(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C07D 417/04 20060101AFI20241114BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241114BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241114BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/433 20060101ALI20241114BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
C07D417/04 CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P11/00
A61K31/433
C07D417/14
A61K31/454
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527749
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 US2022049581
(87)【国際公開番号】W WO2023086495
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518390343
【氏名又は名称】カリコ ライフ サイエンシーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ボグダン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】エコノム クリストス
(72)【発明者】
【氏名】フロスト ジェニファー エム.
(72)【発明者】
【氏名】キム フィリップ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ スペンサー オー.
(72)【発明者】
【氏名】ション チャオミン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC85
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA10
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、非小細胞肺癌の処置における薬剤として有用な、式(I)の化合物(式中、R
1は、本明細書で定義される値のいずれかを有する)、及びその薬学的に許容される塩を提供するものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
R
1は、-NH
2、-N(R
a)-C
1-8アルキル、-N(R
a)-C
2-
6アルケニル -N(R
a)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-N(R
a)-C(O)-O-C
1-6アルキル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(R
a)-C
1-6アルキレン-フェニルからなる群より選択され、
ここで、-N(R
a)-C
1-8アルキル、-N(R
a)-C
2-
6アルケニル -N(R
a)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-N(R
a)-C(O)-O-C
1-6アルキル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(R
a)-C
1-6アルキレン-フェニルは、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよく、
ここで、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルまたは-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、R
hにより置換されていてもよく、
R
gは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-6アルキル、フェニル、及びC
1-6アルコキシからなる群より、出現ごとに独立して選択され、C
1-6アルキル、フェニル、またはC
1-6アルコキシは、任意選択で、それぞれR
Pから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
R
hは、C
1-6アルキル及びC
1-6アルキル-O-C(O)-からなる群より、出現ごとに独立して選択され、
R
Pは、C
1-6アルキル、ハロゲン及びヒドロキシルからなる群より、出現ごとに独立して選択され、
R
aは、水素及びC
1-6アルキルからなる群より、出現ごとに独立して選択される、
前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
1が-N(H)-C
1-8アルキルであり、C
1-8アルキルが、R
gで置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
gが、フルオロ、ヒドロキシル、C
1-6アルキル、及びC
1-6アルコキシから選択され、C
1-6アルキル及びC
1-6アルコキシが、R
Pから選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
R
Pが、ハロゲンから、出現ごとに独立して、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1が、
からなる群より選択される、請求項2または3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R
1が、-N(H)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキルであり、-N(H)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキルが、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
gが、フルオロ、C
1-6アルキル、及びフェニルからなる群より、出現ごとに独立して選択され、C
1-6アルキル及びフェニルが、R
Pから選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
R
Pが、フルオロまたはヒドロキシルから、出現ごとに独立して選択される、
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R
1が、
からなる群より選択される、請求項5または6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R
1が、-N(H)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリルであり、-N(H)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリルが、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、前記4~7員ヘテロシクリルが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子が、任意選択で、R
hにより置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
hが、C
1-6アルキル-O-C(O)-である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
R
1が、
からなる群より選択される、請求項8または9に記載の化合物。
【請求項11】
R
1が-N(H)-C
1-6アルキレン-フェニルであり、-N(H)-C
1-6アルキレン-フェニルが、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R
gが、出現ごとに独立してC
1-6アルキルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
R
1が、
からなる群より選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
R
1が-N(H)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールであり、-N(H)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールが、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R
gが、出現ごとに独立してC
1-6アルキルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R
1が
である、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
5-{(3S)-3-[(4,4-ジフルオロブチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]カルバミン酸tert-ブチル、
5-[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(プロピルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルペンチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(オキサン-4-イル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(シクロプロピルメチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-(ブチルアミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(2-メチルプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(オキソラン-3-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2,3-ジメチルブチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(プロパン-2-イル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-{[2-(3,3-ジフルオロシクロブチル)エチル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2-シクロヘキシルエチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(3-エチルペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2-シクロペンチルエチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-(ベンジルアミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(2-フェニルエチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(3,3-ジメチルペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-3-{[(1-フルオロシクロプロピル)メチル]アミノ}-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-{[(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(3-メチルオキセタン-3-イル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-3-({[1-(フルオロメチル)シクロプロピル]メチル}アミノ)-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(4,4-ジフルオロペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロピル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(1-メチルシクロプロピル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2-シクロプロピルプロピル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-フェニルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(3-フェニルシクロブチル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-フェニルプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-{[3-(2,2-ジフルオロエトキシ)プロピル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-({[(1RS,5SR)-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]メチル}アミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({[4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、及び
4-({[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ
6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]アミノ}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的に許容される組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月11日に出願された米国仮出願第63/278,336号の利益及び優先権を主張するものであり、その開示全体は、あらゆる目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
非受容体2型プロテインチロシンホスファターゼ(PTPN2)は、T細胞プロテインチロシンホスファターゼ(TC-PTP)としても知られており、チロシン基質からリン酸基を除去することにより、複数の細胞調節プロセスを制御している。PTPN2はユビキタスに発現しているが、造血細胞及び胎盤細胞で発現量が最も多い(Mosinger,B.Jr.et al.,Proc Natl Acad Sci USA 89:499-503;1992(非特許文献1))。ヒトにおいて、PTPN2発現は、2種のスプライスバリアント:スプライス部位上流からのC末端に核局在化シグナルを含有する45kDa型、及びC末端ER保留モチーフを有する48kDaのカノニカル型の存在によって転写後に制御されている(Tillmann U.et al.,Mol Cell Biol 14:3030-3040;1994(非特許文献2))。45kDaのアイソフォームは、特定の細胞ストレス条件下において、受動的に細胞質に移行し得る。PTPN2は、非受容体型チロシンキナーゼ(例えば、JAK1、JAK3)、受容体型チロシンキナーゼ(例えば、INSR、EGFR、CSF1R、PDGFR)、転写因子(例えば、STAT1、STAT3、STAT5a/b)、及びSrcファミリーキナーゼ(例えば、Fyn、Lck)のシグナル伝達を負に制御する。JAK-STAT経路の決定的な負の制御因子として、PTPN2は、IFNγを含むサイトカイン受容体を介したシグナル伝達を直接制御するように機能する。
【0003】
マウスB16F10移植可能腫瘍モデルにおけるCRISPR/Cas9ゲノム編集を用いた機能喪失in vivo遺伝子スクリーニングによるデータから、腫瘍細胞におけるPtpn2遺伝子の欠失により、GM-CSF分泌ワクチン(GVAX)+PD-1チェックポイント遮断薬の免疫療法レジメンに対する応答が改善したことが示されている(Manguso R.T.et al.,Nature 547:413-418;2017(非特許文献3))。Ptpn2の欠損は、抗原提示及び増殖抑制に対するIFNγ介在性の効果を増強することにより、腫瘍を免疫療法に対して感作させた。また、同一のスクリーニングによって、PD-L1及びCD47を含む、免疫回避に関与することが知られている遺伝子も免疫療法選択圧下で枯渇したが、一方でIFNγシグナル伝達経路に関与する遺伝子(IFNGR、JAK1、及びSTAT1を含む)は濃縮されたことが明らかになった。こうした知見は、がん免疫療法レジメンの有効性を高める上で、IFNγの感知及びシグナル伝達を増強する治療方針の役割が推定されることを指し示している。
【0004】
プロテインチロシンホスファターゼ-1B(PTP1B)としても知られる非受容体1型プロテインチロシンホスファターゼ(PTPN1)は、インスリン及びレプチンシグナル伝達において重要な役割を果たすことが示されており、インスリン及びレプチン受容体シグナル伝達経路の両方を下方制御する機序の主たるものである(Kenner K.A.et al.,J Biol Chem 271:19810-19816,1996(非特許文献4))。PTPN1欠損動物では、グルコース調節及び脂質プロファイルが改善され、高脂肪食を与えた場合でも体重が増加しにくい(Elchebly M.et al.,Science 283:1544-1548,1999(非特許文献5))。したがって、PTPN1阻害剤が医療に必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Mosinger,B.Jr.et al.,Proc Natl Acad Sci USA 89:499-503;1992
【非特許文献2】Tillmann U.et al.,Mol Cell Biol 14:3030-3040;1994
【非特許文献3】Manguso R.T.et al.,Nature 547:413-418;2017
【非特許文献4】Kenner K.A.et al.,J Biol Chem 271:19810-19816,1996
【非特許文献5】Elchebly M.et al.,Science 283:1544-1548,1999
【発明の概要】
【0006】
本開示は、少なくとも部分的には、プロテインチロシンホスファターゼ(例えば、非受容体2型プロテインチロシンホスファターゼ(PTPN2)及び/またはプロテインチロシンホスファターゼ-1B(PTP1B)としても知られる非受容体1型プロテインチロシンホスファターゼ(PTPN1))を阻害するための化合物を目的とする。
【0007】
例えば、本明細書では、式(I):
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩が開示され、
式中、
R
1は、-NH
2、-N(R
a)-C
1-8アルキル、-N(R
a)-C
2-
6アルケニル -N(R
a)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-N(R
a)-C(O)-O-C
1-6アルキル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(R
a)-C
1-6アルキレン-フェニルからなる群より選択され、
ここで、-N(R
a)-C
1-8アルキル、-N(R
a)-C
2-
6アルケニル -N(R
a)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-N(R
a)-C(O)-O-C
1-6アルキル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(R
a)-C
1-6アルキレン-フェニルは、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよく、
ここで、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルまたは-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、R
hにより置換されていてもよく、
R
gは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-6アルキル、フェニル、及びC
1-6アルコキシからなる群より、出現ごとに独立して選択され、C
1-6アルキル、フェニル、またはC
1-6アルコキシは、任意選択で、それぞれR
Pから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
R
hは、C
1-6アルキル及びC
1-6アルキル-O-C(O)-からなる群より、出現ごとに独立して選択され、
R
Pは、C
1-6アルキル、ハロゲン及びヒドロキシルからなる群より、出現ごとに独立して選択され、
R
aは、水素及びC
1-6アルキルからなる群より、出現ごとに独立して選択される。
【0008】
配列表の簡単な説明
本明細書に開示されるアミノ酸配列を含む配列番号1~配列番号3を含む、「CLS-028PR_ABV21372USL1 SEQ ID List_ST25.txt」と題された配列表は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本配列表は、本明細書と共に、EFSを介してASCIIテキスト形式で提出されている。本配列表は、2021年6月22日に最初に作成したものであり、サイズは7,282バイトである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
例えば、本明細書では、式(I):
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩が開示され、
式中、
R
1は、-NH
2、-N(R
a)-C
1-8アルキル、-N(R
a)-C
2-
6アルケニル -N(R
a)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-N(R
a)-C(O)-O-C
1-6アルキル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(R
a)-C
1-6アルキレン-フェニルからなる群より選択され、
ここで、-N(R
a)-C
1-8アルキル、-N(R
a)-C
2-
6アルケニル -N(R
a)-C
1-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-N(R
a)-C(O)-O-C
1-6アルキル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(R
a)-C
1-6アルキレン-フェニルは、任意選択で、それぞれR
gから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよく、
ここで、-N(R
a)-C
1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルまたは-N(R
a)-C
1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、R
hにより置換されていてもよく、
R
gは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-6アルキル、フェニル、及びC
1-6アルコキシからなる群より、出現ごとに独立して選択され、C
1-6アルキル、フェニル、またはC
1-6アルコキシは、任意選択で、それぞれR
Pから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
R
hは、C
1-6アルキル及びC
1-6アルキル-O-C(O)-からなる群より、出現ごとに独立して選択され、
R
Pは、C
1-6アルキル、ハロゲン及びヒドロキシルからなる群より、出現ごとに独立して選択され、
R
aは、水素及びC
1-6アルキルからなる群より、出現ごとに独立して選択される。
【0010】
いくつかの実施形態において、R1は、-NH2、-N(Ra)-C1-8アルキル、-N(Ra)-C2-6アルケニル -N(Ra)-C1-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、-N(Ra)-C(O)-O-C1-6アルキル、-N(Ra)-C1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(Ra)-C1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(Ra)-C1-6アルキレン-フェニルからなる群より選択され、
