(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-20
(54)【発明の名称】ベル・カップ、ベル・カップを有する回転噴霧器、塗装装置および対応する塗装方法
(51)【国際特許分類】
B05B 3/10 20060101AFI20241113BHJP
B05B 7/08 20060101ALI20241113BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20241113BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20241113BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
B05B3/10 B
B05B7/08
B05D1/02 Z
B05D1/36 B
B05D7/14 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520780
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2022077498
(87)【国際公開番号】W WO2023057407
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021125820.0
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マルクアルト、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ノルテ、ハンス-ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】バンディック、マリヨ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン、オリバー
【テーマコード(参考)】
4D075
4F033
【Fターム(参考)】
4D075AA13
4D075AE07
4D075AE24
4D075CA47
4D075DC11
4F033PA11
4F033PB16
4F033PC02
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB18
4F033QD25
4F033QE06
4F033QE10
(57)【要約】
本発明は、部品(26)を塗装する回転噴霧器(1)のベル・カップ(2)に関し、以下の特徴:・前記回転噴霧器(1)に前記ベル・カップ(2)を、ベル・カップ(2)が回転軸(3)まわりで回転可能であるように取り付けるハブ(4)と、・スプレー・ジェットの形でペンキを噴霧するための環状の噴霧端(8)と、・前記噴霧端(8)に向かって末端方向に前記回転軸(3)に沿って広がる円周状の外側の側面(9、10、11)と、を有する。本発明は、前記ベル・カップ(2)の外側面が、様々な部分に分けられて異なる角度を付けられていることを提供する。更に、本発明は、そのようなベル・カップを有する回転噴霧器と、塗装装置と、対応する塗装方法とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(26)、特に自動車本体の部品(26)を塗装する回転噴霧器(1)のベル・カップ(2)であって、
a)前記回転噴霧器(1)に前記ベル・カップ(2)を取り付ける取り付けインターフェース、特にハブ(4)と、
b)スプレー・ジェットの形でペンキを噴霧するための、回転軸(3)を囲む環状の噴霧端(8)と、
c)前記噴霧端(8)に向かって末端方向に前記回転軸(3)に沿って広がる円周状の外側の側面(NA、9、10、11)と、
を有し、
d)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)は、前記回転軸(3)に沿って、中央の側面部(10)と末端の側面部(11)を有し、
e)前記中央の側面部(10)は円錐形であり、
f)円錐形の前記中央の側面部(10)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して第1の傾斜角(α)で傾斜しており、
g)前記末端の側面部(11)は円錐形または円筒形であり、
h)前記末端の側面部(11)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して第2の傾斜角(β)で傾斜しており、
i)前記第1の傾斜角(α)は、前記第2の傾斜角(β)より大きい、
ことを特徴とするベル・カップ(2)。
【請求項2】
a)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)は、更に、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対し、前記中央の側面部(10)とは異なる角度の近位の側面部(9)を有し、および/または、
b)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)は、更に、前記近位の側面部(9)に近位で隣接したハブ部(NA)を有し、
前記ハブ部(NA)は、望ましくは、
b1)前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対し、前記近位の側面部(9)および/または前記末端の側面部(11)とは異なる角度であって、特に、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対し、より大きい傾斜角を有しており、および/または、
b2)前記近位の側面部(9)に、よじれで結合し、および/または、
b3)前記末端の側面部(11)よりも前記回転軸(3)に沿った軸長が長く、および/または、
b4)一定のコーン角を有する円錐形であり、および/または、
b5)ベル・カップ(2)の後側の外側リンス・チャンバ(5)に直接隣接している、
ことを特徴とする請求項1に記載のベル・カップ(2)。
【請求項3】
a)前記末端の側面部(11)は前記噴霧端(8)に直接隣接し、および/または、
b)前記中央の側面部(10)は、前記末端の側面部(11)、特に前記末端の側面部(11)と前記中央の側面部(10)との間のよじれ(W2)に直接隣接し、および/または、
c)前記近位の側面部(9)は、前記中央の側面部(10)、特に前記近位の側面部(9)と前記中央の側面部(10)との間のよじれ(W1)に直接隣接する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のベル・カップ(2)。
【請求項4】
a)前記中央の側面部(10)の前記第1の傾斜角(α)は、25°-45°または27°-35°の範囲内、または、実質的に30°であり、および/または、
b)前記末端の側面部(11)の前記第2の傾斜角(β)は、0°-10°または0°-5°の範囲内、または、実質的に0°である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のベル・カップ(2)。
【請求項5】
a)前記中央の側面部(10)は、前記回転軸(3)に沿った軸方向に、0.5mm-10mmまたは1mm-5mmの範囲内の長さ(B)を有し、および/または、
b)前記末端の側面部(11)は、前記回転軸(3)に沿った軸方向に、0mm-2mmの範囲内の長さ(W)を有する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のベル・カップ(2)。
【請求項6】
a)塗られるべきペンキを供給するための、中心に配置されたペンキ供給と、
b)作動中、塗られるべきペンキが前記ペンキ供給から外へオーバーフロー面(7)を介して前記噴霧端(8)まで流れ出るように、前記噴霧端(8)まで至る前面の前記オーバーフロー面(7)と、
により特徴づけられる請求項1から5のいずれか1項に記載のベル・カップ(2)。
【請求項7】
