(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】イソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 261/04 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
C07D261/04 CSP
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532914
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2022083993
(87)【国際公開番号】W WO2023099641
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アントン・リスチンスキー
(72)【発明者】
【氏名】フランク・メメル
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジェームズ・フォード
(72)【発明者】
【氏名】ワヒード・アハメド・モラディ
(57)【要約】
本発明は、式(I)
のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体を調製するための新規な方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
式中、
X
2は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、またはCNであり、
X
3は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、塩素、またはCNであり、
X
4は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、またはCNであり、
X
5は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、塩素、またはCNであり、
X
6は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、またはCNであり、
R
1は、分岐鎖C
3~C
8アルキル、n-C
3~C
8アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、非置換ベンジル、非置換フェニル、またはモノもしくはジC
1~C
3アルキル置換ベンジルもしくはフェニルであり、
R
2は、HまたはC
1~C
3アルキルであり、
一般式(II)
【化2】
(式中、R
1およびX
2~X
6は、上記の意味を有し、
R
3は、C
1~C
4アルキルであり、
R
4は、C
1~C
4アルキル、非置換フェニル、またはモノもしくはジC
1~C
3アルキル置換フェニルである)
の化合物が、
塩基の存在下で100~240℃の温度に加熱されることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記塩基が、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、2-メチル-5-エチルピリジン、ピリジン、3,5-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、またはアルコキシ塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、もしくはナトリウムイソプロポキシドから、特にトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、またはN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
120℃~200℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記式(II)
【化3】
の化合物を、塩基の存在下で
式(IV)
【化4】
(式中、R
1、R
3、R
4、およびX
2~X
6は、請求項1に示す意味を有する)の化合物と
R
4SO
2Clまたは(R
4SO
2)
2O(式中、R
4は、請求項1に示す意味を有する)との反応によって調製するステップ(ステップ0-2)
をさらに含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ0-2が0~50℃の温度で行われることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ0-2における前記塩基が、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、2-メチル-5-エチルピリジン、ピリジン、3,5-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、またはN,N-ジブチルホルムアミドから、特にトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、またはN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンから選択されることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
式(IV)の化合物を、式(III)
【化5】
(式中、
R
3およびX
2~X
6は、請求項1に示す定義を有し、
R
xは、HまたはC
1~C
3n-アルキルであり、ここで、R
1がn-プロピルである場合、R
xはn-プロピルではない)の化合物と
式R
1-OH(式中、R
1は、請求項1に示す定義を有する)の化合物との反応によって調製するステップ(ステップ0-1)
をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記式(I)
【化6】
(式中、R
1、R
2、およびX
2~X
6は、請求項1に示す定義を有する)の化合物を、塩基または酸の存在下で反応させて
式(V)
【化7】
(式中、R
2およびX
2~X
6は、請求項1に示す定義を有する)の化合物を得るステップ(ステップ2)
