(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】二次電池の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241114BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/178
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527827
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 KR2022019483
(87)【国際公開番号】W WO2023121047
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0183211
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ジュン・ノ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・テ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ユン・スン・キム
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG01
5H011HH02
5H011KK04
5H028AA07
5H028BB01
5H028BB05
5H028BB17
5H028CC02
5H028CC08
5H028EE01
5H028EE06
5H028HH08
(57)【要約】
本発明の二次電池の製造装置は、電極リードが引き出されたパウチのシール部の側部それぞれに配置され、前記シール部を所定のシール温度と所定の圧力とで圧着してシールする一対のシールブロックと、前記パウチのシール部と一対のシールブロックを予熱温度に至るまで予熱する予熱部材とを含み、前記予熱部材は、一対の前記シールブロックが位置したシール部の表面を予熱温度に至るまで予熱する第1加熱体と、前記シール部に向かう一対のシールブロックの表面を予熱温度に至るまで予熱する第2加熱体とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードが引き出されたパウチのシール部の側部それぞれに配置され、前記シール部を所定のシール温度と所定の圧力とで圧着してシールする一対のシールブロックと、
前記パウチのシール部と一対のシールブロックを予熱温度に至るまで予熱する予熱部材とを含む、二次電池の製造装置であって、
前記予熱部材は、
一対の前記シールブロックが位置したシール部の表面を予熱温度に至るまで予熱する第1加熱体と、
前記シール部に向かう一対のシールブロックの表面を予熱温度に至るまで予熱する第2加熱体とを含む、二次電池の製造装置。
【請求項2】
前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度は、同じ温度であるかまたは互いに異なる温度である、請求項1に記載の二次電池の製造装置。
【請求項3】
前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度とが互いに異なる温度である場合に、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度は、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度より低い温度である、請求項2に記載の二次電池の製造装置。
【請求項4】
前記予熱温度は、100℃~230℃として設定される、請求項1に記載の二次電池の製造装置。
【請求項5】
前記第1加熱体および前記第2加熱体は、加熱灯として設けられる、請求項1に記載の二次電池の製造装置。
【請求項6】
前記予熱部材は、前記パウチのシール部それぞれと一対のシールブロックとの温度を感知する温度感知センサと、前記温度感知センサによって感知された温度が予熱温度に至るまで上昇した場合に、第1加熱体および前記第2加熱体の作動を停止することによって、前記パウチのシール部と一対のシールブロックとの予熱を中止する制御部とをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の製造装置。
【請求項7】
前記予熱部材は、前記第1加熱体を前記シール部に向かって前進させるかまたは最初の位置に戻す第1移動体と、前記第2加熱体を一対のシールブロックそれぞれに向かって移動させるかまたは最初の位置に戻す第2移動体とをさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造装置。
【請求項8】
前記予熱温度は、前記シール温度より低い温度である、請求項1に記載の二次電池の製造装置。
【請求項9】
二次電池を移送する移送ステップであって、且つ前記二次電池は、電極組立体と、電極組立体を収容するパウチとを含む前記移送ステップと、
前記二次電池のパウチに形成されたシール部の両側に一対のシールブロックを配置する配置ステップと、
予熱部材を用いて、相互対応するパウチのシール部と一対の前記シールブロックとの表面を予熱温度に至るまで予熱する予熱ステップと、
予熱温度に予熱されたシールブロックをシール温度に至るまで加熱した後に、予熱温度に至るまで予熱されたパウチのシール部を圧着してシールするシールステップとを含み、
前記予熱ステップは、一対の前記シールブロックが位置したシール部の表面を予熱部材の第1加熱体で予熱温度に至るまで予熱する工程と、前記シール部に向かう一対のシールブロックの表面を予熱部材の第2加熱体で予熱温度に至るまで予熱する工程とを含む、二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記予熱ステップにおいて、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度とは、同じ温度であるかまたは互いに異なる温度である、請求項9に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記予熱ステップにおいて、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度が互いに異なる温度である場合に、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度は、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度より低い温度である、請求項10に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記予熱温度は、100℃~230℃として設定される、請求項9に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記第1加熱体および前記第2加熱体は、加熱灯(Heating