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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】衛星操作
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/10 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B64G1/10 335
B64G1/10 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531315
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2022081544
(87)【国際公開番号】W WO2023094175
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】2116902.4
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523132594
【氏名又は名称】アイサイ オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ラウリラ ペッカ トゥオマス
(57)【要約】
地球観測データを提供する方法は、地球低軌道にある第1衛星で地球観測エコーデータを取得するステップと、第1衛星の現在位置で第1衛星から地球上の地上局に所定データをダウンリンクするのに必要な時間を決定するステップと、を含む。必要な時間が所定の閾値を超える場合、所定のデータは、宇宙間無線通信を使用して地球上空の軌道上の別の衛星に送信されてもよい。あるいは、第1衛星は、地球上空の軌道上の別の衛星の現在位置に関するデータを受信し、少なくとも1つの別の衛星の現在位置で別の衛星を経由して地上局に所定のデータを送信するのに必要な時間を決定し、別の衛星の決定時間が第1衛星の決定時間よりも短い場合、宇宙間無線通信を用いて、地球上空の軌道上の別の衛星に所定のデータを送信することができる。いくつかの可能な実装形態では、エコーデータは、画像を生成するために第1衛星上で処理され、分析されて関心のある部分を決定することができる。次いで、所定データは、宇宙間リンクを利用して送信され得る関心のある部分の位置を含むデータ構造を含むことができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球観測データを提供する方法であって、
地球低軌道上の第1衛星で地球観測エコーデータを取得するステップと、
前記第1衛星の現在位置で前記第1衛星から地球上の地上局に所定データをダウンリンクするために必要な時間を決定し、必要な時間が所定の閾値を超える場合、宇宙間無線通信を用いて地球上空の軌道上の別の衛星に前記所定データを送信するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記別の衛星は、地球の中軌道以上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記別の衛星は地球低軌道にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
地球観測データを提供する方法であって、
地球低軌道上の第1衛星の地球観測エコーデータを取得するステップと、
前記第1衛星の現在位置で前記第1衛星から地球上の地上局に所定データをダウンリンクするのに必要な時間を決定するステップと、
地球上空の軌道上の別の衛星の現在位置に関するデータを受信するステップと、
前記別の衛星について決定された時間が前記第1衛星について決定された時間よりも短い場合、少なくとも1つの前記別の衛星の現在位置で前記別の衛星を経由して前記地上局に前記所定のデータをダウンリンクするのに必要な時間を決定し、宇宙間無線通信を用いて、地球上の軌道上の別の衛星に前記所定のデータを送信するステップと、を含む、方法。
【請求項5】
地球低軌道上の複数の別の衛星の現在位置に関するデータを受信し、送信の候補として複数の別の衛星のうちの1つを選択するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定のデータは、取得された前記エコーデータの少なくとも一部を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記エコーデータは、レーダエコーデータを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記レーダエコーデータは、合成開口レーダシステムから得られる、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記エコーデータは、光エコーデータを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記衛星で前記エコーデータを処理して画像を生成するステップと、
前記衛星の画像を分析して、関心のある部分を決定するステップと、
前記宇宙間リンクを利用して、前記所定データとして前記関心のある部分の位置を含むデータ構造を別の衛星に送信するステップと、を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
地球観測データを提供する方法であって、
地球上空の軌道上の衛星で地球観測エコーデータを取得するステップと、
前記衛星で前記エコーデータを処理して画像を生成するステップと、
前記衛星の画像を分析して、関心のある部分を決定するステップと、
宇宙間リンクを利用して、前記関心のある部分の位置を含むデータ構造を別の衛星に送信するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
前記関心のある部分は、物体の少なくとも一部を含み、前記画像を分析するステップは、物体検出アルゴリズムを用いて物体を検出するステップを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記データ構造は、前記物体の特性、タイプ、またはアイデンティティを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記物体を分類するステップを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
