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▶ ワンダーランド スイツァーランド アーゲーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ロック装置
(51)【国際特許分類】
   B62B 7/14 20060101AFI20241114BHJP
   B62B 9/10 20060101ALI20241114BHJP
   B62B 7/08 20060101ALI20241114BHJP
   B62B 9/12 20060101ALI20241114BHJP
   A47D 13/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B62B7/14
B62B9/10 A
B62B7/08
B62B9/12
A47D13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527596
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2022081679
(87)【国際公開番号】W WO2023084058
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111332987.3
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン、シャオジャン
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051AA08
3D051BA03
3D051BA05
3D051BB08
3D051CA08
3D051CG04
3D051CG07
3D051DD04
(57)【要約】
【課題】ロック装置、ロック構造、チャイルドキャリア及びチャイルドキャリのシートの提供。
【解決手段】ロック装置は、ハウジングと、ロック解除ボタンと、ロック部材と、第1の弾性部材と、保持部材と、第2の弾性部材とを含む。ロック部材は、コネクタのロック孔にロックされ、嵌め込まれるように構成されている。第1の弾性部材は、ロック部材をロック状態に保つように構成されている。ロック解除ボタンは、押されるとロック部材をロック解除状態に駆動する。保持部材は、ロック解除ボタンと係合可能であり、ロック解除ボタンをロック部材がロック解除される押圧位置に保持し、第2の弾性部材は、保持部材がロック解除ボタンと係合する係合位置に保持部材を保持するように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、ロック解除ボタンと、ロック部材と、前記ハウジング上に配置された第1の弾性部材とを含む、ロック装置であって、
前記ロック部材は、コネクタのロック孔にロックされて嵌合するように構成され、前記第1の弾性部材は、前記ロック部材をロック状態に維持するように構成され、前記ロック解除ボタンは、押されると、前記ロック部材をロック解除状態に駆動し、
前記ロック装置は、前記ハウジング上に配置される保持部材と第2の弾性部材とをさらに含み、
前記保持部材は、前記ロック解除ボタンと係合して、前記ロック解除ボタンを前記ロック部材がロック解除される押圧位置に保持するように構成され、前記第2の弾性部材は、前記保持部材が前記ロック解除ボタンと係合する係合位置に前記保持部材を保持するように構成される、ロック装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記コネクタに嵌合される取付チャネルを有し、前記保持部材は、前記取付チャネル内に延びる当接部を有し、前記ロック装置と前記コネクタとの取付け又は取外しの際に、前記当接部は、前記コネクタによって押されて前記保持部材を前記ロック解除ボタンから離脱させ、前記ロック解除ボタンが初期位置に戻ることを可能にする、請求項1に記載のロック装置。
【請求項3】
前記ロック解除ボタンの移動方向は、前記保持部材の移動方向に対して垂直である、請求項1に記載のロック装置。
【請求項4】
前記取付チャネルは、第1のシュートを含み、前記第1のシュートは、前記コネクタの第1のスライドレールに嵌合するように構成され、前記当接部は、前記第1のシュート内に延在し、前記第1のスライドレールの位置決め凹部に嵌合可能であり、
前記ロック装置と前記コネクタとの取付け又は取外しの際に、前記係止部材を前記ロック解除ボタンから離脱させるために、前記係止部材が前記コネクタの第1のスライドレールによって押されることが可能である、
請求項2に記載のロック装置。
【請求項5】
前記第1のシュートは、開放端である第1の端部および閉鎖端である第2の端部を含み、
前記ロック部材は、前記コネクタのロック孔に嵌合するように構成された舌片部を含み、該舌片部は、前記第1のシュートの第2の端部と協働して、前記コネクタの第1のスライドレールの前記第1のシュートに対する移動を制限する、
請求項4に記載のロック装置。
【請求項6】
前記取付チャネルは、前記第1のシュートと平行な第2のシュートをさらに含み、前記第2のシュートは、前記コネクタ上の第2のスライドレールに嵌合するように構成され、前記ロック部材は、前記第1のシュートと前記第2のシュートとの間に配置されている、請求項4に記載のロック装置。
【請求項7】
前記第2のシュートは、開放端である第1の端部と、閉鎖端である第2の端部とを有し、
前記ロック部材は、前記コネクタのロック孔に嵌合するように構成された舌片部を有し、該舌片部は、前記第2シュートの第2端部と協働して、前記コネクタの第2スライドレールの前記第2シュートに対する移動を制限する、
請求項6に記載のロック装置。
【請求項8】
前記当接部は、前記第1のシュート内に延びる突出頂部と、前記第1のスライドレールの引き抜き方向に面する第1の押圧斜面と、前記第1のスライドレールの挿入方向に面する第2の押圧斜面とを含み、または、
前記当接部は円弧状である、
