IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロンザ・グリーンウッド・エルエルシーの特許一覧

特表2024-543411骨格関節を治療するための方法並びに組成物及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】骨格関節を治療するための方法並びに組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/39 20060101AFI20241114BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241114BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20241114BHJP
【FI】
A61K38/39
A61P19/02
A23L33/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527598
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022049073
(87)【国際公開番号】W WO2023086283
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/278,860
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522346729
【氏名又は名称】ロンザ・グリーンウッド・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196597
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】ジュツル,ビジャヤ
(72)【発明者】
【氏名】サイード,ザイヌラベディン
(72)【発明者】
【氏名】ダーキー,シェーン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB03
4B018LB07
4B018LB08
4B018MD20
4B018ME14
4C084AA02
4C084BA44
4C084CA25
4C084DA40
4C084MA34
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZC011
4C084ZC012
(57)【要約】
治療有効量で哺乳動物に投与された場合、炎症を低減し、更には損傷又は罹患した骨格関節を治癒することができる、関節治療組成物が開示される。例えば、関節治療組成物は、変形性関節症及び他の骨格疾患又は損傷の治療によく適している。本開示の組成物は、例えば、体内の腫瘍壊死因子血清及びタンパク質の低減を含む、骨格の健康に関連する様々なバイオマーカーを劇的に減少させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における骨格関節損傷又は疾患を治療する方法であって、
治療有効量の関節治療組成物を含有する栄養補助サプリメントを前記哺乳動物に供給することであって、前記関節治療組成物が、コラーゲンを含み、前記関節治療組成物が、用量で投与され、前記治療有効量が、1日当たり少なくとも約0.66mg/kg体重の量であり、1日当たり0.3/kg体重の前記関節治療組成物を投与することと比較して、少なくとも1つの関節健康マーカーの変化を通して示されるように、前記骨格関節損傷又は疾患の重症度を軽減するのに十分である、供給することを含む、方法。
【請求項2】
前記哺乳動物に投与される前記関節治療組成物の前記治療有効量が、1日当たり少なくとも1mg/kg体重のコラーゲン量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記哺乳動物に投与される前記関節治療組成物の前記治療有効量が、1日当たり少なくとも2mg/kg体重のコラーゲン量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記哺乳動物に投与される前記関節治療組成物の前記治療有効量が、1日当たり少なくとも1.2mg/kg体重~約3mg/kg体重のコラーゲン量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コラーゲンが、非変性II型コラーゲンを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、血清腫瘍壊死因子を少なくとも約5%、例えば少なくとも約15%、例えば少なくとも約25%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、血清C反応性タンパク質を少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、及び概して約90%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、プロスタグランジンE2を少なくとも約8%、例えば少なくとも約15%、例えば少なくとも約25%、例えば少なくとも約30%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、インターロイキン-10タンパク質を少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、及び概して約100%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、腫瘍壊死因子を少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、例えば少なくとも約35%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、シクロオキシゲナーゼ2タンパク質を少なくとも約7%、例えば少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、及び概して約90%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、核因子カッパBを少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約35%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、マトリックスメタロペプチダーゼ3を少なくとも約15%、例えば少なくとも約25%、例えば少なくとも約35%、及び概して約75%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、形質転換増殖因子Bタンパク質を少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、例えば少なくとも約15%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約35%、例えば少なくとも約40%、例えば少なくとも約45%、例えば少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%、例えば少なくとも約60%、例えば少なくとも約65%、及び概して約80%未満増加させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、軟骨オリゴマーマトリックス血清を少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質を少なくとも約10%、例えば少なくとも約15%、例えば少なくとも約25%、例えば少なくとも約30%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、インターロイキン-1血清を少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、及び概して約100%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、インターロイキン-6血清を少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、及び概して約120%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、インターロイキン-1-Bタンパク質を少なくとも約8%、例えば少なくとも約10%、例えば少なくとも約15%、例えば少なくとも約20%、及び概して約60%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記関節治療組成物が、治療の28日後に、インターロイキン-6タンパク質を少なくとも約10%、例えば少なくとも約15%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、及び概して約80%未満減少させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記関節治療組成物が、前記哺乳動物のケルグレン-ローレンススコアを少なくとも約20%変化させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記関節治療組成物が、前記哺乳動物のマンキンスコアを少なくとも約15%変化させるのに十分な治療有効量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
コラーゲンが、1日当たり50mg超、例えば1日当たり80mg超、例えば1日当たり80mg超、例えば1日当たり100mg超、例えば1日当たり120mg超、例えば1日当たり480mg超、例えば1日当たり320mg超、例えば1日当たり480mg超、及び概して1日当たり約800mg未満の量で、前記哺乳動物に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月12日に出願された米国仮出願第63/278,860号の利益に対する優先権を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
