(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ハンドヘルドパーソナルケアデバイスのメインハウジングと機能的アタッチメントとの結合及び分離
(51)【国際特許分類】
B26B 19/38 20060101AFI20241114BHJP
A46B 15/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B26B19/38 Z
A46B15/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527117
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2022080633
(87)【国際公開番号】W WO2023083677
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス マイケル リース
(72)【発明者】
【氏名】キュンツェル ゲルノット ワルター
(72)【発明者】
【氏名】ベル ヘンドリク ジューク
【テーマコード(参考)】
3B202
3C056
【Fターム(参考)】
3B202AA17
3B202BE10
3C056JE08
(57)【要約】
ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1において、メインハウジング10は第1の結合部材23を含み、機能的アタッチメント30は第2の結合部材33を含む。メインハウジング10は更に、機能的アタッチメント30のベース部材31を受け入れて収容するためのU字型ホルダ20を含む。デバイス1は、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態において、メインハウジング10と機能的アタッチメント30とが、第1及び第2結合部材22、33の相互係合のみによって、軸方向Aにおいて相互に保持され、ベース部材31が、横方向SにおいてU字型ホルダ20の2つの突出壁面部分21、22によって、軸方向Aにおいてこれらの壁部分21、22に接続又は結合することなく、囲まれ、支持されることを実現するように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインハウジングと、前記メインハウジングに結合可能であり、且つ前記メインハウジングから分離可能である機能的アタッチメントとを備える、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスであって、
前記メインハウジングは、
前壁、後壁、上壁、及び前記前壁と前記後壁とを相互接続する、向かい合って配置された2つの側壁と、
前記上壁内に配置され、第1の結合軸を有する第1の結合部材と、
前記上壁と、各々が前記2つの側壁のうちの対応する1つの延長部を形成し、前記上壁を越えて延在する、向かい合って配置された2つの突出壁部分と、によって形成されたU字型ホルダと、
を含み、
前記機能的アタッチメントは、
ベース部材と、
前記ベース部材に配置された機能的パーソナルケアユニットと、
前記ベース部材内に配置され、第2の結合軸を有する第2の結合部材と、
を含み、
前記第1及び第2の結合部材は、前記第1及び第2の結合軸を整列させ、且つ相互係合状態となるように、前記第1及び第2の結合部材を、整列させた前記第1及び第2の結合軸に沿って互いに向かって動かすことによって、相互に結合可能であり、
前記第1及び第2の結合部材は、前記第1及び第2の結合部材の一方に、整列させた前記第1及び第2の結合軸と平行な軸方向において、且つ前記第1及び第2の結合部材の他方から離れるように、事前定義された閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、相互に分離可能であり、
前記ベース部材が前記U字型ホルダ内に配置され、前記第1及び第2の結合部材が相互係合状態にあることを伴う前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとの結合状態では、
前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとは、前記第1及び第2の結合部材の相互係合のみによって、前記軸方向において相互に保持され、
前記機能的アタッチメントの前記ベース部材は、整列された前記第1及び第2の結合軸を横断する横方向において前記U字型ホルダの前記2つの突出壁面部分によって、前記軸方向において前記2つの突出壁部分に接続又は結合することなく、囲まれ、支持される、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項2】
前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとの前記結合状態では、前記機能的アタッチメントの前記ベース部材は、前記メインハウジングの前記上壁によって支持される、請求項1に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項3】
前記ベース部材は、底壁を含み、
前記第2の結合部材は、前記底壁に配置され、
前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとの前記結合状態では、前記底壁は、前記メインハウジングの前記上壁によって少なくとも部分的に支持される、請求項2に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項4】
前記メインハウジングの前記上壁は、前記第1の結合軸に垂直に延在する想像平面に対して傾斜した向きを有し、前記ベース部材の前記底壁は、前記第2の結合軸に垂直に延在する想像平面に対して傾斜した向きを有する、請求項3に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項5】
前記ベース部材は、前壁、後壁、及び前記ベース部材の前記前壁と前記後壁とを相互接続する、向かい合って配置された2つの側壁を含み、前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとの前記結合状態では、前記ベース部材の前記側壁の各々は、前記横方向において前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分のうちの対応する1つによって少なくとも部分的に支持される、請求項1から4のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項6】
