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特表2024-543230共有される再結晶化およびドーパント活性化ステップで3D回路を製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】共有される再結晶化およびドーパント活性化ステップで3D回路を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241112BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20241112BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H01L29/78 627G
H01L21/265 Q
H01L21/02 B
H01L27/12 B
H01L29/78 627D
H01L29/78 627F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533881
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 FR2022052242
(87)【国際公開番号】W WO2023105148
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2112982
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(71)【出願人】
【識別番号】507088071
【氏名又は名称】ソイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャイ・リボー
(72)【発明者】
【氏名】グウェルターズ・ゴーダン
【テーマコード(参考)】
5F110
【Fターム(参考)】
5F110AA04
5F110DD13
5F110EE01
5F110EE04
5F110EE09
5F110EE32
5F110FF01
5F110FF02
5F110FF25
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG15
5F110GG25
5F110HJ13
5F110HJ22
5F110HJ30
5F110HK02
5F110HK04
5F110HK05
5F110HK42
5F110HM14
5F110PP03
5F110PP10
5F110PP22
5F110PP27
5F110QQ11
5F110QQ16
(57)【要約】
(a)第1のレベル(N)の構成要素の半導体層(12)を備える支持体(100)を備える構造物を生成するステップであって、前記支持体(100)が、第2のレベル(N)の別の半導体層(120)を備え、前記別の半導体層(120)が、絶縁層と接触する下部サブレイヤ(121)および下部サブレイヤ上に配設される上部サブレイヤ(122)を含み、前記下部および上部サブレイヤのうちの第1のサブレイヤが、結晶質半導体材料(C)から作られる一方で、前記下部および上部サブレイヤのうちの第2のサブレイヤが、アモルファス半導体材料(A)から作られる、ステップと、
(b)前記半導体層(120)上に少なくとも1つのトランジスタゲートブロック(132)を形成するステップと、
(c)ゲートブロック(132)の両側で、前記半導体層(120)中にドーパントの打込みをすることによって、ゲートブロック(132)に面して位置決めされ、前記トランジスタのチャネルを収めるため設けられる半導体領域の両側のドープ領域(125)を形成するステップと、
(d)前記ドーパントの活性化を実施する際の結晶化面の開始領域として第1の半導体サブレイヤを使用しながら、第2の半導体サブレイヤの再結晶化を実施するように、少なくとも1つの低温熱処理を実施するステップと
を含む、マイクロエレクトロニクスデバイスの製作。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子構成要素の複数の重ね合わせたレベル(N、N)を備えるマイクロエレクトロニクスデバイスを生成するための方法であって、
(a)第1のレベル(N)の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素を備える支持体(100)を備える構造物を生成するステップであって、前記支持体(100)が、絶縁層(110)によって覆われ、前記絶縁層自体が、第2のレベル(N)の半導体層(120)によって覆われ、前記半導体層(120)が、前記絶縁層と接触する少なくとも1つの下部サブレイヤ(121)および前記下部サブレイヤ上に配設される上部サブレイヤ(122)を含み、前記下部および上部サブレイヤのうちの第1のサブレイヤが、結晶質半導体材料(C)から作られる一方で、前記下部および上部サブレイヤのうちの第2のサブレイヤが、アモルファス半導体材料(A)から作られる、ステップと、
(b)前記半導体層(120)上に少なくとも1つのトランジスタゲートブロック(132)を形成するステップと、
(c)前記ゲートブロック(132)の両側で、前記半導体層(120)中にドーパントの打込みをすることによって、前記ゲートブロック(132)に面して位置決めされ、前記トランジスタのチャネルを収めるため設けられる半導体領域の両側のドープ領域(125)を形成するステップと、
(d)前記ドーパントの活性化を実施する際の結晶化面の開始領域として前記第1の結晶質サブレイヤを使用しながら、前記第2のアモルファスサブレイヤの再結晶化を実施するように、少なくとも1つの熱処理を実施するステップと