軟骨のマトリックスは、コラーゲン、プロテオグリカン、及び非コラーゲン性タンパク質で構成され、関節を形成する2つの骨の末端を覆うため、骨格関節内のクッション及び衝撃吸収材としての役割を果たす。軟骨損傷は、関節損傷、無血管性壊死、老化の影響、変形性関節症、自己免疫障害、及び関節リウマチを含むいくつかの状態によって引き起こされ得る。損傷した軟骨は、痛みを引き起こし、関節の動きを制限する可能性がある。
【0003】
炎症は、損傷に対する組織の応答であり、組織への血流の増加が、体温の上昇、発赤、腫脹、及び疼痛を引き起こすことを特徴とする。炎症は、急性又は慢性のいずれかに分類され得る。急性炎症は、有害な刺激に対する身体の初期応答であり、血液から損傷した組織への血漿及び白血球(特に顆粒球)の移動の増加によって達成される。一連の生化学的事象は、局所血管系、免疫系、及び損傷した組織内の様々な細胞を伴う炎症応答を伝播及び成熟させる。慢性炎症として知られる長期の炎症は、炎症部位に存在する細胞型の進行性の移動をもたらし、炎症プロセスからの組織の同時の破壊及び治癒を特徴とする。
【0004】
損傷又は変形性関節症に起因する関節の健康状態の悪化を示す1つの関節の健康因子は、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベルである。TNFαは、単球、マクロファージ、及びTリンパ球によって産生される。TNFαは、炎症において重要な役割を果たすと考えられる可溶型solTNF、及び免疫機能に関与する膜貫通型tmTNFの両方として存在する。
【0005】
TNFαは、単球、滑膜マクロファージ、線維芽細胞、軟骨細胞、及び内皮細胞にその一次効果を発揮し、炎症誘発性サイトカイン及びケモカイン合成を刺激する。これは、顆粒球を活性化し、MHCクラスII発現を増加させる。これは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の分泌を促進し、炎症を示す軟骨マトリックス分解をもたらす。
【0006】
これは、炎症カスケードを開始し、炎症を起こした又は損傷した組織に近接して増加することがわかっているため、TNFα阻害は、疼痛及び/若しくは炎症療法並びに/又は組織破壊の標的である。
【0007】
変形性関節症などの損傷又は疾患に罹患している骨格関節を治療するための様々な方法が存在する。これらの治療方法のほとんどは、疼痛及び炎症を制御することを対象とする。必要とされるのは、関節の健康状態の悪化に関連する疼痛を治療するためだけでなく、可動性を取り戻すために損傷した組織を修復するも可能な、哺乳動物に投与され得る組成物である。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、概して、哺乳動物における関節痛、関節の健康、関節の可動性、又は炎症のうちの1つ以上を改善する方法を対象とする。方法は、栄養補助サプリメントを哺乳動物に投与することを含み、サプリメントは、II型コラーゲン組成物を含む。一態様では、II型コラーゲン組成物は、特に有効であることがわかっている非変性コラーゲンを含む。II型コラーゲンは、変形性関節症又は他の関節壊死などの骨格関節の疾患又は炎症の影響に対抗するのに十分な量で、哺乳動物に投与される。II型コラーゲンの用量を増加させることが、より大きな関節の健康の有効性につながることが予想外に発見された。
【0009】
一実施形態では、例えば、本開示は、哺乳動物における骨格関節損傷又は疾患を治療する方法を対象とする。方法は、治療有効量の関節治癒組成物を哺乳動物に供給することを含む。関節治療組成物は、コラーゲンを含み、用量の形態で哺乳動物に投与され得る。より具体的には、関節治療組成物は、1日当たり約0.66mg/kg体重を超える量(これは、40mgのヒト等価用量に変換される)で、哺乳動物に投与される。
【0010】
過去には、1日当たり約0.55mg/kg体重を超える、例えば約0.6mg/kg体重を超える1日の非変性(又は天然の)コラーゲン用量(例えば、一部の哺乳動物に対して40mgのコラーゲン)は、使用者又は哺乳動物に追加の有益な効果をもたらさないと広く信じられていた。しかしながら、1日当たり約0.66mg/kg体重を超えるコラーゲン、特に非変性コラーゲンを投与することが、関節の損傷又は疾患に劇的で有益な効果を有し得ることが、驚くべきことにかつ予想外に発見された。この点に関して、本開示の方法は、一態様では、1日当たり0.3mg/kg体重未満の関節治療組成物を投与することと比較して、例えば、1日当たり0.5mg/kg体重未満の関節治療組成物を投与することと比較して、例えば、1日当たり0.6mg/kg体重未満の関節治療組成物を投与することと比較して、少なくとも1つの関節健康マーカーの変化を通して示されるように、骨格関節損傷又は疾患の重症度を軽減するのに十分なより多い量のコラーゲンを、哺乳動物に投与することができる。
【0011】
例えば、関節治療組成物は、哺乳動物がコラーゲン、特に非変性II型コラーゲンを、1日当たり約1mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約2mg/kg体重を超える量で投与されるように、哺乳動物に投与され得る。コラーゲンは、例えば、1日当たり約1.2mg/kg体重~1日当たり約3mg/kg体重の量で、哺乳動物に投与され得る。
【0012】
哺乳動物に投与されるコラーゲンの量は、炎症のタイプ及び量並びに哺乳動物のタイプを含む様々な要因に依存し得る。一実施形態では、ヒトであり得る哺乳動物は、1日当たり約50mgを超える、例えば1日当たり約80mgを超える、例えば1日当たり約100mgを超える、例えば1日当たり約120mgを超える量で、例えば1日当たり約160mgを超える量で、例えば1日当たり約320mgを超える量で、例えば1日当たり約400mgを超える量で、例えば1日当たり約480mgを超える量で、及び概して1日当たり約3,000mg未満の量、例えば1日当たり約1,000mg未満の量のコラーゲンを投与される。
【0013】
関節治療組成物は、骨格関節の炎症を治療するために、及び/又は変形性関節症などの関節損傷若しくは疾患を治療するために、十分な量でかつある期間にわたって哺乳動物に投与され得る。本開示の組成物の効果は、改善された可動性において、並びに/又は炎症、関節代謝、及び/若しくは関節の健康に関連する様々なバイオマーカーを監視することによって見られ得る。例えば、本開示の関節治療組成物は、約5%を超える量で、例えば約15%を超える量で、例えば約25%を超える量で、血清腫瘍壊死因子アルファを減少させるのに十分な期間にわたって、哺乳動物に投与され得る。血清C反応性タンパク質は、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超低減され得る。プロスタグランジンE2は、約8%超、例えば約15%超、例えば約25%超、例えば約30%超減少し得る。インターロイキン-1血清レベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超減少し得る。インターロイキン-6血清は、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超減少し得る。インターロイキン-1-Bタンパク質は、約8%超、例えば約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超低減され得る。インターロイキン-6タンパク質は、約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超減少し得る。インターロイキン-10タンパク質は、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超減少し得る。腫瘍壊死因子アルファタンパク質は、約10%超、例えば約20%超、例えば約25%超、例えば約35%超減少し得る。シクロオキシゲナーゼ2タンパク質は、約7%超、例えば約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超減少し得る。核因子カッパBタンパク質は、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約35%超減少し得る。マトリックスメタロペプチダーゼ3は、約15%超、例えば約25%超、例えば約35%超減少し得る。軟骨オリゴマーマトリックス血清は、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超減少し得る。軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質は、約10%超、例えば約15%超、例えば約25%超、例えば約30%超減少し得る。一方、形質転換増殖因子Bは、約5%超、例えば約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超増加し得る。
【0014】
本開示の関節治療組成物は、哺乳動物のケルグレン-ローレンススコアを少なくとも約20%変化させるのに十分な期間にわたって、哺乳動物に投与され得る。本開示の関節治療組成物はまた、哺乳動物のマンキンスコアを少なくとも約15%変化させるのに十分な期間にわたって、哺乳動物に投与され得る。
【0015】
上記のバイオマーカーの上記の減少及び増加は、処置されている哺乳動物の初期レベルと比較され得る。バイオマーカーに対する上記の影響は、関節治療組成物を投与した後のある期間にわたって生じ得る。期間は、例えば、約10日~約60日、例えば約20日~約40日であり得る。一実施形態では、上記の効果は、28日間の期間後に実現される。関節健康組成物は、任意の好適な形態で投与され得る。一態様では、関節健康組成物は、摂取されることを意図する栄養補助サプリメントである。そのような形態としては、カプセル、錠剤、及び粉末などを含む固体、液体、及びゲルが挙げられる。関節健康組成物はまた、噴霧乾燥、ビーズレットなどであるかどうかにかかわらず、脂質多微粒子形態(LMP)であり得る。
