(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-20
(54)【発明の名称】地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集のシステム、方法及びエネルギー貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
F03G 7/04 20060101AFI20241113BHJP
F03G 6/00 20060101ALI20241113BHJP
F03G 7/00 20060101ALI20241113BHJP
F03G 7/05 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
F03G7/04
F03G6/00
F03G6/00 551
F03G7/00 B
F03G7/00 H
F03G7/05 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531275
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022131957
(87)【国際公開番号】W WO2023093571
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111424629.5
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524195640
【氏名又は名称】南京伶机宜▲動▼▲駆▼▲動▼技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼斌堂
(57)【要約】
【課題】 基於地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集のシステム、方法及びエネルギー貯蔵装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 エネルギー貯蔵筐体と、伝動部材と、動力源と、ロックアセンブリとを備え、エネルギー貯蔵筐体はエネルギー貯蔵用のキャリアを提供し、伝動部材はエネルギー貯蔵筐体の内部に摺動可能に配置され、エネルギー貯蔵筐体と密閉空間を画成する封止端を具備し、動力源は封止端をエネルギー貯蔵筐体の第1位置から第2位置に移動させ、密閉空間の内部に真空を形成させることができ、ロックアセンブリは伝動部材にロックとロック解除の2つの状態を取らせることができ、伝動部材がロック解除状態にある時、地球大気の作用により封止端は第2位置から第1位置の方向に移動できることで、密閉空間内の負圧エネルギーを放出させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムであって、
エネルギー貯蔵用のキャリアを提供するエネルギー貯蔵筐体(1)と、
前記エネルギー貯蔵筐体(1)の内部に摺動可能に配置され、前記エネルギー貯蔵筐体(1)と密閉空間(3)を画成する封止端(101)を具備する伝動部材(2)と、
前記封止端(101)を前記エネルギー貯蔵筐体(1)の第1位置から第2位置に移動させ、前記密閉空間(3)の内部に真空を形成させることができる動力源と、
前記伝動部材(2)にロックとロック解除の2つの状態を取らせることができ、前記伝動部材(2)が前記ロック解除状態にある時、地球大気の作用により前記封止端(101)は第2位置から第1位置の方向に移動できることで、前記密閉空間(3)内の負圧エネルギーを放出させることができるロックアセンブリとを備え、
前記ロックアセンブリの動作は、
手動制御、
プログラムは前記ロックアセンブリが事前に設定された時点又は時間帯で連続或いは非連続の状態で実行される、又は前記ロックアセンブリが条件情報に基づいて実行されるよう設定されることができるプログラムによる制御、
手動制御とプログラムによる制御の組み合わせ
などの上記のいずれかの方法で実行できることを特徴とする、地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項2】
前記動力源は、風エネルギー、太陽エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、放射エネルギー、核エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、バイオエネルギー、潮汐エネルギー、磁気と電磁エネルギー、物理的相変化エネルギーのいずれか1種以上を用いることができることを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項3】
前記伝動部材(2)は、出力端(102)を具備し、
前記封止端(101)が押動されること、前記出力端(102)が引っ張られるか、押動と引張の組み合わせにより前記封止端(101)を第1位置から第2位置に移動させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項4】
前記出力端(102)は、前記エネルギー貯蔵筐体(1)の外部まで延びているか、又は前記エネルギー貯蔵筐体(1)(1)の内部に位置することを特徴とする、請求項3に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項5】
前記密閉空間(3)内の真空環境は、前記封止端(101)の移動及び/又は真空引きにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項6】
第2位置から第1位置への方向に沿って、前記封止端(101)は、間隔をあけて前記伝動部材(2)上を嵌め込み、前記エネルギー貯蔵筐体(1)に適合する第1ピストン体(4)、第2ピストン体(5)及び前記第1ピストン体(4)と前記第2ピストン体(5)との間に配置された可撓体(6)を備え、前記密閉空間(3)が負圧状態になる場合、前記可撓体(6)の一部が大気圧の作用により前記第2ピストン体(5)と前記エネルギー貯蔵筐体(1)との間の隙間に押し込まれることで前記密閉空間(3)の密封を達成することを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項7】
前記第1ピストン体(4)、前記第2ピストン体(5)、可撓性体は、1組の密封アセンブリを形成し、
前記伝動部材(2)上の密封アセンブリは、1組以上で構成できる
ことを特徴とする、請求項6に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項8】
前記ロックアセンブリは、スナップロック、ホールピン式ロック、電磁力ロック、熱膨張ロック、構造的な干渉ロック、ラチェット機構ロック、空気圧・油圧ロック、接着ロック、反力ロック、溶接ロックのいずれかの方式を用いることを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項9】
前記伝動部材(2)は、ロック状態又はロック解除状態のいずれにおいても、第1位置から第2位置への移動を許容することを特徴とする、請求項8に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵筐体(1)には、円錐状空間を有し、前記円錐状空間の小口端が前記密閉空間(3)に面し、前記ロックアセンブリはトリガー具(8)と、ロック支持体と、位置エネルギー貯蔵要素とを備え、
前記位置エネルギー貯蔵要素の一端は、前記エネルギー貯蔵筐体(1)に接続され、前記円錐状空間の大口端に配置され、位置エネルギー貯蔵要素の他端は前記ロック支持体に連結され、前記伝動部材(2)は前記円錐状空間を挿通し、前記ロック支持体、位置エネルギー貯蔵要素は前記伝動部材(2)の周方向に沿って配置され、
前記トリガー具(8)が操作される時、ロック支持体を前記大口端に移動させることで前記伝動部材(2)をロック解除状態にさせ、前記トリガー具(8)が操作されていない時、前記位置エネルギー貯蔵要素は自体の弾性力の作用で前記ロック支持体を前記小口端に移動させることで前記伝動部材(2)をロック状態にさせる
ことを特徴とする、請求項8に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項11】
前記伝動部材(2)は、ロック状態とロック解除状態との間に第3状態を有し、前記第3状態は負圧エネルギーが放出される過程に前記伝動部材(2)の等速運動、加速運動或いは減速運動を維持することができることを特徴とする、請求項10に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項12】
