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特表2024-543363二次電池の製造方法、ガス排出および電解液注液機構およびそれを含む二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】二次電池の製造方法、ガス排出および電解液注液機構およびそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/30 20210101AFI20241114BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20241114BHJP
   H01M 50/645 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M50/30
H01M10/04 W
H01M50/645
H01M50/627
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527266
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2023009978
(87)【国際公開番号】W WO2024014883
(87)【国際公開日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0086972
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン ソー
【テーマコード(参考)】
5H012
5H023
5H028
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB01
5H012CC08
5H012DD03
5H023AS02
5H023AS10
5H023CC06
5H023CC11
5H028AA07
5H028BB02
5H028BB03
5H028BB05
5H028CC02
5H028CC04
5H028CC12
5H028EE01
5H028EE06
(57)【要約】
本発明は、ガス排出および電解液注入の両方が可能なガス排出管を用いて活性化工程ガスを効率的に除去し得、上記ガス排出管のシーリングと電池ケースのシーリングを同時に行って簡素化された二次電池の製造方法を提供する。
また、本発明の二次電池の製造方法は、ガス排出通路と電解液注液通路とを備えた二重管構造のガス排出管を用いて活性化工程前に電解液を注液することにより、シーリング段階を減らし得る二次電池の提供方法に関するものである。
本発明はまた、ガス排出および電解液注液の両方が可能な構造のガス排出および電解液注液機構とそれを備えた二次電池を提供している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池部と、前記電池部と連通するガス捕集部とを含む電池ケースの前記電池部に電極組立体を収容し、前記ガス捕集部の一側辺を除く前記電池ケースの縁部をシーリングする段階と、
前記一側辺の前記電池ケースの開放部にガス排出および電解液注入の両方が可能なガス排出管を位置させ、前記開放部と前記ガス排出管を共にシーリングして、前記ガス排出管の前記電池ケースへの固定および前記電池ケースの密封を同時に行う段階と、
前記電池部と前記ガス捕集部とを備えた電池に対して活性化工程を行うときに前記電池内部で発生したガスを、前記ガス排出管を介して前記電池外部に排出する段階と、を含む、二次電池の製造方法。
【請求項2】
電池部と、前記電池部と連通するガス捕集部とを含む電池ケースの前記電池部に電極組立体を収容し、前記ガス捕集部の開放された少なくとも1つの一側辺にガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造のガス排出管を位置させる段階と、
前記一側辺を含む前記電池ケースの全体縁部をシーリングして、前記ガス排出管の前記電池ケースへの固定および前記電池ケースの密封を同時に行う段階と、
前記電池部と前記ガス捕集部とを備えた電池に対して活性化工程を行うときに前記電池内部で発生したガスを、前記ガス排出管を介して前記電池外部に排出する段階と、を含む、二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記活性化工程の後に、前記ガス捕集部内に形成したデガッシングホールおよび前記ガス排出管のうち少なくとも1つを介して前記ガス捕集部内の残存ガスを前記電池外部に排出するデガッシング段階を含む、請求項1または2に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記活性化工程中に、前記ガス排出管を介して電解液を追加で前記電池に補充する段階をさらに含む、請求項1または2に記載の二次電池の製造方法。
【請求項5】
前記ガス排出管は、ガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造である、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記ガス排出管は、前記ガス排出通路に結合される第1栓と、前記電解液注液通路に結合される第2栓とをそれぞれ備え、
前記第1栓および前記第2栓のうち少なくとも1つをそれぞれの対応する通路に結合および結合解除することにより、前記電池からのガス排出および前記電池への電解液注液のうち少なくとも1つの作業を行う、請求項2に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記ガス排出管は、前記ガス排出通路に結合される第1栓と前記電解液注液通路に結合される第2栓とをそれぞれ備え、
前記第1栓および前記第2栓のうち少なくとも1つをそれぞれの対応する通路に結合および結合解除することにより、前記電池からのガス排出および前記電池への電解液注液のうち少なくとも1つの作業を行う、請求項5に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
ガス排出通路が形成され、上下部が開放された中空状の第1管と、電解液注液通路が形成され、上下部が開放されて前記ガス排出通路内に配置される中空状の第2管と、前記第1管の管壁と前記第2管の管壁を連結する連結部材とを含むガス排出管と、
前記第1管の開放された上部に脱着可能に結合されて前記ガス排出通路を密封する第1栓と、
前記第2管の開放された上部に脱着可能に結合されて前記電解液注液通路を密封する第2栓と、を含む、ガス排出および電解液注液機構。
【請求項9】
前記連結部材は、前記第1管の内周面と前記第2管の外周面を連結し、前記第1管および前記第2管の縁に沿って所定の間隔で複数個が備えられる、請求項8に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項10】
前記第1栓は、前記ガス排出通路の入口を覆う密封部、および前記入口に挿入される挿入部のうち少なくとも1つを含む、請求項8に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項11】
前記第2栓は、前記電解液注液通路の入口を覆う密封部、および前記入口に挿入される挿入部のうち少なくとも1つを含む、請求項8に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項12】
前記第1栓は、前記ガス排出通路の入口を覆う密封部と、前記入口に挿入される挿入部とを含み、
前記挿入部の縁に沿って所定の間隔で前記連結部材が挿入される複数個のスロットが形成された、請求項9に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項13】
前記第1栓および前記第2栓は、互いに脱着可能に結合される、請求項8に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項14】
前記第1栓は、第2栓結合用貫通孔を備え、
前記第2栓は、前記第2栓結合用貫通孔に挿入されて前記第1栓に結合される、請求項13に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項15】
前記第2栓の外面および前記第2栓結合用貫通孔の内面に互いに噛み合うねじ山がそれぞれ形成され、
前記第1栓の結合面と前記第1管の開放された上部の対応する結合面に互いに噛み合うねじ山がそれぞれ形成され、
前記第2栓の結合面と前記第2管の開放された上部の互いに対応する結合面に互いに噛み合うねじ山がそれぞれ形成される、請求項14に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項16】
前記第1管内部に前記ガス排出通路の入口方向にのみガスを流動させる開閉機構が設置された、請求項8に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項17】
前記開閉機構は、
前記第1管の内周面に沿って上下に間隔を置いて突出形成される上方移動規制部と下方移動規制部と、
前記上方移動規制部と前記下方移動規制部との間に位置する開閉部材と、を含み、
前記開閉部材は、前記下方移動規制部と接触してガスの下方移動を遮断する遮断位置と、ガスの上方圧力によって前記下方移動規制部から離隔してガスの上方移動を許容する許容位置との間を移動する、請求項16に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項18】
前記開閉部材は、前記第1管の内周面に接触する外周面と前記第2管の外周面と接触する内周面とを備えたリング状部材である、請求項17に記載のガス排出および電解液注液機構。
【請求項19】
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体と、
前記電極組立体を収容する電池部と、前記電池部と連通するガス捕集部とを備えた電池ケースと、
前記電池ケースの少なくとも一側辺に設置される請求項8~18のうちいずれか一項に記載のガス排出および電解液注液機構と、を含み、
前記第1管および前記第2管の一部が前記電池ケース内に挿入され、前記ガス排出通路の入口および前記電解液注液通路の入口が前記電池ケースの一側辺から外部に突出するように、前記ガス排出および電解液注液機構が前記電池ケースに設置される、二次電池。
【請求項20】
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体と、
前記電極組立体を収容する電池ケースと、
前記電池ケースの少なくとも一側辺に設置される請求項8~18のうちいずれか一項に記載のガス排出および電解液注液機構と、を含み、