ここで、-N(Ra)-C1-8アルキル、-N(Ra)-C2-6アルケニル -N(Ra)-C1-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、-N(Ra)-C(O)-O-C1-6アルキル、-N(Ra)-C1-6アルキレン-4~7員ヘテロシクリル、-N(Ra)-C1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリール及び-N(Ra)-C1-6アルキレン-フェニルは、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよく、
ここで、-N(Ra)-C1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルまたは-N(Ra)-C1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、Rhにより置換されていてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、R
1は-N(H)-C
1-8アルキルであり、C
1-8アルキルは、R
gで置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R
1は-N(H)-C
1-8アルキルである。いくつかの実施形態において、R
1は-N(H)-C
1-6アルキルであり、C
1-6アルキルは、R
gで置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R
1は-N(H)-C
1-8アルキルであり、C
1-8アルキルは、R
gで置換されていてもよく、R
gは、フルオロ、ヒドロキシル、C
1-6アルキル、及びC
1-6アルコキシから選択され、C
1-6アルキル及びC
1-6アルコキシは、R
Pから選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、R
Pは、ハロゲンから、出現ごとに独立して選択される。いくつかの実施形態において、R
1は-N(H)-C
1-8アルキルであり、C
1-8アルキルは、ハロゲン、C
1-6アルキル、またはC
1-6アルコキシの1つまたは2つの実例で置換されている。いくつかの実施形態において、R
1は、
からなる群より選択される。
【0012】
いくつかの実施形態において、R1は、-N(H)-C1-6アルキレン-C3-6シクロアルキルであり、R1は、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R1は、-N(H)-C1-6アルキレン-C3-6シクロアルキルであり、任意選択で、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基(Rg)により置換されていてもよく、Rgは、フルオロ、C1-6アルキル、及びフェニルからなる群より、出現ごとに独立して選択され、C1-6アルキル及びフェニルは、RPから選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、RPは、フルオロまたはヒドロキシルから、出現ごとに独立して選択される。-N(H)-C1-6アルキレン-C3-6シクロアルキルである実施形態において、R1は、任意選択で、それぞれフッ素、C1-6アルキル、及びフェニルからなる群より独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、C1-6アルキルは、任意選択で、1つ、2つまたは3つのフッ素により置換されていてもよい。-N(H)-C1-6アルキレン-C3-6シクロアルキルである実施形態において、R1は、それぞれフッ素、C1-6アルキル、及びフェニルからなる群より独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されており、C1-6アルキルは、任意選択で、1つ、2つまたは3つのフッ素により置換されていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、R
1は、
からなる群より選択される。
【0014】
いくつかの実施形態において、R1は、-N(H)-C1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルであり、R1は、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、4~7員ヘテロシクリルが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、Rhにより置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R1は、-N(H)-C1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルであり、R1は、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基で置換されており、4~7員ヘテロシクリルが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、Rhにより置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R1は、-N(H)-C1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルであり、R1は、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基で置換されており、4~7員ヘテロシクリルが置換可能な環窒素原子を含有する場合、その環窒素原子は、任意選択で、Rhにより置換されていてもよく、RhはC1-6アルキル-O-C(O)-である。いくつかの実施形態において、R1は-N(H)-C1-6アルキレン-4~6員ヘテロシクリルであり、R1は、任意選択で、それぞれフッ素、C1-6アルキル、及びフェニルからなる群より独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、C1-6アルキルは、任意選択で、1つ、2つまたは3つのフッ素により置換されていてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、R
1は、
からなる群より選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、R1は-N(H)-C1-6アルキレン-フェニルであり、R1は、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R1は-N(H)-C1-6アルキレン-フェニルであり、R1は、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよく、Rgは、出現ごとに独立してC1-6アルキルである。
【0017】
いくつかの実施形態において、R
1は、
からなる群より選択される。
【0018】
いくつかの実施形態において、R1は-N(H)-C1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールであり、R1は、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R1は-N(H)-C1-6アルキレン-5~6員ヘテロアリールであり、R1は、任意選択で、それぞれRgから独立して選択される1つ、2つ、3つまたはそれ以上の置換基により、1つ以上の利用可能な炭素上で置換されていてもよく、Rgは、出現ごとに独立してC1-6アルキルである。
【0019】
【0020】
本開示は、
5-{(3S)-3-[(4,4-ジフルオロブチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]カルバミン酸tert-ブチル、
5-[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(プロピルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルペンチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(オキサン-4-イル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(シクロプロピルメチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-(ブチルアミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(2-メチルプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(オキソラン-3-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2,3-ジメチルブチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(プロパン-2-イル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-{[2-(3,3-ジフルオロシクロブチル)エチル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2-シクロヘキシルエチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(3-エチルペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2-シクロペンチルエチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-(ベンジルアミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(2-フェニルエチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(3,3-ジメチルペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-3-{[(1-フルオロシクロプロピル)メチル]アミノ}-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-{[(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(3-メチルオキセタン-3-イル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-3-({[1-(フルオロメチル)シクロプロピル]メチル}アミノ)-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(4,4-ジフルオロペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロピル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(1-メチルシクロプロピル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-3-[(2-シクロプロピルプロピル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-フェニルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(3-フェニルシクロブチル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-フェニルプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-{[3-(2,2-ジフルオロエトキシ)プロピル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-3-({[(1RS,5SR)-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]メチル}アミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({[4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、
5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン、及び
4-({[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]アミノ}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、開示される化合物及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的に許容される組成物として製剤化される。いくつかの実施形態において、本明細書では、非小細胞肺癌の処置を必要とする患者におけるその処置方法であって、有効量の本明細書に開示される化合物を当該患者に投与することを含む、前記処置方法が開示される。
【0022】
【0023】
例示的化合物の製造方法
本開示の化合物は、化合物を調製することができる手段を例示する、以下の合成スキーム及び方法に関連して、よりよく理解され得る。本開示の化合物は、種々の合成手順によって調製することができる。限定するものではないが、代表的な合成手順をスキーム1に示す。
【0024】
スキーム1:本開示の例示的化合物を合成するための代表的スキーム
式(1-2)の化合物を、アルデヒド、R
1-1-CHO(式中、R
1-1は、置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
1-6アルケニル、置換されていてもよい3~7員ヘテロアルキル、置換されていてもよい-C
1-5アルキレン-C
3-6シクロアルキル、置換されていてもよい-C
1-5アルキレン-C
3-6シクロアルケニル、置換されていてもよい-C
1-5アルキレン-C
6-10アリール、置換されていてもよい-C
1-5アルキレン-4~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい-C
1-5アルキレン-4~6員ヘテロシクリルである)で還元的にアミノ化して、式(1-2)の化合物を得ることができる。式(1-1)の化合物を、エタノールまたはエタノールとジクロロメタンとの混合物等の溶媒中で、トリエチルアミン等の三級アミンの存在下、アルデヒド、R
1-1-CHOと合わせることができる。その後、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で処理することにより、式(1-2)の化合物が得られる。式(1-2)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。
【0025】
医薬組成物
本開示は、本明細書に開示される化合物、例えば、式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供するものである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物、例えば、式(I)の化合物は、医薬組成物中、有効量で提供される。いくつかの実施形態において、有効量は、治療有効量である。ある特定の実施形態において、有効量は、予防上の有効量である。
【0026】
本開示によって提供される医薬組成物には、活性成分(例えば、実施形態または実施例を含む、本明細書に記載される化合物)を治療有効量、すなわち、その意図される目的を達成するのに有効な量で含有する組成物が含まれる。特定の用途に有効な実際の量は、とりわけ、処置される状態に依存することになる。疾患を処置するための方法において投与される場合、かかる組成物は、所望の結果、例えば、標的分子(例えば、PTPN2及び/またはPTPN1)の活性の阻害、及び/または疾患症状の軽減、除去、または進行の遅延を実現するのに有効な量の活性成分を含有することになる。本明細書に開示される化合物の治療有効量を決定することは、特に本明細書における詳細な開示を考慮して、十分に当業者の能力の範囲内にある。
【0027】
定義
化学的定義
特定の官能基及び化学用語の定義を、より詳しく以下に記載する。化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.(中表紙)に従って同定され、特定の官能基は一般に、それに記載されている通りに定義される。加えて、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0028】
本明細書で使用される略語は、化学及び生物学技術分野の範囲内におけるその通常の意味を有する。本明細書において記載される化学構造及び式は、化学技術分野において公知の化学原子価の標準規則に従って構築される。
【0029】
本明細書において冠詞「a」及び「an」は、当該冠詞の文法的対象の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すように使用され得る。例として、「類似体(an analogue)」は、1つの類似体または2つ以上の類似体を意味する。
【0030】
値の範囲が記載されている場合、その範囲内の各値及び下位範囲が包含されるように意図される。例えば、「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、C1~C2、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5、及びC5~C6アルキルが包含されるように意図される。
【0031】
以下の用語は、それと共に下に提示される意味を有するように意図されるものであり、本開示の記載及び意図する範囲の理解に有用である。
【0032】
「アルキル」は、1~20個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1~C20アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~12個の炭素原子を有する(「C1~C12アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~C8アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~C6アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1~C5アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~C4アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~C3アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~C2アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~C6アルキル」)。C1~C6アルキル基の例としては、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、iso-ブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、3-ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3-メチル-2-ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、及びn-ヘキシル(C6)が挙げられる。さらなるアルキル基の例としては、n-ヘプチル(C7)、n-オクチル(C8)及び同様のものが挙げられる。アルキル基の各例は、任意選択で、独立して置換されていてもよく、すなわち、置換されていないか(「非置換アルキル」)または1つ以上の置換基(例えば、1~5つの置換基、1~3つの置換基、もしくは1つの置換基)で置換されている(「置換アルキル」)。ある特定の実施形態において、アルキル基は、非置換C1-10アルキルである(例えば、-CH3)。ある特定の実施形態において、アルキル基は、置換C1-6アルキルである。一般的なアルキルの略語としては、Me(-CH3)、Et(-CH2CH3)、iPr(-CH(CH3)2)、nPr(-CH2CH2CH3)、n-Bu(-CH2CH2CH2CH3)、またはi-Bu(-CH2CH(CH3)2)が挙げられる。
【0033】
「アルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別段記載のない限り、限定されないが-CH2CH2CH2CH2-によって例示されるように、アルキルから誘導される二価のラジカルを意味する。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1~24個の炭素原子を有することになり、本開示においては、10個以下の炭素原子を有する基が好ましい。「アルケニレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別段記載のない限り、アルケンから誘導される二価のラジカルを意味する。アルキレン基は、例えば、C1~C6員アルキレンとして記載されることがあり、「員」という用語は、部分内の非水素原子を指す。
【0034】
「アルケニル」は、2~20個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素-炭素二重結合があり、三重結合はない、直鎖または分岐鎖炭化水素基のラジカルを指す(「C2~C20アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~C10アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~C8アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~C6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~C5アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~C4アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~C3アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1つ以上の炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニル等)または末端(1-ブテニル等)にあり得る。C2~C4アルケニル基の例としては、エテニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)、及び同様のものが挙げられる。C2~C6アルケニル基の例としては、前述のC2-4アルケニル基、ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)、及び同様のものが挙げられる。さらなるアルケニルの例としては、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)、及び同様のものが挙げられる。アルケニル基の各例は、任意選択で、独立して置換されていてもよく、例えば、置換されていないか(「非置換アルケニル」)または1つ以上の置換基(例えば、1~5つの置換基、1~3つの置換基、もしくは1つの置換基)で置換されている(「置換アルケニル」)。ある特定の実施形態において、アルケニル基は、非置換C2-10アルケニルである。ある特定の実施形態において、アルケニル基は、置換C2-6アルケニルである。
【0035】
「アリール」は、6~14個の環炭素原子を有し、芳香環系に備わるヘテロ原子がゼロである、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香環系(例えば、環式配列で共有される6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6~C14アリール」)。いくつかの実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」、例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば、1-ナフチル及び2-ナフチル等のナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」、例えば、アントラシル)。アリール基は、例えば、C6~C10員アリールとして記載されることがあり、「員」という用語は、部分内の非水素環原子を指す。アリール基としては、限定されないが、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の各例は、任意選択で、独立して置換されていてもよく、例えば、置換されていないか(「非置換アリール」)または1つ以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある特定の実施形態において、アリール基は、非置換C6~C14アリールである。ある特定の実施形態において、アリール基は、置換C6~C14アリールである。
【0036】
「アルコキシ」という用語は-O-アルキルラジカルを指し、当該アルキル残基は、上で定義した通りであり、酸素原子を介して結合している。
