(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】高電圧と磁力を用いた大気圧状態でのプラズマカーテン発生装置及びこれを活用した中・低準位放射性廃棄物処理低真空焼却施設
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20241114BHJP
G21F 9/32 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H05H1/24
G21F9/32 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528449
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 KR2022017784
(87)【国際公開番号】W WO2023085861
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0154789
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104245
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524178218
【氏名又は名称】カン ホリム
(71)【出願人】
【識別番号】524176546
【氏名又は名称】カン インハン
(71)【出願人】
【識別番号】524176557
【氏名又は名称】カン ハエ
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン ホリム
(72)【発明者】
【氏名】カン インハン
(72)【発明者】
【氏名】カン ハエ
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA15
2G084AA18
2G084BB03
2G084BB31
2G084CC34
2G084DD12
2G084DD13
2G084DD63
2G084FF27
2G084FF28
2G084FF29
(57)【要約】
本明細書は、円筒型磁石、前記円筒型磁石の内部に配置された円筒型銅管、及び、前記円筒型銅管の中心軸に沿って配置された少なくとも1つの電極棒を含み、前記円筒型銅管と前記電極棒との間に高電圧を印加して大気圧状態で連続的にプラズマを発生させ、前記円筒型磁石は、前記円筒型銅管の内部の一定空間内に前記プラズマを維持させるための磁力を提供することを特徴とする、プラズマカーテン発生装置を開示する。前記プラズマカーテン発生装置は、生活廃棄物や産業廃棄物を処理する焼却施設あるいは中・低準位放射性廃棄物を処理する焼却施設から焼却による排気体が流入される煙突に設置され、排気体に含まれる汚染物質を低減するために利用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒型磁石と、
前記円筒型磁石の内部に配置された円筒型銅管と、
前記円筒型銅管の中心軸に沿って配置された少なくとも1つの電極棒と、
を含み、
前記円筒型銅管と前記電極棒との間に高電圧を印加して大気圧状態で連続的にプラズマを発生させ、前記円筒型磁石は、前記円筒型銅管内部の一定空間内に前記プラズマを維持させるための磁力を提供することを特徴とする、プラズマカーテン発生装置。
【請求項2】
前記円筒型銅管及び前記円筒型磁石との間に配列された第1の断熱層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項3】
さらに、前記円筒型銅管の内部面に配列された第2の断熱層を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項4】
前記電極棒は、耐熱性の非鉄金属で構成され、好ましくは炭素棒又はタングステン棒であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項5】
前記電極棒は、鉄心と鉄心を囲む断熱材で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項6】
さらに、前記円筒型銅管の中心軸を基準に等間隔に配列された複数の電極棒を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項7】
前記円筒型磁石は、
一定の間隔を置いて同じ極が互いに対向するように配列された複数のリング磁石と、前記複数のリング磁石を締結する固定構造物と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項8】
前記円筒型磁石は、
一定の間隔を置いて異なる極が互いに対向するように配列された複数のリング磁石と、前記複数のリング磁石を締結する固定構造物と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項9】
前記円筒型磁石は永久磁石又は電磁石であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項10】
前記プラズマカーテン発生装置は、焼却施設から排気体が流入される煙突に設置されて利用されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10に記載のプラズマカーテン発生装置を活用した中・低準位放射性廃棄物焼却施設であって、
低真空状態の室内空間内で中・低準位放射性汚染物質を搬送する搬送用コンベアが含まれた電磁石式搬送トレイ、及び、
中・低準位放射性汚染物質を焼却又は気化させる焼却設備、