【0016】
本開示の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に考察される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
当業者に向けられた、その最良のモードを含む本発明の完全かつ実施可能な開示は、本明細書の残りの部分により具体的に記載され、これは、以下の添付の図面を参照する。
【0018】
図1】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図2】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図3】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図4】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図5】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図6】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図7】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図8】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図9】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図10】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図11】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図12】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図13】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図14】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図15】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図16】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図17】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図18】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図19】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図20】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図21】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図22】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図23】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図24】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図25】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図26】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図27】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図28】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図29】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図30】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図31】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図32】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図33】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図34】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図35】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図36】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図37】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図38】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図39】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図40】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図41】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図42】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図43】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
図44】以下の実施例で得られた結果の一部のグラフ表現である。
【0019】
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【0020】
[定義]
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」、又は「概して」という用語は、値を修正するために使用されるとき、値が10%、一態様では、例えば8%、例えば5%、例えば4%、例えば3%、例えば2%、例えば一態様において1%上下し得、かつ開示される態様内に留まり得ることを示す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、そのような処置を必要とする哺乳動物に組成物が投与されるか、又は送達される特定の薬理学的若しくは栄養学的反応をもたらす、その投与量又は組成物の量を意味するものとする。特定の場合、特定の対象に投与される「治療有効量」は、必ずしも、疾患を治療する、又はそれ以外の場合、本明細書に記載される健康を改善するのに有効ではないが、そのような投与量は、当業者によって「治療有効量」とみなされることが強調される。特定の対象は、実際には、「治療有効量」に対して「難治性」であり得る。例えば、難治性対象は、特定の受容体、代謝経路、又は臨床的有効性が得られないような応答能力において、低い生物学的利用能又は遺伝的変動を有し得る。特定の場合、組成物又はサプリメントは、経口投与量として、又は血液中で測定され得る成分レベルに関して測定され得ることを更に理解されたい。他の実施形態では、投与量は、組成物が局所製剤とともに含まれる場合、皮膚に塗布される量で測定することができる。一態様では、治療有効量は、関節の健康を維持、修復、又は改善するための量のコラーゲンを供給又は摂取することを指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「活性」又は「活性成分」とは、体に投与されることが所望され得る薬物、薬剤、医薬品、治療薬、栄養補助食品、又は他の化合物を意味する。活性成分は、概して2000ダルトン以下の分子量を有する「小分子」であってもよい。活性成分は、「生物活性物質」であってもよい。生物活性成分としては、タンパク質、抗体、抗体断片、ペプチド、オリゴヌクレオチド、ワクチン、及びこのような材料の様々な誘導体が挙げられる。一実施形態では、活性成分は、小分子である。別の実施形態では、活性成分は、生物活性物質である。更に別の実施形態では、活性成分は、小分子と生物活性物質との混合物である。また、本明細書で使用される場合、用語「活性成分」、「第1の活性成分」、「第2の活性成分」などは、粒子内の異なる場所に位置する活性成分、例えば、コア内に位置するもの、又は1つ以上の外層内に位置するものを示すために使用され得る。しかしながら、用語「第1の」又は「第2の」は、第1の活性成分が第2の活性成分と異なることを必ずしも示すものではない。例えば、特定の実施形態では、コア内に含有される活性成分は、コア上に配置された外層内に含有される第2の活性成分と同じであり得る。特定の他の実施形態では、コア内に含有される活性成分は、コア上に配置された外層内に含有される第2の活性成分とは異なることがあり得る。
【0023】
「サプリメント」という用語は、哺乳動物の通常の食事に加えて生成物を意味するが、哺乳動物の通常の食物又は飲料組成物と組み合わせてもよい。サプリメントは、これらに限定されないが、固体、液体、ゲル、カプセル、又は粉末の任意の形態であり得る。サプリメントはまた、食品、飲料、ペットフード、軽食、又はおやつを含み得る食品組成物の構成成分とともに、又は構成成分として同時に投与されてもよい。一実施形態では、飲料は、活性飲料であってもよい。
【0024】
