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  • 特表-赤外線ラジエータ 図1
  • 特表-赤外線ラジエータ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】赤外線ラジエータ
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/14 20060101AFI20241114BHJP
   F23D 14/12 20060101ALI20241114BHJP
   F23N 5/08 20060101ALI20241114BHJP
   F23C 9/08 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F23D14/14 F
F23D14/12 A
F23N5/08 A
F23C9/08 402
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506136
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2022084656
(87)【国際公開番号】W WO2023104825
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21213746.7
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508210756
【氏名又は名称】シュヴァンク ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Schwank GmbH
【住所又は居所原語表記】Bremerhavener Str. 43, 50735 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エトガー クライス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ゲンツェル
(72)【発明者】
【氏名】トアステン シュトーラー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス レナー
【テーマコード(参考)】
3K005
3K017
3K065
【Fターム(参考)】
3K005QA03
3K005QB03
3K005QC03
3K017BA06
3K017BB06
3K017BB07
3K017BC06
3K017BF03
3K065TA01
3K065TB04
3K065TC05
3K065TD05
3K065TE01
3K065TL03
3K065TN16
(57)【要約】
本発明は、バーナーおよびブロアを備えた赤外線ラジエータ、特にダークラジエータまたはブライトラジエータに関し、バーナーは、燃焼ガス供給部に接続されており、ブロアは、バーナーに燃焼空気を供給するように構成されており、燃焼ガス供給部は、燃焼ガス源である水素源に接続されており、バーナーによって生成された火炎の少なくとも1つのパラメータを検出するように構成されたUVセンサが配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナーおよびブロアを備えた赤外線ラジエータ、特にダークラジエータまたはブライトラジエータであって、前記バーナーは、燃焼ガス供給部に接続されており、前記ブロアは、前記バーナーに燃焼空気を供給するように構成されている、赤外線ラジエータにおいて、前記燃焼ガス供給部は、燃焼ガス源である水素源に接続されており、前記バーナーによって生成された火炎の少なくとも1つのパラメータを検出するように構成されたUVセンサが配置されている、ことを特徴とする、赤外線ラジエータ。
【請求項2】
前記赤外線ラジエータは、前記バーナーが配置された放射チューブを含むダークラジエータであり、前記火炎の底部に前記UVセンサが配向されている、ことを特徴とする、請求項1記載の赤外線ラジエータ。
【請求項3】
前記放射チューブには覗き窓が備え付けられており、前記UVセンサは、前記放射チューブの外部から前記覗き窓を通して前記火炎の前記底部に配向されている、ことを特徴とする、請求項2記載の赤外線ラジエータ。
【請求項4】
前記放射チューブは排気ガス排出管路に接続されており、前記バーナーには火炎方向に前置接続されて燃焼空気混合室が配置されており、前記燃焼空気混合室は、燃焼空気供給源と、前記排気ガス排出管路とに接続されている、ことを特徴とする、請求項2または3記載の赤外線ラジエータ。
【請求項5】