【0037】
「ハロ」または「ハロゲン」は、独立して、または別の置換基の一部として、別段記載のない限り、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)原子を意味する。「ハロゲン化物」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、フッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物原子を指す。ある特定の実施形態において、ハロ基は、フッ素または塩素のいずれかである。
【0038】
加えて、「ハロアルキル」等の用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ-C1~C6アルキル」という用語には、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピル、及び同様のものが含まれる。
【0039】
「ヘテロアリール」は、環炭素原子及び芳香環系に備わる1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員の単環式4n+2芳香環系(例えば、環式配列で共有される6個または10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基では、原子価に余地がある限り、結合点は炭素原子または窒素原子であり得る。ヘテロアリール基は、例えば、6~10員ヘテロアリールとして記載されることがあり、「員」という用語は、部分内の非水素環原子を指す。
【0040】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~10員芳香環系であり、当該芳香環系に備わる環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する。ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~8員芳香環系であり、当該芳香環系に備わる環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する。ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~6員芳香環系であり、当該芳香環系に備わる環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する。ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の各例は、任意選択で、独立して置換されていてもよく、すなわち、置換されていないか(「非置換ヘテロアリール」)または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、非置換5~14員ヘテロアリールである。ある特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、置換5~14員ヘテロアリールである。
【0041】
1個のヘテロ原子を含有する例示的5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニル及びチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが挙げられる。
【0042】
「シクロアルキル」は、3~10個の環炭素原子を有し(「C3~C10シクロアルキル」)、非芳香環系においてヘテロ原子がゼロである、非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~C8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~C10シクロアルキル」)。シクロアルキル基は、例えば、C4~C7員シクロアルキルとして記載されることがあり、「員」という用語は、部分内の非水素環原子を指す。例示的C3~C6シクロアルキル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、及び同様のものが挙げられる。例示的C3~C8シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC3~C6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル(C5)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル(C6)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル及び同様のものが挙げられる。前述の例が例示しているように、ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であるか、または二環式系(「二環式シクロアルキル」)等の縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系を含有し、飽和であり得るか、または部分的に不飽和であり得る。シクロアルキル基の各例は、任意選択で、独立して置換されていてもよく、例えば、置換されていないか(「非置換シクロアルキル」)または1つ以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、非置換C3~C10シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、置換C3~C10シクロアルキルである。
【0043】
いくつかの実施形態において、「シクロアルキル」は、3~10個の環炭素原子を有する単環式飽和シクロアルキル基である(「C3~C10シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~C8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~C10シクロアルキル」)。C5~C6シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル(C5)及びシクロヘキシル(C5)が挙げられる。C3~C6シクロアルキル基の例としては、前述のC5~C6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C3)及びシクロブチル(C4)が挙げられる。C3~C8シクロアルキル基の例としては、前述のC3~C6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C7)及びシクロオクチル(C8)が挙げられる。別段の定めがない限り、シクロアルキル基の各例は、独立して置換されていないか(「非置換シクロアルキル」)または1つ以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、非置換C3~C10シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、置換C3~C10シクロアルキルである。
【0044】
「ヘテロシクリル」または「複素環」は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する、3~10員非芳香環系のラジカルを指し、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基では、原子価に余地がある限り、結合点は炭素原子または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)等の縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系のいずれかであり得、飽和であり得るか、または部分的に不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式系は、一方または両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」には、上で定義したヘテロシクリル環が1つ以上のシクロアルキル基と縮合し、結合点はシクロアルキル環上もしくはヘテロシクリル環上のいずれかである環系、または上で定義したヘテロシクリル環が1つ以上のアリール基またはヘテロアリール基と縮合し、結合点はヘテロシクリル環上である環系も含まれ、このような例において、以降、環員の数はヘテロシクリル環系における環員の数を示していく。ヘテロシクリル基は、例えば、3~7員ヘテロシクリルとして記載されることがあり、ここで、「員」という用語は、部分内の非水素環原子(すなわち、炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素)を指す。ヘテロシクリルの各例は、任意選択で、独立して置換されていてもよく、例えば、置換されていないか(「非置換ヘテロシクリル」)または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。ある特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は、置換3~10員ヘテロシクリルである。
【0045】
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員非芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員非芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員非芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1個の環ヘテロ原子を有する。
【0046】
1個のヘテロ原子を含有する例示的4員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル及びチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル及びピロリル-2,5-ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、及びオキサゾリジン-2-オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル(triazolinyl)、オキサジアゾリニル(oxadiazolinyl)、及びチアジアゾリニル(thiadiazolinyl)が挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、及びジオキサニルが挙げられる。C6アリール環に縮合した例示的5員ヘテロシクリル基(本明細書において、5,6-二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル(benzoxazolinonyl)、及び同様のものが挙げられる。アリール環に縮合した例示的6員ヘテロシクリル基(本明細書において、6,6-二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン、及び同様のものが挙げられる。
【0047】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、ラジカル-OHを指す。
【0048】
いくつかの実施形態において、開示される化合物に窒素原子が1つ以上存在する場合、その窒素原子は対応するN-オキシドに酸化される。
【0049】
本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、及びヘテロアリール基は、任意選択で置換されている(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル基、「置換」もしくは「非置換」アルケニル基、「置換」もしくは「非置換」アルキニル基、「置換」もしくは「非置換」シクロアルキル基、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル基、「置換」もしくは「非置換」アリール基、または「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「置換されている」という用語は、「任意選択で」という用語が先行するか否かに関わらず、基(例えば、炭素原子または窒素原子)上に存在する少なくとも1つの水素が、許容可能な置換基、例えば、置換と同時に安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応等による変換が自発的に起こらない化合物)を生じさせる置換基で置換されていることを意味する。別段の指示がない限り、「置換されている」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造において2つ以上の位置が置換されている場合、置換基は各位置において同一であるかまたは異なる。「置換されている」という用語は、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載される置換基のいずれか等、有機化合物の全ての許容可能な置換基での置換を含むように企図される。本開示は、安定な化合物に到達するために、ありとあらゆるこのような組み合わせを企図している。本開示の目的に関して、窒素等のヘテロ原子は、水素置換基及び/またはヘテロ原子の原子価を満足し、安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載される任意の適切な置換基を有し得る。
【0050】
任意選択で、2つ以上の置換基を連結させて、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、またはヘテロシクロアルキル基を形成してもよい。このようないわゆる環形成置換基は、必ずしも環状基本構造に結合している必要はないが、典型的には環状基本構造に結合して見い出される。一実施形態では、環形成置換基は、当該基本構造の隣接する員に結合している。例えば、環状基本構造の隣接する員に結合した2つの環形成置換基は、縮合環構造を創出する。別の実施形態では、環形成置換基は、当該基本構造の単一の員に結合している。例えば、環状基本構造の単一の員に結合した2つの環形成置換基は、スピロ環式構造を創出する。さらなる別の実施形態では、環形成置換基は、当該基本構造の隣接していない員に結合している。
【0051】
他の定義
「処置すること」または「処置」は、疾患及び/またはそれに伴う症状を緩和または消失させる方法を指す。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される化合物は、非小細胞肺癌の処置に有用である。ある特定の実施形態では、非小細胞肺癌を有するヒト対象を処置する方法であって、その処置を必要とする当該ヒト対象に、治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、前記方法が提供される。
【0052】
「治療有効量」という語句は、特定の対象または対象集団における処置のために投与された場合に、処置される病状または障害の1つ以上の症状に関して、発症を予防するかまたはある程度緩和するのに十分な、化合物またはその薬学的に許容される塩の量を指す。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒトを指す。「ヒト」、「患者」、及び「対象」という用語は、本明細書で互換的に使用される。
【0053】
本明細書で定義されるように、タンパク質-阻害剤(例えば、アンタゴニスト)相互作用に関する用語「阻害」、「阻害する」、「阻害性」及び同様のものは、阻害剤の非存在下におけるタンパク質の活性または機能を基準として、相対的にタンパク質の活性または機能に負の影響を及ぼす(例えば、低下させる)ことを意味する。
【0054】
処置を必要とする「患者」または「対象」は、本明細書で提供される化合物もしくは医薬組成物の投与によって処置され得る疾患もしくは病状に罹患しているか、または罹患しやすい生体を指す。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。
【0055】
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、患者に重大な毒性学的副作用を引き起こすことなく、対象への有効成分の投与及び対象による吸収を補助し、本開示の組成物中に含められ得る物質を指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「PTPN2」という用語は、非受容体2型プロテインチロシンホスファターゼを指す。「PTPN1」という用語は、プロテインチロシンホスファターゼ-1B(PTP1B)としても知られる非受容体1型プロテインチロシンホスファターゼ(PTPN1)を指す。
【0057】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、開示される化合物及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的に許容される組成物として製剤化される。
【実施例】
【0058】
本明細書に記載される本開示をより完全に理解することができるように、以下の実施例を示す。本出願に記載される合成例及び生物学上の例は、本明細書に示される化合物、医薬組成物、及び方法を例示するために提供されるものであり、いかなる形であれ、本出願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0059】
合成プロトコル
本明細書に示される化合物は、以下に記載する、当業者に公知であるはずの特定の合成プロトコルに変更を加えて、入手容易な出発物質から調製することができる。典型的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられている場合、別段記載のない限り、他のプロセス条件も使用することができると理解されよう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒によって変化し得るが、このような条件は、当業者により、慣例の最適化手順によって決定され得る。本開示の例示的化合物の製造方法に関する一般的なスキームは、例示的化合物の製造方法と題されたセクションにおいて、追加的に記載している。
【0060】
加えて、当業者には明らかであろうように、ある種の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐために、従来の保護基が必要な場合がある。特定の官能基に対する適切な保護基の選択、ならびに保護及び脱保護のための適切な条件の選択は、当該技術分野において公知である。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入及び除去については、Greene et al.,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991、及びそれにおいて引用されている参考文献に記載されている。
【0061】
略語
APCIは大気圧化学イオン化法、DMSOはジメチルスルホキシド、ESIはエレクトロスプレーイオン化法、HPLCは高速液体クロマトグラフィー、MSは質量スペクトル、NMRは核磁気共鳴、ppmは百万分率、及びv/vは体積/体積である。
【0062】
実施例1:5-{(3S)-3-[(4,4-ジフルオロブチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物100)
トリエチルアミン(0.06mL、0.45mmol、3.0当量)及びジクロロメタン中の4,4-ジフルオロブタナール(約25%重量、193mg、0.45mmol、3.0当量)溶液を、50%エタノール-ジクロロメタン(0.80mL、約0.2M)中の実施例3Pの生成物(名目0.15mmol、1当量)の懸濁液に、23℃で順次添加した。反応混合物を23℃で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(22.5mg、0.60mmol、4.0当量)を23℃で添加した。反応混合物を23℃で20分間撹拌した。混合物を塩酸水溶液(3M、0.20mL、注意:ガスが発生!)、水(1.0mL)及びジメチルスルホキシド(1.0mL)で希釈した。希釈した混合物を部分的に濃縮した。部分的に濃縮した混合物を、分取高速液体クロマトグラフィー(Phenomenex(登録商標)C8(2)Luna(登録商標)5μm、AXIA(商標)30×75mm[3カラム連結]、0.1%トリフルオロ酢酸-アセトニトリル-水[v/v]5-100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(19mg、3ステップで24%)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.65 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 6.48 (s, 1H), 6.15 (tt, J = 56.6, 4.2 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.82 (bs, 1H), 3.17-3.06 (m, 4H), 2.75 (dd, J = 16.8, 7.9 Hz, 1H), 1.99-1.87 (m, 2H), 1.81-1.71 (m, 2H);MS (APCI-) m/z 424 [M-H]-.
【0063】
実施例2:[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]カルバミン酸tert-ブチル(化合物101)
実施例2A:({(3S)-7-(ベンジルオキシ)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}アミノ)酢酸メチル
実施例3Hに記載した手順を用いて、実施例3Dの生成物から表題化合物を95%の収率で調製した。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ ppm 7.29-7.48 (m, 5H), 7.01-7.08 (m, 1H), 6.55 (s, 1H), 5.08 (s, 2H), 4.87-4.94 (m, 1H), 4.00-4.06 (m, 1H), 3.74-3.86 (m, 1H), 3.74-3.86 (m, 1H), 3.74-3.86 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 2.93 (br d, J = 11.6 Hz, 1H), 2.76-2.87 (m, 2H), 2.42-2.48 (m, 1H), 1.40 (s, 9H).
【0064】
実施例2B:[{(3S)-7-(ベンジルオキシ)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}({[(プロプ-2-エン-1-イル)オキシ]カルボニル}スルファモイル)アミノ]酢酸メチル
実施例3Iに記載した手順を用いて、実施例2Aの生成物から表題化合物を92%の収率で調製した。MS (ESI+) m/z 584 [M+H]+.
【0065】
実施例2C:[(3S)-7-(ベンジルオキシ)-5-フルオロ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]カルバミン酸tert-ブチル
メタノール(90mL)中の実施例2Bの生成物(3g、4.69mmol)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.542g、0.469mmol)及び炭酸カリウム(1.944g、14.07mmol)を、窒素下25℃で添加し、混合物を窒素下50℃で6時間撹拌した。200mgスケール及び500mgスケールの反応をそれぞれ1回分追加して、上記のように行った。反応混合物を合わせ、塩酸水溶液(1mol/L)でpH=5-6まで酸性化し、次いで濾過した。濾液を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機画分をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、流量80mL/分においてアセトニトリル(A)-H2O中10mM NH4HCO3(30分間でのAの20-55%グラジエント)で溶出する、Welch Xtimate(登録商標)C18カラム(250×50mm×10μm)上での分取HPLCにより精製して、表題化合物(1.7g、純度95%、収率53.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.49 (d, J = 7.34 Hz, 2H), 7.31-7.37 (m, 2H), 7.24-7.30 (m, 1H), 6.66 (d, J = 1.34 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.17-4.30 (m, 2H), 4.05 (br s, 1H), 3.05-3.11 (m, 1H), 2.90-3.01 (m, 2H), 2.65 (dd, J = 16.69, 8.74 Hz, 1H), 1.45 (s, 9H);MS (ESI-) m/z 522 [M-H]-.
