(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】皮膚の炎症を軽減するためのトランスデューサアレイの移行
(51)【国際特許分類】
A61N 1/06 20060101AFI20241114BHJP
A61N 1/40 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61N1/06
A61N1/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566890
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 IB2022062152
(87)【国際公開番号】W WO2023111855
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ノア・ハラヴィー
(72)【発明者】
【氏名】ボアズ・マルサルト
(72)【発明者】
【氏名】エリー・ヤアコビ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラン・バル-タル
(72)【発明者】
【氏名】ニツァン・シャニー
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB24
4C053DD03
4C053DD08
4C053LL12
(57)【要約】
被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイであって、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置された電極要素を含む、アレイと、少なくとも1つの既存電極位置の面積フットプリントの少なくとも40%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、重心の周りのアレイの回転によって少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも40%に重ね合わせ可能であるアレイ内の少なくとも1つの空隙スペースと、を含む、トランスデューサ装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、
電極のアレイであって、前記アレイの一面が前記被験者の体に面するように前記被験者の体の上に配置されるように構成され、前記アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置された電極要素を含む、アレイと、
少なくとも1つの既存電極位置の面積フットプリントの少なくとも40%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、前記重心の周りの前記アレイの回転によって少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも40%に重ね合わせ可能である前記アレイ内の少なくとも1つの空隙スペースと、
を含む、トランスデューサ装置。
【請求項2】
前記アレイ内の前記少なくとも1つの空隙スペースは、少なくとも1つの既存電極位置の面積フットプリントの少なくとも95%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、前記重心の周りの前記アレイの回転によって少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも95%に重ね合わせ可能である、請求項1に記載のトランスデューサ装置。
【請求項3】
前記アレイ内のすべての空隙スペースについての前記面積フットプリントの合計が、前記アレイのすべての空隙スペースおよびすべての既存電極位置についての前記面積フットプリントの合計の少なくとも20%に等しく、
任意選択で、
前記アレイ内のすべての空隙スペースについての前記面積フットプリントの前記合計は、前記アレイのすべての空隙スペースおよびすべての既存電極位置についての前記面積フットプリントの前記合計の約50%である、請求項1または2に記載のトランスデューサ装置。
【請求項4】
被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、
電極のアレイを含み、前記アレイは、前記アレイの一面が前記被験者の体に面するように前記被験者の体の上に配置されるように構成され、前記アレイは、前記アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置され、それぞれが既存電極フットプリントをなぞる電極要素を含み、
前記アレイは、潜在的電極位置を画定する1つまたは複数の空隙スペースも含み、前記潜在的電極位置は前記アレイの前記重心の周りに配置され、各潜在的電極位置は潜在的電極フットプリントをなぞっており、各潜在的電極フットプリントは、1つまたは複数の既存電極フットプリントと同一の形状、面積、および前記重心からの距離を有し、前記1つまたは複数の既存電極フットプリントと前記重心を中心に回転式に一致しており、前記重心を中心とする前記電極アレイの回転移行により、少なくとも1つの潜在的電極位置を既存電極位置上に一致するように配置することができるようになっており、これによって前記回転後に少なくとも1つの電極の下の皮膚の領域に休止状態を提供する、トランスデューサ装置。
【請求項5】
潜在的電極位置によって占有される総面積は、前記潜在的電極位置および既存電極位置の総面積の合計の50%以下である、請求項4に記載のトランスデューサ装置。
【請求項6】
前記アレイは1つまたは複数の空隙スペースに1つまたは複数の潜在的電極位置を含み、潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの分布が、前記重心を中心とする回転に関してCx対称を示すようになっており、ここでxは整数であり、前記潜在的電極フットプリントは、潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの回転対称性を決定する際に前記既存電極フットプリントと同一であるとみなされる、請求項4または5に記載のトランスデューサ装置。
【請求項7】
前記重心を中心とする回転に関する前記既存電極位置の回転対称性は、Cx’であるか、または回転対称性がないかのいずれかであり、
前記重心を中心とする回転に関する潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの分布の回転対称性はCx対称であり、
非生産的回転の結果、前記既存電極位置について同じアレイパターンおよび同じ皮膚の領域が覆われ、生産的回転の結果、少なくとも1つの既存電極位置が潜在的電極位置と交換され、
ここでxおよびx’は整数であり、
前記生産的回転は、360/x’の回転およびその整数倍を除く360/xの回転およびその整数倍によって与えられ、
任意選択で、
xは、2x’、3x’、4x’、または5x’に等しい、
請求項4または5に記載のトランスデューサ装置。
【請求項8】
前記アレイの少なくとも1つの電極要素の前記既存電極フットプリントは、少なくとも1つの潜在的電極位置の前記潜在的電極フットプリントとは異なる形状、および前記潜在的電極フットプリントと同一の前記重心からの距離を有する、請求項4から7のいずれか一項に記載のトランスデューサ装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の空隙スペースは、前記重心から第1の距離に配置された第1の潜在的電極位置と、前記重心から第2の距離に配置された第2の潜在的電極位置と、を画定し、前記第1の距離および前記第2の距離は互いに異なる、請求項4から8のいずれか一項に記載のトランスデューサ装置。
【請求項10】
前記アレイの少なくとも1つの電極要素の前記既存電極フットプリントは、前記アレイの少なくとも1つの他の電極要素の前記既存電極フットプリントとは異なる形状または異なる大きさを有する、請求項4から9のいずれか一項に記載のトランスデューサ装置。
【請求項11】
前記重心を中心とする少なくとも1回の回転の結果、すべての潜在的電極位置が、以前に既存電極位置によって占有されていた位置と一致するように移動し、これによって既存電極位置における前記電極のすべての下の皮膚のすべての領域に休止状態を提供する、請求項4から10のいずれか一項に記載のトランスデューサ装置。
【請求項12】
前記電極のアレイは非円形を有する、請求項4から11のいずれか一項に記載のトランスデューサ装置。
【請求項13】
被験者の体に腫瘍治療場を印加する方法であって、
前記被験者の体の第1の場所で第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置するステップであって、前記第1のトランスデューサは、前記第1のトランスデューサの重心を中心に円周方向に配置された初期電極位置に複数の電極を含み、少なくとも一対の隣接する電極間にスペースを有する、ステップと、
前記第1のトランスデューサと前記被験者の体の第2の場所に配置された第2のトランスデューサとの間に電場を誘導するステップと、
第1の期間より多く前記電場を誘導した後、
前記電場を停止するステップと、
前記被験者の体の前記第1の場所で第1の回転位置へと前記重心を中心に前記第1のトランスデューサを回転させるステップであって、前記第1の回転位置において前記初期電極位置の少なくとも1つが、前記第1の初期位置において2つの電極間に最初に存在していたスペースによって占有されることになる、ステップと、
前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1の回転位置において前記第1のトランスデューサの前記初期電極位置のすべてが、前記第1の初期位置において隣接する電極間に最初に存在していた前記スペースによって占有されることになる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
接着層を介して前記第1のトランスデューサを前記被験者の体に貼り付けるステップをさらに含み、前記接着層はその中に1つまたは複数の切り欠きを有し、前記1つまたは複数の切り欠きは隣接する電極間の前記スペースの上に配置されている、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年12月13日に出願された米国特許出願第18/080,091号、2021年12月14日に出願された米国仮特許出願第63/289,484号、および2022年3月28日に出願された米国仮特許出願第63/324,491号に対する優先権を主張するものであり、これらを、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
