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特表2024-543368J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B18/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527307
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2022128872
(87)【国際公開番号】W WO2023083050
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111329752.9
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520393521
【氏名又は名称】上海導向医療系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACCU TARGET MEDIPHARMA (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 102, Basement Floor 1, 1-3, Building 2, 388 Furonghua Road, Pudong New Area, Shanghai 201318, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】楊遅
(72)【発明者】
【氏名】常兆華
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ03
4C160MM32
4C160NN01
(57)【要約】
本発明は、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針を開示し、真空壁、J-TスロットおよびJ-Tスロット調整装置を含み、ここで、真空壁は、針棒および内管を含み、針棒の遠位端は針先を有し、内管は針棒に穿設され、内管と針棒との間にはサンドイッチが形成され、内管の遠位端は、針棒の遠位端との間に第1所定距離を有し、J-Tスロットは、内管に穿設され、J-Tスロットの遠位端は、真空壁に対して少なくとも2つの調整位置の間で切り替え可能であり、2つの調整位置は、第1調整位置および第2調整位置を含み、真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、サンドイッチが位置する領域は真空断熱領域であり、第1所定距離が位置する領域は標的領域であり、第1調整位置は標的領域内にあり、第2調整位置は真空断熱領域内にある。本発明は、J-Tスロットの遠位端を少なくとも2つの調整位置の間で切り替えることにより、冷却速度を大幅に加速する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空壁、J-TスロットおよびJ-Tスロット調整装置を含み、
前記真空壁は、針棒および内管を含み、
前記針棒の遠位端は針先を有し、
前記内管は前記針棒に穿設され、前記内管と前記針棒との間にはサンドイッチが形成され、前記サンドイッチは、真空を形成可能なサンドイッチであり、
前記内管の遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針棒の遠位端との間に第1所定距離を有し、前記内管の遠位端は、前記内管の前記針先に近い端部であり、
前記J-Tスロットは、前記内管に穿設され、
前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁に対して少なくとも2つの調整位置の間で切り替え可能であり、前記少なくとも2つの調整位置は、第1調整位置および第2調整位置を含み、前記J-Tスロットの遠位端は、前記J-Tスロットの前記針先に近い端部であり、
前記真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、前記サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域であり、前記第1所定距離が位置する領域は、標的領域であり、
前記第1調整位置は、前記標的領域内にあり、
前記第2調整位置は、前記真空断熱領域内にあり、
前記J-Tスロット調整装置は、前記J-Tスロットの遠位端の位置を調整することにより、前記J-Tスロットの遠位端を前記少なくとも2つの調整位置の間で切り替えるために使用され、
前記J-Tスロットの遠位端が前記第1調整位置にある場合、前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針先との間に第2所定距離を有し、前記第2所定距離は少なくとも、冷凍して形成された氷球が前記針先を覆うことを保証し、
前記J-Tスロットの遠位端が前記第2調整位置にある場合、前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記真空断熱領域の遠位端との間に第3所定距離を有し、前記第3所定距離は少なくとも、冷媒が前記J-Tスロットから吐き出された後、前記真空断熱領域内から直接戻るように保証し、前記真空断熱領域の遠位端は、前記真空断熱領域の前記針先に近い端部であることを特徴とする、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項2】
前記J-Tスロットは、J-Tスロット直線部およびJ-Tスロット螺旋部を含み、前記J-Tスロットの遠位端から近位端にかけて、J-Tスロット直線部およびJ-Tスロット螺旋部が順に分布され、
前記J-Tスロット調整装置は、第1スライダおよび第1スライダ案内部を含み、
前記第1スライダ案内部は、前記J-Tスロット直線部に接続され、前記第1スライダは、前記第1スライダ案内部に固定的に接続され、
前記第1スライダ、前記第1スライダ案内部および前記J-Tスロット直線部は、前記軸芯方向に沿って移動するように制御可能であり、これにより、前記J-Tスロットの遠位端の調整位置を切り替え、
ここで、前記J-Tスロット螺旋部の近位端の位置は、前記真空壁に対して一定であり、前記J-Tスロット螺旋部は、前記J-Tスロット直線部の前記軸芯方向に沿った移動に伴って伸張または圧縮可能であり、前記J-Tスロット螺旋部の近位端は、前記J-Tスロット螺旋部の前記針先から離れた端部であることを特徴とする、請求項1に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項3】
第1シールアセンブリをさらに含み、前記第1シールアセンブリは、前記内管の近位端との間が密封接続され、前記内管の近位端は、前記内管の前記針先から離れた端部であり、
前記第1シールアセンブリと前記第1スライダ案内部との間が動的シールとなることを特徴とする、請求項2に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項4】
前記第1シールアセンブリは、密封装置および延長管を含み、
前記延長管の遠位端は、前記内管の近位端との間が密封接続され、前記延長管の遠位端は、前記延長管の前記針先に近い端部であり、
前記密封装置は、前記延長管の近位端との間が密封接続され、かつ前記密封装置と前記第1スライダ案内部との間が動的シールとなり、前記延長管の近位端は、前記延長管の前記針先から離れた端部であることを特徴とする、請求項3に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項5】
前記J-Tスロット調整装置は、押圧管、第2スライダおよび第2スライダ案内部を含み、
