(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】FOV適応を用いた3D超音波画像
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521325
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2022081031
(87)【国際公開番号】W WO2023088715
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ヴェヒター シュテーレ イリナ
(72)【発明者】
【氏名】ペータース ヨヘン
(72)【発明者】
【氏名】ロッソー ターニャ
(72)【発明者】
【氏名】デ クレーン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ゴーセン アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】プラター デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】リヴェロ ホセ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601EE09
4C601EE11
4C601HH15
4C601HH24
4C601HH29
4C601JC08
4C601JC15
4C601JC26
4C601JC33
(57)【要約】
超音波データ取得において3D視野(FOV)を適応させて、制御された正確な方法でFOVボリュームを最小化する方法が提供される。この方法は3D超音波データが望まれる体積領域を画定し、次いで、領域を包含するように、画定された体積領域に応じてデータ取得視野(FOV)を適応させることを含む。これは、画定された体積領域に基づいて、各個々のスキャン線のスキャン線長さ(又はスキャン深度)を適合させることに基づいて達成される。いくつかの実施形態では、体積領域が初期ステップで取得された基準超音波データセットの解剖学的セグメント化に基づいて画定され、識別された関心対象の境界に応じて体積領域を設定することができる。体積領域は、実施形態のサブセットにおいて、検出された関心解剖学的対象によって占有される領域として設定されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
第1の3D視野(FOV)についての解剖学的領域の基準3D超音波データを取得するステップであって、前記基準超音波データは一連のスキャン線についてのデータを備え、各スキャン線は第1の角度スキャン方向(φ)及び第2の角度スキャン方向(θ)に沿ったスキャン角度と、前記スキャン線の方向に沿った最大スキャン深度(d)とを有する、ステップと、
前記基準3D超音波データにセグメンテーションを適用して、前記基準3D超音波データ内の関心解剖学的対象の境界を検出するステップと、
前記解剖学的領域内の体積領域を画定するステップであって、前記体積領域は一つ又はそれより多くの境界を有し、前記体積領域は前記関心解剖学的対象の検出された境界に依存して画定され、前記体積領域は前記関心解剖学的対象の検出された境界を完全に含むように画定される、ステップと、
調整された3D FOVを用いて新しい3D超音波データを取得するように一つ又はそれより多くのスキャンパラメータを調整するステップであって、前記スキャンパラメータを調整するステップは前記体積領域の境界に依存して実行され、前記調整された3D FOVは前記体積領域を完全に包含し、前記スキャンパラメータを調整するステップは各個々のスキャン線の最大スキャン深度(d)を調整するステップを有する、ステップと、
前記調整されたスキャンパラメータを使用して、前記調整された3D FOVのための新しい3D超音波データを取得するステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記各個々のスキャン線の最大スキャン深度(d)を調整するステップは、前記関連するスキャン線を取得するために使用される一つ又はそれより多くのトランスデューサの送信/受信シーケンスの受信フェーズの持続時間を調整するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スキャンパラメータは、各スキャン線が前記画定された体積領域の一つ又はそれより多くの境界のうちの最も遠位の1つとの前記スキャン線の交差点で終端するように、スキャン深度(d)セットを有するスキャン線のセットを画定するように調整される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記画定された体積領域と交差しないスキャン線のサブセットを識別するステップをさらに有し、前記交差しないスキャン線のサブセットは、前記調整された3D FOVをスキャンするときに非活性化される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基準及び新しい3D超音波データの各々におけるスキャン線は一連の2Dスキャン平面の各々に広がり、前記一連の2D平面は前記第1の角度方向(φ)にわたって前記それぞれの3D FOVに一緒に広がり、各平面を形成する前記スキャン線は前記第2の角度方向(θ)にわたって前記平面に広がり、各2Dスキャン平面は、前記第1の角度方向に沿った角度方向(φ
j)を有し、
前記スキャンパラメータを調整するステップは、
各個々の2Dスキャン平面について、前記2D平面内のスキャン線によって広げられる前記第2の角度方向に沿った最大角度幅(Δθ)を調整するステップと、
前記一連のスキャン平面によって広げられる前記第1の角度方向に沿った最大角度幅(Δφ)を調整するステップと
をさらに有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
各2Dスキャン平面について、
前記最大角度幅(Δθ)は、前記2Dスキャン平面が前記体積領域の境界を完全に包含するために必要な最小幅に設定され、又は
前記最大角度幅(Δθ)は、前記平面が前記体積領域の境界を完全に包含するために必要な最小幅と、画定された角度マージンとの合計に設定される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記調整された3D FOVは、前記体積領域と交差しないスキャン線のサブセットを含み、前記スキャン線のサブセットの各々についての最大スキャン深度(d)は、前記体積領域と交差する最も近いスキャン線に対して設定されたスキャン深度に基づいて設定される、請求項3又は請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記体積領域の境界は、前記関心解剖学的対象の境界として設定される、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記体積領域を画定するステップは、前記体積領域のための3D形状を画定するステップと、随意に前記境界の周りの画定された間隔に加えて、前記関心解剖学的対象の境界を収容することができる最小の形状のスケールサイズを画定するステップとを有する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記体積領域の3D形状を画定するステップは、
予め画定された形状テンプレート、例えば、円柱、直方体、楕円体、ピラミッド、切頭ピラミッド、又は楕円円柱に従って前記形状を画定するステップ、又は
前記対象の検出された境界に基づいてカスタム形状を決定するステップ
を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記形状を画定するステップは、前記対象の検出された境界に基づいてカスタム形状を決定するステップを有し、前記カスタム形状は凸包である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記関心解剖学的対象の境界を検出するステップは、前記対象の境界に広がるセグメンテーションメッシュ頂点を検出するステップを有し、又は前記対象の境界に広がるボクセルを検出するステップを有し、前記凸包は前記頂点又はボクセルを接続するように画定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基準超音波データは、3D超音波データの一連のフレームを有する4D超音波データである、請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記体積領域は、前記対象境界の周りの予め画定された間隔に加えて、前記関心解剖学的対象の検出された境界を完全に含むように画定され、
前記境界の周りの間隔の範囲は、前記一連のフレームにわたる関心対象境界の最大範囲を検出することに基づいて決定される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
超音波撮像装置と通信可能に結合されたプロセッサ上で実行されるとき、前記プロセッサに、請求項1乃至14の何れかに一項に記載の方法を実行させるように構成されたコード手段を有する、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項16】
処理装置であって、
超音波撮像装置との双方向通信のための入力/出力部と、
一つ又はそれより多くのプロセッサであって、
前記入力/出力部において第1の3D視野(FOV)についての解剖学的領域の基準3D超音波データを取得するステップであって、前記基準超音波データは一連のスキャン線についてのデータを有し、各スキャン線は、第1の角度スキャン方向(φ)及び第2の角度スキャン方向(θ)に沿ったスキャン角度と、前記スキャン線の方向に沿った最大スキャン深度(d)とを有する、ステップと、
前記基準3D超音波データにセグメンテーションを適用して、前記基準3D超音波データ内の関心解剖学的対象の境界を検出するステップと、
前記解剖学的領域内に体積領域を画定するステップであって、前記体積領域は一つ又はそれより多くの境界を有し、前記体積領域は前記関心解剖学的対象の検出された境界に依存して画定され、前記体積領域は前記関心解剖学的対象の検出された境界を完全に含むように画定されるステップと、
