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特表2024-543324合成ガスの商業生産のための改良されたCO2水素化触媒
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  • 特表-合成ガスの商業生産のための改良されたCO2水素化触媒 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】合成ガスの商業生産のための改良されたCO2水素化触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/78 20060101AFI20241114BHJP
   B01J 21/10 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/10 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/06 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/04 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/02 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/72 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/745 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/75 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 23/755 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 35/61 20240101ALI20241114BHJP
   C01B 32/40 20170101ALI20241114BHJP
【FI】
B01J23/78 M
B01J21/10 M
B01J23/10 M
B01J23/06 M
B01J23/04 M
B01J23/02 M
B01J23/72 M
B01J23/745 M
B01J23/75 M
B01J23/755 M
B01J35/61
C01B32/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525087
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022000027
(87)【国際公開番号】W WO2023091167
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】17/300,820
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522402405
【氏名又は名称】インフィニウム テクノロジー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】INFINIUM TECHNOLOGY,LLC
【住所又は居所原語表記】2020 L Street,Suite 120,Sacramento,CA 95811-4260(US)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シュツレ,デニス
(72)【発明者】
【氏名】シュツレ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ギャロウェイ,アーニャ,ランプレッカー
(72)【発明者】
【氏名】ハンベリー,オリオン
【テーマコード(参考)】
4G146
4G169
【Fターム(参考)】
4G146JA01
4G146JB04
4G146JC01
4G146JD02
4G169AA03
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC01A
4G169BC04A
4G169BC04B
4G169BC05A
4G169BC05B
4G169BC06A
4G169BC06B
4G169BC08A
4G169BC09A
4G169BC09B
4G169BC10A
4G169BC10B
4G169BC11A
4G169BC11B
4G169BC12A
4G169BC12B
4G169BC13A
4G169BC13B
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC29A
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BC38A
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169CA02
4G169CA20
4G169CB02
4G169CB81
4G169DA06
4G169EC02X
4G169EC02Y
4G169EC03X
4G169EC03Y
4G169EC04X
4G169EC04Y
4G169EC23
4G169EC24
4G169FB14
4G169FB30
(57)【要約】
【要約】
本発明は、概して、回収されたCO及び再生可能なHから低炭素合成ガスを製造することに関する。Hは、再生可能な電力を動力源とする電解槽を使用して水から生成されるか、低炭素H製造における他の方法から生成される。改良された触媒は、低コストの金属を使用しており、商業的に経済的に大量生産することができ、最大2,100°Fの温度で化学的かつ物理的に安定である。CO転化率は80%~100%であり、CO選択率は99%を超える。触媒は、H:CO混合物を1,300-1,800°F、圧力75-450psiの圧力、空間速度2,000-100,000hr-1の運転範囲において合成ガスへと変換する際、焼結したり、コークスを形成したりすることがない。触媒は安定であり、CO転化率の低下は1000時間あたり0~1%である。この合成ガスは、低炭素燃料及び化学物質の合成、又は、純化されたHの製造に使用され得る。Hは、生産現場にて低炭素化学製品の合成に使用することも、輸送用に圧縮して使用することもできる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスを製造するための触媒であって、
前記触媒が、Rh,Pt,Au,Ag,Pd又はIrの群から選択される貴金属を含有しない化学組成物を含み、
前記触媒が、4モース~10モースの硬度を有しており、
前記触媒が、2,100°Fで熱処理された後に、前記触媒のBET表面積が該処理前の表面積の0~20%となるように、2,100°Fの温度で化学的及び物理的に安定であり、
前記触媒が、触媒反応器に容易に装填され得るものであって、該触媒反応器の入口から出口までの圧力降下が0~50psiであり、
前記触媒が、COをCOへと転化することができ、ここで、CO転化率は、1,300°F~1,800°Fの温度及び50psiを超える圧力にて70%~100%であり、該転化の間に前記触媒がコークス化せず、CO転化率が1000時間の運転につき0~1%減少する、触媒。
【請求項2】
前記触媒が、金属-アルミナスピネルを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記金属-アルミナスピネルが、アルミナと、Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeの元素のうち少なくとも1つからなる群より選択される少なくとも1つの元素との混合物を焼成することから製造されている、請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
前記金属-アルミナスピネルが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及び希土類金属から選択される1つ以上の金属で含浸されている、請求項2に記載の触媒。
【請求項5】
前記金属が含浸された前記金属-アルミナスピネル上に含浸されている前記金属の1つが、Ni,Co,Fe,Cu,La,Ce,Zr,Ti,La,Li,Cs,Rb,Mg,Ca,Sr,Ba,Beの群から選択され、前記触媒が、最高2,100°Fで焼成されて、それにより前記金属-アルミナスピネル上に固溶体が形成される、請求項4に記載の触媒。
【請求項6】
前記金属アルミネートへの金属の含浸が、Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeからなる群より選択される金属塩又は金属水酸化物の0.0~35重量%であり、含浸されて金属で被覆された前記金属-アルミナスピネルが、最高2,100°Fの温度で焼成されて、それにより金属が含浸された前記金属-アルミナスピネルである触媒が合成される、請求項4に記載の触媒。
【請求項7】
金属が含浸された前記金属-アルミナスピネルが、5m/g~1000m/gの表面積を有する、請求項4に記載の触媒。
【請求項8】
前記触媒が、ハイドロタルサイトを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項9】
前記触媒が、層状複水酸化物を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項10】
前記触媒が、5m/g~1000m/gの表面積を有している、請求項8に記載の触媒。
【請求項11】
前記触媒が、5m/g~1000m/gの表面積を有している、請求項9に記載の触媒。
【請求項12】
前記触媒が、5m/g~1000m/gの表面積を有している、請求項1に記載の触媒。
【請求項13】
