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▶ マクロ-ライト, エルエルシーの特許一覧

<図1A>
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図1A
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図1B
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図2A
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図2B
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図2C
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図2D
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3A
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3B
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3C
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3D
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3E
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3F
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図3G
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図4
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図5A
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図5B
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図6
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図7
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図8
  • 特表-超薄型直接火炎衝突面 図9
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】超薄型直接火炎衝突面
(51)【国際特許分類】
   A62C 2/00 20060101AFI20241114BHJP
   C23C 14/16 20060101ALI20241114BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20241114BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20241114BHJP
   B63H 21/17 20060101ALI20241114BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20241114BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20241114BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241114BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241114BHJP
   H01M 50/231 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20241114BHJP
   B65D 90/06 20060101ALI20241114BHJP
   B64C 1/00 20060101ALN20241114BHJP
   B64D 27/357 20240101ALN20241114BHJP
   B64U 10/20 20230101ALN20241114BHJP
   B64U 50/30 20230101ALN20241114BHJP
   F42B 15/34 20060101ALN20241114BHJP
   F41A 19/68 20060101ALN20241114BHJP
【FI】
A62C2/00 X
C23C14/16 Z
B32B7/027
B32B15/04 Z
B63H21/17
B60K1/04 Z
H01M50/204 401F
H01M50/202 401F
H01M10/658
H01M10/625
H01M10/613
H01M50/231
H01M50/224
H01M50/233
B65D90/06 D
B64C1/00 B
B64D27/357
B64U10/20
B64U50/30
F42B15/34
F41A19/68
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576070
(86)(22)【出願日】2023-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2023073289
(87)【国際公開番号】W WO2024050506
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】63/403,394
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523462653
【氏名又は名称】マクロ-ライト, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MACRO-LITE, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, デイモン
(72)【発明者】
【氏名】リングウォール, チェイス
(72)【発明者】
【氏名】ブレスリン, マイケル
【テーマコード(参考)】
3D235
3E170
4F100
4K029
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB02
3D235HH07
3D235HH42
3D235HH43
3E170AA21
3E170AA25
3E170AB30
3E170BA02
3E170DA01
3E170DA20
3E170KC02
3E170KC10
3E170MA01
3E170NA05
4F100AA03B
4F100AA20C
4F100AB03C
4F100AB04C
4F100AB09C
4F100AB10C
4F100AB12C
4F100AB15C
4F100AB16C
4F100AB17C
4F100AB18C
4F100AB31C
4F100AB33C
4F100AB40C
4F100AG00C
4F100AG00E
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4F100AT00A
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4F100CB00D
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4F100EH66C
