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特表2024-543273光学フィルムアセンブリ、バックライトモジュール及び表示装置
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  • 特表-光学フィルムアセンブリ、バックライトモジュール及び表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-20
(54)【発明の名称】光学フィルムアセンブリ、バックライトモジュール及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241113BHJP
【FI】
F21S2/00 431
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531676
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 CN2021136657
(87)【国際公開番号】W WO2023102802
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520142790
【氏名又は名称】ラディアント(クワンチョウ)オプト‐エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ジェン ヂー
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ブォ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン、ジャ イン
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA01
3K244GA02
(57)【要約】
バックライトモジュール(100)の導光板(110)からの光線を導出するように構成される光学フィルムセンブリ(200)を提供する。この光学フィルムセンブリ(200)は、下部プリズムシート(220)及び上部プリズムシート(230)を含む。下部プリズムシート(20)は、第1方向(D1)に沿って延伸する複数の下部プリズム構造(221)を有する。上部プリズムシート(230)は、下部プリズムシート(220)の上方に設けられ、第1方向(D1)とは異なる第2方向(D2)に沿って延伸する複数の上部プリズム構造(231)を有する。第2方向(D2)と導光板(110)の入光面(111)の延伸方向(A1)との間には、25度以上50度以下、又は130度以上155度以下の範囲内の夾角を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトモジュールの導光板からの光線を導出するように構成される光学フィルムセンブリであって、
それぞれ第1方向に沿って延伸している複数の下部プリズム構造を有する下部プリズムシートと、
下部プリズムシートの上方に設けられる上部プリズムシートと、を含み、
前記上部プリズムシートは、それぞれ前記第1方向と異なる第2方向に沿って延伸する複数の上部プリズム構造を有し、且つ、前記第2方向と前記導光板の入光面の延伸方向との間に夾角を有し、前記夾角は、25度以上50度以下の範囲、または130度以上155度以下の範囲内にある、
光学フィルムセンブリ。
【請求項2】
前記第2方向と前記導光板の入光面の延伸方向との間には、115度以上140度以下の範囲、または220度以上245度以下の範囲内の夾角を有する、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項3】
前記第1方向と前記第2方向とは、互いに垂直である、
請求項2に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項4】
前記下部プリズムシートの下方に設けられた下拡散シートをさらに含み、
前記下拡散シートは複数の拡散粒子を含み、
前記複数の拡散粒子により前記下拡散シートが50%以上60%以下のヘイズを有する、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項5】
前記上部プリズムシートの上方に設けられた上拡散シートをさらに含み、
前記上拡散シートは複数の拡散粒子を含み、
前記複数の拡散粒子により前記上拡散シートが30%以下のヘイズを有する、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項6】
下拡散シート及び上拡散シートをさらに含み、前記上拡散シートに対する前記下拡散シートのヘイズ比が1.6以上6以下である、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項7】
