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特表2024-543470モータ駆動式運動デバイスのための騒音低減組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】モータ駆動式運動デバイスのための騒音低減組立体
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/005 20060101AFI20241114BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A63B21/005
A63B24/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527855
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 US2022049709
(87)【国際公開番号】W WO2023086573
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/278,813
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520448810
【氏名又は名称】アリーナ イノベーション コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】バルガヴァ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】バックルズ ニコラス
(57)【要約】
【課題】運動デバイス、特にモータ駆動式運動デバイスにおける騒音及び振動を低減することを目的としている。
【解決手段】運動デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置された内部フレームとを含む。運動デバイスは、ハウジング内に配置された内部フレームのウェブに結合される減衰ブロックを含む減衰システムを含む。運動デバイスは、モータケーシングとシャフトとを有するモータを含み、シャフトは減衰ブロックによって支持され、回転方向に固定される。運動デバイスは、モータケーシングに結合されたケーブルプーリを含むことができ、モータを作動させると、モータケーシング及びケーブルプーリの各々が回転して、ハウジングからケーブルを引き伸ばす又はハウジング内にケーブルを引き戻すようになっている。減衰ブロックは作動中にモータによって発生する振動を減衰させ、運動デバイスの性能を向上させ、ユーザ体験を強化する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部及び下部を含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記上部と前記下部との間に延びるウェブを含む内部フレームと、
前記ウェブに結合された減衰ブロックと、
モータケーシング及びシャフトを含むモータであって、前記シャフトが前記減衰ブロックによって支持されて前記減衰ブロックによって回転方向に固定されている、モータと、
前記モータケーシングに結合されたケーブルプーリであって、前記モータを作動させると前記モータケーシング及び前記ケーブルプーリの各々が回転するようになっている、ケーブルプーリと、
を備える運動デバイス。
【請求項2】
前記減衰ブロックは、
シャフト結合組立体であって、前記シャフトが前記シャフト結合組立体内に延びて前記シャフト結合組立体によって回転方向に固定され、シャフト結合組立体と、
前記シャフト結合組立体と前記ウェブとの間に配置された減衰パッドと、
を備える、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項3】
前記減衰ブロックは、
シャフト結合組立体であって、
溝を画定するブロックであって、前記シャフトが前記溝に沿って延びる、ブロックと、
前記ブロックに当接して前記溝を覆うカバープレートであって、前記シャフトが平坦部を含み、その中に前記カバープレートの一部が配置されて前記シャフトを回転方向に固定するカバープレートと、
を含む、シャフト結合組立体と、
前記シャフト結合組立体と前記ウェブとの間に配置された減衰パッドと、
を備える、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項4】
前記減衰ブロック及び前記内部フレームの各々に結合されたブラケットをさらに備え、前記減衰ブロックは、シャフト結合組立体と、前記ブラケットと前記シャフト結合組立体の間に配置された減衰パッドとを含む、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項5】
ブラケットをさらに備え、前記内部フレームは、前記ウェブからオフセットした横方向部材をさらに含み、前記ブラケットは、前記減衰ブロック及び前記横方向部材の各々に結合される、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項6】
ブラケットをさらに備え、前記内部フレームは、前記ウェブからオフセットして前記上部に隣接して配置された横方向部材をさらに含み、前記ブラケットは、前記減衰ブロック及び前記横方向部材の各々に結合される、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項7】
前記ウェブによって支持されたエンコーダをさらに備え、前記ケーブルプーリは、可撓性シャフト継手によって前記エンコーダに結合され、前記エンコーダは、前記ケーブルプーリの回転を測定するように構成されている、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項8】
前記モータは、ブラシレス直流(BLDC)モータであり、前記運動デバイスは、台形整流を用いて前記モータを作動させるモータ制御装置をさらに含む、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項9】
前記ウェブは、前記上部及び前記下部の各々に結合される、請求項1に記載の運動デバイス。
【請求項10】
運動デバイスであって、
ハウジングと、
モータケーシングとシャフトとを含むモータであって、前記シャフトが減衰接続部によって前記ハウジング内で回転方向に固定され、前記ハウジング内で前記モータケーシングを支持する、モータと、
