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特表2024-543414プルーフプリントおよび/またはプロダクションプリントのための指定されたデジタル画像の色再現特性を補正するための方法
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  • 特表-プルーフプリントおよび/またはプロダクションプリントのための指定されたデジタル画像の色再現特性を補正するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】プルーフプリントおよび/またはプロダクションプリントのための指定されたデジタル画像の色再現特性を補正するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20241114BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H04N1/60
B41J29/393 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527610
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2022081539
(87)【国際公開番号】W WO2023083992
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】21208085.7
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507258098
【氏名又は名称】アクツェンタ パネーレ ウント プロフィレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレム, マルクス
(72)【発明者】
【氏名】リネンブリュッガー, ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ハンニッヒ, ハンス-ユルゲン
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061KK18
2C061KK25
(57)【要約】
本発明は、プルーフプリントの色再現特性を補正する方法であって、指定されたデジタル画像のプルーフプリントが、既定のプルーフプリント色プロファイルを使用してプルーフプリンターにより生成され、プルーフプリントが、同じデジタル画像の、プロダクションプリンターを使用して生成され得る目標プリントの色度をシミュレーションし、方法が、以下のステップ、すなわち、a)開始色値とプルーフプリンター目標色値との既定数のデータペアを含むデータベースを前もって提供するステップと、b)デジタル画像を提供し、デジタル画像を複数の画像ピクセルに分割するステップと、c)入力色値を画像ピクセルごとに特定するステップと、データベースが当該の入力色値に対する開始色値を含むか否かを確認するステップと、d1)データベースが当該の入力色値に対する開始色値を含む場合、関連するプルーフプリンター目標色値を提供するステップと、d2)データベースが当該の入力色値に対する開始色値を含まない場合、当該の入力色値に最も近い少なくとも2つの開始色値を特定し、最も近い開始色値を使用してプルーフプリンター目標色値を補間し、補間されたプルーフプリンター目標色値を提供するステップと、e)提供されたプルーフプリンター目標色値に基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップとを含む方法を提案する。この手法により、プルーフプリントのための色再現特性を補正するための改善された方法が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルーフプリントの色再現特性を補正する方法であって、指定されたデジタル画像の前記プルーフプリントが、所定のプルーフプリント色プロファイルを使用してプルーフプリンターにより生成され、前記プルーフプリントが、プロダクションプリンターが生成することが可能な同じ前記デジタル画像の目標プリントのカラフルネスをシミュレーションし、前記方法が、以下の方法ステップ、すなわち、
a)開始色値とプルーフプリンター目標色値とを含む所定の数のデータペアを含むデータベースを前もって提供するステップであって、前記プルーフプリンターを使用して印刷されるプルーフプリンター目標色値が、前記プロダクションプリンターにより印刷されるプロダクションプリンター目標色値におおむね等しくなるように、前記プルーフプリンター目標色値が、補正データにより補正された開始色値を含む、ステップと、
b)前記デジタル画像を提供し、前記デジタル画像を複数の画像ピクセルに分割するステップと、
c)各前記画像ピクセルに対して、入力色値を特定し、前記データベースがそれぞれの前記入力色値に対する開始色値を含むか否かを確認するステップと、
d1)前記データベースがそれぞれの前記入力色値に対する前記開始色値を含む場合、関連する前記プルーフプリンター目標色値を提供するステップと、
d2)前記データベースがそれぞれの前記入力色値に対する前記開始色値を含まない場合、それぞれの前記入力色値に最も近い少なくとも2つの開始色値を特定し、最も近い前記開始色値に基づいて、プルーフプリンター目標色値を補間し、補間された前記プルーフプリンター目標色値を提供するステップと、
e)提供された前記プルーフプリンター目標色値に基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
色値が、三次元色空間において、好ましくは、Lab色空間において表され、最も近い前記開始色値が、所定の閾値以下の前記入力色値までの空間的距離をもつ、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プルーフプリンター目標色値を補間する前記ステップにおいて、前記開始色値が、前記入力色値までの前記開始色値の前記空間的距離に従って重み付けされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
以下の方法ステップ、すなわち、
f)プルーフプリンター色プロファイルを使用して、前記色補正された指定されたデジタル画像から前記プルーフプリンターのための印刷データを生成するステップと、
g)生成された前記印刷データに基づいて、前記プルーフプリンターを使用してプルーフプリントを生成するステップと、
を更に含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
所定のプルーフプリンター色プロファイルをもつ前記プルーフプリンターと、所定のプロダクションプリンター色プロファイルをもつプロダクションプリンターとのための前記補正データが、以下の方法ステップ、すなわち、
I)複数の入力色値をもつデジタルテスト画像を提供するステップと、
IIa)前記プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、前記デジタルテスト画像から前記プロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
IIb)前記プロダクションプリンターのための生成された前記印刷データに基づいて、前記プロダクションプリンターを使用してテスト製品を生成するステップと、
IIIa)前記プルーフプリンター色プロファイルを使用して、前記デジタルテスト画像から前記プルーフプリンターのための前記印刷データを生成するステップと、
IIIb)前記プルーフプリンターのための生成された前記印刷データに基づいて、前記プルーフプリンターを使用してテストプルーフプリントを生成するステップと、
IV)前記テスト製品の各入力色値に対する前記テストプルーフプリントの色ずれを特定するステップと、
V)各入力色値に対する特定された前記色ずれに基づいて、前記プルーフプリンターのための補正データを取得するステップと、
により取得される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記テスト製品が、前記プルーフプリンターがカラフルネスのシミュレーションを行う対象の製品と実質的に同じ方法により製造されたものであり、前記指定されたデジタル画像の代わりに、前記デジタルテスト画像が印刷された、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
製品の画像および/または前記テスト製品のテスト画像が、少なくとも1つの少なくとも部分的に透明なカバー層によりカバーされ、前記カバー層が、好ましくは、構造化されている、請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記デジタルテスト画像が、前記指定されたデジタル画像に基づいて提供され、前記デジタルテスト画像が、好ましくは、色フィールドをもち、前記色フィールドの各々が前記指定されたデジタル画像に特に頻繁に現れる色値をもつ、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記色ずれを特定する前記ステップが、光学的色測定デバイスを使用して前記テストプルーフプリントと前記テスト製品のテスト画像との色値を測定することにより実施され、特に、前記テストプルーフプリントと前記テスト製品の前記テスト画像との前記色値に対して、同じ前記光学的色測定デバイスが使用される、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、以下のステップ、すなわち、