lamp)を使用する、請求項9に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記予熱ステップは、温度感知センサを介して前記パウチのシール部と一対のシールブロックの温度を感知する工程と、前記温度感知センサによって感知された温度が予熱温度に至るまで上昇した場合に、制御部を介して、第1加熱体と前記第2加熱体の作動を停止することによって、前記パウチのシール部と一対のシールブロックの予熱を中止する工程とをさらに含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記移送ステップは、移送中の前記二次電池のパウチに形成されたシール部を加熱して予熱する臨時予熱工程をさらに含む、請求項9に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月20日付けの韓国特許出願第10-2021-0183211号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、電極リードが引き出されたパウチのシール部に対するシール力を改善することができる二次電池の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池を意味し、携帯電話、ノート型パソコン、カムコーダなどの電子機器または電気自動車などにおいて広く使用されている。
【0004】
このような二次電池は、電極タブを備えた電極組立体と、前記電極タブに結合する電極リードと、前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体を収容するパウチと、前記パウチのシール部に位置した前記電極リードに備えられるリードフィルムとを含む。また、前記パウチは、電極組立体を収容する収容部と、前記収容部の縁面に沿って形成されて前記収容部を密封するシール部とを含む。
【0005】
一方、二次電池の製造方法は、パウチの収容部に電極組立体を収容する収容工程と、一対のシールブロックを用いてパウチのシール部をシールするシール工程とを含み、シール工程は、一対のシールブロックの温度を上げてシール部に熱を加えることで、パウチのシール部をシールすることができる。
【0006】
ここで、電極リードが引き出されたパウチのシール部は、リードフィルムとシール部が熱融着されながらシールされるが、この際、金属素材である電極リードを介する熱損失によってシール力が低下する問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、電極リードに熱源を供給するリードヒータシステムを導入しており、これにより、電極リードを介する熱損失を最小化することができ、結果、シール部のシール力を高めることができる。
【0008】
しかし、リードヒータシステムが導入されたシール工程は、電極リードを直接加熱することから電極リードを介する熱損失を最小化することができるが、電極リードが引き出されたパウチ全体の温度偏差が発生する問題があり、このような問題によって電極リードが引き出されたパウチのシール部全体のシール力の偏差が発生するしかない問題があった。特に、短時間で電極リードまたはシールブロックに十分な熱量を供給するのに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような問題を解決するための本発明は、予熱部材を含むことで、パウチのシール部をシールする前に、パウチのシール部とシールブロックをシール温度より低い予熱温度で加熱することができ、これにより、パウチのシール部とともに電極リードも予熱温度に至るまで加熱されることから電極リードを介する熱損失を最小化することができ、結果、電極リードが引き出されたパウチのシール部に対するシール力を高めることができる。特に、電極リードが引き出されたパウチのシール部を均一に加熱することができ、連続生産時にシールブロックの温度が低くなることを抑制することができる。すなわち、シールブロックを介して二次電池を連続してシールすると、熱源が次第に低くなり、そのため、シール工程の初期に生産した二次電池とシール工程の中期および後期に生産した二次電池のシール強度に差が発生し得る。これを防止するために、本発明は、シールブロックを予熱することで、シールブロックの熱源が低くなることを防止することができ、結果、シール工程の全体におけるシール強度を均一化することができる二次電池の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための本発明の二次電池の製造装置は、電極リードが引き出されたパウチのシール部の側部それぞれに配置され、前記シール部を所定のシール温度と所定の圧力とで圧着してシールする一対のシールブロックと、前記パウチのシール部と一対のシールブロックを予熱温度に至るまで予熱する予熱部材とを含み、前記予熱部材は、前記一対のシールブロックが位置したシール部の表面を予熱温度に至るまで予熱する第1加熱体と、前記シール部に向かう一対のシールブロックの表面を予熱温度に至るまで予熱する第2加熱体とを含むことができる。
【0011】
前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度は、同じ温度であるかまたは互いに異なる温度であることができる。
【0012】
前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度が互いに異なる温度である場合に、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度は、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度より低い温度であることができる。
【0013】
前記予熱温度は、100℃~230℃として設定されることができる。
【0014】
