(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】二金属極厚金属(UTM)構造体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20241114BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01L21/90 B
H01L21/88 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527729
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2022127040
(87)【国際公開番号】W WO2023109316
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100091568
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】チェン、フュー-チュン
(72)【発明者】
【氏名】ミグノット、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、チー-チュン
(72)【発明者】
【氏名】シルベストル、メアリー、クレール ミカラー
(72)【発明者】
【氏名】オークリー、ジェニファー
【テーマコード(参考)】
5F033
【Fターム(参考)】
5F033HH03
5F033HH04
5F033HH05
5F033HH07
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5F033SS15
5F033XX13
(57)【要約】
半導体デバイスは、誘電体層内に配設されている導電性ラインと、導電性ラインの上に配設され、これと直接接触している金属層と、金属層の上に配設されているメタライゼーション層とを備え、金属層の突出したセグメントが導電性ラインとメタライゼーション層との間の接合部として機能するように配設されている。導電性ラインは銅(Cu)であり、金属層はルテニウム(Ru)である。Ru金属層は、上側金属層セクションと下側金属層セクションとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
誘電体層内に配設されている導電性ラインと、
前記導電性ラインの上に配設され、これと直接接触している金属層と、
前記金属層の上に配設されているメタライゼーション層と、を備え、
前記金属層の突出したセグメントが前記導電性ラインと前記メタライゼーション層との間の接合部として機能するように配設されている、半導体デバイス。
【請求項2】
前記導電性ラインは銅(Cu)であり前記金属層はルテニウム(Ru)である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記金属層は上側金属層セクションと下側金属層セクションとを含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記下側金属層セクションは前記導電性ラインの上面の全体に直接接触している、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記上側金属層セクションはビア-ライン間剥離を防止する、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記導電性ラインと前記下側金属層セクションの合計高さは1.5μmよりも大きい、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記導電性ラインの厚さは前記メタライゼーション層中の導電性材料の厚さよりも小さい、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
半導体デバイスであって、
誘電体層内に配設されている導電性ラインと、
前記導電性ラインの上に配設され、これと直接接触している第1の金属層と、
前記第1の金属層の上に配設され、これと直接接触している第2の金属層と、
前記第2の金属層の上に配設されているメタライゼーション層と、を備え、
前記第2の金属層の突出したセグメントが前記導電性ラインと前記メタライゼーション層との間の接合部として機能するように配設されている、半導体デバイス。
【請求項9】
前記導電性ラインは銅(Cu)であり、前記第1の金属層はコバルト(Co)であり、前記第2の金属層はルテニウム(Ru)である、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1の金属層は前記導電性ラインの上面の全体に直接接触している、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第2の金属層は上側金属層セクションと下側金属層セクションとを含む、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記上側金属層セクションはビア-ライン層間剥離を防止する、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記導電性ライン、前記第1の金属層、および前記第2の金属層の前記下側金属層セクションの合計高さは1.5μmよりも大きい、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記導電性ラインの厚さは前記メタライゼーション層中の導電性材料の厚さよりも小さい、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