a)前記オーバーフロー面(7)は、噴霧方向で前記回転軸(3)に沿って円錐形に広がり、および/または、
b)前記オーバーフロー面(7)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して、実質的に一定の傾斜角(δ)を有し、および/または、
c)前記オーバーフロー面(7)の前記傾斜角(δ)は、50°-87°または55°-85°の範囲内、または、実質的に60°であり、および/または、
d)前記オーバーフロー面(7)は、前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)の前記中央の側面部(10)および/または前記末端の側面部(11)と角(θ)を形成しており、角(θ)は10°-50°または20°-40°の範囲内にある、または、実質的に30°である、
ことを特徴とする請求項6に記載のベル・カップ(2)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のベル・カップ(2)により特徴づけられる回転噴霧器(1)。
【請求項9】
基端でベル・カップ(2)を環状に囲み、スプレー・ジェットを形づくるために、前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)上へおよび/またはペンキのスプレー・ジェット上へ、後ろから少なくとも1つのシェーピングエアジェットを放出するように設計されているシェーピングエアリング(14)により特徴づけられる請求項8に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項10】
a)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)の前記近位の側面部(9)は、前記軸方向では、全体的にまたは部分的に前記シェーピングエアリング(14)内に配置されており、および/または、
b)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)の前記中央の側面部(10)は、前記軸方向では、より完全に前記シェーピングエアリング(14)の外に配置され、および/または、
c)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)の前記末端の側面部(11)は、前記軸方向では、より完全に前記シェーピングエアリング(14)の外に、配置される、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項11】
a)前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)は、シェーピングエアリング(14)と共に環状ギャップ(S)を囲み、
b)前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)と、シェーピングエアリング(14)との間の前記環状ギャップ(S)は、10mmまたは5mmまたは4mmまたは3mmまたは2mm以下の最大ギャップ幅(b)を有し、および/または、
c)前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)と、シェーピングエアリング(14)との間の前記環状ギャップ(S)は、環状ギャップの最も狭いポイントでは、前記シェーピングエアリング(14)の端面(16)から10mmまたは7mmまたは5mm以下の軸長(H)を有し、および/または、
d)前記ベル・カップ(2)の外周面(NA、9、10、11)と、シェーピングエアリング(14)との間の前記環状ギャップ(S)の前記最も狭いポイントは、前記環状ギャップ(S)が、前記最も狭いポイントから始まって近位方向および末端方向の両方で広がるように、前記シェーピングエアリング(14)の前記端面から間隔をあけられている、
ことを特徴とする請求項9または10に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項12】
a)前記シェーピングエアリング(14)は、複数のシェーピングエアノズル(17)を備える第1のシェーピングエアノズル・リングを有し、前記複数のシェーピングエアノズル(17)の各々は、第1のシェーピングエアジェットをアウトプットし、
a1)第1の前記シェーピングエアノズル(17)は、円周方向に、第1の旋回角で角度をつけられた前記第1のシェーピングエアジェットを放ち、
a2)前記第1のシェーピングエアノズル・リングは、第1の直径(TK1)を有し、
および/または、
b)前記シェーピングエアリング(14)は、複数のシェーピングエアノズル(18)を備える第2のシェーピングエアノズル・リングを有し、前記複数のシェーピングエアノズル(18)の各々は、第2のシェーピングエアジェットを放出し、
b1)第2の前記シェーピングエアノズル(18)は、円周方向に又は軸方向に、第2の旋回角で角度をつけられた前記第2のシェーピングエアジェットを放ち、
b2)前記第2のシェーピングエアノズル・リングは、第2の直径(TK2)を有する、
ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項13】
a)前記第1の旋回角は、40°-75°または50°-65°の範囲内、または基本的には55°であり、望ましくはベル・カップ(2)の回転方向とは逆向きに並べられ、および/または、
b)前記第1のシェーピングエアノズル・リングの前記第1の直径(TK1)は、前記ベル・カップ(2)の外径(D)より短く、特に、2mm-8mmまたは3mm-6mmだけ短く、および/または、
c)前記シェーピングエアリング(14)の端面(16)と、前記ベル・カップ(2)の前記噴霧端(8)との間には、前記回転軸(3)に沿って、2mm-40mmまたは5mm-30mmの範囲内であり、望ましくは15mmの軸距離(A)が存在し、および/または、
d)前記第2のシェーピングエアノズル・リングの前記第2の直径(TK2)は、前記噴霧端(8)の前記外径(D)と実質的に等しく、特に、最長で±2mmの差または+1mm長い、
ことを特徴とする請求項12に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項14】
a)第1の前記シェーピングエアノズル(17)および/または第2の前記シェーピングエアノズル(18)は、各々皿穴(19)を有し、および/または、
b)第1の前記シェーピングエアノズル(17)および/または第2の前記シェーピングエアノズル(18)は、各々、穴の直径と、各々前記穴の直径より20%-70%または30%-50%長い皿穴直径を有する前記皿穴(19)とを有し、および/または、
c)前記皿穴(19)は、前記穴の軸に沿って、前記穴の直径と実質的に等しく特に±40%、±30%、±25%の偏差を有する皿穴長(l)伸びており、および/または、
d)前記皿穴(19)は円筒形または円錐形である、
ことを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項15】
a)前記ベル・カップ(2)の前記噴霧端(8)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して直角に広がる噴霧端面(21)に広がり、
b)前記シェーピングエアジェット(20)は、前記噴霧端(8)から間隔をあけて、望ましくは0mmから4mmまでの距離のポイントで、前記ベル・カップ(2)の前記噴霧端面(21)と交差する、
ことを特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載の回転噴霧器(1)。
【請求項16】
請求項8から15のいずれか1項に記載の回転噴霧器(1)を有する、部品(26)、特に自動車本体の部品(26)を塗装するための塗装装置。
【請求項17】
a)塗装ゾーン(24)、特に塗装ブース(24)と、
b)前記塗装ゾーン(24)を通って、塗装されるべき前記部品(26)を運ぶ塗装ライン(25)と、
により特徴づけられる請求項16に記載の塗装装置。