「栄養機能食品」という用語は、その基本的な栄養価に加えて、健康又は医療上の利益を提供する栄養源(例えば、食品、飲料、又は栄養補助食品)に添加される任意の化合物を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「送達すること」又は「投与すること」という用語は、医学界により標準として受け入れられているように、組成物、製品、又は栄養機能食品を対象に提供するための任意の経路を指す。例えば、本開示は、経口摂取と、経皮、静脈内、腹腔内、筋肉内、局所及び皮下を含む任意の他の好適な送達経路とを、含む、送達又は投与の経路を企図する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、改善された関節の健康、回復力、及び回復から利益を得ることができる任意の哺乳動物を含み、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒト、又はブタ哺乳動物を含むことができるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される場合、「健常な」とは、疾患又は傷害の不在を指す。
【0028】
別段の記載がない限り、本明細書で使用される場合、「コラーゲン」は、変性の有無にかかわらず、塩又は安定剤の有無にかかわらず、全ての形態のコラーゲン、並びに短鎖コラーゲン(一般的にはVII型及びX型)、基底膜(IV型)、Multiplexin(中断を伴う複数の三重らせんドメイン)(XV型、XVIII型)、及び他のタイプのコラーゲン(VI型、VII型)を含む、中断された三重らせん(FACIT、IX型、XII型、XIV型、XIX型、XXI型)を伴う原線維関連コラーゲンに限定されない原線維及び非原線維型コラーゲンを指す。一態様では、コラーゲンは、化学物質又は酵素又は熱又はより低いpHの処理なしで、三重らせん構造及びエピトープで維持され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「バイオマーカー」という用語は、哺乳動物における測定可能な物質であって、その存在、濃度、又は量が、疾患、感染、又は炎症などのなんらかの現象を示し、関節バイオマーカー、炎症バイオマーカーなどであり得るものを指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、考察されるバイオマーカーのうちのいずれか1つ以上の変化パーセントは、それぞれの対象及び/又はマーカーのベースライン値に基づいており、中間点又は非開始点からの変化パーセントを指すものではない。したがって、本明細書で使用される場合、「ベースライン」は、ゼロ日又は開始点を指し、したがって、開始点で測定されたマーカーの値を決定するために使用され得、次いで、ベースラインからの本明細書で考察されるバイオマーカーのうちのいずれかの変化パーセントを計算するために使用される。
【0031】
本開示の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に考察される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本考察は、例示的な実施形態の説明に過ぎず、本開示のより広範な態様を限定することを意図するものではないことが当業者によって理解されるべきである。
【0033】
概して、本開示は、哺乳動物における骨格関節の炎症を低減する、可動性を高める、及び/又は別の方法で疾患若しくは損傷を治療するための方法を対象とする。方法は、上記のように罹患した動物及びヒトなどの哺乳動物に、治療有効量の関節治療組成物を、哺乳動物及び骨格関節の健康を改善するのに十分な期間投与することを含む。本開示の方法は、例えば、変形性関節症及び/又は骨壊死の治療に特によく適している。
【0034】
本開示の関節治療組成物は、様々な形態の任意の好適なコラーゲンなどのコラーゲンを含有する。一実施形態では、関節治療組成物に含有されるコラーゲンは、非変性II型コラーゲンである。コラーゲンは、健康な哺乳動物の関節の健康を改善するためのサプリメントとして過去に使用されてきた。例えば、2021年8月13日に出願され、参照により本明細書に組み込まれるPCT出願第PCT/US2021/045853号は、健康な哺乳動物における炎症、関節の健康、関節の可動性、及び関節の快適性を改善するためのサプリメント及び方法を開示する。過去には、哺乳動物にコラーゲンを投与することの利点は、より低い用量で実現され、哺乳動物に投与されるコラーゲンの量を増加させることは、追加の利点を有しないと考えられていた。逆に、より多い量のコラーゲンを哺乳動物に投与することは、変形性関節症及び/又は骨壊死などの病気及び疾患に罹患している哺乳動物における骨格関節の健康を予想外かつ劇的に改善し得ることが、現在発見されている。実際、本開示のサプリメントの有効性は、非変性コラーゲンの用量が増加するにつれて高まり続けることが発見された。
【0035】
例えば、過去には、1日当たり約0.55を超える、例えば約0.6mg/kg体重を超える1日のコラーゲン用量(例えば、ヒトなどの一部の哺乳動物に対しては40mgのコラーゲン)は、使用者又は哺乳動物に追加の有益な効果をもたらさないと広く信じられていた。しかしながら、1日当たり約0.66mg/kg体重を超えるコラーゲンを投与することが、関節の損傷又は疾患に劇的で有益な効果を有し得ることが、驚くべきことにかつ予想外に発見された。この点に関して、本開示の方法は、一態様では、1日当たり0.3mg/kg体重未満の関節治療組成物を投与することと比較して、例えば、1日当たり0.5mg/kg体重未満の関節治療組成物を投与することと比較して、例えば、1日当たり0.6mg/kg体重未満の関節治療組成物を投与することと比較して、少なくとも1つのバイオマーカーの変化を通して示されるように、骨格関節損傷又は疾患の重症度を軽減するのに十分なより多い量のコラーゲンを、哺乳動物に投与することができる。
【0036】
本開示の関節治療組成物は、骨格関節の病気又は損傷に罹患している哺乳動物に投与された場合、骨格関節を治癒することに加えて、疼痛を劇的に低減し得る。1つ以上の骨格関節の損傷又は病気に罹患している哺乳動物に投与された場合、関節治療組成物は、ケルグレン-ローレンススコア及びマンキンスコアを通して測定され得る可動性を劇的に改善し、関節及び組織の健康を改善し得る。例えば、本開示の関節治療組成物は、哺乳動物のケルグレン-ローレンススコアを少なくとも約20%変化させるのに十分な期間にわたって、哺乳動物に投与され得る。本開示の関節治療組成物はまた、哺乳動物のマンキンスコアを少なくとも約15%変化させるのに十分な期間にわたって、哺乳動物に投与され得る。
【0037】
関節治療組成物を治療有効量で哺乳動物に投与することは、骨格の健康及び/又は炎症に関連する様々なバイオマーカーに劇的に影響を与え、かつそれらを改善し得ることも発見された。例えば、骨格関節の疾患又は損傷に罹患している哺乳動物において、本開示の関節治療組成物は、炎症カスケードを開始することによって炎症において重要な役割を果たすと考えられる腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)を劇的かつ予想外に低減し得る。しかしながら、本開示の方法は、哺乳動物の体内の血清TNFαを約5%超、例えば約15%超、例えば約25%超、及び概して約120%未満、例えば約80%未満低減し得る。同様に、TNFαタンパク質は、哺乳動物の体内で約10%超、例えば約20%超、例えば約25%超、例えば約35%超、及び概して約80%未満低減され得る。上記の低減は、少なくとも毎日など、少なくとも3日に1回、関節治療組成物を投与された期間後に生じ得る。上記の結果は、例えば、20週間の処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に示され得る。
【0038】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における血清インターロイキン-1レベルを減少させ得る。血清インターロイキンレベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超、及び概して約100%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0039】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における血清インターロイキン-6レベルを減少させ得る。血清インターロイキンレベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超、及び概して約120%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0040】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における血清C反応性タンパク質レベルを減少させ得る。血清C反応性タンパク質レベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超、及び概して約90%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0041】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物におけるプロスタグランジンE2レベルを減少させ得る。プロスタグランジンE2レベルは、約8%超、例えば約15%超、例えば約25%超、例えば約30%超、及び概して約80%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0042】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物におけるインターロイキン-1-Bタンパク質レベルを減少させ得る。