請求項4に記載のロック装置。
【請求項9】
前記ハウジングは内側キャビティを備え、
前記ロック解除ボタンの第1の端部は力を受ける端部であり、前記ロック解除ボタンの第2の端部は内側キャビティ内に位置し、
前記保持部材が前記内側キャビティに配置され、
前記ロック解除ボタンと前記保持部材の一方はスロットを備え、他方は係合突起を備え、前記スロットと前記係合突起は互いに係合して前記ロック解除ボタンを押圧位置に保持する、
請求項2から8のいずれか一項に記載のロック装置。
【請求項10】
前記ロック解除ボタンが押されている間であって、前記係合突起に前記スロットが係合する前に、前記ロック解除ボタンは、該ロック解除ボタンおよび前記保持部材の少なくとも一方に配置された傾斜押圧面を介して、前記保持部材を押して前記ロック解除ボタンの移動経路から退出させる、請求項9に記載のロック装置。
【請求項11】
前記保持部材は、底部、第1の伸長部分および第2の伸長部分を含み、前記第1の伸長部分および前記第2の伸長部分は、前記底部から延在し、互いに対向し、前記第1のシュートは、前記第1の伸長部分と前記第2の伸長部分との間を通り、そして、
前記係合突出部は、前記第1の伸長部分上に位置し、前記係合突起は、前記第2の伸長部分に位置し、前記係合突起から逸脱している、
請求項9に記載のロック装置。
【請求項12】
前記第2の弾性部材はバネであり、前記保持部材の底部には取付溝が設けられており、前記第2の弾性部材の第1の端部は前記取付溝に収容され、前記第2の弾性部材の第2の端部は前記ロック解除ボタンから離れる方向に延びる、請求項11に記載のロック装置。
【請求項13】
前記ロック部材の第1の端部は、前記内側キャビティ内のロック解除ボタンに動作可能に接続され、前記ロック部材の第2の端部は、前記内側キャビティから延びるように適合され、
前記内側キャビティは、第1のガイド構造、第2のガイド構造、および第3のガイド構造を備え、
前記ロック解除ボタンは前記第1のガイド構造とスライド嵌合し、前記ロック部材は前記第2のガイド構造とスライド嵌合し、前記保持部材は前記第3のガイド構造と摺動嵌合し、
前記ロック解除ボタン、前記ロック部材、及び、前記保持部材の移動方向は互いに垂直である、
請求項9に記載のロック装置。
【請求項14】
前記ロック解除ボタンは、押圧部と、第1のアームと、第2のアームとを含み、前記第1のアームと前記第2のアームとは、前記押圧部から延びて互いに対向し、前記ロック部材は、前記第1のアームと前記第2のアームとの間に配置され、前記第1のアームは、前記保持部材に近接して配置され、前記スロットを備える、請求項9に記載のロック装置。
【請求項15】
前記第1のアームおよび前記第2のアームの各々は、前記ロック部材と接触するための第3の斜面を備え、および/または、前記ロック部材は、前記第1のアームおよび前記第2のアームとそれぞれ接触するための第4の斜面を備え、そして、前記第1の弾性部材はバネであり、該第1の弾性部材は前記ロック部材に当接する、請求項14に記載のロック装置。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載のロック装置と、該ロック装置に嵌合するように構成されたコネクタとを含み、該コネクタには、前記ロック装置のロック部材に嵌合するロック孔が設けられている、ロック構造。
【請求項17】
シートおよびフレームを含み、請求項16に記載のロック構造をさらに含むチャイルドキャリアであって、前記シートおよび前記フレームの一方に前記ロック装置が取り付けられ、前記シートおよび前記フレームの他方に前記コネクタが取り付けられている、チャイルドキャリア。
【請求項18】
請求項1から15のいずれか一項に記載のロック装置を含む、チャイルドキャリアのシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ロック装置、ロック構造、チャイルドキャリア、およびチャイルドキャリアのシートに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーのようなチャイルドキャリアを使えば、小さな子供を抱っこして野外活動をするのが簡単になる。収納や持ち運びを容易にするため、チャイルドキャリアは一般的に、折り畳み式に設計されている。折り畳み後のチャイルドキャリアの容積をさらに小さくするため、チャイルドキャリアのフレームやシートは取り外し可能な構造になっているものもある。チャイルドキャリアの装着時には、シートがフレームの装着部に挿入され、シートとフレームがロック装置を介してロックされることで、シートとフレームの相対移動が防止され、シートがフレームに安定的に支持される。チャイルドキャリアを取り外す場合、ユーザは、一方の手でロック装置のロック解除ボタンを押し、ロック装置をロック解除状態に保つと同時に、他方の手でシートを引き上げてフレームからシートを取り外す必要があるため、フレームからのシートの取り外しが煩雑で不便であり、使用感に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明は、ロック装置とコネクタとを簡単に取り外すことができるように、ロック解除操作が簡単なロック装置を提供することを目的とする。本願発明は、さらに、ロック装置、チャイルドキャリア、およびチャイルドキャリアのシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本願発明は、以下のものを含むロック装置を提供する。ハウジングと、ハウジング上に配置されたロック解除ボタン、ロック部材、および第1の弾性部材を含み、ロック部材は、コネクタのロック孔にロックされ、嵌合するように構成され、第1の弾性部材は、ロック部材をロック状態に維持するように構成され、ロック解除ボタンは、押されると、ロック部材をロック解除状態に駆動する。ここで、ロック装置は、ハウジング上に配置される保持部材および第2の弾性部材をさらに含み、保持部材は、ロック部材がロック解除される押圧位置にロック解除ボタンを保持するためにロック解除ボタンと係合するように構成され、第2の弾性部材は、保持部材がロック解除ボタンと係合する係合位置に保持部材を保持するように構成される。
