(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20241112BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20241112BHJP
【FI】
G01F1/84
G01F1/00 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533788
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 US2021062068
(87)【国際公開番号】W WO2023107093
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レクシードラー, アダム
(72)【発明者】
【氏名】ダウニング, バート ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2F030
2F035
【Fターム(参考)】
2F030CB01
2F030CD08
2F035JA02
(57)【要約】
センサアセンブリ(10)によって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して、センサアセンブリ(10)を検証するためのメータ電子機器(20)が提供される。メータ電子機器(20)は、センサアセンブリ(10)に通信可能に結合されるインタフェース(301)であって、2つのセンサ信号(100)を受信するように構成されるインタフェース(301)と、インタフェース(301)に通信可能に結合される処理システム(302)とを備える。処理システム(302)は、2つのセンサ信号(100)間のセンサ信号パラメータ関係値を計算し、2つのセンサ信号(100)間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、2つのセンサ信号(100)間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリ(10)によって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して前記センサアセンブリ(10)を検証するためのメータ電子機器(20)において、
前記センサアセンブリ(10)に通信可能に結合されるインタフェース(301)であって、2つのセンサ信号(100)を受信するように構成されるインタフェース(301)と、
前記インタフェース(301)に通信可能に結合される処理システム(302)であって、
前記2つのセンサ信号(100)間のセンサ信号パラメータ関係値を計算し、
前記2つのセンサ信号(100)間の前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、前記2つのセンサ信号(100)間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較する、
ように構成される処理システム(302)と
を備えるメータ電子機器(20)。
【請求項2】
前記2つのセンサ信号(100)間の前記センサ信号パラメータ関係値を計算するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることは、左ピックオフセンサ信号電圧値と右ピックオフセンサ信号電圧値との間の前記センサ信号パラメータ関係値を計算するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることを含む、請求項1に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項3】
前記2つのセンサ信号(100)間の前記センサ信号パラメータ関係値を計算するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることは、前記2つのセンサ信号(100)の2つのセンサ信号パラメータ値間の比及び差の一方を計算するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることを含む、請求項1に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項4】
前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値を前記ベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることは、前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値と前記ベースラインセンサ信号パラメータ関係値との間の差を計算するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることを含む、請求項1に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項5】
前記2つのセンサ信号(100)は、駆動信号(185)、左ピックオフセンサ信号(165l)、及び右ピックオフセンサ信号(165r)のうちの2つを含む、請求項1に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項6】
前記メータ電子機器(20)は、前記2つのセンサ信号(100)間の、前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値と、前記ベースラインセンサ信号パラメータ関係値との前記比較に基づいて、前記センサアセンブリ(10)の状態を決定するように更に構成される、請求項1に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項7】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して前記センサアセンブリを検証する方法であって、
2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することと、
前記2つのセンサ信号間の前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、前記2つのセンサ信号間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較することと
を含む方法。
【請求項8】
前記2つのセンサ信号間の前記センサ信号パラメータ関係値を計算することは、左ピックオフセンサ信号電圧値と右ピックオフセンサ信号電圧値との間の前記センサ信号パラメータ関係値を計算することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記2つのセンサ信号間の前記センサ信号パラメータ関係値を計算することは、前記2つのセンサ信号の2つのセンサ信号パラメータ値間の比及び差の一方を計算することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値をベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較することは、前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値と前記ベースラインセンサ信号パラメータ関係値との間の差を計算することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記2つのセンサ信号は、駆動信号、左ピックオフセンサ信号、及び右ピックオフセンサ信号のうちの2つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記2つのセンサ信号間の前記計算されたセンサ信号パラメータ関係値と前記ベースラインセンサ信号パラメータ関係値との前記比較に基づいて、前記センサアセンブリの状態を決定することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
センサアセンブリ(10)によって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して前記センサアセンブリ(10)を検証するためのメータ電子機器(20)において、
メータアセンブリ(10)から左ピックオフセンサ信号及び右ピックオフセンサ信号を受信するように構成されるインタフェース(301)と、
前記インタフェース(301)に通信可能に結合される処理システム(302)であって、
現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値を決定し、
前記現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定し、
前記現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較して第2のセンサアセンブリ検証シフトを決定し、
前記第1のセンサアセンブリ検証シフト及び前記第2のセンサアセンブリ検証シフトに基づいて導管(130、130’)の状態を決定する、
ように構成される処理システム(302)と
を備え、
前記現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び前記現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される、
メータ電子機器(20)。
【請求項14】
前記第1のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバ(180)と左ピックオフとの間の前記導管(130、130’)の物理的剛性変化を表し、
前記第2のセンサアセンブリ検証シフトは、前記ドライバ(180)と右ピックオフとの間の前記導管(130、130’)の物理的剛性変化を表す、
請求項13に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項15】
前記センサ信号パラメータ関係値は、2つのセンサ信号パラメータ値の比及び差の一方である、請求項13又は14に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項16】
前記センサ信号パラメータ関係値は、左ピックオフセンサ信号パラメータ、右ピックオフセンサ信号パラメータ、及び駆動信号パラメータのうちの2つに基づいて決定される、請求項13から15のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項17】
前記処理システム(302)は、前記導管(130、130’)の前記決定された状態に基づいて警報を提供するように更に構成される、請求項13から16のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項18】
前記導管(130、130’)の前記状態は、前記センサアセンブリ(10)の前記導管(130、130’)の浸食、腐食、損傷、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項13から17のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項19】
前記処理システム(302)は、前記導管(130、130’)の剛性、残留可撓性、減衰、及び質量のうちの少なくとも1つに基づいて前記導管(130、130’)の前記状態を決定するように更に構成される、請求項13から18のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項20】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して前記センサアセンブリを検証するための方法であって、
現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値を決定することと、
前記現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定することと、
前記現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第2のセンサアセンブリ検証シフトを決定することと、
前記第1のセンサアセンブリ検証シフト及び前記第2のセンサアセンブリ検証シフトに基づいて前記導管の状態を決定することと
を含み、
前記現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び前記現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される、
方法。
【請求項21】
前記第1のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと左ピックオフセンサとの間の前記導管の物理的剛性変化を表し、
前記第2のセンサアセンブリ検証シフトは、前記ドライバと右ピックオフセンサとの間の前記導管の物理的剛性変化を表す、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記センサ信号パラメータ関係値は、2つのセンサ信号パラメータ値の比及び差の一方である、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記センサ信号パラメータ関係値は、左ピックオフセンサ信号パラメータ、右ピックオフセンサ信号パラメータ、及び駆動信号パラメータのうちの2つに基づいて決定される、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記導管の前記状態の前記決定に基づいて警報を提供することを更に含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記導管の前記状態は、振動式メータの前記導管の浸食、腐食、損傷、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
センサアセンブリ(10)によって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して前記センサアセンブリ(10)を検証するためのメータ電子機器(20)であって、
センサアセンブリ検証値の中心傾向値及び前記センサアセンブリ検証値の分散値を記憶するように構成される記憶システム(304)を含む処理システム(302)を備え、前記処理システム(302)は、
前記記憶システム(304)から前記中心傾向値及び前記分散値を取得し、
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて確率を決定して、前記中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出する、
ように構成され、
前記ベースラインセンサアセンブリ検証値がセンサ信号パラメータ値に基づく、
メータ電子機器(20)。
【請求項27】
前記センサアセンブリ検証値は、LPO/RPO電圧比値、DRV/LPO電圧比値、及びDRV/RPO電圧比値のうちの1つである、請求項26に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項28】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定するように前記処理システム(302)が構成されていることは、t値を計算して前記t値を使用して前記確率を計算するように前記処理システム(302)が構成されていることを含む、請求項26又は27に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項29】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定するように前記処理システム(302)が構成されていることは、幾つかのセンサアセンブリ検証測定値に基づいて自由度を計算するように前記処理システム(302)が構成されていることを含む、請求項26から28のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項30】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定するように前記処理システム(302)が構成されていることは、標準偏差及び前記自由度に基づいて標準誤差を計算するように前記処理システム(302)が構成されていること含む、請求項29に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項31】
