IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】負極およびこれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/133 20100101AFI20241114BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20241114BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M4/133
H01M4/36 D
H01M4/587
H01M4/36 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527824
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 KR2022019782
(87)【国際公開番号】W WO2023106822
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174644
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・チュル・キム
(72)【発明者】
【氏名】サン・ウク・ウ
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA02
5H050AA08
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA29
5H050CB08
5H050CB29
5H050GA06
5H050HA01
5H050HA05
5H050HA07
5H050HA08
(57)【要約】
本発明は、負極集電体と、前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、負極活物質を含み、前記負極活物質は、第1負極活物質および第2負極活物質を含み、前記第1負極活物質は、一次人造黒鉛粒子および前記一次人造黒鉛粒子上に位置する非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第2負極活物質は、2以上の一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、1.2~4.7である負極に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極集電体と、
前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、
前記負極活物質層は、負極活物質を含み、
前記負極活物質は、第1負極活物質および第2負極活物質を含み、
前記第1負極活物質は、一次人造黒鉛粒子および前記一次人造黒鉛粒子上に位置する非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子であり、
前記第2負極活物質は、2以上の一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子であり、
前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、1.2~4.7である、負極。
【請求項2】
前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、2.0~3.5である、請求項1に記載の負極。
【請求項3】
前記第1負極活物質の平均粒径(D50)は、4μm~13μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項4】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記第1負極活物質に1重量%~10重量%含まれる、請求項1に記載の負極。
【請求項5】
前記第2負極活物質は、前記非被覆-人造黒鉛粒子からなる、請求項1に記載の負極。
【請求項6】
前記第2負極活物質の平均粒径(D50)は、15μm~25μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項7】
前記非被覆-人造黒鉛粒子は、平均粒径(D50)が7μm~10μmである一次人造黒鉛粒子が2以上造粒されている、請求項1に記載の負極。
【請求項8】
前記第1負極活物質および前記第2負極活物質は、前記負極活物質層に10:90~80:20の重量比で含まれる、請求項1に記載の負極。
【請求項9】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は、12μm~20μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項10】
前記負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~3.0m/gである、請求項1に記載の負極。
【請求項11】
前記負極活物質のXRD分析によるa軸方向の結晶サイズLa(100)は200nm~300nmであり、c軸方向の結晶サイズLc(002)は50nm~100nmである、請求項1に記載の負極。
【請求項12】
前記負極活物質のタップ密度は、1.00g/cc~1.20g/ccである、請求項1に記載の負極。
【請求項13】
前記負極の圧延密度は、1.5g/cc~2.0g/ccである、請求項1に記載の負極。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の負極と、
前記負極に対向する正極と、
前記負極と前記正極との間に介在されたセパレータと、
電解質とを含む、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月8日付けの韓国特許出願第10-2021-0174644号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、負極およびこれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用の急激な増加に伴い、代替エネルギーやクリーンエネルギーの使用に対するニーズが増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が、電気化学反応を用いた発電、蓄電分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを用いる電気化学素子の代表的な例として二次電池が挙げられ、次第にその使用領域が拡大している傾向にある。最近、モバイルコンピュータ、携帯電話、カメラなどのポータブル機器に関する技術開発と需要が増加するに伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。また、二次電池の使用時の便宜性の向上のために、充電時間の短縮化が求められており、これに伴い、優れた急速充電性能が求められている。
【0005】
一般的に、二次電池は、正極、負極、電解質、およびセパレータで構成される。負極は、正極から出たリチウムイオンを挿入し、脱離させる負極活物質を含む。
【0006】
前記負極活物質としては、一般的に、黒鉛系活物質、例えば、天然黒鉛または人造黒鉛などが使用されている。しかし、従来使用されている天然黒鉛は、安価でコストパフォーマンスが高い点では有利であるが、不規則な構造によって電池への適用時に電解液の浸透や分解反応による不可逆反応が大きく生じる問題があり、従来使用されている人造黒鉛は、初期充放電効率に優れる点では有利であるが、天然黒鉛よりも発現する放電容量が低く、電池容量およびエネルギー密度が低下する問題がある。
【0007】
このような問題を解決するために、従来、通常の天然黒鉛と人造黒鉛を混合した負極活物質、通常の天然黒鉛または人造黒鉛上に非晶質炭素コーティング層が形成された負極活物質などを用いていた。しかし、このような場合、電極の圧延が十分に行われないため、電極の厚さおよびセルの厚さを低減することができず、エネルギー密度が低下する問題がある。
