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特表2024-543289詰め物製品からダウンを回収するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】詰め物製品からダウンを回収するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 7/01 20060101AFI20241114BHJP
   B07B 7/04 20060101ALI20241114BHJP
   D01G 11/04 20060101ALI20241114BHJP
   B02C 18/00 20060101ALI20241114BHJP
   B02C 18/02 20060101ALI20241114BHJP
   B02C 18/06 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B07B7/01
B07B7/04
D01G11/04
B02C18/00 101Z
B02C18/00 106A
B02C18/00 106B
B02C18/00 106C
B02C18/02
B02C18/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578117
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022071811
(87)【国際公開番号】W WO2023088585
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】102021000029264
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514038672
【氏名又は名称】モンクレール ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】カルステン シュティーネマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュティーネマン
(72)【発明者】
【氏名】達磨 弘太郎
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ ルフィニ
【テーマコード(参考)】
3B151
4D021
4D065
【Fターム(参考)】
3B151AB02
3B151AB06
3B151AC11
4D021FA02
4D021GA08
4D021GA12
4D021GA22
4D021GB02
4D021HA01
4D065CA01
4D065CA05
4D065EB20
(57)【要約】
本発明は、ダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための方法及び装置に関する。本方法及び装置は、
詰め物製品を細断するように適合された裁断するステップと、
それに続いて、ダウンの少なくとも一部を細断された材料から分離させるため、細断された材料を、少なくとも1つの第1分離チャンバ(3、4)の内側で、機械的に撹拌するステップと、
ダウンを吸引するステップであって、第1分離チャンバ(3、4)で、かつ第1分離チャンバ(3、4)の上流及び/又は下流でも、実行される、吸引するステップと、
少なくとも1つの容器(71-73)内に吸引されたダウンを収集するステップと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服、掛け布団、枕、及びそれらに類する物品等であるダウンを詰められた詰め物製品(10)からダウンを回収するための方法であって、入口部(11)にあるダウンを詰められた少なくとも1つの詰め物製品(10)を、搬送ライン(12)に供給するステップを含む、方法において、前記方法が、
細断された材料を得るべく、少なくとも1つの前記詰め物製品(10)を細断するように適合された、裁断するステップであって、前記細断された材料の中では、前記ダウン(13)は、生地、縫製糸、ジップファスナ、ボタン、及びそれらに類する、当初の前記詰め物製品(10)の他の構成要素のデブリ(14)と混合されており、前記細断された材料は、続いて前記搬送ライン(12)に沿って前進させられる、裁断するステップと、
前記細断された材料を、前記搬送ライン(12)に沿った少なくとも1つの第1分離チャンバ(3、4)の内側で、機械的に撹拌するステップであって、前記機械的に撹拌するステップは、前記ダウンの少なくとも一部を、前記細断された材料から分離させるように適合された、機械的に撹拌するステップと、
分離された前記ダウンを吸引するステップであって、前記吸引するステップは、前記第1分離チャンバ(3、4)で、かつ前記第1分離チャンバ(3、4)の上流及び/又は下流で、実行される、吸引するステップと、
