(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】一体に織成された少なくとも3層のエア袋
(51)【国際特許分類】
D03D 1/02 20060101AFI20241112BHJP
B60R 21/235 20060101ALI20241112BHJP
B60R 21/207 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
D03D1/02
B60R21/235
B60R21/207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546359
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2022076840
(87)【国際公開番号】W WO2023066623
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】102021126956.3
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524149481
【氏名又は名称】グローバル・セイフティ・テキスタイルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL SAFETY TEXTILES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルビエ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン,デイビッド
【テーマコード(参考)】
3D054
4L048
【Fターム(参考)】
3D054AA23
3D054CC25
4L048BA01
4L048BA06
4L048CA11
4L048DA25
4L048EB00
(57)【要約】
本発明は、下側織物層(UG)、上側織物層(OG)およびこれらの間に配置された中間織物層(MG)の少なくとも3つの織成された織物層に織り合わせられている経糸および緯糸を有する一体に織成されたOPWエア袋において、中間織物層(MG)の経糸および緯糸は、選択された通過領域(DSB)において浮遊することを特徴とする、OPWエア袋に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側織物層(UG)、上側織物層(OG)およびこれらの間に配置された中間織物層(MG)の少なくとも3つの織成された織物層に織り合わせられている経糸および緯糸を有する一体に織成されたOPWエア袋において、前記中間織物層(MG)の前記経糸および前記緯糸が、選択された通過領域(DSB)において浮遊することを特徴とする、OPWエア袋。
【請求項2】
前記選択された通過領域(DSB)は、前記中間織物層(MG)の基本組織よりも密な組織が存在する周縁領域によって取り囲まれていることを特徴とする、請求項1に記載のOPWエア袋。
【請求項3】
前記上側織物層(OG)と前記中間織物層(MG)は、選択された領域においてXテザーを介して互いに結合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のOPWエア袋。
【請求項4】
前記下側織物層(UG)と前記中間織物層(MG)は、選択された領域においてXテザーを介して互いに結合されていることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のOPWエア袋。
【請求項5】
前記上側織物層(OG)と前記中間織物層(MG)は、これらの間に上側エア室(OLK)を形成し、前記下側織物層(UG)と前記中間織物層(MG)は、これらの間に下側エア室(ULK)を形成することと、
前記上側エア室(OLK)は、発生器(G)を収容するための発生器口部(GM)を有することと、を特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のOPWエア袋。
【請求項6】
前記OPWエア袋は、前記上側および/または下側エア室(OLK)に補強室を有することを特徴とする、請求項5に記載のOPWエア袋。
【請求項7】
前記上側および/または下側エア室(OLK)にXテザー列が配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のOPWエア袋。
【請求項8】