前記ブロアは、火炎方向に前記バーナーに前置接続されて配置されており、前記燃焼空気混合室は、前記ブロア内に配置されている、ことを特徴とする、請求項4記載の赤外線ラジエータ。
【請求項6】
前記排出管路には調節装置が配置されており、前記調節装置により、前記燃焼空気供給源の燃焼空気体積流に対する、前記排気ガス排出管路の排気ガス体積流の比が設定可能である、ことを特徴とする、請求項4または5記載の赤外線ラジエータ。
【請求項7】
前記赤外線ラジエータは、ブライトラジエータであり、前記ブライトラジエータは、放射面として使用される、火炎通過通路が備え付けられた放射プレートを有し、前記バーナーは、前記放射プレートを平面的に熱するように構成されており、前記UVセンサが、前記放射プレートと鈍角を成して、前記放射プレートに配向される、ことを特徴とする、請求項1記載の赤外線ラジエータ。
【請求項8】
前記放射プレートを少なくとも部分的に囲む反射器であって、覗き窓が備え付けられている前記反射器が配置されており、光センサは、前記反射器の外部から前記覗き窓を通して前記放射プレートに配向されている、ことを特徴とする、請求項7記載の赤外線ラジエータ。
【請求項9】
前記反射器により、前記放射プレートの前記放射面が囲まれかつ排気ガス室が画定され、前記バーナーに前置接続されて燃焼空気混合室が配置されており、前記燃焼空気混合室は、燃焼空気供給源および前記排気ガス室に接続されている、ことを特徴とする、請求項8記載の赤外線ラジエータ。
【請求項10】
前記排気ガス室は、エジェクターを介して前記燃焼空気混合室に接続されており、エジェクターの作動媒体は、前記ブロアによって導入される燃焼空気であり、また前記燃焼空気混合室に吸引される媒体は、前記排気ガス室に存在する排気ガスである、ことを特徴とする、請求項9記載の赤外線ラジエータ。
【請求項11】
前記エジェクターの吸引された前記排気ガス体積流に対する、前記燃焼空気体積流の比が設定可能である、調節装置が配置されている、ことを特徴とする、請求項10記載の赤外線ラジエータ。
【請求項12】
前記UVセンサは、前記燃焼ガス供給部に接続された操作部であって、水素供給を遮断するための、かつ/または設定するための前記操作部に接続されている、ことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の赤外線ラジエータ。
【請求項13】
前記UVセンサは、特にUV共鳴吸収分光法を用いたNOX測定のために構成されている、ことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の赤外線ラジエータ。
【請求項14】
前記操作部および/または前記調節装置は、開ループ制御および閉ループ制御モジュールに接続されており、前記開ループ制御および閉ループ制御モジュールは、前記UVセンサによって通知された実際パラメータと、格納された目標パラメータとを比較することにより、水素体積流の、かつ/または前記燃焼空気体積流の、かつ/または排気ガス流および燃焼空気流の前記比を変更することによって火炎特性を調整するようにプログラミングされている、ことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の赤外線ラジエータ。
【請求項15】
前記実際パラメータは、前記UVセンサによって検出されたNOX値であり、前記開ループ制御および閉ループ制御モジュールは、実際値と、格納された目標値との差分に基づき、前記水素流の、かつ/または前記燃焼空気流の、かつ/または排気ガス流および燃焼空気流の前記比を変更することによって前記火炎温度を調整するようにプログラミングされている、ことを特徴とする、請求項14記載の赤外線ラジエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナーおよびブロアを備えた赤外線ラジエータ、特にダークラジエータまたはブライトラジエータに関し、バーナーは、燃焼ガス供給部に接続されており、ブロアは、バーナーに燃焼空気を供給するように構成されている。
【0002】
産業および工業分野では、製造現場および保管現場を暖房するため、赤外線ラジエータが頻繁に使用される。これらの赤外線ラジエータは特に、天井または壁に設置され、高断熱の空間、または適度にのみ断熱された空間を熱するために使用される。赤外線ラジエータは、その赤外線ビームによって主に、照射された面が熱せられることによって特徴付けられる。これにより、赤外線ラジエータは、その熱をほぼ損失なしに放出する。ここでは、従来の燃焼システムにおいて発生するような隙間風現象は回避される。赤外線ラジエータの効率を向上させるため、反射器が使用されることが多い。
【0003】