少なくとも1つのダウンの収集容器(71-73)内に、吸引された前記ダウンを収集するステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記第1分離チャンバ(3、4)から到着した前記細断された材料からダウンを分離させるため、前記細断された材料を、少なくとも1つの第2分離チャンバ(4、5)の内側で、機械的に撹拌する二次的なステップを含み、前記吸引するステップは、前記第2分離チャンバ(4、5)にも適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細断された材料は、重力によって、前記第2分離チャンバ(4)内へと、又は、前記搬送ライン(12)に沿った前記第2分離チャンバ(4)の下流の第3分離チャンバ(5)内へと、落下させられ、前記落下の間、前記細断された材料は、前記第2分離チャンバ又は前記第3分離チャンバの内部に設けられた障害表面(55)に対して衝突して追加のダウン(13)を放出し、前記吸引するステップは、任意である前記第3分離チャンバ(5)にも適用される、請求項1から2のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項4】
前記ダウンの前記吸引するステップは、前記裁断するステップの間にも、前記第1分離チャンバ(3)の上流に配置された裁断ステーション(2)で適用される、請求項1から3のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンを収集するステップは、前記第1分離チャンバ(3)の上流で吸引された前記ダウンと、少なくとも前記第1分離チャンバ及び/又は前記第2分離チャンバ内で吸引された前記ダウンと、を異なる収集容器(71-73)内へと搬送することを提供する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、少なくとも1つの第1の前記収集容器(71)の内容物を、前記搬送ライン(12)の、前記第1分離チャンバ(3、4)の上流又は前記第2分離チャンバ(4、5)の上流にある点まで移送するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項7】
前記裁断するステップは、第1の、ギロチン式の細断するステップと、それに続く、第2の、回転式の裁断するステップと、を含む、請求項1から6のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項8】
前記機械的に撹拌するステップは、前記第1チャンバ及び/又は前記第2チャンバ内で、実質的に水平方向の回転軸を有する少なくとも1つの叩解用ローラ(33a、33b、33c、43)を用いて実行される、請求項1から7のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項9】
衣服、掛け布団、枕、又はそれらに類する物品等であるダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための装置(1)であって、前記装置(1)は、ダウンを詰められた詰め物製品(10)を供給するための入口部(11)と、搬送ライン(12)と、前記入口部(11)で供給された前記詰め物製品(10)から回収された前記ダウンを収集するための少なくとも1つの出口部(71、72、73)と、を備える、装置(1)において、前記装置(1)が、前記搬送ライン(12)に沿って、
前記入口部(11)から前記詰め物製品(10)を受け取り、それらを裁断し、かつ、前記裁断の結果として細断された材料を前記搬送ライン(12)上に放出する、ように適合された、少なくとも1つの裁断ステーション(2)と、
少なくとも1つの前記裁断ステーション(2)の下流に、前記細断された材料のための少なくとも1つの機械的撹拌機(33a、33b、33c、43)を備えた少なくとも1つの第1分離チャンバ(3、4)と、を備え、少なくとも1つの前記機械的撹拌機(33a、33b、33c、43)は、前記ダウン(13)の少なくとも一部を前記細断された材料から分離させるように適合されていることを特徴とし、
前記装置(1)はさらに、前記装置(1)が、
前記細断された材料から分離された前記ダウン(13)を吸引し、かつそれを少なくとも1つの収集容器(71-73)に向かって搬送するために、前記搬送ライン(12)に沿って配置された吸引ポート(80、82、84a-84c、87)に接続された吸引手段(6)を備え、前記吸引ポート(80、82、84a-84c、87)は、前記第1分離チャンバ(3、4)に、かつ前記搬送ライン(12)に沿って前記第1分離チャンバ(3、4)の上流及び/又は下流に、配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項10】
前記装置が、前記搬送ラインに沿った前記第1分離チャンバ(3、4)の下流に、前記第1分離チャンバ(3、4)から到着した前記細断された材料を前記搬送ライン(12)を介して受け取るように適合された、少なくとも1つの第2分離チャンバ(4、5)を備え、前記第2チャンバ(4、5)は、前記吸引手段(6)により、前記第1分離チャンバ(3、4)から到着した前記細断された材料から追加のダウン(13)を吸引するため、少なくとも1つのそれぞれの吸引ポート(84a-84c、87)に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2分離チャンバ(4)は、前記細断された材料のための第2機械的撹拌機(43)を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、前記第2分離チャンバ(4)の下流に、第3分離チャンバ(5)をさらに備え、前記第3分離チャンバ(5)の内部において、前記第2分離チャンバ(4)から到着した前記細断された材料が、重力によって、前記第3分離チャンバ(5)の内部にある障害表面(55)に対して落下させられ、前記落下の間、前記細断された材料は、前記障害表面(55)に対して衝突して追加のダウン(13)を放出し、前記第3分離チャンバ(5)は、前記吸引手段(6)に接続されており、かつ、重力によって落下した前記細断された材料の残存物(14)の流出のための出口部(52)を備えている、請求項10から11のいずれか一項又は複数項に記載の装置。