前記押圧管の遠位端は、前記J-Tスロットの近位端に接続され、前記押圧管の遠位端は、前記押圧管の前記針先に近い端部であり、
前記押圧管の近位端は、閉塞構造であり、
前記第2スライダ案内部は、前記軸芯方向に沿って設けられ、
前記第2スライダは、前記押圧管の近位端に接続され、前記第2スライダは、前記第2スライダ案内部に対して相対的に摺動可能であり、
前記第2スライダ、前記押圧管および前記J-Tスロットは、前記軸芯方向に沿って同期移動するように制御可能であり、これにより、前記J-Tスロットの遠位端の調整位置を切り替えることを特徴とする、請求項1に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項6】
第2シールアセンブリをさらに含み、
前記第2シールアセンブリは、前記第2スライダ案内部の近位端との間が固定的に密封され、
前記第2シールアセンブリにより、前記第2スライダ案内部と前記押圧管との間が動的シールとなることを特徴とする、請求項5に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項7】
前記真空壁は、外管およびガスケットをさらに含み、
前記ガスケットは、前記内管の遠位端の外壁と前記針棒の内壁との間に設けられ、密封接続を形成し、
前記外管の遠位端は、前記針棒の近位端に密封接続され、前記外管の近位端は、前記内管の近位端に密封接続され、前記外管の遠位端は、前記外管の前記針先に近い端部であり、前記外管の近位端は、前記外管の前記針先から離れた端部であり、
前記外管の外径は、前記針棒の外径よりも大きく、前記外管の内径は、前記針棒の内径よりも大きく、
前記内管の遠位端から近位端にかけて、前記内管は順に内管前段および内管後段を含み、前記内管後段の外径は、前記内管前段の外径よりも大きく、前記内管後段の内径は、前記内管前段の内径よりも大きく、
前記内管前段は前記針棒に穿設され、前記内管後段は前記外管に穿設されることを特徴とする、請求項1に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項8】
温度測定ラインをさらに含み、
前記温度測定ラインの遠位端は、温度測定ポイントであり、前記温度測定ラインの遠位端は、前記温度測定ラインの前記針先に近い端部であり、
前記温度測定ポイントは、前記J-Tスロットの遠位端に設けられ、前記J-Tスロットの遠位端の温度を測定するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項9】
スプリングおよびスナップ部材をさらに含み、
前記スプリングの一端は、前記J-Tスロットの遠位端と同期して移動可能であり、前記スナップ部材にも接続され、前記スナップ部材は、スナップ位置への進入とスナップ位置からの離脱が可能であり、
前記スプリングの他端は、前記真空壁に対して固定され、
前記スナップ部材がスナップ位置にある場合、前記スプリングは、前記スナップ部材の制限によって変形した状態に保持され、前記J-Tスロットの遠位端は前記第2調整位置にあり、
前記変形状態は、圧縮状態または伸張状態であり、
前記スナップ部材が前記スナップ位置から離脱した場合、前記スプリングは、前記変形状態から自然状態に戻る復元力を発生させることが可能であり、前記復元力は、前記J-Tスロットの遠位端を前記第2調整位置から前記第1調整位置に進めるように駆動可能であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項10】
スプリング・カラーをさらに含み、
前記J-Tスロットの遠位端が第2調整位置から第1調整位置へ切り替える場合、前記スプリング・カラーは、前記スプリングが遠位端へ移動可能な最も遠い距離を制限するために使用され、前記スプリングの遠位端が前記スプリング・カラーにある場合、前記J-Tスロットの遠位端は、前記第1調整位置にあることを特徴とする、請求項9に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【請求項11】
前記スナップ部材は、位置決めピンおよびC型リングを含み、
前記位置決めピンは、前記C型リングに設けられ、
前記C型リングは、前記真空壁との相対位置が一定の外壁に覆われ、
前記J-Tスロットの遠位端が前記第1調整位置にある場合、前記位置決めピンは、前記スプリングを前記変形状態に保持するために使用されることを特徴とする、請求項9に記載のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍アブレーションの技術分野に関し、特にJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍アブレーションは、低温により病変組織を破壊する治療法であり、悪性腫瘍に対して非常に効果的で低侵襲な治療法と考えられている。冷凍アブレーション技術は操作が簡単で、合併症が少なく、鎮痛効果も高いだけでなく、アブレーションのために形成される氷球の境界が明瞭で観察されやすいため、大血管や重要な臓器に近い病巣を安全にアブレーションすることができる。さらに、冷凍アブレーションは多針冷凍の形態もとることができ、より広い範囲のアブレーションが可能となり、大きな病巣や不規則な形態を持つ病巣に適している。
【0003】
細胞冷凍の際、まず細胞外に氷晶が形成され、細胞外の溶質の濃度上昇を引き起こし、高張環境となり、細胞内の水分が細胞外に入り、細胞内の脱水が起こる。水分を失った細胞はシワシワになり、細胞膜は変形し、毒性の高い環境下での「溶液損傷」を引き起こし、同時に、細胞内に形成された氷晶は、細胞小器官および細胞膜に直接損傷を与え、一般に「細胞内氷損傷」と呼ばれるさらなる壊死を引き起こし、細胞内氷損傷は、細胞構造に直接損傷を与えるため、細胞に対する破壊力は、より強力である。一般的には、細胞の冷却速度が遅いほど「溶液損傷」が発生する確率が高くなり、冷却速度が速いほど「細胞内氷損傷」が誘発されやすくなる。従って、腫瘍の冷凍アブレーション手術では、より速い冷却速度が一般に求められており、このようにして腫瘍をより徹底的に死滅させ、処置時間を大幅に節約することができる。
【0004】
冷凍アブレーション技術の発展は3つの段階を経てきた。第1段階は、-196℃の液体窒素を低い駆動圧で冷凍アブレーション針の先に送り込み、冷凍アブレーションの目的を達成するという液体窒素輸送冷凍技術であり、この技術における冷源は完全に液体窒素に依存しているが、液体窒素は、針先から輸送距離が長い主機または液体窒素タンク内にあり、液体窒素を輸送する過程で、輸送管路全体が-196℃に達してからでないと針先の温度が-196℃にならないため、液体窒素冷凍の冷却速度は既存技術で最も遅い。第2段階は直接絞り冷凍技術であり、この技術は、「ジュール・トムソン効果」(Joule Thomson Effect、略してJ-T)の原理を利用し、常温の超高圧ガスを冷凍アブレーション針内のJ-Tスロット(J-T効果を生じる毛細管)に輸送して直接絞り処理を行い、低温にし、その冷却速度は既存技術の中で比較的最も速いが、その針先内部のJ-Tスロットやフィンチューブなどの構造は、依然として冷気の一部を消費するため、冷却時間が長くなり、また、使用する超高圧ガスの普及率が低く、高価であるため、この技術の普及が難しい。第3段階は、予冷を行った絞り冷凍技術であり、その原理として、常温にある一般的な工業用ガスを関連主機で予冷した後、冷凍アブレーション針内のJ-Tスロットに輸送して絞り処理を行い、予冷温度よりも低いアブレーション温度にし、この技術は、ガス源が高価で希少である問題を解決し、絞り冷凍技術と組み合わせることで、その冷却速度は液体窒素冷凍技術よりもかなり速いが、直接絞り冷凍技術と比較すると、その冷却速度は依然として遅い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の上記問題点に対応し、従来技術の冷却速度が遅いという問題を解決するために、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針を提案する。
