(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】エレクトロポレーションカテーテルに通電するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20241114BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527666
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2022079606
(87)【国際公開番号】W WO2023086865
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック オルソン
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ オルソン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK23
4C160KK32
4C160KK39
4C160MM38
(57)【要約】
エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置が提供される。エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、遠位端から近位端まで延びる少なくとも1つのスプラインと、少なくとも1つのスプラインに配置された複数の電極とを含む。本装置は、エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、パルス発生器に結合されたコンピュータ装置とを含み、コンピュータ装置は、エレクトロポレーションカテーテルの複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するようにパルス発生器を制御することが可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置であって、前記エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる少なくとも1つのスプラインと、前記少なくとも1つのスプラインに配置された複数の電極とを含み、
前記エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、
前記パルス発生器に結合されたコンピュータ装置であって、前記エレクトロポレーションカテーテルの前記複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するように前記パルス発生器を制御することが可能である、前記コンピュータ装置と、を備える装置。
【請求項2】
前記通電パターンは、少なくとも1つの画素を含み、前記少なくとも1つの画素は、前記複数の電極のうちの3つまたは4つの電極によって画定される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記通電パターンは、少なくとも1つの半画素を含み、前記少なくとも1つの半画素は、前記複数の電極のうちの2つの電極によって画定される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記エレクトロポレーションカテーテルは、複数のスプラインおよび前記複数の電極によって形成されたグリッドアセンブリを含み、前記コンピュータ装置は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電するように前記パルス発生器を制御することが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エレクトロポレーションカテーテルは、複数のスプラインおよび前記複数の電極によって形成されたバスケットアセンブリを含み、前記コンピュータ装置は、前記バスケットアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電するように前記パルス発生器を制御することが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コンピュータ装置は、前記複数の電極に選択的に通電して診断パルスを供給するように前記パルス発生器を制御することが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コンピュータ装置は、前記複数の電極に選択的に通電してバイポーラ治療を行うように前記パルス発生器を制御することが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コンピュータ装置は、
ジオメトリを表示し、
前記通電パターンに基づいて投影される傷パターンを計算し、
前記投影される傷パターンを前記ジオメトリ上に表示するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
アブレーションカテーテルと、前記アブレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、前記パルス発生器に結合されたコンピュータ装置とを含むアブレーションシステムを制御する方法であって、
前記コンピュータ装置を使用して、患者の解剖学的構造上の少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定すること、
前記コンピュータ装置を使用して、複数の電極を含む前記アブレーションカテーテルの前記患者を通る動きを追跡すること、
追跡に基づいて、前記コンピュータ装置を使用して、前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることを決定すること、および、
前記パルス発生器を使用して、前記少なくとも1つの電極に選択的に通電して、前記少なくとも1つの標的アブレーション位置をアブレーションすること、を備える方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定することは、前記コンピュータ装置で受け付けられたユーザ入力に基づいて前記少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定することを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コンピュータ装置を使用して、前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることを示すユーザ通知を生成すること、および、
前記コンピュータ装置において、前記少なくとも1つの電極が選択的に通電されるべきであることを示すユーザ入力を受け取ることであって、前記少なくとも1つの電極に選択的に通電することは、前記ユーザ入力に応答して前記少なくとも1つの電極に選択的に通電することを備える、前記ユーザ入力を受け取ること、をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電極に選択的に通電することは、前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることの検出に応答して、前記少なくとも1つの電極に自動的に通電することを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの標的アブレーション位置がアブレーションされたことを示すためにグラフィカルユーザインターフェースを更新することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記アブレーションカテーテルが、複数のスプラインと、前記複数のスプラインに配置された複数の電極とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のスプラインおよび前記複数の電極は、グリッドアセンブリを形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のスプラインおよび前記複数の電極は、バスケットアセンブリを形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置であって、前記エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる複数のスプラインと、前記複数のスプラインに配置された複数の電極とを含み、前記複数のスプラインおよび前記複数の電極は、グリッドアセンブリを形成し、