【請求項13】
前記障害表面(55)は、実質的に前記出口部に向かって傾斜しており、前記第3分離チャンバ(5)は、少なくとも1つの第3機械的撹拌機(53)をさらに備えている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの前記裁断ステーション(2)は、前記吸引手段(6)に接続されており、前記裁断の結果として分離されたダウン(13)を吸引する、請求項9から13のいずれか一項又は複数項に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの前記裁断ステーションは、好ましくはギロチン型である予備的裁断ステーション(21)と、前記予備的裁断ステーション(21)の下流の回転式裁断ステーション(24)と、を備え、前記吸引手段(6)は、前記回転式裁断ステーションに接続されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記装置が、前記吸引手段(6)によって吸引された前記ダウン(13)の選択的な搬送のための手段(8)を備え、前記搬送のための手段(8)は、前記搬送ラインの所定の点の上流及び下流で吸引された前記ダウンを、それぞれの収集容器(71-73)の中に、分離して搬送するように構成されていることを特徴とする、請求項9から15のいずれか一項又は複数項に記載の装置。
【請求項17】
前記機械的撹拌機は、実質的に水平方向の回転軸を有する叩解用ローラ(33a-33c、43)を備える、請求項9から16のいずれか一項又は複数項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1分離チャンバ(3)は、段階的クリーナ(30)を備え、前記段階的クリーナ(30)は、前記吸引手段(6)に接続された少なくとも1つのそれぞれのポート(82)に結合されたそれぞれのフード(37)によって上部領域を閉鎖されている、請求項9から17のいずれか一項又は複数項に記載の装置。
【請求項19】
前記第1分離チャンバ(3、4)又は任意である前記第2分離チャンバ(4)は、スパイク付きローラ(43)を備え、前記スパイク付き前記ローラ(43)は、実質的に水平方向の回転軸を有し、かつ、前記吸引手段(6)に接続された少なくとも1つのそれぞれのポート(84a-84c)に結合されたそれぞれのフード(47)によって上部を覆われ、前記フード(47)は、少なくとも1つのそれぞれの前記ポート(84a-84c)と前記スパイク付き前記ローラ(43)によって占められた容積の間に、前記細断された材料から分離された前記ダウンが前記スパイク付き前記ローラの回転を用いて放出される、閉鎖自由空間を画定し、前記スパイク付き前記ローラは、好ましくは、長手ブレードであって、前記スパイクが前記長手ブレードの間に置かれている、長手ブレードを備えている、請求項9から18のいずれか一項又は複数項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウンを、特にグースダウン又はダックダウンを詰められた詰め物製品であって、例えば衣服、掛け布団、枕、及びそれらに類する物品等である、ダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための方法及び対応する装置に関する。
【0002】
現在、ダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための自動化されたシステムが知られている。それらのシステムは、各種構成要素を再利用するためであり、かつ、特に、ダウンを、新しい詰め物製品に再使用するためである。
【0003】
しかしながら、ダウンを品質を高く保ちつつ抽出するという課題、特に、生地又はそれに類する異物の割合を低く保ちつつ、例えば重量にして0.5%以下を保ちつつ、抽出するという課題については、効果的な解決方法が発見されていない。
【0004】
さらに、異種の詰め物製品から、即ち、詰め物製品ごとに異なる生地及び/又は糸で作製された製品から、高品質のダウンを抽出するという課題についても、解決方法が発見されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目標は、その後の再利用を目的として、ダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための方法及び装置であって、上記の側面の1つ以上において先行技術を改善することができる、方法及び装置を提供することである。
【0006】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、回収方法の間の、当初の詰め物製品のデブリからのダウンの分離を改善することである。
【0007】
他の目的は、当初の詰め物製品を構成する材料からは実質的に独立して存在する、ある程度の高い純度を有したダウンであって、特に、ダウンを詰められた衣服の物品において典型的に使用されるそのような詰め物製品の生地及び/又は糸(例えば、ウール、綿、ポリエステル)の静電気的なふるまいからは実質的に独立して存在する、ある程度の高い純度を有したダウンを、回収することである。
【0008】
