(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】分離膜、電極組立体、円筒形バッテリーセル及びそれを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/451 20210101AFI20241114BHJP
H01M 50/446 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/443 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/489 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/463 20210101ALI20241114BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20241114BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20241114BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20241114BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/434 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M50/451
H01M50/446
H01M50/443 M
H01M50/489
H01M50/463 B
H01M10/04 W
H01M50/107
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/538
H01M10/0587
H01M50/533
H01M50/434
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527656
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022017917
(87)【国際公開番号】W WO2023085893
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0156090
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ユン・ウ
(72)【発明者】
【氏名】セ-ジン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク-ヒョン・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ミュン-アン・イ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA02
5H011AA03
5H011AA04
5H011AA09
5H011CC06
5H021BB12
5H021CC03
5H021CC04
5H021EE02
5H021EE21
5H021EE23
5H021EE30
5H021EE31
5H021EE32
5H021HH01
5H021HH03
5H021HH10
5H028AA05
5H028BB07
5H028CC01
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC10
5H028CC13
5H028HH01
5H028HH05
5H029AJ03
5H029AJ12
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AL01
5H029AL02
5H029AL03
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5H029AL06
5H029AL11
5H029AL12
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5H029DJ05
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5H043BA15
5H043BA16
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA03
5H043CA12
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5H043EA02
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5H043EA35
5H043HA02E
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5H043JA04E
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5H043JA10E
5H043JA13E
5H043LA02E
5H043LA21E
5H043LA22E
5H043LA23E
(57)【要約】
分離膜であって、前記分離膜は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の少なくとも一面に形成され、バインダー高分子及び無機物粒子を含む多孔性コーティング層と、を含み、前記分離膜の最外側の横方向(TD;Transverse Direction)における両端部に絶縁コーティング層を各々備え、前記絶縁コーティング層が、絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーを含む多孔性構造を有することを特徴とする分離膜が提示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離膜であって、
前記分離膜は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の少なくとも一面に形成され、バインダー高分子及び無機物粒子を含む多孔性コーティング層と、を含み、
前記分離膜の最外側の横方向(TD)における両端部に絶縁コーティング層を各々備え、
前記絶縁コーティング層が、絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーを含む多孔性構造を有することを特徴とする、分離膜。
【請求項2】
前記絶縁コーティング層一枚の幅が、前記分離膜の幅方向における全長の0.1%~10%であることを特徴とする、請求項1に記載の分離膜。
【請求項3】
前記絶縁コーティング層用フィラーの平均粒径が、無機フィラーの平均粒径の10%~90%であることを特徴とする、請求項1に記載の分離膜。
【請求項4】
前記絶縁コーティング層の垂直断面の形状が、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の分離膜。
【請求項5】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、電極組立体。
【請求項6】
正極板、負極板及び前記正極板と負極板との間に介在された分離膜が一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、前記電極組立体が収納される電池缶と、前記電池缶の開放端部を密封する密封体と、を含み、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、円筒形バッテリーセル。
【請求項7】
前記円筒形バッテリーセルは、フォームファクターの比が0.4以上である、請求項6に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項8】
前記円筒形バッテリーセルが、46110セル、48750セル、48110セル、48800セルまたは46800セルである、請求項7に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項9】
前記円筒形バッテリーセルが、電極タブを含まないタブレス構造の電池である、請求項6に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項10】
前記正極板及び前記負極板は、各々活物質層が形成されていない非塗布部を含み、
前記電極組立体の上端及び下端に各々正極板非塗布部及び負極板非塗布部が位置し、
前記正極板非塗布部及び前記負極板非塗布部に集電プレートが結合しており、
前記集電プレートが電極端子と接続する、請求項6に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項11】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、
前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つは、長辺の端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み、
前記非塗布部の少なくとも一部が電極タブとして使用され、
前記非塗布部が、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、
前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つが、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、複数の分節片に分割されており、
前記分離膜が、請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、電極組立体。
【請求項12】
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、コア側から外周側へ進むほど巻取軸方向の高さが段階的に増加することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記複数の分節片は各々、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記複数の分節片が各々台形であり、
前記複数の分節片は、個別的にまたはグループ別にコア側から外周側へ進むほど台形の下部内角が増加することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記複数の分節片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つが、個別的にまたはグループ別にコア側から外周側に進むほど段階的に増加することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記複数の分節片は各々、巻取方向において1~6mmの幅条件と、巻取軸方向において2~10mmの高さ条件と、巻取方向において0.05~1mmの離隔ピッチ条件のうち少なくとも一つ以上の条件を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記分節片の切断ラインの下端と前記活物質層との間に所定の隙間が備えられることを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項18】
前記隙間が、0.2mm~4mmであることを特徴とする、請求項17に記載の電極組立体。
【請求項19】
前記複数の分節片が、コア側から外周側へ進むにつれて複数の分節片グループを形成し、同じ分節片グループに属する分節片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つ以上が互いに同一であることを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項20】
前記電極組立体の半径方向において、連続して隣接する3個の分節片グループの各々に対する巻取方向の幅を各々W1、W2及びW3とするとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含むことを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項21】
前記同じ分節片グループに属する分節片は、コア側から外周側へ進むにつれ、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つが段階的に増加することを特徴とする、請求項19に記載の電極組立体。
【請求項22】
前記複数の分節片グループの少なくとも一部が、電極組立体の同じ巻回ターンに配置されることを特徴とする、請求項19に記載の電極組立体。
【請求項23】
前記コア側非塗布部が、非塗布部の分節構造を有さないことを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項24】
前記外周側非塗布部が、非塗布部の分節構造を有さないことを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項25】
前記複数の分節片が、コア側へ折り曲げられて多重に重畳することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項26】
前記電極組立体のコアに空洞が備えられ、
前記空洞が、前記コア側へ折り曲げられた複数の分節片によって閉塞しないことを特徴とする、請求項25に記載の電極組立体。
【請求項27】
前記コア側非塗布部の半径方向の長さRと、前記中間非塗布部の最内側分節片の折曲長さHとが、関係式H≦Rを満たすことを特徴とする、請求項26に記載の電極組立体。
【請求項28】
前記外周側非塗布部は、コア側から外周側へ進むにつれ、高さが段階的にまたは漸進的に減少することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項29】
前記外周側非塗布部が複数の分節片に分割されており、
前記外周側非塗布部に含まれた複数の分節片は、前記中間非塗布部に含まれた複数の分節片よりも、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つ以上が大きいことを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項30】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極板及び前記第2電極板のいずれか一つと電気的に接続して第1極性を有する電池缶と、
前記電池缶の開放端を密封する密封体と、
前記第1電極板及び前記第2電極板の残りの一つと電気的に接続し、表面が外部に露出している第2極性を有する端子と、を含み、
前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つが、長辺端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み、
前記非塗布部の少なくとも一部が電極タブとして使用され、
前記非塗布部が、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、
前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つは、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、複数の分節片に分割されており、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、円筒形バッテリーセル。
【請求項31】
前記外周側非塗布部は、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記電池缶は、開放端に隣接する端部に、内側に向かって圧入されたビーディング部を備え、
前記電極組立体の上部周縁部と対向する前記ビーディング部の内周面と前記外周側非塗布部とは、所定の間隔に離隔していることを特徴とする、請求項30に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項32】
前記ビーディング部の圧入高さD1と、前記電池缶の内周面から前記外周側非塗布部と前記中間非塗布部との境界地点までの距離D2とが、関係式D1≦D2を満たすことを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項33】
前記中間非塗布部と電気的に結合した集電プレートと、
前記集電プレートをカバーし、周縁部が前記ビーディング部の内周面と前記集電プレートとの間に介在されて固定されたインシュレータと、をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項34】
前記集電プレート及び前記中間非塗布部の最外側直径が、前記ビーディング部の内周面の最小内径よりも小さく、前記集電プレートの直径が、前記中間非塗布部の最外側直径と同一であるか、またはより大きいことを特徴とする、請求項33に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項35】
前記集電プレートは、
前記ビーディング部よりも高く位置することを特徴とする、請求項33に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項36】
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、外周側からコア側へ折り曲げられており、
前記電極組立体のコアには空洞が備えられ、
前記空洞は、前記中間非塗布部の折曲構造によって閉塞しないことを特徴とする、請求項30に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項37】
前記中間非塗布部が、前記電極組立体の巻取方向に沿って分節された複数の分節片を含み、
前記複数の分節片が、前記外周側から前記コア側へ折り曲げられ、
前記コア側非塗布部の半径方向の長さRと、前記中間非塗布部の最内側に位置した分節片の折曲長さHとが、関係式H≦Rを満たすことを特徴とする、請求項36に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項38】
前記複数の分節片が各々、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有することを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項39】
前記複数の分節片は各々、巻取方向において1mm~6mmの幅条件と、巻取軸方向において2~10mmの高さ条件と、巻取方向において0.05mm~1mmの離隔ピッチ条件のうち少なくとも一つ以上の条件を満たすことを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項40】
前記分節片の切断ラインの下端と前記活物質層との間に隙間が備えられることを特徴とする、請求項30に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項41】
前記隙間が、0.2mm~4mmであることを特徴とする、請求項40に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項42】
前記複数の分節片が複数のグループを構成し、
各グループに属する分節片が、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つ以上が同一であり、
前記複数のグループのうち少なくとも一つが、前記電極組立体の同じ巻取ターンを構成することを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項43】
前記複数の分節片が複数のグループを構成し、
前記電極組立体の半径方向において連続して隣接する3個の分節片グループの各々に対する巻取方向の幅を各々W1、W2及びW3とするとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含むことを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項44】
前記密封体が、前記電池缶の開放端を密閉するキャッププレートと、前記キャッププレートの周縁部を囲んで前記電池缶の上端部にクリンピングされたガスケットと、を含み、
前記第2極性を有する端子が前記キャッププレートであることを特徴とする、請求項30に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項45】
前記第1極性を有する第2電極板の非塗布部と電気的に接続され、前記電池缶の側壁に、縁部の少なくとも一部が結合した集電プレートをさらに含み、
前記密封体は、非極性のキャッププレートと、前記キャッププレートの周縁部を囲んで前記電池缶の上端部にクリンピングされるガスケットと、を含み、
前記電池缶は、閉鎖面の中央部に形成された貫通孔に絶縁可能に設けられ、前記第1電極板と電気的に接続されて前記第2極性を有するリベット端子を含むことを特徴とする、請求項30に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項46】
請求項30に記載のバッテリーセルを少なくとも一つ含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項47】
請求項46に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離膜、電極組立体、円筒形バッテリーセル及びそれを含むバッテリーパック、並びに自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年11月12日出願の韓国特許出願第10-2021-0156090号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用が容易であり、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(Electric Vehicle;EV)またはハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle;HEV)などに普遍的に適用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を浴びている。
【0005】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量に応じて複数のバッテリーセルを並列に接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数及び電気的接続形態は、要求される出力電圧または充放電容量に応じて多様に設定可能である。
【0006】
なお、二次電池の種類として、円筒形、角形及びパウチ型二次電池が知られている。円筒形バッテリーセルの場合、正極と負極との間に絶縁体である分離膜を介在し、それを巻き取ってゼリーロール形態の電極組立体を形成し、それを電池缶の内部に挿入して電池を構成する。そして、正極及び負極の各々の非塗布部には、ストリップ形態の電極タブが接続されてもよく、電極タブは電極組立体と外部に露出する電極端子とを電気的に接続させる。参考までに、正極電極端子は、電気缶の開放口を密封する密封体のキャッププレートであり、負極電極端子は、電池缶である。ところが、このような構造を有する従来の円筒形バッテリーセルによれば、正極非塗布部及び/または負極非塗布部と結合するストリップ形態の電極タブに電流が集中するため、抵抗が大きくて熱が多く発生して、集電効率が劣るという問題点があった。
【0007】
18650や21700のフォームファクターを有する小型の円筒形バッテリーセルは、抵抗と発熱があまり大きい問題にならない。しかし、円筒形バッテリーセルを電気自動車などに適用するためにフォームファクターを増加させる場合、急速充電過程で集電タブの周辺で多量の熱が発生して、円筒形バッテリーセルが発火する問題が発生し得る。
【0008】
このような問題を解決するために、ゼリーロールタイプの電極組立体の上端及び下端に各々正極非塗布部及び負極非塗布部が位置するように設計し、このような非塗布部に集電板を溶接して集電効率が改善された構造を有する円筒形バッテリーセル(例えば、タブレス(Tab-less)円筒形バッテリーセル)が提示された。
【0009】
図4~
図6は、タブレス円筒形バッテリーセルの製造過程を示す図である。
図4は、電極板の構造を示し、
図5は、電極板の巻取工程を示し、
図6は、非塗布部の折曲表面領域に集電板が溶接される工程を示す。
【0010】
図4~
図6を参照すると、正極10と負極11は、シート状の集電体20に活物質21がコーティングされた構造を有し、巻取方向Xに沿って一方の長辺側に非塗布部22を含む。
【0011】
電極組立体Aは、正極10と負極11を、
図2に示したように、二枚の分離膜12と共に順次に積層した後、一方向(X方向)へ巻き取って製作する。この際、正極10と負極11の非塗布部は、互いに反対方向に配置される。
【0012】
巻取工程の後、正極10の非塗布部10a及び負極11の非塗布部11aは、コア側へ折り曲げられる。その後、非塗布部10a、11aに集電板30、31を各々溶接して結合する。
【0013】
正極非塗布部10a及び負極非塗布部11aには、別の電極タブが結合しておらず、集電プレート30、31が外部の電極端子と接続し、電流路が電極組立体Aの巻取軸方向(矢印参照)に沿って大きい断面積に形成されるため、バッテリーの抵抗を低めることができるという長所がある。抵抗は、電流が流れる通路の断面積に反比例するためである。
【0014】
タブレス円筒形バッテリーセルにおいて、非塗布部10a、11aと集電板30、31の溶接特性を向上させるためには、非塗布部10a、11aの溶接地点に強い圧力を加えて最大限に扁平に非塗布部10a、11aを折り曲げる必要がある。
【0015】
ところが、非塗布部10a、11aの溶接地点を折り曲げるとき、非塗布部10a、11aの模様が不規則に歪みながら変形され得る。この場合、変形された部位が反対極性の電極と接触して内部短絡を起こすか、または非塗布部10a、11aに微細なクラックを誘発し得る。また、電極組立体Aのコアに隣接する非塗布部32が折り曲げられながら電極組立体Aのコアにある空洞の全部または相当部分を閉塞する。この場合、電解液注液工程で問題を起こす。即ち、電極組立体Aのコアにある空洞33は、電解液が注入される通路として使用される。ところが、当該通路が閉塞されると、電解液の注入が難しい。また、電解液注入器が空洞33に挿入される過程でコア付近の非塗布部32と干渉を起こして非塗布部32が破れる問題が発生し得る。
【0016】
また、集電板30、31が溶接される非塗布部10a、11aの折曲部位は、多重に重畳される必要があり、空間(隙間)が存在してはいけない。そうすればこそ、十分な溶接強度が得られ、レーザー溶接などの最新技術を使用してもレーザーが電極組立体Aの内部に浸透して分離膜や活物質を溶発させる問題を防止することができるためである。
【0017】
また、従来のタブレス円筒形バッテリーセルは、電極組立体Aの上部に全体的に正極非塗布部10aが形成されている。そのため、電池缶の上端の外周面を内部へ圧入してビーディング部を形成するに際し、電極組立体Aの上端の周縁領域34が電池缶による圧迫を受けるようになる。このような圧迫は、電極組立体Aの部分的な変形を起こすことがあり、この際、分離膜12が破れて内部短絡が発生し得る。電池の内部で短絡が発生すると、発熱や爆発が起こり得る。