前記触媒が、一般組成ABOを有するペロブスカイトを含んでおり、ここで、Aは、Sr,Ca,Ba,Mg,Fe,La,Ca,Pb又はBiからなる群より選択され、Bは、Al,Ti,Rb,Si,Fe,Yb又はMnから選択される、請求項12に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒が、一般組成ABを有するスピネルを含んでおり、ここで、Aは、Mg,Zn,Fe,Mn,Cu,Ni,Li,Cs,Rb,Mg,Ca,Sr,Ba,Be及びTiからなる群より選択され、Bは、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト及びバナジウムからなる群より選択される、請求項12に記載の触媒。
【請求項15】
前記触媒が、金属アルミネートを含み、ここで、Bはアルミニウムである、請求項14に記載の触媒。
【請求項16】
合成ガスの製造方法であって、
水素及び二酸化炭素の混合物からなる供給原料を、触媒を含む触媒反応器中で反応させるステップを含み、
前記触媒が、Rh,Pt,Au,Ag,Pd又はIrの群から選択される貴金属を含有しない化学組成物を含み、
前記触媒が、4モース~10モースの硬度を有しており、
前記触媒が、2,100°Fで熱処理された後に、前記触媒のBET表面積が該処理前の表面積の0~5%の範囲内となるように、2,100°Fの温度で化学的及び物理的に安定であり、
前記触媒が、触媒反応器に容易に装填され得るものであって、該触媒反応器の入口から出口までの圧力降下が0~50psiであり、
前記触媒が、COをCOへと転化することができ、ここで、CO転化率は、1,300°F~1,800°Fの温度及び50psiを超える圧力にて70%~100%であり、該転化の間に前記触媒がコークス化せず、CO転化率が1000時間の運転につき0~1%減少し、
前記触媒反応器が、50psi~450psiの圧力にて1,300°F~1,800°Fの間で運転され、それにより触媒反応器からCOを含む生成物流が製造される、方法。
【請求項17】
前記供給原料が、1.5~4.0のH/CO比を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記触媒がコークス化しない、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記触媒反応器が、1300°F~1800°Fの温度で運転される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記生成物流をさらに反応させ、それにより液体燃料、メタノール、プロパン、ナフサ及び化学物質からなるリストより選択される少なくとも1つの生成物を製造する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
連邦政府後援研究声明
該当なし
【0003】
共同研究契約の当事者名
該当なし
【0004】
配列リスト、表、コンピュータプログラムへの言及
該当なし
【0005】
本発明の背景
人為的活動に起因する気候変動において増加し続けるCOレベルの影響が、広く文書化されてきている(Shukla et al, IPCC, 2019)。1970~2019年末の間に、温室効果ガスであるCO、CH、NO及びHOの増加によって、地球の放射強制力は平均3.03ワット/平方メートル(W/m)増加し、同時に、地球の平均気温が1.18℃(2.13°F)上昇した。気候モデルは、1970年の世界の平均気温と比較して、世界の平均気温が2026~2028年には+2.00℃(+3.60°F)に達する可能性があり、また2031年末には+2.36℃(+4.28°F)に達する可能性があると予測している。これらの上昇のうち3分の2はCOによるものであるため、遅くとも2030年までにはCOの排出及び大気中のCOを速やかに減少させることが必要である(Schuetzle, 2020)。
【0006】
COは、工業プロセスから発生する排ガスから効率的に回収され得る。COは有用な炭素源であるため、最も優先されるべきは、COを地層に隔離することではなく、この炭素源を低炭素燃料や化学物質の生産に利用することである(Hepburn et al, 2019)。COは空気からも回収され得る(Direct Air Capture-DACと称される)ことから、COの回収が、工業発生源に縛られることなく、世界中の任意の場所から行うことが可能となる(Artz et al, 2018)。
【0007】
回収されたCOの隔離に利用可能な適した地層が存在する場所はほとんどないため、COから燃料や化学製品を製造する方がはるかに適切である。さらに、COは、低炭素燃料や化学物質の製造に使用可能な価値の高い原料である。
【0008】
合成ガス(Syngas)は、低炭素H及び回収されたCOの混合物の触媒転化から商業的に製造され得る可能性を秘めている。この触媒プロセスは、CO水素化、又は、逆水性ガスシフト(RWGS)反応(式1)と称される(Daza et al, 2016; Vogt et al, 2019; Chen et al, 2020)。
CO + H = CO + HO 式1
【0009】
この反応は吸熱性であり、反応を進行させるためには熱を必要とする。コーキング(炭素形成)や触媒の経時的な性能劣化を最小限にするか全く伴うことなくCOをCOへと大量に変換するには、高温及び効率的な触媒が必要である。
【0010】
今日まで、H及びCOの混合物から合成ガスを効率的に製造するための商業的に実現可能な触媒はまだ開発されていないため、本明細書では、低炭素H及び回収されたCOの混合物から低炭素合成ガスを効率的かつ商業的に製造するための改良された触媒及びプロセスを開発し、以下にそれらについて記載する。
【0011】
この低炭素合成ガスは、液体及び気体の炭化水素燃料、アルコール、酢酸、ジメチルエーテル及び他の多くの化学製品を含む、広い範囲の他の化学製品を製造するための優れた供給原料である(Olah et al, 2009; Centi et al, 2009; Jianget al, 2010; Schuetzle et al, 2010-2020; Fischer et al, 2016; Gumber et al, 2018; Tan et al, 2018; Li et al, 2019; NAS, 2019)。
【0012】
多くの特許出願、特許及び出版物が、H及びCO混合物を合成ガスへと転化するためのRWGS触媒の開発について記述している(Bahmanpour et al, 2021)。次に登場したアプローチでは、CO及びHOの混合物を合成ガスへと転化するための電解プロセスが包含されている(Wanget al, 2016)。しかしながら、この電解アプローチは初期の研究開発段階にあり、現時点では実現可能な商業規模の方法とはみなされていない。
【0013】
これらの現行技術に記述されているRWGS触媒のほとんどは、工業的に適切なプロセス条件には適切でない条件で運転されるか、コストが高い、大規模製造に適さない又は動作寿命が限られている等の著しい制限がある。したがって、本願発明者らは、商業的に実現可能であって、表1に概略的に示す以下の仕様を満たす、本発明の触媒を開発した。
【0014】
表1-H/CO混合物の合成ガスへの効果的な触媒転化における品質及び性能仕様
1.触媒は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属(第2族)、遷移金属群及び希土類金属から選択される1種以上の低コスト金属を、金属と化学反応しない基材に含浸させて焼成したものからなる。触媒は、貴金属を含有しない。
2.1種以上の金属は、金属塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等)又は金属水酸化物として配合され、化学的に不活性な基材上に0.0~約35重量%の濃度で含浸される。
3.不活性な基材は、アルミナと以下の金属(Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCe)のうち1つとの化学量論的混合物を、最大2,100°Fの温度で焼成することによって製造された、1つ以上の金属-アルミナスピネルである。
4.触媒は、Rh,Pt,Au,Ag,Pd又はIrを含む貴金属を伴わない、低コスト成分を含有する。
5.触媒は堅牢である。ここで、堅牢であるとは、硬度が3モース~10モースであり、より好ましくは、4モース~7モース(又は、ロックウェルスケールにおいて同等)であることを意味する。
6.触媒は、最大2,100°Fの温度で化学的かつ物理的に安定である。化学的及び物理的に安定であるとは、ブルナウアー-エメット-テラー(Brunauer-Emmet-Teller)法(BET法)によって測定された触媒の表面積が、熱処理の前後で本質的に同じであることを意味し、測定値に0~20%の変化、好ましくは0~10%の変化、さらに好ましくは0~5%の変化がある場合に、安定であるとみなされる。
7.触媒は、触媒反応器(例えば、管状反応器又は充填床反応器)内へと容易に装填することができる。触媒反応器の頂部から底部までの圧力降下は、好ましくは0~50psiであり、さらに好ましくは0~25psiであり、さらに好ましくは0~10psiである。
8.触媒活性化は、反応器内において系中(in situ)で実施可能であることが推奨される。触媒活性化プロセスのための活性化ガスは、容易に入手可能であることが推奨される。好ましくは、触媒の活性化は、水素を含むガスを使用することによって達成され得る。より好ましくは、触媒の活性化は、水素及び二酸化炭素を含むガスを使用して達成され得る。
9.COからCOへの転化効率は、2,000hr-1~1,000,000hr-1の空間速度にて70%~100%であるが、好ましくは75%~100%である。
10.COからCOへの変換は、1,300°F~1,800°Fの温度にて、50psi以上の圧力で起こる。