前記軸方向における前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分の平均長さは、前記横方向における前記2つの突出壁部分間の平均距離の少なくとも50%、好ましくは、少なくとも100%である、請求項1から5のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項7】
前記軸方向における前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分の平均長さは、前記軸方向における前記メインハウジングの全長の10%~50%である、請求項1から5のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項8】
前記軸方向及び前記横方向の両方に垂直な方向において前記メインハウジングの前記上壁に沿って測定された前記メインハウジングの前記前壁と前記後壁との間の平均距離は、前記横方向における前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分間の平均距離よりも大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項9】
前記第1の結合軸に垂直な断面で見て、前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分の各々の内面は凹状である、請求項1から8のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項10】
前記U字型ホルダ及び前記ベース部材は、前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとの前記結合状態では、前記ベース部材が、前記U字型ホルダに対して事前定義された単一の向きでのみ、前記U字型ホルダに収まるように設計されており、これにより、前記機能的アタッチメントは、前記メインハウジングに対して事前定義された単一の向きでのみ、前記メインハウジングに結合可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項11】
前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分の各々の内面は、前記第1の結合軸を含み、且つ前記メインハウジングの前記前壁と前記後壁との間で中心に延在する第1の想像平面に対して非対称であり、及び/又は、前記第1の結合軸を含み、且つ前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分の間で中心に延在する第2の想像平面に対して非対称である形状を有する、請求項10に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項12】
前記ベース部材と、前記U字型ホルダの前記2つの突出壁部分のうちの少なくとも1つとに、相互に係合可能なガイド部材が設けられ、前記相互に係合可能なガイド部材は、前記軸方向と平行に配置され、且つ前記第1及び第2の結合軸を整列させ、相互係合状態となるように、前記第1及び第2の結合部材を、整列させた前記第1及び第2の結合軸に沿って互いに向かって動かす間に、相互係合するように配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項13】
前記メインハウジングは、電気モータと、前記電気モータによって駆動される駆動部材とを収容し、
前記メインハウジングと前記機能的アタッチメントとの前記結合状態では、前記ベース部材は、前記駆動部材に結合される被駆動部材を収容し、
前記ベース部材は、前記被駆動部材の動きを前記機能的パーソナルケアユニットの可動部分の異なる動きに変換する機械的伝動機器を収容している、請求項1から12のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項14】
前記機能的パーソナルケアユニットは、シェービングユニット、バリカンユニット、ひげトリミングユニット、又はフェイシャルブラッシングユニットである、請求項1から13のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項15】
複数の異なる機能的アタッチメントを備え、各々がそれぞれ異なる機能的パーソナルケアユニットを有し、各々が前記メインハウジングに交互に結合可能であり、
前記複数の異なる機能的アタッチメントの各々は、前記ベース部材、前記ベース部材に配置された前記第2の結合部材、及び前記ベース部材の上部に配置された前記それぞれ異なる機能的パーソナルケアユニットを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインハウジングと、メインハウジングに結合可能であり、且つメインハウジングから分離可能である機能的アタッチメントとを備えるハンドヘルドパーソナルケアデバイスに関する。メインハウジングは、前壁、後壁、上壁、及び前壁と後壁とを相互接続する、向かい合って配置された2つの側壁と、上壁内に配置され、第1の結合軸を有する第1の結合部材と、上壁と、各々が2つの側壁のうちの対応する1つの延長部を形成し、上壁を越えて延在する、向かい合って配置された2つの突出壁部分とによって形成されたU字型ホルダとを含み、機能的アタッチメントは、ベース部材と、ベース部材に配置された機能的パーソナルケアユニットと、ベース部材内に配置され、第2の結合軸を有する第2の結合部材とを含み、第1及び第2の結合部材は、第1及び第2の結合軸を整列させ、且つ相互係合状態となるように、第1及び第2の結合部材を、整列させた第1及び第2の結合軸に沿って互いに向かって動かすことで相互に結合可能である。
【背景技術】
【0002】
メインハウジングと、メインハウジングに結合可能であり、且つメインハウジングから分離可能な機能的アタッチメントとを備えるハンドヘルドパーソナルケアデバイスは一般的に知られており、機能的アタッチメントが、ベース部材と、ベース部材に配置された機能的パーソナルケアユニットとを含むことは一般的である。この点に関して、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスの多目的な使用が可能になるように、単一のメインハウジングで、複数のタイプの機能的アタッチメントが使用できることに留意されたい。更に、機能的パーソナルケアユニットに関する実用的なオプションには、シェービングユニット、バリカンユニット、ひげトリミングユニット、及びフェイシャルブラッシングユニットが含まれていることに留意されたい。