【0018】
従来の分離膜は、多孔性高分子基材の熱収縮特性を改善するために無機物粒子を含むコーティング層を導入したが、この際、多孔性高分子基材の一方のみにコーティング層を導入する片面無機物コーティング分離膜であった。このような無機物コーティング分離膜は、ゼリーロール(J/R)内の電極との接触時、一側が原反、他側が無機物(ceramic)コーティング層であるため、電解液に対する含浸特性が非対称である現象が発生した。このような電解液含浸の非対称によって、負極の設計時に分離膜に合わせなければならない管理上の問題があり、ゼリーロールへの電解液の含浸時、加圧/真空条件を高める必要があることから費用上昇の問題があり、適切な含浸工程の適用が行われなかった場合、性能が劣る問題も発生した。
【0019】
また、従来の片面無機物コーティング分離膜は、分離膜の一側原反が露出して耐熱特性に限界があることによって、130℃以上の高温における収縮量が大きいという問題があった。その結果、熱衝撃(130℃以上)時、分離膜の収縮による内部電極短絡が誘発され、異常反応(過充電、外部短絡)によってセルの内部温度の上昇時、発火の危険が増加した。
【0020】
また、分離膜の多孔性高分子基材に無機物コーティング層を導入しても、依然として高温条件で分離膜の熱収縮(shrinkage)現象が発生して正極と負極との短絡の問題が発生している。また、ノッチングされていないゼリーロールの場合、組み立て後の集電体であるホイルの折れなどによって、内・外部の閉鎖的な構造を形成して、注液時に電解液のゼリーロール中の電極への移動に干渉が発生し、不均一な電解液の含浸特性を示した。これは、電解液への含浸時に均一ではない電解液の含浸路(path)の発生に起因すると把握された。そこで、含浸均一性の減少によって電池同士の偏差が増加して不安定な固体電解質の界面(SEI)層が形成され、抵抗の散布が増加するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記のような従来技術の背景下で創案されたものであって、熱収縮率が改善された分離膜を提供することを目的とする。
【0022】
本発明は、上記のような従来技術の背景下で創案されたものであって、電解液の含浸特性が改善された電極組立体を提供することを他の目的とする。
【0023】
また、本発明の技術的課題は、電極組立体の両端に露出された非塗布部を折り曲げるときに非塗布部に加えられる応力ストレスを緩和できるように改善された非塗布部の構造を有する電極組立体を提供することを他の目的とする。
【0024】
本発明の他の技術的課題は、非塗布部が折り曲げられても電解液の注入通路が閉塞しない電極組立体を提供することにある。
【0025】
本発明のさらに他の技術的課題は、電池缶の上端がビーディングされるときに、電極組立体の上端の縁部と電池缶の内面との接触が防止可能な構造を含む電極組立体を提供することにある。
【0026】
本発明のさらに他の技術的課題は、エネルギー密度が向上し、かつ抵抗が減少した電極組立体を提供することにある。
【0027】
本発明のさらに他の技術的課題は、改善された構造の電極組立体を含む円筒形バッテリーセル及びそれを含むバッテリーパック、並びにバッテリーパックを含む自動車を提供することにある。
【0028】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記の技術的課題を達成するため、下記の具現例の分離膜が提供される。
【0030】
本発明の第1具現例によれば、
分離膜であって、前記分離膜は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の少なくとも一面に形成され、バインダー高分子及び無機物粒子を含む多孔性コーティング層と、を含み、
前記分離膜の最外側の横方向(Transverse Direction;TD)における両端部に絶縁コーティング層を各々備え、
前記絶縁コーティング層が、絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーを含む多孔性構造を有することを特徴とする分離膜が提供される。
【0031】
本発明の第2具現例によれば、第1具現例において、
前記絶縁コーティング層一枚の幅が、前記分離膜の幅方向における全長の0.1~10%であり得る。
【0032】
本発明の第3具現例によれば、第1具現例または第2具現例において、
前記絶縁コーティング層用フィラーの平均粒径が、前記無機フィラーの平均粒径の10~90%であり得る。
【0033】
本発明の第4具現例によれば、第1具現例から第3具現例のいずれか一具現例において、
前記絶縁コーティング層の垂直断面の形状が、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有し得る。
【0034】
本発明の第5具現例によれば、
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、
前記分離膜が第1具現例から第4具現例のいずれか一具現例の分離膜であることを特徴とする電極組立体が提供される。
【0035】
本発明の第6具現例によれば、
正極板、負極板及び前記正極板と負極板との間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、前記電極組立体が収納される電池缶と、前記電池缶の開放端部を密封する密封体と、を含み、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする円筒形バッテリーセルが提供される。
【0036】
本発明の第7具現例によれば、第6具現例において、
前記円筒形バッテリーセルは、フォームファクターの比が0.4以上であり得る。
【0037】
本発明の第8具現例によれば、第6具現例または第7具現例において、
前記円筒形バッテリーセルは、46110セル、48750セル、48110セル、48800セルまたは46800セルであり得る。
【0038】
第9具現例によれば、第6具現例から第8具現例のいずれか一具現例において、
前記円筒形バッテリーセルは、電極タブを含まないタブレス(tab-less)構造の電池であり得る。
【0039】
本発明の第10具現例によれば、第6具現例から第9具現例のいずれか一具現例において、
前記正極板及び負極板は、各々活物質層が形成されていない非塗布部を含み、前記電極組立体の上端及び下端に各々正極板非塗布部及び負極板非塗布部が位置し、前記正極板非塗布部及び負極板非塗布部に集電プレートが結合しており、前記集電プレートが電極端子と接続し得る。
【0040】
本発明の第11具現例によれば、
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、
前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つは、長辺の端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み、
前記非塗布部の少なくとも一部が電極タブとして使用され、
前記非塗布部は、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、
前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つが、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、複数の分節片に分割されており、
前記分離膜は、請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする電極組立体が提供される。
【0041】
本発明の一具現例による電極組立体は、シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つは、長辺端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含む。
【0042】
望ましくは、前記非塗布部の少なくとも一部は電極タブとして使用され得る。また、前記非塗布部は、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含む。
【0043】
望ましくは、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つは、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さくてもよい。
【0044】
本発明の第12具現例によれば、第11具現例において、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間は、コア側から外周側へ進むほど巻取軸方向の高さが段階的に増加し得る。
【0045】
本発明の一具現例によれば、前記中間非塗布部の少なくとも一部区間は複数の分節片に分割され得る。
【0046】
本発明の第13具現例によれば、第11具現例または第12具現例において、
前記複数の分節片は各々、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有し得る。
【0047】
本発明の第14具現例によれば、第11具現例から第13具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片は各々台形であり、前記複数の分節片は個別的にまたはグループ別にコア側から外周側へ進むほど台形の下部内角が増加し得る。
【0048】
本発明の第15具現例によれば、第11具現例から第14具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ別にコア側から外周側に進むほど段階的に増加し得る。
【0049】
本発明の第16具現例によれば、第11具現例から第15具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片は各々、巻取方向において1~6mmの幅条件と、巻取軸方向において2~10mmの高さ条件と、巻取方向において0.05~1mmの離隔ピッチ条件のうち少なくとも一つ以上の条件を満たし得る。
【0050】
本発明の第17具現例によれば、第11具現例から第16具現例のいずれか一具現例において、
前記分節片の切断ラインの下端と前記活物質層との間に所定の隙間が備えられ得る。
【0051】
本発明の第18具現例によれば、第17具現例において、
前記隙間は、0.2~4mmであり得る。
【0052】
本発明の第19具現例によれば、第11具現例から第18具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片は、コア側から外周側へ進むにつれて複数の分節片グループを形成し、同じ分節片グループに属する分節片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つ以上が互いに同一であり得る。
【0053】
本発明の第20具現例によれば、第11具現例から第19具現例のいずれか一具現例において、
前記電極組立体の半径方向において、連続して隣接する3個の分節片グループの各々に対する巻取方向の幅を各々W1、W2及びW3とするとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含み得る。
【0054】
本発明の第21具現例によれば、第19具現例から第20具現例のいずれか一具現例において、
前記同じ分節片グループに属する分節片は、コア側から外周側へ進むにつれ、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つが段階的に増加し得る。
【0055】
本発明の第22具現例によれば、第19具現例から第21具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片グループの少なくとも一部は、電極組立体の同じ巻回ターンに配置され得る。
【0056】
本発明の第23具現例によれば、第11具現例から第22具現例のいずれか一具現例において、
前記コア側非塗布部は、非塗布部の分節構造を有さなくてもよい。
【0057】
本発明の第24具現例によれば、第11具現例から第23具現例のいずれか一具現例において、
前記外周側非塗布部は、非塗布部の分節構造を有さなくてもよい。
【0058】
本発明の第25具現例によれば、第11具現例から第24具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片は、コア側へ折り曲げられて多重に重畳され得る。
【0059】
本発明の第26具現例によれば、第25具現例において、
前記電極組立体のコアに空洞が備えられ、前記空洞は、前記コア側へ折り曲げられた複数の分節片によって閉塞しなくてもよい。
【0060】
本発明の第27具現例によれば、第26具現例において、
前記コア側非塗布部の半径方向の長さRと、前記中間非塗布部の最内側分節片の折曲長さHとは、関係式H≦Rを満たし得る。
【0061】
本発明の第28具現例によれば、第11具現例から第27具現例のいずれか一具現例において、
前記外周側非塗布部は、コア側から外周側へ進むにつれ、高さが段階的にまたは漸進的に減少し得る。
【0062】
本発明の第29具現例によれば、第11具現例から第28具現例のいずれか一具現例において、
前記外周側非塗布部は複数の分節片に分割されており、前記外周側非塗布部に含まれた複数の分節片は、前記中間非塗布部に含まれた複数の分節片よりも、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つ以上が大きくてもよい。
【0063】
上記技術的課題を達成するために、本発明の第30具現例によれば、
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極板及び前記第2電極板のいずれか一つと電気的に接続して第1極性を有する電池缶と、
前記電池缶の開放端を密封する密封体と、
前記第1電極板及び前記第2電極板の残りの一つと電気的に接続し、表面が外部に露出している第2極性を有する端子と、を含み、
前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つは、長辺端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み、
前記非塗布部の少なくとも一部は電極タブとして使用され、
前記非塗布部は、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、
前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つは、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間は、複数の分節片に分割されており、
前記分離膜は第1具現例から第4具現例のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする円筒形バッテリーセルが提供される。
【0064】
本発明の一具現例による円筒形バッテリーセルは、シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、前記電極組立体が収納され、前記第1電極板及び前記第2電極板のいずれか一つと電気的に接続して第1極性を有する電池缶と、前記電池缶の開放端を密封する密封体と、前記第1電極板及び前記第2電極板の残りの一つと電気的に接続し、表面が外部に露出された第2極性を有する端子と、を含み得る。
【0065】
本発明の一具現例によれば、前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つは、長辺端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み得る。
【0066】
本発明の一具現例によれば、前記非塗布部の少なくとも一部が電極タブとして使用され、前記非塗布部は、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つは、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さくてもよい。
【0067】
本発明の第31具現例によれば、第30具現例において、
前記外周側非塗布部は、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、前記電池缶は、開放端に隣接する端部に、内側に向かって圧入されたビーディング部を備え、前記電極組立体の上部周縁部と対向する前記ビーディング部の内周面と前記外周側非塗布部とは、所定の間隔に離隔していてもよい。
【0068】
本発明の第32具現例によれば、第30具現例または第31具現例において、
前記ビーディング部の圧入高さD1と、前記電池缶の内周面から前記外周側非塗布部と前記中間非塗布部との境界地点までの距離D2とは、関係式D1≦D2を満たし得る。
【0069】
本発明の第33具現例によれば、第30具現例から第32具現例のいずれか一具現例において、
前記中間非塗布部と電気的に結合した集電プレートと、前記集電プレートをカバーし、周縁部が前記ビーディング部の内周面と前記集電プレートとの間に介在されて固定されたインシュレータと、をさらに含み得る。
【0070】
本発明の第34具現例によれば、第33具現例において、
前記集電プレート及び前記中間非塗布部の最外側直径は、前記ビーディング部の内周面の最小内径よりも小さく、前記集電プレートの直径は、前記中間非塗布部の最外側直径と同一であってもよく、より大きくてもよい。
【0071】
本発明の第35具現例によれば、第33具現例または第34具現例において、
前記集電プレートは、前記ビーディング部よりも高く位置し得る。
【0072】
本発明の第36具現例によれば、第30具現例から第35具現例のいずれか一具現例において、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間は、外周側からコア側へ折り曲げられており、前記電極組立体のコアには空洞が備えられ、前記空洞は、前記中間非塗布部の折曲構造によって閉塞されなくてもよい。
【0073】
本発明の第37具現例によれば、第36具現例において、
前記中間非塗布部は、前記電極組立体の巻取方向に沿って分節された複数の分節片を含み、前記複数の分節片は、前記外周側から前記コア側へ折り曲げられ、前記コア側非塗布部の半径方向の長さRと、前記中間非塗布部の最内側に位置した分節片の折曲長さHとは、関係式H≦Rを満たし得る。
【0074】
本発明の第38具現例によれば、第37具現例において、
前記複数の分節片は各々、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有し得る。
【0075】
本発明の第39具現例によれば、第37具現例または第38具現例において、
前記複数の分節片は各々、巻取方向において1~6mmの幅条件と、巻取軸方向において2~10mmの高さ条件と、巻取方向において0.05~1mmの離隔ピッチ条件のうち少なくとも一つ以上の条件を満たし得る。
【0076】
本発明の第40具現例によれば、第30具現例から第39具現例のいずれか一具現例において、
前記分節片の切断ラインの下端と前記活物質層との間に隙間が備えられ得る。
【0077】
本発明の第41具現例によれば、第40具現例において、
前記隙間は0.2~4mmであり得る。
【0078】
本発明の第42具現例によれば、第37具現例から第41具現例のいずれか一具現例において、
前記複数の分節片は複数のグループを構成し、各グループに属する分節片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ及び巻取方向の離隔ピッチの少なくとも一つ以上が同一であり、前記複数のグループのうち少なくとも一つは、前記電極組立体の同じ巻取ターンを構成し得る。
【0079】
本発明の第43具現例によれば、第37具現例から第42具現例のいずれか一具現例において、
前記電極組立体の半径方向において連続して隣接する3個の分節片グループの各々に対する巻取方向の幅を、各々W1、W2及びW3としたとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含み得る。
【0080】
本発明の第44具現例によれば、第37具現例から第43具現例のいずれか一具現例において、
前記密封体は、前記電池缶の開放端を密閉するキャッププレートと、前記キャッププレートの周縁部を囲んで前記電池缶の上端部にクリンピングされたガスケットと、を含み、前記第2極性を有する端子が前記キャッププレートであり得る。
【0081】
本発明の第45具現例によれば、第37具現例から第44具現例のいずれか一具現例において、
前記第1極性を有する第2電極板の非塗布部と電気的に接続され、前記電池缶の側壁に、縁部の少なくとも一部が結合した集電プレートをさらに含み得る。この場合、前記密封体は、非極性のキャッププレートと、前記キャッププレートの周縁部を囲んで前記電池缶の上端部にクリンピングされるガスケットと、を含み、前記電池缶は、閉鎖面の中央部に形成された貫通孔に絶縁可能に設けられ、前記第1電極板と電気的に接続されて前記第2極性を有するリベット端子を含み得る。
【0082】
本発明の第46具現例によれば、第30具現例から第45具現例のいずれか一具現例の円筒形バッテリーセルを少なくとも一つ含むバッテリーパックが提供される。
【0083】
本発明の第47具現例によれば、第46具現例のバッテリーパックを少なくとも一つ含む自動車が提供される。
【発明の効果】
【0084】
本発明の一面によれば、多孔性高分子基材の少なくとも一面に無機物粒子とバインダー高分子を備える多孔性コーティング層を備える分離膜において、前記分離膜の最外側の横方向における両端部に絶縁コーティング層を各々備えることで、分離膜の耐熱性及び耐圧縮性を改善してバッテリーセル内部の短絡現象を防止し、バッテリーセル内の電極への電解液の含浸性を改善し、かつバッテリーセルの安定性を強化することができる。
【0085】
本発明の一面によれば、電極組立体の上方及び下方へ突出した非塗布部を電極タブとして使用することで、バッテリーセルの内部抵抗を減少させてエネルギー密度を増加させることが可能である。
【0086】
本発明の他面によれば、電極組立体の非塗布部の構造を改善して電池缶のビーディング部の形成過程で電極組立体と電池缶の内周面とが干渉を起こさないようにすることで電極組立体の部分的変形による円筒形バッテリーセル内部の短絡を防止することができる。
【0087】
本発明のさらに他面によれば、電極組立体の非塗布部の構造を改善して非塗布部が折り曲げられるときに非塗布部が破れる現象を防止し、非塗布部の重畳レイヤー数を充分に増加させて、溶接強度を向上させることができる。
【0088】
本発明のさらに他面によれば、電極組立体のコアに隣接する非塗布部の構造を改善して非塗布部が折り曲げられるときに電極組立体のコアに存在する空洞が閉塞することを防止して、電解液の注入工程及び電池缶と集電プレートとの溶接工程を容易に行うことができる。
【0089】
本発明のさらに他面によれば、内部抵抗が低く、内部短絡が防止され、かつ集電プレートと非塗布部との溶接強度が向上した構造を有する円筒形バッテリーセル、それを含むバッテリーパック並びに自動車を提供することができる。
【0090】
その他にも本発明は様々な他の効果を奏し、それについては各実施例で説明し、通常の技術者が容易に類推可能な効果などについては、当該説明を省略する。
【0091】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1】本発明の一具現例による分離膜の概略図である。
【
図2】本発明の一具現例による分離膜の概略図である。
【
図3】本発明の一具現例による分離膜の製造段階を示した概略図である。
【
図4】従来のタブレス円筒形バッテリーセルの製造に使用される電極板の構造を示す平面図である。
【
図5】従来のタブレス円筒形バッテリーセルの電極板の巻取工程を示した図である。
【
図6】従来のタブレス円筒形バッテリーセルにおいて、非塗布部の折曲面に集電プレートが溶接される工程を示す。
【
図7】本発明の第1実施例による電極板の構造を示した平面図である。
【
図8】本発明の第2実施例による電極板の構造を示した平面図である。
【
図9】本発明の第3実施例による電極板の構造を示した平面図である。
【
図10a】本発明の第4実施例による電極板の構造を示した平面図である。
【
図10b】分節片部分をより具体的に示した拡大図である。
【
図10c】分節片部分をより具体的に示した拡大図である。
【
図11】本発明の実施例による分節片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【
図12a】本発明の第5実施例による電極板の構造を示した平面図である。
【
図12b】分節片部分をより具体的に示した拡大図である。
【
図12c】分節片部分をより具体的に示した拡大図である。
【
図13】本発明の実施例による分節片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【
図14】第1実施例の電極板を第1電極板(正極板)及び第2電極板(負極板)に適用したゼリーロール型の電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図15】第2実施例の電極板を第1電極板(正極板)及び第2電極板(負極板)に適用したゼリーロール型の電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図16】第3実施例から第5実施例(これらの変形例)の電極板のいずれか一つを第1電極板(正極板)及び第2電極板(負極板)に適用したゼリーロール型の電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図17】本発明のさらに他の実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図18】本発明のさらに他の実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図19】本発明のさらに他の実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図20】本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図21】本発明の他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図22】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図23】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸に沿って切断した断面図である。
【
図24】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸に沿って切断した断面図である。
【
図25】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸に沿って切断した断面図である。
【
図26】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸に沿って切断した断面図である。
【
図27】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸に沿って切断した断面図である。
【