腫瘍治療場(TTField)は中間周波数範囲(たとえば、50kHzから1MHz)内の低強度交流電場であり、特許文献1に記載されているように、この交流電場を使用して腫瘍を治療することができる。TTFieldは、患者の体にトランスデューサを配置し、トランスデューサ間にAC電圧を印加することによって、関心領域に非侵襲的に誘導される。従来、TTFieldを生成するために使用されるトランスデューサは、セラミックディスクを含む複数の電極要素を含む。各セラミックディスクの一方の面は患者の皮膚に接触して配置され、各ディスクの他方の面は導電性バッキングを有する。電気信号がこの導電性バッキングに印加され、これらの信号はセラミックディスクを通して患者の体内に容量結合される。従来のトランスデューサ設計は、直線の行と列に互いに整列して接着剤を介して被験者の体に取り付けられたセラミックディスクの長方形のアレイを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】被験者の頭に配置されたトランスデューサの一例を示す図である。
【
図2】被験者の体に配置されたトランスデューサの一例を示す図である。
【
図3A】トランスデューサの例の構造の断面図である。
【
図3B】トランスデューサの例の構造の断面図である。
【
図3C】トランスデューサの例の構造の断面図である。
【
図3D】トランスデューサの例の構造の断面図である。
【
図4A】トランスデューサ装置上の電極要素のアレイの一例のレイアウトを示す図である。
【
図4B】その重心を中心とする回転後のアレイを示す図である。
【
図5】電極アレイに接続された接着層の一例を示す図である。
【
図6】電極アレイに接続された接着層の別の一例を示す図である。
【
図7A】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7B】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7C】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7D】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7E】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7F】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7G】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7H】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図7I】電極要素のアレイおよび緩和領域の例のレイアウトを示す図である。
【
図8】電極要素のアレイおよび緩和領域の別の一例のレイアウトを示す図である。
【
図9】被験者の体にTTFieldを印加する一例を示すフローチャートである。
【
図10】被験者の体にTTFieldを印加する別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本願は、1つまたは複数の癌を治療するために被験者の体にTTFieldを印加するために使用される例示的なトランスデューサ装置を説明する。本願は、トランスデューサを使用して被験者の体にTTFieldを印加する例示的な方法も説明する。
【0006】
被験者の体にTTFieldを印加するために使用されるトランスデューサは大抵、基板上で互いに電気的に結合され、たとえば、基板の接着性バッキングまたは別個に塗布される接着剤を介して所望の場所で被験者の体に取り付けられる複数の電極要素を含む。従来のトランスデューサは、被験者の体にTTFieldを印加するためにトランスデューサに配置される電極要素の数を最大化するように、大きな長方形の表面を有する。しかしながら、被験者は、TTField治療中に電極要素と接触する自身の皮膚の部分で皮膚の炎症を経験する可能性がある。
【0007】
本発明者らはそこで、被験者の体内で誘導されるTTFieldの場強度を大きく変えることなく、皮膚の炎症を軽減、最小化、防止、鎮静、治癒、または治療するように移行することができるトランスデューサの必要性が存在することを認識した。たとえば、被験者の体上の最適な場所からトランスデューサを実質的に移動させることなく、電極要素が以前に接触していた皮膚を露出させる(または局所薬剤で覆う)ことができるように移行させることが可能であるトランスデューサが所望されている。移行後のトランスデューサの新たな位置は、移行後の新たな位置のフットプリントが移行前の元の位置のフットプリントの80%以上を覆っていれば、または移行前の元の位置のフットプリントの90%以上を覆っていれば、または移行前の元の位置のフットプリントの95%以上を覆っていれば、実質的に同じ場所にある。いくつかの実施形態において、移行後のトランスデューサの新たな位置のフットプリントは、移行前のトランスデューサの元の位置のフットプリントの100%を覆う。トランスデューサ装置の移行により、トランスデューサを被験者の体上の最適な場所に維持しながら、皮膚の炎症を軽減、最小化、防止、鎮静、治癒、および/または治療することができる。結果として、トランスデューサは、被験者の体内の関心領域(たとえば、腫瘍)を標的とするための理想的な場所および出力レベルでTTFieldを継続的に誘導し、これによって患者の転帰を改善することができる。
【0008】
開示されたトランスデューサ装置は、電極のアレイの重心を中心とする回転を介して、または電極のアレイの並進を介して移行させることができ、被験者の体上のトランスデューサの最適な場所を維持しながら、電極要素が以前に接触していた被験者の皮膚の1つまたは複数の部分を露出させる(または薬剤で覆う)ことができるようになっている。いくつかの実施形態において、電極のアレイは、アレイの重心を包含する電極位置を含まない。開示されたトランスデューサ装置は、トランスデューサを被験者の頭に配置することができる実質的に丸い形状を有することができる。他の例において、開示されたトランスデューサ装置は他の(たとえば、丸くない)形状を有することができる。本明細書の具体的な例示的な図に関連する実施形態の説明は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本明細書の他の例示的な図に関連する実施形態の説明に適用可能であり、これと組み合わせることができる。
【0009】
図1は、被験者の体の頭に配置されたトランスデューサ100を示す。トランスデューサ100のこのような配置により、被験者の脳の領域内の腫瘍にTTFieldを印加することができる。トランスデューサの配置には、被験者の頭上のさまざまな他の位置および/または配向を選択することができる。各トランスデューサ100には電極要素のアレイを配置することができる。各トランスデューサ100は、電極要素のアレイの一面が被験者の頭に直面および適合するように被験者の頭に配置することができる。図示のように、被験者の頭上のトランスデューサ100は、たとえば、その丸い形状のため、互いに重なり合わない。
【0010】
図2は、被験者の体の他の部分(たとえば、胸部/胴体および大腿部)に取り付けられたトランスデューサ200および202を示す。トランスデューサ200および202は医学的に適切なジェルまたは接着剤を介して被験者の体に貼り付けることができる。他の実施形態において、トランスデューサ200および202は1つまたは複数の衣類に取り付けて被験者の体に接触して保持することができる。トランスデューサ200および202のそれぞれには電極要素204のアレイを配置することができる。各トランスデューサ200および202は、電極要素のアレイの一面が被験者の体に直面および適合するように被験者の体の上に配置することができる。
【0011】
第1のトランスデューサ200および第2のトランスデューサ202において、外周206(
図2において破線で画定されている)が電極要素204のアレイをたどっている。一例において、各トランスデューサ上のアレイの外周206は実質的に丸い縁を有することができる。外周206は、形状を実質的に円形、楕円形、まゆ形、卵形、または長円形とすることができる。たとえば、図示のように、外周206は円形状を有することができる。別の一例において、外周206は、たとえば、正方形もしくは長方形、または角が丸い実質的に正方形もしくは長方形(たとえば、
図8に示すように)のような他の形状を有することができる。
【0012】
トランスデューサの構造は多くの形式をとることができる。
図3Aにおいて、トランスデューサ300Aは、基板304A上に配置された複数の電極要素302Aを有する。基板304Aは、トランスデューサ300Aを被験者の体に取り付けるように構成されている。基板304Aに適した材料は、たとえば、布、発泡体、可撓性プラスチック、および/または導電性医療用ジェルを含む。トランスデューサ300Aは、基板304Aを介して(たとえば、接着層および/または導電性医療用ジェルを介して)被験者の体に貼り付けることができる。被験者の皮膚に接触する接着層は、電極のアレイの外周の周りに存在してもよく、かつ/または電極間の1つまたは複数のギャップ間に存在してもよい。あるいは、電極間の領域が非接着領域であってもよい。トランスデューサは導電性であっても非導電性であってもよい。
図3Bはトランスデューサ300Bの構造の別の一例を示す。この例において、トランスデューサ300Bは、基板なしで互いに電気的および機械的に接続されている複数の電極要素302Bを含む。一例において、電極要素302Bは導電性ワイヤ306Bを通して互いに接続されている。
【0013】
図3Cおよび
図3Dにおいて、トランスデューサ300Cおよび300Dは、それぞれ、1つまたは複数の薬剤領域308Cおよび308Dを含む。薬剤領域308Cおよび308Dは非接着領域とすることができる。たとえば、薬剤領域308Cおよび308Dには、露出した接着剤が存在しない。薬剤領域308Cおよび308Dはそれぞれ薬剤基板を含むことができる。薬剤基板は、これに塗布された局所薬剤を受容、吸収、または保持することの少なくとも1つが可能であり得る。薬剤基板は、一対または複数対の電極要素302Cおよび302D間に配置された布、ガーゼ、不織材料、発泡体、またはスポンジを含むことができる。一例において、薬剤領域308Cおよび308Dは、薬剤基板内または上で統合された局所薬剤を含むこともできる。局所薬剤は、油、水、ワセリン、ワックス、セルロース、またはこれらの組み合わせの基本成分を含むことができる。局所薬剤は、クリーム、軟膏、ローション、ジェル、ワックス、ペースト、または鉱油ゼリーとすることができる。局所薬剤は、抗生物質、ステロイド、防腐剤、皮膚軟化剤、麻酔薬、テルペン、植物抽出物、シリコン系有機ポリマー、抗真菌剤、火傷緩和剤、皮膚修復剤、収斂剤、または抗ヒスタミン剤の少なくとも1つを含むことができる。局所薬剤は、被験者の体の皮膚に生じ得る炎症、ただれ、または他の刺激を鎮静、治癒、および/または緩和することができる任意の所望の化合物とすることができる。薬剤基板の厚さを通して局所薬剤を実質的に均一に分散させて薬剤領域308Cおよび308Dを形成することができる。あるいは、局所薬剤を薬剤基板の表面上に実質的に配置して薬剤領域308Cおよび308Dを形成することもできる。
【0014】
図3Cに示すように、トランスデューサ300Cは、薬剤領域308Cから分離しているトランスデューサ基板304Cを含むことができる。電極要素302Cのアレイはトランスデューサ基板304Cの表面上に配置することができ、トランスデューサ基板304Cは、トランスデューサ装置を被験者の体に取り付けるための接着層310Cを含むことができる。薬剤基板はトランスデューサ基板304Cの一部であってもよく、またはトランスデューサ基板304Cの表面上に配置されてもよい。したがって、薬剤領域308Cはトランスデューサ基板304Cの表面上に配置することができる(