ニューラルネットワークを用いて前記物体を分類するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物体は船舶を含む、請求項10~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記関心のある部分は、変化が生じた領域を含み、前記画像を分析するステップは、変化検出アルゴリズムを用いて変化を検出するステップを含む、請求項10~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記データ構造は、前記画像のスニペットを含み、前記スニペットは、前記関心のある部分の少なくとも一部を含む、請求項10~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
直接地上局リンクを利用して、画像の、または画像から誘導されたさらなるデータを送信するステップを含む、請求項10~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成された
地球観測衛星であって、
エコーデータを収集するように構成されたセンサと、
前記エコーデータを処理するように構成されたコンピューティングシステムと、
宇宙間リンクを利用して別の衛星にデータを送信するように構成された無線送信機と、を含む、地球観測衛星。
【請求項21】
地球観測用に構成された2つ以上の衛星を含む衛星コンスタレーションであって、各衛星は、衛星コンスタレーションの少なくとも1つの別の衛星と通信し、宇宙間無線通信を用いて少なくとも1つの別の衛星に地球観測エコーを送信するように構成された無線送信機を含む、衛星コンスタレーション。
【請求項22】
前記衛星コンスタレーション内の1つまたは複数の衛星は、地球観測用の合成開口システムを構成する、請求項21に記載の衛星コンスタレーション。
【請求項23】
前記2つ以上の衛星は、地球低軌道で動作するように構成される、請求項21または22に記載の衛星コンステレーション。
【請求項24】
5つ以上の衛星、10つ以上の衛星、または20つ以上の衛星を含む、請求項21、22または23に記載の衛星コンステレーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、地球観測衛星データ製品の処理および配信に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶、陸上車両、森林伐採、採掘活動の検出や追跡などの多くの陸上および海上の監視用途は、地球上の出来事を追跡する目的で最新の監視情報を必要とする。この目的のために、監視画像は、対象の位置上空を通過する地球観測衛星によって取得される。
しかし、地球観測データを地球に返すプロセスには時間がかかり、エンドユーザに提供されるときの情報の最新性が制限される。これは、最新の情報が必要ないくつかの監視用途で問題が生じる。
【0003】
以下に記載される実施形態は、上記した既知の方法の欠点のいずれかまたはすべてを解決する実施形態に限定されない。
【発明の概要】
【0004】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する概念の選択を簡略化した形で説明するために提供されている。本概要は、特許請求された主題の主要な機能または不可欠な機能を特定することを意図されておらず、特許請求された主題の範囲を決定することも意図されていない。
【0005】
本開示は、宇宙間リンクを利用して観測エコーデータを送信することができる地球観測データを提供する地球観測衛星および方法を提供する。
【0006】
第1態様において、本開示は、地球低軌道上の第1衛星の地球観測エコーデータを取得するステップと、第1衛星の現在位置で第1衛星から地球上の地上局に所定のデータをダウンリンクするのに必要な時間を決定するステップと、を含む、地球観測データを提供する方法を提供する。
【0007】
必要な時間が所定の閾値を超える場合、宇宙間無線通信を用いて地球上空の軌道上の別の衛星に前記所定データを送信してもよい。
【0008】
あるいは、第1衛星は、地球上空の軌道上の別の衛星の現在位置に関するデータを受信し、少なくとも1つの別の衛星の現在位置で別の衛星を経由して地上局に所定のデータを地上局に送信するのに必要な時間を決定し、別の衛星の決定時間が第1衛星の決定時間よりも短い場合、宇宙間無線通信を用いて、地球上空の軌道上の別の衛星に所定のデータを送信してもよい。
【0009】
第2態様において、本開示は、本明細書で説明される方法のいずれかを実行するように構成された地球観測衛星を提供する。衛星は、エコーデータを収集するように構成されたセンサと、宇宙間リンクを利用して別の衛星にエコーデータの一部を送信するように構成された無線送信機とを含んでもよい。
【0010】
いくつかの可能な実装形態では、エコーデータは、第1衛星上で処理されてもよい。例えば、エコーデータを処理して画像を生成し、分析して関心のある部分を決定してもよい。次いで、前記所定データは、前記宇宙間リンクを利用して送信され得る前記関心のある部分の位置を含むデータ構造を含んでもよい。あるいは、所定のデータは、取得されたエコーデータの少なくとも一部を含んでもよい。
【0011】
ここでは、地球上空の軌道上の衛星で地球観測エコーデータを取得するステップと、衛星でエコーデータを処理して画像を生成するステップと、前記衛星の画像を分析して、関心のある部分を決定するステップと、宇宙間リンクを利用して前記関心のある部分の位置を含むデータ構造を別の衛星に送信するステップと、を含む、地球観測データを提供する方法も提供される。
【0012】