調整された3D FOVを用いて新しい3D超音波データを取得するように一つ又はそれより多くのスキャンパラメータを調整するステップであって、前記スキャンパラメータを調整するステップは前記体積領域の境界に依存して実行され、前記調整された3D FOVは前記体積領域を完全に包含し、前記スキャンパラメータを調整するステップは、各個々のスキャン線の前記最大スキャン深度(d)を調整する、ステップと、
前記調整されたスキャンパラメータを前記超音波撮像装置と通信して、前記装置に、前記調整されたスキャンパラメータを用いて前記調整された3D FOVのための新しい3D超音波データを取得するステップと
を実行するように構成される、プロセッサと
を有する、処理装置。
【請求項17】
超音波撮像装置と、
請求項16に記載の処理装置と
を有する、超音波システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応FOVを用いて3D超音波画像データを取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元(3D)超音波データ取得(又は体積超音波)は、開発中の技術分野である。
【0003】
3D超音波の1つの有用な用途は、心腔及び心臓弁などの心臓構造のより正確な観察を可能にするため、心臓を撮像するためのものである。しかしながら、3D超音波は、任意の解剖学的領域又は構造の画像に有用に適用することができる。
【0004】
4次元(4D)超音波データ収集は、時系列の3D超音波画像フレームの収集を含む。
【0005】
4D超音波データの取得は、3D空間解像度、時間分解能、及び3D視野(FOV)のサイズの間のトレードオフを包含する。固定された時間分解能(すなわち、毎秒のフレーム)の場合、より大きな3D視野手段はそれぞれの3Dフレーム内の空間解像度を低減し、逆もまた同様である。同様に、固定されたFOVサイズの場合、時間分解能の増加は、空間解像度の低減を必要とする。
【0006】
したがって、ほとんどの場合、必要な解剖学的対象又は領域がFOV内に完全に捕捉されることを確実にするために、FOVサイズは比較的大きく維持され、時間分解能又は空間解像度が低減されなければならないことを意味する。3D超音波スキャンによって捕捉されるFOVは、典型的には超音波放射源から発する円錐形状又はピラミッド形状の何れかである。円錐又はピラミッドのサイズを縮小すると、撮像される対象の一部が切断される危険性がある。
【0007】
例えば、心臓画像では、心臓の一部がアペックス、側壁、又は右心室の何れかで切断されることが多い。取得が完全な心臓をカバーするのに十分に広い場合、フレームレートは結果的に非常に低い。
【0008】
このフレームレートは臨床医の診断能力に影響を及ぼすだけでなく、解剖学的対象の寸法を識別し、生理学的パラメータ(例えば、心臓画像の場合の血行動態パラメータ)を決定するためのデータに適用される自動セグメンテーション及び定量化アルゴリズムの精度にも影響を及ぼす。そのようなアルゴリズム及びモデルは例えば、局所壁運動分析による3D冠動脈疾患検出の場合、高いフレームレートを必要とする。現在の臨床設定では、必要なフレームレートを達成するために、3Dの代わりに2D画像が使用されなければならない。いくつかの2Dシーケンスは高いフレームレート(例えば、50Hzまで)で取得される。そして、超音波検査者は、原理的には運動異常解析が3D問題であるため、これらの2D結果を精神的にコンパイル又は統合して診断を行う必要がある。このステッチングプロセスは複雑であり、誤解釈につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記で特定された問題のうちの1つ又は複数に対処するための技術的解決策を見出すことが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、請求項によって規定される。
【0011】
本発明の一態様によれば、コンピュータ実装方法が提供される。本方法は第1の3D FOVの解剖学的領域の基準3D超音波データを取得することを含み、基準超音波データは一連のスキャン線のデータを含み、各スキャン線は、第1(φ)及び第2(θ)角度スキャン方向に対するスキャン角と、スキャン線の方向に沿った最大スキャン深度(d)とを有する。
【0012】
方法は解剖学的領域内に体積領域を画定することをさらに含み、体積領域は、1つ又は複数の境界を有する。
【0013】
本方法は1つ又は複数のスキャンパラメータを調整して、調整された3D FOVを用いて新しい3D超音波データを取得することをさらに含み、スキャンパラメータを調整することは体積領域の境界に応じて実行され、調整された3D FOVは体積領域を完全に包含し、スキャンパラメータを調整することは各個々のスキャン線の最大スキャン深度(d)を調整することを含む。
【0014】
本方法は、調整されたスキャンパラメータを使用して、調整された3D FOVのための新しい3D超音波データを取得することをさらに含む。
【0015】
したがって、本方法は任意の形状及びサイズの3D FOVの取得を可能にするように、個々のスキャン線深度(又は長さ)を修正することに基づく。これは、3D FOVがより制御され、方向付けられた方法でサイズが縮小されることを可能にし、その結果、関心解剖学的構造の一部が欠落するリスクが低減される。例えば、各個々のスキャン線の最大スキャン深度(d)を調整することは、関連するスキャン線を取得するために使用される1つ以上のトランスデューサの送信/受信シーケンスの受信位相の持続時間を調整することを含み得る。
【0016】
その結果、4D画像の文脈では、フレームレートを増加させることができる。これは、超音波画像データから生理学的パラメータを決定する自動化された定量化動作から導出される結果の品質を改善することができる。それはまた、高いフレームレートが必要とされる3Dにおける局所壁運動異常の分析のような新しい用途を可能にし得る。
【0017】
体積領域は、基準スキャンによってカバーされる解剖学的領域全体よりも小さい3D体積であってもよい。したがって、より少ない時間で取得することができる。取得は、所望の3D FOVに一致するように各個々のスキャン線のスキャン深度を制御することによって可能にされる。これは、関連する解剖学的サブ領域が捕捉されることを保証する(この領域がユーザ定義され得るか、又はセグメンテーションを通して自動的に検出され得る)。
【0018】
スキャン線深度は、スキャン線の方向に沿って、すなわち、身体を通るスキャン線の伝播経路に並行する軸に沿って深度を意味する。言い換えれば、この文脈におけるスキャン線の深度は、スキャン線の長さと同じ意味である。スキャン線の深度は、取得又は伝送パラメータ(すなわち、トランスデューサアレイの駆動パラメータ)の制御によって調整可能である。したがって、スキャン線深度は、(例えば、取得された超音波信号データの後処理によって調整されるのではなく)トランスデューサのレベルで調整される。このようにして、スキャン線の深度を、体積領域を取得するために必要とされる深度だけに制限することによって、取得速度を改善することができる。
【0019】
特に、最も一般的には、スキャン線深度は関連するスキャン線を取得するために使用される関連するトランスデューサの送信/受信シーケンスの受信位相の持続時間を制御することによって制御される。
【0020】
適応されたFOVによってカバーされる領域を画定することができる様々な方法がある。これは、例えばユーザ入力を使用して手動で定義することができる。それは、予め構成された制御スキームに従って定義することができる。さらなる例では、それは基準画像データに適用される解剖学的画像分析を使用して自動的に定義され得る。全ての場合において、データが取得される必要がある全空間ボリュームを低減する技術的効果が達成され、これは、各個々のスキャン線のレベルでFOVを修正すること、すなわち、任意にカスタマイズ可能な境界を有する3D FOVを捕捉するように各スキャン線の長さを適合させることによって達成される。
【0021】
場合によっては、調整されたFOVが画定された体積領域の境界の少なくともサブセットと一致する境界のセットを有し得る。
【0022】
いくつかの(全てではないが)実施形態では方法が解剖学的セグメンテーションを適用することを含み、体積領域は解剖学的セグメンテーションに依存して定義される。
【0023】
調整されたFOVの取得を可能にするようにスキャンパラメータを制御する様々な方法があり、これらをここで簡単に概説する。
【0024】
実施形態の少なくとも1つのセットでは、スキャンパラメータが各スキャン線が定義された体積領域の1つ又は複数の境界のうちの最遠位の1つとのスキャン線の交点で終わるように、スキャン深度セットを有するスキャン線のセットを定義するように調整される。最遠位は、超音波放射源からスキャン線の長さに沿って最も遠いことを意味する。全てのスキャン線はこのように設定されてもよいし、一部分のみが設定されてもよい。例えば、体積領域と一致するスキャン線のセットのみが、このように設定されてもよい。
【0025】
この変形として、いくつかの実施形態では、本方法が各スキャン線について、各スキャン線深度に対する終端点を定義することと、検出された線深度(又は長さ)を、体積領域の境界との交点に対して識別することと、定義されたマージンをこの交点深度に追加することと、マージンが追加されたこの深度に等しい調整されたFOVの線深度を設定することとを含み得る。これは、深度方向において、体積領域の周りの特定のマージン又は間隔を可能にする。
【0026】
本方法は定義された体積領域と交差しないスキャン線のサブセットを識別することをさらに含むことができ、交差しないスキャン線は、調整されたFOVをスキャンするときに非活性化される。調整された3D視野に対する超音波データを取得する際に、これらのスキャン線が生成/発射されないことを意味する。
【0027】
場合によっては、体積領域と交差しないスキャン線の全てが非活性化される。この変形例では、いくつかの実施形態では交差しないスキャン線の一部が例えば、後でより説明するように、容積測定領域の周りの所定のマージン又は間隔領域を捕捉するために保持されてもよい。