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、以下の技術的解決手段によって実現される。
【0007】
本発明は、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針を提供し、真空壁、J-TスロットおよびJ-Tスロット調整装置を含み、ここで、
前記真空壁は、針棒および内管を含み、
前記針棒の遠位端は針先を有し、
前記内管は前記針棒に穿設され、前記内管と前記針棒との間にはサンドイッチが形成され、前記サンドイッチは、真空を形成可能なサンドイッチであり、
前記内管の遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針棒の遠位端との間に第1所定距離を有し、前記内管の遠位端は、前記内管の前記針先に近い端部であり、
前記J-Tスロットは、前記内管に穿設され、
前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁に対して少なくとも2つの調整位置の間で切り替え可能であり、前記少なくとも2つの調整位置は、第1調整位置および第2調整位置を含み、前記J-Tスロットの遠位端は、前記J-Tスロットの前記針先に近い端部であり、
前記真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、前記サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域であり、前記第1所定距離が位置する領域は、標的領域であり、
前記第1調整位置は、前記標的領域内にあり、
前記第2調整位置は、前記真空断熱領域内にあり、
前記J-Tスロット調整装置は、前記J-Tスロットの遠位端の位置を調整することにより、前記J-Tスロットの遠位端を前記少なくとも2つの調整位置の間で切り替えるために使用され、
前記J-Tスロットの遠位端が前記第1調整位置にある場合、前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針先との間に第2所定距離を有し、前記第2所定距離は少なくとも、冷凍して形成された氷球が前記針先を覆う、すなわち、冷媒流体がJ-Tスロットから吐き出された後、標的領域の内部および真空断熱領域の内部から戻るように保証し、ここで、冷媒流体は、標的領域の内部から戻る間に、標的領域全体の外部の物質と熱交換し、
前記J-Tスロットの遠位端が前記第2調整位置にある場合、前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記真空断熱領域の遠位端との間に第3所定距離を有し、前記第3所定距離は少なくとも、冷媒が前記J-Tスロットから吐き出された後、前記真空断熱領域内から直接戻るように保証し、標的領域には比較的静的な冷媒のみが存在し、標的領域の外部の物質との熱交換がなく、すなわち、冷凍中に冷媒は標的領域でいかなる冷気量も放出しない。前記真空断熱領域の遠位端は、前記真空断熱領域の前記針先に近い端部である。
【0008】
好ましくは、前記J-Tスロットは、J-Tスロット直線部およびJ-Tスロット螺旋部を含み、前記J-Tスロットの遠位端から近位端にかけて、J-Tスロット直線部およびJ-Tスロット螺旋部が順に分布され、
前記J-Tスロット調整装置は、第1スライダおよび第1スライダ案内部を含み、
前記第1スライダ案内部は、前記J-Tスロット直線部に接続され、前記第1スライダは、前記第1スライダ案内部に固定的に接続され、
前記第1スライダ、前記第1スライダ案内部および前記J-Tスロット直線部は、前記軸芯方向に沿って移動するように制御可能であり、これにより、前記J-Tスロットの遠位端の調整位置を切り替え、
ここで、前記J-Tスロット螺旋部の近位端の位置は、前記真空壁に対して一定であり、前記J-Tスロット螺旋部は、前記J-Tスロット直線部の前記軸芯方向に沿った移動に伴って伸張または圧縮可能であり、前記J-Tスロット螺旋部の近位端は、前記J-Tスロット螺旋部の前記針先から離れた端部である。
【0009】
好ましくは、第1シールアセンブリをさらに含み、前記第1シールアセンブリは、前記内管の近位端との間が密封接続され、前記内管の近位端は、前記内管の前記針先から離れた端部であり、
前記第1シールアセンブリと前記第1スライダ案内部との間が動的シールとなる。
【0010】
好ましくは、前記第1シールアセンブリは、密封装置および延長管を含み、
前記延長管の遠位端は、前記内管の近位端との間が密封接続され、前記延長管の遠位端は、前記延長管の前記針先に近い端部であり、
前記密封装置は、前記延長管の近位端との間が密封接続され、かつ前記密封装置と前記第2スライダ案内部との間が動的シールとなり、前記延長管の近位端は、前記延長管の前記針先から離れた端部である。
【0011】
好ましくは、前記J-Tスロット調整装置は、押圧管、第2スライダおよび第2スライダ案内部を含み、
前記押圧管の遠位端は、前記J-Tスロットの近位端に接続され、前記押圧管の遠位端は、前記押圧管の前記針先に近い端部であり、
前記押圧管の近位端は、閉塞構造であり、
前記第2スライダ案内部は、前記軸芯方向に沿って設けられ、
前記第2スライダは、前記押圧管の近位端に接続され、前記第2スライダは、前記第2スライダ案内部に対して相対的に摺動可能であり、
前記第2スライダ、前記押圧管および前記J-Tスロットは、前記軸芯方向に沿って同期移動するように制御可能であり、これにより、前記J-Tスロットの遠位端の調整位置を切り替える。
【0012】
好ましくは、第2シールアセンブリをさらに含み、
前記第2シールアセンブリは、前記第2スライダ案内部の近位端との間が固定的に密封され、
前記第2シールアセンブリにより、前記第2スライダ案内部と前記押圧管との間が動的シールとなる。
【0013】
好ましくは、前記真空壁は、外管およびガスケットをさらに含み、ここで、
前記ガスケットは、前記内管の遠位端の外壁と前記針棒の内壁との間に設けられ、密封接続を形成し、
前記外管の遠位端は、前記針棒の近位端に密封接続され、前記外管の近位端は、前記内管の近位端に密封接続され、前記外管の遠位端は、前記外管の前記針先に近い端部であり、前記外管の近位端は、前記外管の前記針先から離れた端部であり、
前記外管の外径は、前記針棒の外径よりも大きく、前記外管の内径は、前記針棒の内径よりも大きく、
前記内管の遠位端から近位端にかけて、前記内管は順に内管前段および内管後段を含み、前記内管後段の外径は、前記内管前段の外径よりも大きく、前記内管後段の内径は、前記内管前段の内径よりも大きく、
前記内管前段は前記針棒に穿設され、前記内管後段は前記外管に穿設される。
【0014】
好ましくは、温度測定ラインをさらに含み、
前記温度測定ラインの遠位端は、温度測定ポイントであり、前記温度測定ラインの遠位端は、前記温度測定ラインの前記針先に近い端部であり、
前記温度測定ポイントは、前記J-Tスロットの遠位端に設けられ、前記J-Tスロットの遠位端の温度を測定するために使用される。
【0015】
好ましくは、スプリングおよびスナップ部材をさらに含み、ここで、
前記スプリングの一端は、前記J-Tスロットの遠位端と同期して移動可能であり、前記スナップ部材にも接続され、前記スナップ部材は、スナップ位置への進入とスナップ位置からの離脱が可能であり、
前記スプリングの他端は、前記真空壁に対して固定され、