本明細書に記載の方法は、例えば、機械可読形式の有形記憶媒体上のソフトウェアによって実行してもよい。コンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムの形態では、プログラムがコンピュータ上で実行され、コンピュータプログラムがコンピュータ可読媒体上に具現化され得るときに、本明細書に記載されたいずれかの方法の全てのステップを実行するように適合されている。有形(または非一時的)記憶媒体の例としては、磁気ディスク、サムドライブ、メモリカードなどが挙げられるが、伝播信号は含まれていない。ソフトウェアは、方法ステップを任意の適切な順序でまたは同時に実行することができるように、パラレルプロセッサまたはシリアルプロセッサ上で実行するように適合されていてもよい。
【0013】
本用途では、ファームウェアおよびソフトウェアが個別に取引可能な価値のある商品であることを認識している。これは、必要な機能を実行するために、「ダム」または標準的なハードウェア上で演算または制御されるソフトウェアを含むように設計されている。また、所望の機能を実行するためにシリコンチップを設計したり汎用プログラマブルチップを構成したりするHDL(ハードウェア記述言語)ソフトウェアなど、ハードウェア構成を「記述」したり定義したりするソフトウェアも含まれることを目指している。
【0014】
以下に記載の特徴は、当業者には明らかであるように、必要に応じて組み合わせることができ、本発明の任意の態様と組み合わせることができる。
本発明の実施形態は、例として、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】地球観測データの典型的な取得と地球への配信の概略図である。
図2図1と同様のアプローチによる地球観測データのほぼリアルタイムの取得および地球への配信の概略図である。
図3】地球観測衛星の一例の概略図である。
図4】地球観測データを提供するための例示的なアプローチの概略図である。
図5】地球観測データを提供する例示的な方法のフローチャートである。
図6】地球観測データを提供する別の例示的な方法のフローチャートである。
図7】ここで説明する方法を実装するためのハードウェアの概略図である。
【0016】
図面全体を通して共通の符号を用いて、類似の特徴を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を一例として説明する。これらの実装形態は、これを可能にする唯一の方法ではないが、出願人が現在知っている、本発明を実行するための最良のパターンを表す。この説明では、サンプルの機能と、サンプルを構築および操作するための一連の手順について説明する。しかしながら、同じまたは同等の機能およびシーケンスは、異なる例によって実装されてもよい。
【0018】
図1および図2は、地球106を中心とする軌道104上の典型的な地球観測衛星102を示している。この文書では、「衛星」という用語は、宇宙ステーション、宇宙船、航空機だけでなく、地球観測衛星、通信衛星、静止衛星などのあらゆるクラスの衛星を含むものとして広く解釈されるものとする。以下、合成開口レーダまたは「SAR」を用いて画像を得る実施形態について説明する。したがって、図1の地球観測衛星102は、位置108を撮像し、地球106上の地上局110に生エコーデータなどの撮像データを配信するために、位置108の上空を通過するときにエコーデータを取得するように構成されている。次いで、地上局のコンピューティングシステムは、宙から地球上の地域の画像を生成するためにデータを使用するなど、さまざまな方法で画像データを処理してもよい。画像などの生データから誘導された情報はエンドユーザに送信されてもよい。図には1つの地上局110が示されているが、実際の実装形態では、地球観測システムは複数の地上局および複数の衛星を含んでもよい。いくつかの実装形態では、生データは、例えば地上局からクラウドコンピューティングインフラストラクチャに送信され、さらにクラウドサービスで処理されてもよい。
【0019】
現在の衛星からの地球観測方法は、検出サービスに対して即時応答を提供することができない。可能な限り最速の時間は、地上局110が衛星102に対して「直接ダウンリンク」に利用できる場合、すなわち、エコーデータが地上局の地平線上にある間に収集される場合、言い換えれば、衛星102が地上局110への見通し線を有する場合に達成される。
【0020】
緊急の地球観測データ製品の「ほぼリアルタイム」の取得と処理チェーンを完了するには、通常20~60分かかる。一例は船舶探知の場合であり、海上の船舶を探知するために衛星レーダ画像が取得され、この情報は傍受目的で問題の船舶を発見するために直ちに必要となる。たとえば、生エコーデータのダウンリンクには5分かかってもよく、地上局での画像への処理には5分かかってもよく、画像の分析には10分かかってもよく、結果データを地上ネットワーク経由で顧客のシステムに保存およびアップロードするさまざまなタスクが15分、合計35分かかってもよい。
【0021】
より一般的に、衛星106が第1利用可能地上局110の上空を通過するのを待っている間に、さらなる遅延が生じる。典型的な遅延は、衛星102が地上局110の直接リンク範囲内に入り、生データを地球106にダウンリンクできるようになるまでに、45分以上もかかってもよい。地球上での処理時間約30分と組み合わせると、ダウンリンクでの45分の遅延は、データが顧客に到着した時点ですでに75分前のものであることを意味する。
【0022】
これらのシナリオは、図1および図2に示されている。図1において、衛星102は地上局110への見通し線を有しており、位置108に関する生データを地上局110に送信してもよい。
【0023】
上述したように、エコーデータの取得直後にダウンリンクを提供できる地上局の上を衛星が通過することは珍しいことである。地上局への直接の見通し線がある軌道上の位置に到達するのに多少の遅れが生じる可能性が高くなる。このシナリオは図2に示されており、衛星は地上局までの見通し線を確保する前に地球の周りをある程度の距離移動する必要がある。
【0024】