【請求項18】
前記塗装ゾーン(24)は、同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)の外面への第1のベースコート層の塗装と、
b)前記部品(26)の内面への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記外面の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
を実行するように設計されていることを特徴とする請求項17に記載の塗装装置。
【請求項19】
前記塗装ゾーン(24)は、同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)自動車本体の塗装と、
b)自動車本体用のアドオン部品の塗装と、
を実行するように設計されていることを特徴とする請求項17に記載の塗装装置。
【請求項20】
前記塗装ゾーン(24)は、同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)へのフィラー層の塗装と、
b)前記部品(26)の前記フィラー層上への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
d)前記部品(26)の前記第2のベースコート層の上にクリアコート層を塗ることと、
を実行するように設計されていることを特徴とする請求項17に記載の塗装装置。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか1項に記載の塗装装置で、部品(26)、特に自動車本体の部品(26)を塗装する塗装方法。
【請求項22】
同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)の外面への第1のベースコート層の塗装と、
b)前記部品(26)の内面への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記外面の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
が実行されることを特徴とする請求項21に記載の塗装方法。
【請求項23】
同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)自動車本体の塗装と、
b)自動車本体用のアドオン部品の塗装と、
が実行されることを特徴とする請求項21に記載の塗装方法。
【請求項24】
同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)へのフィラー層の塗装と、
b)前記部品(26)の前記フィラー層上への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
d)前記部品(26)の前記第2のベースコート層の上にクリアコート層を塗ることと、
が実行されることを特徴とする請求項21に記載の塗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品(例えば、自動車本体の部品)を塗るための、回転噴霧器のベル・カップに関する。更に、本発明は、そのようなベル・カップを有する回転噴霧器に関する。更に、本発明は、本発明に従った回転噴霧器を有する塗装装置も含む。最後に、本発明は対応する塗装方法も含む。
【背景技術】
【0002】
自動車本体の部品を塗装するための現代の塗装装置では、通常、回転噴霧器が塗装装置として使用され、回転噴霧器は圧縮空気タービンによって高速でベル・カップを動かし、ベル・カップは塗られるべきペンキを噴霧する。そのようなベル・カップの例は特許文献1から分かる。ここでは、ベル・カップの外側面は円錐形であり、したがってベル・カップに沿ってほぼ一定の、ベル・カップの回転軸に対する傾斜角を有する。したがって、ベル・カップの外面は、一様な傾斜角を有して連続的であり、様々な外面部に細分されない。
【0003】
更に、本発明の背景状況では、塗装設備で様々な塗装作業が実行されなければならないと、言うべきである。例えば、フィラー、ベースコート、クリアコートなど、様々なコーティング剤が塗装されなければならない。更に、一方では溶媒系塗料、他方では水性塗料など、様々な種類のペンキが使用されうる。最後に、一方では車両本体、他方ではアドオン部品(例えばバンパー)など、様々な種類の部品が、塗装されうる。これらの様々な塗装作業は、通常、対応するベル・カップを有して、特に適用された種々の回転噴霧器を必要とする。必要とされる様々に異なるベル・カップは、ロジスティックに複雑で、高い開発経費も必要とする。そのうえ、様々な塗装作業が、塗装ラインに沿って並んで配置された種々の塗装ブースで実行されることで、塗装装置を作り、操作するコストを増やしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、対応して改良したベル・カップ、関連の回転噴霧器、対応する塗装装置を作る課題に基づく。更に、本発明は、対応する塗装方法を特定する課題に基づく。
【0006】
この課題は、主要な請求項によるベル・カップによって、そして、更なる請求項による回転噴霧器と、塗装装置と、対応する塗装方法によって解決される。
【0007】
始めに、望ましくは、後述の本発明によるベル・カップの構造デザインによれば、ベル・カップが、例えば一方では自動車本体の塗装に、他方ではアドオン部品の塗装になど、多種多様な塗装作業に使用可能であると述べるべきである。様々なありうる塗装作業は、詳しくは後述される。
【0008】
まず、本発明によるベル・カップは、ベル・カップが回転軸まわりで回転可能なようにベル・カップを回転噴霧器に取り付けられるように、始めに述べられた既知のベル・カップに従った取り付けインターフェース(例えばハブ)を含む。例えば、ベル・カップは、この目的のために、回転噴霧器の圧縮空気タービンの中空のタービン軸上に、その取り付けインターフェース(例えばハブ)でネジ止めされる。しかし、本発明は、一方のベル・カップと他方の回転噴霧器との間の機械的接続に関して、そのようなネジ接続に限らない。
【0009】
そのうえ、本発明によるベル・カップも、始めに述べられたベル・カップに従って、スプレー・ジェットの形で塗られるようペンキを噴霧するための環状の周の噴霧端を有する。
【0010】
更に、本発明によるベル・カップも、噴霧端に向かって末端方向に回転軸に沿って広がる円周の外側面を有する。
【0011】
本発明によるベル・カップは、この外面のデザインによって特徴づけられる。始めに述べた特許文献1による既知のベル・カップの場合、この外側面はすなわち均一で、ベル・カップの回転軸に対して基本的に一定の傾斜角を有する。このように、既知のベル・カップでは、ベル・カップの外側面は、様々な外側面部に分けられない。ベル・カップの外側面が、回転軸に沿って幾つかの外側面部、すなわち、中央外側面部と末端外側面部に分けられるという点で、本発明によるベル・カップは先行技術と区別される。中央外側面部は円錐形であり、始めに述べた既知のベル・カップの場合と同じである。他方、ベル・カップの末端外側面部は、本発明によるベル・カップの形状では、円錐または円筒形のいずれかでありえる。ベル・カップの外側面の様々な外側面部は、ベル・カップの回転軸に対する傾斜角において異なる。例えば、円錐の中央外側面部は、回転軸に対して第1の傾斜角を有し、第1の傾斜角は、望ましくは、末端の側面部の第2の傾斜角より大きい。このように、近位の側面部は、末端の側面部より、回転軸に対して、より角度がある。
【0012】
そのうえ、本発明によるベル・カップは、その外側面に、更に近位の外側面を有していても良く、更に近位の外側面は、ベル・カップの回転軸に対して、中央外側面部とは異なる角度である。本発明の望ましい実施例では、ベル・カップの外側面は、このように、ベル・カップの回転軸に沿ってお互いに続き、互いに直接隣接しうる、少なくとも3つの外側面部、すなわち、まず近位の側面部、続く中央の側面部、最後に末端の側面部を有する。