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4F100JG04E
4F100JJ02
4F100JJ07
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4K029AA25
4K029BA02
4K029BA05
4K029BA06
4K029BA08
4K029BA09
4K029BA12
4K029BA18
4K029BA21
4K029BC10
4K029BD03
4K029CA05
5H031AA09
5H031BB03
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5H040AS07
5H040AT06
5H040AY04
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
(57)【要約】
実施形態は、耐火災性及び外部保護表面をもたらすために基材に接着又は機械的に固定され得る衝突面に関する。或いは、衝突面は、耐火災性及び保護能力を増加させるために、既存の火炎バリアに接着又は機械的に固定され得る。衝突面は、高温の火炎に対して保護し、火炎の貫通を防止し、且つ激しい火炎を封じ込めて、火炎の衝撃、熱、及び速度の深刻度を軽減するように構成されている。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.002インチ以下の厚さを有する金属箔副層を含む一次層を含み、前記一次層が基材に取り付けられており、火炎バリアが、2750゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている、火炎バリア。
【請求項2】
前記金属箔副層が、0.001インチ以下の厚さを有する、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項3】
前記金属箔副層が、0.0005インチ以下の厚さを有する、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項4】
前記金属箔副層が、0.00007インチ以下の厚さを有する、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項5】
前記金属箔副層が、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、並びに亜鉛(及び合金)からなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項6】
前記一次層が、前記基材に機械的に固定されている、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項7】
前記一次層が、接着剤を介して前記基材に取り付けられている、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項8】
前記接着剤が、少なくとも1種の無機可溶性塩及び水性結合剤溶液を含む、請求項7に記載の火炎バリア。
【請求項9】
前記少なくとも1種の無機可溶性塩がケイ酸ナトリウムを含む、請求項8に記載の火炎バリア。
【請求項10】
3250゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項11】
4500゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項12】
前記一次層が、前記金属箔副層に接着された第2の金属箔副層をさらに含み、前記第2の金属箔副層が、0.002インチ以下の厚さを有する、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項13】
前記金属箔副層が第1の金属箔からなり、前記第2の金属箔副層が第2の金属箔からなり、前記第1の金属箔が前記第2の金属箔とは異なる、請求項12に記載の火炎バリア。
【請求項14】
前記一次層が、前記金属箔副層に配置された金属スパッタリング副層をさらに含む、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項15】
前記金属スパッタリング副層が、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、並びに亜鉛(及び合金)からなる群から選択される金属を含む、請求項14に記載の火炎バリア。
【請求項16】
前記一次層が、前記金属箔副層に接着された外装副層をさらに含む、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項17】
前記一次層が、前記金属箔副層に接着された絶縁副層をさらに含む、請求項1に記載の火炎バリア。
【請求項18】
前記絶縁副層が、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、及びアラミド織物からなる群から選択される材料を含む、請求項17に記載の火炎バリア。
【請求項19】
0.002インチ以下の厚さを有する金属箔副層を含む一次層、及び
接着剤を介して前記一次層に接着された二次層
を含み、
前記二次層が基材に取り付けられており、
火炎バリアが、2750゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている、
火炎バリア。
【請求項20】
前記二次層が、前記基材に機械的に固定されている、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項21】
前記二次層が、接着剤を介して前記基材に取り付けられている、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項22】
前記接着剤が、少なくとも1種の無機可溶性塩及び水性結合剤溶液を含む、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項23】
前記少なくとも1種の無機可溶性塩がケイ酸ナトリウムを含む、請求項22に記載の火炎バリア。
【請求項24】
3250゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項25】
4500゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項26】
前記二次層が少なくとも1つの絶縁副層を含む、請求項12に記載の火炎バリア。
【請求項27】
前記少なくとも1つの絶縁副層が、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、及びアラミド織物からなる群から選択される材料を含む、請求項26に記載の火炎バリア。
【請求項28】
前記二次層が積層体副層を含む、請求項12に記載の火炎バリア。
【請求項29】
前記積層体副層が、玄武岩、パラアラミド、メタアラミド、炭素、グラファイト、及びガラス繊維構造からなる群から選択される材料を含む、請求項28に記載の火炎バリア。
【請求項30】
前記金属箔副層が、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、並びに亜鉛(及び合金)からなる群から選択される金属を含む、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項31】
前記一次層が、前記金属箔副層に接着された第2の金属箔副層をさらに含み、前記第2の金属箔副層が、0.002インチ以下の厚さを有する、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項32】