11.触媒はコークス化(例えば、炭素堆積物を形成)しない。ここで、コークス化しないとは、二酸化炭素が一酸化炭素へと転化する間に、触媒上で測定される炭素パーセントが0~1重量%であり、より好ましくは0~0.1重量%であることを意味する。
12.計画された商業的運転条件下での試験の間、触媒は、CO転化率の低下が1000時間運転あたり0~1%、より好ましくは1000時間運転あたり0~0.5%であるような性能基準を満たす。
【0015】
発明の分野
本発明の分野は、再生可能なH及び回収されたCOを合成ガスへと転化するための改良された触媒の応用であり、この合成ガスは後に、低炭素燃料及び化学物質を製造するために同時に使用される。改良された触媒は、低コストの金属を使用しており、商業的かつ経済的に大量生産することができ、最大2,100°Fの温度で化学的かつ物理的に安定である。CO転化効率は80%~100%であり、CO選択率は99%を超える。触媒は、H:CO混合物を1,300-1,800°F、75-450psi、空間速度2,000-100,000hr-1で合成ガスへと変換する際、焼結したり、コークスを形成したりすることがない。触媒は堅牢であり、CO転化率の低下は1000時間あたり0~1.0%である。
【背景技術】
【0016】
関連技術の説明
Iwanani et al(1995)は、特にHSを含有する供給源における触媒性能を目指して、CO及びHの混合物をCOへと転化するための、ZnO/Al基材上に貴金属(例えば、Ni,Fe,Ru,Rh,Pt,W,Pd,Mo)を伴う遷移金属からなる触媒を開発した。彼らは、12.4% Ni/21.2% Zn触媒において、150時間後に触媒の活性が著しく低下することなく、1,100°Fにて3,000時間-1で最大37%という比較的低いCOの転化率を達成したが、より長時間の試験は実施されなかった。この触媒は,表1のいずれの仕様も満たしていない。
【0017】
Dupont et al (2003)は、H/CO(3.5/1.0 v/v)混合物をCOへと転化するための、0.78% ZnO/0.21% Cr/0.01% NiOにより構成される触媒を開発した。4950°F、580psiの圧力、5.0hr-1の空間速度でのCO転化効率は36%であり、このときの選択率はCO92%、CH8%であった。触媒の時間経過に伴う効率に関するデータは、提示されなかった。この触媒は,表1に概説された全ての条件を満たしていない。
【0018】
Kim et al(2014)は、BaZr0.80.16Zn0.04ペロブスカイト触媒について、1/1 H/COブレンドでのCO水素化効率を、1,110°F及び15psiにて測定した。彼らは、38%というCOの低い転化率を達成し、このときのCO選択率は97%であった。この触媒は5時間しか運転されなかったため、長期的な触媒の耐久性については測定されなかった。
【0019】
Chen et alら(2015)は、RWGS反応に対して活性及び選択性を示すナノ金属間化合物触媒(InNiCo0.5)の合成を報告した。この触媒は、In-Ni金属間化合物を浸炭処理することによって作製され、触媒表面には二重の活性サイトが形成されていた。この触媒は、1125°Fにてガス時速30,000hr-1の条件下で、150時間にわたって52~53%のCO転化率を達成した。この触媒は、その構造から基準#3及び#7を満たし得る。この触媒は、数トン単位で製造することは困難かつ高コストであり(基準#1及び#2)、従来の触媒反応器において商業的に使用可能かどうかは不明である(基準#5及び#6)。この触媒は、COからCOへの転化の効率要件(基準#8)及びCO生成の選択性を満たさない。この触媒は、150時間しか試験されなかったため、その安定性及び寿命は不明である。
【0020】
Daza及びKuhn(2016)は、FeO基材上に含浸させたLa/Sr(3.0/1.0w/w)触媒を開発した。彼らは、1,300°F及び15psiにて、H/CO(1.0/1.0 v/v)からCOへの転化率として16%を観測しており、このときの選択率は95%であった。COへの転化率及びCO選択率は、150時間の試験の期間中にわたり、比較的一定であった。この触媒は、表1に示された基準#1、#7及び#9を満たしている。この触媒は,150時間しか運転されなかったため、その長期的な寿命は不明である。
【0021】
Daza et al(2016)は、La0.75Sr0.25FeOペロブスカイト触媒について、1/1H/CO(v/v)ブレンドでのCO水素化効率を、1,020°F及び15psiにて測定した。彼らは、15%といった非常に低いCO転化率を達成しており、このときのCO選択率は95%であった。触媒の運転時間は24時間未満であったため,長期的な触媒の耐久性は測定されなかった。まとめると、ペロブスカイトがCO水素化のための許容可能な触媒であり得ることを示すデータは、今日まで発表されていない。
【0022】
アルミナは、COの水素化(2)及びメタンの乾式改質(DRM)の両方の触媒担体として、広く研究されている。アルミナの利点は、主にその大きい表面積、低いコスト及び高温での安定性にある。また、他の担体材料と比較して、比較的安価でもある。Yang et al(2018)は、γ-Al上に10% Ni/20% CeO触媒を合成した。彼らは、この触媒を4/1 H/CO(v/v)ブレンドにより、1,300°F、15psi及び空間速度400k hr-1にて試験した。彼らは、67%のCO転化率、90%のCO選択率、10%のCH選択率を観測した。触媒の効率は、炭素の形成及びNiの焼結に起因して、50時間後には37%低下した。したがって、これは商業的に実施可能な触媒ではない。
【0023】
Al基材上のNi触媒には、RWGS触媒となる潜在的可能性があるものの、スピネルニッケルアルミネートNiAlが形成されやすく、その結果、少なくともある程度の活性が失われる可能性がある(Ryu et al, 2021)。しかしながら、Ni/Alのコークス形成に対する耐性は、触媒の構造及び組成に大きく依存する。高温では、スピネル相NiAlが形成される結果として、コークス形成に対する耐性が向上する。このことは、NiO結晶に対してNiAlのNi-O結合が強化された結果であり、それによってNi の元素状ニッケルへの還元が困難になる(Hu et al, 2004)。
【0024】
マグネシアは、COの化学吸着が促進され、また塩基性が高いため、有望な担体である。マグネシア及びアルミナの利点は、MgO-Alの混合担体において兼ね備えられ得る。塩基性の向上及び比表面積による効果は、Jun et alによって報告されており、彼らは、メタンの乾式改質のための触媒を使用していた(Jun et al, 2015)。Mg/Alの触媒活性及び触媒の寿命に及ぼす影響は、依然として明らかにされていない。また、報告された触媒はいずれも、表1にて述べた要件を完全に満たしていない。
【0025】
触媒の反応条件及び調製方法に応じて、ニッケルをドープした混合MgO-Al系はいずれも、それぞれの成分からスピネルを形成する。NiMgx1-xAlにおけるニッケル含有量を変化させた系統的研究に基づいて、Park et alは、マグネシウム原子比が高い場合においてRWGS転化が好ましかったことを報告している(2021)。この結果はDFT計算によって裏付けられており、それによると、マグネシウム含有量の増加に伴ってCO選択性が増加することが示されている。Zhang et al(2021)は、1,472°Fでの1/1H/COブレンドのCO水素化のためのMgAl上0.43% Ni触媒について記載している。彼らは、75時間後におけるCO転化効率が46%であり、このとき転化効率の顕著な低下は見られなかったことを報告した。しかしながら、この効率は、表1に概説されているように、1,300°F以上及び50psi以上における70%~100%のCO転化効率を満たしていない。CO生成の選択性については報告されておらず、長期的な触媒の不活性化は不明である。
【0026】
混合Ni-Mg-Al-O相の調製はまた、メタンの乾式改質(DRM)についても報告されており、その報告では、ハイドロタルサイト様の混合層状水酸化物が熱分解されて、高い活性と向上した安定性を示している(Bhattacharyya et al.)。Bhattacharyya et al.はまた、触媒活性を市販のNiO担持触媒と比較している。ハイドロタルサイトは、1842年にスウェーデンで発見された天然に産出する層状鉱物であって、化学式MgAl(OH)16CO-4HOを有しており、その名称は、この物質が水分を多く含むこと、及び、タルクに似ていることに由来する。また、ハイドロタルサイトは、共沈法によって容易に合成され得る(Cavani et al, 1991)。分子組成は異なるが類似した経験的な元素構造を備えている、多くの鉱物が報告されている。ハイドロタルサイト(ハイドロタルサイト様化合物-HT、層状複水酸化物-LDH)との用語は、ハイドロタルサイトの典型的な層状構造を有する天然鉱物及び合成物質の大きな群を表すのに使用される。ハイドロタルサイトの一般式は、次のように要約され得る:[M2+ 1-x3+ (OH)][(An- x/n)・mHO] ここで、M2+,M3+は2価及び3価の陽イオンであり、Aは層間の陰イオンであり、xは3価陽イオンのモル分率である。[M2+ 1-x3+ (OH)][M2+ 1-x3+ (OH)]の部分は、ブルッカイト様の層の組成を表し、[(An- x/n)・mHO]の部分は、層間空間の組成を表す。
【0027】
DRM触媒の合成では、ニッケルは、湿潤含浸法、イオン交換法、共沈法を含む様々な方法で導入されている。ニッケルベースのハイドロタルサイト系触媒は、DRMのために検討され、よく研究されている。
【0028】