前記第1管および前記第2管の一部が前記電池ケース内に挿入され、前記ガス排出通路の入口および前記電解液注液通路の入口が前記電池ケースの一側辺から外部に突出するように、前記ガス排出および電解液注液機構が前記電池ケースに設置される、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の製造方法に関するものであって、より詳しくは、活性化工程で二次電池内で発生するガスを効率的に除去してガス捕集部の面積を減らし得、ガス排出および電解液注液のためのガス排出管の設置工程を簡素化し得る二次電池の製造方法に関するものである。
【0002】
また、本発明は、二次電池からのガス排出と二次電池内への電解液注液を効果的に行い得るガス排出および電解液注液機構およびそれを含む二次電池に関するものである。
【0003】
本出願は、2022年7月14日付の韓国特許出願第10-2022-0086972号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0004】
化石燃料の枯渇によるエネルギー源の価格が上昇し、環境汚染に対する関心が増幅されるに伴い、環境にやさしい代替エネルギー源に対する要求が未来生活のための必須不可欠な要因となっており、特にモバイル機器に対する技術開発と需要が増加するに伴い、エネルギー源としての二次電池への需要が急激に増加している。
【0005】
一般的に、二次電池は、外形に応じて大きく円筒型電池、角型電池、パウチ型電池などに分類され、電解液の形態に応じてリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池などに分類されることもある。
【0006】
また、二次電池は、電極組立体が電池ケースに収納された状態で液体電解質である電解液を注入し、電池ケースをシーリングすることにより製造される。
【0007】
このうちパウチ型二次電池の製造方法は、電極組立体が収容された電池部とそれと連通するガス捕集部とを含む電池ケースの一側を除いた縁部をシーリングする1次シーリング段階、上記シーリングされない電池ケース一側を介して電池部に電解液を注入する電解液注液段階、注液後に電池ケースの一側を完全にシーリングする2次シーリング段階、その後、電池に電池特性を付与するために充放電などを行う活性化工程段階を含む。電池ケースにガス捕集部を形成する理由は、二次電池の活性化のための充放電過程で多量の活性化ガスが発生するため、それを捕集するための空間を設けるためである。
【0008】
しかしながら、多量のガスが発生する場合に、例えば、マンガン系化合物を活物質として使用する場合などにこのガスを収容するためにガス捕集部を大きく設計する必要があった。これは電池ケース素材の使用量を増やし、製造原価上昇の原因となった。
【0009】
ガス捕集部の拡大を防止するために、電池ケースにガス排出管を設置して活性化工程中にガスを排出する技術が提案された。しかしながら、上記技術は、電池ケースに電解液を注液して完全に密封した後に、密封された電池ケースを再び開けてガス排出管を挿入して再密封するため、ガス排出管の設置作業が非常に面倒であった。また、密封された電池ケースを開ける過程で電池ケースの損傷が発生し得、これにより電池ケースを再密封する場合にも損傷した部位により完全に密封されず、ガス漏れおよび電解液漏れが発生する危険性があった。
【0010】
一方、活性化工程中に電池内に電解液が不足して電解液を補充する必要性がある。または、すべての電池製造過程を終えた完成品二次電池も使用中に電解液が枯渇し得る。したがって、活性化を経る二次電池の中間段階の半製品や完成品二次電池に対して電解液を補充する必要性がある。さらに、上記活性化段階の半製品のみならず、完成品二次電池も使用環境に応じて電池内部でガスが急速に発生して電池ケースの内圧が増加し、ひどい場合は爆発など事故の危険性がある。
【0011】
したがって、活性化を経る二次電池の中間段階の半製品および完成品二次電池において、電池ケース内部のガスを排出すると同時に電解液を補充する必要性がある。
【0012】
しかしながら、従来はガス排出と電解液注液を効果的に同時に行い得る技術がなかった。例えば、ガス排出管の同じ通路を介してガス排出と電解液注液を同時に行う場合には、ガス排出時に上記通路を介して電解液が漏れる恐れがあった。また、ガス排出のための通路内部が電解液で汚染されてガス排出効率が低下したり、逆にガス排出通路の汚染により電解液注液時に電解液が汚染されたりする可能性もあった。
【0013】
以上から、活性化工程時のガス排出のためのガス排出管の設置を容易にし得る技術の開発が要望される。
【0014】
また、ガス排出および電解液注液を効果的に同時に行い得る技術の開発が要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2018-0093792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような問題点を解決するために作られたものであって、ガス排出および電解液注入の両方が可能なガス排出管を用いて活性化工程ガスを効率的に除去し得る二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
また、ガス排出通路と電解液注液通路とを備えた二重管構造のガス排出管を用いて活性化工程前後の工程を簡素化し、ガス排出および電解液注液を容易に行い得る二次電池の製造方法を提供することを別の目的とする。
【0018】
また、本発明は、ガス排出および電解液注液の両方が可能な構造のガス排出および電解液注液機構とそれを備えた二次電池を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するための本発明の二次電池の製造方法は、電池部と、上記電池部と連通するガス捕集部とを含む電池ケースの上記電池部に電極組立体を収容し、上記ガス捕集部の一側辺を除く電池ケースの縁部をシーリングする段階と、上記一側辺の電池ケースの開放部にガス排出および電解液注入の両方が可能なガス排出管を位置させ、上記開放部とガス排出管を共にシーリングして、上記ガス排出管の電池ケースへの固定および上記電池ケースの密封を同時に行う段階と、上記電池部とガス捕集部とを備えた電池に対して活性化工程を行うときに上記電池内部で発生したガスを、上記ガス排出管を介して電池外部に排出する段階と、を含む。
【0020】
上記製造方法は、上記ガス捕集部の一側辺を除く電池ケースの縁部をシーリングする段階の後に、上記一側辺の電池ケース開放部を介して上記電池部に電解液を注液する段階をさらに含み得る。
【0021】
本発明の他の例としての二次電池の製造方法は、電池部と、上記電池部と連通するガス捕集部とを含む電池ケースの上記電池部に電極組立体を収容し、上記ガス捕集部の開放された少なくとも1つの一側辺にガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造のガス排出管を位置させる段階と、上記一側辺を含む電池ケースの全体縁部をシーリングして、上記ガス排出管の電池ケースへの固定および上記電池ケースの密封を同時に行う段階と、上記電池部とガス捕集部とを備えた電池に対して活性化工程を行うときに上記電池内部で発生したガスを、上記ガス排出管を介して電池外部に排出する段階と、を含む。
【0022】
上記製造方法は、上記ガス排出管の電池ケースへの固定および電池ケースの密封を同時に行う段階の後に、上記ガス排出管の電解液注液通路を介して上記電池部に電解液を注液する段階をさらに含み得る。
【0023】
また、上記二次電池の製造方法は、活性化工程の後に、ガス捕集部内に形成したデガッシングホールおよび上記ガス排出管のうち少なくとも1つを介して上記ガス捕集部内の残存ガスを電池外部に排出するデガッシング段階を含み得る。
【0024】
また、上記二次電池の製造方法は、上記活性化工程中に、上記ガス排出管を介して電解液を追加で上記電池に補充する段階をさらに含み得る。
【0025】
上記ガス排出管は、ガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造であり得る。
【0026】
上記ガス排出管は、上記ガス排出通路に結合される第1栓と、上記電解液注液通路に結合される第2栓とをそれぞれ備え、上記二次電池の製造方法は、上記第1栓および第2栓のうち少なくとも1つをそれぞれの対応する通路に結合および結合解除することにより、上記電池からのガス排出および電池への電解液注液のうち少なくとも1つの作業を行い得る。
【0027】
本発明に係るガス排出および電解液注液機構は、ガス排出通路が形成され、上下部が開放された中空状の第1管と、電解液注液通路が形成され、上下部が開放されて上記ガス排出通路内に配置される中空状の第2管と、上記第1管の管壁と上記第2管の管壁を連結する連結部材とを含むガス排出管と、上記第1管の開放された上部に脱着可能に結合されて上記ガス排出通路を密封する第1栓と、上記第2管の開放された上部に脱着可能に結合されて上記電解液注液通路を密封する第2栓と、を含む。
【0028】
上記連結部材は、上記第1管の内周面と上記第2管の外周面を連結し、上記第1管および第2管の縁に沿って所定の間隔で複数個が備えられ得る。
【0029】
上記第1栓は、上記ガス排出通路の入口を覆う密封部、および上記入口に挿入される挿入部のうち少なくとも1つを含み得る。
【0030】
上記第2栓は、上記電解液注液通路の入口を覆う密封部、および上記入口に挿入される挿入部のうち少なくとも1つを含み得る。
【0031】
上記第1栓は、上記ガス排出通路の入口を覆う密封部と、上記入口に挿入される挿入部とを含み、上記挿入部の縁に沿って所定の間隔で上記連結部材が挿入される複数個のスロットが形成され得る。
【0032】
上記第1栓および第2栓は、互いに脱着可能に結合され得る。この場合、第1栓は、第2栓結合用貫通孔を備え、上記第2栓は、上記第2栓結合用貫通孔に挿入されて上記第1栓に結合され得る。
【0033】
上記第2栓の外面および上記第2栓結合用貫通孔の内面に互いに噛み合うねじ山がそれぞれ形成され、上記第1栓の結合面と上記第1管の開放された上部の対応する結合面に互いに噛み合うねじ山がそれぞれ形成され、上記第2栓の結合面と上記第2管の開放された上部の互いに対応する結合面に互いに噛み合うねじ山がそれぞれ形成され得る。
【0034】
上記第1管内部に上記ガス排出通路の入口方向にのみガスを流動させる開閉機構が設置され得る。
【0035】
上記開閉機構は、上記第1管の内周面に沿って上下に間隔を置いて突出形成される上方移動規制部と下方移動規制部と、上記上方移動規制部と下方移動規制部との間に位置する開閉部材と、を含み、上記開閉部材は、上記下方移動規制部と接触してガスの下方移動を遮断する遮断位置と、ガスの上方圧力によって上記下方移動規制部から離隔してガスの上方移動を許容する許容位置との間を移動し得る。
【0036】
上記開閉部材は、上記第1管の内周面に接触する外周面と上記第2管の外周面と接触する内周面とを備えたリング状部材であり得る。
【0037】