を含み、
前記焼却設備は、前記プラズマカーテン発生装置を備えた第1の煙突につながったことを特徴とする、中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項12】
前記プラズマカーテン発生装置は、
中・低準位放射性汚染物質の焼却や気化完了時、空調機と真空ポンプを用いて前記焼却施設の室内空間を低真空状態まで到達させ、汚染された空気の外部への漏れを防止することを特徴とする、請求項11に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項13】
前記焼却施設の室内空間を囲む壁体、床及び天井は、
前記室内空間の低真空化による反り防止のための六角形の非鉄金属モジュール式構造物で形成されたことを特徴とする、請求項11に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項14】
前記第1の煙突につながった前記プラズマカーテン発生装置は、前記焼却施設の室内空間内に配置されたことを特徴とする、請求項11に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項15】
前記室内空間から空気が流入される第2の煙突に備えられた前記プラズマカーテン発生装置は、前記室内空間の天井を基準に外部に配置されることを特徴とする、請求項14に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気圧状態でプラズマを一定空間に生成及び維持することに関し、より詳しくは、高電圧と磁力を用いた一般大気圧状態でのプラズマカーテン発生装置及びこれを活用した中・低準位放射性廃棄物処理低真空焼却施設に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記載されている内容は、単に本開示に関する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
物質の状態は固体、液体、気体に分けることができるが、気体状態の物質にエネルギーを加えると原子や分子から電子が分離され、電子とイオンが存在するプラズマ状態となる。
【0004】
プラズマは、発生する圧力によって大気圧プラズマと低圧プラズマに分類される。また、プラズマを発生させる方法によって熱的プラズマ放電と非熱的プラズマ放電に分かれる。熱的プラズマはガスなどを用いて加熱してイオン化を行う方法であり、非熱的プラズマはガスの加熱は最小化し、電子を加熱してイオン化をさせる方法である。
【0005】
プラズマは、コロナ(Corona)、アーク(Arc)、グロー(Glow)、スパーク(Spark)放電などに分かれるが、プラズマ放電の基本となる高電圧の危険性と非常に瞬間的に発生する形態を示すことで一般的に扱いにくく危険であるという欠点があるが、現在低温プラズマの場合、半導体製造工程、オゾン生成、電気集塵分野で最も広く使用されている。また、熱プラズマは高温高強度新素材及び表面処理、特殊環境廃棄物処理及び再生可能エネルギー開発、原子炉及び核融合炉材料開発などに応用されている。
【0006】
一方、生活廃棄物と産業廃棄物を含む可燃性廃棄物の焼却処理は、焼却中に大気中に排出される汚染物質(粉塵、塩化水素、硫酸化物、窒素化合物、ダイオキシン、重金属など)に対する解決策が求められるが、まだ根本的に解決策が用意されていない。
【0007】
特に、中・低準位放射性廃棄物の場合でも、焼却処理は廃棄物の減容効果に優れるだけでなく、廃棄物を不活性あるいは、反応性の小さい「灰」形態に転換することで輸送と貯蔵過程で発生し得る危険を低減させるため、焼却後埋立方式が固体廃棄物処理方法として注目を集めている。可燃性廃棄物の焼却処理は多くの利点を有しているが、廃棄物を焼却する際に発生する排気体の中に放射性核種や放射性粒子が含まれるため、排気体を処理して放射性物質を除去しなければならないことが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1980876号(2019.05.15.登録)、「DBPプラズマ煤煙低減装置」
【0009】
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-0866328号(2008.10.27.登録)、「プラズマバーナー及び煤煙ろ過装置」
【0010】
【特許文献3】大韓民国登録特許第10-1582625号(2015.12.29.登録)、「プラズマを用いたディーゼルエンジンの窒素酸化物とピエム同時低減システム」
【0011】
【特許文献4】大韓民国登録特許第10-1562856号(2015.10.19.登録)、「プラズマトーチシステム、及びこれを用いた可燃性及び非可燃性生活廃棄物又は病院廃棄物一括処理方法」
【0012】
【特許文献5】大韓民国登録特許第10-0323352号(2002.01.23.登録)、「移動型三重水素除去装置」
【0013】
【特許文献6】大韓民国登録特許第10-1563199号(2015.10.20.登録)、「三重水素除去装置及び除去方法」
【0014】
【特許文献7】大韓民国登録特許第10-1478895号(2014.12.26登録)、「フェロシアンが固定された有機シリカの製造方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の一側面は、複雑な機械的装置や化石燃料などを必要とせず、簡単に高電圧と磁石の磁力のみを用いて大気圧状態で一定空間内に非常に強力で高温のプラズマを連続的に生成することができるプラズマカーテン発生装置を提供することに目的がある。