前記エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、
前記パルス発生器に結合されたコンピュータ装置であって、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するように前記パルス発生器を制御することが可能な前記コンピュータ装置と、を備える装置。
【請求項18】
前記通電パターンは、少なくとも1つの画素を含み、前記少なくとも1つの画素は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極のうちの3つまたは4つの電極によって画定される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記通電パターンは、少なくとも1つの半画素を含み、前記少なくとも1つの半画素は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極のうちの2つの電極によって画定される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記コンピュータ装置は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電してバイポーラ治療を行うよう前記パルス発生器を制御することが可能である、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願との相互参照。
本出願は、2021年11月12日に出願された仮出願番号63/278,603の優先権を主張するものであり、この仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
アブレーション治療が、人体の解剖学的構造を侵す様々な状態を治療するために使用され得ることが一般的に知られている。例えば、アブレーション治療は心房性不整脈の治療に用いられる。組織がアブレーションされるか、少なくともアブレーション発生器によって発生され、アブレーションカテーテルによって送られるアブレーションエネルギーにさらされると、組織に傷(lesion)が形成される。心房性不整脈(異所性心房頻拍、心房細動、心房粗動などを含むが、これらに限定されない)などの病態を改善するために、アブレーションカテーテルに装着された、あるいはアブレーションカテーテル内の電極を用いて、心臓組織に組織壊死を起こす。
【0003】
不整脈(すなわち、不規則な心臓のリズム)は、同期房室収縮の喪失や血流のうっ滞を含む様々な危険な状態を作り出し、様々な病気や死に至ることさえある。心房性不整脈の主な原因は、心臓の左心房または右心房内の迷走する電気信号であると考えられている。アブレーションカテーテルはアブレーションエネルギー(高周波エネルギー、冷凍アブレーション、レーザ、化学薬品、高密度焦点式超音波など)を心臓組織に与え、心臓組織に傷を形成する。この傷は望ましくない電気経路を破壊し、それによって不整脈につながる迷走電気信号を制限または防止する。
【0004】
エレクトロポレーションは、細胞膜に孔形成を誘導する強い電界を印加する非熱的アブレーション技術である。電界は、例えばナノ秒から数ミリ秒の比較的短い持続時間のパルスを印加することによって誘導されてもよい。このようなパルスを繰り返してパルス列を形成してもよい。このような電界が体内環境で組織に印加されると、組織内の細胞は膜を貫通する電位を受け、細胞壁の孔が開く。エレクトロポレーションは可逆的(すなわち、一時的に開かれた孔が再び閉じる)であっても、不可逆的(すなわち、孔が開いたまま)であってもよい。例えば、遺伝子治療の分野では、可逆的エレクトロポレーション(すなわち、一時的に孔が開けられる)が、高分子量の治療用ベクターを細胞に導入するために使用される。他の治療用途では、適切に構成されたパルス列だけを用いて、例えば不可逆的エレクトロポレーションを引き起こすことによって、細胞破壊を引き起こしてもよい。
【0005】
例えば、パルスフィールドアブレーション(PFA)が瞬間的な肺静脈隔離(PVI)を行うために使用されることがある。PFAは一般に、カテーテルに配置された電極から高電圧パルスを供給することを含む。例えば、電圧パルスは約500ボルト未満から約2400ボルト以上の範囲である。これらの電界は、一対の電極間(バイポーラ療法)または1つまたは複数の電極とリターンパッチ間(モノポーラ療法)に印加してもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置が提供される。エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、遠位端から近位端まで延びる少なくとも1つのスプラインと、少なくとも1つのスプラインに配置された複数の電極とを含む。当該装置は、エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、パルス発生器に結合されたコンピュータ装置であって、エレクトロポレーションカテーテルの複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するようにパルス発生器を制御することが可能である、コンピュータ装置と、を含む。
【0007】
別の態様では、アブレーションカテーテルと、アブレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、パルス発生器に結合されたコンピュータ装置とを含むアブレーションシステムを制御する方法が提供される。この方法は、コンピュータ装置を使用して、患者の解剖学的構造上の少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定すること、コンピュータ装置を使用して、複数の電極を含むアブレーションカテーテルの患者を通る動きを追跡すること、追跡に基づいて、コンピュータ装置を使用して、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることを決定すること、および、パルス発生器を用いて、少なくとも1つの電極に選択的に通電して、少なくとも1つの標的アブレーション位置をアブレーションすること、を含む。
【0008】
さらに別の態様では、エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置が提供される。エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、遠位端から近位端まで延びる複数のスプラインと、複数のスプラインに配置された複数の電極とを含み、複数のスプラインおよび複数の電極は、グリッドアセンブリを形成する。当該装置は、エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、パルス発生器に結合されたコンピュータ装置であって、グリッドアセンブリの複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するようにパルス発生器を制御することが可能なコンピュータ装置と、を含む。
【0009】
本開示の上記および他の態様、特徴、詳細、有用性および利点は、以下の説明および特許請求の範囲を読むこと、ならびに添付の図面を検討することから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】エレクトロポレーション療法のためのシステムの概略ブロック図。
【0011】
【
図2】