前記モータケーシングから延びるケーブルプーリであって、前記モータを作動させると前記モータケーシング及び前記ケーブルプーリの各々が回転するようになっている、ケーブルプーリと、
を備える運動デバイス。
【請求項11】
前記ハウジング内に配置された内部フレームをさらに備え、前記減衰接続部は、前記内部フレームに結合された減衰ブロックを含む、請求項10に記載の運動デバイス。
【請求項12】
前記ハウジング内に配置された内部フレームをさらに備え、前記内部フレームは、前記ハウジングの上部と前記ハウジングの下部との間に延びるウェブを含み、前記減衰接続部は、前記ウェブに結合された減衰ブロックを含む、請求項10に記載の運動デバイス。
【請求項13】
前記ハウジング内に配置された内部フレームをさらに備え、
前記減衰接続部が、
前記内部フレームに結合された減衰ブロックと、
前記減衰ブロック及び前記内部フレームの各々に結合されてそれらの間に延びるブラケットと、
を含む、請求項10に記載の運動デバイス。
【請求項14】
前記ハウジング内に配置された内部フレームをさらに備え、前記減衰接続部は、
前記内部フレームの横方向ウェブに結合された減衰ブロックと、
前記減衰ブロック及び前記横方向ウェブからオフセットした前記内部フレームの横方向部材の各々に結合されてそれらの間を延びるブラケットと、
を含む、請求項10に記載の運動デバイス。
【請求項15】
前記ハウジング内に配置された内部フレームであって、前記内部フレームが、前記ハウジングの上部と下部との間に延びるウェブを含み、前記減衰接続部が、前記シャフトと前記ウェブとの間にある、内部フレームと、
前記ウェブによって支持されて、前記ケーブルプーリの回転を測定するために前記ケーブルプーリに回転自在に結合したエンコーダと、
をさらに備える、請求項10に記載の運動デバイス。
【請求項16】
前記モータは、ブラシレス直流(BLDC)モータであり、前記運動デバイスは、台形整流を用いて前記モータを作動させる制御装置をさらに備える、請求項10に記載の運動デバイス。
【請求項17】
運動デバイスであって、
上部及び下部を含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記上部と前記下部との間に延びるウェブと、前記ウェブからオフセットした支持部材とを含む、内部フレームと、
前記ウェブに結合された減衰ブロックと、
前記減衰ブロック及び前記支持部材の各々に結合されてそれらの間に延びるブラケットと、
モータケーシング及びシャフトを含むモータであって、前記シャフトは前記減衰ブロックによって回転方向に固定されている、モータと、
を備える運動デバイス。
【請求項18】
前記モータは、ブラシレス直流(BLDC)モータであり、前記運動デバイスは、台形整流を用いて前記モータを作動させるモータ制御装置をさらに備える、請求項17に記載の運動デバイス。
【請求項19】
前記減衰ブロックは、
溝を画定するブロックであって、前記シャフトが前記溝を通って延びるブロックと、
前記ブロックに当接し、前記シャフトを回転方向に固定するカバープレートと、
前記カバープレートと前記ウェブとの間に配置されてそれらの各々に当接する第1の減衰パッドと、
前記カバープレートと前記ブラケットとの間に配置されてそれらの各々に当接する第2の減衰パッドと、
を含む、請求項17に記載の運動デバイス。
【請求項20】
前記上部が開口を含み、前記運動デバイスは、
前記モータケーシングに結合されたケーブルプーリと、
前記ケーブルプーリに結合されたケーブルと、
前記開口に配置されたフェアリングであって、前記ケーブルが、前記開口を通して引き回され、前記モータを作動させることで前記開口を通して選択的に引き戻し可能である、フェアリングと、
をさらに備える、請求項17に記載の運動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この特許協力条約(PCT)出願は、「モータ駆動式運動デバイスのための騒音低減組立体」と題された、2021年11月12日出願の米国特許出願第63/278813号に関連し、それからの優先権を主張するものであり、その開示内容全体はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明の態様は、運動デバイス、特に、モータ駆動式運動デバイスにおける騒音及び振動の低減に関する。
【背景技術】
【0003】
規則的な運動の利点は誰もが認めるものである。それにも拘わらず、成功を収めた運動療法を開始し、それを維持することは、様々な理由から多くの人にとって難題である。例えば、運動プログラムを始める時間を見つけること自体が難題である。異なる種類の運動、異なる運動の利点、及びそれら運動の実行方法について、多くの人が十分な知識を持たないことを考慮すると、個人及びその個人的なフィットネス目標に適した1つの運動、又はより好ましくは複数の運動を見つけることは、さらなる厄介な問題である。時間的制約と知識不足のせいで、ユーザは実績及び進捗を適切に追跡して分析することもできず、進展がパッとせず、運動プログラムを継続する意欲に影響を及ぼす可能性がある。その結果として、最小限の時間で最大限の成果を得るために、最適な抵抗で正しく、容易に運動を実行できる効率的な運動デバイスの開発が継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自宅で運動することにより、個人が運動療法を守る可能性を高めることができるが、プロ仕様の運動機器は、多くの場合大きくて扱いにくく、少数セットの運動だけを対象に設計されていることが多い。家庭での使用に適した外形寸法を備えた運動デバイスは存在するが、そのような機器はプロ仕様機器の堅牢性に欠けることが多く、そのようなデバイスの効率性に悪影響を与えて、振動及び不安定性を持ち込み、それらはユーザ体験に重大な影響を及ぼし、特定の事例では、そのようなデバイスを使用して行う運動の有効性及び安全性にも影響を及ぼす。
【0005】
本開示の態様は、特これらの知見を念頭に置いて開発された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、上部及び下部を有するハウジングと、ハウジング内に配置された内部フレームとを含む運動デバイスに関する。内部フレームは、上部と下部の間を延びるウェブを含む。運動デバイスは、ウェブに結合された減衰ブロックと、モータケーシング及びシャフトを含んだモータとをさらに含む。シャフトは減衰ブロックによって支持され、減衰ブロックによって回転方向に固定される。運動デバイスはさらに、モータを作動させるとモータケーシング及びケーブルプーリの各々が回転するようにモータケーシングに結合されたケーブルプーリを含む。