をさらに含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ2における前記塩基が、無機塩基、特にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物から選択される無機塩基であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
X
2が、Hであり、
X
3が、Hまたはフッ素であり、
X
4が、Hまたはフッ素であり、
X
5が、Hまたはフッ素であり、
X
6が、Hである
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
R
1が、イソプロピル、n-プロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、1-ペンチル、ベンジル、またはtert-ブチルである
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
R
4が、C
1~C
4アルキルまたはp-トリル、特にメチルである
ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
式(I)
【化8】
の化合物であって、
式中、R
1、R
2、およびX
2~X
6が、請求項1、10、および11に示す定義を有する、
化合物。
【請求項14】
式(II)
【化9】
の化合物であって、
式中、R
1、R
3、R
4、およびX
2~X
6が、請求項1および10~12に示す定義を有する、
化合物。
【請求項15】
式(IV)
【化10】
の化合物であって、
式中、R
1、R
3、およびX
2~X
6が、請求項1、10、および11に示す定義を有する、
化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体を調製するための新規な方法、式(I)のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体、ならびにこの方法で生じる式(II)および(IV)の中間体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(I)のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体は、活性農薬成分の重要な前駆体である(国際公開第2018/228985号参照)。
【0003】
国際公開第2018/228985号は、一般式(I)のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体の調製方法をすでに記載している。しかしながら、この文献に記載されている方法は、工業規模では入手できない反応物、例えばトリフルオロメタンスルホン酸無水物または塩基であるジアザビシクロウンデセン(DBU)を使用するため、工業規模での合成には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、工業規模での合成に適しており、それでもなお高い収率を有し、その結果、面倒な精製方法を省くことができる、一般式(I)のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体の調製方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に従って、以下の方法によって達成された。すなわち、一般式(I)
【化1】
のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
式中、
X
2は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、またはCNであり、
X
3は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、塩素、またはCNであり、
X
4は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、またはCNであり、
X
5は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、塩素、またはCNであり、
X
6は、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4フルオロアルキル、C
1~C
4フルオロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシ、フッ素、またはCNであり、
R
1は、分岐鎖C
3~C
8アルキル、n-C
3~C
8アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、非置換ベンジル、非置換フェニル、またはモノもしくはジC
1~C
3アルキル置換ベンジルもしくはフェニルであり、
R
2は、HまたはC
1~C
3アルキルであり、
一般式(II)
【化2】
(式中、R
1およびX
2~X
6は、上記の意味を有し、
R
3は、C
1~C
4アルキルであり、
R
4は、C
1~C
4アルキル、非置換フェニル、またはモノもしくはジC
1~C
3アルキル置換フェニルである)
の化合物が、
塩基の存在下で100~240℃の温度に加熱されること(ステップ1)を特徴とする、
方法である。
【0007】
本発明による方法により、式(I)の化合物が高収率、好ましくは75%超の収率で得られる。その上、工業規模で入手できない化合物を使用する必要はない。
【0008】
先行技術に記載の-SO2CF3基以外の脱離基を式(II)の化合物に使用する場合、ビニル基を得るために脱離を行うと、副成分が形成される結果として得られる収率が低くなる。驚くべきことに、特に可変の置換基R1を適切に選択することにより、フッ素化されていない脱離基、例えば-SO2CH3を使用する場合であっても、本発明による方法の収率を明確に増加させることが可能であり、望ましくない副成分の形成を減少させることが可能であることが見出された。
【0009】
本発明の特定の構成では、本発明による方法は、式(II)
【化3】
の化合物を、塩基の存在下で
式(IV)
【化4】
(式中、R
1、R
3、R
4、およびX
2~X
6は、上記の意味を有する)の化合物と
R
4SO
2Clまたは(R
4SO
2)
2O(式中、R