前記下拡散シートは、前記下部プリズムシートの下方に設けられ、前記上拡散シートは、前記上部プリズムシートの上方に設けられ、
前記導光板からの光線は、前記下拡散シート、前記下部プリズムシート、前記上部プリズムシート及び前記上拡散シートを順に通過した後、一部の前記光線は、正面視方向に沿って前記上拡散シートから出光し、他の一部の前記光線は、側面視方向に沿って前記上拡散シートから出光し、
前記正面視方向から出光する出光量に対する前記側面視方向から出光する出光量の比は、0.07未満である、
請求項6に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項8】
前記正面視方向は、前記上拡散シートの出光法線に平行であり、前記側面視方向と前記出光法線との間に45度より大きい夾角を有する、
請求項7に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項9】
各前記下部プリズム構造及び各前記上部プリズム構造はストリップ状構造である、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項10】
入光面及び出光面を有する導光板と、
前記入光面に隣接して設けられる光源と、
前記出光面の上方に設けられる請求項1~9のいずれか1項に記載の光学フィルムセンブリと、
を含む、
バックライトモジュール。
【請求項11】
入光面及び出光面を有する導光板と、
前記入光面に隣接して設けられる光源と、
前記導光板の前記出光面の上方に設けられる請求項1~9のいずれか1項に記載の光学フィルムセンブリと、
前記光学フィルムセンブリの上方に設けられる表示パネルと、
を含む、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルムアセンブリ及びその応用に関し、特に、バックライトモジュールに適用可能なフィルムアセンブリ、このフィルムアセンブリを用いたバックライトモジュール及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なバックライトモジュールは、主に導光板と複数枚の光学フィルムとを含み、光学フィルムは、導光板から射出された光線を屈折して正面視角で出光させることができる。しかしながら、このようなバックライトモジュールは覗き見防止表示製品に適用することができない。したがって、どのように光学フィルムと導光板との組み合わせ設計を変更することによって良好な覗き見防止効果を生成するかは、当業者が積極的に取り組んで達成したい目標となっている。
【発明の概要】
【0003】
従って、本開示の目的は、光学フィルムセンブリ、このフィルムアセンブリを用いたバックライトモジュール及び表示装置を提供することにあり、光学フィルムセンブリの設計により、光線の正面視角から出光する出光量を維持するとともに、光線の側方から出光する迷光を低減することができる。
【0004】
本開示の上記目的によれば、バックライトモジュールの導光板からの光線を導出するように構成される光学フィルムセンブリを提供する。この光学フィルムセンブリは、下部プリズムシート及び上部プリズムシートを含む。下部プリズムシートは、第1方向に沿って延伸する複数の下部プリズム構造を有する。上部プリズムシートは、下部プリズムシートの上方に設けられ、上部プリズムシートは、第1方向とは異なる第2方向に沿って延伸する複数の上部プリズム構造を有する。第2方向と導光板の入光面の延伸方向との間には、25度以上50度以下の範囲、又は130度以上155度以下の範囲内の夾角を有する。
【0005】
本開示の一つの実施例によれば、上記第2方向と導光板の入光面の延伸方向との間には、115度以上140度以下の範囲、又は220度以上245度以下の範囲内の夾角を有する。
【0006】
本開示の一つの実施例によれば、上記第1方向と第2方向は互いに垂直である。
【0007】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光学フィルムセンブリは、下部プリズムシートの下方に設けられる下拡散シートをさらに含み、下拡散シートは、複数の拡散粒子を含み、これらの拡散粒子により、下拡散シートが50%以上60%以下のヘイズを有する。
【0008】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光学フィルムセンブリは、上部プリズムシートの上方に設けられた上拡散シートをさらに含む。ここで、上拡散シートは、複数の拡散粒子を含み、これらの拡散粒子により、上拡散シートが30%以下のヘイズを有する。
【0009】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光学フィルムセンブリは、下拡散シートと上拡散シートとをさらに含む。ここで、上拡散シートに対する下拡散シートのヘイズ比は1.6以上6以下である。
【0010】