図28】本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセルをY軸に沿って切断した断面図である。
【
図29】本発明の実施例によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【
図30】本発明の実施例によるバッテリーパックを含む自動車を概略的に示した図である。
【
図31】実施例1と比較例1の分離膜の圧縮特性を示したグラフである。
【
図32】実施例1と比較例1の分離膜を備えた円筒形バッテリーセルの抵抗特性を示したグラフである。
【
図33】実施例1と比較例1の分離膜を備えた円筒形バッテリーセルの正極及び負極の電解液の含浸量(含浸性)の評価結果を示したグラフである。
【
図34】実施例1及び比較例1の電極組立体から含浸試料を採取した各位置を示した図である。
【
図35】実施例1と比較例1の分離膜を備えた円筒形バッテリーセルの電圧及び温度特性を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されねばならない。
【0094】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0095】
なお、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺ではなく一部構成要素が誇張して示され得る。なお、相異なる実施例で同じ構成要素に対しては同じ参照番号が付与され得る。
【0096】
本発明の一面によれば、
分離膜であって、
前記分離膜は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の少なくとも一面に形成され、バインダー高分子及び無機物粒子を含む多孔性コーティング層と、を含み、
前記分離膜の最外側の横方向(Transverse Direction;TD)における両端部に絶縁コーティング層を各々備え、
前記絶縁コーティング層が、絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーを含む多孔性構造を有することを特徴とする分離膜が提供される。
【0097】
図1から
図2は、本発明の一具現例による分離膜を示す。
【0098】
図1から
図2を参照すると、本発明の一具現例による分離膜は、多孔性高分子基材1の一面に多孔性コーティング層2を備え、前記分離膜の最外側の両端部に各々絶縁コーティング層3を備える。この際、前記分離膜多孔性基材の片面のみに多孔性コーティング層を備えた場合には、分離膜の最外側は(多孔性コーティング層が形成されていない)多孔性高分子基材の一側と、多孔性コーティング層になる。
【0099】
また、前記分離膜多孔性基材の両面に多孔性コーティング層を各々備えた場合には、分離膜の最外側は、両側の多孔性コーティング層になり、両側の多孔性コーティング層の横方向の両端部に各々絶縁コーティング層が備えられ得る。
【0100】
前記多孔性高分子基材は、ポリオレフィン系多孔性基材であり得る。
【0101】
前記ポリオレフィン多孔性基材は、フィルム(film)または不織ウェブ(non-woven web)形態であり得る。このように多孔性構造を有することで、正極と負極との間における電解液移動が円滑に行われ、基材の電解液の含浸性も増加して優秀なイオン伝導性を確保することができ、電気化学素子の内部抵抗の増加が防止されることによって電気化学素子の性能低下を防止することができる。
【0102】
本発明に使用されるポリオレフィン多孔性基材は、電気化学素子に通常使用される平面状の多孔性基材であれば、全て使用可能であり、その材質や形態は目的に応じて多様に選択し得る。
【0103】
ポリオレフィン多孔性基材は、非制限的に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの二種以上の混合物から形成されたフィルムまたは不織ウェブであり得るが、これらに限定されることではない。
【0104】
前記ポリオレフィン多孔性基材は、8~30μmの厚さを有し得るが、これは単に例示であるだけであり、機械的な物性や電池の高率充放電特性を考慮して前記範囲から外れた厚さも採択可能である。
【0105】
本発明による不織布シートは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、またはこれらの二種以上の混合物から形成され得る。例えば、前記不織布シートは、繊維紡糸によって製造されたものであり得る。例えば、メルトブローン(melt blown)方法を用いて、前記素材の繊維を融点以上で繊維紡糸形態にして、混紡紡糸によって製造されたものであり得る。
【0106】
前記不織布シートは、200~400%、より望ましくは300~400%の延伸率を有し得る。前記延伸率が200%未満である場合には、くぎ貫通時に電極と電極との間に接触する確率が増加するようになり、400%よりも大きい場合には、くぎが貫通した周辺部位も延伸するようになり、分離膜が薄くなってバリア性(遮断性)が減少する。
【0107】
前記不織布シートには0.1~10μmの平均直径を有する気孔が複数で形成されている。気孔サイズが0.1μmよりも小さい場合には、リチウムイオン及び/または電解液の円滑な移動が行われず、気孔サイズが10μmよりも大きい場合には、くぎ貫通時に不織布シートの延伸によって正極と負極の接触を防止しようとする本発明の効果を達成しにくくなり得る。
【0108】
また、前記不織布シートは、40~70%の孔隙率を有し得る。孔隙率が40%未満である場合には、リチウムイオン及び/または電解液の円滑な移動が行われず、孔隙率が70%よりも大きい場合には、くぎ貫通時に不織布シートの延伸によって正極と負極の接触を防止しようとする本発明の効果が達成されにくくなり得る。このように製造された不織布シートは、1~20秒/100mLの通気度を有し得る。
【0109】
また、前記不織布シートは10~20μmの厚さを有し得るが、これは例示であるだけであり、これに限定されることではない。不織シートの透過性によって前記範囲から外れた厚さの不織布シートも採択可能である。
【0110】
前記不織布シートは、ラミネーションによって不織布シートの下部に置かれた分離膜の構成要素に結合し得る。前記ラミネーションは、100~150℃の温度範囲で行われ得るが、100℃よりも低い温度でラミネーションが行われる場合にはラミネーション効果が発生しなくなり、150℃よりも高い温度でラミネーションが行われる場合には、不織布の一部が溶ける。
【0111】
前記のような条件下でラミネーション結合した本発明の一様態による分離膜は、不織布シートからなる従来の分離膜、またはフィルムや不織布シートの少なくとも一面に無機物粒子を含む層が形成されている分離膜と比較すると、くぎ貫通性に対して向上した抵抗性を有するようになる。
【0112】
前記多孔性コーティング層において無機物粒子は互いに充電されて接触した状態で前記バインダー高分子によって互いに結着し、これによって無機物粒子同士の間にインタースティシャルボリューム(interstitial volume)が形成され、前記無機物粒子間のインタースティシャルボリュームは空き空間になって気孔を形成し得る。
【0113】
前記多孔性コーティング層の形成に使用される無機物粒子としては、無機物粒子、即ち、電気化学素子の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+を基準にして0~5V)で酸化及び/または還元反応が起こらない無機物粒子をさらに添加して使用し得る。特に、イオン伝達能力を有する無機物粒子を使用する場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能の向上を図ることができる。また、無機物粒子として誘電率の高い無機物粒子を使用する場合、液体電解質内の電解質塩、例えば、リチウム塩の解離度増加に寄与して電解液のイオン伝導度を向上させることが可能である。
【0114】
前述した理由から、前記無機物粒子は、誘電率定数が5以上、望ましくは10以上である高誘電率の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子またはこれらの混合物を含むことが望ましい。
【0115】
誘電率定数が5以上である無機物粒子の非制限的な例には、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、ハフニア(HfO2)、SrTiO3、SnO2、CeO2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO2、Y2O3、Al2O3、TiO2、SiCまたはこれらの混合物などが挙げられる。
【0116】
特に、前述したBaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)及びハフニア(HfO2)のような無機物粒子は、誘電率定数100以上の高誘電率特性を示すだけでなく、一定の圧力を印加して引張または圧縮する場合、電荷が発生して両面の間に電位差が発生する圧電性(piezoelectricity)を有することで、外部衝撃による両電極の内部短絡の発生を防止して電気化学素子の安全性の向上を図ることができる。また、前述した高誘電率の無機物粒子とリチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子を混用する場合、これらのシナジー効果は倍加され得る。
【0117】
リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、リチウム元素を含むが、リチウムを保存することなくリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を指す。リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陷(defect)によってリチウムイオンを伝達及び移動させることが可能であるため、電池内におけるリチウムイオンの伝導度が向上し、これによって電池性能の向上を図ることができる。前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の非制限的な例としては、リチウムホスフェート(Li3PO4)、リチウムチタンホスフェート(LixTiy(PO4)3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LixAlyTiz(PO4)3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14Li2O-9Al2O3-38TiO2-39P2O5などのような(LiAlTiP)xOy系ガラス(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LixLayTiO3、0<x<2、0<y<3)、Li3.25Ge0.25P0.75S4などのようなリチウムゲルマニウムチオホスフェート(LixGeyPzSw、0<x<4、0<y<1,0<z<1、0<w<5)、Li3Nなどのようなリチウムナイトライド(LixNy、0<x<4、0<y<2)、Li3PO4-Li2S-SiS2などのようなSiS2系ガラス(LixSiySz、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、LiI-Li2S-P2S5などのようなP2S5系ガラス(LixPySz、0<x<3、0<y<3、0<z<7)またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0118】
多孔性コーティング層の無機物粒子の大きさは制限されないが、均一な厚さのコーティング層の形成及び適切な孔隙率のために、0.001~10μmであることが望ましい。0.001μm未満である場合、無機物粒子の分散性が低下し、10μmを超過する場合、多孔性コーティング層の厚さが増加して機械的物性が低下し、かつ大きすぎる気孔サイズによって電池の充放電時に内部短絡の起こる確率が高くなる。
【0119】
多孔性コーティング層を形成するバインダー高分子としては、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene:PVdF)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリアリレート(polyarylate)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)及びカルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)からなる群より選択されたいずれか一つのバインダー高分子またはこれらの二種以上の混合物を使用し得るが、これらに制限されない。
【0120】
前記多孔性コーティング層に使用される無機物粒子とバインダー高分子の組成比は、例えば、50:50~99:1、または70:30~95:5であり得る。バインダー高分子に対する無機物粒子の含量比がこのような範囲を満たす場合、分離膜の熱的安全性を改善することができ、無機物粒子同士の間に形成される空間が充分に確保されて気孔サイズ及び気孔度が維持され、最終電池性能が改善され、かつバインダー高分子含量が滴定水準で含まれて多孔性コーティング層の耐剥離性が改善されることが可能である。前記多孔性コーティング層の厚さは特に制限されないが、0.01~20μmの範囲が望ましい。また、気孔サイズ及び気孔度も特に制限されないが、気孔サイズは0.001~10μmの範囲が望ましく、気孔度は10~90%の範囲が望ましい。気孔サイズ及び気孔度は主に無機物粒子の大きさに依存し、例えば、粒径が1μm以下の無機物粒子を使用する場合、形成される気孔も約1μm以下になる。このような気孔構造は、後に注液される電解液で満たされるようになり、このように満たされた電解液は、イオン伝達の役割を果たすようになる。気孔サイズ及び気孔度がこのような範囲を満たす場合、抵抗層として作用せず、機械的物性が改善される。
【0121】
前記多孔性コーティング層は、分散媒にバインダー高分子を溶解または分散させた後、無機物粒子を添加して多孔性コーティング層の形成のためのスラリーを得、このようなスラリーを基材の少なくとも一面にコーティング及び乾燥することで形成され得る。分散媒としては、使用しようとするバインダー高分子と溶解度指数が類似であり、沸点(boiling point)が低いことが望ましい。これは、均一な混合と後に分散媒の除去を容易にするためである。使用可能な分散媒の非制限的な例としては、アセトン(acetone)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、メチレンクロリド(methylene chloride)、クロロホルム(chloroform)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone;NMP)、シクロヘキサン(cyclohexane)、水またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0122】
前記バインダー高分子が分散媒に分散されている分散液に無機物粒子を添加した後、無機物粒子の破砕を行うことが望ましい。この際、破砕時間は1~20時間が適切であり、破砕された無機物粒子の粒度は、前述したように0.001~10μmであることが望ましい。破砕方法としては、通常の方法を用いることができ、特に、ボールミル(ball mill)法が望ましい。
【0123】
その後、無機物粒子が分散しているバインダー高分子分散液を10~80%の湿度条件下で多孔性高分子基材の少なくとも一面にコーティングして乾燥する。前記分散液を多孔性高分子基材の上にコーティングする方法は、当業界における公知のコーティング方法を用い得る。例えば、ディップ(Dip)コーティング、ダイ(Die)コーティング、ロール(roll)コーティング、コンマ(comma)コーティングまたはこれらの混合方式などの多様な方式を用い得る。
【0124】
多孔性コーティング層の成分として前述した無機物粒子及びバインダー高分子の他に、導電材などのその他の添加剤をさらに含み得る。
【0125】
本発明による最終に製作された分離膜は、1~100μmまたは5~50μmの厚さを有し得る。厚さが1μm未満であれば、分離膜の機能が充分に発揮されず、機械的特性の劣化が発生し、100μmを超過する場合、高率充放電時における電池の特性が劣化し得る。また、40~60%の孔隙率を有し、150~300秒/100mLの通気度を有し得る。
【0126】
本発明の一具現例によれば、前記多孔性高分子基材としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン系のものを使用し得る。また、多孔性コーティング層において無機物粒子としては、Al酸化物、Si酸化物系のコーティング物質を使用し得る。
【0127】
本発明の一具現例による分離膜を使用する場合、多孔性高分子基材の両側に多孔性コーティング層を有しているため、電解液に対する含浸性能の向上によって均一な固体電解質界面層を形成することができ、従来の断面無機物コーティング分離膜と比較して優位の通気度を確保することができる。例えば、120s/100cc以内であり得る。また、両面に無機物多孔性コーティング層を備えても、従来の片面無機物コーティング分離膜水準の厚さを具現することができる。例えば、15.0μm以内であり得る。
【0128】
また、本発明の一具現例による分離膜を使用する場合、分離膜の安定性が改善されて耐熱及び耐圧縮特性を確保することができる。具体的には、180℃を基準にして5%以内の熱収縮特性を有する耐熱特性を確保することができ、550gf以上の穿刺強度(Puncture strength)の物性を確保することができ、このような分離膜を採用した電池のサイクル中にコア変形(core deformation)が発生したとき、段差部における分離膜の損傷または貫通を防止することができる。
【0129】
前記絶縁コーティング層は、絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーを含む。
【0130】
前記絶縁コーティング層用フィラーは、前述した多孔性コーティング層に含まれる無機物粒子より選択して適用され、前記絶縁コーティング層用バインダーは、前述した多孔性コーティング層に含まれるバインダー高分子より選択して適用され得る。前記絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーは、各々独立的に前述した多孔性コーティング層に含まれる無機物粒子及びバインダー高分子とその種類が同一であるか、または相違し得る。
【0131】
本発明の一具現例によれば、前記絶縁コーティング層用フィラーの非制限的な例としては、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、ハフニア(HfO2)、SrTiO3、SnO2、CeO2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO2、Y2O3、Al2O3、TiO2、SiCまたはこれらの混合物などが挙げられる。
【0132】
本発明の一具現例によれば、前記絶縁コーティング層用バインダーの非制限的な例としては、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene:PVdF)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)。ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリアリレート(polyarylate)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)及びカルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)からなる群より選択されたいずれか一つのバインダー高分子またはこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
【0133】
本発明の一具現例によれば、前記絶縁コーティング層に使用される絶縁コーティング層用フィラーと絶縁コーティング層用バインダーの組成比は、例えば、50:50~99:1、または70:30~95:5であり得る。
【0134】
本発明の一具現例によれば、前記絶縁コーティング層用フィラーの平均粒径が前記無機フィラーの平均粒径よりも小さくてもよい。具体的には、前記絶縁コーティング層用フィラーの平均粒径が前記無機フィラーの平均粒径の10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下であり得る。前記絶縁コーティング層用フィラーの平均粒径が前記無機フィラーの平均粒径よりも小さいか、またはこのような割合条件を満たす場合に、前記絶縁コーティング層内にフィラーのパッキング密度が増加して分離膜の熱収縮現象をさらに抑制可能である。
【0135】
本発明の一具現例によれば、前記分離膜において横方向の両端に形成された絶縁コーティング層は、電極組立体内で電極(正極及び負極)の非塗布部と接触するようになり、前記絶縁コーティング層が電極の活物質層と直接接触しないように絶縁層の幅を調節し得る。例えば、前記絶縁コーティング層一つの幅が前記分離膜の幅方向における全長の0.1%以上、0.5%以上、1%以上、3%以上、5%以下、7%以下、9%以下、10%以下であり得る。
【0136】
本発明の一具現例によれば、前記絶縁コーティング層の垂直断面の形状が四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円または半楕円形の構造を有し得る。前記絶縁コーティング層は、電極の非塗布部領域と接触するようになるので、非塗布部領域との密着性を高めるために、四角形、台形、平行四辺形の形態がより望ましい。
【0137】
図3は、本発明の一具現例による分離膜の製造段階を示した概略図である。
【0138】
図3を参照すると、本発明の一具現例による分離膜の製造方法は、以下の通りである。
【0139】
先ず、多孔性高分子基材1(分離膜原反、スリッティング(slitting) されていない大きい原反)を準備する(段階a)。
【0140】
その後、分散媒にバインダー高分子を溶解または分散させた後、無機物粒子を添加して多孔性コーティング層を形成するためのスラリーを得、このようなスラリーを前記多孔性基材1の片面または両面にコーティングして乾燥することで、多孔性コーティング層を形成する(段階b)。
【0141】
続いて、絶縁性コーティング層用分散媒に絶縁コーティング層用バインダーを溶解または分散させた後、絶縁コーティング層用フィラーを添加して絶縁コーティングの形成のためのスラリーを得、このスラリーを前記分離膜の最外側における横方向の両端部に所定の幅を有するようにコーティングして乾燥して絶縁コーティング層を形成する(段階c)。
【0142】
その後、前記絶縁コーティング層が形成された分離膜原反においてバッテリーセルの組み立てに求められる幅に合わせてスリッティングし、最終的に多孔性高分子基材の上に、多孔性コーティング層及び絶縁コーティング層が順次に形成された分離膜を製造する(段階d)。
【0143】
以下、本発明による円筒形バッテリーセルについて説明する。
【0144】
本発明による円筒形バッテリーセルは、正極板、負極板及び前記正極と負極との間に介在された分離膜が一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、前記電極組立体が収納される電池缶と、前記電池缶の開放端部を密封する密封体と、を含み得る。
【0145】
望ましくは、本発明による円筒形バッテリーセルは、フォームファクターの比(円筒形電池の直径を高さで割った値、即ち、高さHに対する直径Фの割合に定義される。)が0.4以上である大型の円筒形バッテリーセルであり得る。ここで、フォームファクターとは、円筒形バッテリーセルの直径及び高さを示す値を意味する。
【0146】
本発明による円筒形バッテリーセルは、例えば、46110セル(直径46mm、高さ110mm、フォームファクターの比0.418)、48750セル(直径48mm、高さ75mm、フォームファクターの比0.640)、48110 セル(直径48mm、高さ110mm、フォームファクターの比0.418)、48800セル(直径48mm、高さ80mm、フォームファクターの比0.600)、46800セル((直径46mm、高さ80mm、フォームファクターの比0.575)であり得る。フォームファクターを示す数値において、最初の数字二つはセルの直径を示し、その次の数字二つはセルの高さを示し、最後の数字0は、セルの断面が円形であることを示す。
【0147】
本発明による円筒形バッテリーセルは、単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質を適用して従来に比べてガス発生量を大幅に減少させており、これによって、フォームファクターの比が0.4以上である大型の円筒形バッテリーセルにおいても優秀な安全性を具現することができる。
【0148】
一方、本発明による円筒形バッテリーセルは、望ましくは、電極タブを含まないタブレス(Tab-less)構造の電池であり得るが、これに限定されない。
【0149】
前記タブレス構造の電池は、例えば、正極板及び負極板が各々活物質層が形成されていない非塗布部を含み、電極組立体の上端及び下端に各々正極板非塗布部及び負極板非塗布部が位置し、前記正極板非塗布部及び負極板非塗布部に集電プレートが結合しており、前記集電プレートが電極端子と接続している構造であり得る。
【0150】
本発明の実施例による電極組立体は、シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体である。
【0151】
望ましくは、第1電極板及び第2電極板の少なくとも一つは、巻取方向における長辺端部に活物質がコーティングされていない非塗布部を含む。非塗布部の少なくとも一部は電極タブとして使用される。非塗布部は、電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、コア側非塗布部と外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含む。
【0152】
望ましくは、コア側非塗布部と外周側非塗布部の少なくとも一つは、中間非塗布部よりも高さが相対的に低い。
【0153】
説明の便宜上、本明細書においてゼリーロールの形態で巻き取られる電極組立体の巻取軸の長手方向に沿う方向を軸方向Yとする。そして、前記巻取軸を囲む方向を円周方向または周方向Xとする。そして、前記巻取軸に近くなるとか、または巻取軸から遠くなる方向を半径方向または放射方向Zとする。これらのうち、特に巻取軸に近くなる方向を求心方向、巻取軸から遠くなる方向を遠心方向とする。
【0154】
先ず、本発明の実施例による電極組立体について説明する。
【0155】
前記電極組立体は、第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とを含み、前記第1電極板と第2電極板と分離膜とが軸を中心にして一方向へ巻き取られて複数の巻回ターンを有する。また、前記第1電極板及び第2電極板は、各々独立的に第1側部(side)及び第2側部を含み、前記第1側部及び第2側部は、軸方向において互いに反対側に配置されている。
【0156】
本発明の一実施様態において、前記第1及び第2電極板は、長方形のシート状であり得る。また、前記第1及び第2電極板は、縦横比が1を超過するシート状であり得る。この際、前記各電極板の幅方向における末端の各辺が第1側部及び第2側部となる。
【0157】
