(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】AIによる災害安全知識統合管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241114BHJP
G06F 16/27 20190101ALI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F16/27
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550230
(86)(22)【出願日】2023-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 KR2023003258
(87)【国際公開番号】W WO2024075911
(87)【国際公開日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0127828
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519391907
【氏名又は名称】リパブリック オブ コリア(ナショナル ディザスター マネジメント リサーチ インスティチュート)
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドン マン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ファ
(72)【発明者】
【氏名】ユン、サン フン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ヒ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リュ、シンヘ
【テーマコード(参考)】
5B175
5L050
【Fターム(参考)】
5B175AA01
5B175DA10
5L050CC11
(57)【要約】
【要約】
この発明は、災害安全データの知能型分析サービスを活用することにより、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策計画および報告資料の作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となるAIによる災害安全知識統合管理システムに関するものである。
データネットワークと結合された災害安全知識ベース部と、高次元情報処理を人工知能で実現するための人工知能部で構成されるが、
前記災害安全知識ベース部は、外部機関から各種情報を収集・集約するためのデータ収集部と; 前記集約された情報をLTE、5G、WIFIなどによりサーバに送信するためのデータ送信部と; 前記送信されたデータを分析・蓄積するためのビッグデータ部で構成され、前記人工知能部では、前記ビッグデータ部で蓄積・分析された資料を活用して、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)と学習、推論機能による判断、推論が実行されることにより、データを活用した迅速な学習による機械の知能化を特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害安全データの共有及び知能型分析サービスを活用することにより、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策企画や報告書の作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となるAIによる災害安全知識統合管理システムに関するものである、
データネットワークと結合された災害安全知識ベース部と、高次元情報処理をAIで実現するためのAI部からなる,
前記災害安全知識ベース部は、外部機関から様々な情報を収集・集約するためのデータ収集部と、収集された情報をLTE、5G、WIFIなどを通じてサーバーに送信するためのデータ送信部と、送信されたデータを分析・蓄積するためのビッグデータ部から構成され,
前記ビッグデータ部では、前記データ送信部から提供されたデータを区分、分析し蓄積するため、急傾斜地センサ、数量水位情報、災害事故現場写真などのリアルタイムデータと、過去の被害履歴情報、各種施設の安全情報などの定型データと、災害状況報告テキスト、災害状況報告画像、ブリーフィング資料などの非定型データとを区分して分析し、このように区分、分析されたデータは災害事故被害状況、災害事故対応履歴、災害安全政策情報に分類してアーカイブデータとして蓄積する,
前記AI部では、前記ビッグデータ部により蓄積・分析された資料を活用し、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性等)と学習、推論機能による判断、推論が段階的に実行され、機械が知能化されるが、