さらに、本発明の目的は、本方法の間に、異なる程度の純度を有するダウンを分離して収集することである。
【0009】
本発明の他の目的は、回収方法の間、抽出されたダウンの純度の程度が不満足なものである場合には、抽出されたダウンの純度の程度を向上させることを可能にすることである。
【0010】
さらに、本発明は、既存のあらゆる解決方法に代わるような方法で、背景技術の欠点を克服しようとしている。
【0011】
本発明の他の目的は、信頼性が高く、実施が用意であり、かつ低コストの、回収方法及び対応する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以後本明細書でより明らかになる、この目標、ならびにこれらの目的及び他の目的は、以下の方法によって達成される。衣服、掛け布団、枕、及びそれらに類する物品等であるダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための方法であって、入口部にあるダウンを詰められた少なくとも1つの詰め物製品を、搬送ラインに供給するステップを含む、方法において、上記方法が、
細断された材料を得るべく、少なくとも1つの上記詰め物製品を細断するように適合された、裁断するステップであって、上記細断された材料の中では、上記ダウンは、生地、縫製糸、ジップファスナ、ボタン、及びそれらに類する、当初の上記詰め物製品の他の構成要素のデブリと混合されており、上記細断された材料は、続いて上記搬送ラインに沿って前進させられる、裁断するステップと、
上記細断された材料を、上記搬送ラインに沿った少なくとも1つの第1分離チャンバの内側で、機械的に撹拌するステップであって、上記機械的に撹拌するステップは、上記ダウンの少なくとも一部を、上記細断された材料から分離させるように適合された、機械的に撹拌するステップと、
分離された上記ダウンを吸引するステップであって、上記吸引するステップは、上記第1分離チャンバで、かつ上記第1分離チャンバの上流及び/又は下流で、実行される、吸引するステップと、
少なくとも1つのダウンの収集容器内に、吸引された上記ダウンを収集するステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【0013】
本発明による方法は、オプションとして、従属請求項に記載の特徴を1つ以上備えることができる。
【0014】
本発明の目標及び目的は、以下の装置によっても、同様に達成される。衣服、掛け布団、枕、又はそれらに類する物品等であるダウンを詰められた詰め物製品からダウンを回収するための装置であって、上記装置は、ダウンを詰められた詰め物製品を供給するための入口部と、搬送ラインと、上記入口部で供給された上記詰め物製品から回収された上記ダウンを収集するための少なくとも1つの出口部と、を備える、装置において、上記装置が、上記搬送ラインに沿って、
上記入口部から上記詰め物製品を受け取り、それらを裁断し、かつ、上記裁断の結果として細断された材料を上記搬送ライン上に放出する、ように適合された、少なくとも1つの裁断ステーションと、
少なくとも1つの上記裁断ステーションの下流に、上記細断された材料のための少なくとも1つの機械的撹拌機を備えた少なくとも1つの第1分離チャンバと、を備え、少なくとも1つの上記機械的撹拌機は、上記ダウンの少なくとも一部を上記細断された材料から分離させるように適合されていることを特徴とし、
上記装置はさらに、上記装置が、
上記細断された材料から分離された上記ダウンを吸引し、かつそれを少なくとも1つの収集容器に向かって搬送するために、上記搬送ラインに沿って配置された吸引ポートに接続された吸引手段を備え、上記吸引ポートは、特に、上記第1分離チャンバに、かつ上記第1分離チャンバの上流及び/又は下流に、配置されていることを特徴とする、装置。
【0015】
本発明による装置は、オプションとして、従属請求項に記載の特徴を1つ以上備えることができる。
【0016】
本発明のさらなる特徴及び有利な点は、好ましいが排他的ではない、本発明の実施形態の記述からより明らかになるだろう。そのような本発明の実施形態は、添付の図面の非限定的な例を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明による装置を示している。
図2図2は、図1の装置の上方からの平面図である。
図3図3は、傾斜を有するコンベアを下流に有する、図1の装置の第1分離チャンバの部分断面図を含む。
図4図4は、前図の第1チャンバの断面図であり、ダウン及びデブリの流れが示されている。
図5図5は、図1の装置の第2分離チャンバの部分断面図である。
図6図6は、前図の第2チャンバの断面図であり、ダウン及びデブリの流れが示されている。
図7図7は、図1の装置の第3分離チャンバの断面図であり、ダウン及びデブリの流れが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図を参照すると、一般的に参照符号1で指定されている本発明による装置は、特に、例えば衣服、掛け布団、枕、及びそれらに類する物品等であるダウンを詰められた詰め物製品10から、ダウンを、特にグースダウン又はダックダウンを、回収することに向けられている。
【0019】
そのような当初の詰め物製品10は、図においては概略的にジャケットの形態で示されているが、実質的には、ダウンを、特にグースダウン又はダックダウンを充填された布製バッグであり、かつ、縫目を備えており、かつ、ジップファスナ、ボタン、ベルト、トリム、コード、又はそれらに類する、オプションの縫製用品又は小間物を備えている。
