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特表2024-543458ロータ構造及びその形成方法、モータ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ロータ構造及びその形成方法、モータ構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/272 20220101AFI20241114BHJP
【FI】
H02K1/272
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527780
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2022130806
(87)【国際公開番号】W WO2023173769
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】202210260263.0
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523405993
【氏名又は名称】チェジャン ファウンダー モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、 リアンツィー
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622CB01
5H622CB04
(57)【要約】
本発明は、ロータ構造及びその形成方法、モータ構造を提供し、ロータ構造の形成方法において、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいため、モータの高速動作の過程で、アナログパルス幅変調原理によって、前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に接近するエアギャップ磁界高調波を形成し、エアギャップ磁界の高調波成分を低減し、モータの高速動作際の巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を低減し、高調波磁界によるモータの振動及び騒音を小さくして、幅広い適用範囲を具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ構造の形成方法であって、
磁石鋼単体から構成される複数の磁石鋼ユニットを含み、
前記磁石鋼単体は、複数の歯部を備え、
理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、
前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいことを特徴とするロータ構造の形成方法。
【請求項2】
前記磁石鋼単体は、隣接している前記歯部の間に位置する凹溝をさらに備え、
前記凹溝は、前記ロータのd軸に沿って対称となるように分布されていることを特徴とする請求項1に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項3】
前記ロータの周方向で、前記歯部の幅は、前記ロータのd軸との間の距離が大きくなっていることに連れて、小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項4】
前記磁石鋼単体は、ヨーク部をさらに備え、
前記歯部の一端は、前記ヨーク部に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項5】
前記凹溝の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積と対応する部分の前記ヨーク部の面積との和は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいことを特徴とする請求項4に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項6】
前記N個のセグメントのNの数値は、前記歯部の数に等しいことを特徴とする請求項1に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項7】
ロータ構造であって、
請求項1~請求項6の何れか1項に記載のロータ構造の形成方法を採用することを特徴とするロータ構造。
【請求項8】
ロータ抜き板をさらに含み、
複数の前記磁石鋼ユニットは、前記ロータ抜き板に位置することを特徴とする請求項7に記載のロータ構造。
【請求項9】
前記磁石鋼単体は、一字状の磁石鋼単体、又は、「V」字状の磁石鋼単体であることを特徴とする請求項7に記載のロータ構造。
【請求項10】
モータ構造であって、
請求項7~請求項9の何れか1項に記載のロータ構造を含むことを特徴とするモータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年3月16日にて中国特許庁に提出され、出願番号が2022102602630であり、発明名称が「ロータ構造及びその形成方法、モータ構造」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は、本出願に援用されている。
【0002】
本発明は、自動車製造の技術分野に関わり、特にロータ構造及びその形成方法、モータ構造に関わっている。
【背景技術】
【0003】
優れた始動又は登坂能力及び高い車速を満たすために、新エネルギー自動車は、モータの高い回転速度、及び、大きなトルクを要求し、また、乗用車の空間が有限であり、重量制限が厳しいため、モータは、高いトルク及び電力密度を具備しなければならない。
PMSMは、よい調速能力及び高トルク密度を有するため、新エネルギー自動車において大幅に適用されている。
近年では、新エネルギー自動車の電気駆動技術の継続的な更新に連れて、モータの最大回転速度及びトルク電力密度の要求も、ますます高くなり、エアギャップ磁界には、大量の高調波成分が含まれ、ロータが回転すると、永久磁石とエアギャップ高調波磁界とは相対的に運動するため、永久磁石に渦電流損失が生じて、ひどい場合、永久磁石の不可逆減磁を招致する恐れがある。
