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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】結合デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/34 20060101AFI20241114BHJP
   F16L 37/36 20060101ALI20241114BHJP
   F16L 59/065 20060101ALI20241114BHJP
   F16L 59/14 20060101ALI20241114BHJP
   F16L 39/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F16L37/34
F16L37/36
F16L59/065
F16L59/14
F16L39/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524361
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2022077911
(87)【国際公開番号】W WO2023083533
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】2112047
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】コレイロ,ガエタン
【テーマコード(参考)】
3H036
3J106
【Fターム(参考)】
3H036AA02
3H036AB33
3J106AB03
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106CA01
3J106EA00
3J106GA03
3J106GA04
3J106GA26
(57)【要約】
【解決手段】 緊急時に分離可能であり、且つ自動的に閉鎖する、極低温流体を搬送するための結合デバイスであって、長手方向に延在する、流体を搬送するための2つのパイプ(2、3)であって、接続端部において、接続端部が分離されるときにパイプ(2、3)を自動的に閉鎖し、且つ接続端部が結合されるときにパイプ(2、3)が開くことを可能にするように構成される弁機構(4、6、8、5、7、9)をそれぞれ含む2つのパイプ(2、3)を含み、各運搬パイプ(2、3)の周りに配置され、且つ運搬パイプ(2、3)を断熱するための真空にされた空間を画定する外部管(10、11)を更に含み、2つの接続端部の各々にそれぞれ位置する、協働する機械的締結部材(12、13)を含む、2つのパイプ(2、3)を迅速に接続するためのクイック接続機構を含み、接続端部がクイック接続システム(12、13)を介して結合されるとき、2つのパイプ(2、3)が分離されることを可能にするように構成される緊急分離システム(24、15、16、17、18、19、21)を更に含む結合デバイスにおいて、緊急分離システム(24、15、16、17、18、19、21)は、第1のパイプの接続端部に位置し、且つ第1のパイプ(2、3)の1つ又は複数の締結部材(12、13)を備える接続端部と、第1のパイプ(2、3)の残りの部分との間の堅固な機械的接続を提供する第1の構成と、クイック接続機構の1つ又は複数の機械的締結部材(12、13)を備える第1のパイプの接続端部が第1のパイプ(2、3)の残りの部分から分離される第2の分割構成との間で移動可能な接続部品の組を含むことを特徴とする結合デバイス。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急分離及び自動閉鎖を備える、極低温流体輸送のための結合デバイスであって、長手方向に延在する2つの流体輸送パイプ(2、3)であって、接続端部において、前記接続端部が分離されるときに前記パイプ(2、3)を自動的に閉鎖し、且つ前記接続端部が結合されるときに前記パイプ(2、3)が開くことを可能にするように構成された弁機構(4、6、8、5、7、9)をそれぞれ含む2つの流体輸送パイプ(2、3)を含み、各輸送パイプ(2、3)を中心に配置され、且つ前記輸送パイプ(2、3)を断熱するために真空下の空間を画定する外部管(10、11)も含み、前記2つの接続端部にそれぞれ位置する、嵌合する機械的取付部材(12、13)を含む、前記2つのパイプ(2、3)のためのクイック接続機構を含み、前記クイック接続機構(12、13)を使用して前記接続端部が結合されるとき、前記2つのパイプ(2、3)が分離されることを可能にするように構成された緊急分離システム(24、15、16、17、18、19、21)を更に含む結合デバイスにおいて、前記緊急分離システム(24、15、16、17、18、19、21)は、第1のパイプの接続端部に位置し、且つ前記第1のパイプ(2、3)のための1つ又は複数の取付部材(12、13)を備えた前記接続端部と、前記第1のパイプ(2、3)の残りの部分との間の堅固な機械的連結を確保する第1の構成と、前記クイック接続機構の1つ又は複数の機械的取付部材(12、13)を備えた前記第1のパイプの前記接続端部が前記第1のパイプ(2、3)の前記残りの部分から分離される第2の分割構成との間で移動可能な連結部品の組を含むことを特徴とする結合デバイス。