【0016】
本発明の他側面は、焼却処理中に大気中に拡散する各種汚染源を、プラズマカーテン発生装置によって形成されたプラズマカーテンに誘導して各種汚染源を減少させたり除去したりすることにその目的があり、中・低準位放射性廃棄物を部分的に除去しようとする目的もある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決するために、本明細書は、円筒型磁石、前記円筒型磁石の内部に配置された円筒型銅管、及び、前記円筒型銅管の中心軸に沿って配置された少なくとも1つの電極棒を含み、前記円筒型銅管と前記電極棒との間に高電圧を印加して大気圧状態で連続的にプラズマを発生させ、前記円筒型磁石は、前記円筒型銅管内部の一定空間内に前記プラズマを維持させるための磁力を提供することを特徴とする、プラズマカーテン発生装置を開示する。
【0018】
前記プラズマカーテン発生装置は、前記円筒型銅管及び前記円筒型磁石との間に配列された第1の断熱層を含み、さらに、前記円筒型銅管の内部面に配列された第2の断熱層を含む。
【0019】
一部の実施例で、前記電極棒は耐熱性の非鉄金属で構成され、好ましくは炭素棒又はタングステン棒である。別の実施例で、前記電極棒は鉄心と鉄心を囲む断熱材で構成される。
【0020】
前記プラズマカーテン発生装置は、さらに、前記円筒型銅管の中心軸を基準に等間隔に配列された複数の電極棒を含む。
【0021】
前記円筒型磁石は、一定の間隔を置いて同じ極が互いに対向するように、あるいは異なる極が互いに対向するように配列された、あるいは配列された複数のリング磁石と、前記複数のリング磁石を締結する固定構造物を含む。前記円筒型磁石は永久磁石又は電磁石である。
【0022】
前記プラズマの発生タイプは直流プラズマ又は交流プラズマである。したがって、前記円筒型銅管と前記電極棒との間に印加される高電圧は、DC電圧あるいはAC電圧である。
【0023】
前記プラズマカーテン発生装置は、生活廃棄物や産業廃棄物を処理する焼却施設、あるいは中・低準位放射性廃棄物を処理する焼却施設で、焼却による排気体が流入される煙突に設置され、排気体に含まれる汚染物質を低減するのに利用される。
【0024】
また、上述した課題を解決するために、本明細書は、前述したプラズマカーテン発生装置を活用した中・低準位放射性廃棄物焼却施設を開示する。中・低準位放射性廃棄物焼却施設は、低真空状態の室内空間内で中・低準位放射性汚染物質を搬送する搬送用コンベアが含まれた電磁石式搬送トレイ、及び中・低準位放射性汚染物質を焼却したり気化させたりする焼却設備を含み、前記焼却設備は、前記プラズマカーテン発生装置を備えた第1の煙突につながったことを特徴とする、中・低準位放射性廃棄物焼却施設を提供する。
【0025】
前記第1の煙突に備えられた前記プラズマカーテン発生装置は、中・低準位放射性汚染物質の焼却や気化完了時に空調機と真空ポンプを用いて前記焼却施設の室内空間を低真空状態まで到達させ、汚染された空気の外部漏れを防ぐことができる。
【0026】
前記焼却施設の室内空間を囲む壁体、床及び天井は、前記室内空間の低真空化による反り防止のための六角形の非鉄金属モジュール式構造物で形成される。
【0027】
前記第1の煙突につながった前記プラズマカーテン発生装置は、前記焼却施設の室内空間内に配置される。前記室内空間から空気が流入される第2の煙突に備えられた前記プラズマカーテン発生装置は、前記室内空間の天井を基準に外部に配置される。
【発明の効果】
【0028】
本明細書に開示されるプラズマカーテン発生装置は、局所的に発生するプラズマではなく、大気圧状態で調整可能な空間範囲内に強力で連続的なプラズマ、すなわちプラズマカーテンを生成させる。特に、プラズマの発生範囲と密接な関連がある、磁石の磁束密度とサイズ(内径、外径及び厚さ)、そして高電圧の強度を調整することにより、小さな空間範囲のプラズマから非常に大きな空間範囲のプラズマまで得ることができる。
【0029】
本明細書に開示されるプラズマカーテン発生装置は、電極棒と銅管に印加される高電圧とプラズマを一定空間に維持する強い磁場を提供する磁石を必要とし、他の種類の機械的装置や燃料なしで簡単に強力なプラズマカーテンを発生させることができる。また、機械的な構成が非常に簡単で故障などの発生がほとんどなく、故障時の付属品の交換も容易である。
【0030】
また、本明細書に開示された技術は、各種の有害なガスや多量の微細粉塵などが大気中に伝播される汚染源を源泉的に除去するに際してプラズマカーテンを用い、大気中に拡散する前に、又は特定空間に広がっている汚染源を容易に除去できる。特に、プラズマカーテン発生装置は、プラズマの発生範囲を調整しやすく、焼却施設に要求される様々な空間範囲の汚染源除去に適している。
【0031】
本明細書に開示された技術は、放射性廃棄物などの焼却や気化処理時に不完全燃焼と汚染物質などが外部に漏出される可能性がある各種の危害物質を強力なプラズマカーテンに誘導衝突させ、危険性の低い粒子に交差崩壊させるのに利用される。これは先行技術のように複雑な過程を経るのではなく、焼却と気化という非常に簡単な方法で処理できる特別に異なる差別性を備えており、特に焼却施設全体を低真空化することで放射性汚染源などの外部流出を完璧に遮断する効果があり、焼却過程後の固体残留物と気化されずに残る重い種類の液体放射性物質は、既存の処理方式によって永久処分場に運ばれると、放射性汚染源の廃棄物量を非常に小さい範囲に縮小させるようになるという非常に大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の部分断面斜視図である。
【
図2】