方法であって、
誘電体層内に導電性ラインを形成することと、
前記導電性ラインの上に、これと直接接触する第1の金属層を構築することと、
前記第1の金属層の上に、これと直接接触する第2の金属層を構築することと、
前記第2の金属層の上にメタライゼーション層を形成することと、を含み、
前記第2の金属層の突出したセグメントが前記導電性ラインと前記メタライゼーション層との間の接合部として機能するように形成される、方法。
【請求項16】
前記導電性ラインは銅(Cu)であり、前記第1の金属層はコバルト(Co)であり、前記第2の金属層はルテニウム(Ru)である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の金属層は前記導電性ラインの上面の全体に直接接触している、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の金属層は上側金属層セクションと下側金属層セクションとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記上側金属層セクションはビア-ライン間剥離を防止する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記導電性ライン、前記第1の金属層、および前記第2の金属層の前記下側金属層セクションの合計高さは1.5μmよりも大きい、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に半導体デバイスに関し、より詳細には、二金属(dual-metal)極厚金属(UTM、ultra thick metal)構造体に関する。
【0002】
半導体集積回路(IC)産業では、無線周波数(RF)通信をはじめとするいくつかの異なる分野の問題に対処するために、多種多様なデバイスを製造してきた。普及が進む一方で、RF集積回路の改善は、半導体プロセスに特定の要求を課している。RF回路の中には、誘導特性等の特性が得られるように、厚い金属層、場合によっては極厚の金属層(UTM)を採用しているものがある。しかしながら、従来の半導体加工技術には、UTMで用いるのにスケーリングが容易でないものがある。
【発明の概要】
【0003】
ある実施形態によれば、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、誘電体層内に配設されている導電性ラインと、導電性ラインの上に配設され、これと直接接触している金属層と、金属層の上に配設されているメタライゼーション層とを含み、金属層の突出したセグメントが導電性ラインとメタライゼーション層との間の接合部(インターフェース)として機能するように配設されている。
【0004】
別の実施形態によれば、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、誘電体層内に配設されている導電性ラインと、導電性ラインの上に配設され、これと直接接触している第1の金属層と、第1の金属層の上に配設され、これと直接接触している第2の金属層と、第2の金属層の上に配設されているメタライゼーション層とを含み、第2の金属層の突出したセグメントが導電性ラインとメタライゼーション層との間の接合部として機能するように配設されている。
【0005】
更に別の実施形態によれば、半導体デバイスを形成するための方法が提供される。方法は、誘電体層内に導電性ラインを形成することと、導電性ラインの上に、これと直接接触する第1の金属層を構築することと、第1の金属層の上に、これと直接接触する第2の金属層を構築することと、第2の金属層の上に、メタライゼーション層を形成することとを含み、第2の金属層の突出したセグメントが導電性ラインとメタライゼーション層との間の接合部として機能するように形成される。
【0006】
これら例示的な実施形態は様々な主題を参照して説明されることに留意すべきである。特に、ある実施形態は方法形式の請求項を参照して説明されるが、一方で、ある実施形態は装置形式の請求項を参照して説明されている。ただし当業者は、上記および下記の説明から、別段の記述がない限り、ある形式の主題に属する特徴の任意の組合せだけでなく、異なる主題に関する特徴間の、特に方法形式の請求項の特徴と装置形式の請求項の特徴との間の任意の組合せも、本文書に記載されていると見なされることを、理解するであろう。
【0007】
これらのおよび他の特徴および利点は、添付の図面と関連させて読まれることになる、本発明の例示のための実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0008】
本発明は以下の好ましい実施形態の説明において、以下の各図を参照して詳細を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のある実施形態による、誘電体層の上に形成された導電性材料を含む半導体構造体の断面図である。
【
図2】本発明のある実施形態による、導電性材料が平坦化されて誘電体層内に導電性ラインが画定された、
図1の半導体構造体の断面図である。
【
図3】本発明のある実施形態による、導電性ラインを後退させた、
図2の半導体構造体の断面図である。
【
図4】本発明のある実施形態による、導電性ラインの上に金属層が形成された、
図3の半導体構造体の断面図である。
【
図5】本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックが付着された、
図4の半導体構造体の断面図である。
【
図6】本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックがパターニングされた、