図1に示すカテーテルと共に使用されてもよいグリッドアセンブリの一実施形態の側面図である。
【0012】
【
図3】患者の心臓内に配置された
図2のグリッドアセンブリを示す画像である。
【0013】
【
図4A】
図2に示すグリッドアセンブリを用いた例示的な通電パターンを示す図。
【
図4B】
図2に示すグリッドアセンブリを用いた例示的な通電パターンを示す図。
【
図4C】
図2に示すグリッドアセンブリを用いた例示的な通電パターンを示す図。
【0014】
【
図5A】
図2に示すグリッドアセンブリを用いた例示的な通電パターンを示す図。
【
図5B】
図2に示すグリッドアセンブリを用いた例示的な通電パターンを示す図。
【0015】
【
図6A】
図1に示すカテーテルと共に使用されてもよいバスケットアセンブリの一実施形態の斜視図。
【
図6B】
図1に示すカテーテルと共に使用されてもよいバスケットアセンブリの一実施形態の斜視図。
【0016】
【
図7A】
図1に示すカテーテルと共に使用されてもよいバスケットアセンブリの別の実施形態の図。
【
図7B】
図1に示すカテーテルと共に使用されてもよいバスケットアセンブリの別の実施形態の図。
【
図7C】
図1に示すカテーテルと共に使用されてもよいバスケットアセンブリの別の実施形態の図。
【0017】
【
図8】
図1に示すシステムと共に使用されてもよい傷セットを生成するための例示的な方法のフローチャート。
【0018】
【
図9】
図1に示すシステムと共に使用されてもよいスイッチ構成の一実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置が対象であって、それが提供される。エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端、近位端、遠位端から近位端まで延びる少なくとも1つのスプライン、および少なくとも1つのスプラインに配置された複数の電極を含む。本装置は、エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、パルス発生器に結合されたコンピュータ装置とを含み、コンピュータ装置は、エレクトロポレーションカテーテルの複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するようにパルス発生器を制御することが可能である。
【0020】
図1は、エレクトロポレーション療法のためのシステム10の概略図およびブロック図である。一般に、システム10は、カテーテル14の遠位端48に配置されたカテーテル電極アセンブリ12を含む。本明細書で以下の用語を使用する際、「近位」とは、臨床医に近いカテーテルの端部に向かう方向を指し、「遠位」とは、臨床医から離れる方向であり、(一般に)患者の体内を指す。電極アセンブリは、電気的に絶縁された1つまたは複数の個別の電極素子を含む。各電極素子は、本明細書ではカテーテル電極とも呼ばれ、選択的に他の電極素子とペアリングまたは組み合わせて、バイポーラまたは多極電極として機能できるように個別に配線されている。
【0021】
システム10は、組織を破壊するための不可逆的エレクトロポレーション(IRE)に使用してもよい。特に、システム10は、細胞膜(細胞壁)の完全性の不可逆的な喪失を直接引き起こすような方法で電流を供給し、その破壊および細胞壊死をもたらすことを含むエレクトロポレーション誘導療法に使用されてもよい。この細胞死のメカニズムは「外側から中へ(outside-in)」プロセスとみなしてもよく、これは細胞の外壁の破壊が細胞の内部に有害な影響を及ぼすことを意味する。典型的には、標準的な細胞膜エレクトロポレーションでは、電流は、約0.1~10.0キロボルト/センチメートル(kV/cm)の電界強度を供給可能である間隔が密接な電極間の短時間パルス(例えば、100ナノ秒(ns)~100マイクロ秒(μs)の持続時間を有する)の形態のパルス電界として流される。システム10は、例えば、高出力(例えば、高電圧および/または高電流)エレクトロポレーション処置のために、
図2に描かれているようなグリッドカテーテルと共に使用されてもよい。あるいは、システム10は、任意の適切なカテーテル構成と共に使用されてもよい。
【0022】
一実施形態では、カテーテルのすべての電極が同時に電流を供給する。あるいは、他の実施形態では、刺激は、カテーテルにおいて選択的に(例えば、電極の対の間で)供給される。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルは複数のスプラインを含み、各スプラインは複数の電極を含む。このような実施形態では、1つのスプラインの電極が選択的に作動されてもよく、隣接する(または他の)スプラインの電極がエネルギーリターン(またはシンク)として機能する。さらに、本明細書に記載される実施形態において、電極は、3Dマッピングシステムに接続される状態とエレクトロポレーション発生器に接続される状態との間で切り替え可能であってもよい。
【0023】
多電極カテーテルによる不可逆的エレクトロポレーションは、1静脈あたり1回という少ないショックで肺静脈隔離を可能にしてもよく、静脈の周囲に高周波(RF)アブレーションチップを順次配置するのに比べて、処置時間がはるかに短くなる可能性がある。
【0024】
通電方針(strategy)は、DCパルスを含むものとして記載されているが、実施形態は、変形例を使用してもよく、本開示の精神および範囲内に留まることが理解されるべきである。例えば、指数関数的に減衰するパルス、指数関数的に増加するパルス、および組み合わせが使用されてもよい。
【0025】
さらに、エレクトロポレーションにおける細胞破壊のメカニズムは、主に加熱効果によるものではなく、むしろ高電圧電界の印加による細胞膜の破壊によるものであることを理解すべきである。したがって、エレクトロポレーションは、高周波(RF)エネルギーを使用する場合に起こりうる熱効果をある程度回避し得る。この「寒冷療法」には望ましい特徴がある。
【0026】
このような背景から、ここで再び
図1を参照すると、システム10は、少なくとも1つのカテーテル電極を含むカテーテル電極アセンブリ12を含む。電極アセンブリ12は、患者の身体17内の組織16のエレクトロポレーション療法のためのカテーテル14等の医療装置の一部として組み込まれる。例示的な実施形態では、組織16は心臓または心臓組織を含む。しかしながら、実施形態は、様々な他の身体組織に関してエレクトロポレーション療法を実施するために使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0027】
図1は、さらに、エレクトロポレーション発生器26など、システム10全体に含まれる様々なサブシステムによって使用されてもよい身体接続部の図示である、18、20、および21と指定された複数のリターン電極と、ECGモニタ28などの電気生理学(EP)モニタと、体内構造の視覚化、マッピング、およびナビゲーションのための位置特定およびナビゲーションシステム30と、を示す。図示の実施形態では、リターン電極18、20、21はパッチ電極である。単一のパッチ電極の図示は(明瞭化のための)図式的なものであり、これらのパッチ電極が接続されるこのようなサブシステムは、典型的には、複数のパッチ(体表面)電極を含んでもよく、(本明細書で説明するような)分割パッチ電極を含んでもよいことを理解されたい。他の実施形態では、リターン電極18、20、21は、例えば、1つまたは複数のカテーテル電極を含む、リターン電極として使用するのに適した他のタイプの電極であってもよい。カテーテル電極であるリターン電極は、電極アセンブリ12の一部であってもよいし、別個のカテーテルまたは装置(図示せず)の一部であってもよい。システム10は、特定の実施形態において位置特定およびナビゲーションシステム30と統合されてもよいメインコンピュータシステム32(電子制御ユニット(ECU)50およびデータストレージ‐メモリ52を含む)をさらに含んでもよい。システム32は、他の構成要素の中でも、様々なユーザ入力部/出力部34Aおよびディスプレイ34Bなどの従来のインターフェース構成要素をさらに含んでもよい。