前記AI部は、AIによる深層質問応答が可能な災害安全知識ボットとして、ユーザーインターフェースと、質問/キーワード入力部と、問題分析部と、ユーザー意図理解部と、解答候補検索/推論部と、解答選定/生成部と、回答生成部から構成され、
前記人工知能部の質問/キーワード入力部では、チャットボット駆動装置による質問応答/キーワード検索による深層質問応答が行われ、チャットボット駆動装置及び入力装置、管理システム、機械学習ツールと共に、質問応答事前管理モジュール、ユーザー意図把握モジュール、対話エージェント及び対話管理システムのモジュールから構成され、
前記質問応答事前管理モジュールでは、セッション制御を介してIntent Finder及びDialog Agentの送信内容を管理し、セッションはUSER、DEVICE、CHATBOT、一定範囲の時間の4つの条件を活用して生成され、前記ユーザー意図把握モジュールでは、ユーザーの意図を把握して最適なDIALOG AGENTにメッセージを送信し、多様なFeatureを基に対話意図を把握した後、回答検索のサポートが可能に構成され、
前記対話エージェントシステムは、対話エージェント(Dialog Agent)プラットフォーム環境でユーザーの発話に対応し、災害安全データ環境で開発して配布し、ADMIを介して登録実行可能に構成され、前記対話管理システムは、Q&Aエンジンと知識ベースの種類によって日常対話、ニュース等多様な対話が可能であり、対話モデリングツールで生成されたSDSシナリオにスロット及びタスク定義が可能に構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項2】
第1項において、前記人工知能部では、客観的な事実であるローデータ(Raw Data)の状態から、意味の抽出、パターン認識を通じて関連/相関関係を理解し、情報(Information)化し、独自の知識として内包化した結果情報が構造化されて知識(Knowledge)化され、最終的に知識の構造化を導き出すことが特徴であるAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項3】
第1項において、前記災害安全知識ベースのデータ収集部では、海外の情報と非構造化データと構造化データが収集され、知識リソースの収集/管理または人間模倣知識学習と自然言語理解知識学習を経て、災害安全知識ベースのビッグデータ部に蓄積されるが、前記ビッグデータ部では、自然言語理解知識学習の他にも知識キュレーションと複合推論知識拡張が共に提供されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項4】
第1項または第2項において、前記人工知能部では、前記ビッグデータ部で蓄積および分析されたデータを活用して、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)および学習、推論機能による判断、推論が実行されるが、
外部から提供されたクエリ、キーワードからクエリの解釈、状況解釈による問題分析を行い、ユーザーの意図を理解する過程と; 解答候補を検索/推論する過程と;
自己学習および成長し、判断/予測し、解答を選択/生成する過程と; 最終的に深層クエリ応答を行い、または分析レポートを自動生成する過程で構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項5】
第1項または第3項において、災害安全知識ベースは、データベースの意思決定支援を目指し、ビッグデータ・AI技術を活用して災害状況で効率的な情報共有を支援する災害安全知識データとして, 複合推論知識増強部と; 自然言語理解知識学習部と; 人間模倣知識学習部と; 認識資源収集・管理部で構成されるAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項6】
第5項において、前記複合推論知識増強部は、定型および非定型文書から規則や知識関係を抽出し、それを基に新しい事実を探索/推論して知識を生成するよう構成されたものを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム
【請求項7】
第5項において、前記自然言語理解知識学習部は、使用者から入力された質問文の構造、状況、文脈、意図を分析した結果を蓄積し、自然言語理解能力を向上させるよう構成されたものを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム
【請求項8】
第1項において、前記質問/キーワード入力部は、ユーザーからの質問/キーワードを収集するための質問/キーワード収集部と、質問/キーワード自体の文脈的なエラーや誤字を識別して再入力を要求したり、問題分析部に質問/キーワードを伝達するための 質問識別部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項9】
