(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】精密単独測位(PPP)ベースのリアルタイムキネマティック(RTK)補正
(51)【国際特許分類】
G01S 19/04 20100101AFI20241114BHJP
G01S 19/43 20100101ALI20241114BHJP
【FI】
G01S19/04
G01S19/43
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527820
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022077062
(87)【国際公開番号】W WO2023091812
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ワン
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062BB05
5J062CC07
5J062DD03
5J062EE02
5J062EE04
(57)【要約】
デバイスは、精密単独測位(PPP)補正情報を使用して、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの測位のために他のデバイスに送ることができるRTK補正情報を生成し得る。特に、いくつかの実施形態によれば、PPP補正情報へのアクセスを有する第1のデバイスは、PPP補正情報を取得し得、仮想RTK基地局ロケーションを決定し、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値をPPP補正情報に基づいて生成することによって、RTK補正情報を生成し得る。次いで、この仮想MCMF測定値(および/またはそれから導出されたデータ)を、RTK補正情報として他のデバイスに送ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供する方法であって、
第1のデバイスにおいて精密単独測位(PPP)補正情報を取得するステップと、
仮想RTK基地局ロケーションを決定するステップと、
決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応し、前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するステップと、
前記第1のデバイスによって前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく前記RTK補正情報を送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記RTK補正情報を送信するステップが、前記RTK補正情報を第2のデバイスに送るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のデバイスのロケーションの指示を受信するステップをさらに含み、前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するステップが、前記第2のデバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデバイスがサーバを備え、前記第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のデバイスが第1のモバイルデバイスを備え、前記第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するステップが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記RTK補正情報を送信するステップが、前記RTK補正情報をブロードキャストするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するためのデバイスであって、
送受信機と、
メモリと、
前記送受信機および前記メモリと通信可能に結合される1つまたは複数のプロセッサと、
を備え、前記1つまたは複数のプロセッサが、
精密単独測位(PPP)補正情報を取得し、
仮想RTK基地局ロケーションを決定し、
決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応し、前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成し、
前記デバイスによって前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく前記RTK補正情報を前記送受信機を介して送信するように構成される、デバイス。
【請求項10】
前記RTK補正情報を送信するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記RTK補正情報を第2のデバイスに送るように構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記第2のデバイスのロケーションの指示を受信するようにさらに構成され、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記第2のデバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づいて前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するようにさらに構成される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスがサーバを備え、前記第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが第1のモバイルデバイスを備え、前記第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するように構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記RTK補正情報を送信するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記RTK補正情報をブロードキャストするように構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項17】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための装置であって、
前記装置において精密単独測位(PPP)補正情報を取得するための手段と、
仮想RTK基地局ロケーションを決定するための手段と、
決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応し、前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するための手段と、
前記装置によって前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく前記RTK補正情報を送信するための手段と、
を備える装置。
【請求項18】
前記RTK補正情報を送信するための前記手段が、前記装置とは別個のデバイスに前記RTK補正情報を送るための手段を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置とは別個の前記デバイスのロケーションの指示を受信するための手段をさらに備え、前記仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、前記装置とは別個の前記デバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置がサーバを備え、前記装置とは別個の前記デバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記装置が第1のモバイルデバイスを備え、前記装置とは別個の前記デバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するための前記手段が、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するための手段を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記RTK補正情報を送信するための前記手段が、前記RTK補正情報をブロードキャストするための手段を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、
第1のデバイスにおいて精密単独測位(PPP)補正情報を取得し、
仮想RTK基地局ロケーションを決定し、
決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応し、前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成し、
前記第1のデバイスによって前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく前記RTK補正情報を送信するためのコードを含む、
コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記RTK補正情報を送信するための前記コードが、前記RTK補正情報を第2のデバイスに送るためのコードを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記命令が、前記第2のデバイスのロケーションの指示を受信するためのコードをさらに含み、前記仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、前記第2のデバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項26に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記第1のデバイスがサーバを備え、前記第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項26に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記第1のデバイスが第1のモバイルデバイスを備え、前記第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項26に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するための前記コードが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するためのコードを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、請求項30に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記RTK補正情報を送信するための前記コードが、前記RTK補正情報をブロードキャストするためのコードを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、衛星ベースの測位の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイス(例えば、家庭用電子機器、車両、資産、ドローン等)の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite Systems)測位は、GNSS受信機を備えるモバイルデバイスの正確な測位を提供することができる。従来のGNSS測位は、数メートルオーダーの精度を提供し、GNSSベースのより精密な技法は、1メートル未満の精度を提供することができる。精密単独測位(PPP:Precise Point Positioning)およびリアルタイムキネマティック(RTK:Real Time Kinematic)は、より高い精密性を提供する2つのタイプのGNSSベースの測位技法である。両方の技法は、従来のGNSS測位よりも高い精密性を達成するために追加の補正情報を使用するが、この追加の補正情報は常に利用可能であるとは限らない。さらに、PPP測位ではなくRTK測位が可能なGNSS受信機は、PPP補正情報のみが利用可能である場合、より高い測位精密性を達成することができない。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で説明する実施形態は、デバイスが、PPP補正情報を使用して、RTKベースの測位のために他のデバイスに送ることができるRTK補正情報を生成することを可能にする。特に、いくつかの実施形態によれば、PPP補正情報へのアクセスを有する第1のデバイスは、PPP補正情報を取得し得、仮想RTK基地局ロケーションを決定し、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF:Multi-Constellation Multi-Frequency)測定値をPPP補正情報に基づいて生成することによって、RTK補正情報を生成し得る。次いで、この仮想MCMF測定値(および/またはそれから導出されたデータ)を、RTK補正情報として他のデバイスに送ることができる。
