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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】光ファイバコネクタ及びアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20241114BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20241114BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61F9/008 120Z
G02B6/36
G02B6/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527597
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 IB2022061891
(87)【国際公開番号】W WO2023105444
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/265,159
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハリソン ファーリー
(72)【発明者】
【氏名】チェンコアン テャオ
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー.ホプキンズ
(72)【発明者】
【氏名】アリレザ ミルセパッシ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー シー.ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ティー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】デニス マーティン テレンツィオ
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036QA03
2H036QA11
2H036QA42
2H036QA44
2H036QA47
2H036QA57
2H036QA59
2H137AA08
2H137AB06
2H137BA15
2H137BA18
2H137BB08
2H137BC02
2H137BC12
2H137BC23
2H137BC32
2H137BC51
2H137BC53
2H137CA15A
2H137CA45
2H137CA51
2H137CD11
2H137CD32
2H137CD45
(57)【要約】
本明細書に開示される特定の実施形態は、光ファイバをレーザ手術システムに結合するためのシステム及び装置を提供する。特に、特定の態様は、光ファイバをレーザ手術システムのポートに解放可能に結合するためのプッシュ-プルコネクタ及びアダプタを提供する。コネクタ及びアダプタは、ポート内への挿入中に光ファイバの機械的な横方向及び回転案内を促して、光ファイバのコアと、レーザ手術システムによって伝播されるレーザビームパターンとの適切な整列(例えば、クロッキング)を確実にする。したがって、コネクタ及びアダプタは、レーザビームパターンと、光ファイバの1つ又は複数のコアとの間の向上した結合効率及びしたがってコアを通して伝送される複数のレーザビーム間の向上した出力均一性を可能にする。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを手術用レーザシステムに結合するためのシステムであって、
光ファイバを受け入れるように構成されたポートアダプタ
を含み、前記ポートアダプタは、
実質的に円筒形のバレルであって、
第1の内径を有する遠位部分、
前記第1の内径よりも小さい第2の内径を有する中間部分、
前記遠位部分と前記中間部分との間に配置されたテーパ面であって、前記ポートアダプタ内への前記光ファイバの挿入中に軸方向案内を提供するように構成されたテーパ面、
前記遠位部分の外面に配置されたクロッキングキーであって、前記ポートアダプタ内への挿入中に前記光ファイバの準螺旋状の案内回転を促すように構成されたクロッキングキー、及び
前記遠位部分に形成されたテーパ状ファイバカムスロットであって、前記クロッキングキーに対して前記遠位部分の円周方向反対側に形成されたテーパ状ファイバカムスロット
を含む、実質的に円筒形のバレルと、
前記バレルの前記中間部分内に配置されたスリーブであって、前記ポートアダプタ内への前記光ファイバの挿入中及び前記ポートアダプタからの前記光ファイバの取り外し中に光学的整列を提供するように構成されたスリーブと
を含む、システム。
【請求項2】
前記バレルの前記クロッキングキー及びテーパ状ファイバカムスロットは、前記光ファイバが前記ポートアダプタに完全に挿入されるとき、前記光ファイバの0°のフェルール角度を促す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ポートアダプタは、前記バレルの前記中間部分の近位端に配置された停止カラーをさらに含み、前記停止カラーは、前記手術用レーザシステムからの入力レーザ又は照明光ビームを受けるのに適切な焦点位置に前記光ファイバのフェルールを位置決めすることを促すように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ポートアダプタは、前記バレルに結合された基部をさらに含み、前記基部は、前記ポートアダプタ内の前記光ファイバの検出を促すように構成された光ファイバ検出窓を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポートアダプタに隣接して配置された集光レンズをさらに含み、前記集光レンズは、前記光ファイバが前記ポートアダプタに挿入されるとき、入力レーザ又は照明ビームを前記光ファイバに中継するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記集光レンズ及び前記ポートアダプタの前記基部のそれぞれは、前記光ファイバが前記ポートアダプタに挿入されるとき、前記入力レーザ又は照明ビームを前記光ファイバに伝送するための窓を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ポートアダプタの前記スリーブは、セラミック材料から形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ポートアダプタの前記バレルの半径方向外側に配置された1つ又は複数のボールプランジャをさらに含み、前記ボールプランジャは、前記光ファイバが前記ポートアダプタに完全に挿入されるとき、前記光ファイバを前記ポートアダプタ内に固定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ポートアダプタの前記バレルの前記遠位部分の半径方向外側に配置されたカバープレートをさらに含み、前記カバープレートは、前記ポートアダプタ内への前記光ファイバの挿入中に粗い軸方向案内を提供するように構成されたテーパ状の内径を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光ファイバが前記ポートアダプタに挿入されるとき、前記光ファイバの種類を識別するための無線周波数識別(RFID)装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ポートアダプタによって受け入れられる前記光ファイバは、前記光ファイバの近位端に配置されたコネクタを含み、前記コネクタは、前記光ファイバ及び前記コネクタを、前記光ファイバに対して前記コネクタが案内されずに自由に回転する状態で、回転案内されたクロッキングされた角度配向で前記手術用レーザシステムに結合するために、プッシュ-プル保持機構を介して前記ポートアダプタと解放可能に嵌合するように構成され、前記コネクタは、
フェルールであって、前記光ファイバの前記近位端をその中で固定するフェルールと、
前記フェルールの遠位端に結合されたフェルール本体であって、前記フェルール本体の外面に配置され、且つ前記ポートアダプタの前記バレルの前記テーパ状ファイバカムスロットと嵌合するように構成されたファイバキーを含むフェルール本体と、
前記フェルール及び前記フェルール本体の半径方向外側に配置された外側バレルであって、前記外側バレルの内面に配置され、且つ前記ポートアダプタの前記バレルの主クロッキングキーと嵌合するように構成された主カムスロットを含む外側バレルと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コネクタの前記外側バレルは、前記外側バレルの近位端の外面に配置された円錐形の傾斜面をさらに含み、前記円錐形の傾斜面は、前記光ファイバが前記ポートアダプタに完全に挿入されるとき、前記ポートアダプタの1つ又は複数のボールプランジャによる捕捉力を促すように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コネクタは、前記フェルール本体の周囲に円周方向に且つ前記外側バレルの前記内面に対して配置された軸方向圧縮ばねをさらに含み、前記軸方向圧縮ばねは、前記光ファイバが前記ポートアダプタに完全に挿入されるとき、前記ポートアダプタの前記バレルに対する前記フェルール本体のばね荷重による軸方向の位置合わせを可能にするように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記フェルール本体は、前記フェルール本体の前記外面に形成された1つ又は複数のスライド可能な回転整列特徴部をさらに含み、前記1つ又は複数の回転整列特徴部は、前記外側バレルに対する前記フェルール本体の回転整列を維持するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記コネクタは、
ユーザによる保持のための、前記コネクタに対して遠位側に配置されたグリップと、
前記グリップの近位端に隣接するキャップと
をさらに含み、前記キャップは、
前記光ファイバの種類を識別するためのRFID装置と、
前記ポートアダプタ内への前記光ファイバの挿入中のユーザによるおおよその目視クロッキング整列のための目視クロッキングリブと、
前記コネクタにインターフェースするスナップ嵌め機構と