図3Cに示すように)。他の実施形態において、たとえば
図3Dに示すように、トランスデューサ300Dは、トランスデューサ基板を含まず、むしろトランスデューサ300Dを被験者の体に取り付けるための接着層310Dのみを含むことができ、薬剤領域308Dは接着層310Dの異なる部分間に結合され、電極要素302D間の距離にわたることができる。
【0015】
トランスデューサ300A、300B、300C、および300Dは、それぞれ、実質的に平坦な電極要素302A、302B、302C、および302Dのアレイを含むことができる。電極要素のアレイは容量結合することができる。電極要素302A、302B、302C、および302Dは、たとえば、プリント回路基板上のパッドの上または平坦な金属片の上に配置されたポリマーフィルムのような複数の平坦な導体の上に配置された非セラミック誘電体材料とすることができる。別の一例において、電極要素302A、302B、302C、および302Dはセラミック要素である。
【0016】
図4A~
図7Iは、被験者の体にTTFieldを印加するために使用することができるトランスデューサ装置の例を示す。トランスデューサ装置の各例により、電極アレイに形成された少なくとも1つの非接着性空隙領域(あるいは、
図3Cおよび
図3Dを参照して上述したような少なくとも1つの薬剤領域)を以前に電極要素によって覆われていた被験者の皮膚の領域上に再配置するためのトランスデューサの簡単な回転が可能になる。以前に電極要素によって覆われていた被験者の皮膚の領域上に空隙領域を配置することにより、被験者の皮膚のこの領域が「呼吸」し、TTFieldを誘導するために使用される電極要素との以前の接触から回復することが可能になる。
【0017】
何人かの被験者は、TTFieldを誘導するために使用される電極要素と皮膚との長時間の相互作用に応じて皮膚の炎症を経験するため、被験者の皮膚の患部の上に空隙が配置されるようにトランスデューサを移動させることは、TTField治療全体を通して被験者の皮膚の炎症を最小化、軽減、または防止するのに役立つことができる。加えて、以前に電極要素によって覆われていた被験者の皮膚の領域上に薬剤領域を配置することにより、被験者の皮膚のこの領域に局所薬剤を塗布して、炎症または痛みを鎮静、治癒、軽減し、または他の方法で被験者の皮膚の状態を改善することが可能になる。電極のアレイの重心を中心にトランスデューサ装置を回転させることができるため、これにより、トランスデューサは、被験者の皮膚の領域に緩和および/または治癒を提供しながら、治療中に被験者の体上の同じ最適な場所からTTFieldを出力し続けることが可能になる。
【0018】
図4Aおよび
図4Bは、一例のトランスデューサ装置400を示しており、トランスデューサ装置400は電極402のアレイ(すなわち、402A~402F)を含むことができ、これらアレイはアレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成されている。
図4Aおよび
図4Bは、アレイのこの面に垂直な方向から見たときのトランスデューサ装置400を示す。
図4Aに示すように、トランスデューサ装置400は1つまたは複数の空白スペース404(すなわち、404A~404F)も含むことができ、これら空白スペース404はいずれの電極402とも重ならない。空白スペース404の1つまたは複数の少なくとも一部は、本明細書で、1)トランスデューサ基板以外は全く覆われていないトランスデューサ装置400の空隙領域、または2)これに塗布された局所薬剤を受容、吸収、または保持することが可能な薬剤基板を含む非接着領域、または3)被験者の皮膚の領域に局所薬剤を投与するために使用される薬剤基板およびその中または上で統合された局所薬剤を含むトランスデューサ装置の薬剤領域、のいずれかとして定義される緩和領域とすることができる。局所薬剤は薬剤基板の表面全体を覆うこともでき、もしくはその一部を覆うこともでき、または薬剤基板の全面積表面の下方もしくはその面積部分の下方の薬剤基板の厚さの一部もしくは全体を通して注入することもでき、あるいはこれらの何らかの組み合わせで配置することもできる。薬剤基板のフットプリントは空白スペースの全領域またはその一部を埋めることができる。いくつかの実施形態において、薬剤領域は、電極のアレイの電極の1つの少なくとも40%、または少なくとも50%を占有するのに十分な表面積を有する。いくつかの実施形態において、薬剤領域は、電極のアレイの電極の1つの少なくとも95%、または少なくとも100%を占有するのに十分な表面積を有する。いくつかの実施形態において、薬剤基板はトランスデューサ基板の一部である。電極402のアレイはアレイの重心440を中心に離間させることができ、空白スペース404はそれぞれ2つの隣接する電極間に配置することができる。いくつかの実施形態において、トランスデューサ装置400は電極402と空白スペース404との交互パターンを有する。他の実施形態において、電極402と空白スペース404との非交互回転パターンを使用することができる。電極402は1つまたは複数のPCB層/コネクタ405またはワイヤを介して互いに電気的に結合することができる。PCB層/コネクタ405(および
図8における805)は電極ではなく、非接着領域である。6つの電極402および6つの空白スペース404が示されているが、他の実施形態はアレイに異なる数の電極402、空白スペース404、または両方を含むことができる。
【0019】
空白スペース404は、第1の回転量(たとえば、
図4Bにおいて矢印438で示す)だけ重心440を中心にアレイを回転させたときの1つまたは複数の電極402の相対場所に対応する、またはこれらを包含することができる1つまたは複数の場所に存在する。トランスデューサ装置400を特定の回転量(たとえば、30度、90度、150度、210度、270度、または330度)だけ回転させると、電極402は、以前に(たとえば、
図4Aにおいて)隣接する電極402間の空白スペース404によって占有されていた領域に配置される(すなわち、
図4Bに示す新たな位置)。加えて、
図4Bの位置において、電極402間の(
図4Aに示す前の位置の)空白スペースは、以前に電極402によって占有されていた場所436(すなわち、436A~436F)に移動する。これにより、以前に電極402と接触していた、または電極402の近くにあった皮膚が、電極への曝露から回復し、かつ/または局所薬剤を受け取ることが可能になり、これによって皮膚の炎症を最小化、軽減、防止、鎮静、治癒、および/または治療する。
【0020】
図4Aおよび
図4Bに示すように、アレイの各電極402は、アレイの重心440から離れて実質的に半径方向に延在する(たとえば、半径方向外向きに延在する)ことができる。加えて、各電極402の重心はアレイの重心440から実質的に等距離に離間させることができる。各電極402は実質的に同様の形状を有することができ、2つの電極402間の空白スペース404は、その中で電極402を占有するのに十分な大きさを有することができる。電極402はアレイの重心440を中心に互いに実質的に等距離に離間させることができる。各電極402は、(電極402Aに関して示すように)アレイの中心部分に対して半径方向外向き方向に延在する第1の縁408と、アレイの中心部分に対して半径方向外向き方向に延在する第2の縁410と、を含むことができる。電極(たとえば、402A)は、中心部分から半径方向に離れて配置された電極402Aの端部で第1の縁408を第2の縁410に接続する丸い縁412をさらに含むことができる。電極402のアレイを実質的にたどっている外周406は円形状を有することができるが、他の形状も可能であり得る。
【0021】
隣接する電極402に対する1つの空白スペース404の相対的な大きさを次のように説明することができる。電極(たとえば、402E)の第1の外縁上の第1の点416と電極(たとえば、402E)の第2の外縁上の第2の点418との間の距離として第1の距離414(
図4A)が定義され、第1の点416および第2の点418はそれぞれアレイの重心440から同じ距離420である。第1の点416と第2の電極(たとえば、402D)の隣接する外縁上の第3の点424との間の距離として第2の距離422が定義され、第2の電極の隣接する外縁と第1の外縁はこれらの間にいずれの電極もなく互いに隣接して配置されている。第1の点416および第3の点424もそれぞれ重心440から同じ距離420である。第2の距離422は第1の距離414の長さの少なくとも80%とすることができる。いくつかの実施形態において、第2の距離422は第1の距離414以上とすることができる。このように、トランスデューサ400は、以前に電極要素に曝露された被験者の皮膚の一部を取り囲む十分なスペースを提供することができる。
【0022】
電極402Aおよび402F(
図4A)を参照して示すように、電極402Aの外縁408と電極402Fの隣接する外縁との間に二等分線430が引かれると、二等分線430に垂直な方向に測定された電極402Aの外縁408から二等分線430までの距離432は、2つの外縁の長さに沿って、二等分線430に垂直な方向に測定された隣接する外縁から二等分線430までの距離434に等しい。すなわち、2つの隣接する電極402の外縁はこれらの二等分線に関して一定の変化率を有することができる。
【0023】
隣接する電極402(たとえば、402C)に対する1つの空白スペース404(たとえば、404C、
図4A)の相対的な形状を次のように説明することができる。電極要素(たとえば、402C)の第1の縁と第2の縁との間に0°より大きい第1の角度426が形成され、第1の角度426はアレイの外部に面している。電極要素(たとえば、402C)の第1の縁と隣接する電極要素(たとえば、402D)の隣接する縁との間に第2の角度428が形成され、第2の角度428はアレイの外部に面している。第2の角度428の値は第1の角度426の値の少なくとも80%とすることができる。いくつかの実施形態において、第2の角度428は第1の角度426以上とすることができる。このように、トランスデューサ400は、以前に電極要素に曝露された被験者の皮膚の一部を取り囲む十分なスペースを提供することができる。
【0024】
図5および
図6は、それぞれ、
図4Aのアレイと同様の形状の電極502A~502F(すなわち、502)および602A~602F(すなわち、602)のアレイを含むことができる例のトランスデューサ装置500および600を示す。
図5および
図6において、トランスデューサ装置(500、600)は、接着層、または接着層を備えたテープ包帯(550、650)の形態の基板と、基板上の電極(502、602)のアレイと、を含む。
図5および
図6のそれぞれにおいて、トランスデューサ装置(500、600)は、間にスペース(504A~504F、604A~604F)を備えた電極(502、602)のアレイを含む。接着層(550、650)は電極(502、602)のアレイに接続され、これを(下から)実質的に覆うことができる。被験者の体上の皮膚が電極要素によって覆われていないときに呼吸することをさらに可能にするため、接着層(550、650)は、アレイの電極間の1つまたは複数のスペースを覆われずに残すようにその中に形成された1つまたは複数の切り欠き(552A~552F、652A~652E)を含むことができる。上で議論したように、切り欠きは、テープ包帯サポートと接着層との両方を通る、または接着層のみを通る(たとえば、非接着空隙領域を残す)切り欠きとすることができる。