本開示の一つの実施例によれば、上記の下拡散シートは下部プリズムシートの下方に設けられ、上拡散シートは上部プリズムシートの上方に設けられる。導光板からの光線は、下拡散シート、下部プリズムシート、上部プリズムシート及び上拡散シートを順次通過した後、一部の光線は、正面視方向に沿って上拡散シートから出光し、他の一部の光線は、側面視方向に沿って上拡散シートから出光し、正面視方向から出光する出光量に対する側面視方向から出光する出光量の比は、0.07未満である。
【0011】
本開示の一つの実施例によれば、上記正面視方向は上拡散シートの出光法線に平行であり、側面視方向と出光法線との間に45度より大きい夾角を有する。
【0012】
本開示の一つの実施例によれば、上記各下部プリズム構造及び各上部プリズム構造はいずれもストリップ状構造である。
【0013】
本開示の上記目的によれば、バックライトモジュールをさらに提供する。バックライトモジュールは、導光板、光源及び上記の光学フィルムセンブリを含む。導光板は、入光面及び出光面を有する。光源は、入光面に隣接的に設けられる。光学フィルムセンブリは出光面の上方に設けられる。
【0014】
本開示の上記目的に基づき、表示装置をさらに提供する。表示装置は、導光板と、光源と、上記の光学フィルムセンブリと、表示パネルとを含む。導光板は、入光面及び出光面を有する。光源は、入光面に隣接的に設けられる。光学フィルムセンブリは出光面の上方に設けられる。表示パネルは、光学フィルムセンブリの上方に設けられる。
【0015】
上記から分かるように、本開示の光学フィルムセンブリは、主に、上部プリズムシートの上部プリズム構造の延伸方向と入光面との間の夾角の設計を、下部プリズムシートの下部プリズム構造の延伸方向と入光面との間の夾角の変化に合わせて、光線の正面視角から出光する出光量を維持する前提で、光線の側面視角から出光する出光量を低減することで、覗き見防止表示の光学ニーズを満たす。また、本開示の上部プリズムシートと下部プリズムシートとの組み合わせは、異なるヘイズの拡散シートと組み合わせた場合に、側面視角から出光する迷光を低減する効果をさらに達成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
実施例及びその利点をより完全に理解するために、図面を参照して以下の説明を行う。
【0017】
図1】本開示の第1実施形態によるバックライトモジュールを示す装置模式図である。
図2】本開示の第1実施形態による下部プリズムシートを示す正面図である。
図3】本開示の第1実施形態による上部プリズムシートを示す正面図である。
図4】本開示の第1実施形態による上部プリズムシートの夾角設計によって生成された正面視角の出光輝度と側面視角の出光輝度とを示す比較図である。
図5】本開示の第1実施形態による下拡散シートを示す側面図である。
図6】本開示の第2実施形態によるバックライトモジュールを示す装置模式図である。
図7】本開示の一つの実施形態による表示装置を示す装置模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の第1実施形態によるバックライトモジュールを示す装置概略図である図1を参照する。本実施形態のバックライトモジュール100は、主に導光板110、光源120及び光学フィルムセンブリ200を含む。光源120は主に光を導光板110へ提供することができ、光学フィルムセンブリ200は導光板110の前方に設けられる。光学フィルムセンブリ200は、主に、導光板110から射出された光線が側面視角から出光した出光量を低減し、導光板110から射出された光線が正面視角から出光した出光量を維持することにより、バックライトモジュール100を覗き見防止表示製品に適用することができる。
【0019】
図1に示すように、導光板110は、入光面111と出光面112とを有する。光源120は、入光面111に隣接して設けられ、光源120から提供された光線は、導光板110の入光面111から導光板110に入り、さらに導光板110の出光面112から出光する。本実施例では、光学フィルムセンブリ200は、下拡散シート210、下部プリズムシート220及び上部プリズムシート230を含み、下拡散シート210、下部プリズムシート220及び上部プリズムシート230は、順に導光板110の出光面112の前方に積み重ねられる。
【0020】