前記スナップ部材がスナップ位置にある場合、前記スプリングは、前記スナップ部材の制限によって変形した状態に保持され、前記J-Tスロットの遠位端は前記第2調整位置にあり、
前記変形状態は、圧縮状態または伸張状態であり、
前記スナップ部材が前記スナップ位置から離脱した場合、前記スプリングは、前記変形状態から自然状態に戻る復元力を発生させることが可能であり、前記復元力は、前記J-Tスロットの遠位端を前記第2調整位置から前記第1調整位置に進めるように駆動可能である。
【0016】
好ましくは、スプリング・カラーをさらに含み、
前記J-Tスロットの遠位端が第2調整位置から第1調整位置へ切り替える場合、前記スプリング・カラーは、前記スプリングが遠位端へ移動可能な最も遠い距離を制限するために使用され、前記スプリングの遠位端が前記スプリング・カラーにある場合、前記J-Tスロットの遠位端は、前記第1調整位置にある。
【0017】
好ましくは、前記スナップ部材は、位置決めピンおよびC型リングを含み、ここで、
前記位置決めピンは、前記C型リングに設けられ、
前記C型リングは、前記真空壁との相対位置が一定の外壁に覆われ、これによりスナップ部材の径方向の離脱を防止することができ、
前記J-Tスロットの遠位端が前記第1調整位置にある場合、前記位置決めピンは、前記スプリングを前記変形状態に保持するために使用される。
【0018】
従来の技術と比較して、本発明は以下の利点を有する。
【0019】
(1)本発明によって提供される、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針では、J-Tスロットの遠位端の位置が調整可能であり、少なくとも2つの調整位置を含み、J-Tスロットが真空断熱領域の内部に退避してから冷凍を起動させることにより、主機側および冷凍アブレーション針側の全ての輸送管路をプレパージ(冷却)することができ、かつこのプレパージプロセスは標的領域での冷気量消費がないため、全ての冷気量は輸送管路の冷却に使用され、その結果、この輸送管路の冷却プロセスは最も速くなり、さらに、プレパージ中に標的領域でいかなる冷気量も放出されないため、標的領域に霜つきや氷結が発生せず、正式処置を直接実施することができる。
【0020】
(2)本発明によって提供される、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針では、J-Tスロットの遠位端の位置が調整可能であり、少なくとも2つの調整位置を含み、プレパージ後の冷凍アブレーション針は、真空壁の標的領域でのみ冷却されず、J-Tスロットが標的領域の内部に退避してから冷凍を起動させた場合、全ての熱負荷は、標的領域およびその外部の腫瘍組織だけにあり、このため、この冷凍プロセスの冷却速度は大幅に加速される。
【0021】
(3)本発明によって提供される、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針は、ツールテスト工程が終了した後、プレパージモードをオンに保持し、真空断熱領域の内部(J-Tスロットの遠位端)を最低温度に保持することができ、標的領域でいかなる冷気量も放出していないため、穿刺、走査・位置決めなどの操作を行うことができ、所定の位置に穿刺された後、冷凍モードに調整し、その時点で、標的領域の内部は直接、常温から最低温度まで瞬時に下げられ、これにより、正式処置時の極端かつ急速な冷却が可能になる。
【0022】
(4)本発明によって提供される、J-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針は、適用範囲が広く、液体窒素輸送冷凍技術、直接絞り冷凍技術、予冷を介した絞り冷凍技術など既存の全ての冷凍アブレーション技術に適用することができ、経皮的穿刺用冷凍アブレーション器具だけでなく、経自然開口部処置用冷凍アブレーション器具にも適用される。
【0023】
もちろん、本発明を実施した任意の製品は、必ずしも上述の全ての利点を同時に達成する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施例または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明で使用される図面を簡単に紹介し、当然のことながら、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要せずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0025】
図1】本発明の一実施例に係るJ-Tスロットの位置が調整可能な硬質冷凍アブレーション針におけるJ-Tスロットの調整原理を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係るJ-Tスロットの位置が調整可能な可撓性冷凍アブレーション針におけるJ-Tスロットの調整原理を示す図である。
図3】本発明の好ましい一実施例に係る硬質冷凍アブレーション針のマンドレルとJ-Tスロットを連動させる調整スキームのプレパージモードを示す図である。
図4】本発明の好ましい一実施例に係る硬質冷凍アブレーション針のマンドレルとJ-Tスロットを連動させる調整スキームの冷凍モードを示す図である。
図5】本発明の好ましい一実施例に係る可撓性冷凍アブレーション針の真空壁を示す概略図である。
図6】本発明の好ましい一実施例に係る可撓性冷凍アブレーション針のマンドレルとJ-Tスロットを連動させる調整スキームのプレパージモードを示す図である。
図7】本発明の好ましい一実施例に係る可撓性冷凍アブレーション針のマンドレルとJ-Tスロットを連動させる調整スキームの冷凍モードを示す図である。
図8】本発明の好ましい一実施例に係る硬質冷凍アブレーション針の押圧管とJ-Tスロットを連動させる調整スキームのプレパージモードを示す図である。
図9】本発明の好ましい一実施例に係る硬質冷凍アブレーション針の押圧管とJ-Tスロットを連動させる調整スキームのプレパージモードにおけるコア調整機構を示す図である。
図10】本発明の好ましい一実施例に係る硬質冷凍アブレーション針の押圧管とJ-Tスロットを連動させる調整スキームの冷凍モードを示す図である。
図11】本発明の好ましい一実施例に係る硬質冷凍アブレーション針の押圧管とJ-Tスロットを連動させる調整スキームの冷凍モードにおけるコア調整機構を示す図である。
図12】本発明の好ましい一実施例に係る可撓性冷凍アブレーション針の押圧管とJ-Tスロットを連動させる調整スキームのプレパージモードを示す図である。
図13】本発明の好ましい一実施例に係る可撓性冷凍アブレーション針の押圧管とJ-Tスロットを連動させる調整スキームの冷凍モードを示す図である。
図14】本発明の好ましい一実施例に係るシールアセンブリの概略図である。
図15】本発明の好ましい一実施例に係るスライダの概略図である。
図16】本発明の好ましい一実施例に係るスナップ部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例における図面と合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明する実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに得られる他の全ての実施例は、本発明の保護範囲内に属するものとする。
【0027】
本発明の明細書の説明において、理解すべきこととして、「上部」、「下部」、「上端」、「下端」、「下面」、「上面」などの用語は、添付図面に示されたものに基づく方位または位置関係を示し、本発明の説明を容易にし簡略化することのみを意図しており、言及された装置または要素が特定の方位を有し、特定の方位で構造および操作しなければならないことを指示または暗示するものではなく、したがって本発明の限定として解釈されるものではない。