【請求項2】
前記2つのパイプ(2、3)のための前記クイック接続機構は、接続端部上に位置する少なくとも1つの突出部(12)及び前記1つ又は複数の突出部を収容するように構成された少なくとも1つのハウジング(13)を含み、例えば、前記クイック接続機構は、バヨネット、及び/又はボール、及び/又はツメ、及び/又はネジ/ナット接続であることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記緊急分離システムを備えた前記接続端部は、2つの分離可能なセグメント(24、15)を備えた構造を含み、前記分離システムは、前記2つの分離可能なセグメント(24、15)を別個に連結する機械的連結、例えばボール、及び/又は分離カラー(22)、及び/又は破壊可能なネジ(19)を備えたクイック継手を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記緊急分離システムは、前記2つの分離可能なセグメント(24、15)間の接合部に装着されたボール(16)の組を含み、前記ボール(16)は、前記セグメント(24、15)間の堅固な連結を提供するために、前記2つのセグメントに突き当たるか又はそれを締め付ける第1の協働位置と、前記セグメント(24、15)の分離を可能にするために、前記ボール(16)が前記セグメントの1つ(24)に突き当たりもせず又はそれを締め付けもしない第2の位置との間で前記2つのセグメント(24、15)に対して移動可能に装着され、前記緊急分離システムは、前記ボール(16)をその第1の位置でブロックする係止位置と、前記ボール(16)がその第2の位置に向かって移動することを可能にする係脱位置との間で移動可能な係止リング(17)を含み、前記緊急分離システムは、前記係止リング(17)をその係止位置に向かって付勢するバネなどの戻り部材(18)を含むことを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記係止リング(17)は、対象の前記パイプ(2)の前記外部管(10)に堅固に接続されたセグメント(15)上において前記長手方向に摺動可能に装着されることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
各接続端部における前記弁機構は、弁及び座部であって、その一方は、他方に対して移動可能であり、且つ戻り部材によって閉鎖位置に向かって付勢される、弁及び座部を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記輸送パイプの第1のもの(3)の前記弁機構(5、7、9)は、可動弁(5)であって、前記弁(5)を中心に配置された静止座部(7)に対して閉鎖位置に向かって戻り部材(9)によって付勢される可動弁(5)を含み、前記第2の輸送パイプ(2)の前記弁機構(4、6、8)は、基準弁(4)及び前記基準弁(4)を中心に配置された可動座部(6)を含み、前記可動座部(6)は、戻り部材(8)によって前記基準弁(4)に対して閉鎖位置に向かって付勢されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記2つの輸送パイプ(2)の一方の前記弁機構(4、6、8)は、その外部管(10)の内側において、前記他の弁機構(5、7、9)がその管(11)内にあるよりも比較的大きく窪んだ範囲で収容されて、前記2つの輸送パイプ(2、3)の接合位置で一方の接続端部が他方の接続端部に入る雄/雌システムを形成することを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記2つの接続端部の分離位置から結合位置に移行するとき、前記弁機構(4、6、8、5、7、9)は、第1の構成から第2の構成に順次移行するように構成され、前記第1の構成では、前記接続端部が接触し、及び前記2つの弁機構が閉鎖され、前記第2の構成では、前記接続端部が接触し、及び前記弁機構が相互作用によって開放されることを特徴とする、請求項7又は8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の構成から前記第2の構成への前記移行は、前記2つの流体輸送パイプ(2、3)の互いに向かう相対的な移