【0020】
装置1は、これらの詰め物製品10を供給するための入口部11と、入口部11内へと供給された詰め物製品10から本発明によって回収されたダウンを収集するための、少なくとも1つの出口部と、を有する搬送ライン12を備えている。図示された実施形態においては、そのような収集用出口部は3つ存在し、それぞれダウン収集容器71、72、及び73の口によって表されている。
【0021】
詰め物製品10は、有利には、それらのままで、即ち、ジップファスナ及び/又はボタン等のアクセサリを最初に取除くことなく、入口部11に導入されてよい。実際、好ましい実施形態においては、本発明は、これらの種類のアクセサリが比較的重い場合においても、詰め物製品を処理することが可能である。
【0022】
搬送ライン12は、(モータ駆動され、かつ、好ましくは、ダウンの散乱を防止し、かつ安全性を保障するために、覆いの内側に封入されている)コンベアベルトで構成されてよく、以下でよりよく記述される装置1の処理ステーション2、3、4、5が、間に置かれている。
【0023】
搬送される材料を一定の高さまで上昇させ、そしてすぐ下流の処理ステーション内に落下させるために、オプションとして、1つ以上のコンベアベルトが、ライン12の前進方向に傾斜させられて設けられてもよい。このようにして、材料の構成要素の分離に寄与し得る。
【0024】
搬送ライン12に沿った処理ステーションは、少なくとも1つの裁断ステーション2を備える。裁断ステーション2は、詰め物製品10を入口部11から受け取り、それらを細かく裁断し、そして、細断された材料を、搬送ライン12上に、特に、裁断ステーション2を後続の処理ステーションに接続する、裁断ステーション2のすぐ下流のコンベアベルト上に、放出する。
【0025】
裁断ステーション2は、好ましくは、予備的裁断ステーション21と、後続する回転式裁断ステーション24と、を備える。
【0026】
予備的裁断ステーション21は、好ましくは、ギロチン型であり、かつ、その入口部22で(装置1の入口部11に供給された)詰め物製品10を受け取り、かつ少なくとも1つのギロチン刃を用いて、即ち実質的に鉛直方向の運動を用いて、それらを細長い断片(sliver)まで小さくするように適合される。このようにしてスライスされた材料は、それをさらに細断すること、及び、後続のステップのためのより多量のダウン要素を裁断ステーション2の出口部26に配達することを可能にするため、搬送ライン12に沿って、予備的裁断ステーション21の出口部23と回転式裁断ステーション24の入口部25の間を搬送され得る。
【0027】
本明細書では、裁断ステーション2の出口部26に存在する材料は、「細断された材料」と呼称され、かつ、分離されたダウンと、他の残存物(典型的には、糸又は生地の断片)に付着したダウンのクラスタと、ダウンと混合され得る他の材料及びアクセサリ(生地、ジップファスナ、ボタン等)の断片と、を含み得る。
【0028】
搬送ライン12に沿った処理ステーションは、裁断ステーション2の下流にある、1つ以上の分離チャンバ3及び/又は4を含む。分離チャンバの各々は、入ってきた細断された材料からダウンの少なくとも一部を機械的に分離させるように適合された少なくとも1つの機械的撹拌機を備えている。機械的撹拌機の各々は、有利には、水平方向の回転軸を有する、即ち装置1が着座している床面に実質的に平行な軸を有する、少なくとも1つのモータ駆動される叩解用(beating)ローラで構成されている。
【0029】
本発明の一態様によれば、装置1は、吸引手段6も備えている。吸引手段6は、複数の吸引ポートであって、少なくとも1つの分離チャンバに配置された吸引ポートと、搬送ライン12に沿ってその上流及び/又は下流に配置された吸引ポートと、に接続されている。これは、ライン12の幾つかの異なるゾーン及び決定された処理ステーションで、細断された材料から分離されたダウンを上方から吸引するためであり、かつ、そのようなダウンを、例えばビンまたは袋である少なくとも1つのダウン収集容器71、72、73に向かって搬送することを可能にするためである。従って、分離されたダウンの吸引は、第1分離チャンバ、及び搬送ラインに沿った他の位置又は処理ステーション、の両方で実行される。
【0030】
吸引手段6は、例えば空気圧縮機又はファン機、吸引ポンプ又は真空ポンプ、又は吸引ファンである、1つ以上の空気作用による吸引機械61、62、63を備え得る。吸引機械61、62、63の各々は、選択的な搬送のための手段8を介して吸引ポートに接続された吸気ポートと、ダウン収集容器71、72、又は73の口に接続された排気ポートと、を有し得る。
【0031】
選択的な搬送のための手段8は、実質的には、各種管状吸引ダクトで構成され、各種ポートからダウンを搬送するためにそれぞれの収集容器71-73に便利に接続されている。
【0032】
上方からの吸引は、上向きの空気流を導入するよりも有利である。その理由は、上方からの吸引のみを用いることで、デブリ、及び汚染物(contaminant)によって重たくされたダウンをも搬送手段8及び収集容器71-73に向かって送り届けてしまうというリスクが縮減されるからである。
【0033】
吸引機械61-63は、それぞれのキャビネットの内側に配置されており、それらのキャビネットは、ダウン収集容器71-73も格納している。代替的には、吸引機械は、搬送手段8の導管に沿って配置されてもよいし、又は処理ステーション内の吸引ポートに配置されてもよい。
【0034】