前記標準誤差が以下の式を使用して計算され、
【数23】
ここで、
stddev
pooledは、前記標準偏差であり、
n
DOFは前記自由度である、
請求項30に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項32】
前記分散値は、センサアセンブリ検証測定値及びベースラインセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差を含むプールされた標準偏差である、請求項26から31のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項33】
前記確率が前記中心傾向値の信頼区間を含む、請求項26から32のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項34】
前記信頼区間が0と比較され、
前記信頼区間が0を含まない場合、前記中心傾向値が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値に等しくないことを検出し、
前記信頼区間が0を含む場合には、前記中心傾向値が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値に等しいことを検出する、
請求項33に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項35】
前記中心傾向値がセンサアセンブリ検証値であり、前記センサアセンブリ検証値の前記信頼区間が以下の式を使用して計算され、
CI=SV
mean±CI
range;
ここで、
CIは、前記センサアセンブリ検証値の前記信頼区間であり、
SV
meanは、前記記憶システム(204)から取得される前記センサアセンブリ検証値であり、
CI
rangeは、標準偏差及びt値に基づいて計算される信頼区間範囲である、
請求項33又は34に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項36】
前記信頼区間範囲が以下の式を使用して計算され、
CI
range=stderror
pooled・t
student,99.8;
stderror
pooledは、前記センサアセンブリ検証測定値の前記プールされた標準誤差であり、
t
student,99.8は、前記センサアセンブリ検証値を含む幾つかの前記センサアセンブリ検証測定値から決定される有意水準及び自由度に基づいて計算されるt値である、
請求項35に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項37】
前記処理システム(302)は、バイアス不感帯を設定するように更に構成され、前記中心傾向値が前記バイアス不感帯よりも小さい場合、前記センサアセンブリ検証値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値とは異なるものとして検出されない、請求項26から36のいずれか一項に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項38】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定するように前記処理システム(302)が構成されていることは、前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて信頼区間を決定するように前記処理システム(302)が構成されていることを含む、請求項26又は27に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項39】
前記ベースラインセンサアセンブリ検証値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値及び分散値を含む、請求項38に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項40】
前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記中心傾向値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均であり、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記分散値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の標準偏差である、請求項39に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項41】
前記中心傾向値が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることは、前記中心傾向値及び前記分散値に基づく前記確率が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることを含む、請求項26又は27に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項42】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づく前記確率は、前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて決定される信頼区間を含み、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記確率は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値に基づいて決定される信頼区間を含む、請求項41に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項43】
前記中心傾向値に基づく前記確率が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記確率と重複しないかどうかを決定するように前記メータ電子機器(20)が構成されていることは、以下の式、すなわち、
LHS=|μ
measured-μ
baseline|;
RHS=2*(σ
measured-σ
baseline);
を計算し、
LHS<RHSの場合に、記憶システム(304)から得られる前記中心傾向値及び前記分散値の前記確率が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記確率と重複すると決定する、
ように前記メータ電子機器(20)が構成されていることを含む、
請求項41に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項44】
前記ベースライン標準偏差が以下の式に従って計算される、
σ
baseline=dead band*μ
baseline
請求項43に記載のメータ電子機器(20)。
【請求項45】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用して前記センサアセンブリを検証するための方法であって、
振動式メータのメータ電子機器内の記憶装置から、センサアセンブリ検証値の中心傾向値及び前記センサアセンブリ検証値の分散値を取得することと、
前記中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを決定するために前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて確率を決定することと
を含み、
前記ベースラインセンサアセンブリ検証値がセンサ信号パラメータ値に基づく、
方法。
【請求項46】
前記センサアセンブリ検証値は、LPO/RPO電圧比値、DRV/LPO電圧比値、及びDRV/RPO電圧比値のうちの1つである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定することは、t値を計算することと、前記t値を使用して前記確率を計算することとを含む、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定することは、幾つかのセンサアセンブリ検証測定値に基づいて自由度を計算することを含む、請求項45から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定することは、標準偏差及び前記自由度に基づいて標準誤差を計算することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記標準誤差が以下の式を使用して計算され、
【数24】
ここで、
stddev
pooledは、前記標準偏差であり、
n
DOFは前記自由度である、
請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記分散値は、センサアセンブリ検証測定値及びベースラインセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差を含むプールされた標準偏差である、請求項45から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記確率が前記中心傾向値の信頼区間を含む、請求項45から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記信頼区間が0と比較され、
前記信頼区間が0を含まない場合、前記中心傾向値が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値に等しくないことを検出し、
前記信頼区間が0を含む場合には、前記中心傾向値が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値に等しいことを検出する、
請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記中心傾向値が前記センサアセンブリ検証値であり、前記センサアセンブリ検証値の前記信頼区間が以下の式を使用して計算され、
CI=SV
mean±CI
range;
ここで、
CIは、前記センサアセンブリ検証値の前記信頼区間であり、
SV
meanは、前記記憶システム(204)から取得される前記センサアセンブリ検証値であり、
CI
rangeは、標準偏差及びt値に基づいて計算される信頼区間範囲である、
請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記信頼区間範囲が以下の式を使用して計算され、
CI
range=stderror
pooled・t
student,99.8;
ここで、
stderror
pooledは、前記センサアセンブリ検証測定値の前記プールされた標準誤差であり、
t
student,99.8は、前記センサアセンブリ検証値を含む幾つかの前記センサアセンブリ検証測定値から決定される有意水準及び自由度に基づいて計算されるt値である、
請求項54に記載の方法。
【請求項56】
バイアス不感帯を設定することを更に含み、前記中心傾向値が前記バイアス不感帯よりも小さい場合、前記センサアセンブリ検証値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値とは異なるものとして検出されない、請求項45から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて前記確率を決定することは、前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて信頼区間を決定することを含む、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項58】
前記ベースラインセンサアセンブリ検証値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値及び分散値を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記中心傾向値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均であり、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記分散値は、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の標準偏差である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記中心傾向値が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出することは、前記中心傾向値及び前記分散値に基づく前記確率が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定することを含む、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項61】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づく前記確率は、前記中心傾向値及び前記分散値に基づいて決定される信頼区間を含み、前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記確率は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値に基づいて決定される信頼区間を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記中心傾向値及び前記分散値に基づく前記確率が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記確率と重複しないかどうかを決定することは、以下の式、すなわち、
LHS=|μ
measured-μ
baseline|;
RHS=2*(σ
measured-σ
baseline);
を計算することと、
LHS<RHSの場合に、前記記憶装置から得られる前記中心傾向値及び前記分散値の前記確率が前記ベースラインセンサアセンブリ検証値の前記確率と重複すると決定することと
を含む、
請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記ベースラインシステムアセンブリ検証値の前記標準偏差が以下の式に従って計算される、
σ
baseline=dead band*μ
baseline
請求項61に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する実施形態は、振動式メータにおけるセンサアセンブリの検証に関し、より詳細には、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号を使用してセンサアセンブリを検証することに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コリオリ質量流量計、液体密度計、気体密度計、液体粘度計、気体/液体比重計、気体/液体相対密度計、及び気体分子量計などの振動式メータが、一般に知られており、流体パラメータを測定するために使用される。一般に、振動式メータは、センサアセンブリ及びメータ電子機器を備える。センサアセンブリは、メータ電子機器に通信可能に結合され、センサ信号をメータ電子機器に供給し得る。センサアセンブリは、メータ電子機器から駆動信号を受信するアクチュエータによって課される駆動力に応答して振動するように構成される導管を含む場合がある。アクチュエータは、ドライバと呼ばれる場合がある。
【0003】
導管がセンサアセンブリにおいて使用されるとき、導管には、測定されるべき特性を有する材料が充填される場合がある。センサアセンブリの1つ以上の導管内の材料は、流動していてもよく又は静止していてもよい。センサアセンブリは、センサアセンブリ内の材料の質量流量、密度、又は他の特性などの1つ以上の流体パラメータを測定するために使用され得る。より具体的には、振動動作をセンサ信号に変換するように構成される1つ以上の導管に取り付けられる1つ以上のトランスデューサがあってもよい。これらのトランスデューサは、ピックオフセンサと呼ばれる場合がある。ピックオフセンサは、一般に、1つ以上の導管の入口部分及び出口部分に位置される。
【0004】