本発明の二次電池は、正極と、負極と、上記正極と負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体と、上記電極組立体を収容する電池部と、上記電池部と連通するガス捕集部とを備えた電池ケースと、上記電池ケースの少なくとも一側辺に設置される請求項7~18のうちいずれか一項に記載のガス排出および電解液注液機構と、を含み、上記第1管および第2管の一部が上記電池ケース内に挿入され、上記ガス排出通路の入口および電解液注液通路の入口が上記電池ケースの一側辺から外部に突出するように、上記ガス排出および電解液注液機構が上記電池ケースに設置され得る。
【0038】
本発明の他の二次電池は、正極と、負極と、上記正極と負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体と、上記電極組立体を収容する電池ケースと、上記電池ケースの少なくとも一側辺に設置される上記ガス排出および電解液注液機構と、を含み、上記第1管および第2管の一部が上記電池ケース内に挿入され、上記ガス排出通路の入口および電解液注液通路の入口が上記電池ケースの一側辺から外部に突出するように、上記ガス排出および電解液注液機構が上記電池ケースに設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明により、多量の活性化ガスが発生してもガス捕集部の面積を大きくする必要なしにガスを電池外部に容易に排出し得る。
【0040】
また、本発明によると、電解液注液とガス排出のためのガス排出管を電池ケース内に容易に設置し得る。
【0041】
また、ガス排出通路と電解液注液通路とを備えた二重管構造のガス排出管を用いることにより、活性化工程前のシーリング工程の回数を減らし得る。
【0042】
また、上記二重管構造のガス排出管とそれぞれの管を開閉し得る栓とを備えたガス排出および電解液注液機構により、電解液枯渇時にそれを容易に補充し得、同時に電池内で発生するガスを外部に排出し得る。
【0043】
また、ガス排出通路と電解液注液通路とが別個に備えられた構造によってガス排出過程と電解液注液過程が干渉なく別個に進行され、ガスや電解液により当該通路が汚染されることを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施形態に係る二次電池を製造する過程を示す分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法のフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る二次電池がシーリングされた状態を示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る二次電池を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係る二次電池のデガッシング過程を示す概略図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る二次電池の製造方法のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の分解図である。
図8】本発明の一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の断面図である。
図9】一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構によるガス排出過程を示す概略図である。
図10】本発明の他の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の断面図である。
図11】本発明の別の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の分解図である。
図12】本発明の別の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の断面図である。
図13】別の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構による電解液注入過程を示す概略図である。
図14】本発明の他の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の断面図である。
図15】ガス排出および電解液注液機構の開閉部材を示す斜視図である。
図16】本発明の他の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の作動過程を示す断面図である。
図17】本発明の他の実施形態に係る二次電池の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、添付された図面と様々な実施形態により本発明の細部構成を詳細に説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、また、添付された図面は、本発明の理解を助けるために実際の縮尺で図示されたものではなく、一部の構成要素の寸法が誇張されて図示され得る。
【0046】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るので、特定の実施形態を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかしながら、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものとして理解されるべきである。
【0047】
本発明の一実施形態の二次電池の製造方法は、電池部と、上記電池部と連通するガス捕集部とを含む電池ケースの上記電池部に電極組立体を収容し、上記ガス捕集部の一側辺を除く電池ケースの縁部をシーリングする段階と、上記一側辺の電池ケース開放部にガス排出および電解液注入の両方が可能なガス排出管を位置させ、上記開放部とガス排出管を共にシーリングして、上記ガス排出管の電池ケースへの固定および上記電池ケースの密封を同時に行う段階と、上記電池部とガス捕集部とを備えた電池に対して活性化工程を行うときに上記電池内部で発生したガスを、上記ガス排出管を介して電池外部に排出する段階と、を含む。
【0048】
本発明の他の例としての二次電池の製造方法は、電池部と、上記電池部と連通するガス捕集部とを含む電池ケースの上記電池部に電極組立体を収容し、上記ガス捕集部の開放された少なくとも1つの一側辺にガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造のガス排出管を位置させる段階と、上記一側辺を含む電池ケースの全体縁部をシーリングして、上記ガス排出管の電池ケースへの固定および上記電池ケースの密封を同時に行う段階と、上記電池部とガス捕集部とを備えた電池に対して活性化工程を行うときに上記電池内部で発生したガスを、上記ガス排出管を介して電池外部に排出する段階と、を含む。
【0049】
本発明の一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構は、ガス排出通路が形成され、上下部が開放された中空状の第1管と、電解液注液通路が形成され、上下部が開放されて上記ガス排出通路内に配置される中空状の第2管と、上記第1管の管壁と上記第2管の管壁を連結する連結部材とを含むガス排出管と、上記第1管の開放された上部に脱着可能に結合されて上記ガス排出通路を密封する第1栓と、上記第2管の開放された上部に脱着可能に結合されて上記電解液注液通路を密封する第2栓と、を含む。
【0050】
本発明の一例に係る二次電池は、正極と、負極と、上記正極と負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体と、上記電極組立体を収容する電池部と、上記電池部と連通するガス捕集部とを備えた電池ケースと、上記電池ケースの少なくとも一側辺に設置される上記ガス排出および電解液注液機構と、を含み、上記第1管および第2管の一部が上記電池ケース内に挿入され、上記ガス排出通路の入口および電解液注液通路の入口が上記電池ケースの一側辺から外部に突出するように、上記ガス排出および電解液注液機構が上記電池ケースに設置され得る。
【0051】
本発明の他の例に係る二次電池は、正極と、負極と、上記正極と負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体と、上記電極組立体を収容する電池ケースと、上記電池ケースの少なくとも一側辺に設置される上記ガス排出および電解液注液機構と、を含み、上記第1管および第2管の一部が上記電池ケース内に挿入され、上記ガス排出通路の入口および電解液注液通路の入口が上記電池ケースの一側辺から外部に突出するように、上記ガス排出および電解液注液機構が上記電池ケースに設置されることを特徴とする。
【0052】
<二次電池の製造方法>
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池を製造する過程を示す分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法のフローチャートであり、図3は、本発明の一実施形態に係る二次電池がシーリングされた状態を示す断面図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る二次電池を示す概略図である。
【0053】
本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法は、電極組立体200を電池ケース100に収容し、電池ケース100縁部の一部をシーリングする1次シーリング段階、ガス排出管と電池ケース100を共にシーリングする2次シーリング段階、活性化およびガス排出段階を含む。
【0054】
電極組立体200は、少なくとも1つの正極と、少なくとも1つの負極と、少なくとも1つの分離膜とを含む電極積層体をすべて含む概念であり、その形態などは特に限定されない。例えば、上記電極組立体200は、帯状からなる正極と負極が分離膜を間に置いて配置され、それらを巻取したジェリーロール(jelly-roll)型であり得るが、これに限るものではなく、他の形態の電極組立体200も本発明に適用し得る。
【0055】
電極組立体200に含まれる正極、負極、分離膜の材質も特に限定されず、当該技術分野で知られている材質のものを特に制限なく使用し得る。
【0056】
電極組立体200は、図1に図示されたように、ジェリーロール状の電極組立体210から突出する電極タブ(正極タブ:221、負極タブ:231)を含む。電極タブは、電極組立体200の正極および負極とそれぞれ連結され、電極組立体200の外部に突出する。上記電極タブには、電極リード(正極リード:222、負極リード:232)が溶接などにより連結される。そして、電極リードの一部を絶縁部223、233が包んで結合される。絶縁部は、電極組立体200で生成される電気が電極リードを介して電池ケース100に流れることを防ぎ、電池ケース100のシーリングを維持する。