前記動力源は、
前記密閉空間(3)の真空引き及び気体充填のための流体輸送ポンプ、
真空引きのための流体輸送ポンプ及び前記伝動部材(2)の駆動により発電できるモータ(11)、
真空引きのための流体輸送ポンプ、
前記封止端(101)を第1位置から第2位置に運動させることができ、発電機能を備えるか、又は発電機能のみを備える前記モータ(11)
などの上記構造の組み合わせ形態のいずれかを含むことを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項13】
前記密閉空間(3)には、一端が前記封止端(101)に連結され、他端が前記エネルギー貯蔵筐体(1)に連結され、常に圧縮されている状態になっている第1バネ(7)が設けられることを特徴とする、請求項12に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項14】
それぞれ前記動力源、ロックアセンブリへの信号接続をして、設定された方法で前記負圧エネルギーの放出又は前記負圧エネルギーの補充を実現する制御機構を備えることを特徴とする、請求項1に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システム。
【請求項15】
エネルギー貯蔵装置であって、直列又は並列に配置された請求項1~14のいずれか一項に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づく複数のエネルギー収集システムを備えることを特徴とする、エネルギー貯蔵装置。
【請求項16】
異なる地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムは、次のいずれか1種以上の実装形態を採用し、
各々の前記伝動部材(2)は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる高さ及び/又は向きを有し、
各々の前記伝動部材(2)は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる構造を具備し、
各々の前記伝動部材(2)は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる状態を有し、前記状態は第1位置と第2位置との間の前記伝動部材(2)の位置状態であり、
各々のロックアセンブリは、同じ、一部が同じ又は完全に異なる構造を具備し、
各々の動力源は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる形態を採用する
ことを特徴とする、請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項17】
地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集方法であって、
S1:外部エネルギーが前記伝動部材(2)上に1回以上作用し、前記伝動部材(2)の前記封止端(101)を第1の方向に移動させて前記封止端(101)と前記封止端(101)を載置する前記エネルギー貯蔵筐体(1)との間の前記密閉空間(3)を大きくなり、前記伝動部材(2)上にあるロックアセンブリにより前記封止端(101)は第2の方向に向けて移動することができなくなるステップ(前記密閉空間(3)は負圧空間であり、第1の方向は第2の方向と反対である)と、
S2:前記ロックアセンブリがロック解除されたとき、地球大気の作用により前記封止端(101)は、第2の方向に向けて移動するステップと
を含むことを特徴とする、地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集方法。
【請求項18】
前記封止端(101)は、前記エネルギー貯蔵筐体(1)内の第1位置と第2位置との間で移動することができ、第1位置から第2位置への移動方向は、第1の方向であり、
前記封止端(101)が前記第1位置と第2位置との間にある場合、前記ステップS1、S2は順次又は交互に実行され、
前記封止端(101)が前記第1位置にある場合、前記ステップS1、S2は、順に実行され、
前記封止端(101)が前記第2位置にある場合、先にステップS2を実行してからステップS1を実行する
ことを特徴とする、請求項17に記載の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵技術分野に関し、特に、地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集のシステム、方法及びエネルギー貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーは、様々な形で存在し、物質の異なる運動形態に応じて分類される。エネルギーは、核エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、放射エネルギー、光エネルギーなどに分類できるが、エネルギーの収集、貯蔵、柔軟な利用は非常に重要であり、特に、自然界や人間活動には、安定なエネルギー又は不安定なエネルギーが数多く存在し、例えば海水の潮汐、海岸に打ち寄せる波、高所からの落下物、バネの反発、気体の膨張、爆薬/核爆発、風車、水利施設或いは太陽光発電、人が地面を踏んで歩き、車の道路走行、機電システムのエネルギー、振動衝撃エネルギー、音エネルギー、熱エネルギーなどである。これらのエネルギーは一種の瞬間的若しくは変化するエネルギーの蓄積と散逸を伴い、往々にして媒体伝導、摩擦、運動・位置エネルギーの変換、熱エネルギー変換又は放射などの方式を通じて伝導或いは散逸されることで、運動或いはエネルギーが制御及び収集できず、利用できないか、利用するのが困難になる。
【0003】
いくつかのエネルギー収集設備が市場に出回っても、外部環境に制限され、使用過程中に何らかの制限があったり、構造が複雑であったり、エネルギーの貯蔵と放出が不便だったりするため、エネルギーの貯蔵と放出が大きく制限されてきた。
【0004】
特許文献1では、運動・力学的エネルギーの貯蔵と放出装置、特に、スムーズな放出を達成するため、渦巻ばねを利用してエネルギーを貯蔵する省エネリフト装置が開示されている。前記装置は、ベッド部と、モータと、減速機と、リール・ワイヤロープで動かせる荷箱と、リールを回転駆動し、リールにより左右セクションに分かれた駆動軸とを備え、1つのセクションはクラッチを介して減速機と連結し、もう1つのセクションはいくつかのクラッチを介して複数のゼンマイばねを内設したエネルギー貯蔵装置と並列連結する。エネルギー貯蔵装置は、従動軸と、ゼンマイばね等とを備え、従動軸は中空軸であり、駆動軸が従動軸を挿通し、従動軸の入力端と駆動軸とがクラッチを介して連結され、前記クラッチが閉成された後、従動軸と駆動軸が同時に回転し、エネルギー貯蔵装置は荷箱の上昇又は下降するとき、エネルギーの貯蔵或いは放出することができる。ただし、該設計は運動過程中の高さの特殊性に依存して実現する必要があり、汎用性がない。また、特許文献2では、自動追尾集光システムと、導入用光ファイバーと、真空環状管と、光スイッチと、導出用光ファイバーと、光放出装置とを備え、導入用光ファイバーの一端は自動追尾集光システムに接続され、他端は真空環状管の光入口に接続され、自動追尾集光システムにより集光された日中の太陽光を真空環状管内に導入し、太陽光が真空環状管内をずっと循環し、導出用光ファイバーの一端は真空環状管の光出口に接続され、他端は光放出装置に接続され、光スイッチは導出用光ファイバーに設けられ、真空環状管内をずっと循環している太陽光を照明に使用する場合、光スイッチをオンにし、太陽光の一部を、導出用光ファイバーを通って光放出装置に入らせ、必要な場所に照らす太陽光の直接貯蔵及び放出装置が開示されている。ただし、該設計は、天候に制約され、曇雨天時のエネルギー収集には役に立たず、汎用性がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許第CN101445202B号公報
【特許文献2】中国特許第CN202613304U号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の欠陥に着目して、本発明の目的は、地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集のシステム、方法及びエネルギー貯蔵装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態により提供される地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムは、