前記金属箔副層が第1の金属箔からなり、前記第2の金属箔副層が第2の金属箔からなり、前記第1の金属箔が前記第2の金属箔とは異なる、請求項31に記載の火炎バリア。
【請求項33】
前記一次層が、前記金属箔副層に接着された絶縁副層をさらに含む、請求項19に記載の火炎バリア。
【請求項34】
前記絶縁副層が、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、及びアラミド織物からなる群から選択される材料を含む、請求項33に記載の火炎バリア。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]実施形態は、火炎バリア、特に超薄型軽量火炎衝突面、並びに超薄型軽量火炎衝突面を作製及び使用する方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
[0002]本開示は、既存の軽量火炎バリアよりも改善された性能を示す超薄型軽量火炎衝突面に関する。
【0003】
[0003]現在、航空機又は車両で使用されるような軽量火炎バリアは、典型的には、既存の構造に取り付けられる寄生層として設計されており、重量、絶縁、及び直接温度能力について最適化されている。現在の火炎バリアは、典型的には、これらの火炎バリアが耐えるように設計された火炎の温度を上回る溶融温度を有する不織繊維又は薄いベール繊維の使用によって、火炎暴露からの劣化に対して既存の構造を絶縁する。さらに、火炎バリアは、多くの場合、絶縁材料の片面又は両面で支持体、保護外部表面、及び/又は放射バリアとして機能するフィルム又は箔を有する。しかしながら、現在の火炎バリアは、高温の火炎(例えば、2000゜F超)、直接火炎衝突、及び高い空気/燃料速度の組合せからの劣化を受けやすいままである。現在の火炎バリアはまた、激しい火炎、溶融電解質の排出、フッ化水素酸暴露、及び/又は故障したバッテリから分離した燃焼金属粒子、例えば、バッテリの熱暴走事象に対して著しく不十分である。一般に、市場は、1500~2000゜Fの火炎に対する使用のために構成された火炎及び火災保護バリア及び装置で溢れている。しかしながら、火災は、より高い温度になるほどより複雑且つエネルギーのあるものになり(例えば、リチウムバッテリ火災)、現在の解決策は、特殊、複雑、且つ高価なものになる。3000゜F超の火炎に対して多数の既存の耐火災性製品を強化すること、及び/又は高温の火災で見られる溶融電解質若しくは燃焼金属粒子に対する前面保護を追加することができる軽量のコスト効率の高いシステムはない。
【0004】
[0004]したがって、初期保護層として機能し、高温の火炎に対して保護し、火炎の貫通を防止し、且つ激しい火炎を封じ込めて、後続の層に対する火炎の衝撃、熱、及び速度の深刻度を軽減する軽量火炎バリアが必要とされている。本発明の火炎バリアは、現在の技術の観点から経済的な解決策である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]実施形態は、耐火災性及び外部保護表面をもたらすために基材に接着又は機械的に固定され得る衝突面に関する。或いは、衝突面は、耐火災性の増加及びよりエネルギーのあるより高い温度の火炎事象に対する保護能力の増加をもたらすために、既存の火炎バリアに接着され得る。
【0006】
[0006]例示的な実施形態では、火炎バリアは、0.002インチ以下の厚さを有する金属箔副層を含む一次層を含み、一次層は、基材に取り付けられており、火炎バリアは、2750゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている。
【0007】
[0007]一部の実施形態では、金属箔副層は、0.001インチ以下の厚さを有する。
【0008】
[0008]一部の実施形態では、金属箔副層は、0.0005インチ以下の厚さを有する。
【0009】
[0009]一部の実施形態では、金属箔副層は、0.00007インチ以下の厚さを有する。
【0010】
[0010]一部の実施形態では、金属箔副層は、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(Constantan)(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(Evanohm)(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(Inconel)(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、並びに亜鉛(及び合金)からなる群から選択される金属を含む。
【0011】
[0011]一部の実施形態では、一次層は、基材に機械的に固定されている。
【0012】
[0012]一部の実施形態では、一次層は、接着剤を介して基材に取り付けられている。
【0013】
[0013]一部の実施形態では、接着剤は、少なくとも1種の無機可溶性塩及び水性結合剤溶液を含む。
【0014】
[0014]一部の実施形態では、少なくとも1種の無機可溶性塩は、ケイ酸ナトリウムを含む。
【0015】
[0015]一部の実施形態では、火炎バリアは、3250゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている。
【0016】
[0016]一部の実施形態では、火炎バリアは、4500゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている。
【0017】
[0017]一部の実施形態では、一次層は、金属箔副層に接着された第2の金属箔副層をさらに含み、第2の金属箔副層は、0.002インチ以下の厚さを有する。
【0018】
[0018]一部の実施形態では、金属箔副層は第1の金属箔からなり、第2の金属箔副層は第2の金属箔からなり、第1の金属箔は第2の金属箔とは異なる。
【0019】
[0019]一部の実施形態では、一次層は、金属箔副層に配置された金属スパッタリング副層をさらに含む。
【0020】
[0020]一部の実施形態では、金属スパッタリング副層は、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、並びに亜鉛(及び合金)からなる群から選択される金属を含む。
【0021】
[0021]一部の実施形態では、一次層は、金属箔副層に接着された外装副層をさらに含む。
【0022】
[0022]一部の実施形態では、一次層は、金属箔副層に接着された絶縁副層をさらに含む。
【0023】
[0023]一部の実施形態では、絶縁副層は、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、及びアラミド織物からなる群から選択される材料を含む。
【0024】
[0024]例示的な実施形態では、火炎バリアは、0.002インチ以下の厚さを有する金属箔副層を含む一次層及び接着剤を介して一次層に接着された二次層を含み、二次層は、基材に取り付けられており、火炎バリアは、2750゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている。
【0025】
[0025]一部の実施形態では、二次層は、基材に機械的に固定されている。
【0026】
[0026]一部の実施形態では、二次層は、接着剤を介して基材に取り付けられている。
【0027】
[0027]一部の実施形態では、接着剤は、少なくとも1種の無機可溶性塩及び水性結合剤溶液を含む。
【0028】
[0028]一部の実施形態では、少なくとも1種の無機可溶性塩は、ケイ酸ナトリウムを含む。
【0029】
[0029]一部の実施形態では、火炎バリアは、3250゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている。
