(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241114BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20241114BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/559
H01M50/186
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527658
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022010557
(87)【国際公開番号】W WO2023090573
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0160823
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0005393
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-シク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ウォン・イム
(72)【発明者】
【氏名】ユ-ソン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ハク-キョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ジュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク-ヒョン・リュ
(72)【発明者】
【氏名】クァン-ヒ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ビョン-グ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ウン・イ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG02
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB07
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC10
5H028CC12
5H028HH06
5H043AA19
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA03
5H043CA12
5H043DA01
5H043DA09
5H043JA00D
5H043LA21D
(57)【要約】
本発明は、電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を開示する。電極組立体の一側端面は、複数の分切片グループが半径方向に沿って整列された複数の分切片整列部、及び円周方向で隣り合う分切片整列部の間において活物質部の端部が分離膜の巻回ターンの間から露出している電解質含浸部を含み、分切片整列部に含まれた分切片は折曲表面領域を形成し、前記分離膜の端部は、分切片間の切断溝に対応する位置に沿って巻取軸方向に延在した基準線から前記折曲表面領域を形成する分切片の最小高さの30%以下で離隔している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された分離膜とが巻取軸を中心に巻き取られることでコア及び外周面が画定された電極組立体であって、
前記第1電極は、巻取方向に沿って活物質層がコーティングされている第1活物質部、及び活物質層がコーティングされていない第1無地部を含み、
前記第1無地部は、巻取方向に沿って設けられた複数の切断溝によって独立的に折り曲げ可能な複数の分切片に分割されている分切片区間を含み、
前記分切片区間は、前記巻取方向に沿ってグループ間離隔間隔を介して配置された複数の分切片グループを含み、
前記電極組立体の一側端面は、複数の前記分切片グループが半径方向に沿って整列された複数の分切片整列部、及び円周方向で隣り合う分切片整列部の間において前記第1活物質部の端部が分離膜の巻回ターンの間から露出している電解質含浸部を含み、
前記分切片整列部に含まれた分切片は、前記コアに向かって折り曲げられて折曲表面領域を形成し、
前記分離膜の端部は、複数の前記切断溝に対応する位置に沿って巻取軸方向に延在した基準線から予め設定された距離以内で離隔しており、
前記予め設定された距離は、前記折曲表面領域を形成する分切片の最小高さの30%である、電極組立体。
【請求項2】
前記折曲表面領域は扇形状である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記折曲表面領域に配置された各分切片グループの巻取方向の幅が、コア側から外周側に向かって段階的に又は徐々に増加する、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記折曲表面領域に配置された各分切片グループに含まれた分切片の個数が、コア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加する、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項5】
同一分切片グループに含まれた分切片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、下部内角、及び巻取方向の離隔ピッチから選択された一つ以上が同じである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
第1巻回ターンに位置した分切片グループに含まれた分切片は、第1巻回ターンよりも外側に位置した第2巻回ターンに位置した分切片グループに含まれた分切片よりも、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、下部内角、及び巻取方向の離隔ピッチから選択された一つ以上が小さい、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
異なる巻回ターンに位置した分切片グループに含まれた分切片の巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、下部内角、及び巻取方向の離隔ピッチから選択された一つ以上が、巻回ターンの半径が増加するにつれて徐々に又は段階的に増加する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記折曲表面領域が四角形、台形又は平行四辺形の形状を有する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記折曲表面領域及び前記電解質含浸部は、前記コアを基準にして放射状に延びている、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記コアの中心と前記折曲表面領域に近似的に対応する図形の幾何中心とを連結した線を角度測定線と定義するとき、円周方向において隣り合う折曲表面領域の角度測定線間の角度が略等しい、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記角度が、実質的に30°、40°、45°、60°、72°、90°、120°又は180°である、請求項10に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記分切片整列部に含まれた分切片グループの少なくとも一部は、巻回ターンの半径が増加するにつれて前記巻取軸を基準に時計回り又は反時計回りに回転した状態である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記巻取軸を基準に時計回り又は反時計回りに回転した状態である分切片グループの回転量が、前記巻回ターンの半径が増加するにつれて増加する、請求項12に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記巻取方向に沿って前記第1無地部と前記活物質層との境界領域を覆う絶縁層をさらに含み、
前記絶縁層と前記切断溝との間にギャップが設けられている、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記ギャップが前記巻取方向に沿って変化する、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記第1電極の所定領域において、前記ギャップが他の領域よりも増加又は減少している、請求項15に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記第1電極の所定領域において、前記ギャップが前記巻取方向と平行な一方向に沿って徐々に又は段階的に増加している、請求項15に記載の電極組立体。
【請求項18】
前記ギャップが0.2mm~4mmである、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項19】
前記絶縁層が前記巻取軸方向に沿って前記分離膜の外側に露出している、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項20】
前記絶縁層は、前記活物質層よりも薄くて前記分離膜と離隔して配置される、請求項15に記載の電極組立体。
【請求項21】
前記分切片整列部は、前記電極組立体のコア側から外周側に分切片の高さが第1高さh
1~第N-1高さh
N-1(Nは3以上の自然数)まで段階的に増加する高さ可変区間、及び第N高さh
N(h
N-1より大きい)で均一に維持される高さ均一区間を含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項22】
高さh
k(kは1~Nの自然数)を有する分切片が含まれた巻回ターンの開始半径をr
kと定義するとき、前記電極組立体のコアは、前記r
kに位置した分切片の折曲部によって直径の90%以上が閉塞されない、請求項21に記載の電極組立体。
【請求項23】
高さh
k(kは1~Nの自然数)を有する分切片が含まれた巻回ターンの開始半径をr
k、コアの半径をr
cとするとき、分切片の高さh
kが下記の数式
2mm≦h
k≦r
k-α×r
c(αは0.90~1)
を満たす、請求項21に記載の電極組立体。
【請求項24】
前記分切片整列部は、前記巻取軸方向に沿った断面を基準にして、半径方向に沿って順に、分切片が存在しない分切片省略区間、分切片の高さが変わる高さ可変区間、及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、複数の前記分切片は、前記高さ可変区間及び前記高さ均一区間に配置されている、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項25】
前記電極組立体のコアの中心を基準にして、前記折曲表面領域の任意の半径位置で前記巻取軸方向と平行な仮想の線と交わる分切片の個数を該当半径位置における分切片の積層数と定義するとき、前記折曲表面領域は、コア側から外周側に向かって分切片の積層数が均一な積層数均一区間、及び前記積層数均一区間の外側に位置し、前記分切片の積層数が前記外周側に向かって減少する積層数減少区間を含む、請求項24に記載の電極組立体。
【請求項26】
前記積層数均一区間における前記分切片の積層数が10~35である、請求項25に記載の電極組立体。
【請求項27】
前記第1電極は正極であり、前記積層数均一区間における前記分切片の積層厚さは100μm~875μmである、請求項25に記載の電極組立体。
【請求項28】
前記第1電極は負極であり、前記積層数均一区間における前記分切片の積層厚さは50μm~700μmである、請求項25に記載の電極組立体。
【請求項29】
前記第2電極は、巻取方向に沿って活物質層がコーティングされている第2活物質部、及び活物質層がコーティングされていない第2無地部を含み、
前記第2無地部は、巻取方向に沿って設けられた複数の切断溝によって独立的に折り曲げ可能な複数の分切片に分割されている分切片区間を含み、
前記第2無地部の前記分切片区間は、前記巻取方向に沿ってグループ間離隔間隔を介して配置された複数の分切片グループを含み、
前記電極組立体の他側端面は、前記第2無地部の複数の前記分切片グループが半径方向に沿って整列された複数の分切片整列部、及び円周方向で隣り合う前記第2無地部の分切片整列部の間において前記第2活物質部の端部が分離膜の巻回ターンの間から露出している電解質含浸部を含み、
前記第2無地部の前記分切片整列部に含まれた分切片は、前記コアに向かって折り曲げられて折曲表面領域を形成し、
前記分離膜の端部は、前記第2無地部の複数の前記切断溝に対応する位置に沿って巻取軸方向に延在した基準線から予め設定された距離以内で離隔しており、
前記予め設定された距離は、前記折曲表面領域を形成する前記第2無地部の分切片の最小高さの30%である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項30】
第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された分離膜とが巻取軸を中心に巻き取られることでコア及び外周面が画定された電極組立体であって、前記第1電極は、巻取方向に沿って活物質層がコーティングされている第1活物質部、及び活物質層がコーティングされていない第1無地部を含み、前記第1無地部は、巻取方向に沿って設けられた複数の切断溝によって独立的に折り曲げ可能な複数の分切片に分割されている分切片区間を含み、前記分切片区間は、前記巻取方向に沿ってグループ間離隔間隔を介して配置された複数の分切片グループを含み、前記電極組立体の一側端面は、複数の前記分切片グループが半径方向に沿って整列された複数の分切片整列部、及び円周方向で隣り合う分切片整列部の間において前記第1活物質部の端部が分離膜の巻回ターンの間から露出している電解質含浸部を含み、前記分切片整列部に含まれた分切片は、前記コアに向かって折り曲げられて折曲表面領域を形成し、前記分離膜の端部は、複数の前記切断溝に対応する位置に沿って巻取軸方向に延在した基準線から予め設定された距離以内で離隔しており、前記予め設定された距離は、前記折曲表面領域を形成する分切片の最小高さの30%である、電極組立体と、
前記電極組立体を収納し、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、
前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、
前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外側に露出して第2極性を有する端子と、を含む、バッテリー。
【請求項31】
前記電池ハウジングの開放端の周縁領域を前記電池ハウジングの内側に押し込んで形成したビーディング部と、
前記折曲表面領域と電気的に結合された集電体と、
前記集電体を覆い、周縁が前記ビーディング部の内周面と前記集電体との間に介在されて固定された絶縁体と、をさらに含む、請求項30に記載のバッテリー。
【請求項32】
前記電極組立体のコアには空洞が設けられており、
前記空洞は、前記折曲表面領域によって閉塞されずに外側に開放されている、請求項30に記載のバッテリー。
【請求項33】
前記密封体は、前記電池ハウジングの開放端を密閉するキャップ、及び前記キャップの周縁を包んで前記電池ハウジングの上端部にクリンピングされたガスケットを含み、
前記第2極性を有する端子が前記キャップである、請求項30に記載のバッテリー。
【請求項34】
前記第1極性を有する第2電極の無地部と電気的に接続され、前記電池ハウジングの側壁に周縁の少なくとも一部が結合された集電体をさらに含み、
前記密封体は、極性のないキャップ、及び前記キャップの周縁を包んで前記電池ハウジングの上端部にクリンピングされたガスケットを含み、
前記電池ハウジングは、閉鎖面の中央部に形成された貫通孔に絶縁可能に取り付けられ、前記第1電極と電気的に接続されて前記第2極性を有するリベット端子を含む、請求項30に記載のバッテリー。
【請求項35】
請求項30から34のいずれか一項に記載のバッテリーを複数個含む、バッテリーパック。
【請求項36】
請求項35に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年11月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0160823号及び2022年1月13日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0005393号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)又はハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに一般的に適用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池、すなわち、単位バッテリーの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーを並列に接続してバッテリーパックを構成することもある。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーの個数及び電気的接続形態は、求められる出力電圧及び/又は充放電容量によって多様に設定され得る。
【0006】
一方、単位二次電池の種類としては、円筒形、角形及びパウチ型のバッテリーが知られている。円筒形バッテリーの場合、正極と負極との間に絶縁体である分離膜を介在し、これを巻き取ってゼリーロール(jelly-roll)型の電極組立体を形成し、これを電池ハウジングの内部に挿入して電池を構成する。電池ハウジングは当業界において電池缶と呼ばれる。そして、前記正極及び負極のそれぞれの無地部にはストリップ状の電極タブが連結され、電極タブは電極組立体と外側に露出する電極端子との間を電気的に接続させる。参考までに、正極端子は電池ハウジングの開口部を密封する密封体のキャップであり、負極端子は電池ハウジングである。ところが、このような構造を有する従来の円筒形バッテリーによれば、正極無地部及び/又は負極無地部と結合されるストリップ状の電極タブに電流が集中されるため、抵抗が大きくて発熱が多く、集電効率が良くないという問題がある。
【0007】
1865(直径:18mm、高さ:65mm)や2170(直径:21mm、高さ:70mm)のフォームファクタ(form factor)を有する小型円筒形バッテリーでは抵抗と発熱があまり問題にはならない。しかし、円筒形バッテリーを電気自動車に適用するためフォームファクタを増加させる場合、急速充電過程で電極タブの周辺で多量の熱が発生しながら円筒形バッテリーが発火する問題が発生し得る。
【0008】
このような問題を解決するため、ゼリーロール型の電極組立体の上端及び下端にそれぞれ正極無地部及び負極無地部が位置するように設計し、このような無地部に集電体を溶接して集電効率が改善された構造を有する円筒形バッテリー(いわゆる、タブレス(tab-less)円筒形バッテリー)が提示されている。
【0009】
図1~
図3は、タブレス円筒形バッテリーの製造過程を示した図である。
図1は電極の構造を示し、
図2は電極の巻取工程を示し、
図3は無地部の折曲表面領域に集電体が溶接される工程を示している。
【0010】
図1~
図3を参照すると、正極10及び負極11はシート状の集電体20に活物質21がコーティングされた構造を有し、巻取方向(X軸)に沿って一方の長辺側に無地部22を含む。長辺とは、X軸方向と平行な方向であって、長さが相対的に長い辺を意味する。
【0011】
電極組立体Aは、正極10と負極11とを、
図2に示したように、2枚の分離膜12と一緒に順に積層させた後、一方向(X軸方向)に巻き取って製作する。このとき、正極10の無地部と負極11の無地部とは反対方向に配置される。
【0012】
巻取工程の後、正極10の無地部10a及び負極11の無地部11aはコア側に折り曲げられる。その後、無地部10a、11aに集電体30、31をそれぞれ溶接して結合させる。
【0013】
正極無地部10a及び負極無地部11aには、別途の電極タブが結合されておらず、集電体30、31が外部の電極端子と連結され、電流経路が電極組立体Aの巻取軸方向(矢印参照)に沿って大きい断面積で形成されるため、バッテリーの抵抗を低減できるという長所がある。抵抗は電流が流れる通路の断面積に反比例するためである。
【0014】
タブレス円筒形バッテリーにおいて、無地部10a、11aと集電体30、31との溶接特性を向上させるためには、無地部10a、11aの溶接領域に強い圧力を加えて最大限に扁平に無地部10a、11aを折り曲げなければならない。
【0015】
ところが、無地部10a、11aの溶接領域を折り曲げるとき、無地部10a、11aの模様が不規則に歪みながら変形されることがある。この場合、変形された部位が反対極性の電極と接触して内部短絡を起こすか、又は、無地部10a、11aに微細なクラックを誘発するおそれがある。また、電極組立体Aのコアに隣接した無地部32が折り曲げられながら電極組立体Aのコアにある空洞33の全部又は相当部分を閉塞する。この場合、電解質注液工程で問題が生じる。すなわち、電極組立体Aのコアにある空洞33は電解質が注入される通路として使用される。しかし、該通路が閉塞されれば、電解質を注入し難い。また、電解質注入器が空洞33に挿入される過程でコア付近において無地部32と干渉を起こし、無地部32が破れる問題が生じ得る。
【0016】
また、集電体30、31が溶接される無地部10a、11aの折曲部位は多重に重なっており、空いた空間(間隙)が存在してはならない。それによって、十分な溶接強度が得られ、レーザー溶接などの最新技術を使用する際にも、レーザーが電極組立体Aの内部に浸透して分離膜や活物質を溶融させる問題を防止することができる。
【0017】
一方、電極組立体Aの無地部10a、11aが折り曲げられながら形成された折曲表面領域には、巻取軸方向に電解質が通過可能な隙間が殆どない。無地部10a、11aが折り曲げられる過程で巻取直後には存在していた巻回ターンの間の隙間が殆どなくなるためである。したがって、無地部10a、11aの端部全体を折り曲げた構造では、電解質の含浸時間が増加するおそれがある。
【0018】
また、従来のタブレス円筒形バッテリーは、電極組立体Aの上側に全体的に正極無地部10aが形成されている。したがって、電池ハウジングの上端の外周面を内部に押し込んでビーディング(beading)部を形成するとき、電極組立体Aの上端の周縁領域34が電池ハウジングによる圧迫を受けるようになる。このような圧迫は、電極組立体Aを部分的に変形させ、このとき、分離膜12が破れながら内部短絡が発生し得る。電池の内部で短絡が発生すれば、電池の発熱や爆発につながるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上述した従来技術の背景下で創案されたものであって、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき無地部に加えられる応力ストレスを緩和できるように改善された無地部の構造を有する電極組立体を提供することを一目的とする。
【0020】
また、本発明は、無地部が折り曲げられても電解質注入通路が閉塞されない電極組立体を提供することを他の目的とする。
【0021】
また、本発明は、電池ハウジングの上端がビーディングされるとき電極組立体の上端周縁と電池ハウジングの内面とが接触することを防止可能な構造を含む電極組立体を提供することをさらに他の目的とする。
【0022】
また、本発明は、電極の無地部に分切片構造を適用し、分切片の寸法(幅、高さ、離隔ピッチ)を最適化させて溶接ターゲット領域として使用される領域の分切片の積層数を十分に増加させることによって、溶接領域の物性を改善した電極組立体を提供することをさらに他の目的とする。
【0023】
また、本発明は、分切片の折り曲げによって形成された折曲表面領域に集電体を広い面積で溶接させた構造を適用することで、エネルギー密度が向上し、抵抗が減少した電極組立体を提供することをさらに他の目的とする。
【0024】
また、本発明は、電極組立体に対して集電体を安定的に溶接可能な構造の電極組立体を提供することをさらに他の目的とする。
【0025】
また、本発明は、電解質の含浸特性が改善された電極組立体を提供することをさらに他の目的とする。
【0026】
また、本発明は、上部で電気的配線を実行できるようにデザインが改善された端子及び集電体を含むバッテリーを提供することを一目的とする。
【0027】
また、本発明は、改善された構造の電極組立体を含むバッテリー、該バッテリーを含むバッテリーパック、及び該バッテリーパックを含む自動車を提供することを一目的とする。
【0028】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に限定されず、他の課題は下記の発明の説明から通常の技術者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様による電極組立体は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された分離膜とが巻取軸を中心に巻き取られることでコア及び外周面が画定された電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは、巻取方向に沿って活物質層がコーティングされている活物質部と、活物質層がコーティングされていない無地部と、を含む。
【0030】
前記無地部の少なくとも一部は、それ自体が電極タブとして使用され得る。
【0031】
前記無地部は、前記活物質層との境界領域である基端部に前記巻取方向に沿って形成された絶縁層を含み得る。
【0032】
前記無地部は、巻取方向に沿って設けられた複数の切断溝によって独立的に折り曲げ可能な複数の分切片に分割されている区間を含み得る。
【0033】
前記切断溝の底部と前記絶縁層との間のギャップは、前記巻取方向に沿って変わり得る。
【0034】
前記分切片を折り曲げるとき、前記絶縁層が前記無地部の基端部を支持することにより、無地部の基端部の変形を防止し得る。基端部の剛性が補強されるため、前記分切片を折り曲げるとき、分切片の下端部を基準にして分切片を正確に折り曲げることができる。
【0035】
前記絶縁層の少なくとも一部は、前記分離膜の外側に露出し得る。前記分切片の折り曲げ時に分離膜よりも外側に突出する無地部の部分を絶縁層で覆うことにより、隣り合う異なる極性の電極間で短絡が生じることを防止することができる。
【0036】
前記無地部上に形成された絶縁層は、前記活物質層よりも薄く、前記分離膜から離隔して配置され得る。すなわち、前記活物質層は前記分離膜と接する一方、前記無地部上の絶縁層と前記分離膜との間には間隔があり得る。これにより、前記絶縁層は、前記分切片の折り曲げ時にその折り曲げ力によって無地部の基端部が多少変形されても、その変形量が前記分離膜に影響を及ぼすことを最小化することができる。
【0037】
電極の所定領域において、前記ギャップは他の領域よりも増加又は減少し得る。
【0038】
電極の所定領域において、前記ギャップは、前記巻取方向と平行な一方向に沿って一定であるか、若しくは、前記巻取方向と平行な一方向に沿って徐々に又は段階的に増加し得る。
【0039】
前記ギャップは、0.2mm~4mmであり得る。
【0040】
前記分切片は、下部から上部に向かって巻取方向の幅が減少する幾何学的な形態を有し、コア側から外周側に向かってその下部内角が徐々に又は段階的に増加し得る。
【0041】
複数の前記分切片は、巻取方向において隣り合う分切片同士の下部内角が同じである分切片グループを複数備え得る。分切片をグループ化して管理すると、設計及び製造管理が容易である。
【0042】
或る一つの分切片グループに属する分切片のそれぞれの下部内角θは、それよりもコア側に配置された分切片グループに属する分切片のそれぞれの下部内角と同一であるか又はそれよりも大きくなり得る。ゼリーロール型の電極組立体は、外周に向かうにつれて曲率が減少する。したがって、外周の近くに配置される分切片であるほど、その下部内角を大きくすることで、電極組立体の円周方向において隣り合う分切片同士の隙間を最小化することができ、これは後述する集電体の溶接強度を確保するのに役立つ。
【0043】
複数の前記分切片は、巻取方向で隣り合う分切片同士において、下部内角θ、分切片の軸方向の高さH、分切片の巻取方向の幅D、分切片の形状、二つの分切片の間の切断溝の底部の高さ、及び二つの分切片の間の離隔ピッチPから選択された第1要素が同じである分切片グループを複数備え得る。
【0044】
ここで、異なる分切片グループに属する分切片同士は、前記第1要素が相異なり得る。
【0045】
前記第1要素が分切片の下部内角であるとき、或る一つの分切片グループに属する分切片のそれぞれの下部内角は、それよりもコア側に配置された分切片グループに属する分切片のそれぞれの下部内角よりも大きくなり得る。
【0046】
前記第1要素が分切片の軸(ゼリーロール型の巻取軸)方向の高さであるとき、或る一つの分切片グループに属する分切片のそれぞれの高さは、それよりもコア側に配置された分切片グループに属する分切片のそれぞれの高さよりも高くなり得る。すると、外周側に配置された分切片が折り曲げられたとき、それよりもコア側に配置された分切片と重なる枚数をさらに増やすことができ、電極組立体の半径方向において、折り曲げられた分切片が重なる枚数を均一に維持することで、集電体の溶接に適し、溶接が容易な折曲表面領域を確保することができる。
【0047】
前記第1要素が分切片の巻取方向の幅であるとき、或る一つの分切片グループに属する分切片のそれぞれの巻取方向の幅は、それよりもコア側に配置された分切片グループに属する分切片のそれぞれの巻取方向の幅よりも広くなり得る。ゼリーロール状に巻き取られた電極組立体は、外周側に向かうにつれて曲率半径が大きくなる。したがって、分切片が円滑に折り曲げられるように、巻取方向における幅は徐々に増加することが好ましい。
【0048】
同一分切片グループに属する分切片同士は、前記第1要素だけではなく、分切片の下部内角、分切片の軸方向の高さ、分切片の巻取方向の幅、分切片の形状、二つの分切片の間の切断溝の底部の高さ、及び二つの分切片の間の離隔ピッチから前記第1要素と重ならないように選択された第2要素も同じであり得る。
【0049】
例えば、同一分切片グループに属する分切片同士は、分切片の下部内角、分切片の軸方向の高さ、分切片の巻取方向の幅、分切片の形状、二つの分切片の間の切断溝の底部の高さ、及び二つの分切片の間の離隔ピッチがすべて略同一であり得る。
【0050】
異なる分切片グループに属する分切片同士は、前記第2要素が相異なり得る。例えば、異なる分切片グループに属する分切片同士は、分切片の下部内角、分切片の軸方向の高さ、及び分切片の巻取方向の幅が相異なり得る。
【0051】
複数の前記分切片グループ同士の間には、前記同一分切片グループ内の分切片間の離隔ピッチよりも大きいグループ間離隔間隔Dbが存在し得る。
【0052】
前記グループ間離隔間隔Dbは、電極組立体の軸方向と垂直な表面において折り曲げられた分切片によって覆われない電解質含浸部を提供し得る。前記電解質含浸部に対応する領域は集電体と溶接されず、電解質の含浸性を向上させることができる。
【0053】
前記グループ間離隔間隔によって分離された前記分切片グループは、前記電極組立体の中心に対して放射状に配置されて複数の分切片整列部を形成し得る。また、前記グループ間離隔間隔が巻き取られた領域によって形成される電解質含浸部も、前記電極組立体の中心に対して放射状に配置され得る。これにより、集電体との溶接領域を確実に確保しながらも、電解質が含浸可能な通路を確保することができる。
【0054】
前記分切片整列部に含まれた分切片は、電極組立体のコアに向かって半径方向に折り曲げられ、複数の分離領域で折曲表面領域を形成し得る。
【0055】
前記円周方向において隣り合う分切片整列部(又は折曲表面領域)間の円周方向の角度は、略30°、40°、45°、60°、72°、90°、120°、又は180°であり得る。前記角度は、電極組立体のコア中心から各分切片整列部(又は折曲表面領域)の幾何中心(geometric center)を連結した線を角度測定線と定義するとき、円周方向で隣接する角度測定線間の角度である。幾何中心は、分切片整列部(又は折曲表面領域)を軸方向から眺めたとき、分切片整列部(又は折曲表面領域)の外周によって近似的に形成される図形の幾何中心である。幾何中心は該当図形の重心であり得る。
【0056】
集電体は複数の折曲表面領域に溶接され得る。溶接箇所は、円周方向において等間隔で12ヶ所、9ヶ所、8ヶ所、6ヶ所、5ヶ所、4ヶ所、3ヶ所、又は2ヶ所であり得る。
【0057】
前記グループ間離隔間隔及び前記分切片グループの巻取方向の幅のうちの少なくとも一つは、コアから外周側に向かって徐々に又は段階的に増加し得る。これにより、前記分切片が折り曲げられて形成される折曲表面領域及び/又は前記分切片が覆わない電極組立体の軸方向表面の形状が実質的に中心領域のない扇形状になり得る。
【0058】
前記無地部は、前記電極組立体のコアに隣接した第1部分と、前記電極組立体の外周表面に隣接した第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に介在された第3部分と、を含み得る。
【0059】
前記第3部分は、前記分切片を含み得る。
【0060】
前記第2部分には分切構造がなくてもよい。
【0061】
好ましくは、前記第1部分及び前記第2部分の少なくとも一つは、前記第3部分よりも巻取軸方向の高さが相対的に低くなり得る。
【0062】
前記第1部分と第3部分とは、これらを連結する区間なしに直接連結されるか又はこれらを連結する区間を介して連結され得る。
【0063】
前記第3部分と第2部分とは、これらを連結する区間なしに直接連結されるか又はこれらを連結する区間を介して連結され得る。
【0064】
巻取方向において、前記第1部分の区間はコア側端部から始まり得る。
【0065】
巻取方向において、前記第3部分の長さが前記第1部分及び前記第2部分の長さよりも長くなり得る。
【0066】
巻取方向において、前記第2部分は、電極組立体の最外郭に露出する少なくとも最終の1ターンを含み得る。
【0067】
所定区間の無地部の高さとは、該当区間の平均高さを意味するか、又は、該当区間における最大高さを意味し得る。
【0068】
前記第1部分の高さは、巻取方向に沿って一定であり得る。すなわち、前記第1部分は分切片を備えなくてもよい。
【0069】
前記第3部分の少なくとも一部区間では、コア側から外周側に向かって前記分切片の高さが増加し得る。
【0070】
このとき、前記分切片の高さは、段階的に増加し得る。
【0071】
また、前記高さが段階的に増加するほど、それぞれの高さに該当する区間の巻取方向の長さ(幅)も段階的に増加し得る。
【0072】
前記第2部分も前記分切片を含み得る。
【0073】
前記分切片は、電極組立体の半径方向に折り曲げられ得る。
【0074】
前記分切片は、電極組立体の中心軸に向かってコア側に、すなわち求心方向に折り曲げられ得る。
【0075】
前記第1部分は分切片を備えず、折り曲げられなくてもよい。
【0076】
前記最終の1ターンは、前記分切片を含まなくてもよい。また、前記最終の1ターンの高さは第3部分よりも低くなり得る。ゼリーロール型の電極組立体を形成する際、最終の1ターンに折り曲げられる分切片があると、分切片の予期せぬ変形を防止しなければならないため、電極組立体の取り扱いが煩雑になる。最終の1ターンの分切片を除去することにより、このような煩雑性を減らすことができる。
【0077】
前記電極組立体の中心には、軸方向に延在した中空部が設けられ、折り曲げられた前記分切片はコア側方向において前記中空部を塞がなくてよい。
【0078】
折り曲げられた前記第3部分は、軸方向で重なり得る。
【0079】
折り曲げられた前記第3部分と第2部分とは、軸方向で重なり得る。
【0080】
複数の前記分切片は、それぞれ台形であり得る。
【0081】
一形態において、前記第3部分の少なくとも一部区間は、コア側から外周側に向かって巻取軸方向の高さが段階的に増加し得る。
【0082】
他の形態において、前記第3部分の少なくとも一部区間は、複数の分切片に分割され得る。
【0083】
前記無地部は、巻取軸の軸方向端部から軸方向内側(電極組立体の軸方向端部から軸方向中央部に向かう方向)に延設された切断溝によって分割され得る。切断溝の形状は、切断溝の両側に位置した分切片の側部の形状によって決定される。前記無地部の切欠き加工(notching)を通じて切欠き部位で前記無地部の少なくとも一部を除去することなく、前記無地部を単に切断した場合、切断線も切断溝として見なされ得る。
【0084】
さらに他の形態において、複数の前記分切片はそれぞれ、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形又は半楕円形の形状を有し得る。
【0085】
一具現例において、複数の前記分切片はそれぞれ台形であり、複数の前記分切片は個別に又はグループ毎にコア側から外周側に向かって台形の下部内角が増加し得る。
【0086】