から構成されるステップをこの順番で含む、方法。
【請求項2】
前記ステップ(a)が、アモルファス半導体材料(A)から作られる前記第2のサブレイヤを形成するように、前記第2のレベル(N)の前記半導体層(120)の厚さの非晶質化打込みを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アモルファス半導体材料(A)から作られる前記第2のサブレイヤが、前記支持体(100)が前記第2のサブレイヤによって全体的にカバーされるように、全表面を覆って延在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(a)において、アモルファス材料(A)から作られる前記第1のサブレイヤが、前記上部サブレイヤ(122)であり、結晶質材料(C)から作られる前記第2のサブレイヤが、前記下部サブレイヤ(121)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(a)において、アモルファスである前記第1のサブレイヤが、前記下部サブレイヤであり、結晶質である前記第2のサブレイヤが、前記表面サブレイヤである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(a)における前記構造物の前記形成が、
前記第1のレベル(N)の構成要素を備える第1の基板(10)を設けるステップと、
前記第1の基板(10)上に、前記半導体層(120)を備える第2の基板(1)を結合するステップと、
前記第2の基板(1)の一部を除去する一方で、前記第1の基板(10)に結合される前記半導体層(120)を保存するステップと
から構成されるサブステップを含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)が、前記結合の前に、前記第2の半導体サブレイヤを形成するように、前記第2のレベル(N)の前記半導体層(120)の非晶質化のステップをさらに含む、請求項5に従属する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記結合の前に、脆弱領域(3)を作成するように前記第1の基板(10)の打込みが実施され、前記半導体層(120)の前記非晶質化が、前記脆弱領域の前記作成後に実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
エッチング停止層(170)が、前記第2の基板上で前記半導体層(120)に面して配置され、前記第2の基板(1)の一部の前記除去が、前記半導体層(120)に対する前記エッチング停止層の選択的エッチングをさらに含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(b)の後に、
前記ゲートブロックの両側での絶縁スペーサ(137)の形成
を含み、
前記ドープ領域(125)を形成する前記ステップ(c)が、前記絶縁スペーサ(137)の前記形成の前に、ドーパントの打込みを含む、
または、
前記ゲートブロックの両側での絶縁スペーサ(137)の前記形成
を含み、
前記ドープ領域(125)を形成する前記ステップ(c)が、前記絶縁スペーサ(137)の前記形成の後に実施されるドーパントの打込みを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップ(d)の後に、前記半導体層(120)上の前記ゲートブロック(132)の両側での半導体ブロック(145)の成長をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップ(a)において、アモルファスである前記第1のサブレイヤが、前記下部サブレイヤであり、結晶質である前記第2のサブレイヤが、前記表面サブレイヤであり、前記方法が、前記ステップ(d)の後で、かつ、前記半導体ブロックの前記成長の前に、非ドープの表面領域の除去をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記再結晶化熱処理が、700℃未満、好ましくは550℃未満、有利には500℃未満の温度で実施される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のレベル(N)の前記構成要素が、半導体材料の層(12)の中に生成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マイクロエレクトロニクスデバイスの分野に関し、詳細には、複数のレベルにわたって分散される構成要素を備えるデバイスの分野に関する。そのようなデバイスは、一般に、3次元回路または「3D」集積回路と呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
一般に、集積回路の分野では、トランジスタの密度を高めることが継続的に求められている。
【0003】
この目的のために、1つの解決策は、重ねて配設される半導体層の複数のレベルにわたってトランジスタを分散することにから構成される。したがって、そのような回路は、一般に、少なくとも2つの重ね合わせた半導体層を含み、これら2つの半導体層の間に絶縁層が挿入される。
【0004】
たとえば、Brunetらによる、「First demonstration of a CMOS over CMOS 3D VLSI CoolCubeTM integration on 300 mm wafer」、2016 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papersという文書は、たとえば、そのようなタイプのデバイスの使用法を提示する。