【0004】
本開示による、全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供する例示的な方法は、第1のデバイスにおいて精密単独測位(PPP)補正情報を取得することを含み得る。方法はまた、仮想RTK基地局ロケーションを決定することを含み得る。方法はまた、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成することを含み得る。方法はまた、第1のデバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信することを含み得る。
【0005】
本開示による、全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための例示的なデバイスは、送受信機と、メモリと、送受信機およびメモリと通信可能に結合される1つまたは複数のプロセッサとを備え得、1つまたは複数のプロセッサは、精密単独測位(PPP)補正情報を取得するように構成される。1つまたは複数のプロセッサは、仮想RTK基地局ロケーションを決定するようにさらに構成され得る。1つまたは複数のプロセッサは、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するようにさらに構成され得る。1つまたは複数のプロセッサは、デバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送受信機を介して送信するようにさらに構成され得る。
【0006】
本開示による、全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための例示的な装置は、装置において精密単独測位(PPP)補正情報を取得するための手段を備え得る。装置は、仮想RTK基地局ロケーションを決定するための手段をさらに備え得る。装置は、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するための手段をさらに備え得る。装置は、装置によって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信するための手段をさらに備え得る。
【0007】
本開示によれば、例示的な非一時的なコンピュータ可読媒体は、全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための命令を記憶し、命令は、第1のデバイスにおいて精密単独測位(PPP)補正情報を取得するためのコードを含む。命令は、仮想RTK基地局ロケーションを決定するためのコードをさらに含み得る。命令は、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するためのコードをさらに含み得る。命令は、第1のデバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信するためのコードをさらに含み得る。
【0008】
本概要は、特許請求される主題の主要なまたは必須の特徴を特定することが意図されておらず、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図されていない。本主題は、本開示の明細書全体、いずれかまたは全ての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。上記は、他の特徴および例と一緒に、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による、GNSSシステムの簡略図である。
【
図2】一実施形態による、精密単独測位(PPP)の精密測位エンジン(PPE)のブロック図である。
【
図3A】デバイスがPPE解を決定することを可能にするためにPPP補正情報を使用できない2つのシナリオを示すグラフである。
【
図3B】デバイスがPPE解を決定することを可能にするためにPPP補正情報を使用できない2つのシナリオを示すグラフである。
【
図4A】いくつかの実施形態による、デバイスがPPE解を決定することを可能にするためにPPP補正情報を使用できる2つのシナリオを示すグラフである。
【
図4B】いくつかの実施形態による、デバイスがPPE解を決定することを可能にするためにPPP補正情報を使用できる2つのシナリオを示すグラフである。
【
図5】一実施形態による、全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供する方法のフロー図である。
【
図6】一例による、仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値の生成を示す表である。
【
図7】PPP補正情報を使用するデバイスのシミュレートされたPPPベースの測位結果を示す2つのグラフを含む。
【
図8】
図7と同様のグラフを含むが、
図7のシミュレーションで使用したPPP補正情報から本明細書で提示する技法を使用して生成されたRTK補正情報を使用するRTKベースの測位のシミュレーション結果を示す。
【
図9】一実施形態による、モバイルデバイスの様々なハードウェアおよびソフトウェア構成要素のブロック図である。
【
図10】一実施形態による、コンピュータサーバの様々なハードウェアおよびソフトウェア構成要素のブロック図である。
【0010】
いくつかの例示的な実装形態によれば、様々な図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。加えて、要素の複数のインスタンスは、その要素の第1の数字の後に文字またはハイフンおよび第2の数字を続けることによって示されてもよい。例えば、要素110の複数のインスタンスは、110-1、110-2、110-3等として、または110a、110b、110c等として示され得る。第1の数字のみを使用して、そのような要素を指すとき、その要素の任意のインスタンスであるものと理解されるべきである(例えば、前の例における要素110は、要素110-1、110-2、および110-3、または要素110a、110b、および110cを指す)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、本明細書の一部を形成する添付図面に関して、いくつかの例示的な実施形態が説明される。本開示の1つまたは複数の態様が実施され得る特定の実施形態が以下で説明されるが、他の実施形態が使用されてよく、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲の趣旨を逸脱することなく様々な修正が加えられてよい。
【0012】
本明細書で説明するように、全地球航法衛星システム(GNSS)等の衛星受信機は、電子デバイスまたはシステムからなるモバイルデバイスに組み込まれ得る。そのようなモバイルデバイスとしては、例えば、家庭用、産業用、および/または業務用電子機器、車両、資産、船舶等を挙げることができる。本明細書で説明するように、衛星受信機または衛星受信機が組み込まれたモバイルデバイスのロケーション推定は、衛星受信機またはモバイルデバイスのロケーション、ロケーション推定、ロケーションフィクス、フィクス、位置、位置推定、または位置フィクスと呼ばれることがある。さらに、ロケーション推定は測地的であり得、したがって、高度成分(例えば、海面上の高さ、地表面上の高さもしくは地表面下の深さ、床高さ、または地下深さ)を含んでもよく、含まなくてもよい、モバイルデバイスのロケーション座標(例えば、緯度および経度)を提供する。いくつかの実施形態では、衛星受信機および/または衛星受信機を備えるモバイルデバイスのロケーションは、衛星受信機が何らかの確率または信頼度(例えば、68%、95%等)で位置すると予想される(測地的に、またはシビック形式でのいずれかで定義される)エリアまたはボリュームとして表されてもよい。本明細書に含まれる説明では、ロケーションという用語の使用は、別段に示されていない限り、これらの変形態のいずれかを含んでもよい。衛星受信機のロケーションを計算するときに、そのような計算は、ローカルX、Y座標、および場合によってはZ座標について解き、次いで、必要に応じて、座標を1つの座標フレームから別の座標フレームに変換し得る。
【0013】
上述したように、本明細書で説明する実施形態は、仮想RTK基地局ロケーションに対応する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値をPPP補正情報に基づいて生成することによって、精密単独測位(PPP)補正情報に基づくリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を生成することを可能にする。このRTK補正情報を、RTK補正情報を処理可能であるが、PPP補正情報を処理できない可能性がある、他のデバイスに送ることができる。更なる詳細は、関連するシステムおよび技術の最初の説明の後に続く。
【0014】
図1は、地球120上のGNSS受信機110の正確なロケーションを決定する(GNSS受信機の「測位」としても知られる)ためにGNSSを一般にどのように使用するかを示すために提示される、GNSSシステム100の簡略図である。概して言えば、GNSSシステム100は、1つまたは複数のGNSS衛星系のGNSS衛星130からの無線周波数(RF)信号を受信するGNSS受信機110の正確なGNSS位置フィクスを可能にする。(GNSS衛星130等の衛星は、本明細書では宇宙船(SV)とも呼ばれ得る。)使用するGNSS受信機110のタイプは、用途に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、例えば、GNSS受信機110は、モバイルフォン、タブレット、ラップトップ、ウェアラブルデバイス、車両(または車載デバイス)等、家庭用電子機器またはデバイスからなり得る。いくつかの実施形態では、GNSS受信機110は、測量機器等の産業用または業務用機器からなり得る。
【0015】
図1に提示する図が非常に簡略化されていることが理解されるであろう。実際には、数十の衛星130および所与のGNSS衛星系が存在し得、多くの異なるタイプのGNSSシステムが存在する。GNSSシステムとしては、例えば、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、ガリレオ(GAL)、GLONASS、日本上空の準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)、インド上空のインド地域航法衛星システム(IRNSS:Indian Regional Navigational Satellite System)、中国上空の北斗航法衛星システム(BDS:BeiDou Navigation Satellite System)等が挙げられる。後で説明する基本的な測位機能に加えて、GNSS補強(例えば、衛星ベース補強システム(SBAS:Satellite Based Augmentation System))が、より高い精度を提供するために使用され得る。そのような補強は、例えば、広域増強システム(WAAS:Wide Area Augmentation System)、欧州静止衛星ナビゲーションオーバーレイサービス(EGNOS:European Geostationary Navigation Overlay Service)、多機能衛星補強システム(MSAS:Multi-functional Satellite Augmentation System)、およびジオ補強航法システム(GAGAN:Geo Augmented Navigation system)等の、1つもしくは複数の全地球および/もしくは地域航法衛星システムに関連付けられ得る、またはそれらとともに使用可能となり得る。