【0028】
基準及び新しい3D超音波データの各々におけるスキャン線は一連の2D平面の各々にまたがると理解され得、一連の2D平面は第1の角度方向(φ)にわたってそれぞれの3D FOVにまたがり、各平面を形成するスキャン線は第2の角度方向(θ)にわたって平面にまたがり、各2Dスキャン面は前記第1の角度方向に沿った角度方向を有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、スキャンパラメータを調整することは、
【0030】
個々の2Dスキャン平面ごとに、2D平面内のスキャン線によって広がる第2の角度方向に沿った最大角度幅(Δθ)を調整し、一連のスキャン平面によって広がる第1の角度方向に沿った最大角度幅(Δφ)を調整する。
【0031】
最大角度幅外のスキャン線は無効になる。
【0032】
最大角度幅は、識別された体積領域の境界に応じて設定することができる。
【0033】
場合によっては、各平面の最大角度幅(Δθ)が前記平面が体積領域の境界を完全に包含するのに必要な最小幅に設定される。同じことが、一連のスキャン面によって広がる前記第1の角度方向に沿った最大角度幅(Δφ)にも適用され得る。この場合、調整された3D FOVは、所望の体積領域をちょうど包含するようなサイズにされる。
【0034】
他の例では、各平面の最大角度幅(Δθ)が前記平面が体積領域の境界を完全に包含するのに必要な最小幅と、定義された角度マージンとの合計に設定される。また、同じことが、一連のスキャン平面によって広がる前記第1の角度方向に沿った最大角度幅(Δφ)に適用されてもよい。
【0035】
2D平面は仰角平面である。
【0036】
いくつかの例では超音波データの各2D平面がトランスデューサ構成に対して第2の角度方向θに沿ってスキャン角度を連続的に増分又は減分する一連のスキャン線を連続的に発射することによって取得され得、すべての線は前記同じ平面内にある。次いで、この処理は一連の平面に対して連続的に繰り返され、各平面はz軸に対して前記第1の角度寸法φに沿った方向の角を有する。
【0037】
平面は典型的には三角形又は切頭三角形であってもよく、平面の角度幅は平面のアペックスの角度を意味する。
【0038】
上述の手法の何れかによれば、場合によっては、調整された3D FOVが体積領域と交差しないスキャン線のサブセットを含むことができる(例えば、体積領域の周囲にマージン又は間隔が所望されるとき)。これらの場合、任意選択的に、前記スキャン線のサブセットの最大スキャン深度は、関心対象と交差する最も近いスキャン線に対して設定されたスキャン深度に基づいて設定される。
【0039】
最も近いとは、角度的に最も近い、すなわち、スキャン角θ、φがそれぞれの非交差スキャン線に最も近い交差線を意味し得る。
【0040】
体積領域を定義するための異なるアプローチが存在する。いくつかの実施形態では、それは例えば、ユーザ入力を通して、手動で定義され得る。場合によっては、事前に決定されてもよい。好ましい実施形態のセットでは、それは基準超音波データに適用された自動解剖学的セグメンテーションプロシージャの結果に依存して定義される。
【0041】
したがって、少なくとも1組の実施形態によれば、方法は、基準3D超音波データにセグメンテーションを適用して、基準3D超音波データ内の関心解剖学的対象の境界を検出することと、関心解剖学的対象の検出された境界に応じて解剖学的領域内の体積領域を定義することとを含む。特に、体積領域は、関心解剖学的対象の検出された境界を完全に含むように定義され得る。
【0042】
この実施形態のセット内で、体積領域がセグメンテーションに基づいてどのように定義されるかについてのさらなるオプションがある。
【0043】
例えば、単純な場合、検出された関心解剖学的対象の境界は単に、体積領域の境界として使用される。換言すれば、体積領域の境界は、検出された関心解剖学的対象の境界に一致するように設定される。
【0044】
これに対する変形として、体積領域の境界は代わりに、関心対象の境界の周りの予め定義された間隔又はマージンに加えて、例えば、対象の動きに対応するように、関心対象の解剖学的対象の検出された境界を完全に含むように定義されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、体積領域を画定することは体積領域のための3D形状を画定することと、、任意選択で、境界の周りの画定された間隔に加えて、関心解剖学的対象の境界を収容することができる最小限である形状のスケールサイズを画定することとを含むことができる。
【0046】
ここで、体積領域の3D形状を定義することは予め定義された形状テンプレート(例えば、円柱、直方体、楕円体、ピラミッド、切頭ピラミッド又は切頭ピラミッド、楕円柱、又は任意の他の形状)に従って形状を定義することを含むことができ、あるいは対象の検出された境界に基づいてカスタム形状を決定することを含むことができる。後者の場合、例えば、形状を定義することは、対象の検出された境界に基づいてカスタム形状を決定することを含むことができ、カスタム形状は凸包である。場合によっては例えば、解剖学的対象の境界を検出することは対象の境界に及ぶセグメンテーションメッシュ頂点ポイントを検出することを含んでもよく、又は対象の境界に及ぶボクセルを検出することを含んでもよく、凸包は頂点ポイント又はボクセルを接続するように定義される。
【0047】
上述のように、いくつかの場合において、体積領域は、調節運動のための関心対象の周りの間隔を含むように画定される。間隔の決定は、場合によっては基準超音波データに基づいて自動的に実行することができる。特に、基準超音波データが4D超音波データ(すなわち、3D超音波データの一連のフレームを含む)である場合、対象境界の周りの所定の間隔に加えて、関心解剖学的対象の検出された境界を完全に含むように体積領域が定義される場合、いくつかの実施形態では、境界の周りの前記間隔の範囲が一連のフレームにわたる関心対象境界の最大範囲の検出に基づいて決定され得る。
【0048】
本出願のさらなる態様は超音波撮像装置と通信可能に結合されたプロセッサ上で実行されたときに、本出願の何れかのクレームに従って、本開示に概説される何れかの実施形態又は本発明による方法をプロセッサに実行させるように構成されたコード手段を含むコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0049】
本発明の別の態様は、超音波撮像装置との双方向通信のための入力/出力部と、1つ又は複数のプロセッサとを備える処理構成を提供する。
【0050】
1つ又は複数のプロセッサは、少なくとも以下のステップを実行するように適合される。
【0051】
第1の3D FOVのための解剖学的領域の入力/出力3D基準超音波データを取得し、ここで、基準超音波データは一連のスキャン線に関するデータを備え、各スキャン線は第1の(φ)及び第2(θ)角度スキャン方向に沿ったスキャン角、ならびにスキャン線の方向に沿った最大スキャン深度(d)を有する。
【0052】
解剖学的領域内に体積領域を画定し、この体積領域は1つ以上の境界を有する。
【0053】
調整された3D FOVを用いて新しい3D超音波データを取得するために、1つ又は複数のスキャンパラメータを調整し、スキャンパラメータを調整することは体積領域の境界に応じて実行され、調整された3D FOVは体積領域を完全に包含し、スキャンパラメータを調整することは各個々のスキャン線の最大スキャン深度(d)を調整することを含み、調整されたスキャンパラメータを超音波撮像装置と通信して、調整されたスキャンパラメータを使用して、調整された3D FOVのための新しい3D超音波データを装置に取得させる。
【0054】
本発明のさらなる態様は、超音波撮像装置と、本開示で概説される例の任意の実施形態による、又は本出願の任意の請求項による処理構成とを備えるシステムを提供する。処理装置は超音波画像データを受信し、調整されたスキャンパラメータを超音波撮像装置と通信するために、超音波撮像装置と通信可能に結合される。
【0055】
本発明のこれら及び他の態様は以下に記載される実施形態から明らかであり、それらを参照して説明される。
【0056】
本発明をより良く理解し、どのように実施することができるかをより明確に示すために、ここで、単なる例として、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明の1つ又は複数の実施形態による例示的なシステム及び処理構成を示す。
【
図2】捕捉スキャン線及びスキャン面の幾何学的配置を示す。
【
図4】第1のFOV内に画定された例示的な体積領域を示す。
【
図5】調整されたFOV内の1つの平面に対するスキャンデータの取得を示し、調整されたFOVは、画定された体積領域の境界に依存して設定された境界を有する。
【
図8】より広い第1のFOVに対して調整されたFOVにわたって取得された画像データを示す。
【
図9】関心解剖学的対象のセグメント化された境界を収容することができる最小値となるようなサイズにされた形状テンプレートに従って定義された1つの例示的な体積領域を示す。
【
図10】セグメント化された解剖学的対象の部分領域を包含するように定義されたさらなる例示的な体積領域を示し、
図11は、例示的な超音波撮像装置の構成要素のブロック図の輪郭を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明は、図面を参照して説明される。
【0059】
詳細な説明及び特定の例は装置、システム、及び方法の例示的な実施形態を示しているが、例示のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からよりよく理解されるのであろう。図は単に概略的なものであり、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。また、同じ又は同様の部分を示すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用されることを理解されたい。
【0060】
