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特表2024-543392清掃看護用具に用いられるスイッチアセンブリ及び清掃看護用具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】清掃看護用具に用いられるスイッチアセンブリ及び清掃看護用具
(51)【国際特許分類】
   A46B 13/02 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A46B13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527453
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2022122961
(87)【国際公開番号】W WO2023082890
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111331716.6
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523052971
【氏名又は名称】上海携福電器有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SHIFT ELECTRICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 489 Jinbai Road, Jinshan Industrial Zone, Shanghai 201506, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】戴 暁国
(72)【発明者】
【氏名】徐 振武
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA07
3B202AB09
3B202BA02
3B202BC05
(57)【要約】
本発明は、清掃看護用具に用いられるスイッチアセンブリ及び清掃看護用具を提供する。スイッチアセンブリは、スイッチと、遠位端と近位端とを有するスイッチ反り板であって、スイッチ反り板がスイッチを操作可能にトリガするように、スイッチ反り板の遠位端の下方にスイッチが設けられるスイッチ反り板と、を備え、反り板は、小アームと、大アームと、小アームと大アームとの間に位置するピボット部と、を有し、大アームの長さは、小アームの長さより大きく、大アームは、前記遠位端を備え、スイッチアセンブリは、スイッチ反り板のピボット部を保持するための第1保持部と、スイッチ反り板の近位端を保持するための第2保持部とをさらに備え、第2保持部は、前記スイッチ反り板に押圧力が作用しないときにスイッチ反り板の小アームが曲げ変形して予圧状態にあり、且つ、スイッチ反り板が大アームをスイッチから離間させる第1モーメントをピボット部の回りに発生させるように、前記小アームのピボット部から離れた一端を保持する。本発明は、ハンドルハウジングにおけるスイッチ部の設置位置が人体工学的な設計の要求に合致するするとともに、ハウジング内部の各部品のレイアウトのコンパクト性を確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃看護用具に用いられるスイッチアセンブリであって、
前記清掃看護用具に対してオンオフ操作を行うためのスイッチ(31)と、
遠位端と近位端とを有するスイッチ反り板であって、前記スイッチ反り板が前記スイッチを操作可能にトリガするように、前記スイッチ反り板の前記遠位端の下方に前記スイッチが設けられるスイッチ反り板(10)と、
を備える、スイッチアセンブリにおいて、
前記反り板は、小アーム(11)と、大アーム(14)と、前記小アームと大アームとの間に位置するピボット部(13)と、を有し、前記大アームの長さは、前記小アームの長さより大きく、前記大アーム(14)は、前記遠位端を備え、
前記スイッチアセンブリは、前記スイッチ反り板の前記ピボット部を保持するための第1保持部と、前記スイッチ反り板の近位端を保持するための第2保持部とをさらに備え、
前記第2保持部は、前記スイッチ反り板に押圧力が作用しないときに前記スイッチ反り板の前記小アームが曲げ変形して予圧状態にあり、且つ、前記スイッチ反り板が前記大アームを前記スイッチから離間させる第1モーメント(M)を前記ピボット部の回りに発生させるように、前記小アームの前記ピボット部から離れた一端を保持することを特徴とするスイッチアセンブリ。
【請求項2】
前記スイッチ(31)は、弾性部材を備え、前記弾性部材が発生した弾性力は、前記スイッチ反り板の前記大アームに作用し、前記弾性力が前記ピボット部の回りに発生した第2モーメントは、前記第1モーメントの方向と同じであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項3】