4は、上記の意味を有する)との反応によって調製するステップ(ステップ0-2)
をさらに含む。
【0010】
本発明のさらなる特定の構成では、本発明による方法は、式(IV)の化合物を、式(III)
【化5】
(式中、
R
3およびX
2~X
6は、上記の意味を有し、
R
xは、HまたはC
1~C
3n-アルキルであり、ここで、R
1がn-プロピルである場合、R
xはn-プロピルではない)の化合物と
式R
1-OH(式中、R
1は、上記の定義を有する)の化合物との反応によって調製するステップ(ステップ0-1)
をさらに含む。
【0011】
本発明の特に好ましい構成では、式(I)
【化6】
(式中、R
1、R
2、およびX
2~X
6は、上記の定義を有する)の化合物はまた、塩基の存在下で加水分解され、次いで、酸の存在下でプロトン化されるか、または代替的に酸の存在下で加水分解されて、式(V)
【化7】
(式中、R
2およびX
2~X
6は、上記の意味を有する)の化合物を得る(ステップ2)。
【0012】
本発明はさらに、式(I)
【化8】
の化合物であって、
式中、R
1、R
2、およびX
2~X
6が、上記の定義を有する、化合物を提供する。
【0013】
ここで特に好ましいのは、化合物イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートである。
【0014】
本発明はさらに、式(II)
【化9】
の化合物であって、
式中、R
1、R
3、R
4、およびX
2~X
6が、上記の意味を有する、化合物を提供する。
【0015】
ここで特に好ましいのは、化合物イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートである。
【0016】
本発明はさらに、式(IV)
【化10】
の化合物であって、
式中、R
1、R
3、およびX
2~X
6が、上記の定義を有する、化合物を提供する。
【0017】
ここで特に好ましいのは、化合物イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートである。
【0018】
以下に記載される好ましい実施形態は、適切な場合、本明細書に記載されるすべての式について言及する。
【0019】
X2~X6についての好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、メトキシ、またはCNであり、
X3は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X4は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、メトキシ、またはCNであり、
X5は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X6は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、メトキシ、またはCNである。
【0020】
X2~X6についての特に好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、Hであり、
X3は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X4は、フッ素、Hであり、
X5は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X6は、Hである。
【0021】
X2~X6についての非常に特に好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、Hであり、
X3は、Hまたはフッ素であり、
X4は、Hまたはフッ素であり、
X5は、Hまたはフッ素であり、
X6は、Hである。
【0022】
X2~X6についての最も好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、Hであり、
X3は、フッ素であり、
X4は、Hであり、
X5は、フッ素であり、
X6は、Hである。
【0023】
本発明のさらなる構成に関しては、以下の通りである。
R1は、好ましくはイソプロピル、n-プロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、1-ペンチル、ベンジル、またはtert-ブチルであり、より好ましくはイソプロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、または1-ペンチルであり、さらにより好ましくはイソプロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチルであり、最も好ましくはイソプロピルまたは2-メチル-1-プロピルである。
R2は、好ましくはH、メチル、またはエチルであり、より好ましくはHまたはメチルであり、さらにより好ましくはHである。
R3は、好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、またはn-プロピルであり、より好ましくはメチルまたはエチルであり、さらにより好ましくはメチルである。
R4は、好ましくはC1~C4アルキルまたはp-トリルであり、より好ましくはC1~C2アルキルまたはp-トリルであり、さらにより好ましくはメチルまたはp-トリルであり、最も好ましくはメチルである。
【0024】
他の好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
R1は、イソプロピル、n-プロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、1-ペンチル、ベンジル、またはtert-ブチルであり、
R2は、H、メチル、またはエチルであり、
R3は、メチル、エチル、イソプロピル、またはn-プロピルであり、
R4は、C1~C4アルキルまたはp-トリルであり、
Rxは、H、メチル、エチル、またはn-プロピルであり、ここで、R1がn-プロピルである場合、Rxはn-プロピルではない。
【0025】
他の特に好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
R1は、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、または1-ペンチルであり、