好ましい実施形態では、裁断ステーション2の下流に配置された第1分離チャンバ3は、段階的クリーナ30を備えることができる。段階的クリーナ30は、裁断ステーション2から発生する細断された材料を受け取る入口部31と、出口部32であって、ダウンを部分的に取り除かれた細断された材料を、機械的撹拌と吸引手段6による空気吸引の組み合わせを介して搬送ライン12上に放出するための、出口部32と、を有する。
【0035】
出口部32は、好ましくは管の形状で設けられ、段階的クリーナ30と段階的クリーナ30の下流のコンベアベルトの間の空間が閉鎖された状態を保つことができる。
【0036】
段階的クリーナ30は、実質的に水平方向の回転軸を有する複数の叩解用ローラ33a、33b、33cで構成され得る。叩解用ローラ33a、33b、33cは、細断された材料を上昇させるために、かつ、吸引されるダウンから細断された材料を漸次分離させるために、細断された材料の搬送ライン12に沿った前進方向に実質的に垂直な軸を有するように、かつそれぞれ増加された床面からの高さに、配置される。叩解用ローラ33a、33b、33cの回転速度は、350rpmから400rpmの間で構成され得る。
【0037】
叩解用ローラ33a、33b、33cの各々は、複数のベーン35a、35b、35cを備えている。複数のベーン35a、35b、35cは、それぞれのローラの側壁から突出しており、かつ、オプションとしては凹形である叩解用格子(grill)34a-34bの助けを用いつつ、細断された材料の構成要素を分離させるように、かつそれらを前進させるように適合されている。凹形の叩解用格子34a-34bは、少なくとも段階的クリーナ30の第1ローラ33a-33bの回転軸の下方に、ベーン35a-35bの半径方向の広がりよりもわずかに大きな半径方向の距離で、配置されている。叩解用格子34a-34bは、細断された材料が出口部32で詰まることになる可能性を低減させるため、不用の細断された材料が通過できるように適合されるとよい。
【0038】
図示された実施形態では、ベーン35a、35b、35cは、それぞれの叩解用ローラ33a、33b、33cの相互に等間隔に離隔された各種直線母線(straight generatrix)に沿って、一定の間隔で並んで配置されている。
【0039】
図示されてはいない代替的な実施形態では、ベーンは、それぞれの叩解用ローラの側壁に沿って互い違いに(staggered)配置される場合があり、又は、螺旋状ライン(helical line)に沿って並んで配置される場合もある。
【0040】
段階的クリーナ30は、吸引手段6に接続された第1吸引フード37によって上部領域を閉鎖されている。特に、第1フード37は、第1フード37上に配置されたポート82及び選択的な搬送手段8の第1管状吸引導管83を通じて、吸引機械61に接続されている。ポンプ等である第1吸引機械61は、吸気ポートが第1導管83に接続され、かつ排気ポートが第1収集容器71に接続されるように、設けられ得る。
【0041】
第1吸引導管83は、オプションとして、第1分枝81であって、第1吸引機械61の吸気ポートを、搬送ライン12に沿っており、かつ好ましくは第1分離チャンバ3の上流にある、他の吸引ポート80に接続させることを可能にする、第1分枝81を備えてもよい。
【0042】
好ましい実施形態では、回転式裁断ステーション24もまた、有利には回転式裁断及び先行する予備的裁断によって解放されたダウンの一部を吸引するために、例えば上記した第1分枝81に属するポート80を介して吸引手段6に接続されているそれぞれの吸引フード27によって、上部領域を閉鎖されている。
【0043】
この回転式裁断ステーション24でのダウンの吸引はまた、ダウンを細断された材料から回収することに加えて、搬送ライン12に沿って前進している細断された材料の総量を減少させ、そうすることで、細断された材料がライン12を詰まらせてしまうことを防止することにも役立ち得る。
【0044】
詳細には示さないが、代替的な実施形態では、裁断ステーション2の吸引フードは、回転式裁断ステーション24の出口部26に位置させられ、出口部26を上部領域で閉鎖することができる。
【0045】
オプションとしては、予備的裁断ステーション21内でも、上方からの吸引が行われてもよい。
【0046】
裁断ステーション2及び段階的クリーナ30で吸引されたダウンの一部は、残存物に、特に糸又は生地の切れ端によって汚染されている場合がある。この理由のため、吸引の後に第1容器71内に収集されたダウンは、目標等級よりも低い程度の品質を有する場合があり、従って、異なって取り扱われるのがよい。例えば、そのようなダウンが装置1に再導入される場合がある。
【0047】
第1分離チャンバ3の出口部32にある細断された材料は、ダウンのクラスタが依然として付着している、繊維又は非繊維の残存物14(生地の断片、ジップファスナ、ボタン等)を依然として含んでいる。
【0048】
有利には、搬送ライン12に沿って、第1分離チャンバ3の下流に、又は第1分離チャンバ3の代わりに、第2分離チャンバ4が存在し得る。第2分離チャンバ4は、搬送ライン12を介し、その入口部41で、上流のステーションで実行された吸引を経てダウンを部分的に取り除かれたこの細断された材料を受け入れるように適合されている。
【0049】