本発明は正確に制御可能な方法でFOVボリュームを最小化するように、超音波データ取得において3D視野(FOV)を適応させる方法を提供する。この方法は3D超音波データが望まれる体積領域を定義し、次いで、領域を包含するように、定義された体積領域に応じてデータ取得視野(FOV)を適応させることを含む。これは、定義された体積領域に基づいて、各個々のスキャン線のスキャン線長さ(又はスキャン深度)を適合させることに基づいて達成される。いくつかの実施形態では、体積領域が初期ステップで取得された基準超音波データセットの解剖学的セグメンテーションに基づいて定義され、識別された関心対象の境界に応じて体積領域を設定することができる。体積領域は、実施形態のサブセットにおいて、検出された関心解剖学的対象によって占有される領域として設定されてもよい。
【0061】
本発明の態様は、以下に説明するようなコンピュータ実装方法を提供する。
【0062】
コンピュータ実装方法は処理構成によって実装することができ、方法を実行するように適合された処理構成は、本発明の別の態様を形成する。
【0063】
本方法を実施する際、処理装置は、超音波データを取得するための超音波撮像装置と動作可能に結合されてもよい。処理装置と超音波イメージング装置とを含むシステムもまた、本発明の別の態様を形成する。システムは、取得された超音波撮像データのレンダリングを表示するように制御され得る、ディスプレイを備えるユーザインターフェースなどのさらなるコンポーネントを含み得る。
【0064】
例示として、
図1は、本発明の1つ以上の実施形態による例示的なシステム10を概略的に示す。システムは、処理装置20を備える。処理装置は、超音波撮像装置30との双方向通信のための入力/出力部(I/O)22を備え、さらに1つ以上のプロセッサ(「proc」)24を備える。1つ又は複数のプロセッサは以下に概説されるように、方法を実装するように適合される。以下に説明するシステム10、処理装置20、及び方法は、それぞれ独立して、本発明のそれぞれの態様として提供されてもよい。
【0065】
1つ又は複数の実施形態によるコンピュータ実装方法は、要約すると、
第1の3D FOV 42の解剖学的領域の基準3D超音波データを取得するステップと、
解剖学的領域内の体積領域52を画定するステップであって、体積領域は1つ以上の境界のセットを有する、ステップと、
調整された3D FOV 44で新しい3D超音波データを取得するために1つ又は複数のスキャンパラメータを調整するステップであって、スキャンパラメータを調整するステップが体積領域の境界に応じて実行され、調整された3D FOVは体積領域を完全に包含し、スキャンパラメータを調整するステップは各個々のスキャン線の最大スキャン深度dを調整するステップを有する、ステップと、
調整されたスキャンパラメータを使用して、調整された3D FOVのための新しい3D超音波データを取得するステップと
を有する。
【0066】
スキャンパラメータを調整することは、各個々のスキャン線の最大スキャン深度(d)を調整することを含む。例えば、それは、スキャン線の少なくともサブセットについて、体積領域の最遠位(超音波源からの線の方向に沿った)境界の間の検出された交点に依存して、線の最大スキャン深度を調整することを含んでもよい。例えば、検出された交点と一致するように、各スキャン線の終点が設定される場合がある。いくつかのスキャン線の場合、線深度は、ゼロに設定され得る(すなわち、線が非活性化されるか、又は全く生成されない)。
【0067】
基準3D超音波データは受動的に取得されてもよく、例えば、それは、それを取得した超音波撮像装置から処理装置の入力/出力部で受信される。代替的に、本方法はデータを取得するために撮像装置によって構成される超音波トランスデューサ構成を能動的に制御することを含んでもよく、又は基準超音波撮像データを撮像装置に取得させるために超音波撮像装置に1つ又は複数の制御命令を発行してもよい。
【0068】
本方法は、超音波放射源を提供する超音波トランスデューサ構成34を備える超音波トランスデューサユニット32を用いた超音波データの取得を示す
図2乃至7によってさらに示される。
【0069】
図2乃至
図7を参照すると、前述の基準3D超音波データ及び新しい3D超音波データの両方は、一連の仰角2D平面14の各々にまたがる一連のスキャン線16のデータを含むものとして理解することができる。一連の仰角2D平面は共に、第1の角度方向φにわたって第1の3D FOV 42に及び(
図3b参照)、各平面を形成するスキャン線は、第2の角度方向θにわたって平面に及ぶ(
図2a)。したがって、それぞれの2Dスキャン平面14
jは、前記第1の角度方向に沿って角度方向φ
jを有する。第2の角度方向θは、第1の角度方向φに直交する。各スキャン線16
iは、第1のφ及び第2の角度方向θの各々に対する超音波源からのその角度方向を画定するスキャン線角度(φ
i, θ
i)によって完全に画定され得る。それぞれのスキャン線はまた、スキャン線の方向に沿って、最大限のスキャン深度d
iを有する。それぞれの所与のスキャン面14
j内で、スキャン線16
iはすべて、第1の角度方向φにおいて同じスキャン角を有し、それぞれの面φ
jの向きに等しく、第2の角度方向θにおいて面14にわたって向きが変化する(
図2b)。
【0070】
それぞれの2Dスキャン面14
jはスキャン面内のスキャン線16にまたがる、前記第2の角度方向に沿った最大限の角度幅Δθを有する(例えば、
図3b参照)。
【0071】
完全な3D FOVはさらに、一連のスキャン面にまたがる前記第1の角度方向に沿って、最大角度Δφを有する(
図3b参照)。
【0072】
第1の角度寸法φ及び第2の角度寸法θは、中央z軸、又は中央原点に対して画定され得、原点は超音波放射源(すなわち、変換器構成32)を中央とする。
【0073】
図2aは、第2の角度寸法θを横切る平面の角度幅Δθに及ぶ一連のスキャン線16
iを連続的に生成することによって、2D平面14
jの各々がどのように形成され得るかを示す。超音波データのそれぞれの面は変換器装置34に対して第2の角度方向θに沿って、スキャン角θ
iを連続的にインクリメント又はデクリメントしてスキャン線を連続的に発射することによって取得され、すべてのスキャン線は同じ面14内にある。このようにして、フル平面のデータは、一度に1つのスキャン線で順次コンパイルされる。
図3bに示すように、このステップは一連の平面14
jに対して連続的に繰り返され、それぞれの平面はz軸に対して前記第1の寸法φに沿って方向角φ
jを有する(
図3a参照)。
図2aは概略的なものにすぎず、実際にはより多くのスキャン線又はより少ないスキャン線を使用することができる。
【0074】
図2bは、単一の例示的なスキャン線16について、第2の角度方向θに沿ったスキャン線のスキャン角θ
iと、線の方向に沿ったスキャン線のスキャン深度d
iとを概略的に示す。各個々のスキャン線のスキャン深度は、例えば、関連するスキャン線を取得するために使用される関連するトランスデューサ(複数可)の送信/受信シーケンスの受信位相の持続時間の制御を通して、個々に調整可能である。特に、スキャン線はトランスデューサから超音波パルス信号が送信される送信/受信シーケンスを用いて取得され、この直後に、同じトランスデューサ又は隣接するトランスデューサが、受信位相窓と呼ばれることがある特定のサンプリング時間窓の間、送信信号(エコー信号)の戻りエコーを検知又はサンプリングし始める。受信位相時間窓の持続時間を制御することによって、後に受信されたエコー信号部分が、エコー信号部分が後方反射された身体内のより深い位置に対応するので、エコー信号がサンプリングされる深度が制御される。したがって、このようにして、対応するトランスデューサ受信位相時間窓を制御することによって、各スキャン線のスキャン深度を個別に制御することができる。
【0075】
より詳細には、トランスデューサの送信/受信シーケンスの制御が各スキャン線の長さを制御するタイミングテーブルを用いて実施することができる。各ラインは、事実上、送信パルスで始まる。送信パルスの数マイクロ秒後に、戻ってくるエコーは、そのラインのために身体から戻って受信され始める。スキャン線はシステムが戻ってくるエコー信号を測定又はサンプルすることをやめたときに、効果的に終了する。同じトランスデューサが(交互のデューティサイクルで)送信及び検知の両方に使用される場合、スキャン線は、次の線のための送信パルスが生成されるときに効果的に終了する。したがって、各スキャン線のスキャン深度を制御することは実際には各スキャン線の送信/受信位相タイミングを制御するタイミングテーブルを構成することを含むことができ、これはシステムのコントローラによって構成することができる。
【0076】
図2cは、単一の例示的な2Dスキャン平面14
jについて、第2の角度方向θを横切る平面の最大角度幅Δθを概略的に示す。
【0077】
図3aは、単一の例示的な2Dスキャン平面14
jについて、z軸に対する前記第1の寸法φに沿った平面の方向角φ
jを示す。
【0078】
図3bは一連の2Dスキャン平面14a乃至14eにわたって連続的にデータを取得することによる、解剖学的領域内の3D FOVをカバーするフル体積データセットの取得を概略的に示し、一連のスキャン平面は、第1の指向性寸法φにわたって共に最大角度幅Δφに及ぶ。
図3bには5つの平面14が示されているが、実際にはより多い又はより少ない平面が3D FOVを形成してもよい。
【0079】
説明のために、
図3bに示される3D FOVは先に言及された第1の3D FOV 42であると見なされ、そのための超音波データは先に言及された基準超音波データを形成する。この実施例では、第1の3Dが例えば、第1のφ及び第2のθ方向の両方向に最大限の角度幅にわたり、それぞれの平面14
iが同一の形を有する(例えば、円錐又は角錐形状の幾何可能形状を使用して)標準的な視野幾何可能形状を有すると解釈される。言い換えれば、それは、完全に可能なFOVである。しかし、これは必須ではない。
【0080】
図4は、第1の3D FOV 42によって覆われる解剖学的領域内の例示的な体積領域52を定義することを示す。この例では、体積領域52が第1の3D FOV 42によって広がる体積のサブ領域であり、すなわち、第1の3D FOVよりも小さい体積を画定する。しかしながら、これは必須ではなく、体積領域は、第1の3D FOVよりも大きくてもよい。