図2は、同じ極が互いに対向するように一対のリング磁石(ring magnets)が配列された例示的な磁石組立体の斜視図である。
【
図3】
図3は、異なる極が互いに対向するように一対のリング磁石が配列された例示的な磁石組立体の斜視図である。
【
図4】
図4は、異極配列で実験的に得られたプラズマカーテンの発生を示す実際の写真である。
【
図5】
図5は、同極配列で実験的に得られたプラズマカーテンの発生を示す実際の写真である。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の部分断面斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第3の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の部分断面斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第4の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の斜視図と部分断面斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第5の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の斜視図と部分断面斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一部の実施例に係る中・低準位放射性廃棄物処理のための例示的な低真空焼却施設を示す概念図である。
【
図11】
図11は、
図10の焼却施設に使用される放射性汚染物質が入った廃棄物ドラムを搬送する手段を例示する斜視図である。
【
図12】
図12は、
図10の焼却施設に使用される第1のプラズマカーテン発生装置が含まれた第1の煙突を例示する斜視図である。
【
図13】
図13は、
図10の焼却施設の第1の煙突と第2の煙突に使用されるプラズマカーテン発生装置の例示的な断面図である。
【
図15】
図15は、
図10の焼却施設に使用される非鉄金属からなる壁体を例示する概念図である。
【
図16】
図16は、壁体を構成する六角形モジュールの詳細な組み立て手順である。
【
図17】
図17は、
図10の焼却施設で中・低準位放射性廃棄物が処理される手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を用いて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面上に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。なお、本発明の実施例を説明するにあたり、関連される公知の構成又は機能に関する具体的な説明が実施例の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳しい説明は省く。
【0034】
本発明に係る実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、i)、ii)、a)、b)などの符号を使用する場合がある。このような符号は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その符号によって該当構成要素の本質又は順番や順序等が限定されない。明細書である部分がある構成要素を「含む」又は「備える」と言うとき、これは、明示的に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0035】
本明細書は、大気圧状態で一定空間内に非常に強力で高温のプラズマを連続的に生成することができるプラズマカーテン発生装置の様々な実施例が開示される。また、プラズマカーテン発生装置を焼却施設に適用する実際的な例を説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の部分断面斜視図である。
【0037】
プラズマカーテン発生装置は、円筒型磁石100と、円筒型磁石100の内部空間に配置された円筒型銅管300と、円筒型銅管300の中心軸に沿って配置された電極棒200と、を含む。
【0038】
プラズマカーテン発生装置は、円筒型銅管300と電極棒200との間に高電圧(例えば、数百ないし数千ボルト)を印加させて連続的なプラズマを発生させ、円筒型磁石100は磁力を発生させて円筒型銅管300内部の一定空間内にプラズマを維持させる。
【0039】
プラズマは荷電状態でみると負電荷の電子と正電荷のイオンで構成されており、これらは電磁場内では電気力と磁力の和であるローレンツ力(Lorentz force;「F=q(E+v*B)」と定義される)を受ける。したがって、無作為な熱運動によって拡散される荷電粒子は空間で磁力を受け、荷電粒子は回転運動をするようになり、このような回転運動は粒子が熱運動で広がるのを制御するようになって磁場下で荷電粒子が空間内に拘束される。
【0040】
電極棒200は炭素棒あるいはタングステン棒であってもよく、熱に耐える力が強く電気伝導度が高い、他の非鉄金属で作られても構わない。電極棒200は、固定構造物210によって円筒型磁石100と結合して円筒型銅管300の中心軸に沿って整列される。
【0041】
円筒型磁石100と電極棒200との間に介在する円筒型銅管300は、円筒型磁石100にプラズマが直接接触するのを遮断する。また、銅は円筒型磁石100の磁束の進行に妨げにならず高い電気伝導度を有し、かなり高い溶融点(約1084度)を有していることから、円筒型磁石100と電極棒200との間に介在される円筒型銅管300の材質として有用である。