インターロイキン-1ーBタンパク質レベルは、約8%超、例えば約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超、及び概して約60%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0043】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物におけるインターロイキン-6タンパク質レベルを減少させ得る。インターロイキン-6タンパク質レベルは、約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超、及び概して約80%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0044】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物におけるインターロイキン-10タンパク質レベルを減少させ得る。インターロイキン-10タンパク質レベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約40%超、及び概して約100%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0045】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物におけるシクロオキシゲナーゼ2タンパク質レベルを減少させ得る。シクロオキシゲナーゼ2タンパク質レベルは、約7%超、例えば約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、及び概して約90%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0046】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における核因子カッパBタンパク質レベルを減少させ得る。核因子カッパBタンパク質レベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、例えば約35%超、及び概して約80%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0047】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物におけるマトリックスメタロペプチダーゼ3レベルを減少させ得る。マトリックスメタロペプチダーゼ3レベルは、約15%超、例えば約25%超、例えば約35%超、及び概して約75%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0048】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における軟骨オリゴマーマトリックス血清レベルを減少させ得る。軟骨オリゴマーマトリックス血清レベルは、約10%超、例えば約20%超、例えば約30%超、及び概して約80%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0049】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質レベルを減少させ得る。軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質レベルは、約10%超、例えば約15%超、例えば約25%超、例えば約30%超、及び概して約80%未満減少し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0050】
本開示の関節治療組成物はまた、変形性関節症又は骨格関節の他の損傷若しくは病気に罹患している哺乳動物における形質転換増殖因子βレベルを増加させ得る。形質転換増殖因子Bタンパク質レベルは、約5%超、例えば約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超、及び概して約65%未満増加し得る。上記の結果は、20週間の処置の期間にわたる関節治療組成物を用いた処置後、例えば15週間の処置後、例えば12週間の処置後、例えば10週間の処置後、例えば8週間の処置後、例えば6週間の処置後、例えば4週間の処置後に生じ得る。
【0051】
上記に示されるように、哺乳動物内のバイオマーカーに対する影響は、劇的であり、かつ哺乳動物がコラーゲンを投与されたことがある場合、過去に記録されたバイオマーカーの影響をはるかに上回る可能性がある。
【0052】
上記のように、本開示の関節治療組成物は、単独で、又は様々な他の添加剤及び成分と組み合わせて、コラーゲンを含有する。関節治療組成物は、上で定義される任意のコラーゲンのうちの1つ以上を含んでもよく、及び/又は一態様では、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、若しくはコラーゲンペプチド、又はそれらの混合物のうちの1つ以上を含んでもよい。一態様では、関節治療組成物は、II型コラーゲンを単独で、又はI型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、若しくはコラーゲンペプチドのうちの1つ以上と組み合わせて含有する。一態様では、関節治療組成物は、II型コラーゲン(天然II型コラーゲンと称されることもある)及び非変性II型コラーゲンの混合物を含んでもよい。追加的又は代替的に、関節治療組成物は、I型、III型、IV型、又はコラーゲンペプチドなどの更なるコラーゲンに加えて、天然II型コラーゲン及び非変性II型コラーゲンの混合物を含んでもよい。更に、一態様では、関節治療組成物は、全コラーゲンタンパク質、コラーゲンの生物学的に活性なペプチド断片、又はそれらの組み合わせを含む。
【0053】
一態様では、関節治療組成物中の1つ以上の型のコラーゲンは、オートクレーブなどによって加熱滅菌されてもよく、並びに/又はアルカリ化若しくは酸など、及び/又は有機塩若しくは無機塩などの塩も含んでもよい。したがって、一態様では、コラーゲンの一部分は、少なくとも部分的に加水分解されてもよい。一態様では、コラーゲンは、酸塩基剤、酵素、熱若しくは他の極端な温度、化学物質、UV、塩、又はそれらの組み合わせによるものを含む、任意のプロセス又は化合物によって加水分解される。一態様では、加水分解されたコラーゲンは、任意の方法によって少なくとも部分的に加水分解された非変性コラーゲンであり、一態様では、変性されている任意の部分を有する非変性コラーゲンを含んでもよい。しかしながら、考察されているように、一態様では、関節治療組成物の少なくとも一部分は、非変性である。
【0054】
上述のように、一態様では、サプリメントは、関節治療組成物、特に、非変性II型コラーゲン組成物、少なくとも部分的に加水分解されたII型コラーゲン組成物、又はそれらの組み合わせなどのII型コラーゲン組成物を含有する。本開示で使用するためのII型コラーゲンは、任意の好適な供給源から得ることができる。例えば、コラーゲンは、様々な哺乳動物供給源、鳥類供給源に由来し得るか、又は様々な魚種又はそれらの組み合わせに由来し得る。例えば、コラーゲンは、サーモン、サメ、家禽、ブタ、卵殻、シチメンチョウ軟骨、ウシ軟骨などから得ることができる。一実施形態では、例えば、II型コラーゲンは、参照により組み込まれる、Schillingに対する米国特許第7,083,820号に開示されているように入手することができる。例えば、非変性II型コラーゲンは、InterHealth NutraceuticalsからUC-II(登録商標)ブランドとして市販されている。UC-II(登録商標)ブランドは、グリコシル化された非変性II型コラーゲンを含有する天然成分である。関節治療組成物はまた、加水分解されたコラーゲンを含み得る。関節治療組成物は、純粋なタンパク質又は活性ペプチド断片も含み得る。一実施形態では、関節治療組成物は、任意の骨又は骨材料を含まなくてもよい。他の実施形態では、関節治療組成物は、任意の形質転換増殖因子(TGF)、骨形態形成タンパク質(BMP)、又はそれらの両方を含まなくてもよい。更に別の実施形態では、関節治療組成物は、II型コラーゲンを含み、I型コラーゲンを完全に含まない。
【0055】
経口投与のための動物組織の調製において、一実施形態では、II型コラーゲン含有組織は、まず、周囲の組織を含まない状態に切開され、小立方体にされるか、又はそれ以外の方法で粒子に粉砕され得る。微粒子状軟骨又はミル状軟骨は、低温加工など、組織内のII型コラーゲンの主要部分の構造に影響を及ぼさない又は変性させない手段によって滅菌され、治療有効レベルの非変性II型コラーゲンを含有する用量に形成され得る。天然物であるため、試料ごとに多少の差異があることが予想される。これらの差異は、粉砕後にブレンドすることによって最小限に抑えることができる。ブレンドは、非変性II型コラーゲン及び他の成分の量の測定を可能にする分析技術によって補助され得る。
【0056】
それにもかかわらず、本開示は、上で考察したように粒子を慎重に形成し、II型コラーゲンを滅菌することにより、非変性II型コラーゲンが胃内の胃酸及び消化酵素に耐性であり得ることを見出した。この滅菌プロセスにより、非変性II型コラーゲンはまた、その3次元形状を保持し、生物活性エピトープ領域を保存する。理論に拘束されることを望むものではないが、エピトープ領域は、上で考察したように経口免疫寛容を誘導する能力を含むと考えられている。特にエピトープ領域は、非変性コラーゲンが、経口免疫寛容プロセスを誘導する能力を有するパイエル板に結合することを可能にする。
【0057】