エネルギー貯蔵用のキャリアを提供するエネルギー貯蔵筐体と、
前記エネルギー貯蔵筐体の内部に摺動可能に配置され、前記エネルギー貯蔵筐体と密閉空間を画成する封止端を具備する伝動部材と、
前記封止端をエネルギー貯蔵筐体の第1位置から第2位置に移動させ、前記密閉空間の内部に真空を形成させることができる動力源と、
前記伝動部材にロックとロック解除の2つの状態を取らせることができ、前記伝動部材が前記ロック解除状態にある時、地球大気の作用により前記封止端は第2位置から第1位置の方向に移動できることで、前記密閉空間内の負圧エネルギーを放出させることができるロックアセンブリと
を備え、前記ロックアセンブリの動作は次のいずれかの方法で実行でき、すなわち、
手動制御、
プログラムは前記ロックアセンブリが事前に設定された時点又は時間帯で連続或いは非連続の状態で実行される、又は前記ロックアセンブリが条件情報に基づいて実行されるように設定されることができるプログラムによる制御、
手動制御とプログラム制御の組み合わせで実行される。
【0008】
また、前記動力源は、風エネルギー、太陽エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、放射エネルギー、核エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、バイオエネルギー、潮汐エネルギー、磁気と電磁エネルギー、物理的相変化エネルギーのいずれか1種以上を用いることができる。
【0009】
また、前記伝動部材は、出力端を具備し、
【0010】
また、前記出力端は、前記エネルギー貯蔵筐体の外部まで延びている。
【0011】
また、前記密閉空間内の真空環境は、前記封止端の移動及び/又は真空引きにより形成される。
【0012】
また、第2位置から第1位置への方向に沿って、前記封止端は、間隔をあけて前記伝動部材上を嵌め込み、前記エネルギー貯蔵筐体に適合する第1ピストン体、第2ピストン体及び前記第1ピストン体と第2ピストン体との間に配置された可撓体を備え、前記密閉空間が負圧状態になる場合、前記可撓体の一部が大気圧の作用により前記第2ピストン体とエネルギー貯蔵筐体との間の隙間に押し込まれることで前記密閉空間の密封を達成する。
【0013】
また、前記第1ピストン体、第2ピストン体、可撓性体は、1組の密封アセンブリを形成し、
前記伝動部材上の密封アセンブリは、1組以上で構成できる。
【0014】
また、前記ロックアセンブリは、スナップロック、ホールピン式ロック、電磁力ロック、熱膨張ロック、構造的な干渉ロック、空気圧・油圧ロック、ラチェット機構ロック、接着ロック、反力ロック、溶接ロックのいずれかの方式を用いる。
【0015】
また、前記伝動部材は、ロック状態又はロック解除状態のいずれにおいても、第1位置から第2位置への移動を許容する。
【0016】
また、前記エネルギー貯蔵筐体には、円錐状空間を有し、前記円錐状空間の小口端が前記密閉空間に面し、前記ロックアセンブリはトリガー具と、ロック支持体と、位置エネルギー貯蔵要素とを備え、
前記位置エネルギー貯蔵要素の一端は、前記エネルギー貯蔵筐体に接続され、前記円錐状空間の大口端に配置され、位置エネルギー貯蔵要素の他端は前記ロック支持体に連結され、前記伝動部材は前記円錐状空間を挿通し、前記ロック支持体、位置エネルギー貯蔵要素は前記伝動部材の周方向に沿って配置され、
前記トリガー具が操作される時、ロック支持体を前記大口端に移動させることで前記伝動部材をロック解除状態にさせ、前記トリガー具が操作されていない時、前記位置エネルギー貯蔵要素は自体の弾性力の作用で前記ロック支持体を前記小口端に移動させることで前記伝動部材をロック状態にさせる。
【0017】
また、前記伝動部材は、ロック状態とロック解除状態との間に第3状態を有し、前記第3状態は負圧エネルギーが放出される過程に前記伝動部材の等速運動、加速運動或いは減速運動を維持することができる。
【0018】
また、前記動力源は、次の構造の組み合わせ形態のいずれかを含む。すなわち、
前記密閉空間の真空引き及び気体充填のための流体輸送ポンプ、
真空引きのための流体輸送ポンプ及び前記伝動部材の駆動により発電できるモータ、
真空引きのための流体輸送ポンプ、
前記封止端を第1位置から第2位置に運動させることができ、発電機能を備えるか、又は発電機能のみを備えるモータ。
【0019】
また、前記密閉空間には、一端が前記封止端に連結され、他端が前記エネルギー貯蔵筐体に連結され、常に圧縮されている状態になっている第1バネが設けられる。
【0020】
また、それぞれ前記動力源、ロックアセンブリへの信号接続をして、設定された方法で前記負圧エネルギーの放出又は前記負圧エネルギーの補充を実現する制御機構をさらに備える。
【0021】
本発明により提供されるエネルギー貯蔵装置は、直列又は並列に配置された地球大気エネルギー貯蔵に基づく複数のエネルギー収集システムを備える。
【0022】
また、異なる地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムは、次のいずれか1種以上の実装形態を採用し、
各々の伝動部材は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる高さ及び/又は向きを有し、
各々の伝動部材は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる構造を具備し、
各々の伝動部材は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる状態を有し、前記状態は第1位置と第2位置との間の前記伝動部材の位置状態であり、
各々のロックアセンブリは、同じ、一部が同じ又は完全に異なる構造を具備し、
各々の動力源は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる形態を採用する。
【0023】
本発明により提供される地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集方法は、次のステップを含む。すなわち、
S1:外部エネルギーが伝動部材上に1回以上作用し、伝動部材の封止端を第1の方向に移動させて前記封止端と前記封止端を載置するエネルギー貯蔵筐体との間の密閉空間を大きくなり、伝動部材上にあるロックアセンブリにより前記封止端は第2の方向に向けて移動することができなくなるステップ(密閉空間は負圧空間であり、第1の方向は第2の方向と反対である)、
S2:前記ロックアセンブリがロック解除されたとき、地球大気の作用により前記封止端は、第2の方向に向けて移動するステップ。
【0024】
また、前記封止端は、前記エネルギー貯蔵筐体内の第1位置と第2位置との間で移動することができ、第1位置から第2位置への移動方向は、第1の方向であり、
前記封止端が前記第1位置と第2位置との間にある場合、前記ステップS1、S2は順次又は交互に実行され、
前記封止端が前記第1位置にある場合、前記ステップS1、S2は、順に実行され、
前記封止端が前記第2位置にある場合、先にステップS2を実行してからステップS1を実行する。
【0025】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の図面を参照しつつ非限定的な実施形態の詳細な説明を読むと、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】密閉空間が真空引きされたときの封止端の概略構成図である。
【
図4】第1バネの存在により封止端が第2位置にあり、密閉空間が真空引きされていないときの概略構成図である。
【
図5】第1バネの存在により封止端が第2位置にあり、密閉空間が真空引きされたときの概略構成図である。
【
図6】第1バネの存在により封止端が第1位置にあるときの概略構成図である。
【
図7】第1バネの存在により封止端が第1位置から第2位置に移動する過程の概略構成図である。
【
図8】エネルギー貯蔵装置における複数の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムが並列に配置された場合の概略構成図であり、密閉空間が真空引きされていない。
【
図9】エネルギー貯蔵装置における複数の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムが並列に配置された場合の概略構成図であり、密閉空間が真空引きされている。