前記第1加熱体および前記第2加熱体は、加熱灯(Heating lamp)として設けられることができる。
【0015】
前記予熱部材は、前記パウチのシール部と一対のシールブロックの温度を感知する温度感知センサと、前記温度感知センサによって感知された温度が予熱温度に至るまで上昇した場合に、第1加熱体と前記第2加熱体の作動を停止することによって、前記パウチのシール部と一対のシールブロックの予熱を中止する制御部とをさらに含むことができる。
【0016】
前記予熱部材は、前記第1加熱体を前記シール部に向かって前進させるかまたは最初の位置に戻す第1移動体と、前記第2加熱体を一対のシールブロックそれぞれに向かって移動させるかまたは最初の位置に戻す第2移動体とをさらに含むことができる。
【0017】
前記予熱温度は、前記シール温度より低い温度であることができる。
【0018】
一方、本発明の二次電池の製造方法は、二次電池を移送し、且つ前記二次電池は、電極組立体と、電極組立体を収容するパウチとを含む移送ステップと、前記二次電池のパウチに形成されたシール部の両側に一対のシールブロックを配置する配置ステップと、予熱部材を用いて、相互対応するパウチのシール部と前記一対のシールブロックの表面を予熱温度に至るまで予熱する予熱ステップと、予熱温度に予熱されたシールブロックをシール温度に至るまで加熱した後に、予熱温度に至るまで予熱されたパウチのシール部を圧着してシールするシールステップとを含み、前記予熱ステップは、前記一対のシールブロックが位置したシール部の表面を予熱部材の第1加熱体で予熱温度に至るまで予熱する工程と、前記シール部に向かう一対のシールブロックの表面を予熱部材の第2加熱体で予熱温度に至るまで予熱する工程とを含むことができる。
【0019】
前記予熱ステップにおいて、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度は、同じ温度であるかまたは互いに異なる温度であることができる。
【0020】
前記予熱ステップにおいて、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度と、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度が互いに異なる温度である場合に、前記第1加熱体によって予熱されたシール部の予熱温度は、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度より低い温度であることができる。
【0021】
前記予熱温度は、100℃~230℃として設定されることができる。
【0022】
前記第1加熱体および前記第2加熱体は、加熱灯(Heating lamp)を使用することができる。
【0023】
前記予熱ステップは、温度感知センサを介して前記パウチのシール部と一対のシールブロックの温度を感知する工程と、前記温度感知センサによって感知された温度が予熱温度に至るまで上昇した場合に、制御部を介して、第1加熱体と前記第2加熱体の作動を停止することによって、前記パウチのシール部と一対のシールブロックの予熱を中止する工程とをさらに含むことができる。
【0024】
前記移送ステップは、移送中の前記二次電池のパウチに形成されたシール部を加熱して予熱する臨時予熱工程をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の二次電池の製造装置および製造方法は、予熱部材を含むことで、パウチのシール部をシールする前に、パウチのシール部とシールブロックを予熱温度に至るまで加熱することができ、これにより、電極リードを介する熱損失を最小化して、電極リードが引き出されたパウチのシール部に対するシール力を高めることができる。特に、電極リードが引き出されたパウチのシール部の全体を均一に加熱することができ、連続生産時に損失して弱くなるシールブロックの温度を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態による二次電池を図示した斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置を図示した正面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置のシールブロックでパウチのシール部を圧着した状態を図示した正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の移送ステップを図示した側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の配置ステップおよび予熱ステップを図示した側面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法のシールステップを図示した側面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態による二次電池の製造装置を図示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施するように、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたり類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0028】
[本発明の第1実施形態による二次電池]
本発明の第1実施形態による二次電池10は、
図1を参照すると、電極組立体11と、電極組立体11の電極タブに結合する電極リード13と、前記電極リード13の先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体11を収容するパウチ12と、前記パウチのシール部に位置した電極リード13に備えられるリードフィルム14とを含む。
【0029】
電極組立体11は、複数のセパレータと複数の電極が交互に配置される構造を有する。前記複数の電極は、正極と負極であることができる。また、複数の電極には電極タブが備えられ、前記電極タブには前記電極リード13が結合する。
【0030】
一方、電極タブは、正極に備えられる正極タブと、負極に備えられる負極タブとを含み、電極リードは、正極タブに結合する正極リードと、負極タブに結合する負極リードとを含む。
【0031】
前記パウチ12は電極組立体11を収容する収容部12aと、前記収容部12aの縁面に沿って形成され、収容部12aを密封するシール部12bとを含む。