データが取得されるとすぐに直接ダウンリンクを提供するために、地上局を建設することが経済的に正当化される場合があるが、これは一般的に固定位置が定期的に監視される場合にのみ実用的である。一般的に、これは実行可能な解決策ではなく、位置が変更されたり、新しい位置の画像が緊急に必要とされたりする場合は適していない。また、関心位置が海上である場合にも適されない可能性がある。さらに、衛星通信事業者は通常、衛星と通信するために既存の地上局の時間を「レンタル」する。言い換えれば、衛星通信事業者は必ずしも地上局の位置を制御するわけではなく、衛星からデータをダウンロードできる地上局の数に限界がある。
【0025】
ここで説明する方法の中には、地球観測データを地上に送信する目的で宇宙間リンクを用いる方法もある。宇宙間リンクを介してデータを送信する前に、衛星から地球上の地上局に所定のデータをダウンリンクするのに必要な時間を決定してもよい。所定のデータは、衛星によって取得された地球観測エコーデータの少なくとも一部を含んでもよい。あるいは、以下でさらに説明するように、衛星に搭載されたエコーデータの処理および分析から得られるデータ構造を含んでもよい。
【0026】
必要なダウンリンク時間には、衛星が地上局の見通し内に入るまでにかかる時間が含まれる。これは、GPSセンサ情報や地上局の位置など、衛星に搭載されている情報から判断できる。
【0027】
次の動作は、使用される空間間リンクに依存してもよい。例えば、より高い地球軌道を介してデータを送信する場合は、所定時間よりも速くなると仮定し、決定された時間がそれを超える場合に使用してもよい。あるいは、以下でさらに説明するように、衛星は、少なくとも1つの他の衛星の位置を知っていてもよいし、例えば、同じ星座内の衛星が位置情報を共有してもよいし、その場合、少なくとも1つの衛星に対して時間を決定し、時間が短い場合にこれを使用してもよい。なお、別の衛星の決定された時間は、複数の宇宙から宇宙への「ホップ」を可能にする可能性がある。
【0028】
従来、衛星では生データの処理がほとんどまたはまったく行われていない。衛星は主に信頼性と寿命を考慮して設計されている。その結果、パフォーマンスを犠牲にして、非常に堅牢なコンピューティング電子機器が提供されるようになった。したがって、衛星には生データを処理するための計算能力が備わっておらず、すべての処理は地上局で行われている。
【0029】
図3を参照すると、合成開口レーダ(SAR)衛星等の地球観測衛星300の例を別のアプローチで用いてもよい。本発明のいくつかの実施形態は、生データから得られる情報をユーザに配信することができる速度を向上させるために、1つまたは複数の宇宙間通信リンクの使用と組み合わせた衛星での生データの処理を使用する。
【0030】
衛星300は、図示するように、エコーデータを収集するように構成されたセンサ302と、エコーデータを処理して画像を生成し、画像を分析して関心のある部分を決定するように構成されたコンピューティングシステム304と、を含み、送信機306は、宇宙間リンクを利用して関心のある部分の位置を含むデータ構造を送信する。宇宙間リンクは、上記定義に従って解釈される2つの打ち上げ衛星間の通信リンクである。センサ302は、地球から反射されたエコーデータを収集するための1つまたは複数のレーダトランシーバまたは光トランシーバを含んでもよく、衛星300の2つの略平面構造308のうちの1つまたは両方に搭載または収容されてもよい。略平面構造308は、当該分野において「翼」と呼ばれるが、衛星300の翼308は、例えば航空機の翼と同じ空力性能の要求を持っていないことは理解される。コンピューティングシステム304は、エコーデータを処理し、画像分析を行うためのプロセッサと、プロセッサの指示を記憶するためのメモリとを含む。送信機306は、無線信号を用いて、電気通信衛星などの別の衛星または宇宙ステーションなどの別の宇宙船にデータ構造を送信するための無線送信機を含んでもよい。コンピューティングシステム304および送信機306は、翼308が延びる衛星本体310に搭載または収容されてもよい。別の例では、送信機306は、1つまたは複数の翼308に取り付けられるか、またはその中に収容されてもよい。
【0031】
したがって、いくつかの実施形態に係る衛星は、生データや画像処理から導出された情報を地上局に直接送信する代わりに、地上局への見通し線を有する可能性のある別の衛星に送信することができるか、あるいは、情報を地上局にダウンリンクしてもよい。別の衛星は、例えば、地球低軌道など、同じ軌道または類似軌道にあってもよい。あるいは、別の衛星はより高い地球軌道にあることもあります。イイリジウムやインマルサットなどの中軌道衛星電話群を介したデータリンク用の小型衛星用端末を含む衛星間の通信にシステムが利用可能である。ソフトウェア無線に使用されるハードウェアのタイプは、この目的に使用されてもよい。
【0032】
衛星300は、他の様々な構成要素を含んでもよい。例えば、1つまたは複数のソーラーパネルを、翼308および/または本体310のうちの1つまたは複数に搭載または収容して、他の構成要素に電源を供給してもおい。バッテリなどの少なくとも1つの蓄電装置を、翼308および/または本体310のうちの1つまたは複数に搭載または収容して、衛星が日照量の少ない条件でも動作できるようしてもよい。地上局と通信するための少なくとも1つのトランシーバは、翼308および/または本体310の1つまたは複数に搭載または収容されてもよく、および/または送信機306は、別の衛星および地上局と通信するように構成されたトランシーバの一部であってもよい。衛星300はまた、限定されないが、熱制御システム、衛星300が正しい方向を向くようにする姿勢制御システム、および推進システムなど、本明細書ではさらに説明しないシステムを含んでもよい。
【0033】
図4は、地球低軌道402上の衛星300を示す。衛星300は、地球上の位置404の画像を取得し、機内で画像を処理し、宇宙間リンク406を用いて、画像から導出されたデータを地球に提供するために使用されてもよい。
【0034】
衛星300のレーダまたは光センサ302によって収集された生エコーデータは、衛星300のコンピューティングシステム304を用いて衛星300の機内で処理される。コンピューティングシステム304は、生エコーデータを処理するための中央処理ユニット(CPU)および/またはフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)を適宜備えていてもよい。FPGAを使用すると、通常のCPUプロセッサよりも高速な処理が可能です。エコーデータは、センサ302が受信したエコー信号のタイミングを用いて地球とその表面の物体の輪郭をマッピングすることにより、位置404の画像を生成する。