【
図10】エネルギー貯蔵装置における複数の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムが並列に配置された場合の概略構成図であり、密閉空間が真空引きされ、一部のシステムが負圧エネルギーを他の形態のエネルギーに変換している。
【
図11】エネルギー貯蔵装置における複数の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムが直列に配置された場合の概略構成図であり、伝動部材の向きが同じ、高さが部分的に同じである。
【
図12】エネルギー貯蔵装置における複数の地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムが直列に配置された場合の概略構成図であり、伝動部材の向き及び高さが部分的に同じである。
【
図13】エネルギー収集システムにおける不安定エネルギー収集を示す概略構成図であり、エネルギーを収集していない場合の状態を示す。
【
図14】エネルギー収集システムにおける不安定エネルギー収集を示す概略構成図であり、エネルギーを収集する場合の状態を示す。
【
図15】エネルギー貯蔵装置における不安定なエネルギー収集を示す概略構成図であり、エネルギーを収集する場合の状態を示す。
【
図16】エネルギー収集システムの不安定なエネルギー収集を示す概略構成図であり、エネルギーを収集していない場合の状態を示し、伝動枠が自動リセット機能を有する。
【
図17】エネルギー収集システムの不安定なエネルギー収集を示す概略構成図であり、エネルギーを収集する場合の状態を示し、伝動枠が自動リセット機能を有する。
【
図18】エネルギー収集システムの不安定なエネルギー収集を示す概略構成図であり、エネルギー収集が完了した時、伝動枠がリセットされている時の概略構成図である。
【
図19】エネルギー収集システムの制御原理を示す模式図である。
【
図20】エネルギー収集システムの大気エネルギー貯蔵の原理を示す模式図である。
【
図21】実施例2における封止端の概略構成図であり、電磁石に通電していない。
【
図22】実施例2における封止端の概略構成図であり、電磁石に通電している。
【
図23】実施例2における封止端の概略構成図であり、エネルギー貯蔵筐体の内壁に密封凹溝が設けられている。
【
図24】実施例3における封止端の概略構成図であり、第1袋体が加熱されていない。
【
図25】実施例3における封止端の概略構成図であり、第1袋体が加熱された。
【
図26】実施例4におけるロックアセンブリの概略構成図であり、第2袋体内の2種の相変化材料が加熱されていない。
【
図27】実施例4におけるロックアセンブリの概略構成図であり、第2袋体内の2種の相変化材料が加熱された。
【
図28】実施例4におけるロックアセンブリの概略構成図であり、第2袋体内の2種の相変化材料が冷却された。
【
図29】実施例5におけるラチェット機構のロックの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下は、具体的実施例を参照しつつ本発明を詳細に説明する。以下の実施例は、当業者が本発明の理解を助けることを意図するが、本発明を如何とも限定することは意図しない。当業者であれば、本発明の技術的思想から逸脱することなく、いくつかの変化及び改良を行うことができることを指摘する。かかる変化及び改良は、本発明の保護範囲に含まれている。
【0028】
(実施例1)
本発明の一実施形態により提供される地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムは、エネルギー貯蔵筐体1と、伝動部材2と、動力源と、ロックアセンブリとを備え、エネルギー貯蔵筐体1はエネルギー貯蔵用のキャリアを提供し、伝動部材2は前記エネルギー貯蔵筐体1の内部又は外部に移動可能に配置され、前記エネルギー貯蔵筐体1と密閉空間3を画成する封止端101を具備し、動力源は前記封止端101をエネルギー貯蔵筐体1の第1位置から第2位置に移動させ、前記密閉空間3の内部に真空を形成させることができ、ロックアセンブリは前記伝動部材2にロックとロック解除の2つの状態を取らせることができ、前記伝動部材2が前記ロック解除状態にある時、地球大気の作用により前記封止端101は第2位置から第1位置の方向に移動できることで、前記密閉空間3内の負圧エネルギーを放出させることができ、前記ロックアセンブリの動作は次のいずれかの方法で実行でき、
ロックアセンブリを手動で直接制御し、ロックアセンブリをロック状態又はロック解除状態に調整する手動制御、
プログラムは、前記ロックアセンブリが事前に設定された時点又は時間帯で連続或いは非連続の状態で実行されるか、前記ロックアセンブリが条件情報に基づいて実行されるように設定されることができることで、エネルギー放出要件に適合し、製品のニーズを満たすプログラムによる制御。条件情報はトリガー信号に基づいて前記ロックアセンブリの状態を変更させるものとして理解できる。例えばセンサーは、感知圧力が設定されたしきい値に達したことを取得し、センサーの圧力信号がプログラムをトリガーしてロックアセンブリの動作実行を制御し、ロック状態からロック解除状態に入ることで負圧エネルギーを解放させ、負圧エネルギーが放出された後、感知圧力値を調整してシステムの安定性を実現することができ、
また、本発明において、手動制御とプログラム制御の組み合わせを使用してロックアセンブリの調整を実現することもできる。
【0029】
言及すべき点は、封止端101がエネルギー貯蔵筐体1の外部に配置され、例えば蛇腹ホースでエネルギー貯蔵筐体1を外嵌する場合、蛇腹ホースとエネルギー貯蔵筐体1の内部は密閉空間を形成し、蛇腹ホースが伸縮することでエネルギーの貯蔵と放出を実現する。
【0030】
本発明の一実施形態において、密閉チャンバを真空状態に置くことによってシステムの真空エネルギー貯蔵を実現し地球大気と密閉チャンバとの間の圧力差による駆動力を生成して伝動部材2の運動を実現することで、エネルギーの放出又は変換を実現でき、エネルギー(各種運動エネルギー)を大気中に貯蔵し、大気圧の位置エネルギー(運動エネルギーは位置エネルギーに変換され、大気層が位置エネルギー変換媒体の空間であり、スペースがあればどこにでも利用でき、方向や位置の制限がなく位置エネルギーを貯蔵することができ、利用可能な媒体とスペースが比較的無限にある)に変換することに相当し、また必要に応じて密閉空間3内の負圧エネルギーを大気圧の作用により随時放出することができ、エネルギーの貯蔵及び放出は外部環境の影響が少なく、他のゴミと環境汚染を発生させず、環境に優しく、柔軟性が高く、様々な動作状態に適用でき、普遍性も高く、普及上の実質的な価値と意義を持っている。
【0031】
言及すべき点は、本発明における第1位置は、封止端101の初期位置であり、封止端101が第1位置にあるとき、密閉空間3の体積が最小となり、第2位置は封止端101が第1位置から離反して最大変位に移動する位置であり、封止端101が第2位置にあるとき、密閉空間3の体積が最大となる。体積が最大、体積が最小への理解は、構造と応用環境によって異なり、例えば
図1及び
図6では2種の構造における第1位置は異なり、
図1の封止端101が第1位置にあるとき、密閉空間3の体積は0又は0に近いが、
図6では第1バネ7の存在により封止端101が第1位置にあるとき、密閉空間3の体積がやはり0より大きい。したがって、実際の製品に基づき本発明における第1位置と第2位置を合理的に理解されるべきである。
【0032】
実際の応用においては、
図1に示すように、密閉空間3内の真空環境は、前記封止端101の移動又は真空引きにより形成される。密閉空間が密封状態にあるとき、直接封止端101を直接右方向に押したり引いたりして密閉空間が真空にすることができ、若しくは密閉空間3が外部の大気とつながっている場合においてまず封止端101を右方向に押したり引いたりしてから密閉空間3を外部の大気から切り離した後、密閉空間3を真空引きするか、真空引き及び引張/押動により真空複合作用を形成し、真空形成効率或いは真空度をより高くさせ、密閉空間3を真空状態に処理することができ、具体的に実際の応用において具体的な応用シナリオに応じて柔軟に選択すること。
【0033】
また、前記伝動部材2は、出力端102を具備する。システムエネルギーの収集過程で、前記封止端101が押動されること、前記出力端102が引っ張られる、又は封止端101が押動されること及び出力端102が引っ張られることの組み合わせにより前記封止端を第1位置から第2位置に移動させ、この過程で押されたり引かれたりする力は、動力源に由来する。