【0081】
第1の3D FOV 42は例えば、体積領域52の定義を知らせるために使用され得るサーベイスキャンとして作用する。
【0082】
図示の例では、体積領域52が単に所定の幾何学的形状、この場合はシリンダとして設定される。しかしながら、以下でさらに詳細に説明するように、他の例では、体積領域の形状が任意に画定することができ、任意の規則的又は不規則な3Dジオメトリを有することができる。体積領域52は手動で定義されてもよく、例えば、ユーザ入力を介して定義されてもよく、例えば、予め設定された制御スキームによって定義されてもよく、又は(後に詳細に論じられるように)基準画像データに適用される解剖学的画像分析に基づいて自動的に定義されてもよい。例えば、本方法は基準3D超音波データにセグメンテーションを適用することを含んでもよく、体積領域はセグメンテーションから取得された識別された関心解剖学的対象の境界に依存して定義されてもよい。体積領域の境界は単に、識別された対象の境界として設定されてもよく、又は、例えば、解剖学的対象の境界を包含する形状に、いくつかのマージン又は間隔を加えて、異なるように設定されてもよい。
【0083】
体積領域52が定義されると、体積領域52の境界に依存して設定された境界を有する調整された3D FOV 44を用いて新しい3D超音波データを取得するために、1つ以上のスキャンパラメータが調整される。調整された3D FOVは、少なくとも完全に体積領域を包含すべきである。
【0084】
これを行うための少なくとも2つの主要なアプローチがある。
【0085】
第1は体積領域52の少なくとも1つの境界と交差するスキャン線16iのサブセットを識別することであり、識別されたスキャン線のサブセットのそれぞれと定義された体積領域の境界との交点を識別し、次いで、スキャン線の終点がスキャン線の識別された交点と一致するように、それぞれのスキャン線16i深度diを調整することであり、好ましくは、境界がスキャン線の方向に沿った体積領域の最遠位境界である。残りの交差しないスキャン線16は非活性化される(言い換えれば、新しい超音波データを取得するために調整されたFOVをスキャンするとき、交差しないスキャン線は生成/発射されない)。これは、体積領域の境界に少なくとも部分的に一致するか、又はマッピングする境界を有する調整されたFOVをもたらす。
【0086】
この手法の変形例では、スキャン線16i深度diを設定する代わりに、スキャン線が前述の交差で終端するように、スキャン線終端点はスキャン線ごとに、交差に対する線の深度/長さを識別し、この交差の深度に定義されたマージンを追加し、次いで、マージンが追加されたこの深度に等しい調整された視野に対する線の深度を設定することに基づいて、代わりに設定され得る。これは、任意選択的に、調整されたFOVが線深度方向において体積領域の周りに間隔又はマージンを含むことを可能にする。
【0087】
第2のアプローチは体積領域と交差しないスキャン線を単に非活性化する代わりに、第2の角度方向におけるそれぞれのスキャン平面14の最大スキャン幅Δθと、第1の角度方向にわたる平面14の集合によって広がる最大スキャン幅Δφとを決定するステップを含み、これらは、体積領域52の識別された境界に応じて決定されることを除いて、第1のアプローチと同様である。これは、関心体積領域52に対して、調整されたFOVのサイズ及び幾何学的形状において、より大きな柔軟性及び制御を可能にする。これは、例えば、体積領域と交差しないスキャン線の調整されたFOV内に含めることを任意に可能にし、例えば、体積領域の周りの特定の間隔又はマージンを可能にする。したがって、特に、それぞれの平面14jについて、最大角度幅Δθは前記平面が体積領域51の境界を完全に包含するのに必要な最小幅に設定されてもよく、又は最大角度幅は前記平面14が体積領域の境界を完全に包含するのにjな最小幅と、画定された角度マージン又は間隔との合計に設定されてもよい。最大角度幅の外側のスキャン線16は非活性化される。同じことが、一連のスキャン平面によって広がる前記第1の角度方向に沿って、最大角度幅Δφを設定するために適用されてもよい。
【0088】
体積領域の境界を完全に包含するための最小角度幅Δθ、Δφを決定することは、スキャン線16及びスキャン場所14を画定するために使用される同じ座標系内で、体積領域の境界(例えば、境界面)上にある点の角度座標を識別し、次いで、これらの点の間の最大値、例えば、第1の角度方向φ及び第2の角度方向θの各々におけるこれらの点の間の最大角度位置を識別することによって行うことができる。
【0089】
さらに説明するために、調整されたFOVがその境界が体積領域の境界に少なくとも部分的に一致又はマップするように(すなわち、間隔又はマージンなしに)設定されることが望ましい例が以下で考慮される。
【0090】
これを達成するために、各スキャン平面14j内の各スキャン線16iのスキャン深度は、個々に調整されて、スキャン深度を、それぞれのスキャン線と体積領域52の外側境界との識別された交点に等しく設定する。したがって、本方法は、体積領域を画定した後、各スキャン線と画定された体積領域の外側境界との交点を決定するステップと、スキャン線が前記交点で終端するように各スキャン線のスキャン線深度を設定するステップとを含むことができる。このようにして、調整されたFOV 44は、画定された体積領域52の3D形状に少なくとも部分的に一致する3D形状を有する。スキャン線が容積測定領域の2つ以上の境界と一致する場合、その深度は、超音波源からその長さに沿って最も遠い距離にある容積測定領域の境界、すなわち、最も遠位の境界との交点で終端するように設定され得る。
【0091】
さらに説明するために、
図5は、調整された視野角44内の単一平面14
jの収集を概略的に示している。図示のように、平面内のスキャン線16のスキャン深度はそれぞれ、体積領域の外側境界との交点で終端するように個別に調整されている。結果として得られるスキャン面14
jは一組の外側境界によって画定される形状を有し、これらの境界のサブセットは、体積領域52の境界のサブセットと一致する。平面はまた、超音波源から延在するさらなる境界を有し、超音波源から体積領域に向かってスキャン線伝播の領域に及ぶ。結果として得られる調整された3D FOV 44の合計は同様に、外側境界のセットを含み、そのサブセットは、体積領域52の境界と一致する。特に、超音波源からの超音波伝搬の方向に沿った体積領域の最遠位境界は、前記伝搬の方向に沿った調整された3D FOVの最遠位境界と一致する。
【0092】
さらなる概略図として、
図6は、例示的な基準超音波データセットを形成するデータでさらなる例示的な第1のFOV 42を示す。
図7は、第1のFOV内の画定された体積領域に従って構成された形状を有する、さらなる例示的な調整されたFOV 44を示す。図示のように、この例では、形状が曲がったピラミッド形状である。
【0093】
図8は、第1のFOV 42の文脈内の異なる角度からの調整されたFOV 44を示す。図から分かるように、この場合の調整されたFOV 44は、元のFOV 42よりも小さい。
【0094】
上述のように、体積領域52は、基準超音波データに適用された解剖学的セグメンテーションの結果に基づいて定義されてもよい。体積領域は単に、検出された解剖学的特徴又は対象によって占有される体積として定義されてもよく、すなわち、体積領域の境界は、検出された解剖学的対象の境界に一致するように設定される。いくつかの他の例では、容積測定領域が検出された解剖学的対象によって占有される容積を包含するようなサイズ及び位置にされた形状テンプレートとして設定され得る。後者は例えば、スキャン線深度計算の一部を事前に部分的に実行することを可能にし得るので、計算効率がより高くなり得る。
【0095】
したがって、さらなる説明として、有利な一組の実施形態によれば、方法は基準3D超音波データにセグメンテーションを適用して、基準3D超音波データ内の関心解剖学的対象の境界を検出することを含み、さらに、関心解剖学的対象の検出された境界に応じて解剖学的領域内の体積領域を定義することを含み、体積領域は、関心解剖学的対象の検出された境界を少なくとも完全に含むように定義される。
【0096】
たとえば、セグメンテーションは、モデルベースのセグメンテーション動作、及び/又は機械学習ベースのセグメンテーションの適用を備え得る。セグメンテーションの出力は、セグメント化された関心対象の外側境界を定義する接続された頂点を含むメッシュであってもよい。出力セグメンテーションメッシュ64の例を
図8(右下)に示す。この例では、関心解剖学的対象は心臓である。
【0097】
モデルベースのセグメンテーションの実装に関して、様々なセグメンテーションアルゴリズムが当技術分野で知られている。
【0098】
例えば、1つの例示的なセグメンテーションアルゴリズムを概説する、Olivier Ecabert らによる論文「CT画像における心臓の自動モデルベースセグメンテーション(IEEE Trans. Medical Imaging, 27(9):1189乃至1201, Sep. 2008)」が参照される。
【0099】
さらなる例示的なセグメンテーションアルゴリズムを概説する、Olivier Ecabertらによる論文「モデルベースの適応エンジンを用いたCT画像における心臓及び大血管のセグメンテーション(Medical Image Analysis, 15(6):863乃至876, 2011)」が参照される。
【0100】
いくつかの例では、体積領域52が例えば、対象物の動きに対応するために、対象境界の周りの所定の間隔に加えて、関心解剖学的対象物の検出された境界を完全に含むように定義される。例えば、調整されたFOVで取得された少なくとも新しい3D超音波データは、実際には3D超音波データの複数のフレームを含む4D超音波データであってもよい。したがって、対象物の動きは、例えば、対象物が周期的な動き、例えば、心臓又は肺を呈する場合に生じ得る。
【0101】
いくつかの例では体積領域を定義することは前記体積領域のための3D形状を定義することを含むことができ、3D形状は関心解剖学的対象を含む。体積領域を関心解剖学的対象に関連付けるために、本方法は、任意選択で、境界の周りの定義された間隔に加えて(調節運動のために)、関心解剖学的対象の境界を収容することができる最小である前記形状のスケールサイズを定義することをさらに含むことができる。