を含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多様な医療処置において、手術を補助し、且つ/又は患者の身体を治療するために、レーザ光(例えば、レーザ治療ビーム(「治療ビーム」)、レーザ照準ビーム(「照準ビーム」)など)が使用される。例えば、レーザ光凝固術では、レーザプローブがレーザ治療ビームを伝搬させて、網膜上で熱傷スポットにおいて血管を焼灼する。レーザ治療ビームは、通常、手術用レーザシステムから光ファイバケーブルを介して伝えられ、光ファイバケーブルは、近位側では、手術用レーザシステムに接続するポートコネクタで終端し、遠位側では、執刀医が操作するレーザプローブで終端する。本明細書では、構成要素の遠位端とは、患者の身体に近い方の端部を指し、構成要素の近位端とは、患者の身体から離れた方を向く端部又は例えば手術用レーザシステムに近い端部を指すことに留意されたい。
【0002】
熱傷スポットにおいて血管を焼灼することに加えて、治療ビームは、網膜に存在して視覚をもたらす杆体及び錐体のいくつかも損傷させ、それにより視力に影響を与えることがある。視力は、網膜の中心の黄斑において最も鋭敏であるため、執刀医は、網膜の周辺エリアにおいて熱傷スポットを発生させるようにレーザプローブを配置する。手術中、執刀医は、光凝固される網膜エリアを照明するために、熱傷を起こさない照準ビームを用いてプローブを動作させる。低出力の赤色レーザダイオードが入手可能であるため、照準ビームは、一般に、低出力赤色レーザ光である。執刀医が、照準ビームで所望の網膜スポットを照明するようにレーザプローブを位置決めした後、執刀医は、レーザ治療ビームを、フットペダル又は他の手段を介して作動させて、例えば、照明されたエリア又は照明されたエリアを囲むエリアを、レーザ治療ビームを用いて光凝固させる。網膜のスポットを焼いた後、執刀医は、照準光で新しいスポットを照明するためにプローブを再び位置決めし、レーザ治療ビームを作動させ、新しいスポットを光凝固させ、プローブを再び位置決めするなどして、網膜にわたって所望の数の熱傷したレーザスポットを分散させる。
【0003】
ある種のレーザプローブは、一度に複数のスポットを凝固又は熱傷させるため、光凝固は、より迅速且つより効率的になり得る。例えば、光ファイバを介してそのようなレーザプローブの1つに結合される手術用レーザシステムは、単一のレーザビームを、マルチスポットレーザパターンを呈する複数のレーザビームに分割するように構成され得る。このような例では、手術用レーザシステムは、複数のレーザビームを光ケーブルの近位インターフェース面に送り、光ケーブルは、対応するファイバパターンを呈する複数の光ファイバのアレイ又はマルチコアファイバを含み得る。マルチコア光ファイバは、レーザビームを含むファイバコアを包含して取り囲む照明ビームを伝送する追加の能力を有し得、これにより手術の視覚化の利点が提供される。
【0004】
マルチスポットレーザシステムをマルチコア光ファイバで使用する場合、伝送されるマルチスポットレーザビームの各スポットをマルチコア光ファイバのコアとファイバの近位インターフェース面で整列することが不可欠である。レーザスポットとファイバコアとの間のわずかな位置ずれでさえ、ファイバコアへのレーザスポットの結合効率の低下を引き起こす可能性があり、その結果、マルチコアファイバを介して伝送される複数のレーザビームの出力均一性が低下し、ファイバコア外への不要な伝送がさらに増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述の欠点に対処する、マルチコアファイバをマルチスポットレーザビームパターンと整列させるための改良されたシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、概して、手術用レーザシステムに関し、より具体的には、光ファイバを手術用レーザシステムと結合し、整列させるためのシステム及び装置に関する。
【0007】
特定の実施形態では、光ファイバを手術用レーザシステムに結合するためのシステムが提供される。このシステムは、光ファイバを受け入れるように構成されたポートアダプタを含み、ポートアダプタは、実質的に円筒形のバレルを含み、実質的に円筒形のバレルは、第1の内径を有する遠位部分と、第1の内径よりも小さい第2の内径を有する中間部分と、遠位部分と中間部分との間に配置されたテーパ面であって、ポートアダプタ内への光ファイバの挿入中に軸方向案内を提供するように構成されたテーパ面と、遠位部分の外面に配置されたクロッキングキーであって、ポートアダプタ内への挿入中に光ファイバの準螺旋状の案内回転を促すように構成されたクロッキングキーと、遠位部分に形成されたテーパ状カムスロットであって、クロッキングキーに対して遠位部分の円周方向反対側に形成されたテーパ状カムスロットとを含む。スリーブがバレルの中間部分内に配置され、このスリーブは、ポートアダプタ内への光ファイバの挿入中及びポートアダプタからの光ファイバの取り外し中、約10ミクロン未満以内でレーザビームに対するファイバコアの高精度な横方向の光学的整列を行うために、中間部分の摩擦及び摩耗抵抗性の内面を提供するように構成される。
【0008】
以下の記載及び関連する図面は、上述のものを含む1つ又は複数の実施形態の特定の例示的な特徴を詳述する。
【0009】
上記に記載した本開示の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡潔に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかを添付図面に示す。しかしながら、添付図面は、例示的実施形態を示すに過ぎないため、その範囲を限定するとみなされるべきではなく、他の同様に効果的な実施形態が認められ得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の特定の実施形態による、手術標的への送達のためにレーザビームを生成するための例示的なシステムの上面図を示す。
図2】本開示の特定の実施形態による、例示的な手術用レーザシステム及びその構成要素の概略平面図を示す。
図3A-3B】本開示の特定の実施形態による、それぞれ非嵌合状態及び嵌合状態にある、例示的なポートアダプタを含む手術用レーザシステムの例示的な光ポート及び例示的な光ファイバコネクタの断面側面図である。
図4A】本開示の特定の実施形態による、ポートアダプタを含む図3の光ポートの側面断面図を示す。
図4B】本開示の特定の実施形態による、図4Aの例示的な光ポートの斜視図を示す。
図4C】本開示の特定の実施形態による、図4Aの例示的な光ポートの部分分解図を示す。
図5A】本開示の特定の実施形態による、図3の例示的なポートアダプタの断面側面図を示す。
図5B】本開示の特定の実施形態による、図5Aの例示的なポートアダプタの斜視図を示す。
図6A】本開示の特定の実施形態による、例示的な光ファイバの近位端を含む、図3の例示的な光ファイバコネクタの断面側面図を示す。
図6B】本開示の特定の実施形態による、図6Aの例示的な光ファイバコネクタの斜視図を示す。
図6C】本開示の特定の実施形態による、図6Aの例示的な光ファイバコネクタの近位端の別の斜視図を示す。
図6D】本開示の特定の実施形態による、図6Aの光ファイバコネクタ断面正面図を示す。
図6E】本開示の特定の実施形態による、図6Aの光ファイバコネクタの別の断面正面図を示す。
図6F】本開示の特定の実施形態による、図6Aの例示的な光ファイバコネクタの断面斜視図を示す。
図7A-7H】は、本開示の特定の実施形態による、ポートアダプタを含む例示的な光ポート及び図3の光ファイバコネクタの異なる嵌合段階における断面側面図を示す。
図8A-8B】本開示の特定の実施形態による、それぞれ非嵌合状態及び嵌合状態にある、別の例示的なポートアダプタを含む手術用レーザシステムの別の例示的な光ポート及び別の例示的な光ファイバコネクタの断面側面図を示す。
図9】本開示の特定の実施形態による、図8の例示的なポートアダプタの斜視図を示す。
図10A】本開示の特定の実施形態による図8の例示的な光ファイバコネクタの正面図を示す。
図10B】本開示の特定の実施形態による、図8の例示的な光ファイバコネクタを含む例示的な光ファイバの近位端の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を促すために、図面間で共通の同一要素を示すために、可能な場合には同一の参照符号が使用される。さらなる説明を伴わずに、1つの実施形態の要素及び特徴を他の実施形態に有益に組み込み得ることが企図される。
【0012】
以下の説明では、開示する主題の理解を促すために、詳細が例として記載される。しかしながら、開示する実装形態が例であり、すべての可能な実装形態を網羅するものではないことは、当業者に明らかであるはずである。したがって、説明する例への言及は、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。説明する装置、器具、方法に対する任意の変更形態及びさらなる修正形態並びに本開示の原理のさらなる任意の応用形態は、本開示が関連する技術分野の当業者が通常想到するであろうことが完全に想定される。特に、1つの実装形態に関して説明する特徴、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実装形態に関して説明する特徴、構成要素及び/又はステップと組み合わされ得ることが完全に想定される。
【0013】
本明細書に記載されるように、構成要素の遠位端、遠位セグメント又は遠位部は、その構成要素の使用中に患者の身体により近い端部、セグメント又は部分を指すことに留意されたい。一方、構成要素の近位端、近位セグメント又は近位部は、患者の身体からより遠く離れた、例えば手術用レーザシステムに近接した端部、セグメント又は部分を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、公称値からの+/-10%の変動を指し得る。このような変動は、本明細書で提供されるいずれの値にも含まれ得ることを理解されたい。
【0015】