【0005】
本願発明に係るロック装置では、保持部材とロック解除ボタンとの係合によりロック解除ボタンが押圧位置に保持されるので、コネクタに接続されたロック部材がロック解除状態に保持される。このようにすれば、ユーザは、ロック装置によるコネクタのロックを解除する際に、必ずしもロック解除ボタンを常時押下する必要はなく、ロック装置とコネクタとの着脱操作を容易に行うことができる。
【0006】
さらに、ハウジングは、コネクタに嵌合される取付チャネルを備え、保持部材は、取付チャネル内に延びる当接部(abutting portion)を有し、ロック装置とコネクタとの取付けまたは取外しの際に、当接部がコネクタによって押されて保持部材がロック解除ボタンから外れ、ロック解除ボタンが初期位置に戻ることが可能である。保持部材は、コネクタの分解中にコネクタによって押されるように適合された当接部を備えているので、保持部材はロック解除ボタンから外れて初期位置に戻ることができ、それによってロック部材の次のロックに影響を与えない。
【0007】
さらに、ロック解除ボタンの移動方向は、保持部材の移動方向に対して垂直であるため、ロック装置の構造をよりコンパクトにすることができる。
【0008】
さらに、取付チャネルは、第1のシュートを含み、第1のシュートは、コネクタ上の第1のスライドレールに嵌合するように構成され、当接部は、第1のシュート内に延在し、第1のスライドレールの位置決め凹部に嵌合可能であり、コネクタへのロック装置の取り付け又はコネクタからの取り外し中、当接部は、コネクタの第1のスライドレールによって押されて、保持部材をロック解除ボタンから離脱させることが可能である。このようにすれば、ユーザはロック解除ボタンを直接操作する必要がなく、ロック解除ボタンは第1の弾性部材の作用で自動的に初期位置に戻ることができる。
【0009】
さらに、第1のシュートは、開放端である第1の端部と、閉鎖端である第2の端部とを有し、ロック部材は、コネクタのロック孔に嵌合するように構成された舌片部(tongue portion)を有し、舌片部は、第1のシュートの第2の端部と協働して、第1のシュートに対するコネクタの第1のスライドレールの移動を制限し、ロック装置と一緒に取り付けられたコネクタとが相対的にスライドしないようにする。
【0010】
さらに、取付チャネルは、第1のシュートと平行な第2のシュートをさらに含み、第2のシュートは、コネクタ上の第2のスライドレールに嵌合するように構成され、ロック部材は、第1のシュートと第2のシュートとの間に配置される。このようにすることで、ロック装置とコネクタの組立がより安定し、信頼性が高まる。
【0011】
さらに、第2のシュートは、開放端である第1の端部と、閉鎖端である第2の端部とを有し、ロック部材は、コネクタのロック孔に嵌合するように構成された舌片部を有し、舌片部は、第2のシュートの第2の端部と協働して、第2のシュートに対するコネクタの第2のスライドレールの移動を制限し、ロック装置と一緒に取り付けられたコネクタとが相対的にスライドしないようにする。
【0012】
さらに、当接部は、第1のシュート内に延びる突出頂部(protruding top)と、第1のスライドレールの引き出し方向(pull-out direction)を向く第1の押圧斜面(pushing slope)と、第1のスライドレールの挿入方向(insertion direction)を向く第2の押圧斜面とを含むか、または、当接部は、円弧状である。このようにすれば、第1のスライドレールが、第1のシュートに挿入された状態であっても、第1のシュートから引き出された状態であっても、当接部を押して第1のシュートから容易に抜け出すことができるので、第1のスライドレールの移動に影響を与えることなく、保持部材をロック解除ボタンから外すことができる。
【0013】
さらに、ハウジングは内側キャビティ(inner cavity)を備え、ロック解除ボタンの第1の端部は力を受ける端部であり、ロック解除ボタンの第2の端部は内側キャビティに位置し、保持部材は内側キャビティに位置し、ロック解除ボタンと保持部材の一方はスロットを備え、他方は係合突起を備え、スロットと係合突起は互いに係合してロック解除ボタンを押圧位置に保持する。このように、ロック解除ボタンと保持部材に簡単な係合構造が提供される。
【0014】
さらに、ロック解除ボタンが押圧されている間であって、係合突起にスロットが係合する前に、ロック解除ボタンは、ロック解除ボタンおよび保持部材の少なくとも一方に配設された傾斜押圧面を介して、保持部材を押圧してロック解除ボタンの移動経路から退出させる。このようにして、保持部材は、ロック解除ボタンの下方への移動を妨げない。
【0015】
さらに、保持部材は、底部、第1の伸長部分および第2の伸長部分を含む。第1の伸長部分および第2の伸長部分は、底部から延び、互いに対向しており、第1のシュートは、第1の伸長部分と第2の伸長部分との間を通過する。当接部は第1の伸長部分に位置し、係合突起は第2の伸長部分に位置し、係合突起から逸脱しているので、簡単な構造の保持部材を提供することができる。
【0016】
さらに、第2の弾性部材はバネであり、保持部材の底部には取付溝が設けられ、第2の弾性部材の第1の端部は取付溝に収容され、第2の弾性部材の第2の端部はロック解除ボタンから離れる方向に延びている。第2の弾性部材の少なくとも一部が取付溝に収容されることは、ロック装置の構造のコンパクト化に寄与する。
【0017】
さらに、ロック部材の第1の端部は、内側キャビティ内のロック解除ボタンに作動可能に接続され、ロック部材の第2の端部は、内側キャビティから延びるように適合されている。内側キャビティは、第1のガイド構造、第2のガイド構造、および第3のガイド構造を備える。ロック解除ボタンは第1のガイド構造とスライド嵌合(sliding fit)し、ロック部材は第2のガイド構造と摺動嵌合し、保持部材は第3のガイド構造と摺動嵌合する。ロック解除ボタン、ロック部材、および保持部材の移動方向は、互いに垂直である。このようなレイアウトは、ロック装置の構造のコンパクト化に寄与する。