【0007】
特定の実施構成では、減衰ブロックはシャフト結合組立体を含む。このような実施構成では、シャフトはシャフト結合組立体内に延び、シャフト結合組立体によって回転方向に固定され、運動デバイスはさらに、シャフト結合組立体とウェブの間に配置された減衰パッドを含む。
【0008】
別の実施構成では、減衰ブロックはシャフト結合組立体を含む。このような実施構成では、シャフト結合組立体は、溝を画定するブロックを含み、シャフトがこの溝に沿って延びる。シャフト結合組立体はさらに、ブロックに当接して溝を覆うカバープレートを含む。シャフトは平坦部を含み、その中にカバープレートの一部が配置されてシャフトを回転方向に固定する。運動デバイスは、シャフト結合組立体とウェブとの間に配置された減衰パッドをさらに含む。
【0009】
別の実施構成では、本明細書に記載する技術は、減衰ブロック及び内部フレームの各々に結合されたブラケットをさらに含む運動デバイスに関し、減衰ブロックは、シャフト結合組立体と、ブラケットとシャフト結合組立体との間に配置された減衰パッドとを含む。
【0010】
別の実施構成では、運動デバイスはブラケットをさらに含み、内部フレームはウェブからオフセットした横方向部材をさらに含む。このような実施構成では、ブラケットは、減衰ブロック及び横方向部材の各々に結合される。
【0011】
別の実施構成では、運動デバイスはブラケットをさらに含み、内部フレームは、ウェブからオフセットして上部に隣接して配置された横方向部材をさらに含む。このような実施構成では、ブラケットは、減衰ブロック及び横方向部材の各々に結合される。
【0012】
別の実施構成では、運動デバイスは、ウェブで支持されたエンコーダをさらに含む。ケーブルプーリは可撓性シャフト継手によってエンコーダに結合され、エンコーダはケーブルプーリの回転を測定するように構成されている。
【0013】
別の実施構成では、モータはブラシレス直流(BLDC)モータであり、運動デバイスは、台形整流を用いてモータを作動させるモータ制御装置をさらに含む。
【0014】
別の実施構成では、ウェブは上部及び下部の各々に結合される。
【0015】
本開示の別の態様は、ハウジングと、モータケーシング及びシャフトを含むモータとを含む運動デバイスに関する。シャフトは、減衰接続部によってハウジング内で回転方向に固定され、ハウジング内でモータケーシングを支持する。運動デバイスはさらに、モータを作動させるとモータケーシング及びケーブルプーリの各々が回転するようにモータケーシングから延びるケーブルプーリを含む。
【0016】
特定の実施構成では、運動デバイスは、ハウジング内に配置された内部フレームをさらに含み、減衰接続部は、内部フレームに結合された減衰ブロックを含む。
【0017】
別の実施構成では、運動デバイスは、ハウジング内に配置された内部フレームをさらに含み、内部フレームは、ハウジングの上部とハウジングの下部との間を延びるウェブを含む。このような実施構成では、減衰接続部は、ウェブに結合された減衰ブロックを含む。
【0018】
別の実施構成では、運動デバイスは、ハウジング内に配置された内部フレームをさらに含み、減衰接続部は、内部フレームに結合された減衰ブロックと、減衰ブロック及び内部フレームの各々に結合されてそれらの間を延びるブラケットとを含む。
【0019】
別の実施構成では、運動デバイスは、ハウジング内に配置された内部フレームをさらに含み、減衰接続部は、内部フレームの横方向ウェブに結合された減衰ブロックを含む。減衰接続部はさらに、減衰ブロック及び横方向ウェブからオフセットした内部フレームの横方向部の各々に結合されてそれらの間を延びるブラケットを含む。
【0020】
別の実施構成では、運動デバイスは、ハウジング内に配置された内部フレームをさらに含み、内部フレームは、ハウジングの上部とハウジングの下部との間を延びるウェブを含み、減衰接続部がシャフトとウェブの間にある。このような実施構成では、運動デバイスは、ウェブによって支持されて、ケーブルプーリの回転を測定するためにケーブルプーリに回転自在に結合されたエンコーダをさらに含む。
【0021】
別の実施構成では、モータはブラシレス直流(BLDC)モータであり、運動デバイスは、台形整流を用いてモータを作動させる制御装置をさらに含む。
【0022】
本開示のさらに別の態様は、上部及び下部を有するハウジングと、ハウジング内に配置された内部フレームとを含む運動デバイスに関する。内部フレームは、上部と下部の間を延びるウェブと、ウェブからオフセットした支持部材とを含む。運動デバイスは、ウェブに結合された減衰ブロックと、減衰ブロック及び支持部材の各々に結合されてそれらの間を延びるブラケットと、モータケーシング及びシャフトを含むモータとをさらに含み、シャフトは減衰ブロックによって回転方向に固定されている。
【0023】
特定の実施構成では、モータはブラシレス直流(BLDC)モータであり、運動デバイスは、台形整流を用いてモータを作動させるモータ制御装置をさらに含む。
【0024】
別の実施構成では、減衰ブロックは、溝を画定するブロックを含み、シャフトは溝を通って延びる。減衰ブロックはさらに、ブロックに当接し、シャフトを回転方向に固定するカバープレートと、カバープレートとウェブとの間に配置されてそれらの各々に当接する第1の減衰パッドと、カバープレートとブラケットとの間に配置されてそれらの各々に当接する第2の減衰パッドとを含む。
【0025】
別の実施構成では、上部は開口を含み、運動デバイスはさらに、モータケーシングに結合されたケーブルプーリと、ケーブルプーリに結合されたケーブルと、開口に配置されたフェアリングとを含む。このような実施構成では、ケーブルは、開口を通して引き回され、モータを作動させることで開口を通して選択的に引き戻し可能である。
【0026】
図面の参照図は、本開示の様々な実施形態例を示す。本開示に記載する実施形態及び図面は、限定的ではなく例示的と見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示による運動デバイスの第1の等角図である。
図2図1の運動デバイスの第2の等角図であり、ハウジングは、運動デバイスの内部構成要素を示すために部分的に取り外されている。
図3図1の運動デバイスを含む動作環境の図であり、運動デバイスの機能は、ユーザのコンピューティングデバイス及び遠隔フィットネスプラットフォームによってサポートされている。