前記分切片によって、前記無地部の軸方向の延在長さは、巻取方向に沿って変化し得る。説明の便宜上、巻取方向の所定の位置における無地部の軸方向の延在長さ(軸方向において先端部に至る距離)を単に高さと称すると、第1巻取方向位置における無地部の高さが第2巻取方向位置における無地部の高さよりも高いということの意味を明確に理解できるであろう。
【0087】
実施形態において、無地部の高さを説明する際には、無地部の高さの絶対値よりも、相異なる巻取方向位置で測定される無地部の高さの相対値に意味があるため、無地部の高さの測定においてその高さ測定の基準になる線(零点)についての規定は省略することにする。
【0088】
前記無地部の高さは、分切片の上端部に該当する部位、分切片を形成するために設けられた切断溝に該当する部位、前記切断溝の底部に該当する部位において相異なり得る。すなわち、分切片の形状と大きさ、切断溝の形状と大きさが同一であっても、軸方向で測定される無地部の高さは、巻取方向において決定されたその測定位置によって変わり得る。例えば、概略的に、分切片の頂点に対応する巻取方向位置における無地部の高さが、切断溝の底部に対応する巻取方向位置における無地部の高さよりも高いことは明らかであろう。
【0089】
また、分切片毎にその上端部の高さが異なり得、切断溝毎にその形状が異なり得、切断溝の底部の高さも異なり得る。すなわち、分切片の形状と大きさ、切断溝の形状と大きさが変わり得るため、軸方向において測定される無地部の高さは、巻取方向に沿って決定されたその測定位置によって変わり得る。
【0090】
一方、前記分切片の高さは、該当分切片を規定する切断溝の底部から該当分切片の先端部に至る軸方向の距離(H)で規定され得る。分切片を基準にして両側の切断溝の底部の高さが異なる場合は、該分切片の高さは両側の切断溝の底部の高さの平均高さ地点から前記分切片の先端部に至る軸方向の距離で規定され得る。
【0091】
好ましくは、複数の前記分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別に又はグループ毎にコア側から外周側に向かって段階的に増加し得る。
【0092】
好ましくは、複数の前記分切片はそれぞれ、巻取方向において1mm~11mmの幅条件、巻取軸方向において2mm~10mmの高さ条件、及び巻取方向において0.05mm~1mmの離隔ピッチ条件のうちの少なくとも一つの条件を満たし得る。
【0093】
好ましくは、前記分切片の切断溝の底部と前記活物質層との間にギャップが存在し、ギャップは0.2mm~4mmであり得る。
【0094】
好ましくは、複数の前記分切片は、コア側から外周側に向かって複数の分切片グループを形成し、同一分切片グループに属した分切片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが同じであり得る。
【0095】
好ましくは、前記電極組立体の半径方向において、連続して隣接する三つの分切片グループの巻取方向の幅をそれぞれW1、W2及びW3としたとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分切片グループの組み合わせを含み得る。
【0096】
好ましくは、同一分切片グループに属した分切片は、コア側から外周側に向かって巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが段階的に増加し得る。
【0097】
一具現例において、複数の分切片グループのうちの少なくとも一部は、電極組立体の同一巻回ターンに配置され得る。
【0098】
他の具現例において、前記第1部分又は前記第2部分は無地部の分切構造がなくてもよい。
【0099】
前記分切片は、半径方向に折り曲げられ得る。
【0100】
複数の前記分切片は、すべて折り曲げられ得る。
【0101】
複数の前記分切片のうち一部は、折り曲げられなくてもよい。
【0102】
好ましくは、複数の前記分切片は、コア側に折り曲げられながら巻取軸方向に沿って多重に重なり得る。
【0103】
好ましくは、前記電極組立体のコアには空洞が設けられ、前記空洞は、前記コア側に折り曲げられた複数の分切片によって閉塞されずに開放され得る。
【0104】
そのため、前記第1部分の半径方向の長さRと前記第3部分の最内側分切片の折曲長さHとは、関係式「H≦R」を満たし得る。
【0105】
一具現例において、前記第2部分は、コア側から外周側に向かって高さが段階的に又は徐々に減少し得る。
【0106】
一具現例において、前記第2部分は、複数の分切片に分割されており、前記第2部分に含まれた複数の分切片は、前記第3部分に含まれた複数の分切片よりも巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが大きくなり得る。
【0107】
前記切断溝の底部の高さに対応するように巻取方向(外周方向)に沿って引いた仮想の直線を基準線DLとすると、該基準線は前記無地部の巻取方向(X軸)と平行な直線であり得る。
【0108】
前記基準線は、分切片を形成するために隣り合う二つの分切片の間に設けられた切断溝の底部と対応する位置に配置され得る。
【0109】
複数の前記切断溝の底部の高さは、巻取軸方向において互いに対応し得る。このような場合、前記基準線の位置は切断溝の底部に対応する位置で規定され得る。
【0110】
複数の前記切断溝の底部の高さは相異なってもよい。
【0111】
複数の切断溝の底部の殆ど(例えば、50%以上)が特定の高さに位置し、一部切断溝の底部の高さのみが前記特定の高さと相違する場合、前記基準線の位置は前記特定の高さに対応して決定され得る。すなわち、このような場合は、巻取方向において最大長さを占める切断溝の底部の高さを基準にして前記基準線を決定し得る。例えば、巻取方向において切断溝の底部が占める全体長さのうちの約2/3が第1高さであり、残りの1/3に該当する切断溝の底部の高さが第1高さと相違すれば、前記基準線は前記第1高さに対応する位置で規定され得る。
【0112】
複数の切断溝の底部の高さが特定の高さに集中していない場合(最大頻度の高さを有する切断溝が形成された無地部区間の比率が電極の全体長さ対比50%未満である場合)は、前記基準線は、複数の前記切断溝の底部の高さの平均高さに位置するように設定され得る。例えば、活物質層と無地部との境界地点を基準にして高さを測定したとき、切断溝の底部の高さが2mmである無地部区間が占める長さが電極の全体長さ対比30%、切断溝の底部の高さが3mmである無地部区間が巻取方向で占める長さが電極の全体長さ対比30%、切断溝の底部の高さが4mmである無地部区間が巻取方向で占める長さが電極の全体長さ対比40%であれば、基準線は、2×0.3+3×0.3+4×0.4である高さ3.1mmに位置し得る。
【0113】
前記分離膜の幅方向(Y軸)の末端SLの位置は、前記基準線DLと関連して規制され得る。
【0114】
複数の前記分切片のうち、最低高さの分切片を最小分切片と称する。
【0115】
最低高さの分切片を決定する際、折り曲げられない分切片は除外してもよい。すなわち、前記最小分切片は、折曲表面領域に含まれた折り曲げられた分切片のうちの、高さが最低である分切片を意味し得る。折曲表面領域とは、電極組立体の端面のうち、分切片が半径方向に折り曲げられながら巻取軸方向に沿って多重に重なった領域を意味する。
【0116】
前記最小分切片は、折り曲げられる分切片の中から決定され得る。
【0117】
分切片の高さが2mm未満であると、分離膜と分切片との干渉によって分切片が円滑に折り曲げられないおそれがある。
【0118】
そこで、前記最小分切片は、2mm以上の高さを有する分切片の中から決定され得る。
【0119】
分切片の高さが3mm未満であると、折曲過程で意図した方向へと円滑に折り曲げられないか、又は、意図しない方向へのフォーミングが行われるおそれがある。
【0120】
そこで、前記最小分切片は、3mm以上の高さを有する分切片の中から決定され得る。
【0121】
分切片の高さが4mm未満であると、分切片同士の溶接及び/又は集電体と分切片との溶接が不完全に行われるおそれがある。
【0122】
そこで、前記最小分切片は、4mm以上の高さを有する分切片の中から決定され得る。
【0123】
分切片の高さが5mm以上であると、製造誤差などを考慮しても、折曲工程で確実な折り曲げが可能である。
【0124】
そこで、前記最小分切片は、5mm以上の高さを有する分切片の中から決定され得る。
【0125】
前記分離膜の幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、前記最小分切片の高さHaの30%以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、前記最小分切片の高さの30%以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0126】
すなわち、分離膜の幅方向の末端の位置は、「DL±0.3Ha」の範囲に存在し得る。
【0127】
前記分離膜の幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、1.5mm以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、1.5mm以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0128】
すなわち、分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±1.5mm」の範囲に存在し得る。
【0129】
前記分離膜の幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、1.2mm以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、1.2mm以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0130】
すなわち、分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±1.2mm」の範囲に存在し得る。
【0131】
前記分離膜の幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、0.9mm以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、0.9mm以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0132】
すなわち、分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±0.9mm」の範囲に存在し得る。
【0133】
前記分離膜の幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、0.6mm以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、0.6mm以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0134】
すなわち、分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±0.6mm」の範囲に存在し得る。
【0135】
前記分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±0.3Ha」且つ「DL±1.5mm」の範囲に存在し得る。
【0136】
前記分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±0.3Ha」且つ「DL±1.2mm」の範囲に存在し得る。
【0137】
前記分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±0.3Ha」且つ「DL±0.9mm」の範囲に存在し得る。
【0138】
前記分離膜の幅方向の末端SLの位置は、「DL±0.3Ha」且つ「DL±0.6mm」の範囲に存在し得る。
【0139】
前記分離膜は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の表面上に位置し、無機物粒子及びバインダー高分子を含む多孔性コーティング層と、を備え得る。
【0140】
前記多孔性コーティング層は、前記多孔性高分子基材の両面上に位置し得る。
【0141】
複数の前記分切片は、所定の離隔ピッチを有し得る。
【0142】
前記離隔ピッチは、隣り合う二つの分切片の下端隅間の距離によって規定され得る。
【0143】
前記離隔ピッチは0.5mm以上であり得る。離隔ピッチが0.5mmよりも小さいと、応力が集中されて加工、巻き取り又は折り曲げなどの過程で該当切断溝の底部にクラックが生じるおそれがある。
【0144】
二つの分切片の下端隅の間は真っ直ぐに連結され得る。すなわち、前記切断溝の底部部位は、巻取方向(X軸)に延びた扁平な直線状であり得る。
【0145】
前記下端隅部位にはラウンド補強部が付け加えられ得る。
【0146】
前記ラウンド補強部の半径rは0.02mm以上であり得る。該当半径が0.02mm以上になれば、応力分散の効果を確実にもたらすことができる。
【0147】
前記ラウンド補強部の半径は0.1mm以下であり得る。該当半径が0.1mmを超過すると、応力分散の効果はそれ以上増加せず、切断溝の底部付近の空間が減少して電解質の含浸性が阻害されるおそれがある。
【0148】
前記離隔ピッチは1mm以下であり得る。離隔ピッチが1mmを超過すると、含浸性は増加せず、かえって折り曲げられた分切片の間に隙間が生じて集電体が十分に溶接されないおそれがある。
【0149】
前記離隔ピッチは、これを規定する隣り合う分切片の巻取方向で測定される幅と関連して決定され得る。
【0150】
例えば、分切片の巻取方向の幅が増加するほど、分切片同士の間の離隔ピッチも増加する傾向を示し得る。これにより、電解質の含浸性が均一になり得る。
【0151】
前記分切片の巻取方向の幅は、前記電極組立体のコア側から外周側に向かって徐々に増加する傾向を示し得る。
【0152】
前記分切片の巻取方向の幅は、前記電極組立体のコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加し得る。
【0153】
これにより、前記離隔ピッチも前記電極組立体のコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加し得る。
【0154】
上記の課題を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーは、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された分離膜とが巻取軸を中心に巻き取られることでコア及び外周面が画定された電極組立体と、前記電極組立体を収納し、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外側に露出した第2極性を有する端子と、を含む。
【0155】
好ましくは、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは、長辺端部に活物質層がコーティングされていない無地部を含み得る。
【0156】
好ましくは、前記無地部の少なくとも一部は、それ自体が電極タブとして使用され、前記無地部は、前記電極組立体のコアに隣接した第1部分、前記電極組立体の外周表面に隣接した第2部分、前記第1部分と前記第2部分との間に介在された第3部分を含み、前記第1部分及び前記第2部分の少なくとも一つは前記第3部分よりも巻取軸方向の高さが相対的に低くなり得る。
【0157】
一具現例において、前記第2部分は、前記第3部分よりも巻取軸方向の高さが相対的に低く、前記電池ハウジングは、開放端に隣接した端部に内側に向かって押し込まれたビーディング部を備え、前記電極組立体の上端の周縁と対向する前記ビーディング部の内周面と前記第2部分とは所定の間隔だけ離隔し得る。
【0158】
好ましくは、前記ビーディング部の押し込み深さD1と、前記電池ハウジングの内周面から前記第2部分と前記第3部分との境界地点までの距離D2とは、関係式「D1≦D2」を満たし得る。
【0159】
一具現例において、本発明の一態様によるバッテリーは、前記第3部分と電気的に結合された集電体と、前記集電体を覆い、周縁が前記ビーディング部の内周面と前記集電体との間に介在されて固定された絶縁体と、をさらに含み得る。
【0160】
他の具現例において、前記集電体の直径及び前記第3部分の最外側径は、前記ビーディング部の内周面の最小内径よりも小さく、前記集電体の直径は、前記第3部分の最外側径と同一であるか又はより大きくなり得る。
【0161】
さらに他の具現例において、前記集電体は、前記ビーディング部よりも高く位置し得る。
【0162】
好ましくは、前記第3部分の少なくとも一部区間は外周側からコア側に折り曲げられており、前記電極組立体のコアには空洞が設けられ、前記空洞は前記第3部分の折曲構造によって閉塞されずに外側に開放され得る。
【0163】
そのため、前記第3部分は前記電極組立体の巻取方向に沿って分切りされた複数の分切片を含み、複数の前記分切片は前記外周側から前記コア側に折り曲げられ、前記第1部分の半径方向の長さRと前記第3部分の最内側に位置した分切片の折曲長さHとは関係式「H≦R」を満たし得る。
【0164】
好ましくは、複数の前記分切片はそれぞれ、四角形、台形、三角形、平行四辺形、半円形又は半楕円形の形状を有し得る。
【0165】
好ましくは、複数の前記分切片はそれぞれ、巻取方向において1mm~11mmの幅条件、巻取軸方向において2mm~10mmの高さ条件、及び巻取方向において0.05mm~1mmの離隔ピッチ条件のうちの少なくとも一つの条件を満たし得る。
【0166】
好ましくは、前記分切片の切断溝の底部と前記活物質層との間にギャップが存在し、ギャップは0.2mm~4mmであり得る。
【0167】
好ましくは、複数の前記分切片は、複数のグループを形成し、各グループに属した分切片は巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが同じであり、複数の前記グループのうちの少なくとも一つは前記電極組立体の同一巻回ターンを構成し得る。
【0168】
好ましくは、前記電極組立体の半径方向において、連続して隣接する三つの分切片グループの巻取方向の幅をそれぞれW1、W2及びW3としたとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分切片グループの組み合わせを含み得る。
【0169】
一具現例において、前記密封体は、前記電池ハウジングの開放端を密閉するキャップと、前記キャップの周縁を包んで前記電池ハウジングの上端部にクリンピングされたガスケットと、を含み、前記第2極性を有する端子は前記キャップであり得る。
【0170】
他の具現例において、本発明の一態様によるバッテリーは、前記第1極性を有する第2電極の無地部と電気的に接続され、前記電池ハウジングの側壁に周縁の少なくとも一部が結合された集電体をさらに含み得る。この場合、前記密封体は、極性のないキャップと、前記キャップの周縁を包んで前記電池ハウジングの上端部にクリンピングされたガスケットと、を含み、前記電池ハウジングは、閉鎖面の中央部に形成された貫通孔に絶縁可能に取り付けられ、前記第1電極と電気的に接続されて前記第2極性を有するリベット端子を含み得る。
【0171】
本発明による技術的課題は、上述したバッテリーを複数個含むバッテリーパックによって達成される。
【0172】
好ましくは、前記バッテリーは高さ対比直径の比率が0.4よりも大きくなり得る。
【0173】
好ましくは、前記バッテリーのフォームファクタは、46110、4875、48110、4880又は4680であり得る。
【0174】
好ましくは、前記バッテリーの抵抗は、4mΩ以下であり得る。
【0175】
一形態によれば、前記バッテリーパックにおいて、複数のバッテリーは所定数の列で配列され、それぞれのバッテリーの電極端子及び電池ハウジングの底部の外側面は上方に向いて配置され得る。
【0176】
他の形態によれば、前記バッテリーパックは、複数のバッテリーを直列及び並列に連結する複数のバスバーを含み得る。
【0177】
好ましくは、複数の前記バスバーは、複数の前記バッテリーの上部に配置され、それぞれのバスバーは、隣接するバッテリーの電極端子の間で延びるボディ部と、前記ボディ部の一側に延びて前記一側に位置したバッテリーの電極端子に電気的に結合する複数の第1バスバー端子と、前記ボディ部の他側に延びて前記他側に位置したバッテリーの電池ハウジングの底部の外側面に電気的に結合する複数の第2バスバー端子と、を含み得る。
【0178】
本発明による技術的課題は、上述したバッテリーパックを含む自動車によっても達成される。
【発明の効果】
【0179】
本発明の一態様によれば、電極組立体の上側及び下側に突出した無地部自体を電極タブとして使用することで、バッテリーの内部抵抗を下げてエネルギー密度を増加させることができる。
【0180】
また、本発明の一態様によれば、電極組立体の無地部の構造を改善することで、電池ハウジングのビーディング部を形成する過程で電極組立体と電池ハウジングの内周面とが干渉せず、電極組立体の部分的変形による円筒形バッテリーの内部短絡を防止することができる。
【0181】
また、本発明の一態様によれば、電極組立体の無地部の構造を改善することで、無地部の折り曲げ時に無地部が破れる現象を防止し、無地部の重畳層数を十分に増加させて集電体の溶接強度を向上させることができる。
【0182】
また、本発明の一態様によれば、電極の無地部に分切片構造を適用し、分切片の寸法(幅、高さ、離隔ピッチ)を最適化させて溶接ターゲット領域として使用される領域の分切片の積層数を十分に増加させることによって、集電体が溶接される領域の物性を改善することができる。
【0183】
また、本発明の一態様によれば、分切片の折り曲げによって形成された折曲表面領域に集電体を広い面積で溶接させた構造を適用することで、エネルギー密度が向上し、抵抗が減少した電極組立体を提供することができる。
【0184】
また、本発明の一態様によれば、上部で電気的配線を実行できるようにデザインが改善された円筒形バッテリーを提供することができる。
【0185】
また、本発明の一態様によれば、電極組立体のコアに隣接した無地部の構造を改善することで、無地部の折り曲げ時に電極組立体のコアにある空洞が閉塞されることを防止し、電解質注入工程及び電池ハウジング(又は端子)と集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0186】
また、本発明の一態様によれば、無地部の分切片が折り曲げられながら形成される折曲表面領域が集電体との溶接部位に対応して設けられることで、集電体の溶接が安定的に行われるとともに、電解質の含浸性を確保することができる。
【0187】
また、本発明の一態様によれば、電極組立体の無地部を折り曲げても電解質の含浸性を十分に確保することができる。
【0188】
また、本発明の一態様によれば、内部抵抗が低く、内部短絡が防止され、集電体と無地部との溶接強度が向上した構造を有する円筒形バッテリー、該円筒形バッテリーを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0189】
特に、本発明は、高さ対比直径の比率が0.4以上であって、抵抗が4mΩ以下である円筒形バッテリー、該円筒形バッテリーを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0190】
他にも本発明は多様な効果を奏し、それについては実施形態を挙げて後述する。但し、通常の技術者が容易に類推可能な効果などについては、該説明を省略することにする。
【0191】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【
図1】従来のタブレス円筒形バッテリーの製造に使用される電極の構造を示した平面図である。
【
図2】従来のタブレス円筒形バッテリーの電極巻取工程を示した図である。
【
図3】従来のタブレス円筒形バッテリーにおいて、無地部の折曲表面領域に集電体が溶接される工程を示した図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による電極の構造を示した平面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による電極の構造を示した平面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による電極の構造を示した平面図である。
【
図7a】本発明の第4実施形態による電極の構造を示した平面図である。
【
図7b】本発明の実施形態による分切片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【
図7c】本発明の実施形態によって電極が巻き取られたとき、分切片の幅が定義される分切片の下端が形成する円弧を電極組立体のコアの中心を基準に示した図である。
【
図7d】本発明の実施形態によって分切片の高さh
1、h
2、h
3、h
4、コア半径r
c及び分切片が現れ始める巻回ターンの半径r
1、r
2、r
3、r
4の関係を模式的に示した図である。
【
図7e】分切片の高さ可変区間において、分切片の高さHの最大値h
maxを決定するための概念図である。
【
図7f】分切片の下部内角θを決定する数式を説明するための模式図である。
【
図7g】本発明の第4実施形態による電極の変形構造を示した平面図である。
【
図7h】本発明の変形形態による電極が電極組立体として巻き取られたとき、電極組立体の一側端面に複数の分切片整列部(折曲表面領域)と複数の電解質含浸部が放射状に形成された例を示した上面図である。
【
図7i】本発明の変形形態による電極が電極組立体として巻き取られたとき、電極組立体の一側端面に複数の分切片整列部(折曲表面領域)と複数の電解質含浸部が放射状に形成された例を示した上面図である。
【
図7j】本発明の実施形態によって扇形状に形成された分切片整列部に含まれた分切片グループが異なる巻回ターンに配置された構造を示した図である。
【
図8a】本発明の第5実施形態による電極の構造を示した平面図である。
【
図8b】本発明の他の実施形態による分切片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【
図8c】本発明の第5実施形態による電極の変形構造を示した平面図である。
【
図9】本発明の多様な変形形態による分切片構造を示した図である。
【
図10a】分切片が電極組立体のコア側に折り曲げられながら形成された折曲表面領域の断面を示した模式図である。
【
図10b】折曲表面領域が形成された電極組立体を概略的に示した上部斜視図である。
【
図10c】実施例1-1~1-7及び比較例による電極組立体の上部に形成された正極の折曲表面領域において、半径方向に沿って分切片の積層数をカウントした結果を示したグラフである。
【
図10d】実施例2-1~2-5、実施例3-1~3-4、実施例4-1~4-3、実施例5-1及び5-2による電極組立体の上部に形成された正極の折曲表面領域において、半径方向に沿って測定した分切片の積層数をカウントした結果を示したグラフである。
【
図10e】実施例6-1~6-6及び実施例7-1~7-6による電極組立体の上部に形成された正極の折曲表面領域において、半径方向に沿って測定した分切片の積層数をカウントした結果を示したグラフである。
【
図10f】本発明の実施形態による分切片の折曲表面領域に積層数均一区間b1及び積層数減少区間b2を示した電極組立体の上面図である。
【
図11】第1実施形態の電極を第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図12】第2実施形態の電極を第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図13】第3実施形態~第5実施形態(これらの変形形態)の電極のうちのいずれか一つを第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図15】本発明のさらに他の実施形態による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図16】本発明のさらに他の実施形態による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【
図17】本発明の一実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図18】本発明の他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図19】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図20】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図21】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図22】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図23】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図24】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図25】本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図26】本発明の実施形態による第1集電体の構造を示した上面図である。
【
図27】本発明の実施形態による第2集電体の構造を示した上面図である。
【
図28】複数の円筒形バッテリーが電気的に接続された状態を示した上面図である。
【
図30】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【
図31】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを含む自動車を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0193】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用された用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0194】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0195】
また、発明の理解の補助のため、添付された図面は実際の縮尺通りに図示されず、一部構成要素の寸法を誇張して図示することがある。また、異なる実施形態における同じ構成要素に対しては同じ参照番号が付され得る。
【0196】
二つの比較対象が同一であるという表現は「実質的に同一である」ことを意味する。したがって、「実質的に同一」とは、当業界において低い水準と見なされる偏差、例えば5%以内の偏差を有する場合を含み得る。また、所定の領域においてあるパラメータが均一であるとは、該当領域において平均的な観点で均一であることを意味する。
【0197】
また、第1、第2などが多様な構成要素を示すために使用されているが、これら用語は構成要素を制限するためのものではない。これら用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものであり、特に言及しない限り、第1構成要素は第2構成要素にもなり得る。
【0198】
明細書の全体において、特に言及しない限り、各構成要素は単数又は複数であり得る。
【0199】
構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配置されるとは、任意の構成が該構成要素の上面(又は下面)に接して配置されることだけでなく、前記構成要素と該構成要素の上に(又は下に)配置された任意の構成との間に他の構成が介在され得ることを意味する。
【0200】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されるとするとき、構成要素が相互に直接的に連結されるか又は接続される場合だけでなく、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」されるか、又は、各構成要素が他の構成要素を通じて「連結」、「結合」又は「接続」されることも含む。
【0201】
また、本明細書で使用される単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「構成される」 又は「含む」などの用語は、明細書に記載された多くの構成要素又は多くの段階を必ずすべて含むと解釈されず、そのうちの一部構成要素又は一部段階は含まれないこともあり、追加的な構成要素又は段階がさらに含まれてもよいことを意味する。
【0202】
明細書の全体において、「A及び/又はB」とは、特に言及しない限り、A、B、又はA及びBを意味し、「C~D」とは、特に言及しない限り、C以上D以下を意味する。
【0203】
本明細書においては、説明の便宜上、ゼリーロール状に巻き取られる電極組立体の巻取軸の長さ方向に沿った方向を軸方向(Y軸)と称する。また、前記巻取軸を囲む方向を円周方向又は外周方向(X軸)と称する。また、前記巻取軸に近くなるか又は巻取軸から遠くなる方向を半径方向又は放射方向と称する。これらのうち、特に、巻取軸に近くなる方向を求心方向、巻取軸から遠くなる方向を遠心方向と称する。
【0204】
まず、本発明の一実施形態による電極組立体について説明する。電極組立体は、シート状の第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された分離膜とが一方向に巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体であり得る。しかし、本発明が電極組立体の種類によって限定されることはない。
【0205】
好ましくは、第1電極及び第2電極の少なくとも一つは巻取方向の長辺端部に活物質がコーティングされない無地部を含む。無地部の少なくとも一部はそれ自体が電極タブとして使用される。無地部は、電極組立体のコアに隣接したコア側無地部、電極組立体の外周表面に隣接した外周側無地部、コア側無地部及び外周側無地部の間に介在された中間無地部を含む。
【0206】
好ましくは、コア側無地部及び外周側無地部の少なくとも一つは、中間無地部よりも高さが相対的に低い。
【0207】
図4は、本発明の第1実施形態による電極40の構造を示した平面図である。
【0208】
図4を参照すると、第1実施形態の電極40は、金属ホイルからなる集電体41、及び活物質層42を含む。金属ホイルは、導電性を有する金属、例えばアルミニウム又は銅であり得、電極40の極性に合わせて適切に選択される。集電体41の少なくとも一面には活物質層42が形成される。活物質層42は巻取方向(X軸)に沿って形成される。電極40は、巻取方向(X軸)の長辺端部に無地部43を含む。無地部43は、活物質がコーティングされていない集電体41の一部領域である。活物質層42が形成された集電体41の領域は活物質部と称し得る。
【0209】
電極40において、集電体41の短辺方向における活物質部の幅は50mm~120mmであり得、集電体41の長辺方向における活物質部の長さは3m~5mであり得る。したがって、活物質部の長辺に対する短辺の比率は1.0%~4.0%であり得る。
【0210】
好ましくは、電極40において、集電体41の短辺方向における活物質部の幅は60mm~70mmであり得、集電体41の長辺方向における活物質部の長さは3m~5mであり得る。したがって、活物質部の長辺に対する短辺の比率は1.2%~2.3%であり得る。
【0211】
活物質部の長辺に対する短辺の比率は、1865又は2170のフォームファクタを有する円筒形バッテリーで使用される電極の活物質部の長辺対比短辺の比率である6%~11%よりも著しく小さい。
【0212】
好ましくは、集電体41は、延伸率が1.5%~3.0%、引張強度が25gf/mm2~35kgf/mm2であり得る。延伸率及び引張強度はIPC-TM-650の測定法に従って測定可能である。電極40は、集電体41に活物質層42を形成した後、圧着して製造する。圧着の際、無地部43領域と活物質層42領域とは延伸率が相違する。したがって、圧着後の電極40にはうねり(swell)が生じ、電極40を長くなるほどうねりはさらに酷くなる。
【0213】
集電体41に対する延伸率及び引張強度に対する最適化は、電極40の長さが4m水準であるとき、圧着後のキャンバ長さを20mm未満に減少させる。キャンバ長さは、うねりが生じた電極40を広げたとき、巻取方向(X軸)における電極40の最大たわみ量である。最大たわみ量は外周側終端で測定し得る。集電体41の延伸率及び引張強度が最適化されている電極40はキャンバ長さが短いため、無地部43の切欠き作業や電極40の巻取工程時に蛇行不良が発生しない。
【0214】
集電体41は延伸率が小さいほど破断し易い。集電体41の延伸率が1.5%未満であると、集電体41の圧延工程性が低下し、集電体41に活物質層42をコーティングした電極40を圧着するとき、集電体41に断線が発生するおそれがある。一方、集電体41の延伸率が3.0%を超えると、電極40の活物質部が過度に延伸してキャンバ長さが大きく増加する。集電体41の引張強度が25kgf/mm2未満であるか又は35kgf/mm2を超えると、電極40の電極工程性が低下する。