ニッケル含有量の低いNi-ハイドロタルサイト触媒は、CO転化に対して高い活性を示すものであり、逆水性ガスシフト(RWGS)の同時発生を示唆している(Lin et al, 2021)。ブルッカイト層の陽イオン交換能、中間層の陰イオン交換能、表面調整可能な塩基性、及び、吸着能に基づいて、多数の不均一系触媒が開発されている(Debek et al, 2017; us8388987b2, 2013)。ハイドロタルサイトはまた、中和添加剤として、あるいは建築材料の一部として、ポリマーの製造及び加工にも利用されている(Figueras et al, 2010; Sikander et al, 2017)。しかしながら、本願発明者らの知る限りでは、例えばNi等の追加の金属活性部位を備えるか否かに関わらず、市販のRWGS触媒におけるハイドロタルサイトの応用についての報告はされていない。
【0029】
ハイドロタルサイト系材料はまた、圧力スイングCO吸着のための固体吸着剤として可能性があることも報告されており、これは、吸着増進水性ガスシフト(SEWGS)として知られる技術である。ハイドロタルサイトは、高い熱的安定性及び機械的安定性を示し、十分に高いサイクル作動容量及び高速な吸着速度論を示していた。再生ステップ(水蒸気を吸着剤に供給することによるCOの脱着)は遅く、吸着剤のサイクル作動容量が制限される。脱着速度論が向上されるため、運転温度を高くすることが有利であることが判明した。蒸気は、Nでは脱着不可能なCOに利用可能な第2の吸着サイトの脱着を誘導する(Boon et al, 2014)。ハイドロタルサイトを焼成すると、脱水、ジヒドロキシル化及び脱炭酸が起こり、最終的にスピネルが形成される。アルミナ及びマグネシアの前駆体からのスピネル相の形成は1500℃以上の温度で行われるが、スピネル相は、ハイドロタルサイトを焼成している間に、著しく低い温度にて形成される。市販のRWGS触媒の合成にハイドロタルサイト前駆体を適用すると、スピネル相は700℃という低い温度で形成される(Jatav et al, 2016)。
【0030】
Bahmanpour et al(2019)は、COのHを用いた水素化により合成ガスを生成するための活性基材として、系中(in situ)で形成されたCu-Alスピネルについて研究を行った。彼らは、共沈法及びそれに続く水素処理を使用することによって、種々異なる重量比で過剰量のCuを伴うCu-Alスピネルを形成した。Cu-Alスピネル上に4%のCu触媒がある場合に、CO転化率において最も効率的となることが判明した。1,110°Fにて47%といった低いCO転化率が、比較的高い空間速度で達成されており、40時間の試験を行った後に、検出可能な失活は見られなかった。これに対し、ガンマアルミナ上に4%のCuがある場合では、1,110°Fにて33%のCOが転化した。この触媒は、基準#1を満たすと共に、基準#2、#3、#5、#6、#7を満たす可能性がある。しかしながら、銅を含有する触媒は、高温で焼結することによって時間の経過と共に失活する傾向があり、このことは、特にCu過剰の配合物において問題となる。さらに、この触媒配合物は、長期的な寿命を評価するために1,000時間以上の試験を行う必要がある(基準#10)。
【0031】
表2は、上述した触媒系と、触媒COのCOへの水素化のための他の潜在的可能性がある触媒をまとめたものである。これらの触媒のほとんどは、48時間未満しか試験されておらず、これは触媒の耐久性を評価するには十分な長さの時間ではない。市販の触媒の寿命は2年以上であることが求められるため、CO転化率の低下は、1000時間あたり0%~1.0%であることが必要である。
【0032】
これらの触媒は市販の反応器で運転されるため、50psi以上、好ましくは150psi以上の圧力で効率的に運転されることが求められる。表2に列挙される触媒は、Dupont et al, 2003、Kharaji et al, 2012及びChen et al, 2019を除いて、全て15psiにて評価されている。なお、Dupont et al, 2003、Kharaji et al, 2012及びChen et al, 2019は、触媒をそれぞれ300、150及び145psiにて試験している。
【0033】
【表2-1】

【表2-2】

【表2-3】
【発明の概要】
【0034】
本発明は、概して、回収されたCO及び再生可能なHから低炭素合成ガスを製造することに関する。Hは、再生可能な電力を動力源とする電解槽を使用して水から生成されるか、低炭素H製造における他の方法から生成される。改良された触媒は、低コストの金属を使用しており、商業的に経済的に大量生産することができ、最大2,100°Fの温度で化学的かつ物理的に安定である。CO転化効率は80%~100%であり、CO選択率は99%を超える。触媒は、H:CO混合物を1,300~1,800°F、圧力75~450psiの圧力、空間速度2,000~100,000hr-1の運転範囲において合成ガスへと変換する際、焼結したり、コークスを形成したりすることがない。触媒は安定であり、CO転化率の低下は1000時間あたり0~1.0%である。この合成ガスは、低炭素燃料及び化学物質の合成、又は、純化されたHの製造に使用され得る。Hは、生産現場にて低炭素化学製品の合成に使用することも、輸送用に圧縮して使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の改良された触媒を使用した、COのCOへの転化率と温度との典型的な関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
この節では、表1に示す性能及び品質要件を満たすことが実証された、改良された触媒配合物について説明する。
【0037】
これらの実施形態では、4種類の改良されたCO水素化又は逆水性ガスシフト(RWGS)触媒について説明する。
【0038】
タイプA.金属-スピネル触媒-純アルミナは両性物質であり、酸及び塩基の両方と反応し得る。存在する形態及び結晶構造に応じて、アルミナの塩基性は複雑になり得る。酸性アルミナは、典型的には酸で触媒される反応を触媒する(Pines et al, 1960)。しかしながら、第1族金属(Li、Cs、Rb)及び第2族金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Be)を伴ったアルミナの高温焼成から製造されるいくつかのスピネルは、ヒドロキシ(-OH)基の表面濃度が多くなっているため、規定された通常は塩基性の表面特性を有する金属アルミネートを形成する。
【0039】
式2に従ってH/CO混合物がこれらのヒドロキシ基と反応すると、ギ酸塩が形成される。
+CO=HCOO-金属アルミネート+HO (式2)
【0040】
これらのギ酸塩は、Hの存在下では高温で急速に分解し、高い選択率でCO(式3)を形成する。したがって、これらのスピネルのうちいくつかは、優れたCO水素化触媒である。
2HCOO-金属アルミネート+H=2CO+2HO (式3)
【0041】
本発明のスピネルは、ABの一般的な化学形態を有する、任意のクラスの鉱物又は合成により製造された鉱物である。本発明では、Xは酸素であり、Bはアルミニウム、鉄、クロム、コバルト及びバナジウムを含む群から選択され得る。Aは、Mg,Zn,Fe,Mn,Cu,Ni,Li,Cs,Rb,Mg,Ca,Sr,Ba,Be及びTiを含む群から選択される。本発明の一実施形態では、触媒は、Bがアルミニウムであり、Xが酸素であるような金属アルミネートである。
【0042】
タイプB.金属が含浸された金属-スピネル触媒-選択された第1族(Li,Cs,Rb等のアルカリ金属)及び/又は第2族(Mg,Ca,Sr,Ba,Be等のアルカリ土類金属)が適切なレベルで選択されたスピネル上に含浸されると、ヒドロキシ基の表面存在量が増加し、その結果、それらのCO水素化効率が改良される。これらの元素の添加によって、塩基性、総細孔容積及び表面積に対する影響に起因してCOの化学吸着が促進されると考えられる。ドーパントは、Ni,Cu,Ce,Zr,Ti,La又は早い番号のランタニド元素であり得る。金属アルミネートスピネル上における2種以上の含浸金属が最大2,100°Fの温度で焼成されると、固溶体が形成される。この固溶体は、CO水素化のための優れた触媒に相当する。Ni及びMgはいずれも面心立方構造で結晶化し、かつ類似する電気陰性度及び価数を有するため、Ni及びMgは、2,050°FにてMg-アルミネート上で固溶体NiMgを形成する。Ni及びCuはいずれも面心立方構造で結晶化し、かつ類似する原子半径、電気陰性度及び原子価を有するため、Niもまた、2,050°FにてCuと固溶体(NiCu)を形成する。固溶体は、金属アルミネートスピネル上に含浸された金属のうち2つが、類似する結晶構造、原子半径、電気陰性度及び原子価を有する場合に形成される。ドーパントは、追加の骨格として存在してスピネルに取り込まれていなくてもよく、金属-スピネル触媒上に担持されていてもよく、特に高濃度において両方共スピネルに担持されていてもよく、物理的混合物内に近接して存在していてもよい。
【0043】
RWGS触媒は、CO転化効率を70%より高くするために1,300~1,800°Fの温度範囲で運転され、この温度範囲では、多くの材料がその融点に近づくにつれて焼結速度が速くなる。触媒に使用される固溶体は、これらの温度では固体であることが推奨される。したがって、実現可能な固溶体は、1,850~2,100°Fの範囲で形成される固溶体である。NiMg及びNiCuは、これらの触媒の運転温度にて安定な固体であり、CO水素化触媒として優れた性能を有する。固溶体のCuMgは、2モルのCuと1モルのMgから1,300°Fにて形成されるが、触媒の使用温度では液体であるため、候補としては適格でない。
【0044】
タイプC.人工の(engineered)層状固体-ハイドロタルサイト系材料は、RWGSのための触媒として使用される。これらの材料には、天然ハイドロタルサイト、並びに、高度に人造された(highly engineered)合成陰イオン性粘土又は層状複水酸化物(LDH)が含まれる。天然ハイドロタルサイトは、添加剤として、又は、さらなる合成のための前駆体として使用され得る。合成ハイドロタルサイトは市販されているか、共沈法で調製され得る。
【0045】