図5の半導体構造体の断面図である。
【
図7】本発明のある実施形態による、金属層がエッチングされた、
図6の半導体構造体の断面図である。
【
図8】本発明のある実施形態による、第2のメタライゼーション層が表面に形成された、
図7の半導体構造体の断面図である。
【
図9】本発明の別の実施形態による、導電性ラインを後退させた半導体構造体の断面図である。
【
図10】本発明のある実施形態による、導電性ラインの上に第1の金属層が形成された、
図9の半導体構造体の断面図である。
【
図11】本発明のある実施形態による、第1の金属層の上に第2の金属層が形成された、
図10の半導体構造体の断面図である。
【
図12】本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックが付着された、
図11の半導体構造体の断面図である。
【
図13】本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックがパターニングされた、
図12の半導体構造体の断面図である。
【
図14】本発明のある実施形態による、第2の金属層がエッチングされた、
図13の半導体構造体の断面図である。
【
図15】本発明のある実施形態による、第2のメタライゼーション層が表面に形成された、
図14の半導体構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面の全てにわたって、同じまたは類似の参照符号は同じまたは類似の要素を表す。
【0011】
本発明による実施形態は、ビア-金属接合部をなくすことによってモジュールの熱サイクル応力発生中に観察されるビア-ライン間剥離を防止するための、二金属極厚金属(UTM)構造体を構築するための方法およびデバイスを提供する。
【0012】
一般に、半導体デバイスは、半導体基板上に作製された集積回路を形成する複数の回路を含む。通常、基板の表面に分散させた回路素子を接続するための、複雑な信号経路のネットワークが配線される。これらの信号をデバイス全体にわたって効率的にルーティングするためには、例えばシングルまたはデュアル・ダマシン配線構造体、例えば相互接続構造体などの、多レベルまたは多層のスキームを形成する必要がある。
【0013】
デュアル・ダマシン相互接続構造体内では、導電性金属ビアが半導体基板に対して垂直に延び、導電性金属ラインが半導体基板と平行に延びる。通常、導電性金属ビアは導電性金属ラインの下に存在し、どちらの機構も相互接続誘電体材料層内に埋め込まれる。
【0014】
従来のデュアル・ダマシン相互接続構造体では、導電性金属のビアおよびラインの材料として、銅または銅含有合金が使用されてきた。近年、コバルトまたはルテニウムなどの代替の金属を銅または銅合金とともにライナとして使用した組合せ型の導電性ビア/ライン機構を有する、先進のデュアル・ダマシン相互接続構造体が開発されている。このような場合、ダマシン相互接続構造体のビア部分およびライン部分に銅ボイドが形成されるのが通常であり、銅の粒径は多くの場合小さい(例えば5nm未満)。しかしながら、このような先進のデュアル・ダマシン相互接続構造体では、最初(第1)の極厚金属(UTM)上のビアのランディングで剥離が発生する場合がある。
【0015】
本発明の例示的な実施形態は、ビア-金属接合部をなくすこと、および、いずれもが(下にあるビア-銅の下の)銅ライナの接合部よりも強い機械特性を有するルテニウムまたはコバルト/ルテニウムで銅を置き換えることによって、モジュールの熱サイクル応力発生中に観察されるビア-ライン間剥離を防止する。
【0016】
本発明は例示のための所与のアーキテクチャの観点から記載されるが、他のアーキテクチャ、構造、基板材料、ならびにプロセスの特徴およびステップ/ブロックを、本発明の範囲内で変更できることを理解されたい。明晰にするために、特定の特徴が全ての図には示されていない場合のあることに留意すべきである。このことは、任意の特定の実施形態、または図、または請求項の範囲の限定として解釈されることを意図するものではない。
【0017】
図1は、本発明のある実施形態による、誘電体層の上に形成された導電性材料を含む半導体構造体の断面図である。
【0018】
様々な例示的な実施形態において、構造体5は、層間誘電体(ILD)10のトレンチの上および中に形成された導電性材料14を含む。金属ライナ12は、ILD10のトレンチの周囲に形成するかまたは付着させることができる。
【0019】
トレンチ内の導電性材料14の高さをH1とし、トレンチの外にある導電性材料14の高さをH2とする。一例では、H1は約3μm、H2は約4μmである。
【0020】
ILD10としては例えば、多孔質シリケート、炭素ドープ酸化物、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、または他の誘電体材料など、当技術分野で知られている任意の材料を挙げることができる。ILD10は、例えば化学気相成長法、プラズマ促進化学気相成長法、原子層成長法、または物理気相成長法など、当技術分野で知られている任意の方法を用いて形成され得る。ILD10は、約25nmから約200nmまでの範囲の厚さを有し得る。
【0021】
ILD10としては、例えば、多孔質シリケート、炭素ドープ酸化物、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭素ドープ酸化シリコン(SiCOH)、およびこれらの多孔質変形体、シルセスキオキサン、シロキサン、または、例えば約2から約4の範囲の誘電率を有する、他の誘電体材料などの、超低k(ULK)材料を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0022】