【0057】
電極リードは、正極タブ221および負極タブ231の形成位置に応じて同じ方向に延長されてもよく、図1の例のように互いに反対方向に延長されてもよい。
【0058】
電池ケース100は、二次電池の全体的な外観を形成し、軟性の材質で製造されたパウチであり得る。電池ケース100は、ガスバリア層、表面保護層、シーラント層を含む。ガスバリア層は、ガスの出入りを遮断するためのものであって、金属を含み、例えばアルミニウホイルが使用され得る。表面保護層は、電池ケース100の最外層に位置し、耐摩耗性および耐熱性を有するナイロン樹脂またはPETなどのポリマーが使用され得る。シーラント層は、最内側に位置し、ポリプロピレン(PP)などのポリマーが使用され得る。
【0059】
パウチ型電池ケース100は、上記のような層が積層されたフィルムが袋状に加工されて製造される。具体的には、上部パウチ100Bと下部パウチ100Aを互いに接触させ、縁部に熱圧着を施すとシーラント層同士を接着することにより電池ケース100がシーリングされる。あるいは、超音波またはレーザーなどでシーリングすることも可能である。
【0060】
上記上部パウチ100Bおよび下部パウチ100Aは、電極組立体200を収容する収容空間Cがそれぞれ備えられる。図1を参照すると、カップ状の収容空間Cが上下部パウチの対向する部分にそれぞれ形成される。上記上部パウチ100Bの収容空間C1または下部パウチ100Aの収容空間C2のうちいずれか1つに電極組立体200を収容し、他の1つの収容空間を上記電極組立体200上にかぶせると、図3のように、電極組立体200が上部パウチ100B、下部パウチ100Aの収容空間Cに囲まれて電池ケース100内に収容される。電極組立体200が収容される電池ケース100の部分を電池部110と称する。すなわち、上記電池部110は、上部パウチ100Bの収容空間C1が形成された電池パーツ110Bと、下部パウチ100Aの収容空間C2が形成された電池パーツ110Aの結合によって作られる。本実施形態では、上部パウチ100Bと下部パウチ100Aがそれぞれ凹状の収容空間を有するように加工された、いわゆるダブルカップ状の電池ケース形態を示す。しかしながら、上部パウチ100B、下部パウチ100Aのうちの1つのパウチのみがカップ状の収容空間Cを有し、他の1つのパウチは上記収容空間を覆うシングルカップ状の電池ケース100も適用可能である。
【0061】
また、図1では上部パウチ100Bと下部パウチ100Aとが別個に備えられたことが図示されているが、上部パウチ100B、下部パウチ100Aが一側端で互いに連結され、上記一側端を基準として上部パウチ100B、下部パウチ100Aを折り畳んで互いに結合することにより電池ケース100を製造し得る。
【0062】
また、図4に図示された電池ケース100は、完成品二次電池の電池ケース100ではない活性化工程に提供される中間段階の半製品の二次電池の電池ケースの形態である。初期の二次電池セルは活性化されない放電状態のセルであるため、電池としての機能を有しない。活性化工程は、この放電状態のセルを数回充放電させて電池として機能するように活性化させる工程である。このような充放電過程は電気化学的反応によって行われるため、副反応としてガスが発生する。このガスは、セル抵抗の増加、容量および寿命の低下、外観不良などの原因となるため、充放電工程が行われた後にガスを除去するためのデガッシング工程が行われる。
【0063】
活性化工程で発生したガスを集めるために、電池ケースにはガス捕集部120が設けられる。すなわち、図1に図示されたように、上部パウチ100Bおよび下部パウチ100Aは、電池パーツ110B、110Aの一側にガス捕集部パーツ120B、120Aをそれぞれ備えており、上部パウチ100B、下部パウチ100Aのガス捕集部パーツ120B、120Aを結合することによってガス捕集部120が形成される。図3を参照すると、電池部110の一側に上記電池部110と連通するガス捕集部120が電池ケース100に備えられていることが図示されている。
【0064】
しかしながら、活物質に応じてまたは製造条件に応じて活性化工程で多量のガスが発生し得る。多量のガスが発生する場合には、ガス捕集部120の内圧が増加して破裂する危険性がある。したがって、多量のガスが発生する電池の場合には、上記ガス捕集部120を大きく設計したり、あるいはガス捕集部120を成形してガス捕集部120の体積を増やしたりする方法が使用されている。しかしながら、ガス捕集部120の大きさが大きくなると、電池ケース素材の使用量が増加して製造コストが嵩む。また、ガス捕集部120を成形することは工程数を増やすので、これもまた製造原価上昇の原因となった。また、ガス捕集部120の大きさを大きくしても活性化工程で持続的に発生するガスをすべて捕集するには限界がある。
【0065】
本発明は、このような課題を解決するために、ガス捕集部120にガスを排出し得るガス排出管500を設置した。また、上記電池ケース100の2次シーリング前にガス排出管500を電池ケース100に位置させ、2次シーリング時にガス排出管500も共にシーリングすることにより、ガス排出管500の固定およびシーリング作業を一度に簡便に行い得るようにした。
【0066】
図2に開示された一実施形態の本発明の二次電池の製造方法は、電池部110と、上記電池部110と連通するガス捕集部120とを含む電池ケース100の上記電池部110に電極組立体200を収容し、上記ガス捕集部120の一側辺を除く電池ケース100の縁部をシーリングする段階(S10)を行う。すなわち、図1に図示されたように、上部パウチ100Bおよび下部パウチ100Aの電極組立体200収容空間に電極組立体200を収容して、上部パウチ100B、下部パウチ100Aを密着させた後に、電池ケース100の縁部をシーリングする。すなわち、図4に図示されたように、例えば、ガス捕集部120上側の一側辺のみを除く残りの電池ケース100の縁部をシーリングツールでシーリングする1次シーリングを行う。符号S1は1次シーリング部である。シーリング前に電池ケース100内部の空気を除去して縁部をシーリングすることが好ましい。
【0067】
上記一側辺の電池ケース開放部にガス排出および電解液注入の両方が可能なガス排出管500を位置させ、上記開放部とガス排出管500を共にシーリングして上記ガス排出管500の電池ケース100への固定および上記電池ケース100の密封を同時に行い得る(S12)。
【0068】
上記ガス排出管500は、ガス捕集部120に設置され、活性化工程ガスを電池外部に排出させるための管である。上記ガス排出管500の直径は特に制限されないが、電池の大きさ、発生するガスの流量、ガス排出速度などを考慮して好適な範囲から選択し得る。また、ガス排出管500は、耐腐食性が強い材料、例えばテフロン(登録商標)を使用し得るが、これに限定されるものではない。
【0069】
ガス排出管500として、ガス排出および電解液注入の両方が可能なものを使用し得る。例えば、1つの中空通路を有するガス排出管500を適用し、上記中空通路を介してガス排出を行い得る。また、上記中空通路を介して必要なときに電解液を電池外部から電池内部に注入し得る。
【0070】
または、ガス排出通路と電解液注液通路の両方を備えた二重管構造のガス排出管500を使用し得る。このように、ガス排出と電解液注液のための通路を別個に備えれば、1つの通路でガス排出および電解液注液を同時に行う場合に発生し得る工程間干渉と通路の汚染を防止し得る。このような二重管構造のガス排出管500として後述するように、図7図16に図示されたような形態のガス排出管500を使用し得る。
【0071】
本段階(S12)において、図3のように、上記ガス排出管500を上下部パウチの対向する内側面間の電池ケース開放部(開口)に位置させ、上記開放部とガス排出管500を共にシーリングする。
【0072】
ガス排出のために、ガス排出管500の少なくとも入口部は、電池外部に突出するように上記開放部上に位置させる。また、ガス排出管500の一部は、上記シーリング部位よりガスポケット部内側に位置させることにより、ガス捕集部120のガスが上記ガス排出管500内部に容易に導入されるようにする。上記ガス排出管500は、図示されたように、ガス捕集部120の上側辺の開放部に置かれることもあるが、電極リードが突出した側に該当するガスポケット部の両側辺のうち少なくとも一側辺に置かれることもできる。ただし、上方流動しようとするガスの性質を考慮し注液方向を考慮すると、図3および図4のように、ガス捕集部120の上側辺にガス排出管500を設置することが好ましい。
【0073】
上記ガス排出管500は、断面が円形の管を採用し得るが、これに限定されるものではない。例えば、断面が楕円形、またはコーナーに曲線状のR部を有する多角形の断面を有する管も適用し得る。
【0074】
ガス排出管500を上記電池ケースの開放部に位置させた後に、上記ガス捕集部120の一側辺とガス排出管500を共にシーリングする(2次シーリング)。符号S2は2次シーリング部である。この場合、ガス排出管500と上下部パウチとの間に隙間なくシーリングされ得るように真空雰囲気でシーリングする真空シーリング法を適用し得る。上記真空シーリング法は、上記1次シーリングにも適用し得、後述する電池ケースのトリミング後の3次シーリングにも適用し得る。上記シーリングは、熱融着、および/または超音波やレーザーを用いた融着方式によって行い得る。真空シーリングにより、上記開放部の対向する上下部パウチの内側面が密着して接合され、同時に上記ガス排出管500を囲む上部パウチ100B、下部パウチ100Aが密着接合される。これにより、上記ガス排出管500が電池ケースに確実に固定されると同時に、電池ケース100の密封が達成される。このように、本発明の製造方法によると、電池ケース100を完全に密封する前に、ガス排出管500を電池ケース100の開放部に位置させ、ガス排出管500の固定および電池ケース100の密封を同時に行う。したがって、ガス排出管500を電池ケース100に挿入したりする別途の設置作業が不要である。これにより工程が簡素化され、ガス排出管500を電池ケース100に隙間なく確実に固定し得るようになる。したがって、ガス排出管500と電池ケース100との間の間隙を介してガスまたは電解液が漏れることを防止し得る。
【0075】
図4は、このような2次シーリングが行われた状態の二次電池を図示している。
【0076】
上記電池部110とガス捕集部120とを備えた電池を充放電して活性化工程を行う。活性化工程時に充放電に伴う化学反応および副反応によって上記電池部110でガスが発生し、このガスはガス捕集部120に移動して溜まることになる。
【0077】
