(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/04 20060101AFI20241114BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20241114BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01M4/139
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/531
H01M50/536
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527650
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022017697
(87)【国際公開番号】W WO2023085829
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0155213
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0079449
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミンウー・キム
(72)【発明者】
【氏名】ド・ギュン・キム
【テーマコード(参考)】
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H043AA03
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA17
5H043CA03
5H043CA12
5H043DA03
5H043EA35
5H043EA60
5H043HA04E
5H043HA05E
5H043HA17E
5H043HA36E
5H050AA12
5H050AA19
5H050BA08
5H050BA15
5H050CA02
5H050CA07
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB11
5H050CB12
5H050CB20
5H050FA05
5H050GA03
5H050GA04
5H050GA29
5H050HA00
5H050HA04
5H050HA12
(57)【要約】
本発明は、カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法を開示する。本発明は、電極組立体110の軸方向に移動しつつ軸方向に延びた前記無地部15に、軸方向に第1切断ライン113を形成し、前記第1切断ライン113を基準に、切断予定部115aとフォーミング予定部117aを分離する第1カッター部210;及び前記電極組立体110の半径方向に移動しつつ周方向に巻き取られた前記無地部15に、周方向に第2切断ライン16aを形成し、前記第2切断ライン16aが前記第1切断ライン113に連結されるようにして、前記第1切断ライン113と、前記第2切断ライン16aによって取り囲まれた前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと、前記切断予定部115aとを切り取ることにより、前記電極組立体110の無地部15に切断面部115を形成する第2カッター部220;を含む、カット装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の第1電極シート(11)と、第2電極シート(12)と、分離膜(13)とが積層された状態に巻き取られて、前記第1電極シート(11)と前記第2電極シート(12)の少なくともいずれかのシートの幅方向端部に、活物質層がコーティングされない無地部(15)が具備された電極セルボディ部(111)を備える、電極組立体(110)の無地部(15)の少なくとも一部分を切断するカット装置であって、
前記電極組立体(110)の軸方向に移動しつつ軸方向に延びた前記無地部(15)に、軸方向に第1切断ライン(113)を形成し、前記第1切断ライン(113)を基準に、切断予定部(115a)とフォーミング予定部(117a)を分離する第1カッター部(210)、及び
前記電極組立体(110)の半径方向に移動しつつ周方向に巻き取られた前記無地部(15)に、周方向に第2切断ライン(16a)を形成し、前記第2切断ライン(16a)が前記第1切断ライン(113)に連結されるようにして、前記第1切断ライン(113)と前記第2切断ライン(16a)によって取り囲まれた、前記フォーミング予定部(117a)の外側部分(117b)と前記切断予定部(115a)を切り取ることにより、前記電極組立体(110)の無地部(15)に切断面部(115)を形成する第2カッター部(220)、
を含む、
カット装置。
【請求項2】
前記第1カッター部(210)は、放射状に配置されて、軸方向に延びた複数の第1ブレード(211)を含む、
請求項1に記載のカット装置。
【請求項3】
前記第1カッター部(210)は、第1振動発生部(213)をさらに含む、
請求項1に記載のカット装置。
【請求項4】
前記第2カッター部(220)は、
前記切断予定部(115a)を扇形状に切断するように、両辺に刃(221a,221b)が形成される三角状に形成された第2ブレード(221)、及び
前記第2ブレード(221)の一側に連結されて、前記フォーミング予定部(117a)の外側部分(117b)を切断するように、刃(222a,222b)が形成される第3ブレード(222)
を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のカット装置。
【請求項5】
前記第3ブレード(222)は、両辺に刃(222a,222b)を形成する三角状に形成される、
請求項4に記載のカット装置。
【請求項6】
前記第2ブレード(221)の一側刃(221a)は、前記第1切断ライン(113)の長さよりも長く形成され、
前記第2ブレード(221)の他側刃(221b)は、前記第1切断ライン(113)の長さよりも短く形成され、
前記第3ブレード(222)は、前記第2ブレード(221)の他側刃(221b)の外側端部に連結される、
請求項4に記載のカット装置。
【請求項7】
前記第3ブレード(222)の一側刃(222a)は、前記フォーミング予定部(117a)の幅と同じ長さで形成される、
請求項4に記載のカット装置。
【請求項8】
前記第3ブレード(222)の他側刃(222b)の長さは、前記第3ブレード(222)の一側刃(222a)の長さ以下に形成される、
請求項4に記載のカット装置。
【請求項9】
前記第2カッター部(220)は、第2振動発生部(223)をさらに含む、
請求項1に記載のカット装置。
【請求項10】
請求項1のカット装置、及び
前記無地部(15)が、切り取られていないフォーミング予定部(117a)を加圧して横たえることにより、フォーミング部(117)を形成するプレス部(230)、
を含む、電極組立体加工装置であって、
前記プレス部(230)は、前記電極セルボディ部(111)の半径方向外側に移動されて、前記無地部(15)のフォーミング予定部(117a)を前記電極セルボディ部(111)の半径方向外側に横たえる、
電極組立体加工装置。
【請求項11】
シート状の第1電極シート(11)と、第2電極シート(12)と、分離膜(13)と、を積層して巻き取り、電極セルボディ部(111)を製作するステップ、
第1カッター部(210)は、前記電極セルボディ部(111)の軸方向に移動しつつ、前記第1電極シート(11)と前記第2電極シート(12)の無地部(15)に、軸方向に第1切断ライン(113)を形成して、前記第1切断ライン(113)を基準に、切断予定部(115a)とフォーミング予定部(117a)を分離するステップ、
第2カッター部(220)は、前記電極セルボディ部(111)の半径方向に移動しつつ、周方向に巻き取られた前記無地部(15)に周方向に第2切断ライン(16a)を形成し、前記第2切断ライン(16a)が前記第1切断ライン(113)に連結されるようにして、前記第1切断ライン(113)と前記第2切断ライン(16a)によって取り囲まれた、前記フォーミング予定部(117a)の外側部分(117b)と、前記切断予定部(115a)を切り取ることにより、電極組立体(110)の無地部(15)に切断面部(115)を形成するステップ、及び
プレス部(230)は、前記無地部(15)のフォーミング予定部(117a)を、前記電極セルボディ部(111)の半径方向外側に加圧して、半径方向外側に横たえることによって、フォーミング部(117)を形成するステップ
を含む、
バッテリセル(100)の製造方法。
【請求項12】
前記フォーミング予定部(117a)の前記電極セルボディ部(111)の半径方向長さは、前記第1切断ライン(113)の長さよりも短く形成される、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項13】
前記フォーミング予定部(117a)の前記電極セルボディ部(111)の軸方向高さは、前記フォーミング予定部(117a)の外側端部と、前記電極セルボディ部(111)の外周面との間の距離未満に形成される、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項14】
前記切断面部(115)は、前記電極セルボディ部(111)のコア部(112)を中心に、円周方向に沿って扇形状に形成される、
請求項11~13のいずれか一項に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項15】
前記切断面部(115)は、60゜~120゜の中心角を有する、
請求項14に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項16】
前記フォーミング部(117)は、前記電極セルボディ部(111)のコア部(112)を中心に、放射状に形成される、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項17】
前記フォーミング部(117)は、前記無地部(15)のフォーミング予定部(117a)が、前記電極セルボディ部(111)の外側に横たえられる形態に形成される、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項18】
前記フォーミング部(117)は、前記電極セルボディ部(111)の半径方向に沿って形成される、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項19】
前記切断面部(115)は、前記無地部(15)と有地部(14)の境界部(16)から前記軸方向外側に一定距離離隔した部分を切断することによって形成される、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項20】
前記第1カッター部(210)は、第1振動発生部(213)によって振動しつつ、前記無地部(15)を切断する、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項21】
前記第2カッター部(220)は、第2振動発生部(223)によって振動しつつ、前記無地部(15)を切断する、
請求項11に記載のバッテリセル(100)の製造方法。
【請求項22】
シート状の第1電極シート(11)と第2電極シート(12)との間に分離膜(13)が積層され、前記第1電極シート(11)と、前記第2電極シート(12)と、前記分離膜(13)とがゼリーロール状に巻き取られ、前記第1電極シート(11)と前記第2電極シート(12)の幅方向端部に、活物質層がコーティングされない無地部(15)が形成される電極セルボディ部(111)、
前記電極セルボディ部(111)のコア部(112)を中心に、円周方向に沿って、前記無地部(15)のフォーミング予定部(117a)の外側部分と切断予定部(115a)を切断することによって形成される複数の切断面部(115)、及び
前記切断面部(115)の間に配置され、前記無地部(15)のフォーミング予定部(117a)を、前記電極セルボディ部(111)の外側に加圧して横たえることによって形成される複数のフォーミング部(117)、
を含む、
電極組立体(110)。
【請求項23】
前記切断面部(115)は、前記電極セルボディ部(111)のコア部(112)を中心に、円周方向に沿って扇形状に形成される、
請求項22に記載の電極組立体(110)。
【請求項24】
前記切断面部(115)は、30゜~180゜の中心角を有する、
請求項23に記載の電極組立体(110)。
【請求項25】
前記切断面部(115)は、前記無地部(15)と有地部(14)の境界部(16)から軸方向外側に一定距離離隔した部分を切断することによって形成される、
請求項22に記載の電極組立体(110)。
【請求項26】
前記フォーミング予定部(117a)の外側端部は、前記電極セルボディ部(111)の外周面から前記電極セルボディ部(111)の中心部側に一定距離離隔する、
請求項22に記載の電極組立体(110)。
【請求項27】
前記フォーミング予定部(117a)の前記電極セルボディ部(111)の軸方向高さは、前記フォーミング予定部(117a)の外側端部と、前記電極セルボディ部(111)の外周面との間の距離未満に形成される、
請求項26に記載の電極組立体(110)。
【請求項28】
前記フォーミング部(117)は、前記電極セルボディ部(111)のコア部(112)を中心に、放射状に形成される、