【0102】
体積領域の3D形状を定義するための様々な方法がある。これらは、以下により詳細に説明される。
【0103】
体積領域の3D形状は、予め定義された形状テンプレートに従って定義することができる。非限定的な例として、所定の形状テンプレートは、シリンダ、直方体、楕円体、ピラミッド形状、切頭又は切頭ピラミッド形状、楕円シリンダ形、又は任意の他の3D形状のうちの1つであってもよい。
【0104】
さらなる例では、本方法が対象の検出された境界に基づいてカスタム形状を決定することをさらに含む。例えば、形状を定義することは、対象の検出された境界に基づいてカスタム形状を決定することを含むことができる。カスタム形状は凸包であってもよい。例えば、解剖学的対象の境界を検出することは対象の境界に及ぶセグメンテーションメッシュ頂点ポイントを検出することを含み、又は対象の境界に及ぶ画素を検出することを含み、凸包は頂点ポイント又は画素を接続するように定義される。これは、検出された関心解剖学的対象の境界に(可能な限り密接に)一致する境界を有する体積領域を効果的にもたらす。
【0105】
上述のように、本発明の実施形態によるFOV適応方法の技術的利点は、重要な解剖学的詳細を排除するリスクなしに3D FOVのサイズを最小化することによって、4D撮像における改善されたフレームレートを可能にすることである。
【0106】
したがって、いくつかの実施形態では調整された3D FOV 44が第1の3D FOVよりもボリュームが小さくなるように設定されてもよく、方法はFOVが調整された後に4D超音波データの取得フレームレートを増加させることをさらに含む。
【0107】
本発明の更なる例示として、少なくとも1組の実施形態による更なる実施例が、ここで詳細に説明される。例示のために、これは、心臓の4D超音波画像を参照して説明される。しかしながら、同じ原理は任意の解剖学的対象又は関心領域の画像に適用することができ、4D画像は必須ではない。
【0108】
この実施形態では、3D解剖学的知能を使用して、解剖学的関心領域を捕捉するのに必要な最小限で計算された3Dスキャンパターンで取得された体積領域を計算する。これは、4Dイメージングの文脈において、最高の可能なフレームレートを可能にする。これは、例えば、2D画像データからの3D情報の(誤差が起こりやすい)抽出を回避することを可能にする。
【0109】
この実施形態による方法の流れは、既に上で提供され、
図2乃至5を参照して説明された概要に従う。要約すると、方法の流れは以下の通りである。
【0110】
第1のステップとして、心臓の第1の3D超音波画像が取得される。これは、例えば、コーン又はピラミッド形状のFOVを有する規格又はデフォルトのFOVジオメトリを使用することができる。これは、基準3D超音波データを形成する。
【0111】
次いで、基準3D超音波画像は解剖学的文脈を導出するために、セグメンテーション動作を用いて処理される。これは、たとえば、モデルベースのセグメンテーション、又はディープラーニングベースの人工ニューラルネットワークの適用を含み得る。セグメンテーションの出力は例えば、関心解剖学的対象、すなわち、この場合は心臓の外側境界に共に及ぶ接続された頂点を含むラベル付きセグメンテーションメッシュであってもよい。さらなる例では、出力が関心対象の境界を表す基準3D画像内の1つ又は複数の画素線及び/又は表面を定義するセグメンテーションマスクであり得る。
【0112】
一般的な2D又は3D画像セグメンテーション(ボクセル分類/ラベリング)のためのニューラルネットワークは、汎用技術分野で知られている。
【0113】
メッシュ又はマスクを使用して、撮像データが望まれるすべての心臓構造、及び任意選択で、心周期にわたる心臓運動、すなわち心拍から心拍までをカバーするさらなるマージンもその内部に含む3D体積領域が定義される。そのようなマージンはまた、標的構造が何らかの空間的解剖学的文脈で撮像されることを確実にすることができる。
【0114】
これは、例えば、マスクのすべての頂点、又はマスクのすべてのボクセルを処理し、それぞれのボクセルの頂点が存在するz軸に対する対応するスキャン角(θ、φ)を記録することによって達成することができる。これから、すべての頂点又はボクセルを捕捉するために一連のスキャン平面にまたがる必要がある最小スキャン幅Δφを決定することができる。さらに、すべての頂点又はボクセルを含むために必要な各平面の最小必要幅Δθを決定することができる。これらの角度幅の外側のスキャン線は非活性化されてもよく、すなわち、データ収集においてその後使用されなくてもよい。
【0115】
さらに、各頂点又はボクセルの記録されたスキャン角から、関心解剖学的対象の検出された境界の全体を含む超音波装置座標系(d、θ、φ)に対して、3D体積領域を定義することができる。例えば、円形、楕円形、又は長方形の角度領域などの標準的な3D形状を決定することができ、又はカスタム形状、例えば、境界メッシュの頂点又は境界マスクのボクセル/ピクセルを接続する凸包を定義することができる。
【0116】
調整された3D FOVの結果として得られる角度領域は、基準スキャンの第1のFOVがより広くてもよく、又はより狭くてもよいことに留意されたい。例えば、ターゲット解剖学的対象の特定の部分が第1のFOVにおいて完全に覆われていない場合、調整されたFOVはより大きくなり得る。他の場合には、調整されたFOVが第1のFOVよりも小さくてもよい。最も一般的には、調整されたFOVが第1のFOVと重複する。
【0117】
次のステップでは、調整されたFOVの計画された最大角度範囲Δφ、Δθ内のスキャン角度を有する各スキャン線について必要なスキャン深度が計算される。それぞれのスキャン線(すなわち、それぞれのスキャン角θ、φ)について、本方法は超音波源と、以前に定義された体積領域の境界との間の、線の長さに沿った距離を決定することを含む(ここで、これは解剖学的構造自体の境界(おそらく、その周りの定義されたマージンを加えたもの)、又は上記のような構造を含む形状の何れかによって定義される)。
【0118】
例えば、セグメンテーションの出力が三角形メッシュとして表される場合、体積領域は、定義されたメッシュの形状に一致する境界を有するように定義され得る。したがって、各スキャン線に対するスキャン深度を決定するために、方法は、スキャン線によって交差されるメッシュ境界構造のすべての三角形を決定することと、関連する交点の距離を計算することとを備え得る。セグメンテーションが代わりにボクセルマスクとして表される場合、本方法はスキャン線によって交差されるマスクの全てのボクセルを決定することと、超音波源からそれぞれのボクセルまでのスキャン線に沿った距離を計算すること(例えば、ボクセルのボクセル中心又はボクセルの最も遠位のコーナまで)とを含むことができる。
【0119】
所与のスキャン線について、それが2つ以上の点で体積領域境界と交差する場合、最も遠い交点が使用される。これにより、各スキャン線の交点座標のセットが得られる。
【0120】
例として、
図9は、体積超音波データセットを通るスライスを示す。画像は心臓のためのセグメンテーション境界64の例示的なセットを示し、また、心臓の全体を含む画定された体積領域52の境界も示す。
【0121】
図10は、関心解剖学的対象が代わりに心臓の一部分(左心室)のみでさらなる例を示す。心臓64全体の境界をセグメント化することができ、次いで、解剖学的対象/関心領域(すなわち、左心室)だけをカバーする体積領域52が画定される。
【0122】
上述のように、いくつかの例では、調整された3D FOV 44が検出された解剖学的対象の周りのマージン又は間隔領域を含む。解剖学的対象の周りの定義されたマージン又は間隔は、予め定義されてもよく、ユーザ入力に基づいてもよく、又は取得された基準超音波データが4D超音波データである場合、一連のフレームにわたって対象の検出された動きパターンから決定されてもよい。言い換えれば、境界の周りの間隔の範囲は、一連のフレームにわたって関心対象境界の最大範囲を検出することに基づいて決定することができる。
【0123】
調整された3D FOVを設定した後、新しい3D超音波データを取得することができる。これは、3D超音波データの一連のフレームを含む4D超音波データであってもよい。調整されたFOVの外側(すなわち、スキャン線の新たに設定された長さ/深度を超える)の領域はスキャンされない。すなわち、各ビーム(スキャン線)は、そのスキャン線に対して設計されたスキャン線深度までしか取得されない。このようにして、より高いフレームレートがイネーブルされる。
【0124】
本方法は、新たに取得された画像データの視覚的表現を表示するようにユーザインターフェースの表示を制御することをさらに含むことができる。したがって、適合された視野は、直接可視することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースが現在設定されているFOVが所定の解剖学的対象又は関心領域をカバーしない場合、ユーザ警告を生成するために使用され得る。ユーザは、解剖学的対象にFOVを適合させるためにFOV調整方法を手動でトリガすることができる。本方法の命令実行時に、現在のFOVが実際に適切である場合、超音波トランスデューサユニットの位置決めを調整する必要があるというヒントがユーザに提供され得る。
【0126】
本出願のさらなる態様は超音波撮像装置と通信可能に結合されたプロセッサ上で実行されたとき、上記で概説された本発明又は実施形態の何れかによる、又は本出願の何れかのクレームによる方法をプロセッサに実行させるように構成されたコード手段を備えるコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0127】
図1を参照して上記で簡潔に概説したように、本発明の別の態様は、超音波撮像装置30と、上記で概説した例又は実施形態の何れかによる方法を実行するように適合された処理構成20とを備えるシステム10を提供する。プロセッサは超音波画像データを受信し、調整されたスキャンパラメータを超音波撮像装置と通信するために、超音波撮像装置と通信可能に結合される。
【0128】