【0005】
上位レベルにトランジスタを生成するステップは、特にドーパントの活性化が実施されるときに、1つまたは複数の熱処理ステップを実施することを含む場合がある。
【0006】
しかし、高温熱処理は、1つもしくは複数の低レベルの劣化、特に、低レベルの接点の材料もしくは中間レベル接続要素の材料への損傷、または、低レベル内のドーパントの不要な拡散さえ引き起こす可能性がある。
【0007】
第1のレベルのトランジスタが生成されると、それにしたがって、1つまたは複数の上のレベルの製造のサーマルバジェットを制限すること、特に、600℃を超える熱処理を実施するのを避けることが一般的に求められる。
【0008】
拡張領域を作成するためのドーパントの活性化またはさらにドーパントの拡散は、3D回路の上のレベルの中にトランジスタを生成することが望まれるときに、最も重要な問題の1つである。そのようなステップは、一般的に、1000℃より高い可能性がある高温を必要とする。
【0009】
2Dデバイスで使用される、したがって単一レベルのトランジスタを含む図9A図9Bで図示される方法は、その上にスペーサ932が配置されるゲートブロック932のいずれかの側での半導体領域925の打込みによって、アモルファスおよびドーピングを行うことから構成される。
【0010】
再結晶化の期間に、水平Fおよび垂直Fの再結晶化面が作成されやすい。このことによって、面FとFが合うところに結晶化欠陥の作成が引き起こされる可能性がある。
【0011】
そのような方法は、典型的には、SOI基板(SOIは、「シリコンオンインシュレータ」を意味する)上で実施され、領域925、すなわち、アモルファスにされ、ドープされ、次いで再結晶化される領域の下の非ドープ層926の厚さendを制御することは、問題を提起する。これは、この非ドープ層926が、アクセスするための抵抗を増やすこと、およびデバイスの性能に影響をおよぼすことに寄与しやすいためである。
【0012】
さらに、たとえば、FDSOIタイプ(完全に空乏したシリコンオンインシュレータを意味する)の適用が意図される非常に薄い半導体層では、過剰に深い非晶質化打込みが実施される場合、再結晶化のための結晶核の厚さを保存するのは困難な場合がある。このことは、ソースおよびドレイン領域のエピタキシャル成長後に非晶質化が実施される場合、さらに特に困難で重要である。というのは、この場合、半導体厚は、この層の支持体に沿って変化するためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Brunetらによる、「First demonstration of a CMOS over CMOS 3D VLSI CoolCubeTM integration on 300 mm wafer」、2016 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
問題としては、上で述べた欠点のうちの少なくとも1つに関して改善される3Dマイクロエレクトロニクスデバイスを製造するための新規の方法を見出すことが提起される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1つの態様によれば、本発明は、電子構成要素の複数の重ね合わせたレベルを備えるマイクロエレクトロニクスデバイスを生成するための方法に関し、方法は、
(a)第1のレベルNの構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素を備える支持体を備える構造物を生成するステップであって、前記支持体が絶縁層によって覆われ、絶縁層自体が第2のレベルの半導体層によって覆われ、
前記半導体層が少なくとも1つの下部サブレイヤおよび下部サブレイヤ上に配設される上部サブレイヤを含み、前記下部および上部サブレイヤのうちの第1のサブレイヤが、結晶質半導体材料から作られる一方で、前記下部および上部サブレイヤのうちの第2のサブレイヤが、アモルファス半導体材料から作られる、ステップと、
(b)前記半導体層上に少なくとも1つのトランジスタゲートブロックを形成するステップと、
(c)ゲートブロックの両側で、前記半導体層中にドーパントの打込みをすることによって、ゲートブロックに面して位置決めされ、前記トランジスタのチャネルを収めるため設けられる半導体領域の両側のドープ領域を形成するステップと、
(d)前記ドーパントの活性化を実施する際の結晶化面の開始領域として第1の結晶質サブレイヤを使用しながら、第2のアモルファスサブレイヤの再結晶化を実施するように、少なくとも1つの熱処理を実施するステップと
から構成されるステップをこの順番で含む。
【0016】
ステップ(a)は、アモルファス半導体材料から作られる前記第2のサブレイヤを形成するように、第2のレベルNの前記半導体層の厚さの非晶質化打込みを含むことができる。
【0017】
有利なことに、アモルファス半導体材料から作られる前記第2のサブレイヤは、支持体が第2のサブレイヤによって全体的にカバーされるように、全表面を覆って延在する。
【0018】
第1の実装の可能性によれば、ステップ(a)において、アモルファス材料から作られる第1のサブレイヤが、上部サブレイヤであり、結晶質材料から作られる前記第2のサブレイヤが、下部サブレイヤである。
【0019】
変形形態では、第2の実装の可能性によれば、ステップ(a)において、アモルファスである第1のサブレイヤが、下部サブレイヤであり、結晶質である前記第2のサブレイヤが、表面サブレイヤである。