【0018】
さらに、ロック解除ボタンは、押圧部、第1のアームおよび第2のアームを含み、第1のアームおよび第2のアームは、押圧部から延び、互いに対向し、ロック部材は、第1のアームと第2のアームとの間に位置する。第1のアームは保持部材に近接し、スロットが設けられている。このように、簡単な構造のロック解除ボタンが提供される。
【0019】
さらに、第1のアームおよび第2のアームの各々は、ロック部材と接触するための第3の斜面を備え、および/または、ロック部材は、第1のアームおよび第2のアームとそれぞれ接触するための第4の斜面を備える。第1の弾性部材はバネであり、第1の弾性部材はロック部材に当接する。このように、ロック解除ボタンとロック部材に、簡単な構造で操作可能な接続態様が提供される。
【0020】
別の態様において、本願はさらに、上述したロック装置と、ロック装置に嵌合するように構成されたコネクタとを含むロック構造を提供し、コネクタは、ロック装置のロック部材に嵌合するロック孔を備える。
【0021】
さらに別の態様において、本願は、シート、フレーム、および上述のロック構造を含むチャイルドキャリアをさらに提供する。シートおよびフレームの一方にはロック装置が取り付けられ、シートおよびフレームの他方にはコネクタが取り付けられる。
【0022】
さらなる態様において、本願は、上述のロック装置を含むチャイルドキャリアのシートをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の一実施形態によるロック装置を備える、本発明の一実施形態によるチャイルドキャリアのシートを概略的に示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態によるチャイルドキャリアのフレームを概略的に示すの斜視図であり、このフレームは、本発明の一実施形態によるロック装置に嵌合するように構成されたコネクタを備えている。
図3図3は、本発明の実施形態によるチャイルドキャリアの側面図を概略的に示す図であり、ロック装置とコネクタとが相互に接続され、ロック解除ボタンが初期位置にある。
図4図4は、本発明の実施形態によるチャイルドキャリアを概略的に示す側面図であり、この図において、ロック解除ボタンは押圧位置にある。
図5図5は、本発明の一実施形態によるチャイルドキャリアにおけるロック装置を概略的に示す断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態によるチャイルドキャリアにおけるいくつかの部品を概略的に示す正面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態によるチャイルドキャリアの一部の部品を一方向から見た状態を概略的に示す斜視図であり、チャイルドキャリアの側面に配置されたロック装置およびコネクタが分解図の形で示されている。
図8図8は、本発明の実施形態によるチャイルドキャリアのいくつかの部品を別の方向から見た状態を概略的に示す斜視図であり、チャイルドキャリアの片側に配置されたロック装置およびコネクタが分解図の形で示されている。
図9図9は、本発明の実施形態によるロック装置におけるロック解除ボタンを概略的に示す斜視図である。
図10図10は、本発明の一実施形態によるロック装置におけるロック部材を概略的に示す斜視図である。
図11図11は、本発明の実施形態によるロック装置における保持部材を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施形態によるチャイルドキャリア200(図3参照)のシート8の構造を示す図である。シート8には、本発明の実施形態によるロック装置100が設けられている。図2は、本発明の実施形態によるチャイルドキャリア200のフレーム9の構造を示す図である。フレーム9には、ロック装置100とロック可能に構成されたコネクタ7が設けられており、ロック装置100に嵌め込まれている。図3から図8は、シート8とフレーム9とによって組み立てられたチャイルドキャリア200の構造を示している。図から分かるように、本発明の実施形態におけるチャイルドキャリア200は、ベビーカーとして図示されている。チャイルドキャリア200の種類は、ベビーカーに限定されないことが理解されよう。例えば、他の実施形態において、チャイルドキャリア200は、ハイチェア、ベビーハンモック等であってもよい。さらに、本発明の実施形態によるロック装置100の適用範囲は、チャイルドキャリア200に限定されない。ロック装置100は、任意の適切な製品に適用することもできる。
【0025】
図1図7を一緒に参照すると、ロック装置100は、ハウジング1、およびハウジング1に取り付けられるロック解除ボタン2、ロック部材3、第1の弾性部材4、保持部材5、および第2の弾性部材6を含むことができる。
【0026】
図7および図8を一緒に参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング1は、内側キャビティ10を画定する第1のハウジング部分1aおよび第2のハウジング部分1bを含んでよい。ハウジング1は、第1の開口部101および第2の開口部102を備えてもよい。第1の開口部101は、例えば、第1のハウジング部分1aの側壁と第2のハウジング部分1bの側壁とによって共同で画定される。第2の開口部102は、例えば、コネクタ7に面する第2のハウジング部分1bの端壁に配置される。図1図2とを一緒に参照すると、ハウジング1は、コネクタ7に嵌め込まれた取付チャネル120をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、取付チャネル120は、例えば、並列に配置された第1のシュート11および第2のシュート12を含むことができる。第2の開口部102は、第1のシュート11と第2のシュート12との間に配置されてもよい。コネクタ7は、第1のシュート11とスライド自在に嵌合する第1のスライドレール71と、第2のシュート12とスライド自在に嵌合する第2のスライドレール72とを備えていてもよい。コネクタ7は、第2の開口部102に対向するロック孔70をさらに備える。ロック孔70は、第1のスライドレール71と第2のスライドレール72との間に対応して配置されている。