【0030】
[0030]一部の実施形態では、火炎バリアは、4500゜Fまでの温度の環境で600゜F又はそれ未満の低温側温度を維持するように構成されている。
【0031】
[0031]一部の実施形態では、二次層は、少なくとも1つの絶縁副層を含む。
【0032】
[0032]一部の実施形態では、少なくとも1つの絶縁副層は、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、及びアラミド織物からなる群から選択される材料を含む。
【0033】
[0033]一部の実施形態では、二次層は、積層体副層を含む。
【0034】
[0034]一部の実施形態では、積層体副層は、玄武岩、パラアラミド、メタアラミド、炭素、グラファイト、及びガラス繊維構造からなる群から選択される材料を含む。
【0035】
[0035]一部の実施形態では、金属箔副層は、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、並びに亜鉛(及び合金)からなる群から選択される金属を含む。
【0036】
[0036]一部の実施形態では、一次層は、金属箔副層に接着された第2の金属箔副層をさらに含み、第2の金属箔副層は、0.002インチ以下の厚さを有する。
【0037】
[0037]一部の実施形態では、金属箔副層は第1の金属箔からなり、第2の金属箔副層は第2の金属箔からなり、第1の金属箔は第2の金属箔とは異なる。
【0038】
[0038]一部の実施形態では、一次層は、金属箔副層に接着された絶縁副層をさらに含む。
【0039】
[0039]一部の実施形態では、絶縁副層は、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、及びアラミド織物からなる群から選択される材料を含む。
【0040】
[0040]本革新の先及び他の対象、態様、特徴、利点、及び可能な用途は、以下の図面と併せて提示されるそれらの以下のより具体的な説明からより明らかになるであろう。図面で使用される同様の参照番号は、同様の構成要素を識別し得る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1A】火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図1B】火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図2A】二次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図2B】二次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図2C】二次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図2D】二次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3A】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3B】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3C】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3D】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3E】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3F】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図3G】一次層が1つ又は複数の副層を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図4】空隙を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図5A】薄紙表面を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図5B】薄紙表面を含む火炎バリアの例示的な実施形態の分解断面図を示す。
図6】火炎バリアの例示的な実施形態の例示的な使用の分解図を示す。
図7】火炎バリアの例示的な実施形態の例示的な使用の分解図を示す。
図8】火炎バリアの例示的な実施形態の例示的な使用の分解図を示す。
図9】火炎バリアの例示的な実施形態の試験結果を示す。
【発明の詳細な説明】
【0042】
[0048]以下の説明は、本発明を実行するために現在考えられる例示的な実施形態及び使用の方法に関するものである。この説明は、限定的な意味合いで解釈されるべきではなく、本発明の一般原理及び様々な態様の特徴を説明することを単に目的として行われる。本発明の範囲は、この説明によって限定されることはない。
【0043】
[0049]図1Aに示されている例示的な実施形態では、衝突面100は、一次層102及び二次層104を有する。接着剤106は、一次層102を二次層104に取り付ける。衝突面100は、内側表面108及び外側表面110を有し得る。内側表面108は、衝突面100を基材112に取り付けるように構成された表面として定義され得る。外側表面110は、(例えば火炎に)暴露されるように構成された表面として定義され得る。例示的な実施形態では、二次層104は、衝突面100の内側表面108を含み、一次層102は、衝突面100の外側表面110を含む。
【0044】
[0050]図1Bに示されている代替的な実施形態では、衝突面100は、一次層102を有し、一次層102は、衝突面100の内側表面108及び衝突面100の外側表面110の両方を含む。
【0045】
[0051]衝突面100は、基材112を高温から保護し、且つ基材112が火炎衝突及び高温に耐えることができる時間を増加させるように構成されている。衝突面100は、基材112を、2750゜Fまで、3250゜Fまで、一部の実施形態では4500゜Fまでの温度の火炎から保護することができる。衝突面100は、絶縁なしで600゜F未満の低温側温度を維持するようにさらに構成されている。低温側温度は、衝突面100の内側表面108で測定される温度として定義され得る。低温側温度は、衝突面100を構成する層の数に基づいて調整され得ると考えられる。
【0046】
[0052]衝突面100は、基材112に対するいずれかの潜在的な悪影響を最小限に抑えるために軽量であり得ると考えられる。衝突面100は、0.03~0.5lbs/ftの重量を有し得る。衝突面100の重量は、特定の使用に応じて修正及び最適化され得る。例えば、衝突面は、様々な地上車両に基づく市場では0.08~0.2lbs/ftの重量を有し得、重量にそれほど敏感ではない住宅用途では0.5lbs/ftまでの重量を有し得る。一般に、衝突面100は、好ましくは、0.03~0.1lbs/ftの重量を有する。先に詳細に述べた高温保護をなおも維持しながら衝突面100がそのような低い重量を有することは、驚くべきことである。衝突面100が任意の基材112の形状を補完することができるように衝突面100が可撓性であり得ることがさらに考えられる。
【0047】
[0053]衝突面100が一次層102及び二次層104を含む実施形態では、二次層104は、基材112への熱伝達率を低下させることによって基材112を火炎から絶縁するように構成されている。二次層104は、0.00069インチ又はそれ未満(すなわち、0.00069インチ以下)、0.0005インチ又はそれ未満(すなわち、0.0.0005インチ以下)、又は0.0001インチ又はそれ未満(すなわち、0.0.0001インチ以下)の厚さを有し得る。代替的な実施形態では、衝突面100は、二次層104を含んでいなくてもよい(例えば、一次層102が単独で使用される)。