請求項22に記載の電極組立体(110)。
【請求項29】
前記フォーミング部(117)は、前記フォーミング予定部(117a)を、前記電極セルボディ部(111)の半径方向外側に横たえられる形態に形成される、
請求項22に記載の電極組立体(110)。
【請求項30】
前記フォーミング部(117)は、前記電極セルボディ部(111)の外周面から中心部側に一定区間が除去された形態である、
請求項29に記載の電極組立体(110)。
【請求項31】
前記コア部(112)は、前記電極セルボディ部(111)の中心部を貫通する中空状に形成され、前記フォーミング部(117)は、半径方向外側に横たえられて、前記コア部(112)を軸方向に遮らない、
請求項29に記載の電極組立体(110)。
【請求項32】
請求項22~31のいずれか一項の電極組立体(110)、
前記電極組立体(110)が収容され、前記第1電極シート(11)及び前記第2電極シート(12)のいずれかと電気的に連結されて、第1極性を帯びる電池缶(120)、
前記電池缶(120)の開放端を密封する密封キャップ部(150)、及び
前記第1電極シート(11)及び前記第2電極シート(12)のうち、他の1つと電気的に連結される第2極性を帯びる第1集電プレート(130)、
を含む、
バッテリセル(100)。
【請求項33】
前記第1集電プレート(130)は、前記フォーミング部(117)に溶接される、
請求項32に記載のバッテリセル(100)。
【請求項34】
請求項33に記載のバッテリセル(100)を少なくとも1つ含む、
バッテリパック。
【請求項35】
請求項34に記載のバッテリパックを少なくとも1つ含む、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月11日付韓国特許出願第10-2021-0155213号及び2022年6月29日付韓国特許出願第10-2022-0079449号に基づく優先権の利益を主張し、同韓国特許出願の文献で開示のすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、二次電池は、正極、負極及び電解質を含み、化学反応を利用して電気エネルギーを発生させる。製品群による適用容易性が高くて、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器のみならず、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV,Electric Vehicle)又はハイブリッド自動車(HEV,Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。
【0004】
これら二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所がある。二次電池は、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという長所がある。このため、二次電池は、環境に優しい、かつ、エネルギー効率性の向上のため新しいエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在、広く使用されている二次電池の種類では、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。これら単位二次電池セル、つまり単位バッテリセル100の作動電圧は、約2.5V~4.5Vである。よって、これよりもさらに高い出力電圧が求められる場合、複数個のバッテリセルを直列に連結して、バッテリパックを構成したりもする。また、バッテリパックに求められる充放電容量に応じて、複数のバッテリセル100を並列に連結して、バッテリパックを構成したりもする。よって、前記バッテリパックに含まれるバッテリセルの個数及び電気的連結形態は、要求される出力電圧及び/又は充放電容量によって様々な設定が可能である。
【0006】
一方、単位二次電池セルの種類として、円筒型、角型、及びパウチ型のバッテリセルが知られている。円筒型バッテリセルの場合、正極と負極との間に絶縁体である分離膜を介在し、これを巻き取って、ゼリーロール型電極組立体を形成し、これを電池缶の内部に挿入して、電池を構成する。そして、前記正極及び負極のそれぞれの無地部には、ストリップ状の電極タブが連結されていてもよい。電極タブは、電極組立体と、外部に露出する電極端子との間を電気的に連結する。参考までに、正極電極端子は、電池缶の開放口を密封する密封体のキャッププレートであり、負極電極端子は、電池缶である。ところが、かかる構造を有する従来の円筒型バッテリセルによれば、正極無地部及び/又は負極無地部と結合されるストリップ状の電極タブに電流が集中するため、抵抗が大きくて、熱が多く発生し、集電効率が良くないという問題点があった。すなわち、電極タブの断面積が急激に減少して、電流流れのボトルネック現象を引き起こし得る。
【0007】
18650や21700のフォームファクタを有する小型円筒型バッテリセルは、抵抗と発熱が大きなイシューにならない。しかし、円筒型バッテリセルを電気自動車に適用するためにフォームファクタを増加させる場合、急速充電過程で、電極タブの周辺で多くの熱が発生しつつ、円筒型バッテリセルが発火する問題が発生し得る。
【0008】
かかる問題点を解決するために、ゼリーロール型電極組立体の上端及び下端に、それぞれ正極無地部及び負極無地部が位置するように設計し、これら無地部に集電プレートを溶接させて、集電効率が改善した構造を有する円筒型バッテリセル(いわゆる、タブレス(Tab-less)円筒型バッテリセル)が提示された。
【0009】
第1電極シートと第2電極シートは、シート(sheet)状の集電体に活物質がコーティングされた構造を有し、巻取方向に沿って一方の長辺側に無地部を含む。
【0010】
電極組立体は、第1電極シートと第2電極シートを2枚の分離膜と共に順次積層させた後、一方向に巻き取って製作する。このとき、第1電極シートと第2電極シートの無地部は、互いに逆方向に配置される。
【0011】
巻取工程後、第1電極シートの無地部と第2電極シートの無地部は、コア側に折曲される。その後は、無地部に集電プレートをそれぞれ溶接して結合させる。
【0012】
正極無地部と負極無地部には、別途電極タブが結合されておらず、集電プレートが外部の電極端子と連結されて、電流パスが電極組立体の巻取軸方向に沿って大きい断面積で形成されるため、バッテリセルの抵抗を下げる長所がある。抵抗は、電流が流れる通路の断面積に半分比例するからである。
【0013】
タブレス円筒型バッテリセルにおいて、無地部と集電プレートの溶接特性を向上させるためには、無地部の溶接地点に強い圧力をかけて、最大限に扁平に無地部を折曲しなければならない。
【0014】
ところが、無地部の溶接地点を折曲するとき、無地部の模様が不規則に歪みつつ変形し得る。この場合、変形した部位が逆極性の電極板と接触して、内部短絡を起こすか、無地部に微細なクラックを引き起こし得る。また、電極組立体のコアに隣接する無地部が折曲しながら、電極組立体のコアにある空洞の全部又は相当部分を閉塞する。この場合、電解液注液工程で問題を生じさせる。すなわち、電極組立体のコアにある空洞は、電解液が注入される通路として使用される。ところが、当該通路が閉塞すると、電解液の注入が難しい。また、電解液注入機が空洞に挿入される過程で、コア近くの無地部と干渉を起こして、無地部が破れる問題が発生し得る。
【0015】
また、集電プレートが溶接される無地部の折曲部位は、多重に重畳していなければならず、空いた空間(隙間)が存在してはならない。そうしてこそ、溶接強度を十分得ることができ、レーザ溶接などの最新技術を使っても、レーザが電極組立体の内部に浸透して、分離膜や活物質を損傷させる問題を防止することができる。
【0016】
韓国公開特許公報第2022-0023100号(2022年3月2日付公開)では、集電構造を改善した円筒型二次電池が開示される。円筒型二次電池は、集電プレートが無地部の端部に線接触した状態で溶接されるため、集電プレートと無地部の溶接断面積が無地部の間の隙間によって減少する問題がある。これによって、電流の通路である溶接断面積における電気抵抗が増加するため、バッテリセルの発熱量が増加し、発火可能性が増加し得る。
【0017】
韓国公開特許公報第2016-0110610(2016年9月22日)では、二次電池及び円筒型リチウム二次電池が開示される。これら二次電池は、第1集電プレートが第1無地部に直接接触するように電気的に連結されて、第2集電プレートが第2無地部に直接接触するように電気的に連結される構成が開示される。これもまた、第1集電プレートと第2集電プレートが第1無地部と第2無地部の端部に線接触した状態で、それぞれ連結されるため、集電プレートと無地部との接触断面積が無地部の間の隙間によって減少する問題がある。接触断面積を増加させたことに限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、電極組立体と集電プレートの溶接断面積を増加させて、電流パスを拡大することができるカット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、電極組立体が大容量のバッテリセルに適用されても、バッテリセルの発熱量の増加を抑制して、発火可能性を減少させることができる、カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、フォーミング部と切断面部の境界部が破れるか、不規則に歪みつつ変形することを防止することができる、カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
また、本発明は、バッテリセルの発熱量を減少させるか、爆発可能性を顕著に減少させることができる、カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明は、無地部の切断速度が向上して、切断面部を滑らかに形成することができる、カット装置、電極組立体、バッテリセル、電極組立体加工装置、これを含むバッテリパック及び車両、バッテリセルの製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
本発明の技術的課題は、以上で言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解される。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上述した課題を解決するため本発明は、相異する極性を有する第1電極シートと第2電極シート、及びこれらの間の絶縁のため分離膜を積層して巻き取ったゼリーロール状の電極セルボディ部を含む電極組立体に適用することができる。
【0025】
前記シートの積層は、第1電極シート、分離膜、第2電極シート、分離膜の順に積層することができる。
【0026】
前記巻取は、前記積層されたシートの長さ方向に沿って行うことができる。これによって形成されるゼリーロール型電極セルボディ部の軸方向長さは、前記積層されたシートの幅と対応し得る。
【0027】
前記第1電極シートと第2電極シートの少なくともいずれかシートには、幅方向端部に活物質層がコーティングされていない無地部が設けられる。これによって、前記無地部は、電極セルボディ部の軸方向端部に設けられる。前記無地部は、電極セルボディ部の軸方向端部のいずれか側に設けるか、両側にいずれも設けることができる。
【0028】
前記電極組立体の電極セルボディ部の無地部は、前記無地部の一部分を切り取ることによって形成される複数の切断面部を備える。例えば、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切り取ることによって、複数の切断面部を形成することができる。前記一部分を切り取って残る無地部部分は、フォーミング予定部を構成する。
【0029】
前記切断面部は、コア部を中心に、円周方向に沿って複数個が配置される。前記フォーミング予定部は、円周方向に隣合う2つの切断面部の間に配置される。
【0030】
前記電極組立体は、前記フォーミング予定部を折曲加工することによって形成される複数のフォーミング部を含む。
【0031】
前記切断面部は、前記電極セルボディ部のコア部を中心に、円周方向に沿って扇形状に形成することができる。
【0032】
前記切断面部は、30゜~180゜の中心角を有することができる。より具体的に、前記切断面部は、45゜~180゜、より好ましくは、前記切断面部は、60゜~120゜の中心角を有することができる。
【0033】
前記切断面部は、前記無地部と有地部の境界部から前記軸方向外側に一定距離離隔した部分を切断することによって形成することができる。すなわち、前記切断面部は、前記有地部と無地部のうち無地部をカットするものと言える。
【0034】
前記フォーミング予定部の外側端部は、前記電極セルボディ部の外周面から前記電極セルボディの中心部側に一定の距離離隔していてもよい。フォーミング予定部は、前記電極セルボディ部の外周面から中心部側に一定区間が除去された形態と言える。
【0035】
前記フォーミング予定部の軸方向高さは、前記フォーミング予定部の外側端部と、前記電極セルボディ部の外周面との間の距離未満に形成することができる。
【0036】
前記フォーミング部は、前記電極セルボディ部のコア部を中心に、放射状に形成することができる。
【0037】
前記フォーミング部は、前記フォーミング予定部を、前記電極セルボディ部の半径方向に外側に折曲して横たえる形態に形成することができる。