図7は、本発明の第1実施例による電極板40の構造を示した平面図である。
【0158】
図7を参照すると、前記第2側部は、巻取軸方向Yにおいて電極活物質部42の最下端部に沿って形成された辺であり、前記第1側部は、巻取軸方向Yにおいて非塗布部43の最上端部に沿って形成された辺である。
【0159】
前記第1電極板及び第2電極板は、各々独立的に少なくとも一表面または両表面に電極活物質で被覆された電極活物質部である第1部分を含む。前記第1部分は、第2側部から第1側部の方向へ所定の長さが延びているものである。
図4は、電極組立体の巻取前の電極板の形態を示す。これを参照すると、前記電極活物質部は、第2側部から軸方向へ非塗布部が始まる部分まで電極板の全長にかけて一定の幅を有し得る。
【0160】
前記第2部分は、電極活物質がコーティングされていない非塗布部である。前記第2部分は、電極タブを形成するものであって、前記第1側部から第2側部の方向へ第1部分の電極活物質部まで延びている。
【0161】
本発明の一実施様態において、前記非塗布部の少なくとも一部区間は、所定の高さの切開溝によって複数の分節片に分割されている(図示せず)。
【0162】
前記分節片は、第1側部と相応する第1末端を有する。本発明の一実施様態において、前記分節片の全部または少なくとも一部は、前記第1末端の下方の分節片内におけるある一地点である折曲地点において軸に対して放射状に折り曲げられており、この際、前記分離膜のある一側末端が前記折曲地点と、第1部分と第2部分の境界線との間に位置し得る。本発明のより具体的な実施様態によれば、前記分離膜のある一側末端は、前記折曲地点と基準線との間に位置するか、または基準線の下方に位置し得る。
【0163】
なお、具体的な一実施様態において、前記折曲地点は、前記第1末端と基準線との間における所定の地点であり得る。
【0164】
このように本発明による集電体において、非塗布部は複数の分節片を含み、この際、前記分離膜は、前記分節片の間の切開溝のノッチング谷が分離膜で覆われて露出しないように配置され得る。このような分離膜の配置については、以下で詳細に説明する。
【0165】
本発明において、前記分節片は各々、第1末端の高さが異なってもよく、切開溝毎にその形状が異なってもよく、切開溝のノッチング谷の高さも異なってもよい。即ち、分節片の形状と大きさ、切開溝の形状と大きさが互いに異なり得る。
【0166】
一方、前記分節片の高さは、当該分節片を規定する切開溝のノッチング谷から当該分節片の第1末端に至る軸方向の距離C2、D2に規定され得る。当該分節片を基準にして両側の切開溝のノッチング谷の高さが異なる場合、当該分節片の高さは、前記両側の切開溝のノッチング谷の平均高さとなる位置から前記分節片の第1末端に至る軸方向の距離に規定され得る。
【0167】
一方、本発明において、前記基準線とは、切開溝のノッチング谷に対応する高さを巻取方向Xへ延ばした仮想の直線を指す。
【0168】
前記第1及び第2電極板は、各々独立的に伝導性薄膜である集電体及び前記集電体の一側または両側の表面上に配置された電極活物質層を含み得る。前記活物質層は、電極板において第1部分を形成する。
【0169】
前記シート状の第1及び第2電極板は、縦横比が1を超過するものであり得る。この際、前記非塗布部は、第1電極板及び第2電極板の少なくとも一つは巻取方向の長辺端部に形成され得る。前記非塗布部の少なくとも一部は電極タブとして使用される。
【0170】
本発明の一実施様態において、前記非塗布部は、電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、コア側非塗布部と外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含む。
【0171】
望ましくは、コア側非塗布部と外周側非塗布部の少なくとも一つは、中間非塗布部よりも高さが相対的に低くてもよい。
【0172】
一方、本明細書において、説明の便宜上、「高さ」とは、巻取方向xの所定の位置から軸方向へ第1側部までの距離(長さ)を意味し得る。本明細書において、非塗布部/ノッチング谷の高さ(高さ)を説明することにおいては、このような高さの絶対値よりも、巻取方向において相異なる位置で測定される高さの相対的な数値が意味を有するため、前記非塗布部/ノッチング谷の高さを測定することにおいて、その高さ測定の基準になる線(零点)に対する規定は省略され得る。本発明の一実施様態において、前記非塗布部の高さは、巻取軸方向に対する任意の垂線を基準にした特定地点における相対的な距離であり得る。例えば、前記高さ測定の基準になる線(零点)は、第2側部であり得る。
【0173】
一方、より具体的には、前記非塗布部の高さにおいて、分節片が形成されていない区間では第1側部までの距離を意味し、分節片が形成された区間では、前記第1側部は分節片の第1末端と相応する位置を意味し、分節片の間の切開溝を構成する部分は、分節片が形成された区間における非塗布部の高さを測定する場合に考慮されない。
【0174】
また、前記ノッチング谷の高さは、切開溝において最も低い高さを有する部分を基準にして測定されるものである。
【0175】
図7を参照すると、第1実施例の電極板40は、金属ホイルからなる集電体41及び活物質層42を含む。金属ホイルは、アルミニウムまたは銅であってもよく、電極板40の極性に応じて適切に選択される。活物質層42は、集電体41の少なくとも一面に形成され、巻取方向Xの長辺端部に非塗布部43を含む。非塗布部43は、活物質がコーティングされていない領域である。活物質層42と非塗布部43との境界には、絶縁コーティング層44が形成され得る。絶縁コーティング層44は、少なくとも一部が活物質層42と非塗布部43との境界と重畳するように形成される。絶縁コーティング層44は、高分子樹脂を含み、Al
2O
3のような無機物フィルターを含み得る。
【0176】
非塗布部43は、電極組立体のコア側と隣接するコア側非塗布部B1と、電極組立体の外周側と隣接する外周側非塗布部B3と、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3との間に介在された中間非塗布部B2と、を含む。
【0177】
コア側非塗布部B1、外周側非塗布部B3及び中間非塗布部B2は、電極板40がゼリーロール型の電極組立体として巻き取られたとき、各々コア側に隣接する領域の非塗布部と、外周側に隣接する領域の非塗布部と、これらを除いた残りの領域の非塗布部に定義され得る。B1とB2の境界は、電極組立体のコア側から外周側へ進みながら非塗布部の高さ(または変化パターン)が実質的に変わる地点、または電極組立体の半径を基準にして所定%の地点(例えば、半径の5%、10%、15%地点など)として適切に定義され得る。B2とB3の境界は、電極組立体の外周側からコア側へ進みながら非塗布部の高さ(または変化パターン)が実質的に変わる地点、または電極組立体の半径を基準にして所定%の地点(例えば、半径の85%、90%、95%地点など)として定義され得る。B1とB2の境界及びB2とB3の境界が特定されると、中間非塗布部B2は自然に特定され得る。もし、B1とB2の境界のみが特定される場合、B2とB3の境界は電極組立体の外周側付近の地点で適切に選択可能である。一方、B2とB3の境界のみが特定される場合、B1/B2の境界は、電極組立体のコア側付近の地点で適切に選択可能である。第1実施例において、非塗布部43の高さは一定ではなく、巻取方向Xにおいて相対的な差がある。即ち、外周側非塗布部B3の高さ(Y軸方向の長さ)は、コア側非塗布部B1及び中間非塗布部B2よりも相対的に小さい。
【0178】
図8は、本発明の第2実施例による電極板45の構造を示した平面図である。
【0179】
図8を参照すると、第2実施例の電極板45は、第1実施例と比較して外周側非塗布部B3の高さが外周側へ進むほど漸進的に減少することのみが異なり、残りの構成は実質的に同一である。
【0180】
一変形例において、外周側非塗布部B3は、高さが段階的に減少する階段状(点線参照)に変形可能である。
【0181】
図9は、本発明の第3実施例による電極板50の構造を示した平面図である。
【0182】
図9を参照すると、第3実施例の電極板50は、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3の高さは、中間非塗布部B2よりも相対的に小さい。また、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3の高さは同一であるか、または相異なり得る。
【0183】
望ましくは、中間非塗布部B2の高さは、コア側から外周側へ進むほど段階的に増加する階段状であり得る。
【0184】
第1パターン~第7パターンは、非塗布部43の高さが変化する位置を中心にして中間非塗布部B2を区分したものである。望ましくは、パターンの数と各パターンの高さ(Y軸方向の長さ)と幅(X軸方向の長さ)は、非塗布部43の折曲過程で応力を最大限に分散させるように調節され得る。応力分散は、非塗布部43の破れを防止するためである。
【0185】
コア側非塗布部B1の幅dB1は、中間非塗布部B2のパターンをコア側へ折り曲げたとき、電極組立体コアの空洞を遮らない条件を適用して設計する。
【0186】
一例として、コア側非塗布部B1の幅dB1は、パターン1の折曲長さに比例して増加し得る。折曲長さは、パターンの折曲地点を基準にしたパターンの高さとなる。
【0187】
具体的な例において、電極板60が、フォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体の製造に使用される場合、コア側非塗布部B1の幅dB1は、電極組立体コアの直径に応じて180~350mmに設定し得る。
【0188】
一実施例において、各パターンの幅は、電極組立体の同じ巻取ターンを構成するように設計され得る。
【0189】
一変形例において、中間非塗布部B2の高さは、コア側から外周側へ進むにつれて増加してから減少する階段状であり得る。
【0190】
他の変形例において、外周側非塗布部B3は、第2実施例と同じ構造を有するように変形され得る。
【0191】
また、他の変形例において、中間非塗布部B2に適用されたパターン構造が外周側非塗布部B3まで拡張され得る(点線参照)。
【0192】
図10aは、本発明の第4実施例による電極板60の構造を示した平面図である。
【0193】
図10aを参照すると、第4実施例の電極板60は、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3の高さが、中間非塗布部B2よりも相対的に小さい。また、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3の高さは同一であるか、または異なり得る。
【0194】
望ましくは、中間非塗布部B2は、少なくとも一部区間が複数の分節片61を含み得る。複数の分節片61は、コア側から外周側へ進むにつれて高さが段階的に増加し得る。
【0195】
本発明において、前記分節片は、その全部または少なくとも一部が電極組立体の半径方向(巻取中心方向)または半径と反対方向へ折り曲げられる。前記分節片の折曲は、ノッチング谷(切開溝の底部)から上方へ所定の高さに離隔した位置で行われ得る。本願発明において、前記分節片が外力によって実際に中心方向へ曲げられて発生した部分において接線の傾きが45゜以下になり始める地点を折曲地点とする。前記接線の傾きとは、折曲地点に対する接線と、電極組立体の巻取軸に対して垂直な平面とがなす角度を意味する。一方、前記折曲地点を含み、基準線と水平な線を折曲線とする。
【0196】
一方、本発明において、前記複数の切開溝のノッチング谷に対応する高さは、互いに同一または相違し得る。
【0197】
前記高さが互いに同じ場合には、ノッチング谷の高さを巻取方向Xへ延ばした仮想の直線を基準線にする。
【0198】
もし、切開溝のノッチング谷の多くが特定の高さに位置し、一部の切開溝のノッチング谷の高さのみが前記特定の高さと異なる場合には、前記基準線は、前記特定の高さに対応する高さに決定され得る。例えば、ノッチング谷の50%以上が特定の高さに位置する場合には、前記基準線はこれらノッチング谷の高さに対応する高さとして決定され得る。または、巻取方向において最多の長さを占める切開溝のノッチング谷の高さを基準にして前記基準線を決定し得る。例えば、巻取方向において切開溝のノッチング谷が占める全長において2/3程度が第1高さを有しており、巻取方向において切開溝のノッチング谷が占める全長の残り1/3となる切開溝のノッチング谷の高さが第1高さと異なる場合、前記基準線は、前記第1高さに対応する位置として規定され得る。
【0199】
なお、切開溝のノッチング谷の高さが特定の高さに集中していない場合(最多に集中した切開溝が50%未満である場合)、前記基準線は、前記切開溝のノッチング谷の高さを平均した高さとして決定され得る。例えば、切開溝のノッチング谷の高さがxであるものが巻取方向において占める長さが30%であり、切開溝のノッチング谷の高さがyであるものが巻取方向において占める長さが30%であり、切開溝のノッチング谷の高さがzであるものが巻取方向において占める長さが40%であれば、基準線は、x×0.3+y×0.3+z×0.4になり得る。前記ノッチング谷の高さは、巻取軸方向に対する任意の垂線を基準にした特定の地点における相対的な距離であり得る。例えば、前記切開溝の高さは、第2側部からの切開溝までの距離を基準にし得る。
【0200】
一方、本発明の一実施様態において、前記折曲地点は、前記ノッチング谷から約2mm~3mmの上方に位置し、基準線と平行に配置され得る。
【0201】
一方、本発明の一実施様態において、前記基準線は、前記非塗布部において最小高さを有する地点を巻取方向Yへ延ばした線と同一であるか、または相違し得る。具体的な一実施様態において、前記基準線は、前記非塗布部において最小高さを有する地点を巻取方向へ延ばした線と同一であり得る。
【0202】
分節片61は、レーザーでノッチングされたものであり得る。分節片61は、超音波カッティングや打抜けなど公知の金属箔のカッティング工程によって形成し得る。
【0203】
第4実施例において、非塗布部43の折曲加工時、活物質層42及び/または絶縁コーティング層44の損傷を防止するために、分節片61の間の切断ラインの下端と活物質層42との間に所定の隙間をおくことが望ましい。非塗布部43が折り曲げられるとき、切断ラインの下端付近に応力が集中するためである。隙間は、0.2~4mmであることが望ましい。隙間が当該数値範囲に調節されると、非塗布部43の折曲加工時に発生する応力によって切断ラインの下端付近の活物質層42及び/または絶縁コーティング層44が損傷することを防止することができる。また、隙間は、分節片61のノッチングまたはカッティング時に公差による活物質層42及び/または絶縁コーティング層44の損傷を防止し得る。望ましくは、電極板40が電極組立体として巻き取られたとき、絶縁コーティング層44の少なくとも一部は、分離膜の外側に露出し得る。この場合、分節片61が折り曲げられるとき、絶縁コーティング層44がノッチング谷を支持し得る。
【0204】
前記分節片のノッチング谷と前記活物質層との間の隙間は、望ましくは1.0mm以上であり得る。これは、当該電極が負極である場合にさらに有効であり得る。
【0205】
前記分節片のノッチング谷と前記活物質層との間の隙間は、より望ましくは2.0mm以上であり得る。これは、当該電極が正極である場合にさらに有効であり得る。
【0206】
上記範囲よりも小さい隙間は、上述した損傷防止効果を充分に発揮せず、上記範囲よりも大きい隙間は、損傷防止効果は増加することなく電極の容量のみが減少する結果をもたらし得る。
【0207】
前記活物質層がコーティングされていない非塗布部領域と、前記活物質層がコーティングされた領域との境界部位は絶縁層によってカバーされてもよく、この際、前記分節片のノッチング谷と前記絶縁層との間にも所定の隙間が備えられ得る。
【0208】
このような隙間は、0.2mm~1.5mmであり得る。
【0209】
上記範囲よりも小さい隙間は、上述した損傷防止効果を充分に発揮せず、上記範囲よりも大きい隙間は、損傷防止効果は増加せず絶縁コーティング層の分節片に対する折曲支持効果を減少させる結果をもたらし得る。
【0210】
複数の分節片61は、コア側から外周側へ進むにつれ、複数の分節片グループをなし得る。同じ分節片グループに属した分節片の幅、高さ及び離隔ピッチは、実質的に同一であり得る。
【0211】
図10a及び
図12aにおいて、第4実施例の電極板60の活物質層42及び/または絶縁コーティング層44と接触する分離膜SPが備えられて電極組立体として形成され得る。
【0212】
図10b、
図10c、
図11、
図12b及び
図12cを参照して、本発明の一具現例による電極組立体において電極板の非塗布部側に分離膜の端部が位置する地点を説明する。
【0213】
図7b、
図7c、
図8、
図9b及び
図9cを参照して、本発明の電極組立体において電極板の非塗布部側に分離膜の端部が位置する地点をより具体的に説明する。
【0214】
前記図面を参照して本願発明の一実施様態を例を挙げて説明すると、前記非塗布部は複数の分節片を含み、前記複数の分節片間のノッチング谷の深さは、互いに同一であり得る。この際、前記ノッチング谷の深さに対応する地点を延ばした線を基準線とする。
【0215】
この際、前記基準線は、前記コア側非塗布部、外周側非塗布部及び中間非塗布部のうち最も小さい高さを前記非塗布部の両端部に連結した線に対応し得る。
【0216】
本発明において、前記分離膜の幅方向の末端SLは、前記折曲地点と基準線DLとの間に位置するか、または基準線から電極組立体の内側方向に位置する。ここで、前記電極組立体の外側方向とは、電極板の活物質層から非塗布部側に向かう方向、即ち、第1側部に向かう方向を意味し、内側方向とは、外側方向の反対方向、即ち、第2側部に向かう方向を意味する。
【0217】
また、本発明の一実施様態において、前記電極組立体は、前記折り曲げられた分節片のうち隣接する巻回ターンの分節片が半径方向または反対方向へ連続的に重畳して巻取軸方向の上端または下端に形成された表面領域を有し得る。この際、前記表面領域において巻取軸方向の最大高さ(最高点)と前記基準線との間の最短距離を表面領域の高さHSとするとき、前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記表面領域の高さHSの90%以内に前記電極組立体の外側方向に位置するか、または前記電極組立体の内側方向に配置され得る。
【0218】
本発明の一具現例によれば、分離膜の幅方向の端部が前記基準線に近く位置するように制御することで、電解液がノッチング谷(空き空間)に沿って電極組立体内へ流入するので含浸に有利である。具体的には、電解液が電極組立体に投入され、この際、電解液は分節片間の切開溝へ移動し、この際、ノッチング谷、即ち、前記基準線に近接して位置する分離膜の末端にさらに電解液が含浸され、最終的には電極の活物質層内へ含浸するようになる。その結果、電極組立体内における電解液の含浸均一性が増加する。
【0219】
前記分離膜の幅方向の末端がゼリーロールの外側、即ち、電極組立体の外側方向へ外れるほど溶接特性に否定的な影響を与えるようになり、前記分離膜の幅方向の末端がゼリーロールの内側、即ち、電極組立体の内側方向へ進むほど正極と負極が短絡する危険が大きくなるため、問題になり得る。
【0220】
そこで、本発明の前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記電極組立体の外側方向に位置するか、または前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記電極組立体の内側方向に位置するようにし、より望ましくは、表面領域の高さHSに対して90%以下に配置されるように制御する。
【0221】
一方、本発明の一実施様態において、複数の分節片のうち折り曲げられた分節片の中で最も小さい高さを有する分節片を最小折曲分節片とすると、前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記最小折曲分節片の高さHaの50%未満、40%以内、30%以内、20%以内または10%以内に前記電極組立体の外側方向(第1側部方向)に位置し得る。望ましくは、30%以内に電極組立体の外側方向に位置し得る。この際、前記分離膜は、前記分節片間の切開溝のノッチング谷が分離膜によって覆われて露出しないように配置され得る。
【0222】
分離膜の位置が前記範囲を超過して分節片の第1末端により近く配置される場合には、後に分節片を溶接するとき、分離膜が熱によって損傷する恐れがある。さらに他の実施様態によれば、前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記最小折曲分節片の高さHaの30%以内、20%以内または10%以内に前記電極組立体の内側方向(第2側部方向)に位置し得る。このように基準線の下方に配置される場合には、前記ノッチング谷の全部または少なくとも一部が分離膜によって覆われることなく露出され得る。
【0223】
前記
図7b、
図7c、
図9bまたは
図9cによれば、第1グループの分節片が最小折曲分節片であってもよく、分離膜の幅方向の一側末端が基準線を基準にして前記最小折曲分節片の高さHaの50%未満または30%以内に前記電極組立体の外側方向(第1側部方向)に位置するか、または前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記最小折曲分節片の高さHaの30%以内に前記電極組立体の内側方向(第2側部方向)に位置し得る。より具体的には、前記第1グループの分節片が最小折曲分節片であってもよく、分離膜の幅方向の一側末端が基準線を基準にして前記最小折曲分節片の高さHaの30%以内に前記電極組立体の外側方向(第1側部方向)に位置し得る。
図7bまたは
図9bを参照すれば、分離膜の一側末端が基準線の上方に配置されると、分離膜の一側末端はHbの間に位置する。ここで、Hbの最大長さは、最小折曲分節片の高さ(長さ)の50%未満である。一方、分離膜の一側末端がDLの下方に位置する場合には、Hbの最大長さは最小折曲分節片の高さの30%である。
【0224】
即ち、本発明において分離膜を配置する基準となる分節片は、折り曲げられた分節片のうちその高さが最小である分節片を意味し得、それを最小折曲分節片とする。
【0225】
本発明の具体的な一実施様態において、前記最小折曲分節片は2mm以上であってもよく、この際、前記最小折曲分節片の高さは折曲地点の高さよりも高い。分節片の高さが2mm未満である場合、分離膜と分節片との干渉によって分節片の折曲げが円滑に行われない可能性がある。このことから、前記最小分節片は、2mm以上の高さを有する分節片のうちで決定され得る。
【0226】
本発明の一実施様態によれば、前記最小折曲分節片において、前記折曲線を基準にして基準線から折曲線までの高さAは、折曲線から分節片の高さBまでの長さと同一であるか、または長くてもよい。または、前記最小折曲分節片において、前記折曲線を基準にして基準線から折曲線までの高さAは、折曲線から分節片の高さBまでの長さと同一であるか、または短くてもよい。
【0227】
また、本発明の一具現例において、前記電極組立体は、前記最小折曲分節片よりも高さが小さい分節片(分節片A)をさらに含み得る。この際、前記分節片Aは折り曲げられていない。具体的な実施様態において、前記分節片Aは、複数の分節片のうち他の分節片に比べてコア部に近く配置され得る。
【0228】
本発明の一具現例において、前記電極組立体は、前記最小折曲分節片よりも高さが小さい分節片を含まず、前記最小折曲分節片が最小分節片であり得る。
【0229】
本発明の一具現例によれば、前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして1.5mm以内に前記電極組立体の外側方向に位置するか、または前記分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして1.5mm以内に前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0230】
図11は、本発明の実施例による分節片61の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【0231】
図11を参照すると、分節片61の幅C1、高さC2及び離隔ピッチC3は、非塗布部43の折曲加工時における非塗布部43の破れを防止し、溶接強度を向上させるために非塗布部43の重畳レイヤー数を充分に増加させながら非塗布部43の異常変形を防止するように設計する。異常変形は折曲地点C4の下部の非塗布部が直線状態を維持できずに潰れ、不規則に変形されることを意味する。
【0232】
本発明の一実施様態によれば、望ましくは、分節片61の幅C1は、1~6mmの範囲で調節し得る。C1が1mm未満であれば、分節片61がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度を充分に確保可能なほどに重畳しない領域または空間(隙間)が発生する。一方、C1が6mmを超過すると、分節片61が折り曲げられるとき、折曲地点C4付近の非塗布部43が応力によって破れる可能性がある。また、分節片61の高さは2~10mmの範囲で調節し得る。C2が2mm未満であれば、分節片61がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度を充分に確保可能な程度に重畳しない領域または空間(隙間)が発生する。一方、C2が10mmを超えると、巻取方向Xへ非塗布部の平坦度を均一に維持して電極板を製造しにくい。即ち、非塗布部の高さが高くなり、うねりが発生する。
【0233】
また、分節片61の離隔ピッチC3は、0.05~1mmの範囲で調節し得る。C3が0.05mm未満であれば、分節片61が折り曲げられるとき、応力によって折曲地点C4付近の非塗布部43が破れ得る。一方、C3が1mmを超過すると、分節片61が折り曲げられたときに溶接強度を充分に確保可能な程度に分節片61が互いに重畳しない領域または空間(隙間)が発生し得る。
【0234】
本発明の一実施様態において、前記二つの分節片のコーナーの間は、真っすぐに連結され得る。即ち、前記切開溝の底部は、巻取方向Xへ延びた扁平な直線状で備えられ得る。前記コーナー部位には、ラウンド補強部が付加され得る。
【0235】
前記ラウンド補強部の半径rは、0.02mm以上であり得る。当該半径がそれ以上になれば、応力分散の効果を確実に図ることができる。前記ラウンド補強部の半径は0.1mm以下であり得る。当該半径が0.1mmを超過すると、応力分散効果はそれ以上に増加せず、切開溝の底部付近の空間が減少して、電解液の含浸性が阻害され得る。
【0236】
図10aをさらに参照すると、コア側非塗布部B1の幅d
B1は、中間非塗布部B2の分節片61をコア側へ折り曲げたとき、電極組立体のコアの空洞を遮らない条件を適用して設計する。
【0237】
一例で、コア側非塗布部B1の幅dB1は、グループ1の分節片61の折曲長さに比例して増加し得る。
【0238】
具体的な例において、電極板60が、フォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、コア側非塗布部B1の幅dB1は電極組立体コアの直径に応じて180~350mmに設定し得る。
【0239】
一実施例で、各分節片グループの幅は、電極組立体の同じ巻取ターンを構成するように設計され得る。
【0240】
一変形例において、同じ分節片グループに属した分節片61の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチは、グループ内で漸進的に及び/または段階的に及び/または不規則的に増加または減少し得る。