【0042】
円筒型銅管300の介在なしに、円筒型磁石100と電極棒200に高電圧を印加しても、円筒型磁石100の内部空間に形成された磁界内にプラズマが発生することがあるが、円筒型磁石100に直接接触されるプラズマの高熱により、円筒型磁石100は特定の温度に達すると磁力を失うという問題がある。
【0043】
円筒型磁石100は、一対の磁石51、52が一定の間隔を置いて同じ極が互いに対向するように、あるいは異なる極が互いに対向するように構造物53に配列された構造である。これにより、銅管300内で磁石51、52の磁束が結合され、プラズマが生成される銅管300内に強い磁場を形成する。
【0044】
図2には、円筒型磁石100として利用される同じ磁極が互いに対向するように一対のリング磁石(ring magnets)51、52が配列された磁石組立体が例示されており、
図3には異なる極が互いに対向するように一対のリング磁石51、52が配列された磁石組立体が例示されている。
図2の磁石組立体で、リング磁石51とリング磁石52との間に斥力が作用して互いに押し出すため、リング磁石51、52を固定構造物53に締結してリング磁石51、52が一定の間隔(例えば、約10mm)を維持するように固定する。
図3の磁石組立体で、リング磁石51とリング磁石52との間に引力が作用して互いに引っ張るため、リング磁石51、52を固定構造物53に締結してリング磁石51、52が一定の間隔(例えば、約10mm)を維持するように固定した。
【0045】
このように、互いに離間された一対のリング磁石で構成された組立体は、単一のリング磁石を用いたり、2つのリング磁石が完全に密着して積層されたりする構造に比べ、組立体の中心軸に沿って形成された中空の円筒型空間で高い磁束密度を提供する。
【0046】
特に、
図2及び
図3の各下段に見られるシミュレートされた磁力線と磁束密度54、58を参照すると、
図2の同極配列S+Sに比べ、
図3の異極配列S+Nが組立体の中心軸に沿って形成された中空の円筒型空間で各リング磁石の磁束が結合してより強い磁束密度を示すことが分かる。したがって、
図3の異極配列S+Nがプラズマを一定の空間内に維持するのにより有利である。
【0047】
本発明者らは、リング磁石が異なる極が互いに対向するように配列された異極配列構造と同じ極が互いに対向するように配列された同極配列構造についてプラズマカーテン発生装置でのプラズマ発生を実験的に検証した。
図4は、異極配列で実験的に得られたプラズマカーテンの発生を示す実際の写真であり、
図5は、同極配列で実験的に得られたプラズマカーテンの発生を示す実際の写真である。
図5の実験では、S極が互いに対向する配列(すなわち、S+S配列)を使用した。
【0048】
異極配列構造で銅管と電極棒に高電圧を印加させたとき、
図4で猛烈に回転しながら明るい光のプラズマカーテン発生が見られた。また、同極配列構造で銅管と電極棒に高電圧を印加させた際、
図5で明るい光のプラズマカーテン75の発生が見られた。
【0049】
上の実験で、発明者らはガウスメーター(gauss meter)を用いて銅管内部で磁場を測定してみた。
図4の実験(異極配列)では銅管内部で37ガウスの磁場が測定され、
図5の実験(同極配列)では銅管内部で33ガウスの磁場が測定された。また、
図4と
図5と異なり、単一リング磁石を使用した実験では、銅管内部で6ガウスの磁場が測定された。結果的に、2つの磁石を離間配列した場合に、1つの磁石を使用した場合に比べ、非常に明確な磁束の増加が得られることが分かる。特に、異極配列がプラズマを一定の空間に維持し、回転力を提供するのにより適していることがわかる。
【0050】
図6は、本発明の第2の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の部分断面斜視図である。
図6を参照すると、円筒型磁石100と円筒型銅管300との間、そして円筒型銅管300の内部面側に断熱層220a、220bが配置されている。断熱層はセラミック素材で構成される。断熱層200aは、プラズマによって加熱された円筒型銅管300から熱が円筒型磁石100に伝達されるのを遮断する。断熱層200bは、円筒型銅管300が高温のプラズマと直接接触するのを防ぎ、円筒型銅管300が過度に加熱されるのを防ぐ。
【0051】
図7は、本発明の第3の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の部分断面斜視図である。
図7の実施例で、電極棒200の部分断面を参照すると、電極棒200は鉄心78と鉄心を囲む断熱材79とで構成されている。電極棒200内部の鉄心78は、円筒型磁石100によって円筒型銅管300の内部空間に形成される磁束を強化又は集中させる。
【0052】
図8は、本発明の第4の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の斜視図と部分断面斜視図である。
図8を参照すると、円筒型銅管300の左側開口部と右側開口部にそれぞれ炭素棒200a、200bが配置されている。このような構成で、炭素棒200a、200bそれぞれの末端付近にプラズマ層が形成され、したがって円筒型銅管内の空間に2つのプラズマカーテンが発生する。
【0053】
図9は、本発明の第5の実施例に係るプラズマカーテン発生装置の斜視図と部分断面斜視図である。
図9を参照すると、複数個(
図9では6つ)の電極棒200が固定構造物210によって円筒型銅管300の中心軸を基準に等間隔で配列されている。このような構造は、大きな内径を有する円筒型銅管300が使用される大容量のプラズマカーテン発生装置で、プラズマ発生に関与する電極棒200と円筒型銅管300との間の適切な距離を保証する。