【0038】
前記フォーミング部は、前記電極セルボディ部の外周面から中心部側に一定区間が除去された形態であってもよい。
【0039】
前記フォーミング部は、前記電極セルボディ部の半径方向に並んで形成することができる。
【0040】
前記電極セルボディ部は、円筒状に形成することができる。
【0041】
前記コア部は、前記電極セルボディ部の中心部を貫通する中空状に形成することができる。
【0042】
前記コア部は、前記電極セルボディ部の中心部を貫通する中空状に形成され、前記フォーミング部は、半径方向外側に横たえられており、前記コア部を軸方向に遮らない。前記無地部の削除は、巻取工程が完了した後に行うことができる。
【0043】
このように、前記切断面部を形成するとき、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部が同時に切削される。よって、フォーミング予定部を半径方向外側に折曲しても、横たえられたフォーミング部は、電極組立体のコア部を遮らない。
【0044】
本発明は、前記電極組立体を含むバッテリセルを提供する。
【0045】
前記バッテリセルは、前記電極組立体が収容され、前記第1電極シート及び前記第2電極シートのいずれかと電気的に連結されて、第1極性を帯びる電池缶;前記電池缶の開放端を密封する密封キャップ部;及び前記第1電極シート及び前記第2電極シートのうち、他の1つと電気的に連結されて、第2極性を帯びる第1集電プレート;を含む。
【0046】
前記第1集電プレートは、前記電極組立体のフォーミング部に溶接などの方式で固定されて、電気的に連結することができる。
【0047】
前記第1電極シート及び前記第2電極シートのいずれかと電池缶は、直接連結されるか、第2集電プレートを介して連結することができる。
【0048】
前記電池缶は、前記電池缶の内周から半径方向内側にさらに突出したサポータ部を含むことができる。前記サポータ部は、前記密封キャップ部を支持することができる。
【0049】
前記バッテリセルは、相異する極性の短絡防止のためインシュレータをさらに含むことができる。
【0050】
前記インシュレータは、前記電池缶と密封キャップ部との間に介在して、これらの間を絶縁することができる。より具体的に、前記インシュレータは、前記密封キャップ部の外周面と電池缶の内周面との間に介在して、前記サポータ部と前記密封キャップ部との間に介在することができる。
【0051】
前記インシュレータは、電池缶と前記第1集電プレートとの間に介在して、これらの間を絶縁することができる。例えば、前記インシュレータは、前記第1集電プレートと前記サポータ部との間に介在することができる。
【0052】
本発明は、前記バッテリセルを少なくとも1つ含む、バッテリパックを提供する。
【0053】
本発明は、前記バッテリパックを少なくとも1つ含む、自動車を提供する。
【0054】
本発明は、前記電極組立体の電極セルボディ部の軸方向端部に設けられた、無地部を切断するカット装置を提供する。
【0055】
前記カット装置は、前記電極組立体の軸方向に移動しつつ、前記無地部に、軸方向に第1切断ラインを形成する第1カッター部と、前記電極組立体の半径方向に移動しつつ、前記無地部に、周方向に第2切断ラインを形成する第2カッター部とを含む。
【0056】
前記第2カッター部は、周方向に巻き取られた前記無地部の一部区間を周方向に切断する第2切断ラインを形成するものの、前記第2切断ラインが、前記第1切断ラインと連結されるように切断ラインを形成する。
【0057】
前記第1切断ラインと第2切断ラインが連結されることによって、前記第1切断ラインと第2切断ラインによって取り囲まれた無地部部分は、切り取ることができる。
【0058】
本発明は、前記カット装置と、カット装置によって切り取られて残るフォーミング予定部を折曲加工する、プレス部を含む加工装置を提供することができる。
【0059】
前記プレス部は、前記無地部のフォーミング予定部を加圧して横たえることによって、フォーミング部を形成する。
【0060】
前記フォーミング予定部は、前記プレス部によって半径方向に加圧され、これによって、フォーミング予定部は、前記第2切断ラインに対応する部位がベントされて、半径方向に横たえることができる。
【0061】
前記第1カッター部は、前記第1カッター部に放射状に配置される、複数の第1ブレードを含むことができる。
【0062】
前記第1ブレードは、軸方向に延びて、軸方向先端部に刃を形成することができる。
【0063】
前記第1カッター部は、第1振動発生部をさらに含むことができる。前記第1振動発生部は、微細な振動を起こし得る。
【0064】
前記第2カッター部は、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切り取ることにより、前記電極組立体の無地部に切断面部を形成する。
【0065】
前記第2カッター部は、前記切断予定部を扇形状に切断するように、両辺に刃が形成される三角状に形成された第2ブレードと、前記第2ブレードの一側に連結されて、前記フォーミング予定部の外側部分を切断するように刃が形成される第3ブレードとを含む。
【0066】
前記第3ブレードは、両辺に刃が形成される三角状に形成することができる。
【0067】
前記第2ブレードの一側刃は、前記第1切断ラインの長さよりも長く形成されて、前記第2ブレードの他側刃は、前記第1切断ラインの長さよりも短く形成されていてもよい。
【0068】
前記第3ブレードは、前記第2ブレードの他側刃の外側端部に連結することができる。
【0069】
前記第3ブレードの一側刃は、前記フォーミング予定部の幅と同じ長さに形成することができる。
【0070】
前記第3ブレードの他側刃の長さは、前記第3ブレードの一側刃の長さ以下に形成することができる。
【0071】
前記第2カッター部は、第2振動発生部をさらに含むことができる。前記第2振動発生部は、微細な振動を起こし得る。
【0072】
前記プレス部は、前記電極セルボディ部の半径方向(放射方向)外側に移動しつつ、前記無地部のフォーミング予定部を前記電極セルボディ部の半径方向外側に横たえることができる。
【0073】
本発明は、上述したバッテリセルを製造する方法を提供する。
【0074】
これらバッテリセルの製造方法は、第1電極シートと、第2電極シートと、分離膜とを積層し、これを巻き取って、電極組立体を製作するステップを含む。
【0075】
これによって、前記電極組立体は、前記電極シートと分離膜がいずれも巻き取られた電極セルボディ部を含むことができる。
【0076】
前記電極セルボディ部は、円筒状であってもよい。
【0077】
前記電極セルボディ部は、中空のコア部を備えることができる。
【0078】
前記第1電極シートと第2電極シートの少なくともいずれかシートには、幅方向のいずれか側端部に活物質層が塗布されていない無地部を含む。第1電極シートと第2電極シートがいずれも無地部を備えるときは、これら無地部は、幅方向の両側端部にそれぞれ設けることができる。
【0079】
これによって、前記電極セルボディ部の軸方向端部には、無地部が軸方向に延びて突出した形態に提供することができる。
【0080】
前記フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切断して、前記切断面部を形成することができる。
【0081】
前記無地部の削除は、電極積層体を巻き取って、電極セルボディ部を構成した後に行うこともできる。これら加工は、例えば、超音波振動するブレードを備えたカッターによって行うことができる。
【0082】
前記バッテリセルの製造方法は、電極セルボディ部の軸方向端部に設けられた、前記無地部の一部領域を除去するステップを含む。
【0083】
具体的に、前記無地部除去ステップは、第1カッター部が前記電極セルボディ部の軸方向に移動しつつ、前記第1電極シートと前記第2電極シートの無地部に、軸方向に第1切断ラインを形成して、切断予定部とフォーミング予定部を分離するステップを含む。
【0084】
前記第1切断ラインは、複数個を設けることができる。複数個の前記第1切断ラインは、放射状に配置することができる。
【0085】
また、前記無地部除去ステップは、前記第1切断ラインの形成後、第2カッター部が前記バッテリセルの外周側から半径方向内側に移動しつつ、前記無地部に、周方向に第2切断ラインを形成するステップを含む。
【0086】
前記第2切断ラインは、複数個を設けることができる。前記第2切断ラインは、周方向に延びて、複数個の前記第2切断ラインは、半径方向に整列することができる。
【0087】
複数個の前記第2切断ラインまわり方向の長さは、半径方向にコア側から外周側に行くほど、その長さが徐々に大きくなり得る。
【0088】
前記第2カッター部は、前記電極セルボディ部の半径方向に移動しつつ、周方向に巻き取られた前記無地部に、周方向に第2切断ラインを形成する。前記第2切断ラインが前記第1切断ラインに連結されると、前記第1切断ラインと前記第2切断ラインによって取り囲まれた、前記フォーミング予定部の外側部分と前記切断予定部を切り取ることができる。
【0089】
前記フォーミング予定部の前記電極セルボディ部の半径方向長さは、前記第1切断ラインの長さよりも短く形成される。
【0090】
前記フォーミング予定部の前記電極セルボディ部の軸方向高さは、前記フォーミング予定部の外側端部と、前記電極セルボディ部の外周面との間の距離未満に形成される。
【0091】
前記無地部が取り切られた位置に形成される切断面部は、前記電極セルボディ部のコア部を中心に、円周方向に沿って扇形状に形成することができる。
【0092】
前記切断面部は、60゜~120゜の中心角を有することができる。
【0093】
前記バッテリセルの製造方法は、前記切断ラインによって切り取られて残る無地部部位であるフォーミング予定部を、前記電極セルボディ部の半径方向外側に加圧して、半径方向外側に横たえることによって、フォーミング部を形成するステップをさらに含むことができる。
【0094】
前記折曲加工は、プレス部により、前記フォーミング予定部を半径方向外側に押すことで行うことができる。
【0095】
前記フォーミング部は、前記電極セルボディ部のコア部を中心に、放射状に形成することができる。
【0096】
前記フォーミング部は、前記無地部のフォーミング予定部が、前記電極セルボディ部の半径方向外側に横たえられる形態に形成することができる。
【0097】
前記フォーミング部は、前記電極セルボディ部の半径方向に沿って形成することができる。
【0098】
前記切断面部は、前記無地部と有地部の境界部から前記軸方向外側に一定距離離隔した部分を切断することによって形成することができる。
【0099】
前記第1カッター部は、第1振動発生部によって振動しつつ、前記無地部を切断することができる。前記第1カッター部は、超音波カッターであってもよい。
【0100】
前記第2カッター部は、第2振動発生部によって振動しつつ、前記無地部を切断することができる。前記第2カッター部は、超音波カッターであってもよい。
【発明の効果】
【0101】
本発明によれば、フォーミング部は、集電プレートに面接触した状態で溶接されるため、フォーミング部の面積が広くなるほど、電極組立体と集電プレートの電流パスが相対的に増加し得る。
【0102】
本発明によれば、フォーミング部は、無地部の間の間隔を合わせた面積だけ電流パスを増加させるため、大容量のバッテリセルに適用されても、バッテリセルの発熱量の増加を抑制して、発火可能性を減少させることができる。
【0103】
本発明によれば、無地部における切断予定部とフォーミング予定部が互いに分離された後、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切断して切断面部を形成し、フォーミング予定部を半径方向外側に加圧して横たえることによって、フォーミング部を形成する。これによって、フォーミング予定部を加圧して、フォーミング部を形成するとき、フォーミング部と切断面部の境界部が破れるか、不規則に歪みつつ変形することを防止することができる。
【0104】
本発明によれば、フォーミング部と切断面部の境界部が破れるか変形することを防止することができるため、破れたか変形した部位における逆極性の電極シートと接触することを防止することができる。
【0105】
本発明によれば、無地部と有地部の境界部が破れるか変形することを防止するため、有地部にコーティングされた活物質が、有地部から脱離するか接合力が弱化することを防止することができる。これによって、バッテリセルの性能と容量が減少することを抑制することができる。
【0106】
本発明によれば、分離膜の縁が境界部の破れたか変形した部分によって、浮き上がるか損傷することを防止することができる。これによって、第1電極シートと第2電極シートの短絡を防止することができる。さらに、バッテリセルの発熱量を減少させるか、爆発可能性を顕著に減少させることができる。
【0107】
本発明によれば、フォーミング部を構成しない領域の軸方向に延びた無地部を切断して、切断面部を形成するため、電極セルボディ部の両端において、無地部が軸方向に占める長さを減らすことができる。これによって、電池缶に収容される電極セルボディ部の軸方向体積をさらに確保することができる。よって、バッテリセルの体積に対する電気容量をさらに高めることができる。
【0108】
本発明によれば、第2カッター部は、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を同時に切断するため、電極組立体の製造時間を短縮することができる。