【0215】
キャンバ現象は、アルミニウムホイルからなる正極集電体において特に問題になる。本発明によって延伸率1.5%~3.0%、引張強度25kgf/mm2~35kgf/mm2のアルミニウムホイルを集電体として用いることで、キャンバ現象を抑制することができる。このような集電体上に活物質層を形成して正極として使用することが好ましい。
【0216】
好ましくは、活物質層42と無地部43との境界には、絶縁コーティング層44が形成され得る。以下、説明の便宜上、絶縁コーティング層44を単に絶縁層44とも称する。絶縁コーティング層44は、少なくとも一部が活物質層42と無地部43との境界に重なるように形成される。絶縁コーティング層44は、分離膜を介在して対向している反対極性の二つの電極間の短絡を防止する。絶縁コーティング層44は、0.3mm~5mmの幅で活物質層42と無地部43との境界部分を覆い得る。絶縁コーティング層44の幅は、電極40の巻取方向に沿って変わり得る。絶縁コーティング層44は高分子樹脂を含み、Al2O3のような無機物フィラーを含み得る。絶縁コーティング層44が覆っている集電体41部分は、活物質層がコーティングされた領域ではないため、無地部として見なされ得る。
【0217】
無地部43は、電極組立体のコア側に隣接したコア側無地部B1、電極組立体の外周側に隣接した外周側無地部B3、及びコア側無地部B1と外周側無地部B3との間に介在された中間無地部B2を含む。
【0218】
コア側無地部B1、外周側無地部B3及び中間無地部B2は、電極40がゼリーロール型の電極組立体として巻き取られたとき、それぞれコア側に隣接した領域の無地部、外周側に隣接した領域の無地部、及びこれらを除いた他の領域の無地部として定義され得る。
【0219】
以下、コア側無地部B1、外周側無地部B3及び中間無地部B2をそれぞれ第1部分、第2部分及び第3部分と称する。
【0220】
一例として、第1部分B1は最内側巻回ターンを含む電極領域の無地部であり、第2部分は最外側巻回ターンを含む電極領域の無地部であり得る。巻回ターンは、電極組立体のコア側端部を基準にして計数し得る。
【0221】
他の例として、B1/B2の境界は、電極組立体のコア側から外周側に向かって無地部の高さ(又は変化パターン)が実質的に変わる地点、又は、電極組立体の半径を基準にして所定%の地点(例えば、半径の5%、10%、15%地点など)で適切に定義され得る。
【0222】
B2/B3の境界は、電極組立体の外周側からコア側に向かって無地部の高さ(又は変化パターン)が実質的に変わる地点、又は、電極組立体の半径を基準にして所定%の地点(例えば、半径の85%、90%、95%地点など)で定義され得る。B1/B2の境界とB2/B3の境界が特定されれば、第3部分B2は自動的に特定され得る。
【0223】
もし、B1/B2の境界のみが特定される場合、B2/B3の境界は電極組立体の外周側付近の地点で適切に選択可能である。一例として、第2部分は最外側巻回ターンを構成する電極領域の無地部と定義され得る。一方、B2/B3の境界のみが特定される場合、B1/B2の境界は電極組立体のコア側付近の地点で適切に選択可能である。一例として、第1部分は最内側巻回ターンを構成する電極領域の無地部と定義され得る。
【0224】
第1部分B1と第3部分B2との間に他の構造が介在されることを排除しない。また、第3部分B2と第2部分B3との間に他の構造が介在されることを排除しない。
【0225】
第1実施形態において、無地部43の高さは一定ではなく、巻取方向(X軸)において相対的な相違する。すなわち、第2部分B3の高さ(Y軸方向の長さ)は0以上であって、且つ、第1部分B1及び第3部分B2よりも相対的に低い。ここで、各部分の高さは、平均高さ又は最大高さであり得、以下同様である。巻取方向において、第3部分B2の長さは、第1部分B1及び第2部分B3よりもさらに長い。
【0226】
図5は、本発明の第2実施形態による電極45の構造を示した平面図である。
【0227】
図5を参照すると、第2実施形態の電極45は、第1実施形態と比較して、第2部分B3の高さが外周側に向かって徐々に減少する点のみで異なり、他の構成は略同一である。
【0228】
一変形形態において、第2部分B3は、高さが段階的に減少する階段形状(点線を参照)で変形可能である。
【0229】
図6は、本発明の第3実施形態による電極50の構造を示した平面図である。
【0230】
図6を参照すると、第3実施形態の電極50は、第1部分B1及び第2部分B3の高さが0以上であって、且つ、第3部分B2よりも相対的に低い。また、第1部分B1の高さと第2部分B3の高さとは、同一であるか又は異なり得る。
【0231】
好ましくは、第3部分B2の高さは、コア側から外周側に向かって段階的に増加する階段形状であり得る。
【0232】
パターン1~パターン7は、無地部43の高さが変化する位置を中心にして第3部分B2を区分したものである。好ましくは、パターンの個数、各パターンの高さ(Y軸方向の長さ)と幅(X軸方向の長さ)は、無地部43の折曲過程で応力を最大限に分散できるように調節可能である。応力の分散は、無地部43が電極組立体のコア側に折り曲げられるときに破れることを防止するためのものである。
【0233】
第1部分B1の幅dB1は、第3部分B2のパターンをコア側に折り曲げたとき、電極組立体のコアを塞がない条件を適用して設計する。コアとは、電極組立体の巻取中心に存在する空洞(cavity)を意味する。
【0234】
一例として、第1部分B1の幅dB1は、パターン1の折曲長さに比例して増加し得る。折曲長さは、パターンの折曲地点を基準にしたパターンの高さに該当する。
【0235】
好ましくは、第1部分B1の幅dB1は、第1部分B1が形成する巻回ターンの半径方向の幅がパターン1の折曲長さ以上になるように設定し得る。変形例において、第1部分B1の幅dB1は、パターン1の折曲長さから、第1部分B1が形成する巻回ターンの半径方向の幅を引いた値が0より小さいか又はコア半径の10%以下になるように設定し得る。
【0236】
具体的な例において、電極50がフォームファクタ4680の円筒形バッテリーの電極組立体を製造するのに使用される場合、第1部分B1の幅dB1は電極組立体のコアの直径及びパターン1の折曲長さに応じて180mm~350mmに設定され得る。
【0237】
一例において、それぞれのパターンの幅は、電極組立体の一つ又は二つ以上の巻回ターンを構成するように設計され得る。
【0238】
他の例において、第3部分B2の高さは、コア側から外周側に向かって増加してから減少する階段形状であり得る。
【0239】
さらに他の例において、第2部分B3は、第2実施形態と同じ構造を有するように変形され得る。
【0240】
さらに他の例において、第3部分B2に適用されたパターン構造が第2部分B3まで拡張され得る(点線を参照)。
【0241】
前記第3部分B2は、第1部分B1の先端部と第2部分B3の先端部とを巻取方向において連結した仮想の線を基準にして電極組立体の半径方向に折り曲げられ得る。
【0242】
図7aは、本発明の第4実施形態による電極60の構造を示した平面図である。
【0243】
図7aを参照すると、第4実施形態の電極60は、第1部分B1及び第2部分B3の巻取軸(Y軸)方向の高さが0以上であって、第3部分B2よりも相対的に低い。また、巻取軸(Y軸)方向における第1部分B1の高さと第2部分B3の高さとは、同一であるか又は異なり得る。
【0244】
好ましくは、第3部分B2は、少なくとも一部区間が複数の分切片61を含み得る。複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって高さが段階的に増加し得る。複数の分切片61は、下部から上部に向かって幅が減少する幾何学的な図形の形態を有する。好ましくは、幾何学的な図形は台形である。台形の角、すなわち頂点部位は尖った端部ではなく、丸くラウンド処理されるか又は面取りのようにチャンパー処理され得る。後述するが、幾何学的な図形の形態は多様に変形可能である。
【0245】
分切片61は、レーザーで切欠き加工(notching)されたものであり得る。分切片61は、超音波切断や打ち抜きなど公知の金属箔切断工程で形成し得る。
【0246】
前記第3部分B2は、第1部分B1の先端部と第2部分B3の先端部とを巻取方向において連結した仮想の線を基準にして電極組立体の半径方向に折り曲げられ得る。このとき、前記分切片61は、前記切断溝の底部を基準にして折り曲げられ得る。前記分切片の間の切断溝の底部の高さは、前記第1部分B1の高さ及び/又は第2部分B3の高さと対応し得る。
【0247】
第4実施形態において、無地部43の折曲加工の際、活物質層42及び/又は絶縁コーティング層44の損傷を防止するため、分切片61同士の間の切断溝の底部(
図7bのG)と活物質層42との間に所定のギャップを設けることが好ましい。無地部43が折り曲げられるとき、切断溝63の底部付近に応力が集中されるためである。
【0248】
ギャップは、電極60の巻取方向に沿って変わり得る。ギャップは0.2mm~4mm、好ましくは1.5mm~2.5mmである。
【0249】
電極60が負極であるときはギャップが1.0mm以上であることがより好ましく、電極60が正極であるときはギャップが2.0mm以上であることがより好ましい。
【0250】
ギャップを上記の数値範囲に調節することで、無地部43の折曲加工時に生じる応力によって切断溝63の底部付近の活物質層42及び/又は絶縁コーティング層44が損傷されることを防止することができる。
【0251】
好ましくは、電極40が電極組立体として巻き取られた時、絶縁コーティング層44の少なくとも一部は分離膜の外側に露出し得る。この場合、分切片61が折り曲げられるとき、絶縁コーティング層44が折曲地点を支持可能である。
【0252】
前記ギャップは、分切片61の切欠き又は切断時の公差による活物質層42及び/又は絶縁コーティング層44の損傷を防止することができる。巻取方向と平行な一方向において、ギャップは略同一であるか又は変わり得る。後者の場合、複数の分切片は、巻取方向と平行な一方向に沿って個別に、グループ単位で、又は二つ以上のグループ単位でギャップが変わり得る。
【0253】
切断溝63によって形成された分切片61の下端部は、分切片61の折曲工程において折り曲げが誘導される部位であり得る。すなわち、折曲工程において、耐折曲性は、無地部43の最下端から前記切断溝63の底部付近に至るまでは殆ど一定であり、前記切断溝63の底部付近で急激に減少した後、分切片61の上端部に至るまでは殆ど一定である。
【0254】
切断溝63の底部と絶縁コーティング層44とは、0.2mm~2.0mmだけ離隔し得る。離隔距離が0.2mmより小さいと、上述した損傷防止効果を十分に発揮できず、離隔距離が2.0mmより大きいと、損傷防止効果は増加せず、絶縁コーティング層44の折曲支持効果を減少させるおそれがある。
【0255】
巻取方向と平行な一方向において、切断溝63の底部と絶縁コーティング層44との離隔距離は、略同一であるか又は変わり得る。後者の場合、複数の分切片は、前記離隔距離が巻取方向と平行な一方向に沿って個別に、グループ単位で、又は二つ以上のグループ単位で変わり得る。
【0256】
電極60が巻き取られるとき、絶縁コーティング層44の巻取軸(Y軸)方向の端部は、分離膜の端部を基準にして巻取軸方向に沿って-2mm~2mmの範囲に位置し得る。絶縁コーティング層44は、分離膜を介在して対向している反対極性の二つの電極間の短絡を防止し、分切片61が折り曲げられるときに折曲地点を支持することができる。二つの電極間の短絡防止効果を向上させるため、絶縁コーティング層44は分離膜の外側に露出し得る。また、二つの電極間の短絡防止効果をさらに極大化するため、絶縁コーティング層44の巻取軸(Y軸)方向の端部が切断溝63の底部よりも上方に位置するように絶縁コーティング層44の幅を増加させてもよい。一例において、前記絶縁コーティング層44の巻取軸方向の端部は、前記切断溝63の底部を基準にして-2mm~+2mmの範囲内に位置し得る。前記絶縁コーティング層44の厚さは活物質層42の厚さよりも薄くなり得る。これにより、電極60を分離膜と積層したとき、電極60の活物質層42と分離膜との密着程度に比べて、絶縁コーティング層44と分離膜とが弱く接するか、又は、絶縁コーティング層44と分離膜との間にギャップが形成され得る。
【0257】
前記絶縁コーティング層44は、分切片61の折曲過程で無地部の基端部が変形されないように支持力を提供する。しかし、前記支持力が折り曲げ力よりも弱くて多少変形されたとしても、絶縁コーティング層44と分離膜との間には少しのギャップが存在するため、絶縁コーティング層44の変形が直ちに且つ直接的に分離膜に影響を及ぼすことはない。
【0258】
複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって複数の分切片グループを成し得る。前記分切片グループは、巻取方向において隣り合う分切片同士の下部内角、分切片の軸方向の高さ、分切片の巻取方向の幅、分切片の形状、二つの分切片の間の切断溝の底部の高さ、及び二つの分切片の間の離隔ピッチのうちの少なくとも一つの要素が同じであり得る。
【0259】
図7aは、同一分切片グループに属した分切片の幅、高さ及び離隔ピッチが略同じ実施形態である。
【0260】
異なる分切片グループに属する分切片同士は、同一グループ内では同一であった要素のうちの少なくとも一つが相異なり得る。
【0261】
他の形態において、複数の分切片は、グループ単位で又は二つ以上のグループ単位で、離隔ピッチがコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0262】
さらに他の形態において、複数の分切片は、グループ単位で又は二つ以上のグループ単位で、離隔ピッチがコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加してから徐々に又は段階的に減少するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0263】
さらに他の形態において、複数の分切片は、切断溝63の底部と絶縁コーティング層44又は活物質層42との間のギャップがコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0264】
さらに他の形態において、複数の分切片は、切断溝63の底部と絶縁コーティング層44又は活物質層42との間のギャップがコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加するか若しくは徐々に又は段階的に減少し得る。又は、その反対(vice versa)であり得る。
【0265】
図7aの実施形態においては、それぞれの分切片グループは分切片の高さが相異なる。電極組立体において、分離膜SPは電極60の活物質層42及び/又は絶縁コーティング層44と対面し得る。好ましくは、電解質の含浸性改善のため、分離膜SPの端部位置が調節され得る。
【0266】
電極組立体において、前記第1部分B1、第2部分B3、及び第3部分B2のうちの最低地点を基準にして巻取方向(X軸)と平行に延ばした線を基準線DLと定義し、複数の前記分切片のうちの最低高さを有する分切片を最小分切片とするとき、前記分離膜SPの幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、前記最小分切片の高さHaの30%以内で前記電極組立体の外側方向に位置し得る。ここで、前記電極組立体の外側方向とは、電極60の活物質層42から無地部43に向かう方向を意味する。
【0267】
代案的に、前記分離膜SPの幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、前記最小分切片の高さHaの30%以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。ここで、前記電極組立体の内側方向とは、電極60の無地部43から活物質層に向かう方向を意味する。
【0268】
好ましくは、前記最小分切片の高さHaは、実質的に電極組立体の半径方向に折り曲げられた分切片の高さのうちの最小値に該当し得る。
【0269】
前記第1部分B1、第2部分B3、及び第3部分B2のうちの最低地点から巻取方向(X軸)と平行に延ばした線である基準線DLは、隣り合う分切片の間の切断溝63の底部に該当し、切断溝の底部は切欠き谷(notching valley)と称し得る。
【0270】
本発明の一具現例によれば、分離膜SPの幅方向の末端が前記基準線DLに近接して位置するように制御することで、電解質が切欠き谷(空いた空間)に沿って電極組立体内へと流入されるため、含浸速度が増加する。具体的には、電極組立体が挿入されている電池ハウジングの内部に電解質が注入されれば、電解質は電極の無地部の分切片間の切欠き谷に移動する。その後、電解質は、分切片間の切欠き谷、すなわち前記基準線に近接して位置する分離膜の末端に含浸され、最終的に電極の活物質層内へと含浸されるようになる。その結果、電極組立体内における電解質含浸の均一性が増加する。
【0271】
前記分離膜SPの幅方向の末端SLが電極組立体の外側方向に位置するほど、溶接特性に否定的な影響を与える。逆に、前記分離膜SPの幅方向の末端SLが電極組立体の内側方向に位置するほど、正極と負極との短絡危険性が高くなり得る。
【0272】
したがって、本発明の一形態では、前記分離膜SPの幅方向の末端SLが前記基準線DLを基準にして、前記最小分切片の高さの30%以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、前記最小分切片の高さの30%以内で前記電極組立体の内側方向に位置するように制御する。
【0273】
本発明の一具現例によれば、前記分離膜SPの幅方向の末端SLは、前記基準線DLを基準にして、1.5mm以内で前記電極組立体の外側方向に位置するか、又は、1.5mm以内で前記電極組立体の内側方向に位置し得る。
【0274】
図7bは、台形状の分切片61の幅D、高さH及び離隔ピッチPの定義を示した図である。
【0275】
図7bを参照すると、分切片61の幅D、高さH及び離隔ピッチPは、無地部43の折曲加工時に折曲地点付近の無地部43が破れることを防止し且つ十分な溶接強度を確保するため、無地部43の重畳層数を十分に増加させながら無地部43の異常な変形を防止するように設計される。
【0276】
分切片61の折り曲げは、切断溝63の底部を通るラインG又はその上部で行われる。切断溝63は、電極組立体の半径方向において分切片61の滑らか且つ容易な折り曲げを可能にする。
【0277】
分切片61の幅Dは、分切片61の両側の側辺63bから延びた二本の直線と切断溝63の底部63aから延びた直線とが交わる二つの地点間の長さで定義される。分切片61の高さHは、分切片61の最上端辺と切断溝63の底部63aから延びた直線との間の最短距離で定義される。分切片61の離隔ピッチPは、切断溝63の底部63aから延びた直線と前記底部63aに連結された二つの側辺63bから延びた直線とが交わる二つの地点間の長さで定義される。側辺63b及び/又は底部63aが曲線であるとき、直線は、側辺63bと底部63aとの交点から側辺63b及び/又は底部63aに延びる接線で代替され得る。
【0278】
好ましくは、分切片61の幅Dは1mm以上である。Dが1mm未満であると、分切片61がコア側に折り曲げられたとき、溶接強度を十分に確保可能な程度に分切片61が重ならないか、又は、空いた空間(間隙)が発生するおそれがある。
【0279】
好ましくは、分切片61の幅Dは、分切片61が電極組立体のコア側に向かって折り曲げられるとき、分切片61が半径方向に容易に重なるように、分切片61が位置する巻回ターンの半径に応じて適応的に調節され得る。
【0280】
図7cは、本発明の実施形態によって電極60が巻き取られたとき、分切片61の幅Dが定義される分切片61の下端(
図7bの線分D
ab)が形成する円弧A
1A
2を電極組立体のコアの中心Oを基準に示した図である。
【0281】
図7cを参照すると、円弧A
1A
2は分切片61の幅Dに対応する長さを有し、電極組立体のコアの中心を基準にして円周角Φを有する。円周角Φは、円弧A
1A
2を通る巻回軸と垂直な平面上において、円弧A
1A
2の両端とコアの中心Oとを連結した二つの線分間の角度で定義され得る。
【0282】
分切片61の円弧A1A2の長さが同一であるとき、分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するほど円周角Φは減少する。反対に、分切片61の円周角Φが同一であるとき、分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するほど円弧A1A2の長さは比例的に増加する。
【0283】
円周角Φは分切片61の折曲品質に影響を及ぼす。図面において、実線矢印は分切片61を折り曲げるために加えられる力の方向を示し、点線矢印は分切片61が折り曲げられる方向を示している。折曲方向はコアの中心Oに向かう方向である。
【0284】
分切片61の円周角Φは、折曲の均一性を向上させ且つクラックの発生を防止するため、分切片61が位置する巻回ターンの半径rに応じて45°以下、好ましくは30°以下であり得る。
【0285】
一形態において、分切片61の円周角Φは、上記の数値範囲内で電極組立体の半径方向に沿って徐々に又は段階的に増加又は減少し得る。他の形態において、分切片61の円周角Φは、上記の数値範囲内で電極組立体の半径方向に沿って徐々に又は段階的に増加してから徐々に又は段階的に減少し得、その反対の場合(vice versa)も可能である。さらに他の形態において、分切片61の円周角Φは、上記の数値範囲内で電極組立体の半径方向に沿って実質的に同一であり得る。
【0286】
実験によれば、分切片61の円周角Φが45°を超過すると、分切片61の折曲模様が均一にならない。分切片61の中央部分と側辺部分とに加えられる力の差が大きくなって、円周方向における分切片61の押し付けが均一にならない。また、折曲均一性のために押し付け力を増加させれば、切断溝63付近の無地部43にクラックが発生するおそれがある。
【0287】
一例において、電極60に含まれた分切片61の円周角Φは、実質的に同一であり、分切片61の幅は分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するほど比例的に増加し得る。実質的に同一であるとは、完全に同一であるか又は5%未満の偏差があることを意味する。
【0288】
例えば、電極組立体の半径が22mmであり、コアの半径が4mmであり、半径7mm地点に位置する巻回ターンから分切片61が配置されるとき、分切片61の円周角Φが28.6°に一定である場合、分切片61の幅Dは下記の表1のように、分切片61が位置する巻回ターンの半径rに応じて比例的に増加し得る。すなわち、分切片61の幅は、巻回ターンの半径rが1mmずつ増加する度に0.5mmずつ実質的に同一比率で増加し得る。
【0289】
【0290】
好ましくは、電極組立体のコアの中心Oを基準にして半径がrである巻回ターンに位置した分切片61の幅D(r)は、下記の数式1を満たす範囲で決定され得る。
【0291】
[数式1]
1≦D(r)≦(2×π×r/360°)×45°
好ましくは、複数の分切片61のそれぞれは、電極組立体のコアの中心を基準にして分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するにつれて、巻取方向の幅D(r)が徐々に又は段階的に増加するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0292】
他の形態において、複数の分切片61のそれぞれは、電極組立体のコアの中心を基準にして分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するにつれて、1mm~11mmの範囲で巻取方向の幅D(r)が徐々に又は段階的に増加するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0293】
さらに他の形態において、複数の分切片61のそれぞれは、電極組立体のコアの中心を基準にして分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するにつれて、巻取方向の幅D(r)が徐々に又は段階的に増加してから徐々に又は段階的に減少し得るか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0294】
さらに他の形態において、複数の分切片61のそれぞれは、電極組立体のコアの中心を基準にして分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するにつれて、1mm~11mmの範囲で巻取方向の幅D(r)が徐々に又は段階的に増加してから徐々に又は段階的に減少するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。
【0295】
さらに他の形態において、分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するにつれて、分切片61の幅D(r)が変化する比率は、同一であるか又は相異なり得る。
【0296】
さらに他の形態において、分切片61が位置する巻回ターンの半径rが増加するにつれて、1mm~11mmの範囲で分切片61の幅D(r)が変化する比率は、同一であるか又は相異なり得る。
【0297】
図7bをさらに参照すると、分切片61の高さHは2mm以上であり得る。D2が2mm未満であると、分切片61がコア側に折り曲げられたとき、溶接強度を十分に確保可能な程度に分切片61が重ならないか、又は、空いた空間(間隙)が発生するおそれがある。
【0298】
分切片61の高さHは、分切片61がコア側に折り曲げられたときコアを塞がない条件を適用して決定し得る。好ましくは、コアの直径の90%以上が外側に開放されるように、分切片61の高さHを調節し得る。
【0299】
好ましくは、分切片61の高さHは、分切片61が位置する巻回ターンの半径及びコアの半径に応じてコア側から外周側に徐々に増加し得る。
【0300】
一例において、分切片61の高さHが巻回ターンの半径が増加するにつれてh1からhNまでN段階にわたって段階的に増加するとすると、分切片61のk番目高さhk(kは1~Nの自然数)、高さhkを有する分切片61が含まれた巻回ターンの開始半径をrk、コアの半径をrcとするとき、下記の数式2が満たされるように分切片61の高さh1~hNが決定され得る。
【0301】
[数式2]
2mm≦hk≦rk-α×rc(好ましくは、αは0.90~1)
分切片61の高さhkが数式2を満たすと、分切片61がコア側に折り曲げられても、コアは直径の90%以上が外側に開放され得る。
【0302】
一例として、電極組立体の全体巻回ターン半径が22mmであり、分切片61の高さが3mmから始まり、分切片61を含む巻回ターンの半径が1mm増加する度に分切片61の高さが3mm、4mm、5mm、6mmと順に増加し、残りの巻回ターンでは高さが6mmで実質的に同一に維持され得る。すなわち、全体巻回ターンの半径のうち、分切片61の高さ可変区間の半径方向の幅は3mmであり、残りの半径区間は高さ均一区間に該当する。
【0303】
この場合、電極組立体のコアの半径rcに応じて3mm、4mm、5mm及び6mmの高さを有する分切片61が含まれた巻回ターンの開始半径r1、r2、r3、r3は、αが1であって、右側の不等式において等号条件が適用されたとき、下記の表2の通りである。
【0304】
【0305】
分切片61が表2に示した半径位置に配置されるとき、分切片61がコア側に折り曲げられても、分切片61によってコアが閉塞されない。一方、表2に示したr
1、r
2、r
3、r
3はα値に応じてコア側にシフトされ得る。一例において、αが0.90であるとき、r
1、r
2、r
3、r
3はコア半径の10%だけコア側にシフトされ得る。この場合、分切片61がコア側に折り曲げられたとき、コア半径の10%が分切片61によって閉塞される。表2に示したr
1、r
2、r
3、r
3は分切片61が始まる位置のリミット値である。したがって、分切片61の位置は、表2に示した半径より外周側に所定の距離だけシフトされ得る。
図7dは、分切片61の高さh
1、h
2、h
3、h
4、コア半径r
c、分切片61が現れ始める巻回ターンの半径r
1、r
2、r
3、r
3の関係を模式的に示した図である。
【0306】
表2及び
図7dを参照すると、例えばコアCの半径r
cが3mであるとき、3mm(h
1)、4mm(h
2)、5mm(h
3)及び6mm(h
4)の高さを有する分切片61が含まれた巻回ターンの開始半径r
1、r
2、r
3及びr
3はそれぞれ6mm、7mm、8mm及び9mmであり得、半径9mmから最後の巻回ターンまでは分切片61の高さが6mmに維持され得る。また、6mm(r
1)よりも小さい半径を有する巻回ターンには分切片61が含まれなくてもよい。このような例において、コアCと最も隣接した高さ3mm(h
1)の分切片61が半径6mmの巻回ターンから位置するため、該当分切片61がコアC側に折り曲げられても3mm~6mmの半径区間のみを覆って実質的にコアCを閉塞しない。数式2のα値に応じて、分切片61の位置はコア半径r
cの10%以内でコアC側にシフトされ得る。
【0307】
他の形態において、分切片61の高さは、電極組立体のコアの中心を基準にして分切片61が位置した巻回ターンの開始半径rが増加するにつれて同一又は異なる比率で増加し得る。
【0308】
好ましくは、分切片61の高さHは、数式2を満たすとともに分切片61の最大高さが制限され得る。
【0309】
図7eは、分切片61の高さ可変区間で分切片61の高さHに対する最大値h
maxを決定するための概念図である。
【0310】
図7eを参照すると、電極組立体の巻取構造において分切片61を含む電極E
1は、半径方向で分離膜Sを介在して反対極性の電極E
2と対向している。電極E
1の両面には活物質層E
1,activeがコーティングされ、電極E
2の両面にも活物質層E
2,activeがコーティングされている。電気的絶縁のため、分離膜Sの端部S
endは電極E
2の端部E
2,endから絶縁ギャップW
gapに対応する長さだけ外側にさらに延び得る。また、電極E
1の端部は、電気的絶縁のため、電極E
2の端部よりも外側には延びない。したがって、無地部43の下端には絶縁ギャップW
gapに対応する区間が確保されなければならない。また、電極E
1、E
2と分離膜Sとが巻き取られるとき、分離膜Sの端部S
endが蛇行(meandering)を起こす。したがって、分切片61が分離膜Sの外側に露出するためには、分離膜Sの最小蛇行マージンに該当する区間W
margin,minが無地部43に割り当てられなければならない。また、分切片61をカッティングするためには、集電体ホイルの端部に最小限の切断スクラップマージンW
scrap,minが割り当てられなければならない。したがって、分切片61の高さ可変区間で分切片61の最大高さh
maxは、下記の数式3によって決定され得る。数式3において、W
foilは集電体ホイルがカッティングされる前の集電体ホイルの幅に該当する。
【0311】
[数式3]
hmax=Wfoil-Wscrap,min-Wmargin,min-Wgap
好ましくは、前記絶縁ギャップWgapは、前記第1電極が正極であるとき、0.2mm~6mmであり得る。また、前記絶縁ギャップWgapは、前記第1電極が負極であるとき、0.1mm~2mmであり得る。
【0312】
好ましくは、前記切断最小スクラップマージンWscrap,minは、1.5mm~8mmであり得る。最小切断スクラップマージンWscrap,minは、分切片61を形成する工程によっては割り当てられなくてもよい。例えば、分切片61の上部辺と集電体ホイルの上部辺とが一致するように切断溝63を形成し得る。この場合、数式3において、Wscrap,minは0になり得る。
【0313】
好ましくは、前記分離膜の最小蛇行マージンWmargin,minは0~1mmであり得る。
【0314】
一例として、最小限の切断スクラップマージンWscrap,minは1.5mmであり、分離膜Sの最小蛇行マージンWmargin,minは0.5mmであり得る。このような条件において、分切片61を形成する前の集電体ホイル幅Wfoilが8mm~12mmであり、絶縁ギャップWgapが0.6mm、0.8mm及び1.0mmであるとき、数式3を用いて分切片61の最大高さhmaxを計算した結果は下記の表3の通りである。
【0315】
【0316】
表3を参照すると、分切片61の高さ可変区間において分切片61の最大高さh
maxは10mmに設定され得る。したがって、分切片61の高さ可変区間における分切片61の高さは数式2を満たすとともに、2mm~10mm区間で電極組立体の半径方向に沿って段階的に又は徐々に増加し得る。分切片61の高さが10mmを超える設計条件は、無地部にうねりを発生させて無地部の平坦度を低下させるおそれがある。
図7bをさらに参照すると、分切片61の離隔ピッチPは0.05~1.0mmで調節し得る。離隔ピッチPが0.05mm未満であると、電極60が巻取工程などで走行するとき、応力によって切断溝63の底部付近で無地部43にクラックが生じるおそれがある。一方、離隔ピッチPが1mmを超えると、分切片61が折り曲げられたとき、溶接強度を十分に確保可能な程度に分切片61が重ならないか、又は、空いた空間(間隙)が発生するおそれがある。
【0317】
一方、電極60の集電体41がアルミニウムからなる場合、離隔ピッチPは0.5mm以上に設定することがより好ましい。離隔ピッチPが0.5mm以上である場合、電極60が巻取工程などにおいて300gf以上の張力(tension)下で100mm/sec以上の速度で走行しても、切断溝63の下部でクラックが発生することを防止することができる。
【0318】
実験結果によれば、電極60の集電体41が厚さ15μmのアルミニウムホイルであり、離隔ピッチPが0.5mm以上である場合、上記のような走行条件下で電極60が走行したとき、切断溝63の下部でクラックが発生しない。
【0319】
図7bに示したように、巻取方向(X軸)において隣接する二つの分切片61の間には切断溝63が介在される。切断溝63は、無地部43が除去されながら生じた空間に該当する。好ましくは、切断溝63の底部両端の隅部分はラウンド状である。すなわち、切断溝63は、略扁平な底部63a、及びラウンド部63cを含む。ラウンド部63cは、底部63aと分切片61の側辺63bとを連結する。変形例において、切断溝63の底部63aは円弧形状に代替され得る。この場合、分切片61の側辺63b同士は、底部63aの円弧形状によって滑らかに連結され得る。
【0320】
ラウンド部63cの曲率半径は、0超0.5mm以下、好ましくは0超0.1mm以下、より好ましくは0.01mm~0.05mであり得る。ラウンド部63cの曲率半径が上記の数値範囲を満たすとき、電極60が巻取工程などで走行中に切断溝63の下部でクラックが生じることを防止することができる。ラウンド部63cの曲率半径が上記の数値範囲の上限を超えれば、切断溝63の底部の空間が減少して電解質の含浸性に否定的な影響を及ぼすおそれがある。
【0321】
複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって下部内角θが増加し得る。一例として、複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって下部内角θが徐々に又は段階的に増加し得る。下部内角θは、切断溝63の底部63aから延びた直線と分切片61の側部53bから延びた直線との間の角度である。分切片61が左右対称であるとき、左側と右側の下部内角θは実質的に同一である。
【0322】
電極組立体の半径が増加すれば、曲率半径が増加する。もし、分切片61の下部内角θが電極組立体の半径の増加とともに増加すれば、分切片61が折り曲げられるとき、半径方向及び円周方向で生じる応力を緩和させることができる。また、下部内角θが増加すれば、分切片61が折り曲げられたとき、内側の分切片61と重なる面積及び重畳層の個数もともに増加することで、半径方向及び円周方向で溶接強度を均一に確保でき、折曲表面領域を平坦に形成することができる。
【0323】
好ましくは、下部内角θは、分切片61が位置する巻回ターンの半径及び分切片61の幅Dによって決定され得る。
【0324】
図7fは、分切片61の下部内角θを決定する数式を説明するための模式図である。
【0325】
図7fを参照すると、分切片61の側辺は、分切片61の幅Dに対応する線分ADの両端であるA及びDとコアの中心Eとを連結する線分AE及び線分DEと一致することが理想的である。
【0326】
分切片61の側辺が最も理想的な方向に延びるとき、分切片61の下部内角θreferは、線分EFが線分AE及び線分DEと近似的に等しいと仮定するとき、下記の数式4を用いて分切片61の幅D及び分切片61が位置する巻回ターンの半径rから近似的に決定され得る。
【0327】
[数式4]
【0328】
【0329】