【0054】
また、
図9で、円筒型磁石100は、DC電流あるいはAC電流が印加される電磁石で構成される。永久磁石は製作できるサイズに制約があるが、電磁石はサイズに特別な制約がなく、特に電磁石は磁力の増減と極性調節が容易であるため、様々な分野で要求される多様な容量のプラズマカーテン発生装置の製造に適している。
【0055】
以上の実施例では、プラズマカーテン発生装置を構成する銅管と磁石の外径と内径がすべて円筒型であり、銅管によって形成された中空の空間が円筒型で描写されているが、実施形態によってそれらは正方形を含む様々な形状を有し得ることを理解しなければならない。
【0056】
ここで、
図10ないし
図17を参照し、中・低準位放射性廃棄物処理のために上述したプラズマカーテン装置を活用する低真空焼却施設を参照して説明する。
【0057】
図10は、本発明の一部の実施例に係る中・低準位放射性廃棄物処理のための例示的な低真空焼却施設を示す概念図である。
【0058】
廃棄物ドラム1001は、放射性廃棄物が入っているドラムである。
【0059】
入口1002は、低真空施設の中で、廃棄物ドラム1001を搬送用コンベア1003に渡すための低真空閉鎖施設である。
【0060】
搬送用コンベア1003は、ドラム1001を焼却施設に搬送させる役割を果たす。
【0061】
焼却設備1004は、放射性廃棄物を焼却又は気化させる一種の燃焼装置である。
【0062】
第1の煙突1005は、それぞれプラズマカーテン発生装置を備えた4つの排出口を有する煙突である。
【0063】
出口1006は、入口1002と同様の搬送用コンベアの最後の段階である閉鎖施設である。
【0064】
空調機1007は空気調和装置であり、放射性廃棄物の焼却や気化時に発生する汚染された焼却施設内の空気をプラズマカーテンに誘導するためのものである。
【0065】
真空ポンプ1008は、焼却施設内の空気を強制的に排出させる役割を果たし、これは焼却施設内の低真空の維持にその目的がある。
【0066】
第2の煙突1009はプラズマカーテン発生装置を備えた煙突である。
【0067】
第2のプラズマカーテン1011は、最後のプラズマカーテンであり、焼却施設内に残るようになるか、もしかしたらあるかもしれない放射性汚染源をもう一度ろ過するプラズマカーテンが含まれており、低真空施設を誘導する最後の施設であると同時に空調機、真空ポンプのように一組をなす。
【0068】
室内1012は、床、壁体1013、天井1010で囲まれた焼却施設の内部空間全体を意味する。これは、焼却施設全体が低真空の状態を意味し、一般大気圧よりも圧力が低い状態であるため、焼却施設内の放射性汚染源が外部に流出されるのを防げる。
【0069】
廃棄物ドラム1001が入口1002に到着すると、焼却施設外部と同じ気圧を有するようになり、このとき室内1012である焼却施設全体は閉鎖されて低真空を維持するようになり、搬送用コンベア1003に廃棄物ドラムが移動する前の入口1002である入口が、閉鎖が完了されるようになり、焼却設備1004に放射性廃棄物が到着、焼却や気化が始まると第1の煙突1005の第1のプラズマカーテンが作動するようになり、焼却や気化が完了された廃棄物ドラム1001は出口1006に排出されるようになる。
【0070】
特に、放射性汚染源の焼却や気化時に発生する汚染源を第1の煙突1005の第1のプラズマカーテン発生装置で除去したとしても、焼却施設に残留する気体汚染源を空調機1007と真空ポンプ1008を用いて第2の煙突1007の第2のプラズマカーテン発生装置1011に誘導し、焼却施設室内に残存するかもしれない放射性汚染源をもう一度除去することで、最終的に放射性物質の外部流出を予め防止することができる。
【0071】
そして、第1の煙突1005の第1のプラズマカーテン発生装置は天井1010の下に設置されるが、第2のプラズマカーテン発生装置1011は天井1010の外部に設置される。これは、室内に存在するかもしれない放射性汚染源の浄化目的以外にも焼却施設全体を低真空に維持させるところにも利用される。
【0072】
また、プラズマカーテン側、すなわち第1の煙突1005と天井1010と第2のプラズマカーテン1011の部分には鉄を使用してはならない。その理由はプラズマカーテンを含むので、これは非常に強力な磁場を必要とする施設であるからである。特に天井1010は、磁力が働く性質の物質は使用を禁じなければならない。
【0073】
一方、六角形モジュールの壁体1013は、低真空力を耐えるためのものである。この六角形のモジュール式壁体は、壁面、床、天井のすべてに施工して焼却施設の低真空圧力に耐えなければならない。
【0074】
図11は、
図10の焼却施設に使用される放射性汚染物質の入った廃棄物ドラムを搬送する手段を例示する斜視図である。核心的な構成要素は搬送用コンベア1014と電磁石式トレイ1015であり、電磁石式トレイ1015は廃棄物ドラムを磁力で強く引き留めて放射性汚染物質が含まれたドラムが移動中に離脱することなどを防止し、目的地まで安全に移動させる手段である。
【0075】
搬送用コンベア1014は上下に動くことができ、廃棄物ドラム1001を外部から焼却施設の内側に移動させる役割を果たすことになり、焼却施設内部に安全に移動させ、また、焼却や気化が完了された廃棄物ドラムを出口1006まで安全に移動させる装置である。
【0076】
図12は、