本明細書に開示される特定の実施形態は、光ファイバをレーザ手術システムに結合するためのシステム及び装置を提供する。特に、特定の態様は、光ファイバをレーザ手術システムのポートに結合するためのコネクタ及びアダプタを提供する。コネクタ及びアダプタは、ポート内への挿入中に光ファイバの機械的な横方向及び回転案内を促して、光ファイバのコアと、レーザ手術システムによって伝播されるレーザビームパターンとの適切な整列(例えば、クロッキング)を確実にする。本明細書に記載される方法及びシステムは、以下に記載するものなど、任意の適切なレーザ手術システムと組み合わせて利用することができる。
【0016】
例示的な手術用レーザシステム
図1は、レーザ支援型眼科処置を実施するための例示的なシステム100を示す。システム100は、レーザビームを発生させるための1つ又は複数のレーザ源を有する手術用レーザシステム102を含む。例えば、手術用レーザシステム102内の第1のレーザ源は、第1の波長(例えば、約532ナノメートル(nm))で治療ビームを発生させ得る一方、第2のレーザ源は、第2の波長(例えば、約635nm)で照準ビームを発生させ得る。執刀医などのユーザは、最初に、所望の網膜スポット上に照準ビームを放出するために手術用レーザシステム102を(例えば、フットスイッチ、音声コマンドなどを介して)トリガし得る。執刀医が照準ビームで所望の網膜スポットを照明するようにレーザプローブを配置すると、執刀医は、フットペダル又は他の手段などを介して治療ビームを作動させて、患者の身体を治療する(例えば、治療ビームを用いて所望の網膜スポットを光凝固させる)。
【0017】
特定の実施形態では、手術用レーザシステム102は、1つ又は複数の追加の装置及び/又はシステムと一体化される。例えば、特定の実施形態では、手術用レーザシステム102は、網膜硝子体処置、白内障手術、角膜移植、緑内障手術、レーシック(レーザ支援型生体内原位置角膜曲率形成)手術、屈折レンズ交換、トラベクレクトミー、角膜切開処置及び/又は角膜形成手術等を含む眼科手術処置を行うための手術用コンソールなどの手術用コンソールに一体化され得る。これらの処置の2種類以上を実施可能なコンソールも本開示の範囲内である。網膜硝子体処置を行うように構成されたコンソールの例としては、テキサス州フォートワースのAlcon Laboratories,Inc.から入手可能なConstellation(登録商標)システムがある。白内障手術を行うように構成されたコンソールの例としては、テキサス州フォートワースのAlcon Laboratories,Inc.から入手可能なCenturion(登録商標)システムがある。
【0018】
示されるように、システム100は、手術用レーザシステム102の光学ポート(図2に示す)のポートアダプタに結合されたコネクタ114をさらに含む。図1は、光ファイバケーブル111内の光ファイバ110も示し、光ファイバ110はプローブ108に結合してプローブ108を通して延びる遠位端と、コネクタ114に結合してコネクタ114を通して延びる近位端とを有する。場合により、本明細書でさらに説明するように、光ファイバ110は、2本以上のファイバを含み得る。図1の例では、コネクタ114は、光ファイバ110の近位端が挿入される開口部を有するフェルール(図2に示す)を含む。光ファイバ110の近位端は、フェルールが手術用レーザシステム102の光学ポートに挿入されると、手術用レーザシステム102からのレーザビームが集光され得るインターフェース面(近位入口面とも呼ばれる)を含む。光ファイバ110のインターフェース面は、レーザビームが導かれ得る1つ又は複数のコアの露出した近位端を含む。図1の例では、光ファイバ110は、4つのコアを有するマルチコア光ファイバ(MCF)である。このように、光ファイバ110の近位端のインターフェース面は、レーザビームが集束され得る4つのコアの近位端を含む。
【0019】
手術用レーザシステム102は、レーザ源によって発生された単一のレーザビームを、レーザスポットパターンを呈する複数のレーザビームに分割するように構成され得る。例えば、手術用レーザシステム102は、照準ビームを4つの照準ビームに分割し、次いで、4つの照準ビームをコネクタ114内のフェルールの開口部を介して光ファイバ110のインターフェース面に送達し得る。さらに、手術用レーザシステム102は、治療ビームを4つの治療ビームに分割し、4つの治療ビームをフェルールの開口部を介して光ファイバ110のインターフェース面に送達するように構成され得る。そのような例では、光ファイバ110のコアのそれぞれは次いで、照準ビームと組み合わされた治療ビームを指し得る、マルチ波長ビーム又は結合ビームを伝送することになる。光ファイバのコアが結合ビームを伝送することに関して特定の態様を記載したが、光ファイバ110のコアは、いずれのビームが作動されて光ファイバ110に入射するかに応じて、治療ビーム又は照準ビームのいずれかを個別に伝送することもできることに留意されたい。
【0020】
いくつかの例では、手術用レーザシステム102は、眼の内部、特に光凝固される網膜120のエリアを照明するために、照明ビームを、例えば(光ファイバ110内にコアを保持するクラッディングの近位端も含み得る)光ファイバ110のインターフェース面にも伝搬させ得る。特定の態様では、照明ビームは、白色発光ダイオード(LED)によって発生され得る。
【0021】
光ファイバ110は、結合ビームをプローブ108に送達し、プローブ108は、結合ビームのマルチスポットパターン(例えば、4つのスポット)を患者の眼125の網膜120に伝搬させる。プローブ108は、光ファイバ110の遠位端を収容して保護するプローブ本体112及びプローブ先端140を含む。プローブ先端140の遠位端部分145は、結合ビームを網膜120に集束させるレンズも収容し得る。
【0022】
図2は、本明細書に記載される実施形態に従って実装され得る手術用レーザシステム202及びその中の構成要素の一例を示す。手術用レーザシステム202は、治療ビーム210を伝播させるレーザ源204と、照準ビーム212を伝播させるレーザ源206と、照明ビーム214を伝播させる光源208とを含む。手術用レーザシステム202は、それぞれの源と所望のポートとの間でレーザビーム及び照明ビームを偏光、分離、コリメート、選択、分割、結合、中継及び集光するための複数のレンズ、回折素子、ビームスプリッタ及び他の光中継デバイスをさらに含み、これらは、合わせて「光中継システム」と呼ばれ得る。
【0023】
手術の最初に、執刀医は、眼球の内側を照明して網膜を見やすくするために、光源208を作動させ得る。図示のように、光源208によって放出されると、照明ビーム214は、平行な光線を有するビームを生成するように構成されたコリメーティングレンズ222によって受け取られる。特定の実施形態では、コリメーティングレンズ222は、2つの単レンズと1つの複レンズとを含む多素子色収差補正レンズであり得る。したがって、図示のように、照明ビーム214は、コリメーティングレンズ222の反対側から平行な光線で出て、それぞれビームスプリッタ228及び226(ダイクロイックミラーと呼ばれることもある)を通過して、集光レンズ224に到達する。特定の実施形態では、集光レンズ224は、2つの単レンズと1つの複レンズとを含む多素子色収差補正レンズであり得る。このような実施形態では、集光レンズ224は、組み付けが逆である(例えば、180度回転される)ことを除いて、コリメーティングレンズ222と同じ設計を有し、それにより1対1の拡大結像システムを形成する。ビームスプリッタ228及び226は、それらの2つの側面228a及び228b、226a及び226bに異なるコーティングをそれぞれ有し得る。例えば、側面228a及び226aは、そこに伝搬された光がビームスプリッタ228及び226を通過できるようなコーティングを施される。そのため、側面228a及び226aに伝搬された照明ビーム214は、ビームスプリッタ228及び226を通過する。一方、側面228b及び226bは、以下に詳述するように、それぞれ光又は照準ビーム212及び治療ビーム210などのレーザビームを反射させるようにコーティングを施される。
【0024】
集光レンズ224は、次に、照明ビーム214を、コネクタ114を介して手術用レーザシステム202の光学ポート230でポートアダプタ225に結合される光ファイバ110などの光ファイバの近位端のインターフェース面に収束させる。ポートアダプタ225は、集光レンズ224に隣接して配置され、光ファイバ110を手術用レーザシステム202に結合するための光学ポート230でコネクタ114と嵌合するように構成される。図1に関連して説明したように、光ファイバ110は、より大きい直径のクラッディング内に埋め込まれた4つのコアを有し得る。したがって、集光レンズ224Bは、照明ビーム214がクラッディングの全長に沿って且つ光ファイバ110の4つのコア内で光ファイバ110に結合される手術用プローブ(例えば、図1のプローブ108)の遠位端に伝搬されるように、光ファイバ110のインターフェース面に照明ビーム214を集束させる。上述のように、光ファイバ110のインターフェース面は、フェルール215を介してポートアダプタ225の開口部217からそれぞれ露出される4つのコア及びクラッディングの近位端を含む。
【0025】
執刀医が眼球の内側を見ることができるようになると、執刀医は、プローブの遠位端から1つ又は複数の所望の照準ビームのスポットを網膜に投影し得る。より具体的には、レーザ源206は、執刀医によって作動された後、照準ビーム212(例えば、赤色レーザビーム)を回折光学素子(DOE)221に発する。本明細書では、回折セグメントは、「セグメント」とも呼ばれ得る。図2の例では、DOE221は、照準ビーム212がDOE221の中央のセグメントに整列されるように位置決めされ、DOE221は、照準ビーム212を照準ビーム212a~d(例えば、4つの照準ビーム)に回折させる。しかしながら、執刀医は、異なる数のビーム(例えば、2つ又は1つ)を選択するために、DOE221の位置を変更し得る。例えば、音声コマンド又は手術用レーザシステム202のいくつかの他の機能を使用して、執刀医は、照準ビーム212を2つ、1つ又は他の数のビームに回折させ得る、DOE221の異なるセグメントに照準ビーム212を整列させるようにDOE221を位置決めし得る。
【0026】