VI)前記デジタルテスト画像とステップV)による前記プルーフプリンターのための前記補正データとに基づいて、色補正されたデジタルテスト画像を生成するステップと、
VII)前記デジタルテスト画像として、前記色補正されたデジタルテスト画像を使用して、ステップI)からステップV)を実施するステップであって、ステップI)からステップV)において生成された前記プルーフプリンターのための前記補正データが、前記プルーフプリンターのための以前に生成された前記補正データとともに蓄積される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップIV)における前記色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップVI)およびVII)が連続して複数回にわたって繰り返し実施される、
請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記目標プリントの色再現特性を補正するために、ステップg)の後に、以下の方法ステップ、すなわち、
h)前記指定されたデジタル画像の前記カラフルネスから前記プルーフプリントの色ずれを特定するステップと、
i)特定された前記色ずれに基づいて、前記プロダクションプリンターのための第1の補正データを生成するステップと、
を更に含む、請求項4から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
以下の方法ステップ、すなわち、
j)第1の色補正された指定されたデジタル画像と、ステップi)による前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データとに基づいて、第2の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
k)前記第1の色補正された指定されたデジタル画像として、ステップj)による前記第2の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップf)からステップi)を実施するステップであって、ステップf)からステップi)において生成された前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データが、前記プロダクションプリンターのための以前に生成された前記第1の補正データとともに蓄積される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップh)における前記色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップj)およびステップk)が連続して複数回にわたって繰り返し実施される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、以下のステップ、すなわち、
l)前記指定されたデジタル画像と、ステップi)による前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データとに基づいて、第3の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
m)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、前記第3の色補正された指定されたデジタル画像から前記プロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
n)生成された前記印刷データに基づいて、前記プロダクションプリンターを使用して前記第3の色補正された指定されたデジタル画像を印刷することを含む、製品を少なくとも部分的に生成するステップと、
o)前記指定されたデジタル画像の前記カラフルネスから前記製品の色ずれを特定するステップと、
p)特定された前記色ずれと前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データとに基づいて、前記プロダクションプリンターのための第2の補正データを生成するステップと、
を更に含む、請求項11または請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、以下のステップ、すなわち、
q)前記指定されたデジタル画像と、ステップp)による前記プロダクションプリンターのための前記第2の補正データとに基づいて、第4の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
r)前記第3の色補正された指定されたデジタル画像として、ステップq)による前記第4の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップm)からステップp)を実施するステップであって、ステップm)からステップp)において生成された前記第2の補正データが、特定された前記色ずれと以前の前記第2の補正データとに基づいて生成される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップo)における前記色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップq)およびステップr)が連続して複数回にわたって繰り返し実施される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
以下の方法ステップ、すなわち、
A)前記指定されたデジタル画像と前記プロダクションプリンターのための前記補正データとに基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
B)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、前記色補正された指定されたデジタル画像から前記プロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
C)生成された前記印刷データに基づいて、前記プロダクションプリンターを使用して、プロダクションプリントを生成するステップと、
を更に含む、請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルーフプリントの色再現特性を補正する方法に関し、所定のデジタル画像のプルーフプリントは、所定のプルーフプリント色プロファイルを使用してプルーフプリンターにより生成され、プルーフプリントは、プロダクションプリンターが生成することが可能な同じデジタル画像の目標プリントのカラフルネスをシミュレーションする。
【背景技術】
【0002】
プルーフプリンターのための補正データを生成するための、プルーフプリントを生成するための、プロダクションプリンターのための補正データを生成するための、および、プロダクションプリンターを使用した製品のための指定されたデジタル画像を印刷するための方法自体は知られている。
【0003】
製造工程においてプリンターを使用して付加される、何らかの手法によりデザインされた画像を含む製品の製造では、製造機械における、特にプロダクションプリンターにおける製造過程で製品が製造される前に、必要な補正の大部分、特に色補正を行うことができることが望ましい。この目的のために、通常は製造において使用されるプロダクションプリンターより大幅に小さく、特に製造ラインに設置されていない、いわゆるプルーフプリンターを使用することが確立されるようになった。プルーフプリンターは、製造時に実現される製品のカラフルネスを理想的に予測するかまたはシミュレーションしなければならない。この目的のために、プルーフプリントができる限り正確にプロダクションプリント結果をシミュレーションする手法により、プロダクションプリンターおよび製品に適応されたプルーフプリンターとともに色プロファイルが使用される。この手法により、所望の色結果からのずれは、既にプルーフプリントにおいて検出されて、プロダクションプリンターにおけるテスト中に色プロファイルに対する補正として考慮され得る。したがって、プロダクションプリントの複雑かつ高コストな調節の必要性を減らすための試みが行われる。
【0004】
しかし、このようなプルーフプリンターに関連した問題は、単純な製品の場合でも、従来のプルーフプリントに基づく補正が多くの場合、プロダクションプリンターにおける補正を完全に回避するには十分でないことである。
【0005】
このようなプルーフプリンターに関連した別の問題は、特に複雑な製品のために使用される色プロファイルに対するプルーフプリントにおいて検出される色ずれが、通常は、十分に正確にプロダクションプリンターの色ずれを予測せず、したがって、このような製品に対して、多くの場合、非常に多くのテスト印刷が製造工場において実施される必要があることである。このような製品の製造は特に複雑であり得、製造工場におけるテスト印刷が特に複雑であり得るので、これが特に問題となる。例えば、要求の厳しい印刷基材に画像が印刷される、および/または、例えば光沢仕上げまたはラミネートにより印刷後に画像が処理される製品において、この問題は特に重大である。特に問題となるのは、構造化された透明な表面により、例えば装飾パネルによりコーティングされた画像の色の正確な印刷である。