【0034】
本発明において、動力源は、広く理解されるべきであり、いくつかの実施形態では、本発明のエネルギー貯蔵のためのエネルギー源としてのみ使用することができ、又は本発明のエネルギー貯蔵のためのエネルギー源としてのみ使用することができるだけではなく、本発明におけるシステムの負圧エネルギーが放出されるときエネルギー変換の役割を担い、例えば動力源には発電機が含まれ、負圧エネルギーを放出しながら、発電機を介して負圧エネルギーを電気エネルギーに変換して使用する。したがって、本発明における動力源は、様々な実施可能な構造或いは構造の組み合わせを有し、異なる応用シナリオに従い構成されるべきである。
【0035】
また、本発明における動力源は、負圧エネルギーの貯蔵を実現するため、さまざまなエネルギー形態を採用することができる。例えば風エネルギー(風力を利用して発生するエネルギー)、太陽エネルギー(ソーラーパネル、太陽光照射などを利用して発生するエネルギー)、化学エネルギー(化学反応を利用して発生するエネルギーで、例えば燃焼、爆発などにより発生されるエネルギー)、熱エネルギー(燃焼熱、電磁渦電流熱、抵抗熱、地熱エネルギーなど)、電気エネルギー、放射エネルギー(電磁波内の電界エネルギーと磁界エネルギーの和)、核エネルギー、運動エネルギー(機械的運動や慣性運動によるエネルギー)、位置エネルギー(重力位置エネルギー、弾性位置エネルギーなど)、バイオエネルギー(動物の体の動き、動植物の伸縮、微生物などにより発生するエネルギー、例えば嫌気発酵など)、潮汐エネルギー(周期的な潮の干満時の動きが持つエネルギーで、潮位差は位置エネルギー、潮流の速さは運動エネルギーを示す)、磁気と電磁エネルギー(磁界、電磁界などにより発生するエネルギー)、物理的相変化エネルギー(物質の相変化、特に固体から液体、気体への膨張によって発生されるエネルギー)のいずれか1種又はこれらの任意の組み合わせである。
【0036】
実際の応用において、出力端102は、エネルギー貯蔵筐体1の内部或いは表面として構成されることができ、或いはエネルギー貯蔵筐体1の外部として構成されることもでき、出力端102は前記エネルギー貯蔵筐体1の外部まで延び、他の構造に連結し、外部エネルギーの押し引きなどに適することが好ましく、具体的には実際の応用シナリオに応じて柔軟に選択すべきである。
【0037】
具体的には、ロックアセンブリは、さまざまな実装形態を採用でき、例えばスナップロック、ホールピン式ロック(穴とピンが協働してロックとロック解除を実現し、ロック時、ピンが穴に挿入され、ロック解除時、ピンを穴から引き抜く)、電磁力ロック(電磁誘導による磁界力を利用してロックする)、熱膨張ロック、構造的な干渉ロック、ラチェット機構ロック、空気圧・油圧ロック(空気圧或いは油圧の圧力によるロック力を実現する)、接着ロック(接着剤による接着ロックを実現する)、反力ロック、溶接ロック(直接溶接によるロックを実現し、ロック解除時溶接部を破壊する)のいずれか1種である。以下、構造的な干渉ロックの構造形態を通じて本発明を説明する。
【0038】
具体的には、エネルギー貯蔵筐体1には、円錐状空間を有し、前記円錐状空間の小口端が前記密閉空間に面し、前記ロックアセンブリはトリガー具8と、ロック支持体と、位置エネルギー貯蔵要素とを備え、前記位置エネルギー貯蔵要素の一端は、前記エネルギー貯蔵筐体1に接続され、前記円錐状空間の大口端に配置され、位置エネルギー貯蔵要素の他端は前記ロック支持体に連結され、前記伝動部材2は前記円錐状空間を挿通し、前記ロック支持体、位置エネルギー貯蔵要素は前記伝動部材2の周方向に沿って配置され、前記トリガー具8が操作される時、ロック支持体を前記大口端に移動させることで前記伝動部材2をロック解除状態にさせ、前記トリガー具8が操作されていない時、前記位置エネルギー貯蔵要素は自体の弾性力の作用で前記ロック支持体を前記小口端に移動させることで前記伝動部材2をロック状態にさせる。
【0039】
図1に示すように、本実施例におけるトリガー具8は、駆動杆を、ロック支持体は転動体9、例えば鋼球を、位置エネルギー貯蔵要素は一端がエネルギー貯蔵筐体1に連結され、円錐状空間の大口端に面し、他端が転動体9に連結される第2バネ10を用いることが好ましく、伝動部材2は円錐状空間を挿通し、転動体9、第2バネ10はいずれも伝動部材2の周方向に沿って配置されている。
【0040】
また、駆動杆は、エネルギー貯蔵筐体1に回転可能に取り付けられ、一端がエネルギー貯蔵筐体1の外部まで延びて操作部となり、他端は転動体9に接触し、駆動杆の操作端が外力により押されたとき、他端は転動体9を大口端に移動させることができ、このとき、転動体9と伝動部材2との間の摩擦力は小さくなることで伝動部材2をロック解除させることでロック解除状態にさせることができる。駆動ロッドの操作端からの外力が除去されたとき、第2バネ10自体は圧縮された状態で復元力を有し、それ自体が伸びて転動体9を小口端に移動させ、伝動部材2を押し付け、転動体9と伝動部材2との関の摩擦力が大きくなり、伝動部材2をロック状態に戻らせる。
【0041】
転動体9は、鋼球であることが好ましく、鋼球と伝動部材2との間に一定の摩擦力があり、封止端101が第1位置に向けて移動するとき、鋼球の位置は伝動部材2に追従してわずかに移動するか、又は移動する傾向のみがあることで、伝動部材2を押し付けて伝動部材2をロックすることができる。封止端101が第2位置に向けて移動するとき、鋼球の位置は伝動部材2に追従してわずかに移動するか、又は移動する傾向のみがあることで、鋼球と伝動部材2との間に隙間が生じ、伝動部材2のロック状態が解除され、該ロックの構造を介してロック解除とロック間の精密な制御が実現される。
【0042】
本実施例において、伝動部材2は、ロック状態又はロック解除状態のいずれにおいても、第1位置から第2位置への移動を許容する。伝動部材2が第1位置から第2位置に移動するとき、伝動部材2と転動体9との間の摩擦力は転動体9を移動させるか、或いは移動する傾向を生じさせて、転動体9に
図1に示すように右方向に移動傾向を生じさせするか、又は右方向に変位させて、伝動部材2と転動体9との間の摩擦力を小さくさせることで伝動部材2をロック解除させる。伝動部材2が動いていないとき、転動体2は第2バネ10の作用により伝動部材2を押し付けて、伝動部材2をロックさせる。したがって、該ロックアセンブリは、外部エネルギーの駆動により随時伝動部材2を第1位置から第2位置に移動させて、エネルギーの収集を完了することができ、すなわち、エネルギーの収集は、ロックアセンブリの状態により制限されないが、伝動部材2がロック解除された後でのみエネルギーを放出することができ、構造は独創的であり、以下に一実施形態を通じてさらに説明する。
【0043】
図13、
図14に示すように、伝動部材2は、伝動ロッド17と、伝動枠18とを備え、動力源はエネルギー体19と、モータ11とを備え、エネルギー体19はバイオエネルギー、爆発エネルギー、燃焼エネルギー、物理的相変化(蒸気膨張による押動で、蒸気形成は電気加熱、木炭燃料、化石燃料燃焼で可能であり、相変化・膨張材料の場合、隔離加熱、熱放射加熱(非直接接触)、内部実装の場合、パラフィン、揮発性液体/気体、アルコール、水、水素などを置くことができる)エネルギーなどを用いることができる。内部エネルギーの放出によりエネルギー体19の外部体積が大きくなったとき、エネルギー体19が伝動枠18を押動して伝動ロッド17を右に移動して封止端101を右に移動させ、密閉空間3の内部に負圧エネルギーを蓄える。ロックアセンブリがロック解除されたとき、伝動ロッド17を介してモータ11を駆動して発電し、エネルギーを放出することができ、したがって、該装置を通じて外部のバイオエネルギー、爆発エネルギー又は燃焼エネルギーなどの回収を実現することができる。同様に、エネルギー体19が波浪、風力などの他のエネルギーと仮定すると、不安定な形態で伝動枠18を押してエネルギーの収集を実現することもできる。
【0044】
図16、
図17、
図18に示すように、
図13、
図14の変形例であり、エネルギー体19が外部エネルギーの作により変形して伝動枠18を移動させると、エネルギーの収集を実現する。エネルギー体19は、好ましくは伝動枠18と固結し、外部エネルギーが小さくなるか散逸すると、エネルギー体19自体が変形を復元して伝動枠18及びロックアセンブリを復帰させ、外部エネルギーが再びエネルギー体19に作用して変形を生じさせると、伝動枠18を再び移動させてエネルギーの収集を実現し、このように繰り返して、不安定なエネルギー或いは単一の小さなエネルギーを大きなエネルギーに蓄積し、ロック解除及び負圧放出により安定して利用できる大きなエネルギーの収集や利用となる。