【0109】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【
図1】本発明による電極セル積層体を概略的に示した平面図である。
【
図2】
図1の電極セル積層体をA-A方向に切断した状態を示した断面図である。
【
図3】
図1の電極セル積層体を巻き取って、電極セルボディ部を製造した状態を示した斜視図である。
【
図4】本発明による第1カッター部が電極セルボディ部を切断した状態を示した斜視図である。
【
図5】本発明による第1カッター部を示した斜視図である。
【
図6】本発明による第1カッター部を示した背面図である。
【
図7】本発明による第1カッター部が、電極セルボディ部の無地部を切断して、第1切断ラインを形成した状態を示した平面図である。
【
図8】本発明による第2カッター部が、電極セルボディ部の無地部を切断する前の状態を示した斜視図である。
【
図9】本発明による第2カッター部を示した平面図である。
【
図10】本発明による第2カッター部が、電極セルボディ部の無地部を切断する状態を示した側面図である。
【
図11】本発明による第2カッター部が、無地部の切断予定部を切断する状態を示した平面図である。
【
図12】本発明による第2カッター部が、無地部のフォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切断した状態を示した平面図である。
【
図13】本発明による第2カッター部が、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切断した状態を示した斜視図である。
【
図14】本発明によるプレス部は、フォーミング予定部を半径方向外側に折曲して横たえることによって、フォーミング部を形成した状態を示した斜視図である。
【
図15】本発明によるプレス部が、フォーミング予定部を半径方向外側に折曲して、フォーミング部を形成した状態を示した側面図である。
【
図16】本発明によるバッテリセルの製造方法を示したフローチャートである。
【
図17】本発明による電極組立体を示した断面図である。
【
図18】本発明による電極組立体が、パックハウジングに収容された状態を示した斜視図である。
【
図19】本発明によるバッテリパックが、車両に設置された状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0111】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳説する。
【0112】
本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更を加えることができ、相異する様々な形態に具現することができる。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全なものにして、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。よって、本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、いずれか実施形態の構成と、他の実施形態の構成とを互いに置換するか付加することはもちろん、本発明の技術思想と範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。
【0113】
添付の図面は、本明細書で開示の実施形態を理解しやすくするためのものであり、添付の図面によって、本明細書で開示の技術思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。図面における構成要素は、理解の便宜などを考慮して、大きさや厚さを誇張して大きく或いは小さく表現することができるものの、これにより、本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0114】
本明細書で使った用語は、単に特定の具現例や実施形態を説明するために使われるものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。そして、単数の表現は、文脈上、明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。明細書における~含む、~なる等の用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものである。すなわち、明細書における~含む、~なる等の用語は、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在或いは付加可能性を予め排除するものではないと理解しなければならない。
【0115】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使われてもよいものの、上記構成要素は、上記用語によって限定されない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にだけ使われる。
【0116】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されている場合は、その他の構成要素に直接連結されているか或いは接続されていてもよいものの、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されている場合は、その間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0117】
ある構成要素が他の構成要素の「上部にある」か「下部にある」と言及されている場合は、その他の構成要素の真上に配されているだけでなく、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。
【0118】
他に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、ここで使われるあらゆる用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解するのと同様の意味を有する。一般に使われる、辞書に定義されているのと同様の用語は、関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならず、本出願において、明らかに定義しない限り、理想的或いは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0119】
以下では、本発明の実施形態による電極組立体について説明することとする。
【0120】
説明の便宜のため、本明細書におけるゼリーロール状に巻き取られる電極組立体110の巻取軸の長さ方向に沿う方向を軸方向(Y)と称する。そして、前記巻取軸を取り囲む方向を円周方向(X)又は周方向と称する。そして、前記巻取軸に近くなるか、巻取軸から遠くなる方向を半径方向又は放射方向(Z)と称する。これらのうち、特に巻取軸に近くなる方向を求心方向、巻取軸から遠くなる方向を遠心方向と称する。
【0121】
図1は、本発明による電極セル積層体を概略的に示した平面図であり、
図2は、
図1の電極セル積層体をA-A方向に切断した状態を示した断面図であり、
図3は、
図1の電極セル積層体を巻き取って、電極セルボディ部を製造した状態を示した斜視図である。
【0122】
図1~
図3を参照すると、本発明の実施形態による電極積層体10は、第1電極シート11、第2電極シート12、及び分離膜13を含む。電極積層体10は、シート状の第1電極シート11と第2電極シート12との間に分離膜13が積層されてなる。例えば、電極積層体10は、1個の第1電極シート11、1個の第2電極シート12、及び2個の分離膜13が積層されてなっていてもよい。また、電極積層体10は、2個以上の第1電極シート11、2個以上の第2電極シート12、及び3個以上の分離膜13が積層されてなっていてもよい。これら電極積層体10における第1電極シート11、第2電極シート12、及び分離膜13が積層される個数が増加するほど、所望の直径の電極組立体110の巻取時間及び製造時間は、短縮し得る。
【0123】
第1電極シート11と第2電極シート12は、活物質がコーティングされる有地部14と、活物質がコーティングされない無地部15をそれぞれ含む。無地部15は、第1電極シート11と第2電極シート12の幅方向一側に形成することができる。無地部15の少なくとも一部は、それ自体で電極タブとして使用することができる。電極組立体110が円筒状に巻き取られる場合、第1電極シート11の無地部15は、軸方向一側(
図1の上側又は下側)に配置されて、第2電極シート12の無地部15は、軸方向他側に配置されていてもよい。
【0124】
第1電極シート11の無地部15と第2電極シート12の無地部15は、同じ幅を有するように形成することができる。また、第1電極シート11の無地部15と第2電極シート12の無地部15は、相異する幅を有するように形成することができる。
【0125】
第1電極シート11は、負極活物質がコーティングされた負極シートであり、第2電極シート12は、正極活物質がコーティングされた正極シートであってもよい。第1電極シート11は、正極活物質がコーティングされた正極シートであり、第2電極シート12は、負極活物質がコーティングされた負極シートであってもよいことは勿論である。
【0126】
第1電極シート11と第2電極シート12は、金属ホイルからなる集電体と活物質層を含む。金属ホイルは、アルミニウム又は銅であってもよい。活物質層は、第1電極シート11と第2電極シート12の一面又は両面にコーティングすることができる。
【0127】
無地部15の幅は、有地部14の幅に比べて顕著に狭く形成される。無地部15は、幅の狭いバンド状に形成することができる。また、無地部15は、無地部15の長さ方向に沿って離隔して、鋸歯状に形成される複数の分節片からなっていてもよい。分節片は、その形状が四角形、三角形、半円形、反楕円形、平行四辺形などに変更され得る。
【0128】
本発明において、第1電極シート11にコーティングされる正極活物質と、第2電極シート12にコーティングされる負極活物質は、当業界における公知の活物質であれば、限りなく用いることができる。
【0129】
前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物、又は1種以上の転移金属に置換された化合物;化学式Li1+xMn2xO4(ここで、xは、0~0.33である)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物(LiMnO2);リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、LiFe3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-xMxO2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B又はGaであり、x=0.01~0.3である)と表されるニッケルサイト型リチウムニッケル酸化物(lithiated nickel oxide);化学式LiMn2-xMxO2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn又はTaであり、x=0.01~0.1である)、又はLi2Mn3MO8(ここで、M=Fe、Co、Ni、Cu又はZnである)と表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のリチウムの一部がアルカリ土金属イオンに置換されたLiMn2O4;ジスルフィド化合物;Fe2(MoO4)3、又はこれらの組み合わせによって形成される複合酸化物などのように、リチウム吸着物質(lithium intercalation material)を主成分とすることができる。正極活物質では、上記のような種類があるものの、これらに限定されるものではない。
【0130】
前記正極集電体は、例えば、3~500μmの厚さを有する。これら正極集電体は、電池に化学変化を引き起こさない、かつ、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。例えば、正極集電体は、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、塑性炭素、又はアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどを用いることができる。電極集電体は、それの表面に微細な凹凸を形成して、正極活物質の接着力を高めることもできる。これら電極集電体は、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態が可能である。
【0131】
前記正極活物質粒子には導電材をさらに混合することができる。これら導電材は、例えば、正極活物質を含む混合物の全体重量を基準に、1~50重量%添加される。これら導電材は、電池に化学変化を引き起こさない、かつ、高い導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。例えば、導電材は、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素纎維、金属纎維などの導電性纎維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを用いることができる。