回折されると、結果として得られる照準ビームはビームスプリッタ228によってビームスプリッタ226を介して集光レンズ224に反射される。照準ビーム212a~dが赤色照準ビームである例では、ビームスプリッタ228は、赤色ダイクロイック光学素子であり得、照準ビーム212a~dは、ビームスプリッタ228の狭帯域赤色スペクトルノッチから反射し得る。次いで、集光レンズ224は、照準ビームのそれぞれが光ファイバ110の対応するコアの全長に沿って手術用プローブ(例えば、図1のプローブ108)の遠位端に伝播されるように、4つの照準ビームを光ファイバ110の近位端のインターフェース面に集束させる。4つの照準ビームの各々は、4つのコアのMCF内の対応するコアに高い結合効率で集束し、コアの長さを伝搬してMCFの遠位端まで到達する。これにより、執刀医は、プローブの遠位端から4つの所望の照準ビームのスポットを網膜に投影させることができる。
【0027】
上述のように、執刀医が照準ビームスポットを網膜に投影するようにレーザプローブを配置して作動させると、執刀医は、フットペダル又は他の手段などを介してレーザ源204を作動させて、患者の身体を治療する(例えば、治療ビームを用いて所望の網膜スポットを光凝固させる)。作動されると、レーザ源204は図2に示されるように治療ビーム210、例えば緑色レーザビームを発する。治療ビーム210はビームスプリッタ213に到達し、ビームスプリッタ213は、治療ビーム210のかなりの部分を通過させる一方、わずかな部分231をセンサ223に反射させることができるように構成される。センサ223は、レーザ源204がアクティブか否かを検出し、治療ビーム力を監視するように構成された光センサである。ビームスプリッタ213を通過した後、シャッタ234が治療ビーム210を許容する開放位置にある場合、治療ビーム210は、治療ビーム210をビームスプリッタ218に反射させるように構成される固定式折り畳みミラー219で受け取られる。
【0028】
特定の実施形態では、手術用レーザシステムは、レーザ源204と固定式折り畳みミラー219との間に配置されたシャッタ234も含み得る。シャッタ234は、治療レーザビーム210が固定式折り畳みミラー219に到達することを遮断又は許可するように構成され得る。執刀医又は手術スタッフは、シャッタ234を(例えば、フットスイッチ、音声コマンドなどを介して)制御して、レーザ照準ビームを放出し、治療レーザビームを発射して(すなわちシャッタ234を開放して)患者の身体を治療(例えば、光凝固)することができる。いずれの場合にも、ビームスプリッタ218は、レーザビームを光学ポート230に方向付け得る。
【0029】
図示されるように、治療ビーム210は、DOE220に到達する前にビームスプリッタ218を通過する。DOE220は、DOE221と同様に、治療ビーム210を治療ビーム210a~210d(例えば、4つの治療ビーム)に回折する。しかしながら、執刀医は、異なる数のビーム(例えば、2つ又は1つ)を選択するために、DOE220の位置を変更し得る。例えば、音声コマンド又は手術用レーザシステム202のいくつかの他の機能を使用して、執刀医は、治療ビーム210を2つ、1つ又は他の数のビームに回折させ得る、DOE220の異なるセグメントに治療ビーム210を整列させるようにDOE220を位置決めし得る。次いで、治療ビーム210a~210dは、ビームスプリッタ226で受け取られ、ビームスプリッタ226は、治療ビーム210a~210dを集光レンズ224に反射させる。治療ビーム210a~dが緑色治療ビームである例では、ビームスプリッタ226は、緑色ダイクロイック光学素子であり得、治療ビーム210a~dは、ビームスプリッタ226の狭帯域緑色スペクトルノッチから反射し得る。治療ビーム210a~dは、ビームスプリッタ226に対してある角度でビームスプリッタ226によって反射され、その角度は、照準ビーム212a~dがビームスプリッタ226に通される角度に等しい。したがって、レーザ源204が作動されると、伝送された治療ビーム210a~dと照準ビーム212a~dは(例えば、互いに重なるように)結合されて、結合ビーム211a~dを生成し)、その後、集光レンズ224に到達する。
【0030】
集光レンズ224は、結合ビーム211a~211dのそれぞれが光ファイバ110の対応するコアの全長に沿って手術用プローブ(例えば、図1のプローブ108)の遠位端に伝播されるように、結合ビーム211a~211dを光ファイバ110の近位端のインターフェース面に集束させる。より具体的には、図2の例では、光ファイバ110は、コアA、B、C及びDなどの4つのコアを有するMCFである。そのような例では、集光レンズ224は、例えば、結合ビーム211aがコアAに伝搬され、結合ビーム211bがコアBに伝搬され、結合ビーム211cがコアCに伝搬され、結合ビーム211dがコアDに伝搬されるように、結合ビーム211a~211dを光ファイバ110の近位端のインターフェース面に集束させる。さらに、照明ビーム214は、MCFファイバコアのすべてを通して且つコアの周囲のクラッディングを通して伝播される。
【0031】
例示的な光ファイバコネクタ及びアダプタ
本開示の態様は、光ファイバをレーザ手術システムに結合するためのシステム及び装置を提供する。特に、特定の態様は、光ファイバをレーザ手術システムの光学ポートに結合するためのコネクタ及びアダプタを提供する。コネクタ及びアダプタは、6つの自由度すべてにおいて、光ファイバとレーザ手術システムとの効率的な横方向及び回転方向の整列を促し、光ファイバの1つ又は複数のコアとレーザ手術システムのレーザビームパターンとの正確なクロッキングを可能にする。したがって、コネクタ及びアダプタは、レーザビームパターンと、光ファイバの1つ又は複数のコアとの間の向上した結合効率及びしたがってコアを通して伝送される複数のレーザビーム間の向上した出力均一性を可能にする。本明細書に記載されるシステム及び装置は、図1~2を参照して記載したものなど、任意の適切なレーザ手術システムと組み合わせて利用することができる。
【0032】
一般に、本開示の実施形態は、従来の光ファイバコネクタ及びアダプタを超えるいくつかの利点を提供する。例えば、本明細書に記載される特定の実施形態は、接続中、漸進的な(例えば、順次の粗い及び微細な)、機械的に誘導された位置決め及び回転を利用する、例えばレーザ手術システムとの光ファイバの効率的且つ人間工学的なプッシュツーコネクト、プルツーコネクト嵌合を提供する。さらに、本明細書に記載される特定の実施形態は、統合されたプローブ捕捉接続状態検出及び/又はRFIDベースの接続状態検出に加えて、ユーザに対して、レーザ手術システムと光ファイバの接続/切断及びクロッキング角度の整列(例えば、ゼロクロッキング角度)中の視覚的及び/又は触覚的確認を提供する。本明細書に記載される特定の実施形態は、ばね押しシステムの利用を介して、ファイバケーブル及び/又はコネクタからの光ファイバの横方向及び軸方向の機械的分離をさらに提供し、レーザ手術システムによる光ファイバのより簡単なクロッキングを促す。なおもさらに、本明細書に記載の特定の実施形態は、単回使用の滅菌医療装置に適した低コストで、長い耐用年数(例えば、5,000回以上繰り返されるファイバ嵌合/脱嵌合接続)を促す材料で形成されたコネクタ及び/又はアダプタを提供する。
【0033】
図3A~3Bは、本開示の特定の実施形態による、例示的なポートアダプタ325を含む手術用レーザシステムの例示的な光ポート330と、それぞれ非嵌合状態及び嵌合状態にある例示的な光ファイバコネクタ314との断面側面図を示す。図3A~3Bの例は、光ファイバコネクタ314を光ポート330に結合する際、光ファイバコネクタ314、したがってその中の光ファイバ310のある程度の回転整列(すなわちクロッキング)がユーザによって実行されるため、「ユーザ支援される」例として記載される場合がある。
【0034】
示されるように、光ポート330は、ポートアダプタ325を含み、このアダプタは、少なくとも部分的に光ポート330の遠位端331のカバープレート340の開口部332を通して配置される。特定の実施形態では、カバープレート340は、硝子体網膜手術コンソール又は水晶体超音波乳化吸引コンソールなどの眼科手術処置を実行するための手術用レーザシステム及び/又は手術コンソールの外側パネルに結合する。光ポート330の対向する近位端333は、集光レンズ324に隣接して配置され、集光レンズ324は、光ファイバコネクタ314内に配置された光ファイバ310上に照明ビーム及び/又は治療ビーム311を集光するように構成される。光ポート330と集光レンズ324は合わせて「煙突」と呼ばれることもある。上述の光ファイバ110と同様に、光ファイバ310は、シングルコア光ファイバ(SCF)又はマルチコア光ファイバ(MCF)であり得る。
【0035】
光ファイバコネクタ314は、その近位端317にフェルール315を含み、このフェルール315を通して光ファイバ310の近位端が挿入される。フェルール315と光ファイバ310は、光ファイバコネクタ314内で角度的に整列され、角度に関して固定される。フェルール315から、光ファイバ310は、光ファイバコネクタ314を通して遠位側に延び、ケーブル312内に入り、このケーブル312は光ファイバ310を保護し、光ファイバ310を例えば手術用プローブ又は器具と結合し得る。
【0036】
図3Bに示すように、光ポート330に完全に挿入されると、フェルール315の近位端は、集光レンズ324が照明、照準及び/又は治療ビーム311を光ファイバ310の近位端のインターフェース面に収束させ得るようにポートアダプタ325内に配置される。挿入中、ポートアダプタ325及び光ファイバコネクタ314は、光ファイバコネクタ314及びフェルール315の横方向の位置及び回転方向(例えば、クロッキング)の向きを順次のデュアルキー、デュアルスロット粗整列及び微整列によって機械的に案内し、その結果、光ファイバ310の各コアが1つ又は複数の照明、照準及び/又は治療ビーム311と正確に整列される。このように、ポートアダプタ325及び光ファイバコネクタ314は、ビーム311と光ファイバ310のコアとの間の結合効率の向上及び光ファイバ310を通るビーム311の出力均一性の向上を可能にする。
【0037】
ポートアダプタ325を含む光ポート330及び光ファイバコネクタ314の様々な個々の図が図4A~6Cに示され、したがって、光ポート330、ポートアダプタ325及び光ファイバコネクタ314は、図4A~6Cを参照してさらに詳細に記載される。
【0038】