【0066】
実施例2D:[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]カルバミン酸tert-ブチル
エタノール(2mL)中の実施例2Cの生成物(7mg、0.013mmol)、20%ジヒドロキシパラジウム炭素(18.18mg、0.129mmol)及びギ酸アンモニウム(16.33mg、0.259mmol)の懸濁液を、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を珪藻土プラグに通して濾過した。濾過ケーキをメタノール(3×1.0mL)で洗浄した。濾液と洗浄液とを合わせ、濃縮した。残渣を、流量50mL/分においてアセトニトリル(A)及び0.1%トリフルオロ酢酸を含む水(B)のグラジエント(0-1分10%A、1-30分10-95%リニアグラジエント)で溶出する、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)10μm C18カラム(30mm×250mm)上での分取HPLCにより精製して、表題化合物(3mg、54%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 6.37 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.17 (s, 2H), 3.93 (s, 1H), 2.96 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 2.88 - 2.78 (m, 2H), 2.51 (dd, J = 16.7, 8.9 Hz, 1H), 1.35 (s, 9H);MS (APCI-) m/z 432.1 [M-H]-.
【0067】
実施例3:5-[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物102)
実施例3A:1-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-3-フルオロ-2-ニトロベンゼン
テトラヒドロフラン中のカリウムtert-ブトキシド溶液(1.0M、44.0mL、44.0mmol、1.1当量)を、テトラヒドロフラン(200mL、0.21M)中のベンジルアルコール(4.60mL、44.2mmol、1.1当量)及び5-ブロモ-1,3-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(10.0g、42.0mmol、1当量)の懸濁液に、-67℃で、内温が-57℃を超えないような速度にて、反応容器の側面に沿ってゆっくりと添加した。反応混合物を、内温が-57℃を超えないように5分間撹拌した。次いで生成混合物を-78℃で、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)、水(50mL)、及び酢酸エチル(100mL)により順次希釈した。希釈した生成混合物を、30分かけて23℃まで温めた。次いで、得られた二相混合物を分液漏斗に移し、形成された層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をヘプタン(125mL)から沈殿させた。母液を濃縮し、得られた残渣をヘプタン(3×25mL)でトリチュレートした。トリチュレートした物質を、先の沈殿させた物質と合わせた。合わせた物質を50℃の真空オーブン中で乾燥させて、表題化合物(11.3g、82%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.63 (t, J = 1.7 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 9.3, 1.7 Hz, 1H), 7.46-7.32 (m, 5H), 5.36 (s, 2H).
【0068】
実施例3B:2-(ベンジルオキシ)-4-ブロモ-6-フルオロアニリン
氷浴中で、飽和塩化アンモニウム水溶液(60mL、5.3体積当量)を、50%メタノール-テトラヒドロフラン混合物(v/v、230mL、0.15M)中の亜鉛粉末(11.3g、173mmol、5.0当量)及び実施例3Aの生成物(11.3g、34.7mmol、1当量)の懸濁液に、内温が31℃を超えないような速度にて添加した。次いで、冷却浴から反応容器を取り出し、5時間かけて23℃まで温めた。生成混合物に珪藻土(21g)を添加し、得られたスラリーを23℃で10分間撹拌した。次いで、混合物を珪藻土プラグ(2.0cm×8.0cm)に通して濾過した。濾過ケーキをメタノール(3×30mL)で洗浄した。濾液と洗浄液とを合わせ、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(200mL)中に溶解させ、混合物を水(50mL)及びブライン(50mL)で連続して洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をさらに精製することなくその後のステップで使用した。MS (ESI+) m/z 296 [M+H]+.
【0069】
実施例3C:N-[2-(ベンジルオキシ)-4-ブロモ-6-フルオロフェニル]-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
トリフルオロ酢酸無水物(5.90mL、41.8mmol、1.2当量)を、ジクロロメタン(174mL、0.2M)中の実施例3Bの生成物(名目34.7mmol、1当量)溶液に、0℃で、内温が7℃を超えないように10分かけてシリンジポンプにより添加した。反応混合物を18時間かけて23℃まで温めた。生成混合物を水(50mL)と酢酸エチル(500mL)との間で分画した。有機層を塩酸溶液(1M、3×100mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過した。珪藻土(約50g)を濾液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(330g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(9.18g、67%、2ステップ)を得た。MS (ESI-) m/z 390 [M-H]-.
【0070】
実施例3D:[(2S)-1-[4-(ベンジルオキシ)-6-ブロモ-2-フルオロ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)フェニル]-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパン-2-イル]カルバミン酸tert-ブチル
ヘキサン中のn-ブチルリチウム溶液(1.91M、5.50mL、10.50mmol、2.1当量)を、テトラヒドロフラン(20.0mL)中のジイソプロピルアミン(1.57mL、11.00mmol、2.2当量)溶液に、-78℃で添加した。混合物を-78℃で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン(6.5mL)中の実施例3Cの生成物(2.06g、5.25mmol、1.05当量)溶液を、シリンジポンプにより20分かけて-78℃で滴加した。混合物を-78℃で30分間撹拌した。テトラヒドロフラン(6.5mL、全体として0.15M)中の(4R)-4-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-2,2-ジオキソ-1,2λ6,3-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(1.84g、5.00mmol、1当量、Tetrahedron Lett.2011,52,5229-5233)溶液を、-78℃で20分かけて滴加した。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。塩酸水溶液(3M、8.33mL、25.00mmol、5.0当量)を-78℃で添加した。得られた混合物を20分かけて23℃まで温めた。温めた混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した。得られた二相混合物を分液漏斗に移し、形成された層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をエーテル(20mL)中に溶解させた。珪藻土(約10g)を溶液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─80%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(1.977g、58%)を得た。MS (APCI+) m/z 579 [M+H-C(O)OC(CH3)3]+.
【0071】
実施例3E:[{6-(ベンジルオキシ)-4-ブロモ-3-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル]-2-フルオロフェニル}(トリフルオロアセチル)アミノ]酢酸メチル
ブロモ酢酸メチル(0.22mL、2.43mmol、1.1当量)を、アセトン(11mL、0.2M)中の実施例3Dの生成物(1.5g、2.21mmol、1当量)、炭酸カリウム(915mg、6.62mmol、3.0当量)、及びヨウ化カリウム(183mg、1.10mmol、0.5当量)の懸濁液に、23℃で添加した。反応混合物を23℃で24時間撹拌した。混合物を濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル(60mL)と水(15mL)との間で分画した。水層を酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた表題化合物をさらに精製することなくその後のステップで使用した。MS (APCI+) m/z 651 [M+H-C(O)OC(CH3)3]+.
【0072】
実施例3F:{[6-(ベンジルオキシ)-4-ブロモ-3-{(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-ヒドロキシプロピル}-2-フルオロフェニル](トリフルオロアセチル)アミノ}酢酸メチル
テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(1.0M、13.3mL、13.3mmol、1.1当量)を、テトラヒドロフラン(60.0mL、0.2M)中の実施例3Eの生成物(9.07g、12.1mmol、1当量)溶液に、23℃で添加した。反応混合物を23℃で3日間撹拌した。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)と、水(15mL)と、酢酸エチル(200mL)との間で分画した。次いで、有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで、濾過した。珪藻土(約40g)を濾液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(120g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(7.15g、93%)を得た。MS (APCI+) m/z 637 [M+H]+.
【0073】
実施例3G:{[6-(ベンジルオキシ)-4-ブロモ-3-{(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[(メタンスルホニル)オキシ]プロピル}-2-フルオロフェニル](トリフルオロアセチル)アミノ}酢酸メチル
メタンスルホニルクロリド(1.05mL、13.46mmol、1.2当量)を、ジクロロメタン(56mL、0.2M)中の実施例3Fの生成物(7.15g、11.22mmol、1当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.92mL、22.43mmol、2.0当量)溶液に、0℃で添加した。反応混合物を12時間かけて23℃まで温めた。珪藻土(約30g)を反応混合物に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮した。得られた残渣(7.13g、<89%)をさらに精製することなくその後のステップで使用した。MS (APCI+) m/z 615 [M+H-C(O)OC(CH3)3]+.
【0074】
実施例3H:{[3-{(2S)-3-(アセチルスルファニル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-6-(ベンジルオキシ)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル](トリフルオロアセチル)アミノ}酢酸メチル
チオ酢酸カリウム(1.59g、13.95mmol、1.4当量)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50mL、0.2M)中の実施例3Gの生成物(7.13g、9.96mmol、1当量)溶液に、23℃で添加した。反応混合物を23℃で16時間撹拌した。反応混合物を部分的に濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル(150mL)と、水(15mL)と、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)との間で分画した。水層を酢酸エチル(75mL)で抽出した。有機層を合わせ、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×10mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過した。珪藻土(約40g)を濾液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(120g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮した。得られた残渣(5.30g、<76%)をさらに精製することなくその後のステップで使用した。MS (APCI+) m/z 595 [M+H-C(O)OC(CH3)3]+.
【0075】
実施例3I:[{(3S)-7-(ベンジルオキシ)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}(トリフルオロアセチル)アミノ]酢酸メチル
1,4-ジオキサン(0.5mL、約0.2M)中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(70.0mg、0.08mmol、5.0mol%)、(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(キサントホス、89.0mg、0.15mmol、10.0mol%)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.29mmol、3.0当量)、及び実施例3Hの生成物(63.0mg、0.10mmol、1当量)の懸濁液を、真空に供し(約5秒)、続いて窒素で充填し直すことを繰り返して(×3)、脱酸素した。反応容器を100℃に予熱しておいたヒートブロックに入れた。反応混合物を100℃で45分間撹拌した。生成混合物を23℃まで冷却した。反応混合物を酢酸エチル(5mL)で希釈した。珪藻土(約1g)を溶液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(1.49g、51%)を得た。MS (APCI+) m/z 573 [M+H]+.
【0076】
実施例3J:{[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル](トリフルオロアセチル)アミノ}酢酸メチル
ジクロロメタン中の三塩化ホウ素溶液(41.2mL、41.2mmol、5.0当量)を、ジクロロメタン(41.2mL、0.2M)中の実施例3Iの生成物(4.72g、8.24mmol、1当量)及びペンタメチルベンゼン(1.34g、9.07mmol、1.1当量)溶液に、-78℃でゆっくりと添加した。直ちに冷却浴から反応容器を取り出し、1時間かけて23℃まで温めた。次いで、生成混合物を-78℃まで冷却した。冷却した生成混合物をメタノール(35mL)で希釈した。希釈した混合物を23℃まで温め、濃縮した。得られた残渣をさらに精製することなくその後のステップで使用した。MS (APCI+) m/z 383 [M+H]+.
【0077】
実施例3K:[{(3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}(トリフルオロアセチル)アミノ]酢酸メチル
二炭酸ジ-tert-ブチル(2.39g、10.7mmol、1.3当量)を、20%水-テトラヒドロフラン混合物(v/v、40.0mL、約0.2M)中の実施例3Jの生成物(名目8.24mmol、1当量)及び炭酸水素ナトリウム(3.46g、41.2mmol、5.0当量)の二相混合物に、23℃で添加した。反応混合物を23℃で1.5時間撹拌した。生成混合物を酢酸エチル(200mL)と水(50mL)との間で分画した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濃縮した。得られた残渣を75%アセトン-ペンタン(50mL)中に溶解させた。珪藻土(約20g)を溶液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(330g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(3.81g、96%、2ステップ)を得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 8.63 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 5.00 (dd, J = 17.4, 3.8 Hz, 1H), 4.97-4.83 (m, 1H), 4.45-4.27 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.76-3.61 (m, 1H), 3.19 (ddd, J = 29.4, 12.6, 2.1 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 12.6, 6.7 Hz, 1H), 2.83-2.75 (m, 2H), 1.44 (s, 9H);MS (APCI+) m/z 383 [M+H-C(O)OC(CH3)3]+.