【0013】
望ましくは、ベル・カップの外側面は、ベル・カップの回転軸に沿ってお互いに続き、互いに直接隣接しうる、少なくとも4つの様々な外側面部、すなわち、まずハブ横の、いわゆるハブ部、次に近位の側面部、続く中央の側面部、最後に末端の側面部を有する。ハブ部は、望ましくは、隣接した近位の側面部より、回転軸に対して、より角度があると、ここで述べなければならない。
【0014】
ベル・カップの外側面の末端の側面部は、望ましくは、ベル・カップの噴霧端に直接接する。すなわち、末端の側面部は、望ましくは、直接噴霧端になる。
【0015】
一方、ベル・カップの外側面の中央の側面部は、望ましくは、末端の側面部、特に末端の側面部と中央の側面部との間のよじれに直接接する。よじれは、一方は中央の側面部、他方は末端の側面部、の傾斜角の違いに起因する。
【0016】
他方では、ベル・カップの外側面の近位の側面部は、望ましくは、中央の側面部、特に、一方は近位の側面部、他方は中央の側面部との間のよじれと直接隣接する。このよじれも、一方は近位の側面部、他方は中央の側面部、の傾斜角の違いに起因する。
【0017】
そのうえ、ベル・カップの外側面の近位の側面部は、望ましくは、いわゆるハブ部、特に、一方は近位の側面部、他方はハブ部との間のよじれと直接隣接する。このよじれも、一方は近位の側面部、他方はハブ部、の傾斜角の違いに起因する。このように、ベル・カップの外側面のハブ部は、望ましくは、ベル・カップの回転軸に対して、近位の側面部より角度がある。
【0018】
本発明の望ましい実施例では、ベル・カップの回転軸に対する中央の側面部の第1の傾斜角は、望ましくは、25°-45°または27°-30°の範囲であり、30°の傾斜角が特に有利であると判明している。
【0019】
他方、ベル・カップの回転軸に対する末端の側面部の第2の傾斜角は、望ましくは、0°-10°または0°-5°の範囲であり、0°の傾斜角が特に有利であると判明している。ベル・カップの外側面の末端の側面部は、このように、望ましくは、ベル・カップの回転軸と平行になる。
【0020】
本発明の望ましい実施例では、中央の側面部は、望ましくは、ベル・カップの回転軸に沿って、0mm-10mmまたは1mm-5mmの範囲の軸方向長さを有する。
【0021】
他方、ベル・カップの外側面の末端の側面部は、望ましくは、ベル・カップの回転軸に沿って、0mm-2mmの範囲の軸方向長さを有する。
【0022】
更に、それ自体は先行技術で知られているように、本発明によるベル・カップも、望ましくは、塗られるべきペンキを供給するために、中央に配置されたペンキ供給を有すると述べなければならない。例えば、ベル・カップは、先行技術で知られているように、ペンキ・ノズルがタービン軸を介してベル・カップまで軸方向に突出し、中心に、塗られるべきペンキを供給する状態で、回転噴霧器の中空のタービン軸上のハブに固定されても良い。そのうえ、本発明によるベル・カップは、噴霧端に至る先端のオーバーフロー面を有していても良く、そのため、作動中、塗られるべきペンキは、中央のペンキ供給から外へオーバーフロー面を介してベル・カップの噴霧端まで流れ出る。
【0023】
本発明によるベル・カップでは、このオーバーフロー面は、望ましくは、噴霧方向で回転軸に沿って、円錐形に広がる。この場合、オーバーフロー面は、ベル・カップの回転軸に対して、ほぼ一定の傾斜角を有していても良く、すなわち、オーバーフロー面は、望ましくは、様々な傾斜角を有する複数の部分に分けられない。例えば、ベル・カップの回転軸に対するオーバーフロー面の傾斜角は、50°-87°または55°-85°の範囲であっても良く、60°のオーバーフロー面の傾斜角が特に有利であると判明している。
【0024】
更に、ベル・カップのオーバーフロー面は、望ましくは、ベル・カップの外側面の中央または末端の外側面に対して特定の傾斜角を含むと述べなければならない。そして、この傾斜角は、望ましくは、10°-50°または20°-40°の範囲であり、30°の値が特に有利であると判明している。
【0025】
更に、本発明は、本発明による上記ベル・カップの保護を一つの構成要素として要求するだけではないと述べなければならない。むしろ、本発明は、本発明による、そのようなベル・カップを備えた回転噴霧器の保護も要求する。
【0026】
本発明による回転噴霧器は、この場合、それ自体は先行技術からわかっているように、ベル・カップによって放たれるスプレー・ジェットを形づくる仕事を有するシェーピングエアリングを備えていても良い。シェーピングエアリングは、基端でベル・カップを環状に囲み、スプレー・ジェットを形づくるために、ベル・カップの外面上へおよび/またはペンキのスプレー・ジェット上へ、後ろから少なくとも1つのシェーピングエアジェットを放出するように設計されている。
【0027】
ここで、ベル・カップの外側面の近位の側面部および/またはハブ部は、軸方向では、シェーピングエアリング内に、完全に又は部分的に配置されうる。すなわち、ベル・カップは、その近位の側面部で少なくとも部分的に囲まれる(おおわれる)。他方、ベル・カップの外側面の中央の側面部は、望ましくは、軸方向では、完全にシェーピングエアリングの外に位置し、このことは望ましくはベル・カップの末端の側面部にもあてはまる。
【0028】
更に、シェーピングエアリングを有するベル・カップの外側面は、望ましくはベル・カップの中央および/または近位の側面部の領域で、環状の隙間を望ましくは密閉すると述べなければならない。この環状の隙間は、最も狭いポイントでは、望ましくは10mmまたは5mmまたは4mmまたは3mmまたは2mmより短い幅の隙間を有する。一方のシェーピングエアリングの外端と他方のベル・カップの外周面との間の環状の隙間で最も狭いポイントは、ここでは望ましくは、シェーピングエアリングの端面から特定の軸距離があり、この軸距離は、望ましくは、10mmまたは7mmまたは5mmより短い。一方のベル・カップの外周面と他方のシェーピングエアリングとの間の環状の隙間は、望ましくは、近位の方向と末端の方向の両方で、最も狭いポイントから広がるとも述べなければならず、このことが有利であると判明している。
【0029】
本発明の望ましい実施例では、シェーピングエアリングは、ベル・カップの回転軸に望ましくは同軸に揃えられた第1のシェーピングエアノズル・リングを有し、各々第1のシェーピングエアジェットを放出可能な複数のシェーピングエアノズルを有する。シェーピングエアノズルは、ここでは、第1のシェーピングエアノズル・リングに、シェーピングエアノズル・リングの円周に望ましくは等距離で分散して配置されている。更に、第1のシェーピングエアノズルは、望ましくは、円周方向に第1の旋回角で曲げられる第1のシェーピングエアジェットを放出すると述べなければならない。このことは、第1のシェーピングエアジェットが、ベル・カップの回転軸と平行に配されないで、円周方向に曲げられることを意味する。
【0030】
そのうえ、本発明による回転噴霧器において、シェーピングエアリングは、望ましくはベル・カップの回転軸と同軸で配されてもいる、第2のシェーピングエアノズル・リングを有していても良く、第2のシェーピングエアノズル・リングは、一般に、第2のシェーピングエアノズル・リングの円周に等距離で分散して配置されても良く、各々が第2のシェーピングエアジェットを放出する、複数のシェーピングエアノズルを含む。第2のシェーピングエアノズル・リングのシェーピングエアノズルは、任意に、軸方向に、すなわちベル・カップの回転軸と平行に又は円周方向に曲げられて、つまりねじられて配列されても良い。
【0031】
第1のシェーピングエアノズル・リングの円周方向に角度をつけられるシェーピングエアノズルの第1の旋回角は、望ましくは40°-75°または50°-64°の範囲であり、55°の旋回角が特に有利であると判明している。円周方向に角度をつけられるシェーピングエアノズルは、望ましくはベル・カップの回転方向と逆向きに配置されると、ここで述べなければならない。
【0032】