前記大アームは、前記ピボット部と前記スイッチとの間に押圧部を限定し、前記スイッチアセンブリを作動させる前記押圧力は、前記押圧部に作用することができることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項4】
前記スイッチアセンブリは、前記清掃看護用具のハウジングに位置するスイッチ部を備え、前記スイッチ部は、変形に適した弾性材料で構成され、前記スイッチ部と前記押圧部とが位置合わせされていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項5】
前記第1保持部は、前記清掃看護用具のハウジングに対して静止する部材に設けられ、
前記第1保持部は、前記清掃看護用具の内部に位置する一対のU字溝(71)を備え、前記ピボット部は、対応する前記U字溝にそれぞれ収容される一対の軸部を備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項6】
前記第2保持部は、前記清掃看護用具のハウジングに対して静止する部材に設けられ、
前記第2保持部は、前記清掃看護用具の内部に固定された開孔(81)を備え、前記小アームの前記近位端は、前記開孔に挿入して保持され、前記開孔は、めくら穴または貫通穴であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項7】
前記スイッチは、前記清掃看護用具の内部の配線基板(30)に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項8】
清掃看護用具であって、
長手方向に沿ってバッテリ(5)及び駆動装置が配置される細長い収容室を形成するハウジングと、
前記ハウジング内に収容された請求項1から7のいずれか1項に記載のスイッチアセンブリと、を備え、
前記スイッチアセンブリの前記スイッチ反り板は、前記長手方向と略平行に配置されている清掃看護用具。
【請求項9】
前記スイッチアセンブリの前記スイッチは、前記バッテリと前記駆動装置のモータとの間に設置された配線基板に取り付けられ、前記配線基板は、前記ラックに固定され、前記配線基板は、前記モータの少なくとも1つの電極と前記電源の少なくとも1つの電極とにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項8に記載の清掃看護用具。
【請求項10】
前記ハウジングの内部には、前記駆動装置の少なくとも一部を収容するギアボックス(7)と、前記ギアボックス(7)に取り付けられたギアボックス蓋(8)とが設けられ、前記第1保持部は、前記ギアボックス(7)に設けられ、前記第2保持部は、前記ギアボックス蓋(8)に設けられていることを特徴とする請求項8または9に記載の清掃看護用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動歯ブラシなどの清掃看護用具に関わるものであり、特に清掃看護用具におけるスイッチアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場には、電動歯ブラシ、ウォーターピック、シェーバなど、手に持って使用するさまざまな電動的な清掃看護用具が存在している。これらの電動的な清掃看護用具は、通常、ハウジング表面の適切な位置にスイッチ部が設けられたハンドルを有する。通常、使用者が片手で電動的な清掃看護用具のハンドルを把持すると、スイッチ部に指を掛け易くなり、スイッチ操作部の下方においてハンドル内部に配置されたスイッチ装置を作動させることができる。
【0003】
一般的に、ハンドルのハウジングでのスイッチ部は、弾性材料、例えばTPEから形成され、作動可能なスイッチ装置は、弾性材料の下方に配置されている。このように、使用者がスイッチ部を押圧して弾性材料を変形させるように付勢することによりスイッチ装置を作動させることができる。ハンドルの内部では、スイッチ装置は、配線基板上に実装されてもよく、スイッチ装置を個別に配置してリード線を介して電源に接続してもよい。弾性材料とスイッチ装置とを有するスイッチアセンブリは、清掃看護用具のスイッチ部が防水構造を有することができることを確保し、これは、電動歯ブラシやウォーターピックなどの防水性が要求される電動器具に特に有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなスイッチの配置構造には、スイッチ装置を弾性材料からなるスイッチ部の直下にしか配置できないという制約があり、通常、スイッチ部は、ハンドル内部のスイッチ装置の取り付け位置に合わせる必要があり、スイッチ部の配置に自由度がなく、操作性を満足させるために、ハンドル内部のスイッチ装置をモータやバッテリから離れた位置に配置し、別途の導線を用いて電気的に接続する必要があり、器具内部の電気的な構造が複雑化する場合がある。