【0241】
第1グループから第7グループは、分節片グループの一例に過ぎない。グループの数と、各グループに含まれる分節片61の数は、非塗布部43の折曲過程で応力を最大限に分散させて溶接強度を充分に確保できるように分節片61が多重に重畳するように調節され得る。
【0242】
他の変形例において、外周側非塗布部B3の高さは第1実施例及び第2実施例と同様に漸進的にまたは段階的に減少し得る。また、中間非塗布部B2の分節構造は、外周側非塗布部B3まで拡張可能である(点線参照)。この場合、外周側非塗布部B3も中間非塗布部B2と同様に複数の分節片を含み得る。この場合、外周側非塗布部B3の分節片は、幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが中間非塗布部B2よりも大きくなってもよい。
【0243】
具体的な例において、電極板60が、フォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、8個のグループとして分節片が形成され得る。ここで、第1グループから第7グループの分割片は、中間非塗布部B2に形成され、第8グループの分節片は、前述した変形例のように外周側非塗布部B3に形成され得る。
【0244】
具体的な例において、コア側非塗布部B1の幅dB1は180~350mmであり得る。第1グループの幅は、コア側非塗布部B1の幅に対して35~40%であり得る。第2グループの幅は、第1グループの幅に対して130~150%であり得る。第3グループの幅は、第2グループの幅に対して120~135%であり得る。第4グループの幅は、第3グループの幅に対して85~90%であり得る。第5グループの幅は、第4グループの幅に対して120~130%であり得る。第6グループの幅は、第5グループの幅に対して100~120%であり得る。第7グループの幅は、第6グループの幅に対して90~120%であり得る。第8グループの幅は、第7グループの幅に対して115~130%であり得る。
【0245】
第1グループから第8グループの幅が一定の増加または減少パターンを示さない理由は、分節片の幅は第1グループから第8グループへ進むほど徐々に増加するが、グループ内に含まれる分節片の数は整数個に制限されるためである。そのため、特定の分節片グループでは、分節片の数が減少し得る。したがって、グループの幅は、コア側から外周側へ進むにつれ、前記の例示のように不規則な変化の様相を示し得る。
【0246】
即ち、電極組立体の半径方向に連続して隣接する3個の分節片グループ各々に対する巻取方向の幅を、各々W1、W2及びW3としたとき、W2/W1より もW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含み得る。
【0247】
前記具体的な例において、第4~第6グループがこれに該当する。第4グループに対する第5グループの幅の割合は120~130%であり、第5グループに対する第6グループの幅の割合は100~120%であって、その値が120~130%よりも小さい。
【0248】
図12aは、本発明の第5実施例による電極板70の構造を示した平面図である。
【0249】
図12aを参照すると、第5実施例の電極板70は、第4実施例と比較して分節片61’の形状が四角形から台形に変更されたことを除いては、残りの構成は第4実施例(または変形例)と実質的に同一である。
【0250】
図13は、台形分節片61’の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示す。
【0251】
図13を参照すると、分節片61’の幅D1、高さD2及び離隔ピッチD3は、非塗布部43の折曲加工時、折曲地点D4付近の非塗布部43が破れることを防止し、十分な溶接強度を確保するために非塗布部43の重畳レイヤー数を充分に増加させながら非塗布部43の異常変形を防止するように設計する。
【0252】
望ましくは、分節片61’の幅D1は1~6mmの範囲で調節し得る。D1が1mm未満であれば、分節片61’がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保可能な程度に分節片61’が重畳しない領域や空間(隙間)が発生し得る。一方、D1が6mmを超過すると、分節片61が折り曲げられるとき、折曲地点D4付近の非塗布部43が応力によって破れる可能性がある。また、分節片61’の高さは2~10mmの範囲で調節し得る。D2が2mm未満であれば、分節片61’がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保可能な程度に分節片61’が重畳しない領域や空間(隙間)が発生し得る。一方、D2が10mmを超えると、巻取方向へ非塗布部43の平坦度を均一に維持しながら電極板を製造しにくい。また、分節片61’の離隔ピッチD3は、0.05~1mmの範囲で調節し得る。D3が0.05mm未満であれば、分節片61’が折り曲げられるとき、応力によって折曲地点D4付近の非塗布部43が破れ得る。一方、D3が1mmを超過すると、分節片61’が折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保可能な程度に分節片61’が互いに重畳しない領域や空間(隙間)が発生し得る。
【0253】
前記分節片が台形の形態であるとき、離隔ピッチD3は、隣接する二つの分節片61’のコーナーの間の距離として規定され得る。隣接する二つの分節片のコーナーの間は直線形態で連結され得る。即ち、切開溝の底部は、巻取方向Xへ延びる扁平な直線形状で備えられ得る。
【0254】
前記コーナー部位には、ラウンド補強部がさらに提供され得る。これによって、コーナー部位に発生し得る応力集中現象を解消することができる。
【0255】
前記ラウンド補強部の半径rは、0.02mm以上であり得る。当該半径がそれ以上になれば、応力分散の効果を確実に図ることができる。
【0256】
前記ラウンド補強部の半径は、0.1mm以下であり得る。当該半径が0.1mmを超過すると、応力分散の効果はそれ以上増加せず、切開溝の底部付近の空間が減少して電解液の含浸性が阻害され得る。
【0257】
前記離隔ピッチC3、D3は、それを規定する隣接する分節片61、61’の巻取方向において測定される幅の大きさC1、D1に関連して決定され得る。例えば、分節片の巻取方向の幅が増加するほど、これらの間の離隔ピッチも増加する傾向を有することが望ましい。これによって、電極組立体の巻取方向に沿って電解液の含浸を均一に分布させることが可能である。
【0258】
前記分節片の巻取方向の幅は、前記電極組立体のコア側から外周側へ進むほど次第に増加するように設定し得る。前記分節片の巻取方向の幅は、前記電極組立体のコア側から外周側へ進むほど、漸進的に増加するか、または段階的に増加し得る。例えば、前記分節片の巻取方向の幅C1、D1は、1~6mmの範囲内に存在し、コア側へ進むほど小さくなり、外周側へ進むほど大きくなり得る。
【0259】
これによって、前記離隔ピッチC3、D3も、0.5~1mmの範囲内に存在し、前記電極組立体のコア側から外周側へ進むほど、漸進的に増加するか、または段階的に増加し得る。
【0260】
第5実施例において、複数の分節片61’は、コア側から外周側へ進むほど台形の下部内角θが増加し得る。電極組立体70の半径が増加すると、曲率が増加する。もし、分節片61’の下部内角θが電極組立体の半径が増加するにつれて共に増加すると、分節片61’が折り曲げられるとき、半径方向及び円周方向へ発生する応力を緩和させることができる。また、下部内角θが増加すると、分節片61’が折り曲げられたとき、内側の分節片61’と重畳する面積及び重畳レイヤー数も共に増加することで、半径方向及び円周方向において溶接強度が均一に確保でき、折曲面を平坦に形成できる。
【0261】
一例で、電極板70が、フォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、電極組立体70の半径が4mmから22mmまで増加するとき、分節片61’の内角は60°~85°区間で段階的に増加し得る。
【0262】
一変形例において、外周側非塗布部B3の高さは、第1実施例及び第2実施例と同様に漸進的にまたは段階的に減少し得る。また、中間非塗布部B2の分節構造は、外周側非塗布部B3まで拡張可能である(点線参照)。この場合、外周側非塗布部B3も、中間非塗布部B2と同様に複数の分節片を含み得る。この場合、外周側非塗布部B3の分節片は、幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが中間非塗布部B2よりも大きくてもよい。
【0263】
第4実施例及び第5実施例のように、中間非塗布部B2が複数の分節片60、60’を含むとき、各分節片60、60’の形状は、三角形、半円形、半楕円形、平行四辺形などに変更が可能である。
【0264】
また、中間非塗布部B2の領域に応じて分節片60、60’の形状を相違に変更することも可能である。一例で、応力が集中する区間は、応力分散に有利なラウンド形状(例えば、半円形、半楕円形など)を適用し、応力が相対的に低い区間は、面積が最大限に広い多角形状(例えば、四角形、台形、平行四辺形など)を適用し得る。
【0265】
第4実施例及び第5実施例において、中間非塗布部B2の分節構造は、コア側非塗布部B1にも適用可能である。但し、コア側非塗布部B1に分節構造が適用されると、コアの曲率半径に沿って中間非塗布部B2の分節片60、60’が折り曲げられるとき、コア側非塗布部B1の端部が外周側へ反る逆成形(reverse forming)現象が発生し得る。そのため、コア側非塗布部B1には、分節構造が存在しないか、または分節構造を適用するとしてもコアの曲率半径を考慮して分節片60、60’の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを逆成形が発生しない水準に調節することが望ましい。
【0266】
このような逆成形が発生し得る分節片の高さは、約3mm未満であり得る。また、分節片の高さが2mm未満である場合、分節片と分離膜に干渉が発生して折曲が容易ではないことがある。また、分節片の高さが4mm未満である場合には、分節片の溶接工程が円滑ではないこともある。そこで、折曲を考慮して分節片の最小高さHminは2mm以上、または3mm以上、または4mm以上または5mm以上であり得る。これによって、最小折曲分節片の高さは2mm以上、または3mm以上、または4mm以上または5mm以上であり得る。
【0267】
したがって、基準線DLを基準にして、非塗布部で折曲可能な最小高さHmin(例えば、前述した2mmまたは3mmまたは4mmまたは5mm)以上の高さを有する分節片のうち折り曲げられる最小折曲分節片の高さHaの±30%範囲(基準線基準)内に分離膜の幅方向の末端SLが存在すると、含浸性を大幅に高めることができる。即ち、分離膜の幅方向の末端SLの位置を規定する最小分節片を決定することにおいて、逆成形が発生する恐れのある分節片や折曲げを行わない分節片は除外してもよい。
【0268】
他の観点で説明すると、基準線DLを基準にして、非塗布部に存在する最小折曲分節片の高さHa及び前記折曲可能な最小高さHminのうち大きい高さmax(Ha,Hmin)の±30%範囲内に分離膜の幅方向の末端SLが存在すると、含浸性を大幅に高めることができる。
【0269】
また、他の観点で説明すれば、基準線DLを基準にして、前記折曲可能な最小高さHminの±30%範囲内に分離膜の幅方向における末端SLが存在すると、電解液の含浸性を大幅に高めることができる。これは、基準線DL±1.5mmまたは基準線DL±1.2mm、または基準線DL±0.9mm、または基準線DL±0.6mmの範囲であり得る。
【0270】
または、前記分離膜の幅方向の末端位置は、DL±0.3Haの範囲であり、かつDL±1.5mmの範囲に存在するか、または前記分離膜の幅方向の末端位置は、DL±0.3Haの範囲であり、かつDL±1.2mmの範囲に存在するか、または前記分離膜の幅方向の末端位置はDL±0.3Haの範囲であり、かつDL±0.9mmの範囲に存在するか、または前記分離膜の幅方向の末端位置は、DL±0.3Haの範囲であり、かつDL±0.6mmの範囲に存在し得る。
【0271】
上述した実施例(変形例)の電極板構造は、ゼリーロール型の電極組立体に含まれた極性の異なる第1電極板及び第2電極板の少なくとも一つに適用され得る。また、第1電極板及び第2電極板のいずれか一つに実施例(変形例)の電極構造が適用される場合、他の一つには従来の電極板構造が適用され得る。また、第1電極板及び第2電極板に適用された電極板構造は互いに同一ではなく、相異なり得る。
【0272】
一例で、第1電極板と第2負極が各々正極板及び負極板であるとき、第1電極板には実施例(変形例)のいずれか一つが適用され、第2電極板には従来の電極板構造(
図1参照)が適用され得る。
【0273】
他例で、第1電極板と第2負極板が各々正極板及び負極板であるとき、第1電極板には、実施例(変形例)のいずれか一つが選択的に適用され、第2電極板には実施例(変形例)のいずれか一つが選択的に適用され得る。
【0274】
本発明において、正極板にコーティングされる正極活物質と負極板にコーティングされる負極活物質は、当業界における公知の活物質であれば、制限なく使用され得る。
【0275】
前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物または一種以上の遷移金属に置き換えられた化合物;化学式Li1+xMn2-xO4(ここで、xは0~0.33である。)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物(LiMnO2);リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、LiV3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-xMxO2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01~0.3である。)で表されるニッケルサイト型リチウムニッケル酸化物(lithiated nickel oxide);化学式LiMn2-xMxO2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である。)またはLi2Mn3MO8(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである。)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のリチウム一部がアルカリ土類金属イオンに置き換えられたLiMn2O4;ジスルフィド化合物;Fe2(MoO4)3またはこれらの組合せによって形成される複合酸化物などのようにリチウム吸着物質(lithium intercalation material)を主成分にし、前記のような種類が挙げられるが、これらに限定されることではない。
【0276】
本発明において、前記正極活物質は、一つの一次粒子からなる単粒子または10個以下の一次粒子の凝集体である疑似単粒子の形態である。
【0277】
従来には、バッテリーセルの正極活物質として数十~数百個の一次粒子が凝集した球状の二次粒子を使用することが通常であった。しかし、このように多くの一次粒子が凝集した二次粒子の形態の正極活物質の場合、正極の製造時に圧延工程で一次粒子が離れるような粒子割れが発生しやすく、充放電過程で粒子の内部にクラックが発生するという問題点がある。正極活物質の粒子割れや粒子の内部にクラックが発生する場合、電解液との接触面積が増加するようになるため、電解液との副反応によるガス発生が増加するという問題点がある。円筒形バッテリーセルの内部でガス発生が増加すると、電池内部の圧力が増加して電池爆発が発生する危険がある。特に、円筒形バッテリーセルの体積を増加させる場合、体積増加によって電池内部の活物質の量が増加して、これによってガス発生量も大幅に増加するため、電池の発火及び/または爆発の危険性がさらに大きくなる。
【0278】
これに対して、一つの一次粒子からなる単粒子や一次粒子が10個以下に凝集した疑似単粒子形態の正極活物質は、一次粒子が数十~数百個凝集している既存の二次粒子形態の正極活物質に比べて粒子強度が高いため、圧延時に粒子割れがほとんど発生しない。また、単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質の場合、粒子を構成する一次粒子の個数が少ないため、充放電時に一次粒子の体積膨張及び収縮による変化が少なく、これによって粒子内部におけるクラックの発生も大幅に減少する。
【0279】
したがって、本発明のように単粒子または疑似単粒子からなる正極活物質を使用する場合、粒子割れ及び内部クラックの発生によるガス発生量を大幅に減少させることができ、これによって、大型の円筒形バッテリーセルにおいても優秀な安全性を具現することができる。本発明においては、正極活物質として単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質のみを使用し、二次粒子形態の正極活物質は使用しない。二次粒子形態の正極活物質が含まれる場合、ガス発生抑制効果が落ちるため、大型の円筒形バッテリーセルへの適用時に十分な安全性が得られないためである。
【0280】
一方、本発明による単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質は、平均粒径D50が5μm以下、望ましくは1μm~5μm、より望ましくは2μm~5μmであり得る。正極活物質の平均粒径D50が前記範囲を満すと、抵抗増加を最小化することができる。
【0281】
単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質は、粒子内部でリチウムイオンの移動経路となる一次粒子の間の界面に少なくため、二次粒子形態の正極活物質よりもリチウム移動性が落ち、これによって抵抗が増加するという問題点がある。このような抵抗増加は、粒子の大きさが大きくなるほどさらに深化し、抵抗が増加する場合、容量及び出力特性に悪影響を及ぼす。そのため、本発明の平均粒径D50が5μm以下の小さい単粒子または疑似単粒子の正極活物質を適用して粒子内部におけるリチウムイオンの移動距離を最小化することで抵抗増加を抑制するようにした。
【0282】
前記正極活物質は、一次粒子の粒径が0.5μm~5μm、望ましくは1μm~5μm、より望ましくは2μm~5μmであり得る。一次粒子の平均粒径が前記範囲を満たす場合、電気化学的特性が優秀な単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質を形成し得る。一次粒子の平均粒径が小さすぎると、正極活物質を形成する一次粒子の凝集個数が多くなり、圧延時における粒子割れの発生を抑制する効果が落ち、一次粒子の平均粒径が大きすぎると、一次粒子の内部におけるリチウムの拡散経路が長くなり、抵抗が増加して出力特性が劣り得る。
【0283】
本発明において、前記正極活物質は、ユニモーダルな粒度分布を有することが望ましい。従来には正極活物質層の電極密度を向上させるために、平均粒径の大きい大粒径の正極活物質と平均粒径の小さい小粒径の正極活物質を混合して使用するバイモーダルな正極活物質がよく使用されてきた。しかし、前述したように、単粒子または疑似単粒子形態の正極活物質の場合、粒径が増加すると、リチウム移動経路が長くなって抵抗が大幅に増加するため、大粒径の粒子を混合して使用する場合、容量及び出力特性が低下する問題点が発生し得るので、ユニモーダルな分布を有する正極活物質を使用することが望ましい。
【0284】
一方、前記正極活物質は、リチウムニッケル系酸化物を含むものであってもよく、具体的には、下記の化学式1で表されるリチウムニッケル系酸化物を含み得る。
【0285】
[化学式1]
LiaNibCocM1
dM2
eO2
前記化学式1において、M1は、Mn、Alまたはこれらの組合せであり、望ましくはMnまたはMn及びAlであり得る。
【0286】
前記M2は、Zr、W、Y、Ba、Ca、Ti、Mg、Ta及びNbからなる群より選択される一種以上であり、望ましくはZr、Y、Mg及びTiからなる群より選択された一種以上であり、より望ましくはZr、Yまたはこれらの組合せであり得る。M2元素は必須に含まれるものではないが、適切な量が含まれる場合、焼成時の粒成長を促進するか、または結晶構造を安定的に形成させる役割を果たし得る。
【0287】
前記aは、リチウムニッケル系酸化物中のリチウムモル比を示し、0.8≦a ≦1.2、0.85≦a≦1.15、または0.9≦a≦1.2であり得る。リチウムのモル比が前記範囲を満たす場合、リチウムニッケル系酸化物の結晶構造が安定的に形成されることが可能である。
【0288】
前記bは、リチウムニッケル系酸化物中のリチウムを除いた全体金属中のニッケルのモル比を示し、0.8≦b<1、0.82≦b<1、または0.83≦b<1であり得る。ニッケルのモル比が前記範囲を満たす場合、高いエネルギー密度を示し、高容量の具現が可能である。
【0289】
前記cは、リチウムニッケル系酸化物中のリチウムを除いた全体金属中のコバルトのモル比を示し、0<c<0.2、0<c<0.18、または0.01≦c≦0.17であり得る。コバルトのモル比が前記範囲を満たす場合、良好な抵抗特性及び出力特性を具現することができる。
【0290】
前記dは、リチウムニッケル系酸化物中のリチウムを除いた全体金属中のM1元素のモル比を示し、0<d<0.2、0<d<0.18、または0.01≦d≦0.17であり得る。M1元素のモル比が前記範囲を満たす場合、正極活物質の構造安定性が優秀に示される。
【0291】
前記eは、リチウムニッケル系酸化物中のリチウムを除いた全体金属のうちM2元素のモル比を示し、0≦e≦0.1、または0≦e≦0.05であり得る。
【0292】
一方、本発明による正極活物質は、必要に応じて、前記リチウムニッケル系酸化物粒子の表面に、Al、Ti、W、B、F、P、Mg、Ni、Co、Fe、Cr、V、Cu、Ca、Zn、Zr、Nb、Mo、Sr、Sb、Bi、Si及びSからなる群より選択される一種以上のコーティング元素を含むコーティング層をさらに含み得る。望ましくは、前記コーティング元素は、Al、B、Coまたはこれらの組合せであり得る。
【0293】
リチウムニッケル系酸化物粒子の表面にコーティング層が存在する場合、コーティング層によって電解質とリチウム複合遷移金属酸化物の接触が抑制され、これによって電解質との副反応による遷移金属の溶出やガス発生を減少させる効果が得られる。
【0294】
前記正極活物質は、正極活物質層の全体重量に対して80~99重量%、望ましくは85~99重量%、より望ましくは90~99重量%含まれ得る。
【0295】
前記正極集電体は、例えば、3~500μmの厚さを有する。このような正極集電体は、電池に化学的変化を誘発せず、かつ導電性を有するものであれば、別に制限されない。例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが使用され得る。電極集電体は、その表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることも可能であり、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態が可能である。
【0296】
前記正極活物質粒子には、導電材がさらに混合され得る。このような導電材は、例えば、正極活物質を含む混合物の全体重量を基準にして1~50重量%添加される。このような導電材は、電池に化学的変化を誘発せず、かつ高い導電性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用され得る。
【0297】
また、負極は、負極集電体の上に負極活物質粒子を塗布及び乾燥して製作され、必要に応じて、前述した導電材、バインダー、溶媒などのような成分がさらに含まれ得る。
【0298】
前記負極集電体は、例えば、3~500μmの厚さを有する。このような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せず、かつ導電性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが使用され得る。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化してもよく、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態で使用され得る。
【0299】
前記負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LixFe2O3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe’yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期表の1族元素、2族元素、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)の金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4、Bi2O5などの酸化物;ポリアセンチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを使用し得る。
【0300】
前記電極に使用可能なバインダー高分子は、電極活物質粒子と導電材などの結合と電極集電体に対する結合に助力する成分であって、例えば、電極活物質を含む混合物の全体重量を基準にして1~50重量%添加される。このようなバインダー高分子の例としては、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene:PVdF)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリアリレート(polyarylate)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)及びカルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)からなる群より選択されたいずれか一つのバインダー高分子またはこれらの二種以上の混合物を使用し得るが、これらに制限されない。
【0301】
前記電極の製造に使用される溶媒の非制限的な例には、アセトン(acetone)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、メチレンクロリド(methylene chloride)、クロロホルム(chloroform)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone;NMP)、シクロヘキサン(cyclohexane)、水またはこれらの混合物などが挙げられる。このような溶媒は、電極集電体の表面に対して所望の水準にスラリー塗布層に形成されるように滴定水準の粘度を提供する。
【0302】
前記負極は、集電体と、前記集電体の少なくとも一面に位置し、負極活物質、バインダー高分子及び導電材を含む負極活物質層と、を備え、前記負極活物質が前記集電体と面接触する下層領域、及び前記下層領域と面接触して負極活物質層の表面まで延びる上層領域からなり、前記下層領域及び上層領域が各々独立的に負極活物質層として黒鉛及びケイ素系化合物のうち少なくとも一種以上を含み得る。
【0303】
前記下層領域が負極活物質として天然黒鉛を含み、前記上層領域には負極活物質として人造黒鉛を含み得る。
【0304】