本発明の二次電池は、ガス排出管500が電池ケース100に設置されるので、上記活性化工程を行うと同時に発生したガスを上記ガス排出管500を介して外部に排出し得る。すなわち、本発明は、活性化工程中に発生して上記ガス捕集部120に流入したガスを上記ガス排出管500を介して電池外部に排出する段階(S13)を含む。
【0078】
一方、電解液注入は、上記活性化工程の前にのみ行われれば十分である。例えば、(S10)段階と(S12)段階との間で一側辺の電池ケース開放部を介して電解液を注入してもよく、(S12)段階と(S13)段階との間で電池ケースに固定されたガス排出管を介して電解液を注液してもよい。
【0079】
前者の例として、(S10)段階と(S12)段階との間に(S11)段階が提供され得る。(S11)段階で上記一側辺に形成された電池ケース開放部を介して上記電池部110に電解液を注液し得る。上記上側の一側辺はシーリングされないので、上下部パウチの対向する内側面間に開口が形成される。したがって、この開口を介して電解液をガス捕集部120に注入し得る。電解液注液工程は、電池部110に収容された電極組立体200に電解液を含浸させる工程である。電解液は、毛細管力(capillary force)によって電極組立体200の正極、負極および分離膜の間に染み込むことになる。
【0080】
活性化工程では、二次電池の本体部を平板に加圧しながら充電を進めることにより、ガスが電池に局部的に集まらず、均一にガス捕集部120にガスが移動されるようにする。本発明では、ガス排出管500を備えているので、上記加圧に応じて電池内のガスが容易に外部に排出され得る。また、電池外部に負圧(真空)を形成すると、上記ガス排出管500を介してより迅速にガスを排出し得る。
【0081】
このように、本発明の二次電池の製造方法によると、ガス排出管500を電池ケース100に簡便かつ強固に設置し得る。また、ガス排出管500によって活性化工程で発生したガスを迅速に排出し得るので、電池内の残余ガス量を減らし得、電池製造時の発火および爆発の危険性を下げることができる。さらに、ガス排出管500がガスを迅速に排出するので、ガスポケット部の容量や大きさを減らし得、電池のデッドスペースを減少させ、素材使用量を減らし得る。
【0082】
図5は、本発明の一実施形態に係る二次電池のデガッシング過程を示す概略図である。
【0083】
活性化工程の完了後にガス捕集部120内の残存ガスを排出して完成品電池を製造するために、図5のようにガス捕集部120にデガッシングホールH1~H4を形成する。ガスは上記デガッシングホールH1~H4を介して電池ケース100の内部から外部に放出される。本発明のガス排出管500は、このようなデガッシング段階においてもガスを排出し得る。すなわち、活性化工程の後に、ガス捕集部120内に形成したデガッシングホールH1~H4および上記ガス排出管500のうち少なくとも1つを介して上記ガス捕集部120内の残存ガスを電池外部に排出し得る。例えば、デガッシングホールを形成しない場合にも、上記ガス排出管500を介して残存ガスを電池外部に排出し得る。デガッシングホールH1~H4をガス捕集部120に穿孔した場合には、上記デガッシングホールを介してガスを排出し得る。この場合、上記ガス排出管500の栓を開けてデガッシングホールと共により迅速に残存ガスを排出し得る。
【0084】
一方、デガッシング段階においても、真空チャンバー内に電池を配置するなど電池外部に真空環境を組成して、デガッシングホールH1~H4またはガス排出管500を介したガス排出を容易にし得る。また、デガッシング段階で電池の両側面を加圧することにより、ガス排出を迅速にし得る。いずれの場合も、本発明のガス排出管500によりガス捕集部120内の残存ガスを効率的に排出し得る。
【0085】
ガス排出管500を介したガス排出は繰り返して行い得るという長所がある。すなわち、活性化工程の進行時またはデガッシング時にガス捕集部120に多量のガスが集まる度に、例えば、ガス排出管500の栓400を開いてガスを繰り返し排出し得る。
【0086】
また、本発明の二次電池の製造方法は、上記活性化工程中に上記ガス排出管500を介して電解液を追加で上記電池に補充する段階をさらに含み得る。上述したように、上記ガス排出管500のガス排出通路は電解液注液通路としても使用し得る。したがって、活性化工程中に電池内の電解液が足りなくなるときに、上記ガス排出管500を介して電解液を注入して電池の電解液を補充し得る。この場合、ガス排出管500を介して電池内ガスが排出されて電池内圧力が低くなるため、上記ガスと置換する形態で活性化工程中のいかなる時にも電解液の追加補充が可能である。
【0087】
ガス排出と電解液注液時の干渉を回避して通路汚染を防止するために、上記ガス排出管500は、ガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造とし得る。後述するように、図7図16に図示されたように、電解液注液通路とガス排出通路が同心に配置された形態の二重管としてガス排出管500を構成し得る。このような構造のガス排出管500でガス排出および電解液注液を行うと、各通路を汚染したり、ガス排出時に電解液が漏れたりするなどの干渉を回避しながら効率的に2つの作業をそれぞれ行い得る。
【0088】
また、このような二重管構造のガス排出管500は、ガス排出通路に結合される第1栓と、上記電解液注液通路に結合される第2栓と、をそれぞれ備え得る。このとき、第1栓および第2栓のうち少なくとも1つをそれぞれの対応する通路に結合および結合解除することにより、上記電池からのガス排出および電池への電解液注液のうち少なくとも1つの作業を行い得る。例えば、活性化工程前後段階において、ガス排出および電解液注液が必要でない場合には、第1栓をガス排出通路に結合し、第2栓を電解液注液通路に結合することによりそれぞれの通路を閉鎖し得る。ガス排出または電解液注液のいずれか1つの作業を行う場合には、第1栓または第2栓のうちの1つを対応する通路から結合解除して当該作業を行い得る。また、第1栓、第2栓をいずれも結合解除する場合には、ガス排出および電解液注液を同時に行い得る。
【0089】
この場合、上記ガス排出管500と第1栓、第2栓は、ガス排出および電解液注液機構Tを構成する。このような機構の例は後述する。
【0090】
また、上記のように各通路に対応する栓を備えることにより、外部の空気や水分の流入を遮断し得る。上記第1栓、第2栓は、対応する通路の形状に一致する形状を有し得る。例えば、ガス排出通路および電解液注液通路に嵌合するくさび状の圧入型密封栓で構成し得る。あるいは、各通路と栓の対応する結合面にねじ山を形成することにより、各栓を各通路にねじ結合によって結合し得る。
【0091】
デガッシング段階が終わると、上記ガス捕集部120を除去し、除去された部分をシーリング(3次シーリング)して最終完成品の二次電池を製造する。すなわち、図5において、ガス捕集部120と電池部110の連結部を切り取り、この切り取り部を整えて3番目にシーリングする。符号S3は3次シーリング予定部(図5)または3次シーリング部(図17)を意味する。ガス捕集部120の除去により、ガス捕集部120に備えられたガス排出管500も共に除去される。
【0092】
(第2実施形態)
図6は、本発明の他の実施形態に係る二次電池の製造方法のフローチャートである。
【0093】
本実施形態の製造方法は、ガス排出管500としてガス排出通路と電解液注液通路とを備えた二重管構造のガス排出管500を採択し、電池ケースシーリング段階を減らし得るという効果がある。
【0094】
図6を参照すると、本実施形態の二次電池の製造方法は、電池部110と、上記電池部110と連通するガス捕集部120とを含む電池ケース100の上記電池部110に電極組立体200を収容し、上記ガス捕集部120の開放された少なくとも1つの一側辺にガス排出通路と電解液注液通路とを備える二重管構造のガス排出管500を位置させる段階(S20)を含む。すなわち、第1実施形態と同様に、上下部パウチの電極組立体収容空間が形成された電池パーツ110A、110Bを接触させて電池部110を形成し、上記電池部110の電極組立体収容空間に電極組立体200を収容されるようにする。また、上記電池部110と連通する上下部パウチのガス捕集部パーツ120A、120Bを対向位置させ、図1のように上部と下部とのガス捕集部パーツ間の開放部、すなわち、ガス捕集部120の開放された一側辺に二重管構造のガス排出管500を位置させる。
【0095】
次の段階(S21)において、上記一側辺を含む電池ケース100の全体縁部をシーリングする。すなわち、第1実施形態のように一側辺を除く電池ケース100を1次シーリングして、ガス排出管500と共に電池ケース100を2次シーリングするのではなく、1次シーリング段階でガス排出管500と電池ケース100を同時にシーリングする。したがって、このシーリングによりガス排出管500が電池ケース100に固定され、電池ケース100の全体縁部がシーリングされる。真空シーリングなどの具体的なシーリング方式は第1実施形態と同様にし得るので、それに関する具体的な説明は省略する。
【0096】
上記電池部110とガス捕集部120とを備えた電池を充放電して活性化工程を行い得る。活性化工程時に充放電に伴う化学反応および副反応により上記電池部110でガスが発生し、このガスはガス捕集部120に移動して溜まることになる。上記活性化工程中に発生して上記ガス捕集部120に流入したガスは、上記ガス排出管500を介して電池外部に排出される(S23)。
【0097】
一方、上記活性化工程前にガス排出管500の電解液注液通路を介して上記電池部110に電解液を注液する段階(S22)をさらに含み得る。例えば、ガス排出管500の電解液注液通路に結合された栓を除去し、電解液注入装置の電解液注入管を上記電解液注液通路に連結して電解液を注液し得る。これにより、電解液が上記電解液注液通路を介して電池部110の電極組立体200に含浸され得る。
【0098】
本実施形態の製造方法によってもガス排出管500を電池ケース100と共にシーリングすることにより、ガス排出管500を電池ケース100に簡便かつ強固に設置し得る。また、ガス排出管500によって活性化工程で発生したガスを迅速に排出し得るので、電池内の残余ガス量を減らし得、ガスポケット部の容量や大きさを減らし得る。
【0099】
また、電解液注液をガス排出管500の電解液注液通路で行い得る。これにより、活性化工程の前に要求されるシーリング工程が1回で十分であるので、工程数が減少するという追加的な長所がある。すなわち、本実施形態は、(S20)および(S21)段階を行うのみで図4のような形態の二次電池1000を得ることができる。
【0100】
本実施形態の二次電池の製造方法においても、活性化工程の後にガス捕集部120内に形成したデガッシングホールH1~H4および上記ガス排出管500のうち少なくとも1つを介して上記ガス捕集部120内の残存ガスを電池外部に排出するデガッシング段階を含み得る。
【0101】