数式4の角度は、分切片61の下部内角θreferの理想的な基準角度である。一方、同一巻回ターンに位置した隣接する分切片61の間には離隔ピッチPが存在する。離隔ピッチPの長さはpで示した。離隔ピッチPが隣接する分切片61同士の間に存在するため、下部内角θに対して離隔ピッチPの50%だけの公差を与え得る。すなわち、分切片61の上端辺BCの幅は上端辺B’C’まで最大p/2だけ増加し得る。公差が反映された下部内角θ’は下記の数式5で表し得る。下部内角θreferは理想的な基準角度∠BAGであり、下部内角θ’は離隔ピッチPによる公差が反映された角度∠B’AG’である。数式5において、Hは分切片61の高さであり、pは離隔ピッチに該当する。
【0330】
[数式5]
【0331】
【0332】
好ましくは、電極組立体の各巻回ターンに位置した分切片61の下部内角θは、下記の数式6を満たし得る。それにより、分切片61が電極組立体のコアの中心に向かって折り曲げられるとき、円周方向で隣接する分切片61同士が干渉を起こさず、円滑な折曲が可能である。
【0333】
[数式6]
【0334】
【0335】
一例として、電極60が直径22mm、コアの半径4mmの巻取構造を形成する場合、分切片61の下部内角は高さ可変区間において60°~85°の区間で徐々に又は段階的に増加し得る。
【0336】
他の例として、複数の分切片61は、一つ又は二つ以上のグループ単位でコア側から外周側に向かって下部内角θが徐々に又は段階的に増加し得る。
【0337】
一方、分切片61の左側下部内角と右側下部内角とは等しくなくてもよい。それでもなお、少なくとも一側の下部内角θが上述した数式6を満たすように設計され得る。
【0338】
図7aをさらに参照すると、第1部分B1の幅d
B1は、第3部分B2の分切片61をコア側に折り曲げたとき、電極組立体のコアがその直径を基準にして90%以上外側に開放されるように設計される。第1部分B1の幅d
B1は、グループ1の分切片61の折曲長さに比例して増加し得る。折曲長さは、折曲地点から分切片61の上端辺までの長さに該当する。好ましくは、電極60がフォームファクタ4680の円筒形バッテリーの電極組立体を製造するのに使用される場合、第1部分B1の幅d
B1は、電極組立体のコアの直径及びグループ1に含まれた分切片61の高さに応じて180mm~350mmに設定され得る。
【0339】
分切片61の折曲地点は、切断溝63の底部を通るライン又はそのラインから上側に所定の距離だけ離隔した地点で設定され得る。切断溝63の底部から所定の距離だけ離隔した地点で分切片61がコア側に折り曲げられれば、半径方向での分切片の重畳がより容易になる。分切片61が折り曲げられるとき、コアの中心を基準にして外側にある分切片が内側にある分切片を押し付ける。このとき、折曲地点が切断溝63の底部から所定の距離だけ離隔していれば、内側の分切片が外側の分切片によって巻取軸方向に押し付けられながら分切片の重畳がより容易に行われる。折曲地点の離隔距離は、好ましくは1mm以下であり得る。分切片の最小高さが2mmであるため、最小高さに対する折曲地点の離隔距離の比率は50%以下であり得る。
【0340】
一例において、各分切片グループの幅は、電極組立体の同一巻回ターンを構成するように設計され得る。ここで、巻回ターンは、電極60が巻き取られた状態の第1部分B1の端部を基準にして計数し得る。
【0341】
他の変形例において、各分切片グループの幅は、電極組立体の少なくとも一つの巻回ターンを構成するように設計され得る。
【0342】
さらに他の変形例において、同一分切片グループに属した分切片61の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチは、グループ内で又は隣接するグループの間で徐々に及び/又は段階的に及び/又は不規則的に増加又は減少し得る。
【0343】
グループ1~グループ8は、第3部分B2に含まれる分切片グループの一例に過ぎない。グループの個数、各グループに含まれる分切片61の個数、及びグループの幅、は無地部43の折曲過程で応力を最大限に分散させ、集電体との溶接強度を十分に確保できるように、分切片61が多重に重なるように好ましく調節され得る。
【0344】
他の変形例において、第2部分B3の高さは第1実施形態及び第2実施形態と同様に、徐々に又は段階的に減少し得る。
【0345】
さらに他の変形例において、第3部分B2の分切構造は、第2部分B3まで拡張可能である(点線を参照)。この場合、第2部分B3も第3部分B2と同様に、複数の分切片を含み得る。好ましくは、第2部分B3の分切構造は、第3部分B2の最外側にある分切片グループと実質的に同一であり得る。この場合、第2部分B3及び第3部分B2に含まれた分切片は、幅、高さ及び離隔ピッチが実質的に同一であり得る。変形例として、第2部分B3の分切片は、幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチが第3部分B2よりも大きくなり得る。選択的には、第2部分B3の最終の1巻回ターンは分切片が除去された形態であり得る。
【0346】
第3部分B2において、電極60の巻取方向を基準にして、分切片61の高さが段階的に増加する区間(グループ1~グループ7)は分切片の高さ可変区間と定義され、最後の分切片グループ(グループ8)は分切片の高さが均一に維持される高さ均一区間と定義され得る。
【0347】
すなわち、第3部分B2において、分切片61の高さがh1からhNまで段階的に増加するとき、h1~hN-1(Nは高くインデックスであって、2以上の自然数)の高さを有する分切片61が配置された区間は高さ可変区間に該当し、hNの高さを有する分切片61が配置された区間は高さ均一区間に該当する。電極60の巻取方向の長さに対する高さ可変区間と高さ均一区間との比率については、具体的な実施形態を参照して後述する。
【0348】
電極60がフォームファクタ4680の円筒形バッテリーの電極組立体を製造するのに使用される場合、第1部分B1の幅dB1は180~350mmであり得る。グループ1の幅は第1部分B1の幅対比35~40%であり得る。グループ2の幅はグループ1の幅対比130~150%であり得る。グループ3の幅はグループ2の幅対比120~135%であり得る。グループ4の幅はグループ3の幅対比85~90%であり得る。グループ5の幅はグループ4の幅対比120~130%であり得る。グループ6の幅はグループ5の幅対比100~120%であり得る。グループ7の幅はグループ6の幅対比90~120%であり得る。グループ8の幅はグループ7の幅対比115~130%であり得る。第2部分B3の幅dB3は、第1部分B1の幅と同様に180~350mmであり得る。
【0349】
実施形態において、グループ1~グループ8の幅は一定の増加又は減少パターンを見せない。その理由は、分切片の幅はグループ1からグループ8に行くほど徐々に増加するが、グループ内に含まれる分切片の個数は整数個に制限され、電極の厚さが巻取方向で僅かな偏差を有するためである。したがって、特定の分切片グループでは分切片の個数が減少し得る。したがって、グループの幅は、コア側から外周側に向かって上記の例示のように不規則な変化様相を示し得る。勿論、分切片の幅を減少させることにより、グループ1~グループ8の幅が一定の増加パターンを見せるように設計することも可能である。
【0350】
すなわち、電極組立体の円周方向において、連続して隣接する三つの分切片グループのそれぞれに対する巻取方向の幅をそれぞれW1、W2及びW3としたとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分切片グループの組み合わせを含み得る。
【0351】
上述した具体的な例において、グループ4~グループ6が上記のケースに該当する。グループ4に対するグループ5の幅比率は120~130%であり、グループ5に対するグループ6の幅比率は100~120%であって、その値が120~130%よりも小さい。
【0352】
さらに他の変形例によれば、電極60の無地部43が複数の分切片グループを有するとき、分切片グループG
k-1、G
k、G
k+1は、
図7gに示したように、グループ間離隔間隔Dbを介在して巻取方向(X軸)において相互に離隔して配置され得る。グループ間離隔間隔Dbに対応する無地部の高さは、第1部分B1又は第2部分B3と略同一であり得る。
【0353】
一形態において、コア側から外周側に向かって、各分切片グループに属する分切片61の巻取方向の幅Dはグループ毎に段階的に増加し、分切片61の高さHもグループ毎に段階的に増加し、下部内角θもグループ毎に段階的に増加し得る。
【0354】
他の形態において、コア側から外周側に向かって、分切片グループの巻取方向の幅Dgは徐々に又は段階的に増加し得る。前記巻取方向の幅Dgは、分切片グループ毎に増加するか、又は、二つ以上の分切片グループ毎に増加し得る。
【0355】
さらに他の形態において、コア側から外周側に向かって、分切片グループ同士の間の間隔(グループ間離隔間隔Db)は徐々に又は段階的に増加し得る。前記グループ間離隔間隔Dbは、分切片グループ毎に増加するか、又は、二つ以上の分切片グループ毎に増加し得る。
【0356】
分切片グループの巻取方向の幅Dg及びグループ間離隔間隔Dbを調節すると、
図7h及び
図7iに示したように、分切片61が一部領域に放射状に配列されながら一つ以上の分切片整列部61gを形成する。分切片整列部61gは、電極組立体JRの半径方向に沿って整列された分切片グループG
k-1、G
k、G
k+1の集合体である。
【0357】
図7jに示したように、分切片整列部61gに含まれた分切片グループG
k-1、G
k、G
k+1の両側端部とコアCの中心Oとを線でつなぐと、各分切片グループに対して扇形状になる。
【0358】
好ましくは、分切片整列部61gに含まれた分切片グループGk-1、Gk、Gk+1の扇形状同士は、円周角δの大きさ及び円周角δの範囲が略同一であり得る。もし、電極に厚さ公差があれば、分切片整列部61gに含まれた分切片グループGk-1、Gk、Gk+1の扇形状同士は、円周角δの大きさは略同一であり、円周角δの範囲は異なり得る。
【0359】
円周角δは、20°以上、選択的には25°以上、選択的には30°以上、選択的には35°以上、又は選択的に40°以上であり得る。
【0360】
分切片整列部61gに含まれた分切片61をコアCに折り曲げると、
図7h及び
図7iに示したように、巻取軸と略垂直な平面上に折曲表面領域Fが形成される。また、円周方向において隣り合う折曲表面領域F同士の間には電解質含浸部Epが形成される。
【0361】
電解質含浸部Epには分切片61の折曲構造が存在しないため、分離膜の端部及び電極の活物質層が、巻取軸方向(すなわち、電解質が注入される方向)から眺めたとき、外側に露出している。したがって、電解質が電極組立体JRの巻取軸方向から注入されたとき、電解質が分離膜及び活物質層の端部と直接接触しながら電極組立体JR内部へと素早く浸透するため、電解質の含浸速度を改善することができる。
【0362】
また、
図7aを参照して上述したように、電解質の含浸速度をさらに改善するため、分離膜SPの幅方向の末端SLは、最小分切片の高さHaの30%以下に該当する距離だけ基準線DLから離隔することが好ましい。この場合、切断溝63の底部を通じても電解質が含浸されることで、電解質の含浸速度がさらに改善され、電解質含浸の均一性も向上できる。
【0363】
図7hは前記折曲表面領域Fが90°間隔で配置される構造の例示であり、
図7iは前記折曲表面領域Fが180°間隔で配置される構造の例示である。ここで、折曲表面領域Fの配置角度は、折曲表面領域Fの周縁形状に近似的に対応する図形の幾何中心を通る直線間の角度で定義され得る。すなわち、電極組立体のコアの中心と前記折曲表面領域Fに近似的に対応する図形の幾何中心とを連結した線を角度測定線と定義するとき、円周方向において隣り合う折曲表面領域Fの角度測定線を用いて測定された角度を折曲表面領域Fの配置角度と見なし得る。一例として、折曲表面領域Fの周縁に対応する図形の幾何中心は重心であり得る。
【0364】
前記折曲表面領域Fを構成する分切片グループは、電極組立体JRのコアの中心から放射状に配置され得る。また、電解質含浸部Epを構成する巻回ターン部分の無地部も、電極組立体JRのコアの中心から放射状に配置され得る。前記折曲表面領域Fに含まれた分切片グループの円周方向の長さは、コアから外周側に向かって徐々に増加し得る。そして、電解質含浸部Epを構成している巻回ターン部分の無地部も、円周方向の長さがコアから外周側に向かって増加する。前記折曲表面領域Fの周縁が形成する図形は、概ね中央部が除去された扇形と類似の形状である。
【0365】
図7hに示した電極組立体JRは、90°間隔で4ヶ所の溶接領域が放射状に設計された集電体の溶接に適し、
図7iに示した電極組立体JRは180°間隔で2ヶ所の溶接領域が放射状に設計された集電体の溶接に適する。
【0366】
実施形態では90°間隔で四つの折曲表面領域F(溶接領域)が存在するか又は180°間隔で二つの折曲表面領域Fが存在する構造を例示しているが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、30°間隔で12個の折曲表面領域、45°間隔で8個の折曲表面領域、60°間隔で6個の折曲表面領域、72°間隔で5個の折曲表面領域、120°間隔で3個の折曲表面領域が配置されるなど、多様な放射状配置が可能である。
【0367】
他の変形例において、折曲表面領域Fは、放射状に配置されず、集電体の溶接が行われる領域に対応する位置に多様な模様で形成されてもよい。折曲表面領域Fは、正方形、長方形、平行四辺形、台形などの幾何学的な図形の形態であり得る。このような折曲表面領域Fの多様な形状は、分切片グループの巻取方向の幅Dg及び分切片グループ間の離隔間隔Dbを調整して決定し得る。
【0368】
一方、分切片グループを巻取方向(X軸)に沿って離隔させて配置して一部領域で折曲表面領域Fが形成されないように設計するとき、電極の厚さ公差により、コアから外周側に向かって分切片グループの位置ずれが発生することがある。このような分切片グループの位置ずれは、外周側ターンに行くにつれて累積される。
【0369】
本発明の一実施形態によれば、外周側ターンに行くにつれて分切片グループの位置ずれが累積されても、集電体を溶接可能な領域を確保するため、コアから外周側に向かって徐々に又は段階的に分切片グループの幅が増加し、その結果、扇形状のような折曲表面領域Fが形成される。
【0370】
したがって、外周側に向かって益々分切片グループの位置ずれが累積されて折曲表面領域Fの形状が変形されても(
図7iを参照すると、電極組立体が時計回りに巻き取られることによって折曲表面領域Fの形状も時計回りに変形される)、
図7iの矢印で示した変形領域で確認できるように、相変らず所定の溶接領域wを十分に確保できるようになる。
【0371】
前記折曲表面領域Fが形成される扇形状の円周角(
図7jのδ参照)は、累積されるずれの量によって決定され得る。実施形態では約30°の円周角を有する扇形状を例示する。扇形状の円周角が大きくなるほど、許容されるずれの累積量は増加する。その一方で、折曲表面領域Fが形成されていない電解質含浸部Epの面積は減少するようになる。
【0372】
一方、分切片グループの幅に対応する領域が一つの分切片からなる場合、折曲表面領域Fに対応する扇形状の円周角が大きくなるほど、分切片の折り曲げ時に円周方向に変形が生じながら、円滑な折り曲げができなくなる。したがって、本発明の一実施形態は、折曲表面領域Fを扇形状に設計する場合、扇形状に対応する巻回ターン領域の無地部区間を分切片グループで形成し、該当グループに属するそれぞれの分切片を折り曲げることで、無地部の折曲加工が円滑に行われるようにする。
【0373】
実施形態によれば、折曲表面領域Fに対応する扇形状内に位置する巻回ターン部分の円周角が30°を超える場合、巻回ターン部分の無地部を少なくとも二つ以上の分切片に分割し、それぞれの分切片に対応する巻回ターン部分の円周角が30°以下になるようにする。
【0374】
本発明の一実施形態において、分切片61の形状は多様に変形可能である。
【0375】
図8aは、本発明の第5実施形態による電極70の構造を示した平面図である。
【0376】
図8aを参照すると、第5実施形態の電極70は分切片61’の形状が上述した実施形態と異なる点を除き、他の構成は略同一である。したがって、特に言及しない限り、第4実施形態の構成は第5実施形態にも同様に適用され得る。
【0377】
分切片61’は、上部の幅と下部の幅とが略同じ幾何学的な図形の形態を有する。好ましくは、分切片61’は四角形状であり得る。
【0378】
四角形状の角、すなわち頂点部位は尖った端部ではなく、丸くラウンド処理されるか又は面取りのようにチャンパー処理され得る。
【0379】
図8bは、四角形状の分切片61’の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【0380】
図8bを参照すると、分切片61’の幅D、高さH及び離隔ピッチPは、無地部43の折曲加工時に無地部43が破れることを防止し且つ集電体との溶接強度を向上させるため、無地部43の重畳層数を十分に増加させるとともに無地部43の異常な変形を防止できるように設定される。異常な変形とは、折曲地点の下部の無地部が直線状態を維持できずに崩れて不規則に変形されることを言う。
【0381】
分切片61’の幅Dは、分切片61’の両側の側辺から延びた二本の直線と切断溝63の底部63aから延びた直線とが交わる二つの地点間の長さで定義される。分切片61’の高さHは、分切片61’の最上端辺と切断溝63の底部63aから延びた直線との間の最短距離で定義される。分切片61’の離隔ピッチPは、切断溝63の底部63aから延びた直線と前記底部63aに連結された二つの側辺63bから延びた直線とが交わる二つの地点間の長さで定義される。側辺63b及び/又は底部63aが曲線であるとき、直線は、側辺63bと底部63aとの交点から側辺63b及び/又は底部63aに延びる接線で代替され得る。
【0382】
好ましくは、分切片61’の幅D、高さH及び離隔ピッチPに関する条件は、上述した第4実施形態と略同一であるため、繰り返される説明は省略する。但し、分切片61’が四角形状であるため、分切片61’の下部内角は90°一定であり得る。
【0383】
また、第5実施形態による電極70も、
図8cに示したように、複数の分切片グループG
k-1、G
k、G
k+1が離隔間隔Dbを介在して巻取方向(X軸)に配置され得る。この場合、
図7h、
図7i及び
図7jを参照して上述した実施形態は、
図8cに示した電極70を巻き取って製造した電極組立体に対しても実質的に同様に適用され得る。すなわち、分切片グループに含まれた分切片の形状が台形から四角形に変更された点のみ異なり、他の特徴は
図7h、
図7i及び
図7jを参照して説明した実施形態が実質的に同様に適用され得る。
【0384】
第4実施形態及び第5実施形態のように、第3部分B2及び第2部分B3が複数の分切片61、61’を含むとき、各分切片61、61’の形状は多様に変形可能である。
【0385】
好ましくは、分切片は、下記の条件のうちの少なくとも一つを満たしながら、多様な形態で変形され得る。
【0386】
条件1:下部の幅が上部の幅よりも広い。
【0387】
条件2:下部の幅と上部の幅とが等しい。
【0388】
条件3:下部から上部に向かって幅が同一に維持される。
【0389】
条件4:下部から上部に向かって幅が減少する。
【0390】
条件5:下部から上部に向かって幅が減少してから増加する。
【0391】
条件6:下部から上部に向かって幅が増加してから減少する。
【0392】
条件7:下部から上部に向かって幅が増加してから一定に維持される。
【0393】
条件8:下部から上部に向かって幅が減少してから一定に維持される。
【0394】
条件9:下部の一側内角と他側内角とが同一である。
【0395】
ここで、内角は、分切片下部の幅方向を基準にして分切片の側辺が成す角度で定義され得る。側辺が曲線である場合、内角は曲線の最下端地点で引いた接線と分切片下部の幅方向との間の角度で定義される。
【0396】
条件10:下部の一側内角と他側内角とが異なる。
【0397】
条件11:下部の一側内角及び下部の他側内角が、それぞれ鋭角、直角又は鈍角を有する。
【0398】
条件12:巻取軸方向を基準にして左右対称である。
【0399】
条件13:巻取軸方向を基準にして左右非対称である。
【0400】
条件14:側辺が直線状である。
【0401】
条件15:側辺が曲線状である。
【0402】
条件16:側辺が外側に向かって凸状である。
【0403】
条件17:側辺が内側に向かって凸状である。
【0404】
条件18:上部及び/又は下部の角が直線と直線とが交わる構造である。
【0405】
条件19:上部及び/又は下部の角が直線と曲線とが交わる構造である。
【0406】
条件20:上部及び/又は下部の角が曲線と曲線とが交わる構造である。
【0407】
条件21:上部及び/又は下部の角がラウンド構造である。
【0408】
図9は、本発明の変形形態による分切片の形態を例示的に示した図である。
【0409】
図示されたように、分切片は、両側の切断溝の底部を連結した点線を底辺にする多様な幾何学的な図形の形態を有し得る。幾何学的な図形は少なくとも一つの直線、少なくとも一つの曲線、又はこれらの組み合わせが連結された構造を有する。一例として、分切片は、多角形状、ラウンド模様、又はこれらが結合された多様な形態を有し得る。
【0410】
具体的には、分切片は、左右対称台形状(丸a);左右非対称台形状(丸b);平行四辺形状(丸c);三角形状(丸l);五角形状(丸k);円弧状(丸e);又は楕円形状(丸f)であり得る。
【0411】
分切片の形態は、
図9に示したものに限定されず、上述した条件1~21のうちの少なくとも一つを満たすように、他の多角形状、他のラウンド形状、又はこれらの組み合わせで変形され得る。
【0412】
分切片の多角形状丸a、丸b、丸c、丸k及び丸lにおいて、上部の角及び/又は下部の隅は直線と直線とが交わる形状であるか又はラウンド形状(丸aの上部の角部及び下部の隅部の拡大を参照)であり得る。
【0413】
分切片の多角形状丸a、丸b、丸c、丸k及び丸lと分切片のラウンド形状丸e及び丸fにおいて、下部の一側内角θ1と他側内角θ2とは同一であるか又は異なり得、下部の一側内角θ1及び他側内角θ2はそれぞれ鋭角、直角又は鈍角であり得る。内角は、幾何学的な図形の底辺と側辺とがなす角度である。側辺が曲線であるとき、直線は、底辺と側辺との交点から延びた接線で代替され得る。
【0414】
多角形状の分切片の側辺の形状は多様に変形可能である。
【0415】
一例として、分切片の形態丸aの側辺は、形態丸dのように外側に膨らんでいる曲線に変形されるか、若しくは、形態丸g又は丸jのように分切片の内側に凹んだ曲線に変形され得る。
【0416】
他の例として、分切片の形態丸aの側辺は、形態丸h又は丸iのように、分切片の内側に凹んだ折れ線に変形され得る。図示していないが、分切片の形態丸aの側辺は、外側に膨らんでいる折れ線に変形され得る。
【0417】
側辺が多様に変形された分切片の形態丸d、丸g、丸j、丸h及び丸iにおいて、下部の一側内角θ1と他側内角θ2とは同一であるか又は異なり、下部の一側内角θ1及び他側内角θ2はそれぞれ鋭角、直角又は鈍角であり得る。
【0418】
分切片の幅は、下部から上部に向かって多様な変化パターンを有し得る。
【0419】
一例として、分切片の幅は、下部から上部に向かって一定に維持され得る(形態丸c)。他の例として、分切片の幅は、下部から上部に向かって徐徐に減少し得る(形態丸a、丸b、丸d、丸e、丸f及び丸g)。さらに他の例として、分切片61の幅は、下部から上部に向かって徐々に減少してから増加し得る(形態丸i及び丸j)。さらに他の例として、分切片の幅は、下部から上部に向かって徐々に増加してから減少し得る(形態丸k)。さらに他の例として、分切片の幅は、下部から上部に向かって徐々に減少してから一定に維持され得る(形態丸h)。図示していないが、分切片の幅は、下部から上部に向かって徐々に増加してから一定に維持され得る。
【0420】
一方、
図9に例示された分切片の形態のうち、上部が扁平な多角形状は180°回転し得る。一例として、分切片の形態丸a、丸b、丸d又は丸gが180°回転する場合、分切片の幅は、下部から上部に向かって徐々に増加し得る。他の例として、分切片の形態丸hが180°回転する場合、分切片の幅は下部から上部に向かって一定に維持されてから徐々に増加し得る。
【0421】
上述した実施形態(変形形態)において、本発明の他の一形態によれば、第3部分B2の領域に沿って分切片61、61’の形状を変更することも可能である。一例として、応力が集中される区間には応力分散に有利なラウンド形状(例えば、半円形、半楕円形など)を適用し、応力が相対的に低い区間には面積が最大限に広い多角形状(例えば、四角形、台形、平行四辺形など)を適用し得る。
【0422】
さらに他の形態において、複数の分切片は、電極組立体の巻取方向と平行な一方向に沿って個別的に、グループ単位で、又は二つ以上のグループ単位で異なる形態を有し得る。
【0423】
上述した実施形態(変形形態)において、第3部分B2の分切構造は第1部分B1にも適用され得る。但し、第1部分B1に分切構造が適用されれば、コアの曲率半径によって、第3部分B2の分切片61、61’が折り曲げられるとき、第1部分B1の端部が外周側に曲がる逆フォーミング(reverse forming)現象が発生するおそれがある。したがって、第1部分B1には分切構造を適用しないか、又は、分切構造を適用してもコアの曲率半径を考慮して分切片61、61’の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチを逆フォーミングが発生しない水準に小さく調節することが好ましい。
【0424】
逆フォーミングが発生し得る分切片の高さは、約3mm未満であり得る。また、分切片の高さが2mm未満であると、分切片と分離膜とが干渉して折り曲げ難くなり得る。さらに、分切片の高さが4mm未満であると、分切片の溶接工程が円滑に行われないおそれがある。好ましくは、折り曲げを意図して設計する分切片の最小高さHminは5mmであり得る。
【0425】
図8a及び
図9aを参照すると、基準線DLを基準にして、無地部で折曲可能な最小高さH
min(例えば、上述した2mm、3mm、4mm又は5mm)以上の高さを有する分切片のうちの最小分切片の高さHaの±30%範囲内に分離膜の幅方向の末端SLが存在すれば、含浸性を大幅に高めることができる。すなわち、分離膜の幅方向の末端SLの位置を規定する最小分切片を決定する際、逆フォーミングのおそれがある分切片や折り曲げない分切片は除外し得る。
【0426】
他の観点から説明すると、基準線DLを基準にして、無地部に存在する最小分切片の高さHa及び折曲可能な最小高さHminのうちの大きい高さ{max(Ha、Hmin)}の±30%範囲内に分離膜の幅方向の末端SLが存在すれば、含浸性を大幅に高めることができる。
【0427】
さらに他の観点から説明すると、基準線DLを基準にして、折曲可能な最小高さHminの±30%範囲内に分離膜の幅方向の末端SLが存在すれば、電解質の含浸性を大幅に高めることができる。これは、基準線DL±1.5mm、基準線DL±1.2mm、基準線DL±0.9mm、又は基準線DL±0.6mmの範囲であり得る。
【0428】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、電極60、70が電極組立体として巻き取られた後、電極組立体の上側及び下側に露出している分切片は、電極組立体の半径方向に沿って多重に重なりながら折曲表面領域を形成し得る。
【0429】
以下の折曲表面領域についての説明は、分切片整列部の分切片が折り曲げられながら形成される折曲表面領域に対しても実質的に同様に適用され得ることを予め明らかにしておく。
【0430】
図10aは、分切片61が電極組立体80のコアC側に折り曲げられながら形成された折曲表面領域Fの断面を示した模式図である。
図10aにおいて、折曲表面領域Fの断面は電極組立体80の巻回軸を基準にして左側のみを示した。折曲表面領域Fは、電極組立体80の上部と下部にすべて形成され得る。
図10bは、折曲表面領域Fが形成された電極組立体80を概略的に示した斜視図である。
【0431】
図10a及び
図10bを参照すると、折曲表面領域Fは、巻取軸方向で分切片61が複数の層に重なった構造を有する。重畳方向は巻取軸方向(Y軸)である。区間丸1は分切片がない分切片省略区間(第1部分B1)であり、区間丸2及び丸3は分切片を含む巻回ターンが位置する区間である。区間丸2は分切片61の高さが変わる高さ可変区間であり、区間丸3は電極組立体の外周まで分切片の高さが均一に維持される高さ均一区間である。後述するが、区間丸2及び区間丸3の半径方向の長さは変わり得る。一方、最外郭の巻回ターンを含む少なくとも一つの巻回ターンに含まれた無地部(第2部分B3)は分切片構造を含まなくてもよい。この場合、区間丸3から第2部分B3は除外され得る。
【0432】
区間丸2において、分切片61の高さは、電極組立体80の半径r1~rN区間で最小高さh1(=hmin)から最大高さhN(=hmax)まで段階的に変化し得る。分切片61の高さが変わる高さ可変区間はr1~rNである。半径rNから電極組立体80の半径Rまでは分切片61の高さがhNで均一に維持される。高さが均一であるとは、高さの偏差が5%以内であることを意味する。
【0433】
区間丸2及び区間丸3の任意の半径位置において、分切片61の積層数は半径位置によって変わる。また、分切片61の積層数は、区間丸2の幅、分切片61の高さ可変区間における分切片の最小高さh1と最大高さhN、そして分切片61の高さ変化量Δhによって変わり得る。分切片61の積層数は、電極組立体80の任意の半径位置から巻取軸方向に仮想の線を引いたとき、仮想の線と交わる分切片の個数である。
【0434】
好ましくは、分切片61が含まれた巻回ターンの半径に応じて分切片61の高さ、幅及び離隔ピッチを調節することで、折曲表面領域Fの各位置における分切片61の積層数を要求される集電体の溶接強度に合わせて最適化可能である。
【0435】
まず、分切片61の高さ可変区間(丸2)で分切片の最小高さh1が同一であるとき、分切片61の最大高さhNの変化によって、分切片61の積層数が折曲表面領域Fの半径方向に沿って如何に変化するかを具体的な実施例を挙げて説明する。
【0436】
実施例1-1~実施例1-7の電極組立体を用意した。実施例の電極組立体は半径が22mmであって、コアの直径が4mmである。電極組立体に含まれる正極及び負極は、
図7aに示した電極構造を有する。すなわち、分切片の形態は台形状である。正極及び負極の第2部分B3は分切片を含まない。第2部分B3の長さは、電極の全体長さ対比3%~4%である。正極、負極及び分離膜は
図2を参照して説明した工法で巻き取られた。巻回ターンは48ターン~56ターンの間であるが、実施例の巻回ターンは51ターンである。正極、負極及び分離膜の厚さはそれぞれ149μm、193μm及び13μmである。正極及び負極の厚さは活物質層の厚さを含む厚さである。正極集電体及び負極集電体の厚さはそれぞれ15μm及び10μmである。正極及び負極の巻取方向の長さはそれぞれ3948mm及び4045mmである。
【0437】
各実施例において、分切片61の高さ可変区間(丸2)は、半径5mmから始まるように分切片61の最小高さを3mmに設定した。また、各実施例において、分切片61の高さは半径が1mm増加する度に1mmずつ増加させ、分切片61の最大高さは4mmから10mmまで多様に変化させた。
【0438】
具体的には、実施例1-1は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~6mmであって、分切片61の高さが半径3mmから4mmまで変わる。実施例1-2は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~7mmであって、分切片61の高さが3mmから5mmまで変わる。実施例1-3は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~8mmであって、分切片61の高さが3mmから6mmまで変わる。実施例1-4は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~9mmであって、分切片61の高さが3mmから7mmまで変わる。実施例1-5は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~10mmであって、分切片61の高さが3mmから8mmまで変わる。実施例1-6は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~11mmであって、分切片61の高さが3mmから9mmまで変わる。実施例1-7は、分切片61の高さ可変区間(丸2)が5mm~12mmであって、分切片61の高さが3mmから10mmまで変わる。実施例1-1~1-7において、高さ可変区間(丸2)の上限に該当する半径から外周までは分切片61の高さが均一である。一例として、実施例1-7において、半径12mmから22mmまで分切片61の高さが10mmで均一である。一方、比較例の電極組立体は、半径5mmから半径22mmまで分切片61の高さを3mmの単一高さに維持させた。
【0439】
図10cは、実施例1-1~1-7及び比較例による電極組立体の上部に形成された正極の折曲表面領域Fにおいて、半径方向に沿って分切片の積層数をカウントした結果を示したグラフである。負極の折曲表面領域においても実質的に同じ結果を示す。グラフの横軸はコアの中心を基準にした半径であり、グラフの縦軸は各半径地点でカウントした分切片の積層数である。後述する
図10d及び
図10eにおいても同様である。
【0440】
図10cを参照すると、分切片の積層数均一区間b1が実施例1-1~実施例1-7及び比較例1で共通的に現れる。積層数均一区間b1は、各グラフにおいて扁平な領域の半径区間である。積層数均一区間b1の長さは、分切片の最大高さが減少するほど増加し、比較例の積層数均一区間b1’が最も長い。一方、分切片の積層数は分切片の最大高さh
Nが増加するほど増加する。すなわち、分切片の最大高さh
Nが増加して分切片の高さ可変区間(丸2)の幅が増加すれば、分切片の積層数は増加する一方、積層数均一区間b1の幅は減少する。積層数均一区間b1の外側には、半径が増加するにつれて分切片の積層数が減少する積層数減少区間b2が現れる。積層数減少区間b2は、電極組立体の半径が増加するにつれて分切片の積層数が減少する半径区間である。積層数均一区間b1と積層数減少区間b2とは、半径方向において隣接しており、相互に対して相補的である。すなわち、一方の区間の長さが増加すれば、他方の区間の長さが減少する。また、積層数減少区間b2において、積層数の減少量は積層数均一区間b1から離れた距離に比例する。
【0441】
分切片の積層数の側面から、実施例1-1~実施例1-7は分切片の積層数均一区間b1における分切片の積層数が10以上である。分切片の積層数が10以上である領域は、好ましい溶接ターゲット領域として設定され得る。溶接ターゲット領域は、集電体の少なくとも一部が溶接される区間である。
【0442】
実施例1-1~実施例1-7において、積層数均一区間b1は分切片の高さ可変区間(丸2)が始まる半径地点から始まる。すなわち、高さ可変区間(丸2)は半径5mmから始まって外周側に延在する。
【0443】
下記の表4に、実施例1-1~実施例1-7及び比較例1において、正極に対し、コアを除いた電極組立体の半径(b-a)に対する分切片省略区間(c、
図10aの丸1)の長さの比率、積層数均一区間が始まる半径地点(5mm)から電極組立体の最外側地点(22mm)までの長さ(f)に対する積層数均一区間b1の長さの比率(e/f)、積層数均一区間が始まる半径地点(5mm)から電極組立体の最外側地点(22mm)までの長さ(f)に対する分切片の高さ可変区間(d)の長さの比率(d/f)、電極の全体長さに対する分切片省略区間(第1部分B1)に対応する電極領域の長さの比率(h)、電極の全体長さに対する高さ可変区間に対応する電極領域の長さの比率(i)、電極の全体長さに対する高さ均一区間に対応する電極領域の比率(i)などを算出した結果を示した。
【0444】
負極は、パラメータhに対して0.1~1.2%の差を見せる点を除き、他のパラメータは正極と実質的に同一である。比率h、i及びjの和は100%と少し差がある。その理由は、電極の外周側無地部に該当する第2部分B3に分切片のない区間が存在するためである。例えば、実施例1-1の場合、電極の全体長さの約4%に該当する第2部分B3に分切片が存在しない。表4において、a~fは半径方向の長さを基準にしたパラメータであり、h、i及びjは電極が電極組立体として巻き取られる前の電極の長手方向を基準にしたパラメータである。また、比率(%)に該当するパラメータは、少数第1位を四捨五入した値である。これらは、後述する表5及び表6においても実質的に同様である。
【0445】
【0446】
表4の実施例1-1~1-7を参照すると、分切片の積層数は11~26であり、分切片が含まれる半径区間(f)に対する高さ可変区間(d)の比率(d/f)は6%~41%である。また、分切片が含まれている半径区間(f)に対する積層数均一区間(e)の比率(e/f)は47%~82%である。また、コアを除いた電極組立体の半径(b-a)に対する分切片省略区間(c、
図10aの丸1)の比率(c/(b-a))は15%である。また、電極の全体長さに対する分切片省略区間(第1部分B1)に対応する電極領域の長さの比率は6%であり、電極の全体長さに対する高さ可変区間に対応する電極領域の長さの比率は3%~32%であり、及び電極の全体長さに対する高さ均一区間に対応する電極領域の長さの比率は59%~87%である。積層数均一区間の積層数(g)は実施例1-1~1-7がすべて10以上である。積層数均一区間(e)は分切片の高さ可変区間(d)が増加するほど減少するが、積層数均一区間(e)において分切片の積層数(g)は増加する。好ましくは、分切片の積層数(g)が10以上である積層数均一区間(e)は溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0447】