【0027】
図3を参照すると、ロック解除ボタン2の第1の端部201は、力を受ける端部である。ロック解除ボタン2が初期位置(ロック解除ボタンが押されていない位置)にあるとき、ロック解除ボタン2の第1の端部201は、例えば、ハウジング1の外側に位置する。ロック解除ボタン2の第2の端部202は、第1の開口部101を通って内側キャビティ10内に延在している。
【0028】
図6を参照すると、ロック部材3の第1の端部31は、内側キャビティ10内のロック解除ボタン2に操作可能に接続され、ロック部材3の第2の端部32は、第2の開口部102から延びてコネクタ7のロック孔70にロックされ嵌合することができる。ロック部材3は、その第2の端部32が第2の開口部102から延びるロック状態と、第2の端部が第2の開口部102から引っ込むロック解除状態とを有することが理解され得る。ロック部材3がロック状態にあるとき、コネクタ7とロック装置100は、コネクタ7とロック装置100の相対移動を防止するようにロックされる。
【0029】
幾つかの実施形態では、コネクタ7とロック装置100の相対移動は、ロック部材3とロック孔70との協働によってのみ阻止され得る。いくつかの他の実施形態では、図1図6及び図7を参照すると、第1のシュート11の第1の端部111は開放端であってもよく、第1のシュート11の第2の端部112は閉鎖端であってもよい。第2のシュート12の第1の端部121は開放端であってもよく、第2のシュート12の第2の端部122は閉鎖端であってもよい。ロック部材3の第2の端部32は、舌片部を有する。具体的な実施例では、舌片部はくさび形(wedge-shaped)の表面を有することが理解されよう。ロック装置100がコネクタ7に装着されると、コネクタ7の第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72は、それぞれ、第1の端部111から第1のシュート11に挿入され、第1の端部121から第2のシュート12に挿入される。第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72がそれぞれ第1のシュート11の第2の端部112及び第2のシュート12の第2の端部122に当接するように移動すると、ロック部材3の舌片部がコネクタ7のロック孔70内に延びる。この場合、第1のシュート11の第2の端部112及び第2のシュート12の第2の端部122は、舌片部と協働してコネクタ7とロック装置100との相対移動を阻止するので、コネクタ7の第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72の、第1のシュート11及び第2のシュート12に対する相対移動は制限される。
【0030】
本実施形態において、取付チャネル120は、第1のシュート11及び第2のシュート12を含み得ることに留意されたい。幾つかの実施形態では、取付チャネル120は、第1のシュート11、第2の開口部102及びロック部材3の位置の合理的な配置によって、第2のシュート12を備えていなくてもよいことが理解され得る。従って、コネクタ7は、第2のスライドレール72を備えていなくてもよい。さらに、第1のシュート11の第2の端部112および第2のシュート12の第2の端部122は、閉鎖端でなくてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、位置制限突起は、第1のシュート11の第2の端部112及び第2のシュート12の第2の端部122の近傍にそれぞれ配置されてもよい。第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72の移動は、このような位置制限突起を介して停止される。
【0031】
図6を参照すると、第1の弾性部材4は、ロック部材3をロック状態に維持するように構成されており、ロック解除ボタン2は、押されたときにロック部材3にロック解除力を加えるので、ロック部材3は、第1の弾性部材4の力に打ち勝って第2の開口部102から引っ込むことができ、ロック部材3の第2の端部32がロック孔70から外れるロック解除状態に移動するまで、ロック部材3の第2の端部32がロック孔70から外れることにより、ロック装置100によるコネクタ7のロックが解除される。
【0032】
関連技術との組み合わせで知ることができるように、ロック解除ボタン2は、ロック解除ボタン2とロック部材3が以下の関係を満たすことを条件として、任意の適切な構造を介してロック部材3に操作可能に接続することができる。すなわち、ロック解除ボタン2が押されていない初期位置にあるとき、ロック部材3の第2の端部32は、コネクタ7のロック孔70に延び出して係合する。ロック部材3の第2の端部32をコネクタ7のロック孔70から離脱させる必要がある場合、ロック解除ボタン2が図3の矢印Pで示す方向に沿って押され、ロック解除ボタン2がロック部材3を付勢しながら移動させ、ロック部材3の第2の端部32をコネクタ7のロック孔70から離脱させることができる。幾つかの実施形態では、ロック解除ボタン2の移動方向は、ロック部材3の移動方向に対して垂直である。例えば、図3及び図4を参照すると、この実施形態では、ロック解除ボタン2の移動方向は半径方向であり、ロック部材3の移動方向は軸方向である。先行技術のロック装置によれば、ユーザがロック解除ボタン2を押さなくなると、ロック部材3は直接ロック状態に戻り、ロック解除ボタン2は第1の弾性部材4の作用により直接初期位置に戻る。
【0033】