【0008】
特開第2019-179687号は、人造黒鉛系負極材、これを含む非水系二次電池用負極について開示しているが、上述の問題点に対する代案を提示することができていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開第2019-179687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一課題は、高いエネルギー密度を有し、急速充電性能および出力性能に優れた負極を提供することである。
【0011】
本発明の他の課題は、上述の負極を含む二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、負極集電体と、前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、負極活物質を含み、前記負極活物質は、第1負極活物質および第2負極活物質を含み、前記第1負極活物質は、一次人造黒鉛粒子および前記一次人造黒鉛粒子上に位置する非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第2負極活物質は、2以上の一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、1.2~4.7である負極を提供する。
【0013】
また、本発明は、上述の負極と、前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、電解質とを含む二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の負極は、一次人造黒鉛粒子および非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子である第1負極活物質と、一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子である第2負極活物質とを含み、第1負極活物質および第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率が特定の範囲に調節されていることを特徴とする。本発明の負極によると、第2負極活物質の間に存在する空き空間に第1負極活物質が配置されてパッキングされることができ、相対的にソフトな第2負極活物質によって圧延性が向上し、負極のエネルギー密度を向上させることができ、且つ、一次人造黒鉛粒子に非晶質炭素コーティング層が形成された形態である第1負極活物質が第2負極活物質の間に配置されて、負極の抵抗低減および急速充電性能の向上に寄与することができ、高いエネルギー密度を有し、出力特性と急速充電性能に優れた負極および二次電池の実現が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に関する理解を容易にするために、本発明をより詳細に説明する。
【0016】
本明細書および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者は、自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0017】
本明細書で使用される用語は、単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味を有していない限り、複数の表現を含む。
【0018】
本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、ステップ、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の異なる特徴や数字、ステップ、構成要素、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないことを理解すべきである。
【0019】
本明細書において、D50は、それぞれ、粒子の粒径分布曲線(粒度分布度のグラフ曲線)において、体積累積量の50%に該当する粒径に定義することができる。前記D50は、例えば、レーザ回折法(laser diffraction method)を用いて測定することができる。前記レーザ回折法は、一般的に、サブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性および高分解性の結果を得ることができる。
【0020】
<負極>
本発明は、負極、具体的にはリチウム二次電池用負極に関する。
【0021】
前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、負極活物質を含み、前記負極活物質は、第1負極活物質および第2負極活物質を含み、前記第1負極活物質は、一次人造黒鉛粒子および前記一次人造黒鉛粒子上に位置する非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第2負極活物質は、2以上の一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、1.2~4.7であることを特徴とする。
【0022】
本発明の負極は、一次人造黒鉛粒子および非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子である第1負極活物質と、一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子である第2負極活物質とを含み、第1負極活物質および第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率が特定の範囲に調節されていることを特徴とする。本発明の負極によると、第2負極活物質の間に存在する空き空間に第1負極活物質が配置されてパッキングされることができ、相対的にソフトな第2負極活物質によって圧延性が向上し、負極のエネルギー密度を向上させることができ、且つ、一次人造黒鉛粒子に非晶質炭素コーティング層が形成された形態である第1負極活物質が第2負極活物質の間に配置されて、負極の抵抗低減および急速充電性能の向上に寄与することができ、高いエネルギー密度を有し、出力特性と急速充電性能に優れた負極および二次電池の実現が可能である。
【0023】
前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含む。
【0024】
前記負極集電体は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであればよく、特に制限されるものではない。例えば、前記負極集電体としては、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレス鋼の表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものなどが使用されることができる。具体的には、銅、ニッケルのような炭素をよく吸着する遷移金属を負極集電体として使用することができる。前記負極集電体の厚さは、6μm~20μmであることができるが、前記集電体の厚さがこれに制限されるものではない。
【0025】
前記負極活物質層は、前記負極集電体の少なくとも一面に配置される。具体的には、前記負極活物質層は、前記負極集電体の一面または両面に配置されることができる。
【0026】
前記負極活物質層は、負極活物質を含む。前記負極活物質は、第1負極活物質および第2負極活物質を含む。ここで、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、1.2~4.7である。
【0027】