【0016】
GNSS測位は、既知の座標点との距離を測定することによって位置を決定する方法であるマルチラテレーションに基づく。一般に、GNSS受信機110の3次元位置の決定は、GNSS受信機110と4つ以上の衛星130との間の距離の決定に依拠し得る。図示のように、3D座標は、地球の質量中心を中心とする座標系(例えば、XYZ、すなわち、デカルト座標、緯度、経度、および高度、すなわち、地理座標等)に基づき得る。各衛星130とGNSS受信機110との間の距離は、無線周波数(RF)信号がそれぞれの衛星130から送信されてからGNSS受信機110において受信されるまでの時間差の、GNSS受信機110によって行われる精密な測定を使用して決定され得る。精度を確保するのを助けるために、GNSS受信機110が、各衛星130からのそれぞれの信号を受信したときを正確に決定する必要があるだけでなく、多くの追加の要因が考慮され、説明される必要がある。これらの要因としては、例えば、GNSS受信機110と衛星130とのクロック差(例えば、クロックバイアス)、(例えば、放送暦によって決定されるような)送信時における各衛星130の精密なロケーション、大気ひずみの影響(例えば、電離層遅延および対流圏遅延)等が挙げられる。
【0017】
従来のGNSS位置フィクスを実施するために、GNSS受信機110は、前述の追加の要因および誤差源を考慮して、各衛星から受信されたRF信号において受信される生成された擬似ランダムバイナリシーケンスの遅延の決定に基づいて、各衛星130との距離を決定するために、コードベースの測位を使用することができる。次いで、衛星130の距離およびロケーション情報を用いて、GNSS受信機110はそのロケーションの位置フィクスを決定することができる。この位置フィクスは、例えば、GNSS受信機110の1つまたは複数のプロセッサによって実行されるスタンドアロン測位エンジン(SPE:Standalone Positioning Engine)によって、決定され得る。しかし、コードベースの測位は、比較的正確でなく、誤差補正なしでは、前述した誤差の多くの影響を受ける。それでも、コードベースのGNSS測位は、GNSS受信機110にメートルオーダーの測位精度を提供することができる。
【0018】
より正確なキャリアベースの測距は、RF信号のキャリア波に基づいており、基地局または基準局(図示せず)における測定値を使用して、前述の誤差源による誤差を低減する助けとなるように誤差補正を実施し得る。より具体的には、GNSS受信機110によって観測される衛星130のキャリアベースの測距における誤差(例えば、大気誤差源)を、既知のロケーションにある基地局の高精度GNSS受信機を使用した衛星130の同様のキャリアベースの測距に基づいて、軽減または消去することができる。これらの測定値および基地局のロケーションを、誤差補正のためにGNSS受信機110に提供することができる。この位置フィクスは、例えば、GNSS受信機110の1つまたは複数のプロセッサによって実行される精密測位エンジン(PPE:Precise Positioning Engine)によって決定され得る。より具体的には、SPEに提供される情報に加えて、PPEは、高精度のキャリアベースの位置フィクスを提供するために、基地局のGNSS測定情報、ならびに対流圏および電離層等の追加の補正情報を使用し得る。ディファレンシャルGNSS(DGNSS)、リアルタイムキネマティック(RTK)、および精密単独測位(PPP)等のいくつかのGNSS技法を、PPEに採用することができ、1メートル未満(例えば、センチメートルオーダー)の精度を提供し得る。
【0019】
図2は、PPPベースの正確な位置を決定するために使用し得る、PPPベースのPPE200のブロック図である。それはまた、PPP補正情報をRTK補正情報に変換するために少なくとも部分的に使用され得、実施形態に従って、以下で説明される。
図2のブロックは、GNSS受信機(例えば、
図1のGNSS受信機110)のPPPベースの測位を実施するためにPPEによって使用されるデータおよび論理プロセスを含む。上述したように、PPEは、GNSS受信機および/またはGNSS受信機が組み込まれ得るデバイス(例えば、モバイルデバイス)の1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。
【0020】
ブロック210において、GNSS受信機は、複数の衛星(例えば、
図1の衛星130)のそれぞれからの信号のマルチバンド擬似距離(PR)およびキャリア位相(CP)の測定値を取得する。前述したように、PRおよびCP測定値はそれぞれ、コードベースおよびキャリアベースの測定値に対応し得る。マルチバンド測定(衛星によって送信される2つ以上の周波数を使用する信号測定)を行うために、実施形態は、複数の周波数バンドを受信可能なマルチバンドGNSS受信機(例えば、デュアルバンド受信機、トリバンド受信機等)を使用し得る。いくつかの実施形態は、複数の衛星系上で複数の周波数バンドを受信可能なマルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)受信機を使用し得る。ブロック210においてマルチバンドPR/CP測定に使用するような異なるバンドの例としては、GPSのためのL1/L5、GALのためのE1/E5A、およびBDSのためのB1C/B2Aが挙げられる。他の実施形態は、追加または代替のバンドおよび/もしくはGPS衛星系を使用し得る。
【0021】
ブロック215において、電離層フリー(IF)結合が形成される。電離層フリー結合は、電離層屈折による一次電離層効果を除去できる、コードおよび/またはキャリア測定値の線形結合からなり、これは測位解の精度を高めることができる。ブロック220によって示すように、IF結合から形成された電離層フリー(IF)のPR/CP測定値は、PPPエンジン225に提供される。
【0022】
ブロック230における高度な誤差モデリングは、様々な誤差源に基づく不正確さを軽減するための誤差モデリングからなる。標準的なPPP誤差軽減としては、衛星コード間バイアス(DCB:different code bias)、衛星位相ワインドアップ、サイト変位等を低減するための誤差低減技法が挙げられる。これらの誤差は、数メートル以上の不正確さをもたらす場合があり、これらの誤差/値を推定し得るカルマンフィルタ(KF)によって軽減を実施することができる。
【0023】
PPPエンジン225は、IF PR/CP測定(ブロック220)、高度な誤差モデリング(ブロック230)、ならびに精密な軌道およびクロック(ブロック235)を使用して、KF推定を行い、ブロック240においてPPP解を提供する。当業者が理解するように、PPPエンジンは、拡張カルマンフィルタ(EKF)を使用して実装することができる。
【0024】
上述したように、デバイスは、PPPおよび/またはRTK補正情報を使用して高精密な測位を提供するためにPPEを利用し得る。PPPおよびRTKの両方には、利点および欠点がある。ターゲットデバイス(または「移動局」)と1つまたは複数のローカル基地局との間のディファレンシャルGNSS読取り値から補正情報を導出するRTKには、誤差モデリング計算が単純であり、誤差消去性能が良好である、という利点がある。しかし、RTKには、ローカルまたは地域基準局が必要であり、バンド幅要件が(PPPと比べて)大きい、という欠点がある。ターゲットデバイスへの精密な軌道/クロック情報の提供(および更なる向上のための任意選択的な電離層および対流圏補正)を伴うPPPには、バンド幅要件が(RTKと比べて)小さく、カバレッジがグローバルである、という利点がある。PPPには、複雑な誤差モデリング計算が必要である、という欠点がある。
【0025】
RTKはデバイスに広く実装されているが、カバレッジが限定される場合があるので、RTK補正情報の欠如により、RTK対応デバイスが高精密なRTKベースの位置を提供できない状況が生じ得る。これは、カバレッジがグローバルである利用可能なPPP補正情報の存在にもかかわらず起こり得る。そのような状況を示す2つのシナリオを
図3A~
図3Bに示す。
【0026】
図3Aは、デバイス310がサーバ320と通信可能に結合されるサーバベースのシナリオ300-Aの図である。このシナリオでは、デバイス310は、GNSS受信機(例えば、GNSS受信機110)を備え得、両側矢印として示す双方向通信リンクを介してサーバ320から測位関連情報を受信し得る。(しかし、いくつかの実施形態は、サーバ320からの一方向通信を伴い得ることに留意されたい。)通信リンクは、公衆および/またはプライベートネットワーク(例えば、インターネット、セルラーネットワーク等)を介した無線および/または有線通信を含み得、したがって、サーバ320からデバイス310への情報は、1つまたは複数の介在デバイス(図示せず)によって中継され得る。いくつかの実施形態では、サーバ320は、ロケーションサービスプロバイダ、セルラーサービスプロバイダ等のサービスプロバイダによって所有および/または保守され得る。サーバ320は、例えば、利用可能なときにRTK補正情報、ならびに地上波ベースの測位方法(例えば、セルラーベースの測位)のための支援データを提供可能であり得る測位サーバからなり得る。さらに、サーバ320はまた、PPPサービスプロバイダまたは他のソースからPPP補正情報330を取得し得る。しかし、シナリオ300-Aの例では、デバイス310は、(例えば、PPEの一部として)RTKエンジン340を有しているが、PPPエンジン(例えば、
図2のPPPベースのPPE200)を有していない。したがって、デバイス310は、サーバ320がRTK情報を提供できないときに、高精密なPPE解を提供できない。
【0027】
図3Bは、第1のデバイス310-1が第2のデバイス310-2と通信可能に結合されるデバイスベースのシナリオ300-Bの図である。シナリオ300-Bでは、第1のデバイス310-1は、シナリオ300-Bにおいてサーバ320がロケーション関連情報をデバイス310に提供した方法と同様に、ロケーション関連情報を第2のデバイス310-2に提供し得る。再び、第1のデバイス310-1と第2のデバイス310-2との間の通信は、(図示のように)双方向であってもよく、または(第1のデバイス310-1から第2のデバイス310-2への)一方向であってもよい。第1のデバイス310-1と第2のデバイス310-2との間のこの通信は、1つまたは複数の介在デバイス(図示せず)によって中継されてもよく、または直接的であってもよい。第1のデバイス310-1と第2のデバイス310-2との間の直接無線インターフェースは、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、5Gサイドリンク等を含み得る。このシナリオ300-Bでは、第1のデバイス310-1は、PPPソース350からPPP補正情報330を取得する。ここで、PPPソース350は、サードパーティサービスプロバイダ(例えば、シナリオ300-Aにおいてサーバ320がPPP補正情報330を取得したのと同じソース)または別のソース(例えば、GAL E6バンド、BDS B2Bバンド、QZSS L6バンド等で送信されたPPP補正情報)であり得る。第1のデバイス310-1はPPPエンジン360を備えているので、PPP補正情報330を復調および利用して高精密なPPE解を提供可能である。しかし、シナリオ300-Aのデバイス310と同様に、シナリオ300-Bにおける第2のデバイス310-2は、RTKエンジン340を備えているがPPPエンジンを備えていないPPEを有する。したがって、第2のデバイス310-2は、高精密なPPE解を提供できない。したがって、シナリオ300-Aおよび300-Bの両方において、PPP補正情報330の有用性は、PPPエンジン360を有するデバイス(例えば、シナリオ300-Bの第1のデバイス310-1)のみに限定される。
【0028】
本明細書の実施形態は、デバイスが、
図4A~
図4Bに示すように伝搬され得るRTK補正情報を生成することを可能にすることによって、これらおよび他の問題に対処する。
【0029】
図4Aは、デバイス410がサーバ420と通信可能に結合される、シナリオ300-Aと同様のサーバベースのシナリオ400-Aの図である。デバイス410、サーバ420、およびそれらの間の通信は、シナリオ300-Aに関して前述した対応するデバイス310、サーバ320、および通信と同様であり得る。しかし、ここで、サーバ420は、サーバ320の機能を超える追加の機能を有し得る。特に、PPPサービスプロバイダまたは他のソースからPPP補正情報430を取得することに加えて、サーバ420は、サーバ420がRTK補正情報435を生成することを可能にするPPE補正フレームワーク433を含み、このRTK補正情報は、次いで、デバイス410に送られ、デバイス410のRTKエンジン440によって処理され、デバイス410がPPE解(例えば、それぞれのデバイス410の高精密なRTKベースの位置)を決定することを可能にする。