ハイドロタルサイトは、層状複水酸化物(LDH)-MgAlCO(OH)16・4HOである。ゆるく結合した炭酸イオンを含有する複数の構造が存在し、それらはイオン交換能やCO吸着能力について知られている。焼成すると、材料は高表面積のスピネルに分解し、容易に再水素化又は再カルボキシル化され得る。完全に熱分解すると、硬度及び耐久性について知られているスピネルとなる。
【0046】
LDHは、ブルッカイト(Mg(OH))構造から、M+イオンのM3+イオンによる同型置換によって構造的に派生したものである。LDH層は正電荷を帯びており、ラメラ間における陰イオンの存在によって電荷中性を実現している。M3+がAl3+である場合は、鉱物ハイドロタルサイトが得られる。LHDの比類なく大きい表面積や、それらの表面塩基性は、RWGSの性能を著しく向上させる。層状固体の表面積、化学組成及び塩基性は、市販のRWGS触媒の性能を最適化するように設計されている。
【0047】
タイプD.ペロブスカイト触媒-タイプAの材料と同様に、ペロブスカイト材料もまた、改良されたRWGS触媒として使用され得る。ペロブスカイト材料は、ABXの一般的な化学形態を有する。本発明では、Xは酸素である。A及びBは、陽イオンである。ペロブスカイト材料は、AがSr,Ca,Ba,Mg,Fe,La,Ca,Pb又はBiを含む群から選択され、BがAl,Ti,Rb,Si,Fe,Yb又はMnを含む群から選択されるような単純ペロブスカイトから選択され得る。さらに、ランタンストロンチウムマンガナイト、ランタンアルミネート-ストロンチウムアルミニウムタンタレート(LSAT)、鉛スカンジウムタンタレート、又は、鉛ジルコネートタンタレート等の固溶体ペロブスカイト材料もまた使用され得る。これらの触媒は、ペロブスカイト又は様々なペロブスカイトの混合物を含む。
【0048】
好ましい触媒組成物及び触媒性能について記載した以下の実施形態では、所定の具体的な詳細は、様々な実施形態についての徹底的な理解を提供する。文脈が他に求めていない限り、本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」及びその変形は、オープンかつ包括的な意味、すなわち、「含むが、それらに限定されない」という意味で解釈される。
【0049】
触媒組成物の実施形態
1.H及びCO混合物を合成ガスへと転化するための逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該転化は、a)H及びCO混合物、又は、b)H、CO及び軽質炭化水素の混合物を、触媒転化系の触媒反応器内へと導入する処理ステップであって、それによって合成ガス又は一酸化炭素を生成する、処理ステップを含み、
この触媒反応器の生成物をさらに反応させ、それによって、液体燃料、メタノール、プロパン、ナフサ及び化学物質より構成されるリストから選択される生成物のうち少なくとも1種を製造する、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒。
【0050】
2.実施形態1の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、a)10m/g~1000m/gの表面積を有する金属-アルミネートスピネルであって、該金属スピネルが、
a.アルミナと共に焼成され、それによってMg-アルミネート、Ca-アルミネート、Sr-アルミネート、Ba-アルミネート及びBe-アルミネートを形成する、第2族金属。
b.アルミナと共に焼成され、それによってLi-アルミネート、Rb-アルミネート及びCs-アルミネートを形成する、第1族金属。
c.アルミナと共に焼成され、それによってFe-アルミネート、Co-アルミネート、Ni-アルミネート、Cu-アルミネート、Zn-アルミネートを形成する、遷移金属。
d.アルミナと共に焼成され、それによってLa-アルミネート、Ce-アルミネートを形成する、希土類金属。
e.上記の金属スピネルは、個別に存在していてもよく、一部又は全部の混合酸化物として存在していてもよい。
より構成される群から選択される、金属アルミネートスピネルを含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒(タイプA)。
【0051】
3.実施形態2に記載の金属-アルミナスピネルのうちの1つを採用する逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、以下に限定されないが、Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCe等の金属ドーパントが含浸された、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒(タイプB)。金属ドーパントは、スピネルに化学的に結合していなくてもよい。いくつかの実施形態では、上記の元素のうちの1つのみが添加されてもよく、他の実施形態では、触媒配合物は、上記の元素のうち複数の複雑な混合物を含んでいてもよい。
【0052】
金属ドーパントは含浸によって導入されてもよく、いくつかの場合では、固体前駆体をスピネルと物理的に混合することによっても導入されてよい。金属前駆体の量は、金属塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等)、金属水酸化物又は金属酸化物の0~35重量%の範囲であってもよい。形成された材料は、続いて最大2,100°Fの温度にて焼成され、それによって、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸された金属-アルミナスピネルである触媒が合成される。
【0053】
4.人工の層状固体を含有している、実施形態1の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒(タイプC)であって、この人工の層状固体は、追加の添加剤なしで固体触媒の100%を体現していてもよい。逆水性ガスシフト(RWGS)触媒(タイプC)は、以下に限定されないが、Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCe等の金属ドーパントで含侵された人工の層状固体の使用を採用している。金属前駆体は、金属塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等)、金属水酸化物又は金属酸化物であってもよい。人工の層状固体は、触媒配合物の0~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%、又は、触媒配合物の80~90%を体現していてもよい。配合物の残りの部分は、商業的触媒を形成するために必要なドーパント又は他の添加剤であってもよい。金属ドーパントは、人工の層状固体に化学的に結合していなくてもよい。いくつかの実施形態では、上記の元素のうちの1つのみが添加されてもよく、他の実施形態では、触媒配合物は、上記の元素のうち複数の複雑な混合物を含んでいてもよい。
【0054】
金属ドーパントは含浸によって導入されてもよく、いくつかの場合では、固体前駆体を人工の層状固体と物理的に混合することによっても導入されてよい。形成された材料は、続いて最大2,100°Fの温度にて焼成される。この逆水性ガスシフト(RWGS)触媒(タイプC)は、以下に限定されないが、Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCe等の金属ドーパントが含浸された天然由来の層状固体の使用を採用している。金属前駆体は、金属塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等)、金属水酸化物又は金属酸化物であってもよい。天然由来の層状固体は、触媒配合物の0~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%、又は、触媒配合物の80~90%を体現していてもよい。配合物の残りの部分は、商業的触媒を形成するために必要なドーパント又は他の添加剤であってもよい。金属ドーパントは、人工の層状固体に化学的に結合していなくてもよい。いくつかの実施形態では、上記の元素のうちの1つのみが添加されてもよく、他の実施形態では、触媒配合物は、上記の元素のうち複数の複雑な混合物を含んでいてもよい。金属ドーパントは含浸によって導入されてもよく、いくつかの場合では、固体前駆体を人工の層状固体と物理的に混合することによっても導入されてよい。形成された材料は、続いて最大2,100°Fの温度にて焼成される。
【0055】
5.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のMg塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Mg-アルミナスピネル。c)5m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Mg-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ca-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Mg-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたMg-アルミナスピネルが得られる。
【0056】
6.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCa塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCa-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Ca-アルミナスピネル。c)5m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Ca-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ca-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ca-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたCa-アルミナスピネルが得られる。