1865、2170のフォームファクタを有する円筒形バッテリーは、電極組立体の半径が約9mm~10mmである。したがって、従来の円筒形バッテリーに対しては、実施例1-1~1-7のように、分切片区間(f)の半径方向の長さを17mm水準に確保できず、分切片の積層数が10以上である積層数均一区間(e)の長さを8mm~14mm水準に確保することができない。従来の円筒形バッテリーにおいて、コアの半径を実施例1-1~1-7と同じ2mmに設計する場合、分切片を配置可能な半径区間は実質的に7mm~8mmに過ぎないためである。また、従来の円筒形バッテリーにおいて、電極の巻取方向の長さは600mm~980mm水準である。このような短い電極の長さは、実施例1-1~実施例1-7で使用された電極の長さ(正極3948mm、負極4045mm)対比約15%~24%水準に過ぎない。したがって、パラメータh、i及びjに対する数値範囲も、従来の円筒形バッテリーの設計仕様からは容易に導出することができない。
【0448】
次いで、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)で分切片の最大高さh
Nが同一であるとき、分切片の最小高さh
1の変化によって、分切片の積層数が折曲表面領域Fの半径方向に沿って如何に変化するかを具体的な実施例を挙げて説明する。
【0449】
実施例2-1~2-5の電極組立体は半径が22mmであって、コアCの直径が4mmである。分切片61の高さ可変区間(
図10aの丸2)での最小高さh
1は4mmと同一であり、最大高さh
Nは6mmから10mmまで1mm単位で変化させた。したがって、実施例2-1~2-5の電極組立体は、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)の幅がそれぞれ2mm、3mm、4mm、5mm、6mmであって、分切片省略区間(
図10aの丸1)は半径2mmから6mmまでの半径区間である。
【0450】
実施例3-1~3-4の電極組立体は半径が22mmであって、コアCの直径が4mmである。分切片61の高さ可変区間(
図10aの丸2)での最小高さh
1は5mmと同一であり、最大高さh
Nは7mmから10mmまで1mm単位で変化させた。したがって、実施例3-1~3-4の電極組立体は、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)の幅がそれぞれ2mm、3mm、4mm、5mmであって、分切片省略区間(
図10aの丸1)は半径2mmから7mmまでの半径区間である。
【0451】
実施例4-1~4-3の電極組立体は半径が22mmであって、コアCの直径が4mmである。分切片61の高さ可変区間(
図10aの丸2)での最小高さh
1は6mmと同一であり、最大高さh
Nは8mmから10mmまで1mm単位で変化させた。したがって、実施例4-1~4-3の電極組立体は、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)の幅がそれぞれ2mm、3mm、4mmであって、分切片省略区間(
図10aの丸1)は半径2mmから8mmまでの半径区間である。
【0452】
実施例5-1~5-2の電極組立体は半径が22mmであって、コアCの直径が4mmである。分切片61の高さ可変区間(
図10aの丸2)での最小高さh
1は7mmと同一であり、最大高さh
Nは9mmから10mmまで1mm単位で変化させた。したがって、実施例5-1~5-2の電極組立体は、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)の幅がそれぞれ2mm、3mmであって、分切片省略区間(
図10aの丸1)は半径2mmから9mmまでの半径区間である。
【0453】
図10dは、実施例2-1~2-5、実施例3-1~3-4、実施例4-1~4-3、実施例5-1及び5-2による電極組立体の上部に形成された正極の折曲表面領域Fにおいて、半径方向に沿って測定した分切片の積層数をカウントした結果を示したグラフである。負極の折曲表面領域においても実質的に同じ結果を示す。
【0454】
図10dにおいて、グラフ(a)は実施例2-1~2-5に対し、グラフ(b)は実施例3-1~3-4に対し、グラフ(c)は実施例4-1~4-3に対し、グラフ(d)は実施例5-1及び5-2に対して、折曲表面領域Fにおいて半径方向に沿って分切片の積層数をカウントした結果を示している。
【0455】
図10dを参照すると、分切片の積層数均一区間b1が全ての実施例で共通的に現れる。積層数均一区間b1は、グラフにおいて扁平な領域の半径区間である。積層数均一区間b1の長さは、分切片の最小高さh
1が同一であるとき、分切片の最大高さh
Nが減少するほど増加する。また、積層数均一区間b1の長さは、分切片の最大高さh
Nが同一であるとき、分切片の最小高さh
1が減少するほど増加する。一方、積層数均一区間b1において、分切片の積層数は分切片の最大高さh
Nが増加するほど増加する。実施例においても、積層数均一区間b1に隣接して積層数減少区間b2が現れる。
【0456】
実施例において、積層数均一区間b1での分切片の積層数はすべて10以上である。好ましくは、分切片の積層数が10以上である領域は、好ましい溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0457】
実施例において、積層数均一区間b1は、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)が始まる半径地点から始まる。実施例2-1~2-5において、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)は6mmから始まって外周側に延在する。実施例3-1~3-4において、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)は7mmから始まって外周側に延在する。実施例4-3~4-3において、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)は8mmから始まって外周側に延在する。実施例5-1及び5-2において、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)は9mmから始まって外周側に延在する。
【0458】
下記の表5に、実施例2-1~2-5、実施例3-1~3-4、実施例4-1~4-3、実施例5-1及び5-2に対し、積層数均一区間が始まる半径地点(6mm、7mm、8mm、9mm)から電極組立体の最外側地点(22mm)までの長さに対する積層数均一区間の長さの比率(e/f)、積層数均一区間が始まる半径地点(6mm、7mm、8mm、9mm)から電極組立体の最外側地点(22mm)までの長さに対する分切片の高さ可変区間(丸2)の長さの比率(d/f)などを含む多様なパラメータを算出した結果を示した。
【0459】
【0460】
図10a及び
図10dとともに表5の実施例2-5、実施例3-4、実施例4-3及び実施例5-2を参照すると、分切片の高さ可変区間(丸2)における分切片の最大高さh
Nは10mmで同一であるが、分切片の最小高さh
1は4mm、5mm、6mm、7mmと1mmずつ増加し、高さ可変区間(丸2)の長さは6mm、5mm、4mm、3mmと1mmずつ減少する。四つの実施例において、積層数均一区間の比率(e/f)は実施例2-5が69%と最大であり、実施例5-2が38%と最小であり、積層数均一区間の積層数はすべて等しい。表5に示した結果から、分切片の最大高さh
Nが同一であるとき、分切片の最小高さh
1が減少して、分切片の高さ可変区間(丸2)の幅が増えるほど積層数均一区間の幅も比例して増加することが分かる。その理由は、分切片の最小長さh
1が小さいほど、分切片が始まる半径地点がコア側と近くなりながら、分切片が積層される領域がコア側に拡張されるためである。
【0461】
表5を参照すると、分切片の積層数は16~26であり、分切片の高さ可変区間(丸2)の比率(d/f)は13%~38%であり、積層数均一区間の比率(e/f)は31%~69%であることが分かる。また、コアを除いた電極組立体の半径(b-a)に対する分切片省略区間(丸1)の比率(c/(b-a))は20%~35%である。また、電極の全体長さに対する分切片省略区間(丸1)に対応する電極領域の長さの比率は10%~20%、電極の全体長さに対する高さ可変区間(丸2)に対応する電極領域の長さの比率は6%~25%、及び電極の全体長さに対する高さ均一区間(丸3)に対応する電極領域の長さの比率は62%~81%である。
【0462】
1865、2170のフォームファクタを有する円筒形バッテリーは、電極組立体の半径が約9mm~10mmである。したがって、実施例のように、分切片区間(f)の半径方向の長さを13mm~16mm水準に確保できず、分切片省略区間(c、丸1)の長さを4mm~7mm程度に確保すると同時に分切片の積層数が10以上である積層数均一区間(e)の長さを5mm~11mm水準に確保することができない。従来の円筒形バッテリーにおいて、コアの半径を実施例と同じ2mmに設計する場合、分切片を配置可能な半径区間は実質的に7mm~8mmに過ぎないためである。また、従来の円筒形バッテリーにおいて、電極の巻取方向の長さは600mm~980mm水準である。このような短い電極の長さは、実施例における電極の長さ(正極3948mm、負極4045mm)対比約15%~24%水準に過ぎない。したがって、パラメータh、i及びjに対する数値範囲も、従来の円筒形バッテリーの設計仕様からは容易に導出することができない。
【0463】
次いで、分切片の高さ可変区間(丸2)で分切片の最小高さh1と最大高さhNが同一であるとき、電極組立体のコアC直径によって、分切片の積層数が折曲表面領域Fの半径方向に沿って如何に変化するかを具体的な実施例を挙げて説明する。
【0464】
実施例6-1~6-6の電極組立体は半径が22mmであって、コアCの半径が4mmである。分切片61の高さ可変区間(丸2)での分切片の最小高さh1は3mmと同一であり、分切片の最大高さhNは5mmから10mmまで1mm単位で変化させた。したがって、実施例6-1~6-6の電極組立体は、分切片の高さ可変区間(丸2)の幅がそれぞれ2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mmであって、分切片省略区間(丸1)は半径4mmから7mmまでの半径区間である。
【0465】
実施例7-1~7-6の電極組立体は半径が22mmであって、コアCの半径は2mmである。分切片61の高さ可変区間(丸2)での分切片の最小高さh1は3mmと同一であり、分切片の最大高さhNは5mmから10mmまで1mm単位で変化させた。したがって、実施例7-1~7-6の電極組立体は、分切片の高さ可変区間(丸2)の幅がそれぞれ2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mmであって、分切片省略区間(丸1)は半径2mmから5mmまでの半径区間とすべて同一である。
【0466】
図10eは、実施例6-1~6-6及び実施例7-1~7-6による電極組立体の上部に形成された正極の折曲表面領域Fにおいて、半径方向に沿って測定した分切片の積層数をカウントした結果を示したグラフである。負極の折曲表面領域においても実質的に同じ結果が現れる。
【0467】
図10eにおいて、グラフ(a)は実施例6-1~6-6に対し、グラフ(b)は実施例7-1~7-6に対し、折曲表面領域Fにおいて半径方向に沿って測定した分切片の積層数をカウントした結果を示している。
【0468】
図10eを参照すると、分切片の積層数均一区間b1が全ての実施例で共通的に現れる。積層数均一区間b1は、グラフにおいて扁平な領域の半径区間である。積層数均一区間b1の半径方向の長さは、分切片の最小高さh
1が同一であるとき、分切片の最大高さh
Nが減少するほど増加する。一方、積層数均一区間b1において、分切片の積層数は分切片の最大高さh
Nが増加するほど増加する。実施例において、積層数均一区間b1に隣接して積層数減少区間b2が確認される。
【0469】
実施例において、積層数均一区間b1での分切片の積層数はすべて10以上である。好ましくは、分切片の積層数が10以上である領域は、好ましい溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0470】
実施例において、積層数均一区間b1は、分切片の高さ可変区間(丸2)が始まる半径地点から始まる。実施例6-1~6-6の場合、分切片の高さ可変区間(丸2)が始まる半径は7mmであり、実施例7-1~7-6の場合、分切片の高さ可変区間(丸2)が始まる半径は5mmである。
【0471】
下記の表6に、実施例6-1~6-6及び実施例7-1~7-6に対し、積層数均一区間が始まる半径地点(7mm、5mm)から電極組立体の最外側地点(22mm)までの長さに対する積層数均一区間の長さの比率(e/f)、積層数均一区間が始まる半径地点(7mm、5mm)から電極組立体の最外側地点(22mm)までの長さに対する分切片の高さ可変区間(丸2)の長さの比率(d/f)などを含む多様なパラメータの算出結果を示した。
【0472】
【0473】
図10a、及び表6の実施例6-6と実施例7-6を参照すると、分切片の高さ可変区間(丸2)における分切片の最小高さh
1及び最大高さh
Nはそれぞれ3mm及び10mmで同一である。但し、実施例6-6は、実施例7-6に比べてコアの半径が2mmだけさらに大きい。したがって、実施例6-6は、実施例7-6に比べて積層数均一区間(e)と分切片区間(f)が2mmだけ小さく、積層数均一区間での分切片の積層数は同一である。このような結果はコアの半径の差異のためである。表6に示した結果から、分切片の高さ可変区間(丸2)の幅が同一であるとき、コアの半径(a)が小さいほど高さ可変区間(丸2)の比率(d/f)は減少する一方、積層数均一区間の比率(e/f)は増加することが分かる。表6を参照すると、分切片の積層数は13~26であり、分切片の高さ可変区間(丸2)の比率(d/f)は12%~47%であり、積層数均一区間の長さの比率(e/f)は40%~76%であることが分かる。また、コアを除いた電極組立体の半径(b-a)に対する分切片省略区間(丸1)の比率(c/(b-a))は15%~17%である。また、電極の全体長さに対する分切片省略区間(丸1)に対応する電極領域の長さの比率は6%、電極の全体長さに対する高さ可変区間(丸2)に対応する電極領域の長さの比率は7%~32%、及び電極の全体長さに対する高さ均一区間(丸3)に対応する電極領域の長さの比率は59%~83%である。
【0474】
1865、2170のフォームファクタを有する円筒形バッテリーは、電極組立体の半径が約9mm~10mmである。したがって、実施例のように、分切片区間(f)の半径方向の長さを15mm~17mm水準に確保できず、分切片省略区間(丸1)の長さを3mm程度に確保すると同時に切片の積層数が10以上である積層数均一区間(e)の長さを6mm~13mm水準に確保することができない。従来の円筒形バッテリーにおいて、コアの半径を実施例と同じ2mm~4mmに設計する場合、分切片を配置可能な半径区間は実質的に5mm~8mmに過ぎないためである。また、従来の円筒形バッテリーにおいて、電極の巻取方向の長さは600mm~980mm水準である。このような短い電極の長さは、実施例における電極の長さ(正極3948mm、負極4045mm)対比約15%~24%水準に過ぎない。したがって、パラメータh、i及びjに対する数値範囲も、従来の円筒形バッテリーの設計仕様からは容易に導出することができない。
【0475】
表4~表6のデータを総合的に考慮すれば、分切片の積層数均一区間における分切片の積層数は11~26であり得る。また、分切片の高さ可変区間(丸2)の比率(d/f)は6%~47%であり得る。また、積層数均一区間の比率(e/f)は31%~82%であり得る。また、コアを除いた電極組立体の半径に対する分切片省略区間(丸1)の長さの比率(c/(b-a))は15%~35%であり得る。また、電極の全体長さ(巻取方向の長さ)に対する分切片省略区間(丸1)に対応する電極領域の長さの比率は6%~20%であり得る。また、電極の全体長さに対する分切片の高さ可変区間(丸2)に対応する電極領域の長さの比率は3%~32%であり得る。また、電極の全体長さに対する分切片の高さ均一区間(丸3)に対応する電極領域の長さの比率は59%~87%であり得る。
【0476】
一方、表4~表6を通じて説明したパラメータは、コアの半径(a);電極組立体の半径(b);分切片の高さ可変区間(丸2)における最小高さh1と最大高さhN;半径1mm増加当たり分切片の高さ変化量Δh;正極、負極及び分離膜の厚さなどを含む設計ファクタによって変わり得る。
【0477】
したがって、分切片の積層数均一区間における分切片の積層数は10~35まで拡張され得る。分切片の高さ可変区間(丸2)の比率(d/f)は1%~50%に拡張され得る。また、積層数均一区間の比率(e/f)は30%~85%に拡張され得る。また、コアを除いた電極組立体の半径に対する分切片省略区間(丸1)の長さの比率(c/(b-a))は10%~40%に拡張され得る。また、電極の全体長さ(巻取方向の長さ)に対する分切片省略区間(丸1)に対応する電極領域の長さの比率は、1%~30%に拡張され得る。また、電極の全体長さに対する分切片の高さ可変区間(丸2)に対応する電極領域の長さの比率は、1%~40%に拡張され得る。また、電極の全体長さに対する分切片の高さ均一区間(丸3)に対応する電極領域の長さの比率は50%~90%に拡張され得る。上述した実施例において、高さ可変区間(丸2)と高さ均一区間(丸3)に含まれた分切片の最大高さhNの高さインデックスNは2~8である。例えば、表4を参照すると、実施例1-1及び実施例1-7に対する高さインデックスNはそれぞれ2及び8である。しかし、高さインデックスNは、電極組立体の半径方向における分切片の高さ変化量Δhによって変わり得る。高さ可変区間(丸2)の半径方向の長さが固定されているとき、分切片の高さ変化量Δhが減少すると、それによって高さインデックスNが増加し、その反対の場合(vice versa)も可能である。好ましくは、高くインデックスNは2~20、選択的には、2~30までさらに拡張可能である。
【0478】
電極組立体の上部及び下部に形成される折曲表面領域Fにおいて、積層数均一区間は集電体の溶接ターゲット領域として用いられ得る。
【0479】
好ましくは、集電体の溶接領域は、電極組立体の半径方向において積層数均一区間と少なくとも50%重畳することが好ましく、重畳の比率が高いほどさらに好ましい。
【0480】
好ましくは、集電体の溶接領域のうちの積層数均一区間と重畳しない他の領域は、半径方向において積層数均一区間に隣接する積層数減少区間と重畳し得る。
【0481】
より好ましくは、集電体の溶接領域のうちの積層数均一区間と重畳しない他の領域は、積層数減少区間のうちの分切片の重畳数が10以上である領域と重畳し得る。
【0482】
分切片の積層数が10以上である領域に集電体を溶接すれば、溶接強度の面、そして溶接時に分離膜や活物質層の損傷を防止できるという面で好ましい。特に、透過特性の高い高出力レーザーを用いて集電体を溶接するときに有用である。
【0483】
分切片が10枚以上積層された積層数均一区間と集電体とをレーザーで溶接すれば、溶接品質の向上のためにレーザーの出力を増大させても、積層数均一区間がレーザーのエネルギーを殆ど吸収して溶接ビーズを形成するため、レーザーによって折曲表面領域Fの下方の分離膜及び活物質層が損傷される現象を防止することができる。
【0484】
また、レーザーの照射される領域は、分切片の積層数が10以上であるため、溶接ビーズが十分なボリューム及び厚さで形成される。したがって、溶接強度が十分に確保され、溶接界面の抵抗も急速充電に適した水準に低めることができる。
【0485】
集電体の溶接時のレーザーの出力は、折曲表面領域Fと集電体との間の所望の溶接強度によって決定され得る。溶接強度は、分切片の積層数に比例して増加する。積層数が増加するほど、レーザーによって形成される溶接ビーズのボリュームが大きくなるためである。溶接ビーズは、集電体の素材と分切片の素材とが一緒に溶融されながら形成される。したがって、溶接ビーズのボリュームが大きいと、集電体と折曲表面領域とがより強く結合され、溶接界面の接触抵抗が低くなる。
【0486】
好ましくは、溶接強度は2kgf/cm2以上、より好ましくは4kgf/cm2以上であり得る。最大溶接強度はレーザー溶接装置の出力に応じて変わり得る。一例として、溶接強度は、好ましくは8kgf/cm2以下、より好ましくは6kgf/cm2以下に設定され得る。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0487】
溶接強度が上記の数値範囲を満たす場合、巻取軸方向及び/又は半径方向に沿って電極組立体に激しい振動が加えられても溶接界面の物性が低下せず、溶接ビーズのボリュームが十分であるため溶接界面の抵抗も減少させることができる。
【0488】
溶接強度の条件を満たすためのレーザーの出力は、レーザー装置によって異なるが、250W~320Wの範囲又は該当装置が提供するレーザー最大出力仕様の40%~100%範囲で適切に調節され得る。
【0489】
溶接強度は、集電体が折曲表面領域Fから分離し始めるときの集電体の単位面積当たり引張力(kgf/cm2)として定義され得る。具体的には、集電体の溶接を完了した後、集電体に引張力を加え、その大きさを徐々に増加させる。引張力が臨界値を超えると、溶接界面から分切片が分離し始める。このとき、集電体に加えられた引張力を集電体の面積で除した値が溶接強度に該当する。
【0490】
折曲表面領域Fは分切片が複数の層で積層されており、上述した実施例によれば、分切片の積層数は最小10枚から最大35枚まで増加し得る。
【0491】
無地部43を構成する正極集電体(ホイル)の厚さは10μm~25μmであり、無地部43を構成する負極集電体(ホイル)の厚さは5μm~20μmであり得る。したがって、正極の折曲表面領域Fは、分切片の総積層厚さが100μm~875μmである領域を含み得る。また、負極の折曲表面領域Fは、分切片の総積層厚さが50μm~700μmである領域を含み得る。
【0492】
図10fは、本発明の実施形態による分切片61、61’の折曲表面領域Fに積層数均一区間b1及び積層数減少区間b2を示した電極組立体の上面図である。
【0493】
図10fを参照すると、太い実線で示した二つの円の間の領域は分切片の折曲表面領域Fに該当し、一点鎖線で示した二つの円の間の領域は分切片の積層数が10以上である積層数均一区間b1に該当し、積層数均一区間b1の外側領域は積層数減少区間b2に該当する。
【0494】
一例として、集電体Pcが折曲表面領域Fに溶接されれば、集電体Pcの表面に溶接パターンWpが生成される。溶接パターンWpは線パターン又は点パターンの配列であり得る。溶接パターンWpは溶接領域に該当し、半径方向に沿って分切片の積層数均一区間b1と50%以上重畳し得る。したがって、溶接パターンWpの一部は積層数均一区間b1に含まれ、残りの溶接パターンWpは積層数均一区間b1の外側の積層数減少区間b2に含まれ得る。勿論、溶接強度を最大化し、溶接領域の抵抗を下げるためには、溶接パターンWp全体が積層数均一区間b1と重畳し得る。
【0495】
折曲表面領域Fの面積は、分切片の積層数均一区間b1の面積と積層数減少区間b2の面積とを合算した面積で定義され得る。積層数均一区間b1の比率(e/f)は30%~85%、好ましくは31%~82%であるため、折曲表面領域Fの面積に対する積層数均一区間b1の面積の比率は9%(302/1002)~72%(852/1002)、好ましくは10%(312/1002)~67%(822/1002)であり得る。
【0496】
好ましくは、集電体Pcが折曲表面領域Fと接触する部分の端部は、高さ均一区間(丸3)の最後の巻回ターンでコアC側に折り曲げられた分切片61、61’の端部を覆い得る。この場合、分切片61、61’が集電体Pcによって押し付けられた状態で溶接パターンWpが形成されることで、集電体Pcと折曲表面領域Fとが強く結合される。その結果、巻回軸方向に積層された分切片61、61’が相互緊密に密着されることで、溶接界面での抵抗も低くなり、分切片61、61’が浮き上がる現象を防止することができる。
【0497】
一方、分切片の折曲方向は、上述した方向と反対になってもよい。すなわち、分切片は、コア側から外周側に折り曲げられてもよい。この場合、分切片の高さが巻取方向(X軸方向)方向に沿って変化するパターンは、上述した実施形態(変形形態)と反対になり得る。例えば、分切片の高さは、コアから外周側に向かって段階的に低くなり得る。また、第1部分B1に適用される構造と第2部分B3に適用される構造とは互いに代替され得る。好ましくは、分切片の高さをコア側から外周側に向かって段階的に減少させ、電極組立体の外周と最も近い分切片が外周側に折り曲げられたとき、分切片の端部が電極組立体の外周の外側に突出しないように分切片の高さ変化パターンが設計され得る。
【0498】
上述した実施形態(変形形態)の電極構造は、ゼリーロール型又は当技術分野に周知の他のタイプの電極組立体に含まれた極性の異なる第1電極及び第2電極の少なくとも一つに適用され得る。また、第1電極及び第2電極の一方に実施形態(変形形態)の電極構造が適用される場合、他方には従来の電極構造が適用され得る。また、第1電極及び第2電極に適用された電極構造は同じではなく、相異なり得る。
【0499】
一例として、第1電極及び第2電極がそれぞれ正極及び負極であるとき、第1電極には実施形態(変形形態)のいずれか一つが適用され、第2電極には従来の電極構造(
図1を参照)が適用され得る。
【0500】
他の例として、第1電極及び第2電極がそれぞれ正極及び負極であるとき、第1電極には実施形態(変形形態)のいずれか一つが選択的に適用され、第2電極には実施形態(変形形態)のいずれか一つが選択的に適用され得る。
【0501】
本発明の一実施形態において、正極にコーティングされる正極活物質及び負極にコーティングされる負極活物質は、当業界に公知の活物質であれば制限なく使用可能である。
【0502】
一例として、正極活物質は、一般化学式A[AxMy]O2+z(AはLi、Na及びKのうちの少なくとも一つの元素を含む;MはNi、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru及びCrから選択された少なくとも一つの元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;化学量論係数x、y及びzは化合物が電気的中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含み得る。
【0503】
他の例として、正極活物質は、米国特許第6,677,082号明細書、米国特許第6,680,143号明細書などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM1O2-(1-x)Li2M2O3(M1は平均酸化状態3を有する少なくとも一つの元素を含む;M2は平均酸化状態4を有する少なくとも一つの元素を含む;0≦x≦1)であり得る。
【0504】
さらに他の例として、正極活物質は、一般化学式LiaM1
xFe1-xM2
yP1-yM3
zO4-z(M1はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む;M2はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V及びSから選択された少なくとも一つの元素を含む;M3はFを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;化学量論係数a、x、y及びzは化合物が電気的中性を維持するように選択される)、又はLi3M2(PO4)3[MはTi、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む]で表されるリチウム金属ホスフェートであり得る。
【0505】
さらに他の例として、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物、又は、1種以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li1+xMn2-xO4(x=0~0.33)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O5、LiV3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-xMxO2(M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B又はGa、x=0.01~0.3)で表されるニッケルサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-xMxO2(M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn又はTa、x=0.01~0.1)又はLi2Mn3MO8(M=Fe、Co、Ni、Cu又はZn)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のリチウムの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4;ジスルフィド化合物;Fe2(MoO4)3又はこれらの組み合わせによって形成される複合酸化物などのようにリチウム吸着物質(lithium intercalation material)を主成分にし得る。
【0506】
前記正極集電体は、例えば3μm~500μmの厚さを有する。このような正極集電体は、電池に化学的変化を誘発せず導電性を有するものであれば特に制限されなく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、又はアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが使用され得る。正極集電体は、その表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めてもよく、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態で使用され得る。
【0507】
正極活物質粒子には導電材がさらに混合され得る。このような導電材は、例えば正極活物質を含む混合物の総重量を基準にして1~50重量%で添加される。このような導電材は、電池に化学的変化を誘発せず高い導電性を有するものであれば特に制限されなく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用され得る。
【0508】
好ましくは、正極活物質は、一次粒子及び/又は一次粒子が凝集した二次粒子を含み得る。
【0509】
また、負極は、負極集電体上に負極活物質粒子を塗布及び乾燥して製作され、必要に応じて、上述した導電材、バインダー、溶媒などのような成分がさらに含まれ得る。
【0510】
前記負極集電体は、例えば3μm~500μmの厚さを有する。このような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せず導電性を有するものであれば特に制限されなく、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが使用され得る。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化させてもよく、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態で使用され得る。
【0511】
一例として、負極活物質としては、炭素材、リチウム金属又はリチウム金属化合物、ケイ素又はケイ素化合物、スズ又はスズ化合物などを使用し得る。電位が2V未満であるTiO2、SnO2のような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素、高結晶性炭素などがいずれも使用され得る。
【0512】
他の例として、前記負極活物質は、例えば難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LixFe2O3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe’yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)の金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4、Bi2O5などの酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを使用し得る。
【0513】
電極に使用可能なバインダー高分子は、電極活物質粒子と導電材などとの結合、及び電極集電体に対する結合を補助する成分であり、例えば電極活物質を含む混合物の総重量を基準にして1~50重量%で添加される。このようなバインダー高分子としては、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアリレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選択されるいずれか一つのバインダー高分子、又はこれらのうちの2種以上の混合物を使用し得るが、これらに限定されるものではない。
【0514】
電極の製造に使用される溶媒の非制限的な例としては、アセトン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、シクロヘキサン、水又はこれらの混合体などが挙げられる。このような溶媒は、電極集電体の表面に対して所望の水準でスラリー塗布層が形成されるように適正な水準の粘度を提供する。
【0515】
前記負極は、集電体、及び前記集電体の少なくとも一面に位置し、負極活物質、バインダー高分子及び導電材を含む負極活物質層を備え、前記負極活物質層は、前記集電体に面で接する下層領域、及び前記下層領域と面で接しながら負極活物質層の表面まで延在する上層領域からなり、前記下層領域及び上層領域は、それぞれ独立して、負極活物質として黒鉛及びケイ素系化合物のうちの少なくとも1種以上を含み得る。
【0516】
前記下層領域が負極活物質として天然黒鉛を含み、前記上層領域は負極活物質として人造黒鉛を含み得る。
【0517】
前記下層領域及び上層領域は、それぞれ独立して、負極活物質としてケイ素系化合物をさらに含み得る。
【0518】
前記ケイ素系化合物は、SiOx(0≦x≦2)及びSiCの1種以上を含み得る。
【0519】
本発明の一具現例によれば、前記負極は、下層用負極活物質を含む下層用スラリーを集電体に塗布及び乾燥して下層領域を形成した後、下層領域上に上層用負極活物質を含む上層用スラリーを塗布及び乾燥して上層領域を形成することで製造し得る。
【0520】
代案的に、本発明の一具現例によれば、前記負極は、下層用負極活物質を含む下層用スラリー、及び上層用負極活物質を含む上層用スラリーを準備する段階と、
負極集電体の一面に前記下層用スラリーをコーティングし、同時に又は所定の時間差を置いて前記下層用スラリー上に前記上層用スラリーをコーティングする段階と、
コーティングされた下層用スラリー及び上層用スラリーを同時に乾燥して活物質層を形成する段階と、を含む方法によっても製造し得る。
【0521】
後者の方法で製造する場合、前記負極において下層領域と上層領域とが当接する部分に、これらの相異なる種類の活物質が混在する混合領域(インターミキシング、intermixing)が存在し得る。これは、下層負極活物質を含む下層用スラリーと上層負極活物質を含む上層用スラリーとを集電体上に同時に又は非常に短い時間差を置いて連続的にコーティングした後、同時に乾燥する方式で活物質層を形成する場合、乾燥前に下層用スラリーと上層用スラリーとが当接した界面上に所定の混合区間が発生し、その後乾燥されながらこのような混合区間が混合領域の層形態で形成されるためである。
【0522】
本発明の一具現例の負極活物質層において、前記上層領域と前記下層領域との重量比(又は単位面積当たりローディング量の比)は20:80~50:50、詳しくは25:75~50:50であり得る。
【0523】
本発明の一実施形態による負極活物質層の下層領域及び上層領域の厚さは、コーティングされた下層用スラリー及びコーティングされた上層用スラリーの厚さと完全に一致しないこともある。しかし、乾燥又は選択的な圧延工程を経た結果、最終的に得られる本発明の一実施形態による負極活物質層の下層領域と上層領域との厚さ比率は、コーティングされた下層用スラリーとコーティングされた上層用スラリーとの厚さ比率と一致し得る。
【0524】