【0030】
図4Bは、デバイスベースのシナリオ400-Bの図であり、第1のデバイス410-1においてPPE補正フレームワーク433を使用してシナリオ300-Bをどのようにして同様に変更できるかを示す。再び、デバイス410および他の構成要素は、シナリオ300-Bに示し、前述した対応するものと同様であり得るが、第1のデバイス410-1は、RTK補正情報435を生成することが可能なPPE補正フレームワーク433をさらに備える。シナリオ400-Bでは、第1のデバイス410-1は、シナリオ300-Bに関して説明した方法で、PPPソース450からPPP補正情報430を取得する。再び、第1のデバイス410-1は、PPPエンジン460を備えているので、PPP補正情報430を復調および利用して、高精密なPPE解(例えば、第1のデバイス410-1の高精密なPPPベースの位置)を提供することが可能である。さらに、第1のデバイス410-1は、PPE補正フレームワーク433を含むので、PPPソース450から取得されたPPP補正430を使用して、RTK補正情報435を生成することができる。次いで、RTK補正情報435を第2のデバイス410-2に送ることができ、第2のデバイス410-2は、そのRTKエンジン440を用いてRTK補正情報435を処理して、PPE解(例えば、第2のデバイス410-2の高精密なRTKベースの位置)を生成することができる。
【0031】
図4Aおよび
図4Bに示し、本明細書の実施形態において詳述する方法で、デバイス(例えば、サーバ420または第1のデバイス410-1)が、PPP補正情報に基づいてRTK補正情報を生成および伝搬することを可能にすることにより、様々な利点が提供される。第1に、従来のRTKサービスとは異なり、基地局が必要とされない。代わりに、地理的領域にわたって広いカバレッジを提供するように生成され得る、仮想RTK基地局のための補正情報を生成することができる。さらに、RTK補正情報を処理することを可能にするために、RTKエンジン(例えば、RTKエンジン440)を有する受信デバイスに変更を加える必要がない。また、RTKエンジンが普及しているので、本明細書で説明する実施形態は、そうでなければ存在しないであろうRTK補正情報を提供することによって、多数のデバイスが高精密なRTKベースの測位決定を提供することを最終的に可能にすることができる。
【0032】
PPE補正フレームワークの精密な実装は、所望の機能に応じて変化し得る。一般に、PPE補正フレームワークは、PPP補正情報に基づいてRTK補正情報を生成し、RTK補正情報を生成することが可能である(例えば、
図9および
図10に示すような)ハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素を備え得る。いくつかの実施形態によるこのプロセスの例を
図5に示す。
【0033】
図5は、一実施形態による、GNSSベースの測位のためのRTK補正情報を提供する方法500のフロー図である。この方法500において、RTK補正情報は、上述したように、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づいて生成される。
図5に示すブロックのうちの1つまたは複数に示す機能を実施するための手段は、サーバ(例えば、サーバ420)、またはモバイルデバイスを含む別の電子デバイス(例えば、第1のデバイス410-1)のハードウェアおよび/もしくはソフトウェア構成要素によって実施され得る。モバイルデバイスの例示的な構成要素を
図9に示し、サーバの例示的な構成要素を
図10に示し、それらの両方について以下でより詳細に説明する。
【0034】
ブロック510において、機能は、第1のデバイスにおいてPPP補正情報を取得することを含む。前述の実施形態で説明したように、PPP補正情報は、公衆および/またはプライベートネットワーク(例えば、インターネット)を使用して有線および/または無線手段を介してPPP補正情報を送信し得るサードパーティサービスから取得され得る。衛星は、PPP補正情報(例えば、上述したような、GAL E6バンド、BDS B2Bバンド、QZSS L6バンド等)を送信し得るので、PPP補正情報は、第1のデバイスがGNSS受信機を備える場合、衛星から直接取得され得る。ブロック510における機能を実施するための手段は、
図9に示すようなモバイルデバイス900のバス905、プロセッサ910、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)920、メモリ960、300GNSS受信機980、および/もしくは他の構成要素、または、
図10に示すようなコンピュータシステム1000のバス1005、プロセッサ1010、通信サブシステム1030、無線通信インターフェース1033、メモリ1035、オペレーティングシステム1040、アプリケーション1045、および/もしくは他の構成要素を備え得る。
【0035】
ブロック520において、機能は、仮想RTK基地局ロケーションを決定することを含む。従来のRTK補正は、GNSS信号を測定する高精度のGNSS受信機を有する既知のロケーションにある基地局の使用を伴う。方法500は、仮想GNSS(MCMF)測定値を生成することによってこれをエミュレートし、これは、「仮想」RTK基地局が位置し得るロケーションを決定することによって開始する。
【0036】
仮想RTK基地局のロケーションは、所望の機能に応じて変化し得る。いくつかの実施形態によれば、第1のデバイスは、広い地理的領域(例えば、州、国、大陸、または地球全体)内の受信デバイスのためのRTK補正情報を生成し得る。次いで、地理的領域は、仮想RTK基地局がそれぞれの部分領域に位置する、より小さい部分領域に分割され得る。そのような実施形態では、第1のデバイスは、仮想RTK基地局のRTK補正情報を生成し、RTKベースの測位のために仮想RTK基地局のそれぞれの部分領域内に位置する任意の/全てのGNSSデバイスに送ることができる。仮想RTK基地局の位置は、地理的領域の幾何学的配置に基づいて予め決定され得る。地理的領域は、例えば、グリッドパターンに基づいて部分領域に分割され得、グリッド内の各セルは、緯度および経度に基づき得る長方形または正方形からなる(例えば、セルサイズは、5°×5°、5°×10°、10°×10°等であり得る)。したがって、方法500のいくつかの実施形態では、仮想RTK基地局ロケーションを決定することは、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから仮想RTK基地局ロケーションを取得することを含む。さらに、いくつかの実施形態では、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションは、グリッドパターンで地理的に分散している。
【0037】
いくつかの実施形態では、仮想RTK基地局のロケーションは、第2のデバイスのロケーションに基づき得る。すなわち、第1のデバイスは、第2のデバイスのロケーションに基づいてオンデマンドでRTK補正情報をすることができる。そのような事例では、第2のデバイス(または別のデバイス)は、(例えば、従来のGNSS測位、地上波ベースの測位等に基づいて)第2のデバイスの概略ロケーションを第1のデバイスに提供し得る。この概略ロケーションを使用して、第1のデバイスは、次いで、仮想RTK基地局のロケーションを決定し、第2のデバイスのRTK補正情報を生成することができる。そのような実施形態は、例えば、第2のデバイスの概略ロケーションを最も近い緯度および/または経度の度数に丸めることによって、仮想RTK基地局ロケーションを決定し得る。これは、仮想RTK基地局ロケーションを第2のデバイスから数キロメートルまたは数十キロメートル離し得、これは、第2のデバイスの精度期待値を適切なレベルに設定するのを助けることができる(これに対して、仮想RTK基地局ロケーションを数メートルだけ離して設定することは、場合によっては、受信デバイスが提供され得るよりも高い精度期待値を有するので)。
【0038】
ブロック520における機能を実施するための手段は、
図9に示すようなモバイルデバイス900のバス905、プロセッサ910、DSP920、メモリ960、および/もしくは他の構成要素、または、
図10に示すようなコンピュータシステム1000のバス1005、プロセッサ1010、通信サブシステム1030、無線通信インターフェース1033、メモリ1035、オペレーティングシステム1040、アプリケーション1045、および/もしくは他の構成要素を備え得る。
【0039】
ブロック530において、機能は、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正に少なくとも部分的に基づく仮想MCMF測定値を生成することを含む。すなわち、PPP補正を使用して、第1のデバイスは、実際のRTK基地局が仮想RTK基地局ロケーションにおいて測定するものをシミュレートするための情報を生成することができる。MCMF測定値の生成は、PPP軌道/クロック補正ならびに(任意選択で)PPP対流圏および電離層補正だけでなく、(PPP軌道/クロック補正によって補正できる)放送暦の軌道/クロック、サニャック効果補正、対流圏および/または電離層モデル、衛星位相ワインドアップモデル、サイト変位モデル(固体地球潮汐、海洋荷重)、ならびに(任意選択で)測定ノイズを含む情報も使用して行うことができる。MCMFアウト測定値の生成の例については、
図6に関して以下でより詳細に説明する。
【0040】
ブロック530における機能を実施するための手段は、
図9に示すようなモバイルデバイス900のバス905、プロセッサ910、DSP920、メモリ960、GNSS受信機980、および/もしくは他の構成要素、または、
図10に示すようなコンピュータシステム1000のバス1005、プロセッサ1010、通信サブシステム1030、無線通信インターフェース1033、メモリ1035、オペレーティングシステム1040、アプリケーション1045、および/もしくは他の構成要素を備え得る。
【0041】
ブロック540において、方法500は、第1のデバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信することを含む。送信に使用するフォーマットは、RTK補正情報を送信するためのフォーマットに基づき得、これは、受信デバイスの能力に基づき得る。例えば、海上無線技術委員会(RTCM:Radio Technical Commission for Maritime Services)規格は、RTCM3を含み、これは、無線通信に使用することが多く、仮想MCMF測定値自体を含み得る。一方、RTCM2は、仮想MCMF測定値に基づいて生成できる異なるフォーマットである。
【0042】
前述したように、RTK補正情報の送信は変化し得る。方法500のいくつかの実施形態では、RTK補正情報を送信することは、RTK補正情報をブロードキャストすることを含み得る。方法500のいくつかの実施形態では、RTK補正情報を送信することは、RTK補正情報を第2のデバイスに送ることを含み得る。いくつかの事例では、第2のデバイスは、そのロケーションを決定するためにRTK補正情報を使用するモバイルGNSSデバイスを備え得る。そのような実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間に双方向通信が存在する場合、方法500は、第2のデバイスのロケーションの指示を受信することをさらに含み得る。そのような事例では、前述したように、仮想RTK基地局ロケーションを決定することは、第2のデバイスのロケーションに少なくとも部分的に基づき得る。
図4Bに示すように、第1のデバイスはモバイルデバイスからなり得、その場合、第2のデバイスもモバイルデバイスからなり得る。
図4Aに示すように、第1のデバイスはサーバからなり得、その場合、第2のデバイスは、様々なデバイスタイプのいずれかからなり得る。例えば、第2のデバイスは、GNSS受信機を備え得、その場合、第2のデバイスは、サーバから受信されたRTK補正からそのロケーションを決定する。代替的に、第2のデバイスは、RTK補正情報を伝搬し得るデバイスからなり得る。例えば、グリッドパターンを形成する部分領域に分割された地理的領域の仮想RTK基地局にRTK補正情報が提供される実施形態では、グリッドのセル内に位置する仮想RTK基地局に対応するRTK補正情報は、セル内に位置するデバイスに送られ、デバイスによってセル内の他のデバイスに送信(例えば、ブロードキャスト)され得る。これを、グリッド内の各セルについて繰り返すことができる。RTK補正情報を送信またはブロードキャストする物理デバイスとしては、例えば、モバイルデバイス、セルラー基地局、電波塔、モノのインターネット(IOT)デバイス、車車間/路車間通信(V2X)レジームにおける路側ユニット(RSU)等が挙げられ得る。