哺乳動物に投与される関節治療組成物の量、単位時間当たりの投与回数、及び治療の長さは全て、治療されている哺乳動物の種類、治療されている損傷又は病気などを含む様々な要因に応じて変化し得る。一実施形態では、例えば、関節治療組成物は、哺乳動物が1日当たり少なくとも0.66mg/kg体重の量のコラーゲンを投与されるように、哺乳動物に投与される。例えば、治療有効量は、1日当たり約1mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約1.2mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約1.4mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約1.6mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約1.8mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約2mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約2.2mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約2.4mg/kg体重を超える、例えば1日当たり約2.6mg/kg体重を超える、及び概して1日当たり約5mg/kg体重未満、例えば1日当たり約4mg/kg体重未満の量のコラーゲンを、哺乳動物に投与することを含んでもよい。
【0058】
特定の一実施形態では、コラーゲンは、1日当たり約1.2mg/kg体重~1日当たり約3mg/kg体重の量で哺乳動物に投与される。
【0059】
ヒトを含むより大きな哺乳動物に本開示に従ってコラーゲンを投与する場合、コラーゲンは、1日当たり約50mgを超える量で、例えば1日当たり約80mgを超える量で、例えば1日当たり約120mgを超える量で、例えば1日当たり約160mgを超える量で、例えば1日当たり約320mgを超える量で、例えば1日当たり約480mgを超える量で、例えば1日当たり約640mgを超える量で、例えば1日当たり約800mgを超える量で、哺乳動物に投与され得る。哺乳動物に投与されるコラーゲンの量は、概して、1日当たり約5,000mg未満、例えば1日当たり約3,000mg未満、例えば1日当たり約2,000mg未満、例えば1日当たり約1,000mg未満、例えば1日当たり約500mg未満である。
【0060】
関節治療組成物は、哺乳動物に経口投与され得、栄養補助サプリメントの形態であり得る。サプリメントは、嚥下する、咀嚼する、飲むなどができる個々の投与容器の形態であり得る。投与容器は、カプセル又は錠剤であり得る。一実施形態では、各投与容器中のコラーゲンの量は、約40mg~約200mgであり得る。一態様では、上記の各投与容器は、少なくとも1日2回、例えば少なくとも1日3回、例えば少なくとも1日4回、及び概して1日8回未満、例えば1日6回未満、例えば1日5回未満、哺乳動物に投与され得る。
【0061】
一態様では、非変性II型コラーゲンは、コラーゲン組成物中の総II型コラーゲンの全て又は実質的に全てを形成し得、したがって、上で考察された量でサプリメント中に存在し得る。しかしながら、一態様では、非変性II型コラーゲンは、総II型コラーゲン及び/若しくはコラーゲン組成物の約0.5%~約95%、例えば総II型コラーゲン若しくは総コラーゲン組成物の約1%~約75%、例えば約1.5%~約50%、例えば約2%~約40%、例えば約2.5%~約15%、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値を占め得る。
【0062】
一態様では、コラーゲン組成物は、塩化カリウムなどの保存塩を更に含んでもよい。したがって、一態様では、上で考察されたコラーゲン組成物の総量は、II型コラーゲン及び/又は非変性II型コラーゲンを、単独で、又は更なるコラーゲン、保存塩、若しくはそれらの組み合わせと組み合わせて含んでもよい。そのような態様では、天然及び非変性のII型コラーゲンを含む総II型コラーゲンは、コラーゲン組成物の約1%~約99%、例えば約2.5%~約90%、例えば約5%~約80%、例えば約7.5%~約70%、例えば約10%~約60%、例えば約15%~約50%、例えば約20%~約35%、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値を占め得る。
【0063】
II型コラーゲンが非変性II型コラーゲンを含む場合、非変性II型コラーゲンは、ORAC6.0に従って測定されるように、大きな酸素ラジカル吸収能(ORAC)を有し得る。特に、ORAC試験は、老化及び一般的な疾患の病因に関与することが知られている酸素ラジカルに対する抗酸化物質除去活性を測定し、一次反応性酸素種、ペルオキシルラジカル、ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオン、及びペルオキシ亜硝酸に対する材料の抗酸化能力を評価する6種類のORACアッセイからなる。特に、ORACアッセイは、活性酸素種(ROS)イントロデューサーをアッセイシステムに導入することを含み、ROSイントロデューサーは、プローブを分解し、その発光波長又は強度を変化させる特異的ROSの放出を引き起こす。したがって、試験されるアッセイが抗酸化物質を含む場合、抗酸化物質は、ROSを吸収し、プローブを分解から保護する。プローブ保存の程度は、材料の抗酸化能力を示し、結果は、試験材料のμmolトロロックス当量(TE)/gとして表される。
【0064】
例えば、ペルオキシルラジカルに対するORACアッセイは、2,2′アゾビス(2アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)から生成されるペルオキシルラジカルによる損傷から蛍光タンパク質(フルオレセイン)を保護するための試料の抗酸化能力を測定する。ヒドロキシルラジカルに対するORACアッセイは、コバルトと過酸化水素との反応から生成されるヒドロキシルラジカルによる損傷から蛍光タンパク質(フルオレセイン)を保護するための試料の抗酸化能力を測定する。ペルオキシン亜硝酸に対するORACアッセイは、3-モルホリノシンドノニミン塩酸塩から生成されるペルオキシン亜硝酸ラジカルによる、損傷からジヒドロローダミン-123を保護するために試料の抗酸化能力を測定する。スーパーオキシドに対するORACアッセイは、キサンチンオキシダーゼから生成されるスーパーオキシドによる損傷からヒドロエチジンを保護するために試料の抗酸化能力を測定する。一重項酸素に対するORACアッセイは、モリブデン酸リチウムと過酸化水素との反応から生成される一重項酸素による損傷からヒドロエチジンを保護するための試料の抗酸化能力を測定する。最後に、次亜塩素酸塩に対するORACアッセイは、次亜塩素酸ナトリウムから生成される次亜塩素酸ラジカルによる損傷から蛍光タンパク質フルオレセインを保護するための試料の抗酸化能力を測定する。
【0065】
したがって、一態様では、本開示による非変性II型コラーゲンを有するコラーゲン組成物は、約200μmol TE/g以上、例えば約250μmol TE/g以上、例えば約300μmol TE/g以上、例えば約350μmol TE/g以上、例えば約400μmol TE/g以上、例えば約450μmol TE/g以上、例えば約500μmol TE/g以上、例えば約550μmol TE/g以上、例えば約600μmol TE/g以上、例えば約700μmol TE/g以上、例えば約750μmol TE/g以上、例えば約800μmol TE/g以上、例えば約825μmol TE/g以上、最大約1000μmol TE/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の総ORACを有し得る。
【0066】
更に、一態様では、本開示による非変性II型コラーゲンを有するコラーゲン組成物は、約1μmol TE/g以上、例えば約2.5μmol TE/g以上、例えば約5μmol TE/g以上、例えば約7.5μmol Te/g以上、例えば約10μmol TE/g以上、例えば最大約10.5μmol TE/g以上、最大約50μmol TE/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値のペルオキシルラジカルに対するORACを有し得る。
【0067】
同様に、一態様では、本開示による非変性II型コラーゲンを有するコラーゲン組成物は、約10μmol TE/g以上、例えば約15μmol TE/g以上、例えば約20μmol TE/g以上、例えば約25μmol TE/g以上、例えば約27.5μmol TE/g以上、例えば約30μmol TE/g以上、最大約40μmol TE/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値のヒドロキシルラジカルに対するORACを有し得る。
【0068】
追加的又は代替的に、一態様では、本開示による非変性II型コラーゲンを有するコラーゲン組成物は、約0.5μmol TE/g以上、例えば約1μmol TE/g以上、例えば約1.5μmol TE/g以上、例えば約2μmol TE/g以上、例えば約2.25μmol TE/g以上、最大約5μmol TE/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値のペルオキシ亜硝酸塩に対するORACを有し得る。
【0069】
一態様では、本開示による非変性のII型コラーゲンを有するコラーゲン組成物は、約500μmol TE/g以上、例えば約550μmol TE/g以上、例えば約600μmol TE/g以上、例えば約650μmol TE/g以上、例えば約700μmol TE/g以上、例えば約725μmol TE/g以上、最大約1000μmol TE/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の一重項酸素に対するORACを有し得る。
【0070】
更に、一態様では、本開示による非変性II型コラーゲンを有するコラーゲン組成物は、約25μmol TE/g以上、例えば約30μmol TE/g以上、例えば約35μmol TE/g以上、例えば約40μmol TE/g以上、例えば約45μmol TE/g以上、例えば最大約50μmol TE/g以上、最大約75μmol TE/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の次亜塩素酸塩に対するORACを有し得る。