【0020】
有利なことに、ステップ(a)における構造物の形成は、
- 第1の基板を設けるステップであって、前記第1のレベルNの構成要素のうちの前記少なくとも1つの構成要素が生成される、ステップと、
- 第1の基板上に、前記第2のレベルの前記半導体層を備える第2の基板を結合するステップと、
- 第2の基板の一部を除去する一方で、第1の基板に結合される第2の半導体層を保存するステップと
から構成されるサブステップを含むことができる。
【0021】
前記部分の除去が、破砕および/またはSmart cut(商標)タイプの方法によって実施されるとき、熱処理ステップ(d)は、この破砕によって発生されやすい欠陥の修復を実施するのを可能にすることができる。
【0022】
特定の実施形態によれば、ステップ(a)は、前記結合の前に、第2の半導体サブレイヤを形成するように第2のレベルの前記半導体層の非晶質化のステップをさらに含むことができる。
【0023】
前記半導体層の非晶質化は、変形形態では、脆弱領域の前記作成後に実施することができる。
【0024】
結合の前にこのステップを実施することによって、第1のサブレイヤの厚さと第2のサブレイヤのそれぞれの厚さを最も良好に制御することが可能になる。
【0025】
有利なことに、前記結合の前に、脆弱領域を作成するように第1の基板の打込みが実施されるとき、前記半導体層の非晶質化は、前記脆弱領域の前記作成後に実施することができる。
【0026】
有利なことに、エッチング停止層が第2の基板上で前記半導体層に面して配置され、第2の基板の一部の除去が、前記半導体層に対するエッチング停止層の選択的エッチングをさらに含む。
【0027】
方法は、ゲートブロックの両側での絶縁スペーサの形成をさらに含むことができる。
【0028】
この場合、ドープ領域を形成するステップ(c)が、ここで、絶縁スペーサの前記形成の前に、ドーパントの打込みを含むことができる。または、
ドープ領域を形成するステップ(c)が、絶縁スペーサの前記形成の後に実施されるドーパントの打込みを含むことができ、有利なことに、ドーパントの前記打込みは、半導体層の主平面に対する法線に対して傾く方式で実施される。
【0029】
有利なことに、方法は、熱処理ステップ(d)の後に、少なくとも1回の、補助的なドーパントの打込みをさらに含むことができる。
【0030】
1つの実装形態の可能性によれば、方法は、ステップ(d)の後に、半導体層上のゲートブロックの両側での半導体ブロックの成長をさらに含むことができる。
【0031】
ステップ(a)で、アモルファスである第1のサブレイヤが、下部サブレイヤであり、結晶質である前記第2のサブレイヤが、表面サブレイヤである、方法の1つの実装形態の可能性によれば、方法は、ステップ(d)の後で、かつ、前記半導体ブロックの成長の前に、非ドープの表面領域の除去をさらに含むことができる。
【0032】
有利なことに、再結晶化は固相再結晶化であり、熱処理は、550℃未満、有利には500℃未満、典型的には450℃~500℃の間の温度で実施される。
【0033】
有利なことに、第1の構成要素レベルは、少なくとも部分的に、半導体材料の層の中に生成される。
【0034】
本発明は、純粋に指示によるもので、制限的でなく与えられる例示的な実施形態の記載を読み、添付図面の参照をすることから、最も良好に理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第1の例を示す図である。
図1B】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第1の例を示す図である。
図1C】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第1の例を示す図である。
図1D】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第1の例を示す図である。
図1E】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第1の例を示す図である。
図1F】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第1の例を示す図である。
図2】その上に上位レベルのトランジスタを形成することができる、少なくとも1つのレベルの構成要素を備える構造物の例を示す図である。
図3】本発明による方法の期間に実施することが可能な、傾斜打込みによるドーピングのステップの例を示す図である。
図4】スペーサを形成する前で、本発明による方法の期間に実施することが可能な、打込みによるドーピングのステップの例を示す図である。
図5A】スペーサを形成する前で、ゲートを保護する領域を形成した後に、本発明による方法の期間に実施することが可能な、打込みによるドーピングのステップの例を示す図である。
図5B】スペーサを形成する前で、ゲートを保護する領域を形成した後に、本発明による方法の期間に実施することが可能な、打込みによるドーピングのステップの例を示す図である。
図6A】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第2の例を示す図である。
図6B】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第2の例を示す図である。
図6C】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第2の例を示す図である。