図4図1の運動デバイスのウェブ組立体の立面図である。
図5図4のウェブ組立体の第1の等角図である。
図6図4のウェブ組立体の第2の等角図である。
図7図4のウェブ組立体の部分分解図である。
図8図4のウェブ組立体の減衰ブロックの分解図である。
図9図4のウェブ組立体内に組み立てられた減衰ブロックの部分断面図である。
図10図1の運動デバイスの内部構成要素の部分等角図であり、減衰ブロックに結合された支持ブラケットの例示的な配置を示す図である。
図11図4のウェブ組立体の部分等角図であり、エンコーダ及びエンコーダ継手を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の態様は、様々な抵抗ベースの運動を行う際に使用する運動デバイスを含む。運動デバイスは、モータ駆動式ケーブルが貫通して延びる上部を有するハウジングを含む。特定の実施構成では、ハウジングは、フィットネス踏み段/踏み台、プライオメトリックボックス、又は他の類似のフィットネス機器と同様の外形寸法を有することができるが、より一般的には、本開示で論じる様々な使用事例を手助けする何らかの適切な角柱形状を有することができる。ユーザは、種々の運動の実行を容易にするため、ケーブルの端部にグリップ、カラー、ベルト、又は同様の構成要素を備え付けることができる。動作時、モータは、ユーザによるケーブルの引き伸ばしに対抗することで、及び/又はユーザに逆らってケーブルを制御可能に引き戻すことで、抵抗を供給する。運動デバイスは、モータを制御し、ユーザの実行を評価し、システムの挙動を監視し、他の類似の機能を実行するように構成されたコンピューティング要素を含む、又はそれらの要素と通信することができる。
【0029】
このモータが、従来の運動機器に見られる重り、バンド、他の抵抗要素に取って代わる。モータは、制御可能な抵抗力を提供することができ、それは一定の抵抗力及び引き戻し速度とすることができる。しかしながら、モータは、能動的に制御して、従来の抵抗源(例えば、重り、バンドなど)に比べて多様性及び柔軟性を高めることもできる。例えば、特に、運動デバイスは、モータを制御して、所与の動作域に亘って自動的に変化する抵抗を提供すること(例えば、運動の求心性フェーズと遠心性フェーズとで異なる抵抗を適用する、又は引出し速度などの何らかのユーザフィードバックパラメータに応じて変化させる)、又は、従来の抵抗要素に見られる慣性効果を排除する一定の抵抗を供給することができる。
【0030】
運動デバイスは、運動デバイスを制御してユーザにフィードバックを提供するための様々なデバイスを含むこと、又はそれらのデバイスと通信可能に接続することができる。例えば、運動デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートテレビなどのコンピューティングデバイスに接続してそれらと通信し、ユーザがワークアウト及び/又はエクササイズを選択すること、運動パラメータ(例えば、運動に関する動きの範囲、運動の速度、負荷、又は何らかの他の類似パラメータなど)を調整すること、過去の成績データを見ることを可能にする。特定の実施構成では、このようなコンピューティングデバイスはまた、ビデオ又は他のマルチメディアコンテンツ(例えば、講習)のストリーミングを容易にして、ユーザの運動を指導すること、ストリーミング又はリアルタイムの対話型の講習及びコンテストへの参加を容易にすることもできる。さらに他の実施構成では、運動プラットフォームは、ゲームプラットフォーム、或いはゲーム又は類似の対話型ソフトウェアを実行できる他のコンピューティングデバイスと併せて使用することができる。運動デバイスは、このようなコンピューティングデバイスから制御命令を受信することもできる。
【0031】
本開示の運動デバイスは、インターネット、ローカルネットワーク、及びそれらの組み合わせを含むことのできるネットワークを介して、互いに又は他のコンピューティングデバイスに接続してそれらと通信することもできる。1つの実施構成では、クラウドベースのプラットフォームは、本開示の運動デバイス及び関係するユーザのコンピューティングデバイス(例えば、ユーザのスマートフォン)と対話して、運動に関する抵抗プロファイル(制御命令を含むことができる)を配布すること、運動を実行しているユーザを表す情報を含んだユーザ情報を保存し更新すること、ユーザ、並びにジム施設の管理者、個人トレーナ、理学療法士、及びユーザと協働する可能性のある他の人などの職員に追跡情報を提示することができる。クラウドベースのコンピューティングプラットフォームはさらに、抵抗プロファイル、ワークアウト計画、マルチメディアコンテンツなどを含むがこれらに限定されない、運動デバイスと共に使用するコンテンツの生成、更新、及び保管を可能にする。
【0032】
図1は、本開示の1つの実施構成による運動台100の等角図である。図2は、運動台100の様々な内部構成要素を示すためにハウジング102及び他の外部構成要素を取り外した運動台100の等角図である。図1を参照すると、運動台100は、ケーブル106が通過する上部104を有するハウジング102を含む。特定の実施構成では、上部104は開口120を含み、その中には、ケーブル106の多方向の後退及び伸長を可能にするためのフェアリング122又は同様の案内要素が配置されている。図示のように、ケーブル106はハンドル108で終わることができるが、他の実施構成では、ケーブル106は、種々の運動の実行を容易にするためにストラップ、グリップ、ベルト、ロープの輪、又は類似の構成要素で終わる。より一般的には、ケーブルは、様々な運動を容易にするために何らかの適切な付属品と結合することができる。ハンドル108は、ケーブル106に恒久的に固定すること、又は、種々の運動を容易にするために、1又は2以上の代替付属品と交換してことができるように取り外し可能とすることができる。例えば、図1に示すように、ハンドル108はカラビナ107でケーブル106に結合される。カラビナ107は、ハンドル108をケーブル106に容易に結合するための構造の一例に過ぎず、本開示は、ハンドル108をケーブル106に結合するために何らかの適切な結合機構を使用できることを想定している。運動の実行中、ユーザはケーブル106を引き伸ばす及び/又はケーブル106の引き戻し抵抗し、抵抗は、ハウジング102内に配置されてケーブル106に結合されたモータ110(図2に示す)によって、例えば、モータ110と同軸に取り付けられ、作動時にケーブルがその周りに巻き取られる又は巻き戻されるケーブルプーリ112(これも図2に示す)によって提供される。特定の実施構成では、ケーブルプーリ112は、モータ110の回転構成要素(例えば、車軸又は回転ケーシング)に結合された別個の構成要素とすることができる。代わりに、ケーブルプーリ112は、モータ110の回転構成要素と一体に形成することができる。