動及び/又は前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)の互いに向かう相対的な移動により、例えば手動及び/又は制御部材の制御下で行われることを特徴とする、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記外部管(10、11)と前記輸送パイプ(2、3)との間の真空下の前記空間は、断熱材、例えば多層断熱材(MLI)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイスにより、2つの極低温流体輸送パイプ(2、3)を結合する方法であって、前記2つの接続端部を互いに向かって移動させるステップであって、前記2つの接続端部は、外側に対して封止して結合される、ステップと、前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を接触して配置するステップと、2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を開放するステップと、極低温流体を一方のパイプから他方に流すステップとを含む方法。
【請求項13】
前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を開放する前記ステップ前に、前記2つの接続端部が外側に対して封止して結合され、及び前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)が前記閉鎖位置にある中間構成を有し、前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を開放する前記ステップは、前記2つの流体輸送パイプ(2、3)の互いに向かう追加の相対的な移動及び/又は前記2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して行われることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイスによって結合された2つの極低温流体輸送パイプ(2、3)を分離する方法であって、前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を、前記2つの流体輸送パイプ(2、3)の互いから離れる相対的な移動及び/又は前記2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して閉鎖するステップと、その後、前記2つの接続端部を分離するステップとを含む方法。
【請求項15】
前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を閉鎖する前記ステップと前記分離ステップとの間において、前記2つの接続端部が外側に対して封止して結合されたままであり、及び前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)が前記閉鎖位置にある中間構成を有し、前記2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を閉鎖する前記ステップは、前記2つの流体輸送パイプ(2、3)の互いから離れる追加の相対的な移動及び/又は前記2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して行われることを特徴とする、請求項14に記載の分離方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合デバイス及び方法に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、緊急分離及び自動閉鎖を備える、極低温流体輸送のための結合デバイスに関し、デバイスは、長手方向に延在する2つの流体輸送パイプであって、接続端部において、接続端部が分離されるときにパイプを自動的に閉鎖し、且つ接続端部が結合されるときにパイプが開くことを可能にするように構成された弁機構をそれぞれ含む2つの流体輸送パイプを含み、デバイスは、各輸送パイプを中心に配置され、且つ輸送パイプを断熱するために真空下の空間を画定する外部管を更に含み、デバイスは、2つの接続端部にそれぞれ位置する、嵌合する機械的取付部材を含む、2つのパイプのためのクイック接続機構を含み、デバイスは、クイック接続機構を使用して接続端部が結合されるとき、2つのパイプの分離を可能にするように設計された緊急分離システムを更に含む。
【背景技術】
【0003】
極低温流体(例えば、液化水素)の輸送のための結合デバイスは、「ジョンストン」型継手を使用する。公知のデバイスは、結合の前後でラインをパージする必要がある。