第1項において、前記問題分析部は、入力された質問文の文の構造・単語を解釈するための質問解釈部と、質問文に含まれる状況と文脈を解釈するための状況解釈部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項10】
第1項において、前記使用者意図理解部は、質問文に含まれる使用者の意図を抽出して意図解釈部に伝達するための意図抽出部と、意図抽出部から受け取ったデータに含まれる使用者の意図を解釈するための意図解釈部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項11】
第1項において、前記回答候補検索/推論部は、分析した質問を基に回答候補を探索するための回答候補検索部と、回答候補リストの中で使用者の意図と文脈に基づいて最適な回答を推論して順位付けするための回答候補推論部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項12】
第1項において、前記回答選定/生成部は、順位付けした回答候補を基に最適な回答を選択するための回答選定部と、選定した回答を基に回答を生成するための回答生成部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項13】
第1項において、前記回答生成部は、使用者が理解しやすい口語体の文で回答を生成するための回答実装部と、ユーザーインターフェースに回答を伝達するための回答表示部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項14】
第1項において、前記人工知能部は、政策企画及び報告資料の自動支援により、意思決定支援に役立ち、時間・人員の消費を軽減するためのサービスを提供するために、レポート生成部と、知識ベースに基づく言語生成部と、コンテンツ処理及び生成部を追加的に構成したことを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項15】
第14項において、前記レポート生成部は、レポートコンテンツをテンプレート形式に合わせて生成するためのテンプレート生成及びコンテンツ合成部と、これにより生成されたレポートコンテンツを、ユーザーが理解しやすいようにテンプレート形式に合わせて提供するためのテンプレート及び出力インタフェース部から構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項16】
第14項において、前記知識ベースベースの言語生成部は、前記災害安全知識ベースから必要なデータを抽出、検索するためのデータ抽出及びサポート検索部と、前記抽出、検索されたデータによってコンテンツを構成するコンテンツ構成及びデータカタログから構成されることを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項17】
第14項において、前記コンテンツ処理および生成部は、統計データ(表/グラフ)をテキストベースで生成するための表/グラフおよびテキスト処理部と、使用者が理解しやすい形式で内容を生成し、主要な内容を抽出・要約するためのタイトルおよび内容自動生成部から構成されるものを特徴とするAIによる災害安全知識統合管理システム。
【請求項18】
第4項において、レポートデザインおよびレポートサーバーパートでは、データリンクを通じてレポートを生成し、レポートの統合/配布およびレポートの活用手続きを提供できるよう構成されるが、レポートエージェントと連動したさまざまなレポート作成ソース(知識ベース等)に基づいて作成されたレポートの各個体は、配布サーバー側で統合されて配布された後、アプリケーションサーバーのコンテンツ管理システムに反映されたレポートの内容は、最終的にレポーティングサーバーに移管されて使用者に公開されるよう構成されたAIによる災害安全知識統合管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害安全データの知能型分析サービスを活用することで、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策企画および報告資料の作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となるAIによる災害安全知識統合管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
第4次産業革命は、機械の知能化を通じて生産性が飛躍的に向上し、産業構造の根本的な変革をもたらすものであり、知能情報技術の変化によって可能となった。
【0003】