【0048】
[0054]二次層104は、1つ又は複数の副層(例えば、絶縁副層114及び/又は積層体副層116)を含み得ると考えられる。
【0049】
[0055]図2Aに示されている例示的な実施形態では、二次層104は、絶縁副層114を含み得る。一部の実施形態では、絶縁副層114は、本質的に可燃性ではなく、無機である。絶縁副層114は、シリカ織布、バーミキュライト被覆された繊維ガラス織物、不織シリカ繊維、アラミド織物、又はその他の適切な材料及びそれらの混合物などの材料であり得るが、これらに限定されることはない。絶縁副層114は、衝突面100の内側表面108を含み得、且つ基材112に取り付けるように構成され得ると考えられる。
【0050】
[0056]図2Bに示されている例示的な実施形態では、二次層104は、上記のような複数の絶縁副層114を含み得る。複数の絶縁副層114は、連続層として構成され得る。接着剤106は、複数の絶縁副層114を互いに取り付けることができる。本明細書で使用される場合、絶縁副層114は、一般に、副層114’及び/又は114’’を表す。絶縁副層114’は、絶縁副層114’’と同じ材料又は異なる材料を含み得ると考えられる。絶縁副層114’は、絶縁副層114’’と同じ厚さ又は異なる厚さを含み得るとさらに考えられる。
【0051】
[0057]図2C及び2Dに示されている例示的な実施形態では、二次層104は、積層体副層116を含み得る。一部の実施形態では、積層体副層116は、本質的に可燃性ではない。積層体副層116は、玄武岩、パラアラミド、メタアラミド、炭素、グラファイト、ガラス繊維構造、又はその他の適切な材料及びそれらの混合物などの材料であり得るが、これらに限定されることはない。接着剤106は、積層体副層116が、衝突面100の内側表面108を含み得、且つ基材112に取り付けるように構成され得るように、絶縁副層114又は複数の絶縁副層114を積層体副層116に取り付けることができると考えられる。
【0052】
[0058]一次層102は、高温の火炎に対して保護し、且つ火炎の貫通を防止するように構成されている。一次層102は、衝撃に対して保護するようにさらに構成され得る。
【0053】
[0059]一次層102は、1つ又は複数の副層(例えば、少なくとも1つの金属箔副層118、金属スパッタリング副層120、絶縁副層122、若しくは外装副層124、又はそれらの任意の組合せ)を含み得ると考えられる。
【0054】
[0060]図3A及び3Bに示されている例示的な実施形態では、一次層102は、金属箔副層118を含み得る。金属箔副層118は、2200゜F以上の溶融温度を有する任意の金属又は耐火金属であり得る。金属箔副層118は、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、亜鉛(及び合金)、又はその他の適切な箔及びそれらの混合物などの箔であり得るが、これらに限定されることはない。
【0055】
[0061]金属箔副層118は、0.002インチ又はそれ未満(すなわち、0.0.002インチ以下)、0.001インチ又はそれ未満(すなわち、0.0.001インチ以下)、0.0005インチ又はそれ未満(すなわち、0.0005インチ以下)、又はより好ましくは0.00007インチ又はそれ未満(すなわち、0.00007インチ以下)の厚さを有し得る。箔層はこれらの厚さでは市販されておらず、したがって、既存の火炎バリアシステムはこれらの厚さの箔層を使用又は教示していないことに留意されたい。金属箔副層118は、衝突面100の外側表面110を含み得、且つ(例えば火炎に)暴露されるように構成され得ると考えられる。金属箔副層118は、一次層102が、連続的に火炎の貫通に抵抗し、且つ火炎ゾーンから熱を移動させて熱をより大きな領域に広げることができるように、高い熱伝導率を有すると考えられる。金属箔副層118は、これが、後続の層に対する火炎の衝撃の深刻度の軽減と衝突面100が火炎の衝突に耐えることができる時間の増加との両方を行うため、有利である。
【0056】
[0062]図3C及び3Dに示されている例示的な実施形態では、一次層102は、上記のような複数の金属箔副層118を含み得る。複数の金属箔副層118は、連続層として構成され得る。接着剤106は、複数の金属箔副層を互いに取り付けることができる。本明細書で使用される場合、金属箔副層118は、一般に、副層118’及び/又は118’’を表す。金属箔副層118’は、金属箔副層118’’と同じ箔又は異なる箔を含み得ると考えられる。例えば、第1の金属箔副層は、ステンレス鋼であり得、第2の金属箔副層は、アルミニウム、銅、亜鉛などであり得る。金属箔副層118’は、金属箔副層118’’と同じ厚さ又は異なる厚さを含み得るとさらに考えられる。
【0057】
[0063]図3Eに示されている例示的な実施形態では、一次層102は、(例えば、スパッタ堆積法を介した)金属スパッタリング副層120を含み得る。金属スパッタリング副層120は、合金鋼、アルミニウム(及び合金)、真鍮、青銅、炭素鋼、コバルト(及び合金)、コンスタンタン(登録商標)箔(Cu55Ni)、銅(及び合金)、エバノーム(登録商標)箔(Ni75Cr20Al2.5Cu2.5)、金(及び合金)、鉄(及び合金)、マグネシウム(及び合金)、ニッケル(及び合金)、ニッケル基超合金(例えば、インコネル(登録商標))、ニオブ(及び合金)、ステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼タイプ309、ステンレス鋼タイプ321)、タンタル(及び合金)、錫(及び合金)、チタン(及び合金)、タングステン(及び合金)、イットリウム(及び合金)、亜鉛(及び合金)、又はその他の適切な箔及びそれらの混合物などの金属であり得るが、これらに限定されることはない。金属スパッタリング副層120は、2200゜F以上の溶融温度を有する任意の金属又は耐火金属であり得る。金属スパッタリング副層120は、衝突面100の外側表面110を含み得、且つ(例えば火炎に)暴露されるように構成され得ると考えられる。スパッタリング副層120は、金属箔副層118に配置され得るとさらに考えられる。
【0058】
[0064]図3Fに示されている例示的な実施形態では、一次層102は、絶縁副層122を含み得る。接着剤106は、絶縁副層122が金属箔副層118又は複数の金属箔副層118の上部に配置され得るように、金属箔副層118又は複数の金属箔副層118を絶縁副層122に取り付けることができると考えられる。接着剤106は、絶縁副層122がスパッタリング副層120の上部に配置され得るように、スパッタリング副層120を絶縁副層122に取り付けることができるとさらに考えられる。絶縁副層122は、衝突面100の外側表面110を含み得、且つ(例えば火炎に)暴露されるように構成され得ると考えられる。
【0059】
[0065]図3Gに示されている例示的な実施形態では、一次層102は、外装副層124を含み得る。外装副層124は、エネルギー及び損傷を吸収するように構成され得る。接着剤106は、外装副層124が金属箔副層118又は複数の金属箔副層118の上部に配置され得るように、金属箔副層118又は複数の金属箔副層118を外装副層124に取り付けることができると考えられる。接着剤106は、外装副層124がスパッタリング副層120の上部に配置され得るように、スパッタリング副層120を外装副層124に取り付けることができるとさらに考えられる。外装副層124は、衝突面100の外側表面110を含み得、且つ(例えば火炎に)暴露されるように構成され得ると考えられる。
【0060】