【0078】
実施例3L:[{(3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-7-[(2-メトキシエトキシ)メトキシ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}(トリフルオロアセチル)アミノ]酢酸メチル
2-メトキシエトキシメチルクロリド(1.07mL、9.48mmol、1.2当量)を、ジクロロメタン(40.0mL、0.2M)中の実施例3Kの生成物(3.81g、7.90mmol、1当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.14mL、23.7mmol、3.0当量)溶液に、0℃で添加した。直ちに冷却浴から反応容器を取り出し、1時間かけて23℃まで温めた。追加の2-メトキシエトキシメチルクロリド(0.20mL、1.77mmol、0.22当量)を23℃で添加した。反応混合物を23℃で30分間撹拌した。生成混合物を、酢酸エチル(250mL)と、ヘプタン(20mL)と、水(10mL)と、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)との間で分画した。次いで、有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた表題化合物をさらに精製することなくその後のステップで使用した。MS (APCI+) m/z 471 [M+H-C(O)OC(CH3)3]+.
【0079】
実施例3M:({(3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-7-[(2-メトキシエトキシ)メトキシ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}アミノ)酢酸メチル
メタノール中のナトリウムメトキシド溶液(0.5M、8.00mL、4.00mmol、3.0当量)を、純粋な窒素下、実施例3Lの生成物(759mg、1.33mmol、1当量)に添加した。反応容器を60℃に予熱しておいたヒートブロックに入れた。反応混合物を60℃で1.5時間撹拌した。次いで、生成混合物を23℃まで冷却した。冷却した生成混合物を濃縮した。得られた残渣を塩酸水溶液(1M、35mL)と酢酸エチル(250mL)との間で分画した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過した。珪藻土(約20g)を溶液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(220g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(3.33g、89%、2ステップ)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ ppm 6.69 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 5.04 (bs, 1H), 4.40-431 (m, 2H), 4.04 (dd, J = 6.3, 1.2 Hz, 2H), 3.85-3.82 (m, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.59-3.55 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.14 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 2.90-2.75 (m, 3H), 1.44 (s, 9H);MS (APCI+) m/z 475 [M+H]+.
【0080】
実施例3N:[{(3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-フルオロ-7-[(2-メトキシエトキシ)メトキシ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}({[(プロプ-2-エン-1-イル)オキシ]カルボニル}スルファモイル)アミノ]酢酸メチル
アリルアルコール(1.05mL、15.4mmol、2.2当量)を、ジクロロメタン(20.0mL)中のクロロスルホニルイソシアネート(1.34mL、15.4mmol、2.2当量)溶液に、0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。ジクロロメタン(15.0mL、全体として約0.2M)中の実施例3Mの生成物(3.33g、7.02mmol、1当量)及びトリエチルアミン(3.91mL、28.1mmol、4.0当量)溶液を、0℃で滴加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。生成混合物を部分的に濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル(75mL)と水(10mL)との間で分画した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過した。珪藻土(約15g)を溶液に添加し、混合物を濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(120g Teledyne ISCO RediSep Rf Gold(登録商標)シリカカラム、酢酸エチル─ヘプタン0─100%グラジエントでの溶出)により精製して、表題化合物(3.74g、84%)を得た。MS (APCI+) m/z 655 [M+NH4]+.
【0081】
実施例3O:[(3S)-5-フルオロ-7-[(2-メトキシエトキシ)メトキシ]-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]カルバミン酸tert-ブチル
メタノール(1.50mL、0.2M)中の実施例3Nの生成物(名目0.30mmol、1当量)、炭酸カリウム(122mg、0.89mmol、3.0当量)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17.0mg、0.02mmol、5.0mol%)の懸濁液を、真空に供し(約5秒)、続いて窒素で充填し直すことを繰り返して(×3)、脱酸素した。反応容器を60℃に予熱しておいたヒートブロックに入れた。反応混合物を60℃で45分間撹拌した。次いで、生成混合物を23℃まで冷却した。冷却した混合物を珪藻土プラグ(0.5cm×1.0cm)に通して濾過した。濾過ケーキを酢酸エチル(3×2.0mL)でリンスした。濾液を合わせ、塩酸水溶液(1M、25mL)で慎重に希釈した。次いで、得られた二相混合物を分液漏斗に移し、形成された層を分離した。水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた表題化合物を、さらに精製することなくその後のステップで使用した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.70 (s, 1H), 5.18 (s, 2H), 4.13-4.50 (m, 1H), 3.91-3.77 (m, 3H), 3.72 (dd, J = 5.5, 4.0 Hz, 2H), 3.44 (dd, J = 5.5, 4.0 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 3.01 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H);MS (APCI+) m/z 539 [M+NH4]+.
【0082】
実施例3P:5-[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン塩酸塩
ジオキサン中の塩化水素溶液(4.0M、15.3mL、61.4mmol、20.0当量)を、テトラヒドロフラン(10.2mL、0.3M)中の実施例3Oの生成物(名目3.07mmol、1当量)及びペンタメチルベンゼン(1.36g、9.20mmol、3.0当量)溶液に、23℃で添加した。反応混合物を23℃で2.5時間撹拌した。生成混合物をエーテル(25mL)で希釈し、懸濁液を得た。母液をデカンテーションした。得られた残渣をアセトニトリル(2×10mL)、酢酸エチル(5×15mL)、及びエーテル(15mL)で連続してトリチュレートした。得られた表題化合物を、さらに精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.46 (bs, 3H), 6.57 (s, 1H), 4.34 (s, 2H), 3.74 (bs, 1H), 3.26-3.19 (m, 1H), 3.17-3.03 (m, 2H), 2.72 (dd, J = 16.6, 8.6 Hz, 1H);MS (APCI+) m/z 334 [M+H]+.
【0083】
実施例4:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物103)
イソバレルアルデヒド(0.02mL、0.19mmol、3.8当量)を、50%エタノール-ジクロロメタン(0.25mL、0.2M)中の実施例3Pの生成物(名目0.05mmol、1当量)及びトリエチルアミン(0.04mL、0.29mmol、5.7当量)溶液に、23℃で添加した。反応混合物を23℃で1.5時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(7.2mg、0.19mmol、3.8当量)を、23℃で一度に添加した。フラスコの側面をエタノール(0.25mL)でリンスした。反応混合物を23℃で1時間撹拌した。生成混合物を濃縮した。得られた残渣をメタノール(1.1mL)中に溶解させ、その溶液を高速液体クロマトグラフィー(Waters XBridge(商標)RP18カラム、5μm、30×100mm、流量40mL/分、0.1%トリフルオロ酢酸バッファー中のアセトニトリル5-100%グラジエント)により精製して、表題化合物(8.0mg、31%、3ステップ)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.59 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 3.92 (s, 2H), 3.80 (bs, 1H), 3.19-3.00 (m, 4H), 2.74 (dd, J = 16.7, 8.2 Hz, 1H), 1.64 (dq, J = 13.3, 6.7 Hz, 1H), 1.54-1.47 (m, 2H), 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 6H);MS (APCI+) m/z 404 [M+H]+.
【0084】
実施例5:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物104)
実施例5A:tert-ブチル(ジメチル){[1-(プロプ-2-エン-1-イル)シクロブチル]メトキシ}シラン
無水テトラヒドロフラン(70mL)中の(1-アリルシクロブチル)メタノール(Bioorganic and Medicinal Chemistry,2002,10(4),1093-1106に従って調製)(2.5g、15.85mmol、80%純度)溶液に、イミダゾール(2.158g、31.7mmol)を添加し、次いで、tert-ブチルジメチルクロロシラン(3.58g、23.77mmol)を数回に分けて0℃で添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。500mgスケールの反応を1回分追加して準備し、上記のように行った。これら2つの反応混合物を合わせ、水(200mL)で希釈した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(60mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣を石油エーテルで溶解し、シリカゲルに通して濾過し、濾過ケーキを石油エーテル(1500mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(4g、90%純度、86%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.79 (ddt, J = 17.07, 10.07, 7.32 Hz, 1H), 4.96-5.10 (m, 2H), 3.44 (s, 2H), 2.21 (d, J = 7.25 Hz, 2H), 1.63-1.92 (m, 6H), 0.92 (s, 9H), -0.05 (s, 6H).
【0085】
実施例5B:[1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)シクロブチル]アセトアルデヒド
ジオキサン(120mL)及び水(12mL)中の実施例5Aの生成物(3g、11.23mmol、純度90%)溶液に、t-ブタノール(220mg、0.865mmol)中の0.2M四酸化オスミウム溶液を20℃で滴加した。15分後、反応混合物を0℃まで冷却してから、過ヨウ素酸ナトリウム(9.61g、44.9mmol)を数回に分けて添加した。添加後、混合物を20℃まで温め、その温度で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、濾過した。濾液を、チオ硫酸ナトリウム飽和水溶液(300mL)に添加し、得られた混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を分液漏斗に移し、有機相を分離した。有機画分をブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(3g、純度70%、収率77%)を得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 9.63 (t, J = 2.75 Hz, 1H), 3.56 (s, 2H), 2.46 (d, J = 2.63 Hz, 2H), 1.82-1.90 (m, 6H), 0.89 (s, 9H), 0.02 (s, 6H).
【0086】
実施例5C.5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(60mg、0.162mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.6mL)中のトリエチルアミン(67.8μL、0.487mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。実施例5B(78.6mg、0.324mmol、2.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(24.5mg、0.649mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.6mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、反応混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(27.2mg、37.7%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.60 (s, 1H), 3.34 (s, 2H), 3.29 - 3.22 (m, 1H), 3.11 - 2.99 (m, 2H), 2.98 - 2.81 (m, 2H), 2.66 (dd, J = 16.8, 8.1 Hz, 1H), 1.89 - 1.57 (m, 8H);MS (APCI+) m/z 446.3 [M+H]+.
【0087】
実施例6:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物105)
実施例6A:1-(プロプ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-カルボン酸メチル
無水テトラヒドロフラン(720mL)中の2Mリチウムジイソプロピルアミド(122mL、243mmol、テトラヒドロフラン)溶液に、シクロペンタンカルボン酸メチル(24g、187mmol)を、窒素下-65℃で滴加した。反応混合物を窒素下-65℃で40分間撹拌してから、3-ブロモプロプ-1-エン(29.4g、243mmol)を滴加した。次いで、混合物を20℃まで温め、20℃で16時間撹拌した後、NH4Cl飽和水溶液(500mL)を0℃で滴加することによりクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフで処理し、石油エーテルで溶出して、表題化合物(31.2g、167mmol、収率89%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.76 - 5.64 (m, 1H), 5.06 - 4.98 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 2.34 (d, J=7.3 Hz, 2H), 2.11 - 2.02 (m, 2H), 1.69 - 1.58 (m, 4H), 1.58 - 1.46 (m, 2H).
【0088】
実施例6B:[1-(プロプ-2-エン-1-イル)シクロペンチル]メタノール
テトラヒドロフラン(300mL)中の実施例6Aの生成物(15.5g、77mmol、純度90%)溶液に、LiAlH4(4.65g、122mmol)を、窒素下0℃で数回に分けて添加した。次いで、混合物を窒素下0℃で2時間撹拌した。0℃で水(4.65mL)を滴加し、続いて15% NaOH水溶液(4.65mL)及び水(13.95mL)を滴加することにより、反応混合物をクエンチした。同一の反応を、15.5gスケールで1回分追加して、上記のように行った。これら2つの反応混合物を合わせ、珪藻土パッドに通して濾過した。濾過ケーキを酢酸エチル(1000mL)及びテトラヒドロフラン(1000mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を減圧下で濃縮して、表題化合物(22.5g、144mmol、収率94%、純度90%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.86 (m, 1H), 5.13 - 5.03 (m, 2H), 3.40 (s, 2H), 2.17 (d, J=7.4 Hz, 2H), 1.67 - 1.51 (m, 4H), 1.56 - 1.50 - 1.38 (m, 4H).
【0089】
実施例6C:tert-ブチル(ジメチル){[1-(プロプ-2-エン-1-イル)シクロペンチル]メトキシ}シラン
無水ジクロロメタン(208mL)中の実施例6Bの生成物(10.4g、74.2mmol、純度90%)及びイミダゾール(12.12g、178mmol)溶液に、tert-ブチルジメチルクロロシラン(12.30g、82mmol)を0℃で添加した。次いで、混合物を20℃で12時間撹拌した。同種の反応を、2.5g及び10.4gスケールで2回分追加して、上記のように行った。これら3つの反応混合物を合わせ、水(300mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。合わせた有機画分を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を石油エーテルで溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(39.35g、155mmol、収率93%、純度90%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.87 - 5.76 (m, 1H), 5.06 - 4.99 (m, 2H), 3.31 (s, 2H), 2.13 (d, J=7.3 Hz, 2H), 1.61 - 1.54 (m, 4H), 1.47 - 1.32 (m, 4H), 0.88 (s, 9H), 0.04 (s, 6H).