導電性材料14の非限定的な例としては、ドープされた多結晶もしくはアモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、金属(例えば、タングステン、チタン、タンタル、ルテニウム、ジルコニウム、コバルト、銅、アルミニウム、鉛、白金、スズ、銀、金)、導電性金属化合物材料(例えば、窒化タンタル、窒化チタン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化チタンアルミニウム、ケイ化タングステン、窒化タングステン、酸化ルテニウム、ケイ化コバルト、ケイ化ニッケル)、カーボン・ナノチューブ、導電性カーボン、グラフェン、またはこれらの材料の任意の適切な組合せが挙げられる。導電性材料14は、付着中または付着後に組み込まれるドーパントを更に含み得る。導電性材料14は適切な付着プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、めっき、熱または電子ビーム蒸着、およびスパッタリングによって、付着され得る。
【0023】
金属ライナ12は、例えば、窒化タンタルおよびタンタル(TaN/Ta)、チタン、窒化チタン、コバルト、ルテニウム、およびマンガンなどの金属であり得る。
【0024】
一例では、金属ライナ12は窒化タンタル(TaN)・ライナ、または代替例ではタンタル(Ta)・ライナとすることができる。例示の一実施形態では、金属ライナ12は、例えば、電気めっき、無電解めっき、化学気相成長法(CVD)、原子層成長法(ALD)、または物理気相成長法(PVD)、あるいはその組合せによって付着され得る。
【0025】
図2は、本発明のある実施形態による、導電性材料が平坦化されて誘電体層内に導電性ラインが画定された、
図1の半導体構造体の断面図である。
【0026】
様々な例示的な実施形態において、導電性材料14は例えば化学機械研磨(CMP)によって平坦化されて、ILD10のトレンチ内に導電性ライン18が画定される。ILD10の上面11は導電性ライン18の上面と面一になっている。
【0027】
導電性ライン18は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、またはタングステン(W)などの、当技術分野で知られている任意の導電性材料であり得る。
【0028】
エッチングとしては例えば、リン酸(H3PO4)(湿式化学)エッチングまたは希釈フッ化水素(HF)エッチングなどの、湿式エッチングを挙げることができる。
【0029】
図3は、本発明のある実施形態による、導電性ラインを後退させた、
図2の半導体構造体の断面図である。
【0030】
様々な例示的な実施形態において、導電性ライン18は、後退した導電性ライン20が残るように後退させてある。金属ライナ12の上側側壁13が露出している。導電性ライン18を高さH3だけ後退させることができる。H3は約0.05から1μmであり得る。
【0031】
図4は、本発明のある実施形態による、導電性ラインの上に金属層が形成された、
図3の半導体構造体の断面図である。
【0032】
様々な例示的な実施形態において、後退した導電性ライン20の上に金属層22が形成される。金属層22はILD10の上にも延びている。
【0033】
一例では、金属層22は例えばルテニウム(Ru)であり得る。
【0034】
例示的な実施形態で採用されるルテニウムに関して、ルテニウムは遷移金属であるが、このことは、ルテニウムが、一連の元素の中で電気陽性が最低のものと最高のものとの間をつなぐものとして機能する、不完全な内殻を有することを意味している。白金族に属する他の元素(白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム)と同様、ルテニウムは不活性であるが、このことは、Ruが大部分の化学物質への曝露に反応しないことを意味している。ルテニウムは硬度が極めて高い。ルテニウムはプラチナおよびパラジウムの硬化剤としてしばしば使用される。ルテニウムはまた室温で変色せず、またこの物質を少量添加することでチタンの耐食性を高めることができる。ルテニウムはその硬度によって、電気コンタクトおよび抵抗器の耐摩耗性を高めるための優れた選択肢となっており、このことは他の白金族金属と合金化する場合に特に当てはまる。ルテニウムめっきは半導体の製造時にも使用される。
【0035】
ルテニウムは、バリア層とシード層の両方の役割を果たして、半導体回路に必要な高抵抗材料の量を最小限にすることができるため、大きな関心を集めている。しかしライン幅が15ナノメートル未満に縮小されると、1または2ナノメートルのバリア層でさえ過剰な場合がある。ライン体積が縮小すると、Cuの抵抗は、側壁および粒界からの電子散乱に起因して急激に上昇する。抵抗の上昇は回路全体の遅延を増大させ、更にはエレクトロマイグレーションを助長する。耐熱金属であるルテニウムは融点が非常に高く(2300℃超)、エレクトロマイグレーション耐性に優れている。したがって、ルテニウムの使用は、加工中に窒化チタン(TiN)層の剥離がルテニウム層に影響を及ぼす(例えばこれをエッチングする)ことがないため、予想外の有利な結果をもたらす。
【0036】
図5は、本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックが付着された、
図4の半導体構造体の断面図である。
【0037】
様々な例示的な実施形態において、リソグラフィ・スタックが付着される。
【0038】
リソグラフィ・スタックは、有機平坦化層(OPL)24と、反射防止ハードマスク層26と、フォトレジスト層28と、を含む。
【0039】