知能情報技術とは、人間の高次元情報処理を人工知能で実現する「知能」と、データネットワーク技術(IoT、クラウド、ビッグデータ、モバイル)に基づく「情報」が結合されたものであり、人工知能は人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)や学習、推論などの知能を実現する技術であり、人工知能のソフトウェア/ハードウェアや基礎技術を包括し、データネットワーク技術は、人工知能技術の高速な性能向上と普及、拡散を支える重要な基盤として、データの生成、収集、伝達、保存、分析を行う必須のICT技術となっている。
【0004】
知能情報技術は、機械が無人意思決定(機械が人間の高次元判断能力を行使)、リアルタイムな反応、自律的な進化、万物のデータ化が可能な学習能力を持つレベルまで発展し、専門分野に応用されるようになった。
【0005】
最近では、行政や公共機関間のデータ共同利用を促進し、統合管理体制を整備して客観的かつ科学的な政策立案と意思決定を活性化するために、国家的に知能情報技術の活用を強調し、関連する法令政策を整備中である。
【0006】
一方で、新型や複合災害などの災害に効率的に対応し、科学的で体系的な安全政策立案のためには、データベースの災害安全管理が切実に要求されており、データベースの災害管理のためにデータを体系的に管理できる法的制度的な基盤を整備し、民間共有開放を目指すためには、統合的な災害安全データを構築する必要があるということである。
【0007】
「統合災害安全データ」とは、被害予測、安全脆弱地域の選定など、データベースを基盤として災害安全政策を推進するために活用されるものであり、データを収集・連携するプロセスと、これを蓄積・保存するプロセス、さらにそれを必要とする対象者に開放・活用するプロセスから成り立っている。
【0008】
このようにデータ中心の政府方針と関連政策の推進が本格化している今、従来の経験や直感に基づく意思決定方法ではなく、データに基づく客観的で科学的な行政体制の方法によって代替することで、信頼性を高め、国民の生活の質を向上させることが切実に求められている状況である(
図9を参照)。
【0009】
しかし、必要なデータは断片化されており、情報として活用することが難しい状態であり、経験知識はデジタル化されていないばかりか、統合的な管理体制も未整備のため、データベースの災害安全管理が適切に活用されていない状況である。
【0010】
また、従来の経験や直感に基づく意思決定方法では、政策企画や決定などの知的な活動が労働集約的に行われており、時間と人員コストが大きくかかります。さらに、熟練した専門家に依存したり、分析の盲点が生じる問題点があり、政策報告のために必要な資料調査や検索から報告書作成に至るまで高度な知的労働が必要となる問題点がある。
【0011】
つまり、初心者や経験のない人が直接分析するには限界があり、高度に訓練された専門の分析者に依存度が非常に高く、分析の盲点が生じるため、すべての関連領域に対する統合的な分析が不可能となる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、災害安全データ共有と災害安全データの知能型分析サービスを活用することで、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策企画および報告資料の作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となることを第一の目的とする。
【0013】
また、データ探索から分析および報告作業にかかる時間、人員、コスト、業務量を劇的に削減し、非専門家や経験が相対的に少ない人でも機械の支援を受けて分析および政策資料の生成を可能にし、災害以外の情報や新技術、新しい課題を考慮して総合的な判断が可能となるよう支援することで、災害安全分野の統合的な知識ベースによる洞察力を通じて災害安全政策支援のレベルが大幅に向上することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明のAIによる災害安全知識統合管理システムでは、災害安全データ共有と災害安全データの知能型分析サービスを活用することで、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策企画および報告資料の作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となるAIによる災害安全知識統合管理システムに関連している。
【0015】
災害安全知識統合管理システムは、データネットワークと結合された災害安全知識ベース部と、人間の高次元情報処理を人工知能で実現するための人工知能部で構成されている。
【0016】
災害安全知識ベース部には、外部機関から各種の情報を収集および集約するためのデータ収集部と、収集された情報をLTE、5G、WIFIなどを介してサーバーに送信するためのデータ送信部と、送信されたデータを分析および蓄積するためのビッグデータ部が含まれている。
【0017】