【0028】
本発明の明細書の説明において、「第1」および「第2」という用語は、説明するためにのみ使用され、相対的な重要性を指示または暗示するもの、或いは示された技術的特徴の数を暗黙に指定するものとして理解してはならない。よって、「第1」および「第2」と限定される特徴は、1つ以上のそのような特徴を明示的または暗示的に含む可能性がある。
【0029】
本発明の説明では、「複数」とは、特に限定されない限り、例えば2つ、3つ、4つなどを意味する。
【0030】
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明の技術的解決手段について詳細に説明する。以下のこれらの具体的な実施例は、互いに組み合わせることができ、いくつかの実施例では、同じまたは同様の概念やプロセスを繰り返さない。
【0031】
図1および図2は、本発明の一実施例に係るJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針におけるJ-Tスロットの調整原理を示す図である。
【0032】
図1および図2を参照し、本実施例に係るJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針は、真空壁2、J-Tスロット1およびJ-Tスロット調整装置を含み、
真空壁2は、針棒21および内管22を含み、針棒21の遠位端は針先211を有する。内管22は針棒21に穿設され、内管22と針棒21との間にはサンドイッチが形成され、サンドイッチは真空を形成できるもので、永続的真空のサンドイッチか、リアルタイムで真空引きするサンドイッチのいずれかであり得、真空サンドイッチは、断熱し、正常な組織の凍傷を防止する役割を果たす。
【0033】
内管22の遠位端と針棒の遠位端との間に第1所定距離(この第1所定距離は、真空壁の軸芯方向に沿った間隔距離として理解され得る)を有し、内管22の遠位端は、内管22の針先211に近い端部である。J-Tスロット1は、内管22に穿設される。
真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、真空のサンドイッチが断熱の役割を果たすことができるため、サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域26であり、第1所定距離が位置する領域は、標的領域25である。
【0034】
J-Tスロット1の遠位端は、少なくとも2つの調整位置を有し、さらに、前記J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁に対して少なくとも2つの調整位置の間で(例えば、真空壁の軸芯方向に沿った移動によって)切り替え可能であり、少なくとも2つの調整位置は、第1調整位置および第2調整位置を含み、J-Tスロット1の遠位端は、J-Tスロット1の針先211に近い端部であり、ここで、第1調整位置が標的領域にある場合、図1の破線部分に示すように、冷凍モードにあると理解されてもよく、第2調整位置が真空断熱領域にある場合、図1の実線部分に示すように、プレパージモードにあると理解され得る。
【0035】
J-Tスロット調整装置は、前記J-Tスロットの遠位端を前記少なくとも2つの調整位置の間で切り替えるように調整するために使用され、具体的には、外部からの操作に応じてJ-Tスロットの遠位端を、少なくとも2つの調整位置の間で切り替えるように調整することができる。さらに、本解決手段の説明から逸脱することなく、この切り替え調整機能を実現できる任意の装置であればよい。
【0036】
J-Tスロットの遠位端が第1調整位置にある場合、J-Tスロットの遠位端は、針先との間に第2所定距離を有し、第2所定距離は少なくとも、冷凍して形成された氷球が針先を覆う、すなわち、冷媒流体がJ-Tスロットから吐き出された後、標的領域の内部および真空断熱領域の内部から戻るように保証し、ここで、冷媒流体は、標的領域の内部から戻る間に、標的領域全体の外部の物質と熱交換する。
【0037】
J-Tスロット1の遠位端が第2調整位置にある場合、J-Tスロット1の遠位端は、真空断熱領域の遠位端との間に第3所定距離を有し、第3所定距離は少なくとも、冷媒流体がJ-Tスロットから吐き出された後、真空断熱領域から直接戻るように保証し、標的領域には比較的静的な冷媒のみが存在し、標的領域の外部の物質との熱交換がなく、すなわち、冷凍中に冷媒は標的領域でいかなる冷気量も放出しない。真空断熱領域の遠位端は、真空断熱領域の前記針先に近い端部である。
【0038】
ここでの第1所定距離、第2所定距離および第3所定距離は、真空壁2の軸芯方向に沿った間隔距離であると理解され得る。さらに、後述する軸方向は全て、真空壁2の軸芯方向として理解され得る。
【0039】
一実施例では、真空壁は、経皮的穿刺用冷凍アブレーション器具に適用できる硬質材料の真空壁であり、図1に示すように、針先211は先端の形態である。
【0040】
一実施例では、真空壁は、経自然開口部用アブレーション器具に適用できる可撓性材料の真空壁であり、図2に示すように、針先211は、円弧の形態である。好ましくは、針棒21および内管22は、軟質の非金属材料または自由に曲げられる金属材料、例えば、PTFEまたはPTFE編組チューブまたはステンレス鋼ベローズとすることができる。
【0041】
一実施例では、上記のJ-Tスロットの位置が調整可能な冷凍アブレーション針の使用プロセスは以下の通りである。処置前に、プレパージモードにある冷凍アブレーション針を取り出し、主機と相互に接続し、冷凍アブレーション針の針棒21(少なくとも標的領域25)を生理食塩水に挿入し、ツールテスト機能を起動させ、ツールテストでは最初に復温段階を実行し、針先の温度が一定時間内に所定の温度まで上昇すると、復温機能が正常であることが証明される。その直後、プログラムは自動的に冷凍段階を実行し、針先の温度が一定時間内に所定の温度まで低下すると、冷凍機能が正常であることが証明され、この時、十分にプレパージするには針先を最低温度に保つ時間を適切に延長することができ、その後、自動的にツールテストを停止する。冷凍段階では、真空断熱領域26に霜つきがあるかどうかを観察することができ、霜がつかなければ断熱機能が正常であることが証明され、全段階に生理食塩水に浸した針先でのガス漏れがあるかどうかを観察し、漏れがなければ気密性が正常であることが証明される。ツールテストの終了時には、主機と冷凍アブレーション針の輸送管路の両方がプレパージ(冷却)を完了する。その直後、先に冷凍機能をオンに(または個別に設定されたプレパージ機能をオンに)してもよく、この段階の冷凍は、低い運転圧力で行われ、または断続的に換気することができ、このように、J-Tスロットの遠位端の温度を最低温度に維持しながら、ガスの使用量を節約することができる。次に、冷凍機能をオンにした状態で、画像誘導による経皮的穿刺を行い、針先を所望の腫瘍位置に到達させることができる。この場合、J-Tスロットの遠位端への移動を調整し、第1調整位置で停止し、冷凍モードに切り替えることができる。輸送管路全体が低温状態にあるため、冷凍アブレーション針の冷却熱負荷は、標的領域25およびその外部の腫瘍組織だけにあり、このため、冷凍モードに切り替えられたとしてもJ-Tスロットの遠位端の温度は最低温度に維持することができるが、標的領域25の外壁は瞬時に常温から-100℃以下に低下する。このようにして、同じ大きさの腫瘍をアブレーションする処置時間が短縮され、または同じ時間内でより大きなアブレーション範囲(氷球)が生成され、また、腫瘍組織がより急速に冷却されるので、腫瘍細胞の細胞内氷による損傷の確率が大幅に増加し、続いて腫瘍細胞の冷凍損傷はより徹底的になり、アブレーション効果はより良好になる。