前述したように、振動式メータはコリオリ流量計であってもよい。コリオリ流量計は、パイプライン又は他の輸送システムで一直線に接続されてシステム内で材料、例えば流体、スラリー及び/又は同様のものを搬送する1つ以上の導管を含む。各導管は、例えば、単純な曲げモード、ねじりモード、径方向モード、及び結合モードを含む固有振動モードのセットを有すると見なされる場合がある。コリオリ流量測定用途において、導管は、材料が導管を通じて流れるときに1つ以上の振動モードで励起され、導管の動きが導管に沿って離間した点で測定される。流動中、振動する管と流動する質量体は、コリオリ力によって互いに結合し、管の端部間に振動の位相差を引き起こす。位相差は、質量流量に正比例する場合があり、ピックオフセンサによって供給される2つのセンサ信号間の位相差として測定される場合がある。
【0005】
例えば、材料の質量流量は、2つのセンサ信号間の位相差又は時間遅延に比例する場合があり、時間遅延は、周波数で除算された位相差を含む場合がある。したがって、質量流量は、例えば、時間遅延に流量較正係数(FCF)と呼ばれる場合がある比例定数又は較正係数を乗算することによって決定され得る。FCFは、流管の材料特性及び機械的特性を反映することができる。FCFは、流量計をパイプライン又は他の導管に設置する前に較正プロセスによって決定されてもよい。較正プロセスでは、材料が既知の流量で導管を通じて流され、位相差又は時間遅延と流量との間の比例定数が計算され、FCFとして記録される。
【0006】
コリオリ流量計の1つの利点は、測定された質量流量の精度が流量計における可動構成要素の摩耗によって影響されないことである。より具体的には、唯一の可動部品は、振動導管及び振動導管に取り付けられた任意のセンサ又はトランスデューサである。それにもかかわらず、導管が時間に伴って変化し得るという問題がある。より具体的には、導管の変化は、導管の機械的特性の変化を引き起こす可能性がある。例えば、導管の変化は、振動流量計の寿命にわたって導管の剛性を初期の代表的な剛性値(又は元の測定された剛性値)から変化させる場合がある。変化は、浸食、腐食、コーティング、損傷などによって引き起こされ得る。結果として、基準係数又はFCF値と呼ばれる場合がある初期工場較正値は、導管が腐食され、浸食され、又は他の様態で変化されるとき、経時的に測定バイアスを引き起こす場合がある。
【0007】
したがって、変化は、導管の剛性値を計算し、それをベースライン剛性値と比較することによって検出される場合がある。この比較は、メータ又はセンサアセンブリの検証と呼ばれる場合がある。ベースライン剛性値は、FCFが計算されるのとほぼ同時に決定されてもよい。現在の剛性値が基準剛性値と異なる場合、導管に変化が生じている場合がある。残留可撓性、センサ質量及び減衰などの他の導管パラメータが同様に使用される場合もある。しかしながら、これら及び他の導管パラメータの値を計算することは、リアルタイム測定を困難にする場合があり、計算を実行するための顧客のプロセスの中断をもたらす可能性がある。導管パラメータの値の計算は、センサアセンブリの1つ以上の導管の変化を検出するためにセンサ信号のパラメータを何らかの方法で使用することによって回避される場合がある。したがって、センサアセンブリを検証するために、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器が提供される。一実施形態によれば、メータ電子機器は、センサアセンブリに通信可能に結合されるインタフェースであって、2つのセンサ信号を受信するように構成されるインタフェースと、インタフェースに通信可能に結合される処理システムとを備える。処理システムは、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算し、2つのセンサ信号間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、2つのセンサ信号間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較するように構成される。
【0009】
センサアセンブリを検証するためにセンサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用する方法が提供される。一実施形態によれば、方法は、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することと、2つのセンサ信号間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、2つのセンサ信号間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較することとを含む。
【0010】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器が提供される。一実施形態によれば、メータ電子機器は、メータアセンブリから左ピックオフセンサ信号及び右ピックオフセンサ信号を受信するように構成されるインタフェースと、インタフェースに通信可能に結合される処理システムとを備える。処理システムは、現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値を決定し、現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定するとともに、現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第2のセンサアセンブリ検証シフトを決定し、第1のセンサアセンブリ検証シフト及び第2のセンサアセンブリ検証シフトに基づいて導管の状態を決定するように構成される。現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される。
【0011】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器が提供される。第1の実施形態によれば、方法は、現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値を決定することと、現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定することと、現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第2のセンサアセンブリ検証シフトを決定することと、第1のセンサアセンブリ検証シフト及び第2のセンサアセンブリ検証シフトに基づいて導管の状態を決定することとを含む。現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される。
【0012】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器が提供される。一実施形態によれば、メータ電子機器は、センサアセンブリ検証値の中心傾向値及びセンサアセンブリ検証値の分散値を記憶するように構成される記憶システムを含む処理システムを備える。処理システムは、記憶システムから中心傾向値及び分散値を取得するとともに、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定して、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出するように構成される。センサアセンブリ検証値は、センサ信号パラメータ値に基づく。
【0013】
センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器が提供される。一実施形態によれば、方法は、振動式メータのメータ電子機器内の記憶装置からセンサアセンブリ検証値の中心傾向値及びセンサアセンブリ検証値の分散値を取得することと、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定して、中心傾向値がセンサアセンブリ検証値のベースラインと異なるかどうかを決定することとを含む。ベースラインセンサアセンブリ検証値は、センサ信号パラメータ値に基づく。
【0014】
態様
一態様によれば、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器は、センサアセンブリに通信可能に結合されるインタフェースであって、2つのセンサ信号を受信するように構成されるインタフェースと、インタフェースに通信可能に結合される処理システムとを備える。処理システムは、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算し、2つのセンサ信号間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、2つのセンサ信号間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較するように構成される。
【0015】
好ましくは、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算するようにメータ電子機器が構成されていることは、左ピックオフセンサ信号電圧値と右ピックオフセンサ信号電圧値との間のセンサ信号パラメータ関係値を計算するようにメータ電子機器が構成されていることを含む。
【0016】
好ましくは、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算するようにメータ電子機器が構成されていることは、2つのセンサ信号の2つのセンサ信号パラメータ値間の比及び差の一方を計算するようにメータ電子機器が構成されていることを含む。
【0017】
好ましくは、計算されたセンサ信号パラメータ関係値をベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較するようにメータ電子機器が構成されていることは、計算されたセンサ信号パラメータ関係値とベースラインセンサ信号パラメータ関係値との間の差を計算するようにメータ電子機器が構成されていることを含む。
【0018】
好ましくは、2つのセンサ信号は、駆動信号、左ピックオフセンサ信号、及び右ピックオフセンサ信号のうちの2つを含む。
【0019】
好ましくは、メータ電子機器は、2つのセンサ信号間の、計算されたセンサ信号パラメータ関係値と、ベースラインセンサ信号パラメータ関係値との比較に基づいて、センサアセンブリの状態を決定するように更に構成される。
【0020】
一態様によれば、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する方法は、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することと、2つのセンサ信号間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、2つのセンサ信号間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較することとを含む。
【0021】
好ましくは、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することは、左ピックオフセンサ信号電圧値と右ピックオフセンサ信号電圧値との間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することを含む。
【0022】
好ましくは、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することは、2つのセンサ信号の2つのセンサ信号パラメータ値間の比及び差の一方を計算することを含む。
【0023】
好ましくは、計算されたセンサ信号パラメータ関係値をベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較することは、計算されたセンサ信号パラメータ関係値とベースラインセンサ信号パラメータ関係値との間の差を計算することを含む。
【0024】
好ましくは、2つのセンサ信号は、駆動信号、左ピックオフセンサ信号、及び右ピックオフセンサ信号のうちの2つを含む。
【0025】
好ましくは、方法は、2つのセンサ信号間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値とベースラインセンサ信号パラメータ関係値との比較に基づいて、センサアセンブリの状態を決定することを更に含む。
【0026】
一態様によれば、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器は、メータアセンブリから左ピックオフセンサ信号及び右ピックオフセンサ信号を受信するように構成されるインタフェースと、インタフェースに通信可能に結合される処理システムとを備える。処理システムは、現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値を決定し、現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定するとともに、現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第2のセンサアセンブリ検証シフトを決定し、第1のセンサアセンブリ検証シフト及び第2のセンサアセンブリ検証シフトに基づいて導管の状態を決定するように構成される。現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される。
【0027】
好ましくは、第1のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと左ピックオフとの間の導管の物理的剛性変化を表し、第2のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと右ピックオフとの間の導管の物理的剛性変化を表す。
【0028】
好ましくは、センサ信号パラメータ関係値は、2つのセンサ信号パラメータ値の比及び差の一方である。
【0029】
好ましくは、センサ信号パラメータ関係値は、左ピックオフセンサ信号パラメータ、右ピックオフセンサ信号パラメータ、及び駆動信号パラメータのうちの2つに基づいて決定される。
【0030】
好ましくは、処理システムは、導管の決定された状態に基づいて警報を提供するように更に構成される。
【0031】
好ましくは、導管の状態は、センサアセンブリの導管の浸食、腐食、損傷、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
好ましくは、処理システムは、導管の剛性、残留可撓性、減衰、及び質量のうちの少なくとも1つに基づいて導管の状態を決定するように更に構成される。
【0033】
一態様によれば、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するための方法は、現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値を決定することと、現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定することと、現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第2のセンサアセンブリ検証シフトを決定することと、第1のセンサアセンブリ検証シフト及び第2のセンサアセンブリ検証シフトに基づいて導管の状態を決定することとを含む。現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される。
【0034】
好ましくは、第1のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと左ピックオフセンサとの間の導管の物理的剛性変化を表し、第2のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと右ピックオフセンサとの間の導管の物理的剛性変化を表す。
【0035】
好ましくは、センサ信号パラメータ関係値は、2つのセンサ信号パラメータ値の比及び差の一方である。
【0036】
好ましくは、センサ信号パラメータ関係値は、左ピックオフセンサ信号パラメータ、右ピックオフセンサ信号パラメータ、及び駆動信号パラメータのうちの2つに基づいて決定される。
【0037】
好ましくは、方法は、導管の状態の決定に基づいて警報を提供することを更に含む。
【0038】
好ましくは、導管の状態は、振動式メータの導管の浸食、腐食、損傷、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含む。