更に、第1のシェーピングエアノズル・リングは、望ましくは、その噴霧端で、ベル・カップより直径が短いと述べなければならず、直径の差は、例えば2mm-8mmまたは3mm-6mmの範囲であっても良い。
【0033】
一方のシェーピングエアリングの端面と、他方のベル・カップの噴霧端との間には、軸距離があっても良く、軸距離は2mm-40mmまたは5mm-30mmの範囲であっても良く、15mmの距離が特に有利であると判明していることも述べなければならない。
【0034】
また、第2のシェーピングエアノズル・リングの直径は、望ましくはベル・カップの噴霧端の外径と基本的に等しく、例えば最長で±2mmの差または+1mm長い、ということも注意しなければならない。
【0035】
第1および第2のシェーピングエアノズル・リングの個々のシェーピングエアノズルは、各々、出口開口部に、例えば円筒形または円錐形の皿穴を有していても良いと述べなければならない。シェーピングエアノズルの皿穴の最大直径は、望ましくはシェーピングエアノズルの穴の直径より大きく、望ましくは20-70%または30-50%大きい。皿穴は、穴の軸に沿って、軸方向に、穴の直径とほぼ等しく例えば最大で±40%または±30%または45%の偏差を有する皿穴長分伸びても良いと、ここで述べなければならない。
【0036】
実際には、カウンターシンクが使用される。これらは、通常、穴のバリを取り除くため、または、木ネジの頭を皿穴に埋める、すなわち皿穴を先細りにするために使用される。通常、カウンターシンクは、90°の角度を有する。しかし、角度は60°または120°であっても良い。あるいは、平らなカウンターシンクもある。これらは、ネジ(六角形のネジ、アレンスクリュー)の頭を皿穴に埋めるのに用いられる。重要なのは、穴が鋭形でなく皿穴ならば、気流分布が変化するということだ。小さな変化に大きな効果がある。皿穴は、直径で測られても、および/または、皿穴の深さで測られても良い。角度も必要とされるが、その場合、選ばれたツールにより与えられる。
【0037】
ベル・カップの噴霧端は、望ましくは、既知のベル・カップでの場合のように、ベル・カップの回転軸に対して直角に広がる噴霧端面に位置する。シェーピングエアジェットは、望ましくは、ベル・カップの噴霧端から間隔をあけて、望ましくは0mm-4mmの距離のポイントで、ベル・カップの噴霧端面と交差する。したがって、エアジェットは、望ましくはベル・カップの外面に向けられないで、中心軸でベル・カップの外面を通り過ぎる。このことは、望ましくは、第1のシェーピングエアと第2のシェーピングエアの両方にあてはまる。
【0038】
本発明によるベル・カップと本発明による回転噴霧器は、上述された。しかし、本発明は、本発明によるような回転噴霧器を有する塗装装置の保護も要求する。
【0039】
本発明による塗装装置は塗装ゾーンを有し、塗装ゾーンは例えば塗装ブース内に配置されても良い。そのうえ、本発明による塗装装置は、塗装ゾーンを通って塗装されるべき部品(例えば自動車本体の部品)を運ぶための塗装ラインを有する。
【0040】
本発明による塗装装置は、様々な塗装作業が同じ塗装ゾーン内で実行されるという事実によって特徴づけられる。
【0041】
例えば、以下の塗装作業は、同じ塗装ゾーン内で実行されても良い。
- 部品の外面への第1のベースコート層(BC1)の塗装
- 部品の内面への第1のベースコート層(BC1)の塗装
- 部品の外面の第1のベースコート層の上に第2のベースコート層(BC2)を塗ること(BC:base coat(ベースコート))
【0042】
さらに、本発明の範囲内では、以下の塗装作業が同じ塗装ゾーン内で実行されることも可能である。
- 自動車本体の塗装
- 自動車本体用のアドオン部品の塗装
【0043】
さらに、本発明の範囲内では、以下の塗装作業が同じ回転噴霧器を用いて同じ塗装ゾーン内で実行されることも可能である。
- 部品へのフィラー層の塗装
- 部品のフィラー層上への第1のベースコート層(BC1)の塗装
- 部品の第1のベースコート層の上に第2のベースコート層(BC2)を塗ること
- 部品の第2のベースコート層の上にクリアコート層を塗ること
【0044】
最後に、本発明は、対応する塗装方法も含み、本発明による塗装方法の個々の方法のステップは、上記の説明からすでに明らかであり、よって、個々の方法のステップの別々の説明は不要である。
【0045】
本発明の上記説明に関して、記載の具体的な数値が必ずしも正確に遵守される必要はないと述べなければならない。例えば、特定の数値が述べられた場合、本発明は具体的な技術の実現において前述の数値から、例えば±30%または±20%または±10%または±5%の範囲で逸脱しても良い。
【0046】
本発明の他の有利な更なる実施例は、従属項において示されるか、または、図を参照しつつ、望ましい実施例の説明と共に、以下で更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明による回転噴霧器の概略断面図を示す。
【
図2】本発明の種々の変形のベル・カップの拡大概略断面図を示す。
【
図3】本発明の種々の変形のベル・カップの拡大概略断面図を示す。
【
図4】本発明の種々の変形のベル・カップの拡大概略断面図を示す。
【
図6】シェーピングエアノズルの皿穴を示すための概略斜視図を示す。
【
図7】シェーピングエアノズルの皿穴を示すための概略斜視図を示す。
【
図8】シェーピングエアジェットの方向を示すために、本発明による回転噴霧器の概略側面図を示す。
【
図9】様々なエアジェットの配置を示すために、本発明による回転噴霧器の斜視図を示す。
【
図10】本発明による塗装装置の単純化された略図を示す。
【
図11】本発明による塗装方法の1つの変形を示すフローチャートを示す。
【
図12】本発明による塗装方法の他の変形を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に、
図1に示された本発明による回転噴霧器1の実施例が記述され、それによって、基本的には、回転噴霧器1の構成と操作方法が、先行技術からわかる。
【0049】
このように、最先端の技術に従って、回転噴霧器1は、回転軸3まわりで回転可能であり、回転噴霧器1の圧縮空気タービンによる作用で動かされるベル・カップ2を有する。圧縮空気タービンは簡略化のために示されていない。
【0050】
回転噴霧器1に固定するために、ベル・カップ2はハブ4を有し、ハブ4で、ベル・カップ1は、例えば回転噴霧器1の圧縮空気タービンの中空のタービン軸にネジ止めされうる。
【0051】
ここで、ベル・カップ2は、ベル・カップ2の外側面をリンス剤ですすぐことができるように、外側リンス・チャンバ5を有する。それ自体は特許文献1から知られているので、外側リンス・チャンバ5はここでは模式的にのみ示す。
【0052】
塗られるべきペンキは、ここでは、中空のハブ4を介して、例えば圧縮空気タービンの中空のタービン軸の中に同軸で伸びるペンキ・ノズルを介して、中央に供給される。
【0053】
それから、塗られるべきペンキは、まず、ここでは模式的にのみ示されたディストリビュータ・ディスク6に軸方向に衝突し、その結果、外側へ放射状にそらされる。先行技術からわかっているように、それから、ペンキは、オーバーフロー面7上をディストリビュータ・ディスク6からペンキが吹き飛ばされるところである環状噴霧端8まで流れる。
【0054】
上記のベル・カップ2の外側面は、いくつかの側面部、すなわち、ハブ4の領域におけるハブ部NAと、近位の側面部9と、中央の側面部10と、末端の側面部11に分けられ、それらはベル・カップ2の回転軸3に沿って互いに直接連続し、互いに直接隣接する。
【0055】
ハブ部NAは、近位の側面部9に、よじれで結合する。ここでは、近位の側面部9は、中央の側面部10に、よじれ12で結合する。中央の側面部10は、同様に、末端の側面部11に、よじれ13で結合する。
【0056】
ベル・カップ2の外側面の、ハブ部NAと、近位の側面部9と、中央の側面部10と、末端の側面部12とは、ここでは、一方では回転軸3に対して、他方ではベル・カップ2のオーバーフロー面7に対して、傾斜角が異なる。