R2は、H、メチル、またはエチルであり、
R3は、メチル、エチル、イソプロピル、またはn-プロピルであり、
R4は、C1~C2アルキルまたはp-トリルであり、
Rxは、H、メチル、エチル、またはn-プロピルである。
【0026】
他の非常に特に好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
R1は、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチルであり、
R2は、Hまたはメチルであり、
R3は、メチルまたはエチルであり、
R4は、メチルまたはp-トリルであり、
Rxは、H、メチル、またはエチルである。
【0027】
他の最も好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
R1は、イソプロピルまたは2-メチル-1-プロピルであり、
R2は、Hであり、
R3は、メチルであり、
R4は、メチルであり、
Rxは、Hまたはメチルである。
【0028】
他の好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、メトキシ、またはCNであり、
X3は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X4は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、メトキシ、またはCNであり、
X5は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X6は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素、メトキシ、またはCNであり、
R1は、イソプロピル、n-プロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、1-ペンチル、ベンジル、またはtert-ブチルであり、
R2は、H、メチル、またはエチルであり、
R3は、メチル、エチル、イソプロピル、またはn-プロピルであり、
R4は、C1~C4アルキルまたはp-トリルであり、
Rxは、H、メチル、エチル、またはn-プロピルであり、ここで、R1がn-プロピルである場合、Rxはn-プロピルではない。
【0029】
他の特に好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、Hであり、
X3は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X4は、フッ素、Hであり、
X5は、H、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、またはCNであり、
X6は、Hであり、
R1は、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチル、1-ブチル、または1-ペンチルであり、
R2は、H、メチル、またはエチルであり、
R3は、メチル、エチル、イソプロピル、またはn-プロピルであり、
R4は、C1~C2アルキルまたはp-トリルであり、
Rxは、H、メチル、エチル、またはn-プロピルである。
【0030】
他の非常に特に好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、Hであり、
X3は、Hまたはフッ素であり、
X4は、Hまたはフッ素であり、
X5は、Hまたはフッ素であり、
X6は、Hであり、
R1は、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、1-メチル-1-プロピル、シクロヘキシル、3-メチル-1-ブチルであり、
R2は、Hまたはメチルであり、
R3は、メチルまたはエチルであり、
R4は、メチルまたはp-トリルであり、
Rxは、H、メチル、またはエチルである。
【0031】
他の最も好ましいラジカルの定義は、以下の通りである:
X2は、Hであり、
X3は、フッ素であり、
X4は、Hであり、
X5は、フッ素であり、
X6は、Hであり、
R1は、イソプロピルまたは2-メチル-1-プロピルであり、
R2は、Hであり、
R3は、メチルであり、
R4は、メチルであり、
Rxは、Hまたはメチルである。
【0032】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、および(V)の化合物は、異性体混合物の形態を取り得る。
(Ia)-(Ib)間、(IIa)-(IIb)間、(IIIa)-(IIIb)間、(IVa)-(IVb)間、および(Va)-(Vb)間の異性体比は異なる。一般に、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(IVa)、または(Va)が過剰に存在する。
【化11】
【化12】
【0033】
本明細書で使用される用語は、当業者に知られている。そうでない場合、以下の定義が使用される。
【0034】
C-C二重結合
【化13】
は、各ラジカルのシスまたはトランス配置を表す。これは、例えば、式(A)
【化14】
の化合物が以下の配置
【化15】
を意味するものと理解される。
【0035】
本発明との関連において、他の箇所で異なる定義がなされない限り、本発明による「アルキル」という用語は、単独で、または別の用語、例えばハロアルキルと組み合わせて、分岐鎖(アルキル鎖中に少なくとも1つの第2級または第3級または第4級炭素原子を含有するイソアルキル)または非分岐鎖(n-アルキル)であり得る飽和脂肪族炭化水素基のラジカルを意味するものと理解される。
【0036】
「アルコキシ」という用語は、単独で、または別の用語、例えばハロアルコキシと組み合わせて、この場合、O-アルキルラジカルを意味するものと理解され、ここで、「アルキル」という用語は先に定義した通りである。
【0037】
本発明によれば、他の箇所で異なる定義がなされない限り、「シクロアルキル」という用語は、単独で、または別の用語と組み合わせて、C3~C8シクロアルキルラジカル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを意味するものと理解される。
【0038】