【0005】
そのため、余分な導線を用いてスイッチ装置を接続することを回避し、電動的な清掃看護用具のハンドル内部のスイッチ装置の位置配置の自由度を高めるために、電動的な清掃看護用具のスイッチアセンブリを改良することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術における不足を解決するために、本発明は、清掃看護用具に用いられるスイッチアセンブリを提供し、該スイッチアセンブリは、前記清掃看護用具に対してオンオフ操作を行うためのスイッチと、遠位端と近位端とを有するスイッチ反り板であって、前記スイッチ反り板が前記スイッチを操作可能にトリガするように、前記スイッチ反り板の前記遠位端の下方に前記スイッチが設けられるスイッチ反り板と、を備えるスイッチアセンブリであって、前記反り板は、小アームと、大アームと、前記小アームと大アームとの間に位置するピボット部と、を有し、前記大アームの長さは、前記小アームの長さより大きく、前記大アームは、前記遠位端を備え、前記スイッチアセンブリは、前記スイッチ反り板の前記ピボット部を保持するための第1保持部と、前記スイッチ反り板の近位端を保持するための第2保持部とをさらに備え、前記第2保持部は、前記スイッチ反り板に押圧力が作用しないときに前記スイッチ反り板の前記小アームが曲げ変形して予圧状態にあり、かつ、前記スイッチ反り板が前記大アームを前記スイッチから離間させる第1モーメントを前記ピボット部の回りに発生させるように、前記小アームの前記ピボット部から離れた一端を保持する。
【0007】
本発明の一態様によれば、スイッチは、弾性部材を備え、前記弾性部材が発生した弾性力は、前記スイッチ反り板の前記大アームに作用し、前記弾性力が前記ピボット部の回りに発生した第2モーメントは、前記第1モーメントの方向と同じである。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、スイッチ反り板の大アームは、前記ピボット部と前記スイッチとの間に押圧部を限定し、前記スイッチアセンブリを作動させる外力は、前記押圧部に作用することができる。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、スイッチアセンブリは、前記清掃看護用具のハウジングに位置するスイッチ部を備え、前記スイッチ部は、変形に適した弾性材料で構成され、前記スイッチ部と前記押圧部とが位置合わせされている。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、第1保持部は、前記清掃看護用具のハウジングに対して静止する部材に設けられ、前記第1保持部は、前記清掃看護用具の内部に位置する一対のU字溝を備え、前記ピボット部は、対応する前記U字溝にそれぞれ収容される一対の軸部を備える。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、前記第2保持部は、前記清掃看護用具のハウジングに対して静止する部材に設けられ、前記第2保持部は、前記清掃看護用具の内部に固定された開孔を備え、前記小アームの自由端は、前記開孔に挿入して保持されている。開孔は、めくら穴でもよいし、貫通穴でもよい。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、前記スイッチは、前記清掃看護用具の内部の配線基板に取り付けられる。
【0013】
また、本発明は、電動的な清掃看護用具を提供し、該電動的な清掃看護用具は、長手方向に沿ってバッテリ及び駆動装置が配置される細長い収容室を形成するハウジングと、前記ハウジング内に収容された上記のようなスイッチアセンブリと、を備え、前記スイッチアセンブリの前記スイッチ反り板は、前記長手方向と略平行に配置されている。
【0014】
本発明による清掃看護用具において、前記スイッチアセンブリの前記スイッチは、前記バッテリと前記駆動装置のモータとの間に設置された配線基板に取り付けられ、前記配線基板は、前記ラックに固定され、前記配線基板は、前記モータの少なくとも1つの電極と前記電源の少なくとも1つの電極とにそれぞれ接続されている。
【0015】
また、本発明による清掃看護用具において、前記ハウジングの内部には、前記駆動装置の少なくとも一部を収容するギアボックスと、前記ギアボックスに取り付けられたギアボックス蓋とが設けられ、前記第1保持部は、前記ギアボックスに設けられ、前記第2保持部は、前記ギアボックス蓋に設けられている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の技術案を採用すると、ハンドルハウジングにおけるスイッチ部の設置位置が人体工学的な設計の要求に合致するとともに、ハウジング内部の各部品のレイアウトのコンパクト性を確保することができる。スイッチ部は、駆動装置の近位端または駆動装置と伝動装置とが接合された位置にほぼ位置しており、スイッチは、スイッチまたはスイッチを取り付けた配線板をバッテリに接続するための長い導線を必要とせずに、上記位置から離れて配置された配線板に直接固定することができるので、電動歯ブラシ内部のレイアウトをよりコンパクトにするとともに、電動歯ブラシ内部の各装置部品の取り付けプロセスを簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明をより完全に理解するために、添付図面を参照して例示的な実施例の以下の説明を考慮することができる。