[0066]図4に示されている例示的な実施形態では、空隙126が一次層102と二次層104との間にあり得る。空隙は、2つの物体(例えば、一次層102及び二次層104)間の隙間(例えば、空いた空間)を意味すると理解される。例えば、接着剤106は、離散点で一次層102及び二次層104を取り付けることができ、空隙126は、該点間に形成され得る。空隙126は、一次層102内の副層(例えば、金属箔副層118、絶縁副層122、外装副層124など)間にあり得ると考えられる。空隙126は、二次層104内の副層(例えば、絶縁副層114、積層体副層116など)間にあり得るとさらに考えられる。
【0061】
[0067]1つより多くの層/副層(例えば、一次層102及び二次層104、1つより多くの箔副層118など)が使用される例示的な実施形態では、層状材料は、枕効果(pillowing effect)(図示せず)を形成することができ、層が火炎衝突下で分離する。この枕効果は、有利には、衝突面100への伝導熱伝達を遮断する空隙を導入する。
【0062】
[0068]図5Aに示されている例示的な実施形態では、一次層102は、薄紙表面128を含み得る。接着剤106は、薄紙表面128が金属箔副層118又は複数の金属箔副層118の上部に配置され得るように、金属箔副層118又は複数の金属箔副層118を薄紙表面128に取り付けることができると考えられる。接着剤は、薄紙表面128がスパッタリング副層120の上部に配置され得るように、スパッタリング副層120を薄紙表面128に取り付けることができるとさらに考えられる。薄紙表面128は、衝突面100の外側表面110を含み得、且つ(例えば火炎に)暴露されるように構成され得ると考えられる。薄紙表面128は、0.002インチ又はそれ未満(すなわち、0.002インチ以下)の厚さを有し得る。
【0063】
[0069]図5Bに示されている例示的な実施形態では、二次層104は、薄紙表面128を含み得る。薄紙表面128は、衝突面100の内側表面108を含み得、且つ基材112に取り付けるように構成され得ると考えられる。薄紙表面128は、0.002インチ又はそれ未満(すなわち、0.002インチ以下)の厚さを有し得る。
【0064】
[0070]薄紙フェーシング128は、電気絶縁及び耐久性を衝突面100に付加することができると考えられる。薄紙表面は、軽量であり得、且つ接着剤適合性を含み得るとさらに考えられる。薄紙表面128は、チタン及び/又はタンタル粉末で充填されたポリウレタン樹脂又はポリイミド樹脂でドープされ得る。
【0065】
[0071]接着剤106は、一次層102を二次層104に取り付けるように構成されている。上記のように、接着剤106は、1つ又は複数の副層を他の副層に取り付けるようにさらに構成されている。接着剤106は、連続層、離散点、又は一連の離散点であり得る。
【0066】
[0072]接着剤106は、火災抑制接着剤であると考えられる。例示的な実施形態では、接着剤106は、水性結合剤溶液に溶解された少なくとも1種の無機可溶性塩を含む。無機可溶性塩は、水和ホウ素含有化合物、水和硫酸塩化合物、様々な水和リン酸塩、及び水和ケイ酸塩、並びにそれらの混合物などの塩であり得るが、これらに限定されることはない。好ましい実施形態では、塩は、ケイ酸ナトリウム(NaSiO、水ガラスとしても知られている)である。
【0067】
[0073]理論によって縛られることを望むものではないが、少なくとも1種の可溶性塩は、無機塩に結合した少なくとも1種の水分子を含有し、且つ加熱されると脱水又は分解によって水を放出すると考えられる。接着剤106は、熱伝達に対するバリアを生成し、加熱後に化学反応を起こし、それによって、水を形成し、冷却して火災を抑制する。この化学反応中に、熱が吸収され、水蒸気が放出され、それによって、冷却効果がもたらされる。したがって、接着剤106は、難燃性接着剤ではなく、可燃性接着剤として機能し得る。
【0068】
[0074]2種以上の塩が使用される場合、追加的な塩(又は複数の塩)は、より高い水放出閾値温度を有し得る。一定の温度範囲にわたって接着剤から水分子が連続的に放出されることが望ましい。
【0069】
[0075]衝突面100の成功に必須ではないが、接着剤106は、接着剤106が塗布される層又は副層に浸透するか、又は部分的に浸透し、それによって、層又は副層に含浸すると考えられる。
【0070】
[0076]ケイ酸ナトリウムは、接着剤と火災及び/又は熱バリアとの組合せとして機能する塩として用いられ得るが、ケイ酸ナトリウムの取り扱い特性、並びに/又は得られる衝突面の機械的特性及び/若しくは耐火災性及び耐熱性をさらに向上させるために、適合性のある無機材料がケイ酸ナトリウムに添加され得る。添加剤は、ケイ酸ナトリウム溶液に可溶であるべきであるか、混和性であるべきであるか、若しくは懸濁しているべきであり、且つケイ酸ナトリウムと非反応性であるべきであるか、又はケイ酸ナトリウムと反応性である場合、得られる反応生成物(複数可)は、発泡性であるべきである。例えば、ケイ酸ナトリウムにヒュームドシリカを添加すると、ケイ酸ナトリウムの結晶化温度及びケイ酸ナトリウムから製造された衝突面の耐火災性(燃焼温度)が上昇するため、添加剤はヒュームドシリカであり得る。
【0071】
[0077]他の無機塩及び酸化物、例えば、酸化第二鉄、酸化チタン、アルミニウム三水和物、スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、三酸化アンチモン及び五酸化アンチモン、雲母、カーボンブラック又はグラファイトなどの炭素材料、並びに例として示されている前述のもののうちの1つ又は複数の混合物は、前述の基準のうちの一部又は全てを満たしており、本発明に従って有用である。
【0072】
[0078]接着剤106は、発泡性材料、膨張性グラファイト、金属粉末(例えば、チタン、タンタル、及び/若しくは鉄)、ポリウレタン、ポリイミド、アクリル、アクリレート、シリコーン、熱可塑性フィルム、熱可塑性スクリム/ウェブ、又はその他の適切な成分及びそれらの混合物などの他の成分をさらに含み得るが、これらに限定されることはない。例えば、金属粉末は、接着剤内に分散され得る。
【0073】
[0079]接着剤106は、フッ化水素酸に対する耐久性をもたらし得ると考えられる。特定のリチウムイオンバッテリが、このバッテリが壊滅的な熱的事象を受ける場合にフッ化水素酸(例えば、液体、蒸気、又は気体の形態)を放出することは珍しいことではない。ケイ酸ナトリウムは、強塩基性であり、放出されたフッ化水素酸と反応してこれを中和し得るため、接着剤106の塩としてのケイ酸ナトリウムは、そのような利益を提供し得ると考えられる。
【0074】
[0080]上記のように、衝突面100は、一次層102が基材112に接着されるように単層構造として使用され得るか、又は衝突面100は、一次層102が二次層104に接着され、且つ層が基材112に接着されるように、多層構造として使用され得る。代替的な実施形態では、衝突面100は、一次層102が基材112に機械的に固定されるように単層構造として使用され得るか、又は衝突面100は、一次層が第2の層104に接着され、且つ層が基材112に機械的に固定されるように、多層構造として使用され得る。機械的固定具は、ボルト、ネジ、リベット、又はその他の適切な機械的固定具を含むが、これらに限定されることはない。機械的固定具は、鋼、チタンなどであるがこれらに限定されることはない材料を含み得ると考えられる。
【0075】
[0081]全ての実施形態で、衝突面100は、基材112の最小限の変更又は再設計を伴って使用され得ると考えられる。これによって、有利には、コストのかかる研究開発及び/又は製品の再認証コストの必要性がなくなる。
【0076】