【0057】
7.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のSr塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るSr-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Sr-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るSr-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Sr-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るSr-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Sr-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るSr-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Sr-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたSr-アルミナスピネルが得られる。
【0058】
8.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のBa塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るBa-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Ba-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るBa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Ba-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るBa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ba-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るBa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ba-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたBa-アルミナスピネルが得られる。
【0059】
9.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のLi塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLi-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Li-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Li-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Li-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Li-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたLi-アルミナスピネルが得られる。
【0060】
10.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のRb塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るRb-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Rb-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るRb-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Rb-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るRb-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Rb-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るRb-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Rb-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたRb-アルミナスピネルが得られる。
【0061】
11.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCs塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCs-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Cs-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Ni-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCs-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Cs-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCs-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Cs-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたCs-アルミナスピネルが得られる。
【0062】
12.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のFe塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るFe-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Fe-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るFe-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Fe-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るFe-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Fe-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るFe-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Fe-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたFe-アルミナスピネルが得られる。
【0063】
13.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCo塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Ni-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Ni-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCo-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Co-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCo-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Co-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたCo-アルミナスピネルが得られる。
【0064】
14.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のNi塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Ni-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Ni-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ni-アルミナスピネル、並びに、少なくとも10m/gである実施形態2の異なる金属スピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るNi-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ni-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたNi-アルミナスピネルが得られる。