【0090】
実施例6D:[1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)シクロペンチル]アセトアルデヒド
水(60mL)及びテトラヒドロフラン(300mL)中の実施例6Cの生成物(14.5g、51.3mmol、純度90%)溶液に、2-メチルプロパン-2-オール(2mL)中の四酸化オスミウム(107mg、0.421mmol)溶液を20℃で添加した。混合物を20℃で15分間撹拌した。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム(43.9g、205mmol)を数回に分けて0℃で添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。同種の反応を、14.5g及び5gスケールで2回分追加して、上記のように行った。これら3つの反応混合物を合わせ、酢酸エチル(400mL)で抽出し、濾過した。濾液をNa2S2O3飽和水溶液(600mL)でクエンチし、混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を石油エーテルで溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(19g、70.4mmol、収率57.2%、純度95%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 9.79 (t, J=2.9 Hz, 1H), 3.41 (s, 2H), 2.39 (d, J=2.9 Hz, 2H), 1.71 - 1.66 (m, 6H), 1.52 - 1.41 (m, 2H), 0.88 (s, 9H), 0.01 (s, 6H).
【0091】
実施例6E:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル]エチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン
4mLバイアルに、実施例3Pの生成物(60mg、0.162mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.6mL)中のトリエチルアミン(67.8μL、0.487mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。実施例6Dの生成物(83.2mg、0.324mmol、2.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(24.5mg、0.649mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.6mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(12.8mg、17.2%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.53 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.01 (s, 2H), 3.77 - 3.71 (m, 1H), 3.37 - 3.30 (m, 1H), 3.22 (s, 2H), 3.17 - 2.99 (m, 4H), 2.78 - 2.69 (m, 1H), 1.76 - 1.64 (m, 2H), 1.64 - 1.53 (m, 4H), 1.53 - 1.45 (m, 2H), 1.37 - 1.28 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 460.4 [M+H]+.
【0092】
実施例7:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物106)
実施例7A:2,2-ジメチル-4-ペンテン酸メチル
実施例6Aに記載した方法論を用いて、イソ酪酸メチルから表題化合物を71.8%の収率で合成した。1H NMR (400 MHz CDCl3) δ ppm 5.57-5.89 (m, 1H), 4.91-5.16 (m, 2H), 3.56 (s, 3H), 2.27 (m, 2H), 1.17 (s, 6H).
【0093】
実施例7B:2,2-ジメチル-4-ペンテン-1-オール
実施例6Bに記載した方法論を用いて、実施例7Aの生成物から表題化合物を95%の収率で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.65-5.93 (m, 1H), 4.89-5.11 (m, 2H), 3.19-3.36 (m, 2H), 3.28 (s, 2H), 1.95 (d, J=7.63 Hz, 2H), 0.82 (s, 6H).
【0094】
実施例7C:tert-ブチル[(2,2-ジメチル-4-ペンテン-1-イル)オキシ]ジメチルシラン
実施例6Cに記載した手順を用いて、実施例7Bの生成物から表題化合物を74%の収率で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.63-6.07 (m, 1H), 4.86-5.21 (m, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.00 (d, J=7.50 Hz, 2H), 0.91 (s, 9H), 0.84 (s, 6H), 0.01 (s, 6H).
【0095】
実施例7D:4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3,3-ジメチルブタナール
実施例6Dに記載した手順を用いて、実施例7Cの生成物から表題化合物を66%の収率で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 9.84 (t, J=3.q Hz, 1 H) 3.35 (s, 2 H) 2.28 (d, J=3.1 Hz, 2 H) 1.02 (s, 6 H) 0.89 (s, 9 H) 0.04 (s, 6 H), MS (ESI+) m/z 231 [M+H]+.
【0096】
実施例7E:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(60mg、0.162mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.6mL)中のトリエチルアミン(67.8μL、0.487mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3,3-ジメチルブタナール(実施例7D、74.8mg、0.324mmol、2.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(24.5mg、0.649mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.6mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(10.3mg、14.4%収率)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.43 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 1.0 Hz, 2H), 3.69 - 3.65 (m, 1H), 3.34 - 3.27 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 1H), 3.08 (s, 2H), 2.95 (dd, J = 16.5, 4.6 Hz, 1H), 2.90 (dd, J = 12.7, 8.9 Hz, 1H), 2.85 - 2.77 (m, 1H), 2.76 - 2.68 (m, 1H), 1.46 - 1.35 (m, 2H), 0.80 (d, J = 1.8 Hz, 6H);MS (APCI+) m/z 434.3 [M+H]+.
【0097】
実施例8:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(プロピルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物107)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。プロピオンアルデヒド(23.6mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、反応混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(3.3mg、6.5%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.79 - 3.73 (m, 1H), 3.31 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.18 - 2.92 (m, 4H), 2.73 (dd, J = 16.7, 8.2 Hz, 1H), 1.70 - 1.56 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.4 Hz, 3H);MS (APCI+) m/z 376.3 [M+H]+.
【0098】
実施例9:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルペンチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物108)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-メチルペンタナール(40.6mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(5.5mg、9.7%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.81 - 3.73 (m, 1H), 3.36 - 3.28 (m, 1H), 3.18 - 2.99 (m, 4H), 2.73 (dd, J = 16.8, 8.3 Hz, 1H), 1.68 - 1.57 (m, 1H), 1.49 - 1.41 (m, 2H), 1.36 - 1.26 (m, 1H), 1.25 - 1.10 (m, 1H), 0.92 - 0.82 (m, 6H);MS (APCI+) m/z 418.3 [M+H]+.
【0099】
実施例10:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物109)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセトアルデヒド(52.0mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(6.5mg、10.8%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.48 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.87 - 3.79 (m, 2H), 3.62 - 3.53 (m, 1H), 3.34 - 3.22 (m, 3H), 3.12 - 2.89 (m, 4H), 2.71 - 2.60 (m, 1H), 1.62 - 1.44 (m, 5H), 1.24 - 1.10 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 446.4 [M+H]+.
【0100】
実施例11:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(オキサン-4-イル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物110)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボアルデヒド(46.3mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(8.5mg、14.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.91 - 3.82 (m, 2H), 3.75 - 3.70 (m, 1H), 3.36 - 3.23 (m, 3H), 3.21 - 3.07 (m, 2H), 2.98 (qd, J = 12.4, 7.0 Hz, 2H), 2.72 (dd, J = 16.5, 9.0 Hz, 1H), 1.97 - 1.86 (m, 1H), 1.72 - 1.63 (m, 2H), 1.33 - 1.18 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 432.3 [M+H]+.
【0101】
実施例12:5-{(3S)-3-[(シクロプロピルメチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物111)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。シクロプロパンカルボアルデヒド(28.4mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(9.8mg、18.8%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.85 - 3.73 (m, 1H), 3.35 - 3.26 (m, 1H), 3.19 - 3.06 (m, 2H), 3.05 - 2.91 (m, 2H), 2.74 (dd, J = 16.7, 8.6 Hz, 1H), 1.12 - 0.98 (m, 1H), 0.68 - 0.56 (m, 2H), 0.43 - 0.32 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 388.3 [M+H]+.
【0102】
実施例13:5-[(3S)-3-(ブチルアミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物112)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。ブチルアルデヒド(29.3mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(10.0mg、19%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.81 - 3.72 (m, 1H), 3.36 - 3.27 (m, 1H), 3.20 - 2.96 (m, 4H), 2.74 (dd, J = 16.7, 8.3 Hz, 1H), 1.66 - 1.54 (m, 2H), 1.36 (h, J = 7.4 Hz, 2H), 0.92 (t, J = 7.4 Hz, 3H);MS (APCI+) m/z 390.3 [M+H]+.
【0103】
実施例14:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(2-メチルプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物113)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。イソブチルアルデヒド(29.5mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(14.1mg、26.8%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.78 - 3.71 (m, 1H), 3.36 - 3.27 (m, 1H), 3.23 - 3.08 (m, 2H), 3.00 - 2.86 (m, 2H), 2.73 (dd, J = 16.6, 9.3 Hz, 1H), 2.08 - 1.89 (m, 1H), 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 6H);MS (APCI+) m/z 390.3 [M+H]+.
【0104】
実施例15:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(オキソラン-3-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物114)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-(テトラヒドロフラン-3-イル)アセトアルデヒド(46.3mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(16.1mg、27.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.51 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.83 - 3.58 (m, 4H), 3.36 - 3.22 (m, 2H), 3.20 - 2.97 (m, 4H), 2.74 (dd, J = 16.7, 8.2 Hz, 1H), 2.28 - 2.12 (m, 1H), 2.09 - 1.96 (m, 1H), 1.77 - 1.60 (m, 2H), 1.56 - 1.42 (m, 1H);MS (APCI+) m/z 432.3 [M+H]+.
【0105】
実施例16:5-{(3S)-3-[(2,3-ジメチルブチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物115)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2,3-ジメチルブタナール(40.6mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(16.1mg、28.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.76 - 3.71 (m, 1H), 3.37 - 3.26 (m, 1H), 3.23 - 2.97 (m, 3H), 2.93 - 2.67 (m, 2H), 1.78 - 1.63 (m, 2H), 0.90 (dd, J = 6.6, 2.4 Hz, 6H), 0.83 (dd, J = 6.7, 2.1 Hz, 3H);MS (APCI+) m/z 418.3 [M+H]+.
【0106】
実施例17:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(プロパン-2-イル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物116)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。アセトン(23.5mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(3.2mg、6.3%収率)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.56 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.79 - 3.73 (m, 1H), 3.59 - 3.49 (m, 1H), 3.34 - 3.29 (m, 1H), 3.19 - 3.07 (m, 2H), 2.70 (dd, J = 16.2, 9.0 Hz, 1H), 1.32 - 1.27 (m, 6H);MS (APCI+) m/z 376.3 [M+H]+.
【0107】
実施例18:5-[(3S)-3-{[2-(3,3-ジフルオロシクロブチル)エチル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物117)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-(3,3-ジフルオロシクロブチル)アセトアルデヒド(54.4mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(6.4mg、10.6%収率)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.53 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.01 (s, 2H), 3.75 - 3.60 (m, 1H), 3.31 (s, 1H), 3.10 (q, J = 13.7 Hz, 2H), 2.97 (d, J = 25.3 Hz, 2H), 2.78 - 2.67 (m, 3H), 2.40 - 2.14 (m, 3H), 1.82 (q, J = 7.7 Hz, 2H);MS (APCI+) m/z 452.3 [M+H]+.
【0108】
実施例19:5-{(3S)-3-[(2-シクロヘキシルエチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物118)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-シクロヘキシルアセトアルデヒド(48.7mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(11.2mg、18.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.61 - 3.55 (m, 1H), 3.24 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.10 - 2.88 (m, 4H), 2.63 (dd, J = 16.7, 8.4 Hz, 1H), 1.65 (td, J = 17.8, 15.0, 4.9 Hz, 5H), 1.50 - 1.40 (m, 2H), 1.36 - 1.04 (m, 4H), 0.96 - 0.82 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 444.3 [M+H]+.
【0109】
実施例20:5-{(3S)-3-[(3-エチルペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物119)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-エチルペンタナール(46.1mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-100%A、8.0-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(11.7mg、20.1%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.57 - 3.50 (m, 1H), 3.23 (dd, J = 12.0, 2.9 Hz, 1H), 3.08 - 2.79 (m, 4H), 2.62 (dd, J = 16.6, 8.4 Hz, 1H), 1.54 - 1.44 (m, 2H), 1.32 - 1.22 (m, 5H), 0.82 (t, J = 6.9 Hz, 6H);MS (APCI+) m/z 432.3 [M+H]+.
【0110】
実施例21:5-{(3S)-3-[(2-シクロペンチルエチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物120)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-シクロペンチルアセトアルデヒド(45.5mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(18.6mg、32%収率)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.57 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.88 - 3.82 (m, 1H), 3.41 - 3.35 (m, 1H), 3.23 - 3.04 (m, 4H), 2.80 (dd, J = 16.7, 8.2 Hz, 1H), 1.93 - 1.79 (m, 3H), 1.74 - 1.64 (m, 4H), 1.63 - 1.48 (m, 2H), 1.22 - 1.13 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 430.3 [M+H]+.
【0111】
実施例22:5-[(3S)-3-(ベンジルアミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物121)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。ベンズアルデヒド(43.0mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(21.2mg、37.1%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 7.55 - 7.38 (m, 5H), 6.53 (s, 1H), 4.20 - 4.07 (m, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.56 - 3.37 (m, 1H), 3.32 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.15 - 3.03 (m, 2H), 2.71 - 2.62 (m, 1H);MS (APCI+) m/z 424.3 [M+H]+.
【0112】
実施例23:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物122)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-メトキシ-3-メチルブタナール(47.1mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(13.2mg、24.3%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.49 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.25 (tt, J = 7.3, 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.68 - 3.57 (m, 3H), 3.35 - 3.27 (m, 1H), 3.15 - 3.01 (m, 2H), 2.71 (dd, J = 16.7, 8.3 Hz, 1H), 1.73 (dd, J = 19.1, 1.4 Hz, 6H);MS (APCI+) m/z 402.3 [M+H]+.