【0132】
また、負極シートは、負極集電体上に負極活物質粒子を塗布及び乾燥して製作され、必要に応じて、前述した導電材、バインダー、溶媒などのような成分をさらに含むことができる。
【0133】
前記負極集電体は、例えば、3~500μmの厚さを有する。これら負極集電体は、当該電池に化学変化を引き起こさない、かつ、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。例えば、負極集電体は、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、塑性炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などを用いることができる。また、正極集電体と同様、表面に微細な凹凸を形成して、負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態に用いることができる。
【0134】
前記負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LixFe2O3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe’yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)の金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4、Bi2O5などの酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いることができる。
【0135】
前記電極シート11,12に使用可能なバインダー高分子は、電極活物質粒子と導電材などの結合と、電極集電体に対する結合を助ける成分であって、例えば、電極活物質を含む混合物の全体重量を基準に、1~50重量%添加される。これらバインダー高分子の例では、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene:PVdF)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide)、ポリアリレート(polyarylate)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)、及びカルボキシメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)からなる群から選択されたいずれかバインダー高分子、又はこれらのうち2種以上の混合物を用いることができるものの、これに制限されるものではない。
【0136】
前記電極の製造に用いられる溶媒の非制限的な例では、アセトン(acetone)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、メチレンクロライド(methylene chloride)、クロロホルム(chloroform)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone,NMP)、シクロヘキサン(cyclohexane)、水、又はこれらの混合体などがある。これら溶媒は、電極集電体の表面に対して所望の水準にスラリー塗布層が作われるように、適正な水準の粘度を提供する。
【0137】
分離膜13は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の両面上に位置して、無機物粒子及びバインダー高分子を含む多孔性コーティング層とを有する。
【0138】
前記多孔性高分子基材は、ポリオレフィン系多孔性基材であってもよい。
【0139】
前記ポリオレフィン多孔性基材は、フィルム(film)又は不織ウェッブ(non-woven web)型であってもよい。このように、多孔性構造を有することで、正極と負極との間の電解液移動を円滑に行えるようになる。多孔性構造は、基材自体の電解液含浸性も増加し、優れたイオン伝導性を確保することができ、電気化学素子の内部抵抗の増加を防止して、電気化学素子の性能低下を防止することができる。
【0140】
本発明で用いられるポリオレフィン多孔性基材は、通常に電気化学素子に用いられる平面状の多孔性基材であれば、いずれも使用可能であり、その材質や形態は、目的に応じて様々な選択が可能である。
【0141】
ポリオレフィン多孔性基材は、非制限的に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらのうち2種以上の混合物から形成されたフィルム(film)或いは不織ウェッブ(non-woven web)であってもよいものの、これに限定されるものではない。
【0142】
前記ポリオレフィン多孔性基材は、8~30μmの厚さを有することができるものの、これは単なる例示だけであり、機械的な物性や電池の高効率充放電特性を考慮して、上記範囲を外れた厚さも採用可能である。
【0143】
本発明による分離膜13は、1~100μm又は5~50μmの厚さを有することができる。分離膜13の厚さが1μm未満であると、分離膜13の機能が充分発揮せず、機械的特性の劣化が発生し得る。分離膜13の厚さが100μm超であると、高効率充放電の際、電池の特性が劣化し得る。また、40~60%の孔隙率を有することができ、150~300秒/100mLの通気度を有することができる。
【0144】
本発明の一具現例による分離膜13を用いる場合、多孔性高分子基材の両側に多孔性コーティング層を備えているため、電解液に対する含浸性能の向上により、均一な固体電解質界面層を形成することができ、従来の断面無機物コーティング分離膜13に比べて、優れた通気度を確保することができる。例えば、120s/100cc以内であってもよい。また、両面に無機物多孔性コーティング層を備えても、従来の断面無機物コーティング分離膜13水準の厚さを具現することができる。例えば、~15.0μm以内であってもよい。
【0145】
また、本発明の一具現例による分離膜13を用いる場合、分離膜13の安定性が改善して、耐熱及び耐圧縮特性を確保することができる。具体的に、180℃ 基準、5%以内の熱収縮特性を有する耐熱特性を確保することができ、550gf以上の貫通強度(Puncture strength)物性を確保することができ、これら分離膜13を採用した電池のサイクルのうち、コア変形(core deformation)が発生するとき、段差部における分離膜13の損傷又は貫通を防止することができる。
【0146】
上記した電極積層体を用いて製造される電極組立体について説明することとする。
【0147】
図4は、本発明による電極セルボディ部を第1カッター部が切断した状態を示した斜視図であり、
図5は、本発明による第1カッター部を示した斜視図であり、
図6は、本発明による第1カッター部を示した背面図であり、
図7は、本発明による第1カッター部が、電極セルボディ部の無地部を切断して、第1切断ラインを形成した状態を示した平面図であり、
図8は、本発明による第2カッター部が、電極セルボディ部の無地部を切断する前の状態を示した斜視図であり、
図9は、本発明による第2カッター部を示した平面図であり、
図10は、本発明による第2カッター部が、電極セルボディ部の無地部を切断する状態を示した側面図であり、
図11は、本発明による第2カッター部が、無地部の切断予定部を切断する状態を示した平面図であり、
図12は、本発明による第2カッター部が、無地部のフォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切断した状態を示した平面図であり、
図13は、本発明による第2カッター部が、フォーミング予定部の外側部分と切断予定部を切断した状態を示した斜視図であり、
図14は、本発明によるプレス部が、フォーミング予定部を半径方向外側に折曲して横たえることによって、フォーミング部を形成した状態を示した斜視図である。
【0148】
図4~
図14を参照すると、電極組立体110は、電極セルボディ部111、複数の切断面部115、及び複数のフォーミング部117を含む。
【0149】
電極セルボディ部111は、シート状の第1電極シート11と第2電極シート12との間に分離膜13が積層された状態で、ゼリーロール型(jelly roll type)に巻き取られた円筒状部位である。前述したように、第1電極シート11と第2電極シート12の幅方向端部に活物質層がコーティングされていない無地部15が形成され、これらは、それぞれ電極セルボディ部111の軸方向一側と他側にそれぞれ配置されて、軸方向に延びる。
【0150】
電極セルボディ部111は、長手方向に長く延びた前記積層体を巻取棒(不図示)まわりに巻き取り、巻取棒を電極セルボディ部111から引き抜くことで形成することができる。このとき、電極積層体10に第1電極シート11と、第2電極シート12と、分離膜13とが多く積層されるほど、電極組立体110の巻取時間及び製造時間を短縮することができる。前記電極セルボディ部111における前記巻取棒が引き抜かれた場には、中空のコア部112を構成する。
【0151】
電極セルボディ部111の軸方向一側には、第1電極シート11の無地部15が一定の高さで露出し、電極セルボディ部111の軸方向他側には、第2電極シート12の無地部15が一定の高さで露出する。
【0152】
第1カッター部210は、電極セルボディ部111の無地部15を軸方向に切断して、切断予定部115aとフォーミング予定部117aを周方向に分離させる。切断予定部115aとフォーミング予定部117aとの間には第1切断ライン113が形成される。切断予定部115aとフォーミング予定部117aは、電極セルボディ部111の円周方向に沿って交互に配置される。前記第1切断ライン113は、無地部15の軸方向端部から電極セルボディ部111の方に軸方向に延びる形態に形成される。このとき、切断予定部115aとフォーミング予定部117aは、電極セルボディ部111の軸方向に沿って立てられた状態をそのまま維持する。
【0153】
第2カッター部220は、無地部15のフォーミング予定部117aの外側部分117b(
図7及び
図8参照)と、切断予定部115aを軸方向下部を半径方向に切断して、前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと前記切断予定部115aを電極セルボディ部111から除去する。前記第2カッター部220は、前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと切断予定部115aに該当する領域にある、無地部15の下部に、円周方向に延びる第2切断ライン16a(
図13及び
図14参照)を形成する。前記第2切断ライン16aは、無地部15まわり方向に沿って形成され、半径方向に隣合って配置される無地部部位の下部にそれぞれ設けられる。前記第2切断ライン16aの円周方向両端部が、前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと、前記切断予定部115aの円周方向両側にある第1切断ライン13と連結されると、上記一対の第1切断ライン13と第2切断ライン16aによって取り囲まれた、前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと切断予定部115aは、前記電極セルボディ部111から離れる。前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと切断予定部115aが切り取られて残る短い無地部部位は、切断面部115を構成する。
【0154】
これによって、前記電極セルボディ部111の無地部15に、切断面部115とフォーミング予定部117aが設けられる。
【0155】
前記第1切断ライン113をカット加工する第1カッター部210は、薄い無地部15を軸方向にカットする際に発生し得る座屈現象を防止するために、超音波カッターを用いることができる。
【0156】
前記第1カッター部210は、電極セルボディ部111の半径方向に対応する方向に配置される複数の第1ブレード211と、前記第1ブレード211が固定される第1振動発生部213とを含む。
【0157】
前記第1振動発生部213は、円形プレート(不図示)と、前記円形プレートを振動させるための振動源(不図示)とを含む。
【0158】
前記複数の第1ブレード211は、その基端部が第1振動発生部213の円形板の表面に固定され、電極セルボディ部111の軸方向に対応する方向に延びて、先端部に鋭い刃211aが設けられていてもよい。
【0159】
複数の第1ブレード211は、第1振動発生部213の中心部を基準に、放射状に配置される。例えば、フォーミング予定部117aを規定する一対の第1ブレード211は、第1振動発生部213の中心部を基準に、十(+)字状に4ヶ所に形成することができる。これと違って、上記一対の第1ブレード211は、60゜間隔ごとに、6ヶ所に放射状に配置されていてもよい。これと違って、一対の第2ブレード221は、120゜間隔ごとに、3ヶ所に放射状に配置されていてもよい。これら一対の第1ブレード211の間の角度(θ2)は、電極セルボディ部111の直径やバッテリパックの容量、そして、そこに溶接される集電プレート130,140の形状によって適宜選択することができる。
【0160】