図6D】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明による方法の第2の例を示す図である。
図6E】上位レベルがトランジスタを備える3D集積回路を生成するための、本発明にしたがった方法の第2の例を図示する図である。
図7A】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2のレベルの構成要素の半導体層を組み立てるための方法の、第1のシーケンスのステップを示す図である。
図7B】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2のレベルの構成要素の半導体層を組み立てるための方法の、第1のシーケンスのステップを示す図である。
図7C】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2のレベルの構成要素の半導体層を組み立てるための方法の、第1のシーケンスのステップを示す図である。
図7D】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2のレベルの構成要素の半導体層を組み立てるための方法の、第1のシーケンスのステップを示す図である。
図7E】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2のレベルの構成要素の半導体層を組み立てるための方法の、第1のシーケンスのステップを示す図である。
図8A】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2の組の構成要素の半導体層が組み立てられ、第2のレベルの半導体層の非晶質化がこの組立ての前に実施される、第2のシーケンスのステップを示す図である。
図8B】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2の組の構成要素の半導体層が組み立てられ、第2のレベルの半導体層の非晶質化がこの組立ての前に実施される、第2のシーケンスのステップを示す図である。
図8C】第1のレベルの構成要素の半導体層と第2の組の構成要素の半導体層が組み立てられ、第2のレベルの半導体層の非晶質化がこの組立ての前に実施される、第2のシーケンスのステップを示す図である。
図9A】単一レベルのトランジスタを有するデバイス上で実施される、従来技術による方法の例を示す図である。
図9B】単一レベルのトランジスタを有するデバイス上で実施される、従来技術による方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
様々な図の同一、同様、または等価な部分は、1つの図から別の図への移行を容易にするように、同じ参照符号を有する。
【0037】
図に示される様々な部分は、図をより判読しやすくするために、必ずしも均一なスケールで示されるわけではない。
【0038】
さらに、以下の説明では、「上」、「表面」、「横」などといった、構造物の向きに依存する用語は、構造物が図に示されるような向きであると考えることによって、適用される。
【0039】
1つまたは複数のトランジスタを備えるマイクロエレクトロニクスデバイスを生成するための、本発明による方法の第1の例が、図1A図1Fに関連してここで記載される。
【0040】
この方法を実施するための可能性がある開始構造物が図1Aに与えられる。この構造物は、たとえばSiOから作られる絶縁層110でコーティングされる支持体100を備え、絶縁層110自体は表面半導体層120でコーティングされて、1つまたは複数のトランジスタが形成されることが意図される。たとえばシリコンから作られる表面半導体層120は、たとえば、5nm~60nmの間の厚さeを有することができる。
【0041】
ここで、半導体層120は、前記絶縁層110と接触する下部サブレイヤ121と、外面にあって下部サブレイヤ上に位置決めされる上部サブレイヤ122との中に画成される。
【0042】
前記サブレイヤ121、122のうちの一方、ここでは上部サブレイヤ122は、アモルファス半導体材料Aから作られる一方で、前記サブレイヤ121、122の他方は、結晶質半導体材料Cから作られる。この場合、アモルファス材料Aから作られる上部サブレイヤ122は、たとえば、3nm~50nmの間の厚さeを備えることができる。その部分について結晶質材料Cから作られるサブレイヤ121は、たとえば2nm~30nmの間、たとえば2nmまたは3nm程度の厚さeを備えることができる。
【0043】
有利なことに、アモルファス材料Aから作られる上部サブレイヤ122は、全表面、絶縁層110、および支持体100を覆って生成され、したがって、(直交基準座標系[O;x;y;z]の平面[O;x;y]に平行に取られる)その全範囲にわたって上部サブレイヤ122と対向することが可能となる。アモルファス材料Aから作られる上部サブレイヤ122は、典型的には、1つまたは複数の非晶質化打込みによって形成される。
【0044】
トランジスタの形成(および特にそのゲートの生成)さえする前に、全表面を覆った、半導体層120の厚さの非晶質化を実施することによって、次に、この厚さが再結晶化されると、異なる方向の再結晶化面からもたらされる結晶欠陥が現れるのを制限することが可能になる。
【0045】
打込み量およびエネルギーは、非晶質化を達成する一方で、サブレイヤ121を結晶質形式に保つように設計される。たとえば、シミュレーションおよびTEM(透過電子顕微鏡)撮像による実験的検証によって決定されるドーズ量およびエネルギー条件でのGe+イオンの打込みは、シリコンアモルファスの層の所与の厚さを作るために実施することができる。
【0046】