本発明によると、前記第1負極活物質は、一次人造黒鉛粒子に非晶質炭素コーティング層が形成された被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第2負極活物質は、二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子であり、前記第1負極活物質と前記第2負極活物質は、適切な平均粒径(D50)の比率で前記負極活物質層に含まれる。前記第2負極活物質は、二次粒子形態を有することから、優れた急速充電性能を発揮するだけでなく、優れた圧延性能を有することができる。また、前記第1負極活物質は、前記第2負極活物質に比べて適切な水準に小さな平均粒径(D50)を有することから、前記第2負極活物質の間に配置される場合に、負極活物質層のパッキング性が向上することができる。また、前記第1負極活物質は、表面に配置された非晶質炭素コーティング層を含み、前記第1負極活物質が第2負極活物質の間に配置される場合に、電荷の移動性の向上および抵抗の低減に寄与することができ、本発明による負極は、優れた圧延性によるエネルギー密度の向上、急速充電性能および出力性能の向上が可能である。
【0028】
例えば、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率が1.2未満の場合、第2負極活物質の間に第1負極活物質層が好ましい水準にパッキングされることができず、エネルギー密度の低下の恐れがあり、第1負極活物質の小さな粒径によって空隙が詰まり、急速充電性能および出力性能が低下する恐れがある。一方、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率が4.7超の場合、圧延時に粒子の割れによって発生する微分により、急速充電性能および出力性能が低下する恐れがある。
【0029】
具体的には、前記第1負極活物質の平均粒径(D50)に対する前記第2負極活物質の平均粒径(D50)の比率は、2.0~3.5であることができ、この場合、上述のエネルギー密度、急速充電性能および出力性能がより向上することができる。
【0030】
前記第1負極活物質は、一次人造黒鉛粒子および前記一次人造黒鉛粒子上に位置する非晶質炭素コーティング層を含む被覆-人造黒鉛粒子である。
【0031】
前記一次人造黒鉛粒子は、単粒子(Single particle)形態の人造黒鉛粒子を意味し得、前記一次人造黒鉛粒子が意図的な造粒または結合工程によって2以上が凝集した凝集体である「二次人造黒鉛粒子」と区別される用語として使用される。
【0032】
本発明による第1負極活物質(被覆-人造黒鉛粒子)は、黒鉛に比べてハードな(hard)非晶質炭素コーティング層を含むことから、前記第1負極活物質が第2負極活物質の間に配置される場合に、圧延によってもその形状が維持されることができ、これは、負極の全体的な電荷移動性の向上、抵抗の低減および急速充電性能の向上に寄与することができる。また、第1負極活物質は、第2負極活物質に比べて好ましい水準に小さな平均粒径(D50)を有することから、負極活物質層のパッキング性が向上し、負極のエネルギー密度の向上が可能である。仮に、第1負極活物質に非晶質炭素コーティング層が含まれていない場合、導電性が低下し、圧延後、空隙の構造に影響を及ぼし、急速充電性能および出力性能が低下する恐れがある。
【0033】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記第1負極活物質に1重量%~10重量%、具体的には3重量%~5重量%含まれることができる。
【0034】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記一次人造黒鉛粒子に炭素前駆体を提供した後、これを熱処理して形成されることができる。前記炭素前駆体は、スクロース(sucrose)、フェノール(phenol)樹脂、ナフタレン(naphthalene)樹脂、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)樹脂、フルフリルアルコール(furfuryl alcohol)樹脂、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)樹脂、ポリアミド(polyamide)樹脂、フラン(furan)樹脂、セルロース(cellulose)樹脂、スチレン(stylene)樹脂、ポリイミド(polyimide)樹脂、エポキシ(epoxy)樹脂、塩化ビニル(vinyl chloride)樹脂、ポリビニルクロライドなどの高分子樹脂;石炭系ピッチ、石油系ピッチ、メソフェーズピッチなどのピッチ;などであることができるが、これに制限されるものではない。前記熱処理温度は、1,000℃~1,800℃であることができる。
【0035】
前記第1負極活物質の平均粒径(D50)は、4μm~13μm、具体的には7μm~10μmであることができる。前記範囲である場合、第1負極活物質の比表面積が好ましい水準に小さくなることができ、負極の容量の向上に寄与するだけでなく、後述する第2負極活物質の間に形成される空き空間を密に埋めることができ、圧延性能の向上が可能である。
【0036】
前記第1負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~3.0m/g、具体的には0.5m/g~2.0m/gであることができ、前記範囲である場合、電解液の副反応が最小化し、高温出力性能が向上できるという面で好ましい。前記BET比表面積は、BEL Sorption機器(BEL Japan社製)を用いて測定することができる。
【0037】
前記第2負極活物質は、2以上の一次人造黒鉛粒子が造粒された二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子である。前記第2負極活物質は、二次粒子形態の人造黒鉛粒子として、内部に存在する一次人造黒鉛粒子の間に形成される空隙により、優れた急速充電性能を有するだけでなく、優れた圧延性能を有することができる。
【0038】
前記非被覆-人造黒鉛粒子は、被覆されていない人造黒鉛粒子として、人造黒鉛が表面にすべて露出しているものを意味し得る。より具体的には、前記非被覆-人造黒鉛粒子は、非被覆-人造黒鉛粒子からなることができるか、別のコーティング層(非晶質炭素コーティング層など)を含まないことができる。例えば、非晶質炭素コーティング層が形成された二次人造黒鉛粒子を第2負極活物質として使用する場合、圧延によっても負極活物質層がよく押圧されず、エネルギー密度が確保されず、粒子の割れが発生して、比表面積の増加、電解液の副反応の深刻化、空隙の詰まりによって、急速充電性能および出力性能が低下する問題がある。
【0039】
前記非被覆-人造黒鉛粒子は、コークスとバインダーピッチを混合した後、高温熱処理をして一次人造黒鉛粒子を製造し、前記一次人造黒鉛粒子をバインダーピッチと混合した後、高温熱処理、具体的には、2,500℃~3,200℃の温度で熱処理をして製造することができる。前記高温熱処理により、前記バインダーピッチは黒鉛化し、非晶質炭素などの被覆物質が存在しない非被覆-人造黒鉛粒子の製造が可能である。前記高温熱処理は、十分な黒鉛化が行われるように、総熱処理時間(昇温、熱処理温度維持、温度降下をすべて考慮した時間)が1週間~3週間であることが好ましく、熱処理温度の維持時間は、48時間~70時間であることが好ましい。前記コークスは、針状コークスおよび/または等方コークスであることができ、前記コークスと前記バインダーピッチは、80:20~95:5の重量比で混合されることができ、前記一次粒子とバインダーピッチは、80:20~95:5の重量比で混合されることができる。
【0040】
前記非被覆-人造黒鉛粒子は、平均粒径(D50)が7μm~10μmである一次人造黒鉛粒子が2以上造粒されたものであることができる。前記非被覆-人造黒鉛粒子に含まれる一次人造黒鉛粒子の平均粒径が前記範囲である場合、容量が好ましい水準に調節されて、一次人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)が過剰に大きいことに伴う急速充電性能の低下が防止されることができる。より具体的には、前記非被覆-人造黒鉛粒子において、前記一次人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)は、具体的には8μm~9μmであることができる。一次人造黒鉛粒子の平均粒径が前記範囲内である場合、発現容量は十分に維持しながら急速充電などの充電特性も高く維持することができる。