OPL24は有機平坦化材料を含むことができるが、これは、炭素、水素、酸素、ならびに任意選択で窒素、フッ素、およびシリコンを含む、自己平坦化有機材料である。一実施形態では、自己平坦化有機材料は、OPL24の上面が平坦な水平面を形成するような、十分に低い粘度を有するポリマーであり得る。例示的な有機平坦化材料としては、NFC(超低摩擦カーボン(near-frictionless carbon))材料、ダイヤモンド・ライク・カーボン、ポリアリーレン・エーテル、およびポリイミドが挙げられるが、これらに限定されない。OPL24は例えばスピン・コーティングによって付着させることができる。OPL24の厚さは約100nmから約500nmとすることができるが、それよりも小さい厚さやそれよりも大きい厚さも採用可能である。
【0040】
反射防止ハードマスク層26はOPL24上に形成される。反射防止ハードマスク層26は、反射防止コーティング材料を含み得る。反射防止ハードマスク層26はリソグラフィ・プロセスで採用されて、フォトレジストのプロファイルを改善し、光の散乱および反射が引き起こすライン幅のばらつきを低減する。反射防止ハードマスク層26は、シリコン含有反射防止コーティング(SiARC)材料、チタン含有反射防止コーティング材料(TiARC)、窒化シリコン、酸化シリコン、またはTiNを含み得る。一実施形態では、反射防止ハードマスク層26はSiARC材料を含む。反射防止ハードマスク層26は、例えばスピン・コーティングまたはCVDによって塗布することができる。反射防止ハードマスク層26の厚さは約10nmから約150nmとすることができるが、それよりも小さい厚さやそれよりも大きい厚さも採用可能である。
【0041】
フォトレジスト層28は、例えばスピン・コーティングによって、反射防止ハードマスク層26の上にブランケット層として付着される。フォトレジスト層28は、例えばメタクリレートまたはポリエステルなどの、任意の有機フォトレジスト材料を含み得る。フォトレジスト層28は、約30nmから約500nmの厚さを有することができるが、より小さい厚さやより大きい厚さも採用可能である。一例では、フォトレジスト層28の厚さは360nmである。
【0042】
図6は、本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックがパターニングされた、
図5の半導体構造体の断面図である。
【0043】
様々な例示的な実施形態において、リソグラフィ・スタックは、OPL部分30が金属層22の一部の上に残るようにパターニングされる。金属層22の上面23が更に露出される。
【0044】
図7は、本発明のある実施形態による、金属層がエッチングされた、
図6の半導体構造体の断面図である。
【0045】
様々な例示的な実施形態において、金属層22は、金属層セクション32が残るようにエッチングされる。金属層セクション32は、上側金属層セクション32Aと下側金属層セクション32Bとを含む。上側金属層セクション32Aは突出したセグメントと称することができる。後退した導電性ライン20および金属層セクション32は、第1のメタライゼーション・レベルの一部である。かくして、金属層セクション32の上側金属層セクション32Aは、後退した導電性ライン20と第2のメタライゼーション層(
図8)との間の接合部として機能する。
【0046】
下側金属層セクション32Bは、後退した導電性ライン20の上面の全体に直接接触している。
【0047】
後退した導電性ライン20と下側金属層セクション32Bの合計高さは、1.5μmよりも大きい。
【0048】
図8は、本発明のある実施形態による、第2のメタライゼーション層がその上に形成された、
図7の半導体構造体の断面図である。
【0049】
様々な例示的な実施形態において、第2のメタライゼーション層がその上に形成される。
【0050】
特に、金属層セクション32の上にキャッピング層38が形成される。次いでその上にILD40が形成される。ILD40にトレンチが形成され、別の金属ライナ42が付着され、トレンチ内に導電性材料44(または金属ライン)が形成される。その上に別のキャッピング層46が形成されて、第2のメタライゼーション・レベルが完成する。構造体50はバイメタル・デュアル・ダマシン集積構造体である。ビア抵抗は、冗長ビアの使用およびビア限界寸法(CD)の増大によって調整することができる。
【0051】
後退した導電性ライン20の厚さは、第2のメタライゼーション層中の導電性材料44の厚さよりも小さい。
【0052】
キャッピング層38は、金属層セクション32の上側金属層セクション32Aおよび下側金属層セクション32Bの両方に、直接接触している。
【0053】
キャッピング層38およびキャッピング層46はnBLOKを含み得るが、銅またはルテニウムの拡散を阻止する任意の誘電体層とすることができる。
【0054】
図1から
図8では、エッチングは、例えば、反応性イオン・エッチング、プラズマ・エッチング、イオン・エッチング、またはレーザ・アブレーションなどの、乾式エッチング・プロセスを含み得る。エッチングは更に、ブランケット層のうちパターニングされたフォトレジストによって保護されない部分を除去するために1種または複数種の化学エッチャントが使用される、湿式化学エッチング・プロセスを含み得る。
【0055】