[0082]先に定義した要素(例えば、第1の層102、第2の層104、接着剤106など)の修正及び最適化によって、衝突面100は、幅広い種類の用途で幅広い種類の基材112と組み合わせて使用され得ると考えられる。衝突面100は、成形可能であり得、且つ複数の方法によって接着又は機械的に固定され得ると考えられる。衝突面100は、敏感な封じ込め材料と組み合わせて使用され得ると考えられる。基材112は、耐火災性の増加及び保護能力の増加をもたらすための既存の火炎バリアであり得ると考えられる。
【0077】
[0083]上記の衝突面の以下の使用が考えられるが、衝突面は、列挙されている使用に決して限定されることはない。
【0078】
[0084]輸送コンテナ
【0079】
[0085]図6に示されている例示的な使用では、衝突面100は、輸送コンテナが基材112であるように、輸送コンテナと組み合わせて使用され得る。輸送コンテナは、様々な製品、材料などの輸送、保管、及び/又は取り扱いに使用されるコンテナとして定義され得る。輸送コンテナは、任意の形状であり得、任意の材料(例えば、鋼、アルミニウム、繊維強化ポリマーなど)で作製され得る。
【0080】
[0086]例えば、基材112は、輸送コンテナであり得、衝突面100の内側表面108は、輸送コンテナの複合外板に取り付けるように構成され得る。
【0081】
[0087]さらに、基材112は、輸送コンテナの可撓性織布ロールアップドアであり得、衝突面100の内側表面108は、輸送コンテナの可撓性織布ドアに取り付けるように構成され得る。
【0082】
[0088]輸送コンテナへの衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0083】
[0089]航空機
【0084】
[0090]図7に示されている別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、航空機の外板が基材112であるように、航空機と組み合わせて使用され得る。例示的な航空機は、民間航空機(例えば、飛行機、ヘリコプタなど)、貨物航空機、軽量スポーツ航空機、軍用/戦闘機などを含む。
【0085】
[0091]衝突面は、航空機に関連する様々な表面(すなわち、「外板」)に取り付けられ得る。例えば、基材112は、航空機であり得、衝突面100の内側表面108は、航空機の貨物室の内表面に取り付けるように構成されており、14 CFR 25.853 Part III,Boeing BSS 7323,Airbus AITM 2.0010,FAA Fire Test Handbook Chapter 8の規制最低温度能力超に温度耐久能力を増加させながら従来の「貨物ライナー」に置き換わることができる。貨物室への衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0086】
[0092]別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝撃面100は、複合外装パネルが受け得る温度を外装自体の劣化温度よりも低下させるために使用され得る。具体的には、衝突面100は、民間航空機のファンブレード格納システムで使用され得、ここでは、温度が十分に高いため、金属製格納体、及び/又は温度絶縁と従来の複合外装との組合せが用いられる。
【0087】
[0093]バッテリエンクロージャ(電気車両)
【0088】
[0094]図8に示されている別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、バッテリエンクロージャが基材112であるように、電気又はハイブリッド自動車に含まれるバッテリエンクロージャなどのバッテリエンクロージャと組み合わせて使用され得る。例えば、基材は、複合又は金属製バッテリエンクロージャの内部表面を形成し得、衝突面100の内側表面108は、バッテリの外向き外部表面に向けられ得る。同様に、本発明は、バッテリエンクロージャ内に格納セルを構築し得るか、又は電気若しくはハイブリッド車両の使用のために組み立てられたバルクリチウムイオンバッテリの安全な輸送、保管、及び取り扱いを提供するための独立型構造でさえあり得る。同様に、本発明は、バッテリの熱暴走を引き起こす可能性のある酷使的な衝撃及び穿刺から車両の内部(例えば、バッテリ)を保護する複合スキッドプレート又はスポールライナーに取り付けられ得る。
【0089】
[0095]衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0090】
[0096]バッテリエンクロージャ(弾道ガトリングガン(Ballistic Gatling gun))
【0091】
[0097]同様に、別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、バッテリエンクロージャが基材112であるように、電動弾道ガトリングガンのためのバッテリエンクロージャと組み合わせて使用され得る(例えば、図8を参照)。例えば、基材は、複合又は金属製バッテリエンクロージャの内部表面を形成し得、衝突面100の内側表面108は、バッテリの外向き外部表面に向けられ得る。同様に、本発明は、バッテリエンクロージャ内に格納セルを構築し得るか、又は電動弾道ガトリングガンの使用のために組み立てられたリチウムイオンバッテリの安全な輸送、保管、取り扱い、及び使用を提供するための独立型構造でさえあり得る。ガトリングガンバッテリエンクロージャへの衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0092】
[0098]衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0093】
[0099]バッテリエンクロージャ(電気垂直離着陸(eVTOL)車両)
【0094】
[00100]同様に、別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、バッテリエンクロージャが基材112であるように、eVTOL車両のバッテリエンクロージャと組み合わせて使用され得る(例えば、図8を参照)。例えば、基材は、複合又は金属製バッテリエンクロージャの内部表面を形成し得、衝突面100の内側表面108は、バッテリの外向き表面に向けられ得る。同様に、本発明は、バッテリエンクロージャ内に格納セルを構築し得るか、又はeVTOLの使用のために組み立てられたリチウムイオンバッテリの安全な輸送、保管、取り扱い、及び利用を提供するための独立型構造でさえあり得る。
【0095】
[00101]衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0096】
[00102]バッテリエンクロージャ(電気制御及び/又は推進弾道ミサイル及び兵器)
【0097】
[00103]同様に、別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、バッテリエンクロージャが基材112であるように、電気制御及び/又は推進弾道ミサイル及び兵器のためのバッテリエンクロージャと組み合わせて使用され得る(例えば、図8を参照)。例えば、基材は、複合又は金属製バッテリエンクロージャの内部表面を形成し得、衝突面100の内側表面108は、バッテリの外向き外部表面に向けられ得る。同様に、本発明は、バッテリエンクロージャ内に格納セルを構築し得るか、又は電気制御及び/若しくは推進弾道ミサイル及び兵器のために組み立てられたリチウムイオンバッテリの安全な輸送、保管、取り扱い、及び使用を提供するための独立型構造でさえあり得る。
【0098】
[00104]衝突面100の取り付けは、接着剤(例えば、接着剤106)又は機械的固定手段を介したものであり得る。
【0099】