【0043】
ブロック540における機能を実施するための手段は、
図9に示すようなモバイルデバイス900のバス905、プロセッサ910、DSP920、メモリ960、および/もしくは他の構成要素、または、
図10に示すようなコンピュータシステム1000のバス1005、プロセッサ1010、通信サブシステム1030、無線通信インターフェース1033、メモリ1035、オペレーティングシステム1040、アプリケーション1045、および/もしくは他の構成要素を備え得る。
【0044】
図6は、一例による、仮想MCMF測定値の生成を示す表である。この例では、デカルト座標(メートル単位のXYZ)における受信デバイスの概略ロケーションは、-2175327.6252、4384343.1054、4076110.5626である。これは、緯度(度)、経度(度)、および高さ(メートル)が39.9776432048829、116.388683909549、および41.8848の地理座標に変換される。受信デバイスのこの概略ロケーションを使用して、仮想RTK基地局のロケーションは、緯度40.00度、経度116.00度、および高さ42.00メートルに丸めて決定され、仮想RTK基地局ロケーションを受信デバイスから約33km離す。この仮想RTK基地局ロケーションが決定され、(とりわけ)PPP補正情報を使用して、仮想MCMF測定値のシミュレートされた擬似距離およびキャリア位相を含む、
図6に示す値を決定することができる。ある値の計算に関する詳細を
図6に提示する。上述したように、次いで、この測定値は、受信デバイスへのRTK補正情報として(例えば、RTCM3の下で)提供または(例えば、RTCM2の下で)再フォーマット化され得る。
【0045】
本明細書で提示する技法を使用して生成されたRTK補正情報を使用するRTKベースの測位のシミュレート結果は、RTK補正情報が生成されるPPP補正情報を使用するPPPベースの測位と同様の精度を提供することができる。シミュレーションで使用したPPPベースの測位とRTKベースの測位との比較を
図7および
図8に示す。
【0046】
図7は、PPP補正情報を使用するデバイスのシミュレートされたPPPベースの測位結果を示すグラフを含む。第1のグラフ710は、東、北、上(ENU)座標フレームにおける東および北についてのテストの位置誤差を経時的(約900エポック、各エポックが1秒である)にプロットしている。第2のグラフ720は、シミュレーションの水平誤差(HE)の対応する累積分布関数(CDF)を示す。第1のグラフ710から分かるように、位置誤差は、約2mで始まり、約100エポック後に1m未満のままである。さらに、第2のグラフ720によって示すように、HE誤差値の50%は0.59m未満であり、95%は2.07m未満である。
【0047】
図8は、
図7のグラフと同様のグラフを含むが、
図7のシミュレーションで使用したPPP補正情報から本明細書で提示する技法を使用して生成されたRTK補正情報を使用したRTKベースの測位のシミュレーション結果を示す。第1のグラフ810は、東、北、上(ENU)座標フレームにおける東および北についてのテストの位置誤差を経時的にプロットしている。第2のグラフ820は、テストのHEの対応するCDFを示す。第1のグラフa10において、位置誤差は、
図7のグラフ710の測位誤差を概ね反映しており、約2mで始まり、約100エポック後に1m未満に低下する。さらに、第2のグラフ820によって示すように、HE誤差値の50%は0.58m未満であり、95%は1.73m未満であり、これらは、
図7のシミュレーションと同様の値である。したがって、本明細書で説明する方法でPPP補正情報を使用してRTK補正情報を生成することは、基礎となるPPP補正情報を使用する場合と同様の精度を有する測位結果を提供することができる。
【0048】
図9は、一実施形態による、モバイルデバイス900の様々なハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素のブロック図である。これらの構成要素は、(例えば、
図1~
図8に関連して)本明細書において上記で説明したように利用され得る。例えば、モバイルデバイス900は、
図5に示す方法の動作、および/または本明細書の実施形態で説明するようなGNSS受信機の機能のうちの1つもしくは複数を実施することができる。
図9は、様々な構成要素の一般化された図を提供することが意図されているにすぎず、それらの構成要素のうちのいずれかまたは全ては、必要に応じて利用することができることに留意されたい。前に述べたように、モバイルデバイス900は、形態および機能が異なってよく、車両、業務用および家庭用電子デバイス、測量機器等を含む、任意のGNSS対応デバイスを最終的に備えてよい。したがって、いくつかの事例では、
図9によって示される構成要素は、単一の物理デバイスに局在化されること、かつ/または異なる物理的ロケーション(例えば、車両の異なるロケーション)に配設され得る様々なネットワーク化されたデバイスの間で分散されることが可能である。基準局は、モバイルデバイス900と同様のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素を利用し得ることにさらに留意されたい。
【0049】
バス905を介して電気的に結合され得る(または適宜別様に通信していてもよい)ハードウェア要素を備えるモバイルデバイス900が示されている。ハードウェア要素はプロセッサ910を含んでもよく、プロセッサ910は、限定はされないが、1つまたは複数の汎用プロセッサ、1つもしくは複数の専用プロセッサ(DSPチップ、グラフィックプロセッサ(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)等)、および/もしくは他のプロセッサ、処理構造、処理ユニットまたは処理手段を含み得る。
図9において示されるように、いくつかの実施形態は、所望の機能に応じて別個のDSP920を有し得る。無線通信に基づく位置決定および/または他の決定は、プロセッサ910および/または(以下で論じる)無線通信インターフェース930において行うことができる。モバイルデバイス900はまた、限定はしないが、キーボード、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、ボタン、ダイアル、スイッチ等を含むことができる1つまたは複数の入力デバイス970、および限定はしないが、ディスプレイ、発光ダイオード(LED)、スピーカー等を含むことができる1つまたは複数の出力デバイス915を含むことができる。諒解されるように、入力デバイス970および出力デバイス915のタイプは、入力デバイス970および出力デバイス915がそれと統合されるモバイルデバイス900のタイプに依存し得る。
【0050】
モバイルデバイス900はまた、無線通信インターフェース930を含んでよく、無線通信インターフェース930は、限定はしないが、モデム、ネットワークカード、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス、および/または(Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、IEEE802.15.4デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMAX(商標)デバイス、ワイドエリアネットワーク(WAN)デバイス、および/または様々なセルラーデバイス等の)チップセット等を備えてよく、これにより、本明細書で説明するようにモバイルデバイス900がネットワークを介してかつ/または直接他のデバイスと通信することが可能になり得る。無線通信インターフェース930は、例えば、WANアクセスポイント、セルラー基地局および/もしくは他のアクセスノードタイプ、ならびに/または他のネットワーク構成要素、コンピュータシステム、および/もしくは本明細書で説明する任意の他の電子デバイスを介して、データおよびシグナリングがネットワークと通信(例えば、送信および受信)されることを可能にし得る。通信は、無線信号934を送信および/または受信する1つまたは複数の無線通信アンテナ932を介して実行することができる。アンテナ932は、1つもしくは複数の個別アンテナ、1つもしくは複数のアンテナアレイ、または任意の組合せを備えてよい。
【0051】
所望の機能性に応じて、無線通信インターフェース930は、基地局ならびに無線デバイスおよびアクセスポイント等の他の地上送受信機と通信するために、別個の送受信機、別個の受信機および送信機、または送受信機、送信機、および/もしくは受信機の任意の組合せを備えてよい。モバイルデバイス900は、様々なネットワークタイプを備えてよい異なるデータネットワークと通信してよい。例えば、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク、WiMAX(商標)(IEEE802.16)ネットワーク等であってよい。CDMAネットワークは、CDMA2000(登録商標)、ワイドバンドCDMA(WCDMA(登録商標))等の1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装してよい。CDMA2000(登録商標)は、IS-95規格、IS-2000規格、および/またはIS-856規格を含む。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM)、Digital Advanced Mobile Phone System(D-AMPS)、または何らかの他のRATを実装し得る。OFDMAネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、5G NR、6G等を採用し得る。5G NR、LTE、LTEアドバンスト、GSM、およびWCDMA(登録商標)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))からの文書に記載されている。CDMA2000(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称の団体からの文書に記載されている。3GPP(登録商標)文書および3GPP2文書は一般公開されている。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)はまた、IEEE802.11xネットワークであってよく、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)は、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15x、またはいくつかの他のタイプのネットワークであってよい。本明細書で説明する技法はまた、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せのために使用されてもよい。
【0052】
モバイルデバイス900は、センサ940をさらに含むことができる。センサ940は、限定はしないが、1つまたは複数の慣性センサおよび/または他のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、カメラ、磁力計、高度計、マイクロフォン、近接度センサ、光センサ、気圧計等)を備えてよく、そのうちのいくつかは、いくつかの事例では、本明細書で説明するロケーション決定を補完および/または容易にするために使用されてよい。
【0053】
モバイルデバイス900の実施形態はまた、(アンテナ932と同じであり得る)アンテナ982を使用して、本明細書で説明するような1つまたは複数のGNSS衛星(例えば、衛星130)から信号984を受信することが可能な、GNSS受信機980を含んでよい。GNSS受信機980は、従来の技法を使用して、GPS、GAL、全地球航法衛星システム(GLONASS)、日本上空の準天頂衛星システム(QZSS)、インド上空のインド地域航法衛星システム(IRNSS)、中国上空の北斗航法衛星システム(BDS)等の、GNSSシステムのGNSS SV(例えば、