【0071】
更に、一態様では、II型コラーゲンが非変性II型コラーゲンを含む場合、非変性II型コラーゲンは、約10,000ダルトン以上、例えば約15,000ダルトン以上、例えば約20,000ダルトン以上、例えば約25,000ダルトン以上、例えば約30,000ダルトン以上、例えば約35,000ダルトン以上、例えば約40,000ダルトン以上、例えば約45,000ダルトン以上、例えば約50,000ダルトン以上、例えば約55,000ダルトン以上、例えば約60,000ダルトン以上、例えば約65,000ダルトン以上、例えば約70,000ダルトン以上、例えば約75,000ダルトン以上、例えば約80,000ダルトン以上、例えば約85,000ダルトン以上、例えば約90,000ダルトン以上、例えば約95,000ダルトン以上、例えば約100,000以上、最大約350,000ダルトン以下、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の分子量を有し得る。
【0072】
様々な態様及び利点が考察されてきたが、一態様では、コラーゲン組成物は、以下で考察されるような剤形への組み込みの前に、好適な送達形態に組み込まれる。一態様では、本開示の組成物は、カプセル又は錠剤として含まれ得る。
【0073】
代替的に、組成物は、送達形態として水中油エマルションであり得る。特に、一態様では、そのような構成は、1つ以上の油溶性及び/又は1つ以上の水溶性有効構成成分を、同じ送達形態で含有することを可能にし得る。代替的に、油溶性構成成分のみを使用してもよく(例えば、II型コラーゲン)、エマルションを使用して、組成物を水性用途に組み込んでもよい。しかしながら、一態様では、水溶性II型コラーゲンがサプリメントで使用され得ることを理解されたい。
【0074】
水中油エマルションはまた、アラビアガムなどの少なくとも1つの機能性ガムも含有し得る。概して、アラビアガムは、アラビノース及びガラクトースを含む糖タンパク質及び多糖類の複雑な混合物である。アラビアガムは一般に水に溶けやすく、食用になる。
【0075】
水中油エマルションはまた、水を含有してもよい。ある特定の態様では、水中油エマルションは、約5重量%~35重量%の水を含有し得る。
【0076】
いくつかの態様では、水中油エマルションは、1つ以上の安定剤又は懸濁促進剤を含有し得る。例えば、ある特定の態様では、水中油エマルションは、ゲランガム又はキサンタムガムなどの1つ以上のガムを含有し得る。含まれる場合、ゲランガム又はキサンタムガムは、水中油エマルションの約3.5重量%未満、例えば約2.5重量%未満、例えば約1.5重量%未満、例えば約1.0重量%未満、例えば約1.0重量%未満の量で存在してよい。安定剤の一例は、
【0077】
約2重量%未満、例えば約1.5重量%未満、例えば約1重量%未満、例えば約0.5重量%未満の量で添加され得るシリカである。
【0078】
いくつかの態様では、本明細書に開示される水中油エマルションは、錠剤、グミチューアブル、食用フィルム、ロゼンジ、液体懸濁液、シロップ、脂質ミセル、噴霧乾燥分散液、ナノ粒子などの任意の好適な剤形で使用されてもよく、これらはまた、更なるサプリメントに組み込まれてもよい。
【0079】
代替的に、水中油エマルションは、サプリメント、食品、又は飲料などの栄養製品に含有されてもよい。例えば、ある特定の態様では、水中油エマルションは、哺乳動物が消費する栄養補助食品又は乳児用調製粉乳などの液体栄養製品に組み込まれてもよい。更に、本明細書に提供される水中油エマルションは、哺乳動物に栄養補給を提供するように設計された任意の液体栄養製品に添加され得る。
【0080】
栄養製品は、哺乳動物による摂取のための任意の好適な組成物を含み得る。そのような組成物には、哺乳動物にとって必要な食事要件又はお菓子及び軽食などの食品サプリメントを供給することを目的とした完全食品又は飲料が含まれる。食品組成物は、ペレット、飲料、バー、缶入り調理食品、ミルクシェイクドリンク、ジュース、乳製品、又は任意の他の機能性食品組成物を含み得る。食品組成物はまた、ピル、軟質ゲル、グミフィギュリン、ウエハース、粉末などの任意の形態のサプリメントを含み得る。
【0081】
本開示によるサプリメントは、全コラーゲンタンパク質又はコラーゲンの生物学的に活性なペプチド断片の経口、経腸、又は吸入投与によるものを含み、哺乳動物に投与され得る。例えば、一態様では、全コラーゲンタンパク質又はコラーゲンの生物学的に活性なペプチド断片は、コラーゲンII型に含有されるアミノ酸の総重量に基づいて、トランス-L-ヒドロキシプロリンの含有量を増強し、有効性を増強するためのトランス-L-ヒドロキシプロリンの効率的な産生を可能にすると考えられている。
【0082】
本開示のサプリメント組成物は、組成物中の更なる添加剤として1つ以上の賦形剤を更に含んでもよい。例示的であるが、非限定的な賦形剤及び/又は添加剤としては、ステアリン酸マグネシウムなどの抗付着剤;糖類、糖アルコール、ゼラチン、及び合成ポリマーなどの結合剤;セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、シェラック、トウモロコシタンパク質ゼイン、ゼラチン、脂肪酸、脂肪、油、及び/又はワックスなどのコーティング;酸化チタン及びアゾ染料などの着色剤;加工デンプンデンプングリコール酸ナトリウム、並びにポリビニルピロリドン及びカルボキシメチルセルロースを含む架橋ポリマーなどの崩壊剤;マルトデキストリンなどの充填剤;ミント、リコリス、アニス、バニラ、並びにモモ、バナナ、ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、及び混合ベリーを含む果実フレーバーなどの香料;ヒュームドシリカ、タルク、及び炭酸マグネシウムなどの流動促進剤;タルク、シリカ、並びに植物性ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸を含む脂肪などの滑沢剤;抗酸化剤、ビタミン、パルミチン酸レチニル、セレニウム、アミノ酸システイン、及びメチオニン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、及びパラベンなどの防腐剤;吸着剤;スクロース及びスクラロースなどの甘味料;並びにペトロラタム及び鉱油などのビヒクルが挙げられる。
【0083】
一態様では、本開示のサプリメント組成物は、組成物の1つ以上の特性を改善することができる様々な添加剤及び構成成分と組み合わされてもよい。例えば、一実施形態では、添加組成物は、組成物の少なくとも1つの特性を安定化するのに役立ち得る安定剤パッケージと組み合わせてもよい。特定の一実施形態では、例えば、安定剤パッケージは、組成物の疎水特性を低減する、及び/又は組成物が水分を吸収することを防止するのに十分な量で組成物に添加されてもよい。安定剤パッケージはまた、組成物の取扱特性を改善するために、組成物と組み合わせてもよい。例えば、安定剤パッケージは、特に顆粒状の場合に、組成物がより良い流動特性を有することを可能にし得る。
【0084】
一態様では、サプリメント組成物は、安定剤パッケージと併せてポリマー結合剤と組み合わされてもよい。加えて、コーティング材料は、組成物がポリマー結合剤及び安定剤パッケージと組み合わされた後に組成物に塗布されてもよい。コーティング材料は、例えば、少なくとも1つの脂肪を含有してよい。本開示によれば、上記構成成分は、本開示の組成物に加えて、任意の好適な医薬組成物に添加することができる。例えば、上記の構成成分は、カルニチン又はアミノ酸を含有する任意の医薬組成物に添加されてもよい。
【0085】
ポリマー結合剤及び安定剤パッケージは、安定剤パッケージを製品に均質に組み込む様式で、サプリメント組成物と組み合わされてもよい。一実施形態では、例えば、本開示の組成物は、まず、噴霧乾燥プロセスなどによりポリマー結合剤と組み合わされ、次いで、安定剤パッケージと組み合わされる。ポリマー結合剤は、膜形成ポリマー及び/又は多糖類などの任意の好適な薬学的に許容されるポリマーを含んでもよい。本開示に従って使用され得るポリマー結合剤の特定の例としては、デンプン、マルトデキストリン、アラビアガム、アラビノガラクタン、ゼラチン、及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、ポリマー結合剤は、少なくとも約5重量%、例えば、少なくとも約8重量%、例えば、少なくとも約10重量%、例えば、少なくとも約15重量%の量で医薬組成物に添加される。1つ以上のポリマー結合剤は、組成物中に、約50重量%未満の量、例えば、約45重量%未満の量、例えば、約40重量%未満の量、例えば、約35重量%未満の量、例えば、約30重量%未満の量で存在する。
【0086】
一実施形態では、ポリマー結合剤は、加工デンプンなどのデンプンを含み得る。デンプンは、例えば、トウモロコシ又はワックストウモロコシに由来し得る。一実施形態では、デンプンは、National Starch and Chemical Companyによって販売されるHI-CAP100デンプンを含んでもよい。代替的な実施形態では、ポリマー結合剤は、アラビノガラクタンを含み得る。
【0087】
ポリマー結合剤が、噴霧乾燥プロセスなどにより組成物と組み合わされると、次いで、得られた混合物を安定剤パッケージと組み合わせることができる。一実施形態では、安定剤パッケージは、カルボン酸の塩と組み合わせた酸化物粒子を含む。特定の一実施形態では、安定剤パッケージは、組成物及びポリマー結合剤と組み合わせた粉末又は粒状生成物などの乾燥生成物を含んでもよい。酸化物粒子とカルボン酸の塩との組み合わせは、組成物と組み合わせた場合、多数の利点及び利益を提供することが見出された。例えば、安定剤パッケージは、組成物を安定化し、組成物の疎水性を低下させることが見出されている。この組成物はまた、取扱が容易であり、顆粒状で、流動可能な生成物を生成する。