【0039】
一態様によれば、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するためのメータ電子機器は、センサアセンブリ検証値の中心傾向値及びセンサアセンブリ検証値の分散値を記憶するように構成される記憶システムを含む処理システムを備える。処理システムは、記憶システムから中心傾向値及び分散値を取得するとともに、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定して、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出するように構成される。ベースラインセンサアセンブリ検証値は、センサ信号パラメータ値に基づく。
【0040】
好ましくは、センサアセンブリ検証値は、LPO/RPO電圧比値、DRV/LPO電圧比値、及びDRV/RPO電圧比値のうちの1つである。
【0041】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定するように処理システムが構成されていることは、t値を計算してt値を使用して前記確率を計算するように処理システムが構成されていることを含む。
【0042】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定するように処理システムが構成されていることは、幾つかのセンサアセンブリ検証測定値に基づいて自由度を計算するように処理システムが構成されていることを含む。
【0043】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定するように処理システムが構成されていることは、標準偏差及び自由度に基づいて標準誤差を計算するように処理システムが構成されていること含む。
【0044】
好ましくは、標準誤差は、以下の式を使用して計算され、
【数1】
ここで、
stddev
pooledは、標準偏差であり、
n
DOFは自由度である。
【0045】
好ましくは、分散値は、センサアセンブリ検証測定値及びベースラインセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差を含むプールされた標準偏差である。
【0046】
好ましくは、確率は、中心傾向値の信頼区間を含む。
【0047】
好ましくは、信頼区間が0と比較され、信頼区間が0を含まない場合、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値に等しくないことを検出し、信頼区間が0を含む場合には、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値に等しいことを検出する。
【0048】
好ましくは、中心傾向値がセンサアセンブリ検証値であり、センサアセンブリ検証値の信頼区間が以下の式を使用して計算され、
CI=SVmean±CIrange;
ここで、
CIは、センサアセンブリ検証値の信頼区間であり、
SVmeanは、記憶システムから取得されるセンサアセンブリ検証値であり、
CIrangeは、標準偏差及びt値に基づいて計算される信頼区間範囲である。
【0049】
好ましくは、信頼区間範囲が以下の式を使用して計算され、
CIrange=stderrorpooled・tstudent,99.8;
ここで、
stderrorpooledは、センサアセンブリ検証測定値のプールされた標準誤差であり、
tstudent,99.8は、センサアセンブリ検証値を含む幾つかのセンサアセンブリ検証測定値から決定される有意水準及び自由度に基づいて計算されるt値である。
【0050】
好ましくは、処理システムは、バイアス不感帯を設定するように更に構成され、中心傾向値がバイアス不感帯よりも小さい場合、センサアセンブリ検証値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値とは異なるものとして検出されない。
【0051】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定するように処理システムが構成されていることは、中心傾向値及び分散値に基づいて信頼区間を決定するように処理システムが構成されていることを含む。
【0052】
好ましくは、ベースラインセンサアセンブリ検証値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値及び分散値を含む。
【0053】
好ましくは、ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均であり、ベースラインセンサアセンブリ検証値の分散値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の標準偏差である。
【0054】
好ましくは、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出するようにメータ電子機器が構成されていることは、中心傾向値及び分散値に基づく確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定するようにメータ電子機器が構成されていることを含む。
【0055】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づく確率は、中心傾向値及び分散値に基づいて決定される信頼区間を含み、ベースラインセンサアセンブリ検証値の確率は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値に基づいて決定される信頼区間を含む。
【0056】
好ましくは、中心傾向値に基づく確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定するようにメータ電子機器が構成されていることは、以下の式、すなわち、
LHS=|μmeasured-μbaseline|;
RHS=2*(σmeasured-σbaseline);
を計算し、
LHS<RHSの場合に、記憶システムから得られる中心傾向値及び分散値の確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複すると決定する、
ようにメータ電子機器が構成されていることを含む。
【0057】
好ましくは、ベースライン標準偏差は、以下の式に従って計算される。
σbaseline=dead band*μbaseline
【0058】
一態様によれば、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するための方法は、振動式メータのメータ電子機器内の記憶装置から、センサアセンブリ検証値の中心傾向値及びセンサアセンブリ検証値の分散値を取得することと、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを決定するために中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することとを含む。ベースラインセンサアセンブリ検証値は、センサ信号パラメータ値に基づく。
【0059】
好ましくは、センサアセンブリ検証値は、LPO/RPO電圧比値、DRV/LPO電圧比値、及びDRV/RPO電圧比値のうちの1つである。
【0060】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することは、t値を計算することと、t値を使用して確率を計算することとを含む。
【0061】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することは、幾つかのセンサアセンブリ検証測定値に基づいて自由度を計算することを含む。
【0062】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することは、標準偏差及び自由度に基づいて標準誤差を計算することを含む。
【0063】
好ましくは、標準誤差が以下の式を使用して計算され、
【数2】
ここで、
stddev
pooledは、標準偏差であり、
n
DOFは自由度である。
【0064】
好ましくは、分散値は、センサアセンブリ検証測定値及びベースラインセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差を含むプールされた標準偏差である。
【0065】
好ましくは、確率は、中心傾向値の信頼区間を含む。
【0066】
好ましくは、信頼区間が0と比較され、信頼区間が0を含まない場合、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値に等しくないことを検出し、信頼区間が0を含む場合には、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値に等しいことを検出する。
【0067】
好ましくは、中心傾向値がセンサアセンブリ検証値であり、センサアセンブリ検証値の信頼区間が以下の式を使用して計算され、
CI=SVmean±CIrange;
ここで、
CIは、センサアセンブリ検証値の信頼区間であり、
SVmeanは、記憶システム(204)から取得されるセンサアセンブリ検証値であり、
CIrangeは、標準偏差及びt値に基づいて計算される信頼区間範囲である。
【0068】
好ましくは、信頼区間範囲が以下の式を使用して計算され、
CIrange=stderrorpooled・tstudent,99.8;
ここで、
stderrorpooledは、センサアセンブリ検証測定値のプールされた標準誤差であり、
tstudent,99.8は、センサアセンブリ検証値を含む幾つかのセンサアセンブリ検証測定値から決定される有意水準及び自由度に基づいて計算されるt値である。
【0069】
好ましくは、方法は、バイアス不感帯を設定することを更に含み、中心傾向値がバイアス不感帯よりも小さい場合、センサアセンブリ検証値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値とは異なるものとして検出されない。
【0070】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することは、中心傾向値及び分散値に基づいて信頼区間を決定することを含む。
【0071】
好ましくは、ベースラインセンサアセンブリ検証値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値及び分散値を含む。
【0072】
好ましくは、ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均であり、ベースラインセンサアセンブリ検証値の分散値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の標準偏差である。
【0073】
好ましくは、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出することは、中心傾向値及び分散値に基づく確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定することを含む。
【0074】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づく確率は、中心傾向値及び分散値に基づいて決定される信頼区間を含み、ベースラインセンサアセンブリ検証値の確率は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値に基づいて決定される信頼区間を含む。
【0075】
好ましくは、中心傾向値及び分散値に基づく確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定することは、以下の式、すなわち、
LHS=|μmeasured-μbaseline|;
RHS=2*(σmeasured-σbaseline);
を計算することと、
LHS<RHSの場合に、記憶装置から得られる中心傾向値及び分散値の確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複すると決定することと、
を含む。
【0076】
好ましくは、ベースラインシステムアセンブリ検証値の標準偏差は、以下の式に従って計算される。
σbaseline=dead band*μbaseline
【図面の簡単な説明】
【0077】
同じ参照番号は、全ての図面において同じ要素を表す。図面は必ずしも原寸に比例していないことを理解すべきである。
【
図1】センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するように構成される振動式メータ5を示す。
【
図2】センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するように構成されるメータ電子機器20のブロック図表示を含む、振動式メータ5のブロック図を示す。
【
図3】センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するように構成されるメータ電子機器20を示す。
【
図4】センサアセンブリの剛性とセンサ信号パラメータ間の差との間の対応関係を示すグラフ400を示す。
【
図5】前述のセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリのセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する方法500を示す。
【
図6】センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する方法600を示す。
【
図7】センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する方法700を示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1~
図7及び以下の説明は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する実施形態の最良の態様を作り出して使用する方法を当業者に教示するための特定の例を示す。本発明の原理を教示する目的で、幾つかの従来の態様は簡略化又は省略されている。当業者は、本明細書の範囲内に入るこれらの例からの変形を理解し得る。当業者であれば分かるように、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせ、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号を使用してセンサアセンブリの変化を検出する複数の変形形態を形成することができる。その結果、以下に説明する実施形態は、以下に説明する具体例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである。
【0079】
図1は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するように構成された振動式メータ5を示す。
図1に示すように、振動式メータ5は、センサアセンブリ10と、メータ電子機器20とを備える。センサアセンブリ10は、プロセス材料の質量流量及び密度に応答する。メータ電子機器20は、センサ信号100を伝達するリード線を介してセンサアセンブリ10に接続される。理解され得るように、センサ信号100は、RTD信号、駆動信号、並びに左右のセンサ信号を含む。メータ電子機器20は、センサ信号100を使用して、ポート26上の密度、質量流量、温度情報などを計算及び提供するように構成されてもよい。
【0080】
センサアセンブリ10は、一対のマニホールド150及び150’と、フランジネック110及び110’を有するフランジ103及び103’と、一対の平行導管130及び130’と、ドライバ180と、抵抗温度検出器(RTD)190と、一対のピックオフセンサ170l及び170rとを含む。導管130及び130’は、導管取り付けブロック120及び120’で互いに向かって収束する2つの本質的に直線状の入口脚部131、131’及び出口脚部134、134’を有する。導管130、130’は、それらの長さに沿って2つの対称位置で曲がり、それらの長さ全体にわたって本質的に平行である。ブレースバー140及び140’は、各導管130、130’が振動する軸W及びW’を規定するように機能する。導管130、130’の脚部131、131’及び134、134’は、導管取り付けブロック120及び120’に固定して取り付けられ、これらのブロックは、マニホールド150及び150’に固定して取り付けられる。これは、センサアセンブリ10を通る連続的な閉鎖材料経路をもたらす。