【0004】
現在、新エネルギーモータのメーカーは、何れもステータ平角銅線巻線技術を積極的に発展しており、このステータ平角銅線巻線技術は、モータのステータ側の温度をよく改善することができる。
ところが、高速化の発展傾向に連れて、平角銅線巻線は、一般的に全節巻きの巻線を採用するため、エアギャップ磁界高調波の作用で、高速域動作を行う時、モータは、大きな交流損失が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、ロータにおけるエアギャップ磁界の高調波成分を効果的に低減して、モータが高速動作を行う際、巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を小さくするかということは、解決しようとする技術問題である。
【0006】
本発明が解決する問題は、ロータ構造の形成方法を提供することであり、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいため、モータの動作過程で、アナログパルス幅変調原理によって、前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に接近するエアギャップ磁界高調波を形成しており、エアギャップ磁界の高調波成分を低減し、モータの高速動作際の巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を低減し、幅広い適用範囲を具備する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は、ロータ構造の形成方法を提供し、磁石鋼単体から構成される複数の磁石鋼ユニットを含み、前記磁石鋼単体は、複数の歯部を備え、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しい。
【0008】
好ましくは、前記磁石鋼単体は、隣接している前記歯部の間に位置する凹溝を備え、前記凹溝は、前記ロータのd軸に沿って対称となるように分布される。
【0009】
好ましくは、前記ロータの周方向で、前記ロータのd軸との間の距離が、大きくなっていることに連れて、前記歯部の幅は、小さくなっている。
【0010】
好ましくは、前記磁石鋼単体は、ヨーク部を備え、前記歯部の一端は、前記ヨーク部に接続される。
【0011】
好ましくは、当前記凹溝の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積と対応する部分の前記ヨーク部の面積との和は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しい。
【0012】
好ましくは、前記Nは、前記歯部の数に等しい。
【0013】
相応的に、本発明は、ロータ構造をさらに提供し、上記のロータ構造の形成方法により形成される。
【0014】
好ましくは、ロータ抜き板をさらに含み、複数の前記磁石鋼ユニットは、前記ロータ抜き板に位置する。
【0015】
好ましくは、前記磁石鋼単体は、一字状の磁石鋼単体、又は、「V」字状の磁石鋼単体である。
【0016】
相応的に、本発明は、モータ構造をさらに提供し、上記のロータ構造を含む。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に対して、本発明は、以下の利点を具備する:
本発明のロータ構造の形成方法において、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいため、モータの高速動作の過程で、アナログパルス幅変調原理によって、前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に接近するエアギャップ磁界高調波を形成し、エアギャップ磁界の高調波成分を低減し、モータの高速動作際の巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を低減し、高調波磁界によるモータの振動及び騒音を小さくして、幅広い適用範囲を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例における磁石鋼単体の構造模式図である。
図2】本発明の別の実施例における磁石鋼単体の構造模式図である。
図3】本発明のロータ構造の形成方法における原理分析図である。
図4】本発明の別の実施例における磁石鋼単体の構造模式図である。
図5】本発明の別の実施例における磁石鋼単体の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
現在、高速永磁モータにとって、磁石鋼の渦電流損失及び巻線の交流損失を小さくする通常の方法は、磁石鋼の段階的スキューによってロータ磁界の高調波成分を効果的に低減するとともに、渦電流損失を低減できるが、その効果は、有限であり、且つプロセス要求も高く、また、短節巻きの巻線の解決策を採用してステータ磁界の高調波成分を低減して、さらに、巻線の交流損失を小さくするが、巻線の短節巻きは、スロット内の絶縁という問題を招致し、エアギャップ磁界は、ステータ磁界とロータ磁界から共同で構成され、短節巻きの巻線は、ステータ磁界の高調波成分を小さくすることができるが、ロータ磁界の高調波成分が存在するため、巻線の交流損失の低減は、依然的に有限である。
【0020】
発明者が研究して分かるように、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいため、モータの高速動作の過程で、アナログパルス幅変調原理によって、前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に接近するエアギャップ磁界高調波を形成し、エアギャップ磁界の高調波成分を低減し、モータの高速動作際の巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を低減し、高調波磁界によるモータの振動及び騒音を小さくして、幅広い適用範囲を具備する。