【0006】
したがって、プルーフプリンターの補正データの適用は依然として改善の可能性をもたらす。特にプルーフプリンターがプロダクションプリンターからの製品のカラフルネスをシミュレーションし得る正確さおよび効率性の点で改善の可能性があり得、特にプロダクションプリンターにおいて必要なテスト印刷の数が少なくされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、プルーフプリントのための色再現特性を補正するための改善された方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載のプルーフプリントの色再現特性を補正するための方法により解決される。本発明の好ましい構成は、従属請求項において、本明細書において、および図において与えられ、従属請求項、本明細書、または図において説明される、または示される更なる特徴が、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、本発明の目的を独立して、または任意の組み合わせにより表し得る。
【0009】
本発明は、プルーフプリントの色再現特性を補正する方法であって、指定されたデジタル画像のプルーフプリントが、所定のプルーフプリント色プロファイルを使用してプルーフプリンターにより生成され、プルーフプリントが、プロダクションプリンターが生成することが可能な同じデジタル画像の目標プリントのカラフルネスをシミュレーションし、方法が、以下のステップ、すなわち、
a)開始色値とプルーフプリンター目標色値とを含む所定の数のデータペアを含むデータベースを前もって提供するステップであって、プルーフプリンターにより印刷されるプルーフプリンター目標色値が、プロダクションプリンターを使用して印刷されるプロダクションプリンター目標色値におおむね等しくなるように、プルーフプリンター目標色値が、補正データにより補正された開始色値を含む、ステップと、
b)デジタル画像を提供し、デジタル画像を複数の画像ピクセルに分割するステップと、
c)各画像ピクセルに対して、入力色値を特定し、データベースがそれぞれの入力色値に対する開始色値を含むか否かを確認するステップと、
d1)データベースがそれぞれの入力色値に対する開始色値を含む場合、関連するプルーフプリンター目標色値を提供するステップと、
d2)データベースがそれぞれの入力色値に対する開始色値を含まない場合、それぞれの入力色値に最も近い少なくとも2つの開始色値を特定し、最も近い開始色値に基づいて、プルーフプリンター目標色値を補間し、補間されたプルーフプリンター目標色値を提供するステップと、
e)提供されたプルーフプリンター目標色値に基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
を含む、方法を提案する。
【0010】
本発明の意味の中で、プリンターは特に、基材に色付けされた印刷点を出力し得るデバイスであって、ひいては、対応する画像を形成し得るデバイスを意味すると理解される。
【0011】
本発明の意味の中で、プルーフプリンターは特に、プロダクションプリンターに比べて少ない労力で動作させられ得る、および、プルーフプリントを生成するように機能するプリンターであると理解される。
【0012】
本発明の意味の中で、プロダクションプリンターは特に、製品の製造のために使用される、および、例えば製造ラインに組み込まれたプリンターであると理解される。本発明の意味の中で、プロダクションプリンターは更に概して、プルーフプリンターと同じプリンターではない、特にプルーフプリンターと同じタイプのプリンターではないプリンターであると理解され得る。本発明の意味の中の方法は概して、一方のプリンターがプルーフプリンターとして機能し、一方のプリンターがプロダクションプリンターとして機能する、プリンターの任意のペアに適用され得ることが理解されなければならない。
【0013】
色値は、色の知覚可能な配合を説明する絶対値であると理解される。色値は好ましくは、基本色の、例えば3つの基本色の混色における色成分の相対強度を示す。
【0014】
入力色値は、キャプチャされたデジタル画像により直接的にもたらされる各画像ピクセルに対する色値であると理解される。
【0015】
開始色値とプルーフプリンター目標色値とのデータペアは、2つの色値の組み合わせであると理解される。開始色値は、補正データが利用可能な既に測定されている任意の色値である。プルーフプリンター目標色値は、開始色値と補正データとの組み合わせから導出される。プルーフプリンター目標色値は、関連する開始色値を描画するために印刷される必要がある色値を示す。開始色値の描画または印刷は、使用されるプルーフプリンターに応じて変わる。プルーフプリンター目標色値は、印刷されたプルーフプリンター目標色値が元の開始色値をシミュレーションするように、このずれを考慮する。
【0016】
本発明の意味の中で、製品のカラフルネスをシミュレーションすることは、製品の生成に必要な同じ製造ステップを適用することを必要とせずに、製品を仕上げた後の製品の印刷された画像の色相ができる限り正確に生成され得ることを意味すると理解される。プルーフプリンターを使用して製品のカラフルネスをシミュレーションすることにより、仕上がり製品における画像と同じカラフルネスをもつことになる画像が生成される。
【0017】
本発明の意味の中で、プルーフプリンター色プロファイルまたはプロダクションプリンター色プロファイルは、対応するプリンターに適応されたとき、印刷された画像が所望の印刷結果にできる限り近く対応する手法により、印刷される提供されたデジタル画像を処理するプロファイルであると理解される。プロダクションプリンター色プロファイルは、プロダクションプリンターに、特に更には製品に適応され得る。プルーフプリンター色プロファイルは、使用されるプルーフプリンター、シミュレーションされるプロダクションプリンター、およびシミュレーションされる製品に適応され得る。
【0018】
上述の方法は、いずれの特定の補正値も利用可能でない色値でも補正され得ることを有益に実現し得る。したがって、限られた数の補正値を使用して、デジタル画像の数100万の可能な色値を補正することが可能とされる。この手法により、色値は、特にプルーフプリンター、プロダクションプリンター、指定されたデジタル画像、および製品に十分かつ正確に適応され得、特にプルーフプリンターを使用したシミュレーションの正確さが改善され得、結果として、プロダクションプリンターのためにより良く色補正されたデジタル画像が、プロダクションプリントの前に提供され得、したがって、プロダクションプリンターにおいて必要なテスト印刷が少なくなり得る。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によると、色値は三次元色空間において、好ましくはLab色空間において表される。Lab色空間は、全ての知覚可能な色を説明する。この目的のために、全ての色が三次元色空間に写像され、明度値Lが色平面a*bに直交する。本例において、aは緑色と赤色との間の比を表し、bは青色と黄色との間の比を表す。Lab色モデルの最も重要な特性は、デバイスの非依存性および知覚関連性を含む。好ましくは、これは、色の生成または再現技術の手法にかかわらず、標準的な照明条件のもとで通常の観測者によって知覚されるように色が規定されることを意味する。
【0020】
最も近い開始色値が、所定の閾値以下の入力色値までの空間的距離をもつことが好ましい。したがって、適切な開始色値がデータベースに記憶されていない入力色値に対して、所定の閾値以下、好ましくは3以下の三次元色空間における空間的距離をもつ全ての開始色値、いわゆる支持点が使用される。2つの色点に対して、例えば色間のデルタEとして、三次元Lab色空間における2つの色点間の距離が計算される。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によると、プルーフプリンター目標色値の補間において、開始色値は、入力色値までのそれらの空間的距離に従って重み付けされる。この重み付けは、適応的な逆距離加重の原理に従って実施される。これは、知られた測定値に対する未知の値の類似性がそれらの間の距離に伴って低下すること、すなわち、それらが遠く離れているほどデータが類似しなくなることを意味する。逆距離加重では、この関係は、測定値に、推定される点と測定の位置との間の距離の逆数に比例した重みを乗じることにより表される。データベースにおいて発見される色が探索されている色に近いほど、プルーフプリンター目標色値の最終的な特定に対するその影響が大きい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によると、方法は、以下のステップ、すなわち、
f)プルーフプリンター色プロファイルを使用して、色補正された指定されたデジタル画像からプルーフプリンターのための印刷データを生成するステップと、
g)生成された印刷データに基づいて、プルーフプリンターを使用してプルーフプリントを生成するステップと、
を含む。
【0023】
本発明の意味の中で、印刷データを生成することは、デジタル画像を、プリンターにより処理されるデータに変換することを意味すると理解される。この目的のために、好ましくはLab色空間における色補正されたデジタル画像の取得されたプルーフプリンター目標色値は、プリンターに特有のCMYKプロファイルに送られる。CMYK色モデルは、デバイスに依存した色モデルである。それは、出力デバイスが特定の色相を生成するために色成分を組み合わせなければならない比率を説明する。