データ収集部では、災害状況、災害統計、災害政策、状況報告書、研究報告書などの一般的な資料や、ニュース、SNS、法令、状況報告書、研究報告書などの非構造化データ、および被害復旧、気象、安全指数、災害サーレ、119報告などの構造化データが提供される。また、ビッグデータ部では、データ送信部から提供されたデータを区別、分析、蓄積し、急勾配地センサー、量の水位情報、災害現場の写真などのリアルタイムデータ、過去の被害履歴情報、各種施設の安全情報などの構造化データ、災害状況報告のテキスト、災害状況報告の画像、ブリーフィング資料などの非構造化データに分類し、これらにより分類されたデータは災害事故の被害状況、災害事故の対応履歴、災害安全政策情報に分類され、アーカイブデータとして蓄積され、必要な対象者(一般市民、関連機関など)に対してデータを開放および共有できる状態になる。また、人工知能部では、ビッグデータ部で蓄積および分析されたデータを活用し、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)と学習、推論機能による判断、推論が実行されることで、データを活用した迅速な学習による機械の知能化が特徴となっている。
【0018】
上記のAI部では、客観的事実であるデータの状態から、意味の抽出やパターン認識を通じて関連や相関関係を理解し、情報化する。その後、固有の知識として内在化された結果情報が構造化されて知識化され、最終的に知識を構造化することで創造的な成果である知恵が生み出される。
【0019】
災害安全知識ベースのデータ収集部では、海外の情報や非構造化データ、構造化データが収集され、知識の資源収集/管理や人間模倣の知識学習、自然言語理解の知識学習を経て、災害安全知識ベースのビッグデータ部に蓄積される。また、ビッグデータ部には自然言語理解の知識学習に加えて、知識キュレーションや複合推論の知識増強も提供される場合がある。
【0020】
AI部では、ビッグデータ部で蓄積されたデータを活用して、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)と学習、推論の機能による判断、推論が実行される。外部から提供されたクエリやキーワードからクエリの解釈、状況解釈による問題分析を行い、ユーザーの意図を理解するプロセス、そして解答候補の検索/推論プロセス、自己学習と成長により判断/予測を行い、解答を選定/生成するプロセス、そして最終的に深層クエリ応答または分析レポートの自動生成プロセスで構成される。
【0021】
災害安全知識ベースは、複合推論知識増強部、自然言語理解知識学習部、人間模倣知識学習部、知識資源収集/管理部から構成される。
【0022】
複合推論知識増強部は、定型および非定型の文書から規則や知識関係を抽出し、これに基づいて新しい事実を探索/推論して知識を生成するように構成される。
【0023】
自然言語理解知識学習部は、ユーザーから入力されたクエリの構造、状況、文脈、意図を分析し、自然言語理解能力を向上させるように構成される。
【0024】
人間模倣知識学習部は、人間の認知や判断機能を模倣して知識ベースに蓄積されるデータを基に自己学習を行い性能を向上させるように構成される。また、知識資源収集/管理部は非定型/定型データや海外のさまざまなデータを収集および管理するように構成される。
【0025】
そして、上記のAI部は、AIを介して深層的なクエリ応答が可能な災害安全知識ボットとして、ユーザーインターフェース、クエリ/キーワード入力部、問題分析部、使用者意図理解部、解答候補検索/推論部、解答選択/生成部、応答生成部から構成される。
【0026】
クエリ/キーワード入力部は、ユーザーからクエリ/キーワードを収集するためのクエリ/キーワード収集部と、クエリ/キーワード自体の文脈的な誤りやタイポを識別して再入力を要求するか問題分析部にクエリ/キーワードを伝達するためのクエリ識別部で構成される。
【0027】
問題分析部は、入力されたクエリ文の文の構造や単語を解釈するためのクエリ解釈部と、クエリに含まれる状況や文脈を解釈するための状況解釈部で構成される。
【0028】
使用者意図理解部は、クエリ文に含まれる使用者の意図を抽出して意図解釈部に伝達するための意図抽出部と、意図抽出部から受け取ったデータに含まれる使用者の意図を解釈するための意図解釈部で構成される。
【0029】
解答候補検索/推論部は、分析したクエリを基に解答候補を検索するための解答候補検索部と、解答候補リストから使用者の意図や文脈に基づいて最適の回答を推論してランキング付けするための解答候補推論部で構成される。
【0030】
解答選択/生成部は、ランキング付けされた解答候補を基に最適の回答を選択するための解答選択部と、選択した解答を基に回答を生成するための解答生成部で構成される。
【0031】
そして、解答生成部は、使用者が理解しやすい口語体の文で回答を生成するための回答実装部と、ユーザーインターフェースに回答を表示するための回答表示部で構成される。
【発明の効果】
【0032】