ハロゲン置換ラジカル、例えばフルオロアルキルは、可能な置換基の最大数までモノまたはポリハロゲン化されている。
【0039】
上記で大まかに、または好ましい範囲で指定された範囲は、本方法全体に対応して適用される。これらの定義は、所望により、すなわち、それぞれの好ましい範囲間の組み合わせを含めて、互いに組み合わせることができる。
【0040】
本発明によれば、好ましいものとして上記で指定した意味および範囲の組み合わせが含まれる方法を使用することが好ましい。
【0041】
本発明によれば、特に好ましいものとして上記で指定した意味および範囲の組み合わせが含まれる方法を使用することが特に好ましい。
【0042】
本発明によれば、非常に特に好ましいものとして上記で指定した意味および範囲の組み合わせが含まれる方法を使用することが非常に特に好ましい。
【0043】
本発明によれば、最も好ましいものとして上記で指定した意味および範囲の組み合わせが含まれる方法を使用することが最も好ましい。
【0044】
方法および中間体の説明
ステップ0-1
本発明による方法は、式(IV)
【化16】
(式中、R
3、R
1、およびX
2~X
6は、上記の定義を有する)の化合物が、
式(III)
【化17】
(式中、R
3、R
x、およびX
2~X
6は、上記の定義を有する)の化合物を
式R
1-OH(式中、R
1は、上記の定義を有する)の化合物と反応させることによって調製されるステップ0-1を含み得る。
【0045】
スキーム1
【化18】
式(III)の化合物の調製は、例えば国際公開第2018/228985号に記載されている。
【0046】
化合物(IV)を得るための化合物(III)と式R1-OHのアルコールとのエステル交換またはエステル化は、例えば、使用される式(III)の化合物の総モル量に対して1.0~1.3当量の塩化チオニルまたは触媒量の硫酸の存在下で、0~80℃で(標準圧力で)1.5~3時間行うことができる。ここでは、式R1-OHの化合物を反応物兼溶媒として、例えば10当量の明確な過剰量で使用することが好ましい。
【0047】
化合物(IV)を得るための化合物(III)と式R1-OHのアルコールとのエステル交換またはエステル化は、一般に、このような反応について先行技術において公知の任意の条件下で行うことができる。
【0048】
式(IV)の化合物は、当業者に一般的に知られている適切な後処理ステップによって単離し、さらに特徴付け、その後、ステップ0-2で使用することができる。
【0049】
ステップ0-2
本発明による方法は、式(II)
【化19】
(式中、R
1、R
3、R
4、およびX
2~X
6は、上記の意味を有する)
の化合物が、塩基の存在下で
式(IV)
【化20】
(式中、R
1、R
3、およびX
2~X
6は、上記の定義を有する)の化合物と
R
4SO
2Clまたは(R
4SO
2)
2O(式中、R
4は、上記の意味を有する)との反応によって調製されるステップ0-2を含み得る。
【0050】
スキーム2
【化21】
好ましくは、本発明によれば、適切な塩基は、無水有機塩基、特にトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、2-メチル-5-エチルピリジン、ピリジン、3,5-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、またはN,N-ジブチルホルムアミドから選択される。ここでは、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、またはN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンが特に好ましい。
【0051】
本発明によれば、適切な塩基はまた、無水有機塩基ほど好ましくはないが、有機塩基と無機塩基との無水混合物、例えば、上記の有機塩基と炭酸塩(例えば、(NH4)2CO3、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3)との混合物である。
【0052】
塩基は、ここでは、使用される式(IV)の化合物の総モル量に対して、好ましくは1.0~5.0当量、より好ましくは1.05~3.0当量、最も好ましくは1.1~2.5当量の量で使用される。
【0053】
本発明によれば、式(IV)の化合物をR4SO2Clまたは(R4SO2)2Oと反応させるが、式中、R4は、上記の定義を有する。R4は、ここでは、好ましくはC1~C4アルキルまたはp-トリルであり、より好ましくはC1~C2アルキルまたはp-トリルであり、さらにより好ましくはメチルまたはp-トリルであり、最も好ましくはメチルである。特に好ましい構成では、メタンスルホニルクロリドがステップ0-2で使用される。
【0054】
R4SO2Clまたは(R4SO2)2Oは、ここでは、使用される式(IV)の化合物の総モル量に対して、好ましくは1.0~5.0当量、より好ましくは1.05~3.0当量、最も好ましくは1.1~2.5当量の量で使用される。
【0055】
ステップ0-2は、好ましくは0℃~50℃の範囲、より好ましくは15℃~40℃の範囲、最も好ましくは10℃~35℃の範囲の周囲温度で行われる。R4SO2Clまたは(R4SO2)2Oの添加時の温度を遵守するために冷却が必要な場合がある。
【0056】
反応は、好ましくは、標準圧力(1013hPa)の領域、例えば300hPa~5000hPaまたは500hPa~2000hPaの範囲、好ましくは1013hPa±200hPaの範囲で行われる。場合によっては、反応は、代替的に高圧下または減圧下で行われ得る。
【0057】
ステップ0-2の反応時間は、好ましくは0.5時間~10時間、より好ましくは0.75時間~5時間、最も好ましくは1時間~4時間の範囲内である。
【0058】
反応後、アルコール、例えば2-プロパノールの添加によって、過剰のR4SO2Clまたは(R4SO2)2Oがあれば除去することが可能である。
【0059】
式(II)の化合物は、当業者に一般的に知られている適切な後処理ステップ、例えば抽出および場合によっては蒸留によって単離し、さらに特徴付け、その後、ステップ1で使用することができる。
【0060】
反応は、溶媒中で、または無溶媒で行われ得る。ここで適切な溶媒は、特に、すべての標準的な非プロトン性溶媒、例えばキシレン、トルエン、クロロベンゼン、アニソール、または塩基として上述したアミンである。溶媒は、単独で使用されるか、または混合して使用され得る。