【0024】
本発明の意味の中で、デジタル画像は特にデジタル方式で記憶可能な画像を意味すると理解され、デジタル方式で記憶可能な画像の画像情報はピクセルにより特定され、各々が表色系に従った色値をもつ。本発明の意味の中で、指定されたデジタル画像は、製品の印刷を意図したデジタル画像である。
【0025】
この手法により、プルーフプリントが製品の想定される色値を特に適切にシミュレーションすることが実現され得る。結果として、プロダクションプリンターのためのより良い色補正がプロダクションプリントの前に提供され得、したがって、プロダクションプリンターにおいて必要なテスト印刷が少なくなり得る。
【0026】
指定されたデジタル画像がオブジェクトをスキャンすることおよび/または写真撮影することにより生成されたことが好ましい場合があり得る。これは、色ずれがオブジェクト自体に基づいて更に取得され得ることを有益に実現し得る。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によると、所定のプルーフプリンター色プロファイルをもつプルーフプリンターのための補正データ、および、所定のプロダクションプリンター色プロファイルをもつプロダクションプリンターは、以下の方法ステップ、すなわち、
I)複数の入力色値をもつデジタルテスト画像を提供するステップと、
IIa)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、デジタルテスト画像からプロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
IIb)プロダクションプリンターのための生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用してテスト製品を生成するステップと、
IIIa)プルーフプリンター色プロファイルを使用して、デジタルテスト画像からプルーフプリンターのための印刷データを生成するステップと、
IIIb)プルーフプリンターのための生成された印刷データに基づいて、プルーフプリンターを使用してテストプルーフプリントを生成するステップと、
IV)テスト製品の各入力色値に対するテストプルーフプリントの色ずれを特定するステップと、
V)各入力色値に対する特定された色ずれに基づいて、プルーフプリンターのための補正データを取得するステップと、
により取得される。
【0028】
本発明の意味の中で、デジタルテスト画像は、印刷をテストすることを意図したデジタル画像であると理解される。
【0029】
本発明の意味の中で、色ずれを特定することは特に、2つの印刷(プルーフプリンター印刷およびプロダクションプリンター印刷)のマッチング点の色値が、特にデルタEといった特に色値間の色距離を特定することにより互いに比較されることを意味すると理解される。
【0030】
本発明の意味の中で、修正データを生成することは特に、デジタル入力画像に基づいて想定される色値からの色ずれに基づいて色空間における個々の色値に対する補正値を含むデータを生成することを意味すると理解される。
【0031】
全ての取得された補正値がデータベースに記憶されるのではなく、指定されたデジタル画像に基づいてデジタルテスト画像が提供されることが好ましい場合があり得、デジタルテスト画像は好ましくは色フィールドをもち、各々が指定されたデジタル画像に特に頻繁に現れる色値をもつ。
【0032】
テスト画像は不鮮明であり、したがって、全ての現れる色値がそれらの頻度に従ってリストにおいてソートされることが好ましい。最も頻繁に現れる色値が最初に選択される。この色値からの距離が閾値未満、好ましくは0.5のデルタE未満であるリストにおける全ての他の色値が、リストから除去される。続いて、次に最も高い頻度で現れる色値が選択される次の色値などになる。これは、全ての選択されたテスト画像に対して実施される。この手法により、互いから過度に小さい距離(例えばデルタE<0.5)をもつ色値が除外され、したがって、データベースが効率良く使用され続け得る。
【0033】
好ましい構成において、デジタルテスト画像が指定されたデジタル画像の少なくとも1つの主色を含むことがもたらされ得る。本発明の意味の中で、指定されたデジタル画像の主色は特に、デジタル画像の非常に大きい比率を構成する色値であると理解される。
【0034】
主色が指定されたデジタル画像において最も頻繁に現れる色から選択されることが好ましい場合があり得、任意選択的に、複数の主色間の色空間における最小距離は維持され、および/または、主色は指定されたデジタル画像から独立して選択され、色空間における主色間のできる限り大きい距離が維持される。これは、幾つかの指定されたデジタル画像を適切にカバーする補正データが少数の主色を使用して取得され得ることを実現し得る。色空間における最小距離は、例えばデルタE値を介して、またはヒストグラムの助けを受けて達成され得る。
【0035】
代替的な好ましい構成においてデジタルテスト画像が、指定されたデジタル画像に特に頻繁に現れる色値を含むことがもたらされ得る。デジタルテスト画像が、特に代表的な手法により、指定されたデジタル画像の色空間を特に適切にカバーする指定されたデジタル画像の色値を含むことが好ましい場合があり得る。好ましい構成において、デジタルテスト画像が指定されたデジタル画像の全ての色値を含むことがもたらされ得る。
【0036】
プルーフプリンター色プロファイルが既に製品に適応されていること、および、より好ましくは更にプルーフプリンター、プロダクションプリンター、およびプロダクションプリンター色プロファイルに適応されていることが好ましい場合があり得る。これは、プルーフプリンター色プロファイルが既に粗い、または一般的に使用される補正を含むことを意味する。例えば、プルーフプリンター色プロファイルは、ICC色プロファイルを含み得る。
【0037】
補正データが指定されたデジタル画像の個々の色値に対する補正値、より好ましくは指定されたデジタル画像に特に頻繁に現れる色値に対する補正値、を含むことが好ましい場合があり得る。補正データが特に代表的な手法により、指定されたデジタル画像の色空間を特に適切にカバーする指定されたデジタル画像の色値に対する補正値を含むことが好ましい場合があり得る。これは、補正データが指定されたデジタル画像に特によく適していることを実現し得る。したがって、印刷結果の特に良いシミュレーションが実現され得る。
【0038】
ある構成において、補正データが指定されたデジタル画像の全ての色値に対する補正値を含むことがもたらされ得る。
【0039】
補正データが製品に関する情報、特に、画像の印刷基材、および/または、画像を印刷した後の製品の後処理、特に、可能なカレンダ加工、光沢仕上げ、および/または構造化ステップに関する情報を含むことが好ましい場合があり得る。これは、製品自体が同様であることを条件として、補正データがその他の、または同様の指定されたデジタル画像に対しても適切に使用され得ることを実現し得る。これは、各製品に対してプルーフプリンターのためにどのような新しい補正データも生成される必要がないことを特に実現し得る。
【0040】
プルーフプリンターで意図しているカラフルネスのシミュレーションの対象となる製品と実質的に同じ方法によりテスト製品が製造されたものであり、指定されたデジタル画像の代わりにデジタルテスト画像が印刷されたことが好ましい場合があり得る。
【0041】
これは、プルーフプリンターのための補正データがシミュレーションされる製品に特に適切に適応されることを有益に実現し得る。したがって、特にプルーフプリンターを使用したシミュレーションの正確さが改善され得る。
【0042】
プロダクションプリンター色プロファイルを使用してデジタルテスト画像から生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用してテスト画像を印刷することによるテスト製品[…]、テスト画像は、製品の製造における対応する画像と同じタイプの印刷基材に印刷されることが好ましい場合があり得る。
【0043】
テスト製品が取得され、テスト画像を印刷した後、画像を印刷した後の製品の製造における工程と同じ工程が続けられることが好ましい場合があり得る。
【0044】
製品の画像および/またはテスト製品のテスト画像が少なくとも1つの少なくとも部分的に透明なカバー層によりカバーされることが好ましい場合があり得、カバー層は好ましくは構造化されている。
【0045】
驚くことに、このような製品に対して、本方法により生成された補正値がプルーフプリントの特に優れた改善を可能にすることが示され得る。いかなる理論にも拘束されないが、好ましくは構造化された少なくとも1つの少なくとも部分的に透明なカバー層により画像がカバーされる製品に対して、従来の方法を使用して、および色プロファイルを介した補正を使用してプルーフプリンターによりシミュレーションすることが特に困難であることが想定される。しかし、上述の方法を使用すると、驚くことに、このような製品は、プルーフプリントにより適切に再構成され得、これが、このような製品に対して上述の方法が特に大きい利点を提供する理由である。
【0046】
ある構成において、少なくとも部分的に透明なカバー層が摩耗保護層、特に分散された粒子を含む摩耗保護層であることがもたらされ得る。驚くことに、本方法によらなければおそらく拡散的に屈折させるカバー層に起因してシミュレーションすることが特に困難な製品にも、上述の方法が適していることが示され得る。