図4図7及び図8を参照すると、保持部材5は、内側キャビティ10内に収容され得る。ロック解除ボタン2が初期位置から押圧位置に移動すると、保持部材5がロック解除ボタン2と係合することができるので、ロック解除ボタン2はロック部材3のロックが解除された押圧位置に保持される。いくつかの実施形態では、ロック解除ボタン2にはスロット210が設けられ、保持部材5には係合突起521が設けられることがある。スロット210と係合突起521は、ロック解除ボタン2が押圧位置にあるときに互いに係合する。すなわち、スロット210と係合突起521とが係合することにより、ロック解除ボタン2が押圧位置に保持される。保持部材5とロック解除ボタン2とが互いに係合する態様は、上記の例に限定されないことが理解されよう。例えば、幾つかの実施形態では、ロック解除ボタン2に係合突起を設け、保持部材5に係合突起と係合するスロットを設けてもよい。
【0034】
図4を参照すると、第2の弾性部材6は、保持部材5がロック解除ボタン2と係合する係合位置に保持部材5を保持するように構成されている。このようにして、ロック装置100によるコネクタ7のロックを解除してコネクタ7とロック装置100とを分離する必要があるとき、ユーザは、必ずしもロック解除ボタン2を常時押圧する必要はない。
【0035】
図1及び図3を参照すると、保持部材5は、取付チャネル120内に延びる当接部511を有する。コネクタ7をロック装置100に取り付ける際、または、ロック装置100から取り外す際、係止部材5が第2の弾性部材6の力に打ち勝ってロック解除ボタン2から外れるように、当接部511はコネクタ7によって押されることができる。このようにすると、ユーザはロック解除ボタン2を直接操作する必要がなく、ロック解除ボタン2は第1の弾性部材4の作用により自動的に初期位置に戻ることができる。
【0036】
ロック解除ボタン2が初期位置に戻った後、保持部材5が第2の弾性部材6(図3参照)の作用下にロック解除ボタン2の移動経路(moving path)に戻ることは、上記と組み合わせて理解され得る。ロック解除ボタン2が再び押されて下方に移動し、スロット210が係合突起521に係合する前に、ロック解除ボタン2が保持部材5を駆動し、保持部材5が第2の弾性部材6の力に打ち勝って引っ込むことができる。このようにして、保持部材5はロック解除ボタン2の移動経路から外れ、ロック解除ボタン2の下方への移動を妨げなくなる。ロック解除ボタン2が押圧位置に達した後、保持部材5は、第2の弾性部材6に付勢されて伸長し、係合突起521とスロット210との係合を介してロック解除ボタン2と係合する。図3を参照すると、いくつかの実施形態では、ロック解除ボタン2に第1の傾斜押圧面212を配置し、保持部材5に第2の傾斜押圧面5212を配置してもよい。ロック解除ボタン2の押圧中、第1の傾斜押圧面212と第2の傾斜押圧面5212は互いに当接し、ロック解除ボタン2が保持部材5を押してロック解除ボタン2の移動経路から出ることができる。
【0037】
図1から図3を併せて参照すると、いくつかの実施形態では、当接部511は、取付チャネル120の第1のシュート11内に延びていてもよい。さらに、コネクタ7の第1のスライドレール71は、位置決め凹部710を備えてもよい。コネクタ7とロック装置100が一緒に装着されるとき、係止部材5とロック解除ボタン2との係合に影響を与えないように、当接部511が位置決め凹部710に嵌合される。コネクタ7のロック装置100への取り付け又はロック装置100からの取り外しの際、第1のスライドレール71が第1のシュート11に対して相対的に移動し、第1のスライドレール71が当接部511を押して移動し、保持部材5の係合突起521がロック解除ボタン2のスロット210から外れることがある。
【0038】
図3を参照すると、当接部511は、第1のシュート11内に延びる突出頂部5110(図11参照)と、第1のスライドレール71の引き出し方向を向く第1の押圧斜面5111と、第1のスライドレール71の挿入方向を向く第2の押圧斜面5112とを含む、ほぼ台形状であってもよい。従って、第1のスライドレール71の位置決め凹部710は、当接部511の形状と一致する台形の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、当接部511は、例えば、円弧の形状であってもよい。この場合、第1のスライドレール71の位置決め凹部710も、これに対応して円弧状である。
【0039】
図7および図8を併せて参照すると、いくつかの実施形態において、ロック解除ボタン2の移動方向M1は、保持部材5の移動方向M3に対して略垂直である。好ましくは、ロック解除ボタン2の移動方向M1と、ロック部材3の移動方向M2と、保持部材5の移動方向M3とは、互いに略垂直である。このようなレイアウトは、ロック装置100の構造のコンパクト化に寄与する。例えば、ハウジング1の内側キャビティ10は、第1のガイド構造103、第2のガイド構造104及び第3のガイド構造105を備えることができる。ロック解除ボタン2は第1のガイド構造103と摺動嵌合(sliding fit)し、ロック部材3は第2のガイド構造104と摺動嵌合し、保持部材5は第3のガイド構造105と摺動嵌合する。
【0040】
図7図8および図11を合わせて参照すると、本実施形態では、保持部材5の好ましい実施態様が示されている。保持部材5は、底部53、第1の伸長部分51および第2の伸長部分52を含むことができる。第1の伸長部分51および第2の伸長部分52は、底部53から延びており、互いに対向している。第1のシュート11は、第1の伸長部分51と第2の伸長部分52との間を通過する。当接部511は第1の伸長部分51上に位置し、係合突起521は第2の伸長部分52上に位置し、第1のシュート11から逸脱している。第2の弾性部材6はバネであってもよく、保持部材5の底部53には取付溝530が設けられていてもよく、第2の弾性部材6の第1の端部は取付溝530に収容され、第2の弾性部材6の第2の端部62はロック解除ボタン2から離れる方向に延びている。第2の弾性部材6の第2の端部62は、例えば、内側キャビティ10のキャビティ壁に当接する。