本発明によるAIによる災害安全知識統合管理システムでは、災害安全データの共有と知能型分析サービスを活用することで、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策企画や報告書の作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となる効果がある。また、情報の探索、分析、報告の作業にかかる時間、人員、費用、業務量を劇的に削減できるため、非専門家や経験の少ない人でも機械のサポートを受けて分析や政策資料の生成が可能となる。さらに、災害以外のデータや新技術、新しい問題を考慮して総合的な判断が可能となり、災害安全分野の統合的な知識ベースを通じて災害安全政策の支援水準が大幅に向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明に基づく災害安全知識コンサルティング技術の概要を示す図面である。
【
図3】本発明に基づくAIによる災害安全知識統合管理システムの構成図である。
【
図4】従来技術に基づくユーザーの経験、直感による災害安全管理が行われる過程を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明の望ましい実施形態を添付された図面を参照してより詳細に説明することとする。ただし、本発明の範囲がここに限定されるものではないことはもちろんである。
【0035】
本明細書において、本実施形態は本発明の開示を完全にするために提供されるものであり、本発明の範囲は請求項によってのみ定義されるものである。したがって、いくつかの実施形態では、よく知られた構成要素、よく知られた動作、およびよく知られた技術は、本発明が曖昧に解釈されるのを避けるために具体的に説明されていない。
【0036】
本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものでは決してない。本明細書において、単数形は文脈で特別に言及しない限り複数形も含む。また、「含む(または、具備)」と言及された構成要素や動作は、1つ以上の他の構成要素や動作の存在や追加を排除しない。
【0037】
本発明は、災害安全データ共有災害安全データの知能型分析サービスを活用し、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能となり、特定の主題に対する政策企画および報告資料作成を支援する自動レポーティングサービスが可能となるAIによる災害安全知識統合管理システムに関するものである。
【0038】
本発明は大きく分類すると、データネットワークと結合された災害安全知識ベース部と、人間の高次元の情報処理を人工知能で実現するための人工知能部で構成されると見なすことができる。(
図1参照)
【0039】
上記の災害安全知識ベース部は、外部機関から各種情報を収集・集約するためのデータ収集部と、上記集約された情報をLTE、5G、WIFIなどでサーバーに送信するためのデータ送信部と、上記送信されたデータを分析・蓄積するためのビッグデータ部で構成される。
【0040】
上記のデータ収集部では、災害状況、災害統計、災害政策、状況報告書、研究報告書などの一般資料と、ニュース、SNS、法令、状況報告書、研究報告書などの非構造化データと、被害復旧、気象、安全指数、災害警報、119通報などの構造化データが提供されるが、場合によっては機械-機械、機械-人間など全てのオブジェクトの連携による情報交換によってIoTによるデータ収集も可能であり、上記のビッグデータ部では情報処理能力の高度化によりデータの蓄積分析能力が強化されるであろう。
【0041】
上記の人工知能部では、上記のビッグデータ部で蓄積・分析されたデータを活用して、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)と学習、推論機能による判断、推論が実行され、データを活用した迅速な学習により機械が知能化され、新たな価値を創出できるようになる。
【0042】
一方、上記のデータ収集部では、システム連動や機関間の協力によってデータが提供されることがある。例えば、国家安全情報統合公開システムと連動して安定点検情報が提供され、国家災害管理情報システムと連動して災害管理情報が提供され、安定情報統合管理システムと連動して安定統計が提供され、安全新聞広と連動して安全報告情報が提供される場合がある。
【0043】
また、災害対応機関との協力によって災害事例が提供され、白書作成機関と協力して災害事例白書が提供され、災害安全研究機関と協力して研究報告書が提供されることがある。
【0044】
上記のビッグデータ部では、上記のデータ送信部から提供されたデータを区別、分析し、蓄積する。急傾斜地センサー、量水位情報、災害事故現場写真などのリアルタイムデータ、過去の被害履歴情報、各種施設の安全情報などの構造化データ、災害状況報告テキスト、災害状況報告画像、ブリーフィング資料などの非構造化データを区別して分析する。