また、活性化工程中に上記ガス排出管500を介して電解液を追加で上記電池に補充し得る。すなわち、本実施形態のガス排出管500によると、活性化工程前に電極組立体含浸のための電解液注液を行い得るのみならず、活性化工程中に電解液を補充することもできる。
【0102】
本実施形態においても、上記ガス排出通路に結合される第1栓および上記電解液注液通路に結合される第2栓をそれぞれ備え得、上記第1栓および第2栓のうち少なくとも1つをそれぞれの対応する通路に結合および結合解除することにより、上記電池からのガス排出および電池への電解液注液のうち少なくとも1つの作業を行い得る。
【0103】
デガッシング段階が終わると、ガス捕集部120を除去し、除去された部分をシーリング(2次シーリング)して最終完成品の二次電池を製造する。すなわち、図5においてガス捕集部120と電池部110の連結部を切り取り、この切り取り部を整えて2番目にシーリングする。ガス捕集部120の除去により、ガス捕集部120に備えられたガス排出管500も除去される。
【0104】
本実施形態によると、合計2回のシーリングにより活性化工程前後の作業を行い得、これにより製造工程を減らしながら完成品の二次電池を得ることができる。
【0105】
<ガス排出および電解液注液機構>
(第1実施形態)
図7は、本発明の一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の分解図であり、図8は、本発明の一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の断面図であり、図9は、一実施形態に係るガス排出および電解液注液機構によるガス排出過程を示す概略図である。
【0106】
本発明は、上述した二次電池の製造方法に適用し得るガス排出および電解液注液機構をまた含む。これにより、ガスポケット部を備えた中間段階の二次電池半製品または完成品の二次電池に対してガス排出と電解液注液を効果的に行い得る。
【0107】
本実施形態のガス排出および電解液注液機構T1は、ガス排出管500と、第1栓410と、第2栓420と、を含む。
【0108】
上記ガス排出管500は、ガス排出通路511が形成され、上下部が開放された中空状の第1管510と、電解液注液通路521が形成され、上下部が開放されて上記ガス排出通路511内に配置される中空状の第2管520と、上記第1管510の管壁と上記第2管520の管壁を連結する連結部材530と、を含む。上記ガス排出管500は、2つの管が中空空間に形成された二重管構造である。また、ガス排出管500の上部および下部は開放されている。開放されたガス排出管500の上部は栓400と結合して閉鎖され得る。開放されたガス排出管500の下部は二次電池内部に挿入され、電池内部のガスがガス排出管下部の開放部に導入され得る。あるいは、外部から注入された電解液が、上記下部の開放部を介して電池内部に注入され得る。
【0109】
上記第1管510と第2管520は同心に配置され得るが、これに限定されるものではなく、必要に応じて第2管520が第1管510の内部で偏心して配置されることも可能である。また、上記第1管510および第2管520の断面は円形になっているが、これに限定されるものではなく、楕円形、または曲線状のR部を有する多角形の断面を有する管も可能である。上述したように、ガス排出管500は、電解液または電解液が気化したガスに耐えることができるように耐腐食性が強い材料を使用し得る。また、第1管510と第2管520の材質を同じものにするか、または異なるようにすることも可能である。
【0110】
ガス排出管500の長さは、二次電池の大きさ、二次電池が設置される外部デバイスの設置空間などを考慮して定め得、特に限定されるものではない。
【0111】
上記第1管510と第2管520は連結部材530によって連結される。すなわち、上記第1管510の管壁と第2管520の管壁は連結部材530で連結され得る。図7を参照すると、上記第1管510の内周面と第2管520の外周面を連結する連結部材530が、第1管510および第2管520の縁に沿って所定の間隔で複数個(本実施形態では3つ)備えられている。第1管510において、上記連結部材530間の空間がガス排出通路511となる。連結部材530の個数、形状は、第1管と第2管の結合剛性、ガス排出の効率性などを考慮して決定し得る。
【0112】
上記連結部材530は、第1管510の入口部近傍に設置し得る。ただし、第1栓410がガス排出通路511の入口に嵌合して挿入される挿入部を備えていると、上記連結部材530によって挿入部の挿入が妨げられ得る。したがって、上記連結部材530は、第1管510の入口部より下の第1管と第2管との管壁の間に位置することが好ましいと言える。ただし、後述する図11の実施形態のように、挿入部に連結部材530に嵌合するスロットAが形成されている場合には、連結部材530をガス排出通路511の入口近傍に設置することも可能である。
【0113】
上記第1管510の開放された上部には、ガス排出通路511を密封する第1栓410が脱着可能に結合される。
【0114】
第1栓410が第1管510に結合されるとガス排出を行わず、第1栓410を第1管510から結合解除すると、上記ガス排出通路511が開放されて電池内部からのガスを外部に排出し得る。
【0115】
上記第1栓410は、ガス排出通路511の入口を覆う密封部、および入口に挿入される挿入部のうち少なくとも1つを含み得る。
【0116】
すなわち、図8のように、上記第1栓410は、ガス排出通路511の入口を完全に覆って密封する形態の密封部を有する栓であり得る。第1栓410の内周面が上記第1管510(ガス排出通路511)の外周面に嵌合して結合される。この場合、第1栓410の内周直径を上記第1管510の外周直径より小さく形成し、第1栓410の密封部を第1管510の入口部に強制嵌合することにより、第1栓410が上記ガス排出通路511を確実に密封するようにし得る。
【0117】
または、上記第1栓410は、上記ガス排出通路511の入口に嵌合して結合される挿入部を有する栓であり得る。この場合、第1栓410の挿入部の外周面が第1管510(ガス排出通路511)の内周面に嵌合して結合される。第1栓410の挿入部の外周直径を上記第1管510の内周直径より大きく形成し、第1栓410の挿入部を第1管510の入口部に強制嵌合することにより、第1栓410が上記ガス排出通路511を確実に密封するようにし得る。
【0118】
また、上記第1栓410は、密封部と挿入部の両方を備えた形態であり得る。この場合は、上記密封部が第1管510の外周面を覆うか、または外周面に嵌合する形態となり、上記挿入部が第1管510の内周面に嵌合する。このような形態の第1栓410は、後述するように図12に図示されている。
【0119】
また、後述するように、第1栓410の結合面とそれに対応する第1管510の結合面にねじ山を形成し、第1栓410と第1管510のガス排出通路511をねじ結合することもできる。
【0120】
上記第2管520の開放された上部には、電解液注液通路521を密封する第2栓420が脱着可能に結合される。
【0121】
第2栓420が第2管520に結合されると電解液注液を行わず、第2栓420を第2管520から結合解除すると、上記電解液注液通路521が開放されて電池外部の電解液注入装置から電解液を電池内部に注液し得る。
【0122】
上記第2栓420は、電解液注液通路521の入口を覆う密封部、および入口に挿入される挿入部のうち少なくとも1つを含み得る。
【0123】
すなわち、図7および図8のように、上記第2栓420は、電解液注液通路521の入口を完全に覆って密封する形態の密封部を有する栓であり得る。第2栓420の内周面が、上記第2管520(電解液注液通路521)の外周面に嵌合して結合される。この場合、第2栓420の内周直径を上記第2管520の外周直径より小さく形成し、第2栓420の密封部を第2管520の入口部に強制嵌合することにより、第2栓420が上記電解液注液通路521を確実に密封するようにし得る。
【0124】
または、上記第2栓420は、上記電解液注液通路521の入口に嵌合して結合される挿入部を有する栓であり得る。この場合、第2栓420の挿入部の外周面が第2管520(電解液注液通路521)の内周面に嵌合して結合される。第2栓420の挿入部の外周直径を上記第2管520の内周直径より大きく形成し、第2栓420の挿入部を第2管520の入口部に強制嵌合することにより、第2栓420が上記電解液注液通路521を確実に密封するようにし得る。
【0125】
また、上記第2栓420は、密封部と挿入部の両方を備えた形態であり得る。この場合は、上記密封部が第2管520の外周面を覆うか、または外周面に嵌合する形態となり、上記挿入部が第2管520の内周面に嵌合する。
【0126】
また、後述するように、第2栓420の結合面とそれに対応する第2管520の結合面にねじ山を形成し、第2栓420と第2管520の電解液注液通路521をねじ結合することもできる。
【0127】
本発明は、第1管510のガス排出通路511に結合される第1栓410と、第2管520の電解液注液通路521に結合される第2栓420とをそれぞれ備えることにより、ガス排出および電解液注液作業のうち少なくとも1つを便利に行い得る。すなわち、第1栓410および第2栓420のうち少なくとも1つをそれぞれの対応する通路に結合および結合解除することにより、上記電池からのガス排出および電池への電解液注液のうち少なくとも1つの作業を行い得る。例えば、活性化工程前後の段階において、ガス排出および電解液注液が必要でない場合には、第1栓410をガス排出通路511に結合し、第2栓420を電解液注液通路521に結合することによってそれぞれの通路を閉鎖し得る。
【0128】
ガス排出または電解液注液のうちいずれか1つの作業を行う場合には、第1栓410または第2栓420のうちの1つを対応する通路から結合解除して当該作業を行い得る。例えば、図9に図示されたように、第2栓420が第2管520に結合した状態で、第1栓410を第1管510から結合解除することにより、第1管510のガス排出通路511を介して電池から電池外部にガスを排出し得る。この場合、電解液注液通路521は第2栓420によって密封されているので、電解液の漏れを防止し得る。逆に、第1栓410を密封し、第2栓420を第2管520から結合解除することにより、ガス排出を防止しながら電解液を電池内に導入し得る。
【0129】
さらに、第1栓、第2栓の両方を結合解除する場合には、ガス排出通路511を介したガス排出および電解液注液通路521を介した電解液注液を同時に行い得る。この場合、ガス排出により電池内圧が低くなるほど、電解液を電池内部に注液しやすくなるという長所がある。
【0130】
上記第1栓、第2栓は、対応する通路の形状に一致する形状を有し得る。
【0131】