また、図2及び図3を併せて参照すると、それぞれ本開示の第1実施形態による下部プリズムシート及び上部プリズムシートを示す正面図である。本実施例では、下部プリズムシート220は、複数の下部プリズム構造221を有し、各下部プリズム構造221は、第1方向D1に沿って延伸するストリップ状構造である。第1方向D1と導光板110の入光面111の延伸方向A1との間には夾角αがある。上部プリズムシート230は、複数の上部プリズム構造231を有し、各上部プリズム構造231は、第2方向D2に沿って延伸するストリップ構造である。ただし、第2方向D2は、第1方向D1と異なる。第2方向D2と導光板110の入光面111の延伸方向A1との間に夾角βがある。本実施例において、夾角βは25度以上50度以下、又は130度以上155度以下の範囲内にある。これにより、導光板110の出光面112から出射された光線は、下拡散シート210、下部プリズムシート220及び上部プリズムシート230を順に通過した後、一部の光線(例えば、図1の光線L1)は、正面視方向(又は正面視角とも呼ばれる)に沿って上部プリズムシート230から出光し、他の一部の光線(例えば、図1の光線L2)は、側面視方向(又は側面視角とも呼ばれる)に沿って上部プリズムシート230から出光する。例えば、利用者が図1に示すバックライトモジュール100と向き合う場合、利用者はバックライトモジュール100の中心位置を正面視し、このとき、バックライトモジュール100の出光面において該中心位置を通る延長線P1を画定すると、延長線P1と正面視方向とで構成される平面P2(平面P2は図1のハッチング領域を含む)において側面視方向を有し、ここで、正面視方向とは光線が上部プリズムシート230の法線方向に平行であることを指し、側面視方向とは前記平面P2において正面視方向との間に夾角θを有する方向を指す。
【0021】
また、図4を併せて参照すると、図4は、本開示の第1実施形態による上部プリズムシートの夾角の設計によって生成された正面視角の出光輝度と側面視角の出光輝度との比較図である。図4から分かるように、上部プリズムシート230の夾角βが25度以上50度以下、又は130度以上155度以下の範囲内(即ち、図4における破線枠から選ばれた範囲内)にある場合、バックライトモジュール100全体は、大きい正面視角の出光輝度及び小さい側面視角の出光輝度を生成することができ、これにより、正面視方向から出光する光線の出光量に対する側面視方向から出光する光線の出光量の比(側面視角出光の割合とも呼ばれる)が小さく、例えば0.07未満であり、これは、上部プリズムシート230の夾角βが25度以上50度以下、又は130度以上155度以下の範囲内の設計により、側方向の出光量を低下させることができる。
【0022】
また、次の表1と表2を参照すると、表1と表2は、下部プリズムシート220の夾角αと上部プリズムシート230の夾角βの角度の組み合わせによる光線L1と光線L2の出光結果である。
【0023】
表1
【0024】
表2
【0025】
上記表1及び表2から分かるように、上部プリズムシート230の夾角βの範囲が25度以上50度以下、又は130度以上155度以下である場合、側面視角出光の割合がいずれも10%未満、さらには7%未満であり、覗き見防止製品のニーズを満たすことができる。これから分かるように、下部プリズムシート220の夾α角は、115度以上140度以下、又は220度以上245度以下の範囲内に設計されてもよく、又は、上部プリズムシート230の上部プリズム構造231の第2方向D2と下部プリズムシート220の下部プリズム構造221の第1方向D1とを互いに垂直にすることにより、上記のような側面視角出光の割合を低減する効果を達成する。
【0026】
また、図5は、本開示の第1実施形態による下拡散シートを示す側面図である。一つの実施例において、下拡散シート210は複数の拡散粒子211を含む。本開示の下拡散シート210は、主に側面視角(即ち、正面視方向と側面視方向との間の夾角θが45度より大きい)から射出された迷光を低減することができ、ここで、迷光とは、拡散粒子による拡散光線であり、特定の方向性を有さない光線である。平行光線L3が下拡散シート210に入射すると、一部の光線(例えば、光線L4)は下拡散シート210を平行に透過し、他の一部の光線(例えば、光線L5)は拡散粒子211の作用により散乱して下拡散シート210を透過し、光線L5の平行光線L3に対するずれ角度は2.5度より大きい。ここで、光線L4及び光線L5の透過率の合計に対する散乱されて下拡散シート210を透過する光線L5の透過率の比は、下拡散シート210のヘイズと定義することができる。本実施例において、下部拡散シート210は、50%以上60%以下のヘイズを有する。下拡散シート210のヘイズが0%である場合、同様に低い側面視角出光の割合を達成できるが、出光面の入光側に近い光線の均斉度要求を満たすことができず、下拡散シート210のヘイズが90%である場合、低い側面視角出光の割合を達成できるが、正面視角の出光輝度要求を満たすことができず、且つ側面視角で測定された迷光が多いため、製品の覗き見防止効果を損なう。従って、拡散シート210のヘイズが50%~60%である場合、製品の覗き見防止の目的を満たすことができるだけでなく、側面視角で少ない迷光を生成することもできる。なお、従来のバックライトモジュールにおいて高ヘイズの下拡散シート(例えば、90%のヘイズの下拡散シート)が多くの迷光を発生しやすい状況に対して、本開示では、50%~60%の低ヘイズの下拡散シートを利用することにより、顧客に要求される光学外観を満たすことができる一方、迷光の発生を低減することができ、さらに覗き見防止製品の要求を満たすことができる。