【0018】
図1図1は、本発明の好適な実施例による電動歯ブラシを示す斜視図である。
図2図2は、本発明の好適な実施例による図1に示す電動歯ブラシの内部構造を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の好適な実施例による図1に示す電動歯ブラシの内部構造を示す別の斜視図であり、ギアボックスが取り外されて内部の伝動機構を示す。
図4図4は、本発明の好適な実施例による図1に示す電動歯ブラシの内部構造を示す別の斜視図であり、バッテリが取り外されている。
図5図5は、本発明の好適な実施例によるスイッチアセンブリのスイッチ反り板の力解析を示す模式図である。
図6図6は、本発明の好適な実施例によるスイッチアセンブリとギアボックスの取り付け嵌合状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、具体的な実施例および図面に合わせて本発明を詳しく説明する。以下の記載では、本発明を十分に理解し易くするために、いろいろな詳細を説明するが、本発明が上記の記載と異なる別の形態で実施できることは明らかであり、当業者にとって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で実際の応用状況に応じて拡張・推論することができるので、本発明の保護範囲が上記の具体的な実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0020】
以下、電動歯ブラシを個人清掃看護用具の典型例として、添付図面に合わせて本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。以下、電動歯ブラシを例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定しない。本発明は、電気シェーバ、電気洗顔器、電気入浴器など、駆動装置により清掃動作を提供する清掃看護用具に適用してもよい。
【0021】
明確にするために、本明細書では、図に示すような1つの要素または特徴と他の要素(1つまたは複数)または特徴(1つまたは複数)との相互関係を簡単に説明するために、空間的相対位置を表す語彙、例えば「近位端/近位側」、「遠位端/遠位側」などを用い、「近位端/近位側」とは、清掃看護用具の使用時に清掃力が作用する位置に近い端部または側部を意味し、「遠位端/遠位側」とは、清掃看護用具の使用時に清掃力が作用する位置から離れた端部または側部を意味する。
【0022】
さらに、本願で使用される語彙「および/または」には、列挙された1つまたは複数の関連語彙のいずれか1つまたはすべての組合せが含まれる。
【0023】
本明細書では、「第1」などの語彙を用いて複数の要素または構成部分を説明したが、これらの要素または構成部分は、これらの語彙によって制限されるべきではない。これらの語彙は、単に1つの要素または構成部分を他の要素または構成部分と区別するために使用され、「順序」を含まない。したがって、以下に説明する要素または構成部分の序数語を相互に入れ替えても、本発明の構想と範囲を超えない。
【0024】
図1は、本発明の好適な実施例による清掃看護用具の外形斜視図を示す。図1に示す清掃看護用具は、片手で把持するのに適したハンドル1と、ハンドル1に着脱可能に取り付けられたブラシヘッド2とを主に備えた電動歯ブラシであり、ハンドル1とブラシヘッド2は、電動歯ブラシ全体の長手方向に沿って隣接して配置されている。ブラシヘッド2には、ブラシ毛などの複数の清掃要素4が設けられている。ハンドル1は、ハンドルハウジング21と、ハンドルハウジング21に取り付けられた各機能部材とを備える。
【0025】
図1に示すように、電動歯ブラシは、略細長い円柱体のハンドルハウジング21を有し、ハンドルハウジング21の中央にスイッチ部3が設けられている。スイッチ部3は、弾性材料からなるダイアフラムを備え、人の指の形状に対応する略円形又は楕円形であってもよい。電動歯ブラシの細長い円柱体形のハンドルハウジング21に対して、スイッチ部3は、使用者がスイッチ部を片手で把持して作動するのに適した中央部の近位端寄りの位置に配置されることが好ましい。好ましくは、弾性材料からなるスイッチ部3は、ハンドルハウジング21と一体に形成されてもよいし、別体に形成されてもよい。