【0057】
図2-4は、ベル・カップ2の外側面の様々な側面部9-11が種々の傾斜角を有する本発明の種々の変形を示す。
【0058】
まず、ベル・カップ2の外側面の末端の側面部11は、ベル・カップ2の回転軸3と平行に配されているので、傾斜角β=0の角度を有する点に留意すべきである。しかし、本発明の範囲内で、末端の側面部11の傾斜角βは他の角度でも良く、例えば、0°-5°の範囲内であっても良い。
【0059】
他方、中央の側面部10は、ベル・カップ2の回転軸3に対し、傾斜角αを有し、傾斜角αは25°-45°の範囲内であっても良く、α=30°の値が特に有利であるとわかっている。
【0060】
他方、近位の側面部9は、中央の側面部10の傾斜角αより小さい、回転軸3に対する傾斜角を有する。
【0061】
さらに、中央の側面部10は、オーバーフロー面7と共に傾斜角θを包み、傾斜角θは、例えば、10°-50°の範囲内であっても良く、望ましくはθ=30°である。
【0062】
他方、オーバーフロー面7は、回転軸3と共に角度δを囲み、角度δは望ましくは55°-85°の範囲内であっても良い。
【0063】
さらに、ベル・カップ2の外側面の末端の側面部11は、ベル・カップ2の回転軸3に沿った特定の軸長Wにわたって広がっており、この軸長Wは望ましくは0-2mmの範囲内であると述べなければならない。
【0064】
他方、中央の側面部10は、ベル・カップ2の回転軸3に沿って軸長Bを有し、軸長Bは望ましくは1mm-5mmの範囲内である。このように、中央の側面部10の軸長Bは、望ましくは、ベル・カップ2の外側面の末端の側面部11の軸長Wより、かなり長い。
【0065】
それ自体が先行技術から知られているように、回転噴霧器1が、ベル・カップ2から放たれるスプレー・ジェットを形づくる仕事があるシェーピングエアリング14を有していることは、図面から更に明らかである。
【0066】
シェーピングエアリング14は、環状形でベル・カップ2を囲み、ベル・カップ2と共に環状ギャップ15を囲む。環状ギャップ15は、最も狭いポイントでギャップ幅bを有し、ギャップ幅bは望ましくは2mm未満である。環状ギャップ15の最も狭いポイントは、シェーピングエアリング15の端面16から距離Hのところに配置され、距離Hは望ましくは5mm未満である。
【0067】
図5は
図1の変更を示すので、繰り返しを避けるために、まず
図1の説明への参照がなされ、同じ参照記号は対応する細部に使用される。
【0068】
この図面から、シェーピングエアリング14は、異なる直径TK1、TK2の2つのシェーピングエアノズル・リングを有していることがわかる。ここでの第1のシェーピングエアノズル・リングは、円周方向に曲げられたシェーピングエアノズル17を有している。すなわち、第1のシェーピングエアノズル17は、ベル・カップ2の回転軸3と平行に伸びず、円周方向に曲げられている。他方、第2のシェーピングエアノズル・リングは、ベル・カップ2の回転軸3と平行に並べられたシェーピングエアノズル18を有する。
【0069】
図6はシェーピングエアノズル17の模式的に簡略化された表現を示し、シェーピングエアノズル17は、出口開口部に皿穴19を有していても良く、この実施例では、皿穴は、円筒形で皿穴長lを有し、皿穴長lはシェーピングエアノズル17の直径に関して30%-50%の範囲内であっても良い。
【0070】
図7は、皿穴19が円筒形ではなく、奇妙に形づくられて特徴を有する
図6のバリエーションを示す。
【0071】
皿穴19は、ここでは、シェーピングエアノズル17に関してのみ示されている。しかし、シェーピングエアノズル18が、同様にこのような皿穴19を有していても良い。
【0072】
図8は、シェーピングエアジェット20の方向を明確にするための略図を示す。ここでは、ベル・カップ2の噴霧端8は、ベル・カップ2の噴霧端8の外側で、すなわち0mm-4mmの範囲内の距離aで、シェーピングエアジェット20に放射状に横切られる噴霧端面21内に広がる。
【0073】
図9は本発明による回転噴霧器1の斜視図を示す。大部分が上記実施例に対応するので、繰り返しを避けるために上記説明を参照し、同じ参照記号が対応する細部に使用される。
【0074】
ここでは、2つのシェーピングエアノズル・リングが、2つの異なるシェーピングエアジェット22、23を放出し、シェーピングエアジェット22は軸方向に、つまりベル・カップ2の回転軸3と平行に配されるのに対し、シェーピングエアジェット23は円周方向に曲げられ、このようにねじれを有することがわかる。
【0075】
図10は、塗装ブース24を有する、本発明による塗装装置をとても単純化した略図を示し、塗装ライン25は、塗装ブース24内へ、または塗装ブース24から外へ、自動車本体26を運ぶために、塗装ブース24を通り抜けている。
【0076】
塗装ロボット27は塗装ブース24内に配置されており、塗装ロボット27は本発明による回転噴霧器1を備えていて、したがって、同じ塗装ブース24内で様々な塗装作業を実行することができる。例えば、様々な塗装作業のほんの一例をあげると、自動車本体25に加えて、アドオン部品が塗装ブース24内で塗装されても良い。
【0077】
図11は、本発明の1つの変形による塗装方法を図示するフロー図を示す。
【0078】
最初のステップS1では、まず、自動車本体が塗装ブース内に運ばれる。
【0079】
次のステップS2では、それから、第1のベースコート(BC1)が自動車本体の外表面に塗られる。
【0080】
更なるステップS3では、それから、同じ塗装ブース内で、第1のベースコート(BC1)が自動車本体の内表面に塗られる。
【0081】
更なるステップS4では、それから、第2のベースコート(BC2)が自動車本体の外表面に塗られる。
【0082】
最初に述べたように、様々な塗装作業が同一の塗装ブース内で実行可能であり、有利であることを、ここで述べなければならない。
【0083】
図12は、本発明による塗装方法の他の変形を図示するフロー図を更に示す。
【0084】
まず、ステップS1では、また、自動車本体が塗装ブース内に運ばれる。
【0085】
次のステップS2では、それから、塗装ブース内で自動車本体にフィラー層が塗られる。
【0086】
更なるステップS3は、それから、同一の塗装ブース内で自動車本体に第1のベースコート(BC1)を塗ることを含む。
【0087】
次のステップS4では、同一の塗装ブース内で自動車本体に第2のベースコート(BC2)が塗られても良い。
【0088】
最後に、次のステップS5では、自動車本体にクリアコート層が塗られても良く、これも同一の塗装ブース内で行われても良い。
【0089】
本発明は、上述の望ましい実施例に限定されない。むしろ、本発明の概念を利用し、それゆえ保護の範囲内になる多数の変形とバリエーションが可能である。特に、本発明は、主題の保護と、各ケースで独立項に言及する従属項の特徴、特に、メイン・クレームの特徴なしでの保護も要求している。本発明は、このように互いに独立に保護を享受することができる発明の様々な面を含む。
【0090】
(付記)
(付記1)
部品(26)、特に自動車本体の部品(26)を塗装する回転噴霧器(1)のベル・カップ(2)であって、
a)前記回転噴霧器(1)に前記ベル・カップ(2)を取り付ける取り付けインターフェース、特にハブ(4)と、
b)スプレー・ジェットの形でペンキを噴霧するための、回転軸(3)を囲む環状の噴霧端(8)と、
c)前記噴霧端(8)に向かって末端方向に前記回転軸(3)に沿って広がる円周状の外側の側面(NA、9、10、11)と、
を有し、
d)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)は、前記回転軸(3)に沿って、中央の側面部(10)と末端の側面部(11)を有し、
e)前記中央の側面部(10)は円錐形であり、
f)円錐形の前記中央の側面部(10)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して第1の傾斜角(α)で傾斜しており、