赤外線ラジエータの分野では、ブライトラジエータとダークラジエータとが区別される。ブライトラジエータでは、燃焼ガス・空気混合物は、これに配置された1つまたは複数のセラミック放射プレートの表面において燃焼される。燃焼ガスとして天然ガスまたは液体ガス(プロパンガスまたはバイオガス)が使用される。ブライトラジエータという名称は、セラミック放射プレートにおける燃焼ガス・空気混合物の目に見える燃焼に基づいており、このセラミック放射プレートはこれによって熱しはじめる。このためにセラミック放射プレートは、互いに平行に配置された火炎通過通路を有し、これらの火炎通過通路は、放射側に取り付けられた、多くの場合に円錐状の凹部を備えている。燃焼の際、火炎形成は実質的に凹部において行われ、これにより、凹部の側壁と、凹部間に形成されたウェブとの均一な加熱が行われる。このようなブライトラジエータは、例えば、欧州特許出願公開第2014980号明細書に記載されている。
【0004】
ダークラジエータは、放射エレメントとして、少なくとも1つのバーナーが対応付けられている1つまたは複数の放射チューブを有する。バーナー内で燃焼ガスおよび空気から成る混合物を燃焼させることにより、火炎が生成され、ブロアにより、放射チューブの全長にわたってこの火炎を分散させることができる。燃焼ガスとして同様に天然ガスまたは液体ガス(プロパンガスまたはバイオガス)が使用される。放射チューブは通例、その後、直線的またはU字形にバーナーに一続きに連結されており、チューブ経路全体にわたり、火炎によって生成される熱を均一に放射しようとする。放射チューブは、火炎により、またこれによって生成される高温ガスにより、均一に加熱されて熱放射を生成し、この熱放射が、加熱対象の領域に放射される。燃焼によって発生した排気ガスは、ブロアによって放射チューブから除去され、例えば、排気ガスチューブを介して外気に排出される。このようなダークラジエータは、例えば欧州特許出願公開第2708814号明細書に記載されている。
【0005】
このようなガス駆動式の赤外線ラジエータにおいて、不所望のガス流出を阻止するために、ガス燃焼の火炎を監視する必要がある。火炎監視は、通常、例えば独国特許出願公開第102014019765号明細書に記載されているようなイオン化電極を用いて行われ、イオン化電極により、燃焼の有無を識別するために火炎の整流作用が利用される。ここでは、イオン化電極に印加された交流電流は、炎が存在する際には直流電流に変換される。この種の火炎監視の欠点は、イオン化電極がガス火炎に入り込んでいなければならないことであり、これによってその寿命が限定される。この際に、イオン化電極の耐久性は特に、燃焼の温度に依存する。燃焼ガスの温度が高いほど、必要なイオン化電極の寿命は短くなってしまう。
【0006】
本発明は、この点を取り除こうとするものである。本発明の根底にある課題は、燃焼温度が高い燃焼ガス、特に水素の場合であっても、信頼性が高くかつメンテナンスが少ない火炎監視を可能にする赤外線ラジエータを提供することである。本発明によると、この課題は、特許請求の範囲の請求項1の特徴部分の特徴的構成によって解決される。
【0007】
本発明によると、信頼性が高くかつメンテナンスが少ない火炎監視を可能にする赤外線ラジエータが提供される。燃焼ガス供給部が、燃焼ガス源である水素源に接続されており、ここでバーナーによって生成された火炎の少なくとも1つのパラメータを検出するように構成されたUVセンサが配置されていることにより、燃焼ガスの火炎温度が高い場合であっても、メンテナンスの少ない火炎監視が可能である。火炎監視に使用されるUVセンサは、火炎と接触しておらず、したがって、熱に起因する消耗を被ることはない。
【0008】
水素を燃焼ガスとして使用することにより、有害物質放出が低減される。水素には炭素が含有されていないため、排気ガスには理論的に、炭素を含有する有害物質、例えば、一酸化酸素、二酸化炭素または炭化水素等は含まれていない。意外なことに、UVセンサによって、不可視の水素火炎の信頼性の高い監視が可能となることが明らかになった。
【0009】
本発明の発展形態では、赤外線ラジエータは、バーナーが配置された放射チューブを含むダークラジエータであり、ここでは、火炎の底部にUVセンサが配向されている。有利には、放射チューブに覗き窓が備え付けられており、ここではUVセンサは、放射チューブの外部から覗き窓を通して火炎の底部に配向されている。これにより、火炎熱によるUVセンサへの損傷がさらに回避される。
【0010】