【0113】
実施例24:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(2-フェニルエチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物123)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。フェニルアセトアルデヒド(48.7mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、塩酸水溶液(2.0M、1.4mL、3.24mmol、20当量)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(9.7mg、16.4%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 7.36 - 7.21 (m, 5H), 6.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.84 - 3.73 (m, 1H), 3.32 - 3.17 (m, 3H), 3.13 - 3.05 (m, 2H), 2.91 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.72 (dd, J = 16.7, 8.1 Hz, 1H);MS (APCI+) m/z 438.3 [M+H]+.
【0114】
実施例25:5-{(3S)-3-[(3,3-ジメチルペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物124)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3,3-ジメチルペンタナール(46.3mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(21.2mg、36.4%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.58 - 3.54 (m, 1H), 3.29 - 3.21 (m, 1H), 3.10 - 2.78 (m, 4H), 2.62 (dd, J = 16.7, 8.4 Hz, 1H), 1.52 - 1.38 (m, 2H), 1.21 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 0.86 - 0.72 (m, 9H);MS (APCI+) m/z 432.4 [M+H]+.
【0115】
実施例26:5-[(3S)-5-フルオロ-3-{[(1-フルオロシクロプロピル)メチル]アミノ}-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物125)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。1-フルオロシクロプロパン-1-カルボアルデヒド(35.7mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(20.1mg、36.6%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.49 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.43 - 3.34 (m, 1H), 3.26 - 3.14 (m, 3H), 3.06 - 2.90 (m, 2H), 2.56 - 2.50 (m, 1H), 1.10 - 1.02 (m, 2H), 0.85 - 0.73 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 406.2 [M+H]+.
【0116】
実施例27:5-[(3S)-3-{[(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物126)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2,2-ジフルオロシクロプロパン-1-カルボアルデヒド(43.0mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(18.4mg、32.2%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.45 (s, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.43 - 3.38 (m, 1H), 3.22 - 3.13 (m, 1H), 2.98 (d, J = 20.8 Hz, 4H), 2.61 - 2.53 (m, 1H), 1.97 - 1.83 (m, 1H), 1.67 - 1.60 (m, 1H), 1.40 - 1.25 (m, 1H);MS (APCI+) m/z 424.3 [M+H]+.
【0117】
実施例28:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(3-メチルオキセタン-3-イル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物127)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-メチルオキセタン-3-カルボアルデヒド(40.6mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-40%A、8.0-8.1分40-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(18.1mg、32.0%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.49 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 5.9, 2.2 Hz, 2H), 4.29 - 4.23 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.47 - 3.15 (m, 2H), 3.10 - 2.92 (m, 4H), 2.57 - 2.50 (m, 1H), 1.31 (s, 3H);MS (APCI+) m/z 418.3 [M+H]+.
【0118】
実施例29:5-[(3S)-5-フルオロ-3-({[1-(フルオロメチル)シクロプロピル]メチル}アミノ)-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物128)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。1-(フルオロメチル)シクロプロパン-1-カルボアルデヒド(41.4mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(12.8mg、22.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.45 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 4.42 - 4.37 (m, 1H), 4.30 - 4.25 (m, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.49 - 3.33 (m, 1H), 3.23 - 3.15 (m, 1H), 3.04 - 2.91 (m, 4H), 2.63 - 2.53 (m, 1H), 0.62 (s, 4H);MS (APCI+) m/z 420.3 [M+H]+.
【0119】
実施例30:5-{(3S)-3-[(4,4-ジフルオロペンチル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物129)
1ドラムバイアルに、5-[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン塩酸塩(33mg、0.089mmol、実施例3P)、ジクロロメタン(535μL)、エタノール(357μL)、及びトリエチルアミン(37.3μL、0.268mmol)を充填した。その後、4,4-ジフルオロペンタナール(32.7mg、0.268mmol)を添加し、溶液を2時間撹拌してから、水素化ホウ素ナトリウム(13.50mg、0.357mmol)を一度に添加した。30分後、反応を3M HCl水溶液(595μL、1.785mmol)でクエンチし、混合物を真空下で部分的に濃縮した。溶液を重炭酸アンモニウム水溶液(水中0.025M、ドライアイスの添加によりpH7に酸性化)で希釈し、30g Biotage(登録商標)Sfar C18カラム上にロードし、水中0.025M重炭酸アンモニウム(ドライアイスの添加によりpH7に酸性化)中のメタノール10-100%グラジエントにより精製して、表題化合物(17.8mg、0.041mmol、45.4%収率)を得た。1H NMR (499.6 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.51 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 3.91 (s, 2H), 3.26 (m, 2H), 3.17-3.04 (m, 4H), 2.71-2.63 (m, 1H), 2.02-1.91 (m, 2H), 1.77-1.70 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 440 [M+H]+.
【0120】
実施例31:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物130)
1ドラムバイアルに、5-[(3S)-3-アミノ-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン塩酸塩(33mg、0.089mmol、実施例3P)、ジクロロメタン(535μL)、エタノール(357μL)、及びトリエチルアミン(37.3μL、0.268mmol)を充填した。その後、3-メトキシプロパナール(23.12μL、0.268mmol)を添加し、溶液を2時間撹拌してから、水素化ホウ素ナトリウム(13.50mg、0.357mmol)を一度に添加した。30分後、反応を3M塩化アンモニウム水溶液(54.2μL、1.785mmol)でクエンチし、窒素気流下で部分的に濃縮した。溶液を重炭酸アンモニウム水溶液(水中0.025M、ドライアイスの添加によりpH7に酸性化)で希釈し、30g Biotage(登録商標)Sfar C18カラム上にロードし、水中0.025重炭酸アンモニウム(ドライアイスの添加によりpH7に酸性化)中のメタノール10-100%グラジエントにより精製して、表題化合物(10.2mg、0.025mmol、28.2%収率)を得た。1H NMR (600.4 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.52 (s, 1), 8.47 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 3.91 (ABq, J = 13.2 Hz, 2H), 3.40 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.28 (m, 2H), 3.24 (s, 1H), 3.11-3.05 (m. 4H), 2.70 (dd, J = 16.8, 8.0 Hz, 1H), 1.83 (p, J = 6.7 Hz, 2H);(APCI+) m/z 406 [M+H]+.
【0121】
実施例32:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロピル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物131)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパナール(33.6mg、0.27mmol、2.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(29.1mg、48.8%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 7.73 - 7.68 (m, 1H), 7.49 - 7.41 (m, 1H), 6.46 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 6.26 - 6.23 (m, 1H), 4.19 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.56 - 3.50 (m, 1H), 3.23 - 3.16 (m, 1H), 3.03 - 2.92 (m, 2H), 2.94 - 2.82 (m, 2H), 2.61 (dd, J = 16.7, 8.1 Hz, 1H), 2.04 (p, J = 7.1 Hz, 2H);MS (APCI+) m/z 442.3 [M+H]+.
【0122】
実施例33:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(1-メチルシクロプロピル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物132)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-(1-メチルシクロプロピル)アセトアルデヒド(39.8mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(15.5mg、27.6%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.54 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.01 (s, 2H), 3.81 - 3.78 (m, 1H), 3.40 - 3.33 (m, 1H), 3.26 - 3.03 (m, 4H), 2.78 (dd, J = 16.8, 8.1 Hz, 1H), 1.65 - 1.53 (m, 2H), 1.07 (s, 3H), 0.43 - 0.36 (m, 2H), 0.36 - 0.28 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 416.3 [M+H]+.
【0123】
実施例34:5-{(3S)-3-[(2-シクロプロピルプロピル)アミノ]-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物133)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-シクロプロピルプロパナール(39.8mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-60%A、8.0-8.1分60-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(12.0mg、21.4%収率)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.39 (s, 1H), 3.86 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 3.73 - 3.64 (m, 1H), 3.23 - 3.16 (m, 1H), 3.11 - 2.89 (m, 4H), 2.62 (dd, J = 16.4, 9.5 Hz, 1H), 1.06 - 0.98 (m, 1H), 0.91 (dd, J = 6.8, 1.2 Hz, 3H), 0.52 - 0.46 (m, 1H), 0.40 - 0.29 (m, 2H), 0.17 - 0.12 (m, 1H), -0.01 (dtd, J = 10.8, 6.2, 5.6, 3.1 Hz, 1H);MS (APCI+) m/z 416.3 [M+H]+.
【0124】
実施例35:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-フェニルブチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物134)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-フェニルブタナール(60.1mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-100%A、8.0-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(2.7mg、4.2%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 7.34 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.30 - 7.19 (m, 3H), 6.49 (s, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.87 - 3.74 (m, 1H), 3.27 (s, 1H), 3.06 (d, J = 14.2 Hz, 3H), 2.90 - 2.63 (m, 3H), 1.89 (q, J = 7.9 Hz, 2H), 1.24 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0125】
実施例36:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[(3-フェニルシクロブチル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物135)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-フェニルシクロブタン-1-カルボアルデヒド(65.0mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(3.5mg、5.5%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 7.38 - 7.16 (m, 5H), 6.50 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 3.69 - 3.59 (m, 1H), 3.44 - 3.26 (m, 2H), 3.07 (s, 3H), 2.71 (dd, J = 15.0, 10.1 Hz, 1H), 2.53 - 2.44 (m, 3H), 2.36 - 2.22 (m, 1H), 1.92 - 1.81 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 478.4 [M+H]+.
【0126】
実施例37:5-{(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-[(3-フェニルプロピル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル}-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物136)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-フェニルプロパナール(54.4mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(13.4mg、22%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 7.37 - 7.15 (m, 5H), 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.33 - 3.25 (m, 1H), 3.15 - 3.01 (m, 4H), 2.71 (dt, J = 26.9, 8.0 Hz, 3H), 1.98 - 1.86 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 452.4 [M+H]+.
【0127】
実施例38:5-[(3S)-3-{[3-(2,2-ジフルオロエトキシ)プロピル]アミノ}-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物137)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。3-(2,2-ジフルオロエトキシ)プロパナール(56.0mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(15.6mg、25.4%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.51 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.12 (tt, J = 54.9, 3.6 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.83 - 3.79 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.35 - 3.28 (m, 1H), 3.21 - 3.03 (m, 5H), 2.81 - 2.70 (m, 1H), 1.96 - 1.84 (m, 2H);MS (APCI+) m/z 456.3 [M+H]+.
【0128】
実施例39:5-[(3S)-3-({[(1RS,5SR)-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]メチル}アミノ)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物138)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボアルデヒド(44.7mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加し、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(16.5mg、28.5%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.98 (s, 2H), 3.80 - 3.74 (m, 1H), 3.34 - 3.05 (m, 3H), 3.02 - 2.87 (m, 2H), 2.74 (dd, J = 16.7, 8.5 Hz, 1H), 1.79 - 1.48 (m, 5H), 1.37 - 1.23 (m, 2H), 1.16 - 0.99 (m, 1H), 0.90 - 0.80 (m, 1H);MS (APCI+) m/z 428.3 [M+H]+.
【0129】
実施例40:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-({[4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物139)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサン-1-カルボアルデヒド(73.1mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(18.6mg、27.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 3.98 (s, 2H), 3.37 - 3.25 (m, 1H), 3.23 - 3.00 (m, 3H), 2.97 - 2.86 (m, 1H), 2.78 - 2.66 (m, 1H), 2.40 - 2.15 (m, 1H), 2.03 - 1.81 (m, 2H), 1.77 - 1.42 (m, 5H), 1.33 - 1.19 (m, 1H), 1.06 (q, J = 12.7 Hz, 1H);MS (APCI+) m/z 498.1 [M+H]+.
【0130】
実施例41:5-[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-{[2-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)エチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-6-イル]-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-1,1,3-トリオン(化合物140)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。2-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)アセトアルデヒド(67.4mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(21.3mg、32.6%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.52 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.86 - 3.81 (m, 1H), 3.32 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.19 - 3.06 (m, 2H), 3.02 - 2.90 (m, 2H), 2.81 - 2.69 (m, 1H), 2.35 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 1.90 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 1.63 (s, 3H), 1.55 - 1.51 (m, 2H), 1.44 - 1.36 (m, 2H), 0.99 (s, 6H);MS (APCI+) m/z 484.4 [M+H]+.