第2分離チャンバ4は、好ましくは細断された材料の(第2)機械的撹拌機を備えている。該機械的撹拌機は、有利には、モータ駆動される単一の叩解用ローラ43であって、水平方向の回転軸を有し、かつ好ましくはスパイク44を有する種類の、モータ駆動される単一の叩解用ローラ43を備えている。スパイク44は、有利には、叩解用ローラ43の回転軸を中心とした螺旋状ラインに沿って並んで配置されており、スパイク付きローラ43の1つの端に面した第2チャンバ4の入口部41から、スパイク付きローラ43の反対端に面した出口部42への、残存したデブリ14の軸方向の前進を容易にすることもできる。
【0050】
スパイク付きローラ43は、長手ブレード46をさらに備え、長手ブレード46の各々は、回転軸から実質的に半径方向に突出し、かつ、ローラ43の全体の長さに実質的に沿って延びている。互いに角度的に等距離である長手ブレード46は、図示されている例のように、数にして4つ(従って、90度だけ離隔されている)であってよく、かつ、長手ブレード46は、スパイク44の高さに等しいか又はわずかにそれより小さい高さでもって、スパイク44のグループ間の分離壁を画定する。
【0051】
スパイク付きローラ43は、実質的には、好ましくは第1分離チャンバ3の叩解用ローラ33a-33cの回転よりもずっと遅い回転の、機械的撹拌機である。スパイク付きローラ43は、例えば、叩解用ローラ33a-33cの回転速度よりも約1桁小さい大きさの回転速度を、例えば30rpmと50rpmの間で構成され得る回転速度を、有する。
【0052】
スパイク付きローラ43は、有利には、ダウン13を分離させるための下側叩解用表面45(例えば、廃棄物が通過する凹状の格子)と相互作用する。
【0053】
スパイク付きローラ43はさらに、少なくとも1つのそれぞれの上方の吸引ポートに結合された第2フード47によって上部を覆われている。続いて、第2フード47は、吸引手段6及び搬送手段8に接続されている。特に、第2チャンバ4を上方から閉鎖する第2フード47は、上部領域に、複数の吸引ポート84a-84cを有し得る。その結果、第2フード47は、単一の吸引手段62が第2分離チャンバ4内に部分的真空を形成するのに不十分なパワーしか有していない場合には、オプションとして、複数の吸引機械62-63と関連付けられることができる。
【0054】
特に、好ましい実施形態では、第2フード47の上部部分は、2つの端側ポート84a-84b、及びそれらの間に置かれた1つの中央ポート84cに結合されている。2つの端側ポート84a-84bは、それぞれの管状導管85a及び85bを通じて第2吸引機械62に接続され、この管状導管85a及び85bは、第2吸引機械62の吸気ポートに向かう単一のチューブに収束し、このように吸引されたダウンを第2収集容器72に向かって通過させる。中央ポート84cは、代わりに、追加の管状導管85cを通じて第3吸引機械63に接続されており、かつ、このように吸引されたダウンを、第3収集容器73に向かって移送する。
【0055】
第2フード47は、実質的に長方形の底面を有する角錐台のような形状をしていてよく、かつ、ポート84a-84cとスパイク付きローラ43によって占められた容積の間に、大きな(例えば、1300-1700リットルの)閉鎖自由空間を画定する。該閉鎖自由空間内では、細断された材料から連続的に分離されるダウンは、スパイク44によって放出され、かつ、長手ブレード46の連続的な回転を通じて第2フード47内に供給される。
【0056】
第2フード47の壁の間に画定される閉鎖自由空間は、高い比重の構成要素を留めることが困難であるほどに大きいため、従って、軽い要素のみの、即ち汚染の程度が低いダウン13の、吸引を容易にする。
【0057】
フード47のポートを、スパイク44を有するローラから十分に離れた状態に(例えば、ポート84a-84cとそれらに最も近いスパイク44の間を、110cmと150cmの間で構成された距離に)保つことにより、重い要素で汚染されたダウンを吸引してしまう可能性が低減される。
【0058】
第2分離チャンバ4の出口部42にある残存した細断された材料が、第1分離チャンバ3の出口部32にある残存した細断された材料と同様に、他の材料のデブリに付着したダウンを有し得ることを考慮すると、装置1は、有利には第3分離チャンバ5を備え得る。第3分離チャンバ5の内部では、第3分離チャンバ5の内部で放出されたダウンを収集するために、第3チャンバ5内での上方からの吸引を依然として有効な状態に維持しつつ、上流の分離チャンバ(例えば第2チャンバ4)から発生した細断された材料が、重力によって、障害(obstacle)に対して落下させられている。
【0059】
特に、第3分離チャンバ5は、残存した細断された材料を、第2分離チャンバ4の出口部42から第3分離チャンバ5内のより高いレベルまで運ぶために、傾斜させられたクリートを有するコンベア54によって、第2分離チャンバ4に接続され得る。
【0060】
第3分離チャンバ5は、好ましくは、内部障害表面55を備えており、それにより、落下の間、第3チャンバ5の入口部51で受け取られた残存した細断された材料は、そのような障害表面55に衝突し、それによりさらにダウンを放出する。障害表面55は、実質的にはシュート(chute)であり、オプションとしてはステップを有する。即ち、それら障害表面55は、実質的には下向きに傾斜させられており、特に、重力によって落下する細断された材料の残存物14の流出のための底部の出口部52に向かって傾斜させられている。これらの「重い」残存物は、廃棄用のバッグ58内に収集されることができる。
【0061】