g)前記末端の側面部(11)は円錐形または円筒形であり、
h)前記末端の側面部(11)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して第2の傾斜角(β)で傾斜しており、
i)前記第1の傾斜角(α)は、前記第2の傾斜角(β)より大きい、
ことを特徴とするベル・カップ(2)。
【0091】
(付記2)
a)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)は、更に、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対し、前記中央の側面部(10)とは異なる角度の近位の側面部(9)を有し、および/または、
b)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)は、更に、前記近位の側面部(9)に近位で隣接したハブ部(NA)を有し、
前記ハブ部(NA)は、望ましくは、
b1)前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対し、前記近位の側面部(9)および/または前記末端の側面部(11)とは異なる角度であって、特に、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対し、より大きい傾斜角を有しており、および/または、
b2)前記近位の側面部(9)に、よじれで結合し、および/または、
b3)前記末端の側面部(11)よりも前記回転軸(3)に沿った軸長が長く、および/または、
b4)一定のコーン角を有する円錐形であり、および/または、
b5)ベル・カップ(2)の後側の外側リンス・チャンバ(5)に直接隣接している、
ことを特徴とする付記1に記載のベル・カップ(2)。
【0092】
(付記3)
a)前記末端の側面部(11)は前記噴霧端(8)に直接隣接し、および/または、
b)前記中央の側面部(10)は、前記末端の側面部(11)、特に前記末端の側面部(11)と前記中央の側面部(10)との間のよじれ(W2)に直接隣接し、および/または、
c)前記近位の側面部(9)は、前記中央の側面部(10)、特に前記近位の側面部(9)と前記中央の側面部(10)との間のよじれ(W1)に直接隣接する、
ことを特徴とする付記1または2に記載のベル・カップ(2)。
【0093】
(付記4)
a)前記中央の側面部(10)の前記第1の傾斜角(α)は、25°-45°または27°-35°の範囲内、または、実質的に30°であり、および/または、
b)前記末端の側面部(11)の前記第2の傾斜角(β)は、0°-10°または0°-5°の範囲内、または、実質的に0°である、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載のベル・カップ(2)。
【0094】
(付記5)
a)前記中央の側面部(10)は、前記回転軸(3)に沿った軸方向に、0.5mm-10mmまたは1mm-5mmの範囲内の長さ(B)を有し、および/または、
b)前記末端の側面部(11)は、前記回転軸(3)に沿った軸方向に、0mm-2mmの範囲内の長さ(W)を有する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載のベル・カップ(2)。
【0095】
(付記6)
a)塗られるべきペンキを供給するための、中心に配置されたペンキ供給と、
b)作動中、塗られるべきペンキが前記ペンキ供給から外へオーバーフロー面(7)を介して前記噴霧端(8)まで流れ出るように、前記噴霧端(8)まで至る前面の前記オーバーフロー面(7)と、
により特徴づけられる付記1から5のいずれか1つに記載のベル・カップ(2)。
【0096】
(付記7)
a)前記オーバーフロー面(7)は、噴霧方向で前記回転軸(3)に沿って円錐形に広がり、および/または、
b)前記オーバーフロー面(7)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して、実質的に一定の傾斜角(δ)を有し、および/または、
c)前記オーバーフロー面(7)の前記傾斜角(δ)は、50°-87°または55°-85°の範囲内、または、実質的に60°であり、および/または、
d)前記オーバーフロー面(7)は、前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)の前記中央の側面部(10)および/または前記末端の側面部(11)と角(θ)を形成しており、角(θ)は10°-50°または20°-40°の範囲内にある、または、実質的に30°である、
ことを特徴とする付記6に記載のベル・カップ(2)。
【0097】
(付記8)
付記1から7のいずれか1つに記載のベル・カップ(2)により特徴づけられる回転噴霧器(1)。
【0098】
(付記9)
基端でベル・カップ(2)を環状に囲み、スプレー・ジェットを形づくるために、前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)上へおよび/またはペンキのスプレー・ジェット上へ、後ろから少なくとも1つのシェーピングエアジェットを放出するように設計されているシェーピングエアリング(14)により特徴づけられる付記8に記載の回転噴霧器(1)。
【0099】
(付記10)
a)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)の前記近位の側面部(9)は、前記軸方向では、全体的にまたは部分的に前記シェーピングエアリング(14)内に配置されており、および/または、
b)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)の前記中央の側面部(10)は、前記軸方向では、より完全に前記シェーピングエアリング(14)の外に配置され、および/または、
c)前記ベル・カップ(2)の前記側面(NA、9、10、11)の前記末端の側面部(11)は、前記軸方向では、より完全に前記シェーピングエアリング(14)の外に、配置される、
ことを特徴とする付記8または9に記載の回転噴霧器(1)。
【0100】
(付記11)
a)前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)は、シェーピングエアリング(14)と共に環状ギャップ(S)を囲み、
b)前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)と、シェーピングエアリング(14)との間の前記環状ギャップ(S)は、10mmまたは5mmまたは4mmまたは3mmまたは2mm以下の最大ギャップ幅(b)を有し、および/または、
c)前記ベル・カップ(2)の外側の前記側面(NA、9、10、11)と、シェーピングエアリング(14)との間の前記環状ギャップ(S)は、環状ギャップの最も狭いポイントでは、前記シェーピングエアリング(14)の端面(16)から10mmまたは7mmまたは5mm以下の軸長(H)を有し、および/または、
d)前記ベル・カップ(2)の外周面(NA、9、10、11)と、シェーピングエアリング(14)との間の前記環状ギャップ(S)の前記最も狭いポイントは、前記環状ギャップ(S)が、前記最も狭いポイントから始まって近位方向および末端方向の両方で広がるように、前記シェーピングエアリング(14)の前記端面から間隔をあけられている、
ことを特徴とする付記9または10に記載の回転噴霧器(1)。
【0101】
(付記12)
a)前記シェーピングエアリング(14)は、複数のシェーピングエアノズル(17)を備える第1のシェーピングエアノズル・リングを有し、前記複数のシェーピングエアノズル(17)の各々は、第1のシェーピングエアジェットをアウトプットし、
a1)第1の前記シェーピングエアノズル(17)は、円周方向に、第1の旋回角で角度をつけられた前記第1のシェーピングエアジェットを放ち、
a2)前記第1のシェーピングエアノズル・リングは、第1の直径(TK1)を有し、
および/または、