図10の焼却施設に使用される第1のプラズマカーテン発生装置が備えられた第1の煙突1005を例示する斜視図である。第1の煙突1005に備えられた4つのプラズマカーテン装置1017は、焼却が進行される過程でプラズマカーテン発生装置1017の故障など特異状況が発生される状況を考慮したものであり、特に、焼却を長時間進行することにおいて、プラズマカーテン発生装置1017を1つ又は2つずつ交互に運転するためのものである。そして、
図12の焼却設備1019は必ず完全に密閉される構造でなければならず、空気注入口を別途設置して酸素供給を円滑にしなければならない。
【0077】
図13は、
図10の焼却施設の第1の煙突1005と第2の煙突1009に使用されるプラズマカーテン発生装置1017の例示的な断面図である。ここで、プラズマカーテン発生装置は、前述した様々な実施例の1つあるいはそれらの組み合わせによって具現される。
【0078】
蓋1021は、油圧シリンダ1020が含まれた蓋であり、これは焼却施設内の低真空維持のために使用される。放射性汚染物質のうちの気体の外部流出を遮断する役割と焼却施設内に何らかの問題点が発生したら直ちに閉鎖するようになり、磁石1022はプラズマカーテンの構造物のうちの1つで、プラズマを引き留める役割を果たすようになり、高電圧印加装置1023は電極棒など非鉄金属1023_1と銅管1023_2を含み、超高温セラミック1024はプラズマ発生時に発生する熱が磁石側に移動するのを遮断するとともにプラズマカーテン装置を1つのシステムとして作ることができる胴体になる。
【0079】
特徴的には、焼却完了段階で
図12の煙突本体1018と、
図13の蓋1021とが互いにくっ付いて空気の流入を遮断して焼却施設全体の低真空状態を維持させる設備である。したがって、プラズマカーテン発生装置1017は、空調機1007及び真空ポンプ1008と共に焼却施設全体の低真空状態維持に寄与する。
【0080】
これにより、焼却や加熱後の放射性汚染物質が包含されたドラムを外に抽出した後、空調機1007と真空ポンプ1008を活用して焼却施設内に残存しているかもしれない室内汚染源を第2のプラズマカーテン1011に誘導して焼却施設内の残存汚染源除去後、
図13の油圧シリンダ1020のロック装置の役割により、最終的な汚染源浄化と焼却施設閉鎖が完了する。
【0081】
図14は、
図10の焼却施設に使用される第2の煙突1009を例示する斜視図である。
図10、
図14の天井1010を中心に
図10の第1の煙突1005の第1のプラズマカーテンが天井の下に位置するのに比べ、
図10の第2の煙突1009に備えられた第2のプラズマカーテン1011は天井の外部に設置されている。
図10の第1の煙突1005のプラズマカーテンは、搬送用コンベアで運送された放射性廃棄物が焼却又は気化されたときに発生する各種放射性汚染源を分解する純機能を有し、特に
図10の第2のプラズマカーテン1011は焼却施設の外部に設置されており、空調機と真空ポンプから煙突に送られた空気を低真空が完了されるまで各種汚染源を除去する役割を果たすようになり、低真空が完了すると
図12の煙突本体1018と、
図13の蓋1021が完全に密着するようにする。これは、焼却施設内の最終的汚染源の除去と低真空状態の維持にその目的があり、
図13の油圧シリンダ1020、すなわちロック装置が最後の役割を果たすことになる。
【0082】
図15は、
図10の焼却施設に使用される非鉄金属からなる壁体1027、1029を例示する概念図である。非鉄金属にする理由はプラズマカーテンを発生させるためには多量の磁力が必要であるが、鉄が含まれた壁体施設は磁場集中に妨げとなる要素であるためであり、このために
図15で、コンクリート1025は六角形形態の非鉄金属モジュール1028の中を充填し、柱1026も非鉄金属からなる。このように六角形の非鉄金属モジュールとコンクリートを1つのシステムにまとめて焼却施設全体を低真空化する壁体や床として活用すれば、焼却施設全体を低真空化させることができ、これは焼却又は加熱時に発生する各種放射性汚染源の空気を通じた外部への流出を防止できるようになる。
【0083】
図16は、壁体を構成する六角形モジュールの詳細な組み立て手順である。
図16を参照すると、六角形非鉄金属1030上に幅の薄い非鉄金属1031を溶接し、次いで非鉄金属1031上に広い非鉄金属1032を再び溶接する。その上に広い非鉄金属1032上に再び非鉄金属1033を当接して溶接する方式で焼却施設の壁体が完成される。このように壁体や屋根、床などを構成、完成するようになると、焼却施設内の低真空作動時に壁などの焼却施設内部の反り現象を防止することになる。
【0084】
図17は、
図10の焼却施設で中・低準位放射性廃棄物が処理される手順を示すフローチャートである。
【0085】
図17を参照すると、前述したように中・低準位放射性廃棄物処理焼却施設は、放射性廃棄物等の焼却や気化処理時に不完全燃焼と汚染物質等が外部に漏洩する可能性がある各種の危害要因を人為的に強力なプラズマカーテンに衝突させてプラズマとともに交差崩壊させるように構成される。したがって、焼却と気化という非常に簡単な方法で処理できる特別に異なる差別性を備えており、特に焼却施設全体を低真空化させることで放射性汚染源などの外部流出を完璧に遮断する効果がある。
【0086】
また、焼却過程後の固体残留物と気化されずに残る重い種類の液体放射性物質は、既存の処理方式によって永久処分場に運搬されるようになると放射性汚染源の廃棄物量を非常に小さい範囲に縮小できるようになるという非常に大きな利点がある。
【0087】
本明細書に提示される技術の産業的有用性を要約すると次の通りである。本発明は、ゴミ焼却施設や工場等から排出される汚染源による大気汚染源等をプラズマカーテンに誘導して大気中に拡散される汚染物質等を未然に除去することができる。特に、放射性廃棄物を低真空焼却施設で焼却又は気化させることによって発生する気体状態の放射性汚染物質をプラズマカーテンに強制誘導して汚染物質を部分的に交差崩壊させることで、放射性廃棄物の処理に考慮される焼却方式の障害要因を減らすことができる。