【0041】
図7から図10を併せて参照すると、本実施形態では、ロック解除ボタン2およびロック部材3の好ましい実施態様がさらに示されている。ロック解除ボタン2は、押圧部23と、第1のアーム21と、第2のアーム22とを含むことができる。第1のアーム21および第2のアーム22は、押圧部23から延び、互いに対向している。押圧部23は、ロック解除ボタン2の第1の端部201に位置し、第1のアーム21および第2のアーム22の尾端は、ロック解除ボタン2の第2の端部202を形成する。ロック部材3は、第1のアーム21と第2のアーム22との間に配置される。第1のアーム21は保持部材5に近接して配置され、スロット210を備え、第2のアーム22は保持部材5から離れて配置されてもよい。第1のアーム21及び第2のアーム22の各々は、ロック部材3と接触するための第3の斜面25を備え、ロック部材3は、第1のアーム21及び第2のアーム22とそれぞれ接触するための第4の斜面36を備える。この実施形態では、第3の斜面25と第4の斜面36は、スライド嵌合されている。他の実施形態では、第3の斜面25と第4の斜面36とを交互に配置してもよく、これによってもロック解除ボタン2とロック部材3との間の操作可能な接続を実現できることを理解されたい。第1の弾性部材4は、バネであってもよい。第1の弾性部材4は、例えば一端がロック部材3に押し付けられ、例えば他端が内側キャビティ10のキャビティ壁に当接する。
【0042】
本願発明の実施形態は、ロック装置100をさらに提供する。このロック装置は、ハウジング1を含み、ロック装置100は、ハウジング1上に配置されるロック解除ボタン2、ロック部材3及び第1の弾性部材4を更に含む。ロック部材3は、コネクタ7のロック孔70にロックされ、嵌合するように構成されている。第1の弾性部材4は、ロック部材3をロック状態に維持するように構成されている。ロック解除ボタン2は、押されるとロック部材3をロック解除状態に駆動する。ロック装置100は、ハウジング1上に配置される保持部材5および第2の弾性部材6をさらに含む。保持部材5は、ロック部材3のロックが解除される押圧位置にロック解除ボタン2を保持するようにロック解除ボタン2と係合するように構成され、第2の弾性部材6は、保持部材5がロック解除ボタン2と係合する係合位置に保持部材5を保持するように構成される。
【0043】
本願発明の実施形態は、ロック構造をさらに提供する。このロック構造は、上述したロック装置100と、上述したコネクタ7とを含む。コネクタ7のスライドレール(例えば、第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72を含む)がロック装置100(例えば、第1のシュート11及び第2のシュート12を含む)の取付溝120に挿入された後、ロック装置100のロック部材3がコネクタ7のロック孔70に挿入され、ロック装置100がコネクタ7に確実に接続される。
【0044】
本願発明の実施形態は、チャイルドキャリア200をさらに提供する。チャイルドキャリア200は、シート8およびフレーム9と、上述したロック構造とを含む。シート8およびフレーム9の一方にはロック装置100が取り付けられ、他方にはコネクタ7が取り付けられる。
【0045】
以下、本願発明の本実施形態に係るロック構造を備えたチャイルドキャリア200におけるシート8及びフレーム9の分解および組立工程について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
【0046】
組立時には、シート8とフレーム9とを互いに位置合わせし、ロック部材3がロック孔70に挿入されるまで、第1のスライドレール71と第2のスライドレール72を、第1のシュート11と第2のシュート12に挿入する。図3を参照すると、この場合、ロック解除ボタン2は初期位置にあり、ロック部材3の第2の端部はロック孔70に挿入され、当接部511は位置決め凹部710に延在している。
【0047】
分解時には、図4を参照して、ロック解除ボタン2が下方に押され、ロック解除ボタン2がロック部材3を後退させるように押して、ロック部材3がロック孔70から出るようにする。ロック解除ボタン2は同時に保持部材5を押して引っ込める。ロック解除ボタン2がスロット210と保持部材5の係合突起521とが一致する押圧位置に移動すると、第2の弾性部材6の作用により、保持部材5の係合突起521がスロット210に挿入されるので、ロック解除ボタン2は押圧位置に保持され、ロック部材3はロック孔70から離脱したロック解除状態に保持される。この場合、シート8を持ち上げることで、シート8をフレーム9から取り外すことができる。シート8の取り外しの間、第1のスライドレール71が第1の押圧斜面5111を押して移動するため、係合突起521がスロット210から後退して係合が解除され、ロック解除ボタン2は第1の弾性部材4の作用で初期位置に戻る(この場合、ロック部材3の第2の端部32はロック孔70から離脱しており、ロック解除ボタン2が復帰した後にロック部材3の第2の端部32が再び外側に張り出したとしても、ロック部材3の第2の端部32はロック孔70に係合することができないので、シート8の取り外しに影響はない)。シート8がフレーム9から取り外された後、ロック解除ボタン2と保持部材5は図8に示す位置に戻る。
【0048】
シート8がフレーム9から取り外された後、ロック解除ボタン2が誤って押され、ロック部材3のロックが解除された押圧位置に保持部材5によって保持されることがある。しかし、再びシート8をフレーム9に装着する際には、第1のシュート11への第1のスライドレール71の挿入時に、第1のスライドレール71が保持部材5の第2の押圧斜面5112を駆動して移動し、係合突起521がスロット210から後退して係合が解除され、ロック解除ボタン2が初期位置に戻り、次のロック解除ボタン2の押下操作に影響を与えないようにすることができる。
