/z)、デルタ-グアイエン(107m/z)、アシフィレン*(105m/z)、ベータ-エレメン(81m/z)、フムレン*(93m/z)、およびネオインテルメデオール*(81m/z)のピーク面積を生じた(*は、NISTスペクトルライブラリーを介した予測された生成物を意味する)。アルファ-グアイエン生産における増加倍率を、配列番号1を含む対照セスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたアルファ-グアイエン生成物の量に対する、変異体セスキテルペンシンターゼを発現する宿主細胞によって生産されたアルファ-グアイエン生成物の量として計算した。したがって、表4において、「生産性」は、野生型セスキテルペンシンターゼに起因するアルファ-グアイエン生産に対する、変異体酵素に起因するアルファ-グアイエン生産における増加倍率を指しアルファ-グアイエンの%は、変異体酵素を発現する宿主細胞によって生産された総セスキテルペンに対するアルファ-グアイエンの量を指し、デルタ-グアイエン%は、変異体酵素によって生産された総セスキテルペンに対するデルタ-グアイエンの量を指す。
【0217】
【0218】
驚くべきことに、表4および
図2で示されるように、14.6%のアルファ-グアイエンを生産することが見出されたA.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)とは対照的に、50%より多くのアルファ-グアイエンを生産する変異体セスキテルペンシンターゼを同定した。
【0219】
増加した量のアルファ-グアイエンを生産した変異体セスキテルペンシンターゼの同定に続き、線形モデルを使用して、どの特定のアミノ酸置換突然変異が、アルファ-グアイエン生産における見かけの増加に最も寄与しているのかを予測した。線形モデルをフィッティングした後、アルファ-グアイエン生産との統計学的な相関の増加を意味する、特定のアミノ酸置換突然変異に関連するモデルの正であり規模が大きい係数を同定した。表5は、この分析に基づいてアルファ-グアイエン生産と統計学的に相関するアミノ酸置換を示す。
【0220】
【0221】
いかなる理論にも縛られることは望まないが、セスキテルペンシンターゼの活性部位ポケットの形状は、セスキテルペンシンターゼによって生産された様々な生成物の比率に影響を与える可能性がある。A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)によって触媒される反応において、最終的な工程は、生成物としてデルタ-グアイエンを生じる、プロデルタ炭素からのプロトン引き抜き、または生成物としてアルファ-グアイエンを生じる、プロアルファ炭素からのプロトン引き抜きのいずれかを含む。一部の変異体セスキテルペンシンターゼは、少なくとも部分的に、セスキテルペンシンターゼの基質結合様式を変化させて、触媒残基Tyr-520からのプロアルファ炭素へのより簡単なアクセスを可能にするため、それらは増加した量のアルファ-グアイエンを生産することができる。
[実施例2]
【0222】
増加したアルファ-グアイエンを生産する追加の変異体セスキテルペンシンターゼの同定
増加した量のアルファ-グアイエンを生産することが可能である追加の変異体セスキテルペンシンターゼを同定するために、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)の追加の変異体バージョンを生産し、スクリーニングした。
【0223】
実施例1に記載される方法を使用して、変異体セスキテルペンシンターゼを、一次スクリーニングにおいて、アルファ-グアイエン生産に関してスクリーニングした。この一次スクリーニングは、上位の性能を示す変異体セスキテルペンシンターゼを同定するために、O'Maille et al. (2008) Nat. Chem. Biol. 4, 617-623に記載される方法を使用してGC-MS分析を採用した。およそ1012種の変異体セスキテルペンシンターゼをスクリーニングした。実施例1からの3種の変異体セスキテルペンシンターゼを含む19種の高い性能を示す変異体セスキテルペンシンターゼを一次スクリーニングで同定した。19種の変異体セスキテルペンシンターゼを、O'Maille et al. (2008) Nat. Chem. Biol. 4, 617-623に記載される方法に基づいて、ただし一次スクリーニングで使用されたものよりより遅い昇温速度でGC-MSアッセイを使用した二次スクリーニングでさらに特徴付けた。(表6および
図3)。二次スクリーニングのGC-MS方法の場合、Thermo GC-MS-ISQ上のTG5-MSカラム(15m×0.250mm×0.25μm)を使用して、それぞれ1.5mL/分の流速を用いて、入口温度を250℃に設定した。オーブンを、80.0℃で最初の0.1分の保持、7.5℃/分で200.0℃への昇温、および20.0℃/分で280℃への昇温と1.00分間の保持に設定した。MS移動ラインの温度を、280℃に設定した。イオン源温度を、250℃に設定した。質量範囲を、40~350amuに設定した。
【0224】