【0004】
他の接続型が液化天然ガス用途のために存在する。しかし、後者は、熱効率及び安全性の理由のために液体水素に適さない。具体的には、それらは、必要な断熱を供給しない。
【0005】
液体水素の輸送のための結合デバイスに伴う1つの問題は、問題が起きた場合に安全に離脱できる迅速で信頼できる接続を提供する必要があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、上記で説明された先行技術の欠点の全て又は一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明によるデバイスは、上記の前文で与えられた包括的な定義に対応しながら、緊急分離システムが、第1のパイプの接続端部に位置し、且つ前記第1のパイプのための1つ又は複数の取付部材を備えた接続端部と、第1のパイプの残りの部分との間の堅固な機械的連結を確実にする第1の構成と、クイック接続機構の1つ又は複数の機械的取付部材を備えた第1のパイプの接続端部が第1のパイプの残りの部分から分離される第2の分割構成との間で移動可能な連結部品の組を含むことを基本的に特徴とする。
【0008】
更に、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を有し得る:
- 2つのパイプのためのクイック接続機構は、接続端部上に位置する少なくとも1つの突出部及び1つ又は複数の突出部を収容するように構成された少なくとも1つのハウジングを含み、例えば、クイック接続機構は、バヨネット、及び/又はボール、及び/又はツメ、及び/又はネジ/ナット接続であり、
- 緊急分離システムを備えた接続端部は、2つの分離可能なセグメントを備えた構造を含み、分離システムは、2つの分離可能なセグメントを別個に連結する機械的連結、例えばボール、及び/又は分離カラー、及び/又は破壊可能なネジを備えたクイック継手を含み、
- 緊急分離システムは、2つの分離可能なセグメント間の接合部に装着されたボールの組を含み、ボールは、セグメント間の堅固な連結を提供するために、2つのセグメントに突き当たるか又はそれを締め付ける第1の協働位置と、セグメントの分離を可能にするために、ボールがセグメントの1つに突き当たりもせず又はそれを締め付けもしない第2の位置との間で2つのセグメントに対して移動可能に装着され、緊急分離システムは、ボールをその第1の位置でブロックする係止位置と、ボールがその第2の位置に向かって移動することを可能にする係脱位置との間で移動可能な係止リングを含み、緊急分離システムは、係止リングをその係止位置に向かって付勢するバネなどの戻り部材を含み、
- 係止リングは、対象のパイプの外部管に堅固に接続されたセグメント上において長手方向に摺動可能に装着され、
- 各接続端部における弁機構は、弁及び座部であって、その一方は、他方に対して移動可能であり、且つ戻り部材によって閉鎖位置に向かって付勢される、弁及び座部を含み、
- 輸送パイプの第1のものの弁機構は、可動弁であって、弁を中心に配置された静止座部に対して閉鎖位置に向かって戻り部材によって付勢される可動弁を含み、第2の輸送パイプの弁機構は、基準弁及び基準弁を中心に配置された可動座部を含み、可動座部は、戻り部材によって基準弁に対して閉鎖位置に向かって付勢され、
- 2つの輸送パイプの一方の弁機構は、その外部管の内側において、他の弁機構がその管内にあるよりも比較的大きく窪んだ範囲で収容されて、2つの輸送パイプの接合位置で一方の接続端部が他方の接続端部に入る雄/雌システムを形成し、
- 2つの接続端部の分離位置から結合位置に移行するとき、弁機構は、第1の構成から第2の構成に順次移行するように構成され、第1の構成では、接続端部が接触し、及び2つの弁機構が閉鎖され、第2の構成では、接続端部が接触し、及び弁機構が相互作用によって開放され、
- 第1の構成から第2の構成への移行は、2つの流体輸送パイプの互いに向かう相対的な移動及び/又は2つの弁機構の互いに向かう相対的な移動により、例えば手動及び/又は制御部材の制御下で行われ、
- 外部管と輸送パイプとの間の真空下の空間は、断熱材、例えば多層断熱材(MLI)を含む。
【0009】
本発明は、上記又は下記の特徴のいずれか1つによるデバイスの2つの輸送パイプを結合する方法にも関し、この方法は、2つの接続端部を互いに向かって移動させるステップであって、2つの接続端部は、外側に対して封止して結合される、ステップと、2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を接触して配置するステップと、2つの弁機構(4、6、8、5、7、9)を開放するステップと、極低温流体を一方のパイプから他方に流すステップとを含む。
【0010】