【0061】
ステップ1
本発明による方法は、式(I)
【化22】
(式中、R
1、R
2、およびX
2~X
6は、上記の定義を有する)
のイソオキサゾリン-5,5-ビニルカルボン酸誘導体を、
一般式(II)
【化23】
(式中、R
1、R
3、R
4、およびX
2~X
6は、上記の意味を有する)
の化合物を塩基の存在下で100~240℃の温度に加熱することによって調製することを含む。
【0062】
スキーム3
【化24】
好ましくは、本発明によれば、適切な塩基は、無水有機塩基、特にトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、2-メチル-5-エチルピリジン、ピリジン、3,5-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、またはアルコキシ塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、またはナトリウムイソプロポキシドから選択される。ここでは、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、またはN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンが特に好ましい。
【0063】
本発明によれば、適切な塩基はまた、無水有機塩基ほど好ましくはないが、有機塩基と無機塩基との無水混合物、例えば、上記の有機塩基と炭酸塩(例えば、(NH4)2CO3、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3)との混合物である。
【0064】
塩基は、ここでは、使用される式(II)の化合物の総モル量に対して、好ましくは1.0~10.0当量、より好ましくは2.5~5.5当量、最も好ましくは3.0~5.0当量の量で使用される。
【0065】
ステップ1は、好ましくは100℃~240℃の範囲、より好ましくは120℃~200℃の範囲、最も好ましくは140℃~180℃の範囲の温度で行われる。
【0066】
反応は、好ましくは、標準圧力(1013hPa)の領域または高圧下、例えば300hPa~30000hPa、より好ましくは500hPa~6000hPaの範囲で行われる。
【0067】
ステップ1の反応時間は、好ましくは2時間~60時間、より好ましくは3時間~55時間、最も好ましくは4時間~50時間の範囲内である。
【0068】
反応は、溶媒中で、または無溶媒で行われ得る。ここで適切な溶媒は、すべての標準的な非プロトン性溶媒およびプロトン性溶媒、例えばキシレン、トルエン、クロロベンゼン、アニソール、イソプロパノール、3-メチル-1-ブタノール、または塩基として上述したアミンである。溶媒は、単独で使用されるか、または混合して使用され得る。
【0069】
式(I)の化合物は、当業者に一般的に知られている適切な後処理ステップ、例えば抽出および場合によっては蒸留によって単離し、さらに特徴付け、その後、ステップ2で使用することができる。
【0070】
好ましくは、式(I)の化合物は、さらなる後処理を行わずにステップ2で加水分解され、その後で初めて単離され精製される。
【0071】
ステップ2
本発明による方法は、式(I)の化合物を、塩基の存在下で加水分解し、次いで、酸の存在下でプロトン化するか、または代替的に酸の存在下で加水分解して、式(V)
【化25】
(式中、R
2およびX
2~X
6は、上記の定義を有する)
の化合物を得ることをさらに含み得る。
【0072】
スキーム4:
【化26】
適切な塩基は、特に無機塩基、例えば炭酸塩(例えば、(NH
4)
2CO
3、Li
2CO
3、Na
2CO
3、K
2CO
3、CaCO
3、MgCO
3)、炭酸水素塩(例えば、NH
4HCO
3、LiHCO
3、NaHCO
3、KHCO
3)、または水酸化物(例えば、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)
2)である。ここでは、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物が特に好ましく、KOHまたはNaOHが最も好ましい。
【0073】
塩基は、好ましくは1~50重量%の濃度の水溶液、より好ましくは5~45重量%の濃度の水溶液、最も好ましくは5~35重量%の濃度の水溶液の形態で使用される。
【0074】
塩基との反応は、好ましくは0℃~90℃の範囲、より好ましくは10℃~80℃の範囲、最も好ましくは15℃~60℃の範囲の周囲温度で行われる。
【0075】
反応は、好ましくは、標準圧力(1013hPa)の領域、例えば300hPa~5000hPaまたは500hPa~2000hPaの範囲、好ましくは1013hPa±200hPaの範囲で行われる。
【0076】
加水分解の反応時間は、好ましくは0.5時間~10時間、より好ましくは0.75時間~5時間、最も好ましくは1時間~4時間の範囲内である。
【0077】
化合物(V)を得るための式(I)の化合物の加水分解は、一般に、このような反応について先行技術において公知の任意の条件下で行うことができる。
【0078】
式(I)の化合物は、当業者に一般的に知られている適切な後処理ステップ、例えば抽出および場合によっては蒸留によって単離し、さらに特徴付けることができる。
【0079】
一般に、ステップ1の後には、加水分解(ステップ2)ではなく、ステップ0-1と同様にR1位での式(I)の化合物のエステル交換も行われ得る。
【0080】
あるいは、ステップ2は、酸の存在下でも行われ得る。
【0081】
方法全体
有利な構成では、本発明による方法は、ステップ0-2および1、特に有利には0-2、1、および2、非常に特に有利には0-1、0-2、1、および2を含む。
【0082】
スキーム5
【化27】
スキーム5は、本発明による方法の概略的な全体図を、すべての任意のステップおよび必須のステップを含めて示す。ここで、反応条件および反応物は、上述の本発明の好ましい構成に従って選択される。式中のすべての可変の置換基は、上記のように定義される。
【0083】