【0003】
国際特許公開WO2008/062339A1は、ベース構造体と、少なくとも1つのシェービングヘッドを保持し、支持する役割を有するヘッド構造体とを含むシェービングデバイスを開示している。ヘッド構造体は、ベース構造体上で解放可能に保持可能であり、ヘッド構造体から突き出るように配置され、遠位端に傾斜面を有するシャフト状要素の形の結合要素を含む。ベース構造体は、ヘッド構造体の外周部の領域において支持要素がないため、ヘッド構造体がベース構造体に結合されると、ヘッド構造体はその外周部の領域において支持されず、実質的にベース構造体の保持構造体によって提供される保持力のみによってベース構造体に保持される。保持構造体は、ヘッド構造体の結合要素を受け取るための保持凹部と、保持凹部内に少なくとも部分的に設けられたスプリング要素とを含む。スプリング要素は、結合要素が保持凹部内で保持可能であるように、結合要素の傾斜面と係合するように配置されている。
【0004】
国際特許公開WO2008/062339A1から知られているシェービングデバイスの設計は、過負荷力の場合に、ヘッド構造体及びシェービングヘッドを損傷から保護するという背景に対して開発された。実際、ヘッド構造体に外部負荷がかかると、負荷が結合要素に伝達される。結合状態では、ヘッド構造体はその外周部の領域において支持されないため、外周部の領域は、ベース構造体への外部負荷の伝達に寄与することができない。そのため、結合要素が外部負荷の大部分を伝達しなければならない。外部荷重が高くなりすぎると、ベース構造体の保持凹部内にあるスプリング要素は、結合要素の傾斜面上に強制的にシフトされる。最終的に、スプリング要素はシフトして傾斜面から外れ、その時点で結合要素は保持構造体から解放される。
【0005】
韓国実用新案第20-0257871Y1号は、冒頭の段落で定義されているハンドヘルドパーソナルケアデバイスの例を開示している。既知のハンドヘルドパーソナルケアデバイスには、2つのタイプの機能的アタッチメント、つまり、シェービングヘッドとして使用するように設計された機能的アタッチメント(以下、シェービングアタッチメントと呼ぶ)と、バリカンヘッドとして使用するように設計された機能的アタッチメント(以下、バリカンアタッチメントと呼ぶ)とが含まれている。人がデバイスを使用してシェービング及びバリカンの両方の可能なアクションのいずれかを行いたい場合、適切な機能的アタッチメントがメインハウジングに適切に配置されていることを確認さえすればよい。
【0006】
韓国実用新案第20-0257871Y1号から知られているハンドヘルドパーソナルケアデバイスでは、シェービングアタッチメントは、安全キャップと、安全キャップの両側に設けられたゴム製フックとを含む。同様に、バリカンアタッチメントは、アタッチメントのバリカン刃の担体本体と、担体本体の両側に設けられた弾性フックとを含む。更に、メインハウジングには、U字型ホルダの内面に凹部が設けられ、これらの凹部は、U字型ホルダの両側で、且つ機能的アタッチメントがメインハウジングに所定の位置で置かれたときに、凹部が弾性フックを受けることを可能にするように選択された位置に設けられている。突出ノブが弾性フックに配置されている。メインハウジングから機能的アタッチメントを取り外したいときに、人が突出ノブを押すことができる。U字型ホルダには、機能的アタッチメントをメインハウジングの所定の位置に置くか、メインハウジングから取り外すかのいずれかのときに、突出ノブを通すための開放スロットが設けられている。機能的アタッチメントがメインハウジングに所定の位置で置かれるときに、機能的アタッチメントは、機能的アタッチメントの弾性フックがメインハウジングのU字型ホルダの凹部に収容され、凹部から弾性フックを外すために突出ノブが作動されない限り、その位置に保持されることによって、メインハウジングに保持される。更に、機能的アタッチメントがメインハウジングに所定の位置で置かれるときに、機能的アタッチメントとメインハウジングのそれぞれの結合部材とが互いに係合する。特に、第2の結合部材は隔壁を含み、第1の結合部材は、隔壁を挟み込んで受けるように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、メインハウジングに機能的アタッチメントを結合し、メインハウジングから機能的アタッチメントを分離する、当技術分野で知られているやり方とは別の方法を提供し、これにより、機能的アタッチメントの機能性や結合堅牢性などの重要な要素を損なうことなく、高いレベルの使い易さを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、メインハウジングと、メインハウジングに結合可能であり、且つメインハウジングから分離可能である機能的アタッチメントとを備えるハンドヘルドパーソナルケアデバイスを提供する。メインハウジングは、
前壁、後壁、上壁、及び前壁と後壁とを相互接続する、向かい合って配置された2つの側壁と、
上壁内に配置され、第1の結合軸を有する第1の結合部材と、
上壁と、各々が2つの側壁のうちの対応する1つの延長部を形成し、上壁を越えて延在する、向かい合って配置された2つの突出壁部分とによって形成されたU字型ホルダと、
を含み、
機能的アタッチメントは、
ベース部材と、
ベース部材に配置された機能的パーソナルケアユニットと、
ベース部材内に配置され、第2の結合軸を有する第2の結合部材と、
を含み、
第1及び第2の結合部材は、第1及び第2の結合軸を整列させ、且つ相互係合状態となるように、第1及び第2の結合部材を、整列させた第1及び第2の結合軸に沿って互いに向かって動かすことによって、相互に結合可能であり、
第1及び第2の結合部材は、第1及び第2の結合部材の一方に、整列させた第1及び第2の結合軸と平行な軸方向において、且つ第1及び第2の結合部材の他方から離れるように、事前定義された閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、相互に分離可能であり、
ベース部材がU字型ホルダ内に配置され、第1及び第2の結合部材が相互係合状態にあることを伴うメインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態では、