【0032】
また、リードフィルム14は、電極リード13とパウチ12のシール部12bとの密封力を高めるためのものである。すなわち、リードフィルム14は、前記シール部12bに位置した電極リード13の周面を包む形態で設けられる。
【0033】
前記のような構造を有する二次電池は、本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置により製造されることができる。
【0034】
すなわち、前記本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置100は、パウチ12の収容部12aに電極組立体11を収容した後に、一対のシールブロック110を用いてパウチ12のシール部12bをシールして二次電池を製造する。
【0035】
特に、前記本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置100は、パウチ12のシール部12bをシールする前にパウチ12のシール部12bとシールブロック110を予熱することで、電極リード13が引き出されたパウチ12のシール部12bのシール力を高めることができ、電極リードから漏れる熱の損失を解消または最小化して、シール力を高めることができる。
【0036】
一方、本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置100は、電極リード13がないパウチ12のシール部12bもシールすることができるが、本発明では、電極リード13が引き出されたパウチのシール部を一つの実施形態として説明する。
【0037】
[本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置]
本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置100は、
図1に図示されているように、一対のシールブロック110および予熱部材120を含む。
【0038】
[一対のシールブロック]
一対のシールブロック110は、電極組立体11が収容されたパウチのシール部をシールするためのものである。特に、一対のシールブロック110は、電極リード13が引き出されたパウチのシール部を熱と圧力で圧着してシールするためのものである。
【0039】
すなわち、一対のシールブロック110は、電極リード13が引き出されたパウチ12のシール部12bの両側に対応するように配置され、前記シール部12bを所定のシール温度と所定の圧力とで圧着してシールする。
【0040】
ここで、シール温度は、前記シール部12bを熱融着するためのシールブロックの加熱された温度を意味する。一例として、シール温度は、190℃~230℃であることができる。
【0041】
[予熱部材]
予熱部材120は、
図2および
図3に図示されているように、パウチ12のシール部をシールする前に、パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110を予熱温度に至るまで予熱するためのものである。すなわち、予熱部材120は、パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110を予熱温度に至るまで予熱すると、連続生産時に損失して弱くなるシールブロックの温度を抑制することができる。すなわち、シールブロックを介して二次電池を連続してシールすると熱源が弱くなり、そのため、シール工程の初期に生産した二次電池とシール工程の中期および後期に生産した二次電池のシール強度に差が発生し得る。これを防止するために、本発明は、シールブロックを予熱することで、シールブロックの熱源が弱くなることを防止することができ、結果、シール工程の全体に対するシール強度を均一化することができる。また、パウチ12のシール部12bとともに電極リード13も予熱されることから、電極リード13から漏れる熱の損失を解消または最小化することができる。
【0042】
一例として、予熱部材120は、前記一対のシールブロック110が位置したシール部12bの表面を予熱温度に至るまで予熱する第1加熱体121と、前記シール部12bに向かう一対のシールブロック110の表面を予熱温度に至るまで予熱する第2加熱体122とを含む。
【0043】
これにより、予熱部材120は、前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110を予熱温度に至るまで上昇させることで、高いシール強度を有するための熱エネルギーをパウチに供給する時間を短縮し、生産性を高めることができる。さらに、連続生産時にシールブロックの温度が低くなることを抑制することで、均一なシール品質を有する二次電池を生産することができる。換言すると、強いシールのためには、熱源であるシールブロックがパウチを長時間押圧する必要があるが(例えば、5秒)、予備加熱を追加する場合、パウチのシール部から漏れる熱の損失を最小化することができ、これにより、シールブロックがパウチを押圧する時間も大幅に短縮(例えば、2秒)することができる。結果、シール時間の短縮とシール強度の確保により生産性を高めることができる。一方、例えば、シール時間が5秒である場合、1時間当り720個(3600S/5S=720)の二次電池を生産することができ、シール時間が2秒である場合、1時間当り1800個(3600/2S=1800)の二次電池を生産することができる。すなわち、略2倍の生産性を高めることができる)。
【0044】
特に、前記パウチ12のシール部12bとともに電極リード13がともに予熱されることから、前記パウチ12のシール部12bのシール時に、電極リード13から漏れる熱の損失を防止または最小化することができ、結果、前記パウチ12のシール部12bを高めることができる。さらに、予熱部材120は、前記パウチ12のシール部12bの全体の温度偏差を最小化することができ、結果、前記パウチ12のシール部12bの全体を均一にシールして、シール不良を防止することができる。
【0045】
一方、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度と、前記第2加熱体122によって予熱された一対のシールブロック110の予熱温度は、同じ温度であるかまたは互いに異なる温度であることができる。
【0046】