本発明の一具現例によれば、第1スラリー(下層用スラリー)をコーティングし、同時に又は所定の時間差を置いて前記第1スラリー上に第2スラリー(上層用スラリー)をコーティングし、前記所定の時間差は0.6秒以下、0.02秒~0.6秒、0.02秒~0.06秒、又は0.02秒~0.03秒の時間差であり得る。このように第1スラリーと第2スラリーのコーティング時の時間差はコーティング装置に起因して発生するため、より好ましくは前記第1スラリーと第2スラリーを同時にコーティングし得る。二重スロットダイ(double slot die)などの装置を用いて前記第1スラリー上に第2スラリーをコーティングし得る。
【0525】
前記活物層を形成する段階において、乾燥段階の後、活物質層を圧延する段階をさらに含み得る。このとき、圧延はロールプレスのように当分野で通常使用される方法で行われ得、例えば、1~20MPaの圧力及び15~30℃の温度で行われ得る。
【0526】
コーティングされた下層用スラリー及び上層用スラリーを同時に乾燥して活物質層を形成する段階は、熱風乾燥及び赤外線乾燥装置が組み合わせられた装置を用い、当分野で通常使用される方法で行われ得る。
【0527】
前記下層用スラリーの固形分における第1バインダー高分子の重量%は、前記上層用スラリーの固形分における第2バインダー高分子の重量%と同一であるか又はより大きくなり得る。本発明の一具現例によれば、前記下層用スラリーの固形分における第1バインダー高分子の重量%は、前記上層用スラリーの固形分における第2バインダー高分子の重量%の1.0~4.2倍、1.5~3.6倍、又は1.5~3倍であり得る。
【0528】
コーティングされた下層用スラリーにおける第1バインダーの重量%とコーティングされた上層用スラリーにおける第2バインダーの重量%との比率がこのような範囲を満たす場合、下層領域のバインダーが過度に少なくなることがないため電極層の脱離が発生せず、上層領域のバインダーが過度に多くなることがないため電極上層部の抵抗が減少し、急速充電性能に有利である。
【0529】
前記下層用スラリーの固形分における第1バインダー高分子の重量%は2~30重量%、又は5~20重量%であり得、前記上層用スラリーの固形分における第2バインダー高分子の比率(重量%)は0.5~20重量%、1~15重量%、1~10重量%、又は2~5重量%であり得る。
【0530】
前記下層用スラリー及び前記上層用スラリーの全体固形分における第1バインダー高分子及び第2バインダー高分子の総比率(重量%)は2~20重量%、又は5~15重量%であり得る。
【0531】
前記分離膜は、多孔性高分子基材、及び前記多孔性高分子基材の両面上に位置し、無機物粒子及びバインダー高分子を含む多孔性コーティング層を有する。
【0532】
前記多孔性高分子基材は、ポリオレフィン系多孔性基材であり得る。
【0533】
前記ポリオレフィン系多孔性基材は、フィルム(film)又は不織ウェブ(non-woven web)形態であり得る。このように多孔性構造を有することで、正極と負極との間の電解質移動が円滑になり、基材自体の電解質含浸性も増加して優れたイオン伝導性を確保でき、電気化学素子内部の抵抗増加が防止されて電気化学素子の性能低下を防止できる。
【0534】
本発明で使用されるポリオレフィン系多孔性基材は、通常電気化学素子に使用される平面状の多孔性基材であればいずれも使用可能であり、その材質や形態は目的に応じて多様に選択し得る。
【0535】
ポリオレフィン系多孔性基材は、非制限的に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらのうちの2種以上の混合物で形成されたフィルム又は不織ウェブであり得るが、これらに限定されることはない。
【0536】
前記ポリオレフィン系多孔性基材は8~30μmの厚さを有し得るが、これは単なる例示に過ぎず、機械的な物性や電池の高率充放電特性を考慮して上記の範囲から外れる厚さも採択可能である。
【0537】
本発明の一実施形態による不織布シートは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又はこれらの混合物で形成され得る。例えば、前記不織布シートは繊維紡糸によって製造されたものであり得る。例えば、メルトブローン(melt blown)方法を用いて、素材の繊維を融点以上で繊維紡糸状にして混紡紡糸して製造されたものであり得る。
【0538】
前記不織布シートは、200~400%、より好ましくは300~400%の延伸率を有し得る。前記延伸率が200%未満であると、釘貫通時に電極同士が接触する可能性が増加し、400%を超えると、釘貫通時に周辺部も延伸し分離膜が薄くなってバリアー性(遮断性)が減少する。
【0539】
前記不織布シートには0.1~10μmの平均直径を有する気孔が多数形成されている。気孔サイズが0.1μmより小さいと、リチウムイオン及び/又は電解質が円滑に移動できず、気孔サイズが10μmより大きいと、釘貫通時の不織布シートの延伸のため、正極と負極との接触を防止しようとする本発明の一実施形態による効果を達成できないおそれがある。
【0540】
また、前記不織布シートは、40~70%の空隙率を有し得る。空隙率が40%未満であると、リチウムイオン及び/又は電解質が円滑に移動できず、空隙率が70%より大きいと、釘貫通時の不織布シートの延伸のため、正極と負極との接触を防止しようとする本発明の一実施形態による効果を達成できないおそれがある。このように製造された不織布シートは1~20秒/100mLの通気度を有し得る。
【0541】
また、前記不織布シートは10~20μmの厚さを有し得るが、これは単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。不織布シートの透過性に応じて上記の範囲から外れた厚さの不織布シートも採択可能である。
【0542】
前記不織布シートは、ラミネーションによって不織布シート下方の分離膜構成要素に結合され得る。ラミネーションは100~150℃の温度範囲で行われ得るが、100℃より低い温度でラミネーションが行われる場合はラミネーション効果が奏されず、150℃より高い温度でラミネーションが行われる場合は不織布の一部が溶融するおそれがある。
【0543】
上記の条件下でラミネーションによって結合された本発明の一実施形態による分離膜は、従来の不織布シートからなる分離膜と比べて、また、フィルムや不織布シートの少なくとも一面に無機物粒子を含む層が形成されている分離膜と比べて、釘貫通に対して向上した抵抗性を有するようになる。
【0544】
前記多孔性コーティング層において、無機物粒子同士は充填されて互いに接触した状態で前記バインダー高分子によって結着し、それにより無機物粒子同士の間にインタースティシャル・ボリューム(interstitial volume)が形成され、前記無機物粒子同士の間のインタースティシャル・ボリュームは空き空間になって気孔を形成し得る。
【0545】
前記多孔性コーティング層の形成に使用される無機物粒子としては、無機物粒子、すなわち電気化学素子の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+を基準に0~5V)において酸化及び/又は還元反応が起きない無機物粒子をさらに添加して使用し得る。特に、イオン伝達能のある無機物粒子を使用する場合、電気化学素子内のイオン電導度を高めて性能向上をはかることができる。また、無機物粒子として誘電率の高い無機物粒子を使用する場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度の増加に寄与して電解質のイオン電導度を向上させることができる。
【0546】
上述した理由により、前記無機物粒子は、誘電率定数が5以上、好ましくは10以上の高誘電率の無機物粒子、リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子、又はこれらの混合体を含むことが好ましい。
【0547】
誘電率定数が5以上の無機物粒子の非制限的な例としては、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、ハフニア(HfO2)、SrTiO3、SnO2、CeO2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO2、Y2O3、Al2O3、TiO2、SiC、又はこれらの混合体などが挙げられる。
【0548】
特に、上述したBaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)及びハフニア(HfO2)のような無機物粒子は、誘電率定数100以上の高誘電率特性を示すだけでなく、一定の圧力を加えて引張又は圧縮する場合、電荷が発生して両面間に電位差が発生する圧電性(piezoelectricity)を有することで、外部衝撃によって両電極で内部短絡が発生することを防止し、電気化学素子の安全性を向上させることができる。また、上述した高誘電率の無機物粒子とリチウムイオン伝達能を有する無機物粒子とを混用する場合、これらの相乗効果は倍加される。
【0549】
リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子は、リチウム元素を含むもののリチウムを貯蔵せず、リチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を称する。リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によってリチウムイオンを伝達及び移動させることができるため、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能の向上をはかることができる。前記リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子の非制限的な例としては、リチウムホスフェート(Li3PO4)、リチウムチタンホスフェート(LixTiy(PO4)3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LixAlyTiz(PO4)3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14Li2O-9Al2O3-38TiO2-39P2O5などのような(LiAlTiP)xOy系ガラス(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LixLayTiO3、0<x<2、0<y<3)、Li3.25Ge0.25P0.75S4などのようなリチウムゲルマニウムチオホスフェート(LixGeyPzSw、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、Li3Nなどのようなリチウムナイトライド(LixNy、0<x<4、0<y<2)、Li3PO4-Li2S-SiS2などのようなSiS2系ガラス(LixSiySz、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、LiI-Li2S-P2S5などのようなP2S5系ガラス(LixPySz、0<x<3、0<y<3、0<z<7)又はこれらの混合物などが挙げられる。
【0550】
多孔性コーティング層の無機物粒子の大きさには制限がないが、均一な厚さのコーティング層の形成及び適切な空隙率のため、0.001~10μmであることが好ましい。0.001μm未満であると、無機物粒子の分散性が低下し、10μmを超えると、多孔性コーティング層の厚さが増加して機械的物性が低下し、気孔サイズが過度に大きくなって電池の充放電時に内部短絡が起きる可能性が高い。
【0551】
多孔性コーティング層を形成するバインダー高分子としては、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアリレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選択されたいずれか一つのバインダー高分子、又はこれらのうちの2種以上の混合物を使用し得るが、これらに限定されるものではない。
【0552】
多孔性コーティング層に使用される無機物粒子とバインダー高分子との組成比は、例えば50:50~99:1の範囲が好ましく、より好ましくは70:30~95:5である。バインダー高分子に対する無機物粒子の含量が50重量部未満であると、バインダー高分子の含量が多くなって、分離膜の熱的安全性の改善が低減され得る。また、無機物粒子同士の間に形成される空いた空間の減少によって気孔サイズ及び気孔度が減少し、最終電池性能が低下し得る。無機物粒子の含量が99重量部を超えると、バインダー高分子の含量が少な過ぎて多孔性コーティング層の耐剥離性が弱化し得る。前記多孔性コーティング層の厚さには、特に制限がないが、0.01~20μmが好ましい。また、気孔サイズ及び気孔度も特に制限がないが、気孔サイズは0.001~10μmが好ましく、気孔度は10~90%が好ましい。気孔サイズ及び気孔度は、主に無機物粒子の大きさに依存するが、例えば粒径1μm以下の無機物粒子を使用する場合、形成される気孔も約1μm以下になる。このような気孔構造は以降注液される電解質で満たされ、満たされた電解質はイオン伝達の役割を果たす。気孔サイズ及び気孔度が0.001μm及び10%未満であると、抵抗層として作用し、10μm及び90%を超えると、機械的物性が低下するおそれがある。
【0553】
前記多孔性コーティング層は、分散媒にバインダー高分子を溶解又は分散させた後、無機物粒子を添加して多孔性コーティング層の形成のためのスラリーを得て、このようなスラリーを基材の少なくとも一面にコーティング、乾燥することで形成され得る。分散媒としては、使用しようとするバインダー高分子と溶解度指数が類似し、沸点(boiling point)が低いものが好ましい。これは、均一な混合及び以降の分散媒除去を容易にするためである。使用可能な分散媒の非制限的な例としては、アセトン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、シクロヘキサン、水又はこれらの混合体などが挙げられる。
【0554】
前記バインダー高分子が分散媒に分散している分散液に無機物粒子を添加した後、無機物粒子を破砕することが好ましい。このとき、破砕時間は1時間~20時間が適切であり、破砕された無機物粒子の大きさは、上述したように0.001~10μmであることが好ましい。破砕方法としては、通常の方法を用い得、特にボールミル(ball mill)法が好ましい。
【0555】
その後、無機物粒子が分散されたバインダー高分子分散液を、10~80%の湿度条件下で多孔性高分子基材の少なくとも一面にコーティングして乾燥する。前記分散液を多孔性高分子基材上にコーティングする方法は、当業界に周知の通常のコーティング方法を用い得、例えばディップコーティング、ダイコーティング、ロールコーティング、コンマコーティング、又はこれらの混合方式など多様な方式を適用し得る。
【0556】
多孔性コーティング層の成分として、上述した無機物粒子及びバインダー高分子の他に、導電材などのその他の添加剤をさらに含み得る。
【0557】
本発明の一実施形態によって最終製作された分離膜は、1~100μm又は5~50μmの厚さを有し得る。厚さが1μm未満であると、分離膜の機能を十分に発揮できず、機械的特性が劣化し、100μmを超えると、高率充放電時に電池の特性が劣化するおそれがある。また、40~60%の空隙率を有し、150~300秒/100mLの通気度を有し得る。
【0558】
本発明の一具現例によれば、前記多孔性高分子基材は、ポリエチレン又はポリプロピレン系を使用し得る。また、多孔性コーティング層において、無機物粒子としてはAl酸化物、Si酸化物系のコーティング物質を使用し得る。
【0559】
本発明の一具現例による分離膜を使用する場合、多孔性高分子基材の両側に多孔性コーティング層が備えられているため、電解質に対する含浸性能の向上によって均一な固体電解質界面層を形成でき、従来の片面無機物コーティング分離膜と比べて優れた通気度を確保することができる。例えば、120s/100cc以内であり得る。また、両面に無機物多孔性コーティング層が備えられても、従来の片面無機物コーティング分離膜レベルの厚さを実現することができる。例えば、15.0μm以内であり得る。
【0560】
また、本発明の一具現例による分離膜を使用する場合、分離膜の安定性が改善されて耐熱及び耐圧縮特性を確保することができる。具体的には、180℃基準で5%以内の熱収縮特性を有する耐熱特性を確保でき、550gf以上の貫通強度(puncture strength)物性を確保することができる。このような分離膜を採用した電池のサイクル中にコア変形(core deformation)が発生したとき、コアの段差部における分離膜の損傷又は貫通を防止することができる。
【0561】
分離膜としては、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを、単独で又はこれらを積層して使用し得る。他の例として、分離膜は通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用し得る。
【0562】
以下、本発明の一実施形態による電極組立体の構造について詳しく説明する。
【0563】
図11は、第1実施形態の電極40を第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体80をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0564】
電極組立体80は、
図2を参照して説明した巻取工法で製造可能である。説明の便宜上、分離膜の外側に延在した第1無地部43a及び第2無地部43bの突出構造を詳細に示し、第1電極、第2電極及び分離膜の巻取構造の図示は省略されている。上側に突出した第1無地部43aは第1電極から延在したものであり、下側に突出した第2無地部43bは第2電極から延在したものである。
【0565】
第1無地部43a及び第2無地部43bの高さが変化するパターンは概略的に示した。すなわち、断面の切断位置によって無地部の高さは不規則に変化し得る。一例として、台形状の分切片61、61’の側辺や切断溝63が切断されれば、断面における無地部の高さは分切片61、61’の高さHよりも低くなる。したがって、電極組立体の断面を示した図面に示された無地部の高さは、それぞれの巻回ターンに含まれた無地部の高さ(
図7b及び
図8bのH)の平均に対応すると理解されたい。
【0566】
図11を参照すると、第1無地部43aは、電極組立体80のコアに隣接した第1部分B1、電極組立体80の外周表面に隣接した第2部分B3、第1部分B1と第2部分B3との間に介在された第3部分B2を含む。
【0567】
第2部分B3の高さ(Y軸方向の長さ)は第3部分B2の高さよりも相対的に低い。したがって、電池ハウジングのビーディング部が第2部分B3付近で押し付けられる過程でビーディング部と第2部分B3とが接触して内部短絡を起こす現象を防止することができる。
【0568】
第2無地部43bは第1無地部43aと同じ構造を有する。一変形形態において、第2無地部43bは従来の電極構造や他の実施形態(変形形態)の電極構造を有してもよい。
【0569】
第1無地部43a及び第2無地部43bの端部81は、電極組立体80の半径方向、例えば外周側からコア側に折り曲げられ得る。このとき、第2部分B3は実質的に折り曲げられなくてもよい。
【0570】
図12は、第2実施形態の電極45を第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体90をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0571】
図12を参照すると、第1電極の第1無地部43aは、電極組立体90のコアに隣接した第1部分B1、電極組立体90の外周表面に隣接した第2部分B3、及び第1部分B1と第2部分B3との間に介在された第3部分B2を含む。
【0572】
第2部分B3の高さは第3部分B2の高さよりも相対的に低く、コア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に減少する。したがって、電池ハウジングのビーディング部が第2部分B3付近で押し付けられる過程でビーディング部と第2部分B3とが接触して内部短絡を起こす現象を防止することができる。
【0573】
第2無地部43bは第1無地部43aと同じ構造を有する。一変形形態において、第2無地部43bは従来の電極構造や他の実施形態(変形形態)の電極構造を有してもよい。
【0574】
第1無地部43a及び第2無地部43bの端部91は、電極組立体90の半径方向、例えば外周側からコア側に折り曲げられ得る。このとき、第2部分B3の最外側92は実質的に折り曲げられなくてもよい。
【0575】
図13は、第3実施形態~第5実施形態(これらの変形形態)の電極50、60、70のうちのいずれか一つを第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体100をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0576】
図13を参照すると、第1電極の無地部43aは、電極組立体100のコアに隣接した第1部分B1、電極組立体100の外周表面に隣接した第2部分B3、及び第1部分B1と第2部分B3との間に介在された第3部分B2を含む。
【0577】
第1部分B1の高さは第3部分B2の高さよりも相対的に低い。また、第3部分B2において、最内側に位置した無地部43aの折曲長さは、第1部分B1の半径方向の長さRと同一であるか又はより短い。折曲長さHは、無地部43aが折り曲げられる地点から無地部43aの上端までの距離に該当する。変形例において、折曲長さHは第1部分B1の半径方向の長さRとコア102の半径の10%とを合算した値よりも小さくなり得る。
【0578】
したがって、第3部分B2が折り曲げられても、電極組立体100のコア102はその直径の90%以上が外側に開放される。コア102は、電極組立体100の中心にある空洞(cavity)である。コア102が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解質注液の効率が向上する。また、コア102を通って溶接治具を挿入して負極(又は正極)側の集電体と電池ハウジング(又は端子)との溶接工程を容易に行うことができる。
【0579】
第2部分B3の高さは第3部分B2の高さよりも相対的に低い。したがって、電池ハウジングのビーディング部が第2部分B3付近で押し付けられる過程でビーディング部と第2部分B3とが接触して内部短絡を起こす現象を防止することができる。
【0580】
一変形形態において、第2部分B3の高さは、
図13の図示と異なって、徐々に又は段階的に減少し得る。また、
図13においては、第3部分B2の高さが外周側の一部分で等しいが、第3部分B2の高さは第1部分B1と第3部分B2との境界から第3部分B2と第2部分B3との境界まで徐々に又は段階的に増加し得る。第3部分B2が複数の分切片に分割されているとき、無地部43aの高さが変わる区間は分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)に該当する。
【0581】
第2無地部43bは、第1無地部43aと同じ構造を有する。一変形形態において、第2無地部43bは、従来の電極構造や他の実施形態(変形形態)の電極構造を有してもよい。
【0582】
第1無地部43a及び第2無地部43bの端部101は、電極組立体100の半径方向、例えば外周側からコア側に折曲加工され得る。このとき、第1部分B1及び第2部分B3は実質的に折り曲げられない。
【0583】
第3部分B2が複数の分切片を含む場合、折曲応力が緩和されるため、折曲地点付近の無地部43aが破れるか又は異常に変形されることを防止することができる。また、分切片の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲で調節される場合、分切片がコア側に折り曲げられながら溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域に空いた空間(間隙)を形成しない。
【0584】
図14は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体110をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0585】
図14を参照すると、電極組立体110は、
図13の電極組立体100と比べて、第2部分B3の高さが第3部分B2の最外側の高さと実質的に同一である点を除き、他の構成は略同一である。
【0586】
第2部分B3は複数の分切片を含み得る。複数の分切片の構成は、電極に関する第4及び第5実施形態(変形形態)と略同一である。
【0587】
電極組立体110において、第1部分B1の高さは、第3部分B2の高さよりも相対的に低い。また、第3部分B2において最内側に位置した無地部の折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRと同一であるか又はより短い。好ましくは、第1部分B1は分切片のない分切片省略区間(
図10aの丸1)であり得る。変形例において、折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRとコア112の半径の10%とを合算した値よりも小さくなり得る。
【0588】
したがって、第3部分B2が折り曲げられても、電極組立体110のコア112はその直径の90%以上が外側に開放される。コア112が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解質注液の効率が向上する。また、コア112を通って溶接治具を挿入して負極(又は正極)側の集電体と電池ハウジング(又は端子)との溶接工程を容易に行うことができる。
【0589】
一変形形態において、第3部分B2の高さがコア側から外周側に向かって徐々に又は段階的に増加する構造は、第2部分B3まで拡張され得る。この場合、無地部43aの高さは、第1部分B1と第3部分B2との境界から電極組立体110の最外側表面まで徐々に又は段階的に増加し得る。
【0590】
第2無地部43bは、第1無地部43aと同じ構造を有する。一変形形態において、第2無地部43bは、従来の電極構造や他の実施形態(変形形態)の電極構造を有してもよい。
【0591】
第1無地部43a及び第2無地部43bの端部111は、電極組立体110の半径方向、例えば外周側からコア側に折曲加工され得る。このとき、第1部分B1は実質的に折り曲げられない。
【0592】
第3部分B2及び第2部分B3が複数の分切片を含む場合、折曲応力が緩和されるため、折曲地点付近の無地部43a、43bが破れるか又は異常に変形されることを防止することができる。また、分切片の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲で調節される場合、分切片がコア側に折り曲げられながら溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域に空いた空間(間隙)を形成しない。
【0593】
図15は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体120をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0594】
図15を参照すると、電極組立体120は、
図13の電極組立体100と比べて、第3部分B2の高さが徐々に又は段階的に増加してから減少するパターンを有する点のみで異なり、他の構成は略同一である。第3部分B2の高さが変化する半径区間は、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)として見なされ得る。この場合にも、分切片の高さ可変区間は、第3部分B2が折り曲げられながら形成される折曲表面領域Fに、分切片の積層数が10以上である積層数均一区間が上述した好ましい数値範囲で現れるように設計され得る。
【0595】
このような第3部分B2の高さ変化は、第3部分B2に含まれた階段パターン(
図6を参照)や分切片(
図7a又は
図8aを参照)の高さを調節することによって実現可能である。
【0596】
電極組立体120において、第1部分B1の高さは、第3部分B2の高さよりも相対的に低い。また、第3部分B2において最内側に位置した無地部の折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRと同一であるか又はより短い。第1部分B1に対応する区間は、分切片のない分切片省略区間(
図10aの丸1)に該当する。変形例において、折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRとコア102半径の10%とを合算した値よりも小さくなり得る。
【0597】
したがって、第3部分B2がコア側に向かって折り曲げられても、電極組立体120のコア122はその直径の90%以上の外側に開放される。コア122が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解質注液の効率が向上する。また、コア122を通って溶接治具を挿入して負極(又は正極)側の集電体と電池ハウジング(又は端子)との溶接工程を容易に行うことができる。
【0598】
また、第2部分B3の高さは、第3部分B2の高さよりも相対的に低く、好ましくは第2部分B3には分切片が形成されなくてもよい。したがって、電池ハウジングのビーディング部が第2部分B3付近で押し付けられる過程で、ビーディング部と第2部分B3とが互いに接触しながら内部短絡を起こす現象を防止することができる。一変形例において、第2部分B3の高さは、外周側に向かって徐々に又は段階的に減少し得る。
【0599】
第2無地部43bは、第1無地部43aと同じ構造を有する。変形例において、第2無地部43bは、従来の電極構造や他の実施形態(変形形態)の電極構造を有してもよい。
【0600】
第1無地部43a及び第2無地部43bの端部121は、電極組立体120の外周側からコア側に折曲加工され得る。このとき、第1部分B1及び第2部分B3は実質的に折り曲げられない。
【0601】
第3部分B2が複数の分切片を含む場合、折曲応力が緩和されるため、無地部43a、43bが破れるか又は異常に変形されることを防止することができる。また、分切片の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲で調節される場合、分切片がコア側に折り曲げられながら溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域に空いた空間(間隙)を形成しない。
【0602】
図16は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体130をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
【0603】
図16を参照すると、電極組立体130は、
図15の電極組立体120と比べて、第2部分B3の高さが第2部分B3と第3部分B2との境界地点から電極組立体130の最外側表面に向かって徐々に又は段階的に減少するパターンを有する点で異なり、他の構成は略同一である。
【0604】
このような第2部分B3の高さ変化は、第3部分B2に含まれた階段パターン(
図6を参照)を第2部分B3まで確張するとともに、パターンの高さを外周側に向かって徐々に又は段階的に減少させることによって実現可能である。また、他の変形例において、第2部分B3の高さ変化は、第3部分B2の分切片構造を第2部分B3まで確張するとともに、分切片の高さを外周側に向かって徐々に又は段階的に減少させることによって実現可能である。
【0605】
電極組立体130において、第1部分B1の高さは第3部分B2の高さよりも相対的に低い。また、第3部分B2において最内側に位置した無地部の折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRと同一であるか又はより短い。第1部分B1は分切片のない分切片省略区間(
図10aの丸1)に該当する。変形例において、折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRとコア102半径の10%とを合算した値よりも小さくなり得る。
【0606】
したがって、第3部分B2がコア側に向かって折り曲げられても、電極組立体130のコア132はその直径の90%以上が外側に開放される。コア132が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解質注液の効率が向上する。また、コア132を通って溶接治具を挿入して負極(又は正極)側の集電体と電池ハウジング(又は端子)との溶接工程を容易に行うことができる。
【0607】
第2無地部43bは、第1無地部43aと同じ構造を有する。一変形形態において、第2無地部43bは、従来の電極構造や他の実施形態(変形形態)の電極構造を有してもよい。
【0608】
第1無地部43a及び第2無地部43bの端部131は、電極組立体130の外周側からコア側に折曲加工され得る。このとき、第1部分B1は実質的に折り曲げられない。
【0609】
第3部分B2及び第2部分B3が複数の分切片を含む場合、折曲応力が緩和されるため、折曲地点付近の無地部43a、43bが破れるか又は異常に変形されることを防止することができる。また、分切片の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲で調節される場合、分切片がコア側に折り曲げられながら溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域に空いた空間(間隙)を形成しない。
【0610】
一方、上述した実施形態(変形形態)において、第1無地部43a及び第2無地部43bの端部はコア側から外周側に折り曲げられ得る。この場合、第2部分B3は分切片のない分切片省略区間(
図10aの丸1)として設計され、外周側に折り曲げられないことが好ましい。また、第2部分B3の半径方向の幅は、第3部分B2の最外側無地部(又は分切片)が折り曲げられる長さと同一であるか又はより大きくなり得る。これにより、第3部分B2の最外側無地部(又は分切片)が外周側に折り曲げられるとき、折曲部位の端部が電極組立体の外周面を越えて電池ハウジングの内面に向かって突出することがない。また、分切片構造の変化パターンは、上述した実施形態(変形形態)と反対になってもよい。例えば、分切片の高さは、コア側から外周側に向かって段階的に又は徐々に増加し得る。すなわち、電極組立体の外周側からコア側へと分切片省略区間(
図10aの丸1)、分切片の高さ可変区間(
図10aの丸2)及び分切片の高さ均一区間(
図10aの丸3)を順に配置することで、折曲表面領域に分切片の積層数が10以上である積層数均一区間が好ましい数値範囲で現れるようにしてもよい。
【0611】
本発明の実施形態による多様な電極組立体の構造は、円筒形バッテリーに適用可能である。
【0612】
好ましくは、円筒形バッテリーは、例えばフォームファクタの比(円筒型バッテリーの直径を高さで除した値、すなわち高さ(H)対比直径(Φ)の比で定義される)が約0.4よりも大きい円筒形バッテリーであり得る。ここで、フォームファクタ(form factor)とは、円筒形バッテリーの直径及び高さを示す値を意味する。
【0613】
好ましくは、円筒形バッテリーの直径は40mm~50mmであり得、高さは60mm~130mmであり得る。一実施形態による円筒形バッテリーのフォームファクタは、例えば46110、4875、48110、4880又は4680であり得る。フォームファクタを示す数値において、前方の二桁はバッテリーの直径を示し、残り数字はバッテリーの高さを示す。
【0614】
フォームファクタの比が0.4を超過する円筒形バッテリーにタブレス構造を有する電極組立体を適用する場合、無地部の折り曲げ時に半径方向に加えられる応力が大きく、無地部が破れ易い。また、無地部の折曲表面領域に集電体を溶接するとき、溶接強度を十分に確保して抵抗を下げるためには、折曲表面領域での無地部の積層数を十分に増加させなければならない。このような要求条件は、本発明の実施形態(変形形態)による電極と電極組立体によって達成可能である。
【0615】
本発明の一実施形態によるバッテリーは、略円柱状のバッテリーであって、直径が約46mmであり、高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.418である円筒形バッテリーであり得る。
【0616】
他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状のバッテリーであって、直径が約48mmであり、高さが約75mmであり、フォームファクタの比が0.640である円筒形バッテリーであり得る。
【0617】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状のバッテリーであって、直径が約48mmであり、高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.436である円筒形バッテリーであり得る。
【0618】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状のバッテリーであって、直径が約48mmであり、高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.600である円筒形バッテリーであり得る。