【0041】
前記第2負極活物質の平均粒径(D50)は、15μm~25μm、具体的には17μm~22μmであることができる。前記範囲である場合、過剰な粒径による急速充電性能の低下が防止され、活物質の比表面積が好ましい水準に調節されて、高温性能の向上に好ましい。
【0042】
前記第2負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~3.0m/g、具体的には0.5m/g~2.0m/gであることができ、前記範囲である場合、電解液の副反応が最小化し、高温出力性能が向上することができるという面で好ましい。前記BET比表面積は、BEL Sorption機器(BEL Japan社製)を用いて測定することができる。
【0043】
前記第1負極活物質および前記第2負極活物質は、互いに独立して、板状、針状、多角形状からなる群から選択される少なくとも1種の形状を有することができ、この場合、負極活物質が負極に密に配置されることができ、パッキング性が向上して、負極のエネルギー密度の向上に有利に作用することができる。
【0044】
前記第1負極活物質および前記第2負極活物質は、前記負極活物質層に10:90~80:20の重量比、具体的には25:75~50:50の重量比で含まれることができる。前記範囲である場合、高エネルギー密度電極でも空隙構造をよく維持できるという面で好ましい。
【0045】
前記負極活物質のタップ密度は、1.00g/cc~1.20g/ccであることができ、具体的には、1.03g/cc~1.05g/ccであることができる。負極活物質のタップ密度が前記範囲内である場合、タップ密度が十分に高く、電極コーティング時に薄い厚さでコーティングすることができる。
【0046】
前記タップ密度とは、粒子からなるパウダーの体積当たりの質量であり、一定にたたくか振動を与えて粒子間の空隙を満たした密度を意味する。前記タップ密度に影響を及ぼす要素としては、粒子径分布度、水分含量、粒子形状、凝集性などがある。前記タップ密度により、物質の流動性および圧縮率を予測することができる。前記タップ密度は、ASTM D4781に準じて測定することができ、TD=W/V(TD:タップ密度、W:試料の重量(g)、V:タッピング後の試料の体積)の式を用いて算出することができる。
【0047】
前記負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~3.0m/g、具体的には0.5m/g~2.0m/g、より具体的には1.3m/g~1.5m/gであることができ、前記範囲である場合、電解液の副反応が最小化し、高温出力性能が向上することができるという面で好ましい。前記BET比表面積は、BEL Sorption機器(BEL Japan社製)を用いて測定することができる。
【0048】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は、12μm~20μm、具体的には14μm~18μmであることができる。
【0049】
前記負極活物質のXRD分析(X-ray Diffraction analysis)時に、a軸方向の結晶サイズLa(100)は、200nm~300nmであり、c軸方向の結晶サイズLc(002)は、50nm~100nmであることができる。前記範囲である場合、前記粒子の結晶性が十分な程度に調節されて、容量の発現および急速充電性能の向上の面で好ましい。
【0050】
本明細書において、前記La(100)は、前記粒子のXRD分析時に、(100)結晶面の回折線に基づいて算出される結晶子のa軸方向の幅を意味し、a軸方向の(100)面での結晶サイズを意味し、前記Lc(002)は、前記粒子のXRD分析時に、(002)結晶面の回折線に基づいて算出される結晶子のc軸方向の幅を意味し、非被覆-人造黒鉛粒子のc軸方向の(002)面での結晶サイズを意味する。
【0051】
前記負極活物質のXRD分析(X-ray Diffraction analysis)時に、a軸方向の結晶サイズLa(100)は、具体的には210nm~290nmであることができ、より具体的には230nm~270nmであることができる。また、前記被覆-人造黒鉛粒子のXRD分析(X-ray Diffraction analysis)時に、c軸方向の結晶サイズLc(002)は、60nm~90nmであることができ、より具体的には65nm~85nmであることができる。
【0052】
本明細書において、La(100)およびLc(002)は、XRD分析で測定されることができる。具体的には、XRD分析は、Bruker AXS D4 Endeavor XRD(電圧:40kV、電流:40mA)を用いることができ、Cu Ka radiation(波長:1.54Å)の条件で、2-Theta 10゜から90゜まで0.02゜ごとに87.5秒ずつのスキャニング速度で測定されることができる。測定結果のうち2θが20゜~30゜付近で示される(002)結晶ピークの半価幅(FWHM、Full Width at Half-Maximum)と38゜~50゜付近で示される(100)結晶ピークの半価幅を測定することができ、シェラー(Scherrer)の式により計算して、Lc(002)値とLa(100)値を得ることができる。
【0053】
前記負極活物質は、前記負極活物質層に80重量%~99重量%、好ましくは88重量%~98重量%含まれることができる。
【0054】
前記負極活物質層は、上述の負極活物質の他に、バインダー、導電材および/または増粘剤をさらに含むことができる。
【0055】
前記バインダーは、活物質および/または集電体の間の結合を容易にする成分として、通常、負極活物質層内に1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~10重量%含まれることができる。
【0056】
前記バインダーは、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレン-ブタジエンゴムおよびフッ素ゴムからなる群から選択される少なくとも1種、好ましくは、ポリビニリデンフルオライドおよびスチレン-ブタジエンゴムから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0057】
前記増粘剤としては、従来リチウム二次電池に使用されているすべての増粘剤が使用可能であり、一例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)などがある。
【0058】
前記導電材は、負極活物質の導電性をより向上させるための成分として、負極活物質層内に1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~10重量%含まれることができる。
【0059】
前記導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されることができる。市販の導電材の具体的な例としては、アセチレンブラック系(シェブロンケミカルカンパニー(Chevron Chemical Company)の製品やデンカブラック(Denka Singapore Private Limited製))、ガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)の製品など、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系(アルマックカンパニー(Armak Company)製)、バルカン(Vulcan)XC-72(キャボットカンパニー(Cabot Company)製)およびスーパー(Super)P(Timcal社製)などがある。
【0060】
前記負極活物質層の厚さは、10μm~150μm、具体的には50μm~100μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0061】