本発明の実施形態では、放射チューブは排気ガス排出管路に接続されており、バーナーには火炎方向に前置接続されて燃焼空気混合室が配置されており、燃焼空気混合室は、燃焼空気供給源と、排気ガス排出管路とに接続されている。燃焼空気に排気ガスを供給することにより、酸素が減少し、これにより、火炎温度を下げることができる。さらに、排気ガスを再循環することにより、窒素酸化物放出が減少される。
【0011】
本発明の別の実施形態では、バーナーには火炎方向にブロアが前置接続されて配置されており、燃焼空気混合室がブロア内に配置されている。これにより、ブロア内での燃焼空気と排気ガスとの良好な混合が行われる。
【0012】
本発明の発展形態では、排出管路には調節装置が配置されており、この調節装置により、燃焼空気供給源の燃焼空気体積流に対する、排気ガス排出管路の排気ガス体積流の比が設定可能である。これにより、燃焼空気・排気ガス混合物の酸素含有量の設定が可能になる。
【0013】
本発明の別の実施形態では、赤外線ラジエータは、ブライトラジエータであり、このブライトラジエータは、放射面として使用される、火炎通過通路が備え付けられた放射プレートを有し、バーナーは、放射プレートを平面的に熱するように構成されており、ここでは、UVセンサが、放射プレートと鈍角を成して、放射プレートに配向される。これにより、確実な火炎識別が達成される。
【0014】
本発明の実施形態では、放射プレートを少なくとも部分的に囲む反射器であって、覗き窓が備え付けられている反射器が配置されており、光センサは、反射器の外部から窓を通して放射プレートに配向されている。これにより、火炎の熱から保護された、センサの位置において火炎識別が行われる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、反射器は、放射プレートの放射面を囲んでおり、かつ排気ガス室を画定しており、バーナーに前置接続されて燃焼空気混合室が配置されており、この燃焼空気混合室は、燃焼空気供給源および排気ガス室に接続されている。燃焼空気に排気ガスを供給することにより、酸素が減少し、これにより、火炎温度を下げることができる。さらに、排気ガスを再循環することにより、窒素酸化物放出が減少される。
【0016】
本発明の別の実施形態では、排気ガス室は、エジェクターを介して燃焼空気混合室に接続されており、エジェクターの作動媒体は、ブロアによって導入される燃焼空気であり、また燃焼空気混合室に吸引される媒体は、排気ガス室に存在する排気ガスである。これにより、燃焼空気および排気ガスの所定の比が達成される。好ましくは、エジェクターの吸引された排気ガス体積流に対する、燃焼空気体積流の比が設定可能である、調節装置が配置されている。
【0017】
本発明の発展形態では、UVセンサは、燃焼ガス供給部に接続された操作部であって、水素供給を遮断するための、かつ/または設定するための操作部に接続されている。これにより、火炎が消えた際に、水素供給の遮断が可能であり、これにより、水素の不所望の流出が阻止される。
【0018】
本発明の実施形態では、UVセンサは、UV共鳴吸収分光法のために構成されている。これにより、火炎およびこの火炎を包囲する燃焼排気ガスのNOX含有量の検出が可能である。
【0019】
本発明の別の実施形態では、操作部および/または調節装置は、開ループ制御および閉ループ制御モジュールに接続されており、この開ループ制御および閉ループ制御モジュールは、UVセンサによって通知された実際パラメータと、格納された目標パラメータとを比較することにより、水素体積流の、かつ/または燃焼空気体積流の、かつ/または排気ガス流および燃焼空気流の比の変更によって火炎特性を調整するようにプログラミングされている。
【0020】
実際パラメータは有利には、UVセンサによって検出されたNOX値であり、開ループ制御および閉ループ制御モジュールは、実際値と、格納された目標値との差分に基づき、水素体積流の、かつ/または燃焼空気体積流の、かつ/または排気ガス流および燃焼空気流の比を変更することによって火炎温度を調整するようにプログラミングされている。これにより、NOX目標値設定を介する、この混合比の開ループ制御を介して、火炎の温度閉ループ制御が可能になる。火炎温度の変更は、1000℃を上回る領域において、火炎の排気ガスのNOX値に直接に作用を及ぼす。
【0021】
本発明の別の発展形態および実施形態は、残りの従属請求項に示されている。本発明の実施例を図面に示し、以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ダークラジエータの形態の赤外線ラジエータの概略図である。
図2】ブライトラジエータの形態の赤外線ラジエータの概略図である。
【0023】