【0045】
そして、これらの区別・分析されたデータは、災害事故の被害状況、災害事故の対応履歴、災害安全政策情報などに分類され、アーカイブデータとして蓄積されることにより、データを必要とする対象者(一般国民、関係機関など)に対してデータの公開と共有が可能な状態となる。
【0046】
一方、 フラグメント化されたデータが有用な情報として活用されるためには、データや経験知識を総合的に探索し、知識化して政策立案や災害管理に活用し、潜在的なリスク要素まで洞察する必要がある。客観的な事実であるローデータ(Raw Data)の状態から、意味を導き出し、パターン認識を通じて関連/相関関係を理解し、情報(Information)化し、固有の知識として内包化された結果情報が構造化され、知識化されることで、最終的に知恵を導き出すことができます。
【0047】
図2は、本発明による災害安全の知識コンサルティング技術の概要を示す図であり、災害安全知識ベースのデータ収集部では、災害状況、災害統計、災害政策などの海外の情報と、ニュース、SNS、法令などの非構造化データと、被害復旧、気象、安全指数などの構造化データが収集され、知識リソースの収集/管理または人間模倣知識学習と自然言語理解知識学習を経て災害安全の知識ベースのビッグデータ部に蓄積される。上記のビッグデータ部では、自然言語理解の知識学習に加えて、知識のキュレーションと複合推論の知識拡張も提供される。上記の人工知能部では、上記のビッグデータ部に蓄積されたデータを活用して、人間の認知能力(言語、音声、視覚、感性など)と学習、推論機能による判断、推論が実行される。
【0048】
外部から提供されたクエリ、キーワードからのクエリ解釈、状況解釈による問題分析により、ユーザーの意図を理解する過程と、回答候補を検索/推論する過程、自己学習と成長により回答を選択/生成する過程、最終的に深層的なクエリ応答または分析レポートを自動生成する過程で構成される。
【0049】
図3は、本発明によるAIによる災害安全知識統合管理システムの構成図であり、本発明によるAIによる災害安全知識統合管理システムは、言語・学習・推論の知能(AI)技術を活用して災害安全の事例、経験、統計などの事実情報提供だけでなく、質問推論を通じた深層質問応答が可能な災害安全知識ボットに関するものである。
【0050】
災害安全知識ベースは、データベースの意思決定支援を目的としてビッグデータ・AI技術を活用して災害状況での効率的な情報共有を支援する災害安全知識データであり、ベース複合推論知識拡張部と、自然言語理解知識学習部と、人間模倣知識学習部と、知識リソース収集/管理部から構成される。
【0051】
上記の複合推論知識拡張部は、構造化、非構造化文書からルール、知識関係を抽出し、これに基づいて新しい事実を探索/推論して知識を生成する。
【0052】
上記の自然言語理解知識学習部は、ユーザーから入力されたクエリの構造、状況、文脈、意図を分析した結果を蓄積し、自然言語理解能力を向上させます。
【0053】
上記の人間模倣知識学習部は、人間の認識、判断機能を模倣して知識ベースに蓄積されるデータを基に自己学習を通じて性能を向上させます。
【0054】
上記の知識リソース収集/管理部は、非構造化/構造化データおよび海外のさまざまなデータを収集し、管理するように構成されている。
【0055】
一方、人工知能部はAIを通じた深層質問応答が可能な災害安全知識ボットと見なすことができますが、ユーザーインターフェースと、質問/キーワード入力部と、問題分析部と、使用者意図理解部と、回答候補検索/推論部と、回答選択/生成部と、回答生成部から構成される。
【0056】
上記の質問/キーワード入力部は、ユーザーから質問/キーワードを収集するための質問/キーワード収集部と、質問/キーワード自体の文脈的な誤り・タイプミスを識別して再入力を要求するか、問題分析部に質問/キーワードを伝達するための質問識別部で構成される。
【0057】
上記の問題分析部は、入力された質問文の文の構造、単語を解釈するための質問解釈部と、質問文に含まれる状況と文脈を解釈するための状況解釈部から構成される。
【0058】
上記の使用者意図理解部は、質問文に含まれる使用者の意図を抽出して意図解釈部に伝達するための意図抽出部と、意図抽出部から受け取ったデータに含まれる使用者の意図を解釈するための意図解釈部から構成される。
【0059】
上記の回答候補検索/推論部は、分析した質問をもとに回答候補を探索するための回答候補検索部と、回答候補リストの中で使用者の意図と文脈に基づいて最適な回答を推論して順位付けするための回答候補推論部から構成される。
【0060】
同音異義語は使用者の意図と文脈に応じて異なる回答が必要である。
【0061】
上記の回答選定/生成部は、ランキングされた回答候補を基に最適な回答を選択するための回答選定部と、選定した回答を基に回答を生成するための回答生成部から構成される。
【0062】