【0025】
図5において、1つまたは複数の切り欠き552が接着層550によって取り囲まれるように、1つまたは複数の切り欠き552は閉じた形状を有することができる。接着層550は、図示のように、1つまたは複数の電極502の外縁に向かって(下側から)延在するが、これを覆わなくてもよい。
図5および
図6において、1つまたは複数の切り欠き(552、652)が接着層(550、650)の外縁に沿って1つまたは複数の凹部を画定するように、1つまたは複数の切り欠き(552、652)は開いた形状を有することができる。接着層650は、
図6に示すように、1つまたは複数の電極602の外縁を(下側から)完全に覆うことができる。電極602Fに関して示すように、接着層650は、電極602Fの第1の外縁(距離662)および第2の外縁(距離664)のそれぞれを同じ量だけまたは異なる量だけ超えて延在することができ、重心から半径方向に離れて配置された電極602Fの端縁(距離660)を(距離662および/または距離664と)同じ量だけまたは異なる量だけ超えて延在することができる。いくつかの実施形態において、接着層は、重心から半径方向に離れて配置された電極の端縁(距離660)を(距離662および距離664より)大きな量だけ超えて延在することができる。これにより、接着層650は、隣接する電極602間のスペース604を多く覆いすぎることなく、トランスデューサ装置600を被験者の皮膚に接続することが可能になり得る。
【0026】
電極のアレイの他の配置により、TTField治療中の皮膚の炎症を最小化、軽減、防止、鎮静、治癒、および/または治療するための回転移行が可能になり得る。このような電極アレイのさまざまな例を
図7A~
図7Iに示す。特許請求の範囲から逸脱することなく他の多くが可能であり得るため、本開示は、これらの例に示された電極要素および緩和領域(たとえば、空隙領域または薬剤領域)の配置に限定されない。
【0027】
図7A~
図7Iのそれぞれは、複数の電極要素(702A、702B、702C、702D、702E、702F、702G、702H、702I)を含む電極のアレイ(700A、700B、700C、700D、700E、700F、700G、700H、700I)と、電極要素が存在しない1つまたは複数の空白スペースと、を示す。各空白スペースは1つまたは複数の緩和領域(704A、704B、704C、704D、704E、704F、704G、704H、704I)とすることができ、またはこれらを含むことができる。
【0028】
本明細書で使用されるような「緩和領域」704(および
図8の804)という用語は、1)トランスデューサ基板以外は全く覆われていないトランスデューサ装置の空隙領域、2)これに塗布された局所薬剤を受容、吸収、または保持することが可能な薬剤基板を含む非接着領域、または3)被験者の皮膚の領域に局所薬剤を投与するために使用される薬剤基板およびその中または上で統合された局所薬剤を含むトランスデューサ装置の薬剤領域、のいずれかを指す。これらの緩和領域704には露出した接着剤が存在しなくてもよい。
【0029】
電極要素702は、アレイ700の重心(706A、706B、706C、706D、706E、706F、706G、706H、706I)の周りに配置された既存電極位置(708A、708B、708C、708D、708E、708F、708G、708H、708I)に配置されている。電極要素702のそれぞれは、
図7A~
図7Iにおいて実線の輪郭を介して示す、既存電極フットプリントをなぞることができる。既存電極フットプリントは既存電極位置708の面積フットプリントである。1つまたは複数の空白スペースは潜在的電極位置(710A、710B、710C、710D、710E、710F、710G、710H、710I)を画定することができ、これらは、さもなければアレイ700の何回かの回転時に電極要素702によって占有されるかもしれない位置である。潜在的電極位置710はアレイの重心706の周りに配置され、それぞれの潜在的電極位置710は、
図7A~
図7Iにおいて破線の輪郭を介して示す、潜在的電極フットプリントをなぞっている。潜在的電極フットプリントは潜在的電極位置710の面積フットプリントである。
【0030】
いくつかの実施形態において、アレイ700の緩和領域704は少なくとも潜在的電極位置710を占有する。一例において、緩和領域704は、潜在的電極位置710によって画定される面積フットプリントのみを占有する。別の一例において、アレイ700の1つまたは複数の緩和領域704は、潜在的電極位置710によって画定されるものより、隣接する電極702間の空白スペースの大きな部分を占有することができる。
【0031】
図7A~
図7Iのそれぞれにおいて、アレイ700内の少なくとも1つの緩和領域704は、少なくとも1つの電極702の面積フットプリントの少なくとも40%、または少なくとも50%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、重心706の周りのアレイ700の回転によって既存電極位置708の少なくとも40%、または少なくとも50%に重ね合わせ可能である。たとえば、
図7Dにおいて、1つのこのような緩和領域704D(2)は、より大きな電極要素702D(1)の面積フットプリント(708D(1))の少なくとも40%を包囲することができ、その上に回転を介して重ね合わせ可能である。いくつかの実施形態において、アレイ内の少なくとも1つの緩和領域704は、少なくとも1つの既存電極位置708の面積フットプリントの少なくとも95%(たとえば、100%)に等しい面積フットプリントを包囲することができ、重心706の周りのアレイの回転によって既存電極位置708の少なくとも95%(たとえば、100%)に重ね合わせ可能である。たとえば、
図7Dにおいて、緩和領域704D(2)は、より小さな電極要素702D(2)の面積フットプリント(708D(2))全体を包囲することができ、その上に回転を介して重ね合わせ可能である。
【0032】
図7A~
図7E、
図7H、および
図7Iにおいて、少なくとも1つの電極要素702が重心706から離れて半径方向外向きに延在する。
図7A、7E、7H、および7Iにおいて、アレイ内のすべての緩和領域704についての面積フットプリントの合計は、アレイのすべての緩和領域704およびすべての既存電極位置708についての面積フットプリントの組み合わせの合計の約50%である。すなわち、緩和領域704は、トランスデューサ装置内の電極要素702とほぼ同じ総面積を占める。
図7A~
図7Iのそれぞれに示すように、アレイ内のすべての緩和領域704についての面積フットプリントの合計は、アレイのすべての緩和領域704およびすべての既存電極位置708についての面積フットプリントの組み合わせの合計の少なくとも20%に等しくすることができ、緩和領域704が合計で電極要素702の少なくとも4分の1の面積の量を占めるようにする。
【0033】
いくつかの実施形態において、各潜在的電極フットプリント(710)は、1つまたは複数の既存電極フットプリント(708)と同一の形状、面積、重心706に対する配向、および重心706からの距離を有する。加えて、各潜在的電極フットプリント(710)は、1つまたは複数の既存電極フットプリント(708)と重心706を中心に回転式に一致しており、重心706を中心とする電極アレイ700の回転移行により、少なくとも1つの潜在的電極位置710を既存電極位置708上に一致するように配置することができるようになっている。この回転により、回転後の少なくとも1つの電極の下の皮膚の領域に休止状態(または局所薬剤の塗布)が提供される。いくつかの実施形態において、潜在的電極位置710によって占有される総面積は、潜在的電極位置710および既存電極位置708の総面積の合計の50%以下とすることができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、アレイ700内の潜在的電極位置710および既存電極位置708の組み合わせの分布は、重心706を中心とする回転に関してCx対称を示すことができ、ここでxは整数であり、潜在的電極フットプリントは、電極位置708および710の組み合わせの回転対称性を決定する際に既存電極フットプリントと同一であるとみなされる。たとえば、潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの分布に関して、
図7Aは、電極位置708A/710Aの組み合わせを配置することができる重心706Aを中心とする12の回転対称位置があるため、C12対称性を有するアレイ700Aを示し、
図7Bのアレイ700BはC10対称性を有し、
図7Cのアレイ700CはC9対称性を有し、
図7D、
図7H、および
図7Iのアレイ700D、700H、および700IはC2対称性を有し、
図7Eおよび
図7Fのアレイ700Eおよび700FはC8対称性を有し、
図7Gのアレイ700GはC4対称性を有する。
【0035】
加えて、重心706を中心とする回転に関する既存電極位置708の回転対称性は、Cx’であるか、または回転対称性がないかのいずれかであり、ここでx’は整数である。たとえば、
図7Aは、6つの回転対称な既存電極位置708があるため、6のx’値を有するアレイ700Aを示す。
図7Aおよび
図7Eの例において、xの値は2x’の値に等しい。
図7Bにおいて、xの値は5x’に等しい。
図7Cにおいて、xの値は3x’に等しい。
図7Fにおいて、xの値は4x’に等しい。
【0036】
アレイの生産的回転は、360/x’度の回転およびその整数倍(これは非生産的回転である)を除く360/x度の回転およびその整数倍によって与えられる。「非生産的回転」の結果、皮膚の同じ領域が既存電極位置708によって覆われる等価なアレイパターンになるが、「生産的回転」の結果、少なくとも1つの既存電極位置708が潜在的電極位置710と交換され、したがって被験者の皮膚に回復スペースまたは薬剤の塗布が与えられる。いくつかの実施形態において、重心706の周りの少なくとも1回の回転の結果、すべての潜在的電極位置710が、以前に既存電極位置708によって占有されていた位置と一致するように移動し、これによって既存電極位置(たとえば、アレイ700A、700E、700H、700I)における電極のすべての下の皮膚のすべての領域に休止状態(または局所薬剤の塗布)が1回の回転で提供される。
【0037】
図7Dに示すように、アレイの少なくとも1つの電極要素702D(1)の既存電極フットプリントは、少なくとも1つの潜在的電極位置710の潜在的電極フットプリントとは異なる形状、およびこれと同一の重心706からの距離を有することができる。
図7D、
図7E、
図7G、
図7H、および
図7Iに示すように、アレイの少なくとも1つの電極要素(702D(1)、702E(1)、702G(1)、702H(1)、702I(1))の既存電極フットプリントは、アレイの少なくとも1つの他の電極要素702D(2)、702E(2)、702G(2)、702H(2)、702I(2)の既存電極フットプリントとは異なる形状を有する。