【0026】
図2は、本発明の好適な実施例による電動歯ブラシの内部構成をさらに示す。図2に示すように、電動歯ブラシは、電源としてのバッテリ5と、ブラシヘッド2に駆動力を供給する駆動装置と、ブラシヘッド2に駆動力を伝達する伝動装置と、ブラシヘッド2が取り付けられる駆動軸20と、スイッチアセンブリと、配線基板30と、を備え、これらの部品や部分は、基本的にハンドルハウジング21に形成されたチャンバ内に収容されている。
【0027】
バッテリ5は、ハンドルに近いチャンバ内においてブラシヘッドの遠位端から離れた位置に配置されている。駆動装置は、主にモータ9とラック6を備える。モータ9は、ラック6に固定されており、モータ9の出力軸は、駆動装置に近いモータ9の近位端から突出している。ハンドル1の長手方向において、配線基板30は、モータ9とバッテリ5との間に配置され、通常、配線基板30は、ラック6に固定されている。配線基板30は、モータ9の少なくとも1つの電極と電気的に接続される一方、電源の正負電極の少なくとも1つと電気的に接続されている。
【0028】
さらに、駆動装置の近位端側には、リンク機構と、リンク機構を収容するギアボックスとを主に備える伝動装置が取り付けられている。リンク機構は、モータ9の出力軸と駆動軸20とにそれぞれ接続され、モータ9の出力軸の長手軸線周りの回転運動を駆動軸20の往復回転に変換する。
【0029】
駆動軸20は、電動歯ブラシ100の近位端側に位置し、ハンドルハウジング21の近位端の開口から延出する。駆動軸20は、長手軸線を有し、駆動軸20の長手軸線は、モータ9の出力軸の長手軸線と基本的に平行であり、より好ましくは、2本の長手軸線が一致している。ブラシヘッド2は、駆動軸20とともに駆動軸20の長手軸線周りに往復回動するように、係合構造を介して駆動軸20に係合されている。
【0030】
特に、電動歯ブラシ100におけるスイッチアセンブリは、スイッチ31とスイッチ反り板10とを主に備え、スイッチ31は、配線基板30に直接的に取り付けられ、スイッチ反り板10は、ハンドル1のチャンバ内に駆動装置及び伝動装置とハンドルハウジングとの間の空間に配置されている。スイッチ反り板10の長手方向は、ハンドルの長手方向と略平行に配置されている。
【0031】
図3から、本発明の好適な実施例によるスイッチアセンブリの構成が明らかになる。スイッチ反り板10は、小アーム11と、大アーム14と、小アーム11と大アーム14との間に位置するピボット部13とを有する。好ましくは、反り板10は、樹脂材料により一体成形され、小アーム11、大アーム14及びピボット部13は、一体品となっている。一般には、大アーム14の長手方向の長さは、小アーム11の長手方向の長さよりも大きい。配線基板30に位置するスイッチ31は、大アーム14の自由端または遠位端15の下方に配置されており、これにより、スイッチ31と大アーム14の自由端とが連動して係合することができる。スイッチ反り板10を作動させることで、スイッチ31を相応に作動させて、スイッチ31の電気的な開閉を実現することができる。図3及び図4に示すように、スイッチ反り板10は、板条状を呈しているが、長手方向に沿って異なる幅を有し、小アーム11の近位端12は、狭く、大アーム14の遠位端15は、広い。
【0032】
さらに、図4及び図6に示すように、スイッチフラップ10のピボット部13及びアーム11の近位端12は、保持されて移動が制限されている。具体的には、スイッチ反り板10のピボット部13は、第1保持部に保持される一方、小アーム11の近位端は、第2保持部に保持され、第1保持部と第2保持部は、ハンドルハウジング21に対して静止する部材である。好ましい実施例では、第1保持部及び第2保持部は、いずれも伝動装置のギアボックスに設けられる。
【0033】
図6に示すように、好ましい実施例では、ピボット部13を保持するための第1保持部は、ギアボックスの箱体7に位置する一対のU字溝71を備え、ピボット部13は、それぞれ対応する1つのU字溝71内に収容された一対の軸部を備える。U字溝71は、ハンドルの長手方向と直交する方向への軸部の移動を基本的に規制するが、U字溝71内での軸部の回動を許容する。
【0034】
同時に、図6にも示すように、スイッチ反り板10の近位端12を保持するための第2保持部は、ギアボックスの箱蓋8に位置する開孔81を備え、アーム11の細く狭い近位端12は、開孔81内に挿入されて開孔81に保持固定されている。このとき、ギアボックス蓋の開孔81は、小アーム11の近位端の任意の方向の動きを規制する。明らかに、前記開孔81は、めくら穴でもよいし、貫通穴でもよい。
【0035】
理解すべきところは、第1保持部及び第2保持部は、それぞれギアボックスの箱体7及び箱蓋8の全体の一部であってもよいし、箱体7及び箱蓋8に取り付けられたアタッチメントであってもよい。好ましい実施例では、ピボット部13の一対の軸部は、反り板10の両側に配置されている。他の代替的な実施例では、ピボット部13は、ギアボックスに対向する反り板10の側に設けてもよい。