【0045】
言及すべき点は、
図16、
図17、
図18におけるシステムエネルギーの放出プロセス中に、エネルギー体19が膨張変形の過程にある場合、伝動ロッド17上に配置された2つのロックアセンブリはいずれもロック解除されるべきである。
【0046】
本発明におけるエネルギー収集システムは、自然界又は人工的に生成される不安定な運動或いはエネルギーを、安定かつ制御可能な運動或いはエネルギーに変換することができる。すなわち、外部エネルギーは、安定なエネルギー又は不安定なエネルギーのいずれであってもよい。例えば外部エネルギーは、海水の潮汐、海岸に打ち寄せる波、高所からの落下物、バネの反発、気体の膨張、爆薬/核爆発、風車、水利施設或いは太陽光発電、人が地面を踏んで歩き、車の道路走行、機電システムのエネルギー、振動衝撃エネルギー、音エネルギー、熱エネルギーなどであり得る。本発明は、不安定な運動又はエネルギー、或いは微小/短距離エネルギー、若しくは短期/過渡エネルギーを変換して蓄積することができ、又は変換して蓄積して貯蔵及び制御し、入力された運動とエネルギー発生のニーズに応じて貯蔵されたエネルギーの放出を制御する。所望の安定した制御可能な物体運動若しくは安定した形で供給されるエネルギーを形成する。
【0047】
本実施例において、前記伝動部材2は、ロック状態とロック解除状態との間に第3状態を有し、前記第3状態は負圧エネルギーが放出される過程に前記伝動部材2の等速運動、加速運動或いは減速運動を維持することができ、実際の操作では、トリガー具8により転動体9と伝動部材2との間に適切な摩擦力を維持させて、伝動部材2の等速運動、加速運動或いは減速運動を調整して、要件が予め設定されたエネルギーの放出或いは変換を実現できる。
【0048】
本発明における密閉空間3内で負圧エネルギー貯蔵を達成するためには、まず封止端101とエネルギー貯蔵筐体1との間の良好なシール効果を確保する必要がある。本発明における封止端101は、様々な構造形態を用いて実現できる。以下、封止端101の比較的典型的な実施形態の構造を紹介する。
【0049】
本実施形態において、
図2、
図3に示すように、第2位置から第1位置への方向に沿って、前記封止端101は、間隔をあけて前記伝動部材2上を嵌め込み、前記エネルギー貯蔵筐体1に適合する第1ピストン体4、第2ピストン体5及び前記第1ピストン体4と第2ピストン体5との間に配置された可撓体6を備え、前記密閉空間3が負圧状態になる場合、前記可撓体6の一部が大気圧の作用により前記第2ピストン体5とエネルギー貯蔵筐体1との間の隙間に押し込まれることで前記密閉空間3の密封を達成する。
【0050】
シール効果を高めるため、エネルギー貯蔵筐体1の内壁に潤滑油を塗布して潤滑油膜を形成すると、封止端101とエネルギー貯蔵筐体1の内壁との間のシール効果を高めることができる。
【0051】
言及すべき点は、本実施形態における可撓体6は、密閉空間3が負圧状態となったときに弾性自己潤滑効果を発揮する。具体的には、第1ピストン体4、第2ピストン体5、及び可撓体6は1組の密封アセンブリを形成し、シール効果を奏するため、伝動部材2上の密封アセンブリは1組として構成することができ、或いはより良好なシール効果を達成するため、伝動部材2上で直列に連結された複数組として構成することもできる。
【0052】
具体的には、可撓体6は、中実の弾性構造又は弾性袋体のいずれかを用いることができ、弾性袋体内部には、気体、液体、或いは微小な(自己潤滑性)固体粒子(ナノスフェアなど)であり得る流体を充填することができる。弾性袋体を用いる場合、可撓体6には第2バルブ13及び第3バルブ14が設けられ、第2バルブ13及び第3バルブ14はいずれも一方向弁であり、可撓体6内部の流体が第2バルブ13から流出でき、封止端101が第2位置に向けて移動するのを容易し、第3バルブ14が可撓体6内に流体を補充して、密閉空間3oの封止を容易にすることができる。
【0053】
具体的実施過程において、本発明における動力源は、エネルギー体19を含む形態だけでなく、次の構造のいずれかを含む組み合わせの形態など、様々な形態で実施することができる。
【0054】
組み合わせ形態1:前記密閉空間の真空引き及び流体補充に用いられる流体輸送ポンプ。気相としての流体を例にとると、封止端101の移動及び密閉空間3内の真空引きはどちらも流体輸送ポンプにより完了し、操作過程中、まず流体輸送ポンプにより密閉空間3内に空気を充填して封止端101を第1位置から第2位置に移動させた後、このとき伝動部材2がロックされ、流体輸送ポンプが密閉空間3内の気体を引いて密閉空間3内の真空状態を達成し、エネルギー放出時伝動部材2をロック解除されるだけでよく、ロック解除後地球大気の作用により出力端102から放出されることができ、例えば出力エネルギーは対応する引っ張り力又は引きずり力を出力端102に及ぼして、エネルギーの放出を実現する。
【0055】
組み合わせ形態2:流体輸送ポンプ及びモータ11。前記流体輸送ポンプは、真空引き及び封止端101を第1位置から第2位置に移動させるために用いられ、組み合わせ形態1の原理を踏まえ、前記モータ11は前記伝動部材2の駆動により発電することができる。モータ11は、出力端102が出力する負圧エネルギーを電気エネルギーに変換するために用いられる。実際の構成において、出力端102はギアセットを介してモータ11に連結して達成でき、又は他の伝動方法でモータ11の発電を達成することもできる。具体的には、
図1に示すように、流体輸送ポンプは、第1バルブ12を通じて密閉空間3に接続され、封止端101が第1位置にあり、伝動部材2をロック解除状態に調整した時、流体輸送ポンプにより密閉空間3に気体を充填して封止端101を第1位置から第2位置に移動させてから伝動部材2をロック状態に調整した後、流体輸送ポンプにより密閉空間3を真空引きし、このとき密閉空間3内の負圧エネルギーの貯蔵が実現され、エネルギー出力が必要な場合、伝動部材2をロック解除状態に調整した後地球の大気圧の作用により封止端101は押動され第1位置に向けて移動し、このときモータ11を駆動して発電させ、負圧エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
【0056】
組み合わせ形態3:真空引きに用いられる流体輸送ポンプ。流体輸送ポンプのみが採用される場合、
図6の実施形態の状況から理解できる。流体輸送ポンプは、密閉空間3内の真空引きのみを実現する真空ポンプであることが好ましい。封止端101が第1位置に移動したとき、第4バルブ15が開いた後第1バネ7の作用により封止端101が第2位置に押動され、第4バルブ15を閉じた後、流体輸送ポンプを起動して密閉空間3内を真空引きして密閉空間3内の負圧エネルギー貯蔵状態を実現することができる。
【0057】
組み合わせ形態4:前記封止端101を第1位置から第2位置に移動させ、発電機能を持つモータ11。該組み合わせ形態において、封止端101の第1位置から第2位置への移動及び密閉空間3内の真空引きはどちらもモータ11の動力に依存し、封止端101が第2位置にあり、密閉空間3内が真空状態にあるとき、伝動部材2がロック解除状態にあるとき、出力端102はモータ11を運転させて発電することができる。モータ11は、好ましくはモータと発電機の二重の性能を有する永久磁石三相交流同期モータを採用する。
【0058】
組み合わせ形態5:発電機能のみを有するモータ11。外部エネルギーは伝動部材2を直接移動させ、封止端101を第2位置に向けて移動させ、密閉空間3内に真空を形成することができ、
図13~
図18に示す実施形態は均しく該組み合わせ形態5に関する。該構造の組み合わせ形態は、波力エネルギー、風力エネルギー、爆発エネルギー、熱エネルギーなどの不安定状態のエネルギー収集発電の実装に特に適している。
【0059】
本発明は、それぞれ前記動力源、ロックアセンブリへの信号接続をして、設定された方法で前記負圧エネルギーの放出又は前記負圧エネルギーの補充を実現する制御機構をさらに備え、制御機構により動力源、ロックアセンブリの動作を制御できる。具体的実施過程中で、エネルギーの貯蔵と放出の各々部分を秩序正しく進めるため、対応するセンサーと検出器を組み合わせることができ、
図19、
図20はエネルギーの収集及び放出の様々な形態を示している。センシング調整・制御部分では、制御機構及び各センサー、検出器を介してシステム全体の検出と制御を達成し、エネルギーの秩序ある収集と放出が確保される。具体的なエネルギーの収集や放出形態は運動又はエネルギー発生・入力(或いは入力と出力の統合)部分、周囲の媒体に基づくエネルギー若しくは運動エネルギーの変換、ロックによる貯蔵と放出部分、運動或いはエネルギー発生・出力部分を組み合わせて実施できる。