実施形態では、好ましい構造として、フォーミング予定部117aを規定する一対の第1ブレード211が互いに平行に配置された構造を例示している。しかし、一対の第1ブレード211が必ずしも平行に配置される必要はない。例えば、一対の第1ブレード211は、遠心の方に行くほど、徐々にその間が遠くなる形態であるか、求心の方に行くほど、徐々にその間が遠くなる形態であってもよい。また、前記第1ブレード211は、直線状であるものを例示しているが、前記第1ブレード211が必ずしも直線状である必要があるものではない。例えば、前記第1ブレード211は、緩い曲線状であってもよい。
【0161】
一対の第1ブレード211と、これと隣合う他の一対の第1ブレード211との間の円周方向距離は、求心方向に行くほど近くなり、遠心方向に行くほど遠くなってもよい。すなわち、これは、切断面部115の扇形状を規定することができる。
【0162】
後述する第2カッター部220による第2切断ライン16aの加工のため、上記一対の第1ブレード211と、これと隣合う他の一対の第1ブレード211との間の円周方向距離は、求心方向に行くほど、遠くならないようにするか、遠心方向に行くほど、近くならないようにするのが好ましい。
【0163】
第1振動発生部213は、超音波振動子を含むことができる。第1振動発生部213の中心部には、コア部112と連通するように第1連通孔部215が形成される。第1振動発生部213は、第1ブレード211が電極セルボディ部111の軸方向に移動されつつ、無地部15を切断するときに超音波振動する。
【0164】
第1ブレード211は、前記無地部15を軸方向に押す力が、第1切断ライン113を加工するために使用せず、前記無地部15を押すと、無地部15が座屈するか、第1切断ライン113近くの無地部15部位が曲がるか折れるなどの変形が発生する余地がある。
【0165】
第1ブレード211が超音波振動すると、第1ブレード211が無地部15をカットするとき、上記のような現象を防止して、カット加工が非常に円滑に行われる。これによって、無地部15の切断速度を向上させて、無地部15の第1切断ライン113を滑らかに形成することができる。これら第1振動発生部213は、第1ブレード211を振動させる限り、様々な振動方式を適用することができる。
【0166】
少なくとも1つ以上の第2カッター部220は、電極組立体110の無地部15を切断して、切断面部115を形成することができる。例えば、4個の第2カッター部220は、一度に移動されつつ切断面部115を形成することができる。また、2個のカッター部220が移動されつつ、2個の切断面部115を形成した後、その他2個の切断面部115を形成することができる。また、1個のカッター部220が移動されつつ、切断面部115を1つずつ順次形成することができる。
図8では、4個のカッター部220が無地部15を切断する場合を例示しているが、これに限定されない。
【0167】
図8~
図11を参照すると、第2カッター部220は、無地部15を半径方向に切断する第2ブレード221と、前記第2ブレード221の一側に連結されて、無地部15を第2ブレード221と共に半径方向に切断する第3ブレード222と、前記第2ブレード221と第3ブレード222が固定される第2振動発生部223と、を含む。
【0168】
第2ブレード221は、先端部に行くほど、その幅が狭くなる形態であってもよい。具体的に、前記第2ブレード221は、三角板又は楔板状を備えることができる。前記第2ブレード221は、頂点部分が60~120゜の角度(θ3)で形成することができる。第2ブレード221の頂点部分の角度(θ3)は、後述する切断面部115の中心角(θ1)に対応するように形成される。実施形態では、第2ブレード221が略90゜の頂点角度(θ3)を有することを例示する。前記第2ブレード221は、両刃型であってもよい。すなわち、前記先端部に延びる2つの斜辺部分に該当する位置に刃221a,221bを備えることができる。
【0169】
第3ブレード222は、先端部に行くほど、その幅が狭くなる形態であってもよい。具体的に、前記第3ブレード222は、三角板又は楔板状を備えることができる。前記第3ブレード222は、頂点部分が60~120゜の角度(θ4)で形成されていてもよい。実施形態では、第3ブレード222が略90゜の頂点角度(θ4)を有することを例示する。前記第3ブレード222は、両刃型であってもよい。すなわち、前記先端部に延びる2つの斜辺部分に該当する位置に刃222a,222bを備えることができる。
【0170】
また、第3ブレード222の頂点部分の角度(θ4)は、第2ブレード221の中心角(θ3)によって変更される。例えば、第2ブレード221の中心角(θ3)が60゜である場合、第3ブレード222の中心角(θ4)は、120゜に形成される。これと違って、第2ブレード221の中心角(θ3)が120゜である場合、第3ブレード222の中心角(θ4)は、60゜に形成される。これによって、第2ブレード221の他側刃221bと第3ブレード222の一側刃222aは、略90゜の角度をなすようになる。さらに、第3ブレード222がフォーミング予定部117aの外側部分117bを切断すると、フォーミング予定部117aの最外郭は、電極セルボディ部111の接線と並んで形成される。
【0171】
前記第2ブレード221と第3ブレード222が半径方向に進行して、第2切断ライン16aを形成するとき、前記第2ブレード221の尖った先端部は、先に無地部15の切断予定部115aまわり方向の中央部をカットしてゆき、第3ブレード222は、フォーミング予定部117aの外側部分117bの中央部をカットしてゆく。第2ブレード221が求心方向に進行するほど、両刃221a,221bは、第2切断ライン16aを円周方向両側に拡大してゆき、第3ブレード222が求心方向に進行するほど、両刃222a,222bは、第2切断ライン16aを円周方向両側に拡大してゆく。第2ブレード221と第3ブレード222が半径方向に無地部15の側面に力を加えるとき、第2ブレード221と第3ブレード222の広い面積は、一度に無地部15の側面に接することなく、尖った先端部に力が集中して、無地部15に加わる。よって、無地部15の側面に第2切断ライン16aを形成するにあたり、無地部15は、側方に押されて変形しなくなる。一応、第2ブレード221と第3ブレード222の先端部が無地部15を切断してゆった後は、第2カッター部220が求心方向に移動するにつれて、第2ブレード221と第3ブレード222の両刃222a,222bは、第2切断ライン16aを周方向に加圧して、切開してゆく。これら第2カッター部220の切開方式と切開方向は、無地部15の変形を最小化する。
【0172】
第2振動発生部223は、超音波振動子を含むことができる。第2振動発生部223は、第2ブレード221と第3ブレード222が電極セルボディ部111の半径方向に移動されつつ、無地部15を切断するときに超音波振動する。これによって、無地部15の切断速度を向上させて、切断面部115を滑らかに形成することができる。これら第2振動発生部223は、第2ブレード221と第3ブレード222を振動させる限り、様々な振動方式を適用することができる。
【0173】
前記第2ブレード221の一側刃221aは、第1切断ライン113の長さ(L2)よりも長く形成され、前記第2ブレード221の他側刃221bは、第1切断ライン113の長さ(L2)よりも短く形成される(L11>L2、L12>L2)。このとき、前記第3ブレード222は、第2ブレード221の他側刃221bの外側端部に連結される。第2ブレード221の他側刃221bの長さ(L12)と、第3ブレード222の一側刃222aの長さ(L21)を合わせた長さ(L12+L21)は、第2ブレード221の一側刃221aの長さ(L11)と同一であるか、ほぼ類似であってもよい。第2ブレード221の先端部は、第3ブレード222の先端部よりも一定の高さが突出する。これによって、第2ブレード221が切断予定部115aに一定の高さ以上に入った後、第3ブレード222の先端部がフォーミング予定部117aの外側部分117bに入りながら切断する。すなわち、第2ブレード221と第3ブレード222は、若干の時間差を置いて、無地部15の切断を始めるが、無地部15の切断完了時点は、同一である。
【0174】
第3ブレード222の一側刃222aの長さ(L21)は、フォーミング予定部117aの幅(W1)と同じ長さであるか、若干長く形成される。これによって、4個の第2カッター部220が同時に無地部15を切断する場合、第3ブレード222が隣合う第2カッター部220の第2ブレード221に引っかかるか衝突することを防止することができる。
【0175】
前記第3ブレード222の他側刃222bの長さ(L22)は、第3ブレード222の一側刃222aの長さ(L21)以下に形成される。第3ブレード222の他側刃222bは、略半分未満がフォーミング予定部117aの外側を切断するために使用される。よって、第3ブレード222の他側一部区間でのみ他側刃222bを形成することができる。
【0176】
図11~
図14を参照すると、複数の切断面部115は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、円周方向に沿って無地部15の一部であるフォーミング予定部117aの外側部分117bと、切断予定部115aを切り取ることによって形成される。このとき、複数の切断面部115は、コア部112を中心に、円周方向に沿って同一間隔で配置されていてもよい。また、複数の切断面部115は、同じ大きさ及び同じ形態に形成することができる。
【0177】
複数のフォーミング部117は、切断面部115の間に配置された無地部15のフォーミング予定部117aを軸方向に交差する方向、例えば、半径方向外側に加圧して、横たえることによって形成される。複数のフォーミング部117は、後述するプレス部230を用いて、無地部15のフォーミング予定部117aを加圧して、横たえることによって形成することができる。このとき、複数のフォーミング部117は、フォーミング予定部117aを構成する複数の非切断片が連続して重なりつつ横たえられていてもよい。これによって、フォーミング部117は、電極セルボディ部111の軸方向に対して斜めに形成されるか、完全に横たえられて、扁平に形成することができる。
【0178】
上記した複数のフォーミング部117は、集電プレート130,140に溶接されて、電流パス(電流通路)を形成する部分である。さらに、複数の切断面部115も、集電プレート130,140と溶接することができる。但し、切断面部115は、集電プレート130,140と線接触した状態で、集電プレート130,140に溶接(例えば、レーザ溶接)されるため、切断面部115は、前記フォーミング部117に比べて、電流パスを増加させる効果があまり大きくはならない。一方、フォーミング部117は、フォーミング予定部117aを半径方向に横たえることによって形成されるため、フォーミング部117は、分離膜13の厚さだけ離隔した無地部15の間隔を覆う。これらフォーミング部117は、集電プレート130,140に面接触した状態で溶接されるため、フォーミング部117の面積が広くなるほど、電極組立体110と集電プレート130,140の電流パスが相対的に増加し得る。これらフォーミング部117は、無地部15の間の間隔を合わせた面積だけ電流パスを増加させるため、大容量のバッテリセル100に適用されても、バッテリセル100の発熱量増加を抑制して、発火可能性を減少させることができる。
【0179】
前記切断面部115が集電プレート130、140と溶接せずに露出すると、前記電極組立体110に電解液を注入するとき、電解液の含浸性が増加し得る。非切断片を折曲することによって、前記フォーミング部117部位では、電解液の含浸性が弱くなり得るが、前記切断面部115が前記フォーミング部117と隣合って、これを補完するため、電解液の含浸に特に問題ない。
【0180】
本発明によれば、無地部15における切断予定部115aとフォーミング予定部117aは、軸方向に第1切断ライン113を形成する第1カッター部210によって互いに周方向に分離された後、フォーミング予定部117aの外側部分117bと切断予定部115aの下端部を第2カッター部220に切断して切断面部115を形成し、フォーミング予定部117aを半径方向外側に加圧して横たえることによって、フォーミング部117を形成する。これによって、フォーミング予定部117aを加圧して、フォーミング部117を形成するとき、フォーミング部117と切断面部115の境界部(第1切断ライン113の下側)が破れるか、不規則に歪みつつ変形することを防止することができる。
【0181】
また、フォーミング部117と切断面部115の境界部(第1切断ライン113の下側)が破れるか変形することを防止することができるため、破れたか変形した部位で逆極性の電極シート11,12と接触することを防止することができる。また、無地部15と有地部14の境界部16が破れるか変形することを防止することで、有地部14にコーティングされた活物質が、有地部14から脱離するか接合力が弱化することを防止することができる。これによって、バッテリセル100の性能と容量が減少することを抑制することができる。
【0182】
また、分離膜13の縁が、境界部(第1切断ライン113の下側)の破れたか変形した部分によって浮き上がるか損傷することを防止することができる。これによって、第1電極シート11と第2電極シート12の短縮を防止することができる。さらに、バッテリセル100の発熱量を減少させるか、爆発可能性を顕著に減少させることができる。
【0183】