前記下層領域及び上層領域が各々独立的に負極活物質としてケイ素系化合物をさらに含み得る。
【0305】
前記ケイ素系化合物がSiOx(0≦x≦2)及びSiCのうち一種以上を含み得る。
【0306】
本発明の一具現例によれば、前記負極は、下層用の負極活物質として含む下層用スラリーを集電体に塗布及び乾燥して下層領域を形成した後、下層領域の上に上層用の負極活物質として含む上層用スラリーを塗布及び乾燥して上層領域を形成することで製造され得る。
【0307】
また、本発明の一具現例によれば、前記負極は、下層用の負極活物質を含む下層用スラリーと、上層用の負極活物質を含む上層用スラリーと、を準備する段階と、
負極集電体の一面に前記下層用スラリーをコーティングし、同時にまたは所定の時間差を置いて前記下層用スラリーの上に前記上層用スラリーをコーティングする段階と、
前記コーティングされた下層用スラリーと上層用スラリーを同時に乾燥して活物質層を形成する段階と、を含む方法によって製造され得る。
【0308】
このように後者の方法で製造される場合、前記負極において下層領域と上層領域が接触する部分に、これらの相異なる種類の活物質が互いに混在する混合領域(インタミキシング;intermixing)が存在し得る。これは、下層用の負極活物質を含む下層用スラリーと、上層用の負極活物質を含む上層用スラリーと、を集電体の上に同時にまたは非常に短い時間差を置いて連続的にコーティングした後、同時に乾燥する方式で活物質層を形成する場合、下層用スラリーと上層用スラリーが乾燥前に当接した界面上に所定の混合区間が発生し、後に乾燥されることでそのような混合区間が混合領域層の形態に形成されるためである。
【0309】
本発明の一具現例の負極の活物質層において、前記上層領域と前記下層領域の重量比(または、単位面積当たりのロード量の比)は20:80~50:50、詳しくは25:75~50:50であり得る。
【0310】
本発明の負極の活物質層の下層領域及び上層領域の厚さは、前記コーティングされた下層用スラリー及び前記コーティングされた上層用スラリーの厚さと完全に一致しなくてもよい。しかし、乾燥または選択的な圧延工程を経た結果、最終に得られる本発明の負極の活物質層の下層領域と上層領域との厚さの割合は、前記コーティングされた下層用スラリー及び前記コーティングされた上層用スラリーの厚さの割合とは一致し得る。
【0311】
前記第1スラリーをコーティングし、同時にまたは所定の時間差を置いて前記第1スラリーの上に前記第2スラリーをコーティングし、本発明の一具現例によれば、前記所定の時間差は0.6秒以下、または0.02秒~0.6秒、または0.02秒~0.06秒、または0.02秒~0.03秒の時間差であり得る。このように第1スラリーと第2スラリーのコーティング時に時間差が発生することは、コーティング装備に起因することから、前記第1スラリーと第2スラリーを同時にコーティングすることがより望ましい。前記第1スラリーの上に第2スラリーをコーティングする方法は、二重スロットダイ(double slot die)などの装置を用い得る。
【0312】
前記活物質層を形成する段階において、乾燥段階以後に活物質層を圧延する段階をさらに含み得る。この際、圧延はロールプレッシング(roll pressing)のように当業界で通常使用される方法によって行われ得る。例えば、1~20MPaの圧力及び15~30℃の温度で行われ得る。
【0313】
前記コーティングされた下層用スラリーと上層用スラリーを同時に乾燥して活物質層を形成する段階は、熱風乾燥及び赤外線乾燥装置が組み合わせられた装置を使用し、当業界で通常使用される方法で行われ得る。
【0314】
前記下層用スラリーの固形分における第1バインダー高分子の重量%が、前記上層用スラリーの固形分における第2バインダー高分子の重量%と同一であるか、またはより多くてもよい。本発明の一具現例によれば、前記下層用スラリーの固形分における第1バインダー高分子の重量%が前記上層用スラリーの固形分における第2バインダー高分子の重量%よりも1.0~4.2倍、または1.5~3.6倍、または1.5~3倍大きい。
【0315】
この際、前記コーティングされた下層用スラリーにおける第1バインダーの重量%及び前記コーティングされた上層用スラリーにおける第2バインダーの重量%の割合がこのような範囲を満たす場合、下層領域のバインダーが過度に少なくならないため電極層の脱離が発生せず、上層領域のバインダーが過度に多くならないため電極の上層部の抵抗が減少し、急速充電性能が有利になり得る。
【0316】
前記下層用スラリーの固形分において第1バインダー高分子の重量%が2~30重量%、または5~20重量%、または5~20重量%であり、前記上層用スラリーの固形分において第2バインダー高分子の割合(重量%)が0.5~20重量%、または1~15重量%、または1~10重量%、または2~5重量%であり得る。
【0317】
前記下層用スラリー及び前記上層用スラリーの全固形分において、第1バインダー高分子及び第2バインダー高分子の総割合(重量%)が2~20重量%、または5~15重量%であり得る。
【0318】
以下、本発明の実施例による電極組立体の構造について詳しく説明する。
【0319】
図14は、第1実施例の電極板40を第1電極板(正極板)及び第2電極板(負極板)に適用したゼリーロール型の電極組立体80をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0320】
電極組立体80は、
図2において説明した巻取工法で製造し得る。説明の便宜のために、分離膜の外部へ延びた非塗布部43a、43bの突出構造を詳しく示し、第1電極板、第2電極板及び分離膜の巻取構造の図示は省略する。上方へ突出した非塗布部43aは第1電極板から延びており、下方へ突出した非塗布部43bは第2電極板から延びている。
【0321】
非塗布部43a、43bの高さが変化するパターンは概略的に示した。即ち、断面が切断される位置によって非塗布部43a、43bの高さは不規則に変化し得る。一例で、台形の分節片61、61’のサイド部分が切断されると、断面における非塗布部の高さは、分節片61、61’の高さよりも低くなる。したがって、電極組立体の断面を示した図面における非塗布部43a、43bの高さは、各巻取ターンに含まれた非塗布部の高さ(
図11のC2、
図13のD2)の平均に対応すると理解する。
【0322】
図14を参照すると、第1電極板の非塗布部43aは、電極組立体80のコアに隣接するコア側非塗布部B1と、電極組立体80の外周表面に隣接する外周側非塗布部B3と、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3との間に介在された中間非塗布部B2と、を含む。
【0323】
外周側非塗布部B3の高さ(Y軸方向の長さ)は、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。そのため、電池缶のビーディング部によって外周側非塗布部B3が押圧されて内部短絡が発生することを防止することができる。
【0324】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板の構造を有し得る。
【0325】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部81は、電極組立体80の外周側からコア側に折り曲げられ得る。この際、外周側非塗布部B3は、実質的に折り曲げられなくてもよい。
【0326】
図15は、第2実施例の電極板45を第1電極板(正極板)及び第2電極板(負極板)に適用したゼリーロール型の電極組立体90をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0327】
図15を参照すると、第1電極板の非塗布部43aは、電極組立体90のコアに隣接するコア側非塗布部B1と、電極組立体90の外周上面に隣接する外周側非塗布部B3と、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3との間に介在された中間非塗布部B2と、を含む。
【0328】
外周側非塗布部B3の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さく、コア側から外周側へ進むにつれ、漸進的にまたは段階的に減少する。これによって、電池缶のビーディング部によって外周側非塗布部B3が押圧されて内部短絡の発生を防止することができる。
【0329】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板構造を有し得る。
【0330】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部91は、電極組立体90の外周側からコア側へ折り曲げられ得る。この際、外周側非塗布部B3の最外側92は、実質的に折り曲げられなくてもよい。
【0331】
図16は、第3実施例から第5実施例(これらの変形例)の電極板50、60、70のいずれか一つを第1電極板(正極板)及び第2電極板(負極板)に適用したゼリーロール型の電極組立体100をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0332】
図16を参照すると、第1電極板の非塗布部43aは、電極組立体100のコアに隣接するコア側非塗布部B1と、電極組立体100の外周面に隣接する外周側非塗布部B3と、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3との間に介在された中間非塗布部B2と、を含む。
【0333】
コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。また、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部43aの折曲長さまたはコア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。折曲長さHは、非塗布部43aが折り曲げられる地点(
図11のC4、
図13のD4)を基準にした非塗布部43aの高さに該当する。
【0334】
したがって、中間非塗布部B2が折り曲げられても、折曲部位が電極組立体100のコアの空洞102を閉塞しない。空洞102が閉塞されない場合、電解質注液工程に困難がなく、電解液注液の効率が向上する。また、空洞102をから溶接ジグを挿入して負極側の集電プレートと電池缶との溶接工程を容易に行うことが可能である。
【0335】
外周側非塗布部B3の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。そのため、ビーディング部に外周側非塗布部B3が圧迫されて内部短絡が起こる現象を防止できる。
【0336】
一変形例において、外周側非塗布部B3の高さは、
図16に示したこととは異なり、漸進的にまたは段階的に減少し得る。また、
図16には、中間非塗布部B2の高さが外周側の一部分が同一であるが、中間非塗布部B2の高さは、コア側非塗布部B1と中間非塗布部B2の境界から中間非塗布部B2と外周側非塗布部B3の境界まで漸進的にまたは段階的に増加し得る。
【0337】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板構造を有し得る。
【0338】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部101は、電極組立体100の外周側からコア側へ折曲加工され得る。この際、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3は、実質的に折り曲げられない。
【0339】
中間非塗布部B2が複数の分節片を含む場合、折曲応力が緩和して折曲地点近所の非塗布部43aが破れるか、または異常変形することを防止できる。また、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲によって調節される場合、分節片がコア側へ折り曲げられながら溶接強度が充分に確保できる程度に多重に重畳して折曲面(Y軸から見た表面)に穴(隙間)を形成しない。
【0340】
図17は、本発明のさらに他の実施例による電極組立体110をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切った断面図である。
【0341】
図17を参照すると、電極組立体110は、
図16の電極組立体100と比較して、外周側非塗布部B3の高さが中間非塗布部B2の最外側の高さと実質的に同一であるという点を除いては、残りの構成は実質的に同一である。
【0342】
外周側非塗布部B3は、複数の分節片を含み得る。複数の分節片に関わる構成については、第4実施例及び第5実施例(変形例)の説明を実質的に同一に援用する。
【0343】
電極組立体110において、コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。また、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0344】
したがって、中間非塗布部B2が折り曲げられても折曲部位が電極組立体110のコアの空洞112を閉塞しない。空洞112が閉塞されない場合、電解質注液工程に困難がなく、電解液注液の効率が向上する。また、空洞112から溶接ジグを挿入して負極側の集電プレートと電池缶との溶接工程を容易に行うことが可能である。
【0345】
一変形例において、中間非塗布部B2の高さがコア側から外周側に向かって漸進的にまたは段階的に増加する構造は、外周側非塗布部B3まで拡張され得る。この場合、非塗布部43aの高さは、コア側非塗布部B1と中間非塗布部B2の境界から電極組立体110の差外側の表面まで漸進的にまたは段階的に増加し得る。
【0346】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板の構造を有し得る。
【0347】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部111は、電極組立体110の外周側からコア側へ折曲加工され得る。この際、コア側非塗布部B1は、実質的に折り曲げられない。
【0348】
中間非塗布部B2及び外周側非塗布部B3が複数の分節片を含む場合、折曲応力が緩和して折曲地点付近の非塗布部43a、43bが破れるか、または異常変形することを防止し得る。また、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲によって調節される場合、分節片がコア側へ折り曲げられながら溶接強度を充分に確保可能な程度に多重に重畳されて折曲面(Y軸から見た表面)に穴(隙間)を形成しない。
【0349】
図18は、本発明のさらに他の実施例による電極組立体120をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切った断面図である。
【0350】
図18を参照すると、電極組立体120は、
図16の電極組立体100と比較して中間非塗布部B2の高さが漸進的または段階的に増加してから減少するパターンを有することが異なり、残りの構成は実質的に同一である。
【0351】
このような中間非塗布部B2の高さ変化は、中間非塗布部B2に含まれた階段パターン(
図9参照)や分節片(
図10aまたは
図12a参照)の高さを調節することによって具現し得る。
【0352】
電極組立体120において、コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。また、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0353】
したがって、中間非塗布部B2がコア側に向かって折り曲げられても折曲部位が電極組立体120のコアにおける空洞122を閉塞しない。空洞122が閉塞されない場合、電解質注液工程が容易になり、電解液の注液効率が向上する。また、空洞122から溶接ジグを挿入して負極側の集電プレートと電池缶との溶接工程を容易に行うことが可能である。
【0354】
また、外周側非塗布部B3の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。したがって、電池缶のビーディング部によって外周側非塗布部B3が押圧されて内部短絡が起こる現象を防止することができる。一例において、外周側非塗布部B3の高さは、外周側に向かって漸進的にまたは段階的に減少し得る。
【0355】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板構造を有し得る。
【0356】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部121は、電極組立体120の外周側からコア側へ折曲加工され得る。この際、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3は、実質的に折り曲げられない。
【0357】
中間非塗布部B2が複数の分節片を含む場合、折曲応力が緩和されることによって、非塗布部43a、43bの破れまたは異常変形を防止することができる。また、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲によって調節される場合、分節片がコア側へ折り曲げられて溶接強度を充分に確保できる程度に多重に重畳され、折曲面(Y軸から見た表面)に穴(隙間)を形成しない。
【0358】
図19は、本発明のさらに他の実施例による電極組立体130をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0359】
図19を参照すると、電極組立体130は、
図18の電極組立体120と比べて外周側非塗布部B3の高さが外周側非塗布部B3と中間非塗布部B2の境界地点から電極組立体130の最外側の表面に向かって漸進的にまたは段階的に減少するパターンを有するという点で相違し、残りの構成は実質的に同一である。
【0360】
このような外周側非塗布部B3の高さ変化は、中間非塗布部B2に含まれた階段パターン(
図9参照)を外周側非塗布部B3まで確張すると共に、パターンの高さを外周側に向かって漸進的に又は段階的に減少させて具現し得る。また、他の変形例において、外周側非塗布部B3の高さ変化は、中間非塗布部B2の分節片の構造を外周側非塗布部B3まで確張すると共に、分節片の高さを外周側に向かって漸進的に又は段階的に減少させることで具現し得る。
【0361】
電極組立体130において、コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。また、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0362】
したがって、中間非塗布部B2がコア側へ折り曲げられても折曲部位が電極組立体120のコアにおける空洞132を閉塞しない。空洞132が閉塞されない場合、電解質の注液工程が容易になり、電解液の注液効率が向上する。また、空洞132から溶接ジグを挿入して負極側の集電プレートと電池缶との溶接工程を容易に行うことができる。
【0363】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板構造を有し得る。
【0364】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部131は、電極組立体130の外周側からコア側へ折曲加工され得る。この際、コア側非塗布部B1は、実質的に折り曲げられない。
【0365】
中間非塗布部B2及び外周側非塗布部B3が複数の分節片を含む場合、折曲応力が緩和され、折曲地点付近の非塗布部43a、43bの破れ又は異常変形を防止することができる。また、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが前述した実施例の数値範囲によって調節される場合、分節片がコア側へ折り曲げられて溶接強度を充分に確保可能な程度に多重に重畳され、折曲面(Y軸から見た表面)に穴(隙間)を形成しない。
【0366】
本発明の実施例による多様な電極組立体の構造は、ゼリーロール型の円筒形バッテリーセルに適用可能である。
【0367】
望ましくは、円筒形バッテリーセルは、例えば、フォームファクターの比(円筒型バッテリーセルの直径を高さで割った値、即ち、高さHに対する直径Φの割合として定義される。)が約0.4よりも大きい円筒形バッテリーセルであり得る。
【0368】
ここで、フォームファクターとは、円筒形バッテリーセルの直径及び高さを示す値を意味する。本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルは、例えば、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セルであり得る。フォームファクターを示す数値において、最初の数字二つはセルの直径を示し、その次の数字二つはバッテリーの高さを示し、最後の数字0はセルの断面が円形であることを示す。
【0369】
フォームファクターの比が0.4を超過する円筒形バッテリーセルにタブレス構造を有する電極組立体を適用する場合、非塗布部を折り曲げるとき、半径方向へ加えられる応力が大きいため、非塗布部が破れやすい。また、非塗布部の折曲面に集電プレートを溶接するとき、溶接強度を充分に確保して抵抗を低めるためには、非塗布部の重畳レイヤー数を充分に増加させる必要がある。このような要求条件は、本発明の実施例(変形例)による電極板と電極組立体によって達成することができる。
【0370】
本発明の一実施例によるバッテリーセルはほぼ円柱状のセルであって、その直径が約46mmであり、その高さは約110mmであり、フォームファクターの比が0.418である円筒形バッテリーセルであり得る。
【0371】
他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは約75mmであり、フォームファクターの比は0.640である円筒形バッテリーセルであり得る。
【0372】
さらに他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは約110mmであり、フォームファクターの比は0.436である円筒形バッテリーセルであり得る。
【0373】
さらに他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは約80mmであり、フォームファクターの比は0.600である円筒形バッテリーセルであり得る。
【0374】
さらに他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約46mmであり、その高さは約80mmであり、フォームファクターの比は0.575である円筒形バッテリーセルであり得る。
【0375】
従来には、フォームファクターの比が約0.4以下のバッテリーセルが用いられていた。即ち、従来には、例えば、18650セル、21700セルなどが用いられた。18650セルの場合、その直径が約18mmであり、その高さは約65mmであり、フォームファクターの比は0.277である。21700セルの場合、その直径が約21mmであり、その高さは約70mmであり、フォームファクターの比は0.300である。
【0376】
以下、本発明の実施例による円筒形バッテリーセルについて詳しく説明する。
【0377】
図20は、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル140をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0378】
図20を参照すると、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル140は、第1電極板、分離膜及び第2電極板を含む電極組立体141と、電極組立体141を収納する電池缶142と、電池缶142の開放端部を密封する密封体143と、を含む。
【0379】
電池缶142は、上方に開口部が形成された円筒形の容器である。電池缶142は、アルミニウムやスチールのような導電性の金属材質からなる。電池缶142は、上端開口部から内側空間に電極組立体10を収容し、電解質も共に収容する。
【0380】
電解質は、A+B-のような構造を有する塩であり得る。ここで、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属陽イオンまたはこれらの組合せからなるイオンを含む。そして、B-は、F-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、AlO4
-、AlCl4
-、PF6
-、SbF6
-、AsF6
-、BF2C2O4
-、BC4O8
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、C4F9SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-及び(CF3CF2SO2)2N-からなる群より選択されたいずれか一つ以上の陰イオンを含む。
【0381】
また、電解質は、有機溶媒に溶解して使用され得る。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(propylene carbonate;PC)、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate;EC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate;DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate;DMC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate;DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジエトキシエタン(diethoxyethane)、テトラハイドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone;NMP)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate;EMC)、γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone)またはこれらの混合物が使用され得る。
【0382】
電極組立体141は、ゼリーロール形状を有し得る。電極組立体141は、
図5に示したように、下部分離膜、第1電極板、上部分離膜及び第2電極板を順次に少なくとも一回積層して形成された積層体を巻取中心Cを基準にして巻き取ることで製造され得る。
【0383】
第1電極板と第2電極板は、極性が異なる。即ち、いずれか一つが正の極性を有すると、他の一つは負の極性を有する。第1電極板と第2電極板の少なくとも一つは、上述した実施例(変形例)による電極板構造を有し得る。また、第1電極板と第2電極板の他の一つは、従来の電極板構造または実施例(変形例)による電極板構造を有し得る。
【0384】
電極組立体141の上部と下部には、各々第1電極板の非塗布部146aと第2電極板の非塗布部146bが突出する。第1電極板は、第1実施例(変形例)の電極板構造を有する。そのため、第1電極板の非塗布部146aは、外周側非塗布部B3の高さが他の部分の非塗布部の高さよりも小さい。外周側非塗布部B3は、電池缶142の内周面、特に、ビーディング部147と所定間隔に離隔している。そのため、第1電極板の外周側非塗布部B3は、第2電極板と電気的に接続された電池缶142と接触しないので、バッテリーセル140の内部短絡が防止される。