図3のSV140)から、モバイルデバイス900の位置を抽出することができる。さらに、GNSS受信機980は、例えば、ワイドエリア増強システム(WAAS)、欧州静止衛星ナビゲーションオーバーレイサービス(EGNOS)、多機能衛星補強システム(MSAS)、およびジオ補強航法システム(GAGAN)等の1つまたは複数の全地球および/もしくは地域航法衛星システムに関連付ける、またはそれらとともに使用するために他の方法で有効化することができる、様々な補強システム(例えば、衛星ベース補強システム(SBAS))とともに使用することができる。
【0054】
図9に示すGNSS受信機980が、モバイルデバイス900内の他の構成要素とは別個の構成要素として示されるが、実施形態がそのように限定されないことが、留意され得る。本明細書で使用する「GNSS受信機」という用語は、GNSS測定値(GNSS衛星からの測定値)を取得するように構成されたハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、したがって、GNSS受信機は、プロセッサ910、DSP920、および/または無線通信インターフェース930内の(例えば、モデム内の)プロセッサ等の、1つまたは複数のプロセッサによって(ソフトウェアとして)実行される測定エンジンを備えてもよい。GNSS受信機はまた、任意選択で、本明細書で説明するような測位エンジン(例えば、KF、重み付き最小二乗(WLS)、ハッチフィルタ、粒子フィルタ等のうちの1つまたは複数を使用して実装され得るPPEおよび/またはSPE)を含み得、測位エンジンは、(例えば、
図2に関して説明するような)PPPエンジンを使用して、本明細書で説明するようなPPP補正情報を使用してPPE解を決定し、かつ/またはRTK補正情報を生成することができる。測位エンジンはまた、プロセッサ910および/またはDSP920等の1つまたは複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0055】
モバイルデバイス900は、メモリ960をさらに含んでもよく、かつ/またはメモリ960と通信していてもよい。メモリ960は、限定はしないが、ローカルストレージおよび/またはネットワークアクセス可能ストレージ、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、プログラマブル、フラッシュ更新可能であり得るランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読取り専用メモリ(ROM)等のソリッドステート記憶デバイス等を含むことができる、機械可読媒体またはコンピュータ可読媒体を備えてよい。そのような記憶デバイスは、限定はされないが、様々なファイルシステム、データベース構造等を含む、任意の適切なデータストアを実装するように構成されてもよい。
【0056】
モバイルデバイス900のメモリ960はまた、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または1つまたは複数のアプリケーションプログラム等の他のコードを含むソフトウェア要素(
図9に図示せず)を備えることができ、それらは、本明細書で説明するように、様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを含んでもよく、かつ/または他の実施形態によって提供される方法を実装し、かつ/もしくは他の実施形態によって提供されるシステムを構成するように設計されてもよい。単に例として、上で説明した方法に関して説明する1つまたは複数の手順は、モバイルデバイス900(および/またはモバイルデバイス900内のプロセッサ910もしくはDSP920)によって実行可能な、メモリ960の中のコードおよび/または命令として実装されてもよい。一態様では、次いで、そのようなコードおよび/または命令は、説明する方法に従って1つまたは複数の動作を実行するように汎用コンピュータ(または、他のデバイス)を構成しかつ/または適合させるために使用され得る。
【0057】
図10は、本明細書の実施形態において説明するようなコンピュータおよび/またはサーバ(例えば、
図4Aのサーバ420)の機能を提供するために、全てまたは一部が使用され得るコンピュータシステム1000のある実施形態のブロック図である。
図10は、様々な構成要素の一般化された図を提供することが意図されているにすぎず、それらの構成要素のうちのいずれかまたは全ては、必要に応じて利用することができることに留意されたい。さらに、コンピュータシステム100は、
図5の方法500の機能のうちの一部または全てを実施することを可能にし得る。
図10は、相対的に分離されたまたは相対的に組み込まれた方式で個々のシステム要素をどのように実装することができるかを広く示す。加えて、
図10によって示される構成要素を、単一のデバイスに局在化することができること、および/または異なる地理的位置に配置することができる様々なネットワーク化されたデバイスの間で分散することができることに留意することができる。
【0058】
バス1005を介して電気的に結合することができる(または必要に応じて他の方法で通信していてもよい)ハードウェア要素を備えるコンピュータシステム1000が示されている。ハードウェア要素は、限定はされないが、1つまたは複数の汎用プロセッサ、(デジタル信号処理チップ、グラ決定アクセラレーションプロセッサ等の)1つまたは複数の専用プロセッサ、および/または、本明細書で説明する方法のうちの1つまたは複数を実行するように構成することができる他の処理構造を含むことができる、プロセッサ1010を含むことができる。コンピュータシステム1000はまた、限定はしないが、マウス、キーボード、カメラ、マイクロフォン等を含むことができる、1つまたは複数の入力デバイス1015と、限定はしないが、ディスプレイデバイス、プリンタ等を含むことができる、1つまたは複数の出力デバイス1020とを備えてもよい。
【0059】
コンピュータシステム1000は、1つまたは複数の非一時的記憶デバイス1025をさらに含んでもよく(かつ/またはそれらと通信していてもよく)、1つまたは複数の非一時的記憶デバイス1025は、限定はしないが、ローカルおよび/もしくはネットワークアクセス可能ストレージを含むことができ、かつ/または、限定はしないが、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、プログラム可能、フラッシュ更新可能等であり得るRAMおよび/もしくはROM等のソリッドステート記憶デバイスを含んでもよい。そのような記憶デバイスは、限定はされないが、様々なファイルシステム、データベース構造等を含む、任意の適切なデータストアを実装するように構成されてもよい。そのようなデータストアは、本明細書で説明するように、ハブを介して1つまたは複数のデバイスに送られるべきメッセージおよび/または他の情報を記憶および管理するために使用されるデータベースおよび/または他のデータ構造を含んでもよい。
【0060】
コンピュータシステム1000はまた、通信サブシステム1030を含んでもよく、通信サブシステム1030は、無線通信インターフェース1033によって管理および制御される無線通信技術、ならびに(イーサネット、同軸通信、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)等の)有線技術を含んでもよい。無線通信インターフェース1033は、無線アンテナ1050を介して無線信号1055(例えば、5G NRまたはLTEによる信号)を送受信することができる1つまたは複数の無線送受信機を備えてもよい。したがって、通信サブシステム1030は、モデム、ネットワークカード(無線もしくは有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス、および/またはチップセット等を備えてもよく、これにより、コンピュータシステム1000が、本明細書で説明する通信ネットワークのいずれかまたは全ての上で、それぞれのネットワーク上の任意のデバイスおよび/または本明細書で説明する任意の他の電子デバイスと通信することが可能になり得る。したがって、通信サブシステム1030は、本明細書の実施形態で説明するようにデータを送受信するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1000は、GNSS受信機を備え得、GNSS受信機は、別個の構成要素(図示せず)であり得、かつ/またはコンピュータシステム1000の別の構成要素に組み込まれ得る。
【0061】
多くの実施形態では、コンピュータシステム1000は、上述したように、RAMデバイスまたはROMデバイスを含むことができるワーキングメモリ1035をさらに備える。ワーキングメモリ1035内に位置するものとして示されるソフトウェア要素は、オペレーティングシステム1040、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または1つまたは複数のアプリケーション1045等の他のコードを含んでもよく、それらは、本明細書で説明するように、様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを含んでもよく、かつ/または他の実施形態によって提供される方法を実装し、かつ/もしくは他の実施形態によって提供されるシステムを構成するように設計されていてもよい。単に例として、上述した方法に関して説明した1つまたは複数の手順は、コンピュータ(および/またはコンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコードおよび/または命令として実装されてもよい。一態様では、次いで、そのようなコードおよび/または命令は、説明する方法に従って1つまたは複数の動作を実行するように、汎用コンピュータ(または他のデバイス)を構成し、かつ/または適応させるために使用することができる。
【0062】
これらの命令および/またはコードのセットは、上述した記憶デバイス1025等の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。場合によっては、記憶媒体は、コンピュータシステム1000等のコンピュータシステム内に組み込まれることがある。他の実施形態では、記憶媒体が、その上に記憶された命令/コードを用いて汎用コンピュータをプログラムし、構成し、かつ/または適応させるために使用され得るように、記憶媒体は、コンピュータシステムとは別個(例えば、光ディスク等のリムーバブル媒体)であり、かつ/またはインストールパッケージにおいて提供される場合がある。これらの命令は、コンピュータシステム1000によって実行可能な実行可能コードの形態をとる場合があり、かつ/あるいはソースおよび/またはインストール可能コードの形態をとる場合があり、ソースおよび/またはインストール可能コードは、(例えば、様々な一般に入手可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等のいずれかを使用して)コンピュータシステム1000上でコンパイルおよび/またはインストールされると、次いで、実行可能コードの形態をとる。
【0063】
特定の要件に従って実質的な変形が加えられてよいことが当業者には明らかとなろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアも使用されることがあり、かつ/または特定の要素は、ハードウェア、(アプレット等のポータブルソフトウェアを含む)ソフトウェア、またはその両方で実装されることがある。さらに、ネットワーク入力/出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続が採用されてよい。
【0064】
添付の図を参照すると、メモリを含み得る構成要素は、非一時的機械可読媒体を含み得る。本明細書で使用する「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、特定の様式で機械を動作させるデータを提供することに関与する任意の記憶媒体を指す。上で提供された実施形態では、様々な機械可読媒体が、実行のためにプロセッサおよび/または他のデバイスに命令/コードを提供することに関与することがある。追加または代替として、機械可読媒体は、そのような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用されることがある。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は、物理的なおよび/または有形の記憶媒体である。そのような媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含むが、これらに限定されない、多くの形態をとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、磁気媒体および/または光媒体、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、消去可能PROM(erasable PROM、EPROM)、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはコンピュータが命令および/もしくはコードを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0065】