【0619】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状のバッテリーであって、直径が約46mmであり、高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.575である円筒形バッテリーであり得る。
【0620】
従来、フォームファクタの比が約0.4以下であるバッテリーが用いられている。すなわち、従来は、例えば1865バッテリー、2170バッテリーなどが用いられている。1865バッテリーの場合、その直径が約18mmであり、高さが約65mmであり、フォームファクタの比が0.277である。2170バッテリーの場合、直径が約21mmであり、高さが約70mmであり、フォームファクタの比が0.300である。
【0621】
以下、本発明の一実施形態による円筒形バッテリーについて詳しく説明する。
【0622】
図17は、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー140をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0623】
図17を参照すると、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー140は、第1電極、分離膜及び第2電極を含む電極組立体141、電極組立体141を収納する電池ハウジング142、及び電池ハウジング142の開放端を密封する密封体143を含む。
【0624】
電池ハウジング142は、上方に開口部が形成された円筒形の容器である。電池ハウジング142は、アルミニウム、鋼鉄、ステンレス鋼のような導電性を有する金属材料からなる。電池ハウジング142の表面にはニッケルコーティング層が形成され得る。電池ハウジング142は、上端開口部を通って内側空間に電極組立体141を収容し、電解質も一緒に収容する。
【0625】
電解質は、A+B-のような構造の塩であり得る。ここで、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属陽イオン、又はこれらの組み合わせからなるイオンを含む。そして、B-は、F-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、AlO4
-、AlCl4
-、PF6
-、SbF6
-、AsF6
-、BF2C2O4
-、BC4O8
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、C4F9SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-及び(CF3CF2SO2)2N-からなる群より選択されたいずれか一つ以上の陰イオンを含む。
【0626】
また、電解質は、有機溶媒に溶解させて使用し得る。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ-ブチロラクトン又はこれらの混合物が使用され得る。
【0627】
電極組立体141は、ゼリーロール(jelly-roll)構造を有し得るが、本発明はこれに限定されるものではない。電極組立体141は、
図2に示したように、下部分離膜、第1電極、上部分離膜及び第2電極を順に少なくとも1回積層して形成された積層体を、巻取軸Cを基準にして巻き取ることで製造され得る。
【0628】
第1電極と第2電極とは極性が異なる。すなわち、一方が正の極性を有すれば、他方は負の極性を有する。第1電極及び第2電極の少なくとも一つは、上述した実施形態(変形形態)による電極構造を有し得る。また、第1電極及び第2電極の他方は、従来の電極構造又は実施形態(変形形態)による電極構造を有し得る。電極組立体141に含まれる電極対(pair)は一つに限定されず、二つ以上であり得る。
【0629】
電極組立体141の上部と下部からは、それぞれ第1電極の第1無地部146aと第2電極の第2無地部146bが突出する。第1電極は第1実施形態(変形形態)の電極構造を有する。したがって、第1無地部146aは、第2部分B3の高さが他の部分の無地部の高くよりも低い。第2部分B3は電池ハウジング142の内周面、特にビーディング部147と所定の間隔だけ離隔している。したがって、第1電極の第2部分B3が第2電極と電気的に接続された電池ハウジング142と接触しないため、円筒形バッテリー140の内部短絡が防止される。
【0630】
第2電極の第2無地部146bは、第1無地部146aと同じ構造を有し得る。他の変形形態において、第2無地部146bは、実施形態(変形形態)による電極の無地部の構造を選択的に有してもよい。
【0631】
密封体143は、プレート形状を有するキャップ143a、キャップ143aと電池ハウジング142との間に気密性を提供し、絶縁性を有する第1ガスケット143b、及び前記キャップ143aと電気的に且つ機械的に結合された連結プレート143cを含み得る。
【0632】
キャップ143aは、導電性を有する金属材料からなる部品であり、電池ハウジング142の上端開口部を覆う。キャップ143aは、第1電極の第1無地部146aと電気的に接続され、電池ハウジング142とは第1ガスケット143bを通じて電気的に絶縁される。したがって、キャップ143aは、円筒形バッテリー140の第1電極端子(例えば、正極)として機能することができる。
【0633】
キャップ143aは、電池ハウジング142に形成されたビーディング部147上に載置され、クリンピング(crimping)部148によって固定される。キャップ143aとクリンピング部148との間には、電池ハウジング142の気密性の確保及び電池ハウジング142とキャップ143aとの間の電気的絶縁のため、第1ガスケット143bが介在され得る。キャップ143aは、その中心部から上方に突出して形成された突出部143dを備え得る。
【0634】
電池ハウジング142は、第2電極の第2無地部146bと電気的に接続される。したがって、電池ハウジング142は第2電極と同じ極性を有する。もし、第2電極が負の極性を有すれば、電池ハウジング142も負の極性を有する。
【0635】
電池ハウジング142は、上端にビーディング部147及びクリンピング部148を備える。ビーディング部147は、電池ハウジング142の外周面の周りを押し込んで形成する。ビーディング部147は、電池ハウジング142の内部に収容された電極組立体141が電池ハウジング142の上端開口部から抜け出ないようにし、密封体143が載置される支持部として機能することができる。
【0636】
ビーディング部147の内周面は、第1電極の第2部分B3と所定の間隔だけ離隔している。より具体的には、ビーディング部147の内周面の下端が、第1電極の第2部分B3と所定の間隔だけ離隔している。また、第2部分B3は高さが低いため、ビーディング部147を形成するため電池ハウジング142を外側から押し込むときにも、実質的に影響を受けない。したがって、第2部分B3がビーディング部147などの他の構成要素によって圧迫されることがなく、これにより電極組立体141の部分的変形の発生が防止され、円筒形バッテリー140の内部短絡を防止することができる。
【0637】
好ましくは、ビーディング部147の押し込み深さをD1とし、電池ハウジング142の内周面から第2部分B3と第3部分B2との境界地点までの半径方向の長さをD2とすると、関係式「D1≦D2」が満たされ得る。この場合、ビーディング部147を形成するため電池ハウジング142を押し込むとき、第2部分B3の損傷が実質的に防止される。
【0638】
クリンピング部148は、ビーディング部147の上部に形成される。クリンピング部148は、ビーディング部147上に配置されるキャップ143aの外周面、そしてキャップ143aの上面の一部を包むように延びて折り曲げられた形態を有する。
【0639】
円筒形バッテリー140は、第1集電体144及び/又は第2集電体145及び/又は絶縁体146をさらに含み得る。
【0640】
第1集電体144は、電極組立体141の上部に結合される。第1集電体144は、アルミニウム、銅、鋼鉄、ニッケルなどのような導電性を有する金属材料からなり、第1電極の第1無地部146aと電気的に接続される。電気的接続は溶接を通じて行われ得る。第1集電体144にはリード149が連結され得る。リード149は、電極組立体141の上方に延びて連結プレート143cに結合されるか、又は、キャップ143aの下面に直接結合され得る。リード149と他の部品との結合は溶接を通じて行われ得る。
【0641】
好ましくは、第1集電体144は、リード149と一体的に形成され得る。この場合、リード149は、第1集電体144の中心部付近から外側に延びた長いプレート形状を有し得る。
【0642】
第1集電体144は、その下面に放射状に形成された複数の凹凸(図示せず)を備え得る。放射状の凹凸が備えられている場合、第1集電体144を押し付けて凹凸に第1電極の第1無地部146aを押し込み得る。
【0643】
第1集電体144は、第1無地部146aの端部に結合される。第1無地部146aと第1集電体144との結合は、例えばレーザー溶接によって行われ得る。レーザー溶接は、第1集電体144の母材を部分的に溶融させる方式で行われ得る。変形例において、第1集電体144と第1無地部146aとの溶接は、はんだを介在させた状態で行われ得る。この場合、はんだは、第1集電体144及び第1無地部146aと比べて低い融点を有し得る。レーザー溶接は、抵抗溶接、超音波溶接、スポット溶接などで代替可能である。
【0644】
電極組立体141の下面には第2集電体145が結合され得る。第2集電体145の一面は第2無地部146bと溶接によって結合され、他面は電池ハウジング142の内側底面上に溶接によって結合され得る。第2集電体145と第2無地部146bとの結合構造は、第1集電体144と第1無地部146aとの結合構造と実質的に同一であり得る。
【0645】
無地部146a、146bは、図示された構造のみに限定されない。したがって、無地部146a、146bは、従来の無地部の構造だけでなく、実施形態(変形形態)による電極の無地部の構造を選択的に有してもよい。
【0646】
絶縁体146は、第1集電体144を覆い得る。絶縁体146は、第1集電体144の上面で第1集電体144を覆うことで、第1集電体144と電池ハウジング142の内周面との間の直接接触を防止することができる。
【0647】
絶縁体146は、第1集電体144から上方に延在するリード149が引き出されるように、リード孔151を備える。リード149は、リード孔151を通って上方に引き出され、連結プレート143cの下面又はキャップ143aの下面に結合される。
【0648】
絶縁体146の周縁領域は、第1集電体144とビーディング部147との間に介在され、電極組立体141と第1集電体144との結合体を固定し得る。これにより、電極組立体141と第1集電体144との結合体は、円筒形バッテリー140の巻取軸方向(Y軸方向)の移動が制限され、円筒形バッテリー140の組立安定性を向上させることができる。
【0649】
絶縁体146は、絶縁性のある高分子樹脂からなり得る。一例として、絶縁体146は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド又はポリブチレンテレフタレートからなり得る。
【0650】
電池ハウジング142は、その下面に形成されたベント部152をさらに備え得る。ベント部152は、電池ハウジング142の下面において周辺領域と比べてより薄い厚さを有する領域に該当する。ベント部152は、周辺領域と比べて構造的に脆弱である。したがって、円筒形バッテリー140に異常が発生して内圧が一定水準以上に増加すれば、ベント部152が破裂して電池ハウジング142の内部に発生したガスが外側に排出され得る。ベント部152が破裂する内圧は、約15kgf/cm2~35kgf/cm2であり得る。
【0651】
ベント部152は、電池ハウジング142の下面に円を描きながら連続的に又は不連続的に形成され得る。変形例として、ベント部152は、直線パターン又はその外の他のパターンで形成され得る。
【0652】
図18は、本発明の他の実施形態による円筒形バッテリー150をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0653】
図18を参照すると、円筒形バッテリー150は、
図17の円筒形バッテリー140と比べて、第1電極の第1無地部146aに第2実施形態(変形形態)の電極構造が採用された点を除き、他の構成は略同一である。
【0654】
図18を参照すると、第1電極の第1無地部146aは、第2部分B3の高さが電池ハウジング142の内周面に向かって徐々に又は段階的に低くなる形態であり得る。好ましくは、第2部分B3の最上端を連結した仮想の線は、ビーディング部147の内周面と同一又は類似の形状を有し得る。
【0655】
第2部分B3は、傾斜面を形成している。したがって、ビーディング部147を形成するため電池ハウジング142を押し込むとき、第2部分B3がビーディング部147によって圧迫されて損傷されることを防止することができる。また、第2部分B3が反対極性の電池ハウジング142と接触して内部短絡を起こす現象を抑制することができる。
【0656】
円筒形バッテリー150のその他の構成は、上述した実施形態(変形形態)と実質的に同一である。
【0657】
無地部146a、146bは、図示された構造のみに限定されない。したがって、無地部146a、146bは、従来の無地部の構造だけでなく、実施形態(変形形態)による電極の無地部の構造を選択的に有してもよい。
【0658】
図19は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー160をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0659】
図19を参照すると、円筒形バッテリー160は、上述した円筒形バッテリー140、150と比べて、第1集電体144に連結されたリード149が絶縁体146のリード孔151を通って密封体143のキャップ143aに直接連結され、絶縁体146及び第1集電体144がキャップ143aの下面に密着した構造を有する点を除き、他の構成は略同一である。
【0660】
円筒形バッテリー160において、第1集電体144の直径及び第3部分B2の最外側直径は電池ハウジング142の最小内径よりも小さい。また、第1集電体144の直径は、第3部分B2の最外側直径と同一であるか又はより大きくなり得る。
【0661】
具体的には、電池ハウジング142の最小内径は、ビーディング部147が形成された位置における電池ハウジング142の内径に該当し得る。このとき、第1集電体144及び第3部分B2の最外側直径は、ビーディング部147が形成された位置における電池ハウジング142の内径よりも小さい。また、第1集電体144の直径は、第3部分B2の最外側直径と同一であるか又はより大きくなり得る。絶縁体146の周縁領域は、下部に折り曲げられた状態で第2部分B3とビーディング部147との間に介在され、電極組立体141及び第1集電体144の結合体を固定可能である。
【0662】
好ましくは、絶縁体146は、第2部分B3を覆う部分、及び第1集電体144を覆う部分を含み、これら二つの部分を連結する部分はビーディング部147の屈曲形状に対応して一緒に屈曲した形態を有し得る。絶縁体146は、第2部分B3とビーディング部147の内周面とを絶縁させると同時に、第1集電体144とビーディング部147の内周面とを絶縁させることができる。
【0663】
第1集電体144は、ビーディング部147の下端よりもさらに高く位置し得、第1部分B1及び第3部分B2に結合され得る。このとき、ビーディング部147の押し込み深さD1は、電池ハウジング142の内周面から第2部分B3と第3部分B2との境界までの距離D2よりも小さいか又は同一である。したがって、第1部分B1及び第3部分B2、そしてこれらに結合された第1集電体144は、ビーディング部147の下端よりも高く位置し得る。ビーディング部147の下端とは、電池ハウジング142において電極組立体141が収容された部分とビーディング部147との間の折曲地点Bを意味する。
【0664】
第1部分B1及び第3部分B2がビーディング部147の半径方向の内側空間を占めるため、電極組立体141とキャップ143aとの間の空いた空間は最小化される。また、電極組立体141とキャップ143aとの間の空いた空間に位置していた連結プレート143cは省略されている。したがって、第1集電体144のリード149は、キャップ143aの下面と直接結合可能である。このような構造によれば、バッテリー内の空いた空間が減少し、減少した空いた空間だけエネルギー密度を極大化することができる。
【0665】
円筒形バッテリー160において、第1集電体144及び第2集電体145は、上述した実施形態と同様に、第1無地部146a及び第2無地部146bの端部にそれぞれ溶接され得る。
【0666】
無地部146a、146bは、図示された構造のみに限定されない。したがって、無地部146a、146bは、従来の無地部の構造だけでなく、実施形態(変形形態)による電極の無地部の構造を選択的に有してもよい。
【0667】
図20は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー170をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0668】
図20を参照すると、円筒形バッテリー170は、
図17に示した円筒形バッテリー140と比べて、電極組立体の構造は実質的に同一であり、電極組立体を除いた他の構造が変更された点で相違する。
【0669】
具体的には、円筒形バッテリー170は、端子172が貫設された電池ハウジング171を含む。端子172は、電池ハウジング171の閉鎖面(図面において上面)に形成された貫通孔を通って取り付けられる。端子172は、絶縁性物質からなる第2ガスケット173が介在された状態で電池ハウジング171の貫通孔にリベット締め(reveting)される。端子172は、重力方向の反対方向に向かって外側に露出する。
【0670】
端子172は、端子露出部172a及び端子挿入部172bを含む。端子露出部172aは、電池ハウジング171の閉鎖面の外側に露出する。端子露出部172aは、電池ハウジング171の閉鎖面の略中心部に位置し得る。端子露出部172aの最大直径は、電池ハウジング171に形成された貫通孔の最大直径よりもさらに大きく形成され得る。端子挿入部172bは、電池ハウジング171の閉鎖面の略中心部を貫通して第1電極の第1無地部146aと電気的に接続され得る。端子挿入部172bの底部の周縁は、電池ハウジング171の内側面上にリベット締めされ得る。すなわち、端子挿入部172bの底部の周縁は、電池ハウジング171の内側面に向かって曲げられた形態を有し得る。端子挿入部172bの底部の周縁の内側には平坦部172cが含まれる。リベット締めされた端子挿入部172bの底部の最大直径は、電池ハウジング171の貫通孔の最大直径よりもさらに大きくなり得る。
【0671】
端子挿入部172bの平坦部172cは、第1電極の第1無地部146aに連結された第1集電体144の中央部に溶接され得る。溶接方法としては、レーザー溶接が好ましいが、超音波溶接などの他の溶接方式で代替可能である。
【0672】
第1集電体144と電池ハウジング171の内側面との間には絶縁物質からなる絶縁体174が介在され得る。絶縁体174は、第1集電体144の上部と電極組立体141の上端周縁部分を覆う。これにより、電極組立体141の第2部分B3が反対極性を有する電池ハウジング171の内側面と接触して短絡を起こすことを防止することができる。
【0673】
絶縁体174の厚さは、第1集電体144の上面と電池ハウジング171の閉鎖部の内側面との間の距離に対応するか又は少し大きい。したがって、絶縁体174は、第1集電体144の上面と電池ハウジング171の閉鎖部の内側面と接触し得る。
【0674】
端子172の端子挿入部172bは、絶縁体174の貫通孔を通って第1集電体144に溶接され得る。絶縁体174に形成された貫通孔の直径は、端子挿入部172bの底部のリベット部の直径よりも大きくなり得る。好ましくは、貫通孔は、端子挿入部172bの底部及び第2ガスケット173を露出させ得る。
【0675】
第2ガスケット173は、電池ハウジング171と端子172との間に介在され、反対極性を有する電池ハウジング171と端子172とが電気的に接触することを防止する。これにより、略扁平な形状を有する電池ハウジング171の上面が円筒形バッテリー170の第2電極端子(例えば、負極)として機能することができる。
【0676】
第2ガスケット173は、ガスケット露出部173a及びガスケット挿入部173bを含む。ガスケット露出部173aは、端子172の端子露出部172aと電池ハウジング171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子172の端子挿入部172bと電池ハウジング171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子挿入部172bのリベット締め(reveting)時に一緒に変形されて電池ハウジング171の内側面に密着され得る。第2ガスケット173は、例えば絶縁性を有する高分子樹脂からなり得る。
【0677】
第2ガスケット173のガスケット露出部173aは、端子172の端子露出部172aの外周面を覆うように延びた形態を有し得る。第2ガスケット173が端子172の外周面を覆う場合、バスバーなどの電気的接続部品を電池ハウジング171の上面及び/又は端子172に結合させる過程で短絡が発生することを防止することができる。図示していないが、ガスケット露出部173aは、端子露出部172aの外周面だけでなく、上面の一部も一緒に覆うように延びた形態を有してもよい。
【0678】
第2ガスケット173が高分子樹脂からなる場合において、第2ガスケット173は熱融着によって電池ハウジング171及び端子172と結合され得る。この場合、第2ガスケット173と端子172との結合界面及び第2ガスケット173と電池ハウジング171との結合界面における気密性が強化される。一方、第2ガスケット173のガスケット露出部173aが端子露出部172aの上面まで延びた形態を有する場合において、端子172はインサート射出成形によって第2ガスケット173と一体に結合されてもよい。
【0679】
電池ハウジング171の上面において、端子172及び第2ガスケット173が占める領域を除いた他の領域175が端子172と反対極性を有する第2電極端子に該当する。
【0680】
第2集電体176は、電極組立体141の下部に結合される。第2集電体176は、アルミニウム、鋼鉄、銅、ニッケルなどの導電性を有する金属材料からなり、第2電極の第2無地部146bと電気的に接続される。
【0681】
好ましくは、第2集電体176は、電池ハウジング171と電気的に接続される。そのため、第2集電体176は、周縁部分の少なくとも一部が電池ハウジング171の内側面と第1ガスケット178bとの間に介在されて固定され得る。一例として、第2集電体176の周縁部分の少なくとも一部は、電池ハウジング171の下端に形成されたビーディング部180の下端面に支持された状態で溶接によってビーディング部180に固定され得る。変形例において、第2集電体176の周縁部分の少なくとも一部は、電池ハウジング171の内壁面に直接溶接され得る。
【0682】
第2集電体176は、第2無地部146bに対向する面上に放射状に形成された複数の凹凸(図示せず)を備え得る。凹凸が形成された場合、第2集電体176を押し付けて凹凸に第2無地部146bを押し込み得る。
【0683】
好ましくは、第2集電体176と第2無地部146bの端部とは溶接、例えばレーザー溶接によって結合され得る。また、第2集電体176と第2無地部146bとの溶接部位は、ビーディング部180の内周面を基準にしてコアC側に所定の間隔だけ離隔し得る。
【0684】
電池ハウジング171の下部開放端を密封する密封体178は、プレート形状を有するキャップ178a、及び第1ガスケット178bを含む。第1ガスケット178bは、キャップ178aと電池ハウジング171とを電気的に分離させる。クリンピング部181は、キャップ178aの周縁と第1ガスケット178bとを一緒に固定させる。キャップ178aにはベント部179が備えられる。ベント部179の構成は、上述した実施形態(変形形態)と実質的に同一である。キャップ178aの下面はクリンピング部181の下端よりも上側に位置し得る。この場合、キャップ178aの下部に空間が形成されて放出(venting)が円滑に行われる。特に、クリンピング部181が重力方向に向かうように円筒形バッテリー170が設置される場合に有用である。
【0685】
好ましくは、キャップ178aは、導電性を有する金属材料からなる。しかし、キャップ178aと電池ハウジング171との間に第1ガスケット178bが介在されているため、キャップ178aは電気的極性を持たない。密封体178は、電池ハウジング171下部の開放端を密封し、バッテリー170の内圧が臨界値以上増加したときにガスを排出させる機能を主に果たす。内圧の臨界値は15kgf/cm2~35kgf/cm2である。
【0686】
好ましくは、第1電極の第1無地部146aと電気的に接続された端子172は第1電極端子として使用される。また、第2集電体176を通じて第2電極の第2無地部146bと電気的に接続された電池ハウジング171の上面のうち、端子172を除いた部分175は、第1電極端子と反対極性の第2電極端子として使用される。このように、二つの電極端子が円筒形バッテリー170の上部に位置する場合、バスバーなどの電気的接続部品を円筒形バッテリー170の一側のみに配置させることが可能である。これは、バッテリーパック構造の単純化及びエネルギー密度の向上をもたらすことができる。また、第2電極端子として使用される部分175は略扁平な形態を有するため、バスバーなどの電気的接続部品を連結させるのに十分な連結面積を確保することができる。これにより、円筒形バッテリー170は、電気的接続部品の接合部位における抵抗を好ましい水準に下げることができる。
【0687】
一方、電極組立体141の構造及び無地部の構造は図示されたものに限定されず、上述した実施形態(変形形態)の構造で代替可能である。
【0688】
図21は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー180をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0689】
図21を参照すると、円筒形バッテリー180は、電極組立体141の構造は
図18に示した円筒形バッテリー150と実質的に同一であり、電極組立体141を除いた他の構成は
図20に示した円筒形バッテリー170と実質的に同一である。
【0690】
したがって、円筒形バッテリー150、170の実施形態(変形形態)の構成が円筒形バッテリー180においても同様に適用され得る。
【0691】
また、電極組立体141の構造及び無地部の構造は図示されたものに限定されず、上述した実施形態(変形形態)の構造で代替可能である。
【0692】
図22は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー190をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0693】
図22を参照すると、円筒形バッテリー190は
図14に示した電極組立体110を含み、電極組立体110を除いた他の構成は
図17に示した円筒形バッテリー140と略同一である。したがって、
図14及び
図17を参照して説明した構成は、本実施形態においても実質的に同様に適用され得る。
【0694】
図10a及び
図22を参照すると、電極組立体110の第1無地部146a及び第2無地部146bは電極組立体110の半径方向、例えば外周側からコア側に折り曲げられながら折曲表面領域Fを形成する。
【0695】
第1部分B1は他の部分よりも高さが低く、分切片が存在しない分切片省略区間a1に対応するため、コア側へと折り曲げられない。
【0696】
好ましくは、折曲表面領域Fは、コア側から外周側に分切片省略区間a1、分切片の高さ可変区間a2、及び分切片の高さ均一区間a3を含み得る。
【0697】
折曲表面領域Fは、
図10c、
図10d及び
図10eに示したように、分切片省略区間a1に隣接して分切片の積層数が10以上である積層数均一区間b1を含む。
【0698】
折曲表面領域Fは、また、電極組立体110の外周に隣接して分切片の積層数が外周側に向かって減少する積層数減少区間b2を含み得る。好ましくは、積層数均一区間b1は、溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0699】
折曲表面領域Fにおいて、分切片を含む半径領域(c)に対する高さ可変区間a2の比率(a2/c)、分切片を含む半径領域(c)に対する積層数均一区間b1の比率(b1/c)、そして折曲表面領域Fの面積に対する積層数均一区間b1の面積の比率の好ましい数値範囲は上述したので、繰り返される説明は省略する。
【0700】
第1集電体144は第1無地部146aの折曲表面領域Fにレーザー溶接され、第2集電体145は第2無地部146bの折曲表面領域Fにレーザー溶接され得る。溶接方法は、超音波溶接、抵抗溶接、スポット溶接などで代替可能である。
【0701】
好ましくは、第1集電体144及び第2集電体145の溶接領域Wのうちの50%以上の領域は、折曲表面領域Fの積層数均一区間b1と重畳し得る。選択的には、溶接領域Wの残りの領域は折曲表面領域Fの積層数減少区間b2と重畳し得る。高い溶接強度、溶接界面の低い抵抗、分離膜や活物質層の損傷防止などの面で、溶接領域Wの全体が積層数均一区間b1と重畳することがより好ましい。
【0702】
好ましくは、溶接領域Wと重畳する積層数均一区間b1、及び選択的には、積層数減少区間b2において、分切片の積層数は10~35であり得る。
【0703】
選択的には、溶接領域Wと重畳する積層数減少区間b2の分切片の積層数が10未満である場合、積層数減少区間b2の溶接のためのレーザー出力を積層数均一区間b1の溶接のためのレーザー出力よりも下げ得る。すなわち、溶接領域Wが積層数均一区間b1及び積層数減少区間b2と同時に重畳する場合、レーザーの出力を分切片の積層数に応じて変えることができる。この場合、積層数均一区間b1の溶接強度が積層数減少区間b2の溶接強度よりも大きくなり得る。
【0704】
電極組立体110の上部及び下部に形成される折曲表面領域Fにおいて、分切片省略区間a1及び/又は分切片の高さ可変区間a2及び/又は分切片の高さ均一区間a3の半径方向の長さは同一であるか又は異なり得る。
【0705】
電極組立体110は、第1部分B1の高さが他の部分よりも相対的に低い。また、
図14に示したように、第3部分B2において最内側に位置した無地部の折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRとコア112の半径の10%とを合算した値よりも小さい。
【0706】
したがって、第1無地部146aをコア側に向かって折り曲げても、電極組立体110のコア112はその直径の90%以上が外部に開放され得る。コア112が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解質注液の効率が向上する。また、コア112を通って溶接治具を挿入して第2集電体145と電池ハウジング142との溶接工程を容易に行うことができる。
【0707】
無地部146a、146bが分切構造を有する場合、分切片の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すると、分切片が折り曲げられるとき、分切片が溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域Fに空いた空間(間隙)を形成しない。
【0708】
好ましくは、第1集電体144及び第2集電体145は、第1電極及び第2電極の高さ均一区間a3の最後の巻回ターンで折り曲げられた分切片(
図10fの61、61’を参照)の端部を覆う外径を有し得る。この場合、折曲表面領域Fを形成する分切片が集電体によって均一に押し付けられた状態で溶接が可能であり、溶接後にも分切片の緊密な積層状態を維持できる。緊密な積層状態とは、
図10aに示したように、分切片同士の間に間隙が実質的にない状態を意味する。緊密な積層状態は、円筒形バッテリー190の抵抗を急速充電に適した水準(例えば、4mΩ)以下に下げるのに寄与する。
【0709】
無地部146a、146bの構造は、上述した実施形態(変形形態)による構造に変更され得る。また、無地部146a、146bのいずれか一方に従来の無地部の構造が適用されることを制限しない。
【0710】
図23は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー200をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0711】
図23を参照すると、円筒形バッテリー200は、
図14に示した電極組立体110を含み、電極組立体110を除いた他の構成は
図21に示した円筒形バッテリー180と略同一である。したがって、
図14及び
図21を参照して説明した構成は、本実施形態においても実質的に同様に適用され得る。
【0712】
図10a及び
図23を参照すると、電極組立体110の第1無地部146a及び第2無地部146bは、電極組立体110の半径方向、例えば外周側からコア側に折り曲げられながら折曲表面領域Fを形成する。
【0713】
第1部分B1は他の部分よりも高さが低く、分切片が存在しない分切片省略区間a1に対応するため、コア側へと折り曲げられない。
【0714】
好ましくは、折曲表面領域Fは、コア側から外周側に分切片省略区間a1、分切片の高さ可変区間a2、及び分切片の高さ均一区間a3を含み得る。
【0715】
折曲表面領域Fは、
図10c、
図10d及び
図10eに示したように、分切片省略区間a1に隣接して分切片の積層数が10以上である積層数均一区間b1を含む。
【0716】
折曲表面領域Fは、また、電極組立体110の外周に隣接して分切片の積層数が外周側に向かって減少する積層数減少区間b2を含み得る。好ましくは、積層数均一区間b1は、溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0717】
折曲表面領域Fにおいて、分切片を含む半径領域(c)に対する高さ可変区間a2の比率(a2/c)、分切片を含む半径領域(c)に対する積層数均一区間b1の比率(b1/c)、そして折曲表面領域Fの面積に対する積層数均一区間b1の面積の比率の好ましい数値範囲は上述したので、繰り返される説明は省略する。
【0718】
第1集電体144は第1無地部146aの折曲表面領域Fにレーザー溶接され、第2集電体176は第2無地部146bの折曲表面領域Fにレーザー溶接され得る。溶接方法は、超音波溶接、抵抗溶接、スポット溶接などで代替可能である。第2集電体176と第2無地部146bとの溶接領域Wは、ビーディング部180の内面と所定の間隔だけ離隔し得る。
【0719】
好ましくは、第1集電体144及び第2集電体176の溶接領域Wのうちの50%以上の領域は、折曲表面領域Fの積層数均一区間b1と重畳し得る。選択的には、溶接領域Wの残りの領域は折曲表面領域Fの積層数減少区間b2と重畳し得る。高い溶接強度、溶接界面の低い抵抗、分離膜や活物質層の損傷防止などの面で、溶接領域Wの全体が積層数均一区間b1と重畳することがより好ましい。
【0720】
好ましくは、溶接領域Wと重畳する積層数均一区間b1、及び選択的には、積層数減少区間b2において、分切片の積層数は10~35であり得る。
【0721】
選択的には、溶接領域Wと重畳する積層数減少区間b2の分切片の積層数が10未満である場合、積層数減少区間b2の溶接のためのレーザー出力を積層数均一区間b1の溶接のためのレーザー出力より下げ得る。すなわち、溶接領域Wが積層数均一区間b1及び積層数減少区間b2と同時に重畳する場合、レーザーの出力を分切片の積層数に応じて変えることができる。この場合、積層数均一区間b1の溶接強度が積層数減少区間b2の溶接強度よりもさらに大きくなり得る。
【0722】
電極組立体110の上部及び下部に形成される折曲表面領域Fにおいて、分切片省略区間a1及び/又は分切片の高さ可変区間a2及び/又は分切片の高さ均一区間a3の半径方向の長さは互いに同一であるか又は異なり得る。
【0723】
電極組立体110は、第1部分B1の高さが他の部分よりも相対的に低い。また、
図14に示したように、第3部分B2において最内側に位置した無地部の折曲長さHは、第1部分B1の半径方向の長さRとコア112の半径の10%とを合算した値よりも小さい。
【0724】
したがって、第1無地部146aをコア側に向かって折り曲げても、電極組立体110のコア112はその直径の90%以上が外部に開放され得る。コア112が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解質注液の効率が向上する。また、コア112を通って溶接治具を挿入して第1集電体144と端子172との溶接工程を容易に行うことができる。
【0725】