【0035】
衛星300のレーダまたは光センサ302によって収集された生エコーデータは、衛星300のコンピューティングシステム304によって搭載され、受信されたエコー信号のタイミングを用いて決定された輪郭に基づいて位置404の画像を生成する。衛星のコンピューティングシステム304は、生エコーデータを処理するための中央処理ユニット(CPU)および/またはフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。
【0036】
次いで、画像を分析して、関心のある部分を決定してもよい。分析動作は、衛星300のコンピューティングシステム304によって衛星300上で実行され、監視用途にとって重要な、地表上で発生するさまざまな物体または変化を検出するために使用されてもよい。
【0037】
分析動作は、例えば、ニューラルネットワークによる物体検出アルゴリズム等の物体検出アルゴリズムを用いて地球表面の物体を検出することを含んでもよい。これは、例えば、船舶を検出および/または識別する必要がある船舶検出および/または追跡用途において有用である可能性がある。ニューラルネットワークが使用される場合、物体を予め定義されたクラスに分類するための分類器を適切に含んでもよい。例えば、分類器を用いて、船舶を予め定義されたタイプの船舶に分類してもよい。この場合、ニューラルネットワークは、コンピューティング集中型トレーニングプロセスにおいて地上でトレーニングされてもよいが、コンテキストデータは、衛星300にアップリンクされて、データセットを増強し、および/またはニューラルネットワークに追加の層を追加してもよい。この場合、アップロードされたデータを用いて、衛星上でさらなるトレーニングを行い、船舶の画像や船舶の歴史経路などのデータを含むようにしてもよい。この場合やその他の場合、検出アルゴリズムの閾値信頼レベルを選択して、いくつかの偽陽性が検出される可能性があるが、すべての真の関心のある物体が検出される可能性が高いことを確実にすることができる。物体検出の場合、画像の関心のある部分は、検出された物体の少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0038】
代替的にまたは追加的に、分析動作は、分析操作は、森林伐採または採掘活動から生じる変化などの変化、または物体の移動などの変化を検出するための変化検出アルゴリズムを使用することを含んでもよい。一例では、変化検出アルゴリズムは、画素数学を用いて変化を検出するように構成されてもよい。この変化は、おそらく同じ衛星300または異なる衛星によって、以前に撮像された同じ位置の別の画像を参照することによって検出されてもよく、いくつかの例では、地上局からアップロードされることによって衛星300に提供され、または別の衛星から送信されてもよい。代替的にまたは追加的に、この変化は、おそらく同じ衛星または別の衛星によって撮像された別のそのような画像から導出されたデータを参照することによって検出され、いくつかの例では、地上局または別の衛星からの送信によって提供されてもよい。変化検出の場合、画像の関心のある部分は、変化が生じた地球上の領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0039】
衛星300上の物体または変化の検出は、海岸線および川や湖などの他の水域を定義するための水マスク情報、農地と都市部の境界、国と私有地の境界、施設の位置、駐車場の境界などの土地利用分類情報などの他の情報を衛星300にアップロードすることによって容易にしてもよい。例えば、そのような情報は、ニューラルネットワークベースの物体検出の場合に、より多くのコンテキストを提供するために利用されてもよい。
【0040】
代替的にまたは追加的に、関心のある部分の特性、タイプ、またはアイデンティティは、衛星300に搭載されて実行されてもよい。例えば、物体検出の場合、衛星のコンピューティングシステム304は、船舶の大きさ、船舶のタイプなどの物体タイプ、船舶の固有のアイデンティティなどの物体アイデンティティなどの物体特性を検出するように構成されてもよい。この機能は、物体検出アルゴリズムによって適切に提供されてもよい。変化検出の場合、コンピューティングシステム304は、森林破壊率などの変化特性、または森林破壊や鉱山などの変化タイプを検出するように構成されてもよい。
【0041】
衛星のコンピューティングシステム304は、送信用のデータ構造を組み立てるように構成されてもよい。データ構造は、関心のある部分の位置、関心のある部分の特性、タイプまたはアイデンティティ、および関心のある部分の少なくとも一部を含む画像のスニペットのいずれかを含んでもよい。例えば、物体検出の場合、データ構造は、検出された物体の位置、検出された物体の特性、タイプ、またはアイデンティティ、および、関心物体の少なくとも一部を含む画像のスニペットのいずれかを含んでもよい。この場合、スニペットは、検出物体の直接の周囲を追加してもよい。変化検出の場合、データ構造は、検出された変化領域の位置、検出された変化の特性またはタイプ、および変化領域の少なくとも一部を含む画像のスニペットのいずれかを含んでもよい。関心のある部分の位置は、経度座標や緯度座標などの座標で記述されてもよい。画像において複数の関心のある部分が検出された場合、各関心のある部分に関する情報がデータ構造に含まれてもよい。
【0042】
関心のある部分を含むスニペットがデータ構造に含まれる場合があるが、画像の少なくとも大部分がデータ構造に含まれないことが理解される。結果として、データ構造は画像よりも大幅に小さくなる可能性があり、たとえば画像より1桁以上小さくてもよい。データ量の削減は無線送信に有用である。
【0043】