シミュレーションツールは、モンテカルロ法、特に、TRIMタイプ(TRIMは、「TRansport of Ions in Matter」(物体中のイオンの輸送)を意味する)および/またはKMC(「Kinetic Monte Carlo」(動的モンテカルロ)を意味する)に基づく。
【0047】
この非晶質化を行うために使用される種は、たとえば、SiまたはGeなどといった、中性種であってよい。
【0048】
たとえば、1keVのエネルギーでの2*1015イオン*cm-2のGe+イオンの打込みによって、4nm~5nmの間のアモルファス厚を得ることが可能になってよい一方で、2.5keVのエネルギーでの2*1015のGe+イオンの打込みによって、7nm~10nmの間のアモルファス厚を得ることが可能になってよい。3.5keVのエネルギーでの2*1015のGe+イオンの打込みによって、10nm~12nmの間のアモルファス厚を得ることが可能になってよい。
【0049】
この特定の例示的な実施形態では、その上に半導体層120が配設される支持体100は、第1の基板10および半導体層12を備える構造物から形成することができ、ここで、1つまたは複数の構成要素、特に電子構成要素は、既に形成されている。第1の基板10は、固体基板(英語の用語によれば「バルク」)、または、その上に半導体層12が載る、半導体オン絶縁体タイプ特にSOIの基板であってよい。図2に示される特定の例示的な実施形態では、第1のレベルNの構成要素の1つまたは複数のトランジスタTがこの半導体層12中に実装され、特に、それらのチャネル領域は、この層上に設けられる。トランジスタTは、ここで、たとえばSiOから作られる、1つまたは複数の絶縁層、典型的には絶縁層のスタックの中に形成される金属相互接続部25の1つまたは複数のステージでカバーされる。
【0050】
半導体層120の非晶質化は、任意選択で、図2に示された構造物と、半導体層120を備えるスタックまたは別の基板との間の組立ステップの前に実施することができる。組立前に半導体層120の非晶質化を実現することによって、特に、結晶質材料Cおよびアモルファス材料Aのそれぞれの厚さをより容易に調整することが可能になる。
【0051】
図1Aの構造物から、次いで、レベルNの構成要素の1つまたは複数のトランジスタが、少なくとも部分的に半導体層120の中に形成される。それは、したがって、一般的に「3D」と呼ばれ、その各々に構成要素レベルの構成要素の重合わせが形成される複数の半導体層の重合わせを含むタイプのデバイスを生成する場合である。
【0052】
したがって、半導体層120の厚さの非晶質化ならびに半導体層12を備える基板10上のこの半導体層120の任意選択の組立の後のステップで、半導体層120上にゲートスタックが形成される。
【0053】
このスタックは、たとえばSiOまたはHfOから作られる少なくとも1つのゲート誘電体層、および、たとえばポリシリコンもしくはTiNもしくはWに基づいたゲート材料の1つもしくは複数の層、または、少なくとも複数のこれらの材料のスタックを含む。次いで(図1B)、このスタック中に、ゲートブロック132によって覆われるゲート誘電体領域131が画定される。
【0054】
好ましくは、ゲートを生成するのに、500℃未満の温度での方法が好適である。この場合に実装の特定の例によれば、ゲート誘電体領域131は、450℃程度の温度でのプラズマによるシリコンの酸化によって得られる酸化シリコンの領域であってよい。ゲート材料について言えば、これは、350℃で堆積したTiN、または、475℃程度の温度で堆積したドープSiであってよく、これは、レーザアニール処理によって後で再結晶化される。
【0055】
次いで(図1C)、ゲートブロック132の両側にスペーサ137が形成される。これらのスペーサ137は、たとえば、SiNまたはSiBCNまたはSiOCNに基づいてよい。好ましくは、また、500℃未満の温度での実施のための方法が好適である。このために、たとえば400℃程度の温度でSiCOを堆積することによって、たとえばスペーサ137を形成することが可能である。
【0056】
次のドープ領域125は、ゲートブロック132に対向して位置決めされトランジスタチャネルを収容するように設計される、半導体層120の領域120Cの両側で、この層120の中に形成される。これらのドープ領域125は、典型的には、第2の半導体層120の中にドーパントを打ち込むことによって生成される。
【0057】
図1Dに示される例示的な実施形態では、ドープ領域125は、アモルファス上部サブレイヤ122の中および結晶質下部サブレイヤ121の中に延在する。打込み条件は、上で述べたようなCTRIMまたはKMCタイプの打込みシミュレーションツールで、当業者が設計することができる。
【0058】
好ましくは、500℃未満の温度での打込みのための方法が好適である。打込み方法は、ここで、主に環境温度で実施される。
【0059】
ドーパントの打込みが実施されたら、上部サブレイヤ122の再結晶化アニールを実施するように、少なくとも1つの熱処理が実施される(図1E)。ここで、再結晶化面の開始領域として下部サブレイヤ121の使用が行われ、この再結晶化面は、この例では、上昇面である、すなわち絶縁層110から遠ざかる。
【0060】