三次スクリーニングを、GC-FIDを使用して株のサブセットに実行した。GC-FIDは、Greenhagen et al. (2006) Proc. Natl. Acad. Sci. 103 (26) 9826-9831に記載される方法に基づいて、GC-MSより高い精度での定量的な読み出しを提供する。結果から、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)を発現する陽性対照株によって生産されたものと比較してアルファ-グアイエン生産が増加した変異体セスキテルペンシンターゼの同定が確認された(表6)。
【0225】
表6は、一次、二次、および三次スクリーニングからの結果を示す。「アルファ-グアイエンの%(一次スクリーニング)」は、一次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルのアルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。「アルファ-グアイエンの%(二次スクリーニング)」は、二次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルのアルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。「アルファ-グアイエンの%(三次スクリーニング)」は、三次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルのアルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。「三次スクリーニングに対する他のセスキテルペンの%」は、三次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルの非アルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。
【0226】
【0227】
表6で示されるように、驚くべきことに、約13の%アルファ-グアイエンを生産することが見出されたA.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)とは対照的に、60%より多くのアルファ-グアイエンを生産する変異体セスキテルペンシンターゼが同定された。
[実施例3]
【0228】
増加したアルファ-グアイエンを生産する追加の変異体セスキテルペンシンターゼの同定
増加した量のアルファ-グアイエンを生産することが可能な追加の変異体セスキテルペンシンターゼを同定するために、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)の追加の変異体を生成した。
【0229】
実施例1に記載される方法を使用して、変異体セスキテルペンシンターゼを、一次スクリーニングにおいて、アルファ-グアイエン生産に関して以下のようにスクリーニングした。GAL1プロモーターとターミネーターとを端部に有する変異体セスキテルペンシンターゼDNAコード配列を含有する酵母発現プラスミドベクターを、酵素性能のインビボでの評価のためのスクリーニング株に形質転換した。スクリーニング株を、スクリーニングされている酵素の基質として役立つより高濃度のファルネシル二リン酸(FPP)を発現するように操作した。スクリーニング株内で、ガラクトースが利用できる場合、セスキテルペンシンターゼはFPPを変換する。GAL1プロモーターは、ガラクトースに応答し、ガラクトースの存在下で変異体酵素発現を誘導する。ガラクトースへの十分な曝露の後、株を回収し、有機溶媒に曝露し、これを使用して、反応生成物を単離した。単離されたら、反応生成物をGCによって分析して、反応生成物の混合物中の生成物の相対的な発生量、比率、および同一性を決定した。
【0230】
この一次スクリーニングは、上位の性能を示す変異体セスキテルペンシンターゼを同定するために、O'Maille et al. (2008) Nat. Chem. Biol. 4, 617-623に記載される方法を使用してGC-MS分析を採用した。およそ5000種の変異体セスキテルペンシンターゼを、複数回のスクリーニングを介してスクリーニングした。23種の高い性能を示す変異体セスキテルペンシンターゼを一次スクリーニングで同定した。23種の変異体セスキテルペンシンターゼを、O'Maille et al. (2008) Nat. Chem. Biol. 4, 617-623に記載される方法に基づいて、ただし一次スクリーニングで使用されたものよりより長い昇温速度でGC-MSアッセイを使用した二次スクリーニングでさらに特徴付けた。(表7および
図4)。二次スクリーニングのGC-MS方法の場合、Thermo GC-MS-ISQ上のTG5-MSカラム(15m×0.250mm×0.25μm)を使用して、それぞれ1.5mL/分の流速を用いて、入口温度を250℃に設定した。オーブンを、80.0℃で最初の0.1分の保持、7.5℃/分で200.0℃への昇温、および20.0℃/分で280℃への昇温と1.00分間の保持に設定した。MS移動ラインの温度を、280℃に設定した。イオン源温度を、250℃に設定した。質量範囲を、40~350amuに設定した。
【0231】
結果から、A.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)を発現する陽性対照株によって生産されたものと比較してアルファ-グアイエン生産が増加した変異体セスキテルペンシンターゼの同定が確認された(表7)。
【0232】