【0036】
特に、開孔81は、スイッチ31がオフ状態にあるときに、スイッチ反り板10の小アーム11が曲げ変形して予圧状態になるように、小アーム11の近位端12を保持している。そのとき、図5に示すように、スイッチ反り板10は、大アーム14をスイッチ31から離間させる第1モーメントMをピボット部13の回りに発生させる。
【0037】
第1保持部と第2保持部との相対的な位置は、スイッチ反り板10がこのような予圧状態を達成できるように配置されている。具体的には、軸部がU字溝71に収容されたときのスイッチ反り板10の小アーム11が自由延在する状態でその近位端12が位置する位置に対して、ギアボックス蓋の開孔81は、横方向にハンドルチャンバの中心に近い側である内側にオフセットされている。小アーム11の近位端12が開孔81内に強制的に保持されると、小アーム11は、曲げ変形して予圧状態になる。これに対応して、小アーム11における予圧力に応じて、スイッチ反り板10のピボット部13は、大アーム14をスイッチ31から離間させるように、図5に示す方向の第1モーメントMを発生する。
【0038】
一方、スイッチ31は、通常、スイッチ31の可動部材に対して弾性力F2を発生させる弾性部材(図示せず)を有し、図5に示すように、弾性力F2は、スイッチ反り板10の遠位端15に作用し、弾性部材の弾性力F2がピボット部13の回りに発生する第2モーメントは、予圧力が発生する第1モーメントの方向と同じである。
【0039】
スイッチ31自体が発生する第2モーメントと、小アーム11の予圧状態が発生する第1モーメントは、ハンドルハウジング21のスイッチ部3が作動しない場合に、大アーム14の自由端下方のスイッチ31が作動しないことを確保する。
【0040】
図5に示すように、大アーム14は、ピボット部13とスイッチ部3との間に押圧部16を限定し、スイッチアセンブリを作動させるための外力がスイッチ部3を介して大アーム14の押圧部16に作用することができる。好ましくは、押圧部16は、大アーム14の自由端よりもピボット部13に近い。ハウジング21のスイッチ部3は、押圧部16と略一致しており、スイッチ部3が弾性材料で構成されているので、スイッチ部3に作用する押圧力は、大アーム14の押圧部16に伝達することができる。
【0041】
使用者がスイッチ31を作動させる時に、押圧力は、大アーム14の押圧部16に印加され、押圧力の方向は、スイッチ31の弾性力とは逆であり、押圧力は、駆動部13の回りに第1モーメント及び第2モーメントと逆方向の第3モーメントを発生する。押圧力が十分に大きく、第3モーメントが第1モーメントと第2モーメントの和より大きくなると、アーム14の自由端は、ピボット部の回りにスイッチ31に向かって回転してスイッチ31を作動させ、これにより、必要なスイッチ操作を完了することができる。
【0042】
図2に示すように、スイッチ反り板10の近位端12とピボット部13がそれぞれギアボックスに固定されると、スイッチ反り板10は、ギアボックスの近位端から駆動装置とバッテリ5との間の配線基板30の位置まで延び、このときの押圧部16は、駆動装置の近位端に近接する。スイッチ部3は、ハンドルハウジング21の近位端に近い一部にあり、このように、ハンドルを片手で把持するときに指でスイッチ部3をちょうど押すことができる一方、ハウジング21のチャンバにおいて、スイッチ13は、ハンドル全体の長手方向の略中央の位置に配置され、スイッチ31は、ハウジング21上のスイッチ部3から遠ざかるように配置され、ハンドルハウジング21上のスイッチ部3の配置位置が人体工学的な設計の要求に合致するとともに、ハウジング21内部の各部品のレイアウトのコンパクト性を確保できる。スイッチ部3は、駆動装置の近位端または駆動装置と伝動装置とが接合された位置にほぼ位置しており、本発明の技術案を採用すると、スイッチは、この位置から離れて配置することができるが、スイッチまたはスイッチを取り付けた配線基板30をバッテリ5に接続するための長いリード線を必要としないので、電動歯ブラシ内部の各装置部品の取り付けプロセスが簡略化されている。
【0043】
本発明は、上記のように好ましい実施例で開示されたが、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、可能な変更および修正を行うことができる。したがって、本発明の技術案を逸脱しない内容と、本発明の技術実質に基づいて上記実施例に対して行ったいかなる修正、同等の変化および修飾も、本発明の請求項に規定された保護範囲内に入る。
【符号の説明】
【0044】
1 ハンドル
2 ブラシヘッド
3 スイッチ部
4 清掃要素
5 バッテリ
6 ラック
7 箱体
8 箱蓋
9 モータ