結晶質半導体材料と接触するアモルファス半導体材料の固相エピタキシャル再成長(SPER)の方法は、特に、典型的には600℃未満、好ましくは500℃未満、たとえば450℃~500℃の間であってよい温度で実施される。付随して、実施される熱処理によって、ドーパントの活性化を実施することが可能になる。SPER再結晶化方法の速度は、温度、材料、ドーパントの濃度、およびドーパントのタイプ(打ち込まれる種)にしたがって変化する。当業者は、アニール時間にしたがって再結晶化した厚さの測定によって、再結晶化条件を確立することができることになる。厚さは、たとえば、偏光解析法によって測定される。ここで、ドープ領域125は、結晶質半導体材料Cから作られる。このようにして、再結晶化とドーパントの活性化は、限定したサーマルバジェットを使用して相互的にされる。
【0061】
支持体100の形成が、別の半導体層12を備える構造物上への半導体120の移転および組立によって実施され、特に、破砕ステップを有する、Smart cut(商標)タイプのための方法を実施する場合、上述のSPER技法によって実施される熱アニールによって、任意選択で、この破砕期間に半導体層120中で引き起こされやすい結晶欠陥を修復することが可能になってよい。
【0062】
上位レベルNの1つまたは複数のトランジスタを生成するための方法は、次いで、ドープ領域125上で、半導体層120のゲートブロック132の両側に位置決めされる半導体ブロック145の成長を実施するステップが続いてよい。そのような成長は、その場ドーピングステップでエピタキシによって実施することができ、その間、半導体材料の成長とこの材料のドーピングは相互的にされる。
【0063】
トランジスタのソースおよびドレイン領域の形成はこうして完了する(図1F)。
【0064】
次いで、他のステップによって、特に金属と半導体合金の領域を形成するステップ、特に半導体領域145のシリサイド化を実施するステップによって、1つまたは複数のトランジスタの形成を完了することが可能である。そのような領域によって、接点を形成することが可能になり、接点は、典型的には、たとえばタングステンまたは銅といった材料を堆積し、次いでアニールすることによって生成される。
【0065】
ちょうど記載した方法の例の変形形態では、スペーサ137の下に配置されるいわゆる拡張領域126をドーピングするため、ゲート132の両側に位置決めされる半導体層120の領域125のドーピングに加えて、準備することが可能である。
【0066】
この場合、スペーサ137が半導体層120のドーピングを実施する前に形成される場合には、図3のように、半導体層120の主平面に対する法線nに対して傾く打込みを実施するために、準備を行うことが可能である。このようにして、これらの拡張領域126に到達してドーピングすることが可能である。
【0067】
これらのドープ拡張領域126を生成するための別の可能性は、図4に示されるように、今回はスペーサ137を形成する前に打込みによるドーピングを実施することから構成される。この場合、特にビームの方位の観点での打込み条件は、ゲート132の下のドーピングを避けるように設計される。
【0068】
ゲート132の下のいかなるドーピングをも回避するため、誘電体材料から作られる微細保護層135でゲートブロック132の横側面をコーティングするための準備を最初に行うことも可能である。たとえば、微細保護層135は、異方的にエッチングされる、1nm~10nm程度の厚さを有する窒化物の層に基づく層である。次いで、図5Aのように、ドーピングを実施するために、1つまたは複数の打込みが実施される。次いで(図5B)、微細保護層135に対してより厚い厚さを有するスペーサ137が形成される。ここで必要ならば、他の打込みを実施することができる。
【0069】
別の変形形態によれば、1つまたは複数のトランジスタが形成される半導体層120の中の、アモルファスと結晶質の厚さに逆の順序を実現することが可能である。
【0070】
こうして、図6A図6Eに与えられる方法の例では、半導体層120が今回は、たとえばアモルファスシリコンといった、アモルファス半導体材料Aから作られる下部サブレイヤ121を含む一方で、上部サブレイヤ122は、たとえば結晶質シリコンといった、結晶質材料Cから作られる。
【0071】
図6Aに示されるような構造物を得るために、典型的には、特に打込みによる非晶質化の実施は、以前に言及したように、たとえば図2に示されたような、第1のレベルの構成要素を有する半導体層12を含む構造物と、第2の半導体層120を備える別の構造物または別の基板との間の組立てについての方法を実施する前に、免除される。
【0072】
こうして、一度半導体層120および絶縁層110が組み立てられ互いに接着接合される、1回または複数回の非晶質化打込みを行実施することが望まれるときよりもむしろ、特に絶縁層110に近接している、完全なアモルファスサブレイヤ121を得ることがより容易になってよい。
【0073】
アモルファス材料Aから作られる下部サブレイヤ121は、たとえば、3nm~50nmの間の厚さe’を備えることができる。その部分について結晶質材料Cから作られる上部サブレイヤ122は、たとえば、2nm~30nmの間の厚さe’を備えることができる。
【0074】
次に、図6Aに示される構造物から、ゲートブロック132が形成される。
【0075】
図6Bに示される例示的な実施形態では、ゲートブロック132の両側の絶縁スペーサ137は、ソースおよびドレイン領域のドーピングの前で、任意選択の、拡張領域のドーピングの前に形成される。
【0076】
図6Cに示される例示的な実施形態では、ゲートブロック132およびスペーサ137の両側で、第2の半導体層120の中にドーパントを打ち込むことによって、次いで、ドープ領域125が形成される。図3に関連して以前に記載されたように、任意選択で、1回または複数回の傾斜打込みによって、このドーピングを実施することも可能である。変形形態および図4または図5A図5Bに関連して以前に記載されたように、スペーサ137を生成するためのステップおよび打込みによるドーピングのステップの逆の順序を実現することも可能である。