本明細書で説明する方法、システム、およびデバイスは例である。様々な実施形態は、適宜に、様々なプロシージャまたは構成要素を省略、置換、または追加してもよい。例えば、いくつかの実施形態に関して説明する特徴は、様々な他の実施形態において組み合わされてもよい。実施形態の異なる態様および要素は、同様に組み合わされてもよい。本明細書で提供する図の様々な構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて具現化され得る。また、技術は進化し、したがって、要素の多くは、本開示の範囲をそれらの具体例に限定しない例である。
【0066】
主に一般的な用法という理由で、そのような信号をビット、情報、値、要素、シンボル、文字、変数、項、数、数値等と呼ぶことが時として好都合であることがわかっている。しかし、これらまたは類似の用語の全てが便宜的なラベルにすぎず、適切な物理数量と関連付けなければならないことを理解されたい。別段に明記されていない限り、上記の説明から明らかなように、本明細書全体にわたって、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「確認する」、「特定する」、「関連付ける」、「測定する」、「実行する」等の用語を利用する説明は、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイス等の特定の装置の行動またはプロセスを指すことが諒解される。したがって、本明細書の文脈では、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスは、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、または他の情報記憶デバイス、送信デバイス、もしくはディスプレイデバイス内の電子的な、電気的な、または磁気的な物理量として一般に表される信号を操作または変換することが可能である。
【0067】
本明細書で使用する「および」および「または」という用語は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に依存することも予想される様々な意味を含んでもよい。通常、「または」は、A、B、またはC等のリストを関連付けるために使用される場合、ここでは包含的な意味で使用されるA、B、およびC、ならびにここでは排他的な意味で使用されるA、B、またはCを意味することが意図される。加えて、本明細書で使用する「1つまたは複数の」という用語は、単数形での任意の特徴、構造、もしくは特性を表すために使用されてもよく、または特徴、構造、もしくは特性の何らかの組合せを表すために使用されてもよい。しかし、これは説明に役立つ実例にすぎず、特許請求される主題がこの例に限定されないことに留意されたい。さらに、「のうちの少なくとも1つ」という用語は、A、B、またはC等の列挙を関連付けるために使用される場合、A、AB、AA、AAB、AABBCCC等の、A、B、および/またはCの任意の組合せを意味すると解釈され得る。
【0068】
いくつかの実施形態を説明しているが、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な修正形態、代替構成、および均等物が使用されてよい。例えば、上記の要素は、より大型のシステムの構成要素にすぎない場合があり、他の規則が、様々な実施形態の適用例に優先してよく、または様々な実施形態の適用例を別様に修正してもよい。また、上記の要素が考慮される前、考慮される間、または考慮された後に、いくつかのステップが着手されてよい。したがって、上記の説明は本開示の範囲を限定しない。
【0069】
本明細書に鑑みて、実施形態は特徴の様々な組合せを含んでもよい。以下の番号付きの条項において、実装例について説明する。
【0070】
条項1.全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供する方法であって、第1のデバイスにおいて精密単独測位(PPP)補正情報を取得することと、仮想RTK基地局ロケーションを決定することと、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成することと、第1のデバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信することと、を含む方法。
【0071】
条項2.RTK補正情報を送信することが、RTK補正情報を第2のデバイスに送ることを含む、条項1に記載の方法。
【0072】
条項3.第2のデバイスのロケーションの指示を受信することをさらに含み、仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、第2のデバイスのロケーションに少なくとも部分的に基づく、条項1または2に記載の方法。
【0073】
条項4.第1のデバイスがサーバを備え、第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、条項1から3のいずれかに記載の方法。
【0074】
条項5.第1のデバイスが第1のモバイルデバイスを備え、第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、条項1から3のいずれかに記載の方法。
【0075】
条項6.仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから仮想RTK基地局ロケーションを取得することを含む、条項1または2に記載の方法。
【0076】
条項7.複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、条項6に記載の方法。
【0077】
条項8.RTK補正情報を送信することが、RTK補正情報をブロードキャストすることを含む、条項1から7のいずれかに記載の方法。
【0078】
条項9.全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するためのデバイスであって、送受信機と、メモリと、送受信機およびメモリと通信可能に結合される1つまたは複数のプロセッサと、を備え、1つまたは複数のプロセッサが、精密単独測位(PPP)補正情報を取得し、仮想RTK基地局ロケーションを決定し、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成し、デバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送受信機を介して送信するように構成される、デバイス。
【0079】
条項10.RTK補正情報を送信するために、1つまたは複数のプロセッサが、RTK補正情報を第2のデバイスに送るように構成される、条項9に記載のデバイス。
【0080】
条項11.1つまたは複数のプロセッサが、第2のデバイスのロケーションの指示を受信するようにさらに構成され、1つまたは複数のプロセッサが、第2のデバイスのロケーションに少なくとも部分的に基づいて仮想RTK基地局ロケーションを決定するようにさらに構成される、条項9または10に記載のデバイス。
【0081】
条項12.デバイスがサーバを備え、第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、条項9から11のいずれかに記載のデバイス。
【0082】
条項13.デバイスが第1のモバイルデバイスを備え、第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、条項9から11のいずれかに記載のデバイス。
【0083】
条項14.仮想RTK基地局ロケーションを決定するために、1つまたは複数のプロセッサが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから仮想RTK基地局ロケーションを取得するように構成される、条項9から13のいずれかに記載のデバイス。
【0084】
条項15.複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、条項14に記載のデバイス。
【0085】
条項16.RTK補正情報を送信するために、1つまたは複数のプロセッサが、RTK補正情報をブロードキャストするように構成される、条項9から15のいずれかに記載のデバイス。
【0086】
条項17.全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための装置であって、装置において精密単独測位(PPP)補正情報を取得するための手段と、仮想RTK基地局ロケーションを決定するための手段と、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するための手段と、装置によって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信するための手段と、を備える装置。
【0087】
条項18.RTK補正情報を送信するための手段が、装置とは別個のデバイスにRTK補正情報を送るための手段を備える、条項17に記載の装置。
【0088】
条項19.装置とは別個のデバイスのロケーションの指示を受信するための手段をさらに備え、仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、装置とは別個のデバイスのロケーションに少なくとも部分的に基づく、条項17または18に記載の装置。
【0089】
条項20.装置がサーバを備え、装置とは別個のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、条項17から19のいずれかに記載の装置。
【0090】
条項21.装置が第1のモバイルデバイスを備え、装置とは別個のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、条項17から19のいずれかに記載の装置。
【0091】
条項22.仮想RTK基地局ロケーションを決定するための手段が、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから仮想RTK基地局ロケーションを取得するための手段を備える、条項17から21のいずれかに記載の装置。
【0092】
条項23.複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、条項22に記載の装置。
【0093】
条項24.RTK補正情報を送信するための手段が、RTK補正情報をブロードキャストするための手段を備える、条項17から23のいずれかに記載の装置。
【0094】
条項25.全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令が、第1のデバイスにおいて精密単独測位(PPP)補正情報を取得し、仮想RTK基地局ロケーションを決定し、決定された仮想RTK基地局ロケーションに対応し、PPP補正情報に少なくとも部分的に基づく仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成し、第1のデバイスによって仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づくRTK補正情報を送信するためのコードを含む、コンピュータ可読媒体。
【0095】
条項26.RTK補正情報を送信するためのコードが、RTK補正情報を第2のデバイスに送るためのコードを含む、条項25に記載のコンピュータ可読媒体。
【0096】
条項27.命令が、第2のデバイスのロケーションの指示を受信するためのコードをさらに含み、仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、第2のデバイスのロケーションに少なくとも部分的に基づく、条項25または26に記載のコンピュータ可読媒体。