【0049】
上記実施形態における技術的特徴は、ランダムに組み合わせてもよい。簡潔な説明のため、上記実施形態における技術的特徴の全ての可能な組み合わせが記載されているわけではない。しかしながら、技術的特徴の全ての組み合わせは、互いに矛盾しない限り、本明細書に記載される範囲に含まれるものとみなされる。
【0050】
上記の実施形態は、本願発明の幾つかの実施態様を説明したに過ぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、しかし、本願発明の特許範囲を限定するものと理解することはできない。当業者であれば、本願の着想から逸脱することなく、さらに変形や改良を加えることができ、これらはすべて本願の保護範囲に属することに留意すべきである。したがって、本願の特許保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、ロック解除ボタンと、ロック部材と、前記ハウジング上に配置された第1の弾性部材とを含む、ロック装置であって、
前記ロック部材は、コネクタのロック孔にロックされて嵌合するように構成され、前記第1の弾性部材は、前記ロック部材をロック状態に維持するように構成され、前記ロック解除ボタンは、押されると、前記ロック部材をロック解除状態に駆動し、
前記ロック装置は、前記ハウジング上に配置される保持部材と第2の弾性部材とをさらに含み、
前記保持部材は、前記ロック解除ボタンと係合して、前記ロック解除ボタンを前記ロック部材がロック解除される押圧位置に保持するように構成され、前記第2の弾性部材は、前記保持部材が前記ロック解除ボタンと係合する係合位置に前記保持部材を保持するように構成される、ロック装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記コネクタに嵌合される取付チャネルを有し、前記保持部材は、前記取付チャネル内に延びる当接部を有し、前記ロック装置と前記コネクタとの取付け又は取外しの際に、前記当接部は、前記コネクタによって押されて前記保持部材を前記ロック解除ボタンから離脱させ、前記ロック解除ボタンが初期位置に戻ることを可能にする、請求項1に記載のロック装置。
【請求項3】
前記ロック解除ボタンの移動方向は、前記保持部材の移動方向に対して垂直である、請求項1に記載のロック装置。
【請求項4】
前記取付チャネルは、第1のシュートを含み、前記第1のシュートは、前記コネクタの第1のスライドレールに嵌合するように構成され、前記当接部は、前記第1のシュート内に延在し、前記第1のスライドレールの位置決め凹部に嵌合可能であり、
前記ロック装置と前記コネクタとの取付け又は取外しの際に、前記係止部材を前記ロック解除ボタンから離脱させるために、前記係止部材が前記コネクタの第1のスライドレールによって押されることが可能である、
請求項2に記載のロック装置。
【請求項5】
前記取付チャネルは、前記第1のシュートと平行な第2のシュートをさらに含み、前記第2のシュートは、前記コネクタ上の第2のスライドレールに嵌合するように構成され、前記ロック部材は、前記第1のシュートと前記第2のシュートとの間に配置されている、請求項4に記載のロック装置。
【請求項6】
前記ハウジングは内側キャビティを備え、
前記ロック解除ボタンの第1の端部は力を受ける端部であり、前記ロック解除ボタンの第2の端部は内側キャビティ内に位置し、
前記保持部材が前記内側キャビティに配置され、
前記ロック解除ボタンと前記保持部材の一方はスロットを備え、他方は係合突起を備え、前記スロットと前記係合突起は互いに係合して前記ロック解除ボタンを押圧位置に保持する、
請求項2からのいずれか一項に記載のロック装置。
【請求項7】
前記ロック解除ボタンが押されている間であって、前記係合突起に前記スロットが係合する前に、前記ロック解除ボタンは、該ロック解除ボタンおよび前記保持部材の少なくとも一方に配置された傾斜押圧面を介して、前記保持部材を押して前記ロック解除ボタンの移動経路から退出させる、請求項に記載のロック装置。
【請求項8】
前記保持部材は、底部、第1の伸長部分および第2の伸長部分を含み、前記第1の伸長部分および前記第2の伸長部分は、前記底部から延在し、互いに対向し、前記第1のシュートは、前記第1の伸長部分と前記第2の伸長部分との間を通り、そして、
前記係合突出部は、前記第1の伸長部分上に位置し、前記係合突起は、前記第2の伸長部分に位置し、前記係合突起から逸脱している、
請求項に記載のロック装置。
【請求項9】
前記ロック部材の第1の端部は、前記内側キャビティ内のロック解除ボタンに動作可能に接続され、前記ロック部材の第2の端部は、前記内側キャビティから延びるように適合され、
前記内側キャビティは、第1のガイド構造、第2のガイド構造、および第3のガイド構造を備え、
前記ロック解除ボタンは前記第1のガイド構造とスライド嵌合し、前記ロック部材は前記第2のガイド構造とスライド嵌合し、前記保持部材は前記第3のガイド構造と摺動嵌合する、
請求項に記載のロック装置。
【請求項10】
前記ロック解除ボタンは、押圧部と、第1のアームと、第2のアームとを含み、前記第1のアームと前記第2のアームとは、前記押圧部から延びて互いに対向し、前記ロック部材は、前記第1のアームと前記第2のアームとの間に配置され、前記第1のアームは、前記保持部材に近接して配置され、前記スロットを備える、請求項に記載のロック装置。
【請求項11】
前記第1のアームおよび前記第2のアームの各々は、前記ロック部材と接触するための第3の斜面を備え、および/または、前記ロック部材は、前記第1のアームおよび前記第2のアームとそれぞれ接触するための第4の斜面を備え、そして、前記第1の弾性部材はバネであり、該第1の弾性部材は前記ロック部材に当接する、請求項10に記載のロック装置。
【請求項12】
前記ロック解除ボタンの移動方向と、前記ロック部材の移動方向と、前記保持部材の移動方向とは、互いに直交する、請求項1に記載のロック装置。
【国際調査報告】