図4A~4Cは、それぞれ本開示の特定の実施形態による、ポートアダプタ325を含む光ポート330の断面側面図、斜視図及び部分分解図を示す。図4Aに示されるように、光ポート330は、その遠位端331にリング状のカバープレート340を含む。カバープレート340は、例えば、手術用コンソールの外側パネルに結合することができ、光ファイバコネクタ314が光ポート330に挿入されると、光ファイバコネクタ314のための初期の粗い横方向の案内を提供する。したがって、光ファイバコネクタ314が挿入されるカバープレート340の開口部332を少なくとも部分的に画定するカバープレート340の内周面442は、近位側に直径が減少するテーパ部分444を含む。特定の実施形態では、テーパ部分444は、内周面442の全長に沿って延在するが、他の実施形態では、テーパ部分444は、内周面442の長さの一部に沿って延在する。
【0039】
特定の実施形態では、カバープレート340は、RFID受信機又は同様の装置などの無線周波数識別(RFID)装置446を含み、これは、カバープレート340の近位表面に沿って配置されるか又は近位表面を形成することができる。RFID装置446は、例えば、光ファイバコネクタ314に近接させたとき、光ファイバコネクタ314と一体化された対応するRFID装置と無線でインターフェース(すなわち通信)するように構成され得る。特定の実施形態では、RFID装置446は、対応するRFID装置からの信号を受信し、光ポート330に挿入された光ファイバの種類、例えばマルチコアファイバ(MCF)又はシングルコアファイバ(SCF)、光ポート330に挿入されたプローブ又はツールの種類及び/又は他の関連情報を識別し得る。RFID装置446は、次に、挿入された光ファイバ、プローブ、ツール等に関連するパラメータに従って手術用レーザシステム202及び/又は手術用コンソールを構成するために、手術用レーザシステム202のプロセッサ若しくはコントローラ又は手術用レーザシステム202が一体化された手術用コンソールのプロセッサ若しくはコントローラに対して、受信した信号を有線又は無線で中継又は通信し得る。
【0040】
光ポート330は、保持リング450をさらに含み、この保持リング450は、カバープレート340とポートアダプタ325の基部420との間に配置される。保持リング450は、光ファイバコネクタ314がそこに完全に挿入されるとき、光ファイバコネクタ314を光ポート330内に取り外し可能に固定するために、保持リング450の開口部454の周りに円周方向に配置され得る1つ又は複数のボールプランジャ452を含む。特定の実施形態では、ボールプランジャ452は、光ファイバコネクタ314を光ポート330内に保持するために光ファイバコネクタ314の外面に形成された1つ又は複数の特徴部(例えば、キャッチ又はくぼみ)と圧縮可能に係合する(すなわち嵌合する)圧入又はねじ付きボールプランジャを含む。したがって、光ファイバコネクタ314は、ボールプランジャ452をそれぞれの戻り止め穴からスライドさせるのに必要なサイド方向の力を(それぞれ近位「押し」方向又は遠位「引き」方向に)加えることにより、光ポート330に対して固定又は固定解除され得、これは、接続又は切断の触覚確認をさらに提供する。このように、挿入がばね押しカム力によって捕捉されるため、光ファイバコネクタ314を光ポート330に対して接続又は切断するために解除ラッチが必要なく、これによりプッシュツーコネクト、プルツーコネクト嵌合がもたらされる。図4A~4Cには、開口部454の円周上に等距離に配置された3つのねじ付きボールプランジャ452が描かれている。しかしながら、より多い又はより少ないねじ付きボールプランジャが利用され得、開口部454の円周上に等距離又は非等距離に間隔を置いて配置され得る。そのような実施形態では、ねじ付きボールプランジャ452は、保持リング450を貫いて開口部454から半径方向外側に延びるねじ穴458にねじ込まれるか又は回し込まれ得る。ボールプランジャ452を有して描かれ、記載されるが、保持リング450は、ばねプランジャ等などの他のタイプの保持機構又はロック機構を含み得ることがさらに考えられる。
【0041】
特定の実施形態では、保持リング450は、光ファイバコネクタ314が光ポート330に挿入されるとき、光ファイバコネクタ314に追加の粗い横方向案内をさらに提供する。したがって、保持リング450の内周面457は、ロック機構452に対して遠位側に配置され、近位側に内径が減少するテーパ部分456を含み得る。
【0042】
図4B~4Cに示されるように、保持リング450は、1つ又は複数の留め具422を介してポートアダプタ325の基部420の遠位面に留められ得る。特定の実施形態では、留め具422は、保持リング450を貫通して形成されたねじ穴424を通して、基部420に形成されたねじ穴426にねじ込まれるか又は回し込まれ得るねじ付きスクリュを含む。ねじ穴424及び426は、光ポート330の長軸Aに平行な軸に沿って延び得る。図4B~4Cには、保持リング450の円周上に等距離に配置された3つのねじ付きスクリュ422とねじ穴424が示されているが、より多い又は少ないねじ付きスクリュ及びねじ穴が利用され得、保持リング450の円周上に等距離又は非等距離に間隔をあけて配置され得る。
【0043】
ポートアダプタ325の基部420の近位面は、円筒形支持体462内に配置された集光レンズ324を含む光学アセンブリ460に結合する。円筒形支持体462は、光ポート330に結合し、集光レンズ324をそれに隣接して固定するように構成された1つ又は複数の管状構成要素を全体的に含む。上述したように、光ファイバコネクタ314が光ポート330に完全に挿入されると、集光レンズ324は、例えば、手術用レーザシステム102及び202によって伝搬される1つ又は複数の照明、照準及び/又は治療ビーム311を、光ファイバコネクタ314のフェルール315内に固定される光ファイバ310の近位端のインターフェース部分に収束させるように構成される。したがって、支持体462は、ポートアダプタ325の基部420に隣接する窓464を含み、この窓を通して照明、照準及び/又は治療ビーム311が集光レンズ324によって光ファイバ310に伝搬され得る。ポートアダプタ325は、図4Cに示される1つ又は複数の留め具468を介して光学アセンブリ460の遠位面、例えば円筒形支持体462の遠位面に留められ得る。留め具422と同様に、留め具468は、ポートアダプタ325を貫通して形成されたねじ穴469を通して、円筒形支持体462に形成されたねじ穴にねじ込まれるか又は回し込まれ得るねじ付きスクリュであり得る。
【0044】
図5A~5Bは、それぞれ本開示の特定の実施形態によるポートアダプタ325の断面側面図及び斜視図を示す。ポートアダプタ325は、光ファイバコネクタ314の回転整列を促し、したがってフェルール315及び光ファイバ310の角度的整列及び固定を促すように構成され、集光レンズ324からの入射及び収束した照明、照準及び/又は治療ビーム311を受けるための光ファイバ310の近位端の位置決めをさらに促す。
【0045】
示されるように、ポートアダプタ325は、全体的に、円板状の基部420と、「取り付け用ボス」と呼ばれることもある管状のバレル510とを含む。バレル510は、基部420の遠位面522の中心から光ポート330の長軸Aに沿って遠位方向に延びる。バレル510は、その遠位端511にあるガイド部分518と、ガイド部分518及び基部420間に配置された中間部分530とを含む。遠位端511のガイド部分518には、バレル510に沿って近位側に寸法(例えば、幅)が減少し、軸方向スロット515に移行するテーパ状(例えば、曲線状)のファイバカムスロット512が形成される。ポートアダプタ325は、ガイド部分518の外面513に配置された主クロッキングキー516をさらに含み、この主クロッキングキー516は、光ファイバコネクタ314の内面に形成された主カムスロット(主カムスロット616、以下でさらに詳細に記載する)と機械的に係合するように構成される。
【0046】
主クロッキングキー516と主カムスロット616とは、角度的に整列されて固定されたフェルール315及び光ファイバ310を含めて、約±45°の角度範囲にわたってコネクタ314を回転案内し、所望の0°クロッキング角度から数度以内の粗く整列された回転角度にする。粗いクロッキング回転がコネクタの完全な挿入に向かって進むと、ファイバカムスロット512は次に光ファイバコネクタ314のファイバキー(ファイバキー638、以下でさらに詳細に説明する)と機械的に係合して、ファイバキー638を、先に粗くクロッキングされた角度範囲の最後の数度以内で、より高い精度で細かく回転するように構成され、かくして、光ファイバコネクタ314が光ポート330に挿入されるにつれて、光ファイバコネクタ314の、したがってそれと角度的に整列されて固定されたフェルール315及び光ファイバ310の回転角度(例えば、クロッキング角度)の微整列が達成される。ファイバキー638は、ファイバカムスロット512のテーパ面の近位部分により、正しい微細なクロッキング角度に達するまで回転案内され、その際、ファイバキー638は、光ファイバ310の正しく正確なクロッキング角度に対応して軸方向スロット515と係合し得る。特定の実施形態では、主クロッキングキー516は、ファイバカムスロット512に対向する側のガイド部分518の外面513に配置され、主カムスロット616は、ファイバキー638(図6Aに示す)に対向するコネクタバレルの内面に配置される。
【0047】
特定の実施形態では、ファイバカムスロット512の遠位端は、約120°以下の円弧尺度αを有するバレル510の遠位端511の円弧514に対応し、これは、主クロッキングキー516と主カムスロット616との係合によって提供される準螺旋状の案内された粗い回転中、ファイバキーとファイバカムスロット512の遠位部分との間に隙間を提供するのに十分である。したがって、特定の実施形態では、ポートアダプタ325の主クロッキングキー516が光ファイバコネクタ314の主カムスロット616に係合するために、ユーザは、光ファイバコネクタ314を光ファイバ310の0°のクロッキング角度から約45°以内に向ける必要がある。
【0048】