メインハウジングと機能的アタッチメントとは、第1及び第2の結合部材の相互係合のみによって、軸方向において相互に保持され、
機能的アタッチメントのベース部材は、整列された第1及び第2の結合軸を横断する横方向においてU字型ホルダの2つの突出壁面部分によって、軸方向において2つの突出壁部分に接続又は結合することなく、囲まれ、支持される。
【0009】
上記で定義されたハンドヘルドパーソナルケアデバイスの構成に基づいて、デバイスのメインハウジングと機能的アタッチメントとの結合及び分離を人が容易に実現できることが達成される。実際に、メインハウジングに機能的アタッチメントを結合するために人が行う必要があるのは、第1及び第2の結合部材の結合軸が整列するように機能的アタッチメントとメインハウジングとを互いに向かって動かすことを実現し、それを、第1及び第2の結合部材の相互係合が達成されるまで継続することだけである。更に、メインハウジングから機能的アタッチメントを分離するために人が行う必要があるのは、第1及び第2の結合部材の一方に、整列した第1及び第2の結合軸と平行な軸方向において、且つ第1及び第2の結合部材の他方から離れるように、事前定義された閾値力よりも大きい分離力をかけることだけである。つまり、メインハウジングに機能的アタッチメントを結合するために必要なのは、機能的アタッチメントとメインハウジングとを一緒に、第1及び第2の結合部材の設計によって決定される適切な方向に置くことだけであり、また、メインハウジングから機能的アタッチメントを分離するために必要なのは、機能的アタッチメントとメインハウジングとを適切な方向に引き離すことだけである。
【0010】
本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスでは、結合堅牢性は、主に次の要因に基づいて得られる。つまり、メインハウジングと機能的アタッチメントとは、第1及び第2の結合部材の相互係合によって、軸方向において相互に保持される。この相互係合は、事前定義された閾値力よりも大きい分離力が結合部材のうちの1つに、特定の方向においてかけられたときにのみ解除される。更に、U字型ホルダの2つの突出壁部分によって、機能的アタッチメントの横方向の動きが防止される。
【0011】
本発明は、第1及び第2の結合部材の相互係合を実現するやり方に関して、様々な可能性を対象としている。磁石の組み合わせや、スプリング要素と傾斜面を有する結合要素との組み合わせなどを使用することもでき、スプリング要素は、国際特許公開WO2008/062339A1から知られているように、傾斜面に係合できる。
【0012】
本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスが、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態において、機能的アタッチメントのベース部材が、メインハウジングの上壁で支持されるように設計されていると、結合堅牢性を更に高めることができる。例えば、デバイスの設計に以下の態様が含まれる。つまり、ベース部材は、底壁を含み、第2の結合部材は、底壁に配置され、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態では、底壁は、メインハウジングの上壁によって少なくとも部分的に支持される。この設計は、人がメインハウジングに機能的アタッチメントを誤って位置付けることを回避するための非常に実用的な手段を提供する。実際には、傾斜特性を有する結合を提供できる。ここでは、メインハウジングの上壁は、第1の結合軸に垂直に延在する想像平面に対して傾斜した向きを有し、ベース部材の底壁は、第2の結合軸に垂直に延在する想像平面に対して傾斜した向きを有する。このような場合、2つの傾斜した壁をどのように整列できるかを見つけるのは非常に簡単であるため、誰でもすぐにどれが正しい機能的アタッチメントとメインハウジングとを置くやり方であるかを見て取れる。
【0013】
好ましくは、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態において、本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスの滑らかな全体的な外観を得るために、機能的アタッチメントのベース部材は、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態において、ベース部材の前壁及び後壁がそれぞれメインハウジングの前壁及び後壁と同一平面になるように設計された前壁及び後壁を含む。
【0014】
ベース部材に関する更なるオプションは、ベース部材が、前壁、後壁、及びベース部材の前壁と後壁とを相互接続する、向かい合って配置された2つの側壁を含み、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態では、ベース部材の側壁の各々は、横方向においてU字型ホルダの2つの突出壁部分のうちの対応する1つによって少なくとも部分的に支持される。
【0015】
前後方向、つまり、軸方向及び横方向の両方に垂直な方向に延在する軸の周りの機能的アタッチメントの回転に対して安定した支持を達成するために、軸方向におけるU字型ホルダの2つの突出壁部分の平均長さが、横方向における2つの突出壁部分間の平均距離の少なくとも50%、好ましくは、少なくとも100%であるならば、有利である。或いは、軸方向におけるU字型ホルダの2つの突出壁部分の平均長さを、軸方向におけるメインハウジングの全長に関連して選択することもできる。その場合、軸方向におけるU字型ホルダの2つの突出壁部分の平均長さが、軸方向におけるメインハウジングの全長の10%~50%であるならば、有利である。U字型ホルダの深さが比較的大きい結果、メインハウジングへの機能的アタッチメントの結合は、非常に堅牢で安定している。
【0016】
また、横方向に延在する軸の周りの機能的アタッチメントの回転に対して安定した支持を達成するために、前後方向においてメインハウジングの上壁に沿って測定されたメインハウジングの前壁と後壁との間の平均距離が、横方向におけるU字型ホルダの2つの突出壁部分間の平均距離よりも大きいならば、有利である。その場合、前述の軸の周りの任意の回転運動は、メインハウジングの上壁の材料の存在によって妨げられる。横方向に延在する軸の周りの機能的アタッチメントの回転に対する抵抗を強化する別の又は追加の手段は、第1の結合軸に垂直な断面で見て、U字型ホルダの2つの突出壁部分の各々の内面が凹状であるメインハウジングの設計である。