【0081】
穴102及び102’を有するフランジ103及び103’が、入口端104及び出口端104’を介して、測定されているプロセス材料を運ぶプロセスライン(図示せず)に接続されると、材料はフランジ103のオリフィス101を通ってメータの入口端104に入り、マニホールド150を通って表面121を有する導管取り付けブロック120に導かれる。マニホールド150内で、材料は分割され、導管130、130’を通って送られる。導管130、130’を出ると、プロセス材料は、表面121’及びマニホールド150’を有するブロック120’内で単一の流れに再結合され、その後、穴102’を有するフランジ103’によってプロセスライン(図示せず)に接続された出口端104’に送られる。
【0082】
導管130、130’は、それぞれ曲げ軸W-W及びW’-W’を中心とした実質的に同じ質量分布、慣性モーメント及びヤング率を有するように選択され、導管取り付けブロック120、120’に適切に取り付けられる。これらの曲げ軸は、ブレースバー140、140’を通る。導管のヤング率が温度とともに変化し、この変化が流量及び密度の計算に影響を及ぼす限り、RTD190は導管130’に取り付けられて導管130’の温度を連続的に測定する。導管130’の温度、したがってそれを通過する所与の電流に対してRTD190にわたって現れる電圧は、導管130’を通過する材料の温度によって支配される。RTD190にわたって現れる温度依存電圧は、導管温度の任意の変化に起因する導管130、130’の弾性率の変化を補償するために、メータ電子機器20によって周知の方法で使用される。RTD190は、リード線195によってメータ電子機器20に接続される。
【0083】
導管130、130’の両方は、ドライバ180によって、それぞれの曲げ軸W及びW’を中心として反対方向に、振動式メータのいわゆる第1の異相曲げモードで駆動される。このドライバ180は、導管130’に取り付けられた磁石及び導管130に取り付けられ、両方の導管130、130’を振動させるために交流電流が流れる対向するコイルなどの多くの周知の構成のいずれかを備えることができる。適切な駆動信号185が、メータ電子機器20によって、リード線を介してドライバ180に印加される。
【0084】
メータ電子機器20は、リード線195上のRTD温度信号と、左右のセンサ信号165l、165rをそれぞれ搬送するリード線100上に現れるセンサ信号165とを受信する。メータ電子機器20は、ドライバ180へのリード線上に現れる駆動信号185を生成し、導管130、130’を振動させる。メータ電子機器20は、左右のセンサ信号165l、165r及びリード線195からのRTD信号を処理して、センサアセンブリ10を通過する物質の質量流量及び密度を計算する。この情報は、他の情報とともに、信号として経路26を介してメータ電子機器20によって適用される。メータ電子機器20のより詳細な説明を以下に続ける。
【0085】
図2は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するように構成されたメータ電子機器20のブロック図表示を含む、振動式メータ5のブロック図を示す。
図2に示すように、メータ電子機器20は、センサアセンブリ10に通信可能に結合される。
図2を参照して前述したように、センサアセンブリ10は、左右のピックオフセンサ170l、170r、ドライバ180、及び温度センサ190を含み、これらは通信チャネル112を介して一組のリード線100を介してメータ電子機器20に通信可能に結合される。
【0086】
メータ電子機器20は、リード線100を介して駆動信号185を供給する。より具体的には、メータ電子機器20は、センサアセンブリ10内のドライバ180に駆動信号185を供給する。更に、左センサ信号165l及び右センサ信号165rを含むセンサ信号165は、センサアセンブリ10によって供給される。より具体的には、図示の実施形態では、センサ信号165は、センサアセンブリ10内の左右のピックオフセンサ170l、170rによって供給される。理解され得るように、センサ信号165は、通信チャネル112を介してメータ電子機器20にそれぞれ供給される。
【0087】
メータ電子機器20は、1つ以上の信号プロセッサ220及び1つ以上のメモリ230に通信可能に結合されたプロセッサ210を含む。プロセッサ210はまた、ユーザインタフェース30に通信可能に結合される。プロセッサ210は、ポート26上の通信ポートを介してホストと通信可能に結合され、電力ポート250を介して電力を受ける。プロセッサ210はマイクロプロセッサであってもよいが、任意の適切なプロセッサが使用されてもよい。例えば、プロセッサ210は、マルチコアプロセッサ、シリアル通信ポート、周辺インタフェース(例えば、シリアル周辺機器インタフェース)、オンチップメモリ、I/Oポートなどのサブプロセッサで構成されてもよい。これら及び他の実施形態では、プロセッサ210は、デジタル化信号などの受信及び処理された信号に対して動作を実行するように構成される。
【0088】
プロセッサ210は、1つ以上の信号プロセッサ220からデジタル化されたセンサ信号を受信することができる。プロセッサ210はまた、位相差、センサアセンブリ10内の流体の特性などの情報を提供するように構成される。プロセッサ210は、通信ポートを介してホストに情報を提供することができる。プロセッサ210はまた、1つ以上のメモリ230と通信して1つ以上のメモリ230に情報を受信及び/又は記憶するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ210は、較正係数及び/又はセンサアセンブリゼロ(例えば、流れが0のときの位相差)を、1つ以上のメモリ230から受信することができる。較正係数及び/又はセンサアセンブリゼロのそれぞれは、振動式メータ5及び/又はセンサアセンブリ10とそれぞれ関連付けられてもよい。プロセッサ210は、較正係数を使用して、1つ以上の信号プロセッサ220から受信したデジタル化センサ信号を処理することができる。
【0089】
1つ以上の信号プロセッサ220は、エンコーダ/デコーダ(CODEC)222及びアナログ-デジタル変換器(ADC)226からなるものとして示されている。1つ以上の信号プロセッサ220は、アナログ信号を調整し、調整されたアナログ信号をデジタル化し、及び/又はデジタル化された信号を供給することができる。CODEC 222は、左右のピックオフセンサ170l、170rからセンサ信号165を受信するように構成されている。CODEC 222はまた、駆動信号185をドライバ180に供給するように構成される。代替の実施形態では、より多くの又はより少ない信号プロセッサを使用することができる。
【0090】
図示のように、センサ信号165は、信号調整器240を介してCODEC 222に供給される。駆動信号185は、信号調整器240を介してドライバ180に供給される。信号調整器240は単一のブロックとして示されているが、信号調整器240は、2つ以上のオペアンプ、ローパスフィルタなどのフィルタ、電圧-電流増幅器などの信号調整構成要素から構成されてもよい。例えば、センサ信号165は第1の増幅器によって増幅されてもよく、駆動信号185は電圧電流増幅器によって増幅されてもよい。増幅は、センサ信号165の大きさがCODEC 222のフルスケール範囲に近くなるようにし得る。
【0091】
図示の実施形態では、1つ以上のメモリ230は、読み出し専用メモリ(ROM)232、ランダムアクセスメモリ(RAM)234、及び強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))236から構成される。しかしながら、代替の実施形態では、1つ以上のメモリ230は、より多い又はより少ないメモリから構成されてもよい。これに加えて又は代えて、1つ以上のメモリ230は、異なるタイプのメモリ(例えば、揮発性、不揮発性などである)から構成されてもよい。例えば、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)などの異なる種類の不揮発性メモリが、FRAM236の代わりに採用されてもよい。1つ以上のメモリ230は、駆動信号又はセンサ信号、質量流量又は密度測定値などのプロセスデータを記憶するように構成された記憶装置であってもよい。
【0092】
質量流量測定値は、以下の式に従って生成することができ、
【数3】
ここで、
【数4】
は、測定された質量流量であり、
FCFは流量較正係数であり、
Δtは、測定された時間遅延であり、及び
Δt
0はゼロ流量時間遅延である。
【0093】
測定された時間遅延Δtは、例えば時間遅延が振動式メータ5を通る質量流量に関連するコリオリ効果によるものである場合に、ピックオフセンサ信号間に存在する時間遅延を含む運転により導出された(すなわち、測定される)時間遅延値を含む。測定された時間遅延Δtは、振動式メータ5を流れるときの流動材料の質量流量の直接測定値である。ゼロ流量時間遅延Δt0は、ゼロ流量における時間遅延を含む。ゼロ流量時間遅延Δt0は、工場で決定されて振動式メータ5にプログラムされ得るゼロ流量値である。ゼロ流量時間遅延Δt0は、例示的なゼロ流量値である。ゼロ流量状態で決定される位相差、時間差などの他のゼロ流量値が使用されてもよい。ゼロ流量時間遅延Δt0の値は、流れ状態が変化している場合でも変化しない可能性がある。振動式メータ5を流れる物質の質量流量値は、測定された時間遅延Δtと基準ゼロ流量値Δt0との差に流量較正係数FCFを乗算することによって決定される。流量較正係数FCFは、振動式メータの物理的剛性に比例する。
【0094】
密度に関して、各導管130、130’が振動し得る共振周波数は、導管130、130’のばね定数の平方根を材料を有する導管130、130’の総質量で割った関数であり得る。材料を有する導管130、130’の総質量は、導管130、130’の質量+導管130、130’内の材料の質量であってもよい。導管130、130’内の材料の質量は、材料の密度に正比例する。したがって、この材料の密度は、材料を含む導管130、130’が振動する周期の二乗に導管130、130’のばね定数を乗じたものに比例し得る。したがって、導管130、130’が振動する期間を決定し、その結果を適切にスケーリングすることによって、導管130、130’に含まれる材料の密度の正確な測定値を得ることができる。メータ電子機器20は、センサ信号165及び/又は駆動信号185を使用して周期又は共振周波数を決定することができる。導管130、130’は、2つ以上の振動モードで振動することができる。以下でより詳細に説明するように、メータ電子機器20は、センサアセンブリの検証を実行することもできる。
【0095】
図3は、センサアセンブリ10によって供給されるセンサ信号100のパラメータを使用してセンサアセンブリ10を検証するように構成されたメータ電子機器20を示す。
図3に示すように、メータ電子機器20は、インタフェース301及び処理システム302を含む。メータ電子機器20は、例えば前述のセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリから振動応答を受信する。メータ電子機器20は、振動応答を処理して、センサアセンブリ10を通って流れる流動材料の流動特性を得ることができる。メータ電子機器20はまた、流れ材料の流れ特性が正確に測定されることを確実にするために、チェック、検証、較正ルーチンなどを実行することができる。
【0096】
インタフェース301は、
図1及び
図2に示すピックオフセンサ170l、170rのうちの1つからセンサ信号165を受信することができる。インタフェース301はまた、例えば信号調整器240から駆動信号185を受信するように構成されてもよい。駆動信号185は、信号調整器240によって供給されるものとして示されているが、センサアセンブリ10内の導管130の振動に起因して、センサアセンブリ10からメータ電子機器20に逆EMFが供給されてもよい。したがって、インタフェース301は、
図2に示すセンサ信号100を受信するように構成することができる。
【0097】
インタフェース301は、任意の様式のフォーマット、増幅、バッファリングなどの任意の必要な又は所望の信号調整を実行することができる。或いは、信号調整の一部又は全てを処理システム302で実行することができる。更に、インタフェース301は、メータ電子機器20と外部装置との間の通信を可能にすることができる。インタフェース301は、任意の様式の電子的、光学的、又は無線通信が可能であり得る。インタフェース301は、振動応答に基づいて情報を提供することができる。インタフェース301は、
図2に示すCODEC 222などのデジタイザと結合することができ、センサ信号はアナログセンサ信号を含む。デジタイザは、アナログセンサ信号をサンプリングしてデジタル化し、デジタル化されたセンサ信号を生成する。
【0098】
処理システム302は、メータ電子機器20の動作を実行し、センサアセンブリ10からの流れ測定値を処理する。処理システム302は、1つ以上の処理ルーチンを実行し、それによって、1つ以上の流れ特性を生成するために流れ測定値を処理する。処理システム302は、インタフェース301に通信可能に結合され、インタフェース301から情報を受信するように構成される。
【0099】
処理システム302は、汎用コンピュータ、マイクロプロセッシングシステム、論理回路、又は何らかの他の汎用もしくはカスタマイズされた処理装置を備えることができる。これに加えて、又はこれに代えて、処理システム302は、複数の処理装置に分散させることができる。処理システム302は、記憶システム304などの任意の方式の一体型又は独立型の電子記憶媒体を含むこともできる。
【0100】
記憶システム304は、振動式メータパラメータ及びデータ、ソフトウェアルーチン、定数値、及び変数値を記憶することができる。一実施形態では、記憶システム304は、動作ルーチン310などの、処理システム302によって実行されるルーチンを含む。処理システム302は、振動式メータ5のゼロ較正ルーチン及びゼロ検証ルーチンなどの他のルーチンを実行するように更に構成することができる。また、記憶システムは、平均、標準偏差、信頼区間などの統計値を記憶することもできる。
【0101】
動作ルーチン310は、インタフェース301によって受信されたセンサ信号に基づいて質量流量値312及び密度値314を決定することができる。質量流量値312は、周波数に依存しない質量流量値、直接測定された質量流量値などであってもよい。質量流量値312は、左ピックオフセンサ信号と右ピックオフセンサ信号との間の時間遅延などのセンサ信号から決定することができる。密度値314はまた、例えば、左右のピックオフセンサ信号の一方又は両方から周波数を決定することによって、センサ信号から決定されてもよい。
【0102】
前述したように、
図1及び
図2を参照して説明したセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリは、センサアセンブリの剛性、質量、減衰、残留可撓性などの導管パラメータ値を計算し、計算された導管パラメータ値をベースライン導管パラメータ値と比較することによって検証することができる。しかしながら、そのような計算は、リアルタイム測定を困難にし、顧客のプロセスの中断をもたらす可能性がある。加えて、導管パラメータ値を計算するために使用され得る、例えば利得減衰法などの幾つかの計算は、システムノイズ及びプロセス状態の変化に敏感であり得る。これは、センサアセンブリ検証ルーチンを、流れ状態が低いかもしくは流れ状態がないか、又は導管パラメータ値の計算にとって十分に安定した他の状態に制限することができる。以下でより詳細に説明するように、これら及び他の問題は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証することによって回避することができる。
【0103】
更に
図3を参照すると、記憶システム304は、センサ信号パラメータ値320を含むことができる。
図3に示すように、センサ信号パラメータ値320は、例えば、駆動電圧値322、LPO電圧値324、及びRPO電圧値326を含むことができる。駆動電圧値322、LPO電圧値324、及び/又はRPO電圧値326は、例えば、顧客プロセス中、既知の流体を使用した較正中などにリアルタイムで決定することができる。したがって、駆動電圧値322、LPO電圧値324、及び/又はRPO電圧値326は、質量流量値312及び/又は密度値314を計算するために使用されるのと同じセンサパラメータ値であってもなくてもよい。理解され得るように、駆動電圧値322、LPO電圧値324、及び/又はRPO電圧値326は、実質的に同時に測定、決定、取得、及び/又は計算することができる。