【0047】
製品が装飾パネル、好ましくは構造化された表面をもつ装飾パネルであることが好ましい場合があり得る。
【0048】
驚くことに、更に、このような製品に対して、本方法により生成された補正値がプルーフプリントの特に優れた改善を可能にすることが示され得る。
【0049】
色ずれを特定するステップが、光学的色測定デバイスを使用してテストプルーフプリントとテスト製品のテスト画像との色値を測定することにより実施され、特に、テストプルーフプリントおよびテスト製品のテスト画像の色値に対して、同じ光学的色測定デバイスが使用されることが好ましい場合があり得る。相応に、本発明の他の色ずれが同様に更に特定され得る。
【0050】
これは、取得される補正データがプリンターに非常に正確に適合させられること、および、測定誤差が避けられる、または補償されることを有益に可能にする。
【0051】
好ましくは、光学的色測定装置が色センサー、測色計、分光光度計、デジタルカメラ、およびスペクトラルデンシトメータからなる群から選択されことがもたらされ得、光学的色測定装置は好ましくは、プルーフプリンターおよび/またはプロダクションプリンターと同じ色モデルに基づく。
【0052】
これらの測定デバイスが特に適切であることが示されている。
【0053】
テストプルーフプリントおよび/またはテスト製品が複数回にわたってスキャンされること、および、2回のスキャンの間に90°回転させられることが好ましい場合があり得る。この手法により、照射光の非一様性が回避される。加えて、例えば山部と谷部とを含む構造化された表面といった不均一な表面では、ハイライトおよび陰影のあるエリアが発生し得、これらは、複数回にわたって基準画像をキャプチャすることにより防止され得る。
【0054】
本方法が、以下のステップ、すなわち、
VI)デジタルテスト画像とステップV)からのプルーフプリンターのための補正データとに基づいて、色補正されたデジタルテスト画像を生成するステップと、
VII)デジタルテスト画像として、色補正されたデジタルテスト画像を使用して、ステップI)からステップV)を実施するステップであって、その中で生成されたプルーフプリンターのための補正データが、プルーフプリンターのための以前に生成された補正データとともに蓄積される、ステップ、
を更に含み、
好ましくは、ステップIV)における色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップVI)およびステップVII)が連続して複数回にわたって繰り返し実施されることが好ましい場合があり得る。
【0055】
これは、補正値が非常に正確になることを有益に実現し得、したがって、プルーフプリンターを使用したシミュレーションの正確さが更に高められ得、結果として、プロダクションプリンターのためのより良い補正データがプロダクションプリントの前に提供され得、したがって、プロダクションプリンターにおいて必要なテスト印刷が少なくなり得る。
【0056】
詳細に言い換えると、方法ステップI)からステップV)が再度実施され、既に取得された補正データが、デジタルテスト画像自体を、それを使用して色補正することにより適用される。結果として、新しい補正データが取得され、次に、以前に特定された補正データとともに蓄積され、したがって、色ずれに更なる改善が見られなくなるまで、または、十分に良い色ずれが測定されるまで、徐々に正確な補正データが取得され得る。
【0057】
好ましい構成において、本方法を使用して取得された補正データが、プルーフプリンターのための修正データを生成するために本発明による他の方法からの補正データと組み合わされることがもたらされ得る。これは特に、あるデジタルテスト画像に対して取得された補正データが、別のデジタルテスト画像に対して取得された補正データと組み合わされ得ることを意味すると理解される。本発明の意味の中で、補正データを組み合わせることは、第1の方法による色値に対する補正値が、第2の方法による、および場合によっては更なる方法による色値に対する補正値により補完されることを意味すると理解され、例えば、1つより多い方法により測定された色値に対して、補正値が平均化され得る。例えば、ある構成において、補正データを組み合わせるとき、幾つかの方法による補正データが平滑化されることがもたらされ得る。
【0058】
この手法により、補正値を含むデータベースが、特に効率的な手法により確立される。したがって、デジタルテスト画像の第1のプルーフプリントに対して、データベースからの補正データが、色補正されたデジタルテスト画像を生成するために使用され得ることが好ましいことであり得、次に、色補正されたデジタルテスト画像を使用することから開始して、本方法が実施される。これは、全体として良い結果を達成するために必要なテストプルーフプリントが更に少なくなることを実現し得る。
【0059】
これは、意図される製品を考慮して補正データが組み合わされること、特に、同じ製造ステップを使用して製造される意図される製品のために補正データが組み合わされることが特に好ましいことであり得る。これは、特に、それぞれ異なる指定されたデジタル画像に基づく異なる画像を含むがその他の点では同様に製造される製品に対して、組み合わされた補正データが生成され得ることを意味すると理解される。これは、特に、同じ手法により更に製造された製品のためのものであることが意図されている他の指定されたデジタル画像に、補正データが特に適切に転用可能であることを実現し得る。
【0060】
本発明の好ましい実施形態によると、本方法は、ステップg)の後に以下の方法ステップ、すなわち、
h)指定されたデジタル画像のカラフルネスからプルーフプリントの色ずれを特定するステップと、
i)特定された色ずれに基づいて、プロダクションプリンターのための第1の補正データを生成するステップと、
を含む目標プリントの色再現特性の補正を更に含む。
【0061】
上述の方法は、プロダクションプリンターのための補正データが非常に正確であり、したがって、プロダクションプリンターにおいて必要なテスト印刷が少なくなり得ることを有益に実現し得る。
【0062】
言い換えると、上述の方法によると、指定されたデジタル画像からの本発明による色補正されたデジタル画像を使用して製造されたプルーフプリントの色ずれに基づいて、プロダクションプリンターのための補正データが生成される。
【0063】
本方法は、以下のステップ、すなわち、
j)第1の色補正された指定されたデジタル画像と、ステップi)によるプロダクションプリンターのための第1の補正データとに基づいて、第2の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
k)第1の色補正された指定されたデジタル画像として、ステップj)による第2の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップf)からステップi)を実施するステップであって、その中で生成されたプロダクションプリンターのための第1の補正データが、プロダクションプリンターのための以前に生成された第1の補正データとともに蓄積される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップh)における色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップj)およびステップk)が連続して複数回にわたって繰り返し実施されることが好ましい場合があり得る。
【0064】
これは、プロダクションプリンターのための補正データが特に正確であり、したがって、プロダクションプリンターにおいて必要なテスト印刷が更に少なくなり得ることを有益に実現し得る。
【0065】
言い換えると、方法により取得されたプロダクションプリンターのための第1の補正データが、更なるプルーフプリントに適用され、プルーフプリンターのための補正データが、プルーフプリンターのための補正データを使用して既に補正された第1の色補正された指定されたデジタル画像に適用されることがもたらされ得る。
【0066】
本方法は、以下のステップ、すなわち、
l)指定されたデジタル画像と、ステップi)によるプロダクションプリンターのための第1の補正データとに基づいて、第3の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
m)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して第3の色補正された指定されたデジタル画像からプロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
n)生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用して第3の色補正された指定されたデジタル画像を印刷することを含む、製品を少なくとも部分的に生成するステップと、
o)指定されたデジタル画像のカラフルネスから製品の色ずれを特定するステップと、
p)特定された色ずれと、プロダクションプリンターのための第1の補正データとに基づいて、プロダクションプリンターのための第2の補正データを生成するステップと、
を更に含むことが好ましい場合があり得る。
【0067】
これは、補正データが依然として正確になることを有益に実現し得る。
【0068】