表7は、一次および二次スクリーニングからの結果を示す。「アルファ-グアイエンの%(一次スクリーニング)」は、一次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルのアルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。「アルファ-グアイエンの%(二次スクリーニング)」は、二次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルのアルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。「%アルファ-グアイエン(三次スクリーニング)」は、三次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルのアルファ-グアイエン生成物の量のパーセントを表す。「三次スクリーニングに対する他のセスキテルペンの%」は、三次スクリーニングアッセイによって検出された総セスキテルペンシンターゼ生成物のプロファイルの非アルファ-グアイエン生成物および非アシフィレン生成物の量のパーセントを表す。
【0233】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【0234】
表7で示されるように、驚くべきことに、約15の%アルファ-グアイエンを生産することが見出されたA.クラッスナからのデルタ-グアイエンシンターゼ2タンパク質(UniProt受託番号D0VMR7;配列番号1)とは対照的に、70%より多くのアルファ-グアイエンを生産した変異体セスキテルペンシンターゼが同定された。加えて、驚くべきことに、2番目に豊富なセスキテルペン生成物としてアシフィレンを生産した変異体セスキテルペンシンターゼが同定された。
【0235】
表8は、本開示に関連するセスキテルペンシンターゼ変異体のタンパク質および核酸配列を含む。
【0236】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39、77~92もしくは110~131、表8内のタンパク質配列、またはその保存的に置換された変異体のいずれか1つと、少なくとも50%(例えば、その間にある全ての値を含めて、少なくとも55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%より多く)同一な配列を含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39、77~92または110~131またはその保存的に置換されたバージョンのいずれか1つの配列を含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼは、配列番号3~39、77~92、110~131またはその保存的に置換された変異体のいずれか1つの配列からなるかまたはそれから本質的になる。
【0237】
一部の実施態様において、セスキテルペンシンターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40~76、93~109、133~154または表8内の核酸配列のいずれか1つと、少なくとも50%(例えば、その間にある全ての値を含めて、少なくとも55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%より多く)同一な配列を含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40~76、93~109、133~154のいずれか1つを含む。特定の実施態様において、セスキテルペンシンターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40~76、93~109、133~154のいずれか1つからなるかまたはそれから本質的になる。
【0238】
【0239】
均等物
当業者は、慣例的な実験のみを使用して、この開示に記載される発明の具体的な実施態様の多くの均等物を認識すると予想されるか、または確認することができる。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。本出願で開示される特許文書を含む全ての参考文献は、特に本出願で参照される開示に関して、参照によりそれら全体が組み入れられる。
【0240】
本出願で開示される配列は、分泌シグナルを含有していてもよいし、または含有していなくてもよいことが理解されるものとする。本出願で開示される配列は、分泌シグナルありのバージョンまたはなしのバージョンを包含する。本出願で開示されるアミノ酸配列は、開始コドン(M)と共に描写される場合もあるし、またはそうでない場合もあることが理解されるべきである。本出願で開示される配列は、開始コドンありのバージョンまたはなしのバージョンを包含する。したがって、一部の場合において、アミノ酸の番号付けは、分泌シグナルおよび/または開始コドンを含有するアミノ酸配列に対応する場合もあるし、一方で他の例において、アミノ酸の番号付けは、分泌シグナルおよび/または開始コドンを含有しないアミノ酸配列に対応する場合もある。また、本出願で開示される配列は、停止コドンと共に描写される場合もあるし、またはそうでない場合もあることも理解されるべきである。本出願で開示される配列は、停止コドンありのバージョンまたはなしのバージョンを包含する。
【配列表】
【国際調査報告】