中間部分530は、光ファイバコネクタ314を光ポート330に挿入する際に光ファイバコネクタ314のフェルール315が挿入されるチャネル532を含む。一般に、チャネル532は、セラミックスリーブ534のための凹部を形成し、このセラミックスリーブ534は、ガイド部分518の内径よりも小さいフェルール315の外径に対して厳密に公差を付けられた内径を有する。したがって、ガイド部分518の内面517と中間部分530のチャネル532との間にレッジ519が形成される。レッジ519は、以下でさらに詳細に記載される、光ポート330への挿入中に光ファイバコネクタ314のフェルール本体の停止面として機能する。特定の実施形態では、レッジ519は、近位側に直径が減少するテーパ部分521を含む。特定の実施形態では、テーパ部分521は、レッジ519の全長に沿って延びるが、他の実施形態では、テーパ部分521は、レッジ519の長さの一部に沿って延びる。テーパ部分521は、光ファイバコネクタ314を光ポート330に挿入する際、チャネル532内へのフェルール315の機械的な横方向案内を促す。特定の実施形態では、図5Aに示すように、セラミックスリーブ534がチャネル532内に配置され、フェルール315を正確に整列する耐摩耗性表面を提供し、フェルール315は、同様にセラミック材料で形成され得る。例えば、セラミックのフェルール/スリーブインターフェースは、フェルール315とポートアダプタ325との間の嵌合/脱嵌合の繰り返し精度を、例えば5,000回を超える嵌合/脱嵌合接続の繰り返し精度を向上させ得る。特定の実施形態では、スリーブ534は、滑らかな内面を含む一方、他の実施形態では、スリーブ534は、複数のリブ536を含む。
【0049】
チャネル532は、基部420内に中央に形成された容積524に通じている。光ポート330に完全に挿入されると、フェルール315の近位端が容積524内に配置され、照明、照準及び/又は治療ビーム311が集光レンズ324によって光ファイバ310の近位端のインターフェース面に伝搬され得る。特定の実施形態では、容積524は、高出力(クラスIV)レーザ安全性をサポートするために、フェルール315及び光ファイバ310の光ポート330への挿入を検出するためのプローブ検出窓としてさらに機能する。このような実施形態では、手術用レーザシステム及び/又は手術用コンソールの1つ又は複数のプローブ検出センサは、容積524から半径方向外側に延びる1つ又は複数の検出チャネル526を介した容積524への直接視線を有してポートアダプタ325の半径方向外側に配置され得る。したがって、1つ又は複数のセンサは、容積524内のフェルール315の近位端の存在を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、容積524内のフェルール315の検出は、例えば、RFID装置446と光ファイバコネクタ314内の対応するRFID装置との間及びRFID装置446と、手術用レーザシステム202又は手術用レーザシステム202が一体化された手術用コンソールのプロセッサ又はコントローラとの間のRFID通信を開始し得る。
【0050】
特定の実施形態では、容積524内のフェルール315の適切な軸方向位置決めを確実にするために、停止カラー535がチャネル532の近位端に配置される。停止カラー535は、フェルール315の近位端が容積524内に滑り過ぎることを防止し、滑り過ぎは、集光レンズ324によって集光された入射する照明、照準及び/又は治療ビーム311に対する光ファイバ310の軸方向の不適切な整列をもたらし得る。
【0051】
図6A~6Fは、本開示の特定の実施形態による、光ファイバ310を含む、図3の例示的な光ファイバコネクタ314の断面側面図、正面斜視図、背面斜視図、断面正面図、別の断面正面図及び断面斜視図を示す。光ファイバコネクタ314は、光ファイバ310の近位端に取り付けられ、ポートアダプタ325、保持リング450及びカバープレート340を含む光ポート330の様々な構成要素と機械的に相互作用又は係合するように構成され、光ファイバコネクタ314の光ポート330への挿入中、光ファイバコネクタ314、したがってそれと角度的に整列されて固定されたフェルール315及び光ファイバ310を横方向及び回転方向に案内する。したがって、光ファイバコネクタ314は、例えば、手術用レーザシステム及び/又は手術用コンソールによって伝搬されるレーザビームパターンと光ファイバ310との正確な整列を促し、結合効率の向上及び出力の均一性の向上を実現する。
【0052】
図6A~6Bに示すように、光ファイバコネクタ314は、執刀医又は助手などのユーザによって保持されるように人間工学的に輪郭を付けられた外面を有するブロック状の把持本体620を含む。いくつかの実施形態では、外面は、テクスチャ加工され得るか、又は1つ若しくは複数の溝及び/若しくは隆起部621などの1つ若しくは複数の把持特徴部が形成され得る。把持本体620は、近位の滅菌フランジ622に結合し、この滅菌フランジ622は、例えば、滅菌されていない手術用レーザシステム及び/又は手術用コンソールとユーザの手術用手袋との接触を防ぐ。特定の実施形態では、把持本体620及び滅菌フランジ622は、それらの2つの構成要素を効率的に組み立てるために互いにかみ合うように構成された1つ又は複数のスナップ嵌めコネクタをそれぞれ含む。
【0053】
図6A及び6Cに示されるように、特定の実施形態では、滅菌フランジ622は、光ポート330の対応するRFID装置と相互作用するためにそれと一体化されたRFID装置623を含む。例えば、特定の実施形態では、RFID装置623は、カバープレート340のRFID装置446と無線で相互作用するように構成されたRFIDトランスポンダである。特定の実施形態では、RFID装置623は、アクティブ型RFID装置であり得る。特定の実施形態では、RFID装置623は、例えば、RFID装置446に近づけられると作動するパッシブ型RFID装置であり得る。特定の実施形態では、RFID装置623は、キャップ625に結合され、このキャップは、滅菌フランジ622及び/又は把持本体620にスナップ嵌めされ得る。
【0054】
特定の実施形態では、滅菌フランジ622及び/又はキャップ625は、光ファイバコネクタ314内に配置された光ファイバ310のゼロクロッキング角度を示す一体化された視覚的及び/又は触覚的マーカをさらに含む。したがって、視覚的及び/又は触覚的マーカは、光ポート330への最初の挿入のために光ファイバコネクタ314の向きを決める際にユーザを支援し得る。例えば、特定の実施形態では、ユーザは、光ファイバコネクタ314が光ポート330に最初に挿入されることを可能にするために、視覚的及び/又は触覚的マーカを垂直に対して約±45°の範囲内で方向付け、その後、光ファイバコネクタ314及び光ポート330の様々な特徴部は、漸進的で機械的に案内される完全挿入時のゼロ角度クロッキングを促進する。図6A~6Cに示されるように、特定の実施形態では、一体化された視覚的及び/又は触覚的マーカは、キャップ625から遠位方向において、滅菌フランジ622のスロットを通して把持本体620の外面に沿って延びる突き出たひれ状リブ624を含む。そのような実施形態では、ひれ状リブ624は、ユーザにとってより明瞭になるように、把持本体620、滅菌フランジ622及び/又はキャップ625の色に対して対照的な色で成形され得る。
【0055】
光ファイバコネクタ314は、バレル部材640をさらに含み、このバレル部材は、把持本体620を貫通してそこから近位外方に延びる。バレル部材640は、光ポート330に挿入されるように構成された外部及び管状の近位コネクタ部分644と、バレル部材640を把持本体620に固定的に結合するための中間部分646と、光ファイバ310を保護し、手術用プローブ又はツールに接続するケーブル312に光ファイバコネクタ314を結合するための遠位コネクタ部分648とを含む。図6Aに示されるように、特定の実施形態では、中間部分646は、1つ又は複数のスナップ嵌め接続部626又は他の保持機構を介して把持本体620に固定され得る。特定の実施形態では、遠位コネクタ部分648は、その上にケーブル312を固定するための1つ又は複数の隆起部、ねじ山又はリブなど、その外面627上に形成された1つ又は複数の特徴部628を含み得る。
【0056】
特定の態様では、近位コネクタ部分644は、ポートアダプタ325、保持リング450及びカバープレート340と組み合わせて、光ポート330に挿入する間の光ファイバコネクタ314の横方向及び回転案内を促す。したがって、近位コネクタ部分644は、光ポート330の様々な構成要素の特徴部に対応する、その中に形成された様々な特徴部を含む。例えば、特定の実施形態では、近位コネクタ部分644の外面615は、近位端611において、遠位方向に直径が大きくなるテーパ部分613を含む。テーパ部分613は、光ファイバコネクタ314の挿入の容易性を改善するために、例えばカバープレート340の開口部332及び保持リング450の開口部454を通る近位コネクタ部分644の事前挿入及び挿入軸方向(例えば、横方向)案内を促す。
【0057】
近位コネクタ部分644は、その内面617に沿って軸方向に形成されたテーパ状の主カムスロット616をさらに含む(図6Fにより詳細に示す)。カムスロット616は、ポートアダプタ325の主クロッキングキー516と係合して、光ファイバコネクタ314のファイバキー638がより微細な整列のためにポートアダプタ325のファイバカムスロット512と係合する前に、光ファイバコネクタ314(したがって、それと角度的に整列され固定された光ファイバ310)の初期回転事前整列のために、近位コネクタ部分644の粗い準螺旋状の案内回転を提供する。溝の寸法(例えば、幅)は、光ファイバ310の0°のクロッキング角度から約180°以内、約120°以内、約90°以内又は約45°以内の光ファイバコネクタ314の向きに対応し得る。したがって、特定の実施形態では、ポートアダプタ325の主クロッキングキー516が主カムスロット616に係合するために、ユーザは、光ファイバコネクタ314を、光ファイバ310の0°のクロッキング角度の約90°以内に向ける必要がある。
【0058】
上述のように、光ポート330内の光ファイバコネクタ314の保持は、ボールプランジャ452の半径方向内向きのカム力によって達成され得る。したがって、近位コネクタ部分644は、その外面615に形成された円周方向のキャッチ618を含み、ボールプランジャ452は、ばね押しカム作用を介してそれと係合し得る。特定の実施形態では、キャッチ618は、テーパ部分613の遠位にあり、遠位方向に減少する外径を有する円錐形ランプ619を含む。円錐形ランプ619は、ボールプランジャ452のばね押しカム力が作用し得る下降面を提供することにより、ボールプランジャ452とキャッチ618との係合及びバレル部材640(したがってそれと角度的に整列され固定されたフェルール315及び光ファイバ310)の最終的な位置決めを促し、これにより光ポート330内へのバレル部材640の近位軸方向移動が促される。