【0021】
本発明の上記目的、特徴、及び利点がより分かりやすくなるために、以下、図面を結合して本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例における磁石鋼単体の構造模式図であり、図2は、本発明の別の実施例における磁石鋼単体の構造模式図であり、図3は、本発明のロータ構造の形成方法における原理分析図であり、図4は、本発明の別の実施例における磁石鋼単体の構造模式図であり、図5は、本発明の別の実施例における磁石鋼単体の構造模式図である。
【0023】
まず、図1を参照し、磁石鋼単体100は、複数の歯部101を含む。
【0024】
本実施例において、前記歯部101は、独立する個体である。
【0025】
本実施例において、隣接している前記歯部101の間は、接着剤102によって接続される。
【0026】
本実施例において、複数の前記歯部101は、前記磁石鋼単体100を構成する。
【0027】
図1に示す前記磁石鋼単体100は、一字状の磁石鋼単体である。
【0028】
他の実施例において、図2に示す前記磁石鋼単体100は、「V」字状の磁石鋼単体であってもよく、前記「V」字状の磁石鋼単体は、2つの前記磁石鋼単体100が「V」字状に分布されるように構成されている。
【0029】
本実施例において、図3に示すように、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部101の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部101の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しい。
【0030】
本実施例において、半周期の正弦エアギャップ磁界波を例として説明する。
【0031】
動作過程でモータは、基本波を生成すると同時に、一連の高調波起磁力、例えば、エアギャップ磁界波を生成し、理想的なエアギャップ磁界波は、正弦波形であり、この理想的な正弦エアギャップ磁界波は、小さな高調波成分を備え、モータの振動及び騒音の低減にとって、モータの損失が少ないため、ロータ構造の設計過程で設計者は、モータの動作過程で理想的なエアギャップ磁界波が生じることで、騒音、振動及び損失の問題を解決することを望んでいる。
【0032】
本実施例において、まず、理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、前記歯部101の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部101の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しく、そして、アナログパルス幅変調原理によって、前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に接近するエアギャップ磁界高調波を形成し、これによって、エアギャップ磁界高調波の高調波成分を低減して、さらに、モータが高速動作を行う際、巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を効果的に低減し、高調波磁界によるモータの振動及び騒音を小さくして、形成されたロータ構造及び対応するモータ構造は、何れも幅広い適用範囲を具備する。
【0033】
本実施例において、図3は、図3a及び図3bを含み、図3aは、半分の周期内の理想的な正弦エアギャップ磁界の波形図であり、図3bは、振幅が等しく幅が等しくない、同じ数の矩形パルスシーケンスである。
【0034】
図3bにおいて、各矩形パルスが具備する面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しい。
【0035】
このように、正弦波の代わりとして、振幅が等しく幅が等しくない、同じ数の矩形パルスシーケンスを使用し、そして、各パルスの幅及び間隔を計算して、これらのデータをマイクロコンピュータに記憶し、テーブルルックアップの方式でPWM信号制御切替機器のオン・オフを生成し、各切替機器のオン・オフのタイミングを正確に計算し、取得した波形は、正弦波に非常に近接する。
【0036】
図3bにおいて、S は、矩形パルスの面積であり、i=Nである。
【0037】
図3bにおいて、S は、前記対応する位置の前記歯部101の面積に等しい。
【0038】
本実施例において、前記Nは、前記歯部101の数に等しく、半周期の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波を例として、Nは、9であり、前記歯部101の数は、9である。
【0039】
具体的に、理想的な正弦エアギャップ磁界波は、9つのセグメントに分割されると、対応するように9つの前記歯部があり、ロータのd軸を対称軸とし、そうすれば、図1を結合して参照し、対応するように、矩形パルスの面積は、S 、 S 、S 、 S 、 S 、 S 、 S 、 S 、 S であり、対応する前記磁石鋼単体100上の歯部の面積配列は、S、S、S、S、S、S、S、S、Sであり、そのうち、S = S、S = S、S = S、S = S、S = Sである。
【0040】
他の実施例において、前記磁石鋼単体100が「V」字状磁石鋼単体である場合、前記磁石鋼単体100は、同じように9つの部分に分けられ、d軸の両側に最も接近する前記歯部101の面積Sは、半分に分けられ、即ち、S=S1/2+S1/2である。
ロータのd軸を対称軸とすると、対応するように、前記磁石鋼単体100上の歯部の面積配列は、S、S、S、S、S1/2、S1/2、S、S、S、Sである。
【0041】
本実施例において、前記歯部101の中心線は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に位置する中心線と重なる。
【0042】