乾式エッチング・プロセスおよび湿式エッチング・プロセスは、使用されるエッチャント、エッチング温度、エッチング溶液濃度、エッチング圧力、電源電力、RFバイアス電圧、RFバイアス電力、エッチャント流量、および他の適切なパラメータといった、調整可能なエッチング・パラメータを有し得る。乾式エッチング・プロセスは、塩素べースの化学物質を使用するバイアス・プラズマ・エッチング・プロセスを含み得る。他の乾式エッチャント・ガスとしては、テトラフルオロメタン(CF4)、三フッ化窒素(NF3)、六フッ化硫黄(SF6)、ヘリウム(He)、三フッ化塩素(ClF3)などを挙げることができる。乾式エッチングは、DRIE(深堀り反応性イオン・エッチング)などの機序を用いて異方的に行うこともできる。選択的エッチング法として化学気相エッチングを用いることができ、エッチング・ガスとしては、塩化水素(HCl)、テトラフルオロメタン(CF4)、および水素(H2)との混合ガスを挙げることができる。化学気相エッチングは、適切な圧力および温度のCVDによって行うことができる。
【0056】
図9は、本発明の別の実施形態による、導電性ラインを後退させた半導体構造体の断面図である。
【0057】
様々な例示的な実施形態において、導電性ライン18は、後退した導電性ライン20が残るように後退させてある。金属ライナ12の上側側壁13が露出している。導電性ライン18を高さH3だけ後退させることができる。H3は約0.05から1μmであり得る。
【0058】
図10は、本発明のある実施形態による、導電性ラインの上に第1の金属層が形成された、
図9の半導体構造体の断面図である。
【0059】
様々な例示的な実施形態において、後退した導電性ライン20の上に第1の金属層60が形成される。
【0060】
一例では、第1の金属層60は例えばコバルト(Co)であり得る。
【0061】
図11は、本発明のある実施形態による、第1の金属層の上に第2の金属層が形成された、
図10の半導体構造体の断面図である。
【0062】
様々な例示的な実施形態において、第1の金属層60の上に第2の金属層62が形成される。第2の金属層62はILD10の上にも延びている。
【0063】
一例では、第2の金属層62は例えばルテニウム(Ru)であり得る。
【0064】
図12は、本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックが付着された、
図11の半導体構造体の断面図である。
【0065】
様々な例示的な実施形態において、リソグラフィ・スタックが付着される。
【0066】
リソグラフィ・スタックは、上述したOPL24と、反射防止ハードマスク層26と、フォトレジスト層28とを含む。
【0067】
図13は、本発明のある実施形態による、リソグラフィ・スタックがパターニングされた、
図12の半導体構造体の断面図である。
【0068】
様々な例示的な実施形態において、リソグラフィ・スタックは、OPL部分30が第2の金属層62の一部の上に残るようにパターニングされる。第2の金属層62の上面63が更に露出される。
【0069】
図14は、本発明のある実施形態による、金属層がエッチングされた、
図13の半導体構造体の断面図である。
【0070】
様々な例示的な実施形態において、第2の金属層62は、金属層セクション32が残るようにエッチングされる。金属層セクション32は、上側金属層セクション32Aと下側金属層セクション32Bとを含む。上側金属層セクション32Aは突出したセグメントと称することができる。後退した導電性ライン20、第1の金属層60、および金属層セクション32の下側金属層セクション32Bは、第1のメタライゼーション・レベルの一部である。
【0071】
かくして、金属層セクション32の上側金属層セクション32Aは、後退した導電性ライン20と第2のメタライゼーション層(
図15)との間の接合部として機能する。
【0072】
下側金属層セクション32Bは第1の金属層60の上面全体に直接接触しており、そして第1の金属層は後退した導電性ライン20の上面全体に直接接触している。
【0073】
導電性ライン20、第1の金属層60、および第2の金属層セクション32の下側金属層セクション32Bの合計高さは、1.5μmよりも大きい。
【0074】
本発明の実施形態において使用され得るエッチング・プロセスとしては、フッ素または塩素を含有する化学物質、例えばCl2、F2、CxFy、SF6、CHF3、CFxClyを含むプラズマ・エッチング・プロセス、ならびに、フッ化水素、塩化水素、硫酸、および硝酸などの酸を使用する湿式エッチング・プロセスが挙げられる。
【0075】
図15は、本発明のある実施形態による、第2のメタライゼーション層が表面に形成された、
図14の半導体構造体の断面図である。
【0076】
様々な例示的な実施形態において、その上に第2のメタライゼーション層が形成される。
【0077】
特に、第2の金属層セクション32の上にキャッピング層38が形成される。次いでその上にILD40が形成される。ILD40にトレンチが形成され、別の金属ライナ42が付着され、トレンチ内に導電性材料44(または金属ライン)が形成される。その上に別のキャッピング層46が形成されて、第2のメタライゼーション・レベルが完成する。構造体70は三金属デュアル・ダマシン集積構造体である。ビア抵抗は、冗長ビアの使用およびビア限界寸法(CD)の増大によって調整することができる。
【0078】
キャッピング層38は、第2の金属層セクション32の上側金属層セクション32Aおよび下側金属層セクション32Bの両方に、直接接触している。
【0079】
キャッピング層38およびキャッピング層46はnBLOKを含み得るが、銅またはルテニウムの拡散を阻止する任意の誘電体層とすることができる。
【0080】
したがって、要約すると、本発明の例示的な実施形態は、ビア-金属接合部をなくすこと、および、いずれもが(下にあるビア-銅の下の)銅ライナの接合部よりも強い機械特性を有するルテニウムまたはコバルト/ルテニウムで銅を置き換えることによって、モジュールの熱サイクル応力発生中に観察されるビア-ライン間剥離を防止する。