前記負極の圧延密度は、1.5g/cc~2.0g/cc、具体的には1.6g/cc~1.8g/ccであることができる。本発明によると、2種の人造黒鉛粒子が好ましい平均粒径(D50)の比率に応じて負極に含まれることで、優れたエネルギー密度を有し、特に、前記圧延密度でも急速充電性能が向上した負極の実現が可能である。
【0062】
前記負極活物質層は、上述の負極活物質とバインダー、導電材および増粘剤から選択される少なくとも1種を溶媒に混合して負極スラリーを製造し、前記負極スラリーを前記負極集電体に塗布、圧延、乾燥して製造されることができる。
【0063】
前記溶媒は、水またはNMP(N-methyl-2-pyrrolidone)などの有機溶媒を含むことができ、前記負極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材などを含む場合に、好ましい粘度になる量で使用されることができる。例えば、負極活物質、および選択的にバインダー、増粘剤および導電材から選択される少なくとも1種を含む固形分の濃度が50重量%~95重量%、好ましくは70重量%~90重量%になるように含まれることができる。
【0064】
<二次電池>
また、本発明は、上述の負極を含む二次電池、より具体的にはリチウム二次電池を提供する。
【0065】
前記二次電池は、上述の負極と、正極と、前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、電解質とを含むことができる。
【0066】
前記正極は、前記負極に対向することができる。
【0067】
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に配置された正極活物質層とを含むことができる。
【0068】
前記正極集電体は、当分野において一般的に使用される負極集電体が制限なく使用可能であり、例えば、二次電池の化学的変化を引き起こさず、高い導電性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、前記正極集電体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金から選択される少なくとも1種、好ましくは、アルミニウムを含むことができる。
【0069】
前記正極集電体は、表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の結合力を強化することもでき、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されることができる。
【0070】
前記正極集電体は、一般的に、3μm~500μmの厚さを有することができる。
【0071】
前記正極活物質層は、正極活物質を含むことができる。
【0072】
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物として、具体的には、コバルト、マンガン、ニッケルまたはアルミニウムのような1種以上の金属とリチウムを含むリチウム複合金属酸化物を含むことができる。より具体的には、前記リチウム複合金属酸化物は、リチウム-マンガン系酸化物(例えば、LiMnO、LiMnなど)、リチウム-コバルト系酸化物(例えば、LiCoOなど)、リチウム-ニッケル系酸化物(例えば、LiNiOなど)、リチウム-ニッケル-マンガン系酸化物(例えば、LiNi1-YMn(ここで、0<Y<1)、LiMn2-zNi(ここで、0<Z<2)など)、リチウム-ニッケル-コバルト系酸化物(例えば、LiNi1-Y1CoY1(ここで、0<Y1<1)など)、リチウム-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、LiCo1-Y2MnY2(ここで、0<Y2<1)、LiMn2-z1Coz1(ここで、0<Z1<2)など)、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、Li(NiCoMnr1)O(ここで、0<p<1、0<q<1、0<r1<1、p+q+r1=1)またはLi(Nip1Coq1Mnr2)O(ここで、0<p1<2、0<q1<2、0<r2<2、p1+q1+r2=2)など)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-遷移金属(M)酸化物(例えば、Li(Nip2Coq2Mnr3S2)O(ここで、Mは、Al、Fe、V、Cr、Ti、Ta、MgおよびMoからなる群から選択され、p2、q2、r3およびs2は、それぞれ独立した元素の原子分率として、0<p2<1、0<q2<1、0<r3<1、0<s2<1、p2+q2+r3+s2=1である)など)などが挙げられ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の化合物が含まれることができる。中でも、電池の容量特性および安定性を高めることができる点で、前記リチウム複合金属酸化物は、LiCoO、LiMnO、LiNiO、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(例えば、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、またはLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなど)、またはリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えば、Li(Ni0.8Mn0.15Co0.05)Oなど)などであることができ、リチウム複合金属酸化物を形成する構成元素の種類および含量比の制御による改善効果の顕著性を考慮すると、前記リチウム複合金属酸化物は、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)OまたはLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなどであることができ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用されることができる。
【0073】
前記正極活物質は、前記正極活物質層内に80重量%~99重量%含まれることができる。
【0074】
前記正極活物質層は、前記正極活物質とともに、バインダー、および導電材からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことができる。
【0075】
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合と集電体に対する結合を容易にする成分として、通常、正極合剤の全重量に対して1~30重量%添加される。このようなバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン-ブタジエンゴム、およびフッ素ゴムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0076】
前記バインダーは、前記正極活物質層内に1重量%~30重量%含まれることができる。
【0077】
前記導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、グラファイト;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどの炭素系物質;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されることができる。市販の導電材の具体的な例としては、アセチレンブラック系(シェブロンケミカルカンパニー(Chevron Chemical Company)の製品やデンカブラック(Denka Singapore Private Limited製))、ガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)の製品など、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系(アルマックカンパニー(Armak Company)製)、バルカン(Vulcan)XC-72(キャボットカンパニー(Cabot Company)製)およびスーパー(Super)P(Timcal社製)などがある。