【0104】
センサ信号パラメータ値320は、センサ信号パラメータ値320に基づいて1つ以上の現在のセンサアセンブリ検証値330を計算するために使用することができる。例えば、メータ電子機器20、又はより具体的には処理システム302は、センサ信号の駆動電圧値322、LPO電圧値324、及び/又はRPO電圧値326などのセンサ信号パラメータ値を決定するように構成されてもよい。センサ信号パラメータは、センサ信号の振幅であってもよいが、任意の適切なセンサ信号パラメータが使用されてもよい。理解され得るように、センサ信号の振幅は、電圧、電流、又は電力であってもよいが、任意の適切な振幅が使用されてもよい。メータ電子機器20又は処理システム302はまた、センサ信号パラメータ値からセンサ信号パラメータ関係値を計算するように構成されてもよい。メータ電子機器20、又はより具体的には処理システム302は、センサ信号パラメータ関係値を現在のセンサアセンブリ検証値330として記憶システム304に記憶するように構成されてもよい。
【0105】
図3に示すように、現在のセンサアセンブリ検証値330は、現在のLPO/RPO電圧比値332、現在のDRV/LPO電圧比値334、及び現在のDRV/RPO電圧比値336などのセンサ信号パラメータ関係値を含むが、より多くの又はより少ない現在のセンサアセンブリ検証値330が、図示のメータ電子機器20又は代替のメータ電子機器によって測定、決定、取得、計算、及び/又は記憶されてもよい。理解され得るように、現在のLPO/RPO電圧比値332、現在のDRV/LPO電圧比値334、及び現在のDRV/RPO電圧比値336は、センサ信号電気的パラメータ関係値であり得る。例えば、代替的なメータ電子機器は、現在のLPO/RPO電圧比値332を使用して、ベースラインセンサアセンブリ検証値が計算される較正状態とは類似しないプロセス状態下での導管への変化のかなりの数、例えば大部分を確実に検出することができるので、現在のLPO/RPO電圧比値332などのピックオフセンサ信号関係値を測定、決定、取得、計算、及び/又は記憶するだけであるように構成されてもよい。
【0106】
例示として、ベースラインLPO/RPO電圧比値は、所与の振動式メータのFCFの較正中に計算されてもよい。振動式メータが顧客サイトに設置された後、以下でより詳細に説明するように、顧客は、振動式メータがベースラインLPO/RPO電圧比値が計算される状態とは異なるプロセス状態下でプロセス流体の質量流量及び/又は密度を測定している間に、センサアセンブリ検証ルーチンを実行することができる。
【0107】
導管の剛性値を計算する利得減衰方法は、以下の式、すなわち、
【数5】
を使用することができ、
ここで、
I
DRは、駆動電流であり、
BL
POは、温度の関数であるピックオフ感度係数であり、
BL
DRは、温度の関数であるドライバ感度係数であり、ω
0
ω
0は、導管の共振周波数であり、
ζ
Lは、導管の左部分に関連する減衰係数であり、
ζ
Rは、導管の右部分に関連する減衰係数であり、
V
LPOは、左ピックオフセンサの電圧であり、
V
RPOは、右ピックオフセンサの電圧であり、
K
Lは、左ピックオフセンサ信号に対応する導管の左側の剛性(「左剛性」)であり、及び
K
Rは、右ピックオフセンサ信号に対応する導管の右側の剛性(「右剛性」)である。
【0108】
前述したように、剛性測定は、リアルタイム測定を困難にする可能性があり、顧客がプロセスを中断する必要がある可能性がある計算を必要とする。このような問題をどのように回避するかを決定するために、上記の適切な剛性の比率を以下のようにとることができる。
【数6】
【0109】
理解できるように、式[4]の幾つかの項は相殺する。より具体的には、駆動電流及び管周波数項は相殺する。ピックオフ及びドライバ感度の項BL
PO、BL
DRは、同じであると仮定されてもよく、又は後で補償されてもよい。その結果、以下の関係が得られる。
【数7】
【0110】
式[5]は、左右のピックオフ信号の電圧の比VLPO/VRPOが、剛性と減衰項との比の逆数(ζR/ζL)KR/KLに等しいことを示している。したがって、左右の管減衰又は左右の管剛性のいずれかの変化は、ピックオフ電圧の比をとることによって検出される変化をもたらすことができる。前述したように、センサ信号パラメータは、センサ信号の振幅であってもよい。したがって、式[5]は、例えば、センサ信号の振幅(例えば、電圧、電流、電力など)の比、すなわちALPO/ARPOに一般化することができる。
【0111】
理解され得るように、左右のピックオフセンサ信号の電圧は、センサ信号のパラメータであり、したがって、導管の剛性などの導管パラメータ値を計算するために必要とされるものと同様の計算を必要としない。更に、上記の式[5]は、剛性の変化を検出するために左右のピックオフセンサ信号の電圧の比を使用できることを示している。検出され得る変化は、導管の左右剛性の非対称な変化に限定され得る。より具体的には、導管の変化が左右の剛性の比例的な変化を引き起こす場合、電圧の比は変化を検出しない可能性がある。
【0112】
左センサ信号の電圧又は右センサ信号の電圧がベースライン値に対して変化したかどうかを決定することによって、導管への対称的な変化を検出することができる。例えば、左ピックオフセンサ信号の電圧と駆動信号との比、及び右ピックオフセンサ信号の電圧と駆動信号の電圧との比を、それぞれのベースライン値と比較することができる。しかしながら、そのような比較は、センサアセンブリの状態がベースライン値が決定されるときと同じであることを必要とする場合がある。したがって、センサ信号のパラメータを用いて振動式メータの導管の対称的な変化を検出するために、顧客プロセスを中断する必要があり得るが、剛性値に必要な計算を回避することができる。
【0113】
更に
図3を参照すると、記憶システムは、ベースラインセンサアセンブリ検証値340を含むことができる。ベースラインセンサアセンブリ検証値340は、ベースラインセンサ信号パラメータ関係値を含むことができる。例えば、
図3に示すように、ベースラインセンサアセンブリ検証値340は、ベースラインLPO/RPO電圧比値342、ベースラインDRV/LPO電圧比値344、及びベースラインDRV/RPO電圧比値346などのベースラインセンサ信号パラメータ関係値を含むことができる。「DRV」項は、ドライバに供給される駆動信号の電圧の値であってもよく、駆動電圧値322と同じであってもよいが、任意の適切なセンサ信号パラメータが採用されてもよい。同様に、「LPO」及び「RPO」項はそれぞれ左右のピックオフ電圧値であってもよく、これはLPO及びRPO電圧値324、326と同じであってもよいが、任意の適切なセンサ信号パラメータを採用することができる。
【0114】
ベースラインセンサアセンブリ検証値340は、工場較正、顧客較正中に、又は後の計算値を比較することができる基準値を確立する任意の他の適切なルーチンによって決定することができる。ベースラインセンサアセンブリ検証値340は、ベースラインセンサアセンブリ検証値340と同時に決定された流量測定値(例えば、動作FCF)で使用される流量較正係数に関連付けることができる。したがって、動作FCF及びベースラインセンサアセンブリ検証値340が決定されてからの1つ以上の導管の変更は、不正確な測定値をもたらす可能性がある。
【0115】
図3を参照して前述した現在のLPO/RPO電圧比値332などのLPO/RPO電圧比値を使用して、センサアセンブリの導管の変化を検出することができる。すなわち、センサアセンブリ検証値シフトを使用して、センサアセンブリの導管の変化を検出することができる。例えば、電圧比シフトなどの比シフトは、現在のLPO/RPO電圧比値332とベースラインLPO/RPO電圧比値342との間の差として規定されてもよい。比率シフトは、ベースラインLPO/RPO電圧比率値342のパーセンテージとして表すことができる。
【0116】
理解され得るように、実行可能なセンサアセンブリ検証は、導管に変化が生じていないときに1つ以上の導管に変化が生じていないことを示すべきである。また、理解され得るように、これは、センサアセンブリの検証がプロセス流れ状態中に実行可能である場合、異なる流量において真であるべきである。以下の表は、電圧比シフトが全流量範囲にわたって比較的小さくなり得ることを示している。より具体的には、各流量計タイプは、無流量及び最大流量状態に晒された。流量計の種類毎に、無流量状態でのLPO/RPO電圧比値と最大流量状態でのLPO/RPO電圧比値との間のパーセントシフトを計算した。結果を表にまとめ、以下の表1に示す。
【0117】
【0118】
理解され得るように、電圧比シフトのパーセンテージ値は、1つ以上の導管に変化が生じていない無流量及び最大流量状態に晒された様々なタイプの流量計にわたって非常に小さい。これは、LPO/RPO電圧比の変化が流量の違いによるものではない可能性が高いことを示している。したがって、LPO/RPO電圧比は、1つ以上の導管の状態の信頼できる指標とすることができる。例えば、ベースラインLPO/RPO電圧比に対するLPO/RPO電圧比の変化は、1つ以上の導管を通って流れる材料の流量の変化に起因する可能性は低い。
【0119】
センサアセンブリの1つ以上の導管の変化の信頼できる指標はまた、1つ以上の導管の機械的特性と相関させる必要があり得る。例えば、1つ以上の導管の変化により、LPO/RPO電圧比が剛性の変化率に等しい変化率を有する場合、LPO/RPO電圧比は、1つ以上の導管の変化の信頼できる指標であり得る。以下の表は、1つ以上の導管の変化が各タイプのメータの1つ以上の導管内のエッチング剤によって引き起こされる場合に、比率シフトが様々なタイプのメータに存在することを示す。
【0120】
【0121】
理解され得るように、LPO/RPO電圧比のシフトは、LPO/RPO剛性の比のシフトに等しい。同様に理解され得るように、シフトは、センサアセンブリに取り付けられたメータ電子機器とは無関係であった。以下の表3に示す異なるセンサアセンブリでも同様の結果が得られる。
【0122】
【0123】
したがって、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のLPO/RPO電圧比値などのパラメータは、センサアセンブリの1つ以上の導管の変化を検出することができる。理解され得るように、センサアセンブリからのセンサ信号の電流、電力、抵抗などに基づくものを含む他のパラメータを使用することができる。これに加えて又は代えて、センサ信号のパラメータ間の差などの他のパラメータ関係を使用することができる。更に、駆動信号の電圧など、センサ信号以外の信号のパラメータを用いてもよい。センサ信号のパラメータは計算されず、センサアセンブリの1つ以上の導管の変化を一貫して検出することができる。
【0124】
図4は、センサアセンブリの剛性とセンサ信号パラメータ間の差との間の対応関係を示すグラフ400を示す。
図4に示すように、グラフ400は、腐食パス軸410、ピックオフ電圧デルタ軸420、及び剛性デルタ軸430を含む。腐食パス軸410は単位なしであり、ピックオフ電圧デルタ軸420は単位ボルトであり、剛性デルタ軸430は単位ニュートンメートル/ラジアンであるが、任意の適切な単位を使用することができる。グラフ400はまた、センサアセンブリ検証値デルタプロット440を含む。
図4に示すように、センサアセンブリ検証値デルタプロット440は、剛性デルタプロット442及びピックオフデルタプロット444を含む。
【0125】
理解され得るように、剛性デルタプロット442及びピックオフデルタプロット444は、腐食パス軸410に対してほぼ線形である。また、理解され得るように、剛性デルタプロット442及びピックオフデルタプロット444は、異なる横座標スケーリングではあるが、ほぼ対応する勾配を有する。したがって、ピックオフ電圧デルタ値と剛性デルタ値との間に線形関係が存在することができ、これは、ピックオフ電圧デルタが、剛性シフトを引き起こす可能性があるセンサアセンブリの導管内の変化を確実に検出することができることを示唆している。
【0126】
図3を参照して前述したように、現在のセンサアセンブリ検証値330のうちの1つなどの現在のセンサアセンブリ検証値と、ベースラインセンサアセンブリ検証値340のうちの1つなどのベースラインセンサアセンブリ検証値との間の1つ以上の比較を使用して、前述したセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリの変化を検出及び識別することができる。例えば、センサアセンブリ検証値は、センサ信号パラメータに基づくことができる。例示として、センサアセンブリ検証値は、LPO/RPO電圧比、DRV/LPO電圧比、又はDRV/RPO電圧比であってもよいが、任意の適切なセンサ信号パラメータ比を使用することができる。これに加えて又は代えて、センサ信号パラメータ間の差を使用することができる。したがって、例えば、電流センサアセンブリ検証値330及びベースラインセンサアセンブリ検証値340は、LPO電圧、RPO電圧、及び/又はDRV電圧などのセンサ信号パラメータに基づくことができる。
【0127】
前述の説明でも説明したように、センサアセンブリ検証値シフトを使用して、センサアセンブリの変化を検出及び識別することができる。より具体的には、前述の説明は、センサ信号パラメータの変化がセンサアセンブリの剛性の変化と相関することを説明している。したがって、センサ信号パラメータに基づくセンサアセンブリ検証値を使用して、センサアセンブリの変化を検出及び識別することができる。
【0128】
センサアセンブリの剛性間の相関はまた、位置固有であってもよい。例えば、DRV/LPO電圧比は、左ピックオフセンサの位置と導管上のドライバの位置との間の導管の剛性と相関させることができる。左ピックオフ位置とドライバ位置との間の導管の剛性は、LPO剛性と呼ぶことができる。したがって、類似又は同じプロセス状態の下では、LPO剛性が所与の駆動電流に対して経時的に減少するので、導管は左ピックオフセンサの位置でより大きな変位を受ける可能性があり、これはLPO変位と呼ぶことができる。このより大きなLPO変位は、より高いLPO電圧値を誘発し得る。その結果、LPO剛性が低下するにつれてDRV/LPO電圧比が低下する可能性がある。DRV/RPO電圧比とRPO剛性との間にも同様の相関が存在し得る。
【0129】
前述したように、導管の非対称な変化は、LPO電圧及びRPO電圧の非対称な変化を引き起こす可能性がある。同様の非対称変化は、電力、電流などの他のセンサ信号パラメータでも起こり得る。LPO電圧及びRPO電圧の非対称変化は、現在のLPO/RPO電圧比値332及びベースラインLPO/RPO電圧比値342を使用することによって定量化することができる。例えば、現在のLPO/RPO電圧比値332は、ベースラインLPO/RPO電圧比値342と比較されてもよい(例えば、減算、除算など)。
【0130】
センサアセンブリの導管の対称的な変化は、現在のセンサアセンブリ検証値をベースラインセンサアセンブリ検証値と比較することによって検出することができる。例えば、現在のDRV/LPO電圧比値334は、ベースラインDRV/LPO電圧比値344と比較することができる。これに加えて又は代えて、2DRV/(LPO*RPO)電圧比を同様に使用して導管の対称的な変化を検出することができるが、これは、導管の剛性の対称的な減少が、左ピックオフセンサと右ピックオフセンサの両方でより大きな変位を引き起こす可能性があるためである。しかしながら、導管の対称的な変化を検出するために駆動信号又はセンサ信号の1つのみを使用する前述の比は、プロセス状態がベースライン比値が決定されたときと同じであることを必要とする場合がある。これに加えて又は代えて、導管の計算された剛性値を使用することができ、これは、状態がベースライン剛性値が計算されたときと同じであることを必要としない場合がある。これら及び他の現在のセンサアセンブリ検証値は、変化を検出するために個別に使用することができ、対称的な変化と非対称的な変化とを検出及び区別することさえできるが、センサ信号パラメータの変化を引き起こす基礎となる状態を識別することはできない。
【0131】
センサアセンブリ検証値のシフト又は変化は、変化がセンサアセンブリの導管内で生じたことを示す、現在のセンサアセンブリ検証値とベースラインセンサアセンブリ検証値との間の比較として規定することができる。このセンサアセンブリ検証値のシフト又は変化は、「低」又は「減少」、「高」又は「増加」、又は「ヌル」又は「静的」などとして特徴付けることができる。これに加えて又は代えて、定量値を使用してもよい。2つ以上のセンサアセンブリ検証値シフト又は変更の組み合わせを使用して、導管の根本的な状態を識別することができる。