式(IV)、(II)、および(I)の化合物は、それぞれの次の合成ステップで使用される前に単離され、場合により精製され得る。しかしながら、これらの化合物を単離および精製せずに直接次のステップで使用することも可能である。この場合、前段階からの溶媒および過剰な試薬は、これらの化合物が次の合成ステップで使用される前に標準的な方法によって除去される。
【0084】
本発明の好ましい構成では、ステップ0-2および1において同じ塩基が使用される。
【実施例】
【0085】
本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0086】
分析方法
生成物は、1H NMRおよび19F NMR分光法ならびに/またはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって特徴付けた。
【0087】
NMRスペクトルは、フロープローブヘッド(容量60μL)を取り付けたBruker Avance 400を用いて測定した。実施例のNMRデータを、慣用的な形態(δ値、多重項分裂、水素またはフッ素原子の数)で列挙する。
【0088】
溶媒およびNMRスペクトルを記録した周波数を、それぞれの場合に記録し記載する。
【0089】
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)は、以下のパラメータを用いてAgilent 1100 LCシステムで行った:カラム:100×4.6mm、ステンレス鋼;固定相:Daicel、Chiracel OZ-3;移動相:ヘプタン/エタノール90/10(v/v)、アイソクラティック溶出;オーブン温度40℃;流速:1.0mL/分;実施時間10分、注入量5μL。UV検出を行う機器および外部標準定量法を使用した。
各生成物の収率は、以下の式によって決定した。
相対面積%(単一ピーク)=面積(単一ピーク)/全ピークの総面積
【0090】
ステップ0-1:イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸(1808mmol、純度98.1重量%)500gを2-プロパノール(99.0%)1100gに懸濁させた20℃の懸濁液を内部温度50℃に加熱した。塩化チオニル(2176mmol、99.5%)260.1gを計量ポンプで3時間以内に添加した。その後、溶液を50℃でさらに3時間放置してさらに反応させた。反応の終わりに、特に懸濁液を室温に冷却した後に、溶液から固体が沈殿した。3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸の変換、またはイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの形成は、HPLCによって分析することができる。所望のイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの収率は>98%であった。反応混合物をさらに処理することなく次のステップに移した。
【0091】
ステップ0-2:イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート
ステップ1で形成された懸濁液を60℃に加熱した。その後、2-プロパノールを減圧下60~70℃で留去した。この過程で、圧力を段階的に150mbarに下げた。蒸留は、内部温度60℃で約450mbarの圧力で開始した。蒸留の終点は、約70℃、150mbarであった。これらの条件下で、2-プロパノールのうち約80%を留去した後、キシレン1000gを段階的に添加し、蒸留を続けた。溶液を60℃に冷却し、この温度で、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(99%、2677mmol)344gを混合物に添加した。得られた溶液を20℃に冷却した。その後、メタンスルホニルクロリド(2351mmol、99%)272gを20~25℃で約2時間以内に添加した。メタンスルホニルクロリドの添加が終了したら、反応混合物を20℃でさらに1時間放置してさらに反応させた。水150gおよびK2CO3溶液(25重量%)500gを20℃で添加した。40℃で相分離後、水相1128gを排水処理に供し、キシレン相(キシレン溶液中40.1重量%のイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート)1767gを単離した。キシレン中の所望のイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの収率は、標準HPLC法によって>98%であることが分かった。
【0092】
ステップ1:イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート
ステップ0-2からのイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(1806mmol、純度40.1重量%)のキシレン溶液1767gを内部温度80℃に加熱した。その後、キシレンを減圧下78~107℃で留去した。この過程で、圧力を段階的に12mbarに下げた。蒸留の終点は、約108℃、12mbarであった。N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(7663mmol、99%)975gを99℃、1013mbarでイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの残留溶融物に添加した。その後、残留キシレンを除去するために、80gを92℃、90mbarで留去した。溶液をジャケット温度155℃および内部温度約149℃に52時間加熱した。イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの変換、またはイソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの形成は、HPLCによって分析することができる。イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート含有量は<1%であった。
【0093】
イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレートの収率は、加水分解(ステップ2)後の収率を用いて間接的にのみ決定した。
【0094】