コンピューティングシステム304は、宇宙間リンクを介してレーダ送信用の衛星300の送信機306にデータ構造を提供する。データ構造は、別の地球観測衛星などの別の低軌道衛星、または他の適切な衛星、たとえば地球の中軌道にある電気通信ネットワークの通信衛星に送信してもよい。図4の例では、送信機306は、地球への送信のために、宇宙間リンク406を用いて、地球の中軌道上の通信衛星408にデータ構造を送信する。通信衛星408は、直接ダウンリンク410を介してデータ構造を地球上の地上局412に送信する。別の例では、衛星300から地球への通信チャネルは、2つ以上の宇宙間リンクを含んでもよい。
【0044】
宇宙間通信は、衛星300がデータ構造を送信する準備ができているが、地上局404の直接リンク地平線内にない場合に有用である。従来、宇宙間のデータリンクは、合理的な時間枠で画像データのダウンリンクをサポートするには遅すぎない。しかし、いくつかの例に係るデータ構造においてデータ量を減らすことにより、データ量を1桁以上減らすことができるため、宇宙間伝送を可能にすることができる。例えば、データ構造は、画像より3桁小さいものであってもよい。衛星300が地上局の直接リンク範囲内にない場合、宇宙間通信により、縮小サイズのデータ構造を直ちに、または許容可能な配信時間を可能にする速度でより早く地球にダウンリンクしてもよい。例えば、データ構造が画像より3桁小さい場合、約10秒で宇宙通信を利用して地球へのダウンリンクが可能となる。この場合、検出された物体の位置やタイプなどのデータ構造に含まれる情報を、遅滞なく地球およびエンドユーザに配信してもよい。対照的に、宇宙間通信用いて画像を地球にダウンリンクするのに約2時間かかる可能性がある。
【0045】
地球上の位置の画像を取得するように衛星300に命令するタスクは、空間間リンクを使用して、例えば電気通信ネットワークの1つまたは複数の衛星を使用して実行してもよい。コマンドに必要なデータはほとんどないため、これは非常に妥当な時間内で達成できる。撮像衛星300にタスクを与えることとデータ構造をダウンリンクすることの両方に空間間通信を使用することにより、撮像衛星の地上局への直接アクセスからイベントの完全な連鎖を独立させてもよい。その結果、撮像衛星300と地上局との直接リンクに依存する従来の方法と比較して、エンドユーザからの情報要求を受信してデータ構造内の情報をエンドユーザに配信するまでの遅延が大幅に低減される。
【0046】
データ構造内で送信されなかった残りの画像データは、衛星300が地上局の直接リンクの範囲内にある場合、従来の直接リンクを使用して地球にダウンリンクすることができる。これは、さらなる分析のために画像アーカイブを構築する場合、たとえば物体検出や変更検出アルゴリズムのコンテキストを提供する場合に役立つ場合がある。
【0047】
エンドユーザから情報の要求を受信してから、データ構造内の情報をエンドユーザに配信するまでの遅延は、軌道上に複数の撮像衛星300を設けることによってさらに短縮することができ、それによって、いつでも、利用可能な撮像衛星300が撮像すべき位置の上空を通過するまでに長い待ち時間はかからない。この場合、エンドユーザからの要求は、最小限の遅延で位置を画像化するために衛星300のうちの適切な1つに割り当てられてもよい。複数の衛星300を使用するこのような構成は、遅延を一貫して低く保つのに役立つ。
【0048】
図5を参照して、衛星は、地球観測データを提供する方法500を実行してもよい。方法500は、地球観測エコーデータを取得するステップ502と、地球観測エコーデータを処理して画像を生成するステップ504とを含む。方法500は、さらに、画像を分析して関心のある部分を決定するステップ506と、空間間リンクを利用して関心のある部分の位置を含むデータ構造を送信するステップ508とを含む。宇宙間のリンクは、地球への通信チャネルの一部を形成する。
【0049】
衛星は、地上局に情報を通信するために宇宙間リンクを使用するかどうかを決定するために一連の動作を実行してもよい。これは、地上局への任意のデータの通信に使用することができ、ここで他に記載されたデータ構造に限定されない。それにもかかわらず、そのような動作は、そのようなデータ構造の送信に特に有用である。
【0050】
一連の動作を図6に示す。動作601では、地球観測データが地球低軌道上の衛星によって取得される。そして、動作603では、現在の位置で衛星から地上局に所定のデータをダウンリンクするのに必要な時間である時間T1が決定される。所定のデータは、本明細書の他の場所で説明されるようなデータ構造を含んでもよく、または取得されたエコーデータの少なくとも一部を含んでもよい。動作603で決定される時間は、所定のデータの性質や量に依存してもよい。
【0051】
次に、任意の一連の動作において、605において、時間T1が所定の閾値を超えるかどうかの決定が行われる。もしそうであれば、この場合、所定のデータは、宇宙間無線通信を利用して他の衛星に自動的に送信される。この別の衛星は、データを取得している衛星にとって、T1よりも短い時間内にデータをダウンリンクする能力を有することが知られている衛星であってもよい。このような別の衛星の例としては、地球のより大きな面積に見通し線を有するため、地上局に見通し線を有する可能性が高い軌道上の衛星が挙げられる。
【0052】
時間T1は、例えば、別の衛星が、T1よりも短い時間で地球へのデータのダウンリンクを可能にするために適宜選択されてもよい。LEO星座の場合、しきい値は星座の知識に基づいて決定されるため、しきい値が適切に選択されていれば、より高速な地上への別のルートが必ず存在する。
【0053】
T1が閾値を超えない場合、例えば、エコーデータを取得した衛星が地上局への見通し線を有するとすぐに、動作600において、所定のデータが地上局に直接送信される。
【0054】
動作605および607の代替の一連の動作では、エコーデータを取得している衛星は、動作611で地球上の軌道上の別の衛星の現在位置に関するデータを受信し、所定のデータを衛星にダウンリンクするのに必要な時間T2を決定し、他の衛星の現在位置で他の衛星を経由して地上局に送信するダウンリンクは、他の衛星から直接送信される場合もあれば、第3衛星を経由する場合もある。言い換えれば、地上局へのデータのダウンリンクに使用される可能性のある宇宙間の「ホップ」の数に制限はない。動作615では、T2がT1未満であるか否かが決定される。もしそうであれば、データは宇宙間無線通信を用いて別の衛星に送信される。それ以外の場合は、プロセスは動作609に進む。この一連の動作では、データを地球にダウンロードするためのしきい値時間を使用しないため、データのより高速なダウンリンクが可能になる可能性がある。