図11を参照して、例示的な超音波撮像装置の一般的な動作をさらに詳細に説明する。
【0129】
装置は超音波を送信し、エコー情報を受信するためのトランスデューサアレイ106を有するアレイトランスデューサプローブ104を備える。トランスデューサアレイ106は、CMUTトランスデューサ、PZT又はPVDFなどの材料で形成された圧電トランスデューサ、又は任意の他の適切なトランスデューサ技術を備え得る。この例では、トランスデューサアレイ106が関心領域の2D平面又は3次元ボリュームの何れかをスキャンすることができるトランスデューサ108の2次元アレイである。別の例では、トランスデューサアレイが1Dアレイであってもよい。
【0130】
トランスデューサアレイ106は、トランスデューサ素子による信号の受信を制御するマイクロビームフォーマ112に結合される。マイクロビームフォーマは米国特許第5,997,479号(Savordら)、第6,013,032号(Savord)、及び第6,623,432号(Powersら)に記載されているように、トランスデューサのサブアレイ(一般に「グループ」又は「パッチ」と呼ばれる)によって受信された信号の少なくとも部分的なビームフォーミングが可能である。
【0131】
マイクロビームフォーマは一般に、完全に任意選択であることに留意されたい。さらに、装置は送信/受信(T/R)スイッチ116を含み、これは、マイクロビームフォーマ112が結合されることができ、送信モードと受信モードとの間でアレイを切り替え、マイクロビームフォーマが使用されず、トランスデューサアレイがメインシステムビームフォーマによって直接動作される場合に、メインビームフォーマ120を高エネルギー送信信号から保護する。トランスデューサアレイ106からの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチ116によってマイクロビームフォーマに結合されたトランスデューサコントローラ118と、ユーザインターフェース又は制御パネル138のユーザ操作から入力を受け取ることができる主送信ビームフォーマ(図示せず)とによって方向付けられる。コントローラ118は、透過モード中にアレイ106のトランスデューサ素子を(直接又はマイクロビームフォーマを介して)駆動するように構成された送信回路を含むことができる。
【0132】
典型的なラインバイラインイメージングシーケンスでは、プローブ内のビームフォーミングシステムが以下のように動作することができる。送信中、ビームフォーマ(実装に応じて、マイクロビームフォーマ又はメインシステムビームフォーマであり得る)は、トランスデューサアレイ、又はトランスデューサアレイのサブアパーチャを活性化する。サブアパーチャは、トランスデューサの1次元線、又はより大きいアレイ内のトランスデューサの2次元パッチであってもよい。送信モードでは、アレイ又はアレイのサブアパーチャによって生成される超音波ビームの焦点及びステアリングが以下に説明するように制御される。
【0133】
被検体から後方散乱エコー信号を受信すると、受信信号は受信信号を整列させるために(後述するように)受信ビームフォーミングを受け、サブアパーチャが使用されている場合、サブアパーチャは例えば1つのトランスデューサ素子によってシフトされる。次に、シフトされたサブアパーチャが起動され、トランスデューサアレイのトランスデューサ素子の全てが起動されるまで、プロセスが繰り返される。
【0134】
各ライン(又はサブアパーチャ)について、最終超音波画像の関連するラインを形成するために使用される総受信信号は、受信期間中に所与のサブアパーチャのトランスデューサ素子によって測定された電圧信号の合計となる。結果として生じる線信号は、以下のビームフォーミング処理に続いて、通常、無線周波数(RF)データと呼ばれる。次いで、様々なサブアパーチャによって生成された各線信号(RFデータセット)は、最終的な超音波画像の線を生成するために追加の処理を受ける。時間によるライン信号の振幅の変化は深度による超音波画像の輝度の変化に寄与し、高い振幅ピークは、最終画像における明るい画素(又は画素の集合)に対応する。線信号の開始付近に現れるピークは浅い構造からのエコーを表すが、線信号の後に徐々に現れるピークは被検体内の深度が深くなる構造からのエコーを表す。
【0135】
トランスデューサコントローラ118によって制御される関数の1つは、ビームがステアリングされ、集束される方向である。ビームはトランスデューサアレイから(直交して)真っ直ぐ前方に、又はより広い視野に対して異なる角度でステアリングされてもよい。送信ビームのステアリング及び集束は、トランスデューサ素子の作動時間の関数として制御され得る。
【0136】
2つの方法、すなわち、平面波イメージング及び「ビームステアリング」イメージングは、一般的な超音波データ取得において区別することができる。2つの方法は、送信(「ビームステアリング」イメージング)及び/又は受信モード(平面波イメージング及び「ビームステアリング」イメージング)におけるビームフォーミングの存在によって区別される。
【0137】
最初に集束機能を見ると、トランスデューサ素子の全てを同時に作動させることによって、トランスデューサアレイは、被検体を通って進むにつれて発散する平面波を生成する。この場合、超音波のビームは集束されないままである。トランスデューサの活性化に位置依存時間遅延を導入することによって、ビームの波面を、焦点ゾーンと呼ばれる所望の点に収束させることが可能である。焦点ゾーンは、横方向ビーム幅が送信ビーム幅の半分未満である点として定義される。このようにして、最終的な超音波画像の横方向の解像度が改善される。
【0138】
例えば、時間遅延がトランスデューサ素子を、トランスデューサアレイの最も外側の素子から始まり、中央の素子で仕上げて、連続して活性化させる場合、焦点ゾーンは、中央の素子に沿って、プローブから所定の距離だけ離れて形成される。プローブからの焦点ゾーンの距離は、トランスデューサ素子の活性化の各後続のラウンド間の時間遅延に応じて変化する。ビームが焦点ゾーンを通過した後、ビームは発散し始め、遠視野撮像領域を形成する。トランスデューサアレイの近くに配置された焦点ゾーンでは、超音波ビームが遠距離場において急速に発散し、最終画像におけるビーム幅アーチファクトにつながることに留意されたい。典型的には、トランスデューサアレイと焦点ゾーンとの間に位置する近距離場が超音波ビームの大きな重複のために、ほとんど詳細を示さない。したがって、焦点ゾーンの位置を変化させることは、最終的な画像の品質に著しい変化をもたらす可能性がある。
【0139】
送信モードでは、超音波画像が複数の焦点ゾーン(それぞれが異なる送信焦点を有し得る)に分割されない限り、1つの焦点のみが定義され得ることに留意されたい。
【0140】
また、被検体内からエコー信号を受信すると、受信フォーカシングを行うために、上記の処理の逆を行うことができる。言い換えれば、入力信号は、トランスデューサ素子によって受信され、信号処理のために装置に渡される前に電子時間遅延を受けることができる。この最も単純な例は、遅延和ビームフォーミングと呼ばれる。トランスデューサアレイの受信焦点を時間の関数として動的に調整することが可能である。
【0141】
ここでビームステアリングの機能を見ると、トランスデューサ素子への時間遅延の正しい適用を通して、トランスデューサアレイを出るときに超音波ビームに所望の角度を与えることが可能である。例えば、トランスデューサアレイの第1の側でトランスデューサを作動させ、その後、アレイの反対側で終わるシーケンスで残りのトランスデューサを作動させることによって、ビームの波面は、第2の側に向かって角度が付けられる。トランスデューサアレイの法線に対するステアリング角の大きさは、後続のトランスデューサ素子の活性化間の時間遅延の大きさに依存する。
【0142】
さらに、各トランスデューサ素子に印加される総時間遅延が、焦点時間遅延とステアリング時間遅延の両方の合計でステアリングビームを焦点させることが可能である。この場合、トランスデューサアレイはフェーズドアレイと呼ばれる。
【0143】
活性化のためにDCバイアス電圧を必要とするCMUTトランスデューサの場合、トランスデューサコントローラ118は、トランスデューサアレイのためのDCバイアス制御145を制御するように結合することができる。DCバイアス制御145は、CMUTトランスデューサ素子に印加されるDCバイアス電圧を設定する。
【0144】
トランスデューサアレイの各トランスデューサ素子に対して、典型的にはチャネルデータと呼ばれるアナログ超音波信号が、受信チャネルを経由してシステムに入る。受信チャネルでは部分的にビームフォーミングされた信号がマイクロビームフォーマ112によってチャネルデータから生成され、次いで、主受信ビームフォーマ120に渡され、ここで、トランスデューサの個々のパッチからの部分的にビームフォーミングされた信号は無線周波数(RF)データと呼ばれる完全にビームフォーミングされた信号に組み合わされる。各ステージで実行されるビームフォーミングは、上述のように実行されてもよく、又は追加の機能を含んでもよい。たとえば、主ビームフォーマ120は128個のチャネルを有することができ、その各々は、数十又は数百のトランスデューサ素子のパッチから部分的にビームフォーミングされた信号を受信する。このようにして、トランスデューサアレイの何千ものトランスデューサによって受信される信号は、単一のビーム形成された信号に効率的に寄与することができる。
【0145】
ビームフォーミングされた受信信号は、信号プロセッサ122に結合される。信号プロセッサ122は受信されたエコー信号を、帯域通過フィルタリング、間引き、I及びQ成分分離、ならびに組織及びマイクロバブルから戻される非線形(基本周波数の高調波)エコー信号の識別を可能にするように線形及び非線形信号を分離するように作用する高調波信号分離などの様々な方法で処理することができる。信号プロセッサはまた、スペックル低減、信号合成、及び雑音除去などの追加の信号拡張を実行し得る。信号プロセッサ内のバンドパスフィルタは追跡フィルタとすることができ、その通過帯域はエコー信号が増加する深度から受信されるにつれて、より高い周波数帯域からより低い周波数帯域へと摺動し、それによって、典型的には解剖学的情報を欠く、より深い深度から、より高い周波数における雑音を排除する。