【0033】
運動台100は、モータ110及びモータ110が提供する抵抗を作動/制御するための制御システム(例えば、モータ制御装置、モータ駆動装置、マイクロプロセッサ、及び/又は他の関連構成要素を含む)を含むことができる。運動台100はさらに、制御システムにフィードバックを供給してモータ110の制御を容易にするための様々なセンサを含むことができる。例えば、特定の実施構成では、運動台100は、電流センサ、位置センサ(例えば、エンコーダ)、加速度計、或いはモータの動作に関連するパラメータを測定し、モータ110の制御及び動作で使用できる別のセンサのうちの1又は2以上を含むことができる。特定の実施構成では、運動台100に組み込まれた力センサ(例えば、ロードセル、歪みゲージなど)は、モータ110の制御、ユーザ能力の評価、運動デバイスの作動、運動デバイス又は他のシステムへの情報提供、及び他の類似機能のためのフィードバックを供給することもできる。
【0034】
モータ110及び関係するモータ制御構成要素は、実行する運動、ユーザによってもたらされる設定、ユーザのワークアウト計画などに応じて、様々な異なる抵抗プロファイルを提供することができる。1つの動作モードでは、モータ110は、運動の全動作域に亘って一定の抵抗を提供することができる。別の例として、モータ110は、運動の第1のフェーズ(例えば、運動の求心性フェーズ)中に第1の抵抗を提供し、運動の第2のフェーズ(例えば、運動の遠心性フェーズ)中に第2の異なる抵抗を提供することができる。さらに別の例として、モータ110は、運動のいずれか又は全てのフェーズに亘って抵抗を変化させることができる。少なくとも特定の実施構成では、本システムは制御手段を提供し(例えば、スマートフォン又はタブレット上に設けられたユーザインタフェースを通して)、運動の開始点を設定することができ、この開始点は、ケーブルの引き戻し(巻き取り)量に対応することができ、この量を超えると抵抗力が適用され、この量を下回ると僅かな引き戻し力が適用される。
【0035】
例示的に、運動台100のユーザは、ハンドル108を自分の体の前で保持して上部104に立って、スクワット運動を行うことができる。一例では、モータ110は、スクワットの遠心性(下降)フェーズと求心性(上昇)フェーズの両方で一定の抵抗(例えば、100ポンドの抵抗)を供給することができる。別の例では、モータ110は、スクワットの遠心性フェーズ中に第1の抵抗(例えば、50ポンドの抵抗)を供給するが、その後、スクワットの求心性フェーズ中は抵抗を増大させ(例えば、100ポンドに)、それによって、求心性フェーズに重点を置くことができる。さらに別の例では、モータ110は、ユーザが最低姿勢の時には相対的に低い抵抗を供給するが、ユーザが直立姿勢に達するにつれて抵抗を増大させることができる。特に、このような抵抗の変化は、一般的に問題となる運動点での負荷を軽減することで、完全且つ安全な動作域を促進することができる。最後のさらなる非限定的な例として、モータ110は、スクワット運動の一部又は全体に亘って、ランダムな又は別の方法で動的に変化する抵抗(例えば、40ポンドから60ポンドの範囲の「騒音の多い」負荷)を供給し、それによって、モータ110が一定の抵抗を適用した場合よりも広範囲の安定筋を動員するようにユーザに強制することができる。
【0036】
図1に示すように、運動台100は、他の様々な特徴を含むことができる。例えば、ハウジング102は、運動台100の運搬を容易にするためのグリップ124又は類似の特徴を含むことができる。また、運動台100は、電子パネル126を含むことができる。特に、電子パネル126は、運動台100と他のコンピューティングデバイスとの通信を容易にする1又は2以上のポート、ユーザに情報を提供するディスプレイ(例えば、LED又はLCD画面)、運動台100の状態又は動作を示す1又は2以上のライト(例えば、「オン/オフ」ライト表示器)、1又は2以上のスイッチ(例えば、電源スイッチ)などを含むことができる。少なくとも特定の実施構成では、運動台100はバッテリを含むことができ、運動台100は、随意的に壁コンセント又は他の外部電源に接続することなく動作することができる。このような場合、運動台100は、バッテリの充電又は別の方法で運動台100への給電を容易にするための充電ポート又は同様のプラグ(図示せず)をさらに含むことができる。
【0037】
図2を参照すると、運動台100の等角図が提示されており、明確にするために及び運動台100の内部構成要素を明らかにするためにハウジング102の一部が取り外されている。上述のように、運動台100はモータ110を含み、このモータはケーブルプーリ112に結合されてそれを駆動することができ、ケーブル106の引き戻し及び引き伸ばしを制御するようになっている。運動台100は内部フレーム114を含み、この内部フレームは、運動台100に対する構造的完全性をもたらすと共に運動台100の内部構成要素に結合されてそれらを支持するための構造体を提供する。図示のように、内部フレーム114は、ハウジング102を通って横方向に延びるウェブ116を含む。少なくとも特定の実施構成では、モータ110は、ケーブルプーリ112が上部104の開口120と整列するように、ウェブ116に結合されて支持される。内部フレーム114は、さらなる構造的完全性及び/又は運動台100の他の構成要素のための取り付け箇所を提供するために付加的な要素を含むことができる。例えば、内部フレーム114は、ウェブ116と平行であるがウェブ116からオフセットして延びる1又は2以上の横方向部材(横方向部材118など)を含むことができる。
【0038】
図3は、運動台100を含む動作環境300の一例を示す。少なくとも特定の実施構成では、運動台100は、コンピューティングデバイス302などの1又は2以上の外部コンピューティングデバイスと通信する。スマートフォンとして示されているが、コンピューティングデバイス302は、有線又は無線接続を介して運動台100の通信モジュール又は同様の通信構成要素に接続してそれらと通信することのできる何らかの適切なコンピューティングデバイスとすることができる。
【0039】