前記OPWエア袋は、その外面にポリマー層を備えていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のOPWエア袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下側織物層、上側織物層およびこれらの間に配置された中間織物層の少なくとも3つの織成された織物層を有するOPWエア袋(Luftsack)に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるファーサイドエアバッグは、これはフロントセンターエアバッグとも称されるが、例えば自動車の運転席において助手席に向いた側に配置される。これらのエアバッグは、2020年に発効する見込みであるEuro NCAPの試験要件を満たすために将来使用されることになる。このための試験内容は、例えばインターネット上で「euro-ncap-far-side-test-and-assessment-protocol-v10.pdf」に見出すことができる。www.euroncap.comの「European New Car Assessment Programme」も参照されたい。
【0003】
上述のエアバッグは、従来、いわゆるカット・シール・ソー(Cut,Seal&Sew)法で非常に手間をかけてしか製造できなかった。この場合、1つ以上の帯状織物から多数の織物片が切り取られ、シーリング材でコーティングされ、コストと時間を費やして縫い合わせてエアバッグとされる。車両乗員の最大限可能な保護作用を保証できるようにするために、そのようなエア袋は膨張した状態において明確な形状(Formgebung)と非常に高い剛性を具備しなければならない。この用途のために既知のエア袋は手間のかかる解決策であり、現在のところ、多大な縫製技術的な手間をかけて製造され、その際、例えば、シリコーンでコーティングされた1つの平織物から同一のまたは部分的に同一のまたは互いに異なる2つ以上の製造パーツが切り取られ、端側にシーリング材が、例えば周設されるビードの形で吹き付けられ、続いて2つ以上の織物パーツが重ね合わせられ、次いで、これらのパーツが接着複合体とされる。更に、織物層には、接着シームの十分な強度を保証するためにシームが設けられる。例えば安全ベルト(Fangbaender)やバックル等の更なるコンポーネントが、形状付与のための更なるプロセス工程において(シーリング材を用いて、または用いずに)縫い付けられなければならない。この方法は非常に時間とコストがかかり、多数の手作業のプロセス工程を必要とする。完全なモジュールのために利用可能な車両座席の構造空間は非常に限られている。縫成されたファーサイドエアバッグでは、シームと複数の織物層が非常にかさばるため、構造空間の必要性を増大させる。
【0004】
欧州特許出願公開第3 127 758 号明細書から、多重縫いされた(mehrfach genaehten)2層エア袋を有するファーサイドエアバッグ装置が知られており、その内部空間には、平時には2層エア袋の膨張時に達成されるべき空間構造を制御するために、外層に対して平行に位置する、的確に寸法設定および位置決めされた様々な織物片が縫い合わせられている。追加的に、2つの外側織物層を結合するために、的確な結合シームが設けられている。そこでの説明から、ファーサイドエアバッグの製造は非常に骨が折れ、時間がかかることがわかる。
【0005】
独国特許出願公開第10 2019 002 441号明細書から、下側織物層、上側織物層、およびこれらの間に配置された中間織物層の少なくとも3つの織成された織物層を有するOPWエア袋が知られている。そこでは、中間織物層の経糸と緯糸は、OPWエア袋の第1の部分領域において中間織物層から出て、上側織物層と上側織物層との間で完全に浮遊し、OPWエア袋の第2の部分領域において、下側織物層または上側織物層に組み入れられている(eingebunden)。しかし、ここで提案されている設計は大きな空間を占める構成であり、このことは、例えば自動車にニーエアバッグを配置する場合など、非常に狭い状況での取り付けを不可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来技術から既知の欠点が回避されるか、少なくとも大幅に低減されるエア袋を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、請求項1に記載の一体に織成されたOPWエア袋、すなわち、