【0028】
エレクトロポレーション発生器26は、予め決定されてもよいか、またはユーザが選択可能であってもよいエレクトロポレーション通電方針に従って(単数または複数)の電極素子に通電するように構成される。エレクトロポレーション誘発一次壊死療法のために、発生器26は、約0.1~1.0kV/cmの電界強度(すなわち、組織箇所において)を供給可能である間隔が近い電極間に短時間DCパルス(例えば、ナノ秒~数ミリ秒の持続時間、またはエレクトロポレーションに適した任意の持続時間)の形態のパルス電界として電極アセンブリ12を介して供給される電流を生成するように構成されてもよい。不可逆的エレクトロポレーションに必要な振幅とパルス持続時間は、反比例の関係にある。
【0029】
エレクトロポレーション発生器26は、本明細書においてDCエネルギー源とも呼ばれることがあるが、すべて2方向に電流を生成する、一連のDCエネルギーパルスを生成するように構成された二相性エレクトロポレーション発生器26である。他の実施形態において、エレクトロポレーション発生器は、単相性または多相性エレクトロポレーション発生器である。いくつかの実施形態において、エレクトロポレーション発生器26は、50ジュール、100ジュール、200ジュールなどの選択可能なエネルギーレベルにおいてDCパルスでエネルギーを出力するように構成される。他の実施形態は、より多くのまたはより少ないエネルギー設定を有してもよく、利用可能な設定の値は、同じであっても異なっていてもよい。エレクトロポレーションを成功させるために、いくつかの実施形態は、200ジュールの出力レベルを利用する。例えば、エレクトロポレーション発生器26は、200ジュール出力レベルで、約300ボルト(V)から約3,200Vまでの最大振幅を有するDCパルスを出力してもよい。他の実施形態は、任意の他の適切な正または負の電圧を出力してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、可変インピーダンス27は、アーク放電を制限するためシステム10のインピーダンスを変化させることを可能にする。さらに、可変インピーダンス27は、エレクトロポレーション発生器26の出力の振幅、持続時間、パルス形状などの1つまたは複数の特性を変更するために使用されてもよい。別個の構成要素として図示されているが、可変インピーダンス27は、カテーテル14または発生器26に組み込んでもよい。
【0031】
引き続き
図1を参照すると、上述したように、カテーテル14は、エレクトロポレーション用の機能を含んでよく、特定の実施形態では、さらにアブレーション機能(例えば、RFアブレーション)も含んでもよい。しかしながら、それらの実施形態において、提供されるアブレーションエネルギーのタイプ(例えば、冷凍アブレーション、超音波など)に関して変形例が可能であることを理解されたい。
【0032】
図示の実施形態では、カテーテル14は、ケーブルコネクタまたはインターフェース40、ハンドル42、および近位端46と遠位端48とを有するシャフト44を含む。カテーテル14は、温度センサ、追加の電極、および対応する導線またはリード線など、本明細書には図示されていない他の従来の構成要素も含んでもよい。コネクタ40は、発生器26から延びるケーブル56の機械的および電気的接続を提供する。コネクタ40は、当該技術分野で知られている従来の構成要素を含んでもよく、図示されているように、カテーテル14の近位端に配置されている。
【0033】
ハンドル42は、臨床医がカテーテル14を保持するための場所を提供し、さらに、身体17内でシャフト44を操縦または案内するための手段を提供してもよい。例えば、ハンドル42は、カテーテル14を通ってシャフト44の遠位端48まで延びるガイドワイヤの長さを変更する手段、またはシャフト44を操縦する手段を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ハンドル42は、カテーテルの一部の形状、サイズ、および/または向きを変えるように構成されてもよく、ハンドル42の構造は様々であってもよいことが理解されよう。別の実施形態では、カテーテル14はロボット駆動またはロボット制御されてもよい。したがって、臨床医がハンドルを操作してカテーテル14(および特にそのシャフト44)を前進/後退および/または操縦または案内するのではなく、ロボットを使用してカテーテル14を操作する。シャフト44は、身体17内で移動するように構成された細長い管状の可撓性部材である。シャフト44は、電極アセンブリ12を支持するとともに、関連する導体、および場合によっては信号処理または調節に使用される追加の電子機器を含むように構成される。シャフト44はまた、流体(潅注液および体液を含む)、薬、および/または外科器具もしくは器械の輸送、送達、および/または除去を可能にしてもよい。シャフト44は、ポリウレタン等の従来の材料から作られてもよく、本明細書に記載されるように、電気伝導体、流体または外科器具を収容および/または輸送するように構成された1つまたは複数のルーメンを画定する。シャフト44は、従来の導入器を介して、身体17内の血管または他の構造に導入されてもよい。次いで、シャフト44は、ガイドワイヤまたは当該技術分野で公知の他の手段の使用を含めて、身体17を通って組織16の場所などの所望の位置まで前進/後退および/または操縦または案内されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、カテーテル14は、シャフト44の遠位端に配されたカテーテル電極(
図1には示されていない)を有するグリッドカテーテルである。いくつかの実施形態では、カテーテル14は16個のカテーテル電極を有する。他の実施形態において、カテーテル14は、10個のカテーテル電極、20個のカテーテル電極、またはエレクトロポレーションを実施するための任意の他の適切な数の電極を含む。いくつかの実施形態において、カテーテル電極は、白金リング電極などのリング電極である。あるいは、カテーテル電極は、部分的なリング電極または可撓性素材上に印刷された電極等の、任意の他の適切なタイプの電極であってもよい。種々の実施形態において、カテーテル電極は、1.0mm、2.0mm、2.5mm、および/またはエレクトロポレーションに適した他の任意の長さを有する。
【0035】
体内構造の視覚化、マッピングおよびナビゲーションのために、位置特定およびナビゲーションシステム30を提供してもよい。位置特定およびナビゲーションシステム30は、当該技術分野において一般的に知られている従来の装置を含んでもよい。例えば、位置特定およびナビゲーションシステム30は、Abbott Laboratories社から市販されており、譲受人に譲渡された「Method and Apparatus for Catheter Navigation and Location and Mapping in the Heart」と題された米国特許第7,263,397号明細書に概して示されているようなEnSite Precision(登録商標)システムと実質的に類似していてもよい。米国特許第7,263,397号は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施例では、位置特定およびナビゲーションシステム30は、「Method for Medical Device Localization Based on Magnetic and Impedance Sensors」と題された米国特許出願2020/0138334号に概して示されているEnSite X(登録商標)システムと実質的に類似してもよく、米国特許出願2020/0138334号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、位置特定およびナビゲーションシステム30は例示に過ぎず、本質的に限定するものではないことを理解されたい。