他の可能な特定の特徴によれば、2つの弁機構を開放するステップ前に、方法は、2つの接続端部が外側に対して封止して結合され、及び2つの弁機構が閉鎖位置にある中間構成を有し、2つの弁機構を開放するステップは、2つの流体輸送パイプが互いに向かう追加の相対的な移動及び/又は2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して行われる。
【0011】
本発明は、上記又は下記の特徴のいずれか1つによるデバイスの2つの結合された輸送パイプを分離する方法にも関し、この方法は、2つの弁機構を、2つの流体輸送パイプの互いから離れる相対的な移動及び/又は2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して閉鎖するステップと、その後、2つの接続端部を分離するステップとを含む。
【0012】
可能な特定の特徴によれば、2つの弁機構を閉鎖するステップと分離ステップとの間において、方法は、2つの接続端部が外側に対して封止して結合されたままであり、及び2つの弁機構が閉鎖位置にある中間構成を有し、2つの弁機構を閉鎖するステップは、2つの流体輸送パイプの互いから離れる追加の相対的な移動及び/又は2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して行われる。
【0013】
本発明は、特許請求の範囲内の上記若しくは下記の特徴のあらゆる組合せを含む、あらゆる代替的なデバイス又は方法にも関し得る。
【0014】
他の特徴及び利点は、図を参照して以下の記載で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、分離構成における結合デバイスの第1の例示的実施形態を例示する、長手方向断面の概略部分図を示す。
図2図2は、結合構成における結合デバイスの第1の例示的実施形態を例示する、長手方向断面の概略部分図を示す。
図3図3は、緊急分離システムからもたらされる、分離構成における結合デバイスの第1の例示的実施形態を例示する、長手方向断面の概略部分図を示す。
図4図4は、緊急分離システムの別の例示的実施形態を例示する、結合デバイスの詳細の概略部分側面図を示す。
図5図5は、緊急分離システムの別の更なる例示的実施形態を例示する、結合デバイスの詳細の概略部分側面図を示す。
図6図6は、分離構成における結合デバイスの第2の例示的実施形態を例示する、長手方向断面の概略部分図を示す。
図7図7は、結合位置における結合デバイスの第2の例示的実施形態の詳細の概略部分透視側面図を示す。
図8図8は、開放位置における結合デバイスの弁機構の別の例示的実施形態の長手方向断面の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
例示される結合デバイス1は、極低温流体、例えば液体水素を輸送するように構成される。このデバイスは、クイック結合、緊急分離及び自動閉鎖を有する。
【0017】
デバイス1は、長手方向に延在する2つの流体輸送パイプ2、3であって、接続端部において、接続端部が分離されるときにパイプ2、3を自動的に閉鎖するように構成された弁機構4、6、8、5、7、9をそれぞれ含む2つの流体輸送パイプ2、3を含む。弁機構は、接続端部が結合されるときにパイプ2、3が開き、且つ流体が流れることを可能にするように構成される。
【0018】
デバイス1は、各輸送パイプ2、3を中心に配置され、且つ輸送パイプ2、3を断熱するために真空下の空間を画定する外部管10、11も含む。外部管10、11と輸送パイプ2、3との間の真空下の空間は、断熱材、例えば多層断熱材(MLI)を含み得る。
【0019】
接続端部は、好ましくは、接続端部が結合されるとき、雄端部3、11が雌端部2、10内に収容される雄/雌システムを形成する。
【0020】
したがって、2つの輸送パイプ2の一方の弁機構4、6、8は、その外部管10の内側において、他の弁機構5、7、9がその管11内にあるよりも比較的大きく窪んだ範囲で収容されて、2つの輸送パイプ2、3の接合位置で一方の接続端部が他方の接続端部に入る雄/雌システムを形成し得る。
【0021】
デバイス1は、2つの接続端部にそれぞれ位置する、嵌合する機械的取付部材12、13を含む、2つのパイプ2、3のためのクイック接続機構を含む。
【0022】
2つのパイプ2、3のクイック接続機構は、好ましくは、1つの接続端部上に位置する少なくとも1つの突出部12及び1つ又は複数の突出部を受けるように構成された少なくとも1つのハウジング13を含む。例えば、クイック接続機構は、バヨネット接続(図7を参照されたく、少なくとも1つのピン12は、スロット13内に受けられる)である。当然のことながら、クイック接続機構は、あらゆる他の適切な型、例えばボール、及び/又はツメ、及び/又はネジ/ナット接続(とりわけ消火機器内の油圧パイプ内に使用されるクイック接続)であり得る。