【0038】
図7Eおよび
図7Fに示すように、1つまたは複数の緩和領域704は、重心706から第1の距離に配置された第1の潜在的電極位置(710E(1)、710F(1))および重心706から第2の距離に配置された第2の潜在的電極位置(710E(2)、710F(2))を画定することができ、第1の距離および第2の距離は互いに異なる。このような場合、
図7Eのように、第1の潜在的電極位置710E(1)は第2の潜在的電極位置710E(2)から円周方向にずれていてもよく、または
図7Fのように、第1の潜在的電極位置710F(1)は第2の潜在的電極位置710F(2)と半径方向に並んでいてもよい。
図7E(および
図7Fおよび
図7G)において、アレイ700Eは、重心706Eの周りの第1の円形領域712Eに配置された第1の群の電極要素702Eと、第1の群から分離され、第1の円形領域712Eと同心の第2の円形領域714Eに配置された第2の群の電極要素702Eと、を含むことができる。
【0039】
図7Fに示すように、アレイ700Fの少なくとも1つの電極要素702F(1)の既存電極フットプリントは、アレイ700Fの少なくとも1つの他の電極要素702F(2)の既存電極フットプリントとは異なる大きさを有することができる。このような場合、電極要素702F(1)は、図示のように(
図7F)、異なる大きさの電極要素702F(2)と同様の形状、または異なる形状(
図7G)を有することができる。
図7Hおよび
図7Iに示すように、電極のアレイ700全体は非円形を有することができる。たとえば、アレイ700は、楕円形、まゆ形、卵形、または長円形を有することができる。これにより、アレイ700を使用して、被験者の皮膚に対して電極を移行させるための回転対称性を依然として提供しながら、所望のTTFieldを誘導することが可能になる。アレイ700Hおよび700Iの両方が重心706(706H、706I)を中心に180度回転することができ、その結果、すべての潜在的電極位置710が、以前に既存電極位置708によって占有されていた位置と一致するように移動し、これによって既存電極位置における電極のすべての下の皮膚のすべての領域に休止状態(または局所薬剤の塗布)が1回の回転で提供される。
【0040】
図8は、被験者の体にTTFieldを印加するために使用することができる一例のトランスデューサ装置800を示す。トランスデューサ装置800は、被験者の体に対するトランスデューサの単純な並進を可能にして、以前に電極要素802によって覆われていた被験者の皮膚の領域(既存電極位置)の上に、電極アレイに形成された少なくとも1つの緩和領域804を再配置することができる。緩和領域804Aおよび804Bは、(トランスデューサ基板以外)全く覆われていないトランスデューサ装置800内の空隙領域、またはこれに塗布された局所薬剤を受容、吸収、または保持することが可能な薬剤基板を含む非接着領域、または被験者の皮膚の領域に局所薬剤を投与するために使用される薬剤基板およびその中または上で統合された局所薬剤を含むトランスデューサ装置の薬剤領域のいずれかとすることができる。いくつかの実施形態において、薬剤基板はトランスデューサ基板の一部とすることができる。各緩和領域804は、
図8のトランスデューサ800の電極802の少なくとも1つの面積フットプリントの少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に等しい面積フットプリント(潜在的電極フットプリント)を包囲することが可能であり得る。電極のアレイの面に垂直な方向から見たとき、電極要素802は既存電極位置808に配置されている。電極要素802のそれぞれは既存電極フットプリントをなぞることができる。既存電極フットプリントは既存電極位置808の面積フットプリントである。緩和領域804Aおよび804Bは、それぞれ、潜在的電極位置810Aおよび810Bを画定することができ、これらは、さもなければトランスデューサアレイ800の何回かの並進時に電極要素802によって占有されるかもしれない位置(すなわち、潜在的電極フットプリント)である。図示のように、複数の既存電極位置808をライン830に配置することができる。たとえば、既存電極位置808の3つのライン830A、830B、および830Cが
図8のトランスデューサ800に示されている。緩和領域804Aと804Bの両方は、被験者の体に対するアレイの並進によって個別のライン(たとえば、830A、830B、または830C)に配置された既存電極位置808のそれぞれの面積フットプリントの少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に重ね合わせ可能であり得る。
【0041】
図9は、本技術に従って被験者の体にTTFieldを印加する一例の方法900を示す。方法900はステップS902で開始し、被験者の体の第1の場所で第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置する。第1のトランスデューサは、第1のトランスデューサの重心を中心に円周方向に配置された初期電極位置に複数の電極を含むことができ、少なくとも一対の隣接する電極間にスペースを有する。第1のトランスデューサは、任意選択で、中に1つまたは複数の切り欠き(上述した)を有する接着層を介して被験者の体に貼り付けることができ、切り欠きは隣接する電極間のスペースの上に配置される。
【0042】
ステップS904で、方法900は、被験者の体の第2の場所で第2の初期位置に第2のトランスデューサを配置することを含むことができる。第2のトランスデューサは、第2のトランスデューサの重心を中心に円周方向に配置された複数の電極を含むことができ、少なくとも一対の隣接する電極間にスペースを有する。第2のトランスデューサは、任意選択で、中に1つまたは複数の切り欠きを有する接着層を介して被験者の体に貼り付けることができ、切り欠きは隣接する電極間のスペースの上に配置される。
【0043】
ステップS906で、方法900は、被験者の体の第1の場所に配置された第1のトランスデューサと被験者の体の第2の場所に配置された第2のトランスデューサとの間に電場を誘導することを含む。ステップS908で、方法900は、第1の期間が経過したかどうかを判定することを含む。第1の期間より多く電場を誘導した後、方法900はステップS910に進み、これは電場を停止することを含む。
【0044】
ステップS912で、方法900は、被験者の体の第1の場所で第1の回転位置へと第1のトランスデューサをその重心を中心に回転させることを含み、第1の回転位置において初期電極位置の少なくとも1つが、第1の初期位置において2つの電極間に存在していたスペースによって占有されることになる。いくつかの実施形態において、第1の回転位置において、第1のトランスデューサのすべての初期電極位置を、第1の初期位置において隣接する電極間に存在していたスペースによって占有することができるようになる。
【0045】
ステップS914で、方法900は、被験者の体の第2の場所で第2の回転位置へと第2のトランスデューサをその重心を中心に回転させることを含むことができ、第2の回転位置において初期電極位置の少なくとも1つが、第2の初期位置において2つの電極間に存在していたスペースによって占有されることになる。いくつかの実施形態において、第2の回転位置において、第2のトランスデューサのすべての初期電極位置を、第2の初期位置において隣接する電極間に存在していたスペースによって占有することができるようになる。ステップS916で、方法900は、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導することを含む。
【0046】
図10は、本技術に従って被験者の体にTTFieldを印加する一例の方法1000を示す。方法1000はステップS1002で開始し、被験者の体の第1の場所で第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置する。第1のトランスデューサは、複数の電極と、2つの隣接する電極間に配置された薬剤領域と、を含むことができ、薬剤領域は、その中または上に局所薬剤を保持することができる薬剤基板を含み、薬剤領域上には露出した接着剤が存在しない。いくつかの実施形態において、第1のトランスデューサは、隣接する電極間に配置された複数の薬剤領域を含むことができる(たとえば、
図4A~
図8の装置に示すように)。
【0047】
ステップS1004で、方法1000は、被験者の体の第2の場所で第2の初期位置に第2のトランスデューサを配置することを含むことができる。第2のトランスデューサは、上述したように、初期電極位置にある複数の電極と、2つの隣接する電極間に配置された薬剤領域と、を含むことができる。いくつかの実施形態において、第2のトランスデューサは、隣接する電極間に配置された複数の薬剤領域を含むことができる(たとえば、
図4A~
図8の装置に示すように)。
【0048】
ステップS1006で、方法1000は、被験者の体の第1の場所で第1の初期位置に配置された第1のトランスデューサと被験者の体の第2の場所に配置された第2の初期位置にある第2のトランスデューサとの間に電場を誘導することを含む。ステップS1008で、方法1000は、第1の期間が経過したかどうかを判定することを含む。第1の期間より多く電場を誘導した後、方法1000はステップS1010に進み、これは電場を停止することを含む。
【0049】
ステップS1012で、方法1000は、第1の場所にある被験者の体上の第1の回転または並進位置へと第1のトランスデューサを移動させることを含み、第1の回転または並進位置において少なくとも1つの薬剤領域がその上または中に局所薬剤を保持しており、以前に電極の少なくとも一部によって覆われていた被験者の体の領域と接触している。第1の回転または並進位置において、第1のトランスデューサの複数の薬剤領域をそれぞれ、以前に電極の少なくとも一部によって覆われていた領域に配置することができる。一例において、薬剤領域は、薬剤基板と、ステップS1002およびS1012の前に薬剤基板内または上で統合することができる局所薬剤と、を含む。別の一例において、方法1000は、任意選択のステップS1014として、被験者の体上の第1の場所で第1の回転または並進位置へと第1のトランスデューサを移動させる前に局所薬剤を薬剤基板に塗布することを含むことができる。
【0050】
一例において、ステップS1012で第1の回転または並進位置へ第1のトランスデューサを移動させることは、第1のトランスデューサをその重心を中心に回転させること(1016)を含むことができる。特に、第1のトランスデューサを移動させることは、被験者の体の第1の場所で第1の回転位置へと第1のトランスデューサをその重心を中心に回転させることを含むことができ、第1の回転位置において少なくとも1つの薬剤領域が、以前に第1の初期位置にある電極の少なくとも一部によって占有されていた領域の上に配置されることになる。いくつかの実施形態において、第1の回転位置において、以前に第1の初期位置において電極によって覆われていた全領域が薬剤領域によって占有され得ることになり、またその逆も同様である。別の一例において、ステップS1012で第1の回転または並進位置へ第1のトランスデューサを移動させることは、被験者の体の表面に対して第1のトランスデューサを第1の並進位置へ並進させること(1018)を含むことができる。