【0088】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0089】
[CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATION]
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2021年11月11日付にて韓国に出願した特許出願番号第10-2021-0154789号及び2022年08月19日付にて韓国に出願した特許出願番号第10-2022-0104245号に対して優先権を主張する。
【符号の説明】
【0090】
100 円筒型磁石 200 電極棒
300 銅管 1001 廃棄物ドラム
1002 低真空焼却施設に含まれる入口
1003 搬送用コンベア 1004 焼却設備
1005 第1の煙突 1006 出口
1007 空調機 1008 真空ポンプ
1009 第2の煙突 1010 天井
1011 第2のプラズマカーテン 1012 室内
1013 六角形モジュール式の壁体
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒型磁石と、
前記円筒型磁石の内部に配置された円筒型銅管と、
前記円筒型銅管の中心軸に沿って配置された少なくとも1つの電極棒と、
を含み、
前記円筒型銅管と前記電極棒との間に高電圧を印加して大気圧状態で連続的にプラズマを発生させ、前記円筒型磁石は、前記円筒型銅管内部の一定空間内に前記プラズマを維持させるための磁力を提供することを特徴とする、プラズマカーテン発生装置。
【請求項2】
前記円筒型銅管及び前記円筒型磁石との間に配列された第1の断熱層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項3】
さらに、前記円筒型銅管の内部面に配列された第2の断熱層を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項4】
前記電極棒は、耐熱性の非鉄金属で構成さ
れることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項5】
前記電極棒は、鉄心と鉄心を囲む断熱材で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項6】
さらに、前記円筒型銅管の中心軸を基準に等間隔に配列された複数の電極棒を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項7】
前記円筒型磁石は、
一定の間隔を置いて同じ極が互いに対向するように配列された複数のリング磁石と、前記複数のリング磁石を締結する固定構造物と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項8】
前記円筒型磁石は、
一定の間隔を置いて異なる極が互いに対向するように配列された複数のリング磁石と、前記複数のリング磁石を締結する固定構造物と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項9】
前記円筒型磁石は永久磁石又は電磁石であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項10】
前記プラズマカーテン発生装置は、焼却施設から排気体が流入される煙突に設置されて利用されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマカーテン発生装置。
【請求項11】
請求項1
から請求項10
のいずれか一項に記載のプラズマカーテン発生装置を活用した中・低準位放射性廃棄物焼却施設であって、
低真空状態の室内空間内で中・低準位放射性汚染物質を搬送する搬送用コンベアが含まれた電磁石式搬送トレイ、及び、
中・低準位放射性汚染物質を焼却又は気化させる焼却設備、
を含み、
前記焼却設備は、前記プラズマカーテン発生装置を備えた第1の煙突につながったことを特徴とする、中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項12】
前記プラズマカーテン発生装置は、
中・低準位放射性汚染物質の焼却や気化完了時、空調機と真空ポンプを用いて前記焼却施設の室内空間を低真空状態まで到達させ、汚染された空気の外部への漏れを防止することを特徴とする、請求項11に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項13】
前記焼却施設の室内空間を囲む壁体、床及び天井は、
前記室内空間の低真空化による反り防止のための六角形の非鉄金属モジュール式構造物で形成されたことを特徴とする、請求項11に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項14】
前記第1の煙突につながった前記プラズマカーテン発生装置は、前記焼却施設の室内空間内に配置されたことを特徴とする、請求項11に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【請求項15】
前記室内空間から空気が流入される第2の煙突に備えられた前記プラズマカーテン発生装置は、前記室内空間の天井を基準に外部に配置されることを特徴とする、請求項14に記載の中・低準位放射性廃棄物焼却施設。
【国際調査報告】