【0023】
デバイス1は、クイック接続機構12、13を使用して接続端部が結合されるとき、2つのパイプ2、3が分離されることを可能にするように構成された緊急分離システム(「離脱」としても公知である)を更に含む。
【0024】
緊急分離システムは、第1のパイプの接続端部に位置し、且つ前記第1のパイプ2、3のための1つ又は複数の取付部材12、13を備えた接続端部と、第1のパイプ2、3の残りの部分(例えば、図1又は図2を参照されたい)との間の堅固な機械的連結を確保する第1の構成と、クイック接続機構の1つ又は複数の機械的取付部材12、13を備えた第1のパイプの接続端部が第1のパイプ2、3の残りの部分(図3を参照されたい)から分離される第2の分割又は分離構成との間で移動可能な連結部の組を含む。これは、緊急分離システムがクイック接続システムと異なることを意味する。これらの2つのシステム及び機構は、2つのパイプの明らかな分離を確実にする。
【0025】
例えば、緊急分離システムを備えた接続端部は、2つの分離可能なセグメント24、15を備えた構造を含み、分離システムは、2つの分離可能なセグメント24、15を分離可能に連結する機械的連結を含む。例えば、この機械的連結は、(図6を参照されたく、以下により詳細に記載されているような)ボール連結である。
【0026】
当然のことながら、分離可能な機械的連結は、あらゆる他の機構、例えば2つの分離可能な隣接したセグメントに属する2つのフランジ21を連結するカラー22を含み得る。同様に、機械的連結は、2つの分離可能な隣接したセグメント(図4を参照されたい)に属する2つのフランジ21間の連結を提供する、破壊可能なネジ19のシステムを含み得る。
【0027】
閾値を超える力が加わった場合及び/又は活性化した場合、機械的連結19、22が壊れ、2つのセグメント24、15を分離することができる。
【0028】
図6の例では、緊急分離システムは、2つの分離可能なセグメント24、15間の接合部に装着されたボール16の組を含む。
【0029】
ボール16は、例えば、2つのセグメント24、15間の堅固な長手方向連結を提供するために、セグメント24、15に突き当たるか又はそれを締め付ける第1の協働位置と、ボール16がセグメントの1つ24に突き当たりもせず又はそれを締め付けもせず、それによりセグメント24、15の分離を可能する第2の位置との間で2つのセグメント24、15に対して半径方向に移動可能に装着される。
【0030】
例示されるように、緊急分離システムは、好ましくは、ボール16をその第1の位置でブロックする係止位置と、ボール16がその第2の位置(図6を参照されたい)に向かって移動されることを可能にする係脱位置との間で移動可能な係止リング17を更に含む。緊急分離システムは、係止リング17をその係止位置に向かって付勢するバネなどの戻り部材18を含む。したがって、通常構成では、係止リング17は、2つのセグメント24、15の分離をブロックし、防ぐ。逆に、係止リング17が移動することにより、この機械的ボール連結を係脱させることができ、それにより2つのセグメントを分離することができる。
【0031】
係止リング17は、対象のパイプ2の外部管10に堅固に接続されたセグメント15上において長手方向に摺動可能に装着され得る。
【0032】
各接続端部5、7、9、4、6、8における弁機構は、バネなどの戻り部材によって座部に向かって付勢される可動弁であり得る。
【0033】
更に且つ好ましくは、2つの接続端部の分離位置(図1)から結合位置(図2)に移行中、弁機構4、6、8、5、7、9は、好ましくは、第1の構成から第2の構成に順次移行するように構成される。第1の構成では、接続端部が接触し得、及び弁機構が開放されない。
【0034】
図6及び図8の例に示されるように、第1の輸送パイプ3は、弁5を中心に配置された静止座部7に対して閉鎖位置に向かって戻り部材9によって付勢される可動弁5を含み得る。第2の輸送パイプ2の弁機構は、その部分のために、基準弁4及び基準弁4を中心に配置された可動座部6を含み得、可動座部6は、戻り部材8によって基準弁4に対して閉鎖位置に向かって付勢される。
【0035】
例えば、第2の輸送パイプ2の基準弁4は、静止し、その輸送パイプ2に対して移動することができず、第2の構成では、第2の輸送パイプ2の基準弁4の一端は、第1の輸送パイプ3の可動弁5をその座部7から自動的に押し出して弁機構を開き、2つの輸送パイプ2、3間の流体連通を提供する。
【0036】
例えば、図6及び図8における実施形態では、第2の輸送パイプ2の基準弁4は、第1の輸送パイプ3の可動弁5をその座部7から押し出さず、弁機構を閉鎖したままにする。可動座部6は、基準弁4に対してその閉鎖位置に留まる。逆に、第2の構成では、弁機構が開放される(例えば、弁機構の相互作用)。