【0051】
方法1000は、ステップS1020で、被験者の体上の第2の場所にある第2の初期位置から被験者の体上の第2の回転または並進位置へと(ステップS1012において第1のトランスデューサについて上述したものと類似の方法で)第2のトランスデューサを移動させることも含むことができ、第2の回転または並進位置において少なくとも1つの薬剤領域がその上または中に局所薬剤を保持しており、以前に電極の少なくとも一部によって覆われていた被験者の体の領域と接触している。第2の回転または並進位置において、第2のトランスデューサの複数の薬剤領域をそれぞれ、以前に電極の少なくとも一部によって覆われていた領域に配置することができる。一例において、薬剤領域は、薬剤基板と、ステップS1002およびS1020の前に薬剤基板内または上で統合することができる局所薬剤と、を含む。別の一例において、方法1000は、任意選択のステップS1014として、被験者の体上の第2の場所で第2の回転または並進位置へと第2のトランスデューサを移動させる前に局所薬剤を薬剤基板に塗布することを含むことができる。一例において、ステップS1020で第2の回転または並進位置へ第2のトランスデューサを移動させることは、(第1のトランスデューサの移動について上述したように)第2のトランスデューサをその重心を中心に回転させること(1016)を含むことができる。別の一例において、ステップS1020で、第2の回転または並進位置へ第2のトランスデューサを移動させることは、(第1のトランスデューサの移動について上述したように)被験者の体の表面に対して第2のトランスデューサを第2の並進位置へ並進させること(1018)を含むことができる。
【0052】
ステップS1022で、方法1000は、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導することを含む。
【0053】
本発明は次のように他の例示的な実施形態(「実施形態」)を含む。
【0054】
実施形態1:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイであって、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置された電極要素を含む、アレイと、少なくとも1つの既存電極位置の面積フットプリントの少なくとも40%、たとえば、少なくとも45%、または少なくとも50%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、重心の周りのアレイの回転によって少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも40%、たとえば、少なくとも45%、または少なくとも50%に重ね合わせ可能であるアレイ内の少なくとも1つの空隙スペースと、を含む、トランスデューサ装置。
【0055】
実施形態2:アレイ内の少なくとも1つの空隙スペースは、少なくとも1つの既存電極位置の面積フットプリントの少なくとも95%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、重心の周りのアレイの回転によって少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも95%に重ね合わせ可能である、実施形態1のトランスデューサ装置。
【0056】
実施形態3:アレイ内のすべての空隙スペースについての面積フットプリントの合計が、アレイのすべての空隙スペースおよびすべての既存電極位置についての面積フットプリントの合計の約50%である、実施形態1のトランスデューサ装置。
【0057】
実施形態4:アレイ内のすべての空隙スペースについての面積フットプリントの合計が、アレイのすべての空隙スペースおよびすべての既存電極位置についての面積フットプリントの合計の少なくとも20%に等しい、実施形態1のトランスデューサ装置。
【0058】
実施形態5:アレイは、重心の周りの第1の円形領域に配置された既存電極位置に配置された第1の群の電極要素と、第1の群とは異なり、第1の円形領域と同心の第2の円形領域に配置された既存電極位置に配置された第2の群の電極要素と、を含む、実施形態1のトランスデューサ装置。
【0059】
実施形態6:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイを含み、アレイは、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、上記アレイは、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置され、それぞれが既存電極フットプリントをなぞる電極要素を含み、アレイは、潜在的電極位置を画定する1つまたは複数の空隙スペースも含み、この潜在的電極位置はアレイの重心の周りに配置され、各潜在的電極位置は潜在的電極フットプリントをトレースし、各潜在的電極フットプリントは、1つまたは複数の既存電極フットプリントと同一の形状、面積、および重心からの距離を有し、上記1つまたは複数の既存電極フットプリントと重心を中心に回転式に一致しており、重心を中心とする電極アレイの回転移行により、少なくとも1つの潜在的電極位置を既存電極位置上に一致するように配置することができるようになっており、これによって回転後に少なくとも1つの電極の下の皮膚の領域に休止状態を提供する、トランスデューサ装置。
【0060】
実施形態6A:潜在的電極位置によって占有される総面積は、潜在的電極位置および既存電極位置の総面積の合計の50%以下である、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0061】
実施形態7:アレイは1つまたは複数の空隙スペースに1つまたは複数の潜在的電極位置を含み、潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの分布が、重心を中心とする回転に関してCx対称を示すようになっており、ここでxは整数であり、潜在的電極フットプリントは、潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの回転対称性を決定する際に既存電極フットプリントと同一であるとみなされる、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0062】
実施形態8:重心を中心とする回転に関する既存電極位置の回転対称性は、Cx’であるか、または回転対称性がないかのいずれかであり、重心を中心とする回転に関する潜在的電極位置および既存電極位置の組み合わせの分布の回転対称性はCx対称であり、非生産的回転の結果、既存電極位置について同じアレイパターンおよび同じ皮膚の領域が覆われ、生産的回転の結果、少なくとも1つの既存電極位置が潜在的電極位置と交換され、ここでxおよびx’は整数であり、生産的回転は、360/x’の回転およびその整数倍を除く360/xの回転およびその整数倍によって与えられる、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0063】
実施形態9:xは、2x’、3x’、4x’、または5x’に等しい、実施形態8のトランスデューサ装置。
【0064】
実施形態10:アレイの少なくとも1つの電極要素の既存電極フットプリントは、少なくとも1つの潜在的電極位置の潜在的電極フットプリントとは異なる形状、および潜在的電極フットプリントと同一の重心からの距離を有する、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0065】
実施形態11:1つまたは複数の空隙スペースは、重心から第1の距離に配置された第1の潜在的電極位置と、重心から第2の距離に配置された第2の潜在的電極位置と、を画定し、第1の距離および第2の距離は互いに異なる、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0066】
実施形態12:アレイの少なくとも1つの電極要素の既存電極フットプリントは、アレイの少なくとも1つの他の電極要素の既存電極フットプリントとは異なる形状または異なる大きさを有する、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0067】
実施形態13:重心を中心とする少なくとも1回の回転の結果、すべての潜在的電極位置が、以前に既存電極位置によって占有されていた位置と一致するように移動し、これによって既存電極位置における電極のすべての下の皮膚のすべての領域に休止状態を提供する、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0068】
実施形態14:電極のアレイは非円形を有する、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0069】
実施形態15:各電極要素が重心から離れて半径方向外向きに延在する、実施形態6のトランスデューサ装置。
【0070】
実施形態16:被験者の体に腫瘍治療場を印加する方法であって、被験者の体の第1の場所で第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置するステップであって、第1のトランスデューサは、第1のトランスデューサの重心を中心に円周方向に配置された初期電極位置に複数の電極を含み、少なくとも一対の隣接する電極間にスペースを有する、ステップと、第1のトランスデューサと被験者の体の第2の場所に配置された第2のトランスデューサとの間に電場を誘導するステップと、第1の期間より多く電場を誘導した後、電場を停止するステップと、被験者の体の第1の場所で第1の回転位置へと重心を中心に第1のトランスデューサを回転させるステップであって、第1の回転位置において初期電極位置の少なくとも1つが、第1の初期位置において2つの電極間に最初に存在していたスペースによって占有される、ステップと、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導するステップと、を含む、方法。
【0071】
実施形態17:第1の回転位置において第1のトランスデューサの初期電極位置のすべてが、第1の初期位置において隣接する電極間に最初に存在していたスペースによって占有される、実施形態16の方法。
【0072】
実施形態18:被験者の体の第2の場所で第2の初期位置に第2のトランスデューサを配置するステップであって、第2のトランスデューサは、第2のトランスデューサの重心を中心に円周方向に配置された初期電極位置に複数の電極を含み、少なくとも一対の隣接する電極間にスペースを有する、ステップと、第1の期間より多く電場を誘導した後、被験者の体の第2の場所で第2の回転位置へと第2のトランスデューサをその重心を中心に回転させるステップであって、第2の回転位置において第2のトランスデューサの初期電極位置の少なくとも1つが、第2の初期位置において2つの電極間に最初に存在していたスペースによって占有される、ステップと、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導するステップと、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0073】