[00105]コンピュータサーバ/データルーム
【0100】
[00106]別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、バックアップシステムで使用されるバッテリを含むコンピュータサーバ/データルームと組み合わせて使用され得る。例えば、基材は、複合又は金属製バッテリエンクロージャの内部表面を形成し得、衝突面100の内側表面108は、バッテリの外向き外部表面に向けられ得る。同様に、本発明は、バッテリエンクロージャ内に格納セルを構築し得るか、又はバックアップシステムで使用されるバッテリを含むコンピュータサーバ/データルームのために組み立てられたリチウムイオンバッテリの安全な輸送、保管、利用、及び取り扱いを提供するための独立型構造でさえあり得る。同様に、本発明は、バッテリの充電及び保管が生じ得るガレージ又は他の保管室のための追加的な防火災バリアを形成する基材を提供するために、一般的な建築材料に塗布され得る。
【0101】
[00107]電動船舶及び推進システム
【0102】
[00108]別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、電動船舶及び推進システムと組み合わせて使用され得る。例えば、基材は、複合又は金属製バッテリエンクロージャの内部表面を形成し得、衝突面100の内側表面108は、バッテリの外向き外部表面に向けられ得る。同様に、本発明は、バッテリエンクロージャ内に格納セルを構築し得るか、又は電動船舶及び推進システムのために組み立てられたリチウムイオンバッテリの安全な輸送、保管、利用、及び取り扱いを提供するための独立型構造でさえあり得る。
【0103】
[00109]補助電源ユニット(APU)サラウンド又はAPUバッテリエンクロージャ
【0104】
[00110]別の例示的な使用では、本発明の例示的な実施形態によると、衝突面100は、航空機と組み合わせて使用され得る。例えば、基材100は、内表面108でライニングされ得る航空機補助電源ユニット(APU)サラウンド又はAPUバッテリエンクロージャであり得る。衝突面108は、内側に向けられていてもよく、規制最低値超に温度耐久能力を増加させ、且つ構造劣化を引き起こすほど熱い温度から周囲の従来の格納構造を保護しながら、APUサラウンド又はAPUバッテリエンクロージャの内表面を火炎焼入れする。
【実施例
【0105】
[00111]実施例1
【0106】
[00112]この実施例では、4つの火炎バリアサンプルを調製及び試験した。
【0107】
[00113]サンプル1は、5ミル(0.005インチ)の金属箔層からなっていた。サンプル2は、2ミル(0.002インチ)の金属箔層からなっていた。サンプル3は、1ミル(0.001インチ)の金属箔層からなっていた。サンプル4は、1/2ミル(0.0005インチ)の金属箔層からなっていた。金属箔層は、上記のような金属箔層118に対応する。サンプル1~4を15分間にわたって標準的な2750゜Fのトーチ試験にかけた。サンプル1~4は全て、厚さに関係なく同一の裏面温度低下をもたらした。
【0108】
[00114]次いで、サンプル1~4を、これらを転がしてボールにし、次いで、平らにし、標準的な試験を繰り返すことによって「酷使」したが、性能に変化はなかった。
【0109】
[00115]次いで、サンプル2~4をキルンで6時間の2000゜Fでのソークにかけ、次いで、標準的な試験にかけ、放置して周囲温度に戻し、第2の標準的な試験に戻した。性能の変化は観察されなかった。
【0110】
[00116]このレベルの性能(燃焼の繰り返し、燃焼前の温度でのソーク、燃焼前の酷使)は、一般的ではなく、より薄い厚さ及びより高い性能が実現可能であることを示す。
【0111】
[00117]実施例2
【0112】
[00118]この実施例では、7つの火炎バリアサンプルを調製及び試験した。
【0113】
[00119]サンプル5(比較例)は、ステンレス鋼箔層及びアラミド強化熱硬化性積層体層からなっていた。サンプル6(比較例)は、バーミキュライト被覆繊維ガラス層(0.080インチの厚さ)からなっていた。サンプル7(比較例)は、シリカ織布層からなっていた。サンプル8(比較例)は、不織シリカ層からなっていた。サンプル9(比較例)は、スーパー77ボンド接着剤で接着された、アラミド強化熱硬化性積層体層、ステンレス鋼箔層、及び不織シリカ層からなっていた。
【0114】
[00120]サンプル5~9を270秒間の期間にわたって2,500゜F点負荷火炎暴露で試験した。これらの試験結果を表1に示す。
【表1】
【0115】
[00121]サンプル5~9はそれぞれ、不合格の結果を示した。サンプル5は、試験を通して燃料源として特定のアラミド織物を導入したことを理由に不合格となり、サンプルの境界から火炎を噴出させた。サンプル6~8は、火炎の貫通を許し、したがって、不合格であった。サンプル9は、燃料を生じさせて火炎反応にエネルギーを加えて燃焼貫通(burn-through)及び/又は他の不合格基準を引き起こす接着剤を理由に、不合格となった。これらのサンプルは、リチウムイオンバッテリの故障を示す高温に耐えることができない。
【0116】
[00122]サンプル10及び11は、上記の衝突面の例示的な実施形態を包含していた。サンプル10は、連続層としてのアラミド強化熱硬化性積層体層、ステンレス鋼箔層、炭素層、及び不織シリカ層からなっていた。サンプル11は、連続層としてのアラミド強化熱硬化性積層体層、炭素層、ステンレス鋼箔層、及び不織シリカ層からなっていた。
【0117】
[00123]サンプル10及び11を240秒の期間にわたって2,500゜F点負荷火炎暴露で試験した。これらの試験結果を図9に示す。
【0118】
[00124]サンプル10及び11はそれぞれ、合格の結果を示した。サンプル10及び11は、2,500゜Fの火炎への15分間の暴露が可能である。個々の材料は、不合格の結果を示したが(表1を参照)、正しく組み合わされると(例えば、サンプル10及び11)、材料は、望ましい機械的特性を維持しながら、高温耐性火炎バリアを生成するための、材料の最も有利な特色を互いに示し得る。
【0119】
[00125]本明細書で開示されている実施形態の修正は、特定のセットの設計基準を満たすように行われ得ると理解されるべきである。例えば、成分又はパラメータの数又は構成は、特定の目的を満たすために使用され得る。
【0120】
[00126]説明されている実施例及び実施形態の多くの修正及び変形がこの開示の先の教示に照らして可能であることは、当業者に明らかであろう。開示されている実施例及び実施形態は、例示の目的のみで提示されている。他の代替的な実施形態は、本明細書で開示されている様々な実施形態の特徴の一部又は全てを含み得る。例えば、個別に又は実施形態の一部として説明されている特定の特徴を個別に説明されている他の特徴、又は他の実施形態の一部と組み合わせることができると考えられる。したがって、本明細書で説明されている様々な実施形態の要素及び動作を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。
【0121】
[00127]本発明の最大の広さ(fullbreadth)が与えられるべき本発明の真の範囲内に入り得る全てのそのような修正及び代替的な実施形態を網羅することを意図している。さらに、値の範囲の開示は、端点を含むその範囲内のあらゆる数値の開示である。したがって、デバイス、並びにデバイスを作製及び使用する方法の特定の例示的な実施形態を本明細書で論じ、例示してきたが、本発明は、これらに限定されるのではなく、以下のクレームの範囲内で他の方法で様々に具現化及び実践され得ると明確に理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】