実施例として選択し、図1に示したダークラジエータには、バーナー1が含まれており、このバーナー1はブロア3に接続されておりかつこのバーナー1には放射チューブ4が連結されている。放射チューブ4は、図1において単に略示されており、放射チューブ4は十分に数メートルの長さにわたって延在していてよく、複数の放射チューブエレメントから形成されていてよい。この実施例では、放射チューブ4は、耐高熱性のステンレス鋼チューブとして構成されている。択一的には、酸化アルミニウム層が熱的に被着された特殊鋼も使用可能である。放射チューブ4は、この実施例では、(図示しない)反射器によって囲まれており、この反射器は、この実施例において、表面が構造化されたアルミニウム薄板から構成されており、対流損失を低減するための隔壁を両面に有する。
【0024】
バーナー1には、水素供給部2に接続されているガスノズル21が含まれている。バーナー1には、ガスノズル21に対して離隔されて点火電極11が配置されている。点火電極11とは反対側を向いた、バーナー1の側にはブロア3が設置されており、これにより、このブロア3によってガスノズル21の周りに燃焼空気が流される。このためにブロア3は、吸引側において燃焼空気供給部31に接続されている。
【0025】
圧力下でガスノズル21からバーナー1に流れ出た水素流は、ガスノズル21の周囲を流れる燃焼空気流と混合され、必要な混合比に達すると、ガスノズル21に対して離隔されて配置された点火電極11によって点火され、これにより、ガスノズル21に対して所定の間隔で火炎15が形成され、この火炎15が、放射チューブ4の長さにわたってこの放射チューブに延在する。燃焼空気との十分な混合比を有しない、水素流の点火できない領域22では、火炎は生じない。
【0026】
バーナー1のハウジング12には、窓14を有するセンサ収容部13が取り付けられている。センサ収容部13にはUVセンサ5が取り付けられており、このUVセンサ5は、電気線路51を介し、水素供給部2を遮断するための操作部32に接続されている。UVセンサ5は、この実施例では、火炎15の火炎底部151の中央に向けられている。UVセンサ5によって火炎15が検出されない場合、操作部32により、水素供給が遮断される。この図において制御バルブである操作部32に接続された開ループ制御および閉ループ制御モジュール33は、ここでは付加的に点火電極11に接続されており、また火炎が検出されない場合に、まず点火電極11がアクティブ化され、また火炎がその後、消えた後はじめて、水素供給が遮断されるように構成されている。
【0027】
選択的な拡張では、ブロア3はその吸引側においてエジェクターに接続可能であり、エジェクターの作動連結部は燃焼空気供給部31に、またエジェクターの吸引接続部は排気ガス供給部に接続されており、この排気ガス供給部には、排気ガス管路から供給され、この排気ガス管路は、排気ガス側が放射チューブ4に接続されている。ブロア3によって吸引された燃焼空気は、ここでは作動媒体として使用され、この作動媒体により、排気ガスの吸引が行われる。これにより、圧力側では、ブロア3によってガスノズル21に排気ガス・燃焼空気混合物が供給され、ガスノズル21の周囲を流れる。排気ガス・燃焼空気混合物は、酸素含有量が少なく、これにより、温度の低い火炎が生じる。水素の反応性が高いことに起因して、排気ガス・燃焼空気混合物における酸素含有量が少なくても点火には十分であり、これにより、放射チューブ4を通って延在する火炎15が生成される。排気ガス管路またはエジェクターに配置された調節装置、例えば調節絞りまたは制御バルブにより、排気ガス体積流と燃焼空気体積流との混合比が設定可能である。
【0028】
この実施例ではUVセンサ5は、UV共鳴吸収分光法を用いたNOX測定のために構成されており、開ループ制御および閉ループ制御モジュール33に接続されている。ここで開ループ制御および閉ループ制御モジュール33は、UVセンサ5によって供給されたNOX実際値と、格納されている目標値とを比較し、これらの2つの値の差分に基づき、水素体積流および/または燃焼空気体積流を変化させることにより、火炎特性を調整するようにプログラミングされている。このために開ループ制御および閉ループ制御モジュール33は操作部32に接続されており、操作部32を介して、水素体積流および燃焼空気体積流が設定可能である。上で説明したエジェクターがブロア3に備え付けられている場合、プログラミングによって付加的に、排気ガス流および燃焼空気流の比の調節を介して、火炎特性の調整を行うことができる。このために調節装置は、開ループ制御および閉ループ制御モジュール33に接続されている。操作部32と、開ループ制御および閉ループ制御モジュール33とは、図において概略的にのみ示されており、破線を介して作用箇所に接続されている。
【0029】