【0088】
サプリメント組成物に添加されてもよい酸化物粒子は、シリカを含んでもよい。例えば、酸化物粒子は、沈降シリカ粒子を含んでもよい。シリカ粒子は、約55ミクロン未満、例えば、約40ミクロン未満、例えば、約30ミクロン未満、例えば、約25ミクロン未満、例えば、約20ミクロン未満、例えば、約15ミクロン未満、例えば、約12ミクロン未満、例えば、約10ミクロン未満、例えば、約8ミクロン未満、例えば、約6ミクロン未満、例えば、約4ミクロン未満、例えば、約2ミクロン未満、例えば、約1ミクロン未満の粒径(d50、ISO試験13320後のレーザー回折)を有してよい。粒径は、典型的には、約0.5ミクロン超であり、例えば、約1ミクロン超である。粒子は、約120m2/g超、例えば、約130m2/g超、例えば、約150m2/g超、例えば、約170m2/g超、例えば、約200m2/g超、例えば、約220m2/g超の比表面積(ISO試験9277)を有してよい。比表面積は、一般に、約500m2/g未満である。シリカ粒子などの酸化物粒子は、約0.01重量%を超える量、例えば、約0.05重量%を超える量、例えば、約0.1重量%を超える量で、医薬組成物中に存在することができる。酸化物粒子は、一般に、5重量%未満の量、例えば、約2重量%未満の量、例えば、約1.5重量%未満の量、例えば、0.5重量%未満の量で存在する。
【0089】
酸化物粒子に加えて、安定剤パッケージは、カルボン酸の塩も含み得る。カルボン酸の塩は、脂肪酸の塩を含み得る。脂肪酸は、例えば、約6個の炭素原子~約40個の炭素原子、例えば、約12個の炭素原子~約28個の炭素原子の炭素鎖長を有し得る。一実施形態では、カルボン酸の塩は、ステアリン酸塩を含み得る。使用され得るステアリン酸塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、これらの混合物などが挙げられる。一実施形態では、カルボン酸の塩は、親水性基及び疎水性基の両方を含み得る。カルボン酸の塩は、組成物中に、約0.5重量%を超える量、例えば、約1重量%を超える量、例えば、約1.5重量%を超える量で存在し得る。カルボン酸の塩は、概して、約5重量%未満の量、例えば、約4重量%未満の量、例えば、約3重量%未満の量で存在する。
【0090】
ポリマー結合剤及び安定剤パッケージに加えて、組成物は、様々な他の構成成分及び成分を含み得る。一実施形態では、例えば、組成物は、モノのクエン酸エステル及び/又は脂肪酸のジグリセリドなどのクエン酸エステルを含有し得る。組成物はまた、ナタネ、ヒマワリなどから得られるレシチンなどのレシチンを含有してもよい。上記構成成分は、組成物中に、約2重量%未満、例えば、約1.5重量%未満、例えば、約1重量%未満の比較的少量で存在し得る。上記構成成分は、概して、約0.05重量%を超える量、例えば、約0.1重量%を超える量で存在する。
【0091】
更に、一態様では、サプリメントは、運動、スポーツ、又は毎日の栄養目的のための食品及び/又はサプリメントに製剤化され得る。そのような態様では、サプリメントは、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうちの少なくとも1つなどの少なくとも1つのビタミンを更に含み得る。ビタミンは、約50μg/g~約5000μg/gのサプリメント、例えば約100μg/g~約4500、例えば約250μg/g~約4000μg/g、例えば約400μg/g~約3500μg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量で、サプリメントに含有され得る。上記の範囲は、任意の1つのビタミン単独又は全ビタミンの総量であってもよい。一態様では、ビタミンEは、約100μg/g~約1000μg/g、例えば約250μg/g~約750μg/g、例えば約400μg/g~約600μg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量で、サプリメント中に存在する。別の態様では、ビタミンCは、約1000μg/g~約5000μg/g、例えば約2000μg/g~約4000μg/g、例えば約3000μg/g~約3750μg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量で、サプリメント中に存在する。
【0092】
更に、ある態様では、サプリメントは、カリウム、マグネシウム、亜鉛、又はカルシウムのうちの少なくとも1つなどの少なくとも1つのミネラルを含有する。ミネラルは、約1mg/g~約50mg/g、例えば約2.5mg/g~約45mg/g、例えば約5mg/g~約40mg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量で、サプリメント中に含有され得る。上記の範囲は、任意の1つの鉱物又は1つの鉱物の総量であってもよい。一態様では、サプリメントは、約9.5mg/g~約12mg/g、例えば約9.75mg/g~約11.5mg/g、例えば約10mg/g~約11mg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量のカリウムを含有する。同様に、一態様では、サプリメントは、約1mg/g~約10mg/g、例えば約2.5mg/g~約7.5mg/g、例えば約4mg/g~約6mg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量のマグネシウムを含有する。更に、一態様では、サプリメントは、約1mg/g~約50mg/g、例えば約2.5mg/g~約47.5mg/g、例えば約5mg/g~約45mg/g、例えば約10mg/g~40mg/g、例えば約20mg/g~約37.5mg/g、例えば約30mg/g~約35mg/g、又はそれらの間の任意の範囲若しくは値の量のカルシウムを含有する。
【0093】
したがって、一態様では、本開示によるサプリメントは、非変性コラーゲンに加えて、ヒドロキシクエン酸、グルコサミン、コンドロイチン、メチルスルホニルメタン、卵殻膜、カラス貝などの1つ以上の追加の関節サプリメント、若しくはそれらの組み合わせ、及び/又はビタミンcなどのコラーゲン吸収のエンハンサーも含んでもよい。
【0094】
更に、サプリメントは、任意の哺乳動物への投与に好適であり得る。例えば、哺乳動物は、ヒト又はイヌであってもよい。組成物は、哺乳動物における分娩から成体期までのいかなる年齢の哺乳動物に供給することができる。様々な実施形態では、哺乳動物は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、又はウシであり得る。多くの実施形態では、哺乳動物は、早期から後期成体期にあり得る。
【実施例
【0095】
それにもかかわらず、本開示のある特定の実施形態は、以下の実施例に従ってより良く理解され得、これらの実施例は、本質的に非限定的かつ例示的であることが意図される。
【0096】
実施例1
以下の実施例は、本開示の利益及び利点のいくつかを実証する。この実施例では、ウィスターラットを収集し、7つの群に分けた。18~20ヶ月齢のより老齢ラットを、8週齢のより若齢ラットとは別に試験した。老齢ラット対照群及び若齢ラット対照群を除き、変形性関節症などの関節疾患をシミュレートするために、ラットにヨード酢酸一ナトリウム(「MIA」)を関節内注射した。
【0097】
MIAのみを投与された対照群である老齢ラット群及び若齢ラット群を除き、残りのラット群には、コラーゲンの量を群ごとに変化させて、本開示による関節治療組成物を投与した。実験で使用されたコラーゲンは、「UCII」と称される非変性II型コラーゲンであった。より具体的には、以下のラット群を試験した。
【表1】
【0098】
上記のように、各群は、7匹のラットで構成された。3日後、7日後、14日後、及び28日後に、ラットに対して試験を行った。
【0099】
以下の試験を行った。
【表2】
【0100】
MIA誘発性変形性関節症ラットにおける3、7、14、及び28日目の足面積、歩幅、及び足幅の測定値を以下に示す。
【表3】
【表4】
【0101】
上の表で得られた結果は、図5~6にも示される。示されるように、本開示の関節治療組成物は、MIA誘発性ラットの可動性を劇的かつ予想外に改善した。
【0102】
ラットを、28日後にケルグレンローレンススコア及び膝直径についても試験した。結果は、図7~10に示される。
【0103】
ラット群を、膝直径における病変スコアのグレードを低減することを対象とするマンキンスコアについても試験した。結果は、図11~12に示される。
【0104】
以下は、ケルグレンローレンススコア及びマンキンスコアの変化の要約である。
【表5】
【表6】
【0105】
28日後、血清レベル及びタンパク質レベルを含む様々なバイオマーカーを試験した。結果は、図13~44に示される。
【0106】
様々な異なる安全性マーカーを試験して、処置間に有意差がなかったことを示した。これらの結果は、以下の通りである。
【表7】
【表8】
【0107】
添付された図面に示されるように、本開示の関節治療組成物を投与されたラットは、可動性の劇的な改善を示した。14日目の老齢ラット及び7日目の若齢ラットに有意な用量応答があった。加えて、抗炎症特性が観察された。抗炎症特性は、より若齢ラットにおいて3日後にのみ観察された。より高い用量のコラーゲンが、抗炎症特性に関して有意な効果をもたらすことが発見された。
【0108】
本発明に対するこれら及び他の修正及び変更は、添付の特許請求の範囲により具体的に記載される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。加えて、様々な実施形態の態様は、全体的又は部分的に交換され得ることを理解されたい。更に、当業者は、前述の説明が例としてのみであり、そのような添付の特許請求の範囲に更に記載されるように本発明を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
【国際調査報告】