【0017】
実際には、メインハウジングのU字型ホルダ及び機能的アタッチメントのベース部材は、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態では、ベース部材が、U字型ホルダに対して事前定義された単一の向きでのみ、U字型ホルダに収まるように設計されており、これにより、機能的アタッチメントは、メインハウジングに対して事前定義された単一の向きでのみ、メインハウジングに結合可能である。これにより、実際にメインハウジングに対して機能的アタッチメントを正しく意図した位置にする際に、メインハウジングに機能的アタッチメントを結合しようとする人を支援する。この点に関して、U字型ホルダの2つの突出壁部分の各々の内面は、第1の結合軸を含み、且つメインハウジングの前壁と後壁との間で中心に延在する第1の想像平面に対して非対称であり、及び/又は、第1の結合軸を含み、且つU字型ホルダの2つの突出壁部分の間で中心に延在する第2の想像平面に対して非対称である形状を有する。誰でも非対称の態様をすぐに認識し、これらの態様によって、機能的アタッチメントとメインハウジングとを一緒にするどのような特定のやり方が必要であるかがわかることを期待できる。
【0018】
有利なオプションでは、本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスは、第1及び第2の結合軸を整列させる際に人を支援するように設計された手段が設けられている。例えば、ベース部材と、U字型ホルダの2つの突出壁部分のうちの少なくとも1つとに、相互に係合可能なガイド部材が設けられているデバイスの実施形態が実現可能である。この相互に係合可能なガイド部材は、軸方向と平行に配置され、且つ第1及び第2の結合軸を整列させ、相互係合状態となるように、第1及び第2の結合部材を、整列させた第1及び第2の結合軸に沿って互いに向かって動かす間に、相互係合するように配置されている。このようなガイド部材の相互係合は、整列させた第1及び第2の結合軸の周りの方向におけるベース部材の回転を防止する機能も有する。
【0019】
本発明は、意図した機能を実行することができるように、使用中に駆動される部材を含む機能的アタッチメントの実施形態を対象としている。これを考慮して、メインハウジングが、電気モータと、電気モータによって駆動される駆動部材とを収容し、メインハウジングと機能的アタッチメントとの結合状態では、機能的アタッチメントのベース部材が、駆動部材に結合される被駆動部材を収容し、ベース部材が、被駆動部材の動きを機能的パーソナルケアユニットの可動部分の異なる動きに変換する機械的伝動機器を収容しているならば、実用的である。例えば、ベース部材は、メインハウジング内の駆動ユニットの回転運動を、往復運動又は速度の異なる回転運動に変換するギアシステムを収容していてもよい。ベース部材は、メインハウジング内の電気又は電子ユニットに機能的アタッチメントを電気的に結合するための電気インターフェースを含んでいてもよい。本発明が対象とする別の実用的なオプションは、電気モータが、機能的アタッチメント、特にベース部材の位置に収容されることを含み、その場合、駆動部材も機能的アタッチメントに収容される。
【0020】
本発明のコンテキストにおいて、機能的アタッチメントの多数の実施形態が可能である。前述のように、機能的アタッチメントの機能的パーソナルケアユニットは、シェービングユニット、バリカンユニット、ひげトリミングユニット、又はフェイシャルブラッシングユニットなどである。機能的アタッチメントの機能にかかわらず、第2の結合軸と平行な方向で見て、第2の結合部材が、機能的アタッチメントの中心領域に配置されているならば、実用的であるが、これは本発明のコンテキストでは必要ではない。
【0021】
本発明は、実用的なオプションを対象としており、これによれば、1)ハンドヘルドパーソナルケアデバイスは、複数の異なる機能的アタッチメントを備え、各々がそれぞれ異なる機能的パーソナルケアユニットを有し、各々がメインハウジングに交互に結合可能であり、2)複数の異なる機能的アタッチメントの各々は、ベース部材、ベース部材に配置された第2の結合部材、及びベース部材の上部に配置されたそれぞれ異なる機能的パーソナルケアユニットを含む。異なる操作を行うために別々のデバイスを持つ必要がないため、これは興味深いオプションである。代わりに、単一のメインハウジングを使用でき、目的のパーソナルケアアクションに基づいて、いくつかの機能的アタッチメントのうちの適切な1つが人によって選択される。機能的アタッチメントがメインハウジングに結合可能となり、メインハウジングから分離可能となるやり方を考慮すると、人がメインハウジングに機能的アタッチメントを置き、それを使用する必要がなくなったときや、別の機能的アタッチメントを使用する予定のときに、メインハウジングから取り外すのは非常に簡単である。U字型ホルダの向かい合った2つの壁部分は、ベース部材をしっかりと支持するため、機能的アタッチメントがメインハウジングから外れてしまう危険性がなく、比較的高い負荷を機能的アタッチメントにかけることができる。更に、壁部分の支持/保持機能によって、オプションの駆動インターフェース及び/又はオプションの電気インターフェースへの負荷は大幅に低減されるため、これらのインターフェースの堅牢性は、機能的アタッチメントにかかる高負荷の影響下での損傷のリスクを高めることなく、低くすることができる。
【0022】
本発明の上記及び他の態様は、メインハウジングといくつかの異なる機能的アタッチメントとの組み合わせを含むハンドヘルドパーソナルケアデバイスの以下の詳細な説明から明らかになり、また、当該説明を参照して明瞭にされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明について、図を参照してより詳細に説明する。図では、同じ又は同様の部分は同じ参照符号によって示している。
【0024】
【
図1】
図1は、メインハウジングと、メインハウジングに結合可能であり、且つメインハウジングから分離可能ないくつかの機能的アタッチメントとを備える、本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスの実施形態を図示する。
【
図2】
図2は、メインハウジングのU字型ホルダに位置付けられた各機能的アタッチメントの側面図を図示する。