第3分離チャンバ5はまた、入口部51から、特にコンベア54の端から落下する細断された材料を捕らえ、そしてダウン13のデブリ14からの分離を改善させるために、オプションとして、第3機械的撹拌機53を、例えば第3チャンバの入口部51に近接して配置された水平方向の回転軸を有するモータ駆動されるシリンダ状のロータである第3機械的撹拌機53を、備えることができる。
【0062】
第3分離チャンバ5の入口部51の上方には、オプションとして、保護スクリーン59であって、コンベア54にまだ載っている細断された材料からの、ダウンの上方向への直接的な吸引を防止するように適合された、保護スクリーン59が配置されてもよい。
【0063】
放出されたダウン13を第3収集容器73内に収集するため、第3分離チャンバ5は、第3吸引フード57によって上部領域で閉鎖され、ポート87が、管状導管86によって第3吸引機械63に接続されている。第2分離チャンバ4のフード47に接続された管状導管85cは、管状導管86から枝分かれさせられていてよい。
【0064】
本発明による方法は、装置1の記述から明らかである。
【0065】
実質的には、本方法は、好ましくは、搬送ライン12の入口部11に配置された詰め物製品10を、縫製のラインがステーション2のギロチン式裁断の方向と平行にならないように縫製のラインを方向づけて、供給するステップを伴う。このようにして、縫製糸の裁断を改善することができる。
【0066】
見てきたように、好ましくは予備的裁断及びそれに続く回転式裁断から成る裁断するステップでは、詰め物製品10は、細断された材料まで小さくさせられる。その細断された材料の中では、ダウン13は、生地、縫製糸、ジップファスナ、ボタン、及びそれらに類する他の構成要素のデブリ14と混合されている。
【0067】
有利には、裁断によって放出されたダウンの第1の部分を収集するために、上方から回転式裁断ステーション24へと吸引が適用される。このダウンは、ライン12から回収可能な最も汚染されたダウンを収容するように定められた第1容器71内に収集されることができる。
【0068】
その後、搬送ライン12に沿った分離チャンバ3-4のそれぞれにおいて、細断された材料を分離させるステップが1つ以上実行される。この分離させるステップは、細断された材料を機械的に撹拌することと上方で適用される吸引することを組み合わせて実行される。
【0069】
機械的に撹拌することは、実質的には、実質的に水平方向の回転軸の周囲で連続的に回転する叩解用ローラ33a-33c、43と、オプションとしては材料がラインの端で分離チャンバ5内に落下するときの衝撃と、によって実行される。一方で、吸引することは、分離チャンバ3、4、5のそれぞれを上方から閉鎖するそれぞれのフード37、47、57によって得られる。
【0070】
フード27、37、47、57は、それぞれのポート及び管状導管を通じて、収集容器71-73に接続されている。従って、搬送ライン12に沿った細断された材料の前進の間、裁断及び叩解作業、ならびにライン12に沿って配置された異なる各種ポートに向かうダウン13の吸引による運動作業を経て、この材料から徐々に分離されるダウンは、吸引手段6及び搬送手段8を用いて、1つ以上の収集容器71-73に向かって選別される。
【0071】
驚くべきことに、搬送ライン12のより下流の分離チャンバでは、より上流のステーションで抽出されるよりも高い程度の純度のダウンが抽出されることが判明している。さらに、この理由によって、ラインに沿ってより下流に配置された分離チャンバから、例えばチャンバ4及び5等の分離チャンバから吸引されたダウンを分離容器へと搬送することが好適であることが、判明している。
【0072】
そのような例では、ダウンの汚染をさらに減少させるため、より上流のステーションによって(例えば、第1チャンバ3によって、かつ/又は回転式裁断ステーション24によって)抽出されたダウンは、オプションとして、搬送ライン12に、例えば最後の分離チャンバ4又は5の上流の搬送ライン12に、移送されてもよい。
【0073】
容器71、72、及び/又は73内に収集されたダウンは、後続する選別するステップ及び洗浄するステップを経ることができる。それら自体は従来のものであり、かつ、そのようなダウンは、新たな詰め物製品(例えば、衣服の物品)内で再度使用することにより、再利用されることができる。
【0074】
実践上、本発明が意図された目標及び目的を完全に達成することは判明している。
【0075】
このような創出された本発明は、多数の修正又は変形が可能であり、それらのすべてが添付された請求項の範囲内である。さらに、すべての細部は、他の技術的に同等な要素で置き換えられ得る。
【0076】
実際上、採用される材料は、特定の用途に適合するものであるという条件で、要件及び技術的状況に従った任意のものであってよく、かつ、偶発的な寸法及び形状も、要件及び技術的状況に従った任意のものであってよい。
【0077】
本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102021000029264号における開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
請求項に記載される技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、請求項の分かりやすさを向上させるという目的のみのために備えられているのであって、従って、そのような参照符号は、そのような参照符号による例示によって特定される各要素の解釈を限定する何らの効果も有しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】