10 スイッチ反り板
11 小アーム
12 近位端
13 ピボット部
14 大アーム
15 遠位端
20 駆動軸
21 ハンドルハウジング
30 配線基板
31 スイッチ
71 U字溝
81 開孔
100 電動歯ブラシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃看護用具に用いられるスイッチアセンブリであって、
前記清掃看護用具に対してオンオフ操作を行うためのスイッチ(31)と、
遠位端と近位端とを有するスイッチ反り板であって、前記スイッチ反り板が前記スイッチを操作可能にトリガするように、前記スイッチ反り板の前記遠位端の下方に前記スイッチが設けられるスイッチ反り板(10)と、
を備える、スイッチアセンブリにおいて、
前記反り板は、小アーム(11)と、大アーム(14)と、前記小アームと大アームとの間に位置するピボット部(13)と、を有し、前記大アームの長さは、前記小アームの長さより大きく、前記大アーム(14)は、前記遠位端を備え、
前記スイッチアセンブリは、前記スイッチ反り板の前記ピボット部を保持するための第1保持部と、前記スイッチ反り板の近位端を保持するための第2保持部とをさらに備え、
前記第2保持部は、前記スイッチ反り板に押圧力が作用しないときに前記スイッチ反り板の前記小アームが曲げ変形して予圧状態にあり、且つ、前記スイッチ反り板が前記大アームを前記スイッチから離間させる第1モーメント(M)を前記ピボット部の回りに発生させるように、前記小アームの前記ピボット部から離れた一端を保持することを特徴とするスイッチアセンブリ。
【請求項2】
前記スイッチ(31)は、弾性部材を備え、前記弾性部材が発生した弾性力は、前記スイッチ反り板の前記大アームに作用し、前記弾性力が前記ピボット部の回りに発生した第2モーメントは、前記第1モーメントの方向と同じであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項3】
前記大アームは、前記ピボット部と前記スイッチとの間に押圧部を限定し、前記スイッチアセンブリを作動させる前記押圧力は、前記押圧部に作用することができることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項4】
前記スイッチアセンブリは、前記清掃看護用具のハウジングに位置するスイッチ部を備え、前記スイッチ部は、変形に適した弾性材料で構成され、前記スイッチ部と前記押圧部とが位置合わせされていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項5】
前記第1保持部は、前記清掃看護用具のハウジングに対して静止する部材に設けられ、
前記第1保持部は、前記清掃看護用具の内部に位置する一対のU字溝(71)を備え、前記ピボット部は、対応する前記U字溝にそれぞれ収容される一対の軸部を備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項6】
前記第2保持部は、前記清掃看護用具のハウジングに対して静止する部材に設けられ、
前記第2保持部は、前記清掃看護用具の内部に固定された開孔(81)を備え、前記小アームの前記近位端は、前記開孔に挿入して保持され、前記開孔は、めくら穴または貫通穴であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項7】
前記スイッチは、前記清掃看護用具の内部の配線基板(30)に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項8】
清掃看護用具であって、
長手方向に沿ってバッテリ(5)及び駆動装置が配置される細長い収容室を形成するハウジングと、
前記ハウジング内に収容された請求項1から7のいずれか1項に記載のスイッチアセンブリと、を備え、
前記スイッチアセンブリの前記スイッチ反り板は、前記長手方向と略平行に配置されている清掃看護用具。
【請求項9】
前記スイッチアセンブリの前記スイッチは、前記バッテリと前記駆動装置のモータとの間に設置された配線基板に取り付けられ、前記配線基板は、前記収容室に収容されたラックに固定され、前記配線基板は、前記モータの少なくとも1つの電極と前記バッテリの少なくとも1つの電極とにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項8に記載の清掃看護用具。
【請求項10】
前記ハウジングの内部には、前記駆動装置の少なくとも一部を収容するギアボックス(7)と、前記ギアボックス(7)に取り付けられたギアボックス蓋(8)とが設けられ、前記第1保持部は、前記ギアボックス(7)に設けられ、前記第2保持部は、前記ギアボックス蓋(8)に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の清掃看護用具。
【国際調査報告】