空間内でカテーテルを位置決め/ナビゲーションするための(および視覚化のための)他の技術が知られており、例えば、バイオセンスウェブスター社のCARTOナビゲーションおよび位置決めシステム、ボストンサイエンティフィックサイメッド社のRhythmia(登録商標)システム、コーニンクレッカフィリップス社のKODEX(登録商標)システム、ノーザンデジタル社のAURORA(登録商標)システム、一般に入手可能な蛍光透視システム、またはメディガイド社のgMPSシステム等の磁気位置特定システムが挙げられる。この点に関して、位置特定およびナビゲーションおよび/または視覚化システムの中には、カテーテルの位置情報を示す信号を生成するためにセンサが設けられるものがあり、例えばインピーダンスベースの位置特定システムの場合には1つまたは複数の電極を含んでもよく、あるいは、例えば磁界ベースの位置特定システムの場合には磁界の1つまたは複数の特性を検出するように構成された1つまたは複数のコイル(すなわち、ワイヤ巻線)を含んでもよい。さらに別の例として、システム10は、「Hybrid Magnetic-Based and Impedance Based Position Sensing,」と題された米国特許第7,536,218号を参照して概して示されるように、電界ベースおよび磁界ベースの組み合わせシステムを利用してもよく、第7,536,218号の開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
本明細書で説明する実施形態の少なくとも一部では、カテーテルは、1つまたは複数の画素を画定する電極のアレイを含む。電極のアレイは、例えば、グリッドカテーテルに(例えば、
図2~5Bに示すように)またはバスケットカテーテルに(例えば、
図6A~7Cに示すように)配置してもよい。あるいは、電極アレイは任意の適切なカテーテルアセンブリに配置してもよい。
【0037】
図2は、システム10においてカテーテル14と共に使用されてもよいグリッドアセンブリ200の一実施形態の側面図である。当業者であれば、他の実施形態では、任意の適切なカテーテルを使用してもよいことを理解されよう。さらに、当業者であれば、本明細書に開示される実施形態はグリッドカテーテルの文脈で論じられているが、本明細書に記載される方法およびシステムは、任意の適切なカテーテル(例えば、固定ループカテーテル、バスケットカテーテル、直線的カテーテル(例えば、単一のスプラインを含むカテーテル)など)を使用して実施されてもよいことを理解するであろう。
図2に示すように、グリッドアセンブリ200はシャフト44の遠位セクション202に結合されている。
【0038】
グリッドアセンブリ200は、近位端206から遠位端208まで延びる複数のスプライン204を含む。各スプライン204は、複数の電極210を含む。
図2に示す実施形態では、グリッドアセンブリ200は、4つのスプライン204を含み、各スプライン204は、電極210がグリッド構成を形成するように、4つの電極210を含む。従って、グリッドアセンブリ200は、電極210の4×4グリッドを提供する。一実施形態において、隣接する電極210の各対の間隔は、電極210のグリッドの寸法が概して12mm×12mmであるように、約4ミリメートル(mm)である。あるいは、グリッドアセンブリ200は、任意の適切な数のスプライン204、任意の適切な数の電極210、および/または電極210の任意の適切な配置を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、隣接する電極の各対の間隔は、概して2ミリメートル(mm)である。さらに、いくつかの実施形態において、グリッドアセンブリ200は、例えば、7×8のグリッドに配置された56個の電極を含んでもよい。
【0039】
グリッドアセンブリ200を使用して、モノポーラアプローチ(例えば、個々の電極210とリターンパッチとの間に電圧を印加することによって)を使用して個々の電極210において傷を生成するか、またはバイポーラアプローチを使用して電極210の対の間に傷を生成してもよい。傷は、特定の構成および/またはパターンで電極に選択的に通電すること(例えば、互いに独立している個々の複数の電極210に通電すること、または複数の電極210に同時に通電することを含む)によって、解剖学的構造内に生成されてもよい。
【0040】
図3は、患者の心臓の左心房302内に配置されたグリッドアセンブリ200を示す画像300である。
図3に示すように、グリッドアセンブリ200は心臓の比較的広い領域を覆っている。この領域の幅は、一般に、肺静脈隔離(PVI)を行うのに必要な幅よりも大きい。従って、PVIアブレーションを成功させるためには、グリッドアセンブリ200の一部にのみ通電すればよい。
【0041】
同様に、特定の標的(例えば、4mm×4mmの領域、または任意の適切なサイズの領域)をアブレーションする必要がある場合、グリッドアセンブリ200は、そのスポットの上のどこかに配置されるだけでよく、その特定の標的に近接して配置されている電極210を選択的に作動させてもよい。その結果、グリッドアセンブリ200は、(より小さなフットプリントを有する電極アレイを有するカテーテルと比較して)より少ない精度でナビゲートされてもよい。例えば、グリッドアセンブリ200を用いて、12mmの配置精度のみを以てして4mmの精度内で標的をアブレーションしてもよい。
【0042】
標的に近接するグリッドアセンブリ200の電極210に選択的に通電するには、比較的精度の高いマッピングシステムが望ましい(すなわち、アブレーションする予定の組織に対するグリッドアセンブリ200の位置を正確に決定するために)。例えば、マッピングシステムは、組織の視覚化を生成するために使用されてもよく、ユーザは、どの電極210に選択的に通電するかを決定するためにその視覚化されたものを見ることができる。電極210は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)(例えば、ディスプレイ34B(
図1に示される)に表示される)を用いてユーザによって選択されてもよい。
【0043】
別の実施形態では、ユーザは、表示された(例えば、ディスプレイ34Bに表示された)ジオメトリの表面上に1つまたは複数の所望のアブレーションまたは傷の位置を描くか、さもなければ選択してもよい。選択された位置は、例えば、PVIを表す線経路または焦点的なアブレーションを表す点標的であってもよい。ユーザが1つまたは複数の位置を選択すると、グリッドアセンブリ200は1つまたは複数の位置の近くへナビゲートされてもよい。グリッドアセンブリ200がナビゲートされている間、システム10は、グリッドアセンブリ200の少なくとも一部(例えば、後述するように1つまたは複数の画素)が1つまたは複数の選択された場所をカバーするときを自動的に検出し(例えば、本明細書で説明するようなマッピング技術を使用して)、それに応じてユーザに通知してもよい。その時点で、システム10は、所望のアブレーションを達成するためにどの電極210に通電すべきかを自動的に決定してもよい。
【0044】
さらに、いくつかの実施形態では、投影される傷パターンが計算され、ジオメトリ上に表示されてもよい(例えば、ディスプレイ34Bに表示される)。これにより、ユーザは、通電方式によっては比較的複雑な傷パターンを視覚化することができる。
【0045】
さらに、いくつかの実施形態では、カテーテル14は、標的アブレーションまたは傷の部位を横切って比較的ゆっくりと(例えば、毎秒約1~10ミリメートルの速度で)引っ張られてもよい。カテーテル14が引っ張られながら、システム10は、どの電極210に通電するかを自動的かつ連続的に決定してもよい。カテーテル14を引くことと電極210を選択的に作動させることとの組み合わせにより、連続的に描かれた傷の生成が可能になる。いくつかの実施形態では、システム10はまた、どの標的がアブレーションされたか、およびすべての標的がアブレーションされるまでどの標的がまだアブレーションされる必要があるかを追跡してもよい。従って、高度なマッピングシステムと共にグリッドアセンブリ200を使用することにより、ユーザは、1つまたは複数の標的位置を迅速かつ容易にアブレーションすることができる。
【0046】