【0146】
送信及び受信のためのビームフォーマは、異なるハードウェアで実装され、異なる機能を有することができる。もちろん、受信器ビームフォーマは、送信ビームフォーマの特性を考慮するように設計される。
図11では、簡略化のために、受信器ビームフォーマ112、120のみが示されている。完全なシステムでは、送信マイクロビームフォーマと、主送信ビームフォーマとを有する送信チェーンも存在する。
【0147】
マイクロビームフォーマ112の機能はアナログ信号経路の数を減少させるために、信号の初期の組み合わせを提供することである。これは、典型的にはアナログ領域で実行される。
【0148】
最終的なビームフォーミングは主ビームフォーマ120において行われ、典型的にはデジタル化の後である。
【0149】
送信チャネル及び受信チャネルは、固定周波数帯域を有する同じトランスデューサアレイ106を使用する。しかしながら、送信パルスが占める帯域幅は、使用される送信ビームフォーミングに応じて変化し得る。受信チャネルは(古典的なアプローチ)トランスデューサ帯域幅全体を捕捉することができ、又は帯域通過処理を使用することによって、所望の情報(例えば、主高調波の高調波)を含む帯域幅のみを抽出することができる。
【0150】
次いで、RE信号、Bモード(すなわち、輝度モード、又は2D撮像モード)プロセッサ126及びドップラプロセッサ128に結合され得る。Bモードプロセッサ126は器官組織及び血管などの身体内の構造の画像のために、受信された超音波信号に対して振幅検出を実行する。ライン・バイ・ライン撮像の場合、各ライン(ビーム)は、関連するRE信号振幅がBモード画像内の画素に割り当てられるべき輝度値を生成するために使用される。画像内の画素の正確な位置は、RE信号関連する振幅測定の位置と、RF信号のライン(ビーム)数とによって決定される。このような構造のBモード画像は米国特許6,283,919(Roundhillら)及び米国特許6,458,083(Jagoら)に記載されているように、高調波又は基本画像モード、又は両方の組み合わせで形成することができる。ドップラープロセッサ128は画像フィールド内の血球の流れなどの移動する物質の検出のために、組織の動き及び血流から生じる時間的に異なる信号を処理する。ドップラープロセッサ128は、典型的には体内の選択されたタイプの材料から戻されたエコーを通過又は拒絶するように設定されたパラメータを有する壁フィルタを含む。
【0151】
Bモード及びドップラープロセッサによって生成される構造信号及び動き信号は、スキャン変換器132及びマルチプレーナリフォーマッタ144に結合される。スキャンコンバータ132は、エコー信号を、それらがそこから受信された空間関係において、所望の画像フォーマットで配置する。言い換えれば、スキャンコンバータはRFデータを円筒座標系から、画像ディスプレイ140上に超音波画像を表示するのに適したデカルト座標系に変換するように作用する。Bモード画像の場合、所与の座標における画素の輝度は、その位置から受信されるRF信号の振幅に比例する。例えば、スキャンコンバータは、エコー信号を2次元(2D)扇形状フォーマット、又はピラミッド型3次元(3D)画像に配置することができる。スキャンコンバータは画像フィールド内の点における動きに対応する色を有するBモード構造画像を重ね合わせることができ、ここで、ドップラー推定速度は、所与の色を生成する。結合されたBモード構造画像及びカラードップラー画像は、構造画像フィールド内の組織の動き及び血流を描写する。米国特許6,443,896(Detmer) に記載されているように、マルチプレーナリフォーマッタは、身体の体積領域内の共通平面内の点から受信されたエコーを、その平面の超音波画像に変換する。米国特許6,530,885(Entrekinら)に記載されているように、ボリュームレンダラ142は、3Dデータセットのエコー信号を所与の基準点から見た投影3D画像に変換する。
【0152】
2D又は3D画像はスキャンコンバータ132、マルチプレーナリフォーマッタ144、及びボリュームレンダラ142から画像処理装置130に結合され、画像ディスプレイ140上に任意選択的に表示するために、さらなる拡張、バッファリング、及び一時記憶を行う。撮像プロセッサは例えば、強い減衰器又は屈折によって引き起こされる音響シャドウイング、例えば、弱い減衰器によって引き起こされる後方強調、例えば、高反射性組織界面が近接して位置する残響アーチファクトなど、最終超音波画像から特定の撮像アーチファクトを除去するように適合され得る。加えて、画像プロセッサは最終的な超音波画像のコントラストを改善するために、特定のスペックル低減関数を処理するように適合され得る。
【0153】
画像に使用されることに加えて、ドップラープロセッサ128によって生成される血流値及びBモードプロセッサ126によって生成される組織構造情報は、定量化プロセッサ134に結合される。定量化プロセッサは、器官のサイズ及び在胎期間などの構造的測定に加えて、血流の体積速度などの異なる流量条件の測定値を生成する。定量化プロセッサは、測定が行われる画像の解剖学的構造内の点など、ユーザ制御パネル138から入力を受信することができる。
【0154】
定量化プロセッサからの出力データはディスプレイ140上の画像を用いて測定グラフィックス及び値を再生し、表示装置140から音声出力するために、グラフィックスプロセッサ136に結合される。グラフィックスプロセッサ136は、超音波画像と共に表示するためのグラフィックオーバーレイを生成することもできる。これらのグラフィックオーバーレイは、患者名、画像の日付及び時間、撮像パラメータなどの標準識別情報を含むことができる。これらの目的のために、グラフィックスプロセッサは、患者名などの入力をユーザインターフェース138から受信する。ユーザインターフェースはまた、トランスデューサアレイ106からの超音波信号の生成、したがって、トランスデューサアレイ及び超音波撮像装置によって生成される画像の生成を制御するために、送信コントローラ118に結合される。コントローラ118の送信制御機能は、実行される機能のうちの1つに過ぎない。コントローラ118はまた、動作モード(ユーザによって与えられる)と、受信器アナログ/AD変換器における対応する必要な送信器設定及び帯域通過設定とを考慮に入れる。コントローラ118は、固定状態を有する状態機械とすることができる。
【0155】
ユーザインターフェースはまた、MPR画像の画像フィールドにおいて定量化された測定を実行するために使用され得る複数のマルチプレーナリフォーマット(MPR)画像の平面の選択及び制御のために、マルチプレーナリフォーマッタ144に結合される。
【0156】
上述の本発明の実施形態は、処理装置を用いる。処理構成は一般に、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを備えることができる。それは、単一の収容装置、構造、もしくはユニット内に配置されてもよく、又は複数の異なる装置、構造、もしくはユニット間に分散されてもよい。したがって、特定のステップ又はタスクを実行するように適合又は構成されている処理構成への言及は、複数の処理構成要素のうちの任意の1つ又は複数によって、単独で、又は組み合わせて、実行されているそのステップ又はタスクに対応し得る。当業者は、そのような分散処理装置をどのように実施することができるかを理解するのであろう。処理装置はデータを受信し、さらなる構成要素にデータを出力するための通信モジュール又は入力/出力部を含む。
【0157】
処理構成の1つ又は複数のプロセッサは必要とされる様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、多数の方法で実装され得る。プロセッサは典型的には必要な機能を実行するためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを使用する。プロセッサは、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するための1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路との組合せとして実装され得る。
【0158】
本開示の様々な実施形態において使用され得る回路の例は従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0159】
様々な実装形態では、プロセッサがRAM、PROM、EPROM、及びEEPROMなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリなどの1つ又は複数の記憶媒体に関連付けられ得る。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、必要な機能を実行する1つ又は複数のプログラムで符号化され得る。様々な記憶媒体はその上に記憶された1つ又は複数のプログラムがプロセッサにロードされ得るように、プロセッサ又はコントローラ内に固定され得るか、又は可搬型であり得る。
【0160】
開示された実施形態に対する変形は図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。
【0161】
単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。
【0162】
特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0163】
コンピュータプログラムは他のハードウェアとともに、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布され得るが、インターネット又は他の有線もしくはワイヤレス電気通信システムなどの他の形態で配布されてもよい。
【0164】
「に適合された」という用語が特許請求の範囲又は説明において使用される場合、「に適合された」という用語は、「に構成された」という用語と等価であることが意図されることに留意されたい。
【0165】
請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】