【0081】
本出願の全体にわたって使用されている「銅」という用語は、実質的に純粋な元素銅、自然酸化物を含めた不可避の不純物を含む銅、ならびに、炭素、窒素、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、ストロンチウム、ジルコニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル、および白金などの1つまたは複数の追加の元素を含む銅合金を含むことを意図している。複数の実施形態において、銅合金は銅マンガン合金である。更なる実施形態では、銅の代わりにコバルト金属(Co)またはコバルト金属合金を採用することができる。銅含有構造体は導電性を有する。本開示を通して使用される「導電性の」とは、少なくとも10-8(Ω・m)-1の室温導電率を有する材料を指す。
【0082】
図1から
図15に関して、付着とは、ウエハ上に材料を成長させる、コーティングする、またはその他の方法で転移させる、任意のプロセスである。利用可能な技術としてはとりわけ、物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、電気化学成長法(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、およびここ最近では原子層成長法(ALD)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「付着」は、付着させるべき材料に適した現在知られているまたは今後開発される、以下の任意の技術を含み得るが、これらに限定されない。例えば、化学気相成長法(CVD)、低圧CVD(LPCVD)、プラズマ促進CVD(PECVD)、半大気CVD(SACVD)、および高密度プラズマCVD(HDPCVD)、急速熱CVD(RTCVD)、超高真空CVD(UHVCVD)、限定反応処理CVD(LRPCVD)、有機金属CVD(MOCVD)、スパッタリング堆積、イオン・ビーム堆積、電子ビーム堆積、レーザー支援堆積、熱酸化、熱窒化、スピンオン法、物理気相成長法(PVD)、原子層成長法(ALD)、化学酸化、分子線エピタキシ(MBE)、めっき、蒸着である。
【0083】
本明細書で使用される「処理」という用語には、記載される構造体を形成する際の必要に応じて、材料もしくはフォトレジストの付着、パターニング、露光、現像、エッチング、洗浄、剥離、注入、ドーピング、応力付与、積層、または材料もしくはフォトレジストの除去、あるいはその組合せが含まれる。
【0084】
本発明は所与の例示的アーキテクチャの観点から説明されることを理解されたい。
【0085】
ある要素、例えば層、領域、または基板が別の要素「上に(on)」またはその「上に(over)」存在すると言及される場合、そのある要素はその別の要素上にじかに存在し得るか、または介在する要素が存在する可能性もあることも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素「上にじかに(directly on)」またはその「上にじかに(directly over)」存在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。また、ある素子が他の素子に「連結」又は「結合」されていると称される場合、それは他の素子に直接連結又は結合されていてもよいし、介在する素子が存在してもよいことも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と言及される場合は、介在要素は存在しない。
【0086】
本実施形態は集積回路チップの設計を含むことができ、この設計は、グラフィカル・コンピュータ・プログラミング言語で作成することができ、コンピュータ記憶媒体(例えば、ディスク、テープ、物理ハード・ドライブ、またはストレージ・アクセス・ネットワークにおけるような仮想ハード・ドライブ)に格納され得る。設計者がチップまたはチップの製造に使用されるフォトリソグラフィ・マスクを製造しない場合、設計者はそのようなエンティティに、物理的機構によって(例えば、設計を格納した記憶媒体のコピーを提供することによって)、または電子的に(例えばインターネットを介して)によって、直接または間接的に、結果の設計を伝達することができる。格納された設計は次いで、ウエハ上に形成されることになる当該チップ設計の複数のコピーを含むフォトリソグラフィ・マスクを製造するための、適切なフォーマット(例えばGDSII)に変換される。フォトリソグラフィ・マスクは、エッチングまたはその他の処理を行うウエハのエリアを定めるために利用される。
【0087】
本明細書に記載する方法は、集積回路チップの製造に使用され得る。結果的な集積回路チップは、製造者によって、未加工ウエハの形態で(つまり、複数の未パッケージ化チップを有する単一のウエハとして)、ペア・ダイとして、またはパッケージ化された形態で、流通させることができる。後者の場合、チップは、単一チップ・パッケージ(例えば、マザーボードもしくは他のより高レベルのキャリアに固着されたリードを有するプラスチック・キャリア)内に、または、マルチチップ・パッケージ(例えば、片面もしくは両面相互接続または埋設配線を有するセラミック・キャリア)内に装着される。いずれの場合も、チップはその後、(a)マザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品のいずれかの一部として、他のチップ、ディスクリートな回路素子、または他の信号処理デバイス、あるいはその組合せ、と統合される。最終製品は集積回路チップを含む任意の製品であり得、その範囲は、玩具および他のロー・エンドの用途から、ディスプレイ、キーボード、または他の入力デバイスと中央プロセッサとを有する、高度なコンピュータ製品にまで及んでいる。