言い換えると、プロダクションプリントが実施され、プロダクションプリントのためのベースとして、プロダクションプリンターのための以前に取得された第1の補正データを使用して色補正された指定されたデジタル画像が使用され、それにより、第3の色補正された指定されたデジタル画像が取得されることがもたらされ得る。
【0069】
特に方法ステップ1)では、第1の色補正されたデジタル画像と第2の色補正されたデジタル画像とのいずれもベースとして使用されず、これが、プルーフプリンターのための補正データが使用されない理由である。
【0070】
ステップn)では、少なくとも画像の色の印象の変化がもはや想定されない程度で、製品が生成されることが好ましい場合があり得る。製品が完全にステップn)において製造されることが特に好ましい場合があり得る。これは、プロダクションプリントにおける製品の色の印象が指定されたデジタル画像の印象に特に正確に対応するように、特定された色ずれおよび製品のための取得された補正データが特に代表的であることを実現し得る。
【0071】
本方法は、以下のステップ、すなわち、
q)指定されたデジタル画像とステップp)によるプロダクションプリンターのための第2の補正データとに基づいて、第4の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
r)第3の色補正された指定されたデジタル画像として、ステップq)による第4の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップm)からステップp)を実施するステップであって、その中で生成された第2の補正データが、特定された色ずれと以前の第2の補正データとに基づいて生成される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップo)における色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップq)およびステップr)が連続して複数回にわたって繰り返し実施されることが好ましい場合があり得る。
【0072】
これは、補正データが更により正確になることを有益に実現し得る。
【0073】
言い換えると、したがって、方法ステップm)からステップp)が再度実施され、既に取得された補正データが、それを使用して、指定されたデジタル画像を更に色補正することにより適用される。結果として、新しい補正データが取得され、結果として、以前に特定された補正データとともに蓄積され、したがって、色ずれに更なる改善が見られなくなるまで、または、十分に良い色ずれが測定されるまで、徐々に正確な補正データが取得され得る。
【0074】
本方法は、以下のステップ、すなわち、
I)指定されたデジタル画像とプロダクションプリンターのための補正データとに基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
II)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、色補正された指定されたデジタル画像からプロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
III)生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用してプロダクションプリントを生成するステップと、
を更に含むことが好ましい場合があり得る。
【0075】
上述の方法により、指定されたデジタル画像の色の印象に非常に正確に対応した製品が有益に取得され得る。
【0076】
言い換えると、上述の方法によると、したがって、指定されたデジタル画像のプロダクションプリントが生成され、上述の方法によりステップi)またはステップp)により取得されたプロダクションプリンターのための補正データが、指定されたデジタル画像に適用される。
【0077】
本発明による方法の更なる利点および有益な構成が図により示され、以下の明細書において説明される。図が説明にすぎず、いずれかの手法により本発明を限定することを意図したものではないことに留意されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図面においては以下のとおりである。
【0079】
図1】本発明の好ましい例示的な実施形態によるプルーフプリントの色再現特性を補正するための本発明による方法の工程フローを概略的に示す図である。
図2】プルーフプリンターのための補正データを取得するための本発明の好ましい例示的な実施形態による方法の工程フローを概略的に示す図である。
図3】目標プリントの色再現特性を補正するための本発明の好ましい構成による方法の工程フローを概略的に示す図である。
図4】プロダクションプリンターを使用した製品のための指定されたデジタル画像を印刷するための本発明の好ましい例示的な実施形態による方法の工程フローを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、プルーフプリントの色再現特性を補正するための本発明による方法の工程フローを概略的に示し、指定されたデジタル画像のプルーフプリントは、所定のプルーフプリント色プロファイルを使用してプルーフプリンターにより生成され、プルーフプリントは、プロダクションプリンターを使用して製造され得る同じデジタル画像の目標プリントのカラフルネスをシミュレーションする。プルーフプリントは、製品のカラフルネスをシミュレーションすることを意図したものであり、製品は、プロダクションプリンター色プロファイルを使用して指定されたデジタル画像から生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用して印刷された少なくとも1つの画像を含む。
【0081】
第1のステップa)では、データベースが前もって提供される。データベースは、指定された数のデータペアを含む。各データペアは、開始色値と、関連するプルーフプリンター目標色値とからなる。プルーフプリンター目標色値は、開始色値と補正データとによりもたらされる。印刷されたプルーフプリンター目標色値がプロダクションプリンター目標色値をシミュレーションし、プリンターに依存したずれを補正するように、補正データが開始色値を調節する。
【0082】
印刷されるデジタル画像が、更なるステップb)において提供され、複数の画像ピクセルに分割される。
【0083】
次に、ステップc)において、色値すなわち入力色値が各画像ピクセルに対して特定される。
【0084】
この後、2つの選択肢があり、すなわち、ステップd1)では、取得された入力色値が開始色値としてデータベースにおいて発見される。次に、データペアに基づいて、入力色値に関連したプルーフプリンター目標色値が取得され、および提供され得る。ステップd2)では、取得された入力色値に対する開始色値がデータベースに記憶されていない。この場合には、入力色値に最も近いデータベースからの開始色値が取得される。これは、三次元色空間における色値間の空間的距離を取得することにより行われる。空間的距離すなわちベクトル長が例えば3といった閾値未満である場合、開始色値と、関連するプルーフプリンター目標色値とが考慮される。次に、プルーフプリンター目標色値が逆距離加重に従って補間される。結果として得られる補間されたプルーフプリンター目標色値が次に提供される。
【0085】
ステップd1)およびステップd2)により提供されたプルーフプリンター目標色値が、次に、色補正されたデジタル画像を生成するためにステップe)において使用される。
【0086】
次のステップg)において、プルーフプリンターのための印刷データが、プルーフプリンター色プロファイルを使用して第1の色補正された指定されたデジタル画像から生成され、ステップg)におけるプルーフプリントは、生成された印刷データに基づいて、プルーフプリンターを使用して生成される。
【0087】
本方法は、製品のカラフルネスを特に適切にシミュレーションしたカラフルネスを伴うプルーフプリントをもたらす。
【0088】
図2は、プルーフプリンターのための補正データを取得するための本発明の好ましい例示的な実施形態による方法の工程フローを概略的に示す。補正データは、プロダクションプリンター色プロファイルを使用して指定されたデジタル画像から生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用して印刷された少なくとも1つの画像を含む製品のカラフルネスをシミュレーションすることを意図したものである。
【0089】
第1のステップI)において、デジタルテスト画像が提供される。これは、例えば、指定されたデジタル画像に基づいて提供され得、指定されたデジタル画像に特に頻繁に現れる色値を各々がもつ色フィールドをもち得る。
【0090】
後続のステップIIa)およびステップIIb)において、プロダクションプリンターのための印刷データが、プロダクションプリンター色プロファイルを使用してデジタルテスト画像から生成され、テスト製品が生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用して生成される。
【0091】
次のステップIIIa)およびステップIIIb)において、プルーフプリンターのための印刷データは、プルーフプリンター色プロファイルを使用してデジタルテスト画像から生成され、テストプルーフプリントは、生成された印刷データに基づいて、プルーフプリンターを使用して生成される。プルーフプリンター色プロファイルは、例えばICC色プロファイルとしてプルーフプリンターのための補正を既に含み得る。
【0092】