実施形態19:第2の場所での第2の回転位置において第2のトランスデューサの初期電極位置のすべてが、第2の初期位置において隣接する電極間に最初に存在していたスペースによって占有される、実施形態18の方法。
【0074】
実施形態20:接着層を介して第1のトランスデューサを被験者の体に貼り付けるステップをさらに含み、接着層はその中に1つまたは複数の切り欠きを有し、1つまたは複数の切り欠きは隣接する電極間のスペースの上に配置されている、実施形態16の方法。
【0075】
実施形態21:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイを含み、アレイは、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、いずれの電極とも重ならない、トランスデューサ装置の1つまたは複数の空白スペースが、アレイの重心を中心としてアレイが第1の回転量だけ回転すると、電極のアレイの1つまたは複数の電極の相対場所に対応する1つまたは複数の場所に存在する、トランスデューサ装置。
【0076】
実施形態22:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイを含み、アレイは、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、アレイの面に垂直な方向から見たとき、アレイの各電極がアレイの重心から離れて実質的に半径方向に延在し、各電極の重心がアレイの重心から実質的に等距離で離間し、アレイの各電極が実質的に同様の形状を有し、アレイの2つの電極間のギャップが、その中に電極を占有するのに十分な大きさを有する、トランスデューサ装置。
【0077】
実施形態23:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイを含み、アレイは、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、アレイの面に垂直な方向から見たとき、アレイの各電極がアレイの重心から離れて実質的に半径方向に延在し、電極はアレイの重心を中心に互いに実質的に等距離で離間し、第1の電極の第1の外縁上の第1の点と第1の電極の第2の外縁上の第2の点との間の距離として第1の距離が定義され、第1の点および第2の点はそれぞれアレイの重心から同じ距離であり、第1の点と第2の電極の隣接する外縁上の第3の点との間の距離として第2の距離が定義され、第2の電極の隣接する外縁と第1の外縁とはこれらの間にいずれの電極もなく互いに隣接して配置され、第1の点および第3の点はそれぞれアレイの重心から同じ距離であり、第2の距離は第1の距離の長さの少なくとも80%である、トランスデューサ装置。
【0078】
実施形態24:電極のアレイの基板層に接続されて基板層を実質的に覆う接着層をさらに含み、接着層は、アレイの電極間の1つまたは複数のスペースを覆われずに残すようにその中に形成された1つまたは複数の切り欠きを含む、実施形態23のトランスデューサ装置。
【0079】
実施形態25:アレイの面に垂直な方向から見たとき、1つまたは複数の切り欠きが接着層によって取り囲まれるように、1つまたは複数の切り欠きが閉じた形状を有する、実施形態24のトランスデューサ装置。実施形態26:アレイの面に垂直な方向から見たとき、1つまたは複数の切り欠きが接着層の外縁に沿って1つまたは複数の凹部を画定するように、1つまたは複数の切り欠きが開いた形状を有する、実施形態24のトランスデューサ装置。
【0080】
実施形態27:重心を中心とする少なくとも1回の回転の結果、少なくとも1つの電極が、以前に電極位置間のスペースによって占有されていた位置と一致するように移動し、以前に電極位置間のスペースによって占有されていた少なくとも1つの位置が電極と一致するように移動する、実施形態23のトランスデューサ装置。
【0081】
実施形態28:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極要素のアレイを含み、アレイは、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、アレイの面に垂直な方向から見たとき、第1の電極要素が、アレイの中心部分に対して半径方向外向き方向に延在する第1の縁と、アレイの中心部分に対して半径方向外向き方向に延在する第2の縁と、を含み、第1の縁と第2の縁との間に0°より大きい第1の角度が形成され、第1の角度はアレイの外部に面し、第2の電極要素が、アレイの中心部分に対して半径方向外向き方向に延在する隣接縁を含み、隣接縁および第1の縁はこれらの間にいずれの電極要素もなく互いに隣接して配置され、第1の縁と隣接縁との間に第2の角度が形成され、第2の角度はアレイの外部に面し、第2の角度の値は第1の角度の値の少なくとも80%である、トランスデューサ装置。
【0082】
実施形態29:アレイの電極要素はアレイを中心に互いに実質的に等距離で離間している、実施形態8のトランスデューサ装置。
【0083】
実施形態30:第1の電極は、中心部分から半径方向に離れて配置された電極要素の端部で第1の縁を第2の縁に接続する丸い縁をさらに含む、実施形態8のトランスデューサ装置。
【0084】
実施形態31:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイであって、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成されている、アレイと、アレイの面に垂直な方向から見たとき、アレイの少なくとも一対の隣接する電極間に配置された、露出した接着剤が存在しない、薬剤領域と、を含み、薬剤領域は、薬剤基板と、薬剤基板内または上で統合された局所薬剤と、を含む、トランスデューサ装置。
【0085】
実施形態32:局所薬剤は基本成分を含み、基本成分は、油、水、ワセリン、ワックス、セルロース、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態31のトランスデューサ装置。
【0086】
実施形態33:局所薬剤は、抗生物質、ステロイド、防腐剤、皮膚軟化剤、麻酔薬、テルペン、植物抽出物、シリコン系有機ポリマー、抗真菌剤、火傷緩和剤、皮膚修復剤、収斂剤、または抗ヒスタミン剤の少なくとも1つを含む、実施形態31のトランスデューサ装置。
【0087】
実施形態34:トランスデューサ基板をさらに含み、電極のアレイはトランスデューサ基板の表面上に配置され、トランスデューサ基板は、トランスデューサ装置を被験者の体に取り付けるための接着層を含み、薬剤基板は、トランスデューサ基板の一部であるか、またはトランスデューサ基板の表面上に配置されているかのいずれかである、実施形態31のトランスデューサ装置。
【0088】
実施形態35:局所薬剤は薬剤基板の厚さを通して実質的に均一に分散している、実施形態31のトランスデューサ装置。
【0089】
実施形態36:アレイの面に垂直な方向から見たとき、薬剤領域は、電極のアレイの電極の少なくとも1つの表面積の少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも95%を占有するのに十分な表面積を有する、実施形態31のトランスデューサ装置。
【0090】
実施形態37:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイであって、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成されている、アレイと、アレイの少なくとも一対の隣接する電極間に配置された、露出した接着剤が存在しない、非接着領域と、を含み、非接着領域は、(i)これに塗布された局所薬剤を受容、吸収、または保持することの少なくとも1つが可能な薬剤基板と、任意選択で、(ii)薬剤基板内または上で統合された局所薬剤と、を含み、アレイの面に垂直な方向から見たとき、非接着領域は、電極のアレイの電極の少なくとも1つの面積フットプリントの少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に等しい面積フットプリントを包囲することができる、トランスデューサ装置。
【0091】
実施形態38:薬剤基板は、一対の隣接する電極間に配置された布、ガーゼ、不織材料、発泡体、またはスポンジを含む、実施形態37のトランスデューサ装置。
【0092】
実施形態39:アレイの面に垂直な方向から見たとき、非接着領域は電極のアレイの電極の少なくとも1つの面積フットプリントの少なくとも95%に等しい面積フットプリントを包囲することができる、実施形態37のトランスデューサ装置。
【0093】
実施形態40:アレイの面に垂直な方向から見たとき、アレイは、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置された電極要素を含み、非接着領域は、重心の周りのアレイの回転によって、少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に重ね合わせ可能である、実施形態37のトランスデューサ装置。
【0094】
実施形態41:アレイの面に垂直な方向から見たとき、アレイは、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置され、それぞれが既存電極フットプリントをなぞる電極要素を含み、非接着領域は、潜在的電極位置を画定する面積フットプリントを包含し、この潜在的電極位置はアレイの重心の周りに配置され、潜在的電極フットプリントをなぞっており、潜在的電極フットプリントは、1つまたは複数の既存電極フットプリントと同一の形状、面積、および重心からの距離を有し、上記1つまたは複数の既存電極フットプリントと重心を中心に回転式に一致しており、重心を中心とするアレイの回転移行により、潜在的電極位置を既存電極位置上に一致するように配置することができるようになっている、実施形態37のトランスデューサ装置。
【0095】
実施形態42:アレイの少なくとも1つの電極要素の既存電極フットプリントは、アレイの少なくとも1つの他の電極要素の既存電極フットプリントとは異なる形状または異なる大きさを有する、実施形態41のトランスデューサ装置。
【0096】
実施形態43:重心を中心とする少なくとも1回の回転の結果、すべての潜在的電極位置が、以前に既存電極位置によって占有されていた位置と一致するように移動する、実施形態41のトランスデューサ装置。
【0097】
実施形態44:電極のアレイは非円形を有する、実施形態41のトランスデューサ装置。
【0098】
実施形態45:各電極要素が重心から離れて半径方向外向きに延在する、実施形態41のトランスデューサ装置。
【0099】
実施形態46:アレイの面に垂直な方向から見たとき、アレイは、既存電極位置に配置された電極要素を含み、複数の既存電極位置が一列に配置され、非接着領域は、被験者の体に対するアレイの並進によって一列に配置された既存電極位置のそれぞれの面積フットプリントの少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に重ね合わせ可能である、実施形態37のトランスデューサ装置。