【0078】
前記導電材は、前記正極活物質層内に1重量%~30重量%添加されることができる。
【0079】
前記セパレータは、負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであり、通常、リチウム二次電池において、セパレータとして使用されるものであれば、特に制限なく使用可能であり、特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗であるとともに電解液含湿能力に優れたものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体およびエチレン/メタクリレート共重合体などのポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムまたはこれらの2層以上の積層構造体が使用されることができる。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が使用されることもできる。また、耐熱性または機械的強度の確保のために、セラミック成分または高分子物質が含まれたコーティングされたセパレータが使用されることもでき、選択的に、単層または多層構造で使用されることができる。
【0080】
また、本発明で使用される電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0081】
具体的には、前記電解質は、有機溶媒およびリチウム塩を含むことができる。
【0082】
前記有機溶媒としては、電池の電気化学的反応に関わるイオンが移動することができる媒質の役割を果たすものであれば、特に制限なく使用可能である。具体的には、前記有機溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンなどのエステル系溶媒;ジブチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ベンゼン、フルオロベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート系溶媒;エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;R-CN(Rは、C2~C20の直鎖状、分岐状または環構造の炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含むことができる)などのニトリル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;1,3-ジオキソランなどのジオキソラン類;またはスルホラン(sulfolane)類などが使用されることができる。中でも、カーボネート系溶媒が好ましく、電池の充放電性能を高めることができる高いイオン伝導度および高誘電率を有する環状カーボネート(例えば、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなど)と、低粘度の直鎖状カーボネート系化合物(例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートなど)の混合物がより好ましい。この場合、環状カーボネートと直鎖状カーボネートは、約1:1~約1:9の体積比で混合して使用することにより、電解液が優れた性能を示すことができる。
【0083】
前記リチウム塩は、リチウム二次電池で使用されるリチウムイオンを提供することができる化合物であれば、特に制限なく使用可能である。具体的には、前記リチウム塩としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAl0、LiAlCl、LiCFSO、LiCSO、LiN(CSO、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiCl、LiI、またはLiB(Cなどが使用されることができる。前記リチウム塩の濃度は、0.1~2.0Mの範囲内で使用することが好ましい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれると、電解質が適切な伝導度および粘度を有することから優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。
【0084】
前記のように、本発明によるリチウム二次電池は、優れた放電容量、急速充電特性および容量維持率を安定的に示すことから、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラなどのポータブル機器、およびハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)などの電気自動車分野などにおいて有用であり、特に、中大型電池モジュールの構成電池として好ましく使用されることができる。したがって、本発明はまた前述のような二次電池を単位電池として含む中大型電池モジュールを提供する。
【0085】
このような中大型電池モジュールは、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電力貯蔵装置などのように、高出力、大容量が求められる動力源として好ましく適用されることができる。
【0086】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施するように本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0087】
実施例および比較例
実施例1:負極の製造
1.第1負極活物質の製造
単粒子形態の一次人造黒鉛粒子(平均粒径(D50):8μm)を準備し、前記一次人造黒鉛粒子とピッチを混合した後、1,300℃で12時間熱処理して、一次人造黒鉛粒子上に非晶質炭素コーティング層が位置する被覆-人造黒鉛粒子を製造した。
【0088】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記被覆-人造黒鉛粒子に4重量%で形成された。
【0089】
前記被覆-人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)は、8μmであった。
【0090】
2.第2負極活物質の製造
複数の一次人造黒鉛粒子(平均粒径(D50):8μm)が凝集した二次粒子形態の非被覆-人造黒鉛粒子(平均粒径(D50):20μm)を準備した。
【0091】
具体的には、前記非被覆-人造黒鉛粒子は、コークス原料を平均粒径(D50)が8μmであるコークスに粉砕した後、前記粉砕したコークスをピッチと混合して、二次粒子形態に造粒(granulation)された中間体を製造し、3,000℃まで徐々に昇温し、3,000℃を60時間維持し、常温まで徐々に温度を下げて熱処理して黒鉛化および二次粒子化し、前記二次粒子の平均粒径(D50)を20μmに調節して製造した。ここで、前記中間体の総熱処理時間は、2週間であった。
【0092】
前述のとおり製造された第1負極活物質および第2負極活物質を30:70の重量比で混合して実施例1の負極活物質を製造した。
【0093】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は17μmであり、BET比表面積は1.4m/gであり、タップ密度は1.04g/ccであった。
【0094】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.5nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は72.5nmであった。