ここで、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度と、前記第2加熱体122によって予熱された一対のシールブロック110の予熱温度が同じ温度である場合に、第1加熱体121と第2加熱体122は、同じ温度で前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110を同時に加熱することができる。また、第1加熱体121と第2加熱体122は、同じ加熱体を使用することができる。
【0047】
一方、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度と前記第2加熱体122によって予熱された一対のシールブロック110の予熱温度が異なる温度である場合に、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度は、前記第2加熱体によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度より低い温度であることができる。すなわち、熱によって変形の可能性が高いシール部12bの加熱温度を低く設定し、パウチ12をシールするためのシールブロック110の加熱温度を高く設定する。
【0048】
一方、前記シール部およびシールブロックの予熱温度は、100℃~230℃として設定され、好ましくは150℃~200℃として設定されることができる。ここで、シールブロックの予熱温度が100℃以下であると、シールブロックを予熱温度からシール温度に至るまで上昇させるのに多くの時間がかかり、シールブロックの予熱温度が230℃以上であると、シールブロックを予熱温度からシール温度に至るまで上昇させるのに少ない時間がかかるが、シールブロックを予熱温度に至るまで上昇させるのに多くの時間がかかるため、作業性の低下する問題がある。
【0049】
一方、前記第1加熱体121および前記第2加熱体122は、加熱灯(Heating lamp)を使用することができ、これにより、前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110の全体を安定的に加熱することができる。
【0050】
一方、
図3を参照すると、前記予熱部材120は、前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110の温度を感知する温度感知センサ123と、前記温度感知センサ123によって感知された温度が予熱温度に至るまで上昇した場合に、第1加熱体121と前記第2加熱体122の作動を停止することによって、前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110の予熱を中止する制御部124とをさらに含むことができる。これにより、前記予熱部材120は、温度感知センサ123と制御部124を含むことで、前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110を予熱温度に至るまで安定的に予熱することができる。
【0051】
したがって、本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置100は、予熱部材120を含むことで、電極リード13が引き出された前記パウチ12のシール部12bのシール力を高めることができ、シール不良を防止することができる。
【0052】
以下、本発明の第1実施形態による二次電池の製造装置を用いた製造方法について説明する。
【0053】
[本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法]
本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法は、
図4に図示されているように、移送ステップと、配置ステップと、予熱ステップと、シールステップとを含む。
【0054】
図5は、本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の移送ステップを図示した側面図である。
【0055】
[移送ステップ]
移送ステップは、コンベアベルト(図示せず)などを用いた移送装置20で二次電池10を配置ステップまで移送する。一方、二次電池10は、
図1を参照すると、電極組立体11と、電極組立体11に結合する電極リード13と、前記電極リード13の先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体11を収容するパウチ12と、前記パウチ12に位置した電極リード13に備えられるリードフィルム14とを含む。
【0056】
一方、二次電池10は、上記で詳細に説明したため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0057】
図6は、本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の配置ステップおよび予熱ステップを図示した側面図である。
【0058】
[配置ステップ]
配置ステップは、前記二次電池のパウチ12に形成されたシール部12bの両側、好ましくは、電極リード13が引き出されたパウチ12のシール部12bの両側に一対のシールブロック110を対応するように配置する。この際、一対のシールブロック110は、パウチ12のシール部12bから所定の距離離隔して配置される。
【0059】
[予熱ステップ]
予熱ステップは、予熱部材120を用いて、相互対応するパウチ12のシール部12bと前記一対のシールブロック110の表面を予熱温度に至るまで予熱する。すなわち、予熱ステップは、前記一対のシールブロック110が位置したシール部12bの表面を予熱部材120の第1加熱体121を用いて予熱温度に至るまで予熱する工程と、前記シール部12bに向かう一対のシールブロック110の表面を予熱部材120の第2加熱体122を用いて予熱温度に至るまで予熱する工程とを含む。
【0060】
一方、前記予熱ステップにおいて、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度と前記第2加熱体122によって予熱された一対のシールブロックの予熱温度は、同じ温度であるかまたは互いに異なる温度であることができる。
【0061】