【0385】
第2電極板の非塗布部146bは、高さが同一である。変形例において、第2電極板の非塗布部146bは、第1電極板の非塗布部146aと同じ構造を有し得る。他の変形例において、第2電極板の非塗布部146bは、実施例(変形例)による電極板の非塗布部の構造を選択的に有し得る。
【0386】
密封体143は、上部プレート143aと、上部プレート143aと電池缶142との間に気密性を提供し、かつ絶縁性を有する第1ガスケット143bと、前記上部プレート143aと電気的に及び機械的に結合した接続プレート143cと、を含み得る。
【0387】
キャッププレート143aは、伝導性を有する金属材質からなる部品であり、電池缶142の上端開口部をカバーする。キャッププレート143aは、第1電極板の非塗布部146aと電気的に接続され、電池缶142とは第1ガスケット143bによって電気的に絶縁される。したがって、キャッププレート143aは、円筒形バッテリーセル140の第1電極端子として機能可能である。
【0388】
キャッププレート143aは、電池缶142に形成されたビーディング部147に搭載され、クリンピング部148によって固定される。キャッププレート143aとクリンピング部148との間には、電池缶142の気密性を確保して電池缶142とキャッププレート143aとの電気的絶縁性のために第1ガスケット143bが介在され得る。キャッププレート143aは、その中心部から上方へ突出して形成された突出部143dを備え得る。
【0389】
電池缶142は、第2電極板の非塗布部146bと電気的に接続される。したがって、電池缶142は、第2電極板と同じ極性を有する。もし、第2電極板が負の極性を有する場合、電池缶142も負の極性を有する。
【0390】
電池缶142は、上端にビーディング部147及びクリンピング部148を備える。ビーディング部147は、電池缶142の外周面の周りを圧入して形成する。ビーディング部147は、電池缶142の内部に収容された電極組立体141が電池缶142の上端開口部から抜け出ないようにし、密封体143が搭載される支持部として機能し得る。
【0391】
ビーディング部147の内周面は、第1電極板の外周側非塗布部B3と所定の間隔に離隔している。より具体的には、ビーディング部147の内周面の下端が、第1電極板の外周側非塗布部B3と所定の間隔に離隔している。また、外周側非塗布部B3は高さが低いため、ビーディング部147を形成するために電池缶12を外部から圧入するときにも外周側非塗布部B3は実質的に影響を受けない。そのため、外周側非塗布部B3がビーディング部147などの他の構成要素によって圧迫されず、これによって電極組立体141の部分的な形態変形の発生が防止され、円筒形バッテリーセル140の内部の短絡を防止することができる。
【0392】
望ましくは、ビーディング部147の圧入深さをD1に定義し、電池缶142の内周面から外周側非塗布部B3と中間非塗布部B2との境界地点までの半径方向の長さをD2と定義すると、関係式D1≦D2が満たされ得る。この場合、ビーディング部147を形成するために電池缶142を圧入するとき、外周側非塗布部B3の損傷が実質的に防止される。
【0393】
クリンピング部148は、ビーディング部147の上部に形成される。クリンピング部148は、ビーディング部147に配置されるキャッププレート143aの外周面、そしてキャッププレート143aの上面の一部を囲むように延びて曲げられた形態を有する。
【0394】
円筒形バッテリーセル140は、第1集電プレート144及び/または第2集電プレート145及び/またはインシュレータ146をさらに含み得る。
【0395】
第1集電プレート144は、電極組立体141の上部に結合する。第1集電プレート144は、アルミニウム、銅、ニッケルなどのような導電性を有する金属材質からなり、第1電極板の非塗布部146aと電気的に接続される。第1集電プレート144には、リード149が接続され得る。リード149は、電極組立体141の上方へ延びて接続プレート143cに結合するか、またはキャッププレート143aの下面に直接結合し得る。リード149と他の部品との結合は、溶接によって行われ得る。
【0396】
望ましくは、第1集電プレート144は、リード149と一体に形成され得る。この場合、リード149は、第1集電プレート144の中心部から外側へ延びた長いプレート状であり得る。
【0397】
第1集電プレート144は、その下面に放射状に形成された複数の凹凸(図示せず)を備え得る。放射状の凹凸が備えられた場合、第1集電プレート144を押し付けて凹凸を第1電極板の非塗布部146aに圧入し得る。
【0398】
第1集電プレート144は、第1電極板の非塗布部146aの端部に結合する。非塗布部146aと第1集電プレート144との結合は、例えば、レーザー溶接によって行われ得る。レーザー溶接は、集電プレートの母材を部分的に溶融する方式で行われ得る。変形例において、第1集電プレート144と非塗布部146aとの溶接は、はんだを介在した状態で行われ得る。この場合、はんだは、第1集電プレート144及び非塗布部146aよりも低い融点を有し得る。レーザー溶接は、抵抗溶接、超音波溶接などに代替可能である。
【0399】
電極組立体141の下面には、第2集電プレート145が結合し得る。第2集電プレート145の一面は、第2電極板の非塗布部146bと溶接によって結合し、他面は電池缶142の内側底面上に溶接によって結合し得る。第2集電プレート145と第2電極板の非塗布部146bとの結合構造は、第1集電プレート144と第1電極板の非塗布部146aとの結合構造と実質的に同一であり得る。
【0400】
非塗布部146a、146bは、図示された構造のみに限定されない。そのため、非塗布部146a、146bは、従来の非塗布部の構造のみならず、実施例(変形例)による電極板の非塗布部の構造を選択的に有し得る。
【0401】
インシュレータ146は、第1集電プレート144をカバーし得る。インシュレータ146は、第1集電プレート144の上面で第1集電プレート144をカバーすることで、第1集電プレート144と電池缶142の内周面との直接的な接触を防止し得る。
【0402】
インシュレータ146は、第1集電プレート144から上方へ延びるリード149が引き出されるように、リードホール151を備える。リード149は、リードホール151から上方へ引き出されて接続プレート143cの下面またはキャッププレート143aの下面に結合する。
【0403】
インシュレータ146の周縁領域は、第1集電プレート144とビーディング部147との間に介在され、電極組立体141及び第1集電プレート144の結合体を固定し得る。これによって、電極組立体141及び第1集電プレート144の結合体は、バッテリーセル140の高さ方向の移動が制限され、バッテリーセル140の組立安定性が向上する。
【0404】
インシュレータ146は、絶縁性の高分子樹脂からなり得る。一例において、インシュレータ146は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドまたはポリブチレンテレフタレートからなり得る。
【0405】
電池缶142は、その下面に形成されたベント部152をさらに備え得る。ベント部152は、電池缶142の下面において周辺領域よりも薄い厚さを有する領域である。ベント部152は、周辺領域に比べて構造的に弱い。そのため、円筒形バッテリーセル140に異常が発生して内部圧力が一定の水準以上に増加すると、ベント部152が破裂することで電池缶142の内部に生成されたガスを外部へ排出し得る。
【0406】
ベント部152が電池缶142の下面に円を描いて連続的にまたは不連続的に形成され得る。変形例において、ベント部152は、直線パターンまたはその他のパターンに形成され得る。
【0407】
図21は、本発明の他の実施例による円筒形バッテリーセル150をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0408】
図21を参照すると、円筒形バッテリーセル150は、
図20の円筒形バッテリーセル140と比較して第1電極板の非塗布部146aに第2実施例(変形例)の電極板構造が採用された点を除いては、残りの構成は実質的に同一である。
【0409】
図21を参照すると、第1電極板の非塗布部146aは、外周側非塗布部B3の高さが電池缶142の内周面へ進むほど漸進的にまたは段階的に低くなる形態であり得る。望ましくは、外周側非塗布部B3の最上端を連結した仮想の線は、ビーディング部147の内周面と同一または類似の形状を有し得る。
【0410】
外周側非塗布部B3は、傾斜面を形成している。そのため、ビーディング部147を形成するために電池缶142を圧入するとき、外周側非塗布部B3がビーディング部147によって押圧されて損傷することを防止することができる。また、外周側非塗布部B3が極性の異なる電池缶142と接触して内部短絡を起こす現象を抑制することができる。
【0411】
円筒形バッテリーセル150の残りの構成は、前述した実施例(変形例)と実質的に同一である。
【0412】
非塗布部146a、146bは、図示した構造のみに限定されない。これによって、非塗布部146a、146bは、従来の非塗布部の構造のみならず、実施例(変形例)による電極板の非塗布部の構造を選択的に有し得る。
【0413】
図22は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル160を Y軸方向に沿って切断した断面図である。
【0414】
図22を参照すると、円筒形バッテリーセル160は、前述した円筒形バッテリーセル140、150と比較すると、第1集電プレート144に連結されたリード149がインシュレータ146のリードホール151から密封体143のキャッププレート143aに直接接続され、インシュレータ146と第1集電プレート144がキャッププレート143aの下面に密着した構造を有することが相違し、残りの構成は実質的に同一である。
【0415】
円筒形バッテリーセル160において第1集電プレート144の直径と中間非塗布部B2の最外側の直径は、電池缶142の最小内径よりも小さい。また、第1集電プレート144の直径は、中間非塗布部B2の最外側の直径の同一であるか、またはより大きくてもよい。
【0416】
具体的には、電池缶142の最小内径は、ビーディング部147が形成された位置における電池缶142の内径であり得る。この際、第1集電プレート144及び中間非塗布部B2の最外側直径は、ビーディング部147が形成された位置における電池缶142の内径よりも小さい。また、第1集電プレート144の直径は、中間非塗布部B2の最外側直径と同一であるか、または大きくてもよい。インシュレータ146の周縁領域は、下方へ曲げられた状態で外周側非塗布部B3とビーディング部147との間に介在され、電極組立体141及び第1集電プレート144の結合体を固定し得る。
【0417】
望ましくは、インシュレータ146は、外周側非塗布部B3をカバーする部分と、第1集電プレート144をカバーする部分と、を含み、この二つの部分を連結する部分はビーディング部147の屈曲形状に応じて共に屈曲した形態を有し得る。インシュレータ146は、外周側非塗布部B3とビーディング部147の内周面とを絶縁すると共に、第1集電プレート144とビーディング部147の内周面とを絶縁し得る。
【0418】
第1集電プレート144は、ビーディング部147の下端よりも高く位置し、コア側非塗布部B1と中間非塗布部B2に結合していてもよい。この際、ビーディング部147の圧入深さD1は、電池缶142の内周面から外周側非塗布部B3と中間非塗布部B2との境界までの距離D2よりも小さいか、または同一である。そのため、コア側非塗布部B1、中間非塗布部B2及びそれに結合した第1集電プレート144は、ビーディング部147の下端よりも高く位置し得る。ビーディング部147の下端とは、電池缶142において電極組立体141が収容された部分とビーディング部147との間の折曲地点Bを意味する。
【0419】
コア側非塗布部B1と中間非塗布部B2がビーディング部147の半径方向の内側空間を占めるため、電極組立体141とキャッププレート143aとの間の空間が最小化し得る。また、電極組立体141とキャッププレート143aとの間の空間に位置していた接続プレート143cが省略された。これによって、第1電極プレート144のリード149は、キャッププレート143aの下面と直接結合し得る。このような構造によれば、電池セル内の空間が減少し、減少した空間分だけエネルギー密度が極大化されることが可能である。
【0420】
円筒形バッテリーセル160において、第1集電プレート144及び第2集電プレート145は、上述した実施例と同一に非塗布部146a、146bの端部に各々溶接され得る。
【0421】
非塗布部146a、146bは、図示された構造のみに限定されない。そのため、非塗布部146a、146bは、従来の非塗布部の構造のみならず、実施例(変形例)による電極板の非塗布部の構造を選択的に有し得る。
【0422】
図23は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル170をY軸に沿って切断した断面図である。
【0423】
図23を参照すると、円筒形バッテリーセル170は、
図20に示した円筒形バッテリーセル140と比較して電極組立体の構造は実質的に同一であり、電極組立体を除いた残りの構造が変更された点で相違である。
【0424】
具体的には、円筒形バッテリーセル170は、リベット端子172が貫通して設けられた電池缶171を含む。リベット端子172は、電池缶171の閉鎖面(図面における上部面)に設けられる。リベット端子172は、絶縁性の第2ガスケット173が介在された状態で電池缶171の貫通孔にリベッティングされる。リベット端子172は、重力方向と反対方向に向かって外部に露出される。
【0425】
リベット端子172は、端子露出部172a及び端子挿入部172bを含む。端子露出部172aは、電池缶171の閉鎖面の外側に露出する。端子露出部172aは、電池缶171の閉鎖面のほぼ中心部に位置し得る。端子露出部172aの最大直径は、電池缶171に形成された貫通孔の最大直径よりも大きく形成され得る。端子挿入部172bは、電池缶171の閉鎖面のほぼ中心部を貫通して第1電極板の非塗布部146aと電気的に接続され得る。端子挿入部172bは、電池缶171の内側面上にリベット(rivet)結合し得る。即ち、端子挿入部172bの端部は、電池缶171の内側面に向かって曲げられた形態を有し得る。端子挿入部172bの端部の最大直径は、電池缶171の貫通孔の最大直径よりも大きくてもよい。
【0426】
端子挿入部172bの下端面は、第1電極板の非塗布部146aに接続された第1集電プレート144と溶接され得る。第1集電プレート144と電池缶171の内側面との間には絶縁物質からなる絶縁キャップ174が介在され得る。絶縁キャップ174は、第1集電プレート144の上部と電極組立体141の上端の縁部をカバーする。これによって、電極組立体141の外周側非塗布部B3が異なる極性を有する電池缶171の内側面と接触して短絡を起こすことを防止することができる。リベット端子172の端子挿入部172bは、絶縁キャップ174を貫通して第1集電プレート144に溶接され得る。
【0427】
第2ガスケット173は、電池缶171とリベット端子172との間に介在され、互いに反対の極性を有する電池缶171とリベット端子172とが電気的に接触することを防止する。これによって、ほぼフラットな形状を有する電池缶171の上面が円筒形バッテリーセル170の第2電極端子として機能し得る。
【0428】
第2ガスケット173は、ガスケット露出部173a及びガスケット挿入部173bを含む。ガスケット露出部173aは、リベット端子172の端子露出部172aと電池缶171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、リベット端子172の端子挿入部172bと電池缶171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子挿入部172bのリベッティング(reveting)時に共に変形されて電池缶171の内側面に密着し得る。第2ガスケット173は、例えば、絶縁性の高分子樹脂からなり得る。
【0429】
第2ガスケット173のガスケット露出部173aは、リベット端子172の端子露出部172aの外周面をカバーするように延びた形態を有し得る。第2ガスケット173がリベット端子172の外周面をカバーする場合、バスバーなどの電気的接続部品を電池缶171の上面及び/またはリベット端子172に結合する過程で短絡が発生することを防止することができる。図示していないが、ガスケット露出部173aは、端子露出部172aの外周面のみならず上面の一部も共にカバーするように延びた形態を有し得る。
【0430】
第2ガスケット173が高分子樹脂からなる場合において、第2ガスケット173は、熱溶着によって電池缶171及びリベット端子172と結合し得る。この場合、第2ガスケット173とリベット端子172との結合界面及び第2ガスケット173と電池缶171との結合界面における気密性が強化され得る。一方、第2ガスケット173のガスケット露出部173aが端子露出部172aの上面まで延びた形態を有する場合において、リベット端子172は、インサート射出によって第2ガスケット173と一体に結合し得る。
【0431】
電池缶171の上面においてリベット端子172及び第2ガスケット173が占める領域を除いた残りの領域175がリベット端子172と反対極性を有する第2電極端となる。
【0432】
第2集電プレート176は、電極組立体141の下部に結合する。第2集電プレート176は、アルミニウム、スチール、銅、ニッケルなどの導電性の金属材質からなり、第2電極板の非塗布部146bと電気的に接続する。
【0433】
望ましくは、第2集電プレート176は、電池缶171と電気的に接続される。このために、第2集電プレート176は、周縁部の少なくとも一部が電池缶171の内側面と第1ガスケット178bとの間に介在されて固定され得る。一例において、第2集電プレート176の周縁部の少なくとも一部は、電池缶171の下端面に形成されたビーディング部180の下端面に支持された状態で溶接によってビーディング部17に固定され得る。変形例において、第2集電プレート176の周縁部の少なくとも一部は、電池缶171の内壁面に直接的に溶接され得る。
【0434】
第2集電プレート176は、非塗布部146bと対向する面に放射状に形成された複数の凹凸(図示せず)を備え得る。凹凸が形成された場合、第2集電プレート176を押し付けて凹凸を非塗布部146bに圧入し得る。
【0435】
望ましくは、第2集電プレート176と非塗布部146bの端部は、溶接、例えば、レーザー溶接によって結合し得る。
【0436】
電池缶171の下部開放端を密封する密封体178は、キャッププレート178aと第1ガスケット178bを含む。第1ガスケット178bは、キャッププレート178aと電池缶171とを電気的に分離する。クリンピング部181は、キャッププレート178aの周縁部と第1ガスケット178bを共に固定する。キャッププレート178aには、ベント部179が備えられる。ベント部179の構成は、上述した実施例(変形例)と実質的に同一である。
【0437】
望ましくは、キャッププレート178aは、導電性の金属材質からなる。しかし、キャッププレート178aと電池缶171との間に第1ガスケット178bが介在されているため、キャッププレート178aは電気的極性を有さない。密封体178は、電池缶171の下部の開放端を密封し、バッテリーセル170の内圧が臨界値以上に増加したときにガスを排出する機能を果たす。
【0438】
望ましくは、第1電極板の非塗布部146aと電気的に接続したリベット端子172は、第1電極端子として使用される。また、第2集電プレート176を介して第2電極板の非塗布部146bと電気的に接続した電池缶171の上部表面においてリベット端子172を除いた部分175は、第1電極端子と異なる極性を有する第2電極端子として使用される。このように、二つの電極端子が円筒形バッテリーセル170の上部に位置する場合、バスバーなどの電気的接続部品を円筒形バッテリーセル170の一側のみに配置することが可能である。これによって、バッテリーパック構造の単純化及びエネルギー密度の向上を図ることができる。また、第2電極端子として使用される部分175は、ほぼフラットな形態を有するため、バスバーなどの電気的接続部品を接合するのに十分な接合面積を確保することができる。これによって、円筒形バッテリーセル170は、電気的接続部品の接合部位における抵抗を望ましい水準に低めることが可能である。
【0439】
一方、電極組立体141の構造と非塗布部構造は、図示されたものに限定されず、上述した実施例(変形例)の構造に代替可能である。
【0440】
図24は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル180をY軸に沿って切断した断面図である。
【0441】
図24を参照すると、円筒形バッテリーセル180は、
図21に示した円筒形バッテリーセル150と比較して電極組立体141の構造は実質的に同一であり、電極組立体141を除いた残りの構成は、
図23に示した円筒形バッテリーセル170と実質的に同一である。
【0442】
したがって、円筒形バッテリーセル150、170に関する実施例(変形例)の構成が円筒形バッテリーセル180に対しても同様に適用可能である。
【0443】
また、電極組立体141の構造と非塗布部の構造は図示されたものに限定されず、上述した実施例(変形例)の構造に代替可能である。
【0444】
図25は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル190をY軸に沿って切断した断面図である。
【0445】
図25を参照すると、円筒形バッテリーセル190は、
図17に示した電極組立体110を含み、電極組立体110を除いた残りの構成は、
図20に示した円筒形バッテリーセル140と実質的に同一である。
【0446】
図25を参照すると、電極組立体110の非塗布部146a、146bは、外周側からコア側へ折り曲げられる。この際、コア側非塗布部B1は、他の部分よりも高さが低いため、実質的に折り曲げられない。第1集電プレート144は、非塗布部146aの折曲面に溶接され、第2集電プレート145は、非塗布部146bの折曲面に溶接され得る。折曲面は、非塗布部146a、146bが折り曲げられるときに多重に重畳されて電極組立体110の上部と下部に各々形成され得る。
【0447】
電極組立体110は、コア側非塗布部B1の高さが他の部分よりも相対的に小さい。また、
図17に示したように、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0448】
したがって、非塗布部46aをコア側に向かって折り曲げても電極組立体110コアの空洞112が閉塞することなく上部に開放され得る(点線円を参照)。
【0449】
空洞112が閉塞しない場合、電解質の注液工程が容易になり、電解液の注液効率が向上する。また、空洞112から溶接ジグを挿入して第2集電プレート145と電池缶142との溶接工程を容易に行うことができる。
【0450】
非塗布部146a、146bが分節構造を有する場合、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すれば、分節片が折り曲げられるとき、分節片が溶接強度を充分に確保可能な程度に多重に重畳され、折曲面に空間(隙間)を形成しない。
【0451】
非塗布部146a、146bの構造は、図示したものと異なり、前述した実施例(変形例)による構造にいくらでも変更可能である。なお、非塗布部146a、146bのいずれか一つに従来の非塗布部の構造が適用されることを制限しない。
【0452】
図26は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル200をY軸に沿って切断した断面図である。
【0453】
図26を参照すると、円筒形バッテリーセル200は、
図17に示した電極組立体110を含み、電極組立体110を除いた残りの構成は、
図25に示した円筒形バッテリーセル180と実質的に同一である。
【0454】
図26を参照すると、電極組立体110の非塗布部146a、146bは、外周側からコア側へ折り曲げられる。この際、コア側非塗布部B1は、他の部分よりも高さが低いため、実質的に折り曲げられない。第1集電プレート144は、非塗布部146aの折曲面に溶接され、第2集電プレート176は、非塗布部146bの折曲面に溶接され得る。
【0455】
電極組立体110は、コア側非塗布部B1の高さが他の部分よりも相対的に低い。また、
図17に示したように、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0456】
したがって、非塗布部146a、146bをコア側に向かって折り曲げても電極組立体110のコアの空洞112が閉塞することなく上方に開放され得る(点線円を参照)。
【0457】
空洞112が閉塞しない場合、電解質の注液工程が容易になり、電解液の注液効率が向上する。また、空洞112から溶接ジグを挿入して第2集電プレート176と電池缶171との溶接工程を容易に行うことができる。
【0458】
非塗布部146a、146bが分節構造を有する場合、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すると、分節片が折り曲げられるときに分節片が溶接強度を充分に確保できる程度に多重に重畳され、折曲面に空間(隙間)を形成しない。
【0459】
非塗布部146a、146bの構造は、図示したものと異なり、前述した実施例(変形例)による構造にいくらでも変更可能である。なお、非塗布部146a、146bのいずれか一つに従来の非塗布部の構造が適用されることを制限しない。
【0460】
図27は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル210をY軸に沿って切断した断面図である。
【0461】
図27を参照すると、円筒形バッテリーセル210は、
図16に示した電極組立体100を含み、電極組立体100を除いた残りの構成は、
図20に示した円筒形バッテリーセル140と実質的に同一である。
【0462】
望ましくは、電極組立体100の非塗布部146a、146bは、外周側からコア側へ折り曲げられる。この際、非塗布部146aのコア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3は、他の部分よりも高さが低いため実質的に折り曲げられない。これは、非塗布部146bの場合にも同様である。第1集電プレート144は非塗布部146aの折曲面に溶接され、第2集電プレート145は非塗布部146bの折曲面に溶接され得る。
【0463】
コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2よりも相対的に低い。また、
図16に示したように、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0464】
そのため、非塗布部146a、146bをコア側に向かって折り曲げても電極組立体100のコアの空洞102が閉塞することなく上方に開放され得る(点線円を参照)。
【0465】
空洞102が閉塞しない場合、電解質の注液工程が容易になり、電解液の注液効率が向上する。また、空洞から溶接ジグを挿入して第2集電プレート145と電池缶142との溶接工程を容易に行うことができる。
【0466】