【0095】
実施例2:負極活物質の製造
平均粒径(D50)12μmの単粒子形態の一次人造黒鉛粒子を使用した以外は、実施例1と同じ方法で被覆-人造黒鉛粒子を製造した。前記被覆-人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)は12μmであった。
【0096】
前述のとおり製造された被覆-人造黒鉛粒子を第1負極活物質として使用した以外は、実施例1と同じ方法で実施例2の負極活物質を製造した。
【0097】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は18μmであり、BET比表面積は1.2m/gであり、タップ密度は1.07g/ccであった。
【0098】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は241.5nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.8nmであった。
【0099】
実施例3:負極活物質の製造
平均粒径(D50)5μmの単粒子形態の一次人造黒鉛粒子を使用した以外は、実施例1と同じ方法で被覆-人造黒鉛粒子を製造した。前記被覆-人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)は5μmであった。
【0100】
前述のとおり製造された被覆-人造黒鉛粒子を第1負極活物質として使用した以外は、実施例1と同じ方法で実施例3の負極活物質を製造した。
【0101】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は15μmであり、BET比表面積は1.6m/gであり、タップ密度は1.06g/ccであった。
【0102】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は240.5nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.5nmであった。
【0103】
実施例4:負極活物質の製造
実施例1で製造されたものと同一の第1負極活物質および第2負極活物質を準備し、前記第1負極活物質および前記第2負極活物質を70:30の重量比で混合して実施例4の負極活物質を製造した。
【0104】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は13μmであり、BET比表面積は1.8m/gであり、タップ密度は1.11g/ccであった。
【0105】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.1nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.4nmであった。
【0106】
実施例5:負極活物質の製造
実施例1で製造されたものと同じ第1負極活物質および第2負極活物質を準備し、前記第1負極活物質および前記第2負極活物質を15:85の重量比で混合して実施例5の負極活物質を製造した。
【0107】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は19μmであり、BET比表面積は1.0m/gであり、タップ密度は1.01g/ccであった。
【0108】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は243.0nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.9nmであった。
【0109】
比較例1:負極活物質の製造
単粒子形態の一次人造黒鉛粒子(平均粒径(D50):8μm)を第1負極活物質として使用した。前記第1負極活物質には非晶質炭素コーティング層が形成されなかった。
【0110】
前記第1負極活物質を使用した以外は、実施例1と同じ方法で比較例1の負極活物質を製造した。
【0111】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は17μmであり、BET比表面積は1.8m/gであり、タップ密度は0.99g/ccであった。
【0112】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は241.3nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.3nmであった。
【0113】
比較例2:負極活物質の製造
1.第1負極活物質の製造
単粒子形態の一次人造黒鉛粒子(平均粒径(D50):6μm)を第1負極活物質として使用した。前記第1負極活物質には非晶質炭素コーティング層が形成されなかった。
【0114】
2.第2負極活物質の製造
二次粒子の平均粒径(D50)を20μmの代わりに22μmに調節した以外は、実施例1と同じ方法で第2負極活物質を製造した。
【0115】
前述のとおり製造された第1負極活物質および第2負極活物質を30:70の重量比で混合して比較例2の負極活物質を製造した。
【0116】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は15μmであり、BET比表面積は2.1m/gであり、タップ密度は1.01g/ccであった。
【0117】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.5nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.6nmであった。
【0118】
比較例3:負極活物質の製造
実施例1の第2負極活物質のみを比較例3の負極活物質にした。
【0119】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は20μmであり、BET比表面積は1.2m/gであり、タップ密度は0.97g/ccであった。
【0120】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.2nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.5nmであった。
【0121】
比較例4:負極活物質の製造
実施例1で使用された非被覆-人造黒鉛粒子を準備した。前記非被覆-人造黒鉛粒子をピッチと混合した後、1,300℃で12時間熱処理して、非被覆-人造黒鉛粒子上に非晶質炭素コーティング層を形成し、これを比較例4の負極活物質とした。
【0122】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記非晶質炭素コーティング層および非被覆-人造黒鉛粒子の重量の総和に対して3重量%で形成された。
【0123】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は20μmであり、BET比表面積は1.1m/gであり、タップ密度は0.98g/ccであった。
【0124】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.6nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.1nmであった。
【0125】
比較例5:負極活物質の製造
実施例1の第1負極活物質のみを比較例5の負極活物質とした。
【0126】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は8μmであり、BET比表面積は2.0m/gであり、タップ密度は1.07g/ccであった。
【0127】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.7nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.8nmであった。
【0128】
比較例6:負極活物質の製造
1.第1負極活物質の製造