【0077】
次いで、再結晶化は、下部サブレイヤ121を熱処理することによって実施される一方で、ドープ領域125のドーパントの活性化を実施する(図6D)。この熱処理は、好ましくは450℃~500℃の間の温度でSPERタイプの再結晶化を得るように、ここでも典型的に実施される。
【0078】
今回は、再結晶化面のための開始領域として上部サブレイヤ122の使用が行われる。全面にわたって延在するアモルファスサブレイヤ121を有することによって、本質的に垂直で、したがって、結晶質構造物の無欠陥再生成により好都合な再結晶化面を有することが可能になる。
【0079】
任意選択で、次いで、その場ドーピングでSPERタイプの再結晶化を実施することが可能であり、ここで、ドーピングおよび再結晶化は、この同じ機器で実施される。
【0080】
有利なことに適用可能な場合には、ここで、任意の非ドープ表面領域の除去を実施することが可能である。
【0081】
ここで、特に、ソースおよびドレイン領域を形成するための半導体ブロック145の成長(図6E)、および次いで接点を形成するためのシリサイド化といった、以前の例に記載されたようなステップを実施することが可能である。
【0082】
以前に示したように、図1Aに示したような構造物または図6Aに示したような構造物を得るために、最初に、第1のレベルの構成要素が形成される第1の半導体層12を備える基板10と、上位レベルの1つまたは複数のトランジスタが設けられる半導体層120を備える別の基板1との間の組立の方法を実施することが可能である。
【0083】
したがって、図7Aに示される例示的な実施形態では、半導体ハンドル基板1が設けられ、その上にたとえばシリコンから作られる半導体層120が配設され、脆弱領域3を形成するため、この基板1の中の打込みが実施される。打込みは、たとえばH+またはヘリウムイオンによって実施される。
【0084】
図2に関連して以前に記載されたような構造物とハンドル基板1の分子結合による組立が次に実施される(図7B)。分子結合は、たとえば、図2の構造物の表面上のSiの層と、ハンドル基板1をカバーするSiOの層との間で実施することができる。
【0085】
図7Cは、脆弱領域3においてハンドル基板1を破砕することによる後続の切断ステップを示す。残っている厚さを後で除去する追加ステップを次に実施することができる(図7D)。この除去は典型的には平坦化(CMP)によって実施される。
【0086】
半導体層120がレベルNの構成要素上に移転されると、ここで、少なくとも1回の非晶質化打込みを実施することが可能である(図7E)。
【0087】
次に、たとえば、図1A図1Fに関連して以前に記載されたような方法にしたがって、トランジスタが形成される。
【0088】
任意選択で、図7Aに示されるように、ハンドル基板1上に配置される半導体層120は、異なる半導体材料から作られ層120の材料に対して選択的にエッチングすることが可能なエッチング停止層170に面して置くことができる。たとえば、半導体層120がシリコンから作られるとき、エッチング停止層170はSiGeから作ることができる。
【0089】
図7B図7Cに実施されるような半導体層120の移転が実施されると、表面半導体層が薄くされ、この表面層は、そこから破砕ステップによって作成された粗さを取り除くために、平滑化される。脆弱領域を生成するための打込みのために結晶に導入されやすい任意の残留欠陥は、取り除かれて減らされる。
【0090】
停止層170の存在によって、層120の厚さを制御すること、および、その粗さを低温で減らすことがより良好に可能になる。
【0091】
別の実装の可能性によれば、半導体層120でコーティングされた基板1とその上にレベルNの構成要素が形成される基板10とを分子結合することによる組立を実施する前でさえ、半導体層120中にアモルファスサブレイヤを作成することが可能である。
【0092】
こうして、図8A図8Cに示される例示的な実施形態では、脆弱領域3が形成される。
【0093】
次いで(図8B)、半導体層120のサブレイヤを打ち込むことによる非晶質化が実施される。
【0094】
次に、分子結合による組立、その次に、脆弱領域3においてハンドル基板1を破砕することによる切断が実施される(図8C)。
【0095】
図8A図8Cに関連してちょうど記載された方法の変形形態(図示せず)によれば、脆弱領域3を生成するステップの前でさえ、ハンドル基板1上の半導体層120の非晶質化を実施することも可能である。
【0096】
図7A図7Eを参照して以前に記載した例示的な実施形態でのように、任意選択で、半導体層120に対してエッチング停止層170を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 第2の基板、ハンドル基板
3 脆弱領域
10 第1の基板
12 半導体材料の層、半導体層、第1の半導体層
25 金属相互接続部
100 支持体
110 絶縁層
120 半導体層
120C 領域
121 下部サブレイヤ
122 上部サブレイヤ
125 ドープ領域
126 拡張領域
131 ゲート誘電体領域
132 トランジスタゲートブロック
135 微細保護層
137 絶縁スペーサ
145 半導体ブロック、半導体領域
170 エッチング停止層
925 半導体領域
926 非ドープ層
932 スペーサ、ゲートブロック
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
【国際調査報告】