また、外周側非塗布部B3の高さは、中間非塗布部B2よりも相対的に低い。そのため、非塗布部146aが折り曲げられるとき、外周側非塗布部B3は実質的に折り曲げられない。また、外周側非塗布部B3は、ビーディング部147と充分に離隔しているので、ビーディング部147が圧入される過程で外周側非塗布部B3が損傷する問題を解決することができる。
【0467】
非塗布部146a、146bが分節構造を有する場合、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すると、分節片が折り曲げれるときに分節片が溶接強度を充分に確保できる程度に多重に重畳され、折曲面に空間(隙間)を形成しない。
【0468】
非塗布部146a、146bの構造は、図示したものとは異なり、前述した実施例(変形例)による構造にいくらでも変更可能である。なお、非塗布部146a、146bのいずれか一つに従来の非塗布部の構造が適用されることを制限しない。
【0469】
図28は、本発明のさらに他の実施例による円筒形バッテリーセル220をY軸に沿って切断した断面図である。
【0470】
図28を参照すると、円筒形バッテリーセル220は、
図17に示した電極組立体100を含み、電極組立体100を除いた残りの構成は、
図24に示した円筒形バッテリーセル180と実質的に同一である。
【0471】
望ましくは、電極組立体100の非塗布部146a、146bは、外周側からコア側へ折り曲げられる。この際、非塗布部146aのコア側非塗布部B1は、他の部分よりも高さが低いため、実質的に折り曲げられない。これは非塗布部146bの場合にも同様である。第1集電プレート144は、非塗布部146aの折曲面に溶接され、第2集電プレート176は、非塗布部146bの折曲面に溶接され得る。
【0472】
電極組立体100は、コア側非塗布部B1の高さが中間非塗布部B2よりも相対的に低い。また、
図16に示したように、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0473】
したがって、非塗布部146aをコア側に向かって折り曲げても電極組立体100コアの空洞102が閉塞することなく上方に開放され得る(点線円を参照)。
【0474】
空洞102が閉塞されない場合、電解質の注液工程が容易になり、電解液の注液効率が向上する。また、空洞102から溶接ジグを挿入して第2集電プレート176と電池缶171との溶接工程を容易に行うことができる。
【0475】
また、非塗布部146aの外周側非塗布部B3は、高さが中間非塗布部B2よりも相対的に小さい。これによって、非塗布部146aが折り曲げられるときに外周側非塗布部B3は実質的に折り曲げられない。これは非塗布部146bも同様である。
【0476】
非塗布部146a、146bが分節構造を有する場合、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すると、分節片が折り曲げられるときに分節片が溶接強度を充分に確保できる程度に多重に重畳され、折曲面に空間(隙間)を形成しない。
【0477】
非塗布部146a、146bの構造は、図示したものとは異なり、前述した実施例(変形例)による構造にいくらでも変更可能である。なお、非塗布部146a、146bのいずれか一つに従来の非塗布部の構造が適用されることを制限しない。
【0478】
上述した実施例(変形例)による円筒形バッテリーセルは、バッテリーパックを製造するのに使用され得る。
【0479】
図29は、本発明の実施例によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【0480】
図29を参照すると、本発明の実施例によるバッテリーパック300は、円筒形バッテリーセル301が電気的に接続された集合体及びそれを収容するパックハウジング302を含む。円筒形バッテリーセル301は、前述した実施例(変形例)によるバッテリーセルのいずれか一つであり得る。図面においては、図示の便宜上、円筒形バッテリーセル301の電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品の図示は省略した。
【0481】
バッテリーパック300は、自動車に搭載され得る。自動車は、一例で電気自動車、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車であり得る。自動車は、四輪自動車または二輪自動車を含む。
【0482】
図30は、
図29のバッテリーパック300を含む自動車を説明するための図である。
【0483】
図30を参照すると、本発明の一実施例による自動車Vは、本発明の一実施例によるバッテリーパック300を含む。自動車Vは、本発明の一実施例によるバッテリーパック300から電力を受けて作動する。
【0484】
本発明によれば、電極組立体の上方及び下方へ突出した非塗布部を電極タブとして使用することで円筒形バッテリーセルの内部抵抗を減少させてエネルギー密度を増加させることができる。
【0485】
本発明の他面によれば、電極組立体の非塗布部の構造を改善して電池缶のビーディング部形成過程で電極組立体と電池缶の内周面とが干渉を起こさないようにすることで電極組立体の部分的変形による円筒形バッテリーセルの内部短絡を防止することができる。
【0486】
また、本発明の他面によれば、電極組立体の非塗布部の構造を改善することで、非塗布部が折り曲げられるときに折曲地点付近の非塗布部が破れる現象を防止し、非塗布部の重畳レイヤー数を充分に増加させて溶接強度を向上させることができる。
【0487】
本発明のさらに他面によれば、電極組立体のコアに隣接する非塗布部の構造を改善することで、非塗布部が折り曲げられるときに電極組立体のコアにおける空洞が閉塞することを防止し、電解液の注入工程と電池缶と集電プレートとの溶接工程を容易に行うことができる。
【0488】
本発明のさらに他面によれば、内部抵抗が低く、内部短絡が防止され、かつ集電プレートと非塗布部との溶接強度が向上した構造を有する円筒形バッテリーセル、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0489】
以上、本発明は限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と下記する特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは勿論である。
【0490】
実施例1
(1)分離膜の製造
ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)高分子をテトラヒドロフラン(THF)に約5重量%添加した後、50℃の温度で約12時間以上に溶解して高分子溶液を製造した。この高分子溶液に、直径約400nmのBaTiO3粉末を全固形分20重量%で添加して分散させて混合溶液(BaTiO3/PVdF-HFP=80:20(重量比))を製造した。ドクターブレード(doctor blade)法を用いて製造された混合溶液をポリプロピレン素材の多孔性高分子基材の両面にコーティングした。コーティング後、THFを乾燥させて前記多孔性高分子基材の両面に多孔性コーティング層を形成した。
【0491】
その後、絶縁コーティング層用フィラーとしてAl2O3を80重量部と、絶縁コーティング層用バインダーとしてポリビニリデンフルオライド(PVdF)20重量部と、溶媒(分散媒)としてテトラハイドロフランを添加して固形分20重量%の絶縁コーティング層用組成物を準備した。準備した前記絶縁コーティング層用組成物を前記多孔性高分子基材の両面に形成された多孔性コーティング層の両端部にコーティングして乾燥することで絶縁コーティング層を備えた分離膜を製造した。
【0492】
この際、前記絶縁幅は1.25mmであり、高さは0.3μmであった。前記多孔性高分子基材の厚さは10μmであり、前記多孔性コーティング層の厚さは両面に各々1.5μmであった。気孔率測定装置(porosimeter)で測定した結果、製造された分離膜の気孔サイズ及び気孔度は各々0.4μm及び60%であった。
【0493】
(2)集電体の準備
1)正極集電体の準備
下記の表1のように第1グループと第2グループの分節片が形成される非塗布部を含むアルミニウム素材の集電体用金属薄膜(厚さ15μm)を準備した。
【0494】
前記金属薄膜は、巻取方向に沿う長さがコアから外周まで(B1+B2+B3)4,000mmであり、巻取軸方向に沿う幅が75mmであった。前記金属薄膜に対して、B1はコア側非塗布部、B3は外周側非塗布部、前記コア側非塗布部B1と外側側非塗布部B3との間のB2は、中間非塗布部として領域を区分した。前記B1の長さは350mm、B2の長さは3500mm及びB3長さは150mmであった。
【0495】
前記金属薄膜の幅方向において第2側部から内側へ所定の幅は正極活物質部にし、残りは非塗布部の第1部分にし、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部は、中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さを小さくした。
【0496】
2)負極集電体の準備
銅薄膜(厚さ10μm)を集電体の素材にし、巻取軸方向に沿う幅が80mmであることを除いては正極集電体と同様の方式で負極集電体を準備した。
【0497】
【0498】
(3)負極の製造
平均粒径D50が11μmである天然黒鉛と、カーボンブラックと、カルボキシルメチルセルロース(CMC)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)とを、94:1.5:2:2.5の重量比で水と混合して水を除いた残りの成分50wt%濃度の負極活物質層用スラリーを準備した。その後、前記スラリーを前記で準備した銅素材の集電体の表面の負極活物質部にスロットダイを用いて走行速度40m/分で塗布した。巻取軸方向を基準にして前記負極活物質部の幅は70mmであり、非塗布部の幅は10mmであった。前記負極活物質のロード量は、電極面積を基準にして16mg/cm2の量にした。前記負極活物質層用スラリーが塗布された銅薄膜を長さ60mの熱風オーブンを通過させて乾燥し、この際、オーブンの温度は130℃を維持するように調節された。その後、目標(target)厚さは180μmにしてロールプレスによって密度3.45g/ccの負極を得た。
【0499】
その後、前記中間非塗布部の区間は、レーザーでノッチング加工して上記の表1の条件を有するように分割して複数の分節片を形成した。この際、各分節片のノッチング谷の下端は実質的に同じ高さを有するように調節した。
【0500】
(4)正極の製造
正極活物質としてLi(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O2(NCM-622)と、導電材としてカーボンブラック(carbon black)と、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド(PVdF)と、を96:2:2の重量比で分散媒である水に添加し、正極スラリー準備した。前記スラリーを前記で準備したアルミニウム集電体の表面にコーティングし、前記負極と同じ条件で乾燥及び圧延を行って正極を製造した。前記正極において巻取軸方向を基準にして前記正極活物質部の幅は65mmであり、非塗布部の幅は10mmであった。
この際、正極活物質層は、前記NMC622の理論放電容量を考慮して電池のNP ratio 1.18(118%、約27.7cm2)になるように調節した。
【0501】
続いて、前記中間非塗布部の区間は、レーザーでノッチング加工して上記の表1の条件を有するように分割して複数の分節片を形成した。この際、各分節片のノッチング谷の下端は実質的に同じ高さを有するように調節した。
【0502】
(5)電極組立体の準備
準備された前記負極/分離膜/正極の順に積層して巻き取ってゼリーロール型の電極組立体を製造した。分離膜の幅方向の末端が前記基準線を基準にして前記最小折曲分節片(第1グループ)の高さの30%(1.5mm)であり、前記電極組立体の外側方向に位置するようにした。
【0503】
(6)円筒形バッテリーセル(電池)の製造(4680型)
電極組立体の上方及び下方に露出した第1グループから第7グループの分節片をコア側へ折り曲げた後、上部折曲面及び下部折曲面に正極集電板及び負極集電板を各々溶接した。その後、
図28に示した構造の円筒形セルを製作した。即ち、正極集電板及び負極集電板が溶接された電極組立体を、外部端子が予め置けられたバッテリーハウジングに挿入し、正極集電板と外部端子を溶接し、負極集電板の周端部をビーディング部に溶接した。その後、バッテリーハウジングを電解液注入装置のチャンバに入れ、バッテリーハウジングの開口部が重力と反対方向に向かうようにバッテリーハウジングを起立させた。続いて、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、ジエチルカーボネート(DEC)と、を1:2:1(体積比)の組成で混合した有機溶媒に、LiPF
6を1.0Mの濃度になるように溶解して非水電解液を製造した。その後、バッテリーハウジングの開口部から電解液を注入した後、20秒間800kPaまでチャンバの圧力を上昇させて150秒間維持し、さらに20秒間-90kPaまでチャンバの圧力を低めて実質的な真空状態を20秒間維持した。電解液の含浸工程が完了した後、ガスケットを用いてバッテリーハウジングの開放部を密封体でシーリングして円筒形セルの製作を完了した。
【0504】
比較例1
(1)分離膜の製造
ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)高分子をテトラヒドロフラン(THF)に約5重量%添加した後、50℃の温度で約12時間以上に溶解することで高分子溶液を製造した。この高分子溶液に、粒径約400nmのBaTiO3粉末を全固形分20重量%で添加して分散させて混合溶液(BaTiO3/PVdF-HFP=80:20(重量比))を製造した。ドクターブレード(doctor blade)法を用いて製造された混合溶液をポリプロピレン素材の多孔性高分子基材の両面にコーティングした。コーティング後、THFを乾燥させて前記多孔性高分子基材の両面に多孔性コーティング層を形成して分離膜を製造した。
【0505】
この際、前記多孔性高分子基材の厚さは10μmであり、前記多孔性コーティング層の厚さは両面に各々1.5μmであった。気孔測定装置(porosimeter)で測定した結果、製造された分離膜の気孔サイズ及び気孔度は各々0.4μm及び60%であった。
【0506】
比較例1で製造された分離膜を使用したことを除いては、実施例1に示した方法と同様に、集電体、正極、負極及び円筒形バッテリーセルを各々製造した。
【0507】
分離膜及び円筒形バッテリーセルの評価
(1)分離膜の圧縮特性評価
実施例1及び比較例1で製造された分離膜の圧縮特性を下記の方法で評価した。
【0508】
70mm×100mm規格のA4用紙4枚、50mm×50mm規格のHaze PET 2枚、Haze PET 1枚を準備し、打抜機を用いて分離膜を50mm×50mm規格で3枚以上打ち抜けた。
【0509】
前記打ち抜けられた分離膜の圧縮前の厚さを測定した。3枚を積層した後、周縁部から10cm離れた内側部分の3×3ポイントを測定した。準備した分離膜原反とPETフィルム、A4用紙を次第に積層した。上端からA4用紙2枚、haze PETフィルム1枚、分離膜原反1枚、haze PETフィルム2枚、A4用紙2枚を順次に積層した。
【0510】
ホットプレス(hot press)を用いて2,000kgf(7.8MPa)、70℃、10秒の条件に設定し、積層が完了したサンプルをホットプレスで加圧した。圧縮が完了した分離膜の厚さを圧縮前と同じ方式で測定して厚さの変化を確認した。
【0511】
実施例1及び比較例1で製造された分離膜の圧縮特性の評価結果を
図31に示した。
【0512】
図31を参照すると、多孔性コーティング層の量端部に絶縁性コーティング層を備える実施例1の分離膜が絶縁性コーティング層を備えない比較例1の分離膜よりも圧縮率が約1%改善されることを確認することができる。これは分離膜の両端部にコーティングされた絶縁コーティング層による分離膜の圧縮時に支持される力による理由として考えられる。
【0513】
(2)円筒形バッテリーセルの抵抗特性評価
実施例1及び比較例1で製造された円筒形バッテリーセルのSOCによる抵抗特性を下記の方法で評価した。
【0514】
充電電流と放電電流を交互に10秒間適用して各電流による電圧の下降/上昇分を考慮した上、オームの法則を用いて傾さを求めることができ、これをDCIR(direct current internal resistance)、即ち、内部抵抗と定義した。
【0515】
実施例1及び比較例1で製造された円筒形バッテリーセルの抵抗特性結果を
図32に示した。
【0516】
図32を参照すると、多孔性コーティング層の両端部に絶縁性コーティング層を備える実施例1の分離膜を備えた円筒形バッテリーセルが、絶縁性コーティング層を備えていない比較例1の分離膜を備えた円筒形バッテリーセルよりも抵抗の低い値を示すことを確認することができる。これは、電解液含浸性の改善による電流印加時、リチウムイオンの移動が円滑になったためと見られる。
【0517】
(3)電解液の含浸量(含浸性)評価
実施例1及び比較例1で製造された円筒形バッテリーセルの電解液の含浸量(含浸性)を以下の方法で評価し、その結果を
図33に示した。
【0518】
実施例1及び比較例1で製造された円筒形バッテリーセルを分解して各々正極と負極を得た。その後、負極と正極に対して合計9個の地点で10cm
2サイズの試料を切り取って得た。9個の試料は、電極を広げたときに電極組立体のコアに隣接する領域から3個(#1~#3)、電極組立体の外周側に隣接する領域から3個(#7~#9は)、巻取方向を基準にして電極の中央領域から3個(#4~#6)の試料を採取した。各試料採取領域から3個の試料を採取することにおいては、巻取軸方向に沿って活物質層の下端、中央及び上端で各々一つずつ採取した。一方、#1、#4及び#7は、電極の幅方向における一側の末端付近であり、#3、#6及び#9は、電極の幅方向における他側の末端付近である。一方、#2、#5及び#8は、その中間部分を示したものである。
図34から試料の採取部分を参照し得る。但し、
図34は、
図10に基づいて単に試料採取部分を示したものであって、試料採取部分以外の形態や数値は前記表1を参照する。
【0519】
電解液の含浸性は、対照試料の重さと採取試料の重さとの差から決定した。対照試料は、実施例1及び比較例1で使用された電極と同一に製作されており、電解液を含浸させていない正極及び負極の同じ採取位置から得た。
【0520】
実施例1の電極組立体において、正極の#1~#9の各部分における電解液の平均含浸量は21.3mgであり、比較例1の電極組立体において正極の#1~#9の各部分における電解液の平均含浸量は18.3mgであった。また、実施例1の電極組立体において負極の#1~#9の各部分における電解液の平均含浸量は31.3mgであり、比較例1の電極組立体において負極の#1~#9の各部分における電解液の平均含浸量は27.7mgであった。実施例1における電解液の含浸量が比較例1に比べて高いことが確認された。これは、分離膜の多孔性高分子基材の両面に形成された多孔性コーティング層のみならず、絶縁コーティング層がさらに適用されることによって電解液が吸収される領域が広くなり、さらに、円筒形バッテリーセルに電解液を注液するに際し、上方から下方へ注液が行われることから、絶縁コーティング層に最も先に吸収されることで含浸性が改善され、含浸量が増加したためであるといえる。
【0521】
(4)円筒形バッテリーセルの電圧及び温度特性評価
実施例1と比較例1の分離膜を備える円筒形バッテリーセルのSOCによる電圧及び温度特性を下記の方法で評価した。
【0522】
放電時、電流速度(C-rate)を異にすると、セルに熱が発生するようになり、この時に発生する熱の温度を比較することで発熱特性を確認することができる。
【0523】
実施例1と比較例1の分離膜を備える円筒形バッテリーセルのSOCによる電圧及び温度特性の評価結果を
図35に示した。
【0524】
図35を参照すると、同じ電流速度で印加したとき、各電流速度0.5C、1.0C、2.0C、3.0Cによる放電時、本発明の分離膜の場合、発熱特性が既存よりも低いことが確認され、これは、先立って内部抵抗DC-IRが低かった点と、含浸性が改善されたことがその原因として認められる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離膜であって、
前記分離膜は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の少なくとも一面に形成され、バインダー高分子及び無機物粒子を含む多孔性コーティング層と、を含み、
前記分離膜の最外側の横方向(TD)における両端部に絶縁コーティング層を各々備え、
前記絶縁コーティング層が、絶縁コーティング層用フィラー及び絶縁コーティング層用バインダーを含む多孔性構造を有することを特徴とする、分離膜。
【請求項2】
前記絶縁コーティング層一枚の幅が、前記分離膜の幅方向における全長の0.1%~10%であることを特徴とする、請求項1に記載の分離膜。
【請求項3】
前記絶縁コーティング層用フィラーの平均粒径が、無機フィラーの平均粒径の10%~90%であることを特徴とする、請求項1に記載の分離膜。
【請求項4】
前記絶縁コーティング層の垂直断面の形状が、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の分離膜。
【請求項5】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、電極組立体。
【請求項6】
正極板、負極板及び前記正極板と負極板との間に介在された分離膜が一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、前記電極組立体が収納される電池缶と、前記電池缶の開放端部を密封する密封体と、を含み、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、円筒形バッテリーセル。
【請求項7】
前記円筒形バッテリーセルは、フォームファクターの比が0.4以上である、請求項6に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項8】
前記円筒形バッテリーセルが、46110セル、48750セル、48110セル、48800セルまたは46800セルである、請求項7に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項9】
前記円筒形バッテリーセルが、電極タブを含まないタブレス構造の電池である、請求項6に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項10】
前記正極板及び前記負極板は、各々活物質層が形成されていない非塗布部を含み、
前記電極組立体の上端及び下端に各々正極板非塗布部及び負極板非塗布部が位置し、
前記正極板非塗布部及び前記負極板非塗布部に集電プレートが結合しており、
前記集電プレートが電極端子と接続する、請求項6に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項11】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であって、
前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つは、長辺の端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み、
前記非塗布部の少なくとも一部が電極タブとして使用され、
前記非塗布部が、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、
前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つが、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、複数の分節片に分割されており、
前記分離膜が、請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、電極組立体。
【請求項12】
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、コア側から外周側へ進むほど巻取軸方向の高さが段階的に増加することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記複数の分節片は各々、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形または半楕円形の構造を有することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記複数の分節片が各々台形であり、
前記複数の分節片は、個別的にまたはグループ別にコア側から外周側へ進むほど台形の下部内角が増加することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記複数の分節片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つが、個別的にまたはグループ別にコア側から外周側に進むほど段階的に増加することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記複数の分節片が、コア側へ折り曲げられて多重に重畳することを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記電極組立体のコアに空洞が備えられ、
前記空洞が、前記コア側へ折り曲げられた複数の分節片によって閉塞しないことを特徴とする、請求項
16に記載の電極組立体。
【請求項18】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜とが一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極板及び前記第2電極板のいずれか一つと電気的に接続して第1極性を有する電池缶と、
前記電池缶の開放端を密封する密封体と、
前記第1電極板及び前記第2電極板の残りの一つと電気的に接続し、表面が外部に露出している第2極性を有する端子と、を含み、
前記第1電極板及び前記第2電極板の少なくとも一つが、長辺端部に活物質層がコーティングされていない非塗布部を含み、
前記非塗布部の少なくとも一部が電極タブとして使用され、
前記非塗布部が、前記電極組立体のコアに隣接するコア側非塗布部と、前記電極組立体の外周表面に隣接する外周側非塗布部と、前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部との間に介在された中間非塗布部と、を含み、
前記コア側非塗布部と前記外周側非塗布部の少なくとも一つは、前記中間非塗布部よりも巻取軸方向の高さが相対的に小さく、
前記中間非塗布部の少なくとも一部区間が、複数の分節片に分割されており、
前記分離膜が請求項1から4のいずれか一項に記載の分離膜であることを特徴とする、円筒形バッテリーセル。
【請求項19】
請求項
18に記載のバッテリーセルを少なくとも一つ含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項20】
請求項
19に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする、自動車。
【国際調査報告】