バイポーラ供給パターンを使用すると、グリッドアセンブリ200を使用して複数の異なる通電パターンが利用可能である。すなわち、本明細書に記載のシステムおよび方法において、各電極210は、正電極、負電極、または不活性電極として選択的に機能してもよい。
【0047】
例えば、
図4A~4Cは、グリッドアセンブリ200を用いた複数の例示的な通電パターンを示す。
図4Aは、第1の通電パターン402を示す。第1の通電パターン402において、第1の電極404は負電極として機能し、第2の電極406は正電極として機能し、第3の電極408は正電極として機能し、第4の電極410は負電極として機能し、残りの電極210は不活性である。グリッドアセンブリ200が組織に接触すると、第1の通電パターン402は、第1の領域412に近接する組織をアブレーションする。
【0048】
図4Bは、第2の通電パターン422を示す。第2の通電パターン422において、第1の電極404は負電極として機能し、第2の電極406は負電極として機能し、第3の電極408は正電極として機能し、第4の電極410は正電極として機能し、残りの電極210は不活性である。グリッドアセンブリ200が組織に接触すると、第2の通電パターン422が第2の領域424に近接する組織をアブレーションする。
【0049】
図4Cは、第3の通電パターン432を示す。第3の通電パターン432において、第1の電極404は負電極として機能し、第3の電極408は正電極として機能し、残りの電極210は不活性である。グリッドアセンブリ200が組織に接触すると、第3の通電パターン432は第3の領域434に近接する組織をアブレーションする。
【0050】
グリッドアセンブリ200の場合、4つの電極210によって画定される各4mm×4mmの領域(例えば、第1の領域412および第2の領域424)は、1画素と考えることができる。したがって、グリッドアセンブリ200は、3×3の画素グリッドを含む。各画素は、選択的にオンまたはオフにすることができる(すなわち、その画素に対応する4つの電極210に通電することによって)。さらに、2つの電極210の間の領域(例えば、第3の領域434)は、半画素と考えることができる。第3の領域434は、異なるスプライン204にある2つの電極210によって定義される「縦の」半画素である。当業者であれば、「横の」半画素は、同じスプライン204における隣接する2つの電極210によって画定されてもよく、「斜め」半画素は、異なるスプライン204の互いにオフセットされた2つの電極210(例えば、第1の電極404と第4の電極410)によって画定されてもよいことを理解するであろう。
【0051】
図4Aから4Cの実施形態では、1画素は4つの電極410で画定される。あるいは、いくつかの実施形態では、1画素は異なる数の電極(例えば、3つまたは5つの電極)で画定されてもよい。
【0052】
1つまたは複数の画素および/または半画素を、所望に応じて組み合わせて、異なる通電パターンを形成してもよい。
図5Aおよび
図5Bは、グリッドアセンブリ200を使用して実施されてもよい2つの例示的な通電パターンを示す。
【0053】
より具体的には、
図5Aは、第1の通電パターン502を示す。
図5Aに示すように、第1の通電パターン502は、S字型パターンを形成するように組み合わされる5つの画素504によって形成される。
図5Bは、第2の通電パターン506を図示する。
図5Bに示すように、第2の通電パターン506は、L字型パターンを成すように組み合わされる5つの画素504によって形成される。当業者であれば、パターン502および504は単なる例示であり、グリッドアセンブリ200の1つまたは複数の画素および/または半画素を組み合わせることによって多種多様な異なるパターンを生成してもよいことを理解するであろう。さらに、画素は互いに連続している必要はない(すなわち、少なくともいくつかの画素は隙間によって分離されていてもよい)。
【0054】
本明細書に記載された実施形態はIRE(不可逆的エレクトロポレーション)/PFA(パルスフィールドアブレーション)の文脈で議論されているが、当業者であれば、本明細書に記載された方法およびシステムがRFアブレーション用途にも利用されてもよいことを理解するであろう。
【0055】
さらに、当業者であれば、本明細書で説明する技術は、グリッドアセンブリ200以外のカテーテル構成でも実施してもよいことを理解するであろう。例えば、
図6Aおよび
図6Bは、バスケットを形成する複数のスプライン602を含むバスケットアセンブリ600の一実施形態の斜視図であり、各スプラインは複数の電極604を含む。グリッドアセンブリ200と同様に、画素は電極604のセットによって画定されてもよい。例えば、第1の電極610、第2の電極612、第3の電極614、および第4の電極616が画素620を画定する(
図6Bに示す)。他のカテーテル構成(例えば、螺旋状または直線状カテーテル)もまた、同様の実施態様を利用してもよい。バイポーラ送達方式の場合、少なくとも2つの電極が通電されることとなる(少なくとも1つの正電極と少なくとも1つの負電極)。モノポーラ送達方式では、1つの電極のみが通電される必要がある(ただし、いずれの極性方式でも、複数の電極が通電されてもよい)。
【0056】
図7Aから7Cは、本明細書に記載される電極通電技術と共に使用されてもよいバスケットアセンブリ650の別の実施形態の図である。具体的には、
図7Aは、バスケットアセンブリ650の斜視図であり、
図7Bおよび
図7Cは、肺静脈652内に配置されたバスケットアセンブリ650の側面図である。
【0057】
バスケットアセンブリ650は、バスケットを形成する複数のスプライン654を含む。この実施形態において、各スプライン654は、概ねS字(sigmoidal)形状を有する。スプライン654のS字形状は、隣接するスプライン654同士がスプライン654の長さに沿って互いにほぼ同じ距離を維持することとなり、これは傷の質を上げ得る。この実施形態において、バスケットアセンブリ650は、8つのスプライン654を含む。あるいは、バスケットアセンブリ650は、任意の適切な数のスプライン654を含んでもよい。
【0058】
図7Aに示されるように、バスケットアセンブリ650は、バスケットの内部に配置された選択的に膨張可能なバルーン656を含んでもよい。バルーン656は、(例えば、スプラインが組織に押し付けられるとき)スプライン654を支持することを容易にし得る。いくつかの実施形態において、バルーン656は省略される。S字形状のスプラインを有するバスケットアセンブリに関するさらなる詳細は、2020年6月5日に出願された「ELECTRODE BASKET HAVING HIGH-DENSITY CIRCUMFERENTIAL BAND OF ELECTRODES」と題する国際出願第PCT/US20/36410号、および2019年6月13日に出願された、「ELECTRODE BASKET HAVING HIGH-DENSITY CIRCUMFERENTIAL BAND OF ELECTRODES」と題する米国仮特許出願第62/861,135号にあり、これらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0059】
各スプライン654は、本明細書に開示されたシステムおよび方法を用いて選択的に通電可能な少なくとも1つの電極670を含む。例えば、
図7Bは、各スプライン654の1つの細長い電極672を示すが、
図7Cは、各スプライン654の複数の個々の電極674を示す。電極670は、一般に、肺静脈652の組織との接触を容易にするために、バスケットアセンブリ650の遠位部に配置される。あるいは、電極670の任意の適切な構成が使用されてもよい。
【0060】
前述の実施形態と同様に、バスケットアセンブリ650の電極670のセットは、それらの間に画素を規定する。
図7Bを参照すると、1つの電極通電パターンにおいて、スプライン654は交互に、交互の極性を割り当てられる。すなわち、正の細長い電極672を有するスプライン654は、負の細長い電極672を有する2つのスプライン654の間に配置される。
【0061】