単粒子形態の一次人造黒鉛粒子(平均粒径(D50):8μm)を第1負極活物質として使用した。前記第1負極活物質には非晶質炭素コーティング層が形成されなかった。
【0129】
2.第2負極活物質の製造
実施例1で使用された非被覆-人造黒鉛粒子を準備した。前記非被覆-人造黒鉛粒子をピッチと混合した後、1,300℃で12時間熱処理して、非被覆-人造黒鉛粒子上に非晶質炭素コーティング層を形成し、これを比較例6の第2負極活物質とした。
【0130】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記非晶質炭素コーティング層および非被覆-人造黒鉛粒子の重量の総和に対して3重量%で形成された。
【0131】
前記第2負極活物質の平均粒径(D50)は、20μmであった。
【0132】
前述のとおり製造された第1負極活物質および第2負極活物質を30:70の重量比で混合して比較例6の負極活物質を製造した。
【0133】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は18μmであり、BET比表面積は1.1m/gであり、タップ密度は1.02g/ccであった。
【0134】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は241.6nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.6nmであった。
【0135】
比較例7:負極活物質の製造
比較例6で製造された第2負極活物質を実施例1の第2負極活物質の代わりに使用した以外は、実施例1と同じ方法で比較例7の負極活物質を製造した。
【0136】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は19μmであり、BET比表面積は1.0m/gであり、タップ密度は1.06g/ccであった。
【0137】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.3nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.4nmであった。
【0138】
比較例8:負極活物質の製造
平均粒径(D50)18μmの単粒子形態の一次人造黒鉛粒子を使用した以外は、実施例1と同じ方法で被覆-人造黒鉛粒子を製造した。
【0139】
前記被覆-人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)は、18μmであった。
【0140】
前述のとおり製造された被覆-人造黒鉛粒子を第1負極活物質として使用した以外は、実施例1と同じ方法で比較例8の負極活物質を製造した。
【0141】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は21μmであり、BET比表面積は1.1m/gであり、タップ密度は1.01g/ccであった。
【0142】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.6nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.9nmであった。
【0143】
比較例9:負極活物質の製造
1.第1負極活物質の製造
平均粒径(D50)5μmの単粒子形態の一次人造黒鉛粒子を使用した以外は、実施例1と同じ方法で被覆-人造黒鉛粒子を製造した。前記被覆-人造黒鉛粒子の平均粒径(D50)は5μmであった。
【0144】
2.第2負極活物質の製造
二次粒子の平均粒径(D50)を20μmの代わりに27μmに調節した以外は、実施例1と同じ方法で第2負極活物質を製造した。
【0145】
前述のとおり製造された第1負極活物質および第2負極活物質を30:70の重量比で混合して比較例9の負極活物質を製造した。
【0146】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は24μmであり、BET比表面積は1.1m/gであり、タップ密度は1.08g/ccであった。
【0147】
また、前記負極活物質のX-線回折分析により測定された、a軸方向の結晶サイズであるLa(100)は242.8nmであり、c軸方向の結晶サイズであるLc(002)は71.3nmであった。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】
実験例
<負極の製造>
1.負極の製造
実施例1で製造された負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を94:3:1:2の重量比で溶媒である水に添加して負極スラリーを製造した。前記負極スラリーを厚さが8μmである銅箔(負極集電体)に14mg/cmのローディング量で塗布した後、乾燥し、ここで、循環する空気の温度は130℃であった。次いで、前記負極スラリーが塗布された集電体を圧延(roll press)し、30℃の真空オーブンで1時間乾燥した後、15.2cmの長方形に打ち抜いて負極活物質層を含む実施例1の負極(圧延密度:1.78g/cc)を製造した。
【0152】
実施例1の負極活物質の代わりに実施例2~5および比較例1~9の負極活物質をそれぞれ使用した以外は、実施例1の負極製造方法と同じ方法で実施例2~5および比較例1~9の負極を製造した。
【0153】
実験例1:出力性能の評価
<フル-セル二次電池の製造>
正極活物質LCO、カーボンブラック系の導電材、バインダーPVDFパウダーをそれぞれ92:2:6の重量比で溶媒N-メチル-2ピロリドンに混合して正極スラリーを製造した。
【0154】
製造された正極スラリーを厚さが15μmである正極集電体に電極ローディング(mg/cm)が単位面積当たり23mgになるように塗布し、130℃の真空オーブンで1時間乾燥した後、80℃に加熱されたロールの間に15MPaの圧力で圧延して、最終圧延密度が3.8g/ccである正極を製造した。
【0155】
実施例1~5および比較例1~9で製造されたそれぞれの負極と正極との間に多孔性ポリエチレンセパレータを位置させた後、スタッキング(Stacking)方式を用いて電極組立体を製造し、前記電極組立体をアルミニウムパウチ型電池ケースに収納し、電解液(エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=1:4(体積比)、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF1モル)、電解液の重量基準でビニレンカーボネート(VC)含量0.5重量%)を注入してフル-セル二次電池をそれぞれ製造した。
【0156】
<出力性能の評価>
前述のとおり製造された実施例1~5および比較例1~9のフル-セル二次電池を0.33C、4.4Vまで充電した後、SOC50%に調節した状態で、2.5Cパルス(Pulse)で10秒間放電しながら生じる電圧降下量により、電圧減少/印加電流で抵抗増加率(%)を測定した。その結果を下記表4に示した。
【0157】
実験例2:急速充電性能の評価
実験例1で製造された実施例1~5および比較例1~9のフル-セル二次電池に対して、45℃でサイクル充放電して100サイクルでの容量維持率を測定し、急速充電性能を評価した。
【0158】
具体的には、実施例1~5および比較例1~9のフル-セル二次電池を充電(CC/CVモード、1C充電、0.005Vおよび0.005Cでcut-off)および放電(CCモード、0.5C放電、1.5Vでcut-off)条件で100回目のサイクルまで充電および放電を行った。
【0159】
容量維持率は、下記の式で評価され、その結果を表4に示した。
【0160】
容量維持率(%)={(100回目のサイクルでの放電容量)/(最初のサイクルでの放電容量)}×100
【0161】
【表4】
【0162】
表4を参照すると、本発明による負極である実施例1~5は、比較例1~9の負極に比べて、出力性能および急速充電性能において著しく優れた効果を示すことを確認することができる。
【国際調査報告】