上記の回答生成部は、使用者が理解しやすい口語体の文で回答を生成するための回答実装部と、ユーザーインターフェースに回答を表示するための回答表現部から構成される。
【0063】
また、人工知能部は政策企画および報告資料の作成を自動支援し、意思決定のサポートと時間・人員の消費を軽減するためのサービスを提供するために、レポート生成部と知識ベースに基づく言語生成部とコンテンツ処理および生成部を追加で構成できます。
【0064】
上記のレポート生成部は、レポートコンテンツをテンプレート形式に合わせて生成するためのテンプレート生成およびコンテンツ合成部と、これにより生成されたレポートコンテンツを使用者が理解しやすいようにテンプレート形式に合わせて提供するためのテンプレートおよび出力インターフェース部から構成される。
【0065】
上記の知識ベースベース言語生成部は、上記の災害安全知識ベースから必要なデータを抽出、検索するためのデータ抽出およびサポート検索部と、これにより抽出、検索されたデータによってコンテンツを構成するコンテンツ構成およびデータカタログから構成される。
【0066】
上記のコンテンツ処理および生成部は、統計データ(表/グラフ)をテキストを基に生成するための表/グラフおよびテキスト処理部と、使用者が理解しやすい形式で内容を生成し、主要な内容を抽出・要約するためのタイトルおよび内容自動生成部から構成される。
【0067】
したがって、人工知能部では、上記のビッグデータ部で蓄積および分析されたデータを活用して、言語、音声、視覚、感性などの人間の知覚能力と学習、推論機能による判断、推論が段階的に実行されることが可能である。
【0068】
また、上記の人工知能部の質問/キーワード入力部では、チャットボット駆動装置による質問応答/キーワード検索による深層質問応答が行われます。チャットボット駆動装置、入力装置、管理システム、機械学習ツールとともに、質問応答事前管理モジュール、ユーザー意図把握モジュール、対話エージェントおよび対話管理システムのモジュールから構成される。上記の質問応答事前管理モジュールでは、セッション制御を通じてIntent FinderおよびDialog Agentの送信内容を管理する。
【0069】
セッションは、USER、DEVICE、CHATBOT、一定の時間の4つの条件を活用して生成される。
【0070】
上記のユーザー意図把握モジュールでは、ユーザーの意図を把握して最適なDIALOG AGENTにメッセージを送信し、さまざまな特徴を基に対話意図を把握した後、回答の検索をサポートするように構成される。
【0071】
上記の対話エージェントシステムでは、対話エージェント(Dialog Agent)プラットフォーム環境でユーザーの発話に対応し、災害安全データ環境で開発して配布し、ADMIを通じて登録実行するように構成される。
【0072】
上記の対話管理システムは、Q&Aエンジンと知識ベースのタイプによって日常会話、ニュースなどさまざまな対話が可能であり、対話モデリングツールで生成されたSDSシナリオにスロットおよびタスクの定義が可能になるように構成されている。
【0073】
本発明では、報告書を半自動または自動的に生成するための機能を含みます。報告書デザインおよび報告書サーバーパートでは、データリンクを介して報告書を生成し、報告書の統合/配布および報告書の活用手順を提供するように構成される。
【0074】
リポートエージェントと連動したさまざまな報告書作成ソース(知識ベースなど)ベースで作成された各報告書は、配布サーバー側で統合されて配布された後、アプリケーションサーバーのコンテンツ管理システムに反映された報告書の内容は最終的にレポートサーバーに移行してユーザーに公開されるように構成される。
【0075】
上記のように、本発明によるAIによる災害安全知識統合管理システムでは、災害安全データ共有と災害安全データの知識的分析サービスを活用することで、AIによる災害安全分野の専門知識の質問応答サービスが可能になり、特定の主題に対する政策企画および報告資料の作成を支援する自動レポートサービスが可能になる効果がある。
【0076】
さらに、データ探索から分析およびレポート作業にかかる時間、人員、コスト、業務量を劇的に削減することができ、非専門家や経験が相対的に少ない人でも機械の支援を受けて分析および政策資料の生成を可能にし、災害以外のデータや新技術、新しい問題を考慮して総合的な判断が可能になるようサポートすることで、災害安全分野の統合的な知識ベースによる洞察力を通じて災害安全政策の支援レベルが大幅に向上する効果もある。
【0077】
本発明の技術的な思想は、望ましい実施形態で具体的に説明されているが、上記の実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではないことに注意してください。本発明の技術的な思想の範囲内で、さまざまな変形や修正が可能であることは明らかであり、したがって、これらの変形や修正が特許請求範囲に含まれることは当然のことである。
【国際調査報告】