【0132】
例えば、前述したように、「低い」DRV/LPO電圧比シフトは、ドライバ180と左ピックオフセンサ170lとの間の導管130、130’の物理的剛性が低下したことを示すことができる。「高い」DRV/RPO電圧比シフトは、ドライバ180と右ピックオフセンサ170lとの間の導管130、130’の物理的剛性が増加したことを示すことができる。「低」DRV/LPO電圧比シフトと「高」DRV/RPO電圧比シフトとの組み合わせは、導管の入口に近接する導管の腐食及び導管の出口に近接する導管のコーティングを引き起こすプロセスなどの特定の状態と相関し得る。
【0133】
処理システム302は、これらの値を更に処理して、ドライバ180と左ピックオフセンサ170lとの間の導管130、130’の物理的剛性の増加又は減少のみが示されるトグル指標を生成することができる。これらの値及び/又はトグル指標は、以下の真偽表に示されるように、導管130、130’の根本的な変化を決定するために利用することができる。
【0134】
【0135】
図から分かるように、LPO/RPO電圧比、LPO剛性変化、及びRPO剛性変化の組み合わせを使用して、導管130、130’の異なる可能な変化を区別することができる。例えば、ケースJ及びNの両方は、「右下」であるLPO/RPO電圧比及び「低」であるRPO剛性変化を有する。しかし、ケースJのLPO剛性変化は「低」であり、ケースNのLPO剛性変化は「高」である。ケースJは、導管130、130’の可能な浸食/腐食として示されており、ケースNは、導管130、130’の可能なコーティングとして示されている。
【0136】
上記の表は、導管130、130’の状態を決定するためにLPO剛性変化、RPO剛性変化、及びLPO/RPO電圧比を利用しているが、代替の表、論理、対象、関係、回路、プロセッサ、ルーチンなどの任意の適切な手段を使用して、導管内の状態を決定することができる。例えば、LPO剛性変化及びRPO剛性変化のみを利用して、導管130、130’の状態を決定することができる。しかしながら、理解され得るように、LPO/RPO電圧比を利用することにより、導管130、130’の状態のより具体的な決定が可能になり得る。
【0137】
これに加えて又は代えて、トグル指標の代わりに、LPO剛性変化、RPO剛性変化、及び/又はLPO/RPO電圧比の実際の値を使用して、導管の状態を決定することができる。例えば、上記の表によって決定された状態は、例えば、LPO/RPO電圧比が比較的小さい「右低」である場合、ケースJが浸食ではなく腐食である可能性が高いことを決定する更なるステップによって補足され得る。すなわち、比較的小さい「右低」LPO/RPO電圧比は、導管の入口でより一般的であり得る浸食と比較して、腐食のより均一な性質によるものであり得る。
【0138】
結果の確率を計算する統計的方法を使用して振動式メータの変化を検出することができるが、それらの複雑さのために、メータ電子機器20によって実行することはできなかった。例えば、P及びT統計を使用して、所与のデータセットに対して帰無仮説が満たされるかどうかをテストすることができる。帰無仮説を棄却することは、振動式メータに状態が存在するか否かを決定するものではなく、状態が欠如していることが偽である。センサアセンブリ検証の場合、帰無仮説は、「現在のセンサアセンブリ検証結果は、ベースラインセンサアセンブリ検証結果と同じ平均を有する」と規定することができる。この帰無仮説が証明されない場合、振動式メータの変化により、現在のセンサアセンブリ検証結果の平均は、ベースラインセンサアセンブリ検証結果と同じではないと仮定することができる。
【0139】
例として、t検定では、t値は以下の式を使用して計算することができ、
【数8】
ここで、
μ
0は、ある特定の値であり、
【数9】
は、サンプル平均であり、
sは、サンプル標準偏差であり、及び
nはサンプルサイズである。
【0140】
センサアセンブリ検証の文脈では、μ
0は、ベースラインLPO/RPO電圧比値などのベースラインセンサアセンブリ検証値である。センサアセンブリ検証測定値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値と比較するためのサンプル平均
【数9a】
及びサンプル標準偏差sを計算するために使用される。センサアセンブリ検証測定の数は、サンプルサイズnである。t検定はまた、典型的には自由度を含み、上記の式[6]の場合、n-1として規定される。
【0141】
前述したように、t検定を使用して帰無仮説を検定することができ、帰無仮説は、センサアセンブリ検証のために、サンプル平均
【数9b】
が基準センサアセンブリ検証値に等しいかどうかとして規定することができる。帰無仮説を検証するために、t値の既知の分布を使用してP値を計算することができる。帰無仮説をテストするために、P値を有意水準αと比較する。有意水準αは、典型的には、例えば0.01、0.05、又は0.10などの小さい値に設定される。P値が有意水準α以下である場合、帰無仮説は、代替仮説について棄却される。帰無仮説は、「現在のセンサアセンブリ検証結果は基準センサアセンブリ検証結果と同じ平均を有する」と規定されているため、代替仮説は、現在のセンサアセンブリ検証は同じ平均を有さず、したがってメータに変化が生じているということである。
【0142】
しかしながら、P値は、限られた計算リソースで計算することは困難である。例えば、P値は、オペレーティングシステム及び統計ソフトウェアを備えたコンピュータワークステーション上で計算することができるが、組み込みシステムでは容易に計算することができない場合がある。前述したメータ電子機器20は、限られた計算リソースを有する組み込みシステムであってもよい。更に、メータ電子機器上でその場又はリアルタイムで帰無仮説を棄却する能力は、メータ電子機器20が誤った警報を送信することを防止することができ、同時に導管130、130’の変化を正確に検出することもでき、これは所定の警報限界を使用することよりも大幅に改善されている。
【0143】
この目的のために、メータ電子機器20の限られたコンピューティングリソースを活用する信頼区間が、P値の代わりに使用される。結果として、信頼区間は、メータ電子機器20上の埋め込みコードを使用して計算することができる。例えば、メータ電子機器20は、現在のセンサアセンブリ検証値及び現在のセンサアセンブリ検証値の標準偏差値を、2つのレジスタに記憶することができる。理解され得るように、上記のt値は、有意水準α及び自由度を使用することによって、現在のセンサアセンブリ検証値を使用して計算することができる。一例として、有意水準αは、99%信頼水準である0.01に設定されてもよい。幾つかのセンサアセンブリ検証テストの回数は、5回に設定することができる。したがって、プールされた自由度は2・(5-1)=8であると決定される。両側スチューデントt値は、有意水準α及びプールされた自由度から、スチューデントt値関数を用いて以下のように計算することができる。
【数10】
【0144】
左右のピックオフセンサ170l、170rに関連するセンサアセンブリ検証値のプールされた標準偏差も使用することができる。一般的な場合、プールされた標準偏差の計算は複雑になり得る。しかしながら、メータ電子機器20がセンサアセンブリ検証値の標準偏差をレジスタに記憶することに起因して、プールされた標準偏差は、単に記憶された標準偏差とすることができる。プールされた標準誤差も計算することができ、これは以下のように規定される。
【数11】
【0145】
信頼区間範囲は、上記で決定された標準誤差及びt値を使用して以下のように計算することができる。
CIrange=stderrorpooled・tstudent,99.8;[9]
CIrange=stderrorpooled・3.36
最後に、信頼区間は、センサアセンブリ検証測定値の平均及び信頼区間範囲を使用して計算することができ、これを以下の式に示す。
CI=SVmean±CIrange;[10]
【0146】
信頼区間は、信頼区間が0.0を含むかどうかを決定することによって帰無仮説を検定するために使用することができる。信頼区間が0.0を含む場合、帰無仮説は棄却されず、センサアセンブリ検証は合格する。信頼区間が0.0を含まない場合、帰無仮説は棄却され、センサアセンブリ検証欠陥が送信され得る。
【0147】
メータ電子機器20がセンサアセンブリ検証値及びセンサアセンブリ検証値の標準偏差値を記憶するP値の代わりに信頼区間を使用することによって、計算は比較的単純であり、埋め込みコードを使用して実行することができる。例えば、P値を計算するのに十分な計算リソースを有していない可能性があるメータ電子機器20は、その場又はリアルタイムの統計分析を実行するために信頼区間を計算することができる。また、理解され得るように、信頼区間は、所望の信頼水準で帰無仮説をテストするために使用され得る。
【0148】
信頼区間に加えて、センサアセンブリ検証値測定におけるバイアスを考慮するために、0付近にバイアス不感帯を規定することができる。センサアセンブリ検証値測定値のバイアスは、センサアセンブリ検証測定値に影響を及ぼし得る振動式メータの取り付け、密度、温度勾配、又は他の状態に起因し得る。t検定におけるこのバイアス不感帯は、0付近の値であり、そうでなければ信頼区間チェックに仮説を棄却させる小さな変動を伴う小さなバイアスは、仮説を棄却しない。したがって、このバイアス不感帯は、メータ電子機器20によって送信される誤った警報の数を低減する値に設定することができる。
【0149】
0と比較される信頼区間の例では、バイアス不感帯は0付近の範囲であり、0が信頼区間内にないが、バイアス不感帯の一部が信頼区間内にある場合、帰無仮説は棄却されない。数学的に、このテストは、センサアセンブリ検証平均と呼ばれる場合があるセンサアセンブリ検証測定値の平均値がバイアス不感帯未満であるかどうかとして表すことができる。又は、上で論じた命名法を使用すると、すなわち、
【数12】
の場合(db
biasはバイアス不感帯)、帰無仮説を棄却することはできない。
【0150】
バイアス不感帯は、単独で、又は他の不感帯と組み合わせて実施することができる。例えば、バイアス不感帯は、変動不感帯と併せて実施することができる。一例では、db
variation=db
bias/t
student,99.から変動不感帯を決定することができ、ここで、db
variationは変動不感帯である。変動不感帯をセンサアセンブリ検証値の標準偏差と比較して、帰無仮説を棄却すべきかどうかを決定することができる。一例では、バイアス不感帯は、前述のように比較されてもよく、変動不感帯は、以下のように標準偏差と比較されてもよい。すなわち、
【数13】
の場合及びs<db
variationの場合、帰無仮説を棄却できない上記のテストは、帰無仮説が信頼区間チェックによって棄却された後に利用することができる。或いは、
【数14】
の場合及びs<db
variationの場合、センサアセンブリ検証平均
【数9c】
は0に設定され、変動は変動不感帯に等しくなる。
【0151】
帰無仮説をテストする好ましい方法は、プールされた標準偏差に依存しない2つの信頼区間を使用することであり得る。ベースライン測定値の標準偏差がセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差と同じであると仮定することができない場合、2つの信頼区間を使用することが好ましい場合がある。第1の信頼区間(例えば、ベースライン信頼区間)は、ベースライン平均及びベースライン標準偏差からなり得る。第2の信頼区間(例えば、測定又はメータ検証信頼区間)は、センサアセンブリ検証中に行われた測定値の測定平均及び測定標準偏差からなることができる。
【0152】
この例では、第1の信頼区間は、例示的なベースラインセンサアセンブリ検証値であってもよいが、確率値を含む任意の適切な値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値であってもよい。第2の信頼区間は、測定された平均及び測定された標準偏差から決定される確率であり得る。すなわち、以下で説明するように、測定平均は中心傾向値であってもよく、測定標準偏差は、確率をベースラインセンサアセンブリ検証値と比較することによって、前述のセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリを検証するために使用される分散値であってもよい。
【0153】
2つの重複する信頼区間について、第1及び第2の信頼区間が重複する場合、変化(例えば、損傷なし)は検出されない場合がある。そうでなければ、変化が検出される。2つの信頼区間の重複は、任意の適切な方法を使用して決定することができる。例えば、2つの信頼区間の重複は、測定された平均値とベースライン平均値との間の差、及び測定された標準偏差値とベースライン標準偏差値との間の差を比較することによって決定され得る。比較は、単に計算された左辺(LHS)値及び計算された右辺(RHS)値と呼ばれる用語を含むことができるが、任意の適切な用語を使用することができる。LHS値がRHS値未満である場合、重複が存在し、それに応じて損傷が検出され得る。そうでなければ、重複は存在せず、したがって損傷は検出されない可能性がある。以下の式[11]~[13]は、この方法を例示する。
LHS=|μmeasured-μbaseline|;[11]
RHS=2*(σmeasured-σbaseline);及び [12]
LHS<RHS [13]
ここで、
μmeasuredは、センサアセンブリ検証の測定値の平均値(すなわち、例示的な中心傾向値)であり、
μbaselineは、後続のセンサアセンブリ検証のために実行されたベースライン値の平均値(すなわち、例示的な中心傾向値)であり、
σmeasuredは、センサアセンブリ検証の測定値の標準偏差値(すなわち、例示的な分散値)であり、
σbaselineは、後続のセンサアセンブリ検証のために測定されたベースライン値の標準偏差値(すなわち、例示的な分散値)である。
【0154】
「2」の係数をRHS値の計算に使用して、両方の信頼区間で95%の確率を考慮することができる。他の値を使用してもよい。理解され得るように、センサアセンブリ検証の測定値及びベースライン値の平均値は、任意の適切な方法によって決定することができる。以下の式[14]において、ベースライン値の標準偏差は、ベースライン値の平均値に不感帯値を乗算することによって決定される。
σbaseline=dead band*μbaseline [14]
【0155】
しかしながら、計算されると、信頼区間チェックが実行されるとき、帰無仮説は、センサアセンブリ検証測定におけるバイアスのために棄却されない場合がある。
【0156】
図5は、センサアセンブリを検証するために、前述のセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリのセンサ信号のパラメータを使用する方法500を示す。
図5に示すように、方法500は、ステップ510において、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算する。ステップ510のセンサ信号は、
図1及び
図2を参照して前述したセンサ信号100であってもよいが、任意の適切なセンサ信号を使用することができる。ステップ520において、方法500は、2つのセンサ信号間の計算されたセンサ信号パラメータ関係値を、2つのセンサ信号間のベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較する。比較は、前述した処理システム302によって行われてもよいが、任意の適切なプロセッサ又は処理システムが使用されてもよい。
【0157】
ステップ510において、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することは、左ピックオフセンサ信号電圧値と右ピックオフセンサ信号電圧値との間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することを含むことができる。更に、2つのセンサ信号間のセンサ信号パラメータ関係値を計算することは、2つのセンサ信号の2つのセンサ信号パラメータ値間の比及び差の一方を計算することを含むことができる。例えば、センサ信号パラメータ関係は、上記の式[5]を含むことができるが、左ピックオフセンサ信号電圧と右ピックオフセンサ信号電圧との間の差を使用することができる。別の代替例では、センサ信号パラメータ関係は、右ピックオフセンサ信号電圧が分子内にある場合の左ピックオフセンサ信号電圧と右ピックオフセンサ信号電圧との間の比であってもよい。