【0097】
条項28.第1のデバイスがサーバを備え、第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、条項25から27のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【0098】
条項29.第1のデバイスが第1のモバイルデバイスを備え、第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、条項25から27のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【0099】
条項30.仮想RTK基地局ロケーションを決定するためのコードが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから仮想RTK基地局ロケーションを取得するためのコードを含む、条項25から29のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【0100】
条項31.複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散している、条項30に記載のコンピュータ可読媒体。
【0101】
条項32.RTK補正情報を送信するためのコードが、RTK補正情報をブロードキャストするためのコードを含む、条項25から31のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供する方法であって、
第1のデバイスにおいて、精密単独測位(PPP)補正情報を取得するステップと、
前記第1のデバイスによって、仮想RTK基地局ロケーションを決定するステップと、
前記第1のデバイスによって、前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づ
いて、決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するステップであって、前記仮想MCMF測定値が、RTK補正情報に基づいて基準局によって生成されたMCMF測定値をエミュレートする、ステップと、
前記第1のデバイスによって
、第2のデバイスに、前記RTK補正情報を送信するステップであって、前記RTK補正情報が、前記第1のデバイスによって生成された前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記PPP補正情報は、前記第1のデバイスによってPPPサービスプロバイダから取得され、前記MCMF測定値を生成するステップが、前記PPP補正情報を、前記第2のデバイスによって使用可能な前記RTK補正情報に変換することの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のデバイスのロケーションの指示を受信するステップをさらに含み、前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するステップが、前記第2のデバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデバイスがサーバを備え、前記第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のデバイスが第1のモバイルデバイスを備え、前記第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するステップが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記RTK補正情報を送信するステップが、前記RTK補正情報をブロードキャストするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するためのデバイスであって、
送受信機と、
メモリと、
前記送受信機および前記メモリと通信可能に結合される1つまたは複数のプロセッサであって、
精密単独測位(PPP)補正情報を取得
することと、
仮想RTK基地局ロケーションを決定
することと、
前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づいて、決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応
する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成することであって、前記MCMF測定値が、RTK補正情報に基づいて基地局によって生成されたMCMF測定値をエミュレートする、ことと、
前記RTK補正情報を送信することであって、前記RTK補正情報が、前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく
、ことと
を行うように構成される、
1つまたは複数のプロセッサと
を備える、デバイス。
【請求項10】
前記MCMF測定値を生成することが、前記PPP補正情報を、第2のデバイスによって使用可能な前記RTK補正情報に変換することの一部である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記第2のデバイスのロケーションの指示を受信
し、かつ前記第2のデバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づいて前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するようにさらに構成される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスがサーバを備え、前記第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが第1のモバイルデバイスを備え、前記第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するように構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記RTK補正情報を送信するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記RTK補正情報をブロードキャストするように構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項17】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための装置であって、
前記装置において精密単独測位(PPP)補正情報を取得するための手段と、
仮想RTK基地局ロケーションを決定するための手段と、
前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づいて、決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応
する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成するための手段であって、前記仮想MCMF測定値が、RTK補正情報に基づいて基準局によって生成されたMCMF測定値をエミュレートする、手段と、
前記装置
用いて前記RTK補正情報を送信するための手段であって、前記RTK補正情報が、前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく
、手段と
を備える
、装置。
【請求項18】
前記RTK補正情報を
前記送信するための手段が、前記装置とは別個のデバイスに前記RTK補正情報を送るための手段を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置とは別個の前記デバイスのロケーションの指示を受信するための手段をさらに備え、前記仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、前記装置とは別個の前記デバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置がサーバを備え、前記装置とは別個の前記デバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記装置が第1のモバイルデバイスを備え、前記装置とは別個の前記デバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記仮想RTK基地局ロケーションを
前記決定するための手段が、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するための手段を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記RTK補正情報を送信するための前記手段が、前記RTK補正情報をブロードキャストするための手段を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
全地球航法衛星システム(GNSS)ベースの測位のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正情報を提供するための命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読
記憶媒体であって、前記命令が、
第1のデバイス
の1つまたは複数のプロセッサによって、精密単独測位(PPP)補正情報を取得
することと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって、仮想RTK基地局ロケーションを決定
することと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記PPP補正情報に少なくとも部分的に基づいて、決定された前記仮想RTK基地局ロケーションに対応
する仮想マルチ衛星系マルチ周波数(MCMF)測定値を生成することであって、前記仮想MCMF測定値が、RTK補正情報に基づいて基準局によって生成されたMCMF測定値をエミュレートする、ことと、
前記
1つまたは複数のプロセッサによって
、前記仮想MCMF測定値に少なくとも部分的に基づく前記RTK補正情報を送信する
ことと
を行うためのコードを含む、コンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項26】
前記RTK補正情報を
前記送信するためのコードが、前記RTK補正情報を第2のデバイスに送るためのコードを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項27】
前記命令が、前記第2のデバイスのロケーションの指示を受信するためのコードをさらに含み、前記仮想RTK基地局ロケーションを決定することが、前記第2のデバイスの前記ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項26に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項28】
前記第1のデバイスがサーバを備え、前記第2のデバイスがモバイルデバイスまたはセルラー基地局を備える、請求項26に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項29】
前記第1のデバイスが第1のモバイルデバイスを備え、前記第2のデバイスが第2のモバイルデバイスを備える、請求項26に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項30】
前記仮想RTK基地局ロケーションを決定するための前記コードが、複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションから前記仮想RTK基地局ロケーションを取得するためのコードを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項31】
前記複数の所定の仮想RTK基地局ロケーションが、グリッドパターンで地理的に分散される、請求項30に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項32】
前記RTK補正情報を送信するための前記コードが、前記RTK補正情報をブロードキャストするためのコードを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【国際調査報告】