【0042】
好ましい一実施例では、図3図4図6図7を参照し、J-Tスロットの遠位端位置の調整は、マンドレルとJ-Tスロット螺旋部を連動させるという調整手段を採用している。具体的には、J-Tスロットの遠位端から近位端にかけて、J-Tスロットは順にJ-Tスロット直線部11およびJ-Tスロット螺旋部12を含み、ここで、J-Tスロット直線部11とJ-Tスロット螺旋部12は、一体構造であってもよく、分割接続構造であってもよく、異なる材料(例えば、J-Tスロット直線部11はステンレス鋼、J-Tスロット螺旋部12はニッケルチタン合金)であってもよく、同じ材料(例えば、ステンレス鋼)であってもよい。
【0043】
一実施例では、J-Tスロット調整装置は、マンドレル3およびスライダ8を含んでもよく、マンドレル3の遠位端は、J-Tスロット直線部11の近位端に接続され、マンドレル3の遠位端は、マンドレル3の針先211に近い端部であり、J-Tスロット直線部11の近位端は、J-Tスロット直線部11の針先211から離れた端部であり、マンドレル3の近位端は、スライダ8に接続され、マンドレル3の近位端は、マンドレル3の針先211から離れた端部である。J-Tスロットの遠位端位置の調整時には、スライダ8は、軸方向に摺動することにより、マンドレル3を軸方向に摺動させ、さらにJ-Tスロット直線部を摺動させるように駆動するために用いられ、このことから、スライダ8、マンドレル3およびJ-Tスロット直線部11は、前記軸芯方向に沿って同期移動するように制御可能であり、さらに、J-Tスロット直線部の遠位端の少なくとも2つの調整位置の間での切り替えが可能となり、この場合、J-Tスロット螺旋部12は、近位端の位置が変化せず(前記真空壁に対して一定であると理解され得る)、J-Tスロット螺旋部12の伸張または圧縮によってJ-Tスロット直線部11の摺動に追従し、すなわち、前記J-Tスロット螺旋部は、前記J-Tスロット直線部11の前記軸芯方向に沿った移動に伴って伸張または圧縮することが可能であり、J-Tスロット螺旋部12の近位端は、J-Tスロット螺旋部12の針先211から離れた端部である。
【0044】
上記実施例では、マンドレル3は、第1スライダ案内部であり、この実施例では、第1スライダ案内部が被調整部材(J-Tスロット直線部)に接続され、スライダと第1スライダ案内部が接続される形態である。別の実施例では、スライダ8が被調整部材(J-Tスロット直線部)に直接接続されてもよく、スライダは、第1スライダ案内部の外壁または内壁に設けられ、スライダ8は、第1スライダ案内部に摺動可能に接続され、第1スライダ案内部は、真空壁の軸芯方向に沿って設けられ、スライダ8の軸芯方向に沿った移動を案内するために使用される。
【0045】
ここで、図3および図6は、J-Tスロットの遠位端が第2調整位置にあるプレパージモードを示す図であり、図4および図7は、J-Tスロットの遠位端が第1調整位置にある冷凍モードを示す図である。
【0046】
別の実施例では、J-Tスロットの遠位端位置の調整は、以下のような構造によって達成されてもよく、すなわち、J-Tスロットの近位端に別個の弾性部材が設けられ、この場合、マンドレルの遠位端がJ-Tスロットの近位端に接続され、その他の部分は上記実施例を参照し、ここでは繰り返さない。
【0047】
一実施例では、上述のマンドレルとJ-Tスロット螺旋部を連動させて調整する実施例に基づいて、J-Tスロットの遠位端位置の調整中に真空壁2の内部でガスが漏れるのを防ぐために、図2-3を参照し、シールアセンブリ5がさらに含まれる。シールアセンブリ5は、内管22の近位端に設けられ、J-Tスロット調整装置との間が動的シールとなる。
【0048】
さらに、シールアセンブリ5は、シールリング51、シール溝52およびシール押圧部材53を含む。ここで、シール溝52の遠位端は、内管22の近位端に密封接続される。シールリング51は、シール溝52内に置かれ、シール押圧部材53は、軸方向に沿ってシール溝52にねじ込まれ、これにより、シールリング51は、シール溝52とシール押圧部材53との間に固定され、マンドレル3は、シールリング51およびシール押圧部材53の内部に挿入されることで、シールリング51は、マンドレル3とシール溝52との間で径方向に押圧されて変形を起こし、動的シールを形成し、任意選択的に、シールリング51は、ニトリル製のO型リングなどのゴム製シールリングであってもよく、耐低温性のフッ素系ポリマー+金属スプリングのバリシールリング(Variseal ring)であってもよい。
【0049】
好ましい実施例では、図14を参照し、シールアセンブリ5は、延長管54をさらに含む。ここで、延長管54は、吸気管6および還気管7とともに、内管2の近位端に挿入されて密封接続され、シール溝52の遠位端は、延長管54の近位端に密封接続され、シールリング51、シール溝52、シールアセンブリ53の間の接続の態様は、上記実施例の説明を参照し、ここでは繰り返さない。延長管54を設けることにより、シールリング51を低温側の内管近位端、吸気管6および還気管7から一定の距離離間させることに寄与し、低温時のシール不良を防ぐ。
【0050】
好ましい一実施例では、図8-13を参照し、J-Tスロットの遠位端位置の調整は、押圧管とJ-Tスロットを連動させるという調整手段を採用している。具体的には、J-Tスロット調整装置は、押圧管17およびスライダ8を含む。ここで、押圧管17の近位端は、閉塞構造(例えば、閉塞した丸管)であり、押圧管17の近位端はスライダ8に接続され、押圧管17の近位端は、押圧管17の針先211から離れた端部である。押圧管17の遠位端は、J-Tスロット1の近位端に接続され、押圧管17の遠位端は、押圧管17の針先211に近い端部である。J-Tスロットの遠位端位置の調整時には、スライダ8は、軸方向に摺動することにより、押圧管17を軸方向に摺動させ、さらにJ-Tスロット1を摺動させるように駆動し、J-Tスロットの遠位端の少なくとも2つの調整位置の間での切り替えを可能にするために使用される。図8および図12は、J-Tスロット1の遠位端が第2調整位置にあるプレパージモードを示す図であり、図9は、当該モードにおけるコア調整機構を示す図であり、図10および図13は、J-Tスロット1の遠位端が第1調整位置にある冷凍モードを示す図であり、図11は、当該モードにおけるコア調整機構を示す図である。
【0051】
好ましい一実施例では、図3、4、8、10を参照し、放熱機能を向上させるために、フィンチューブ4をさらに含み、フィンチューブ4はマンドレル3の外壁に設けられる。さらに、図9、11、12、13を参照し、吸気は、フィンチューブ4の内部または吸気管6の内部から、分岐三方管15を介してJ-Tスロット1の内部に導入される。分岐三方管15は、中央オリフィス151および吸気通路153を含み、三方管はそれぞれ、中央オリフィス151の両端および吸気通路153である。分岐三方管15の中央オリフィス151の遠位端は、J-Tスロット1との間が動的シールを形成するか、中央オリフィス151の遠位端に挿入されたシール管18によってJ-Tスロット1との間が動的シールを形成する。
【0052】
一実施例では、図9、11を参照し、シール管18の遠位端から近位端にかけて、シール管18は順に、シール管ガイド部181、シール管密封部182およびシール管接続部183を含む。シール管18は、J-Tスロット1と真空壁2との間に設けられ、シール管接続部は、中央オリフィス151の遠位端に挿入されて固定的に密封される。さらに、シールガスケット19を含み、シールガスケット19は、シール管密封部182とJ-Tスロット1との間に設けられ、シール管密封部182を径方向に押圧することにより、耐低温の動的シールを実現する。J-Tスロット1の外壁と、中央オリフィス151の内壁およびシール管接続部183の内壁との間には、通気のための十分な隙間がある。好ましくは、シールガスケット19は、PTFE管を採用する。