【0131】
実施例42:4-({[(3S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-6-(1,1,4-トリオキソ-1λ6,2,5-チアジアゾリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾチオピラン-3-イル]アミノ}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(化合物141)
4mLバイアル中で、実施例3Pの生成物(50mg、0.14mmol)と、3:2v/vエタノール/ジクロロメタン(1.4mL)中のトリエチルアミン(57μL、0.41mmol、3当量)とを合わせて、懸濁液を得た。4-ホルミルピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(86.5mg、0.41mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.54mmol、4.0当量)を一度に添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム(1.0mL)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を窒素気流下で部分的に濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、混合物を、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(50mm×30mm)上の逆相分取HPLCにより精製した。流量40mL/分でメタノール(A)及び水中25mM重炭酸アンモニウムバッファー(pH7)(B)グラジエント(0-0.5分5%A、0.5-8.0分リニアグラジエント5-80%A、8.0-8.1分80-100%A、8.1-9.0分100%A、9.0-9.1分リニアグラジエント100-5%A、9.1-10.0分5%A)を用いて、表題化合物(23.5mg、32.8%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6:D2O = 9:1 (v/v)) δ ppm 6.50 (s, 1H), 3.95 (d, J = 18.0 Hz, 4H), 3.81 - 3.71 (m, 1H), 3.34 - 3.22 (m, 1H), 3.20 - 2.86 (m, 5H), 2.81 - 2.58 (m, 3H), 1.73 (d, J = 12.9 Hz, 2H), 1.39 (d, J = 4.0 Hz, 9H), 1.08 (d, J = 12.3 Hz, 2H);MS (APCI+) m/z 531.4 [M+H]+.
【0132】
生物学的アッセイ
略語
DMEMはダルベッコ変法イーグル培地、DMSOはジメチルスルホキシド、DTTはジチオスレイトール、EDTAはエチレンジアミン四酢酸、EGTAはエチレングリコール-ビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N′,N′-四酢酸、HEPESは4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸、IFNγはインターフェロンガンマ、及びTween(登録商標)20はポリエチレングリコールソルビタンモノラウレートである。
【0133】
実施例43:PTPN2阻害剤の効力を測定するために用いる移動度シフトアッセイ(MSA)
化合物活性を、in vitro酵素反応において、社内のHisタグPTPN2(TC45)タンパク質(配列番号1)を用いて測定した。活性を測定するために使用した酵素アッセイは、Caliper Life SciencesによるLabChip EZ Readerを用いた移動度シフトアッセイであった。酵素反応はアッセイバッファー(50mM HEPES pH7.5、1mM EGTA、10mM EDTA、0.01% Tween(登録商標)20、及び2mM DTT)中で行った。化合物を、ProxiPlate(商標)白色384ウェル(PerkinElmerカタログ#6008289)プレートに、Labcyte Echoを用いて、様々な濃度で(12ポイント、1:3希釈)分注した。酵素(0.5nM)を化合物と共に室温で10分間インキュベートした。その後、基質(リン酸化インスリン受容体プローブ配列:((OG488)-(NH-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CO)-T-R-D-I-(PY)-E-T-D-Y-Y-R-K-K-NH2)(配列番号2)を、2μMでプレートに添加し、室温でさらに10分間インキュベートした。最後に、クエンチ溶液(水及び4-ブロモ-3-(2-オキソ-2-プロポキシエトキシ)-5-(3-{[1-(フェニルメタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]アミノ}フェニル)チオフェン-2-カルボン酸)をプレートに添加し、次いで、EZ Reader(励起488nm、発光530nm)を作動させて変換%(リン酸化基質がPTPN2により脱リン酸化された量)を測定した。各プレートには、100%コントロール(阻害剤:4-ブロモ-3-(2-オキソ-2-プロポキシエトキシ)-5-(3-{[1-(フェニルメタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]アミノ}フェニル)チオフェン-2-カルボン酸)及び0%コントロール(DMSO)を含め、これらを用いて阻害%を算出した。次いで、阻害%を用いてIC50値を算出した。
【0134】
実施例44:PTPN1阻害剤の効力を測定するために用いる移動度シフトアッセイ(MSA)
化合物活性を、in vitro酵素反応において、社内のHisタグ完全長PTPN1タンパク質(配列番号3)を用いて測定した。活性を測定するために使用した酵素アッセイは、Caliper Life SciencesによるLabChip EZ Readerを用いた移動度シフトアッセイである。酵素反応はアッセイバッファー(50mM HEPES pH7.5、1mM EGTA、10mM EDTA、0.01% Tween(登録商標)20、及び2mM DTT)中で行った。化合物を、ProxiPlate(商標)白色384ウェル(PerkinElmerカタログ#6008289)プレートに、Labcyte Echo(登録商標)リキッドハンドラーを用いて、様々な濃度で(12ポイント、1:3希釈)分注した。酵素(0.5nM)を化合物と共に室温で10分間インキュベートした。その後、基質(リン酸化インスリン受容体プローブ配列:((OG488)-(NH-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CO)-T-R-D-I-(PY)-E-T-D-Y-Y-R-K-K-NH2)(配列番号2)を、2μMでプレートに添加し、室温でさらに10分間インキュベートした。最後に、クエンチ溶液(水及び4-ブロモ-3-(2-オキソ-2-プロポキシエトキシ)-5-(3-{[1-(フェニルメタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]アミノ}フェニル)チオフェン-2-カルボン酸)をプレートに添加し、次いで、EZ Reader(励起488nm、発光530nm)を作動させて変換%(リン酸化基質がPTPN1により脱リン酸化された量)を測定した。各プレートには、100%コントロール(阻害剤:4-ブロモ-3-(2-オキソ-2-プロポキシエトキシ)-5-(3-{[1-(フェニルメタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]アミノ}フェニル)チオフェン-2-カルボン酸)及び0%コントロール(DMSO)を含め、これらを用いて阻害%を算出した。次いで、阻害%を用いてIC50値を算出した。
【0135】
以下の表1は、本開示の例示的化合物に関する、PTPN2 MSAアッセイ及びPTPN1 MSAアッセイを用いて得られたIC50データをまとめたものである。この表において、「A」は、10nM未満のIC50を表し、「B」は、10nM~100nMのIC50を表し、「C」は、100nM~100nM超のIC50を表している。
【0136】
(表1)PTPN2及びPTPN1移動度シフトアッセイ(MSA)における本開示の例示的化合物のIC
50値
【0137】
実施例45:B16F10(マウスメラノーマ細胞)Phospho-STAT1 HTRF直接関連性薬力学(PD)アッセイ
B16F10細胞を、10%ウシ胎児血清(Gibco,カタログ#10082-139,Dun Laoghaire Co Dublin)を補充した高グルコースDMEM(Gibco,カタログ#11965-092,Dun Laoghaire Co Dublin)中で増殖させ維持した。細胞をペレット化し、10%ウシ胎児血清を補充したフェノールレッド不含高グルコースDMEM(Gibco,カタログ#11054-020,Dun Laoghaire Co Dublin)中に再懸濁させ、384ウェルCorningプレート(製品#3765,Corning,NY)に、20μLの量で、ウェルあたり11,000細胞にて蒔いた。10ポイント用量反応のため、Echo Liquid Handler(Beckman Coulter,Brea,CA)を用いて、目的化合物を50μMの最高用量から3倍希釈で0.002679μMまで希釈して細胞に投与した。プレートを37℃で3時間インキュベートし、その後に組換えマウスIFNγ(R&D Systems,カタログ#485-MI,Minneapolis,MN、最終濃度100nM)を用いて37℃で10分間処理してSTAT1リン酸化を誘導し、続いて37℃で1時間、3.3μMのスタウロスポリンで処理してリン酸化を終結させた。次いで、培地を吸引し、20μLの1×溶解バッファー/ブロッキング試薬(Cisbio Phospho-STAT1キット,パーツ#63ADK026PEH,Bedford,MA)を添加した。プレートを室温で30分間プレートシェーカーに置き、密封し、必要になるまで-80℃で保管した。プレートを解凍するため、抗体マスターミックス(1:40 Phospho-STAT1 Eu Cryptate抗体、1:40 Phospho-STAT1 d2抗体、検出バッファー含有、Cisbio Phospho-STAT1キット,パーツ#63ADK026PEH,Bedford,MA)を作製する間、完全に解凍するまでプレートを室温でシェーカーに置いた。次いで、384 ProxiPlate Plus(PerkinElmer,パーツ#6008289,Waltham,MA)に、抗体マスターミックスをウェルあたり4μLで分注し、VIAFLO 384(INTEGRA)を用いて、16μLの溶解物をCorningプレートからProxiplateに移した。プレートを室温で3時間インキュベートし、EnVision(登録商標)(Perkin Elmer)プレートリーダーで、レーザー励起335nm及び発光665nmにより読み取った。Dotmatics Studies(Bishop′s Stortford,UK)を利用して全ての用量反応曲線を作成し、EC50を算出した。表2にEC50を示す。
【0138】
(表2)B16F10 IFNγ誘導STAT1リン酸化(pSTAT1)細胞アッセイにおけるEC
50値
【0139】
実施例46:移動度シフトアッセイ(MSA)及びB16F10 pSTAT1 HTRF直接関連性薬力学(PD)アッセイにおける本開示のチオクロマン化合物と対応するクロマン類似体との比較
実施例44に記載したプロトコルのPTPN2移動度シフトアッセイデータ(生化学的効力)、及び実施例45に記載したプロトコルのB16F10 pSTAT1直接関連性薬力学(PD)アッセイデータ(細胞効力)を用いて、アッセイデータを得た。データは、本開示のチオクロマン類似体を、対応するクロマン類似体と比較したものであり、表3に示している。PTPN2 MSAで示されるように、13種のチオクロマンのうち11種が、生化学的効力において、対応するクロマン類似体を上回っている。pSTAT1直接関連性薬力学アッセイにおいて、11種のチオクロマンのうち9種が、細胞効力において、対応するクロマン類似体を上回っている。11の比較のうち9つに関し、チオクロマン類似体は、細胞アッセイにおいて、対応する生化学的比較で認められた効力増強よりも大きい効力増強を示した。
【0140】
(表3)本開示の例示的なチオクロマン化合物のPTPN2移動度シフトアッセイ(MSA)におけるIC
50値、及びB16F10 IFNγ誘導STAT1リン酸化(pSTAT1)細胞アッセイにおけるEC
50値と、対応するクロマン類似体との比較
【0141】
均等物及び範囲
特許請求の範囲において、「a」、「an」、及び「the」等の冠詞は、相反する指示がない限り、またはそれ以外に文脈から明らかでない限り、1つ以上を意味し得る。群の1つ以上の要素間に「または」を含む請求項または記載は、相反する指示がない限り、またはそれ以外に文脈から明らかでない限り、群の要素のうちの1つ、2つ以上、または全てが所与の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、またはその他の点で関連する場合、満たしているとみなされる。本開示は、群のうちのまさしく1つの要素が、所与の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、またはその他の点で関連する実施形態を含む。本開示は、群の要素のうちの2つ以上、または全てが、所与の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、またはその他の点で関連する実施形態を含む。
【0142】
さらに、本開示は、列挙された請求項のうちの1つ以上に由来する限定、要素、節、及び記述用語の1つ以上が別の請求項に導入されるという、全ての変形、組み合わせ、及び入れ替えを包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基本請求項に従属する任意の他の請求項に見出される1つ以上の限定を含むように変更され得る。要素がリストとして(例えばMarkush群形式で)示される場合、当該要素の各亜群も開示され、任意の要素(複数可)が群から取り除かれ得る。一般に、本開示、または本開示の態様が、特定の要素及び/または特徴を含むと言及される場合、本開示のある特定の実施形態、または本開示のある特定の態様は、そのような要素及び/または特徴からなるか、またはそれらから本質的になることが理解されるべきである。簡略化のために本明細書においてそれらの実施形態は、この通りの言葉で具体的に示されてはいない。また、「含む」及び「含有する」という用語は、オープンであることを意図しており、追加の要素またはステップの包含を許容していることに留意されたい。範囲が与えられている場合、その範囲には端点が含まれる。さらに、別段の指示がない限り、またはそれ以外に文脈及び当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈により別途明確に要求されない限り、本開示の異なる実施形態において、記載された範囲内の任意の特定の値または下位範囲を、範囲の下限の位の10分の1まで想定し得る。
【0143】
本出願では、種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、及び他の刊行物を参照しており、これら全てが参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれる参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合は、本明細書が優先するものとする。加えて、先行技術に該当する本開示の任意の特定の実施形態は、請求項のいずれか1つ以上から明確に除外され得る。かかる実施形態は当業者に公知であるとみなされるため、本明細書において除外されると明確に示されていなくとも、かかる実施形態は除外され得る。本開示の任意の特定の実施形態を、先行技術の存在に関連しているか否かに関わらず、任意の理由で、任意の請求項から除外することができる。
【0144】
当業者は、本明細書に記載される具体的な実施形態に対する多くの均等物を、通常の実験を行うだけで認識するかまたは確認できるであろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上の記載に限定されることが意図されず、正確には添付の特許請求の範囲に示される通りである。当業者は、特許請求の範囲で定義される本開示の精神または範囲から逸脱することなく、本記載に対する様々な変更及び修正がなされ得ることを認めるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】