【0060】
本発明における地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムは、エネルギー貯蔵と発電の統合された発電所に応用されることができ、エネルギー貯蔵及び放出操作はより簡単で、安全かつ無公害である。
【0061】
本発明の実施形態は、直列又は並列に配置された地球大気エネルギー貯蔵に基づく複数のエネルギー収集システムを備えたエネルギー貯蔵装置を提供する。具体的には、異なる地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集システムは、次のいずれか1種以上の実装形態を採用し、
各々の伝動部材2は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる高さ及び/又は向きを有し、
各々の伝動部材2は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる構造を具備し、実際の動作状態に応じて柔軟に選択することができ、
各々の伝動部材2は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる状態を有し、前記状態は第1位置と第2位置との間の前記伝動部材2の位置状態であり、すなわち、エネルギーの貯蔵と放出は同時又は非同時で個別に実行でき、
各々のロックアセンブリは、同じ、一部が同じ又は完全に異なる構造を具備し、各システムは独自のシナリオに合わせて独自のロックアセンブリを用いることができ、
各々の動力源は、同じ、一部が同じ又は完全に異なる形態を採用する。
【0062】
図8に示すように、並列に配置された地球大気エネルギー貯蔵に基づく複数のエネルギー収集システムは、1つの共用チャンバ16を共有し、共用チャンバ16の内部は流体で満たされ、
図9に示すように、流体が汲み出された後共用チャンバ16及び共用チャンバ16に連絡された複数の密閉チャンバ内がいずれも真空状態となり、
図10に示すように、複数のシステムのエネルギー放出を非同時に行うことができ、かつ伝動部材2の向きが異なり、複数の異なるシステムを非同時に動作してエネルギーの貯蔵及び放出をより柔軟に行うことができる。
【0063】
図15を参照すると、地球大気エネルギー貯蔵に基づく複数のエネルギー収集システムを並列配置した実装形態であり、安定及び不安定なエネルギー収集の性能を備える。
【0064】
図11に示すように、直列に配置された地球大気エネルギー貯蔵に基づく複数のエネルギー収集システムは、1つの共用チャンバ16を共有し、複数の異なるシステムの同期動作又は非同期動作を実現してエネルギーの貯蔵と放出の柔軟性を高めることができる。実際の応用では、
図12に示すように、伝動部材2の向き、高さを実際の応用シナリオに応じて柔軟に配置することもできる。
【0065】
本発明の実施形態は、次のステップS1~S2を含む地球大気エネルギー貯蔵に基づくエネルギー収集方法を提供し、
S1:外部エネルギーが伝動部材2上に1回以上作用し、伝動部材2の封止端101を第1の方向に移動させて前記封止端と前記封止端101を載置するエネルギー貯蔵筐体1との間の密閉空間3を大きくなり、伝動部材2上にあるロックアセンブリにより前記封止端101は第2の方向に向けて移動することができなくなるステップ(密閉空間3は負圧空間であり、第1の方向は第2の方向と反対である)、
S2:前記ロックアセンブリがロック解除されたとき、地球大気の作用により前記封止端101は、第2の方向に向けて移動するステップ(伝動部材2は出力端102を具備し、封止端101が第2方向に向けて移動する時出力端102を移動させることで、密閉空間3が小さくなる)。
【0066】
具体的には、前記封止端101は、前記エネルギー貯蔵筐体1内の第1位置と第2位置との間で移動することができ、第1位置から第2位置への移動方向は、第1の方向であり、前記封止端101が前記第1位置と第2位置との間にある場合、前記ステップS1、S2は順次又は交互に実行される。前記封止端101が前記第1位置にある場合、前記ステップS1、S2は、順に実行される。前記封止端101が前記第2位置にある場合、先にステップS2を実行してからステップS1を実行する。
【0067】
(実施例2)
本実施例の実施例1の変形例である。
【0068】
本実施例において、
図4~
図7に示すように、前記密閉空間3内に第1バネ7が設けられ、前記第1バネ7の一端は前記封止端101に連結され、他端はエネルギー貯蔵筐体1に連結され、前記第1バネ7は常に圧縮された状態にある。
【0069】
本実施例において、エネルギー貯蔵筐体1に第4バルブ15が設けられ、密閉空間3は第4バルブ15を介して外部大気と連通できる。
図4に示すように、封止端101が第2位置にあり、第4バルブ15を閉じている。第1バルブ12は好ましくは一方向弁であり、流体輸送ポンプの吸込口端は第1バルブ12を介して密閉空間3に接続され、流体輸送ポンプを起動して密閉空間3を真空引きし、
図5に示すように、真空引きが完了した後、密閉空間3内の負圧エネルギーを放出する必要があるとき、伝動部材2をロック解除状態に調整し、
図6に示すように、地球の大気圧の作用により封止端101は伝動部材2を第1位置に向けて移動させ、封止端101が第1位置に移動するまでエネルギーの出力を実現し、このとき、第4バルブ15を開き、外部大気が密閉空間3に入り、
図7に示すように、第1バネ7の弾性力作用により封止端101は第2位置に向けて移動するよう押される。
【0070】
本実施例における封止端101の可撓体6には、それぞれ第1永久磁石20、第2永久磁石21が設けられ、
図21、
図22に示すように、エネルギー貯蔵筐体1の外部にはそれぞれ第1電磁石22、第2電磁石23が設けられ、第1電磁石22、第2電磁石23はそれぞれ第1永久磁石20、第2永久磁石21に対応し、第1電磁石22の第2電磁石23に対向する端の磁極が逆で、第1電磁石22、第2電磁石23に通電した後電磁場を発生し、それぞれ第1永久磁石20、第2永久磁石21を吸引し、可撓体6のエネルギー貯蔵筐体1の外壁と接触する部位は磁力の作用により密着して密封を達成する。
【0071】
また、実際の応用において、エネルギー貯蔵筐体24の内部に軸方向に沿って均一又は不均一に配置された複数の密封凹溝24が設けられ、密封凹溝24は封止端101が停止する位置に均一に配置され、
図22、
図23に示すように、封止端101が停止したとき、可撓体6を密封凹溝24には埋め込むことができて、伝動部材2の移動停止後密封チャンバ3はより良好な静的密封状態を維持することができ、エネルギーの放出が固定変位出力を持つ応用シナリオに特に適している。
【0072】
(実施例3)
本実施例は、実施例1の別の変形例である。
【0073】
本実施例において、封止端101の可撓体6には、第1移動ブロック31、第2移動ブロック32及び伝動部材2の周方向に沿って配置された第1袋体25が設けられ、第1袋体25は第1移動ブロック31、第2移動ブロック32の内側に配置され、
図24に示されるように、第1移動ブロック31、第2移動ブロック32は好ましくは永久磁石であり、第1袋体25の内部にパラフィンなどの相変化材料が充填され、第1袋体25を加熱することにより、相変化材料が相変化して自体の体積が変化して第1移動ブロック31、第2移動ブロック32に推力を発生し、第1移動ブロック31、第2移動ブロック32が可撓体6を押してエネルギー貯蔵筐体1の内壁との間の押し付け力によりシール効果を高め、
図25に示すように、第1袋体25内の相変化材料が相変化した後の体積が増加するときの様子であり、該構造の配置は可撓体6のエネルギー貯蔵筐体1の外壁と接触する部位を密着させて密封を達成し、第1移動ブロック31、第2移動ブロック32の外部には密封するための可撓性構造が設けられることで、エネルギー貯蔵筐体1の内壁との密封接触を確保する。
【0074】
相変化材料の加熱は、電気加熱の方法を用いて実現できる。
【0075】
言及すべき点は、封止端101を密封するための上記構造は、ロックアセンブリにおいてロック及びロック解除にも使用でき、本発明におけるいくつかの特別なシナリオの効果も達成できる。
【0076】
(実施例4)
本実施例は、実施例3の変形例である。
【0077】
本実施例は、実施例3の原理に基づいてロックアセンブリのロック及びロック解除を実現する構造的な干渉ロック構造を提供する。
【0078】