コンピューティングデバイス302は、運動台100とインタフェースで接続してそれを制御するためのアプリケーションを実行することができる。例えば、コンピューティングデバイス302上で実行されるアプリケーションにより、コンピューティングデバイス302のユーザは、運動台100の抵抗又は運動台100が実行する抵抗プロファイルを変更することができる。他の実施構成では、このアプリケーションは、ユーザがエクササイズ又はワークアウトルーチンを選択できるようにし、ユーザがエクササイズ又はワークアウトルーチンを進める際に、運動台100を自動的に再構成する。動作中、運動台100はケーブル106に関する位置データなどのデータを送信することができるので、アプリケーションは、ユーザによるエクササイズ及びワークアウトルーチンの正常な完了を追跡することができる。
【0040】
運動台100とコンピューティングデバイス302の一方又は両方は、インターネットなどのネットワーク306を介してフィットネスプラットフォーム304とさらに通信することができる。特に、フィットネスプラットフォーム304は、コンピューティングデバイス302のユーザが運動台100の使用に関連する情報及びコンテンツにアクセスできるようにするポータル、ウェブサイト、アプリケーションなどを提供することができる。例えば、フィットネスプラットフォーム304は、運動台100の使用、特定の運動の実行、及び/又はより一般的にフィットネス及び運動に関するビデオ、テキスト、又は他のコンテンツのリポジトリ又は同様のソースを含むことができる。別の例として、フィットネスプラットフォーム304はユーザアカウントをサポートすることができるので、コンピューティングデバイス302及び運動台100のユーザが自分の過去の成績及び改善を追跡すること、ワークアウト及びフィットネス計画を作成し追跡すること、リーダボード及び他のコミュニティ関連機構に参加することなどを可能にする。少なくとも特定の実施構成では、フィットネスプラットフォーム304は、運動デバイスの複数ユーザを同時にサポートするリアルタイムの講習、競技会、及び同様のグループ活動を促進することができる。例えば、講習に関して、指導員のライブストリーミングビデオをフィットネスプラットフォーム304で複数のユーザに提供することができ、次に各運動デバイス(又は関係する/接続されたコンピューティングデバイス)は、講習のリーダボード又は参加者の成績に関する類似の表示を維持し格納するために、運動データ(例えば、抵抗レベル、速度、反復完了など)を提供することができる。
【0041】
上述のように、本開示による運動デバイスの実施構成は、ユーザが行う運動中に抵抗を供給するための電気モータに依存する。電気モータは費用対効果が高く、エネルギ効率が良く、制御性に優れるが、多くの種類の電気モータ及びモータ駆動システムは、振動の影響を受けやすい可能性がある。デバイス寿命の観点から見ると、過度の振動は、特に、構成要素の摩耗の増大、留め具、継手などの緩みなどをもたらす場合がある。振動は、モータ駆動デバイスの動作中に相当な騒音源となる可能性があり、その結果として、デバイスの使いやすさ及びユーザ体験に著しい影響を与える場合がある。
【0042】
モータ駆動式運動機器に関連して、振動とそれに伴う騒音は、ユーザがこの機器を楽しみ、これに没頭することに影響を及ぼす可能性があり、ユーザが機器を用いて運動することのできる時間及び場所を決定してしまう場合もある。例えば、過度の振動又は騒音により、近所の人又はユーザと同居する他の人々からの懸念及び苦情により、機器の使用が妨げられる可能性がある。完全には妨げられないとしても、やはり、騒音がユーザと同居する他の人に迷惑となるかもしれない早朝又は夜遅くの運動は、騒音のために制限される可能性がある。別の例として、過度の騒音は、グループ又は講習環境での特定機器の使用を不可能にする場合があり、複数台の機器が同時に動作することで生じる大きな騒音は、指導員の声をかき消す場合があり、又は講習の参加者に不快感又は聴覚障害を引き起こすレベルまで上昇する場合がある。
【0043】
少なくとも一部の振動は、機械的な問題点(例えば、モータの不均衡、構成要素の位置ずれなど)によって生じる可能性がある。他の振動源は、使用されるモータ及び/又は整流方法の特定種類である場合がある。例えば、ブラシレス直流(BLDC)モータは、多くの電気モータ用途で費用対効果が高く、制御が容易な選択肢であり、台形整流(「6ステップ整流」とも呼ばれる)を用いて制御することができる。しかしながら、台形整流は、トルク及びコギングリップルに起因して本質的に騒音が多い。このような騒音は、回転速度が遅い場合に特に顕著になり、問題となる可能性がある。モータ及び整流方式の調整を用いて、少なくともある程度の振動及び騒音を低減できるが、そのような調整は、騒音を望ましいレベルまで低減するには不十分な場合がある。
【0044】
上記を考慮して、本開示は、振動とそれに対応する騒音を低減するためのモータ駆動式運動デバイスに対する構造的改良を含む。本開示の1つの態様では、特別に設計された減衰ブロックが、運動デバイスの内部ウェブから運動デバイスのモータを支持する。具体的には、減衰ブロックは、モータの回転を防止するためにモータのシャフトに結合し、動作中にモータの振動を減衰させるための複数の減衰パッドを含む積層構造を有する。減衰ブロックはさらに運動デバイスの内部ウェブに結合され、モータは減衰ブロックから片持ち支持されるようになっている。特定の実施構成では、減衰ブロックから運動デバイスの内部フレームまで延びる補強ブラケットは、さらなる支持及びモータ振動の減衰を提供する。
【0045】
図4-7は、ウェブ116とそれに結合された構成要素の様々な図を示す。便宜上、本開示では、図4-7に示す構成要素をまとめてウェブ組立体400と呼ぶ。従って、図4はウェブ組立体400の立面図であり、図5はウェブ組立体400の側面斜視図であり、図6はウェブ組立体400の下側斜視図であり、図7はウェブ組立体400の下側分解図である。
【0046】
図4-7を参照すると、ウェブ組立体400は、ハウジング102(図1に示す)内でモータ110を支持するウェブ116を含む。ウェブ組立体400はさらに、モータ110をウェブ116に結合する減衰ブロック402と、減衰ブロック402に結合されて内部フレーム114の横方向部材118まで延びるブラケット408とを含む(例えば、図10に示すように)。
【0047】