また、フォーミング予定部117aの幅方向両側に、切断面部115が除去された状態で、フォーミング予定部117aを加圧して、フォーミング部117を形成するため、フォーミング予定部117aの非切断片は、スプリングバック(spring back)現象により、斜めに立てられながら開くことを防止することができる。また、プレス部230を用いて、フォーミング予定部117aを強い圧力で加圧すると、フォーミング部117(フォーミング予定部117aの非切断片)は、切断面部115に最大限に扁平に密着した状態で重畳し得る。これによって、フォーミング部117と切断面部115が集電プレート130,140に面接触した状態で溶接されることによって、溶接断面積は、顕著に増加し得る。また、溶接断面積が増加するにつれて、電流パスの断面積が増加して、バッテリセル100の抵抗を顕著に減少させることができる長所がある。抵抗は、電流が流れる通路の断面積に反比例するからである。
【0184】
切断面部115は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、円周方向に沿って扇形状に形成される。切断面部115の頂点部は、コア部112に向かう。切断面部115が扇形状に形成されるため、各フォーミング部117は、コア部112を中心に、複数の切断面部115の間に放射状に配置されていてもよい。また、フォーミング部117は、扇形状の切断面部115の中心角に沿って、外郭側の幅がコア部112側の幅と同一であるか広くなっていてもよい。
【0185】
切断面部115は、60゜~120゜の中心角(θ1)を有することができる。中心角(θ1)は、扇形の頂点で両側辺が開く角度である。切断面部115の中心角(θ1)が90゜である場合、切断面部115は、無地部15の円周方向に4個を十字状に形成することができる。切断面部115の中心角(θ1)が60゜である場合、切断面部115は、無地部15の円周方向に6個形成することができる。切断面部115の中心角(θ1)が120゜である場合、切断面部115は、無地部15の円周方向に3個形成することができる。本発明において、前記切断面部115の中心角(θ1)は、上記範囲に限定されるものではない。例えば、前記中心角は、45゜であるか、30゜であってもよく、180゜であってもよい。
【0186】
切断面部115は、無地部15と有地部14の境界部16から軸方向外側に一定距離(H)離隔した部分16aを切断することによって形成することができる。これによって、第2カッター部220は、有地部14から離隔した位置で無地部15を切断するため、有地部14にコーティングされた活物質が脱離することを防止することができる。また、無地部15が若干変形しつつ切断されても、有地部14が損傷するか変形することを防止することができる。
【0187】
上記した切断面部115の中心角(θ1)は、電極セルボディ部111の直径、バッテリセル100の容量などを考慮して、適宜選択することができる。例えば、電極セルボディ部111の直径が大きくなるほど、切断面部115の中心角を60゜に近く形成することができる。これは、電極セルボディ部111の直径が大きくなるほど、電流パスの断面積拡大が発熱や発火防止に有利であることから、フォーミング部117の面積を増加させるために、切断面部115の中心角(θ1)を減少させるものである。また、電極セルボディ部111の容量が増加するほど、切断面部115の中心角(θ1)を60゜に近く形成することができる。
【0188】
フォーミング部117は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、放射状に形成することができる。4個のフォーミング部117が十字状に形成される場合、切断面部115の中心角(θ1)は、90゜をなす。6個のフォーミング部117がコア部112を中心に、放射状に形成される場合、切断面部115の中心角(θ1)は、60゜をなす。3個のフォーミング部117がコア部112を中心に、放射状に形成される場合、切断面部115の中心角(θ1)は、120゜をなす。フォーミング部117がコア部112を中心に、放射状に形成されるため、電流パスは、電極セルボディ部111の円周方向に均一に分散することができる。
【0189】
フォーミング部117は、無地部15のフォーミング予定部117aを電極セルボディ部111の半径方向外側に横たえられる形態に形成することができる。これによって、フォーミング部117が、電極セルボディ部111のコア部112を遮ることを防止することができる。前記コア部112は、電解液が投入される通路にもなったり、場合によっては、溶接棒が挿入される通路にもなり得る。この点、前記コア部112は、軸方向にオープンしているのが好ましい。
【0190】
フォーミング予定部117aの外側端部は、電極セルボディ部111の外周面から電極セルボディ部111の中心部側に一定距離(L3:
図12及び
図13参照)離隔する。また、フォーミング部117は、電極セルボディ部111の外周面から中心部側に一定区間(L3)が除去された形態を有する。フォーミング予定部117aの外側部分117bは、第3ブレード222によって一定区間(L3)除去された状態であるため、フォーミング部117が半径方向外側に折り畳まれても、電極セルボディ部111の外周面から外方に突出することを防止することができる。これによって、バッテリセル100の製造時、電極組立体110を電池缶120の内部に円滑に投入することができる。また、フォーミング部117が電池缶120に引っかかることを防止することができる。
【0191】
フォーミング予定部117aの電極セルボディ部111の軸方向高さ(W2)は、フォーミング予定部117aの外側端部と、電極セルボディ部111の外周面との間の距離(L3)未満に形成される。これによって、フォーミング予定部117aは、電極セルボディ部111の外周面側に横たえられて、フォーミング部117が形成されても、フォーミング部117の最外郭が、電極セルボディ部111の外周面の外方に突出することを防止することができる。
【0192】
フォーミング部117は、電極セルボディ部111の半径方向と並んで形成することができる。フォーミング部117は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、対称して形成することができる。これによって、フォーミング部117は、電極セルボディ部111の半径方向にほぼ同じ面積の電流パスを形成することができる。
【0193】
電極セルボディ部111の中心部には、コア部112を形成することができる。コア部112は、電極セルボディ部111の中心部を貫通する中空状に形成される。コア部112の断面は、円形であってもよい。コア部112が中空状に形成されるため、電極組立体110が電池缶120に投入された後、電解液注入機(不図示)は、コア部112を介して電解液を注入することができる。これによって、電解液注入時間を短縮することができるため、バッテリセル100の製造時間を短縮することができる。また、電解液注入機がコア部112に挿入されるとき、コア部112近くの電極シート11,12や分離膜13が引っかかって破れるか損傷することを防止することができる。
【0194】
電極セルボディ部111は、円筒状に形成することができる。これによって、円筒状電池缶120の内側面に、電極セルボディ部111の外側面が密着するように投入することができる。
【0195】
次に、本発明によるバッテリセルの製造方法について説明することとする。
【0196】
図15は、本発明によるプレス部が、フォーミング予定部を半径方向外側に折曲して、フォーミング部を形成した状態を示した側面図である。
【0197】
図15を参照すると、シート状の第1電極シート11と、第2電極シート12との間に分離膜13が積層される(S11)。このとき、第1電極シート11、第2電極シート12、及び分離膜13が積層された構造物を電極積層体10と言う。電極積層体10における第1電極シート11の無地部15は、電極積層体10の幅方向一側に突出し、第2電極シート12の無地部15は、電極積層体10の幅方向他側に突出する。
【0198】
第1電極シート11と、第2電極シート12と、分離膜13とがゼリーロール型に巻き取られる(S12)。このとき、電極積層体10を巻取棒に巻き取って電極組立体110を形成し、巻取棒を電極組立体110から分離する。電極組立体110の中心部には、巻取棒が引き抜かれた部分に中空状のコア部112が形成される。コア部112は、電極組立体110の軸方向を貫通するように形成される。前記電極積層体10に第1電極シート11、第2電極シート12、及び分離膜13が多く積層されるほど、電極組立体110の巻取時間及び製造時間を短縮することができる。
【0199】
第1カッター部210は、バッテリセル100の軸方向に移動しつつ、第1電極シート11と第2電極シート12の無地部15を放射状に切断する(S13)。無地部15の放射状に切断した部分には、第1切断ライン113が形成される。このとき、第1切断ライン113を基準に、切断予定部115aとフォーミング予定部117aを分離する。切断予定部115aとフォーミング予定部117aは、電極セルボディ部111の円周方向に沿って交互に配置される。このとき、切断予定部115aとフォーミング予定部117aは、電極セルボディ部111の軸方向に沿って立てられた状態をそのまま維持する。
【0200】
第2カッター部220は、電極セルボディ部111の半径方向に移動しつつ、周方向に巻き取られた無地部15に周方向に第2切断ライン16aを形成する。前記第2切断ライン16aが、第1切断ライン113に連結されるようにして、前記第1切断ライン113と第2切断ライン16aによって取り囲まれた、前記フォーミング予定部117aの外側部分117bと切断予定部115aを切り取ることにより、前記電極組立体110の無地部15に切断面部115を形成する(S14)。
【0201】
フォーミング予定部117aの電極セルボディ部111の半径方向長さ(L2-L3)は、前記第1切断ライン113の長さ(L2)よりも短く形成される。このとき、フォーミング予定部117aは、電極セルボディ部111の外周面から中心部側に一定区間(L3)が除去された形態を有する。これによって、フォーミング予定部117aが半径方向外側に折り畳まれても、電極セルボディ部111の外周面から外方に突出することを防止することができる。
【0202】
前記フォーミング予定部117aの電極セルボディ部111の軸方向高さ(W2)は、前記フォーミング予定部117aの外側端部と、前記電極セルボディ部111の外周面との間の距離(L3)未満に形成される。これによって、フォーミング予定部117aが電極セルボディ部111の外周面側に横たえられて、フォーミング部117が形成されると、フォーミング部117の最外郭は、フォーミング予定部117aの除去された部分に横たえられる。
【0203】
プレス部230が、無地部15のフォーミング予定部117aを電極セルボディ部111の半径方向外側に加圧して横たえることによって、フォーミング部117を形成する(S15)。
【0204】
このとき、複数のフォーミング部117は、フォーミング予定部117aを構成する複数の非切断片が連続して重なりつつ横たえられていてもよい。これによって、フォーミング部117は、電極セルボディ部111の軸方向に若干斜めに形成することができる。
【0205】
切断面部115は、集電プレート130,140と線接触した状態で、集電プレート130,140にレーザ溶接されるため、切断面部115は、電流パスをほぼ増加させることができない。一方、フォーミング部117は、フォーミング予定部117aを半径方向外側に横たえて形成するため、フォーミング部117は、分離膜13の厚さだけ離隔した無地部15の間隔を覆う。これらフォーミング部117は、集電プレート130,140に面接触した状態で溶接されるため、フォーミング部117の面積が広くなるほど、電極組立体110と集電プレート130,140の電流パスは、相対的に増加し得る。これらフォーミング部117は、無地部15の間隔を合わせた面積だけ電流パスを増加させるため、大容量のバッテリセル100に適用されても、バッテリセル100の発熱量増加を抑制して、発火可能性を減少させることができる。
【0206】
無地部15における切断予定部115aとフォーミング予定部117aが互いに分離された後、切断予定部115aとフォーミング予定部117aの外側部分117bを切断して、切断面部115を形成し、フォーミング予定部117aを加圧して横たえることによって、フォーミング部117を形成する。これによって、フォーミング予定部117aを加圧して、フォーミング部117を形成するとき、フォーミング部117と切断面部115の境界部が、破れるか不規則に歪みつつ変形することを防止することができる。
【0207】
また、分離膜13の縁が境界部で破れたか変形した部分によって、浮き上がるか損傷することを防止することができる。これによって、第1電極シート11と第2電極シート12の短縮を防止することができる。さらに、バッテリセル100の発熱量を減少させるか、爆発可能性を顕著に減少させることができる。
【0208】
切断面部115は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、円周方向に沿って扇形状に形成することができる。切断面部115の頂点部は、コア部112に向かう。切断面部115が扇形状に形成されるため、各フォーミング部117は、コア部112を中心に、複数の切断面部115の間に放射状に配置されていてもよい。
【0209】
切断面部115は、60゜~120゜の中心角(θ1)を有することができる。例えば、切断面部115の中心角(θ1)が90゜である場合、切断面部115は、無地部15の円周方向に4個が十字状に形成することができる。切断面部115の中心角(θ1)が60゜である場合、切断面は、無地部15の円周方向に6個形成することができる。切断面部115の中心角(θ1)が120゜である場合、切断面は、無地部15の円周方向に3個形成することができる。