【0053】
好ましい一実施例では、図3、4、8、10を参照し、真空壁2は、外管23をさらに含む。外管23の遠位端は、針棒21の近位端に密封接続され、外管23の近位端は、内管22の近位端に密封接続される。
【0054】
好ましい一実施例では、内管の近位端の内部容積を拡大するために、例えば、フィンチューブ4を内管の近位端内部に押し込むようにしてもよいし、または他のより多くの部品を収納するようにしてもよく、内管の近位端の内部容積を拡大する必要があるため、さらに、真空壁の近位端の内部容積も拡大する必要がある。外管23の外径は針棒21の外径よりも大きく、外管23の内径は針棒21の内径よりも大きく、外管23の遠位端は、外管23の針先211に近い端部であり、外管23の近位端は、外管23の針先211から離れた端部である。さらに、内管22の遠位端から近位端にかけて、内管22は順に内管前段221および内管後段222を含み、内管後段222の外径は内管前段221の外径よりも大きく、内管後段222の内径は、内管前段221の内径よりも大きい。図3、4、8、10を参照し、内管前段221は針棒21の内部に位置し、内管後段222は外管23の内部に位置する。
【0055】
好ましい一実施例では、図3、4、8、10を参照し、真空壁2は、ガスケット24をさらに含む。ここで、ガスケット24は、内管22の遠位端の外壁と針棒21の内壁との間に設けられ、密封接続を形成する。
【0056】
好ましい一実施例では、図5を参照し、可撓性冷凍アブレーション針の真空壁は、真空三方管28、真空接続管291、真空ホース292および還気接続管293をさらに含んでもよい。ここで、内管22の近位端は、還気接続管27の遠位端に密封接続され、外管23の近位端は、三方管接続部281に密封接続され、真空三方管28の近位端は、還気接続管27に密封接続され、真空接続管291の遠位端は、三方管バイパス282に挿入され、真空ホース292は真空接続管291に挿入され、真空ホース292の近位端を真空引きすることにより、内管22と外管23との隙間を真空状態に維持し、正常な自然開口部の壁の凍傷を防止することができる。
【0057】
一実施例では、図6、7、12、13を参照し、吸気管6、還気管7およびマンドレル3の間の隙間を密封するためのシャントチューブ294をさらに含み、吸気管6、還気管7およびマンドレル3は、シャントチューブ294の近位端に挿入されて密封される。
【0058】
好ましい一実施例では、上述の押圧管とJ-Tスロットを連動させて調整する実施例に基づいて、図4-7を参照し、押圧管17の遠位端から近位端にかけて、押圧管17は順に押圧管細い部171および押圧管太い部172を含む。押圧管細い部171の遠位端は、J-Tスロット1の近位端に固定され、押圧管細い部171には、J-Tスロット1の吸気管6を挿入するための少なくとも1つの吸気スロット174が設けられ、押圧管細い部171の外壁とマンドレル3の内壁との間には、通気のための十分な隙間があり、押圧管太い部172の外壁とマンドレル3の内壁の間には、両者が相対的に移動できる程度の小さな隙間を有する。押圧管太い部171は、中実の丸棒であってもよく、少なくとも近位端が塞がれた丸管であってもよい。
【0059】
好ましい一実施例では、上述の押圧管とJ-Tスロットを連動させて調整する実施例に基づいて、J-Tスロットの遠位端位置の調整中に真空壁2の内部でガスが漏れるのを防ぐために、図4-7を参照し、シールアセンブリ5がさらに含まれる。シールアセンブリ5は、マンドレル3の近位端に固定的に密封され、押圧管17との間が動的シールとなる。
【0060】
さらに、シールアセンブリ5は、シールリング51、シール溝52およびシール押圧部材53を含む。ここで、シール溝52の遠位端は、マンドレル3の近位端に密封接続される。シールリング51はシール溝52内に置かれ、シール押圧部材53は、軸方向に沿ってシール溝52にねじ込まれ、これにより、シールリング51は、シール溝52とシール押圧部材53との間に固定され、マンドレル3は、シールリング51およびシール押圧部材53の内部に挿入されることで、シールリング51は、マンドレル3とシール溝52との間で径方向に押圧されて変形を起こし、動的シールを形成する。任意選択的に、シールリング51は、ニトリル製のO型リングなどのゴム製シールリングであってもよく、耐低温性のPTFE+金属スプリングのバリシールリング(Variseal ring)であってもよい。
【0061】
好ましい一実施例では、冷凍アブレーション針の冷凍効果をより良好に検出するために、図3、4、6、7を参照し、温度測定ライン14をさらに含み、温度測定ライン14の遠位端は、温度測定ポイント141であり、温度測定ライン14の遠位端は、温度測定ライン14の針先211に近い端部である。温度測定ポイント141は、J-Tスロット1の遠位端に設けられ、J-Tスロット1の遠位端の温度を測定するために使用される。温度測定ポイント141は、J-Tスロット1の遠位端が標的領域に位置する場合には、冷凍復温中に腫瘍中心の温度を監視するために使用され、J-Tスロット1の遠位端が真空断熱領域内に位置する場合には、プレパージ中にその温度によってプレパージが適切に行われているか否かを指示するために使用される。温度測定ライン14は、J-Tスロット1の外部に沿って、マンドレル3または押圧管17の内部から外部に導かれ、マンドレル3または押圧管17の内部は、接着剤を充填することによって密封される。好ましくは、復温ラインをさらに含み、復温ラインは、温度測定ラインと一致した方法で位置決めされ、配置され、復温機能を実現するために使用される。好ましくは、温度測定ラインおよび/または復温ラインは、T型エナメル熱電対ワイヤーを採用する。
【0062】
一実施例では、図3、4、6、7、8、10、12、13に示すように、J-Tスロットの遠位端位置の調整は、手動による前後調整またはプレスプリング120によって達成することができる。スプリング120は、J-Tスロットの遠位端位置を保持するために使用され、スプリングが自然状態にある場合、図4、7、10、13に示すように、J-Tスロットの遠位端は第1調整位置(冷凍モード)にあり、スプリング120が圧縮または伸張状態にある場合、図3、6、8、12に示すように、J-Tスロットの遠位端は第2調整位置(プレパージモード)にある。さらに、スナップ部材10を含み、図3、6、8、12に示すように、J-Tスロットの遠位端が第1調整位置にある場合、スナップ部材10は、スプリング120を圧縮または伸張状態に保持するために使用され、第2調整位置に切り替える必要があるとき、スナップ部材10を引き出すだけでよい。
【0063】
図3、6、12に示すように、スプリングが圧縮状態にあり、スプリングの一端(遠位端)は、スライダ8およびスナップ部材10に接続され、スプリングの他端(近位端)は、真空壁に対する位置が一定であり、スナップ部材10が第1位置に係合されることで、スプリングは圧縮状態に保持され、この際、J-Tスロットの遠位端は第2調整位置にある。第1調整位置に調整する必要がある場合、図4、7、13を参照し、スナップ部材を第1位置から引き抜くと、スプリングの弾性力で、スライダ8は、J-Tスロットを軸芯方向に沿って遠位端位置に向かって摺動させ、第1調整位置まで停止するように駆動し、この際、スプリングが自然状態にある。
【0064】