上記第1栓410および第2栓420は、互いに脱着可能に結合され得る。図7および図8のように、第1栓410は第2栓結合用貫通孔411を備え、上記第2栓420は上記第2栓結合用貫通孔411に挿入されて上記第1栓410に結合され得る。すなわち、上記第2管520が第1管510のガス排出通路511内に配置されるので、上記第2栓420も第1栓410に形成された貫通孔411を介して上記ガス排出通路511内に位置する第2管520に結合され得る。また、第1栓410と第2栓420が互いに結合され得るので、栓の運搬が便利であり、特定の栓を紛失する危険性を下げることができる。また、第1栓、第2栓が結合された状態で一度に上記栓をガス排出管500に結合し得るので、結合が便利である。また、第1栓、第2栓が脱着可能に結合されるので、例えば、第1栓、第2栓のうちの1つが第1管510または第2管520に結合された状態で、残りの1つの栓を対応する管から分離してガス排出または電解液注液の作業を選択的に行い得る。
【0132】
(第2実施形態)
図10は、本発明の他の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構T2の断面図である。
【0133】
本実施形態は、第1栓、第2栓が互いに結合される結合面、第1栓410と第1管510が結合される結合面、第2栓420と第2管520が結合される結合面にねじ山G1、G2、G3を形成したものである。
【0134】
具体的には、上記第2栓420の外面、および上記第2栓420結合用貫通孔の内面に互いに噛み合うねじ山G3がそれぞれ形成される。また、上記第1栓410の結合面(図10では第1栓410の内周面)と、上記第1管510の開放された上部の対応する結合面(図10では第1管510の外周面)に互いに噛み合うねじ山G1がそれぞれ形成されている。また、上記第2栓420の結合面(図10では第2栓420の内周面)と、上記第2管520の開放された上部の互いに対応する結合面(図10では第2管520の外周面)に互いに噛み合うねじ山G2がそれぞれ形成され得る。
【0135】
このような実施形態により、例えば第1栓、第2栓が結合された結合体を一度に第1管、第2管の対応する結合面に接触させた状態で、上記結合体を回転させてガス排出管500に上記栓結合体を強固にねじ結合し得る。このような強固なねじ結合により、本実施形態のガス排出および電解液注液部材の気密性をさらに向上させ得る。
【0136】
また、この場合、栓結合体が結合された状態で第1栓410のみを回転させて第1管510から分離するか、または第2栓420のみを回転させて第2管520から分離し得るので、ガス排出または電解液注液作業を選択的に行うのに便利である。
【0137】
(第3実施形態)
図11は、本発明の別の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構T3の分解図であり、図12は、本発明の別の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の断面図であり、図13は、別の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構による電解液注入過程を示す概略図である。
【0138】
本実施形態は、第1管510と第2管520とを備えたガス排出管500の二重管構造は第1実施形態と同じである。本実施形態の栓400'は、第1栓410と第2栓420の構造が第1実施形態と異なる。
【0139】
まず、本実施形態の第1栓410は、上記ガス排出通路511の入口を覆う密封部410Aと、上記入口に挿入される挿入部410Bの両方を含んでいる。すなわち、第1管510の入口上部を覆う密封部410Aを備えて第1管510の気密性を維持している。また、上記第1管510のガス排出通路511に挿入される挿入部410Bを備えている。したがって、第1栓410の密封部410Aと挿入部410Bによってガス排出通路511の気密性は確実に保障され得る。
【0140】
また、上記挿入部410Bは、その縁に沿って所定の間隔で上記連結部材530が挿入される複数個のスロットAを備えている。第1管510と第2管520との間、すなわち、第1管510のガス排出通路511を横切って連結部材530が設置されている。したがって、第1栓410の挿入部410Bを上記ガス排出通路511に挿入するときに上記連結部材530が妨げになる。本実施形態では、上記挿入部410Bの縁に沿って上記連結部材530が挿入され得るスロットを形成しているので、上記挿入部を連結部材530に容易に嵌合して結合し得る。上記スロットAと連結部材530の結合により、第1栓410を第1管510により強固に結合し得る。
【0141】
一方、第2栓420も、第1実施形態と同様に第2管520の入口を覆って密封するのではなく、挿入部の形態で第2管520の内周面に嵌合して結合されるようになっている。したがって、第2栓420の直径は、第1実施形態の第2栓420の直径より小さくなっている。
【0142】
図13には、第1栓410が第1管510に結合された状態で第2栓420を第2管520から結合解除し、第2管520の電解液注液通路521に電解液注入装置の注入管600が挿入されたことが図示されている。これにより、例えば、活性化工程中に電解液の補充が必要な場合、あるいは活性化工程前に電極組立体含浸のための電解液注液の場合に、上記第2管520を介して電池外部から電池内部に電解液を注入し得る。
【0143】
(第4実施形態)
図14は、本発明の他の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構T4の断面図であり、図15は、ガス排出および電解液注液機構の開閉部材を示す斜視図であり、図16は、本発明の他の実施形態に係るガス排出および電解液注液機構の作動過程を示す断面図である。
【0144】
本実施形態は、ガス排出時に電池外部からの空気、水分の流入を遮断し、電池内部から電解液が漏れることを防止するためのものである。
【0145】
このために、本実施形態のガス排出および電解液注液機構T4は、第1管510の内部に上記ガス排出通路511の入口方向にのみガスを流動させる開閉機構が設置される。
【0146】
例えば、第1栓410を第1管510から分離すれば、ガス排出を行い得る。この場合、第2栓420は第2管520に結合されて電解液注液は行わないと想定する。
【0147】
ガス排出管500の外部に真空雰囲気を形成し、電池内部からガスを迅速に外部に排出し得る。この場合、第1管510の外部から空気や水分が混入するとガス排出が妨げられるのみならず、電池内部が汚染されて製品不良の原因となり得る。また、電池内部からのガスのみならず、電池内外部の圧力差によって、電池内部の電解液が上記ガス排出通路511を介して漏れる危険性がある。
【0148】
本実施形態の開閉機構は、第1管510の内部に設置され、ガスを一方向(ガス排出通路511の入口方向)にのみ流動させることにより、外部からの空気や水分の混入を遮断し得る。また、上記開閉機構は、電池内部のガスを排出し得る程度にのみガス排出通路511を開放させるので、電解液の漏れも防止し得る。
【0149】
具体的には、上記開閉機構は、上記第1管510の内周面に沿って上下に間隔を置いて突出形成される上方移動規制部512と下方移動規制部513と、上記上方移動規制部512と下方移動規制部513との間に位置する開閉部材540と、を含む。
【0150】
上記上方移動規制部512は、第1管510の内周面から第1管510の中心に向かって突出する部分である。開閉部材540が電池内部圧力によって第1管510に沿って上昇する場合に、上記上方移動規制部512に接触することにより開閉部材540の上昇が中断される。上記上方移動規制部512は、開閉部材540の形状に対応してリング状に形成され得る。すなわち、開閉部材540は、後述するように、第2管520を囲みながら第1管510に設置されるリング状の部材であり得る。したがって、上記上方移動規制部512も開閉部材540の上部面と接触して規制し得るように、第1管510の内周面に沿ってリング状に突出するようにし得る。ただし、上方移動規制部512は、第1管510の内周面に沿って連続的にリング状をなす必要はなく、断続的に突出形成されても構わず、全体的にリング状になっていれば十分である。あるいは、第1管510の内周面に沿って適正な個数で設置され、複数の箇所で上記開閉部材540の上方移動を規制し得るのであれば、上方移動規制部512が必ずリング状に延長される必要はない。
【0151】
また、第1管510の内周面の他に、第2管520の外周面に沿って上方移動規制部512を追加的に形成し得る。この場合には、第1管510の内周面に形成された上方移動規制部512と第2管520の外周面に形成された上方移動規制部512が対をなしてより安定的に開閉部材540の上方移動を規制し得る。
【0152】
上記下方移動規制部513は、第1管510の内周面から第1管510の中心に向かって突出する部分であって、上記上方移動規制部と上下に間隔を置いて第1管510の内周面に備えられる。上方移動規制部512と下方移動規制部513との間隔は開閉部材の高さより大きい。したがって、開閉部材540が電池内部圧力によって上方に移動するときに、開閉部材540と下方移動規制部との間には所定の間隙が形成され得る。上記開閉部材が上方移動規制部512と接触するまで上記間隙は大きくなり続ける。
【0153】
一方、開閉部材540は、電池内部圧力が加わらないときは上記下方移動規制部513に安着され、下方移動規制部513によって開閉部材540は第1管内部でそれ以上下降しないように規制される。
【0154】
上記下方移動規制部513は、開閉部材540の形状に対応してリング状に形成され得る。下方移動規制部513が開閉部材540の下部面と接触して規制し得るように、第1管510の内周面に沿ってリング状に突出するようにし得る。ただし、下方移動規制部は、第1管510の内周面に沿って連続的にリング状をなす必要はなく、断続的に突出形成されても構わず、全体的にリング状になっていれば十分である。あるいは、第1管510の内周面に沿って適正な個数で設置され、複数の箇所で上記開閉部材540の下方移動を規制し得るのであれば、下方移動規制部513が必ずリング状に延長される必要はない。
【0155】
また、第1管510の内周面の他に、第2管520の外周面に沿って下方移動規制部513を追加的に形成し得る。この場合には、第1管510の内周面に形成された下方移動規制部513と第2管520の外周面に形成された下方移動規制部513が対をなしてより安定的に開閉部材540の下方移動を規制し得る。
【0156】
図15に図示されたように、上記開閉部材540は、上記第1管510の内周面に接触する外周面541と、上記第2管520の外周面と接触する内周面542とを備えたリング状の部材541であり得る。開閉部材540のリング中央の開口に第2管520が挿入される。したがって、上記開閉部材540は、第1管510の管壁と第2管520の管壁との間に位置し、第1管510の内周面および第2管520の外周面に沿って昇降し得る。開閉部材540の高さは、上方移動規制部512と下方移動規制部513との間の距離(間隔)より小さいので、開閉部材540は、上記距離と開閉部材の高さの差に該当するストロークほど上下方移動規制部間を移動し得る。