下側織物層、上側織物層およびこれらの間に配置された中間織物層の少なくとも3つの織成された織物層に織り合わせられた経糸および緯糸を有する一体に織成されたOPWエア袋において、中間織物層の経糸および緯糸が、選択された通過領域(Durchstroembereich)において浮遊することを特徴とする、OPWエア袋により解決される。本発明によるOPWエア袋は、有利には、単一の作業工程で一体に織成された(One Piece Woven)エア袋であり、これは、織機から出てきたときには、織成が完成しており、有利にもすでにそのすべての機能的特徴を備えて構成されている。本発明による設計は、エア袋を空間的に非常に小さく、かつコンパクトに(gedraengt)形成することを可能にし、したがって特にニーエアバッグの配置の設計に使用することを可能にする。通過領域において浮遊する経糸と緯糸は、織り組織(Webbindung)によって互いに結合されていない。したがって、この領域における中間織物層は空気透過性である。例えば、上側織物層と中間織物層との間に供給された空気は、中間織物層の通過領域を通り抜けて流れ、中間織物層と下側織物層との間の領域に到達することができる。当然のことながら、同じことが他の方向でも起こり得る。空気が通過領域を通って流れる場合、中間織物層の経糸と緯糸がそれぞれの糸の経路にから側方に逸れ、流れて来る空気が中間織物層を通り抜けて流れるようにする。本発明によるエア袋は、従来技術から既知の別個に配置されたいわゆる流入領域を必要とせず、したがってこれまでに知られているエア袋の場合よりも、大幅に小さい構成にすることができる。定められた様々な密封性要求に応じるために、これに各個別にシーリング材を設けるだけでよい。それにより、従来技術から既知のエアバッグとは対照的に、コストが大幅に削減され、製造時間を短縮することができる。両方の室を膨張過程において発生器もしくはインフレータによって同時に充填することができ、すでに安定したエアバッグが形成される。目的は、この基本設計を用いて、Euro-NCAPの要件を満たすということである。
【0008】
本発明の有利な実施形態では、OPWエア袋は、選択された通過領域が、中間織物層の基本組織(Grundbindung)よりも密な組織(Bindung)が存在する周縁領域によって取り囲まれていることを特徴とする。
【0009】
下側織物層および/または上側織物層の設計(キーワード 組み込み(Einarbeitung))により、中間織物層を通過領域において平織物として形成することが可能でない場合、中間織物層の基本組織、例えば平織りよりも狭い組織を補強として、浮遊する経糸と緯糸の領域の周りに部分的に設置することができる。
【0010】
本発明の別の有利な実施形態では、OPWエア袋は、上側織物層と中間織物層が、選択された領域においてXテザーを介して互いに結合されていることを特徴とする。本発明によるこの構成は、上側織物層と中間織物層との間の空間の個々に所望される形態の目標通りのコントロールを可能にする。この場合も、2つの織物層がXテザーを介して互いに結合されている選択された領域において、有利にも膨張時のエア袋の局所的な伸展およびその程度を本発明により意図的に制限することができる。
【0011】
本発明の類似の有利な実施形態では、OPWエア袋は、下側織物層と中間織物層がXテザーを介して、選択された領域において互いに結合されていることを特徴とする。前述の実施形態について述べたことがここでも当てはまる。
【0012】
OPWエア袋の本発明の更に別の有利な実施形態では、上側織物層と中間織物層は、これらの間に上側エア室を形成し、下側織物層と中間織物層は、これらの間に下側エア室を形成することと、上側エア室は、発生器を収容するための発生器口部を有することと、を特徴とする。この配置の利点は、特に、単一の発生器口部を介してエア袋のすべてのエア室を満たすことができることである。
【0013】
本発明の更に別の有利な実施形態では、OPWエア袋は、上側および/または下側エア室に補強室を有することを特徴とする。本発明によれば、この構成は、膨張時にエア袋の一部分の、エア袋の別の部分に対する制御された湾曲を可能にする。
【0014】
本発明の更に別の有利な実施形態では、OPWエア袋は、上側および/または下側エア室にXテザー列(X-Tether-Kolonnen)が配置されていることを特徴とする。
【0015】
Xテザー列と補強室の様々な配置によって、エア袋の膨張時に個々の部分を他の部分に対して的確に湾曲させることができる。
【0016】
本発明の最終的にまた別の有利な実施形態では、OPWエア袋は、その外面にポリマー層を備えていることを特徴とする。このようなシーリング材によるコーティングは、有利にも、織物層の空気不透過性、およびそれに伴い膨張圧力下にあるエア袋の形状安定性を高める。
【0017】
特に、本発明の主題は、ニーエアバッグの分野で使用することができる。
本発明をよりよく理解するために、図面を用いた例示的実施形態をもとにして本発明を以下に簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】非膨張状態にあるOPWエア袋の著しく模式化した斜視図であり、その3つの層が互いに離して示されている。
【
図2】
図1のOPWエア袋の著しく模式化した側面図である。
【
図3】インフレータが挿入された本発明によるOPWエア袋の例示的実施形態の著しく模式化した平面図である。
【
図4】
図3のOPWエア袋を左から見た著しく模式化した図である。
【