第1無地部146a及び第2無地部146bが分切構造を有する場合、分切片の幅及び/又は高さ及び/又は離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すると、分切片が折り曲げられるとき、分切片が溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域Fに空いた空間(間隙)を形成しない。
【0726】
好ましくは、第1集電体144及び第2集電体176は、第1無地部146a及び第2無地部146bと接触する領域が第1電極及び第2電極の高さ均一区間a3の最後の巻回ターンで折り曲げられた分切片(
図10fの61、61’を参照)の端部を覆う外径を有し得る。この場合、折曲表面領域Fを形成する分切片が集電体によって均一に押し付けられた状態で溶接が可能であり、溶接後にも分切片の緊密な積層状態を維持できる。緊密な積層状態とは、
図10aに示したように、分切片同士の間に間隙が実質的にない状態を意味する。緊密な積層状態は、円筒形バッテリー200の抵抗を急速充電に適した水準(例えば、4mΩ)以下に下げるのに寄与する。
【0727】
無地部146a、146bの構造は、上述した実施形態(変形形態)による構造に変更され得る。また、無地部146a、146bのいずれか一方に従来の無地部の構造が適用されることを制限しない。
【0728】
図24は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー210をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0729】
図24を参照すると、円筒形バッテリー210は、
図13に示した電極組立体100を含み、電極組立体100を除いた他の構成は
図17に示した円筒形バッテリー140と略同一である。したがって、
図13及び
図17を参照して説明した構成は、本実施例においても実質的に同様に適用され得る。
【0730】
好ましくは、電極組立体100の第1無地部146a及び第2無地部146bは複数の分切片に分割されており、複数の分切片は電極組立体100の半径方向、例えば外周側からコア側に折り曲げられる。このとき、第1無地部146aの第1部分B1及び第2部分B3は、他の部分よりも高さが低く、分切片を含まないため、実質的に折り曲げられない。これは、第2無地部146bの場合も同様である。
【0731】
本実施形態においても、折曲表面領域Fは、コア側から外周側に分切片省略区間a1、分切片の高さ可変区間a2、及び分切片の高さ均一区間a3を含み得る。但し、第2部分B3が折り曲げられないため、折曲表面領域Fの半径方向の長さは上述した実施形態の場合よりも短くなり得る。
【0732】
折曲表面領域Fは、
図10c、
図10d及び
図10eに示したように、分切片省略区間a1に隣接して分切片の積層数が10以上である積層数均一区間b1を含む。
【0733】
折曲表面領域Fは、また、電極組立体110の第2部分B3に隣接して分切片の積層数が外周側に向かって減少する積層数減少区間b2を含み得る。好ましくは、積層数均一区間b1は、溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0734】
折曲表面領域Fにおいて、分切片を含む半径領域(c)に対する高さ可変区間a2の比率(a2/c)、分切片を含む半径領域(c)に対する積層数均一区間b1の比率(b1/c)、及び折曲表面領域Fの面積に対する積層数均一区間b1の面積の比率の好ましい数値範囲は上述したので、繰り返される説明は省略する。
【0735】
第1集電体144は第1無地部146aの折曲表面領域Fに溶接され、第2集電体145は第2無地部146bの折曲表面領域Fに溶接され得る。
【0736】
積層数均一区間b1及び積層数減少区間b2と溶接領域Wとの重畳関係、第1集電体144及び第2集電体145の外径、第1部分B1がコアの直径の10%以上を閉塞しない構成などは、実質的に上述した通りである。
【0737】
一方、第2部分B3は分切片を含まず、高さが第3部分B2よりも低い。したがって、第1無地部146aが折り曲げられるとき、第2部分B3は実質的に折り曲げられない。また、第2部分B3は、ビーディング部147と十分に離隔しているため、ビーディング部147が押し込まれる過程で第2部分B3が損傷される問題を解決することができる。
【0738】
無地部146a、146bの構造は、上述した実施形態(変形形態)による構造に変更され得る。また、無地部146a、146bのいずれか一方に従来の無地部の構造が適用されることを制限しない。
【0739】
図25は、本発明のさらに他の実施形態による円筒形バッテリー220をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0740】
図25を参照すると、円筒形バッテリー220は
図24に示した電極組立体100を含み、電極組立体100を除いた他の構成は
図21に示した円筒形バッテリー180と略同一である。したがって、
図21及び
図24を参照して説明した構成は、本実施例においても実質的に同様に適用され得る。
【0741】
好ましくは、電極組立体100の第1無地部146a及び第2無地部146bは複数の分切片に分割されており、外周側からコア側に折り曲げられる。このとき、第1無地部146aの第1部分B1及び第2部分B3は高さが他の部分よりも低く、分切片構造を含まないため、コア側に実質的に折り曲げられない。これは、第2無地部146bの場合も同様である。
【0742】
したがって、本実施例においても、
図24の実施形態と同様に、折曲表面領域Fはコア側から外周側に分切片省略区間a1、分切片の高さ可変区間a2、及び分切片の高さ均一区間a3を含み得る。但し、第2部分B3が折り曲げられないため、折曲表面領域Fの半径方向の長さは上述した実施形態よりも短くなり得る。
【0743】
折曲表面領域Fは、
図10c、
図10d及び
図10eに示したように、分切片省略区間a1に隣接して分切片の積層数が10以上である積層数均一区間b1を含む。
【0744】
折曲表面領域Fは、また、電極組立体110の第2部分B3に隣接して分切片の積層数が外周側に向かって減少する積層数減少区間b2を含み得る。好ましくは、積層数均一区間b1は、溶接ターゲット領域として設定され得る。
【0745】
折曲表面領域Fにおいて、分切片を含む半径領域(c)に対する高さ可変区間a2の比率(a2/c)、分切片を含む半径領域(c)に対する積層数均一区間b1の比率(b1/c)、及び折曲表面領域Fの面積に対する積層数均一区間b1の面積の比率の好ましい数値範囲は上述したので、繰り返される説明は省略する。
【0746】
第1集電体144は第1無地部146aの折曲表面領域Fに溶接され、第2集電体176は第2無地部146bの折曲表面領域Fに溶接され得る。
【0747】
積層数均一区間b1及び積層数減少区間b2と溶接領域Wとの重畳関係、第1集電体144及び第2集電体176の外径、第1部分B1がコアの直径の10%以上を閉塞しない構成などは、実質的に上述した通りである。
【0748】
無地部146a、146bの構造は、上述した実施形態(変形形態)による構造に変更され得る。また、無地部146a、146bのいずれか一方に従来の無地部の構造が適用されることを制限しない。
【0749】
上述した実施形態(変形形態)において、端子172を含む円筒形バッテリー170、180、200、220に含まれている第1集電体144及び第2集電体176は、
図26及び
図27に示したような改善された構造を有し得る。
【0750】
第1集電体144及び第2集電体176の改善された構造は、円筒形バッテリーの抵抗を下げながらも振動耐性を向上させ、エネルギー密度を向上させるのに寄与することができる。特に、第1集電体144及び第2集電体176は、高さ対比直径の比率が0.4より大きい大型円筒形バッテリーに適用するとき効果的である。
【0751】
図26は、本発明の実施形態による第1集電体144の構造を示した上面図である。
【0752】
図23及び
図26を参照すると、第1集電体144は、周縁部144a、第1無地部結合部144b、及び端子結合部144cを含み得る。前記周縁部144aは、電極組立体110の上部に配置される。前記周縁部144aは、その内部に空いた内側空間S
openが形成された略リム(rim)形態を有し得る。図面には前記周縁部144aが略円形のリム形態である場合のみを示しているが、これによって本発明が限定されることはない。前記周縁部144aは、図示と異なって、略四角のリム形態、六角のリム形態、八角のリム形態、又はその外の他のリム形態であってもよい。前記周縁部144aの個数は二つ以上に増加させてもよい。この場合、前記周縁部144aの内側にリム形態のさらに他の周縁部が含まれ得る。
【0753】
前記端子結合部144cは、端子172の底面に形成された平坦部172cとの結合のための溶接面積を確保するため、前記端子172の底面に形成された平坦部172cの直径と同一であるか又はより大きい直径を有し得る。
【0754】
前記第1無地部結合部144bは、周縁部144aから内側に延在して溶接によって第1無地部146aと結合される。前記端子結合部144cは、第1無地部結合部144bと離隔して周縁部144aの内側に位置する。前記端子結合部144cは、端子172と溶接によって結合され得る。前記端子結合部144cは、例えば周縁部144aによって囲まれた内側空間Sopenの略中心部に位置し得る。前記端子結合部144cは、電極組立体110のコアCに形成された孔と対応する位置に備えられ得る。前記端子結合部144cは、電極組立体110のコアCに形成された孔が端子結合部144cの外側に露出しないように、電極組立体110のコアCに形成された孔を覆うように構成され得る。そのため、前記端子結合部144cは、電極組立体110のコアCに形成された孔よりも大きい直径又は幅を有し得る。
【0755】
前記第1無地部結合部144bと端子結合部144cとは、直接的に連結されず離隔して配置され、周縁部144aによって間接的に連結され得る。このように前記第1集電体144は、第1無地部結合部144bと端子結合部144cとが直接連結されておらず、周縁部144aを通じて連結された構造を有することで、円筒形バッテリー200に衝撃及び/又は振動が発生する場合、第1無地部結合部144bと第1無地部146aとの結合部位及び端子結合部144cと端子172との結合部位に加えられる衝撃を分散させることができる。図面には、四つの第1無地部結合部144bが示されているが、これによって本発明が限定されることはない。前記第1無地部結合部144bの個数は、形状の複雑性による製造の難易度、電気抵抗、電解質含浸性を考慮した周縁部144aの内側空間Sopenなどを考慮して多様に決定され得る。
【0756】
前記第1集電体144は、周縁部144aから内側に延在して端子結合部144cと連結されるブリッジ部144dをさらに含み得る。前記ブリッジ部144dは、少なくともその一部の断面積が第1無地部結合部144b及び周縁部144aと比べて小さく形成され得る。例えば、前記ブリッジ部144dは、少なくともその一部が第1無地部結合部144bと比べて幅及び/又は厚さがさらに小さく形成され得る。この場合、前記ブリッジ部144dで電気抵抗が増加する。その結果、前記ブリッジ部144dを通って電流が流れるとき、相対的に大きい抵抗がブリッジ部144dの一部で過電流ヒーティング(heating)による溶融を起こし、それは過電流を非可逆的に遮断する。前記ブリッジ部144dは、このような過電流遮断機能を考慮してその断面積を適切な水準に調節し得る。
【0757】
前記ブリッジ部144dは、周縁部144aの内側面から端子結合部144cに向かってその幅が徐々に狭くなるテーパー部144eを備え得る。前記テーパー部144eが備えられる場合、ブリッジ部144dと周縁部144aとの連結部位で部品の剛性が向上する。前記テーパー部144eが備えられる場合、円筒形バッテリー200の製造工程において、例えば移送装置及び/又は作業者がテーパー部144eを把持することで、第1集電体144及び/又は第1集電体144と電極組立体110との結合体を容易且つ安全に移送することができる。すなわち、前記テーパー部144eが備えられる場合、第1無地部結合部144b及び端子結合部144cのように他の部品と溶接される部分を把持することで発生する製品の不良を防止することができる。
【0758】
前記第1無地部結合部144bは、複数個備えられ得る。複数の前記第1無地部結合部144bは、周縁部144aの延長方向に沿って互いに同一間隔に配置され得る。複数の前記第1無地部結合部144bのそれぞれが延びた長さは互いに略同一であり得る。前記第1無地部結合部144bは、第1無地部146aの折曲表面領域Fとレーザー溶接によって結合され得る。溶接は、超音波溶接、スポット溶接などで代替され得る。
【0759】
第1無地部結合部144bと折曲表面領域Fとの溶接によって形成される溶接パターン144fは、電極組立体110の半径方向に沿って延びる構造を有し得る。溶接パターン144fは、線パターン又は点パターンの配列であり得る。
【0760】
前記溶接パターン144fは、溶接領域に該当する。したがって、前記溶接パターン144fは、折曲表面領域Fの積層数均一区間b1と50%以上重畳することが好ましい。積層数均一区間b1と重畳しない溶接パターン144fは、積層数減少区間b2と重畳し得る。より好ましくは、溶接パターン144fの全体が折曲表面領域Fの積層数均一区間b1と重畳し得る。溶接パターン144fが形成されている地点の下部にある折曲表面領域Fのうちの積層数均一区間b1、及び選択的に積層数減少区間b2は、分切片の積層数が10以上であることが好ましい。
【0761】
前記端子結合部144cは、複数の前記第1無地部結合部144bによって囲まれるように配置され得る。前記端子結合部144cは、端子172の平坦部172cと溶接によって結合され得る。前記ブリッジ部144dは、互いに隣接した一対の第1無地部結合部144b同士の間に位置し得る。この場合、前記ブリッジ部144dから周縁部144aの延長方向に沿って一対の第1無地部結合部144bの一方に至る距離は、ブリッジ部144dから周縁部144aの延長方向に沿って一対の第1無地部結合部144bの他方に至る距離と略同一であり得る。複数の前記第1無地部結合部144bそれぞれの断面積は、略同一に形成され得る。複数の前記第1無地部結合部144bそれぞれの幅及び厚さは略同一に形成され得る。
【0762】
図示していないが、前記ブリッジ部144dは、複数個備えられ得る。複数のブリッジ部144dはそれぞれ、隣接した一対の第1無地部結合部144b同士の間に配置され得る。複数の前記ブリッジ部144dは、周縁部144aの延長方向に沿って互いに略同一間隔で配置され得る。複数の前記ブリッジ部144dのそれぞれから周縁部144aの延長方向に沿って隣接した一対の第1無地部結合部144bの一方に至る距離は、他方の第1無地部結合部144bに至る距離と略同一であり得る。
【0763】
上述したように、第1無地部結合部144b及び/又はブリッジ部144dが複数個備えられる場合において、第1無地部結合部144b同士の距離及び/又はブリッジ部144d同士の距離及び/又は第1無地部結合部144bとブリッジ部144dとの間の距離が一定に形成されれば、第1無地部結合部144bからブリッジ部144dに向かう電流又はブリッジ部144dから第1無地部結合部144bに向かう電流の流れが円滑に形成される。
【0764】
ブリッジ部144dは、ブリッジ部144dの断面積を部分的に減少させるように形成される切欠き(notching)部Nを備え得る。切欠き部Nの断面積の調節は、例えばブリッジ部144dの幅及び/又は厚さの部分的な減少を通じて実現可能である。切欠き部Nが備えられる場合、切欠き部Nが形成された領域における電気抵抗が増加し、これによって過電流の発生時に迅速な電流遮断が可能になる。
【0765】
切欠き部Nは、破断時に発生する異物が電極組立体110の内部に流入することを防止するため、電極組立体110の積層数均一区間と対応する領域に設けられることが好ましい。この領域では、第1無地部146aの分切片の積層数が最大に維持され、これによって重なった分切片がマスク(mask)として機能できるためである。
【0766】
切欠き部Nは絶縁テープで覆い包まれ得る。すると、切欠き部Nで発生した熱が外部に発散されないため、過電流がブリッジ部144dを通って流れるとき、切欠き部Nの破断がより迅速に行われる。
【0767】
図27は、本発明の実施形態による第2集電体176の構造を示した上面図である。
【0768】
図23及び
図27を参照すると、第2集電体176は、電極組立体110の下部に配置される。また、前記第2集電体176は、電極組立体110の無地部146bと電池ハウジング171とを電気的に接続させるように構成され得る。第2集電体176は導電性を有する金属材料からなり、無地部146bの折曲表面領域Fと電気的に接続される。また、前記第2集電体176は、電池ハウジング171と電気的に接続される。前記第2集電体176は、周縁部分が電池ハウジング171の内側面と第1ガスケット178bとの間に介在されて固定され得る。具体的には、前記第2集電体176は、周縁部分が電池ハウジング171のビーディング部180の下面と第1ガスケット178bとの間に介在され得る。但し、これによって本発明が限定されることはなく、これと異なり、前記第2集電体176の周縁部分が、ビーディング部180が形成されていない領域で電池ハウジング171の内壁面に溶接されてもよい。
【0769】
前記第2集電体176は、電極組立体110の下部に配置される支持部176a、前記支持部176aから略電極組立体110の半径方向に沿って延在して無地部146bの折曲表面領域Fに結合される第2無地部結合部176b、及び前記支持部176aから略電極組立体110の半径方向を基準に電池ハウジング171の内側面に向かって傾斜して延びて内側面上に結合されるハウジング結合部176cを含み得る。前記第2無地部結合部176bとハウジング結合部176cとは、支持部176aを通じて間接的に連結され、互いに直接的に連結されない。したがって、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー200に外部衝撃が加えられたとき、第2集電体176と電極組立体110との結合部位及び第2集電体176と電池ハウジング171との結合部位に発生する損傷を最小化できる。但し、本発明の一実施形態による第2集電体176は、このように第2無地部結合部176bとハウジング結合部176cとが間接的に連結された構造を有する場合のみに限定されない。例えば、前記第2集電体176は、第2無地部結合部176bとハウジング結合部176cとを間接的に連結させる支持部176aを備えない構造及び/又は無地部146bとハウジング結合部176cとが直接連結された構造を有してもよい。
【0770】
前記支持部176a及び第2無地部結合部176bは、電極組立体110の下部に配置される。前記第2無地部結合部176bは、無地部146bの折曲表面領域Fと結合される。前記第2無地部結合部176bだけでなく、前記支持部176aも無地部146bと結合され得る。前記第2無地部結合部176bと無地部146bの折曲表面領域Fとはレーザー溶接によって結合され得る。溶接は、超音波溶接、スポット溶接などで代替可能である。前記支持部176a及び第2無地部結合部176bは、電池ハウジング171にビーディング部180が形成された場合、ビーディング部180よりも上側に位置する。
【0771】
前記支持部176aは、電極組立体110のコアCに形成される孔と対応する位置に形成される集電体孔176dを備える。互いに連通される前記電極組立体110のコアCと集電体孔176dとは、端子172と第1集電体144の端子結合部144cとの間の溶接のための溶接棒の挿入又はレーザービームの照射のための通路として機能することができる。
【0772】
前記集電体孔176dは、電極組立体110のコアCに形成された孔の半径rcに対して0.5rc以上の半径を有し得る。前記集電体孔176dの半径が0.5rc~1.0rcである場合、円筒形バッテリー200で放出(venting)が起きるとき、ベント圧力によって電極組立体110のコアC付近の分離膜や電極の巻取構造がコアCの外側に押し出される現象が防止される。前記集電体孔176dの半径が1.0rcよりも大きいと、コアCが最大に開放されるため、電解質注入工程での電解質の注入が容易になる。
【0773】
前記第2無地部結合部176bが複数個備えられる場合、複数の第2無地部結合部176bは第2集電体176の支持部176aから略放射状に電池ハウジング171の側壁に向かって延在した形態を有し得る。複数の前記第2無地部結合部176bのそれぞれは、支持部176aの周りに沿って相互に離隔して位置し得る。
【0774】
前記ハウジング結合部176cは、複数個備えられ得る。この場合、複数のハウジング結合部176cは、第2集電体176の中心部から略放射状に電池ハウジング171の側壁に向かって延在した形態を有し得る。これにより、前記第2集電体176と電池ハウジング171との間の電気的接続は複数の地点で行われ得る。このように複数の地点で電気的接続のための結合が行われることで、結合面積を極大化して電気抵抗を最小化できる。複数の前記ハウジング結合部176cのそれぞれは、支持部176aの周りに沿って相互に離隔して位置し得る。隣接する第2無地部結合部176b同士の間には、少なくとも一つのハウジング結合部176cが位置し得る。複数の前記ハウジング結合部176cは、電池ハウジング171の内側面のうち、例えばビーディング部180に結合され得る。前記ハウジング結合部176cは、特にビーディング部180の下面にレーザー溶接を通じて結合され得る。溶接は、超音波溶接、スポット溶接などで代替可能である。このようにビーディング部180上に複数のハウジング結合部176cを溶接結合させることで、電流経路を放射状に分散させて円筒形バッテリー200の抵抗水準を約4mΩ以下に制限することができる。また、ビーディング部180の下面を電池ハウジング171の上面に略平行な方向、すなわち電池ハウジング171の側壁に略垂直な方向に沿って延びた形態にし、ハウジング結合部176cも同じ方向、すなわち半径方向及び円周方向に沿って延びた形態にすることで、ハウジング結合部176cをビーディング部180上に安定的に接触させることができる。また、このように前記ハウジング結合部176cがビーディング部180の平坦部上に安定的に接触することで、二つの部品間の溶接が円滑に行われ、これによって二つの部品間の結合力が向上し、結合部位における抵抗増加が最小化される。
【0775】
前記ハウジング結合部176cは、電池ハウジング171の内側面上に結合される接触部176e、及び支持部176aと接触部176eとの間を連結する連結部176fを含み得る。
【0776】
前記接触部176eは、電池ハウジング171の内側面上に結合される。前記電池ハウジング171にビーディング部180が形成される場合、前記接触部176eは、上述したようにビーディング部180上に結合され得る。より具体的には、前記接触部176eは、電池ハウジング171に形成されたビーディング部180の下面に形成された平坦部に電気的に接続され得、ビーディング部180の下面と第1ガスケット178bとの間に介在され得る。この場合、安定的な接触及び結合のため、接触部176eはビーディング部180において電池ハウジング171の円周方向に沿って所定の長さだけ延びた形態を有し得る。
【0777】
連結部176fは鈍角に折り曲げられ得る。折曲地点は連結部176fの中間地点よりも上側であり得る。連結部176fが折り曲げられれば、接触部176eがビーディング部180の平坦面に安定的に支持される。連結部176fは折曲地点を基準にして下部と上部とに分けられ、下部の長さが上部よりも大きくなり得る。また、支持部176aの表面を基準にした傾斜角は、折曲地点の下部が上部よりもさらに大きくなり得る。連結部176fが折り曲げられれば、電池ハウジング171の垂直方向に加えられる圧力(力)を緩衝可能である。一例として、電池ハウジング171のサイジング工程で接触部176eに圧力が伝達され、接触部176eが支持部176aに向かって垂直に移動する場合、連結部176fの折曲地点が上側に移動しながら連結部176fが変形され、これを通じて応力ストレスを緩衝させることができる。
【0778】
一方、前記第2集電体176の中心部から電極組立体110の半径方向に沿って第2無地部結合部176bの端部に至る最大距離は、ビーディング部180が形成された領域における電池ハウジング171の内径、すなわち電池ハウジング171の最小内径と同一であるか又はより小さく形成されることが好ましい。これは、電池ハウジング171を高さ方向に沿って圧縮するサイジング工程時に、第2無地部結合部176bの端部が電極組立体110の周縁を押し付ける現象を防止するためである。
【0779】
第2無地部結合部176bは孔176gを含む。孔176gは、電解質が移動する通路として使用され得る。第2無地部結合部176bと折曲表面領域Fとの溶接によって形成される溶接パターン176hは、電極組立体110の半径方向に沿って延びる構造を有し得る。溶接パターン176hは、線パターン又は点パターンの配列であり得る。
【0780】
前記溶接パターン176hは、溶接領域に該当する。したがって、前記溶接パターン176hは、電極組立体110の下部に位置した折曲表面領域Fの積層数均一区間b1と50%以上重畳することが好ましい。積層数均一区間b1と重畳しない溶接パターン176hは、積層数減少区間b2と重畳し得る。より好ましくは、溶接パターン176h全体が折曲表面領域Fの積層数均一区間b1と重畳し得る。溶接パターン176hが形成されている地点の上部にある折曲表面領域Fのうちの積層数均一区間b1、及び選択的に積層数減少区間b2は、分切片の積層数が10以上であることが好ましい。
【0781】
上述した第1集電体144と第2集電体176とは外径が異なる。外径は、折曲表面領域Fと集電体との接触領域の外側端の外径である。外径は、電極組立体のコアCの中心を通る直線と接触領域の端部とが交わる二つの地点間の距離のうちの最大値で定義される。第2集電体176は、ビーディング部180の内側に位置するため、その外径が第1集電体144の外径よりも小さい。また、第1集電体144の溶接パターン144fの長さは第2集電体176の溶接パターン176hの長さよりもさらに長い。好ましくは、溶接パターン144f及び溶接パターン176hは、コアCの中心を基準にして実質的に同じ地点から外周側に延在し得る。
【0782】
本発明の実施形態による円筒形バッテリー170、180、200、220は、上部で電気的接続を行うことができる。
【0783】
図28は複数の円筒形バッテリー200が電気的に接続された状態を示した上面図であり、
図29は
図28の部分拡大図である。円筒形バッテリー200は、他の構造の円筒形バッテリー170、180、220で代替可能である。
【0784】
図28及び
図29を参照すると、複数の円筒形バッテリー200は、バスバー210を用いて円筒形バッテリー200の上部で直列及び並列に連結され得る。円筒形バッテリー200の個数はバッテリーパックの容量を考慮して増減可能である。
【0785】
各円筒形バッテリー200において、端子172は正の極性を有し、電池ハウジング171の端子172周辺の扁平面171aは負の極性を有し得る。勿論、その反対も可能である。
【0786】
好ましくは、複数の円筒形バッテリー200は複数の列と行で配置され得る。図面において、列は上下方向であり、行は左右方向である。また、空間効率性を最大化するため、円筒形バッテリー200は最密パッキング構造(closest packing structure)で配置され得る。最密パッキング構造は、電池ハウジング171の外側に露出した端子172の中心同士を連結したとき、正三角形が描かれる場合に形成される。好ましくは、バスバー210は、同一列に配置された円筒形バッテリー200を互いに並列に連結し、隣接する二つの列に配置された円筒形バッテリー200同士を直列に連結する。
【0787】
好ましくは、バスバー210は、直列及び並列接続のため、ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び複数の第2バスバー端子213を含み得る。
【0788】
前記ボディ部211は、隣接する端子172同士の間で円筒形バッテリー200の列に沿って延び得る。代案的に、前記ボディ部211は、円筒形バッテリー200の列に沿って延びるが、ジグザグ状のように規則的に折り曲げられてもよい。
【0789】
複数の第1バスバー端子212は、ボディ部211の一側から延びて、一側に位置した円筒形バッテリー200の端子172と電気的に結合され得る。第1バスバー端子212と端子172との電気的結合は、レーザー溶接、超音波溶接などで行われ得る。
【0790】
複数の第2バスバー端子213は、ボディ部211の他側から延びて、他側に位置した端子172周辺の扁平面171aに電気的に接続され得る。第2バスバー端子213と扁平面171aとの電気的結合は、レーザー溶接、超音波溶接などで行われ得る。
【0791】
好ましくは、前記ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び複数の第2バスバー端子213は、一つの導電性金属板から構成され得る。金属板は、例えばアルミニウム板又は銅板であり得るが、本発明がこれに限定されることはない。変形例として、前記ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び第2バスバー端子213を別個のピース単位で製作した後、それぞれを溶接などで結合してもよい。
【0792】
上述した本発明の一実施形態による円筒形バッテリー200は、折曲表面領域Fを通じる溶接面積の拡大、第2集電体176を用いた電流経路(path)の多重化、電流経路長さの最小化などを通じて抵抗が最小化された構造を有する。正極と負極との間、すなわち端子172とその周辺の扁平面171aとの間で抵抗測定器によって測定される円筒形バッテリー200のAC抵抗は、急速充電に適した0.5mΩ~4mΩ、好ましくは1mΩ~4mΩであり得る。
【0793】
本発明の一実施形態による円筒形バッテリー200は、正の極性を有する端子172と負の極性を有する扁平面171aとが同じ方向に位置しているため、バスバー210を用いて円筒形バッテリー200同士の電気的接続を容易に実現することができる。
【0794】
また、円筒形バッテリー200の端子172及びその周辺の扁平面171aは面積が広いため、バスバー210の結合面積を十分に確保して円筒形バッテリー200を含むバッテリーパックの抵抗を十分に下げることができる。
【0795】
また、円筒形バッテリー200の上部で電気的配線を実行することができるため、バッテリーモジュール/パックの単位体積当たりエネルギー密度を極大化することができる。
【0796】
上述した実施形態(変形形態)による円筒形バッテリーは、バッテリーパックの製造に使用される。
【0797】
図30は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【0798】
図30を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300は、円筒形バッテリー301が電気的に接続された集合体、及びそれを収容するパックハウジング302を含む。円筒形バッテリー301は、上述した実施形態(変形形態)によるバッテリーのうちのいずれか一つであり得る。図示の便宜上、円筒形バッテリー301の電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品は示されていない。
【0799】
バッテリーパック300は、自動車に搭載される。自動車は、一例として、電気自動車、ハイブリッド自動車又はプラグインハイブリッド自動車であり得る。自動車は、四輪自動車又は二輪自動車を含む。
【0800】
図31は、
図30のバッテリーパック300を含む自動車を説明するための図である。
【0801】
図31を参照すると、本発明の一実施形態による自動車Vは、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300を含む。自動車Vは、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300から電力の供給を受けて動作する。
【0802】
本発明の一実施形態によれば、電極組立体の上側及び下側に突出した無地部自体を電極タブとして使用することで、バッテリーの内部抵抗を下げてエネルギー密度を増加させることができる。
【0803】
また、本発明の一実施形態によれば、電極組立体の無地部の構造を改善することで、電池ハウジングのビーディング部を形成する過程で電極組立体と電池ハウジングの内周面とが干渉せず、電極組立体の部分的変形による円筒形バッテリーの内部短絡を防止することができる。
【0804】
また、本発明の一実施形態によれば、電極組立体の無地部の構造を改善することで、無地部の折り曲げ時に無地部が破れる現象を防止し、無地部の重畳層数を十分に増加させて集電体の溶接強度を向上させることができる。
【0805】
また、本発明の一実施形態によれば、分切片グループ間の間隔を調節することで、予め定義された複数の領域に分切片グループを電極組立体の半径方向に沿って放射状に配列することができる。この場合、分切片の折曲表面領域を円周方向において分離させ、折曲表面領域間の領域を通じて電解質を含浸させることで、電解質含浸速度を改善することができる。
【0806】
また、本発明の一実施形態によれば、電極の無地部に分切片構造を適用し、分切片の寸法(幅、高さ、離隔ピッチ)を最適化させて溶接ターゲット領域として使用される領域の分切片の積層数を十分に増加させることによって、集電体が溶接される領域の物性を改善することができる。
【0807】
また、本発明の一実施形態によれば、分切片の折り曲げによって形成された折曲表面領域に集電体を広い面積で溶接させた構造を適用することで、エネルギー密度が向上し、抵抗が減少した電極組立体を提供することができる。
【0808】
また、本発明の一実施形態によれば、上部で電気的配線を実行できるようにデザインが改善された円筒形バッテリーを提供することができる。
【0809】
また、本発明の一実施形態によれば、電極組立体のコアに隣接した無地部の構造を改善することで、無地部の折り曲げ時に電極組立体のコアにある空洞が閉塞されることを防止し、電解質注入工程及び電池ハウジング(又は端子)と集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0810】
また、本発明の一実施形態によれば、内部抵抗が低く、内部短絡が防止されて、集電体と無地部との溶接強度が向上した構造を有する円筒形バッテリー、該円筒形バッテリーを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0811】
特に、本発明は、高さ対比直径の比が0.4以上であって、抵抗が4mΩ以下である円筒形バッテリー、該円筒形バッテリーを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0812】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0813】
10 正極
10a 正極無地部
11 負極
11a 負極無地部
12 分離膜
20 集電体
21 活物質
22 無地部
30、31 集電体
32 無地部
33 空洞
34 周縁領域
40 電極
41 集電体
42 活物質層
43 無地部
44 絶縁層
45 電極
50 電極
53b 側部
60 電極
61 分切片
61g 分切片整列部
63 切断溝
63a 底部
63b 側辺
63c ラウンド部
70 電極
80 電極組立体
81 端部
90 電極組立体
91 端部
92 最外側
100 電極組立体
101 端部
102 コア
110 電極組立体
111 端部
112 コア
120 電極組立体
121 端部
122 コア
130 電極組立体
131 端部
132 コア
140 円筒形バッテリー
141 電極組立体
142 電池ハウジング
143 密封体
143a キャップ
143b 第1ガスケット
143c 連結プレート
143d 突出部
144 第1集電体
144a 周縁部
144b 第1無地部結合部
144c 端子結合部
144d ブリッジ部
144e テーパー部
144f 溶接パターン
145 第2集電体
146 絶縁体
146a 第1無地部
146a 無地部
146b 第2無地部
146b 無地部
147 ビーディング部
148 クリンピング(crimping)部
149 リード
150 円筒形バッテリー
151 リード孔
152 ベント部
160 円筒形バッテリー
170 円筒形バッテリー
171 電池ハウジング
171a 扁平面
172 端子
172a 端子露出部
172b 端子挿入部
172c 平坦部
173 第2ガスケット
173a ガスケット露出部
173b ガスケット挿入部
174 絶縁体
175 領域
176 第2集電体
176a 支持部
176b 第2無地部結合部
176c ハウジング結合部
176d 集電体孔
176e 接触部
176f 連結部
176g 孔
176h 溶接パターン
178 密封体
178a キャップ
178b 第1ガスケット
179 ベント部
180 円筒形バッテリー
180 ビーディング部
181 クリンピング部
190 円筒形バッテリー
200 円筒形バッテリー
210 円筒形バッテリー
210 バスバー
211 ボディ部
212 第1バスバー端子
213 第2バスバー端子
220 円筒形バッテリー
300 バッテリーパック
301 円筒形バッテリー
302 パックハウジング
【国際調査報告】