【0157】
上記開閉部材540は、上記下方移動規制部513と接触してガスの下方移動を遮断する遮断位置と、ガスの上方圧力によって上記下方移動規制部513から離隔してガスの上方移動を許容する許容位置間を移動し得る。
【0158】
図14では、上記開閉部材540が遮断位置にある。すなわち、第1栓を第1管510から分離してガスが電池内部から排出される直前の状態である。この位置では、開閉部材540が下方移動規制部513上に安着されて電池外部からの空気混入を防止し、また、電池内部のガス排出が遮断された状態である。
【0159】
図16のように、電池内部からガス圧力が加わると上記開閉部材は上昇し、開閉部材540と下方移動規制部513との間に隙間が生じる。この間隙を介して電池内部のガスは電池外部に排出され得る。上記間隙は、開閉部材540が上方移動規制部512に接触するまでますます大きくなる。開閉部材540が上方移動規制部512に接触された状態で上記間隙は最大となり、電池内部のガスを外部に迅速に排出し得る。
【0160】
上記リング状の開閉部材540は、上部のリング直径が第1管510の管壁と第2管の管壁との間の距離とほぼ一致し、また、上部面541aが上方移動規制部512の下面と接触する平坦面となっている。したがって、図14のように上方移動規制部512と開閉部材540との間が離れていても、開閉部材とガス排出通路511との間には隙間が生じない。したがって、外部空気が電池内部に混入し得ない。一方、開閉部材540のリング状部分の下面縁にテーパー状に形成され、それに対応する下方移動規制部513の接触面もテーパー状に形成されている。遮断位置では、開閉部材のテーパー部分541c、541dと下方移動規制部513のテーパー状の部分が接触してガス排出通路511を隙間なく遮断するため、通路下部からガスの上昇も遮断され得る。
【0161】
図16のような許容位置では、開閉部材540が上昇して開閉部材下部のテーパー部分541c、541dと下方移動規制部513のテーパー部分が離隔して間隙Xが発生し、この間隙を介して電池内部のガスが上方移動して外部に排出され得る。しかしながら、この間隙は非常に狭いので、電池内部の電解液がこの間隙Xを介して上方に移動することは困難である。さらに、電解液がこの間隙に導入されるとしても、開閉部材540の本体がガス排出通路511のほぼすべての体積を占めているので、電解液の追加的な上昇は極めて困難になる。すなわち、ガスは開閉部材540とガス排出通路511との間の微細な隙間を介して排出され得るが、電解液の排出は防止される。したがって、本実施形態によると、ガスの一方向の流れのみが許容され、外気の導入を遮断しながらもガス排出通路511を介した電解液の漏れを防止し得る。
【0162】
すなわち、遮断位置および許容位置のいずれの場合も、上記開閉部材は外部からの空気の導入を遮断し得る。
【0163】
<二次電池>
(第1実施形態)
図4は、本発明の一実施形態に係る二次電池1000を示す概略図である。
【0164】
本実施形態は、ガス排出通路511と電解液注液通路521の両方を備えた二重管構造のガス排出管500と、各通路に脱着可能に結合される第1栓410と第2栓420とを備えた上記ガス排出および電解液注液機構Tと、を含む二次電池に関するものである。
【0165】
本実施形態の二次電池1000は、正極と、負極と、上記正極と負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体200と、上記電極組立体200を収容する電池部110と、上記電池部110と連通するガス捕集部120とを備えた電池ケース100と、上記電池ケース100の少なくとも一側辺に設置される上記ガス排出および電解液注液機構Tと、を含む。電極組立体200および電池ケース100の細部構成については二次電池の製造方法に関連付けて詳細に説明したので、繰り返しの説明は省略する。
【0166】
本実施形態の二次電池は、電池部110とガス捕集部120の両方を備えた活性化工程時の二次電池である。すなわち、完成品二次電池ではなく、活性化工程またはデガッシング工程でのガス排出と電解液注液を容易に行うための中間段階の半製品二次電池である。上記二次電池は、図7図16を参照して説明した二重管構造のガス排出管500と、第1栓と第2栓とを備えたガス排出および電解液注液機構T1~T4と、を備えている。具体的には、上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4の第1管510および第2管520の一部が上記電池ケース100内に挿入され、上記ガス排出通路511の入口および電解液注液通路521の入口が上記電池ケース100の一側辺から外部に突出するように、上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4が上記電池ケース100に設置されたものである。上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4は、図4のように電池ケース100と共にシーリングされて電池ケース100に固定され得る。また、本実施形態の二次電池は、上記ガス排出管500を介して活性化工程およびデガッシング工程でガス排出を迅速にし得るので、ガス捕集部120の大きさを小さくし得る。また、ガス排出管500に備えられた電解液注液通路521を介して電解液を補充し得る。特に電池ケース100の1次シーリング段階で上記電解液注液通路521を介して電解液を注液すると、上述したようにシーリング工程の回数を減らし得る。
【0167】
(第2実施形態)
図17は、本発明の他の実施形態に係る二次電池2000の概略図である。
【0168】
本実施形態は、ガス排出通路511と電解液注液通路521の両方を備えた二重管構造のガス排出管500と、各通路に脱着可能に結合される第1栓と第2栓とを備えた上記ガス排出および電解液注液機構(T:T1~T4)と、を含む二次電池に関するものである。
【0169】
本実施形態の二次電池2000は、正極と、負極と、上記正極と負極との間に配置される分離膜とを含む電極組立体200と、上記電極組立体200を収容する電池ケース100と、上記電池ケース100の少なくとも一側辺に設置される上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4と、を含む。
【0170】
本実施形態の二次電池は、ガス捕集部120を備えず、電池ケース100に電極組立体200が収容された完成品二次電池である。完成品二次電池は、図5のようにガス捕集部120からガスを除去するデガッシング後にガス捕集部120を除去し、この除去部を整理(トリミング)してトリミングされた部分をシーリングして製造される。
【0171】
上述したように、完成品二次電池でも電気化学的反応によりガスが発生し得る。また、充放電の繰り返しによって電解液が気化することになり、これにより電池内部の電解液が枯渇したり不足したりし得る。特にこのような現象は、パウチ型二次電池でのみ発生するのではなく、角型電池、円筒型電池などでも共通的に発生する。したがって、完成品二次電池ではガス排出と電解液注液の必要性がある。
【0172】
活性化工程時などのガス排出のためにガス捕集部120にガス排出管500を設置する場合に、ガス捕集部120の除去により上記ガス排出管500も除去される。
【0173】
しかしながら、上記ガス捕集部120が除去された電池ケース100の開放された一側辺を直ちにシーリングせず、上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4をその一側辺の開放部に位置させてシーリングし得る。これにより、完成品を製造するための最終シーリング工程により、ガス排出および電解液注液機構T1~T4の設置と電池ケース100のシーリングが同時に達成される。
【0174】
このとき、上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4の第1管510および第2管520の一部が上記電池ケース100内に挿入され、上記ガス排出通路511の入口および電解液注液通路521の入口が上記電池ケース100の一側辺から外部に突出するように、上記ガス排出および電解液注液機構T1~T4を上記電池ケース100に設置する。
【0175】
したがって、本実施形態の二次電池は、完成品二次電池において、本発明特有のガス排出および電解液注液機構T1~T4を備えたものである。これにより、本実施形態の二次電池2000は、必要な場合に、例えば、第1栓410を除去し、ガス排出管500を介してガス排出を迅速に行い得る。また、必要な場合に第2栓420を除去し、ガス排出管500に備えられた電解液注液通路521を介して電解液を補充し得る。
【0176】
本実施形態の二次電池によると、パウチ型二次電池の他に、角型二次電池、円筒型二次電池など電気化学反応によってガスが発生して電解液を注液するあらゆる種類の二次電池でガス排出および電解液注液を同時に行い得る。
【0177】
一方、ガス排出管の設置位置は、電池ケースの少なくとも一側辺に設置可能である。すなわち、図17のように電極リードが位置しない一側辺にガス排出管を設置することもできるが、電極リードが位置する側辺にも上記ガス排出管を設置し得る。また、必要に応じて、複数個の側辺に上記ガス排出管を設置し得る。
【0178】
以上、図面と実施形態などにより本発明をより詳細に説明した。しかしながら、本明細書に記載された図面または実施形態などに記載された構成は本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0179】
100:電池ケース
100A:下部パウチ
100B:上部パウチ
110:電池部
110A:下部パウチの電池パーツ
110B:上部パウチの電池パーツ
C:収容空間
C1:上部パウチの電池収容空間
C2:下部パウチの電池収容空間
120:ガス捕集部
120A:下部パウチのガス捕集部パーツ
120B:上部パウチのガス捕集部パーツ
200:電極組立体
210:ジェリーロール状の電極組立体
221:正極タブ
222:正極リード
223:絶縁部
231:負極タブ
232:負極リード
233:絶縁部
S1:1次シーリング部
S2:2次シーリング部
S3:3次シーリング部
H1~H4:デガッシングホール
400、400':栓
410:第1栓
411:第2栓結合用貫通孔
420:第2栓
500:ガス排出管
510:第1管
511:ガス排出通路
512:上方移動規制部
513:下方移動規制部
520:第2管
521:電解液注液通路
540:開閉部材
T、T1、T2、T3、T4:ガス排出および電解液注液機構
600:注入管
1000、2000:二次電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図17
【国際調査報告】