【
図3】
図3は、結合状態のメインハウジング及び機能的アタッチメントの正面図を図示する。
【
図4】
図4は、結合状態のメインハウジング及び機能的アタッチメントの背面図を図示する。
【
図5】
図5は、結合状態のメインハウジング及び機能的アタッチメントの側面断面図背面図を図示する。メインハウジングの内部構成要素が示されている。
【
図6】
図6は、結合状態のメインハウジング及び機能的アタッチメントの背面図を図示する。メインハウジングの内部構成要素が示されている。
【
図7】
図7は、メインハウジングのU字型ホルダの深さに関するオプションを示す。
【
図8】
図8は、メインハウジング内の関連する距離及び想像平面を示す。
【
図9】
図9は、機能的アタッチメントの側面図を図示する。
【
図10】
図10は、メインハウジングと機能的アタッチメントの互いに対する位置合わせを図示する。
【
図11】
図11は、メインハウジングへの機能的アタッチメントの結合の傾斜特性を示す。
【
図12】
図12は、メインハウジングへの機能的アタッチメントの結合の傾斜特性を示す。
【
図13】
図13は、メインハウジングへの機能的アタッチメントの結合の非対称性を示す。
【
図14】
図14は、メインハウジングへの機能的アタッチメントの結合の非対称性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、メインハウジング10と、メインハウジング10に結合可能であり、且つメインハウジング10から分離可能である機能的アタッチメント30とを備えるハンドヘルドパーソナルケアデバイス1に関する。図では、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1の実施形態を示している。ここで、デバイス1は、各々が単一のメインハウジング10に結合可能であり、且つメインハウジング10から分離可能であるいくつかの機能的アタッチメント30を含む。デバイス1は、法線の向きで示されている。この向きは、機能的アタッチメント30がメインハウジング10の上部に位置付けられている向きであり、この向きを、構成要素の位置付けを示すために本テキストで使用する用語のベースとする。ただし、添付の特許請求の範囲におけるデバイス1の定義は、この向きに限定されないことに留意されたい。つまり、定義は、任意の可能な向きにあるデバイス1に適用可能である。
【0026】
図1では、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1のメインハウジング10と5つの機能的アタッチメント30とが示されている。ここでは、下向き矢印を使用して、機能的アタッチメント30をメインハウジング10に結合する態様が示されている。
図2~
図4は、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態に関連している。
図2では、メインハウジング10のU字型ホルダ20に位置付けられたそれぞれの機能的アタッチメント30が示され、
図3及び
図4では、メインハウジング10全体と、メインハウジング10に結合された機能的アタッチメント30とが示されている。
【0027】
メインハウジング10の一般的な構成では、メインハウジング10は、前壁11、後壁12、上壁13、左側壁14、及び右側壁15を含む。側壁14、15は向かい合って配置され、前壁11と後壁12とを相互接続している。メインハウジング10の上記のU字型ホルダ20は、上壁13と、各々が2つの側壁14、15のうちの対応する1つの延長部を形成し、上壁13を越えて延在する、向かい合って配置された2つの突出壁部分21、22とによって形成される。
図5及び
図6を参照すると、メインハウジング10は、電気モータ16と、充電式であり得るバッテリ17と、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1を使用している人からの入力を処理し、その入力に関連して、また、アルゴリズムに基づいてデバイス1の操作を制御するプリント回路基板18とを収容していることに留意されたい。
【0028】
メインハウジング10は更に、上壁13に配置され、第1の結合軸C
1を有する第1の結合部材23を含む。例えば、
図1に破線で図示するように、第1の結合部材23は、上壁13に設けられた開口部24を含む。この開口部24は、メインハウジング10の外側からモータ16の出力シャフトへのアクセスを提供する。以下では、第1の結合部材23の設計には、そのような開口部24が含まれていると仮定しているが、実際には、第1の結合部材23の他の設計も本発明のコンテキストにおいて実現可能であるという事実は変わらない。
【0029】
メインハウジング10への機能的アタッチメント30の堅牢な結合は、U字型ホルダ20の十分な深さを有する手段を含め、様々な可能な手段に基づいて得られる。
図7では、上記の深さ、つまり、第1の結合軸C
1と平行な軸方向AにおけるU字型ホルダ20の2つの突出壁部分21、22の平均長さL
1が、軸方向Aにおけるメインハウジング10の全長L
2の10%~50%になるように選択されるならば、実用的であることが示されている。
【0030】
メインハウジング10の上面図を示す
図8を参照すると、メインハウジング内の相対寸法に関して2つの更に有利なオプションが次のとおりであることに留意されたい。つまり、1)軸方向AにおけるU字型ホルダ20の2つの突出壁部分21、22の平均長さL
1が、横方向Sにおける2つの突出壁部分21、22間の平均距離D
1の少なくとも50%、好ましくは、少なくとも100%であること。2)軸方向A及び横方向Sの両方に垂直な方向Tにおいてメインハウジング10の上壁13に沿って測定されたメインハウジング10の前壁11と後壁12との間の平均距離D
2が、横方向SにおけるU字型ホルダ20の2つの突出壁部分21、22間の平均距離D
1よりも大きいこと。
【0031】
更に
図8では、第1の結合軸C
1を含み、且つメインハウジング10の前壁11と後壁12との間で中心に延在する第1の想像平面P
1と、第1の結合軸C
1を含み、且つU字型ホルダ20の2つの突出壁部分21、22の間で中心に延在する第2の想像平面P
2とが破線で示されている。
【0032】
図9に、機能的アタッチメント30を単独で示している。機能的アタッチメント30の一般的な構成では、機能的アタッチメント30は、ベース部材31と、ベース部材31に配置された機能的パーソナルケアユニット32とを含む。