【0027】
本開示のバックライトモジュールは、異なる構造設計を有してもよい。また、図6を参照すると、本開示の第2実施形態によるバックライトモジュールを示す装置模式図である。本実施形態のバックライトモジュール300の構造は、図1に示すバックライトモジュール100の構造とほぼ同じであり、相違点は、バックライトモジュール300が上拡散シート440をさらに含むことのみである。図6に示すように、バックライトモジュール300は、主に導光板310、光源320及び光学フィルムセンブリ400を含む。光源320は主に光を導光板310に提供することができ、光学フィルムセンブリ400は導光板310の前方に設けられる。光学フィルムセンブリ400は、主に、導光板310から射出された光線が側面視角から出光する出光量を低減し、少なくとも導光板310から射出された光線が正面視角から出光する出光量を維持することにより、バックライトモジュール300を覗き見防止表示製品に適用することができる。
【0028】
図6に示すように、本実施例において、光学フィルムセンブリ400は、下拡散シート410、下部プリズムシート420、上部プリズムシート430及び上拡散シート440を含み、下拡散シート410、下部プリズムシート420、上部プリズムシート430及び上拡散シート440は、順に導光板310の出光面の前方に積み重ねられる。下部プリズムシート420及び上部プリズムシート430の構造は、図1図3に示す下部プリズムシート220及び上部プリズムシート230の構造と実質的に同じであるため、ここでは説明を省略する。本実施例において、上拡散シート440の効果は、覗き見防止表示の製品がより優れた光学品位、例えば、より優れた均斉度を有することを確保することにあり、特に、上拡散シート440のヘイズは、下拡散シート410のヘイズよりも低く、このようにして、上拡散シート440から射出された光線に過剰な迷光が発生しないことを確保することができ、本開示の光学フィルムセンブリを適用する製品が覗き見防止特性をさらに満たす。
【0029】
本実施例において、下拡散シート410と上拡散シート440は、例えば図5に示す拡散粒子211を有し、且つこれらの拡散粒子は、下拡散シート410に50%以上60%以下のヘイズを有し、且つ上拡散シート440のヘイズが下拡散シート410のヘイズより低く、例えば30%以下である。また、表3を参照すると、表3は、前述した上部プリズムシート430のプリズム構造と導光板310の入光面311の延伸方向との夾角の範囲が25度以上50度以下、又は130度以上155度以下であるという条件に基づいて、下拡散シート410と上拡散シート440とのヘイズ変化に合わせて、発生した迷光の量が依然として覗き見防止製品の許容範囲内にあることを説明した。表3から、下拡散シート410のヘイズが50%以上60%以下の範囲内であり、かつ、上拡散シート440のヘイズが30%以下であると、少ない迷光が発生することがわかる。また、表3の結果からも分かるように、上拡散シート440に対する下拡散シート410のヘイズ比の範囲が1.6以上6以下の範囲内である場合、覗き見防止特性の製品を満たすことができるとともに、少ない迷光を発生させることに加えて、本実施例のバックライトモジュールの光学品位も兼ね備えさせ、例えば、より優れた均斉性を有する。
【0030】
表3
【0031】
また、本開示の一つの実施形態による表示装置を示す装置模式図である図7を参照する。本実施形態の表示装置500は、図1に示すようなバックライトモジュール100及び表示パネル510を含む。表示パネル510は、バックライトモジュール100の前方に設けられる。これにより、表示装置500は、バックライトモジュール100における光学フィルムセンブリ200の設計によって、同様に、正面視角での出光量を維持し、側面視角での出光量を低下させることができるため、ここでは説明を省略する。本発明の実施例は、図1に示すバックライトモジュール100が表示装置500に適用されることを例示的な説明とし、本開示を限定するものではない。上記他の実施例のバックライトモジュール(例えば、図6に示すバックライトモジュール300)は、いずれも表示装置に適用されて、同様な覗き見防止効果を発生させる。
【0032】
上記本開示の実施形態から分かるように、本開示の光学フィルムセンブリは、主に上部プリズムシートの上部プリズム構造の延伸方向と入光面との間の夾角設計によって、下部プリズムシートの下部プリズム構造の延伸方向と入光面との間の夾角の変化に合わせて、光線の正面視角から出光する出光量を維持する前提で、光線の側面視角から出光する出光量を低減して、覗き見防止表示の光学ニーズを満たす。また、本開示の上部プリズムシートと下部プリズムシートとの組み合わせは、異なるヘイズの拡散シートと組み合わせた場合に、側面視角から出光する迷光を低減する効果をさらに達成することもできる。