図7Cを参照すると、別の電極通電パターンでは、隣接するスプライン654で互いに近接する個別の電極674は同じ極性を割り当てられるが、各1つのスプライン654に沿っては、個別電極674は交互に極性を変える。例えば、第1の個別電極680は正であり、第2の個別電極682は負である。あるいは、任意の適切な電極通電方式を使用してもよい。
【0062】
上述のように、カテーテルの位置を検出するためにマッピングシステム(例えば、位置特定およびナビゲーションシステム30(
図1に示す))を使用してもよい。例えば、マッピングシステムは、カテーテルが計画された傷セット内の少なくとも1つの位置に近接しているか否かを連続的にチェックしてもよい。これらの位置は設計点と称してもよい。
【0063】
カテーテルの1つまたは複数の電極が設計点に近接しているかどうかを判定するために、マッピングシステムは各電極と設計点との間の距離を連続的にモニタしてもよい。マッピングシステムが、特定の電極が設計点から所定の距離(例えば、計画した傷の予想半径)内にあると判定した場合、マッピングシステムは、その電極が設計点に近接していることを検出する。マッピングシステムが、ある電極が設計点に近接していることを検出すると、電極および/または設計点は、ユーザに対して表示されるディスプレイ上(例えば、ディスプレイ34B上)でハイライト表示または他の方法で強調表示されてもよい。
【0064】
例えば、
図8は、例えばシステム10(
図1に示す)を使用して傷セットを生成するための例示的な方法700のフローチャートである。方法700は、ブロック702において、ジオメトリの表面上の1つまたは複数の傷設計点を規定する(すなわち、特定する)ことを含む。設計点は、例えば、GUIを操作するユーザによって特定されてもよい。
【0065】
フローはブロック704に進み、このブロック704でカテーテルは、1つまたは複数のアブレーションされていない設計点(例えば、ブロック702で特定された設計点)を含む領域にナビゲートされる。フローはブロック706に進み、システムは、いずれかの電極がアブレーションされていない設計点のいずれかに近接しているかどうかを判定する。そうでない場合、フローはブロック708に進み、システムは、(例えば、GUI上に通知を表示することによって)アブレーションされていない設計点に近接している電極はないことを示し、フローはブロック704に戻る。ブロック706で、少なくとも1つの電極が少なくとも1つのアブレーションされていない設計点に近接している場合、フローはブロック710に進む。
【0066】
ブロック710において、システムは、どの電極がどのアブレーションされていない設計点の近傍にあるかを示す(例えば、GUI上で)。その後、フローはブロック712に進み、ユーザは(例えば、GUIを使用して通電する1つまたは複数の電極を選択することによって)、アブレーションされていない設計点をアブレーションするか、またはカテーテルをナビゲートし続けるかを選択することができる。ユーザがカテーテルをナビゲートすることを決定した場合、フローはブロック704に戻る。ユーザがアブレーションを実行することを決定した場合、フローはブロック714に進み、システムはどの設計点がアブレーション済みかを反映するように設計点を更新する(例えば、GUI上にその情報を表示することによって)。ブロック714から、フローはブロック704に戻る。
【0067】
本明細書で記載するように、カテーテルの電極は、さまざまに異なるパターンを生成するよう選択的に通電される。
図9は、カテーテル802の電極を選択的に通電するのに利用されてもよい実施例のスイッチ構成800の模式図である。具体的には、このスイッチ構成は、カテーテル802、パルス源804、およびカテーテル802とパルス源804との間に結合されたスイッチングユニット806を含む。
【0068】
パルス源804は、カテーテル802の電極(図示せず)によって印加されるエネルギーパルスを生成する。さらに、スイッチングユニット806は、パルス源804から電極にエネルギーパルスを選択的に供給するための複数のスイッチング回路810を含む。この実施例では、スイッチングユニット806は、各電極用のスイッチング回路810(および対応するチャネル)を含む。各スイッチング回路810は、パルス源804からエネルギーパルスを受けとり、スイッチング回路810内のスイッチの構成に応じて、対応する電極に正パルス、負パルスを送り、またはパルスを送らない。従って、スイッチング回路810を制御することにより、カテーテル802の電極は選択的に通電可能となる。
【0069】
本明細書に記載の実施形態では、エレクトロポレーションカテーテルの電極は、治療パルスを供給するため(例えば、傷を生成するため)、および/または診断パルスを供給するため(例えば、潜在的な不整脈部位を判断するため)に通電してもよい。例えば、治療パルスを供給する前に、本明細書に記載されるシステムおよび方法を用いて、電気の流れの中断(これは、臨床医が不整脈部位を特定するのを支援する)を引き起こすために、エネルギーを比較的短い持続時間印加することができる。短時間の診断用印加の効果が弱まっていくほど、その後、より長時間の治療用パルスを印加することができる。
【0070】
診断パルスの電界強度は、一般に心臓細胞が損傷するレベル以下(例えば、心臓組織で400V/cm以下)である必要がある。電界強度は直接制御可能ではなく、印加電圧、組織インピーダンス、カテーテル設計(例えば、電極サイズと間隔)に依存する。一例では、診断パルスは25V/cmから200V/cmの間の電界強度で供給される。
【0071】
本明細書に記載の実施形態により、エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置が提供される。エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端、近位端、遠位端から近位端まで延びる少なくとも1つのスプライン、および少なくとも1つのスプラインに配置された複数の電極を含む。本装置は、エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、パルス発生器に結合されたコンピュータ装置とを含み、コンピュータ装置は、エレクトロポレーションカテーテルの複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するようにパルス発生器を制御することが可能である。
【0072】
本開示の特定の実施形態は、ある程度の具体性をもって上述されたが、当業者は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができる。全ての方向に関する参照(例えば、上部、下部、上方、下方、左、右、左方、右方、頂部、底部、上、下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的のために使用されるだけであり、特に、本開示の位置、方向、または使用に関する制限を生じさせるものではない。接続に関する参照(例えば、取付け、結合、連結など)は、広義に解釈されるべきであり、要素の連結と要素間の相対移動との間の中間部材を含み得る。そのため、接続に関する言及は、必ずしも2つの要素が直接連結され、互いに固定された関係にあることを推論するものではない。上記の説明に含まれる、または添付図面に示されるすべての事項は、例示的なものとしてのみ解釈され、限定するものではないことが意図される。詳細または構造の変更は、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の精神から逸脱することなく行ってもよい。
【0073】