図1及び
図2に示す機能的アタッチメント30は、機能的パーソナルケアユニット32の設計及び機能に関して互いに異なる。
図1及び
図2の左から右に見て、シェービングユニット、ひげトリミングユニット、フェイシャルブラッシングユニット、鼻毛及び耳毛用のトリミングユニットである機能的パーソナルケアユニット32が示されている。図に示す機能的アタッチメント30の機能的パーソナルケアユニット32の特定の実施形態は、本発明のコンテキストにおける実用例である。機能的パーソナルケアユニット32の設計及び機能に関して、他の多数のオプションが本発明の対象であることに留意されたい。
【0033】
第1の結合軸C
1が、モータ16の出力シャフトの回転軸と一致している場合、更に、ベース部材31に収容されている被駆動部材41に動きを伝達するための駆動部材19が出力シャフトに結合されているか、又は出力シャフトと一体化されている場合は実用的であり、更に、
図5に示すように、機械的伝動機器42を被駆動部材41と機能的パーソナルケアユニット32の可動部分との間に適用して、被駆動部材41の動きを機能的パーソナルケアユニット32の可動部分の異なる動きに変換できる。
【0034】
機能的アタッチメント30は更に、第2の結合部材33を含む。これは、ベース部材31内又は上に配置され、第2の結合軸C
2を有する。例えば、第2の結合部材33は、ベース部材31の底壁35から延在する突起34(
図1に破線で示す)を含む。特に、突起34は、機能的アタッチメント30をメインハウジング10に結合したときに、メインハウジング10の上壁13にある開口部24に受け入れられる。以下では、第2の結合部材33の設計には、そのような突起34が含まれていると仮定しているが、実際には、第2の結合部材33の他の設計も本発明のコンテキストにおいて実現可能であるという事実は変わらない。
【0035】
第1の結合部材23及び第2の結合部材33は更に、第1及び第2の結合部材23、33を、整列された第1及び第2の結合軸C1、C2に沿って互いに向かって動かすことにより、互いに解放可能に係合し、且つ軸方向Aにおいて、第1及び第2の結合部材23、33の一方に、事前定義された閾値力よりも大きい分離力をかけることにより、互いから分離するように特に設計された構成要素を含む。国際特許公開WO2008/062339A1からわかっていることに基づいて、第1の結合部材23は、開口部24に位置付けられたU字型スプリング要素を含み、第2の結合部材33は、突起34上で正反対の位置にある凹部に設けられた2つの傾斜面を含む。多くの実行可能な実例のうちの1つを挙げると、U字型スプリング要素の脚が、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態で傾斜面に係合する。同様の結合及び分離機能を実現するための別の解決策では、突起34と開口部24とに相互に引き付ける磁石のペアが配置される。いずれにせよ、突起34は、機能的アタッチメント30が少なくとも1つの可動構成要素(前述したように、機械的伝動機器42など)を含む機械システムを含むタイプの場合、ベース部材31に収容された被駆動部材41にモータ16の出力シャフトを結合できるように設計される。
【0036】
メインハウジング10の第1の結合部材23及び機能的アタッチメント30の第2の結合部材33の特徴は次のとおりである:
第1及び第2の結合部材23、33は、第1及び第2の結合軸C1、C2を整列させ、且つ相互係合状態となるように、第1及び第2の結合部材23、33を、整列させた第1及び第2の結合軸C1、C2に沿って互いに向かって動かすことによって、相互に結合可能であること、及び
第1及び第2の結合部材23、33は、第1及び第2の結合部材23、33の一方に、軸方向Aにおいて、且つ第1及び第2の結合部材23、33の他方から離れるように、事前定義された閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、相互に分離可能であること。
【0037】
図10に、メインハウジング10に機能的アタッチメント30を結合する際に適切であるように、互いに対してのメインハウジング10と機能的アタッチメント30との整列を示す。
【0038】
上記の説明からわかるように、また、図から導き出すことができるように、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1の設計は、機械的アタッチメント30のベース部材31がメインハウジング10のU字型ホルダ20内に配置され、また、第1及び第2の結合部材23、33が相互係合状態にある、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態において:
メインハウジング10と機能的アタッチメント30とは、第1及び第2の結合部材23、33の相互係合のみによって、軸方向Aにおいて相互に保持され、
機能的アタッチメント30のベース部材31は、整列された第1及び第2の結合軸C1、C2を横断する横方向SにおいてU字型ホルダ20の2つの突出壁面部分21、22によって、軸方向Aにおいてこれらの2つの突出壁部分21、22に接続又は結合することなく、囲まれ、支持される。
【0039】
更に、図示するハンドヘルドパーソナルケアデバイス1の実施形態では、機能的アタッチメント30のベース部材31は、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態で、メインハウジング10の上壁13によって支持されている。
【0040】
図10では、ベース部材31と、U字型ホルダ20の2つの突出壁部分21、22には、軸方向Aと平行に配置された相互に係合可能なガイド部材25、50が設けられていることがわかる。ガイド部材25、50は、メインハウジング10への機能的アタッチメント30の結合のプロセスを、特に、プロセスにおいて適切な整列を実現することにより容易にする機能を有し、また、正しい取り付けのための視覚的な使用の手がかりを構成する。また、
図10では、U字型ホルダ20の2つの突出壁部分21、22の各々の内面がわずかに凹状に湾曲していることがわかる。同様に、機能的アタッチメント30のベース部材31の両側にある外面がわずかに凸状に湾曲している。その結果、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態では、横方向Sに延在する軸の周りの機能的アタッチメント30の回転が防止される。したがって、この態様は、前述の他の態様に加えて、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1の結合堅牢性に貢献する。