後続のステップIV)において、テスト製品のカラフルネスからのテストプルーフプリントの色ずれが特定され、テスト製品は、プロダクションプリンター色プロファイルを使用してデジタルテスト画像から生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用して印刷された少なくとも1つのテスト画像を含む。特に、テスト製品は、プルーフプリンターがカラフルネスのシミュレーションを行う対象の製品と実質的に同じ方法により製造されものであり得、指定されたデジタル画像の代わりに、デジタルテスト画像が印刷された。
【0093】
例えば、光学的色測定デバイスを使用してテストプルーフプリントおよびテスト製品のテスト画像の色値を測定することにより、色ずれが特定され得、特に、テストプルーフプリントおよびテスト製品のテスト画像の色値に対して、同じ光学的色測定デバイスが使用される。
【0094】
ステップV)において、プルーフプリンターのための補正データが、特定された色ずれに基づいて生成される。
【0095】
この補正データは、次に、色補正されたデジタルテスト画像を生成するためにステップVI)において使用され得、色補正されたデジタルテスト画像は、次に、ステップI)においてデジタルテスト画像として再度提供される。方法ステップI)からステップV)が、次に、デジタルテスト画像として色補正されたデジタルテスト画像を使用してステップVII)として再度実施される。
【0096】
特に、ステップV)における色ずれが閾値より小さくなるまで、または最小値に到達するまで、ステップVI)およびステップVII)を含む方法が繰り返される。
【0097】
本方法は、プルーフプリンターのための補正データを、製品のカラフルネスをシミュレーションすることに特によく適したものにする。
【0098】
図3は、目標プリントの色再現特性を補正するための本発明の好ましい構成による方法の工程フローを概略的に示す。
【0099】
最初のステップf)およびステップg)において、例えば図1に示されているように本方法により、少なくとも1つのプルーフプリントが生成される。次に、ステップh)において、指定されたデジタル画像のカラフルネスからのプルーフプリントの色ずれが特定される。更なるステップi)において、プロダクションプリンターのための第1の補正データが、特定された色ずれに基づいて生成される。
【0100】
示される構成において、次にステップj)において、この第1の補正データと第1の色補正された指定されたデジタル画像とに基づいて、第2の色補正された指定されたデジタル画像が生成される。次に、ステップk)として、この第2の色補正された指定されたデジタル画像が、ステップf)からi)において第1の色補正されたデジタル画像として再使用される。プロダクションプリンターのための生成された第1の補正データが、プロダクションプリンターのための以前に生成された第1の補正データとともに蓄積される。
【0101】
次に、示される構成において、ステップi)における色ずれが閾値より小さくなるまで、または最小値に到達するまで、ステップk)およびステップj)が繰り返し実施される。
【0102】
次に、示される実施形態において、印刷がプルーフプリンターからプロダクションプリンターに切り替えられる。ステップl)において、(第1の色補正された指定されたデジタル画像または第2の色補正された指定されたデジタル画像に基づくのではなく)指定されたデジタル画像と、ステップi)によるプロダクションプリンターのための第1の補正データとに基づいて、第3の色補正された指定されたデジタル画像が生成される。
【0103】
次に、次のステップm)において、第3の色補正された指定されたデジタル画像から、プロダクションプリンターのための印刷データが生成され、プロダクションプリンター色プロファイルが適用される。
【0104】
次に、ステップn)において、製品が少なくとも部分的に生成され、本ステップは、生成された印刷データに基づいて、プロダクションプリンターを使用して第3の色補正された指定されたデジタル画像を印刷することを含む。ある構成において、製品は、その製品が後で製造工程において製造される手法と同じ手法により製造される。
【0105】
次に、ステップo)において、指定されたデジタル画像のカラフルネスからの製品の色ずれが特定され、その後、ステップp)において、プロダクションプリンターのための第2の補正データが、特定された色ずれとプロダクションプリンターのための第1の補正データとに基づいて生成される。したがって、プロダクションプリンターのための第2の補正データは、ステップi)において取得された補正データと、ステップm)からステップp)により更に精緻化された補正データとを考慮する。
【0106】
次に、示される構成において、ステップq)において、指定されたデジタル画像と、ステップp)によるプロダクションプリンターのための第2の補正データとに基づいて、第4の色補正された指定されたデジタル画像が生成される。
【0107】
次に、第3の指定されたデジタル画像として、第4の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップm)からステップp)がステップr)として実施され、ステップp)において生成される第2の補正データが、特定された色ずれと以前の第2の補正データとに基づいて生成される。
【0108】
示される構成において、次に、ステップo)における色ずれが閾値より小さくなるまで、または最小値に到達するまで、ステップr)およびステップq)が繰り返し実施される。
【0109】
上述の方法を通して、製品の特に小さい色ずれが達成され得、方法ステップk)およびステップj)の反復回数は比較的少なく維持され得、特に方法ステップr)およびステップq)の非常に複雑な反復の数が、特に少なく維持され得る。
【0110】
例えば、上述の方法を使用すると、構造化された摩耗保護層を含む色の正確な装飾パネルのための補正データが生成され得、ステップq)およびステップr)が5回未満実施される必要があるのに対し、以前から知られている方法を使用すると、満足のいく結果を達成するために、約20を上回るプロダクションプリントがテストのために必要であり得る。
【0111】
図4は、プロダクションプリンターを使用した製品のための指定されたデジタル画像を印刷するための本発明の好ましい例示的な実施形態による方法の工程フローを概略的に示す。
【0112】
まず、ステップi)およびステップp)から第1の補正データおよび第2の補正データが提供される。
【0113】
次に、ステップi)において、指定されたデジタル画像に基づいて、色補正された指定されたデジタル画像が生成される。本例において、本発明による方法により取得されたプロダクションプリンターのための補正データが使用される。例えば、特にステップk)およびステップj)の反復が実施された後のステップi)によるプロダクションプリンターのための第1の補正データ、または、特にステップr)およびステップq)の反復が実施された後のステップp)によるプロダクションプリンターのための第2の補正データが使用される。
【0114】
したがって、指定されたデジタル画像からの特に小さい色ずれを伴う仕上がり製品としてプロダクションプリントが生成される。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルーフプリントの色再現特性を補正する方法であって、指定されたデジタル画像の前記プルーフプリントが、所定のプルーフプリント色プロファイルを使用してプルーフプリンターにより生成され、前記プルーフプリントが、プロダクションプリンターが生成することが可能な同じ前記デジタル画像の目標プリントのカラフルネスをシミュレーションし、前記方法が、以下の方法ステップ、すなわち、
a)開始色値とプルーフプリンター目標色値とを含む所定の数のデータペアを含むデータベースを前もって提供するステップであって、前記プルーフプリンターを使用して印刷されるプルーフプリンター目標色値が、前記プロダクションプリンターにより印刷されるプロダクションプリンター目標色値におおむね等しくなるように、前記プルーフプリンター目標色値が、補正データにより補正された開始色値を含む、ステップと、
b)前記デジタル画像を提供し、前記デジタル画像を複数の画像ピクセルに分割するステップと、
c)各前記画像ピクセルに対して、入力色値を特定し、前記データベースがそれぞれの前記入力色値に対する開始色値を含むか否かを確認するステップと、
d1)前記データベースがそれぞれの前記入力色値に対する前記開始色値を含む場合、関連する前記プルーフプリンター目標色値を提供するステップと、
d2)前記データベースがそれぞれの前記入力色値に対する前記開始色値を含まない場合、それぞれの前記入力色値に最も近い少なくとも2つの開始色値を特定し、最も近い前記開始色値に基づいて、プルーフプリンター目標色値を補間し、補間された前記プルーフプリンター目標色値を提供するステップと、
e)提供された前記プルーフプリンター目標色値に基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
色値が、三次元色空間において、好ましくは、Lab色空間において表され、最も近い前記開始色値が、所定の閾値以下の前記入力色値までの空間的距離をもつ、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プルーフプリンター目標色値を補間する前記ステップにおいて、前記開始色値が、前記入力色値までの前記開始色値の前記空間的距離に従って重み付けされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