【0055】
地上局から所定のデータを送信する決定を行う前に、他の複数の衛星や複数の宇宙間リンクの組み合わせについて動作611、613、615を繰り返してもよい。例えば、動作611、613、615は、地球観測データを取得した衛星が、そこからデータを受信するように構成された、または受信可能な地上局への見通し線を有する位置まで移動するまで、このように繰り返されてもよい。
【0056】
したがって、いくつかの実装形態では、エコーデータを取得した衛星は、地球低軌道上の他の複数の衛星の現在位置に関するデータを受信し、宇宙間リンクを介してデータを送信する衛星を選択してもよい。選択は現在位置に基づいてもよいし、複数の衛星のダウンリンク時間を決定して最も速いものを選択してもよい。
【0057】
ここで説明する方法のいずれかは、エコーデータを取得した衛星が別の衛星に見通し線を有するか、および/または、それが見通し線を有する別の衛星と通信するように構成されているかを判定する追加のステップを含んでいてもよい。
【0058】
図7を参照すると、衛星は、方法500を実行するハードウェア600を含んでもよい。ハードウェア600は、通信モジュール602と、受信機等の入力デバイス604と、送信機等の出力デバイス606と、プロセッサ608と、メモリ610とを備える。メモリ610は、プロセッサ608によって実行されると、衛星に方法500を実行させるコード符号化命令を記憶してもよい。
【0059】
上記の実施形態では、サーバは、単一サーバまたはサーバネットワークを含んでもよい。いくつかの例では、サーバの機能は、地理的エリアに分散されたサーバネットワーク、例えばグローバルに分散されたサーバネットワークによって提供されることができ、ユーザは、ユーザの位置に基づいて、サーバネットワークのうちの適切な1つに接続することができる。
【0060】
明確にするために、上記の説明では、単一のユーザを参照して本発明の実施形態を説明した。実際には、システムは、複数のユーザによって共有されてもよく、また、多くのユーザによって同時に共有されてもよいことが理解されるべきである。
【0061】
上記実施形態は、全自動である。いくつかの例では、システムのユーザまたはオペレータは、実行すべき方法のいくつかのステップを手動で指示することができる。
【0062】
本発明に記載された実施形態では、システムは、任意の形態のコンピューティングおよび/または電子デバイスとして実装されてもよい。そのようなデバイスは、マイクロプロセッサ、コントローラ、またはルーティング情報を収集および記録するためにデバイスの演算を制御するコンピュータ実装可能命令を処理する任意の他の適切なタイプのプロセッサとしてもよい1つ以上のプロセッサを含んでもよい。いくつかの例では、例えばシステムオンチップアーキテクチャを使用する場合、プロセッサは、(ソフトウェアまたはファームウェアではなく)ハードウェアで方法の一部を実装する1つまたは複数の固定機能ブロック(アクセラレータとも呼ばれる)を含んでもよい。オペレーティングシステムまたは任意の他の適切なプラットフォームソフトウェアを含むプラットフォームソフトウェアは、用途ソフトウェアがデバイス上で実行されることを可能にするために、コンピューティングベースのデバイスにおいて提供され得る。
【0063】
本明細書に記載された様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、これらの機能は、1つ以上の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され、またはコンピュータ可読媒体上で伝送されてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような情報を記憶するために、任意の方法または技術で実装される揮発性または不揮発性、取り外し可能または取り外し不可能な媒体を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な記憶媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の記憶デバイス、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイスまたは他の磁気記憶デバイス、または所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形式で搬送または記憶するために使用され、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含んでもよい。ここで使用される光ディスクおよびディスクには、光ディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスク(BD)が含まれる。また、伝播された信号は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の範囲内には含まれない。コンピュータ可読媒体はまた、ある位置から別の位置へのコンピュータプログラムの送信を容易にする任意の媒体を含む通信媒体を含む。接続は、例えば、通信媒体であってもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を用いてウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから送信される場合、通信媒体の定義に含まれる。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0064】
代替的にまたは追加的に、本明細書で説明される機能は、少なくとも部分的に1つまたは複数のハードウェア論理コンポーネントによって実行され得る。例えば、限定されるわけではないが、使用可能なハードウェア論理コンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、用途特定用途向け集積回路(ASICs)、用途特定用途向け標準製品(ASSPs)、システムオンチップ(SOC)、複雑プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などを含んでもよい。複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などを含むことができる。