【0065】
15.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCu塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCu-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Cu-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCu-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Cu-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCu-アルミナスピネルであって、少なくとも10m/gである異なる金属スピネルとして、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Cu-アルミナスピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCu-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Cu-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたCu-アルミナスピネルが得られる。
【0066】
16.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のZn塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るZn-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Zn-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るZn-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Zn-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るZn-アルミナスピネルであって、少なくとも10m/gである異なる金属スピネルとして、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Zn-アルミナスピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るZn-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Zn-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたZn-アルミナスピネルが得られる。
【0067】
17.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のLa塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLa-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、La-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、La-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLa-アルミナスピネルであって、少なくとも10m/gである異なる金属スピネルとして、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、La-アルミナスピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るLa-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、La-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたLa-アルミナスピネルが得られる。
【0068】
18.実施形態3の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒が以下の構成要素を含む、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒:a)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCe塩が含浸された、Mg-アルミナスピネル。b)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCe-アルミナスピネルであって、最大35重量%のCaCO,MgCO,SrCO,CaO,MgO又はSrOと混合された、Ce-アルミナスピネル。c)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCe-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の、最大35%の混合物が含浸された、Ce-アルミナスピネル。d)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るCe-アルミナスピネルであって、少なくとも10m/gである異なる金属スピネルとして、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Ce-アルミナスピネル。e)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るZn-アルミナスピネルであって、以下に限定されないがMg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeを含む塩の混合物の、一次、二次、三次又はそれ以上の混合物の最大35%の混合物が含浸された、Zn-アルミナスピネル、並びに、触媒配合物の5~10%、触媒配合物の20~30%、触媒配合物の40~50%、触媒配合物の50~60%、触媒配合物の60~70%、触媒配合物の70~80%を含む、天然又は人工の層状固体。得られた配合物は、最大2,100°Fの温度にて焼成され、その結果、5m/g~1000m/gの表面積を有する金属が含浸されたCe-アルミナスピネルが得られる。
【0069】
19.実施形態5~18では、同じ金属から合成された金属-アルミナスピネルに特定の金属を含浸させることに着目した、CO水素化触媒の配合物について対象としているが、実施形態2における他の金属-スピネル上に実施形態3における他の金属が様々に並べ替えられたもの(例えば、Mg-アルミネート上Ni、Ba-アルミネート上Ni等)もまた、対象として含まれる。
【0070】
20.本実施形態は、実施形態2に記載の金属-アルミナスピネルのうち1つを、a)Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeからなる群から選択される2種の金属塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩など)又は金属水酸化物であって、スピネルに化学的に結合していない金属塩又は金属水酸化物の、最大35重量%を含浸させ、b)2種以上の金属が含浸された金属-アルミナスピネルを、最大2,100°Fの温度にて焼成し、それによって、金属-アルミナスピネル上に2種の金属の固溶体を合成することに採用する、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒(タイプC)を含む。
【0071】
21.実施形態20に記載の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒がa)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルを合成するステップと、b)該スピネルに、最大35重量%のNi及びMgの混合物を含浸させるステップと、c)Ni及びMgが含浸されたMg-アルミナスピネルを、最大2,100°Fの温度で焼成するステップと、d)それによって、NiMgの組成を有する2つの金属の固溶体を生成するステップとを含むプロセスによって製造される、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒。Ni及びMgはいずれも面心立方構造で結晶化し、かつ類似する電気陰性度及び価数を有するため、Ni及びMgは、2,100°Fにて固溶体を形成する。
【0072】
22.実施形態20に記載の逆水性ガスシフト(RWGS)触媒であって、該触媒がa)10m/g~1000m/gの表面積を有する、実施形態2に係るMg-アルミナスピネルを合成するステップと、b)該スピネルに、最大35重量%のNi及びCuの混合物を含浸させるステップと、c)Ni及びMgが含浸されたMg-アルミナスピネルを、最大2,100°Fの温度で焼成するステップと、d)それによって、Ni2Cuの組成を有する2つの金属の固溶体を生成するステップとを含むプロセスによって製造される、逆水性ガスシフト(RWGS)触媒。Ni及びCuはいずれも面心立方構造で結晶化し、かつ類似する原子半径、電気陰性度及び原子価を有するため、Ni及びCuは、2,100°Fにて固溶体を形成する。
【0073】
触媒性能の実施形態
触媒組成物の実施形態において上述した、改良されたCO水素化触媒のほとんどは、表1にまとめた商業的品質及び性能仕様を満たしている。
【0074】