【0041】
上記で説明され、図に示されるハンドヘルドパーソナルケアデバイス1は、上記の結合堅牢性と有利な力分布と相まって、高いレベルの使い易さを備えている。メインハウジング10への機能的アタッチメント30の結合は、第1及び第2の結合軸C1、C2が整列された向きにおいて、機能的アタッチメント30をメインハウジング10に向かって動かすだけで簡単に行われる。機能的アタッチメント30とメインハウジング10とを手に持っている人は、メインハウジング10のU字型ホルダ20及び機能的アタッチメント30のベース部材31のそれぞれのガイド部材25、50が互いに係合することによって、また、ベース部材31の突起34がメインハウジング10の上壁13の開口部24に受け入れられることによって、上記の向きを実現する際に支援される。メインハウジング10への機能的アタッチメント30の結合が確立されると、ベース部材31はU字型ホルダ20にしっかりと保持され、機能的アタッチメント30内のシャフトやギアなどの任意の可動構成要素及び/又は任意の電気構成要素を、第1及び第2の結合部材23、33を介してメインハウジング10の適切な内部構成要素への接続に基づいて駆動できる。メインハウジング10から機能的アタッチメント30を分離するには、メインハウジング10と機能的アタッチメント30とをつかんで、メインハウジング10と機能的アタッチメント30とを十分な力、つまり、事前定義された閾値力よりも大きい分離力で引き離すだけでよい。
【0042】
図11及び
図12は、メインハウジング10のU字型ホルダ20に機能的アタッチメント30のベース部材31を正しく配置する際に人を助けるハンドヘルドパーソナルケアデバイス1の設計の更なる態様を示す。この態様には、メインハウジング10の上壁13と、軸方向Aに垂直に延在する想像平面pに対して同様の角度αで、傾斜した向きを有するベース部材31の底壁35との両方が含まれる。
【0043】
図13及び
図14は、メインハウジング10のU字型ホルダ20に機能的アタッチメント30のベース部材31を正しく配置する際に人を助けるハンドヘルドパーソナルケアデバイス1の設計の別の態様を示す。この態様には、U字型ホルダ20の突出壁部分21、22の内面と、ベース部材31の外面との両方が、デバイス1の全体的な構造において非対称の外観を有することが含まれる。非対称な外観に基づいて、ベース部材31は、U字型ホルダ20に対して事前定義された単一の向きでのみ、U字型ホルダ20に収まることができる。
図14の下部に、ベース部材31がU字型ホルダ20にどのように収まるかを示す。
図14には、前壁36、後壁37、及びベース部材31の前壁36と後壁37とを相互に接続する、向かい合って配置された2つの側壁38、39を有するベース部材31の設計も明確に見ることができる。図の例では、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態において、ベース部材31の側壁38、39の各々が、横方向SにおいてU字型ホルダ20の突出壁部分21、22のうちの対応する1つによって完全に支持されることが示されている。
【0044】
当業者には、本発明の範囲は前述の例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの補正及び修正が可能であることが明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲又はその等価物の範囲内である限り、そのようなすべての補正及び修正を含むものと解釈されることを意図している。本発明は、図及び説明に詳細に例示及び説明されているが、このような例示及び説明は、例示的又は模範的にのみ見なされるべきであって、限定的と見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。図面は概略図であり、本発明を理解するために必要でない詳細は省略されている場合があり、また、必ずしも縮尺通りではない。
【0045】
開示された実施形態の変形は、図、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、「含む」という語は、他のステップや要素を排除するものではなく、単数形の要素は複数を排除するものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0046】
特定の実施形態について又はそれに関連して説明された要素及び態様は、特に明示的に述べられていない限り、他の実施形態の要素及び態様と適切に組み合わせることができる。したがって、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。
【0047】
本テキストで使用されている「有する」及び「含む」という用語は、「からなる」という用語を網羅するものとして当業者によって理解されるであろう。したがって、「有する」又は「含む」という用語は、1つの実施形態に関する限りでは「からなる」を意味する場合があるが、別の実施形態では「少なくとも定義された種及び任意選択で1つ以上の他の種を含有する/有する/備えている」を意味する場合がある。
【0048】
本発明の重要な態様は次のとおりである。メインハウジング10と、機能的アタッチメント30とを備えるハンドヘルドパーソナルケアデバイス1では、機能的アタッチメント30は、メインハウジング10に結合可能であり、且つメインハウジング10から分離可能である。メインハウジング10は、メインハウジング10の上壁13に配置された第1の結合部材23を含む。機能的アタッチメント30は、機能的アタッチメント30のベース部材31に配置された第2の結合部材33を含む。メインハウジング10は更に、ベース部材31を受け入れて収容するためのU字型ホルダ20を含む。ハンドヘルドパーソナルケアデバイス1は、メインハウジング10と機能的アタッチメント30との結合状態において、メインハウジング10と機能的アタッチメント30とが、第1及び第2結合部材22、33の相互係合のみによって、軸方向Aにおいて相互に保持され、ベース部材31が、横方向SにおいてU字型ホルダ20の2つの突出壁面部分21、22によって、軸方向Aにおいてこれらの2つの突出壁部分21、22に接続又は結合することなく、囲まれ、支持されることを実現するように設計されている。
【国際調査報告】