特定の実施形態では、モータ110はブラシレス直流(BLDC)ハブモータである。一般に、ハブモータは、モータケーシング404がその周りを回転する内部モータ組立体(図示せず)を含む。ハブモータは直接駆動式又は歯車付きにすることができる。直接駆動式ハブモータでは、ハブモータの内部構成要素がモータの固定子として機能し、モータケーシング404が回転子として構成される。対照的に、歯車付きハブモータの内部モータ組立体は、固定子と回転子の両方を含む。モータ組立体の回転子は、内部歯車組立体(例えば遊星歯車組立体、図示せず)によってモータケーシング404と噛み合い、回転子の回転が歯車を用いて間接的にモータケーシング404を回転駆動する。どちらの設計でも、モータは、それを支持構造体に取り付けるために外部に突出すると共に、固定子に(直接的又は間接的に)結合されるシャフトを含む。多くの用途で、取り付けによりシャフトが回転方向に固定されるので、固定子は、モータの動作中に静止したままになる。
【0048】
ウェブ組立体400は、ウェブ116と、モータ110と、モータ110をウェブ116に結合するための関連構造体を含む。図示のように、モータ110のモータケーシング404はケーブルプーリ112に結合することができるので、モータケーシング404の回転は、ケーブルプーリ112を回転させる。ケーブルプーリ112はさらに、運動台100の動作中にケーブルプーリ112及びモータケーシング404の回転位置を測定するように構成されたエンコーダ450に結合されるものとして示される。ウェブ116はさらに、ハウジング102の外側でケーブルプーリ112に巻き取られるケーブル(図示せず)を案内するために、ケーブルプーリ112と整列してフェアリング122を支持することができる。
【0049】
減衰ブロック402は、モータ110をウェブ116に結合する。より具体的には、減衰ブロック402はウェブ116に結合し、モータ110のシャフト406を受け入れて回転方向に固定する。その結果として、モータ110は、運動台100のハウジング102内で減衰ブロック402から片持ち支持される。モータ110、ケーブルプーリ112、エンコーダ450、及び運動台100の他の内部構成要素を収容するために、ウェブ116は、それらの構成要素を少なくとも部分的に配置できる切欠き410(図4に示す)などの1又は2以上の切欠きを含むことができる。
【0050】
図8は減衰ブロック402の分解図である。少なくとも特定の実施構成では、減衰ブロック402は、主要ブロック504とカバープレート506とを含むシャフト結合組立体502を含むことができる。主要ブロック504及びカバープレート506の各々は、限定されるものではないが、鋼又はアルミニウムなどの比較的剛性が高くて中実の材料で形成することができる。減衰ブロック402はさらに、様々な減衰パッドを含むことができる。例えば、図8に示すように、減衰ブロック402は減衰パッド508を含み、減衰ブロック402をウェブ組立体400に組み付けた場合、減衰パッド508は主要ブロック504とブラケット408の間に位置決めされる。減衰ブロック402はさらに減衰パッド510を含むことができ、減衰ブロック402をウェブ組立体に組み付けた場合、減衰パッド510はカバープレート506とウェブ116の間に位置決めされる。主要ブロック504及びカバープレート506とは対照的に、減衰パッド508及び減衰パッド510は、シャフト406によってシャフト結合組立体502に伝達される振動を吸収し減衰させるように選択された適切なエラストマ材から形成することができる。特定の実施構成では、減衰パッド508及び減衰パッド510の一方又は両方が、複数材料の積層構造を有するか、又は代わりに複数の別個の減衰パッドに置き換えられることができる。ブラケット408が省略される実施構成では、減衰ブロック402から減衰パッド508を省くことができる。
【0051】
主要ブロック504は、ウェブ組立体400の組立時にモータ110のシャフト406を受け入れる溝512を含むことができる。また、カバープレート506は、シャフト406の回転を固定するように構成されたスロット514又は類似の特徴を含むことができる。特定の実施構成では、シャフト406及びカバープレート506の寸法に応じて、減衰パッド510はスロット516を含むこともでき、そのスロットの中にシャフト406の一部が延びてシャフト406を回転方向に固定する。
【0052】
減衰ブロック402によるシャフト406の結合及び固定は、ウェブ組立体400の部分断面図である図9にさらに示されている。図9はモータ110を含み、モータからシャフト406が延びている。図示するように、シャフト406は、減衰ブロック402内に延び、減衰ブロック402はシャフト406を支持するようになっている。具体的には、シャフト406は主要ブロック504の溝512を通って延びる。
【0053】
シャフト406は、様々な方法で減衰ブロック402に結合され、保持することができるが、少なくとも特定の実施構成では、シャフト406は平坦部507を含むことができ、平坦部507から遠位の部分509は、半径方向に突出するようになっている。このような実施構成では、シャフト406と減衰ブロック402を一緒に組み立てると、平坦部507は、カバープレート506に当接するように位置決めすることができ、部分509は、スロット514及びスロット516内に延びるようになっている。このような構成では、平坦部507、スロット514、及びスロット516の各々は、集合的にシャフト406に対する長手方向及び回転方向の拘束をもたらし、それによって、モータ110を減衰ブロック402及びウェブ116に結合する。
【0054】
上述のように、ブラケット408は、モータ110の付加的な支持及び減衰を可能にすることができる。図4-7に示すように、ブラケット408は減衰ブロック402に結合されかつ減衰ブロック402から延びる。図10を参照すると、少なくとも特定の実施構成では、ブラケット408は減衰ブロック402から内部フレーム114の横方向部材118まで延びることができる。図2及び図10の両方に示すように、横方向部材118は、ウェブ116と平行に及び上部104の下方でハウジング102内を延びることができる。少なくとも特定の実施構成では、減衰パッド又は同様の挿入体(図示せず)は、さらなる減衰及び騒音の低減を可能にするために、ブラケット408と横方向部材118との間に配置することができる。
【0055】