【0037】
例えば、図6及び図8における実施形態では、第2の構成では、接続端部が接触し、第2の輸送パイプ2の基準弁4は、第1の輸送パイプ3の可動弁5をその座部7から押し出すことによって弁機構を開放する。
【0038】
例えば、第1の構成では、第1の輸送パイプ3の接続端部は、その基準弁4に対して第2の輸送パイプ2の可動座部6を押さず、それにより弁機構を閉鎖したままにし、2つの輸送パイプ2、3間の流体連通を防ぐ。更に、第2の構成では、第1の輸送パイプ3の接続端部は、その基準弁4に対して第2の輸送パイプ2の可動座部6を押して弁機構を開き、2つの輸送パイプ2、3間の流体連通を提供する。
【0039】
2つの輸送パイプ2、3の結合位置では、第1の輸送パイプ3の接続端部は、任意選択で、その基準弁4に対して第2の輸送パイプ2の可動座部6に自動的に突き当たり、可動座部6を押して弁機構を開き、2つの輸送パイプ2、3間の流体連通を提供する。
【0040】
第1の構成(弁機構が閉鎖している)から第2の構成(弁機構が開放している)への移行は、2つの流体輸送パイプ2、3の互いに向かう相対的な移動及び/又は2つの弁機構4、6、8、5、7、9の互いに向かう相対的な移動により、例えば手動及び/又は制御部材の制御下で行われ得る。
【0041】
そのようなデバイスの2つの輸送パイプ2、3を結合するためのシーケンスは、2つの接続端部を互いに向かって移動させるステップであって、2つの接続端部は、外側に対して封止して結合される、ステップと、その後、2つの弁機構4、6、8、5、7、9を接触して配置するステップと、2つの弁機構4、6、8、5、7、9を開放するステップと、極低温流体を一方のパイプから他方に流すステップとを含み得る。
【0042】
シーケンスは、2つの弁機構4、6、8、5、7、9を開放するステップ前に、2つの接続端部が外側に対して封止して結合され、及び2つの弁機構4、6、8、5、7、9が閉鎖位置にある中間安定構成を含み得、2つの弁機構4、6、8、5、7、9を開放するステップは、2つの輸送パイプ2、3が互いに向かう追加の相対的な移動及び/又は2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して行われる。
【0043】
2つの弁機構4、6、8、5、7、9は、2つの流体輸送パイプ2、3の互いから離れる相対的な移動及び/又は2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位によって閉鎖され得る。この閉鎖後、2つの接続端部を分離するステップが続き得る。
【0044】
2つの弁機構4、6、8、5、7、9を閉鎖するステップと分離ステップとの間において、デバイスは、2つの接続端部が外側に対して封止して結合されたままであり、及び2つの弁機構4、6、8、5、7、9が閉鎖位置にある安定した中間構成も通過し得る。2つの弁機構4、6、8、5、7、9を閉鎖するステップは、2つの流体輸送パイプ2、3の互いから離れる追加の相対的な移動及び/又は2つの弁機構の少なくとも一部の相対的な変位を介して行われ得る。
【0045】
デバイス1は、単純な人間工学的構造を有し、信頼できる接続及び離脱を例えば手動で行うことができる。
【0046】
デバイスは、低温部に入る熱を最小にする。更に、外部部品は、極低温である。デバイスは、流体輸送の前後にパージする必要がない。
【0047】
封止された結合/分離及び弁機構の開/閉が順次行われ得る。
【0048】
2つの端部は、クイック接続機構及び分離した場合に流体をこぼさない緊急分離システムを同時に有する。これは、単一デバイスがクイック接続と分離システムとを組み合わせることを意味する。
【0049】
クイック接続機構は、作動したままであり得るが、操作者は、問題が起きた場合に分離機構を使用して2つの接続端部を分離することができる。
【0050】
更に且つ好ましくは、分離システムによって許可された分離は、比較的高温の接続端部上で行われる。これは、比較的低温の低温端部を保護することを促進し、操作者がそれに曝されないことを確実にする。
【0051】
クイック接続機構は、該当する場合に分離システムと同じ型からなり得ることに留意されたい。
【0052】
例示されるように、把持部材14は、接続端部をとりわけそのクイック接続機構上で取り扱うために提供され得る。この把持部材14は、分離システムによって分離された後、他方の接続端部に接続されたままであり得る。
【0053】
例えば、同じ型の別の把持部材23は、この接続端部(及び/又は他方の接続端部)上の他の場所に提供され得る。
【0054】
上に詳述された解決策は、安価であり、質量が低く、大きさが小さい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】