【0059】
フェルール315は、実質的に円筒形であり、光ファイバコネクタ314の近位端611で光ファイバ310の近位端をその中に固定する。フェルール315は、集光レンズ224がそこに照明、照準及び/又は治療ビーム311を集光し得るように、容積524内の光ファイバ310の近位端のインターフェース面の正しい位置決めを促す。フェルール315の近位端641は、遠位方向に向かって直径が大きくなるテーパ部分642を含む。テーパ部分642は、ポートアダプタ325のテーパ部分520と組み合わせて、ポートアダプタ325のチャネル532へのフェルール315のより簡単な挿入を促す。特定の実施形態では、フェルール315は、スリーブ534と同様のセラミック材料で形成され、これによりフェルール315及びスリーブ534の摩耗が低減され得、フェルール315とポートアダプタ325との嵌合/脱嵌合の繰り返し精度が向上する。
【0060】
フェルール315は、円筒形のフェルール本体650を介して近位コネクタ部分644の内部に支持され、このフェルール本体650にフェルール315が固定的に結合される。図6A~6Bに示されるように、フェルール315は、中間部分646にスライド可能に結合されるが回転可能に結合されないフェルール本体650の近位端から延び、近位コネクタ部分644内に延びる。したがって、中間部分646の内径は、フェルール本体650の外径に対して厳密に公差を付けられる。特定の実施形態では、軸方向のばね632は、フェルール本体650の近位端と中間部分646との間でフェルール本体650の周りに配置される。ばね632は、光ファイバコネクタ314が光ポート330に接続されたとき、フェルール315が容積524内に正しく位置決めされることを促すために、フェルール本体650に近位方向に軸方向のばね押し力を提供する。ばね632は、フェルール本体650の近位端のフランジ633と中間部分646の近位壁634との間に支持され得る。ばね632からの軸方向の力の結果としてフェルール本体650が近位コネクタ部分644から滑り落ちることを防止するために、保持クリップ635がフェルール本体650の遠位端に取り付けられ得、この保持クリップは、中間部分646内の内側壁636に対して引っ掛かる。
【0061】
光ファイバコネクタ314の光ポート330への挿入中、光ファイバコネクタ314の軸方向の位置合わせ及び保持は、円錐形ランプ619に対するボールプランジャ452のカム力がフェルール315の軸方向の位置合わせ地点を越えて近位コネクタ部分644を軸方向に変位させることによって達成される。これにより、ばね632がわずかに圧縮され、フェルール315がわずかに軸方向に後退する。近位コネクタ部分644の変位した軸方向位置の軸方向の行程超過は、ボールプランジャ452が円錐形ランプ619の底部近くにあることと一致し、これは、ボールプランジャ452が、ばね632の抵抗力プラスあらゆるフェルール315又はスリーブ534の摩擦に打ち勝つのに十分な軸方向カム力で円錐形ランプ619を半径方向内向きに押すことによって達成される。さらに、光ポート330内のプローブ検出センサの位置は、フェルール315の近位端641と円錐形ランプ619との間の軸方向距離に対応する。プローブ検出センサは、挿入捕捉力がばね押しカム作用によって係合される位置の軸方向範囲内においてのみ、すなわち円錐形ランプ619がボールプランジャ452によって係合されるときのみ、フェルール315の存在を感知する。
【0062】
上記の結果として、光ファイバコネクタ314及び光ポート330は、以下を提供する:そのプッシュ/プル嵌合/脱嵌合機能の許容可能な有用性に関する信頼性のための十分な軸方向保持力;フェルール315の検出が光ファイバコネクタ314と光ポート330との完全な係合を示すことを確実にするための挿入キャプチャ内に限るフェルール315の検出;光ファイバコネクタ314の光ポート330への最小化された挿入距離。その結果としての、軸方向の長さがコンパクトな全体的なフォームファクタの実現;フェルール315の最小化された行程超過距離。これにより挿入キャプチャ中のフェルール315のコンプライアントなばね荷重による軸方向の位置合わせによる光ファイバ310の過度の圧縮が回避される;RFID装置及び関連センサと適合可能な距離。
【0063】
ここで、図6Aに戻ると、フェルール本体650は、フェルール本体650の近位端のフランジ633から延びるファイバキー638を含む。光ファイバコネクタ314を光ポート330に挿入する間、より詳細には、約±45°の範囲にわたるポートアダプタ325のチャネル532へのフェルール315の挿入中(及び主カムスロット616と主クロッキングキー516とを介した最初の粗い回転整列後)、ファイバキー638は、ポートアダプタ325のバレル510に形成されたファイバカムスロット512と係合し、これは、ファイバキー638が、そのテーパ面により、光ファイバ310の正確なクロッキング角度まで、粗いクロッキング後、最後の数度以内で細かく回転することを引き起こす。その後、ファイバキー638は、軸方向スロット515内にスライドすることができ、軸方向スロット515は、光ファイバ310の正確な精密クロッキング角度に対応し、ファイバキー638の寸法に対して厳密に公差を付けられた寸法(例えば幅)を有する。図6Cは、ファイバキー638が軸方向スロット515に係合したときの、光ポート330内の光ファイバコネクタ314の断面正面図を示す。示されるように、光ファイバコネクタ314、したがってそれと角度的に整列され固定されたフェルール315及び光ファイバ310の回転方向及び横方向の整列は、ファイバカムスロット512及び軸方向スロット515によって提供されるファイバキー638の微細な案内に加えて、光ファイバコネクタ314の主カムスロット616によって提供される主クロッキングキー516の粗い機械的案内によって促される。
【0064】
光ファイバコネクタ314の回転による光ファイバ310のクロッキングを促すため、その中に固定されたフェルール315、したがって光ファイバ310は、光ファイバコネクタ314と角度的に整列され、角度的に固定される。光ファイバコネクタ314内でのフェルール315と光ファイバ310の角度固定は、バレル部材640の中間部分646の内面に形成された1つ又は複数の軸方向隆起部652を介して可能になり、この軸方向隆起部652は、フェルール本体650に形成された軸方向溝654にさらに対応及び係合し、したがって図6Eに示すような舌と溝のような機構を形成する。軸方向隆起部652と軸方向溝654は、フェルール本体650とフェルール315のバレル部材640に対する回転を防止する回転防止特徴部として機能する一方、軸方向の移動は依然として可能である。同様に、例えば把持本体620に対するバレル部材640の回転を防止するために、中間部分646は、上述のスナップ嵌め接続部626などの回転防止特徴部も含み得、これは、把持本体620に形成された1つ又は複数のスロット658に対応し得る。
【0065】
図7A~7Hは、本開示の特定の実施形態による、ポートアダプタ325を含む光ポート330及び光ファイバコネクタ314の連続する嵌合段階における断面側面図を示す。したがって、図7A~7Hは、嵌合中の光ポート-光ファイバコネクタインターフェース部の固有の動作特性及び機能特性を示し、これは、挿入中に漸進的で機械的に誘導される横方向の位置決め及び回転を提供するとともに、捕捉状態検出及びRFID通信を提供する。
【0066】
図7A~7Bは、事前挿入シーケンスを示し、フェルール315をポートアダプタ325のチャネル532に挿入する前に光ファイバコネクタ314が横方向に粗く位置決めされる。図7Aにおいて、ユーザは、手術用レーザシステム及び/又は手術用コンソールの外側パネルに結合され得るカバープレート340の開口部332を通してバレル部材640の近位コネクタ部分644を案内することにより、光ファイバコネクタ314を光ポート330に挿入し始める。事前挿入の前又は間、ユーザは光ファイバ310の0°のクロッキング角度から約±45°以内に光ファイバコネクタ314を方向付け、この角度は、光ファイバコネクタ314上の、例えば滅菌フランジ622及び/又はキャップ625上の視覚的及び/又は触覚的マーカによって指定される。近位コネクタ部分644がカバープレート340を通過するとき、テーパ部分444を含むカバープレート340の内周面442は、近位コネクタ部分644がポートアダプタ325に接触する前に粗い機械的案内を提供する。図7Bにおいて、近位コネクタ部分644は、カバープレート340のテーパ部分444を通過し、近位コネクタ部分644の粗い機械的位置決めが完了する。
【0067】
図7Cは、バレルのセンタリングシーケンスを示す。示されるように、近位コネクタ部分644の内面617は、ポートアダプタ325のバレル510の外面513に接触し、この外面513は、近位コネクタ部分644がチャネル532内に挿入される前にフェルール315の半径方向の位置整列のために近位に移動する際、近位コネクタ部分644を機械的に案内する。
【0068】
図7D~7Eは、光ファイバコネクタ314の近位コネクタ部分644及びその中に配置されたフェルール本体650が、光ファイバコネクタ314が近位に移動するにつれて、最初のユーザによるクロッキングを超えてさらに回転調整される、バレルクロッキングシーケンスを示す。図7Dでは、フェルール315は、チャネル532内に配置されたスリーブ534に挿入される。ポートアダプタ325のバレル510上の主クロッキングキー516が近位コネクタ部分644の主カムスロット616の湾曲した縁部に接触してスライドするにつれて、近位コネクタ部分644の粗いクロッキング整列が始まる。図7Eでは、主クロッキングキー516と主カムスロット616とによって提供される機械的な案内により、ポートアダプタ325のファイバカムスロット512に挿入するためのフェルール本体650上のファイバキー638の整列が促される。ユーザが光ファイバコネクタ314を近位方向にさらに動かすと、ファイバキー638がファイバカムスロット512の湾曲面に接触してスライドし、これにより近位コネクタ部分644のさらなるより微細なクロッキングが提供される。クロッキングは、ファイバキー638が、ファイバカムスロット512が近位方向に移行する軸方向スロット515と整列し、その中にスライドすることで完了され得る。
【0069】