図26に示すように、伝動部材2の周方向には径方向外側に向かって順に配置された第2袋体26、ロックストッパー29が設けられ、第2袋体26の内部は一定の温度差を有する2種の相変化材料で満たされ、2種の相変化材料が同時に加熱することも、別々に加熱することもできる。
【0079】
2種の相変化材料を電気で加熱すると、融点の低い一方、例えばパラフィン27が先に液化又は気化し、次にもう一方の高融点相変化材料、例えば錫-ビスマス合金28を加圧して圧縮し、70℃以上に加熱すると、錫-ビスマス合金28が溶け始め、以前に液化又は気化した材料が膨張し、溶けた錫-ビスマス合金を圧迫してロックストッパー29が外側に摺動する方向に並べ、
図27に示すように、ロックストッパー29を圧迫しながらロックストッパー29の端部がロック溝30に入り、ロック位置の密封を達成する。次に温度が下がると、錫-ビスマス合金28は融点が高いため、先に凝固し始め、その周辺の別の低融点相変化材料がまだ高圧の気体又は液体状態にあり、このとき、先に溶融して押し方向に沿って配置された錫-ビスマス合金28は徐々に冷却して固化し、その後、別の相変化材料であるパラフィン27が冷却されて液体或いは体積が小さな固体となるが、錫-ビスマス合金28は既に固まってしまっているため、外向き押しブロックに当接する状態にあり、
図28に示すように、エネルギーのないロック状態が形成される。
【0080】
2回加熱すると、温度制御により2種の相変化材料を同時に軟化させることができ、第2袋体26内部は負圧状態となるため、ロックストッパー29は第2袋体26の動きに追従してロック状態から解放し、ロック解除される。
【0081】
(実施例5)
本実施例の実施例1の更なる変形例である。
【0082】
本実施例では、ロック構造体35と、第3バネ36と、ロック解除機能部材37とを備えたラチェット機構ロック的構造を提供する。伝動部材2には、止め歯33が設けられ、エネルギー貯蔵筐体1の内部には収容空間34が設けられ、ロック構造体35の一端が固定軸38を介して収容空間34内に回転可能に設けられ、エネルギー貯蔵筐体1上に取り付けられた第3バネ36と弾性的に協働し、ロック構造体35の他端が収容空間の外部に延在し、止め歯33と柔軟に協働し、
図29に示すように、伝動部材2が第1方向に向けて移動するとき、ロック構造体35は伝動部材2が止め歯33を移動させることを阻止できず、伝動部材2が第2方向に向けて移動するとき、ロック構造体35は伝動部材2が止め歯33を移動させることを阻止し、ロックすることができ、ロック解除機能部材37を伝動動部件2の方向に向けて移動するように操作されたとき、ロック構造体35の他端を止め歯33から離れるよう移動させ、伝動部材2を第1方向及び第2方向に移動させてロックがされないことができ、以上の操作により本発明におけるロック及びロック解除の操作が実現される。
【0083】
【0084】
エネルギー体19が外部の不安定なエネルギーの作用により変形し、その変形方向が伝動枠18に向かうとき、伝動枠18に力を加えて伝動枠18を右に移動させ、伝動枠18に直結されたロックアセンブリが右に向ける方向はロック状態となるため、伝動ロッド17を右に移動させ、
図16、
図17に示すように、エネルギー貯蔵筐体1上に配置されたロックアセンブリは伝動ロッド17が右に移動することを許容するため、封止端101は伝動ロッド17により右に引っ張られて、密閉空間3の体積が大きくなり、負圧エネルギーが収集されて貯蔵される。
【0085】
外部エネルギーが小さくなるか散逸するとき、エネルギー体19自体は変形を復元し、動伝動枠18及び1つのロックアセンブリを復帰させ、このとき、伝動ロッド17は、伝動枠18に直結されたロックアセンブリの左方への移動を許容するため、伝動枠18のリセットはロックアセンブリによる干渉を受けない。エネルギー体19に再び外部エネルギーが作用して変形が生じるとき、伝動枠18を右に移動させてエネルギーの収集が実現され、このように繰り返して不安定なエネルギーの収集が実現される。
【0086】
密閉空間3内のエネルギーを放出する必要がある場合、エネルギー貯蔵筐体1上にあるロックアセンブリをロック解除状態に調整することだけで、伝動部材2の封止端101は地球の大気圧の作用により第2位置から第1位置に移動して出力端102を同時に移動させ、出力端102には発電機能を有するモータ11が連結され、伝動部材2はモータ11を発電させて負圧エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、封止端101が第1位置に移動するまで、負圧エネルギーが放出され終える。
【0087】
本出願の説明において、用語「上」、「下」、「前」、「後」「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが示した方位又は位置関係は、図面に基づいて示した方位又は位置関係であり、単に本出願を簡単に説明しやすくするためであり、示された装置又は部材が必ず特定の方位を有し、又は特定の方位で構成され操作することと指示又は示唆するものではないので、本出願に対する限定と理解してはいけない。
【0088】
従来技術と比較して、本発明は、次の有利な効果を有する。
【0089】
1、本発明は、真空状態にある密閉チャンバを用いてシステムの真空エネルギー貯蔵を実現し地球大気と密閉チャンバとの間に生じる圧力差を介して駆動力を発生し、地球大気と真空チャンバとの間に大気の位置エネルギーを貯蔵することに相当し、必要に応じて随時密閉チャンバ内の負圧を圧力差駆動力の作用により放出或いは変換することができ、エネルギーの貯蔵及び放出は外部環境の影響が少なく、他のゴミと環境汚染を発生させず、環境に優しく、柔軟性が高く、普遍性も高く、普及上の実質的な価値と意義を持っている。
【0090】
2、本発明は、1つの負圧ポンプだけでシステムの真空エネルギー貯蔵を実現でき、必要に応じて随時エネルギーを放出でき、構造が簡単で、実装が容易であり、低コストである。
【0091】
3、本発明の製造工程では従来の材料を用い、構成要素が少なく、コストが低い。
【0092】
4、本発明は操作に便利で、制御システムを介して自動化及びシステムの遠隔管理を実現することができる。
【0093】
5、本発明におけるエネルギー貯蔵システムは、安全性が高い特徴を有し、爆発その他の危険がない。
【0094】
6、本発明は、低ノイズという特徴を有する。
【0095】
7、本発明は、エネルギー放出プロセス中により安定したエネルギー放出性能を有し、他のエネルギー貯蔵装置よりもより安定したエネルギー放出の利点を有する。
【0096】
8、本発明は、さらなる改良により、定置型又は携帯型のエネルギー貯蔵装置として使用することができ、より広い範囲の用途を有する。
【0097】
9、本発明におけるシステム又は装置は、柔軟に設計することができ、実際の応用シナリオに従い体積及び重量を設計し、実用性が高い。
【0098】
10、本発明は、不安定な運動又はエネルギー、或いは微小/短距離エネルギー、若しくは短期/過渡エネルギーを変換して蓄積することができ、又は変換して蓄積して貯蔵及び制御し、入力された運動とエネルギー発生のニーズに応じて貯蔵されたエネルギーの放出を制御する。所望の安定した制御可能な物体運動若しくは安定した形で供給されるエネルギーを形成し、不安定な状態のエネルギーを収集することが難しいという長年の問題を解決した。
【0099】
以上本発明につき具体的実施例を挙げて種々説明したが、本発明は上記特定の実施形態に限定されるものではなく、当業者は特許請求の範囲内で様々な変形又は修正を行うことができ、本発明の本質的な内容に影響を及ぼさないことを理解されたい。衝突がないという場合において、本発明の実施例及び実施例における特徴は互いに任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0100】
10 第2バネ
101 封止端
102 出力端
1 エネルギー貯蔵筐体
11 モータ
12 第1バルブ
13 第2バルブ
14 第3バルブ
15 第4バルブ
16 共用チャンバ
17 伝動ロッド
18 伝動枠
19 エネルギー体
20 第1永久磁石
2 伝動部材
21 第2永久磁石
22 第1電磁石
23 第2電磁石
24 密封凹溝
25 第1袋体
26 第2袋体
27 パラフィン
28 錫-ビスマス合金
29 ロックストッパー
30 ロック槽
3 密閉空間
31 第1移動ブロック
32 第2移動ブロック
33 止め歯
34 収容空間
35 ロック構造体
36 第3バネ
37 ロック解除機能部材
38 固定軸
4 第1ピストン体
5 第2ピストン体
6 可撓体
7 第1バネ7
8 トリガー具
9 転動体
【国際調査報告】