図10は、ブラケット408が横方向部材118まで延びることを示すが、本開示では、ブラケット408が、運動台100の実質的に固定された何らかの要素まで、詳細には、内部フレーム114の他の要素まで延びる場合のあることが想定されている。従って、例えば、図2及び10は、ブラケット408が、上方に傾斜した方向に延びて上部104より下の横方向部材118と結合することを示すが、ブラケット408は代わりに、下方に傾斜した方向に延びて、ハウジング102の下部に隣接して配置された同様の部材又は構造要素に結合することもできる。より一般的には、ブラケット408は、ハウジング102内の減衰ブロック402と何らかの適切な固定位置又は構造との間に延びるように構成することができる。
【0056】
モータ110の動作時、シャフト406は結果として生じるモータ110の振動を減衰ブロック402に伝達し、次に減衰ブロック402が振動を内部フレーム114に伝達する。より具体的には、減衰ブロック402は、減衰ブロック402のウェブ116への結合により、振動エネルギの少なくとも一部をウェブ116に伝達する。特に、減衰パッド510(減衰ブロック402のシャフト結合組立体502とウェブ116との間に配置される)は、減衰ブロック402からウェブ116に伝達される振動エネルギの少なくとも一部を減衰させる。ブラケット408を含む実施構成では、ブラケット408が減衰ブロック402と横方向部材118の両方に結合されているため、振動エネルギのさらなる部分は、減衰ブロック402から横方向部材118(又は内部フレーム114の類似の構成要素)に伝達される。減衰パッド508(シャフト結合組立体502とブラケット408の間に配置される)は、減衰ブロック402からブラケット408に伝達される振動エネルギの少なくとも一部を減衰させる。
【0057】
減衰パッド508及び減衰パッド510に加えて、運動台100の様々な構造要素によって付加的な減衰と音響の解消を可能にすることができる。例えば、非限定的に、ウェブ116、ブラケット408、及び横方向部材118(又はブラケット408が結合する他の構造部材)のうちの1又は2以上は、振動を減衰させる又は振動周波数をシフトさせる材料で作ること、又はそのように形作ることができる。さらに、付加的な減衰パッド又は同様の減衰構成要素は、モータ110の動作に起因する振動をさらに減衰させるために、運動台100の構成要素の間に(例えば、内部フレーム114の要素の間に)、又は運動台100と周囲環境との間に(例えば、減衰パッドが運動台100と床との間にあるようにハウジング102の下側に)配置することができる。
【0058】
減衰ブロック402及びブラケット408の各々は、運動台100の使用中にモータ110によって発生した振動を大幅に減衰させ、それに対応して騒音を低減する。特に、この低減により、騒音は大きいが費用対効果の高いモータ型式及び制御方式を使用することが可能となる。例えば、上述のように、多くの場合、台形整流を用いて動作するBLDCモータは、効率的で費用対効果が高いと見なされるが、最終的には、特に低速で動作する場合、騒音が大きい。試験及び開発中に、本明細書に開示される減衰技術及び構造は、振動が大幅に低減するので、台形整流を用いるBLDCモータは、より高価であるが本質的により静かなモータ構成に適した代替品であるが判明している。
【0059】
図4-7に関連して述べたように、ウェブ組立体400は、ケーブルプーリ112及びモータ110の回転を測定するためにエンコーダ450をさらに含むことができる。図11は、エンコーダ及びエンコーダ継手の例示的な構成を示す、図4のウェブ組立体の図である。少なくとも特定の実施構成では、図11に示すように、エンコーダ450は、そのシャフトがケーブルプーリ112及びモータ110と整列するように、適切なブラケット又は支持体を用いてウェブ116に結合させることができる。エンコーダ450とケーブルプーリ112/モータ110との間で少なくともある程度の位置ずれを許容するために、ウェブ組立体400は、エンコーダ450のシャフトをケーブルプーリ112に結合させるために可撓性継手452を含むことができる。例えば、可撓性継手452は、二重ループ型のエンコーダ継手とすることができる。特に、可撓性継手452に起因して、エンコーダ450はモータ110に対して実質的な耐荷重性支持をもたらさないので、モータ110は減衰ブロック402で実質的に支持されたままである。
【0060】
様々な代表的な実施形態をある程度詳細に説明したが、当業者であれば、本明細書に記載した本発明の主題に関する趣旨又は範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に多くの変更を加えることができるであろう。全ての方向指示語(例えば、上、下、上方、下方き、左、右、左方、右方、上部、底部、上側き、下側、垂直、水平、時計回り、反時計回り)は、本発明の実施形態に関する読者の理解を助けるために識別目的で使用されるに過ぎず、特許請求の範囲に具体的に記載されない限り、特に本発明の位置、向き、又は使用に関して、制限をもたらすものではない。接合指示語(例えば、取り付けた、結合、又は接続など)は、広義に解釈すべきであり、要素の接続と要素間の相対移動との間の中間部材を含む場合がある。従って、接合指示語は、2つの要素が直接接続されて互いに固定された関係にあることを必ずしも示唆するわけではない。
【0061】
一部の事例では、構成要素は、特定の特性を有する及び/又は別の部分に接続される「端部」を参照して説明される。しかしながら、当業者であれば、本発明が、他の構成要素との接続点を越えてすぐに終端する構成要素に限定されないことを認識するであろう。従って、用語「端部」は、特定の要素、リンク、構成要素、部材などの終端の隣接区域、後方区域、前方区域、又は他の近くの区域を含むように広義に解釈すべきである。本明細書で直接的又は間接的に示す方法論では、様々な段階及び作動が1つの可能な作動順序で説明されるが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から必ずしも逸脱することなく、段階及び作動を再構成する、置き換える、又は排除することができることを認識するであろう。上記の説明に包含されるか又は添付の図面に示される全ての内容は、単に例示的であり、非限定的なものとして解釈されるように意図している。特許請求の範囲に規定される発明の趣旨から逸脱することなく、詳細又は構造に変更を加えるこができる。
【符号の説明】
【0062】
110 モータ
112 ケーブルプーリ
116 ウェブ
122 フェアリング
400 ウェブ組立体
402 減衰ブロック
404 モータケーシング
408 ブラケット
450 エンコーダ
452 可撓性継手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】