ステップ2:3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸
ステップ1からの反応混合物を約30℃に冷却した。その後、水607gを添加し、続いて水酸化ナトリウム溶液(32重量%)453gを25~30℃の温度で2時間以内に添加した。これに続いて、30℃でさらに1時間撹拌した。加水分解をHPLCによって分析した。加水分解が完了したら、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミンを共沸蒸留によって除去するために、混合物を減圧下50~57℃で蒸留した。下部水相を反応混合物に戻した。キシレン200gを25℃で蒸留底部に添加した。40℃で相分離後、有機相199gを排水処理に供し、水相1428gを単離した。キシレン1004gおよび塩酸(20重量%)428gを20℃で水相に添加した。20℃で相分離後、水相1215gを排水処理に供し、キシレン相(キシレン中23.5重量%の3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸)1508gを単離した。キシレン中の所望の3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸の収率をHPLCによって決定したところ、収率は77.5%であった。
【0095】
単離され精製された生成物および中間体のNMRデータを以下のように決定した:
イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(ステップ0-1の後)
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ (ppm) = 1.28-1.32 (m, 9H), 2,18 (s, 1H), 3.53 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 4.22 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 5.13 (hept, J = 6.3 Hz, 1H), 6.84-6.91 (m, 1H), 7.15-7.22 (m, 2H).
19F-NMR (376MHz, CDCl3):δ (ppm) = -108.4 (m, 2F).
イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(1-メチルスルホニルオキシエチル)-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(ステップ0-2の後)
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ (ppm) = 1.33 (pst, J = 6.3 Hz, 6H), 1.52 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 3.05 (s, 3H), 3.59 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 3.72 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.14 (hept, J = 6.3 Hz, 1H), 5.32 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 6.86-6.92 (m, 1H), 7.15-7.23 (m, 2H).
19F-NMR (376MHz, CDCl3):δ (ppm) = -108.1 (m, 2F).
イソプロピル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(ステップ1の後)
1H-NMR (401MHz, CDCl3):δ (ppm) = 1.31 (dd, J = 6.3, 1.0 Hz, 6H), 3.31 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 3.89 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 5.11 (hept, J = 6.3 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.54 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 6.13 (dd, J = 17.2, 10.7 Hz, 1H), 6.84-6.90 (m, 1H), 7.15-7.22 (m, 2H).
19F-NMR (376MHz, CDCl3):δ (ppm) = -108.4 (m, 2F).
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸(ステップ2の後)
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ (ppm) = 3.40 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.44 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.63 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 6.16 (dd, J = 17.2, 10.7 Hz, 1H), 6.86-6.92 (m, 1H), 7.14-7.21 (m, 2H), 9.61 (bs, 1H).
19F-NMR (376MHz, CDCl3):δ (ppm) = -108.0 (m, 2F).
【0096】
ステップ1について上述した手順と同様に、式(I)のさらなる化合物を調製した。
【化28】
【0097】
(I)および(II)の化合物中のすべての可変の置換基は、R1を除いて、上記の例のように選択した。
【0098】
表1は、実験を要約し、上記の手順とは異なるパラメータを記載している。
【0099】
収率は、上記のようにHPLCによって決定した。
【0100】
【0101】
表1から、式(I)の化合物の得られた収率は、可変の置換基R1の選択に大きく依存することが明らかである。
【国際調査報告】