図8に示すように、スプリングが伸張状態にあり、スプリングの一端(近位端)は、スライダ8およびスナップ部材10に接続され、スプリングの他端(遠位端)は、真空壁に対する位置が一定であり、スナップ部材10が第1位置に係合されることで、スプリングは伸張状態に保持され、この際、J-Tスロットの遠位端は第2調整位置にある。第1調整位置に調整する必要がある場合、図10を参照し、スナップ部材を第1位置から引き抜くと、スプリングの弾性力で、スライダ8は、J-Tスロットを軸芯方向に沿って遠位端位置に向かって摺動させ、第1調整位置まで停止するように駆動し、この際、スプリングが自然状態にある。
【0065】
好ましい実施例では、スプリング120の自然状態での位置、すなわち第1調整位置におけるJ-Tスロットの遠位端の位置をより正確にするために、図8、10を参照し、スプリング・カラー27がさらに設けられる。スプリング・カラー27は、スプリング120がさらに遠位端に移動するのを阻止するために使用され、スプリング120の遠位端がスプリング・カラー27に位置する場合、J-Tスロット1の遠位端は第1調整位置にある。
【0066】
一実施例では、図3に示すように、スナップ部材10は、位置決めピン102を含む。本実施例では、レバー9をさらに含み、レバー9は、冷凍アブレーション針の近位端に設けられ、これにより、把持が容易になる。レバー9にはレバー位置決め溝91が設けられ、スライダ8にはスライダ位置決め溝82が設けられる。J-Tスロットの遠位端が第1調整位置にある場合、位置決めピン102は、レバー位置決め溝91およびスライダ位置決め溝82に同時に挿入され、これによりレバー9に対するスライダ8の相対位置が一定になり、すなわち、現在のプレパージモードに保持され、本実施例では、この時点でスプリング120は圧縮状態にある。冷凍モードに切り替える必要があるとき、位置決めピン102をレバー位置決め溝91およびスライダ位置決め溝82から引き抜くだけでよい。
【0067】
一実施例では、吸気管、還気管などの部品を包み、冷凍アブレーション針の外観をよりきれいにし、さらに操作しやすくするために、図3、4、6、7、8、10、12、13を参照し、レバー9の外壁には、外部スリーブ13がさらに設けられる。
【0068】
一実施例では、図6、7、12、13に示すように、可撓性冷凍アブレーション針のレバーの遠位端には、曲げ防護材92がさらに設けられる。曲げ防護材92は、外管23の外壁に設けられ、真空壁とレバーの遠位端との接触箇所を曲げないように保護することができる。
【0069】
好ましい実施例では、スナップ部材の固定と抜き差し調整を容易にするために、図16を参照し、スナップ部材10は、把持部101およびC型リング103をさらに含む。ここで、把持部101および位置決めピン102は、C型リング103に設けられ、C型リング103は、レバー9の外壁に覆われることにより、スナップ部材の径方向での離脱を防止することができる。
【0070】
別の実施例では、レバー9を含まない場合、C型リング103は、真空壁との相対位置が一定の外壁に覆われるだけで、スナップ部材の径方向での離脱を防止することもできる。
【0071】
別の実施例では、J-Tスロットの遠位端が第1調整位置にあるとき、スプリングが伸張状態に位置し、J-Tスロットの遠位端が第2調整位置にあるとき、スプリングが自然状態に位置するように設定してもよい。
【0072】
好ましい一実施例では、図15を参照し、スライダ8は、ガイドチューブ81、スライダ位置決め溝82、中央固定孔83および吸気・還気管用ガイド孔84をさらに含む。ここで、ガイドチューブ81は、真空壁の軸芯方向に沿って設けられる。スライダ位置決め溝82は、ガイドチューブ81の外壁に開設され、上述した一実施例におけるスナップ部材10の位置決めピンを插入するために使用され、別の実施例では、調整用のスプリングを使用しない場合、この部分は省略されてもよい。中央固定孔83および吸気・還気管用ガイド孔84は、ガイドチューブ81内に設けられ、マンドレル3の近位端は、中央固定孔83に挿入され、吸気・還気管用ガイド孔84は、吸気管6および還気管7を通すために使用される。
【0073】
上記の実施例では、ガイドチューブ81は、第2スライダおよび第2スライダ案内部であり、ガイドチューブ81は、軸芯方向に沿って移動することができる。別の実施例では、真空壁の軸芯方向に設けられたマンドレルによって案内してもよく、スライダ8は、マンドレルの外壁に設けられ、マンドレルに沿って摺動することによって、軸芯方向に沿って摺動するように案内することができる。別の実施例では、第2スライダ案内部が被調整部(押圧管)に接続され、スライダが第2スライダ案内部に接続されるようにしてもよく、第2スライダ案内部は、軸芯方向に設けられ、軸芯方向に沿って移動可能であり、スライダ8は、第2スライダ案内部を軸芯方向に移動させ、さらに押圧管を軸芯方向に移動させるように駆動する。
【0074】
好ましい実施例では、プレパージモード、すなわちJ-Tスロット1の遠位端が真空断熱領域26の内部に位置する状態を製品の工場出荷状態に設定することができ、作業者は、直接ツールテストの工程を通じて製品のプレパージを完了することができる。ツールテスト/プレパージが完了した後、J-Tスロット1の遠位端が標的領域25の内部に位置する冷凍モードに調整し、冷凍が開始すると、アブレーション針がプレパージを実行したものであるので、標的領域25は、最低温度まで急速に冷却される。
【0075】
本明細書の説明では、「一実施形態」、「一実施例」、「具体的な実施過程」、「実施例」などの用語は、当該実施例または例示に関連して説明される特定の特徴、構造、材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例または例示を指すものではない。さらに、説明した特定の特徴、構造、材料または特性は、任意の1つ以上の実施例または例示において、適切な方法で組み合わせることができる。
【0076】
最後に、上述した各実施例が本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではないと説明すべきであり、前記各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載された技術的解決手段を変更したり、それらの技術的特徴の一部または全部を等価的に置換したりすることができ、これらの変更や置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0077】
1-J-Tスロット;
11-J-Tスロット直線部;
12-J-Tスロット螺旋部;
2-真空壁;
21-針棒;
211-針先;
22-内管;
221-内管前段;
222-内管後段;
23-外管;
24-ガスケット;
25-標的領域;
26-真空断熱領域;
27-スプリング・カラー;
28-真空三方管;
281-三方管接続部;
282-三方管バイパス;
291-真空接続管;
292-真空ホース;
293-還気接続管;
294-シャントチューブ;
3-マンドレル;
4-フィンチューブ;
5-シールアセンブリ;
51-シールリング;
52-シール溝;
53-シール押圧部材;
54-延長管;
6-吸気管;
7-還気管;
8-スライダ;
81-ガイドチューブ;
82-スライダ位置決め溝;
83-中央固定孔;
84-吸気・還気管用ガイド孔;
9-レバー;
91-レバー位置決め溝;
92-曲げ防護材;
10-スナップ部材;
101-把持部;
102-位置決めピン;
103-C型リング;
120-スプリング;
13-外部スリーブ;
14-温度測定ライン;
141-温度測定ポイント;
15-分岐三方管;
151-中央オリフィス;
153-吸気通路;
17-押圧管;
171-押圧管細い部;
172-押圧管太い部;
174-吸気スロット;
18-シール管;
181-シール管ガイド部;
182-シール管密封部;
183-シール管接続部;
19-シールガスケット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】