本開示の要素またはその好ましい実施例(単数または複数)を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、要素の1つまたは複数が存在することを意味することが意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0074】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記の構成において様々な変更がなされ得るので、上記の説明に含まれる、または添付の図面に示される全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示的なものとして解釈されるべきことが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記の構成において様々な変更がなされ得るので、上記の説明に含まれる、または添付の図面に示される全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示的なものとして解釈されるべきことが意図される。本明細書は、下記の項目に記載された実施形態を開示する。
[項目1]
エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置であって、前記エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる少なくとも1つのスプラインと、前記少なくとも1つのスプラインに配置された複数の電極とを含み、
前記エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、
前記パルス発生器に結合されたコンピュータ装置であって、前記エレクトロポレーションカテーテルの前記複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するように前記パルス発生器を制御することが可能である、前記コンピュータ装置と、を備える装置。
[項目2]
前記通電パターンは、少なくとも1つの画素を含み、前記少なくとも1つの画素は、前記複数の電極のうちの3つまたは4つの電極によって画定される、項目1に記載の装置。
[項目3]
前記通電パターンは、少なくとも1つの半画素を含み、前記少なくとも1つの半画素は、前記複数の電極のうちの2つの電極によって画定される、項目1に記載の装置。
[項目4]
前記エレクトロポレーションカテーテルは、複数のスプラインおよび前記複数の電極によって形成されたグリッドアセンブリを含み、前記コンピュータ装置は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電するように前記パルス発生器を制御することが可能である、項目1に記載の装置。
[項目5]
前記エレクトロポレーションカテーテルは、複数のスプラインおよび前記複数の電極によって形成されたバスケットアセンブリを含み、前記コンピュータ装置は、前記バスケットアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電するように前記パルス発生器を制御することが可能である、項目1に記載の装置。
[項目6]
前記コンピュータ装置は、前記複数の電極に選択的に通電して診断パルスを供給するように前記パルス発生器を制御することが可能である、項目1に記載の装置。
[項目7]
前記コンピュータ装置は、前記複数の電極に選択的に通電してバイポーラ治療を行うように前記パルス発生器を制御することが可能である、項目1に記載の装置。
[項目8]
前記コンピュータ装置は、
ジオメトリを表示し、
前記通電パターンに基づいて投影される傷パターンを計算し、
前記投影される傷パターンを前記ジオメトリ上に表示するように動作可能である、項目1に記載の装置。
[項目9]
アブレーションカテーテルと、前記アブレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、前記パルス発生器に結合されたコンピュータ装置とを含むアブレーションシステムを制御する方法であって、
前記コンピュータ装置を使用して、患者の解剖学的構造上の少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定すること、
前記コンピュータ装置を使用して、複数の電極を含む前記アブレーションカテーテルの前記患者を通る動きを追跡すること、
追跡に基づいて、前記コンピュータ装置を使用して、前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることを決定すること、および、
前記パルス発生器を使用して、前記少なくとも1つの電極に選択的に通電して、前記少なくとも1つの標的アブレーション位置をアブレーションすること、を備える方法。
[項目10]
前記少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定することは、前記コンピュータ装置で受け付けられたユーザ入力に基づいて前記少なくとも1つの標的アブレーション位置を特定することを備える、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記コンピュータ装置を使用して、前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることを示すユーザ通知を生成すること、および、
前記コンピュータ装置において、前記少なくとも1つの電極が選択的に通電されるべきであることを示すユーザ入力を受け取ることであって、前記少なくとも1つの電極に選択的に通電することは、前記ユーザ入力に応答して前記少なくとも1つの電極に選択的に通電することを備える、前記ユーザ入力を受け取ること、をさらに備える、項目9に記載の方法。
[項目12]
前記少なくとも1つの電極に選択的に通電することは、前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの標的アブレーション位置に近接していることの検出に応答して、前記少なくとも1つの電極に自動的に通電することを備える、項目9に記載の方法。
[項目13]
前記少なくとも1つの標的アブレーション位置がアブレーションされたことを示すためにグラフィカルユーザインターフェースを更新することをさらに備える、項目9に記載の方法。
[項目14]
前記アブレーションカテーテルが、複数のスプラインと、前記複数のスプラインに配置された複数の電極とを含む、項目9に記載の方法。
[項目15]
前記複数のスプラインおよび前記複数の電極は、グリッドアセンブリを形成する、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記複数のスプラインおよび前記複数の電極は、バスケットアセンブリを形成する、項目14に記載の方法。
[項目17]
エレクトロポレーションカテーテルを制御するための装置であって、前記エレクトロポレーションカテーテルは、遠位端と、近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる複数のスプラインと、前記複数のスプラインに配置された複数の電極とを含み、前記複数のスプラインおよび前記複数の電極は、グリッドアセンブリを形成し、
前記エレクトロポレーションカテーテルに結合されたパルス発生器と、
前記パルス発生器に結合されたコンピュータ装置であって、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電して通電パターンを形成するように前記パルス発生器を制御することが可能な前記コンピュータ装置と、を備える装置。
[項目18]
前記通電パターンは、少なくとも1つの画素を含み、前記少なくとも1つの画素は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極のうちの3つまたは4つの電極によって画定される、項目17に記載の装置。
[項目19]
前記通電パターンは、少なくとも1つの半画素を含み、前記少なくとも1つの半画素は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極のうちの2つの電極によって画定される、項目17に記載の装置。
[項目20]
前記コンピュータ装置は、前記グリッドアセンブリの前記複数の電極に選択的に通電してバイポーラ治療を行うよう前記パルス発生器を制御することが可能である、項目17に記載の装置。
【国際調査報告】