【0100】
実施形態47:この装置は、それぞれが潜在的電極フットプリントを包含する、少なくとも1つの非接着領域を含み、すべての潜在的電極フットプリントについての面積フットプリントの合計が、電極のアレイ内のすべての潜在的電極フットプリントおよびすべての既存電極フットプリントについての面積フットプリントの合計の約50%である、実施形態41のトランスデューサ装置。
【0101】
実施形態48:この装置は、それぞれが潜在的電極フットプリントを包含する、少なくとも1つの非接着領域を含み、すべての潜在的電極フットプリントについての面積フットプリントの合計が、電極のアレイ内のすべての潜在的電極フットプリントおよびすべての既存電極フットプリントについての面積フットプリントの合計の少なくとも20%である、実施形態41のトランスデューサ装置。
【0102】
実施形態49:電極のアレイは、アレイの重心の周りの第1の円形領域に配置された第1の群の電極と、第1の群とは異なり、第1の円形領域と同心の第2の円形領域に配置された第2の群の電極と、を含む、実施形態37のトランスデューサ装置。
【0103】
実施形態50:被験者の体に腫瘍治療場を印加する方法であって、被験者の体上の第1の場所で第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置するステップであって、第1のトランスデューサは、初期電極位置にある複数の電極と、2つの隣接する電極間に配置された薬剤領域と、を含み、薬剤領域は、その中または上に局所薬剤を保持することができる薬剤基板を含み、薬剤領域上には露出した接着剤が存在しない、ステップと、第1のトランスデューサと被験者の体上の第2の場所に配置された第2のトランスデューサとの間に電場を誘導するステップと、第1の期間より多く電場を誘導した後、電場を停止するステップと、被験者の体上の第1の回転または並進位置へと第1のトランスデューサを移動させるステップであって、第1の回転または並進位置において薬剤領域はその上または中に局所薬剤を保持しており、以前に電極の少なくとも一部によって覆われていた被験者の体の領域と接触する、ステップと、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導するステップと、を含む、方法。
【0104】
実施形態51:薬剤領域は、薬剤基板と、被験者の体上の第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置する前に薬剤基板内または上で統合された局所薬剤と、を含む、実施形態50の方法。
【0105】
実施形態52:第1の初期位置に第1のトランスデューサを配置した後、ただし被験者の体上の第1の回転または並進位置へと第1のトランスデューサを移動させる前に、局所薬剤を薬剤基板に塗布するステップをさらに含む、実施形態50の方法。
【0106】
実施形態53:第1の回転または並進位置へと第1のトランスデューサを移動させるステップは、第1のトランスデューサの重心を中心に第1のトランスデューサを回転させるステップを含む、実施形態50の方法。
【0107】
実施形態54:第1の回転または並進位置へと第1のトランスデューサを移動させるステップは、被験者の体の表面に対して第1のトランスデューサを並進させるステップを含む、実施形態50の方法。
【0108】
実施形態55:第1のトランスデューサは、上記薬剤領域を含む複数の薬剤領域を含み、複数の薬剤領域の各薬剤領域は複数の電極の隣接する電極間に配置され、第1の回転または並進位置において第1のトランスデューサの複数の薬剤領域の各薬剤領域は、以前に電極の少なくとも一部によって覆われていた領域に配置される、実施形態50の方法。
【0109】
実施形態56:被験者の体の第2の場所で第2の初期位置に第2のトランスデューサを配置するステップであって、第2のトランスデューサは、複数の電極と、2つの隣接する電極間に配置された薬剤領域と、を含み、薬剤領域は、その上に局所薬剤を保持することができる薬剤基板を含み、薬剤領域上には露出した接着剤が存在しない、ステップと、第1の期間より多く電場を誘導した後、被験者の体上の第2の回転または並進位置へと第2のトランスデューサを移動させるステップであって、第2の回転または並進位置において第2のトランスデューサの薬剤領域はその上または中に局所薬剤を保持しており、以前に第2のトランスデューサの電極の少なくとも一部によって覆われていた被験者の体の領域と接触する、ステップと、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に別の電場を誘導するステップと、をさらに含む、実施形態50の方法。
【0110】
実施形態57:第2のトランスデューサは、上記薬剤領域を含む複数の薬剤領域を含み、複数の薬剤領域の各薬剤領域は複数の電極の隣接する電極間に配置され、第2の回転または並進位置において第2のトランスデューサの複数の薬剤領域の各薬剤領域は、以前に第2のトランスデューサの電極の少なくとも一部によって覆われていた領域に配置される、実施形態56の方法。
【0111】
実施形態58:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイであって、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置された電極要素を含む、アレイと、アレイ内の一対の電極間に配置された少なくとも1つの薬剤領域と、を含み、少なくとも1つの薬剤領域は、その上または中の局所薬剤を受容、吸収、または保持することの少なくとも1つが可能な薬剤基板を含み、少なくとも1つの薬剤領域は、少なくとも1つの既存電極位置の面積フットプリントの少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に等しい面積フットプリントを包囲することができ、重心の周りのアレイの回転によって少なくとも1つの既存電極位置の少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも95%に重ね合わせ可能である、トランスデューサ装置。
【0112】
実施形態59:被験者の体に腫瘍治療場を送達するためのトランスデューサ装置であって、電極のアレイを含み、アレイは、アレイの一面が被験者の体に面するように被験者の体の上に配置されるように構成され、上記アレイは、アレイの重心の周りに配置された既存電極位置に配置され、それぞれが既存電極フットプリントをなぞる電極要素を含み、アレイは、潜在的電極位置を画定する面積フットプリントを包囲する1つまたは複数の薬剤領域も含み、上記潜在的電極位置はアレイの重心の周りに配置され、各潜在的電極位置は潜在的電極フットプリントをなぞっており、各薬剤領域は、(i)局所薬剤をその上または中に受容、吸収、または保持することの少なくとも1つが可能な基板、および、任意選択で、(ii)薬剤基板内または上で統合された局所薬剤を含み、各潜在的電極フットプリントは、1つまたは複数の既存電極フットプリントと同一の形状、面積、および重心からの距離を有し、上記1つまたは複数の既存電極フットプリントと重心を中心に回転式に一致しており、重心を中心とする電極アレイの回転移行により、少なくとも1つの潜在的電極位置を既存電極位置上に一致するように配置することができるようになり、これによって回転後に休止状態を提供する、または前に少なくとも1つの電極の下にあった皮膚の領域に局所薬剤を塗布する、トランスデューサ装置。
【0113】
実施形態59A:潜在的電極位置によって占有される総面積は、潜在的電極位置および既存電極位置の総面積の合計の50%以下である、実施形態59のトランスデューサ装置。
【0114】
実施形態60:重心を中心とする少なくとも1回の回転の結果、すべての潜在的電極位置が、以前に既存電極位置によって占有されていた位置と一致するように移動し、これによって休止状態を提供する、または既存電極位置における電極のすべての下の皮膚の領域に局所薬剤を塗布する、実施形態59のトランスデューサ装置。
【0115】
実施形態61:電極のアレイは非円形を有する、実施形態59のトランスデューサ装置。
【0116】
実施形態62:各電極要素が重心から離れて半径方向外向きに延在する、実施形態59のトランスデューサ装置。
【0117】
実施形態63:局所薬剤は、クリーム、軟膏、ローション、ジェル、ワックス、ペースト、または鉱油ゼリーである、実施形態59のトランスデューサ装置。
【0118】
本開示のいずれかの見出しの下またはいずれかの部分に示す実施形態は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本開示の同じまたは任意の他の見出しの下または他の部分に示す実施形態と組み合わせることができる。たとえば、限定ではなく、所与の実施形態(たとえば、独立請求項形式で記載した所与の実施形態)について従属請求項形式で記載した実施形態は、(独立請求項形式または従属請求項形式で記載した)他の実施形態と組み合わせることができる。
【0119】
特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する多くの修正、変形、および変更が可能である。本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の文言、およびその均等物によって定義される全範囲を有することが意図されている。
【符号の説明】
【0120】
100 トランスデューサ
200 第1のトランスデューサ
202 第2のトランスデューサ
204 電極要素
206 外周
300A トランスデューサ
302A 電極要素
304A 基板
300B トランスデューサ
302B 電極要素
306B 導電性ワイヤ
300C トランスデューサ
302C 電極要素
304C トランスデューサ基板
308C 薬剤領域
310C 接着層
300D トランスデューサ
302D 電極要素
308D 薬剤領域
310D 接着層
400 トランスデューサ
402 電極
404 空白スペース
405 PCB層/コネクタ
406 外周
408 第1の縁
410 第2の縁
412 丸い縁
414 第1の距離
416 第1の点
418 第2の点
420 距離
422 第2の距離
424 第3の点
426 第1の角度
428 第2の角度
430 二等分線
432 距離
434 距離
436 以前に電極402によって占有されていた場所
438 回転量
440 重心
500 トランスデューサ装置
502 電極
504 スペース
550 接着層
552 切り欠き
600 トランスデューサ装置
602 電極
604 スペース
650 接着層
652 切り欠き
660 端縁
662 第1の外縁
664 第2の外縁
700 アレイ
702 電極要素
704 緩和領域
706 重心
708 既存電極位置
710 潜在的電極位置
712E 第1の円形領域
714E 第2の円形領域
800 トランスデューサ
802 電極要素
804 緩和領域
805 PCB層/コネクタ
808 既存電極位置
810 潜在的電極位置
830 ライン
【国際調査報告】