図2に示した実施例に対応して、ブロア3が、吸引側において、燃焼空気流に排気ガス流を混合するエジェクターに接続されている場合、このエジェクターには、または吸引側においてこのエジェクターに供給する排気ガス供給管路には調節装置が備え付けられていてよく、この調節装置を介して、排気ガス流と燃焼空気流との混合比を調整することができる。UVセンサがUV共鳴吸収分光法のために構成されている場合、UVセンサによって検出されるNOX含有量に基づいて、火炎温度の閉ループ制御が可能である。このためにセンサは好適には、閉ループ制御モジュールに接続されており、この閉ループ制御モジュールの目標量は、あらかじめ設定した目標NOX値であり、実際NOX値は、UVセンサによって供給される。目標値と実際値との間の差分に基づき、調節装置の駆動制御を介して、排気ガス流と燃焼空気流との混合比を調節することができ、これによって火炎15の温度を変化させ、このことそれ自体がNOX実際値を変化させる。
【0030】
図2に示した実施例では、赤外線ラジエータは、ブライトラジエータとして構成されており、水素供給部7およびブロア8に接続されているバーナー6を含んでいる。バーナー6を囲んで、反射器9が配置されている。
【0031】
バーナー6には、セラミック放射プレート62によって画定されている燃料混合室61が含まれている。セラミック放射プレート62には、公知のように、面全体にわたって延在する孔パターンが備え付けられており、この孔パターンは、円筒状の火炎貫通通路から形成されており、これらの火炎貫通通路は、放射プレート62の、外側を向いた面において円錐状に広がって構成されている。放射プレート62に対向し、放射プレート62に対して直交して水素供給部7が配置されており、この水素供給部7は、燃料混合室61において合流している。燃料混合室61では、水素供給部7に対して直角に圧力管路81が合流しており、この圧力管路81はブロア8に接続されている。
【0032】
ブロア8は、吸引側において燃焼空気供給部82に接続されており、圧力管路81では反射器9内にエジェクター83がはめ込まれており、エジェクター83により、圧力管路81を半径方向に取り囲む吸引間隙84が形成されている。エジェクター83に続く、圧力管路81の部分は、燃焼空気混合室86を形成している。燃焼空気供給部82を通してブロア8によって吸引される燃焼空気流は、ここでは作動媒体として使用され、この作動媒体により、吸引間隙84を通して、反射器9内にある排気ガスクッション851の一部が吸引される。残りの排気ガス流85は、反射器9から周囲空気に流れる。エジェクター83に設けられた調節装置を介して、吸引間隙84の幅を設定することができ、これにより、ここでも排気ガス・燃焼空気混合物における排気ガス流85の割合が設定可能であり、ひいてはその酸素含有量が設定可能である。
【0033】
圧力管路81の燃焼空気混合室86から流れ出た排気ガス・燃焼空気混合物は、燃料混合室61において、水素供給部7によって導入された水素流と混合され、ここでも、放射プレート62を通って流れ出た後、バーナー6において外側に放射プレート62の手前に配置された点火電極63によって点火される。
【0034】
反射器9には、窓92を有するセンサ収容部91が取り付けられている。センサ収容部にはUVセンサ5が取り付けられており、このUVセンサ5は、電気線路51を介し、水素供給を遮断するための操作部32に接続されている。UVセンサ5は、この実施例では、放射プレート62に対して45°の角度で配向されている。UVセンサ5によって火炎が検出されない場合、この実施例では制御バルブである操作部32によって水素供給が遮断される。操作部32またはこれに接続された開ループ制御および閉ループ制御モジュール33はまた、ここでは付加的に点火電極63に接続されていてよく、また火炎が検出されない場合に、まず点火電極63がアクティブ化され、また火炎がその後、消えた後はじめて、水素供給が遮断されるように構成されていてもよい。
【0035】
この実施例においても、UV共鳴吸収分光法を用いたNOX測定のために構成されかつ開ループ制御および閉ループ制御モジュールに接続されているUVセンサ5が使用可能であり、この開ループ制御および閉ループ制御モジュールは、水素流および/または燃焼空気流を遮断するための操作部32に接続されており、ここで開ループ制御および閉ループ制御モジュール33は、ダークラジエータについての前の実施形態に対応してプログラミングされる。付加的にはプログラミングにより、エジェクター83の調節装置を介し、排気ガス流および燃焼空気流の比の調節を介して火炎特性の調整を行うことができる。このために調節装置は、開ループ制御および閉ループ制御モジュール33に接続されている。
図1
図2
【国際調査報告】