【0158】
これに加えて又は代えて、計算されたセンサ信号パラメータ関係値をベースラインセンサ信号パラメータ関係値と比較することは、計算されたセンサ信号パラメータ関係値とベースラインセンサ信号パラメータ関係値との間の差を計算することを含むことができる。例えば、センサ信号パラメータ関係が式[5]を上回る場合、比較は、例えば、以下のセンサ信号パラメータ関係の間であってもよく、
【数15】
ここで、
【数16】
は、センサ信号パラメータ関係デルタ又はシフトであり、
【数17】
は、現在のセンサ信号パラメータ関係であり、及び
【数18】
はベースラインセンサ信号パラメータ関係である。
【0159】
上記のセンサ信号パラメータ関係値デルタ
【数19】
値が公称である場合(例えば、0又は約0、許容範囲内約0など)、方法400は、導管又はセンサアセンブリの変化が検出されなかったことを論理的に結論、指示、記憶などを行うことができる。センサ信号パラメータ関係デルタ
【数20】
値が公称でない場合、方法500は、導管又はセンサアセンブリの変化が検出されたと結論付け、指示、記憶などを行うことができる。
【0160】
前述したように、2つのセンサ信号は、駆動信号、左ピックオフセンサ信号、及び右ピックオフセンサ信号のうちの2つを含むことができる。例えば、上記の式[5]において、2つのセンサ信号は左右のピックオフセンサ信号であり、センサ信号パラメータは左右のピックオフセンサ信号の電圧である。或いは、例えば、2つのセンサ信号は、駆動信号と、左右のセンサ信号の一方とを含んでもよい。例として、駆動信号電圧と左ピックオフセンサ信号電圧との比を使用することができる。しかしながら、前述したように、駆動信号電圧と左ピックオフセンサ信号電圧との比を使用することは、顧客のプロセスが終了すること、及びセンサ信号パラメータ関係値を計算するために使用される状態が、ベースラインセンサ信号パラメータ関係値を取得するために使用される状態と同じである必要があり得ることを必要とし得る。
【0161】
方法500は、計算された電気的パラメータ関係値と、2つ以上のセンサ信号間のベースライン電気的パラメータ関係値との比較に基づいて、センサアセンブリの状態を決定することを更に含むことができる。例えば、左右のセンサ信号間で非ゼロであるセンサ信号パラメータ値deltaは、非対称変化が発生したことを示すことができる。これは、例えば、不均一なエッチング、浸食などに起因し得る。理解され得るように、センサ信号パラメータ関係デルタが0又は許容範囲内である場合、変化がないか、対称的な変化が生じたと結論付けることができる。したがって、方法500は、例えば、顧客プロセスを終了し、駆動信号と左又は右のピックオフセンサ信号との間のセンサ信号パラメータ関係がベースラインに対して変化したかどうかを決定することによって対称的な変化が生じたかどうかを決定するために更に進むことができ、これに加えて又は代えて、方法500は、センサアセンブリの状態を更に決定するために、剛性、減衰などの導管パラメータに基づく値が変化したことを更に決定することができる。
【0162】
前述したように、センサアセンブリ検証値間の2つ以上の比較を使用することができる。更に、センサアセンブリ検証値の変更も採用することができる。例えば、以下に示すように、センサアセンブリ検証シフトの組み合わせを使用して、センサアセンブリ内の導管の状態を検出及び識別することができる。
【0163】
図6は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する方法600を示す。
図6に示すように、方法600は、ステップ610において、現在の第1のセンサアセンブリ検証値を決定する。ステップ620において、方法600は、現在の第1のセンサアセンブリ検証値を第1のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定する。方法600はまた、ステップ630において、現在の第2のセンサアセンブリ検証値を第2のベースラインセンサアセンブリ検証値と比較して第1のセンサアセンブリ検証シフトを決定する。ステップ640において、方法600は、第1のセンサアセンブリ検証シフト及び第2のアセンブリ検証シフトに基づいて導管の状態を決定する。現在の第1のセンサアセンブリ検証値及び現在の第2のセンサアセンブリ検証値の少なくとも一方がセンサ信号パラメータ関係値から構成される。方法600は、前述したメータ電子機器20などのメータ電子機器上で実行することができる。方法600はまた、追加のステップ及び/又は様々なサブステップを含むことができる。
【0164】
例えば、第1のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと左ピックオフとの間の導管の物理的剛性変化を表すことができ、第2のセンサアセンブリ検証シフトは、ドライバと右ピックオフとの間の導管の物理的剛性変化を表す。例示として、前述したように、ドライバと左ピックオフセンサとの間の導管の物理的剛性変化は、DRV/LPO電圧比値と相関することができ(例えば、線形関係)、ドライバと右ピックオフとの間の導管の物理的剛性は、DRV/LPO電圧比値と相関することができる(例えば、線形関係)。
【0165】
センサ信号パラメータ関係値は、2つのセンサ信号パラメータ値の比及び差の一方であってもよい。加えて、導管のセンサ信号パラメータ関係は、左ピックオフセンサ信号パラメータ、右ピックオフセンサ信号パラメータ、及び駆動信号パラメータのうちの2つに基づいて決定されてもよい。例えば、DRV/LPO電圧比値及び/又はDRV/LPO電圧比値を採用することができる。しかしながら、DRV/LPO電圧差分値及びDRV/RPO電圧差分値などの差分も代替的又は追加的に使用されてもよい。比の値は分子と分母の共通因子に依存しない可能性があるが、共通因子は差分値を効果的にスケーリングすることができるため、比は有利であり得る。
【0166】
方法600はまた、導管の状態の決定に基づいて警報を提供することができる。例えば、前述したメータ電子機器20は、前述したポート26を介してメッセージを送信することができる。これに加えて又は代えて、方法600は、メータ電子機器に接続されたユーザインタフェース上にメッセージを表示することができる。前述したように、導管の状態は、振動式メータの導管の浸食、腐食、損傷、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含む。
前述の説明から理解され得るように、状態は、現在のセンサアセンブリ検証値とベースラインセンサアセンブリ検証値との間の比較に基づいて決定されるセンサアセンブリ検証シフトの組み合わせを使用することによって検出及び識別され得る。比較は、以下の説明が示すように、統計的比較を含む任意の適切な比較であってもよく、他の比較と組み合わせて使用されてもされなくてもよく、統計的方法を使用してもされなくてもよい。
【0167】
図7は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する方法700を示す。
図7に示すように、方法700は、ステップ710において、記憶システムから中心傾向値及び分散値を取得する。方法700は、メータ電子機器20などのメータ電子機器上で実行することができる。したがって、前述の処理システム302などのプロセスシステムは、前述の記憶システム304などの記憶システムから中心傾向値を取得することができる。ステップ720において、方法700は、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定して、中心傾向値がベースライン値と異なるかどうかを検出する。
【0168】
方法700では、センサアセンブリ検証値は、センサ信号パラメータ値に基づくことができる。例えば、センサアセンブリ検証値は、前述したLPO/RPO電圧比値、DRV/LPO電圧比値、及びDRV/RPO電圧比値のうちの1つであってもよい。センサ信号パラメータ値は、前述のセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリからのセンサ信号のものであってもよい。したがって、センサアセンブリ検証値は、センサアセンブリ10又は任意の適切なセンサアセンブリを検証するために使用することができる。
【0169】
方法700はまた、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することができ、t値を計算することと、t値を使用して確率を計算することとを含む。例えば、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することは、幾つかのセンサアセンブリ検証測定値に基づいて自由度を計算することを含むことができる。メータ剛性に基づいて確率を決定することは、前述したように、標準偏差及び自由度に基づいて標準誤差を計算することを含むことができる。例えば、上記式[8]を用いて標準誤差を算出してもよい。分散値は、センサアセンブリ検証測定値及びベースラインセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差を含むプール標準偏差であってもよい。確率は、上記の式[10]を使用して計算された信頼区間など、中心傾向値の信頼区間であり得る。
【0170】
前述したように、2つ以上の確率を使用することができる。例えば、第1の信頼区間などの第1の確率は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値に基づくことができ、第2の信頼区間などの第2の確率は、センサアセンブリ検証のために行われた測定値に基づくことができる。例示として、第1の信頼区間は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均及び標準偏差から計算することができる。例えば、ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値の平均値であってもよく、ベースラインセンサアセンブリ検証値の標準偏差は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値の標準偏差値であってもよい。
【0171】
したがって、方法700は、中心傾向値及び分散値に基づいて信頼区間を決定することによって、中心傾向値及び分散値に基づいて確率を決定することができる。理解され得るように、ベースラインセンサアセンブリ検証値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値及び分散値を含むことができる。ベースラインセンサアセンブリ検証値の中心傾向値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の平均であってもよく、ベースラインセンサアセンブリ検証値の分散値は、ベースラインセンサアセンブリ検証値の標準偏差であってもよい。
【0172】
方法700は、中心傾向値及び分散値に基づく確率がベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複しないかどうかを決定することによって、中心傾向値がベースラインセンサアセンブリ検証値と異なるかどうかを検出することができる。確率は、中心傾向値に基づくことができ、分散値は、中心傾向値及び分散値に基づいて決定された信頼区間を含み、ベースラインセンサアセンブリ検証値の確率は、ベースラインセンサアセンブリ検証測定値に基づいて決定された信頼区間を含む。方法700は、式[13]が真である場合、記憶から得られた中心傾向値及び分散値の確率が、ベースラインセンサアセンブリ検証値の確率と重複すると決定することができる。方法700は、上記の式[14]を使用してベースライン標準偏差を決定することができる。
【0173】
前述した振動式メータ5、メータ電子機器20、及び方法500~700は、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証する。例えば、メータ電子機器20上で実行される方法500は、現在のセンサ信号パラメータ関係
【数21】
値がベースラインセンサ信号パラメータ関係
【数22】
値と同じではないと決定することができる。現在のセンサ信号パラメータ関係値は、センサアセンブリ検証動作中に計算された値を指し、計算されたセンサ信号パラメータ関係値と呼ぶことができる。その結果、メータ電子機器20は、センサアセンブリ10に非対称の変化などの変化が生じたと決定することができる。変化は、腐食、堆積、浸食、損傷、亀裂などの状態に起因し得る。
【0174】
方法500はまた、前述した駆動信号とピックオフセンサ信号とのパラメータ関係、導管パラメータ値(例えば、剛性、残留可撓性、質量など)の決定などに基づくものなどの追加の検証を実行して、センサアセンブリの変化を引き起こす状態を更に決定することができる。例えば、センサアセンブリの追加の検証は、ピックオフセンサ信号のパラメータのみを使用して非対称変化が検出されない場合でも、追加のステップが対称的な変化が生じたかどうかを決定することができる。別の例では、センサアセンブリの追加の検証は、どのタイプの非対称変化が生じたかを決定することができる。この例では、ピックオフセンサ信号のみのパラメータを使用して、センサアセンブリに非対称変化が発生したことを決定することができ、追加の検証は、どの状態が非対称変化を引き起こしたかを決定することができる。例として、エッチングは非対称の変化のみを引き起こす可能性があるが、浸食は非対称及び対称の両方の変化を引き起こす可能性がある。
【0175】
方法500~700はまた、検証に基づいて追加のステップを実行することができる。例えば、方法500は、前述のセンサアセンブリ10などのセンサアセンブリに、状態を有するものとしてフラグを立てることができる。これに加えて又は代えて、方法500は、状態がどのようである可能性が高いかに関する情報を含む診断をもたらすことができる。例示として、方法500は、メータ電子機器20に、ポート26を介して、顧客ネットワーク、端末、コンピュータステーションなどのリモートコンピューティングリソースに、状態が検出され、検出された状態が、センサアセンブリ内の導管の腐食である可能性が高いというメッセージを送信させることができる。それに加えて又は代えて、メータ電子機器20は、メータ電子機器20の表示部に、又はメータ電子機器に通信可能に結合されて、センサアセンブリの状態が検出されたことを示すメッセージ、ウィンドウ、テキストバナー、及び/又は状態に関する情報を表示させることができる。
【0176】
センサ信号パラメータ値は、比較的少ないコンピューティングリソースで決定することができるため、メータ電子機器20のリソースをより効率的に利用することができる。また、顧客プロセスを終了させずに、センサ信号パラメータ関係値を算出してもよい。例えば、上記で説明したように、センサ信号パラメータ関係値、特にピックオフセンサ信号パラメータ関係値は、所与の不変のセンサアセンブリについて0流量及び最大流量で一貫していた。更に、計算リソースをほとんど必要としない統計的方法を使用することもできる。更に、ピックオフセンサ信号パラメータ関係値などのセンサ信号パラメータ関係値を計算するとき、センサアセンブリ及び/又はメータ電子機器の状態(例えば、温度、圧力など)は、ベースラインセンサ信号パラメータ関係値が決定されるときのセンサアセンブリ及び/又はメータ電子機器の状態と同じである必要はない。
【0177】
上記の実施形態の詳細な説明は、本発明者らが本明細書の範囲内であると考えている全ての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者であれば分かるように、前述の実施形態の特定の要素を様々に組み合わせたり排除したりして更なる実施形態をもたらすことができ、そのような更なる実施形態は本明細書の範囲及び教示に含まれる。また、当業者に明らかなように、前述の実施形態を全体的又は部分的に組み合わせて、本明細書の範囲及び教示内の追加の実施形態をもたらしてもよい。
【0178】
したがって、特定の実施形態は、例示目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本明細書の範囲内で様々な同等の修正が可能である。本明細書で提供される教示は、前述及び添付の図面に示された実施形態だけでなく、センサアセンブリによって供給されるセンサ信号のパラメータを使用してセンサアセンブリを検証するための他の振動式メータ、メータ電子機器方法に適用することができる。したがって、上記の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
【国際調査報告】