例えば、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度と前記第2加熱体122によって予熱された一対のシールブロック110の予熱温度が互いに異なる温度である場合に、前記第1加熱体121によって予熱されたシール部12bの予熱温度は、前記第2加熱体122によって予熱された一対のシールブロック110の予熱温度より低い温度であることができる。これは、シール部12bは、シールブロック110より低い予熱温度に設定して、シール部12bの変形を防止し、シールブロック110は、シール部12bより高い予熱温度に設定して、シール温度に至るまで上昇させるのにかかる時間を短縮する。
【0062】
前記シール部およびシールブロックの予熱温度は、100℃~230℃として設定され、好ましくは150℃~200℃として設定されることができる。
【0063】
前記第1加熱体121および前記第2加熱体122は、高温の光を照射する加熱灯(Heating lamp)を使用することができる。これにより、シール部12bとシールブロック110の全体を安定的且つ均一に予熱温度に至るまで加熱することができる。
【0064】
一方、予熱ステップは、温度感知センサ123を介して前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110の温度を感知する工程と、前記温度感知センサ123によって感知された温度が予熱温度に至るまで上昇した場合に、制御部124を介して第1加熱体121と前記第2加熱体122の作動を停止することによって、前記パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110の予熱を中止する工程とをさらに含むことができる。これにより、予熱ステップは、パウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110を予熱温度に至るまで安定的に予熱することができる。
【0065】
図7は、本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法のシールステップを図示した側面図である。
【0066】
[シールステップ]
シールステップは、一対のシールブロック110を予熱温度より高いシール温度に至るまで加熱した後に、一対のシールブロック110を用いて予熱温度に至るまで予熱されたパウチ12のシール部12bを圧着してシールする。ここで、一対のシールブロック110は、予熱されたパウチをシールするようにすることで、シールに必要な熱源を供給するのにかかる時間を大幅に短縮することができる。特に、一対のシールブロック110を介してパウチ12のシール部12bを圧着する時に、パウチ12のシール部12bから引き出された電極リード13も予熱温度に至るまで加熱された状態であるため、熱損失を防止することができ、結果、パウチ12のシール部12bに対するシール力の弱化および不良を防止することができる。
【0067】
すなわち、電極リード13が予熱温度に至るまで予熱されることから、電極リードと一対のシールブロック110によって加熱および圧着されるパウチ12の間の温度偏差を最小化することができ、これにより、電極リードから漏れる熱の損失を解消または最小化することができる。
【0068】
このようなステップが完了すると、完成品の二次電池10を製造することができる。
【0069】
一方、前記移送ステップは、
図5を参照すると、移送中の前記二次電池10のパウチ12に形成されたシール部12bを臨時加熱体120aを用いて加熱して予熱する臨時予熱工程をさらに含むことができ、前記臨時加熱体120bは、二次電池10の移送ラインに沿って複数個が設置されている。これにより、予熱ステップにおいて、パウチ12のシール部12bを予熱温度に至るまで上昇させるのにかかる時間を大幅に短縮することができる。ここで、臨時予熱工程は、予熱ステップにおいて、パウチ12のシール部12bを予熱する温度より低い温度でパウチ12のシール部12bを予熱することができる。
【0070】
以下、本発明の他の実施形態について説明するに際し、上述の実施形態と同じ構成に対しては同じ構成符号を使用し、重複する説明は省略する。
【0071】
[本発明の第2実施形態による二次電池の製造装置]
本発明の第2実施形態による二次電池の製造装置100は、
図8に図示されているように、電極リード13が引き出されたパウチ12のシール部12bの両側に対応するように配置され、パウチ12のシール部12bを所定のシール温度と所定の圧力とでシールする一対のシールブロック110と、一対のシールブロック110を介してパウチ12のシール部12bをシールする前にパウチ12のシール部12bと一対のシールブロック110をシール温度より低い予熱温度に至るまで予熱する予熱部材120とを含む。
【0072】
予熱部材120は、前記一対のシールブロック110が位置したシール部12bの表面を予熱温度に至るまで予熱する第1加熱体121と、前記シール部12bに向かう一対のシールブロック110の表面を予熱温度に至るまで予熱する第2加熱体122とを含む。
【0073】
一方、予熱部材120は、前記第1加熱体121をパウチ12のシール部12bに向かって移動させるかまたは最初の位置に移動させる第1移動体125と、第2加熱体122を一対のシールブロック110それぞれに向かって移動させるかまたは最初の位置に移動させる第2移動体126とを含む。前記第1移動体125または前記第2移動体126は、シリンダであることができる。
【0074】
したがって、本発明の第2実施形態による二次電池の製造装置100は、第1移動体125と第2移動体126を含むことにより、パウチ12のシール部12bと第1加熱体121との距離、一対のシールブロック110と第2加熱体122との距離を調節することができ、これにより、パウチ12のシール部12bと一対のシールブロックをより均一且つ安定的に予熱温度に至るまで予熱することができる。
【0075】
本発明の範囲は、前記詳細な説明よりも後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、およびその均等概念から導き出される様々な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 二次電池
11 電極組立体
12 パウチ
12a 収容部
12b シール部
13 電極リード
14 リードフィルム
100 二次電池の製造装置
110 シールブロック
120 予熱部材
121 第1加熱体
122 第2加熱体
123 温度感知センサ
124 制御部
125 第1移動体
126 第2移動体
【国際調査報告】