1.低コスト成分-触媒は、主としてNa,K,Li,Cs,Rbを含む低コストの第1族元素(アルカリ金属)と、第2族元素(アルカリ土類金属):Mg,Ca,Sr,Ba及びBeと、Ni,Co,Fe及びCuを含む遷移金属と、Ce,Y及びLaを含む希土類元素とを使用して配合されている。少量の貴金属(Au,Ag,Pt,Pd,Ir等)を添加しても、これらの改良されたCO水素化触媒の性能は向上しないことが判明している。
【0075】
2.商業的生産-基質及び触媒は、十分に確立された商業的規模の生産プロセスを用いて、数トン単位で経済的に生産される。金属-アルミナスピネル基材は、a)共沈法によって、又は、b)適切なモル量の金属前駆体及びアルミナ粒子を混合してスラリーを形成し、該スラリーを乾燥して、混合物を最大2,600°Fの温度にて焼成することによって調製され得る。触媒は、金属-アルミナスピネル基材上に金属を含浸させ、続いて最大2100°Fの温度にて焼成することによって調製される。
【0076】
3.物理的に堅牢-開示の触媒は、4モース~10モースの硬度又は同等のロックウェル硬度を有する。この高いレベルの硬度により、触媒の破損、割れ及び摩耗といった潜在的な問題が排除される。
【0077】
4.化学的及び物理的に安定-これらのa)金属-アルミナスピネル、b)金属が含浸された金属-アルミナスピネル、及び、c)金属-アルミナスピネルに含浸された固溶体は、最大2,100°Fの温度にて、それらの化学的及び物理的な特性(溶融しない等)を維持する。
【0078】
5.市販の触媒反応器との互換性-触媒のペレット、タブレット又は中空タブレットは、触媒反応器(管状、又は充填床反応器)内への装填が容易である。触媒反応器の頂部から底部までの圧力降下は0~50psiであり、通常は0~25psiである。触媒の活性化(例えば、Hによる還元)は、必要に応じて系中(in-situ)で行われる。
【0079】
6.高いCO 転化効率-比率が3.0/1.0より高いH/COブレンドのCOからCOへの転化効率は、2,000hr-1~1,000,000hr-1の空間速度及び1,300°F~1,800°Fの温度にて、70%~100%、好ましくは75%~100%、より好ましくは80%~100%である。
【0080】
7.高いCO生成選択性-開示の触媒配合物は、少なくとも90%のCO選択率を有する。好ましい触媒配合物のうちいくつかは、1%未満のメタン選択率で99%を超えるCO選択率を有しており、いくつかの場合では、0.1%と低いCO選択率を有する。
【0081】
8.コークス化又は化学組成の変化を生じない-これらの改良された触媒配合物は、運転中にコークス化や化学組成の変化を生じない。
【0082】
9.長期的な性能-改良されたCO水素化触媒のうちいくつかは、運転中で(on stream)1,500時間を超えて試験されており、CO転化率の低下は、1,000時間あたり0~0.50%であることが判明している。
【実施例
【0083】
実施例1:改良されたRWGS触媒配合物A-COを含む流は、工業プロセスによって生成されるか、周囲空気から回収される。このCOの流が、CO回収設備へと供給される。CO回収設備では、吸着塔内にてメチルジエタノールアミン(MDEA)等の吸着剤を使用し、それによってCOを回収する。比較的純粋なCOは、該MDEAから加熱によって再生される。
【0084】
炭素回収施設の敷地内では、風力発電所、太陽光発電所、原子力発電所又は他の低炭素電源からの低炭素電力が利用可能である。高純度の水は、地元で入手可能な水から製造される。低炭素Hは、純水から電気分解によって製造される。
【0085】
この反応では低炭素電力を使用し、それによって水をH及びOへと分解する。この実施例における電解槽は、PEM電解槽である。この電解槽は、H及びOの2つの流を生成する。
【0086】
この実施形態2(上記)の改良された触媒配合物Aは、
a)10m/g~1000m/gの表面積を有する金属-アルミネートスピネルを合成するステップであって、該金属スピネルが、
a.アルミナと共に焼成され、それによってMg-アルミネート、Ca-アルミネート、Sr-アルミネート、Ba-アルミネート及びBe-アルミネートを形成する、第2族金属。
b.アルミナと共に焼成され、それによってLi-アルミネート、Rb-アルミネート及びCs-アルミネートを形成する、第1族金属。
c.アルミナと共に焼成され、それによってFe-アルミネート、Co-アルミネート、Ni-アルミネート、Cu-アルミネート、Zn-アルミネートを形成する、遷移金属。
d.アルミナと共に焼成され、それによってLa-アルミネート、Ce-アルミネートを形成する、希土類金属。
を含む群から選択される、ステップを含む方法によって製造される。
【0087】
改良された触媒は、回収されたCO及び再生可能なHの流を合成ガスへと変換するために使用される。実施例1は、改良されたCO水素化触媒について、温度とCOのCOへの転化率%との関係を提供する。本実施例では、H対COの比は3.4/1.0であり、圧力は300psigであり、空間速度は20,000hr-1である。COの転化率は、1,250~1,650°Fにおいて75%~83.5%で変化し、運転中で(on stream)1,000時間経過した後の転化率の減少は、0~0.5%である。これらの関連する温度範囲では、触媒がほとんど焼結を示さなかったため、これらの触媒の寿命は非常に優れている。CO選択率は99.5%を超えており、このときのCHの選択率は0~0.5%である。点線は、CO転化率と温度との関係が直線に近いことを示す近似曲線である。
【0088】
実施例1-改良されたRWGS触媒における、温度とCOのCOへの%転化率との典型的な関係。図1は、改良されたRWGS触媒における、温度とCOのCOへの%転化率と典型的な関係を示している。X軸は、華氏温度である。Y軸は、COのCOへのモル%転化率である。1200°F~1750°Fの温度にて見られるように、CO転化率は70~85%である。
【0089】
実施例2:改良されたRWGS触媒配合物B-この改良された触媒配合物Bは、実施形態#3(上記)で金属アルミネート上金属として記載されている。このタイプBのCO水素化触媒は、実施形態2に記載の金属-アルミナスピネルのうち1つを、a)Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Rb,Cs,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,La及びCeからなる群から選択される金属塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩など)又は金属水酸化物であって、スピネルに化学的に結合していない金属塩又は金属水酸化物の、最大35重量%を含浸させ、
b)含浸されて金属で被覆された金属-アルミナスピネルを、最大2,100°Fの温度にて焼成し、それによって、5m/g~1000m/gの表面積を有する、金属が含侵された金属-アルミナスピネルを合成することに採用する。
【0090】
本実施例では、触媒は、MgO又はMg(OH)を、Mg-アルミナスピネル上に含浸させたものである。MgO又はMg(OH)は、系中で(in-situ)Hにより還元されて、該スピネルの表面上にMg,MgO及びMg(OH)を生成する。
【0091】
改良された触媒は、回収されたCO及び再生可能なHの流を合成ガスへと変換するために使用される。本実施例では、H対COの比は3.4/1.0であり、温度は1,650°Fであり、圧力は300psigであり、空間速度は20,000hr-1である。COの転化率は、1,650°Fにおいて82%であり、運転中で(on stream)1,000時間経過した後の転化率の減少は、0~0.5%である。CO選択率は99%を超えている。
【0092】
実施例3.改良されたRWGS触媒配合物C-この改良されたRWGS触媒Cは、CO及びHを合成ガスに効率的に転化するためのものとして実施形態20~23に記載されており、a)10m/g~1000m/gの表面積を有するMg-アルミネートスピネルを合成するステップと、b)該スピネルを、最大20重量%のMgで被覆し、それによって金属被覆スピネルを提供するステップと、c)金属で被覆されたスピネルに、水溶性ニッケル塩及び希土類金属の硝酸塩又は酢酸塩を含む溶液を含浸させるステップと、d)含浸させた金属で被覆されたスピネルを、最大2,100°Fの温度で焼成するステップであって、それにより、最大35重量%のニッケル及び0.1重量%~5.0重量%の希土類金属を含有する、含浸されたスピネルである触媒を合成する、ステップとを含むプロセスによって生成される。触媒は、スピネル担体100重量部あたり、0.1~5重量部のセリウム、ルテニウム、ランタン、白金又はレニウムと、2重量%~20重量%のニッケルとを含んでいてもよい。実施形態#21に記載のように、固溶体触媒は、NiMgである。
【0093】
CO及びHを合成ガスに効率的に転化するための別の改良された触媒タイプCは、a)10m/g~1000m/gの表面積を有するMg-アルミネートスピネルを合成するステップと、b)該スピネルを、最大20重量%のCuで被覆し、それによって金属被覆スピネルを提供するステップと、c)金属で被覆されたスピネルに、水溶性Ni塩及び希土類金属の硝酸塩又は酢酸塩を含む溶液を含浸させるステップと、d)含浸させた金属で被覆されたスピネルを、最大2,100°Fの温度で焼成するステップであって、それにより、最大20重量%のニッケル及び0.1重量%~5.0重量%の希土類金属を含有する、含浸されたスピネルである触媒を合成する、ステップとを含むプロセスによって生成される。実施形態#22に記載のように、固溶体触媒は、NiCuである。
【0094】
温度とCO転化効率との関係(実施例#1)は、触媒#1と触媒#2とで同様である。違いは、触媒#1のCH選択率は0~0.5%であり、これに対して触媒#2のCH選択率は最大7.0%(温度と圧力に依存)であることである。しかしながら、触媒#2は、空間速度が高いほど効率的となる。
【0095】
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