以下の方法ステップ、すなわち、
f)プルーフプリンター色プロファイルを使用して、前記色補正された指定されたデジタル画像から前記プルーフプリンターのための印刷データを生成するステップと、
g)生成された前記印刷データに基づいて、前記プルーフプリンターを使用してプルーフプリントを生成するステップと、
を更に含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
所定のプルーフプリンター色プロファイルをもつ前記プルーフプリンターと、所定のプロダクションプリンター色プロファイルをもつプロダクションプリンターとのための前記補正データが、以下の方法ステップ、すなわち、
I)複数の入力色値をもつデジタルテスト画像を提供するステップと、
IIa)前記プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、前記デジタルテスト画像から前記プロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
IIb)前記プロダクションプリンターのための生成された前記印刷データに基づいて、前記プロダクションプリンターを使用してテスト製品を生成するステップと、
IIIa)前記プルーフプリンター色プロファイルを使用して、前記デジタルテスト画像から前記プルーフプリンターのための前記印刷データを生成するステップと、
IIIb)前記プルーフプリンターのための生成された前記印刷データに基づいて、前記プルーフプリンターを使用してテストプルーフプリントを生成するステップと、
IV)前記テスト製品の各入力色値に対する前記テストプルーフプリントの色ずれを特定するステップと、
V)各入力色値に対する特定された前記色ずれに基づいて、前記プルーフプリンターのための補正データを取得するステップと、
により取得される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記テスト製品が、前記プルーフプリンターがカラフルネスのシミュレーションを行う対象の製品と実質的に同じ方法により製造されたものであり、前記指定されたデジタル画像の代わりに、前記デジタルテスト画像が印刷された、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
製品の画像および/または前記テスト製品のテスト画像が、少なくとも1つの少なくとも部分的に透明なカバー層によりカバーされ、前記カバー層が、好ましくは、構造化されている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記デジタルテスト画像が、前記指定されたデジタル画像に基づいて提供され、前記デジタルテスト画像が、好ましくは、色フィールドをもち、前記色フィールドの各々が前記指定されたデジタル画像に特に頻繁に現れる色値をもつ、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記色ずれを特定する前記ステップが、光学的色測定デバイスを使用して前記テストプルーフプリントと前記テスト製品のテスト画像との色値を測定することにより実施され、特に、前記テストプルーフプリントと前記テスト製品の前記テスト画像との前記色値に対して、同じ前記光学的色測定デバイスが使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、以下のステップ、すなわち、
VI)前記デジタルテスト画像とステップV)による前記プルーフプリンターのための前記補正データとに基づいて、色補正されたデジタルテスト画像を生成するステップと、
VII)前記デジタルテスト画像として、前記色補正されたデジタルテスト画像を使用して、ステップI)からステップV)を実施するステップであって、ステップI)からステップV)において生成された前記プルーフプリンターのための前記補正データが、前記プルーフプリンターのための以前に生成された前記補正データとともに蓄積される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップIV)における前記色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップVI)およびVII)が連続して複数回にわたって繰り返し実施される、
請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記目標プリントの色再現特性を補正するために、ステップg)の後に、以下の方法ステップ、すなわち、
h)前記指定されたデジタル画像の前記カラフルネスから前記プルーフプリントの色ずれを特定するステップと、
i)特定された前記色ずれに基づいて、前記プロダクションプリンターのための第1の補正データを生成するステップと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
以下の方法ステップ、すなわち、
j)第1の色補正された指定されたデジタル画像と、ステップi)による前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データとに基づいて、第2の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
k)前記第1の色補正された指定されたデジタル画像として、ステップj)による前記第2の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップf)からステップi)を実施するステップであって、ステップf)からステップi)において生成された前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データが、前記プロダクションプリンターのための以前に生成された前記第1の補正データとともに蓄積される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップh)における前記色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップj)およびステップk)が連続して複数回にわたって繰り返し実施される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、以下のステップ、すなわち、
l)前記指定されたデジタル画像と、ステップi)による前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データとに基づいて、第3の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
m)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、前記第3の色補正された指定されたデジタル画像から前記プロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
n)生成された前記印刷データに基づいて、前記プロダクションプリンターを使用して前記第3の色補正された指定されたデジタル画像を印刷することを含む、製品を少なくとも部分的に生成するステップと、
o)前記指定されたデジタル画像の前記カラフルネスから前記製品の色ずれを特定するステップと、
p)特定された前記色ずれと前記プロダクションプリンターのための前記第1の補正データとに基づいて、前記プロダクションプリンターのための第2の補正データを生成するステップと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、以下のステップ、すなわち、
q)前記指定されたデジタル画像と、ステップp)による前記プロダクションプリンターのための前記第2の補正データとに基づいて、第4の色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
r)前記第3の色補正された指定されたデジタル画像として、ステップq)による前記第4の色補正された指定されたデジタル画像を使用して、ステップm)からステップp)を実施するステップであって、ステップm)からステップp)において生成された前記第2の補正データが、特定された前記色ずれと以前の前記第2の補正データとに基づいて生成される、ステップと、
を更に含み、
好ましくは、ステップo)における前記色ずれが閾値より小さくなるまで、および/または最小値に到達するまで、ステップq)およびステップr)が連続して複数回にわたって繰り返し実施される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
以下の方法ステップ、すなわち、
A)前記指定されたデジタル画像と前記プロダクションプリンターのための前記補正データとに基づいて、色補正された指定されたデジタル画像を生成するステップと、
B)プロダクションプリンター色プロファイルを使用して、前記色補正された指定されたデジタル画像から前記プロダクションプリンターのための印刷データを生成するステップと、
C)生成された前記印刷データに基づいて、前記プロダクションプリンターを使用して、プロダクションプリントを生成するステップと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】