【0088】
材料化合物が、SiGeのように、元素の列挙によって記述されることも理解されるべきである。これら化合物は化合物中に元素を様々な割合で含み、例えば、SiGeはSixGe1-xを含み、xは1以下である、等である。加えて、他の元素を化合物中に含めることができ、それでもなおそれらの元素は本実施形態に従って機能し得る。本明細書では、追加元素を含む化合物を合金と呼ぶ。本明細書における本発明の「一実施形態」または「ある実施形態」、およびそのそれ以外の変形への言及は、その実施形態との関連において記載される特定の特徴、構造、特性などが、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態において」または「ある実施形態において」という句および任意の他の変形が本明細書の全体にわたって様々な場所に登場するのが見られるが、これらは必ずしも全てが同じ実施形態を指す訳ではない。
【0089】
例えば「A/B」、「AまたはBあるいはその両方」、ならびに「AおよびBのうちの少なくとも一方」の場合における以下、すなわち「/」、「…または…あるいはその両方(and/or)」、および「…のうちの少なくとも一方」のうちのいずれかの使用は、1番目に挙げられた選択肢(A)のみの選択、または2番目に挙げられた選択肢(B)のみの選択、または両方の選択肢(AおよびB)の選択を包含するように意図されていることを諒解されたい。更なる例として、「A、B、またはC、あるいはその組合せ」、および「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」の場合、そのような語法は、1番目に挙げられた選択肢(A)のみの選択、または2番目に挙げられた選択肢(B)のみの選択、または3番目に挙げられた選択肢(C)のみの選択、または1番目および2番目に挙げられた選択肢(AおよびB)のみの選択、または1番目および3番目に挙げられた選択肢(AおよびC)のみの選択、または2番目および3番目に挙げられた選択肢(BおよびC)のみの選択、または3つ全ての選択肢(AおよびBおよびC)の選択を包含するように意図されている。このことは、本技術および関連技術の当業者には容易に明らかなように、列挙される品目の数だけ拡張され得る。
【0090】
本明細書で使用する専門用語は特定の実施形態について記載することだけを目的としており、例示の実施形態を限定するものとなることを意図していない。本明細書で使用する場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上そうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(include)」、または「含む(including)」、あるいはその組合せは、本明細書で使用する場合、言及された特徴、整数、ステップ、動作、要素、または構成要素、あるいはその組合せの存在を明示するが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらの群、あるいはその組合せの存在または追加を除外しないことが、更に理解されよう。
【0091】
図に示されるようなある要素または特徴と別の要素または特徴の関係を説明する記述を容易にするために、本明細書では、空間的関係を表す用語、例えば「下に(beneath)」、「下に(below)」、「下側(lower)」、「上に(above)」、「上側(upper)」などが使用され得る。これら空間的関係を表す用語は、図に描かれている配置のほかに、使用または動作中のデバイスの様々な配置を包含するように意図されていることが理解されよう。例えば、図中のデバイスを上下逆にした場合、他の要素または特徴の「下に(below)」または「下に(beneath)」あるものとして記述される要素はその結果、他の要素または特徴の「上に(above)」配置されることになる。このように、用語「下(below)」は、上(above)および下(below)の両方の配置を包含し得る。デバイスはそれ以外で(90度回転させてまたは他の配置で)配置することができ、本明細書で使用する空間に関連する記述語は、それに応じて解釈することができる。加えて、ある層が2つの層の「間にある」と呼ばれる場合、その層が2つの層の間にある唯一の層であることもあれば、1つまたは複数の介在層が存在する場合もあることが、更に理解されよう。
【0092】
第1の、第2の、等の用語が本明細書において様々な要素を記述するために使用され得るが、これらの要素はそれらの用語によって限定されるものではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、以下で検討される第1の要素を、本概念の範囲から逸脱することなく第2の要素と呼称することが可能である。
【0093】
二金属極厚金属(MTM)構造体のための好ましい実施形態について説明してきたが(これらは例示となることを意図しており限定するものではない)、当業者が上記の教示に鑑みて修正および変更を行うことのできることが留意される。したがって、記載される特定の実施形態において、付属の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内にある変更を行ってもよいことを理解されたい。以上、特許法が要求する詳細および具体性を伴って本発明の態様について説明してきたが、特許証によって権利主張され保護が望まれる対象は、付属の特許請求の範囲に記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】