図5】インフレータもしくは発生器が上側織物層と中間織物層との間の発生器口部に挿入された、発生器口部を有する本発明によるOPWエア袋の例示的実施形態の著しく模式化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、3つの織物層、すなわち上側織物層OG、中間織物層MG、および下側織物層UGの上下の配置が互いに大きく離して示されている。上側織物層OGと下側織物層UGは、一貫して(durchgehend)、例えば平織りL1/1で互いに織り合わせられた経糸KFと緯糸SFを含む。中間織物層MGも同様であり、そこでは経糸KFと緯糸SFが、中間織物層の、ほぼ中心に例示的に矩形に形成された格子模様の面として示される通過領域DSBにおいても延びるが、互いに織り合わせられずに浮遊し、すなわち、当業者に知られているように、この領域において経糸と緯糸KF、SFは、織り組織によって互いに結合されるのではなく、織物層においてそれらの経過方向に対して平行に、および横方向に変位可能に位置している。通過領域DSBにおいて空気流LSが中間織物層MGに対して横方向に加えられた場合、経糸と緯糸KF、SFは、この領域において側方に逸れ、この領域において中間織物層を図示される方向Lに通過することを可能にする。
【0020】
図1の左側には、経糸と緯糸KF、SFの経過方向が、Kが縦方向、Sが横方向の2つの矢印で示される。矢印IIは、
図2の図示による織物層に向いた視線方向を示す。
図2において、明瞭にするために、織物層OG、MG、UGは多少離して示されている。実際には、静止状態にある織物層は、互いに密接して平らに重なり合う。断面図において、通過領域DSBが破線として、および矢印Lと前述の空気流LSの動きを示すべき別の矢印とが認識される。
【0021】
前述の
図1および
図2が単に模式図を示すのに対して、
図3には、例示的な本発明による一体に織成されたOPWエア袋LUSが示されている。例示的に正方形に形成されたエア袋LUSを上から見て、上側織物層OGが見え、その下には、視線方向に見て、この図では本来見えない通過領域DSBのみが示唆された中間織物層MGと下側織物層UGが位置する。3つの上述の織物層OG、MG、UGは、それらの周囲の織り合わせシーム(Webnaht)WNの領域において互いに織り合わせて単一の織物層「単層」とされており、これは
図3の矢印IVに従って見た図示の
図4からも良好に見て取れるように、上側織物層OGと中間織物層MGが上側室OLKとも称される空間を形成し、下側織物層UGと中間織物層MGが下側室UKとも称される空間を形成する。3つの織物層は、いわば織り合わせシームWNにおいて一緒になり、この領域において単一の層を形成する。発生器Gは、発生器口部GMにおいて上側室OLK内に突出して配置されている。発生器Gが作動すると直ちに、これは、例えばその頭部に配置された開口部を通して空気もしくはガスを矢印ALの方向に上側室OLK内に吹き込み、それによってこれが充填される。ほぼ同時に、空気が矢印Lに従って通過領域DSBを通って流れ、通過領域DSBの浮遊する糸によって妨げられることなくエア袋LUSの下側室UKに流れ込み、この下側室UKも充填する。下側室UKの織物層、すなわち下側織物層UGと中間織物層MGは、概略的に示された織り合わせシームUWNを介して互いに織り合わせられ、したがって織り合わせシームは、下側室UKを外側に密閉する。
【0022】
図4においてエア室OLK内にやや緩めに配置された図示される発生器Gは、
図5に示されるように、実際には上側織物層OGおよび中間織物層MGに密接している。実線で示された発生器Gがエア袋内に配置されて、破線で示されている。
図5による斜視図は、発生器Gが発生器口部GMに挿入された非膨張状態のエア袋LUSを示す。ここでは、発生器Gが上側織物層OGと中間織物層MGとの間に位置することになることも示されるべきである。
図5に破線で示される通過領域DSBは、図では本来見えず、明瞭にするためにのみ示唆されている。
【0023】
図4に示される状況は、本発明によるエア袋が膨張した、簡単にするために理想化した状況を示す。従来技術から既知の解決策と比べて、本発明によるエア袋のコンパクトで小型の設計が認識でき、このエア袋は、それ自体の流入領域を有さず、したがって、例えば自動車の足元領域における狭い空間条件でのニーエアバッグに非常に良く適している。
【0024】
この場合、上述の通過領域DSBは、その上またはその下に位置するエア室が発生器が作動した場合にゆっくりとではなく、中間織物層MGが部分的に浮遊する経糸と緯糸KF、SFを有することによって素早くかつ動的にガスを充填できるようにする。中間MGの浮遊する糸は、この領域においてエア通り抜け部(Luftdurchgang)を形成し、このエア通り抜け部によって、2つの重なり合うエア室OLK、ULK間の動的な空気交換が可能にされる。