【0033】
以上、本開示の実施例を説明したが、本開示を限定するものではなく、当業者であれば、本開示の実施例の精神及び範囲から逸脱することなく、若干の変更及び修正を行うことができるはずであるため、本開示の実施例の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される保護範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0034】
100 バックライトモジュール
110 導光板
111 入光面
112 出光面
120 光源
200 光学フィルムセンブリ
210 下拡散シート
211 拡散粒子
220 下部プリズムシート
221 下部プリズム構造
230 上部プリズムシート
231 上部プリズム構造
300 バックライトモジュール
310 導光板
311 入光面
320 光源
400 光学フィルムセンブリ
410 下拡散シート
420 下部プリズムシート
430 上部プリズムシート
440 上拡散シート
500 表示装置
510 表示パネル
A1 延伸方向
D1 第1方向
D2 第2方向
L1 光線
L2 光線
L3 光線
L4 光線
L5 光線
P1 延長線
P2 平面
α 夾角
β 夾角
θ 夾角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトモジュールの導光板からの光線を導出するように構成される光学フィルムセンブリであって、
それぞれ第1方向に沿って延伸している複数の下部プリズム構造を有する下部プリズムシートと、
下部プリズムシートの上方に設けられる上部プリズムシートと、を含み、
前記上部プリズムシートは、それぞれ前記第1方向と異なる第2方向に沿って延伸する複数の上部プリズム構造を有し、且つ、前記第2方向と前記導光板の入光面の延伸方向との間に夾角を有し、前記夾角は、25度以上50度以下の範囲、または130度以上155度以下の範囲内にある、
光学フィルムセンブリ。
【請求項2】
前記第1方向と前記導光板の入光面の延伸方向との間には、115度以上140度以下の範囲、または220度以上245度以下の範囲内の夾角を有する、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項3】
前記第1方向と前記第2方向とは、互いに垂直である、
請求項2に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項4】
前記下部プリズムシートの下方に設けられた下拡散シートをさらに含み、
前記下拡散シートは複数の拡散粒子を含み、
前記複数の拡散粒子により前記下拡散シートが50%以上60%以下のヘイズを有する、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項5】
前記上部プリズムシートの上方に設けられた上拡散シートをさらに含み、
前記上拡散シートは複数の拡散粒子を含み、
前記複数の拡散粒子により前記上拡散シートが30%以下のヘイズを有する、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項6】
下拡散シート及び上拡散シートをさらに含み、前記上拡散シートに対する前記下拡散シートのヘイズ比が1.6以上6以下である、
請求項1に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項7】
前記下拡散シートは、前記下部プリズムシートの下方に設けられ、前記上拡散シートは、前記上部プリズムシートの上方に設けられ、
前記導光板からの光線は、前記下拡散シート、前記下部プリズムシート、前記上部プリズムシート及び前記上拡散シートを順に通過した後、一部の前記光線は、正面視方向に沿って前記上拡散シートから出光し、他の一部の前記光線は、側面視方向に沿って前記上拡散シートから出光し、
前記正面視方向から出光する出光量に対する前記側面視方向から出光する出光量の比は、0.07未満である、
請求項6に記載の光学フィルムセンブリ。
【請求項8】
入光面及び出光面を有する導光板と、
前記入光面に隣接して設けられる光源と、
前記出光面の上方に設けられる請求項1~7のいずれか1項に記載の光学フィルムセンブリと、
を含む、
バックライトモジュール。
【請求項9】
入光面及び出光面を有する導光板と、
前記入光面に隣接して設けられる光源と、
前記導光板の前記出光面の上方に設けられる請求項1~7のいずれか1項に記載の光学フィルムセンブリと、
前記光学フィルムセンブリの上方に設けられる表示パネルと、
を含む、
表示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本開示の一つの実施例によれば、上記第1方向と導光板の入光面の延伸方向との間には、115度以上140度以下の範囲、又は220度以上245度以下の範囲内の夾角を有する。
【国際調査報告】