【0210】
切断面部115は、無地部15と有地部14の境界部16から軸方向外側に一定距離離隔した部分(第2切断ライン16a)を切断することによって形成することができる。これによって、第2カッター部220は、有地部14から離隔した位置16aで無地部15を切断するため、有地部14にコーティングされた活物質が脱離することを防止することができる。また、無地部15が若干変形しつつ切断されても、有地部14が損傷するか変形することを防止することができる。
【0211】
フォーミング部117は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、放射状に形成することができる。4個のフォーミング部117が十字状に形成される場合、切断面部115の中心角(θ1)は、90゜をなす。6個のフォーミング部117がコア部112を中心に、放射状に形成される場合、切断面部115の中心角(θ1)は、60゜をなす。3個のフォーミング部117がコア部112を中心に、放射状に形成される場合、切断面部115の中心角(θ1)は、120゜をなす。フォーミング部117がコア部112を中心に、放射状に形成されるため、電流パスは、電極セルボディ部111の円周方向に均一に分散することができる。
【0212】
フォーミング部117は、無地部15のフォーミング予定部117aが、電極セルボディ部111の半径方向外側に横たえられる形態に形成することができる。これによって、フォーミング部117が、電極セルボディ部111の外周面から外方に突出することを防止するため、バッテリセル100の製造時、電極組立体110を電池缶120の内部に円滑に投入することができる。また、フォーミング部117が電池缶120に引っかかることを防止することができる。
【0213】
フォーミング部117は、電極セルボディ部111の半径方向に沿って形成することができる。フォーミング部117は、電極セルボディ部111のコア部112を中心に、対称に形成することができる。
【0214】
第1カッター部210は、第1振動発生部213によって振動しつつ無地部15を切断する。第1振動発生部213は、超音波振動子を含むことができる。第1カッター部210が振動しつつ無地部15を切断するため、無地部15の切断性能及び切断速度が向上し得る。
【0215】
第2カッター部220は、第2振動発生部223によって振動しつつ、無地部15を切断する。第2振動発生部223は、超音波振動子を含むことができる。第2カッター部220が振動しつつ無地部15を切断するため、無地部15の切断性能及び切断速度が向上し得る。
【0216】
上述した切断面部の加工は、第1カッター部による加工を先に行った後、第2カッター部による加工を行うことが好ましい。
【0217】
上記のような電極組立体を用いて製造されるバッテリセルについて説明することとする。
【0218】
図17は、本発明による電極組立体を示した断面図である。
【0219】
図17を参照すると、本発明によるバッテリセル100は、電極組立体110、電池缶120、密封キャップ部150、及び第1集電プレート130を含む。
【0220】
電極組立体110は、上述と実質的に同様であるため、その説明を省略することとする。
【0221】
電池缶120の内部には電極組立体110が収容される。電池缶120は、第1電極シート11及び第2電極シート12のいずれかと電気的に連結されて、第1極性を帯びる。電池缶120は、電流が流れるように導電性材質から形成することができる。例えば、電池缶120は、ステンレス材質、アルミニウム材質などを含む材質から製造することができる。電池缶120は、一側に開放端が形成される円筒状に形成することができる。
【0222】
密封キャップ部150は、電池缶120の開放端を密封する。密封キャップ部150は、電池缶120と絶縁するように設置される。密封キャップ部150は、外部の異物や湿気が電池缶120の内部に浸透することを防止する。
【0223】
第1集電プレート130は、第1電極シート11及び第2電極シート12のうち、他の1つと電気的に連結される第2極性を帯びる。第1集電プレート130は、電極組立体110と密封キャップ部150との間に配置されていてもよい。第1集電プレート130は、密封キャップ部150に電気的に連結される。第1集電プレート130は、第1電極シート11及び第2電極シート12のうち、他の1つの無地部15と溶接することができる。このとき、無地部15のフォーミング部117は、第1集電プレート130に面接触した状態で溶接し、無地部15の切断面部115は、第1集電プレート130に線接触した状態で溶接することができる。これによって、無地部15と第1集電プレート130の溶接断面積が増加するため、電流パスの断面積が増加して、バッテリセル100の電気抵抗を顕著に減少させることができる。また、バッテリセル100の発熱量を減少させて、バッテリセル100の発火可能性を低くすることができる。
【0224】
第1電極シート11は、負極シートであり、第2電極シート12は、正極シートであってもよい。また、第1電極シート11は、正極シートであり、第2電極シート12は、負極シートであってもよい。
【0225】
上記した電池缶120の内部には、電極組立体110のコア部112を介して電解液を注入する。
【0226】
電解液は、A+B-のような構造を有する塩であってもよい。ここで、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属カチオンや、これらの組み合わせからなるイオンを含む。そして、B-は、F-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、AlO4
-、AlCl4
-、PF6
-、SbF6
-、AsF6
-、BF2C2O4
-、BC4O8
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、C4F9SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-、及び(CF3CF2SO2)2N-からなる群から選択されたいずれか1つ以上のアニオンを含む。
【0227】
電解液は、また、有機溶媒に溶解して用いることができる。有機溶媒では、プロピレンカーボネイト(propylene carbonate,PC)、エチレンカーボネイト(ethylenecarbonate,EC)、ジエチルカーボネイト(diethyl carbonate,DEC)、ジメチルカーボネイト(dimethyl carbonate,DMC)、ジプロピルカーボネイト(dipropyl carbonate,DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジエトキシエタン(diethoxyethane)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone,NMP)、エチルメチルカーボネイト(ethyl methyl carbonate,EMC)、ガンマブチロラクトン(γ-butyrolactone)、又はこれらの混合物を用いることができる。
【0228】
密封キャップ部150は、第1集電プレート130をカバーし、縁がサポータ部122の内周面と第1集電プレート130との間に介在したインシュレータ157をさらに含むことができる。インシュレータ157は、密封キャップ部150と電池缶120を電気的に絶縁させる。
【0229】
インシュレータ157は、絶縁性を有する高分子樹脂からなっていてもよい。例えば、インシュレータ157は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、又はポリブチレンテレフタラートからなっていてもよい。
【0230】
密封キャップ部150は、電池缶120の開放端を遮断するように設置されるキャッププレート151を含む。キャッププレート151は、全体的に円板状に形成することができる。キャッププレート151の中心部には、外部端子152が外側(
図17の上側)に突出して形成される。
【0231】
密封キャップ部150は、キャッププレート151の下側に配置されるベントプレート153を含む。ベントプレート153(vent plate)は、電池缶120の内部圧力が既に設定された圧力以上になると、破損する。これらベントプレート153は、バッテリセル100の爆発を防止する。
【0232】
ベントプレート153と第1集電プレート130は、リード部155によって電気的に連結される。また、ベントプレート153は、キャッププレート151と接触して、電流パスの一部を形成する。
【0233】
電池缶120の開放端の下側には、電池缶120の内側に陥没するサポータ部122が形成される。サポータ部122の上側には、ベントプレート153とキャッププレート151が積層される。
【0234】
サポータ部122の内側面とベントプレート153とキャッププレート151の周部には、インシュレータ157が介在される。インシュレータ157は、第1集電プレート130をカバーし、端がサポータ部122の内周面と第1集電プレート130との間に介在する。これらインシュレータ157は、密封キャップ部150の一部を構成する。
【0235】
電池缶120の開放端には、キャッププレート151とインシュレータ157を加圧するように、クランピング部123が形成される。クランピング部123を電池缶120の開放端を内側に折曲して、キャッププレート151まわりと、電池缶120の開放端との間を密封する。サポータ部122は、クランピング部123が第1集電プレート130とベントプレート153まわりを圧着しつつ固定させるため、第1集電プレート130とベントプレート153の移動が制限されて、バッテリセル100の組立安定性が向上し得る。また、外部の衝撃によって電池缶120の機密が漏洩することを防止することができる。
【0236】
第1電極シート11及び第2電極シート12のいずれか電池缶120は、第2集電プレート140を媒介に電気的に連結することができる。このとき、第2集電プレート140は、第1電極シート11及び第2電極シート12のいずれかに形成された無地部15と溶接することができる。無地部15の切断面部115及びフォーミング部117と、第2集電プレート140とをレーザによって溶接することができる。これによって、無地部15と第2集電プレート140の溶接断面積が増加するため、電流パスの断面積が増加して、バッテリセル100の電気抵抗を顕著に減少させることができる。また、バッテリセル100の発熱量を減少させて、バッテリセル100の発火可能性を低くすることができる。
【0237】
また、第1電極シート11及び第2電極シート12のいずれかに形成された無地部15は、電池缶120の内側面に直接溶接できることは勿論である。
【0238】
図18は、本発明による電極組立体がパックハウジングに収容された状態を示した斜視図である。
【0239】
図18を参照すると、本発明の実施形態によるバッテリパックは、円筒状バッテリセル100が電気的に連結された集合体、及びこれを収容するパックハウジング101を含む。円筒状バッテリセル100は、上述した実施形態によるバッテリセル100のいずれかであってもよい。図面では、図示の便宜上、円筒状バッテリセル100の電気的連結のためバスバー(不図示)、冷却ユニット(不図示)、外部端子(不図示)などの部品の図示は、省略している。
【0240】
バッテリパックは、車両300に搭載することができる。車両300は、一例であって、電気自動車、ハイブリッド自動車、又はプラグインハイブリッド自動車であってもよい。自動車は、4輪自動車又は2輪自動車を含む。
【0241】
図19は、本発明によるバッテリパックを含む車両を説明するための図面である。
【0242】
図19を参照すると、本発明の一実施形態による車両300は、本発明の一実施形態によるバッテリセル100を含む。自動車は、本発明の一実施形態によるバッテリセル100から電力が供給されて運行される。
【0243】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。なお、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0244】
10 電極積層体
11 第1電極シート
12 第2電極シート
13 分離膜
14 有地部
15 無地部
16 境界部
16a 第2切断ライン
100 バッテリセル
101 パックハウジング
110 電極組立体
111 電極セルボディ部
112 コア部
113 第1切断ライン
115 切断面部
115a 切断予定部
117 フォーミング部
117a フォーミング予定部
117b フォーミング予定部の外側部分
120 電池缶
121 電池缶ボディ部
122 サポータ部
123 クランピング部
130 第1集電プレート
132 中心孔部
140 第2集電プレート
150 密封キャップ部
151 キャッププレート
152 外部端子
153 ベントプレート
155 リード部
157 インシュレータ
210 第1カッター部
211 第1ブレード
211a 第1ブレードの刃
213 第1振動発生部
215 第1連通孔部
220 第2カッター部
221 第2ブレード
221a 第2ブレードの一側刃
221b 第2ブレードの他側刃
222 第3ブレード
222a 第3ブレードの一側刃
222b 第3ブレードの他側刃
223 第2振動発生部
230 プレス部
300 車両
【国際調査報告】