【0025】
本発明によるエア袋の織物層には、膨張時の局部的な伸展を制限するために、的確な場所に配置されるいわゆるXテザーを選択的に設けることができる。目的は、とりわけ、膨張した状態において高い剛性と改善された3次元の形状が可能なエア袋を提案することである。その場合、重要になるのは、狭い状況でもデザイン面で適切な箇所において、浮遊する経糸と緯糸によって作成される、例えばここで言及される通過領域DSBなどの、上側および下側エア室OLK、ULKを互いに接続し、かつ迅速な空気交換をもたらす1つまたは複数のエア通路により解決策を提案することである。
【0026】
通過領域の周りの中間織物層における上記の補強組織(Verstaerkungsbindung)、例えば平織りは、通過領域において機械的または熱的負荷による損傷が生じないようにする。重なり合う個々のエア室の計画された充填速度を得るためには、通過領域DSBの断面が設計上想定されたサイズを保持することが重要である。
【0027】
下側織物層UGおよび/または上側織物層OGの設計(キーワード「組み込み」)により、中間織物層MGを、浮遊する経糸と緯糸による本発明によるエア通り抜けを行うべきでない室領域において平織物として形成することが可能でない場合、中間織物層MGの基本組織、例えば平織りよりも狭い組織を補強として、浮遊する領域の周りに少なくとも部分的に設置することができる。
【0028】
中間織物層における通過領域の面積のサイズによっても室の充填速度に影響を及ぼすことができる。これは、例えば、ここで例示的に発生器によって充填される上側エア室が、下側エア室への通過領域の断面を拡大もしくは縮小することによってより速くまたはよりゆっくりと内圧を印加され得ることを意味する。これは、発生器によって直接充填されるのではなく、中間織物層における通過領域を通して間接的にのみ充填されるエア室についても、これが上記の依存関係において動的に、またはそれほど動的でなく充填され得ることを意味する。これにより、エア袋の下側または上側エア室を的確により速く、またはよりゆっくりと充填することができる。これは、当然、高度に動的な範囲でのみ認識できるが、エアバッグモジュールからの本発明によるエア袋の展開/繰出しを最適化するためにポジティブに寄与する。
【符号の説明】
【0029】
AL 吹き込みエア
DSB 通過領域
G 発生器
GM 発生器口部
L 矢印
LS 空気流
LUS エア袋
MG 中間織物層
OG 上側織物層
OLK 上側エア室
UG 下側織物層
ULK 下側エア室
UWN 下側織り合わせシーム
WN 織り合わせシーム
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側織物層(UG)、上側織物層(OG)およびこれらの間に配置された中間織物層(MG)の少なくとも3つの織成された織物層に織り合わせられている経糸および緯糸を有する一体に織成されたOPWエア袋において、前記中間織物層(MG)の前記経糸および前記緯糸が、選択された通過領域(DSB)において浮遊することを特徴とする、OPWエア袋。
【請求項2】
前記選択された通過領域(DSB)は、前記中間織物層(MG)の基本組織よりも密な組織が存在する周縁領域によって取り囲まれていることを特徴とする、請求項1に記載のOPWエア袋。
【請求項3】
前記上側織物層(OG)と前記中間織物層(MG)は、選択された領域においてXテザーを介して互いに結合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のOPWエア袋。
【請求項4】
前記下側織物層(UG)と前記中間織物層(MG)は、選択された領域においてXテザーを介して互いに結合されていることを特徴とする、請求項1
または2に記載のOPWエア袋。
【請求項5】
前記上側織物層(OG)と前記中間織物層(MG)は、これらの間に上側エア室(OLK)を形成し、前記下側織物層(UG)と前記中間織物層(MG)は、これらの間に下側エア室(ULK)を形成することと、
前記上側エア室(OLK)は、発生器(G)を収容するための発生器口部(GM)を有することと、を特徴とする、
請求項1または2に記載のOPWエア袋。
【請求項6】
前記OPWエア袋は、前記上側
エア室(OLK)および/または
前記下側エア室
(ULK)に補強室を有することを特徴とする、請求項5に記載のOPWエア袋。
【請求項7】
前記上側
エア室(OLK)および/または
前記下側エア室
(ULK)にXテザー列が配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のOPWエア袋。
【請求項8】
前記OPWエア袋は、その外面にポリマー層を備えていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のOPWエア袋。
【国際調査報告】