b)前記シェーピングエアリング(14)は、複数のシェーピングエアノズル(18)を備える第2のシェーピングエアノズル・リングを有し、前記複数のシェーピングエアノズル(18)の各々は、第2のシェーピングエアジェットを放出し、
b1)第2の前記シェーピングエアノズル(18)は、円周方向に又は軸方向に、第2の旋回角で角度をつけられた前記第2のシェーピングエアジェットを放ち、
b2)前記第2のシェーピングエアノズル・リングは、第2の直径(TK2)を有する、
ことを特徴とする付記9から11のいずれか1つに記載の回転噴霧器(1)。
【0102】
(付記13)
a)前記第1の旋回角は、40°-75°または50°-65°の範囲内、または基本的には55°であり、望ましくはベル・カップ(2)の回転方向とは逆向きに並べられ、および/または、
b)前記第1のシェーピングエアノズル・リングの前記第1の直径(TK1)は、前記ベル・カップ(2)の外径(D)より短く、特に、2mm-8mmまたは3mm-6mmだけ短く、および/または、
c)前記シェーピングエアリング(14)の端面(16)と、前記ベル・カップ(2)の前記噴霧端(8)との間には、前記回転軸(3)に沿って、2mm-40mmまたは5mm-30mmの範囲内であり、望ましくは15mmの軸距離(A)が存在し、および/または、
d)前記第2のシェーピングエアノズル・リングの前記第2の直径(TK2)は、前記噴霧端(8)の前記外径(D)と実質的に等しく、特に、最長で±2mmの差または+1mm長い、
ことを特徴とする付記12に記載の回転噴霧器(1)。
【0103】
(付記14)
a)第1の前記シェーピングエアノズル(17)および/または第2の前記シェーピングエアノズル(18)は、各々皿穴(19)を有し、および/または、
b)第1の前記シェーピングエアノズル(17)および/または第2の前記シェーピングエアノズル(18)は、各々、穴の直径と、各々前記穴の直径より20%-70%または30%-50%長い皿穴直径を有する前記皿穴(19)とを有し、および/または、
c)前記皿穴(19)は、前記穴の軸に沿って、前記穴の直径と実質的に等しく特に±40%、±30%、±25%の偏差を有する皿穴長(l)伸びており、および/または、
d)前記皿穴(19)は円筒形または円錐形である、
ことを特徴とする付記9から13のいずれか1つに記載の回転噴霧器(1)。
【0104】
(付記15)
a)前記ベル・カップ(2)の前記噴霧端(8)は、前記ベル・カップ(2)の前記回転軸(3)に対して直角に広がる噴霧端面(21)に広がり、
b)前記シェーピングエアジェット(20)は、前記噴霧端(8)から間隔をあけて、望ましくは0mmから4mmまでの距離のポイントで、前記ベル・カップ(2)の前記噴霧端面(21)と交差する、
ことを特徴とする付記9から14のいずれか1つに記載の回転噴霧器(1)。
【0105】
(付記16)
付記8から15のいずれか1つに記載の回転噴霧器(1)を有する、部品(26)、特に自動車本体の部品(26)を塗装するための塗装装置。
【0106】
(付記17)
a)塗装ゾーン(24)、特に塗装ブース(24)と、
b)前記塗装ゾーン(24)を通って、塗装されるべき前記部品(26)を運ぶ塗装ライン(25)と、
により特徴づけられる付記16に記載の塗装装置。
【0107】
(付記18)
前記塗装ゾーン(24)は、同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)の外面への第1のベースコート層の塗装と、
b)前記部品(26)の内面への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記外面の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
を実行するように設計されていることを特徴とする付記17に記載の塗装装置。
【0108】
(付記19)
前記塗装ゾーン(24)は、同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)自動車本体の塗装と、
b)自動車本体用のアドオン部品の塗装と、
を実行するように設計されていることを特徴とする付記17に記載の塗装装置。
【0109】
(付記20)
前記塗装ゾーン(24)は、同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)へのフィラー層の塗装と、
b)前記部品(26)の前記フィラー層上への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
d)前記部品(26)の前記第2のベースコート層の上にクリアコート層を塗ることと、
を実行するように設計されていることを特徴とする付記17に記載の塗装装置。
【0110】
(付記21)
付記16から20のいずれか1つに記載の塗装装置で、部品(26)、特に自動車本体の部品(26)を塗装する塗装方法。
【0111】
(付記22)
同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)の外面への第1のベースコート層の塗装と、
b)前記部品(26)の内面への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記外面の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
が実行されることを特徴とする付記21に記載の塗装方法。
【0112】
(付記23)
同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)自動車本体の塗装と、
b)自動車本体用のアドオン部品の塗装と、
が実行されることを特徴とする付記21に記載の塗装方法。
【0113】
(付記24)
同じ塗装ゾーン内で同じ回転噴霧器(1)を用いて、以下の塗装作業、
a)前記部品(26)へのフィラー層の塗装と、
b)前記部品(26)の前記フィラー層上への第1のベースコート層の塗装と、
c)前記部品(26)の前記第1のベースコート層の上に第2のベースコート層を塗ることと、
d)前記部品(26)の前記第2のベースコート層の上にクリアコート層を塗ることと、
が実行されることを特徴とする付記21に記載の塗装方法。
【符号の説明】
【0114】
1 回転噴霧器
2 ベル・カップ
3 ベル・カップの回転軸
4 ベル・カップのハブ
5 ベル・カップの外側リンス・チャンバ
6 ベル・カップのディストリビュータ・ディスク
7 ベル・カップのオーバーフロー面
8 ベル・カップの噴霧端
9 ベル・カップの側面の近位の側面部
10 ベル・カップの側面の中央の側面部
11 ベル・カップの側面の末端の側面部
12 近位の側面部と中央の側面部との間のよじれ
12 中央の側面部と末端の側面部との間のよじれ
14 シェーピングエアリング
15 ベル・カップの側面とシェーピングエアリングとの間の環状ギャップ
16 シェーピングエアリングの端面
17 シェーピングエアノズル
18 シェーピングエアノズル
19 皿穴
20 シェーピングエアジェット
21 噴霧端面
22 シェーピングエアジェット
23 シェーピングエアジェット
24 塗装ブース
25 塗装ライン
26 自動車本体
27 塗装ロボット
b ベル・カップの側面とシェーピングエアリングとの間の環状ギャップのギャップ幅
H 環状ギャップの最も狭いポイントとシェーピングエアリングの端面との間の軸長
α 回転軸に対する中央の側面部の傾斜角
δ 回転軸に対するオーバーフロー面の傾斜角
B 中央の側面部の回転軸に沿った長さ
W 末端の側面部の回転軸に沿った長さ
A ベル・カップの噴霧端とシェーピングエアリングの面との間の軸長
D 噴霧端でのベル・カップの直径
NA ベル・カップの側面の側面ハブ部
TK1 第1のシェーピングエアリングの直径
TK2 第2のシェーピングエアノズル・リングの直径
l シェーピングエアノズルの出口開口部での皿穴の長さ
a ベル・カップの噴霧端と、シェーピングエアジェットと噴霧端面との交点との間の距離
【国際調査報告】