図7D~7Eのシーケンス中、近位コネクタ部分644の外面615のテーパ部分613は、保持リング450内のボールプランジャ452のボールと接触し、光ファイバコネクタ314が光ポート330内に案内されるにつれて、そこに増大する力を提供する。したがって、ボールプランジャ452のボールは半径方向外側にスライドし、それぞれの戻り止め穴から外れる。近位コネクタ部分644とボールプランジャ452との間のこの接触は、以下に記載されるような光ファイバコネクタ314の捕捉シーケンスが開始されているという触覚的確認をユーザに提供し得る。
【0070】
図7F~7Hは、近位コネクタ部分644が光ポート330に完全に挿入され、ボールプランジャ452と係合する捕捉シーケンスを示す。図7Fの捕獲シーケンスの開始時に、ばね押しボールプランジャ452は、近位コネクタ部分644の外面615の円錐形ランプ619にカム力を提供する。円錐形ランプ619の下降面に対する下向きのカム力により、軸方向及び近位方向に捕捉力が生じ、これにより近位コネクタ部分644、したがって光ファイバコネクタ314が光ポート330内にさらに引き込まれる。図7Gでは、フェルール315は、チャネル532の近位端を通過し、容積524に入り、そこで集光レンズ324が照明、照準及び/又は治療ビーム311を正確な整列及び高い結合効率で光ファイバ310の近位インターフェース面に集光し得る最終位置に達する。この最終位置では、ファイバキー638が軸方向スロット515に完全に挿入されるため、光ファイバ310のクロッキングが完了し、光ポート330内でのフェルール本体650の軸方向位置合わせも完了する。さらに、この最終挿入位置では、フェルール315は検出チャネル526を通る光路を遮断し、それにより、1つ又は複数のプローブ検出センサに、最終挿入位置にフェルール315が存在することを知らせる。特定の実施形態では、容積524内のフェルール315の検出に応答して、それぞれ光ポート330及び光ファイバコネクタ314内のRFID装置446及び623間のRFID通信が開始され得る。図7Hにおいて、ボールプランジャ452によって提供されるカム力は、近位コネクタ部分644を光ポート330内に引き込み続け、停止面として機能するポートアダプタ325のレッジ519に対するフェルール本体650のばね荷重による軸方向位置合わせを提供する。その結果、光ファイバコネクタ314の光ポート330への挿入が完了する。
【0071】
図8A~8Bは、本開示の特定の実施形態による、それぞれ非嵌合状態及び嵌合状態にある、別の例示的なポートアダプタ825を含む手術用レーザシステムの別の例示的な光ポート830と、別の例示的な光ファイバコネクタ814の断面側面図を示す。図9は、ポートアダプタ825の斜視図を示し、図10A~10Bは、本開示の特定の実施形態による、光ファイバコネクタ814のそれぞれ正面図及び斜視図を示す。わかりやすくするために、図8A~8B、図9及び図10A~10Bは、本明細書で一緒に記載される。さらに、ポートアダプタ825を含む光ポート830及び光ファイバコネクタ814は、それぞれ光ポート330及び光ファイバコネクタ314と実質的に類似している。したがって、対応する詳細は簡潔にするために省略する。
【0072】
図8A~8B、図9及び図10A~10Bの例は、「自己クロッキング」例として記載される場合があり、なぜなら、光ファイバコネクタ814を光ポート830に結合する際、ユーザによる光ファイバコネクタ814、したがってそこに固定された光ファイバ310の事前挿入クロッキングが必要ないためである。自己クロッキングを促すために、近位コネクタ部分844及び中間部分846を含むバレル部材840並びにフェルール本体850及びバレル部材840又はフェルール本体850のいずれかに結合されたケーブル312は、光ファイバコネクタ814内で自由に独立して回転可能である。図8A~8Bに示すように、フェルール本体850と、バレル部材840の中間部分846と、中間部分846と、把持本体820とは、光ファイバコネクタ314の対応する特徴部とは異なり、(例えば、隆起部及び溝などの回転防止特徴部なしに)互いに回転可能に結合される。さらに、近位コネクタ部分844の内面817は、そこに形成されたいかなるカム特徴部も有さず、代わりに実質的に滑らかであり得る。したがって、光ファイバコネクタ814の光ポート830への事前挿入及び挿入は、光ファイバコネクタ814の任意の角度で且つユーザ又は光ポート830の構成要素によるその外部回転なしに可能であり、これは、バレル部材840及びフェルール本体850が光ファイバコネクタ814内で自由に内部回転し得るためであり、それにより挿入プロセスが単純化される。
【0073】
フェルール本体850及びバレル部材840の自由回転を考慮するために、したがって光ファイバコネクタ814を任意の角度で光ポート830に挿入する可能性を考慮するために、ポートアダプタ825のバレル810は、図9に示すように、実質的に螺旋状のテーパ状前縁812を含む。テーパ状前縁812は、バレル810の遠位先端816から始まり、軸方向スロット815に移行するまで近位方向に螺旋状に先細り又は湾曲している。軸方向スロット515と同様に、軸方向スロット815は、フェルール本体850の所望の最終クロッキング角度に対応し、したがって、フェルール315は、フェルール本体850と角度的に整列されて固定される。挿入中、テーパ状前縁812は、フェルール本体850上に形成されたファイバキー838(図8A~8B及び図10Aに示す)と機械的に係合するように構成され、光ファイバコネクタ814が光ポート830に挿入されるにつれて、フェルール本体850を任意の開始回転(例えば、角度)方向から徐々に回転させる。ファイバキーは、光ファイバ310の正しいクロッキング角度に正確に対応する軸方向スロット815に到達して係合するまで、テーパ状前縁812によって回転案内される。
【0074】
図10Bに示すように、光ファイバコネクタ814は把持本体820を含み、この把持本体820は、把持本体620のブロック状の形状とは対照的に、実質的に丸い形態を有し得る。この丸い形態は、フェルール本体850、バレル部材840及びそこから遠位側に延びるケーブル312の自由回転を促し得る。特定の実施形態では、把持本体620と同様に、把持本体820は、ユーザによる人間工学的な把持を促すために、延長部821など、その上に形成された1つ又は複数の把持特徴部を有し得る。把持本体820は、近位側に滅菌フランジ822の中に移行し、この滅菌フランジ822は、例えば、滅菌されていない手術用レーザシステム及び/又は手術用コンソールとユーザの手術用手袋との接触を防ぐ。フェルール本体850、したがってフェルール315は、光ファイバコネクタ814内で自由に回転可能であるため、把持本体820も滅菌フランジ822も、光ファイバ310のゼロクロッキング角度を示すための視覚的及び/又は触覚的マーカを含まない。
【0075】
光ファイバコネクタ314と同様に、RFID装置823は、光ポート830の対応するRFID装置、例えばRFID装置446との無線相互作用のために光ファイバコネクタ814と一体化される。例えば、特定の実施形態では、RFID装置823は、滅菌フランジ822に一体化される。
【0076】
特定の他の実施形態では、図8A~8Bに示すように、RFID装置823は、把持本体820と自由に回転可能なバレル部材840との間に配置される。RFID装置823は、アクティブ型RFID装置又は例えばRFID装置446に近づけられると作動するパッシブ型RFID装置であり得る。
【0077】
要約すると、本明細書に開示される実施形態は、光ファイバをレーザ手術システムに結合するためのシステム及び装置を提供する。特に、特定の態様は、光ファイバをレーザ手術システムのポートに結合するためのコネクタ及びアダプタを提供する。コネクタ及びアダプタは、ポート内への挿入中に光ファイバの機械的な横方向及び回転案内を促して、光ファイバのコアと、レーザ手術システムによって伝播されるレーザビームパターンとの適切な整列(例えば、クロッキング)を確実にする。したがって、コネクタ及びアダプタは、レーザビームパターンと、光ファイバの1つ又は複数のコアとの間の向上した結合効率及びしたがってコアを通して伝送される複数のレーザビーム間の向上した出力均一性を可能にする。
【0078】
本明細書で使用される場合、項目のリスト「~の少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b又はcの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c及びa-b-c並びに複数の同じ要素の任意の組み合わせ(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c並びにc-c-c又はa、b及びcの他の任意の順序)を網羅することを意図される。
【0079】
上記の説明は、当業者が、本明細書に記述する様々な実施形態を実施できるようにするために与えられている。これらの実施形態に対する様々な変更形態は、当業者に直ちに明らかになり、本明細書で定義する一般的な原理を他の実施形態に適用することができる。したがって、請求項は、本明細書に示す実施形態への限定を意図されず、請求項の文言と整合する全範囲を対象とする。請求項内で要素を単数形で言及していても、特に明記しない限り、「1つ且つ唯一」ではなく、「1つ又は複数」を意味することを意図する。別途明記しない限り、用語「いくつか」は、1つ又は複数を指す。本開示を通して記述された、当業者に公知であるか又は後に公知になる様々な態様の要素のすべての構造的及び機能的均等物が引用により本明細書に明示的に組み込まれ、請求項に含まれることを意図する。さらに、本明細書に開示するいかなるものも、そのような開示が請求項内で明示的に記載されるか否かを問わず、公開することを意図しない。請求項のいかなる要素も、要素が語句「~のための手段」を用いて明示的に記載されない限り又は方法クレームの場合には要素が語句「~のためのステップ」を用いて記載されない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されない。本明細書では、用語「例示的」は、「例、実例又は図示の役割を果たす」意味で使用される。本明細書で「例示的」と記述されるいかなる態様も、必ずしも他の態様より好適又は有利であると解釈すべきではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】