図4における前記磁石鋼単体100は、ヨーク部103を備え、前記歯部101の一端は、前記ヨーク部103に接続される。
【0043】
本実施例において、前記磁石鋼単体100が、前記ヨーク部103を備える場合、隣接している前記歯部101の間は、前記接着剤102によって接続されていない。
【0044】
本実施例において、前記磁石鋼単体100は、隣接している前記歯部101の間に位置する凹溝104をさらに備え、前記凹溝104は、前記ロータのd軸に沿って対称となるように分布される。
【0045】
図4に示す前記磁石鋼単体100は、一字状の磁石鋼単体である。
【0046】
図4に示す凹溝内の点線は、凹溝の中心線を示す。
【0047】
他の実施例において、図5を参照し、前記磁石鋼単体100は、「V」字状の磁石鋼単体である。
【0048】
本実施例において、前記ロータの周方向で、前記歯部101の幅は、前記ロータのd軸との間の距離が大きくなっていることに連れて小さくなっている。
【0049】
本実施例において、前記歯部101の間は、前記凹溝104を有するため、モータ性能を保証することを前提として、前記磁石鋼単体100の性能を保証するとともに、磁石鋼の使用量をさらに低減し、コスト低減という目的を達成し、また、前記磁石鋼単体の設計は、軽量化されたため、前記磁石鋼ユニットの渦電流損失をさらに低減でき、熱源を小さくするとともに、モータの動作効率を向上する。
【0050】
本実施例において、前記凹溝の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積と対応する部分の前記ヨーク部の面積との和は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しい。
【0051】
本実施例において、前記磁石鋼単体は、磁石鋼ユニットを構成し、複数の磁石鋼ユニットは、ロータ抜き板に位置して、ロータ構造を形成する。
【0052】
本発明は、ロータ構造をさらに提供し、上記の磁石鋼単体100を含み、前記歯部101の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しく、又は、前記歯部の面積と対応する部分の前記ヨーク部の面積との和は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しく、アナログパルス幅変調原理によって、前記理想的な正弦エアギャップ磁界波に接近するエアギャップ磁界高調波を形成し、これによって、エアギャップ磁界の高調波成分を低減して、さらに、モータが高速動作を行う際、巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を効果的に低減し、高調波磁界によるモータの振動及び騒音を小さくして、形成されたロータ構造は、幅広い適用範囲を具備する。
【0053】
さらに、本発明は、モータ構造を提供し、上記のロータ構造を含み、ロータ構造の設計過程で、エアギャップ磁界の高調波成分をなくすとともに、エアギャップ磁界の高調波成分によるモータの振動及び騒音の影響をなくしたため、モータが高速動作を行う際、巻線の交流損失及び磁石鋼の渦電流損失を低減し、モータの適用範囲を大幅に広げる。
【0054】
本発明は、以上のように開示されたが、これに限定されていない。
当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱しないことを前提として、各種の変更及び補正を行うことができ、従って、本発明の保護範囲は、請求項に限定される範囲を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ構造の形成方法であって、
磁石鋼単体から構成される複数の磁石鋼ユニットを含み、
前記磁石鋼単体は、複数の歯部を備え、
理想的な正弦エアギャップ磁界波をN個のセグメントに分割し、
前記歯部の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいことを特徴とするロータ構造の形成方法。
【請求項2】
前記磁石鋼単体は、隣接している前記歯部の間に位置する凹溝をさらに備え、
前記凹溝は、前記ロータのd軸に沿って対称となるように分布されていることを特徴とする請求項1に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項3】
前記ロータの周方向で、前記歯部の幅は、前記ロータのd軸との間の距離が大きくなっていることに連れて、小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項4】
前記磁石鋼単体は、ヨーク部をさらに備え、
前記歯部の一端は、前記ヨーク部に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項5】
前記凹溝の中心線が、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波内に位置する場合、前記歯部の面積と対応する部分の前記ヨーク部の面積との和は、対応するように分割された部分の前記理想的な正弦エアギャップ磁界波の面積に等しいことを特徴とする請求項4に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項6】
前記N個のセグメントのNの数値は、前記歯部の数に等しいことを特徴とする請求項1に記載のロータ構造の形成方法。
【請求項7】
ロータ構造であって、
請求項1~請求項6の何れか1項に記載のロータ構造の形成方法を採用することを特徴とするロータ構造。
【請求項8】
ロータ抜き板をさらに含み、
複数の前記磁石鋼ユニットは、前記ロータ抜き板に位置することを特徴とする請求項7に記載のロータ構造。
【請求項9】
前記磁石鋼単体は、一字状の磁石鋼単体、又は、「V」字状の磁石鋼単体であることを特徴とする請求項7に記載のロータ構造。
【請求項10】
モータ構造であって、
請求項7に記載のロータ構造を含むことを特徴とするモータ構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】