【0065】
図示は単一のシステムであるが、コンピューティングデバイスは分散システムであり得ることを理解されたい。これにより、例えば、いくつかのデバイスは、ネットワーク接続を介して通信することができ、コンピューティングデバイスによって実行されるものとして説明されているタスクを共同で実行することができる。
【0066】
図示はローカルデバイスであるが、コンピューティングデバイスは、ネットワークまたは他の通信リンクを介して(例えば、通信インターフェースを用いて)遠隔地に配置され、アクセスされてもよいことを理解されたい。
【0067】
用語「コンピュータ」は、ここでは、命令の実行を可能にするための処理能力を有する任意のデバイスを指す。当業者であれば、このような処理能力は、多くの異なるデバイスに組み込まれ、したがって、「コンピュータ」という用語は、PC、サーバ、携帯電話、携帯情報端末、および多くの他のデバイスを含むことを認識するであろう。
【0068】
当業者は、プログラム命令を記憶する記憶デバイスがネットワーク上に分散されていてもよいことを認識するであろう。例えば、遠隔コンピュータは、ソフトウェアとして記述されたプロセスの例を記憶してもよい。ローカルコンピュータまたは端末コンピュータは、リモートコンピュータにアクセスし、ソフトウェアの一部または全部をダウンロードしてプログラムを実行することができる。
代替的に、ローカルコンピュータは、必要に応じてソフトウェア断片をダウンロードしてもよく、またはローカル端末でいくつかのソフトウェア命令を実行してもよく、リモートコンピュータ(またはコンピュータネットワーク)でいくつかのソフトウェア命令を実行してもよい。当業者はまた、当業者に知られている従来技術を利用することによって、ソフトウェア命令のすべてまたは一部が、DSP、プログラマブルロジックアレイなどの専用回路によって実行されてもよいことを認識するであろう。
【0069】
上記の利点および利点は、1つの実施形態に関連してもよく、またはいくつかの実施形態に関連してもよいことが理解されるべきである。複数の実施形態は、言及された問題のいずれかまたは全てを解決するもの、または言及された利点と長所を有するものに限定されるものではない。
【0070】
「1つの」項目への参照は、それらの項目の1つまたは複数を意味する。用語「含む」は、識別された方法ステップまたは要素を含むことを意味するためにここで使用されるが、これらのステップまたは要素は排他的リストを含まず、方法またはデバイスは追加のステップまたは要素を含んでもよい。
【0071】
本明細書で使用されるように、用語「コンポーネント」および「システム」は、プロセッサによって実行されると特定の機能を実行させるコンピュータ実行可能命令で構成されたコンピュータ可読データストアを含むことを意図している。コンピュータ実装可能命令は、ルーチン、関数などを含んでもよい。また、コンポーネントまたはシステムは、単一のデバイス上に配置されてもよく、または複数のデバイス上に分散されてもよいことが理解されるべきである。
【0072】
さらに、本明細書で使用されるように、用語「例示的な」は、「何かの例示または例として」を意味することを意図している。
【0073】
さらに、「包含」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲内で使用される程度については、「包含」という用語が特許請求の範囲内で過渡的な用語として解釈されるので、この用語は、「包含」という用語と同様の包含性を有することを意図している。
【0074】
添付の図は、例示的な方法を示す。方法は、特定の順序で実行される一連の演算として示され、説明されているが、方法は順序によって制限されないことを理解し、理解されるべきである。例えば、いくつかの演算は、本明細書に記載されたものとは異なる順序で発生することができる。また、ある行動は、別の行動と同時に発生することができる。さらに、場合によっては、本明細書に記載された方法を実装するためにすべての演算が必要とされないこともある。
【0075】
さらに、本明細書に記載の演算は、1つまたは複数のプロセッサによって実装され、および/または1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に記憶され得るコンピュータ実行可能命令を含んでもよい。コンピュータ実装可能命令は、ルーチン、サブルーチン、プログラム、実行スレッドなどを含んでもよい。さらに、これらの方法の演算の結果は、コンピュータ可読媒体中に記憶され、ディスプレイデバイス上に表示され、および/または同様のデバイス上に表示され得る。
【0076】
本明細書に記載の方法のステップの順序は例示的であるが、これらのステップは任意の適切な順序で実行されてもよいし、適切な場合には同時に実行されてもよい。さらに、ステップは、本明細書に記載された主題の範囲から逸脱することなく、任意の方法に追加または置換されてもよく、または単一のステップは任意の方法から削除されてもよい。上記のいずれかの実施形態の態様は、求められた効果を失うことなく、さらなる実施形態を形成するために、説明された他のいずれかの実施形態の態様と組み合わされてもよい。
【0077】
上記の好ましい実施形態の説明は、例としてのみ示されており、当業者が様々な修正を加えることができることを理解されたい。上記した内容は、1つまたは複数の実施形態の一例を含む。もちろん、上記の態様を説明する目的のために、上記のデバイスまたは方法のそれぞれの考えられる修正および変更を説明することは不可能であるが、当業者は、様々な態様の多くのさらなる修正および配置が可能であることを認識する。したがって、記載された態様は、添付の特許請求の範囲に含まれるすべてのそのような変更、修正、および変形を包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】